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平成25年 第2回定例会(6月) 06月26日−03号




平成25年 第2回定例会(6月) − 06月26日−03号







平成25年 第2回定例会(6月)



平成二十五年六月二十六日(水曜日)

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 議事日程第三号

     平成二十五年六月二十六日

           午前十時開議

第一 一般質問及び質疑

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 本日の会議に付した案件

日程第一 一般質問及び質疑

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 出席議員 四十二名

  議長        近藤和義

  副議長       田中利明

            阿部英仁

            志村 学

            古手川正治

            後藤政義

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            吉冨幸吉

            平岩純子

            江藤清志

            久原和弘

            小野弘利

            元吉俊博

            井上伸史

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

            竹内小代美

 欠席議員 一名

            渕 健児

 欠員   一名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     岩崎哲朗

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      島田勝則

  企業局長      坂本美智雄

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     大沢裕之

  企画振興部長    塩川也寸志

  福祉保健部長    平原健史

  生活環境部長    冨高松雄

  商工労働部長    西山英将

  農林水産部長    工藤利明

  土木建築部長    畔津義彦

  会計管理者兼

            小野嘉久

  会計管理局長

  人事委員会

            城 尚登

  事務局長

  労働委員会

            安東忠彦

  事務局長

  財政課長      長谷尾雅通

  知事室長      岡本天津男

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     午前十時三分 開議



○田中利明副議長 これより本日の会議を開きます。

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○田中利明副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。

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△日程第一 一般質問及び質疑



○田中利明副議長 日程第一、第七二号議案から第八五号議案まで及び第一号報告、第二号報告並びに第一号諮問を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。玉田輝義君。

  〔玉田議員登壇〕(拍手)



◆玉田輝義議員 皆さん、おはようございます。二十六番、県民クラブの玉田です。

 きょうは、雨の中、傍聴に来ていただきまして、どうもありがとうございます。

 その雨ですけれども、きょう昼前ごろまで大雨になるという予想であります。まず、県内に被害のないことをお祈りし、あわせて、昨年被害に遭ったところは、特に、二度とそういうことのないようにお祈りしながら、早速、質問に入りたいというふうに思っております。

 まず、人口減少社会についてであります。

 この社会の対策については、県議会一般質問でもたびたび取り上げられておりますけれども、今の状況から人口減少に歯どめをかけるためには、例えば、ことし生まれた子供たちが出産適齢期になるのに二十年から三十年かかることを考えると、長期目標を立て、総合的な施策を展開する必要があります。残念ながら、今後、一定期間だけの施策では、人口減少に歯どめをかけることはできません。そう考えると、雇用を創出し、人口の定着や流入を図る、地域で子供を産み育てやすい環境をつくる、そして高齢者を地域全体で支える仕組みづくりなどに取り組むという、さきの第一回定例会において広瀬知事の答弁された三つの対策は、中長期的な視点に立ったものであり、私も賛成であります。

 ただ、これらの施策を進めるに当たって大事なのは、その大もとにある価値観ではないかというふうに思っております。それは、人口減少を、高度成長期の物差しに当てはめて、近隣諸国と比較し、衰退のイメージでネガティブに考えるのか、あるいは、安定成長期において、高度成長期のひずみを直しながら、生き方の多様性を認め、ゆとりある豊かな地域づくりを進めるというふうにポジティブに考えるのか、そのどちらの価値観に立つのだろうかということであります。

 例えば、出生率をふやすことが必要以上に目的化して、多くの施策が推進され、若い世代に過重な期待や負担をかけていないだろうかということです。具体的には、結婚、出産、仕事などのライフスタイルにおいて、男性、女性の別なく、個人の選択の自由を保障した上での考え方なのでしょうかということであります。

 この点を踏まえて、改めて人口減少社会についての知事のとらえ方や率直な思いなどをぜひお聞かせください。

 この後の質問は、対面席の方から行わせていただきます。

  〔玉田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○田中利明副議長 ただいまの玉田輝義君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま玉田輝義議員から、人口減少社会について、その基本的な考え方についてご質問をいただいたところでございます。

 私どもが進めております「安心・活力・発展プラン」の中では、人口減少と地域力というのを時代の潮流としてとらえておりまして、各般の施策を総合的に講じておりますけれども、特に二つの視点で対応していくことが肝要だと考えております。

 視点の第一は、急激な人口減少をできるだけ食いとめ、地域の活力を維持向上していくということであります。

 人口減少は、地域社会の活力減退や地域経済の縮小など大きな影響が危惧され、こうしたネガティブな面に対して対策を講じていかなければならないと思っております。

 このため、まず、企業誘致により経済の土俵を広げ、産業の底力を高めることで雇用の場を創出し、人口の定着、流入を図っていくということであります。あわせて、ツーリズムによる交流人口の増加も大切だと思っております。

 また、高齢者を地域全体で支える仕組みづくりや小規模集落対策など、互いに助け合い支え合う地域力を強化するということで、地域の活力を維持するということも大事です。

 さらに、子育て満足度日本一を目指して、保育料や子供医療費の助成、いつでも子育てほっとラインなど、子育ての不安感や経済的な負担の軽減に努めることも大事だと思っております。

 もとより、これは、議員ご心配のように、若い世代に出産や子育ての負担を求めるということではなくて、子供を産み育てたい人たちにその環境を整えるということで、結果として出生数の減少を抑制しようというものであります。

 ところで、本県の合計特殊出生率は、平成二十四年は一・五三で、全国十二位、九州では六位となっております。平成二十二年の詳細データで比較すると、二十代後半女性の未婚率は五七・六%と九州で三番目に高く、また、女性の初婚年齢は二十九・四五歳で、九州で二番目に高いなど、男性も含めて本県は、未婚化や晩婚化が進んでおります。

 これも、結婚や出産などライフスタイルの選択そのものも、やはり個人の価値観によるものでありますけれども、若い世代も含めて、結婚や出産について学び、真剣に考える機会が少ない、あるいはまた、出会いの場がないなどの声も聞かれることから、県としては、こうした機会や場の設定などについて支援をしていきたいと考えております。

 人口減少社会に対する視点の第二は、このことをプラス思考でとらえて、新たな発想で対応するということであります。

 例えば、生産年齢人口の減少も、生産性向上のためのイノベーションにつながるとともに、女性や高齢者などの活躍の場が広がって、自己実現の可能性がさらに高まるということになります。

 農業分野では、耕作放棄地や未利用農地の増加、これ自体は困ったことですけれども、集落営農等を進めることで農地を集約し、生産性の向上を図ることができるとも言えると思います。

 人口減少は、人口構造の推移から避けて通れない方向で、これをどう考え、どう対処するかということは、個人の価値観によるところもありますけれども、ただいま申し上げましたように県として打つべき対策というのもありますので、それについては全庁挙げてこれからも取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 人口減少社会については、もうこの間、ずっと県議会でも取り上げられていまして、言い尽くされた感も実はあるというふうに思う中での質問なんですけれども、知事のお話を聞いていると、まさに同感であります。ただ、地域社会は本当にそうなっているのかというところが、どうも少し、違うまではないけれども、意識のずれがあるのではないかというふうな思いがしています。

 どういうことなのかなと釈然としないままずっときたんですけれども、きのう、合同新聞の夕刊に「二〇一三年版少子化社会対策白書」の記事が出ておりまして、週六十時間以上の長時間労働をしている男性の割合を見ると、子育て世代の三十代男性が五人に一人で最も高いと指摘されている、それから、育児への参加が進んでいないということ、そして、少子化対策の観点からも長時間労働の抑制や働き方の見直しが必要と言われる、いわば、ワーク・ライフ・バランスというか、その部分です。

 そういう中で、県の「安心・活力・発展プラン二〇〇五」の数値目標がありますけれども、県も数値目標を掲げて頑張っている。それに対して企業も、それに、何とか一緒の方向に行こうとして頑張っている。ただ、制度は整備されているんだけれども、風土がなかなか変わっていっていないので、制度自体が、形骸化まではいかないけれども、数値目標だけ達成することが主になって、なかなか風土を変えるところまでいってないんじゃないかという、そういう危険性があるんではないかと思っているんですけれども、知事の見解をお伺いしたいと思います。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 制度や数値目標の問題と、さらに、その基本にある風土の問題、この間に、これは一般的に言えることだと思いますけれども、いろんな乖離があるということはよくあることだと思います。

 私どもといたしましては、やはり、いろんな政策を進めるに当たって大事なことは、県民の皆さんの意識をそういう方向に持っていってもらうということだと思いますので、いわば、風土との間の乖離を少なくしていくということが大事だと思います。その場合に、制度に風土を合わせてもらうということだけではなくて、むしろ制度の方も風土に沿っているものかどうかということも検証しながら、両方の乖離を狭めていくということが大事ではないかと考えます。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 具体的には、もう地道な啓発活動しかないのでしょうけれども、これが次の質問にもかかわりますので、ぜひそういう方向でお願いしたいというふうに思っています。

 では、次に移ります。

 去る五月二十九日でしたけれども、県民クラブでは地域課題研究講演会というのを開催しまして、「デフレの正体」という経済書の著者の日本総合研究所調査部主席研究員の藻谷浩介さんの話を聞きました。

 藻谷先生は、国立社会保障・人口問題研究所の予測をもとに、大分県、地方都市、首都圏で今起きている人口減少の現状と今後の人口推計、そしてその対策を示唆してくれました。

 この講演において、今後、大分県は、このままいくと、平成五十二年まで高齢者数はほぼ横ばいだけれども、現役世代が減り続ける、そして、六十五歳以上の年齢構成では八十五歳以上だけがふえ続けるという指摘がなされました。

 私は、この指摘を聞いて、生産年齢人口の減少にどう歯どめをかけるか、そして、高齢者に対しては認知症対策を急がなくちゃならないというふうにも思いました。

 この藻谷さんは、その著書の中で、生産年齢人口の減少に伴う内需縮小の処方せんの一つとして、高齢富裕層から若い世代への所得移転の促進を挙げておりまして、「団塊世代の退職で浮く人件費を若者の給料に回そう」と、大胆な発想で論を立てております。

 藻谷先生は、「消費性向が高い子育て世代にお金を回し、内需を拡大すべきであり、具体的には、年功序列賃金を弱め、若者の処遇を改善すること、特に、子育て中の社員への手当や福利厚生を充実すべきだ」と述べております。

 確かに、団塊世代の大量退職期を迎えている本県にあっても、県民の賃金総額は減少しているんじゃないかというふうな印象を持ちました。その分、地域経済に還流するお金が減少しているんじゃないか。これでは、個人消費がふえず、結果的に県経済の活性化にならないのではないかとも思いました。

 団塊世代の大量退職問題は、高齢化とそれに伴う介護、福祉の問題に目が向いておりましたけれども、若い世代への賃金の移転が行われない限り、今の県経済は次第に縮小していくのではないかと、こう藻谷先生も指摘しておりました。

 このような状況や課題認識を踏まえて、本県経済を維持活性化するためには若い世代の活力を高める政策がかぎとなるというふうに思いますけれども、知事のご所見をお伺いします。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 ご指摘のように、人口減少社会において県経済を維持発展させるためには、産業の底力を発揮、向上させるということが大事だと思います。このために、企業誘致によって経済の土俵を広げる、あるいは、農林水産業の構造改革をやる、あるいは、商工業では、産業集積の深化とか、中小企業の振興を図っていく、あるいはまた、新たな成長産業の創出等に努めるということが大事だと思っております。

 先月発表された本県の平成二十二年度の経済成長率は、実質でプラス六・二%となりまして、リーマンショック後、二年ぶりにプラスに転じまして、全国五位というふうになっております。

 こういうことで、大きく経済の土俵を広げる中で人口減少社会に対応していくということも大事だと思っておりますが、一方、議員ご指摘の生産年齢人口については、平成二十二年は七十一万七千三百十九人で、十年前からは、五万七千人、七・四%の減少となっております。生産年齢人口の減少とそれに伴う需要の縮小が経済に与える影響が心配されるところでありまして、これを緩和する施策が重要だと思います。このため、特に、若者の就労促進と女性の活躍推進の二点に力を入れて取り組んでいるところであります。

 まず一つ目の若者の就労促進について申し上げますと、ジョブカフェでは、若者の就労意欲の喚起だとか、職業意識の醸成を図っております。本年度は、おおいた産業人財センターを開設しまして、若者と中小企業との効果的なマッチング支援のほかに、U、J、Iターンによる県内就職の促進に取り組んでいるところであります。また、ベンチャー志向の若者には、インキュベート施設の提供など創業支援を行って、商業では、豊の国商人塾を開催し、若い塾生の育成を図っています。さらに、農業では、若者の新規就農に力を入れた結果、平成二十四年度の新規就農者は二百二十一人に達しまして、このうち三十五歳未満は百十一人と大幅に増加をしているといううれしい結果も出ております。

 ちなみに、本県の若年層、二十歳から三十四歳の賃金水準でございますけれども、平成二十四年調査で、男性は九州で二位、女性は九州で四位となっているところであります。

 二つ目の女性の活躍推進も、また大事なことだと思っています。

 本県の女性就業率は九州五位と低位であり、出産、子育て等による離職を減少させるということも大事ですし、また、一たん離職しても再就職できるように環境整備を進めることも大事だというふうに思っています。

 具体的には、保育所の整備や保育料の軽減、病児、病後児保育の拡充など保育環境の整備を推進したり、男性の子育て参画を促進したりなど、仕事と家庭が両立するような支援をしているところであります。

 また、女性の就業を促進するために、職業訓練の充実だとか、あるいは託児サービスによる求職活動の支援だとか、あるいは女性の創業セミナー開催等に取り組んでいるところであります。

 なお、本県の平成二十四年賃金総額は、企業規模十人以上でございますけれども、月額約五百五十四億円でございまして、十年前に比べますと三一%の増加になっております。これは、企業誘致や産業政策等の成果のあらわれではないかというふうに思います。

 今後とも、本県経済の活性化を図るために、産業政策に重点を置いて、若者が活力を発揮でき、女性が活躍できる大分県づくりに努めていきたいというふうに思っているところであります。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 藻谷先生は、これからの対策として三つ挙げておりまして、そのうち二つは、もう今の答弁に近い部分でありまして、一つは若者の対策、それと二つ目が女性の就労促進と経営参加という部分もありましたけれども、三つ目が、訪日外国人観光客、それから短期定住客の増加、三つ目はそれが出てるんです。

 先ほどの制度と意識の間、すき間を埋める作業という部分で、少し、そういう部分での再質問になるんですけれども、結果的には、意識を埋めているような制度をしている企業を何か顕彰するような制度をつくってはどうかという趣旨の再質問でありますけれども、例えば、「連合」が行ったマタニティハラスメントの実態調査というのがつい先日出てまして、これは、五〇・三%の女性が育休、産休の権利を法律で守られている事実を知らなかったというふうに回答している、これは全国調査ですけれども、それから、在職中に妊娠がわかった女性の六三%が、仕事と妊娠、子育てへの不安を感じたということなんです。

 今、出産を終えて、その後の就労促進の関係を県も力を入れてやってますけれども、まず、職場の意識、職場の環境の段階から、やはり、妊娠したら、仕事から遠ざかる、やめなくちゃならない、そういうことに対して、やっぱり、出産に対する不安とか、それから、育休、産休に入ることの不安とか非常に高い。これ、詳しく見ていくと、やはり、その中で、会社の中から、簡単に配属がえになる、あるいは、雇いどめになる、解雇される、そういうところも隣り合わせになっているという、そういう実態が浮かび上がってくるわけです。

 また機会があれば、ぜひ担当部長もごらんになっていただきたいと思いますけれども、例えば、「安心・活力・発展プラン二〇〇五」の中に、先ほど知事も少し触れましたけれども、育児休業制度規定企業の割合を、二〇〇四年の基準値六八・七%を、二〇一五年、最終年に八〇にする、そういう目標を立てています。

 先ほどの最初の質問で知事とやりとりしたとおり、制度としてはきちっと整っているけれども、そこの企業の内部、あるいは職場の中でそういう意識が醸成されているかどうかというところは、やはりこれからは、一つ大きな課題になるんではないかというふうに思っています。

 そういう意味で、先ほど申し上げたように、これはあくまで強制ではなくて、できる企業ができる範囲で頑張るというふうなところのスタートでもいいですから、例えば、消費者に対する、あるいは社会に対するイメージアップや人材確保につなげてもらうという趣旨で、非営利団体か何かが、若い世代への所得移転への配慮とか、若い世代の活力を高めている制度を行っている企業にランクづけをするとか、あるいは認証を与えるとか、そういう制度設計を考えて、少し社会に対する意識の変革というのに一石を投じてみてはどうかというふうに思うのですけれども、知事のご見解をお伺いしたいと思います。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大変興味深く承らせていただきました。

 例えば、幾つか内容があったと思いますけれども、産休とか育休のお話もありましたけれども、こういったものについては、既に制度として、こういうことをぜひやろうじゃないかということで制度が定まっているわけでございます。つまり、社会的なコンセンサスとして、これをやろうということになっているわけでございまして、そういうものについては、私どもも、子育て満足度日本一を目指す大分県として、大いにそういうことについて配慮し、子育てしやすい環境をつくるワーク・ライフ・バランスのことを考えながらやっているという企業を顕彰する、表彰するというようなこともやっているところでございます。これは、これからも大いにやっていきたい。それは、非常に社会的なコンセンサスとして、こういうことをやるといいなということがもう定着しているから、それこそ制度と風土の間にギャップがないということだと思います。

 それから、もう一つお話がありましたように、若者に対する、若者がもっともっと元気を出してもらうように、あるいは、子育てができるように所得移転ということもございました。これもなかなか大事なことだと思います。

 しかし、この問題、これについて、例えば顕彰制度を設けるというようなことになりますと、ここんところはいろんな議論が実はあると思います。企業の事情といいますか、例えば、もう我が社では、そういう配慮で若者に対する給与のベースを上げている、厚遇をしてるんだというところもあると思いますし、また、そうではなくて、若者の給与を上げたいんだけれども、しかし、中高年齢層とのバランスといいますか、そっちを削って、そっちに、若者に回すというわけにもなかなかいかない、やっぱり会社全体の給与配分として考えていかなきゃいかぬというようなこともあるでしょうし、したがって、この給与の配分については、なかなか、若者に回すところがいいんだということで顕彰するというわけには、制度として顕彰するというわけにはいかないというところがあるんじゃないか、こう思います。

 そういう形で、社会的なコンセンサスとして推進すべきだということになれば、大いに我々もやっていきたいし、まだまだ議論があるということについては、もう少し議論の推移を見ながらやっていくというようなことになるんじゃないかと思います。

 大変貴重なご提案をいただきまして、大変興味深く拝聴させていただきました。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 人口減少社会のことをずっといろいろ勉強する中で、やはり、ワーク・ライフ・バランスの重要性というのが、これはやっぱりベースだなというふうに思ったものですから、そして、あとは、若い人たちにどういうふうに活力を持ってもらうか、こういうことだなと思った、そういう趣旨での質問でしたから、またこの件についてはいろんな議論も、議会を通じて、ぜひお願いしたいというふうに思っております。

 では、次にまいります。

 認知症高齢者対策についてであります。

 六月一日に新聞各紙が、「六十五歳以上の高齢者のうち認知症の人は推計で一五%、平成二十四年時点で四百六十二万人いる」ということを報じています。

 平成二十四年三月に策定された第五期「豊の国ゴールドプラン21」で、県内の認知症高齢者は、平成二十二年時点で二万九千人と推計されています。一方、平成二十二年の国勢調査では、本県の六十五歳以上の高齢者は三十一万六千七百五十人で、先ほどの一五%の割合を乗じると、認知症の高齢者は四万七千五百人という見込みになります。これ、ゴールドプランと比較すると、実に一万八千五百人上回っていることになります。

 ゴールドプランでは、平成二十七年、最終年のこの認知症高齢者を三万一千五百人と推計しているんですけれども、この推計でいくと、その策定時点で既に、プラン最終年である推計を上回っていたことになります。このことは、現在、各地で供給されている認知症高齢者へのサービスの量が、現時点でプラン最終年のサービス見込み量を上回っていると推察されると同時に、現在の需要に対するサービス供給量が不足しているんじゃないかというふうにも思われます。

