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平成26年 第1回定例会(3月) 03月06日−04号




平成26年 第1回定例会(3月) − 03月06日−04号







平成26年 第1回定例会(3月)



平成二十六年三月六日(木曜日)

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 議事日程第四号

       平成二十六年三月六日

           午前十時開議

第一 第四一号議案及び第五三号議案から第七〇号議案まで

   (議題、常任委員長の報告、質疑、討論、採決)

第二 代表質問

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 本日の会議に付した案件

日程第一 第四一号議案及び第五三号議案から第七〇号議案まで

     (議題、常任委員長の報告、質疑、討論、採決)

日程第二 代表質問

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 出席議員 四十二名

  議長        近藤和義

  副議長       田中利明

            阿部英仁

            志村 学

            古手川正治

            後藤政義

            竹内小代美

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            井上伸史

            麻生栄作

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            平岩純子

            江藤清志

            久原和弘

            小野弘利

            元吉俊博

            吉冨幸吉

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

 欠席議員 なし

 欠員   二名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     松田順子

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      島田勝則

  企業局長      坂本美智雄

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     大沢裕之

  企画振興部長    塩川也寸志

  福祉保健部長    平原健史

  生活環境部長    冨高松雄

  商工労働部長    西山英将

  農林水産部長    工藤利明

  土木建築部長    畔津義彦

  会計管理者兼

            小野嘉久

  会計管理局長

  人事委員会

            城 尚登

  事務局長

  労働委員会

            安東忠彦

  事務局長

  財政課長      長谷尾雅通

  知事室長      岡本天津男

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     午前十時一分 開議



○近藤和義議長 これより本日の会議を開きます。

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○近藤和義議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第四号により行います。

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△日程第一 第四一号議案及び第五三号議案から第七〇号議案まで(議題、常任委員長の報告、質疑、討論、採決)



○近藤和義議長 日程第一、日程第一の各案を一括議題とし、これより各常任委員長の報告を求めます。福祉保健生活環境委員長古手川正治君。

  〔古手川議員登壇〕



◆古手川正治福祉保健生活環境委員長 福祉保健生活環境委員会の審査の経過と結果についてご報告申し上げます。

 本委員会で審査いたしました案件は、今回付託を受けました議案四件であります。

 委員会は昨日開催し、部局長ほか関係者の出席説明を求め慎重に審査いたしました結果、第五三号議案平成二十五年度大分県一般会計補正予算第三号のうち本委員会関係部分、第五五号議案平成二十五年度大分県母子寡婦福祉資金特別会計補正予算第一号、第六五号議案平成二十五年度大分県病院事業会計補正予算第二号及び第六七号議案工事請負契約の変更については原案のとおり可決すべきものと、いずれも全会一致をもって決定いたしました。

 以上をもって、福祉保健生活環境委員会の報告といたします。



○近藤和義議長 商工労働企業委員長土居昌弘君。

  〔土居議員登壇〕



◆土居昌弘商工労働企業委員長 商工労働企業委員会の審査の経過と結果についてご報告申し上げます。

 本委員会で審査いたしました案件は、今回付託を受けました議案四件であります。

 委員会は昨日開催し、部局長ほか関係者の出席説明を求め慎重に審査いたしました結果、第五三号議案平成二十五年度大分県一般会計補正予算第三号のうち本委員会関係部分、第五六号議案平成二十五年度大分県中小企業設備導入資金特別会計補正予算第一号、第五七号議案平成二十五年度大分県流通業務団地造成事業特別会計補正予算第一号及び第六六号議案平成二十五年度大分県工業用水道事業会計補正予算第一号については原案のとおり可決すべきものと、いずれも全会一致をもって決定いたしました。

 以上をもって、商工労働企業委員会の報告といたします。



○近藤和義議長 農林水産委員長深津栄一君。

  〔深津議員登壇〕



◆深津栄一農林水産委員長 農林水産委員会の審査の経過と結果についてご報告申し上げます。

 本委員会で審査いたしました案件は、今回付託を受けました議案八件であります。

 委員会は昨日開催し、部長ほか関係者の出席説明を求め慎重に審査いたしました結果、第五八号議案平成二十五年度大分県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算第一号、第五九号議案平成二十五年度大分県沿岸漁業改善資金特別会計補正予算第一号、第六〇号議案平成二十五年度大分県就農支援資金特別会計補正予算第一号、第六一号議案平成二十五年度大分県県営林事業特別会計補正予算第一号、第六八号議案平成二十五年度における農林水産関係事業に要する経費の市町村負担について及び第七〇号議案平成二十五年度大分県一般会計補正予算第四号のうち本委員会関係部分については原案のとおり可決すべきものと、いずれも全会一致をもって決定いたしました。

 また、第四一号議案大分県農地中間管理事業等推進基金条例の制定について及び第五三号議案平成二十五年度大分県一般会計補正予算第三号のうち本委員会関係部分については原案のとおり可決すべきものと、いずれも賛成多数をもって決定いたしました。

 以上をもって、農林水産委員会の報告といたします。



○近藤和義議長 土木建築委員長嶋幸一君。

  〔嶋議員登壇〕



◆嶋幸一土木建築委員長 土木建築委員会の審査の経過と結果についてご報告申し上げます。

 本委員会で審査いたしました案件は、今回付託を受けました議案四件であります。

 委員会は昨日開催し、部長ほか関係者の出席説明を求め慎重に審査いたしました結果、第五三号議案平成二十五年度大分県一般会計補正予算第三号のうち本委員会関係部分、第六二号議案平成二十五年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計補正予算第一号、第六三号議案平成二十五年度大分県港湾施設整備事業特別会計補正予算第二号及び第六九号議案損害賠償の額を定めることについては原案のとおり可決すべきものと、いずれも全会一致をもって決定いたしました。

 以上をもって、土木建築委員会の報告といたします。



○近藤和義議長 文教警察委員長尾島保彦君。

  〔尾島議員登壇〕



◆尾島保彦文教警察委員長 文教警察委員会の審査の経過と結果についてご報告申し上げます。

 本委員会で審査いたしました案件は、今回付託を受けました議案一件であります。

 委員会は昨日開催し、教育長、警察本部長ほか関係者の出席説明を求め慎重に審査いたしました結果、第五三号議案平成二十五年度大分県一般会計補正予算第三号のうち本委員会関係部分については原案のとおり可決すべきものと全会一致をもって決定いたしました。

 以上をもって、文教警察委員会の報告といたします。



○近藤和義議長 総務企画委員長三浦公君。

  〔三浦(公)議員登壇〕



◆三浦公総務企画委員長 総務企画委員会の審査の経過と結果についてご報告申し上げます。

 本委員会で審査いたしました案件は、今回付託を受けました議案四件であります。

 委員会は昨日開催し、部局長ほか関係者の出席説明を求め慎重に審査いたしました結果、第五三号議案平成二十五年度大分県一般会計補正予算第三号のうち本委員会関係部分、第五四号議案平成二十五年度大分県公債管理特別会計補正予算第一号、第六四号議案平成二十五年度大分県用品調達特別会計補正予算第一号及び第七〇号議案平成二十五年度大分県一般会計補正予算第四号のうち本委員会関係部分については原案のとおり可決すべきものと、いずれも全会一致をもって決定いたしました。

 以上をもって、総務企画委員会の報告といたします。



○近藤和義議長 以上で委員長の報告は終わりました。

 これより委員長の報告に対する質疑に入ります。−−別にご質疑もないようでありますので、質疑を終結し、これより討論に入ります。

 発言の通告がありますので、これを許します。堤栄三君。

  〔堤議員登壇〕



◆堤栄三議員 おはようございます。日本共産党の堤でございます。

 私は、まず、第五三号議案二〇一三年度一般会計補正予算案第三号について反対討論を行います。

 今回の補正予算では、積雪被害に対する特定災害対策資金の融資枠の拡大や利子補給による無利子化、公共事業でも東九州自動車道の整備や防災減災対策、トンネル等の老朽化対策、県営敷戸団地の大規模改修など住民の利便性アップや安全にとって大切なものもあります。このような公共事業が積極的に大分県内の中小企業に発注され、地域経済の浮揚につながるよう求めるものです。

 また、安心こども基金、緊急雇用創出事業臨時特例基金などへの積み増しなど一定評価できる面もありますが、一方で、補正予算の財源として、昨年から始まった国の誘導策による県職員の給与特例減額が約四十六億円計上されています。給与等の削減は、家計消費を暖め、デフレからの脱却を図るという景気対策にも逆行します。また、債務負担行為の補正として企業立地促進事業費などが計上されています。

 私が質疑でも指摘したように、優良農地を企業のために集め貸し付けるための機構である大分県農地中間管理事業等推進基金に六億二千五百万円積み立てる予算も含まれています。さらに、公共事業の中には、重要港湾整備や新日鉄住金しか利用しない海岸護岸工事に約二千四百万円など大企業優遇の公共事業も含まれています。

 このような予算が含まれている以上、今回の補正予算に賛成することはできません。

 続いて、第五七号議案二〇一三年度大分県流通業務団地造成事業特別会計補正予算、第六二号議案二〇一三年度大分県臨海工業地帯建設事業特別会計補正予算、第六三号議案二〇一三年度大分県港湾施設整備事業特別会計補正予算、第六六号議案二〇一三年度大分県工業用水道事業会計補正予算については、いずれも破綻した大企業優遇政策のもと推進してきたものです。このような事業のための税金投入には反対をいたします。

 続いて、第七〇号議案二〇一三年度一般会計補正予算第四号について、一言意見を述べて賛成討論を行います。

 今補正予算は、雪害対策として農林業施設雪害復旧緊急支援事業を実施するものです。私が質疑でも指摘したように、農業者が腰折れをしなくて農業が続けられるような事業予算の拡充を望むものです。また、国が支援策の拡充を行い、県としても来週中に追加の補正予算を組むことも明らかとなりました。農家負担のさらなる低減を求めるものです。そして、拡充された補正予算や支援策等の情報をいち早く被災農家に届けるようにすることを求め、賛成討論といたします。

 続いて、第四一号議案大分県農地中間管理事業等推進基金条例の制定についてです。

 今回の基金条例は、農地中間管理事業の推進に関する法律、農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部改正に基づき条例化するものです。

 この中間管理機構について、私は指摘をしましたけれども、今後十年間で、全農地面積の八割が担い手によって利用され、米の生産コストの四割削減、法人経営体数を五万法人とすることを目標とし、農業構造の改革と生産コストの削減を強力に推進する手段としています。

 さらに、農地の番人として、戦後から現在まで重要な役割を果たしている農業委員会を農地集積事業から事実上排除することを規定しています。

 農業委員会は、効率的な農地利用について、農業者を代表して公正に審査する行政委員会です。これまで農地利用集積の中心的役割を果たしてきました。当然、農地中間管理機構による農地集積に対する農業委員会の法的関与と正当な位置づけが不可欠です。しかし、規制改革会議は、「農地利用配分計画の作成、都道府県知事の認可等の過程において農業委員会の法的な関与は要しないこととすべきである」として、農業委員会の排除を求めるばかりか、農業委員会制度に対する攻撃さえしています。

 また、優良農地において大企業が主体の大規模農業生産法人への農地集積を進め、農村の解体や中山間地の荒廃をさらに進めてしまう危険があります。

 以上の理由から本条例の制定には反対をいたします。

 以上で各議案に対する討論を終わります。



○近藤和義議長 以上で通告による討論は終わりました。

 これをもって討論を終結し、これより採決に入ります。

 まず、第四一号議案、第五三号議案、第五七号議案、第六二号議案、第六三号議案及び第六六号議案について、起立により採決いたします。

 各案に対する委員長の報告は、いずれも可決であります。

 各案は、委員長の報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。

  〔賛成者起立〕



○近藤和義議長 起立多数であります。

 よって、各案は委員長の報告のとおり可決されました。

 次に、第五四号議案から第五六号議案まで、第五八号議案から第六一号議案まで、第六四号議案、第六五号議案及び第六七号議案から第七〇号議案までについて採決いたします。

 各案は、委員長の報告のとおり決することにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○近藤和義議長 ご異議なしと認めます。

 よって、各案は委員長の報告のとおり可決されました。

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△日程第二 代表質問



○近藤和義議長 日程第二、これより代表質問に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。末宗秀雄君。

  〔末宗議員登壇〕(拍手)



◆末宗秀雄議員 皆さん、おはようございます。自由民主党・無所属の会を代表いたしまして代表質問をやらせていただきます。皆さん方に心よりお礼を申し上げます。

 代表質問、私、初めてでございますけれども、別会派に所属しない限りは、これが最初で最後の代表質問になると思いますので、よろしくお願いいたします。

 地元の皆さん方には、きょうわざわざ宇佐から傍聴に来ていただいたわけでございますけれども、きょうは、小雪の舞う中で、高速道路が大変こう、ちらつきながら、寒い中でございましたけれども、本当に遠いところを来ていただきまして、ありがとうございます。一生懸命頑張りますので、よろしくお願いいたします。

 まず、先般の大雪によりまして農作物や農業施設等の被害に見舞われた農業関係者の皆様方に対しましては、この場をおかりして心からお見舞いを申し上げます。農業の円滑な再建支援に向けて迅速な対応を県執行部もお願いいたします。

 それでは、代表質問ということでございますけれども、代表質問は大体再質問がないようになっております。大分県の議会運営要領の中で再質問はなしということで決定いたしていますので、そのようにいたしたいと思っていますけれども、そういう事情がございますので、執行部の方も、明確に、そして簡単に、わかりやすく答弁の方、お願いいたしまして、質問をいたします。

 私、先般、ヨーロッパの方に、視察に参加させていただきました。その中で、まず一番に、ドイツのベルリンに訪問いたしました。ベルリン空港に着いたときは、私、いろんな考えがありました。鉄血宰相ビスマルクの地、また、ゲーテ、そして音楽では、バッハ、ヘンデル、そして、にせものではないベートーベン、そして、哲学で言えば、カント、ショーペン・ハウエル、そしてまた、ニーチェ、そういう地に訪れたんだな、はるかかなたの地に訪れたなという感慨を持ちまして、心躍動するものがございました。

 そして、ベルリンの市街地に着きますと、ベルリンの壁が崩壊、一九八九年だったですけれども、崩壊したわけでございますけれども、その残骸が残っておりました。そして、その残骸と、その横に、際立って大きな遺跡といいますか、実はゲシュタポによる牢獄、ゲシュタポの本拠地があって、ヒムラーがそのときの統率者だったわけでございますけれども、その地下街からそういうものを見たときに、どのような思いだったのかな。そして、それから二、三分後に、市街地、バスで行きますと、ユダヤ人虐殺、ホロコースト、六百万人余りが亡くなったわけでございますけれども、そこに碑がありました。お墓じゃないんですけれども、石で。それを見ながら、私の脳裏に、その当時のドイツ、一九三三年にヒトラーが政権を掌握したわけでございますけれども、それから、今、日本でも「アンネの日記」が随分破られております。そういう中で、人類史上一番、人類が犯した罪の負の遺産、まさにそういう感慨を覚えながら、非常にこのヨーロッパ、第二次世界大戦、日本も戦いましたけれども、そういうものを思い浮かべながらドイツの方に訪問したわけでございますけれども、それを本当に、心が重苦しい、重厚感あふれるいろんな感慨を覚えたような次第でございました。

 それから、二番目にオーストリアに参りました。オーストリアは、今回の視察の一番大きな目的で、来春、大分県立美術館の開館が間近に控えております。今回の視察の大変大きな目的でございました。そして、オーストリアの演劇博物館に行ったときに、そこの館長から、ヨーロッパを代表するグスタフ・クリムトの絵を、「ヌーダ・ヴェリタス」という代表作がありますけれども、大変すばらしい絵でございますけれども、その絵を、大分県の美術館の開館の際には、検討してお貸しできるようになればいいなというような返事をいただきました。すばらしい絵を大分県に、開館の際にはそろえて開館していただきたいなと。ただ、貸し出しで、有料でございますので、今から知事以下執行部が、その交渉には大変重要な責務があると思いますけれども、知事には非常に頑張っていただきたいというふうに思っております。

 それから、オーストリアからイタリアのローマ、そして、ローマの美術館ですので、バチカン美術館に参りました。そのときに、ちょうどたまたま日本人の和田神父という方に案内をしていただきまして、そして、バチカンの美術館でも美術品は貸し出しができるだろうかという質問をいたしました。そしたら、バチカンのその和田神父が言うのは、無料でお貸しします。条件はいろいろありますけれども、飛行の輸送とか湿気とか、そういう課題はいろいろありますけれども、無料で貸し出すと言う。私、その言葉を聞いたとき、ヨーロッパという文明の本質は何だろうかなということを感じたわけでございます。

 貸し出しが無料という言葉が入ったときに、私自身がヨーロッパ文明の本質、すなわち、ギリシャ、ローマに始まった文明が現代の世界文明を築き上げていることは自明の理でございますけれども、ヨーロッパの国家が世界を制覇する際には、必ず、まず、相当以前に、キリスト教の伝道師がその国に赴き、その後、教会を建設する。それから後に、用意周到にしてヨーロッパの国家がその地域を支配するという手法で達成してまいりました。まさに帝国主義の本質でございます。高価な国宝級の美術品、彫刻等を無料で貸し出しするという行為の中にあるのは、キリスト教の布教、もう一つは国家の支配欲が潜んでいるのではないかということを感じました。ただほど高いものはないということわざはこういうことじゃないかという思いもいたしました。

 今後、日本は世界でこのようなしたたかな国々といろんな交流、交渉をするわけでございますけれども、こういうことを理解して世界に乗り出す方が、日本は摩擦をなるべく少なくするようなことができるんじゃないかというような感想を覚えた次第でございます。

 さて、一昨年の政権交代により自公連立の安倍内閣が発足して、はや一年二カ月余りが経過いたしました。昨年の九月には二〇二〇年オリンピック、パラリンピックの東京開催の朗報が届き、夢の祭典への国民の期待は「第四の矢」としての可能性も秘めています。

 その後、安倍総理は十月に消費税率八%への引き上げを決断されましたが、本年四月からの増税に当たり、景気の腰折れを防ぎ、経済を確かな成長軌道に乗せるための経済政策パッケージとして、先月六日に五・五兆円の平成二十五年度補正予算を成立させたところです。

 また、この補正予算と並行して進んだ平成二十六年度政府予算案の編成に際しては、十二月十七日、十八日の二日間にわたり、我が会派の大部分が一丸となって首相官邸に赴き、本県関係予算の確保に向けた要望と情報収集を重ねてまいりました。

 政府は、今国会を「好循環実現国会」と位置づけていますが、まずは、二十六年度政府予算の年度内成立に全力を挙げ、景気回復の実感をぜひとも地方にまで届けることが現下の至上命題であり、我々も引き続き地方の実情を国に訴えながら精力的に取り組んでまいりたいと考えております。

 まず一番に、県政の基本方針についてでございますけれども、さて、大分県政に目を転じますと、来る平成二十六年度は、さまざまな意味で大きな節目の年度であるとともに、本県の今後の飛躍か停滞かを左右しかねない正念場の一年とも思えます。

