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大分県 大分市

平成20年第1回定例会(第4号 3月14日)




平成20年第1回定例会(第4号 3月14日)





 
第1回大分市議会定例会会議録 (第4号)


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平成20年3月14日


   午前10時0分開議


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出席議員


  1番    二宮純一


  2番    挾間正


  3番    小手川恵


  4番    廣次忠彦


  5番    福間健治


  6番    大久保八太


  7番    宮邉和弘


  8番    井上香龍


  9番    ?野博幸


 10番    安東房吉


 11番    篠田良行


 12番    日小田良二


 13番    指原健一


 14番    桐井寿郎


 15番    田?潤


 16番    矢野久


 17番    下村淳一


 18番    二宮博


 19番    藤田敬治


 21番    安部剛祐


 22番    野尻哲雄


 23番    永松弘基


 24番    板倉永紀


 25番    足立義弘


 26番    仲道俊寿


 27番    三浦由紀


 28番    河越康秀


 29番    長田教雄


 30番    秦野恭義


 31番    阿部剛四郎


 32番    田島八日


 33番    福崎智幸


 34番    衛藤良憲


 35番    小嶋秀行


 36番    井手口良一


 37番    荻本正直


 38番    徳丸修


 39番    河内正直


 40番    後藤淳夫


 41番    高橋弘巳


 42番    藤沢達夫


 43番    今山裕之


 44番    吉岡美智子


 45番    衞藤三男


 46番    渡部義美


 47番    油布忠


 48番    後藤一裕


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欠席議員


 20番    工藤哲弘


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出席した事務局職員


 局長      宮脇邦文


 次長      安東泰延


 次長兼総務課長 久長修治


 次長兼議事課長 指原正廣


 議事課長補佐  後藤陸夫


 政策調査室長  房前賢


 議事記録係長  中村義成


 主査      明石文雄


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説明のため出席した者の職氏名


 市長  釘宮磐


 副市長  磯?賢治


 副市長  久渡晃


 教育長  足立一馬


 水道事業管理者  渕野善之


 消防局長  関貞征


 総務部長  衛藤嘉幸


 総務部参事兼総務課長  井上英明


 総務部参事兼契約監理課長  安東清


 企画部長  秦忠士


 国体推進部長  田仲均


 財務部長  城内健


 市民部長  安部信孝


 市民部参事兼鶴崎支所長  三浦能成


 市民部参事兼稙田支所長  小林知典


 福祉保健部長  阿部俊作


 福祉保健部参事兼福祉事務所所長  神矢壽久


 福祉保健部参事兼大分市保健所所長  井原誠


 環境部長  児玉一展


 商工部長  吉田元


 農政部長  佐藤日出美


 土木建築部長  田邊信二郎


 都市計画部長  中尾啓治


 都市計画部参事兼駅周辺総合整備課長  木崎康雄


 下水道部長  大山?久


 会計管理者  藤田茂利


 教育委員会教育総務部長  三股彬


 教育委員会学校教育部長  豊田正 孝


 水道局管理部長  林光典


 市長室長  日小田順一


 財政課長  佐藤耕三


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  議  事  日  程  第4号


    平成20年3月14日午前10時開議


第1 代表質問


    日本共産党


    おおいた市政クラブ


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  本日の会議に付した事件


日程第1 代表質問


      日本共産党


      おおいた市政クラブ


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○議長(三浦由紀) これより会議を開きます。


          午前10時0分開議


○議長(三浦由紀) 本日の議事は、お手元に配布の議事日程第4号により行います。


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◎日程第1 代表質問


        日本共産党


        おおいた市政クラブ





○議長(三浦由紀) 日程第1、昨日に引き続き代表質問を行います。


 最初に、日本共産党代表。6番、大久保議員。


○6番(日本共産党 大久保八太)(登壇)(拍手) 皆さん、おはようございます。6番、日本共産党の大久保八太でございます。


 私は、日本共産党を代表して質問をいたします。


 最初に、市長の基本姿勢についてであります。


 今、お年寄りの方は年金が減らされ、住民税の増税、医療や介護保険の負担がふえているのに、この4月から実施予定の後期高齢者医療制度の話を聞いて、これ以上医療費の負担をふやしてこの先どうやって生活をせよというのか、年寄りは死ねというのかなどの声が数多く寄せられています。若者はワーキングプアと言われるように低賃金で働き、ネットカフェ難民という状況に置かれ、希望さえなくしています。中小企業や自営業者、漁民の皆さんは、ガソリンや軽油などの高騰で経営が成り立たなくなっています。


 農家の現状はどうでしょう。生産者米価は4割近く下落し、2006年度の米価は1俵当たり平均1万4,826円まで落ち込みました。この米価で得られる農家の1時間当たりの労働報酬は、大分県の最低賃金の約4割、わずか256円にすぎません。ほとんどの農家が米づくりを続けられなくなる、がけっ縁まで追い込まれています。貧困と格差の拡大が生まれ、あらゆる分野の国民が厳しい生活を強いられています。


 どうしてこのような状況になったのでしょうか。それは、自民党、公明党の政治が、構造改革の名のもとに、国民には社会保障を切り捨てると同時に増税を押しつけ、一方では、米軍基地再編には3兆円、米軍の思いやり予算、毎年2,000億円を超してなど、アメリカ言いなり、財界、大企業には大幅な減税で、大企業中心主義の政治を進めてきた結果であります。


 我が党は、国民、市民との共同を広げて、アメリカ言いなり、大企業中心の政治を根本から改革する以外にこの行き詰まった政治を打開する道はないと考えます。そのために全力を尽くすものであります。


 今、地方自治体に求められているのは、自公政治の悪政から市民の暮らしを守る防波堤となることです。地方自治体本来の姿は、住民の安全と健康、福祉を守ることにあります。こうした市民の状況をどのように認識をしているのか。市長は、市政執行する上で地方自治体本来のあり方に立つべきと考えますが、見解をただします。


 市長の基本姿勢の第2は、行政改革についてであります。


 現在、大分市は平成20年度から平成24年度までの行政改革推進プランの素案をつくり、昨年の12月7日に全員協議会で意見を聞き、行政改革推進市民委員会などを開き、3月25日の全員協議会で改めて説明をして決定すると聞いています。


 平成15年度から平成19年度までの4年間の行政改革では、当初目標額を大きく上回る約196億円の効果実績を上げ、最終的には約280億円の改善効果額に達する見込みと言っています。しかしながら、これまでの行政改革には、地域の圧倒的多数の人が反対する幼稚園の廃園を強行したり、お年寄りが楽しみにしていた敬老年金を大幅に削減してきました。また、市職員給与や手当の見直しを行い、市民と市職員の犠牲がかなりの部分を占めており、これ以上犠牲を押しつけることは許されません。


 常勤特別職の退職金の大幅な削減、東京事務所の廃止、同和行政の終結、大工場地区の固定資産税の評価の見直しなど、今こそ市民の目線で民主的な行政改革を実行すべきだと考えます。見解をただします。


 道路特定財源の最大の問題点は、ガソリン税など自動車関係の税金が道路建設にしか使えないというこのシステムが、無駄な道路づくりの自動装置になっていることにあります。さらに、暫定税率と称して税率を上乗せしてきたことは、無駄な道路づくりを加速してきました。


 政府は、今後10年間で59兆円を使う道路中期計画の策定を進めています。国民生活に本当に必要な道路の計画を積み上げるのではなく、初めに59兆円を使い切ることを決める総額先にありきという方式は、それ自体が無駄な道路づくりをやみくもに進める方式にほかなりません。実際その内容を見ると、全国各所で拠点空港や港湾から10分以内で高速道路に接続する道路をつくるなど、不要不急の道路計画が満載されています。政府が暫定税率を含めて年間5.6兆円に及ぶ道路特定財源をさらに10年間延長することに固執している理由は、59兆円という道路中期計画にそのお金を使い切ることにあります。


 我が党は、道路特定財源をやめて一般財源化し、道路だけでなく、福祉や教育、暮らしにも自由に使えるようにすべきと考えます。また、暫定税率を廃止することを要求するものです。道路中期計画を撤回し、道路は国民生活から見て必要不可欠で緊急性の高いものをよく吟味し、絞って整備すべきと考えます。


 今、国民の熱い問題である道路特定財源について、市長の基本的な考えを聞きたいのであります。


 また、今後10年間で59兆円を使う道路中期計画の中に豊予海峡ルートが入っているが、これについては、我が党が国会で繰り返し中止の要求をしてきました。去る3月12日の衆議院の国土交通委員会で穀田議員が取り上げ、冬柴国土交通大臣が調査を中止すると答弁しました。


 引き続き市長は、豊予海峡ルートを中止するよう国に要求したらどうか、質問をいたします。


 次に、予算案についてであります。


 2008年度国の予算は、福田首相が、生活者、消費者が主役と強調しました。しかし、それが全く偽りであることを示しています。総選挙を意識した措置も若干盛り込まれていますが、生活者が主役というものではありません。社会保障費の自然増2,200億円を抑制するなど、暮らしに冷たい構造改革路線に固執しています。しかも、道路特定財源や大企業優遇税制、軍事費など、本来メスを入れるべき聖域には全くメスが入っていません。


 そして、地方財政計画を見ますと、小泉構造改革路線、特に2006年度の骨太方針の歳出歳入一律改革による地方財政の抑制路線はしっかり基本として踏襲しつつ、若干の手直しをして、地方再生対策費4,000億円の創設を施しています。結果、実質的な地方交付税が約4,000億円増額になっています。


 さて、平成20年度大分市一般会計予算についてであります。


 一般会計は1,507億400万円で、これは平成19年度6月補正後の予算との比較では0.9%減となっており、厳しい予算となっています。市長は、提案理由説明で「事業の優先度や費用対効果等を勘案しながら、福祉、環境、教育など市民生活に密着した分野について効率的、重点的な財源配分に努めた」と言っていますが、市民生活に密着した分野に重点的な財源配分とは考えられない予算となっております。


 まず、歳入についてであります。


 第1に、市税は805億5,192万5,000円で、対前年比100.3%の若干の伸びとなっていますが、定率減税や老齢者控除などの廃止前の平成17年度と比較しますと、約95億円ふえています。市民税を見ると、個人が、平成20年度が225億円に対し、平成17年度160億円となっており、約65億円の増となっています。その主なものは、定率減税の廃止や老齢者控除の廃止など約33億円、市民に増税となっています。さらに、固定資産税は、企業の償却資産税は若干ふえていますが、土地は、平成17年度対比で約4億6,000万円、市民に増税となっています。


 第2に、地方再生対策費の創設によって、大分市は4億6,000万円歳入が見込まれるものの、普通交付税全体では約3億6,000万円減額になっており、厳しい財政に拍車をかけています。


 第3に、繰入金は41億2,661万6,000円となっており、19年度よりは減っているものの、大幅な基金の取り壊しであります。


 第4に、市内の3、4号地の土地の評価については、40メーター道路1つ隔てた隣接する住宅地より約3分の1安く評価しています。適正に引き上げるならば、年間約40億円の税収増になります。


 以上見てきたように、歳入については、国からの財源は減らされ、その分を市民に増税で市民犠牲を強いり、そして多額な基金の取り壊しで予算編成をしています。歳入について、3、4号地の土地の評価を適正に引き上げ、貴重な財源を確保すべきであります。見解をただします。


 次に、歳出を見ますと問題点が幾つか出ています。


 第1に、はり、きゅう、マッサージは、お年寄りの医療の治療費を大幅に削減しました。また、民生費の当初予算額に占める構成比は30.5%、対前年比よりほんのわずか伸びています。しかし、九州各県都の状況を見ますと、宮崎市が34%、熊本市が35.1%、鹿児島市が34.7%、長崎市に至っては41.3%となっており、大分市が極端に少ないのであります。市長の政治家となる原点は福祉だと聞いていますが、それが生かされていないと考えられます。


 第2に、駅南区画整理事業や街路事業などの大型事業については、最小限度に縮減する見直しをすべきであります。


 第3に、大企業に対して企業立地促進助成金11億5,063万8,000円については、費用対効果は疑問です。経済力のある大企業には助成金は廃止すべきです。


 第4に、県工事負担金については、総点検をし、見直す時期に来ていると考えます。特に、1号、2号地など新産都で埋め立てた土地は大企業の土地であり、その護岸の補強について県工事負担金を出すのは理由が成り立ちません。即刻中止すべきであります。


 平成20年度予算は、国からの地方交付税は年々減らされ財政が厳しい状況を、市民には増税と市職員の労働条件を改悪し、市民と市職員を犠牲にして乗り越えようとしています。特に大企業を優遇し、温存することは許されません。


 我が党は、地方自治の原点である福祉の増進を図る、この基本的立場に立つ必要があります。平成20年度予算については、福祉や暮らし重点の予算に組み替えるべきだと考えます。見解をただします。


 次に、市民福祉についてであります。


 まず、後期高齢者医療制度についてであります。


 ことし4月1日からの後期高齢者医療制度の実施が目前となってきました。しかし、制度の内容が明らかになるにつれ、うば捨て山はごめんだとの怒りの声が渦巻いています。そして、制度は見直し、撤回、中止を求める地方自治体からの意見書や決議は512以上、全地方自治体の27.5%を超えています。また、国会には、350万人を超える怒りの署名が続々と届けられています。


 なぜなら、この制度は、1、新たな保険料負担と年金天引き、2、定額制の導入など、年齢による差別医療の拡大、資格証明書の発行や給付の差しとめなどの、現行制度にはなかった制裁措置、努力の義務にされた特定健診、特定保健指導の後退の懸念など、国民負担増と医療内容悪化の懸念があるからです。


 この背景には医療費抑制の構造改革路線があります。社会保険被扶養者の保険料を半年凍結、半年9割減額などの見直しでよしとできるものではありません。関係者への周知も不十分です。


 また、野党4党は廃止法案を提出しており、性急な4月1日からの実施は中止し、抜本的見直しを行うように国に強く要求すべきであります。見解をただします。


 次に、国保税率の改定についてです。


 今議会には、2008年4月1日から、国民健康保険財政の赤字解消を理由に大分市国民健康保険条例の一部改正などが提案されています。これは、1、国保医療分の引き下げ、最高限度額47万円に、2、介護納付金課税額を平均9.3%の引き下げ、3、後期高齢者医療実施に伴う支援金の創設で、1人当たり年約1万9,500円が国保税に上乗せ徴収、最高限度額12万円にするなどを柱としたものになっています。


 市は、国保医療分、介護分に合計3億円の繰り入れをするとしていますが、それでも国保税は、40歳以上の年収約200万円のひとり暮らしでは、年8,200円の負担増となります。市民からは、今でもやっとの思いで納付しているのに、これ以上国保税が値上げされればもう払えません、国保税の値上げはやめてほしいなど、悲鳴の声が上がっています。


 被保険者への負担増は限界に来ています。国保税の値上げは、今でも厳しい市民生活を直撃し、家計を圧迫するものです。一般会計からの繰り入れをふやすなどして、国保税値上げは中止すべきです。見解をただします。


 次に、子育て支援施策について質問いたします。


 子供は未来の宝、次の世代を担う子供たちがたくましく成長するためには、何よりも優先して施策を行うことではないでしょうか。子育て真っ最中の親の一番の要求の1つは、何といっても子供の医療費を無料にすることです。多くの人たちの切実な要求の声に押されて全国的に年々拡大されています。進んだところでは、既に中学校3年まで子供の医療費が無料化されています。大分市でも子供の医療費無料化の大幅な拡大を要求しますが、見解をただします。


 子育て支援の2点目に、保育所の問題についてであります。


 人間形成をはぐくむ保育所の充実、改善の重要性は言うまでもありません。保育所の待機児童数は平成19年10月現在で64人となっており、過去5年間と比較して余り変化はありません。また、多くの保育に欠ける児童が認可外保育所に通っているのが実情です。安心して共働きができる環境を願う市民の要求として、公立の保育所、認可保育所の増設が急がれます。


 今、一部に経費節減を理由に保育所を民間委託へとの意見がありますが、これは、地方自治体を民間経営論の立場に立つ考えであり、地方自治体の立場を投げ捨てる姿勢であると指摘せざるを得ません。


 公立の保育所、認可保育所を増設すること、また、認可外の保育所に対して大幅な助成をすること、以上2点について質問をいたします。


 次に、雇用対策について質問いたします。


 この間、派遣最大手のグッドウィルに事業停止処分が下されました。港湾建設など禁止されている業務への違法派遣、二重派遣、偽装請負など派遣労働の違法の実態が明るみに出されました。労働者派遣法の相次ぐ規制緩和によって派遣労働者は321万人に急増し、そのうち234万人は、派遣会社に登録しておき、仕事があるときだけ雇用する登録型派遣という極めて不安定な状態に置かれています。


 派遣労働者の苦しみは、一生懸命働いても年収200万円以下という異常な低賃金。その上に、社会保険に入れない、残業代がない、「派遣君」と名前では呼ばれないなど、人間の尊厳を踏みにじられる差別を受け、物のように使い捨てにされています。若者が希望を持てる雇用を、そのために、労働者派遣法の抜本的改正をするよう国に強く要求すべきです。市長の見解をただします。


 次に、大分市が県と一体となって誘致した大分キヤノン株式会社大分事業所と大分キヤノンマテリアル株式会社大分事業所には、大分市は、平成17年9月に5億円、平成18年8月に5億円助成金を出し、大分キヤノンマテリアル株式会社大分事業所に平成19年度5億円出す予定となっており、総額15億円助成しています。その上に、道路や上水道、公共下水道などのインフラ整備に約10億1,000万円かかっていると聞いています。


 県と市が多額の投資をした会社が、全国的に雇用の問題や造成工事をめぐって、キヤノンと県、鹿島建設をめぐる疑惑が浮上しています。県内のキヤノン系会社では、総従業員約1万680人のうち非正規雇用者約7,170人となっており、約7割近くが非正規労働者であり、このことは異常と言わなければなりません。大企業が来れば税収がふえる、雇用がふえると大宣伝しながら、実際の波及効果は大きな疑問であります。


 大分市は、誘致した責任において、キヤノン株式会社に対して正規雇用を大幅にふやすよう要求すべきであります。また、新産都進出大企業にもこの点を要求すべきです。市長の見解をただします。