 そこでまず、県の第五期ゴールドプランにおいて、認知症サポーター数を初め、認知症高齢者関連の主要目標に対する二十四年度時点での達成状況についてお尋ねいたします。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 認知症高齢者関連の達成状況についてお答えをいたします。

 まず、認知症サポーターは、平成二十七年度末で四万人の目標に対しまして、二十四年度末時点で三万六千八百三十人でありまして、達成率は九二・一%となっております。

 次に、認知症対応型通所介護につきましては、二十四年度の利用者を九千九百三十六人と見込んでおりましたけれども、現時点で、市町村の方から八千八百二十二人との報告を受けております。

 同様に、認知症対応型共同生活介護についても、利用者は二万一千百四十八人と見込んでおりましたけれども、現時点で二万五百五十七人と報告を受けております。

 そのほか、認知症高齢者の利用が多い小規模多機能型居宅介護につきましては、二十四年度、五千七百十九人の利用者を見込んでおりましたけれども、実績では六千四百九十九人ということで報告を受けております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 まず、今の数字でいきますと、目標、頑張っているけれども、まだ少し目標には、目標というか、見込みの目標には追いついてない。いろんな考え方はあるでしょうけれども、やはり今の時点では、認知症対策を急がなくちゃならないということは共通認識としてできるんではないかというふうに思っております。

 それで、もう次の質問に移りますけれども、これはやっぱり計画のスタートの時点のときに、後から国から出た数字でいくと、スタートのときから、もう認知症はそれを上回っていたというところからスタートしてるんだという状況ですけれども、県は、二十七年度から、今度、第六期のゴールドプランの策定に、もう今取り組んでいるところだと思うんですけれども、特に認知症高齢者数については実態に即した目標を定めて、必要な対策を加速すべきだというふうに思うんですけれども、今後の対処方針について見解をお尋ねします。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 今後の対策ということでお答えをいたします。

 増加している認知症高齢者への対応につきましては、県としてもしっかり取り組むべき大きな課題であるというふうに認識をしております。

 まず、このため、県といたしましては、認知症高齢者対策として、早期発見、早期治療の医療体制を整備するため、地域のかかりつけ医を対象に「もの忘れ・認知症相談医」、大分オレンジドクターの養成を初め、認知症の専門医療相談や鑑別診断等を行う認知症疾患医療センターの拡充などに取り組むこととしております。

 また、現行のゴールドプランで見込んでいるサービス量を確保し、それを上回る需要があれば市町村と連携して、認知症高齢者が住みなれた地域で安心して生活できる環境を整備してまいりたいと思っております。

 また、第六期ゴールドプランの策定に当たりましては、国の動向も踏まえつつ、認知症高齢者の実態を的確に把握し、それに見合った十分なサービス供給量をプランに盛り込んでいきたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 高齢者が多くなって、しかも後期高齢者が多くなると推測されるわけで、今後、地域のさまざまな場面で、やはり認知症対策というのが重要になるというふうに思います。それは、介護保険の現場だけではなくて、例えば、道路交通の問題だとか、それから、もしかすると子育ての問題もそうかもしれない。社会のいろんなところにこの問題というのが出てくるというふうに思うんですけれども、そういう意味では、これから認知症対策というのは非常に重要だし、どういう状況になるかというのを的確に推測するというのはとても重要なことになると思いますので、ぜひ今の答弁の中でお願いしたいというふうに思っています。

 そして、もう一つ、今回明らかにされた厚生労働省研究班の調査では、専門医などがいて、診断環境が整っているとされるところのデータを使ったということを新聞に書いておりましたけれども、その中に大分県の杵築市も入っております。杵築市の担当者に事務局を通じて聞いていただいたら、それがどういうふうに厚生労働省で判断されたか、ちょっとそこまでは詳しくわかりませんということだったんですけれども、ただ、国の今の認知症高齢者の推測というのは、国の推計の仕方とか計算式の中で、それをベースにしているというふうに思うんですけれども、あと、やはり大分県の場合は、高齢者が多い県ですから、認知症疾患医療センターと医療関係者とか、それから介護関係者、現場の方としっかり話をする中で、本県独自のやっぱり考え方も加味しながら推計していくことが必要というふうに思いますので、部長を筆頭に、今、見直しの最中、これから本格化すると思いますから、ぜひそのことをよろしくお願いしたいというふうに思います。

 それでは、次に、介護保険財政の運営についてであります。

 第五期介護保険事業計画は、二十四年度から二十六年度までの三年間であります。本県の平均保険料基準額は五千三百五十一円で、全国十一番目、前期比で一二八・八%となっています。ちなみに、全国平均では四千九百七十二円、前期比一一九・五%であります。市町村別では、豊後大野市が一番高くて、六千二百五十円、続いて由布市の六千六十七円、日出町五千七百六十円となっています。ただし、豊後大野市の額は、一般会計から四億五千万を繰り入れての額であります。

 本県では、介護給付費適正化計画を策定して、その適正化に努めているんですけれども、高齢者数が増加している以上、次期介護保険事業計画における保険料が今期を上回ることは間違いないというふうに思います。県内市町村における扶助費も増加しておりまして、次期介護保険事業計画における介護給付費負担額が市町村財政を逼迫させるということは想像にかたくないというふうに思っています。

 さらに、合併市にとっては、次期介護保険事業計画の開始年度が普通交付税の算定がえの段階的縮減期間に入っていきます。第五期計画期間以上に厳しい財政運営が市町村では予想されます。

 先日、知事を先頭に行った平成二十六年度政府予算等に関する要望・提言活動では、介護保険制度の円滑な運営として、国の財政負担の拡充、安定的、持続的な介護財政の運営を可能とする仕組みの構築等々を要望しております。この要望、提言は、実に的確というか、的を射たものだと思います。そして、これにあわせて、財政力の弱い小規模な市町村が保険者となって介護保険を運営することも、やはりこれから厳しくなるんではないかというふうに思っております。

 本県も介護保険財政の広域化を検討する時期に来ているというふうに思うんですけれども、その見解を伺いたいと思います。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 介護保険財政の運営についてお答えをいたします。

 高齢化の進展による利用者の増加等に伴い、介護給付費は増大しておりますけれども、介護保険制度は、老後の安心を社会全体で支える仕組みとして広く県民に定着しており、安定的、持続的に運営されることが重要であると認識しております。

 介護給付の適正化に向けて、県といたしましては、平成二十四年四月に策定した第二期介護給付適正化計画に基づき、適切な介護サービスの確保を図りつつ、介護給付の適正化に向けた取り組みを進めております。

 自立支援型ケアマネジメントの推進に向けたケアプラン点検の充実や作業療法士等の専門職を交えた地域ケア会議の開催などを通じて地域包括ケアの構築を図り、結果として介護保険財政が安定化し、健全化するように取り組んでいるところでございます。

 本県では、市町村合併が進み、広域化のメリットである財政運営の安定化や事務の効率化、保険料の均一化などが図られているものと思われますけれども、今後、広域連合による運営などについて関係市町村の方から具体的なご要望がありますれば、その意向を尊重していきたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 これは、以前、私も同じように一般質問でして、そういう答弁でありましたけれども、二〇〇九年に介護給付費負担金の県内の市町村の総額が百四億一千三百万余りです。そして、二〇一一年が百十五億三千百万ということで、この三年間で一〇%、一割、やっぱり伸びております。これはもちろん、そちらの方がお詳しいと思いますけれども。

 あわせて、この五月に発表された、合併市における普通交付税の算定方法等を考える研究会の中間取りまとめというのをされております。その中で、今の状況でも、交付税算定がえによる縮減というのは、やはり、合併町村にとっては厳しいという中間報告が、一言で言うとなされておりますけれども、この普通交付税の算定がえについては、やはり、市町村の状況を聞きながら、そして、その実態を把握して、これから先、国の方に意見を言っていこうというふうにされているわけでありまして、どうでしょう、部長、県と保険者とで介護保険に関する研究会を、この財政に関する研究会、先ほどの交付税の関係みたいな、そういうふうな研究会を設置して、そして、財政問題に関する問題点を整理して研究するというのを数回やって、実態をお互いに共有してはいかがでしょうか。部長の見解をお願いいたします。



○田中利明副議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 介護保険財政については、課題として、安定化の問題、それから広域化の問題というふうに二つあるのかなというふうに思いまして、安定化の問題につきましては、先ほどお答えしましたように、議員の方もご指摘いただきましたように、国への要望事項ということで、国の財政負担を拡充してくれということで要望し、安定化を図ろうということで取り組んでいるところでございます。

 また、広域化につきましては、先ほど申しましたように、市町村の方でそういうご要望があれば、また承りたいと思いますけれども、基本的には、介護を要する高齢者のそれぞれの状態等をしっかり把握し、適切なサービスが提供できる、やはり住民に身近な市町村が運営主体であるということが介護保険制度の趣旨からして望ましいのではないかというふうに考えておりまして、県としては、介護保険財政の健全化に取り組む市町村を今後ともしっかり応援していく、まずは応援してまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 介護保険法の趣旨、そして、近いところでサービスをやって、それをチェックしていくという、この介護保険の理念、これについては私も、重々、書類上ですけれども、机の上ですけれども、わかっているつもりですけれども、大分県市長会から九州市長会への要望として、この五月に、やはり、「介護保険制度財政の安定を図るために、国または都道府県を保険者とするなど、安定的で持続可能な制度を構築するための抜本的な改革をすること」という要望も出ております。今の答弁からひとつ、ぜひ踏み込んで、その検討をよろしくお願いしたいということで、次の質問に移りたいというふうに思います。

 次は、地震対策についてであります。

 去る六月五日、県は、防災会議を開いて、九州北部豪雨による被害や南海トラフ地震の被害想定などを踏まえて、地域防災計画を修正しました。

 今回の修正では、原子力災害対策を盛り込み、原子力発電所の事故対策の充実を行ったこと、それから、大規模災害時に対応するための広域防災拠点の整備に向けた検討を新たに加えたことなど、これまでの我々の指摘に真摯に対応していただいて、県民の安心、安全の確保に向け、大きく前進したものというふうに考えております。さらに充実した計画改定に向けて、今後も議論を進めてまいりたい、お願いしたいと思っております。

 さて、五月二十八日、内閣府中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループは、巨大地震対策の最終報告をまとめました。報告書は、事前の備えから災害発生時の対応、復旧、復興まで段階ごとに提言を行っており、とりわけ備えについては、「事前防災」という新しい言葉を使って、その重要性を強調しております。

 中でも私が注目したのは、「災害リスクに対応した土地利用計画の策定・推進」の項目であります。災害に強い地域を構築するため、地方公共団体は災害リスクに対応した土地利用計画を事前に策定していくことが重要であり、津波に対して著しい危険が生ずるおそれのある地域においては一定の建築制限を講ずることが必要とされております。

 既に徳島県では、「徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例」が平成二十四年十二月に施行されており、中央構造線活断層に係る土地利用の適正化として、活断層の真上に多数の人が利用する施設や危険物を貯蔵する施設の新築等は避けなければならないと定めております。

 本県についても、活断層の密集地帯と言われており、活断層型地震や南海トラフ巨大地震等による大きな被害が心配されております。このような大規模な地震や津波を迎え撃つためには、被害を小さくする減災の視点から、本県でも土地利用に関する一定の制限を検討する必要があるのではないかと考えますけれども、見解をお伺いします。



○田中利明副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。

 県では、大規模な地震や津波に対して「何よりも人命」という考えのもと、避難対策を最優先に、ソフト、ハード両面から防災減災対策を進めているところでございます。

 土地利用の制限につきましては、例えば、最大級の津波に対して迅速な避難が難しい地域において、病院の居室の高さを津波高以上に改築するなどの方策が有効な場合も考えられます。

 一方で、津波被害が想定される沿岸地域は、市街化が進み、都市機能が集中していたり、水産業など地域の主要産業が立地している状況にあり、土地利用の制限は住民の暮らしや経済への影響が大きいと考えられます。

 このように土地利用の制限は、建築物の移転や改築に係る費用、そして何よりも地域住民との合意形成など課題も多いことから、市町村や関係部局と連携を図りながら、地域の実情に応じて慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 今回初めての質問ですので、慎重に検討するというところだというふうには思いますけれども、ただ、これだけの南海トラフ地震、そして、これは、二〇〇六年、東日本大震災が起こる前に、大分合同新聞と大分大学が共同で研究した結果を報道されている、やはりこの府内断層の問題等々、いろんな問題が提起されております。

 最近、「きずな」とか「想定外と言えない」という言葉、なかなか聞けなくなったんですけれども、ぜひ、今、徳島県がやっている、まず、徳島県でどういうふうな方向で検討されているのかというところぐらいから踏み出して、ぜひ論を進めていただければというふうに思っております。

 では、次に入ります。

 次は、企業の災害対策についてであります。

 本県産業においては、大分市の臨海工業地帯、全国に誇れる県南の醸造関係工場、そして延岡市までを含む東九州メディカルバレーの関係工場など、その多くが臨海部に立地しております。南海トラフ地震によりこれらの企業が津波等の被害を受けることになれば、本県の産業全体に及ぼす影響は大変大きく、大きな痛手となります。

 静岡県では、内陸のフロンティアを開く取り組みを県、市、町が連携、協力して推進し、南海トラフ巨大地震等の有事に備えた防災、減災と地域成長を両立する地域づくりを進めております。

 新東名高速道路等を最大限に活用し、内陸・高台部に津波の心配のない先進地域を築く一方で、沿岸・都市部では防災、減災の対策を進め、両方の地域がそれぞれのポテンシャル、場の力を生かすことによって、均衡のとれた経済社会を形成するといった取り組みであります。

 災害による産業への被害を最小限に抑える視点から、本県においても、企業の事業継続計画の策定を促進するとともに、産業拠点を内陸部に移していく必要があると考えますが、見解をお伺いします。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 企業の災害対策についてお尋ねがございました。

 まず、事業継続計画の策定促進についてでございます。

 企業が自然災害等の緊急事態に遭遇したとき、企業活動を継続的に行っていくためには、防災力、減災力の向上が不可欠だと考えております。

 そうした観点から、業態の特性によっては、臨海部に立地せざるを得ないなどの制約がある企業にあっては、その場所での事業継続計画、いわゆるBCPが必要になってくると考えております。

 そのため、県では、造船や水産加工会社を含む五社をモデルにBCP事例集を作成しておりまして、県のホームページでも公開しているところであります。

 引き続き、商工団体等と連携して、普及啓発のためのセミナーや事例集を活用した個別企業への支援などによって、県内企業のBCP策定を促してまいりたいと思います。

 そして、生産拠点の内陸部移転についてもお尋ねがございました。

 工場の新増設を検討している企業等に対しまして、候補地を我々県として紹介をしていくわけでありますけれども、その際、内陸部の工場用地の地盤の固さだとか、津波の影響が少ない点などということも、その団地の特性をしっかり説明しながら誘致活動を行っているところではあります。

 今後とも、企業の個々のニーズに応じまして支援を行っていきたいというふうに考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 南海トラフ地震によって大分県の生産拠点が被災した場合、やはり大分県経済にとっては大きな損失であることは共通認識だというふうに思っております。

 現段階では、想定されるものについて、やはり、南海トラフの見込みが出て間もないですから、では企業がBCP、継続含めて、どういうふうにやるかということ、これからやっぱり大きな課題になると思うんですけれども、そういう中で、やはり、そういう移転することを具体的に考えている企業に対して、例えば、移転先の自治体とか、あるいは、同じ自治体内であれば区域とのマッチングの、先ほどおっしゃった、その問題の仲介の労をとるとか、それから、農地法の問題がやっぱり影響しますので、その分について、やっぱり、うまく、そこをソフトランディングさせる作業をするだとか、それから、移転する場合の有利な融資制度を検討するだとか、いろんなことが今の段階でできるんではないかというふうに思うんです。

 それから、もう一つ、やはり企業は、避難する人たちを受け入れる場にもなり得ますから、そういう場合に何か、自分のところを避難所として機能させるような施設をするときに、公共性があるというところで、少し、そこに何かの融資制度を入れるだとか、何らかの措置をするとか、そういうことが検討できるんじゃないかというふうに思うんですけれども、部長の方も、少しその辺の、踏み込んだ見解があれば、お伺いしたいと思います。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 東海大地震を想定して静岡県が先進的な取り組みをしているということでありまして、先生からもご紹介ありました静岡県の防災、減災のための内陸のフロンティアを開くということで、都市づくりと一体となった減災、防災を考えられている先進県の事例等も研究しながら考えていきたいというふうに思います。

 以上です。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 ぜひお願いしたいと思います。

 それでは、ジオパークについてであります。

 ジオパークの認定を見据えた観光振興について、まずお伺いします。

 県は、先ごろ策定したツーリズム戦略の中で、「地域の資源にさらに磨きをかけ、見て、聞いて、食べてと五感で楽しむことができる、すなわち第一次産業から第三次産業までのさまざまな要素を取り込んだ総合産業として魅力が増しているツーリズムを推進していくことが重要」と述べております。まさにジオパークは、この取り組みに通じるというふうに思っております。

 五月二十日に幕張メッセで日本ジオパーク認定のプレゼンテーションが行われまして、私の地元の豊後大野市、そして姫島村の関係者が出席者に向けて熱いメッセージを送ったと聞いております。八月の現地調査を経て、九月には結果が発表されますが、これは知事が今議会の冒頭でも提案理由の中で少し触れておりましたけれども、立候補した地域の一住民としても吉報を心待ちにしております。

 豊後大野市の大部分は、九万年前の阿蘇山噴火の火砕流が固まった阿蘇溶結岩で覆われています。この岩がいろんなものを醸し出している、景観を醸し出しているということでありまして、原尻の滝、沈堕の滝、そして石橋等々、五町二村、これは合併前ですけれども、その全域でジオサイトを数多く見れるところであります。

 今回、九月に出される結果いかんにかかわらず、私は、認定に向けた取り組みを通じて地元のすばらしい資源を再発見したことが、やはり地域の者にとっては一番の収穫だったんではないかというふうに思っております。

 市は、原尻の滝など二十一カ所を見学地に設定して観光振興につなげようと努力をしております。観光客の受け入れに備え、ガイドの養成を始めております。

 先ほどのツーリズムを五感で楽しむを考えたときに、この後、まだいろいろな面で不足しているようにも感じてます。そういう中で、市のさらなる努力も必要と思われますけれども、県としても、この豊後大野市のジオパークの素材を生かし、観光振興を着実に進展させるための総合的、戦略的な取り組みが必要と考えますけれども、見解をお伺いします。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 ジオパークについてのご質問でございますけれども、大分県には学術的価値の高い地質遺産が随所に存在しております。ジオパークの認定を受けた地域では、自然科学の学習だとか、研究活動だとか、環境保全はもとより、新たな観光資源として積極的にこれを活用して、地域振興につなげていくということが期待されるわけであります。こうしたことから、大分県では、日本ジオパークの認定を目指している豊後大野市と姫島村の取り組みを積極的に支援をしているところであります。

 先ほど議員からお話がありましたように、豊後大野市には、九万年前の地球規模の阿蘇山の噴火による凝灰岩が厚く堆積をしておりまして、高さ七十メートルの柱状節理を形成する滞迫峡や、あるいは、凝灰岩を利用して、アーチの長さが日本一の轟橋を初め、全国の自治体でも最も多い百十五カ所もの石橋があります。また、市の南部には、太平洋の海底の地層がせり上がった、付加体構造と言うんだそうですけれども、こういったものも存在するなど、非常に地質多様性に富んでいると言われております。

 ジオパークの取り組みを通じまして住民は、こうした大地の成り立ちに気づき、大地にはぐくまれた暮らしや文化を見詰め直すことで、「ここしかない」という地域への愛着や誇りが一層高まっていくと思います。

 また、ジオパーク活動では、このような大地の成り立ちと地域の人々の暮らしや文化や産業がどのようにつながっているかということを地域を訪れた方々に理解していただくということも非常に大事じゃないかというふうに思っています。

 このように、ジオパークには大変期待が持たれるわけでございますけれども、そのためには、まずは、主要な見どころであるジオサイトの整備だとか、あるいはモデルコースの紹介など受け入れ体制を構築するということとあわせて、ジオガイドが観光客とともにジオサイトをめぐり、わかりやすく解説する体制をつくっていくということも大事だと思います。

 ジオパークには、すぐれた地質遺産などについて調査研究を行う学会関係者や学生、文化遺産、地学の愛好家の方々への積極的な情報発信などによりまして、今後、継続的な来訪や長期的な滞在も期待できるというふうに思います。

