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平成24年 第3回定例会(9月) 09月13日−04号




平成24年 第3回定例会(9月) − 09月13日−04号







平成24年 第3回定例会(9月)



平成二十四年九月十三日(木曜日)

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 議事日程第四号

      平成二十四年九月十三日

           午前十時開議

第一 一般質問及び質疑、委員会付託

第二 特別委員会設置の件

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 本日の会議に付した案件

日程第一 一般質問及び質疑、委員会     付託

日程第二 特別委員会設置の件

特別委員の選任

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 出席議員 四十二名

  議長        志村 学

  副議長       元吉俊博

            小野弘利

            久原和弘

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            後藤政義

            竹内小代美

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            吉冨幸吉

            平岩純子

            江藤清志

            古手川正治

            土居昌弘

            嶋 幸一

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            田中利明

            渕 健児

            近藤和義

            阿部英仁

            井上伸史

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

 欠席議員 一名

            毛利正徳

 欠員   一名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     岩崎哲朗

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      奥塚正典

  企業局長      堤  隆

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     大沢裕之

  企画振興部長    塩川也寸志

  福祉保健部長    永松 悟

  生活環境部長    直野清光

  商工労働部長    山本和徳

  農林水産部長    阿部良秀

  土木建築部長    畔津義彦

  会計管理者兼

            平田茂雄

  会計管理局長

  人事委員会

            山本清一郎

  事務局長

  労働委員会

            山蔭政伸

  事務局長

  財政課長      長谷尾雅通

  知事室長      草野俊介

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     午前十時四分 開議



○志村学議長 これより本日の会議を開きます。

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△諸般の報告



○志村学議長 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。

 まず、教育委員会から、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十七条第一項の規定により教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価について報告書の提出がありました。

 なお、報告書は、お手元に配付しております。

 次に、継続請願一九については、提出者から取下願が提出されましたので、所管の委員会に回付いたしました。

 以上、報告を終わります。

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○志村学議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第四号により行います。

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△日程第一 一般質問及び質疑、委員会付託



○志村学議長 日程第一、第八五号議案から第一一四号議案まで及び第四号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。田中利明君。

  〔田中議員登壇〕(拍手)



◆田中利明議員 皆さん、おはようございます。三十一番議員、自由民主党・無所属の会の田中利明であります。

 私は、久しぶりに登壇の機会を与えていただき、身の引き締まるような緊張感とともに、広瀬知事を初め執行部の皆様方と県政の重要課題について一期一会の心境で対峙できる無上の喜びに感謝しているところであります。

 さて、ご案内のとおり、本年、二〇一二年は、天地明察のとおり、森羅万象の本質をはっきりと見抜く時代となっております。

 まず、天を見上げれば、金環日食のゴールデン天体ショーが、人間の善悪に関係なく、平然と宇宙の数理性と法則性にのっとり眼前で繰り広げられたところであります。

 また、地を見れば、古事記編さん千三百年の歴史の中からイザナギ、イザナミの大父母神がよみがえり、国づくりの壮大なドラマの開闢の中で、私たちの国、日本及び日本人の本質の何たるかを指し示しています。

 しかるに、昨年の東日本大震災に引き続き、このたびの九州北部大豪雨災害などの自然破壊やとどまるところを知らない人間の堕落行為を起因とする社会病理現象に恐れ失望することなく、日本人としての誇りと自信を回復し堅持していくことがこの時代の中で強く求められています。

 そこで、大分県と各地域が元気になることを願い、通告のとおり質問をいたします。

 まず第一点は、美術館建設についてであります。

 先般、自民党・無所属の会では、金沢二十一世紀美術館、石川県立美術館並びに大阪市美術館を視察調査いたしました。現場の美術館館長と対面し、その運営管理、広報活動や問題点を傾聴してまいりましたので、具体的な提案を含め、三点について質問をいたします。

 まず第一点は、美術館とまちづくりについてであります。

 従来の考え方として、街が美術館をつくり、経済が文化を支えるというのが社会常識でありましたが、美術館の奇跡と評価される金沢二十一世紀美術館は、美術館が街をつくり、文化が経済を支えることを理念として、開館以来十年間にわたり実績を積み重ね、その理念を実証しているところであります。

 この実証の背景にはさまざまな工夫と仕掛けがあるのですが、金沢市四十七万の人口に対し、全国約三百五十カ所の美術館の中でトップとなる年間約百五十万人の来館者数と三百二十八億円の経済波及効果を上げています。その経済効果として、美術館周辺地域は「路線価が上がったのは美術館のおかげ」と高く評価しているところであります。

 さて、昨年十一月に示された「本県美術館設計にあたっての考え方」の中でも、地域活性化、まちづくりの拠点としての美術館の役割や企業、商店街等地域と美術館との連携が提案されていますが、県立美術館予定地周辺の中心街の空洞化問題への対応や開発途上にある大分駅周辺地域との連携方策等、具体的なビジョンが示されていません。

 そこで、美術館とまちづくりについて知事のご所見をお伺いいたします。

  〔田中議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの田中利明君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 田中利明議員には、一期一会の覚悟をもってご質問を賜りました。私も、気おされないように、一生懸命、答弁をさせていただきたいと思います。

 初めに、美術館とまちづくりについてのご質問でございました。

 欧米の美術館は市民がふらりと気軽に立ち寄る場所となっておりまして、友人が訪ねてくると、まずは美術館に案内すると言われております。私も実際にフランスなどで、地域の人がいかに地元の美術館に愛着を持っているかということを実感してまいりました。

 美術館が地域の人から愛され、気軽に立ち寄ってもらうことが、美術館を活用したまちづくりの第一歩であるというふうに思います。そのため、新しい美術館は、水平折戸や広いアトリウムによりまして街に開かれた空間となるよう設計をしております。運営面でも、多くのオープンスペースを設けるとともに、無料のイベントなども定期的に開催いたしまして、地域のにぎわい創出につなげていきたいと考えております。

 私も二十一世紀美術館には行ってみましたし、初代館長である蓑豊さんにも昨年お会いする機会がありましたけれども、その際、まちづくりと美術館についての貴重なアドバイスをいただきました。今、議員がご指摘なさったように、美術館によって街をおこす、美術館によって経済を活性化するという大変おもしろいお話も伺いました。

 美術館と同じく、平成二十七年春に開業予定の大分駅ビルや北口駅前広場の整備など大分駅周辺地域との連携方策につきましては、これまでもJR九州社長や大分市長と意見交換を行いまして、駅と中心市街地、さらには美術館をつなぐにぎわいの創出、市内の回遊性の確保につきまして、一体となって取り組んでいくことを確認しているところであります。

 また、構想段階の今から美術館と県民を結ぶ取り組みを行っていくことも大切だと考えておりまして、五月には市内中心部の空き店舗に県立美術館まちなか支局を開設いたしまして、美術館活動の基盤づくりを行うとともに、店先に学生のアート作品を展示する「まちなかアートギャラリー」などで商店街との連携事業を展開しているところであります。

 さらに、美術館周辺地域との連携につきましては、県立美術館推進局、OASISひろば21、商店街組合などで構成する連絡会議を四月に立ち上げまして、美術館開館に向けて、にぎわいづくりの検討や試行的な事業に取り組んでいるところであります。例えば、年末には、OASISひろば21を中心に、商店街や市町村、民間団体なども広く参加するクリスマスイベントなどを予定しているところであります。

 なお、八月に開催した県芸術文化ゾーン創造委員会では、県立施設として美術館と総合文化センターが中心となって、県内市町村、芸術文化短期大学を初めとする大学や小、中、高等学校、経済団体等と共同して、幅広く事業を展開していく必要があるという意見もいただいております。

 県といたしましても、大分市中心部はもとより、県内全域にネットワークを構築して、美術館及び総合文化センターがその核となるための組織、体制を検討していくことを考えているところであります。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 知事の答弁を聞きながら、まず、金沢二十一世紀美術館を見られたということで、そこが私のこの話の原点になっておりますので、話は早いかなと思った次第でありますが、非常に美術館というものは、確かに館自体が存在するということが、今まで、まちづくりとあんまり関係した感覚じゃなくて、芸術の拠点とか、あるいはまた、芸術活動しておる人たちのための施設的な要素が強かったわけですが、この蓑館長という、「超・美術館革命」という本に、私、これ、一気に、一晩で読み上げて、感動の気持ちで、この美術館問題について話をしたいということできょう立っているわけでありますが、やはり、この美術館の事業というのは、昔は城というのが、これは、人を力でもってねじ伏せ、権力でもってその地域を治めた侍の城だったわけですが、現在の美術館というのは、人に感動を与え、安心を与え、喜びを与える、こういうやっぱり現代の城づくりだと私は思います。だから、美術館ができたからといって、それがどうだというんじゃなくて、まさしく成長する美術館という言葉もあるとおりで、美術館とともに街が成長していくという。だから、街が美術館にならなきゃならぬわけで、美術館があるからいいんだという、こういう発想ではないという、ここはもう私は大事であって、だから美術館というのは、やっぱり百年の体系、百年かけてつくり上げていくんだぞという、そこの原点を今、我々は大事にしていかなきゃならぬということで、まさに美術館という箱物は当然できてくるんですが、そこに魂を込めていくという、ここが今、肝心だと思います。

 その意味で、私も各地域を回って、大分県、こんな財政規模が小さくて、貧しい県でありますが、美術館をつくるんだという話をしたら、すばらしいと。知事を褒め殺しするわけじゃないんですが、やはり、こんな貧しい、こんな財政難の厳しいときに何で美術館という、これが多くの県民の問いかけだと思いますが、そうじゃなくて、金が幾らあっても、人は、金によって支配され、堕落していくわけですが、そんな次元じゃない、もっと高い、人間としての高尚な次元に上昇していくためにも、私は、この美術館事業というのは大きな意味があり、そこに決断された知事のその勇敢さ、その英断というものに私はほれ込んどるわけでありまして、この美術館を何としてでも成功したい、こういう気持ちでいっぱいであります。

