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平成25年 第4回定例会(12月) 12月04日−03号




平成25年 第4回定例会(12月) − 12月04日−03号







平成25年 第4回定例会(12月)



平成二十五年十二月四日(水曜日)

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 議事日程第三号

     平成二十五年十二月四日

          午前十時開議

第一 議席の一部変更の件

第二 一般質問及び質疑

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 本日の会議に付した案件

日程第一 議席の一部変更の件

日程第二 一般質問及び質疑

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 出席議員 四十二名

  議長        近藤和義

  副議長       田中利明

            阿部英仁

            志村 学

            古手川正治

            後藤政義

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            平岩純子

            江藤清志

            久原和弘

            小野弘利

            吉冨幸吉

            元吉俊博

            井上伸史

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

            竹内小代美

 欠席議員 なし

 欠員   二名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     岩崎哲朗

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      島田勝則

  企業局長      坂本美智雄

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     大沢裕之

  企画振興部長    塩川也寸志

  福祉保健部長    平原健史

  生活環境部長    冨高松雄

  商工労働部長    西山英将

  農林水産部長    工藤利明

  土木建築部長    畔津義彦

  会計管理者兼

            小野嘉久

  会計管理局長

  人事委員会

            城 尚登

  事務局長

  労働委員会

            安東忠彦

  事務局長

  財政課長      長谷尾雅通

  知事室長      岡本天津男

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     午前十時三分 開議



○田中利明副議長 これより本日の会議を開きます。

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○田中利明副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。

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△日程第一 議席の一部変更の件



○田中利明副議長 日程第一、議席の一部変更の件を議題といたします。

 お諮りいたします。会議規則第五条第三項の規定により、お手元に配付の変更議席番号表のとおり議席を変更いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○田中利明副議長 ご異議なしと認めます。

 よって、議席は、お手元の変更議席番号表のとおり変更されました。

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 変更議席番号表

議席番号 変更前     変更後

 一七          近藤和義

 一八  近藤和義    三浦正臣

 一九  三浦正臣    守永信幸

 二〇  守永信幸    藤田正道

 二一  藤田正道    原田孝司

 二二  原田孝司    小嶋秀行

 二三  小嶋秀行    馬場 林

 二四  馬場 林    尾島保彦

 二五  尾島保彦    玉田輝義

 二六  玉田輝義    深津栄一

 二七  深津栄一    酒井喜親

 二八  酒井喜親    首藤隆憲

 二九  首藤隆憲    平岩純子

 三〇  吉冨幸吉    江藤清志

 三一  平岩純子    久原和弘

 三二  江藤清志    小野弘利

 三三  久原和弘    吉冨幸吉

 三四  小野弘利    元吉俊博

 三五  元吉俊博    井上伸史

 三六  井上伸史    荒金信生

 三七  荒金信生    佐々木敏夫

 三八  佐々木敏夫   戸高賢史

 三九  戸高賢史    吉岡美智子

 四〇  吉岡美智子   河野成司

 四一  河野成司    堤 栄三

 四二  堤 栄三    竹内小代美

 四三  竹内小代美

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○田中利明副議長 事務局に氏名標及び議席番号を変更させます。

 議席を変更された諸君は、変更後の議席にご着席願います。

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△日程第二 一般質問及び質疑



○田中利明副議長 日程第二、第一一四号議案から第一三二号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。古手川正治君。

  〔古手川議員登壇〕(拍手)



◆古手川正治議員 おはようございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。先般の海外視察で勉強させていただいたことを若干含めて、質問させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、早速、質問させていただきます。

 まず、エネルギー政策についてお伺いいたします。

 私は、十月三十一日から十一月七日にかけて、田中利明副議長を団長とする十名の県議会海外調査団の一員として、欧州四カ国、六都市を視察いたしました。

 二〇一五年春に迫る県立美術館の開館に向けて、ウィーンの演劇博物館及び美術史美術館、バチカン美術館などを訪問し、美術館の適切な運営方法等について活発に意見を交わしながら、多くの貴重なアドバイスをいただくことができましたが、加えて私は、欧州を取り巻くエネルギー問題、特にドイツにおける自然エネルギーの活用の取り組みについても調査したところであります。

 ドイツは、ある意味、日本と同様に、天然資源が乏しいがゆえのものづくり大国であり、付加価値をつけた国内製品の輸出がまさに生命線であります。また、工業国の宿命として、電力の安定供給が企業の生産活動に欠かせない前提条件となることも日本と酷似しています。

 そうした背景を持つドイツが、それまでの原子力発電の利用から自然エネルギーへの転換に最初にかじを切ったのは一九九八年のことでした。四年後の二〇〇二年には、原子炉の稼働年数を最長三十二年間に限るという脱原子力政策も法制化されています。さらに、一昨年の福島原発事故を契機として、脱原子力計画がさらに加速し、現在では、二〇二二年以降の再延長は認めず、順次、原発を廃止していくという方針が出されています。

 また、ドイツは、地球温暖化の防止や環境保護にも力を入れており、二〇五〇年をめどに発電量の八〇%を自然エネルギーで賄うことを目標とした事業計画を進めています。

 ドイツの電力供給体制は、もともとは、現在の日本と同様に、地域独占の形態が強かったのですが、欧州連合の強い要請もあって、一九九八年から電力市場の自由化が進展しています。また、日本で論議されている発送電分離の取り組みについても、随分先に進んでいることを今回の調査で実感いたしました。

 電力自由化後のドイツ国内には百社を超える新たな電力事業者が一たんは生まれたものの、既存勢力の対抗策によって新規事業者の倒産が相次ぎ、大手電力会社による寡占化が進みました。しかし、その一方で、十九世紀から地域のインフラを整備、運営するために各地で発達してきた公的な事業体であるシュタットベルケは、自由化当初の大方の予測を覆し、その多くが生き残り、現在も国内トータルで電力小売の二割強以上のシェアを保っています。

 こうした背景には、規模の経済が働くはずの電力事業でコストだけでは充足し切れない需要家のニーズがあったと推測されるとともに、シュタットベルケが、地域資源の活用、地域雇用の創出という点で、それぞれの地域に貢献し、市民から親しまれ、信頼を得ていたことも大きな要因と見られています。

 一方、我が国における経過を振り返ってみますと、二〇〇二年には電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法、いわゆるRPS法が成立し、電力会社に対して一定量の再生可能エネルギーの利用を義務づける量的規制が導入され、また、昨年からは、再生可能エネルギー特別措置法に基づく固定価格買い取り制度が始まっています。

 そうした中、本県は、ご案内のとおり、日本一の規模を誇る九州電力八丁原発電所を初めとした地熱発電や小水力、風力、太陽光、バイオマス発電など、雄大な自然と環境に恵まれた地域特性を生かした自然エネルギーの宝庫と言われています。平成十五年には、温室効果ガスの排出が少なく、環境に優しいエコエネルギーの導入促進に向けた条例を全国に先駆けて制定し、その後も、平成二十一年には経済産業省から大分県次世代エネルギーパークの認定を受け、二十三年には県の新エネルギービジョンを改定するなど、環境先進県大分にふさわしい取り組みの充実が図られています。

 日本ではこの四月に、二〇一六年に電力小売の全面自由化を目指すとの閣議決定がなされましたが、私は、電力をめぐるこうした情勢変化を踏まえ、例えば、地域でつくり出す少量の電力をその地域で効率的に消費し、自立していけるスマートシティーの実現や環境配慮型のまちづくりなどについて県としても考えるべき時期に来ているのではないかと考えます。

 そこで、エネルギー政策についてお伺いいたします。

 県は、エコエネルギー政策の推進に当たり、どのように地域産業の振興を誘引し、あるいは、多様なエネルギー資源を生かすための技術確立や新たな雇用創出についてどのように取り組まれようとしているのでしょうか。

 また、次に、企業局の取り組みについてお伺いをいたします。

 電力供給の分野で県行政の一翼を担う企業局は、新エネルギー事業として大分市松岡で太陽光発電に取り組んでいますが、今後は、知事部局と連携したエコエネルギー事業の実施が待たれるところであります。公営企業の新しい施策として打ち出し、その事業経費には企業局の内部留保資金を活用してはいかがでしょうか。企業局運営の先進かつ成功事例となる可能性が大いに期待できると思われます。

 そこで、公営企業としての企業局の今後の経営戦略におけるエコエネルギー事業の取り組みについて、そのお考えをお伺いいたします。

 以下、対面席において質問させていただきます。

  〔古手川議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○田中利明副議長 ただいまの古手川正治君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま、冒頭、古手川正治議員から、欧州の議員派遣に基づく調査についてお話をいただきました。シュタットベルケのお話につきましては大変興味深く聞かせていただきました。

 ドイツと同様に資源小国の我が国におきましてエネルギー政策というのは、将来にわたって安全、安心な国民生活と安定的な経済活動を維持していくために極めて重要なものだというふうに考えております。

 自然条件などの優位性を持つ大分県では、多様で豊かな再生可能エネルギーを生かしたエネルギー政策を、導入促進と産業育成の二本柱で推進しているところであります。

 導入促進につきましては、地域分散型のエネルギー供給のインフラ整備とともに、新たな地域活力を生み出す取り組みを促進しているところであります。

 例えば、由布市の鳴沢地区では、太陽光発電の共同設置によりまして、売電収入を都市との交流事業など地域おこし活動に役立てる取り組みが始まっております。

 先般、日田市で稼働を始めました木質バイオマス発電では、森林所有者の所得向上や地元雇用の創出が期待されまして、また、九重町が民間企業と協働で実施する地熱発電では、温泉井戸使用料収入によって町全体に利益が還元されるというような事例も出てきております。

 このように再生可能エネルギーの導入は、地域に新たな経済循環や雇用を生み出す可能性を持っていると思います。

 こういった導入促進とあわせまして、もう一つの柱が産業育成ということであります。

 私も、地方自治体のエネルギー政策の目指すところは、県経済の活力源となる新たな産業を興していくことだというふうに考えます。産業を興し、雇用を確保していくということが大変大事だと思います。このため、県内の産学官連携のもとでエネルギー産業企業会を設立いたしまして、この会の活動を中心に、人材育成、研究開発、販路開拓の三つの面から総合的な取り組みを進めているところであります。

 人材育成では、セミナーや交流会を通じて業界の最新情報を提供するほか、研究開発では、今や知名度は全国区となった湯煙発電や落差のない水路で発電する清流発電など、県内外で市場の獲得が見込める新技術、新製品の開発が進んでおります。販路開拓では、大都市圏での展示会の出展を支援するとともに、競争が激しさを増す市場への売り込みを図るために、県有施設での先行導入も検討していきます。

 これからの環境・エネルギー産業の方向性につきましては、先般立ち上げた九州・沖縄地方産業競争力協議会の中でも検討することとしておりますけれども、再生可能エネルギー先進県として、新エネルギーの技術開発や地域に根差したビジネスモデルなどについて議論をリードしていきたいというふうに考えているところであります。

 議員も実感してこられたと思いますけれども、エネルギー産業は国際的な成長産業であります。技術開発と事業化を一層加速して、エネルギー産業を本県経済の新たな牽引産業に育成していきたいというふうに考えているところであります。

 企業局の取り組みについてのご質問ございましたが、これにつきましては企業局長からお答えをさせていただきます。



○田中利明副議長 坂本企業局長。



◎坂本美智雄企業局長 企業局のエコエネルギーに対する取り組みについてお答えいたします。

 企業局では、これまで長年にわたり、エコエネルギーである水力発電による電力の安定供給に加えて、ダムや水路を土地改良区などと共同管理することで、下流域を水害から守ると同時に地域農業の振興等に寄与してまいりました。

 また、今年度からは、県内自治体が行うエコエネルギー導入の先進事例として、また、環境教育の場として、松岡太陽光発電所の運転を開始したところであります。

 一方、昭和二十七年に発電を開始した大野川発電所は既に六十年余りが経過するなど、全発電所で老朽化が進んできています。今後は、長寿命化を見据えながら発電所のリニューアルに取り組むとともに、既存設備の改良により発電電力量の増加を図るなど、本来事業である水力発電の再構築を行うことがエコエネルギーへの取り組みにおける最優先の課題と考えています。

 なお、水力や太陽光発電を通じて蓄積されたノウハウを生かし、知事部局と連携しながら、市町村や民間企業に対し、エコエネルギーの技術的、制度的な課題に対する支援も行ってまいります。

 以上でございます。



○田中利明副議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 ドイツでいろんなお話を聞く中で、ドイツでは政府による安定的な政策運営に非常にまだ課題が残っているようでございますが、環境に対する国民の意識と行政の将来に向けての環境、そしてエネルギー政策をいかにマッチさせるかが大切なんだなということを実感しました。

 そうした中で、これは国の、国家の政策が大きな要素を占めますが、県でできること、また、県でないとできないこと、そういうものがあるんではないかというふうなことも感じております。

 地域の電力は地域で賄い、その事業によって、先ほど知事もおっしゃっていただいたように、地域の雇用を生み出し、地域に活力と、また、県民に環境に対する意識を高めていく、そういうことが大分県の進もうとしている道であると私も考えております。

 ぜひ、新しいエネルギー政策が地域の振興、発展につながるように、今後とも積極的に取り組んでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 また、企業局の答弁についてでございますけれども、太陽光ですとか、積極的にエコエネルギーに取り組んでいただいていることはご説明いただいております。そしてまた、今、局長のお話のように、市町村のエコエネルギー、そういったものに積極的にかかわっていこうというお話もいただいております。

 先般の決算委員会のときに、総括原価方式であるので、これからは契約単価が減少するんだというふうなご説明をいただきました。そうした中で、内部留保の話題も議会でもたびたび出ておりますけれども、私はこれ、キャッシュフローだと思うんです。現状の事業を維持するだけであればいいんですけれども、これだけの潤沢な資金、企業経営者からすると、それだけの資金がある、もったいない。利益はちゃんと、いろんな形で、文化事業ですとか、そういったものに、一億ですとか五千万の単位で出していただいております。元気資金が十五億ですから、やっとひねり出した十五億。それから見ると、やっぱり一億というお金が出るのはすごいことだ。やり方によって、そこで、民間でいいます、もっと稼ぐことができないのか。かなり内部の人件費等、人の問題等も整理をしていただいておるのも十分承知をいたしておりますけれども、そういうふうに、新産都ができたころの企業局のあり方といいますか、元気のよさ、そういったふうなものを、時代が変わる、先ほど知事もおっしゃっておりました、電力というのは国際的な成長産業である、そういう位置づけから、これだけの潤沢な資金がある中で、大分県の元気のもとをここから発信できないのか。

 公営企業という中で難しい部分もあるかもしれませんけれども、制約もあろうかと思いますが、もっと積極的に事業としてできないのか。これは、九電さんとの問題、契約の問題等もあるかと思いますけれども、何か考えられないのか、そう思っておりますけれども、その辺について局長からお話をいただければと思います。よろしくお願いいたします。



○田中利明副議長 坂本企業局長。



◎坂本美智雄企業局長 電力システム改革が目の前に迫ってきておりますので、これが電気事業にどういう影響を及ぼすかというのを、まずはしっかり見定める必要があろうかと思います。

 その上で、先生からご提案がありました件については研究していく必要があると思いますし、現在、三十年先の経営見通しを立てておりますが、先ほども答弁させていただきましたが、現状の施設を再構築することがまずは優先課題で、経営見通しの中では、それが今のところ、いっぱいいっぱいのところに来ておるという現状であります。

 電力システム改革が落ちついたときには研究させていただきたいと思います。



○田中利明副議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 その辺がやっぱり民間と公営という違いがあるのかなと思いながらも、やっぱりこういうときほどチャンスでもありますし、閉塞感漂うこの大分県の中で、県が主体となってそういう事業に積極的に取り組んでいただきたい。

 それと、私ども経営の立場でありますと、積極的投資するときには安定的な資金を今の資産の中で借りることもできますし、定額の償却システムでありますので、そういう意味で、きちっと安定して、これだけ長い年月、二十数億の売り上げを上げ、一億から四億近い収益を上げられる安定企業でありますから、次の投資にはそういう借り入れをするというふうな形の中でやることも可能だと思います。百億近いキャッシュフローを今そのまんま。やっぱり、もったいないんじゃないかな。それはもう考え方の違いでもあるかと思いますけれども、そういう考え方もできるのではないかというふうに思いますので、ぜひご検討いただいて、やっぱり公営企業として、また、電力という地域のこれからの課題、また、そこに大きなチャンスがあるようでございますので、前向きに検討していただきたい。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、次に、経済対策についてお伺いをいたします。

 安倍政権によるアベノミクスは、デフレ均衡状態に陥っていた日本経済を正常化させるための政策パッケージとして機能しています。第一の矢「金融政策」と第二の矢「財政政策」が効果を発揮する間に、第三の矢である「成長戦略」の実効性を高め、持続的な成長軌道を取り戻すことによりデフレ脱却をなし遂げようとしています。

 成長戦略は、その目指すべき方向として、単なる名目成長率の引き上げにとどまらず、それを賃金の持続的上昇にまでつなげていくことが大切です。これまで景気動向に慎重姿勢を示していた経団連も、企業収益の改善を賃金引き上げや消費拡大につなげて、経済の好循環に向けて積極的かつタイムリーに対応していくと表明しています。

 そこで、企業の景況等についてお伺いをいたします。

 ことし三月に中小企業円滑化法が終了し、中小企業者は、それまで支えられていた後ろ盾を失いました。返済計画を見直し、融資条件を変更しても、業績不振から事業継続を断念した企業も多々あると聞いております。

 東京商工リサーチ大分支店の集計では、今年度上半期、四月−九月の県内企業倒産は三十三社で、前年同期と比べ二社減っており、小規模な倒産が中心で、負債総額はほぼ半減の六十二億四千百万と発表されています。同支店は、「上半期の消費税増税の駆け込み需要が見込まれるなど、特段の悪い材料は見当たらない。ただ、原材料や燃料価格の上昇に対応し切れない小規模・零細業者の動向に注意が必要。まだまだ楽観できる状況でない」としています。

 そこで、県下の中小企業の景況及び資金ショートした企業への支援対策状況についてお伺いをいたします。

 また、アベノミクス効果の評価、すなわち経済の底上げの決め手となる賃金の向上について、東京商工会議所による都内二十三区の中小企業調査では、四月から七月における前年同期比では、三社に一社が賃金をふやしているとの結果が出ています。

