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平成26年 第2回定例会(6月) 06月25日−03号




平成26年 第2回定例会(6月) − 06月25日−03号







平成26年 第2回定例会(6月)



平成二十六年六月二十五日(水曜日)

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 議事日程第三号

     平成二十六年六月二十五日

           午前十時開議

第一 一般質問及び質疑

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 本日の会議に付した案件

日程第一 一般質問及び質疑

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 出席議員 四十二名

  議長        近藤和義

  副議長       桜木 博

            阿部英仁

            志村 学

            古手川正治

            後藤政義

            竹内小代美

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            井上伸史

            麻生栄作

            田中利明

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            平岩純子

            江藤清志

            久原和弘

            小野弘利

            元吉俊博

            吉冨幸吉

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

 欠席議員 なし

 欠員   二名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  教育委員長     松田順子

  代表監査委員    米浜光郎

  労働委員会会長   麻生昭一

  総務部長      島田勝則

  企業局長      森本倫弘

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     奥野省吾

  企画振興部長    日高雅近

  福祉保健部長    平原健史

  生活環境部長    冨高松雄

  商工労働部長    西山英将

  農林水産部長    工藤利明

  土木建築部長    進 秀人

  会計管理者兼

            阿部恒之

  会計管理局長

  人事委員会

            山田英治

  事務局長

  労働委員会

            小嶋浩久

  事務局長

  参事監兼

            長谷尾雅通

  財政課長

  知事室長      岡本天津男

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     午前十時二分 開議



○桜木博副議長 これより本日の会議を開きます。

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○桜木博副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。

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△日程第一 一般質問及び質疑



○桜木博副議長 日程第一、第七四号議案から第八三号議案まで及び第一号報告、第二号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。玉田輝義君。

  〔玉田議員登壇〕(拍手)



◆玉田輝義議員 おはようございます。二十七番、県民クラブの玉田です。

 まずは、傍聴に来ていただきました皆さんに心からお礼申し上げたいと思います。

 それから、議員の皆さんも、けさ早く起きてワールドカップ観戦した方もいらっしゃったんじゃないかというふうに思いますけれども、結果は結果として、厳しい結果が出ましたけれども、先ほど大分県サッカー協会の会長に確認したところによると、大分県出身者でワールドカップのピッチに立ったのは初めてだろうということで、清武選手がきょう、ワールドカップのピッチに立ったということで、同じ県人として本当にうれしく思いますし、また、これから先に向けて、すばらしい活躍を期待し、日本代表もまたすばらしい活躍を期待したいというふうに思います。

 それでは、質問に入りたいと思いますけれども、その前に、きょうは、実は認知症の問題について大きく取り上げて質問を考えております。もう、これは皆さん、きのうの質問で取り上げられましたように、この問題が非常に今大きく報道されていること等もあります。

 きょうは、会場には、認知症の人と家族の会大分県支部の方にもお見えいただいております。それからまた、県下で家族の会の皆さんが、オレンジカフェを開催しながら、このことに気をかけてくださっているというお電話もいただきました。ぜひ前向きな答弁をお願いしたいというふうに思っています。

 そしてまた、介護、子育て、この問題が、権限が市町村に移譲されていく中で、この分野についての県の役割というものをやはり一緒に考えていく機会にもできればというふうな思いもありますので、どうかよろしくお願いいたします。

 まず、認知症をめぐる諸問題についてであります。そのうちの老老介護の問題です。

 ことし四月、名古屋高裁での認知症高齢者の鉄道事故をめぐる判決が、認知症介護の現場や家族の皆さんに大きな衝撃と不安を与えています。

 その判決とは、愛知県で二〇〇七年、徘回症状がある認知症の男性が電車にはねられて死亡した事故をめぐって、JR東海が男性の遺族に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決です。きのう、吉岡県議も少しこれに触れられましたけれども、一審の名古屋地裁は、介護に携わっていた妻と長男に請求どおり七百二十万円の支払いを命じました。しかし、高裁は、妻のみに半額の約三百六十万円の支払いを命じる一方で、長男には見守る義務がなかったとして、JR東海の請求を棄却しました。

 この事案は、九十一歳で要介護四の認知症の夫を八十五歳で要介護一の妻が自宅で介護中、妻がまどろんだ数分の間に夫が家から抜け出し、電車にはねられて死亡したものであり、妻が夫の外出を把握できる出入り口のセンサーの電源を切っていたことから、徘回の可能性がある男性への監督義務が十分でなかったと裁判所が判断したものです。また、JR側が駅で十分に監視していれば事故を防止できる可能性があったとも指摘し、妻の賠償責任を五割としました。

 この判決に対して、公益社団法人認知症の人と家族の会は、「事故発生時の損害については、当事者同士の責任にするのではなく、社会的に救済する制度を設けるべきである」との見解を発表しました。

 私は、論理的には責任はだれにあるかを決める必要があることは理解できます。また、家族に責任があると決められたのであれば、身内のことだからやむを得ない、のむしかないとする家族の気持ちもわかります。しかし、認知症高齢者が絡んだこの判決をその背景として報じられる認知症の在宅介護の実態を考えると、何とも悲しくて、やりきれない気持ちになります。

 この判決は、法律が現実に追いついていないがゆえに下された判決だと思いますし、人口減少と高齢化が進む日本社会には甚大な影響を与える事案であると思います。

 西日本新聞によると、JR九州では個別の事案で対応を検討しているということです。そもそも認知症に起因する事故かどうかの判断も難しい中で、一たび事故が起これば、鉄道会社は厳しい決断を要求され、また、家族は賠償請求の不安にさらされ続けるなど、双方にとってつらい状況になります。急いで立法府が動くべき課題だと思いますが、法改正を待つ間にも県下でも認知症の在宅介護は行われており、いつこのような事故が起きてもおかしくありません。

 判決事例と同じ状況に置かれている認知症の方や家族の不安、心配をすぐにでも取り除いていかなければならないと考えています。

 そこで、次の点について質問します。

 ことし三月に認知症の人と家族の会大分県支部が会員三百九十九人を対象に行ったアンケート調査では、現役の介護者八十六人のうち、八十歳以上の介護者が十六人、うち八人が一人で介護をしているという深刻な老老介護の現実が浮かび上がりました。今回の判決は、大分県の認知症の人と家族、介護者にも甚大な心理的悪影響を与えていると考えます。

 県民の安心、安全を確保する観点から、今回の判決内容を踏まえ、認知症の人を抱える老老介護の現状について知事はどのようにお考えでしょうか。

 また一方、判決は、「JRの監視によって事故を防止できる可能性があった」としていますが、鉄道を初めとする公共交通事業者が今以上に監視機能を高めるのは、経営上大変厳しいと考えます。

 高齢化による認知症の増加と介護の問題、地域公共交通の確保等の視点から、認知症の人と家族の会が見解で述べているような「事故発生時の損害については、当事者同士の責任にするのではなく、社会的に救済する制度を設けるべきである」という意見もありますが、知事のお考えをお聞かせください。

 以下は、対面席にて質問させていただきます。

  〔玉田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○桜木博副議長 ただいまの玉田輝義君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 玉田輝義議員から認知症の問題につきましてご質問を賜りました。

 老老介護の現状、そして、今回の名古屋高裁の判決についてのご質問でございました。

 認知症の男性が徘回中に電車にはねられたという死亡事故でございますけれども、大変に痛ましく思います。認知症や介護について改めて考えさせられる契機になったと思います。

 平成二十二年の国民生活基礎調査によりますと、高齢者が高齢者を介護する、いわゆる老老介護世帯の全介護世帯に占める割合は、全国で四五・九%でありまして、その割合は年々上昇傾向にあります。

 老老介護の場合には、精神的なストレスはもとよりでございますけれども、そればかりでなくて、排せつや入浴の介助など、肉体的な負担が大変でありまして、多くの方がご苦労されているわけであります。

 さらに、認知症は、徘回や攻撃的な言動があらわれたり、社会生活や家庭生活に支障が生じることがあるために、一層のこと、介護者に負担、ストレスがかかるわけであります。

 こうしたことから、認知症になっても、本人はもとより、家族が安心して暮らし、介護ができる環境をつくっていくということは大変重要だと思っております。

 そのため、まず何よりも、本人や家族の不安やストレスを受けとめることが必要でありまして、地域包括支援センターやシルバー一一〇番、家族の会などの相談窓口の充実に努めているところであります。

 また、本人や家族をサポートするサービス基盤を充実させるということも大変大事だというふうに思います。二十四時間対応の訪問サービスだとか、通所を中心に訪問と宿泊を組み合わせて利用する小規模多機能型居宅介護だとか、あるいは認知症対応型グループホームなど、介護サービス基盤の整備を引き続き推進していきたいと思います。

 さらに、地域全体で見守り、支える体制を整備するということも大事であります。別府市などでは、徘回や行方不明となった高齢者を地域でいち早く見つけて安全に保護するため、地域関係機関による見守りネットワークづくりを進めております。県といたしましても、このような取り組みを市町村と連携しながら県内全域に広げていきたいと思います。

 しかしながら、こうした取り組み、地域や、あるいは自治体の取り組みを進めたといたしましても、やはり、今回のような事故は今後も起こり得るものと思います。そうした場合の責任や負担につきましては、家族会の方が言われるように、社会的な救済制度を設けるということも一つの考えだと思います。

 ご家族や施設設置者など、当事者がどこまで注意できるものなのか、あるいはまた、責任を負うことができるものなのかということをしっかり検討しながら、おのずから当事者が負える責任の限度があると思いますので、そこのところの限度を超えるところについては、社会がかわって責任を負う、ここで言う社会的な救済制度といったようなことについて議論を深めていくことが重要だというふうに思います。

 県といたしましては、認知症高齢者やその家族が安心して暮らすことができるように、地域で支える体制づくりに一層努めていきたいというふうに考えております。



○桜木博副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 今の答弁の中で、まず最初に知事に確認しようと思っていたのが、一〇〇%完璧な見守りが介護の現場でできるかどうかということについて、知事に確認しようというふうにまず思っていたんですけれども、今の答弁の中に、やはり限界があるというふうにはっきりおっしゃっていただきましたので、その次の段階のお話に移っていきますけれども、今、社会が変わっていくということについて、この制度について議論を深めていくことが必要だというふうに、そういう答弁でありました。

 もうご存じのとおり、厚労省が特養の入所待機者を四十万人から五十二万人に修正したということで、在宅へ移行ということを進めています。そしてまた、今度の法改正で、特養入所者は原則要介護三以上になるということで、非常にその辺も認知症の在宅で見られている方にも不安を感じているところもあるというふうに思います。

 認知症の高齢者は七人に一人と言われていて、その予備軍も含めると四人に一人というふうに言われていますけれども、高齢ながら、できる限り自分のできる範囲でというか、できる限り介護を行っている方がたくさんいらっしゃるんですけれども、配偶者というだけで常に責任を負わさせるということであれば、精神的にも経済的にも追い詰められていって在宅介護は成立しないというふうな、私はそう思っています。

 家族の会の皆さんは、認知症の人の徘回を家族が防ぎきれないのと同じように、鉄道会社も認知症の人が軌道内に立ち入ることは完全に防ぎきれないと。事故は起こり得るし、だれもが、また、どの鉄道会社もが当事者になる可能性があると指摘をしています。

 この判決が前例となった場合に、やはりほかの事故でも損害賠償裁判でいろんな責任問題が出る可能性があるんじゃないかというふうに思っています。

 県内の高齢者による列車事故は十件程度で、認知症の人が事故に遭っていてもおかしくないというふうに思います。聞きましたけども、やっぱりその詳細についてはまだ非公開ということでありました。

 事故は列車に限らず、やっぱり公共交通機関ですからいろんなケースで考えられますけれども、家族や公共交通の事業者の影響はもとより、やはり責任問題ですから、介護サービス事業者にも影響しているというふうに思います。

 今、議論を深めるという一時的な答弁でありましたけれども、その導入をすぐにこの地域の現場から求めていくというのは、今の段階では随分階段を大きく上るということであるかもしれませんが、県の地方行政の現場から事例の検討や何らかの仕組みの検討というか、現実に起こっている、自分の県内で起こっている問題について、事例の検討や何らかの仕組みの検討を始めてもいいのではないかというふうに思いますけれども、知事の見解をお伺いします。



○桜木博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 この問題、議員ご指摘のとおり、要するに民法上の責任の問題でございますから、だれが責任を負うのか、責任能力があるのか、そして、責任の範囲はどうなのかというところを法律は定めて、そして、それを裁判で判断しながら、最終的に賠償の問題を決めていくという仕組みになっておりますから、そういう意味では、民法の考え方をどういうふうに扱っていくのかということを国がしっかりと検討してもらわないと、それぞれのところでこの法律の考え方を別のことをやるというわけにはなかなかいかないということはご理解いただけると思いますけれども、だからこそ今、議員からご質問がありましたように、それでは、ケースごとに今の民法の考え方だけで行けるのかどうかということをよく詰めてみて、そして、家族の会の皆さんが心配しているようなことで、当事者同士でやれない範囲があるに違いないから、そこのところについて救済制度をどうするかということを考えてみなきゃいかぬということでございまして、そのケースについてはいろんなケースがあり得ると思います。国の方にもそういうことをしっかり勉強するように我々も働きかける必要があると思いますけども、我々も現場でいろいろこの問題について行政をやらせていただいておるわけですから、その意味で、いろんな問題が出てくるものを集めながら検討していくということについては、やぶさかではないと思っております。



○桜木博副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 地方行政の現場においていろんな事例が起きてくる、その積み重ねを一つずつ積み重ねていって、そして次のステップに行ってもらいたいと、そういうふうに思います。

 次の質問に行きます。

 次は、認知症を原因とする行方不明の問題です。

 警察庁は、先日、昨年一年間に認知症で行方不明になったとして各警察本部に届け出があった人は全国で一万三百二十二人、大分県では五十二人あったと発表しました。このうち大半は警察の捜索などで無事見つかっていますが、いまだ全国で百五十一人の認知症の方が行方不明のままとなっております。

 地域で暮らす認知症の人を見守りながら行方不明を未然に防ぐ取り組みとして、徘回SOSネットワークがあります。市町村によりその取り組みはさまざまですが、関係機関や事業所、ボランティアなどがネットワークを構築し、ふだんの見守りや行方不明時の捜索協力を行っており、その活動に取り組む市町村はふえています。

 少子高齢化の進展により、ひとり暮らしの認知症高齢者もふえてくると思われる中、このようなネットワークの重要性は今後ますます高まるものと考えます。

 一方、地域の見守りにかかわらず、行方不明になったとき、最後のセーフティーネットは行政であるという視点も忘れてはならないと思います。

 最近、身元が確認されたケースでは、家族が警察に届け出をして、警察も顔写真を載せた公開チラシをつくって探していたのですが、警察では顔写真などの情報は登録しないことや警察本部が異なると情報が共有されないなどの問題があって、なかなか発見に至らなかったようです。

 このような状況にあって、警察庁は、六月五日、行方不明者の身元確認対策の強化を都道府県に通達したと聞いています。

 介護している家族は、ふだんから気が休まることがないと思います。万が一、行方不明ということになれば、できる限り早く帰ってきてほしいと願う家族の心労ははかり知れません。何とか見つかったとしても、本人や家族、関係者には、我々の想像を超えるダメージが残ってしまっています。

 このような家族の不安を少しでも軽くするために、地域での見守りの強化と行政による最後のセーフティーネットの再構築が急務だと考えます。

 そこで質問します。

 まず、徘回SOSネットワークです。

 県内十八市町村における徘回SOSネットワークの活動状況について、どのように広がっているのか、お聞かせください。

 そして、認知症に係る行方不明発見活動の推進についての警察庁からの通達を受け、警察本部による身元確認対策はこれまでとどのように変わり、そしてそれはいつから始まるのか、お聞かせください。



○桜木博副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 私からは、徘回SOSネットワークについてお答えをいたします。

 現在、各地域において民生委員等による見守りが行われていますけれども、こうした取り組みに加え、徘回、行方不明となった高齢者を捜索するためのネットワーク、いわゆる徘回SOSネットワークを市町村、警察等関係機関が一体となって整備することが重要であります。

 平成二十五年度末までに別府市ほか五市で整備されておりまして、今年度中に中津市、由布市、国東市でも整備される予定でございます。

 それぞれの地域で独自の取り組みが行われていますが、例えば、豊後高田市では、行方不明となった高齢者の情報をケーブルテレビで市民に周知することで早期発見につなげた事例もございます。

 また、各地域のネットワークをより機能させるべく、定期的な連絡会議や研修会の開催などが行われております。

 県といたしましては、先進事例の情報提供等を通じ、こうした取り組みを全県的に広げていきたいと思っております。

 以上でございます。



○桜木博副議長 奥野警察本部長。



◎奥野省吾警察本部長 私から身元確認対策につきましてお答えをいたします。

 警察署で認知症等により身元の判明しない迷い人を発見、保護した場合には、身体特徴等から行方不明者として届け出がなされた者の中に該当がないかの確認を行うとともに、県下の警察署、それから全国警察に対しましても、行方不明者届の提出の有無について照会を行って身元の特定に努めているところでございます。

 先般、警察庁から発出されました身元確認の徹底等に関する通達を受けまして、警察署で迷い人を保護した際には、これまで以上に警察本部が積極的に関与して慎重に点検、確認を行うこととしております。

 さらに、以上の取り組みを補完する上で新たな身元確認方策としまして、捜査現場で身元不明遺体の照合に使われております身元確認照会システム、これを活用することとしたところでございます。

 また、身元が判明しなかった場合には、保護実施機関であります市町村等に引き継いでおりますが、引き継ぎ後も市町村等と身元特定のために緊密な情報共有に努めておりますほか、新たな取り組みとして、迷い人の写真つき資料を警察署等に備えつけることにつきまして市町村等の意向を確認しているところでございます。

 今後とも、知事部局、市町村や関係団体等との連携を一層強化し、認知症の特性等を理解の上、行方不明者の早期の発見、身元確認に努める所存でございます。



○桜木博副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 認知症の具体的な行方不明の捜査活動について、警察を中心に積極的に行っていただいているということでありまして、制度が変わる、その制度をやっぱりしっかりと住民の方に周知できるようにお願いしたいというふうに思います。

 そして、その中で、例えば今流れてくる「まもめーる」、これが認知症対応のときの、これまでの成果、どのようなふうになっているのか。

 それから、SOSネットワークと警察との関連、特に市民グループがやっているSOSネットワークからすると、警察の皆さんって少し敷居が高いというふうな話もいただきますので、そういう市民団体と警察との連携ということについて、SOSネットワークの枠内でどういうことが図られているか、ご答弁願います。



○桜木博副議長 奥野警察本部長。



◎奥野省吾警察本部長 それでは、二点についてご回答いたします。

 まず、「まもめーる」の活用についてでございますが、県警察では、こういった行方不明者の届け出を受理した場合には、ご家族の了解を得た上で、「まもめーる」によって情報を配信しまして、県民の皆様から発見につながるような情報の提供を受けているということがございます。

 昨年中、この「まもめーる」、総配信件数が四百九十三件ございましたが、そのうち、迷子、行方不明者の情報として百九十一件を配信しているところでございます。

 これによりまして実際に発見に結びつきましたものは、昨年中四件ございまして、この四件のうち認知症の方は三件となっております。いずれも「まもめーる」をごらんになった県民の方から手配に似た方がいるとの情報を受け、捜索をした結果、発見に結びついたものであります。

 県警としましては、「まもめーる」の配信は発見活動において非常に有効であると考えておりまして、今後も積極的に活用していきたいと考えております。

 続きまして、二点目のネットワークの関係でございますけれども、やはり警察としましても、こういった認知症高齢者の行方不明者の捜索につきましては、警察の取り組みだけでは限界がありまして、先ほど来ありました、こういった地域全体での取り組み、ネットワークというものが不可欠であると認識しております。

