議事ロックス -地方議会議事録検索-


大分県 大分県

平成24年 第2回定例会(6月) 06月26日−02号




平成24年 第2回定例会(6月) − 06月26日−02号







平成24年 第2回定例会(6月)



平成二十四年六月二十六日(火曜日)

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 議事日程第二号

     平成二十四年六月二十六日

           午前十時開議

第一 第八四号議案

   (議題、提出者の説明、質疑、討論、採決)

第二 一般質問及び質疑

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 本日の会議に付した案件

日程第一 第八四号議案

     (議題、提出者の説明、質疑、討論、採決)

日程第二 一般質問及び質疑

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 出席議員 四十三名

  議長        志村 学

  副議長       元吉俊博

            小野弘利

            久原和弘

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            後藤政義

            竹内小代美

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            吉冨幸吉

            平岩純子

            江藤清志

            古手川正治

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            田中利明

            渕 健児

            近藤和義

            阿部英仁

            井上伸史

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

 欠席議員 なし

 欠員   一名

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     岩崎哲朗

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      奥塚正典

  企業局長      堤  隆

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     太田滋徳

  企画振興部長    塩川也寸志

  福祉保健部長    永松 悟

  生活環境部長    直野清光

  商工労働部長    山本和徳

  農林水産部長    阿部良秀

  土木建築部長    畔津義彦

  会計管理者兼

            平田茂雄

  会計管理局長

  人事委員会

            山本清一郎

  事務局長

  労働委員会

            山蔭政伸

  事務局長

  財政課長      長谷尾雅通

  知事室長      草野俊介

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     午前十時十四分 開議



○志村学議長 これより本日の会議を開きます。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△諸般の報告



○志村学議長 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。

 監査委員から、地方自治法第二百三十五条の二第三項の規定により五月の例月出納検査について結果に関する報告がありました。

 なお、調書は朗読を省略いたします。

 以上、報告を終わります。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○志村学議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第二号により行います。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△日程第一 第八四号議案(議題、提出者の説明、質疑、討論、採決)



○志村学議長 日程第一、第八四号議案を議題といたします。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

第八四号議案 公安委員会委員の任命について

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○志村学議長 提出者の説明を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま上程されました人事議案について説明申し上げます。

 第八四号議案公安委員会委員の任命につきましては、平松徹夫氏の辞職に伴い、補欠の委員として小山康直氏を任命することについて、議会の同意をお願いするものであります。

 何とぞ、慎重ご審議の上、ご賛同いただきますようお願い申し上げます。



○志村学議長 以上で提出者の説明は終わりました。

 これより質疑に入ります。−−別にご質疑もないようでありますので、質疑を終結いたします。

 お諮りいたします。本案は、委員会付託を省略いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○志村学議長 ご異議なしと認めます。

 よって、本案は委員会付託を省略することに決定いたしました。

 これより討論に入りますが、ただいまのところ通告がありませんので、討論なしと認めます。

 これをもって討論を終結し、これより採決いたします。

 本案は、これに同意することにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○志村学議長 ご異議なしと認めます。

 よって、本案はこれに同意することに決定いたしました。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



△日程第二 一般質問及び質疑



○志村学議長 日程第二、第七二号議案から第八三号議案まで及び第二号報告、第三号報告を一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。藤田正道君。

  〔藤田議員登壇〕(拍手)



◆藤田正道議員 五番、県民クラブ、藤田正道です。

 先輩議員が多数おられる中、この場に立たせていただきましたことに心から感謝を申し上げたいと思います。

 そしてまた、足元が悪い中、傍聴にお越しいただいた皆さん、本当にありがとうございます。

 今回も、さまざまな場所に足を運び、自分の目と耳で確認をしてきた五つの課題について提起させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、この夏の電力需給対策についてです。

 政府は、関西電力大飯発電所三号、四号機の再稼働を決定し、節電目標を見直しましたが、需給が厳しい九州と北海道では引き続き節電目標を据え置き、関西と四国を加えた四電力については、先週金曜日に、最終的なセーフティーネットである計画停電の基本方針と手順が公表されました。

 今回の電力需給逼迫は、言うまでもなく、国内すべての原子力発電所が停止していることに起因しています。九州においても、この夏が一昨年同様の猛暑となった場合、昨年と同レベルの節電対策がとられたとして、想定される時間最大電力千六百三十四万キロワットに対し、その三分の一の出力に当たる原子力発電所六基すべてが停止中のため、他社からの受電や使用可能な自家発電などを含めても、最大七十五万キロワットの供給力不足となると予測され、大規模停電や計画停電を防ぐために一〇%以上の節電が要請されています。

 ここで、大規模停電が発生するメカニズムを簡単に述べたいと思います。

 電気は、ためることができないため、常に発電量と消費量のバランスをとっています。九州電力では、年間、月間、週間、そして翌々日、翌日という単位で需要の予測と供給力の確保対策を行って、当日は常に管内の発電機を動かしたりとめたりしながら発電量を調整して消費量とのバランスをとっています。しかし、供給力が不足して発電量が消費量を下回ると、六十ヘルツという周波数が低下します。通常であれば一〇%程度の予備力が確保されており、発電量をふやすことで事なきを得るわけですけれども、今回のように圧倒的に供給力が足りない場合には、周波数が低下すると一部の発電機にトラブルが生じ、さらに周波数の低下が連鎖して、発電機が運転できる限度を超えてしまうとすべての発電機が停止し、大規模停電が発生します。

 実際に、一九九六年、マレーシアで、系統事故のため一六%の発電機が停止したため全土で停電、二〇〇三年、イタリアでも、スイスからの連系線事故で一三%の供給力が低下したため全土が停電、また、国内でも、平成十八年八月に、送電線にクレーン船が接触したため東京、神奈川、千葉で広域停電が発生し、さらに朝の需要の伸びに伴い供給と需要のバランスが崩れ、火力発電所が自動停止し、停電が拡大、全面復旧まで五時間近くを要したという事例や、昨年、お隣の韓国でも、供給が需要の伸びに追いつかず、大規模停電が発生しています。

 こうした突発的な広域停電が発生した場合、手術中の病院や人工呼吸器など生命維持装置を装着されている患者さんを初め、信号が停止することによる交通事故や渋滞により消防車、救急車などの緊急車両が通行できなくなるなど直接的に生命が危険にさらされる状況が生じるとともに、鉄道や航空機の運行や生産活動中のプラントが停止する、通信機器や金融機関などのホストコンピューターがとまり取引ができない、家畜が暑さにやられる、さらに流通業界では、冷蔵冷凍品がだめになる、また、長期化によって生鮮食料品の流通がストップするなど、仮に一日二時間という計画的な停電であっても、経済、社会、日常生活などすべての分野で膨大な損失と支障が生じることになります。

 一方、電力の供給の現場では、この夏の九州管内の全供給力の八割を火力発電所が占めています。そのうち運転開始から三十年を過ぎているプラントが十四基あり、全供給力の三分の一を占めています。こうした老朽化した発電所は、通常であれば夏場の最大のピーク時期に短期間の予備電力として活用されているわけですけれども、昨年、ことしと需要のピーク時には最大出力でフル運転しています。

 そのような発電所をプロ野球で例えてみると、広島カープ時代、その試合の最大のピンチにワンポイントリリーフで登板していた晩年の大投手江夏豊が、先発、完投で、しかも無失点に抑えなければならないという状況にあるわけです。

 実際に、昨年以来、配管のふぐあいなどさまざまなトラブルでこうした発電所は全国各地で緊急停止しています。

 また、主力となるLNG発電所の燃料は、石油と異なり、公的な備蓄がありません。新大分発電所には、現在、月三、四隻のタンカーが燃料を運んできていますが、仮に産出国の周辺で紛争や動乱が起きた場合、さらに極論すれば、この中の一隻が台風など何らかのトラブルで到着しなかった場合には、最大出力二百三十万キロワットでの供給ができなくなり、最悪の場合、計画停電を実施せざるを得ない状況となり得ます。

 当然のことながら、こうした発電所や電力輸送設備を担う現場の方々、これは電力会社だけではなく、その協力会社や機器のメーカー、燃料の輸入に携わる方々も含めてですが、極めて制約された条件下で、一分一秒でも途絶えることなく電気を送り続けるために、今も懸命に踏ん張り続けているわけです。

 これまで一部の学者や首長を中心に、「原子力発電所がなくても電力は足りる」「国のデータでも供給力は足りている」といった現場の実態からはかけ離れた議論が繰り返されてきたことに私は大きな危機感を抱いていましたが、まさに恐れていた状況が目前に迫っています。

 そこで、この夏の電力需給予測を踏まえた県の対応をお伺いいたします。

 まず、計画停電や大規模停電を起こさないための現時点で唯一の対策である節電についてお尋ねします。

 昨年の七%の節電実績を踏まえると、一〇%という目標は、産業界を初め、かなり高いハードルであり、人々の節電への関心の度合いも異なることから、家庭や企業に対して節電対策を具体的に示していく必要があると考えますが、どのような対策を考えておられますか。

