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平成24年 第3回定例会(9月) 09月12日−03号




平成24年 第3回定例会(9月) − 09月12日−03号







平成24年 第3回定例会(9月)



平成二十四年九月十二日(水曜日)

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 議事日程第三号

      平成二十四年九月十二日

           午前十時開議

第一 一般質問及び質疑

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 本日の会議に付した案件

日程第一 一般質問及び質疑

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 出席議員 四十三名

  議長        志村 学

  副議長       元吉俊博

            小野弘利

            久原和弘

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            後藤政義

            竹内小代美

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            吉冨幸吉

            平岩純子

            江藤清志

            古手川正治

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            田中利明

            渕 健児

            近藤和義

            阿部英仁

            井上伸史

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

 欠席議員 なし

 欠員   一名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     岩崎哲朗

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      奥塚正典

  企業局長      堤  隆

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     大沢裕之

  企画振興部長    塩川也寸志

  福祉保健部長    永松 悟

  生活環境部長    直野清光

  商工労働部長    山本和徳

  農林水産部長    阿部良秀

  土木建築部長    畔津義彦

  会計管理者兼

            平田茂雄

  会計管理局長

  人事委員会

            山本清一郎

  事務局長

  労働委員会

            山蔭政伸

  事務局長

  財政課長      長谷尾雅通

  知事室長      草野俊介

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     午前十時三分 開議



○元吉俊博副議長 これより本日の会議を開きます。

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○元吉俊博副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。

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△日程第一 一般質問及び質疑



○元吉俊博副議長 日程第一、第八五号議案から第一一四号議案まで及び第四号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。末宗秀雄君。

  〔末宗議員登壇〕(拍手)



◆末宗秀雄議員 皆さん、おはようございます。また、地元宇佐からもたくさんの皆さん方が早朝からおいでいただきまして、まことにありがとうございます。精いっぱい頑張ってまいります。

 それでは、広瀬知事、きょうは一般質問をさせていただきます。

 今、政局が、まさに流動的といいますか、自民党においては総裁選、そして民主党においては代表選の真っただ中でございます。この中にも民主党の皆さんがおられますけれども、民主党はもうすぐ政権を失う運命のようでございます。まあ、要らん世話をちょっとやってみたいと思います。どうぞ、やじをたくさん飛ばしてください。

 野田総理は、私、そう言いますけれども、大いにやっているんじゃないかと思っております。例えば、家庭の収入が一軒当たり五百万円、そしたら、日本の財政は一千万円の支出をやっております。だれがどう見ても、うまくいくはずがない。自明の理でございます。日本がギリシャのように、破綻の一歩手前じゃないかと国民の大多数が危惧しているんじゃないかと思っております。このような中で、賛否入りまじっている消費税の導入を野田総理がやり遂げたのは、大変な功績だと思っております。

 自、公、民で三党合意のもと、もう一つやっていただきたかったのは、赤字国債法案の成立、そして、憲法違反の議員定数の削減という身を切る改革を実現して解散をしていただきたかったと思います。

 自民党の総裁選の真っただ中で、広瀬知事のおいっ子に当たります林芳正氏がこのたび立候補ということをお伺いしております。ちょっと不利な状況も見受けられますけれども、大逆転の末に、どうか自民党総裁の座を勝ち取って、総理になっていただきたいと思います。まあ、頑張ってください。

 いよいよ質問に入りたいと思いますけれども、まず一番に、観光振興についてお伺いいたします。

 観光は、直接、観光に関係する産業に対する効果だけではなく、農林水産業や飲食業、運輸業、不動産業などさまざまな分野に波及効果を及ぼす大変すそ野の広い産業であり、観光振興は地域を活性化する重要な政策です。

 本県観光の現状を見てみますと、平成二十二年度の県外からの観光客は千八百万人、宿泊客数五百四万人、そのうち外国人観光客は三十六万人となっています。出発地別では、国内は、福岡圏・九州が最も多く、首都圏、中国・四国地域と続きます。海外では、韓国、台湾、中国の順となっています。

 本県には豊かな自然景観や温泉、恵まれた山海の食や文化遺産など大変多くの地域資源があり、これまでもそれらの地域資源を生かした観光振興に取り組んでいるところであります。

 先般、リクルートの旅行雑誌による調査では、「魅力的な宿泊施設が多かった」ランキングで、昨年に引き続き全国第一位となりました。このほか、「大人が楽しめるスポットや施設、体験が多かった」では四位、「子供が楽しめるスポットや施設、体験が多かった」で六位と本県の潜在能力の高さがうかがえます。

 しかし、一方で、九州新幹線の全面開通による福岡から鹿児島の縦軸への観光客の一極集中が進むのではという危機感を感じるところであります。いかに大分県に誘客するかが重要であります。

 そのような中、今般、観光振興の体系的な計画としてツーリズム戦略を策定されましたが、これまでの観光振興からどう見直しを行い、今後の観光振興を行っていくのか、お伺いいたします。

 あとは質問席で質問いたしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

  〔末宗議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○元吉俊博副議長 ただいまの末宗秀雄君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 末宗秀雄議員には、議場をはらはらさせながら、ようやく県政最重要課題の一つであります観光振興についてご質問に入っていただきました。私からまずお答えを申し上げたいと思います。

 今、観光につきましては、単なる物見遊山型から、地域の人との触れ合いだとか、あるいは体験を楽しむ着地型、あるいは体験型の観光需要が増すなど多様化しております。加えて、九州新幹線の全線開通や、あるいは航空路線の拡充、それに東アジア地域の経済発展による誘客のグローバル化などがありまして、県観光にとっては大きなチャンスを迎えているというふうに考えております。

 本県は、豊の国と呼ばれるように、豊かな天然自然やそこにはぐくまれる海の幸、山の幸など観光資源に恵まれておりますけれども、さまざま何でもあるだけに、ともすれば総花的で、インパクトのある情報発信ができず、全国的には観光大分県のイメージが大変薄いというのが、残念ながら事実ではないかというふうに思っております。

 そこで、ツーリズム戦略では、本県の最大の強みであります温泉と食を前面に打ち出して、「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」をキャッチフレーズに、全国、あるいは世界にアピールしていく五つの戦略を推進することとしております。

 戦略の一つ目は、地域の観光素材磨きであります。

 温泉を初め、食や歴史、文化、芸術、さらにはジオパークなど地域の資源を磨いて、地域観光協会や住民のさまざまな取り組みを支援するとともに、心温まるおもてなしの提供や二次交通の整備を進めて、マーケットの求める魅力ある観光商品や観光地づくりを推進しなければならないと思っております。

 二つ目は、誘客であります。

 国内では、福岡、関西、首都圏域ごとにニーズを的確にとらえるとともに、旅好きな女性や知的好奇心の高いアクティブシニアをメーンターゲットに誘客を進めたいと思っております。

 忘れてならないのは、最も身近な観光客である大分県民であります。県民こそが訪れたくなるよう、地域の積極的な誘客活動を推進したいと思います。

 また、教育旅行や、あるいはMICEなど団体旅行にも力を入れなければならないと思います。

 海外は、韓国、中国を中心に、プロモーション等を通じて本県の魅力ある観光商品を売り出していきたいというふうに思います。

 三つ目は、情報発信であります。

 先ほど申し上げました「日本一のおんせん県おおいた 味力も満載」を旗印に、関係機関が一体となって、あらゆる媒体を活用した情報発信に努めます。

 今月、大阪で実施した「おおいた竹ものがたりインせんちゅうパル」でも、私が先頭に立って、旅館、ホテルなど観光事業者の皆さんと一緒になって、大分のすばらしさをPRしてまいりました。

 四つ目は、広域観光であります。

 九州観光推進機構なども活用しながら、九州各県と共同で周遊商品の開発や商談会等を実施したいと思います。

 五つ目は、戦略ある現場主義の推進であります。

 観光を支えるリーダーの育成や観光協会等の体制とネットワークの強化を図っていきたいと思います。

 こういった五つの戦略を展開して、地域振興と観光振興を一体的に推進し、地域が輝き、人が訪れ、そして、さらに地域が元気になるような、そういうツーリズムの実現を図っていきたいというふうに考えているところであります。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 どうもご答弁ありがとうございました。

 知事さん、一点だけ、今の時局の中で、知事さんが今おっしゃった中で、韓国、中国からの観光客、非常に今、領土問題で、政治的に、いろんな、何が起こるかわからないような状況がございますので、そういうのを踏まえながらも、大分県の観光、本当に振興ができるように、どうか頑張っていただきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、次に、耶馬渓の観光振興についてお伺いいたしたいと思います。

 実は、私、八月十七日に、所属の商工労働委員会、吉冨委員長のもとで、中津の下毛郡の商工会の方に参りました。その視察の折に、特別の強い要望を受けたのが、一目八景の橋が流失して、もう非常に大変な状態だということで、私、隣の宇佐市でございますけれども、中津のことについて、あえて、我が党には毛利先生というすばらしい先生がいる中で、私もちょっと取り上げたいというふうに思っております。

 山国川支流の山移川の渓谷でございますけれども、奇岩奇峰が林立し、秋の紅葉の季節には特に美しい景観を見せてくれます。中でも深耶馬渓は、耶馬渓一番の景勝地である一目八景があるところであり、景観展望台があり、多くの土産物屋が軒を連ねています。秋の紅葉のシーズンには、大変多くの観光客が訪れ、大変にぎやかです。

 土産物屋の裏手には、山移川に私設の橋がかけられており、対岸には食事や休憩ができる場所があり、観光客にも、自然の中で食事や休憩がとれると大変好評でした。しかし、今回の豪雨により四つもの私設の橋が流され、秋の紅葉シーズンを前に地元関係者は大変心配しています。

 そこで、観光振興の面からも、公共の橋を、つり橋でも結構なんですけれども、渡すとともに、遊歩道を整備し、これまで以上に観光客に喜ばれる観光地へと行政の力で整備する必要があると思いますが、見解をお伺いいたします。



○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 耶馬渓、なかんずく深耶馬渓の観光、深耶馬の観光振興についてお答え申し上げます。

 まず、深耶馬渓の公共駐車場から対岸の散策道につながります中津市道の橋梁については、被害がなく、従来どおり通行が可能です。

 それから、県が管理いたします一目八景歩道、自然遊歩道ですけれども、この橋梁はかなり大きな被害を受けておりまして、今回の補正予算案に復旧経費を計上し、早急に復旧することといたしております。

 議員からご質問のありました私設橋についてでありますけれども、個人が設置、管理している橋梁につきましては、昨日、土木建築部の方からも答弁いたしましたとおり、自治体による復旧事業での対応は困難かと考えております。

 ただ、耶馬渓の場合、観光振興という面から、橋梁あるいは遊歩道の整備の必要があるのではないかという議論が地元から出ることも予想いたしております。そうした場合、地域の意向、あるいは県の関係各部、それから地元中津市とも協議しながら、関係法令の趣旨も踏まえつつ、例えば、河川法でありますとか自然公園法、あるいは文化財保護法等でありますけれども、そうした法令の趣旨を踏まえつつ、どのような支援ができるのか、検討してまいりたいと考えております。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 大変前向きな答弁だとお受け取りしたんですけれども、この中津市、災害が、今回の七月の災害が二度続いたわけでございます。七月三日と十四日ぐらいじゃなかったかと思いますけれども、地元の商店街の人たちに言わせたら、「腰が折れた」という心情、二度続けて災害に遭って、もう本当に疲れ切ったような表情がうかがえました。

 特にこの一目八景、私の認識不足かもわかりませんけれども、大分県の観光地を見て、私、一目八景ほど感動した地はありません。まさに大分県の観光における宝だと思っております。そういう意味でこの問題を取り上げたわけでございますけれども、今、部長がおっしゃった中で、一つ目の、一番上流側の橋の復旧、それはいつになるのか、一つ目。

 そして、地元が要望している、商店街の中心に県及び市で建てかえていっていただきたいというその橋の方向が、今、大分県、そして中津市とも積極的に相談してやっていくということですけれども、そこらあたりを早急にやっていただきたい。

 そして、今、商店街の方は、そういうのが早急にできるという見通しが立てば、未来が開けるというか、希望が出てくる。今のまま、腰を折って、まさに沈没してしまうような状態でございますので、そこあたりを含んで再質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。



○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 橋梁の整備につきまして、先ほど申し上げましたけれども、何よりも当事者の間、地元、それから市、それと県の間での話し合いが大変大切だと思っております。ですから、どういう橋の中で、例えば、どれを急いでもらいたいのかとか、どういう方法でやっていくことができるのかとか、その辺の話し合いもきちんとしなければなりませんので、いつまでにというのはちょっと今申し上げかねますけれども、協議については、既に当事者、関係者の方で始めているということも聞いておりますので、そうした形での話がある程度まとまり次第、速やかに対応はしていきたいというふうに考えております。



◆末宗秀雄議員 一つ目、一つ目。上流側。



◎塩川也寸志企画振興部長 県については、予算成立後、直ちに工事にかかりたいとは思っておりますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたが、法律、結局、河川法、それから自然公園法と文化財保護法、ちょっと三つの法律の網がかぶっておりますので、それをそれぞれクリアしていかなきゃならないというのがありますので、それをクリアでき次第という形になろうかと思います。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 とにかく、積極的にどうぞよろしく実現をしていただきたいというふうに思っております。まさに耶馬渓の観光がかかっております。部長さんの責任、大変重大ですので、よろしく。

 次に、国際クルーズ船の誘致についてお伺いいたしたいと思います。

 まず第一番に、国際クルーズ船の経済効果。観光振興としての国際クルーズ船の誘致について幾つかお伺いいたしたいと思います。

 これまで、昨年の別府港第四埠頭の供用開始以降、中国からの大型クルーズ船「レジェンド・オブ・ザ・シーズ号」の八月十日の初寄港を皮切りに、本年八月まで十八回の寄港がありました。中国人観光客を初め、二万四千人が本県を訪れ、温泉施設や買い物など本県での観光を楽しまれたと聞いております。