 そういったことから、先ほど来ありました関係機関等との間でのネットワークについて、県警察としても関係機関に働きかけを行うとともに、積極的に警察も参画していきたいというふうに考えているところでございます。

 特に警察としましては、先ほど市民ということもございましたけれども、この認知症高齢者の方につきましては、やはり着衣とか靴とか、そういったところに記名をしていただくということが早期の発見、身元の特定につながるということでありまして、これにつきまして、関係の皆様と連携の上、ご家族に対しまして、記名や名札の装着を働きかけるといった取り組みを今後努めていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○桜木博副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 私も現役の消防団員でありまして、火災出動よりも最近は認知症の捜索、よりもというか、やっぱり結構ふえておりまして、そういう中では、本当に警察中心にいろんな方が捜索しているという現場にも立ち会っておりますので、今の答弁の中のご苦労というのをわかるつもりでありますけれども、ぜひ市民団体等とかといい関係を保ちながら、しっかりした体制を整えていただきたいというふうに思っています。

 では、次に参ります。

 次は、認知症対策全般についての質問でありますけれども、二〇〇〇年に介護保険制度が施行されてことしで十五年目になりますが、その間、本県も一貫して、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすことができるように施策を推進してきたと思います。「安心・活力・発展プラン二〇〇五」においても、「認知症の方は、今後、高齢化のさらなる進展により急速に増加することが見込まれることから、認知症の方と家族が住みなれた地域で安心して暮らせるよう認知症対策を推進する」とあります。しかしながら、これまで指摘したように、法律が介護の実態に追いついていない状況や、行政が最後のセーフティーネットとして、その役割をさらに進化、明確にして、組織ぐるみで認知症に対応すべきという状況が明らかになるなど、認知症の方と家族が住みなれた地域で安心して暮らせるような環境整備についてはまだまだ改善の余地が残されているというふうに思っています。

 そこで知事に伺います。

 介護保険制度施行以後、高齢者介護に関する多くの権限は市町村に移譲されましたが、介護保険事業支援計画の中で、市町村の介護保険事業を支援し、広域的に調整していく県の役割は依然として大きいと考えています。

 最近の認知症をめぐる課題を考えると、認知症対策は、現在、県や市町村が進めている行政の広域化とは逆に、狭い範囲できめ細かく取り組む必要があると考えています。

 例えば、現在、県下で整備している認知症疾患医療センターを核として、二次医療圏域よりももっと狭い範囲で同様のセンターを設置したり、地域内の関係機関相互の連携強化を図ることが考えられますし、また、住民が日常的にアクセスしやすいところに認知症対策の窓口をつくるよう県が誘導してはどうかというふうに思います。

 これらのことも踏まえ、今後の認知症対策における県の役割や県として目指す方向性について知事はどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

 また、認知症の人への対応が必要なのは家庭ではありません。買い物先では店員の理解が必要ですし、買い物先までの道路では、転落防止などの安全対策が必要な場合もあるでしょう。日常生活のあらゆる分野で対応を考えていく必要があります。

 京都府や静岡県では、市町村に対してセミナーなどを開催し、先進事例を紹介したり、市町村担当者の連携を進めて市町村間のネットワークを構築しています。このようなセミナーに、県や市町村の認知症の担当者だけでなく、警察、土木、公共交通、商工、教育の担当者など行政全般にわたってさまざまな分野の職員が参加することで、県内各地域の特性も踏まえながら、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせる地域づくりが具体的に進められると思います。

 このように認知症対策の推進に当たっては、担当部局のみならず、やはりオール県庁で取り組む必要があると考えますが、見解を伺います。

 また、オール県庁で取り組むためには、すべての県職員が認知症について理解を深め、適切に対応する必要があることから、新採用研修などの機会をとらえて職員に研修を行うことも必要であると考えますが、あわせて見解を伺います。

 次に、関係機関による情報共有についてです。

 認知症患者の支援のためには、市町村間の連携強化はもとより、認知症地域連携パスのような関係機関による情報共有が大変重要になると考えますが、県として現在どのような取り組みを行っているのか、お聞かせください。

 次には、教育の側面からであります。

 認知症対策の推進には住民の理解と協力が不可欠であり、そのためには子供のころから認知症について学ぶ機会が望まれます。

 そこで、小中学校における認知症に関する教育のあり方について教育長の見解をお伺いします。

 そして、統計の問題です。

 認知症疾患医療センターの配置や今後の事業計画などを考える上では、認知症患者についての統計の整備が基礎となります。

 市町村と連携して統計をとれば、認知症患者を支える地域づくりにも生かせると思いますが、統計の整備についての考え方をお聞かせください。



○桜木博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 認知症対策についていろいろご質問いただきましたけれども、まず私のほうから答弁させていただきます。

 ご存じのとおり、厚生労働省が平成二十四年に発表いたしました推計では、団塊の世代すべてが後期高齢者となる二〇二五年には、認知症高齢者の数は全国で四百七十万人と、二〇一〇年の二百八十万人から大幅に増加すると見込まれております。この推計を本県に当てはめてみますと、三万人から四万七千人に五割以上増加するという試算があります。

 こうしたことから、今後は、これまで以上に認知症高齢者や家族を見守り、支えていかなければならないというふうに考えているところであります。

 これまで県では、「安心・活力・発展プラン二〇〇五」におきまして、認知症に関する正しい理解の普及啓発、地域ネットワークの充実、そして、認知症に関する医療、介護分野の連携強化を掲げまして対策を推進してきたところであります。

 この結果、例えば、認知症サポーターにつきましては、平成二十五年度末で四万五千六百七十八人と、既に二十七年度の目標四万人を上回っております。

 また、認知症高齢者を見守り、支える地域ネットワークも、プラン策定時には一カ所であったものが二十五年度末には六カ所へと増加をしているところであります。

 さらに、認知症疾患医療センターが今年度中に六医療圏域すべてで設置される見込みとなっておりまして、医療と介護の連携も進んできております。

 このように一定の成果が見られるところでありますけれども、今後は、グループホームなど介護サービス基盤の一層の充実だとか、ネットワークの強化、さらなる人材育成が求められているところであります。

 こうした取り組みは、県はもちろんのこと、市町村や関係機関が一体となって取り組んでいかなければなりませんけれども、県といたしましては、特に高い専門性を持って、支援の核となる人材の育成を重点的に進めていきたいというふうに考えます。

 議員ご指摘のように、認知症の対策について、県と市町村の役割がだいぶ変わってきましたけれども、人材の育成についてはしっかりとやっていこうというふうに思っております。

 まず、高齢者や家族に対する相談支援を行う地域包括支援センター職員の資質向上など、その機能強化を図っていきたいと思います。

 それから、二つ目は、高齢者や家族にとっても一番身近なかかりつけ医として、地域で認知症についての相談、診療を行い、専門医等につなげる大分オレンジドクターでございます。現在、三百七名登録いただいておりますけれども、より一層の養成を図っていこうというふうに思います。

 三つ目は、地域の医療機関、介護サービス事業所等の連携を構築するためのコーディネート役となる認知症地域支援推進員について、全市町村への配置に取り組みたいというふうに思います。

 認知症対策は地域の関係機関を総動員した取り組みが必要でありまして、認知症高齢者にかかわるすべての人々が連携した体制づくりを進めていきたいというふうに考えているところであります。

 私からは以上でございます。



○桜木博副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 私からは三点についてお答えを申し上げます。

 まず、認知症対策の推進体制についてであります。

 県では、「安心・活力・発展プラン二〇〇五」並びにその部門計画であります「豊の国ゴールドプラン21」に基づき、認知症を含む高齢者福祉施策を推進しているところであります。

 これらの計画では、関係部局と協議を行って策定し、連携して取り組んでいます。

 また、医療、保健、介護、学識経験者、関係団体などで構成する大分県認知症施策推進会議も設置しているところでございます。

 こうした中、認知症行方不明者や消費者被害の問題などを踏まえ、これまで以上に各部局が連携して取り組んでいかなければならないと考えております。

 また、すべての県職員が認知症についての理解を深めていくことも大切であります。

 これまで、主に福祉保健部の職員を対象として研修を実施してまいりましたが、昨年度から対象を全庁職員へと拡大し、九十九名の受講者中五十七名が福祉保健部以外の職員でございました。

 本年度は、さらに全部局長を対象とした研修を予定しておりまして、あらゆる機会をとらえ、職員の理解を深めていきたいと思っております。

 二つ目が、関係機関の情報共有についてであります。

 認知症高齢者に対する医療や介護サービス等が円滑に提供されるためには、関係する医療機関や介護事業所等の間で本人の医療や介護等の情報が共有されることが必要であります。

 現在、県下では、認知症患者を含む高齢者の情報を共有し、多職種協働による支援を行うため、地域ケア会議の開催を初め、別府市の「ゆけむりネット」、臼杵市の「石仏ネット」などの在宅医療連携拠点の整備などが行われています。

 また、由布市では、認知症地域連携パスとして、オレンジパスポートが、かかりつけ医や専門医、地域包括支援センター等関係機関で活用されているところでもございます。

 県としては、こうした取り組みが県下各地に広がるよう、引き続き支援をしてまいりたいと思っております。

 最後に、認知症患者の統計についてのご質問であります。

 現在、認知症患者の実態につきましては、患者調査による受療動向や、各市町村の要介護認定情報による認知症高齢者数などにより把握をしております。

 こうした情報は、さまざまな事業計画の基礎となるものでありまして、今後とも適切な実態の把握に努めてまいります。

 以上でございます。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 小中学生への認知症の理解促進について、お答えをします。

 一層高齢化が進むこれからの社会を担う児童生徒に、認知症の方や高齢者などに対する正しい認識と思いやりの心を培うことは、非常に重要なことであると考えています。

 認知症については、高等学校の家庭科で、その症状や接するときの態度などを学ぶようになっています。

 小中学校においては、児童生徒が体験を通じて認知症への正しい理解の素地を養うことが必要となります。

 そのため、総合的な学習の時間や道徳教育等で、地域の老人ホームを訪問するなど、高齢者とのふれあいを通じて、思いやりの心を醸成してまいりたいと考えております。



○桜木博副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 まず、最初の知事の答弁について、これは答弁は求めませんけれども、これまでやっぱり二次医療圏という枠の中でいろんな政策を、認知症疾患医療センター等やってきた。最近の認知症ケアの流れとしては、小、中学校の単位で、その人の、一人一人の顔の見える関係で生活を支えていくというふうにどんどん移行しているんです。その中で、在宅のケアというのに移行していく中で、それぞれの小さな範囲の中で、顔の見える関係づくりの中で認知症ケアを進めていこうという、生活を支えていこうという流れが一つあります。これは、市町村が得意分野というか、そういうところであります。冒頭、演壇のところで申し上げたのは、そういう状況の中にあって、県がその市町村とかその取り組みをどういうふうに支えるのかということが、先ほど少し知事が力を込めて言った人材育成とかいう部分だとは思うんですけれども、そういう権限が市町村に移行する中での認知症介護をどう県が支援していくかということ、ぜひ人材育成も含めて進めていただきたいというふうに思っています。

 それから、認知症の地域連携パスについて、これ、部長にちょっとお伺いしたいというふうに思います。

 今、認知症の関係で、地域連携パス、幾つかの市が作成を進めているというふうに聞いています。それぞれの介護サービスとか医療サービスを受ける人は、もうこれは釈迦に説法ですけど、市域とか二次医療圏の圏域を越えていきます。そうすると、やはり認知症パスの、これは、お薬手帳みたいな、それがちょっと認知症のものだというふうにイメージしてもらえばいいんですけれども、それが、やはり県下全体で情報共有できる部分と、それから、その地域とかで情報共有できる部分とやっぱり少し混在しているから整理して、どこかの部分は県がそこの音頭をとって地域連携パスを一緒につくるとか、あるいはあとの地域の独自の部分については地域に、市町村にお任せするとか、市民グループにお任せするとか、そういうふうなことが必要ではないかというふうにも思っています。これは作成の段階です。

 それから、もう一つ、今度は、つくった後の使用するとき、これのフローを誰が管理するのかとか、どういうふうな使い方するのかというのも、ある意味では今のところ、まだ手探りだと思いますので、ここら辺についても県下での混乱を招かないように、原則的な取り組みとか管理方法については、県のほうで音頭を取っていく必要があるんではないかというふうに考えるのですが、まずは部長の見解をお伺いします。

 それから、次が認知症の教育です。

 教育長、現場に行って、いろんなものを学んでもらっているということで、それは非常に大事だというふうに思っています。

 先般、香川県にちょっとお邪魔したときに、小中学生を対象とした「認知症サポーター養成テキスト」というのを都道府県で初めてつくっているということで、ちょっと拝見して、どんなふうにつくっているんですかということで話を聞いたら、認知症サポーター養成講座というのは大人向けに大体行われるので、子供さん向けには行われることがなかったと。テキストは全部大人用なので、これで子供さんに教えるのは難しいということで、香川県は独自につくったそうです。監修したのは香川大学の医学部の先生が監修して、そして、イラストは福祉の学科のある高校生と、それと小学生たちがイラストをつくって、そして一冊のパンフレットにしているんですけど、予算が五十万円程度でできたということで、総合学習の時間や人権集会で子供たちに対してそのテキストを使って教えているそうです。教えるのは、認知症研修を受けたキャラバンメイトの方々とか、それから、市町の保健師さんだと思うんですけど、そういう方々が教えているということで、内容は、少し小学生の低学年では難しいので、四年生以上じゃないとちょっと難しいということで、四年生から六年生の間で一回教えると効果があるんじゃないかというふうに担当者の方はお話をしていました。

 こういう事例があるそうです。お父さんとお母さんが認知症のおじいさんとおばあさんのことをやっぱり家でしかると。そうすると、その子供さんが、しかっちゃいけないよとか、やっぱり認知症サポーター講座で習ったことをその家庭の中で言うそうです。そういうことで、家庭の中でも少し浸透しているのかなというふうな担当者のお話もありました。

 こういうことも含めてぜひ取り組んでもらいたいというふうに思うんですが、もう一度、教育長の見解をいただきたいと思います。

 それから、統計についてです。

 これはもう部長の先ほどの答弁でいいんですが、冒頭、老老介護の実態はどうですかというふうに知事にお願いしたときに、知事の答弁は、これはもう部のほうからの話かもしれませんけども、全国的な調査の老老介護の実態が上がってくるわけです。もしかすると、県下の老老介護の実態というのは、数字的に、統計的に出ているのかというふうに思うわけです。いろんな計画を立てていく上で、その基礎となる数字だからやっていくんだというお話ですけれども、実は、私も見たけど、やっぱりクロス集計したり、いろいろ手数を踏むことが多いんですけれども、例えば、老老介護の高齢者世帯で、要介護度があって、そして日常生活度が、ADLがどれぐらいだとか、そういうことも含めて、ちょっと工夫をして、そして統計をつくってあげて、市町村と共有すると、認知症対策先進県というふうなところ、随分進むのかと。やはり、統計って、数字というのは私はベースだと思いますので、ぜひそこのところで検討をお願いします。

 以上、部長と教育長に再度答弁をお願いします。



○桜木博副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 では、私のほうから二点。

 まず、認知症地域連携パスについて、県としての役割で音頭をとって進めるべきではないかというご質問だったというふうに思いますけども、関係機関との共有という中で、情報共有の手段としてこういった連携パスのようなやり方というのは、確かに有効だというふうには思います。

 その中で、議員もご指摘のあったように、運用主体をどこにするのかとか、運用方法をどういうふうにするのか、さらには個人情報をどうするのかといったような形がいろいろ課題としてありますので、その辺をまたクリアしていかなければいけない、あるいは適用範囲をどうしていかなければいけないかというような課題もあるかと思います。

 そうした中で、平成二十七年度から始まる第六期のゴールドプランの策定を市町村で今進めている段階でありますし、どういうふうな関係機関との情報共有のやり方があるのか、こういったことを、例えば、オレンドクターですとか、認知症疾患医療センターですとか、認知症の人と家族の会と、こういった関係者の方とも協議しながら、検討、協議をしながら推進を図っていければというふうに思っております。

 また、統計のお話がございました。

 クロスでどこがどうだということは確かに必要だと思いますし、今お示しはできないんですけども、今後、今申し上げた第六期の計画をつくる中で、それはまた市町村と一緒に協議をしていきたいというふうに思います。

 以上でございます。



○桜木博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 認知症サポーター養成講座の取り組み、あるいはテキスト等のお話がございました。

 本県におきましても、豊後高田市において、認知症サポーター養成講座等を活用して、市内の小中学生に対し教育を実施している例がございます。また、大分市の児童生徒も参加をしているという例がございます。

 先ほどご説明いたしましたように、小中学生の段階では、基本的に自分の体の健康、自分の発達を中心に学んでいます。これは主に保健体育ですけれども。ですから、高齢者の方への理解、思いやり、尊敬の念というのは、道徳の時間、あるいは総合的な学習の時間で学んでいるということでございます。

 認知症サポーターそのものについては、サポーターとしてなっていただく方の主体は、やはり各世代みんなということです。子供たちも小さいながらもサポーターとしての役割も果たせるということで、福祉部門が市町村教育委員会に話をして取り組むという形になっております。

 現状のところ、市町村教育委員会で、自分のところの子供たちの教育課題、総合的学習の時間、道徳の時間、どこに力を入れていくかということについては、市町村の福祉部局の要請も受けながらやっているという現状でございます。そういった市町村の取り組み状況を見まして、県として応援していく、どういうふうな態度をとっていくかということについて考えていきたいというふうに思っております。



○桜木博副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 ぜひ前向きに検討をお願いしたいというふうに思います。

 先ほどの研修の件ですけども、最近、私、個人的な心配の一つなんですけども、市町村合併が進んで、そして、福祉事務所が市町村の権限に行って、そして、これは時々執行部の方ともお話しするんですけども、今のこちらのほうに並んでいる方々は、若いときに福祉事務所に行って、そして、県民生活の本当に厳しい現状に、上がり込んで話をしたり怒られたりした経験が随分あると思うんです。それがこの十年間の職員には多分ないだろうというふうに、少ないだろうというのが正確かもしれませんけど。そして、やはりこの認知症の問題についても、昔の認知症というか、老人福祉についても、措置の時代から、こういうふうに介護保険に変わってくると、やはり権限が市町村というふうになっていくと、その現場になかなか立ち会わない可能性が高くなるので、そこがやはり、市町村の気持ち、そして県の気持ちというのが少し違ってくれば、それはちょっと不幸なことかなというふうに思っています。

 そういう意味では、これはもう総務部長に要望ですけれども、ぜひ研修という部分も含めて、高齢者福祉、認知症という部分から切り込んでご検討願いたいというふうに思っております。

 それでは、最後になります。放課後児童クラブについてです。

 六月八日に別府市で大分県学童保育連絡協議会設立総会が行われました。都道府県レベルでの協議会の結成は全国で四十二番目です。設立の趣意書では、「大分県においては地域内及び地域間の連携が十分だとは言えない。子供たちの今を伝えるために、保護者、指導員、地域住民、行政組織が一致協力して歩みを進めていくことが必要だ。大分県学童保育連絡協議会を発足することで、地域間の結びつきを強め、その歩みがより確かで強い一歩になるように連携を深めていこうと考えた」と設立の趣旨を説明し、さらに「学童保育が変わろうとしている今だからこそ、これまで各地域の学童保育で培ったさまざまな経験を持ち寄り、情報交換し、話し合い、学び合い、地域ごとに高まり合おう」と呼びかけています。