 さきの施政方針演説において安倍総理は、昨年五月に視察された立命館アジア太平洋大学で対談されたミャンマーからの留学生ミンさんの言葉も引用されて、元気な地方をつくるための大いなる挑戦を強調されました。県としても、地方の活性化に向けて打ち出す国の諸施策のかぎを機を逃さずしっかりと受けとめ、幾分明るい兆しが見え始めた県民生活の向上と地域経済の成長への扉を力強く押しあけていただきたいと思います。

 そこで、三期目県政の最終年度に臨まれる広瀬知事の基本的な方針についてお伺いします。

 次に、今後の財政見通しについてであります。

 この積極的な平成二十六年度当初予算を支えるのは、五年ぶりに千億円台に回復する勢いの県税収入の状況です。これは景気回復基調による法人関係税の伸びが大きく寄与していると思われますが、もう一つの要因として消費増税に伴う制度的な増収も含まれているところです。今回の消費増税の目的として社会保障の充実などが約束されており、県の歳出面での負担も今後大きくなるのではないでしょうか。

 また、二十六年度末における財政調整用基金は約三百六十一億円、また、県税収入の増加などから臨時財政対策債の発行が多少抑制できるため県債残高も減少見込みとのことで財政健全化への道筋も見えつつありますが、今後、政府方針が示される一〇%への消費増税や社会保障制度改革の行く末も今後の県財政にとっては不確定要素として懸念されます。

 こういった不透明な状況ではありますが、今後の財政見通しをどのように描いているのか、お聞きします。

 それでは、次に、教育行政についてお聞きします。

 現行の教育委員会制度では、これまで、首長が議会の同意を得て選任した教育委員の中から互選で教育委員長と教育長を決める仕組みですが、政府・与党間で現在進められている教育委員会制度の見直し案では、教育委員長と教育長のポストを統合した新たな名称を教育長とし、首長は議会の同意を得て直接任命、罷免するとされ、その任期は、今調整中でございますけれども、二年から四年とされております。

 また、地方公共団体に首長が主宰する総合教育会議を設置して、会議は首長、教育長、有識者等により構成され、首長のリーダーシップのもとに教育行政の大綱的な方針を定め、首長が積極的に関与して重要な教育方針を協議、調整する場とし、教育委員会はその方針に基づいて教育行政を執行するとされています。

 本県の場合、教育委員長は、これまで、本会議以外、すなわち常任及び特別委員会や予算、決算特別委員会には、教員採用の不祥事対応などで出席したのみでございます。それゆえに教育委員は名誉職とかお飾りとかやゆされていますが、教育においては長期的視野に立った人材育成が担保されなければならず、政治的中立性や継続性、安定性を確保する必要から教育委員会を執行機関とする方向性も議論されています。

 そこで、今後成案となり次第、今国会に提出されることになると思われる教育委員会制度改革案について知事の考えを伺います。

 次に、県教育委員会が平成十七年度から取り組んでいる高校改革推進計画に基づく高校再編も、いよいよ二十七年度開校に向けた別府地域三校、玖珠地域二校の統合を残すのみとなりました。

 推進計画では、学年の適正規模六から八学級としていますが、再編後わずか数年もたたないうちに、既に一学年四から五学級程度の高校がかなり見られます。人口四十八万人の大分市とそれ以外の人口減少に悩む地域で一律に改革を進めた結果ではないでしょうか。特に、県北地域の進学校では学力低下が著しく、生まれ育った身近な地域に進学していた昔からの傾向が壊れてしまっています。まさに大問題でございます。また、この状況の反省もなく、ともすれば、これを推進してきた先生方が抜てきされて校長となっております。大変危惧し、危機感を持っています。

 教育関係者で構成する高校改革フォローアップ委員会が先月二十四日に野中教育長に提出した報告書にも、普通科の通学区撤廃で大分市への生徒の一極集中もマイナス面として指摘しています。

 教育委員会がこれまで進めてきた高校の適正規模への見直しや九州では本県と宮崎県のみ実施している全県一通学区制度の弊害が顕著にあらわれ、地方の教育の荒廃が進んでいます。

 このような課題をどのように認識し、解決しようとしているのか、知事及び教育委員会に問います。

 次に、教育事務所についてでございます。

 小中学校への直接の指導は市町村教育委員会の業務ですが、県内六つの教育事務所の果たす役割に疑問があります。教育事務所に配置している教職員数や配分予算の現状について、まずお示しください。

 また、交通の便がよくなり、ITの発達で情報伝達も迅速化する中、教育委員会の本庁各課室が地域の学校や市町村教育委員会に出向き、直接、助言、指導する体制がより効率的ではないでしょうか。その上で、九州トップレベルの学力を目指す本県として、教育事務所の人と財源を学校現場に振り向けるべきだと考えますが、教育事務所のあり方と今後の見通しについて教育長の見解を伺います。

 次に、防災減災対策についてでございますけれども、昨年は、たび重なる自然災害によって大きな被害が相次ぎました。山陰地方や伊豆大島は集中豪雨により大きな被害に見舞われ、海外では、超大型台風三〇号がフィリピンを襲い、高潮や暴雨風によって多くのとうとい命が犠牲となりました。災害から人命と財産を守り、社会の機能を維持するため、防災、減災、あるいは施設の老朽化対策の需要は年々高まってまいります。

 二十六年度政府予算案には、災害に強い国づくりを目指す国土強靱化の関連事業費が三・三兆円と、前年度からプラス一四%もの高い伸びで計上され、このほか使途が強靱化だけに限らない自治体への交付金なども含めると関連予算はさらに膨らみます。

 また、昨年十一月に成立した南海トラフ巨大地震対策特別措置法に基づき、内閣府は、一月二十日、地震発生から三十分以内に津波が到達し、三十センチ以上浸水すると見られるエリアを津波避難対策特別強化地域に指定する基準を公表しました。この強化地域となった市町村には、津波避難ビルや道路整備に対する国庫補助率が三分の二へ、また、高台へ集団移転する際の学校、病院など公共施設の用地造成費も国庫四分の三まで拡大支援が可能となります。

 時は流れ、間もなく三度目の三月十一日を迎えようとしていますが、あの東日本大震災以降、県と市町村は連携して防災減災対策を推進されてきました。しかし、地震、津波のみならず、台風、豪雨など自然の脅威に対しては、まだまだ十分な備えがなされているとは言えません。先月の雪害でも同様でありますが、人類が自然に打ちかとうと懸命に頑張るわけでございますが、自然は人間の想像を超越するものであり、結局、人類は自然との調和に行き着くのだと思っております。

 そこで、これまで三年間の防災減災対策の実績や検証を踏まえ、二十六年度以降どのように取り組もうとしているのか、防災士にもなられました知事の今後の対応方針をお聞きします。

 次に、農林水産業の分野でございますけれども、まず、農業において、やはり最も注目すべきは、環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPの交渉推移です。昨年三月、安倍総理が日米首脳会談の場で聖域なき関税撤廃を前提としないことを確認の上、交渉への参加を表明以降、政府も鋭意交渉を重ねていますが、年末のシンガポール閣僚会合でも複数分野における関税の取り扱いについて、その結論を持ち越す形となっています。先月、再度開催された閣僚会合でも妥結には至らず、四月にはオバマ大統領の来日も予定されているものの、今後の交渉はいまだ定かではありません。

 いずれにいたしましても、本県の農業関係者もかたずをのみながら決着の行方に気をもんでいるところであり、米や麦、牛肉などのいわゆる聖域五品目の関税維持など、我が国の国益にかなう最善の道が開かれることを我々も期待しているところでございます。

 一方、TPPの展開も視野に入れながらも、政府は新たな農業政策への抜本的な見直しに乗り出しました。水路や農道など農業、農村の有する多面的機能の維持を図るため日本型直接支払い制度を創設するとともに、農地中間管理機構の創設などを通じて担い手への農地集積を加速します。また、飼料用米など需要の見込まれる戦略作物の生産に農地をフル活用して農家の経営所得安定対策を強化し、あわせて四十年以上続いた減反政策も廃止に向かいます。

 こういった国の農政大改革に当たり、県農業も軌を一にした対応が欠かせません。しかも、このような全国一律の制度改革の中にあるにせよ、本県農業が独自に抱える地勢的、気候的、構造的な特性にも目をそらさず向き合う必要があります。県では、農業構造改革への支援の第一弾として、農業水利施設の保全、改修に伴う農家負担の軽減など新たな取り組みも進めていくようですが、新年度予算で県として新たに力を入れる農業施策について、県独自の視点も含めて、取り組み方針をお尋ねいたします。

 次に、本県独自の取り組みである世界農業遺産について伺います。

 昨年五月、国東半島宇佐地域が国連食糧農業機関、FAOから世界農業遺産に認定されました。広範囲に広がるクヌギ林からわき出る地下水を蓄えたため池を利用して少雨をしのぐ農業、そしてクヌギを使ったシイタケ栽培など古来からの伝統的な循環型農林水産システムが国際的に評価され、今後は、地域活性化への活用に加えて、次世代への継承にも取り組んでいかなければなりません。国内で唯一、この地で栽培される七島イを題材にした葉室麟の直木賞作「蜩ノ記」は、既にベストセラーとなり、ことしは映画化も予定されるなど何かと話題には事欠きません。

 私は、先日、国内初の世界農業遺産認定を受けた石川県能登を視察いたしましたが、この美しい里山、里海では、例えば、白米の千枚田、金蔵集落などの原風景のほか、オオハクチョウやホクリクサンショウウオなどの希少生物、また、輪島朝市やキリコ祭りの生活文化など足を運んでみたくなるスポットが多く点在しています。

 一方、国東半島宇佐地域では、外から訪れた人を案内できる場所や自信を持って紹介できる取り組みなどがなかなか見当たりません。県として国東半島宇佐地域の魅力をどのようにつくっていくのか、お聞きします。

 また、県では、この世界農業遺産の保存、継承を継続的に支援するため、総額六十億円の新たな基金を造成することとし、新年度予算案に関係経費十五億円を計上していますが、この世界農業遺産ファンドの規模についての考え方と今後取り組もうとしている具体的な関係事業についてお聞かせください。

 また、言うまでもなく、この取り組みには、地元の方々はもとより、多くの関係者の協力が必要となります。そのコンセンサスをどのように形成していくのかが今後のファンド運営上の大きな課題ではないかと考えますが、あわせて見解を伺います。

 次に、今議会開会に当たり、提案理由説明で知事も心配しておりましたが、本県を代表するブランド産品である県産乾シイタケの価格低迷が続いています。三年前の福島原発事故以来の風評被害も大変な逆風となりましたが、昨年の年間平均価格は、とうとう一キログラム当たり二千円台半ばまで落ち込み、平成十三年以来の低水準となりました。

 そのような危機的状況を踏まえ、県では、昨年の九月補正予算において、原木シイタケ生産者のほだ木造成に対する支援、いわゆる種駒助成を平成十六年度以来九年ぶりに再開されました。また、新年度の当初予算案においても、この支援の継続に加えて、さらなる種駒助成と原木の購入費にも助成を行う新規事業が含まれています。しかし、こういった生産者支援の結果が見えるのは二、三年先の話であって、喫緊の価格下落に対する即効性はほとんど期待できません。逆に、今必要となるのは、消費という出口の拡大や流通に対する支援であります。

 この二月には、県や椎茸農協などの生産者団体が由布院温泉旅館組合と連携したキャンペーンを展開するなど、これまでも機会あるごとに販売促進や消費拡大に精力的に取り組んでいるようですが、従来型の手法では目に見える効果につなげるのはなかなか容易ではありません。やはり、市場動向の分析を強化し、ターゲットを絞り込むなど思い切った販売戦略が欠かせないのではないでしょうか。

 「安心・活力・発展プラン」では、乾シイタケの生産拡大やブランド力の強化を掲げているものの、価格についての目標指標はないわけですが、生産農家にとっては価格の維持こそが当面の死活問題というのが実感です。日本一のブランドを守るためにも、さらなる取り組みが求められると考えますが、県の今後の対応方針について伺います。

 続いて、水産振興についてであります。

 近年では、アベノミクスによって過度な円高が是正された反面、円安基調がもたらす燃油や輸入飼料価格の高騰が漁業者経営を圧迫する要因となりました。政府では、この事態に当たって迅速に燃油高騰対策を講じ、昨年七月からセーフティーネット構築事業を拡充して今後の燃油高騰に備える漁業者を支援しており、当面はこの状況で推移していくものと思われます。

 一方、国内漁業は、かねてから輸入品との競合による水産物価格の低迷が深刻化しております。本県のブランド魚であるブリも、ここのところ、養殖、天然ともに供給量がふえ、卸値が伸び悩むなど、他の魚種も総じて国内市場は既に飽和状態とも伺っています。

 このような状況の打開に向けて、例えば輸出強化による販路拡大が一手です。これまでも養殖ブリは、主に北米向けに一定量の輸出を行っていますが、今後は、アジアでは比較的所得水準の高いシンガポールやタイなどでも県産水産物の新たな展開が期待できるのではないでしょうか。県漁協や関係事業者と連携の上、積極的に取り組んでいくべきと考えますが、県の今後の取り組み方針をお聞きします。

 県内漁業におけるもう一つの課題は、漁業者の高齢化と後継者不足です。

 佐賀関では、平成二十一年度からの国の事業を活用して、二十四年度までの四年間に四名のIターンの若者が移り住み、新規の漁業就業者として頑張っているそうです。しかし、いざ一人前の漁師として自立するには、生活の場の確保に始まり、漁船の調達や漁労技術の取得など、一定期間にわたる周囲の支援が不可欠です。

 県の当初予算では、中部振興局の地域課題対応策としてこういった取り組みを支援する新規事業が盛り込まれており、ぜひとも成果を上げていただきたいところですが、同様の支援は他の漁場にも押しなべて求められているのではないでしょうか。県内の漁業後継者の確保に向けて、今後、県としてどのように取り組んでいくのか、対応方針をお聞きします。

 次に、中小企業の振興についてでございますけれども、安倍総理は施政方針演説の中で、リーマンショック後、〇・四二倍まで落ち込んだ有効求人倍率が一・〇倍にまで回復したことや、昨年冬のボーナスが一年前より三万九千円ふえたとする連合の調査結果に触れ、北海道から九州・沖縄まで国内すべての地域で消費が拡大していると述べました。中小企業の景況感も、昨年末に製造業では六年ぶり、非製造業に至っては実に二十二年ぶりにプラスに転じるなど、全国的な指標で見れば確実に経済は回復基調となりました。先月発表された内閣府の月例経済報告でも「物価は緩やかに上昇している」とされ、五年四カ月ぶりに脱デフレの傾向が明確に示されたところです。

 しかし、一方でよく耳にするのは、都市部に比べ、地方では景気回復の実感が乏しいとの声であります。昨年六月末に閉鎖された日本テキサス・インスツルメンツ日出工場に続き、私の地元宇佐市内においても、年明けにはパナソニックSN九州、旧九州松下が来年三月の事業場閉鎖を発表いたしました。

 月例経済報告のほか日銀短観など地域経済の景気動向を推しはかる指標はもろもろありますが、昨年の県内景気の回復状況について県はどのようにとらえているのでしょうか。また、その上で、県民の生活実感や県内中小事業者の景況感の改善に向けて、県がこの一年、重点的に推進した施策とその成果についてお伺いします。

 また、消費税率の引き上げも迎える新年度において、特に県内中小事業者が景気回復を実感できるよう、県としてどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。

 次に、アベノミクス「三本の矢」の成長戦略の一つに雇用促進税制の拡充があります。これは、雇用者数が増加した企業の法人税、あるいは個人事業主の場合はその所得税を一〇%、中小企業は二〇%まで税額控除する制度です。この控除を受けるには、翌年度における雇用者の増員計画をあらかじめハローワークに提出する必要がありますが、大企業は別として、ともすれば目先の仕事に追われ、先々の仕事を見通しづらい中小企業にとっては前向きな雇用計画も容易には打ち出せず、結果として税額控除を受けられないことから、国として何らかの運用見直しが必要ではないかと考えます。

 昨年四月に就任された商工労働部長は、中央から参ったわけでございますけれども、この一年、県内多くの企業を精力的に訪問されたともお聞きしましたが、各企業の雇用実態や当面の雇用計画についてどのようにとらえているのか、率直なご感想をお聞かせください。あわせて、県内中小企業の雇用拡大に向けて県として今後どのような対策が必要と考えているのかも伺います。

 続いて、観光振興の面から昨年を振り返りますと、全国的に思わぬ注目を集めた商標登録や素朴な味わいが醸し出された県民参加のコマーシャルなど「おんせん県おおいた」が大々的に取り上げられ、広告換算費で五億円に迫るPR効果が創出されました。

 また、昨年春から新規就航しているLCCジェットスター・ジャパンの大分・成田線のほか、十月からはJR九州の豪華クルーズトレイン「ななつ星」の登場など明るい話題が相次ぎ、県政ニュースの年間トップを飾るほどの実り多い一年となりました。

 日本一の温泉のみならず、豊かな山、海がはぐくんだ食材や貴重な歴史的文化遺産、また、最近では世界農業遺産やジオパークなど人々の営みが生み出した新たな財産も仲間に加わり、本県の観光素材の魅力は確実に高まってまいりました。しかし、何といっても当面の目標は、JR六社と県内自治体、観光事業者が来年六月から共同実施する国内最大の観光イベント、デスティネーションキャンペーンの成功に向けた環境整備とさらなる情報発信であります。

 ツーリズム戦略では、二十七年度目標として、観光入り込み客千九百万人、県内宿泊者五百二十万人を見込んでいますが、観光振興における新年度の重点戦略をお聞きします。

 また、こういった積極的な事業展開を図るには十分な予算の確保が欠かせません。新年度予算における観光関係予算の状況についても、あわせてお尋ねします。

 観光情報の発信に当たっては、これまでも県では、福岡圏域や関西など地域を絞り込んだり、女性や団塊シニアなどにターゲットを定めたりと工夫しながら取り組んでこられたようですが、新年度はいよいよ首都圏へのPRに力を入れると聞いております。

 例えば、おおいた地域ブランド力アップ推進事業では、前年度を大きく上回る九千五百万円の予算を計上され、東京事務所には四月から「おんせん県おおいた課」を新設して大分県ブランドのPR体制も強化するようです。しかし、言うまでもなく、この首都圏エリアは、国内のみならず世界の情報が大量に乱れ飛ぶ戦国地帯であり、生半可な情報発信では公費を東京湾に捨てるような結末となりかねません。

 県では、これまでも大なり小なり観光キャンペーンなど首都圏への情報発信に取り組まれたのではないかと記憶していますが、過去の対応についての検証も含め、新年度からどのような点に力を入れて目に見える成果につなげていくのか、観光面での首都圏対策についてお伺いいたします。

 次に、社会資本整備についてお伺いします。

 現在、急ピッチで整備中の東九州自動車道の佐伯−蒲江間二十・四キロメートルにつきましては、昨年末の国土交通省の発表によって、平成二十六年度内に開通の見通しとなりました。大分、宮崎両県を結ぶ高速ネットワークの開通が一年前倒しされることとなり、知事初め関係者のご尽力と一日も早い開通を願う地元の熱意に敬意を表する次第です。

 昨年二月に開通した蒲江−北浦間では、県境を超えた往来が活発化し、観光客の入り込みが五割以上も伸びるなど、新たな区間の開通が既に地域の発展に大きく寄与しており、全線開通後の波及効果にはさらなる期待が寄せられます。

