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平成25年 第4回定例会(12月) 12月05日−04号




平成25年 第4回定例会(12月) − 12月05日−04号







平成25年 第4回定例会(12月)



平成二十五年十二月五日(木曜日)

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 議事日程第四号

     平成二十五年十二月五日

          午前十時開議

第一 議席の一部変更の件

第二 一般質問及び質疑、委員会付託

第三 議員提出第一九号議案

   (議題、提出者の説明、質疑、委員会付託)

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 本日の会議に付した案件

日程第一 議席の一部変更の件

日程第二 一般質問及び質疑、委員会付託

日程第三 議員提出第一九号議案

     (議題、提出者の説明、質疑、委員会付託)

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 出席議員 四十二名

  議長        近藤和義

  副議長       田中利明

            阿部英仁

            志村 学

            古手川正治

            後藤政義

            竹内小代美

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            平岩純子

            江藤清志

            久原和弘

            小野弘利

            吉冨幸吉

            元吉俊博

            井上伸史

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

 欠席議員 なし

 欠員   二名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     岩崎哲朗

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      島田勝則

  企業局長      坂本美智雄

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     大沢裕之

  企画振興部長    塩川也寸志

  福祉保健部長    平原健史

  生活環境部長    冨高松雄

  商工労働部長    西山英将

  農林水産部長    工藤利明

  土木建築部長    畔津義彦

  会計管理者兼

            小野嘉久

  会計管理局長

  人事委員会

            城 尚登

  事務局長

  労働委員会

            安東忠彦

  事務局長

  財政課長      長谷尾雅通

  知事室長      岡本天津男

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     午前十時三分 開議



○田中利明副議長 これより本日の会議を開きます。

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○田中利明副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第四号により行います。

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△日程第一 議席の一部変更の件



○田中利明副議長 日程第一、議席の一部変更の件を議題といたします。

 お諮りいたします。会議規則第五条第三項の規定により、お手元に配付の変更議席番号表のとおり議席を変更いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○田中利明副議長 ご異議なしと認めます。

 よって、議席は、お手元の変更議席番号表のとおり変更されました。

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 変更議席番号表

議席番号 変更前     変更後

  五  土居昌弘    竹内小代美

  六  嶋 幸一    土居昌弘

  七  毛利正徳    嶋 幸一

  八  油布勝秀    毛利正徳

  九  衛藤明和    油布勝秀

 一〇  濱田 洋    衛藤明和

 一一  三浦 公    濱田 洋

 一二  末宗秀雄    三浦 公

 一三  御手洗吉生   末宗秀雄

 一四  桜木 博    御手洗吉生

 一五  麻生栄作    桜木 博

 一六  田中利明    麻生栄作

 一七  近藤和義    田中利明

 一八  三浦正臣    近藤和義

 一九  守永信幸    三浦正臣

 二〇  藤田正道    守永信幸

 二一  原田孝司    藤田正道

 二二  小嶋秀行    原田孝司

 二三  馬場 林    小嶋秀行

 二四  尾島保彦    馬場 林

 二五  玉田輝義    尾島保彦

 二六  深津栄一    玉田輝義

 二七  酒井喜親    深津栄一

 二八  首藤隆憲    酒井喜親

 二九  平岩純子    首藤隆憲

 三〇  江藤清志    平岩純子

 三一  久原和弘    江藤清志

 三二  小野弘利    久原和弘

 三三  吉冨幸吉    小野弘利

 三四  元吉俊博    吉冨幸吉

 三五  井上伸史    元吉俊博

 三六  荒金信生    井上伸史

 三七  佐々木敏夫   荒金信生

 三八  戸高賢史    佐々木敏夫

 三九  吉岡美智子   戸高賢史

 四〇  河野成司    吉岡美智子

 四一  堤 栄三    河野成司

 四二  竹内小代美   堤 栄三

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○田中利明副議長 事務局に氏名標及び議席番号を変更させます。

 議席を変更された諸君は、変更後の議席にご着席願います。

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△日程第二 一般質問及び質疑、委員会付託



○田中利明副議長 日程第二、第一一四号議案から第一三二号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。尾島保彦君。

  〔尾島議員登壇〕(拍手)



◆尾島保彦議員 皆さん、おはようございます。二十五番、県民クラブの尾島保彦であります。

 議会の風景がきょうは随分変わったような気がいたしますが、一般質問もいよいよきょうが最終日ということで、私も、十二月定例会に当たり、通告に従いまして、六項目、質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。

 まず、水田農業の振興についてであります。

 米価格維持のため政府が主導してきた生産調整、いわゆる減反政策が五年後の二〇一八年を目途に廃止されることになりました。それに伴い、農業者戸別所得補償制度によって十アール当たり一万五千円支払われていた定額補助金は来年度から段階的に削減され、二〇一八年には廃止をされます。減反政策の転換は米価格の暴落を招きかねず、稲作農家を震撼させる問題となっています。

 我が国は、古来、瑞穂の国と呼ばれてきました。瑞穂とは、みずみずしい稲穂のことで、稲が多くとれるから瑞穂の実る国、文字どおり私たちの先祖は、この瑞穂の国の民として、米づくりを生活の糧とし、文化をはぐくみ、そして歴史をつくってまいりました。今まさに日本の米づくりは、我が国誕生以来、最大の危機を迎えていると感じています。

 減反政策は、農業機械の普及や圃場整備などで生産性が格段に向上したことや冷害に強い安定品種の開発等で米の生産量がふえる一方、食の洋風化の進行、あるいはまた、消費量が減って米余り現象が深刻化したことを受けて、一九七〇年代に始まりました。

 当時は、戦時中につくられました食糧管理法に基づいて、米の生産や流通は国によって管理され、毎年、政府米の生産者米価も設定されていました。

 一九九五年には、つくる自由、売る自由をうたい文句に、それまでの食糧管理法による政府の買い上げ方式を改め、新たに自主流通米として価格を市場にゆだねる新食糧法が施行されましたが、実際、つくる自由は名ばかりで、政府の示した生産目標に従って、減反政策は継続されたまま現在に至っています。

 一方、農業者戸別所得補償制度は、民主党政権が二〇一〇年に始めたものですが、政権交代に伴って今年度からは経営所得安定対策に名称変更されています。中身はほとんど変わっておらず、減反を条件に、十アール当たり一万五千円の定額補助金が交付されています。

 今回の減反廃止について政府は、「TPP交渉などで農業の国際化が叫ばれる中、安価な海外の農産物と競争できる強い農家をふやすためだ」との考えに立っているようですが、言いかえるならば、米の低価格化を誘発して中小の農家を淘汰し、そして土地を集約して、米の生産を一部の大規模農家に依存してしまおうというものではないでしょうか。しかし、そううまくいくのでしょうか。問題が複雑かつ多岐にわたり、地域農業は大きな打撃を受けるのではないかと憂慮しています。

 まず、価格面では、原価割れを起こすような米価となるおそれがあります。政府は、採算がとれないようになれば、つくり過ぎは起きないと見ているようですが、価格が急落した場合、大規模農家や米の専業農家ほど大きな打撃を受けます。兼業農家の方は、ほかに収入があり、仮に価格が安くなっても、先祖伝来の土地を守る、農業機械がそろっている、あるいはまた、つくった米は縁故米、例えば自給とか親戚に販売する、そういったことで米がさばける、そういったことを理由に、しばらくは米づくりを続けることができます。また、高齢者兼業の方には、米づくりを生きがいとしている方もたくさんいらっしゃいます。

 次に、土地の集約はどうでしょう。政府は、土地の集約が進まない一因として、中小農家が定額補助金につられて稲作を続けているためと見ているようですが、本当に土地の集約が進んだとしても、米価が安い中、条件の悪い農地は見捨てられていくのではないでしょうか。特に中山間地域は、稲が基幹作物となっているところも多く、一番影響を受けるものと思われます。

 集約化されれば、農業人口は激減し、水路やため池管理などの共同作業や地域における伝統行事も衰退し、耕作放棄地はふえ、保水や蒸発、降雨などの水の循環システムなど水田の果たしてきた多面的機能も失われ、やがて農村自体の消滅が現実味を帯びることになりかねません。

 政府としては、減反や補助金の廃止に伴い、飼料米への補助金増額や中山間地域への日本型直接支払い制度の創設など新たな施策を検討しているようですが、その効果は限定的だと思われます。

 日本人一人が一年間に食べる米の量は、一九六二年度には約百十八キロ、つまり二俵だったものが、二〇一二年度には五十六キロと半分以下、一俵ということになっております。人口減少社会を迎える中で、米の消費量がさらに減る可能性があります。そして、その消費量を大きく上回る生産能力がある中での減反廃止には納得できない気持ちです。

 以上述べましたように、減反廃止は、TPP交渉の行方と相まって、大分県農業に深刻な影響を与える問題です。完全廃止は五年後ということですが、早速、来年度から定額補助金を半額の七千五百円にすることも決まったようですし、昨年に比べて、ことしの米価は大幅に値下がりをいたしました。来年はさらに、減反の廃止宣伝効果といいますか、米が余る、ことしの米は安く買えるんではないかというふうなことによって、来年はさらに米価が下がるんではないかと大変心配をされます。

 そこで広瀬知事に質問ですが、減反廃止及び定額補助金の段階的な廃止について知事はどのように受けとめておられるのでしょうか。また、大分県の米づくりのあるべき姿をどうお考えなのでしょうか。お伺いをしたいと思います。

 以上、対面席でお願いいたします。

  〔尾島議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○田中利明副議長 ただいまの尾島保彦君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま尾島保彦議員から、大変、大分県の農業の実情に沿って、水田農業の振興についてのご質問を賜りました。

 本県の農業の構造改革を進めるために、これまでマーケット起点のものづくり、力強い経営体の育成、この両面から取り組んできたところであります。とりわけ水田農業は、平均経営規模が八十アールと大変に小さいことから、集落営農の組織化や法人化、あるいは大規模水田農業者の育成ということが大変大事だということで進めてきたところであります。この結果、集落営農法人数では全国で第五位となる百八十一組織が育成されるなど、着実に成果が上がってきているというふうに思います。

 こうした中、半世紀近く続けられてきた米の生産調整の見直しが決定されたわけであります。今や、米の消費量は大きく減退し、社会、経済のグローバル化が進むなど時代も大きく変化しております。

 議員ご指摘のような心配も多々ありますけれども、やはり見直しの決断はやむを得ないんじゃないかというふうに考えております。むしろ、これを機に、本県水田農業の振興にいろいろつなげていく必要があるんではないかと思います。

 今回の見直しは、力強い担い手育成に重点を置いて、経営所得安定対策と生産調整を見直す産業政策と、農業、農村の持つ多面的機能の維持確保を図る地域政策を車の両輪とするものでありまして、特に産業政策では、担い手への農地集積を加速化するために農地中間管理機構の整備も予定されておりまして、こうした国の施策を最大限活用して水田農業の構造改革に果敢に取り組んでいきたいというふうに思います。産業政策、地域政策両面でしっかりと対応していきたいと思います。

 本県は、県北一帯に平たん地域を抱える一方、耕地面積に占める中山間地域の割合が全国第三位と大変多様な水田農業が営まれておりまして、地域条件に応じた施策を講じていくということが大変大事だというふうに思います。

 まず、平たん地域では、規模拡大によるコスト低減や飼料用米の単収向上を図る必要があると思います。例えば、宇佐市で二十五ヘクタールの米を中心とした経営を行っている青年農業者は、圃場の大区画化や地下かんがいシステムの導入により、さらなる経営規模の拡大を目指しております。こうした意欲ある生産者の取り組みを支援していかなければならないと思います。

 他方、中山間地域では、農地集積によるコスト低減に制約があることから、中山間地域等直接支払い制度や新たな交付金制度を活用しながら高付加価値化や経営の多角化を図っていく必要があると思います。土壌や気象条件に恵まれ、「仙人米」や「綿田米」などおいしい米が生産されているところも多く、消費者をうまくとらえた戦略的な米づくりを進めております。また、杵築市大田の農事組合法人「南俣水 里の農場」では、米、麦に加えまして、飼料用米やナス、アマネギなどの野菜を導入し、収益の拡大を図っています。こうした米以外の作物を取り入れて所得拡大を目指す経営体を積極的に育成してまいりたいと思います。

 大きな転換期を迎える中、生産者が意欲を持って、将来にわたり持続可能な経営ができる力強い水田農業の振興に取り組む必要があると思います。

 大分県の農業、農村の実情をよく見ながら、そしてまた、これから五年間にわたる経過をよく見ながら、しっかりと対応していきたいというふうに思っているところでございます。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 ありがとうございました。

 知事は、今回の減反廃止はやむを得ないという受けとめをされたようですが、力強い担い手の育成というのは大きな課題だと思います。ただ、現実的には、米の価格の暴落、低価格化が非常に心配されるわけで、二点ほどちょっと農林水産部長に質問したいと思います。

 まず、今後、米価が暴落して、私はそう思ってるんですが、低価格競争が始まるんではないか。特に、大分県の米、かつては、鳥も食べない、鶏もまたいで通るニシホマレとかいう言葉があったように、現実的にはそういうことで言われてました。先般の新聞にもちょっと載っておりましたが。こうやってやゆされたこともあったんですが、今は、大分ヒノヒカリ、例えば、食味ランキングで特Aを獲得するに至っておりますが、大分県全体の米の評価としては、東北や北陸のいわゆる産地米に比べて、評価はやっぱり低い。それが証拠に、自主流通米の市場では大変苦戦をしているんではないかというふうに受けとめています。ですから、今後、こういった低価格競争の中で大分県の米というのが生き残れるのか、どういった展望を持っているのか、お聞かせ願いたいと思います。

 それから、二つ目に、今回、定額補助金をやめる中で飼料米の補助をふやすというふうなことがあって、今回、飼料米増産が交付金の目玉になっているんです。以前、私も、県内における飼料米の動向について質問したことがあるんですが、今回、WCSについては据え置かれました。飼料米ですから、鶏や豚のえさになる米のことなんでしょうが、これをふやしていくということになるのか。いわゆる、県内における需要があるのかという点について再質問したいと思います。

 以上です。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 ただいま二点について質問いただきました。

 まず、低価格競争の中で大分県産米が生き残れるのかというお話でございます。

 生き残るための取り組みとしては、生産者が意欲を持って経営を続けていくために、まず、水田農業の構造改革を進めることが必要だと考えております。

 一つは、規模拡大による生産コストの低減を図っていくということであります。そして、消費者と結びついた米づくりを進めていく。

 今ありましたように、ヒノヒカリ、それから、つや姫等ございますけれども、さらに有機米や棚田米など、価格が高くても消費者に安定をして販売できる付加価値の高い米づくりを推進していく必要があると思っています。

 そしてまた、米価の低下という事態になりましたときには、今、国と生産者で拠出をする収入減少影響緩和対策を利用して経営の安定化を図っていく必要があると思っています。

 次に、飼料用米の交付金の増額等が行われるということで生産拡大を推進する方向にあるけれども、大分県の拡大の展望はということでございます。

 本県の昨年度の飼料用米の作付の面積は八百六十五ヘクタール、生産量で見ますと、玄米の換算で三千五百七十五トンでした。県内の畜産農家にそのうちの約三千トン、県外に約五百トンが供給されております。

 国は、飼料用米の拡大に向けて、現在、五十六万トンが畜産農家や配合飼料メーカーに供給されておりますけれども、今後、配合飼料原料として利用できる量は四百五十万トン程度と、大幅にふえると見込んでおります。

 この栽培面積の拡大ということに向けては需要者の確保が大きな課題となりますことから、今、農業団体の全国組織において飼料用米の拡大に向けて具体的な流通対策が検討されているところであります。また、県段階でも、全農大分県本部で販売先の開拓を行っているところであります。

 飼料用米の交付金については、まず、八万円を基準として、最低で五万五千円が担保されて、最大十万五千円、これまでの間はいわゆる数量払いで支払いをされるという制度が導入されますことから、単収が向上するように、栽培マニュアルの配布、また、研修会などによりまして生産者の意識啓発を図って、飼料用米の栽培拡大を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 次に行きます。

 二番目、防災対策についてであります。

 まず一番に、土砂災害危険箇所について質問します。

 大分県は、昨年七月、梅雨前線豪雨によって甚大な被害を受けましたが、ことしも全国的に梅雨前線や台風の影響によって豪雨災害が発生をしています。

 中でも、十月十五日から十六日にかけて発生した伊豆大島での台風二十六号の記録的大雨による土石流は、大量の土砂や流木が津波のように住宅地をのみ込み、死者三十五人、今も行方のわからない方が四人という大災害を引き起こしました。

 この災害では、台風が接近する中、町の幹部が島外に出張していたり、この前も知事のお話にありましたが、深夜、危険が差し迫る中での避難勧告、指示のあり方に課題を残しました。

 さて、大分県の土砂災害危険個所は、資料を見ますと全国的に非常に多くて、土石流危険渓流五千百二十五カ所、急傾斜地崩壊危険箇所が一万四千二百九十三カ所、そして地すべり危険箇所が二百二十二カ所ということで、合計一万九千六百四十カ所、全国で五位という数字なんです。それだけに、土砂災害に対する備えは県政の重要な課題と言えます。

 そこで質問ですが、県民の安心、安全のために、現在、整備率として全体で二七・七%と言われておりますが、この整備率を上げて、早急な対策が望まれるわけで、今後の計画についてお伺いをします。また、大分県のこの整備状況、対策状況は、他県に比べてどのような状態なのか、あわせて質問したいと思います。よろしくお願いします。



○田中利明副議長 続けてください。ため池のやつも。



◆尾島保彦議員 申しわけございません。分割でしたからため池まで行きます。

 ため池の改修について。

 十月二十四日、台風二十七号の接近に伴う大雨によって、大分市東上野のため池が決壊するおそれがあるとのニュースが流れました。私のすぐ近くにもため池があるもんですから大変興味を持ったんですが、後日聞きますと、ため池から漏水があって、危険なため、避難をしたと聞きました。

 県内には多くのため池が存在しており、中には老朽化したものもあり、早急な対策が求められています。

 現在、県内に二千二百四十八カ所のため池があるようですが、先般五月三十日、世界農業遺産に登録された国東半島宇佐地域は、登録のテーマであります「クヌギ林とため池がつなぐ 国東半島・宇佐の農林水産循環」が示すように、勾配が多く、河川からの給水が難しい状況を克服するため、約千二百カ所のため池がつくられています。