 そこで、これまでの経済効果をどのように分析しているのか、お伺いいたしたいと思います。



○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 国際クルーズ船の経済効果についてお答えいたします。

 昨年度、四回の寄港で約七千人が来県した中国からのクルーズ船「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」につきましては、直接消費額とそれに基づいて算出した間接効果を合わせまして、寄港一回当たりの経済波及効果をおよそ四千万円と推計いたしております。

 本年度の取り組みでございますけれども、より正確な経済波及効果を把握したいと考えておりますので、大分県国際観光船誘致促進協議会の方が大銀経済経営研究所に委託しまして、「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」の寄港による経済波及効果を現在分析中でございます。十月中には結果が出ると考えられますので、そのときはまた、ご報告をさせていただきたいと思います。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 もう次の質問まで答えていただきましたので、その次に移ります。

 CIQ指定港に向けた取り組みについてでございます。

 別府国際観光港は、外国船が出入国できるCIQ、Cが税関、Iが入国管理、Qが検疫、その指定港でないため、寄港の妨げとなっていると聞いていますが、名実ともに国際観光港となるためのCIQ指定港に向けた取り組みについて見解をお伺いいたします。



○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 CIQ指定港に向けた取り組みについてお答えいたします。

 昨年、別府港のCIQ指定港について総合特区の申請を行っていましたけれども、指定に至らず、本年二月、検疫のみ、Qの部分、検疫のみの規制緩和に特化した構造改革特区に切りかえて再度申請いたしましたが、こちらについても、やはり指定に至っておりません。

 その背景といたしまして、別府港の外国船入港実績が、検疫港指定の前提条件が年間百隻以上というふうに定められておりまして、これにちょっと及んでいないこと、また、同一湾内で検疫が可能な大分港と近接しているというようなことが理由として挙げられております。

 そこで、今後でございますけれども、別府港のCIQ指定につきましては、今後のクルーズ船誘致における重要課題であることは、もう議員ご指摘のとおりでありますので、まずは入港実績を着実にふやして、しかる後にまた、特区というような形での指定申請に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 実績がないから、なかなか特区と認められないという回答で、まあしようがないかなという気分が起きておりますけれども、今後とも、本当に地道な努力でしょうけれども、まさに名実ともに別府港をそういう国際観光港とするためには、どうしてもCIQが必要だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、次に、大河ドラマの招致についてお伺いをいたしたいと思います。

 NHKの大河ドラマは、昭和三十八年から毎年、日本の歴史上の人物や事件などをテーマに、基本的に毎年一月から十二月の一年間を通して放映される人気番組であります。

 これまで五十一のドラマが放映されており、現在は、武士が貴族の番犬でしかなかった時代に、実力で日本の覇者に上り詰めた奇跡の男のドラマとして、「平清盛」が放映されています。

 この大河ドラマは、観光客の増加などにより地元に大きな経済効果をもたらしています。平成二十年に放映された「篤姫」は、鹿児島県に二百六十二億の経済効果をもたらしたとされ、平成二十二年に放映された「龍馬伝」は、当初の予想二百三十四億円を大きく上回る五百三十五億円の経済効果があったとされ、高知県の宿泊客数は、前年比一九%の増、日帰り客数は二九%増にもなりました。「龍馬伝」については、長崎県でも二百十億円の経済効果があったとされています。また、現在放映されている「平清盛」も広島県で二百二億円の経済効果を試算しており、大河ドラマの地域に与える効果の大きさがうかがえます。

 翻って本県を見てみますと、宇佐を初めとした県北地域は、独自の仏教文化で知られている六郷満山や青の洞門を初めとした奇岩奇峰の耶馬渓など歴史資源や自然資源が面的な広がりの中で展開しており、全国的な評価に値する観光資源を数多く有する地域です。中でも宇佐神宮は、我が国古代史のかぎを握っており、その起源は依然としてなぞに包まれている部分もありますが、地元の豪族の宇佐氏、また、韓国や中国からやってきた渡来系の豪族である辛嶋氏、また、大和系の豪族の大神氏によって維持されたと伝えられており、大分の歴史、文化の特徴である国際性、また、融合性といったものの原点ともなるところであります。

 また、東大寺の大仏建立においてもこの宇佐の地域が全国に知られることになり、全国に四万社以上あると言われる八幡宮の総本山であり、伊勢神宮とともに天皇家の祖先を祭る第二の宗廟として皇室からも厚い信仰を受けております。

 宇佐神宮と言えば、歴史的には道鏡事件が有名であります。孝謙天皇、後の称徳天皇の病を治したことから、その厚い信頼を得た弓削道鏡は、太政大臣から法王となり、「道鏡が皇位につくべし」との宇佐神宮からの託宣を受けて称徳天皇はついに道鏡に皇位を禅譲する気持ちになり、その際に皇位禅譲の真偽を問うのに宇佐神宮の神託を聞くべしとなって、その勅使となって和気清麻呂が指名されたわけです。「道鏡が皇位につくべし」との託宣に不信を抱いた和気清麻呂は、都に戻って、宇佐神宮の神託は「天の日継は必ず帝の氏を継がしめむ。無道の人はよろしく早くはらい除くべし」と報告して、道鏡の野望が砕かれました。

 このような、日本の歴史における重大事件に宇佐神宮が果たした役割を考えますと、この事件をNHKの大河ドラマとしてドラマ化するのも可能性が大いにあるのではないかと思います。

 ことしの宇佐神宮の夏越祭りで、道鏡の出身地の大阪の八尾市長と懇談いたしました。その際に、道鏡事件の大河ドラマ化の話題で大いに盛り上がりました。

 そこで、観光振興策として、経済効果の非常に高い大河ドラマの招致について県の見解をお伺いいたします。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大河ドラマの招致についてのご質問でございました。

 大河ドラマ、九州を見渡しても、「篤姫」で脚光を浴びた鹿児島県だとか、あるいは「龍馬伝」で盛り上がりを見せた長崎県など、観光振興の起爆剤として大きな経済効果をもたらしております。NHKにも全国各地から多くの要望が寄せられているというふうに聞いております。

 大分県内におきましても、お地元の宇佐市を初め、大河ドラマを視野に入れた地域での活動が活発に行われております。中津市では、県外の九市町と連携しながら、黒田官兵衛を主人公にしたドラマ化を目指している、あるいは大分市でも、大友宗麟を顕彰して、ふるさと大分の発展、活性化に取り組みながら、大河ドラマを目標にして活動しているというようなところもございます。

 招致を実現するには、素材そのものの魅力はもちろんでございますけれども、ドラマ化に向けた厚みのある原作など幾つかのハードルもありまして、全国各地から多くの提案が寄せられている中にあって舞台として選定されるのは、なかなか容易なことではないのは、もう議員ご承知のとおりでございます。

 本県には、先ほど申し上げました大友宗麟や黒田官兵衛のほかに、もちろん和気清麻呂や、あるいは島津軍から鶴崎を守った妙林尼、あるいは大友時代の女傑の立花?千代など数多くの人物が歴史に名を残しているわけでございます。これらの人物や史実についてしっかりと受け継ぎながら、地道な活動を通じて地元の元気につなげていきたいというふうに考えております。

 県としましては、議員と同じような思いで、県内各地のヒーロー、ヒロインを顕彰しながら、息長く取り組んでいきたいというふうに思っているところであります。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 どうも、知事さんと私、非常にそこが、ちょっと時期をめぐって考えが違うんですけれども、知事さんは地道な努力ということで言いますけれども、私、地道な努力じゃなくて、大分県は、大友宗麟で随分、平松知事の時代から頑張ってまいりました。大分県のお金を随分使ったけれども、大河ドラマ化できなかったわけでございます。

 その中で、私が申したいのは、道鏡事件を扱った小説としては黒岩重吾の「弓削道鏡」という小説がございます。非常に、読んでいただいたらおわかりになると思いますけれども、史実も織りまぜて、大変すばらしい小説でございます。そういうものを、今、知事がおっしゃった、脚本がない、脚本とか原作とか、そういうのがないんですけれども、そこをこの質問で、人的、物的、金銭的な、多方面で支援が必要でございます。そういうものを広瀬知事にご援助いただいて、行政の力で、そして道鏡事件、そして和気清麻呂、そして大分県、また、県北を、発展する観光にいたしたいという気持ちで、今発言しているわけでございますので、知事、非常に地道な努力も結構ですけれども、こちらの発言者の気持ちも酌んで、ご回答をよろしくお願いいたしたいと思います。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大分県に関連しまして大河ドラマができれば、これにこしたことはないし、そのための努力を物心両面で惜しむものでは決してありませんけれども、なかなか、客観的に見ますと、まずは、県内いろんな動きがありまして、どれが一番際立って大河ドラマに近いかというところの見きわめをしなければいけないし、かつまた、その後の、今度はハードルも、先ほど申し上げましたようにいろいろあるわけでございますから、それも越えなければいけないというようなことで、今直ちにご提案の和気清麻呂について運動を始めましょうと言うわけにはいきませんけれども、議員のお気持ちをしっかりいただきながら対応していきたいというふうに思っております。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 どうぞよろしくお願いいたします。

 大河ドラマについては、大友宗麟、平松知事が随分取り上げて、県費も使って大々的にやったわけですけれども、なぜ成功しなかったと言ったら、地方の豪族、中央政府と中央権力にあんまり縁が遠い存在で、非常にそういう、基本的に全国的な展開ができない。まさに、大河ドラマのほとんどの作品が中央政権に絡んで、日本全体が興味を持つという素材が、まず第一番、前提として必要なんじゃないかと私自身は考えております。そこに欠けた作品というのはなかなか、もし実現しても、全国展開で、なかなか評判が芳しくなかったりするのがそのような例じゃないかというふうに思っております。

 そういう視点もございますので、ぜひともこの和気清麻呂と弓削道鏡の事件は、今、天皇制もいろいろ変わってきていますけれども、まさにこの二千六百年から二千七百年の天皇制のもとを守り抜いた人物でございまして、そこあたりをテーマに、よろしくお願いいたしたいというふうに思っております。回答は要りません。

 それでは、次に移ります。

 宇佐地域における道路整備について。

 宇佐市の道路網は、東九州自動車道、国道一〇号、県道中津高田線が東西に走り、これらの道路により北九州市、中津市、大分市、豊後高田市方面と連携しており、産業振興、観光振興等に大きな役割を果たしています。しかし、それらの道路と市街地を結ぶ南北の幹線道路の整備がおくれており、宇佐市の総合的な発展の足かせとなっています。

 特に、東九州自動車道、国道一〇号、県道中津高田線を南北に結ぶ幹線である宇佐本耶馬渓線が、昨年ようやく県道和気佐野線まで四車線道路として完成いたしましたが、その先の中津高田線までが未整備であり、四車線による早期完成が強く求められているところであります。

 そこで、早期完成に向けた県の見解をお伺いいたしたいと思います。

 また、宇佐本耶馬渓線と交差する黒川松崎線の早期着工について、あわせてお伺いいたします。



○元吉俊博副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 お答えします。

 宇佐本耶馬渓線を含む南北軸につきましては、黒川松崎線以南は県道として、以北は市道として、同時に事業着手する方針でございます。

 南側につきましては、県が四車線で整備する方針でございまして、この秋から都市計画の地元説明を行い、手続が予定どおり進みましたら、来年度から事業に着手する予定でございます。

 北側につきましては、主たる交通が将来、宇佐本耶馬渓線から黒川松崎線に向かうことを考慮に入れ、市が二車線で整備する予定と聞いております。

 黒川松崎線につきましては、県北地域の産業振興を支え、中津高田線のバイパス機能も有する重要な路線と認識しておりますが、橋梁などの構造物が多く、コスト面での課題もありますので、慎重に検討を進めているところでございます。

 当面は宇佐本耶馬渓線の早期整備に重点を置きつつ、黒川松崎線についても、道路構造の見直しによるコスト縮減などの検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 今、宇佐本耶馬渓線で、黒川松崎線に続くところまでが県道、そしてそれから先が市道、それで市道の部分が二車線という感じで私とらえていますけれども、都市というものを、ギリシャから、ローマから世界を見ますと、ポリス、旧宇佐町は、昔、二十七カ町村か二十八カ町村あったわけでございます、それが四町になって、四町合併して旧宇佐市ができ、今度、安心院、院内が合併して大宇佐市ができたわけですけれども、その宇佐市の中で、二車線になるところが旧長洲町、そして、今ずうっとでき上がったところが旧駅川町、そのポリスとポリスをつなぐという感覚が日本の国土交通省にはない。

 都市というのは、都市と都市がつながってできるのに、その都市の起点を二車線にするという国土交通省の今の交通体系の基準、そういうものが、何か融通がきいて実現できないのか。せめて用地費でも計上して、市の方で合併債がたくさんあるでしょうから、用地だけは確保しておいて、四車線に。今現在、法律が、基準がなくてできなくても、用地だけは確保していただきたいというふうに思っております。

 それと、黒川松崎線。

 黒川松崎線というのは、今、宇佐国見の道路と関連しております。県の方が宇佐国見と絡めたような形でしているわけですけれども、これ、もう計画を立てて、大体三十年ぐらいになるんじゃないかと思っています。

 私が初めて出たときは、堤隆一県議が一生懸命努力してやっていたけれども、あらゆる方向でやっても、なかなか実現できなかった。そういう時点からできないんだけれども、例えば、宇佐地区において、この黒川松崎線が、今、予算もたくさんかかると言うけれども、あの隣に金屋地区という非常に密集した混雑地があるわけですけれども、この黒川松崎線を早急にやらないと、極端に言えば、ほかの宇佐のどの地域を整備するのか、予算をほかに使ってどういう意味があるのかという、根源的に。宇佐市が一番必要なところに予算を使わなくて、ほかのところに予算を使う、そういう抜本的な、そういう疑問を持っておりますので、そこあたりも含めて、その二点をご回答お願いいたします。



○元吉俊博副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 まず、北側の四車線化についてでございますけれども、あくまでも市が整備する道路でございます。