 このような新たな取り組みによりまして豊後大野市の観光振興を図り、地域振興につなげていきたいと考えております。

 そこで、この秋の日本ジオパーク認定を確実なものにするために、八月の現地審査に向けて、県としては、市の推進協議会と連携しながら、住民学習会、ジオガイド養成研修や豊後大野市と姫島村の交流事業などを実施して、地域の取り組みをしっかりとアピールできるように、怠りなく準備を進めているところであります。

 また、ジオパーク活動を展開するために関係部局によるプロジェクトチームを設けておりまして、今後とも、地域資源のブラッシュアップ、学習研究活動の充実など、さまざまな観点から振興策を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

 このジオパーク認定ということになりますと、これは、豊後大野市、姫島村だけではなくて、大分県にとっても大変うれしいニュースになると思います。ぜひ認定を獲得し、そして前向きに生かしていく対策をいろいろ講じていきたいというふうに思います。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 ありがとうございます。

 重層的な支援のお話を聞きました。ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それから、次に、ジオパーク相互の連携についてでありますけれども、九州内には四つのジオパークがあります。そして、特に、島原、天草、阿蘇のジオパークと今回申請している豊後大野は横軸でつながっております。

 今後、九州内のジオパーク相互の連携をどのように進めていくのか、部長の見解をお伺いします。



○田中利明副議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 ジオパーク相互の連携についてお答えします。

 豊後大野市の地質は、竹田市とともに阿蘇山から噴出した火砕流に覆われて形成されており、地質学的なつながりを有しております。豊後大野市のジオサイトの特徴を一層アピールするためにも、竹田市や阿蘇地域との連携は重要であると考えております。

 豊後大野ジオパーク推進協議会では、阿蘇ジオパークの学芸員をアドバイザーとして委嘱し、学術的な助言をいただいております。

 また、市内の小中学生を対象とした夏休み特別講座やジオガイドの研修を阿蘇で実施しております。

 竹田市では、昨年十月にジオシンポジウムを開催し、地元の関心も高まっておりますので、今後、連携をしていく必要があると考えております。

 九州では、既に四つのジオパークがあることに加え、豊後大野市を含め、三つの地域が今回新たに申請するなど、ジオパーク活動に対する関心が非常に高まっております。

 本年八月には、これらの地域によるネットワーク組織の立ち上げが予定されていることから、県としても、この組織に積極的に参画し、事業の連携などに取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 よろしくお願いします。

 その九州を横断するジオパークの中を貫いているのがJR九州の豊肥線であります。

 豊肥本線の八月四日に予定されている復旧開通式の記念行事となる取り組み、そして平成二十七年度のデスティネーションキャンペーン、DCの一つとして取り上げるなど、JR九州と連携した、今回のジオパーク、この観光振興の取り組みを進めてはどうかと思いますけれども、部長の見解をお伺いします。



○田中利明副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 JR九州との連携についてのご質問です。

 阿蘇から豊後大野にかけて広がりますジオサイトは、近年、観光資源としても注目されておるところでもあり、多くの観光客に足を運んでもらうためにも、エリア内を横断する豊肥本線の活用は不可欠であると考えております。このため、駅を中心にして、主な見どころをめぐる、気軽で魅力的な着地型観光商品の開発というようなことにも取り組んでいかなければならないと考えております。

 本年度実施いたしますJR九州の大分キャンペーン、あるいは豊肥本線の復旧イベントにおきましては、ジオサイトを初め、沿線の観光素材を大いにPRするとともに、誘客促進に努めたいと考えております。

 さらにまた、二十七年夏のデスティネーションキャンペーンに向けては、豊後大野市などと協力して、地形や地層をめぐる魅力的な観光周遊コースを旅行会社に紹介し、観光商品として積極的に売り込みたいと考えております。

 また、私の感触ですけれども、現在、JR九州との関係につきましては大変手ごたえを感じておりまして、そうした中で、大分駅ビルも一つなんですけれども、強い連携を築きながら、しっかり地域の素材を、JRとともに、地域活性化のために役立てていくということをしっかり考えていきたいというふうに考えております。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 よろしくお願いします。

 そして、最後に、豊後大野の場合、ジオパークに認定された後、観光振興のためには、やはり、一番の課題が交通アクセスの問題であります。ジオパークまでの交通手段の確保が難しいという方が多いんじゃないかということが出てくると思います。

 大分空港、別府港、そしてJR各駅からの二次交通、三次交通といった交通手段の確保についてどういうふうにお考えなんでしょうか、見解をお聞かせください。



○田中利明副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 二次交通、三次交通の交通手段の確保についてのご質問です。

 まず、二次交通ですけれども、県内の空港、あるいは港湾、あるいはJRの主要駅といった主要交通拠点から各観光地への二次交通につきましては、バス事業者等に働きかけを行いまして、バスのダイヤをJRの特急との乗り継ぎを考慮して見直すなど、次第に改善が図られてきております。

 豊後大野市内の三次交通ということになりますけれども、豊後大野市内で特徴ある地形や地層を見ることのできるジオサイトは市内の各所に点在しておりまして、既存の路線バス等での周遊というのは、なかなか難しいところがあるというふうに考えております。このため、そうした三次交通対策といたしまして、市内の主要駅である三重町駅を起点に、周遊が可能なレンタカーですとか、観光タクシーですとか、そうした交通手段の確保について、地元の豊後大野市、あるいは交通事業者の方々等と話し合いをしていきたいというふうに考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 玉田輝義君。



◆玉田輝義議員 よろしくお願いします。

 どうもありがとうございました。これで質問を終わります。(拍手)



○田中利明副議長 以上で玉田輝義君の質問及び答弁は終わりました。三浦正臣君。

  〔三浦(正)議員登壇〕(拍手)



◆三浦正臣議員 皆さん、こんにちは。十九番、県民クラブの三浦正臣でございます。

 本日は、私の地元日出町から、大変お忙しい中、そしてお足元が悪い中にもかかわらず、多くの皆様が本議場まで足をお運びくださいました。心より御礼申し上げます。まことにありがとうございます。

 それでは、早速、質問に入らせていただきます。

 まず、初めの質問ですが、道州制について伺います。

 この道州制の議論は、平成十八年二月に国の第二十八次地方制度調査会から答申がなされ、これまで全国知事会、日本経済団体連合会など各方面で議論が行われてきており、平成二十年十月には九州地域戦略会議において道州制の九州モデルが策定されたところです。その意義としては、中央省庁の再構築や基礎自治体の自立強化による効率的行政の実現、地域間格差の解消、住民への情報提供や啓発、地域アイデンティティーの継承等がまとめられました。

 そうした中、道州制のあり方及び導入手続を定めた道州制推進基本法案の国会提出に向けた動きは持ち越されましたが、依然としてその動きは加速しています。

 この基本法案は、道州制導入によって中央集権を改め、少子・高齢化など将来にわたる社会構造の変化にも柔軟に対応するとの理想が描かれていますが、権限や財源がどの程度移譲されるかという肝心な部分が全く見えてきていません。

 そこで質問ですが、本県は、平成の大合併で五十八市町村から十八市町村に集約された結果、新市中心部に比べ、周辺部の衰退がさまざまな面で顕在化しており、そして何より、普通交付税の合併算定がえの期限到来により今後の行政運営がさらに厳しくなってくる中、まずは大合併の結果を十分に検証する必要があると思いますが、県としての見解を伺います。

 また、現政権には、道州制をめぐるこれまでの検討内容や経緯を踏まえ、慎重に歩を前に進めていただく必要があると私は考えます。

 州都の周辺はより発展し、他の地域は寂れることが予想され、本県は現状では県内の市が州都になる可能性は低く、さらなる地域間格差が生じるおそれがあるとの指摘もあります。つまり、道州制が導入され、大分県庁が九州府の出先機関となれば、職員数はかなり減り、大分市中心市街地が寂しくなるのは必至だと思います。

 今こそ、県民サービスの向上に最も適した国、県、市町村のそれぞれの役割分担を再検討するため、広く県民を巻き込んだ議論を展開していくことが大切だと思います。

 道州制のどこが真に県民のためになるのか、本県にとって道州制が本当に必要なのかについて知事の見解を伺います。

 これ以降は対面席より質問させていただきます。

  〔三浦(正)議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○田中利明副議長 ただいまの三浦正臣君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま三浦正臣議員から市町村合併の検証と新たな道州制の問題についてご質問をいただきました。

 まず私から道州制の問題についてお答えを申し上げたいと思います。

 人口減少、少子・高齢化社会の進行だとか、あるいは経済のグローバル化の進展に適切に対応するためには、広域的に課題をとらえて、各地域がみずからの意思と責任で解決を図っていくということが大変大事であります。そのためにも、従来の県の区域を超えて、より広い九州レベルでの自治のあり方を議論する段階ではないかと考えているところであります。国において道州制導入の議論が活発化しているのも、こうした流れの中にあるというふうに思います。

 しかし、議員ご指摘のとおり、現在、国では、その導入手続についての議論のみが先行をしておりまして、道州制の理念だとか、目的、あるいは具体的な姿が十分に議論されていないということだと思います。

 もとより、道州制とは、分権型社会実現のための一つの形でありまして、単なる都道府県合併ではなくて、国、地方を通じた統治機構の改革にほかならないということであります。

 道州制ということになりますと、国の省庁や出先機関のあり方、都道府県、市町村の事務、権限、組織、人員、財源等を全体的かつ抜本的に見直す必要があります。基礎自治体たる市町村の役割もますます増大し、それだけに、さらなる自主自立の体制づくりが求められることになると考えられます。

 現在、県が担っている市町村に対する行財政基盤整備等の支援、助言の役割や、あるいは小規模集落対策など地域活性化において市町村を補完する役割を道州がどのように担っていくかということも大きな課題であります。

 そして、導入されるからには、地域住民がこれまでと同様に、もしくはそれ以上の水準で高い行政サービスを受けられるような仕組みとしなければならないわけであります。

 本県では、既に平成十九年に大分県道州制研究会を設置いたしまして、道州制のメリットやデメリット等の研究を行い、九州地方知事会においても、経済界とともに平成二十年に道州制の九州モデルを策定いたしました。

 いずれの場合も、九州の一体的発展に向けたインフラ整備や成長戦略の策定が可能となるなどのメリットがある反面、県としての地域アイデンティティーの喪失や、あるいは道州の中での地域間格差の拡大などの課題が指摘されたところであります。

 地域アイデンティティーにつきましては、日出町民、大分県民という意識はあるけれども、九州市民という意識はまだないわけでございまして、そういうアイデンティティーをどうつくっていくかということも大事な課題であります。

 今後、道州制を本格的に議論する際には、まずは国の方で、国、地方を通じた統治機構のあり方だとか、これが国民生活に与える効果などについて、理念や具体的な将来像を明らかにすべきでありまして、その上で道州制導入について国民的な議論を行い、国民の共通認識の醸成を図るべきではないかというふうに思っております。

 県といたしましても、地域のさまざまな声に耳を傾けて、住民福祉の向上と地域活性化を第一として、国と地方のあるべき姿について議論を行って、積極的かつ建設的な提案を行っていきたいというふうに考えているところであります。

 その他のご質問については、担当の部長からお答え申し上げます。



○田中利明副議長 島田総務部長。



◎島田勝則総務部長 市町村合併の検証についてのご質問をいただきました。

 県ではこれまで、合併の直後から三度にわたる影響調査や中間評価を実施し、これを施策に反映してまいりました。中でも、地域の皆さんが特に心配していた旧町村部対策には、合併当初から毎年度約三百五十億円の予算を優先配分してきたところです。振興局の職員も直接地域に出向き、住民の皆さんの声を直接伺い、地域資源を活用した特産品開発や高齢者の見守り体制づくりなど旧町村部の活性化や集落機能の維持を支援しておるところでございます。

 また、合併市の目下の課題は、普通交付税の合併算定がえによる効果が平成二十七年度から段階的に減少することです。これに関しては、昨年九月から合併市とともに研究会を立ち上げまして、合併市の財政需要などについて調査、分析を行っているところです。その中では、広域化した合併市における支所や消防施設等に係る経費は、地域住民の安全安心確保のため、削減が難しいということが改めて確認されました。そこで、このような実態が普通交付税の算定において適切に反映されるよう、国への要望を行っているところです。

 各合併市においても、合併後の新しいまちづくりに取り組んでおります。県としても、引き続き合併市や地域住民のご意見をきめ細かく伺いながら、しっかりと支援してまいりたいと考えております。



○田中利明副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 道州制を求める声は広がっておらず、国民、そして県民に十分に理解されているとはとても思えません。道州制は本当に大分県のためになるのか。中央発の議論ではなく、本県の実情に向き合って、地方の立場からみんなで考えていく必要があると私は思います。

 地方の立場からという知事の強い意思をお聞かせください。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 道州制について基本的にどういうふうに考えていくかということですけれども、本当に少子・高齢化が進む、人口が一億人を割るというようなことが間近に迫っているわけでございます。そういう中で地域の活力を全体として維持していくというためにはどういう統治機構がなければならないか、あるいはまた、世界のグローバル化が進んでいる、そういう中で日本が生きていくためにはどういう統治機構がなければならないかというようなことを考えますと、やはり、道州制について全く無関心というわけにはいかない。やはり、将来の一つの統治機構のあり方として考えていかなきゃならぬ面もあるかもしれないというふうに思っている、基本的にはそういうふうに思っておりますけれども、それにしても、議員ご指摘のとおり、この道州制の問題については、まだまだ大分県の皆さん、各都道府県もそうだと思いますけれども、非常に意識の中に乗ってきてないというのが実情だと思います。

 そういった意味で、まずもって大分県でも、実は、道州制研究会というのを設けて、県民の皆さんに参加をしていただいて議論を進めて、メリット、デメリットの議論をしてきた。九州地方知事会でも、経済界と一緒になって、道州制をやるとしたらどういう姿になるだろうかというようなことでモデルもつくってみたというようなことでございまして、我々が地方としてできることはいろいろやってきたということでございます。

 しかしながら、これは、そもそもやはり、国の姿、そして都道府県や市町村の姿にかわる統治機構全体の問題である。そういう中で、この国をどういうふうに持っていこうと考えているかという、そしてその中で住民の福祉をどう守り立てていくかという問題でもあるわけですから、国の問題でもあるということでございます。

 まずは、国の方で、そういう全体の姿というのを書いて、そして、こうすればこういうふうになるんだという姿をわかりやすく書いてもらうということも大事ではないかというふうに思っているところです。

 地方としてできることは、地方みずからいろいろ勉強もする。しかし、国の統治機構としての考え方というのは、やはり、国の方で出してもらう。そういう中で国民的な議論をやっていくということが、これから大事なプロセスではないかというふうに思っているところであります。



○田中利明副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 知事、ありがとうございました。

 中央の動向を注視するとともに、大分県の実情に向き合い、今後もぜひ議論を重ねていきたいというふうに思います。

 それでは、次に、アメリカ半導体大手のテキサス・インスツルメンツ日出工場、いわゆるTI日出工場の閉鎖について伺います。

 本日は、TI日出工場で三月まで働いており、現在、求職活動を続けている方も傍聴に来られています。日々不安を抱えながらも、何とか新たな生活に踏み出そうとされています。求職中の方々の背中を少しでも押していただけるご答弁をぜひお願い申し上げます。

 昨年第三回定例会でも一般質問させていただきましたので、その後の確認も含め、伺います。

 日本TIの和田社長は、昨年の十二月二十日に県庁を訪れた際、知事に対し、「六月末で閉鎖するTI日出工場の譲渡先を閉鎖までに見つけるのは難しい」との見通しを伝えられました。

 これを受けて、県が中心となり、日出町、別府市、大分労働局の代表者が参加する連絡本部を県商工労働部内に設置し、地場企業や立地企業、商工会議所等に働きかけをする中、二月の末の段階で、県内約四十社、二百七十名の求人を確保できました。さらに、TI日出工場離職予定者に対し、求人企業会社説明会や就農相談、農業法人への再就職相談会を開催するなど、再就職対策に全力で取り組んでいただいていることには深く感謝申し上げます。

 日本TI自身も、四月一日には、アジア諸国にあるTIの生産工場を県内から支援する拠点として、日出パッケージングセンターを開設し、三十一名の従業員の再就職を実現しました。

 大分労働局が三月末に離職した百四十五名を対象に再就職の意向を調べたところ、地元の日出町、別府市で再就職を希望する人が八五%を占め、さらに、そのほとんどが製造業を希望しているとの調査結果が出されました。

 そのような状況の中、大分労働局が四月三十日に発表した三月の有効求人倍率は〇・七四倍で、前月と同水準で、半導体関連を中心に製造業の雇用が振るいませんでした。労働局によると、製造業の低迷は半導体工場の閉鎖決定の影響が大きな要因であり、さらに、県内の安定所別の有効求人倍率は、別府管内が最も低く、前月から〇・〇五ポイント低下して、〇・六倍と厳しい数字となっています。

 そこで質問ですが、百四十五名の離職者のうち、五月十日現在で三十二名が再就職、十一名が職業訓練を受けているとのマスコミ発表もありましたが、現時点での再就職者数と職業訓練を受けている方の人数及び県に設置された連絡本部が確保した二百七十名の求人に対し、何名就職をされたのか、伺います。

 また、あと五日後には約二百五十名が職を失います。離職者の大半がなれ親しんだ地元大分で新しい仕事につきたいと望む中、閉鎖が決定したのは一年半前のことです。最悪の事態が起こらぬよう、そして、何より、大切な県民の生活が守れるよう、より有意義な策を講じていくべきではなかったのでしょうか。

 今後はさらに厳しい局面を迎えますが、支援策についての県の見通しを伺います。

 さらに、昨年第三回定例会での私の質問に、「工場が閉鎖後、従業員の方々が再就職できない場合は、地元経済への影響は避けられないので、必要な対策をしっかりと実施してまいりたい」との答弁をいただきました。

 TI日出工場の閉鎖があと五日後と迫る中、地元経済への影響についてどのような対策を講じていくのか、見解を伺います。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 日本テキサス・インスツルメンツ日出工場の閉鎖について、そして従業員の再就職についてご質問をいただきました。

 何点かご質問ありましたけれども、まず私から、再就職に向けて、県の努力についてお答えをしたいと思います。

 半導体市場は、世界的規模での事業再編が進んでおりまして、非常に厳しいグローバル競争が繰り広げられている、議員ご承知のとおりであります。

 こうした状況の中でテキサス・インスツルメンツは、大規模で先進的な工場へ生産を移管するという判断で、工場の閉鎖を言い、また、譲渡先を探してきたところであります。

 しかし、昨年の十二月、和田社長から、「日出工場の存続は困難だ。今後は従業員の再就職の支援をお願いしたい」というふうに最終的に要請があったわけです。

 県では、直ちに従業員の再就職先を確保するということで、商工労働部を中心に百社を超える企業を訪問いたしまして、七十社、約三百五十名の求人を掘り起こしてきたわけであります。

 そして、十二月の表明から、そういう作業を経て、ことしの二月には県内外の二十九の企業に、さらに五月には二十四の企業に参加をしてもらって、会社説明会を実施したところであります。

 また、再就職先として農業を希望する従業員の意向が相当数あったことから、二月に農業分野の就業相談会を開催するなど、できる限りの再就職支援を実施してきたところです。

 雇用保険の受給を受けながら、ある程度期間を置いて再就職活動を行う方がいると思います、そういう方がいたり、一方で、就労条件等が合わずに、再就職をなかなか決断できない方もいると思います。

 六月末をもってTI日出工場は閉鎖されますけれども、これからの再就職については、従業員の方が給与水準、あるいは就業場所、業種等についてどう考えていくかということも大変重要な要素となってくるわけであります。従業員の皆さんが、置かれた状況や、あるいは必要性等に応じて、より柔軟な判断を行って再就職につながっていくということも、また大事ではないかというふうに思います。

 今後は、従業員と企業とのマッチングは労働局やハローワークが主体となって取り組みますけれども、県といたしましては、再就職先の間口を広げるために職業訓練を充実していきたいというふうに考えています。

 工場が閉鎖になりますと、その従業員の再就職ということではなくて、一般に雇用を見つけるということになりますから、今度は労働局の所管になるということで、これは、今の制度の建前からいって、やむを得ないことであります。

