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平成25年 第2回定例会(6月) 06月27日−04号




平成25年 第2回定例会(6月) − 06月27日−04号







平成25年 第2回定例会(6月)



平成二十五年六月二十七日(木曜日)

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 議事日程第四号

     平成二十五年六月二十七日

           午前十時開議

第一 一般質問及び質疑、委員会付託

第二 第八四号議案及び第八五号議案

   (議題、常任委員長の報告、質疑、討論、採決)

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 本日の会議に付した案件

日程第一 一般質問及び質疑、委員会付託

日程第二 第八四号議案及び第八五号議案

     (議題、常任委員長の報告、質疑、討論、採決)

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 出席議員 四十二名

  議長        近藤和義

  副議長       田中利明

            阿部英仁

            志村 学

            古手川正治

            後藤政義

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            吉冨幸吉

            平岩純子

            江藤清志

            久原和弘

            小野弘利

            元吉俊博

            井上伸史

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

            竹内小代美

 欠席議員 一名

            渕 健児

 欠員   一名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     岩崎哲朗

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      島田勝則

  企業局長      坂本美智雄

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     大沢裕之

  企画振興部長    塩川也寸志

  福祉保健部長    平原健史

  生活環境部長    冨高松雄

  商工労働部長    西山英将

  農林水産部長    工藤利明

  土木建築部長    畔津義彦

  会計管理者兼

            小野嘉久

  会計管理局長

  人事委員会

            城 尚登

  事務局長

  労働委員会

            安東忠彦

  事務局長

  財政課長      長谷尾雅通

  知事室長      岡本天津男

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     午前十時二分 開議



○田中利明副議長 これより本日の会議を開きます。

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△諸般の報告



○田中利明副議長 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。

 第八四号議案職員の給与の特例減額に関する条例の制定について及び第八五号議案特別職の常勤職員及び教育長の給与等に関する条例等の一部改正については、地方公務員法第五条第二項の規定により人事委員会の意見を聴取した結果、やむを得ないと考える旨、文書をもって回答がありました。

 以上、報告を終わります。

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○田中利明副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第四号により行います。

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△日程第一 一般質問及び質疑、委員会付託



○田中利明副議長 日程第一、第七二号議案から第八五号議案まで及び第一号報告、第二号報告並びに第一号諮問を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。守永信幸君。

  〔守永議員登壇〕(拍手)



◆守永信幸議員 皆さん、おはようございます。二十番、県民クラブ、守永信幸です。

 なかなか準備不足のまま登壇するような気持ちで、きょうは非常に緊張してるんですけれども、ぜひ執行部の皆さんには、その辺をお酌み取りの上、よろしくお願いしたいと思います。

 まず最初に、子供の貧困問題についてお尋ねしたいと思います。

 きのう河野議員も質問に取り上げられた課題ですので、子供の貧困の定義や、また、きのう閉会した国会において成立しております子どもの貧困対策の推進に関する法律の内容などについては、ここでは割愛させていただきますけれども、近年急増しております子供の貧困の問題、これはもう、低賃金で働かされる労働者がふえてきた、それが大きな原因だろうというふうに思われます。

 子供の貧困については、国の調査も行われてきたようですけれども、本県分の調査に関して、県がかかわっているのであれば、今後の施策検討に活用できるものと考えますので、そこで、このような子供の貧困問題について、本県における状況についてお伺いしたいと思います。

 次に、あしなが育英会という、病気、災害等で親を亡くした遺児たちの皆さんに奨学金を貸与して高校や大学への進学を支えている団体があるんですが、このあしなが育英会が毎年、遺児家庭の生活の実情を調査してるんです。

 私の手元に二〇一一年十一月に行われました緊急アンケートの調査結果があるのですが、全国の高校生遺児の保護者二千五百八十五人が回答しているんですけれども、これらの世帯の月給、手取り額については、回答欄に記入のあった方が千五百四十八世帯、そのうち十五万円未満しか収入がないと回答したのが九百六十六世帯、率にして六二・四%といった状況でした。平均額としては十三万四千三百八十九円。父子世帯、父親と子供の世帯の平均額が十九万一千三百七十四円、障害者世帯、親を亡くしてないんですけれども、病気等によって親が障害を負って働くことができないといった世帯の場合に十三万八千五百七十八円、母子世帯で十二万四千九百六十二円。また、地域別に平均額を見たときに、北海道で十二万五千六円、東北で十二万四千六百四十八円、九州・沖縄では十二万三千四百四十一円という状況でした。そういった状況の中で、教育費が不足するという回答が全体の六五・二%にも上っています。

 また、子育てや教育の問題について、さまざまな課題、回答を求めたときに、「洋服や靴など用意できない」と答えた方が四五・一%、「お小遣いなどがあげられない」四五・一%、「子供にアルバイトをさせた」三〇・六%、「教育費不足で学習や進学意欲の減退が見られる」というのが二三・八%、「上の子が弟や妹のために大学進学を断念した」というのが一〇・四%、「修学旅行、クラブ活動に不参加」というのが九・二%といった回答が寄せられています。

 これらの調査結果は、あしなが育英会から奨学金を受けている高校生の家庭の実態という状況ですから、ケース的には限られてしまうわけですけれども、子供の貧困を改善するには、雇用の確保、所得の引き上げ、また、さまざまな給付といったものしかないのかなというふうにも考えるところでもありますが、現在行われている国の対策と大分県における対応状況がどのようになっているのか、教えていただきたいと思います。

 次に、この子どもの貧困対策の推進に関する法律については、残念ながら改善の数値目標的なものは盛り込まれていません。今後、この法律をもとに国からの指導や助言があるとは思われますけれども、「この新たな法律に基づく県計画の策定に向けて検討を進めていく」との答弁が昨日ありましたけれども、現状をしっかり把握して計画を策定するということが大切だと考えますが、今後どのようにされるおつもりでしょうか、お尋ねしたいと思います。

 また、これらの対応にはかなりのマンパワーが必要になるのではないかと思います。対応できる人員配置や人材養成については、内容に応じて十分な対応ができるようご配慮いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 あとについては、対面席の方から質問させていただきます。よろしくお願いします。

  〔守永議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○田中利明副議長 ただいまの守永信幸君の質問に対する答弁を求めます。平原福祉保健部長。

  〔平原福祉保健部長登壇〕



◎平原健史福祉保健部長 私の方から三点についてお答えをさせていただきます。

 まず、子供の貧困問題についてでございます。

 子供の貧困につきましては、平成二十二年に厚生労働省がサンプル調査を行っており、貧困率は一五・七%とされておりますけれども、県単位の貧困率につきましては、サンプル数の関係から算出されておりません。

 今回の子どもの貧困対策の推進に関する法律において、「国及び地方公共団体は、子どもの貧困対策を適正に策定し、及び実施するため、子どもの貧困に関する調査及び研究」を行うこととされています。こうした法の趣旨を踏まえ、今後、必要な実態把握を行っていきたいと考えております。

 次に、子供の貧困対策についてお答えをいたします。

 子供の貧困対策といたしましては、教育面では、義務教育段階の放課後等における補充学習として「学びの教室」などの支援を行っています。また、高校の授業料について、無償化や減免の制度を設け、負担の軽減を図っています。加えて、奨学金の貸与も行っているところです。

 また、保護者への就労支援といたしましては、国は、生活困窮者を対象とした就労支援や求職支援訓練などを行っています。県においても職業訓練を実施しているところです。

 さらに、経済的支援としては、国は、児童手当などの現金給付の制度を設けており、県は、低所得者世帯等を対象とした貸付金制度の実施や子供に対する医療費助成事業を行っています。

 このほか、ひとり親家庭における子供の貧困の割合が高いことから、県では、こうした世帯を対象に、職業訓練の実施や母子自立支援員による相談などの就業支援、医療費助成や貸付金による経済的支援などを行っています。

 最後に、子どもの貧困対策の推進に関する法律についてお答えいたします。

 法では、「県は、政府が定める大綱を勘案して、子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努める」こととされていることから、県計画の策定に向け、実態把握を含め、検討を進めるとともに、法の趣旨も踏まえ、教育、生活、就労などの支援に、関係部局と十分に連携を図りながら取り組んでいきたいと思っております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 ありがとうございます。

 きのうの河野議員の質問でも、答弁の中で、補充学習などの学習支援、また、奨学金や資金の貸し付け、就学支援といった経済的な支援、また、相談事業などが現在でも行われているという回答もございましたし、先ほどの部長の答弁でも、そういったことだったわけなんですけれども、そのような中で、大分県において子供の貧困問題が存在しているとの認識を持っているのかどうか、お伺いしたいんですが。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

 県や市町村の母子自立支援員等へ寄せられた相談の中には貧困に関することが一定程度あることから、大分県においても、こうした子供の貧困問題が存在するというふうに認識をしております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 ぜひそういう実態をきちんと把握できるように、今後取り組み、実態把握の方をよろしくお願いしたいと思います。

 それと、子供の貧困問題については、ここ数年、大きな問題として報道等でも取り上げられていますけれども、市町村独自でこれらの問題に取り組む事例も耳にしています。

 きのうの河野議員の質問に対する答弁では、さまざまな制度があるといった答弁があったわけですけれども、その市町村独自の取り組みとして一つ挙げられますのが日田市の事例なんですけれども、日田市では、教材費保護者負担軽減事業という子育て支援の事業を行っています。これ、二〇一二年までの取り組みを見てみますと、副読本、テスト、ドリル類、ノート、学習帳の購入代として、小学生一人当たり六千五百円から八千五百円、中学生では九千五百円から一万七千円が公費で負担され、そういった教材が現物給付されているということなんですけれども、保護者の負担軽減がこのように図られているということです。

 市において、住民、子供たちの学ぶ権利を守るために、いち早く支援の手を差し伸べているということに、私としても敬意を表したいと思いますし、原田日田市長が筑紫哲也氏とともに取り組まれてきた自由の森大学という市民大学の、学ぶことをとうとぶ、そういった精神がそこにあるのかなというふうにも感じるところであります。

 広瀬知事も日田市出身なんですけれども、このような取り組みについて、知事のお考えを伺いたいと思います。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 守永議員には、子供の貧困対策について大変ご心配いただいておりますけれども、そのうち、やはり、教育の問題というのは大きな課題だというふうに思っております。

 義務教育段階における要保護あるいは準要保護児童生徒に対しまして、学校教育法に基づきまして、市町村では、学用品、あるいは給食、修学旅行などの修学援助が行われているわけであります。さらに、大分県にある十八市町村のうちの十七市町村におきまして、体育だとか、道徳などの副読本を児童生徒に無償で配布したり、あるいは教室に備えつけるといったようなことで支援をするというようなことが行われているわけであります。

 県といたしましても、教育の機会均等の精神に基づきまして、すべての児童生徒が義務教育を円滑に受けることができるように、市町村において適切な対応が行われることをぜひ勧奨していきたいというふうに思っております。

 県教育委員会と連携して、子供の教育力向上について、引き続き努力をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 ぜひ、そのような就学支援制度も含めて、お金がないからその教材が買えないというようなことが生じないように、県としてもバックアップできる体制を考えていただければと思いますので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。

 では、次の質問に移らせていただきますけれども、地域経済の状況についてなんですが、アベノミクスの評価はさまざまあるわけですけれども、期待感も含めて、いろんな影響が企業に与えられているんじゃないかというふうに思います。

 大分県では、五百社訪問として、各企業を職員が訪問する取り組みが続けられていると思うのですが、企業を訪問して感じる景気動向や県下の企業の特徴的な状況について、概略的に教えていただきたいと思います。

 大分県がことしの三月に発表した平成二十二年度大分県県民経済計算では、一人当たりの県民所得は、二〇〇三年度の二百八十万円から毎年下がり続けて、二〇〇九年度の二百三十四万円を底に、二〇一〇年度二百四十七万円と、ようやく回復傾向に移行したのですが、二〇一一年度には、東日本大震災によるサプライチェーンの寸断やタイの水害、そういったものの影響、さまざまな要因によりマイナスが心配されたところでもありますし、また、昨年は北部九州豪雨災害も発生したわけですが、現時点での大分県下の景気の情勢をどのように観測し、どのような対策を検討しているのか、お伺いしたいと思います。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 お答え申し上げます。