 しかし、一方で、幾分気がかりなのは築上−宇佐間の進捗です。先月初めには、一部の地権者の協力が得られず、テレビ等で行政代執行に至った経緯が報道されたほか、福岡県側では用地買収が難航している箇所があるとも伺っています。

 この区間は、国直轄施工の県南エリアと異なり、西日本高速道路株式会社、NEXCOが事業実施していますが、東九州自動車道が福岡から鹿児島まで全線開通してこそ最大の波及効果が生まれます。東九州自動車道の全線開通に向けた今後の見通しについて伺います。

 また、東九州自動車道の全線開通も間近となる中、地域高規格道路である中九州横断道路や中津日田道路など県内の高速交通体系の整備は未来への投資として今後とも引き続き積極的に進めていただきたいと考えます。

 加えて、大分川に新たな架橋を行う都市計画道路庄ノ原佐野線ほか、私の地元では、昔から、随分昔から要望しているわけでございますけれども、宇佐国見線がいまだ何の糸口も見かけられない状況でございますけれども、それもあわせて、県内主要路線の整備も期待されているところでございます。

 そこで、今後の県の道路整備方針についてお聞かせください。

 ただ、一方で、道路や橋梁、トンネルなど社会インフラが抱える今後の大きな課題は、経年劣化に伴う老朽化対策であります。

 国土交通省の新年度予算においても、高度成長期に集中整備したインフラの老朽化対策に重点を置き、防災減災対策の充実とあわせて、一兆円を超える予算を確保しています。二十五年度の国の補正予算においても社会資本の老朽化対策関係費が六千五百億円計上されており、このような国の事業も活用しながら県内の社会インフラの老朽化対策にも力を入れていく必要があります。

 そこで、県が管理する道路や橋梁、トンネル、港湾などの社会インフラの将来的な老朽化対策に要するコストをどの程度と推計しているのか、また、実施に当たっては、厳しい財政状況の中、どのような財源が活用できるかなど、今後の対応方針をお伺いします。

 次に、四月からの消費税率の引き上げによる三%分の税収増額は、日本全体では八・一兆円と試算されています。しかし、引き上げ直後の二十六年度においては、企業の決算期等の影響もあるため、増収額は国、地方合わせて五兆円程度と見られ、そのうち地方分としては〇・七兆円の増収となるようです。社会保障と税の一体改革の政府方針として、今回の消費税率の引き上げ分はすべて社会保障の充実と安定に使われるとされています。

 そこで、本県の新年度予算において消費税の増収をどの程度と見込み、その上で、社会保障の充実としてどのような施策を展開しようとしているのか、お示しください。

 次に、「安心・活力・発展プラン」の大きな政策目標の一つが子育て満足度日本一の実現であり、知事も精力的に取り組んでおられます。また、消費税率引き上げ分を充てる社会保障四分野の一つが子育て支援であります。一昨年の八月に成立した子ども・子育て支援法などいわゆる子ども・子育て関連三法に基づき、待機児童の解消などを目指す新たな子ども・子育て支援制度が二十七年度から実施されることとなり、地域での子育て支援拠点事業など市町村が行う事業の一部は二十六年度から先行実施とされています。

 こういった新たな局面に差しかかる中、プランの仕上げと位置づける新年度予算でどのようにして子育て支援の充実を進めるのか、県の方針を伺います。

 最後に、大分トリニータについてお伺いします。

 大分トリニータは、平成六年四月に大分トリニティとして誕生し、ことし創立二十周年を迎えます。その間、チームは、平成十五年に悲願のJ1昇格を果たすとともに、ナビスコカップ優勝や一昨年のJ1昇格プレーオフ制覇などを通じて、県民に多くの夢と希望を与えてきたのは明らかでございます。

 昨年、残念ながら、わずか一年でのJ2降格になりましたが、今シーズンのトリニータの奮闘が我が町、我がふるさとの期待にこたえるものになれば、県民の大きな財産として位置づけられるのであり、トリニータの真価が問われるシーズンとなります。

 一方、運営会社である大分フットボールクラブは、平成二十一年にメーンスポンサーの撤退や身の丈を超えた放漫経営などによりチームの存続が危ぶまれる経営危機に陥りました。Jリーグからの六億円の融資や財団法人大分県文化スポーツ振興財団からの二億円の追加融資などにより何とか乗り切ることができましたが、約十一億七千万円もの債務を抱えることになりました。

 この経営危機以降、会社では、経営体制を刷新するとともに、入場料やスポンサー料等のあらゆる収入確保と人件費を初めとする徹底した経費削減に努めています。その結果、一昨年の三億円の支援金もあり、二十二年度から四年連続で一億円以上の当期純利益を計上し、債務超過額も二十六年一月末で四億六百万円まで圧縮される見込みとなっています。経営陣のこれまでの努力を評価したいとは思いますが、まだまだ多額の債務超過を抱えており、厳しい経営状況に変わりありません。

 この債務超過については、トリニータがJリーグで戦い続けるために必要なクラブライセンスを維持するため、来年の一月末までに解消しなければなりません。このため、大分フットボールクラブでは、債務超過の解消と経営安定のため、ファンドの活用を含めた四億二千万円の第三者割り当て増資を行うこととし、昨年十二月に開催された大分トリニータを支える県民会議において、三億五千万円をファンドで、五千万円を経済界、二千万円を行政で支援するという枠組みが確認されました。これを受け、知事は、県として一千万円を出資する意向を表明され、平成二十六年度当初予算案に盛り込まれたところです。

 知事は、トリニータの地域への経済波及効果の大きさや県民の元気の源としての役割を評価され、熟慮の末に今回の出資を決断されたのだと思いますが、実は、私はここが問題なんだと思っております。広瀬知事は、いまだに随分と迷っているように私には思えてなりません。知事が先頭に立って、政治生命をかけても、トリニータはつぶさない、全力で応援するという姿勢を示していただきたいし、その決意がなければ、大分県はトリニータの支援から撤退すべきだと思っております。

 そこで、知事は、今回の出資に当たって、大分トリニータに何を期待し、県として今後どう行動していくのか、お伺いいたします。

 以上で質問項目は終わりましたけれども、あと四分間ほど残っていますので、先ほど感想の面で、イタリアに最後参って、ローマで終わったわけでございますけれども、私、一つ、イタリアのシチリアのマフィア、イタリアには、やくざか暴力団かよくわからないけれども、そういうマフィアという相当大きな組織がありまして、ナポリまで参りましたけれども、高速道路がローマからナポリまでしかできておりません。やっぱり、それから南部は、マフィアの影響で、高速道路ができない。そういう面で、治安、そういう対策というのが非常に、国家がなかなか一つとして形成されないような状況にございます。そういうことも感想として思いましたし、日本国家がそういう面におきましても、道路の整備から、地域の発展には、あらゆる面からすばらしいものを築き上げないといけないんじゃないかということを思いまして、代表質問を終了いたしたいと思います。皆さん、ご拝聴、ありがとうございました。(拍手)



○近藤和義議長 ただいまの末宗秀雄君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま末宗秀雄議員には、自由民主党・無所属の会を代表して県政の重要課題についてご質問を賜りました。

 冒頭、大雪被害に対しまして、被災者に懇切なお見舞いのお話がございましたけれども、県議会におかれましては、本日、早速、対策のための補正予算をお認めいただきまして、まことにありがとうございました。

 また、末宗議員からは、今回の欧州視察についてお話をいただきました。オーストリーでは、クリムトの県立美術館への絵の借り入れについてお話をいただいたということでございまして、大変ありがたかったというふうに思っているところでございます。できれば無料で借りられればよかったんですけれども、ここまでお話をしていただいておりますから、しっかり交渉してまいりたいというふうに思っております。

 ご質問の冒頭、この欧州視察と同じように、答弁については明確に、わかりやすく、簡単にやるようにというお話でございましたので、私も心がけて一生懸命答弁をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、県政の基本方針についてご質問を賜りました。

 二十六年度の県政の基本方針でございますけれども、景気雇用対策、長期総合計画の実質的な仕上げ、新たな政策展開に向けた準備、この三つが柱であります。

 まず、景気雇用対策でありますが、国の経済対策を積極的に受け入れて、総需要喚起のために投資的経費は三年ぶりに千三百億円台を確保し、防災減災対策や社会インフラの老朽化対策を進めます。また、消費税率引き上げに伴う景気の腰折れを防ぐために、商工会等が行うプレミアムつき商品券の発行を支援するほか、雇用対策の拡充によりまして千百九十八人の新規雇用を創出いたします。これによりまして県民の皆さんが景気回復や雇用の拡大というのを実感できるようにできればいいなと思っているところであります。

 第二は、二十七年度が目標年度であります「安心・活力・発展プラン」の実質的な仕上げということであります。

 安心の分野では、保育所の待機児童解消など子育て満足度日本一の実現や地域包括ケアシステムの構築による高齢者の元気づくり、障害者の就労促進、小規模集落対策の強化、また、ごみゼロおおいた作戦において豊かな水環境の創出にも取り組みます。

 活力の分野でありますが、当面の課題である景気回復や雇用拡大のためにも、農林水産業や商工業など産業の底力をつけていくことが大事であります。そのため、農林水産業の構造改革を推進するとともに、地域牽引企業の育成など頑張る中小企業への支援、女性の就労支援などに取り組みます。また、「おんせん県おおいた」によるツーリズム戦略も展開いたします。

 発展の分野では、将来を担う人材育成に力を入れるとともに、本県の芸術文化の振興に向けて県立美術館の開館に万全の準備を進めていきたいと思います。また、発展の基盤となる社会資本の整備につきましては、東九州自動車道の二十六年度供用開始に向けた整備促進などに取り組みたいと思います。

 第三は、新たな政策展開に向けて調査検討を行うことであります。

 少子高齢化、人口減少が進む一方で、東九州自動車道の開通や県立美術館の開館など本県の発展に向けた基盤づくりが進んでおり、今年度実施した県民アンケート調査や中長期県勢シミュレーションの結果も踏まえて新たな政策展開を検討していかなければならないと思っております。

 人口減少社会を正面に見据えながら、地域の特徴を生かした新たな地域づくりについて知恵を絞っていくほか、東九州自動車道の開通により九州の東の玄関口としての位置づけが可能かどうか検討したいと思います。また、芸術文化ゾーンを活用して、教育や産業、福祉、医療などさまざまな行政課題にも対応できる取り組みを進めます。

 こうした三つの柱のもと、大分の底力の発揮に向けて着実な仕上げとさらなる発展に向けた新たな政策展開の検討を進めていきたいというふうに考えているところであります。

 今後の財政見通しについてもご質問がありました。

 お手元にお配りしております資料をごらんいただきたいと存じます。

 資料の右の表の二十六年度の予算の欄をごらんください。

 二十六年度の本県の当初予算、歳出のところでございますけれども、五千九百十八億円と三年ぶりのプラス予算とした一方で、歳入の方でございますけれども、法人関係税の伸びや消費税率の引き上げによりまして県税の増収等を見込み、収支不足は十六年度以降最小の七十億円にとどめ、県債残高も八年ぶりに減少させることができたところであります。

 今回、行財政高度化指針の最終年度である二十七年度までの財政収支の見通しを試算しました。お手元の資料の一番右になりますけれども、これは、二十六年度当初予算案等をベースに、国の指標等を参考に作成しているところでございます。

 国の指標で一番大きなのは経済成長率でございますけれども、二十七年度の実質成長率が一・七%、税収等の目安となります名目成長率が三・四%と見込まれておりますので、これを参考にしました。また、二十七年十月からの消費増税の実施につきましては、国の方が経済状況等を総合的に勘案し適切に判断するというふうに認識しておりますけれども、内閣府の試算でも、一応、税率一〇%への引き上げを前提として計算をしておりますので、本県も同様に見込んでいるところであります。

 そういうことで財政見通しをつくりましたけれども、詳細は後ほど総務部長から説明をさせますけれども、ポイントが二つございます。

 一つは、財政調整用基金の確保ということであります。

 二十七年度は、高齢化等による社会保障関係費の増加や職員の年齢構成からくる退職手当の増加によりまして、収支差はマイナス九十一億円と拡大をいたします。ここに書いてあるとおりでございます。拡大いたしますけれども、基金残高は、高度化指針の目標であります三百二十三億円を上回る三百八十億円を見込むことができました。

 二つ目は、県債残高の縮減であります。

 これまでは臨時財政対策債を除く実質的な県債残高の削減に主眼を置いてまいりましたけれども、そうせざるを得なかったと申し上げてもいいと思いますけれども、地財収支の改善によりまして臨時財政対策債の減があったこと、あるいは基金も活用できたということによりまして、二十七年度末の県債残高は一兆五百七十一億円と、わずかでございますけれども、減少の見込みということになっております。県債残高全体が減少ということになります。

 しかしながら、地方財政は、なお十兆円を超える財源不足を抱える厳しい状況であることに変わりはありません。国全体で見た場合には十兆円の財源不足ということになっております。

 本県でも、二十七年度は九十一億円の基金取り崩しを余儀なくされるほか、今後増加し続ける社会保障関係費や県有施設の老朽化対策など財源をどう賄うかが大きな課題であります。

 引き続き自主財源の確保など行革実践力を発揮しながら、しっかり行革もやりながら、積極的な政策展開と財政健全化を両立する財政運営を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

 今後の財政見通しについてご説明を申し上げました。

 次に、教育委員会の制度についてご質問をいただきました。

 現在、国におきまして、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、教育行政における責任の明確化や、あるいは首長の意向の反映といった観点から教育委員会制度を改革する方向で議論が行われていると聞いております。

 私は、教育委員会制度のあり方を考えるときに、平成二十年に本県で起きた大変な不祥事のことを思い出さずにはおられません。あのとき、私は、県政を預かる知事として、県民の信頼を取り戻すため、何としても教育行政を再生しなければならないと決意したところであります。教育委員会任せということではなくて、やはり県政を預かる知事として、自覚を持ってこれに取り組まなきゃならぬというふうに考えたところであります。そして、しつこく果敢に徹底的な再発防止と教育改革を進めるよう教育委員会にも強く要望するとともに、知事部局との人事交流を拡大するなど教育委員会を後押ししたところであります。

 教育委員会の方も同じ思いで、改革を進めていただきました。公正で透明性の高い教員採用試験が実現するとともに、本来の使命である知、徳、体のバランスのとれた子供の育成においても成果が見られるようになってきたと思います。この間、教育委員には、教育の実を上げるため、教育再生に大変熱心に取り組んでいただきまして、知事部局と教育委員会の連携も随分進んできたと思っております。一人一人の教育委員もよく働いていただいたと思っております。

 今回の見直し案につきましては、現在、法制化に向けて制度の詳細を検討しているところだと聞いております。教育委員長と教育長のポストを統合することにより、県民から見て、教育委員会内の責任体制がわかりやすくなるとか、あるいは、首長や教育長、有識者等が教育について議論する場が設けられることにより、より一層、さまざまな立場からの意見が教育行政に反映されるといったことはあるのではないかと感じているところであります。

 いずれにいたしましても、今後とも教育にかかわる関係者がお互いの信頼関係の中でそれぞれの役割と責任をしっかりと果たすことで、大分県の子供たちに学力、体力と豊かな心をしっかりと身につけさせ、子供たちの夢が実現するように取り組んでいくということが大変大事だと考えているところであります。制度はいろいろ議論があるかもしれませんが、関係者が自覚を持って、それぞれが責任を果たしていくということが大変大事だというふうに思っております。

 次に、高校改革についてもお話がございました。

 国内にあっては少子高齢化、国際社会にあってはグローバル化など時代の潮流が急激に変わっていく中、これからの時代を担う生徒たちの教育というのはますます重要となってきているところであります。

 高校改革推進計画策定前の平成十七年においては、四学級に満たない小規模校が相当数あり、少子化が急激に進む中で学校の活力が失われつつある状況だったと記憶しております。学校の再編、統合によりまして、現在では、ほとんどの高校が四学級から八学級になっていると聞いており、各教科の専門教員も充実し、生徒が多くの友人と出会う中、お互いに切磋琢磨する環境がつくられていると思います。

 また、通学区域の撤廃は、生徒たちが能力、適性、意欲に応じて進路を主体的に選択できるようにしたものであります。一方で、学校は全県一区により選ばれるようになったことで、魅力ある学校づくりや教員の意欲向上につながったとも思います。

 さまざまな議論はあると思いますけれども、生徒によい意味での競争意識や主体性を持たせながら力を伸ばしていく上で、推進計画に基づく高校改革は一定の成果があったのではないかというふうに思っております。

 子供たちの学校選択の自由を広げる一方で、県内のどこに住んでいても同じように充実した高校教育が受けられるということが大切であることは論をまちません。県教育委員会では、各地域に拠点校を配置いたしまして進学力の向上を進めておりまして、全体としては成果が上がっていると聞いております。ただ、進学実績が伸び悩んでいる地域、学校もあると聞いておりまして、教員の資質、能力の向上等に一層取り組んでほしいと思っているところであります。

 今後、少子化が進む中、県教育委員会には、県全体の高校生の力を伸ばし、あしたの大分県、これからの日本を担う人材をしっかりと育成してもらいたいというふうに思います。

 次に、防災減災対策についてご質問をいただきました。

 本県の防災減災対策における喫緊の課題は南海トラフ巨大地震対策ですけれども、台風や豪雨に対しても万全を期す必要があると思います。そのため、私は「何よりも人命」という思いで、国に先駆けて地域防災計画の見直しを行うとともに、これまで避難路や避難場所の整備、自主防災組織の結成、防災士の養成、情報通信手段の確保等にスピード感を持って全力で取り組んでまいりました。

 防災減災対策では、自助、共助、公助が適切な役割分担のもとに機能することが重要であります。そこで、今後は、あらゆる災害に備え、ソフト、ハード対策の両面から一層の充実を図っていきます。

 まずは、ソフト対策であります。

 一つ目は、自助、共助の意識を持って地域の防災力を高める取り組みであります。

 地震体験車の導入等によりまして一人一人の防災意識の向上に努めながら、防災士をかなめとして自主防災組織の活動の充実を図ります。防災士の数は五千人を超えましたけれども、引き続き防災士を養成するとともに、スキルアップ研修やネットワーク化など活動しやすい環境づくりを進めます。

 私も防災士の資格を取りましたけれども、しっかりフォローアップをしないと、実際のときに役立つだけの知識が残っているかどうか大変心配になっておりますので、フォローアップというのも大変大事かなと思っているところであります。

 災害時には、あらかじめ市町村等が定めた高台等に直ちに避難することが大切であります。そういうことでお願いをしているところでございますけれども、そこが孤立した場合でも、安否確認だとか救助など支援が迅速に行われるように、市町村や自主防災組織と連携をして取り組んでいくということが大変大事だというふうに思っております。

 二つ目は、実践的な避難対策であります。

 それぞれの地域で具体的な避難の方法を定めた津波避難行動計画を作成いたします。避難行動要支援者については、個別の避難計画を作成し、地域で要支援者を支援したいと思います。また、台風等による洪水や土砂災害に備えまして、市町村等が早期の予防的避難を促す仕組みも検討いたします。

