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平成26年 第3回定例会(9月) 09月10日−03号




平成26年 第3回定例会(9月) − 09月10日−03号







平成26年 第3回定例会(9月)



      平成二十六年

             大分県議会定例会会議録(第三号)

      第三回

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平成二十六年九月十日(水曜日)

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 議事日程第三号

                         平成二十六年九月十日

                             午前十時開議

第一 一般質問及び質疑

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 本日の会議に付した案件

日程第一 一般質問及び質疑

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 出席議員 四十一名

  議長     近藤和義

  副議長    桜木 博

         阿部英仁

         志村 学

         古手川正治

         後藤政義

         竹内小代美

         土居昌弘

         嶋 幸一

         毛利正徳

         油布勝秀

         衛藤明和

         濱田 洋

         三浦 公

         末宗秀雄

         御手洗吉生

         井上伸史

         麻生栄作

         田中利明

         三浦正臣

         守永信幸

         藤田正道

         原田孝司

         小嶋秀行

         馬場 林

         尾島保彦

         玉田輝義

         深津栄一

         酒井喜親

         首藤隆憲

         平岩純子

         江藤清志

         久原和弘

         小野弘利

         元吉俊博

         荒金信生

         佐々木敏夫

         戸高賢史

         吉岡美智子

         河野成司

         堤 栄三

 欠席議員 一名

         吉冨幸吉

 欠員   二名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       太田豊彦

  教育委員長     松田順子

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      島田勝則

  企業局長      森本倫弘

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     奥野省吾

  企画振興部長    日高雅近

  福祉保健部長    平原健史

  生活環境部長    冨高松雄

  商工労働部長    西山英将

  農林水産部長    工藤利明

  土木建築部長    進 秀人

  会計管理者兼会計管理局長

            阿部恒之

  人事委員会事務局長 山田英治

  労働委員会事務局長 小嶋浩久

  参事監兼財政課長  長谷尾雅通

  知事室長      岡本天津男

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     午前十時一分 開議



○桜木博副議長 これより本日の会議を開きます。

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○桜木博副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。

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△日程第一 一般質問及び質疑



○桜木博副議長 日程第一、第八五号議案から第一一五号議案まで及び第一号諮問を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。油布勝秀君。

  〔油布議員登壇〕(拍手)



◆油布勝秀議員 おはようございます。九番、自由民主党大分県議員団、油布勝秀でございます。

 一般質問の機会を与えていただきました皆さんに、心から感謝、お礼申し上げます。

 それでは、早速、質問に入らせていただきます。

 その前に、傍聴席の皆さん、どうもきょうはありがとうございます。

 市町村合併後の周辺部について質問させていただきます。

 平成の市町村合併からおおむね十年が経過する節目に当たり、私は、先ごろ、県内各市町村に協力をいただき、合併後の地域の状況についてのアンケート調査を行い、私なりの考察をしてみたところです。ここで、アンケートにご協力をいただいた市町村の皆様方には深く感謝を申し上げます。

 まず、合併の効果としては、一、行政経費の節約と行財政改革が進んだ、二、合併特例債など有利な財政支援を受けられた。三、広域的な観点から一体的なまちづくりができたという声が多く寄せられました。

 一方、合併のマイナス面として、一、市内における地域間格差が生じた、二、きめ細かな行政サービスが行き届かなくなった、三、地域の連帯感が希薄になったという指摘も目につきました。

 今や日本全体で見ますと、東京一極集中の社会、すなわち極点社会が現実のものになりつつあります。その象徴として、東京は、二〇二〇年にはオリンピック・パラリンピックの開催を控え、官民ともにすさまじい勢いで開発が進んでいます。

 また、我が大分県内に視点を移してみても、大分駅とその周辺の再開発、あるいは県立美術館の建設等が話題を集め、いわば大分市の極点開発が進んでいる感じがいたします。

 言うまでもなく、国民、県民は優良な納税者です。同じ納税者でありながら、残念なことに、生活環境面では地域間での格差が広がっていくばかりに思えてなりません。私は時として山間部を訪ねることがありますが、かなりの高齢者がひとり暮らしのせいか、「よう来たな。人に会うのは久しぶりじゃ」と涙を流してくれることもしばしばです。

 思い返しますと、五十八から十八自治体へと全国的に見ても一挙に進んだ今回の市町村合併直後においては、県も合併市の周辺部対策にひときわ力を入れて、新市全域の均衡ある振興、支援に取り組まれたと記憶していますが、その後、周辺部への施策はどのように位置づけられているのでしょうか。

 先ほど紹介したとおり、合併を通してそれぞれの地域には光と影が生じましたが、今後、とりわけ周辺部地域においては影の部分が次第に大きく住民の生活を覆ってくるように思えてなりません。

 県もここ数年、懸命な行財政改革を断行され、財政の健全性にも常に配慮されていますが、その結果生じた四百億円を超える貯金の幾ばくかを積極的に周辺部地域に振り向けるべきと考えますが、今後の周辺部振興に向けた知事の取り組み方針を伺います。

 これより対面席で質問させていただきます。

  〔油布議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○桜木博副議長 ただいまの油布勝秀君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 油布勝秀議員には、市町村合併後の周辺部対策についてご質問をいただきました。

 油布議員ご自身、合併後の状況について、アンケート調査をしてフォローアップをしていただいたということでございまして、その結果について、今お話をいただきましたけれども、謹んで伺わせていただいたところであります。

 平成十六年度、十七年度に実施されました平成の大合併は、人口減少の中で自治体の機能維持に一定の効果があったというふうに考えております。

 ことし、日本創成会議が発表いたしましたおおむね三十年後の二十歳から三十九歳の女性人口の減少率が五〇%を超える、いわゆる消滅可能性の団体の数は県内で十一団体、六一%でございました。これに対しまして、市町村合併をしていない場合を県独自で推計をしてみますと、五十八団体、あのときにございましたけれども、そのうち四十四団体、率にして七六%が消滅可能性団体ということになるわけでございまして、この状況から見ても、合併の効果がある程度わかってくるというふうに思っているところであります。

 また、防災担当等の行政組織の新設だとか専門職員の充実が図られるとともに、職員数や人件費の方は抑制、地方債残高の減といった効率的な行財政基盤の強化も図られているところであります。

 さらに、地域の特産物を使った加工品の製造、販売等のコミュニティービジネスでは、販路が旧町村部から新市全域に広がり、ビジネスチャンスが拡大したというような事例もあるわけであります。

 以上のように、県としては、全体としましては合併の効果を前向きに評価をしているところでありますけれども、もちろん合併によって役場がなくなって、産業活動が低下したり、あるいは地域が疲弊したりという話も聞くわけでございまして、そういうことになってはいけないということで周辺部対策に全力を挙げてまいったところであります。

 平成十七年度に設置いたしました旧町村部特別支援プロジェクトチームにおきまして、農林水産業の振興だとか、生活道路の整備、あるいは地域文化の維持など効果的な事業実施を図るなどして、現在でも周辺部対策として年間三百億円を超える投資を継続しているところであります。

 しかしながら、今後の人口減少は深刻な問題でございまして、農業への企業参入だとか企業誘致などによりまして地域に雇用の場を確保するということで、人口減少の緩和につなげる必要があります。

 このため、県内で幅広く展開している農林水産業の振興だとか、それを活用した六次産業化、あるいは商工業との連携と言ってもいいかもしれませんが、そういった取り組みが大切でありまして、地域に雇用を創出する中核的な事業を総合補助金等で手厚く支援していこうと考えております。

 さらに、最近の住みたい田舎ランキングで宇佐市がトップに、竹田市や豊後高田市も上位になるなど、本県への移住希望が高まっているところでございまして、この機を逃さずに、オール大分で移住対策に取り組むことも大切ではないかというふうに考えております。

 特に、セーフティーネットの構築に重点を置いた周辺部対策を一層充実させるために、里のくらし支援事業では、補助金額を二年前の四倍の六千万円にするとともに、地元負担を当初の二〇%から五%へと思い切った引き下げをやりまして制度の拡充を行ってまいりました。あわせて、集落応援隊事業などのきめ細かな対策を継続しているところであります。

 このように、財源面での手当ても含めまして、全庁挙げて人口減少問題に取り組んで、誰もが住んでよかった、住んでみたいと思っていただけるような、そういう地域づくりを推進していきたいというふうに考えているところであります。



○桜木博副議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 知事、どうもありがとうございました。

 引き続き力強い支援を、抜本的な改革をやっていただきたい、このように考えております。よろしくお願いします。

 それでは、小規模集落について。

 昨年の九月議会の一般質問において、私は、いわゆる六十五歳以上の高齢者が五〇%以上を占める集落を県は小規模集落と定義していることに触れましたが、これでは単純に小さな集落であるという意味にすぎないという問題意識から、今回も引き続き限界集落という表現にこだわらせていただきます。

 集落とは、人々が生活を営むための最も小さな地域コミュニティーであり、非常に大切な生活地域が破壊してしまうということは、県民がそこでは暮らせないということを意味します。私は、限界集落、もしくは、より的確な表現があれば積極的に言いかえても変わらないとさえ思いますが、小規模集落では余りにも実態との乖離を感じています。

 各市町村が講じている限界集落対策を見ましても、なかなか効果的な施策が見当たらず、具体的な成果につながっていないことから、それぞれが苦慮している様子がうかがえます。

 ある市では、空き家を市外の人に貸し、移住してもらい、里の暮らしを楽しんでいただこうと計画していますが、移住希望者とのミスマッチも多く、発想倒れの一面も見受けられます。

 また、大半の市町村で生活道路の整備や地域交通の確保などの生活支援を行うとしつつも、目に見える形を打ち出せずに苦慮しているようです。

 これまで県は、互いの支え合いや信頼、安心を分かち合って地域力を高め、生活道路など社会インフラの整備、生活バス路線の維持や鳥獣被害対策などに力を入れると方向性を示してきましたが、現状の施策のままでは、限界集落どころか、消滅集落を座して待つようなものではないでしょうか。

 誰もがそれぞれの地域で生活していけるよう手厚く支援する抜本的な対策が早急に望まれますが、県の認識や対応方針などについてお伺いします。



○桜木博副議長 日高企画振興部長。



◎日高雅近企画振興部長 小規模集落対策についてお答えいたします。

 県では、平成二十年度に全国に先駆けて大分県小規模集落対策本部を設置し、市町村と連携して、あらゆる施策に取り組むということでやってまいりました。

 具体的な例を少し紹介させていただきますと、国東市の廃校活用による居酒屋の開設、津久見市無垢島の生活用水用ポンプの交換、佐伯市の風流・杖踊りの衣装整備、豊後大野市の防災訓練と非常食整備、玖珠町の農村食堂の開設、豊後高田市のそば打ち教室の開催などでございまして、集落の維持、活性化を図るための取り組みをきめ細かに支援しております。

 また、国東市や九重町等においては買い物弱者支援を行うという対策もとっておりまして、豊後大野市では、コミュニティーバスの運行で住民の足が確保されたということで国土交通大臣の表彰も受けております。

 各市町村でも、例えば、臼杵市は郵便事業と連携して声かけサービスを行おうという取り組みを行うなど、独自の取り組みも進められております。

 移住促進についても、空き家バンクや改修補助制度の創設などに積極的に取り組んで着実な成果を上げつつあります。

 今後とも集落の維持と活力の創造に向けた取り組みを一層強化していきたいと思っております。



○桜木博副議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 ありがとうございました。

 現在、六十五歳以上が五〇%以上占める集落は、大分県下で二〇・一%もあります。この分で行くと、五年、十年後には三〇ぐらいいくんじゃなかろうか、そして消滅する地域ができるんじゃなかろうかと危惧しているところであります。この件については多くの方が積極的に質問されております。どうぞよろしくお願いします。

 それでは、農業農村整備事業について質問します。

 昨今、農村地域では、農家の高齢化や担い手不足が進む中、農業水利施設の多くが耐用年数を超過しており、施設改修や維持管理が喫緊の課題となっています。

 そのような中、県当局や市町村のご尽力により、農業農村整備事業の農家負担が本年度から軽減されることになりました。事業関係者からは感謝の声が多く寄せられるとともに、県下各地から多くの事業要望が上がってきていると聞いております。改めて知事のご英断に感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 一方、国の農業農村整備予算については、さきの民主党政権時代に一旦大幅に削減され、その後、自民党が政権復帰を果たした平成二十四年度補正予算以降、徐々に回復しつつあるものの、国が攻めの農林水産業の実行元年と位置づけた今年度もやっと三千四百億円と、六千億円近かった五年前の水準には遠く及ばない状況となっています。

 食料の安定供給と多面的機能の持続的発揮の観点から、また、県下各地で更新時期を迎えた土地改良施設の整備改修を待ち望んでいる農家のためにも、そして何よりも農業の発展のために、長期的な視点に立った計画的な予算の確保が重要であると考えます。

 そこで、今後、地域の農業と農村を生産基盤の面から支える農業農村整備事業をどのように展開していくのか、また、今後の県予算の確保の見通しについて知事にお伺いいたします。

 先般、第二次安倍改造内閣が発足し、農林水産大臣も交代されたところですが、県から国に対し予算配分の積極的な働きかけを行っていただくよう、あわせて強く要望いたします。



○桜木博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 農業農村整備事業についてのご質問でございました。

 県ではこれまでダムだとか水路の整備による農業用水の確保を初め、圃場や農道の整備などによる効率的な生産体制づくりを進めて、本県農業の礎を築いてまいったところであります。

 しかしながら、近年では取水施設や水路のおよそ半分が耐用年数を迎えて、多くのため池でも老朽化が進んでおります。加えて、高齢化による担い手の減少などによりまして、耕作放棄地が増加し、農業水利施設の維持管理にも支障を来しておるという状況でございます。

 そこで、農地を生かし、生産を続けられるように、本年度から農業農村整備事業における受益者の負担を軽減する思い切った対策を講じたところでございます。

 これを機に、農業農村整備事業は、攻めの農業の実現、あるいは防災減災対策、また、国土保全や景観維持などの多面的機能の発揮を三つの柱として取り組んでいきたいというふうに考えております。

 事業の展開の第一が攻めの農業の実現であります。

 農地中間管理機構を通じまして担い手への農地の集積や面的な集約化を加速するとともに、あわせて用水の安定供給を図ることが重要だというふうに思います。このため、水田の大区画化、汎用化や水管理の省力化を進めていきたいと思います。

 宇佐市の川部地区では、本年度から圃場の大区画化を進めまして、水路のパイプライン化や地下水位制御システムを整備しております。

 また、国指定重要文化財の白水ダムを水源とする豊後大野市の富士緒井路では、開設から百年目を迎えまして、取水施設の改修、素掘りトンネルのコンクリート補強や水路橋の整備によりましてさらなる長寿命化を進めていきたいというふうに考えております。

 農業農村整備事業の展開の二つ目の視点は、防災減災対策であります。東日本大震災を教訓といたしまして、県下二十七の農業用ダムの耐震調査を進めるとともに、約二千二百カ所のため池につきまして、来年度までに一斉点検を終える予定であります。これらの調査結果をもとに、ため池ハザードマップの整備や改修工事など、順次必要な対策を講じていきたいというふうに考えます。

 事業展開の三つ目は、多面的機能の発揮でございます。

 これまでの農地・水保全管理支払が、来年度は法律に基づく安定的な制度となりますから、取り組み組織の拡大を進め、水路の泥上げや農道の草刈りなど、地域の共同活動をより活発にしていきたいというふうに思います。

 先月公表されました国の農業農村整備関係の予算の概算要求でございますけれども、ここがしっかりしてくれないと継続できませんので、注目をしておりますけれども、対前年度比で二四%の増となっておりまして、農林水産省全体の一四%増に比べまして大幅な伸びとなっているところであります。

 今後、国の予算編成の動きを見きわめながら、もうかる農林水産業の実現に向けて、効率的で持続性のある生産基盤、環境づくりを推進するため、県としてもしっかり予算確保をしていきたいというふうに考えております。

 お話のありました農林水産省への予算獲得活動も大いに、積極的にやっていきたいと思っております。



○桜木博副議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 知事、どうもありがとうございます。引き続きよろしくお願い申し上げます。

 それでは、竹田高校剣道部における事故について質問させていただきます。

 平成二十一年八月二十二日、県立竹田高校剣道部の主将であった工藤剣太さんが、練習中に剣道場で倒れ、亡くなるという大変痛ましい事故が起きました。

 事故当時、剣道部の元顧問は、熱中症を発症する前後のふらつく剣太さんに対して「演技をするな」などと言いながら、右横腹部分に前蹴りを加えました。その後、倒れた剣太さんに馬乗りになり、平手打ちを繰り返したとのことです。平手打ちに関しては「気つけのため」と主張していますが、前蹴りなど教育現場においてあるべき行為ではありません。異常な行為です。

 元顧問が日常的に暴力を振るうことは、保護者にも知られていました。竹田高校赴任の際に、剣太さんのご両親を初めとする剣道部の保護者からは、剣道部顧問就任への反対の声が上がっていました。全国規模の大会で優勝させるなどの指導実績を持つにもかかわらず、反対の声が上がるというのは、いかに元顧問の行動が問題視されていたかがわかります。また、新たに赴任してきた教職員に対して、そういった声が上がること自体が極めて異例なことです。どうしてこのような経緯に至ったのでしょうか。