 そこで、美術館とまちづくりについての再質問になりますが、その意味で、この美術館ができることによっての都市デザイン、街をどういう形にもっていくのか。ただ、美術館をOASISの向かい側につくるというんじゃなくて、都市デザインをどうしていくのか。そのためには、やっぱり大分市と一緒になってこのまちづくりをやっていかなきゃならぬと思いますが、今現在、美術館用地につきましては大分市の中心市街地活性化ゾーンには入ってないわけでありまして、ここをどう詰めていくのか、この点につきましてお話を聞かせていただきたいと思います。

 それと、まちづくりについての問題には、やはり、経済波及効果というのが、これは避けて通れない問題でありますが、このたびの美術館について経済波及効果をどの程度考えていらっしゃるのか、この辺について質問したいと思います。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 議員ご指摘のとおり、美術館、大分市、あるいは大分県の全体の活性化ということを考えながらやっていかなきゃならぬというふうに思っているところでございます。

 しかるところ、おっしゃるように大分市の中心市街地活性化計画の中には、今、美術館建設予定ゾーンは入っていないわけでございます。これは、これまで、あそこをどういうふうに活用するかということが決まっていなかったんで入っていなかったんだと思います。今度こういうことで芸術文化ゾーンとして我々も位置づけて、県全体の芸術文化の中心、核になるようにやっていきたいと思っておりますので、当然、大分市もここを、地域計画を改正して、ゾーンを編入するということになるだろうというふうに思っているところでございます。

 それから、経済波及効果でございますけれども、これについては、美術館に直接お越しいただく方が大分駅周辺をいろいろ活用されるその効果、そしてまた、全体の創造性の発揮といったような効果、いろんな効果があると思います。それについては、いろいろ試算をしてみなきゃいかぬ、こう思っているところであります。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 美術館ゾーンをつくっていくという、ぜひひとつご尽力をお願いします。

 それと、美術館については入館者数というのが数値目標になるんですが、やっぱり経済波及効果というのも一つの大きな僕は指標になると思いますので、こういうやっぱり数値を追っていくという、こういう努力もぜひひとつお願いしたいと思います。

 次に、美術館と教育機関との連携について質問いたします。

 金沢二十一世紀美術館の年間百五十万人の集客力はなぜ生まれてくるのか。その秘密を解くキーワードは子供です。美術館建設のコンセプトである「子供たちとともに成長する美術館」にもあらわれているとおり、金沢二十一世紀美術館は、子供の目線を大切にしながら、本物の感動を与え、明るくにぎやかで開放的な美術館環境を備えつつ、気軽に家族とともに訪れやすい無料ゾーンを多く設置しています。

 昨年、大分市美術館でも、三カ月間にわたり「テオ・ヤンセン展」が開催され、実に十四万人の来客者数を記録し、話題となりましたが、これも子供たちを中心とした家族が大多数を占めた展覧会でありました。

 加えて、金沢二十一世紀美術館は、開館当時、金沢市内の四万人の小中学生をバス送迎つきで五千万円の経費をかけ無料招待し、さらに子供向けパンフレットに「もう一回券」という本人のみの無料券をサービスし、その家族を集客する工夫をしています。現在は、学習吸収力が最も高いと言われる小学校四年生を対象に、教育機関と連携し、無料招待を継続しています。

 そこで、今後の本県の美術館と教育機関との連携について、どのように考え、対応していくのか、お伺いいたします。



○志村学議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 私の方から美術館と教育機関との連携についてお答え申し上げます。

 これまで地域説明会等を開いてまいりましたけれども、その中でも、子供たちを美術館の方で呼んでほしい、招いてほしいという声は多数寄せられておりまして、現在、どのような形がよいのか、どのような方法があるのかを検討しているところです。

 また、美術館そのものにおきましても、体験を通して学習できる環境づくりにも力を入れていきたいと考えているところであります。

 特に施設面におきまして、二階部分にアトリエ、あるいはプレイルーム、研修室など教育普及スペースを設けまして、屋外に創作広場を整備するなど、美術に関する多様な体験ができるよう環境を整えたいと考えております。

 事業面では、鑑賞や造形のワークショップで用いる子供向けの教材やプログラムを教育委員会と連携して作成し、県立美術館まちなか支局等で試行的に提供しているところです。

 さらに、県立芸術文化短期大学の学生がワークショップを企画立案し、講師となる取り組みも進めておりまして、大分県の未来を担う子供たちの豊かな感性や創造性をはぐくむため、教育機関としっかり連携を図っていきたいと考えております。

 以上です。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 再質問でございますが、金沢美術館の初代館長蓑豊氏は、その著「超・美術館革命」の中で、「一般的に美術館は知識や教養を備えた高級な趣味人だけが見に来ればいいという権威主義の伝統があり、子供の来るところではないという認識がある。しかしながら、美は万人のものであり、美を感じる感性に、知識も教養も身分も関係ない。美術館は感性を育てる。また、本物を見せなければ人間は育たない。さらに、子供のときに美術館に来た人は、大人になっても、一〇〇%、自分の子供たちを連れてくる」と美術館と教育の意義を熱く語っています。

 そこで、大分県下には小中学校四百二十五校、約九万三千人の小中学生が在学中でありますが、美術館の教育的意義を考えますと、小中学生を対象とした美術館無料体験学習を実施してはどうかと考えますが、見解をお伺いしたいと思います。

 また、来館者小中学生に「もう一回券」のサービスを検討することも提案いたしますが、あわせて答弁をいただきたいと存じます。



○志村学議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 ご指摘のとおり、子供、小学生、中学生というものは、美術館そのものの将来を考えるときに、この人たちに一遍行ってみておもしろくないと言われたら、それから先の美術館の運営はもう続かないわけであります。ですから、小中学生、あるいはそれよりも小さいお子様たちも含めて、いかに美術館に足を運んでもらい、また、美術館に興味を持ってもらうということは、美術館自身の将来の運命がかかっているというふうに私は考えております。

 したがいまして、今、議員からご提案のありました、無料で体験をする試み、取り組みですとか、あるいは招待をする試みですとかについては、積極的に企画を考えていきたいというふうに考えております。

 以上です。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 前向きの答弁、ありがとうございました。

 特にこの美術館は、従来いろんな美術館を見てますが、教育部門の比重が小さくて、やっぱり教育の場として認知されていない点があります。本県の美術館をつくるに当たっては、その比重を極力大きくして、やはり将来を担う子供たちに、特に感性、知識じゃなくて感じる力、これをやっぱり味わってもらう、このことを目指してつくっていただきたいと思っています。

 次に、第三点としましては、美術館の運営と管理についてであります。

 まず、これまでの美術館の運営形態は、有名な建築家が立派な建物をつくり、作品を並べてコレクションを守っていくというのが基本的な考え方であり、あくまでも行政本位の内に向けた運営であり、市民本位の外に向けた運営ではありませんでした。

 しかしながら、金沢二十一世紀美術館では、一般的な公立美術館の資金回収率が一五%であるのに比べ、実に六〇%の回収率を保持しています。その運営の違いは集客力にあり、百五十万人の来館者中、四十万人が有料入場者であり、観覧料や物品販売で着実に収入を確保しております。その意味で、今後の美術館運営には経営学が必須であり、館長は経営者でなければならない時代が到来しています。例えば、民間経営の多い外国の美術館では、展覧会の必要経費は一〇%程度であり、残りは学芸員がファンドレーシング、資金調達しなければならないと聞いております。

 従来、公的美術館では館長は肩書だけの名誉館長でよいと言われ、学芸員は自己中心的な調査、研究が役割と考えられ、ひたすら箱物行政を遂行してきましたが、財政難の冬の時代を迎えた美術館運営には、集客力に結びついたサービス業としての経営が求められています。

 そこで、本県の美術館運営についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。

 また、本県の美術館の管理運営については、一般的には美術館運営は直営方式と指定管理方式とがありますが、本県、大分県の美術館管理方式についてはどのように考えているのか、ご所見をお伺いします。

 また、美術館管理の主体は企画振興部なのか、教育委員会となるのか、あるいは共同管理となるのか、ご見解をお尋ねいたします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 美術館の運営と管理についてのご質問を賜りました。

 これからの美術館の管理者には、もちろん芸術分野についての深い造詣ということはありますけれども、あわせて経営的センスが必要であると私も考えております。貴重な美術品を保存し、次代に伝えていくということも美術館の大事な役割ですけれども、その価値を多くの人に楽しみ理解してもらうということが、より重要な使命だというふうに思います。そのためには、魅力ある展覧会を企画して、多くの方に来てもらい、入館料などの収入もしっかりと確保してもらうという経営感覚が大変大事だと思います。

 また、美術館を訪れる新たな顧客の開拓ということもぜひやってもらわなきゃならぬと思います。芸術会館への来館者を見てみますと、県内の五十代以上の女性が中心になっております。あえてターゲットをこれから絞ってみますと、この層の方々ももちろん大事にしながら、加えて、二十代から四十代の女性の皆さん、子供たち、あるいは県外の方などにも足を運んでいただける企画を考えて、どのように広報していくかなど、マーケティング戦略が大変大事だと思っております。そんな戦略的な観点から、例えば、女性向けには、絵画に音楽、ファッション、デザインを組み合わせた企画展の開催だとか、あるいは若者向けには、ツイッターやフェイスブックによる参加型広報の実施だとか、いろいろ考えてもらわなきゃならないというふうに思います。

 次に、美術館の管理体制についてのご質問でございました。

 県芸術文化ゾーン創造委員会で、隣接する県立総合文化センターを含めまして、県の芸術文化の拠点としての体制整備を検討しているところであります。

 委員会では、美術館の運営方式についても、県直営と指定管理者制度のいずれがよいのか、それぞれメリット、デメリットを踏まえて議論をしていただきまして、その答申を受けて、県としての方針を決定したいと考えているところであります。