 まず、企業の景況感でございますけれども、ことし四月から六月に五百社訪問いたしました。五百社訪問では、景気の明るさを感じる企業の割合が、昨年秋の調査に比べまして、約一・四倍にふえておりました。

 そして、今後、半年先の景況感についてもお尋ねしたところ、「よくなる」と回答した企業の割合は、昨年秋の調査時から倍増でございました。

 個別には、石油精製、化学、鉄鋼など高い稼働率が続いている企業もございますが、他方で、造船のように、世界的な供給過剰状態を受けまして、受注環境が厳しくなっているという声もあるところであります。

 また、為替につきましては、円高是正によって原材料調達コストの増を心配する向きもございました。他方で、輸出型産業や観光業では有利に働いているという声も聞こえたところであります。

 そして、このように県内企業の景況感は、全体として改善しているけれども、一部に厳しい声もあることから、今後とも現場主義を徹底し、企業との対話に努めるとともに、景気の動向について注視していきたいというふうに考えております。

 次に、景気浮揚対策についてでございますけれども、災害等の影響ということでありますと、東日本大震災、そして九州北部豪雨という、県内企業の経済活動に一時的に大きな影響を及ぼしたことは確かでありますけれども、他方で、企業の西日本への生産体制シフトとか、あるいは迅速な復旧復興対策の実施によって、結果として経済面の一部押し上げ効果があったと考えられるところもございます。

 そして、県内の現下の景気情勢ですけれども、今後は、公共事業発注の本格化とか、円高是正に伴う生産、輸出の増加が県内の消費や投資の拡大に波及し、本県経済の改善につながるように期待しているところであります。

 本年度当初予算では、いわゆる十三カ月予算によって格段の景気対策を講じたところでありますけれども、今回の補正予算案でも、経済波及効果の高い大規模イベントの誘致や、消費喚起と地域内の経済循環創出を図る商工会等による商品券発行への支援経費などをお願いしているところであります。

 そして、これらとあわせ、引き続き県内企業を支える中小企業へのしっかりとした支援策や、あるいは産業集積の高度化を図るための県としての成長戦略、こういったものにしっかりと取り組んで、県内景気の浮揚に努めてまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 ぜひそのような取り組み、県下各企業の元気づくりに働くようにお願いをしたいと思いますが、一つは、五百社訪問の中でどのような業種を回られているのか、それをちょっと教えていただいてよろしいでしょうか。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 製造業では、化学、石油、それから食品加工業、電気機械、金属製品、造船、輸送機械といった企業で、これは中小企業も含めてでございます。

 それから、非製造業では、土木、建設、卸・小売、それから通信情報、対事業所サービス、対個人サービスといった業種でございます。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 ありがとうございます。

 実は、中心エリアの商店街にお店を持つ経営者の方から伺った話なんですけれども、ことしに入ってから徐々に景気がよくなったかなというふうに思っていたところ、確かに、徐々に昨年実績を上回るような様子はあったらしいんです。だけども、五月の連休明けからさま変わりをしまして、人の動きが全くないと。大分市の中心市街地を活性化していくという話を耳にするけれども、若者に希望を持って生きていける道筋が見えないような気がする。以前に比べて地域をおこす力が弱まっているのじゃないか。これは自分たちの立場、青年部とか、そういった意味だと思うんですが、そういったものが弱まっているんじゃないかと言うんです。

 中心市街地を活性化させる、つくるということは、形から入るだけでなく、そこで生きようとする人々の心を沸き立たせていくことが重要だというふうに考えますので、そのためには、まず、人づくりだというふうに思うんですが、そのような視点を持って中心市街地の活性化対策を考えていただきたいというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 中心市街地、それから自分たちの郷土を盛り上げていくということで、各商工会だとか商工会議所の青年部の方々、お会いしても、皆さん元気に、この地を守り立てていこうという気持ちが非常に強いということを感じます。

 県としても人づくりということは大切だと思っておりまして、特に個々の商人という意味では、豊の国商人塾というのがございますけれども、これは、昭和六十二年に緒方知行さんを塾頭に活動されておりまして、ことしで二十七期になります。その間、六百四十五名の卒業生を輩出しておりますけれども、この商人塾では、単にノウハウを学ぶということだけではなくて、商人、商店街として個々がどういう志を持って将来の大分を守り立てていくかということで、起居をともにしながら、本当の座学、それからセミナーとかをやられているということでございます。これに対して、県としては、セミナーの開催だとか、商人塾の運営経費を一部、少額ではございますけれども、補助するということによって、商人の人づくりということを応援しているところでございます。

 この六百数十名の方々が、今、県内飛び回って、それぞれの地域で盛り上げをやってくれているんではないかと思います。

 それからまた、政策としては、個々の店づくり、商店街の個店の魅力づくりということも支援しておりますけれども、これも単なるノウハウというよりは、商店街の、それから店主の方の意識を変えていくということで、今までイベントをやっても人が入らないなとか言ってたのを、どういう店づくりをやってイメージアップを図ってやったらいいかというのを個々に、経営の、何と言うんですか、気持ちも変えるぐらい入り込んで応援することによって、集客がふえたとか、そういう評価もいただいておりますけれども、今後ともこういう人づくりというところに焦点を当てて、我々も、まちづくり、商店街の魅力づくりを応援していきたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 ぜひ、その人づくりに焦点を当ててという取り組みでお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

 次の質問に移りますが、野生鳥獣の保護についてお尋ねしたいと思います。

 県では、傷病鳥獣対策として、大分県鳥獣一一〇番救護所設置事業というのを実施しています。これは、野生鳥獣の保護と復帰を意図して、傷病野生鳥獣に救護治療を施すものですが、大分県獣医師会が事業を受託して、県下に三十二名の獣医師が救護所の指定を受けているようです。

 メジロなどの、これはもう県の応援団鳥でありますけれども、このメジロなどの野生鳥獣がけがをして飛べない場合に、かわいそうだと思った子供たちを初めとする県民の皆さんが最寄りの指定救護所に持ち込む仕組みになっています。けがをした生き物を助けようと考えるのは、子供たちにとっても優しさをはぐくむきっかけになると思っています。

 現場がどのような状況なのか、獣医さんを訪ねて話を伺ってきました。私が訪ねた動物病院では、年間八十件程度の傷病鳥獣の持ち込みがあるそうなんです。決して希少動物が持ち込まれるというわけではないのですが、巣から脱落したツバメやスズメ、窓ガラスに衝突してけがをしたハトといった動物が多いとのことです。

 昔は、持ち込まれた際に、持ち込んでくださった方に治療代を請求せざるを得なかったようなんですけれども、それではだれも持ち込まなくなるでしょうし、傷病鳥獣対策事業が組まれたことによって、保護した方の負担が少なくて済むようにもなってまいりました。しかし、傷病鳥獣対策の補助対象が限定されていまして、その病院の場合、持ち込まれる半分以上の案件が補助対象外となるそうなんです。それでも区別していくわけにはいかないんで、多くの負担を獣医師が負わなければならないというふうに聞いています。結果的に傷病鳥獣対策事業は、指定を受けた獣医師の皆さんのボランティアによって運営されていると言えるかと思います。

 お話を伺った獣医の先生によると、治療は当然のこととして、放鳥、放獣までのリハビリが多くの獣医師の負担になっていると。入院施設が十分にない動物病院は、指定を受けなかったり、中途で指定救護所をおやめになったりということもあるようです。

 野生鳥獣保護の取り組みについては、今の制度がどのようになっているのか、また、制度の運用の現状がどのようになっているのか、把握しているところをお伺いしたいと思います。

 それと、昨年九月に動物の愛護及び管理に関する法律の改正が行われて、大分県の役割の一つとして、従前であれば、犬または猫の引き取りを所有者から求められたときには引き取らなければならない状況だったわけですが、改正後は、相当の事由がない場合には引き取りを拒否できるなど、飼い主に責任を強く求められるようになっています。

 一方で、県が引き取った犬または猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者の発見、飼養の希望者を募集して譲り渡すように努めることが強く求められています。

 この法律の改正に伴って、引き取った犬や猫の治療や保管が現行の大分県動物管理所で対応可能であるのかどうかが気がかりでして、同施設は、三十年ほど前に狂犬病予防法などに基づいて設置された施設であり、所有者の発見や飼養希望者の募集などで引き取った動物を長期間保護するような設計ではないというふうに思っています。

 法改正に伴い、大分県としてどのように対応されるのか、スケジュールなり、方針についてお伺いします。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 野生鳥獣保護の状況についてお答えいたします。

 県では、平成十四年度から、鳥獣一一〇番救護所設置事業を公益社団法人大分県獣医師会などに委託をし、実施しております。

 対象鳥獣は、本県に生息する在来の野生鳥類及び哺乳類で、原則、有害鳥獣は除外をしております。

 実績でございますが、平成十四年度から昨年度までの十一年間に保護や治療を行った鳥獣は約二千件に上り、年間の取り扱い件数の平均は百八十二件となっており、ほぼ横ばいで推移をしております。

 二十四年度は、十一カ所の動物病院などで、鳥類百五十三件、獣類十六件、計百六十九件の保護、治療を行い、このうち四一%に当たる、鳥類六十五羽、獣類四頭を自然に復帰させたところであります。

 獣医師会には、対象鳥獣の有無にかかわらず適切な対応をしていただいておりまして、今後とも連携を図りながら、希少種を初めとした野生鳥獣の保護に努めていきたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 動物愛護管理法の改正に伴う対応についてお答えします。

 法改正に伴い、殺処分を減らし、できるだけ譲渡に努めることとなりましたが、そのためには犬や猫を長期間飼育する必要があります。現行の動物管理所では、一時保管する設備はあるものの、長期間飼育する設備としては十分ではなく、動物管理所や保健所における飼育体制や譲渡方法等の検討が必要となってまいります。

 そこで、今年度、動物愛護関係者、教育関係者、獣医師等で構成する大分県動物愛護推進体制のあり方検討会を新たに設置し、飼育体制や譲渡方法等、法改正に伴う必要な体制について検討していくこととしております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 県内での状況等についてはわかりました。大変ありがとうございます。

 今、大分県動物管理所の機能として十分でないという答弁もありましたけれども、法改正に伴って、その法律にのっとった形で施設を整備しなければならないものであれば、予算的にはかなり厳しい状況はあるんでしょうけれども、ぜひ、そういった建て直し等も視野に入れて検討していただきたいと思いますし、あり方検討会がこれから開かれるというふうなお話でありましたけれども、そのときに、今、動物一一〇番のお話もしましたけれども、獣医師が本当に困っているのは、治療して、その治療したものをそのまま預かった、受け取った病院が、放鳥できる、いわゆる自然に帰せる状態になるまで預からなきゃいけない、飼養しなければならないというところが非常に負担になっているんです。

 かなりの件数、先ほど比率でおっしゃられてますけれども、半数近い動物については、預かったものの、治療を施したものの、復帰できずに、死なせてしまっていると。で、埋葬するというふうなことになっているわけですけれども、中には、八年ぐらい、ずうっと飼い続けているけがをしたハトとかいるみたいなんです。そうなると、かなりの負担になります。そういった負担を獣医師たちのボランティアに任せるのではなく、やはり県としても何らかの形で関与していくべきではないかとも思いますので、そういった、いわゆる犬、猫の保護施設について検討する際に、ぜひ農林水産部の関係部局ともあわせて、有効的に活用できるような施設のあり方についても検討していただけたらと思うんですが、その点いかがでしょうか。



○田中利明副議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 動物愛護管理法で対象とする動物は人が飼育している動物ではありますけれども、これを野生鳥獣保護にまで広げていくかどうか、本年度新たに設置するその動物愛護推進体制のあり方検討会には野生鳥獣保護にかかわっております獣医師さん等も含まれておりますので、検討会で、その中でどのような議論がなされるか、その議論を見守りたいと思います。

 以上でございます。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 ぜひ真摯なご検討をお願いしたいと思います。

 次の質問に移りますが、七月一日から来年の三月末までの間、県職員等の給与を特例的に削減することについて、労使による協議が行われ、去る六月十八日に知事と職員団体との間で交渉を行い、合意に至ったと伺いました。