 ため池改修においては、受益者負担も必要ですが、今後は防災対策を最優先したため池の保全が重要だと考えます。

 そこで、大分県に防災対策が必要なため池はどのくらいあるのでしょうか。また、危険度の判定基準や改修基準及び今後の対策についてお伺いをしたいと思います。



○田中利明副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 私からは、土砂災害危険箇所についてお答えをいたします。

 本県では、土砂災害から県民の生命や財産を守るため、砂防ダムや急傾斜地崩壊防止施設の整備などハード対策を進めております。

 対策に当たりましては、災害時要援護者関連施設や避難地、避難路を保全する箇所などを重点的かつ計画的に整備をしております。しかしながら、すべての箇所の対策には膨大な費用と時間を要するため、ハード対策とあわせてソフト対策を推進しております。

 ソフト対策では、住民の早期避難を促すため、大雨などで土砂災害の危険度が高まったときに、気象台と共同して土砂災害警戒情報を発表するなど、各種情報の提供を行っております。

 要対策箇所の整備率の九州平均は、平成二十五年三月末現在で二四・七%であり、本県の整備率二五・七%は九州平均とほぼ同様の水準にございます。

 今後とも、土砂災害による被害を未然に防ぐため、ハード、ソフトの両輪で総合的な土砂災害対策を着実に実施し、防災対策の強化に努めてまいります。

 以上でございます。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 ため池の改修について答弁申し上げます。

 まず、県内には二千二百四十八カ所のため池がありまして、平成二十年度に整備をした台帳では、改修が必要なため池は百八十六カ所あります。

 県では、ため池ののり面が浸食をされて脆弱になったものや排水機能が不足しているものなど、緊急度や下流人家などへの影響度から優先度合いを判断し、改修を行ってきたところであります。

 また、東日本大震災の経験から、新たに地震及び豪雨に対する危険度の調査を本年度から進めておりまして、国の定めた判定基準を用いて、決壊の危険度、下流への影響度などから総合的に評価が行われることになっております。

 今後は、これらの点検結果をもとに、市町村と協議しながら、耐震性を考慮した国の改修基準に沿ってため池の整備を進めてまいります。

 あわせて、ため池の決壊時の被害軽減を図るために、市町村が行うため池ハザードマップの作成や防災情報連絡体制の確立を支援して、防災減災対策を推進してまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 それでは、土砂災害について再質問をします。

 整備率は九州では平均的だという答弁があったわけですが、整備率に加えて、現在、工事が進行中、あるいは計画が具体化したということで、何か着手率という指標もあるみたいなんですが、この着手率が、データがあれば、ちょっと教えていただきたいと思います。

 それから、九州内で、他県の例と比べて大変恐縮なんですが、災害の危険個所が大分県に比べて半分でありますが、佐賀県の例です。例えば、土石流の危険渓流では、着手率でほぼ一〇〇%、これはもう十年前の資料で。それから、地すべりの着手率で五〇%、それから急傾斜で一〇〇%というふうなデータもございますので、他県では、非常に頑張っているといいますか、重点的に取り組まれた例もあるようですので、そのことも申し添えたいと思います。

 それから、限られた時間でありますが、ため池の件をきょうは少し議論したいと思います。

 大分市の東上野のため池が危ないということで避難騒ぎがあったわけですが、実は、この避難民の中に内田淳一前県議がいらっしゃいまして、先般、内田県議のご案内でため池を調査いたしました。

 現在、ため池、水が全くない状態ですが、堰堤が、長さ方向で五十メーターぐらいあるんです。そのほぼ中央部、それから、そこから高さ方向にしますと三分の二ぐらいのところに、お聞きかもしれませんけれども、三メーターから四メーターの穴があいておりました。これは完全に抜けているわけじゃない、陥没穴なんですが、深さが、ちょうどすり鉢状の土手になっているんですけれども、高いところで二メーター、低いところでも一メーター、まさにため池が、あのままいけば決壊してもおかしくない危機一髪の状況ではなかったかというふうにうかがい知れます。

 この大石ため池なんですが、板碑が、石碑があるんです。それ見ますと、明和五年ですから、一七六八年、今から二百四十五年前につくられたため池みたいです。二十五年ほど前には、いわゆる洪水吐、荒手を改修されておりましたが、その後、ほぼ手つかず。というのは、土手に四十センチぐらいの雑木も生えておりましたし、竹が繁茂していた。それは、現在は切っておりますから、跡が残っているんですけれども。そういった状況で、しかも取水口ということで、斜樋、斜めの樋がついてるんですけれども、そこの栓をとっても水が抜けない。要は、取水口が詰まってるんです。こういう状態でした。ですから、この池については、二十数年、ほぼ管理をされずに、いわば放置状態にあったため池ではないかというふうに思っております。

 そういった意味で、再質問でありますが、現在、この放置状態と思われるため池、県内にどのくらいあるのでしょうか。

 それから、先ほど言いましたように、あのため池、決壊してもおかしくなかったんです。ですから、近年、大分県内でため池が決壊したという話は余り聞きませんけれども、決壊寸前であったとか、漏水が著しく避難騒ぎがあったというふうな事例があれば、ちょっと教えていただきたいと思います。

 以上です。



○田中利明副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 着手率についてお答えいたします。

 まず、土石流関係では、これは二十四年度末の数字でございますが、県下では二二・一%、それから地すべりでは三四・二%、急傾斜地崩壊対策箇所では三二%となっております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 まず、県内に放置ため池はどのくらいあるのかということで、それを把握しているかということでございますが、先ほどお話のありました大石ため池と同様に管理をされていないため池があると思われますので、今年度から実施しておりますため池の危険度の調査において把握をしている状態であります。

 ちなみに、これは国の補助制度でやられておりまして、現状調査をしてデータベース化しようということで取り組んでおります。今年度は、受益が二ヘクタール以上のもの千四百三十五カ所、来年度が〇・五ヘクタールから二ヘクタール未満のもの三百十九カ所、合計千七百五十四カ所について調査をしよう。それ以下のものについては、極めて小さいということで、影響はほとんどないということでありますので、補助事業では〇・五ヘクタール以上を行うということで、今年度、来年度で調査をしたい、その上でデータベース化をしたいというふうに考えております。

 それから、近年、ため池の決壊の災害事例はあるかということであります。

 昨年、それから、ことし発生をした豪雨及び台風において避難をした、自主避難も含めてですけれども、ため池のためにそういう行為をとったというものが三件、それから、堤体の一部が流失をしたという事例は二件ございます。

 以上です。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 これから放置ため池の調査をしていただけるということなんですが、先ほど言い忘れましたが、大石ため池、随分大きなため池でして、深い谷をせきとめてるんですが、湛水量が約二十万トンという、県下でも随分大きなため池ではないかと思います。

 近年、ため池の決壊の例はないということみたいですが、私が子供のころに八面山のため池が決壊して、死人が出たということで、この前、ちょうど出前講座で地区の方が来ておりましたから聞きました。昭和六年に八面山の大池というため池が決壊して死者が七人ぐらい出たんですかね。そういった例もございますので、一たび池の決壊ということになれば下流域に甚大な被害を及ぼします。

 そこで再々質問ですが、防災の観点から改修や予防対策をやる必要があると思います。特に、ため池というのは受益者がいらっしゃいますので、こういった受益者負担というものが障害になってくるかもしれません。市町村の補助の率によってはゼロから七・五とかいう数字があるみたいですが、どうしても個人の負担が出ると改修はできないということも考えられるわけですが、今後、県として、こういった防災上の観点から、やっぱりため池の整備を進めていく、そういった制度も考えていくべきではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

 それから、放置ため池は、改修は難しいということになれば、やはり土手を開削する、もう切ってしまって、フリーな状態にするというふうなことも必要であると思います。

 先ほどの例にあったように、幾ら取水口をあけていても、大雨等で落ち葉等が詰まって、結局は、もう水が抜けないというようなことにもなるわけですから、そういった意味で、あらかじめ開削をしていくという対策も必要だろうと思いますので、その点についてお考えをお聞かせください。お願いいたします。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 まず、防災の視点から、改修、それから予防対策費の地元負担の軽減ということでありますけれども、県では、下流に二戸以上の人家があって、生命、財産に危険が及ぶため池については、危険ため池緊急対策整備事業として、県費を、国が定めたガイドライン、二九%から六%かさ上げをして、地元負担の軽減を図ってきたところであります。引き続き、国のガイドラインを参考にして、市町村とも協議をしながら、地元負担の軽減を目指していきたいと考えております。

 それから、放置ため池の対策について、あらかじめ堤体を開削するなどの対策がとれないかという話でございます。

 まず、農業用として必要がなくなったものについては、ため池の管理者と協議を行った上で、ため池の廃止を進めているところであります。平成二十三年度から三カ年、県の単独事業で、堤体を開削するなどして、十カ所のため池を廃止してまいりました。

 また、本年度からは国の補助による廃止の制度ができましたので、これを活用した廃止事業を今後とも積極的に進めていきたいと考えております。

 ちなみに、本年度は国の補助によりまして廃止を四カ所実施したところであります。

 以上です。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 ありがとうございました。

 それでは、次に行きます。

 介護保険制度の改正についてです。

 厚労省は、当初、要支援者向けサービスを介護保険の対象から外して、その実施を市町村にゆだねる案を示していましたが、今回、訪問、通所介護のみを移行させ、専門的な技能が必要な訪問看護などは引き続き介護保険の対象とすることとし、また、特別養護老人ホームの入所対象から要介護一、二を外すという案についても、条件をつけた上で認めるなどの方針転換を示しました。

 具体案づくりが迷走した感がありますが、介護保険の改正案が本県に与える影響についてどのように見込んでいるのか、現在の利用状況も踏まえてお伺いをいたします。

 特に、保険料を徴収しながら、財政的な理由から利用者を切り離すというふうな批判もあるわけで、そういった面では、今後、慎重な対応が望まれると思いますので、どうぞご答弁をお願いします。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 介護保険制度につきましてご心配をいただいております。

 今回の介護保険制度の改正は、社会保障機能の充実と給付の重点化を行うということでございますけれども、あわせて、負担の増大を抑制して持続可能な制度を実現しようとする社会保障制度改革の一環として行われるものであります。議員ご承知のとおりでございます。

 これまで国の社会保障審議会で検討されてまいりましたけれども、このたび見直し案が示されたところです。

 これによりますと、一つは、要支援者に対する介護サービスである予防給付の一部を市町村事業へ移行するなどのサービス提供体制の見直しがあります。二つ目は、現行一律一割となっている利用者負担を一定以上の所得者については二割へ引き上げまして、他方、低所得者層の保険料負担については基準額の五割から三割に軽減するなどの費用負担の見直しを行っているところであります。

 このうち、サービス提供体制の見直しでは、要支援者向けの訪問介護、通所介護が市町村事業へ移行することになるわけであります。

 本県の要支援認定者数は二十四年度で約二万一千人となっておりますけれども、県といたしましては、制度改正後においても必要なサービスが利用できるように、既存事業所の活用とあわせて、ボランティアやNPOなど多様な主体の参画に向けて、市町村を支援していきたいというふうに考えております。

 次に、特別養護老人ホームにつきましては、ことし四月現在、入所者数が約五千六百人おりまして、そのうち要介護三以上の方が約五千二百人、要介護一、二の方が四百人となっております。

 見直し案では、機能を重点化して、入所を要介護三以上の方に限定することが適当であるとする一方で、要介護一、二の方であっても、やむを得ない事情があれば特例的に入所を認めることが適当であるというふうにされております。

 現在入所されている要介護一、二の方に対する経過措置もあることから、今のところ、制度改正による影響は回避できるんではないかというふうに考えております。

 今後、法案提出の動きとなりますけれども、国に対しまして、地域の実情に十分配慮して円滑に事業を実施できるように知事会等を通じて要請していきたいと思っております。

 県では、これまでも、地域ケア会議の開催による自立支援型ケアマネジメントの普及だとか、あるいは地域包括支援センターの機能強化など、地域包括ケアシステムの推進に積極的に努めてきたところであります。

 社会保障制度改革国民会議の報告書におきましても、医療、介護それぞれの提供体制の改革を通じた地域包括ケアシステムの構築がうたわれているところでありまして、引き続き市町村と連携をしながら、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていけるように、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 ありがとうございました。

 経過期間を経ながら実施されると思いますが、実際には、サービスを受ける側、利用者、それからサービスを提供する事業者側、特に単独のデイサービスセンターなんかは非常に心配をされております。

 これからこの制度が実施されるに当たっては、市町村の、例えば、財政差によって、財政的な力量によってサービスが異なるということも心配されるわけですから、県においてしっかりと指導していただきながら円滑な運営をお願いしたいと思います。

 時間がございませんので、次に移ります。

 交通安全対策についてです。

 まず一点目、交通マナーについてであります。

 最近、スマートフォン、いわゆるスマホの普及によって、このスマホを操作しながらの自動車の運転、あるいは自転車の運転、そして、歩行者の方も、ほとんど画面だけを見ながら歩むというふうな姿をよく見かけます。これでは、交通の基本である前方注視ということができるはずもなく、危険がいっぱいの交通状態の中で事故の発生を招くことになります。

 こうした現状を踏まえて、今まで交通マナーの向上については県警としても重点的に取り組んでこられましたが、今後どのように取り組まれていくのか、お伺いをしたいと思います。

 それから、二点目は、シニアカーの交通安全対策についてです。

 最近、お年寄りが、四輪式の電動車といいますか、シニアカーでよく通行している姿を見かけます。業者のカタログによりますと、スズキのカタログなんです、フルの充電で二十一キロから三十三キロ、それから、時速は二キロから六キロということでありますが、非常に長く走れます。ですから、隣近所を走行するだけではなしに、場合によっては、遠方まで買い物に行ったり、病院に通院したりというようなこともあるわけですが、シニアカーは道交法上は人という取り扱いのようなので、今後、このシニアカーがふえる中で、シニアカーの安全対策、啓発啓蒙をどのようにされていくのか、ご見解を伺いたいと思います。

 以上です。



○田中利明副議長 大沢警察本部長。



◎大沢裕之警察本部長 お答えいたします。

 まず、昨日現在、交通事故死者数五十四人となっており、昨年の年間死者数四十人を大きく上回っておるところであります。

 死亡事故の特徴といたしましては、事故原因別では前方不注視によるものが四六・三%、亡くなられた方の年齢別では六十五歳以上の高齢者が六六・七%を占めております。

 大分県警察では、前方不注視による事故を防止するため、県下三百人のわき見運転防止運動推進委員を初め、関係機関、団体、ボランティアの方々と連携して事故多発交差点等における百万台呼びかけ運動のほか、広報啓発、安全教育を実施しているところであります。

 事故に直結する危険性の高い携帯電話使用の違反に対しては、自動車運転者の取り締まりを徹底するとともに、自転車利用者や歩行者に対して街頭指導等を強化しているところであります。

 高齢者の事故防止対策については、三百を超える老人クラブを事故多発地域クラブに指定しまして、シミュレーターを活用した参加体験型講習を実施しております。また、地域包括支援センター等と連携した啓発活動も推進しているところであります。

 今後とも、交通ルールの遵守や交通マナーの向上を図り、安全で快適な交通社会を実現するため、関係機関、団体と協力して諸対策を推進してまいる所存でございます。

 次に、シニアカーの関係でございます。

 一般的に、高齢者など歩行が困難な方が移動手段として利用しているハンドルで操作する電動車いすがシニアカーと言われております。

 シニアカーを含む電動車いすの県内の普及状況については、平成二十年以降の五年間で、累計で約千四百台販売されております。

 これらが関連する交通事故については、昨日現在、本年、県内で四件発生しております。いずれも七十五歳以上の方が利用者で軽傷でありましたが、事故形態は、道路横断中にはねられた事故や追突された事故であり、ドライバーの前方不注視が原因と考えられるものでありました。

 警察では、シニアカーを含む電動車いすを利用される高齢者の交通事故防止対策の一環として、ご本人やご家族の協力のもと、自宅を訪問しての個別指導や、自治体、あるいは販売業者等と連携した体験型講習を実施しているところであります。本年は、十一月までに、個別指導を九百四十二名、体験型講習を八回、百六十二名に対して行ったところであります。

 今後、高齢化社会の進展とともにさらなる普及が予想されますので、交通事故抑止のため、利用者はもとより、ドライバーに対しても安全指導を推進してまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 安全講習に関して、目の前で事故の恐ろしさを再現することで危険運転を抑止し、交通マナー向上に大きな効果が期待されるということで、交通事故再現スタントというのがあるみたいです。大分県でこの取り組みをなされていると聞いたんですが、具体的にどういったことか、教えていただきたいと思います。



○田中利明副議長 大沢警察本部長。



◎大沢裕之警察本部長 今ご指摘のスタントマンを活用した講習会、スケアードストレートという教育手法の一つで、事故現場をスタントにより再現して、事故の悲惨さ、危険さを実感していただいて、ルール遵守、マナー向上につなげていきたいというものであります。

 これは、平成二十一年から全国一斉で展開しておるものでございまして、当県も二十一年から自転車教室で開催しておるところであります。教室の開催には予算もある程度必要でございまして、JA共済連にご協力をいただいて、毎年、中学一校、高校一校を対象として開催しております。

 本年まで、県内の中学五校、高校五校対象で、延べ五千九百五十人に対し、自転車教室を開催したところであります。

 受講者からも事故の悲惨さ等々を実感したということで、効果はあると承知しておりますので、引き続き推進をしていきたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 次に、浅海漁業の振興ということで質問したいと思います。

 最近、浅海漁業、大変不振をきわめておりまして、漁獲量が激減をいたしております。この漁獲量の減少原因について県はどのようにとらえているんでしょうか。

 また、浅海漁業の振興策についてどのような展望をお持ちか、お伺いをしたいと思います。

 さらに、中津の方では、オーストラリアの業者が開発した技術によってカキの養殖に取り組んでいるようですが、県は、この養殖事業をどのように評価して、今後、支援策や、あるいはまた、他地域への普及を検討しているのか、あわせてご答弁をお願いしたいと思います。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 浅海漁業の振興についてお答えいたします。