 元顧問は、実は前任校でもさまざまな問題を起こしていました。元顧問は、前任校においても、剣道部の顧問をしていました。関係者の証言によれば、そこでは後遺症が残るほどの暴力を受けた生徒がいます。また、合宿から帰ってきた生徒の顔の形が、暴力を受け、変わっていたとの話もあります。その他にも、陰湿ないじめともとられる行為や、言葉の暴力などがあったという証言も多数あります。また、部活動以外でも、体育の授業中にテニスのラケットで生徒を殴りつけたこともあったようです。

 当時のある剣道部員の保護者は、「試合や遠征に積極的についていく熱心な保護者が多いと感心していました。しかし、その保護者たちと話をしてみると実態は違った。保護者の前では暴力を振るわないので、監視のためについて行っていた」と、当時のことを振り返って話しています。

 こういった行状を見るに見かねたある保護者は、県教育委員会に抗議をし、そして当時の校長が対応することとなりました。元顧問の異常な行動を抗議して、「教師をやめさせてください。それが無理なら、子供たちと接触しないところに異動させてください。それもだめというならば、最低でも剣道とかかわらないところに勤務させてください」と嘆願したとのことです。しかし、その保護者によれば、校長には真摯に聞き入れてもらえなかったとのことです。それどころか、「モンスターペアレントとして扱われた」とも語っています。

 この抗議に関する報告は、県教育委員会に上がっているとのことです。また、前述の体育の授業中にラケットで暴力を振るった件に関しても、県教委に報告されていると聞いています。前者の報告に関して、県教委は、「体罰に該当すると当時判断していなかった」と報道機関の取材に対して述べています。それらの報告がどのような記述だったのかわかりませんが、元顧問の暴力性、異常性に対して対応をとらなかった、あるいはとれなかった責任が非常に大きいことは明白です。

 学校組織の独自性ゆえに、体罰問題として片づけられていますが、暴行傷害として刑事事件に発展してもおかしくない事案です。そういったことを認識できなかったのは、教育組織としての管理能力の完全な欠落と機能不全を意味すると思います。

 最終的に保護者の抗議を一部受け入れるという意味なのでしょうか、その年度をもって元顧問は前任校から竹田高校へ異動となりました。このような事情は保護者などの高校剣道部関係者には伝わっていたために、竹田高校の剣道部の顧問就任に反対の声が上がったそうです。そして、顧問に就任して、わずか四カ月後に悲劇が起こる結果となってしまいました。

 こうしたことを踏まえて、幾つか質問させていただきます。

 当時、県教育委員会は、前任校においての一連の問題に対し、体罰との認識はなかったとしていますが、報告の内容がどのようなものだったのかを含め、どうしてそのような教員配置に至ったかを、まずお尋ねします。

 また、もし前任校で問題を県教委として真摯に受けとめ、適切に調査して、教育者、指導者としての職務から外す選択をしていれば、死亡事故は起きなかったと言えます。県教委は、適正に判断しなかったために事故の遠因をつくってしまった責任をどう捉えているのか、お伺いします。

 さらに、この元顧問は、現在も県の教育関係の部署で、児童生徒に指導することもある職務についているようです。どういった見解のもとでそういった職務を続けさせているのか、県職員として雇い続けるならば、そういった職務から完全に外すのが妥当ではないかと思われますが、いかがお考えか、お伺いします。

 次に、顧問、副顧問個人の賠償責任と求償権について触れさせていただきます。

 この事故の民事裁判では、原告である剣太さんのご両親の主張を大きく認めて、大分県などに対して賠償を命じました。ただし、ご両親が強く主張していた顧問、副顧問などの加害公務員個人も賠償責任を負うべきだとの主張は認められませんでした。この点に関しては、ご両親も、法理論的に加害公務員個人への賠償責任追及が難しいことは理解していました。それでもなおそういった主張をしたのは、求償権の行使が行われがたい現状があるからです。

 国家賠償法は、被害者救済を目的とした法律であります。国または公共団体がその責任を代位して被害者救済を行った後に、加害公務員に対しての求償をすることにより、責任の均衡を図ることができるようになっています。

 しかし、実際は求償は実行されることは少なく、今回の事故においてもなされていません。理由は、国家賠償法第一条第二項にその要件が故意又は重過失とあることが挙げられます。

 今回の事故に関して、顧問、副顧問に過失があったことは裁判所も大分県も認めています。特に顧問に対しては、暴力的な性質と事故当時の暴力行為を鑑みて、求償してもよいのではないでしょうか。また、例えば、求償権を行使した上で、相手に不服があるのならば、裁判所において妥当性を争い、判断してもらうという選択肢もあると思います。

 人が死ぬほどの過失があっても賠償責任を免れるというのは、多くの県民は納得できないと思います。また、民間の雇用関係に適用される民法第七百十五条の使用者責任の求償と比較して、公共団体が求償権を行使する事例が少ないことにも納得できない県民は多いことと思います。

 今回の事故に関して、なぜ求償権を行使しないのかを含め、求償権に対する県のお考えをお聞かせください。

 最後に、警察本部の対応について触れさせていただきます。

 竹田署は、この事件に関する捜査をしていたものの、因果関係や予見可能性を断定できないとして、捜査は保留状態になっていました。その後、遺族は、顧問らを重過失致死などの容疑で刑事告訴し、警察本部は平成二十二年十二月八日付で書類送検しました。

 刑法における因果関係や予見可能性は非常に扱いが難しく、警察本部も苦慮しただろうと想像できます。私は、体罰による死亡事故や指導死に関与した職員が刑事責任を問われることは少ないのではないかと感じています。同様の事件を防ぐ抑止力として、積極的に事件化していくべきと思います。

 そこで、故意犯の暴行罪、傷害罪まで視野に入れて捜査を行うべきだったのではないかと思いますが、警察本部のご見解をお伺いします。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 答弁に先立ちまして、五年前の八月二十二日、剣道部の部活動中に熱中症を発症し、亡くなられた工藤剣太さんのご冥福をお祈り申し上げます。

 私の方から二点お答えします。

 まず、教員の配置についてでございます。

 平成二十年度に、当該職員の過去の指導について卒業生の保護者から抗議がありました。学校において事情等を聞き取り、保護者や生徒と指導上の問題があったことが報告され、学校長を通じ、当該職員に対し、注意を行いました。

 なお、当該職員の配置については、勤務年数やそれまでの指導実績等を踏まえ、適材適所の観点から、定期人事異動の中で行ったものです。

 平成二十一年度の竹田高校剣道部における事故は、あってはならないものであります。定期人事異動が事故の原因とは考えていませんが、その翌年度、人事異動の際に前任校での情報が転任先の校長にしっかり伝わるよう、人事異動調書に加え、前任校の校長が人事情報引継書を作成することとし、指導の継続の徹底が図られるようにしています。

 今後とも、教職員の配置については、校長意見、勤務年数やこれまでの指導実績などを踏まえ、適材適所の観点で行ってまいります。

 次に、損害賠償と求償についてお答えをします。

 国家賠償法一条二項は、公共団体が損害賠償を行った場合に、加害公務員に故意又は重大な過失があったときは、公共団体は当該公務員に対して求償権を有すると規定しています。

 求償権については、故意又は重過失という法律上の要件が備わっているのかなど、求償権の要件等を確認の上、適正に対処しなければならないと考えています。

 求償権を行使していない理由についてですが、第一に、県の責任を認めた大分地裁判決では、元顧問らの過失は認めたものの、重過失までは認めていないこと。第二に、重過失について、最高裁は、「たやすく結果を予見できたのに漫然とこれを見逃したような、ほとんど故意に近い注意欠如の状態を指す」としており、この基準に照らしても、元顧問らに重過失があったとは認めがたいこと、以上の点から、本件については、求償権の取得に必要な故意又は重過失という要件を欠いているため、県は求償権を有していないと判断しています。



○桜木博副議長 奥野警察本部長。



◎奥野省吾警察本部長 それでは、竹田高校剣道部における事故についてお答えいたします。

 県警としましては、県立高校という教育の現場で発生しました当該事案の重大性を深く認識しまして、事案発生の当初から故意犯、過失犯の両面から全容の解明に向けた所要の捜査を実施し、死因との因果関係や予見可能性を立証するなど、捜査を尽くした上で、業務上過失致死罪で検察に送付したところでございます。

 今後も引き続き、この種の事案が発生した場合には、被害者やそのご家族の心情を十分に配慮し、事案に即して、暴行罪や傷害罪等を含めて、事件化に向けた捜査を実施していく所存でございます。



○桜木博副議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 教育長、答弁ありがとうございます。

 私は、この件について、一つ一つ聞くごとに、調査するに当たって、かなりひどいものがあったなということを認識しました。そういうふうなことから、今回、質問するような形になりました。

 こういうことを考えたときに、これは、私立高校の剣道部の先生だったら、救われなくて、逮捕されて、刑務所に入るような形になります。県の職員だからといって、それがなされないという、そういう甘んじたことからこういう事件に発展したんじゃなかろうかと思っております。私は、この際、ここで、ある一定の求償権を求めながら進めていくことが大事じゃなかろうかと思っています。これは、剣道だけじゃなくて、柔道とか全てのものの、スポーツに対する指導のもとになると思っておりますので、もう一度、英断を聞かせてください。

 警察本部も、先ほど、大変だったろうと思うんですけど、本部長、やはり、前蹴りとか、学校であっちゃならないような行為で死に追い込んだということで、こういうことをやっぱり許したら、学校ですることに対して、よしあしが問われないんじゃなかろうかと思います。

 そういうことから考えたときに、ある一定、厳しさがあってもいいと私は思います。そうしないと、今後の抑止力にならないんです。もう一遍そこ辺について、本部長、判断をお願い申し上げます。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 再度、求償権についての英断をというお話だったと思いますけれども、先ほど答弁いたしましたように、県が求償権を取得する、行使するためには、当該行為、職員の行為について重過失があるというふうに判断されなければなりません。この点について、県の責任を認めた裁判において随分議論もされましたけれども、最終的には、当該行為については重過失があるという認定にはなっていません。その関係で、県が求償権を行使するというのは困難だと考えています。



○桜木博副議長 奥野警察本部長。



◎奥野省吾警察本部長 それでは、先ほどございました前蹴りを捉えて、暴行罪、傷害罪として立件しなかったことについてお答えいたします。

 本件につきましては、捜査を尽くしました結果、この暴行及び傷害罪につきましては、その行為の形態、それから行為者の意思、意図、そういったことなどから見て、暴行罪、傷害罪との立証が困難であると判断をしまして、当該指導教員の被害者に対する行為の詳細を全体的に明らかにした結果、業務上過失致死罪で送付をしたということでございます。



○桜木博副議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 教育長にまた尋ねますが、重過失じゃなかったということ、私は、そこに至るまで、前蹴りして倒れた後に、平手打ちを十回以上、直接それは調査して聞いております。思い切って、気つけのためにびんたんをやったということですが、これは、教育から超えた、指導から超えたような行動じゃなかろうかと私は思っております。だから、重過失がなかったから、そういうことにしなかったと言いますが、その中で勘案してみますと、私は、求償するだけの、何といいますか、該当するんじゃなかろうかと思っております。

 そんな生易しいことをしよるから、こんな言い方すると、ちょっとおかしいかもしれんけど、県教育委員会の乱れがあるんです。襟を正すには、やっぱりある一定、しかるべき形のものをとって、責任をとらせるという。だから、反省もなかりゃ、新しい事件がまた起こるんです。

 そこ辺で教育長、もう一遍聞きます。そういうふうな平手打ちを、存分たたいて死に追い込んだことを、重過失じゃないから求償しなかったという言葉ですが、私は十分にあると思いますが、どうでしょうか。もう一度お願いします。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 県に損害賠償責任を認めた判決において認められたのは、どういう経過で亡くなったかというところでありまして、熱中症を発症してお亡くなりになったわけですけれども、その部活の活動の中で、生徒の熱中症の症状が発生するのに気がつくのがおくれた、そして、その後の対応について、直ちに緊急的な措置をとる、こういうところが不十分だった、これで熱中症による死亡という事態になったというふうに認定されております。

 部活の指導において、平手打ちをしたり、足で前蹴りをしたという事実は確かにございます。ただ、そのことと死亡ということの因果関係というのは直接には認定されていません。

 そこで、求償権については、先ほど言いましたように、熱中症によって亡くなったことについての重過失があるか、この点で判断せざるを得ない。その点での重過失がないということで、やはりちょっと行使は困難だということでございます。



○桜木博副議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 それでは、お尋ねしますけど、スポーツを指導する方々が熱中症についての勉強会とか、そういうもろもろの勉強会はやってるんですか。ちょっとそこ辺を聞きます。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 二十一年の事件後、直ちに学校における体育活動の事故防止の徹底についての通知を出しましたけれども、改めて運動部活動の指導のあり方について検討を進めまして、二十二年二月、運動部活動の手引というのを作成いたしました。

 この中で、熱中症だけでなくて、さまざまな部活動中の事故の防止ということについての手引きができて、内容があるんですけれども、熱中症の予防については、水分の適宜補給、それから、練習環境、体育館の温度とか湿度とかの環境への配慮、そして、生徒の体調の把握が大事だというような、かなり具体的な手引きになっております。これを毎年、研修会を通じて周知徹底を図る、また、年度当初には、やはり体育活動の事故防止についての通知を出しております。そういった形での周知徹底を図っているところです。



○桜木博副議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 何かしっくりいききませんが、六カ月の停止があったときに、新空港の設備とか、いろいろするのに加勢して、その熱中症とか、スポーツにかかわるそういうふうな、勉強会というか、そういうことはなされてないということを私は聞き及んでおります。ほかんことばっかりしよったんだということを耳にしました。

 それで私は、今、教育長が話したように、本当に年度変わってから、勉強会というか、そういうことをされているということを聞いて、不思議でこたえんのです。半年間の謹慎を食らったんでしょうけど、その間にそういう勉強をなぜさせんかったかなと思っているんです。それをしなかったために、また、同じようなことをです。私は、スポーツをあずかる先生方に本当に徹底的にそういう教育といいますか、指導を上からやっぱりしないと、また同じようなことが起こるんじゃなかろうかと思っています。

 今後は、本当にしっかりやっていただきたい、このように思っております。もう答弁はいいです。そういうことで、どうぞ皆さん、よろしくお願いします。ありがとうございました。これで終わります。(拍手)



○桜木博副議長 以上で油布勝秀君の質問及び答弁は終わりました。三浦正臣君。

  〔三浦(正)議員登壇〕(拍手)



◆三浦正臣議員 二十番、県民クラブの三浦正臣でございます。

 本日は、大変お忙しい中にもかかわらず傍聴に来ていただいております皆様に、心より感謝と御礼を申し上げます。

 それでは、早速、質問に入らせていただきます。

 まず、東九州新幹線についてです。

 二〇一二年十月、広瀬知事が会長を務める九州地方知事会において、東九州新幹線の早期整備を国に求める特別決議が採択されました。

 東九州自動車道に続いて、東九州新幹線構想を現実のものとしていくことは、九州の東西格差をなくし、本県はもとより九州が一体となって発展していくために、欠かせないインフラ整備であります。私も、本県のさらなる浮揚につながる東九州新幹線の整備については、積極的に取り組むべきだと考えます。

 宮崎県議会では、ことしの第一回定例会一般質問において、東九州新幹線が整備されると、宮崎から博多までの移動時間が約一時間半、新大阪までは約四時間弱との見通しが県から示され、翌日の宮崎日日新聞にも大きく報じられました。

 加えて、河野俊嗣知事が、東九州新幹線の建設推進をことし末の宮崎県知事選での公約に掲げることを五月に表明しています。

 広瀬知事の主導により、九州地方知事会で特別決議が行われてから間もなく二年になりますが、宮崎県以上に本県が建設に向けて議論し、地元を盛り上げ、そして宮崎県を巻き込んだ大きな動きで働きかけを行っていくべきではないでしょうか。

 本県の東九州新幹線建設推進に向けた取り組みについて、宮崎県との連携も含め具体的な内容をお聞かせください。

 次に、交通政策について伺います。

 北九州市を起点として、大分、宮崎両県を結び、鹿児島市に至る東九州自動車道の県内全線開通のときが近づいております。これまでの官民一体となって行ってきた活動が実を結びつつあります。

 さらには、大分駅ビルの開業、県立美術館の開館を控え、来年の春からは大分県の人の流れは大きく変わることになると思います。

 県や大分市などでつくる大分都市圏総合都市交通計画協議会では、昨年秋に、約三十年ぶりのパーソントリップ調査を大分市、別府市、日出町などの大分都市圏五市一町で実施しました。これは、大分都市圏の今後の公共交通の利便性向上や道路整備などのまちづくりを見据えて行われたものです。東九州自動車道の開通や中九州横断道路など地域高規格道路の整備、パーソントリップ調査の結果なども踏まえて、長期的な展望のもと、公共交通利用者の利便性向上のため、交通政策を改めて考える必要があると考えます。知事の見解を伺います。