 そもそもこの問題については、二〇一三年度の地方財政計画の中で、地方公務員の賃金を国家公務員と同様に削減することを前提として、地方交付税から平均七・八%分の財源が削られたことに端を発しています。

 この問題については、全国知事会でも「大義名分がない。地方は国を上回る行財政改革をやっている」と強く反発をしてきた経緯もありますし、広瀬知事も、国に対して、交付税削減をしないようにたびたび要請されたとも伺っています。

 現に、大分県では、二〇〇四年度から二年九カ月もの間、職員給与二%削減を行いましたし、二〇〇四年度から二〇一一年度までの八年間で、合計千三十人、率にして一七・九%もの人員を削減してきています。

 また、第一回定例県議会においては、「地方自治体の主体性の保証を求める意見書」をこの県議会でも採択しております。

 国は、地方交付税の使途を限定してはならないにもかかわらず、一方的に賃金削減を前提にして予算化しており、これは地方自治そのものをないがしろにするものと考えられます。このことに関しては、広瀬知事も国に強く異議を唱えておられたと思います。

 国の予算成立後は、来年度予算に向けて、このようなことが繰り返されないように訴えておられたというお話も伺っていますが、そこで改めて、国の地方交付税の取り扱いについてどのように思われるか、知事の見解をお伺いしたいと思います。

 この地方交付税削減により生じた財源と財政調整用基金確保の考え方についてなんですが、今回、広瀬知事は、財政の健全性の確保の観点から、国の意向を踏まえて、職員組合に給与削減の提示をされたわけです。

 今回の提示についてマスコミで報道される際に、既に実施されている国家公務員の給与削減が紹介されて、国家公務員の給与削減分が東日本大震災からの早急な復旧と復興を図るための財源として使われると紹介されていました。国が国家公務員の給与を削減しようとした際に、それだけではないにしても、そのような趣旨が強調されたのは確かですし、また、給与削減と同時に、国家公務員に労働基本権を付与する法案の成立を目指す動きも背景にあった状況があります。

 一方、今回の地方公務員の給与削減の国からの要請に当たっては、給与削減額見合いで、防災減災事業と地域の活性化等の緊急課題に対応するための経費が地方財政計画に計上されており、国家公務員の削減分の扱いとはちょっと異なる事情があるというのは知事もご存じだと思いますが、しかし、県民の皆さんにはそのような情報が正しくは伝わってはいません。報道等でも、常に国家公務員の削減の取り扱いが紹介されたために、ほとんどの方が地方公務員の給与削減分も東日本大震災の被災地復旧、復興に使われるものと誤解されているようです。大分県民の多くは、東日本の復興を進めるためなら、公務員は賃金削減ぐらい我慢しろという雰囲気にあるのではないかと私は感じています。しかし、この削減による財源は全国ベースでいいますと約九千億円になるわけですけれども、東日本の被災地への支援予算ではなく、全国各地域における防災減災予算に約六千億円が充てられ、地域の活性化に約三千億円を充てるという内容になっていますし、地域の元気づくり事業に関しては、大分県には約十八億円ほどが地方交付税で措置されると見込まれているようですが、この財源は今回の補正予算や当初予算の新規事業に活用されたとも伺っています。

 防災減災対策でも、本県では既に当初予算で二百四十四億円余りが計上されています。その結果、県の当初予算では、地方交付税が削減されたことから、財政調整用基金、つまり、県の蓄えた貯金を大きく取り崩さざるを得なかったわけですが、職員給与を削減しないために、県の貯金が取り崩されたままでは、県民の皆さんの理解が得られないのではないかと知事が心配されたようです。

 職員の働きぶりや地方公務員の給与の決定原則、人事委員会の勧告を踏まえてといった決定原則を考えれば、職員の給与を守るために基金を大いに活用していただきたいという思いも私としてはあったわけなんですが、今回の地方交付税の削減については、人件費の削減をターゲットとした国のこのような手法でしたから、人件費をカバーするために基金を取り崩すということにダイレクトにつながってきたわけですが、単に交付税が削減されただけであれば、使途を検討した上で、必要に応じて基金を取り崩すかどうかといった判断もできたはずなんです。地方交付税の趣旨を考えれば、配分の積算手法としての指針は別として、使途を制限せず、地方自治体の自主性を尊重するよう今後も強く求めていかなければならないというふうに考えます。

 本県のように財源の三割近くを地方交付税に依存する地方自治体は、地方交付税の算定のあり方次第で厳しいやりくりをせざるを得ません。財政担当者のご苦労はよくわかりますし、持続可能な財政基盤を確立するために三百億円の基金確保が必要と言われる意味もよく理解しているつもりです。国から突然、地方交付税の算定見直しをされ、大幅に削減された場合に身動きがとれなくなって県民サービスに不都合が生じることを心配されているのだというふうに思っていますが、職員の賃金は、行政サービスを支えるものでありますし、安易に削減されることがあってはならないと考えます。優秀な人材を確保し、質の高い県民サービスを提供し続けるためにも、本来の給与決定原則に基づき、職員の給与水準を確保することが必要と考えます。

 基金の三百億円が維持できないからといって、直ちに給与を削減するという考え方ではなかったというふうにも思っていますが、改めて職員の給与と基金の関係について知事のお考えを伺いたいと思います。

 今回の職員団体との交渉の妥結に当たって、職員団体の代表者から、「給与の削減という痛みを受け入れると同時に、公務に対する責任を引き続き担う覚悟である」、そういった発言があったというふうに伺いました。県の職員や教員の強い使命感のあらわれであろうというふうに思います。

 一昔前の話になりますけれども、私の同僚であった農業改良普及員の女性職員なんですが、台風通過の直後に農家の被害状況を把握するために職場に駆けつける、そのときにお子さんから、「こんなときに仕事に行かなきゃならないの」と聞かれて、「これがお母さんの仕事だから」、そのように答えて家を出たと話してくれたことがあります。

 どのような状況にあっても、県民の皆さんに行政の責任を果たし得るのは、自分の職責を全うしようとする多くの職員が持つ、公務員魂とでも言うんでしょうか、それがあるからだろうと思っています。とりわけ、昨年の九州北部豪雨災害からの復旧、復興や、景気対策としての公共事業の増加等によって職員の負担も大きく増大しています。このような厳しい状況にある職員に対し、知事はどのような思いでおられるのか、改めてお聞かせいただきたいと思います。

 また、今回、県職員等の皆さんの協力を得て、交付税削減に対応していくわけですが、市町村についても同様の地方交付税削減がなされているわけですが、市町村に対する指導は県が行うことになると思われますけれども、国のやり方に対して知事が反感を持たれたように、国と同様の指導を市町村に対して県が行えば、市町村の地方自治の自主性をないがしろにしてしまうことにもなってしまいます。

 地方自治の本旨を大切に思われるのであれば、各首長や各議会の自主的な判断にゆだねるべきだろうと考えますが、今後の市町村に対する指導をどのように考えておられるでしょうか、お伺いしたいと思います。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 ただいま、このたびの臨時、特例としての給与減額について種々ご質問を賜りました。

 初めに、地方交付税の削減というやり方でこれを押しつけてきた国の方針についてのご質問でございました。

 大分県は、国や他県に先駆けまして行財政改革に積極的に取り組んでまいりました。とりわけ総人件費の抑制につきましては、行財政改革プランや中期行財政運営ビジョンに基づきまして、大幅な定数削減や級別職員構成の見直しなど前広に取り組んでまいりました。加えて、平成十六年七月から二年九カ月間でしたけれども、臨時、特例的な措置といたしまして給料カットを行い、これまでに約四百五十五億円の削減効果を上げてきたところであります。

 このように、本県を初め、地方のこれまでの行財政改革の努力を考慮いたしますと、国が二十四年度から独自に給与の減額を行っているからといって、地方も減額することにはならないのではないかと、累次にわたり国に申し上げてきたところであります。

 ことし一月には、九州地方知事会長として、また、大分県知事として、副総理兼財務大臣や総務大臣に直接お会いして、我々の主張を訴えてきたところであります。それにもかかわらず、二十五年度地方財政計画におきまして、地方公務員給与の減額を前提に給与関係経費が削減され、地方交付税や義務教育費国庫負担金が大幅に削減されたわけであります。

 もとより、地方公務員給与は、給与の公民比較に基づく人事委員会の勧告を尊重すべきだという基本姿勢に立ちまして、職員団体との話し合いを経て、議会の議決をいただいて決定するという仕組みであります。

 また、地方交付税は地方固有の財源でありまして、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地域において標準的な行政サービスを提供できるよう財源を保障するというものであります。

 したがって、国が一方的に給与減額を前提として、地方交付税等の削減とあわせて給与減額を要請したということは、その内容も手法も遺憾であると、これまでも申し上げてきたところであります。二度とこのようなことがないように、先日も、上京して、県選出国会議員や総務大臣などに要請をしてきたところであります。

 今後も、機会をとらえまして、また、全国知事会なども通じまして、強く要請をしていきたいというふうに考えているところです。

 次に、職員給与の財源と財政調整用基金についてのご質問でございました。

 財政調整用基金は、経済事情の著しい変動によりまして大幅な収入減が生じた場合や、災害発生など突発的な支出増加を余儀なくされる場合に、歳入または財源不足を埋め、県民サービスに影響を与えないように、持続可能な財政運営を担保する役割を担っております。

 例えば、平成十六年度当初予算では、いわゆる交付税ショックというのがありまして、二百五十二億円もの地方交付税等が削減され、大幅な歳入不足が生じましたけれども、基金を活用して、県民サービスの低下を招くことなく、危機的状況をしのぐことができたわけであります。

 一方、職員の給与は、先ほど申し上げた給与決定原則によって決められるべきものであると考えております。

 今回は、基金三百億円を割り込むから直ちに給与を減額するということではなくて、給与の減額を前提として地方交付税等が削減されたことも踏まえまして、給与関係財源の削減には、やはり給与の減額で対応して、持続可能な財政基盤を確保しなければならないというふうに考え、やむを得ず、臨時、特例的な措置として給与を減額するというものであります。

 いずれにしましても、持続可能な行財政運営のためには基金の安定的な確保が重要であると考えております。

 今回の給与減額について、職員のモチベーションが下がるんじゃないかと私も心配をしております。そのことについてのご質問もありました。

 先ほど申し上げましたとおり、私は、これまで、国や他県に先駆けて行財政改革に取り組んできたところであります。その中には、給料の減額や定数削減等、職員にとって大変厳しいものもありましたけれども、職員は一丸となって取り組んでいただきました。

 現在も、昨年の豪雨災害からの復旧、復興を初め、県民サービスの向上のために、一生懸命、汗を流してくれております。それだけに、今回の減額については思い悩んだところもありますけれども、職員団体と誠意を持って話し合いを行った結果、理解と協力を得ることができたというものであります。

 議員ご指摘のとおり、話し合いにおいて、「厳しい職場実態が続いているので、減額は職員にとって大きな痛みを伴うけれども、県民サービスを低下させるようなことはしない」という旨の発言がありました。職員としての使命感に大変感銘を受けたところであります。

 私は、職員は、県行政や教育行政にとりまして、かけがえのない財産だと考えております。すべての職員に、志を高く、また、意欲を持って、日々の業務に取り組んでもらいたいと考えております。そのためには、職員が心身ともに健康で、持てる能力を十分に発揮できるようにすることや、あるいは、職員が自由闊達に議論できる風通しのよい職場づくりを進めることが極めて大事だというふうに思っております。いろいろ課題があれば組織全体で対応していく、そういう組織の構えも大事だというふうに思っております。

 私といたしましても、職員の思いをしっかりと受けとめて、職員と一緒になって、県民中心の県政の実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。

 もう一つご質問がありましたが、それにつきましては担当部長から答弁させていただきます。



○田中利明副議長 島田総務部長。



◎島田勝則総務部長 お答えいたします。

 市町村職員の給与についてですけれども、これは、最終的には各市町村が自主的に決定すべきものでありますが、本県では、多くの市町村で「わたり」、級別職員構成の偏り、あるいは自宅に係る住居手当など、全国的に見れば既に是正されている課題が多く残っているのが現状であります。そういった現状も踏まえまして、県としては、市町村職員の給与が住民の理解と納得が得られるものとなっているかという観点から助言を行っているところであります。