 漁獲量減少の主な原因といたしましては、栄養塩の低下、水温の上昇などの海洋環境の変化や豪雨水害に伴う漁場環境の悪化、水産資源に対する過剰な漁獲などが考えられます。

 そこでまず、漁場環境を改善するため、海底の堆積物除去を来年度から実施する予定でありまして、さらに沿岸域に藻場を造成することによって生産力の強化にも努めてまいります。

 その上で、漁業者が取り組む資源管理の徹底の度合いに応じてクルマエビなどの種苗放流に支援をすることで着実な資源の増大を目指してまいりたいと考えております。

 また、アサリについては、局所的に大量発生する稚貝を石原漁場や網で囲った保護施設に移殖をするなどによりまして資源の回復を図ってまいります。

 カキ養殖についてですが、この試験では先例のない干潟での取り組みでありまして、実用化には、来年二月の販売結果を踏まえて、コストや生産性など事業の可能性を見きわめる必要があると考えております。

 引き続き、干潟を活用した新たな養殖方法の可能性について、水産研究部浅海チームと普及指導員を中心に研究してまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 かつてはノリの養殖あたりが大変盛んに行われた浅海でありましたが、最近は、ノリも、宇佐市でいうと数軒、そして、先ほど言いましたように漁獲量が大変減っている、そういった中で、今後はやはり、とる漁業から育てる漁業、カキの養殖、あるいはヒジキの養殖といったことも検討されているようで、今後は、この養殖技術を高めて、育てる漁業を積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えております。

 最後に、教育行政についてであります。

 まず一点目、高等学校における特別支援教育について質問いたします。

 国は、平成二十四年七月に「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」を報告という形で公表しております。その中で、「同じ場でともに学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確にこたえる指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することが重要で、小中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場を用意しておくことが必要」としています。

 また、障害のある子供に対する合理的配慮の必要性についても議論をされてきました。

 大分県においては、本年二月に第二次大分県特別支援教育推進計画を公表しておりますが、その中で、特に公立高等学校における実態把握の実施や個別の指導計画、教育支援計画の作成が進んでないという実態が示されています。

 今後、国や大分県の示す方向性にかんがみれば、インクルーシブ教育の重要性というのが大変重要になってくるわけですが、そこで質問でありますが、大分県における議論の進捗状況、そしてまた、各高等学校での校内支援体制の整備強化に向けた具体的な取り組み状況についてご答弁を願いたいと思います。

 それから、二点目は新設高校についてであります。

 来年度、佐伯豊南高校、そして再来年度には別府市及び玖珠町に新設高校が開設されます。

 現在校に通う生徒や、そしてそこで指導する教職員の夢なり願いなりが新しい高校に生かされることが大事だと思います。

 そこで、開校されるに当たって、新しく開校される学校に対する生徒や教職員のかかわりについてご答弁をいただきたいと思います。



○田中利明副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 まず、高等学校における特別支援教育についてお答えをします。

 高等学校における特別支援教育の方策を検討するため、有識者、高等学校長や特別支援教育コーディネーター等で構成をされる高等学校特別支援教育協議会を本年四月に設置いたしました。

 これまで三回開催をいたしまして、先進校における特別支援教育課程のあり方等の調査を行うとともに、今後の検討に必要な生徒の意識調査に向けての協議を行ってきました。

 他方、すべての公立高等学校で特別支援教育に係る校内体制等を整備する校内委員会が設置をされ、特別支援教育コーディネーターを指名し、支援を必要とする生徒への対応の検討といった活動が行われています。

 また、高等学校の要請に応じて、各地域の特別支援学校が巡回相談や障害理解に関する校内研修への協力を行っており、高等学校における特別支援教育の充実が図られています。

 今後とも、個に応じた指導の充実や授業のあり方など、本県の実情に応じた高等学校での特別支援教育について検討を進めてまいります。

 二点目の新設高校についてご質問ございました。

 統合の対象となる高校の生徒や教職員が新設校の立ち上げに積極的に参加し、開校に向けた機運を盛り上げることは大切なことであると考えています。

 このため、例えば、新設校の校名については、既存校のすべての生徒からアンケートをとったり、生徒会同士の積極的な交流を行ったりしています。

 また、新設校の学校構想や教育内容、教室の配置等は、既存校の管理職や学科主任等が中心となって、教職員から意見を聴取しながら検討を行っています。

 また、これまで、地元の首長や保護者など地域の代表から成る開校支援委員会を設置し、新設高校のあり方について意見を伺ってきているところです。

 新佐伯豊南高校では、福祉施設と連携した協議会を立ち上げて、介護福祉士養成のための支援体制を整えました。玖珠地域では、新設高校についての郡民大会等が開催され、新設校に関する情報を中学生、保護者にも提供しているところです。また、別府地域では、APUと連携した外国語教育、地元企業での就業体験を充実させる取り組みを行っているところです。

 以上です。



○田中利明副議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 ありがとうございました。終わります。(拍手)



○田中利明副議長 以上で尾島保彦君の質問及び答弁は終わりました。御手洗吉生君。

  〔御手洗議員登壇〕(拍手)



◆御手洗吉生議員 皆さん、こんにちは。十四番、自由民主党・無所属の会、御手洗吉生でございます。

 本日は、多数の皆さん方に、お忙しい中、お越しをいただきまして、まことにありがとうございます。地元の課題等をしっかり質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 早速、入らせていただきます。

 本年も既に師走を迎え、この一年を振り返ってみますと、昨年末の総選挙を通じて政権復帰を果たした我が自民党の安倍総理のもと、矢継ぎ早に講じられた経済対策が功を奏し、国内経済では、やっと明るい兆しが見え始めました。一方、自然界に目を転じますと、たび重なる異常気象に起因して、大規模な災害が世界各地で頻発した一年でもありました。つい先日も、超大型台風三十号がフィリピンを襲い、高潮や暴風雨によって多くのとうとい命が犠牲となり、また、国内では、山陰地方や伊豆大島が集中豪雨によって大きな被害に見舞われました。大切なご家族を失われ、あるいは大きな被害に遭われた方々に、衷心よりお見舞いを申し上げる次第であります。

 防災対策についての質問です。

 さて、私は、一昨年の十二月議会において、あの東日本大震災の被害状況を踏まえ、津波などを想定した防災対策に対する本県の基本的な考えについて質問をいたしました。その際、広瀬知事は、「東日本大震災から我々がこれからなすべきさまざまな教訓を学び、大災害において一番大事なことは県民の命を守っていくことであるということを肝に銘じ、今後、できるだけの対策を講じていくことが大事」とご答弁されました。以来、おかげさまで、県と市町村が連携しながら喫緊の防災減災対策に着々と取り組んでおり、感謝申し上げる次第であります。

 また、あわせて東九州自動車道の早期完成に向けた県の姿勢についても、災害対策の視点を交えて質問いたしましたところ、「できる限り平成二十六年度中の全面開通にこぎつけるよう努力する」との力強いご答弁をいただきました。

 とりわけ、佐伯市蒲江の丸市尾浦や葛原浦、波当津におきまして、緊急時における一般道と高速道の連絡路の整備、また、防災拠点となる佐伯市総合運動公園に隣接した佐伯南インターの設置など、防災対策にも十分ご配慮いただいており、重ねて感謝申し上げます。

 県では、平成二十一年三月に大分県地震減災アクションプランを策定し、その目標達成に向けた取り組みを進めていましたが、東日本大震災における地震、津波は、それまでの想定をはるかに上回るものとなりました。そこで県は、東南海・南海地震に加え、東海地震との連動などを想定することとし、改めて地震津波被害想定調査を実施されました。また、本年五月に中央防災会議が策定した「南海トラフ巨大地震対策について」の最終報告も踏まえ、現在、大分県地震・津波対策アクションプランの策定に着手しており、津波対策の充実を図ろうとしております。

 この新プランの減災目標は、想定調査の結果が示す人的被害を平成三十年度までに半減すること、特に、南海トラフ巨大地震における想定死者数の約二万二千人を七百人にまで大幅に抑制しようとするものです。この目標達成に向けて施策体系を再構築し、現行十四の減災施策、六十六の減災アクションを、二十七の施策、百二の対策項目に拡充するとのことです。

 中でも注目されるのは、早期避難の徹底によって人的被害を軽減するため、地震直後五分以内の避難七〇%、用事後十五分以内の避難三〇%を目標としております。

 東日本大震災で死亡された方々の六五%以上を占める六十歳以上の高齢者を初め、乳幼児や子供たち、障害のある方々の迅速な避難のためにも、避難路の確保、避難場所の設置、指定が優先されるべき対策であります。

 避難路や避難場所の指定は市町村の判断に基づき行われますが、高齢者や子供たちなど、いわゆる災害弱者の立場に立って具体的な検討がなされるべきですし、災害が起きる時間的条件や避難場所までの移動手段なども、当然、踏まえなければなりません。こういった観点もこの新アクションプランの中でぜひ示していただきたいと考えておりますが、県の策定方針はいかがでしょうか。

 東日本大震災から二年九カ月が経過した今もなお、不自由な避難生活を余儀なくされながらも、希望を持って復興を待ち望んでいる多くの方がおられます。事前の防災減災対策が不十分であれば、災害の傷跡は大きなものとなり、結果的に復興も長い時間を要してしまいます。今後三十年以内に六〇%から七〇%の確率で起こり得る南海トラフ巨大地震に対し、被害を最小限に食いとめるために、防災減災対策に向けた実効的なプランの策定とその着実な推進を切望いたしますが、知事のお考えをお聞かせください。

 あわせて、避難場所の確保についてであります。

 県内最大の津波被害が想定される佐伯市においては、既に津波ハザードマップが市内各戸に配布されています。その中で、県南海岸部での想定津波高は、最大五メートルから十メートル以上、旧佐伯市街では四メートル前後とされ、それを踏まえて避難路や避難場所が地域ごとに表記されています。

 ただ一点疑問に思うのは、指定された避難場所が避難を要する人数に見合っていないのではないかということです。

 一例を挙げますと、女島、新女島、女島団地は、市内で最も世帯数の多い地区であり、約四千二百人が居住しております。また、事業所も多く、隣接する西浜地区は工業地帯でもあり、昼間人口はかなりの数に上ります。しかしながら、地区内には三階以上の高層建築物はなく、女島山が唯一の避難場所とされておりますが、とても千人規模の避難者を受け入れるスペースはありません。

 この地区は、佐伯市で最も海岸部に近く、かつ、標高の低い土地であり、大津波時には最初に被害を受ける可能性が最も高い地域です。この地域では、鉄筋コンクリートづくりで三階以上の建物は、女島団地区内の市営、県営住宅十一棟のみであります。この団地は、昭和四十七年から五十年にかけて建設されており、現在の耐震基準には適合しておりません。しかし、地震には比較的強いとされる壁式鉄筋コンクリート造であることから、耐震補強を行った上で屋外階段を設置し、屋上を避難場所にする等の対策を検討する余地は十分あります。あるいは、この地区に想定される津波の高さに耐えられる避難施設を新たに設置することも当然検討すべき対策であると思いますが、県の考えをお伺いいたします。

 次に、津波防潮堤についてでございます。

 歴史学者の磯田道史先生によりますと、江戸時代に和歌山県の広村、現在の広川町ですが、が津波の被害を受けたことがあり、ヤマサ醤油の七代目浜口儀兵衛があっという間に津波防潮堤を建設した歴史があります。これが広村堤防で、国の史跡に指定されています。一八五四年の安政津波の後に建設が計画され、四年近い歳月をかけて、一八五八年に完成しました。これは、民間の力でつくり上げたもので、堤防の長さは六百メートル、高さは五メートルあり、その後、四メートルから五メートルの昭和津波に襲われたものの、この堤防に守られて、旧集落だけは辛うじて被害を免れました。

 しかし、九州では、その百五十年前に、さらに長大な津波防潮堤が築かれていました。

 佐伯藩は、羽柴秀吉に仕え、後に毛利高政を名乗った森高政を藩祖とする二万石の小藩でしたが、宝永四年、一七〇七年十月四日、六代藩主毛利高慶のときに宝永津波が佐伯を襲いました。佐伯毛利家は水軍として有名で、海に近い浦方を拠点としていたため、当時の城下町は三・五メートルから四メートルと言われる津波の被害をまともに受けてしまいました。六代藩主が驚くべきリーダーシップを発揮したのは、このときでした。津波の直後から城下町全体を防潮堤で守るということを決意し、何と被災十七日後から着工し、わずか二カ月の突貫工事で、新たな堤防一・三キロを含む総延長四キロメートルの防潮堤を完成させました。藩主高慶みずから現場に出て工事を督励し、動員された労働力は延べ三万四千七百九十三人に達したと言われております。

 このような史実を踏まえますと、県内最大の津波が想定される佐伯市では、特に津波に対し、防潮堤整備などの対策を検討すべきと考えますが、県の考えをお伺いいたします。

 あとは対面席で質問いたします。

  〔御手洗議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○田中利明副議長 ただいまの御手洗吉生君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 御手洗吉生議員には、地震津波対策について、大変貴重なご提言も交えて、ご質問を賜りました。まず私からお答えをさせていただきます。

 南海トラフ巨大地震では、本県におきましても、二万二千人の死者数に六千人の負傷者、また、六万戸に及ぶ住宅の全半壊など甚大な被害が想定されております。そのため、現在、地震・津波対策のアクションプランを見直しているところでございますけれども、こうした被害を最小限にとどめるにはさまざまな視点からの取り組みが必要であります。

 大変甚大な被害が予想されておりますけれども、しっかりと対応すれば、この被害は最小限にとどまるということでございますので、そこのところを今急いでやらなきゃならぬというふうに思っているところであります。

 地震津波被害想定を取りまとめました有識者の皆さんから、避難訓練、防災教育、企業活動との連携や家具の固定など五十二項目に及ぶ貴重な意見をいただいております。また、国の南海トラフ巨大地震対策を検討するワーキンググループの最終報告でも、津波避難行動計画など、幅広い観点から具体的な対策が示されているところであります。

 プランの見直しに当たりましては、そうした知見を取り入れて、ソフト、ハード両面にわたる真に必要な対策を盛り込んだところであります。

 一点目は、早期避難の徹底であります。

 揺れがおさまって十五分以内に浸水区域内の全員が安全な場所へ避難行動を開始するように取り組む必要があります。特に、高齢者を初め、迅速な避難が困難な方々を地域全体で手助けする仕組みづくりや、日中の発生に備えた企業との協力関係の構築につきまして、津波避難行動計画の作成等を通じて推進していきたいと思います。

 揺れがおさまって十五分以内に避難行動を開始するというために、ぜひ計画を見直していきたいと思っております。

 二点目は、実践的な避難訓練の実施であります。

 自主防災組織等における防災士の確保を支援し、車を利用した要援護者避難や夜間における訓練の取り組みを進めますけれども、訓練に際しましては、自然災害とどのように向き合っていくか、その姿勢をはぐくむことも重要であります。

 パブリックコメントでは、「災害を他人事と思っている人が多い。防災教育をしっかりすべきだ」という意見もいろいろいただいております。現に、東日本大震災では、防災教育の有無が生死を分けたことから、学校や地域において、災害から自分の命を守る姿勢の防災教育に取り組みまして、避難訓練を充実させる必要があります。

 三点目は、堤防、護岸の整備や建築物の耐震化であります。

 津波等による被害を極力抑制するには、やはりハード対策も重要でありまして、海岸保全施設などの計画的な整備に努める必要があります。

 こうして作成しました新たなプランの実行に当たりましては、市町村と県で構成する防災対策推進委員会において、対策の進捗状況等を確認しながら進行を管理してまいります。特に、目標を共有して取り組む津波避難行動計画の作成等につきましては、密接に連携して着実に推進をしていきます。

 防災対策は、何よりもまず人命を守ることに尽きます。自助、共助、公助から成る減災社会を実現して、県民の皆さんが安心して安全に暮らせる大分県を目指していきたいというふうに思っているところでございます。

 私からは以上でございますが、いろいろ貴重なご質問をいただいておりますので、その分は担当部長からお答え申し上げます。



○田中利明副議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 避難場所等の確保についてお答えします。

 南海トラフ巨大地震に伴う津波から迅速に避難するため、沿岸部の市町村では、高台等の避難場所の確保や津波避難ビルの指定が進められています。

 佐伯市におきましても、五百七十カ所の津波避難地が指定され、四十の施設が津波避難ビルに指定されています。しかしながら、佐伯市において策定中の津波避難計画では、ご質問の女島など三地区には、避難が可能な範囲にそうした施設が確保できないエリアがあると聞いております。

 避難が困難な地域における津波避難対策について、佐伯市において全体的な検討が行われており、市有地を活用した高台造成等も検討されています。

 ご提案の県営住宅等を一時避難場所にするには、老朽化に加え、多くの人が避難した場合、屋上の強度不足など構造上の課題や安全管理上の問題もあると考えております。

 先月末に成立しました南海トラフ地震対策特別措置法では、避難タワー等の避難場所の整備などに対する支援が盛り込まれています。

 県としましても、国の支援制度も活用しながら、津波避難対策に佐伯市と連携して取り組んでまいります。

 以上でございます。



○田中利明副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 私からは津波防潮堤についてお答えをいたします。

 ことし二月に公表しました大分県津波浸水予測調査結果によりますと、佐伯市街地では、最大クラスの津波高は七・四メートルと非常に高く、防潮堤などハード対策での防護には限界があると考えております。

 国においても、最大クラスの津波に対しては、避難を軸に住民等の命を守ることとしており、一方で、最大クラスの津波に比べ、津波高は低いものの、発生頻度の高い津波に対しては、防潮堤等のハード対策に取り組むこととしております。