 三つ目は、事業所等の防災活動の推進であります。

 事業所等が津波避難のための対策計画を作成し、みずからの防災力の向上を図るとともに、自主防災組織と連携した取り組みも推進します。

 次に、ハード対策でありますが、まず、台風や豪雨に対しましては、玉来ダムを初めとした治水対策や土砂災害対策を進めてまいります。また、地震、津波に対しては、学校や住宅等の耐震化とともに、護岸、堤防についても補強やかさ上げ等の対策を検討します。加えて、南海トラフ特別措置法などを活用して、人工高台なども含め、避難施設等の整備を進めます。さらに、避難や防災、あるいは早期復旧復興に不可欠な緊急輸送道路として東九州自動車道など広域交通ネットワークの整備を進めるとともに、橋梁耐震化にも迅速に取り組んでいきます。

 こうした取り組みを市町村と一体となって着実に推進し、県民の皆さんが安心して暮らせる大分県の実現に向けて邁進していきたいというふうに思います。

 次に、農業振興についてご質問を賜りました。

 本県では、もうかる農業実現のため、国に先んじて構造改革を進めておりますが、経営マインドと実需者ニーズを重視するこのたびの国の政策転換に当たっても、これまでの取り組みを一層加速化していくことが重要だと考えております。

 その第一は、マーケット起点のものづくりによる生産拡大と販売力の強化ということであります。

 関西市場では、コネギやピーマンなど園芸戦略品目が大分ブランドとして定着してきました。そこで、さらなる生産拡大のため、国東市のコネギ大規模リース団地や竹田市荻町のトマトなど企業的経営体の取り組みを支援していきたいと思います。また、九重町では、豊富な地熱を利用したパプリカの高生産性大規模団地を整備するなど、全国トップレベルの実績を誇る本県の企業参入も進め、その販売力を活用していきたいと思います。

 企業撤退や価格低迷の影響から回復しつつある畜産でございますけれども、地域で連携し取り組む繁殖雌牛預託や低利用放牧地の活用を支援したいと思います。あわせて、国際処理基準への対応を視野に入れた畜産公社の食肉センター整備を支援するなど、輸出拡大に向けた取り組みも支援していきたいと思います。

 第二は、転換期を生き抜く力強い経営体の確保育成であります。

 担い手に農地の大半を集め効率的に利用するため、借り手の状況を見ながら、農地中間管理機構を通じて農地を集約し、利用しやすい区画に整備します。また、五十ヘクタールを超える大規模モデル経営体の圃場の大区画化や用排水管理システムの整備に新たに支援をいたします。

 しかしながら、本県農地の七〇%以上は中山間地にあることから、大規模化に限界のある中山間地での経営確立も重要であります。

 集落営農組織の経営改善を強化するために、園芸品目導入などの経営多角化や人材確保を図る組織をモデル的に支援していきたいと思います。

 農業の営みには、何といっても農地と水の確保が基本であります。担い手への農地の集約に応じて農家等の負担金の一部を還元する制度を創設するとともに、水利施設改修の農家負担を大幅に軽減いたします。

 さらに、国の日本型直接支払いもうまく活用して、農業の多面的機能の維持、発揮を図っていきたいと思います。

 こうした取り組みを進める中で、内外の情勢変化に柔軟に対応できる本県農業、農村の持続的発展を進めていきたいと思います。

 次に、景気回復に向けた取り組みについてもご質問をいただきました。

 国内の景気が今、回復基調にある中、県内では、一部に緩やかな持ち直しの動きがあるものの、消費や投資面でなお厳しい情勢が続いているところであります。

 昨年、まず心配したことは、金融円滑化法期限切れの影響でありました。このため、県制度資金に借りかえ資金として百億円の融資枠を用意しましたが、幸いなことに昨年の企業倒産は五十八件と、平成に入って最少となったところであります。

 こうした守りの対策も講じながら、中小企業が攻めの気持ちを持てるように中小企業活性化条例を制定いたしまして、支援機関とも連携して頑張る中小企業を応援してきたところであります。

 例えば、設備投資等を支援する「ものづくり補助金」には七十三社、緊急雇用の基金を活用した事業拡大、新分野進出等の支援事業には七十五社が採択され、創業件数も目標の三百五十件を達成できる見込みであります。また、商工会等によるプレミアムつき商品券につきましては、約十九億六千万円が地元の商店等で利用されました。

 雇用面では、新たに設置したおおいた産業人財センターに採用意欲の高い県内企業がこれまで百四十二社登録し、U、J、Iターンを含め、百四十一名の採用につながったところであります。

 こうした取り組みの中で、昨年秋の五百社訪問では、「景気はよい」と回答した企業が春に比べまして一・五倍にふえ、特に従業員三百名未満の企業で改善傾向が強く出るなど、ようやく先行きに明るい兆しが見え始めております。これを現実のものとするためには、二十六年度を景気浮揚の正念場ととらえ、県内景気を前向きに牽引していくことが重要であります。

 まずは需要喚起であります。投資的経費を三年ぶりに千三百億円台とするとともに、好評を得たプレミアムつき商品券の発行総額を四十四億円に拡大して支援をいたします。

 雇用面では、基金を活用して、従来の雇用拡大に加えまして、働く皆さんが景気回復の動きを肌で感じられるように、在職者の処遇改善に向けた支援にも取り組んでまいります。

 このような足元の対策とあわせまして、将来を見据えた成長戦略も大事であります。

 成長意欲やポテンシャルの高い地場企業をこれまでにないスケールで支援し、地域牽引企業として、持続的な成長を通じて地域の雇用や産業活力を生み出していきます。

 また、県内製造業者の四分の一を占める食品産業を育成するために、おおいた食品産業企業会の各種取り組みを支援するとともに、東九州メディカルバレー構想の一環として、ロボット関連産業の創出にも取り組みます。

 今後とも、中小企業が存分に活躍できるような環境をしっかりと整えて、県民が景気回復を実感できるように努めていきたいというふうに思っているところであります。

 東九州自動車道についてご質問を賜りました。

 東九州自動車道の北九州−大分−宮崎間がつながると、九州縦貫自動車道と連結ができまして、待望の九州を循環する高速道路ネットワークが形成されることになります。これは、農林水産業や商工業はもとより、観光など、本県の発展に大きな役割を果たすことになります。また、東九州は、南海トラフ巨大地震の発生も心配されている地域でありまして、住民の安全、安心な生活を確保する大きな備えとしても早期の開通が必要であります。

 こうした重要な東九州自動車道でありますので、建設促進協議会などが北九州−大分−宮崎間の一体的な早期開通に取り組んでまいりました。昨年末に佐伯−蒲江間が一年前倒しと公表されたことは、議員各位のご支援と県民挙げての運動の成果でありまして、二十六年度の全線開通にようやくめどがついたところであります。

 来年度は、いよいよ残り三区間となりました。このうち、行橋−みやこ間と佐伯−蒲江間の二区間は順調に工事が進んでおります。

 一方、お話がありましたように、築上−宇佐間二十八キロのうち豊前−宇佐間の二十一キロは、先月、中津市で行政代執行が終了いたしまして、目標の二十六年度開通に向け、工事を進めることができるようになりました。残る築上−豊前間の七キロメートルでは、一部用地買収がまだ残っておりまして、福岡県の土地収用委員会において審理が進められているところであります。

 心配をおかけしているこの件につきましては、私も早い段階から西日本高速道路株式会社に最大限の努力をお願いするなど、関係者へ強く要請してきたところであります。

 本県では、既に全線開通を見据えて、県北地域を中心にした自動車関連産業の振興や東九州メディカルバレー構想の実現に向け、この道路による立地の優位性をPRし、さらなる企業の集積を進めているところであります。また、「おんせん県おおいた」や世界農業遺産の国東半島宇佐地域など県内各地により多くの観光客が訪れるよう、関西や四国などで観光のプロモーションも開始しております。

 こうした取り組みを確かなものにしていくため、引き続き、一日も早い全線開通を関係機関へ粘り強く働きかけてまいります。関係各位のご支援、引き続きよろしくお願いしたいと思います。

 子育て支援についてご質問を賜りました。

 今般、子育て支援が、社会保障と税の一体改革の中で、医療、介護、年金とともに社会保障四分野として位置づけられたことは、子育て満足度日本一を掲げる本県にとっても大いに意義あることと思っております。

 来年度は、「安心・活力・発展プラン」の実質的な仕上げの年でありまして、皆さんが「大分県は子育てがしやすい、大分県で子育てをしてよかった」と思ってもらえるよう、取り組みを加速してまいりたいと思っているところであります。

 まず、都市部を中心に保育所の待機児童が大きな課題となっております。このため、待機児童ゼロを目指しまして、私立保育所の施設整備を支援することによりまして六百三十二人の定員増加を図るとともに、保育士・保育所支援センターを設置いたしまして、潜在保育士と保育所とのマッチングにより保育士確保を支援していきたいと思います。

 また、核家族化や少子化の進展によりまして家庭や地域の子育て力が低下しておりまして、これを下支えしていくことが必要であります。このため、乳幼児とその保護者が気軽に利用できる地域子育て支援センターのスタッフ研修の充実や保護者や子供と毎日接している保育所の保育士を対象とした専門研修を行うことによりまして、家庭と地域での子育ての支援を行っていきたいと思います。

 さらに、病児、病後児保育の拡充を図るとともに、放課後児童クラブに新たに子育て経験豊かな地域のボランティアや教職員OBを派遣しまして、学習指導や体験活動を行う取り組みを支援いたします。

 あわせて、こうした子育て応援情報が十分に届いていないという指摘もあることから、子育て世代などに必要な情報がしっかりと届くようにマスメディアの活用やNPOとも連携するなど情報発信を強化して、地域や社会全体で子育てを応援する機運を醸成したいと思います。

 さらに、親からの虐待等によりまして心理的、精神的な課題のある子供たちを入所によって治療する情緒障害児短期治療施設につきまして、平成二十七年四月の開設に向けて、施設整備等を支援したいと思います。こうしたことによりまして、社会生活への対応が困難な状況にある子供たちの支援にも取り組んでまいります。

 これらの取り組みによりまして、子育て満足度日本一の実現に向けて、さらに力を加速してまいりたいと思います。

 大分トリニータについてもご質問をいただきました。

 この件につきましては、かねて申し上げているとおり、まずは、トリニータ自身の努力が大事であります。それを県民、経済界が評価し、三位一体の支援体制が整うのであれば、県としても応援しなければならないと考えて、熟慮を重ねた上で決断し、支援してきたところであります。

 末宗議員からは、思い切りが悪いと、こうお話がありましたけれども、やはり、県の、県民から預かっております税金を使って支援をする以上、最後まで熟慮を重ねていかなければならないというふうに考えているところであります。

 トリニータの自助努力を見てみますと、平成二十一年の経営危機以降、抜本的な経営体制の見直しやあらゆる収入の確保と徹底した経費節減に努めまして、四期連続で一億円以上の黒字を計上するなど、債務超過の解消に向けて着実に成果を上げておりまして、議員ご指摘のとおり、厳しい経営状況に変わりはないものの、経営基盤は強化されつつあると考えています。

 チームにつきましても、残念ながらわずか一年での降格ということになりましたけれども、昨シーズンは四季ぶりのJ1昇格を果たしたところであります。

 こうした経営努力やチームの頑張りもあり、一昨年、県民、サポーターから一億二千万円を超える支援金が寄せられるとともに、大分銀行ドームには年間二十万人を超える観客が足を運んでくれております。

 また、経済界もスポンサーなどとしてトリニータをしっかり支えていただいておりまして、まさに三位一体の支援体制が整ってきていると考えております。

 今回の第三者割り当て増資に対しまして、これまでの三位一体の経緯や、その中でトリニータが着実に再建しつつあること、県民、サポーターの思いと熱い支援などを踏まえまして、慎重に検討した上で、県としても経済界や市町村とともに出資することを決断したところであります。

 トリニータには、県民の元気の源として、最後まで息切れすることなく、アグレッシブな試合を見せてほしいと思います。また、県内外から多くの観客を呼び込むことで、大分の経済にも貢献してくれることを期待しているところであります。そのためには、今後も経営努力を重ねるとともに、県民、サポーターの期待にこたえるよう、J1昇格を目指してしっかりと戦い抜いてもらいたいと思います。

 私といたしましては、これまで一貫して県民とともに大分トリニータのあり方を考え続けてまいりました。あるときは、厳しい姿勢をもって臨み、また、あるときは、サポーターや経済界の皆さんとともに、思い切った再建戦略を練ってきたところであります。

 今後も三位一体の気持ちでトリニータを応援していきたいと思っております。

 私からは以上でございます。その他のご質問につきましては、担当部長から答弁をさせていただきます。



○近藤和義議長 島田総務部長。

  〔島田総務部長登壇〕



◎島田勝則総務部長 今後の財政見通しについて、先ほどの知事答弁に、私からつけ加えさせていただきます。

 お配りしております資料、「今後の財政収支見通し(試算)」を再度ごらんください。

 資料の左側が前提条件でありますが、二十七年度の県税は、内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」における二十六年度の名目成長率三・三%をもとに見込み、その上で消費税率の引き上げや税制改正を反映しております。

 その下の交付税・臨財債は、県税の増加分を差し引きまして、一般財源総額は確保されるものと仮定して試算しております。

 この結果、右側の表の二十七年度の一番上、歳入(1)県税・交付税・臨財債等は三千八百五十七億円と増加をいたします。これは、経済成長による県税の伸びに加え、二十七年十月から消費税率が一〇%になる前提で試算していることによるものであります。

 その表の(3)県債(通常債)ですが、それは、その下の歳出欄、(2)の投資的経費に連動いたします。投資的経費は、基金事業の減などにより二十七年度千二百三十二億円に減少いたしますけれども、二十六年度限りの国の臨時交付金の影響によりまして県債は四百二十五億円と増加をいたします。歳入(4)その他収入は、国の補正予算による基金事業の終了に伴い、減となっております。

 次に、表の中段、歳出欄であります。

 (1)義務的経費の?人件費のうち給与費等は、これまでの行革効果や新陳代謝等により減少するものの、退職手当は、退職者の増により増加をいたします。?社会保障関係費は、高齢化の進行等により四・四%増加いたしますが、?の公債費は、これまでの県債の発行抑制の効果等により逓減いたします。

 (2)の投資的経費では、公共事業等は二十六年度と同額といたしまして、主要事業を個別に積み上げております。例えば、県域食肉流通センターや大分東警察署、その他大規模施設の改修費等を積み上げているところであります。

 次に、二つ目の枠、二つ目の表でありますが、一番上の行、財調用基金繰入額の行が収支不足を示すものであります。二十六年度は七十億円のマイナスとなっておりますけれども、これに、決算剰余金の十五億円、行革効果の四十億円を加味いたしまして、二十六年度末の財政調整用基金残高は四百十六億円を見込んでおります。

 二十七年度は、社会保障関係費と退職手当の増加によりまして、収支差はマイナス九十一億円と拡大いたします。しかしながら、これも行革効果等を加算、加味いたしまして、三百八十億円を確保する見込みであります。

 一番下のプライマリーバランスという行ですけれども、県債残高全体の増減を示すものであります。二十七年度は、臨財債の減少等により県債残高がわずかながら減少する見通しであります。

 以上で追加の説明を終わります。



○近藤和義議長 松田教育委員長。

  〔松田教育委員長登壇〕



◎松田順子教育委員長 私の方からは高校改革についてお答えいたします。

 県下の高校では、改革の実施前に三学級以下の小規模校が約四割あったものが、現在はほとんどの高校が適正規模の下限である四学級以上となっています。高校改革フォローアップ委員会では、このことにより、各教科専門の教員が適正に配置され、部活動もふえるなど、高校が活性化して、教育水準は維持向上されていると評価されました。

 普通科高校の全県一区についても、生徒の主体的な進路選択や各高校の特色ある学校づくりなどに一定の成果が出ています。また、地域の生徒は地域で育てるという基本的な考えのもと、地域の普通科高校のうち八校を進学指導重点校に指定し、進学力向上の支援を行ってきました。この八校の国公立大学現役合格率は、事業導入前の五年間の平均で三四%でありましたが、導入後の平均で四一%に上昇するなど、県全体の進学実績は向上し、その成果があらわれています。

 しかし、一方で各高校間で進学状況に差が生じてきており、今後、それぞれの学校の課題に応じた支援を充実する必要があると考えています。

 以上です。



○近藤和義議長 野中教育長。

  〔野中教育長登壇〕



◎野中信孝教育長 教育事務所についてお答えします。

 教職員数や配分予算ですが、今年度、六教育事務所に合わせて五十名を配置し、指導のための旅費、需用費等の運営費を約一千六十万円確保しています。

 教育事務所のあり方と今後の見通しですが、現在、大分県の小中学校には、学力、体力の向上、組織的な学校運営体制の整備などさまざまな課題があり、県教育委員会として市町村教育委員会、学校に対し、しっかり指導や支援を行う必要があります。その際、市町村教育委員会との日常的な連携のもと、地域の実情を踏まえた機動的な指導や支援が大事であり、各地域の教育事務所がその役割を果たしています。

 特に今年度は、教育事務所が芯の通った学校組織の構築について、管内のすべての小中学校におおむね三回以上訪問して学校状況の確認や必要な指導を行うことで、組織的な学校づくりが着実に進んでいると考えています。

 今後とも、きめ細かい指導により、全県的に学校の指導力や組織力を向上させられるよう、教育事務所の機能を活用していきたいと考えています。

 以上です。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。

  〔工藤農林水産部長登壇〕



◎工藤利明農林水産部長 私の方からは、農林水産業関係について、五点お答えを申し上げます。

 まず、世界農業遺産についてでありますが、クヌギ林やため池といった豊かな自然を有する国東半島宇佐地域には、宇佐神宮などの歴史的遺産、国の重要文化的景観に選定された田染荘、ミトリ豆やガザミ、クルマエビといった貴重な食材や希少生物であるオオサンショウウオなど全国に誇れる地域特有の魅力的な素材がございます。世界農業遺産の認定をきっかけに県内外の旅行業者などからの問い合わせもふえてきているところであります。

 今年度、早速、ジアスの認証制度を創設し、シイタケと七島イのブランド化に取り組んでいるところであります。

 シイタケの収穫体験などを行うモニターツアーでは、地元食材を使った弁当が好評を博しております。また、食をテーマに阿蘇地域と生産者交流会を開催し、地域食材の魅力を共同で県内外に発信をしております。さらに、東九州自動車道の全線開通を見据え、世界農業遺産地域の玄関口に当たる農業文化公園にシイタケほだ場や七島イの栽培圃場など視察スポットの整備を行っているところであります。

 今後は、グリーンツーリズムや地域特有の食文化などを通じて本地域のファンをふやし、交流人口を拡大していきたいと考えております。

 次に、世界農業遺産ファンドについてであります。

 この認定を機に、ブランド化など生産振興を図っておりますが、次世代教育や農耕文化、生産システムの継承も大変重要であり、こうした取り組みに必要な約三千万円を賄えるよう六十億円の果実運用型ファンドを設けたいと考えております。

 これからの取り組み事業ですけれども、次世代の育成を図るために、小学生向けの教材本の作成、中学二年生が特別授業の成果を発表する中学生サミットの開催、また、高校生による伝統工芸など地域のたくみを対象とした聞き書き活動などを支援してまいります。