 そこで、県内企業における賃金引き上げの動向についてお伺いをいたします。

 次に、大分県中小企業活性化条例についてお伺いをいたします。

 大分県中小企業活性化条例第十八条の「意見の聴取」に基づく中小企業地域懇話会が、六月から七月、十月から十一月にかけて各振興局で開かれました。本庁の課長さんを初め、振興局職員の皆さんにより、現下の生の声を聞いていただいております。

 私も、一企業者として、六月と十月、それぞれに参加をさせていただきました。参加者からは、「親身になって話を聞いていただき、大変ありがたかった」という感謝の声も聞いております。

 しかし、一方、先日、県内トップ企業のオーナーと意見を交わす機会があり、新たな業務への取り組みについて協議をする中で大分県中小企業活性化条例を話題に出しましたが、反応がいま一つでした。さらなる啓発、周知の取り組みが必要ではないかと感じた次第であります。

 そこで、フォローアップ委員会についてお伺いをいたします。

 条例の啓発パンフレットの中で、第十八条の説明として「意見聴取の場として、新たに条例をフォローアップする委員会を開催したい」と表記されていますが、当該委員会の開催状況はどうなっているでしょうか。

 次に、中小企業地域懇話会についてお伺いをいたします。

 多くの意見を聞き、きめ細かく対応することから、県内を二巡して中小企業地域懇話会を開かれておりますが、その効果や成果、さらには出された意見、要望等を今後どのように生かしていくのでしょうか、あわせてお伺いをいたします。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 お答えいたします。

 まず、中小企業の現況についてお答えいたします。

 県下の中小企業の景況も含め、九月から十一月に実施しました五百社訪問調査では、現在の景況感につきまして、「よい」と答えた企業の割合が春に比べて約一・五倍にふえており、特に従業員三百人未満の企業でその改善傾向が強くなっております。しかし、本格的な設備投資などにはつながっておらず、目に見える形であらわれていないのが現状であります。

 次に、資金ショート企業への支援対策状況であります。

 五百社訪問では、金融機関の貸し出し姿勢も、むしろよくなっているという声も増加しておりますが、資金ショートなど経営が悪化した企業に対しましては、経営改善計画に関し金融機関と協議を進めるため、再生支援協議会や信用保証協会が積極的に相談対応しているところであります。

 そして、賃上げにつきましては、春の調査で把握できた百四事業所の平均妥結額は三千二百八十五円、率でプラス一・二九%となっておりますが、前年よりもその上げ幅が小さく、いまだ厳しい状況であるというふうに認識しております。

 こうしたことから、県内中小企業では、まだ本格的な景気回復を実感する状況とは言えないけれども、引き続き中小企業支援にしっかり取り組み、県内景気の浮揚に努めてまいりたいと考えております。

 次に、中小企業活性化条例のフォローアップ委員会についてお答えいたします。

 条例に基づく中小企業振興を着実に図っていくため、中小企業やこれを応援する商工会などの支援団体、金融機関、大学などで構成する大分県中小企業活性化条例推進委員会を本年八月に設置いたしました。

 この委員会では、同じく意見聴取の場として振興局単位で開催した中小企業地域懇話会での意見や提言も紹介し、中小企業振興に関する意見交換等を行っております。

 一回目の委員会では、「条例の周知を進める必要がある」、あるいは「条例による成果を検証する必要がある」といった意見が出されました。これを踏まえ、来年一月末早々に予定しております二回目の委員会では、現在検討中であります条例の成果指標について意見を伺うこととしたいと考えております。

 今後も推進委員会等で条例のフォローアップをしっかりと行い、条例が目指す、元気を出し、誇りを持った中小企業をより多く輩出していきたいと考えております。

 最後に、中小企業地域懇話会についてであります。

 実効性のある中小企業支援を行うためには、現場の声を広く聞き、真に企業ニーズにこたえた施策の構築と実行に努める必要があると考えております。

 議員にも参加していただきましたこの懇話会は、条例や施策の周知とともに、こうした観点のもと、課室長クラスの職員が地域に出向き、中小企業経営者からじかにその声を聞く形といたしました。

 経営者の熱い思いを受け取るとともに、参加企業に対して、県が身近な存在であることを認識していただくよい機会を得たと考えております。

 今年度、十二回開催した懇話会では、各種施策についてのわかりやすい情報提供といった要望や地域におけるインキュベーション施設の設置などの事業提案のほか、この秋の懇話会では、創業や事業承継、女性の活用など県の重要課題に対する意見もいただいたところです。

 こうした意見の中には既存の制度や事業で対応可能なこともありますので、より一層の周知を図るとともに、新たなニーズに対しては施策に反映していきます。

 なお、懇話会については、「参加者が多く、議論が深まらない」といった意見もございました。こうした意見も踏まえ、少人数のグループ形式での意見交換等を行うなど、今後は実施方法の見直しも図ってまいりたいと思います。



○田中利明副議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 ありがとうございます。

 東京商工リサーチ大分支店の都道府県企業の財務データの分析の資料がございます。平成二十五年九月五日の資料でありますが、まず、赤字企業率、当期損失を計上した企業数の比率について、全国平均が二六・四四%、九州平均二四・九一%に対し、大分県は三一・六二%、全国ワースト六番目であります。次に、有利子負債構成率、総資産に占める有利子負債の割合、全国平均が二八・九八%、九州平均が二四・〇八%、大分県は三二・三八%、全国ワースト十番目であります。そして、経常利益率、売上高に占める経常利益の割合は、全国平均が三・一九%、九州平均二・七二%、大分県は二・一九%、全国順位四十二番目、ちなみに、これも最後から六番目であります。残念ながら、これが現在の大分県の企業力の現状ではないかというふうに思います。

 大手企業の下請等を意識し過ぎると、すべて大手企業のスタンスに振り回されてしまい、自己、自社としての独自性がなくなってしまいます。地場企業として生き残るためには、きらりと光るものを持つことが大事であり、県内で培われた中小企業のものづくりスペシャリストを養成していく必要があるんではないでしょうか。

 先ほどもエネルギーのところでお話ししましたように、ドイツのシュタットベルケのように、長い間のドイツの歴史の中でつくられた伝統的な組織、そして、多くの中小企業がそれぞれの地域に根差し、地域から世界に打って出る、ドイツの輸出の九八%は中小企業だということのようであります。そういう仕組みができている国、それがドイツであります。大分県の課題である中小企業の振興にも大変参考になるものがあると思います。

 今回の調査では、時間の制約もございまして、そこをもう少し掘り下げることができませんでしたが、引き続き勉強させていただきたいというふうに思っております。

 そして、中小企業の懇話会の件でございますが、私も中部振興局、南部振興局、地元でもございますので、出席させていただきました。非常に各課長さん方、専門的に、ほぼすべての要望に対して回答ができる。やっぱり、さすがだな、スペシャリストだなというふうに感じております。ただ、どうしても、農林ですとか土木ですとか、横を縦断するような話題になりますと、やっぱり即答ができない。そうしたときに、では、どこが身近に対応できるのかと思ったときに、やはり振興局なのかな。そうしたときに、やっぱり振興局の方が少し後ろに下がっている。この懇話会は商工が主ですから、これ、しようがないのかもしれません。そういう形で、振興局の組織図といいますか、名簿を見させていただいたときに、地域振興部というのは、どこも五、六名の方しかいらっしゃいません。農林水産の方の数に比べますと非常に少ない。これは、地域によって、また、取り組みも違うでしょうから、ただそれだけで一概に言えないんでしょうけれども、やっぱり、県の商工の幹部が来て接することをありがたいなということと、一生懸命、皆さんが、いつでも気軽に声をかけてください、さっき部長がおっしゃる親しみやすい、話しやすい県庁ですよということを一生懸命PRされております。ただ、やっぱり、日ごろの、地元は、どこかというと、私は振興局だというふうに思っております。そうしたときに、その辺の体制なり、そういう部分がどうなのか。その辺も我々県議会議員も、地元と県政のパイプ役としてつなげていきたい、そういう活動を通して一緒に考えていきたいと思っておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。

 次に、県南地域の観光戦略についてであります。

 第二回定例会の質問でも取り上げましたが、東九州自動車道の全線開通が目前に迫っています。開通による地域の活性化が大いに期待されます。これまで東九州一帯は、陸の孤島として、九州の発展構造から取り残されてきました。東九州自動車道の開通は、まさにその状態からの脱却に向けた絶好のチャンスととらえるべきだと思います。

 ご承知のとおり、本県及び宮崎県の各地域の関係者が一体となって実施するイベント「東九州伊勢えび海道 伊勢えび祭り」や「味力全開 九州一・佐伯ツーリズム重点戦略」などの観光誘客への取り組みが次々に進められており、また、臼杵、津久見、佐伯において開催された日豊海岸ぶんご丼街道事業など、確実に成果があらわれております。また、観光振興の追い風の一つとして、十月十五日から運行を開始したJR九州の豪華寝台列車「ななつ星イン九州」のルートに本県もしっかり組み込まれました。さらには、国東半島宇佐地域の世界農業遺産の認定、姫島村、豊後大野市のジオパーク認定、また、視点は少し異なりますが、津久見市網代島における二億一千五百万年前の隕石衝突の解明につながる地層の発見など、県内随所で話題には事欠きません。あわせて、十一月八日には「おんせん県おおいた」とそのロゴマークが商標登録され、観光立県としての条件が着々と整いつつあります。これからは、本県ならではの魅力、長所をどのように活用できるかが、県民挙げての課題と思われます。

 ただ、東九州自動車道の全線開通を見据えた観光振興は、地域や地元任せでは限界があります。行政の関連部署が連携し、総合的に取り組むことが重要です。全国に話題を振りまきました「おんせん県おおいた」のCM効果を広告費に換算すると、約五億円に上ると県は発表しております。次は、美しい自然、海、海岸線がテーマです。いかにアピールして売り出すかであります。

 そこで、県南地域の観光戦略についてお伺いいたします。

 県南の臼杵、津久見、佐伯、そして宮崎県延岡を一体とした東九州ベルトゾーンにおける観光戦略の仕掛け、取り組み状況、地域における機運醸成の状況についてお伺いいたします。

 次に、地域活力づくり総合補助金についてお伺いをいたします。

 関連いたしますが、現在、県南三市の観光協会は、一体となって観光浮揚に取り組んでいます。おかげをもちまして、今年度の日豊海岸ぶんご丼街道事業は、県の総合補助金を活用させていただき、宮崎県での情報番組放映、PR隊派遣などに取り組んでおり、関係者一同、大変感謝しております。

 そうした中、観光協会は、この取り組みを三カ年間は継続させ、より浸透、定着を図りたいことから、同一の事業内容でも来年度以降も引き続き採択していただきたいと要望しております。実情をご賢察の上、総合補助金の採択方針をお伺いいたします。



○田中利明副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 まず初めに、県南地域の観光戦略についてお答え申し上げます。

 県南地域は、臼杵のフグ、津久見のマグロ、佐伯のすしなど、全国に誇れる海の幸の宝庫であり、「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」の「味力」の重要拠点であると認識いたしております。

 また、美しい海岸線や魅力的な島々、さらには、つくみイルカ島や道の駅「かまえ」など新たな人気スポットも誕生し、観光地としての魅力も増しており、地元の機運も高まっております。

 県では、これまでも福岡や大阪などでの観光キャンペーンを通じて、県南三市などとも連携し、県南地域の魅力を発信しております。

 東九州自動車道の開通後には観光客の大幅な増加が見込まれることから、先月、宮崎県と東九州広域観光推進協議会を設立し、東九州自動車道開通を見据えた情報発信や誘客などを連携して実施する体制を整えたところです。

 今後は、市町村や観光協会にもこの協議会に参画いただき、広域連携を促進するとともに、北九州や中国、四国、宮崎県などに向け、魅力的な観光エリアとして県南三市を積極的に売り込んでいきたいと考えております。

 続きまして、日豊海岸ぶんご丼街道事業についてでございます。

 日豊海岸ぶんご丼街道事業は、県南地域の食の魅力をアピールする代表的な取り組みであります。

 また、ツーリズム戦略の「味力」を発信する重要な取り組みとして期待しており、二十七年度のデスティネーションキャンペーンに向け、来年九月開催予定の全国宣伝販売促進会議でもアピールしたいと考えております。

 県としては、県南三市など関係者と協議を重ねながら、事業定着に向け、積極的に支援してまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 ぜひ補助金の部分の、新年度だけでなく、継続的な、そういう部分のご配慮をいただきたいと思います。

 そしてまた、きのう土居議員のご質問の中にもありましたが、やはりバスの事故、それによって、ツーマンの体制にしたり、コストが上がる中で、県南のエリア、入り込み客の減少を心配いたしております。そういう部分も含めて、二十七年のデスティネーションキャンペーンに向けて、別府、湯布院の温泉だけでなく、県下全域に、それをきっかけに広げていただきたい。そういう中で、やはり、観光に向いた形の道路、それについても私からもお願いをしたいというふうに思っております。どうぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。

 それでは、次に、水産振興についてお伺いいたします。

 JF全漁連は、去る五月に東京日比谷で集会を開き、漁業の現状を踏まえた緊急対策を求める決議を採択しました。全国から集まった二千五百人余りの漁業者は、景気回復による水産物の消費回復と魚価の安定を待ち望んでおり、「漁に出られる政策を確立せよ。景気浮揚政策を決して否定はしないが、円安によってもたらされた燃料価格や養殖用飼料の急騰によって漁業者や養殖業者が廃業に追い込まれることは許されるものではない」と訴え、参集した多くの国会議員に振興対策を要請しました。

 そうした中、政府は、六月五日に、漁業用燃油緊急特別対策を打ち出しました。その内容は、燃料価格が一定基準を超えた場合に補てんを行う漁業経営セーフティーネット構築事業の拡充です。A重油一リットル当たり八十円になった場合に発動する現行の支援策に上乗せする形で、一リットル九十五円の特別対策発動ラインを新たに設け、これを上回った燃料代の四分の三を国が負担することとし、本年七月から二〇一四年度末までの措置として実施されております。

 また、もう一つは、地域の問題として、津久見市の保戸島は、遠洋マグロ漁業の基地として、最盛期には百隻ほどのマグロ船が操業していましたが、現在は十八隻にまで激減するなど、加速する漁業離れの現状に驚くばかりであります。また、県漁協に対し、養殖魚の輸出について中国、東南アジアから引き合いが来ているが、燃料の高騰や飼料高騰による経費を心配し、採算性に確信が持てず思案している、そういう相談もいただいております。漁業従事者の育成が急務であり、一次産業としての水産業の継承、存続が大きな課題となっております。

 そこでお伺いいたします。

 漁業経営セーフティーネット構築についてでありますが、拡充された漁業経営セーフティーネット構築事業の漁業者への周知はどのようにされているのでしょうか。本事業の利用状況についてもあわせてお伺いいたします。

 また、水産振興について。

 保戸島は対象となってはいませんが、離島漁業再生支援交付金という制度があります。本制度の目的は、「離島の漁業は、輸送や生産資材の取得など販売、生産の面で不利な条件にあり、漁業者の減少や高齢化が進んでいる厳しい状況に立たされている離島の漁業を支援、再生するため」とされています。こうした目的の交付金制度もあるわけですが、私としては、今後一層、廃れつつある漁業地域の活性化のために、燃料高騰対策も含め、漁業従事者の育成と継承、存続の視点に立った水産業の振興に取り組んでいただきたいと考えますが、その現状についてお伺いいたします。

 次に、担い手対策でありますが、UターンやIターンなどによる新たな漁業の担い手の定住促進も重要です。漁業に興味を持つ県内外からの移住者の住宅の確保、例えば、空き家を行政で管理し、格安で提供するといった取り組みや、地域の受け入れ体制を醸成する漁業マイスター制度などを創設して、地域の名人から漁業に関する指導が受けられるシステムづくりを行うことなどが効果的と考えますが、県の取り組みについてお伺いをいたします。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大分県の水産振興について種々お尋ねをいただきましたけれども、私の方からまずお答えをさせていただきます。

 大分県の水産業でございますけれども、消費や魚価の低迷がありまして、加えて燃油や養殖用飼料の方は高騰するということで大変厳しい状況にあります。しかし、我が県の農林水産業生産の約二割を水産業が占めておりまして、食の提供のみならず、地域の活力という意味でも大変大切な産業だというふうに思っております。

 県では、離島漁業再生支援交付金の導入に至ってない地域や、あるいは漁業生産活動が低迷している地域の水産振興策として、次の三点に重点を置いて取り組んでいるところであります。

 一つは、漁業生産力の強化ということであります。

 効率的に漁獲ができる漁場の造成と資源管理を徹底した上での種苗放流が大変重要だというふうに思います。

 まず、安全、安心に操業ができて、労力、時間、燃油の削減を図れるように、漁港に浮体式の物揚げ場を整備するとともに、近接の水域に藻場や魚礁漁場を造成しているところであります。

 また、イサキ、クルマエビ、アワビなどの種苗を放流する場合には、漁業者みずからが資源管理計画を策定して、実効ある管理体制のもとで、魚種ごとに公的規制による小型魚の採捕禁止などを徹底することで資源の増大を図るということをしていきたいと思います。

 種苗放流を計画的にやってきたわけでございますけれども、やはり、あわせて資源管理の方も漁業者にしっかりやっていただく、両々相まって支援をしっかりやっていきたいというふうに思っているところでございます。

 それから、第二は、所得の向上ということであります。

 魚価の向上を図るには、漁獲物を市場等に出荷するだけではなくて、これに付加価値をつけるために、消費者ニーズに適合した商品開発が必要だというふうに思います。

 漁協女性部が安い魚を使用した姫島「かなんど工房」の「さかな味噌」、あるいは鶴見の「漁村女性グループめばる」の「ごまだし」など、加工品開発を進めることによりまして原料となる魚の価格が上昇した事例もありまして、引き続き高付加価値化を普及指導員とともに進めていきたいというふうに思っているところであります。

 第三は、地域の活性化ということであります。

 津久見市の海上釣り堀「保戸伝説」や、あるいは「津久見モイカフェスタ」、姫島村の「姫島車えび祭り」といったイベントなど、その土地にしかない特産水産物や資源を生かした取り組みというのは大変集客力がありまして、新たな観光資源となって経済を潤し、地域の活性化に結びつくというふうに思います。

 今後も、食と観光が連携した取り組みを市町村や県漁協とともに他の地域へと拡大したいと考えております。

 なお、マグロはえ縄漁業などの低迷の大きな要因となっております燃油高騰につきましては、より一層、漁業者が加入しやすいように、漁業経営セーフティーネット構築事業の補てん発動ラインの引き下げ、ちょっと今、高過ぎるような気がいたします。その発動ラインの引き下げなど、さらなる改善を国に対して要望していきたいというふうに思います。