 さて、我が大分市の雇用問題はどうなっているか。今回は、特に重要な職場である保育現場に限っての問題です。


 保育所の保育士に臨時保育士が多いことは問題です。さきにも述べましたが、保育所は人をはぐくむ、人間形成をする重要な職場です。保育所の臨時保育士数を調べてみると、平成17年度保育士数の定数148人に対して臨時が45人、平成18年度定数148人に対して臨時43人、平成19年度定数148人に対し臨時が45人、約3割を超す人が臨時保育士であり、このことは保育行政が正常とは言えない状態だと考えられます。下郡保育所は、正規保育士が12人で臨時は5人と、臨時が4割を超える状況です。このようなところが、裏川、金池保育所などであります。


 そこで、質問をしますが、保育士は正規職員を大幅に増員すべきではないか、保育現場のサービス残業解消についてどのように対応しているのか、あわせて質問をいたします。


 次に、中小企業対策について質問いたします。


 中小企業は日本の事業所の99%を占め、まさに日本の産業、経済を支えています。ところが今、一部大企業は史上空前の利益を上げながら、中小零細業者は厳しい経営を余儀なくされています。市の公共工事を地元業者に優先して発注するようにすべきと考えます。


 私は、地元中小業者の仕事を確保するために次のことを提案をいたします。


 第1に、住宅リフォーム費用の10%、上限10万円で、市内の業者に発注した場合のみ補助する制度をつくったらどうかという問題です。この制度で全国の例を見ますと、20倍、30倍の経済波及効果があると思われます。


 第2に、地元業者で小規模な工事、修繕の施工を希望する者を登録し、市が発注する小規模工事の受注機会を拡大し、地域経済の活性化を図るため、小規模修繕工事希望発注制度を創設してはどうか。既に全国的には500を超す自治体で実施していますし、県内でも中津市や日田市で行っています。


 第3に、大企業への助成金はやめて、中小企業、自営業者の雇用促進などの支援を強める考えはないか。


 以上3点について質問をいたします。


 次に、農業と食料の危機の問題です。


 中国産ギョーザの農薬混入問題はいまだに原因がわからず、国民の多くが不安と疑念を抱いています。改めて、国内での食の安全、安心の重要性が再認識されました。今こそ、安全、安心の農作物を消費者に提供することは政治の責任です。


 大分市の農家戸数、農業就業人口は年々減少し、総人口に占める農業就業人口の構成比も、平成2年の1.8%から平成17年には1.0%に低下し、この15年間に約3,000人の農業就業者が減少しています。日本の食料自給率は世界でも異常な低さの39%にまで低下しました。日本農業の立て直しは、農家経営のみならず、国民の安全な食料確保と同時に、国土と環境の存廃にかかわる大きな問題です。


 そこで、提案をします。


 1つは、農産物の価格保障と所得補償を組み合わせて、農家が安心して農業に打ち込める再生産を保障することです。


 2つは、大多数農家を切り捨てる品目横断対策を中止するように国に要求するとともに、市として家族経営を応援すること。また、大規模経営や集落農家も含めて、農業を続けたい人、やりたい人すべてを応援する農政に取り組むこと。


 3つは、無制限な輸入自由化をやめるよう国に要求すること。


 4つは、地産地消の大幅な拡大をする取り組みをすること。


 5つは、食料、食品の安全を守るために検査体制の強化をすべきと考えます。


 以上5点について、市長の見解をただします。


 次に、環境対策について質問をいたします。


 最初に、地球温暖化対策についてであります。


 地球温暖化の問題は、予想以上に深刻な状況となっています。今、世界的規模で取り組まなければならない重要課題であります。


 大分市は、省エネ、省資源対策に目標値も決めて取り組んできました。昨年の12月には地球温暖化対策おおいた市民会議を40名で立ち上げ、6月をめどに行政や事業所などでやるべき指針を出していくと聞いていますが、実効ある対策を求めるものです。


 最大の問題は、国の姿勢であります。EUが2020年までに先進国が温室効果ガスの30%削減を行うという数値目標を主張したが、日本は、これを批判しました。2020年までの中期削減目標を明確にするよう国に要求すること。


 また、京都議定書で、日本は2012年までに6%削減という目標を世界に約束しているのにもかかわらず、現状では、削減どころか6%もふやしています。これは、欧州諸国が政府と経済界との公的な削減協定の締結、自然エネルギーの大規模な導入、削減目標を企業ごとに明確にした排出量取引、環境税の導入など、政府がイニシアチブを発揮して規制と誘導によって大幅削減に踏み出していることと対照的です。


 日本政府の対応の最大の問題は、産業界の温室効果ガス削減を日本経団連の自主行動計画任せにしてきたことであります。経済界に削減を義務づける公的協定を結ぶよう国に要求すべきと考えます。見解をただします。


 また、大分市としてCO2排出の多い大企業の事業所ごとに削減目標を義務づける取り組みを検討する時期に来ていると思うが、見解をただします。


 さらに、地球温暖化対策について、市民一人一人の意識の向上も必要です。その点について徹底をどう図っていくのか、質問をいたします。


 次に、新日鐵のばいじん対策についてであります。


 我が党は、これまで繰り返しばいじん対策について本会議で取り上げてきました。また、我が党議員団は、経済産業省や環境省などにも要望してきました。新日鐵も一定の改善対策に取り組んでいますが、まだまだ不十分です。特に重要なことは、ぜんそくや気管支炎で悩まされている人が出ていることです。


 去る2月25日には、経済産業省製鉄課課長補佐、長島秀夫氏が新日鐵大分製鉄所を訪れ、ばいじん対策について、経済産業省として所轄する立場から、自治体住民の利害関係者に情報提供、意見交換を行うよう働きかけたい、公害防止活動、実態、課題の認識の共有を図り、信頼関係を構築することが大切としています。


 市としても、この立場をしっかり踏まえ、ばいじん対策には万全の体制で取り組むよう要求します。見解をただします。


 次に、同和行政について質問いたします。


 同和行政に対する時限立法が繰り返し出されてきましたが、平成14年3月末日に、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律の期限が切れました。そして、既に6年が過ぎようとしています。同和問題も、既に憲法にうたわれている人権と民主主義を遵守すれば十分対応できると考えますし、既に多くの自治体では同和行政を終結しているのが実態です。


 大分市においても、同和行政は終結させるべきです。見解をただします。


 最後に、教育行政について質問します。


 1点目は、学習指導要領の改訂についてです。


 文部科学省は、小中学校での教科などの枠組みや時間数、その内容を示す学習指導要領を10年ぶりに改訂する案を公表しました。これは改悪された教育基本法、学校教育法に基づいたものです。


 今回の改訂案は、ゆとり教育をやめ、知識を詰め込めという政府、財界の圧力のもと、学習内容をふやし過ぎ、小学校1年生を毎日5時間授業にするなど過密なものとなっています。各教科について、こういう活動をして指導せよと、これまでと違った指導法を細かく例示しました。これは憲法に反し、教師の自主性や創造性を奪う最悪のやり方です。これでは、授業についていけない子供や勉強嫌いをふやし、政府が進める全国学力テストや習熟度別授業など、競争主義的な施策と一体に子供の学力格差を広げることは明らかです。指導要領は、本当に必要な学習事項に精選したものを試案として提示するにとどめるべきです。


 また、改訂案は、すべての学校に道徳教育推進教師を配置し、指導要領どおりに道徳の時間を教えているかどうか点検させ、さらに数学など全教科で道徳教育の実施を求めています。指導要領で示された道徳は、復古的かつ形式的で、肝心の基本的人権や子供の権利の見地がありません。子供を人間として尊重する姿勢を学校生活全体に貫くことを道徳教育のかなめに据えるべきではないでしょうか。


 さらに、改訂案は新たに小学校に外国語活動を設けましたが、まともな条件整備なしに学級担任に任せるという粗末なものです。しかも、小学校での英語教育は、国民的合意に至っていません。中学体育の武道必修化は、条件整備が伴わず、特定の価値観の注入に悪用される危険もあります。いずれも拙速な導入はやめるべきです。


 加えて改訂案は、各教科について、基礎だけでなくその活用を重視するとし、文科省はそれをOECDなどの国際的動向に合致するとしています。しかし、OECDが目指す学力は、社会的不平等の削減などを担う人間の育成を含んだものであり、国際競争に勝つための人づくりをねらいとする今回の改訂案とは異なります。しかも、基礎と活用を機械的に分離して教え込み、かえって学習の質を低下させる危険があります。


 以上のように、国民の学力への不安や願いにこたえたものにはなっていません。改訂案を撤回し、指導要領のあり方を含め、国民的な討論を行うことを求めます。


 そこで、質問しますが、学習指導要領の改訂についてどのような見解を持っているのか、改訂しないように国に求めていく考えはないか、以上2点について質問をいたします。


 2点目は、学校選択制についてです。


 学区を越えて通う小中学校を子供や親が選べるといううたい文句で、学校選択制を導入しようとしています。


 学校選択制は、1、地域生活圏の分断が進み、地域社会の活力の低下のおそれがあること、2、義務教育の学校に評判のいい学校と悪い学校という序列を生み、子供の世界に優越感や劣等感を持ち込む危険性があること、3、教育の基本的部分を担う義務教育は、すべての子供に読み書き、計算などの基礎学力、道徳や社会性などの生きる力を身につけさせる基本的人権として制度化されたものであり、義務教育の根幹が揺らぐことになりかねないなど、数々の問題をはらんでいます。学校選択制試行地域の自治会役員さんたちを初め、多くの方から実施への疑問の声が上がっています。


 長崎市では全市で実施されていますが、地域やPTAなどで生徒確保の努力もされていますが、廃校になりかねない学校も出てきており、地域に不安が広がっています。遠くの校区内の学校に通わなければならないケースや、いじめなどの理由で校区外の学校に通うケースについては、弾力的、機能的に対応すれば済むことです。


 そこで、質問しますが、来年度、本実施を見送り、試行の範囲内で検証することが望ましいと考えますが、見解をただします。


 3点目は、給食費についてです。


 原油価格の高騰に伴い、諸物価の高騰も続いています。そうした中、学校給食への影響が出始め、リンゴ4分の1を6分の1にしているなど当面の対策はとれても、子供の成長に欠かせない給食だけに、調理の努力だけでは解決できない状況になっています。


 教育委員会は、食材の値上がりを考慮し、給食の水準を維持するために、学校給食費を5%値上げすることが必要と説明しています。保護者からは、何もかも値上げ値上げで生活が大変、何とかならないのかしらという声が上がっています。


 学校給食法施行令においては、施設設備関係費は設置者が負担することになっています。この立場からすれば、大分市では保護者負担となっているガス代などの燃料費年間約7,000万円は、本来設置者の負担となるはずです。燃料費を保護者負担から外せば今回の値上げはしなくても済みます。


 そこで、質問しますが、保護者負担となっているガス代を設置者の負担とするなどして保護者負担をふやさないようにすべきです。見解を求めて、第1回目の質問を終わります。


○議長(三浦由紀) 釘宮市長。


○市長(釘宮磐)(登壇) 日本共産党を代表しての、6番、大久保八太議員の質問に対し、御答弁申し上げます。


 なお、教育問題につきましては、教育長から答弁をいたしますので、御了承をお願いいたします。


 まず、地方自治本来のあり方に立った市政執行についてでありますが、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」と地方自治法の規定にもありますように、市民の負託を受けた市長として、私が住民の福祉の増進を基本に据えることは当然のことであり、また、この5年間、常にそのことを念頭に置きながら市政執行に当たってまいりました。


 そして、高齢者ワンコインバスやふれあいタクシーの導入、障害者自立支援法施行における本人負担の軽減、不妊治療費の助成、乳幼児医療費助成制度の助成内容の拡充、こどもルームの全市展開など福祉の充実に努めるとともに、自主防災組織の結成促進や防災士の養成、民間の福祉施設の御協力をいただく中での災害時の福祉避難所開設等による地域防災力の強化、健康運動指導者の養成等による地域に根差した市民の健康づくり、「地域コミュニティーの再構築」に向けた3事業など、各種の独自施策を積極的かつ総合的に展開することによって住民の福祉の向上を図ってまいったところでございます。


 今後とも、市民の幸せを第一義として、市民生活に密着したさまざまな施策を実施する中で、厳しい財政状況の中ではございますが、福祉のより一層の充実に努めてまいりたいと考えております。


 次に、行政改革についてでございますが、国の三位一体改革や増大する社会保障関係費の影響などにより、本市の財政状況がまさに危機的な状況となることが見込まれる中で、私は、これまで行政改革アクションプランの推進に全力で取り組んでまいりました。


 その実施に当たりましては、常に「公平公正」「情報公開」「説明責任」「市民参加」を基本原則としながら、市民との連携、協働を推し進め、福祉、環境、教育を初めとする市民生活に密着した新たな行政課題や市民ニーズにも可能な限り対応する一方で、限られた財源、人的資源を有効に活用するため、市民や職員の理解と協力を得る中で、スクラップ・アンド・ビルドの観点に立った事務事業の見直しや業務の効率化に取り組むなど、最少の経費で最大の効果が上がるよう、市民福祉の増進を図ってまいったところであります。


 こうした中、新たに策定いたします行政改革推進プランにおきましても、市民の視点に立った計画となるよう、すべての職員が一丸となって素案の策定に当たるとともに、議会を初め、有識者等市民代表から成る行政改革推進市民委員会、さらにはパブリックコメントの実施など、これまで素案に対する市民の幅広い意見や要望等もいただいてまいりました。


 最終案が決定いたしますと、いよいよ新年度から推進プランを実施することになりますが、今後とも、市政の主役は市民であるとの認識のもと、本市が提供すべき市民サービスは何かを常に念頭に置きながら、議会並びに市民への説明責任を十分果たす中で行政改革を着実に進め、市民福祉の維持向上と行政責任の確保を図ってまいりたいと思います。


 3点目の、道路特定財源についてのお尋ねでございますが、本市の平成20年度当初予算におきましては、道路特定財源として、地方道路譲与税等で21億3,000万円、地方道路整備臨時交付金で8億3,000万円を計上いたしております。


 仮に現行制度が3月末に期限切れとなりますと、地方道路譲与税等のうち、暫定税率分9億9,000万円、地方道路整備臨時交付金の全額が交付されないことになり、合わせて18億2,000万円が歳入不足となる見込みであり、本市のみならず、地方財政全体を揺るがす重大な事態となりますことから、その財源手当につきましては、地方の財政運営に将来にわたり影響を与えぬよう、国において責任を持って措置を講ずるべきであると考えております。


 道路特定財源につきましては、国、地方を通じた厳しい財政状況が続く中、特定財源として今後とも使用目的が固定化されることが本当に可能であるのか疑問にも感じており、地方分権が進行する中、地方への税源移譲を進めていくためには、一般財源化も選択肢の1つとしてとらえる必要があるのではないかと個人的には考えているところであります。


 このようなことから、今後の取り扱いにつきましては、当面、来年度は暫定税率を延長した上で、一定の時間をかけて国民的議論を進める中で決定されるべきものであると考えております。


 また、豊予海峡ルートについてでございますが、現在、国会で道路特定財源の問題に関連して、道路の中期計画等の道路整備計画における高速道路のネットワークづくりをめぐり、その必要性や整備のあり方などについて議論されており、豊予海峡ルートを含む海峡横断プロジェクトについても議論が及んでいるところであります。


 本市におきましては、昨年4月に国による道路の中期計画の策定に当たって意見を求められた際、中心市街地を分断している国道10号の再編や交通渋滞の解消、緩和など、市民生活に密着した特に優先度の高い政策について要望を行ったところであり、豊予海峡ルートに関しましては、引き続き将来の夢として、国、県の動向を見守ってまいりたいと考えております。


 次に、平成20年度大分市一般会計予算に関する2点の御質問にお答えいたします。


 まず1点目の、3、4号地の土地の評価を適正に引き上げ、財源確保をすべきではないかとのお尋ねでございますが、固定資産の評価に当たりましては、地方税法の規定により総務大臣が定めて告示する固定資産評価基準によって価格を決定しなければならないこととされております。


 固定資産評価基準では、宅地の評価の基礎となります標準宅地の適正な価格を求める場合には、地価公示価格や不動産鑑定士等による鑑定価格から求められた価格の7割を目途として評定することとされております。


 3、4号地につきましても、この基準に基づき、不動産鑑定士に当該用地の鑑定を依頼し、求められた価格の7割で評定いたしております。


 2点目の、平成20年度予算につきましては、福祉や暮らし重点の予算に組み替えるべきとのお尋ねでございますが、もとより市の予算は、福祉、環境、教育を初め、道路、公園、区画整理、上下水道などの都市基盤整備のほか、農林水産業、商工業、消防など広範多岐にわたっており、これらの経費はすべて行政の本旨である市民福祉の向上に資するものでありますことから、それぞれの事業との均衡を保ちつつ、バランスのとれた財源配分のもとに編成されなければならないと考えております。


 今回の当初予算の編成に当たりましても、厳しい財政状況ではありますが、事業の優先度や費用対効果等を勘案しながら財源の効率的配分に努めたところであり、特に福祉や暮らしの分野につきましては、乳幼児医療費の助成を初め、一時保育事業や妊婦健診の公費負担回数の拡充、さらには小規模グループホームへの支援や福祉タクシー助成制度の拡充を行うなど、限られた財源の中で積極的な財源配分を行っております。


 また、市街地の整備や道路、住宅など社会資本の整備につきましても、地場企業を育成し、地域経済の活性化にもつながりますことから、市民生活に密着した事業を中心に、可能な限り配分を行ったところであります。


 次に、後期高齢者医療制度の実施は中止し、抜本的な見直しを行うように国に強く要求することについてのお尋ねでございますが、我が国の医療制度は、急速な少子・高齢化社会への移行など大きな環境変化に直面しており、これに対応するため平成18年6月に医療制度改革関連法が成立し、それに伴い、平成20年度から後期高齢者医療制度が創設されることとなっております。


 昨年2月には、その運営を行う大分県後期高齢者医療広域連合が県内全市町村が加入して設置されたところでございます。その後、広域連合議会では保険料率等を定めた後期高齢者医療に関する条例が制定され、さらに本年2月には平成20年度予算も承認され、実施に向けた条件が整ったところでございます。


 このような中、現在県内市町村では既に加入者に対して被保険証の交付を始めており、まずは、本制度の円滑な導入と早期の定着に努めることが肝要と考えております。


 次に、一般会計からの繰り入れをふやすなどして国保税値上げを中止することについてのお尋ねでございますが、国民健康保険は、相互扶助の精神に基づき社会保険制度として運営されるもので、国民健康保険税を主たる財源として独立採算で経理されることを原則に、会計内で収支の均衡を図ることが求められております。