 また、九州においては、計画停電や大規模停電の可能性は完全には否定できない状況です。我が国は世界で最も停電の少ない国であり、特に近年、我が県には大型台風の襲来もないため、社会全体が突然の長時間にわたる停電に免疫がない状態です。

 昨年の東日本での計画停電等での課題を踏まえ、万が一のときに被害を最小限に食いとめるための事前準備が必要だと考えます。例えば、非常用の発電機やバッテリーなどの起動点検、各施設や企業での停電を想定した対応マニュアルの策定や対応訓練の実施などが考えられますが、現時点での対策があればお聞かせください。よろしくお願いします。

  〔藤田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの藤田正道君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 藤田正道議員のご質問にお答え申し上げます。

 節電対策について、大変ご心配を込めて、ご質問をいただきました。

 この夏の節電要請でございますけれども、一昨年比で一〇%ということになっております。高い緊張感を持って臨みました昨年の七%の節電実績に加えまして、さらに三%以上の節電という、高いハードルだと思います。

 福島第一原発の事故から二度目の夏を迎えますけれども、電力供給への不安が昨年に増して大きくなっているということは非常に残念なことであります。しかしながら、議員がお話しいただいたように、県民生活や経済活動に大きな影響を及ぼす計画停電や大規模停電を絶対に起こさないようにするためにも、節電にしっかり取り組んでいく必要があると考えております。

 このため、国及び電力会社からの節電要請に迅速に対応いたしまして、五月二十三日には本県におけるこの夏の節電対策を取りまとめたところであります。

 具体的な節電対策といたしまして、家庭に対しては、省エネ・節電セミナーや県の広報誌等を通じて、エアコンによる室温二十八度の設定や不要な照明の消灯など具体的な節電メニューを示して励行をお願いするとともに、家庭向けエコ診断などを実施してまいります。また、こうした取り組みに加えまして、さらに節電に知恵を出してもらうために、児童生徒がいる家庭を対象に節電コンテストを行います。

 企業に対しましては、企業訪問を通して生の声をお聞きし、業種の特性に応じた取り組みをお願いするほか、無料省エネ診断や省エネ設備の導入補助など県の支援策を紹介しているところであります。

 反面、節電が我慢比べになって、消費の低迷を招いては、景気にも悪影響になります。そこで、家族そろって観光地や商店街、公共施設などに出かけて、家庭での節電、電力消費を抑えていただくよう、この夏のお出かけ先を広く募集し、県のホームページに紹介することにしております。この夏の間に地域の魅力を再発見する機会になればと考えております。

 ところで、県庁では、昨年夏の取り組みにより一四%の節電実績を上げましたけれども、さらなる上乗せを目指しました取り組みを先週から実施しているところであります。ピーク電力カットのための昼休みの繰り下げや昼休みを中心としたエアコンの停止、エレベーターの半数停止など、新たな節電対策にも率先して取り組んでいるところであります。

 節電は大事でありますけれども、熱中症は困ります。熱中症の予防につきましても、予防対策マニュアルの配布やホームページ等で周知を図っているところであります。

 安全を最優先に、県民の皆さんのご理解とご協力をいただきながら、この夏を乗り切っていきたいと考えております。

 先行き大事なことは、次の冬や夏、また、それ以降の国及び電力会社による安定した電力供給の確保であります。国では、八月をめどに中長期のエネルギー政策の見直しを行っていますけれども、国民的な議論をしっかり行って、安定的なエネルギー構成を打ち出してもらわなければならないと考えているところであります。

 私からは以上でございます。その他のご質問につきましては、担当部長から答弁させていただきます。



○志村学議長 山本商工労働部長。



◎山本和徳商工労働部長 計画停電、大規模停電対策についてお答え申し上げます。

 お話のありましたとおり、先週、六月二十二日に政府におきまして計画停電の概要が決定されまして、九州電力からは、計画停電を実施する場合の区域割りや時間帯などが発表されたところであります。これは、大規模発電所の停止など不測の事態に備えまして、セーフティーネットとしての計画停電の考え方を示したものでありまして、万一に備えての準備と受けとめておるところであります。

 県といたしましては、人工呼吸器使用患者等への対応でありますとか、道路交通の対策、家庭や事務所で注意が必要な事項の周知など、計画停電が実施される場合に備えた対応を全庁体制で進めておるところであります。昨日、大分県の緊急節電対策推進本部会議においても取りまとめたところであります。

 いずれにいたしましても、このような計画停電は不実施が原則でありまして、九州電力に対しましては、安定した電力供給の義務を果たしてもらい、発電所の事故防止はもとより、供給のさらなる積み増しに努めるよう引き続き要請してまいりたいと考えております。

 県民の皆様におかれましては、計画停電が実施されないためにも、引き続き節電への取り組みにご理解とご協力をお願いしたい、かように考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございました。

 県の迅速な対応に、私からも感謝を申し上げたいと思います。

 ことしの夏の電力需給は、かつて経験したことがない緊迫した状況にあるということをできるだけ多くの方に認識をいただきながら、この夏、乗り切っていかなければならないというふうに私も思っております。

 そういう中で、知事も心配されてましたけれども、昨年も、クーラーや扇風機の使用を我慢したため、熱中症でお亡くなりになるといったお年寄りもございましたし、一部の人はぎりぎりまで我慢してしまう、また、無関心な人は普通どおりの生活をするということがないように、引き続き県民の皆さんへの周知等にご尽力いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、再生可能エネルギーの普及促進についてお尋ねします。

 自然エネルギー自給率と供給力が日本一の我が県では、平成十五年に大分県エコエネルギー導入促進条例が制定され、この条例に基づく基本計画としての大分県新エネルギービジョンが策定されており、昨年三月には平成二十七年度を目標年度とする改訂ビジョンが取りまとめられています。

 一方、この新ビジョン策定後、我が国のエネルギーをめぐる環境は一変し、この四月には調達価格等算定委員会より全量固定買い取り制度、いわゆるFITでの調達価格案が示され、ほぼ各分野とも事業者団体の要求どおりの金額に設定されるなど、再生可能エネルギー普及促進の大きな追い風となっています。

 ただ、幾つかの課題もあります。一つは設備建設の問題です。さきの調達価格算定に当たっては、建設費に年間の運転経費を加味した上で、十年から二十年の調達期間を設定して単価が定められています。それによると、太陽光や風力というのは建設コストでは一キロワット当たり三十万円台と比較的安いんですが、太陽が出ている間、風が吹いている間しか発電できないため設備利用率が低く、地熱や原子力と同量の発電を行うためには、太陽光は約五倍以上、風力で約三倍以上の出力を持つ設備を建設する必要があります。

 さらに、大規模なメガソーラーや風力発電施設は建設適地に偏りがあり、一部の地域に集中することになると気象変化による影響を電力の系統が直接受けることになります。真夏の太陽が急に真っ暗な夕立模様となったような場合には、規模が大きくなればなるほど、先ほどの大規模停電のメカニズムのとおり、一気に出力が低下して、大規模停電の引き金となるおそれがあります。したがって、太陽光や風力発電をふやしていくためには、その発電出力に見合うバックアップ電源を擁する電力系統に接続されることが大前提となります。

 例えば、ドイツやスペインなどの再生可能エネルギー比率は我が国に比べ高いとよく言われますが、ヨーロッパでは送電線が国境を越えて張りめぐらされており、スペインの太陽光や風力がとまっても、それをフランスの原子力など他の発電でカバーするといった運用ができているからこそ可能なわけです。

 ちなみに、系統単位、つまり送電線のつながっている範囲で見れば、ヨーロッパ全体と我が国の電源構成にはそれほど大きな差はありません。

 また、再生可能エネルギーを地域分散型電源にという話もよく聞きますが、例えば、会派で一月に政務調査を行った東京都の八丈島は、ベース電源を地熱発電所が担い、需要変動部分を風力と内燃力で賄っていました。ここは離島で、本州の電力の系統からは分離独立している完全な地域分散型ですが、実は、内燃力発電所は島内のすべての最大需要を賄えるだけの一万一千キロワットの出力を持っています。それは、本州との連系がないために、地熱発電所を点検するときや風力発電所に風が吹いてないときには内燃力でそれを補わなければならないためです。したがって、再生可能エネルギーや地域分散型電源を拡大していくためにも、既存の大型電源を擁する電力系統との連系が必要不可欠であり、再生可能エネルギーの拡大、即、既存電源の廃止とはならないことに注意が必要です。

 再生可能エネルギーと火力や原子力などの電源は、二律背反、対立関係にあるのではなく、二十年から三十年の長期的な期間の中で一定の技術が確立するまでは共存関係が必要となります。

 最後に、コスト負担の問題です。

 FITにより経済性が担保された中で、今後、再生可能エネルギーは加速度的にふえていくことも予測されます。しかし、それらを電力会社が全量買い上げる調達価格は、一キロワットアワー当たり、太陽光が四十二円、小風力で五十七・七五円など、現在の電気料金水準の二倍以上に設定されているものもあります。これらを買い上げる差額分は、すべて最終的な消費者である企業や一般家庭が負担することとなり、円高の中で厳しいコスト競争にさらされている企業や低所得世帯にも一律にこの負担が上乗せされることになります。