 県では、国の考え方に基づきまして、防潮堤等のかさ上げや耐震性の向上に向け、まず、現状調査やハード対策の対象となる津波高の設定作業を進めているところでございます。

 今後は、地質調査など必要な調査を進め、できるだけ早く津波対策につなげてまいりたいと考えております。

 さらに、海岸の環境や利用に及ぼす影響、加えてコスト面の検討も必要であり、市町村や住民等の意見を伺いながら、地域の実情に即した対策を講じてまいります。

 以上でございます。



○田中利明副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 ありがとうございました。

 避難場所ですが、今、耐震構造になってないということなんですが、早急に避難タワー等をつくっていただいて、四千二百人の方々が居住している中で、今、避難訓練等を行ってますが、四分の一しか避難できないわけですから、あとの方は、今の時点でどうするのかという。きょうも地元の方が数多くこの傍聴席においでいただいております。そういう方々が、毎日不安を感じながら生活をしているというのも事実であります。先月の二十二日ですか、法案が成立しておりますので、そういうことを活用しながら、ぜひ取り組んでいただいて、不安を解消していただきたいというふうに思っております。

 そして、防潮堤ですが、佐伯は、満潮時には、もう車道まで海水が上がってくるような状態の中で、今、生活をしております。海面からもうごくわずかというところで、小さな津波でも佐伯市はかなり大きな被害が出る可能性が十分ある中ですから、大きな津波は防げなくても、小さな津波は防潮堤で防げるような対策をぜひ早急につくっていただきたいというふうに思っております。

 それで、知事さんからは先ほど説明いただきましたけれども、大分県の地震・津波対策アクションプランの減災目標は平成三十年を目標としておりますが、あと五年なんです。あと五年で、二万二千人を七百人まで被害を大幅に抑制するというふうに言われておりますが、私は、七百人の方もそこで亡くなるわけですから、やはり極めてゼロに近い対策を講じていただきたい。それがやはり知事の責務だろうと私は思っておりますので、そういう形で、市民の皆さん、周辺部、海岸部の皆さんが安心して生活できるような取り組みをぜひお願いしたいというふうに思います。

 お願いをして、次の質問に移らせていただきます。

 大分トリニータについての質問をさせていただきます。

 昨年の十一月二十三日、大分トリニータは、国立競技場でのJ1昇格プレーオフを制して四年ぶりのJ1復帰を果たし、多くの県民に夢と希望と大きな感動を与えていただきました。

 今シーズン、トリニータは、J1の厚い壁を超えようと懸命に戦ってきましたが、残念ながら、わずか一年でJ2降格を余儀なくされ、私もサポーターの一人として大変悔しい思いでいっぱいであります。しかしながら、天皇杯では、チーム初のベストエイトに進出しており、十二月二十二日には大分銀行ドームで準々決勝が行われます。ホームゲームでもありますので、何とか勝利を勝ち取り、元旦の決勝で再び国立競技場のピッチに立つことが、応援をいただいている県民、企業など多くのサポーターへの希望のお年玉になりますので、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。

 一方、トリニータの経営状況については、先般、大分フットボールクラブから平成二十六年一月末の決算見込みが公表されましたが、これによりますと、今期の純利益は一億八千百万円と、二十二年度から四期連続で黒字計上が見込まれており、二十一年の経営危機以降、経営体制を刷新し、入場料やスポンサー料等あらゆる収入確保と人件費など徹底した経費の削減に尽力された結果が数字にあらわれているものと思います。しかしながら、今期末でも四億円を超える債務超過が見込まれており、まだまだ厳しい経営状況に置かれていることに変わりはありません。特に、この債務超過は、トリニータがJリーグで活躍し続けるために必要なクラブライセンスを維持するため、平成二十七年一月末までに解消しなければなりません。

 大分フットボールクラブでは、この債務超過の解消のため、ファンドの活用を含めた四億二千万円の第三者割り当て増資を行うとの報道もありましたが、そのスキームについては今月中旬に予定されている大分トリニータを支える県民会議の役員会で説明し、第三者割り当て増資への協力をお願いしたいとしています。

 私は、トリニータに、来年は、J1への三度目の昇格を目指して、しっかりと戦える体制づくりを進めていくことを期待しておりますが、トリニータがJリーグに存続するためには出資による支援が不可欠だと思います。そこで県は、来期に向けてどのように考えているのか、お伺いいたします。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大分トリニータについてのご質問でございました。

 四年ぶりにようやくJ1昇格を果たしたわけでございますけれども、善戦はするものの、決め手がないということで、むしろ、ホームで一勝もすることなくJ2へ後戻りということで、皆様、大変もどかしい思いを持たれているんではないかと思います。私も大変残念であります。

 来シーズンは、再びJ1昇格を目指して、県民に夢と希望を与える戦いをしてもらいたいと思っております。

 しかしながら、トリニータがJリーグで活躍するためには、議員からお話がありましたように、平成二十七年一月末までに債務超過を解消してクラブライセンスを維持しなければならないという課題があります。

 そのためには、まずはトリニータの経営努力が大切であります。

 平成二十一年の経営危機以来、経営体制の刷新など抜本的な見直しが行われまして、スポンサー企業の獲得だとか、後援会組織の拡大だとか、あるいは集客対策など収入確保に努める一方で、職員の削減や給与水準の大幅な引き下げなど徹底した合理化と経費削減に努めてきたところであります。

 いろいろ皆さんのご支援をいただきましたし、また、トリニータ自身がよく努力をして、今期の決算見込みを含めまして、四期連続で一億円以上の黒字を計上するなど、債務超過の解消に向けまして、着実に成果を上げている、これまでは成果を上げているというふうに思います。

 そうは言いましても、期限内に会社の経営努力だけで債務超過を解消することが困難な状況が見込まれているわけでございまして、ことしの四月でございますけれども、一〇〇%減資により多額の累積欠損金の圧縮を行ったところであります。そして、増資を受け入れる環境を整えたというのが今の状況ではないかというふうに思います。

 その後、九月に開催されました大分トリニータを支える県民会議での意見を踏まえまして、そこでは、とにかく、トリニータ自身が一生懸命努力をしろ、そのために、企業再生について、もっともっと専門家の意見を聞くなり、勉強しろということが言われたわけでございますけれども、そういうご意見を踏まえまして、トリニータでは、企業再生専門家に相談する中で、ファンドの活用ということを含めて、四億二千万円の第三者割り当て増資を行う方向で検討が進められております。その枠組みを今月の十三日に開催される県民会議に諮るとしているところであります。

 まずは、この県民会議の場におきまして、トリニータの提案について経済界等の皆さんのご意見を伺って、その上で県として何をなすべきか検討してまいりたいと考えているところでございます。

 大変これからも、この再生のための資金的な裏づけ、大変でございますけれども、ここまで来れたのは、とにかく、トリニータの名前の由来のとおり、県民・サポーター、そして経済界、それに行政も加わって、三位一体で応援をしていただいたということが背景にあるということでございまして、そういうこれまでの皆様方のご支援にしっかり報いられるように、トリニータが再生することを心から私ども期待しているところであります。



○田中利明副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 ありがとうございました。

 トリニータには、しっかりと取り組みをお願いしたいというふうに思っておりますし、県民だれもがトリニータを応援しているというふうに私は思っておりますので、ぜひ、来期、昇格するように努力していただきたいというふうに思っております。

 次の質問に移らせていただいて、カボスの生産振興について。

 私は、十月末から八日間の日程で、議員派遣団の一員として、ドイツ、オーストリア、イタリア、バチカンの欧州四カ国を訪問し、各国の政治経済情勢や産業の振興など、さまざまな取り組みについて調査を行ってまいりました。

 概要については一般質問初日に我が会派の阿部議員から述べられたところですが、世界のボーダーレス化が進む中、今や国、地域が抱える課題は世界共通のものとなっており、本県においても諸外国の動きや取り組みを参考にしながら地域の課題解決や魅力ある地域づくりにつなげていくことが重要であります。また、外国の産業の状況やその背景にある人々の生活や文化、考え方等を本当に理解するためには、自分の目で実際に見て感じることが非常に重要であると、今回の調査で改めて実感したところであります。

 さて、イタリアでは、南部のアマルフィ海岸を訪れました。この海岸全体では、レモンを千四百ヘクタールにわたって栽培し、年間約八千トンの収穫があるとのことです。その海岸とサレルノ湾を見おろす急峻な斜面に石垣を積んで平たんな土地に仕上げ、そこに段々畑をつくってレモンを栽培している農家を訪問し、農園を視察いたしました。

 このアマルフィ地方のレモンは、スフザートと呼ばれ、地域の特産品についてのEUの品質保証制度であるIGPの認定を受けております。大ぶりのレモンで、皮は厚めで、ごつごつしており、一番外側の黄色い部分をむくととてもさわやかな香りがしますが、この香りがレモン酒や香水の原料として大変貴重なものとなっています。また、アマルフィのレモンは、酸味が少なく、果汁も豊富で、ビタミンCをたっぷり含んでいるのが特徴です。約五百本のレモンの木からの収穫はもちろん手作業で、そのままレモンチェッロという伝統的なリキュールに加工していました。また、周辺の景色のよさを生かして、いわゆる農家民泊も経営するなど、狭い土地を余すことなく活用する知恵と工夫が随所に見られ、大変印象に残りました。

 本県にも特産品のカボスがありますが、十一月二十二日の大分合同新聞朝刊に「果汁飲料、販売好調なのに、カボスが足りない」との記事が出ていました。JAフーズおおいたが製造している果汁飲料「つぶらなカボス」が販売好調で、需要が拡大しているものの、生産者の高齢化を背景に原料が思うように集まらないそうで、実際に産地では、担い手の高齢化で未収穫のカボス園がふえているようです。

 単純な比較はできませんが、イタリアのアマルフィ地方に比べて、決して栽培条件は劣らない本県では、知恵と工夫によりカボスの生産振興を図る余地がまだまだ残っていると思われ、何とか頑張ってほしいところであります。

 そこで、ザ・オオイタ・ブランドの代表格であるカボス生産の現状と今後の振興策についてお伺いをいたします。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 カボスの生産振興についてお答えいたします。

 農家の高齢化などにより生産量は一時減少いたしましたが、参入企業の出荷の開始や基本管理を徹底する特選カボス園生産対策の推進によりまして、隔年結果もなくなり、平成二十三年度以降、増加傾向となっております。

 日本郵便株式会社とタイアップをした「つぶらなカボス」は年間二千四百万本を売り上げる大ヒットを続けており、加工用カボスの需要が増加をしているところです。

 本年度は、夏場の高温少雨の影響によりまして小玉傾向で、果汁用カボスの確保が心配をされましたけれども、昨年から取り組んでおります福祉施設による収穫支援が昨年の四事業所から今年度十三事業所に増加をいたしまして六十トンの収穫を予定するなど、当初目標の数量千六百トンを超える見込みとなってまいりました。

 加工需要の拡大によりまして、価格も安定し、生産意欲が高まっておりまして、豊後大野市や豊後高田市でおのおの三ヘクタール規模の新植が予定をされているところであります。

 今後とも、大分県の顔として、新植や改植などの取り組みを支援するとともに、消費拡大などにも取り組み、青果、加工用ともに対応できる産地づくりに努めてまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 ありがとうございました。

 ぜひそういうふうな取り組みをして、生産拡大のために取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、最後の質問になりますが、鳥獣被害対策についてお伺いをいたします。

 先月一日、狩猟が解禁されました。イノシシやシカなどの鳥獣被害に悩む方々の多くは、解禁によって農産物の被害の減少を期待しております。

 鳥獣保護法によって雌ジカは長年にわたって捕獲が禁止され、保護されてきましたが、平成九年十一月、県の任意計画に基づき狩猟可能となりました。

 本県では平成十九年四月から、やっと県内全域で雌ジカが全面的に捕獲可能となりましたが、その間、十年間にわたり、一日一頭の捕獲制限などで保護施策が継続されたことから、繁殖過密の状態を招き、結果的に被害額が年間五億円を超えるまでに膨れ上がったのではないかと思われますが、捕獲禁止解除の時期は適切であったのか、県の見解をお伺いします。

 また、これまで有害鳥獣対策として県は、雌ジカの狩猟制限の緩和や奨励金制度の充実、わな免許所持者の拡大、防護さくの設置に取り組んできました。

 平成十九年度からは、農林水産部のプロジェクトチームと市町村等が連携して、捕獲対策や予防対策、集落環境対策、獣肉利活用対策の四つを施策の柱としております。具体的には、狩猟期間の延長、捕獲制限の撤廃、捕獲報償金の拡充、電気さくや防護さくの設置助成、獣肉の加工処理施設の整備、ジビエ料理の普及などを進めております。

 本庁には鳥獣被害対策専門指導員二名を配置し、被害額は依然として三億円台で推移しているものの、この数年は減少傾向にあるとして、「この四つの対策を強力に進めていく」と答弁されています。また、シカやイノシシは行政区の境を越えて移動するため、隣接自治体や猟友会とも連携しながら一斉捕獲の回数をふやすなど、「積極的に捕獲対策を進める」との答弁もありました。

 しかし、近年、さまざまな対策を講じたにもかかわらず、依然として被害額が減少しない状況について、県はどのように分析しているのか、お聞きいたします。

 あわせて、県境近くに多く分布している国有林は入山が禁止されており、自治体が県境を超えて連携して行う共同捕獲の際のネックになっているのではないかと懸念されますが、今後、何らかの対策はないのか、お尋ねいたします。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 三点についてお答え申し上げます。

 まず、雌ジカの捕獲についてであります。

 野生鳥獣の捕獲は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律、いわゆる鳥獣保護法により、種類、期間などが定められております。

 烏獣保護法は、その時代ごとに変化をする野生鳥獣の増減などに応じて制度の見直しが行われておりまして、雌ジカについては、戦中の乱獲によって絶滅の危機が叫ばれた昭和二十二年から狩猟が禁止をされてまいりました。

 こうした中で本県では、県南地域を中心にシカによる被害が増加をしたため、平成七年及び八年にこの地域のシカの密度調査などを実施いたしますとともに、専門家から成るシカ保護管理検討委員会の意見を踏まえて、平成九年に大分県シカ保護管理計画を策定して、主に県南地域の雌ジカの捕獲禁止を解除したところであります。

 この措置は、全国的にシカが増加する中で、大分県を含む八道県のみの取り組みであり、全国に先駆けたものでありました。

 その後も鳥獣保護法に基づいて、現場の状況変化をとらえて、順次、雌ジカ狩猟可能地域を拡大してきたところであります。

 現行法のもとでは迅速な対応ではなかったかと考えております。

 それから、鳥獣被害対策の効果についてであります。

 平成二十三年八月に県鳥獣被害対策本部を設置して以来、さらなる被害軽減に向けて、四つの対策を基本に取り組みを進めてまいりました。

 このうち、集落環境対策では、戦う集落づくりを目指して、住民みずからがさくの設置、管理とあわせて捕獲も行うなど、集落内での取り組みを強化いたしました結果、昨年度には四十一の重点集落のうち十六地区が被害ゼロを達成し、現在、周りの集落への普及を図っているところであります。

 また、予防対策では、被害地区でのさく設置を進めておりまして、二十三年度以降の設置延長は、年平均で、それまでの倍に当たります約千四百キロとなっております。

 また、捕獲対策では、捕獲報償金の拡充などによりましてシカの捕獲数が年々増加をしてきたところであります。

 こうした取り組みの結果、平成二十四年度は、平成五年度以来十九年ぶりに被害額が三億円を下回るなど、一定の成果があらわれてきております。

 鳥獣害対策は野生鳥獣との戦いでありますことから、一気に被害額ゼロとはいきませんけれども、今後も対策の見直しを不断に行いながら四つの基本政策を着実に進めることで、さらなる被害軽減に努めてまいります。

 次に、国有林での鳥獣捕獲についてであります。

 平成十年に、屋久島の国有林内で有害鳥獣捕獲員の誤射によりまして国の職員の死亡事故が発生をし、狩猟で国有林に入林をする際には事前の届け出が必要となりました。また、届け出を行っても、国有林内で作業を行っている箇所は入林禁止区域となって、捕獲が制限されてまいりました。

 近年、国有林内も職員による有害捕獲を行っておりますが、シカによる被害が拡大しておりますことから、地元ハンターの協力が不可欠な状況となっております。

 九州森林管理局と関係県が協議をしてまいりました結果、春期及び秋期に実施をする九州シカ広域一斉捕獲日は、作業を中断し、国有林内全域で捕獲することが可能となりました。

 さらに、通常の有害捕獲におきましても、昨年、県の鳥獣被害対策本部のメンバーであります大分森林管理署と協議を行いまして、入林禁止区域を極力狭めたところでありまして、現在、国有林内でのえづけによる捕獲試験も行っているところであります。

 引き続き、効果的な捕獲に向けて、九州森林管理局や猟友会と連携を図ってまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 鳥獣被害ですが、やはり、もうこの程度で被害をなくすというような形でやらないと、いつまでこういう対策をやるのか。僕は、もういいんではないかというふうに思うんです。

 今回、私、質問しましたけれども、一昨年は玉田議員さん、そして深津議員さん、そして土居議員さんもこの質問をいたしております。一向に、真剣に取り組む、検討して取り組むと言って、検討するけれども、結果が出ない。なおかつ、今回、決算特別委員会の審査報告書を見ますと、二十七年度以降の目標は被害額を二億円にするというようなことが出ております。

 二億円の被害は、県有林じゃないんです。民間の、それも、歩行器やシルバーカーで農作物をつくっている方々の農作物が被害に遭ってるんです。そういう方々は、ネットも張れない、張れないんです。管理もできない。そういう方々の、やはり、この被害を少しでもなくしてほしいという切実な願いなんです。それを、三億円から二億円に。でも、二億円の被害がまだまだ続くわけですから。そして、真剣に取り組んだ結果、被害が減らないのに、どうして、どういう形で、その一億円の被害を減らそうとするのか。もう一度お聞きします。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 なかなか被害が減らないということで、我々も非常にやきもきしておりますけれども、今申し上げましたように、本部をつくって、四つの対策を進めております。どれか一つだけでということではなかなか劇的な効果も発揮できないんじゃないかということで、今取り組んでおります四つの対策をできるだけ前向きに進めていくことで対応していきたい。何とか、二億円ということより、もっともっと減らしていきたいという考えでおります。よろしくお願いします。



○田中利明副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 何度もお伺いいたしますが、その四つの対策を講じながら、被害額は減らんのですよ、今まで。どういう気持ちでやるのか、その意気込みというのは、今の部長の答弁では伝わってこない。