 こうした中、先月、安倍政権が放課後児童クラブを二〇一九年度までに三十万人分ふやす方針を打ち出しました。共働き家庭の増加や放課後の児童生徒の安全確保のニーズから利用希望者がふえ、入れないケースも出ているからです。

 全国学童保育連絡協議会の調べでは、昨年五月現在、学童保育数は二万一千六百五十三カ所、利用児童数は約八十九万人、十年間で施設数は一・六倍、利用児童数は一・七倍にもなっていますが、潜在的な待機児童は四十万人以上と推測されています。

 また、地域に放課後児童クラブがあっても、子供たちの生活の場としてふさわしくない施設で行われていたり、指導者の勤務環境は劣悪だったりと、条件整備がおくれているのが現状です。

 ところで、二〇一二年八月に子ども・子育て関連三法が成立しましたが、放課後児童クラブについては、先ほど申し上げたとおり、国による量的、質的な拡充が図られるとともに、同法の施行により、来年度には大きな制度改正が控えており、今年度はそのための準備の年となります。

 新制度では、放課後児童クラブは、対象年齢が現在の「おおむね十歳未満」から「小学生」に拡大されるとともに、市町村が行う地域子ども・子育て支援事業の一つとして位置づけられ、市町村による整備計画の策定が義務づけられます。

 さらに、職員の資格や施設設備等に関する国の規定に基づき、市町村は条例で独自の基準を定めることになります。

 このように、放課後児童クラブを取り巻く状況は大きく変わり、市町村が主体的に行う事業への転換が進んでいきますが、一方では、都道府県の関与のあり方も問われると思います。

 仕事と子育ての両立や次代を担う子供の成長を身近な地域や職場など社会全体で支援するため、県は放課後児童クラブの運営費補助として、今年度は四億一千百六十八万円を計上し、子育て満足度日本一に向けた重要施策、あるいは小一の壁を乗り越えるための施策という視点で取り組んでいます。

 そこで、次の点について伺います。

 放課後児童クラブが市町村事業として位置づけられる中で、市町村計画の策定や条例制定に関して、県は市町村をどのように支援していくのか、お聞かせください。

 また、今後の放課後児童クラブの量的拡充、質の改善、対象年齢の引き上げ等に対応するため、児童指導員の確保や施設拡充、整備等を行うための新たな財政負担も想定されますが、来年度以降の放課後児童クラブを取り巻く課題について、県としてどのように取り組んでいくのか、伺います。



○桜木博副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

 放課後児童クラブは、昼間保護者がいない小学生の居場所として重要な役割を担っていると認識しております。

 こうした中、平成二十七年四月からの子ども・子育て支援新制度の施行に向け、県では、市町村の計画策定や条例制定がスムーズに行われるよう、市町村担当者を集めた会議を開催し、先進事例の紹介や情報交換を行うなどにより市町村を支援しているところでございます。

 また、放課後児童クラブの課題については、指導員の確保や質の向上、必要なスペースの確保などがあると考えておりまして、事業の実施主体である市町村とも連携しながら、引き続き放課後児童クラブに対する支援に努めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。



○桜木博副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 放課後児童クラブがやはり親の就労支援という目的が一つ、大きな目標としてありますけれども、子供たちの視点からまず考えるように、ぜひ市町村と連絡をとって、そして、子供たちの放課後活動の充実とか、そういう視点での取り組みというのをぜひお願いしたいというふうに思っています。

 これはやはり学校運営、これは教育庁の範疇になるかもしれませんけれども、やっぱり学校運営のプラスにもなると思いますし、そういう意味で、これはまだ今、手探り状態で、来年度スタートでありますけれども、ぜひ大分版の子供の放課後活動の充実という視点で取り組んでいただきたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)



○桜木博副議長 以上で玉田輝義君の質問及び答弁は終わりました。竹内小代美君。

  〔竹内議員登壇〕(拍手)



◆竹内小代美議員 皆様、こんにちは。議員番号五番、竹内小代美でございます。

 本日は、議員になって四回目の質問に立たせていただきまして、皆様に深く感謝申し上げます。

 また、お忙しい中、傍聴にお見えいただきました皆様には、本当にありがとうございます。

 早速ですが、先月、東京都内で、「変わる地域社会、変わる自治体・地方議会」をテーマにした日本自治創造学会の研究大会が開かれました。同学会では、「少子高齢化が急速に進む中で、住民は、議会に監視機能だけを求めているのではなく、将来展望の青写真を求めている。議会と首長がビジョンを出し合い、互いに真剣になって課題に対処すべきである。そのためには、議会は自治体の運営をチェックするだけでなく、今後、十年間、二十年間、この自治体はどんな形で経営していけばよいか、議会としての意思を明確にすべきだ」との提言がなされました。

 かねてより私も、激しい変化の時代には、政策を執行部に頼るだけでなく、議会も政策提案能力を高め、議会の活性化を図る必要があると提案してきましたが、本日は、政策提案を大いに盛り込んで質問させていただきたいと思います。

 執行部も大切、議会も大切、自他尊重・協働の精神のもと、大分県がよくなるために不可能はありません。可能にする方法を探すだけです。執行部の皆様には前向きのご答弁をお願い申し上げます。

 では、まず大分県の未来づくりについてお尋ねします。

 昨年の第四回定例会におきまして、広瀬知事からは、「十一月から十二月にかけて県民意識調査を行い、その結果を踏まえながら、政策の芽出しを見つけ、大分県の未来づくりの総合計画をつくっていく予定である」とのご答弁をいただきました。

 図一をごらんください。私が大分県の未来づくりのビジョンを作成する一助となればと思い、作成したベン図でございます。

 大分県は東九州の真ん中にあり、東には太平洋と瀬戸内海が広がり、豊後水道を隔てて四国ともつながっています。平野部はさほど広くありませんが、自然は豊かで風光明媚、気候も温暖、食は多彩でおいしい、歴史も豊かで、温泉は日本一、大銀ドームとトリニータ、APU、車いすマラソン、アルゲリッチ音楽祭、新たな県立美術館や新大分駅ビルのオープン、ジオパークや世界農業遺産など、大分県は枚挙にいとまがないほど宝物に恵まれています。

 国際情勢に目を向けますと、経済再生を掲げる我が国は、アメリカを初めとするTPP加盟国との自由貿易に限りなく近づく方向にかじを切り、さまざまな経済財政戦略を打ち出しています。世界各国で科学技術や情報化が飛躍的に進歩し、地球の裏側で開催されているサッカーワールドカップを世界中の人々が楽しむことができるようになりました。アジアの一角をなす日本は、目覚ましい中国や韓国との関係は残念ながらぎくしゃくしていますが、インドやASEAN諸国とは良好な関係を保っています。二〇二〇年にはオリンピック、パラリンピックが東京で開催されることから、世界とのつながりはますます強いものとなっていくでしょう。

 一方、国内では他国に類を見ない速さで少子高齢化が進んでいますが、その対策としては、出生率をできる限り上昇させるとともに、健康寿命を延ばす仕組みづくり、また、交流人口の増大による活気ある地域づくりなどが考えられます。

 以上が図一に沿いながら大分県の未来づくりを考えるときに浮かんだ状況です。そして、これらを総合して大分県のビジョン、目に見える形、音に聞こえる形を考えるに当たり、私はユニバーサル観光県という提案をいたします。男女を問わず、また、障害があろうとなかろうと、老いも若きも、県民はもちろんですが、外国人も含めて、県外から訪れた方々も、景色を楽しみ、温泉を楽しみ、働くことを楽しみ、おいしいものをいただき、スポーツや芸術を楽しみ、生き生きと生きている、そんな大分県のイメージはいかがでしょうか。このようなビジョンを描くことで政策の選択と集中がおのずと図られてまいります。

 知事が掲げてこられた「安心・活力・発展」の政策ビジョンは、広く県民に浸透し、成果を重ねられていることは大いに評価しているところでございますが、堅実で漏れがないものの、大分県らしさがやや乏しい感がいたしております。少子高齢化の進む今だからこそ、大分県らしい、わくわくするような、パルピテーションがどんどん起こるようなビジョンを描いていくべきだと考えております。

 そこで広瀬知事にお尋ねします。

 大分県の未来づくりのビジョンについて、知事の大いなる夢をたっぷりと語っていただき、進撃の大分を実感させていただけませんでしょうか。

 私の提案したユニバーサル観光県のビジョンについてもお考えをお聞かせください。

 そして、ビジョンに掲げる政策の担い手は何といっても人です。今後の本県のビジョンの担い手となる人間像とその育成方法についてもあわせてお伺いします。

 お答えは席に戻って伺います。

  〔竹内議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○桜木博副議長 ただいまの竹内小代美君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま竹内小代美議員におかれましては、大分県の未来づくりについて、ご提言もいただきながらご質問を賜りました。私からお答えをさせていただきます。

 昨年度実施いたしました県民意識調査や県勢中長期シミュレーションの結果も踏まえまして、大分県の未来づくりに当たりましては、次の三つの視点が重要ではないかと考えております。

 第一は、やはり県民の暮らしを立てる産業を多様化して経済的基盤をしっかり整えることであると思います。

 企業誘致や産業集積による新規雇用の創出、地域密着の農林水産業の振興、観光やヘルスケア等のサービス産業の強化などが大切であります。女性や元気な高齢者の労働参加などによる生産年齢人口減少への対応も考えていく必要があります。

 第二は、価値観やライフスタイルが多様化する中で、だれもが安心して心豊かに暮らすことのできる大分県づくりを目指すことであります。

 子育て世代が満足する環境づくり、高齢者への行き届いた配慮、障害者の自立支援などをしっかりと実現することや、防災対策、環境保全、社会基盤の維持などとともに、地域の魅力として教育力を高めるということも大切だと思っております。

 第三は、今後の夢にもつながる新たな政策の展開ということでもあります。

 まず、芸術文化の力を活用して、さまざまな分野の課題への対応に新たな可能性を見出すことであります。芸術文化ゾーンを核にして、教育、産業、福祉、医療と芸術文化が連携していく取り組み、例えば、アーティストと企業の出会いによる新しいビジネスの開拓などが考えられます。県全体が芸術文化に触れることで創造性を発揮し、新しい夢を生み出すことが大事だと思っております。

 次に、東九州自動車道の開通を契機にいたしまして、九州の東の玄関口として、拠点化の可能性を見出すことです。本州、四国とつながる第二国土軸構想や東九州新幹線構想なども視野に入れながら、海路、陸路、鉄路を通じまして、九州内はもとより、中四国、関西との間で人や物の結節点となって、大分が輝くことになると思います。

 三つ目は、特徴ある地域づくりによりまして、世界が大分を認める可能性を見出すということであります。「日本一のおんせん県おおいた」から始まった動きは、「温泉アイランド九州」という九州七県を巻き込んだ海外戦略の動きになっています。世界農業遺産や東九州メディカルバレー構想による海外展開の夢も膨らみます。

 このような三つの視点のもとで、しっかりと将来像を描くことが肝要だと考えております。今、いろいろ、「安心・活力・発展プラン」の推進委員会や、あるいはその研究会におきまして、そういう議論をしっかりとやっていただいているところであります。

 議員からユニバーサル観光県のご提案をいただきました。傾聴させていただきました。確かに、自然、食、文化など、だれもが楽しみを、あるいは幸せを感じるようなテーマを共有して磨いていくということで共感できるところがあるわけでございますけれども、他方で、ユニバーサルという中で、どうやって特色のある地域づくりを目指すか、なかなか難しい課題もあるというふうに思っております。

 最後に、ビジョンの担い手についてのお尋ねですけれども、県政の中心はやはり県民であります。ビジョンを練り上げていくのも、実行に汗をかいていただくのも、県民の皆さんのご協力があってこそだというふうに考えております。県民とともにビジョンをつくり、実行していきたいというふうに考えております。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 すばらしいご答弁、ありがとうございました。さすが広瀬知事で、新しい展開がきょう聞けて、とてもパルピテーションが起こっています。

 そこで、もう少し補充質問いたしますが、どうしても三つ挙げられると三本の柱ができます。そのとき、何に向かって集約するかということが明快でないと、集中と選択を決めるときに、その都度という、運用面での、その時々の状況に合わせられるよさはあるんですが、少し県民に見えにくい、何で私どもの後になるのみたいなのがございますので、明快に、きょうとは言いませんが、総合計画策定に当たってお示しいただいて、例えば、私がユニバーサルと申しているのは、今、バリアフリーとか、いろんな、障害者、高齢者に優しい県づくりも含めているわけです。それは、今まで知事がおっしゃってくださったような分野だけでなく、人にユニバーサルという意味もあります。そのことによってパラリンピックに対応したり、いろいろなバリアフリーをする、道路の優先、例えば、私は、温泉については、非常に今ユニバーサル化が進んでないと思っています。そういうことが観光県になってやっていっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。



○桜木博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 だれもが納得して、ともに目指そうという目的が一つに限られてくれば、大変にわかりやすくて、しかも実行もしやすいということになるわけでございます。私どももそれを目指すということは大変大事だと思いますけれども、昨年度実施しました県民意識調査によりますと、例えば、世代によって随分県民の皆さんの求めるものが違ってくる。これは、それぞれにやっぱり、しっかりと自分の主張をなさるという意味で大事なことだと思っていますけれども、高齢の世代の方はやはり、高齢者のケア、あるいは医療といったことについて大変重きを置いておられる。そうじゃない若い世代は、やはり子育てとか教育に重きを置いておられるというふうなことがありまして、なかなか県民の意識が多様化をしているということも事実でございますから、そういうことを念頭に置きながら、どう政策を組み立てていくかという苦労もあるということについてもご理解を賜ればと思います。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 ありがとうございました。

 そのとおりだと存じます。

 ただ、世代が違っても、県民として協力していく人材だと思うんです、一番は。私が何回もお伝えしたように、争うのではなく、お互いの違いを認め合いながら協働していく、そういう人材をもっと教育や社会教育でふやすべきだと思っていますので、もう少しそれを具体化していただきたいと思っていますが、それは要望です。

 じゃあ、次の質問に移ります。

 国家戦略特区について。

 国は、強い日本経済の再生を目指して、地域限定で規制緩和を行う国家戦略特区の第一弾として、ことし三月二十八日に全国から六地域を指定しました。国家戦略特区の方針を決める産業競争力会議は、これらの区域において、国、地方、民間が一体となって、ミニ独立政府のように主体性を持ち、省庁や業界団体に守られた岩盤規制に切り込むとしています。

 そこで質問いたします。

 大分県では、国家戦略特区をどのようにとらえ、これまでどのような取り組みをしてきたのか、お伺いします。

 また、大分県の新しいビジョンがしっかり見えていれば、おのずと戦略が立ち上がり、立ち向かうべき岩盤規制もはっきりします。今後、大分県が打ち出していきたい戦略特区はどんな分野でしょうか。また、その際、特に切り込みたい岩盤規制もあわせて伺います。



○桜木博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 国家戦略特区についてのご質問をいただきました。

 国の特区制度につきましては、これまでもさまざまな形を変えながら取り組みがなされておりまして、県もこれをその都度、積極的に提案を行いながら対応してきたというのが実情でございます。例えば、構造改革特区では、コンビナート企業の国際競争力の強化を図るための特区、また、地域活性化総合特区では、医療機器産業の集積と海外展開を図る東九州メディカルバレー構想特区、あるいは九州アジア観光アイランド総合特区の指定を受けまして、取り組みを進めているところであります。構造改革特区等でございます。

 それから、国家戦略特区につきましても、昨年の九月に本県からも四件の提案を行ったところであります。具体的には、国際クルーズ船の誘致に向けた検疫港の臨時指定を可能とするための特区だとか、医療機器の海外展開を図る東九州メディカルバレー海外展開戦略特区などであります。

 構造改革特区だとか地域活性化総合特区、さきに上げた二点でございますけども、これにつきましては、地方の要望にこたえるという枠組みであるのに対しまして、したがって、いろいろ県からの提案がかなり入れられたわけでございますけれども、三番目の国家戦略特区の方は、地方からの申請ではなくて、国が主導で行うという趣旨の違いもありまして、いまだ指定には至っていないわけであります。

 現在、国家戦略特区の指定を受けた区域におきまして、規制緩和や支援内容等について具体的な検討が進められていると聞いておりまして、特区の活用方法や効果について、本県も引き続き研究をしていきたいというふうに考えております。

 正直申し上げまして、国家戦略特区をどう活用していいのか、どのぐらいの効果があるのかということについてすらまだまだわかっていないところがある。これは指定を受けたところもそうじゃないかと思っております。

 もとより、特区制度は、本県の政策推進の後押しとなるものであれば大いに活用したいというふうに考えております。その一方で、何が何でも特区ありきと考えるのではなくて、県政を推進する上でほかに有効な手段がないかなど、特区の必要性を検討しながら指定を目指していくことが大事だというふうに思っております。特区が先にあるのではなくて、県政が先にあって、利用できるものを利用していくという考え方であります。

 国におきましては、国家戦略特区の規制緩和の対象項目として、まちづくり、教育、雇用、医療、農業などの分野が示されておりまして、本県の政策にマッチした分野があれば、今後提案したいと考えております。

 本県はこれまで福祉分野や産業分野などで全国に先駆けた政策に取り組んでおりまして、特区の指定の有無にかかわらず、困難な行政課題に対しましても果敢に取り組んで、政策県庁として、全国のトップランナーとして、場合によっては国を引っ張っていくような気概で政策を進めていきたいというふうに思っております。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 今、トップランナーとなりたいという知事の夢をお聞きしまして、私も同感ですが、養父市の例を知事はどのように思っておられるのでしょうか。

 養父市は、積極的に国家戦略を利用して、中山間地における農業規制を緩和して、土地の所有権の移転を行政が行うということを戦略として出しておりました。そのように、何か大分県がやりたいときに、その戦略特区を利用して、それを使って進撃していくんだ、そういう視点で打って出る県の政策、県の中でまとまるのも大変でしょうが、そういうような視点で打って出る県政というのを私は望んでいます。これは意見ですので、お聞きいただいたら、ありがたいです。ありがとうございました。

 では、次に、大分市との連携によるまちづくりについてお尋ねいたします。

 昨年夏、大分駅南にホルトホールがオープンしました。来年、県立美術館と新大分駅ビルが完成すれば、三つの大型施設をつなぐラインができ上がります。

 県立美術館と総合文化センターを核とする芸術文化ゾーンの創造に向けては、広瀬県政の発展の総仕上げとして、県を挙げて多彩な企画を練り、多様な予算も駆使し、小学生六万人招待など、にぎわいづくりにも力を入れるなど、県の意気込みには圧倒されるばかりです。しかし、大型施設を拠点として人を呼び込もうとすればするほど、そのエリア外の周辺地域が相対的に影響を受け、寂れてしまうこともしばしばです。

 ラインから外れた、私の事務所のあります府内町など中央通りから東側の商店街や大分市郊外の地区、鶴崎、それから南の方、大南の方では取り残された感が強く、これから人口減少社会を迎える中、どのように活気を呼び込んでいくのか、決定打が見出せません。私自身は、東京都文京区の例に倣い、大分駅東側に点在する府内の町並み、遊歩公園、万寿寺、大友氏館跡をつなぐ歴史文化ラインの散歩道をつくってはどうかと考えます。

 もとより、大分市内の開発デザインは大分市主導で進めるべきですが、県立美術館の存在感が大分市の発展に大きな影響を及ぼすことはだれもが認めるところです。

 さまざまな行政分野について、大分市のみが取り組むのではなく、県と市が密に連携、協力する姿を市民は強く望んでいます。私は、県民であり、市民であります。まちづくりや道路整備などについて、県と市の連携協力体制は現在どのようになっているのか。今後、新たに取り組もうとする行政課題などあれば、それも含めてお伺いします。