 その上で、今回、給与減額を前提とした交付税の削減とともに、国から給与減額の要請が行われました。これは、都道府県だけでなく、市町村にも向けられたものであり、全国的な課題であります。

 今回の国の措置に対しては、不満が市町村にも当然あると思います。しかしながら、職員の給与をそのままにすれば、今後の住民サービスの確保に課題が残るということは、県も市町村も同じであります。

 県としては、各市町村において住民の理解と納得が得られる判断がなされるように、引き続き県の考え方や他団体の取り組み状況などの情報を提供するとともに、市町村からの相談に応じるなどの取り組みを行ってまいりたい、このように考えております。



○田中利明副議長 守永信幸君。



◆守永信幸議員 知事には、本当にありがとうございます。

 ぜひそのような姿勢で職員を見守り続けていただきながら、やりがいを持って働ける職場環境というのをつくっていただきたいというふうに思います。

 特に、職員にしてみれば、自分が何のためにこの職についているのか。やはり、県民が喜ぶ姿を見てこそなんです。逆に、県民が喜ぶ姿を見ることによって、どんなに苦労しても報われるという部分があります。そういった中で、ただ、どんなに日々努力しても給与が上がらない、ひいては、このようなときに減額されるということで、どうしてもモチベーションが保てないということもあると思いますので、そういった部分はぜひ、その気持ちを酌み取っていただいた上で、最大限のケアをお願いしたいと思います。

 また、市町村への指導については、市町村の自主性を損なわないようにお願いしたいと思います。

 以上、これで質問を終わります。(拍手)



○田中利明副議長 以上で守永信幸君の質問及び答弁は終わりました。土居昌弘君。

  〔土居議員登壇〕(拍手)



◆土居昌弘議員 五番、土居昌弘。

 大分県豪雨から一年がたちます。また、この季節を迎えました。この一年間の広瀬知事初め、県職員の皆様方の復旧に向けてのご尽力、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

 しかしながら、一年前被災した方々は、その傷がいえないまま、この時期を迎え、また傷を広げられるんではないかと大変心配しております。県としましても、この不安に寄り添い、対策を練って、起こるかもしれない水害への万全の体制を整えていただきたいと願っております。

 では、質問に入ります。

 我が国は、いよいよ本格的な人口減少の時代に突入しております。本県でも全国に先んじて人口減少が続いており、いわば人口減少先進県の一つであります。

 人口減少が続く地域社会の活力を将来にわたっていかに維持し、向上を図るかは、まさに現役世代の我々に重くのしかかる課題であります。よく、問題には回答があるけれども、課題には答えがないとも言われますが、私たちは英知を結集して光明を見出していかなければなりません。

 そこで、私からは、今回、この課題に光を当てていくために、地域政策という観点から質問していきたいと思います。

 まず初めに、地域課題への対応です。

 県の本年度当初予算には、新たに地域課題対応枠として八事業、約二千百万円が計上されております。これは、県内各地が抱える地域特有のさまざまな課題の解決に向けて、県の振興局がきめ細かく取り組んでいこうとする地域限定の予算であり、従来からの県域共通の補助要綱など、同じ枠組みで支援を行っている県の事業のあり方とは発想を切りかえたものになっております。

 佐伯では、東九州道の開通を契機とした誘客策であったり、豊後大野では、市が葉たばこからの転換を推進している里芋の産地育成であったりと、各地で多彩な事業に取り組んでおられます。

 来年度以降もこういう視点で地域政策をぜひ拡充すべきではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。

 また、こういった事業を通じて解決すべき地域課題は、各地域の実情に沿い、地域社会の声にこたえるものでなければなりません。本年度の地域課題八事業の準備に際しては、県の本庁と振興局職員が幾度も検討を重ねたと伺いましたが、ともすれば、若干、県主導の色合いが強いような印象を受けました。

 市町村の現状は、地域社会のマネジメントに大きな影響を及ぼす市町村行政が、人口減少により地域の活力が低下し、自治体職員も減少する中、役所の効率化を通り越して弱体化に向かえば、地域経営は大きく揺らぎかねません。規模の小さな市町村ではなおさらです。ですから、各振興局初め、土木事務所や保健所など県職員が中心となって、地域の課題に光を当て、関係者と議論をし、共通の理解を醸成しながら、解決策となる事業を構築していただきたいと考えております。

 このような考えを県はどのように受けとめるのか、また、今後の地域政策の推進に向けた県の取り組み方針を伺います。

  〔土居議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○田中利明副議長 ただいまの土居昌弘君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 土居昌弘議員のご質問にお答えいたします。

 冒頭、昨年の大水害についてご心配をいただきました。

 お地元、竹田も大変な被害があったわけでございます。その後、県挙げて復旧、復興に取り組んでおりますけれども、まだまだ復旧復興事業が完成したというところまで至っておりません。そのため、やはり今年度も豪雨期にはよく注意をしておかなければならないというふうに考えております。

 先日、降り続きました雨がありましたけれども、直ちに関係部局が現地を回りまして、河川、道路等の状況、大丈夫かどうかというようなことを確認してまいったというようなことがございます。

 議員のお話のように、しっかり地元に寄り添いながら、復旧、復興、完成まで気を緩めずにやっていきたいというように考えております。

 さて、地域課題への対応についてのご質問でございました。

 少子・高齢化に伴う人口減少は、地域の活力減退や、あるいは経済の縮小など地域社会全体に大きな影響を及ぼすものであります。本県では、こうした人口減少社会の展望と課題を認識いたしまして、改定いたしました「安心・活力・発展プラン」にも地域社会の活力を維持向上するための各種施策を盛り込みまして、これらを最優先課題として取り組んでいるところであります。

 その第一は、地域住民が主体的にかかわって、互いに助け合いながら、信頼と安心のきずなで結ばれる地域力を強化していくということであります。

 子育て満足度日本一を目指しまして、保育料や医療費助成等の経済的支援に加えまして、子供を産み育てることを社会全体で応援するため、地域子育て支援拠点による取り組みなどを進めております。

 また、高齢者の元気づくりと新たな支え合いづくりでは、ふれあいサロンの設置や地域包括ケアシステムの構築を積極的に推進しております。

 小規模集落対策では、コミュニティー機能を維持する取り組みを強化するため、補助率や限度額を引き上げるとともに、対象地域を山村等にも拡大したところであります。今年度、大変大幅な拡充をいたしました。

 第二は、産業の底力を高めることで、地域に雇用の場を創出し、地域経済を活性化するとともに、人口の定着と流入を図っていくということであります。

 農林水産業では、マーケット起点のものづくりや次代を担う力強い経営体づくりなど構造改革を進めております。

 商工業では、企業誘致によって経済の土俵を大きくするとともに、産業集積や中小企業の活性化、新たな成長産業の育成などに努めているところであります。

 観光と地域づくりを一体的に推進するツーリズムでは、地域の魅力を掘り起こして誘客対策を展開しております。

 対策の第三は、地域資源の活用や課題の解決を行うさまざまな主体を応援することで、地域の元気を創造し、その誇りを育てることであります。

 市町村や関係団体等と一体となりまして、現場に根差した施策に知恵を出し、地域活力づくり総合補助金等を活用して事業化までを支援しております。例えば、竹田市では、課題であった規格外のトマトを有効活用するため、商品開発や加工所施設の整備等を支援いたしまして、農家の所得向上と雇用の創出につながっています。

 こうした地域からの発想による取り組みこそが重要でありまして、今年度から地域課題対応枠予算やおおいた元気創出基金を創設しまして支援を拡充しているところであります。その検討体制につきましても、振興局初め、県が積極的に地域に入り、有為な情報提供や専門家の紹介などで応援をしているところであります。

 このように、各種施策を総合的に実施して、人口減少社会における地域課題に全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに考えております。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 三月に公表されました日本の地域別将来推計人口によると、本県の市の中で人口減少率が最も高く、高齢化率が最も高いのが竹田市です。つまり、戦後の社会政策では解決できない新しい課題が竹田市ではどんどんあらわれてくるおそれがあります。にもかかわらず、人口減少ということは、市役所の職員が減少するということです。これはどういうことかというと、竹田市の課題を竹田市職員だけで解決していくことが困難になってくるんではないかと危惧しています。私は、この現場に、政策県庁としての県職員の力が必要だと考えております。

 よく、県庁職員は現場主義だと言われます。私は、この意味を、県職員が生産者や高齢者などのところに直接行って課題を見つけ出すということと、基礎自治体が抱える課題を共有するという二つの意味があるんではないかと考えております。

 私は、今年度から始まった画期的な地域政策であります地域課題対応枠を県職員がわきに抱えて、市町村職員と連携をとり、県職員が中心となって、市町村職員が抱える課題に光を当てて、解決に向けて、ともに努力をしていくような新しい仕組みがそれぞれの市町村で必要ではないかと思っております。これが地域力アップにつながると私は考えております。このような場をつくるべきだと思いますが、県の見解を伺います。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 私は、自分もそうでございますけれども、常々、職員に、県民中心の県政という考え方で現場主義に徹するように言っております。それぞれ市町村に積極的に入り込んでいって、そして、情報収集や、あるいは持てる専門的知識をもって意見交換等を行うということに心がけてくれというふうに言っているところでございます。

 市町村の職員との間でも、そういった意味で、福祉や防災、あるいは商工業、農林水産業、いろんな分野で情報交換をし、意見の交流をやっているというふうに思っております。また、そうしていかなければならないというふうに思います。

 私も、市町村長と意見交換をする機会をできるだけ設けておりますし、全市町村長さんとの意見交換、あるいは市町村議会議長さんとの意見交換といったようなことも行っておりまして、議員ご指摘のように、こういう時代になったら、とにかく、住民のために、県も市もともに全力で取り組む体制をつくっていくということが大事だと思いますし、ぜひそうしていきたいというふうに思います。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 今回の地域課題対応枠の八事業が立ち上がった過程をそれぞれ見てみますと、いい例がございました。豊後高田市で、平均寿命、健康寿命を延ばしていこうとする「楽しく健康になるまちづくり推進事業」です。これを発案した県の職員は、市役所によく出入りしており、市役所と一緒に活動することも多かったので、県と市が課題を共有して、その課題を解決するために、ともに汗を流そうとなったわけです。そして、この事業は、豊後高田市が主体となって取り組むことになっております。私は、こういう形の事業がもっと生まれていただきたいと思っております。しかも、県職員の資質とか性格ではなく、県の仕組みとして何か必要ではないかと考えておりますので、ぜひともご検討をお願いいたします。

 次に、おおいた元気創出基金の活用についてです。

 地域課題対応枠とともに、本年度当初予算で特徴的なのは、新たに創設されたおおいた元気創出基金です。これは、国の新たな地方財政対策として、各地域の実情に応じた地域活性化を支援する趣旨で交付される普通交付税を活用して十億円の基金として立ち上げられたもので、大分の元気づくりにつながる事業を幅広く展開しようとするものです。本定例会にも、その第一弾となる事業が補正予算として上程されておりますが、今後、この、先ほどの問答でもありましたが、皆さんの痛みを伴った基金を大切に活用していかなければならないと思っております。

 県内各地で元気あふれる取り組みをこの元気創出基金から積極的に仕掛けていただきたいと期待するとともに、あわせて、今後の元気づくり事業の推進に当たっても、全県的な事業のみならず、地域特有の課題に即した多彩な取り組みが必要と考えておりますが、いかがでしょうか。



○田中利明副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 おおいた元気創出基金の活用についてお答え申し上げます。

 この基金は、今年度の地方財政計画に盛り込まれた地域の元気づくり事業の趣旨を踏まえまして、本県が独自に設置したものであります。大分県の元気を創出し、活力ある県づくりを推進することを目的としております。

 地域経済の活力の源となる元気で前向きな取り組みに活用していきたいというのが本来の趣旨でございます。

 基金事業の概念といたしましては、成果の姿、形が見えるもの、また、ご質問中にもありましたけれども、地域資源を活用するもの、幅広い効果が見込めるものなど、即効性が高く、タイムリーな取り組みを念頭に置いております。