 こうした再生可能エネルギーの普及促進にかかわるプラスの環境変化と課題を踏まえてお尋ねします。

 まず、新エネルギービジョンでは、NPOや企業、地域が参入する参考として、各地域ごとの資源の状況や具体的なプロジェクト提案などが示されていますが、FITの全体像が見えた中で、さらに具体的な事業提案や導入方針の提示が可能になると思われます。今後、新しい取り組みをビジョンの中にどう取り入れていくのか、県のお考えをお伺いいたします。

 また、今後の普及促進に当たっては、安定供給の確保や電力消費者のコスト負担の課題などを踏まえて計画的に進めていく必要があり、電力事業者や関係機関との緊密な連携が重要になると考えますが、県の見解をお聞かせください。



○志村学議長 山本商工労働部長。



◎山本和徳商工労働部長 お答え申し上げます。

 まず、新エネルギービジョンについてでございます。

 ご指摘のとおり、固定価格買い取り制度の調達価格、期間などが六月十八日に決定をされました。今後、これを踏まえて、メガソーラーや、いわゆるスマートハウスなど再生可能エネルギー導入の動きが加速化するものと予想されます。さらに、八月に予定されております国による中長期のエネルギー政策の見直しを踏まえ、今後、一層、さまざまな動きが出てくるものと考えられます。このため、県としては、機を逃すことなく、地域の強みを生かした新しい取り組みを掘り起こしていくことが大切であると思います。

 県の支援で取り組まれております既存の温泉井戸を活用した高効率の温泉熱発電などは全国的にも注目を集めております。このような県内企業の技術力を生かした研究開発を推進してまいりたいと考えております。

 また、今年度から新たな試みとして、地域住民等が協働して再生可能エネルギーの導入に取り組むモデル地域に対して支援を行うこととしております。

 県としては、六月に設立したエネルギー産業企業会を中心に、大きく速い変化を受けとめながら、県内のエネルギー産業の発展を後押ししたいと考えます。

 新エネルギービジョンにつきましては、有識者から成る新エネルギービジョン推進会議におきまして、このようなさまざまな県内の動向をしっかりフォローアップしていく、このような考えでございます。

 続きまして、再生可能エネルギーの導入についてでございます。

 再生可能エネルギーの導入に当たって大事なことは、しっかりとしたビジネスモデルを構築していくことと認識しております。例えば、太陽光発電などは気象条件に発電量が大きく左右されやすい点でありますとか、大規模な発電施設を設置する際には電力系統との安定的な接続が不可欠である点など、経済的、技術的な検討が種々求められるものと考えております。

 これらの点を踏まえた地域に密着したエネルギー供給インフラとして再生可能エネルギーの導入が進むこと、このことが電気料金を負担する電力消費者の理解促進にもつながるものと考えております。

 このような観点のもと、県内企業、また、電力等エネルギー関係事業者、大学などで構成いたします大分県エネルギー産業企業会を中心に、研究開発、人材育成、販路開拓等にスピード感を持って取り組む所存であります。

 あわせまして、県として、再生可能エネルギーの利用や導入に関する各種手続を支援するため、コーディネーターを新たに配置いたしまして、導入を後押しすることを予定しております。

 これらの着実な実践を通じまして、再生可能エネルギー導入のトップランナーとして、エネルギー政策日本一の先進県づくりに取り組んでまいる所存であります。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 資源のない我が国にとって、CO2の排出も抑えられるという環境の面からも、そして、新たなビジネスチャンスともなるこの再生可能エネルギーの普及促進は極めて重要なものだというふうに私も考えます。ぜひ、先ほどのご報告にもありましたように、技術面、あるいは社会的な影響も踏まえながら、長期的な視野で着実な取り組みをお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 次に、食物アレルギー対策について質問します。

 現在、三人に一人が罹患していると言われるアレルギー疾患ですが、我が県においては、平成十九年から二十一年までの三カ年、食物アレルギー対策事業に取り組み、実態調査からわかった課題は分野ごとにまとめられ、具体的な対策を講じていくこととされています。

 また、過去の議会での質問に対して、当時の小矢教育長からは、「国の作成したマニュアルに基づくきめ細やかな対応に努めている。平成二十年に示された国のアレルギー疾患に対する取り組みガイドラインに基づく対応を医師会などと協議しながら準備を進めている」との答弁がなされています。

 食物アレルギーのあるお子さんを持つ保護者にとっては、みずからの目の届かない学校や幼稚園、保育所での子供たちの安全がいかに守られているのか、特に、入園、就学前の保護者の中には心配している方も数多くおられます。

 そこで、一つ目の質問ですが、さきの食物アレルギー対策事業で取り上げられていた課題についてのその後の対応状況です。

 地域における課題として挙げられていた「きめ細やかな対応を必要とする食物アレルギー児への対応がスムーズに行われるよう、保育所、学校、医療機関の連携を、保育所が核となり、推進する必要がある」という指摘に対する現時点での対応状況をお聞かせください。

 次に、アナフィラキシーショックへの対応についてお尋ねします。

 最近の子供たちによく見られるソバやピーナッツ、乳製品などのアレルギーでも、体質によってはアレルギー反応を起こし、重篤な場合は、顔や首がはれ上がって呼吸ができず、血圧が下がって命を落とす、いわゆるアナフィラキシーショックを起こすケースもあるそうです。その場合には、エピペンという自己注射器で三十分以内にアドレナリンを注射しなければ命の危険があると言われています。

 このエピペンは、本来、患者が自分自身で使用するものですが、学校で、みずから注射できない状況にある児童生徒にかわって教職員がエピペンを注射することは医師法その他の関係法令違反にはならないとの判断が示され、国のガイドラインでも呼吸器系の症状が出現してきたら、すぐに使用すべきという注意書きがなされています。しかし、昨年一月には、兵庫県の小学校で男児がショック状態になった際、学校が、保護者から預かっていたエピペンを使わず、一一九番に連絡し、搬送直前に駆けつけた母親の注射で一命をとりとめたという事例や、過去には間に合わず死亡した事例もあったそうです。

 こうした緊急時の教育現場での教職員によるエピペン使用に関する我が県の取り組み状況についてお聞かせください。



○志村学議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 それでは、食物アレルギー児への対応についてお答えをいたします。

 県では、関係機関との連携を強化するため、専門医による講習会等を開催しまして、地域の学校医、かかりつけ医、学校、保育所との情報交換の場を設けております。

 適切な食物アレルギーへの対応には、原因となる食品等の取り扱いについて記載した医師の指示書が重要なことから、かかりつけ医と市町村担当課との協議の場を設け、食物アレルギー児への対応について情報共有を図るとともに、保育所監査等におきまして保護者からの指示書提出を指導しているところでございます。

 また、平成二十一年度に作成をいたしました食物アレルギー対応マニュアルを活用しまして、保育所の調理師を対象とした研修会を開催しております。

 今後とも専門医のアドバイスをいただきながら、関係機関と連携し、指示書の充実と普及を図り、食物アレルギー児への対応を強化してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 児童生徒のアナフィラキシーショックへの対応についてお答えします。

 アレルギー症状を持つ児童生徒の情報については、年度当初実施する保健調査のほか、宿泊訓練や修学旅行の健康調査等により各学校で把握をしています。

 各学校では、エピペンを携帯する児童生徒を把握した場合、医療機関、学校、保護者で協議の上、全教職員が緊急時の対応についての共通理解を図っています。

 平成二十一年には、緊急時の教職員によるエピペン使用が認められたことから、毎年、市町村健康教育主管課長会議や養護教諭研修会等の機会をとらえて、エピペンの適切な使用について教職員に周知を図っています。

 また、文部科学省主催のアレルギー疾患に対する普及啓発講習会に職員を派遣したり、各市町村教育委員会に配付した啓発DVDを校内研修で活用させるなど、緊急時に適切な対応ができるよう各学校を指導しています。

 以上です。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 私の知人の子供さんには食物アレルギーがあって、親御さんは、緊急時の教職員によるエピペンの使用をお願いするために、校長先生がかわるたび、あるいは転校したたびに学校に説明に行きますけれども、小学校入学から今まで四人目の校長先生になるそうですが、先生によって、受け入れてもらえたり、もらえなかったりと、対応がまちまちだということです。

 以前、学校でショック症状があらわれたときには、先生方が母親や医者に電話しているうちに症状がひどくなって、慌てて小児科医に運ばれてエピペンを打って一命をとりとめたということもあったそうで、こういうことが起きないようにぜひ注射をお願いしたいと学校側に再度依頼したそうですけれども、医者に確認してからでないと注射できないと言われて、救急車をすぐ呼ぶということで妥協せざるを得なかったといいます。これはぜひ、全県的に統一した対応ができるような、マニュアル、基準というものを統一していただかないと現場の先生方も非常に不安な面があると思いますが、そういう点も踏まえて、現在どのようなお考えをお持ちなのか、お伺いしたいと思います。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 現在、県内で私の方が把握しておりますエピペンを持っている生徒の数、十二名というふうになっております。