 農耕文化を保存、継承するために、高齢化により運営が困難になっている活動組織に対しまして、担い手の育成などの支援をしてまいります。

 コンセンサスの形成についてでありますが、地域づくりグループがクヌギ林やため池をめぐるウオーキングコースを整備するなど、地域の活動も活発になりつつあります。身近なところの世界農業遺産を再認識し、語り継ぐ研修などを各地域で実施もしております。これらの動きをシンポジウムなどで共有し、地域みずから世界農業遺産を継承、発展させていくような合意形成につないでいきたいと考えております。

 次に、シイタケの振興についてであります。

 シイタケの価格回復には、販路開拓や商品開発、安全、安心のPRなどを充実強化し、消費拡大につなげることが重要と考えております。

 このため、二十六年度から県職員のマーケターを新たに設置をし、東京や大阪などの有名料理店やスーパーといった量販店、使用自粛が依然として続いています関東の学校給食会を対象に販路を開拓いたします。

 また、世界農業遺産の地域認証シイタケの生産拡大や有機JAS取得などによりまして、有利販売やEUへの輸出につなげてまいります。

 加えて、調理学校や大分乾しいたけ食の伝道師十五名と連携いたしまして、家庭や若い世代が調理しやすいレシピの作成や昨年十二月に発売をした「水戻ししいたけ」といった加工食品の開発を進めてまいります。

 さらに、宮崎県など主要生産県と連携をして東京や大阪などで料理コンクールを開催し、安全性や効能に関するデータを示しながら広くシイタケのよさをPRしてまいります。

 こうしたさまざまな取り組みを県椎茸農協など関係者と一体となって強力に進めてまいりたいと考えております。

 次に、水産振興についてであります。

 最近の食生活の変化に伴う魚介類の消費量の減少などで水産物価格が低迷する中、輸出は需給のアンバランスを積極的に解消する手段として非常に有効であると考えております。

 中でも、国の輸出戦略の重点品目であります養殖ブリは、安定供給が可能で、ここ五年間で輸出量は全国で約二・六倍まで増加をしております。海外では高級食材として価格面でも有利でありまして、本県の海外戦略に基づきまして、米国に加え、香港、タイ、シンガポールで県漁協などと連携し販路開拓に努めてきたところであります。

 近年、需要の伸びが大きいEUへの輸出については、加工施設の登録など厳しい衛生管理基準を満たすことが必要で、現在、養殖ブリでの認定は四県の四施設にとどまっております。

 このため、県内の輸出に意欲的な企業と協力して、二十六年度中に認定要件をクリアするとともに、国庫補助を活用して、輸出業者と連携をした市場調査や販路開拓を行ってまいります。

 ユネスコ無形文化遺産として和食が世界的に評価される中、成長著しいアジアや新たな市場として有望なEUなどをターゲットに、他県に先駆けた販売促進を行ってまいりたいと考えております。

 最後に、漁業後継者の確保についてであります。

 県では、年間五十名を目標に新規就業者の確保に取り組んでおりまして、近年はおおむね目標を達成しているところであります。

 具体的な取り組みとしては、小中学校で漁業体験教室を開催し、水産業への興味を喚起するほか、津久見高校海洋科学校生を対象にインターンシップを行っており、毎年四名から七名の卒業生が水産業に就職しております。

 県漁協では、大都市で開催をされる漁業就業支援フェアを通じて佐賀関に移住した就業希望者に対して、ベテラン漁業者による漁労技術の実践研修を行っているところであります。

 県としても、こうした地域の取り組みを支援するとともに、新たな施策のモデルケースとするために、二十六年度から家賃や漁船リースなどに支援することとしております。この成果を検証し、他地域での導入についても検討してまいります。

 今後は、国の就業準備給付金を受けられるよう、要件であります漁業に関する座学や漁労技術実習の指導者の確保を含めた研修体制の整備に着手するなど、県漁協、学校など関係機関と連携して取り組み、漁業後継者のさらなる確保に努めてまいります。

 以上です。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。

  〔西山商工労働部長登壇〕



◎西山英将商工労働部長 中小企業の雇用についてお答え申し上げます。

 本県の有効求人倍率は〇・八倍台と依然として全国平均より低い状況にありますが、昨年秋の企業訪問調査では、人手不足とした企業の回答の割合が春の三〇・五%から四五・九%へと大幅に増加しております。また、今後の採用予定がある企業の割合も二一・二ポイント増加するなど、県内中小企業において採用意欲が高まってきていると感じております。

 こうした採用意欲を実際の求人に結びつけるには、ビジネスの場の拡大を通じた中小企業の足腰強化を図りながら求職者とのマッチングを着実に図っていくことが重要であると考えています。このため、来年度は、緊急雇用の基金を活用し、若年者等の雇用拡大はもとより、在職者の定着支援にも取り組みたいと考えております。また、産業人財センターでは、無料職業紹介を開始し、ワンストップのマッチングに取り組みます。そして、子育て中の女性に対しては、ニーズに応じた実践的な就業体験等の支援策を講じるなど、効果的な雇用対策を行ってまいります。

 以上です。



○近藤和義議長 塩川企画振興部長。

  〔塩川企画振興部長登壇〕



◎塩川也寸志企画振興部長 私からは、観光振興と首都圏への情報発信についての質問に対しお答えをさせていただきます。

 初めに、観光振興ですけれども、ツーリズム戦略実行元年の今年度は、「おんせん県」のCM等さまざまな施策の展開により全国に向けた情報発信と誘客に成果を上げることができました。

 議員ご指摘のとおり、二十七年夏に開催するデスティネーションキャンペーンは本県観光にとって大きなチャンスであり、魅力を最大限に生かした旅行商品造成を促すため、本年九月に全国の旅行会社等を招いて販売促進会議を開催するとともに、各地でおもてなし体制の整備等機運醸成に全力を挙げることといたしております。

 また、大河ドラマの放映を生かした誘客や交通事業者と連携したキャンペーンに加え、旅行情報誌やウェブ上での「おんせん県」PRなど積極的な情報発信を展開してまいります。

 さらには、東九州自動車道の開通に向け、中四国や北九州に向けた情報発信の強化に宮崎県と共同で取り組むとともに、西日本高速道路とも連携して高速道路の利便性を生かした誘客策を講じることといたしております。

 以上の取り組みを中心にさまざまな施策を積極的に展開するため、予算案には前年度比二〇%増の四億七千八百万円を計上しており、新年度をさらなるステップアップの年としたいと考えております。

 次に、首都圏への情報発信についてでございます。

 これまで、「坐来大分」を活用した情報発信はもとより、航空会社との共同キャンペーンやLCC大分−成田間の新規就航を契機とした新たな客層の開発、MICE誘致の強化など、首都圏域の特性を踏まえた取り組みを推進しているところです。この結果、二十五年の関東地方からの宿泊客数は、速報値でございますけれども、対前年比八・〇%の伸びとなっております。

 一方、昨年公表された地域ブランド力調査では、大分県は、九州六位、全国では二十九位とされ、全国的な認知度向上を図ることが課題であります。

 今後は、二十六年度、新たに制作する「おんせん県」PR動画をウェブで流すほか、情報発信の拠点たる首都圏でのイメージ戦略を展開してまいります。

 具体的には、テレビ番組等で大分の情報がより一層取り上げられるよう、東京事務所に新設される「おんせん県おおいた課」を中心に、PR専門会社とも連携して首都圏メディアへの売り込み活動を強化するほか、年間乗降客数がおよそ六千百万人に上る羽田空港で大型広告を掲示して認知度アップを図りたいと考えております。

 こうした新たな取り組みにより首都圏域での露出度を高め、さらなる観光誘客につなげてまいります。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。

  〔畔津土木建築部長登壇〕



◎畔津義彦土木建築部長 私からは二点についてお答えをさせていただきます。

 まず、道路整備の方針についてでございますが、県では、道路整備の中長期計画であります「おおいたの道構想21」に基づきまして、交通安全や防災対策といった生活の安全、安心を高める道路整備や、東九州自動車道など地域の活力を高め発展を支えるネットワーク整備、庄ノ原佐野線など快適な暮らしをつくる都市空間整備を三つの柱に道路整備に取り組んでおります。

 この計画を踏まえまして、引き続き、県勢発展の土台となります社会資本として、地域高規格道路を初めとする幹線道路の整備は着実に進めていく必要があると考えております。

 加えて、今年度行った県の政策に関するアンケート調査では、交通政策として都市部の渋滞対策や通学路の整備など住民の生活を支える身近な道路整備を求める声が多く見られます。

 また、近年、道路防災対策や老朽化対策もより一層大きな課題となっております。

 このような課題や県民の多様なニーズなどをしっかり踏まえまして、今後とも効率的、効果的な道路整備を着実に進めてまいりたいと考えております。

 次に、社会資本の老朽化対策についてでございます。

 県では、老朽化が進むさまざまな社会インフラが安全に機能し続けるよう、点検を着実に進めながら、長寿命化計画を策定し、適切なタイミングで補修や更新を行うアセットマネジメントに取り組んでいるところでございます。

 例えば、県管理橋梁につきましては、平成二十年度の試算では、アセットマネジメントを行うことで五十年間に要するコストを約四百三十億円削減し、約五百億円と推計しております。

 橋梁、トンネルにつきましては、現在実施している詳細点検の結果や今回の国の補正を受け入れ実施するトンネル背面空洞調査などを踏まえまして、来年度、より精度の高い推計を行う予定でございます。

 その他港湾など主要施設についても、おおむね平成二十八年度までに策定する長寿命化計画の中で中長期的なコストを算出してまいります。

 今後とも社会インフラが県民生活や産業を支える基盤としてしっかりと機能するよう、国の防災安全交付金などを活用するとともに、近年、高度化が著しい新技術等を積極的に導入しながらアセットマネジメントを着実に進めてまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。

  〔平原福祉保健部長登壇〕



◎平原健史福祉保健部長 社会保障の充実についてお答えをいたします。

 消費税率の引き上げに伴う本県の二十六年度における地方消費税の増収につきましては、二十四億九千三百万円と試算をしています。

 このうち、社会保障の充実につきましては、国において子育て支援関係や医療保険関係などの充実を図ることとされており、本県においても、まず、子育て支援関係として、待機児童解消に向けた保育所定員増への対応や市町村が行う地域の子育て支援事業の充実等に三億六千八百万円を充てることとしています。

 また、国民健康保険及び後期高齢者医療に係る低所得者の保険料軽減措置の拡充と高額療養費の自己負担額の見直しに八億六千二百万円を充てるなど、計十二億七千三百万円を社会保障の充実分として計上しております。

 なお、消費税率の引き上げに伴い、消費税の一定割合を財源とします地方交付税についても、増収を十四億四千七百万円と試算しておりまして、これにつきましても社会保障の安定化に充てることとしております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 以上で末宗秀雄君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午後零時十九分 休憩

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     午後一時二十一分 再開



○田中利明副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 代表質問を続けます。玉田輝義君。

  〔玉田議員登壇〕(拍手)



◆玉田輝義議員 二十七番、県民クラブの玉田輝義でございます。

 まず、きょうは、寒い中でしたけれども、豊後大野から傍聴に来ていただいた皆さん、本当にありがとうございます。心から感謝申し上げたいというふうに思います。

 さて、やはり先月の大雪、先月の十三日から続いた大雪では、負傷者も発生しまして、農業被害は十二億円を超えました。予期せぬ被害に遭われました方々に心からお見舞いを申し上げます。

 今回の大雪で、私の地元豊後大野市も大変大きな被害を受けました。行政機関を初め、民間の事業者の方に大変ご苦労をかけました。とりわけ知事には、市内の被災地を早速、視察していただき、被災者支援策の充実に向けて力強い言葉をいただきました。

 あの雪害の際、現場では、被害に遭った住民を守ろうと、本来の仕事の域を超えて、さまざまな支援活動がありました。停電復旧のため、電力会社の事業所には県外から多くの作業員が集まり、集中的に復旧作業に当たりました。しかし、大量の雪で、なかなか作業がはかどりません。所属長は、復旧がおくれている停電地区の一軒一軒に電話を入れ、安否確認を行うとともに、電話が通じなかった世帯には社員が直接の安否確認に向かいました。

 雪によって閉ざされた地域には透析患者が、また、停電地区には在宅の酸素療養者もいました。雪の中、近所の人や市の職員が食料を持って安否確認に歩いた、そういうところもあります。

 あの日、県内各地でも同じような取り組みがあらゆるところで行われていたと思います。一丸となって応急対応に当たる中で、日ごろから高めてきた地域の防災力が随分と発揮されたのではないかと思います。

 このような大規模な雪害は、一九八四年以来、三十年ぶりということですが、当時を知る人たちからは、「集落の体制が大きく変わってしまった。被災時の小規模集落特有の課題が都市部の災害の課題と一緒にされて、その実情や課題が伝わりにくくなっている。大きな問題だ」という指摘もいただきました。また、「小規模集落には災害に備えて重機を扱える人材バンクをつくっておくことも必要では」、そういう貴重なご提案もいただきました。

 あらゆる危機事案に対応するためには予算も人も必要となりますが、県民の安心、安全な暮らしを守るため、今後ともきめ細かな防災減災対策に積極的に取り組んでいただきたいと感じます。

 さて、県民クラブは、この三年間、人口減少社会の中の大分県、そういうテーマで調査研究と会派内議論を行っております。

 人口減少社会が直面する社会の課題には、社会保障制度をどのように存続させていけばいいか、成熟する社会の中で経済の低迷と財政の悪化にどのように対応するか、高度成長期以降につくられた社会インフラが老朽化する中で負担すべき費用の増加にどう対処するかなどがあると考えています。

 広瀬知事も、今回の提案理由の中で、初めて、人口減少社会を見据えた対応を新たな政策展開として打ち出されました。

 会派の議論の過程で大分県のさまざまな課題が見えてきましたが、人口減少社会は、人口減少に伴って地域社会のシステムを大きく変えていかなければ成り立たない社会であり、特に、あえてそう呼びますけれども、人口減少先進県大分での新たな地域社会づくりへの挑戦は、後から追いかけてくる他の自治体のモデルとなることは間違いないと思います。

 今任期も、残すところ、あと一年になりました。今後も、地域に根差した活動を通じて、県民生活の現場の課題に向き合いながら、県民と同じ目線で、一緒に汗をかき、前へ進む県民クラブを代表して質問いたします。

 安倍政権が誕生して一年二カ月余り過ぎました。総理就任当初は謙虚さを強調していたものの、次第に保守色の強い安倍カラーを前面に打ち出し、総理が目指す国家観や政策運営方針には、その危うさとおごりが見えてきました。こうした状況の中で、次の二点について知事の政治姿勢としてお伺いします。

 まず、憲法についてです。

 自由民主党は、一昨年四月、独自の日本国憲法改正草案を発表しました。この草案は、現行憲法第十三条の「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」という言葉に置きかえるとともに、第九十七条の基本的人権の永久不可侵性を丸ごと削除するなど、国や社会の利益や秩序を優先し、個人の人権に普遍的価値を認める日本国憲法の崇高な理念を否定しています。さらに、何が公益であり、どのような行為が公の秩序に反するかという重要な判断が国によって恣意的に拡大解釈されるおそれがあるなど、大日本帝国憲法下における法律の留保つきの人権保障と何ら変わりないと思います。

 また、草案第二十一条第二項では、「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは認められない」とし、国民や報道機関の言論の自由を堂々と制限できることとしています。

 このように自民党草案は、個人の権利、自由を確保するために国家権力を制限する、そういう近代立憲主義における憲法の根本理念を真っ向から否定するものであり、草案第九十九条によって、憲法は、国家権力でなく、あろうことか国民を縛る道具と化しています。

 安倍政権発足以降、第九十六条の憲法の改正要件を先行改正しようとする動きや集団的自衛権の解釈改憲問題など現行の平和憲法は大きな危機にさらされており、昨今は護憲対改憲という構図から、近代立憲主義に基づく立憲と立憲主義自体を壊す壊憲という対立軸が鮮明になってきたと思います。

 現行憲法第九十九条が定める憲法尊重擁護の義務は国政のみならず地方行政に携わる公務員にも課されていますが、一般職、特別職の別を問わず、それぞれの公務員の持つ憲法観によって職務における判断や行動原理は大きく左右されると考えています。

 本県行政の羅針盤となる長期総合計画や県政推進指針は、県政を預かるその時代、時代の知事の政治姿勢や基本理念が色濃く反映されると思われます。

 そこで、十年以上にわたり県政を牽引され、豊富な行政経験をお持ちの広瀬知事に、このような昨今の憲法をめぐる動きについて、ご自身の憲法観も含めて、所感をお伺いします。

 次に、教育委員会制度についてです。

 自民党の教育委員会制度改革に関する小委員会は、二月十八日、教育委員会制度の見直し案を了承したと報道されました。

 自治体の首長の権限を強めて政治主導が加速され、教科書採択やいじめ問題等での国の関与も強める内容となっています。また、教育行政の責任の所在を明確化、迅速な危機管理対応、選挙で選ばれた首長の意向を教育行政に反映、国の関与の強化の四点が改革の目的とされ、自民党の選挙公約に沿った形で、今国会での成立を目指すという内容でした。

 この制度改正の危うさは、首長の権限が強化され、その意向が教育の現場に直接反映されることにより、教育の政治的中立性が侵される点にあります。また、首長の交代の都度、教育現場の方針が左右されることにもなりかねず、教育の安定性が侵害される危険性もはらんでいます。

 そこで、こうした動きを踏まえ、教育とはどうあるべきなのか、また、教育の政治的中立性についてどのようにお考えなのか、知事のご所見をお聞かせください。

 次に、人口減少社会と地方分権について、五点お伺いします。

 まず、人口減少下での県政運営についてです。

 大分県の総人口は一九八五年をピークに年々減少していますが、国立社会保障・人口問題研究所の人口推計によると、二〇一〇年から二〇四〇年にかけての今後三十年間においても二割程度の約二十四万人がさらに減少し、これは全国平均をかなり上回る減少ペースです。また、十五歳から六十四歳の生産年齢人口は約三〇%も減少し、六十五歳以上の老年人口は逆に約一〇%増となる見込みです。

 人口減少は、少子高齢化のみならず、生産年齢人口の減少から税収減を引き起こし、地方交付税にも影響を与えかねません。また、老年人口の伸びは、当然ながら、医療、介護等の社会保障費の増加につながります。

 本県の来年度予算案では、企業業績の回復と消費税率の引き上げにより税収増を見込んでいますが、人口減少社会においては、長期的に見ると歳入は減少する一方、歳出は増大し、財政はさらに厳しくなると予想されます。

 特に、中山間地を多く抱え、高齢化や人口減少の進展も速い本県では、必要な住民サービスの維持向上を図りつつ、財政の健全化を図るためにも、長期的な計画のもとで効率的な財政運営を行う必要があります。

 県では、今後の人口減少に伴う産業構造への影響や社会保障費の増大が新たな政策展開を少なからず左右するとの認識のもと、二〇四〇年までの中長期的な県勢シミュレーションを実施し、先週公表されましたが、こうした人口減少社会と向き合い、そして乗り越えるために、どのような県政運営を行っていくのか、中長期的な視点に立った知事の展望をお聞かせください。