 このセーフティーネットについては、後ほど部長の方から詳しくご答弁をさせていただきます。

 このような中、漁獲量は、近年、微量ながらも増加傾向に入ったと考えられることから、これを好機ととらえまして、取り組みを充実しまして、漁業従事者が生き生きと働くことのできる地域づくりともうかる水産業の実現を果たしていきたいというふうに思っているところであります。

 ご質問の残りの分につきましては、部長から答弁させていただきます。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 私の方から二点について答弁させていただきます。

 まずは、漁業経営セーフティーネット構築事業についてであります。

 この事業の周知、普及に当たっては、漁業者と接する機会の多い振興局の普及指導員が、その都度、丁寧に周知を図ってまいりました。また、事業の窓口である大分県漁協が行う支店別の制度説明会などにおいても漁業者への周知を図ってきたところであります。

 昨年度の制度加入者は、主に大規模漁業者でありまして、正組合員数三千八百七十三名の約五%にとどまっておりましたが、国の緊急特別対策として制度拡充が行われたことしの七月以降、メリットなど詳しい制度の説明を再度徹底して行いました結果、小規模の漁業者を中心に、二十二支店、千五百八十名が新たに加入をされたところであります。この結果、正組合員数の四六%まで加入率が増加をいたしまして、申し込みの数量については、二十四年度に県漁協が取り扱った軽油とA重油の合計販売量をベースにいたしますと、五一%から七四%へと拡大をしたところであります。

 本事業は漁業者にとって有益な制度となってきておりますことから、今後とも県漁協と連携して加入促進に努めますとともに、ただいま知事から言いましたように、より使いやすい制度となるように国に要望してまいりたいと考えております。

 次に、担い手対策についてであります。

 漁業の新規就業者数は、平成十八年度以降、農山漁村活性化戦略の目標であります五十名前後で推移をしておりますが、これで十分とは思っておりません。

 県では、若い担い手を確保するため、津久見高校海洋科学校の生徒を対象にしたインターンシップを実施しておりまして、平成十九年度以降、参加者二十二名中十三名が漁業従事者となって成果が上がっておりますことから、これからも継続して取り組んでいきたいと思っております。

 また、議員ご提案のありました漁業マイスター制度については、同じような取り組みを二十一年度から佐賀関や津久見で実施いたしまして、五名の就業者を確保しているところであります。

 また、公立の水産職業訓練学校に限定をされていました国の漁業版の青年就業準備給付金事業、この研修先が拡大をされまして、県の研究機関なども対象となったところであります。

 今後は、就業希望者の研修受け入れ体制の整備などについて、県漁協を交えて研究していきたいと思っております。

 また、住居支援につきましては、豊後高田市、国東市、杵築市で空き家対策事業が今も行われているところであります。

 今後とも関係機関が一体となりまして、十分な情報共有のもとに、担い手の確保に努めていきたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 先日は、セーフティーネットの説明でわざわざ保戸島の方までお出かけいただきまして、ありがとうございました。十七企業体のうち十五企業体が、早速、セーフティーネットを使用させていただいた。

 今、保戸島のこの春から夏にかけての魚価、漁獲高を見ますと、漁獲高が約半分、そして魚価は八割。大体一回の漁で、一カ月出て、一千万ぐらいの水揚げをして、通常は八割が原価、八百万ぐらい。それプラス、今、燃油の高騰がありますから、とてもやっぱり厳しい状態のようであります。そういう意味で、もう早速、セーフティーネットを使わせていただいたというのが現状でございますので、ぜひ、先ほど知事おっしゃっていただきましたように、引き続き油の問題、これは漁業だけではなくて、農業にも非常に大きな影響があると思いますが、お取り組みをいただきたいというふうに思っております。

 それでは、最後に、養護教諭の採用についてお伺いいたします。

 看護科学大学は平成十年四月に開学し、十八年度から独立法人化して公立大学法人へ移行しました。その後、二十三年度までの六年間を第一期の中期目標期間と位置づけ、看護師養成課程の四年制化、保健師、助産師の養成課程の大学院化、さらには大学院におけるナースプラクティショナー、診療看護師養成コースの開設など、全国に先駆けた取り組みがなされています。

 その魅力に引かれ、九州を問わず、遠くは北海道などから学生が集まっていますが、そうした中、第二期中期目標においては、それぞれの学部のさらなる教育の質の向上や県内就職の推進、県外に就職した卒業生のUターン支援を掲げるなど、本県の保健医療の向上のための拠点として、その内容の充実を図っていると聞いています。

 今回の一般質問の最後に、私が常任委員長として看護科学大学を調査、視察した折に聞きました、学生さんからの要望事項についてお伺いいたします。

 学校現場の養護教諭として採用されるためには、当然ながら養護教諭の免許が必要ですが、保健師の免許があれば養護教諭の免許は取得可能です。ところが、県教育委員会の採用手続においては、三月時点で養護教諭免許の保有を求めているため、三月下旬に発表される保健師試験に合格したとしても、免許証の交付までに時間を要するため、結局は採用試験を受けられず、卒業直後の四月から養護教諭として就職することはできない仕組みとなっています。優秀な人材の県内確保、県外流出を防ぐためにも、採用手続の見直しが必要と思われます。

 せっかく大分県が高度な教育を行って育てた有能な人材資源が県外へ流出してしまうことは大きな損失であり、非常に残念でなりません。こういった現状を打開するには、関係機関に働きかけを行うことが喫緊の課題だと思います。既存制度の制約は時として負の遺産であり、時代に合ったものに変えるための制度改正や弾力的な運用が必要であります。

 そこでお伺いいたします。

 教育委員会で採用する養護教諭について、例えば、保健師の免許が確認できるまでは臨時職員として採用するなどの弾力的な運用はできないのでしょうか。

 以前、制度面の対応の難しさについての説明は受けましたが、その後の弾力的な運用に関する県としての取り組み、対策などはどうされてきたか、また、その結果として成果が見られたのか、伺います。

 また、弾力的運用を行っている他県の事例があれば、その内容について、あわせてご教示ください。



○田中利明副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えをします。

 本県教員採用選考試験では、志望の種類に応ずる教諭普通免許状を現に有している者またはその年度三月末までに取得見込みの者であることを受験資格としています。そのため、最終合格者であっても、年度末までに有効な免許状を有していない場合は採用していません。

 弾力的運用として、養護教諭免許状を持たない者に臨時免許状を与え、四月一日に臨時講師として採用し、保健師免許による養護教諭免許状取得後、正式採用するという県は、全国に五県ございます。

 優秀な人材の確保は本県にとっても喫緊の課題でありまして、臨時免許状は普通免許状を有する者を採用できないときに限り授与できるものであることや、保健師免許の発行が年度末までに行われないことにより養護教諭免許状の授与が年度内に行われないことなどの課題について整理をし、県立看護科学大学を含めた県内七大学との連携協議会等において受験資格の見直しを検討してまいりたいと考えております。



○田中利明副議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 ありがとうございます。

 ぜひ進めていただきたいと思います。

 ちなみに、一昨年が看護科学大学の県内就職率二七・八%、それが皆様の努力で、昨年は四二・九%と、一生懸命努力をしていただいている成果もあらわれております。ぜひ横断的な形で引き続き取り組んでいただきたい、そういうふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○田中利明副議長 以上で古手川正治君の質問及び答弁は終わりました。戸高賢史君。

  〔戸高議員登壇〕(拍手)



◆戸高賢史議員 三十八番、公明党の戸高でございます。

 初めに、公明党会派を代表しまして、県勢発展にご尽力をされ、去る九月にお亡くなりになられた渕健児先生のご功績をしのび、謹んで哀悼の意をあらわします。

 それでは、一般質問に入らせていただきます。

 その前に、広瀬県知事におかれましては、公務ご多忙の中、みずから防災士の養成研修を受講されましたことに、心より感謝を申し上げます。

 私も救命講習でご一緒させていただきましたが、知事の心肺蘇生は、日本赤十字社の練習ビデオにもまさるとも劣らないすばらしい動きでありました。大分県の危機管理のトップである知事が率先して命を守る救命や防災の現場を学ぶことは、県民にとっても力強い限りであります。これからも県民の安心、安全のために力を注いでいただきますことを心よりお願いを申し上げ、質問に入らせていただきます。

 本県では、昨年九月に県ツーリズム戦略を策定し、その目的達成に向けて、巧みに情報発信をしながら、「おんせん県おおいた」の商標登録などさまざまな誘客対策を進めておられます。さらに、来年度には、県政推進指針に示されたように、MICEの誘致やスポーツツーリズムの推進、アジア地域を対象とした海外プロモーションの展開のほか、総合特区制度を活用した外国人観光客の受け入れ環境整備など、新たな展開も見据えた施策を実施されるようであります。どれをとっても重要な取り組みでありますが、今回は外国人の観光誘客について質問をさせていただきます。

 九州地方知事会と経済団体で構成する九州地域戦略会議では、本年五月に策定した第二期目の九州観光戦略に基づき、当面三カ年のアクションプランを公表されました。

 戦略では、二〇二〇年の東京オリンピック、パラリンピックの開催やアジア諸国の経済発展も視野に入れて、拡大が期待できるインバウンド、つまり、外国人の観光誘客にこれまで以上に力を入れていくとしております。

 入国管理局によれば、九州に入国する外国人観光客は、現在、年間百万人でありますが、この観光戦略では、十年後には四・四倍の年間四百四十万人を目標に掲げ、観光消費額では約二倍の三・五兆円、中でも、外国人観光客による消費額は六倍の六千四百六億円まで伸ばすことを目指しています。

 本県においても外国人観光客の誘致は、伸び悩む国内観光需要を補完し、外貨の獲得や地域の雇用機会にも大きく寄与することから、重点課題として位置づけられております。しかしながら、九州を訪れる訪日外国人の約七割から八割の目的地は福岡圏域に集中しております。誘客増の効果を享受できるのは、大半が福岡県ということになってしまいかねないと危惧されております。

 そこで、九州観光戦略において、本県としての目標をどのように設定しているのか、お聞かせください。

 また、さらなる外国人誘客策として、今後、県としてどのように取り組んでいくのかをお聞かせください。

 また、このアクションプランでは、将来的には訪日外国人観光客のノービザ化を目指し、アジア諸国からの入国ビザ要件を既に大幅に緩和している韓国と同程度まで緩和するよう政府に求めていくこととしております。

 沖縄県では、アジア各国、地域とを結ぶ航空路線の増便や大型クルーズ船の寄港もあり、中国人富裕層を中心に外国人観光客も大幅に増加しておりますが、これは平成二十三年七月に導入された中国人個人観光客向けの数次ビザ発給の効果によるものであります。

 この沖縄数次ビザは、最初の訪問地が沖縄であれば、有効期間の三年間は何度でも来日でき、一回の滞在期間は通常の十五日よりはるかに長く、九十日間の長期滞在が可能となっています。二十四年七月からは、伸び悩む外国人観光誘客の回復に向けた起爆剤として、沖縄に加えて、岩手、宮城、福島の各県においても同様のビザ発給が可能となっております。

 観光庁の調査によれば、外国人観光客が訪日に際して期待しているのは、日本食が一位で、二位がショッピング、三位が繁華街の町歩きとなっております。豊かな食材や温泉の町並みを有する本県は、十分魅力的な観光地になり得ると考えられます。そういった意味でも訪日観光ビザ制度の要件緩和は、本県における今後の外国人観光客の増加へ向けた重要な課題であり、大分が名実ともにアジアの玄関口となり得るには、障害となる仕組み、制度を変えていく必要があると考えます。

 そこで、数次ビザ発給について、県として国に要請していくというお考えはあるのかないのか、お聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 以下、対面より質問させていただきます。

  〔戸高議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○田中利明副議長 ただいまの戸高賢史君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 冒頭、戸高賢史議員から防災士講座のお話がございました。私こそ戸高議員に、同級生として、大変励ましていただきまして、心から御礼を申し上げる次第であります。

 外国人観光誘客についてご質問を賜りました。まず私からお答えを申し上げます。

 アジア地域は、韓国や中国だけではなくて、ASEAN諸国でも近年経済成長は著しくて、今後、訪日観光客の伸びも、こういったASEAN諸国からも期待されるというふうに思います。

 本年九月までの九州への訪日客数は前年に比べますと一二・四%の増となっているものの、全国比では一〇ポイント程度下回っておりまして、九州全体で知名度を上げ、誘客を促進していくという必要があるというふうに思っております。このため、九州地域戦略会議では、第二期九州観光戦略を策定いたしまして、十年後に観光産業を九州の基幹産業にすることを目指して、観光インフラの整備など四つの戦略に計画的に取り組むこととしております。

 主な取り組みといたしましては、九州のブランドイメージを決定し、国別戦略によって、九州観光推進機構を中心に九州が一体となって海外市場に情報発信をするというほかに、ビザの緩和やLCCの誘致など、官民挙げて推進してまいりたいと思います。

 九州のブランドイメージについては、いろいろ議論をしているところでございますけれども、なかなか一本でやるというわけにはいかないというか、まとまらないということもありまして、事項別、国別にブランドを考えるというようなことも含めて、いろいろ研究をしているところであります。

 こんな中、本県の外国人宿泊客数を見ますと、本年上半期の実績は十五万六千人で、二年ぶりに三十万人台を回復する見込みでありますけれども、昨年と同様に、福岡、熊本に次いで、この数字は九州三位となっているところであります。

 今後増加する訪日客を本県への誘客につなげるためには、次の四つのことに重点を置いた取り組みが重要だと考えます。

 一つは、ターゲットとする国、地域の絞り込みであります。

 本県への観光客の約七割を占める韓国や近年観光客が急増しております台湾と香港、さらには急速な伸びが見込まれるタイを主なターゲットにしまして、旅行会社の招聘、あるいは海外でのプロモーション、商談会などを通じまして、積極的に情報発信や誘客活動を展開してまいりたいというふうに思います。

 二つ目は、二次交通の改善であります。

 本県を訪れる外国人の大半が福岡空港や博多港を利用していることから、JRやバス、レンタカー事業者と連携をいたしまして、本県へのアクセスの改善を図っていきたいというふうに思います。

 三つ目は、広域連携による誘客の推進であります。

 外国人の多くが周遊観光を希望することから、九州各県と連携して広域観光ルートづくりを進めてまいります。

 こうした誘客とともに忘れてならないのは、受け入れ体制の整備であります。

 先月、外国人観光客の増加に円滑に対応するため、県内の宿泊観光施設、観光協会等でインバウンド推進連絡会を設置したところであります。この連絡会を通じまして、官民一体となって、おもてなしなど受け入れ体制の整備を進めるとともに、APUなどで学んでいる八十四の国や地域の留学生の強みを生かして観光ガイドを養成するなど、言葉の心配がなく安心して楽しめる観光地づくりにも取り組んでいきたいというふうに思います。

 ツーリズム戦略は、地域間の競争でもあります。「九州といえば大分」と言っていただけるように、こうした取り組みを着実に推進していきたいというふうに考えているところであります。



○田中利明副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 私の方からは観光ビザについてお答え申し上げます。

 数次ビザ、あるいはビザの免除につきましては、訪日外国人観光客の拡大に有効な手段と認識しております。

 本年七月にビザの免除、あるいは要件が緩和されたタイ、マレーシアなどASEAN五カ国からの訪日観光客は、十月までの四カ月間で前年比一五一・九%となるなど大幅に増加しております。本県でもタイなどからの観光客の増加が見られるようになりました。

 第二期九州観光戦略でもノービザ化の実現を掲げておりまして、大分県といたしましても、九州観光推進機構、あるいは九州各県、経済団体と連携いたしまして、国に対する働きかけを強めてまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 ありがとうございます。

 今、九州七県でノービザ化に向けて推進を、大分県としても参画してやっていくということで答弁いただきましたけれども、これまで、国と地方の協議、特区についての協議、その中で、提案書の中にはこのビザ緩和の中身は記載をされていたんですけれども、実際に今、協議を何回かやっておりますけれども、その協議のテーブルに実は挙がってきてない。年々この優先順位が、年々というか、やるたびにこの優先順位が下がっていっているという現状があるんですが、このことについては、しっかりとこの協議の場に挙げていただいて、これは、なかなかやっぱり時間がかかる問題ですから、早目にその協議のテーブルに乗っけていただいて、協議を進めていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、がん対策について質問させていただきます。

 日本人の約半数ががんにかかり、三人に一人はがんで亡くなっています。大分県でも、がんは、昭和五十六年から三十年以上にわたり死亡原因の第一位となっており、県民の生命、健康にとって、がん対策は重要な課題となっています。

 がんの発生要因の一つに加齢がありますが、喫煙と感染症もその原因となります。代表的なものとして、たばこを原因とする喉頭がん、B型、C型肝炎ウイルスなど感染症に起因する肝がんのほか、ヒトパピローマウイルスによる子宮頸がん、ヘリコバクターピロリ菌を原因とする胃がんなどがあります。

 がんによる死亡者の減少のためには、何より早期発見、早期治療が望まれるところでありますが、これまで専門家の治験によって明らかになったそれぞれの発生原因について的確にとらえた上で対策を講じることが重要であります。

 がん対策については、平成二十五年第一回定例会でも質問させていただきましたが、その際、「三月末に改定する大分県がん対策推進計画において、働く世代のがん対策や小児がん拠点病院との連携を構築するといった新たな課題にも取り組むなど、関連施策を充実する」といった心強い知事答弁をいただきました。

 新計画を見ますと、がんと診断されたときからの緩和ケアの実施や在宅医療の推進、がん患者の療養生活と就労の両立に向けた相談支援など、がん患者やその家族の視点に立った対策も一層推進することとされており、県民のための質の高い医療や療養環境の充実が期待されるところであります。

 その一方で、がん対策については、やはり予防から早期発見、早期治療といった初期段階における対策のさらなる充実も必要と考えますが、県としてどのように取り組もうとしているのか、知事の見解を伺います。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 がん対策についてご質問をいただきました。

 議員ただいまご指摘のありましたとおり、今や二人に一人ががんになり、三人に一人はがんで亡くなっており、がん対策は大変重要な課題だというふうに思っております。

 県では、ことしの三月に大分県がん対策推進計画を改定いたしまして、がんによる七十五歳未満の年齢調整死亡率の二〇%減少とすべてのがん患者とその家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の維持向上に加えまして、がんになっても安心して暮らせる社会の構築を新たに全体目標に定めたところであります。あわせて、六つの分野別施策を掲げて取り組んでおります。