 その後の県のかかわりでございますけれども、具体的には、離職後、雇用保険の受給期間を見込んで、職業訓練を受講しやすい時期に訓練コースや定員をふやすなど細やかな対応を行っていきたいというふうに思います。

 三月末退職者については、七月から九月に開始する約四百六十人の訓練を行います。六月末退職者については、十月から十二月に開始する約四百人の訓練を行います。それまでに就職が決まっていない皆さんにぜひ受講していただいて、再就職につなげていただきたいというふうに考えております。

 県といたしましては、これまでも求人の掘り起こしなど、やるべきことはやってまいりました。

 今後は、TIに対しまして従業員の再就職を全力で支援するよう要請するとともに、職業訓練を一層充実して再就職を支援していきたいというふうに考えております。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 私からは、まず再就職等の状況についてご説明申し上げます。

 TIからの報告によりますと、三月末までに退職した従業員百五十名のうち、三十九名について再就職が決定しております。

 そして、職業訓練は、県が実施する訓練に三名、国の訓練に六名、合わせて九名が介護福祉分野や生産技術分野の職業訓練を受講しております。

 そして、県が開拓した求人企業への就職者数の状況ですけれども、これまでに、県内企業を中心に、約七十社から約三百五十名の求人を開拓しました。これらの企業に対し、約六十名が企業を特定し、現在、再就職活動を行っているところであります。今のところ、製造業に六名、サービス業等に三名、合わせて九名の再就職が決まっております。

 次に、地元経済への影響についてお尋ねがございました。

 県ではこれまでも、TI日出工場の関連企業を訪問し、取引状況や雇用への影響について情報収集に努めてまいりました。関連する製造業の企業数は限られており、これらの企業にとってはTIとの取引も限定的であるというふうに聞いております。しかしながら、地域で最大の雇用の場である工場が閉鎖すれば、地元での消費活動や町財政への影響も避けられないといったことは考えられます。

 県としても、地域の方が安心して働けるよう、職業訓練や産業支援などによる雇用の確保などの取り組みを着実に進めることで地元経済の活性化に寄与していきたい、このように考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 先ほど申しましたが、再就職対策に本当に全力で取り組んでいただいていることには感謝申し上げます。

 ただ、県に設置された連絡本部で、今ご答弁ありました七十社、三百五十名もの求人を確保していながら、もし仮に再就職に結びついていないのであれば、求人を求める段階で何らかの形でマッチングができない要因があったのではないかと考えられますが、県としてはどのような見解をお持ちなのか、お伺いをします。

 さらに、今、安定所では、若い方からお年寄りの方まで多くの方が職を探されています。

 県としましても、雇用の確保につながる施策を示していく必要があると思いますが、知事の今後のビジョンがありましたら、お示しください。



○田中利明副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 七十社、三百五十人の求人のうち、地元である日出町、杵築市、別府市における求人は十五社、約三十名でありまして、うち製造業からの求人は五社、約十人という大変少ない状況であります。これは、ご承知のとおり、大分県内の有効求人倍率がまだ〇・七台という状況になっておりますから、県内での就職先というのがなかなか見つけにくい状況になっているということのあらわれだというふうに思っております。

 したがって、これは、雇用を決めていくのは、雇い入れる会社、企業と、それから仕事を求める従業員の方の合意に基づくものであるわけですから、就労の場所だとか、あるいは業種だとか、給与水準等の面で、やはり必要に応じて判断をより柔軟にしていくというようなことも大事ではないかというふうに考えているところであります。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 雇用の場の施策についてのビジョンというお尋ねもございました。

 県では、若年者を対象としたジョブカフェだとか、中高年齢者就業支援センター等において、ハローワークと連携しまして、キャリアカウンセリングなどきめ細かな就職支援を引き続き実施していきたいと考えております。

 また、本年度開設しましたおおいた産業人財センターにおいて企業の魅力発信を行うなど、人材と企業のマッチング支援もしっかりと推進してまいります。

 今後も、だれもが意欲と能力に応じて活躍できるよう、しっかりと就業支援を行ってまいりたいと考えております。



○田中利明副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 ありがとうございました。

 今後も、さらなる力強いご支援をよろしくお願い申し上げます。

 それでは、次に、グローバル人材の育成について伺います。

 ここ数年の間、「グローバル」というキーワードを頻繁に耳にするようになりました。例えば、ビジネスでは、さらなる成長を目指す日本企業が、成長著しい新興国を中心に、海外事業所の設立や現地企業とのアライアンス、M&Aなどを駆使し、積極的に海外進出を目指しています。そういったグローバル化の波は、人材採用の面においても例外ではありません。

 企業が描くグローバル人材のイメージは、スキルや経験に加え、コミュニケーション力やマネジメント力、主体性、積極性、チャレンジ精神、判断力、適応力、思考力など、非常に数多くの資質、つまり人間力が総合的に求められることになります。

 グローバル人材の育成のためには、外国語が話せるということが大前提です。産業に限らず、日常生活でもグローバル化が進んでいることから、まさに今、若者が、使える外国語を身につけることは待ったなしだと考えます。

 今月発表された「日本再興戦略」では、グローバル人材を育成するため、教育再生実行会議の提言をもとに、大学入試や卒業認定にTOEFL等の活用促進が触れられています。また、先月二十八日には、小学校で英語を正式教科にすることなどを柱とする国際化社会での人材育成についての提言もされました。これらは、ただ単に英語ができる一部の者に特化するのではなく、この国をさまざまな分野で支えることになるであろう多くの子供たちにとってプラスにならなければなりません。

 現在、国の教育課程特例校制度を利用して、全国の多くの自治体で小中学校における独自の英語教育が行われています。本県でも、大分市、佐伯市、豊後高田市、別府市の一部の小学校で、この教育課程特例校の認定を受け、小さいうちから英語を学ぶ環境が与えられています。これは、小さいうちから、英語が苦手になるのではなく、英語に親しみ、興味を持ち、英語そのものを好きになるためのものであると認識をしています。

 一方、大分県長期総合計画「安心・活力・発展プラン」の中では、平成二十三年に新たに「国際人材の育成」の項目が設けられています。

 県も、グローバル人材の育成のため、外国語教育には力を入れており、小学校五、六年生の外国語活動必修化も行われていますが、これまでの外国語教育の成果と今後の課題や新たな取り組みの計画をお聞かせください。

 また、グローバル人材に求められる力は、日本人としてのアイデンティティーを持ちながらも、各国のさまざまな文化を持つ集団の中で、自分の考えを適切に主張しながら協力し、共生し合うことが求められますが、その点で、やはり海外留学の効果は絶大です。

 埼玉県は、平成二十三年度にグローバル人材育成基金を設置し、高校生の海外留学の支援をしています。また、東京都は、昨年度より都立高校生の海外留学を支援しています。本県も、かつては市町村等が企画し、アジア諸国を初め、多くの国に短期留学や交流、視察を行った時期がありましたが、現在は、その多くが資金不足によって打ち切られています。しかし、今こそ、県が高い見地から、積極的に子供たちの挑戦意欲を引き出し、力強く後押ししていかなければと考えますが、見解を伺います。

 次に、留学生の活用についてです。

 本県は、海外からの留学生がとても多く、大学院、大学、短大、高専、専修学校に在籍する学生数に占める留学生の割合を算出すると、平成二十四年五月一日現在で一二・九六%と、日本で最も高い留学生率となっています。

 多くの異なる文化が交流している恵まれた地域特性を生かし、留学生と子供たちとの交流、学習の活動プログラムを、今行っているもの以上に、内容の濃いプログラムを検討していくことが必要であると私は考えます。

 また、日本語、英語だけでなく、中国語を学び、それを使いこなせる日中英トライリンガルを育てるという進んだ取り組みを始めている大学もふえています。中国語を話す人は今や世界に十六億人と言われ、その影響力は無視できません。

 そこで、地理的にも、人材的にも、環境的にもアジアとつながる日本の拠点となり得る本県の強みを生かして、英語と並行して中国語、さらには、現在、政府並びに世界各国も注目している東南アジア諸国を含めたアジアの活力を取り込むべく、これらの国々について学び、理解を深めるという環境づくりについても必要性が増していると思いますが、県の見解を伺います。

 次に、日本を支える人材育成について伺います。

 グローバル化、国際化の進展に対応し、産業や文化、人的交流といった広い分野において、海外で活躍できる人材や、本県における国際化に対応できる人材の育成を進めていくのと同時に、本県経済の発展のため、時代に対応した産業人材育成にも取り組まなければと考えます。

 一次、二次、三次産業各分野において、どのような人材を企業が求めているのか、また、雇用の成長や雇用の拡大が期待できる新エネルギー・省エネルギー関連、情報通信関連、医療・福祉関連、環境関連など、次世代の人材育成についてもどのようにお考えか、お聞かせください。



○田中利明副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 私から三点お答えをします。

 まず、外国語教育についてですが、平成二十三年度から、小学校の五、六年生を対象に、外国語になれ親しませながらコミュニケーション能力の素地を養うことをねらいとした外国語活動が行われています。これにより、英語に対しての抵抗感が少なくなり、積極的に外国人とのコミュニケーションを図り、その楽しさを味わうことができるようになった児童がふえてきました。

 課題としては、外国語活動の授業を適切に行うことができる教員の確保と指導力の育成です。このため、平成二十三年度から、小学校教員採用試験に英語のリスニング問題を取り入れました。さらに、今年度からは、十年経験者等の教員を対象に、模擬授業等を通して外国語活動の指導力を高める研修を設けたところです。

 今後とも、これらの取り組みを通じて外国語活動の充実を図っていきたいと考えています。

 次に、海外留学についてお答えをします。

 高校生の海外留学については、同世代の外国人とのコミュニケーションを図り、多様な価値観に触れる機会を通じて、異文化に対する理解や国際的な視野を育てる効果があります。また、外国語を通してのコミュニケーション能力の向上にとっても有益であると考えます。

 平成二十四年度の調査では、県内の公立高校において九十名を超える生徒が海外での語学の研修等に参加しており、そのうち五名の生徒が留学をしておりますが、今後ともより一層留学体験を広げることが重要だと考えています。

 このため、今年度から海外留学支援の取り組みを始めており、外国の高等学校に一年間留学を希望する生徒に対し、選考の上、留学支援金を交付することとしています。また、帰国後には、留学成果報告会を開催し、留学志向を高める取り組みも行う予定です。

 三点目、留学生の活用についてお答えをします。

 産、学、官で設立をした大学コンソーシアムおおいたや大学と連携しながら、授業や学校行事への留学生の参加や立命館アジア太平洋大学への社会見学などさまざまな機会を通じて、外国の文化や価値に直接触れる機会を積極的に設けています。

 例えば、小学生とアジアを中心とした留学生との野外体験活動を実施し、英語や留学生の母国語によるコミュニケーション活動を行っています。

 また、複数の高校において、留学生を招いての特別授業や、生徒が英語での研究発表を行う際の資料作成補助等に留学生を活用しております。

 高校の中には、外国語の授業で、中国語、韓国語、インドネシア語といったアジア圏の言語を学習する科目を独自に設定している学校もあり、学習を通して各国の伝統や文化を学ぶ機会を設けています。

 今後とも、留学生の活用や海外留学の支援などを通じて、児童生徒が外国の多様な文化に触れ、異文化理解を深める機会の確保に一層努めるとともに、世界に挑戦し、国際社会に貢献するグローバル人材を育成したいと考えています。



○田中利明副議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 産業人材の育成についてお答えいたします。

 これまでも本県経済の発展を支えてきたのは優秀な産業人材の存在であります。

 人口減少時代を迎え、労働力人口が減少する中、企業は、専門的な知識や技能を有し、即戦力となる人材を求めております。

 このため、教育庁とも連携し、工業系高校では、熟練技能者等による実技指導を行い、国家資格取得を支援するとともに、工科短期大学校では、より高度で実践的な訓練を行うなど、人材育成に努めているところであります。

 また、本県経済の持続的発展には、エネルギー、医療、ITなど新産業の成長に対応した人材育成が非常に重要であります。

 エネルギー産業企業会では、人材育成部会を設け、エネルギー関連ビジネスに関する動向や技術についての専門セミナーを開催しております。

 また、医療分野では、県内企業の医療機器産業への新規参入に向け、薬事法の解説セミナー開催や薬事アドバイザー派遣を実施しております。

 そして、IT産業では、県内企業の技術者などを対象とした「おおいたIT人材塾」を開催し、スキルアップを図っております。

 こうした取り組みにより、産業人材の育成に努め、本県経済を底上げしていきたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 グローバル人材の育成において、主体的に考える力や問題解決力の育成などは、まさに新しい学習指導要領が目指すものです。

 まずは、小学校、中学校、高校で培った確かな基礎があって初めて世界に羽ばたくリーダーとなれることも忘れてはいけません。そして、知識や技術だけでなく、グローバルな人間関係をつくる力、他の文化を尊重し、相手を思いやる力、相手を理解しようとする姿勢等、幅広い視野を持つことにつながる学習についても、さらに検討していくべきだと私は考えます。

 私も、これからの時代を担っていく世代として、教育を受ける子供を持つ親として、ともに今後も議論を重ねていきたいというふうに思います。ぜひ、その点の検討をよろしくお願いいたします。

 それでは、最後に、水産業の振興について伺います。

 まず、燃油の価格上昇対策について伺います。

 本県の海岸線の総延長は七百七十二キロメートルと全国十三位で、日本の三大干潟の一つである豊前海は幼稚魚の育成場として重要な役割を果たしており、県南部のリアス式海岸は、天然の良港であるとともに、魚類養殖に適した静穏域を形成しています。本県は、瀬戸内海からの内海水と黒潮からの外洋水が混合するため、生産性が高く、海洋地形は変化に富み、多種多様な海の幸をはぐくんでいて、とても恵まれた自然条件にあります。

 本県の漁業従事者の方々は、新鮮な魚介類を提供するため、日夜、多大な努力をされています。しかし、水産業を取り巻く環境は、漁獲量の減少、魚価の低迷、漁業従事者の高齢化や担い手不足、そして、とどまるところを知らない急激な燃油の高騰で、漁業従事者は大変厳しい経営を強いられています。特に燃油の高騰は、経費に占める割合が他の産業と比べて高く、魚価の低迷が続く現状で、まさに漁業従事者にとっては死活問題になっています。

 県漁協など県内の水産関係五団体は、先月の十七日に大分市で漁業経営危機突破県漁業代表者集会を開き、国や県に、短期間で高騰した燃料代に対する緊急支援を求め、要望書を提出しました。

 県漁協によると、A重油の年間平均単価、一リットル当たりは、二〇〇八年が九十・四九円で、近年では最も高く、〇九年は六十二・二円まで下がりましたが、十二年に再び八十四・九六円まで上昇、ことし四月の月平均は九十七円へと急上昇しました。価格が十年前の二倍以上にはね上がっています。

 こうした中、「一生懸命取り組んでいるコスト削減も限界に来ており、漁師の生活は危機的な状況だ」と漁業従事者は訴えていますが、このような要望書に対し、どのような対応をお考えなのか、県の見解を伺います。

 次に、県産魚の地産地消についてです。

 急速に進み続ける魚離れは、若年層だけでなく、中高年層にも及んでいます。「子供の魚嫌い」「魚介類は肉より割高」「魚介類は調理が面倒」など、魚離れの要因となる声をよく聞きます。国内でも優位な生産量を誇り、新鮮ですぐれた魚がすぐに手に入る本県でも魚離れの状況があるというのは大変に残念で、実にもったいない状況です。

 近年では、鮮度の高い漁獲したばかりの魚を、例えば、塩焼き用、フライ用といった用途に応じた処理をした上で、真空パックで急速冷凍した商品を開発し、それを販売する取り組みが進められています。国では、このように手軽に食べられる商品をファストフィッシュとして認定する取り組みが広がってきています。

 地産地消の取り組みにより、学校給食などにおける県産魚の利用は平成二十二年度には三十六万食を超え、以前に比べて増加していますが、現在の利用促進状況を、福祉施設や病院などとあわせてどうなっているのか、お示しください。

 また、本県において、鮮度が高く安心して利用できる県産魚のさらなる消費拡大が不可欠であると考えますが、今後の県産魚の地産地消の促進に向けた取り組みをお聞かせください。

 次に、県産魚の販路拡大について伺います。

 首都圏では、九州のすぐれた農林水産物を求めるニーズが非常に高まっています。平成二十四年度の当期純損益も黒字であると聞いている「坐来大分」では、「関あじ当日便」で新鮮な魚を提供するほか、首都圏での商談会を成功させるなど、そのニーズの高さが見てとれます。

 また、「おおいた農山漁村活性化戦略二〇〇五」では、農林水産業産出額二千百億円を目指し、ザ・オオイタ・ブランド確立に向けたものづくりを初めとする各種施策を実施しており、特に水産業では、平成二十七年の産出額四百五十億円を目指しています。

 現在、本県の漁業政策は、生産者所得の増大に向け、関あじ、関さば、城下カレイに続くブランド産品を創出するため、かぼすブリやかぼすヒラメ、ハモなど七種のチャレンジ魚種を中心に販路を拡大するとともに、重点的魚種についての戦略的取り組みが行われています。

 現在までのチャレンジ魚種を初めとする県産魚の販路拡大の成果、今後の課題などについてお聞かせください。

 最後に、担い手対策について伺います。

 県内の漁業就労者数については、三十九歳以下は、平成五年には千五百六十二人いた就業者が平成二十年には六百二十四人に減少、四十歳から六十四歳では、平成五年には五千四百五人いた就業者が平成二十年には二千六百八十一人と、やはり大きく減少しています。

 一方、六十五歳以上の就業者は、平成五年は一千五百八十八人でしたが、平成二十年には一千九百十二人と逆に増加しており、高齢化が急激に進み、後継者が大きく減少していると言えます。

 これまで、県立津久見高等学校海洋科学校と連携し、新規就業者の確保を初め、経営管理や漁業者の育成のための研修会の開催、もうかる漁業を目指した新技術の導入支援等に取り組んできましたが、その成果を伺います。

 ある漁業従事者が、「漁師は、三十年前は派手で生活水準も高かった。浜には活気があった。自分が漁師を見てあこがれたように、漁師の活気があるところを子供たちにも見せたい」と話してくださいました。

 水産業は、本県にとって決して衰退してはいけない産業であります。今後の担い手対策について、課題解決に向けてどのようにお考えかをお伺いします。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 ただいま燃油高騰から担い手対策まで四点のご質問がありました。

 まず、燃油高騰についてからお答えを申し上げます。

 五月の県への要請を受けまして、直ちに国に対して高騰対策について要望を行ったところであります。これに対しまして国は、既存の漁業経営セーフティーネット構築事業を七月から拡充することとしております。

 具体的には、二十六年度末までの間、A重油であれば、一リッター当たり九十五円を超える異常高騰時には、補てん額の国庫負担を、これまでの二分の一から四分の三へ引き上げるというものであります。

 また、この制度への新規加入を促進するため、随時加入受け付けや積み立てに対する借入金の無利子化を図るとともに、加入手続の緩和のため、漁協一括加入を可能としたところであります。

 このほか、省エネ効果の高いLED灯や機関の導入への助成も今検討されております。

 このセーフティーネットへの加入積立金は、掛け捨てではなく、三年間発動がなければ返還をされる有利な制度となっております。

 今回このように国庫負担がかさ上げされるなど制度が充実をいたしましたことから、県としては、漁業者の積極的な加入を促すため、県漁協と連携をした説明会の開催や普及指導員によるきめ細かな情報提供に努めていきたいと考えております。

 次に、県産魚の地産地消についてであります。

 県産魚の消費拡大には、手間をかけずにおいしく食べられるなど、最近の消費者ニーズに対応した加工品の普及と若年層や家庭での利用機会の増加対策が重要であります。

 例えば、家庭向けに、アジ、サバなどを使用した手軽で簡便な加工品「骨まで食べられるお魚惣菜」を県漁協とイオン九州が開発をいたしまして、昨年から九州内の店舗で販売をしているところであります。

 また、学校給食につきましては、県の助成により、学校給食会と水産加工業者、栄養士などがサバのケチャップ煮やハモつみれ団子など子供の嗜好に合致した加工品を共同で開発し、提供いたしましたところ、近年、大幅な伸びを示し、二十四年度には魚食が四十二万食まで達したところであります。