 具体的には、本県の地域資源を有効に活用して、観光客の誘客や商工業等の活性化を図り、地元商店街など地域経済が循環していくような取り組みを後押ししたいと考えております。

 地域特有の課題解決も大変重要であると考えております。発想の原点は現場にあり、地域の声に耳を傾け、県政に反映することが大事であります。

 地域活力づくり総合補助金など既存の事業ともあわせて、基金事業が県経済の起爆剤となり、今後の県勢発展につながっていくよう、柔軟かつ機動的に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 もう少し具体的にお伺いしたいと思いますが、知事も六月十日の記者会見で、「地域の明るい材料を活用して地域の元気づくりを応援していくのがおおいた元気創出基金の役目である」とおっしゃっております。

 この地域の明るい材料を今後どのようにして探していくのか、ここでも市町村との連携が重要ではないかと思うんですが、この事業構築に関していかが考えているのか、お伺いします。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 ただいまの企画振興部長の答弁を補足させていただきます。

 今のご質問でございますけれども、今度の元気創出基金を活用した、今お願いしております予算でございますけれども、これは、どこそこと地域を限定しているわけではなくて、まさに、それぞれ、地域で、こういうことに使ってみたいな、こういうことがあったときに、できるだけ弾力的に使えるようにということで編成をしているものであります。

 今ご質問のプレミアムつき商品券等の応援でございますけれども、これも、いろんな元気が出るようなことがあると思います。例えば、国東半島ですと、世界農業遺産への認定というのがありました。近々、今度は、日本ジオパークの認定もあるかもしれません。あるいは、竹田の場合には、大変ご心配をおかけしましたけれども、豊肥線がいよいよ復興して開通をするということが迫っております。そういう、いろんなその地域における元気の出る行事にちなんで何かをやるというときに、ぜひこれを使ってやってくださいというようなことでございまして、できるだけ地域の皆さん方が発想して、そして、こういうことをやりたいと、使いたい、使いやすい制度にしていきたいというふうに考えているところでございます。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 地域の皆さんの発想によって事業を組み立ててやっていくということですので、ぜひとも今後の活用をよろしくお願いいたします。

 次に、障害者差別の禁止についてお伺いします。

 平成十八年十二月、障害者への差別を禁止し、その尊厳と権利の保障を義務づけた障害者の権利に関する条約が国連総会において採択されました。それから後、既に約百三十カ国で批准し、日本も批准に向けた国内法制の整備を進めています。

 この条約は、障害者の権利及び尊厳を保護、促進するための包括的、総合的な国際条約であり、一般的義務として、障害を理由とするいかなる差別を排除し、すべての障害者のあらゆる人権、基本的自由を完全に実現することを求めるものです。このような考えをもとに、県レベルでも、できることから早期に取り組むことが重要ではないでしょうか。

 都道府県条例としましては、既に五道県で制定されております。県議会の政策検討協議会も、だれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会から制定に向けた働きかけを受けています。

 現在、県内では、障害のある人やその家族、支援者らで結成されただれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会が、障害者への偏見、差別をなくす条例の必要性を訴え、その制定に向けた取り組みを推進中です。

 つくる会では、障害のある方々やその家族、また、周りの皆さんから、約千二百人を対象としたアンケートや聞き取りを通じて、現場の生の声を反映した独自の条例素案を策定しております。

 一方、国でも、つい先日の六月十九日に、障害者権利条約批准に向けた法制整備の最後の柱として位置づけられておりました障害者差別解消推進法が可決、成立しました。

 そこで伺います。

 このような動きを踏まえ、県内の障害者やご家族の思いを実現するため、障害者の差別を禁止する条例の早期の制定が必要と考えますが、いかがでしょうか。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

 障害者の差別についてでございますけれども、県ではこれまでも、人権尊重社会づくり推進条例に基づく基本方針に沿って、障害者を初めとした差別解消に取り組んでまいりました。

 また、第三期の大分県障がい福祉計画において、差別、偏見により孤立しないよう、関係団体と連携しながら、地域社会の理解の促進に努めてきたところです。

 こうした中、今国会で障害者差別解消推進法が成立し、平成二十八年四月の施行に向け、今後、差別解消を推進するための基本方針などが定められることとなっています。

 一方、県内では、だれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会が条例素案を作成し、その制定を目指して県議会へ働きかけていることを承知しております。

 県といたしましては、こうした状況を踏まえ、障害者差別の解消に向け、関係者や関係団体のご意見をしっかり伺いながら、適時的確に対応していきたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 それでは、県として、つくる会の皆さんの活動をどのように評価しているのか、お伺いします。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えいたします。

 議員もご紹介されておりましたけれども、約千二百名にも上る障害者やそのご家族の思いや考えを条例素案として取りまとめられましただれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会の取り組みというのは、重く受けとめなければならないというふうに考えております。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 行政においてもよろしくお願いいたします。

 県議会の方でも、つくる会のつくった条例素案について研究をして、障害者差別をなくしていくにはどうしたらいいかと考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。

 作家の安積遊歩さんは、生まれつき骨が折れやすい骨形成不全症で車いす、中学校のころ、車いすの友だち三人で外出しました。駅に着くと荷物用のエレベーターしかなかったので、それを貸してくださいと頼んだところ、対応した駅員が、彼女らを見下しながら、「おまえら、荷物用のエレベーターに乗りたいんなら、自分は社会のお荷物ですと言ってみろ」と言ったと。

 また、十日ほど前も、ベストセラーの「五体不満足」で知られる乙武洋匡さんが、車いすを理由にレストランの入店を断られたそうです。

 さて、だれもが安心して暮らせる大分県条例をつくる会が調査した大分県で生きる障害を持っている方々の暮らしの現状がこれです。

 まず、親族から、「うちの家系には、こんな子は要らない」と言われたとか。障害がある夫婦が妊娠したとき、周りから、「おめでとう」と祝福されず、「自分のことも一人でできないのに、自分で育てられない子を産んだらいけない」と、親になることも許されないのが現状。また、小学校入学前の障害児就学前相談で医者から、「残念ですが、IQは成長しても変わりません」「残念ですが、息子さんは普通学級ではちょっと」「本当に残念ですが」と、わずか十五分の相談時間に残念という言葉を何度も繰り返したと。「息子は残念な子ではない」という悲痛な叫びもありました。

 社会に出ても、周りの目が気になります。ある視力障害者がレストランで食事をしていると、向こうのテーブルの家族連れの母親が子供に、「物を残すと罰が当たって目がつぶれるよ」と言っているのが聞こえ、悲しかったと。

 このように障害を持っている人たちは、どうしてこのようにして生まれてきたのか悩み、周りから「働かない者は死ね」と存在価値を否定され、腹を痛めた母親も、子供をこの世に産んでしまったことを自分で責めているつらい状況がここ大分県にもあるのです。

 今ある、この不理解の状況を理解ある社会にしていき、配慮ある人々の暮らしにしていこうではありませんか。

 障害は、目が見えない、歩けないといった個人にあるのではなく、目が見えない、歩けない人が普通に暮らすことができないという社会側にこそ障害はあります。それを生み出しているのは、私たち一人一人の心の中の障害です。

 そこで、この一人一人の心の障害をとっていこうと思えば、私は、義務教育課程での副籍制が有効だと考えております。副籍制とは、特別支援学校の子供たちが居住地域の小中学校に副次的な籍を持って、地元の学校の行事などに登校し、障害のある子もない子も一緒に学習することで仲間や地域社会とつながりをつくっていこうとする制度です。これについて、一年前の議会で教育長と問答いたしましたが、教育長はそのとき、「福岡市が取り組んでいるが、副籍制は交流の拡大につながっていないようだ」「県とすれば、従来どおり交流と共同学習を推進して、そのつながりをつくっていく」と答えられました。

 そこでです。私たち会派は、ことし一月二十六日に福岡市に行って、副籍制を調査してきました。私たち一同は、福岡市の副籍制度の取り組みについて調査しましたが、私たちの期待以上の取り組みと、この制度によって地域デビューをしていこうとする教育活動に情熱を傾けている姿をかいま見ました。

 地元の学校の教室には、当然、障害を持っている子供の机があります。その子が教室にあらわれたときには、地元の学校の友だちは、「いらっしゃい」ではなく、「お帰りなさい」と笑顔で出迎えてくれます。あっちもこっちもない、みんな一緒の世界がありました。商店街で会えば、お互い声をかけ合います。

 一方の大分県です。竹田の特別支援学校では、隣の竹田南部小学校と交流しております。しかし、今年度の入学式、両校は同じ日の同じ時間帯に行いました。ここに、一緒に祝ってあげられない、あっちとこっちの世界があります。

 私は、みんな一緒の世界を築いていく上では大事な取り組みだと考えておりますが、この副籍制度を研究してみる気にはなれませんでしょうか。



○田中利明副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 現在、本県では、副次的な学籍制度は導入していませんけれども、すべての特別支援学校で近隣の学校との学校間交流を実施しています。

 また、居住地にある学校にも年に数回行き、ともに学習する機会を確保している児童生徒もおり、その割合は、小学部で三六%、中学部で一二%程度であります。

 副次的な学籍制度は、居住地の小中学校にも二次的な籍を置くということで、同世代の児童生徒との交流及び共同学習を通して、地域とのつながりを持ち、地域の中で育つという教育的意義がございます。

 国においても、二十四年七月の中教審の初等中等教育分科会報告でも、居住地校との交流及び共同学習を進める上で、副次的学籍について、意義があるとされていますけれども、あわせて、児童生徒の付き添いや時間割の調整などの現実的課題も検討する必要があるというふうにされております。

 現在、全国で副次的学籍制度、東京、埼玉、あるいは横浜市、福岡市、逐次広がっている状況もあるかなというふうに思いますけれども、さまざまな課題もあるということから、今後、他県市町村実施状況について、状況の把握に努めてまいりたいと考えています。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 地元の学校に障害を持つ子供が一人いるだけで、クラスの、そしてその学校の、それから地元地域の意識が変わってくると思います。教育委員会が把握している福岡市の交流及び共同学習の実施率は低いかもしれませんが、その実施率にあらわれない障害者理解の進捗率は高くなっているんではないかと思っております。それを、子供たちや保護者や先生方の声を聞いてわかりました。

 私たち会派は、今回の副籍制度の調査で、福岡と埼玉、東京に行ってきましたが、大変実りの多い調査でございました。ぜひとも、教育委員会でも研究して、この制度にご理解いただき、あっちもこっちもない、みんな一緒の教育課程の中で子供たちが育っていけることを心から願い、また、障害のある人もない人も普通に暮らせる大分県となるように、その県条例を急いでつくっていただきたいとお願いして、次の質問に入りたいと思います。

 平成十六年に国は、精神医療の改革ビジョンを打ち出しました。これまでの精神病院を中心とした収容的な処遇体制を、世界的、時代的な背景のもと、地域の中で障害者の生活を支えていこうとする、入院医療中心から地域生活中心への大転換が行われ、これからの十年間で精神病床数約七万減少を促しました。この考えに沿って平成十八年四月には障害者自立支援法が制定され、精神科病院に入院している精神障害者の退院を促進する事業が創設されたのです。

 しかしながら、精神障害者の精神病院からの退院はなかなか進まないのが現状です。特に、医療的には入院の必要がなく、在宅での療養が可能であるにもかかわらず、家庭の事情や引き取り拒否により病院で生活を強いられている、いわゆる社会的入院をどうするかが大きな課題です。この課題を解決していこうと思えば、地域で予防、治療、生活支援を統合的に行うことを目指す社会システム、つまり、地域包括ケアシステムを築き、社会的入院を解消し、精神障害者の地域生活を支援していく取り組みをしていかなければ成果は出ないんではないかと思っております。

 そこで、県内の精神病院入院患者数の推移をお示ししていただいた上で、この現状をどう認識し、今後どのような取り組みを進めていこうとされているのか、お伺いします。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