 しかしながら、本市国民健康保険財政は保険給付費などの増加に伴う収支の不均衡が生じており、本年度末には約21億円の累積赤字が見込まれる状況となっております。


 財政の健全化につきましては、これまでも収納率向上対策や医療費適正化対策を総合的に推進するとともに、平成18年度には税率改正も実施してきたところでございますが、大きな赤字を抱える状況の中で少しでも後年度に負担を残さないためには、今回の税率改定は避けて通れないものと考えております。


 また、税負担の激変緩和として、平成20年、21年度に限り、前回と同様に一般会計から合計3億円の特別の措置による繰り入れを考えておりますので、これ以上の措置は困難と考えております。


 次に、子育て支援策についての御質問にお答えいたします。


 まず、子供の医療費無料化の拡大についてでございますが、本市の子供の医療費助成制度につきましては、昭和48年から県の補助事業として乳幼児医療費助成事業に取り組んでいるところでございます。これまで所得制限や自己負担を設けず助成内容の充実を図ってまいりましたが、平成18年10月には、制度の安定的な運営を確保するため一部自己負担金を導入する中、通院についても、入院と同様に助成対象年齢を3歳未満から6歳就学前までとする大幅な年齢拡大を行い、平成19年10月からは、3歳未満児につきましては市単独で一部自己負担金を助成しながら医療費の無料化を行ったところでございます。


 このように、医療費助成につきましては段階的に拡充してきており、さらなる医療費無料化の大幅な拡大につきましては、多大な財政負担を伴いますことから、現在の厳しい財政状況の中では困難であると考えております。


 次に、公立保育所、認可保育所を増設することについてでございますが、女性の社会進出の増大や経済情勢の影響により共働き家庭がふえましたことから、年々保育需要は増加している状況でございます。


 本市におきましても、増加する保育需要にこたえるため、初めて待機児童が生じる状況となった平成8年度からこれまで、認可保育所の新設や増改築による定員増や、児童が多い地域を中心に施設整備を伴わない定員増も行い、これまで1,727名の定員拡大を図り、待機児童の解消に努めてきたところでございます。さらに、平成20年度には30名、平成21年度には20名の施設の増改築による定員拡大を予定しているところでもございます。


 今後とも、地域における保育需要を的確に把握しながら適正な認可保育所の定員の確保に努めてまいりたいと考えております。


 次に、認可外保育施設への大幅な助成についてでございますが、認可外保育施設は、認可保育所を補完する一定の役割を果たしておりますことから、平成10年度より、認可外保育施設に入所している児童の安全や健康の確保を初め、職員の資質向上を図ることを目的とした大分市認可外保育施設児童健全育成支援事業を実施し、その後も、入所児童の処遇改善につながる経費につきまして補助金の増額や補助項目の拡充を図ってきたところでございます。


 今後とも、認可外保育施設における入所児童の処遇改善に資するため、現在の助成制度を検証しながら保育環境の充実に努めてまいりたいと考えております。


 次に、雇用対策についての2点の御質問にお答えいたします。


 まず1点目の、労働者派遣法の抜本的改正をするよう国に強く要求すべきではないかとのお尋ねですが、新聞報道等によりますと、厚生労働省は、昨年秋以降、労働者派遣法の改正に向けて労使の意見調整を模索いたしましたが、最終的に今国会での改正を見送っており、当面は違法行為が目立つ日雇い派遣の指針整備や省令改正で対応し、改正論議は学識経験者による労働者派遣制度のあり方を議論する研究会でやり直すとのことでございます。


 労働者派遣法は、最近の経済、社会活動の多様化に伴う労働力需給の変化に対応して企業と働く人を迅速に結びつけ、希望と能力に応じた就業機会を確保する措置を講じるとともに、派遣労働者の雇用の安定とその他福祉の増進に資することを目的とした法律であると認識いたしており、研究会において派遣制度の本来の目的を踏まえた議論がなされることを期待しておるところでございます。


 次に、2点目の、キヤノンや新産都進出大企業に対して正規雇用を大幅にふやすよう要求すべきであるが見解をとのお尋ねですが、企業の立地は、本市における経済効果はもとより、雇用の拡大に大きな効果がありますことから、市内進出の企業などに対しまして、あらゆる機会をとらえ、地元からの正規雇用についてお願いをしているところでございます。


 県内の大分キヤノンと大分キヤノンマテリアルの4事業所を見てみますと、現在、正規社員を含めた直接雇用の拡充に取り組んできており、平成20年1月末現在の正規社員数は、2,080人となっているとのことでございます。


 今後とも、就労の場を確保することができるという企業誘致の効果を最大限に発揮するために、企業に対し引き続き正規雇用をしていただくよう強く働きかけてまいりたいと考えております。


 次に、保育所の保育士についてでございますが、乳幼児期は、子供の生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期であり、家庭や地域の子育て力の低下が指摘される中、乳幼児に対する質の高い養護や教育、保護者への支援など、保育所の多様な機能の充実が求められてきています。


 こうした中で、本市の保育所におきましては、一時保育、休日保育、障害児保育などの特別保育事業に積極的に取り組むとともに、保育士の配置につきましても、国の基準を上回る本市独自の基準を定め、その適正配置に努めてきているところであります。この本市の独自基準に対する保育士の配置状況につきましては、昨年の4月1日時点では基準職員数148人に対し正規職員は134名となっておりますが、そのほかに、特別保育事業や3歳未満児などに対応するため、保育士資格を持った臨時保育士を45名配置し、保育所機能の維持向上を図っているところでございます。


 お尋ねの、正規職員としての保育士の増員につきましては、極めて厳しい行財政状況のもと、職員数の目標値を掲げ職員の削減に取り組んでいる中、困難な側面もございますが、今後、それぞれの保育所の業務実態をより精査しながら、必要な職員については配置に努めてまいりたいと考えております。


 次に、保育現場でのサービス残業についてでございますが、正規職員は、延長保育や休日保育などの業務について、また、臨時職員については「おおいたっ子まつり」や夕涼み会の際に時間外勤務を行っているところであります。また、こうした時間外勤務については、時間外勤務命令簿等により事前及び事後の確認を行っており、サービス残業といった実態はないとの報告を受けているところでございますが、今後とも、引き続きその適正な管理に取り組んでまいる所存でございます。


 次に、中小企業対策についての3点の御質問にお答えいたします。


 まず初めに、住宅リフォームの補助制度についてのお尋ねでございますが、本市では現在、一般個人向けの住宅リフォームの助成制度はございませんが、住宅改修の支援策といたしましては、在宅の高齢者や心身障害者またはその同居者に対し住宅設備等を改造する経費を助成することにより、高齢者や心身障害者の暮らしに適する生活環境整備の促進及び福祉の増進を図ってきており、平成18年度の助成額は、約5,800万円となっております。また、旧耐震基準で建築された既存建築物の地震に対する安全性の向上を目的とし、新年度から、昭和56年以前に建築された木造住宅の耐震改修費用の一部を助成することといたしております。


 このように、一定の政策目的を有した住宅リフォームにつきましては住宅改造費を助成の対象としておりますが、全市民向けの一般的なリフォームにつきましては、個々の住環境の向上を目的に行われるものであり、制度を創設することは困難であると思っております。


 次に、小規模修繕工事希望発注制度の創設についてでありますが、本市が発注する建設工事は、学校や市営住宅、道路、下水道など、市民生活に密着した社会資本の整備を行うものであり、その財源に市税を充当しておりますことから、適正価格での契約はもとより、しっかりとした施工を確保することが必要であります。このため、たとえ小規模少額の工事でありましても、入札参加者の選定に当たりましては、大分市建設工事競争入札参加資格審査要綱等に基づき、施工能力や資力を初め、不誠実な行為の有無、安全管理の状況などを総合的に判断することが必要と考えております。


 この資格審査要綱に基づく登録事業者は、建設業法に基づく許可を受け、営業年度ごとに経営状況や技術的能力等の経営事項審査を受けていることが要件となっており、これと異なる登録制度の導入は、技術力、資金力等が一定以上であるとして登録している現在の有資格業者との均衡を欠くことにもなりますことから、御提案の登録制度の創設は困難であると考えております。


 次に、大企業への助成金はやめて、中小企業の雇用促進などの支援を強める考えはないかとのお尋ねでございますが、企業立地促進条例は、企業立地の促進と雇用の拡大を目的として策定したものであり、立地企業自体の経済効果、雇用の拡大に加え、地場中小企業の活性化、税収、市民所得の増大など、さまざまな効果を上げているところでございます。


 条例化に伴い、業種を製造業だけでなく情報サービス業等にも拡大し、対象要件につきましても、設備投資額や新規雇用従業員数を緩和し、大企業だけでなく、中小企業にも利用しやすい助成制度といたしたところであります。


 本市における雇用対策といたしましては、この企業立地の促進による新規雇用の創出を初め、本市産業の中核をなす地場中小企業の雇用の確保に向けた中小企業向け融資制度、中小企業パワーアップ事業、産学交流サロン事業などによる支援、労働局やハローワークなど関係機関との連携などにより取り組んでいるところであり、今後とも、企業立地の促進とあわせて、中小企業の雇用の確保、創出に努めてまいりたいと考えております。


 次に、農業と食料についての5点の御質問にお答えいたします。


 まず1点目の、価格保障や所得補償に関するお尋ねでございますが、冷凍ギョーザの問題でも明らかなように、日本農業に今一番求められていることは、安全、安心な農産物の安定供給であると考えております。しかしながら、常に農業は気象条件や輸入農産物との競合などによる価格の不安定さに直面し、さらには、生産者の高齢化などによる産地の縮小による競争力の低下や近年の重油価格高騰などが経営安定に影響を及ぼしております。


 このような中、農家経営の安定を支援することは、食料の安定供給や食料自給率の向上を図る上からも必要なことと考えております。これまでも、国、県、市や生産者及び農業団体が実施主体である大分県野菜価格安定資金協会等に一定の基金を造成するため、前年度の減少分をおのおの拠出しながら、一体となって農畜産物の価格安定や所得対策に取り組んできたところであります。


 さらに、本市では、国、県の対象とならないパセリ、水耕セリについても、市単独でJA大分市を実施主体として価格安定対策事業を実施いたしております。


 今後とも、国の経営所得安定対策等大綱を踏まえ、農家の収入及び経営の安定と食料の安定供給に取り組む中で、農業の再生につなげてまいりたいと考えております。


 次に、2点目の、品目横断的経営安定対策の中止を国に要求し、家族経営や農業を続けたい人を応援することについてでございますが、品目横断的経営安定対策は、経営所得安定対策の1つとして平成19年産の米、麦、大豆等の作物から実施されておりますが、その要件となる耕作面積を初めとする経営規模などに高いハードルが設定されておりました。そのため、全国的に要件を満たすことができないとの農業者の声があり、国は、平成20年産からその要件を大幅に見直す市町村特認を創設するとともに、名称を水田経営所得安定対策とするなど、制度の改善を行ったところでございます。


 本市といたしましても、この国の見直しを含め、制度の導入により、自立し得る農業者の確保と育成、また、集落における遊休農地の解消や地域コミュニティーの活性化につながるよう、今後も、関係機関と連携して強い農業構造を実現してまいりたいと考えております。


 また、家族的経営農家や農業を続けたい人など、意欲のある農業者には認定農業者を目指しての育成、支援はもちろんのこと、本市の農業のあり方が地域性とともに多様化してきておりますことから、農業振興計画に基づき、なりわいとしての競争力ある農業、高齢農業者や女性農業者が生きがいの持てる農業、都市住民が一緒に参画するふれあい農業の振興を軸に、それぞれの担い手への支援に努めてまいりたいと考えております。


 次に、3点目の、無制限な輸入自由化をやめるよう国に要求することについてでございますが、国においては、食料・農業・農村基本計画に基づき、食料の安定供給や国内の農業振興を進めていくことにしており、農産物の輸入自由化に絡む問題も、この計画の中で対応されていると考えております。


 現在、WTO農業交渉に臨む国の基本理念は「多様な農業の共存」とし、攻めるところは攻め、守るところは守るという姿勢で国内農業の構造改革を推進し、バランスのとれた貿易ルールの確立を目指しているところであります。


 また、輸入の増加による農林水産業への影響を監視する観点からも、国では、必要な情報を常時収集し、輸入の増加によって国内生産に重大な損害を与える場合においては農産物の保護を図るセーフガードの発動や、その他、必要な施策を講ずることになっておりますことから、今後の国の農産物貿易交渉の動向を注視してまいりたいと考えております。


 次に、4点目の、地産地消の取り組みについてでございますが、市内各地に点在する直販所や加工所は、地産地消の一形態として年々店舗数や販売額を伸ばしてきており、また、学校給食に利用する地元産農産物の食材数も、生産者の努力と小中学校の協力の中で年々増加してまいっております。


 このように、地産地消は、食料自給率の向上に加え、農業への理解をはぐくむ食育などに幅広く貢献するものであり、今後ますます重要な位置づけになると考えております。


 市といたしましては、今後も、安全、安心な農産物の提供を基本に、直販所、加工所などに対する施設整備や研修会の開催などハード・ソフト両面の支援を行いながら、地産地消を積極的に推進してまいりたいと考えております。


 次に、5点目の、食料、食品の検査体制についてのお尋ねでございますが、まず、農産物の検査体制につきましては、農協を通じて出荷する農産物は全農の検査センターにおいて流通に乗せる前の段階で残留農薬の自主検査を農協ごとに定期的に行っており、安全性を確認しながら出荷するという体制をとっております。


 また、食品の検査体制につきましては、本市では、食品衛生法に基づき市内で生産、製造、販売される食品を収去し、食品に含まれる残留農薬や食品添加物、微生物などを検査して、基準の遵守状況を確認しているところでございます。これに係る保健所の検査体制につきましては、これまでも食品添加物や微生物等の項目について段階的に検査機能の強化を図ってきたところでございますが、本年4月に開所する新保健所におきましては、高速液体クロマトグラフ質量分析計等の高度な検査機器を導入するとともに、微生物による交差汚染を防止するため、検査室を器具の準備室と洗浄室、また、細菌検査室と遺伝子検査室等にそれぞれ分割して設置し、検査体制をさらに強化することとしております。これにより、食肉等に含まれる残留動物用医薬品などの新たな項目の検査が可能となり、迅速で精度の高い検査結果を食品監視等の対応に反映させることとしております。


 今後とも、食品衛生を推進し、食の安全を確保するために検査機能の強化を図ってまいりたいと思います。


 次に、環境対策についての2点の御質問にお答えいたします。


 1点目の、地球温暖化対策についての御質問のうち、経済界に削減を義務づける公的協定を結ぶよう国に要求することと、大企業の事業所ごとに削減目標を義務づけることにつきましては、相互に関連がございますので、一括してお答えをさせていただきます。


 昨年11月に国が発表した我が国の温室効果ガス排出量の速報値によりますと、2006年度では、1990年の基準年比で総排出量は6.4%上回っており、各部門別に見ますと、工場等の産業部門では省エネ対策等により5.6%減少していますものの、家庭部門では、世帯数の増加や家電品の大型化等により30.4%の増加、店舗、オフィス等の業務部門では、店舗面積の拡大等により41.7%の増加、また、自動車等の運輸部門では、自家用車の増加により17%の増加となっております。


 このため、国においては、現在、京都議定書の6%削減の約束をより確実に達成するため、京都議定書目標達成計画の見直しを行っており、特に排出量の伸びが著しい家庭、事業所等におけるライフスタイル、ビジネススタイルの変革を促す対策の強化、また、産業界における自主行動計画の削減目標値の強化、さらには未策定業種の自主行動計画の策定の推進などを図ることなどを新たに盛り込むため、関係団体との協議が行われております。


 このようなことから、今後とも、温室効果ガス削減に向けた国の動向を注視してまいりたいと考えております。


 なお、本市におきましては、地球温暖化対策を最重要課題の1つと位置づけ、家庭、業務部門や運輸部門における温室効果ガスを削減するため、昨年12月に、市民、事業者、行政で構成する地球温暖化対策おおいた市民会議を立ち上げ、それぞれの立場を超えた議論を交わす中、家庭や事業所で取り組むための行動指針の策定作業を行っているところであり、新年度のできるだけ早い時期に取りまとめ、公表してまいりたいと考えております。


 次に、地球温暖化対策について、市民一人一人の意識の向上を図ることにつきましては、この市民会議を本市の地球温暖化対策の推進母体として、行動指針に基づき市民の環境意識のさらなる醸成を図ってまいりたいと考えております。


 2点目の、工場のばいじん対策についてでございますが、本市では、これまで大気汚染防止法及び公害防止協定に基づき工場の規制を適正に行うとともに、工場において施設の新増設等がある際にはその機会をとらえ最新の公害防止技術によるばいじん、粉じん対策をとらせることにより、市民の健康の保護と生活環境の保全に努めているところでございます。


 今年度は、ばい煙を監視するための発生源監視テレメータを本市が新たに設置したことに伴い工場の監視対象施設をふやし、発生源の監視強化を図ったところでございます。


 また、新年度には第1高炉の改修が予定されていることから、今年度中に細目協定の一部改正を行うこととしております。改正点の主なものとして、ばいじん、硫黄酸化物、窒素酸化物の排出削減対策の強化があり、特にばいじんの排出量につきましては、これまでの細目協定値と比べて1割以上削減されることになっております。


 さらに、工場が講じた公害防止対策を工場のホームページで公表することを新たに加えるとともに、監視カメラの映像を5日間記録保存することを盛り込むことにより、有視煙発生の有無など、工場内の状況確認ができるようにいたしているところでございます。


 本市といたしましては、今後とも、市民の健康を保護し生活環境を保全するため、最大限の努力をしてまいりたいと考えております。


 次に、同和行政についてのお尋ねでございますが、同和問題は基本的人権にかかわる重大な社会問題であり、その解決は、市政の重要課題であります。


 本市におきましては、特別対策終了後も、昭和40年の同和対策審議会答申並びに平成8年の地域改善対策協議会の意見具申の趣旨を踏まえ同和行政を積極的に推進してきたところでございます。しかしながら、本市でもいまだに差別事象が発生しており、同和問題に対する理解と認識は十分であるとは言えない状況にあり、人権教育、啓発のさらなる充実が必要であると受けとめております。