 将来の交通需要予測によりますと、北側につきましては四千台未満となっておりまして、通常、四車線以上というのは、やはり一万二千台以上が目安になっておりますので、かなり落差があることから、二車線化はやむを得ないというふうに考えております。

 また、黒川松崎線、先ほど申し上げましたように大変重要な道路だと認識しておりますけれども、やはり厳しい今の環境下にありますれば、同時に事業を進めるのは大変厳しいと考えておりまして、まずは宇佐本耶馬渓線の南北軸をしっかりつくってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 もう知事にお伺いしたいと思うんですけれども、部長さんの段階では、なかなか予算が早急につかないみたいです。

 先ほど、私、ギリシャ、ローマの例まで出して、都市間交流の、そういう道路の件をお話ししたんですけれども、都市と都市を結ぶときに、入り口が二車線で、それから途中が四車線、そういう都市というのはあんまり発展する都市じゃないような気がいたしております。そこを踏まえて、今の国土交通省の、今言う部長の言葉はよくわかるんです、基準になかなか合わない。だから、県がせめて、それはもう間違いだから、宇佐市に働きかけて、用地でも確保しておいて、また時代が変わればすぐできるようにしようとか、そういう発想はないのかということで、あえて聞いたわけでございます。

 それと、宇佐本耶馬渓線とあわせて黒川松崎線を聞いたわけですけれども、縦軸だったら、黒川松崎線が横軸です。横軸を、宇佐市のもう看板道路になるわけです。ちょうど柳ケ浦駅から宇佐市役所に向けての一番中心地。いろんな予算の使い方が、大分県、六千億ぐらい今使っているんですけれども、その中で宇佐市にどのくらい来ているかわからないけれども、本当にこう、県民が目に見えて一番喜ぶような予算の使い方、そういう意味でお伺いしたわけですので、部長が答えられなくて、知事に直接お聞きしたら、知事も大変困るかと思いますけれども、前向きにご答弁をお願いいたしたいと思います。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 議員のお話、ご質問でございますから前向きにお答えができればいいんですけれども、やはり、今、部長が答弁申し上げましたように、道路の整備ということになりますと、限られた予算の中で優先順位をつけていかざるを得ない。そのときにはコスト・ベネフィットということが大変大事になるわけでございまして、そういった面で、今お話しのありました宇佐本耶馬渓線、残された部分の四車線化だとか、あるいは黒川松崎線の整備だとか、こういったものがどういうふうに位置づけられるべきか。今、議員のお話によりますと、大変、地域では大事な道路だ、大事なプロジェクトだということでございますので、そういった観点を思って、しっかりと評価をしてみたいというふうに思っているところであります。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 どうぞよろしくお願いします。

 ちょっと時間が少なくなったので、はしょってまいりたいと思います。

 次に、教育問題について。

 教育を取り巻く課題について、幾つかの視点から質問いたしたいと思います。

 まず一番に、いじめの把握について。

 いじめの問題については、大津市での中学二年の男子生徒の問題が全国的にクローズアップされていますが、本県におきましても別府市の中学二年の男子生徒が同級生に右脇腹をけられて大けがをするなど、いじめ問題は全国的に深刻さを増しています。しかし、大津市や別府市の事件もそうでありましたが、問題が発生したときの学校なり教育委員会の見解は「いじめの事実はなかった」という趣旨のコメントであり、問題が大きくなった後で、「調査してみたら、あった」と後になって訂正することがほとんどです。いじめを防止するためには、いじめの把握体制がしっかりとられていることが大事だと思いますが、その体制が余りにもずさんではないかと思います。

 そこで、いじめの把握について学校現場ではどのような体制をとっているのか、また、教育委員会としてどのような指導をしているのか、お伺いいたします。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 いじめの把握についてお答えします。

 いじめは、決して許されないことであり、学校は、いち早くその兆候を把握し、迅速に対応することが必要です。

 学校では、生徒指導委員会等の組織をつくり、児童生徒の日常観察やアンケート、面接など複数の方法で、定期的にいじめを把握する体制をとっています。また、いじめの訴えがあったときには、被害者、加害者だけでなく、周囲の生徒や保護者に対しても事実関係を調査しています。しかしながら、いじめは大人から見えにくい場所で行われるなど容易に認知できないケースもあり、いじめはどこでも起こり得るという意識を学校全体で共有し、対応することが重要だと考えています。このため、今回のいじめ問題を契機に、教職員に対し教育長メッセージを発するとともに、緊急の研修会を開催し、学校の組織的な取り組みにより、いじめの早期発見、早期対応を徹底するよう改めて指導をしたところです。

 以上です。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 それでは、ちょっと二点だけ簡潔に答弁。

 まず、把握していて、報告、公表しないという例が全国的にあります。それはなぜかという点。

 それと、今、出席停止がいろんな方向で検討されております。それを大分県は採用するのかどうか。

 その二点についてお伺いします。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 把握をしていて公表していない事実、事案についての理由ですけれども、幾つかあるかと思いますが、一つには、被害を受けた保護者の気持ち、事案の解決に当たって、公表することが果たしていいのか。いじめの解決は、被害者も加害者の子供も両方とも同じ学校で学ぶ生徒です。その方向で解決を目指すときに、公表かどうか、その辺の判断をしながらだというふうに私は思っています。

 二点目の出席停止ですが、これも各学校の事案によって判断されていく形だと思います。

 加害生徒に反省を求め、しっかり受けとめさせてというふうなことをさせる上で必要な場合には、ためらってはいけないというふうに思いますが、県の方から、今の段階で、出席停止をどんどんやれというふうな指導をするつもりはありません。

 以上です。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 ちょっと、次に移ります。

 それでは、県立中学校の教科書採択についてお伺いします。

 もう途中省いて、県教育委員会が設置する県立中学校について、どのような教科書を採択したのか、お伺いいたします。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 県立中学校の教科書採択ですが、教科書は、文部科学大臣が行う検定の過程において、教育基本法、学校教育法、学習指導要領を踏まえ、専門的な審査を経ており、県立学校においてもこの検定に合格した教科書を採択しております。

 教科書の選定に当たり、県立中学校では教科書検討委員会を設置し、中高一貫教育の視点から高校につなげやすい内容であること、学校の指導方針でもあるコミュニケーション能力の向上を図りやすい内容であること、そして、国際社会で活躍できる人材の育成を目指す教育目標とも合致する内容であるということを重視して教科書を選定しています。

 以上です。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 それでは、東京の石原知事とか大阪の橋下知事は、教育委員を任命する際に、教科書採択について注文をつけています、どういう教科書を採択してくれとか。大分県の教育委員会は、そういう注文はありませんか。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 教育委員会から県立中学校に指導、助言というのはございますけれども、それは、教科用図書選定審議会というところが各教科書を調査しながら、そして、こういう観点、こういう教科書について、こういう記述であります、で、こういう基準で選定いただきたい、そういうのは出ておりまして、それに従って教科書を選定していただきたい。どういう教科書、どの教科書というふうな指導はしておりません。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 それでは、教育委員長にお聞きしたいと思います。

 教育委員長、そういう教科書、特に社会科の問題ですけれども、知事から、そういう条件のもとに選んでくれという話はなかったかというのが一点。

 それと、行政の問題じゃなくて、これ、教科書は、教育委員が選ぶ問題でありますので、行政の下部機関が選ぶ問題じゃありませんので、そこの見解をお伺いしたいと思います。



○元吉俊博副議長 岩崎教育委員長。



◎岩崎哲朗教育委員長 教育委員長の方に答弁を求められておりますので、私の方から答弁いたします。

 ただいまの、第一点の、知事の方から特定の教科書を指定して、そういう方向性でどうだというふうな話、これは、当然ございませんし、私としては、あるべき姿ではないというふうに考えております。

 先ほど教育長の方から答弁がございましたけれども、もともと教科書検定で合格している教科書、これは、そういう意味では、政治的な立場も踏まえて、国の方で検定に通っているわけでございます。それを各学校現場でどういう視点で採用するか。先ほどの教育長が述べたような姿勢で、学校現場と協議をしながら選んでいただく、これが一番、学校現場の教育にとって望ましい姿ではないかというふうに考えておりまして、そういう意味では、今の教科書選定の仕方につきまして、特段の問題があるとは考えておりません。

 その意味では、県立中学校や県立高校について、教科書について、教育委員が選ぶべきではないかという点につきましても、ただいまの教科書を選定する道筋からしますと、教育委員が個々の教科書について議論をして決める、場合によってはそれは必要かもしれませんけれども、現在、今行われておりますのは、教育長さんの方の専決に基づきまして選定をしていただいているわけでございます。

 これまで選ばれた教科書につきましては、教育委員会の方でご報告を受けておりますけれども、教育委員会の内部で協議をする限り、これまでの教科書につきまして問題があるというふうに考えたことはございません。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 それでは、次の教育委員会制度とも関係がありますので、そっちの方について、それも含んで質問いたします。

 私は、教育に中立公正を求めることに異論はありませんが、先ほど議論いたしました教科書採択の問題をとっても、今の教育委員会制度が教育の中立公正を実現できているのか疑問に思っております。また、いじめ問題における対応の悪さも政治を遠ざけてきた結果ではないかと思っております。

 そこで、現行の教育委員会制度に対する教育委員長の見解をお伺いいたします。



○元吉俊博副議長 岩崎教育委員長。



◎岩崎哲朗教育委員長 教育委員会制度についてのご質問でございます。

 議員もご承知のとおり、教育委員会制度は、昭和二十三年に発足いたしまして、これまで随分長い歴史がございます。いろんな方面から批判もありましたし、いろんな方面から、ほかにかわる制度がないということで、擁護する立場での見解も発表されているところでございます。

 で、議員が先ほどいみじくも言われましたように、まさに教育行政におきまして重要なのは、この政治的中立性が確保されるという点でございます。

 このために、法律上は、首長さんから独立した合議制の教育委員会が置かれるということが今定められているわけでございますけれども、教育委員の任命に当たりましては議会の同意を受けているわけでございます。私も皆様方からご同意をいただいて教育委員になったわけでございます。また、教育委員の過半数につきましては、同一の政党に属してはいけないという法律上の定めがございます。そういう意味では、法律上は、制度的にはと言ってもいいかもしれませんけれども、教育の中立公正ということについては確保するシステムになっているということが言えるだろうと思います。

 大分県の教育委員会におきましては、この教育委員会制度のもとで六名の教育委員が選任されておりまして、この六名の合議を通じまして、いろんな重要な問題について決定をしているところでございます。それぞれの教育委員の意見、立場を反映したいろんな意見に基づきまして協議をいたしまして、意思決定を行っているところでございます。

 教育行政につきましては、非常に長いスパンでの計画を立てるということも必要でございます。そういう意味では、教育行政の安定性、継続性という観点からいたしますと、現行の制度は適切であるというふうに考えているところでございます。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 それでは、教育委員会が開かれているのは月に二回とお伺いしています。それも一時間から二時間程度。教育委員会の今の行政組織から、人事から、学校現場の数多くの問題点に比べますと、把握するのは、その程度じゃ不可能でございます。それゆえに教育委員会が、教育委員が、名誉職となり、お飾りとなっているような側面があると思います。この際、本当に制度の抜本改革が私は必要と思っております。特に名誉職とかお飾りと職員から見られている点についてどう思うか、お聞きしたいと思います。



○元吉俊博副議長 岩崎教育委員長。



◎岩崎哲朗教育委員長 県の教育委員、私を除きまして、ほかに五名いらっしゃいます。そういう意味では、ほかの県教育委員の名誉のためにも申し上げますけれども、確かに、定例的には月に二回行っておりますけれども、時間拘束が実は非常に長うございます。ほとんど、一日、あるいは半日、丸々使っているというのが今の実態でございます。

 確かに、教育委員会、公開の場での教育委員会は、二時間程度が多分、相当な、一番多い時間だろうと思います。その前後に、実は、いろんな問題点について、現場の教育委員会の事務サイド、それから教育長さんを筆頭とした組織のトップの方々と協議を、十分、実はしてきているわけでございます。

 先ほど議員がご指摘のあったいじめ問題等につきましても、ことしの七月、八月と、教育委員の側から、いろんな問題点について、こういう問題があるんではないかということを指摘いたしまして、現場から説明を受ける、そして、県教育委員会として、こういう対策をとるべきではないかというふうな、アドバイスといいますか、方針決定をしているところでございます。そういう意味では、教育委員会がお飾り的になっているというふうなことは、少なくとも大分県の教育委員会においてはないというふうに私自身は考えております。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 もう見解の相違でございますので、そこはやめます。

 次に、拠点校は、ちょっともう時間がないのでやめて、最後に土曜授業。

 私、昔、石川教育長の時代に、週五日制、ゆとり教育のときに、石川教育長に、あなた、文部省の意向でやってるんか、それとも日教組の圧力でやってるんか、それから、教育長、あなた自身の考えで実施するかということをお伺いしたことがあるんです。そのときは、わけのわからない回答で、明確な答弁がございませんでした。

 今度、ゆとり教育の反省を踏まえて、学習内容をふやして、授業時間が一割ふえることになって、各地で土曜授業が、今、実施されようとしております。実施しているところも随分あります。大分県の見解をお伺いいたしたいと思います。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 土曜授業についてお答えをします。

 土曜授業は、学校週五日制の趣旨に反しない範囲で行うものであり、地域住民が協力する体験活動、保護者への公開授業や学習発表会等、学校と家庭、地域との連携、協力による教育活動や、地域住民に開かれた学校づくりの推進を目的として行うこととされています。

 土曜授業の導入は、地域行事のほか、社会教育団体やスポーツ団体の事業にも影響を与えることから、地域の実情に応じて、小中学校の設置管理者である市町村教育委員会で十分検討する必要があると考えています。

 以上です。



○元吉俊博副議長 末宗秀雄君。



◆末宗秀雄議員 教育長、土曜授業、なかなか、いろんな思いを言ったですけれども、私が一つ言いたいのは、大分県教育委員会は、まず、どのような学生をつくり出そうとしているのか。例えば、ゆとり教育で生徒が楽をするような形でやろうとか、先生が楽をする形でやろう、そういうものは教育じゃないと私は思う。