 次に、人口減少の中での地方分権の方向性についてです。

 一九九三年に国会において地方分権の推進に関する決議が採択されました。第一次地方分権改革の主役であった地方分権推進委員会は、この改革を、明治維新、戦後改革に並ぶ第三の改革と位置づけ、並々ならぬ意気込みで取り組んだと思います。

 この決議では、「ゆとりと豊かさを実感できる社会をつくり上げていくために」という改革目標を掲げ、また、地方六団体の地方分権の推進に関する意見書では、「成長から生活重視の政策への転換時期」と指摘しています。

 その後二十年が経過しましたが、ゆとりと豊かさを実感できる社会を県民が実感しているとは思われず、今の安倍政権の政策はむしろ逆行している感さえいたしますが、人口減少時代を迎える今こそ、地方分権への改革目標を掲げた当時の国会決議や地方六団体の意見書が生きてくると思います。

 地方分権は、財政問題の視点だけで進めるのではなく、成熟社会に見合った地方の姿をつくるものでなければならないと考えますが、人口減少社会を迎える中、知事の目指す地方分権はどのような地域社会を目指そうとするのか、お伺いします。

 次は、地域公共交通についてです。

 人口減少とモータリゼーションの進展、さらには規制緩和による需給調整規制の廃止が交通事業者の撤退に拍車をかけ、地域公共交通の空白地域が年々拡大しています。特に小規模集落を中心に、地域公共交通の有無によって住みなれた地域に住み続けられるかどうか、究極の問題に直面している住民もたくさんいます。

 本県では、二〇四〇年に七十五歳以上の後期高齢者が人口の約二三%になると予想される中、地域公共交通が生活の質を確保する手段として従来にも増して必要とされる時代が来ることを認識し、地域に必要不可欠な社会的インフラとしてしっかりと位置づけられなければならないと考えます。あわせて、地域に暮らす住民のコンセンサスを得て、行政による社会的投資としての支援と住民参加を促すことによって地域の公共交通を維持育成していく必要があります。

 また、まちづくりや観光振興などの地域戦略との一体的な取り組みも必要であり、走らせるための対策から地域の交通政策への発展が求められると思います。

 昨年十二月に成立した交通政策基本法に基づく日常生活に必要不可欠な交通手段の確保の考え方も踏まえ、今国会には地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部改正が提出されるなど、引き続き持続可能な地域公共交通ネットワークの構築が求められます。地域全体の交通サービスの総合的なネットワーク計画の事業主体には、今回、都道府県も追加されることになりますが、こういった情勢を踏まえ、本県の地域公共交通の再生と活性化について今後どのようなビジョンによって取り組まれていくのか、お伺いします。

 次は、自治体間の広域連携についてです。

 群馬県桐生市では、人口減少に関する提言書を取りまとめ、人口減少を前提とした考え方へのシフト等の政策をもとに市としての基本方針や実施計画を策定し、可能なものから順次推進しています。また、人口減少社会を見据えた行政サービスのあり方についての議論が次第に活発化している市町村もかなり見受けられるようになってきました。

 地方分権の観点からは、基礎自治体がいかにしてきめ細かい行政サービスを提供していくのかが最も重視されなければならないと思いますが、限られた予算やスタッフの制約を抱え、大半の市町村がその対応には頭を悩ませています。そこで重要となるのが自治体間の広域連携だと思います。連携可能な分野は極力連携し、それぞれの地域の特色を生かしながら、低コストで良質な行政サービスの提供体制を構築することが必要です。

 連携の一方策である自治体クラウドについて本県は先進的と伺っていますが、社会保障・税番号制度導入など新たな対応がふえる中で複雑かつ高度化したさまざまなシステムの改修等を単独の市町村で行っていくことは予算や人材の面でも大変非効率です。

 こうした情報システムの連携も含め、人口減少社会においてきめ細かな行政サービスを実現するための広域連携の推進について県としてどのように取り組んでいるのか、今後の見通しも含めてお伺いします。

 今後の公共施設の管理も気になります。

 総務省は、公共施設等の解体撤去事業に関する調査を初めて実施し、昨年十二月にその結果を公表しました。高度経済成長期に次々と整備された公共施設等が全国的に一気に老朽化していく中で、大規模改修や更新だけでなく、その解体撤去の必要に迫られる自治体がかなりに上ることを示す内容となっています。

 同省は、自治体に対し、公共施設等の全体を把握し、長期的な視点を持って更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行い、財政負担を軽減、平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現するために公共施設等総合管理計画の策定を求めています。さらに来年度からは、この計画に基づいて公共施設等を解体撤去する場合には地方債の充当も認めることとしています。

 本県にも老朽化し、利用頻度の低い公共施設が少なからずありますが、人口減少社会に向け、こういった県有施設の今後のあり方についての検討が求められています。公共サービスの低下と受けとめられないように、しっかりと住民の理解を得ながら、また、地域づくりの視点も取り入れつつ、公共施設の更新、統廃合、長寿命化などの長期的な計画策定が必要であると考えます。

 そこで、今後、県有施設等のあり方についてどのように検討するのか、また、最適な活用を図るための維持管理等の方向性についてお伺いします。

 次に、福祉行政について二点お伺いします。

 まず、認知症対策です。

 新年度は、介護保険事業計画及び支援計画の見直しが予定されています。

 今後、介護サービスは、高齢者の増加に伴って需要は確実にふえるとともに、提供内容の多様化も見込まれる一方、保険者である市町村は財政状況が厳しく、介護保険事業計画の組み立ては大変困難になると思われます。そのような中、介護保険事業の見直しを行う市町村にとって幾分期待ができるのは、県が主導する地域包括ケアシステムが本格的に動き始めるということです。県では、来年度予算において地域包括ケアシステム構築推進事業費三千九百十四万七千円を計上し、地域包括ケアシステムを積極的に構築する市町村への支援を行うこととしています。

 市町村、包括支援センター、そして県が一体となって地域の高齢者の状況に応じた地域包括ケアシステムが早急に構築されることを願っています。

 そこで一点気になるのは、認知症高齢者への対応です。地域包括ケアの理念に沿って、認知症のお年寄りを施設ではなく、それぞれの地域で支えるとするならば、まずは、地域住民が認知症自体を理解し、日常生活のさまざまな場面から対象者を支える仕組みを構築することが必要となります。一方で、認知症高齢者の見守りに当たって地域住民の協力とともに連携が必要となる認知症疾患医療センターは、県内では大分市、竹田市、豊後高田市の医療機関に計三カ所が指定されているにすぎず、今後の対象者の増加を考えると全く十分ではありません。

 そこで、認知症高齢者が地域で安心して暮らせるよう、県が進める地域包括ケアシステムがどのように機能していくのか、県内の認知症高齢者を支える地域の将来像について伺います。

 次に、保育、介護現場の人材確保についてです。

 人口減少社会の中で、子育て環境の整備や介護の充実が重点施策として進められています。しかし、重点を置くのであれば、まず、日々の現場を担っていくマンパワーとなる保育士や介護職員が慢性的に不足している現状を改善する必要があります。

 保育士については、厚生労働省によると、二〇一七年度末には全国で約七万四千人も不足すると見込まれています。

 安倍総理は、昨年四月、待機児童解消加速化プランにより、来年度末までの二年間で二十万人分、さらに三年後の二〇一七年度末までに計四十万人分の保育の受け皿を確保して、待機児童ゼロを目指すと表明しました。

 このプランを推進するには、まず保育士の確保が重要ですが、ハローワークでの保育士の求人倍率は既に一・〇倍を超えており、保育士になろうとする人材不足がネックとなっています。

 一方、国では、団塊の世代が七十五歳に到達する十年後に必要となる介護職員は、ケアマネージャーを含んで三百七十五万人と推計しています。一昨年の介護職員が二百万人強ですので、このまま推移するとすれば百七十万人程度も不足すると見込まれます。

 かねてから人材確保に向けた課題として再三指摘されているのは賃金問題です。介護職は、依然として他業種と比較して全体的に賃金が極めて低く、家計を維持するには十分な収入になり得ません。

 人口減少社会を迎える上で、特に人材を必要とする分野に人が集まらないというのは悩ましい問題であるにもかかわらず、なかなか改善の糸口が見えない中でありますが、今後の保育や介護現場の人材確保の見通しと対策について伺います。

 次に、ワーク・ライフ・バランスに関連して三点伺います。

 まず、非正規雇用対策です。

 二〇一二年の就業構造基本調査によれば、雇用者全体に占める非正規労働者の割合は三八・二%で、二〇〇七年から二〇一二年の五年間の新規就業者のうち約四割が非正規雇用という実態も明らかになるなど、非正規労働者は年々増加しています。

 また、同年の賃金構造基本調査では、非正規労働者の月収は正規の約六割にとどまっており、正規、非正規との収入格差も依然としてかなりの開きがあります。

 また、連合の調査によると、非正規労働者の約半数がみずからの収入を主な収入として世帯を支えているという実態が浮かび上がりました。

 そうした中で厚生労働省は、労働者派遣制度を見直し、最長三年としている企業の派遣受け入れ期間の上限を撤廃することにしました。しかし、この規制緩和が、かえって非正規雇用をさらにふやす可能性もあります。

 加えて、非正規労働者はワーク・ライフ・バランスの面からも非常に不遇な状況にあり、雇用主の配慮義務の視野の外に置かれているのではないかと案じられます。

 そこで、非正規から正規雇用への転換対策及び非正規労働者の勤務環境改善について県がどのように後押しするのか、今後の方針について伺います。

 次は、若者たちの就労支援についてです。

 子供たちへの投資は未来への投資と言われるように、子供たちは貴重な次代の担い手です。そのため、中途退学者や卒業後の未就業者を含め、就労意欲のあるすべての若者たちに良質で安定した雇用機会が確保されるよう、若者の雇用対策が講じられるべきです。しかし、文部科学省の学校基本調査によれば、昨年三月に大学を卒業した約五十六万人のうち、実にその二割に上る十一万六千人が安定的な雇用についていないという結果になっています。また、厚生労働省が公表した新規学卒就職者の三年以内の離職率は、大卒で三一%、高卒では三九・二%となっています。また、一たん就職できたとしても、そこがいわゆるブラック企業であれば大変であります。長時間労働、賃金不払い残業など過酷な労働環境の中で若者は使い捨てられ、過労死に至る危険性もあります。

 そこで、本県の若者の就労支援について、県では今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

 次に、子育て支援についてです。

 ワーク・ライフ・バランスの推進に当たっては、子育てを支える社会環境が整備されていなければなりません。一昨年八月には、いわゆる子ども・子育て関連三法が成立し、来年四月から新たな子ども・子育て支援制度もスタートします。

 本県も、「安心・活力・発展プラン」の大きな柱として子育て満足度の向上を掲げ、日本一に向けたさまざまな取り組みを展開しています。しかしながら、真に満足を感じてもらうためには、子育て世代が利用できる制度をまずは理解して、十分に活用し、さらに地域の実情に合った内容に進化させていくよう利用者の声を生かすことが大切です。

 今回の新たな制度や本県の取り組みなどについて県民がどれほど理解しているのでしょうか。子育て支援には、現役子育て世代のみならず、今後、子育て世代となる若者や子育ての終わった子育てOB世代の理解と協力も不可欠です。関係制度等の充実に加え、県民への十分な周知が必要と考えますが、県の対応についてお伺いします。

 次は、地震津波対策についてです。

 大規模災害でまず気になるのは、発生すれば大きな被害が予想される南海トラフ巨大地震です。県では、現行の地震減災アクションプランを見直し、新しく地震・津波対策アクションプランを策定して、来年度から実施することとしています。

 東日本大震災での被害状況がそれまでの想定をはるかに超えたことから、県では、地震津波被害想定調査等の結果を踏まえ、特に今後三十年以内に七〇%程度の確率で発生が予想されている南海トラフ巨大地震を喫緊の課題としてとらえ、プランの策定を通じてこれに備えるとしていますが、計画期間は二〇一八年度までの五年間です。あした起きてもおかしくないという高い確率で発生する巨大地震であり、一日でも早い目標達成を期待します。

 プランにも書かれていますが、減災目標を達成するには、特に市町村と目標を共有し、連携して対応することが極めて重要です。単なる数値目標の達成にとどめず、県内各地域の実情に応じた防災力の向上につながるよう、今後どのような地震津波対策を重点的に推進していくのか、知事の所見を伺います。

 次に、再生可能エネルギーについてです。

 昨年末、再生可能エネルギーの自給率及び供給量ともに日本一であった本県が二〇一一年度の供給量で全国二位になったという報道がありました。自給率は引き続き日本一を維持しましたが、前年度から供給量自体は二%ふえているにもかかわらず、調査開始以来六年連続トップだった供給量で、本県は北海道に抜かれてしまいました。

 「おんせん県」同様に、「日本一」という看板は、全国的な注目を集めるとともに、県民のモチベーションも高まります。現在改定が進められている本県の新エネルギービジョンの中では「再生可能エネルギー供給量日本一を奪還するという強い気概を持って今後のエネルギーの普及を進める」としており、本県の今後のエネルギー施策に期待しているところです。

 東日本大震災及び福島原発事故以来、再生可能エネルギーへの国民的関心の高まりに加え、一昨年から始まった固定価格買い取り制度の導入により太陽光発電を中心とした設備導入が加速する中、メガソーラー発電設備の設置に対し、景観が損なわれるとの理由で地元住民が反対するケースも出てきています。また、本県ならではの地熱発電についても、温泉掘削等によって源泉の湧出量や成分に変化が起こる可能性も指摘されています。

 いずれにしても、本県のすばらしい自然と温泉を守り、周辺環境との調和を図りつつ、地域資源の活用を図ることが大切です。本年一月、由布市で再生可能エネルギーを規制する条例が成立しました。一定の歯どめとなることから、他の市町村での取り組みの広がりにも期待するところです。

 また、知事は、昨年第三回定例会での我が会派、藤田議員の環境保全に関する質問に対し、「現行法令の範囲内での景観保全で十分かということも含め、少し検討したい」と答弁されました。私も、県として何らかの対応が必要ではないかと感じています。

 再生可能エネルギーの導入に当たっては、地域外の主体が主導権を持った外発的開発と地域に根差した内発的な開発や事業の二つが考えられます。量的拡大を急ぐ余り、地域の主体的な取り組みが希薄なまま、誘致型開発に走れば、結果的には、地域外の事業者に主導権と受益機会を譲り渡すことになります。気づけば、地域の豊かな再生可能エネルギーが生み出すメリットが一方的に地域外の主体に持ち去られるという、いわば植民地型開発に陥ることにもなりかねません。エコエネルギー導入促進条例に定める地域振興につながる導入という原点に戻ることも必要ではないかと考えます。

 由布市鳴沢地区では、地域ぐるみで太陽光発電事業を手がけ、売電収入を初期投資の借入償還に充てながら、一部は祭りなどの自治活動費に使い、残りを協力世帯に配当しています。県もモデル事業で支援するこの取り組みは、まさにエネルギーの地産地消であり、人口減少社会にあって地域の有望な財源調達手段になり得ます。このような地域還元型の再生可能エネルギー事業を促進するような財政支援や体制づくりも重要です。

 再生可能エネルギー導入促進は、地域振興、産業振興、さらには、来年度予算案では地熱利用型ハウスの整備が計画されるなど、農業振興にもつながるこれからの重要な施策です。全国のトップランナーである本県の再生可能エネルギー政策について、本県の特色を生かし、真の意味で地域振興につながるための今後の方針についてお伺いします。

 次に、農林水産業の振興について二点伺います。

 まず、肉用牛の振興についてです。

 TPP交渉の関係閣僚会合が先月、シンガポールで開催されました。それに先立ち行われた首席交渉官会合では、日本が聖域と位置づける米や牛肉など農産重要五項目の関税撤廃をめぐる集中討議は六時間にも及び、「なぜ市場開放できないのか」など厳しく追及されたとの報道がありました。また、政府内では、牛肉に低関税枠を設けたり、低価格帯の豚肉の輸入がふえるようにする譲歩案が検討されるなど、農家にとって大変厳しい内容も推測されています。

 今後の交渉の行方は全く予断を許しませんが、こうした報道により農家の就農意欲がそがれ、さらなる離農が進むのではないかと危惧しています。

 聖域項目の一つである肉用牛についてですが、昨年十二月に開いた県内家畜市場では子牛の価格が一昨年同期を十万円近く上回る五十四万円台にまで改善し、統計のある過去二十年での最高値を更新するなど、繁殖農家には明るい材料となっています。

 しかし、農家から「円安で飼料価格が高騰している。今は子牛価格が高いから何とかやっていけるだけ」とか、「機械を更新したいが、今の制度には新品しか助成制度がない。年寄りだけでやっているから中古でもいいんだが、その中古にも手が出ない」というお話を伺うと、今の状況を手放しでは喜べないのも事実であります。一方では、価格高騰によって子牛を購入する肥育農家の経営が圧迫されることにもなり、悪影響も出ています。

 比較的体力のある企業は、繁殖から肥育までの一貫経営への転換など、それなりの対策を講じていますが、肥育農家が子牛を仕入れる価格が肉牛生産コストの半分以上を占める水準にまで上昇し、加えて配合飼料の価格高騰もあり、体力のない肥育農家は廃業を迫られる可能性も懸念されています。

 そうした中、新年度には、株式会社大分県畜産公社の食肉流通センターの建てかえが始まります。完成後の新センターには輸出を視野に入れた流通拡大に期待がかかりますが、軌を一にして肥育農家等の振興対策にもこれまで以上に取り組まなければなりません。

 知事も先日、大阪でのトップセールスに出かけ、オレイン酸を切り口として他県とのネットワークを築くなど、豊後牛の販路拡大に積極的に取り組んでおられますが、繁殖農家及び肥育農家の経営安定化とともに、おおいた豊後牛ブランドの振興に向けた今後の肉用牛施策の展開についてお伺いします。

 次に、気候変動と農林水産業についてであります。

 先日、本県の乾シイタケ日本一を支えている地元の中核生産者の方に、取引価格低迷が続く乾シイタケの窮状についてお話を伺いました。その際、「シイタケには低温菌と中温菌があって、それぞれに特徴があるけれども、数年前の冬のように異常に暖かかったり、ことしのように異常に寒かったりするから菌の選択と栽培が非常に難しい」と、そういうお話を伺いました。

 県産乾シイタケは、中国産の輸入による価格暴落からようやく立ち直り始めたところに原発事故の風評被害に見舞われ、以来、大変厳しい状況が続いていますが、生産者は、地球温暖化など気候変動にも対応しながら、ザ・オオイタ・ブランドの代表格である乾シイタケの高い品質を守っています。

 さて、ザ・オオイタ・ブランドのホームページを見ますと、県内の野菜や果実、花、畜産物、キノコ、水産物などが紹介されています。本県の自然と生産者の技術がはぐくんだすばらしい産品ばかりです。しかし、今後の気候変動の中で品質を確保しながら、一定の出荷数量を生産し、それを維持していくのはとても大変であります。

 例えば、大分県の顔でもあるカボスは、気候変動の中で今の品質、量と収穫期を維持するためには、高温に対応した品種に転換しなければならないと思います。

 農林水産省がまとめた「気候変動が国内の農林水産業に及ぼす影響」を見ると、例えば温州ミカンの場合、「仮に温暖化が進行すれば、南東北沿岸部においても栽培ができる可能性がある一方で、現在の主産地のほとんどが平均気温十八度以上になり、特に南の地域では現行の品種や栽培法が難しくなる可能性がある」と書かれています。一概には言えませんが、近い将来、カボスが県内では栽培できなくなり、東北で栽培されるときが来るかもしれません。