○桜木博副議長 島田総務部長。



◎島田勝則総務部長 大分市との連携についてご質問いただきました。

 県と大分市との間では、重要課題について常に必要な協議が行えるよう、副知事のもとに総合調整窓口を設けるとともに、個別案件についても双方の担当部局で情報交換し、連携、協力をしているところです。

 まちづくりや道路整備では、県都大分市にとって百年の計である駅周辺総合整備に当たり、知事、市長、JR九州社長の三者が直接協議をしてきたところです。駅北口や南口広場の整備では、動線や景観、イベント開催に配慮したレイアウト、北口バスターミナルの利便性向上などについて県からアドバイスをし、これが計画に反映されたところでもあります。

 他方、福祉の面では、県としての長年の懸案でありました情緒障害児短期治療施設の整備に当たって、市と協議し、施設内に大分市を設置者とする小中学校の分校が設置されることになったところであります。

 今後でありますけれども、県立美術館の開館や新しい駅ビルの開業を控えまして、芸術文化ゾーンの創造、中心市街地の活性化が当面の課題であります。今後とも、中央通りから東側の地域も含んだ中心市街地全体の活性化に、市や商店街などの関係団体、もちろんこの関係団体には府内町、五番街、サンサン通りの商店街の皆さんも含みますけれども、これらの皆さんと連携して活性化に取り組んでいきたいと考えております。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 きょうは府内町からもたくさんの住民の方が見えていますので、きょうのご答弁が現実化して政策となるのを手伝っていただけますように、よろしくお願いします。

 それと同時に、私の住んでいます東部地区、四車線化は進んでおりますが、地域のやっぱり寂れていく感じは否めません。荒れている畑等もあります。その辺につきましてもまたご配慮をいただいたり、大分市中心街ばっかりが活性化するんではなく、全体的に活性化するようにお願いいたします。

 また、道路網も、まだ大分市も確定をしておりませんので、県とよく話し合いまして、しっかりビジョンをつくっていただきたいと思います。その辺については、土木建築部長には無理ですか。無理だったら、きょうのご答弁はいいですが、それをご考慮いただくようにお願い申し上げます。

 では、次に、これからの農業についてお尋ねします。

 国も県も職業としての農業に対しては、大規模化のための圃場整備、営農政策、六次産業化を推進してきましたが、農村部では耕作放棄地がますます広がり、次第に空き家もふえるなど、人口減少が一段と加速しつつあります。

 私が住んでいる大分市郊外の東部地区でも高齢化が進み、住宅地の近くにつくり手がなく荒れている畑や水田がふえています。

 そこでお尋ねします。

 まず、耕作放棄地についてですが、県内の農地のうち、耕作放棄地の面積はどれくらいあるのでしょうか。また、そのうち再生可能な耕作放棄地と再生不可能な耕作放棄地はどれくらいの面積でしょうか。また、再生不可能な耕作放棄地についての今後の対策についてもお聞かせください。

 次に、農業の担い手ですが、現在、農業における一番の課題は担い手の高齢化に伴う後継者不足ですが、県は、地域農業の将来の担い手となる後継者の確保対策についてどのように取り組み、また、これまでにどの程度の実績を上げているのか、お伺いします。

 次に、担い手育成に向けた地域と学校との連携についてお尋ねします。

 これからの農業の担い手確保におきましては、社会人のみならず、高校生や大学生が、「農業はおもしろそう、やりがいがありそう」と実感できるような機会を提供することも大切だと思います。

 私は、一昨年の第一回定例会で、大分東高校の農業科の新設を前に、お手元に配付させていただきました図二裏側に示しますように、大分東高校を核とした地域おこしを提案しました。これが完成した暁には、学校のみならず、地域全体の活性化が実現するのではと自負した提案でしたが、それは戸棚の中に眠っておりました。

 高校では、教育課程の制約や教員、農地の不足などで、このような取り組みを行うのは無理だなということを、議員で政務調査させていただいて実感いたしました。学校は大変です。だからこそ、農業、農村の再生の過程で周辺の地域が望んでおられるんです。農地や就農の機会を提供して、学生に農業を現場で学んでもらいたい。そして、一緒に、将来の担い手に欲しいというお気持ちを強く、営農を志している周辺の自治会長さんもおっしゃっています。どうぞ学生に農業を指導するような地域社会の仕組みづくりを行い、若い世代が地域の農業に参加できるようにすることが将来の担い手が育つことにつながると思いますが、私の提案についてご見解をお伺いします。

 また、中山間地、非常に難しいんですが、もうかる農業だけではなかなかやっていけません。でも、人は食物を食べて生きています。食は生きることの基本です。県の政策を見ていると、もうかる農業に重点が置かれ、命を養う農業の視点がいま一つ、考えられてはいるんですが、クローズアップされていないように思われます。最近では、飽食、食べ残し、不当表示などがはびこり、子供が育っている野菜の名前を知らないなど、食を提供する農業への畏敬の念が薄れています。

 ロシアでは、大都市でアパート暮らしをしながらも、週末には郊外の家庭菜園で野菜をつくる人も少なくありません。

 給与生活者や子供たちが休日に郊外の田畑で農業体験をして、自分が食べるものをつくる喜びを知り、荒れた田畑を減らしていく、そして田畑の持ち主と親戚づき合いのような交流もできる。職業としてではなく、余暇としてではなく、生活の中に溶け込んだ、いわばもうけない農業とでも申しましょうか、そういう農業の推進を政策に入れていただいてはと提案いたしますが、いかがでしょうか。



○桜木博副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 四点についてご質問いただきました。お答えをいたします。

 まず、耕作放棄地についてでありますが、平成二十四年度の荒廃農地・解消状況全国調査によれば、荒廃農地、耕作放棄地ですが、この面積は、県内で一万百六十七ヘクタール、そのうち再生利用可能なものは二千九百六十一ヘクタール、再生利用困難と見込まれるものは七千二百六ヘクタールであります。

 これまでも再生利用が可能な荒廃農地については、平成二十一年から二十四年度で五百九十四ヘクタールを再生しており、そのうち国の事業を活用した百八ヘクタールを参入企業などが利用しております。

 再生利用困難と見込まれる荒廃農地については、既に森林化をしており農地に復元することが著しく困難なもの、または復元をしても利用が見込めないものであり、やむなく山林、原野へ地目変更せざるを得ないという状況であります。

 未然防止策として、本年度から後継者がいないなどの理由で耕作放棄地となるおそれのある農地などを対象に、現所有者へ利用意向調査を行いまして、新たな担い手への農地の集積につなげていきたいと思っております。

 二つ目が農業の担い手確保についてであります。

 新規就農者を平成二十三年度からの五年間で千人確保することを目標に取り組んでおります。このために、担い手確保専任職員を配置いたしまして、県内外の農業教育機関などに就農を働きかけるとともに、就農希望者の農業経験や希望する経営形態に応じて、農業大学校や、また、農業者のもとで農業技術や経営を学ぶ研修を実施しているところであります。

 成果と今後の取り組みでありますけれども、二十五年度の新規就農者数は百九十七名と、昭和五十年以降、前年度に次いで二番目に多く、これまでの三年間で六百五人と成果を上げてきたところであります。

 新規就農者の特徴といたしましては、四十歳未満が七〇%と多く、また、新規学卒就農者は、この取り組みを始める前の二倍を超える五十六人と大幅に増加をしてきております。これは、農業大学校の就農率が全国トップクラスの八割を超えるという伸びになっていることも要因の一つと考えております。

 今後も、生産者組織や関係機関とより連携を強化して、次代を担う力強い経営体の確保育成に取り組んでまいりたいと考えております。

 三点目が担い手育成に向けた地域との連携ということであります。

 大分東高校におきましては、農業系の学科開設二年目ということもありまして、地域とのつながりを深めるために、農場広報誌の発行や花いっぱい運動への参加など積極的に行われております。

 農業教育におきましては、農業者から直接話を聞くことが重要でありまして、六次産業に取り組んでいる企業的農業者による講義、地域のニラ農家などでの訪問学習を実施しておりまして、農業者の選定に当たっては部としても協力をしているところであります。

 県下の農業系高校では、地域の農業経営者のもとで職業としての農業を体験するインターンシップを実施しておりまして、昨年度は二十二の経営体が四十九名の生徒を受け入れをしていただいているところであります。

 大分東高校におきましても、本年度からオオバ、キュウリなどの都市近郊での施設園芸を学ぶ職業体験を計画しているところであります。

 部といたしましては、引き続き大分東高校と地域との橋渡しをするとともに、来年度末には初めて卒業生が出てまいりますので、県教育委員会との連携協議会などによりまして農大への進学、また、その後の就農情報を提供していきたいと考えております。

 四つ目が余暇を利用した農業体験についてということであります。

 地域経済に重要な農業を維持、発展させていくというためには、構造改革を推進し、もうかる農業をすることが大事であります。その上で、農業に関心を向ける取り組みといいますか、県民に農業体験などを通じて農業に関心を持ってもらうことも大変大事であります。

 市民農園は、大分市を中心に二十三カ所、約五・三ヘクタールの土地がございますが、それを活用して、多くの市民の方が野菜の栽培を行ったり、高齢者の生きがいづくり、園児、生徒などの体験学習の場となっております。

 また、農業文化公園では、農業に触れる取り組みを進めております。例えば、サツマイモの植えつけ体験などを毎年百回程度開催いたしまして、園児を初め約三千三百人が参加をしていただいております。また、別府大学と協働で棚田を利用した香り米や七島イの栽培も行っているところであります。

 また、農林水産祭では、消費者などとの交流を目的に、農産物の販売を初め、農業と暮らしの触れ合いに関する展示もしているところであります。

 議員ご指摘のとおり、食は生きることの基本であり、命を養う大事な農業を広く県民の皆さんに理解をしてもらう取り組みも進めてまいりたいと考えております。

 以上です。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 いつもご苦労さまでございます。農業、大分県も力を入れています。

 ちょっと今、私とても気になったのは、私は質問をするときに「余暇ではなく」というのをわざわざ強調したんですが、また部長から「余暇を利用しての」というお言葉をいただいたことが、私、女性が食を担当する者として、少し視点が違う。食は余暇ではありません。私たちの生きる基本です。その視点で、子供たちや地域の、都市部に住む人たちも、この食物を育てるという体験を通して、自分たちの食物をつくっている人への畏敬の念とか、自分が食物をつくる喜びを知るとか、そういう人間教育の面がとてもあると私は思っています。余暇を利用して、高齢になられて、退職者が市民農園を使って、ああ、とれたからうれしいわという雰囲気をちょっと受けたので、誤解があると思います。少し食の基本としての農業について、余暇としてではなくどのようにとらえていただけているかを伺いたいと思います。それを質問いたします。



○桜木博副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 議員ご指摘のとおりでありまして、今お答えをいたしましたけれども、食は生きることの基本である。命を養う農業を県民に理解してもらう取り組みということも大事であるということで進めてまいりたいと考えております。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 では、よろしくお願いいたします。

 次に、地域包括ケアシステムについてお尋ねします。

 病気になったらどうしよう、認知症になったらどうしようと多くの高齢者が不安を抱く中、この不安をさらに大きくしているのが医療、介護、福祉の各分野のコーディネート機能が別建てとなり、互いが連携不足であることだと指摘されています。

 京都府では、関係団体が一丸となって、オール京都体制で地域包括ケアの実現を目指し、平成二十三年六月一日に京都地域包括ケア推進機構を設置しました。これはセンターではありません。推進機構です。この機構には、医療、介護、行政、看護、薬務などの、関係というのは何回も福祉部長から聞いたんですが、その関係団体に加えて、大学、保健所、行政書士会、社会福祉士会など、もろもろの三十九もの団体が参加しており、まさにオール京都の取り組みです。

 取り組みの四本の柱として、在宅医療あんしん病院登録システムの推進、認知症総合対策推進計画の策定、地域リハビリテーションの推進、京都式みとりプログラムの策定と、みとりまで入っております。

 そこでお尋ねします。

 地域包括ケアシステムについて、どのように福祉保健部では計画をされて推進しようとしているかについて、まずお尋ねします。

 認知症対策が京都では二番目のプログラムなんですが、もうきょう玉田議員がもろもろ質問をされましたので、細かいことは伺いません。

 京都はすごいなと思うのは、総合計画が年次を立てて、きちんと指標もつくって、ステップ・バイ・ステップで進むように、目に見える計画が立っていることなんです。

 その第一は、まず、全部の住民が認知症は何かということをよく知るという啓発活動から始まっています。それを思う中で、例えば、学校教育に入れるとか、社会教育に入れるとか、さまざまなプログラムが出てきます。そして、早期発見、早期治療の前に健康増進です。それから予防です。そして、早期発見、早期治療、介護、それからリハビリ、そしてみとりまで、地域を全部で、みんなで推進していきましょうという機運を高めるすばらしい総合システムをつくっています。

 私は、やっぱりこの例に倣いながらも、大分県のオール大分の取り組みを推進していただきたいと思っています。福祉保健部長のご答弁をお願いします。

 以上です。



○桜木博副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 二点についてお答えをいたします。

 まず、地域包括ケアシステムについてです。

 現在、県では、高齢者が地域で安心して暮らせるよう地域包括ケアシステムの構築を目指しております。

 具体的には、まず、自立支援型のケアを推進するため、市町村における地域ケア会議の開催を支援しており、要支援状態の改善などに効果があらわれているところであります。

 また、本年度から、高齢者の移動等日常生活上の地域課題の解決を支援するため、市町村への助成を開始したところです。

 さらに、各医療圏ごとに、医療と介護の連携を目指す在宅医療連携拠点整備事業などにも取り組んでおります。

 今後は、平成二十七年度からの第六期「豊の国ゴールドプラン21」の策定、実施を通じ、地域包括ケアシステム構築に向けた取り組みを加速してまいります。

 なお、議員ご指摘の推進組織につきましては、現在、「ゴールドプラン21」の策定と進行管理を行うため、医療、保健、福祉、学識経験者、住民代表などの関係者から成る大分県老人福祉計画策定協議会を組織していることから、この組織により、地域包括ケアシステムの推進を図ってまいりたいと考えております。

 また、認知症対策についてお答えをいたします。

 県では、「安心・活力・発展プラン二〇〇五」とその部門計画であります「豊の国ゴールドプラン21」に基づき、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で暮らし続けることができる社会の実現を目指し、これまで各種の認知症対策を推進してまいりました。

 今後、認知症高齢者の増加が見込まれることから、より一層の対策強化、地域全体で見守り支える体制づくりが求められているところであり、平成二十七年度からの第六期「豊の国ゴールドプラン21」における最重要課題の一つとしてしっかり議論し、対策を講じることとしたいと思います。

 以上でございます。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 ありがとうございます。

 前向きに進んでおられるのを実感いたしました。

 特に、私は専門家としてお願いしておきたいのは、認知症になる前に、私たち一人一人がどこかに登録するんです。そうすると、認知症になった人はなかなか病院に行きたがらない。それが、自分が登録しているという意思表示がある。それがとても、なる前から大事だと思っています。そして、かかりつけ医も登録しておくわけです。そして、画像が送られて、すぐ専門の病院に行きます。そういうものが総合システムというふうに考えていますので。

 それから、地域間格差の是正も、玉田議員がおっしゃったように、やっぱり県の役割かと思っております。

 では、「二〇〇五」の次をとても期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

 では、最後に、ひきこもり対策についてお尋ねをいたします。

 ひきこもりは、不登校や就労の失敗をきっかけに、六カ月以上自宅に閉じこもり続ける十五歳から三十五歳未満の青少年と定義されてきました。本人の意思ではなく、なぜか社会に出ようとすると固まってしまうため、当事者は自分を責め、社会に拒否感を持ってしまいます。

 また、ひきこもりには、定義としては統合失調症は含まれていません。昨日の質問で、「医師からの情報として統合失調症が入る」と言っておられましたが、これはひきこもりの定義から除外されます。しかし、発達障害を有する大人がかなりいるのではないかと推定されています。

 県では、ことし六月から、青少年の相談支援と就労支援をワンストップ化するために、おおいた青少年総合相談所を立ち上げました。ワンストップ化は一歩前進と受けとめていますが、幾つかの問題点が残されています。

 まず、ひきこもりの方々の多くは精神障害者保健福祉手帳の交付を受けておりません。その大半は親が生活の面倒を見ている状態です。最近、ひきこもりが長期化するにつれて、四十歳代のひきこもりも相当数含まれるようになりましたが、彼らの親はさらに高齢化し、親亡き後の生活の困窮が現実化しています。

 ところで、平成二十七年四月一日から生活困窮者自立支援法が施行されます。生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るための法律ですが、高齢化したひきこもりの方々に対しては、この制度に基づいた支援も考えられると福祉保健部から聞いております。

 そこで、次の三点についてお尋ねします。

 まず、大人の発達障害、これの専門医が非常に少ないです。ひきこもりに相当数含まれると推定される大人の発達障害の診断と対処は、だれがどのように担当されるのでしょうか。

 次に、また社会全般で次第にふえつつある年齢四十歳代以上のひきこもりの方々への支援として、県ではどのような対策を講じているのでしょうか。

 さらに、青少年総合相談所の業務として必要と思われる出張対応。ひきこもりはなかなか受診しません。相談にも参りません。今後どのような対応をされるのか。特に私はアウトリーチ、出張対応が必要かと考えております。その状況についてお尋ねします。



○桜木博副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 私からはまず、大人の発達障害についてお答えをいたします。

 人間関係や障害等により、長年にわたり人や社会との関係を断つひきこもりは、本人や家族にとって大変深刻な問題と認識をしております。

 特に、発達障害などの精神疾患が疑われるケースは、早期に専門の医療機関につなげ、診断を受けることが重要であります。

 このため、保健所やこころとからだの相談支援センター、さらには青少年総合相談所などでは、本人や家族からの相談を受け、発達障害が疑われる場合は専門の医療機関を紹介しております。その結果、発達障害と診断された場合には、本人や家族の意向も踏まえ、医療機関における精神科デイケアや精神障害者保健福祉手帳の取得や福祉サービスの利用を勧めているところであります。

 さらに、こころとからだの相談支援センターでは、市町村、教育機関、警察等、ひきこもり相談実務に携わっている方を対象とした事例検討会や研修会を開催し、支援技術の向上を図っているところであります。

 今後とも、関係機関が連携し、発達障害のあるひきこもりの方への支援に努めてまいります。

 以上でございます。



○桜木博副議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 ひきこもり対策についてお答えします。

 青少年自立支援センターは、ひきこもりに関するワンストップの相談窓口として、ひきこもり及びその家族等からの相談全般を受け付け、必要に応じて児童相談所、こころとからだの相談支援センターなどの専門機関へ円滑につなぎ、ひきこもりの予防や青少年の自立の取り組み等を支援しています。

 また、今年度は三保健所に地域相談窓口を設け、同様の支援を実施しています。

 来年四月からは、生活困窮者自立支援法の施行により、県内すべての市町村に窓口が設置され、ひきこもりの方の相談もできることとなります。

 現在、県が実施しておりますモデル事業では、四十歳以上の方の相談を受け、青少年自立支援センターに連絡し、同センターの協力を得て支援プランを作成した事例もあり、今後さらにきめ細かな支援が行われるものと考えております。

 次に、青少年総合相談所の出張対応についてお答えします。

 先ほど申し上げましたように、青少年自立支援センターは、ひきこもりの相談窓口として相談全般を受け付け、専門機関などへ円滑につなぐことを役割としております。

 このため、主として相談者を専門機関等へつなぐ同行支援を行っており、昨年度の実績は二十一件でした。その際、例えば、不登校の中学生の相談に来た親族に同行して児童相談所を訪れ、相談状況を説明するなど、連携先へのつなぎを行っています。