 例えば、勉強でもスポーツでも、本当に厳しい勉強の中、厳しいスポーツの中で、なぜそのとき厳しくするかと言えば、やがて社会に出たときに、その厳しさが本人のために返ってくる、そういうものを目指して教育というのはするべきもので、目先の、ちょっと評判がいいとか悪いとかじゃなくて、そして、特に日本の国というのは資源がない。この資源のない国が、昔は、世界で一番、今は世界で十七番とか二十番とか言ってる。日本が成り立たないんです。そういうものを考えながら、教育というものを根本的に考えていただきたい。それを含めて、ご回答、よろしくお願いします。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 土曜授業に関連して、本県の教育についてのご提案だったというふうに思います。

 今の大分県の学校での課題、やはり学力、あるいは体力の向上を一番に挙げております。これを達成するために、土曜授業というふうな形の取り組みで量的な拡大を図るという方向ではなくて、今の月曜から金曜までのこの時間帯の中でいかに質のいい授業ができるか、効果を上げる授業ができるか、大分県は今そこに焦点を当てて取り組んでいます。私は、まだまだ伸びしろといいますか、頑張っていける要素はあると思います。そういう意味で、まずは五日間の授業の中でしっかりと学力、体力、その他をつけていきたいというふうに思っています。



○元吉俊博副議長 以上で末宗秀雄君の質問及び答弁は終わりました。三浦正臣君。

  〔三浦(正)議員登壇〕(拍手)



◆三浦正臣議員 皆さん、こんにちは。三番、県民クラブの三浦正臣でございます。

 初めに、七月の九州北部豪雨で犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた皆様方に心からお見舞いを申し上げます。

 昨今の地球規模での異常気象が問題となる中、これに対した早急な防災対策の必要性を痛感しているところでございます。

 さて、本日は、私の地元日出町から、大変お忙しい中にもかかわらず、多くの皆様が本議場まで足をお運びくださいました。心より御礼を申し上げます。まことにありがとうございます。

 それでは、早速、質問に入らせていただきます。

 まず初めの質問ですが、私の地元日出町においても大きな問題であり、県民の方々からもその動向を気にかけておられる日本テキサス・インスツルメンツ日出工場について伺います。

 以後、テキサス・インスツルメンツをTIと呼称させていただきます。

 また、本日は、TI日出工場で働かれている方のご家族の方も傍聴席にお見えになっています。知事の発言に注目されていますので、より具体的なご答弁をよろしくお願いいたします。

 ことしの一月二十三日、アメリカの半導体大手のTIが日出町にある子会社のTI日出工場を来年の六月に閉鎖すると発表し、県内に衝撃が走ってから既に七カ月が経過しました。

 一九七三年に設立された日出工場は、半導体製品の量産工場としてスタートしましたが、この十年来、国際的な価格競争が激化し、量産機能は労働コストの安い東南アジア諸国にシフトされていく中で、現在は新しい半導体パッケージ技術開発及びアナログ製品製造における主力工場という位置づけとなっています。それに伴い、八〇年代半ばには一千八百人余りいた従業員が、現在では約五百名にまで減少しているところでございます。

 九州はかつて日本のシリコンアイランドと呼ばれていましたが、世界的な半導体産業の生産体制の再編が進む影響で、企業が生き残りをかけ、状況の変化に対応することはやむを得ないのかもしれません。県内の大手企業でも、東芝大分工場の規模縮小や、幸い大分工場は存続するようですが、ルネサスエレクトロニクスの大規模なリストラなどが続いております。

 日本TIでは、当初目標とした七月初めまでの従業員を含めた工場の譲渡先探しがうまくいかず、その後も引き続き交渉を続けていると説明されていました。

 私も先週、TI日出工場の児玉工場長にお会いし、従業員の今後を心配されており、現在も複数の企業と交渉して、懸命に譲渡先を探されているという話を伺いました。

 工場の閉鎖が発表されて以降、工場の譲渡先探しに対し、県では独自に何らかの取り組みをされてきたんでしょうか。また、今後の見通しについてはどのようにとらえられているのか、伺います。

 TI日出工場は、約四十年にわたり日出町と大分県に多大な貢献をされてきました。現在、日出町と別府市を中心に、杵築市、国東市、大分市等、県内各地にその社員とご家族が生活しています。本当に完全閉鎖ということになり、もしそれらの方の多くがご家族とともに県外に出ることになれば、県にとって経済的にも大きな損失となります。

 TI日出工場は、社員の定着率が高く、平均年齢は四十代後半と伺いました。万一、解雇という事態となりましたら、社員の再就職先の確保が最優先の課題となります。県では、県内での再就職支援に対し、どのような対策を考えておられるのか、伺います。

 また、TI日出工場の工場閉鎖に伴い経営が心配される県内の協力会社については、現在の日出工場が研究開発を中心とするマザー工場ということから、TI本社工場との直接取引の割合が多く、その影響はそれほど大きくはないと考えられているようですが、日出工場閉鎖後も本社工場との取引が継続できることを願っております。

 さらに、地元の商店街やスーパーなど衣食住と関連するすべての業種への影響も避けられません。もし完全撤退となった場合、その経済的損失がどの程度のものとなるのか、県で試算をされているのであればお聞かせください。

 これ以降は対面から質問させていただきます。

  〔三浦(正)議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○元吉俊博副議長 ただいまの三浦正臣君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 三浦正臣議員から日本テキサス・インスツルメンツ日出工場の件についてご質問をいただきました。

 日本テキサス・インスツルメンツ日出工場につきましては、来年の三月に後工程、六月に前工程の生産を終了して、工場の譲渡が検討されているということであります。特に従業員の皆さん、あるいはそのご家族の皆さん方にとっては大変ご心配のことだというふうに思います。

 私から同社の和田社長に対しましては、たびたび、「雇用への影響を最小限にしてほしい」ということを改めて求めているところであります。これに対しまして和田社長からは、「雇用を第一に、複数の企業と慎重に譲渡交渉を行っている」ということを私も聞いているところでございます。

 県といたしましては、やはり雇用の維持を最優先に、一日も早い譲渡先の決定を期待しているというところでございます。

 日出町とも連携をして、譲渡交渉の推移を、引き続き重大な関心を持って注視していきたいというふうに思っております。

 また、日本テキサス・インスツルメンツに対しましては、譲渡が行われる場合の県、町の支援策を丁寧に情報提供しておりまして、譲渡のための条件整備も含めて、必要な支援を行っていきたいというふうに考えております。

 一方、雇用への影響については、早目にこれを把握して、対策を適切に講ずる必要があります。

 これまでも、リーマンショックや震災などで景気が大きく後退したときには、離職者向け委託訓練を拡充いたしまして、職業訓練による職種転換や技能向上を図るなどさまざまな再就職支援を行ってきたところであります。また、雇用調整助成金の活用を促すなど雇用の維持にも努めてまいりました。

 このため、企業とコミュニケーションをしっかりとって、万一、雇用への影響が生ずる場合は、国や町とともに、直ちに必要な雇用対策をしっかり行っていきたいというふうに考えております。

 半導体産業は、ものづくり産業の国内立地環境の悪化に加えまして、国際競争の激化だとか、あるいは世界経済の混迷や円高などによりまして、国内での事業再編や工場の統廃合を余儀なくされております。

 このような中、ルネサスが国内工場の再編を発表しましたけれども、大分工場は、引き続き主力工場として存続するということになりました。また、東芝工場は、高水準での操業が続いているというふうに聞いております。さらに、地場企業のジェイデバイスは、富士通セミコンダクターの工場を譲り受けまして、後工程を受託するということでありまして、世界有数の企業に成長しているところであります。

 本県では、半導体分野における産業集積に磨きをかける取り組みとして、LSIクラスター形成推進会議を中心に、進出企業と地場企業が連携して技術を磨き、経営力を高め、ビジネスチャンスの拡大を図ってきたところであります。また、半導体で培った技術や人材を活用して、エネルギーや医療機器といった今後成長が見込まれる新たな産業への参入も促進しております。

 引き続き、半導体産業を初め、県内の産業活力の創造と雇用の場の確保に全力を傾けていきたいというふうに考えております。



○元吉俊博副議長 山本商工労働部長。



◎山本和徳商工労働部長 私からは、地域経済への影響に関する試算についてお答え申し上げます。

 日出工場につきましては、現在、日本テキサス・インスツルメンツ社が従業員の雇用継続を第一に考えながら譲渡先の特定に最大限の努力を行っているところでございます。このため、現時点においては、お尋ねのような経済的損失の試算は行ってございません。しかしながら、取引企業や地元の雇用への影響につきましては、十分注視していかなければならないというふうに考えております。

 県内の取引企業につきましては、日出工場閉鎖に伴う影響について、各社と意見交換をし、情報収集をしているところであります。今後とも、県としてしっかりフォローアップしていきたいというふうに考えております。

 また、議員ご心配のとおり、工場が閉鎖されまして、従業員の皆様方が再就職できないというような場合が起きた場合には、地元経済への影響は避けられないと考えられます。この認識のもと、今、知事からも答弁申し上げましたけれども、万一、雇用への影響が生じる場合には、必要な対策をしっかりと実施してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 今後、来年六月までのTI日出工場の業務状況は、知事も今ご答弁ありましたように、三月、六月と段階的に生産を停止する計画と伺っております。そのため、工場閉鎖は来年の六月ですが、半年後の三月末には二百名ほどが解雇されてしまうかもしれません。

 県民五百名の生活と雇用を守るという観点からも、再就職について支援を期待するとともに、日出町及び地域経済に及ぼす影響も大きいだけに、譲渡先が決まらなかった場合に備えて、県として、その影響を最小限にとどめられるよう事前対策にも取り組んでいただきたいと思いますが、本日お見えの方々もほっとされると思います。再度、今後の対応についてお聞かせください。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 日本TI社の和田社長にたびたびお目にかかっていますけれども、大変、日出工場の従業員がすばらしいパフォーマンスをやっていただいているということで、そのことを一つのセールスポイントにしながら企業の譲渡先を探しているんですというお話でございます。

 私どもとしては、TI社がそうやって譲渡先を探しているということでございますから、それを注意をして注目しているというところでございますが、円滑に譲渡先が見つかるように、こういう応援の仕方がありますよということで、企業に対する応援、譲り受け先への応援等について説明をして、それもひとつセールスポイントにしておいてくださいということを言っているところでございます。

 あわせて、おっしゃるように、今は、とにかく従業員の雇用を考えながら、従業員ごと譲り受けてもらうようなところを探しているということでございますから、それを注目しておりますけれども、当然のことながら、万一、そこがうまくいかない場合、あるいはまた、その中で、やっぱり一部は会社を離れていただかなきゃいかぬという場合もあり得ると思いますから、そういうことを念頭に置きながら、最後は従業員の皆さんのご心配が少しでも軽減されるように再雇用についていろいろ考えておくということは当然のことでございまして、もう既にいろんな勉強をさせていただいているところでございます。



○元吉俊博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 ありがとうございました。

 従業員の方々は、不安を抱えながら日々生活を送っていると思います。私の同年代の三十代でも再就職が厳しい現状の中、四十代、五十代の方々の再就職の厳しさは火を見るより明らかだと思います。この問題は非常に難しいと思いますが、今後も変わらず注視していただき、力強いご支援を切にお願いし、次の質問に入らせていただきます。

 次に、今、県民がとても関心を持っている大分トリニータへの支援方針について伺います。

 大分トリニータは、一九九四年に大分フットボールクラブとして発足以来、県民、企業、行政が三位一体で育てていくという思いが込められたチームとして、約二十年間、県民とともに歩んできました。

 その間、二〇〇二年に大分で日韓ワールドカップが開催され、県内でもサッカー人気が高まるとともに、大分にもトリニータというプロチームがあることを私も誇らしく思いました。

 翌年からはJ1に昇格、二〇〇五年には新監督の采配がシャムスカ・マジックとして注目を集め、二〇〇八年にはナビスコカップで優勝するなど、県民に夢と希望を与えてくれました。

 また、下部組織としては、トリニータジュニアを初め、トリニータサッカースクールやトリニータレディースで多くのサッカー少年、少女の育成にも力を入れるなど、県民に愛される地域のプロスポーツチームになっていることは間違いありません。

 しかし、二〇〇九年以降、チームは成績不振となり、J2降格とともに経営危機にも陥り、まさにチーム存続の危機に立たされることになりました。

 私も、これからの大分トリニータの活躍を期待していますし、大分トリニータが存続するためには三位一体となった支援が必要と考えております。

 J1昇格のため、一民間企業である大分フットボールクラブへ県が財政支援をするということについては、県民の中にもいろいろな意見があります。県としても、より多くの県民の理解を得ることが必要であると考えますので、幾つかの疑問にお答え願いたいと思います。

 来季、J1に復帰するため、今シーズンから導入されたプレーオフに進出するためには、チームの成績はもちろんですが、Jリーグからの借入金六億円のうち三億円を一カ月後の十月十二日までに返済する必要があります。これに対し、大分フットボールクラブは、まさに三位一体、県民、企業、行政からの各一億円の資金援助を求めました。その結果、県民やサポーターの皆さんのご協力により目標の一億円を大幅に突破することができ、地域経済を活性化する効果も大きいことから、行政も一億円の支援を決断したと説明を受けました。

 さて、大分トリニータの今後の見通しについてですが、このままJリーグに所属するための関門として、二〇一三年から導入されるクラブライセンス制度があります。この制度では、Jリーグに所属していくため、五十六項目にわたる基準を満たさなければなりません。その中で、トリニータにとって特に問題なのが財務基準です。三年連続の赤字のクラブまたは債務超過のクラブは、J1、J2に所属することができないことになっています。そのため、大分トリニータは、二〇一五年の一月までに債務超過を解消しなければなりません。残り約二年四カ月で約六億円をJリーグに返済しなければ、Jリーグの参加資格を剥奪されてしまうというとても高いハードルが待っています。