 年度当初、保健調査がございまして、アレルギー疾患があるかということ、それからアナフィラキシーショックもあったのかという情報については、学校に入るようになっております。

 文科省の示したガイドラインでも、そういう情報があれば、学校医、あるいはかかりつけ医、そういう方と学校、そして保護者が話し合って、緊急時どうするかというのを確定するようになっています。

 今、お話では、エピペンは、だれでも打てる、単純な構造で、太ももに刺せばいいという構造になっているわけですから、教職員、打つことに、全然、障害はないと私は考えますので、今、議員ご指摘のあった事案等につきましても、調査した上で、各学校で緊急時、適切に対応できるように指導してまいりたいと思います。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございます。

 やっぱり一律の基準というものをしっかり示していかないと、現場の保護者も先生方も、非常にその場に際したときに判断に迷うということもあると思いますので、ぜひそういう面での取り組みを強くお願いさせていただきたいと思います。

 次に、太平洋新国土軸構想の展望とフェリーの利用促進について質問いたします。

 太平洋新国土軸構想は、昭和四十年のワイズマン報告で第二東西道路構想が提案されて以来、全総など基盤となる開発計画は変わりながらも、中部、近畿、四国、九州の人、物の移動、交流促進や地震など大規模災害時の代替ルートの確立などの目的を持ちながら、長きにわたって、その実現に向けた努力が進められてきました。そして、求められる役割は、五十年近くたった今になっても変わらないどころか、さらに必要性が増していると感じられます。しかしながら、平成二十年に全総にかわって策定された国土形成計画では、豊予海峡ルートを初めとする海峡横断プロジェクトについては「長期的視点から取り組む」と具体的な計画は姿を消しています。

 県はこれまで、広報活動や国への要望活動、豊予海峡圏域内の交流促進などに取り組んでこられておりますが、今年度の予算では、太平洋新国土軸構想推進協議会並びに豊予海峡ルート推進協議会の負担金と推進費、計百二十万円余りが事業費として計上されているにすぎません。

 他方、我が県の今後の観光交通政策では、関西都市圏以西対策として、瀬戸内海に開け、関西、四国と直接つながっている本県の地の利を生かしたフェリールートの活性化が必要であるとの現状分析を踏まえ、フェリー航路の活性化による多様な観光ルートの形成に取り組むとの方針が掲げられています。

 私は、先月から今月にかけて、政務調査で関西、四国にある三つのフェリー事業者と愛媛県交通対策課に行き、また、大分市佐賀関の国道九州フェリーにもお話を伺いながら、豊予海峡ルートにおける橋やトンネルの機能を代替しているフェリー航路の現状と課題について調査してきました。

 関西航路の利用者は年々減少傾向、愛媛への各航路は現状維持または微減傾向であり、高速道路網の整備や各種割引制度によるトラックや乗用車の利用減少と近年の燃油価格上昇が収支に大きく影響しているとのことでした。

 また、水害や雪害で中国地方の道路は毎年一、二度寸断されていますが、そのときには常に出航時に積み残しが出るほど九州じゅうのトラックがフェリーへと流れ込んでおり、関門海峡ルートの代替ルートとしての役割は現時点でも非常に大きいものがありました。

 また、大分県を発着する基幹的な各航路は事業者の経営努力で何とか維持されていますけれども、愛媛県では平成二十年以降、既に六つの広域航路が廃止されるなど、重要な交通インフラでありながら航路の存続や廃止は各事業者の経営判断にゆだねられている、こういう危うさも感じました。

 そうした感想も含めて、質問いたします。

 私は、現時点では、海峡ルートにおける橋やトンネルといったハード面の実現にこだわらず、高速との接続道路の整備などの利便性向上やETCを活用した高速道との乗り継ぎ割引適用などの政策誘導でフェリー利用者を拡大することで太平洋新国土軸の果たすべき役割を具現化していくことが必要だと考えますが、県としての位置づけや今後の展望をどのように考えておられるのか、お聞かせください。

 また、現在は、九州と関西を結ぶ陸上輸送は関門海峡ルートに一極集中し、災害時にのみフェリー航路が代替利用されている状況です。今後、東九州自動車道の全線開通や中九州道の延伸など九州中南部との交通アクセスが向上されるようになってくる中で、CO2削減などの環境対策、あるいは長距離ドライバーの労働負荷の軽減による安全対策、災害時の代替輸送ルートの確保という観点からも、国や九州各県と連携して、フェリー航路を活用した大分・関西ルート、大分・中国経由・関西ルート、大分・四国経由・関西ルートという物流体系を構築する必要があると考えますが、県の考えはいかがでしょうか。



○志村学議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 それでは、まず初めに太平洋新国土軸についてお答えいたします。

 太平洋新国土軸につきましては、これまで、豊予海峡ルートの橋梁、あるいはトンネルといったハード面の整備が議論の中心となってまいりました。このことにつきましては、昨今の社会情勢、あるいは国、地方の厳しい財政状況を踏まえると、近い将来の実現は難しいというのが現状であります。しかしながら、昨年三月十一日の東日本大震災によりまして一極一軸型の国土構造の脆弱さが改めて浮き彫りにされたところです。そのため、複数軸を備えた国土形成の必要性が再認識されたと考えております。

 このため、本県といたしましては、東九州自動車道の全線開通も視野に入れつつ、太平洋新国土軸の今後のあり方を見据え、関西や中四国の各地と結ぶフェリー航路の利用促進等により経済交流を拡大するため、関係自治体等とも連携を図りながら活動を展開していきたいと考えております。

 次に、フェリー航路を活用した物流体系でございますけれども、フェリー航路は、観光、あるいは物流面から本県経済の発展を支えるとともに、災害時の代替輸送ルートの確保という観点からも非常に重要な役割を担っているものと認識しております。

 そこで県といたしましては、トラック事業者も含めたフェリー利用者に対するサービス改善を初め、利用者増に向けた広告宣伝や旅行商品の造成など、フェリー事業者が取り組む航路の利用促進策や経営改善に要する費用を昨年度から助成しているところです。

 また、県内トラック事業者みずからも高速道路利用からフェリー利用への転換に取り組んでおり、県としても、モーダルシフトを図りながら、フェリー航路を活用した物流体系の構築を推進しております。

 引き続き、フェリー事業者が行う航路の利用促進策やトラック輸送のモーダルシフトを支援することにより、本県と関西、中四国を結ぶフェリー航路の利用を支援していきたいと考えております。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 今お話にもありましたように、観光振興の面からも、そうした物流体系を構築するのとあわせて、広域での人の流れも、やはり大分を経由して関西へ、関西から大分を経由して九州各地へと誘導する取り組みが非常に重要であると思われます。

 今、フェリー事業者に対する支援という観点での答弁だったと思うんですが、私は逆に、太平洋新国土軸をみずからフェリーも活用しながらつくっていくという主体的な取り組みが求められているんではないかというふうに考えるんですが、その辺はいかがでしょうか。



○志村学議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 現在の施策体系といたしましては、フェリー事業者、特に大変熱心に取り組んでおられるものですから、そうした人たちと一緒に施策の組み立てをやっておりますけれども、お答えいたしました中でもありましたように、現在、国土軸自体の考え方が、従来の一本の軸から複数軸というふうに考え方が次第にシフトしてきておりますので、その点については県としても十分に認識して、その複数軸に対応する考え方をこれからどういうふうに進めていけばよいかという観点から検討を進めたいというふうに考えております。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 検討いただけるということで、ありがとうございます。

 ぜひ、フェリー発着港を有する自治体の商工業や観光振興策と連動、連携を図りながら、より積極的な対応をお願いしたいと思います。

 最後に、震災瓦れきの広域処理に関する質問です。

 災害廃棄物、いわゆる震災瓦れきの受け入れに関して県民世論は賛否両論が渦巻いているかのように見受けられますが、一方では、被災地の復興を支援したいという思いはほとんどの県民が抱いており、安全性が確認されるのであれば受け入れるべきであると考える方も少なくありません。

 私が知人を対象に行ったアンケート調査では、七十人という限られた範囲ではありますが、積極・容認も含めて「受け入れ賛成」が九割を超えていました。他方、安全性について、「信頼できる」とした方は三五%、「わからない」と答えた方が六五%と、受け入れに賛成している方も含めて、三分の二の方が安全性について確信が持てないということがわかりました。

 こうした意見も踏まえて、私は、六月十三、十四の両日、会派が行った被災地での政務調査に参加し、気仙沼市と仙台市の災害廃棄物仮置き場と仮設焼却炉の現場、そして両市の間にある海岸部の津波被害に遭った地域の現状を見てきました。

 気仙沼市と仙台市では、市内の廃棄物は市内で処理することを決定し、県が目標としている三年以内での処理完了も可能であるということでしたが、スピード感では仙台市の方がまさっていると感じられました。その要因としては、一つ目に、仮置き場が公共用地に十分確保できていること、二つ目に、市役所が津波被害を受けずに、機能が維持されていたこと、三つ目に、政令市であり、産業廃棄物の処理ノウハウや業界、事業者との連携がとれていたこと、さらに、最終処分場も実は三十年に一度の大地震の被害に備えて余剰スペースを確保していたということで、焼却灰の埋め立ても順調に行われていました。