 なお、従来の美術館は、博物館法上の登録博物館ということで教育委員会が所管するケースがほとんどでありました。しかし、知事部局が所管しても、博物館相当施設として、登録博物館と同等の取り扱いを受けるということも可能でありまして、美術館の多様な機能に着目して、最近では、知事部局が所管するというケースが全国的にもふえている状況であります。

 現在、芸術会館は教育委員会所管となっておりますけれども、まちづくりだとか、あるいは観光振興だとか、あるいは産業創造、あるいはまた、教育、福祉、医療など県の総合行政の中で芸術文化の果たす役割が増大している、また、そういう役割を果たしてもらわなきゃならぬということを考えますと、教育委員会との連携を前提として、知事部局が所管するということもよいのじゃないかというふうに考えております。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 再質問でございますが、まず、石川県立美術館の館長というのは八十歳の方で、嶋崎というて、公的美術館の親分さんです。親分というか、重鎮でございますが、この人から、実は大分県の美術館、県と市があるけれども、つくっていくんだけれども、このすみ分けをどうするんか、「これは大きな課題ですね」という投げかけを受けました。

 金沢二十一世紀美術館は、あくまでも現代美術を収蔵、収集して、子供たちを中心にやっています。しかし、石川県立美術館は、加賀百万石のこの武家文化の伝統名品を収集し、それぞれのキャラクターで演出して、来館者も層が違う、こういううまいすみ分けをやっているわけですが、しかし、本県の美術館の収蔵品を見ますと、市立美術館と大変似ている収蔵品であります。これが一つ大きな課題かなと思いますが、こういうすみ分けをどうやっていくのか、この一つの運営についての手法、考え方をお聞かせ願いたいと思います。

 それと、この美術館の名前なんですが、各県の状況を見ますと、県立美術館というのと県美術館というのがあります。九州では、長崎県美術館、ほとんどあとは、他県は、九州の各県は県立を使っているんですが、この美術館の名称について基本的にどのようにお考えになっているのか、お尋ねしたいと思います。

 それと、管理についてでありますが、この企画展等の収益は、通常、一般会計に没収されていくんですが、兵庫県立美術館では、作品購入の基金として利用されています。このことがやっぱり、館長とか学芸員の企画が当たって、ある程度の収益を得て、非常に功績が高いわけですが、あとはそれだけの話ということになりますので、やはり、この美術館の運営についてのモチベーションを上げていくという点につきまして、これ、ひとつ工夫が必要じゃないですか。だから、作品をこれから買わなきゃならぬけれども、企画が当たって、もうけたら、作品購入に回していくという、こういうやっぱり経営手法というものを、ひとつこれから、これが可能か不可能かわかりませんが、モチベーションを上げていくという手法に対して、十分検討していく必要があるんじゃないかと思っておりますので、その辺について知事の考え方を聞きたいと思います。

 それと、県下には、美術愛好者とか企業、団体の収蔵品の寄託、寄贈というのが非常に多いわけでありますが、まだ顕在化してません。大阪市の美術館とか石川県立美術館では、国宝級のものまでも美術館に寄贈、あるいはまた、寄附をしていただいているところもあります。そういう意味で、佐伯なんかでも南海コレクションという、これまたすごい、エコール・ド・パリのコレクションとしては、もう冠たるものがございます。いろんなコレクションがあるわけでありますので、そういうものを活用していく。これをどう活用していくのか、掘り起こしが大事だと思います。その辺についての取り組みにつきまして考え方を聞きたいと思います。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 何点か再質問いただきましたけれども、県立美術館と大分市立美術館との違いということについてのご質問でございました。

 県立美術館でございますから、もちろん県立の施設といたしまして、県内の美術館のネットワークの核として、共同企画だとか、あるいは運営支援などに取り組むということが一つ、県立美術館の役割だと思います。

 それから、県全域の子供たちが美術に親しむための教育普及事業ということも、やはり県立美術館の役割ではないか、そしてまた、県美術展など、県全体でやっておりますいろんな展覧会の発表の場として、県民の盛んな創作活動を支えていくというようなことも、やはり大事なことなんではないか。県域全体に目配りをしながら、県域全体が元気になっていくような、そういう役割を果たしていきたいというふうに思っているところでございます。

 収蔵品の中身等について、大分市美術館と重なる部分も多いわけでございますけれども、県民とともに成長する美術館ということで、県民のニーズをしっかり踏まえながら、より新しいニーズに沿って成長していく、そういうことによって県立美術館の存在価値がさらに深まっていくのではないかというふうに思っております。

 次に、美術館の名称についてのご質問でございましたけれども、大分県の美術館でございますから、大分県と美術館という言葉を入れる必要はあるかな、こう思っているところでございます。そうなりますと、全国的な例を見ますと、大分県立美術館か大分県美術館かということではないかというふうに思いますけれども、いろいろこれからもしっかり議論していただこう、こう思っているところでございますけれども、設計をして、建築に入るということになりますと、いろいろ早目に決めておく必要がありますので、年内には案を固めたいというふうに考えております。

 また、正式名称とは別に、県民の皆さんから愛称等を募集するということもおもしろいかなと思っているところでございます。

 それから、第三点の、企画運営に当たりまして、その担当の館長以下の皆さん方のモチベーションということをよく考える必要があるぞということでございまして、少しでも利益が出れば、すべて借金返済に充てたいところでございますが、せっかくの企画運営のモチベーションということも大事でございますので、その辺はこれからよく考えていきたい、こういうふうに思っているところでございます。

 第四点に、県内いろいろコレクションがあるということで、今いろいろお話をいただきましたけれども、これから県立美術館としては、県内のいろんな美術館と連携をしながら、そのネットワークの核となってやっていくんだということを申し上げましたけれども、同じような思いでいろんなコレクションともしっかりアプローチをしながら、県立美術館の一つの役割として、やっぱり立派な美術品をしっかりと収蔵していくということも大事な役割だと思いますので、そういう能力も活用しながら、いろんなコレクションともしっかり連携をとっていきたいというふうに考えているところであります。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 大変前向きな答弁、ありがとうございました。

 次に、学校徴収金等処理方針及び取扱マニュアルについて質問いたします。

 私は、昨年九月の定例県議会で学校徴収金と父兄負担の軽減について質問いたしました。その後、本年三月、県監査委員会による「県立学校における教材費等について」をテーマにした行政監査報告書が知事並びに議長に提出されたところであります。この報告書の中で監査結果として学校徴収金等処理方針の抜本的な見直しが指摘されたことから、県教育委員会は、謹んで襟を正して再点検し、適切な措置を講ずる必要があります。

 そこで、学校徴収金等処理方針及び取扱マニュアルについて、五点質問いたします。

 まず第一点は、学校徴収金等処理方針の抜本的な見直しについてであります。

 このたびの行政監査結果の中で、平成十六年に策定した処理方針について、「県教育委員会は学校現場での事務処理の実態を把握しておらず、点検や見直しやこれに基づく改定が一度も行われていない」と指摘されています。確かに、現場に何の問題もなければ改定の必要性はありませんが、実態調査では、現金の管理方法や使途に社会通念上問題があるものや、現金の出納や通帳管理などについて、処理方針の規定上問題があるものが多数見つかっています。

 そこで、今回の見直し作業において、改めて学校現場の実態をどのように把握し、それに基づく改定が行われたのか、また、見直しの内容についてお伺いいたします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 県教育委員会では、行政監査での指摘を受け、現金の保管方法など不適切な取り扱いはすぐに改めさせるとともに、関係八課及び十三の県立学校の事務長から成るワーキンググループを設置し、学校現場での実態を調査しました。また、校長会や高等学校PTA連合会等との意見交換会の開催など学校内外の意見もお聞きした上で、指摘があった各項目について改善方法等の検討を行い、八月末に全県立学校あてに指導通知を発出したところです。

 その主な内容は、まず、出納簿による管理など適切な私費の事務処理の徹底、次に、可能な限り現金による取り扱いを減らすなどリスクの軽減、そして、新たに定めた「公費・私費の負担区分の基準となる考え方」に沿った学校徴収金等の取り扱いなどであります。

 今後、学校徴収金等の適切、効率的な取り扱いが行われるよう、十二月末までに現在の処理方針及び取扱マニュアルを抜本的に見直すこととしているところです。

 以上です。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 抜本的に見直すと言っても、もう対策案というのが打ち出されております。それについての説明を求めておるわけですが、それが全然ないわけでありまして、その点について。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 不適切な事務取扱について、マニュアルの整備の前に緊急に是正する必要があるということで、かなり細かに学校に通知をいたしました。先ほどご紹介した出納簿、あるいは預金通帳と印鑑の管理、あるいは受け払いについてという指示をしております。これらについて、より簡明に、そしてリスクのないように、危険き起きないような方向でマニュアルをつくりかえるというふうにしております。

 マニュアル自身について、いろいろ不備がございまして、定義が不十分であるとか、あるいは、公費についての扱いに準じるというような簡便な記載で余り使えないとか、多々ありました。そういうものを今後、事務長等から成る検討のための組織をつくって、現場により適合したものをつくるという体制であります。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 教育長は監査事務局長を経た人ですので、私は大変期待してます。

 やっぱりお金の問題というのがネックです。先ほど言いましたが、堕落のネックはお金です。人が金によって動かされたあの平成二十年六月の教員贈収賄事件、これもやっぱりお金の問題です。だから、癒着ということは非常に大きいわけでありまして、幸い、今のところ事件が発覚してないから大問題になってないだけでありまして、これはやっぱり、マニュアルとか処理方針はつくっているけれども、残念ながら魂が入ってないんです。空白なんです。現場に全然おりてない。これが問題ですから、魂を入れるように、しっかりと手腕を発揮してもらいたい、このことを強く申し上げます。

 そこで、代表監査委員がせっかくおられますが、こういうふうに行政監査報告書を出され、そしてまた、ある程度、教育委員会の方針、対策についてお聞きしていると思いますが、その所感について、どのようにお考えになっているのか、ちょっと所感をお伺いしたいと思います。