 ネットの中で生活してるんです、知事さん、ネットの中で。今や、イノシシやシカが公道で、農家の方々はネットの中で生活している。もうこのままいくと、大分県、野生の王国になる寸前になってるんではないか。そこまで深刻な状況になっているわけですから。

 ネットを張る。ネットを張っても、そのネットを張ったところには、しばらくは被害が出ないかもわかりませんが、その近くにまた被害が起きるということで、今、県下各地の各種団体から要望が出ております。

 その中の一例を申し上げますと、こういうことなんです。大分県森林組合連合会、「ネットの周辺の草刈りが大変だから、それによるカズラの巻き直しで、シカがまたそこから入っている」。被害に遭っているということと、もう一点は、大分県林業経営者協会によりますと、「シカの有害鳥獣による林木の被害は拡大しており、地域によっては植林した苗を育てることが不可能になりつつある。シカ防止のネット使用や有害鳥獣駆除の期間の拡大といったこれまでの対応策は全く効果がない」。全く効果がないというようなことが言われておりますので、ぜひ真剣に取り組んでいただいて、早いうちに被害がなるべく少なくなるようにお願いをして、質問を終わらせていただきます。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 有害鳥獣対策については、御手洗議員には、かねてから大変熱心に取り組んでいただき、また、ご質問をいただいております。

 今、部長からご説明を申し上げましたように四つの観点から対策を講じていくということでございまして、なかなか効果が上がらないじゃないかというお話でございますけれども、例えば、捕獲対策という意味では、佐伯市の場合には、狩猟に当たる協会の皆さん方、市全体、地域全体でまとまって、非常に出動がしやすい体制ができたとか、そういうことで、狩猟に当たる体制も整えながら、やれるような体制が、成果があっているとか、あるいはまた、予防対策のところも、もう既に集落の対策を十分にやって、その結果、随分減ったというようなところも出てきているわけでございます。

 この四つの対策の組み合わせによって、これまで被害があったところが被害がゼロになったという集落もたくさん出てきておりますので、まだまだ、対策が手ぬるい、あるいはスピード感がないということはあるかもしれませんが、その点は十分にスピード感を持って抜本的に対策を進めていきたいというふうに思っております。ぜひこれからもよろしくご指導のほどをお願い申し上げます。



○田中利明副議長 以上で御手洗吉生君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午後零時二分 休憩

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     午後一時二分 再開



○近藤和義議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。佐々木敏夫君。

  〔佐々木議員登壇〕(拍手)



◆佐々木敏夫議員 三十八番、自由民主党、佐々木敏夫です。よろしくお願いいたします。

 大分県政について質問をさせていただきたいと思います。

 平成十五年四月の就任以来、広瀬知事は、これまで一貫して県政の中心に県民を置き、県民一人一人の声を大切にしながら、「安心」「活力」「発展」の大分県づくりに邁進してこられました。県民の声を知事みずからがじかに伺う県政ふれあいトークは、これまで実に百七十一回を数え、延べ六百二十三カ所と県内をくまなく回られ、熱心な意見交換を行うなど、たゆまぬ現場主義の姿勢には改めて敬服する次第であります。

 さて、今回は、私の地元豊後高田市におけるさまざまな先進事例を紹介させていただきながら、これからの県政について考えてみたいと思います。

 豊後高田市は、市町村合併後にあっても人口二万四千人の比較的小さな市ではありますが、まちづくりや地域振興、農業振興、教育、福祉、子育てなどの分野での取り組みが広く全国的にも注目を集めるなど、きらりと輝く施策を次々と展開しており、私自身も市民の一人として大変誇らしい限りであります。

 まずは、まちづくり、昭和の町についてです。

 今ではすっかり県内外に知れ渡った町、商店街になりましたが、平成十三年度の取り組み開始以前は、大半の店がシャッターをおろしていた、いわゆるシャッター通りでした。そのような中、地元の関係者、商工会議所等の諸団体、行政が一体となって、商店街が最も華やかだった「昭和三十年代」をテーマに町を復元させるという逆転の発想でまちづくりが進められています。観光客数は平成二十三年に四十万人の大台を超え、地元への経済波及効果も九十億円に上ります。こうした目に見える成果に後押しされて商店街に活気が戻ったことはもちろんですが、最大の成果は、「市民の間に、こんな小さな市でもやればできるという自信が広がったことだ」と永松市長も語っておられます。

 先日には、NHKがこの昭和の町の誕生までの経過を題材にしたドラマを制作すると発表いたしました。来年三月が放送予定ということで、私も大変楽しみにしているところであります。

 次に、農業分野、とりわけ地域振興の原動力となった豊後高田そばについてであります。

 今ではすっかり当地の名物になりましたが、元来、そば文化のほとんどない大分県の風土や歴史的背景などのハンディキャップにも憶せず、あえて米からの新たな転作作物としてソバを選択し、ゼロからチャレンジしたのがそもそもの始まりでありました。取り組みを始めた平成十四年以前は市内でのソバの作付はほとんどありませんでしたが、平成二十四年の作付面積は二百十一ヘクタールにまで広がっています。無農薬で春、秋の年二回栽培され、春ソバ生産量においては日本一を誇るまでになりました。

 また、単に生産するだけでなく、その後の加工、手打ちまでが同じ地域で行われるため、温度変化等のストレスが極めて少なく、おいしいそばを提供できることも大きな特徴となっています。

 また、教育の分野でも、豊後高田市は、県教育委員会が実施する学力調査において、全学年、全教科で全国トップクラス、県内市町村では八年連続トップを維持しています。

 しかし、さかのぼりますと、学力調査が始まった平成十五年度当時には二十三郡市の中で二十二番目の成績であった状況からここまでに至った背景には、皆さんもご承知のとおり、市営の学習塾「学びの二十一世紀塾」があります。受講料が無料で、講師は教員OBや市民が務めるといった地域挙げてのこの取り組みには、毎年、県内外から五十件前後の視察団が訪れており、先般視察された下村文部科学大臣も、「豊後高田方式は、全国の自治体で積極的に取り組むべき事例として、これから文部科学省としてもバックアップをしていきたい」と帰京後の記者会見で強調されるなど、広く全国の注目を集めています。

 子供たちにすばらしい未来が開けるようにと願う気持ちは、教育現場はもとより、地域の総意であります。二十一世紀塾は、そのような市当局、学校、地域がまさに三位一体となって、子供たちのためにお互いに協力し合う形で運営されています。地域が学校教育に積極的に関与するこの仕組みは、教育現場の意識改革を導き出すとともに、教員の取り組む姿勢や指導法の改善にもつながったと伺っています。

 二十一世紀塾は小中学生の学力アップを企図して始めたものでありますが、今年度は、高校生のための「学びの二十一世紀塾」が高田高校で開催され、高校生の学力アップへの挑戦など新たな展開も進められています。

 また、スポーツの面でも、八月には「中学野球の甲子園」と言われる横浜スタジアムでの全国大会において地元高田中学校野球部が見事全国優勝を遂げました。部員数も少ない地元の高田っ子たちが鍛練を積み重ね、並みいる強豪校を退けて全国約八千百校の頂点に立った快挙には町じゅうが沸き立ち、チームの帰郷を迎えた深夜の宇佐駅には大勢の市民が詰めかけ、温かい出迎えの輪ができるなど、私も大きな感動をいただいたところであります。

 また、柔道では毎年上位の成績をおさめておりますが、ことしも戴星学園柔道部が県大会で個人、団体ともに優勝を勝ち取ったほか、高田中学校空手部も団体戦で男女ともに優勝いたしました。

 さらに、つい先日、十二月一日には、真玉小学校の少女バレー部が県大会で優勝し、春、秋の連覇を果たし、全国大会への切符を手にするなど、豊後高田市の子供たちのスポーツ面での輝かしい輝きについては話題に事欠きません。

 そして、もう一点は子育て支援ですが、豊後高田市の場合は二つの特徴があります。

 まず一つは、母親の目線に立った子育て支援として、待つ支援、そして届ける支援、この二つを組み合わせている点です。

 「行くところがない」「話を聞いてほしい」といった保護者の切実な声を受け、平成十六年に開設されたつどいの広場では、子育て世代が気軽に来所できる待つ支援を行っており、年間一万二千人以上が利用いたしております。

 他方、「つどいの広場は遠いから行けない」といった真玉や香々地地区からの要望には、積極的に出かけていく出張広場の実施など、届ける支援です。また、出張広場も利用しづらい場合には、ホームスタート訪問を行ったり、一時預かりやファミリーサポート事業、病後児保育事業など、多様なニーズに対応した大変きめ細かな子育て支援策が提供されています。

 二つ目の特徴は、ワンストップの子育て支援です。

 つどいの広場や病後児保育を行う施設には市役所の担当課も配置して、子育て支援拠点と位置づけ、母子手帳の交付や各種健診、予防接種等も行っており、妊娠から出産、子育て中のパパ、ママを総合的にサポートする体制が同じ施設の中に整っています。子育てで迷ったり悩んだりしたら、あそこに行けばいいという安心感がすっかり市民に定着いたしております。

 「親も子もひとりぼっちをつくらない」「子育て中の親と子を地域が一体となって守り支える」という考え方を地域と行政とで共有しながら、子育て満足度日本一を掲げる大分県の中での大分県一を豊後高田市は目指しているところであります。

 昨年末に大手出版社が実施したアンケートでは「住みたい田舎日本一」となるなど、人口三万人突破に向けて取り組まれている豊後高田市の政策を並べてみましたが、こうした個性的で魅力あるまちづくり、地域の皆さんが非常に喜んでいる行政サービスは、豊後高田市に限らず、県内どの市町村にも少なからず見受けられます。

 広瀬知事が着々と進めてこられた「安心・活力・発展プラン二〇〇五」は、来年度、実質的な仕上げの年度を迎えます。さきに示されました新年度の県政推進指針にも記されているとおり、これからは、県立美術館の開館や東九州自動車道の全線開通など新しい大分県の発展に向けての基盤づくりが進むときであると同時に、その先にある大分県の発展の方向性を検討する時期にも差しかかってまいりました。

 知事は、今定例会冒頭の提案理由においても「新たな政策展開の芽出しに積極的に取り組む」と述べられました。また、先月十八日には、現行プランの期間の終盤に際し、大規模な県民アンケートを行う旨の報道もありました。

 このように直接県民の声に耳を傾けることもまず大切ですが、各市町村の特色ある取り組みを県としてしっかり検証、分析し、県内全域で広く展開できるよう、県の施策に積極的に反映させることも重要であると私は考えます。

 広瀬知事の就任後、現行のプランが策定された十年ほど前を振り返りますと、当時、県内市町村は合併をめぐっての大きなうねりの中にあり、県のプラン策定に積極的に関与できない状況でありましたが、新たなプランの策定過程においては、市町村との情報共有を一段と進めるとともに、時には共同で施策を練るなども新たなプロセスとして取り入れるべきではないでしょうか。

 そこで知事にお伺いいたします。

 「安心・活力・発展プラン二〇〇五」のその先にある県政運営について、知事はどのような手法や視点で新たなビジョンを描こうとされているのか、お尋ねいたします。よろしくお願いいたします。

  〔佐々木議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの佐々木敏夫君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 佐々木敏夫議員からは、これからの県政の進め方についてご質問をいただきました。

 議員から豊後高田市のさまざまな取り組みを取り上げてお話をいただきました。価値観が多様化する中で、新たなニーズをとらえて、そして市民のやる気を引き出しながら、積極的に取り組んでもらうという手法を私も高く評価しているところであります。

 さて、長期総合計画「安心・活力・発展プラン」につきましては、目標年度が平成二十七年度であり、その先の県政の方向性について検討する時期に来ております。その際、次のようなことが大事ではないかと考えているところであります。

 その一つは、県民の価値観やライフスタイルが多様化しておりまして、この県民のニーズをしっかりととらえていくということであります。

 子育て世代や高齢者、障害のある方に優しさの行き届いた地域づくり、スローライフやエコライフを楽しみ、芸術文化を生かすまちづくりなど、県民のだれもが心豊かに暮らすことのできる大分県づくりということが大事ではないかと思っております。

 例えば、お話のありました豊後高田市でございますが、きめ細かな子育て支援策をやりまして、子育て世代の多様なニーズにこたえて、地域ぐるみで子育てを支える仕組みづくりが行われております。大変立派なことだと思っております。

 また、「日本の住みたい田舎ランキング」では、本県から、豊後高田市が一位、宇佐市が四位、竹田市が六位となっておりまして、こうした各市の取り組みのように、移住希望者の多様なライフスタイルに合わせて田舎暮らしを楽しむ支援策も求められていると思います。

 さらに、国東市や竹田市のように、県外から若手芸術家が移住するとともに、国東半島アートプロジェクトや芸術祭の開催など、芸術文化による地域の魅力づくりも有効であります。

 これからのプランの今後を考えるに当たりまして大事な第二の点は、少子・高齢化、人口減少、グローバル化など時代の転換点を迎えて、本県の社会や経済、産業構造をどのようにとらえていくかという視点であります。

 小規模集落対策をこれからどう考えていくのか、また、県政推進指針に掲げた人口減少社会を見据えた特徴ある地域づくりについてどう取り組んでいくのか、検討する必要があります。また、中小企業における新分野への挑戦、農林水産業の新たな展開、観光や福祉、健康などのサービス産業の充実など、県民の暮らしのもとになる産業の多様化も重要だと思っております。

 例えば、お話のありましたソバの生産から加工、販売、料理の提供まで一貫した豊後高田そばのように、地域の特色となる農産物を使って、付加価値を高め、観光にも貢献する六次産業化の取り組みも、大変にこれから大事なことではないかと思っております。

 また、昭和の町もそうですが、日田市の豆田町や臼杵市の八町大路のまちづくりは、商店街が観光に結びついた新たな分野とも言えると思います。これらの取り組みは、市と県が一緒になってアイデアを出し合い、協力して進めてきた成果だと考えております。

 これからのプランづくり、第三の視点は、こうした新しい時代に一人一人が立派に成長していくための教育でありまして、人材をどう育てていくかということであります。

 例えば、「学びの二十一世紀塾」や玖珠町のコミュニティースクールのように、学校と地域が連携した事例を県内に広げるなど、県民総ぐるみの教育の推進が必要だと思います。

 このような視点のもと、本県の目指すべき方向性について、県民とともに練り上げ、県民の思いを込めていただくため、現行のプラン推進委員会を初め、分野別の部会や新たな政策展開の研究会など、県民参加の検討体制を整えたいと考えております。

 その際、お話がありましたように各地域の特徴を生かした地域づくりが必要でありまして、各市町村の現行の地域振興策を十分に踏まえて、市町村を初め、関係機関とも緊密に連携をとりながら検討を進めていきたいと考えております。

 県民とともに、また、地域と一体となって、夢と希望あふれる大分県の新たな未来像をつくってまいります。



○近藤和義議長 佐々木敏夫君。



◆佐々木敏夫議員 今、大分県では、合併周辺部対策が大きな問題になってきております。しかし、広瀬知事の県民の目線に立った考え方のもとで、引き続き大分県県民の隅々までの行政をお願い申し上げまして、質問にかえさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○近藤和義議長 以上で佐々木敏夫君の質問及び答弁は終わりました。小野弘利君。

  〔小野議員登壇〕(拍手)



◆小野弘利議員 一般質問も最後になりました。きょうからは三十三番ということですが、県民クラブの小野弘利でございます。

 本日は、師走、大変忙しい中にもかかわらず、多くの皆さん、市議の皆さん、それから区長さんを初め、地元の方の傍聴、心から感謝を申し上げます。

 広瀬知事には、一年ぶり、十三回目の質問になると思いますが、今、戦前の三大悪法と言われている、一九二五年の治安維持法の制定、一九三七年の軍規保護法の大改正、そして今回につながる国家総動員法と同じ一九三八年生まれであります。そういう立場からも、今進められている安倍政権による戦前回帰を目指す力ずくのおごりの政治に恐怖を感じながら、きょうは県政の当面する諸課題についてお伺いをしたいと思います。

 まず最初は、戦後レジームからの脱却を目指す時代の潮流についてであります。

 安倍政権は、グローバリズムとナショナリズムという、この矛盾する土台に足場を置きながら、積極的平和主義とか、あるいは日本を取り戻すとか、意味がよくわからない造語を使いながら今の政治を進め、政権と民意のねじれが一層深まっているんじゃないか、こういう思いもしています。また、メディアの劣化、労働運動の衰退等が政治の右傾化にますます拍車をかけ、戦後民主主義最大の危機に今立ち至っているのではないか、こんな思いもしています。

 労働組合、労働運動を敵視しながら、競争をあおり、そして効率主義を追求するこの労働者犠牲の成長戦略は、決して、国や自治体、また、企業、ましてや国民の幸せにはつながりません。

 ところで、消費税の増税に続いて、憲法三原則や立憲主義を踏みにじる憲法の全面改正、原発の再稼働、TPPへの参加、労働法制の規制緩和など国論を二分する政治課題が山積をし、震災復興のめども立っていない中で、二〇二〇年、東京オリンピック開催が決定をしました。

 そこで、このような時代の潮流をどう認識され、その中で取り組む県政の進め方について、まず知事の思いを伺いたいと思います。

 あとは対面席から行います。

  〔小野議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの小野弘利君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま小野弘利議員には、日本の現代史を踏まえまして、大変広範なお立場からご質問を賜りました。胸をかりるような気持ちで答弁させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 変化の激しい時代にありましては、その潮流を的確にとらえて、先を読んだ対応ができるかどうかが大変重要なことだというふうに思います。

 昨年の「安心・活力・発展プラン」の見直しにおきましては、人口減少と地域力、産業の底力、そして世界とのつながり、さらには、人材の時代を今の時代の潮流としてとらえまして、各般の政策に取り組んでいるところであります。

 まず、人口減少と地域力についてでありますが、本県の人口は、このまま推移すれば、二〇四〇年に九十五万人まで減少し、高齢化率は約三六%になると予測されております。これまでの地域振興策に加えまして、子育て世代や高齢者、障害者の皆さんに優しさの行き届いた地域づくりや、芸術文化のあふれるまちづくりなど、県民が住んでよかったと思ってもらえるような心豊かな大分県づくりを進めていかなければならないと思います。