 先ほどのアンケートでは、「廃棄物は被災地の防潮堤などの埋め立てに活用すべきである」という意見もありましたけれども、被災地では、廃棄物のリサイクルや有効活用を基本に処理が既に進められておりまして、防潮堤や土手などの埋め立てに適したものは既に活用する方向で進められておりました。したがって、現在、広域処理が求められている廃棄物は、リサイクル、利活用できず、焼却、埋め立て処分せざるを得ないものということでした。

 また、意見の中には「時間をかけても現地で処理することで雇用が確保されるのでは」というものもありましたが、仙台のように余剰スペースがあって、時間をかけても復興の妨げとならない地域では可能だと思われますけれども、我が県の県南のようにリアス式海岸で平地が少ない地域の大半の仮置き場は、実は被災した市街地や港の周辺に点在しておりまして、これらの処理が終わらなければ復興に入れない地域も多いということがわかりました。

 また、被災地においては、「廃棄物処理の雇用よりも、一日も早く本来の産業復興での雇用の場を」という声が大きいとのことでした。

 先ほど紹介したアンケートの中では三分の二の方が安全性を心配していましたが、被災地においても県民、市民の安全と健康は最重要課題として処理が行われており、両市とも既にほとんどが仮置き場に集められ、毎日千人の人海戦術で月一万トンのペースで細かく分別と管理が行われていました。その中で、PCBやアスベストを含む廃棄物はさらに厳重に保管され、処理も専門業者に委託されていました。放射性物質に関しても、瓦れきに含まれる放射線検査は県外搬出時の条件となっており、市の職員が搬出前に空間線量を測定し、その写真とともに搬出先に提供しており、セシウムについても、月一回、専門業者に測定を依頼していましたが、気仙沼市でのこれまでの測定結果では、放射性沃素、放射性セシウムとも検出下限値未満で、異常を示す数値は検出されていません。

 以上の状況を踏まえて、二点お伺いいたします。

 さまざまな報道がなされる中で、県民には受け入れの可否を判断する基礎となる情報が正確に伝わっていないのではないかという危惧があります。仮に受け入れる場合の安全確認体制についても、客観性が保たれ、かつ、すべての情報が開示されることが大前提で、いま一度、受け入れ可能と判断するための基準や根拠、被災地での災害廃棄物の管理状況や域外搬出時のチェック体制、さらに既に受け入れを行っている自治体の対応状況など整理して情報提供する必要があると考えますけれども、現在の県のお考えをお伺いいたします。

 また、仙台市で既に稼働している三基の仮設焼却炉は、ダイオキシン対策を十分行った上で、塩分を含む廃棄物をそのまま焼却して、一日四百八十トンという処理能力で、七月からは余力で周辺自治体からも受け入れるということでした。

 一方、セメントのプラントでは塩分を混入してはならないため、大船渡市の工場では、廃棄物からの塩抜き、とりわけ混入している土砂、汚泥などからの脱塩処理に手間と時間を要していると聞きます。

 被災地の廃棄物処理のスピードを上げるという目的を果たしていくためにも、受け入れ側の施設が一定の能力を持っていなければ、搬出元、受け入れ先の負担が増し、効率、効果が上がらないのではないかと考えますが、津久見市の工場の処理能力や効率についてはどのように検証されているんでしょうか。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 ただいま災害廃棄物の広域処理につきまして、現地調査のご報告も含めまして、ご見解を承りました。

 先般、私も宮城県を訪ねましたけれども、いまだ残る瓦れきの山を前に、被災地の復興のためには一日も早い災害廃棄物の処理が必要であると実感いたしました。

 震災直後に、被災地の皆さんが互いに助け合い支え合って急場をしのぐ姿に、多くの国民が感銘を受けました。今、その皆さんが望んでいるのが災害廃棄物の処理であります。今、私たちの被災地支援の真心が問われているんだというふうに思います。

 私は、被災地の復興を支援するため、強い決意を持って広域処理に取り組みたいと思います。

 先月、宮城県、岩手県から、災害廃棄物の推計量は、合わせて二千五十万トンから千六百八十万トンに見直されたことが発表されました。両県では、リサイクルや仮設焼却炉の設置等によりまして自力で処理が進められておりますけれども、平成二十六年三月末までに完了させるのは難しいということで、見直し後も約二百四十七万トンの広域処理が全国の自治体に求められているところであります。

 今回の災害廃棄物の広域処理では安全の確保が重要でありまして、議員ごらんになったとおり、被災地では、破砕や選別を行った上で、放射能濃度や線量を測定するなどの安全確認が確実に行われているところであります。

 広域処理の対象となる災害廃棄物は、こうした処理や検査を経たものでありますけれども、本県ではさらに、放射能濃度一キログラム当たり百ベクレル以下とする受け入れ基準を定めました。この基準は、従来から法令で放射性物質として扱う必要のないものとして定められているレベルであります。

 また、現地での搬出から処理完了までの各段階で放射能濃度や線量を測定して、二重、三重の確認を行うということで、この面でも安全性は十分に確保できるというふうに考えております。基準と確認ということであります。

 さらに、風評被害に対する不安の声もございますけれども、このような基準と確認によって、その心配はないものと考えております。既に本格受け入れをしている一都五県でも、風評被害の発生は報告されておりません。万一の場合には国に対しまして責任ある対応を求めてまいるつもりでありますけれども、そんなことにはならないと思います。

 現在、本県では、津久見市にある太平洋セメント大分工場での受け入れ、処理を検討しておりますけれども、実現に向けては、今後とも、議員ご指摘のように、地区ごとに住民の皆さんの疑問や不安に対して丁寧かつわかりやすい説明を行って、まずは実証試験について理解を求めたいと考えております。

 また、広域処理に関する情報はホームページ等で提供しておりますけれども、対象廃棄物の種類や状態等につきましては、実証試験の取り組みや被災自治体との協議の中で確認をいたしまして、情報を提供してまいりたいと思っております。

 その他のご質問については、部長からお答え申し上げます。



○志村学議長 直野生活環境部長。



◎直野清光生活環境部長 私の方から太平洋セメント大分工場の処理能力について回答いたします。

 セメント工場での廃棄物の処理につきましては、塩分濃度が高いと、塩素が炉内に固化、付着しまして、炉を損傷させるおそれがあることから、塩分の除去が望ましいとされております。

 三月二十五日に災害廃棄物処理の実証実験が行われた埼玉県の太平洋セメント熊谷工場では、なるべく塩分濃度の低い災害廃棄物を受け入れまして、その他の廃棄物とまぜて焼却いたしまして炉の損傷を防ぐこととされておりまして、大分工場でも同様の方法によりまして処理が可能であるというふうに聞いております。

 大分工場の処理能力でございますけれども、大分工場は三本の焼成炉、キルンを持っておりまして、二十三年度のセメント生産量は四百四十一万トンと、熊谷工場の二・四倍の生産量を誇っております。国内有数のセメント工場でございます。

 大分工場では、廃棄物をセメント製造の原燃料としてリサイクル利用しておりまして、二十三年度は約九十六万トンを処理しております。

 そうしたことから、同工場は、十分な処理能力を備えておりまして、加えて焼却灰を排出せず、埋め立て処分を要しないという利点もあることから、すぐれた受け入れ施設であるというふうに考えております。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 被災地の方々とお話をしてまして、やっぱり、自分とこの域内で処分を決めた自治体も、手に負えないので頼むというふうに域外の処分を決めた自治体も、それぞれに異なる環境の中で、一日も早い廃棄物処理と復興のために、市民が、いろんな意見、賛否両論ある中で、苦労しながら方針を決めてこられてるんだなというふうに感じました。

 私は、そうした被災自治体が苦労しながら決定した方針を尊重してあげる、そして、その方針に基づく復興計画をスピード感を持ってバックアップしていくことが真の支援につながるというふうに考えます。

 引き続いて県の取り組みも、賛否両論、さまざまなご意見があると思いますけれども、そうした視点で取り組んでいただければと最後にお願いさせていただきまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)



○志村学議長 以上で藤田正道君の質問及び答弁は終わりました。古手川正治君。

  〔古手川議員登壇〕(拍手)



◆古手川正治議員 十九番、自由民主党・無所属の会、古手川正治でございます。二度目の質問になりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 それでは、早速、質問に入らせていただきます。よろしくお願いいたします。

 まず、災害廃棄物の広域処理についてお伺いをいたします。

 昨年三月十一日十四時四十六分、東北三県、岩手、宮城、福島を襲った東日本大震災から早くも一年と三カ月が過ぎようとしています。被災地の皆さんにおかれましては、まだまだ日常生活が安定せず、ご苦労されていることに対し、ただただ、早期の復旧、復興を心からお祈りするばかりであります。