○志村学議長 米浜代表監査委員。



◎米浜光郎代表監査委員 お答えいたします。

 この行政監査報告書に対しまして、教育庁の方から、本来なれば、二十四年度中にきっちりとした報告書が出まして、意見が出まして、それが公表されればいいんですけれども、非常に早く改善をしたいという意思のもとでいろいろな対策を打たれているということに対しては敬意を表したいというふうに思っております。

 それで、今回の報告書は、不適正な事項だけではなくて、我々が監査いたしましたのは、なぜそれが生じたのかという構造的な問題についてまでも踏み込んで監査をさせていただきました。したがいまして、制度面ですとか、いろんな面について、監査の方から意見を述べさせていただいたわけでございます。

 それに対しまして、改善するのは教育庁の方でございますから、それに対しては非常に期待をいたしているわけでございますけれども、こういうふうに、非常に問題点が複雑だというふうに我々考えておりまして、それから、伺ってみますと、教育庁の方も改善する意欲は十分にあるというふうに我々は感じております。監査しておる私どもの方の監査事務局とか監査委員の方も、それに対しては十分に支援を行いたいというふうな気がいたしております。ですから、今後ともいろんな面で支援をしていけたらいいなというふうに思っております。

 この問題は、すぐできる問題点と時間がかかる問題点、それから、一歩一歩段階を踏みながら解決しないといけない問題点が多数あるかと思いますけれども、現時点で私は、教育庁の改善力と改善努力、これに対して期待をいたしております。

 以上でございます。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 監査委員会と、また、教育委員会、そこをうまくつき合わせながら、よき改善の方向に向かっていただきたいと思います。

 次に、見直しに伴う現場体制の改善についてお伺いします。

 第二点は、抜本的な見直しに伴う現場体制の改善についてでありますが、従来の学校徴収金等処理方針では、校長、教頭、事務長は管理監督者の職務として関係教職員に対し必要な指導及び監督を行うものとしていますが、学校徴収金の取り扱いは教員が大半の事務を行っており、事務室の関与については、事務量の増大を心配し、消極的な見解を示しています。しかしながら、監査の指摘では、リスク管理の観点から取り扱う私費現金を必要最小限度に減らすべきとしています。また、これまで集金、管理に過剰負担を強いられてきた教職員に対し、事務室の適切な会計処理上のアドバイスが必要であります。

 そこで、処理方針及び取扱マニュアルを抜本的に見直すことで学校現場体制の改善をどのようにしていくのか、ご見解をお伺いいたします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 新たにつくる取扱マニュアルでは、簡明なものとした上で、周知徹底を図る研修を行うこととしております。また、現場に丁寧な指導、助言などによるサポートを行うとともに、定期的に学校徴収金などの私費に係る取り扱い状況をチェックする体制を構築したいと考えています。

 また、多くの学校で教員が学校徴収金を扱っており、学校のリスク軽減の観点から、今後、学校の実情に応じて事務室が一定程度かかわるなど、教員への配慮についても検討することとしています。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 再質問ですが、教員の事務負担の軽減はどの程度になるのか、また、事務室の支援などはどの程度の関与となるのか、この点についてお聞かせください。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 どの程度ということで、これぐらいというのはなかなか出しがたいところはあります。教員任せにしないということで、事務長が徴収金の取り扱いをサポートする、確認するというような学校もございまして、そのような取り組みを示しながら、教員の負担軽減を図りたい、事務室の関与も高めるように促していきたい、こう考えております。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 ぜひ学校現場の体質改善を含めた体制改善をやっていただきたいと思います。

 第三点は、見直しに伴う保護者負担の軽減についてでありますが、従来作成された処理方針の中で保護者の経済負担を軽減することが明確にされています。しかしながら、今回の監査対象となった全県立学校六十五校の平成二十二年度学校徴収金及び学校団体費の集金額は、高等学校では約二十二億八千万円、特別支援学校では約一億二千万円、中学校では約二千三百万円となっており、合計二十四億二千九百万円であります。

 また、保護者一人当たりの負担額は、高等学校で八万六千円、特別支援学校では十一万六千円、中学校では六万四千円となっています。

 そこで、今後の抜本的な見直しで保護者の経済的負担がどの程度軽減されていくのか、ご所見をお伺いいたします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 県教育委員会では、今回の指摘を受け、各学校に対し、不必要な物品の購入がないかや過大な負担となっていないか、私費の使途を精査するように指導をいたしました。

 また、公費、私費の負担区分の基準となる考え方を示し、公費からの支出をしっかり検討した上で購入等を行うように通知したところです。

 保護者負担の軽減額が幾らになるか、県教育委員会として示すことはちょっと困難ですが、監査意見があったもののうち、今回、原則公費負担と整理した項目については、平成二十三年度で約二千九百万円の私費負担となっており、これらについては、今後、負担区分の基準となる考え方に沿って、公費による負担とする方向で検討してまいります。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 保護者負担の大きな修学旅行、オーストラリアなんか行きますと十五、六万、十万超えます。簡単に、裕福な子供さんばかりというふうに校長たちは思っているのかもしれませんが、そんな高いもの、あえて行く必要があんのかという議論も踏まえてやっていかないと、我々はもっともっとアジアに対して注目すべきであって、そこ辺の議論をしないと、裕福な家庭の子供ばかりおるなんていう、そんな発想では、やっぱり私はいかんと思います。こういう面を十分に検討して、具体的な保護者負担が下がっていくという、基本的な数値目標をつくるぐらいの形で話をしていかなければ、私は、せっかくのマニュアルとか方針なんかうたっても、空念仏じゃないかというふうに思ってますので、そこら辺を詰めてやっていただきたい、このことを要望しておきます。

 次に、市町村立小中学校の学校徴収金の処理についてであります。

 このたびの行政監査は県立学校六十五校を監査対象としていますが、県下には、小学校二百九十二校、約六万一千人の小学生と、中学校百三十三校、約三万二千人の中学生が在学中です。しかしながら、これらの小中学校における学校徴収金等の実態は全く把握されていません。

 先般、佐伯市の教育委員会へ問い合わせたところ、各小中学校にすべて任せたままで、処理方針もなければマニュアルも持ってないということでありました。

 県教育委員会は、県立学校のみ指導監督し、他の市町村立小中学校については無視し続けるのでしょうか。

 そこで、市町村の小中学校の学校徴収金等処理状況を把握すべく、市町村教育委員会並びに各小中学校に対して実態調査を働きかけるとともに、県の処理方針や取扱マニュアルについての周知や研修機会を持つべきであると考えますが、ご見解をお伺いいたします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 去る九月四日に各市町村の教育長に対し、学校徴収金等の取り扱いに関する監査意見を踏まえた検討結果や今後の取り組みについて説明をしたところです。

 また、各市町村教育委員会に県教育委員会の取り組み内容や指導通知を示し、市町村立学校における私費取り扱いの参考とするように指導、助言を行ったところです。

 今後も、新しい徴収金等取扱マニュアルの提供など、市町村立学校における私費の適正な取り扱いを働きかけてまいります。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 小中学校につきまして、全く不可解な側面でありまして、実態が把握されておりませんので、今のところ事件という発覚はないわけでありますが、先ほど言ったように、平成二十年の教職員採用の贈収賄事件をかんがみましたときに、この問題というのはやっぱり教育改革の大きな眼目にならざるを得ません。学力の向上対策も大事ですけれども、やっぱり、金銭をきれいにして、学校現場がいつも透明感を持っている。だから、この教育改革は、ある意味では、癒着に対する戦いだと僕は思っています。その意味で、県教育委員会と組合の癒着、そして、学校と業者との癒着、こういうものに対する排除をきちっとやるべき課題だと私は思っておるわけでありまして、しっかりとした対応をお願いしたいと思っています。

 次に、学校徴収金等にかかわる不正行為への対応について質問いたします。

 まず、先般の三名の校長によるロシア海外旅行費用のPTA会費等不正流用問題について、三点質問いたします。

 第一点は、この海外旅行を申請許可した判断基準と当日の出勤簿の状況、行程表並びに旅行業者名と旅行代金の本人と旅行業者との負担割合にかかわる実態について、どうなっているのか、お伺いしたいと思います。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 校長を含め、学校教職員の公務旅行は、事務決裁規程により、国内外を問わず当該学校長が命令権者です。

 なお、海外旅行については、学校運営に係る連絡、調整上の必要性から県教育委員会に届け出を求めています。

 旅行当日の勤務状況は、いずれの校長も旅費別途の出張扱いであります。

 行程は、大分から羽田、成田空港を経由し、ウラジオストクに至る往復三泊四日でした。

 旅行業者は、株式会社JTB九州です。

 旅行代金は全額私費負担であり、それぞれの学校において、旅費を負担した団体の支出権限ある者の判断を得て支出されたものであります。

 なお、旅行費用については、現職の二名は、厳重注意処分後、それぞれの会計に自主返納し、退職者一名も自主返納しております。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 この問題について、私は、教育委員会を責めるつもりはありません。しかし、この問題が不透明なんです。しかも、この問題についての会議というのは、校長会集めたりとか、事務長集めたりとか、その説明会をやったことがありますか。その点についてお伺いします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えをします。

 今回の事案につきまして、緊急に校長を集めて説明をするということはしておりません。その当時、処分当時、いまだ学校徴収金についての行政監査を受けた検討の最中でございました。また、処分自体は、法定の処分でもありません、厳重注意ということで、その当時はしておりません。

 今後、マニュアル等を整備した上で、各校長に説明する機会がございます。そのときに、学校の徴収金、あるいは団体費の扱いについての不適切な事例であったということも含めて、徹底をしていきたいというふうに思います。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 非常にこの問題について過小評価をしすぎではないですか。私は、そう、感想を持ちます。

 そこで、今回の事件の背景には、やはり、学校長の金銭感覚のずれや旅行業者との癒着問題がありまして、数多くの学校現場の校長や教職員並びに保護者は、今回の軽い処分に対して強い不満と嫌悪感、さらに学校に対する信用失墜を心配しております。このまま見過ごすことのできない状況があります。果たして厳重注意程度の身内に甘い処分で大分県の教育改革が達成できるんでしょうか。