 来季、J1に復帰できたとしても、一年でまた降格する可能性もあれば、来季、残念ながらJ1に昇格できず、二年後にJ1に昇格する場合もあります。つまり、二〇一五年の一月までに債務を返済するための収支はいろいろなケースが想定されるわけです。

 今回の財政支援に当たっては、私は、知事もそのようなケースを想定した上で判断されたと理解していますが、県として、今後の大分フットボールクラブの経営に対しどのようにかかわっていくのか、再度の財政支援もあり得るのか、今後の支援方針について知事のお考えをお聞かせください。

 また、県内には、サッカーのほかに、バスケットボール、フットサル、バレーボールのプロスポーツチームがあります。どのチームも豊富な資金で運営されているわけではないと思いますが、もしこれらのチームが経営危機に陥るようなことがあった場合、県として、大分トリニータと同様に、財政援助も含めた支援策を検討されるのでしょうか、県の見解を伺います。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大分トリニータへの支援についてのご質問でございました。

 今シーズンからJリーグが導入したプレーオフ制度とクラブライセンス制度は、九億円を超える債務超過を抱えるトリニータには非常に高い壁となっております。

 今回、Jリーグへの三億円の返済という一つ目の壁を乗り越えなければチームの存続が危ぶまれるという事態でございましたけれども、そういう中、トリニータは、県民、経済界、行政による三位一体の取り組みとして、まず、県民の皆さんに一億円の支援を要請したところであります。

 私はかねてから、県民や経済界の皆さんのトリニータを支える気持ちとその気持ちにこたえるにふさわしいチームの成績というのが、やはり行政が乗り出すためには大前提だというふうに申し上げてきたところであります。

 結果として、わずか三カ月で一億二千万円を超える支援金が寄せられて、さらに、経済界もこうした県民の熱意にこたえるべく、一億円を目標とした支援に向けて動き出すなど、県民の皆さんのトリニータへの思いの強さを改めて感じているところでございます。

 このように、県民、経済界のトリニータを何とか支えていこうという熱意と、大分銀行ドームで一生懸命声援を送るサポーター、そして、これにこたえようと必死に戦うチームを見て、やはり行政としても三位一体の精神にのっとって、県民、経済界とともにチームを支える一翼を担っていこうというふうに決断したところであります。

 あわせて、トリニータの活躍による地域経済の活性化という面での効果につきましても大変期待をしているところであります。

 議員ご指摘のとおり、Jリーグに対する債務を完済したとしても、依然、債務超過の状況は続きます。

 県といたしましては、現在、職員を社長として派遣するなど、トリニータの再建に全力を尽くしているところであります。

 今後の財務見通しについては、何といっても、トリニータ自身が引き続き経営努力を尽くして、今回の県民、経済界、行政の三位一体の支援にこたえられる経営体となること、そして県民の皆さんが納得する成績を上げることが大切だというふうに考えております。それがまず第一の関門ではないかというふうに思っております。



○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 私の方からは、県内のプロスポーツチームへの支援についてお答え申し上げます。

 今回のトリニータの支援に当たりましては、もともとが三位一体の精神にのっとり設立されたチームであること、それから、地域経済への波及効果が大きいものであることということに加えまして、特に今回の支援についての県民、サポーター、あるいは経済界からの支援が私どもの予想をはるかに上回る規模で寄せられたというようなことを大変大きく受けとめております。そうした状況を見きわめた上で、行政として支援を行うとしたものです。

 そのため、他のプロスポーツチームについてどうするかということでありますけれども、地域活性化などに大きな役割を果たしていただいていることは十分に承知しておりますけれども、例えば支援というような観点から見た場合に、トリニータと同日に論ずることは難しいのではないかというふうに考えております。

 以上です。



○元吉俊博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 J1に昇格した場合の経済効果が、J2と比較し、最大九億円のプラスとなるという試算が先日公表されました。その経済効果に期待する県民も多いと思いますが、この試算について、詳しく知らない方もまだまだたくさんおられると思いますので、最大九億円プラスと試算した内訳と、きのう、知事の答弁の中で、経営努力により二年連続一億円を超える黒字決算となったと言われてました。一億円を超える黒字では、二年四カ月後の六億円の債務完済は難しいと思います。来年以降、どの程度の黒字幅が必要とお考えでしょうか。場合によっては、大分トリニータをJリーグへ存続させるために、再度の財政支援が必要となるのではないでしょうか、あわせてお聞かせください。



○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 経済波及効果の詳細についてでございますけれども、こちらにつきましてはいろいろなところで報告させていただいているところでありますけれども、特にJ1に上がりました場合、まず、観客動員数の増が期待できること、それから、Jリーグからのいただけるお金がふえるということ、それから、グッズ販売でありますとか、あるいは、非常にネームバリューの高いチームと戦うことになりますので、そういうチームと戦うことによります、例えば、放映権料ですとか、そういうもの等を合わせまして、先日お示ししたような効果が期待できるというふうに理解していただければと思います。

 それから、今後どの程度の黒字幅をということでございますけれども、これはせんだっての質問に対する答弁でも知事の方からお答えしましたけれども、現在、Jリーグの方からのいろいろ指導を受ける立場にある関係もございまして、例えば、チーム人件費等については非常にやはり厳しい状況にございますので、仮にJ1に昇格したとしましても、それほど一気に収支が大きく改善するという、決して甘い期待は持ちにくいのではないかと考えております。

 現在、一億という、大体一億強を黒字幅の一つのめどとして、会社、努力いたしているところでありますけれども、今後はそれに、J1の昇格があれば、さらに上積みはできると思いますけれども、そこに余り過度の期待をするのも難しいと考えておりますので、やはり着実な経営を進めていく中で、今の状況に幾らかでも上積みをしながら、今後の堅実な経営を続けていくということになるかというふうに考えております。

 以上です。



○元吉俊博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 実際に、最大九億円のプラスの経済効果があればうれしいことですが、トリニータへの財政支援のための試算になったと言われないように、今後、その経済効果を検証し、ぜひ公表していただくとともに、議会としてもしっかりチェックをさせていただきたいというふうに思っております。

 今まさに大分トリニータ復活劇の勝負のときであろうと思います。監督、選手の皆さんのご尽力とご活躍を心よりご祈念申し上げ、県民、サポーターの一丸となった応援によりJ1に昇格できることを切望するとともに、いずれ大分トリニータが順調な経営状態になることを願い、次の質問に移らせていただきます。

 次に、精神科救急医療体制について伺います。

 厚生労働省の調査によると、全国の平成八年から平成二十年の間で医療機関にかかる患者数が、四疾病と言われる、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病では大きな増減が見られない一方、精神疾患の患者数は約四八%増加しています。県内の患者数は、平成十三年の二万四千百八十人から平成二十三年の三万四千七百三十六人へと、十年間で約四四%も増加しています。

 一方で、県内の精神科病床数は、県の医療計画が定める四千三百二十一床を約二割超える五千二百五十床で、人口十万人に対する病床数でも全国平均を大幅に上回っている状況です。このため、一般的には精神疾患患者の増加に対しても十分に対応できているのではないかと考えられます。しかし、大分県精神保健福祉会の藤波会長に話を伺いますと、「休日や夜間における受け入れ体制が整っていないということが本県の精神科医療の重大な問題である。夜間、受け入れ先のない状態で不安な一夜を過ごすご家族のご苦労は相当なものだ」ということでした。

 民間病院の多くは診察時間が平日の十七時までであるため、他県では、休日や夜間は県立病院などの公立病院で対応する場合が多いようです。しかし、本県には、精神保健福祉法で設置が義務づけられている県立の精神科病院がありません。全国でも設置がないのは、本県と佐賀県、鳥取県の三県のみということです。ただし、佐賀県や鳥取県では国立病院機構の医療センターでの精神科救急医療体制が充実しているのに対し、本県の体制は佐賀県や鳥取県と比較しても不十分と言わざるを得ません。

 現在、自傷他害のおそれのある患者を入院させる措置入院は、県の指定を受けた民間病院が輪番制をしくことで二十四時間対応となっていますが、県内一カ所の指定病院で、さらに限られた病床数となると、おのずと入院の基準が厳しくなったり、患者を長距離搬送しなければならなかったり、精神と身体合併症のある患者の受け入れが難しかったりなどの問題が残ります。また、緊急に入院させる必要のある応急入院については、指定病院で平日の日中のみの対応にとどまっています。

 身体合併症患者の受け入れは、来月より大分大学医学部附属病院で二床を確保し、二十四時間対応できるようになることは一歩前進ですが、二十四時間の救急医療体制とは、まだまだ距離があるように感じます。

 一方、精神科救急医療のサポートを担っている精神科救急電話相談センターは、休日、夜間の時間帯において救急的な精神科医療に関する相談に応じることを目的に開設され、平日は十七時から二十一時、休日は朝九時から二十一時まで、相談員二名体制で対応されています。相談件数を見ますと、昨年度は千六百二十五件と年々増加しています。これだけの件数があれば相談員の方は大変なご苦労があるかとお察ししますが、この電話相談センターを休日、夜間の診療体制を補うものとして、開設時間の延長や相談員の増員など体制の拡充をぜひお願いしたいと思っています。

 以上のように、県立病院での精神科病院の設置も含め、二十四時間の診療体制の整備をお願いしたいと思いますが、今後の取り組みについてお伺いします。



○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 それでは、お答えいたします。

 本年の四月に精神保健福祉法が一部改正されまして、夜間、休日における電話相談など、都道府県による精神科救急医療体制整備の努力義務が規定されたところでございます。

 夜間、休日に対応する精神科救急電話相談センターの開設時間の延長につきましては、相談内容の分析や利用者、家族会等のご意見も参考にしながら、委託先である県精神科病院協会と協議してまいりたいと考えております。

 また、県立の精神科病院の設置につきましては、複数の精神保健指定医の確保や基準病床数の制約等解決すべき課題があるため、今後とも病院局や大分大学医学部、県精神科病院協会などの関係機関と協議を継続してまいります。

 なお、県では、措置入院について、民間指定病院の協力を得て二十四時間体制を整備しておりますが、これに加え、大分大学医学部附属病院の協力により、身体合併症の救急患者をこの十月から受け入れることとしております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 精神科の二十四時間救急医療体制整備については、平成十六年以降、県議会でもたびたびお願いをしておりますが、全国的に見て、本県が最もおくれているという現状には余り変化がないようです。

 県立病院での設置には課題も多く、まだまだ時間がかかるようですが、家族会の皆さんのご苦労を思えば、いつまでも待つことはできません。

 そこで、昼間の病床数は十分に足りているということであれば、例えば、県立病院が担うべき休日、夜間の対応を民間の病院に補助金を出して補ってもらうということも一つの方策ではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。



○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 今ご提案のありました民間病院の病床を利用できないかということについてでございますが、やはり二十四時間体制、措置入院は二十四時間体制でございますけれども、応急入院、こういったところにつきまして、現在、応急入院が平日の昼間はできておりますけれども、では、そういう民間病院に果たして余力があるのかどうか、これは精神科病院協会の先生方と詳しくまたお話をしないといけないんですけれども、なかなか、お医者さんの確保ができないとか、そういう体制の問題もございますので、ただ、そういう提言につきましては、また、家族会であるとか、それから、今申しました精神科病院協会、それから、指定医を養成していただく大分大学の教授などと協議をしてまいりたいと思います。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 夜間に発病し、やむなく隣県の病院に家族が連れていくケースもあるそうです。さまざまな対策や対応も含めて、この精神科救急医療の二十四時間体制については、早期に実現できるよう、私も今後、一緒に議論を深めていきたいと思っておりますので、引き続きご指導のほどお願いし、最後の質問に入らせていただきたいというふうに思います。

 県民の安心、安全を守るため、本県も早急に策を講じることを迫られている住宅、建築物の耐震化について伺います。

 東日本大震災と原発事故から一年半を迎え、本県でも防災についてのさまざまな取り組みが進んでいます。

 防災、安全のまちづくりについての基本的な考え方は、災害の発生を最小限に抑え、被害の拡大を防止することです。

 阪神大震災時では、死者の九二%が地震発生直後、十五分以内に、住宅倒壊のため、犠牲となりました。その死因の約八〇%が建物の倒壊による圧死と窒息死というデータがあり、しかも倒壊した建物の大半は昭和五十五年以前の建築基準法による旧耐震設計基準の建物であったため、もしその当時の建物のすべてが新耐震設計基準であったなら、犠牲者の数は激減していたと言われています。

 一方で、住宅の倒壊により避難所や仮設住宅で生活することになったことが原因で体調を崩して亡くなる方も多く、震災関連死を減らす最善の方法は自分の家に住み続けてもらうことだという意見もあります。

 これらさまざまな災害からの教訓を生かし、安全なまちづくりのため、さらなる防災整備を進めなければいけない状況の中、まず、住宅の耐震化についてお尋ねします。

 平成二十年住宅・土地統計調査によると、県内の持ち家は二十九万二千七百戸、昭和五十五年以前に建築された住宅が四五%の十三万二千五百戸を占め、そのうち耐震診断を実施していたのは、わずか一・八%の二千四百戸にとどまっています。これは、全国平均の五・四七%を大きく下回っています。また、耐震診断を受診した結果、四二%が耐震不足と診断されていることから、県内には約五万から六万戸の耐震性不足の住宅があると推計されます。

 私は、少なくとも耐震診断だけでもすべての対象となる住宅に受けてもらい、我が家の耐震性を確認する必要があると考えます。

 現在、一戸建て住宅には国や県からの上乗せ補助もあり、県内すべての市町村で耐震診断を受けるための補助制度がありますが、その利用状況はどのようになっているか、お聞かせください。

 また、他県においては、静岡県や山口県では耐震診断費用を無料にしています。福岡県では、一律三千円の自己負担で耐震診断を受けられるようにして、受診率の向上を図っています。本県においても、耐震診断の受診率向上に向けて、啓発活動や受診料の無料化等、一層の取り組みが必要と考えます。