 今後とも、同和問題解決のため、大分市あらゆる差別の撤廃及び人権の擁護に関する条例及び大分市人権教育啓発基本計画に基づき、大分市同和対策協議会の議を経て議会の承認をいただく中で、必要な施策を実施してまいりたいと考えております。


 以上で私の答弁を終わらせていただきます。


○議長(三浦由紀) 足立教育長。


○教育長(足立一馬)(登壇) 教育行政についてのお尋ねにお答えいたします。


 まず、学習指導要領の改訂についてのお尋ねのうち、改訂に対する見解についてでございますが、学習指導要領は、人格の完成、個人の尊厳などの普遍的性格や、今日極めて重要と考えられる教育の理念や原則を定めた改正教育基本法、学校教育法などに加え、中央教育審議会答申に基づき、現在、その改訂作業が進められているところでございます。


 改訂に当たりましては、子供一人一人の人格の完成と国家、社会の形成者の育成という教育の目的の実現を図るため、社会の変化や時代の要請、子供たちの現状などに応じてこれまでおおむね10年ごとになされており、各学校におきましては、学習指導要領改訂の趣旨を踏まえ、その実現に向けた取り組みを展開することが肝要であると考えているところでございます。


 また、改訂しないように国に求めていく考えはないかについてでございますが、学校は公の性質を持つものであり、国は、学校教育において全国的に同一の内容と水準の教育を確保し、その教育を受ける機会を国民に保障する必要があり、各学校において教育課程を編成、実施するための大綱的な基準が必要となりますことから、学習指導要領が制度化されているところでございます。


 したがいまして、各学校におきましては、学習指導要領に基づき子供の人間としての調和のとれた育成を目指し、地域や学校の実態及び子供の心身の発達の段階や特徴等を十分考慮して適切な教育課程を編成し、創意工夫を生かした特色ある教育活動を実施することが重要であると考えているところでございます。


 次に、隣接校選択制の平成21年度本実施を見送ることについてでございますが、大分市の隣接校選択制は、児童生徒、保護者が通学の利便性や学校の特色など個々のニーズに応じて希望する学校を選択でき、従来の通学区域制度の弾力的運用だけでは対応が難しい部分までカバーできる制度であり、児童生徒、保護者に選択の幅が広がることから、価値ある制度であると考えております。


 また、20年度申請者数が前年度比較で約1.5倍となったこと、19年度試行地域でのアンケート調査で、生徒の8割以上、保護者の約7割の方から、隣接校選択制が試行され、保護者や児童生徒の希望で学校が選択できることはよいという回答をいただいており、市民の皆様に制度の周知と理解が進んだ結果であると考えております。


 このようなことから大方の理解が得られたものととらえており、今後は、試行地域外の地区説明会を開催する中、さらに市民の皆様の理解と協力を得ながら、平成21年度からの全市実施に向け取り組んでまいりたいと考えております。


 次に、給食費についてでございますが、原油価格の高騰に加え、昨年以降国が輸入小麦価格の大幅な引き上げを発表するなど、食材が相次いで高騰する中、給食用パンや牛乳なども値上げが確実な情勢となっております。


 また、このような状況の中、大分県学校給食会より給食用物資の値上げの要請を受けたところでもございます。


 このため、教育委員会といたしましては、現行の給食費では学校給食の現状の水準を維持し、食の安全を確保することは難しいと考え、各学校給食運営委員会に新年度の給食費の値上げについて要請したところでございます。


 ガス代の設置者負担につきましては、学校給食法第6条及び同法施行令第2条において、義務教育諸学校の設置者が負担すべき学校給食の運営に関する経費は、学校給食に従事する職員の人件費や学校給食の実施に必要な施設及び設備の修繕費であり、それ以外の経費、いわゆる学校給食費は保護者の負担とすると規定をされております。


 このことから、本市では、給食に係る食材費、光熱水費のうちのガス代及び消耗品費は保護者負担と位置づけているところであり、今後ともこれを基本としてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○議長(三浦由紀) 大久保議員。


○6番(日本共産党 大久保八太)(登壇) それでは、意見を交えながら再質問をいたします。


 市長の基本姿勢について、地方自治本来の基本に立つべきだという質問だったんですが、その基本に立つのは当然だというような答弁がありましたが、市民との協働とか、「公平公正」「説明責任」、そういう抽象的な言葉はいいと思うのですけれども、具体的な実践でそういう立場に立つかどうかということが私は問われているんではないかと思います。


 以前、我が党の志位委員長がインドに行きまして、インドという国は州がかなりの権限を持っているわけですね。西ベンガル州というところに行きまして、そして懇談をいたしました。ここはインド共産党が政権を握っていて、日本共産党との友好関係が非常に濃いところなんですけれども、ここは人口が8,000人と聞いておりますが、そういう州で貧困が26%あるそうです。ところが、州の施策の最重点課題はこの貧困層を救うことということで、この26%の人には全員、医療費と教育費はただ、そして、小さいけれども清潔な住宅を提供しているという話がされたそうです。


 それで、志位委員長が、財政的にはどうしているんですかということを、心配になったので聞いたそうですね。ところが、貧困層を税金で救うことは政治の責任だと、だから、それを優先してやっているというふうに言ったそうです。


 ですから、財源というのは確かに限られているわけです。その財源を何に優先して使うかというところがやはり大事だし、そのことが問われると思うんです。私は、そういう立場に市長が本当に立つのかどうかという点で、基本的な姿勢を改めて聞きたいと思います。


 それから、行政改革ですが、やはりこれには住民を犠牲にするにせ行政改革の道か、それとも、住民の立場に立った民主的な行政改革の道かが問われると思います。それで、私も東北地方にだいぶ視察に行ったんですが、知事を先頭に、市長も常勤特別職も非常勤の特別職も、給与を大体3割ぐらいはカットしておりました。そういう点でも、姿勢がやっぱり大分のほうは非常に弱いんではないかというふうに思いました。


 そういう点で、やはり本当に市民の目線からして無駄を省いていくということが非常に重要だと思いますし、同和の予算も、来年度予算で見ますと総額で2億3,000万円なんですね。これを終結すれば、もうその分は財源的にも浮くということになりますので、やはりこういうところを本当に削減をしていくということが重要だと思いますので、その点、改めて市長、再検討して努力をすべきだというふうに要望しておきます。


 それから、予算についてでありますが、私はこれまでもこの壇上で何回も質問をしたんですが、3、4号地の土地の評価の問題ですけれども、先般、合同新聞だったか、朝日新聞だったかは覚えませんが、出ておりまして、新日鐵が世界最大級のタンカーを借り受けた、と。そして、この一番大きいタンカーは鉄鉱石を積んで大分のシーバースに入るわけですが、よそのシーバースには入れないんですね。一番大きなタンカーが満杯にして入れるのは大分の新日鐵のシーバースだけなんです。それだけ新産都で優遇してつくっているんですよね。


 ですから、3、4号地というのは船舶が自由に岸壁に着くし、そういう点での利用度が一番高いんですよ。こうした高いところが、道路1つ隔てた、正確に言えば、萩原の都市下水路と40メーター道路があるんですけれども、その隣接地の私の住んでいる萩原の地域の人の土地の評価が3分の1も低いということですから、これはやはり引き上げるべきだ。


 私、以前、原課を呼んで話をしましたら、議員さん、この土地は島だと言うんです。島だと言うたって、島じゃねえやねえか、道路がつながっているじゃねえかという話をしたんですけどね。やはりこの点については、よその都市でも工場用地が利用度が高いということで部分的に土地の評価を高くしまして、そして、税収増を行っているところがありますので、今後、十分やはり検討すべきだというふうに思いますが、利用度が非常に高い土地であるという点は、市長は認めますかどうか、聞きたいと思います。


 それから、予算の問題について、福祉や暮らし重点の予算に組み替えるべきという点で質問をしたんですが、この点については、これから一般質問もありますし、それぞれの委員会で十分議論をしていきたいと思います。


 それから、後期高齢者医療制度の問題、これは今全国で怒りが沸騰しております。そういう点で、ぜひこの問題も、市長が以前障害者自立支援法の問題で、全国にイニシアを発揮して先進的に市独自の施策をやりましたが、こういう姿勢は評価しますので、後期高齢者医療制度についてもそういう立場で強い姿勢でやっぱり対応すべきだというふうに思いますので、この点、強く要望しておきます。


 それから、国民健康保険税の値上げは中止すべきだということですが、この財源的な根本は、国の補助金が大幅に削減をされたことにあります。ですから、国もけしからぬのですけれども、それに対応してやっぱり市が大幅な助成をするべきだと思うんです。国民健康保険税が異常に高いんですよね。支払い能力の限界を超している、生存権を脅かす重大な問題であるということが言えると思うんです。


 ちなみに、生活保護家庭、大体標準家庭4人の場合、生活保護基準と同じぐらいの家庭が年間約15万円ぐらい出さないかんのですよ。ですから、生活保護というのは1円でもお金がなければ生活ができない、そういう状況の人が年間15万円ぐらい国保税を払わないかんという状況でありますので、こういう実態を、ぜひ市長、理解をして、今後、国保税に対する軽減措置を図るべきだという点を強く要求をしておきます。


 それから、子育て支援策については、るるこれまで子供の医療費拡大をしてきたというふうに言いますが、私はやっぱり、これは基本的には医療費は社会保障ですからね、当面、日本の場合は社会保障が大変立ちおくれておりますから、子供の医療費だけですが、本来ならば、医療費、教育費というのは全員が、やはり国民全体が無料として受ける、これが本来の社会なんですよ。それを子育て支援の一番要求の強い、要求のある子供の医療費ですから、私はやっぱり大分市の場合はできるだけ拡大をするという、これもいつも市長が言うように、大分市から日本に発信するというふうに言われておりますから、余り首をひねらないで、ぜひ医療費の拡大を当面小学校6年ぐらいまではやるという決意で今後臨んでいただきたいというふうに思います。


 それから、キヤノンの正規雇用をふやす問題でありますが、これは私は公害防止協定と同じように、やはり正規雇用をふやすとか、職場で人権と民主主義を守るとか、労働基準法を遵守するとか、そういう点での労働条件を低下させないそういう協定を進出企業についてはやっぱり市として結ぶべきではないかというふうに思いますが、この点、新たに提案をしますので、市長、ぜひ今後検討をしていただきたいと思います。


 それから、保育士の正規職員をふやす問題ですが、私もいろいろ調べていて以前の議会でびっくりしたんですけれども、市長も、保育所というのは極めて重要な時期に保育をする人間形成過程の段階で重要だというふうに答弁されましたので、私も少しは安心をしたんですが、保育所というのは、何かしら、子供の子守をしてればいいというような認識が執行部の中にあるんじゃなかろうかというふうに思います。そういう点で、下郡の保育所なんか12人の中に5人も臨時ですから、そういうことで本当に保育ができるかどうか。


 ですから、話を聞きますと、臨時の保育士にはいろんなことを話をしないんですよ。例えば子供の家庭環境の問題、構成の問題、そういうのを知らないから、ぴしゃっとした保育ができない。正規の保育士にしかそういう話をしないんです。ですから、臨時の保育士はやる気がなくなる、そういうことにもなるわけです。ですから、私は、こういう点は、臨時の職員を正規職員に早くするということをぜひ強く要求したいと思いますが、ほかのところの職場のように職員を補助するようなところと違うんですよね。ですから、常勤的な職業でありますから、やはり積極的に登用すると、こういうことをしなければ、私は、キヤノンに正規職員をふやせ、ふやせとなかなか言えないと思うんですよ。言うたら、そんなら大分市はどうかと反対にやり返されるんで。そういうことのないように十分気をつけて、市長、改めて対応していただきたいと思います。


 中小企業対策については、これは非常に重要な問題ですが、時間の関係もありますので割愛させていただきます。


 農業の問題は、国の基幹産業という、重要な産業であるという点をぜひ位置づけて、今後とも頑張る必要があると思います。


 それから、環境対策ですが、これは市内の大企業に削減目標を義務づけるという、CO2の排出を、一番たくさん出すこういう大企業に、やはり大分市独自が削減目標を持たせるという点でぜひ努力すべきだと思いますので、この点も要求しておきます。


 それから、ばいじん対策ですが、かなり市も努力していますし、新日鐵も何もしないというようなことではないで、それなりに対応していますけれども、やはり背後地の住民にばいじん公害の被害を起こさないという立場でやはり頑張らなければ、健康にかかわる重大な問題でありますので、強調しておきたいんですが、やはり国の姿勢もだんだんよくなりまして、経済産業省がじきじき新日鐵にばいじん対策で乗り込んでくるということは、これは全国的にはかつて余りない姿勢ではなかろうかと思うんです。そういう点で、国の指導に基づいて、やはり地域住民、そして県、市一体となって認識を共有して、そして、ばいじん公害対策に臨むという点での姿勢をもっと強く市としてもやる必要があると思います。そういう点、ぜひ頑張っていただきたいと思います。


 それから、少し長くなりますけど、御辛抱を。


 教育行政について、1つだけ再質問をいたします。


 給食費の問題ですが、これは若い主婦の方々にとっては値上げされれば大変な被害、諸物価高騰の上、給食費までが上がるということになると、やっぱり大変だと思うんです。


 それで、先ほど教育長が学校給食法のことを言いましたが、そういう立場からすれば光熱費は給食費に入れないということになるんではないかと思うんです。隣の別府とか、あちこちはもう全部そういうふうにしていますから、県都の大分市がこれをしないというのはけしからぬわけで、少しでもやっぱり公共料金を値上げをしないという立場に教育長自身が立つべきだというふうに思いますので、光熱費を、ガス代を給食費に入れないという姿勢をとるべきだと思いますが、改めてこの点について教育長の姿勢を問いたいと思います。


 以上です。


○議長(三浦由紀) 釘宮市長。


○市長(釘宮磐)(登壇) 大久保議員の再質問にお答えをいたします。


 お褒めをいただいたり、また、激励をされたりということで、私も大変真摯にこれを承りたいというふうに思います。


 大分市から全国へ情報発信をしなさいということであります。お金があれば私もどんどんやりたいのでありますが、なかなか厳しい財政でございますので、その点については、行政改革等、私も先頭に立って頑張りますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。


 その中で、市政執行の基本姿勢について、志位共産党委員長がインドの西ベンガル州を訪問した際の貧困層を救う政策についての例示を出されて、私に基本姿勢を問われたわけでありますが、もとより私は、この政治に足を踏み入れた最大の動機が福祉であります。したがいまして、今日まで大分市を日本一の福祉のまちにしたいという思いは持ち続けております。


 したがって、先ほど、いわゆる貧困層を救うというお話がございましたが、やはり最低限の保障、そして、また国のレベル以上のもの、また他都市にまさるもの、そういうふうなものを目指してまいりたいというふうに思いますが、全体的な財政状況というようなものを勘案しながら、市民の皆さんすべてにわたってお答えができるように、その辺は優先度を考えながら、これからも福祉施策を中心に据えながら取り組みを進めてまいりたい、そういう姿勢でまいりたいというふうに考えております。


 それから、3号地、4号地の土地評価のあり方についてでありますが、これについては、用途地域が工業専用地域でございまして工場と事務所以外はほとんど建てられないというふうになっています。したがって、利用制限が大きいために利用度が余り高くないというふうに判断をしておりますので、よろしくお願いいたします。


○議長(三浦由紀) 足立教育長。


 発言は簡潔にお願いいたします。


○教育長(足立一馬)(登壇) 再質問にお答えをいたします。


 私も各家庭の厳しい状況は十分認識をし、理解をしているところでありますけれども、ガス代につきましては最後に申し上げましたけれども、これまでどおりを基本としてまいりたいと考えているところであります。


 どうぞよろしくお願いいたします。


○議長(三浦由紀) しばらく休憩いたします。


          午後0時0分休憩


 ◇―――――――――――――――――――◇


○議長(三浦由紀) 休憩前に続いて会議を開きます。


          午後1時0分再開


○議長(三浦由紀) 次に参ります。


 おおいた市政クラブ代表。36番、井手口議員。


○36番(おおいた市政クラブ 井手口良一)(登壇)(拍手) 36番、おおいた市政クラブの井手口良一です。会派を代表して、意見、提言を交えながら、釘宮市長と足立教育長の基本的なお考えをお聞きします。


 まず、市民協働について幾つかお尋ねします。


 釘宮市長は、一貫して市民協働の重要性を主張されてきました。今回上程されています、あなたが支える市民活動応援事業も、またその集大成とも言うべき可能性を秘めた画期的な事業であると評価し、今後この事業の定着と発展に大いに期待するところです。


 諸外国では既に、NPO、NGOなどへ寄附金を拠出した納税者には、寄附金額と同額の所得控除ができる制度を取り入れていますが、日本のNPO法はまだそこまで進んでいません。NPOには利潤の分配や蓄積を認めていない以上、社会的貢献度の高いNPOには何らかのインセンティブがあってしかるべきです。その意味で、現在自治体が独自にできる最大限のインセンティブ施策として、本事業の意義は大きいと言えます。


 本来税とは、主権者である住民から代理人として権限を負託されている行政権者が、その公的必要経費の財源として徴収し、住民から監視役としての権限を負託されている議会のチェックのもとに、納められた額の範囲内で主権者たる住民のための事業を執行するためのものです。したがって、納税額と受益行政サービスの費用対効果について納税者自身が評価できることが、住民の権利として担保されなくてはなりません。その意味でも、本事業によって市民がみずからその納める税金の使途の一部を決定し、その判断の良否を対象となる団体などの活動の成果を通して自己確認できるということは、市民の納税志向を高めることのできる究極の市民協働施策としても高く評価できます。


 これまで藤本速雄先輩を初め、足立義弘議員、田?潤議員、我が会派の衛藤良憲議員が相次いで上杉鷹山についてのエピソードを紹介されています。上杉鷹山は米沢藩主として有名ですが、実は現在の宮崎県高鍋町の生まれの九州人です。母方の祖母がかの吉良上野介義央の息子で、上杉家に養子に入った上杉綱憲の娘であった縁で上杉家の養子となりました。その鷹山が家督を譲る際に君主の心得としたのが有名な「伝国の辞」です。