 また、相談者の求めがあった場合、自宅等への訪問支援を行うこととなっていますが、昨年度の実績はありませんでした。

 地域相談窓口では、例えば、中学校のころから引きこもっていた女性の自宅へ保健師とともに訪問相談を行ったことなど、昨年度の実績は四保健所で六十四件でした。

 今後も保健所等の支援機関との連携を図り、相談者のニーズにできる限りこたえてまいります。

 以上でございます。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 該当の課ではいつもよく努力をされているのは、私が一番よく知っております。いつもありがとうございます。

 ところが、私が手を離れまして、もう七、八年たちますので、その方たちが随分高齢化しております。親の会の皆様も非常に苦慮されています。その中で、やはり青少年課が引き続き事業を続けていくのか、福祉保健部に移しまして本格的に支援を続けるのかを県で検討していただく時期が来ているのではないかということを、まずご見解を伺いたいと思います。それが一つです。

 それから、発達障害の大人というのは、昔、子供だったころにそういう意識が社会にないときでしたから、そのまま大人になっています。そして、就職先でなかなか仕事ができない。そして、本人は知能も高かったりして違和感を覚え、大変また社会不適応になって引きこもるという例もたくさんあります。だから、精神科医の中にも、子供の発達障害は診れても、大人の発達障害を診れる人はほとんどいないと言っても過言ではありません。

 そして、これからどのようにその人たちに社会適応していただくか、就労をふやしていくか、中間就労施設も要ります、そのような対策が抜本的になされていくには、やはり青少年課は不登校から続きのようなひきこもりで、大人のひきこもりの支援をもっともっと進めていく必要があるかと考えています。

 以上です。



○桜木博副議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 ひきこもりの相談窓口、現在、青少年自立支援センターで主として青少年の相談受け付け、また、相談に訪れた方については、四十歳以上の方もこれまで相談事業を行ってまいってきたわけですけれども、今、先生おっしゃるとおり、ひきこもりの方、四十歳以上の方も随分多くなっております。また、来年度から生活困窮者自立支援法も施行されます。先生のご提言、受けとめさせていただきまして、庁内でよく勉強させていただきます。よろしくお願いします。



○桜木博副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 青少年のひきこもりと大人のひきこもりについて、少し対応が違うから、別々のところがいいのではないかというご指摘だったのかというふうに思いますけれども、一方で、ひきこもりということで同じ部局でやるという考え方もあると思います。

 ただし、大切なことは、青少年であっても大人であっても、県庁として一体となって対応していくことだというふうに思いますし、そういった趣旨で今後とも対応してまいりたいというふうに思います。



○桜木博副議長 竹内小代美君。



◆竹内小代美議員 実は、ある例で、匿名ですが、ひきこもりの方というのは、とても自分を責めています。そして、もう死にたいと思っているんです。あるところで、もう灯油をかぶって死のうというような例もありました。そのときに、関係機関がみんな行ったんですが、いろいろ提言をするんですが、本人にフィットしません。そして、あなたはありのままでいいのよ、あなたを大切にするというメッセージがある人から伝わったときに、初めて彼は扉を開いたわけです。そのような支援サポートも大変要りますので、ただ関係機関というのではなくて、やっぱり支援の質を高めていただき、ぜひ発達障害の診断ができるお勉強をどこかからやっていくシステムをつくっていただきたいと思います。

 要望になりました。少し、五十秒ほど余しましたが、もう大変有意義なお答えをいただきました。そして知事には、こんな暗いこともあってもパルピテーションが起こるような大分県づくりに邁進していただけるということで、私ども信頼しております。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)



○桜木博副議長 以上で竹内小代美君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午後零時 休憩

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     午後一時三十二分 再開



○近藤和義議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。原田孝司君。

  〔原田議員登壇〕(拍手)



◆原田孝司議員 二十三番、県民クラブ、原田孝司です。

 質問の機会を与えていただいた先輩、同僚の皆さん方に感謝しながら質問を始めたいと思います。

 まず最初に、労働問題についてご質問します。

 現在、国政レベルでは、安倍政権の新たな成長戦略の一つとして、労働基準法の改正についての議論が行われています。

 昨今では、貧困が大きな社会問題としてクローズアップされる中、勤労者の生活向上につながる労働環境の改善は重視すべきにもかかわらず、一連の議論には働き手への配慮がなかなか感じられません。

 今月十一日には、実労働時間にかかわらず成果に応じて賃金を支払う新制度の対象者を、職務が明確で高い能力を有する者で、少なくとも年収一千万円以上の従業員に限定するという労働時間規制の見直しをめぐり、関係四閣僚が合意したと報道されました。

 今後、厚生労働省は、来年の通常国会に労働基準法改正案を提出し、二〇一六年四月からの適用を目指すとのことであります。

 新制度は、第一次安倍政権時の二〇〇七年に残業代ゼロ法案と批判され、撤回に至ったホワイトカラーエグゼンプションと呼ばれる制度と類似しており、労働組合はこれに強く反発しています。

 言うまでもなく、労働時間を一日八時間、週四十時間までと定めている労働基準法第三十二条は、使用者に対し弱い立場である労働者を保護するための規定ですが、今回の改正によって、労働者が会社に都合のいい成果を求められ、達成するまで残業代なしで長時間労働を強いられることにならないでしょうか。このような議論は、経営者の立場からいかに社員の賃金を削っていくかというコスト削減の視点からのアプローチとしか思えません。

 新制度の対象者は労働者全体のわずか数%程度とのことですが、これまでの労使関係の歴史を振り返れば、今後、対象者がなし崩し的に拡大されてしまうのではないかと危惧しているところであります。そうなると、この新制度は、勤労者全般に大きな影響を及ぼすルール改悪と思います。

 そこでまず、労働時間規制の一連の見直しについて、県民生活を守る立場の知事としての所感をお尋ねいたします。

 次に、本県では、県労働委員会が労働をめぐるトラブルのあっせんを行っています。その会報によると、解雇や配置転換における諸問題、賃金や残業代の未払い、そしてパワハラなどのあっせんが報告されています。

 相談のあったケースは、労働委員会の方々の熱心な取り組みにより、多くが解決されていますが、中には、あっせん内容の不応諾や双方の合意を得ることは難しいと判断してのあっせんの打ち切りなど、調整が不調に終わるケースも報告されています。

 県労働委員会による労働紛争のあっせんについて、これからの課題や対策をどのように考えているのか、伺います。

 以下の質問は対面席より行わせていただきます。

  〔原田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの原田孝司君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま原田孝司議員から労働問題についてご質問をいただきました。

 まず、私から雇用制度の見直しについてお答えをいたします。

 政府は、現在、雇用制度改革の一つといたしまして、新たな労働時間制度を創設して、一定の年収以上で高度な職業能力を有する労働者について、労働時間と賃金のリンクを切り離して、時間ではなく成果で評価される働き方を取り入れることを検討していると伺っています。

 このような制度に対しまして、経営者側からは、業務遂行や労働時間を自己管理して成果を出せる労働者に適用すれば、生産性の高い働き方や労働者のワーク・ライフ・バランスの実現に資するとの意見があります。

 他方、労働者側からは、依然として多くの労働者が長時間労働に従事している中で、労働時間の上限規制を設けることなく、成果で評価する制度が適用されると、労働者は一層の長時間労働を余儀なくされ、過労死の増大等を招くとの懸念の声が上がっているわけであります。

 私は、経済環境が大きく変化する中で、労使の主張にはそれぞれもっともな点もあると思いますけれども、労働者保護を目的とする労働法制という視点を踏まえて、その改正に当たっては、次のような視点が大切ではないかと思っています。

 一つは、ワーク・ライフ・バランスの実現ということであります。

 個人がやりがいや充実感を感じながら働き、創造性の発揮や生産性の向上に寄与する一方で、子育てや介護、地域活動など個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるように配慮された制度であるべきであります。もちろん、新たな制度が単に労働者に長時間労働を強いるものであってはならないと思います。そのようなことになれば、労働者の健康を犠牲にするばかりか、社員の意欲減退による生産性そのものの低下ということにもなりかねないと思います。

 二点目は、成長の視点であります。

 人口減少社会の本格的到来とグローバル競争のさらなる進展に加えまして、企業を取り巻く環境の変化は、かつてないスピードであります。こうした環境の変化に応じて日本経済が成長していくためには、法人税改革、エネルギーシステム改革など他の事業環境整備と並んで、雇用制度につきましても、労働者保護の前提を十分踏まえて、柔軟に対応していくことが求められていると思います。

 実質的な賃金の切り下げによるのではなくて、意欲と能力のある個人のイノベーションと生産性の向上により、企業、経営が成長する雇用制度が構築されることが必要であります。

 今後、新たな労働時間制度につきまして、労働者、使用者の代表も入る労働政策審議会で検討されるということであります。

 こうしたいろんな視点から議論をしていただいて、労働者の働き方の多様化にこたえるとともに、もちろん健康確保や仕事と生活の調和が保たれる制度となることを期待しているところであります。

 私からは以上でございます。

 その他のもう一つのご質問につきましては、労働委員会会長から答弁をしていただきたいと思います。



○近藤和義議長 麻生労働委員会会長。



◎麻生昭一労働委員会会長 それでは、労働紛争のあっせんについて私からお答えをいたします。

 平成二十五年は十二件のあっせんの申し立てを受け付けました。そのうち、和解成立が五件であります。また、労使の自主交渉による解決が可能になったということで取り下げが三件ございましたが、あっせんには強制力がないということから、不開始、あるいは打ち切りというのが四件ございました。

 労使ともにパワハラ、残業代の未払いなど、労働条件などへの関心は高まりつつあるものの、労働者の権利を守る労働法制などへの理解は十分とは言えないと考えております。

 また、労働委員会制度は、労使紛争などの予防、調整を目的としておりますが、強制力がないため、紛争が長期化することも指摘されております。このため、労働法制の理解の推進と紛争予防に向けて、本県独自の取り組みとしまして、平成十八年から「悩まずどんとこい労働相談週間」というものを始めまして、相談体制を拡充いたしました。これによりまして年間の相談件数は、開始当初の百五十三件から平成二十五年は三百八十三件へと増加いたしました。制度の周知は一定程度進んだと考えております。

 また、紛争の長期化に伴うさまざまな不利益の防止に向けまして、各種研修や毎月二回の定例総会などを通じまして、委員や事務局職員の対応力の向上を図ってもおります。

 今後とも、相談体制の充実などにより労使の自主解決を支援していきたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 知事、そして麻生労働委員会会長、ありがとうございました。

 六月十六日の衆議院決算行政監視委員会において、この問題について国会の方で質疑が行われていました。安倍晋三総理は、対象者について、現時点では年収一千万円が目安になると述べましたが、続けて、経済状況が変化する中で、その金額はどうかということはあるというふうに答えられていました。翌日、マスコミ各社は、これを、基準となる年収を将来的に引き下げる可能性に含みを残したと報道しています。

 さらに、新制度の適用対象者について、希望しない人には適用しないので、運用には問題はないと述べられました。それに対して、質問した民主党の山井和則議員は、会社からこの制度への転換を求められたら、断ることのできない状況があるんじゃないかというふうに反論しましたが、なかなか議論はかみ合わないまま終わっていきました。

 この労働基準法の改正というのは、必ず新たな労働トラブルを生むと私は思っています。労働問題に関するトラブルについては、例えば、労働団体や政党などが運営している労働相談窓口、弁護士会が運営している、大分でいえば法テラス、そして自治体の市民相談など、いろいろあるわけなんですが、現在の労働トラブルの現状把握を県政に生かすためにも、やっぱり大分県労働委員会というのは大きな意味があると思っています。

 先ほど会長の方から、いろんな啓発やPRで、大分県労働委員会でこういうことをやっているんだという、広報活動をやっていると言われましたので、またこれからも積極的な取り組みをお願いしたいと思います。

 次の質問に移ります。

 続いて、教育行政について質問します。

 小中学校教職員の人材確保についてお尋ねいたします。

 本県では、今後十年間で現役教職員の約半数に及ぶ二千六百人が定年を迎える大量退職時代に入ります。このため、県教育委員会では、既に、教員採用枠の拡大を進めていますが、地元の大分大学の教員養成課程の学生自体が近年減少傾向にあるようですし、定年後の再雇用を希望する教職員もさほど多くはありません。このような現場の状況を見る限り、これから五年、十年先に不足なく教職員を確保できるのかと不安を感じざるを得ません。

 そこで、小中学校教職員の再雇用の現状と今後の教職員の人材確保について、どのような計画で対応していくのか、お答えください。

 さらに、私たち県民クラブ数名で二月から三月にかけて、県内七自治体の教育長にお会いし、教育に関する諸課題について意見交換をしてきました。その中で、私自身が一番気になったのが教職員の疲弊についてであります。

 教職員の資質向上はもちろん重要と考えますが、その一点に傾注する余り、より大切な課題が置き去りにされている感がするわけであります。それは、教育現場のやる気と自主性を高める施策です。県、市町村ともに教育委員会では、事務事業の改善やメンタルダウンなどへの対策も適宜進められておりますが、現場教職員のモチベーションをより高めていく取り組みが欠けているのではないかと感じています。

 先ほど再雇用の件にも触れましたが、教育現場では、定年前の退職者が多い背景には、教職員個々のモチベーションの低下も見え隠れしているわけであります。

 そこでまず、昨年度の定年前退職者の状況と、その要因をどう分析しているのかについてお答えください。

 また、次々に打ち出される改革案や早急な成果を求める指針などが現場の教職員に与えるプレッシャーや疲弊感をしっかりと認識しておられるのか、疑問に思います。

 例えば、教育現場の多忙解消に向けた対策、年休や病気休暇を適宜取得できる職場環境の創出、定年までのモチベーションの保持、ワーク・ライフ・バランスの配慮など取り組むべき課題は山積しています。今こそ、一般教職員の声や思いに触れることが必要ではないでしょうか。

 教職員のモチベーションや自主性を高めるため、言いかえれば、生き生きと働き続けられる教育現場の勤務環境づくりを県教育委員会としてどのように進めていくのか、教育長の所見をお伺いいたします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 二点お答えをいたします。

 まず、小中学校教職員の人材確保についてです。

 小中学校の定年退職者のうち、再雇用をした教職員は、平成二十三年度、百十六名中十五名、平成二十四年度、百五十三名中十四名、平成二十五年度、百三十二名中二十八名であり、年金改革の進捗に伴い、再雇用を希望する者はさらに増加することが見込まれます。

 今後とも、再雇用教職員については市町村教育委員会と連携して、長年の勤務で培った豊かな知識や経験が生かされるよう積極的に活用していきたいと考えています。

 教職員の人材確保については、毎年度、向こう五年間の退職者数や再雇用教員の数、教員定数の見込みなどを勘案しながら計画的に新規採用を進めるとともに、大分大学を初め、近県の大学に対して積極的なPRを行い、受験者の確保を図ってまいります。

 次に、教育現場の勤務環境づくりについてお答えします。

 平成二十五年度、定年前退職者の状況ですが、小中学校の退職者二百七十六名のうち、定年前退職者は百四十四名です。そのうち、早期退職希望者募集制度により優遇措置を受けて退職した教職員は百二十七名でした。

 退職要因としては、家族の介護や自身のライフプラン、退職制度の見直しなどが考えられますが、特定は困難です。

 モチベーション、自主性を高める取り組みですが、平成二十二年度から新しい人事評価システムを導入し、児童生徒のために日々研さんを怠らず努力している教職員を適正に評価することによって教職員のモチベーションを高めています。

 また、芯の通った学校組織の取り組みを通じて、主要主任等が効果的に機能する体制を構築することにより、教職員一人一人の学校運営への参加意識を高めているところです。

 今後とも、学校の教育目標達成に向けて、組織の一員として困難な課題に挑戦する教職員を支援することで、モチベーションや自主性を高めてまいりたいと考えています。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 今、教育長から答弁をお聞きして、やっぱり重なるところもあるんですけど、ちょっと違う見方も私はしています。

 私、二〇一三年、去年のときの定年前退職の人を聞いて、私が調べた数は九十三人、そのうちの七五%が女性だったと聞いています。幾人かに実はお会いして、「どうしてやめられたんですか」ということをお聞きしました。その理由が、私が聞いた部分です。親の介護のため、体がきつい、精神的にもつらい、広域異動が厳しいという方もおられましたし、中には、倒れる前にやりたいことをやりたいという方もいました。また、免許更新を受ける気力も体力もないという方もいらっしゃいました。

 ご存じのとおり、旧免許では、免許更新制は三十五、四十五、五十五のときに受けるようになっていますから。そういったときに、やっぱりそういった思いになる方もいらっしゃるのかなというふうに思っております。

 定年前退職を否定しているわけではありません。生き方の選択肢としての退職もあると私は思っています。ただ、県教委の施策があれば働き続けられた方もいるんではないかというふうに思えるわけであります。

 大分県教委は、平成二十五年三月に「学校現場の負担軽減ハンドブック」を出され、いわゆる県教委として超勤縮減に取り組んでいるわけですが、その効果はどのようになっていると考えられているんでしょうか。

 また、一例として、長崎県で「学校における働きやすい職場環境づくりに向けた重点取組」というものを出しています。大分県が子供と向き合う時間の確保をテーマにまとめられているのに対して、長崎県では、私自身が感じているんですが、一歩進めた視点で、教職員が働きやすい職場環境づくりを目指している、そういった取り組み方を、いわゆる県としてみんなに提言しているわけであります。大分県教委として、このような視点での取り組みをどういうふうに考えているのかということをお尋ねいたします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 県教委としての教職員の働きやすい環境づくりということで、負担軽減ハンドブックを作成して、各職場で工夫をするということだけではなくて、一つ例を挙げれば、各、県教委、市教委、あるいは教育団体等が行う会議を減らして、時間的に余裕をつくろうという取り組みも行いました。これについては、数値目標も掲げまして、三〇%を達成していったというふうに思っています。そういった意味で、職場環境についての取り組みは一定の効果は上がっているというふうに考えています。

 職場の環境ということで、勤務の状況、それから職員の健康状況、そしてモチベーションを上げる総合的な施策を県教委として行っています。そういった総合的な取り組みの中で効果を上げていっている、さらに上げていかなければというふうに考えています。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っています。

 先ほどの知事の答弁で、ワーク・ライフ・バランスの実現、その中でやっぱりやりがいや充実感を持つことが重要だというふうに、私も全く同じような気持ちであります。ですから、そういったことを県教委でもぜひ取り組みを進めていただきたいというふうに思います。

 実は、今、本屋さんに、「日本でいちばん大切にしたい会社」という本があります。これは、今現在、第四集まで出ている人気シリーズの本なんです。読まれた方も多いんではないかというふうに思うんですが、この本では、業績が安定している企業には共通する理念があると書かれています。それは社員第一主義です。人や地域をとことん大切にしている企業ですということで、いろんな会社が紹介されているわけであります。

 それを読んで私は思ったんですけど、社員を大切にしている会社は、きっとお客さんも大切にするんだろう。それで業績が伸びるんだろうと私は思いました。

 これ、県教委に言いかえれば、子供を大切にするんであれば、まず教職員を大切にしてほしいという思いが生まれてきます。教職員が県教委から大切にされているという実感の持てる施策を期待しています。ぜひ取り組みをよろしくお願いします。

 続いて、グローバル人材の育成についてお伺いします。

 昨年の第二回定例会において、我が会派の三浦正臣議員、そして昨日は三浦公議員が取り上げられましたグローバル人材の育成についてであります。これは、これからの日本にとって欠くことのできないテーマだと私は考えています。今後は、教育現場においても、国際人としての成長を促す視点に立った教育が、より一層展開されなければなりません。しかしながら、昨今の東アジア情勢や、ヘイトスピーチに参加する若い世代を目にするたびに、真の意味でのグローバル人材が果たして育っているのか、多少の不安がよぎります。