 一方、国は一戸建て以外の住宅も補助対象としており、実際に集合住宅の耐震診断への補助制度を設けている自治体もありますが、本県にはありません。

 集合住宅に対する耐震診断の推進もあわせて行う必要があると考えますが、耐震診断の受診率向上について見解を伺います。

 次に、住宅の耐震改修についてです。

 大分県耐震改修促進計画によりますと、住宅の耐震化率を平成十七年時点の六八%から平成二十七年までに少なくとも九〇%に引き上げるとしています。住宅の建てかえや新築が進めばこの数字はおのずと上がっていきますが、古い住宅の耐震改修は、かなりの費用がかかるということが最大のハードルとなり、なかなか進んでいないのではないでしょうか。

 今後、県がどのような政策で住宅の耐震化率九〇%の目標を達成しようとしているのか、お聞かせください。

 最後に、既存建築物の耐震化について伺います。

 年二回、建築物防災週間に行われる建築物に関する調査結果が八月に国土交通省より公表されました。その中で、建築物の外壁材や窓ガラス、屋外広告板の耐震対策について伺います。

 この調査の対象となる建築物は、都市部の建築物が建ち並ぶ人の多い場所や地域防災計画に位置づけられた避難路沿いの建築物です。当然、地震で避難する際は、多くの人がその建物の下を通るという前提であることから、その建物の地震対策ができていないということは、避難の途中で外壁材や窓ガラス、広告看板が落下してくるおそれが高いということになります。そのような建築物に対しては早急に地震対策が行われることが望ましいのですが、もし何度も指導を行っても対策が進まないのであれば、その危険性のある建物は住民が知っておく必要があるのではないでしょうか。公表することに問題もあるでしょうが、行政がその危険性を把握しておきながら住民に知らされないということは、さらに問題があると考えますが、見解を伺います。



○元吉俊博副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 四点につきましてお答えをいたします。

 まず、住宅の耐震診断の受診状況でございます。

 住宅の耐震診断につきましては、平成十八年度から木造住宅耐震化促進事業を創設し、昭和五十六年以前に建てられた木造一戸建て住宅を対象として、三万円を上限に、耐震診断にかかる費用の三分の二を補助しております。平成二十三年度末までの利用件数は二百四十一件でございます。

 続きまして、受診率の向上についてお答えいたします。

 耐震診断補助に加えまして、平成二十一年度から耐震やリフォームを考えている人が自己負担三千円程度で建築士から専門的なアドバイスを受けることができる制度を創設し、受診率の向上に取り組んでおります。

 マンションなどの集合住宅につきましては、毎年、財団法人マンション管理センター等と共同して地震対策研修会等を実施しております。

 本県の住宅状況は、平成二十年の住宅・土地統計調査によりますと、昭和五十五年以前の住宅では、木造一戸建て住宅が七四・五%で最も多くなっております。このことから、集合住宅の耐震対策も重要だと認識しておりますけれども、まずは木造一戸建て住宅の耐震化を優先的に進めているところでございます。

 続きまして、住宅の耐震化でございます。

 平成二十一年に実施いたしました県民意識調査によりますと、耐震補強工事を行わない理由として、「費用がかかる」「耐震性があると思っている」などの回答があり、個人の費用負担と地震に対する危機意識不足が耐震化の進まない主な原因と考えております。

 費用負担の軽減につきましては、国庫補助制度を活用して県と市町村で助成を行っており、さらなる制度の活用を図っていきたいと考えております。

 危機意識不足につきましては、これまでのテレビや新聞等を活用したPR活動に加え、学校教育等を通じた防災・耐震教室や各自治会ごとの説明会などを開催し、目標達成に向け、取り組んでまいりたいと考えております。

 既存建築物の耐震化でございます。

 建築基準法に基づく既存建築物の地震対策調査の結果、改修が必要な建築物等の所有者、管理者及び報告のない所有者、管理者に対しまして、その都度、是正指導を行っているところでございます。

 公表につきましては、個人情報や財産権の問題もあることから慎重に対応する必要があると考えております。しかしながら、避難路沿いの建築物の安全確保は県民の生命にも関係することであり、特に悪質あるいは危険性の高い違反建築物の場合は、建築基準法等による厳正な対応を行うこととしております。

 なお、県では、昨年度、地震発生時に建物倒壊により道路を閉塞する危険性のある緊急輸送道路沿いの建築物調査を行い、今年度は対象建築物の耐震診断、耐震改修に向けた意向調査を所有者、管理者に行っているところでございます。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 三浦正臣君。



◆三浦正臣議員 内閣府が八月二十九日に公表した南海トラフ巨大地震でも、県内の大きな被害が予想されています。そして、当然ですが、これらの地震はあすにも起こるかもしれません。

 今回、防災という面から多岐にわたる耐震化について質問させていただきましたが、安心、安全なまちづくりに県としてさらなる迅速な対応をお願いし、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○元吉俊博副議長 以上で三浦正臣君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午後零時 休憩

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     午後一時三十四分 再開



○志村学議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。渕健児君。

  〔渕議員登壇〕(拍手)



◆渕健児議員 三十二番、自由民主党・無所属の会、渕健児でございます。

 質問通告に基づきまして、これから質問を展開してまいりたいと思います。

 本日は、大分市の東部を中心に、いろんな方々が傍聴においでいただいておるようであります。いつも私の議員活動にご関心をお持ちくださり、いろいろとご指導、ご支援をいただいておりますこと、この場をかりて御礼を申し上げたいと思います。

 それでは、早速、質問に入ります。

 地方分権改革についてであります。

 国の出先機関改革など地方分権改革について質問をいたします。

 平成二十二年に地域主権戦略大綱が閣議決定され、その中で国の出先機関原則廃止の方針が打ち出されました。

 知事は、千載一遇のチャンスととらえ、九州地方知事会長として、国の出先機関の受け皿となる九州広域行政機構の設立を提案され、これまでその実現に向けて精力的に取り組んでこられました。

 県議会といたしましても、広域行政・行財政改革特別委員会を設置するほか、九州各県議長会に設置された広域行政懇話会にも参加するなど、この構想に対して真摯に私たちも取り組んでまいりました。

 ことし六月には、ようやく政府から国の出先機関を地方に移譲するための法律案が示され、平成二十四年通常国会への上程まで間もないと考えていたやさき、社会保障・税一体改革関連法案をめぐる国会の混乱や、何も決められない与党・民主党内での意見の不一致など、ある程度予想はしておりましたけれども、閣議決定に至らず、さきの国会が閉会したことは大変遺憾に思うところであります。

 しかしながら、九州地方知事会が提案された九州広域行政機構構想は、これまで省庁の根強い反対で実現しなかった国の事務、権限の大幅移譲につながる取り組みであり、分権型社会の実現に向けた大きな第一歩だと考えています。

 近いうちに衆議院の解散も見込まれ、出先機関改革についての政府の方針どころか、政権の枠組みも不透明な中ではございますが、今後、国の出先機関改革など地方分権改革について九州地方知事会としてどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。

 あとは対面席で行います。

  〔渕議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの渕健児君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 渕健児議員には、まず、地方分権改革についてご質問を賜りました。

 少子・高齢化や人口減少が進む一方で、経済のグローバル化、あるいは情報通信の高度化が進展しております。こうした社会情勢の中、各地域がそれぞれの課題に主体的かつ自立的に対応し、地域間、さらには海外諸地域との競争や連携ができるようにするためには、統治機構の改革が避けて通れない課題だと考えています。

 九州地方知事会におきましては、九州全体を活性化し、人々の暮らしを豊かにすることを目的に、各県連携によりまして広域的な課題を解決する政策連合の取り組みを進めております。また、主体的かつ先進的に国と地方のあり方を議論し、平成二十年には経済界と一体となって「道州制の九州モデル」を策定いたしました。

 こうした中、民主党政権は、平成二十二年六月に地域主権戦略大綱を閣議決定し、国の出先機関原則廃止を進めることとしたところであります。

 九州地方知事会では、この方針に呼応いたしまして、これを分権型社会確立の好機ととらえまして、同年十月に全国に先駆けて九州広域行政機構構想を提案し、国との協議を精力的に重ねてきたところであります。本年六月には、政府から、国の出先機関の事務、権限、人員、財源等を丸ごと受け入れるという九州の主張を取り入れた国の特定地方行政機関の事務等の移譲に関する法律案が示されたところであります。

 しかしながら、政府・与党間の調整がまとまらず、政府が約束してきた平成二十四年通常国会への法案提出は実現しませんでした。このことは私も大変遺憾に思っております。

 現段階での政府の方針は明らかではありませんけれども、九州地方知事会としては、政治の強いリーダーシップのもとで、国が責任を持って次期臨時国会への法案提出に向けて取り組んでいただきたいというふうに考えております。

 これまで九州地方知事会が地方の立場で主体的に制度設計に参画し、建設的な主張を重ねてきた結果、法案の形が具体的に示されたということは一つの成果だったというふうに考えております。

 当大分県議会におきましても、先ほどご紹介がありましたように、いろいろと取り組みを進めていただいておりますけれども、九州各県議会議長会でも、主体的に広域行政懇話会を設置いたしまして建設的な議論を行うなど、後押しをいただいておりまして、もう一息のところまで来ているというふうに考えます。政府には、約束どおり、法案の閣議決定、国会への法案提出の実現を期待したいというふうに思います。

 九州地方知事会といたしましては、これまでの活動実績を最大限に生かして、引き続き「九州は一つ」という思いで、九州各県議会との連携、市町村との意思疎通を図りながら、九州地域の活性化、住民福祉の向上を第一に、分権型社会の確立に向けて、さらに取り組んでいきたいというふうに考えているところであります。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 この九州広域行政機構構想なるものは、いわば分権型社会の実現に向けて大きな第一歩であった、こういうように思っておるわけでありますけれども、大切なことは、この大きなうねりを消さないよう、地方の声を粘り強く発信していくことが大切であろうと思っています。引き続き九州知事会の活動を期待いたしておりますが、我々議会も事あるごとに東京に向かって発信をしてまいりたいと思っておるところであります。

 次に、大分コンビナートの競争力強化についてお伺いします。

 大分コンビナート地区には、激しい世界競争の中で鉄鋼、石油精製、石油化学、化学工業などの基礎素材型産業が立地し、大分はもとより、日本のものづくり産業を下支えしてきました。

 品質や価格が安定した基礎素材が安定的に供給されることから、今日の日本の先端産業は世界をリードしてこれたと言っても過言ではないと思います。

 プラントの製造、設置、維持管理に大きな雇用が生まれ、県経済の発展に大きく寄与しています。また、毎年、定期修理やプラントの大改修などにより、多くの人たちが長期間にわたり大分に滞在するため、従事者の宿泊や飲食など、あらゆる面で幅広く地場企業が恩恵を受け、地域経済の発展につながっていると思っています。

 しかし、ここに来て、資源メジャーの巨大化、中国のレアアースに見られるように資源の囲い込み戦略に翻弄されて、鉄、石油、石炭などの原燃料が軒並みに高どまりしています。日本の省エネ技術など技術力の高さをもってしても、原料価格が倍近い価格になるようでは苦戦は免れません。しかも、長引く円高など取り巻く情勢は厳しいものがあります。

 また、近年の中国、中東地域における石油精製、石油化学への大型投資は目をみはるものがあります。特に、ナフサの十分の一と言われる安い原価の天然ガスを原料とするプラント、石油精製と石油化学が一体化した大規模コンビナートが中国、中東で立ち上がっています。

 そうした動きに対して、石油精製分野では、新日石グループとジョモグループが統合され、JXグループとなり、また、鉄鋼分野では、新日本製鐵と住友金属工業が十月一日に統合され、新日鐵住金となるなど、グローバル経済における競争力を確保するため、世界規模の合従連衡が進んでおります。

 こうした厳しい状況の中で、大分コンビナートが競争力を保ち、持続的な発展を続けられるために、さらなる連携強化が求められています。大分コンビナート立地企業十社の代表と広瀬知事、大分市長が会員となり、大分コンビナート企業協議会が七月二十五日に設立されました。まことに意義深いことであり、今後の大分コンビナートの持続的発展を大いに期待しているところであります。

 そこで、大分コンビナートの競争力強化について、会員でもある広瀬知事のご見解をお伺いします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大分コンビナートの競争力強化というのも大変大事な課題だというふうに考えております。

 昭和三十九年に大分市が新産業都市に指定されて以降、九州唯一となる石油精製所と石油化学コンビナート、そして日本屈指の製鉄所のほか、化学、製紙、電力など、大分コンビナートには幅広い業種がバランスよく立地し、活発な事業活動が行われております。

 今や四兆円を超える本県の製造品出荷額のうち、コンビナート立地企業の十社だけで、実にその四割を占めているという状況であります。

 このように本県経済の牽引役として、さらには地域雇用の核として、大分コンビナートには大変重要な役割を担っていただいております。

 また、同地区は、成長著しいアジアのゲートウエーとしての位置にあるほか、豊富な工業用水や大型船が接岸できる港湾施設を有するなど大きな潜在力があると思っております。六月には新日鐵大分製鉄所で、世界最大級となる四十万トン級の鉄鉱石運搬船が入港いたしました。この船が満載状態で接岸できるのは、日本で唯一、大分だけだというふうに聞いております。

 一方、大分コンビナートを取り巻く状況は厳しさを増しております。例えば、石油製品の国内需要は十年間で三割を超える減少が予測されております。また、歴史的な円高が続く中で、海外においても競争力のある大規模、最新鋭の製造拠点の整備が進められております。

 県では、これまでもコンビナート立地企業の設備投資への支援に加えまして、立地企業の連携した取り組みを後押しをしてきたところであります。具体的には、平成十六年に連絡協議会を設置いたしまして、十八年には構造改革特区を活用した産業廃棄物の収集、運搬の効率化などを実現したところであります。この間、立地企業の連携は、特にエネルギーや副生物の利用の面で進んでおります。