 本年度は、病院、福祉施設などでの県産魚の利用拡大を図るために、県栄養士会が主催の県産魚利用拡大会議で骨の除去などニーズに対応した商品の開発を行ってまいります。

 また、骨切りハモの冷凍品などの新商品開発や大分県魚市場連合会などが行うお魚料理教室、料理コンクールなど魚食普及の取り組みを積極的に支援してまいります。

 次に、県産魚の販路拡大についてであります。

 県漁協が行うチャレンジ七魚種の販路拡大の取り組みに県としても支援しており、二十四年度販売実績は、目標を上回る六十億円になりました。

 中でも、マダイ、ハモは関東市場への出荷を強化しておりまして、二十四年度は五十四・三トンを出荷し、目標を達成したところであります。

 価格低迷が続くブリなど養殖魚におきましては、新ブランドのかぼすヒラメ、かぼすブリの商談会を関東、関西で実施し、大手百貨店や高級ホテルなど五十五店舗まで取引が拡大したところであります。

 特に、かぼすブリにつきましては、都内で十七店舗を有する大手すしチェーン店と連携をしたフェアが好評を博しまして、本年一月から二月の二カ月間で五・八トンが販売をされたところであります。

 今後、漁業者の収益をふやすため、評価の高いカボス養殖魚を増産するとともに、飼料添加物のコストダウン等を図ってまいります。

 また、生産者と実需者との直接取引を拡大し、流通経費の削減も図ってまいります。

 なお、全国三位の生産量を誇る養殖ブリにつきましては、これまでの北米に加えて、新たにタイなど海外への販路開拓を生産者とともに進めてまいります。

 最後に、担い手対策であります。

 若い担い手を確保するため、津久見高校海洋科学校の生徒を対象に、養殖やまき網などの漁業を体験するインターンシップを平成十九年度から実施しておりまして、これまで、三年生二十二名が研修をし、十三名の方が漁業に就業いたしました。

 また、社会人を対象に、佐賀関の一本釣りなど実践的な漁業研修を二十一年度から実施し、五名の担い手の確保が図られたところであります。

 その結果、二十四年度の新規就業者数は五十八人となっており、毎年の目標数値の五十人を上回っている状況でございます。

 また、次世代を担うすぐれた漁業者を育成するため、流通に関する研修会などによりまして、二百十二名が中核的漁業者として活躍をしている状況でございます。

 今後は、特に効果が高いインターンシップの対象を一年生まで広げて、若い就業者の確保につなげていきたいと思っております。

 新技術導入に関しましても、担い手の確保には、もうかる漁業の取り組みも大変大事でございます。日出町のハモ蓄養や佐伯市のイワガキ、国東市のヒジキ養殖など、新技術の導入により、所得の向上に成果があらわれてきているところであります。

 今後は、要望が高いキヌガイ養殖やクロメ養殖などの支援に取り組んで、収入増を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○田中利明副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 部長、ありがとうございました。

 漁業従事者の方々も、経営面でさらなる努力が必要だということはよく理解をされています。しかし、今、努力だけではやっていけないところまで来ているのも事実です。

 燃油の価格高騰に対しての有意義な対策をぜひ検討していただくとともに、もうかる水産業の実現に向け、まずは、水産資源の回復を図り、漁獲量を増加させることも必要と考えられますが、今後の県の取り組みを伺います。



○田中利明副議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 ただいまのご質問、もうかる漁業の実現に向けて水産資源の回復が重要だということで、どう考えるかということでございます。

 水産資源の回復には、積極的な種苗の放流と資源管理の強化が大変重要であります。そのために、例えば、別府湾で実施されていますマコガレイやクルマエビの放流に対して種苗の上乗せ支援を行うとともに、海区漁業調整委員会指示による体長制限を設定いたしまして、資源管理を強化して、資源の増大を図っているところであります。さらに、放流した種苗の育成を促進する漁場環境の整備も大変重要でありますため、今年度から三年間、別府湾では、漁場環境を改善する海底の堆積物の除去と耕うんを実施する予定であります。

 これらの取り組みによりまして、もうかる漁業の実現に向けて頑張っていきたいと考えております。

 以上です。



○田中利明副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 今回の一般質問は、一次、二次産業を初め、教育問題や人材育成、さらには、大分県だけでなく、九州全体の大きな問題について質問させていただきました。

 今後も、多岐にわたる本県の諸問題に対し、一緒に議論を深めていきたいというふうに思います。

 これで私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○田中利明副議長 以上で三浦正臣君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午後零時十三分 休憩

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     午後一時三十一分 再開



○近藤和義議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。衛藤明和君。

  〔衛藤議員登壇〕(拍手)



◆衛藤明和議員 皆さん、こんにちは。九番の衛藤明和でございます。

 今任期中、三回目の一般質問をさせていただく機会を与えていただき、関係各位に心から感謝申し上げる次第であります。

 なおまた、今回も、広瀬知事にぜひお会いしたいということで、地元杵築市よりたくさんの方々が傍聴に駆けつけていただきました。皆さん、大変ありがとうございます。

 それから、執行部の皆さんに申し上げます。カラオケのステージではそうでもありませんが、この質問席に立ちますと、どうしても緊張いたしますので、多少、的を外しましても、優しく、思いやりあふれるご答弁をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 それでは、質問通告書に従いまして、まず、世界農業遺産についてお聞きしたいと思います。

 この問題は、昨日もいろいろ話が出ましたので、ダブる点もありますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 先月、石川県で開催されました世界農業遺産国際会議において、国東半島宇佐地域が世界農業遺産に認定されました。二〇一一年認定の石川県能登地域、新潟県佐渡地域に次ぐ国内三例目となり、今回、熊本県阿蘇地域、静岡県掛川地域と同時認定となりました。農業、農村の元気がなくなりつつある中、今回の吉報に、地域には喜びの声が広がったところであります。これも、国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会の皆さん方のご努力はもとより、県や地元市町村の精力的なご支援のたまものと、改めて、広瀬知事初め関係各位に対し、御礼を申し上げ、敬意を表したいと思います。

 世界農業遺産は、地域環境を生かした伝統的農法や生物多様性が守られた土地利用のシステムを次の世代へと継承していくため、国際連合食糧農業機関、FAOが創設したもので、我々、国東半島地域に住む者にとっては、日常の暮らしの中で当たり前と思ってきた、クヌギの原木を使ったシイタケ栽培やため池を活用する水田農業など、これまで農林漁業者が懸命に守ってきた営みが世界的に見ると貴重な価値あるシステムとして評価されたことは大変な名誉であり、地域の方々のみならず、県民全体にとりましても誇るべき成果であると考えます。

 さて、一方で、この国東半島宇佐地域六市町村の農業就業人口は、平成十二年の約二万一千人から平成二十二年には一万四千人足らずと、この十年間で三分の二程度まで減少しており、さらに、六十五歳以上の割合は六八・三%と、高齢化も加速しているのが現状であります。林業や漁業についても、恐らく同様の経過で推移しているものと思われます。

 このように一次産業全般にわたり将来に向けた不安があることから、今回の世界農業遺産の認定を絶好の機会ととらえ、地域の活性化につなげる努力を重ねていく時期を迎えたとも見るべきではないでしょうか。

 先に認定された能登地域では、能登棚田米や能登野菜、佐渡地域では、朱鷺と暮らす郷づくり認証米などのブランド化により農業の振興が図られており、あわせて観光誘客の面でも大きな効果が上がっていると伺っています。

 報道によりますと、県内においても、推進協議会のもとで、今後の取り組みを練っていくようでありますが、今回の世界農業遺産の認定をどのように地域の発展につなげていくのか、現時点での知事のお考えをお尋ねしたいと思います。

 あとは、登壇席から発言いたしたいと思います。よろしくお願いします。

  〔衛藤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの衛藤明和君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま衛藤明和議員より世界農業遺産についてのご質問をいただきました。

 私は、衛藤議員と違いまして、カラオケの舞台と同じぐらい緊張しておりますので、どうぞお手やわらかにお願い申し上げます。

 今回の世界農業遺産の認定は、国東半島宇佐地域だけではなくて、大分県民にとりましても大変うれしいニュースとなったと思います。

 この世界農業遺産は、遺跡や建造物が認定されたというものではなくて、これまで地域で営々と取り組んでこられた原木シイタケ栽培、特に木が食料を生むということで評価を受けたようでございますけれども、そういう原木シイタケ栽培を初めとする農林漁業の営みや歴史、伝統文化が世界に認められたものであります。

 地域の皆さん方には、ぜひ、自信と誇りを持って農林水産業を展開していただき、さらには、この地域ブランドを生かしたものづくりや観光振興につなげ、地域の活性化を図っていくことが重要だと思います。

 現在、推進協議会におきましては、保全推進、情報発信、活力創造を三本の柱とするアクションプランが練られているところであります。

 具体的には、保全推進では、世界農業遺産として評価されたクヌギ林とため池を守り、景観を保全することが大切となるため、シンポジウムやワークショップを通じて、生産者や住民の方々に認定の意義や価値について理解を深めてもらいます。あわせて、六つの市町村すべての中学校で、地域のこのすばらしさを未来に伝える出前授業を実施するということになっております。

 次に、情報発信でございますけれども、国内外の旅行者に向けて日本語と外国語のホームページを開設するほか、PRビデオの作成を行います。また、東京、大阪、そして、海外では香港やタイなどでのプロモーションを活用して、地域の魅力を幅広く伝えながら、産品の販売を促進し、あわせて、観光団体と連携した観光商品づくりやガイドの育成による受け入れ体制を整備して、交流人口の拡大を図っていきたいと思います。

 そして、三番目の活力創造、何といっても農林水産業の振興を図っていくということがまことに大事であります。

 認定の大きな要因となった日本一の乾シイタケ、先ほど、ことしも大分県の乾シイタケ、めでたく日本一に輝いたというニュースが入りました。これで連続十五年続けての日本一ということになりました。心からお喜びを申し上げたいと思いますけれども、この日本一の乾シイタケは、現在、風評被害などによりまして価格が低迷しております。今回の認定を機に、安全、安心な大分乾シイタケを国内外へ積極的にPRしてまいりたいと思います。

 また、日本で唯一栽培されている七島イは、生産量が減少しておりますけれども、これに対しましても特産品としての付加価値を高めるとともに、機械による省力化を進めることで生産拡大を図っていきたいと思っております。折から、先月には、若いご夫婦が就農したという明るい話も出てまいりました。さらに、国内のみならず世界に通用するロゴマークを作成して、本地域で生産される農林水産物のブランド化を図っていきたいというふうに思います。

 県といたしましても、このアクションプランが効果的に実施され、地域の元気が創出されるように、農林水産部に世界農業遺産推進班を新たに設置しまして、市町村と連携しながら、しっかりと支援してまいりたいと思っております。



○近藤和義議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 どうもご丁寧なご答弁ありがとうございました。

 おっしゃるとおりで、今後は交流人口も大変ふえるというふうに思いますし、能登地域でもそういうことであるようでありますので、ぜひ来る方のいろんな、不便がないような体制づくりが必要だと私も思います。

 特に、関東の方から連絡がありまして、早速、農業遺産を見たいんだけれども、どこに行きゃいいかなという話がありましたし、そういった方々の、見える方々のルートづくりとか、いろんなものを早速つくっていただきたいというふうに思う次第でございます。

 ちょっと、少し次元が違いますが、せっかくの機会ですから、これだけ立派な農業遺産認定ができました。これからは、ぜひ知事さんにお願いしたいのは、二〇〇七年から、多分そうだと思いますが、始まっております世界遺産登録に向けて、今、いろんなグループが一生懸命やっておりますが、世界遺産登録に向けて、ぜひお力添えを、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、農林水産業の振興についてお伺いしたいと思います。

 先般、五月十八日、安倍総理が公務ご多忙の中を縫って本県を視察されました。その折、まず初めに、杵築市山香町南畑の農事組合法人カヤノ農産に足を運ばれました。

 ご存じの方も多いかと思いますが、カヤノ農産は、平成十八年九月に建設業から茶業に参入する形で設立され、以来、県、市の支援を受けて、自前の重機で耕作放棄地を造成し、今では三十三ヘクタールにも及ぶ県下最大規模の茶園経営に取り組んでおります。生産された茶葉は、「お〜いお茶」でおなじみの株式会社伊藤園に全量を買い取りしていただくとともに、あわせて、伊藤園から生産技術の情報提供も受けながら、経営を軌道に乗せてきました。

 昨年度には、国庫補助を活用し、茶葉の処理工場を整備するとともに、地元の山香農業高校の卒業生五名のほか、主婦の方々など地元雇用の拡大と所得の向上にも貢献しており、視察後の安倍総理のご感想を拝借すれば、「まさに六次産業の優等生」であります。

 平成三十年までには、経営面積五十ヘクタール、販売額二億円を目標として、経営をさらに拡大する計画も進めており、折しも、本県視察の前日に成長戦略第二弾として「農業・農村の所得倍増」を表明された総理にとっては、既に着々と成果を上げている実践例に触れ、成長戦略への意欲をかき立てられる視察になったのではないかと推察され、地元の一人として大変喜ばしく思う次第であります。

 さて、先般、政府の経済財政運営の基本方針となる「骨太の方針」も決定され、「大胆な金融政策」「機動的な財政出動」、さらには、民間投資を喚起する「成長戦略」のいわゆる三本の矢を柱とした安倍政権の経済政策、アベノミクスの全容が見えてまいりました。今後、これを推進するための具体的な政策とその裏づけとなる予算編成に向けて国の動きも加速するものと思われますが、私からは、成長戦略の中で示された「攻めの農林水産業」に着目してお伺いします。

 県も、「安心・活力・発展プラン」の中で、知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の振興を掲げ、各種施策に精力的に取り組んでおられますが、国の成長戦略を踏まえ、新たな取り組みも必要ではないかと思います。

 広瀬知事は、視察時に総理との意見交換も活発にされたようですが、今後、県として、どのように農林水産業の振興に取り組んでいかれるのか、知事のお考えをお伺いしたいと思います。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 県では、「おおいた農山漁村活性化戦略二〇〇五」を策定いたしまして、一貫して農林水産業の構造改革を進めてまいりました。

 今、議員からお話がありましたように、先般の安倍総理の大分県内の視察におきましても、この本県の取り組みについて大変高い評価をいただいたところであります。

 先日、政府におきまして「日本再興戦略」というのが打ち出されましたけれども、この大分県の取り組みは、国の戦略で示された「攻めの農林水産業」をいわば先取りして進めているというふうに考えておりまして、今後ともこういう方向でしっかり取り組んでいきたいと思っております。

 その第一は、やはりマーケット起点のものづくりということであります。

 まずは、生産販売体制の統一やブランド化による市場競争力の強化であります。

 シロネギやピーマンに続きまして、トマト等園芸戦略品目を中心に、県域一元販売や拠点市場での占有率の拡大に努めるとともに、焼き芋などで好評を博しております高糖度カンショ「甘太くん」など消費者が求めるものをつくっていくということで進めていきたいというふうに思います。

 農林水産物の輸出、海外展開も大変大事だというふうに思っております。

 平成二十三年に策定いたしました大分県海外戦略を羅針盤にいたしまして、ナシや丸太、ブリなどを輸出しております。おおいた豊後牛も統一ブランドをつくったところでございますけれども、これを好機といたしまして、まずタイに輸出するなど、重点国、あるいは重点地域である韓国、台湾、東南アジアなどを中心に、品目や数量の拡大を目指していきたいというふうに思っております。

 第二は、マーケットに柔軟に対応できる力強い経営体を確保育成していくということであります。

 企業的経営農家や集落営農組織を育成いたしまして、農地の集積や大区画化、排水対策などによりまして、規模拡大や効率化でコスト削減、農地の有効利用を図っていきたいと思います。

 平成二十四年度の新規就農者は二百二十一名となりまして、平成二十三年度から五年間の目標であります千人を上回る勢いであります。この追い風を定着させるために、指導的農家、あるいは行政が一体となった地域ぐるみの就農サポートをやっております。また、それに加えまして、新たに杵築市の「いちご学校」など、地域が自発的に就農人材を育成する研修システムを各地に整備して、支援体制を拡充していきたいと思います。また、企業参入も、平成十九年度から本格的に取り組み、今や累計百五十八社を数えるまでになりましたけれども、これもさらに前向きに進めていきたいというふうに思っております。

 力強い経営体の育成、企業的経営農家や集落営農組織、そして新規就農者の育成、さらには企業参入といったようなことで経営体をつくっていきたいというふうに思います。

 そして、第三は、農林水産業の付加価値を高めて、収益を拡大する取り組みであります。

 ユズや大麦若葉を扱う杵築市の大分サンヨーフーズなど、地域資源と企業ノウハウを生かした農商工連携、六次産業化の取り組みもしっかりサポートしていきたいというふうに思います。

 林業では、高性能林業機械の導入だとか、あるいは路網整備による林業事業体の生産性向上と木材加工施設の規模拡大等による製材コストの縮減を図りまして、川上から川下まで一体となって、低コスト化、収益増の取り組みを進めてまいります。

 価格が低迷しておりますブリの養殖業でございますけれども、新たにヒラマサとの複合養殖による収益性の向上や協業化によりまして経営の合理化を図っていきたいというふうに思います。

 今後とも、生産者や企業、市町村等と一体となって、もうかる農林水産業の実現と農山漁村の活性化に努めていきたいというふうに思っております。



○近藤和義議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ありがとうございます。

 知事さんが農林水産業にしっかり取り組んでおるというのがよく理解できました。

 私も思うんですが、新規農業者もふえてきておるようですし、農業企業者もふえてきたんではないかと思いますが、やはりそういったやる気のある農業をやる方のために、県も具体的に、やはり、もっとうまく拡大できるように支援をする必要があるんではないかというふうに思います。

 そこで、一点、具体的な問題を再質問させていただきたいと思いますが、本県では、一昨年の農林水産業産出額一千九百二十億円をことしは約二千億円に引き上げる前向きな目標を掲げていますが、先ほど申し上げましたカヤノ農産は、約五億七千万円もの思い切った設備投資を行い、さらなる生産規模拡大を模索中で、事業拡大のための農地を見つけようとしていることはご承知かと思います。

 県としては、このような意欲的な農家や農業法人に対し、積極的かつ具体的な支援を行う必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。農林水産部長にお伺いしたいと思います。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 ただいまのご質問にお答えをいたします。

 まず、カヤノ農産、これは、単一の経営体としては日本一ではないかと言われるほどまでに大面積を経営するに至りました。

 カヤノ農産につきましては、平成十八年度の伊藤園との茶園地育成協定の締結以降、国庫補助事業を活用いたしまして、茶園造成、茶工場の整備を支援するとともに、国庫補助事業の対象とならない植栽経費や摘採機の導入についても県と市で支援をしてまいりました。

 第二期の茶園地育成協定に基づく十五ヘクタールの拡大についても、平成二十七年度に造成を予定している農地について、杵築市や地元振興局、日出水利耕地事務所などと連携をして、カヤノ農産の相談に応じているところであります。

 このカヤノ農産に限らず、異業種から農業に参入した企業に対しましては、振興局ごとにフォローアップチームを編成して、技術支援にとどまらず、地域で営農活動する上ですべての課題に対して、きめ細かく支援をしているところであります。

 また、参入後の経営拡大につきましては、近隣の遊休農地を初めとした農地の集積や整備に対する支援を行うとともに、資金需要などについても金融機関と連携をした対応を行っているところであります。

 今後とも、これまで同様、しっかりと支援をしてまいりたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 部長のお考えはよくわかりましたが、なかなか、部長のお考えが先方に伝わってないんじゃないかという感じがしております。ですから、やはり県が真剣に取り組んで、そういった農業企業につきまして、いろんな細かい点に指導、それから援助するということを、まだしっかり理解できてないんではないかという感じがしております。ですから、企業からいろんな意見、要望を聞いて、それに対応して、納得できるような、またお話をしていただきたい、こういうふうに思う次第でございます。

 あわせて、世界農業遺産認定の里でできた農産物や加工品、例えば、シイタケやお茶や、ある意味では日本酒、米でつくりますので、日本酒などの、具体的な農林水産品として、例えば、世界農業遺産の里でできた米とか、シイタケとか、日本酒とか、そういったブランドの形ができるともっといいんではないかというふうに思いますので、その点もしっかりご検討いただきたいと思います。