 六つの分野とは、すなわち、がん医療の充実のほか、がん患者の療養生活と就労の両立に向けた相談支援、がん対策の基礎となるデータを得るためのがん登録並びにがん予防、がんの早期発見、小児がん医療の充実と長期的支援であります。

 中でも、がん予防とがんの早期発見が大変重要だというふうに考えております。

 まず、予防でございますけれども、がんの原因となる三つの分野、具体的に、受動喫煙を含む喫煙対策、食生活、運動等の生活習慣改善、細菌、ウイルスの感染防止に取り組んでいるところであります。

 特に喫煙は、予防可能な要因としては最大のものとされていることから、一層の喫煙対策が求められておりまして、県では、学校における喫煙防止教育、ホームページを通じた禁煙支援情報の提供や飲食店等における受動喫煙防止対策などに積極的に取り組んでいるところであります。

 また、生活習慣の改善につきましては、「生涯健康県おおいた21」も改定いたしまして、食生活や運動面などの改善を図るため、一日食塩マイナス三グラム、三百五十グラムの野菜摂取、プラス千五百歩の運動といった取り組みを行っているところであります。

 加えて、肝炎ウイルスなどのがんの原因となる感染症の防止につきましても、普及啓発並びに肝炎ウイルス検査や治療費助成を行っているところであります。

 次に、がんの早期発見も大事なテーマであります。

 例えば、胃がんの胃エックス線検査や大腸がんの便潜血検査など各種がん検診を実施するとともに、受診率を高めるために、市町村と一体となって、検診の重要性の周知、あるいは受診機会の増加や受診の利便性向上などに取り組んでいるところであります。

 これまでのがん予防や早期発見、緩和ケアを含む医療の充実に加えまして、今後は、がん患者が住みなれた地域で療養しながら就労できる環境整備に取り組んで、がんになっても安心して暮らせる社会というのを実現していきたいというふうに考えているところであります。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 ぜひともがん対策、県としてさらに推進をしていただきたいというふうに思っておりますが、今、対応ができる対策として、喫煙、そして感染症ということになりますけれども、今回、私の方から、さらにその中身について、胃がんについて絞って質問させていただきたいと思います。

 本年二月二十一日、政府は、胃がん対策を大きく前進させる画期的な決定をいたしました。ヘリコバクターピロリ菌の感染による慢性胃炎を治療するため、胃の中のピロリ菌を取り除く除菌を行う場合にも健康保険の適用が認められることになったのであります。我が公明党が一貫して強く働きかけてきた要請が実を結び、ピロリ菌の除菌が胃がん予防にも有用と確認され、保険適用の拡大につながったものと考えます。

 現在、除菌パック製剤が不足している地域も出てきているようでありますが、県内の医療機関においても除菌が積極的に行われ始めています。この保険適用の拡大により、胃がんの発生リスクが大幅に低減し、予防と早期治療の充実が図られるものと期待しているところでありますが、胃がんと診断される方は毎年約十二万人、死亡は約五万人にも上るという事実を踏まえると、除菌が保険適用となり、有用性が高いことを広く県民に周知することが、まず重要と考えます。

 県として、胃がんの早期治療の必要性を踏まえ、県民各層へそういった周知を図る取り組みについて、今の対応状況をお尋ねいたします。

 また、今回、保険適用となった胃の除菌には必ず胃カメラを使用するため、結果として胃がんの早期発見にもつながり、適切な治療を通じて、完治も十分見込まれます。

 県として、ぜひとも多くの県民に胃の除菌の受診を促していただきたいと考えていますが、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。

 あわせて、県内の市町村における胃がん検診の実施状況をご教示いただくとともに、市町村とも連携して胃がんの早期発見に向けた取り組みを進めるべきではないかと考えますが、ご見解をお聞かせください。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 二点についてお答えをいたします。

 まず、ヘリコバクターピロリ菌の除菌についてでございますが、ヘリコバクターピロリ菌の除菌が胃炎の治療に効果があることが科学的に確認され、除菌療法も保険適用となりました。また、胃がんの将来的な発症予防についても期待が持たれているところであります。

 胃炎の治療としての除菌療法につきましては、基本的には患者と医師の間で十分に話し合った上で行われるものと思いますけれども、県としても除菌の効果について広く県民に周知してまいりたいと思っております。

 具体的には、県の広報媒体等による広報や、市町村に対し、健診や保健指導の際の情報提供を働きかけてまいりたいと思っております。

 次に、胃がんの早期発見についてでございます。

 胃がん検診につきましては、国の指針に従いまして、市町村が胃エックス線検査による検診を行っていますけれども、その受診率は、平成二十三年で九・七%と、全国平均を〇・五ポイント上回っているものの、低率で推移しているところでございます。

 県では、動画広告や民間企業とのがん検診の受診率向上などの取り組みに係る協定締結により胃がん検診などの受診を勧奨しているほか、市町村に対し、特定健診とがん検診の同日実施や未受診者に対する個別勧奨等を働きかけ、受診率の向上に取り組んでいるところでございます。

 以上でございます。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 済みません。一点だけ質問させていただきます。

 これまで、市町村の検診の中で、このピロリ菌の検診、リスク検診を取り入れていくことはどうかということでありました。県の立場としては、なかなか、指導監督の立場で、しかし、国のガイドラインも、薬の、除菌に対する、検診に関するあり方検討会も、まだ発表出ておりませんし、今、その議論がまだいってない状況の中で、そういったことを判断するのは非常に難しいというのはよくわかりました。しかし、これは、オプションとして地方自治体が検診をしていく。例えば、自己負担でやっていく。胃カメラも、バリウムを飲んでレントゲンで検診をすると一万数千円かかるわけでございますけれども、今回、これ、オプションで検診をやった自治体がありまして、通常四千円するのを千五百円ぐらいまで値切って実施して、一回呼びかけたら、福岡県のある町村、添田町ですか、三百人、ぼっと集まったという、そのぐらい、やっぱり意識があるのかなということがあります。そういう意味で、市町村がこのリスク検診についてやろうということになれば、県としては、これはどういう対応をしていくのか、お聞かせください。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 市町村がピロリ菌についてのリスク検診をどうとらえるかということですけれども、基本的には市町村の判断にゆだねることになるというふうに思いますけれども、県として聞かれた場合ということでお答えいたしますと、基本的には、国のガイドラインで今のところ勧奨されていないということ、それと、四十歳以上の方、日本人の約六割、四千万人以上がピロリ菌に感染しているという報告もある中で、一方で年間十二万人の方が胃がんにかかっていらっしゃるということで、この四千万人と十二万人というのをどういうふうに考えるかということもあろうかと思います。そういったことも市町村の方に提示しながら、市町村の判断にゆだねるのかなというふうに思っております。

 ただ、ピロリ菌の除菌の効果ですとか、胃がんのリスクについては、最近注目されておりまして、有効なリスク検診のあり方について研究が進められるというふうに聞いておりますので、その動向にも十分注意をしてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 ぜひ国のガイドラインも注視しながら、また、市町村がやるということであれば、県として、それをどうこう言う立場にないもんですから、しっかりとその取り組み状況も、もし確認できればと思っております。

 また、先ほど、多くの方がピロリ菌にかかっているから、感染したら、もう全部除菌しなきゃいけなくなるかという、非常に大変な状況になるかもしれませんが、今回の画期的なところは、慢性胃炎になった段階でこの除菌が可能となるということなんですが、基本的にピロリ菌に感染をした段階で、数週間で慢性胃炎にほぼなるという状況が、それは要するに、白血球が全部攻撃をずうっとし続けるから。その状態を、症状のことをもう既に慢性胃炎という、診断上、できるということが、今回この保険適用の中では画期的ではあるなということを考えれば、ほぼ感染したということを考えたら、除菌はできるということでありますので、そういう国の考え方をしっかりとらえながら、県としても進めていただきたいというふうに思っております。

 次に、有床診療所についてであります。

 来年度の診療報酬改定の基本方針骨子案が、先月、厚生労働省社会保障審議会の関係部会に提示されました。十二月上旬にも改定に向けた基本方針が取りまとめられる予定となっております。

 骨子案は、手厚くする分野として、がん治療や精神疾患、認知症対策、地域の在宅医療、介護を充実するための二十四時間体制の訪問看護ステーションの促進等を挙げているほか、医療全体の重点化、効率化を推進するため、救急病院、容体が安定している患者を受け入れる病院、小規模の有床診療所など医療機関ごとの役割分担と連携を進めるべきだとしております。

 このうち有床診療所は、地域に密着し、比較的低廉で良質な医療を提供する医療機関として、自立した生活を送ることのできない高齢者の受け皿となっているほか、地域包括ケアシステムの重要な担い手としての役割も担っております。しかし、大規模な病院と比べて診療報酬点数が低いために、経営が厳しい中で地域医療を担っているという実態にあることから、来年度の診療報酬改定において経営基盤強化がなされることが求められています。

 そこで、県としても、有床診療所が地域医療のかなめとなって地域医療を支えることができるよう支援していく必要があると考えますが、県は、有床診療所の役割をどのように考えておられるのか、お聞かせください。

 また、先月、福岡市の有床診療所で火災が起こり、入院患者ら十名が死亡する痛ましい事故が発生しました。これを受け、国土交通省は、各都道府県に対し、病院や診療所の防火設備に係る緊急点検を要請したところであります。

 そこで、本県における当該点検の対象となる有床診療所数をお示しいただくとともに、今後の有床診療所の防火対策をどのように進めていこうとされているのか、あわせてお聞かせください。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 では、二点お答えいたします。

 まず、有床診療所の役割についてでございます。

 有床診療所は、かかりつけ医として、地域の患者、家族に密着した外来診療や入院医療を担うとともに、病院からの早期退院患者の受け入れ、専門医療や終末期医療の提供、在宅医療の拠点としての機能など、初期から終末期までの地域の実情に応じた柔軟性のある医療機関として地域医療を支えていると認識しております。

 とりわけ、高齢化社会の進展に対応して介護と医療が連携した地域包括ケアシステムの構築を進めていく中で、特に在宅医療を支える拠点施設として重要な役割を担っていくことが期待されております。

 県といたしましても、地域の療養者を身近で支援する有床診療所を含めた看護職員のさらなる資質向上を図るため、今年度から、小規模で研修機会の少ない診療所の看護職員に対する研修事業を実施しているところでもございます。

 次に、有床診療所の防災対策についてお答えをいたします。

 国土交通省から要請のあった緊急点検の対象となる有床診療所数は二百二十九施設で、現在、特定行政庁であります大分市や別府市など、さらには県土木事務所で、診療所等から提出された書類による点検作業を行っております。

 また、県内の各消防本部が消防庁からの要請に基づいて、病院、有床診療所への現地特別査察を実施中でありまして、当該査察の対象外となった小規模な有床診療所につきましては、管轄する保健所が臨時立入検査を行い、防火戸やコンセントの点検、消防法による避難訓練、消火訓練の実施状況を確認、指導しているところであります。

 今後も国の「病院等における防火・防災対策要綱」の周知を図るとともに、医療法に基づく定期の立入検査の際にも防火対策の徹底について指導してまいるところでございます。

 以上でございます。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 現在調査中ということでございますので、しっかり、また結果が出ましたら、それによってどう対応するのかということもお示しいただきたいというふうに思っております。

 次に、データヘルス計画についてであります。

 ことし六月に閣議決定された日本再興戦略において、予防、健康管理の推進に関する新たな仕組みづくりとして、データヘルス計画の策定が盛り込まれています。まずは、すべての健康保険組合がデータヘルス計画を策定し、平成二十七年度からの実施を目標とするとともに、市町村国保が同様の取り組みを行うことを推進するとされております。

 このデータヘルスとは、医療保険者によるデータ分析に基づく保健事業のことで、レセプトや健康診断情報等、いわゆるビッグデータを活用し、保健事業を効果的に実施することで、国民の健康寿命の延伸や医療費の適正化を図るものであります。厚生労働省は来年度予算概算要求において関連予算を計上しており、今後の重点分野の一つと言えます。

 大手企業の健保組合においては既に導入しているところも多いようでありますが、市町村国保においても、今後の重要課題として、データヘルスの導入について、早期に検討し、取り組みを推進させる必要があります。

 その先進的な事例として広島県呉市がございます。ここは、六十五歳以上の人口比率が約三一%に上り、同規模人口の都市では高齢化率が全国一位、二〇〇八年には一人当たりの年間医療費が全国平均より四割も高いという状況でありました。その危機感から医療費適正化へ本格的に乗り出したわけでございますが、着手したのがこのレセプトのデータベース化であります。患者一人一人に処方された医薬品や診療内容を把握、分析した上で、ジェネリック医薬品に切りかえた場合の負担減額を通知した結果、大幅な薬剤費の削減に成功しました。また、保健師や看護師による訪問指導を行い、同じ病気で複数の病院を重複受診している市民の相談相手となって不安を解消したことで、必要以上の通院を抑制し、診療費を削減できたそうであります。

 そこで伺います。

 県は、県民の健康増進や医療費適正化の観点から、市町村国保におけるデータヘルス計画の策定から導入までの間に一定の関与をしていかなければならないと思いますが、県内の現状と期待される導入効果について認識をお聞かせください。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

 国の日本再興戦略では、国民の健康寿命の延伸に取り組むこととしておりまして、その一環として、レセプトや健診情報等を活用し、医療保険者がデータ分析に基づく保健事業を行うデータヘルスを推進することとしております。

 こうした状況を踏まえ、本県の市町村国保では、レセプト、特定健診、介護などの情報を統合した国保データベースを来年四月から導入することとしております。

 データベースの活用によりまして、地域の健康課題の把握、保健指導対象者の抽出、保健事業効果の検証、評価などがこれまで以上に容易に実施され、より効果的な保健事業の展開や県民の健康増進、さらには医療費の適正化につながることが期待をされます。

 今後、市町村国保においてはデータヘルス計画を策定することとなりますけれども、県といたしましては、国保連合会等と連携いたしまして、計画策定やその実施に向けて支援等を行っていくこととしております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 県としてもしっかりと連携をとっていただくという話がありましたけれども、実際には、今、広域でやっているところもありますけれども、今やっている部分の延長でやるのか、それとも丸ごと変えるのか、いろいろ、さまざま迷っているという状況もお聞きしておりましたので、今回ちょっと取り上げさせていただきましたので、どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、生活排水処理についてであります。

 単独処理浄化槽は、し尿処理のみを行う設備であり、合併浄化槽とは異なり、台所やふろから出る生活雑排水をそのまま排水溝に流してしまうため、水環境に悪影響を与えます。このため、単独処理浄化槽の新設を実質的に禁止する改正浄化槽法が平成十三年四月に施行され、以降、国も、既存単独処理浄化槽の撤去費用の助成などを行い、単独浄化槽から合併浄化槽への転換を図ってきました。本県では、いまだその転換がおくれている状況であります。

 さきに示された県政推進指針では、恵まれた環境の未来への継承のために、循環を基調とする地域社会の構築を目指す取り組みとして、「合併処理浄化槽の整備がおくれている地域について、単独処理浄化槽からの転換促進や普及啓発活動の強化を図り、生活排水処理を進める」と挙げておりますが、県としてどのようにそれを推し進めようとしているのか、その具体的な取り組みをお聞かせください。

 また、これは現実的な問題でありますが、実際に合併浄化槽にかえようとする家庭が市町村の下水道整備計画区域に位置している場合は、補助事業の対象とならないというケースが発生をしております。そのため、浄化槽の転換がおくれるといったケースが起こっているということでございます。

 制度の仕組みがそのようなことになっているのは理解できるんですが、実際にこの公共下水道が整備されるのは何十年先という整備計画である。その間ずうっと垂れ流しをしているという状況でございますので、しっかりと今の時代に合ったというか、地域の現状に合った、また、そういう県の制度であるべきだというふうに考えますが、この補助制度のあり方について見解をお聞かせください。



○田中利明副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 二点についてお答えをいたします。

 まず、生活排水処理についてでございます。

 生活排水対策は、きれいな水環境を保全し、次の世代に引き継ぐために重要な施策であり、上下流域の連携した取り組みが必要であると考えております。

 県では、合併処理浄化槽への転換促進を図るための助成制度を設け、浄化槽整備事業に取り組む市町村を支援してまいりました。

 また、生活排水きれい推進月間を県独自に定め、集中的に啓発活動を実施してまいりました。

 加えて、今年度は、市町村と補助制度のあり方や効果的な普及啓発方法などについて検討しているところでございます。

 今後の具体的な取り組みとしましては、生活排水処理率が県平均七〇%と比べ、特に低い地域に重点を置き、市町村と連携して合併処理浄化槽への転換について、支援策の強化を検討してまいります。

 さらに、整備が特におくれている上流域を中心に、水環境保全に積極的に取り組むNPO等の団体と連携し、重点的に普及啓発活動を推進したいと考えております。

 次に、生活排水処理施設の整備についてでございます。

 県では、下水道への接続促進や重複投資を避ける観点から、下水道区域での合併処理浄化槽設置への補助を平成十六年度から廃止をしております。

 生活排水処理施設の整備は、「大分県生活排水処理施設整備構想二〇一〇」に基づき計画的な整備促進を図っているところですが、下水道の整備には多大な費用と長い期間を要しております。

 そこで、二十六年度から開始する新構想の検討の中で、今後なお下水道整備に長い期間を要する下水道区域については、必要に応じて浄化槽区域へ見直すよう市町村へ助言を行ってまいります。

 今後も引き続き、生活排水対策について、市町村と連携し、きれいな水環境の保全に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 ありがとうございました。

 ぜひその促進をお願いしたいというふうに思っております。

 おっしゃるように、費用の面から言うと、残された生活排水が整備されてない区間、下水道の全国の予算の四、五年分あれば、全国のこの水処理がもうすべて完了するというぐらい、それぐらいの費用の違いがあるわけでありますし、災害にも強い。そういう意味でも、地元の計画は何十年先に自分んところの生活排水が処理されますという計画になっている地域がまだまだ多い状況でございます。その間できない。し尿だけは処理されるけれども、生活雑排水はずうっと垂れ流しされているという、環境に非常に悪いこの状況はやっぱり見直さなければならないというふうに思います。

 この間、中津市で下水道の事業がありましたけれども、そこは、管が来ても、もう高齢化もありまして、わざわざ線を引かなくてもいいという、そういう事態も実際は発生しているわけです。これから高齢化も広がりますし、空き家も多くなります。そういう意味では、効率的なところで、下水道がいいというところであれば、それは下水道を推進する。しっかりとその計画も考えていかなければいけないんじゃないかというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、次に移ります。