 次に、産業の底力ということも忘れてはなりません。

 昨年末の政権交代後、デフレ脱却と経済再生に向けた政策が進められておりまして、本県もこれに呼応した景気雇用対策に努めているところであります。ここに来て、県内の景況感は上向いており、雇用増に向けた動きも出てまいりました。今後も、消費税率引き上げに伴う国の新たな経済対策にしっかりと対応したいと考えています。また、農林水産業は、TPPにかかわらず、引き続き構造改革を進めて、競争力の強化を図ります。

 他方、東京オリンピックの開催でございますが、経済波及効果で東京都が一・七兆円、その他の地域が一・三兆円、雇用誘発数は東京都八万四千人、その他地域六万八千人と試算されております。ツーリズム戦略を展開する本県にとりましては、海外誘客やキャンプ誘致など、産業振興や雇用増につなげる機会だととらえまして、準備を進めていきたいと思います。

 三点目は、世界とのつながりについてであります。

 海外戦略に基づきまして、発展するアジアの活力を取り込むために、製造業や農林水産業、物産、観光等の分野ごとに、ターゲットとなる国や地域を定めた海外展開を充実させていきます。

 オリンピック憲章では、オリンピズムの目標として平和な社会を推進することを掲げております。安全保障や経済関係等において絶えず緊張の続く国際関係の中で、オリンピックの開催は、日本が世界平和に貢献するシンボルとして世界の注目を集め、国民の自信を取り戻すよい機会になると思います。

 潮流の最後は、人材の時代であります。

 価値観が多様化する中で、互いを認め合うことができ、国際化や新しい時代に対応できる人材を育成しなければならないと思います。

 今後とも、絶えずアンテナを高く張って、時代の潮流を確実につかみながら、県勢の発展に努めていきたいというふうに考えております。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 オリンピック開催による経済効果については、一昨日も私どもの三浦議員からありました。オリンピック招致で名を挙げた都知事も今ああいうことになっていますし、このオリンピック開催国は、その後、必ず経済不況に陥っているという、そういった歴史的事実も一方では言われています。

 そういうことがある中で、私自身、当初、決定については、素直に喜べない、そういう気持ちが強くありました。しかし、今、知事のお話にもありましたように、このオリンピックというのは平和運動で始まったわけであります。したがって、今、この至上主義的なにおいが強くなっているこのオリンピックを今こそ見直さなければいけないんじゃないか、そういう思いで、私は、この東京でのオリンピック開催を、平和とか、あるいは人権、原発、こういったものについて考え、また、日本の将来像を構想するというための絶好の教材というふうにしていかなければならないと思います。

 そういうことからあえて、経済効果等ももちろんあるんですが、そういった、気持ちの上でこのオリンピックをどう県民にきちんと考えていただき、あるいは、子供たちにこの開催をどう教育に生かしていくか、そういう観点での、ちょっとお気持ちを伺いたい。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 オリンピックの開催、昭和三十九年以来、五十六年ぶりの日本開催ということでございますけれども、今度のオリンピックについては、私は、いろんな見方があると思いますけれども、何点かまた新しい意義が日本としてあるんじゃないか、こう思っております。

 それは、一つは、何といいましても、国内のスポーツの振興ということでありまして、やっぱりオリンピック開催ということになると、オリンピックに出るんだ、オリンピックでメダルをとるんだというスポーツを心がける子供たちの一つの目標にもなり得るということで、そういう意味でも明るい国内スポーツの振興になっていくだろう。

 それから、もう一つは、震災から復興した日本の姿というのを世界に発信できるということではないかというふうに思います。

 大分県もそうでございましたけれども、とかく風評被害に悩まされてきたわけでございます。やっぱり日本が立派に震災から復興したんだということを世界に発信するということは、大変大事なことだし、意義があることだというふうに思っております。

 それから、三点目は、何といいますか、日本人のおもてなしということをよく言われますけれども、温かい心遣い、気持ちを世界の中に示すことができるんではないかということでございます。

 今、世界じゅうで、そういう日本人のような心遣い、心配りということが大変注目を集めております。そういうことについて、おもてなしという言葉で言われている部面がありますけれども、日本人の心意気を示すことによって、日本に来てみようか、日本でいろいろ勉強してみようかという国際交流がさらに進められることになってくるんじゃなかろうか、そんなことが今度のオリンピックの意義ではないか、こう思っております。

 経済効果について、いろいろ言われておりますけれども、今回の大会は、あの五十何年前のオリンピック景気とは違った意味で、やはり経済を牽引する効果がある。あのときのような騒ぎではありませんけれども、やはり経済的な効果もあるんではないかというふうに思っているところでございます。

 何といいますか、一時的な公共事業だとか、消費の伸びだとか、そういう問題ではなくて、むしろ、息長く日本の文化や、あるいは食や、あるいは観光、あるいは投資といったようなものに火をつけて、そして息長く経済の牽引をしてもらうような、そういうきっかけになってくるんじゃないか、こう期待しているところです。そういった意味で、あの五十六年前と違った新しい効果を考えていかなきゃいかぬのじゃないかと思っております。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 次は、広瀬県政十年の歩みとこれからの県政運営についてお尋ねをします。

 少子・高齢、人口減少がもう急速に進行しています。広瀬知事の十年前、これ、行財政改革の断行ということからスタートしたと思いますけれども、今申し上げましたように、少子・高齢、人口減少の急激な進展、進展というのか、進行というか、そういう中で、まだまだ多くの課題が山積をしていると思います。

 具体的にどうこうというところまで、きょう時間的にありませんが、一つ、九月の杵築市長選の結果、国東半島の首長さんは、姫島を除いて、すべて県職出身者ということになりましたし、三区全体を考えても、八人の中で五人が県職出身者。それに加えて、副市長とか、教育長とか、そういった関係の者まで含めると、大体、県のお役人さんが下っていくというような傾向が出ています。これ、九州ブロックではあんまりそうないようですけれども、大分の特徴です。たまたま今そういうことになったのかもしれませんけれども、このことに対する県民の、やはり不安も一方でありますので、この点について知事はどう受けとめているかということが一つ。

 それから、もう一つは、先ほどから話にもありますように、やっぱり競争というのは大事でしょう。しかし、競争をあおることによって、地域間の、また、地域内での競争をあおることは、今後の共生社会をつくっていくという点でどうなのか、そういう心配もしているところです。

 この十年の知事の歩みを振り返りながら、地方分権を目指すこれからの自治体づくりに、この地域間の競争なり、地域内の競争なりというのをどう受けとめていけばいいのかというような点で、ちょっと思いをいただきたい。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 国東半島各市町の首長さん方、県庁出身の方が多いということでございますが、これは決して広瀬県政十年の成果だとは思っておりません。

 ただ、何といいますか、私も、就任以来、県庁の職員と常に志をともにしていることは、一つは、やはり現場主義というのは大変大事だと。現場に課題があり、現場に問題解決のためのヒントがあるんだという気持ちで、現場の方に、したがって適応できるような、そういう政策遂行じゃないと生かされないという話をし、そういった意味で、常に現場の皆さんとの対話ということを大事にしていこうじゃないか。

 もう一つは、そういう中ではあるんだけれども、現場も大事なんだけれども、常にやっぱり、今、時代が大きく変わってきているから、時代が大きく変わる中で、その大きな時代の流れを見誤らないようにしなきゃいかぬ。そういった意味で、アンテナを高く張って、時代の流れを見きわめながら、その方向に向かって、必要なときにはいろんなところと連携をするということも含めてやっていくということが大事なんじゃないか。そういうことを常に話をしているわけでございますけれども、そういう観点は、県からばかりでなく、市や町や村の首長さん方にとっても大変大事なことなんじゃないか。そういうところは、ある程度評価をされたものかもしれません。

 いずれにしましても、これは、その市町村の皆さん方が、だれが一番、自分たちの地域に合うかということでお選びになることで、結果的に今こうなったということで、そういうことであればあったで、住民の皆さんの期待にこたえて、しっかりと仕事をやっていただければ大変ありがたい、こう思う次第でございます。

 それから、地域間競争についてのお話もありましたけれども、地域間の競争は、各地域の活力を生み出して、我が国全体を活性化するためにも、ある程度求められているものだというふうに考えます。

 ただ、ここで競い合うべきものというのは、画一的な尺度ではかられるというものではなくて、多様な価値観に基づいて、それぞれの地域の特徴を生かして見つけ出して、そして、それに磨きをかけていくということではないかというふうに思っております。

 国東半島宇佐地域の世界農業遺産や姫島のジオパーク認定の取り組みというのはよい例でありまして、地域の新たな魅力を発信することによりまして地域に活力と自信が生まれてくるんではないかというふうに思っております。

 一方で、人口減少社会が到来いたしまして、効果的かつ効率的に住民サービスを提供するためにも、市町村が連携してやっていくということもまた場合によっては必要なことでございまして、そういった意味での連携の仲立ちというのも県もやっていかなきゃいかぬというふうに思っているところであります。

 競争については、あんまり変なふうにとらえると、かえって住みいい地域づくりを阻害することになると思いますけれども、いい意味では、そういう特徴をとらえながら、いいところを生かしていくという、そういう競争ではないかというふうに思っております。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 知事も今おっしゃったように、競争が競争を生み、格差がどんどん拡大をする、そういうことにならないように、やっぱり十分配慮していかなければならないと思います。

 もう一つ気になるのは、知事の、人口減少、あるいは少子・高齢というのがこれからの県政を進める上での最重要課題という話はいつもお聞きをしています。まさにそのとおりだと思うんですが、今、日本が三度目の人口移動の時代を迎えていると言われています。「限界集落」という言葉がありますけれども、限界集落どころか、「限界自治体」という言葉が次には出てくるんじゃないかというくらい、今、人口減少の危機的な状況になっていると思います。やがて地方そのものが消滅をするような、そういう時代になるんじゃないかというおそれもあると思います。

 というのは、人口減少の波というのは、まず、地方の小規模集落がじわじわじわじわと破壊されて、そして、それが次に地方自治体にわっと広がり、さらに最後は、すさまじい勢いで都市部をのみ込んでいく、これが人口減少のメカニズムというふうに考えます。

 そういうことを考えた場合に、今、私どもが住んでいる国東が、過疎が進み、非常に大変になってきている、このことを、今、都市に住んでいる人たちが、どうそれを直視できるのか。やがては、地域の崩壊は都市部に来るんだという、このことをやっぱり考える中で都市開発も進めていかなきゃならない。そのための、県民の理解もしっかりとしてもらわなきゃならない。こういう思いで、これからの人口減少社会への対応についてもぜひ議論をし合いたいというふうに思います。

 具体的に問題挙げるとわかりやすい面あるんですが、そういう時間がありませんから、もうそのくらいにしておきたいと思います。

 次は、戦没者追悼のあり方について。

 これは初めて、この会議場では話になるんじゃないかと思いますが、九月六日の県戦没者追悼式に参加をしまして、私は、全国戦没者追悼式での安倍総理の式辞を思い浮かべながら、皆さんの式辞や言葉を聞きました。知事や議長さんも、昔ながらの、戦没者イコール礎論、こういった内容でしたし、ただ変わったのは、遺族会長さんの言葉が、これまでは、「総理、靖国に参ってほしい」ということを強く出しておりましたけれども、今度はそれがありませんでした。それにかわって、「平和記念館的な施設をつくってほしい」、そういう中身になっていたのを、これまでとは違う思いで聞いたところです。遺族代表の方は、戦争反対というのを強く打ち出していました。そういう中で、これからの追悼のあり方、国とか、あるいは地方自治体が戦没者を追悼する意味は何なのか。平松県政のときに始まった今の、毎年開催の追悼式も、もう十六回目を数えたわけです。

 今、冒頭にも私申し上げましたけれども、集団的自衛権の行使、あるいは国防軍の創設、こういった流れが強まっている中で、その先に想定される新たな戦死者を私たちはどう受け入れることになるのか等も今から考える必要があるんじゃないか、こういう思いから、今、私たちが出席もさせていただいております県や市町村の戦没者追悼のあり方について今から議論をする必要もあるのではないかということで、これからの問題だと思うんですけれども、今の段階で知事のお考えを伺いたい。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

 戦没者の追悼についてということでございますけれども、県の戦没者追悼式は、戦没者の慰霊とそのご遺族への慰謝を行うものでありまして、さきの大戦を教訓として、国民の恒久平和への願いを風化させることなく、戦争の悲惨さを若い世代に確実に語り継ぐため、毎年開催しているものでございます。

 開催によりまして、戦争の惨禍と平和のとうとさに対する強い思いが共有されていると考えております。

 戦没者追悼式は、今後とも開催していかなければならないと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 高齢化と、それから会員が減ったということの理由で傷痍軍人会が解散をしたという報道もありました。私は、このことを聞きまして、この傷痍軍人会が解散できたのは、六十八年にも及ぶ不戦の歳月、つまり、六十八年間、日本は戦争をしなかった、そのために戦死者や傷痍軍人がふえなかった、それは憲法があったからというふうに思いながら、このことを受けとめたところであります。

 私たちは、これから、戦争で命をなくした人たちの無念さ、それから遺族の皆さんの悲しみとか苦しみ、こういったものをしっかりと受けとめながら、そういった人たちの思いをこれからの平和にどうつないでいくかという、そういう視点でこの追悼のあり方についての議論をこれからぜひ進めていけたらというふうに思いますが、よろしくお願いします。

 次は、教育問題についてであります。

 手元に学校現場のことを書いた手紙が届いたんですが、きょうは読む時間がもうありません。

 現在の教育現場の実態については、きのうの深津、油布両議員の質問に対する教育長の答弁でも明らかなように、全くぶれない、かたくななまでの広域人事の強行、また、多忙化の進行に加えて、学級経営や生徒指導の困難さ、保護者対応の難しさ、同僚や管理職との人間関係のゆがみなどの要因が絡み合って、教職員は今、精神的に非常に追い込まれています。疲れ切っています。まさに教職員受難の時代を迎えて、教員志望者、志願者、あるいは管理職への志向の低下が心配になるというような状況になっております。

 これまでの日本の学校の最大の財産と言われておりました教職員と保護者との信頼関係の強さ、また、学校の中における教員同士のチームワークのかたさ、これが今崩れようとしている、これを心配しています。そのくさびはどこが打ち込んでいるのか。教育行政がそういったくさびを打ち込んでいるとするならば、今、私どもが求めています教育再生なんていう話どころじゃないわけですから。

 「おおいた教育の日」推進大会、あるいはPTA関係の集会等に行っても、主催者の方が「学校と家庭と地域の緊密な連携を」と、こう言ってるんですけれども、それが何かむなしく聞こえるような、そういう状況に今なっているのではないか。そのようなことも大変心配をしているところであります。

 教育改革が戦前の修身への反省を忘れた道徳の教科化等を見るときに、「昔はよかった」という過去への幻想とか、あるいは錯覚から「昔を取り戻せ」というような危うい叫びにつながっているのではないか、こういうことも思います。

 教育の独立性、このことが今問題になっていますが、大分県教育委員会として、今、文部科学省が出している教育委員会制度の改革案、これはどういう受けとめ方をなさっているのか、ちょっとお聞きをします。

 さらに、どんな教育現場を教育委員会としては期待をし、また、教職員にどんな資質を求め、どんな保護者や住民であってほしいと思っているのか。そのためにどんな教育行政を進めようとしているのかについて、教育長の、もう声を荒げないでいいような答弁をお願いしたいと思います。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えをします。

 教育委員会制度については、現在、中央教育審議会において、教育長及び教育委員会の権限と責任の明確化などの観点から審議が行われていると承知しており、今後の議論を注視していきたいと考えています。

 教育現場、教職員、保護者、住民等への期待の部分ですが、教育の目的は、子供が夢に挑戦し、自己実現できるよう、その基礎となる力を身につけさせることであります。そのためには、学校が学力向上等の具体的な目標を持ち、校長のリーダーシップのもと、組織的に取り組むことが必要であり、教職員には、組織の一員として目標達成に果敢に挑戦することが求められています。

 また、保護者や地域に子供たちの状況や学校の取り組みを十分理解していただき、学校、家庭、地域が一体となって子供をはぐくんでいくことが重要です。

 県教育委員会としては、芯の通った学校組織の構築、土曜の学びの活性化、目標協働達成校の推進等を通じて、このような教育の実現に取り組んでまいります。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 一昨日も学校組織における必要な三つの力というような議論がなされましたが、これからも、今私が申し上げたような方向を目指すために行政はどうなければならないのか、常にそれを検証しながらこれからの行政も進めていただきたいと思います。

 次は、「はだしのゲン」の閲覧制限の問題であります。

 もう詳しく聞く時間もありませんけれども、松江市のあの問題は、単に図書館のあり方、教育のあり方とかという狭い範囲じゃなくて、非常に大きな問題をはらんでいる、子供の学習権そのものにかかわる大変な課題であろうと思います。

 これまでも、東京、神奈川、埼玉、あるいは、近くは今、沖縄の竹富町等で問題になっています教科書採択の問題にずっとつながってくる課題であろうというふうに思っています。

 この議場でも、数年前、教科書採択や夏の友の問題について同質同内容の質問がなされたことを思うときに、いつここでもまた問題になるかわかんない、そういった内容を含んでいるというふうに思います。

 この島根の「はだしのゲン」をどう受けとめておるか、教育長の見解をいただきたい。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 今回の松江市の事案につきましては、当該市の教育委員会事務局が教育委員に諮ることなく判断したことが問題になったと理解していますが、図書館の図書の閲覧制限については、慎重に扱わなければならない事柄であると考えています。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 手続に不備があったとして、この指示を撤回したという、このお粗末さ、これはもちろんですけれども、こういった指示を、現場教育を預かる学校の多くがそのまま受け入れてやっています。これは私は、残念というよりも、恐ろしさを感じるところであります。そういった意味で、この島根の問題は、他山の石として、この大分県の教育にどう生かしていくか、つないでいくかということも、私は大事な点じゃないかと思って、あえてこれを質問させていただきました。