 次に、二次交通網の整備について伺います。

 LCCの就航や東九州自動車道開通によって本県を訪れた人に本県での旅行を満喫してもらうために欠かせないのが二次交通網の整備です。

 バスなどの公共交通については、利用者の減少により事業者の経営が悪化し、便数の減少や経路の縮小等が続いていますが、この状況は本県を訪れる観光客の足にも影響して、マイナスの印象を与えていると思います。

 ことし七月から九月にかけては、来年のDCに向けた試行として、大手旅行会社と提携して県内観光周遊バスを運行していますが、これを一過性のものとせず、工夫を続けていく必要があります。また、市町村やバス事業者などの関係機関との連携強化が必要であり、広域的な観点からも今後の二次交通網の整備について県がリーダーシップを発揮していくべきだと考えますが、見解を伺います。

 次に、フェリーによる誘客について伺います。

 九州の東の玄関口である本県は、内航フェリーの便数では九州全体の八三・六%を占めており、東九州自動車道開通によって、さらに多くの九州への観光客が内航フェリーを使って本県を訪れることが期待できます。

 私は先日、県内の発着所六カ所の現状を見て回りました。

 本県到着後の最初のおもてなしの場所であるにもかかわらず、発着所によっては閑散とした雰囲気で、少し暗いようにも感じました。また、案内板や九州の観光地のパンフレットがわかりづらい場所にある発着所もあり、観光客を迎えるにはまだ満足のいくものになっていないことを痛感しました。

 本県に発着するフェリーの利用者は、昨年度で約百七十七万人となっています。

 本県にとっては、航空、鉄道、自動車だけでなく、フェリーも大切な観光経路であり、その発着所は、フェリーを利用する観光客にとっては本県の玄関口となるため、発着所の印象が本県の印象を大きく左右するものであると考えます。発着所が寂しい印象だと、せっかく来てくれた観光客をリピーターとすることもできず、フェリーの利用者の減少にもつながりかねません。

 広瀬知事も内航フェリーの重要性を唱え、現地の印象に言及しておられます。きれいで便利で九州旅行が楽しみになるようなフェリー発着所の整備、幹線道路へのアクセスの見直しなど、多くの課題が残されています。本県のみならず九州の玄関口であるという認識を強く持って、県としても力を注いでいかなければならないと思いますが、どのような対策が必要と考えているのか、見解を伺います。

 次に、県産品直売所について伺います。

 本県は、豊かな自然に恵まれた食材の宝庫であります。本県を訪れる観光客に、県内のさまざまな産物を実際に目で見て、手にとり、そして購入してもらうことで大分県のファンをつくり、さらにはそこで県民にも県内各地域の名物を気軽に買い求めてもらえるよう、県内の産物全てを取り扱う、例えば、「広域直売所まるごとおおいた県」を設置して、交通網とリンクさせながら整備していくことがとても有効であると考えます。

 現在は、県民であっても居住する市町村近郊以外の県産品は手に入りにくい状況です。しかし、県内全域の産物を取り扱うワンストップの直売所ができれば、年間を通じて安定して商品をそろえられるようになるとともに、県民は県内各地の産物を手に入れることができ、地産地消力は高まります。また、地域の一次産業従事者の所得向上にもつながるという一石三鳥の流通、販売の仕組みと言えるのではないでしょうか。

 東九州自動車道開通による新たな人の流れを、オール大分の産品で迎えることができ、県民の満足にもつながるこのような直売所の整備を県が指導して行っていくべきではないかと考えますが、見解を伺います。

 今後は、対面で質問させていただきます。

  〔三浦(正)議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○桜木博副議長 ただいまの三浦正臣君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいまは三浦正臣議員から、大分県の交通インフラ政策全般につきまして、いろんな視点からご質問をいただきました。

 まず私から二点お答えを申し上げたいと思います。

 一つは、東九州新幹線についてのご質問であります。

 平成二十三年三月の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に続きまして、今年度末には北陸新幹線が金沢市まで開業する、全国で着実に新幹線のネットワークが広がっております。

 二十四年六月に着工認可された西九州ルートを初め、整備計画路線が順次建設に向かう中、大分に関係する新幹線につきましては、昭和四十八年に基本計画路線に決定されたまま、いまだ整備計画路線に格上げされていない状況であります。

 九州地方知事会といたしましては、鹿児島ルート、西九州ルートに続く次の展開として、二十四年十月の会議におきまして東九州新幹線の整備計画路線への格上げの特別決議を行いまして、以来、国に対して要望を続けているところであります。

 また、本県や宮崎県など関係の県、市や経済団体は、東九州新幹線鉄道建設促進期成会を結成しておりまして、国に対する要望活動や機運醸成のための講演会の開催など、最近、活動を活発化させているところであります。

 今後とも、まずは整備計画路線への格上げに向けまして、大分県、宮崎県が緊密に連携いたしまして、九州地方知事会とともに、国に対して働きかけてまいりたいというふうに考えております。

 他方、今年度末には、おかげさまで東九州自動車道の北九州から本県を経由して宮崎に至る区間が、ほぼ全線開通するという見通しとなっております。これによりまして、九州の高速道路による循環型ネットワークの形成ができまして、九州から本州、四国に向けた内航フェリー便の大半を有する大分県の優位性が発揮されるということで、九州の東の玄関口としてのポテンシャルが一層高まってくるというふうに期待をしております。

 そこで、このポテンシャルを生かし、東九州自動車道の開通後の新たな展開を議論する研究会を発足させたところです。この中でも、東九州新幹線や大平洋新国土軸構想などについて幅広く検討を進めていきたいというふうに考えているところであります。

 次に、交通政策全般についてのご質問でございましたけれども、本県では来春は東九州自動車道がほぼ全線で開通するほか、大分駅ビルや県立美術館がオープンするなど、人、物の流れが大きく変化しようとしております。

 また、我が国は、人口減少や高齢化の進展といった社会構造の変化に直面しておりまして、長期的には、このことも交通政策に大きな影響を与えるものになるというふうに思います。

 これらに対応した交通政策を推進するため、三つの観点から取り組みを進めていきたいと思います。

 一つは、九州各県を初め、首都圏、関西圏など、本県と県外を結ぶ広域的公共交通ネットワークの構築であります。

 高速道路による循環型ネットワークの形成に伴いまして、九州の東の玄関口としての本県のポテンシャルを最大限に発揮します。

 また、九州の内航フェリー便の大半を占め、重要な役割を果たすフェリーの利用拡大に向けて、議員ご指摘のようにターミナルやアクセス道路の改善などを図っていかなければならないと思います。

 鉄道については、東九州新幹線の整備計画路線への格上げや、日豊本線の高速化、複線化などを、国やJR九州に粘り強く働きかけてまいりたいと思います。

 航空では、LCCに対するニーズの増大を踏まえまして、ジェットスタージャパンの関西空港線の開設や、ティーウェイ航空のソウル線を誘致したところでありまして、路線拡大に努めているところであります。

 交通政策の二つ目の観点は、乗り合いバスを初めとする地域公共交通の維持確保であります。

 高齢化社会における移動手段としての重要な地域公共交通は、過疎化やマイカー依存等によりまして利用者の減少が見込まれており、これを維持するため、行政の役割がますます高まります。

 県といたしましては、バスの運行費用など、市町村への支援を引き続き行うとともに、運輸支局と連携をいたしまして、市町村ごとにルートの調整に関するノウハウの提供などきめ細かな対応をしていきたいと思います。

 交通政策の三つ目は、人口が集中する大分市内の公共交通の整備であります。

 通勤、通学時の交通円滑化のほか、まちづくりや観光施策との連携が不可欠であります。パーソントリップ調査を踏まえまして、快適で便利な公共交通の実現や渋滞緩和に向けた道路網構築のため、交通事業者や大分市などの関係機関と共同で総合的な交通計画の策定を進めてまいります。

 今後も、本県の公共交通の充実を図って、県民生活と経済発展の基盤としての機能を強化できるように取り組んでいきたいというふうに思っているところであります。

 その他いろいろご質問いただきましたけれども、担当部長から答弁をさせていただきます。



○桜木博副議長 日高企画振興部長。



◎日高雅近企画振興部長 ご質問いただいたことについて、二件、私の方からお答えさせていただきます。

 まず、二次交通網についてでございます。

 観光誘客にとって、駅、港、空港や宿泊地と観光地などをつなぐ二次交通を整備することは、議員ご指摘のように大変重要であると認識しております。

 これまで県では、バス事業者にJRと路線バスのスムーズな乗り継ぎができるように、ダイヤの改善を促してまいりました。

 また、別府市内の観光地を頻繁に循環する「ぐるすぱ号」がございますけれども、この「ぐるすぱ号」は、路線バスとして市民が利用するだけではなくて、観光客も利用しやすいように工夫したものでございまして、大変好評を博しております。

 さらに、総合補助金を活用して、竹田市、宇佐市、国東市、九重町が周遊バスの運行に取り組んでおります。

 一方、広域的な観点という必要もございますので、来年夏のデスティネーションキャンペーンに向けて、市町村をまたぐ観光周遊バス十コースの実証運行を七月から開始したところでございます。

 また、タクシーやレンタカー事業者に対しても、観光コースの新設等商品造成の働きかけを行っております。

 これらの取り組みは、旅行会社と連携して積極的にPRしていくということにしております。

 今後は、実証運行などの取り組みを検証しながら、さらに、市町村やバス事業者等の交通関係者及び旅行会社と協力して、二次交通の充実を図っていきたいと考えております。

 次に、フェリーによる誘客についてでございます。

 県では、フェリーを利用して本県を訪れる観光客へ歓迎の気持ちをあらわすために、これまでフェリーターミナルへの「おんせん県おおいた」の垂れ幕やのぼり、ポスターの掲示のほか、フェリー事業者等を対象としたおもてなし研修などを実施してまいりました。

 また、ハード面では、大分港西大分地区ウオーターフロントや別府港三号上屋の整備を行うとともに、民間と連携してこうしたところにアートを絡めたにぎわいの場づくりということも進めてまいりました。

 フェリーの利用者は回復基調にありまして、県ではさらなる誘客に向け事業者と連携した就航先での観光情報発信を強化して一緒に取り組みを進めております。

 また、市町村等と連携してフェリーターミナルの案内看板の整備や観光パンフレットの配置の見直しを行うなど、利用者の視点に立った魅力ある環境づくりをこれからも進めてまいりたいと考えております。

 こうしたことを行うために、今月末にはフェリー事業者や港湾管理者などから成る連絡会議を新たに設置して、連携を緊密にするということにしておりまして、観光情報の効果的な発信や、フェリーターミナルの適切な維持・管理を進めることにより、さらなる利用促進につなげてまいりたいと考えております。



○桜木博副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 私の方から県産品直売所についてお答えを申し上げます。

 県内には、道の駅や里の駅など地域の県産品を提供する直売所が二百四十一店舗ございます。

 平成二十五年度の直売所の販売額は、約百二十九億円。店舗数及び販売額は拡大傾向にございます。

 ことしの四月に農林水産省事業を活用して、中津市三光にオープンしました「道の駅なかつ」の直売所「春夏秋冬」、春夏秋冬で「ひととせ」と読みますが、これは八月末の販売額が約三億円と大変好調で、県内外からの幅広い集客力を発揮しております。

 また、大分空港の出発ロビーや別府国際観光港の別府交通センター、大分自動車道の別府湾サービスエリアなどは、県内の特色ある県産品を広く提供できる販売拠点として、大きな役割を担っているところであります。

 県は、これまでも直売所の消費者ニーズに対応した品ぞろえやサービスの向上を目指し、直売所の経営力、魅力向上を目的としたセミナーの開催や専門家の派遣事業を実施してきております。

 東九州自動車道の全面開通に向けて、直売所相互が連携をすることによって品ぞろえの充実を図れるようにネットワーク化を進めますとともに、個々の直売所の魅力を向上させる取り組みを支援することによりまして、県産品の消費拡大、地産地消も進めていきたいというふうに考えております。

 以上です。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 ことし五月に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律が改正をされ、現在、多くの市町村では地域公共交通に関する計画を策定しています。

 さらに新制度では、交通圏が複数の市町村にまたがる場合には、都道府県も計画を策定できるようになっています。

 私は、この機会を捉え、地元の住民はもちろん、観光などで本県を訪れた方たちにとっても便利な交通ネットワークを整備していく必要があると考えます。そのためには、広域的な見地から市町村への支援計画を策定するなど市町村や公共事業者と連携しながら、県が先頭に立ってしっかりと取り組んでいただくことを期待していますので、ご指導のほどよろしくお願いします。

 また、東九州新幹線構想については、まだ具体的な停車駅などのルートが明確でないことは承知しておりますが、宮崎県では、先ほど申したとおり、整備された場合の所要時間を公表しています。

 そこで、本県では、東九州新幹線が整備された場合、大分から博多まで、また大分から新大阪までの所要時間はどのくらいと見ているのか、企画振興部長に伺います。



○桜木博副議長 日高企画振興部長。



◎日高雅近企画振興部長 議員からご指摘のように、前提条件というのはいろいろ考えられるところでございます。

 ただ、仮にということでお答えさせていただきたいと思いますが、仮に現在の日豊本線に沿ったルートを運行するという想定で、同じようなスピードで走ってくるということになりますと、乗車時間は大分−博多間が五十分程度、大分−新大阪間が二時間四十分程度になって、それぞれ現行に比べて五十分程度の短縮となるのではないか、計算上ですけれども、ということでございます。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 部長、ありがとうございました。

 新幹線の整備の目的は、大きく三点。本県経済の発展、国内外との交流拡大、そして大規模災害への備えであろうと思います。どれも本県にとっては重要であり、今後も積極的に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。

 また、来年の東九州自動車道開通は、本県にとって大きなチャンスであり、戦略的な取り組みによっては、本県が九州の交通のかなめとなり得ると確信しています。そのためには、いかに効果的なネットワークを構築していくかが問題であります。私は、そのかじ取りを本県が行い、宮崎県、鹿児島県を含めた東九州、そして隣県の熊本県も巻き込んで広域的に取り組んでいくべきであると考えます。

 今後の取り組みに期待をしていますが、九州地方知事会長でもある知事の意気込みをお聞かせください。



○桜木博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 議員ご指摘のとおり、いろいろ九州全体で取り組みをやっていくときに、関係の各県知事さん、あるいは各県を巻き込んでやるということは大変大事なことだし、また、効果が大きいというふうに考えております。

 もう二年以上前になりますけれども、九州北部豪雨の際に、中九州横断道路の予定の箇所であります滝室坂が崩落をしたということがありまして、そのときに、その滝室坂の復興のためにバイパスをつくってくれ、そうすると大分−熊本間も随分便利になるということで、熊本県知事さんと一緒に、いつも一緒に東京の陳情活動をやったんですけれども、本当に信じられないようなスピードでそのバイパスの計画が決定されまして、今の国土交通大臣、太田大臣でございますけれども、大変理解をいただいて、決定されたということがありました。

 このときもやっぱり、両県で力を合わせてやったということが大きな弾みになったというふうに後から聞いたんですけれども、やはり何かやるときに、できるだけほかの県も巻き込んで、そしてやっていくということが大変大事なことだ、効果も大きいというふうに思っているところでございます。ぜひご指摘のようにやってまいりたいと思います。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 知事、ありがとうございました。

 本県のさらなる発展に向けて、私もともに、微力ですが、力を注いでまいりたいというふうに思います。

 それでは次に、ふるさと納税についてです。

 ふるさと納税は、二〇〇八年度の制度開始以降、次第に浸透してきており、地方重視を掲げる安倍政権は、税金の控除を受けられる上限額を来年度から倍増する検討に入ったと報じられています。

 本県では、ふるさとおおいた応援寄附金として、ふるさと納税を受け付けており、小規模集落の支援、文化、スポーツの振興など、ふるさと大分を守り、元気づける施策に活用することとしています。

 二〇一三年度には、県と県内十八市町村への寄附金の合計が初めて一億円を突破しました。このふるさと納税について伺います。

 九州各県のふるさと納税の状況を見ますと、二〇一三年度は一位の熊本県が千七百二十一件、四千三百十二万円であるのに対し、本県は三十件、二百六十八万円で九州最下位です。

 熊本県では、寄附金とあわせて、「ふるさとくまもとへの応援メッセージ」も受け付けています。そして、寄附をした人への感謝の品として、くまモングッズセットや熊本の食材など、熊本の特産物を十三品目準備しており、寄附金額に応じて選べるようになっています。

 それに対し、本県は、ポストカードやめじろんとメジピーのバッジなどを寄附者に贈呈していますが、他の県と比べても本県の魅力がアピールできていないと感じています。

 私は、ふるさと納税により、県が自主財源を確保することができるとともに、仕掛け方によっては、県外在住者に本県の魅力を強くアピールすることもできると考えます。他の自治体では、農業体験や人間ドッグなどを特典として提供することにより、地元に足を運んでもらう取り組みをしているところもあります。

 本県でも、特典の工夫に加え、例えば、空港でめじろんがふるさと納税のパンフレットを配るなど、今以上に趣向を凝らすことで、県外在住者に大分県を知ってもらい、足を運んでもらい、好きになってもらって、さらには定住してもらうというところまで考えながら、ふるさと納税制度を活用すべきでないかと考えますが、見解を伺います。