 先日、福岡市で開催された九州日中友好交流大会、この会議には桜木副議長、そして広瀬知事の代理として、日高企画振興部長も参加されていましたが、その際、唐家セン会長、この方は中国の、いわゆる友好協会のトップの方でありますが、その方がお見えになって、スピーチをされました。唐会長は、漢倭奴国王印にもあるとおり、「中国に一番近い九州とは古くからのつき合いがある。現在、九州に住む中国人は五万人以上であり、中国の都市と姉妹都市となっている九州の自治体は五十以上ある。両国にとって、経済面における友好関係は何より重要である。以前からあった問題と新たな問題が複雑に絡み合い、今、日中関係はぎくしゃくしているが、前進しなければ逆戻りする」と日中友好の必要性を強調されていました。

 また、スピーチの最後には、言葉を選びながら、「両国関係を破壊しようとする一部の勢力を厳しく糾弾する必要があるのではないか。そして、二国間にわたる問題をマスコミは冷静に報道すべきと考える」とも話されていました。

 私は同感するとともに、中国当局にも同じことが求められているのではないかとも感じました。

 冷え込んだ日中関係は、経済的にも大きな損失を生んでいます。両国間で正常な関係を回復するため、それぞれの立場でそれぞれが努力していくことが求められていると再認識させられたところであります。

 さて、本県では、グローバル人材の育成を図るとともに、中国を初めとしたアジア諸国への県産品の輸出や、外国人観光客を推進する海外戦略に取り組んでいます。そういった点で、昨今の国際情勢は憂慮する事態であり、県としても世界の文化を理解し、尊重できる真のグローバル人材を育成する必要があると思うのですが、この点について教育長のお考えをお尋ねいたします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えをします。

 県教育委員会では、本年度から、企業、大学、保護者、学校関係者により構成するグローバル人材育成推進会議を立ち上げ、大分から世界に通用する人材を育成する上での教育上の課題や今後の取り組みについて協議、検討を行っています。

 先月、第一回会議を開催したところであり、その中で、海外に事業を展開する上では、外国人の考え方や多様な文化を理解することが大切であることや、グローバル人材に必要な資質、能力として、挑戦意欲、語学力などとともに、多様性を受け入れ協働する力が必要などの意見がありました。

 県教育委員会では、これまでも小学生と留学生との交流活動、グローバルに活躍する人材による高校生への講演等を通して、国際的な視野を持つ児童生徒の育成を行ってきました。

 今後、同推進会議での議論を踏まえて、世界に挑戦し、多様な価値観を持つ者と協働できるグローバル人材の育成を一層進めていきたいと考えています。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 教育長の答弁、よくわかりました。私自身もグローバル人材の育成には、いわゆる世界の文化を理解し、尊重することが重要だと思います。

 その面で言うと、大分県は、留学生が多く、外国人を身近に感じている方も多くいます。言いかえれば、交流のチャンスが身近にあるわけですが、留学生との交流を行っている学校は県内には多いのでしょうか、お答えをお願いします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 昨年度、県内の学校に調査した結果、平成二十四年度、留学生、そして地域の外国人との文化交流を行っている学校は、小学校で八十五校、中学校で二十二校でありました。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 ぜひそういったチャンスを生かせるように、また取り組みを推進してあげてほしいなというふうに感じています。

 続いて、オスプレイについて質問いたします。

 さきの第一回定例会において、県民クラブの馬場議員も質問されていましたが、日出生台演習場における米軍の実弾射撃訓練は常態化しています。私も馬場議員と同様、今後、オスプレイの訓練がここで行われるのではないかと懸念しています。

 私たち県民クラブでは、先日、オスプレイの飛行に関する現状を調査するため、沖縄県を訪れ、基地対策課等を訪ねました。

 聞いたところによると、オスプレイの飛行に関する事前協定として、日本における新たな航空機、これはMV22、オスプレイですが、に関する合同委員会覚書というものを示されました。

 内容を見ると、「オスプレイを飛行する際の進入及び出発経路は、できる限り学校や病院を含む人口密集地域上空を避ける」、「移動の際には、可能な限り水上を飛行する」などとなっています。できる限りとか可能な限りという表現がとても多く、あいまいだというふうに私はちょっと感じています。

 沖縄県が集計したオスプレイの飛行情報を確認したところ、昨年十月からの二カ月間で十八市町村から四百五十七件の飛行情報が寄せられ、そのうち、七三%に当たる三百三十六件が日米合同委員会合意の趣旨に反すると思われるものだったと報告されています。

 学校や病院を含む人口密集地域上空の飛行が三百三十四件、二十二時以降の夜間に飛行しているというものが十件ということでした。また、市街地上空の低空飛行、着陸後、深夜までに及ぶ地上でのエンジン調整等もあわせて報告されていました。

 私は、地元住民の方々の話を聞いて、非常に不安になりました。オスプレイの本土への移転を検討することは日米合同委員会の合意事項になっていることから、日出生台演習場へのオスプレイの訓練移転は想定し得るところであり、その場合、まさに沖縄県で起きているような事態が本県でも起こるというわけであります。

 県は、このような沖縄県におけるオスプレイの訓練状況を踏まえ、今後、どのように対応していくのか、伺います。また、オスプレイの訓練移転に関する情報があれば、あわせてお答えください。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 オスプレイについてお答えします。

 本県においては、これまでオスプレイの飛行訓練が実施されたとの情報は得ていませんが、県民の安全、安心を確保するため、日米合同委員会合意事項の遵守や訓練計画の事前説明及び飛行実態の情報開示について、機会あるごとに国に対して要請を行ってきたところでございます。

 また、オスプレイが岩国基地へ飛来する場合は、情報連絡室を設置して情報収集をするとともに、市町村やマスコミ等に対して情報提供を行ってきております。

 今後も引き続き、国への要請とオスプレイに関する情報収集、提供を行ってまいります。

 国は、一月に防衛省内に沖縄基地負担軽減推進委員会を設置し、米軍訓練の本土への移転等の負担軽減策を検討しています。現在まで国から本県に対して、オスプレイの訓練移転に関連した情報は一切ありません。

 本県は、沖縄の基地負担軽減のため、苦渋の選択として、平成十年度から米軍の実弾射撃訓練を受け入れており、既にできる限りの負担を担っているものと認識しています。このことは機会あるごとに国に伝えてきたところであり、これ以上の負担は難しいものと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 六月二十一日の新聞朝刊に、オスプレイ飛行中に部品落下という記事が載っていました。米軍普天間飛行場に所属するオスプレイが、海上飛行中に、静電気を放電させるために機体に取りつけられている長さ十五センチの棒状の金属の部品を落下させたという記事でした。幸いにも人的、物的被害はなかったとのことでしたが、このオスプレイは開発段階から墜落事故が相次いでいましたから、私は、またかとか、また、本当に大丈夫なのというふうに思ってしまいます。

 沖縄県基地対策課からいただいた資料のまとめには、「本調査において日米合同委員会合意の趣旨に反すると思われる飛行が報告されており、引き続き合意事項に基づく厳格な運用を米軍に申し入れるよう政府に求めてまいりたい」と記されていました。

 また、私がお会いした現地の方は「沖縄に要らないものは全国の方にとっても要らないものだ」と言われ、いわゆる負担軽減の中で全国各地に拡大、移転されている演習についても言及されていました。

 そこで、改めてお聞きします。

 地域住民の安全と環境保護のために、県として「日出生台でのオスプレイ訓練は困る」と表明すべきではないでしょうか、お答えをお願いします。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 先ほど答弁でもお答えしたとおり、本県としては、沖縄の基地負担軽減のために米軍実弾射撃訓練を受け入れており、既にできる限りの負担を担っているものと認識しておりまして、このことを機会あるごとに国に伝えてきたところです。

 オスプレイの訓練移転に関連した国からの情報は一切ないわけでして、引き続き国に対して機会あるごとに、既にできる限りの負担を受け入れていることを伝えてまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 わかりました。

 またオスプレイに関する情報が国から入りましたら、ぜひとも公表していただきたいというふうに思います。

 続いて、伊方原発について質問させていただきます。

 本年三月十四日に伊予灘を震源とする大きな地震が発生し、愛媛県で震度五強が観測されたのを初め、本県においても最大震度五弱の強い揺れが観測されました。

 また、伊方原発では、二〇〇一年以来、二番目に大きな揺れを観測し、地元自治体からは「最悪の事態も想定した」との発言も聞かれました。

 当時、本県には、愛媛県との合意に基づき伊方原発に関する情報提供がありましたが、幸いにも異常はなかったようですが、その際、情報収集に若干のタイムラグが発生したとの報道がありました。その点について、私はとても心配しています。今回は、若干の時間差で事なきを得たものの、異常が発生した場合、その程度で済むのでしょうか。

 そこでまず、今回の情報収集の経過についてお聞かせください。

 また、そのタイムラグについては、想定内なのか、さらに、万一、実際に情報伝達における異常が発生した場合の対策をどのように考えているのか、お聞かせください。

 さらに、県はこれまで、愛媛県から適宜情報提供を受ける体制が整っているので、四国電力との防災協定を別途締結する必要がないと答弁されています。

 また、昨年、県民クラブの小野議員の質問に対し、既に四国電力には三十四の関係機関に通報や連絡をしなければならない状況になっているから、その四国電力から迅速に正確な情報が入ってくるか、おぼつかないという趣旨の答弁もあったと記憶しています。

 しかし、三月の地震の例が示すように、愛媛県からの情報提供だけでは、必ず情報収集にタイムラグが発生します。それを考慮すると、当事者である四国電力からの情報が迅速性に欠けるとは必ずしも言えないのではないでしょうか。

 また、情報経路を複数確保しておくことが決してマイナスにはならないという考え方もあると思います。やはり四国電力との防災協定が必要と思えてなりません。改めてご答弁をお願いいたします。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 まず、伊方原発に関する情報収集についてお答えします。

 情報収集の経過についてですけれども、三月十四日午前二時六分に地震が発生し、二時二十九分に四国電力が愛媛県に異常がない旨を連絡しました。二時四十五分に愛媛県の担当課長から本県に、原子炉やモニタリングの数値に異常なしとの電話連絡がありました。愛媛県は、独自にモニタリング数値に異常がないことを確認した上で連絡をしており、迅速な対応であったと考えています。

 その後も、愛媛県とは、計四回、現地巡視点検の結果等について情報交換を行いました。このことは、平時から愛媛県との間で情報伝達訓練や意見交換等を行っていることが迅速な情報連絡につながったものと考えています。

 次に、異常が発生した場合の対応策についてですが、万一、例えば電話及びファクスによる連絡手段に異常が発生した場合、県などの行政機関相互では、災害に強い防災行政無線や衛星回線等の情報伝達手段が確保されており、着信確認も含めて確実な情報受理体制が確立されております。

 次に、四国電力からの情報収集についてお答えします。

 万一の事故の際に最も大切なことは、県民の安全、安心を守ることであり、そのためには、いかに早く正確な情報を得るかが重要です。

 有事の際には、四国電力は、原子力災害対策特別措置法、国の防災基本計画等に基づき、現状で三十四の機関に通報、連絡をしなければなりません。その情報に関して問い合わせができるのは、原子力規制委員会と立地県の愛媛県、三十キロメートル圏内の山口県及び所在地の伊方町に限られており、事故後の錯綜している状況の中で、本県が応急対策を講じる上で、有益な情報を得ることができるかは不透明です。

 一方、愛媛県からは、本県との確認書に基づいて、四国電力の事故情報に加え、国からの要請、指示事項や愛媛県が講じる防護対策など、本県が防護対策を講じる上で欠かすことのできない極めて有用な情報が入手できることとなっています。

 さらに、本県を愛媛県民の避難先と計画していますことから、本県とは相互に情報を交換し、協力し合う関係にあります。

 情報源は多い方がよいという考えもありますが、防護対策を講じていく上では、有用で確実な情報に基づくことが何よりも重要です。

 こうしたことから、愛媛県を窓口として情報を入手することが本県にとって最善の方法と考えており、平時から愛媛県とは情報伝達訓練や年十回以上の意見交換等を実施しているところであり、今後とも連携を一層強化してまいります。

 以上です。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 つまりは、タイムラグは想定内であり、これは日ごろの、いわゆる訓練の成果だというふうにお答えになったわけであります。

 さらに、四国電力と結んでも、こちらから何かあったときには問い合わせできる状態にはないということを、今、答弁されました。

 今、答弁のありました四国電力が連絡するという三十四の関連機関の重立ったものというのを教えてください。

 また、例えば、大分県が四国電力と防災協定を結んだ場合、大分県への連絡は三十五番目になるのかということをちょっとお尋ねしたいというふうに思います。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 お答えします。

 三十四の関係機関のうちの、重立ったものは、原子力規制委員会や内閣府、立地県である愛媛県、三十キロメートル圏内の山口県、伊方町、それから警察、消防、海上保安部、それに愛媛県内の三十キロ圏内の六市町等となっております。

 先ほど申し上げましたとおり、県としては、愛媛県を窓口として連携を一層強化していくこととしております。

 協定を結んだ場合に、三十五番目に連絡が来るのかというお話でありますが、相手もあり、また仮定のことでもあるので、連絡が三十五番目になるかどうかということについては承知しておりません。

 なお、三月十四日の伊予灘を震源とする震度五弱の地震の際には、本県には、先ほど申し上げましたとおり、愛媛県を通して情報の連絡が二時四十五分にありましたけれども、この連絡は、いずれも愛媛県の近隣四県よりも、本県が一番早かったことを念のために申し添えておきます。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 もちろん大分県だけの都合で、これをという話ではないというふうにはよくわかっています。ただ、これから、例えば、何かあったときのために、どうした形が一番いいかというのは、これからも、また、この議会等で質問させていただきたいというふうに思っています。

 ただ、おととい、もう皆さん方、読まれたと思うんですけど、六月二十三日の大分合同新聞朝刊において、新聞の顔と言われる論説の欄に、「大分県は四国電力と伊方原発再稼働前に、協定、覚書申し入れをすべきだ」との意見が掲載されました。この内容を見ると、大飯原発再稼働に対して、福井県の住民が関西電力に運転差しとめを求めた訴訟で、福井地裁が出した判決文を引用して、「二百五十キロ圏内の住民に原発で具体的な危険があることを認めた。伊方原発からの距離を見ると、大分県全域がすっぽりと二百五十キロ圏内に入る。事故発生時に北東の風が吹けば、大分市や県南などに放射性物質が飛来するおそれがある。電力会社の送電地域かどうかで情報伝達が差別されるのはおかしい。あくまで、原発からの距離、事故発生時の危険度で判断されるべきだ」と書かれています。

 さらに、「四国電力に協定や覚書を拒否される可能性もあるが、申し込みをすれば、四国電力の目が大分県にも向くだろう。すぐにでも申し入れをすべきだ。九州、四国十一県のうち、電力会社から直接、原発事故の連絡を受けないのは大分県だけである」と記事は結んでいます。

 ここまで大分合同新聞が取り上げていることに対して、県の見解があれば、お願いいたします。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 先ほど申し上げましたように、三月十四日の夜の伊予灘を震源とする震度五弱の地震の際には、本県は平時からの愛媛県との確認書に基づく情報伝達訓練等々に基づきまして、愛媛県の隣県四県よりも本県の方が早く情報を入手したことをご理解いただければと思います。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 わかりました。

 またこれから前向きな方向、取り組みを期待して、この項を終わりたいというふうに思います。

 続いて、交通安全についてお尋ねいたします。

 高齢者がかかわる交通事故状況の現状と対策についてお聞きいたします。

 昨年の交通事故による死者数は、平成二十四年の四十人から大幅にふえて六十人、うち三分の二の四十人が六十五歳以上の高齢者となっています。また、三八・三%に当たる二十三人が、逆に高齢者が運転する車の被害者となり、亡くなっています。このように高齢者が関係する事故は年々増加傾向をたどっていることから、交通事故を抑制するためには高齢者に対する対策が課題となります。

 そこで伺います。

 高齢者がかかわる交通死亡事故の増加について、原因をどのように分析し、対策に反映しているのでしょうか。

 また、県では高齢者の運転免許自主返納支援制度に取り組んでいますが、この制度の普及に当たっては代替交通手段の確保が欠かせません。

 そこで、バスなどの公共交通機関が発達していない地域においてはどのような対策に取り組んでいるのか、答弁をお願いします。

 さらに、平成二十四年四月、京都府亀岡市で発生した案件を初め、登下校中の児童が犠牲となる事故が相次いでおり、通学路の安全確保が急務となっています。同年には、全国で通学路の緊急合同点検が行われ、県内では九百三十カ所で安全対策が必要とされました。

 県ではどのような取り組みが行われているのか、あわせてお答え願いたいと思います。

 最後に、スクールゾーンについてです。

 県内には、スクールゾーンに車両の交通規制をしているところが数多くあります。私は、多くの子供たちが利用する道路には、もっと積極的にスクールゾーンを設置すべきだと考えていますが、スクールゾーンの設置に当たっては、近隣の方々の理解を得ながらの交通規制もあわせて行うなど、交通安全の確保を優先すべきと考えます。

 そこで、歩道の設置が難しい箇所について、スクールゾーン等を設置すべきだと考えますが、県の見解をお伺いいたします。



○近藤和義議長 奥野警察本部長。



◎奥野省吾警察本部長 高齢者がかかわる交通死亡事故について報告いたします。

 高齢者が関係する交通死亡事故は増加傾向にございますが、その要因としましては、高齢化の進展はもとより、加齢に伴う身体機能の低下等が考えられるところであります。

 昨年の高齢者の死者四十人のうち、道路横断中など歩行中に亡くなった方は半数の二十人に上ります。また、高齢運転者が起こした事故で亡くなった方が二十三名おられますが、このうち八十歳以上の運転者によるものが七人と三割を占めております。

 このため、県警では、高齢歩行者対策として、事故多発地域の老人クラブやふれあい・いきいきサロンにおける交通安全教室、歩行環境シミュレーターを活用しての体験型の交通安全教育や地域包括支援センター等の関係機関、団体と連携した安全指導を実施しております。

 また、運転者対策として、安全教育車による体験型交通安全教育を行うとともに、八十歳以上の高齢運転者の免許更新の際には、個別に安全指導を実施するほか、運転免許証の自主返納制度等について周知し、その促進を図っているところでございます。

 こうした取り組みを重点的に推進して、高齢者にかかわる交通死亡事故の抑止に努めていく所存でございます。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 県では、運転技術の衰えや不安、家族からの勧めなどにより、高齢運転者が運転免許を返納しやすい環境を整備するため、運転免許自主返納支援制度に取り組んでいます。この制度は、運転免許返納者に対して、協力事業所の協力により、商品の無料搬送や料金割引などの特典を付与するものであり、加盟店の拡大を推進しているところです。

 平成二十一年十月の本制度開始以降、自主返納者が増加しており、昨年は千三百六十二名が返納しています。

 今後、自主返納を促進していくためには、買い物や通院といった、地域で安心して生活できるバスなどの交通手段の確保が重要と考えています。

 県では、民間バス事業者が運行する赤字路線や市町村が運行するコミュニティーバス、乗り合いタクシーを支援することにより、高齢者など、車を自由に使えない地域住民の生活を支える交通手段の確保に努めているところであり、今後もこの取り組みを進めてまいります。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 私から二点お答えをいたします。

 まず、通学路の安全対策についてでございます。

 安全対策は、現地調査及び地元関係者等との協議を踏まえ、より安全で効果的な対応を行うこととしており、昨年度末までに通学路の変更や信号機の設置、歩行空間の確保などにより、安全対策が必要とされた九百三十カ所の六五%に当たる六百六カ所の対策を完了いたしました。