 次は、伊方原発への大分の対応です。

 これももう時間がありませんから、簡単にいかざるを得ませんけれども、明治時代からの富国強兵、それから産業振興、こういった政策の結果、足尾銅山鉱毒事件、また、水俣病、沖縄米軍基地の問題、さらに今の福島原発につながる、犠牲のシステムとして、今もう形づくられているということをきちんと受けとめなければならないというふうに思いますし、こういうことから伊方の原発は、もし事故があったら、立地県よりも大分県の方が大変恐ろしい被害が予想されるわけです。ですから、これまでの県当局の原発についての努力は多とするわけですけれども、きのうの質問に対する答弁も全く不満足な中身ですけれども、これからもう「電気料が上がるから」とかいうような経済至上主義的な発想での原発論議の時代ではないというふうに思いますし、また、経産省が牛耳るような問題でもなくなった、もっと幅の広い原発問題になってきているかというふうに思います。

 そういう意味からも、もう率直に言いますと、九州各県が電力会社と覚書や協定書を結んでいると同じように、大分県としても、九電はもちろんですけれども、この伊方、さらには上関がまだ計画が生きているわけですから、こういった中国電力、四国電力、愛媛県、それから山口県、こういったところにやっぱり大分県としてのきちんとしたアプローチというか、それはぜひ、知事、やっていただきたいと思います。そういう時代になっています。

 今度、知事に対する署名の取り組みがありますけれども、それを見ても、本当に大分県の皆さんの心配というのが非常に高まってきています。もうここでひとつ決断をしていただきたいということで、この質問に挙げました。よろしくお願いします。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 原子力発電そのものについて、どういうふうにとらえるかということがまずあるわけでございますけれども、私どもは福島第一原発の大変な事故を経験したわけであります。今なお問題を抱えている我が国では、経済的、社会的な必要性だけで原子力発電所を稼働するかどうかということを決めるというのは決して許されるものじゃないというふうに考えております。

 国及び電力会社において、徹底的に安全性を検証して、安全対策を強化しながら、住民の理解と納得を得て進めていくということがまことに大事だというふうに思っているところでございます。

 残念なことですけれども、あれだけの事故を経験したわけですから、そこをやっぱり踏まえて、しっかりと安全対策を強化する、そして、その上で審査をし、住民の納得を得ながらやっていくということではないか、こう思っているところであります。

 それから、四国電力との協定のお話がございましたけれども、万一の事故が発生したときに、私どもが一番大事なことは、何しろ県民の安全を守っていくということでございまして、そのためにはやはり、いかに速く、いかに正確な情報を得るかということであります。そこんところはもう全く意見の相違はないと思うんですけれども、仮に伊方発電所で緊急事態が起こったときを考えてみますと、四国電力は、原子力災害特別措置法等に基づきまして、現状でもう既に三十四の関係機関に通報や連絡をしなければいけないということになっているわけでございます。そのような状況の中で、大分県に果たして、どれだけ迅速に正確な情報が入ってくるのか。私はむしろ、おぼつかないところがあるんじゃないかと思っているところなんです。

 で、情報源は多い方がよいという考え方もありますけれども、現実問題として余り頼りにならない情報源をつかまえて、そして、もう実際は安心できないのに、ここと連絡がとれるようになった、その方が安心でいいじゃないかといって、安心したような気持ちになるということ自体が防災対策として極めてまずいことではないかというふうに考えているわけでございます。だから、四国電力とそう簡単に協定を結んで、これで安心だと言うべきではないというふうに思っているわけであります。

 他方、愛媛県との関係でいいますと、愛媛県は、立地県として迅速かつ確実な情報を四国電力からも、立地県そのものですから、これは法律上、直ちに情報を得て、直ちに公表するということになっているわけでございますから、その中で、万一のときには大分県に県民を避難させてくださいという気持ちもあるわけでございます。我々は、直ちに情報を知りたいということもある。そういう意味では、相互に情報を交換し合って助け合う関係にあるもんですから、ここは、より現実的な情報源になり得るんじゃなかろうか、確実な情報源になり得るんじゃないかということで、早速、ここと協定を結んで、情報提供を受けることになっているということでございまして、決して、かたくなにこれを拒んでいるわけじゃありませんが、頼りにならぬところと情報の協定を結んで、ああ、これで安心だということほど不安なことはないと思いまして、避けているというところをご理解いただければと、こう思っているところです。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 この問題、いろいろと歴史的な経過もあるでしょうし、難しい課題であろうと思いますけれども、私たちは、未来に起きるであろう犯罪に加担するわけにいかないという立場から、この原発の再稼働をしないこと、それから原発をなくすこと、これがもう最高の、最大の防災対策だという観点でこの問題に取り組んでいるところで、これからも引き続き話をしていきたいというふうに思いますから、知事の努力もよろしくお願いをします。

 では、次に、世界農業遺産の関係についてお伺いをします。

 きょう、先ほどの尾島議員の質問で、日本の農政の転換と大分県の農業についての影響というような話がありましたが、私は、今回登録をされた世界農業遺産と国東の農林水産業、どうなっていくのかという、その点についての心配も一方でありながら、質問です。

 十月五日の世界農業遺産シンポジウム、国東にたくさんの人が集まって議論がなされました。その中でパルヴィス世界農業遺産基金代表の講演を聞く中で、英語ですから私もよくわかりにくい面もあったんですけれども、具体的には言いませんけれども、ジアスの理念と、今、国や県が進めている農業政策との間に少しずれがあるんじゃないかということを強く感じました。こういったことが、地域の人たちも、そういう話を聞きながら、ふと思ったと。家族農業を大事にしなければならないとか、あるいは伝統ある農業文化というのを大事にしなきゃならない、それと、もうかる農業を目指す産業化の関係、こういった話を聞く中で、これからしっかりそこ辺を県としても県民の皆さんにきちんとわかるように説明していかなければならないと思います。

 林会長とこんな話をすると、決して矛盾はないという話になるんですけれども、そこ辺、知事はどういうご認識か、ひとつ伺いたいと思います。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 国東半島宇佐地域の農林水産業についてお答えをいたします。

 県の農業政策とジアスの理念の関係でありますけれども、認定を受けた原木シイタケや七島イなどの伝統農法は、この地域の地形や気象的制約の中で、長年の工夫により進歩した技術であります。これらは地域の重要な経営品目であり、経営が継続するよう、県としてもしっかり支援をしているところであります。

 ただ、こうした伝統農法のみで農林業や農村が守れるというわけでもないということで、施設園芸や企業参入などの新たな農業にも取り組みながら、若い層がこの地域に定着をし、ため池の管理や農耕文化、儀礼を継承していくなどにより、農業、農村の継続的な発展が図られると考えております。

 特に農林水産業の振興についてでありますけれども、十月の農林水産祭では、七島イの製品や織機作業に関心が集まるなど、世界農業遺産の認定の効果があらわれてきていると思っています。

 今を好機ととらえて、世界農業遺産地域の特産物の認証制度による付加価値向上や輸出などを視野に入れた生産販売対策を進めてまいります。

 さらに、これまで進めてきたものづくりや力強い経営体の育成によって、地域の活性化につなげていきたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 先ほども言いましたように、このジオパークにしても、それから世界文化遺産にしても、こういった種類の事業というのは、何をいっても、地域住民の意識がどれだけ高まってくるかというのが私は大きな課題であろうと思います。そういう意味からこの質問をさせていただきましたけれども、ジオパークも、来年の二月ですか、フォーラムが、国際フォーラムを開催というようなことを聞きました。このジアスについても、この前の国東の会のようなものを幾度となく開く中で、地域の人たちに本当の中身をわかってもらう、そういう努力をぜひ県としてもしていただきたいというふうに思います。

 それでは、最後になりますが、警察行政についてお伺いをします。

 最近の報道等を読みますと、「警察学校はふるいだ」というようなことが書かれていました。あの一年間か六カ月の間に警察に似合わない人間をそいで落としていく、ふるっていくという、そういう記事もだんだん出ています。また、四月七日の朝日新聞では、これを警察庁の方から、そういう方針を決定して、各県警に連絡するというような報道もなされておりました。その後、そういう報道があったんかないか、ちょっとわかりませんが、そういうことがありました。

 大沢本部長も、四月三日の最初の署長会議ですか、このときに、「日本一安全な大分づくりを」という訓示をなさったようですし、また、私の昨年の質問で「全国的には警察官の不祥事がふえていってるけれども、大分県は減少している」というようないい話も聞きました。その後、どうなっているのか。

 警察官の採用、任用の実態とともに、この間の努力、それから成果、こういうことについてお話をいただきたい。



○近藤和義議長 大沢警察本部長。



◎大沢裕之警察本部長 お答えいたします。

 まず、採用、任用の実態等についてでございますが、大分県警察では、県民の期待と信頼にこたえる力強い警察を確立する上で、質の高い人材の確保と育成が必要不可欠と考えております。こうしたことから、採用については人物重視で優秀な人材の確保に努めており、警察学校については、県民の負託にこたえる上で適性を有しない者に退職を促すこともありますが、基本は、使命感と執行力を有する警察官の育成を第一として、各種教養訓練、あるいは指導を行っておるところでございます。

 次に、懲戒処分等の話ございましたけれども、県警察、本年の懲戒処分三名で、平成十三年の十二人のピークから、年により増減はあるものの、おおむね減少傾向ということでございますが、県民の期待と信頼にこたえる力強い警察であるためには、不祥事をなくすということのみならず、成果を上げることこそ重要と考えております。

 本年は、これまで地域住民の方々とボランティアの活動との協力や防犯環境の整備などにも努めてきたところでありまして、刑法犯認知件数は過去最少であった昨年を下回るペースで、また、殺人など重要犯罪の検挙率も全国平均を大きく上回っているところであります。

 一方で、交通事故については、前年同期比で、件数、負傷者数は減少しているものの、事故死者数は増加しております。

 これら以外にも各種の課題ございますが、大分県警察としましては、安心して暮らせる安全な大分実現のため、関係機関とも連携して尽力してまいる所存でございます。

 以上です。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 警察行政の努力を多としたいと思います。

 あと一つは、ストーカー犯罪が今話題になっています。これに対する県警としての対応、それから実態も含めてお願いします。



○近藤和義議長 大沢警察本部長。



◎大沢裕之警察本部長 お答えをいたします。

 大分県警察の本年のストーカー事案への対応件数は、十一月末現在で二百四十一件、過去最多であった昨年同時期と比較して二五%増加しており、憂慮すべき状況でございます。

 ご承知のように、ストーカー事案は、被害者やその親族等に対し凶悪な犯罪に急展開するおそれがあるため、被害者等の安全確保を最優先に諸対策を講じておるところでございます。

 具体的には、被害者の意向を踏まえて、積極的な事件化や警告措置を講じるとともに、被害者に対する支援として非常通報装置の貸し出しや被害者の安全が確認されるまでの定期連絡等を実施しております。

 また、ことしの組織改編でストーカー事案に対応する体制を強化したほか、警察本部で事案を一元管理し、他の都道府県警察及び関係機関との連携を強化しているところであります。

 大分県警察では、引き続き被害者の視点に立ってこれら対策を徹底するとともに、常に危機感と緊張感を持って対処し、被害の未然防止に努めてまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 小野弘利君。



◆小野弘利議員 また、取り締まりの可視化の問題とか、それからGPS端末を使った捜査とか、こういったこともちょっと聞きたいんですが、通告もしてありませんので、またの機会にしたいと思います。

 本部長も、大分在任がもう一年四カ月になりますか、いよいよ仕上げの時期に来ていると思いますから、日本一安全な大分県づくりのために有終の美をこれから飾っていただきたいということを申し上げて、県警に対する質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

 福沢諭吉の「一身にして二生」というような言葉がありますが、それを私、自分に当てはめるのはおかしいんですけれども、私自身、冒頭に申しました一九三八年生まれでありまして、戦前の生まれということで、戦争の恐ろしさも少し知っています。それから、戦後のあの飢餓状態という、あの苦しさも知っています。しかし、一方、経済成長の中での、バブルの中での物の豊かな、あの飢餓の時代を知っており、そして、同じ身でありながら飽食の時代を知っている、こういうことから考えるときに、私どもが若い人たちに憲法や平和をきちんと受け継いでいかなきゃならない、こういう思いを強く、私自身、今、自分に言い聞かせています。

 今、大河ドラマである「八重の桜」の新島襄は、真理は寒梅である、真理は寒梅のごとし、風雪を耐えて花開く、こういう言葉を残しております。ちょっと大げさな言い方になりましたけれども、そういう思いでこれからの県政についての議論もぜひさせていただきたい。大きなことを申し上げました。

 きょうは、佐々木議員の初めの、百七十一回、六百二十三カ所というふれあいトークの数が示すように、知事も現場主義に徹底して県政を進めていくという話がきょうもありましたけれども、ぜひそういうことでこれからの県政をよろしくお願いをして、ちょっと横着なことも申し上げましたけれども、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○近藤和義議長 以上で小野弘利君の質問及び答弁は終わりました。

 次に、上程案件に対する質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、これを許します。堤栄三君。

  〔堤議員登壇〕(拍手)



◆堤栄三議員 皆さん、こんにちは。日本共産党の堤栄三でございます。

 きょうは、県政諸般の報告について質問いたします。

 知事は、県政諸般の報告で、「経済活性化対策では、消費税率の引き上げによる景気の腰折れを回避し、国の経済対策も積極的に取り込みながら、地域経済を下支えする」としています。また、県政推進指針にも触れ、「安心、活力、発展の各課題に取り組む」と言っています。そこで、以下の点について質問をいたします。

 まず、消費税率の引き上げについてです。

 私は、これまで中小企業者や消費者と懇談をする中で、「下請単価は下がっているのに、消費税率が上がれば商売をやめざるを得ない」「給料は上がらないのに、消費税や社会保障費の負担増で暮らしていけない」といった声を伺いました。また、年金生活者からは、「年金が引き下げられ、その上、消費税率の増税。高齢者は死ねというのか」などといった悲痛な声も聞きます。暮らしと営業を破壊してしまうのが消費税増税です。労働者の平均年収は九七年より七十万円も減り、年金も今後三年間で二・五%削減をされます。

 このように家計消費が冷え込んだときに、消費税率の引き上げによって、さらに八兆円もの負担を押しつけることは、ますます消費の低迷に拍車をかけ、景気後退につながってしまうのは明白です。消費税増税中止こそ、景気回復につながるのではないでしょうか。知事が言うように景気の腰折れを懸念するのであれば、消費税増税中止を求めるべきと考えますが、答弁を求めます。

 以下、対面演壇にて。

  〔堤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの堤栄三君の質疑に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま堤栄三議員から消費税率の引き上げについてご質問をいただきました。

 段階的な消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革関連法案は昨年の八月に成立いたしましたけれども、政府は、改めて経済状況等を総合的に勘案した検討を行って、本年十月に、来年四月からの八%への消費税率引き上げを確認する閣議決定を行ったところであります。

 急速に進む高齢化で社会保障給付費は、平成二十四年度の約百十兆円から平成三十七年度には約百四十九兆円まで増大することが見込まれております。

 大分県は、子育て満足度日本一を掲げるとともに、高齢者の元気づくりや障害者の自立支援に力を入れて、だれもが安心して心豊かに暮らせる地域づくりを進めておりまして、本県にとりましても安定した制度とその財源の確保は重要だと思っております。

 一方、国と地方を合わせた平成二十五年の債務残高は、対GDP比で二二八・四%と主要先進国で最悪の水準でありまして、財政の健全化に向けた我が国の取り組みは国際社会や金融市場などから注目されているところであります。もし財政への信認が低下するというような事態が起これば、金利の上昇などを通じた市場の混乱によりまして、国内の経済、財政、国民生活に重大な影響を与えるリスクも指摘されているところであります。

 消費税率の引き上げというのは、広く国民に負担を求めるものでありまして、それだけに、決して安易に考えてはいけないと思いますけれども、以上申し上げたようなことを考えてみますと、やはり、消費税率の引き上げというのは、持続可能な社会保障制度の確立とそのための安定財源の確保、財政の健全化のためにも、これ以上、将来世代に過重な借金を背負わせないためにも、必要なものであって、やむを得ないと認識をしているところであります。

 しかしながら、消費税率の引き上げは、景気を下振れさせる懸念もあります。十分な対策を講じた上で実施する必要があります。このため、政府は、消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減を緩和し、その後の経済の成長力の底上げなどを図るために、来年の四月から六月期に見込まれる駆け込み需要の反動減を大きく上回る五兆五千億円の新たな経済対策を本日決定するというふうに聞いております。

 県といたしましても、今後実行に移される政策を効果的に活用して、地域経済の下支えをしていきたいというふうに考えております。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 社会保障の持続的、安定的な継続と長期債務の解消というのは、平成元年にこれ、消費税というのは導入されました。三%から五%に引き上げられ、今回、八%と。この間、国は、今、知事がおっしゃったその内容をずうっと繰り返し言ってきたわけです。しかし、社会保障制度が、よくなるどころか、悪くなる一方、年金は下げられるわ、掛金も引き上げられるわ、さらには、長期債務は、減る、減らせるというふうに言ってたのが、ふえていった。まさにこれは、消費税の財源というのがそういうところに使われてこなかった。やっぱり、企業減税、大企業減税等に消え、または、景気の後退における税収減等に消えていったというのが事実だというふうに思うんですけれども、そういう消費税、この二十数年間の消費税が本当に社会保障の充実に使われてきたというふうに考えておられますか。再度、答弁を求めます。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 いろんな評価はあろうかと思いますけれども、とにかく、厳しい財源の中ではありますけれども、日本は、豊かな国、成熟期の国として、社会保障の充実を図ってこなきゃならないという政策課題があったわけでございまして、そういう意味で、全体の方向としては、その方向に進んできているんではないか、こういうふうに思っております。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 それとあわせて、中小企業の振興等について。

 政府は、今回、消費税増税と一体に、先ほど言われたとおり、五兆円規模の経済対策を行おうというふうにしています。その内容は、大企業へのばらまきを重点としたものとなっており、八兆円の増税を押しつけておきながら、その対策として五兆円の括弧つきの景気対策を行うということは、まさに政府みずからが景気後退を認めていることの証明でもあります。しかも、この見せかけの景気対策の中でも中小企業対策予算というのは非常にわずかなものです。そのため、消費税の増税のみが押しつけられることになり、全体の九割以上を占める中小企業にこのような負担増を押しつけて、地域経済の下支えというのが本当にできるというふうに考えておられるんでしょうか。