 また、県内の市町村では、二〇一三年度は中津市が二千三百六十七件、三千四百八十八万円でトップであります。中津市は、昨年度、インターネット上での申請受け付けに加えて、一万円以上の寄附者に特産品を贈る制度を始めたことにより、件数は一二年度の百倍以上、金額は五・七倍に増加しました。本年度は、大分市や日田市など九市町が新たに特典を設けたり品目をふやしたりしており、杵築市のようにコンビニ支払いなど納付が簡単にできるような取り組みもあります。

 一方、寄附者への特典を設けていない市町村もあり、おのおのでその取り組みにばらつきが見受けられます。

 各市町村が、地域振興などのために自主財源を確保していくことは重要な課題であり、ふるさと納税の取り組みが活発に行われるよう、県からも市町村へ積極的に働きかけをしていくべきであると考えますが、見解を伺います。



○桜木博副議長 日高企画振興部長。



◎日高雅近企画振興部長 ふるさと納税について、二件お答えいたします。

 県では、これまで県人会など大分ゆかりの方への呼びかけや、インターネット決済による手続の簡素化、寄附金の使途の選択など、ふるさと納税の促進に努めてまいりました。

 また、大手流通企業と連携した買い物カードを発行して、買い物をすると決済額の〇・一%がふるさと納税となる仕組みを取り入れ、寄附額の増加を図ってまいりました。

 特典についてお話がございましたけれども、継続して寄附をした方や高額の寄附者に対しまして、大分県との交流促進として、フェリー乗船券やプロサッカー、モータースポーツの観戦券のほか、「坐来大分」の食事券を贈呈するなどの取り組みを行っております。

 現在、政府において、ふるさと納税に係る税金控除額の上限引き上げや納付手続の簡素化が検討されておりまして、本県でもこれを機会として、サービス特典の見直しや、一層の手続の簡素化等について検討してまいります。

 また、福岡、関西圏、首都圏への「おんせん県おおいた」の広報戦略を今行っておりますけれども、そういう中でもふるさと納税のPRを行っていくこととしております。

 今後とも、ふるさと大分を応援したいという思いを大切にしながら、大分のファンをふやし、ふるさと納税が地域づくりにつながるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、市町村の取り組みについてでございます。

 近年、県内においても、地域の特産品をふるさと納税の特典として贈る市町村がふえ、コンビニでの支払いによる利便性の向上などさまざまな工夫がなされておりまして、寄附の増加に結びついております。

 その結果、それまでの三千万円台から二十四年度には六千万円台、二十五年度には一億円を超えたところでございます。

 一方、情報発信が十分でなかったり、支払い方法が限られている自治体があるということも事実でございます。

 こうしたことから、県では、ホームページ「おおいた暮らし」でふるさと納税を呼びかける際には、市町村への寄附方法についても紹介することとしております。

 また、市町村に対して、効果的な特典や寄附システムなど、ふるさと納税の先進的な取り組み事例をふるさと大分回帰推進連絡会議など、県と市町村の会議の中で紹介していくこととしております。

 今後、制度改正が予定されているところから、県、市町村が連携しながら、大分県全体へのふるさと納税が一層増加するように取り組みを進めていきたいと考えております。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 この制度は、自治体にとってさまざまな可能性を秘めた制度であり、一時的なブームにより、寄附金がふえるのではなく、継続して安定的に財源を確保できる持続可能な仕組みづくりも大切だと思っています。

 また、ふるさと納税を通じて、改めて自分たちの地域は魅力的なのだと住民が誇りを持ち、地域活性化につながるよう、今後の本県の取り組みに期待をさせていただき、次の質問に入ります。

 次に、若年脳損傷者について伺います。

 交通事故、脳腫瘍、心肺停止などの後天的な理由で脳を損傷し、何らかの障害を有している人のうち、特に十八歳以上六十五歳未満で児童福祉法も介護保険法も適用されない方は、若年脳損傷者として位置づけられています。

 若年脳損傷者には、脳がダメージを受けた結果として、意識障害、麻痺、失語症、記憶障害や注意障害など、日常生活に困難をもたらすさまざまな症状があらわれます。この症状の多様さと、障害とともに生きる時間の長さとが、若年脳損傷者の特色でもあります。

 しかしながら、身体障害者福祉法は、症状が固定した身体機能の障害のみ、また精神保健福祉法は、身体機能が正常であると仮定して、脳機能のみの障害を認定するものであるため、身体機能と脳機能の障害が重複した状態については対応する法律がありません。そのため、若年脳損傷者は、医療や福祉サービスから漏れてしまう、いわゆるはざまに置かれてしまっています。

 例えば、二〇一〇年に大分県が実施した重症脳損傷者実態調査でも、介護をする親御さんなどから、「先天性障害の場合、紙おむつの支給があるが、後天性障害の場合は自己負担だ。同じ施設に入っていても、他の子供さんは一割負担の千二百円なのに、私の子供は全額自己負担だ」といった切実な訴えがさまざま寄せられています。

 私は、このような方々についても、現状を把握しながら適切な支援を行っていくことが必要であると考えます。

 そこで、県では県内在住の若年脳損傷者の現状をどのように認識しているのか、県として若年脳損傷者への支援を今後どのように行っていくのか、見解を伺います。



○桜木博副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

 県では、平成二十二年度に、六十五歳未満の重症脳損傷者を対象に実態調査を実施いたしましたが、それによれば、九割以上の方が移動、食事、排せつに介助が必要であり、七割以上の方が意思の伝達が困難であるなど、当事者やそのご家族の厳しい生活実態が明らかとなりました。

 若年脳損傷者への支援につきましては、医療面では早期のリハビリが大切であることから、県では、湯布院病院をリハビリテーション支援センターに指定し、県内十一カ所の広域支援センターとの連携により、サービスが提供されているところであります。

 一方、障害福祉サービスを利用するためには、現行制度上、障害認定を受けることが必要となります。

 若年脳損傷者の方で身体障害者や精神障害者である可能性のある方につきましては、退院後の日常生活に支障がないよう、切れ目なく、必要な障害福祉サービスが提供されることが重要であると認識しております。

 今後とも、必要な方に必要なサービスが提供されるよう、制度の周知やサービスの充実について、市町村とともに努めてまいります。

 以上でございます。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 先日、若年脳損傷者ネットワーク代表の宮下静香さんとお会いし、意見交換をさせていただきました。

 脳損傷は、誰でも起こり得る身近なアクシデントであり、県内に在住の脳損傷者が回復の機会を保障されることはもちろんのこと、診断技術の確立や、脳を損傷するという障害特性に配慮した認定の基準づくり、リハビリプログラムの研究、社会復帰や雇用の問題など多くの課題が山積をしていると思います。

 症状や生活環境など個々で大きく異なっているため、その方に適した支援には多くの職種の人のネットワークが必要であり、行政を含めて皆で支える支援体制のさらなる構築を、部長、ぜひお願いしますので、よろしくお願いします。

 それでは次に、学校を取り巻く問題について伺います。

 私の子供もことし小学校に入学いたしました。今まで以上に学校の先生方や保護者の皆さんとかかわっていく中で、いろいろな面で私自身が子供のころと状況が変わってきていると感じています。

 そこで、保護者の視点も含め、伺っていきます。

 二〇一一年に県教育委員会が策定した大分県公立学校教職員の人材育成方針は、大分県が求める教職員の姿を明確に示し、教員養成、採用段階、採用後の能力開発、研修体系や人事異動等、教職員のライフステージ全般を通じて必要な施策を総合的、体系的に整理したものであり、方針の理念としてはよく練られたものになっていると考えます。

 そこで、臨時講師について伺います。

 私の地元日出町の小中学校八校において、十六人の方が臨時講師として学級担任になっており、県全体においては、五百十七人もの方が臨時講師として小中学校の学級担任になっています。この数字からも、臨時講師が正規の教員同様に、子供たちの教育を担ってくれていることがわかります。

 そのような状況のもと、臨時講師は、教員研修の機会などの面で、以前よりは幾分改善されているものの、正規の職員と比較すると充実しているとは言えない状況だと伺っています。

 二〇一四年度採用の義務制教員の新規採用者の平均年齢は二十八・九歳であり、臨時採用としての勤務経験後、正規採用されるケースも多い中、子供にとっては、先生が正規か臨時かは全く関係のないことです。子供の視点に立てば、正規、臨時の別にかかわらず、教員の人材育成を図っていくことが必要であると考えますが、県教育委員会のお考えをお聞かせください。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 臨時講師は、正規職員と同様に児童生徒への授業を行っており、学校力の向上等に向け、資質の向上が求められています。

 こうしたことを踏まえ、一年目、二、三年目、五年目、十年目など正規職員と同様に経験年数に応じた実践的な研修を、二十四年度から体系的に実施をしています。

 大量退職時代を迎え、新規採用者が増加することから、採用前研修の導入や初任者研修の充実など、これまでも若年層の人材育成に努めています。

 今後は、臨時講師研修の内容をより一層充実するとともに、正規教員を対象に行っている授業力向上の研修の一部にも臨時講師が参加できるよう、研修機会の拡大を図ってまいります。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 小学校では、小一プロブレムという言葉もあるように、一年生の指導が非常に難しいと言われていますが、小学校一年生の学級担任をしている臨時講師の数はどれぐらいいるのでしょうか。

 また、受験を控えた中学三年生の学級担任をしている臨時講師についてもあわせて伺います。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 平成二十六年五月一日現在で、小学校学級担任臨時講師の数、三百六十四名中、小一の担任は八十七名でございます。中学校について、学級担任の臨時講師の数、百五十三名中、中三の担任は二十一名というふうになっております。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 今、ご答弁をいただいて、臨時講師の方の小一、中三の学級担任をしている数の多さにちょっとびっくりしているところなんですが、小学校一年生や中学校三年生のような指導の難しい学年で臨時講師が学級担任を務める場合、臨時講師の人材育成はさらに重要になっていくと思いますので、ぜひ教育長、今後も積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。

 また、先日、文部科学省がインターネットで教員研修を受けられるシステムを来年度から導入するとの報道がありました。

 私は、教員が子供たちと向き合う時間を十分に確保してほしいと思っています。これからの時代を担っていく子供たちの豊かな学びと健全な育成を支える環境整備も、あわせてお願いしておきたいというふうに思います。

 それでは次に、学校給食の安全管理について伺います。

 県教育委員会によると、県内の小学校で千四百七十二人、中学生で四百三十四人が給食のアレルギー対応を必要としています。

 ことし二月二十五日、日出町で食物アレルギーのある児童が給食を食べて入院する事案が起こりました。幸い、大事には至らず、翌日に退院できましたが、二〇一二年に東京都調布市で乳製品アレルギーのある女子児童が給食を食べた後に死亡した例もあり、食物アレルギー事故は命にかかわる重大な問題であります。

 四月一日の読売新聞によると、山形県内では、市町村教育委員会が把握する範囲で、過去五年間に十五人の児童生徒が学校給食を原因とするアナフィラキシーショックと見られる症状を発症していたそうです。

 そこで、本県においては、学校給食時の児童生徒のアナフィラキシーショックの発症状況を把握できているのでしょうか。また、日出町の事案を受けて、各市町村への再発防止の徹底にどのように取り組んでいるのか、伺います。

 また、ことし二月には、静岡県浜松市で給食用のパンを原因とした大規模なノロウイルスの集団食中毒が発生しました。

 給食内の異物混入については全国各地で相次いでおり、県内でもことしに入って複数の市で発生しています。

 学校給食における食の安全を確保するために、県が市町村と一体となり、給食室や給食センターの体制強化など、安全管理のための取り組みを進めなければならないと考えますが、県教育委員会の考えについて伺います。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 まず、学校給食におけるアナフィラキシーショックについてお答えします。

 学校給食が原因でアナフィラキシーの症状により病院に搬送された事例は、平成二十四年度に四件、平成二十五年度に二件発生しております。今年度はまだ事例はありません。

 県教育委員会では、市町村教育委員会に対し、食物アレルギー調査を毎年行い、児童生徒の実態を正しく把握するとともに、食物アレルギーを持つ児童生徒に応じた原因食品の除去など適切な配慮を行うように指導しています。

 また、毎年、学校栄養職員等を対象に、食物アレルギーの研修会を実施しております。特に、ことし六月には、全小中学校及び県立学校を対象として教職員等約四百名にアナフィラキシーショックに有効な応急法であるエピペンの実習や食物アレルギーの専門的な研修会を開催し、事故防止に努めています。

 次に、学校給食の安全管理についてお答えします。

 県内では、学校給食での食中毒事故は、ここ十年以上発生しておりませんが、ビニール片やボルト等の異物混入事故については、今年度に入り七件発生しています。

 県教育委員会では、市町村主管課長や学校給食関係者に対し、食中毒や異物混入防止に向けた衛生管理についての研修会を実施するなど、学校給食の安全管理に努めています。

 また、毎年度、県教育委員会職員による給食センター等への立入調査を実施し、文部科学省の定める学校給食衛生管理基準に基づき、必要に応じて改善を促すなど衛生管理体制の強化を図っています。

 今後とも、市町村教育委員会や学校給食会等と連携し、安全、安心でおいしい学校給食を子供たちに提供するために安全管理の徹底を図ってまいります。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 アナフィラキシーショック、過去二年で六件ということで、病院に搬送されたということでございます。

 病院搬送以外にも、ぜひ一度、そういった症状があらわれる生徒の調査等もお願いをしたいというふうに思います。

 また、給食センターの体制強化についても再発防止にぜひ力を入れていただきたいというふうに、ここでお願いをさせていただきます。

 次に、いじめ防止対策について伺います。

 いじめは、児童生徒の心身に重大な影響を及ぼすおそれがあることから、近年大きな社会問題となっています。本県では、昨年四月にいじめ解決支援チームを発足し、ことし四月には大分県いじめ防止基本方針を策定したところでございます。

 県内の小、中、高、特別支援学校におけるいじめの認知件数は、二〇一二年度で三千七百三十九件となっており、いじめの防止、早期発見、対処の取り組みの強化は喫緊の課題であります。

 そこでまず、いじめ認知後の児童生徒へのフォロー体制がどうなっているのか、また、実績としてどれくらいいじめを解消できているのかについて伺います。

 また、学校では、インターネット上のいじめが新たな問題となっています。

 インターネットの普及は急速に進んでおり、県の調査によると、小中学校の時期に携帯電話を買い与えられている子供は三割程度ですが、ゲーム機などを利用してインターネットを利用した経験のある子供は多いと見られています。その結果、子供がいわゆる学校裏サイト等に誹謗中傷の書き込みを行うインターネット上のいじめが頻発しています。

 インターネット上のいじめは、他人の目を気にせず気楽に書き込めるため、罪悪感を覚えにくく、表現がエスカレートしがちです。さらに、外部から見えにくく、特にSNSや会員制のサイトは実態の把握が困難であるという問題もあります。

 県としても、いじめ防止基本方針において、インターネット上のいじめを新たな課題として捉え、情報モラル、情報リテラシー教育の充実などを図るという方針を示していますが、実際に取り組みを進めていく中で、現状の問題点をどのように認識し、それに対して今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 二点お答えします。

 まず、いじめ認知後の対応についてです。

 いじめ認知後の支援については、本年四月に策定をした大分県いじめ防止基本方針等に基づき、組織的に対応するため、学校長を中心とした校内いじめ対策委員会が速やかに事実確認を行い、いじめの早期解決を図っています。

 いじめを受けた児童生徒に対しては、教師が心身の安全を確保するとともに、スクールカウンセラー等による精神的なケアを行っています。また、加害児童生徒等に対しては、適切かつ毅然とした態度で、いじめは絶対に許されないということを理解させ、再び加害行為を行わないよう教育的指導を行っています。

 学校だけで解決が困難な事案に対しては、県のいじめ解決支援チームや警察、福祉等の関係機関から成るいじめ対策連絡協議会を活用し、市町村教育委員会とも連携しながら早期解決を目指しています。

 本県では、平成二十四年度は、三千七百三十九件の認知件数のうち、七八・五%が解消しています。また、継続支援中で一定の解消が図られたものも一五%となっており、引き続き、全てのいじめ事案の解消に向けて取り組んでまいります。

 次に、インターネット上のいじめについてお答えします。

 さまざまなインターネットサービスやスマートフォンなどの携帯端末の普及に伴い、子供たちがインターネットを利用する機会が増加する一方で、SNSを悪用した犯罪、ネット上における誹謗中傷やネット依存等が大きな社会問題になっています。

 特に、ネット上の書き込みにあっては、匿名性等の理由からいじめの温床となるほか、拡散性が高く、その対応も困難な状況となっています。

 県教育委員会では、ネットいじめ相談による解決を図るほか、生徒がインターネットや情報端末を賢く利活用して、みずからトラブルを回避できる能力を身につけるための出前授業により、情報モラル、情報リテラシー教育に取り組んでいます。

 さらに本年度は、大手通信ソフト会社と大学によるネットいじめに関する教職員向け公開授業を実施し、教職員のスキルアップを図るとともに児童生徒のさらなる理解促進に取り組むこととしています。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 インターネットのいじめは全国的にも大きな社会問題に発展している深刻な問題です。学校、保護者、関係機関が協力しながら、後手後手の対応にならないよう取り組んでいく必要があると思います。

 また現在、杵築市議会では、制定されれば県内初となるいじめ防止条例が上程されています。これはまさしく、地域を挙げていじめ防止に取り組まなければならないという問題意識のあらわれだと思います。