 社会資本の維持管理についてであります。

 人々が日常生活の中で利用する道路などのインフラは、今後急速に老朽化が進むことが懸念されております。昨年十二月に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故のような利用者の安全を脅かす事態となる前にインフラの予防保全を行っていくことは、県民の安心、安全を確保する上で喫緊の課題と言えます。

 国土交通省は、本年を社会資本メンテナンス元年として、総合的、横断的な取り組みを推進しており、防災減災対策や老朽化対策のためのインフラ総点検が全国で行われつつあります。

 また、国土交通省の諮問機関である社会資本整備審議会における社会資本メンテナンス戦略小委員会は、本年一月に公表した緊急提言において、インフラの総点検の緊急実施や長寿命化計画の策定、見直しなどの取り組みについて示しています。

 一方、大分県においては、例えば橋梁については、平成二十二年に橋梁長寿命化維持管理計画を策定しております。今後の老朽化に備え、維持管理費用を可能な限り抑制し、早期に発見、修繕していくという予防保全型維持管理に取り組まれているということは高く評価できます。しかしながら、人々の生活には、道路、河川、港湾など多くのインフラがかかわっています。そのすべてを総点検するには莫大な時間や人員、経費を要することから、経過年数や社会的影響度、利用者数、災害時の重要度を考慮し、選択と集中により効率よく点検を行う必要があるわけでありますが、しかし、その結果として未点検の社会資本が多く存在することは大きな課題であると考えます。

 高い確率で発生が見込まれる南海トラフ巨大地震や近年増加する集中豪雨などの要素も考えれば、メンテナンスの必要なインフラの範囲も拡大する必要があると考えます。さらに、それらインフラについて早い段階での総点検が必要であると考えますが、県の見解を伺います。

 次に、路面下の空洞化についてお伺いします。

 道路の路面下の空洞については、外見からではわからないという危険があります。この路面下の空洞は、埋設された下水道管などライフラインの老朽化による損傷や、河川、海岸沿いの道路の水位変動によって老朽化した護岸から内部の土砂が流出することにより発生するものであり、空洞が大きくなれば路面の陥没を引き起こす原因となります。国土交通省の調べでは、全国で年間四千件もの路面下の空洞が起きているとのことであります。

 大分県では、去る九月に大分港鶴崎地区において、岸壁が深さ一・六メートル、約二十平方メートルにわたって陥没し、作業中のクレーン車が貨物船に倒れかかるという事故がありました。県は、同じ構造の岸壁二十四カ所ついて緊急点検を行っておりますが、一歩間違えば重大事故になりかねないといったところであります。

 こうした空洞は、大規模地震や豪雨災害によっても発生します。仙台市では、震災とその後の余震で地盤が緩んだところに大雨などが影響し、約百メートルにわたる大規模な路面陥没が発生しました。その結果、市内の大渋滞を引き起こすとともに、市民病院へのアクセスが不可能となり、救急医療にも支障を来す大変な事態となりました。大分県においても、昨年の豪雨災害により河川沿いの国道において大規模な陥没が起こり、車両が転落したのは記憶に新しいところであります。

 これまで道路の点検は目視が中心でありましたが、目視では路面下の空洞までは確認不可能であるため、非破壊検査等を活用した点検が必要であります。現在では、医療機器のCTスキャンのような、レーダー探査による非破壊検査車両が開発され、我が会派でもこの非破壊検査の車両の性能や導入の有効性について政務調査を行いました。実際に全国各地で導入されていますが、これは時速六十キロで走行し、路面下の空洞調査が可能とのことであります。

 災害時における輸送ルートの確保等の観点から、緊急輸送道路、災害拠点病院などを中心に、このような技術を活用し、これまでの調査範囲を拡大する必要があると考えますが、今後の取り組みについてお聞かせください。



○田中利明副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 二点につきましてお答えをいたします。

 まず、社会資本の維持管理についてでございます。

 県は、これまでに整備された社会資本が安全に機能し続けるよう、点検を着実に進めながら、適切な時期に補修や更新を行うアセットマネジメントに取り組んでおります。

 点検につきましては、これまでも橋梁を初め、トンネルや河川堤防など、それぞれの施設ごとに点検項目や頻度を定め、計画的に実施しているところでございます。その際、外部委託のみならず、職員みずからが点検を行うなど、コスト縮減にも努めております。

 予算と人員の制約がある中、特に、不特定多数の人が利用し、被害の発生が懸念されます橋梁二千三百九十二カ所、トンネル二百四十九カ所、照明設備六千七百十二カ所につきましては、今年度末までに一巡目の点検を完了し、来年度から順次二巡目の点検をしていく予定でございます。

 今後とも、国の交付金等を積極的に活用し、施設の重要度や劣化の度合いに応じて、インフラ点検を計画的かつ効率的に進め、社会資本の適切な維持管理に努めてまいります。

 次に、道路の空洞調査についてでございます。

 道路の空洞調査につきましては、平成二十一年度から二年間、海岸沿いの道路約四十八キロメートルを対象に、ハンディー型地中レーダーによる調査を実施いたしました。

 また、今年度は、昨年の九州北部豪雨により道路が冠水した区間約七十一キロメートルについて、空洞探査車とハンディー型地中レーダーを併用した調査を行いました。

 調査の結果、前回は十五カ所、今回は九カ所の空洞を確認し、それぞれ速やかに補修を行ったところです。

 道路の空洞は、路面の陥没を引き起こし、道路交通に大きな支障を来すため、今後、緊急輸送道路を対象に、道路パトロールの目視点検に加え、空洞探査車を活用した調査を行ってまいりたいと考えております。その際には、下水道管などが埋設されていたり、海岸や河川沿いなど空洞が生じやすい道路を優先的に実施したいと考えております。

 今後も、計画的かつ効率的に調査を進め、道路の安全確保に努めてまいります。

 以上でございます。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 ありがとうございました。

 空洞調査についてでありますけれども、やはりこれ、ちょっと時間かけてでも、一回、全部、データをとっておく。そうすれば、次に走ったときにどうなっているか、路面の下がどうなっているかというのが一目瞭然でありますので、災害の後とか、それがやっぱり重要ではないかというふうに思いますし、それがなかなか予算的に難しいということであれば、緊急輸送道路、災害拠点病院、その周辺を優先して路面の調査をして、データとして集積しといて、いつでもそれがわかるような形にしていただきたいというふうに思っておりますので、今後の検討として、どうかよろしくお願い申し上げます。

 最後に、県営住宅の共益費について質問させていただきます。

 県営住宅には、外灯、水道施設や集会所などいろいろな共用施設があります。こうした施設で使用される電気やガス、水道等の使用料や修繕料等については入居者全員の負担になりますが、これらの費用は、団地の入居者が組織する自治会が、共益費に当たる自治会費として徴収しているようであります。しかし、入居者の高齢化とあわせて生活困窮者の増加により、自治会費の支払いが困難な入居者が増加しております。このため、自治会による徴収は年々難しい状況と聞いております。共用施設の維持管理のための費用を確保することは大変厳しい状況となっております。

 指定管理者である大分県住宅供給公社が民間住宅のように家賃徴収とあわせて共益費を徴収し、共用施設の管理を行うことは、なかなかこれ、非常に難しいということで承知をしておりますが、このような現状に沿った県営住宅の仕組みづくりを今後検討していかなければならないと考えておりますが、いかがお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。



○田中利明副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。

 共用施設の電気、水道料金等の維持管理経費であります共益費につきましては、家賃とは異なり、本来、入居者が共同で負担すべき費用であることから、その金額の決定から集金、支払いまでを自治会が行っているところでございます。

 仮に、指定管理者である大分県住宅供給公社と自治会とで契約を締結し、共益費の集金や共用施設の管理を行うとしましても、入居者の同意や協力を得る必要があり、また、業務に要する経費負担が新たに生じるなど多くの課題がございます。

 これまで共益費の未納に関する個別相談があった場合には、指定管理者から他地区の事例を紹介するなど助言を行っており、今後も円滑な自治会運営が図られるよう支援していきたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 戸高賢史君。



◆戸高賢史議員 部長、おっしゃった状況をよく認識しております。それでも、こういう課題がかなり出てきている状況を考えますと、やっぱり仕組みとして、自治会の運営として、自治会のそれぞれの状況、建物の劣化の状況であるとか、それぞれ違うと思いますので、一概には言えませんけれども、そういう事態が出てきているという状況をしっかり理解して、今後検討しなければいけないということがありましたので、質問させていただきました。

 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○田中利明副議長 以上で戸高賢史君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午前十一時五十七分 休憩

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     午後一時二十二分 再開



○近藤和義議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。深津栄一君。

  〔深津議員登壇〕(拍手)



◆深津栄一議員 皆さん、こんにちは。きょうは二十六番の県民クラブの深津栄一でございます。あすはわかりませんけれども、また番号が変わる。

 さて、一般質問に入る前に、若干、前置きを述べさせていただきたいと思うんですが、一昨年の三月十一日、マグニチュード九・〇を記録いたしました未曾有の大震災が東北地方を襲ったあの東日本大震災から早くも二年九カ月が経過をいたしました。被災者にとりましては、忘れようにも忘れられない、また、被災を免れた私たちは、決して忘れてはならない災害ではなかったかというふうに思います。

 原発事故による避難指示区域では、放射性物質の除染が遅々として進まないため、域外に避難した方々はいまだ帰還すら許されず、復興の明かりが見えない、将来に大きな不安を抱え続けております。

 かけがえのない家族や貴重な財産を失われた方々や、住みなれたふるさとに帰れず、引き続き避難生活を余儀なくされている皆さんに、心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。

 ただ、私が今心配をいたしておるのは、月日の移ろいとともに、多くの人々が、当時想定外と言われたあの悲惨な災害の記憶を次第に風化させてしまうのではないかということであります。災害は忘れたころにやってくると言われます。このような大災害は、いつまた発生するか予測できないことを、いま一度心すべきであろうかというふうに思っております。

 海水温の上昇など地球環境の異常を感じる現象が近年頻発をいたしております。世界各地で見られる猛暑、豪雨、竜巻や、フィリピン・レイテ島に先月上陸いたしました超大型台風など、不気味な異常気象の足音が聞こえてくるようであります。

 東日本大震災を起こしました地震、津波、原発事故は、貴重な生命や財産を奪い去り、我々に多くの課題を突きつけました。今後の防災対策にどのように取り組んでいくのか、今、我々の英知が問われていることを改めて肝に銘じながら、早速、質問に入らせていただきます。

 まず最初に、安全、安心な大分県づくりであります。

 三月十八日、内閣府の作業部会は、東海沖から九州沖に連なる南海トラフで巨大地震が発生した場合、激しい揺れや大津波が及ぼす経済的な被害額は、最悪で二百二十兆三千億円に上るとの試算を発表いたしました。国家予算の二年分をはるかに上回り、東日本大震災の約十三倍、阪神大震災の約二十三倍に相当するそうであります。被災が予想される地域は、北海道と東北六県を除く四十都府県に及び、発生一週間後の避難者は最大九百五十万人と想定され、死者は最大三十二万三千人に達すると公表いたしております。

 一方、県が三月二十六日に発表した大分県地震津波被害想定調査報告では、県内の最大死者数は約二万二千人、負傷者数は約六千人、建物の全壊、焼失は約三万棟という甚大な被害が想定をされております。

 このような被害予想が発表されたことも契機となって、県民の災害に対する防災意識が次第に高まりつつあります。こうした中、県民の命と財産を守るリーダーである広瀬知事ご自身も防災士資格を取得されたことは、本県の防災減災対策の推進に当たり大変画期的なことだと感じております。

 そこで、防災士となられた広瀬知事に改めて、今後の防災減災対策において力点を置こうとする施策をお伺いいたします。

 次に、原発事故に対する防災減災対策についてお尋ねをいたします。

 先ほどの南海トラフの被害想定には原子力発電所の事故による被害は含まれていませんが、いざ原発事故が起きた場合は、福島原発と同様に、国難と言える深刻な被害が予想されます。

 東日本大震災以前は、原子力発電所は地震があっても大丈夫という安全神話がありましたが、この大震災を通じて、一たび原発事故が発生すれば長期にわたって地域に住めなくなるという現実を目の当たりにいたしました。

 大分県の近県には三つの原発が立地をしております。玄海、川内、そして最も本県に近い伊方原発であります。新聞報道によれば、その伊方原発がトップを切って再稼働するのではないかとされております。三十年以内に七〇%の確率で南海トラフ大震災の発生が予想される中、伊方原発周辺には日本最大級の活断層が走り、大変危険な地域に立地していると言えます。また、本県と伊方原発は四十キロメートル以上離れているため、原発施設から三十キロメートル以内に設定された緊急時防護措置準備区域から外れているから安全だとは決して思えません。

 地震、津波、台風など自然災害は天災でありますが、原発事故は人災であると考えます。そして、人災は防ぐことができるのであります。

 そこでお伺いします。

 四国、九州電力との問題、課題については、我が県民クラブの小野議員が専門的な観点からあす質問をいたしますので、私はこの点については質問をいたしませんが、原発は、あくまでも廃炉が基本であるものの、原発事故に対する当面の対策として、平成二十六年度の県政推進指針にもある安定沃素剤の配布、服用の計画、また、県民の避難計画、それと同時に行われることとなる愛媛県伊方町民の避難受け入れについて県はどのように考えているのか、お聞かせください。

 次に、私たちの生活に欠かせないインフラであります橋梁、トンネルの維持管理についてお尋ねいたします。

 先ほど戸高議員の質問とも重複いたしますが、お許しをいただいて質問させていただきます。

 高度経済成長期には、特に東京オリンピックの開催に向けて、全国各地で橋やトンネル等のインフラ整備が急ピッチで進みました。古いものでは五十数年の年月が経過し、各地でインフラの老朽化に伴う事故が発生をいたしております。

 県下には、国、県、市町村が管理する橋梁が一万五百四十七カ所、トンネルが五百二十四カ所あり、古くは、県管理の橋梁で、明治二十九年築で百十七年の経過、県管理のトンネルでは、大正四年築で九十八年経過をいたしているものもあります。

 一概に古いから危ないというわけではありませんが、当時の先端技術や製品であっても時間の経過に伴う老朽化は避けられません。笹子トンネルの崩落事故などを踏まえれば、打音検査などの危険箇所の発見、補修が必要となると同時に、インフラの長寿命化を図り、大切なインフラを長く大切に使うことも重要であります。

 そこで、県管理の橋梁、トンネルの維持管理の現状と今後の補修の計画についてお聞かせください。

 次に、消防力の強化についてお尋ねをいたします。

 近年相次ぐ集中豪雨などの災害時には、地域防災の大きな支えとなる消防職員は日々頑張っておられます。私たちの安全、安心な生活を守るために二十四時間体制で備えるその活動には、すべての県民が感謝していると思います。

 消防法の一部を改正する法律案に対して、平成二十一年四月二十三日に参議院総務委員会が、「消防職員が不足している中、救急出動件数の増加に対する救急搬送体制が必ずしも十分に対応したものとなっていないことを踏まえ、救急業務に係る財政措置を拡充すること。また、救急業務の確実な実施及び一層の高度化を推進する観点から、救急隊員等の人員を確保するとともに、教育のさらなる充実に努めること」と附帯決議をいたしております。

 しかし、県内市町村における消防職員の実態については、条例定数は千六百五十六名でありますが、現実は千五百七十六名で、八十名の不足となっておるのが現状であります。市町村によって状況は異なりますが、十四消防地区のうち条例定数どおりの配置を満たしているのは三地区のみとなっているのが現実であります。条例定数を満たしていたとしても、半年の研修期間などで実質的な欠員が生じているようであります。また、定員を満たしていない十一地区の現場では、勤務体制やシフト割などで問題が生じ、救急や消防の体制が十分機能しなくなっているのではないかと心配をいたしておるところであります。

 このような消防職員の人員不足の常態化について、防災体制の観点から県の考えをお聞かせください。

 これからは質問席より質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

  〔深津議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの深津栄一君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 深津栄一議員には、月日がどのように移ろうと防災減災対策のことは忘れてはならないということでご質問を賜りました。まず私からお答えをさせていただきます。

 本県の防災対策における喫緊の課題は南海トラフ巨大地震対策でありますけれども、甚大な被害をもたらす台風や集中豪雨に対しても万全を期していかなければならないと思っております。

 防災減災対策では、適切な役割分担のもとで、自助、共助、公助がうまく機能することが大事であります。そこで、次の二点を中心に取り組みを進めてまいります。

 一つは、地域の防災力、なかんずく自助、共助を高め、防災力を高める取り組みであります。

 ここでは防災士が重要な役割を果たしますが、県内の防災士は四千五百名を超えまして、防災士をかなめとして自主防災組織が積極的に活動する環境が整いつつあります。

 この数年、県では、できるだけ多くの方に防災士の資格を取得していただくようにお願いをいたしたところでありますけれども、お願いするだけでは申しわけありませんので、私もチャレンジしてみたところであります。

 引き続き防災士を養成するとともに、ネットワーク化を進めて、あわせてスキルアップ研修や防災情報を一元的に提供する仕組みなど防災士が活動しやすい環境づくりを進めております。

 災害時要援護者の避難支援におきましても、支援台帳を作成して事前に関係者で共有する取り組みに加えまして、訓練を通じて、地域で要援護者を支援し、安全で迅速に避難できる体制づくりを進めていかなければなりません。

 また、災害発生時のボランティアによる支援は、物心両面で被災者の大きな支えとなります。災害ボランティアセンターの立ち上げや被災者ニーズの把握など被災者に寄り添った支援活動がスムーズに行うことができるよう、リーダーの育成などにしっかりと取り組みたいと思います。

 加えて、学校や企業、事業所における津波避難についても、訓練を通じた避難体制の構築を促進してまいります。

 もう一つは、市町村との連携強化であります。

 一つは地域の防災力の強化、もう一つは市町村との連携強化ということであります。

 新たな地震津波対策アクションプランの実践に当たりましては、県と市町村が目標を共有して取り組みます。特に、地震動の終息後十五分以内に浸水区域内の全員が避難行動を始めることが何よりも重要であります。地域ごとの津波避難行動計画の作成を急ぎまして訓練を重ねるとともに、避難路や避難場所など訓練で明らかになる課題にも着実に対応していかなければならないと思います。

 また、台風や集中豪雨でも早期避難が重要になりますけれども、伊豆大島の例を見ましても、気象変動の予測や避難勧告等を発令する時間帯など難しい課題があります。気象台を初め、防災関係者が連携を密にして、より詳細な気象情報を市町村に伝え、避難勧告等を的確に発令できる体制を構築しなければならないと思います。