 また、県は、成長意欲の高い企業を後押しするという。多数の中小企業を排除する選択と集中路線を転換して、県内すべての中小企業を対象にした商品開発、販路開拓、技術支援、後継者育成などの中小企業振興策を講じることが景気回復の道というふうに考えますけれども、再度、答弁を求めます。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 おっしゃるとおり、今度の経済対策のメニューを見ますと、中小企業については投資の促進等としか書かれてないわけでございます。

 しかし、もう堤議員ご承知のとおり、これまで取り組んできた小規模事業対策を初めとしたきめ細かな中小企業対策をやめるというわけでは決してありませんで、この対策に載ってないんだけれども、それは引き続き当然やるというふうに我々は理解をしているところであります。

 他方、こうした各種の支援を背景に、県内の地場企業も、この十年間、着実に成長してきていると思います。そうした事実にも目を向けて考えていただかなきゃならぬのじゃないか、こう思います。

 例えば、半導体の分野で世界市場に進出した企業があります。情報分野で上場を果たした企業もあります。自動車部品の分野で、進出企業と肩を並べるまでになった企業もあります。県経済や雇用を支える企業が、おかげさまで育ってきているということも考えられるんではないかと思います。

 そして、それらの企業に触発されて、ここが大事なところですけれども、後に続く成長意欲やポテンシャルの高い企業群もさらに形成されてきているというふうに我々は期待を込めて見ているところでございまして、大企業の海外展開や国内の誘致競争の激化が続く中で、これらの地場企業の飛躍を促して、次のステージに押し上げて、地域に新しい雇用や産業活力を生み出していくということが我々にとって大変大事なことじゃないかと考えています。

 さらに、そうした企業が育ってくれば、関連する中小企業の技術力の向上だとか、ビジネスチャンスの拡大、さらには雇用の拡大といったような好循環が生まれるんではないかというふうに期待をしているところでございます。

 大変、消費税、心配なところもあるわけでございますが、そこのところの対策をしっかり打ってもらいながら、やはり中小企業が前向きに転がっていくような手だてをしっかりとっていくということが大事なんではないか、こう思っております。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 やっぱり消費税の関係で言うと、中小企業の振興というのは非常に大切なんですけれども、特に、今、アベノミクスによって物価上昇が続いている、燃料費、また、水道光熱費だとか、また、資材費、そういうふうな負担が本当にふえてきているわけです。これ、下がることを知らないわけです。そういうふうな、一方で負担がふえておいて、圧倒的多数、九割近くの中小企業というのは大企業の下請に入ってない方々も多いわけですから、その一般的な多数の中小企業には負担増のみで、その上にさらに消費税の増税が待ち受けているということになってくると、やはり、地域経済そのものが発展しなくなって、中小企業とか、そういう一般の国民の方々の可処分所得がふえなければ景気というのはよくならないわけです。大企業だけ栄えてもだめですから。そういう点では、中小企業を繁栄させるためには、そういう物価上昇を抑えることとあわせて、消費税の増税によって景気後退させないという、こういう方向性しか道はないと私は思うんですけれども、再度それを求めると同時に、家計消費を暖めることが大事だというふうに思うんですけれども、その点のご見解を再度お伺いいたします。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 まず、議員ご指摘いただきました、大企業に入っている系列の企業ばかりではないというのは我々も承知しております。

 先ほど知事も答弁で申し上げたとおり、これから、今いる中小企業の中から引き上げるんですけれども、そもそも、今、県として中小企業支援というのは、経営革新支援を初めとして、広く一般にしっかり支援しているところであります。それで、これで、消費税の増税というところで腰折れをしないように、今後ともしっかり金融支援を初め、地場の中小企業を応援する施策はしっかりとっていきたいというふうに、まず施策として考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 中小企業活性化条例できましたから、そういう点では、消費税の増税を、中止を求めることが景気対策の唯一の方法だということを求めて、次の質問に移ります。

 TPPによる農林水産業及び中小企業への影響についてです。

 県政諸般の報告では、「農林水産業産出額二千百億円の達成、足腰の強い地場企業を育成する」と言っています。

 安倍政権が今進めているTPP交渉によって、県内の農林水産業及び中小企業が壊滅的な打撃を受けてしまうのは明白であります。農林水産業の構造改革や成長意欲の高い企業への後押しをするとしていますけれども、例外なき関税及び非関税障壁の撤廃が目的であるTPPは、米国やオーストラリアなどから安い農産物の流入によって食料自給率のさらなる低下につながってしまう。また、入札参加企業の外国資本への拡大、地元中小企業への優先発注撤廃などを求められる危険性もあります。

 TPPへの参加は、県内農林水産業二千百億円の達成及び中小企業の経営を守ることができるでしょうか。交渉からの撤退を求めるべきと考えますけれども、答弁を求めます。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 TPPについてのご質問でございましたけれども、ご承知のとおり、TPPは、関税だけではなくて、投資や知的財産など幅広い分野で新しいルールを構築することで、成長著しいアジア太平洋地域に大きなバリュー・チェーンをつくり出すことが目的であります。そうしたこともあって、今となって韓国や中国もこのTPPに強い関心を示しているというふうに思います。

 我が国にとりましてもTPPは、経済の再生とさらなる成長を目指すためのものでありまして、地域の農林水産業や商工業の維持発展、住民福祉の向上につながらなくてはならないというふうに思っております。

 いよいよ大詰めの局面を迎えまして、現在、関税協議をめぐる農産物の重要五項目の取り扱いなどについて厳しい交渉が続いていると聞いております。

 本県初め、九州地方知事会も、国に対しまして、国益が確保できるよう、強い姿勢で交渉に臨むことを求めているところであります。

 政府は、守るべきものは必ず守るとして交渉入りをしたわけですから、断固とした態度でやっていただきたいというふうに思っております。

 農林水産業も商工業も、既に厳しい国際競争の中にあります。我々といたしましては、TPPのいかんにかかわらず、将来にわたって持続的に発展できるように、足腰の強い農林水産業、商工業等の構築をしっかりやっていかなければならないというふうに思っているところであります。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 私、このTPP問題、かなり、ずうっとしてきましたけれども、耕地面積だけでも、アメリカは百倍あるんです。オーストラリアは千五百倍でしょう。幾ら大分県、また、日本で構造改革したとしても、それに果たしてコストの面で太刀打ちできるかというと、僕はこれ、実質的には難しいというふうに思います。そういう点では、輸出に特化した農産物だけの産業育成になってしまう危険性もあるわけです。つまり、自給率を上げるための主食用の米、これ、減反政策で五年後にはなくそうという方向もあるみたいですけれども、そういう主食の米、つまり、私たちの食料自給率も下げてしまうような、そういう危険性を私は非常にこのTPPというのは持っていると思います。

 特に先ほど、甘利さんの話もちょっと出ましたけれども、このときの話が、結局、交渉の中で、当初、自由化というのを、八割ぐらいを国はしてました。しかし、実際に九五%ぐらいまで引き上げたんではないかというふうに報道もされております。この九五%まで自由化率を上げちゃうと、重要品目の五項目、これ、関税を残した場合は九三・五なんです。つまり、五項目の中の、五百八十品目のうちのどれかを、結局、関税をなくしてしまって、九五%までに引き上げるということ。ですから、重要五項目そのものがもう関税撤廃の俎上に上ってしまっとるというのが今の実態だというふうに思うんですけれども、果たしてこういうふうな状況の中で、政府が言うように重要品目を守りますというふうなことは実際にできるんでしょうか。もう、こういうふうな方向性で進んできているわけですから、そこにやっぱり待ったをかけるということが本来大事だし、自給率を守るためには必要だというふうに思うんですけれども、再度、そこら辺の考え方をお聞かせください。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 今お話がありましたように、交渉の中身、今どういうふうになっているかというのは、全く推測の域をお互い出ないわけでございます。かつまた、関税品目九五%、あるいは九三・五%というお話ありました。それも私どもも同じ情報でございまして、これも本当にそうなのかどうかというところもよくわからないところがあるわけですけれども、そういう中で、大変おぼつかない議論で恐縮なんですけれども、やっぱり今大事なことは、重要五品目は守るんだということを明らかにしながら交渉に入ったわけでございますから、そして、そのことについて、まだ政府は方針変更をしたというふうな話をしているわけでもありませんので、ぜひそこんところは、交渉に入る前提としてお話があった線でしっかりとやってもらいたい、こう今考えているところでございます。

 ただ、いろんな関税品目をずっととりますと、重要五品目について、幾つの関税になるというようなことは議論ありますけれども、その中でも、例えば、お米にしても、いろんなお米があるだろうし、そういうことで、国益を守るためにどうしても守らなきゃならぬものとそうでもないものとに分けられるとかいうようなことはあるかもしれませんけれども、いずれにしても、基本は変えずに頑張ってもらいたい、こう思っているところであります。

 なかなか、お互い情報が開示されなくて、これはけしからぬ話だと思いますけれども、そういう中での議論で恐縮でございますけれども、そんな気持ちでおります。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 この問題でいろいろ議論する中で、交渉に入らなければ情報は出てこないというのは知事が言ってた言葉です。それをぜひ国にも言うて、本当、情報開示せんかいということを強く言うてください。

 あと、中小企業への影響。

 農林水産物の流入によって農林水産業が衰退してくるんだけれども、運送業とか、そういう関連中小企業にも影響が出てくると思うんですけれども、これに対する対策は具体的に考えておられるんでしょうか。部長の答弁を求めます。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 お答え申し上げます。

 中小企業をめぐる環境は、既に少子・高齢化、人口減少を初め、海外との競争激化など大きく変化しておりまして、今後もその厳しさは増していくと考えております。

 ご指摘のとおり、TPPについても、協定が発効されれば、食品関連企業、さらには、それに限らず、中小企業は少なからず影響を受けてくるということはあろうかと思います。しかし、メリット、デメリット、両面の影響があろうかと思いますが、そんな中で大事なことは、負の側面だけをとらえるのではなく、むしろ、TPPがもたらす市場の拡大やさまざまな規制の緩和をビジネスチャンスに結びつけていくことだと考えております。そのために中小企業が取り組むべきことは、まずは、足元の経営基盤の強化を図ること、そして、変化に対応すべく、先見性や柔軟性を持って挑戦していくことだと考えております。

 県としては、そうした中小企業に対し、情報提供はもとより、資金調達や商品開発、販路開拓などの側面について、しっかり支援してまいりたいと考えております。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 負の方を最大限にどうやって対処していくかというのが、本来、行政のあるべき姿なんよね、TPPの参加云々じゃなくて。そういう点では、負の部分に対して具体的な政策等はやっぱりとっていかなきゃならない。

 で、TPPによって輸出がふえるだろうと。それに関連する業者はいいけれども、それ以外の業者というのは難しくなってくる。圧倒的多数には、農産物の関連する下請中小企業というのは、そういうTPP交渉に負の遺産ばっかしの人たちが多いわけだから。そういうところを具体的にどうするかという対策をとらにゃいかぬというふうに思います。

 あわせて、ISD条項によって中小企業が発注する公共事業についても待ったがかかる可能性もあるわけでしょう。そういうふうな対策というのは具体的にどうするというのは、考えておられるんですか。再度、答弁を求めます。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 食品関連企業でもメリットを生かせる企業もいらっしゃると思いますし、個々の何の食品産業が影響を受けるかということは、今、交渉中でございますので、個々具体的に申し上げることは現時点ではできないと考えております。

 ただ、前向きな支援策はしっかりやっていくし、個々に厳しい状況に置かれるような企業がいれば、経営改善を初め、金融措置など、その都度その都度しっかりと対応をとっていかなきゃならないと思います。

 再度申し上げますけれども、このTPP、仮に協定が発効されれば、これをしっかりとチャンスととらえて、総体としてしっかり県経済を押し上げるということをやっていきたいというふうに考えております。また、個々についてもしっかり目配せをしていくということを忘れずにやっていきたいと思います。

 以上です。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 この論争はまたやっていきましょう。

 TPPについては、参加を撤退すべきだというのが我々の考えです。

 最後に、芯の通った学校組織について。

 さまざま数値目標を設定しておりますけれども、これは実際に、子供たちだとか、または保護者だとか、さらには教職員についてどのように考えておられるんでしょうか。人間としての成長、数値目標だけを見ちゃうと、人間としての成長まで見落としてしまう危険性が出てくるわけですから、そういうふうな対応はどうされているんでしょうか。答弁を求めます。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 今お話のありました学力、体力向上やいじめ等に関する目標指標は、数値の設定や達成そのものが目的ではありません。県、市町村教育委員会、学校が共通の目標を持ち、課題を明らかにしながら、持続的、発展的に取り組みを進め、子供の力の向上や豊かな心の育成といった教育本来の目的を実現するために設けているものであります。

 学校訪問や校長との意見交換の中では、目標が具体的になることで、教職員間で重点目標や取り組むべき内容の共通理解が進んだ、目標達成に向けた取り組みの具体的な検証、改善が進むようになった等の意見がある一方で、心の部分といった数値化により評価できないものもあるという意見もいただいています。

 また、芯の通った学校組織をテーマに、県内を四つのブロックに分けて、各地域の保護者を対象に実施しました県民フォーラムでは、「目標設定の大切さがよくわかった」「取り組みの結果を検証し改善していくことが大事」等の意見がありました。

 今後とも、子供たちや学校の課題を明らかにしながら組織的に取り組みを改善していくことにより、子供たちの一層の成長を促していきたいと考えています。



○近藤和義議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 数値目標だけがひとり歩きしないで、本当に人間形成のためになる教育をしていただきたい、このことを述べまして、質疑を終わります。

 以上です。(拍手)



○近藤和義議長 以上で堤栄三君の質疑及び答弁は終わりました。

 これをもって一般質問及び質疑を終わります。

 ただいま議題となっております各案件及び今回受理した請願三件は、お手元に配付の付託表及び請願文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。

 なお、他の委員会にも関連のある案件につきましては合い議をお願いいたします。

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付託表


件名
付託委員会


第一一四号議案
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係条例の整備について
総務企画


第一一五号議案
大分県の事務処理の特例に関する条例の一部改正について



第一一六号議案
職員の給与に関する条例の一部改正について



第一一七号議案
災害派遣手当の支給に関する条例の一部改正について



第一一八号議案
大分県使用料及び手数料条例の一部改正について



第一一九号議案
当せん金付証票の発売について



第一二〇号議案
大分県議会議員及び大分県知事の選挙における選挙運動用自動車の使用及びポスターの作成並びに大分県知事の選挙におけるビラの作成の公営に関する条例の一部改正について



第一二一号議案
工事請負契約の変更について



第一二二号議案
公の施設の指定管理者の指定について



第一二三号議案
指定居宅介護支援の事業に係る申請者の要件並びに人員及び運営に関する基準等を定める条例の制定について
福祉保健生活環境


第一二四号議案
指定障害福祉サービスの事業に係る申請者の要件並びに人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例等の一部改正について



第一二五号議案
大分県県民の森における公の施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について
農林水産


第一二六号議案
公の施設の指定管理者の指定について



第一二七号議案
公の施設の指定管理者の指定について
土木建築


第一二八号議案
工事請負契約の締結について



第一二九号議案
工事請負契約の締結について



第一三〇号議案
大分県港湾施設管理条例等の一部改正について



第一三一号議案
大分県立学校の設置に関する条例の一部改正について
文教警察


第一三二号議案
公の施設の指定管理者の指定について




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△日程第三 議員提出第一九号議案(議題、提出者の説明、質疑、委員会付託)



○近藤和義議長 日程第三、議員提出第一九号議案を議題といたします。

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議員提出第一九号議案 大分県歯と口腔の健康づくり推進条例の制定について

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○近藤和義議長 提出者の説明を求めます。田中利明君。

  〔田中議員登壇〕



◆田中利明議員 ただいま議題となりました議員提出第一九号議案大分県歯と口腔の健康づくり推進条例の制定について提案理由をご説明いたします。

 政策検討協議会では、本県の歯と口腔の健康づくり対策を推進するため、議員提案による政策条例の制定に向け、これまで七回にわたり検討、協議を重ねてまいりました。このたび、条例案を取りまとめましたので、協議会の委員全員の連名をもって提案いたします。

 本県では、平成二十三年の三歳児一人当たり虫歯本数は全国ワースト五位、平成二十四年の十二歳児一人当たり虫歯本数は、全国平均を大きく上回り、全国ワースト二位と、幼児期、学齢期の虫歯は年々減少しているものの、全国平均とは大きな開きがあります。

 本年三月に策定された「第二次生涯健康県おおいた21」では、平成三十四年の三歳児一人当たり虫歯本数を〇・八本以下、十二歳児一人当たり虫歯本数を一・二本以下にすることを目標としています。

 このため、県議会としても、県民の健康にとって重要な課題である歯と口腔の健康づくりについて、その現状と課題を十分認識した上で、県の責務や歯科医師等の役割を明らかにするとともに、幼児期や学齢期の虫歯予防、歯周疾患の予防及び進行の抑制など各種施策のさらなる推進を図るため、本条例を制定し、県を挙げての歯科口腔保健対策につなげていきたいと考えています。

 本条例では、食育、喫煙などの生活習慣病予防対策や幼児期、学齢期におけるフッ化物洗口等、科学的根拠に基づく虫歯予防対策及び要介護者、障害者、障害児の歯科保健対策の推進を盛り込んでいます。

 案文はお手元に配付してありますので、朗読は省略させていただきます。

 何とぞ、慎重ご審議の上、ご賛同賜りますようお願いいたします。



○近藤和義議長 以上で提出者の説明は終わりました。

 これより質疑に入ります。−−別にご質疑もないようでありますので、質疑を終結いたします。

 ただいま議題となっております議員提出第一九号議案は、所管の福祉保健生活環境委員会に付託いたします。

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○近藤和義議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。

 お諮りいたします。明六日及び九日は常任委員会開催のため、十日は議事整理のため、それぞれ休会といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○近藤和義議長 ご異議なしと認めます。

 よって、明六日、九日及び十日は休会と決定いたしました。

 なお、七日及び八日は、県の休日のため休会といたします。

 次会は、十一日定刻より開きます。

 日程は、決定次第通知いたします。

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○近藤和義議長 本日は、これをもって散会いたします。

     午後二時五十八分 散会