 県においても、このような地域の思いをぜひ受けとめて、対策を強化していただくようお願いをして、次の質問に入りたいというふうに思います。

 最後に、性同一性障害についてです。

 心の性と体の性が一致しない疾患である性同一性障害について、文部科学省が全国の小、中、高、特別支援学校を対象に初めて調査を実施し、ことしの六月に結果が公表されました。

 性同一性障害と見られる児童生徒は、全国で少なくとも六百六人に上り、そのうち学校側が特別な配慮をしているのは約六割の三百七十七人ということでした。

 そこで、本県における性同一性障害の児童生徒はどのような状況になっているのでしょうか。そして、その子供たちへの学校側の配慮はどのように行われているのでしょうか。

 また、性同一性障害は少なからず学校でのいじめにつながるのではないかと危惧しています。児童生徒への性同一性障害に関する正しい理解の促進を図るために、どのように取り組んでいくのか、伺います。

 さらに、今回の文部科学省の調査で、子供たちから多くの相談が寄せられ、心と体の性の不一致への悩みが深刻であることが浮き彫りになりました。県としても、子供や保護者のための相談体制を整備する必要があると考えますが、見解を伺います。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 性同一性障害について、三点ご質問がございました。

 まず、性同一性障害の児童生徒の状況等についてです。

 文部科学省は、学校における性同一性障害に係る対応を充実させるための情報を得ることを目的に調査をいたしましたが、個人が特定されるおそれもあり、各県ごとの状況は人数も含め公表しておらず、本県としても公表しておりません。

 次に、子供たちへの学校側の配慮ですが、学校においては、本人の心情を第一に考慮し、保護者とも相談しながら、必要に応じて、他の生徒への説明等を行うとともに、服装、髪型、更衣室等について、当該生徒が自認する性別で安心して学校生活が送れるよう配慮しているところです。

 次に、児童生徒への理解促進についてお答えします。

 児童生徒への性同一性障害に関する正しい理解の促進を図るに当たっては、まずは教員の理解を深めることが重要です。

 このため、今後、性同一性障害についての専門的知識や適切な対応のあり方に関する研修を進めてまいります。

 また、児童生徒に自己及び他者の個性を理解し、尊重することの重要性を指導するとともに、特に性同一性障害の児童生徒が在籍している場合は、当該児童生徒へのいじめ等につながらないよう、当該児童生徒や保護者の心情に十分配慮し、必要に応じて児童生徒や保護者へのきめ細やかな説明を行う等により理解の促進に努めてまいります。

 最後に、相談体制についてお答えします。

 学校においては、学級担任や養護教諭等の教職員、スクールカウンセラーが協力して児童生徒や保護者からのさまざまな不安や悩みの相談に応じています。

 県教育委員会では、教育センターの教育相談部や人権同和教育課に相談窓口を設けています。また、県こころとからだの相談支援センターにおいても保健師等が相談に応じています。

 今後は、研修等を通じて、性同一性障害等の専門的知識や相談スキルを持ち、児童生徒の心の悩みにしっかり対応できる相談員の育成に努めることにより、相談体制の充実を図ってまいります。

 以上です。



○桜木博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 今出ている数字は全体の一部であり、誰にも相談できず、今も一人で悩んでいる子供たちが少なからずいると思っています。悩みは深刻で、自殺未遂や不登校につながることもあり、教育長も今答弁があったとおり、学校現場の理解を深めることが不可欠でありますので、ぜひ支援、サポート体制の強化をお願いしたいというふうに思います。

 このように、学校には食物アレルギーを抱える子供、いじめを受けている子供、性同一性障害に悩む子供、いろいろな子供がいます。一人一人、全ての子供たちが心を開いて、日々、自分らしく前向きに学校生活が送れるよう、私も皆さんと力を合わせて頑張っていきたいというふうに思いますので、今後もよろしくお願い申し上げまして、一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○桜木博副議長 以上で三浦正臣君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午前十一時五十九分 休憩

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     午後一時三十四分 再開



○近藤和義議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。麻生栄作君。

  〔麻生議員登壇〕(拍手)



◆麻生栄作議員 皆様こんにちは。麻生栄作です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 ことしの夏も日本列島各地をこれまでに経験したことのないような大雨が襲い、甚大な被害が発生しました。防災・減災のため地域の危険箇所の再点検はもちろん、地域強靱化の必要性を痛感しました。

 一方、第二次安倍改造内閣も発足しました。

 現在の日本には、エネルギー制約、大規模災害への不安、特定の職種や地域における人材不足など、克服すべき課題も多く存在します。諸課題に適切に対応することによって、企業、資産、人材の立地競争力を強化しなければなりません。

 八月五日に緊急招集された自民党全国政調会長会議では、安倍総裁から「秋の臨時国会の最大のテーマは、地方創生であり、まちをつくり、人をつくり、仕事をつくり、日本全国津々浦々まで、景気回復の実感を届ける暖かい風を送ることが我々の使命だ」との表明がありました。

 選挙で委任された期間も迫る中、今回も一問一答方式で質問してまいります。

 まず、脊髄損傷や脳卒中を含む脳、神経、筋疾患に対する機能改善治療への支援について質問いたします。

 実は、友人の奥さんが一昨年の夏に脳出血を発症、一命は取りとめたものの障害が残り、現在もリハビリ中です。四十歳代での若年脳梗塞は、当時、小学生と中学生の二人のお子さんを抱えるご主人の人生も一変させました。

 そんな彼が先日、大分ロボケアセンターのロボットスーツHALを利用した機能改善治療について、うれしそうに話してくれました。要介護五、障害者手帳一級の、一人で立ち上がることもできなかった奥さんが、このロボットスーツを装着しての機能改善治療を受けた際に、「立ち上がり、歩くことができた」と言い、うれしそうに満面の笑みを浮かべ、涙を流したとのことです。このロボットスーツと出会って以降は、奥さんのリハビリに対するモチベーションも上がり、家族に笑顔も戻ったと言います。

 それで、「太陽の家」に先日、足を運んできました。サイバーダイン社の国内四事業所の一つであります。この治療機器であるロボットスーツHALFIT事業には、現在のところ、保険適用がなされていませんが、一日平均四人、月平均百名の方が利用されていると伺いました。利用者の四割近くが五十歳以下の方々です。また、別府や大分の方の利用が中心でありますが、県外や海外の方のための長期滞在型プランの利用もあると聞き、驚きました。

 ちなみに利用料金は、お試し三回券が五万一千円、三カ月間有効、二十回の回数券が三十万九千円、四十回の回数券が四十一万円で、ともに一年間有効ですが、この利用料金は全て自己負担であります。これに、例えば大分市内からであれば、介護保険が適用されるものの、介護タクシー費用として、さらに往復一万円以上の自己負担が必要となります。本当は、週二回から三回治療を受け、短期集中で効果を上げたいようですが、経済的な負担が大きく、回数を抑えざるを得ないと言います。

 こうした患者さんを何とか支援できないものでしょうか。

 そこでまず、県内の脊髄損傷や脳卒中を含む脳、神経、筋疾患の現状について、その年齢別、障害程度別の患者数をお示し願います。

  〔麻生議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの麻生栄作君の質問に対する答弁を求めます。平原福祉保健部長。

  〔平原福祉保健部長登壇〕



◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

 患者の実態に関する正式な統計データはございませんけれども、障害区分が肢体不自由の身体障害者手帳交付者のうちで、脳、神経、筋疾患が障害の原因と推察される方は、平成二十六年三月末時点で約八千六百人となっております。これを年齢別に見ますと、十八歳未満が約百人、十八歳以上六十五歳未満が約二千二百人、六十五歳以上が約六千三百人となっております。

 また、障害の程度別では、手帳の一、二級の重度の方が約三千人となっています。

 以上でございます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ただいまの十八歳以上、こういったところにぜひ技術開発、製品化のスピードアップとともに、治験数としての意義があるのかなと思っておりますので、今後、検討を求めておきたいと思います。

 続きまして、ロボットスーツHALによる機能改善治療の治験については、筑波大学を中心に行われているようですが、温泉との併用効果を試せるのはここだけです。県内医療機関との連携実態について、現時点での治験準備状況があれば、お知らせください。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

 医療用のロボットスーツHALによる機能改善治療の治験につきましては、国立病院機構新潟病院や筑波大学等を中心に行われていましたけれども、サイバーダイン社によりますと、医師主導治験において全被験者に対する治験実施が八月八日に終了したとのことでございます。

 今後は、国に対し、今年度中に医療機器製造販売承認申請を目指すとのことでございます。

 以上でございます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ぜひここの部分で温泉との併用効果、このエビデンスに使っていただければと思います。

 続きまして、既にドイツでは労災適用が認められ、一回当たりの機能改善治療の診療報酬五百ユーロの全額が労災保険でカバーされるようになり、今後の医療保険適用に期待が高まっているということです。

 労災保険が週五回、計六十回適用され、三カ月程度の短期集中での機能改善治療によって歩けるようになった症例も報告されているそうです。患者一人当たりの生涯社会保障費に置きかえて換算すると、早期集中機能改善治療した方が治療費の抑制にもつながるようです。

 ロボットスーツHALを利用した機能改善治療に対する労災や医療保険適用の働きかけについて、その取り組み状況を、大分県としての取り組み状況もお知らせください。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

 ロボットスーツHALを用いた機能改善治療の保険適用等につきましては、今後、サイバーダイン社が主体的に取り組むべきこととなると思います。

 国の成長戦略では、医療・介護現場におけるロボット技術の活用が掲げられておりまして、今後、ロボットスーツHALを用いた治療の保険適用の実現が期待されるところでありまして、大分県としてもその動向に注意しているところでございます。

 以上でございます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 私どももしっかりとこれは声を上げていきたい、このように思います。

 続きまして、機能改善治療費への自治体補助について、ロボケアセンターの立地する神奈川県藤沢市と三重県鈴鹿市においては、一回当たり約一万円を十回まで補助しております。このロボットスーツHALによる機能改善治療に県が市町村とも協調の上、助成事業を行う考えはないか、伺います。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

 ロボットスーツHALは、大分ロボケアセンターにおいて、機能回復に向けたトレーニング器具として使用されています。

 また、社会福祉介護研修センターでは、こうしたHALの機能に着目しまして、今年度、高齢者施設へHALを貸し出し、介護現場で評価を行う予定でございます。

 県といたしまして、この助成制度につきましては、これらの施設における評価などを踏まえ、研究していきたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 HALFIT事業は安倍総理が積極的に進めます革新的研究開発推進プログラムの一つであります。実現すれば、社会に変革をもたらす新たな仕組みとなる可能性が大いにあります。この事業について、困っている県民に最新で届けることが求められています。

 県の平成二十五年度東九州地域医療産業拠点推進事業についての事業評価は、成果指標である医療機器生産額が伸び悩み、著しく不十分との結果が出ています。やり方を変える必要があります。

 これまでのように商工労働部だけでなく、医療行政部門も含む県庁各部局はもとより、医師会など、医療現場などにもご協力をいただき、医療機器関連産業の振興について、関係機関を挙げた新たな組織体制で積極的に取り組む考えがないのか、伺います。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 医療機器関連産業の振興についてのご質問でございますけれども、県では新たな産業集積をつくり出すために、ご承知のとおり、宮崎県と共同で策定いたしました東九州メディカルバレー構想に基づきまして、県内医療機器産業の振興を図っているところであります。

 これまで大分県医療産業新規参入研究会を中心に、産学官連携いたしまして、県内企業による医療機器の研究開発だとか、あるいは販路開拓などの支援に取り組んできたところであります。

 この取り組みによりまして、県内の医療機器製造業の許可を得た企業は、この三年間で十四社十八事業所にまで増加しました。中でも、人工呼吸器を装着した患者の気管圧迫等を軽減する医療機器を現場の声に基づき新たに開発して、販売を始めた地場企業もあらわれております。

 しかしながら、医療機器産業への参入は、ご承知のとおり薬事法の規制などによりまして、開発から製品販売に至るまで随分時間を要します。地場企業の医療機器生産額が余り伸びていないのもこのせいではないかというふうに思っております。

 そこで、地場企業の参入を加速させるために、みずから医療機器を開発し、販売する企業に対しまして薬事法に関するアドバイザーを派遣するなど支援策を一層拡充していきたいというふうに思っております。加えて、半導体産業などで培った地場企業の技術が医療機器に採用されるように、県外大手医療機器装置メーカーからのユニット部品の受注やOEM生産の受託などのマッチングにも力を入れていきたいと思っております。このことが、大手企業と地場企業とのオープンイノベーションによる医療機器開発につながっていくものと考えております。

 また、本年二月のサイバーダイン社による大分ロボケアセンターの開設を好機と捉えまして、大分県ロボットスーツ関連産業推進協議会というものを立ち上げました。この協議会では、地場企業による医療、福祉・介護用ロボット産業への参入支援を行っていきたいと考えております。

 具体的には、ロボットスーツHALを開発したサイバーダイン社のCEOであって、筑波大学大学院教授の山海嘉之氏と直接協議しながら、HALの改良やトレーニング関連の周辺機器の開発支援に加えまして、山海教授が取り組んでおります健康長寿社会実現に向けた研究課題に対する技術的な提案なども行っていきたいと思っています。

 この十一月には、HALを導入している県内の四病院を中心に医療、福祉関係機関で構成する大分県HAL研究会が発足いたします。今後は、この研究会と連携いたしまして、医療福祉部門とも情報共有を図りながら、現場ニーズの把握に努めて、県内企業が保有する技術を集約して、より多くの企業がロボット関連産業に参入できるように支援をしていきたいと思います。

 医療機器産業が自動車・半導体産業に続く新たな牽引産業へと成長していくように、関係機関との連携を密にしながら、産業の重層化を図っていきたいというふうに考えております。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ありがとうございます。

 医療機器についての高度化や製品化、こういった部分に向けて、先ほども申しましたように、既に困っておられる方が十八歳以上で八千五百人いらっしゃる、こういった患者の視点からの取り組みを強く求めておきたいと思います。

 次に、大分港について伺います。

 大分港は、日本の基幹産業である各種企業が立地しているため、原油タンカー、LNG船等の危険物積載船や鉱石専用船、コンテナ船等の外航船舶や内航船舶が多数入港する全国屈指の港であります。隣接する臨海工業地帯も、六号地、七号地の遊休地は、国内最大級のメガソーラー集積地に生まれ変わっています。

 この港の陸側では、来年に大分県立美術館もオープンします。JR大分駅ビルも開業します。

 最上階の二十一階には、大分の町並みや、東西二十五キロ、六カ所の泊地のある大分港が一望でき、開放感あふれる、「日本一のおんせん県おおいた」にふさわしい露天風呂も登場します。私は一番風呂をちょっと目指しておりますが。

 そうした中、大分港は、関税法に基づき、昭和四十年に開港指定されてから、来年でちょうど五十周年の節目を迎えます。

 平成二年には、大分港開港二十五周年記念事業「夢ポートOITA90」が開催され、近年は、多彩なイベントなど民間でのウオーターフロントの魅力づくりも活発化してきましたが、このような大分港の歩みを踏まえ、これまでの立地競争力を県としてどのように検証し、またその向上に向けた今後の課題をどう捉えているのか、お示しください。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 大分港の立地競争力についてお尋ねをいただきました。

 大分港は、企業が立地する上で世界有数の大深度岸壁、アジア各国と豪州に近いといった地理的な優位性を持っております。

 その結果、大分臨海工業地帯には、新日鐵住金や昭和電工を初め、日本を代表する企業の生産拠点が立地しており、大分県の製造品出荷額に占める割合は四四・七%、約一・九兆円となっております。さらに、関連企業を含め、多くの雇用の場も創出しております。

 しかし、産業のグローバル化の中で飛躍を遂げるためには一層の競争力強化が必要と考えております。

 そこで、企業、県、大分市で組織する大分コンビナート企業協議会において、平成二十五年二月に大分コンビナート競争力強化ビジョンを策定し、エネルギーの融通による企業間の連携や保安に関する人材育成などに取り組んでいるところであります。

 県としても、これらの取り組みを着実に推進することによりコンビナート企業の競争力を強化してまいりたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ただいま一・九兆円という具体的な金額も示される中、この大分港の直面する課題の一つに、南海トラフ巨大地震とそれに伴う津波対策が挙げられます。

 昨年末に国土強靭化基本法が制定され、県は、国土強靭化地域計画の策定に着手されたと聞いております。

 そこで、大分港及びその関連沿岸区域に関して、南海トラフ巨大地震を見据えた、強靭化のための具体的取り組みについて説明を求めます。特に、臨海コンビナートや五号地も含めて、関係企業に向けた液状化現象対策などの内容、周知の状況についてもお示し願います。



○近藤和義議長 進土木建築部長。



◎進秀人土木建築部長 お答えいたします。

 大分臨海部における南海トラフ巨大地震に備えた対策を検討するために、有識者とコンビナート企業で構成する検討会を本年一月に立ち上げまして、この四月に提言を受けたところでございます。

 この提言では、背後地の住民約五万六千人、二万六千世帯が浸水被害に遭い、経済被害額は約一・九兆円に上るとされております。

 また、護岸の老朽化や液状化によりまして約一・四メーター沈下する、そういうおそれも課題とされておりまして、外周護岸のかさ上げ、あるいは耐震化が最も有効とされております。