 私ごとでありますが、その後の状況を知ることが大事との思いから、先般、五月十三日から三日間をかけ、昨年九月の農林水産委員会活動の現地視察以来、約九カ月ぶりに現地に行ってまいりました。現地を見て、率直な印象として、家屋などの廃材、いわゆる瓦れきの処理といいますか、片づけは、確かにはかどっていることは実感しましたが、その跡地は荒涼としていて、地震発生以来、十四カ月を迎えたにしては、余りにも復旧、復興の兆しが見えず、これから先のことを想像しますと、何かそら恐ろしい気がしました。

 遅々として進まぬ復旧、復興を目の当たりにして、地域の方々が一日千秋の思いで待ち焦がれている復旧、復興が果たして順調に進んでいくのかと懸念すら抱きました。国民の一人として、何か応援できることはないか、少しでもお手伝いできないかと思うのは、私一人ではないと思います。

 そのような中、東北三県の瓦れきは、本年二月初旬には、それぞれ岩手県四百七十五万トン、宮城県千五百六十九万トン、福島県二百八万トン、合計二千二百五十二万トンと把握されるなど、瓦れき処理を進めるために必要な最低限の対応はされたと思います。

 その瓦れきについて政府は、災害廃棄物として二〇一四年三月末までに処理を終了する計画を発表すると同時に、当地で処理不可能な分についての協力要請を全国の自治体に対して行いました。

 その要請を受け、広瀬知事は、被災地支援の観点から、「放射性物質の心配がないものについては、全国的な視野で積極的に考えてもいいのではないか。ただ、一般廃棄物となる震災瓦れきの受け入れは市町村ごとの判断であり、受け入れ能力が手いっぱいで受け入れる余地がないことや住民の心配の声もあり、まだ前に進める現状ではない。受け入れる場合は、もちろん安全確認が必要になるため、国による検査に加え、場合によっては県や市町村で検査を実施せざるを得ないだろう」という考えを定例記者会見で発表されています。

 また、県議会は、三月二十九日に東日本大震災からの復興支援を継続・拡充する取組宣言を決議し、厳格な検査や安全基準のクリアを前提とした震災瓦れきの広域処理について、県民の理解を図りながら県内自治体に協力を要請し、かつ、広く県民にも被災地の重大課題への理解と協力を呼びかけて、復興と生活再建に向けた支援に一致して取り組む機運の醸成を図ることを確認しました。

 また、「県は受け入れ基準を一キログラム当たり百ベクレル以下としているが、それでも住民には不安がある。十分なる情報開示が必要」との要請も盛り込まれました。

 県は、本年三月十六日に、瓦れき処理について市町村に広域処理への理解と協力を呼びかけるため、県内市町村の廃棄物担当課長を対象に説明会を開き、独自の受け入れ基準と、この基準をもとに安全確認を行い、円滑な広域処理を支援するという方針を示されました。県内一丸となった対応を目指すべく、「県が窓口となって対応し、国に伝えるべきことは伝えたい。市町村の課題、検査基準への意見などについて検討して、三月中に考えを聞かせてほしい」と協力を求められています。環境省九州環境事務所も同席する中で、九州では大分県がいち早く説明会を開催されています。

 一方、三月二十一日には、津久見市議会が市に対し、瓦れきの受け入れに向け努力するよう決議したことを受け、吉本市長は「市内にある太平洋セメント大分工場に受け入れの理解を求めていきたい」と受け入れ条件の整備に取り組む考えを示されました。

 県は、四月六日には、津久見市内で開かれた県市長会で広域処理について各市長に直接協力を依頼しましたが、その際、厳しい意見が相次いだと聞いています。

 県は国に対し、一つ、県独自の受け入れ基準をつくる、一つ、安全確認体制を確立する、一つ、その上で県民に理解を求めるという三点を整えながら、受け入れを検討する考えを伝えていると聞いております。

 その後、県は、四月十七日に、県内市町村を対象にした瓦れき処理説明会で、放射性物質の測定や受け入れ基準に関して、市町村や事務組合から寄せられた疑問、意見に対する回答、説明を行い、処理の進め方を明確に示しました。また、同時に、津久見市内の太平洋セメント大分工場に協力要請をする考えを明らかにしました。

 四月二十四日には、県と津久見市は、太平洋セメント大分工場の活用を検討した結果、同工場への協力要請に合意し、正式に依頼をするための条件を整える考えを示しました。

 また、県は、五月二十七日に、津久見市において、東日本大震災で発生した瓦れきの広域処理に関して、太平洋セメント大分工場での試験焼却に理解を求める地元説明会を開きました。

 説明会では、広域処理の必要性や県が独自に定めた瓦れき一キログラム当たり放射性セシウム濃度百ベクレルという受け入れ基準並びにその基準を管理するための安全確認体制、また、太平洋セメント大分工場における受け入れ、処理を想定しての同社埼玉県熊谷工場での試験焼却についての説明があり、引き続き放射能に関する基礎知識として県立看護科学大学甲斐教授の講義がありました。その後、質疑応答の時間が持たれ、私も地元として参加していましたが、市民からは、放射性物質への不安や風評被害に対する責任の所在など広域処理に対する質問や意見が多く出されました。

 広域処理がなかなか広がらない最大の要因は、放射性物質による健康被害や環境汚染への不安です。説明会では、熊谷工場での試験焼却について、被災地や受け入れ後の放射線等の測定結果が説明されましたが、いずれも埼玉県の受け入れ基準を下回った結果となっていたとの説明がありました。

 津久見市においても同じように試験焼却を行い、焼却前後の環境放射線量等の測定結果を比較することで、広域処理によって津久見市の環境に影響があるかどうか、一般の方々に具体的に安全性を説明できるのではないでしょうか。

 その後、六月七日に津久見市長と津久見市区長会は話し合いの場を持つことで合意し、市長は六月十一日に「進め方や手順が十分でないとの指摘を真摯に受けとめた上で、受け入れの必要性や安全性を丁寧に説明し、議会、区長会、市民の皆さんの理解を得ていきたい」と今後の姿勢を示されました。

 また、六月十五日には、風評被害を懸念する津久見市区長会、津久見市農業委員会、津久見市漁協、市民団体からの受け入れ反対の意見を受け、津久見市長は、県に対し、風評被害対策と説明会の開催を要請しました。

 これを受け、県は、試験焼却前後のデータを示して安全性をアピールし、風評被害については心配ないことに理解を求めていくとともに、県庁内に相談窓口を設置し、何かあれば国への対応を求めると説明をされています。

 そして、県、市は地区ごとに説明会を開く、また、漁協、農業団体に対し説明することが確認をされております。

 以上のように県は被災地支援の観点から広域処理について前向きに取り組まれていると受けとめていますが、知事が四月二日の記者会見で説明されています、一つ、基準を明確にする、一つ、基準に合っているかどうか、事前事後確認できる検査体制と確認体制を制度としてつくり上げる、一つ、その基準と国の体制をもって県民の皆さんの理解をいただく、その三点を重くとらえ、説明会を初め、諸手続に真摯に取り組みをされていることには感謝する次第であります。しかし、受け入れ側である地元においてはまだまだ議論がし尽くされていないととらえていただき、さらなる取り組みにご尽力が必要かと思う次第であります。

 いかに津久見市民の安全、安心が保障され、また、市民の不安、不信を取り払うために、県の姿勢として、国に地元の状況、地元からの意見、要望について強く働きかけていくことが肝要であると思います。

 また、現地から遠く離れた大分が苦渋の選択で被災地、被災者支援に立ち上がっている、このことも強く強く国の方へアピールすることこそが地元の声が届く一歩ではないでしょうか。

 そこでお伺いをいたします。

 まず、災害廃棄物の広域処理について。

 さらなる地元説明会開催への今後の取り組み姿勢、住民の不安の払拭についてどのように進めていこうとされているか、知事のお考えをお伺いいたします。

 また、災害廃棄物処理の受け入れ状況について質問をさせていただきます。

 全国の受け入れ検討状況はどのようになっているのでしょうか、また、県内の市町村の検討状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いをいたします。

 以下、対面席にて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

  〔古手川議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの古手川正治君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま古手川正治議員には、二度にわたる被災地訪問から、復興のおくれと未来が展望できない不安を実感されたことを伺いました。そして、大変に災害廃棄物の広域処理についてご努力を賜っております。

 また、津久見市民の多くの皆さんも、この問題についてはいろいろ勉強していただき、また、理解を深めていただいておりまして、そのことに対しましても、この場をおかりしまして、厚く御礼を申し上げたいというふうに思っております。

 被災地の復興なくして、日本の再生はあり得ません。被災地の皆さんが希望を持って復興に臨めるように、私どもは災害廃棄物の広域処理に取り組む決意を新たにしているところであります。

 県では、本年三月に広域処理を表明して以来、市町村に協力を要請し、また、津久見市からの提案をもとに、太平洋セメント株式会社大分工場での受け入れ、処理について検討を重ねてまいりました。