 そういうことで農業生産額が二千億を軽く突破できるんではないか、そういうふうに思う次第でございますので、ご努力のほど、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、ツーリズム戦略の推進と今後の課題についてお聞きしたいと思います。

 まず、外国人観光客についてお聞きします。

 先月、政府が発表した「日本再興戦略」では、観光資源のポテンシャルを生かし、世界の人々を地域に呼び込む社会を目指すとされています。また、先月、熊本での九州地方知事会とあわせて、経済団体も交えた九州地域戦略会議が開催されましたが、現在、年間百万人と言われる九州を訪れる外国人観光客について、十年後には四・四倍の年間四百四十万人まで拡大する目標を、次期の九州観光戦略に盛り込むことが決議されました。

 足元の状況を見ましても、九州運輸局が発表した本年一から三月期の九州への外国人入国者は、前年同期から二割を超える大幅増となるなど、尖閣問題が尾を引く中国人観光客の減少はあるものの、昨今の円安基調も追い風となり、韓国や東南アジアからの観光客を中心に、当面は堅調に推移するものと見込まれています。

 一方、県では、ツーリズム戦略に基づき、九州じゅうでも大分を訪れていただく海外誘客策をまさに戦略的に展開されております。

 折しも、昨年度の大分空港の利用者が六年ぶりに増加に転じ、春から就航しているジェットスターの大分−成田線も好調に推移していると伺いました。

 この国内LCCの誘致につきましては、ちょうど一年前の今日、昨年の第二回定例会における私の質問で取り上げましたが、その後、わずか数カ月で実現にこぎつけていただき、まことに感無量であります。広瀬知事初め、各関係部局のお骨折りに改めて敬意を表するとともに、空港利用者の一層の増加に向けたご支援もまたお願いする次第であります。

 この新路線の就航によって成田経由での外国人の来県も期待されるところでありますが、私がとりわけ注目しますのは、極めて細かな受け入れ体制の整備であります。

 県では、外国人が旅行先を探そうとする段階から、本県観光地の魅力や楽しみ方をその国の言語で広く情報発信する事業を進めており、杵築市観光協会では、この取り組みに連携して「着物に着がえての城下町散策体験」を県の英語版観光情報サイトで紹介したところ、タイなどからのアクセスが急増いたしました。さらに、リンクを張った日本政府観光局の公式フェイスブックにも、多くの「いいね」という言葉が寄せられました。

 平日にも、武家屋敷や酢屋の坂など城下町杵築の随所で着物姿の外国人をお見かけする機会が多くなっていると私も実感しているところであり、宿泊先が少ない杵築のハンディを逆手にとって、低予算で旅行するバックパッカーと言われる外国人向けに空きアパートを提供するビジネスも芽生えるなど、地域への波及効果もあらわれ始めております。

 このように本県のツーリズム戦略も確実に成果を上げつつありますが、外国人の誘客は、全国的にも、また、九州内においても、地域間競争が一段と厳しさを増してまいります。九州観光戦略の目標も視野に入れた上で、今後、外国人の観光誘客策として、さらなる取り組みが必要と考えますが、県の対応方針をお聞かせください。

 続けて、日豊本線の高速化についてお伺いします。

 ツーリズム戦略では、福岡や関西、首都圏などを重点圏域として、国内の誘客対策にも力を入れています。旅の魅力は、名所や景勝地を眺め、その土地の自然や文化に触れ、名物に舌鼓を打ち、風土を肌で感じる非日常の中にあります。その点、「日本一のおんせん県おおいた」は、まさに旅の魅力も満載であります。

 再来年の夏にはJRグループのデスティネーションキャンペーンの本県誘致が実り、また、ことしの七月にはJR九州大分キャンペーンも予定されており、大分の元気を遺憾なく発信していただきたいと思います。

 あわせて、二十七年春には新大分駅ビルの開業も控える中、昨今、県とJR九州は相互に緊密な連携が図られている印象を受ける機会が多く、大変心強い限りでありますが、ツーリズム戦略に組み込まれていない長年の懸案が日豊本線の高速化であります。

 私は、平成十九年の十二月議会において、大分以北の複線化と、当時から検討されていたフリーゲージトレインの導入について伺いました。その際、当局からは、JR九州の慎重姿勢や幾つかの課題を答弁いただくにとどまり、あれから五年半が経過いたしました。

 この間、九州の西側には新幹線が全線開通し、長崎ルートも整備が進んでいます。また、昨年十一月には、九州地方知事会として、東九州新幹線を整備計画路線へ格上げするよう国に求めたわけであります。さらには、一昔前は夢の構想であったリニア新幹線も、首都圏−中京圏で二〇二七年には開業予定となりました。

 かねてより、いまだ単線区間である立石−中山香間五・二キロメーターと杵築−日出間八キロメーターの計十三・二キロメーターに係る複線化整備費は百億円を超えるとも伺っておりますが、このように全国的に高速交通体系の整備が目覚ましく進展する中、いよいよ置き去りの感すら漂い始めている閉塞状況を私としては大変危惧しているところであります。

 いずれにしましても、東九州における主要幹線となる日豊本線の高速化は、地域振興と観光振興を一体的に進めるツーリズムにおいて避けて通れない課題と考えますが、改めて県のご認識をお伺いしたいと思います。



○近藤和義議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 まず、外国人観光誘客についてお答え申し上げます。

 その前に、昨日のフェリーに関するご質問もでしたけれども、ただいまの衛藤議員からの空港利用に関する質問中にございましたけれども、フェリー、それから空港利用等も堅調な推移を見せておりまして、これも議会、議員各位のご協力のたまものと考えております。心から感謝申し上げます。

 さて、東日本大震災の影響で外国人宿泊者数は大変落ち込んでおりましたけれども、その後、九州への航空便の増加、あるいは円安といった事情を背景に、本県においても、特に韓国のお客さんが戻りつつあるのを初め、香港、あるいは台湾等からのお客様が増加傾向にございます。ただ、まだ海外における九州地域、とりわけ我が大分県の知名度はまだまだ低い状況にございます。

 このため、私ども大分県といたしましては、次期九州観光戦略等も視野に入れまして、九州観光推進機構、あるいは九州各県と連携して、台湾、中国等に加え、経済成長著しいASEAN諸国などを対象に、旅行会社やマスコミの招聘並びに観光商談会の開催等を通じて商品造成を働きかけているところです。

 また、受け入れ体制を充実するため、留学生の多い本県の特色などを生かしまして、総合特区で認定された観光ガイドの養成等にも取り組んでいくこととしております。

 今後、地域間競争に打ち勝つための取り組みとして、「日本一のおんせん県おおいた」をキーワードに、直行便のある韓国と観光客の増加が顕著な台湾の旅行会社へのセールス活動や、個人旅行客向けのインターネットによる情報提供のほか、新たにタイ等東南アジアでのプロモーションを展開するなど、積極的な誘客を推進してまいります。

 次に、日豊本線の高速化でございます。

 衛藤議員からは、この問題について数次にわたりご質問をいただいておりまして、私といたしましても、多少前に進んだような答弁をしたいという気持ちはあるんですけれども、さすがにこの問題について、もちろん国やJRに対して長年にわたり要望を続けておりますけれども、なかなか、ご質問中にもありましたけれども、多額の事業費を要すること、それから、それに対して、それに見合う収益効果がなかなか期待できないというようなことから、JR九州は、やはり慎重な姿勢を崩すに至っておりません。

 ただし、日豊本線の利便性、あるいは快適性の向上についてもJR九州に対しては働きかけを行っておりまして、例えば、通勤通学列車の増便、増結及び運行区間の延長や駅施設のバリアフリー化などの改善は進んでおります。

 今後とも、日豊本線、特にツーリズムの中における日豊本線の役割というのは大変重要なものがございますので、高速、それから複線化も含めまして、利便性、快適性の向上等について、沿線自治体の皆さんと連携を図りながら、引き続き粘り強く国やJR九州に対して働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ありがとうございます。

 外国人観光客については、よくわかりました。

 私も、現実、杵築で通っておりますと、どうも東南アジアの方と思われる方が着物を着て歩いておるんです、びっくりしましたけれども。ですから、非常に、ホームページというのか、あれはすごい威力があるなと。一気に、何か八百件かそこら、パソコンに問い合わせがあったような話も聞いておりますけれども、あわせて日豊本線の高速化、これは関係が深いんです。というのが、先ほどからお話ししておりますが、世界農業遺産で認定されました。こうなると、国内はもちろん、外国からも観光客がかなりふえるというふうに私は思います。これはもう常識に近い話だと思うんですけれども、そうなると、やっぱり、日豊本線、例えば、福岡から電車で来るとか、それから、大分空港に直接、成田から乗り込んで、世界農業遺産はどこだというふうに外国人がいろいろ探して回る。そういう状況の中で、やはりこの複線化というのは、今のままでは、簡単に言うと、格好悪い。非常に何か、大分県は、まだおくれておるなという印象が、非常に私は、世界じゅうに何か、それをPRするような形になるんじゃないかというふうに大変心配しておる一人であります。

 そういったことで、知事さん初め、課長さん方も、何とかひとつこの複線化、フリーゲージもあります、いろいろありますけれども、新幹線とかありますが、やはり複線化に向けて頑張っていただきたい、こういうふうにお願い申し上げる次第でございます。

 それから、先ほど九州を訪れる外国人観光客が年間百万人と申し上げましたが、私がお聞きしたいのは、本県での外国人の宿泊客は年間約三十万人という数字もございます。そうしますと、九州全体が十年後に四・四倍ですから、県内の外国人宿泊客も比例して伸びれば、約百三十二万人が目標となるわけですが、こういう目標でよろしいんでしょうか。県のお考えをお聞きしたいと思います。



○近藤和義議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 その四倍というような数字は次期の九州観光戦略の目標値で、国の観光立国推進計画をもとに、九州はアジアに近い優位性もあるので、高い目標を設定したものと考えております。目標はもちろん高いにこしたことはないと考えておりますけれども、ただ、現実を踏まえるのもやはり大事なことでございまして、まず、我々としては、ツーリズム戦略に掲げております二〇一五年に三十九万、百何十万に比べれば、ちょっと志の低い数字かもしれませんけれども、まずは三十九万、これはクリアしなきゃならない。四十万をどれだけ上回れるかというところで、観光業者の方、あるいは市町村の方、観光協会の方と一丸となって、この四十万というような数字をどれぐらい上回れるかというようなところで我々としては努力を尽くしたいというふうに考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 部長、ちょっとやっぱり、かなり遠慮しているんじゃないか。非常に目標が小さいなというふうな感じで先ほどから聞いておるんですけれども、もっと遠慮しないで、どんどん幅広く、部長も直接海外乗り込んで、ひとつPRをしていったらいいんじゃないかと思います。ぜひひとつ真剣に取り組んで、大きな目標を掲げて頑張っていただきたいというふうに思います。

 では、次に行きます。

 河川の防災対策についてお伺いしたいと思います。

 昨年、県内各地に甚大な被害を及ぼした梅雨前線豪雨災害から、早いもので一年が経過しようとしています。県では、災害直後から、広瀬知事を筆頭に、関係部局が精力的に被災地に入り、地元市町や被害に見舞われた方々の要望に対し、きめ細かく、かつ、スピード感を持って対応され、復旧、復興も急ピッチで進んでまいりました。

 被災された方々も次第に平常の生活を取り戻しつつあると拝察しますが、今なお不自由な生活を余儀なくされている方々には、改めてお見舞い申し上げる次第であります。

 県内では、去る五月末、例年よりも九日も早い梅雨入りとなりましたが、これまでの関係者のご尽力で、道路、河川などの公共土木施設は約七割まで復旧し、被災した農地でもおおむね八割程度の面積でことしの作付が可能と伺いました。

 先日、今回の豪雨災害に見舞われた北部九州三県の復旧状況を報じた新聞記事が目にとまりましたが、各県それぞれの事情があり、単純比較は難しいものの、工事発注では、熊本県では七割台、福岡県では八割台のところ、本県の発注は九八%とほぼ完了しており、改めて関係職員のご苦労がかいま見えたところであります。

 このように豪雨災害のつめ跡は次第に回復されつつありますが、私も含め、多くの県民が、新聞、テレビなどを通じて被災地の状況を目の当たりにして、日ごろからの身近な防災対策の重要性を再認識させられました。

 そこでまず、八坂川の改修事業についてお聞きします。

 思い起こしますと、私の地元杵築市を流れる八坂川においても、平成九年九月の台風十九号、さらには翌十年の台風十号に相次いで襲われて、はんらんし、当時、八坂川が蛇行していた本庄・中地区を中心として、農地や人家に至る甚大な浸水被害に見舞われました。

 県では、この被災を踏まえ、災害復旧と河川改修事業を組み合わせ、蛇行する河川のショートカットなどを進めてきましたが、何分、事業期間が長期化している中、地元の皆さんも早期の事業完了を望んでいますので、今後の事業計画と完成見通しについて、まずお尋ねいたします。

 続けて、河川の防災対策についてお聞きします。

 現在、県では、八坂川を含め、県内各地において、複数年度にわたって計画的に河川改修事業を進めておられますが、一方で、ここ数十年間、改良事業など人の手が全く施されていない流域にあっては、上流から押し流されてくる土砂の堆積や流域周辺からの倒木、落石など、月日の経過に伴って河川の形状が次第に変化した箇所も多く、一たん大洪水に襲われると、過去の経験則が当てはまらないような、思いがけない災害につながりかねません。八坂川の例で言いますと、河川改修事業区間よりもさらに上流域、日出町をかすめ、山香町に及ぶ流域では、次第に姿を変えていく川の流路確保や河床掘削の要望が地元自治区から出されていると伺っております。

 県では、それぞれの地域での防災力向上を目指して、多数の防災士の養成や避難訓練の徹底などにも取り組んでいますが、一昔前からの河川の形状変化を適宜把握し得る地元の方々の声を踏まえながら河川の防災力を高めていくのが川を治める早道ではないでしょうか。

 そこで、県内河川の流域全般にわたって、今後、どのようにして防災対策を進めていくのか、近年の対応状況も含めて、お伺いしたいと思います。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 私から二点についてお答えをいたします。

 まず、八坂川の改修事業についてでございます。

 八坂川につきましては、浸水被害の防止、軽減を図るため、錦江橋から上流四・六キロメートルの区間において、河道の拡幅や橋梁、堰等の改築、蛇行部のショートカットなどにより河川改修を進めてまいりました。今年度末には、JR橋の下流までの整備がほぼ完了し、来年度以降、残る一キロメートル区間の堤防や護岸の整備、堰の改築等に順次着手していく予定でございます。

 完成時期につきましては、用地買収や堰の関係者との協議などの課題がありまして、現段階では明確には言えませんが、地元のご協力もいただきながら効率的な事業執行に努め、早期の事業効果の発現を目指してまいりたいと考えております。

 続いて、河川の防災対策でございますが、河川の防災対策に当たりましては、過去の浸水被害の状況や本川、支川及び上下流のバランスに配慮しながら総合的に取り組んでいくこととしております。

 甚大な被害が発生した区間では、国の補助事業等を活用した抜本的な改修を、その他の区間では、河川沿いの土地利用状況に応じ、緊急度の高い箇所から、県単独事業により河床掘削や護岸のかさ上げなどの対応を図っております。

 八坂川では、下流から順次改修を進める一方、昨年度は上流域の生桑地区などで河床掘削を実施しております。

 また、ハード面の整備に加えまして、雨量や水位、監視カメラの映像といった防災情報の提供により、水防活動や避難行動を支援し、被害を最小限にとどめるソフト対策の充実にも努めております。

 今後とも、災害に強い県土づくりに向け、地域の要望や意見を伺いながら、流域全体にも目を配り、地域の実情に応じた防災対策に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ありがとうございます。

 きのうも大雨が降りました。川のそばの方々は、やはり心配するんですね、去年のようなことがまたあるんじゃないかということで。ぜひ、今、部長が言われたように、早急に対応して、できるところから早くやっていただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたけれども、八坂川はんらんの大災害から十五年が経過しました。当時の大災害地域の護岸工事がやっと終わろうとしております。しかし、八坂川は、そこから上流に向けて、十キロ以上の、ほとんど未着工の地区があるんです。山香地区においては、護岸がないため、昨年の豪雨で国道一〇号が浸水しました。予算が大変厳しいと思いますが、防災工事をしっかりやっておけば、昨年の豪雨災害にも遭わずに済んだ地域もかなりあったんではないでしょうか。

 なおまた、八坂川の下流地域は、老朽化によってかなり傷んだ護岸も多くあり、早急な補修が必要であります。さらに、その古い護岸に寄り添うように長い急傾斜地があります。これもまた、老朽化のため、いつ地すべりが起きてもおかしくない状況であります。早急に調査をし、対策をご検討いただきたいと思います。

 できれば、お考えをお聞きしたいと思います。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 いわゆる抜本的な治水対策といったものにつきましては、長い年月と相当規模の予算が必要となってまいります。また、昨今のように、いつ発生するかわからない自然災害を防ぐためには、粘り強く、着実な取り組みが必要だと考えております。

 したがいまして、限られた予算、あるいは人員の中で、選択と集中によりまして、先ほど申し上げましたが、ハード整備とソフト対策を効率的に実施することで、投資効果を早期に発現させ、浸水被害の防止、軽減に努めてまいりたいと考えております。

 また、八坂川の下流地区につきまして、老朽化が進んでいる土木施設につきましては、やはり日常の巡視や定期点検などにより状況を的確に把握することが必要だと考えております。例えば、急傾斜地の崩壊防止施設につきましては、現在、県内全域で施設設置後二十五年以上経過したものを重点的に点検しております。この点検結果をもとにして、年度内には、施設の維持修繕に向けた整備計画を策定する予定でございます。

 八坂川の下流部の護岸や急傾斜の施設につきましても、巡視や点検などによりまして老朽化状況を把握し、緊急度に応じて必要な対策を講じてまいりたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 以上で衛藤明和君の質問及び答弁は終わりました。河野成司君。

  〔河野議員登壇〕(拍手)





◆河野成司議員 四十一番、公明党の河野成司でございます。

 本日、最後の質問者でございます。

 どこかの県のように、アロハや、あるいは、かりゆしウエアを着て質問に立ちたいなというような蒸し暑い中でございますけれども、最後でございますので、どうぞ最後までのご清聴、よろしくお願い申し上げます。

 まず、災害の多発時期に入り、昨年の県西部豪雨での被災地の復興に昼夜を分かたず力を尽くしていただいている土木建築部及び農林水産部を初めとする各部局の職員の皆様に感謝申し上げますとともに、再被害の発生防止に向けて一層の緊張感を持っての対応をお願い申し上げ、早速、質問に入らせていただきたいと思います。

 初めに、本県経済の振興についてお伺いをいたします。

 昨年暮れの政権交代以来、大胆な金融緩和と財政出動によるデフレからの脱却を目指す、いわゆるアベノミクスについては、予想外の債券市場での金利上昇、あるいは為替レート、株価の乱高下の中でも一定の評価を得つつあります。

 さらに、今月十四日には、安倍内閣の経済再生への三本の矢と言われる対策のしんがりである「成長戦略」が、「骨太の方針」とともに閣議決定されました。

 この成長戦略の中には、法人税の実効税率引き下げには踏み込まなかったものの、設備投資減税を明記したほか、三大都市圏を中心とする国家戦略特区を設け、外国企業の誘致を進めやすくする規制緩和を進めることとされました。

 この成長戦略等については、十年間で名目GDP成長率三%程度、実質GDP成長率二%程度の実現で、一人当たり名目国民総所得の百五十万円以上の拡大を目標に掲げ、その成長への道筋を「日本再興戦略」とし、それを具体化するアクションプランを三分野に分け、日本産業再興プラン、戦略市場創造プラン、国際展開戦略を掲げております。

 また、「骨太の方針」では、高齢化等によりふえ続ける社会保障費や地方財政を含めて歳出を効率化するなど財政健全化の方向性を示し、かつ、規制改革の実施計画には、職務や勤務地を限定した正社員の雇用ルールを来年度までにまとめるといった工程表が盛り込まれたものとなりました。

 このような国の示した方向性、つまり、産業再興と市場創造、国際展開を三本柱にして、民間企業の活力を引き出し、日本経済を持続的に成長させていくという方向性のもとで、本県経済の振興施策についても、この新たな成長戦略への対応が迫られていると考えられます。