 ジョン・F・ケネディ大統領は、上杉鷹山を最も尊敬する日本人として挙げていたと言います。そのケネディの大統領就任演説の一節、「国があなたに何をしてくれるかと尋ねてはなりません。あなたが国のために何ができるかを考えてほしい」という言葉は、まさに鷹山の思想そのものと言えます。


 あの19世紀初頭の封建社会の中で、地方自治体のトップである藩主が、国と住民、行政権者の関係をきちんと整理していたことに驚かされます。さらに、ケネディ大統領がその鷹山の「伝国の辞」に啓発されて、まさに釘宮市長がこの5年間、常に施政方針の旗頭とされてきた市民協働の理念を大統領就任演説に取り入れていたという歴史的事実に深い感銘を受けます。


 ちなみに、鷹山のその「伝国の辞」の約半世紀後に、同じく米国のアブラハム・リンカーン大統領が大統領就任演説で言ったのが、「人民の人民のための人民による政治」という言葉です。これもまた、主権在民の理念をあらわしていることにおいて、上杉鷹山の思想であると言えます。


 それではまず、自治基本条例についてお尋ねします。


 自治基本条例とは、自治体運営の主体となる市民、市長、議会の3つの構成要素が、この大分市の運営に関するさまざまな意思決定のよりどころとして共有すべき自治に関する最も基本的な理念や仕組みを、条例という形で法的に規定したものと私は考えます。


 地方分権一括法の施行後、自治体に求められている自治能力、自己決定能力は、自治体構成員全体の能力を指します。特に継続的な自治体の安定と反映を希求するためには、住民全体の継続的で高度な自治能力が問われます。したがって、自治基本条例もまた、市民のみずからつくるという意識が前提であるべきです。


 平成17年3月議会において、市長は、自治基本条例について「住民意思を具体的に結集したものとして、市民の参加と協働のためのルールをどのような形で確立するのが最善であるかという視点から、条例化という方向も含め検討し、取り組んでいく」とお答えになりました。そしてさらに、昨年の市長選における市長のマニフェストには、自治体の憲法として自治基本条例を制定すると明記されています。


 私ども、おおいた市政クラブは、自治基本条例制定の必要性を強く認識し、その実現のための調査研究を続けてまいりました。市長の御決意に深く感謝いたしますとともに、自治基本条例シンポジウムを初めとする実践的取り組みに対しても高く評価し、敬意を表します。


 市長は、自治基本条例について、何ゆえにみずからのマニフェストに掲げるほどの重要性を認識されたのでしょうか。まず、この点についての市長の御持論をお聞かせください。


 また、住民意思を具体的に結集したものとするために、今後どのような方法、過程をお考えなのか、お聞かせください。


 次に、住民主権についてお伺いします。


 先ほどのリンカーンの言葉をかりて申し上げるならば、自治基本条例は、「住民の住民による住民のための基本条例」でなくてはならないと考えています。大分市民の皆様に対しても、ケネディの言葉をかりて、「市長や市役所があなたのための自治基本条例をつくってくれると考えてはいけません。あなた方があなた方の望む自治基本条例を制定するために何ができるかを考えてください」と、機会あるごとに申し上げてきました。


 自治基本条例の何よりもまず先に規定すべき条項は、自治の主権が市民のものであり、市長や議会は、市民によって行政事務事業執行の代行者として主権を負託されている代理人であるということではないでしょうか。その上で、二元代表制の大原則のもとに、市長は、何をするか、何からするかを決め、議会はそれでよいかどうかをチェックし、市職員は市長の采配と市民の協力のもとにそれを実施するということを明記するべきです。そのほかの条項についても、市民代表が主体となって制定されるべきと考えます。


 市長は、住民主権、主権在市民という基本概念についてどのようなお考えでしょうか。


 さて、大分市47万市民には47万のストーリーがあり、価値観があります。そのことを前提とした上で、大分市の選択する方針や事業の優先順位について大分市民のコンセンサスを得なければなりません。


 市長は、これまでも自治会単位、小学校区単位の地域コミュニティーを重視してこられました。市民コンセンサスも町内会単位を基本として、町内会の集合体である小学校区、中学校区地区、さらに支所単位の地域へと共同体の枠を広げつつ市全体のコンセンサスに至るという形を尊重され、地域の意向を基本とする施政方針を決定されてきました。そのこと自体に異論を挟むつもりはありませんが、地域住民コンセンサスを重視する余り、ごく一部の住民の感情的なしこりによる反対などで市政が停滞する事態も想定されます。


 幸いに、大分市では地域間抗争などは起きていませんが、今後、地域間の社会的環境の相違や格差によって地域コンセンサスにばらつきが出てくる可能性も否定できません。また、NPO、NGOなど、全市的な視野や国際的な感覚で活動する市民集団が生まれ、勘案すべき重要な同意形成要素を多様化させています。


 そこで、改めてお尋ねしますが、国際化、グローバル化、情報化の時代において、地域住民の意向と全市的、国際的活動を担う市民の意向のバランスをどのように調整していくおつもりか、お聞かせください。


 次に、子供シティーモニター制度を提案します。


 自治基本条例は、10年先、20年先、もっと言えば大分市百年の計を画す大分市民の憲法となるはずです。その自治基本条例の定める方向の先の未来の大分に存在するのは、実は我々大人ではなく、現在の子供たちです。その子供たちに自治基本条例策定に参画する道がなくてもいいのでしょうか。


 釘宮市長が究極の市民協働を推進する以上、大分市民の一員であり、大分市を未来につなぐ子供たちもまた、協働のパートナーとして考える必要があるはずです。とはいえ、子供たちの代表を自治基本条例策定会議に送り込むことは実務上無理があるでしょう。


 そこで、かわりに子供シティーモニター制度を提案します。その子供シティーモニターたちに自治基本条例の意義や中身を説明し、子供たち自身の大分市の未来に対する希望やアイデアを聞くのです。


 さらに、シティーモニターとして議会訪問や市の施設見学などを通して、大分市政全般について子供たちの参画意識を喚起することも考えられます。私は、少なくとも中学生、高校生からは大人顔負けの論議や提案が出てくると信じます。この子供シティーモニターの中から、例えば成人式の運営委員が生まれ、その経験を生かしてさらに発展的に青年シティーモニター制度も発足できるようになれば、若者の政治離れや行政への無関心を打破することができると考えます。


 子供たちの大分市民の一員としての市政と地域活動への参画について、市民協働の視点から、釘宮市長はいかがお考えでしょうか。


 次に、地方分権に関しての市長のお考えをお尋ねします。


 新聞報道などによりますと、釘宮市長は、地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合、略称「せんたく」に加盟されたそうです。「せんたく」は、地域、生活者起点で日本のつくり直しを行う国民運動組織として、与野党の国会議員とともに日本をつくり直す平成の民権運動を展開することを目的に結成されたと聞いています。


 私は、平成の民権運動というよりは、むしろ平成の列侯会議であると考えます。民権運動は倒幕がなった明治維新後の民主化運動のことですが、霞が関幕府の倒幕がなっていない現状では、いまだ明治維新前夜であると言わざるを得ません。


 「せんたく」は、既に徳川幕府の末期以上に制度疲労を来している霞が関幕府に対して大きな大きな一石を投じる運動展開ができる、大いに期待の持てる政治集団であり、それに参加した市長の勇気にも敬意を表します。


 地方分権一括法の制定以降も国による統制密度は薄まるどころか、かえって濃厚になっています。中央政府の縦割り行政の弊害も、省庁再編によって、むしろ複雑化、深刻化しています。今回の道路特定財源と暫定税率について、これまで地方分権を強く要求してきたはずの全国の自治体の長のほとんどが道路特定財源と暫定税率の双方の現状維持を訴えていること自体、異常な姿と言えます。


 自治体の長は常に中央政府の束縛からの解放を求めてきたはずですし、まして財源の分限化は自治体にとっても悲願ですらあったはずです。現に全国知事会が組織する地方分権改革推進本部は、国庫補助金を一般財源化するよう要求しているではありませんか。


 地方分権を強く求めてきたはずの首長たちが、政府の補助金行政に追随して、税金の使い方を国にゆだねることをみずから望む声明を出すということは論理破綻と言うしかありません。日本の地方分権は、まさに担い手みずからが有名無実であることを実証したに等しいのです。地方分権一括法も羊頭を掲げて狗肉を売るに等しい茶番だったのでしょうか。


 それにも増して、私が市議会議員の立場からもっと嘆かわしいと思うのは、地方自治体職員の分権意識がいまだに芽生えていないということです。


 もともと法令は、想定外の事態の発生に備えて、適度の抽象性、あいまいさを包含しています。その法令に新しい解釈の必要性が生じた場合、地方分権一括法の施行以降は、その解釈を地方自治体が独自に行うことが可能になったはずです。にもかかわらず、今日に至るまで大分市の職員には独自に法令解釈し、行政判断を下すという勇気どころか、それができるという意識そのものがないとしか思われません。


 地方分権一括法施行とともに設置された国地方係争処理委員会がまさに開店休業状態であるという現実は、地方議会人である私としても、痛切に責任を感じざるを得ないところです。


 釘宮市長は、真の改革派の国会議員として長年活動されていました。完全自治体を求めておられる市長ですから、政府の地方分権改革の制度上の矛盾もさることながら、市職員の意識については決して満足されてはいないでしょう。職員意識の地方分権の進捗度について、御自身の所見をお聞かせください。


 次に、行政改革の視点から幾つかお尋ねします。


 まず、事業別予算、決算書についてお尋ねします。


 大分市では、これまでも主要な事業について人件費を除く事業別費用額を公表していましたが、今年度から、87の重点事業については人件費を含めた事業別予算を提示するようになりました。大変積極的で勇気ある第一歩であると高く評価します。


 本来、職員は1つの事業だけに専従しているとは限らず、人件費の算定には一定の作業が必要となるでしょう。しかし、だからこそ、事務事業の配分責任者が人員配置の判断の可否、事業の成否、費用対効果の自己評価を正確に認知することにつながると思います。人口14万の東京都多摩市では、各課レベルで重要と考える400事業を選別し、事業別に人件費も含めた予算、決算書を作成しています。この制度の導入によって議会のチェック機能や外部評価の機能も向上していますが、何より職員自身の事業執行に対する意識の向上と活性化が見られたそうです。


 大分市でも、今年度の重点事業を各課に自主的にそれぞれ10事業程度を選ばせ、人件費を含めた事業別決算書を各課の責任で作成することを提案します。そして、来年度からは、人件費を含めた予算書と決算書を作成する事業の範囲を徐々に拡大することもあわせて提案します。市長の御決断を期待します。


 次に、行政評価についてお尋ねします。


 既に大分市では幾つかの行政評価システムを導入しており、その姿勢自体には敬意を表します。しかしながら、行政評価を実施する主体がいまだに幹部職員中心になっているところに不満を覚えます。確かに市の委嘱する少数の評価委員による外部評価とその結果の公表は行われていますが、それだけでは満足ではありません。


 わかりやすい資料を提供し、できるだけ多くの市民の方に行政評価を求めることは、基礎自治体にとって欠くべからざる説明責任ではないでしょうか。評価そのものも重要ですが、特に若い一般職員にその評価事務に参画させることによって、職務に対する意欲の醸成に資することが可能になると考えます。


 監査委員や包括外部監査委員など専門のチェック機関と並行して、広く市民と一般職員に開かれた行政評価制度を導入することこそ、行政の説明責任本来のあり方と考えます。市長の行政評価制度の拡充と市の説明責任についてのお考えをお聞かせください。


 次に、機構改革の一案として、部の新設、統廃合を提案します。


 今回の私の機構改革案を集約しますと2部の増加となりますが、本年の国体と障害者競技大会の終了によって国体推進部が不要となりますし、教育委員会も生涯学習部門の再編などによって1部にできるはずです。したがって、部の総数の現状維持は可能です。


 まず、既に何度も論議してきました福祉保健部について、福祉部、健康部、こども部の3部に再編することを提案します。釘宮市長は福祉の現場への造詣が深く、「福祉のばん」とまで称されています。しかも、市長就任以来、大分市独自の福祉施策を次々に実現させ、まさしく「福祉のばん」であることを証明してこられました。


 しかし、今日一口に福祉と言っても、社会構造の複雑化と市民生活様式の多様化から福祉の分野は広範にわたるようになりました。福祉保健部の所管する分野は一元的、総合的に判断する効率性よりも、多様な問題に専門的、集中的に対応することの有効性のほうが大きくなっていると考えます。


 「福祉のばん」であればこそ、また、健康増進に対する強い意思をお持ちであればこそ、さらに子供たちの未来を開くことを常に念頭に置いて子育て支援に真摯に対応している釘宮市長であればこそ、それぞれの分野に専門性を持たせ、わかりやすい執行体制を実現するべきではないでしょうか。


 特にこども部の設置は、市内の多くの子育て世代の悲願です。義務教育年齢期以外の子供たちへの行政サービスを統合し、子育て支援を一元化することは、多くの基礎自治体で既に実施されています。市長の前向きの御決断を期待します。


 次に、商工部と農政部を統合して仮称産業振興部を創設することを提案します。


 この提案は、農業委員会の機能と権限の強化が前提となります。したがって、現在農政課が所管している農業振興地域に関する手続などを農業委員会に移管して、農地法に基づく農地管理のすべての権限と事務手続を農業委員会に一元化することをあわせて提案します。


 また、その農地管理に関する権限、事務手続の一元化をさらに推進するためには、大分県に対してさらなる権限移譲を要請すべきとも、あわせて申し上げておきます。


 耕地林業課の所管する事業のうち、耕地部門は土木建築部の土木管理課へ、林業部門は都市計画部の公園緑地課へ移管し、農政課の一部、園芸畜産課と商工労政課、観光課を統合して産業振興部を創設します。農業の持つ産業としての側面と機能を地域産業育成部門に一元化し、商工部の知識、経験、ネットワークと農産品生産部門をリンクさせるのです。そうすることによって、観光と農業のリンクによるグリーンツーリズムや、特定の農産物の安定供給を前提とした特産加工品の開発など、新しい展開が幾らでも考えられます。


 民間企業においては、既に建築士などの技術職が営業畑に進出し、成果を上げています。基礎自治体としての大分市の使命を考えるならば、市の農業部門の専門職員にも、農業、水産業に関する豊富な知識と経験を、地産地消、市場開拓、新商品開発などの営業部門で発揮してもらうことが必要ではないでしょうか。


 市長の経済部門の統合についてのお考えをお聞かせください。


 機構改革の最後に、人事部の創設についてお尋ねします。


 何度も申し上げてきたことですが、大分市の職員数に匹敵する規模の民間企業では、人事部門は総務部門から独立した1つの部となっています。効率的経営による利潤追求を旨とする民間企業の体制を模範とすることも行政改革の考え方の基本です。人事部門を独立した部にする論議も十分に行うべきではないでしょうか。


 人事考課は、職員の適材適所配置を図ることだけでなく、職員の仕事に対する意識そのものを左右する、まさに市政執行の活性化と効率化を図る上での基本的な要素です。人事考課システムの拡充を図ることは、その意味でも行政改革の根幹であると言えます。


 大分市職員3,700人以上の運命を左右する人事考課に直接携わっている専門部署の人数は、人事課十数人の中でもわずか数名にすぎません。現在は改善されたとはいえ、数年前までは限られたスタッフが年間1,000時間以上の時間外労働を強いられながら人事考課事務に当たっていました。


 人事考課というものは、どのような制度でだれがやろうと、ある者には歓迎され、別のある者には不満を持たれるという宿命から逃れられません。だからこそ、人事考課への職員の信頼感の確保が最も重要なのです。現在の職員数では、とても職員一般の満足がいくような人事情報を把握し、適材適所を適時に実行できるだけの体制づくりは不可能でしょう。


 そこで、人事を担当する職員の絶対数を増加させ、完全な独立機関としての権威と信頼度を向上させるため人事部の創設を提案し、市長の御決断を求めます。


 次に、職員の意識改革について一案を呈します。


 最近、大分市職員に対する市民の不満と不信感が増加しています。もともと公務員に対する固定観念はよくありませんし、私自身は、大分市の職員のレベルは決して低くないと考えています。


 視察などで他の自治体を訪問した際にどうしても大分市の職員と比較してしまいますが、少なくとも中核市の中では大分市の職員の能力はトップクラスと私は考えています。窓口担当職員の対応の親切さや配慮の細やかさに対する市民からの感謝の言葉も届いています。それだけに最近の市民の不満の増大が不思議でなりません。


 ただ、確かに二元代表制という根源的な視点から見ると、委員会や本会議で担当部長が陳謝しなければならないような事案が相次ぐなど、執行部の議会対応に違和感を感じることが多くなったのも事実です。


 釘宮市長の誕生以来、市長がみずから先頭に立って職員意識の改革に精を出されてきたことは承知しています。その成果が着々と上がっていることも事実ですが、釘宮市長誕生以来5年を経て、職員の間に市長のペースになれてしまったがゆえのモチベーションの低下が出ているのかもしれません。ここいらで、釘宮市長の温厚で拙速よりも着実を好むお人柄の陰に隠れている、事に臨んでの不退転の意思、また、改革のための強い志を表に出して、政治家としての経験豊富な釘宮市長らしい活を職員に入れることが必要と考えるのは私一人でしょうか。


 そこで、具体的なその方法として事業仕分けの実施を提案します。事業仕分けとは、職員と外部評価者、つまり他自治体の職員、民間企業経営者、市民代表などが、自治体の行政サービスについて事業別予算書などによってその事業が必要かどうか、必要であれば、官か民か、国か地方かなど、だれがやるかを議論し、事業の要不要、必要な事業の実施主体を民間、国、県、市に仕分ける作業のことです。


 すべての結論は多数決で決せられます。だれでも聴講できる純粋な公開の場において、外部の目、特に他自治体職員、いわゆる同業他社を入れて行政事務事業の評価を論議するのです。


 既に中核市の岡山市、秋田市、政令市の横浜市、新潟市など、全国各地の自治体で行われていますが、私は千葉県の事業仕分けを聴講し、その真摯でレベルの高い論議に圧倒されました。その際、ふと気がつくと、私の隣の聴講者席に堂本知事御自身が一般の聴講者として座り、時折メモまでとっておられた姿にも感銘を受けました。