 同時に、安全の確保と住民の理解を最重要だと考えまして、取り組みを行ってきたところであります。

 一つは、受け入れる災害廃棄物は、放射性物質として扱う必要のない、放射能濃度一キログラム当たり百ベクレル以下とする基準を設けたところであります。二つ目は、現地での搬出から受け入れ、そして処理完了まで、放射能濃度や線量を測定する安全確認体制を確立すること、そして三つ目は、この受け入れ基準や安全確認体制について、住民に丁寧にご説明し、不安を払拭することであります。

 これらの取り組みを柱に、津久見市に協力を要請し、これまで市議会や区長会、環境団体等に説明を行いまして、五月二十七日には市民を対象に説明会を開催したところであります。この説明会では、広域処理の必要性や受け入れ基準のほか、埼玉県のセメント工場で行われました実証試験の状況等について説明をいたしましたが、参加された皆さんからは健康被害や風評被害に対する不安も述べられました。

 こうした皆さんの不安や疑問に対しましては、地元地区の説明会等におきまして、丁寧かつ、わかりやすくお答えするということで解消を図っていかなきゃならぬというふうに思っております。

 特に風評被害につきましては、受け入れるのは放射能汚染のない災害廃棄物であるということから、心配はないと考えております。現に、本格受け入れをしている一都五県でも風評被害の発生は報告されておりません。

 また、先日、上京した際に環境副大臣にもお目にかかりまして、私の方から大分県の取り組みについて説明を申し上げ、副大臣の方からは、「広域処理の対象となるのは、放射性物質として扱う必要のないもので、風評被害を起こすものではないけれども、万一、被害が起きたときには、国が責任を持って対応する」ということも確認をいただいてまいったところであります。

 また、県も、相談窓口の設置など全庁体制で対応していくことなどにつきましても、皆さんに説明してまいりたいというふうに思います。

 もちろん、議員ご指摘のとおり、実証試験は重要でありまして、大気や海水等に関する科学的データをもとに、専門家が客観的評価を行って、環境への影響がないことがわかれば、住民の皆さんもさらに安心されるものと考えております。その必要性についても、しっかりと説明して、理解を進めていきたいというふうに思っております。

 大変多くの津久見市民の皆さんには、勉強していただき、理解を進めていただいていることに対しては敬意を表したいと思っております。いま少し我々も努力をしていかなきゃいかぬかなと思っているところであります。



○志村学議長 直野生活環境部長。



◎直野清光生活環境部長 それでは、私の方から災害廃棄物処理の受け入れ検討状況についてお答えをさせていただきます。

 まず、全国の受け入れ検討状況でございますが、本年三月十六日に内閣総理大臣、環境大臣から都道府県知事に対しまして、特別措置法に基づきます広域処理の協力要請があったところでございまして、これを受けまして、各自治体では、広域処理受け入れについての具体的な検討が進められております。

 現時点におきまして、災害廃棄物を受け入れて本格処理を行っている自治体は、東京都、山形県、青森県、秋田県、静岡県、群馬県の一都五県でございます。また、受け入れを正式に表明している自治体は、大阪市、北九州市の二政令市となっております。一方、表明までには至っておりませんけれども、受け入れを検討している自治体は、大分県を含む二十五団体となっております。

 次に、県内市町村の検討状況でございますが、三月十六日に国からの要請を受けまして、県では、市町村に対しまして、広域処理への協力を要請したところであります。その結果、津久見市以外の市町村では、大分市から「広域処理について検討中」との回答をいただいておりますが、最終処分場での処理方法の確立、市民の理解、風評被害対策の構築、その三点が課題となっているというふうに聞いております。その他の市町村におきましては、現在のところ、受け入れについて、具体的な検討は行われてないというような状況でございます。

 以上でございます。



○志村学議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 ありがとうございました。

 私は、地元の方で反対表明している方々ともいろいろ話をさせていただいております。そういう方々と話したときに、やはり、心情的には少しでも応援をしてあげたい、でも、放射能の風評被害がどのような形で出てくるのかが心配である、そういうふうに皆さんが言われております。安全、安心、数値の理屈でなくて、市民の皆様には、安心感が求められているようでございます。その安心感を人々に伝えるには、やはりまず、お互いの信頼関係を築くこと、このことが一番大事だと思っております。急がず、一つ一つ丁寧に事を進めていただきたい、そういうふうに思います。

 また、ある方から、瓦れき処理は知事がやると言っとるからやるんじゃないか、そういう問いかけをされました。

 津久見は、岩手県の太平洋セメント大船渡工場の復旧、復興に、多くの津久見の太平洋セメントの協力企業から応援に行っておりますし、今でも津久見からの応援の人々が現地で働いております。

 そしてまた、宮城県気仙沼は保戸島のマグロ船の基地でもありまして、震災時に保戸島のマグロ船が被害に遭い、現地の人たちの助けをいただいて、やっとの思いで津久見に帰ってきております。

 多くの津久見市民が被災地のお役に少しでも立てればとの思いで、今回の瓦れき処理を考えてくれているものと私は思っております。その思いを大切にしていただき、ぜひ実現できますよう、県、国の支援、協力をよろしくお願い申し上げます。

 そして、最後に、津久見市とその周辺地域の安全、安心、何よりも県民に安心感を持ってもらえるように知事にお願いを申し上げまして、この質問は終わらせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

 次に、交通弱者対策についてお伺いをいたします。

 最初に、病状による運転免許取得の制限についてお伺いします。

 我が国では、交通弱者を大別したとき、二つの意味に分類して使い分けられています。その概念は、一つは、自動車中心社会において、移動を制約される人という意味での交通弱者、そして、もう一つは、交通事故の被害に遭いやすい人という意味での交通弱者です。

 そこで、今回私が取り上げた課題における交通弱者とは、後者の交通事故の被害に遭いやすい人であります。ただし、一言に交通事故の被害に遭いやすい人といっても、その対象範囲が広くなりますので、今回は、その中から歩行者、児童に対象を絞って考えてみたいと思います。

 昨年四月十八日、栃木県鹿沼市樅山町の国道二九三号線で、十二トンのクレーン車がセンターラインを越えて歩道部に入り、十数人の通学児童の列に突っ込み、六名の死亡者が出るという大変痛ましい事故が起きました。運転手には持病があったということです。

 また、ことしの四月十二日、京都市東山四条交差点において、暴走した車が観光客を巻き込んだ大事故を起こしています。この運転手についても持病があり、それが原因ではないかと報道されています。

 そのほか、千葉県館山市では、バスを待っていた児童、保護者の列に車が突っ込む事故での死者、愛知県岡崎市で、集団登校中に横断歩道を渡っていて、はねられ重傷、いずれの事故も交通弱者が無謀運転の犠牲となっている痛ましい事故であります。

 特に、将来に向けての成長を期待されている児童は、国の貴重な財産、宝と言っても過言ではないと思います。交通弱者、すなわち歩行者、児童を守る対策、取り組みは、まさに猶予されない緊急の課題であると思われます。

 特に、今回の事案の加害者のような持病のある運転手は、表面に出ていない、本来であれば運転免許を取得できない方が、病状を申告せず、相当数免許を取得していると見込まれますが、そういった方をなくすためにどう取り組んでいるのか、その取り組み状況をお伺いいたします。

 次に、通学児童の安全対策について。

 弱者を守るという観点から、ソフト対策並びにハード対策が必要と思われます。

 大分市では、冒頭で述べました事件などを踏まえ、通常であれば毎年八月に開いていた大分市交通問題協議会を前倒しし、先般、五月十一日に開催したと報道されています。通学路問題などについて、学校など各現場からの要望についての検討がされ、横断歩道の塗装を初めとした維持補修など、早期に必要かつ実現可能な約七十件の案件について検討がされています。また、通学路を実態に合った路線に変更する案など抜本的対策も検討されています。

 先般、政府の文部科学大臣は、五月十五日の閣議後の記者会見で、登下校中の児童らに車が突っ込む悲惨な事故が相次いでいることを重く受けとめ、国土交通省や警察庁の副大臣級で再発防止に向けた対策を協議するよう指示したと伝えられています。

 県として、通学児童を交通凶器から守るために、運転者対策や、また、施設管理者としてのソフト並びにハード対策及び児童に対する交通安全教育等、総合的な対策を講じる必要があると思いますが、ご見解をお伺いいたします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 前後いたしますけれども、私の方からまず、通学中の児童の安全対策についてお答えをさせていただきます。

 本年の四月、京都府など三府県におきまして、登校中の児童などの列に自動車が突っ込んで、多くの死傷者が出るという大変痛ましい事故が発生いたしました。

 通学中の児童の交通事故を防止するためには、学校における交通安全教育の徹底はもとより、児童が安全に通行できる道路環境の整備や運転者への対策など総合的な対策が不可欠と考えております。

 これまでも通学時の児童の安全対策については、保護者や地域の方々の協力をいただいて取り組んでまいりましたけれども、県といたしましては、四月の事故を受けまして、各振興局ごとに対策会議を立ち上げまして、通学路の再点検など、児童の安全確保について各部局が連携して対策を講じているところであります。