 また、問題を起こした校長の中には、現県立校長会会長や県教育委員会の外部評価委員といった要職にある方がいます。このような批判のある中で、先ほど申し上げましたように、この説明責任を果たさずに、このままの状況を続けていくのか、このことにつきまして教育委員長並びに教育長のご見解をお伺いしたいと思います。



○志村学議長 岩崎教育委員長。



◎岩崎哲朗教育委員長 今回のロシアへの海外視察の関係、それに係ります今回の処分といいますか、厳重注意につきまして、具体的な理由等につきましては、後ほど教育長の方からご説明をしていただくことといたしたいと思います。

 教育委員長といたしましては、今回の問題、実は監査を受ける前のことではございますけれども、発覚したのはその後という格好になります。

 教育委員会では、この問題につきまして、非常に皆さんに大きな不信を抱かせてしまったということで、教育委員会の内部で、どうあるべきかということの議論をしております。その段階では、実は、教育長さんからの厳重注意がもう既になされておりました。この点につきまして、経緯や実態等を教育委員会でご説明を受けまして、教育委員全員で協議をしたところでございます。その結果は、現状の事実を前提とする限りにおいては、今回の厳重注意という処分は相当であろうという判断を我々教育委員もいたしました。

 私といたしましては、この平成二十三年の行政監査におきまして、私費に係る管理、使途、それから事務処理に不適切な状況があるというご指摘を受ける中でこのような事態が起きたということにつきましては、学校、そして教職員に対する、あるいは教職員の内部における信頼低下、ひいては教育活動の停滞、そういったものにつながりかねない、そういった重大な問題であるという認識をしております。

 教育委員会や県立学校の教職員には、行政監査の結果、そして今回の公務旅行に対する県民からの厳しい声に謙虚に耳を傾けていただき、二度とこういう指摘を受けることがないように指導をしていきたいというふうに考えているところでございます。

 また、教育改革の推進に当たりましては、私たち教育委員皆さんで協議をさせていただいておりますけれども、これは全員一致して今後きちんと断行していこうということを申し合わせております。私自身も再度、気を引き締めまして、先頭に立って教育改革に邁進していくという決意でございます。

 以上でございます。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 今回の処分についてですが、今回の処分は、学校長が生徒の安全を預かる最高責任者として、初めて利用する航空会社の安全性に不安を持つ保護者の声に配慮して事前に視察をしたということについては理解できるが、学校長は安全性確認の専門家ではなく、旅行業者の専門家を通じて確認するなどの、より的確な方法も考えられたことから、公務としてウラジオストクまで行く必然性については疑問が残る。こうした校長の行為は、県民に対して公務のあり方や団体費執行についての不信感を与えたため、厳重注意処分としたものであります。

 今回の事案については、先ほど申し上げましたとおり、法定処分ではないということ、あるいは学校徴収金の取り扱いについての検討中であったということから、校長会議等の招集は行っていませんけれども、今後、マニュアルを改定する際に、私費の取り扱い等における留意事項とあわせて今回の事案を例にして指導してまいります。



○志村学議長 田中利明君。



◆田中利明議員 教育委員長と教育長のお気持ちはわかりました。しかし、残念ながら九月七日付の大分合同新聞に、この問題の修学旅行での下見について、佐野さんという教育改革・企画課長が、この中でこう言ってます。「問題となった下見が私費で実際に負担できるかは、校長と団体代表のコミュニケーションの中で決められるべき話であって、今回、それが十分ではなかった」、こんなふうに言ってます。

 果たして、この旅行について、教育長は、これは公費でも認められない、私の旅行だというふうに認定しながら、一番の改革の現場の課長がこんな姿勢であって、あんた、全然、上半身と下半身が違うじゃないですか。これは、やっぱりゆゆしき問題です。だから、公費と私費とのこの一線を画した問題というのは、きちっとやらなければ、あいまいな中間的な私費負担の余地ありなんていう、そんな中でやったら、この原則は崩れてしまいます。だから、判断が甘いというんです。私は、この問題について、もっと研究していただいて、厳しい対応を図っていただくことを重ねてお願いしたいと思います。

 また、時間の都合で、第三番目の佐伯の経済活性化については、今度、後日に回していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 以上で終わります。(拍手)



○志村学議長 以上で田中利明君の質問及び答弁は終わりました。小嶋秀行君。

  〔小嶋議員登壇〕(拍手)



◆小嶋秀行議員 県民クラブの小嶋秀行です。

 まず、冒頭、他の発言者からもありましたが、私からも、さきの県西北部豪雨災害で被災されました地域の方々、犠牲になられた方々へ心からお見舞いを申し上げます。

 地球温暖化傾向の影響が大きいと思われる昨今の異常気象が過去に経験のない雨量をもたらし、未曾有の、そして想定外の災害を引き起こしました。これらにつきましては後ほど論議をさせていただくことといたしまして、初めに、分権改革のうち九州広域行政機構に関連して質問を行います。

 私は、これで三回目の質問です。そして、その都度、主要課題として九州広域行政機構について質問しました。それは、大分県が広瀬知事を先頭に努力をなさっていることもありますが、既に国の地域主権戦略大綱及びそのアクションプランで、事実上、地方出先機関の丸ごと移管が可能な論議が進んでおり、九州地方知事会が丸ごと受けようと意思表示をしているからでもあります。あとは、少々足踏み状態になっておりますが、知事会等の意向を酌んで政府が新たな法律でどのような取り扱いをするかが焦点となっております。

 そうした中、九州地方知事会と九州市長会が本年二月に初会合を行い、その論議の中で「九州府と知事会が設置を進める九州広域行政機構の目指す方向は同じであり、その設置は九州府へ向かう一里塚である」という趣旨の発言が九州地方知事会から発せられています。

 ただ、既にご承知のとおり、九州市長会が、平成十七年に「九州における道州制等のあり方研究委員会」の設置からこの方、種々論議を進め、平成十八年に九州府構想報告書を取りまとめ、平成十九年には、さらなる地方分権改革を推進し、住民に身近な基礎自治体の権限強化と財源確保、住民自治のあり方などに関してさらに検討するため、九州府構想推進研究委員会を設置、その結果として、平成二十一年には九州府実現計画報告書が取りまとめられ、九州府移行までのプロセスとその過程での課題解決の仕組みなどについて整理をいたしております。これは、「単に道州制ありきの論議ではなく、地方分権改革推進の過程における道州制の実現の観点から、道州制論議に不可欠な分権や自治の論議を深めてきた」として、この研究委員会の取り組みを特徴づけております。

 こうした一連の経過を踏まえ、二十二年五月には九州府推進機構準備検討委員会が設置されており、この準備委員会のもとで、「九州府実現の過程における権限等の移譲による基礎自治体の強化、いわゆる団体自治の充実とあわせ、住民自治の充実にどのようなメリットがあるのかについて、基礎自治体の立場から具体的な取りまとめを行うべく研究、検討を行った」と述べられています。

 途中、平成二十三年一月には、一たん、内閣総理大臣初め、関係大臣、関係省庁へ要請を行っている模様ですが、その後、本年五月にそれまでの論議を九州府構想推進計画報告書としてまとめ、八月二十一日に与党・民主党及び政府に、政府は今回、岡田副総理のようですが、直接面談し、政策提言として、そのすべてを意見具申いたしております。

 そこで、少々長くなりましたが、この九州市長会の九州府構想推進計画報告書について、大分県としてはどのように受けとめておられるか、最初にお伺いいたしたいと思います。

 また、二点目に、九州市長会では、この報告書をもとに論議を進め、九州府の実現を推進していく上で九州府推進機構の設置も盛り込んでおり、この主要な構成として九州地方知事会が挙げられておりますが、仮にそうした動きとなった場合、九州地方知事会としてはどのような対応をご検討なさるお考えか、お伺いいたしたいと思います。

 これ以降は対面席から質問いたします。

  〔小嶋議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの小嶋秀行君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 小嶋秀行議員から九州府構想についてのご質問を賜りました。

 少子・高齢化や人口減少社会の到来、あるいはまた、経済のグローバル化の進展といった時代の潮流に適切に対応するためには、やはり国と地方の役割分担を見直して地方分権を進めることが不可欠だというふうに思います。現在、各地域におきまして統治機構を改革しようというさまざまな議論が行われているのも、こうした時代の潮流を背景にしているものというふうに思います。

 九州地方知事会では、現に地方行政を預かる立場から、九州が一体となって地域の活力を高め、発展し、住民が安心して暮らしていくための取り組みを進めてきたところであります。例えば、地球温暖化対策での共同事業の実施といった政策連合の取り組みもあります。あるいはまた、経済界との共同による九州観光推進機構の設置、運営などもあります。また、道州制につきましても、経済界と一体となって、専門家等も交えて議論を行いまして、平成二十年でございますが、「道州制の九州モデル」を策定しているところであります。

 こうした取り組みが下地となりまして、民主党政権の国の出先機関原則廃止の方針に呼応いたしまして、九州広域行政機構構想を提案したところであります。これは、国の出先機関を丸ごと受け入れるということによりまして、有機的な組織としての機能を損なわずに、住民ニーズに迅速かつ効果的に対応しようというものであります。

 六月には九州地方知事会の主張を多く取り入れた法案が具体的に示されましたが、さきの通常国会において法案提出が見送られたことは大変遺憾であります。

 今、議員お話のありましたように、政府には、次の臨時国会への法案提出に向けて取り組むということで、先の問題としてぜひこれをやっていただきたいというふうに考えているところであります。

 一方、九州市長会は、道州制を念頭に九州府構想を提唱しておられます。二月に開催した九州市長会との意見交換会では、「両者が目指す方向は同じ」と申し上げてきたところであります。九州広域行政機構がブロック単位の行政機関として実際に設置、運営されることによりまして、道州制に向けた議論も深まっていくだろうというふうに思います。