 まず、県内精神科病院入院患者数の推移でございますが、入院患者全体では、平成十五年の五千二百九十人から二十四年には四千九百五人と三百八十五人減少をしています。

 退院が難しくなると言われています入院期間一年以上で見てみますと、この十年間では、総数では三百六十六人減っていますけれども、六十五歳以上の高齢入院者は三百四十八人増加しているところです。

 県では、県内六圏域に設置しています地域移行推進協議会を中心に、精神障害者の退院支援、地域生活支援に取り組んでいますけれども、いわゆる社会的入院を解消していくためには、特に高齢入院者の退院を促進していく必要があると認識しております。

 このため、本年度から、精神科病院の医師や精神保健福祉士等の専門職員と地域の介護支援専門員等がチームとなり、退院に向けた定期的なミーティングや対象者への働きかけなど包括的な支援を行うこととしており、高齢入院者の地域移行の取り組みを強化することとしております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 高齢者の退院促進をしていくということはわかりましたが、先ほど答弁にありました精神障害者地域移行支援特別対策事業を平成二十三年から行いました。それから、平成二十四年度から行っております精神障害者地域移行支援対策事業、前回のモデル事業の反省を踏まえて、どういう取り組みをしていくのか、お伺いします。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 平成二十四年度から大分県の第三期の障がい福祉計画の中で地域移行支援者ということ、目標定めてやろうとしておりますけれども、そのための取り組みについてのお答えということで答えさせていただきますけれども、指定一般相談支援事業者という事業者がおります。この方が地域移行支援や地域対策支援を行う事業者ということで、平成二十四年度以降、位置づけられておりますので、この活用を図っていくことが大事かなというふうに思っておりまして、まずは、二十四年度からの事業でございますので、市町村や精神病院等関係者に制度の周知啓発を図るとともに、この事業者自身に対する専門研修など、引き続き実施してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 指定一般相談支援事業者の活用が大切だということはわかりました。

 では、その活用をしていく上で、どういう環境がしかれれば活用しやすくなるのか。例えば、精神科が持っている相談事業者ならば入院患者の情報などは得られますが、そうでない相談事業者はなかなかそういった情報が手に入りませんし、どのように活動していくのか、わからないのが状況です。この辺、県としてはどのように考えているのか、お伺いします。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えします。

 なかなか難しいなというふうに思いますけれども、いわゆる地域のネットワークの中でこうした退院を希望する患者さんをどう救おうかということが一つ重要だと思いますし、二十四年度からの個別給付化ということの中では、入院患者さんの意向を踏まえて地域移行ができるような制度というふうに、より制度の改善がなされたというふうに理解しておりますので、こういった入院患者さんの意向をうまく反映できる、それを受けとめる地域での取り組みということを今後とも進めていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 入院患者さんの意向というのを、病院だけではなくて、地域すべてのところでネットワークを組みながら受け取って、どのようにして退院させていくかというところを考えて取り組んでいただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

 我が国の精神病床数は約三十五万床です。入院患者数は約三十二万です。この現状を諸外国と比べてみると、人口当たりの精神病床数は、外国では、ここ数十年で病床を削減して、地域生活支援強化がなされ、減少しているのに対して、我が国では横ばいの状況であり、かつ、諸外国を大幅に上回っているという現象があります。決して日本は精神障害が重篤化するという地域ではないと私は思っています。社会の仕組みがまずいんだと僕は考えております。ぜひともその解消に向けてご尽力いただけることを願っております。

 次に、農業農村整備における農家負担についてお伺いします。

 地域の農業を支えていくには、作物を生産する農地に加え、水を導く水路やため池などの水利施設等を含めた農業基盤が確立される必要があり、それらが脈々と守り継がれてこそ、美しい農村景観が維持され、国土の保全などにわたる多面的な機能が発揮されることとなります。この環境を整備するのが農業農村整備事業です。このような公益性を、私自身、改めて認識した上で、現在、県内で事業実施に向けた要望はあるものの、農家負担がネックとなって、取り組みかねているそのメニューの中の農業基盤整備促進事業について質問いたします。

 平成二十三年度に制度化された農業基盤整備促進事業は、一カ所当たりの整備事業費が二百万円以上を要件として、地域のきめ細かな要望に柔軟に対応が可能で、地域の設定などに当たっての制約も比較的少なく、大変使い勝手のよい事業となっております。しかし、国の補助率は五〇%、中山間地では五五%であるものの、なぜか県費負担がないため、結果的に農家負担が過重となり、事業推進に支障を来すという声も聞こえております。

 私の地元、竹田市においても、用水路の整備や暗渠排水などを市内各所で行いたいという要望はあると伺っておりますが、農家負担が軽減されれば、事業の推進も図られ、地域農業の課題解決が促進されるのではないかと思っております。

 そこで、環境を守りながら国民の食料生産に資するという農業農村整備事業の高い公共性や農業を継続しようと頑張っておられる農家の窮状もお含みいただき、農家負担の軽減を図っていただけないか、県の見解を伺います。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 農業農村整備における農家負担についてお答えをいたします。

 農業農村整備事業の多くは、農林水産省の補助事業や交付金事業を活用して整備を進めている状況でございます。これに対する県の負担率については、国が示す「国営及び都道府県営土地改良事業における地方公共団体の負担割合の指針」、いわゆるガイドラインに沿って定めております。このうち、人命にかかわるため池整備など防災上重要な施設については、県の補助率のかさ上げを講じているところでございます。

 農業就業人口が減少する中で、農業の持続的な発展には、農業用ダムや頭首工など基幹的な農業水利施設の適正な継承が大きな課題と考えており、県としては、まず、これらの改修にしっかり取り組むことが必要であると考えております。

 農家負担の軽減も大変重要な課題と受けとめておりますけれども、県としては、農地集積の向上にあわせて補助率が上がる国の制度などを十分に活用するとともに、引き続き国に対して補助率のアップを働きかけていきたいと考えております。

 また、議員ご指摘のとおり、農家負担は事業実施市町村の負担と表裏の関係にありますことから、まずは、市町村の負担がガイドラインを下回らないように要請をしていく必要もあると考えております。

 あわせて、県としても、市町村負担を含めた負担割合のあり方について、今後検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 わかりました。

 しかし、農業基盤整備促進事業に県として補助を出しているのが、九州では長崎、熊本、沖縄です。これらの県では、小規模で緊急性のあるものに補助をして事業促進を図るとともに、地元負担の軽減によって農村の活性化をしていこうとしております。また、ほかの類似事業との整合性を図る意味もあるそうです。

 大分県でも、これらの県と同じように県の支援が必要だと考えておりますが、いかがでしょうか。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 ただいまの農業基盤整備促進事業への県の支援ということについてでございます。

 農業基盤整備促進事業は、簡易な老朽施設の更新や排水対策など、事業費が二百万円以上かかるものに対して、国から事業費の二分の一を、直接、事業主体であります市町村や土地改良区などへ助成をしているものでございます。

 今後、小規模な基盤整備を実施しようとする場合には、一定の地域内で複数を取りまとめるというようなことで県費負担のある団体営事業で取り組めるようにするなど、負担の軽減が図られるような工夫について、申請の主体といろいろ協議を進めていきたいと考えております。

 なお、農業基盤整備促進事業につきましては、現在、国において、直接補助から県を通じた助成に一本化することも含めて見直しが検討されておりまして、その動向も今、注視をしているところでございます。

 以上です。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 六月十日に志村議員と、竹田市の農業基盤で、この事業で改修を望んでいる箇所を見てまいりました。例えば、拝田原水路。昨年の水害で水路から水があふれ、それ以降、水路敷が崩壊し、水路からの漏水のため、土を盛っても、また崩壊するという状況でした。そこでコンクリートを打ちたいが、四百万円かかると。周りにそういった皆さんが、より上の事業に当てはまるような方がいらっしゃらないので、農業基盤整備促進事業を使ってやりたいと。ところが、国が五五%、竹田市が二二・五%、そして地元が二二・五%。つまり、組合員十四名の拝田原水路が、二二・五%の九十万円を負担しなければなりません。

 このままでは、私たちの歴史的遺産でもあります農業基盤がどんどん崩壊していくおそれがあるんじゃないかと思っております。私たち議会の方でも国への提案を今考えておりますし、県でも、この状況を認識して、改善策を国に求めていっていただきたいと思っております。また、緊急的な対処はできないかも、ぜひともご検討いただければ、ありがたいです。

 次に、最後の質問にまいります。

 昨日、玉田議員からも質問がありました豊肥本線を活用した地域活性化について、私も私の観点から質問していきたいと思います。

 昨年七月の九州北部豪雨によってJR豊肥本線は、線路内への土砂の流入や路盤の流失、おびただしい倒木など甚大な被害に見舞われました。中でも、激しく被災した竹田駅から宮地駅間においては長期にわたる運休を余儀なくされるなど、地域の生活にも多大な影響が及んだところです。その後、JR九州はもとより、大分、熊本両県の知事が積極的にJRの方にお願いし、また、その関係者の皆様方のご尽力が実り、この八月四日には全線復旧の見通しになるなど、被災当時のあの惨状を思えば、改めて関係者の皆さんに深甚なる敬意を表する次第でございます。

 全線開通の折に、JR九州と沿線の竹田、豊後大野両市が連携した開通記念の祝賀イベントも計画されており、県もまさに元気創出基金を活用してご支援していこうとしている中、地元でもこれを機として、観光面での巻き返しを図ろうと、一体となって意気込んでいるところでございます。

 また、十月からJR九州が運行する話題満載の豪華観光列車「ななつ星」です。幸いこの豊肥本線を通るんですが、それがなかなか活用というところまで至ってないのが現状です。JR九州の復旧が先行するという取り組みもわかりますが、ぜひともこれも活用した取り組みを実現させていきたいと思っている次第です。

 そこで、今後、豊肥本線を活用した地域活性化に向けて、具体的にどのような地元の取り組みが可能であるか、また、県として、どういった役割が果たせるのか、九州各地の先行事例などもあわせてお聞かせください。



○田中利明副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 豊肥本線を活用した地域活性化についてお答えいたします。

 十月からJR九州が運行するクルーズトレイン「ななつ星」ですけれども、毎週金曜日と日曜日に豊肥本線を走ることとなっております。

 観光列車を活用した地域活性化の事例としては、沿線住民が手を振って歓迎する鹿児島県指宿の「千本旗プロジェクト」や熊本県人吉の「手をふれーる運動」などが挙げられ、観光客にも好評と聞いております。

 「ななつ星」につきましては、豊肥地域の駅では乗降予定はないんですけれども、沿線自治体などとも協力いたしまして、住民の皆さんが手を振るなど歓迎の気持ちを示したり、あるいは季節の花を飾るなどの取り組みを現在模索しているところです。

 また、運行が開始されますと、鉄道ファンを初め、県内外から多くの観光客が訪れるものと予想され、フォトスポットの紹介など全国に向けた情報発信により地域への経済波及効果も期待したいと考えております。

 豊肥本線沿線は、阿蘇くじゅうの雄大な自然や城下町竹田の歴史、文化、加えて豊後大野地域のジオパークなど、多くの観光資源が存在する県内有数の観光エリアでもあります。

 県といたしましても、JR九州や関係自治体と連携しつつ、これらを有機的に結び、観光交流人口の増加による地域活性化を推進したいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 JR九州大分支社は、ことしの四月二十六日から五月六日までのゴールデンウイーク中の特急列車の利用状況を発表しました。これによると、豊肥線の大分−豊後竹田間は、上下線ともに何と前年度比約八〇%の減です。JR九州大分支社は、豪雨災害で豊後竹田と宮地の間が不通になっている影響ではないかとしています。

 そこで、私たち自由民主党・無所属の会と新しい風の竹内議員とで、先月の五月二十九日に、不通の原因となっております波野の坂の上トンネルの崩落現場の復旧状況を見てまいりました。

 宮地−波野間の現場では、工事費約十一億の工事が昼も夜も、そしてゴールデンウイークもなく実施されており、豊肥本線復旧事務所の岡所長は、「JR九州の大切なルートですので、全力を挙げて早期復旧に向けて頑張っている」とおっしゃっておりました。このJR九州の思いにこたえるためにも、豊肥本線沿線の地域が元気にならなければならないと思っております。