 しかし、厳しさを増す状況の中で、大分コンビナートが今後とも国内外に対して競争力を持ち、持続的な発展を続けていくためには、ソフト、ハード両面において連携をさらに深めて、コンビナートとしての強みをより発揮し、コンビナート全体として競争力を高めていくということが大変必要になります。そこで今回、立地企業、県、市一体となりまして、大分コンビナート企業協議会を設立いたしました。

 コンビナート企業会では、まず、目指すべき将来像とその取り組みの方向性につきまして、競争力強化ビジョンとして取りまとめようというふうに考えております。そして、このビジョンに基づきまして、エネルギー、副生物の有効利用だとか、受け入れの共同化等による物流機能の強化だとか、あるいは、さらなる規制緩和や人材育成など競争力強化に向けた具体策を検討し、実行していきたいというふうに考えます。

 県といたしましては、このようなコンビナート企業会の取り組みを積極的に支援しまして、大分コンビナートの持続的な発展に向けた競争力の強化を実現してまいりたいというふうに思っております。そうすることによって初めて、大分コンビナートはこれからも立地を続けていかれるというふうに思っております。条件整備で、今ぜひやっておかなきゃならないというふうに思っております。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 行政ができることというのはおのずから限界があるわけでございますけれども、行政と企業が連携をしていくところに意義がある、こういうように思っております。そして、そこに信頼関係が生まれる、そこにまた知恵も生まれる、こういうことになろうかと思います。会員としての広瀬知事のご活躍を期待しております。

 次に参りたいと思います。

 障害者の歯科治療について質問をいたします。

 大分県では、昭和五十六年に障害者施策に関する初めての基本計画「障害者対策に関する大分県長期行動計画」をまとめました。平成六年には第二期の基本計画として「障害者施策に関する新大分県長期行動計画」を見直し、平成十六年には第三期の基本計画「大分県障害者基本計画」を策定し、今日に至っております。

 その基本計画の実施計画として、障害福祉サービスの提供体制の確保等について、平成十八年度から三年ごとに障がい福祉計画を作成してきております。障がい福祉計画も平成二十三年度で第三期目が策定されています。

 そこで、まず最初に伺いますが、身体障害者、知的障害者、精神障害者、それぞれどの程度、県内におられるのか、把握の状況をお伺いします。



○志村学議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 それでは、お答えいたします。

 まず、身体障害者数は、平成二十四年三月三十一日現在で、身体障害者手帳所持者数の六万六千九百六十九人でございます。

 次に、知的障害者数につきましては、国の研究報告による出現率一・〇二%をもとに、本県では約一万二千人と推計しております。

 次に、精神障害者数につきましては、昨年六月三十日現在で、入院または通院により治療を受けている三万四千七百三十六名でございます。

 以上でございます。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 ありがとうございました。

 今の数字によりますと、ざっと大分県下では十人に一人、障害者がいるという認識に立ちまして、これから質問してまいりたいと思います。

 大分の障害者の方の歯科治療の体制その他についてお伺いしたいと思います。

 障害者の方の歯科治療には全身麻酔で実行しなければならないケースもあり、体制の整備が待たれています。

 大分県の現況について、設備の整備状況、歯科医師の体制、治療の実績及び全身麻酔症例などがどの程度あったのか、また、待機している患者の状況はどういう状況にあるのか、お伺いします。



○志村学議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 大分県歯科医師会が一昨年、障害者の受け入れについて調査した結果によりますと、回答の得られた四百七十二歯科医院中、程度により受け入れ可能な歯科医院は三百三十一、すべて受け入れ可能は十三となっております。

 障害者の歯科治療で問題となるケースは、知的障害、発達障害を中心に歯科治療に対し恐怖心が強い、協力度が低いため、口をあけることを拒否する、自分で口のあけ方をコントロールできない等でございます。

 通常の治療が困難なケースでは全身麻酔等を用いた治療を行う場合がありますが、それに対応しているのは、外来診療を行う大分療育センターと、週一回、全身麻酔治療を行う別府発達医療センターの二施設でございます。

 障害者歯科治療の実績についての統計はございませんが、大分療育センターの平成二十二年度の実績は一日平均十八・九人、別府発達医療センターの全身麻酔症例は年間三十三例となっております。全身麻酔を要する待機患者は、現時点で十名程度となっております。

 以上でございます。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 大分県の障害者の方の歯科治療の体制というのも大体わかりました。

 待機も十名程度と今伺いましたけれども、私に入っている情報では、もうちょっとあるようなことも伺っておりますが、いずれにいたしましても、かなり設備が他の県に比べて大分はおくれておるというのがもう率直な私の感想であります。

 ちょっと調べてみましたら、九州七県の中で、福岡、それから鹿児島と長崎、これは、それぞれ歯科大学とか、そういう関係もありまして、相当に整備されておるようであります。それから、次が沖縄がいいと聞いております。あと、熊本、宮崎、最後に大分だと。ランクをつけてもらったら大分は七位ですと、こういうこと言われておるわけです。ということは、そういう障害者に対する歯科治療の体制が大分は随分おくれておるというのがもう率直な感想であります。

 このことにつきまして、何とか設備を、体制づくりをぜひしてほしいと思うんですけれども、部長、いかがですか。



○志村学議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 議員おっしゃいますように、今、県の歯科医の先生方が、障害のある方の治療について、私どもの研修に一緒に参加していただく、非常に積極的に参加していただいております。ただ、やはり高次の、高いレベルの歯科医療機関の充実につきましては、これまでも働きかけを行っているところでございますが、麻酔、それから障害者の歯科治療に関する専門的なお医者様を確保する必要があることから、現在まだ進展してない状況にございます。

 今後とも大分県歯科医師会と十分連携しながら、全身麻酔が可能で、歯科を併設している既存の医療機関などに対して、障害者歯科医療への理解と協力を求めてまいりたいというふうに考えております。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 全身麻酔等の治療が大分ではしにくいということで、福岡あたりに行っておる方も何人かあるように伺っております。このような状況の中でありますので、ぜひその高次歯科医療体制について、これからもう少し性根を入れてやっていただかんといかぬと思っております。

 そういう思いを込めて、ちょっと質問でありますけれども、障害者の施設側は、歯科の定期健診を行う義務がないために、入所施設と通所施設では受診させるための対応の違いがあります。本人からの訴えがあって初めて、家族に連絡したり、歯科受診を受けるというようなこともございまして、健常者に比べますと、もう後手から後手にいっておるというのが現状であります。

 そういうようなことにかんがみまして、歯科医師会では数年前から、障害者のために会員みずからが研修を始めまして、大分県障がい者歯科保健地域協力医育成事業というのを開始しまして、大分県下で百七カ所、そういう歯科医師の体制をつくっておるようであります。しかし、これはもうすべてできるわけでねえで、何かができればという形で、今、大分県が設備が乏しいものを補っていこう、こういう思いでつくっておると思っております。これは、歯科医師会の思いを私たちは評価してあげなければいけないと思っております。

 そういう現状でありますので、賢明な部長のことですからよくおわかりのことと思いますが、ぜひ予算の獲得等にも動いていただいて、これからも一層整備に向けてご努力をいただきたいと、心からご期待を申し上げる次第であります。

 時間がございませんので、ちょっと先を急がせていただきたいと思います。

 教育問題に入りたいと思います。

 教育問題は、いじめ対策と大分県青少年の健全な育成に関する条例の見直しを求め、性教育の問題点、条例改正の必要性について質問をいたします。

 いじめ対策について伺います。

 大津市で中学生が自殺した問題を受けて警察が強制捜査に踏み切るなど、その問題の大きさ、深刻さが浮き彫りになってきました。

 学校現場では、昔から、いじめや暴力行為などに対して警察の介入を避けたがる、いわゆる警察ざたを回避する風潮がございます。その理由として、子供たちの人権や将来を考えた教育的配慮という美名のもとで、学校教育の事なかれ主義が透けて見えます。

 私は、いじめ問題の解決のためには、地域、親、行政との連携が大切で、特に犯罪的ないじめには毅然とした対応が必要であり、警察の介入をちゅうちょすべきではないと考えています。

 大津市教育委員会の教育長がハンマーで殴られ、重傷を負う事件が起きました。確かに、教育長の責任逃れの対応には批判が強かったけれども、暴力に訴えるのは論外であります。

 ほかにも、殺害、爆破予告や刃物を同封した脅迫文、脅迫電話が相次いでおり、滋賀県警が被害届を受理しただけで四十件にも上るとのことであります。このため、市の教育委員会が入る市役所の本庁舎には警備員を増員し、学校関係者の自宅も機動隊が常駐して身辺警護に当たっているとのことであります。おかしなことになっております。

 改めて、学校の自治、教育の自律について、今までどのような努力がなされてきたのか、学校の自治、教育の自律はどこへ行ってしまったのか、事ここに至るまでできることはなかったのかと言わざるを得ません。

 さて、本県において、いじめ問題ですが、昨年、二十三年度の調査結果が公表されました。いじめ件数は二千三百九十四件で、児童生徒千人当たりのいじめ件数十八・三件、熊本県に次いで全国第二位と伺い、驚いています。大分も例外でなく、さまざまないじめ問題が発生しているのではないかと危惧しています。

 そこで知事に伺います。

 まず、いじめ問題の解決に向けた総合的な対策についての見解を伺います。

 次に、教育委員長と教育長にも伺います。

 いじめ問題について、学校としての解決のありよう、警察の介入、学校の自治、教育の自律について見解を求めます。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大津市におけるいじめを背景とした中学生の自殺については、非常に痛ましい事件でありまして、私どもも重く受けとめているところであります。

 子育て満足度日本一を目指す大分県として、子供が安心して安全な学校生活を送れるということは学校運営の基本であるというふうに考えております。

 いじめは絶対に許されないことであります。そのためには、思いやりの心を育て、道徳心や社会規範をしっかり教え、子供が安心して学べる、いじめのない学校づくりに全力を挙げて取り組む必要があります。

 残念ながら、現実としては、いじめはどの学校でも起こり得ることですから、その覚悟を持って、学校長を先頭に一丸となって、保護者や地域の方々の協力も得ながら、いじめの早期発見と早期対応に努めることが大事だというふうに考えております。

 いじめを発見した場合には、事実関係をしっかりと把握し、的確な指導を行うとともに、教育委員会とも十分に連携を図ることが必要だというふうに思います。

 最近のいじめは、インターネットを使ったものなど原因や実態が大変複雑化しておりまして、学校の中だけで対応が難しい場合には、スクールサポーターや警察、児童相談所、福祉機関等とちゅうちょなく連携をして、解決に向けて取り組んでいかなければならないというふうに思います。

 県教育委員会では、スクールカウンセラーを拡充いたしまして教育相談体制を強化するとともに、いじめ対策に関する指導資料を全教員に配布するなど、これまでもいじめ対策に取り組んでまいりました。

 先月も、私立学校を含めたすべての学校の生徒指導主任を集めまして、緊急の研修会を開催したところであります。その中で、いじめ発見のチェックポイントの確認やアンケートの工夫、担任任せにせず、生徒指導主任を中心とした組織的な取り組み、警察など関係機関との連携の推進など、いじめ対策の徹底を指導しているところであります。

 今後とも、県教育委員会が市町村教育委員会や関係機関と協力して、総合的ないじめ対策を推進できるように、我々も期待し、支援をしていきたいというふうに考えております。



○志村学議長 岩崎教育委員長。



◎岩崎哲朗教育委員長 それでは、私の方からは、いじめ問題と学校としての解決のありよう、そして、警察の介入等に関しまして、学校の自治、教育の自律について考え方を述べさせていただきます。

 先ほど県議も最初の方でご指摘のあったとおり、それから、先ほど知事の答弁でもございましたとおりでございまして、いじめは決して許されるものではございません。しかしながら、現に多くのいじめが学校現場で存在する、これも事実でございます。

 学校といたしましては、組織としてこの未然防止に努めなければいけない。いじめを起こさないようにする体制を組織的につくり上げていく、徹底していくということが重要であるというふうに考えております。

 このいじめを発見した場合には、迅速に対応することが何よりも重要でございまして、まず、被害生徒を守るということが第一だと考えております。それとともに、いじめの背景を的確に把握いたしまして、加害生徒に対しましては毅然とその非を正すとともに、周囲の子供たちはどのような態度だったのか、傍観者であった場合には、その善悪を考えさせる必要があるというふうに考えております。

 学校におけるいろいろな指導や授業、教育の中で、こういった姿勢を身につけることが非常に重要だというふうに考えているところでございます。

 いじめの解決は、このようなプロセスを通しまして、子供たちに必要な人間性、倫理観、そして正義感が獲得できるようにすることが重要であると考えているわけでございます。

 このような取り組みを学校が責任を持って主体的に行うということが、議員のご指摘されました学校の自治、そして教育の自律ということになるのではないか、このように考えるものです。

 しかしながら、いじめ問題、これを学校だけで十分に対応できるかどうかということにつきましては、なかなかそうはいかないという事案もふえているところでございます。特に、子供にとりまして、その安全が脅かされるような場合には、ちゅうちょなく警察の力をかりてでも子供を守るということが必要なことだというふうに考えております。

 以上です。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 私からも、いじめ問題と学校の自治、教育の自律についてお答えをします。

 ただいま教育委員長が申し上げたとおりでありますが、いじめは現実的にはどの子にもどの学校にも起こり得るということでありまして、その兆候をいち早く発見し、迅速に対応することが重要です。

 県教育委員会では、すべての学校で研修を実施し、いじめ対策の徹底を図るよう指導しており、今後とも、市町村教育委員会と連携をとりながら、安全、安心な学校づくりを進めてまいりたいと思います。

 以上です。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 どうも皆さんありがとうございました。

 実は、四十年間、公立中学校で勤務され、退職後、いじめ、不登校対策に取り組んでおられます東村先生という方がおられます。彼は、「いじめには第三者なし」と言っておられます。「だれもが第三者のように風当たりを避けている雰囲気がある。教師も生徒も保護者も教育委員会も、すべて当事者であり、逃げてはいけない」と言っておられます。含蓄のある言葉だと私は思います。