 護岸整備に対しましては莫大な費用がかかることとなり、対策の早期実現には国の直轄事業としての支援が不可欠なことから、関係機関に強く要望を行っているところでございます。

 さらに、本年四月からは国、県、市とコンビナートや五号地の企業をメンバーに加えましたワーキンググループを立ち上げまして、ハードとソフトの両面から強靱化対策の検討を行っているところでございます。

 こうした情報を一般市民へも周知するために、近日中にシンポジウムを開催することとしております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 私もそのシンポジウムにぜひ参加したいと思いますが、事業用地そのものが県の土地ではない部分、事業者の保有地、こうしたものの把握と、情報共有といった課題も出てくるでしょうし、事業者に対する公的支援制度を創設したり拡充したりすること、あるいは被災後の復旧の迅速化の対策といったような課題もあろうかと思いますので、ぜひそういったシンポジウムの中で、問題点として、争点として取り上げていただければと思います。

 続きまして、東九州自動車道の全線開通による影響対策や、釜山・上海航路の維持・増便、及び新規航路開拓や利便性向上について、さらには共同輸送体制の構築など、大分港の新たなコンテナ貨物需要の創出に向けた県のポートセールスの取り組み状況を伺います。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 ポートセールスについてお答えいたします。

 大在コンテナターミナルの平成二十五年の実入りコンテナ貨物は、景気の回復やポートセールスなどによって、輸入が二十フィートコンテナ換算で六千八百十八本と過去最高でありました。他方、輸出が一万七千七百六本で過去二番目の実績でありました。

 このような中、東九州自動車道の開通により、県内コンテナ貨物は航路数が多く利便性が高い北九州港への流出が懸念されます。他方で、宮崎県北部地域等の貨物については、獲得できるチャンスがあると捉えております。

 こうした中で、航路の維持、利便性の向上のためには、新規貨物の掘り起こしが大変重要であると認識しております。

 貨物の出荷や調達時期に合わせた輸送手段として、定期コンテナ船の利用は、在庫や輸送コスト削減につながり、企業にとってもメリットがあるため、助成制度なども含めまして、それらをPRし、県内外でポートセールスを行ってきたところであります。

 この結果、輸出については県産木材や銅製品、輸入では鉱石やソーラーパネルなどの新規貨物の獲得につながっております。

 今後とも、ポートセールスの活動範囲を広げ、荷主企業の要望などをきめ細かに拾い上げていきたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 この東九州自動車道の全線開通という大きな変化は、ピンチでもありチャンスでもありますので、しっかりこの変化を捉えて、取り組みを求めておきたいと思います。

 次に、県民は、陸のことには関心があっても海や港について興味を示すことは少ないような気がいたします。

 そこで、二十五年前と同様に、この開港五十周年の節目の年には、県民挙げてお祝いし、大分港を内に外に、大いにPRすることを期待いたします。

 まず、大分港開港五十周年に当たり、夢のある記念事業を提案いたします。

 毎年、県下の小学校には南極の氷を届けていただいているところでありますが、来年は実際に南極観測船「しらせ」の大分港寄港を実現してはいかがでしょうか。教育長の答弁を求めます。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 南極の氷の贈呈については、自衛隊が子供たちに南極についての興味や関心を高めるために行っているものであり、本県でも例年、小学校数校において、子供たちが実際に南極の氷をさわったり、味わったりしています。

 「しらせ」の大分港寄港が実現できれば、子供たちにとって夢のある貴重な体験の場となると思いますが、「しらせ」の来年の航行日程、経費の関係など、さまざまな課題も考えられ、実現が可能かも含め研究してみたいと思います。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 この「しらせ」、所有は文部科学省所管である、こういうことでありまして、民間の団体の方々含めて、ぜひこの実現へという声も上がっておりますので、教育長の決意を強く求めておきたいと思います。

 あわせて、帆船日本丸の優雅な姿を見たいとの声も上がっておりますんで、ぜひ寄港誘致に取り組んでいただければ幸いであり、県当局の協力をお願いしておきたいと思います。

 さらに、来年は、JRのデスティネーションキャンペーンも予定されています。開港五十周年と抱き合わせたイベントで、誘客の相乗効果が期待できます。

 一方、先ほど申し上げました防災の観点から、防衛・防災フェアも同時期に開催することも検討するよう提案します。

 記念事業に対する提案について、一言いただければ幸いです。



○近藤和義議長 進土木建築部長。



◎進秀人土木建築部長 お答えいたします。

 大分港は九州唯一の石油化学コンビナートを抱えておりまして、水深の深い恵まれた港湾施設やアジアとの近接性を生かして平成二十五年は過去最高の七千万トンの貨物量となりました。重要港湾として、広域的な経済、産業を支えております。

 来春には東九州自動車道が県内全線開通の予定でありまして、大分港が東九州の玄関口として機能することにより、産業や観光の発展に大きく寄与することが期待されております。

 来年は折しも大分港開港五十周年を迎えますことから、利用の拡大や立地企業のさらなる発展及び臨海部の強靱化の加速につなげるとともに、大分港の重要性を県民にアピールするため、記念事業の開催に向けまして官民挙げて鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 企画振興部長、ぜひ開港記念五十周年アート事業も期待をしておきたいと思います。

 続きまして、新聞広告について伺います。

 ことし五月、地元新聞を初め全国大手新聞各紙に大分県教職員組合が募集広告した「親子で学ぶ韓国平和の旅」が各方面に波紋を巻き起こしたことは、ご承知のとおりです。

 先般、朝日新聞が慰安婦報道で虚偽証言を認めたばかりですが、その虚偽証言報道が外交問題まで発展するほど影響力が大きいのが新聞です。当然、その新聞に掲載される広告も信頼性が高く、影響力があります。

 今回募集したツアー広告は、そもそも掲載の可否自体について、新聞社側も疑問が湧いてしかるべきでありますが、全てフリーパスだったようであります。

 ところが、この大分県教職員組合が旅行業法に基づく登録を受けていなかったため、旅行の募集や代金の徴収といった、本来登録業者しか行えないと規定した同法に違反していた事実が判明しました。同じ時期にオウム真理教・光の輪が違反した案件と全国的に同列に扱われたことは、皆様ご承知のとおりです。

 新聞社は、こうした業法違反広告を三年続けて掲載し、その違法広告掲載料として計二百万円を超える金額を受け取り続けたことになります。新聞広告倫理綱領と新聞広告掲載基準をクリアしていると問題にもしません。

 新聞広告掲載基準には、「以下に該当する広告は掲載しない」として、責任の所在が不明確なもの、内容が不明確なもの、虚偽または誤認されるおそれのあるもの、比較または優位性を表現する場合、その条件の明示及び確実な裏づけがないもの、事実でないのに新聞社が広告主を支持するような表現であるものなどと記述されています。

 責任の所在とされる電話は出ませんでした。ツアーの内容は論外です。また、料金が一般料金の三分の一程度であり、他の旅行会社との比較優位性について、その条件の明示や裏づけも示されていませんでした。助成金を出しているならその支出財源も示し、公表すべきであります。

 何よりも、旅行業法上の登録番号確認だけでもしておけば、紛らわしい広告表現も変わったはずです。県教職員組合が電話に出ないため、他の全く関係ない団体の電話が鳴りっ放しとなり、その苦情電話に大迷惑をこうむったと聞いています。

 それにもかかわらず、大新聞は知らぬふりで許されるのでしょうか。

 不当景品類及び不当表示防止法や、大分県民の消費生活の安定及び向上に関する条例に基づき、新聞社はこうした広告掲載の再確認が必要だと思います。

 私が心配しているのは、旅行商品広告ももちろんですが、不動産や住宅に関する広告掲載です。

 今回、旅行取扱主任者などの明記や旅行業法上の登録番号などの掲載がないように、最近、建設請負業や宅建業者の許可・免許番号など、その明示のない新聞広告が目につきます。

 そうした曖昧な広告の陰で、最終消費者だけでなく、その関連中小零細請負業者などが被害に遭っているケースをよく耳にします。いずれも、新聞広告の審査をクリアした企業として、信頼して取引した結果、トラブルが発生しているとも聞きます。

 新聞広告審査が緩いため、ブラック企業が好んで、本県に進出しているとも聞きます。中には、反社会的勢力のしのぎの温床として、本県がターゲットになっているとの情報もあります。

 高齢者や若者を標的とした悪質商法が横行し、消費者被害が複雑・深刻化する中、消費生活安全安心事業の平成二十五年度事業評価も「著しく不十分」の結果が出た中、新聞広告について、定期的に関係新聞社やその広告代理店との情報交換及び最新情報の収集と適正な広告掲載に向けた取り組みを求め、県の考えを伺います。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 新聞広告についてお答えします。

 広告についての法規制は、一般的な規制として、広告主に対して、いわゆる景品表示法等に基づく規制のほか、宅地建物取引業法、あるいは薬事法等に基づく個別の規制があります。

 新聞広告は、新聞社が広告主に対してその紙面を提供しているものであり、第一義的には広告についての責任は広告主にあります。とはいいましても、新聞広告は不特定多数の読者を相手にしており、大きな社会的影響力があります。

 こうしたことから、一般社団法人日本新聞協会においては、不当な広告を排除し、読者の利益を守り、新聞広告の信用を維持していくため、新聞広告倫理綱領を定めるとともに、新聞広告掲載基準に基づき、広告に関する自主的な規制に取り組んでいます。

 このようなことから、いろいろな議論のあるところではありますが、新聞広告の適正化については、新聞社の自主的な取り組みに任せるべきものと考えております。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ただいまの答弁は、平成元年の最高裁判例からそういう答弁になっているんだろうと思いますが、時代も変わっております。新聞社の自己改善は改めて強くお願い申し上げるところでありますが、論理的、道義的な側面からばかりでなく、できるだけ法的な論理でくみ上げる工夫が必要となります。

 当該媒体者が安心感のある広告主であるかどうか、どのように判断するかは、トラブルが発生する確率が極めて小さいか、仮に発生したとしても消費者が満足し得る解決ができるようにしっかりした事前チェックを、この場から重ねて新聞社に強く求めておきたいと思います。

 続きまして、教育の正常化について質問します。

 今回の大分県教職員組合の旅行業法違反事案にしても、誰も責任をとる者はおりません。ツアーを企画した執行委員長も書記長も既に退職者であります。県教委の人事権が及ばない、いわゆるプロ組合専従者であります。運動方針などについてもホームページなどで公表もしていません。相変わらず密室で、閉ざされた破壊的主張を続ける運営に終始していると受けとめざるを得ません。

 そんな中、県教職員組合の発行する大分教育新聞を調べ、その運動方針を見て、私は驚きました。学校管理規則を無視し、職員会議を職場の最高議決決定機関とします、主任の実質化阻止の取り組みとあわせて、賃金支払い日に主任手当を拠出する体制を確立します、文部科学省の企図する研修会の形骸化を図りますなど、日本国憲法のもとに民主的に成立した政府を破壊することを主張する団体であるかのような印象を受けます。

 組合員の中では、教育長は二人いるとささやかれていることを教育長はご存じでしょうか。

 しかも、彼らにとっての真の教育長は、県教職員組合の執行委員長だそうです。公務員組合活動にも許されることと許されないことがあります。

 そこで、職員団体の組合活動について伺います。

 大分県教職員組合が平和事業と称して実施した今回の韓国ツアーについては、下村文部科学大臣もさきの定例記者会見で言及され、文部科学省ホームページでも動画で広く情報発信されています。それを知事及び教育委員長は当然ごらんになっているはずです。ごらんになっての感想をお示し願い、その後の対応をご説明願います。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大分県教職員組合の主催の「親子で学ぶ韓国平和の旅」に関しまして、下村文部科学大臣から記者会見において、「大分県教職員組合が旅行業法施行要領に違反する旅行募集を行い、観光庁から近く指導を受けるとの報道があったことについては遺憾である」との発言があったことは承知しております。

 私としても、今回の旅行募集について、観光庁から大分県教職員組合に対しまして注意喚起があったことは、まことに残念だというふうに思っております。

 また、大分県では、教育の目指すところとして、子供たちに学力、体力と豊かな心をしっかりと身につけてもらうということを挙げておりますけれども、今回のことで、こういった大分県の教育に対し、県民から誤解を招くことのないようにしてもらいたいというふうに考えておりまして、このことについても教育委員会に伝えたところであります。



○近藤和義議長 松田教育委員長。



◎松田順子教育委員長 では、私の方から県教職員組合の平和事業についてお答えいたします。

 下村文部科学大臣の記者会見での発言は承知しております。今回の旅行募集の広告を見た県民の方から、「大分県の学校では偏った教育が行われているのではないか」といった懸念の声をいただいたことは、残念に思っております。

 県教育委員会としましては、六月二十日に大分県教職員組合に対して「学校や教職員が県民の信頼を損なうことになれば、教育活動の低下を招くことになるので、本活動に当たってはこの点を考慮して対応していただきたい」旨、要請いたしました。

 また、七月二十三日には、「報道で大きく取り上げられ、参加生徒に被害が及ぶおそれもありますので、自粛することも含め対応を検討する必要があるのではないか」と注意をしたところでございます。

 その後、七月二十五日から旅行が実施されるに当たり、同行する教員の服務監督権者である市町村教育委員会に対して、「教育公務員として、県民の誤解を招かないよう」指導を求めるとともに、八月二十一日の市町村教育長協議会におきましても、県教育長から、学習指導要領に基づいた教育が適正に行われるよう引き続き指導することを要請したところでございます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ただいまお二方より信頼と、またきのう知事からも信頼についてのお話がありました。それでもまだまだ対応が甘いという県民の声がありますので、しっかり引き続きしつこく粘り強く対応していただくことを求めておきたいと思います。

 続きまして、地方公務員法で認められているとはいうものの、組合執行幹部が旅行業法逸脱行為をした事案について、仮にその幹部がプロ専従でなく、現職公務員であったと想定した場合、どの程度の処分になるのか、お示しください。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えいたします。

 教職員に対する処分については、県立学校教職員及び市町村立学校県費負担教職員に対する懲戒処分等の基準及び人事院の処分指針に基づきまして、また各県における具体的事例を参考にしながら、本県における具体的な事案に即し、その非違行為の動機、態様、故意または過失の度合い、職員の職責等を考慮して個別に検討しています。

 具体的な事実関係を認定していない仮の事案について処分量定を判断するということは困難であり、事案が発生すれば、その段階で検討してまいります。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 私は、はっきり言って、プロ専従とはいいながら、教職員団体の責任者でありますから、分限、身分保障の限界という意味で、処分は、公務の公立性を保つためには、つまり、あなたは公務員には向いていないのではないかとか、あなたのためにもほかに移った方がよいのではといったような処分があると。懲罰的な処分は含まれず、退職金も出るということでありますが、もう既に退職されている方ではありますが、もう一度、形上、同じことを繰り返してはいけないわけでありますから、分限通告をするぐらいのことをやっていただければな、このことを申し上げておきます。

 それから、視点を変えます。

 このツアーに関して、多額の助成金の支出の事実があるようですが、その実態についての公表も具体的説明もありません。地方公務員法の職員団体は、人事委員会へ登録されていると聞きます。

 この組織の実態について、登録されている目的及び業務、主たる事務所の所在地、構成員の範囲及びその得喪に関する規定、代表者等の役員登録内容をお示し願います。



○近藤和義議長 山田人事委員会事務局長。



◎山田英治人事委員会事務局長 職員団体の登録についてお答えします。

 登録されている大分県教職員組合の目的は、組合員の経済的、社会的、政治的地位の向上を図り、教育並びに研究の民主化に努め、文化国家建設を期することとされています。

 業務は、教職員の待遇並びに労働条件の維持改善に関すること、学術研究の民主化に関すること、民主主義教育建設に関すること、教職員の文化教養に関することなどとされています。

 主たる事務所の所在地は、大分市大字下郡四百九十六番地の三十八、大分県教育会館内であります。

 構成員の範囲は市町村単位の教職員組合とされており、その資格の得喪については、加入の申込書または脱退の理由を具した届け書を中央委員会に提出し、その承認を求めるなどとされています。

 役員については、執行委員長、執行副委員長、書記長、書記次長、執行委員、会計委員、支部専従役員、監査委員となっています。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 構成員もただいまの目的、もう一度確認していただけたものと思います。

 ただ、ただいまの人事委員会の登録には、特別執行委員というのは登録されていないことがわかりました。特別執行委員の中には県議会議員等、政治家もおります。規約上ないはずの者が県職員録には掲載されている事実がございます。そのことをまず指摘しておきたいと思います。

 この県教職員組合には、多額の違法主任手当の拠出疑惑が持たれています。年間三千万円を超えるとの記事もありました。一方で、多額の組合員以外への、一般に対する募集広告掲載事業が判明しました。これは単なる収支が赤字であれば収益事業とならないものとは違います。