 アルゼンチンでサッカーをしていた十三歳のリオネル・メッシは、バルセロナへ移住を決めたときに家族へこう訴えたと言われております。「乗るべき列車は一度しか通らない」、つまり、チャンスをつかめということです。

 水害で被災をして元気のなかった豊肥線沿線の地域が、列車が通り出したということをチャンスにして、活性化への起爆剤として活用していこうじゃありませんか。乗るべき列車は一度しか通らないという覚悟を持って、全線開通を祝って、この列車に飛び乗って、頑張っていただきたいと切に願って、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○田中利明副議長 以上で土居昌弘君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午前十一時五十五分 休憩

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     午後一時三分 再開



○近藤和義議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。久原和弘君。

  〔久原議員登壇〕(拍手)



◆久原和弘議員 議席番号が二番から三十三番に変わりました県民クラブの久原和弘であります。

 きょうは、野津の方から、今ちょうど農繁期の忙しいときですから、なかなか来れませんので、ちょっと大分の、近い人が何人か来ております。本当にきょうは、ありがとうございます。

 ただいまから質問に入らせていただきますが、我が大分県と同様に、昨年の十二月、政権の中心が民主党から自民党に変わりました。現在、政権交代に伴い、大分県を取り巻く環境は大きく変化しておりまして、いわゆるアベノミクスなどについて賛否両論が、さまざまな意見があります。きょうは、これらのことが県経済にどのような影響を及ぼすのか、知事のこれまでのいわゆる十年を振り返るとともに、討論をしていきたい、そういうふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず、広瀬県政の十年についてであります。

 二〇一三年四月二十七日付の大分合同新聞の朝刊に、「広瀬知事就任十年」「行財政改革や企業誘致に手腕」という大きな見出しで記事が掲載されていました。その中で知事は、「もう十年たったのか、という感じだ。一期目は改革が中心で、財政が赤字に転落しないようゼロから行革をせざるを得なかったが、二期目は「挑戦」、三期目は「大分の底力」を意識してやってきた。内外の情勢の変化に備え、機敏に対応していきたい」というコメントを寄せていたのを私は見ました。

 いわゆる行財政改革について、大分県行財政改革プラン、大分県中期行財政運営ビジョンと、知事を初め、県職員が県民と一体となって不断の努力で実行し、二〇一一年度末には財政調整基金残高四百五十五億円と目標を四百二十億円も上回る実績を上げ、昨年度からは大分県行財政高度化指針に取り組んでいるところでもあります。

 また、「安心・活力・発展プラン二〇〇五」として、子育て満足度日本一の実現や知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興、中小企業活性化条例の制定など商工業等の推進などにも取り組んでおられます。

 しかし、ブランド総合研究所の「地域ブランド調査二〇一二 都道府県ランキング」で大分県は、順位こそ上げていましたが、沖縄県の三位を筆頭に、長崎、福岡、宮崎、鹿児島、熊本、大きく離れて、九州内で七番目の三十一位でありました。七番目というと、もう、大体、最後から一番目ということになるわけです。

 また、日経リサーチの「二〇一三年地域ブランド力調査」では、九州新幹線から離れた宮崎、長崎、大分県が順位を下げており、やはり大分県は、九州内では七番目の二十九位でありました。

 このように、知事の言われる大分の底力の発揮はまだまだだという印象を持っています。

 そこで、改めて知事へ、これまでの就任十年の成果と、任期残り二年間でどのように大分の底力を高めていくのか、道半ばの取り組みと今後の方針について伺いたいと思います。

 あとは対面席で行います。

  〔久原議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの久原和弘君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 久原和弘議員のご質問にお答え申し上げます。

 県政運営についてのご質問でございました。

 私は、聖域なき行財政改革など「改革」の第一期、そして、時代の変化を積極的に先取りする「挑戦」の第二期、そして三期目は、「安心」「活力」「発展」をベースに、「大分の底」力を心に決めて、県政を進めております。

 この十年を振り返りますと、安心の分野では、子育て支援、高齢者の見守りや障害者の自立支援、ごみゼロおおいた作戦、旧町村部の振興や小規模集落対策などを積極的に進めてまいりました。活力の分野では、農林水産業の構造改革、企業誘致や産業集積、中小企業の振興、ツーリズムの推進などに一定の成果を上げてきたと思っております。発展の分野では、学力、体力の向上や高校再編など学校教育の充実、信頼回復に向けた教育改革、東九州自動車道など広域交通網の整備、芸術文化の振興などに成果が見えてきたと思います。

 議員ご指摘の、日経リサーチのブランド力調査でございますけれども、本県は総合評価で、九年前の三十七位よりも上昇しておりますけれども、全国の二十九位でありまして、これは厳しく受けとめているところであります。

 ただ、同じ調査におきまして、訪問経験者の満足度を見ますと全国の七位でありまして、一度大分県を訪れると満足度は一挙に全国トップクラスになっているところであります。

 本県には、十分に底力があります。課題は、その底力をどのように全国や海外の人に知ってもらうかということであります。特に、これから二十七年度にかけては、国東半島宇佐地域の世界農業遺産の認定がありました、NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」の放映があります、県立美術館の開館や新大分駅ビルのオープン、東九州自動車道の北九州−大分−宮崎間の全線開通など、これまでの取り組みの成果があらわれて、大分の底力を国内外にPRする絶好の機会となると思います。

 そこで、「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」を統一イメージとして全国に売り込むとともに、大阪、福岡では「おおいたメディアウィーク」を大々的に実施いたしまして、JRとも連携するなど、これまでで最大の広報戦略を展開することにしております。

 もとより、目標年度まで残り二年となった「安心・活力・発展プラン」につきましては、特に目標指標等の達成に向けて、子育て満足度日本一の実現や防災減災対策、産出額二千百億円に向けた農林水産業の構造改革、商工業の振興や雇用の促進、社会資本の整備、学校教育の充実など、その取り組みを加速していきたいと思います。

 このように、プランの着実な実行によりまして、大分の底力を一層高め、県民のだれもが夢と希望を持って、心豊かに暮らすことのできる大分県を実現していきたいと考えております。



○近藤和義議長 久原和弘君。



◆久原和弘議員 今、知事の言う、いわゆる大分県の底力というのをどうしていくかということについては大変重要なことだと思うんです。

 この新聞の記事に載ってた、いわゆる「就任一年目から着手した行革で」というところん中で、いわゆる香りの森博物館のことについても触れておりました。私は、こういうのも、どういうふうに整理していくのかというのも一つ大事なことではないかと思うんです。

 そこで、改めて廃止に至ったいきさつを振り返ってみました。これまでのこの、香りの森博物館の廃止に至った経過や、あるいは、香りの森博物館の基本設計はどんなことをつくっているかというようなことについて、ちょっと調べてみたんです。そしたら、建設に際して、四十四億二千四百万円、これほどの事業費がかかっているが、その他、私は、アクセス道路なんか関連する事業も加えれば、どれほどになるのかわからないんじゃないかなというような気がするんです。その大分香りの森博物館を二億三千万で売却した。しかも、この中に書いてある、開館から休館までわずか八年で廃止。十年にもなってない。その廃止の理由は、ここに書いてますけど、「交通アクセスが悪いこと等による」、もう、その一行だけなんです。そういうことがこの廃止の理由なんです。それだから、お客さんが入らないということになる。

 私も、当時、平成七年に私は県会議員になったんですが、そのときに私も、「あんな山ん中にあげんもんつくったって、だれが見に行くんかい」と、こういうふうな話をしよった。そんときの回答は、「だから、つくるんです。あの山の中だから、つくるんです。そこの交流の場をふやし、にぎわいの場をつくるんです。そして、そのことが過疎化の歯どめになる」。これが回答だったんです。未来の子供たちに資産を残すんだ。資産を残すんじゃなくて、負債残すんじゃろがい、こういうことだったんですが、とうとう負債を残すことになってしまったんですけど、そんな感じのやりとりを私も何回かしたこともあるんです。

 この三十数ページにわたる香りの森博物館などの基本設計、「二十一世紀へ継承する森林公園として、香りの森を配する」として、このような、ここの中に書いている文章なんですが、「新たに植える香樹、花木が多く、開園当初は幼い木である。しかし、やがて十年、二十年後には、落ちついた丘となり、立派な森となって、後世の人から見て、先人となる我々の努力が報われる。百年後には、見事な香りのふれあいパークとなることを目標としている」。何が百年後かい、八年でつぶれてる。この一文だけでも、森林の博物館は、この平成公園のことであることはわかっているんですけど、やっぱりその中核施設であったことは間違いないわけです。だから、こういうことを考えて、知事が廃止の判断をしたと。私、正しい判断だと思うんです。無理して続けても、毎年毎年、いわゆる赤字が続いて、補助金、助成金を出さなければならない。

 ちなみに、私、これ調べてみたんですけど、十二年度は一億三千万、十三年度は一億一千六百万、毎年一億近い銭がどんどんどんどん出ていく。こげなものを置いちょたってんつまらんということは、もうはっきりしておるわけです。後世の人から見て、努力が報われるのは、むしろ、建設した先人ではなくて、廃止した先人だと思う。こういうふうなことを私も考えるようになったんですが、ただ、知事、私、ここん中で、もう、なったころは、ちょうど高度成長というか、予算が、今はもう六千億ぐらいなんですが、私がなったころは七千五百億近くもあって、ばんばんばんばん公共事業をやったりするんです。だから、そんときに、ほかにもこのような施設がありゃせんかと。何億も出して、そして、そうじゃなくて、本当のことをすると、もうちょっと考えた方がいい、そういうやつの施設とかいうのがありゃせんかなというような気がするんです。私がこう思うだけでん、幾つかあることはあるけど。知事として、ひとつそこら近所の考え方についてお伺いします。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大変難しいご質問でございますけれども、大規模施設につきましては、平成十六年三月の行財政改革プランを策定する中で、民間の方々の意見も伺いながら、すべての施設についてゼロベースで厳しく見直しを行ったところであります。

 その結果、本来の機能を十分に発揮できなかった大分香りの森博物館を初め、代替施設の充実に伴って意義の低下した荷揚町体育館だとか、あるいはしあわせの丘など八施設を廃止しまして、中期行財政運営ビジョンの期間中にも緑化センターなど三施設を廃止したところであります。

 行財政改革には終わりはありません。県有施設につきましても、県民サービスの向上や財政負担軽減の面から常に検証しているところであります。

 存続させる施設につきましては、維持管理体制など運営全般の見直しや、あるいはネーミングライツの導入による歳入確保など徹底した経費削減努力を行っているところであります。

 また、指定管理者制度を導入し、民間の自由な新しい発想を取り入れるなど、工夫を凝らしてサービスの向上に努めて、利用拡大に取り組んでいるところであります。

 例えば、指定管理者制度導入施設の管理費用でございますけれども、制度導入前年の十七年度と比較しますと、年間で三億円を超える県負担の節減となっております。

 また、母子福祉センターでの日曜日の相談受け付けなど利用時間の柔軟な対応や、県立体育館での専門トレーナーを配置した効果的なトレーニングの支援など、やはり民間ノウハウを活用した利便性の向上や利用者増加に成果を上げているところであります。

 今後も利用状況等の変化に注目しながら不断の見直しを行ってまいります。

 また、施設を維持していくに当たっては、利用者からの意見も十分にいただきながら有効活用を図っていくということで対応していきたいというふうに思っております。



○近藤和義議長 久原和弘君。



◆久原和弘議員 次の質問とか、あるいは、その次の質問も、大体似通ったものですから、今の指定管理者制度の問題だとか、そういうことについてもまた、次のところで述べてみたいと思います。

 次に、アベノミクスの県経済への影響について伺いたいと思うんです。

 昨年十二月、安倍晋三氏が首相になり、アベノミクスの三本の矢がマスコミをにぎわせております。

 「アベノミクスの三本の矢とは、大胆な金融緩和、切れ目ない財政出動による公共投資で景気浮揚、世界一企業が活動しやすい国にするための規制改革というものだが、いずれもこの二十年、成功しなかった政策である」という記事を目にしました。