 こうした取り組みに力点を置いて防災減災対策を着実に実施することによりまして、安全、安心の大分県の実現に邁進してまいりたいと思います。

 私からは以上でございます。その他のご質問につきましては、担当の部長の方から答弁させていただきます。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 まず、原子力災害対策についてお答えします。

 本県は、最寄りの伊方発電所から最短で四十五キロメートルの位置にありますが、万が一の場合に備えて、原子力災害対策重点区域でとられる防護対策を参考に、現在、具体的な対策を実施要領として策定しているところでございます。

 安定沃素剤の服用等防護対策については、原則として原子力規制委員会が必要性を判断し、国の原子力災害対策本部長からの指示が出された場合に実施することとなっております。

 安定沃素剤の配布、服用に当たっては、緊急時医療チームを派遣し、医師立ち会いのもとで服用を実施するとともに、実施要領に基づき搬送配布体制も整えてまいります。

 現在、安定沃素剤大人一万人分を備蓄しておりますが、年内に小児用の粉末剤も追加することとしております。

 また、万が一に備えて、保健師等業務従事者となる者に対しましても、研修、訓練等を実施してまいります。

 次に、県民の避難計画についてですが、屋内退避、避難につきましては、プルーム通過時の防護策として、緊急時モニタリング結果を踏まえ、国の指示に基づき実施することとしております。

 万が一の国からの避難指示にも備え、事前に避難所となる施設を、今後、市町村とともに定めてまいります。

 次に、愛媛県からの避難者受け入れですけれども、現在、愛媛県と調整を行っており、今後は市町村の協力を得ながら適切に対応してまいります。

 次に、消防職員の確保についてお答えします。

 市町村は、国の「消防力の整備指針」に沿って、地理的条件等を勘案し、地域の実情に即した消防体制を条例で定めています。

 本県の消防職員の条例定数に対する充足率は、平成二十五年四月一日現在九五・二%で、必ずしも十分とは言えませんが、市町村は、厳しい財政状況の中にあっても、防災の重要性を認識し、消防力の充実に向けて努力しているところでございます。

 例えば、市町村の一般行政職員が平成十八年から二十四年までの六年間で一二・三%減少する中、消防職員は逆に三・五%増加しております。

 また、団塊の世代の大量退職に伴い、年度ごとに計画的に新規採用を行うとともに、条例定数の不足を補うため、消防職員OBを非常勤職員として雇用するなど、地域消防力の確保に向けた取り組みを行っています。

 自然災害が多発する中、地域の安全、安心を守る消防の果たす役割はますます重要となっております。

 県としましても、消防職員の育成、大規模災害時等における相互応援協定の円滑な運用、常備消防を補完する消防団員の確保対策等を通じまして、引き続き市町村と連携して消防力の強化に努めてまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 私からは、橋梁、トンネルの維持管理についてお答えをいたします。

 橋梁及びトンネルの維持管理につきましては、日々の道路パトロールによる日常点検と近接目視や打音検査による定期点検を着実に進めながら、適切な時期に補修や更新を行うアセットマネジメントに取り組んでおります。

 県が管理いたします二千三百九十二の橋梁につきましては、平成二十一年度から定期点検を実施するとともに、二十二年度には長寿命化計画を策定いたしました。

 現時点で早期に対策が必要な橋梁は全体の約二割程度あり、緊急輸送道路など重要性の高い道路の補修を優先させながら、二十九年度までに完了する計画でございます。

 また、県が管理する二百四十九のトンネルにつきましては、二十四年度から定期点検に着手しており、二十六年度には長寿命化計画を策定する予定でございます。

 現時点で早期に対策が必要なトンネルが約一割あり、三十年度までに補修を終わらせたいと考えております。

 今後も、定期的な点検と計画的な補修を行い、安全性の確保に努めてまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 再質問させていただきます。

 大きく一点、時間の関係がありますので一点のみにして、あと、要望も含めてしたいと思います。

 まず、原子力災害についてであります。

 これもう前置きは別にして、この原子力がもし事故があった場合には、何十年、何百年という期間、住民は帰ることさえできないという状況が非常に心配であります。

 伊方原発の再稼働がよく報道されておりますが、大分県でも伊方から五千人の受け入れをするということで新聞報道されて、正直言って、愛媛県の方々が困ったときに受け入れすることは、近隣の大分県として、当然というんですか、これはもう大事なことだと私も認識をいたしております。

 ただ、心配する点が私は三点あるというふうに思うんです。

 まず一点は、伊方町から大分県に避難をされる、海上輸送となりますが、津波被害とか港湾等の施設が、地震が、伊方側だめになれば、当然のことながら大分県も甚大な被害をこうむるわけです。そうなれば、船で移動した場合に、接岸する岸壁さえも崩壊をしてしまって受け入れができないんじゃないかという心配があるんですが、そういう受け入れ側の体制は十分にできておるのかどうか、また、そういう予想をされているのかどうかについて、まず一点。

 それから、二点目は、伊方原発で事故が発生し、放射能が漏れた場合、大分県の方に飛散をしてくる可能性も十分にあるというふうに思うんです。距離的にも、また、障害物がありませんから、もろに大分県の方に来る。そうすれば、放射能の方に向けて伊方の方々が逃げてくるというようなことになれば、大分県民も当然逃げないといけない。そういうパニックの状態になって、大分県民さえも大変な被害をこうむるんではないかと思います。そういう心配はされてないのかどうか。

 それと、三つ目でありますが、伊方の町方と今調整しているということでありますが、我々大分県の方も、仮にそういう受け入れができたとしても、大分県として各市町村に当然お願いをしていかないといけないんですが、そういうお願いをした前提で受け入れができておるのか、そういう調整はどうなっているのか、いつするのか、具体的に市町村との調整についてもお尋ねをしたいと思います。それがまず一点です。

 あと、要望も含めてですが、消防の関係であります。

 これは市町村の問題でありますから、県がどうとかこうとかということは財政的な問題もあって言えないということは十分に認識した上でお願いをしたいんですが、先ほど申し上げたように、非常に消防職員の体制が地域によってはばらつきもありますし、貴重な職員の体制でありますし、そういう機構でありますので、県の方もしっかりと各市町村にお願いをしていただきたい。強く求めておきたいなと思います。

 済みませんが、よろしくお願いします。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 原子力災害対策について三点ご質問をいただきました。

 一つは、津波等によって本県の港湾等の施設に被害が出ている場合の受け入れをどうするのかということでございます。

 津波被害が起こり、そして、その際に原子力発電所も災害が起こっている、いわゆる複合災害が生じた場合のことだろうと思います。

 このような複合災害が生じた場合、本県においても甚大な被害が生じていることが当然予想されます。その際、県を初め、被災した市町村は、まずは、地域住民の被災者支援の応急対策に当然当たる、また、避難所の運営等もしていかなければならないというふうなことが想定されます。

 先ほど議員もおっしゃいましたけれども、隣県の方を支援していくということも当然大切でございますけれども、このような複合災害の場合は、本県の被害の、もちろん程度にもよりますけれども、場合によっては愛媛県の避難者の受け入れも難しくなる場合もあり得るというふうには思っております。

 複合災害の場合に、愛媛県のまだ実務レベルでございますけれども、場合によっては、愛媛県としては、別の方向に避難をしていかなければならないというふうなことも、愛媛県としては想定をしておるようです。

 それから、本県も伊方原発で放射能漏れが予想される場合ということが二点目でございますけれども、原子力災害が起こった場合、段階的に、まず、原発の場所に近い愛媛県の方が、恐らく最初に避難をし、そして、プルームが場合によっては通過するかもしれないという形で大分県の方に近づいてきた場合は大分県が、そういったプルームが本県に近づくというような事態の若干の時間的なずれはあろうかと思います。ただ、いずれにしましても、本県もそのような状況になった場合に、愛媛県の方から避難をして来られましても、やはりそこに放射能の、プルームが通過しているわけでございますから、そういった事態になった場合には、大分県としても原子力災害対策に対する応急対策、防護対策を講じていく段階にありますので、先ほど第一点目でお答えしたのと同じように、本県に避難するということではなくて、別の方向の、プルームが通過してない県の方に愛媛県の方も避難していくということも考えられる。このようなことも、現在、愛媛県の方と、実務レベルで協議はしているところでございます。

 三点目の受け入れに当たる市町村との調整といいますか、の点についてですけれども、現在、愛媛県と避難経路等、具体的な事項についても協議をしているところでございます。まだ具体的な、予想される、一つ一つの市町村がどの程度の方を受け入れますとか、避難経路を行いますとか、避難元の自治体が行う避難者への支援とか、そういったものについては、具体的な段階まではまだ至っておりませんが、現在、市町村と、受け入れ可能数を含めて、調整、協議を進めているところでございます。

 以上でございます。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 部長、今の答弁は、正直言って、私は納得できません。というのは、伊方町の方を受け入れすることに対して、やぶさかじゃないし、当然ちゃ当然でいいんですが、私たちや県民の方々は、あの新聞報道で、五千人受け入れをしますという、もうあたかも決まったかのように受けとめてるんです。当然、それは悪いと言う人は恐らくいないと思います。ただ、私が心配しているのは、その受け入れをするのに、きちっと、先ほどじゃないけれども、市町村の方々の了解とか、事前の協議の上に立って、また、伊方との協議をした上で、しっかりしていかないと、ひとり歩きしてしまう。そうすれば、一番困るのは被災者なんです。それが今後大きな課題になると思いますから、今後、そういう面は慎重に扱っていただきたいというふうに思っております。

 それと、先ほどの、まだ最終決定してないというんですが、当然のことながら、今後の課題として、伊方の方々もしくは関係者と事前の、やっぱり双方の情報交換をしながら、あっちゃいけぬことですけれども、あったときにお互いに共有した情報を持ってやらないと、向こうばっかし詳しくても、こっちが、受け入れる側がわからないといけないし、また、いろんな意味での情報交換をしっかりやれるような体制はぜひ早急につくっていただきたいというふうに思っております。その件については、また後ほど機会があれば、私の方からも質問していきたい。

 それと、土木部長、トンネル、橋梁の関係で先ほど答弁いただいたんですが、私は佐伯なんですが、佐伯の安東土木所長を初め、職員の方々は、橋梁も含めて、トンネルとか道路とか、いろんな意味で、常にフルに動いていただいて、安全対策に飛び回っておるんですが、日常業務のほかにやっている、また、昔と違って、非常に今、ハードなスケジュールの中でやっておりますので、頑張っておることをまず知っていただきたいのと、職員体制も改めて、そういう安全対策に必要な体制を今後つくっていかないと、職員に大きな負担がかかるんじゃないか、日常業務があり、さらにそういうインフラ整備をやっていくということになれば。そういう面も含めて、今後、検討課題の一つに挙げていただきたいということを強く求めて、次の質問に入らせていただきたいと思います。

 次に、東九州自動車道の早期完成に向けた取り組みについてお尋ねいたします。

 時間がありませんので、もう要点のみにいたしたいと思いますが、大分県もやっと長いトンネルから先が、かすかに光が見えたかなというような状況で、非常に期待をいたしておるところであります。広瀬知事も機会あるたんびに、平成二十七年度であるけれども、二十六年度に前倒ししてほしいということで、機会あるたんびに訴えていただいていることに、力強く感じますし、今後も、二〇一四年度末までに、もう一年早く前倒しをしていただきたい、来年度中にできるように、前倒しをしていただくよう知事の方もお願いしたい。そのためには財政確保とかいろんな課題があろうかと思いますが、知事の強い決意をお伺いして質問にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 東九州自動車道の早期完成につきましては、深津議員を初め、議員の皆さん方に大変にご尽力をいただいておりまして、心から御礼を申し上げる次第でございます。

 おかげさまで、北九州−大分−宮崎間につきましては、ほとんどの区間が平成二十六年度までに開通予定ということになっておりまして、この間がつながりますと、九州縦貫自動車道とあわせまして、待望の九州を循環する高速道路ネットワークが形成されるということになります。

 これは、東九州の地域だけではなくて、九州全体の観光や産業の発展に大きな役割を果たすものと期待をしているところでございます。

 例えばでございますけれども、道の駅「かまえ」では、駐車時間を待つほどの来場者が訪れておりまして、蒲江−北浦間の開通は大きな経済効果を既に発揮しております。こうしたことから、九州地域戦略会議や新たに立ち上げた大分、宮崎連携の東九州広域観光推進協議会におきまして、東九州自動車道の開通にあわせた誘客の取り組みを開始したところであります。

 また、大分と宮崎では、産学官連携による東九州メディカルバレー構想にも取り組んでおりますが、この中でも東九州自動車道は、この構想に欠かすことのできない交通基盤となっておるわけであります。

 これほど重要な東九州自動車道ですが、まだまだ運動の手を緩めるわけにはいかないと思っております。

 問題は二つございます。

 一つは、ほとんどの区間が二十六年度までに開通予定となっておりまして、これを確実に実施させなければならないと考えています。国やNEXCOに努力をしていただくことはもちろんでございますけれども、沿線にある私どもも、できるだけ、この完成に向けて協力を惜しまないようにしなければならない、努力をしていかなきゃならないというふうに思っているところでございます。

 もう一つは、佐伯−蒲江間が唯一、二十七年度開通予定となっていることでありまして、何としてもこれを二十六年度開通に持っていかなければならないというふうに思います。このためには、延長の長い二つのトンネル工事のスピードアップと必要な予算の確保というのが課題であります。

 トンネルの工事の方は、国土交通省の尽力によりまして予定よりかなり早く進んでいると聞いております。十月末の進捗率が、蒲江トンネルの方が九割、佐伯トンネルの方が八割を超えているということでございまして、工程上では開通の前倒しも期待できるんじゃないかというふうに思っているところです。

 そうしますと、今度はやはり予算の確保というのが大事になってまいります。これから国の予算編成が大詰めを迎えることから、ここが正念場であります。

 先日は、南海トラフ特措法が成立いたしましたけれども、まさに佐伯−蒲江間は津波の影響を直接受ける区間でございます。命をつなぐ道として、一日も早く完成させなければならないというふうに思っております。

 引き続き、国に対して粘り強く働きかけてまいりたいと思っております。議員の皆さん方にも、引き続きよろしくご支援のほどお願い申し上げる次第でございます。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 東九州自動車道、広瀬知事の意気込みにかかっておりますので、ぜひよろしくお願いを申し上げます。

 次に、教育行政についてお尋ねをいたします。

 限られた時間でありますので、大変申しわけありませんが、はしょって質問に入らせていただきたいというふうに思うんですが、県教育委員会が二〇一一年度より導入いたしました広域人事は、新採用からおおむね十年以内に三地域で勤務するとなっておりますが、この人事制度が学校現場の状況を考慮せずに机上だけで推し進められていることに甚だ疑問を感じております。つまり、教育現場に求められているものと大きな隔たりがあると言っても過言ではありません。

 児童生徒と教師とは、お互いにきずなや信頼関係を必要としておりますが、一カ所三年程度の短期間では子供や保護者などとのつながりが十分に醸成できない。災害時の児童生徒の避難などの防災面でも、とりわけ地域とのつながりが求められておりますが、短い赴任期間ではなかなか限界もあるところであります。地域と教育現場の乖離をもたらしております。

 また、短期間のうちの異動がもたらすストレスや長距離通勤に伴う疲労なども、教師の本分である教育、授業に大きな負担となっております。

 最も問題なのが、児童生徒の学校での思い出や恩師への感謝の気持ちが薄らぐことであります。教師が一時的な勤務となると深い関係が築けず、先生に教わったり、しかられたりなどの学校生活の記憶や恩師への感謝、尊敬の念が薄らぐのではないかと危惧をいたしております。

 落ちつかない教育、落ちつきのない教育となり、子供が真ん中ではない教育になっております。

 今後、何らかの見直し、広域人事についての考え方をあわせてお尋ねいたします。

 それから、学校の統廃合の問題でありますが、各市町村、それぞれ小中学校が統廃合して、非常に地域が疲弊をしているという状況もありますが、子供の気持ちを考えると、いささかどうなのかというふうな思いがいたします。

 私は、二月十六日の朝刊のある記事に目を疑いました。驚きと悔しさとショックから、何度も何度も読み直しました。それは、とうとい命を犠牲にして訴えた記事でありました。

 概要は、二月十四日午後四時二十五分ごろ、大阪の小学校五年生の男児が快速電車にはねられたもので、その男児は「一つの小さな命と引きかえに、統廃合を中止してください」と記したメモを残しておりました。男子生徒は、その三カ月前の十一月に、校内スピーチ用作文に「来年でこの小学校がなくなるのは本当に残念です」と記していたそうであります。子供の心には、大人にはわからない繊細な思いがあるのではないでしょうか。

 学校の統廃合は、地域の活力を失わせるのみならず、ともすれば、学ぶ子供たちの心にも深い傷を負わせておるのではないでしょうか。そういう観点から、これまでの小中学校の統廃合をどうとらえているのか、また、今後の統廃合はどのような方針で進めていこうとしているのか、県教委としての考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

 以上です。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 二点お答えします。

 まず、広域人事についてでございます。

 広域人事は、全県的な教育水準の維持向上、教職員の意識改革、そして若手教職員の人材育成のために行っています。

 特に若年層の異動については、平成二十三年度に策定した人材育成方針に基づき、教員としての幅広い視野と能力の伸長を図るため、採用から早い時期に異なる環境で多様な経験を積めるような異動を行うこととしているところです。

 市町村教育委員会からは、広域人事異動について特段の問題指摘はなく、先日開催した市町村教育長会議においても、「県に採用された以上、全県エリアで大分県教育の向上のために努めることは当然であり、広域人事異動について県教委としてこれまで以上に取り組んでもらいたい」と要請をされたところです。

 今後とも大分県全体の学校力向上等を図るため、市町村教育委員会の意見を聞きながら、広域人事異動を一層促進してまいります。

 二点目の小中学校の統廃合についてでございます。

 小中学校の統廃合は、少子化が急速に進む中で避けて通れない課題だと考えています。

 その検討に当たっては、小中学校の設置者である市町村において、地域コミュニティーにとっての学校の重要性を踏まえながら、何より、子供にとって一番よい教育環境とは何かを中心に真摯な議論が重ねられてきたと考えています。

 また、実際の統廃合の際には、子供の心に配慮したり、統合により多くの友達と出会う喜びがあることを伝えたりすることが大切です。

 今後とも、統廃合については、市町村において、子供にとってより望ましい教育環境とは何かを保護者や地域住民と十分話し合い、理解と協力を得ながら行われることが重要です。