 九州地方知事会といたしましては、九州広域行政機構の設立というものが、九州全体の発展や住民福祉の向上に資する広域行政の実現、さらには分権型社会の確立に向けて実現可能性が高い効果的な取り組みだと考えています。現に、政府もこれを認めて、そうして法案までつくっているわけでございますから、フィージビリティーにおいては一番先に行っているんではないかというふうに思います。

 また、将来、道州制に向かうということになりますと、その一里塚という見方もできるわけでございます。そのため、今、私どもとしましては、九州広域行政機構の設立について市町村の理解を求めている段階であります。

 そうしたこともありまして、九州地方知事会と九州市長会との間では、首長同士、あるいは事務レベルでたびたび意見交換を行っております。九州府推進機構への参画に向けた具体的な働きかけは今のところありませんけれども、もとよりお話があれば九州地方知事会でしっかり議論していきたいというふうに考えております。



○志村学議長 小嶋秀行君。



◆小嶋秀行議員 先ほどお問いかけをさせていただきましたのは、九州市長会が提案をしていますといいますか、報告しております報告書について、どのように受けとめておられるかという点でありました。

 この点につきましては、おおむね理解をさせていただきましたが、二点目の、その報告書にあります今後の九州市長会としての取り組みの中で、九州府構想推進機構の設置が予定、予定といいますか、盛り込まれておりまして、その中に知事会としてどうなのかということについては、まだ問いかけはないということのようです。

 私、これまで何度か議論させていただきましたし、これまでの知事会の説明、要するに九州広域行政機構の説明と、それから今回のこの九州府構想推進計画報告書の内容を見てみますと、その守備範囲が異なることから、どうも双方の議論がすれ違っているような感じがしてならないわけであります。つまり、九州知事会は、国の出先機関の事務を受け入れるための組織づくり、一方、市長会は、補完性の原則に基づいて、それぞれの県から事務事業の移譲を受けるということをメーンに報告書をまとめておられます。いずれもまだ関係法令の国会提出まではなってはおりませんが、ただ、議論としては、どうもすれ違いの感があります。

 ただ、そういうことは今後深まっていくということを前提といたしまして、一点だけ広瀬知事に再質問をさせていただきますが、平成二十二年六月に閣議決定されました地域主権戦略大綱、この第八に「地方政府基本法の制定において」ということが書かれてあったと思いますが、これは自治法の大幅な見直しを前提とするということになりますが、少々早い議論になるかもしれませんが、今後の地方公共団体の基本構造として、近い将来、どのような形態が想定されるとお考えか、この機会にお聞かせいただきたいと思います。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 小嶋議員から、九州広域行政機構と九州府構想について、ちょっと議論がすれ違っているんじゃないかという話でございましたけれども、私は道州制と九州府構想は一つの線上に並ぶものには違いないと思っておりますけれども、むしろ九州地方知事会が今提案し、現に取り組んでいる九州広域行政機構の構想というのは、政府が地方出先機関の廃止を打ち出して、そしてそれを分権の一つの目玉にしているという中で、その受け皿として考えられたということでありまして、現に政府とも話し合いをしながら法案もできてたということで、今、同じ方向に向かっているんだけれども、一番フィージビリティーのある、近いものにあるんじゃないか。

 市長会の出している九州府構想も結構なことだと思いますけれども、それはもうちょっと先の方の話であるのかなということで、一つ一つ段階を踏んでやっていった方が、むしろ分権の早道になるんではないか、実現可能性を一つ一つ達成していくということが大事なんじゃないかという意味で申し上げた次第でございまして、方向は全く同じではないかと思っておるところでございます。

 それから、ただいま地方公共団体の基本構造についてご質問がありましたけれども、申すまでもありませんけれども、我が国における地方公共団体の組織の基本構造は、憲法上、議会の議員と首長とをそれぞれ直接選挙で選ぶ二元代表制という、これが仕組みとして採用され、定着しているわけでございます。

 諸外国では、例えば、イギリスにおける公選の議員から執行機関である内閣の構成員を選任する議院内閣制度もありますし、それから、アメリカにおける議会が執行機関を任命するシティーマネジャー制度など、多様な制度がいろいろあることも事実でございます。

 今後、道州制のような広域行政の単位をどうするのか、あるいは基礎自治体の役割をどうするのかといった議論が行われると思いますけれども、その組織の基本構造もそのときにはしっかり議論をしなければならないというふうに思っております。

 今の制度にとらわれる必要はないと思いますけれども、ただ、やはり大事なことは、多様な民意をしっかり反映し、他方、速やかに行政を執行できるような、そういう観点から、住民がみずから判断して責任をとっていけるような、そういう選択をすることが非常に大事なんじゃないかというふうに思っております。

 統治の機構、基本構造についても大変大事な議論だと思います。これからしっかりやっていかなきゃいかぬと思っておりますけれども、いずれにしましても、そういう議論をさらに前に進めていくためにも、実は、九州広域行政機構での構想というのをしっかり受けとめて、法案にしてやっていただくということが一番大事なことじゃないか、そういうことで議論を深めていきたいというふうに思っているところであります。



○志村学議長 小嶋秀行君。



◆小嶋秀行議員 私自身、地域主権改革と申しますか、九州府構想や、そしてまた、九州の広域行政機構などに関連して一番問題意識を持っておりますのは、これから将来の日本の行政機構のあり方、今、再質問させていただきました地方公共団体の基本構造を今後どう検討していくのかということが大きな課題であろうと思います。そのことがなければ、今日、九十兆円、百兆円にも及ぶ国家の財政の縮減といいますか、改革もなかなかおぼつかないのではないか、このような問題意識も、漠とはしておりますが、持っておりますので、今後も、今、知事さんから答弁いただきましたことなどをベースに、さらに論議を深めさせていただきたい、このように考えております。

 次に移らせていただきます。

 次に、危機管理という切り口から四点お伺いをいたします。

 危機及び危機管理については、それぞれ考え方や定義が異なることは述べるまでもありませんが、とりわけ地震や自然災害などさまざまな危機がある中、地域住民の安心、安全や行政組織等にとっての危機管理については、それらの事象を踏まえ、相互に認識を深くしておく必要があると考えます。

 そこで、第一点目は、学校における危機管理、リスク管理についてです。

 地震を初めとする外的要因に伴う危機管理というより、ソフト面というべきでしょうか、いじめに関連して危機管理感を教育委員会に伺いたいと思います。

 現在、大津市の中学校二年生がいじめを苦に自殺したことが事件性の高い問題として連日のように報道機関で取り上げられております。これに関連した一連の報道を見る限りでは、市の教育委員会、さらには当該校の、とりわけ管理職の危機管理意識が極めて薄いことを感じてなりません。

 私は、当初、教育委員会として「自殺といじめの関連性はない」と断じたことを、後日、日を置かず、これをほぼ撤回する内容の発表を行っているところに、教育委員会として全く一貫性がないばかりか、いじめに関する学校側や教育委員会としてのとらえ方、その考え方の希薄さがうかがえてなりませんでした。

 このいじめを学校の危機ととらえるかどうか、その考え方も恐らく見解が分かれますが、私は、いじめが顕在化していようが、潜在的であろうが、取り巻く人間が「このままだと危ない、どうにかしないと」と率直に感じること、そして直ちに行動を起こすことなど、しっかりと見きわめられる危機管理意識が根づいていれば、その多くを克服、改善できると思っております。

 そこで、こうした感性、危機管理意識をどのように定着させ、磨いていくかが、とりわけ教育現場には求められていると思います。この点、県教育委員会ではいかがお考えでしょうか、見解をお聞かせください。

 次に、災害関連の危機管理についてです。

 一九九五年、平成七年の阪神・淡路大震災も予想だにしなかった大災害でした。昨年の三・一一東日本大震災は、想定外の災害ということが言われました。また、ことしの九州北部の集中豪雨による災害は、気象庁発表で「これまでに経験したことのない大雨」により河川がはんらんし、各地域に甚大な被害をもたらしました。

 全国的には、このほかにも、二〇〇〇年に有珠山の噴火、三宅島の噴火、二〇〇四年に新潟、福島、福井を襲った集中豪雨災害、新潟県中越地震、二〇〇七年の新潟中越沖地震、二〇〇八年の岩手・宮城内陸地震、二〇〇九年の中国、九州地方を襲った集中豪雨、八月の台風九号に伴う豪雨災害と駿河湾沖地震、台風十八号による愛知県災害、二〇一〇年には奄美大島の豪雨災害など、そして昨年の三・一一東日本大震災、八月の和歌山県豪雨災害と、この十年余りの間には、局地的に至るところで大災害が発生してきました。そして、多くの犠牲者と多大な被害が出ました。

 二十二年前の平成二年七月には竹田大水害で大きな被害を受けた大分県は、今回の豪雨災害で再び大きな災害を受けました。そればかりか、中津市においては、七月三日の集中豪雨に加え、十日後の七月十三日にもほぼ同規模の集中豪雨により、都合二度にわたる大災害に見舞われましたから、災害は忘れたころに発生するというこれまでの認識や言い伝えから、災害はいつ発生するかわからないという覚悟と危機管理意識の中で、常に備えておく必要性が実証されたと言えるでしょう。この点、だれの覚悟と危機管理意識かは、県民一人一人はもとより、行政全般、さらに各企業の経営者及び従業員であることは言うまでもないことです。

 NHKが九州版の特集で報道しておりましたが、花月川はんらんで被害を受けた日田市の場合、人的な被害が発生しなかったのは、結果的に被災した地域の男性が前夜からの集中豪雨に危機感を持ち、夜明け前から集落の門軒別に危険であることを周知して回り、避難を促して回ったことが完璧に功を奏したからであるということでした。これは、藤山町の奇跡として語り継ぐことができるほどの事案だと思います。

 そこで伺います。

 前述した県民一人一人はもとより、行政全般、さらに各企業など各分野、部門において常々の危機管理意識を醸成するにはどのような方策が必要とお考えか、これまでの取り組みと今後の方針があればお伺いをいたします。