 事業仕分けを行うことは、市長御自身の決断があれば可能です。事業仕分け実施についての市長のお考えをお聞かせください。


 次に、防災、危機管理についてお尋ねします。


 海上自衛隊が誇る排水量7,750トン、最新鋭のイージス艦「あたご」が、2月19日未明、銚子沖で千葉県新勝浦市漁協所属の7.3トンのマグロはえ縄船、清徳丸に衝突して沈没させたことは記憶に新しいところです。


 イージス艦はギリシャ神話に登場する万能の盾イージスにその名を由来し、高性能レーダーと情報処理システム、そして迎撃用対空ミサイルの3点セットで構成されたイージスシステムを搭載した艦船の総称です。「あたご」はその中でも海上自衛隊の誇る最新鋭で最大のイージス艦であり、ハワイ沖での米海軍との合同演習に参加し、模擬大陸間弾道弾を宇宙空間で破壊するという実弾演習に成功して、横須賀への帰還の途上でした。


 米軍との合同演習、とりわけ集団的防衛権につながるMDに関する合同演習については、国民の賛否の分かれるところです。しかし、少なくとも防衛省内部の懲罰規程においては、あのまま無事に帰港していれば、間違いなく艦長以下乗組員全員がその演習成功を顕彰され、胸にぶら下げるバッジの数がふえるところでした。それが一転して艦長以下幹部全員が処罰と更迭の対象になってしまったのです。


 吉田兼好の徒然草の一節に「高名の木登り」というのがあります。兼好法師が木登りの名人と言われる職人のうわさを聞いて会いに行ったところ、ちょうど若い職人が木に登って作業をしている現場に行き合わせた話です。木登りの名人は、弟子が木の高い場所で作業をしているときは何も言いませんでしたが、もう少しで地面というところになって気をつけろと声をかけます。高いところでは怖くて自分で気をつけるが、あと少しで地面に足をつけることのできるところでは気が緩む、そこで気をつけるよう名人は声をかけたのです。


 私は、ついこの木登りの名人と「あたご」の艦長を比べてしまいます。どんなに完成された危機管理のシステムであっても、それを使う人間の能力、適性によっては無に帰してしまうということが、悲しくも情けなくも今回の「あたご」の事故で実証されました。


 危機管理の要点は、突き詰めて言えば、晴れの日に傘の心配をすることに尽きます。大分市の自治体としての防災、危機管理体制は他都市と比べて整備されていると評価します。しかし、肝心の指揮命令権者に晴れの日に傘の心配をする感性と想像力がなければ、危機管理体制は瓦解します。同時に、危機管理体制の要所要所に配置されている要員にも同じ感性と想像力が必要です。そのことを特に大分市管理職全員の共通認識となるよう、日ごろから反復して確認するべきと指摘します。


 危機管理体制要員の心構えに対する市長のお考えをお聞きします。


 次に、地域経済活性化策についてお尋ねします。


 釘宮市長の地域経済活性化策は着々と成果を上げ、企業誘致においても市税収入においても成果を上げています。さらに、国の発表する景況指数も、緩やかとはいえ長期間景気拡大を示してきました。しかし、肝心の市民や中小零細を中心とする地場企業の景況感はよくありません。それが何に起因しているのか、市としても十分に検討するべきでしょう。


 広がるばかりの地域間格差や経済格差、あるいは企業間格差も大きな要因ですが、私は、バーチャル経済の拡大によってマネーゲームばかりが市場を占有していることに根源的問題があると考えています。このままでは、日本のみならず、世界の未来がデリバティブや先物取引市場に食いつぶされてしまう危険性さえ感じています。


 原油の急激な高騰が深刻化しています。原油先物取引の主要商品であるWTIはついに108ドルを突破しています。WTIとは、ウエスト・テキサス・インターミディエイト、つまり西テキサス州産出の中質油ということです。このWTIの産出量は日量で平均約100万バレル程度だそうですが、そのWTIが先物市場で取引される量は1日に1億バレルにも上っており、実経済の実に100倍もの投機取引が行われているわけです。


 原油に限らず、大豆や砂糖、プラチナやタングステン、何であれ先物市場に上場されている商品のすべてが、一方で我々の実生活に直接、間接に強く結びついていながら、一方でコンピューターの世界で繰り広げられているバーチャル経済上の投機の対象となっているのです。


 世界経済は、実経済が信用収縮を始める中、投機市場、マネーゲームは規模拡大を続けて、実と虚の格差はますます広がるばかりです。しかしながら、そのグローバル経済とこの大分市も実は無縁ではないのです。世界のどこかで高級住宅街に豪邸を建て、自家用ジェットを保有しているごく一部の人間の生活を支えることと引きかえに、日本の片田舎の、この大分市の自分と家族の生活の現在とほんの少し先までの未来を保障するために額に汗して働いている市民の暮らしが強く圧迫され深く侵害されているというのが、今日の世界経済の実態なのです。


 そして、世界がバーチャル経済、金融投機市場に席巻されているからこそ、大分市として真に大分市民のための地域経済活性化が必要なのです。その額に汗して働くことの喜びと矜持を持続できるような産業構造の形成こそが望まれています。


 本来、労働は人類だけが享受できる喜びであり、労働は生活の糧を得る手段であると同時に、就労を通して知識や技術、技能、経験を蓄積することが可能となる経済活動です。人間は、ロボットにはなり得ません。働くことに喜びや創意工夫の楽しみ、達成感、プライドといったものが加味されなければ人間の一生そのものの価値が低下してしまいます。


 誘致する産業を選ぶ場合、技術の蓄積や経験の継承が可能になるような産業を選択すべきです。その企業そのものよりも、そこに働く人々の職業人、専門家としての成長を期し、彼らの働く喜びを持続できることができる地場産業の育成が必要なのです。


 市長は、どのような理念に基づく地域経済活性化理念をお持ちでしょうか。


 次に、新時代の大分市の都市計画についてお尋ねします。


 都市計画のキーワードとして今日忘れてならないのは、コンパクトシティーとユニバーサルデザインの2つではないでしょうか。既に議会でも何度も論議されていますが、ここで市長御自身の基本的なお考えを確認しておきたいと思います。


 コンパクトシティーとは、車社会を前提とした考え方を軌道修正し、中心市街地はもちろん、工業地域、住宅地域などを含む都市の土地利用空間の空洞化を抑えることです。また、既成市街地に商工、公益などの都市機能と居住空間の集積を誘導して、にぎわいと徒歩エリアで生活を完結できる都市空間を拡大させながら、近郊農村地域など周辺地域との共存共生関係を確立することです。


 さらに、コミュニティーにおける安全、安心な生活環境の形成を基礎とし、資源問題、環境問題に対応して、自然や環境に敵対しない、あるいはそれらを破壊しない持続可能な都市基盤形成とマネジメントを志向することです。


 大分市が理想のコンパクトシティーを目指すとしたら、まず何より市民一人一人の総合的な潜在能力を向上させ、その上で市民相互の協働、共生の力を増強し、総合的な市場性を高めて地域経済力をつけることが必要です。そのためにこそ、公共の力、すなわち自治体行政と市民の協働体制が重要となるのです。


 したがって、ユニバーサルデザインの考え方も、実はこのコンパクトシティーの考え方にすべて包含されています。なぜなら、ユニバーサルデザインとは、老若男女の別、障害のあるなしに関係なく、すべての人が平等、公平に生活できることを保障する考え方ですから。


 釘宮市長の大分市版コンパクトシティー、ユニバーサルデザインに対するイメージをお聞かせください。


 次に、私がコンパクトシティーのイメージの第1位に掲げました車社会を前提としたまちづくりからの方向転換を図るため、これからの時代に即した公共交通機関の整備に関する市長のお考えをお尋ねします。


 高齢化社会、省エネ、省資源型生活、情報化社会など、我々を取り巻く社会環境は、高度経済成長期のそれから大きく変化しました。新時代の新しいライフスタイルにふさわしい新公共交通体系のイメージには、少なくとも乗用車を1人で運転している姿は似合いません。コンパクトシティーは徒歩圏の拡大や徒歩圏内の生活完結を可能にすることを目指していますが、だからといって、公共交通機関が必要ないというわけではありません。


 都市づくりには、基盤整備などハード部門と、交通手段などのソフト部門があります。公共と名のつく交通機関であっても、需要と供給のバランスという市場原理が働くべき要素の強いソフト部門であることは否めません。しかし、だからといって、これまでのように都市計画上の利用区分設定と道路網整備、公共交通機関体系整備がそれぞれ別々に論議されることは許されません。行政は道路をつくる、民間は公共交通機関を提供することで利益を求めるという時代は終わったのです。


 今日、欧米諸国ではむしろ発想を逆転し、まず市内と近郊間の道路網や公共交通システムとしての新しい鉄道などの整備を考え、その後で都市空間の利用区分を決定するようになっています。確かに、平野に広がり計画的な都市基盤形成が継続してなされてきたヨーロッパの各都市と、1級河川が2本も市内を流れ、その間を洪積台地で分断されている大分市では、都市形成の地形的条件がかけ離れています。しかし、それでも、これからの持続可能な都市空間、コンパクトシティーを目指し、究極のユニバーサルデザインを追求するのであれば、全く新しい公共交通機関体系を創造し、その継続的な整備を図ることを前提とした都市づくりをするときが来ていると私は考えます。市長のお考えはいかがでしょうか。


 次に、駅南の複合施設について、市長の基本的なお考えを確認したいと思います。


 もともとこの複合施設は、駅周辺整備事業、駅南地域活性化の目玉として位置づけられていました。それが、駅高架事業のおくれが生じたことで、大分市民の悲願だった総合福祉保健センター建設用候補地が転々としたあげく時間的猶予がなくなって、総合福祉保健センターから保健所だけが分離されて建設されたところから、この複合施設の性格が変化し始めました。福祉センターが入る、図書館が入る、保育所が入ると、次々に施設内容の付加が検討されるようになりました。


 確かに、大分市にとっての50年に1度とも言える大事業としてとらえれば、この際、何でも市民の要望にこたえて一緒に建ててしまうという論議も成り立つかもしれません。しかし、私はむしろ、50年に1度の大事業だからこそ、未来の大分市民からも高い評価を得ることのできる施設にしなければならないと考えます。大都市の場末の雑居ビルのようなイメージを与えかねない、何でもありの施設づくりには到底賛成しかねます。


 さらに、利用者である市民、とりわけ障害者や高齢者、幼児を連れた若い保護者の方々が施設内で道に迷うような複雑な利用区分を持つ施設の建設を許すわけにはいきません。ここは期限を切らず、じっくりと論議と検討を重ねて、真に大分市百年の計にふさわしい施設を、市民、市長部局、議会の3者の協力体制によって実現することを希望します。


 そこで、中でも問題になりそうな3点について、市長のこの施設に対する思いとともに確認しておきたいと思います。


 まず、この施設のコンセプトは何でしょうか。まさか釘宮市長ともあろう方が、この大分市にとって大事業となる施設のコンセプトを、雑居ビルにしようとはお考えではないでしょう。市長としての現在の大分市への思いと、大分市の50年後のあるべき姿とを重ね合わせ、どのようなコンセプトの施設にするおつもりでしょうか。


 次に、保育所についてです。


 確かに桜ケ丘保育所周辺で園児の保護者の送迎用自家用車による交通混雑が恒常的に生じています。この保育所が区画整理区域から外れたため、保育所の移転が地域住民からの要望として上がっています。桜ケ丘保育所そのものも老朽化し、建てかえの時期が迫っているようです。だからといって、交通混雑問題を抱えたままの保育所を駅前に移動させることには納得できません。


 大都市などでは電車通勤をする保護者を前提として、駅ビルなどの中に保育所、保育園のサテライト的な一時預かり所を開設している例などもあります。しかし、この大分市で、電車で大分駅まで連れてきた幼い子供を保育所に預けようとする、あるいは子供を保育所に預けてから電車で通勤しようとする保護者がどのくらいいるのでしょうか。現状では、保護者は、駅前に移った保育所にも子供を自家用車で送迎するでしょう。奇をてらうことは行政として厳に戒めるべきです。


 さらにもう1点、駅前のこの施設の予定地周辺には、現在既存のバス路線などJRを補完する公共交通機関網はありません。駅北からのコンコースと駅南広場からほぼ直結する場所に施設用地があるのは承知していますが、それでも、高齢者など徒歩でのアクセスに不安のある市民の利便性確保については心配が残ります。駅南周辺全体の整備を考えるとき、先ほども議論しました公共交通機関体系の整備が必要となります。そのためにも、駅南最大の施設として地域全体の集客の核となるこの施設を中心とした新しい公共交通機関ネットワークの形成が望まれます。


 以上3点の要素を踏まえた、市長の駅南の複合施設への基本的なお考えをお聞かせください。


 次に、農業政策についてお尋ねします。


 農政部と商工部の統合を提案しましたが、私は、大分市にとっての農業政策の重要性を最も強く認識している一人です。


 日本の食料自給率はついに40%を下回り、先進国最低という最悪の状態になりました。少し古い資料ですが、平成10年第2回定例会での私の一般質問に対して、当時の農政部長は、平成8年時点の大分市の食料自給率はカロリーベースで14.9%と回答しています。現在ではさらに低下しているはずです。


 一方で、世界の食料の供給環境は悪化の一途をたどっています。現在、穀類の価格高騰そのものが日本人の生活を圧迫していますが、さらに各国の政策の流れは穀類の輸出規制に向かっています。


 例えば、ソバは現在自給率20%を切っており、近年まで日本への最大の供給国であったブラジルが大豆やサトウキビへの作付転換をしたため、今では国内のソバ消費量の実に60%以上を中国からの輸入に頼っています。その中国では、食料自給率が100%を切ったため、中国政府は穀類の輸出規制を始めようとしています。どこの国の政府でも、自国の国民よりも他国の国民の空腹を満たすことを優先することはあり得ません。国際的な食料輸出規制の動きを日本がとめることはできないのです。


 日本の戦後の経済成長の原動力は、輸出によって稼いだ金で足らない食料を調達することにあったはずです。それが、いつの間にか稼いで食べ物を買うという目的から、稼ぐために売ることだけが目的となり、輸出商品を売り続けるための方策として国内での食料生産を抑えるようになってしまいました。そのため、日本の農業はつくることを放棄することを、減反政策などを通じて国みずからが強制し、今日の農業の壊滅的な状況を生み出しました。


 基礎自治体としても、晴れの日に傘の心配をするならば、食料安全保障についての根源的な対策を検討することを忘れてはならないはずです。


 そこで、私の提案ですが、大分市を小学校区単位で区割りし、食料自給体制のための単位地域とします。その上で、大分市の目指す食料自給率を定め、まずは1つでもその食料自給率を達成する地域をつくり、その自給圏を拡大していくことを農業振興の指標として導入してはいかがでしょうか。


 私の計算では、食料の自給に必要な農地は人口1人当たり約540平米になり、大分市全域が自給率100%圏となるには、大分市の市域の約半分が農地に転換されなければなりません。現在その7分の1程度の農地しかなく、さらに傾向として耕作放棄地も転用農地もふえる一方の大分市において、食料自給率を向上させることは並大抵のことではないかもしれません。


 しかしながら、大分市は、九州圏内でも有数の商工業拠点都市であると同時に、農業生産都市としても大きな潜在能力を有しています。要は知恵と努力の出しようです。食料自給率を少なくとも国レベル、できれば50%まで上げていくことは不可能ではなく、それ自体、今日の自治体に課せられた最優先の義務の1つではないでしょうか。


 市長の食料自給体制確立の視点から見た、大分市の農業政策に対する決意をお聞かせください。


 次に、環境対策の一環として、森林経営についてお尋ねします。


 釘宮市政の1つの方針として打ち出されましたアントレプレナー事業の1つとして、みんなの森づくり事業がスタートし、多くの市民の賛同を得て、今後の展開が楽しみになっています。


 大分市にあっても、地球環境全体を視野に入れた環境対策が求められています。同事業の目玉であるドングリの委託制度を「みどりの夢銀行」と命名されたところにも、市長のこの事業に対する並々ならぬ熱意を感じます。


 そこで、大分市の新しい森林経営政策のあり方を模索するために質問いたします。


 よく森林は、炭酸ガスを吸収して酸素をつくり出していると言われますが、それが誤解であることが最近周知されるようになりました。植物の光合成は、植物の代謝と成長のために営まれる生命活動の1つです。光合成で吸収される炭酸ガスの総量は代謝で放出されるそれと同量なのです。もちろん成長するために取り込まれる分の炭酸ガスは吸収されていますが、成長がとまった植物では、吸収する炭酸ガスと排出する炭酸ガスは同量です。したがって、手入れが悪く成長のとまった森林や極相状態にある森林は、炭酸ガスの吸収には役に立たないのです。


 木を切ることは、これまで環境破壊の代名詞のごとく言われてきました。しかし、今日では、むしろ一定の管理下に森林を更新していくことこそが、地球環境保全の立場からも、災害対策などの治山治水対策としても必要であるとの考え方に変わっています。場合によっては、皆伐と植えかえによって森林全体の更新を図ることも森林経営の新しい考え方として注目されています。切った木は、炭酸ガスを固定したまま木材として保存を図ることが望まれますが、たとえ単純に燃料として消費されたとしても、炭酸ガス循環からすれば化石燃料に比べて環境負荷は小さいとされています。


 大分市は広い市域に2次林、人工林を多く有しており、森林経営のための潜在能力は非常に高いと言えます。木材としての価格低迷や森林経営の担い手不足など、林業を取り巻く経済的、社会的環境は低迷していますが、森林経営の政治的な必要性はむしろ増大していると言えます。


 今後、大分市の環境保全、みんなの森づくり事業の成果として新しい森の創出、市民の憩いの場としての森などを視野に入れた長期的な森林経営計画が必要です。


 釘宮市長はみずから竹中地区に出かけて、放棄された杉林の中の竹を切るボランティア活動を経験されました。合併記念市民の森植栽事業においても、昨年まで3年間、市長みずから多くの木々を植栽されています。市として環境保全対策、治山治水の見地から、どのような森林経営のあり方を模索されていくのか、釘宮市長の夢のあるお話をお聞かせください。


 最後に、教育行政についてお尋ねします。


 まず、今般中間まとめが出されました大分市教育ビジョンについてお尋ねします。


 そもそもこの教育ビジョンはだれが何のために制定しているのか、私には理解しかねます。中間まとめを見る限り、そこには教育を受ける側の論理は全くといっていいほど見えません。