 今年度は、残り三百二十四カ所のうち、八十三カ所で安全対策を完了させ、全体の七四%となる見込みです。

 昨年十二月、国から通学路の交通安全の確保に向けた着実かつ効果的な取り組みの推進についての通知を受けました。

 市町村において、教育委員会、警察、道路管理者等から成る通学路安全対策の推進体制を構築すること、そして安全確保のためのPDCAサイクルについて定めた通学路交通安全プログラムを策定することが求められています。

 これを受け、県ではこのプログラムの作成例を市町村に示したところであり、既に十市町においてプログラムが策定され、残り八市町においても策定作業が進んでいます。

 今後も関係者と連携し、通学路の交通安全の確保に向けた取り組みを推進してまいります。

 次に、スクールゾーンについてお答えをします。

 スクールゾーンは、市町村教育委員会や幼稚園、小学校がその周囲五百メートルを範囲として設定し、自動車の運転者に対し、安全運転を促すものであります。

 スクールゾーンは、市町村、学校、園の自主的な取り組みであり、その数自体は把握しておりません。

 また、子供の登下校の交通安全等のため、一般道路を歩行者用道路として交通規制を行っている区間は、県内に百七十二区間あります。

 県教育委員会としては、スクールゾーンの設定や交通規制を含め、市町村教育委員会等が実施する通学、通園時の幼児、児童の安全を図る取り組みを後押ししてまいりたいと考えています。



○近藤和義議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 スクールゾーンというのは、いわば子供が一番集まるところですから、ぜひともやっぱり積極的な運用というのはあっていいんじゃないかなと思います。これからさまざまな手だてで高齢者や子供たちの交通安全の確保をお願いしたいというふうに思います。

 最後になりましたけど、今期、県会議員として最終年の四年となりました。私たち県民クラブでは、一般質問を希望する方がとても多くて、なかなか順番が回ってきません。そこで、もしかすると、今回が最後になるのかというふうに思って、ちょっと一言述べさせていただきます。

 これまで質問に真摯に答えていただいた広瀬知事を初め、執行部の方々、そして、質問原稿を作成する中で、いろいろ調べていくなど、助けていただいた議会事務局の方々や各課の方々にお礼を申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○近藤和義議長 以上で原田孝司君の質問及び答弁は終わりました。後藤政義君。

  〔後藤議員登壇〕(拍手)



◆後藤政義議員 四番、自由民主党大分県議員団の後藤政義でございます。大変お疲れのことと思いますが、本日最後でございますので、もう少し辛抱いただきたいと思います。

 今回、質問の機会を与えていただきました先輩や同僚議員の皆さんに感謝を申し上げる次第でございます。また、執行部の皆さんには、元気よく、愛情あふれるご答弁をいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 本日も豊後大野より傍聴に多くの皆さんが駆けつけていただきました。本当にありがとうございます。感謝申し上げます。

 それでは、早速、分割にて質問をさせていただきます。

 まず最初は、空き家対策についてでございます。

 私は、平成二十三年九月の第三回定例会において、県会議員として初めての一般質問に臨み、一番目の項目に空き家の問題を取り上げさせていただきました。広瀬知事からは、地元市町村とも十分協議していかなくてはならない、なかなか容易でない課題も多くて時間を要するかもしれないが、私が提案した自治体の取り組みなども参考にしながら検討、勉強してみたいという答弁をいただきました。

 その後、平成二十四年十二月にも再度質問させていただきましたが、最初の質問から二年九カ月が経過し、先週も十七日、県が昨年度、全国初めて県内全域にわたって実施しました空き家実態調査の結果が報道されました。

 県では、この調査を通じて、一万八百六十五戸の空き家を把握したところ、現状のまま、もしくは多少の修繕をすれば活用可能な空き家が七割程度を占めたものの、倒壊のおそれがある空き家も約三千戸に上りました。

 この調査結果をもとに、本年度は、空き家対策における県と市町村の役割を整理し、所有者が空き家を管理、活用する際のガイドラインの策定のほか、県から市町村への業務支援や国への要望などを行う。

 一方、市町村では、漸次特定を進める空き家の所有者へのアンケート調査や相談体制を整え、活用できるものは空き家バンクに登録をし、危険家屋は解体を呼びかけるなど、本格的な空き家対策を推進するということが発表されました。

 県内では、平成二十四年に空き家等の適正管理に関する条例をいち早く施行した国東市を皮切りに、この四月までに既に五市が同様の条例を整備し、十月に施行予定の二市と合わせて計八市で条例化が進みます。

 また、大分市など四市では空き家の撤去を行う所有者を支援する助成制度が創設され、また、空き家改修時の補助制度も十二市町で既に導入されております。

 私も平素から空き家対策に対する他県の取り組みにとりわけ関心を持っている一人でもございますが、県が市町村に呼びかけて、平成二十四年五月に大分県空き家対策検討会を立ち上げ、本格的に対策に乗り出して以降、わずか二年で全国に名高い空き家対策先進県というふうになったのではないかというふうに感じております。知事を初め、景観行政部局の行動力、また、市町村を含め、ご協力をいただいた職員の皆様に感謝を申し上げる次第でございます。

 今、このような地方の真剣な取り組みが、まさに国を動かしつつあります。現在、自民党の空き家対策推進議員連盟が議員立法で提出する空き家等対策の推進に関する特別措置法案、それがこの秋の臨時国会に提出される見通しであり、国土交通、総務両省で、この秋にも空き家対策基本指針を策定する方向とのことですので、今が最大のチャンスではないかというふうに思っております。

 ちょうど先週、知事と近藤議長が上京され、政府の来年度予算編成に向けて、各省庁に対し、二十項目にわたる要望、提言を行われたようですが、今後はぜひとも空き家対策を推進する地方自治体への補助制度の充実や地方交付税の拡充といった支援を求める要望、提言活動を行っていただきたいと考えますが、知事のご見解をお伺いします。

 また、特別措置法の成立を前提として、立木の伐採などを含めた市町村条例の改正や固定資産税情報の内部利用などに向けた準備作業に資するよう、国の動きを細やかに情報提供するなど、県と市町村との一層の連携が求められますが、県の考えをお伺いします。

 これから後は対面席から質問させていただきます。

  〔後藤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの後藤政義君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま後藤政義議員から空き家対策について、ご質問をいただきました。

 平成二十三年第三回の定例会におきまして、後藤議員から空き家対策について問題提起がありましたことを私もよく覚えております。

 人口減少や高齢化等によりまして増加する空き家は、防災、防犯、あるいは衛生、あるいは景観などの面で悪影響を及ぼしておりまして、県民の安心、安全な生活環境を守るため、昨年度、全国で初めて県内全市町村で空き家実態調査を行いまして、先日、調査結果を発表したところであります。

 それによりますと、県内に一万八百六十五件もの多くの空き家がありまして、そのうち利活用が可能な空き家が全体の約七割、倒壊のおそれがある危険な空き家が約三割と判明いたしました。

 利活用が可能な空き家につきましては、平成二十年三月から県の移住、定住のホームページ「おおいた暮らし」内に空き家バンクを掲載しまして、その利用促進に努めております。年々利用者がふえている状況であります。

 その結果、二十五年度末までに空き家バンクを活用した成約実績は三百九十九件となりました。その内訳は売買が八十八件、賃貸が三百十一件となっておりまして、そのうち八十四件が市町村の空き家改修補助制度を活用している状況であります。

 現在、空き家バンクには二百十七件が登録されておりますけれども、今回の調査で判明いたしました利活用可能な七千八百八十九件で見てみますと、何と二・八%にすぎないというわけでありまして、空き家バンクへの登録を一層進めていきたいというふうに思います。

 また、地域活性化に向けた活用として、国東市におきまして古民家をギャラリーやカフェに改修して、アートによるまちづくりの中核施設として再生する取り組みを県も支援してまいりました。

 このように空き家は地域おこしやU、J、Iターンの大切な資源にもなることから、今後とも新たな利活用の芽生えを強力に後押ししていきたいというふうに考えております。

 以上、利活用が可能な空き家について申し上げましたけれども、一方、危険な空き家につきましては、市町村に対しまして、所有者に適切な管理を指導するための条例の制定だとか、国庫補助を活用した除却補助制度の創設を働きかけておりまして、今回の調査をもとに、今後、市町村による所有者が特定されることで、空き家対策が促進されるものと考えております。

 空き家対策に関する補助制度の拡充につきましては、これまでも国に要望してきたところでありますけれども、その結果、国の空き家再生等推進事業の対象地域が過疎地域等に限定されていたものが全国に拡大されたわけであります。

 これからも県と市町村が連携した空き家対策検討会を通じまして、市町村が抱える課題や要望をしっかりとくみ上げて、必要な技術的支援を行うとともに、議員もご指摘いただきましたが、国に対しても助成制度の一層の充実などを働きかけていきたいというふうに考えております。ご指摘のとおり、国に対してやっていきたいというふうに思います。

 もう一つ、市町村との連携についてご質問いただきました。これは担当部長から答えさせていただきます。



○近藤和義議長 日高企画振興部長。



◎日高雅近企画振興部長 市町村との連携についてお答えいたします。

 県と市町村で課題を共有するために空き家対策検討会を設置しておりますが、今回の空き家実態調査においても、この検討会を通じて調査の進め方や分類する際の目安等を示した手引書を市町村と共同で作成いたしました。

 また、他県の空き家対策の先進事例及び空き家等対策の推進に関する特別措置法案の研修も実施いたしました。

 今後とも市町村が円滑に対策を実施できるよう、この検討会を通じて空き家の管理活用マニュアルを作成するとともに、国の最新情報の収集などに努め、市町村との連携を密にしてまいりたいと考えております。



○近藤和義議長 後藤政義君。



◆後藤政義議員 どうもありがとうございました。

 知事さんもこの問題については、今までも国の方にやってきたんだ、要望してきたということも十分我々も存じ上げておりますけれども、ちょうど今、そういう形で、知事さん言われましたように、全国に今回は広がっていけるという法案ですから、全国的な動きが当然また出てくると思います。

 私どもも豊後大野に住みながら、年々古びていく、あるいはカズラに巻きつかれていく、放置されている、そういうものを見るたびに、何とかせにゃいかぬなという感じをいつも実は思うわけですが、これが今回調査をして、そういう方向で本当に動いていただければ、そのエリアに住んでおられる方も本当に喜ぶ面が出てくるんではないかなというふうに思いますし、また、利用できる七〇%の問題も、本当にいろんな支援策をしていけば、立派なもので使える。Iターン、Uターンにも十分利用可能なものが多くございますので、その辺をできるだけ貸していただけるような方策をやっぱり今後とっていただきたいというふうに思います。

 それから、市町村との連携も、先ほど私も述べましたように、家だけではなくって、部長、家の庭木にしろ、そういう、盆栽はそんなに大きくならぬでしょうけれども、庭木そのものが大木になっていくんです。そういうものも含めた中での市町村の対応というのも、県としてやはり指導願いたいというふうに思っております。

 家、それから、そういうふうな樹木が太っていくことに対する弊害がいろんな面で出ておるようですから、そういう点を今後、市町村と連携を密にする中で、いち早く国の情報もキャッチしながら、部長の方から検討会を通じて、どんどんおろしていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いをいたします。

 次に、農業政策についてであります。

 一点目は、豊肥地域の農業活性化に向けた企業誘致の問題についてでありますが、農家の高齢化が進んで、もうご案内のように耕作放棄地も年々ふえ続ける中、政府は米の減反調整の平成三十年度の廃止に合わせて改革を進め、TPPの妥結をにらみながら、国産の農産品の価格競争力を高める構造改革として、来年の通常国会に、農地法、農業委員会法、農業協同組合法の改正案を提出し、農政の抜本改革に乗り出すこととなっております。

 このように農業が大きな転換期を迎える平成三十年でありますけれども、中九州横断道路も竹田市まで開通する年度となっております。豊肥地域の将来を見据えると、ある面、大きな節目の年になるのかという感じもいたしております。

 ところで、豊後大野市大野町にある県央飛行場でありますけれども、現在、防災ヘリの基地としての利用が主体で、人員輸送や農産物輸送は微々たるものでありまして、これ以上、宝の持ち腐れにならないよう空港の有効利用策をも本気で考えなきゃならぬというふうに思っております。

 少しとっぴな話になりますけれども、将来的にこの空港を生かす方策の一つは、この地に健康や医療に関する産品の六次産業化に向けた、名前は仮称ですけれども、新商品開発研究団地を造成し、全国から企業を呼び込むことでビジネスを含めた空港化を推進するなど、農業を担う若者や企業経営者の皆さんといろんな角度から話をいたしております。

 私は昨年、イタリアのレモン農家を視察いたしてまいりましたが、レモンの皮はリキュールにいたしております。種は化粧品にということで使っておるそうでございます。当然、ジュースはジュースとして使うわけですから、余すことなくすべてを材料として使っているということでございました。

 そうすると、我々豊肥地域の特産品であるカボスでは、皮や酢というのは今使って、いろんな効果を出しておりますけれども、種を使っているというのはちょっと聞いてないんです。この種を使って、何か化粧品や漢方薬みたいなものができないのか、あるいは、我々の産地では、乾シイタケやサトイモ、現在は特にカンショを使った今までにない焼酎や健康飲料、あるいは健康補助食品、そういうものができないかなど、皆さん方と話をするともう弾むばかりでございまして、ただ、なかなかこれといったものが出てまいりません。

 TPPへの加盟など今後さらなるグローバル化を控えておりますけれども、国内外のマーケットは何を求めているのか、大分県農業のある面の生き残りをかけた戦いを今後展開しなければならないというふうに思っております。

 知事は、平成十五年度から十一年間で二百三十五件もの半導体産業、あるいは自動車関連産業を主とした企業誘致を行い、実に一万五千人以上もの雇用を創出していただきました。

 あえてお尋ねをしますけれども、海辺ではない、港もないところでありますけれども、この豊肥地域に今後、農業を活性化するような、先ほど言いました空港も、何らかの形で県央飛行場を生かすような企業誘致の可能性についてお考えがあればお聞かせを願いたいと思います。

 次に、中山間地域の農業についてであります。

 私は、今月四日から五日にかけて、急速に農業従事者の高齢化が進む中にあって、全国から注目をされている島根県の集落営農法人の取り組みを学ぶため、政務活動費を使って島根県農業技術センター技術普及部を訪ね、農業革新支援専門員の方にお会いしてきました。彼は「集落営農の新展開 島根の地域貢献型集落営農に学ぶ未来への展望」という本の著者でもありまして、平成十七年に国は集落営農組織を農業の担い手として位置づけ、その二年後から始まった品目横断的経営安定対策の施策対象として、一定規模以上の集落営農組織に効率的かつ安定的な経営体としての発展を期待するものでした。しかし、当時、現場の普及員でありました彼は、この国の方針に違和感を持ったそうでございまして、行政や普及研究機関などに呼びかけて「次世代の集落営農のあり方研究会」を立ち上げたとのことでございます。

 この研究会では、国の唱える視点だけでは島根の中山間地の農業、農村が守れないという危機感から、国の方針とは一線を画し、それまで培ってきた島根方式を守っており、私があえてここを訪れたのは、まさにそういった彼らの精神に共感をしたからであります。

 この島根県の取り組みは、昭和五十年ごろから既に始まっておりまして、はや三十五年以上の年月の積み重ねがあり、平成十七、八年ごろからやっと緒についたばかりの本県の取り組みとは四半世紀ほど歴史が違います。従来型の評価指標である経営発展度だけでなくて、集落の維持活性化に貢献をする地域貢献度を加えることによって、本来持っている意義、機能を総合的に評価するシステムをつくり出しているとのことであります。

 このように、農地を維持しながら、地域経済やそこに住む方々の生活を守り、U、Iターンも活用しながら、地域の人材も確保していく地域貢献型集落営農の一つとして活発に活動している出雲市の「グリーンワーク」というのをご紹介いただきましたが、農協法に基づく農事組合法人から、将来的には、農外部門を含めた多角化を視野に入れて、事業制限のない有限会社を選択し、高齢者の外出支援サービスとして、中山間地域の交通不便の解消、地域のよろず屋としての活動のほか、森林公園の管理業務等の公共的サービスも受託しながら、農繁期でない冬期には加工食品製造なども行い、安定収入を確保して、七人の年間雇用を可能にし、定住環境の整備につなげています。

 そこで、県内の集落営農法人において、同様に農外部門を含めた多角経営されている団体数やその活動状況についてお尋ねをいたします。

 次に、浜田市の集落営農「ビゴル門田」は、人材維持・育成機能を主体とした法人で、地域の高齢化対策として、例えば野菜の専業農家を比較的若い四十歳までの、できれば夫婦などに限定をして、県外から受け入れ、独立就農をサポートしており、営農法人自体と地域の活性化とに貢献をいたしております。

 そこで県内の状況についてお尋ねしますが、法人設立後、U、Iターン等による転入者を専従もしくは自営就農者として構成員に加えた集落営農法人はどのくらいあるのでしょうか。

 また、他地域からの転入者は県内でどのくらいいるのか、あわせてお聞きいたします。

 また、奥出雲町では、既に十五年、二十年先を見越して、平成十八年に六つの農事組合法人による特定農業法人ネットワークが設立され、統一的なブランド米づくりと共同販売、資材の共同購入のほか、水田の生き物調査などの環境保全活動も実践いたしております。

 また、その周辺地域においても、このような組織化のネットワーク化や、地域を超えた広域連携が既に動き出しているようですが、本県における集落営農法人間の連携の取り組みはどの程度見られるのでしょうか。具体例もあわせてご教示ください。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 まず私から豊肥地域の農業活性化についてお答えを申し上げたいと思います。

 議員からご指摘がありましたように、国では、半世紀近く続きました米政策を見直して、農地中間管理機構や日本型直接支払制度を創設するなど、大きな転換期を迎えているわけであります。

 これに先んじまして、県の方では、農業の構造改革を進めて、力強い経営体を育成、確保するために、既存の農業者の経営拡大とあわせまして、県外の優良な農業法人の誘致や県内外の他産業からの農業参入に積極的に取り組んできたところであります。

 平成十九年度から二十五年度までに、百七十六件の企業の農業参入がありまして、参入時の計画では千七百八十四人の雇用と百五十三億円を超える産出額が見込まれているところであります。豊肥地域では三十六件の参入がありまして、県全体の約二割を占めております。

 その効果は、産出額、雇用の増加にとどまらず、既存の生産者にも大きな波及効果をもたらしておりまして、そういった意味では、大変いろんな意味で波及効果の大きいこの農業企業参入、これからも進めていかなきゃいかぬと思っているところであります。

 一つは、企業による大規模で先進的な経営が生産者の刺激になりまして、活性化に結びついているということであります。

 豊後大野市に参入した菊の「お花屋さんグループ」でございますけれども、七名の若者がここから巣立って、グループ全体の出荷量を増加させて市場評価を上げております。これに杵築市や佐伯市蒲江の既存産地も発奮しまして、規模が拡大しているというような波及効果も出ております。

 二つ目は、生産者の販路拡大にも大変寄与しているということであります。

 竹田市へ進出しましたモヤシを生産している九州ジージーシー株式会社でございますけれども、今度新たにカット野菜の製造ラインを併設したところであります。そうなりますと、ニラ、キャベツ、ニンジンなど必要な野菜は県内各地から納品されるということでございまして、これも販路拡大になってきているんではないかというふうに思います。

 三番目は、これから農業を成長産業にしていくためには、農商工連携の六次産業化を進めて、農産物の付加価値向上を図ることも大事だと思います。そういった面でも大きな効果があるんではないかと。