 カボスや乾シイタケのほかにも、高温化する牛舎の中でおおいた豊後牛はこれまでの品質を維持できるか、ナシやブドウはどうか、海温上昇で海流が変わったときも県産魚介類は安定的に漁獲高を確保できるのか、養殖業はどうなるのか、などなど大変危惧しています。

 気候変動によって本県の農林水産業に生じる変化を予測し、ザ・オオイタ・ブランドの維持、さらには新たな付加価値をつくるための対策を進めていく必要があると考えます。

 本県の農林水産業の振興における地球温暖化などの気候変動への備えについてどのような対策を行っているのか、お伺いをします。

 次に、地域高規格道路についてです。

 中九州横断道路は、大分市から熊本市の間を結ぶ延長約百二十キロメートルの地域高規格道路であります。この道路は、両県の県庁所在地を結ぶ重要な路線であり、九州の一体的な発展を図るために必要不可欠であります。私の地元豊後大野市や阿蘇市などの沿線地域には、世界最大のカルデラやジオパークなどの観光資源はもとより、企業も集積し、観光振興や地域活性化など持続可能な地域づくりに向けて大変重要な交流促進道路とも言えます。

 また、中津日田道路についても同様に、生活、産業、観光などさまざまな面での活力の向上に寄与し、大規模災害時における国道二一二号の代替路としての機能も兼ね備えた延長約五十キロメートルの地域高規格道路で、九州横断自動車道や東九州自動車道と連結し、福岡市や北九州市などとの循環型ネットワークを形成するものであります。

 県勢発展の礎となるこれらの地域高規格道路の一日も早い全線開通に向けて、現在の進捗状況、課題と今後の見通しについてお伺いします。

 最後に、教育行政について二点伺います。

 まず、高校教育についてであります。

 先月二十五日、二〇〇五年から教育委員会が進めてこられた高校改革の成果と課題を検証する高校改革フォローアップ委員会の報告書が公表されました。

 この報告は、二〇〇六年度から二〇〇九年度の前期再編整備を終えた県立高校について、「特色ある学校づくり」「学校規模の適正化、学校・学科の適正配置」並びに「学校選択の拡大」の三つの視点から検証がなされています。

 この中には、高校改革の成果と課題が導き出される過程において出された多角的な委員の意見も記載されており、委員長を中心として委員の方々が本当に真摯な議論を進めてこられた経過が読み取れます。

 その報告書のまとめには、「進学実績のように目に見える教育も大切だが、人への思いやりなどを評価するものがない。自立する人間力をつけないと人材育成はできないと思う。そこを常に考えながら高校改革を進めてほしい」という委員の発言を紹介しています。まさにこのことが、高校改革推進計画が取り組まれる中で私たちが感じていたことではないかと思います。

 ともあれ、私たち議員にとっては、高校改革推進計画についての評価の前提がやっとでき上がり、これからが議論の始まりであるという気持ちでもあります。

 報道によると、委員長が報告書を手渡す際に、「生徒たちが地元で学んでよかったと思える学校づくりにつなげてほしい」と教育長に要請したとありますが、課題を議論している間に既に高校を卒業した子供たち、今、高校生活を送っている子供たちがいることを考えると、大人の私たちは、教育委員会、学校、保護者、地域住民とともに、協働して委員長の言葉を踏まえた高校づくりに真摯に取り組んでいかなければならないと思います。

 この報告書を受けて教育委員会では、将来の本県の高校教育のビジョンをどのように描いているのか、教育長にお伺いします。

 さて、先月二十一日から二十四日に、第六十九回国民体育大会冬季大会のスキー競技の役員として「やまがた樹氷国体」に参加しました。

 スキー競技に関しては、そもそも北国の選手に比べると本県の選手は練習環境に恵まれず、圧倒的な実力差があるにもかかわらず、参加選手は果敢な攻めの滑りを見せ、私も大変感動しました。

 昨年、本県を中心に開催された北部九州インターハイでは、本県の高校生は、前年の成績を大きく上回る十九競技、五十四種目で八位以内に入賞する活躍を見せ、四競技で優勝を飾りました。本県の選手がすばらしい成績をおさめることは、同じ県民として大変うれしく思いますし、二〇二〇年開催の東京オリンピック、パラリンピックでも県出身のアスリートが大活躍していただきたいと思っています。

 さて、先ごろ閉幕したソチオリンピックで金メダルに輝いた羽生結弦選手は、みずからが東日本大震災被災地の出身であり、その活躍は被災地の子供たちに大きな夢をプレゼントしました。また、同じフィギュアスケートの高橋大輔選手は、大阪府がアイススケートリンクを閉鎖すると聞いて、市民と一緒になって募金活動など施設存続のために奔走したとお聞きしまして、トップアスリートと地域の濃密な関係を再認識しました。

 スポーツは、人を動かし、社会を動かし、国を動かす力があると言われています。ましてや、トップアスリートが県内にその活動拠点を置くとともに、第一線を退いた後も県内においてアスリートの育成や生涯スポーツにかかわるとすれば、県全体が盛り上がり、そのカリスマ性から経済波及効果や地域振興などにもつながる可能性があります。

 そこで、本県の競技力向上に向けた戦略と県出身のトップアスリートの受け皿づくりについてお伺いします。

 以上で質問を終わります。

 終わりにですけれども、今回、県民クラブの代表として、人口減少社会をテーマにした代表質問ということでいたしました。

 ことし、県内で成人を迎えた若者は一万一千七百七十九人で、過去四年間では最も少ない人数だったということです。

 私も地元で行われた成人式にうかがいました。来賓各位が新成人を激励するのを聞きながら、新成人はこれから、私たちが成人したころよりもずっと厳しい時代を生きていかなければならないんだなというふうに思いました。就職先を探して就職活動で数十社受けても働き口がなかなか見つからない。やっと見つけても、そこは終身雇用が約束されているとは限りません。本当に厳しい社会です。

 ことしの新成人は、一九九三年四月二日から一九九四年四月一日生まれの若者たちでした。振り返ると、彼らが生まれたその年、一九九三年に一つの分岐点があったのではなかったかと思います。

 一九九三年八月九日、自民党が衆議院選挙で敗北し、非自民・非共産連立政権である細川内閣が誕生しました。選挙制度も中選挙区制度から小選挙区制へと変わりました。質問でも取り上げましたが、地方分権がスタートした年でもあります。ちなみに、河野談話もこの年でした。

 そして、この年は、当時、宮沢喜一首相が経済成長至上主義から生活の豊かさへの転換ということで生活大国五カ年計画というプランを発表し、政治的にも経済成長社会から成熟社会への転換を試みた年でもあったのではないかと思います。

 それから二十年、経済成長の政策から生活重視の政策への転換のチャンスがあったにもかかわらず、豊かさを経済成長に求めてきた結果、今、皮肉にも人口減少社会を迎えています。

 多くの方が指摘しているように、二〇一一年三月十一日の東日本大震災を経験し、豊かさの意味が問い直されている今、これからも経済成長を優先した社会を求めるのか、それとも成熟した生活重視の社会づくりを進めるのか、私たちは再び大きな岐路に立っているのではないかと思います。

 方向をめぐっては、さまざまな立場、意見があります。しかし、真の意味で県民が豊かさを実感できる大分県づくり、住んでよかったと実感できる大分県づくり、これを進めていくという方向性は皆同じだと思います。

 私たち県民クラブも、県民の皆さんが豊かさを実感できる大分県づくりのため、県政の課題に正面から取り組んでいくことを決意し、この代表質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)



○田中利明副議長 ただいまの玉田輝義君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 玉田輝義議員には、県民クラブを代表して県政重要課題についてご質問をいただきました。

 冒頭、先月の大雪被害についてお話があり、農林業ばかりではなく、道路の遮断やライフラインの途絶によって生活そのものを脅かされた集落のお話もございました。そして、これからもきめ細かな危機管理対策をやっていくべきだというお話がございました。大変貴重なご意見でございます。我々も、今回のこういう機会を教訓に、しっかりと対応策も考えておかなきゃいかぬというふうに思ったところでございます。

 それでは、私からまずご質問にお答えしたいと思います。

 まず、憲法についてご質問がございました。

 日本国憲法は、終戦後の騒然とした社会情勢の中で、国の復興、再建を願うすべての国民の希望と期待の中で成立したものだというふうに思います。それから七十年近くが経過いたしましたけれども、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という三大原則のもとで自由で民主的な法制度が数多く整備され、国民と行政が相互に不断の努力を重ねて連携、協働しながら、我が国は、戦後の荒廃した状況から奇跡的と言われる経済復興を果たし、そして平和国家として発展してきたものだというふうに思います。この間、我が国は、現行憲法を最大限尊重しつつ、その中で、時代の変化に応じた解釈を施してきたものではないかと思います。

 現在、憲法をめぐっては、国際社会に対する国の貢献のあり方や安全保障に関する事項について、従来のような憲法解釈だけでは不十分ではないかという議論があります。

 また、基本的人権についても、社会経済状況が大きく変貌し、一人一人の価値観は個性や自立性をより重視するものへと変わりつつあると思います。この中で、言論、表現の自由など従来から認められていた権利に加えて、環境、プライバシー、知る権利などの新しい権利保障も含めて、公共の福祉との調整をどのように図っていくかなどの問題について議論を深め、的確に対応していくことが求められております。

 私は、憲法の議論に当たっては、現行の憲法が制定された歴史的な経緯をしっかり踏まえる必要があること、これまで、時として厳しい内外の環境の中でも、現行憲法のもとで国づくり、国の運営や国際平和への貢献が行われてきたことなどに思いをいたす必要があると考えております。そして、憲法の諸理念が国のあり方にどのように生かされてきたのかというようなことにつきまして、国民一人一人が関心を高め、議論をしていく必要があると考えます。

 いかなる議論におきましても、現行憲法のもとにはぐくみ醸成された国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という理念は最大限尊重され、擁護されていくべきものだと考えております。

 次に、教育委員会制度についてご質問がございました。

 県内各地域で実施しております県政ふれあいトークなどを通じまして県民の皆さんから幅広いご意見を伺っておりますが、その中で感じることは、教育というのは、すべての県民が経験し、保護者としても関心が強いことから、教育行政に対しまして非常にさまざまな立場からご意見があるということであります。だからこそ、教育行政は、個人的な価値観や特定の政治的な立場から中立であるということが求められていると思います。

 同時に、現行制度でもそうであるように、教育行政は教育委員会のみで行うということではなくて、知事は県政全般を統括する立場から、県民の意見が教育行政にしっかり反映されるように、必要なときには意見を言い、要望もし、予算等を通じて教育行政を支援するということが大事だと感じているところであります。

 また、教育の目的である知、徳、体の実を上げるためには、教育委員会と教育現場とが信頼関係を持ちながら、よりよい教育を実現していくことが大切であります。一貫した教育の方針のもとで、教育委員会が明確な目標を定め、学校現場と意思疎通を図ることにより着実に改善を進める必要があります。

 特に、学校が具体的な目標を定めて、その達成に向けて学校組織全体を挙げて取り組む芯の通った学校組織の推進に期待をしているところであります。

 何よりも大切なことは、大分県の子供たちに学力、体力と豊かな心をしっかりと身につけさせ、将来の大分県を担う有為な人材をしっかりと育てていくことであります。

 現在の教育委員会は、教育委員が先頭に立って、しつこく果敢に改革を行い、本来の使命である学力の向上などにおいても成果が見られるようになってきていますし、私としても、知事部局との人事交流などを通じて取り組みを後押ししているところであります。

 現在、国におきまして、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、首長の権限を強めるなどの観点から教育委員会制度を改革する議論が行われていると聞いております。

 私は、今後とも教育に携わる関係者がお互いの信頼関係の中でそれぞれの役割と責任をしっかり果たしていくということが何よりも大事なことなんではないかというふうに考えております。

 制度をいろいろ議論することも大事ですけれども、基本的には、関係者がしっかりと責任を果たしていくという、そのことが大事なんではないか、こう思っております。

 次に、県政の運営についてご質問を賜りました。

 平成二十七年度が目標年度となる「安心・活力・発展プラン」の仕上げに向けて、また、今後の新たな政策展開を検討するに当たり、県民アンケート調査と中長期県勢シミュレーションを実施したところであります。

 今回のシミュレーションでは、二〇四〇年までは、人口減少緩和策を講じても人口減少の大きな流れは変えられないことが改めてわかりました。一方、合計特殊出生率の向上や若者世代の流入、定着などによって、人口減少の緩和を図ったり、年齢層別人口割合のバランスを改善することができることも見えてきたところであります。

 私はこれまで、「安心・活力・発展プラン」の中で、人口減少社会に対応する各般の施策を総合的に講じてきたところであります。

 一方、今回の結果なども踏まえますと、今後の県政運営は、できるだけ人口減少のショックを緩和する方策をとるとともに、人口減少社会に正面から向き合って、これにさまざま対応していく工夫が必要であるということも考えております。

 その際、次の三つの視点が重要なんではないかというふうに思っております。

 第一は、県民の暮らしを立てる産業を多様化して、経済的なべースをしっかりと整えていくということであります。

 これからも企業誘致や産業集積を大いに進め、新規雇用創出に努めるとともに、地域密着の農林水産業の振興、観光を中心としたサービス産業の強化などが大切であります。

 また、生産年齢人口の減少への対応として、女性や元気な高齢者の労働参加を一層促進するとともに、今後、外国人材活用も議論になっていくのではないかと思っているところであります。

 第一は、県民の暮らしを立てていく産業を多様化することでございます。

 第二は、「住んでよかった」「住んでみたい」と思われる地域づくりを行って人を呼び込むことも大事であります。

 ごみゼロおおいた作戦で磨きをかけた天然自然、世界農業遺産やジオパーク、「おんせん県おおいた」、芸術文化など地域の特徴を生かした新たな地域づくりと情報発信の強化が必要になると思います。

 これに、子育て世代が満足する環境づくり、高齢者への行き届いた配慮、障害者の自立支援などをしっかりと実現して、だれもが心豊かに暮らすことのできる地域にすることが大切であります。さらに、地域の魅力として教育力というのも大事な要素だというふうに思います。

 第三は、地域の発展と活性化のための社会基盤の整備であります。

 東九州自動車道開通後は、九州の東の玄関口としての重要性が増していきます。その中で、第二国土軸構想や東九州新幹線構想について、将来発展に向けてどう取り組むのか検討する時期に来たと考えます。

 こうした三つの視点のもと、地域の知恵と努力で人口減少社会にしっかりと対応できるよう必要な政策の検討を進めていきます。

 玉田議員から、ただいまご質問の際に、この問題について、やはりいろいろな考え方があるんだというお話がございました。そういうことも含めまして、しっかりとこのことについては、議論をこれからしていかなきゃならぬ、こう思っているところであります。

 次に、地方分権についてのご質問もございました。

 少子高齢化、人口減少社会の到来に伴い、医療や介護の持続可能性、労働力の減少、過疎化の進行など広範な分野で行政課題が増大しております。こうした課題を解決するには、国の画一的な基準や制度によるのではなく、地域みずからの創意工夫により、産業を振興し、地域活性化を進め、活力ある経済圏を創出できる地方分権型社会の実現が不可欠と考えます。

 平成五年の衆参両院での分権決議から二十年が経過いたしまして、地方分権改革は、三次にわたる一括法の制定、国と地方の協議の場の法制化などによりまして着実に進んできたと認識しております。

 県におきましても、住民の視点に立って、福祉施設の設置運営や道路の構造にかかる県独自の基準を設定しております。また、市町村との関係でも、特例条例を活用し、有害鳥獣の捕獲許可等の権限を財源も含めて移譲するなど分権改革に取り組んできました。加えて、住民に最も身近な基礎自治体である市町村が分権の担い手として自立的かつ持続可能な行財政基盤を構築できるように、人材育成も含めた支援や助言を行ってきたところであります。

 しかし、岩盤規制とも言われる農地等の土地利用やハローワークの地方移管等の問題、さらには税財源の問題など改革はまだ十分なものとは言えない現状であります。現在、国の地方分権改革有識者会議でも、これまでの分権改革の成果や問題点を総括するとともに、重要政策分野での改革の推進や地方からの提案募集方式、手挙げ方式を取り入れた今後の改革の方向性を取りまとめようとしております。

 もとより地方分権改革は、地方の自由度を高め、豊かで特色ある地域社会づくりを目指す手段であります。私といたしましても、県民福祉の一層の向上と県全体の活性化を第一に、九州地方知事会等の活動も活用しながら、権限の移譲、国による規制の緩和、税財源の充実強化を求めてまいります。そして、地域の声に真摯に耳を傾け、県と市町村がともに行政運営能力を高め合いながら、これまでに移譲された事務や権限も十分に活用して、県民の皆さんが住んでよかったと実感していただけるような大分県づくりに取り組んでいきたいと考えているところであります。

 次に、地震津波対策についてご質問をいただきました。

 喫緊の課題である南海トラフ巨大地震に対しましては、いつ起きてもおかしくないという緊張感を持って、迅速、着実に対策を講じていかなければならないと思います。

 地震・津波対策アクションプランでは、南海トラフ巨大地震に伴う死者数を約七百人に抑制することを目標に掲げまして、津波対策を拡充するなど施策体系を再構築し、可能な限り目標指標を設定しました。特に、市町村との連携が重要な項目には、各市町村においても実情に応じた目標を設定したところであり、次の三点に重点を置いて取り組んでまいります。

 一つは、津波からの早期避難ということであります。

 浸水区域内にある六百十九の自主防災組織等による津波避難行動計画の二十六年度中の作成を目指します。計画に基づく避難訓練を繰り返し実践することによりまして、迅速で安全な避難体制を整え、また、地震の揺れがおさまって十五分以内に避難行動を開始することを徹底していきたいと思います。

 県は、行動計画の作成や避難路、避難地の整備を支援するほか、孤立の可能性がある集落や避難地の救援体制を整えてまいりたいと思います。

 あらかじめどこに避難するかをしっかり登録しておいて、そこに対して直ちに救援活動ができるような体制をとっておくということが大事だと思っております。

 二つ目は、地域防災力の向上であります。

 地域を守る自主防災組織の結成を進め、組織率九七%を目指すとともに、そのかなめとなる防災士の配置を促進します。

 これまで養成してきた防災士は五千名を超えましたが、地域で活躍できるようスキルアップを支援し、ネットワーク化を図ります。また、企業や事業所と地域が連携した防災活動を推進してまいります。

 東日本大震災から三年が経過し、防災意識の低下も懸念されます。新たに地震体験車を整備し、体験を通じた住宅の耐震化や家具の固定など、自助による取り組みを促していきたいと思います。

 三つ目は、避難者への対応であります。

 高齢者など自力での迅速な避難が困難な方に対しましては、日ごろから関係者が連携して支援体制を整えておく必要があります。全市町村で避難行動要支援者名簿を作成し、県はアドバイザー派遣やモデル地域の取り組み事例の普及など地域の取り組みを支援していきたいと思います。