 教育現場が置かれている多くの課題や問題点、その現場を取り巻く環境の変化など、教育委員会にとって現状は厳しいものがあることは理解しています。それでも、今度いただいた中間まとめには失望したと同時に、教育委員会に対する不信感さえ感じています。一体教育長は、大分市教育ビジョンに対してどのようなお考えをお持ちなのでしょうか。ビジョンと銘打つ以上、そこには大分市の教育の将来展望が示されるべきであって、従来の大分市教育委員会のスタンスを踏襲し、現状を肯定し、弁護するためのマニュアルづくりであってはならないはずです。また、教育ビジョン策定開始から今日まで費やした時間を考えますと、余りにも性急、拙速に制定しようとする、その意図が理解できません。


 教育ビジョンは、その制定そのものが目的なのではなく、大分市の総合的な教育環境を整え、教育力を向上させることが目的であるはずです。たかだか数十万円程度の予算を予定どおり執行することと、この大分市の未来を正確に見据えることと、どちらが重要なのか、火を見るより明らかです。


 ここはむしろ、この教育ビジョン中間まとめをたたき台とするべきでしょう。その上で、ビジョンの策定に市民や教育現場、地域の参画を求め、市民の同意形成と協働体制の構築に十分に時間をかけながら、真に大分市の教育の将来を託すに足るビジョンを制定するべきと私は考えます。


 教育長の、大分市教育ビジョンと大分市の教育の未来についての抱負をお示しください。


 また、先ほども子供モニター制度について論議しましたが、東京都町田市では子どもマスタープランを策定する際、中学生、高校生で構成される子ども委員会を立ち上げ、子供たちにもマスタープランの策定に参加させています。子ども委員会を設置した町田市の基本的な考え方には、子供のためのマスタープランに子供が関与していないのはおかしいという当たり前の、しかしながら、これまでの行政感覚では気づくことすらなかった心理が秘められています。町田市の施策を高く評価するのは私一人でしょうか。


 子供たちの未来を左右する教育ビジョンの策定段階に子供たちを関与させることは、教育ビジョン本来のあるべき姿です。のみならず、子供たちの将来にわたって行政へ関与する意識を啓発するためにも必要な施策と考えます。


 教育長はいかがお考えでしょうか。


 次に、小中学校の学校内生活全般並びに学校給食における安全性確保と地域文化の継承という観点から、教育長のお考えを確認させていただきます。


 中国製の冷凍ギョーザへの毒物混入事件によって、日本の食料安全保障の脆弱さを改めて知らされました。生協という消費者自身の活動母体を巻き込んだ今回の問題は、学校現場においても保護者や給食関係者の不安を募らせています。私は、既に何度も食の安全性について論議してきました。今回の事件は、私の晴れの日の傘の心配を的中させ、まさにどしゃ降りの中で傘を探さなくてはならない状況を実感させられました。私としてもじくじたる思いに駆られます。


 一方、学校現場では、給食以外にも子供たちが口にすることが考えられる教材や教育機器があります。ピアニカなどのマウスピースなどは直接口に入れます。低学年のいわゆるお道具箱の中身や市立幼稚園、保育所などにある幼児教育用玩具なども、小型のものであれば子供たちは往々にして口に入れます。それらに使われている素材や塗装剤も、直接の食べ物ではありませんが、製造地の確認など安全性の確認がなされるべきです。


 既に中国製の玩具などからは、鉛などの毒物が検出された事例が多発しています。子供たちが口に入れる可能性のある教材、教育玩具などの製造国や原材料調達先などについて大分市はどういうふうに安全確認しているのか、まずこの点について教えてください。


 さて、大分市は、仮称大分市食育推進計画を策定する旨、公表し、今月いっぱいパブリックコメントを募集しています。この推進計画は、子供の食育を初め、生活習慣病等の予防、高齢者の健全な食生活の実践、楽しく食卓を囲むことの機運の醸成や食の安全性の確保、地産地消の推進、伝統ある食文化の継承等を念頭に策定されるそうです。その趣旨そのものは大変結構ですが、その主管課が保健所の保健総務課になっています。食育には学校現場のかかわりが大変重要なのではありませんか。


 先ほどの教育ビジョンにも当然ながら食育の推進はうたわれることになるでしょうが、この大分市の食育推進計画に対して大分市の教育委員会と学校現場はどうかかわっていくのでしょうか。この点で、教育長の前向きで主体的な決意をお聞かせいただきたいと思います。


 さらに、保健所が主体となる食育であれば、健康がまず第一に掲げられるでしょう。健康増進はもちろん重要な食育の目的の1つですが、子供たちへの食育の場合、それだけでは十分とは言えません。その1つが地産地消であり、さらに、もう1つが地域食文化の継承であると私は考えます。


 中国製食品の毒物混入事件、米国産牛肉のBSE問題など、食の安全を脅かす多くの問題は、実は長年にわたる我が国の農政の失敗によって日本の食料生産性が非常に脆弱になっていることに起因しており、根本的な部分において国内問題であると、私は声を大にして申し上げます。


 今こそ、地産地消が健康のためにも、この国の未来のためにも必須の生活習慣であることを、まず子供たちからきちんと伝えていかなくてはなりません。また、そのためにこそ、いわゆるおふくろの味、おばあちゃんの知恵袋と言われる地域特有の食材や調理方法などの食文化の継承に食育を通して取り組むべきではないでしょうか。


 そもそも米を中心とした日本の食文化が破滅に近い状態まで追い込まれ、その結果として、日本人の多くが生活習慣病に追い込まれてしまった原因の1つが、学校給食におけるパン食であったと言われています。戦後の食料難時代に米国から無償に近い形で提供された小麦粉と脱脂粉乳が、我々昭和20年代生まれの日本人の成長期の栄養摂取を支えたことは事実です。しかしながら、その代償として、日本人の食生活の嗜好が欧米風に変化し、日本の農業を内から破壊したことも、その結果として、毒物混入や感染症汚染の危険性を確保しながらも食料の輸入に頼らなくてはならない国になったこともまた、まごう方なき事実と言わざるを得ません。


 だからこそ今、日本の子供たちとその未来のために、日本独自の食文化に根差した食生活を確立する食育へと転換することが必要なのです。


 教育長も脱脂粉乳で空腹を満たした世代です。大分市の制定する食育推進計画に教育委員会としてどのようにかかわっていくのか、また、学校現場での地産地消教育、地域食文化の伝承についてどのような価値観をお持ちなのか、お考えをお聞かせください。


 これにて、おおいた市政クラブ、平成20年度の代表質問を終わります。


○議長(三浦由紀) 釘宮市長。


○市長(釘宮磐)(登壇) おおいた市政クラブを代表しての、36番、井手口良一議員の質問に対し御答弁を申し上げます。


 なお、教育問題につきましては、教育長から答弁申し上げますので、御了承をお願いいたします。


 まず、自治基本条例に対する認識と住民意思の結集方法についてのお尋ねでございますが、私は、第2期分権改革において、自治体は全国一律のルールという従来の枠組みから脱却し、自己決定、自己責任による独自のまちづくりが求められてくるものと確信するとともに、こうした時代の要請にこたえた大分市独自のまちづくりを進めるための前提として、まちづくりの基本理念と、大分市を支える市民、議会、行政、それぞれの役割や責務を明らかにし、それをルール化して共有することが必要となると考えています。このルールが自治基本条例であり、市民、議会、行政が協働して大分市にふさわしい自治基本条例をつくり上げることの重要性を市民の皆様に訴えるため、マニフェストに盛り込んだところであります。


 この自治基本条例は、自治体を構成する市民、議会、行政の3者が協働して内容を練り上げ、市民の総意として条文化していくというプロセスそのものが極めて重要であり、また、大きな意味を持つと考えております。その第1弾として、先月自治基本条例シンポジウムを開催いたしましたが、新年度には条例について検討していただくための組織を立ち上げ、その中で広く市民にも参画していただく手法等について検討していただきたいと考えています。


 次に、住民主権、主権在市民の基本概念についての御質問でございますが、地方自治の本旨が団体自治と住民自治の2つから成り、地方公共団体の長と議員はその地方公共団体の住民の直接選挙によって選ばれることからも、地方自治においても主権が住民に存することは自明のことと理解しております。


 近年、地方分権の進展に伴い、市政への市民参加あるいは市民協働を打ち出す自治体が増加しております。自分たちが主権者であり、まちづくりの主体であるという意識は徐々に住民に浸透してきておりますが、一方で、住民の声は相変わらず行政に対する要望や不満に集中してしまう傾向もあると言われております。そうした中、市民協働のまちづくりを推進してきた本市では、自分たちが協働して責任を持ってまちをつくっていくという主権者としての自覚が市民の間に着実に根づきつつあると自負いたしております。


 地方主権時代にあって、本市において地方政府にふさわしい自主、自立の自治体運営を確立するためには、主権者であり、まちづくりの主役である市民の知恵と力を結集した取り組みが必要であるとの共通認識のもとで、市民が主体的にまちづくりに参画することができるよう制度的に保障することが住民主権、主権在市民につながるものであると考えております。


 次に、地域住民の意向と全市的、国際的活動を担う市民の意向のバランスをどのように調整していくのかについてでございますが、自治会や町内会など地縁組織につきましては、住民が知恵を出し合いながら地域の課題を解決してきたノウハウを、また、ボランティア団体、NPO、NGOなど活動目的ごとに組織された市民活動団体は、行政にない着眼点、機動性、専門性を発揮され、本市の市民協働のまちづくりに大いに貢献をいただいております。


 私は、こうした市民活動は、社会貢献の場であると同時に、自己実現、生きがいづくりの場でもあると認識しており、参加される皆さんがお互いの立場を尊重し真摯に意見を交わしながら、住民自治のルールに従いそれぞれの活動が展開されることがあるべき姿でありまして、行政としての関与は必要最小限にとどめるべきであると考えております。


 このような考えのもと、地域コミュニティー再生事業の展開、市民活動・消費生活センターの開設、NPO支援事業の展開など活動支援の立場からの取り組みを鋭意進めているところであり、さらなる活性化を目指して大分市人材バンクによる情報提供を開始いたすとともに、新年度新たに、あなたが支える市民活動応援事業を創設することといたしたところであります。


 これらの施策を総合的に展開することにより、地縁組織と市民活動団体との相互理解のもと、連携、協働した活動が活発化していくことを期待いたしており、その活動を通してお互いの意向の確認ができ、おのずとバランスが調整されていくものと考えております。


 次に、子供たちの市政、地域活動への参画についてでございますが、ごみ拾いにおけるギネス記録を達成した「全市いっせい ごみ拾い」、1万人のラジオ体操会、100万個を超えるドングリが集まった「みどりの夢銀行」、そのいずれも子供たちの参加が大きな原動力でございました。このように、地域における活動を通じて、あるいは親子の交わりの中で子供たちは市民協働を学び、実践してくれております。


 これをさらに一歩進めて、大分市の未来を担う子供たちに市政への参画の道を開くことは、自分たちのまちは自分たちでつくり上げるという住民自治の原点につながるものであり、検討に値すると考えております。


 御提言の子供シティーモニター制度につきましても、子供たちの豊かな発想や斬新なアイデアを市政に反映することは大変意義深いものでありますことから、今後の検討課題と考えておりますが、まずは、学校の授業やクラブ活動あるいは地域での大人の見守りの中での活動を通じて地域社会の一員であることの自覚を養うことから出発し、まちづくりに関するさまざまな学習機会や実践の機会を提供することによって市政参加への意識づけを図ってまいりたいと考えております。


 次に、地方分権に係る市職員の意識についてですが、地方分権の受け皿としての本市にとって、職員の分権に関する意識が伴っているか否かは、極めて重要な視点であると考えております。


 私は、市長就任時には、中央官庁職員と地方自治体職員を比較すると、ボールゲームに例えるならば、ラグビーとバレーボールの違いがあると感じたところであります。自分たちの仕事をできるだけふやそうと、ボールを持って前へ前へと出ていく中央官庁の職員と、何とか仕事を他の部局に渡し、煩わしい仕事をネットの向こうに送ろうとする自治体の職員の姿を国政と市政に携わって目の当たりにし、その違いを見たからであります。しかしながら、私がみずから職員と対話をし、意見を聞き、また、提案を受けるティー・トーク、職員提案制度、アントレプレナーシップ事業等を実施するとともに、職員と市民が一体となった市民協働のまちづくりを推進する中で、最近では、本市職員の意識が大きく変わりつつあるという手ごたえを感じております。


 また、地方分権の現状を見ますと、既得権益を容易に手放そうとしない官僚機構とその機構に組み込まれた形での相互依存関係にある族議員との間で細切れ的に進められてきた分権改革は、一方で、地方自治体に対し手足を縛って走れと言わんばかりの分権論を押しつけてきており、今後につきましては、いま一度地方自治の基本理念に立ち返って国と地方の役割分担を明確にした上で財源、権限を一括して地方に移譲し、その自立と結果責任を求めていくよう、国に対し積極的に働きかけてまいりたいと考えているところであります。


 こうした中で、本市職員については、その能力や資質においては中央官庁職員と遜色ないものと考えており、地方分権の流れが加速する中で、自主、自立、結果責任が問われる今後の自治体運営にあっては、自由闊達な政策論議が行われ、他の自治体との差別化を自分たちの手で実現するという自負を持って、何よりも前へ前へと出る積極的な職員像を期待しており、今後とも、そうした職員の育成に取り組んでまいる所存であります。


 次に、人件費を含めた事業別予算、決算書についてのお尋ねでありますが、事業別予算は、事務事業の目的に従って人件費を含めてトータルコストを示すことにより費用対効果を測定し、職員の配置、定数管理にもつなげようとするものであります。


 本市の予算書においては細目に事業ごとの経費が掲載されておりますが、人件費については各項の総務関係費に一括して計上されており、それぞれの事務事業で人件費も含めどれだけのコストがかかっているのかわかりにくいものとなっていましたことから、私も、今回のマニフェストにその導入を掲げたところであります。


 このため、平成20年度当初予算から新規の事業や主要事業につきまして重点事業の概要を拡充して、事業内容や経費、今後の計画などに人件費を加えた事業別予算書として作成し、それぞれの事業にどれだけの予算と人材を投入しているかを明確にしたところであります。


 また、事業別決算書につきましては現在作成をいたしておりませんが、個別事業ごとの執行状況を詳細に説明することが可能であり、人的部分での重点化や効率化についての評価が容易となるほか、効率的な行政運営に対する職員の意識改革にもつながりますことから、重点事業を中心に事業別予算書の拡充とあわせ、作成範囲や方式、公表の時期や方法などについて検討してまいりたいと考えております。


 次に、行政評価制度への一般市民や一般職員の参画についてでありますが、本市では、限られた財源の中で増大するさまざまな行政需要に的確にこたえていくために、平成16年度から本格的に行政評価制度を導入し、毎年度、制度の見直しを行う中でその充実に努めてきております。


 この評価制度は、大きく内部評価と外部評価に分かれており、内部評価では、毎年度、市のすべての事務事業、総合計画で体系化した施策について、各担当課、担当部局における1次評価に始まり、行政評価推進チームによる1次評価の整理、集約を経て、市長を統括者とする内部評価会議にかける2次評価を行うことによってみずから事務事業の事業効果等を把握し、継続的な見直しを行ってまいっております。この評価に際しましては、すべての職員がみずから行っている事務事業の評価に参加することとなっており、職員の意識改革、政策形成能力の向上によって政策の質の向上を図り、もって効率的で市民の視点に立った成果重視の行政の実現を目指そうとしているところであります。


 また、外部評価は、内部評価の結果について、市民ニーズに即した事務事業等の客観的かつ公平な実施を担保するため、学識経験者や各種団体の代表者等で構成する外部行政評価委員会の意見を聞き、改善に反映させていこうとするものであり、外部評価の結果は内部評価とあわせて市報やホームページなどで公表し、広く市民からの意見も聞いているところであります。


 さらに、新年度は、総合計画で体系化された施策の重要度や満足度について5,000名の市民を対象にアンケートする市民満足度調査を平成17年度に引き続いて行い、行政評価等に反映させることを計画しているところでもあります。


 今後とも、行政評価制度のさらなる充実を図るとともに、市民への説明責任の徹底を図り、また、可能な限り一般市民や職員の意見を聞きながら、市民の視点に立った行政運営に努めてまいる所存であります。


 次に、機構改革についてでございますが、福祉保健部は、福祉と保健の連携を組織的に強化するために設置したところであり、最近におきましても、介護保険制度の改革に伴う高齢者の健康づくりや精神障害者に関する施策について、福祉事務所と保健所とがそれぞれの専門性を高めながらより一層の連携を図るなど、その設置目的に照らし、相当程度機能しているものと考えております。しかしながら、一方では、少子・高齢社会を迎え、組織もかなり肥大化してきているのが実態であり、また、それゆえに一部重要事項に係る意思決定に相当の時間を要しているといった側面もございます。


 こうした中で、福祉保健部の再編につきましては、こども部の設置も含め、市民の視点に立ちながら、そのメリット・デメリットを今後検証してまいりたいと考えております。


 次に、経済部門についてですが、昭和38年、新大分市発足時に設置されていた経済部は、昭和45年に現行の2部に分割され、商工部では、経済の安定的成長、中小企業等の育成、観光振興等について、また、農政部では、生産者の育成、生産力の向上はもとより、地産地消、地元産品のブランド化等にそれぞれ関係団体等と十分に連携を図りながら専門的に取り組み、一定の成果を上げてきております。


 しかしながら、第1次産業と第2次、第3次産業の境がなくなりつつあり、また、インターネット販売や産地直売など、生産、流通、販売のシステム自体が大きく変革されてきている状況のもと、産業という大きな枠組みの中で、これまでの組織のノウハウを有機的、一体的に活用しながら、より一層産業振興を図ることが可能となるといったことも十分考えられますことから、経済部門の統合については、今後、関係団体等の意見も聞きながら前向きに検討してまいりたいと考えております。


 次に、人事部の創設についてですが、本市の職員の年齢構成がいわゆる逆ピラミッド型の状況のもとで慢性的なポスト不足が継続しているのが現状でもあり、人事評価制度の充実を図るとともに、スタッフ職員の活用などを行いながら、意欲と能力のある職員については可能な限り昇任、昇格をさせるなど、そのモチベーションの向上に取り組んできているところであります。このような人事管理を充実させるためには、人事部を創設し、担当職員を増員することも考慮すべき方法論の1つではありますが、より多くの正確な情報を速やかに収集し、それを的確に整理、分析するシステムを構築することがより一層効率的ではないかと考えているところであります。