 県教育委員会としては、県内の各小中学校が、子供の力をしっかり伸ばし、地域から信頼される学校となるよう支援してまいります。

 以上です。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 教育長、あなたの答弁は、いつも変わらない答弁。残念ながら、その答弁を想定しておりました。それはどういう信念か、私、わかりません。信念なのかは別にして、今の現状を教育長はわかってますか。今、先ほど答弁の中でありました、問題ないという答弁がありました。いい報告があっとると。九月議会で、うちの酒井県議が質問したときも、その答弁だったですね。現実はそうじゃないんです。

 知事、知事はいつも現場主義という言葉を使っております。私もそういうのが事実だと。よく言われている、あるテレビで、事件は会議室で行われてない、現場だと。すなわち、現場が現実なんです。そういう現場を知らないで、方針は出せないと私は思っている。それを、今の教育長の答弁しかり。問題ありませんという報告がありながらも、我々は問題ありと聞いてるんです。我々は現場に足運んでいる。では、教育長、あなたは現場に足運んだことは何回ありますか。お答えください。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 私もできるだけ時間のある限り学校を訪問しております。数は、ちょっと、何回とは言えませんけれども、年当たり十日、あるいは、もうちょっとあるかもしれません。外に出た機会に行ってますから、二十日ぐらいはあるかというふうに思います。

 その中でも、小中学校について、いろんな、授業を見ること、あるいは生徒指導で困難があるところ、そういったところを伺ってます。また、毎年、人事課等が実施しております負担軽減のための各学校の訪問についても、この間、私も伺いました。その中で、広域人事異動についても現場の声を伺っております。その中では、確かに、家族が心配だ、あるいは子育て、あるいは結婚が心配、知らない地域に来る苦労が多い。幾つか、やはり広域人事異動についての不安の声というのは聞いております。一方、今までと違った経験ができて視野が広がってきた、人材育成の面では賛成という声もございます。

 私が現場に伺って、あるいはいろんな機会に広域人事異動についての声を聞く中で、私が判断をしているのは、広域人事異動によって、それは個々にいろんな問題はあるかもしれません。しかし、それは、通常の人事異動の中で、家族の介護その他特段の事情というのは配慮しております。そういった形で広域人事異動を実施しているという考えのもとで、広域人事異動について、廃止をしたり、あるいは縮小したり、そういうことをするような問題点は出ていない、こういう考えでございます。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 教育長、時間がないから大変残念なんですけれども、問題ないということの判断。それは、メリットもデメリットも確かにあろうと思います。三年、十年で三カ所変わるというのはメリットもデメリットもある。私たちが聞いているのは、デメリットの方が多いんです。だけれども、実際に今、教育長が言われた、何度か学校に出向いて。では、学校のどなたにお会いしてますか。その点についてどうですか。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 校長、教頭、あるいは事務長もありますけれども、実際に教育に携わっている個々の教員、それから生徒指導の担当、そういう方からもお話を伺っております。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 では、例えば、私が最初に言うたように、現場、すなわち、直接かかわっている方々、もしくは親とか子供たちと、先生を通じてでも結構ですが、そういう情報はいただいておりますか。どうですか。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 先ほど幾つかご紹介をいたしました、広域人事異動について、通勤についての不安がある、疲れるという声も伺っております。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 歯車がかみ合ってないようですけれども、私が言いたいのは、教育長も恩師とか先生の昔の思い出というのがあると思うんです。それは、先生が地元におるからです。だけれども、今の体制では、恩師というのが、思い出というのがないでしょう、なくなるでしょう。三年間でころころころころ変わる。先生もしかりです。子供に対する思いやりとか、家庭事情とか、地域の問題とか。そういう地域、学校、家庭がしっかりとつながってこそ、やっぱり教育の大きな原点じゃないかと思うんですが、その点について、教育長、どうですか。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 恩師に対する思いとか、あるいは学校における地域とのつながりということについては、そういったものが大切だということは私も考えます。ただ、それは、その先生が、その学校に長く勤めること、あるいは、その地域の出身者であること、そのことが決定的な要素になるもんではないと考えています。赴任したところで、その地域の子供のために、当然、その地域、子供たちは地域で育てられるわけですから、地域の人と一体となって教育に取り組む、そういった姿勢、意欲、努力が大事だというふうに思います。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 もう最後にいたしますけれども、教育長、二〇〇七年に地教行法というのが、答申がありました。それはご存じですか。その内容によりますと、地域の、先ほど私が言いたかったことをしっかりと答申してるんです。十二月中に文科省にその答申を上げますけれども、その内容は十分把握してますか。その点について、最後にお尋ねします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 恐らく、地域に根差した教職員の採用という観点からの答申かなというふうに思いますけれども、十一月二十七日、教育委員会制度の改革案が出された際の議論の中で、地域に根差した教職員の採用という観点から、地域枠の採用ということの方策も考えられるというふうな答申案だったというふうに理解してます。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 では、その答申を受けて、教育長はどのように考えてますか。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 地域に根差した教職員、地域に根差した教育ということにつきましては、先ほど私が申し上げました、その先生の熱意、努力、そういうところによるところの方が大事だというふうに思っています。

 そして、私は、この答申の中で例に挙げられている島根県の地域枠については、教職員がその地域で足りないからこういう地域枠というのが実施されている、これが本来の姿だというふうに思っています。そういう意味では、本県の広域人事異動によって、各地域、全県下漏れなく教育水準の維持向上という取り組み、これが合致しているのではないかというふうに考えています。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 教育長、最後、最後と言いながら何回も言うて悪いんですが、もう非常に時間が気になってしようがないんですが、私はここに持ってるんです。今後の地方教育行政のあり方という、これの内容を私はつぶさに、すべてとは言わないけれども、読ませていただきました。今、教育長がおっしゃったとおり、その中の一つに、地域枠の問題とか、また、地域と子供と家庭と、いろんな問題を含めて書いている。それをしっかりと受けとめれば、先ほどの教育長の答弁は間違っているというふうに私は感じます。

  〔「教育観が違うんよ」と呼ぶ者あり〕



◆深津栄一議員 要らんこと言わんでいいんよ。

 という思いで、今後の教育行政のあり方について、しっかりと子供の立場に立って、子供が真ん中の教育をやっていただくように切に強く要望して、また機会があれば質問をさせていただきたいというふうに思います。

 続きまして、次の質問、あと二分しかありませんけれども、質問させていただきたいと思います。

 情報発信についてであります。

 情報発信の中で、各地域で、それぞれの特色を生かした、魅力ある、全国に発信していくことが最も重要であるということを私は感じております。

 県としても、大分ブランド確立を図るために、魅力発信に、プロジェクトなり、専門チームをつくって集中的に取り組む必要があると考えますが、県の取り組み状況についてお聞かせ願いたいと思います。

 また、ジオパークについてでありますが、国内三十二のジオパークの一つに埋没されないよう、大分県の魅力として、どのように情報発信していくのか、また、今回の二地区に続く地区などの動きがあれば、あわせてお聞かせ願いたいというふうに思います。



○近藤和義議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 本県の情報発信についてお答え申し上げます。

 日本一の温泉を初め、おいしいグルメ、歴史、文化遺産など、本県は誇るべき魅力にあふれており、それらを大分ブランドとして確立していくことはとても大事なことであると考えております。

 今年度、「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」をテーマに、CM二十二本を制作し、関西、福岡で集中的に放送するとともに、同時期に県や市町村のイベントを集約して開催したところ、その広告換算費はおよそ四億八千万となるなど、全国から注目を集めたところです。

 議員ご指摘の、それぞれの地域の特色を生かすPRは非常に重要であると考えており、今回のCM制作では、県内十五地域でロケを行う地域密着や出演者八十一名が各地の県民の方々という住民参加を実践したところです。

 さらに、「おんせん県」のおけのロゴマークは二百件以上の使用申請が寄せられており、観光客にも好評を博しております。

 今後とも、メディアやインターネット、民間事業者、キャンペーン等を活用し、浸透しつつある「おんせん県おおいた」ブランドを引き続き積極的に発信してまいりたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 ジオパークの取り組みについてお答えします。

 まず、大分県の魅力の情報発信についてです。

 姫島、豊後大野の両ジオパークを広く国内外に情報発信していくためには、まずは、ここにしかないという学術的価値をさらに高めていくことが大切であると考えております。

 そのため、今年度からジオパークを構成する地質や動植物等の地域資源の精密な調査に着手したところであり、その成果を両ジオパークで活用するとともに、新たな研究への波及も期待しております。

 また、来年二月には、国内外の研究者やジオパーク関係者が参加する「おおいたジオ国際フォーラム」を開催し、両地域のジオパークをアピールすることとしております。

 今後は、より多くの大学等の研究者や学生に本県を研究フィールドとして活用してもらえるよう、巡検や学会の誘致、また、地質愛好家に向けた情報発信などを推進してまいります。

 こうした取り組みの成果を活用し、地域資源に一層磨きをかけることにより、広く一般の関心も喚起していきたいと考えております。

 次に、他地域の動向ですが、現在のところ、姫島、豊後大野以外の地域において、運営組織を立ち上げるなど、認定を目指した具体的な取り組みは聞いておりませんが、引き続き動向を注視してまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 深津栄一君。



◆深津栄一議員 地域の魅力、ぜひ各地の魅力を引き出せるように、地域は地域で頑張っておりますが、県の方もしっかり支援をしていただきたいと思います。

 それから、ジオパークについては、先ほど答弁ありましたように、豊後大野、姫島、私も両方行かせていただきまして、いろんな方々といろんな話をさせていただいた。これからもしっかり大分県から発信して、それをきっかけに、ほかの地域もジオパークにつながればいいかなというふうに思っておりますので、ご支援をよろしくお願い申し上げて、次の質問に入らせていただきます。

 小規模集落対策についてであります。

 もう前置きはともかく、小規模集落を取り巻く現状に対する認識と、これまで実施をいたしてきました事業の成果と課題、今後の対策についてお聞かせください。



○近藤和義議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 小規模集落対策についての総括的なご質問でございます。

 本県は、小規模集落対策を県政の重点課題と位置づけまして、集落機能の維持活性化のため、さまざまな集落活動や集落間連携など、住民がともに支え合う取り組みを支援してまいりました。

 昨年度までに、里のくらし支援事業として延べ六十三地区の取り組みを支援するとともに、小規模集落応援隊を延べ二百九十二回派遣するなど、市町村と連携して対策を進めてきたところです。

 そのような中、高齢化率が五〇%未満である山村、あるいは離島でも集落機能の低下が課題となってきております。

 今後は、このため、本年度から、こうした小規模集落になりつつある地域も支援対象とし、補助率、あるいは補助限度額を見直すとともに、予算額も拡充したところです。

 この見直しによりまして、本年度の里のくらし支援事業の採択見込み件数は昨年度の二倍に迫り、来年度予算への要望もさらに増加しております。

 今後とも、安心と生きがいの地域づくりに向け、市町村と連携して、地域の実情に応じた取り組みを推進してまいります。



○近藤和義議長 以上で深津栄一君の質問及び答弁は終わりました。油布勝秀君。

  〔油布議員登壇〕(拍手)



◆油布勝秀議員 八番、あしたは九番、自由民主党・無所属の会の油布でございます。

 このたびは、九月議会に続いての質問の機会をいただきまして、先輩議員、同僚議員の皆さんに大変感謝申し上げます。

 執行部の皆さん、お疲れさまでございます。最後になりましたけれども、明瞭な答弁をひとつよろしくお願い申し上げます。

 最初に、明治以降の大分県の歩みについて。

 まず、昔の話題から入りますが、昭和四十年代に「明治は遠くなりにけり」という言葉がはやりました。もともとは、さらにさかのぼって、昭和初期に俳人中村草田男が自分の幼少時代を懐かしんで詠んだ句の一節ですが、大正の世が過ぎ、昭和の時代を迎え、明治維新から百年に当たるちょうどそのころに、至るところで使われたフレーズです。

 ことしも早いもので師走に入り、平成も既に四半世紀が過ぎ去ろうとしている中で、慌ただしく今を生きる私たちにとって、昭和の時代さえも遠く去りつつもあり、ましてや明治時代は既に歴史上の時代となった感じさえいたします。

 毎年、敬老の日に際して実施される厚生労働省の調査では、百歳以上の高齢者は、全国で五万四千人を超えて、四十三年連続で増加しているとのことですが、ことし、めでたく百寿の節目を迎えられた方が大正二年生まれですので、明治に生まれた世代は、皆さん、優に百歳を超えているわけです。

 言うに及ばず、近代日本の礎は明治時代に築かれました。長らく続いた江戸時代からの政治体制の転換を通じて、さらには西洋文化の大量流入によって日本の社会構造は大きな変革を遂げ、産業面での技術革新がもたらした経済成長は庶民の生活レベルの向上に寄与しました。

 この大分県に当たる行政区分は、明治四年の廃藩置県によってその原型がつくられ、その後、福岡県からの一部編入を経て、明治九年に現在の県域が確定されました。以降、近世から現代にかけて多くの先人たちの努力を通じて、現在の本県の繁栄が創出されてまいりましたが、私も含め県民がこのような郷土の史実に触れる機会が必ずしも多いとは言えません。

 近年、一層拍車がかかる少子・高齢化の時代を迎え、この平成の時代も決して平たんな道のりをたどっているわけではありませんが、今こそ、激動の明治時代を生きた先人の英知に学びながら、大分の将来を探る視点も必要ではないでしょうか。

 私は、以前、県当局が定期的に制作する「県政のあゆみ」という書籍を拝見しましたが、情報量が多く、数百ページに及ぶ活字中心の大作で、行政の記録という色彩が強く、とても県民が気軽に読める代物ではありません。

 そこで提案ですが、明治時代からの大分県政の歩みを県民向けにわかりやすく、親しみやすい内容で編さんし、県民の生涯学習の場で広く活用できないでしょうか。また、小、中、高等学校でも郷土の歴史を学ぶ教材としていただければ、必ず、子供たちのふるさとへの理解を深め、関心を高める一助になるはずです。

 いまだご健在の明治生まれの方々の貴重なご意見もいただくとともに、郷土の偉人もふんだんに取り上げ、顕彰するものになれば、より大きな成果が期待できると考えますが、こういった取り組みに関して知事のお考えを伺います。

 これから先は対面で行います。

  〔油布議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの油布勝秀君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 油布勝秀議員には、「県政のあゆみ」についてご質問を賜りました。

 近代日本の礎であり、また、この大分県が成立した明治期は、人々が多難な時代に新しい仕組みをつくり上げて、向き合った黎明期だと思います。

 翻って、現在、潮目とも言うべき大きな変化のときにある中で、明治以降の県の歴史やその発展に尽くした先哲の業績を学ぶということは、県民の皆様が歴史や先哲から知恵を得、自身の生き方を考え、また、郷土を理解し、愛する心を涵養することにつながるものでありまして、大変意義深いことと考えます。

 佐伯出身で、明治期に大隈重信とともに立憲改進党に参画して、清国の特命全権公使なども務めた矢野龍渓は、多くの人に自由民権の考え方を理解してもらうために、当時ベストセラーとなった小説「経国美談」を発表いたしました。人々の社会への関心を喚起するために、小説を読みやすく、また、新聞社社長として新聞を見やすくした矢野の「伝えよう」という工夫の精神は、県が目指すべき姿勢に通じるのかもしれないと思います。

 県では、こうした認識に立ちまして、さまざまな形でわかりやすく、県民の皆様に県の歩みを学ぶ機会を提供しているところであります。

 例えば、四年ごとの県の取り組みをまとめました、県政の理解を深めるための記録資料である「県政のあゆみ」の作成はもとより、これは、県の資料の中では、議員ご指摘のとおり、一番おもしろくないやつかもしれませんけれども、資料でございますから、そうならざるを得ないのかもしれませんけれども、その作成はもとよりでございまして、そのほかに、簡潔で親しみやすいものとして、すべての小中学校に副教材「おおいたの歴史と文化」や大分県先哲叢書の普及版を配付いたしまして、授業等で活用していただいております。

 県立先哲史料館では、毎年、千五百人程度の児童生徒を対象にしまして子ども先哲・歴史講座を開催しているほか、夏休みには子供向けの展示も行っているところであります。

 また、県政テレビ番組でも県の歴史や先哲を取り上げております。今年度からスタートしました新番組「お!」では、「親子で、お!な休日」などの一分半のコーナーで、コミカルな形態で歴史や先哲について紹介しておりまして、「行政がつくったものとしては、なかなかフランクな見せ方で、楽しく学ぶことができる」と好評を博しているところであります。

 さらに、社会教育の情報サイト「まなびの広場おおいた」では、市町村や大学等での大分の歴史に関する公開講座の情報を幅広く掲載するとともに、大分の歴史、文化、自然を学ぶふるさと学講座の様子を動画で公開するなど、インターネットを通して広く利用いただいているところであります。

 今後とも、よりわかりやすく、親しみやすい紙媒体での冊子等の工夫、普及はもとより、さまざまな媒体を活用して、生涯学習や児童生徒への教育などの場で、皆様に大分県の歩みを深く理解していただけるように努めていきたいというふうに思っているところでございます。

 ご指摘の点、よく肝に銘じて努力していきたいというふうに思います。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 知事、どうもありがとうございました。

 私は、そういう偉人をふんだんに取り上げて、幅広く地域の、そういう方々の、顕彰されたものを一つの本にまとめて、どこの子供が見ても、あっ、うちの地域にはこういう人がおったんだというものを、昔、先ほど佐伯の大隈とか言いよったですね。(「矢野龍渓」と呼ぶ者あり)矢野龍渓かな。ちょっとそういうふうなぐあいで、そういう形で、地域、地域にそういう人がおったんだということを子供たちによくわかるようにしていただきたい。よろしくお願い申し上げます。

 次に、畜産公社について質問させていただきます。

 大分県の畜産関係者にとって念願であった畜産公社の新施設建設については、国の予算獲得が厳しい中、来年度の工事着工に向けて、少しずつではありますが、進んでいるように感じております。しかしながら、畜産公社の建設資金について、若干問題が残されているので、触れさせていただきます。

 現在、畜産公社では、国、県、市町村、農業団体等の支援を受けた上で新施設の建設を計画しておりますが、国の予算の補助対象限度を超過する部分や補助対象外となる附帯工事費用などがあることから、最終的な畜産公社の負担はかなり大きいものとなるのではないかと心配しております。