 三点目に、防災危機管理に関連して、災害の復旧・復興推進計画について伺います。

 昨年、台風十二号で被災した和歌山県に伺いました。いろいろ手を尽くして、年度内の復旧、復興を短期計画、二十四年度までを中期計画、それ以降を長期計画と位置づけ峻別し、被災地はもとより、県内全域にわかりやすいよう災害からの復旧・復興計画をアクションプランとして策定していました。

 これをこのまま写して大分県が取り組めるものではありませんが、本県でも復旧・復興推進計画の補正予算として三百六億円を今議会に上程されていますから、わかりやすく達成年次を明記し、国、県、基礎自治体ごとの課題として峻別し、取り組む点については、大いに学ぶべき点があると感じました。

 特に、長期の課題として、道路建設のうち、推進計画に明記されている竹田・豊後大野エリアでは中九州自動車道、中津エリアでは中津日田道路などは、その具体的な建設計画を早期に達成するため、国への政策提言を強化することなどが重要だと感じます。

 そこで、さきに提示されました大分県水害対策会議による復旧・復興推進計画について、可能なものは達成目標年次や工程表を明示しておくことが必要であると考えますが、見解をお伺いします。

 あわせて、四点目に、近年被災した企業、事業所等が災害から早期に復旧、復興を成し遂げるための事業継続計画、BCPを危機管理の観点で平常時から策定する動きがあります。

 ご承知のとおり、BCP、ビジネス・コンティニュイティー・プランは、二〇〇一年の九・一一米国同時多発テロを契機に注目度が高まり、さきに見たように企業の存続を脅かす自然災害のリスクが多様化している中で、被災後、早期に事業を継続できるよう、あらかじめあらゆるリスクを想定して事業継続計画を立てておくものであります。

 そこで、大分県では、平成二十三年七月補正予算によって、中小企業事業継続計画策定支援事業として、既に具体的な取り組みが始められていますが、この一年間でどの程度の策定状況となっているのか、また、今後の支援に向けた取り組みについてお聞かせをいただきたいと思います。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 まず、いじめに対する危機管理意識についてお答えをします。

 いじめは絶対に許されないことでありますが、どの子にも、どの学校にも起こり得ることであります。また、いじめは、短期間のうちに深刻化し、いじめられた子供の心身の安全を脅かすケースもあり、早期の発見、対応が重要です。

 すべての教職員は、いじめを見落としたり、とらえ方が甘く適切な対応ができなかった場合には子供の安全を脅かす事態が生じるとの認識を持ち、地域や保護者とも協力をしていく必要があります。

 大津の事案を教訓にして、私は、日ごろから危機意識を持っていじめ問題に取り組むようメッセージを発しました。また、先月には、いじめの早期発見、早期対応を徹底するため、緊急の研修会を開催したところです。

 いじめに対する危機管理意識の定着に向け、今後とも市町村教育委員会と協力して、学校での研修や管理職研修など継続的に取り組んでまいります。



○志村学議長 直野生活環境部長。



◎直野清光生活環境部長 次に、災害に対する危機管理意識の醸成につきましてお答えを申し上げます。

 自然災害は、地震、津波、台風、豪雨、土砂災害などさまざまありますけれども、その規模や特性も多様であります。しかしながら、いずれの場合も危機管理の担い手は、まずは現場の近くにいる住民でありまして、意識の持ち方によりまして被害の程度に大きな差が出ることになります。

 今回の豪雨による被害は、広範に及んだにもかかわらず、人的被害が最小限にとどまったことは、個々の住民の的確な判断と日ごろの備えによるものというふうに思っておりまして、今後とも県民の危機管理意識を維持するとともに、より高めていくことが重要であると考えております。

 県では、毎月一日、県民減災社会づくりの広報に加えまして、防災アドバイザーの自治会への派遣、シンポジウムの開催、国、市町村と連携した総合防災訓練などに今後ともしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

 また、危機管理意識の醸成を図るには地域のかなめとなる人材の育成が重要なことから、防災士三千人の養成についても急いでいるところでございます。

 今後は、養成した防災士を各自主防災組織に配置をいたしまして、地域ぐるみの避難訓練、地域の危険箇所、避難路を確認する「防災まちあるき」などを実施してもらうことによりまして、県民一人一人に危機意識の輪を広げ、危機管理意識の一層の醸成に努めてまいりたいというふうに考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 奥塚総務部長。



◎奥塚正典総務部長 私から復旧・復興推進計画についてお答えをいたします。

 復旧・復興推進計画は、取り組みの全体像とその段階的な進め方を県民の皆様や被災市町にお示しし、総合的かつ計画的に復旧、復興を進めるために策定をいたしました。

 したがいまして、復旧工事等の具体的なスケジュールを示すことは重要でありますので、八月二十七日の策定時点で見通しが立つものは、できる限り、その復旧時期や工程を記載いたしているところでございます。

 例えば、幹線道路につきましては、国道二一二号は本年十二月に、玖珠山国線は来年三月といったような形で、本復旧の時期を明示いたしております。

 さらに、道路、河川、農地等の災害復旧事業の全体スケジュールといたしまして、九月中旬からの災害査定、十月下旬からの工事実施、その後の完了予定時期など大まかな工程もお示しをしたところでございます。

 また、今後、水害対策会議におきまして計画の進捗管理を毎月行い、災害査定や復旧工事等の進みぐあいをチェックすることといたしております。

 こうした進捗管理をもとに、主な復旧工事の完了見通しなどを計画見直しの際に適宜反映させていくことといたしております。

 なお、議員ご指摘の中九州横断道路や中津日田道路の整備につきましては、計画の中に防災機能の強化という項がございますが、その中に盛り込んでおります。その早期完成に向けまして、国への要望活動など、引き続き、あらゆる機会を通じて粘り強く働きかけてまいる所存であります。

 以上であります。



○志村学議長 山本商工労働部長。



◎山本和徳商工労働部長 中小企業の事業継続計画につきましてお答えいたします。

 東日本大震災では、多くの企業が甚大な被害を受けまして、事業継続計画、BCPの必要性に対する認識が高まりました。しかしながら、中小企業におきましては策定に必要なスキルが十分でないといった問題点がございます。このため、県では、昨年度、BCP啓発セミナーの開催に加えまして、モデル企業五社を選定いたしまして、専門家や支援機関の職員を派遣し、BCPの策定を支援いたしました。そして、これらモデル企業の業種に対応するわけでありますけれども、造船、水産加工、運輸、自動車部品、建設の五業種における事例集を作成いたしまして、県のホームページで公開させていただいております。

 モデル企業からは、「このBCPの策定を通じて危機管理や事業継続に対する社内の意識が変わった」といった声が聞かれております。私としては、県内企業の参考となる事例集ができたものと考えております。

 このBCPにつきましては、災害発生時の事業継続に役立つだけではなく、例えば、取引先等からの信頼の獲得でありますとか、そもそも、みずからの経営資源や戦略の明確化といった平常時にも大きなメリットとなるものでございます。

 県内中小企業の取り組みは、まだまだ活発とは残念ながら言えないことから、県といたしましては、今後、この事例集をもとに、商工団体等と連携いたしまして、セミナーの開催や個別企業への支援などによりまして県内中小企業のBCP策定を促していきたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 小嶋秀行君。



◆小嶋秀行議員 先日、別府市の中学生がいじめを受けて大けがしたことで警察に届けを出したところ、教育委員会がこれをいじめと認めたので、中学生と保護者は警察への届けを取り下げたとの報道がありました。やはりいじめは警察が動かないと認識できないものだろうかと疑問を持ったのは私一人ではないと思います。

 また、このいじめというのは古くからあることで、また新たな問題として、最近、再認識されなければならないの、わけがわからないというか、理由がわかりません。これまでどのような対応をしてきたのかという疑問がわいてまいります。

 それから、一方、災害に対する危機管理意識については、あらゆる面で危機管理マニュアル等は整備されていることと思いますが、しかし、七月の二度にわたる豪雨災害で県西北部を襲った二度目の集中豪雨は、気象予報図から、一回目との比較では、ある程度想定できたのではないかとも思われます。

 そこでお伺いいたしたいわけでありますが、災害の関連から先に申し上げますが、危機管理部門に今後は気象条件などの研究や知識、常識を常に把握する人的な配置も必要性が高いのではないかと思います。例えば、気象予報士の資格を有する人材などの配置も今後検討に値するのではないか、このように考えますが、ご見解を伺います。

 また、先ほどBCPのご答弁いただきましたが、BCPの策定をさらに努力していただくということはすぐさまできるものではないかと私も認識しておりますので、この努力をしていただくこととあわせまして、改めて提案をさせていただきたいのですが、これまで述べてきましたような観点から、この機会に、学校を含む各部門を網羅できる総合的なリスク管理規程の策定を検討してみてはいかがかというふうに思いますが、いかがでしょうか、ご見解を伺います。



○志村学議長 直野生活環境部長。



◎直野清光生活環境部長 確かに、今度の災害におきましては、一回目がありまして、もう終わったと思ったときに、また二回目が来て、こんなことはないという想定外を我々は感じたところであります。

 そして、天気予報につきましても、大分気象台と綿密に打ち合わせをしながら、毎日、気象図は見ておいたわけでありますけれども、その中におきましても、なかなかこれは把握できなかったというのが正直なところであります。

 人的な配置を考えることもさることながら、まず我々がやはり気象的な知識を持つこと、そういうことも目指しまして、今、防災士の研修、県職員につきましても三百名の養成を今やっておるところでございまして、防災士の研修の項目の中にも気象条件等のものが含まれております。そういうものも、我々も担当者としてしっかりと勉強し、あるいはまた、研修会等を気象台と打ち合わせをしながらやっていくということもやっぱり大事なことではないかというふうに思っておりまして、今後とも、我々行政、災害を担当する職員といたしまして、そういう知識の深化に努力していきたいというふうに考えております。