 こうした観点に立ち、私はこれまでも、人事異動における自己申告制度や課長級の登用試験制度を導入するとともに、平成18年度からは部長の仕事宣言を実施し、さらに本年度からは、次長、課長の評価方法の改善を行うなど、人事管理制度の充実を図ってきているところでもあり、今後とも、私を初め、副市長、総務部長、そして人事課職員といった少数精鋭の体制のもとで効率的な人事管理を行いながら、その公平性や客観性の向上に取り組んでまいる所存であります。


 次に、職員意識改革のための事業仕分けの導入についてですが、事業仕分けは、行政が行う事務事業等に関し、その必要性の有無や実施主体のあり方等について市民の視点を取り入れながら検討し、最終的には、事務事業の見直し等により効率的な行政運営を実現することを目的として行うものであります。


 本市におきましては、平成16年度に行政評価制度を本格的に導入し、市のすべての事務事業について、公共関与の必要性や市民ニーズ、施策への寄与度、事業効果、コスト、手段の最適性などさまざまな側面からの検討を通じてみずから評価を行うとともに、客観性や公平性を担保するため、外部行政評価委員会の意見も聞きながら、その結果を可能な限り予算等に反映してきたところであります。


 また、評価に際しましては、当該事務事業等に携わるすべての部局、職員で取り組むとともに、評価結果は市報やホームページなどで広く市民に公表してまいっておりますが、さらに実効ある制度とするため、毎年度検証を行う中で、評価区分の変更や市民満足度調査の結果の活用、施策評価や指定管理者制度導入施設の評価の実施、実施計画との連携の強化などといった見直しを逐次行ってきているところでもあります。


 こうした中、行政評価の実施は、単に事務事業等の見直しや改善に寄与するだけでなく、その取り組みを通じ、職員の政策形成能力の向上や意識改革が図られ、効率的で市民の視点に立った成果重視の行政の実現が期待されるとともに、一連の情報を公表することにより市政の透明性が確保され、市民の信頼性の向上につながるものと認識しているところでもあります。


 こうした観点に立ち、今後とも、本市独自に計画的かつ段階的な行政評価制度の見直しを行いながら、職員の意識改革のもと、行政経営能力を高め、自立性と創造性の高い自治体運営を行ってまいります。


 次に、危機管理体制要員の心構えについてでございます。


 大規模災害を例にとりますと、情報が十分でないこともあり、被害状況を的確に把握し事態の展開を予測することが困難なケースが想定されるなど、事態の進行に対して適切な対応がとれないおそれがありますことから、危機管理の基本としましては、時系列的に進行する危機の把握、分析、進展予測、対策の実施等について、迅速な判断のもと、事態の先取り的対応ができるよう体制の整備を図っておくことが過去の災害から得た教訓として重要なこととされております。これを踏まえ、私自身、危機管理や大規模災害時の対応として常日ごろから心がけておりますことは、「疑わしいときは行動せよ」「最悪の事態を想定して行動せよ」「空振りは許されるが見逃しは許されない」という3点の行動原則であります。


 こうした私の思いを市の幹部職員にも共有してもらうべく、課長級以上の職員を対象に危機管理講演会や研修会の開催等を通じて危機管理対応能力の向上と防災意識の高揚に努めているところでございます。


 また、防災メールや緊急時職員参集システムの活用によりこれまで以上に迅速な初動態勢の確立を図る中で、災害発生時の被害軽減に向けて、危機管理に対する職員の意識づけを行っているところでもございます。


 今後とも、職員が先頭に立って市民の生命、身体、財産に重大な被害を及ぼす危機を予防し、被害を最小限にとどめるという気概を持って、いかなる不測の事態にも対応できる危機管理体制の充実強化に取り組んでまいりたいと考えております。


 次に、地域経済活性化の理念についてお答えいたします。


 私は、マニフェスト「ネクスト大分構想」の中でコミュニティービジネスの起業の促進を掲げました。コミュニティービジネスとは、みずからの地域を元気にするために、また、地域の問題を解決するために住民が主体的に取り組む地域事業であると言われ、比較的小規模な地域での事例となりますが、最も有名な例では、徳島県上勝町の「葉っぱビジネス」がございます。本市内においても、吉野地区、野津原地区などに成功例があり、その他の地域も可能性を秘めておると考えております。


 働きたい人が、年齢に関係なく地域で生活しながら生き生きと余裕を持って働くことができる、私は、このコミュニティービジネスに地域経済活性化の凝縮した姿があるのではないかと感じております。


 地域を構成するのは住民であり、住民が生き生きとしている地域は地域経済も活性化します。それぞれの地域が自分たちの地域の特性を生かした取り組みを行い、農林水産業はもとより、商工業など、すべての産業に従事する人々がみずからの仕事に誇りと生きがいを持って働き、元気な地域社会を構築することができれば、地域経済も活性化するものと考えております。


 次に、都市計画行政に関する御質問にお答えいたします。


 まず、大分市版コンパクトシティー、ユニバーサルデザインについてでございますが、近年、社会、経済環境の変化の中で、まちづくりは、緑化や省エネルギーなど環境の保全、公共交通によるアクセスの容易性の実現、安全、コミュニティーの充実など、質の高い人中心のコンパクトなまちづくりへの転換が重要な課題となっております。


 このような中、大分市都市計画マスタープランでは、大分駅を中心とする広域都心の形成と郊外部に展開する拠点整備構想に基づく市街地形成を掲げ、「環境負荷の小さいコンパクトな都市づくり」を土地利用の方針とし、無秩序な市街地の拡大、拡散を抑制することといたしております。具体的には、今回のまちづくり3法の見直しに伴う準工業地域における大規模集客施設の立地制限や市街化調整区域における大規模住宅開発の制限など、コンパクトシティーの実現を目指しております。


 さらに、障害者や高齢者だけでなく、年齢、性別を超えてすべての人々が利用しやすいよう、都市や生活環境をデザインするというユニバーサルデザインの考え方につきましても、当然まちづくりの根底にあるべきものと認識いたしております。


 このようなことから、今後、環境の保全はもちろん、都市景観やユニバーサルデザインなどの視点も重視しながらさまざまな役割を担う人々が相互に連携、協働する中、安心して暮らしやすいまちづくりに取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。


 次に、新しい公共交通機関体系の創造によるまちづくりについてでございますが、本市の交通体系の骨格は、鉄道や高速道並びに幹線道路網により形成されており、鉄道やバスなどの公共交通機関が基幹的な役割を果たしてきたところでございます。また、土地利用の面から見ますと、車社会の進展に伴う幹線道路沿いの大規模住宅開発や郊外型の大規模集客施設の集積、臨海部の企業立地など、幹線道路を中心とした市街地が形成されてきたところでございます。


 そのような中、近い将来本市でも本格的な少子・高齢化社会の到来が想定され、交通手段は、マイカー依存から公共交通へと移行していくことが考えられますことから、今後は、公共交通を中心とした交通施策が一層重要な課題となるものととらえております。


 幸いにも本市には、日豊本線を初め、JR3路線の鉄道網が形成されておりますことから、今後は、JR駅までをバスや自転車、徒歩で短時間で結ぶ方策や交通中継拠点を設置してのバス利用促進策の推進、また、それらを支える道路整備など、ハード・ソフト両面から総合的な視点に立った都市交通体系の充実と、だれもが便利に暮らしやすいまちづくりを推進してまいりたいと考えております。


 次に、複合文化交流施設に関する3点の御質問についてお答えいたします。


 1点目の、施設のコンセプトについてのお尋ねでございますが、昨年の3月に策定されました大分市複合文化交流施設基本構想において「人と文化と産業を育み、創造、発信する新拠点」との基本理念が掲げられ、文化、情報、教育、産業、健康、福祉の6つの機能を「交流」というキーワードで結ぶコンセプトが示されております。現在、この基本構想で示されたコンセプトを基本として、複合文化交流施設の公共機能を検討しておりますが、文化機能の仮称市民ホール、教育機能の市民図書館、産業機能の仮称産業活性化を図るための知的拠点、福祉機能の総合社会福祉保健センターの4つの機能を柱とし、さらに、コンベンション支援機能やにぎわい創出機能などの民間主導施設を導入することにより、子供からお年寄りを初め、さまざまな市民、団体、企業などの方々に利用していただくことで、市民の活発な活動や交流の場が生まれることを期待しているところでございます。


 本市の将来像を考えたとき、この複合文化交流施設が立地する大分駅南地区は大分市の新しい顔となる地区であり、その中で、複合文化交流施設は、次世代の大分市を創造する基点となるべき施設であります。


 複合文化交流施設に多くの市民が集い、交流を深めることによって市民力が醸成され、それが、ひいては「ともに築く 希望あふれる 元気都市」という本市の目指す都市像の実現へと結びついていくものと考えております。


 2点目の、保育所についてのお尋ねでございますが、複合文化交流施設の保育所は、総合社会福祉保健センターにおけるこどもルーム、子育て支援サロン、一時預かり、にこにこルームなどを含む児童センターとの連携や、それぞれの施設への支援を行うなど、子育ての総合的な拠点として位置づけて整備いたしたいと考えており、また、同じく総合社会福祉保健センターにおける老人福祉センターや障害福祉センターとの交流を行う中で、より幅広い保育や子育ての支援も可能になるものと考えております。


 御指摘のありました車での送迎に関する問題や駅前に設置することに伴う課題などにつきましては、引き続き十分に検討してまいりたいと考えております。


 3点目の、新しい公共交通機関ネットワークの形成についてでありますが、複合文化交流施設は、大分駅南地区における中核的な施設として供用開始後には多くの市民が来場することが見込まれ、当然、この施設への円滑な移動手段が求められるものと考えております。公共交通機関での移動手段としてはバス交通が中心に考えられますことから、変貌する大分駅の南北を結ぶ交通システムを構築するため、現在、国、県、警察、バス事業者等で組織する大分市バス利用者促進会議において検討いたしており、その中で南北を循環するバス路線や複合文化交流施設を核としたシャトルバスの運行などについての協議を進めてまいりたいと考えております。


 いずれにいたしましても、この複合文化交流施設の建設につきましては、本市にとりましても一大事業でありますことから、今後とも議会や市民の皆さんの声を十分にお聞きしながら、これからの時代にふさわしい都市拠点となるよう、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。


 次に、食料自給体制確立の視点から見た農業政策についてのお尋ねでございますが、御案内のとおり、農業は、人間の生存に不可欠な食料生産を担うとともに、水源の涵養、自然環境の保全などの多面的機能を発揮して、生命、財産を守るなど、重要な役割を果たしておりますが、我が国の食料自給率は、平成18年度にはカロリーベースで39%と、先進国の中で最低を記録したところであります。


 農業振興と食料自給率は密接な関係があり、都市化の進展で農業就業者や農地の減少が進行する農業情勢の中で、本市では、平成19年7月に、新たな農業政策の指針として、競争力のあるなりわいとしての農業、高齢農業者や女性農業者が生きがいの持てる農業、都市住民が一緒に参画するふれあい農業という3つの農業形態の振興を基本に、大分市農業振興基本計画を策定したところでございます。


 今後とも、この計画をもとに、これまで以上に意欲ある担い手の育成や確保、安全、安心で良質な食料の提供及び優良農地の保全や遊休農地の利活用などの振興を図るとともに、農業の質を高め、農の有する機能を最大限に発揮できる仕組みやあり方をつくり上げていくことで、市民とともに歩み、はぐくむ都市農業の実現を目指す中で、食料自給率の向上にも努めてまいる所存でございます。


 次に、環境対策の一環としての森林経営についての御質問にお答えいたします。


 御案内のように、森林は、緑の社会資本として、地球環境を健全な状態で次世代に引き継ぐ上で必要不可欠なものであります。森林は人工林と天然林とで大別され、天然林の保全とともに、手入れがおくれ荒廃しつつある人工林については、積極的に間伐等を推進することにより、健全で活力ある森林をつくっていく必要があります。


 そのためには、林業従事者の森林管理技術の向上に努めるとともに、後継者の育成や森林組合等との連携を図り、森林の管理の向上と良質な木材の安定的な供給を図るため、重要な生産基盤である林道、作業道の整備を進め、なりわいとしての林業経営の安定に努めてまいります。


 近年、日々の暮らしにおける森林との直接的なかかわりが薄らいでいる一方、市民ボランティア、企業などによる森林の整備、保全活動が活発化しており、みどりの夢銀行では、小さな子供さんを主体に1,558名の皆さんから100万個を超えるドングリの預金があり、環境資源としての森林に対する関心の高まりと将来への森づくりの取り組みに対し、確信を得たところでございます。


 本市といたしましては、この機運をしっかりと受けとめ醸成していきながら、皆様からお預かりしたドングリを苗木として育てていただき、伐採後放置されたままの森林や遊休地等において積極的に植樹を行い、50年後、100年後を見据えた森づくりを念頭に、市民一丸となって取り組みを推進してまいる所存でございます。


 以上で私の答弁を終わらせていただきます。


○議長(三浦由紀) 足立教育長。


○教育長(足立一馬)(登壇) 教育行政についてのお尋ねにお答えいたします。


 まず、大分市教育ビジョンの抱負についてでございますが、昨年7月、本市の最上位計画として策定されました大分市総合計画が市議会第2回定例会で承認されました。その中の基本的な政策の1つに、教育文化の振興として「思いやる豊かな心と生きがいをはぐくむまちづくり」がうたわれております。この政策を実現するため、より実効性のある教育改革を計画的、体系的に進めていくとともに、より具体的な施策について明らかにしていく必要があります。


 そこで、大分市総合計画に基づき、中長期的かつ総合的な展望を持ち、本市教育の目標や基本的方向をより具体化した大分市教育ビジョンを策定し、市民の期待と負託にこたえる教育を創造してまいりたいと考えているところでございます。


 また、大分市の教育の未来についての抱負についてでございますが、教育を取り巻く環境が大きく変化し、価値観が多様化する中、教育について絶えずそのあり方を見直し、社会の変化に迅速に対応するとともに、豊かな人間性など、時代を超え、変わらぬ価値あるものを追求することは、教育に求められる重要な課題であると認識しているところであります。


 このような状況を踏まえ、本市教育委員会といたしましては、未来を担う子供たちの新しい時代を切り開く力と、人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性をはぐくむとともに、すべての市民が生涯にわたって自然と触れ合い、郷土の歴史、文化を学び、すぐれた芸術に触れ、スポーツに親しむなど、みずからを高め、生き生きと充実した人生を送ることができるよう、教育の推進を図ることが肝要であると考えているところでございます。


 そこで、大分市教育ビジョンに「目指す人間像」として、「夢と希望をもち、生きる力をはぐくむたくましい子ども」「生涯を通じて自ら学び、生きがいをはぐくむ心豊かな大分市民」を掲げ、その実現に向け、「創造性、自律の精神を養う」「社会発展に寄与する態度を培う」など4つの基本目標のもと、学校教育や社会教育、教育行政における諸施策を展開してまいりたいと考えているところでございます。


 次に、教育ビジョンの策定段階に子供たちを関与させることについてでございますが、このたびの教育ビジョン策定に当たりましては、大分市教育の現状と課題について把握するため、幼稚園児から中学生までの子供、教員、保護者及び地域住民を対象に意識調査を実施したところであります。


 また、これまでに実施してまいりました教育長と語る会での子供や教職員、保護者等の意見を反映するよう努めてまいったところでもございます。


 今後につきましては、未来の教育のあるべき姿について、これまで以上に、子供を初め市民の意見に耳を傾け、それらを十分に踏まえ、見直しを図ってまいりたいと考えております。


 次に、学校の教材や教育玩具の安全性についてでございますが、学校は、子供たちにとって安全で安心な環境を確保することにより、健やかな成長と自己実現を目指して学習活動を行うところであります。授業等で児童生徒が使用する楽器や実験セット、粘土などの教材の採用に当たりましては、各学校に校内選定委員会を設置し、教育課程や教科書等の関連、教材の機能や安全性、耐久性、保護者負担の軽減等の観点から総合的に勘案した上で、校長が有益適切と認めたものについて選定しているところであります。


 本市教育委員会といたしましては、今後とも、子供たちの健康、安全を重視した適切な教材の選定が行われるよう指導してまいりたいと考えております。


 次に、大分市食育推進計画に対して教育委員会はどうかかわっていくのかについてでございますが、食育は生きるための基本であり、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てることであります。教育委員会といたしましても、子供の食生活をめぐる問題が大きくなる中で、食育は、子供の健全な育成に重要な役割を担っていると認識をしております。


 このことから、食育推進計画の策定に当たっては、策定委員会に学校教育部長と小中学校長の代表を、庁内検討委員会に主管課長を、また計画案の策定作業にかかわる作業部会に担当係長を配置し、機会あるごとに学校における食育の重要性を説明し、計画に反映されるよう努めてきたところでございます。


 次に、学校現場での地産地消教育、地域食文化の伝承についての価値観についてでございますが、地元食材を使用し、顔が見える、話の聞ける生産者との交流給食や郷土料理を取り入れた給食を実施することは、地域の産業や文化に関心を持たせ、生産者への感謝の心をはぐくむとともに地域への愛着を深めるなど、安心、安全の食育を推進していく上で大きな効果があると考えております。


 教育委員会といたしましては、毎月19日の食育の日に、農業協同組合や公設地方卸売市場などと連携し市内産の食材を学校給食に取り入れ、子供たちに地元の農産物への理解と関心を持つ心をはぐくむ、大分市学校給食地産地消推進事業を実施をしているところでございます。


 また、学校給食にとりめしやだんご汁などの郷土料理を取り入れることで、子供たちに地域への関心を持たせたり、愛着を深めさせたりするなど、地域に根差した食文化の継承に努めております。


 今後とも、子供の望ましい食習慣や食に関する理解の促進のため、学校給食を生きた教材として地産地消や食育の推進に努めてまいりたいと考えております。


 以上であります。


 ◇―――――――――――――――――――◇


○議長(三浦由紀) 以上で本日の日程を終了いたしました。


 次会は、17日午前10時に開きます。


 本日は、これにて散会いたします。


          午後2時45分散会











地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する


 平成20年3月14日





大分市議会 議  長  三 浦 由 紀











      署名議員  田 ?   潤











      署名議員  矢 野   久