 そこで、何点かについてお伺いをいたします。

 まず、この安倍内閣による成長戦略についての評価及び本県への影響について知事のお考えをお聞かせください。

 以下、対面演壇に移らせていただきます。

  〔河野議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○近藤和義議長 ただいまの河野成司君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 河野成司議員には、我が国の成長戦略と大分県の政策についてご質問をいただきました。私からまずお答えを申し上げます。

 先般、閣議決定されました「日本再興戦略」でございますけれども、強い経済を取り戻すべく、金融政策と財政政策に続き、打ち出されたものであります。その内容は、お話のありましたように産業再興、戦略市場創出、国際展開という本県にとっても重要な分野でありまして、その実現に向けて成果目標と工程表が具体的に示されたことなど、大いに評価できるものだと考えております。

 国内トップを切って本県を視察された安倍総理には、耕作放棄地を再生させた茶園や「おんせん県」の温泉観光地、湯煙発電などを見ていただき、大変積極的な評価をいただきました。中でも湯煙発電では、小規模事業者が設置する際の規制緩和について、早速指示を出していただいたところであります。

 このように総理の熱意を感じる成長戦略は、本県の長期総合計画「安心・活力・発展プラン」と基本的な方向性を一にするものであります。このため、国の成長戦略を追い風にして、プランの取り組みをさらに加速いたします。

 例えば、日本産業再興プランでは、女性の活躍推進と待機児童解消の加速化、民間投資の活性化などの項目があります。戦略市場創造プランには、医療関連産業の活性化、再生可能エネルギーの導入、農林水産業の競争力強化などが挙げられ、国際展開戦略には、中小企業の海外展開とクールジャパンの推進などが挙げられております。

 こうした項目は、本県が取り組む子育て満足度日本一の実現を目指した保育環境の整備や女性のM字カーブ解消に向けた就労支援などを拡充する力となります。また、企業誘致や産業集積の深化を後押しし、東九州メディカルバレー構想やエネルギー産業の育成、農林水産業の構造改革を進める上で大変心強い内容となっています。さらに、本県の海外戦略やツーリズム戦略の推進にも大変効果的だと思います。

 一方で、成長戦略を本県が取り込むのに当たりまして、留意すべき項目もあります。例えば、経済再生と財政の健全化の両立という課題があります。また、農地集積につきましては、中山間地が多い本県の実情に即した施策が必要であります。雇用では、雇用維持型から労働移動支援型への政策転換について、最先端設備による産業集積を果たしてきた本県にとっては工夫が必要だと考えます。

 今後は、成長戦略を実行に移すための法改正や制度改正、予算、税制措置などの活用を視野に入れながら、本県の各種政策の取り組みを加速していきたいというふうに考えているところであります。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ありがとうございました。

 今、知事がおっしゃられましたとおり、実は、この留意点というところ、先ほど知事が言われた、まさにそこの中に、実は、「骨太の方針」で示されましたとおり、いわゆる社会保障費にも切り込んだ改革がある。いわゆる高齢化が全国レベルよりも十年早いと言われる大分県にとって、非常に大きな部分が、影響がある。さらに言えば、国だけではなくて、地方財政にも踏み込んだ財政健全化の方向が、国際公約的に踏み込んだものがある。特に、プライマリーバランスという言い方でございますが、平成二十七年度には、二十二年度をベースとして、赤字をGDP比で半減させる、さらに三十二年度には黒字化を目指すというふうにされたということでございます。これについて言えば、かなり、国の、いわゆる財政の絞り込み、さらには、それが地方にも波及するのではないかと思われますが、その影響についてどのように予測をされているのか、お考えをお聞かせください。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 議員にもご指摘をいただいた留意点、おっしゃるとおり、私どももいろいろ気にしているところでございます。きっと政府は、どちらかといいますと、成長戦略をしっかりやっていけば、そういう中で財政再建に必要な税収等々の面でもプラスの方向が出てきて、そして成長と財政再建が両立するんじゃないかというような考え方だろうと思います。基本的にはそういうことで対応するんだろうと思いますけれども、やはり、そのためには、地方や民間企業における成長エンジンがぐるぐる回り始めるということが大事ですし、また、本当にそううまくいくかどうかということをにらみながら、地方財政の方は少し、やはり、緊張感を持ってやっていくといいますか、財政調整用基金などをよく保持しながら、弾力的に対応ができるような体制をとっておくというようなことが大事なんじゃないかというふうに思っているところでございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 今、知事の方のご答弁もありましたとおり、いわゆる経済再生による税収の増加ということが前提となるということでございましたけれども、そのためには、いわゆる中央での景気の回復が地方に一層早く及んでいくということが大事かと思います。その意味で、今年度初めからの金融緩和による円高の是正、株価の上昇など企業環境の改善というものが本県経済、特に景気指標にどのような影響を与えつつあるのか、また、雇用情勢への影響についてお伺いしたいと思います。

 昨日、大分合同新聞の記事におきましても、県内経済は一部で持ち直しという記事もございましたけれども、県の認識をぜひお聞かせください。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 お答えいたします。

 全国の景気は、ご承知のとおり、輸出や生産、個人消費が持ち直し、また、製造業を中心に企業収益が改善するなど着実に持ち直しているという評価だと思います。

 本県においてですけれども、全体としては横ばいの動きが続いており、いまだ景気回復の実感が乏しい状況にございます。ただ、日銀大分支店による景況判断DIの先行きでは、三月末に比べ、全産業で、今回、五ポイント改善するなど、明るい兆しも見え始めているところであります。

 そして、雇用情勢でございますが、県内の有効求人倍率は、平成二十年のリーマンショック後、〇・四倍台まで一時低下した時期もございましたが、ことし四月には〇・七七倍まで回復しておりまして、上向き傾向にあると見込んでおります。

 今後の先行きでございますけれども、公共事業の発注の本格化や円高是正による生産、輸出の増加が県内の消費や投資の拡大に波及し、本県経済の改善につながることを期待しているところであります。

 以上です。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ありがとうございます。

 今、なかなか、本県経済、横ばいというお話でございました。今回の経済成長戦略の中に示されました、三大都市圏を中心とした国家戦略特区ということが挙げられておりますけれども、いかんせん九州は、この三大都市圏から遠いわけであります。この、いわゆる国家戦略特区、全国で五つ、六つというふうな話がありますけれども、九州、なかんずくこの東九州で指定を目指すというお考えがないのかについてお聞かせいただきたいと思います。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 経済特区は大変関心を持って見ているところなんですけれども、実は私ども、東九州メディカルバレー構想、大分県と宮崎県でやろうということで進めておりますけれども、これについては特区ということで認められているわけでございます。

 むしろ、今、その東九州メディカルバレー構想の、いろんな、例えば、研究開発だとか、人材育成だとか、あるいは医療サービスの提供だとか、そして医療機器産業の集積といったような分野でそれぞれのことを進めているんですけれども、そういう中で、せっかく特区が認められているので、こういうことをやってもらったら、随分、構想の後押しになるな、あるいは構想を引っ張ってもらえるんだけどなという、そういうものがあれば、どんどんやっていこうというふうに思っているところでございまして、そんなことで、具体的な我々のやりたいこととの関係で特区の構想というのを要求していくということなのかなと思っております。

 何が何でも特区、それから物事を考えるということではなくて、特区というのは、本当に特別に認められるものでございますから、なぜ特別なものが必要なのかということを、我々の方からも、いろいろ事を進めて要求をしていく、具体的に要求していくということが大事なのかな、こう思っているところでございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ありがとうございます。

 必要なものについてはどんどん、国の方に、プレッシャーというか、地方の声という形で、どんどん挙げていただきたい、このようにお願いいたしたいと思います。

 この一方で、円高是正による副作用もあらわれてきております。特に、漁船の燃油、A重油の五月一日時点の価格、一キロリットル当たり九万四千八百円と、昨年十一月に比べ、八千円以上も値上がりして、漁業経営を圧迫している。また、同様に、ハウス農家の負担もふえ、また、家畜飼料の価格も高どまりが指摘されているということでございます。

 このうち、国の平成二十四年度補正予算で措置されました施設園芸農家に対する省エネ設備のリース導入支援や施設園芸セーフティーネットに係る事業は、五月末から既に日本施設園芸協会を通じて公募がスタートし、さらに、漁業者緊急支援策として、七月から燃油高騰分の四分の三を国庫負担するとともに、漁船の省エネ化補助もスタートすると聞いております。また、畜産飼料の価格上昇分の支援についても先日報道がございました。

 このような対策の応募状況や準備状況はどうなっており、その他の農林水産業従事者に対する支援策はどのように検討されていらっしゃるのか、お伺いをさせていただきます。



○近藤和義議長 工藤農林水産部長。



◎工藤利明農林水産部長 燃油の高騰についてのお尋ねでございました。

 まず、生産者の申請状況等でございます。

 施設園芸や漁業は、A重油など経営に占める燃料費の割合が高く、価格高騰の影響を受けやすい状況でございます。

 このうち園芸につきましては、既にかんきつ施設などで、循環扇やヒートポンプなど省エネ設備のリース導入に約二千八百万円、価格高騰時に補てん金を交付するセーフティーネット事業に約一億七千九百万円の事業計画が認定をされたところであります。

 漁業につきましては、国庫負担七五%の特別対策によります価格補てんを受けるためには現行の漁業経営セーフティーネット加入が必須なことから、支援を受けられる漁業者が増加するよう、早期加入を働きかけているところでございます。

 その他につきまして、トウモロコシなど輸入穀物を飼料に使用する畜産では、配合飼料価格安定制度で交付される補てん金に充てる基金の枯渇が心配されておりましたが、当面の対策として、補てん財源が不足する部分を国とメーカーで補うということになりました。

 県といたしましても、国の施策の効果を注視しながら、近代化資金や経営改善資金などの融通を行うなど、農林漁業者の経営安定を下支えしていきたいと考えております。

 以上です。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ありがとうございます。

 ぜひしっかりと対策をお願いしたいと思います。

 ただ、これ、農林水産業者に限った問題ではないということでございまして、特に、原材料高で苦しむ県内中小企業者の支援策についてはどのように講じられようとされているのかについてお伺いしたいと思います。



○近藤和義議長 西山商工労働部長。



◎西山英将商工労働部長 さきに実施いたしました五百社訪問による調査では、全体としては原料高による県内中小企業者への大きな影響は見られなかったということにはなっております。しかしながら、個々に見れば影響を受けている中小企業者がおりますので、そういう中小企業を支援するために、商工団体による経営相談や県制度資金による金融支援を行っているところであります。

 また、コスト増の要因になっているものとしては電気料金の値上げというものもございます。そのため、県内事業者が行う省エネ設備導入に対して補助を行っているところですけれども、現在、当初予算額を上回る申請があったことから、今回の補正予算案で増額したいということでございまして、お願いしているところでございます。

 以上です。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ありがとうございます。

 しっかりとよろしくお願い申し上げます。

 続いて、防災対策についてお伺いをいたします。

 平成二十三年十二月に施行されました津波防災地域づくり法によりますと、都道府県知事は、最大クラスの津波が悪条件で発生するとの前提で浸水想定を策定、市町村は、それをもとに防災計画をつくることができるものと規定されております。

 大分県の浸水想定はこの二月八日に公表されましたが、この浸水想定に基づく市町村の防災計画の見直し状況はどのような進捗となっておりますでしょうか、お伺いしたいと思います。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。

 県では、南海トラフ巨大地震への備えを喫緊の課題としてとらえ、市町村等と一体となって最優先で防災減災対策に取り組んでおります。そのような中、浸水想定の策定を踏まえ、六月五日に大分県地域防災計画の見直しを行ったところでございます。

 市町村が策定する防災計画、これは、津波防災地域づくり法による推進計画でございますけれども、土地利用や警戒避難体制の整備、避難路や海岸保全施設の整備など、国、県、市町村が実施するさまざまな対策が盛り込まれることになっております。

 策定に当たりましては、県や市町村の地域防災計画との整合を図るとともに、地域住民等の意向を踏まえながら、福祉、医療、教育等多岐にわたる関係機関との調整が必要となるなど課題も多く、合意形成には時間を要すると考えております。

 各県とも同じような状況でございまして、本県を含め、全国の市町村でもこの推進計画は策定されておりません。

 今後は、県及び沿岸部の十二市町村などで構成する津波防災に関する連絡会を立ち上げ、さまざまな課題の解決に向け、検討を行っていきたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 今お話がありましたけれども、実際に、非常に広範囲な課題がある、それに対する実際の対策をどう練っていくかについては、非常に関係先も多く、いわゆる検討の時間が非常に必要である、合意形成に向けて、そういったものがあるということでありますけれども、一つには、いわゆる自治体の中の専門職員の不足ということも挙げられるわけでありますけれども、これについて、県の方の、例えば、専門スタッフ等による支援とか、そういった部分というのはどのように検討されているんでしょうか。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 お答えいたします。

 先ほど申し上げました連絡会等を通じまして情報共有を図りながら、市町村と協議を進めてまいりたいというふうに考えております。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ぜひ、市町村からの支援要請その他、専門的なアドバイス、助言、さまざまな形、何でもいいから、とにかく、県の方が積極的に市町村の計画策定に向けて、一日も早くそれができるようにということのご支援をお願いしたい。要望しておきたいと思います。

 続いて、津波対策でございますが、先日、国土交通省の市町村向けの指針案が明らかになり、その中で、津波避難ビルや高台が近くにないというところを避難困難地域と位置づけ、新たに避難先の確保が必要な人数を把握して市町村の防災計画に反映させるということがその指針の内容であると報じられました。

 避難支援のあり方としては、高台の有無等の物理的地理条件のほかにも、私はこれまで、曜日、あるいは時間帯別の地域内住民の、どのような方が現にいらっしゃるのか、年齢構成等を十分に配慮すべきと議会の中で指摘を続けてまいりました。今回の避難困難地域指定にそのような社会的な特性が配慮されるのでしょうか。

 また、そのような避難困難地域に暮らす住民の安全対策として、自治体や、あるいは地域コミュニティーは何ができ、県としての支援策はどのようなものが考えられているのでしょうか、お聞かせください。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 避難困難地域についてお答えします。

 津波に対しては、「まずは逃げる」という意識を常に持ち、いち早く安全な場所に避難することが基本です。

 これまで、一時避難場所の指定や避難路の整備などに取り組み、また、水平に避難行動することが困難な場合などを想定した津波避難ビルの指定も行ってまいりました。

 今後は、このような取り組みの結果を踏まえて、自治会等により、迅速かつ安全に避難できるかをみずから検証することが重要となってまいります。そのためには、地域の実情を反映した津波避難行動計画の作成を自治会等に働きかけていきたいと考えております。その際には、日中、夜間、休日等の避難行動も念頭に置いて進めていきたいと思います。

 津波避難ビルや高台が近くにない地域では、市町村による新たな津波避難ビルの指定などが引き続き必要であり、また、迅速な避難のためには、自主防災組織が中心となって、防災士や防災アドバイザーを活用した実践的な訓練を実施することも重要です。

 県としても、津波避難行動計画の実践等を踏まえて、新たに必要となる施設の整備について、今後のあり方を検討してまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 今、お話がございました。

 ただ、ちょっと具体例を言って大変恐縮なんですが、今般、佐伯市蒲江の国道三八八号で、コンクリート吹きつけのり面の改修工事中に大規模な地割れが発見され、全面通行どめの上、調査と安全対策が検討されているとのことでございます。これは、津波での避難ルートとして重要な路線での問題発見であり、津波の前の地震で、のり面の崩壊とこれによる避難ルートの途絶が起きかねない状況を明らかにしたものであると大変心配されております。

 これまで私は、予算委員会等で、社会インフラについて、単なる目視点検ではなくて、非破壊検査等の内部の状況がわかるような検査が必要であるということを訴えさせていただいておりますが、それについての見解を再度お聞かせください。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 議員ご指摘のとおり、そうしたのり面の対策、橋梁の耐震化等もございますけれども、そうした点検等も踏まえた維持管理、非常に大事だと考えております。

 今回の国道三八八号の箇所につきましても、そうした防災上の工事を行う過程で発見されたものでございまして、こうしたものをしっかりやっていくということが大事だと思っております。

 今、ご指摘のとおり、非破壊検査等の仕組みもしっかり応用することも考えまして、これから対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 特に津波からの避難ルート、これは大変に緊急の課題でございますので、よろしくお願いしたいと思います。

 続いて、県民の健康対策についてお伺いさせていただきます。

 まず一点目は、がん対策についてであります。

 公明党は、長らく日本人の死亡原因のトップであるがんに対する対策が国民生活の質の向上に不可欠であると積極的に取り組んでまいりました。平成十七年には、党内にプロジェクトチームを設置、翌十八年には、これをがん対策推進本部へと格上げし、ここでの議論をもとに、同年に、がん対策法案の要綱骨子として、一つ、放射線治療の推進と専門医の育成、二、苦しみを和らげる緩和ケアの早期実施などをその柱と位置づけて発表いたしました。そして、これをたたき台として、自公での当時の与党案として取りまとめ、がん対策基本法が平成十八年六月に成立いたしました。

 現在、この法律に基づく国のがん対策推進基本計画及び都道府県がん対策推進計画が策定され、五年ごとに見直されている状況でございます。そして、これらに基づいて、具体的ながん対策の中心となる医療体制の拡充が推進されてまいりました。

 その中で、がん診療連携拠点病院は、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるよう、専門的ながん医療の提供、地域のがん診療の連携協力体制の構築、がん患者に対する相談支援及び情報提供を行う医療機関として、国により指定されるものでございます。

 このがん診療連携拠点病院は、抗がん剤治療や放射線療法を専門とする専任の医師がそれぞれ一人以上配置され、肺や胃、大腸、乳など日本人に多いがんの標準的な治療を提供できることが指定条件となっております。

 現在、全国に三百九十七カ所、大分県では、県全体の拠点である大分大学附属病院を初め、別府医療センター、県立病院、日赤病院、アルメイダ病院、済生会日田病院、中津市民病院の七カ所が指定されております。

 厚生労働省は、地域医療の単位である二次医療圏に一つずつこの拠点病院を設ける方針を掲げてまいりましたが、専門医の不足や放射線治療をする医療機器の不足などから、現在、三百四十四の二次医療圏の約三割、百七医療圏には拠点病院がない状況でございます。

 我が県におきましても、六つの二次医療圏のうち、佐伯市である南部医療圏、竹田市及び豊後大野市で構成する豊肥医療圏には、残念ながら連携拠点病院がありません。

 今回、厚生労働省は、拠点病院よりは基準が緩いものの、一定のレベルの治療ができる、仮称、地域がん診療病院を設ける方針を決め、全国どこでも安心して質の高いがん医療を受けられる体制づくりを目指すこととなったと報じられております。

 そこで、本県のがん医療の現状について、地域偏在を是正して、県南、豊肥に住まわれている方々への診療体制の提供をどのように図るのか、今回の地域がん診療病院の指定見込みやそれによるがん診療体制の充実をどのように図られようとされるのか、お聞かせください。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

 現在、がん診療連携拠点病院のない南部、豊肥各医療圏域につきましては、中部医療圏域に四つの拠点病院を指定し、二圏域をカバーしているところでございます。

 今後の指定につきましては、現在、国が検討しています地域がん診療病院指定制度の創設を初めとするがん診療提供体制の見直しの趣旨を踏まえ、県内の医療機関等の実情も勘案しながら、速やかに体制整備に取り組んでまいりたいと考えております。

 そして、がん診療病院指定後は、拠点病院との情報共有や役割分担等により、地域におけるがん診療体制のさらなる充実を図る役割を担っていただきたいと考えています。

 また、拠点病院、がん診療病院、かかりつけ医の円滑な連携、訪問看護師等とのチーム医療にも取り組み、がん患者が住みなれた地域で、より安心して療養できる体制を整備していきます。

 以上でございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 具体的に地域がん診療病院について、まだどういう基準で具体的な方向が出るのかというのは未定な部分もあるかと思うんですが、いわゆる南部地域及び豊肥地域について、この指定の可能性というのは、今のところ、十分なんでしょうか。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 県といたしましては、それぞれの地域でこういった病院を指定したいということは考えて、検討はしております。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 さらに、ちょっと、実は、今回調べてみて思ったんですが、県南に隣接する宮崎県側も、診療連携拠点病院というのが、宮崎市に二カ所と都城市に一カ所、熊本県側も、拠点病院は、熊本市の五カ所、荒尾、八代、人吉に各一カ所、九州の中央部にぽっかりとがん対策過疎地域という感じが生じているということでございます。これ、何らかの、隣接県同士で協力体制をつくれないのかというふうに思うのですが、その辺のお考えあれば。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 まず、がん患者がより身近なところで適切な医療を受けられるように、まずは、県内のがん診療の連携体制を強化するということが一点あると思います。