 例えば、豊後大野市の「あねさん工房株式会社」でございますけれども、これは、果汁のみの利用が多かったカボスを果肉、皮を丸ごと甘露煮に加工しまして、これまでにない姿と味が女性を中心に好評を博しているわけでございます。

 議員からご指摘のありました種をどうするかということはこれからの課題だと思いますけれども、そういうところまで参りました。

 また、県内屈指の産地であります豊後大野市の里芋につきましても、昨年度から株式会社豊後大野クラスターが、その特性である低カロリーや粘り気を生かした麺の開発に取り組んでいるところであります。七月には試作品の評価を行う予定でありまして、商品化が待たれているものであります。

 豊肥地域は、平たん地から高原までを有する県下を代表する畑作地帯でありまして、県の戦略品目であるトマト、ピーマン、カンショの生産拡大が着実に進むなど、大分県農業を牽引している地域でもあります。

 今後とも地元市と連携をいたしまして、大規模農地を有効に活用する企業の農業参入や新たな食材を使った六次産業化の取り組みを支援していきたいというふうに考えております。

 豊後大野市を、豊肥地域を大分県農業の活性化の先導役になればいいなと、こう思っているところであります。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 ご質問のありました三点についてお答えをいたします。

 まず、集落営農法人の多角経営についてであります。

 現状、県内の集落営農組織は、平成二十五年度末時点で五百九十八、そのうち法人組織は百八十九あります。これらの法人は農協法に基づく農事組合法人がほとんどでありまして、その多くが集落の水田を将来にわたって維持することを目的としております。そのために、法人が経営する品目は、米、麦、大豆など土地利用型作物が中心となっております。

 多角経営の状況でありますけれども、農外部門の事業に取り組んでいる組織につきましては、経営の中心は林業であるけれども、二十五年度から水稲作業受託など農業部門の活動を始めた日田市の株式会社中津江村農林支援センター、また、JAから苗の運搬業務を請け負っている別府市の株式会社東山パレットなどの例がございます。

 一方で、ハウスアスパラガスを栽培する豊後大野市の農事組合法人芦刈農産や、ナス、アマネギを栽培する杵築市の農事組合法人南俣水里の農場など、収益率の高い園芸品目を導入している法人が四十六法人ございます。

 また、もち加工を行う地元の加工所に原料を提供している豊後大野市の農事組合法人グリーン法人中野など、加工グループと提携している法人が県下で十法人ありまして、経営の複合化に取り組んでいるところであります。

 次に、集落営農法人における転入者についてであります。

 雇用の状況でありますけれども、昨年度の県独自調査によりますと、常時雇用者は十三法人に三十一名でありまして、このうち集落外からの採用は十一法人、二十名となっております。

 なお、自営就農者として、さらに集落営農等の法人の構成員に加入をした転入者については、現時点では把握をしておりません。

 次に、集落営農法人の連携についてであります。

 平成二十四年度に実施いたしました集落営農法人に対するアンケート調査結果によりますと、作業員や機械の貸し借りを初めとした法人間連携に取り組む組織は三十二法人あります。

 具体例としては、豊後大野市の集落営農法人連絡協議会傘下の十四法人が共同で、畦畔管理の省力化を図るセンチピードグラスの播種機を二十五年度に導入をいたしまして、今年度、一万二千平米の吹きつけ播種を実施しているところであります。

 また、国東市では、三法人で農地の表面をならす、均平化するための大型機械でありますレーザーレベラーを導入いたしております。

 このように、平成二十四年二月に設立いたしました大分県集落営農法人会を中心に、法人間の連携を積極的に推進しているところであります。

 加えまして、中山間地率が高く、古くから集落営農に取り組んでいます島根、広島、山口各県と、集落営農先進四県サミットを定期的に開催するなど、県を超えた法人同士の情報交換も積極的に行っているところであります。

 なお、このサミットにつきましては、今年度は大分県で開催する予定になっております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 後藤政義君。



◆後藤政義議員 先ほど、もう一項目、質問をおとしておりました。大変済みませんが、質問させていただきます。

 集落営農法人が将来にわたって、当然持続的に、発展的に活動を展開するということが一番大切なことなんですけれども、県として法人の持続性を高めるために、特に重点的に取り組んでいる主な施策があればお聞かせいただきたいと思います。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 集落営農法人に対する重点施策についてであります。

 法人組織が将来にわたって経営を継続していくためには、収入をふやし、運営体制を効率化するなど、経営の強化を図って、若い世代が働く組織として魅力ある環境を整えることが重要であります。

 各法人に対しましては、五年後に収入を一千万円ふやし、後継者を確保するための経営発展チャレンジ計画の作成を進めておりまして、平成二十五年度末時点で七十一の組織が計画を策定したところであります。

 この計画の達成に向けまして、平たん地では、農地の集積による規模拡大が収益の向上や雇用促進につながりますことから、土地の集約や人材の育成、経営規模の拡大、法人間連携による機械の共同利用などを進めてまいります。

 また、条件不利地域であります中山間地域では、将来にわたって地域の担い手として発展できるように、可能な限り規模拡大を進めつつ、地域資源を活用した経営の多角化を図ってまいります。

 今年度からは、特に県内の六地区でモデル組織を選定いたしまして、経営の多角化や農産物の高付加価値化、専従職員の確保を目指した集中的な支援を行っていくということにしております。

 以上です。



○近藤和義議長 後藤政義君。



◆後藤政義議員 ありがとうございました。

 法人自体も大分県も百九十近いような法人ができておりますから、それに任意を入れると大変な数に実はなっているわけですけれども、少なくとも百九十の法人が大分県の集落営農を引っ張っていくというのが、今、現実だろうと、引っ張っていっていただいていると言ってもいいんだと思うんですが、そういう中で私ども豊後大野、四十近い法人がありますけれども、いろんな会合にも、あるいは意見の交換会にも出させていただいておりますけれども、確かに非常に元気のいいチームもあります。ただ、やっぱり、いろんな会合を見てみますと、法人ごとに並んでいくというがあるんですけれども、そのときに年齢差が当然出てきます。とりわけ、私ども豊後大野の中で見ていく中で、これがあと十年たったらどうなるかなというのが、非常に今、懸念の大きなポイントになるわけですけれども、法人の皆さん方の年齢というのも、当然、今から十年先、十五年、二十年というふうに法人そのものが続いていってもらわなきゃ、当然、農地が守れんわけですから、そういう点からいきますと、農地を守るとともに、地域も維持をしてもらわなきゃいかぬ大きな課題があると思います。

 そういう点で、今、豊後大野市内で、もし平均年齢が七十歳以上の法人が、豊後大野市三十八ですか、どのくらいあるのか。もし、わかればお答えをいただきたいというふうに思います。

 それから、法人を動かしていくリーダーの力というのは当然必要でありますけれども、今後は、法人の女性部がいかに活躍するか、あるいは活躍できる方策をつくってあげるかというのは非常に大事だと思うんですけれども、そういう点からいけば、余り今、女性部の皆さんで目立って動いているのを私もちょっと現実知りません。元気のいいおばちゃんはいっぱいおりますけれども、そういう人たちも一緒に年をとっていくわけですから、やっぱり、今、女性部の力を発揮して、本格的にいろんな加工とかやっているようなグループが、ご紹介できるようなグループがあればご紹介をいただきたいと思います。

 それと、もう一つは、質問ではなくて希望ですが、できるだけ大分県の法人の皆さんが県立農業大学校の卒業生を迎え入れて、やっぱり地域に若者の声がすると。若い者の声がすれば、当然、地域が元気になるわけですから、農業大学校の卒業生を一人でも入れていただくような法人のパワーを持つようにご指導願えればというふうに思います。

 最初の二点について、もし、わかればご答弁いただきたいと思います。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 まず、現在、豊肥地域の集落営農法人で構成員の平均年齢七十以上というような法人が幾つあるかという質問でございます。

 豊肥地域における集落営農法人、構成員の年齢構成そのものについては、調査そのものはしておりませんけれども、現在把握をしております豊肥地域の十三法人の実際に農作業をされているオペレーターの方、六十六名、この平均年齢は六十二歳であります。法人別に見ると、平均年齢が七十歳以上を超えているという組織が一組織ございます。一つでございます。

 それから、現在、女性の方が目覚ましい活躍をしているような農業法人はないかということであります。

 今後の集落営農法人における女性の役割というものは、きめ細かな管理能力、また、加工における手先の器用さなど、六次産業の導入という観点からも非常に重要になってくると考えております。

 例えばですけれども、豊後高田市の農事組合法人「くなわ郷雲林」では、女性の理事が事務局長として法人の事務全般や会計を担っております。

 また、佐伯市の農事組合法人「王冠」では、機械作業経験のある女性をオペレーターに採用したり、会計を女性組合員が専任となっている例がございます。

 また、竹田市の農事組合法人「紫草の里営農組合」、ここでは、女性部が中心となりまして、ムラサキやワレモコウなどの紫色をテーマとした産品づくりに精を出しているという状況がございます。

 以上でございます。



○近藤和義議長 後藤政義君。



◆後藤政義議員 ありがとうございます。

 やっぱり女性部が活躍する法人というのは、私は非常に今後強くなっていくんじゃないかという気持ちをいたしております。男性だけでも強い法人はあると思うんですけれども、やっぱり一体的な動きをやっていく法人が今から本当に求められていくだろうなというふうに実は思っております。

 これは私の希望なんですけども、今、数が百九十近い県内の法定法人がありますけれども、先ほど、ここの法人は平均年齢何歳なんだ、リーダーは何歳だ、法人の専従者は何名おって、データがぱっと一目でわかるようなカルテをやっぱりつくるべきじゃないかというふうに私は思っているんです。

 今どういうふうに動いているかというのが、その法人の特徴をやっぱりつかんだカルテをつくっていただいて、そのカルテに基づいて指導方針を、県、あるいは市町村と一緒になってやっていく。

 何にもない中で、画一的な法人を育てていこうとすれば、理論上は成り立ちますけども、実質はやっぱり地域によって差がありますし、年齢によっても差がある。いろんな面で、私は、プログラム化をして、法人のデータをつくっていただきたいというふうに思うんです。それによって、例えば私が、もうこういう場で質問をしなくても、ぽっと質問をすれば、何々市の集落営農法人、幾つありまして、そこの平均年齢は何歳です、専従者は何名おります、その専従者の平均年齢は何歳ですと、ぱっと見えるわけです。そういうふうなものと特徴を入れて、この法人の指導体制というものを改良普及員の皆さんと一体的になってつくっていただく、そういうシステムを研究していただければというふうに思っております。

 それと、今月十六日の日経新聞、もう見た方もおると思うんですが、ソーシャルイニシアチブ大賞が発表されておりました。社会的課題をビジネスの手法で解決をするというものでありますけれども、ことしの大賞には山梨県の北杜市、NPO法人「えがおつなげて」というのが受賞いたしたわけですが、もう中身はまさに農村と都市の橋渡しというふうに書かれております。

 このような橋渡し役というのは、実はNPOでなくてもできるわけでございまして、今、企業ファームと言われるように、耕作放棄地を何枚かお借りをして、そして、例えば大分のキヤノンならキヤノンの企業が社員研修として耕作放棄地をまず耕して水田に戻すことから始めていくようなことをやっているところがあるわけです。もう博報堂なんかもやっているそうですがそういうふうな形で、例えば、どこどこの市のどの土地については、新日鉄大分事業所が来て、この分は復元をして、水田を植えていただいている。そういうふうな社会貢献を含めた、社員教育を含めてやっているというのがこの企業ファームと言われるものなんです。そういうものを今後は少しずつでも大分の中で入れていけば、先ほどちょっとお聞きをした数値、耕作放棄地、大変な数ですけれども、その辺を一枚でも解決できるんじゃないかということも思っております。

 それと、私も先ほど、一番最初に言いましたように、島根の取り組み、ずっとネットを組んでおるということでございますので、あそこの、実は私もこの本を読ませていただきましたが、集落営農法人のマネジメント、大変すばらしい啓発の資料ということに私はとらえました。こういう啓発資料を参考にしながら、大分県もマネジメントの資料として、もう少し中身を変えて、今までのアンケート調査の結果等もあるでしょうから、そういう点でご検討願えればというふうに思っております。

 次に、県有財産の利活用についてであります。

 さきに県がまとめた県有財産利活用推進計画の進捗状況ですが、旧佐伯署や職員宿舎、県有地等の遊休施設の売却などによって、年度末時点の累計の実質の達成率は一一六・四%と目標を上回ったということが報道されました。今後は、高校再編に伴う廃校跡地や、県の廃止される県立芸術会館、移転後の旧別府署、そういった大型物件になっていくそうでございますけれども、それらの後の物件について県の方としても本格的に取り組んでいくことになっていると思うんですけれども、時間的に非常に長いものもございまして、私どもの豊後大野市の中でも、その辺が非常に今、苦しいものも実は出てきております。

 緒方工業の跡、あるいは三重農の実習農場の跡、そういうものについて、面積は五ヘクタール、十二ヘクタールと非常に大きいわけですけれども、中には耐震化もされていない建物も残っています。そして、いろんな面で今使われている面もあるわけです。そういう遊休物件について、地元の市町村がなかなか手を出し得ないということもございまして、後管理とか、いろんな関係だと思うんです。面積も大き過ぎるというのもあると思うですが、そういう点で、基本的にどのような形で最低価格を設定するんだろうか、あるいは、貸し付けとする場合はどういう基本的な考え方があるんだろうかということを、特に緒方工業重政農場に限って、わかればお教えを願いたいと思います。

 それから、もう一点は、県庁舎東側の敷地でございます。

 この土地、職員の駐車場や公用車の駐車場、それから警察本部の車庫、県政記者クラブの車庫として使われておりますけれども、この用地は一九七号に面しているんです。ちょうど歩道橋があるもんですから、あちらの方からちょっと見えづらいという点はありますけれども、この歩道橋を撤去すれば、すばらしい土地で、この土地自体が、一番南側の自治労会館の土地、それと通路は県の土地ですから、通路を除けば三千五百平米あるわけです。この土地を私は有効利用すべきじゃないかというふうに実は思っておりまして、このままじゃもったいない。建ぺい率、容積率を考えると、一千平米の床面積で十階以上が建つわけです。そのくらいの土地ですから、近い将来予想されている南海トラフ地震、あるいは津波を想定した公用車の立体駐車場の整備とか、大地震の際には県庁周辺の皆さんも、そこにぱっと避難ができるとか、あるいは、津波よけとしての避難、特別な部屋をつくるとか、県や県警の公用車というのは災害対応に重要な役割を持っていますから、それがいざというときに津波の波で被害を受けたんじゃ、もうどうしようもなりませんから、当然避けなけりゃならぬというふうに思います。

 一昨年の豊肥振興局の玉来川の河川の氾濫のときもございました。中津でもパトカーが水没をして動けないという状況も出ました。そういう点からしますと、やっぱり、通常は一階を県民の駐車場に使うなりして、二階から上をそういう危機管理的なもの、あるいは県の職員が緊急に出勤をする場合、夜もありますし、夜中もあります。そういう場合の自家用車を二階以上に置くとか、そういうふうなことも考えながら、あるいは防災の備蓄倉庫を一番上に持ってくるとか、いろんな面で県民の安全確保ができるんではないかというふうに思っております。

 そこで、利便性と危機管理機能を持った県庁舎別館として本庁舎と連結をするなどして、将来に向けた高度利用することを検討すべきと考えますが、伺いたいと思います。



○近藤和義議長 島田総務部長。



◎島田勝則総務部長 県有財産の利活用について二点ご質問をいただきました。

 まず、未利用財産の売却、貸し付けについて、緒方工業跡地、それから三重農業高校の実習農場跡地に限ってとおっしゃいましたけれども、基本的な考え方はいずれも共通いたしますので、ご説明をしたいと思います。

 未利用財産を処分する場合には、まずは県として、次いで地元市町村が公用、公共用に活用する可能性があるかどうかということを検討いたします。公用、公共用の活用の見込みがない場合には、民間へのまずは売却、売却が不調である場合には中長期の貸し付けといった順番で検討をしてまいります。

 その場合に、売却であっても貸し付けであっても、収入の最大化、あるいは管理コストを減らすという観点から、できる限り一括で処分をするというのが原則であります。

 売却の場合の最低制限価格でありますけれども、原則として、時価評価、鑑定評価の額から建物の撤去費を差し引いて定めます。ただし、売却する際に、国庫補助金の返還でありますとか、あるいは県債の償還が残っている場合、その分については、それらの価格を下回らないように、いわば、実費については確実に負担いただけるような価格の設定の仕方をしているところであります。

 貸し付けの場合も、鑑定価格または台帳価格をもとに最低制限価格を設定していますが、公共的団体に貸し付けるような場合には、減免の基準がありますので、減免が適用されている場合も多くございます。

 それから、ご指摘のように、売却、貸し付けが決まるまでの間、地元の少年野球団であるとか、そういった団体に貸し付けているケースがありますけれども、これはあくまで一時的な利用ということで、このことが最低制限価格に影響するというたぐいのものではございません。

 それから、もう一点、県庁舎の東側の県有地についてでありますが、ご指摘の土地につきましては、県庁舎の受変電施設というのが、今、地下にございまして、これの浸水対策で移設をしようという話がございました。その移設先の候補地ということで確保するために、四月からは職員駐車場としては利用を停止しております。しかしながら、その後の検討の結果で、受変電の設備については県庁舎の新館の西側に移設することが効率的だという判断に至りまして、要は、東側の土地は移設先としては使わないということになったわけであります。

 そこで、従来と同様に、職員からは負担をいただいた上で、職員といっても妊婦や障害のある方を優先した駐車場になっておりますので、そういった利用を再開しようというふうに考えております。

 危機管理体制、あるいは公用車の浸水対策ということで具体的な提案をいただきました。県有財産を利活用するに当たりまして、平面的な利用ではなくて、立体的な高度化利用というのは大変重要な視点だと思っております。

 ただ、危機管理ということで言いますと、現在でも県庁舎には、災害対応のために新館八階に防災センターが常設されております。そこではスペースが足りないような大規模災害の際には、新館の十四階大会議室に災害対策本部を設置することにしておりまして、そのための通信回線も備えているところであります。

 さらに、昨年の十二月に広域防災拠点基本構想というものを策定いたしまして、県庁舎の甚大な被害を想定いたしまして、代替施設として大分銀行ドームの使用も検討することとしております。

 公用車の浸水対策につきましては、現状、大手町駐車場の上層階を活用する方向で検討したいと考えております。

 以上であります。



○近藤和義議長 後藤政義君。



◆後藤政義議員 ありがとうございました。

 高校跡や農場跡の問題は、非常に地元にとっても悩ましい問題ではあるんですけれども、要は、地元自治体とじっくり、やっぱり話し合いをしていただきたいという気持ちを実は持っております。余り焦って話を進めますと、なかなか自治体も動きがとれない。それかといって、余りずるずるずるずる長くいくと、これまた地元の人も困ってしまうというのもありますから、やはり、スピードは出しながらも中身の濃い自治体との協議をしていただきたいというふうに思っております。

 それと、県庁の東側については、もう私も数十年来、何と言うてももったいないと思いつつ、ずっと来ているわけですが、新しく県警本部長お見えになりましたが、県警の庁舎もない県に来たかというふうに思ったかもしれませんけれども、そういうこともちょっと頭に入れながら、行く行くは広瀬知事さんの方向性を出していただければというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○近藤和義議長 以上で後藤政義君の質問及び答弁は終わりました。

 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○近藤和義議長 ご異議なしと認めます。

 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。

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○近藤和義議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。

 次会は、明日定刻より開きます。

 日程は、決定次第通知いたします。

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○近藤和義議長 本日は、これをもって散会いたします。

     午後三時二十六分 散会