 また、助かった命を守るため、高齢者などの避難生活に配慮する福祉避難所を指定し、小学校区ごとの確保を図っていきたいというふうに思います。

 地震津波対策に当たりましては、これらに重点を置いて、これまで以上に市町村、防災関係機関との連携を密にして、死者数を限りなくゼロに近づけるように取り組んでいきたいというふうに思っております。

 再生可能エネルギーについてもご質問を賜りました。

 本県では、豊かな自然環境を重要な地域資源としてとらえまして、多様な再生可能エネルギーの導入促進とこのエネルギー産業育成の二本柱でエネルギー政策を推進しています。

 導入促進につきましては、地域分散型のエネルギーインフラの整備にとどまらず、自然環境、景観との調和や地域との共存共栄を図りながら、いかに地域活力の創出につなげていくかが重要だと考えております。

 このため、例えば別府市にある農林水産研究指導センターに、この分野で注目を集める大分県産の技術、湯煙発電システムの実用機を先行導入いたしまして、県内外での販路拡大を図るとともに、熱水利用型のスマート農業ハウスや観光用展示ハウスを整備しまして、地熱利用による農業振興、観光振興の先進モデルとして全国に向けて発信していきたいと考えています。

 また、過疎・高齢化が進む中山間地域では、農業施設の維持管理費を賄うため、農業用水を活用した小水力発電を推進しておりまして、計画が進む三カ所のうち、九重町松木地区の発電所が来月着工を迎えます。

 また、日田市では、製材所の廃棄物であるバークを燃料とする共同乾燥施設の導入が計画されております。

 さらに、本県のエネルギー政策をバックアップするためにつくられ、県も出資する「おおいた自然エネルギーファンド」は、当初の十億円から二十五億円に投資規模を拡大いたしまして、県内各地で地域活性化に資する温泉熱発電事業を推進しております。

 一方、経済的な面で活力を生み出すために最も効果的なことは、再生可能エネルギーを通じた新たな産業を興す産業育成であります。

 産業育成では、県内の産学官連携のもと、エネルギー産業企業会を設立いたしまして、この会の活動を中心に、人材育成、研究開発、販路開拓の三つの面から総合的な取り組みを進めております。

 湯煙発電に続けとばかりに、落差のない水路で発電する清流発電や、主に小型電気自動車への充電を用途とする独立型の太陽光発電充電システム「青空コンセント」など、県内の中小企業によって意欲的な製品が生まれております。このため、中小企業が開発した製品の実証的導入を支援する制度を新たに設けまして、競争が激しさを増す市場でのビジネスチャンス獲得を後押ししていきたいというふうに思います。

 本県は、再生可能エネルギーの供給量、自給率といった量的な尺度で日本一を称しておりましたけれども、今後は、これを奪還することはもちろんでございますけれども、加えまして、地域振興、産業振興といった再生可能エネルギーによる活力創出日本一も目指していきたいというふうに思います。

 次に、肉用牛の振興についてもご心配をいただきました。

 県内の子牛市場の平均価格は、本年二月までの五カ月間連続して五十万円台を維持しておりまして、繁殖農家には活気が戻っております。

 他方、肥育農家にとりましては、子牛価格の上昇が配合飼料の価格高騰とあわせて経営を圧迫する要因となっているところであります。

 こうした中、県では、肉用牛生産を安定して継続できる経営体を育成するために、次の三点を柱に戦略的な構造改革に取り組んでいるところであります。

 第一に、次代を担う力強い経営体の確立ということであります。

 まず、後継者がいて、将来に展望ある、意欲のある繁殖農家には、遊休牧野等未利用資源を活用した省力化や低コスト生産を推進し、経営の安定する五十頭規模へ誘導いたします。

 さらに、既に五十頭規模の農家には、雇用も視野に入れた法人経営への転換を促進し、地域のリーダーとなり得る担い手の育成を図ります。

 また、後継者がいない生産者が築いた資本や技術などを新規参入者にスムーズに移管するモデルケースもつくり上げていきたいと思っております。

 第二に、肉用牛経営におけるワーク・ライフ・バランスの構築であります。

 時間的拘束が多い畜産におきましては、地域内の中核農家と高齢農家等の連携を強化いたしまして、施設や牛の集約化やヘルパー組織等への管理委託を進めます。

 また、米政策の転換で拡大が見込まれる飼料用米等の供給利用体制を整えて飼料費の安定を図るなど、作業と経営の両面でゆとりをつくり出して、持続可能な経営を目指していきたいというふうに思います。

 第三に、ブランド力向上に向けた流通対策であります。

 先月、大阪市で鳥取、長野、石川と四県合同で開催いたしましたイベントでは、オレイン酸含有率が五五%以上のおおいた豊後牛をうまいのあかしとしてPRし、ブランド定着の手ごたえを感じたところであります。

 引き続き、肥育農家にオレイン酸含有量の向上によいと言われますライスオイルなどの購入を支援するほか、オレイン酸生成能力の高い「平福安号」を初めとする優秀な県産種雄牛の造成など生産から流通まで一貫した取り組みを進めて、おおいた豊後牛のブランドに磨きをかけていきたいというふうに思います。

 また、販売戦略の起点となる大分県畜産公社の施設整備を支援し、アメリカなど新たな海外市場での販路開拓に取り組んでいきます。

 これらの取り組みによりまして、本県肉用牛の生産基盤が次代につながる盤石なものとなるように支援していきたいというふうに思っております。

 次に、地域高規格道路についてご質問をいただきました。

 県民の皆さんに安心して豊かな生活を実感していただくためには、その活動の基盤となる社会資本の整備が必要でございます。中でも、本県の産業の発展を支え、大規模災害の備えとなる高規格道路は、最も重要なインフラの一つだと考えております。このため、中九州横断道路など地域高規格道路の整備にも積極的に取り組んでいるところです。

 一昨年の九州北部豪雨でございますけれども、国道二一二号が耶馬渓で被災した際に中津日田道路の供用区間が迂回路として活用されて、改めて災害に強い道路の必要性を認識したところであります。

 中九州横断道路につきましては、事業中の大野−竹田間のうち、大野−朝地間は平成二十六年度開通予定でありまして、残る朝地−竹田間も、昨年夏に着工式を行い、工事が本格化しているところであります。

 これまでの課題でありました竹田以西につきましても、国道五七号の阿蘇市滝室坂の被災を契機に、熊本県と合同で国へ働きかけができるようになったところです。あわせて、経済界や沿線市町村とも連携をいたしまして要請活動を行った結果、昨年春でございますけれども、異例の早さで滝室坂付近の六・三キロメートルがバイパスとして事業化されたところであります。このことによりまして、ようやく県境付近の方向性が見えるようになりまして、本県にとっても大きな成果となったというふうに思っております。

 引き続き、熊本県や経済界などと一体となって、早期事業化に向けて、国への働きかけを強めていきたいというふうに思っております。

 地元の皆さんにも大変努力をしていただきまして、この場をおかりして感謝申し上げたいというふうに思っております。

 中津日田道路につきましては、中津市側の約三十キロメートルで事業に着手しておりまして、平成二十六年度には東九州自動車道から中津港までの区間が開通できる予定であります。

 しかしながら、未供用、未着手の区間が多く残されておりまして、広域ネットワークとしての機能が十分には発揮されておりません。このため、事業中区間の整備を着実に進めるとともに、未着手区間につきましても順次整備をしたいと考えておりまして、まずは、冬季の凍結など現道に課題の多い日田市三和から山国町守実までの間につきまして、平成二十七年度新規事業着手に向けて準備を加速してまいります。

 東九州自動車道の全線開通も見えてきたことから、今後は、中九州横断道路や中津日田道路の戦略的、計画的整備を進めまして、県勢発展の基盤づくりを進めていきたいというふうに考えているところであります。

 私からは以上でございます。その他のご質問につきましては、担当の部長から答弁させていただきます。



○田中利明副議長 塩川企画振興部長。

  〔塩川企画振興部長登壇〕



◎塩川也寸志企画振興部長 私からは地域公共交通についてお答え申し上げます。

 過疎化の進展やマイカーへの依存等により公共交通利用者の減少が続き、交通事業者だけで地域の公共交通を維持することは困難となっており、行政による関与が必要であると認識いたしております。

 住民の日常生活に不可欠な移動手段の確保など、地域社会の活力を維持向上させるために、地域公共交通の役割は今後も増大していくものと考えております。

 国は、交通政策基本法や今国会で審議中の地域公共交通活性化再生法の改正法案で、これまで以上に都道府県と市町村が一体となった積極的な関与を求める形になっております。

 県といたしましては、これまで以上に地域公共交通の維持に関する取り組みを効果的なものとするため、交通事業者、市町村に対して運行費用や車両の購入にかかる財政的支援を行うとともに、大分運輸支局との連携をさらに強め、市町村を個別に訪問して運行ダイヤやルートの調整等に関するノウハウの提供を行うなど、今後も地域住民の生活に必要な地域公共交通が確保されるよう積極的に地域の交通政策を展開してまいります。



○田中利明副議長 島田総務部長。

  〔島田総務部長登壇〕



◎島田勝則総務部長 私からは自治体間の広域連携についてお答えいたします。

 人口減少が進む中、基礎自治体の行政サービスをどう確保していくかということは、従来から重要な課題でありました。そうしたこともあって本県では、地域住民の皆さんの真摯な議論と地域の将来を思う苦渋の決断により市町村合併が進んだところです。

 それでもなお、現在、我が国全体が人口減少という厳しい現実に直面しております。こうした中で、市町村間の連携や県による小規模町村の補完について、より具体的に取り組む必要があると考えております。

 これまでも、情報システムにおける自治体クラウドや県税職員の市町村への派遣などの取り組みを進めております。こうした個別の市町村による対応では専門性や効率性の確保が難しい分野での連携や県による補完が重要だと考えております。

 そこで、新年度当初予算案では、市町村との連携モデル事業の経費を計上しております。姫島村など小規模町村の事務について、県としてどう補完していくか研究していきたいと考えております。

 今後とも住民本位の姿勢で、基礎自治体の行政サービスが確保されるよう、市町村とよく協議しながら、自治体間での広域連携に取り組んでまいります。



○田中利明副議長 畔津土木建築部長。

  〔畔津土木建築部長登壇〕



◎畔津義彦土木建築部長 私からは県有施設の管理につきましてお答えさせていただきます。

 県有施設につきましては、これまでも常に情勢の変化をとらえ、廃止を含め、あり方を検討し、見直しをしてきたところでございます。

 県有施設は、平成二十五年三月末現在、床面積で約二百二十万平方メートル、棟数で約二千九百棟ございます。床面積ベースで約半分が築後三十年以上を経過し、老朽化の進行が懸念されます。

 県有施設のうち、おおむね一万平方メートル以上の十七の大規模施設につきましては、二十一年度に中長期保全計画を策定し、計画的な保全に努めております。

 しかしながら、設備の更新時期が近づき改修費用の増大も懸念されることから、施設を安全に保ち必要な機能を維持していくとともに、費用の縮減や平準化を図るために、昨年十月に施設管理者で構成する大規模施設計画的保全連絡会議を設置いたしました。劣化度、優先順位、今後の施設利用のあり方に着目し、平成二十六年度前半に新中長期保全計画の策定を行うこととしており、その中で維持管理の方向性について検討してまいります。

 学校施設を含めたその他の施設につきましても、大規模施設のノウハウを活用し、施設の適切な維持管理に努めてまいります。

 以上でございます。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。

  〔平原福祉保健部長登壇〕



◎平原健史福祉保健部長 私からは三点についてお答えをいたします。

 まず、認知症対策についてであります。

 認知症高齢者の地域生活を支えるためには、地域包括ケアシステムの構築とともに、社会資源を充実整備することが重要であります。

 このため、まず、認知症疾患医療センターをすべての二次医療圏に整備することとし、二十六年度中に三カ所を追加指定いたします。

 また、かかりつけ医を対象に、もの忘れ・認知症相談医、大分オレンジドクターを引き続き養成してまいります。

 あわせて、小規模多機能型居宅介護や定期巡回・随時対応サービスの整備、見守りサービスの立ち上げ、認知症サポーターの養成などに取り組む市町村を支援してまいります。

 さらに、適切なアセスメントにより認知症の状態に応じた必要なサービスが提供される体制を構築いたします。

 こうした取り組みにより、認知症になっても安心して暮らし続けることができる地域の実現を目指してまいります。

 次に、保育、介護現場の人材確保についてお答えをいたします。

 今後、保育、介護サービスの需要はますます増大するものと見込まれており、その人材確保は質の高いサービス提供の面からも大変重要な課題と認識しています。

 このため、まず、給与改善として、介護職員については二十一年度から処遇改善交付金、二十四年度からは介護報酬の加算制度を導入するとともに、保育士については二十五年度から処遇改善の支援を実施しています。

 さらに、職業紹介などを行う機関として、従来の福祉人材センターに加え、二十六年度から新たに保育士・保育所支援センーを設置することとしています。

 このほか、潜在的有資格者の再就業のための研修なども実施し、こうした取り組みを通じて、今後とも保育、介護現場の人材確保を図ってまいります。

 最後に、子育て支援についてお答えをいたします。

 子育て支援については、ご指摘のとおり、県民の理解を得ながら進めていくことが大変重要だと思っております。このため、県では、おおいた子ども・子育て応援県民会議を設置し、子育て中の方はもとより、多くの子育て支援関係者の意見を聞きながら各種施策に取り組んできたところであります。

 こうしたことにより、保育所整備の加速化や放課後児童クラブの拡充などを進めていますが、何よりも、子育て支援に関する情報を、必要としている家庭、さらには地域の方々などにしっかり届けることが重要だと思っております。

 このため、来年度、各種メディアやNPO法人と連携して子育て応援情報を発信するなど情報発信機能を強化することとしており、新制度を含めた本県の子ども・子育て支援施策について、県民への周知を図ることとしております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。

  〔西山商工労働部長登壇〕



◎西山英将商工労働部長 私から二点お答え申し上げます。

 まず、非正規労働者の処遇改善についてです。

 県経済の発展のためには、雇用の場の拡大とともに、良好な労働環境の確保が重要であります。このため、非正規労働者については、実態把握とともに、労働講座等により、処遇改善法令であるパートタイム労働法等の周知、啓発に努めております。

 また、安定就労に向けては技術、技能の向上を図ることが重要であることから、機械、電気や医療事務、介護などの技能を習得できるよう、高等技術専門校や民間委託での職業訓練を実施しております。

 また、ジョブカフェにおいても、若年労働者の早期離職防止やフリーター等の不安定就労者の正社員移行支援などに取り組んでおります。

 加えて、来年度からは、本日ご承認いただいた緊急雇用基金を活用して、雇用の拡大のほか、例えば、非正規労働者に対する技術力向上セミナーなどを通じて企業の生産性を向上させ、それを労働者の処遇改善につなげる取り組みも行いたいと考えております。

 次に、若年者の就労支援についてであります。

 本年度の高校卒業者の就職内定率は一月末で九二・三%となっており、過去十年間で最高となっております。ただ、若年者の安定的な雇用や職場への定着は本県にとって依然として大事な課題であります。このため、義務教育の段階からキャリア教育を導入し、職業観や勤労観をはぐくむとともに、就職活動に臨む若者に対しては、企業説明会や職場見学会などにより、県内企業との交流機会や情報の提供に努めているところです。

 また、昨年四月に開設したおおいた産業人財センターでは、若年者雇用に積極的な企業を既に百四十二社登録し、若者を引きつける採用活動や若者が働きやすい職場環境づくりについてアドバイスを行っているところです。

 加えて、来年度からは、若者と企業双方にとって満足度の高い就職、採用の実現に向けて、企業情報が豊富なおおいた産業人財センターにジョブカフェ機能を取り込み、カウンセリングから無料職業紹介までワンストップで行うこととしております。

 以上です。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。

  〔工藤農林水産部長登壇〕



◎工藤利明農林水産部長 気候変動に対応した農林水産業についてお答え申し上げます。

 大分県の平均気温は、この百年で約一・八度上昇し、近年は夏の猛暑や短時間の猛烈な降雨などが増加をしております。

 県では、継続的に気象の定点観測を実施し、適期管理など現場の生産指導に生かすとともに、気象災害に対する対応マニュアルなどにより、常日ごろから高温干ばつ、大雨などに備えまして、生産者に情報提供し、指導しているところであります。

 また、農林水産研究指導センターでは、高温などに対応する新品種の育成や選定、栽培技術の改良を水稲やトマト、ミカン類、シイタケ、養殖ヒラメなどで行っております。

 水稲では、高温に強い「つや姫」、「にこまる」を選定、推奨し、千三百ヘクタールに拡大をしております。

 また、高温では色がつきにくいブドウにおいては、緑色品種で人気の高い「シャインマスカット」の導入を進め、十五ヘクタールにまで拡大をしております。

 今後とも気候の変化がもたらす農林水産物への影響を調査、予測し、これに対応する技術の開発を行ってまいります。

 以上です。



○田中利明副議長 野中教育長。

  〔野中教育長登壇〕



◎野中信孝教育長 私から二点お答えします。

 まず、高校教育についてです。

 高校改革フォローアップ委員会の報告では、総合選択制高校など新しいタイプの高校の設置目的はおおむね達成できているが、学習ニーズを的確に把握した選択科目の設定に課題があること、小規模校を再編整備したことで適正規模になった高校では、教育水準が維持向上しているが、地域との連携の強化に課題があること、学校選択の幅が広がり、選ばれるための学校づくりの取り組みは進んだが、進学力向上に向けた取り組みに課題があることなどが指摘されています。

 今回指摘された課題については、高校改革の所期の目的が達成できるよう、その解決に向け、取り組んでまいります。

 なお、報告を踏まえて、地域の高校をどのような形で充実させていくか、そして新しい時代にふさわしい高校教育の質をどのように確保していくのかなどについても検討していきたいと考えています。

 次に、競技力向上についてお答えします。

 平成二十年の大分国体開催を契機として、関係団体と連携を図りながら、本県手づくり選手の育成強化を推進してきました。

 今後も、競技ごとに大分県選抜チームを編成し、年間を通した計画的な強化に取り組むとともに、拠点となる高等学校、企業等を指定し、重点的な強化を図るなど、国際大会等で活躍できる本県選手の育成強化を推進してまいります。

 特に、ジュニア選手の発掘育成や指導者の育成が課題であることから、大分県体育協会と連携して、小中高一貫指導体制の整備や指導者の資質向上に向けた研修会の開催などに取り組みます。

 また、トップアスリートの存在は、県内アスリートの育成などによい影響を与えます。

 これまで、県内企業等への就職については、競技団体や関係機関がそれぞれ取り組んできましたが、十分実現できていません。

 今後、県出身のトップアスリートが地元に拠点を置き、安心して競技を続けられるよう、トップアスリートと県内の企業が出会う場づくりに関係団体と連携して取り組んでまいります。



○田中利明副議長 以上で玉田輝義君の質問及び答弁は終わりました。

 お諮りいたします。本日の代表質問はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○田中利明副議長 ご異議なしと認めます。

 よって、本日の代表質問を終わります。

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○田中利明副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。

 次会は、明日定刻より開きます。

 日程は、決定次第通知いたします。

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○田中利明副議長 本日は、これをもって散会いたします。

     午後二時五十九分 散会