 組合であっても収益事業とされれば、課税対象となります。収益事業かどうかの判断については、国税当局の所管ですか、県税当局の所管ですか。



○近藤和義議長 島田総務部長。



◎島田勝則総務部長 職員団体への課税についてお答えいたします。

 ご指摘のとおり、職員団体は、法人税法及び地方税法の規定によりまして、収益事業を行っている場合に限り法人税、法人県民税、法人事業税について申告する義務が生じます。

 このうち法人県民税と法人事業税は県税でありますが、それぞれ国税である法人税の額と法人税法上の所得を課税標準としております。

 したがいまして、収益事業を行っているかどうかの判定は国税当局が行い、県税はこれに準拠する仕組みとなっております。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 国税当局ということが明らかになりました。

 そこで、職員団体の登録要件として、経費及び会計に関する規定事項が記載され、これには構成員である職員による民主的手続によって決定されることとされています。年間約三千万円を下らない主任手当の違法拠出の使途についても疑問であります。人事委員会に登録されていない特別執行役員に対する手当なるものもあると聞きます。特別執行役員手当の原資にそれが含まれていれば、政治活動資金に流用していることも考えられます。つまり、政治資金規正法上の報告義務も生じるはずであります。収益事業としてだけでなく、人事委員会の登録要件にはない構成員以外が決定する政治的力学が働いたとしたならば、この職員団体の資金流用などの疑念を持たざるを得ません。そうした事案が判明すれば、明らかに他の法令逸脱事案へと発展しかねません。そのことを指摘しておきます。

 また、構成員である組合員みずから情報開示すれば疑惑も晴れますが、関係当局へ我々からも注視するよう求めていきたいと思います。

 続きまして、この夏休み中にも、県教職員組合学校分会が主催するミニ懇談会と称した政治活動が展開されています。この開催日程をいまだに学級PTAの際に、神聖なる教室で決定している事実が浮き彫りとなり、しかもその組合行事の案内ビラを子供たちに持ち帰らせている事案も横行していることが確認できました。これは、職権乱用行為ではありませんか。また、学校で、勤務時間中にもかかわらず、そうした政治活動をすることは、地方公務員法上の職務専念義務違反ではありませんか。県教委のご認識を伺います。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 勤務時間内に、職員団体が主催するミニ懇談会に関する協議等を行うことや児童生徒にその案内を持ち帰らせることは、地方公務員法第三十五条に規定する職務専念義務に違反する行為です。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 さらには、学校行事であると信じていた保護者との組合主催ミニ懇談会において、集団的自衛権や安全保障に関する政治的発言や政治活動である署名活動を強要されたとの声も寄せられております。担任からの要請を断ることの不安の相談までありました。佐伯では、ツイッターで一国の総理に対して命をも軽んずるような投稿をした方を講師に招いた平和講演会と称する会があったようです。教育に携わる職員団体が主催したことで、保護者の教育現場での命に対する教育実態への不安も寄せられました。こうしたミニ懇談会などでの教職員による政治活動行為は、公務員の信用失墜行為ではありませんか。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 公務員は全体の奉仕者として、勤務時間の内外を問わず、一定の政治活動が制限されています。

 特に、公立学校の教員の場合は、国家公務員の例により、人事院規則による制限が行われることとなっています。

 それに従えば、議員ご指摘の教員の行動をもって直ちに違法な政治的行為が行われたとは判断できないと思われますが、教育の政治的中立性の観点から、慎重な行動が求められると考えます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 もう一点、ベネッセの個人情報流出が大きな社会問題になりましたが、この夏、教職員組合の県西部のある学校分会主催ミニ墾談会の案内が、封書にて、封筒には差出人不記載、保護者両親連名宛てに送付された事案も確認しました。これは明らかに個人情報の組合活動への転用流出事件です。許可もなく児童の保護者に宛てた組合活動案内封書の住所録流出事案は個人情報保護法違反ではありませんか。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 市町村立学校における個人情報の保護については、法律に基づき、各市町村が個別に個人情報保護条例を制定しており、その運用は市町村に委ねられています。

 個人情報である氏名、住所を保護者の同意なしに組合活動目的に利用したことが明らかであれば、目的外利用の可能性が高いと思われます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ただいま申し上げましたような数々の法令逸脱行為は余りにも稚拙な行動です。こうした法令逸脱行為に対する問題認識が甘過ぎるとの指摘がありますが、県教委の対処方針をお示し願います。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 勤務時間内に組合活動の禁止など、法令遵守については、これまでも繰り返し学校長を指導してきた中で、今回のような問題が指摘されたことは遺憾なことであります。

 去る八月二十一日には、私から市町村教育長に対して「学校行事と組合活動の整理、峻別について学校長を指導していただきたい。また、職務専念義務違反等が確認されれば、法令違反として該当する教職員には一定の責任を負っていただかざるを得ない。法令遵守について徹底をお願いする」という要請をしたところです。

 今後は指摘されました具体的な内容について、服務監督権者である市町村教育委員会と連携して、その詳細を把握した上で、処分も含め、適切に対応したいと考えています。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 私もこんな質問をせざるを得ないのは大変残念です。もっと前向きな議論をしたいと思いますが、時間の関係で、二番の学校経営について等含めて、残りは常任委員会で改めてじっくり聞かせていただきます。

 次に、職員団体との交渉についてでありますが、先ほど指摘したような法令を逸脱するような公務員組合が存在すると、県当局との組合交渉についても、人事委員会への登録のない特別執行委員の記載がある異様な実態が、職員録にもそういったような登録があるというような異様な実態があるわけで、県民が疑惑を持ちかねません。

 県として、この組合交渉について、県民にあらぬ疑惑を招くことのないよう、その交渉内容や妥結内容を県民に情報提供する必要があると思いますが、いかがですか。



○近藤和義議長 島田総務部長。



◎島田勝則総務部長 職員団体との交渉についてですが、そもそも職員の給与その他の勤務条件につきましては、人事委員会の勧告を尊重するなど、法律の枠組みの中で、職員団体と交渉することになっております。

 従来から交渉の内容や経緯については、議会に説明させていただいた上で、条例案に議決をいただいているところであります。

 加えまして、最近では、昨年の給与特例減額交渉や一昨年の退職手当見直し交渉などの際には、結果に加えまして、交渉の日時や回数、組合への提示に至った考え方などについても公表をしたところであります。

 さらに、交渉の結果として決まります職員の給与その他の勤務条件の状況につきましては、毎年度、人事行政の運営等の状況という形で、だいぶ詳細にわたって取りまとめをいたしまして、ホームページの上で公表しているところであります。

 今後とも、県民の皆さんに対しまして説明責任を果たしまして、県政の透明性を確保してまいりたいと考えております。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ありがとうございました。しっかり取り組んでいただくことを求めておきます。

 ちょっとがらりと雰囲気を変えまして、自転車事故の被害軽減のためのヘルメット着用運動について質問いたします。

 七月二日の夕方、たまたま交通事故現場に遭遇した女性ドクターがいました。救急車到着までの間、車にはねられた高校一年男子に路上で付き添ったといいます。けがは、顔面、頭部でしたが、意識聡明、呼吸状態良好で脈拍もしっかりしており、脈をとりながら、手を握り励まし、話しかけたと言います。

 幸い大事には至らなかったようですが、その先生も同じ高校一年生の自転車通学をする息子の親として、他人事とは思えなかったと言います。

 この先生の息子さんは、ヘルメット着用で通学しているそうです。ヘルメット着用者は、恐らく校内でも一人とのことです。守れるものは守りたい、たった一つの体だからという親の気持ちを酌んだ息子さんもすばらしいものであります。

 自転車での交通事故の場合、顔面、頭部を受傷する確率は非常に高いと言います。公益財団法人交通事故総合分析センターのイタルダ・インフォーメーション交通事故分析レポートナンバー九七「特集 自転車事故 被害軽減にヘルメット」、この記事でも明らかにされております。

 そのレポートによりますと、他の事故に比べ、自転車乗用中の死傷者は減っていません。また、自転車事故の被害者は、頭部や顔にけがをする率が多く、頭部の場合、死亡するケースが多くなっています。

 したがって、ヘルメットが有効であります。アメリカではヘルメットの着用が義務づけられていますが、日本では道路交通法上の義務化は進んでいません。また、本県でも中学生の通学時には義務化されていますが、高校生には義務化されていません。

 もしヘルメットを着用していればと、後悔する事故事例も多いと思います。逆に、加害者側になったときも、もしこの被害者がヘルメットを着けていてくれたらと残念に思うことがあるかもしれません。

 ただいまの発言は全てこのドクターのお話を引用したものですが、ぜひ自転車に乗る皆さんへのヘルメット着用運動を進めてほしいと思います。

 県下の自転車事故の現状について、件数及び受傷部位などをお知らせください。



○近藤和義議長 奥野警察本部長。



◎奥野省吾警察本部長 お答えいたします。

 議員ご指摘のとおり、全国的には他の事故と比べて自転車事故の減少は小さい傾向がございます。ただ一方で、本県では昨年の自転車事故発生件数は六百七十五件、うち児童生徒の事故は二百四十五件で、十年前の平成十六年と比較していずれも三割以上減少しておりまして、他の事故と比べても自転車事故が大きく減少している状況がございます。

 次に、昨年の自転車事故による主な受傷部位についてでありますが、死亡事故で見ますと、死亡事故六人中五人がやはり頭部の損傷で亡くなっております。圧倒的に頭部の損傷が多い状況がございます。一方、負傷者事故を含めた全自転車事故では、脚部が三〇・五%、腕部が一八・四%、頸部が一八・三%、そして頭部が一二・七%となっております。

 これを児童生徒で見ますと、脚部、腕部、頭部の順となっておりまして、頭部を受傷する割合は一五・七%となっておりまして、全自転車事故よりも児童生徒による自転車事故の方が三・〇ポイント頭部を受傷する割合が高くなっております。

 以上です。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 児童生徒の通学時のヘルメット着用実態についてもお知らせ願います。

 また、ヘルメット着用運動展開について、及び着用義務化についての考えがあればお伺いします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 通学時のヘルメット着用の実態ですけれども、県内の公立小学校の二校、中学校百十二校で、各学校が定める要件を満たす場合に自転車通学を許可しており、その全ての学校でヘルメットの着用を義務づけています。

 高等学校は、全ての学校で自転車通学を許可していますが、ヘルメットの着用は個人の判断に任せています。

 本県での高校生の自転車事故のうち約七割は自転車運転者に何らかの交通違反があるという現状を踏まえ、現在、各学校では、交通ルールの遵守、運転マナーの向上を目指した指導を行っています。

 高校生のヘルメット着用については、各生徒が自己管理能力を高める中で、自主的に判断することが望ましいと考えており、今後とも生徒に対する安全指導等を行ってまいります。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 私立学校における生徒のヘルメット着用についてお答えします。

 私立学校については、中学校四校、高等学校十五校の全てで自転車通学を許可しています。

 そのうち、中学校二校でヘルメットの着用を義務づけていますが、他の中学校二校及び全ての高等学校では、ヘルメットの着用を個人の判断に任せています。

 各学校とも、自転車の運転に関する安全指導を実施していますが、自転車事故の分析結果等を踏まえ、中学校、高校の学校設置者に対してヘルメット着用の有効性を伝えていくとともに、中学校に対しては、通学時のヘルメット着用について検討を促していきたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 いよいよ秋になりまして、暗くなるのも早くなってまいります。ぜひ事故防止のためにも、関係部局連携を図っていただいて、ツーロック運動と一緒にできるところからやるとか、学校単位で競争して表彰制度を創設するとか、いろんな形でやっていただければ幸いであります。

 また、必要とあれば、県議会でも議論して、意見書、道路交通法改正に向けての声も上げていく必要があるかな、このように思います。

 また、最近はバイクの事故も大変ふえておりますんで、バイク乗りにプロテクターの着用運動とか、そういったこともあわせて期待を申し上げておきたいと思います。

 最後に、県民とともに紡ぐ、大分の夢について伺います。

 任期冒頭、広瀬知事は、夢多い未来を切り開いていくため、全力で県政のかじ取りをしてまいりますと表明され、ご尽力いただいております。

 この夢、県民皆で何代の知事にもわたって紡いでいかなければ実現しない夢もあります。第二次安倍内閣も地方創生を掲げ、ふるさとを断固守る、この国に消えてしまってもいい自治体など一つもないとして、ふるさとに人口と活力を取り戻す取り組みをスタートさせています。

 私は、人口急減社会の背景には、若者が結婚して、家族をつくり、子を産み育て、将来をつないでいくという家族観文化の崩壊もあると考えます。大分県のあらゆる分野での立地競争力を高め、夢を実現していくには、県民が共有する大きな目標や夢があってもいいと思います。家族観文化を紡ぐように、一代の知事だけで実現不可能なことでも、県民がその夢をつなぎ、紡いでいくことも求められます。

 例えば、事業効果が経済的採算べースにのらないからと頓挫した豊予海峡ルートを採算べースにのせるような、交流人口をふやす取り組みを始めることも重要です。そうしながら県民の夢をかなえる魔法使いになることを政治家には求められているのです。

 私たち県議会議員の今任期も残すところ半年余りとなりましたが、我々同様、知事もまた、四年という期間を限定された、地域の宝を大切に守り、県民の幸せや夢をかなえる仕事人である特別職地宝幸夢員でありますから、そうした夢を紡ぐ仕組みづくりとして、長期計画策定に加えて、もう一工夫必要ではないでしょうか。知事のお考えを最後にお聞きします。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 県政に夢をということでご質問をいただきました。

 なかなか難しい時代になってまいりました。国内では少子高齢化、人口減少、他方また個々人の価値観は非常に多様化しているという時代でございます。そして一方では、経済がグローバル化して、そういう中でどう生きていくかということも問われるというような時代でございます。

 しかし、こんな時代でございますけれども、やはり大事なことは、誰もが住んでよかった、住んでみたいと思ってもらえるような、そういう魅力ある地域をつくっていくことだというふうに思います。

 中でも、若者が地域に定着するために、仕事をつくって、そして雇用の場を確保する、若者が地域で仕事を得ながら、その中で自己実現を図っていくということが大変大事なことではないかというふうに思います。

 私は、こうした考えのもとで、県民とともに練り上げ、県民の夢や希望を盛り込んだ「安心・活力・発展プラン」を県政推進の中長期的な指針として実現に向けて邁進しているところであります。

 そのプランも平成二十七年度の目標年度まで残りわずかとなりまして、東九州自動車道の開通や県立美術館の開館など、本県の将来の発展に向けた基盤もおかげさまで整ってまいりました。

 このため、東九州自動車道の開通後の新たな展開、あるいはまた、芸術文化ゾーンを活用した新たな展開について研究会を立ち上げて、今後の政策の検討を始めたところであります。

 この中で、九州内における交流の促進だけではなくて、九州の東の玄関口として、産業、物流、あるいは観光の拠点化を目指すことについての議論を行っているところであります。ひいては関西、中四国から九州全体を見渡す広域的な戦略づくりも視野に入れていきたいというふうに思っております。

 また、議員ご指摘の豊予海峡ルートについても、東日本大震災を契機として、一極一軸型の国土構造の脆弱性が改めて浮き彫りとなりまして、複数軸を備えた国土形成の必要性が再認識されていることから、国の国土形成計画にどう位置づけられるか、長期的な視点に立って、関係自治体等とも連携した取り組みについて検討を進めていきたいと思います。

 さらに、芸術文化ゾーンの研究会では、芸術文化による地域経済の再生や、アーティストによる教育・福祉現場へのかかわりなどが議論されております。芸術文化の創造的な力を活用して、産業や教育、福祉・医療など社会的、経済的な課題に対応できる政策の検討も進めていきます。

 現行プランにつきましては、研究会のほか、新たにプラン推進委員会のもとに「安心」「活力」「発展」の各部会とその三部会を束ねる総合調整部会を設置いたしまして、進捗状況を検証するとともに、国の再興戦略や「まち・ひと・しごと創生本部」の動向も注視しながら、今後の政策展開について議論を重ねているところであります。

 今後とも、県民中心の県政を旨としまして、県民の誰もが夢と希望を持って、心豊かに暮らしていける大分県づくりに取り組んでいきたいというふうに思っております。



○近藤和義議長 麻生栄作君。



◆麻生栄作議員 ありがとうございました。

 住んでよかったと思えるという表現がありましたが、大分県民はみんなふるさとを断固守ると覚悟を持って大分県に暮らしているわけでありまして、これからもそれぞれのその地域から、逆に温かい風が生まれてくるように、我々もしっかりと取り組んでいきたい、このように思いますので、広瀬知事のさらなる支援をお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

 ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)



○近藤和義議長 以上で麻生栄作君の質問及び答弁は終わりました。荒金信生君。

  〔荒金議員登壇〕(拍手)



◆荒金信生議員 三十七番、自由民主党の荒金信生でございます。

 平成二十六年第三回定例会において質問の機会をいただき、同僚議員の皆様に心からお礼を申し上げます。

 今回、私からは大きく二点について質問をさせていただきます。執行部の明快なご答弁をよろしくお願いいたします。

 先日、県は平成二十五年度の普通会計決算見込みを発表しました。税収の増加や災害復旧、景気対策の実施などにより、歳入歳出ともに四年ぶりの増加となり、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は九二・五%と三年ぶりに改善、単年度収支も二年ぶりに黒字に転じています。

 また、財政調整用基金の残高も四百四十三億円を確保し、行財政高度化指針の目標額を大きく上回り、臨時財政対策債を除く実質的な県債残高について十二年連続の減少となるなど、これまでの行財政改革の成果が数字として見てとれます。