 そこで、県当局には、ぜひとも国庫補助と同程度の助成をしていただき、畜産公社の負担の軽減を図っていただけないものでしょうか。

 新たな施設は、近年大型化してきた肉用牛にも対応可能で、牛、豚などがそれぞれ独立した加工ラインで処理できるなど、国際的な輸出基準に適合するように整備され、完成後は、いよいよ本格的に海外への販路拡大を目指していく段階に入ります。しかし、そのやさきに、肝心の畜産公社が十分な資金を準備できず、柔軟に身動きがとれないとなれば、本末転倒な話となってしまいます。県からの支援が非常に重要だと考えますが、そこで、これまでの進捗状況とあわせて、県のご見解を伺います。

 次に、大分県酪農業協同組合への支援についてお尋ねします。

 県酪では、バクトスキャンという牛乳の検査装置の購入を検討しています。これは、牛乳に含まれる細菌の数を測定する機器であり、測定の自動化で、より正確な細菌数の検査が可能となり、酪農家の損失を未然に防ぐとともに、消費者に安全な牛乳を供給するために重要な役割を果たすものです。

 現在、県内では大分市内に一台だけ配備されていますが、牛乳生産量の多い日田・玖珠地区にも一台設置し、出荷の際の負担を減らし、迅速、円滑な供給体制を整備しようとするものです。

 そこで県酪は、県に導入に当たっての支援を要請していますが、畜産公社の新施設建設の対応もある中、県にも予算的な制約があることは一定程度は理解できます。しかし、牛乳の供給体制の効率化に向けて明らかに必要な部分に投資を惜しんでいては、酪農業の発展は望めません。県には、厳しい酪農情勢を理解の上、予算の柔軟な運用を行っていただきたいと考えますが、ご見解を伺います。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 それでは、私の方から二点についてお答え申し上げます。

 まず、大分県畜産公社についてであります。

 これまで産地食肉センターの整備に対する国の支援につきましては、政府予算などに関する提言活動を積極的に行ってきたところであります。

 現在、国の強い農業づくり交付金の輸出優先枠六十億円での採択に向けて事務レベルで協議を進めておりますが、なかなか難航している状況であります。

 建設に向けた進捗状況につきましては、他県の先進施設や輪出認定の取得状況の調査を経て、新施設の概算設計ができたところであります。

 国の補助対象上限事業費が四十八億円であるということから、畜産公社には過大な負担とならないよう事業費の精査を指導しているところであります。

 県といたしましては、畜産公社は県内唯一の施設で、「おおいた豊後牛」のブランド力の強化など、今後の畜産振興を図る上でぜひとも必要な施設であり、可能な限り支援をしていきたいと考えております。

 また、国の支援を得るためにも施設整備後の運営ビジョンが重要でありますことから、コスト削減や営業部門の強化などを図るとともに、輸出拡大や集荷頭数の確保に向けて組織体制の強化を指導しているところであります。

 それから、生乳の供給体制についてであります。

 県では、これまで生乳生産量を確保するために、優良雌牛を導入する際の県酪農業協同組合への原資の貸し付けや飼養環境の改善のための牛舎改造などの取り組みを支援してきたところであります。さらに、県酪や乳業メーカーなどと連携をいたしまして、牛乳の消費拡大にも取り組んでいるところであります。

 近年の食に対する関心の高まりから安全でおいしい牛乳を生産、出荷することが求められており、酪農家もこれに対応できる生産に取り組むことが重要であります。そのため、各酪農家において、衛生的な環境で乳牛の飼養管理を徹底し、乳質の改善に取り組むことがまず大事であり、その上で、議員ご提案の細菌数測定装置を生産者に身近なところで設置するということも効果的ではないかと理解をしております。

 県といたしましては、今後とも、酪農振興において重要かつ緊急度の高い取り組みをよく見きわめながら、県内酪農業のバランスのとれた持続的な発展に向けて支援をしていきたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 非常に前向きな話でいいんですけれども、何か具体化がなくて、そのまま終わりそうな話であります。だれが聞いても納得できるものではありません。

 畜産公社は、国から大体三分の一程度、計画されていると聞き及んでおります。そして、この厳しい中ですから、三分の一は大分県の方に出していただきたい、助けていただきたいというような要望が非常に多くあります。そして、残りは、その団体や畜産公社あたりが歯を食いしばって頑張るからということで、まっといい返事をしてくれるんかと待っとるんですけれども、がっかりしました。

 バクトスキャンの、今、ミルクの細菌を調べる、これについても、補助を出してくれるのか出さぬのか、そこ辺をはっきりしていただきたい。私は、それをしてくれるもんと思ってたんですけれども、何か遠いような、山の向こうの話でみたいな感じで、ちょっとがっかりしてるんですけれども、部長、まあ一遍、元気いい返事をしてください。お願いします。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 まず、畜産公社について、率の問題をご質問いただきましたけれども、今、国の状況、そういうものも見ながら、我々としても、しっかりできるところは応援をしていくというところで考えておりますので、これから予算についても、また当初に向けてやっていきますので、その点をご理解いただきたいと思っております。

 それから、生乳の検査機器、バクトスキャンということでありますけれども、これにつきましても、今現実に、今年度の予算の中でどうこうするという状況は、非常に高額なものでありますからできませんけれども、どういう方法があるかということも今検討しておりますので、その点もご理解いただきたいと思っております。

 なかなか、勢いのいい答弁ではありませんで、申しわけありませんけれども、よろしくお願いします。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 畜産公社については、金額が大きいです。先ほど言った、五十億そこそこ、四十八億とか。これについては、足踏みしながら、検討しながら前に進んでいくんじゃなかろうかと思っております。だけれども、酪農家の方たちのバクトスキャンについては三千万程度です。それで、私は、言いたいこと、書いちょったんだけれども、消したんですよ、触れるような話するんじゃねえかと思うてから。ところがどっこい、何か、うっかりしとったら、もう、いつも僕はやられるんです。ちょっと部長、そこ辺で、三千万円です。これは、来年でいいですから、今じゃなくてもいいけれども、四月の予算、来年度の予算でいいですから、ひとつ気張ったところの話を今聞きたいんです。よろしく。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 お話はしっかり承っておきたいと思っております。よろしくお願いします。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 こうして消しちょるんですよ。よくご理解していただきたい。

 部長、大変どうも。本当に、ひとつよろしくお願いします。今の畜産状況、部長が真剣に仕事してたら、地域の本当の内容が、全部、手にとるようにわかると思います。よろしくお願いします。

 それでは、次に参ります。

 九月議会に引き続き、今回も建物の耐震化について伺います。

 耐震化の流れは、まずは、その建物の耐震診断を行い、IS値などで示される耐震基準を満たしていない場合には改修に取りかかるというものです。

 前回は耐震診断についての質問でしたが、今回は耐震改修についてお聞きします。

 昭和五十六年以前に建てられた木造住宅に対する耐震改修の補助メニューとして本県では高齢者安心住まい改修支援事業があり、バリアフリー化に向けた改修とともに、六十五歳以上の家族がいる世帯を補助対象とする簡易耐震改修があります。県では平成二十三年度から実施しておりますが、「利用しようとしても使い勝手が悪く、結局、制度を利用しなかった」という声を耳にしたため、三年間の県の補助実績を調べたところ、簡易耐震改修については、いずれも年間でわずか数件程度の利用にとどまっている状況です。

 あわせて、補助事業は、住宅政策というよりは、高齢者向けの福祉事業的な側面があるためか、住宅の耐震化に前向きであっても、この制度そのものを知らない人が多いようです。

 この助成制度の要件を緩和して、耐震改修の入り口となる住宅政策に位置づけし、国庫補助が受けられる従来の木造住宅耐震化促進事業と組み合わせ、二段階の制度にすべきと考えますが、対応の可否についてお伺いします。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 お答えをいたします。

 簡易耐震改修は、通常の耐震改修の経費負担が大きいため住宅全体の耐震化に踏み出せない高齢者に対して、日常的に利用する寝室や居間の部分的な補強工事を行い、少なくとも命を守ることができるよう支援する制度です。

 高齢者は、昭和五十六年以前に建築された古い住宅に住んでいるケースが多く、また、地震時の迅速な避難が困難であることから、本制度を設けております。

 これまで広報誌や新聞などを通じ、制度のPRを行ってまいりましたが、依然として経済的負担が大きいことや周知が十分行き届いていないことなどから利用実績が伸びてない状況でございます。

 今後、所有者の一層の負担軽減を図るため、木造住宅耐震化促進事業も含め、制度の利用拡大に向けた見直しを検討するとともに、引き続き、県民に対する周知に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 部長、少し聞きたいんですが、するんですか、しないんですか。ちょっと済みません。最後の方、ちょっと耳が悪いもんで。よろしくお願いします。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 制度的には、議員おっしゃる二段階というのは可能だと思っておりますけれども、そのほかにもいろいろ課題があると思っております。やはり、先ほど申し上げました経済的な負担の問題、そして周知の問題ございます。それらも含めまして、検討させていただきたいと考えております。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 ありがとうございました。

 よろしくお願いいたします。

 次に、教育問題についてお尋ねします。

 まず、私の率直な印象として、教育委員会の本会議の答弁を聞いていると、慎重な余り、そっけないものが多いと感じています。教員採用問題以来、萎縮しているのか、十分に情報を開示しない傾向があるのではないかと危惧していますが、どうか、真摯で丁重な答弁を求めます。

 近年、さまざまな病気等によって長期間にわたり学校現場で勤務できない教員が多い実態が全国的に問題となっています。特に、メンタル面での不調を原因とする長期休職者がふえていると言われています。

 そこでまず、大分県内の状況について教育委員会にお聞きします。

 県内の小、中、高校等において病気等により勤務できない教員は、現在、何人でしょうか。また、その病名はどのようなものがあるのか、あわせてお尋ねします。

 また、こうした長期病休教員を補うべき代替教員や一年近く前から当然予想される産休、育休代替の臨時教員などが十分に確保されないことが多く、学校現場は右往左往してやりくりしているとも聞き及んでいます。

 学級運営、PTAとのあつれき、学力向上に向けた指導、研修などに日々追われる教員や学校現場の多忙な実態について、県教委は十分把握しているのでしょうか。

 現場の教員に聞いてみると、文部科学省、県や市町村教委などから学校におりてくる調査等が多過ぎるという声をよく耳にします。一件当たりは小さくても、積もり積もってくると、日々、調査の対応に追われてしまうとのことです。このように何かと非効率な学校運営の現状に対しては、民間公募で着任した校長先生の話からも、環境改善に向けた提案が上がってきているとの話も聞いています。

 もちろん、教員の資質についても考えていかなければなりません。資質に欠ける教員がさまざまな問題を起こし、社会的な非難を浴びていることは大変残念な事実です。

 また、過去には、教職員組合による独善的な活動によって、教員が制約を感じるなどして、教育現場に閉塞感を生じたという批判もありました。

 このように学校運営には改善を要する点が多いわけですが、いずれにせよ、教育は、将来、日本の発展を支える人材育成にかかわる重要な仕事です。このままでは、一人一人の子供たちの将来には、大きな不安を覚えます。一刻も早く、教育現場の正常化を求めます。

 いかにして児童生徒たちが健全にたくましく育つ学校環境を提供し、失敗を恐れず挑戦できるよう支援していくのか、教育委員会、教員組合、PTA、学校現場などがお互いの立場を尊重しながら、今こそ一丸となって本気で取り組むべきだと思います。県教委の具体的な方針をお聞きします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 二点、ご質問ございました。

 まず、病気休職、休暇教員の状況についてでございます。

 県内の小、中、高校、特別支援学校において長期の病気等により休職や病気休暇をとっている教員は、二十五年十一月一日現在、百十二名です。そのうち、精神疾患が七十四名、それ以外の一般疾病が三十八名です。

 一般疾病三十八名の内訳は、がんが十八名、脳血管疾患が五名、切迫流産が三名、難病が三名、その他が九名となっています。

 次に、学校運営のあり方についてご質問ございました。

 教育行政の推進に当たっては、学校現場の実態や課題を把握しながら進めているところです。

 学校運営の効率化については、教育次長をトップとする「学校現場の負担軽減プロジェクトチーム」が毎年学校を訪問して教職員と協議を行い、会議や研修の精選など業務の見直しを行っています。

 現在進めている芯の通った学校組織への取り組みの中で、公立学校に校長の学校運営における判断を補佐する運営委員会を設置したところであり、すべての小中学校を継続的に訪問して指導、支援を行う中で、学校運営にかかる意思決定が効率化されたなどの声を多く聞いています。

 また、移動教育委員会や地域別意見交換会を実施し、市町村教育委員会、学校、PTA、自治会代表者等と学力向上や学校運営などについて意見交換を行っています。

 臨時講師の確保や教員の質の向上についても重要な課題と考えており、県内外での採用試験の受験の呼びかけや授業力の向上等に努めているところです。

 今後とも、子供たちが夢に挑戦し自己実現を図ることができるよう、市町村教育委員会やPTA等と緊密に連携しながら、さまざまな課題に真摯に取り組んでまいりたいと考えています。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 教育長、ありがとうございました。

 私はいつも話聞いとるんだけれども、学校の現場とか先生とか、皆さんと話すと、子供の意見は全然入ってこんのです、この中には。私はずっと、先ほど深津先生が話しよんときも、こうやこうやという。仕事頑張っとることはわかるんですけれども、子供の中に入って、教育長そのものから、子供から、こういう、吸い上げたものが全然ないんじゃなということを感じたんですけれども、今回、これを機会に、ひとつ、子供の意見も少し耳に入れていただけたらいいんかな、このように思ったんですけれども、いかがでしょうか。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 子供の意見ということでは、実はせんだって、高校の関係で鶴岡高校に参りまして、生徒会の高校生から統廃合に当たっての意見を伺いました。小中学校を訪問したときには、給食を一緒に食べたりして、ちょっとお話をする機会もございます。学校を訪問した機会に、もうちょっと子供と話をする機会をつくりたいというふうに思います。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 ありがとうございました。

 それでは、最後になりますけれども、大分市の戸次地区に計画されている民間企業による産業廃棄物最終処分場建設計画について、四回目の質問をします。

 この計画が表面化してから既に数年が経過しましたが、これは戸次地区の住民には到底受け入れることのできないむちゃなものであります。

 この地は、水量豊かな大野川水系と合わさって地下水脈が延々と通っており、湿地帯の特性を有しています。一昔前は頻繁に水害に見舞われたものですが、この豊沃な農地は地元の皆さんにとってかけがえのない永遠の財産であり、その破壊にもつながる産廃処分場の建設は断じて阻止しなければなりません。

 ここ最近は重立った動きはないものの、現在、この処分場建設計画はどうなっているのか、地元の抱える不安はいまだ解消されたわけではありません。

 この産廃処分場に関する許認可は中核市である大分市の権限となっていますが、市当局は既に当該民間業者に対して六十項目にわたる質問書を送付しておりますが、全く回答がない状況とお聞きしています。そんなずさんな業者の計画申請は直ちに却下するよう、県としても大分市との間で、いま一度真剣に協議を行うべき段階にあると思います。

 この間、地元は、反対運動を継続せざるを得ず、そのための経済的な負担も生じ続けているところです。市のみならず県も含めて行政機関には、権限の有無とは別に、問題をいたずらに長期化させず、住民の不安を迅速に解決させる責任があるのではないでしょうか。早期解決に向けた対応を強く求め、県の見解を伺います。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 お答えします。

 大分市とは、県廃棄物処理計画推進協議会を二カ月に一回程度開催し、最終処分場設置計画の進捗状況や県外産業廃棄物対策などについて協議を行っています。

 戸次地区の最終処分場設置計画に係る事前協議の進捗状況についても、今年度、既に三回協議を行ったところです。

 また、大分市は、今年三月、県の方針に沿って、残余容量が確保されている最終処分場の設置抑制などを内容とする産業廃棄物適正処理指導計画を策定し、周辺地域の生活環境への配慮や周辺住民の理解と協力を得ること等を内容とする整備方針を定めました。

 このような中、事業者の方は、最終処分場建設について周辺住民の理解と協力が得られておらず、また、二十二年十月の大分市の事前協議に基づく質問、指摘に対しても、依然として具体的な回答をしていないままとなっています。そこで大分市は、県との協議を踏まえ、指導要綱に基づき、事前協議の取り下げについて事業者の指導を始めたところであります。

 今後とも、大分市とは、協議会を活用して、十分な情報交換や助言等を行いながら、連携して産業廃棄物の諸課題に取り組んでまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 部長、何といいますか、これはもう数年たってるんです、十数年たってます。そのような中で、今、大分市が許認可を持っておるということで、県の方がちょっと引っ込み思案になっているんじゃないか。私は、こういう問題が続いてきて、これだけ私がするというのも、ちょうどその下に農地が、百町歩以上の面積が広がるんです。あれが、まあ十年、二十年はいいと思うんです。五十年ぐらいたったときに、この廃棄物が汚水として地下水脈を通ったときに、これが田畑に使われるようになったときに、早く言うとアスベストが中に保管されるということであります。このようなものが今度は何百年も続いて汚水としてなったときに、せっかくすばらしい農地が台なしになる、これを恐れて皆さんは反対してるんです。

 部長、悪いですけれども、一〇号線、これ、吉野の方へ上がっていくところあるですね、ずうっと、梅が丘、トンネルのもとへ。あの旗見てください。そして、あの小学校のところあるですね、ずうっと、美園団地の裏が。あの旗見てください。長くもたないんです。このごろ、また新しいのつけてるんです。だから、そういうお金がすごくかかってるんです。地域の人、それで難儀しとるんです。だから、経済的にもお金がかかってるんですということなんです。そして、皆さん、頻繁に寄りもしてます。ぼちぼち、県の指導、しっかりとした指導があってもいいんじゃないですか。私はそう思ってるんです。

 そこで、企業に来いというわけじゃないんですけれども、いつごろまでにめどが立ちそうですか。そこをちょっと聞きたいです。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 お答えします。

 先ほどお答えしましたように、この事業者の方、戸次に最終処分場の建設計画について大分市に提出しておりました事前協議書、これについて大分市は、県との協議を踏まえて、取り下げの指導を始めたところです。

 私も現地を見てきましたけれども、議員、先ほどおっしゃってたような旗もたくさん見ました。

 今後は、この事前協議の取り下げの指導の方向でこの事案は処理されていくものと思っております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 大変ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 今回の質問で、心残りが多少ありますけれども、またの機会にまた質問したいと思います。いろんな問題を抱えますけれども、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)



○近藤和義議長 以上で油布勝秀君の質問及び答弁は終わりました。

 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○近藤和義議長 ご異議なしと認めます。

 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。

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○近藤和義議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。

 次会は、明日定刻より開きます。

 日程は、決定次第通知いたします。

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○近藤和義議長 本日は、これをもって散会いたします。

     午後三時十三分 散会