 また、その後、隣接県のがん診療連携拠点病院と地域がん診療病院の指定状況も見ながら、その辺は検討させていただければというふうに思っております。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ぜひ積極的にお願い申し上げます。

 続いて、認知症対策についてお伺いをいたします。

 私は、昨年九月の第三回定例県議会における一般質問でも認知症問題を取り上げさせていただきました。

 本日、玉田議員も取り上げられましたけれども、それは、昨年公表された厚生労働省の認知症患者の推計値の余りの多さに衝撃を受け、重大な社会問題として、その対策が急務であるということを訴えさせていただいたものでございました。

 その際、当時の永松福祉保健部長からは、「本県の認知症患者数を、二〇一〇年時点で二万九千人、六十五歳以上人口の九・一%と推計している」。そして、「地域のかかりつけ医を対象とした認知症対応力の向上研修修了者を大分オレンジドクターとして登録し、三年間で三百人程度養成すること」、厚労省が示した地域包括支援センターに初期集中支援チームを置くとの方針についても、「その動向を注視し、検討していく」というご答弁をいただきました。

 しかし、今般、厚生労働省研究班の大規模研究により、全国の認知症高齢者数は、平成二十四年時点で推計約四百六十二万人に上り、昨年の国の推計より約百六十万人も多いことがわかりました。さらに、認知症を発症する前段階と見られる軽度認知障害、MCIの高齢者も推計約四百万人と報告されました。

 正確な診断に基づく全国の認知症高齢者とその予備軍の実態が今回初めて明らかにされたわけでありますが、六十五歳以上の高齢者数約三千八十万人中の認知症の有病率は一五%、軽度認知障害高齢者を含めれば二八%に達するということが示されました。

 そこでお伺いをいたします。

 今回の衝撃的な全国推計の結果をどう受けとめ、本県における患者数及びその前段症状を有する方々の数をどうとらえているのでしょうか。また、県としての対策方針の見直しはあるのでしょうか。

 加えて、昨年の私の質問で問題点を指摘しました若年性認知症対策に関し、実施方針が公表されました県による若年性認知症の実態調査計画について、その実施計画とその活用方法についてもお聞かせください。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 お答えをいたします。

 まず、全国推計の結果ということでございますけれども、今回公表されました数値は、これまで認知症高齢者とされてきました日常生活に支障を来す程度の認知症を有する人、この人たちに加えまして、日常生活は自立している人やいわゆる予備軍などを含んでおるものでありまして、このため、従来の推計値を大きく上回ったものでございます。

 この中で、日常生活は自立している人につきましては、これまでも介護保険のサービスを受けることはできたという人でございます。

 今回の推計を本県に当てはめますと、平成二十四年十月一日現在、認知症の方は約四万九千人、いわゆる予備軍の方は約四万二千人になるものと思われます。

 対策方針の見直しということでございますけれども、次期ゴールドプランを来年度から策定することとしておりますけれども、国の動向や認知症高齢者の実態も的確に把握し、今回新たに認知症高齢者に加えられた人に対するサービスの必要性等を勘案の上、十分なサービス供給量を盛り込んでいきたいと思っております。

 また、若年性認知症の方の実態調査についてお尋ねがありました。

 若年性認知症の人の数や居住場所、原因疾患等について、医療機関や福祉施設などの協力を得まして、七月中に調査をいたしまして、その結果を踏まえまして、本人とご家族を対象に生活実態等の詳細調査をすることとしております。また、こうした調査結果を踏まえまして、若年性認知症の人への支援等について検討していくこととしております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 この認知症の発症者、そして軽度の認知障害の方々、これが六十五歳以上の高齢者の約二八%に達するという状況を踏まえて、喫緊の課題に関して二点お伺いしたいことがあります。

 それは、先ほどの防災対策に絡んででありますが、県や市町村の防災計画の中で、この結果を踏まえた、いわゆる高齢者の対策というものが当然講じられるべきと思いますが、その点いかがなのか。

 もう一点は、今ご案内のとおり、高齢者をねらった詐欺事件が多発化している。この状況の中で、いわゆる認知障害、認知疾患の状況にある高齢者の対策というものはどのように講じられるべきなのか、その点についてのご認識をお伺いさせてください。



○近藤和義議長 平原福祉保健部長。



◎平原健史福祉保健部長 私からは、まず前段のご質問についてお答えをしたいと思います。

 防災計画の中で問題となってまいりますのは、認知症高齢者の方を含めた、いわゆる災害時要援護者の方、これをどうするかということだと思いますし、県としては二つの方向で進めていきたいというふうに思います。

 一つは、市町村での要援護者名簿の作成ということで、災害対策基本法が改正をされたということで市町村にその作成が義務づけられたということでございますので、これについては市町村に働きかけていきたいというふうに思います。

 市町村の取り組みとともに、地域の取り組みというのも大変重要だというふうに思っておりまして、地域の方々が自分たちで自助、共助のお考えのもとで計画をつくり、実際に避難をしてみるといった取り組みが必要だというふうに思っておりまして、今年度、県では、四カ所をモデル地域として、そうした取り組みを事業として実施することといたしておりまして、今後、こうした取り組みを各地域に広げていきたいと思っております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 大沢警察本部長。



◎大沢裕之警察本部長 お答えいたします。

 高齢化が進展する中、県内では、高齢者の振り込め詐欺の被害が発生しているほか、高齢者が関係する交通事故などが大きな課題となっております。こうした課題に対して、各種機会を通じて広報啓発活動を徹底するなど、所要の対策を講じてきているところであります。

 県警察といたしましては、認知症の問題も含めまして、犯罪被害防止や交通事故防止のため、ご家族や、こうした問題にかかわる関係機関、団体等とより緊密な連携を図りまして、きめ細かな高齢者対策を講じてまいる所存でございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ありがとうございます。

 いずれにしても、この認知症の問題というのは、正しい事実関係の認識ができなくなるというところに根本の問題があるわけでありますから、例えば、いわゆる避難すべきである、そうではない、あるいは、これが詐欺なのか、詐欺じゃないのか、そういったことを実際に認識できる、そこに大きな問題があるわけですので、これはやっぱり専門家を交えた情報伝達、どういうふうにその方々に対して具体的な情報をお伝えし、それを認識していただけるかという工夫が必要だと思いますので、ぜひご検討方をお願いしたいと思います。

 では、次にまいります。

 子育ての問題でございます。

 公明党は、若者の就労や妊娠、出産、仕事と育児の両立など、子供が成長するまでの期間を切れ目なく支援する体制が必要だと考え、かつ、幼児期が生涯にわたる人格形成の基礎を培う大事な時期であり、この時期に質の高い幼児教育を保障することが極めて重要なことであるとの認識から、子ども・子育て支援新制度との整合性を図るとともに、小学校就学前三年間の幼稚園、保育園、認定こども園などの幼児教育の無償化をマニフェストに掲げ、その実現に取り組んでまいりました。

 また、昨年の大分県内の出生数が、明治の統計開始以来、最少の九千六百五十人となり、人口一千人当たり出生率が八・二で、全国順位二十一番目となったという、県内の少子・高齢化の一層の深刻化を示す事実もあって、本県の進める子育て満足度日本一施策をさらに充実強化しなければならないと私どもは考えております。

 そのような中、内閣府の幼児教育無償化に関する連絡協議会で、政府側の方針として、三歳から五歳児の幼児教育の無償化につきまして、来年度から、まず五歳児の保育料の無償化を目指すこととし、第一子が幼稚園から小学校三年生までの世帯の幼稚園の保育料は、所得制限を撤廃した上で、二人目は半額、三人目から無償にして、低所得世帯については一人目の子供から無償にするということが案として示されました。

 現行制度では、保育所に二人以上の子供が同時に通う世帯に対し、保育料は、所得制限なしで、第二子は半額、第三子以降は無償となる制度があり、幼稚園児にも同様制度があるものの、子供の年齢や世帯所得による制限があることから生じておりました保育所との間での負担の格差を今回の方針は改善するものと注目されております。

 そこで、今後の市町村立、あるいは私立の幼稚園について、県としての取り組み方針はどのようになっているのか、お伺いをいたします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 私の方から市町村立幼稚園についてお答えします。

 保育料は、設置者である市町村の条例等によって定められており、平成二十四年度の公立幼稚園百三十二園の月額平均保育料は四千七百四十円となっています。

 現在、保護者の所得状況に応じて、市町村から就園奨励費が支給されているところです。

 国において、すべての子供に質の高い幼児教育を保障するということを目指して、無償化についての議論が行われており、今後の動向を注視してまいります。



○近藤和義議長 冨高生活環境部長。



◎冨高松雄生活環境部長 平成二十四年度の県内の私立幼稚園六十五園の月額平均保育料は二万一千三百六十円となっています。

 先般の国への提言活動の際に、幼児教育における低所得世帯の保護者負担の軽減に向けた国の財政支援について要望をしてきたところでございます。

 今後、無償化についての国の動向を注視しながら、教育委員会とも連携して、私立幼稚園に情報提供を行ってまいります。

 以上でございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 今、ご答弁いただいたとおり、市町村立と私立の間、物すごい格差があるわけでございますし、さまざまなこの幼稚園教育の果たす役割、これが非常に重要であるということ、私も、これまで幼稚園関係の先生方とのお話し合いの中で痛切に感じさせていただいたところでございます。人格形成、さらに言えば、子供たちの、まさに将来の行方もこの時期に決せられると言っても過言ではないというふうなお話、何回もお聞きしております。その意味で、ぜひこの負担の軽減という部分について、積極的なお取り組みをお願いしたいというふうに思います。

 実は、それに絡んで、次のお話に移っていくわけでございますが、貧困の連鎖という問題でございます。

 私は、六年前、県議会に初当選させていただいて以来、数度にわたりまして、いわゆる家庭環境が子供たちの将来というものを消していっていく、特に、経済的な状況が子供たちの就学環境、進学率、そして最終的には就職、こういったものに影響して、再度、貧困世帯が形成されていく貧困の連鎖問題を取り上げてまいりました。最近の情勢も踏まえて、今回、質問させていただきたいと思います。

 我が党がその成立に向け、積極的に努力してまいりました子どもの貧困対策の推進に関する法律案が六月四日の衆議院本会議において全会一致で可決され、去る六月十九日には、参議院の本会議でも全会一致で可決されて、成立をいたしました。

 この法律においては、生まれ育った環境によって子供の将来が左右されない社会の実現に向け、各種施策を講じることを基本理念に掲げ、その上で、国や地方公共団体など関係機関が密接に連携し、貧困対策に取り組むよう定めるもので、国や地方公共団体などの責務も明らかにしております。

 具体的には、政府に対しては、貧困対策を総合的に推進するための大綱の策定を義務づけるものとなっており、その大綱には、基本的方針のほか、教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済的支援、貧困の調査研究に関する事項などが盛り込まれることが規定されております。

 また、政府は、毎年一回、子供の貧困の状況及び対策の実施状況を公表しなければならないとされるとともに、関係閣僚で構成する子どもの貧困対策会議を内閣府に設置することなども定めております。

 また、都道府県に対しては、努力規定ということではありますけれども、国の大綱を踏まえた貧困対策の計画策定を求めることともされております。

 そこで質問でございますが、大分県として、今後の貧困の連鎖対策をどのように推進していこうとお考えでしょうか。今後策定される国の大綱を踏まえての県計画策定の方針はありますでしょうか、お伺いをいたします。



○近藤和義議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 子供の貧困対策についてのご質問を賜りました。

 すべての子供が生まれ育った環境にかかわらず健やかに育つということが、そういった環境を整えることは非常に大事なことだというふうに思います。

 子供が貧困を抱える家庭に育つことによりまして、教育や健康面、子育て環境などで不利な状況に置かれ、その状況が次の世代にも受け継がれてしまうという、いわゆる貧困の連鎖が起きないように、しっかりと支援をしていかなければならないと思います。

 こうしたことから、県では、これまでも、貧困を抱える家庭に対するさまざまな支援を行ってまいりました。

 まず、教育面では、義務教育段階の児童生徒に対しまして、放課後等の時間における補充学習として「学びの教室」などへの支援を行っているほか、経済的理由によって就学困難と認められる児童生徒の保護者に対しましては、就学援助費制度による支援を、これは市町村のもとですけれども、行っております。県でも、高校生の就学支援として、昨年度は延べ三千七十一人に対しまして七億五千五百万円の奨学金を貸与しているところであります。

 また、貧困を抱える家庭に対する経済的な支援として、大分県社会福祉協議会において、低所得者世帯等を対象に生活支援費や住宅入居費など日常生活全般に必要な資金、教育支援資金の貸し付けなどを行っておりまして、昨年度は七百七十一件、二億円の貸し付けを実施しております。

 このほか、厚生労働省の調査によりますと、子供の貧困はひとり親家庭で多くなっていることから、こうした世帯を対象とした施策も非常に重要だと思います。

 県では、大分県ひとり親家庭等自立促進計画に基づきまして、大分市に母子福祉センターを設置し、弁護士による無料相談などの相談業務を行っているほか、経済的支援として、児童扶養手当の支給や母子寡婦福祉資金の貸し付け、医療費の助成などを実施しております。

 また、就業支援といたしまして、母子家庭等就業・自立支援センターにおいて、求人情報の提供や職業紹介を行っており、昨年度は延べ百二十三人が就職をしております。

 さらに、看護師養成などの専門学校などに通う期間の生活支援を行い、就職に有利な資格取得を促進しております。

 こうした取り組みを引き続き充実するとともに、今般、国会で成立しました、今お話がありましたように、本党にご尽力も大変多かったわけでございますけれども、子どもの貧困対策の推進に関する法律に基づいて、今後示される大綱を踏まえました県計画の策定に向けて検討を進めていくということになると思います。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ありがとうございます。

 やはりこの大分にとって子供は、本当に未来の宝でございます。その子供たちが、まさに生まれ育った環境によらずに、しっかりと自分の夢を達成できる、そういった社会を目指していきたい、このように思っております。よろしくお願い申し上げたいと思います。

 続いて、インフラの改修についてでございます。

 まず一つ目は、子供たちの安全対策、通学路の安全対策についてお伺いをいたします。

 これまで、通学路における悲惨な事故の多発を受けまして、国が進めてきました通学路自体の変更、あるいは信号機の設置などの安全対策が年度内に終わった通学路は、昨年十一月末現在で要対策箇所とされておりました七万四千四百八十三カ所中の六割弱にとどまりまして、実に三万一千八百二十一カ所が次年度に持ち越された、未対策ということになっております。

 特に、信号機や歩道の設置と車の通行規制の実施については、予算の確保、あるいは地元の合意の取りつけなど、こういったもので時間がかかるケースが多いことがこの原因とされておりますけれども、県内の対策状況、今後の改善の見通しについてお伺いをいたします。



○近藤和義議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 通学路の安全対策についてお答えをします。

 昨年度、警察、道路管理者等と連携した通学路の点検の結果、県内には九百三十の対策必要箇所があることがわかりました。

 点検結果を踏まえ、教育委員会では、通学路の変更、保護者や地域と連携した子ども見守り活動、通学路安全マップの作成など交通安全の取り組みを徹底いたしました。

 警察では、交通信号機の設置など交通規制の見直し、通学路での交通指導取り締まり実施などの運転者対策を講じました。

 道路管理者についても、歩道の新設、路肩の拡幅による歩行スペースの確保、破損した側溝ぶたの修復、見通しを妨げる樹木の剪定を行いました。

 これらの取り組みの結果、昨年度末までに九百三十カ所のうち約六割に当たる五百六十四カ所の対策を完了いたしました。

 今年度中に、残り三百六十六カ所のうち二百七カ所の対策を完了し、これにより全体の八割以上が完了する見込みとなっています。

 用地取得の難航などといった課題がある残りの箇所も含め、今後とも、関係機関が緊密に連携し、通学路の安全対策を総合的に推進してまいります。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 再度お伺いいたしますが、今の対策状況につきまして、例えば、警察署管内、あるいは県の土木事務所管内、市町村での改善状況に大きな差、ばらつきというものはないんでしょうか。



○近藤和義議長 大沢警察本部長。



◎大沢裕之警察本部長 お答えいたします。

 今回の通学路に関する取り組みにつきましては、平成二十四年度の当初予算に含まれていなかったことから、既存の予算で、その内容に応じて順次実施したこと等により、現段階において各署間の実施率にある程度の差が生じているところであります。

 ただ、いずれにしましても、警察では、関係機関と連携を図りながら、残る箇所についても、可能な限り早急に実施してまいりたいと考えております。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 土木事務所管内のばらつきについてお答えをいたします。

 危険箇所数にやっぱりばらつきがございまして、地形条件にも違いがあります。しかし、今年度内に県の管理します道路におきましては、二百二十七カ所のうち、累計で二百十カ所でもう事業着手が見込まれておりまして、集中的な対応で要対策箇所の早期改修に努めてまいりたいというふうに考えております。

 また、市町村間のばらつきにつきましては、重点的に予算配分が可能な防災・安全交付金というものがありまして、その活用を助言し、危険箇所を早期に改修されるように努めてまいりたいと考えております。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 これは、先ほどの子供は宝というお話とつながる部分でございまして、少なくとも皆様方の身の回りにある危険箇所というのをどんどん行政の方に要望を上げていただいて、少しでも早く改善していただきたい。そのような動きというのを自治体とも一緒になってやっていただければということを要望しておきたいと思います。

 最後でございます。

 自治体管理道の老朽化対策でございます。

 地方自治体の管理する地方道の老朽施設の補強、改修、つけかえに関しまして、大規模で構造が複雑なトンネルや橋などの修繕改築工事につきましては、専門職員の不足などで具体化がおくれている自治体にかわって国が改修するという代行制度が、五月二十九日に成立いたしました改正道路法により創設されました。

 このような老朽施設の問題については、昨年の第三回定例県議会における私の一般質問の中でも、県から市町村への人的支援を含めた提案をいたしましたが、畔津土木建築部長から、「県は、市町村の施設の長寿命化計画策定を支援するとともに、現場に即した橋梁の補修、補強に関する研修を行うなど技術的な支援も行っている。今後とも積極的な支援を行っていきたい」というご答弁をいただきました。

 県民が安心して県内の道路、橋梁、トンネル等の社会インフラを利用できる状況を少しでも早く確保することは極めて重要でございます。

 そこで、今回創設されました制度の内容と代行を求める自治体の負担について、まずお伺いをいたします。

 また、この制度の活用を前提といたしまして、市町村の長寿命化計画、改修計画等の策定を県として促すお考えはないか、あわせてお伺いをさせていただきます。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 お答えをいたします。

 国による修繕、改築の代行制度は、適切な管理の必要性が特に高いと認められる道路において、その改築や修繕に高い技術を要するものを、地域の実情を勘案し、国が行うことが適当と認められる場合に実施されます。

 代行を要請する自治体の負担は、みずから工事を行う場合と同額となります。

 制度の活用につきましては、今後制定される関連政令を確認し、判断することとなりますが、県では、市町村に対しまして、ことし一月以降、道路施設の点検内容や点検業務発注方法などにつきまして四回の説明会や研修会を開催したほか、個別のヒアリングも行い、改築・修繕計画の策定を促しているところでございます。

 今後も、代行制度の活用も視野に入れ、積極的に市町村の計画策定を支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ヒアリング等、あるいは研修会等を行われているということでございますが、今、いわゆる代行制度について、必要な箇所、県内のいろんな、先ほど言われました重要路線、その中で複雑な構造を持つ橋梁、トンネル、こういったものがどの辺にあって、あるいは、そういった部分で、国の代行が実際に受けられるのかどうかという見通しというのはお持ちなんでしょうか。



○近藤和義議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 代行制度の活用につきましては、あくまでも市町村の方の発意によるものでございまして、今段階では、どの箇所ということは挙がってきておりません。

 以上です。



○近藤和義議長 河野成司君。



◆河野成司議員 ありがとうございました。

 やはり、このインフラの問題については、ご案内のとおり、私ども、防災、