 私も議員になって七期目ということで、長い間、県政を見てまいりましたが、広瀬知事就任当初と比べて、状況は随分好転しているなという実感を持っているところであります。

 しかし、知事も記者会見でおっしゃったとおり、地方財政は国に相当部分を依存しており、社会保障関係経費の増加も見込まれることなどから、今後も収支両面に不安要素があります。財政の健全性が幾分改善されつつあるとはいえ、行財政改革の取り組みは今後も求められるのではないでしょうか。

 広瀬知事には引き続き、本県のさらなる発展のため、中長期的展望に立った行財政運営にご尽力くださるようお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。

 ここから先は、対面席に移らせていただきます。

  〔荒金議員、対面演壇へ移動〕



◆荒金信生議員 まず、観光振興、とりわけ、「おんせん県おおいた」を軸にした今後の本県の取り組みについて取り上げたいと思います。

 東九州自動車道の開通が間近に迫っています。現在、佐伯−蒲江間、宇佐−椎田間などで建設工事が進められていますが、県内区間は本年度中の完成が予定されており、一部用地が取得できていない豊前−椎田南間を除き、北九州市から宮崎市まで約三百キロメートルがほぼ開通します。

 さきの第二回定例会でも、我が会派の元吉議員から東九州自動車道の開通を見据えた宮崎県との観光面での連携強化について質問いたしました。執行部からは、海の向こうの愛媛や広島などに向けた東九州周遊観光のPRを九州観光推進機構等と連携しながら実施し、開通に向けて万全の準備を進めるとの答弁があったところであります。

 こうした中、先月、県は、東九州自動車道の開通を契機とした政策展開を探る研究会を発足させました。大分を九州の東の玄関口と位置づけ、四国、関西方面とを結ぶフェリー航路も含めた地理的な優位性を最大限に生かしながら、九州の人、物が東の拠点である本県からどのように流れていくか、あるいは流していくかを構想し、今後、必要となる手だてを幅広く議論していくと聞いています。

 四国とのフェリー航路の重要性やその活性化については、我が会派の佐々木代表が平成二十三年第二回定例会の代表質問で取り上げて以来、三年が経過いたしました。東九州自動車道の開通のめどが立った最近になって、ようやく議論の俎上に上がるようになりました。この海の道は南海トラフ巨大地震などの大規模災害時における代替輸送ルートとしても重要な役割を兼ねています。今後も、フェリー利用者増加に向けた取り組みの継続により、人、物の交流を促進し、フェリー増便につながる環境整備に積極的に取り組んでいただくようお願いいたします。

 さて、話は元に戻しますが、先ほど触れた研究会では、観光ルートの設定についても検討されるとのことであります。私は、高速交通体系の整備と相まって、魅力ある広域観光圏を設定することは大変重要であると考えます。観光誘客に向けて、県内各地域に点在する観光素材を観光客のニーズに即した線につなぎ合わせ、広域観光圏に仕立てて、面的にPRをしていくことが大切であります。

 例えば、最近では、NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」のゆかりの地である中津、とりわけ官兵衛が築城した中津城に注目が集まっていますが、杵築には、同じく歴史遺産として、日本唯一のサンドイッチ型で知られる城下町もあります。

 また、世界農業遺産の認定を契機として、今、国東や宇佐地域への関心が高まりつつありますが、当地は、姫島のジオパークを初め、豊の国千年ロマン観光圏や国東半島芸術祭でもクローズアップされている六郷満山文化、あるいは、現在、旅行商品として取り組みが進む国東半島峯道ロングトレイルといったさまざまな観光素材に恵まれています。

 このように、今、スポットが当たっている県北地域、国東半島宇佐地域のさらなる観光振興を図るためには、私は個々の観光資源を魅力的につなぎ合わせ、滞在交流型観光圏、あるいは周遊型観光圏として、面的に売り出すことが重要であると考えます。

 もちろん、その場合、エリアを県北だけにとどめることなく、例えば、私の地元の別府のハットウ・オンパクとの連携を視野に入れるなど、県内の観光資源をフルに活用した多様なコースを設定すれば、それなりの相乗効果がより高まることも期待できます。

 こうした広域観光、周遊モデルコースについて、「おんせん県おおいた」の公式サイトでその一部が紹介されています。また、同サイトでは、JTBによる日帰り周遊バス、全八コースも掲載されるなど、県と民間事業者が一体となって観光PRに努めていることもうかがえます。

 今後も、内容の充実を図り、一人でも多くの方に、ぜひ大分県に行ってみたいと思っていただけるよう、より一層の取り組みを進めていただきますことをお願い申し上げます。

 ところで、私は今、「ぜひ大分県に行ってみたい」という言葉を使いましたが、本県の観光振興の目玉である温泉のPRは十分に行われているのでしょうか。ぜひ大分県の温泉を訪れてみたいと思う人は順調にふえているでしょうか。

 本県の温泉は、湧出量、源泉数ともに日本一として、次第に各方面に浸透しつつあります。しかし、例えば、地球上にある泉質全十一種類のうち十種類が別府にあることや長湯温泉が世界屈指の炭酸泉とされていることなど、その泉質、つまりは個性に着目したPRは必ずしも十分に行われているとは思いません。余りの強酸性のため石けんが泡立たない塚原温泉や全国的に珍しい明礬の泥湯、千三百年前に開湯されたとされる天瀬温泉など、本県はぜひ一度訪れたくなる個性豊かな温泉の宝庫です。

 このほか、色や効能などの面においても非常にバラエティーに飛んだ温泉に恵まれた本県は、まさに温泉天国であります。

 そうした中にあって、「おんせん県おおいた」の中核を担うのは、やはり別府であります。温泉そのもののすばらしさももちろんですが、風情ある木造建築で観光客の郷愁を誘う明治創業の老舗旅館や湯治場として栄えてきたレトロな町並み、昼と夜で違った顔を見せる湯煙の眺望など、別府には泉都ならではの個性や独自の温泉文化が根づいています。

 しかし、例えば、別府の砂湯といえば、大抵の方が六勝園の海浜砂湯を思い浮かべるようでありますが、百年を超える歴史を持つ竹瓦温泉の中に、昔ながらの温泉風情を感じながら入浴できる砂湯があることは意外と知られておりません。

 地域に住む人にとって当たり前であることも、訪れる人から見れば、大変魅力的に映るものです。我々地元の目線を一旦リセットしてみて、そうした外からの目線を意識しながら、「おんせん県おおいた」の素材、個性を再検証してみることも一考の余地があると思います。

 先日の九州運輸局の発表によると、昨年の県内の延べ宿泊者数は六百七十一万人で、前年からの伸び率は九州トップの九・六%増となりました。また、今議会には、大分空港に就航するLCCへの支援を盛り込んだ補正予算も提案されており、さらに来年七月には、いよいよデスティネーションキャンペーンも控えています。

 加えて、東九州自動車道の全線開通は、その経済波及効果が三兆九千億円とも言われ、知事も言われたとおり、まさに観光の発展に大きく寄与する活力の道の誕生であります。

 また、この芸術の秋、いよいよ県立美術館が完成し、来年は県外からもたくさんの観光客がやってくることと思います。

 秋はまた、スポーツの季節でもありますが、ラグビーワールドカップ日本大会の開催地立候補、東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ誘致に向けた機運が今、県内で高まっています。こうした取り組みが実現した暁には、まさに世界中から観光客が本県にやってくることになります。ぜひ「おんせん県おおいた」の中核である別府に宿泊していただき、泉都独特の文化、味力満載の料理、そしておもてなしに触れてもらいながら、県内の多彩な観光地、観光資源にも足を延ばしていただくことで、その結果、「おんせん満足度日本一」として大分県が広く国内外に知れ渡る、そんな夢も膨らんでまいります。

 こうしたことを踏まえて、私は、東九州自動車道の開通を契機に、海の道フェリー航路の活性化も視野に入れながら、観光誘客の増加を図るべく、温泉通の耳目も集まるようなきめ細かい情報発信を行い、泉都別府を中心とした多彩な広域観光、滞在型・周遊型ルートを売り物として、「おんせん県おおいた」にふさわしい観光振興策を展開していただきたいと考えますが、知事のご所見をよろしくお願いいたします。

 このまま聞かせていただきます。



○近藤和義議長 ただいまの荒金信生君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 冒頭、荒金信生議員には、身に余る激励をいただきまして、大変恐縮をいたしました。また、観光振興につきまして、幾多の情報を交えながら、ご見解をお示しいただきながら、ご質問をいただきました。私からお答えを申し上げます。

 大分県の観光は、今、またとないチャンスを迎えていると思います。一昨年からの取り組みによりまして、全国での認知度が高まっている「おんせん県」のPR効果に加えまして、大河ドラマ「軍師官兵衛」、間近に迫った県立美術館のオープン、東九州自動車道の開通など、県外からも大きな注目を集める話題も多く、観光客増加を目指す本県にとりまして、まさに勝負どころとなっております。

 この好機に合わせまして、来年夏には国内最大級の誘客イベントでありますデスティネーションキャンペーンを誘致したところでありまして、この成否が県観光の飛躍の鍵を握っているというふうに思います。

 今月三日には、全国から約四百人の旅行会社、マスコミなどの参加をいただいて、全国宣伝販売促進会議を開催したところであります。会議では、大分の多様な魅力を温泉、食、自然、歴史・文化、アートの五つのテーマごとに各分野の代表が個性的なプレゼンテーションで強烈にアピールをしまして、歴代屈指のできばえだと好評でありました。

 また、会議に引き続いて行われました七コースのエクスカーションでは、別府を初め、県内十八市町村の魅力をくまなく紹介することができまして、旅行商品企画担当者の反応もよくて、特に三つの点で高い評価をいただいたところであります。

 一つは、地域におけるおもてなしであります。

 今回のエクスカーションでは、各スポットでの地元ガイドによる方言を交えたユニークな説明や旅館、ホテルにおけるきめ細かな対応は特に好評で、本番に向け、引き続きおもてなしの向上が何よりも大切だと感じたところでございます。地域におけるおもてなしが非常によかった。

 それから、二つ目は、各地域に点在するすばらしい観光素材を結んだモデルコースの紹介であります。

 大分の素材は、それぞれ質が高いとの評価もいただきましたけれども、エクスカーション七コースに加えまして、素材提案集で具体的な四十二のモデルコースを紹介したことで、すぐにでも質の高い商品ができそうだとお褒めの言葉もいただきました。

 今後とも、常に商品化を念頭に、魅力的なモデルコースの提案に努めたいと思います。

 三つ目は、これも議員からご指摘のありました情報発信ということであります。

 旅行の専門家でさえ、大分県にこんなにも豊富な観光資源があるとは知らなかった、見に来てよかったという反応が多かったことには驚きました。情報を出していたつもりが、まだまだ不足をしていたのだと反省をしているところであります。

 今後は、これまで以上に、例えば、宇佐神宮のライトアップなど、外からの目線を意識した見せ方の工夫と、きめ細かな情報発信に努めまして、観光客の興味を引きつけるPRを展開していきたいと思います。

 以上、三点を踏まえた上で、別府を初めとする宿泊滞在地と多様な魅力あふれる周辺観光地に、それぞれ多くの観光客を呼び込めるように、官民一体となって、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。



○近藤和義議長 荒金信生君。



◆荒金信生議員 ありがとうございました。

 つい先日、八月三十日の日経新聞に、官兵衛効果に関する記事が掲載されていました。広瀬知事も顧問を務めている公益財団法人九州経済調査協会、ここの調査によりますと、大河ドラマ「軍師官兵衛」による本県への経済波及効果は七十四億九千万円と推計されています。

 協会の分析では、全国的に有名な別府温泉を持つ大分県は宿泊業への効果も相対的に多い。しかし、中津市については、宿泊施設が少なく、宿泊需要を取り込めていない。別府温泉など、全国的に有名な温泉地に泊まってもらうよう、市町村の枠を超えた取り組みが重要だと指摘されています。

 このように、私の申し上げました魅力ある広域観光圏づくりは、やはり本県のさらなる観光振興のために必要な考え方だと思います。「おんせん県おおいた」の中核を担うのは、何といっても別府であります。知事には、泉都別府を中心に据えた観光振興への取り組みを重ねてお願い申し上げ、次の質問をさせていただきます。

 次は、警察行政についてであります。

 「おんせん県おおいた」の中核を担う別府市の治安のかなめとなる別府警察署が本年六月に新築移転されました。別府市民として、また観光客の方々にも安全、安心な泉都のシンボルとして、大変心強く、頼もしい限りであります。

 さて、治安の面においては、日本は海外から極めて高い評価を得ています。これは、オリンピック・パラリンピックの開催地が東京に決定した要因の一つにもなりました。その日本の治安を支える仕組みの一つが、しっかりと地域に密着した警察の交番制度であります。極めてすぐれた治安制度として、アメリカやシンガポール、ブラジル等に輸出されたことでも知られています。

 県内の刑法犯認知件数は、ここ十年連続して減少、九州では最も犯罪の発生が少ない県となっています。私は、この背景には、交番勤務員による巡回連絡や登下校時の交通安全指導、受け持ちの地区の警ら活動といった地道な活動と事件、事故の現場等に真っ先に駆けつける迅速な初動に支えられた治安力があると考えます。

 交番は、地域の中心的な場所で、道路に面して設置されていますが、そこに防犯カメラを設置すれば、交番のみならず、地域の安全、安心の確保に加え、各種の警察活動にも役立つと考えています。交番制度を一層充実強化させ、県民のニーズに応えるためにも、まず交番への防犯カメラの設置について提案いたします。

 仮に、交番勤務員が警ら等により不在の場合であっても、防犯カメラを交番の出入り口等に設置しておけば、来所者に安心感を与えることができます。また、防犯カメラの設置を対外的に表示し、それを広報することで、交番に行けば安心という県民、市民の安全、安心、観光客の安全、安心、ひいては犯罪抑止につながります。交番への防犯カメラの設置について、本部長の見解をお聞かせください。

 また、先ほど申し上げましたとおり、別府警察署が移転しました。旧別府署は、昭和四十五年に建築されて以来、泉都別府の治安拠点として四十四年間、市民の安全、安心に寄与してきたわけですが、いざ地域から警察署がなくなってしまうと、「別府署が離れてしまって不安だ」「この地域は別府駅前交番の管轄区域と聞いておりましたが、何かあった場合には、遠くて心細い」といった声が付近の地域住民から寄せられています。

 これまで別府署を身近に感じてきた地域住民の不安な思いに少しでも応えるよう、当地、あるいはその周辺に新たな交番を設置することはできないのでしょうか。行革のさなか、なかなか難しいとは思いますが、本部長の見解をお聞かせください。



○近藤和義議長 奥野警察本部長。



◎奥野省吾警察本部長 二点についてお答えいたします。

 まず、交番への防犯カメラの設置についてでありますが、地域に密着した交番や駐在所は付近住民や来訪者の安全確保の拠点であり、安心のよりどころであると考えております。

 議員ご指摘のとおり、交番への防犯カメラの設置は、来所者に安心感を与えることはもちろん、付近の安全確保や犯罪抑止にも有効であると考えております。こうした観点のほか、県警察といたしましては、庁舎の防護の観点も踏まえまして、交番への防犯カメラの整備を本年度から計画的に進めておりまして、幹線道路沿いの交番を中心に、順次設置することとしております。

 また、警察署や駐在所につきましても、同様に整備をする予定であります。

 次に、旧別府警察署周辺の治安についてでございます。

 議員には、治安関係につきまして、機会あるごとにご意見をいただいておりますことは重々承知しております。

 新別府警察署の業務は、県議会を初め、関係各位のご理解とご協力により、本年六月十六日をもって開始をさせていただきました。

 旧別府警察署の所在する餅ヶ浜地区につきましては、従来より別府駅交番及び鉄輪交番が所管しておりまして、第一次的には、両交番が引き続き治安維持に当たることとなっております。

 加えまして、別府署の移転後は、警察署はもとより、本部の警察官をも派遣しまして、この餅ヶ浜地区における駐留警戒、流動警戒及び交通指導取り締まりを実施するなど、治安対策を強化しております。

 その結果として、別府警察署における刑法犯認知件数は、昨年同期比で減少するなど、署移転後の治安情勢はおおむね良好に推移していると考えております。

 議員ご指摘の交番の設置につきましては、餅ヶ浜地区の方々からもご要望をいただいていることから、今後の別府市の治安情勢の変化等を踏まえて、その必要性を検討したいと考えております。

 引き続き、住民の方々のご要望や各種事案に迅速かつ的確に対応できる体制を確保しまして、安全、安心につながる警察活動を推進していく所存であります。

 以上です。



○近藤和義議長 荒金信生君。



◆荒金信生議員 ありがとうございました。餅ヶ浜地区の住民の皆さんの安全、安心のためにも、引き続き交番の設置について検討していただきたいことを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○近藤和義議長 以上で荒金信生君の質問及び答弁は終わりました。

 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○近藤和義議長 ご異議なしと認めます。

 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。

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○近藤和義議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。

 次会は、明日定刻より開きます。

 日程は、決定次第通知いたします。

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○近藤和義議長 本日は、これをもって散会いたします。

     午後三時十二分 散会