 私は、ある新聞だったんですけど、ぽっと記事を目にしたときに、「弓のない 三本の矢 自画自賛」という句が私の心をとらえた。弓のない三本の矢。それはそうや。弓がねえで、矢をはねたってん、飛ばんわ。そういう感じが、もう物すごく、このアベノミクスに対してはしたんです。もう、まさに危うさを感じております。

 第一の矢というのは、大胆な金融緩和。もうこれは、最近では、株価の乱高下や長期金利の上昇など、既に悪影響もあらわれておる。

 私は、経済の三原則の一つである内需の拡大、つまり、消費購買力を増加させない限り、経済は回らないというふうに基本的には考えているんですが、消費購買力、つまり、個人消費を高めるためには、やっぱり労働者の賃金が確保されなければならないというふうに思うんであります。しかし、現在の被雇用者の三分の一以上が非正規雇用の労働者であり、その賃金所得は正規雇用の労働者の六二%程度という調査結果もあります。

 日本は、先進国と言われる国ですが、OECDに加盟している主要八カ国の中で相対的貧困率が第二位と高い国でもあります。相対的貧困率が増加しているというのは、非正規雇用の労働者の増加が原因の一つと考えられるのであります。

 このように、やっぱり、貧富の格差がますます拡大する中で、民主党政権は「コンクリートから人へ」と打ち出しました。無駄な公共事業を減らして、社会保障や子育て支援などに財源を回そうというものである。これは、国民の幸せのためでもありました。しかし、自民党政権は、民主党政権から明らかな転換を見せております。生活保護費は七百四十億円削減、年金国庫負担率一・六%の減、第二の矢である切れ目ない財政出動による公共投資で景気浮揚として、国土強靭化計画などの公共事業費一〇%増といった「人からコンクリートへ」という路線の徹底であります。

 本年五月二十日、自民と公明党の両党は、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案を衆議院に提出しました。自民党は、国土強靭化のために十年間で総額二百兆円をインフラ整備などに集中投資すると言われている。単純割りすると、一年当たり二十兆円となる。五月十五日に成立した国の二〇一三年度の一般会計予算の公共事業費が約五兆円です。毎年、どのようにして捻出するんだろうか。また地方交付税を削減したり、国債の発行をふやすというんであろうか。

 あるいは、今議会でも提案のあった、職員の七・八%の賃金削減。これなんか、もう総額五十億円。また、市町村がこれをやられると、やっぱり年間百億円。これで消費がどんどんどんどん冷え込んでいく。このようなことになる。

 このような公共事業による大規模な短期的な財政出動は、対国内総生産、GDP比で約二三〇%近くに達した政府債務残高をいたずらにふやすだけとしか思えません。

 成長戦略という三本の矢は、残念ながら、解雇しやすい正社員である限定社員の導入など、まさに規制改悪と言うべき内容であります。労働者派遣法が現在の非正規雇用とそれに伴う貧困をもたらしたことから考えて、決して受け入れられるものではありません。

 アベノミクスの矢は、まるで奈落へ向かって放たれているように感じてならず、既にその兆しが各方面で見受けられます。

 このようなアベノミクスについて、県経済にどのような影響が及ぶと考えているか、県の見解をお伺いしたいと思います。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 お答え申し上げます。

 最近の株価や長期金利の動きに若干の不安定要素はありますが、国全体としては、有効求人倍率や企業業績、GDP成長率など経済動向を示す指標は改善傾向にございます。

 こうした流れが地方に行き渡っていくためには一定の時間がかかると思われますが、最近になって県内企業における先行きの景況感が改善するなど、国の経済政策への期待感が見受けられると考えております。

 大切なことは、成長戦略の効果を真に地方に波及させるべく、国が行う規制緩和や企業活動の環境整備などを活用して、地方自治体や民間企業が主体的かつ積極的な取り組みを行うことだと考えております。

 先日、安倍総理にもご指摘いただいたとおり、本県では、女性や若者の就業促進、エネルギー産業の育成、東九州メディカルバレー構想、農業の六次産業化など多くの分野で国の成長戦略を先取りした取り組みを行っております。

 今後は、これらの取り組みに国が打ち出す具体的な施策を取り込み展開することで、県経済の発展につなげていきたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 久原和弘君。



◆久原和弘議員 いわゆる改善の方向が見えている、県経済に新たな期待感が見られる。

 そこで、私は、自民党の今言っている国土強靱化計画というの、十年間で二百兆円という大規模で短期的な公共事業であるために、将来にわたって真に必要とされる公共事業だけではなく、効果が疑われる公共事業まで含まれてしまうのではないかという危機感を持っております。

 私が一九九五年に県会議員になってから、ふるさと林道だとか、あるいは農免道路だとか、そんな道路をどんどんどんどんつくっていった。これは本当に必要なんだろうかというようなところが幾つもある。

 例えば、「あんた、地元で言うちから、近所ん人から嫌われんかい」と言われたんですけど、もう人んところを言うたってんしようがねえんで、私の地元をちょっと見てみたい。

 私の地元の臼杵市の野津町、ここの佐伯市と本匠を結ぶふるさと林道戸屋平宇曽河内線について見てみたいと思うんです。

 ふるさと林道戸屋平宇曽河内線については、延長六千七百四十五メートル、事業費が約百億円、十一年の歳月をかけて、二〇〇四年三月に完成したものである。

 期待される効果として、この中で、大分市方面への大幅な時間短縮ができる、野津町と本匠村の地域間交流の促進につながる、新たな観光ルート、物流の促進、定住環境の改善や豊富な森林資源を活用した地域振興ということがこのふるさと林道の中でやれるんだと言っている。

 そして、林道としては、県下でも例を見ない延長千三百二十八メートルにも及ぶ楯ケ城トンネルを初めとするトンネル二カ所や橋梁六カ所を配した全線二車線の舗装道路とのことですが、期待される効果があったんだろうか。現在、一日に何台の車が通っているのか。交通量調査なんか、今行われているんかい。野津町と本匠村がどんな地域間交流を今しよるかい。

 私は、戸屋平の住民に聞いたことがあるんです。トンネルのそばに水がわき出よるわけです。わき水。「まあ、そうじゃな、一日に、さあ、十台から何台、水くみに来るかな」。ひとっつも、自動車、通りよらん。そんなんがもう、いろんなところにあるような気がしてならぬのです。

 だから、こういうことがまた、無駄な公共投資をどんどんどんどんふやしていくような実態になりゃせんかということを思うんですが、昔からある県道だとか、あるいは国道だとか、あるいは市町村道とかいうのは、これは生活道路ですから、ここは早くしなきゃならぬというところがいっぱいあるんです。ところが、こういうところをやるというのがどうなんかなというような感じがしておるんで、そこらについて、今私が言ったように、野津町と本匠村の地域間交流が上がっておるのか、あるいは、一日に何台ぐらい車が通りよるのか、そういうことについて、百億もかけてつくった道ですから、そういうことはやっぱり調査しながら点検し、そして、さらにまた前進させていくということが大事だと思うんで、これは林道じゃけん、農林水産部長、ちょっと回答してみて。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 ふるさと林道戸屋平宇曽河内線の状況についてお答えを申し上げます。

 ふるさと林道の整備は、山村地域の振興と定住環境の改善に資することを目的に実施をしてまいりました。公共事業の効果を検証する目的で事業完了後五年目に事業評価を実施しておりまして、平成十九年十一月の事業評価監視委員会において「効果がある」との意見をいただいております。

 また、この事業評価における調査で、十四年から十八年までの五年間に、林道の利用区域千四百二十七ヘクタールのうち、延べ百六十四ヘクタールの区域で間伐、下刈り、植栽などの森林整備が行われております。さらに、本林道に隣接をして搬出間伐重点区域が設定もされており、今後も木材搬出への利用が期待をされます。

 交通量につきましては、事業評価の際の調査では、一日二百三十四台の通行がございました。

 この林道開設によりまして、旧本匠村因尾地区から国道一〇号までの、北に向かってのルートですが、時間が三十七分から十三分に、二十四分間短縮をされて、通勤可能範囲が拡大をいたしましたために、大分市や三重町方面の通勤にも利用されております。

 また、因尾地区には、当時の村営住宅が平成十三年に建設され、現在は七戸、二十一人が定住をされております。

 なお、この国道一〇号のちょうど清水原地区から本林道の北側の起点までの県道野津宇目線清水原工区でありますが、今、バイパス工事が行われておりまして、今年度中に全線完了予定ということであります。完了すれば、この林道とつながりまして、大分市方面への利便性がさらに向上し、地域の振興と環境の改善にも役立つというふうにも考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 久原和弘君。



◆久原和弘議員 多分、今からもう、いわゆる高齢化になって、そして、過疎化がどんどん進んでいって、これからどうなるんかなということを私じっと考えるんですけど、至るところにある農道だとか林道だとか事業調査というのは、やっぱりそれなりに調べんと、今言うけんど、一日に二百三十四台も絶対通りよらん。それよりも、さっき言ったようにあの県道、ことしで完了するというあのバイパスなんかいうの、あれ、本当に地域の皆さん、喜んでいる。やっぱりそういうのというのは、まだあれは、戸屋平から白岩まで延ばすというのは必要だと思うんで、そういうところにどんどん投資をしていくというようなことをしないと、例えば、これから五十年後、もうすぐにいろんな問題がかかってくるだろうと思うんですけど、橋梁が傷んでくる、あるいはトンネルが、今言うように長いトンネルですから、トンネルの修繕もしなきゃならぬというようなことが起きてくる。しかし、そんなところにこんだけのまた費用かけて、それ、した方がいいのかどうなのかとかいう事業評価が今度は出てくる。

 結局、最終的には、どげなるんかというと、道路はけもの道になって、そしてトンネルは動物のすみかになる。そして、百年後に、参勤交代のときじゃないですけど、こげんところに道があったんかと。昔ん人は、ようこげん道つくったのう、みたいな感じのことがこれから出てくるんじゃないか。そういうことのないように、やっぱり、どうしていくかということは、よくよく考えてやらんとだめじゃないかなというような気がするんで、よろしく頼みます。もう回答はいいです。

 次に、ちょっとTPPの問題について、環太平洋パートナーシップ協定について、知事、あなたと、ちょっと議論してみたいと思うんです。

 いわゆる、第一回定例会での日本共産党の堤議員のTPPに対する質問に、こう、知事、あなた、答えている。

 「情報が入らないため、国民に十分な説明ができない、必要な対策を示せないという悪循環です。まずは交渉に参加し、情報を収集するとともに、必要な情報や対策を国民に示しながら、国益を主張すべきです。貿易立国の我が国においては、TPPに参加することで国民的利益を高めていくという視点が非常に大事です」、これは、知事、あなたの答えです。

 東京大学大学院の鈴木宣弘教授は、「世界」四月号の中で、「最悪の選択肢・TPP 許しがたい背信行為」でこう述べています。

 「「早く入れば交渉が有利になる」「交渉力で例外もつくれるし、嫌なら脱退すればいい」というのも極めて難しい。日本がどの段階で交渉に参加しようが、法外な入場料だけ払わされて、ただ、でき上がった協定を受け入れるだけで、交渉の余地も、逃げる余地もない。推進する皆さんは、「TPPに入らないとルールづくりに乗りおくれて取り残される」としか言わず、具体的なメリットも、日本の将来構想も示してない」。私も同じ思いであります。そこで、どのようなメリットがあると考えて交渉参加を望むのか、理解できません。また、参加してしまえば逃げられないというふうに考えているんですが、それもおかしいのか。

 そこで、知事、あなたは、前述したとおり、こう見てみると推進派のようですが、今後考えられる国民的利益とは何か、交渉しなければわからないじゃなくて、具体的に今わかる部分というのは何かないんか、そこんところについて、ちょっと回答をお願いします。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 TPPについてのご質問でございました。

 日本は、先行十一カ国の承認手続をようやく経まして、七月にマレーシアで開催される会合からTPP交渉に参加する見込みとなりました。

 これまでも申し上げましたとおり、人口減少が進む我が国におきまして、これから力強い経済成長を実現するためには、貿易や投資の自由化によりアジア太平洋地域の経済成長を取り込むということが極めて重要だと思います。そのためにも、TPPの交渉に参加して、情報や対策を国民に示しながら、国益を確保していくということが大事であります。

 TPPに参