○志村学議長 山本商工労働部長。



◎山本和徳商工労働部長 私からお答え申し上げます。

 事業者向けにBCPの普及を図っていくというところについては、県内の産業の底力を上げていく観点からもやはり重要だと思っております。

 他方、行政部門も含めた対応につきましては、例えば県庁につきましては、危機管理時の対応については、マニュアル等、プロトコルがもう既に定まっておりますので、こういったところとあわせまして、BCPの我々の企業とのやりとりの中における知見などもそこに反映していくといったようなことで、行政部門のブラッシュアップにも貢献していきたいというふうに考えます。

 以上です。



○志村学議長 小嶋秀行君。



◆小嶋秀行議員 リスク管理規程という、新しい造語のようなものですが、こういうものを策定してみたらいかがですかと、ものをという、そんな軽いもんじゃありませんが、リスク管理規程を策定してはいかがでしょうかという問いかけをさせていただきました。

 既にいろんな法人ではこのリスク管理規程というものをつくって、社内全体で、いざというときにどういうことをすればいいのかということを、それぞれ職員、幹部はもちろんですが、職員一人一人に、その危機のときに任務配置をするということが大きな目的のリスク管理規程というものでありますので、言ってみれば災害時における服務規律のようなものと私は理解をしておりますが、この問題については、恐らく、余り自治体として協議を始めているということは多分ないと思いますので、ぜひ研究をいただきたいというふうに思います。改めて答弁は求めずに、今後また議論させていただきたいと思います。

 それから、先ほど気象状況の関係の人材についてですが、これもNHKのテレビでやっていたので私も初めて知りましたが、七月三日、それから十三日の気象状況で、ちょうど日田から中津の方にずうっと、いわゆるテーパリングクラウドと言って、西から東の方に雲が来るに従ってどんどん雲が厚くなって、最高のところでは十五キロぐらいの雲の厚さになった。それが水気を多く含んでいて、我慢できずに一遍にどさっと、一時間に七十、八十、あるいは百というような雨を降らせたということがNHKで報道されておりました。

 そういう知識が、私はNHKを見て感じたわけでありますが、あらかじめ気象予報の知識を持っている、ノウハウを持っている人が県に何人か配置をされておれば、この気象予報図を見ると、あっ、これはちょっと危険だなということがあらかじめ想定をされると思いますので、その際に、その想定があったときには気象庁と連絡をさらに密にとってもらって、早期の災害予防の配置が可能になるんではないかというような観点からその人材の配置については申し上げたところですので、今後十分検討をいただければ、このように考えておるところです。

 そういうことを申し上げまして、次の課題に移らせていただきたいと思います。

 次に、地球温暖化対策についてです。

 さきに改訂した大分県新環境基本計画と関連して、エネルギー問題にも触れて伺います。

 述べるまでもありませんが、三・一一大震災に関連して、原子力発電の稼働がゼロとなりました。現在の九州電力管内での供給は、日によって違いますが、例えば九月七日では、水力、地熱による発電が合計で一八%、そして五五%が化石燃料に依存しています。かねて九州管内で原子力発電が担ってきた発電量三九%が現在全く期待できません。残り二七%は他社受電に依存していることは余り知られることはありませんでした。

 こうした中、八月九日でしたか、九州電力が三千九百億円を借金するという記事がありました。旧来の火力発電プラントをすべて再稼働して、利用者が計画停電をせずとも済むように、九州電力管内では約千五百万キロワット程度を持続的に供給するため、化石燃料を改めて調達するためのものであると聞きます。

 受給者である我々の省エネ対策の効果も、先日の報道では、九州管内で一〇%程度達成していることが報じられておりましたが、火力発電量プラス他社受電量そのほとんどが化石燃料発電によるものとすれば、水力、地熱を除いて約八割は化石燃料による発電となりますから、地球温暖化問題が懸念され始めた数十年前と同様となるならば看過できる状態ではないと言えるでしょう。

 一事業者がどういうことで資金を調達するか、それはともかくとして、現在のところ、それほどの費用がかさみ、なおかつ、このまま原子力発電を再稼働せずに推移すれば、来年も再来年も同様の事業活動になることは容易に想定されます。その上で料金の値上げすら心配されます。

 そこで、このままのような状態で推移した場合、大分県としてCO2の削減目標に及ぼす影響がどの程度となるか、お聞かせいただきたいと思います。

 また、新環境基本計画の一部見直しも余儀なくされるものと考えますが、現状を踏まえた本県の地球温暖化対策について見解をお伺いいたします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 地球温暖化対策について大変ご心配をいただいております。

 昨年度改訂いたしました新環境基本計画では、東日本大震災と福島第一原発事故後のエネルギー政策の見直しの議論等を踏まえまして、再生可能エネルギーの導入促進や省エネルギーの取り組みを強化するとともに、温室効果ガス排出削減対策を一層推進することとしております。

 この計画では、今後の施策の展開によりまして見込まれるCO2の削減量を積み上げて、平成二十七年度において、二十年度の排出実績から、家庭部門では約七%、オフィスや商業施設などの業務部門では約四%、自家用車などの運輸部門では約六%の削減を行うということとされております。

 しかしながら、先週七日に九州電力が発表いたしましたけれども、平成二十三年度の発電量一キロワット当たりのCO2排出量、排出係数と言っておりますけれども、これは、原子力発電所の稼働停止等の影響から、暫定値でございますけれども、〇・五二五となっておりまして、前年度の〇・三八五に比べますと三六%増加をしております。CO2の単位当たりの排出量が三六%増加ということでございます。

 この暫定値を使って試算をいたしますと、最新の公表値であります二十一年度の県内の家庭部門と業務部門のCO2排出量でございますけれども、二十年度に比べまして二十一年度は、実は、それぞれ二%減少、あるいは九%減少というふうになっております。逆に、そういうふうになっておりますけれども、先ほどのように暫定値、排出係数が上がっておりますから、それを入れて計算をしますと、それぞれ、家庭部門が二八%の増、それから業務部門が一三%の増ということで、大変大幅な増になるということになります。

 したがいまして、私ども心配しておりますのは、今の状況が続きますと平成二十七年度の数値目標を達成することはほとんど不可能と言わざるを得ないと思います。

 県では、新環境基本計画に基づきまして、家庭や事業所の節電・省エネ対策、再生可能エネルギーの導入、森林吸収源対策などの施策を着実に推進してCO2排出量の削減を図っているところではありますけれども、そしてまた、県民の皆さんに大変な節電の努力もしていただいているわけでございますけれども、それでも外的な影響によりまして排出量が大幅に増加するということにならざるを得ません。それはまことに残念なことであります。

 安定的な電力供給の確保がこうして不透明なままでありますと、県民生活や企業の事業活動が制約を受けることになります。また、電力の大半を輸入による化石燃料で賄っておりまして、エネルギーの安全保障といった面からも、あるいはまた、燃料費の負担増加といったような面からも大きな問題が生ずるわけでございます。

 国は、責任を持ってエネルギーの安定確保を図るように、中長期の方針をしっかり打ち出して、これを実行することを強く要望したいと思います。

 県といたしましては、今後の国の方針や関連の諸施策等を精査しながら、新環境基本計画に掲げる施策を今のところは着実に実施することによりまして、CO2削減に取り組んでいきたいというふうに思っております。もう少し政府の方も見識を示してくれるんではないかと期待をしながら、とりあえずは、県としては計画を進めていきたいというふうに思っております。



○志村学議長 小嶋秀行君。



◆小嶋秀行議員 私、今、知事さんからご答弁いただきました現状、それから今後の対策に対する考え方、これらについては認識が共有できるというふうに理解をさせていただきました。

 そこで、そういうことであればあるだけに、最後に知事も言われておりましたが、政府の今後の対応に期待をするところが大きいと申されておりましたが、今後のエネルギー対策、エネルギー問題に対して、県として、その考え方を国にしっかりと伝えていくという、そういった行動が今後考えられるのかどうかについて、一点お伺いいたしたいと思います。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 今、政府として、いろいろ議論をしておられます。そしてまた、それぞれの関係の党でもベースとして議論していただいていると思いますけれども、県というよりも全国知事会として、これからのエネルギー政策について、安定的なエネルギーの確保ということを考えてくれというようなことはしっかり言っていかなきゃいかぬだろう、こういうふうに思っているところでございます。



○志村学議長 小嶋秀行君。



◆小嶋秀行議員 先日、九月七日の二十時をもって計画停電の計画期間が終了したことはご承知のとおりです。先ほども申し上げましたが、一般的な結果として、一〇%、節電効果があったことは前にも述べました。我々も具体的に個別目標を立てて取り組めばできることが、これは実証されたのではないかと考えております。

 ただ、一方、計画停電をほとんど実施しなかったことから、原子力発電がなくても電力量を賄うことができたとの声も聞こえていますが、一方で、前にも述べましたとおり、化石燃料を大量に動員しての今回の電力供給、そして、他事業者、つまり、四国電力だったのか関西電力などからの他社受電が平均して二七%程度に及んでいるということを考えるならば、この先、政府のエネルギー政策の行方に大きく関心が寄せられるところだろうというふうに思いますので、今、知事さんからお話がありました、知事会としてしっかりその辺についてはぜひ強調いただければというふうに思っておりますし、これまでの日本が、そして地方自治体が地球温暖化防止のための政策やそれに基づいた努力をしてきたことがないがしろにならないために、新たな努力が必要ではないかというふうに思っております。

 そして、これまでのたび重なる集中豪雨の襲来などは、近年の地球温暖化に起因するものととらえ、この地球温暖化対策をさらに強化をしていただくことこそ重要であろうというふうに考えておりますが、大分県としては、当面、新環境基本計画を見直しすることはないということではありましたが、これらについてもさらに検討が必要になってくるのではないかというふうに思いますので、十分検討をいただければと、あえて強調しておきたいと思います。

 次に移ります。

 最後に、県立美術館についてです。

 既に、さまざまな論議を経て、ハードの部分は具体的な建設プランが示されておりますが、ソフトの面