 それぞれが役割を果たすことに尽きると思います。私自身、今後もいじめに、より関心を持ち、当事者の一人として努力をしていかなければと決意をいたしておるところであります。

 次に参りたいと思います。

 大分県青少年の健全な育成に関する条例の見直しを求め、学校現場における性教育の実態や児童ポルノ事件などについて質問をいたします。

 私は、平成十九年第四回定例会で、大分市を中心に県下の小中学校における性教育の現状を調査したひどい実態を議場で報告し、改善を求めてきました。

 当時の広瀬知事、小矢教育長、波多野教育委員長、皆さん、大変驚かれ、改善、指導に努力する旨の答弁をいただきました。

 五年が経過しておりますけれども、どのように改善されたのか、教育長に伺います。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 県教育委員会では、平成二十年度と今年度、性に関する指導の実態把握を行うとともに、市町村教育委員会等に対して、性に関する指導を行う際には、学習指導要領に基づいて組織的、計画的に実施すること、発達段階に応じた内容とすること、保護者や地域の理解を得られる内容とすること、集団指導と個別指導とを相互に補完することについて、研修などを通じて、毎年指導を行ってまいりました。これにより、現在、各小中学校では、学習指導要領に基づき、性に関する指導を教育課程に位置づけ、適切に実施されています。

 また、大分市においても、市が作成した全体計画と年間計画のモデルに基づき、学校教育活動全体で計画的に実施しており、以前、一部の学校で見られた行き過ぎた指導は改善しています。

 以上です。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 ありがとうございました。

 私も、正直なところ、いろんなことを調べてみますと、かなり改善されてきたという思いは持っております。

 ただ、後でちょっと質問で出てまいりますけれども、平成十八年に安倍政権が誕生いたしまして、教育基本法が改正されました。そして、新教育基本法が制定され、平成十八年十二月十二日に施行されました。これにより新学習指導要領が定められ、小学校は平成二十三年の四月から、中学校は平成二十四年の四月より完全実施となっています。

 新学習指導要領、保健に関する記述について、主な改善点はどのようなことになっておるのか、伺います。

 同時に、過激な性教育を実践してきた学校現場を方向転換させ、この新学習指導要領を周知徹底、遵守させる対策について伺います。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えをします。

 新学習指導要領の保健に関する改訂について。

 主な改善点は、指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮することが大切とされたことであります。

 新学習指導要領の遵守についてですが、県教育委員会では、性に関する指導の実態把握を行うとともに、研修等を通じて教職員に対して適切な指導を行うよう指導しております。

 今回、新学習指導要領が全面実施となったことを受けて、その主な改善点である「発達の段階を踏まえること」などについて、改めて徹底を図ったところであります。

 今後とも、性に関する指導が学校教育活動の中で適切になされるよう、市町村教育委員会を通じて指導するとともに、養護教諭等を対象とした教職員研修を毎年度開催をし、周知に努めてまいります。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 一つの例えですけれども、大きな船が簡単に方向転換ができないように、学校現場の戸惑いとか方向転換は受け入れられないと考えている先生も、あるいはいるかもしれません。学校間でかなりの温度差があるのではないかと心配しています。

 今、教育長から新学習指導要領について大切なことが答弁なされましたけれども、私は、もう一つ大事なことは、ここに出ておりますが、主な改善事項の中で、指導に当たって配慮すべき事項というのがあるんです。その中に、学校全体で共通認識、共通理解を得ること、校長以下みんなが、どんな性教育をしているという、そういう認識を得ること、そのように努めてくださいと。それから、もう一つは保護者の理解を得ること。こういう項目がちゃんと載っておるわけです。だから、こういう点をきちっとしてもらうように、先生方には研修なり指導してもらわないといけないんじゃないか、このように思っておるわけであります。そういう点につきまして、ちょっと教育長の見解を伺いたいと思います。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 議員ご指摘のとおり、今回の学習指導要領で特に留意するという点、その二点でございます。

 私の方も今年度の性に関する指導の調査において、まさに学校全体の理解のもとに進めているのかという点と保護者の理解を得ているのかという点については、項目を起こして調査をしております。

 ひとりよがりにならない、学校として学習指導要領に沿った教育ができるように、そしてまた、保護者からしっかり支えられる、支持される内容であるように、そういうことに留意して進めてまいりたいと思います。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 ぜひそういう点、十分ご配慮をお願いしたいと思います。

 これは大分県で起きたことかどうかわかりませんけれども、全国的ないろんな運動の中で一つ言われておることは、このプリントは家庭に持って帰ったらやばいから、記録を残さずに口頭で皆さんにと教えている教育現場も国内には結構あるというように伺っております。ですから、火は消えておるようである、火は消したようにあるけれども、火は確実に残っておるということも頭の中で認識を持っといていただきたいと思っております。そういう面では、地道な粘り強い指導が求められておると思っておりますので、ぜひその点につきましても頭の隅に置いとっていただきたいと思う次第であります。

 次に、学校現場におけるジェンダーフリー運動に関連いたしまして質問をいたします。

 六月二日、第九十回大分県教職員組合大分支部定期大会、六月二十二日、大分県教組第百五十一回定期大会が開催されています。その関係資料を取り寄せまして、私、目を通してみました。

 注目すべきは、運動方針の中に、一、教育の場におけるジェンダー平等教育を進めるために、教職員の意識の変容、向上を目指して、管理職を含めて職場の学習を深める、二、両性の自立と平等を目指す教育を県内すべての学校、学級で展開する、三、両性の自立と平等を目指す教育を教育課程や校務分掌に位置づけ、深化、拡充させると力強くうたっております。その結果として、学校では過激な性教育が実践をされて、子供たちが被害者になっているということが予想されるのであります。ここが問題なのであります。

 そもそも性教育は、生命はとても神秘的なもので、それをつなぐ性は神聖であり、性の奥にある大生命、サムシンググレート発見の機会であると言われています。心の教育を中心に、子供たちの発達段階に応じて教えるべきものであり、行き過ぎた性教育は、子供のためにも、社会のためにもならないのであります。

 長年にわたり、日教組を中心に彼らが積み上げてきたジェンダーフリー運動により、今、学校現場では、ジェンダーフリーの象徴的な現象と言われています男女混合名簿の採用や、運動会で男女一緒に騎馬戦をしたり、運動会のときに同じ教室で男女ともユニホームを着がえさせるなど、意図的に性差を感じさせない教育、男らしさ、女らしさを否定、このことが日本の古き伝統である家庭のきずなの崩壊につながりかねないと思うわけであります。そして、日本の文化や日本社会の否定、崩壊へと結びついていくのではないかと言わざるを得ません。教育長、どのようにお考えでしょうか、ご見解を伺います。

 あわせて、新学習指導要領と組合が実践をしようとしている学校現場におけるジェンダーフリー運動との矛盾点はないのか、整合性が見出せるのか、伺います。

 次に、性教育を語るとき、開放型性教育の発信元と言われています一般社団法人「人間と性 教育研究協議会」、これを性教協とも言います、の存在抜きには語れません。

 性教協の設立趣意書によりますと、「私たちが考える性教育の基本方向は、日本が歴史的につくり上げてきた性への偏見を払拭し、豊かな性を積極的に位置づけ、実りある人間関係を築く力を養うことにある。社会に人間性豊かな性文化を創造していく」とあり、道徳主義的、純潔至上主義的教育は時代や歴史に逆行するものと位置づけ、フリーセックスを助長させ、生命の尊厳性には全く触れてないのであります。

 この性教協が中心となり、資料や副読本がつくられ、当時、手探りで進んでいた学校現場に取り入れられ、五年、十年前の異常とも言える過激な性教育が発展するに至った背景があったと言われています。

 思春期の子供たちに自由な性を強調する教育と、自己抑制を強調する教育と、どちらが学習指導要領に沿った性教育なのか、教育委員長及び教育長にも見解を求めます。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 学校現場におけるジェンダーフリー運動についてお答えをします。

 県教育委員会では、ジェンダーフリーという用語を使用して画一的に男女の違いを一切排除するような指導は適切でない旨、各学校に周知し、趣旨を徹底するよう指導しております。

 また、騎馬戦の騎馬の構成が男女混合であったり、あるいは男女が同室で着がえるようなことは、発達段階によっては、児童生徒に羞恥心や戸惑いを感じさせるおそれが大きいことから、適切でない旨、指導しております。

 新学習指導要領では児童生徒の心身の発達の段階や特性を十分考慮して教育活動を行うとしており、児童生徒の心身の発達段階を踏まえない男女同室着がえなどは新学習指導要領の趣旨にそぐわないと考えています。

 次に、新学習指導要領に沿った性教育です。

 新学習指導要領及びその解説によると、中学校の指導内容は、思春期には生殖にかかわる機能が成熟し、女子では妊娠が可能となること、性感染症の予防方法を身につける必要があることなどを理解できるようにするとされています。

 また、身体的な成熟に伴う性的な発達に対応し、性衝動が生じたり、異性への関心などが高まったりすることなどから、異性の尊重など、適切な態度や行動の選択が必要となることを理解できるようにするとされています。

 このように、新学習指導要領に沿った性に関する指導においては、心身の発達に関する正しい知識を発達段階に応じて教えるとともに、自分の行動への責任感や異性を尊重する態度を醸成することが重要と考えています。

 以上です。



○志村学議長 岩崎教育委員長。



◎岩崎哲朗教育委員長 議員のご質問は、思春期の子供たちに自由な性を強調する教育と自己抑制を強調する教育のどちらが学習指導要領に沿った性教育なのか、その見解を求めるというものでございますけれども、実は、教育委員会といたしましては、先ほどから議員がご指摘のように、新学習指導要領にのっとった性教育が行われるべきであるというふうに考えているところでございます。

 先ほど教育長が説明いたしましたように、あるいは議員がご指摘ありましたように、この新学習指導要領では、発達の段階を踏まえ、保健の内容を体系化した上で、指導に当たっての配慮事項といたしまして、発達の段階を踏まえること、そして、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ること、こういったことが挙げられているわけでございます。それで、それぞれの学年に応じた適切な指導を行うべきだというふうにされておりまして、この学習指導要領にのっとった教育が一番望ましい、それが現実にも行われているだろうというふうに我々は考えているところでございます。

 問題となりますのは、近年、この性に関する意識や価値観が非常に多様化しているということでございまして、性情報のはんらんなど子供を取り巻く社会の環境、家庭環境が大きく変化しているということでございます。また、若年層の性感染症、それから人工妊娠中絶の増加、こういった性に関する健康問題も非常に深刻化しているところでございます。

 こういった課題に適切に対応するためには、先ほどから議員もご指摘の新学習指導要領の考え方にのっとりまして、生命や人格の尊重を基本といたしまして、児童生徒の発達段階や受容能力を考慮いたしまして、性に関する正しい知識を理解させるとともに、適切な態度や行動がとれるように、そういった育成をしていくということが重要である、こういうふうに考えております。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 ジェンダーフリー思想を信奉することは自由であります。しかし、果たして、こうしたものを学校現場に持ち込むことが教育的配慮に照らして是か非かと言えば、明らかに非であります。

 フリーセックスなど開放型性教育の発信元と言われておるんですけれども、先ほど紹介しました性教協です。八月の四、五、六、「第三十一回全国夏期セミナーイン山口」というのが開催されておるようであります。再来年は大分で開催されると聞いています。

 山口での大会の会場で、大分県のある教師が、過激な性教育を推進してきた教師でありますけれども、「今まで自分がやってきたことは間違っていなかった。これからも頑張っていきたい」旨の発言をされたとの情報が入りました。新学習指導要領には従わないとのメッセージにも聞こえるのであります。

 教育長、コメントをちょっと聞かせてください。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 現在、私の方が把握している限りにおいて、学校現場において、ジェンダーフリーの教育、あるいは、かつてその名前のもとに行われていたという不適切な内容が展開されているということは把握しておりません。

 組合の方針の中のジェンダー平等教育という内容についても、私自身、その内容がどんなものなのか、十分把握してない限りですので、その点についてコメントはできませんが、少なくとも現場において不適切な教育がなされることについては、しっかりと見ていきたいというふうに思います。



○志村学議長 渕健児君。



◆渕健児議員 視点を変えて質問します。

 性教育の現状を憂い、大分県で「性教育のあり方を考える研究協議会」代表安東利夫先生が立ち上がりまして、二〇〇九年度から学校を回り、生徒、PTA会員などに講師派遣事業を実施しています。

 青少年健全育成のために何かしなければとの熱い思いから、安東先生や助産師ら女性数名で希望する学校に出かけ、講演会を開くなど大変な努力が続けられており、年間に千名ぐらいの人を対象に活動を続けています。

 その活動に共鳴され、ソロプチミストなどから助成金が提供されるなど、運動の輪が、少しずつではございますけれども、広がっています。カンパを募り活動費を捻出するなど工夫はしておられますが、いずれにしましても、厳しいやりくりであろうと思っています。彼女たちの運動を少しでも背中を押してあげるよう手だてがないものか、また、教育委員会が後援しているということを明確にすることも大切なことではないかと思っております。

 もう時間の関係で答弁は求めませんけれども、これから検討をぜひお願いしたいと思っております。

 次に、児童ポルノに関することでありますが、青少年の健全な育成に関する条例の改正について質問いたします。

 児童ポルノに関係する犯罪の件数は、四、五年前までは全国で年間五百から六百件でありましたが、昨年、千四百五十五件と急増しています。摘発されるのは氷山の一角で、膨大な数の子供が傷つけられていると言われています。

 見るにたえない画像がインターネット上で複製、拡散し、自分の裸の画像がどこかにさらされ、悩まされ続けます。子供の被害が半永久化する深刻な事態であります。

 今日、児童ポルノに類する有害図書、有害情報のはんらんは目を覆うものがあります。大分県では、地域の書店やコンビニなどで、子供が簡単に手の届くところにポルノコミック誌が置かれている現状に加え、インターネット、携帯電話、そしてITメディアを介した有害情報に関連した青少年に係る被害が例外なく急増しています。

 私たち大人には、子供を守り、子供が育つ環境を守る大きな責任があります。