 まず、県教育委員会では、学校が警察、道路管理者などと連携、協働いたしまして、通学路の再点検を行って、点検結果を踏まえて通学路の変更を行うとともに、児童生徒に対しまして、交通ルールの遵守や危険を回避し安全に行動できる能力を身につけさせるなど、交通安全教育を徹底して進めるように指導しております。また、保護者や地域の関係者と連携した子供見守り活動の継続実施、通学路安全マップの作成、警察署等と連携した交通安全教室の開催などを通じまして、通学路の安全確保に努めているところであります。

 警察本部では、全警察署で市町村などと協働いたしまして通学路の安全点検を実施するとともに、学校や地域からの要望をいただきながら、スクールゾーンの指定等を含めまして、交通規制の見直しなど安全対策の検討を進めております。また、通学路付近での交通指導取り締まりを実施するなど、運転者対策を講じているところであります。

 道路につきましても、歩道の新設や路肩の拡幅による歩行スペースの確保など通学路の整備を進めてまいりました。今回の事故を受けまして、県管理道路の主要な通学路五百七十キロメートルの再点検を行いまして、側溝ふたの破損の修復、見通しを妨げる樹木の剪定など安全確保対策を実施いたしました。

 今後も、各地域の対策会議の議論を踏まえまして、危険箇所に防護さくを設置するなど、地域の実情に応じた整備を進めるとともに、通学路の安全確保に向けまして、関係機関と緊密に連携して、ハード、ソフト両面から交通安全対策を総合的に推進していきたいというふうに考えております。



○志村学議長 太田警察本部長。



◎太田滋徳警察本部長 特定の持病を持つ方の免許取得等に関するお尋ねでございます。

 運転免許の取得及び更新に当たっては、法令により、申請時に病気の症状等を申告していただくこととなっております。

 警察では、従来から、申請書様式の「病気の症状の申告欄」に正確な記載を促すとともに、申告のあった病気の症状等を個別に聴取する運転適性相談を行っております。

 しかし、全国的に一定の病気の発症に起因すると思われる重大な交通事故が発生していることから、さらに正確な申告を促すため、病気の症状記載例の掲示や申告が必要である旨のポスターによる周知を図っております。

 また、運転適性相談を一層効果的なものとするため、その相談を案内するポスターの掲出等により相談の周知徹底を図るとともに、病状に関する事前、事後の問い合わせにも適切な対応に努めているところであります。

 運転免許取得後においても、交通事故など何らかの事情で重大な病状が認められた運転者については、必要に応じ、臨時の適性検査の実施、さらには免許の取り消しを行うなど、最近の各地における重大事故の発生にかんがみ、持病のある運転者の方について、社会参加への配慮も考慮しつつ、適切な対策に努めてまいることといたしております。



○志村学議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 ありがとうございました。

 警察庁の統計によりますと、平成二十三年度に登下校中の交通事故で死傷した全国の児童の数は二千四百八十五人となっています。多くの児童が危険にさらされているわけでありますので、早急に、より一層、ソフト並びにハード対策について、これは横断的な関係各部所との連携を強化していただき、早期に効果が発揮される取り組みをお願いするところでございます。よろしくお願いいたします。

 次に、マリンカルチャーセンターの指定管理についてお伺いをいたします。

 県有施設は、県民の文化、健康、福祉などの向上のため設置され、その理念に基づき運営されており、有形、無形で県民のために大いに役立っていると確信しています。そのような中、一方で、県民の大事な税金を使い運営されていることは紛れもないことです。

 そこで、佐伯市蒲江にあります海の施設、マリンカルチャーセンターについて伺いたいと思います。

 当センターは、県南地域の振興を図るマリノポリス計画の一環として、海洋レジャー観光推進部門の中核施設として、平成四年に開設されています。海洋体験活動や海洋に関する研修、文化継承に関する事業等を施設の設置目的としてスタートしており、さらに平成十七年度から社会教育施設と県民レクリエーション施設との複合施設と位置づけ、大分県が誇る日豊海岸のすぐれた自然環境を生かし、海洋に関する県民の理解を深めるとともに、健康で文化的な生活の向上を図り、社会教育施設を含む公の施設として位置づけがされています。

 運営につきましては、平成三年に財団法人大分県マリンカルチャーセンターを設立し、運営に当たってきています。そして、平成十八年度からは指定管理者制度が導入され、民間の事業者の有するノウハウを活用することにより県民サービスの向上と経費の節減が図られています。

 そこで、実績資料から過去三年間の運営状況を見ますと、まず利用者でありますが、二十一年度十一万二百三十五人、平成二十二年度九万一千八百二人、平成二十三年度七万八千三百四十七人、そして収入については、平成二十一年度二億二百一万円、平成二十二年度一億九千九百七十八万円、平成二十三年度一億七千四百四十八万円となっており、収入につきましては各年度の収入の総額であり、利用収入については、ちょっと判明しておりませんけれども、いずれにしても指定管理委託費として平成二十一年度八千万円、平成二十二年度八千万円、平成二十三年度七千六百万円と予算化してきているわけであります。

 ちなみに、平成二十一年度と平成二十三年度を単純に比較してみますと、利用者数について七一・一%、そして収入については八六・四%、それぞれが落ち込んでいます。端的に言いますと、年を追うごとに利用状況は悪化してきていますし、とても今後について明るい兆しは見えず、県民の税金を使うという観点から見ますと不安が募る一方であります。

 私の個人的な考えでありますが、このような施設は、県民の文化、教養としての貴重な財産であり、また、大いに県民に夢を与えていることも見過ごしてはなりません。水産県大分、また、これから一層力を入れていく観光立県大分のかけがえのない海洋施設として、末永く大事に存続させていくことが私たちの使命ではないでしょうか。また、私はそうあるべきだと思う次第であります。

 そこでお伺いをいたします。

 運営状況の検証を毎年どの時点でしているのか、そして、その検証の結果を次年度にどのように反映させているか、伺います。

 また、新しい年度のスタート時に受託者とどのような対策及び改善策、事業計画を交わしているか、お伺いいたします。



○志村学議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。

 まず、運営状況についてでございますが、毎年二月に指定管理者からの翌年度事業計画提出にあわせ、指定管理者制度運用ガイドラインに基づきまして当該年度の事業実績や運営状況の検証を行うとともに、翌年度の計画に反映することといたしております。

 また、毎月、業務報告書の提出を求め、進捗状況や効果等のモニタリングを行い、必要に応じて計画の見直しや業務の改善も行っているところであります。

 次に、具体的な取り組みといたしましては、本年度、指定管理者が交代をいたしましたことから、円滑な運営や事業の充実が一層図られるよう、職員が毎週、企画運営会議に出席をし、事業執行に関し、指導、助言を行っているところであります。

 こうした取り組みによりまして、レストラン「マリンスノー」でイタリア料理の提供を開始したほか、タレントの「さかなクン」を応援団長に任命し、子供を対象としたさまざまなイベントを開催するなど新たな取り組みを始めたところでもあります。

 ことしが開館二十周年に当たることから、夏のマリンフェスタの充実や秋に海の大収穫祭を予定しているところでありまして、今後とも、指定管理者との連携を深め、集客力の向上に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 ありがとうございます。

 高速道路の開通も近いということで、一層その準備も含めて、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 ちょっと提案といいますか、意見として聞いていただきたいと思いますが、まず予算組みについて。

 ちょっと極端かもしれませんが、年次計画を立てるに当たり、年度の事業費を想定し、不足分に県費を充当する、そういう仕組みとなっていると思っております。県としては七千六百万から七百万円を予算化していますが、経営感覚を持って管理業務経費の検討が必要ではないでしょうか。今のやり方でいくと、利用者収入がふえなければ永遠に県のお金を充当していくシステムになっていて、経営の改善は望めません。

 一般的には、赤字解消の手段としては、まず売り上げを伸ばす、または経費を節減することになるわけでありまして、公募要領に「委託料の精算については、指定管理者の経営努力により生み出された剰余金については、原則、精算による返還を求めません」とも、うたい込まれています。永久に好転はしないのではないでしょうか。

 要望としてお願いしますが、予算化をされているからよいというのではなく、どうか原点に返り、株式会社大分県として経営感覚を持って努力することを切にお願いして、この質問を終わらせていただきます。

 次に、金融対策について。

 世界の経済情勢を見ますと、欧州のギリシャに端を発した財務危機問題は欧州連合の資金介入により一応の落ちつきを取り戻していたやさき、追い打ちをかけるようにユーロ圏四位の経済大国スペインにおいて、資金不足に陥った銀行の自力救済を断念し、ユーロ圏に金融支援を要請し、これに欧州金融安定化基金を活用した支援として、最大一千億ユーロ、日本円にして約十兆円の支援が行われています。また、欧州に限らずアメリカ経済にも減速感が出てきたため、世界経済のリスクは大きくなってきています。その結果、安定している円に世界の資金が集中し、円高が進んでおり、日本経済を脅かしています。安住財務大臣は、急激な円高には断固たる措置をとると示唆され、円高を抑えるために政府、日銀が介入に踏み切るのではないかとも言われております。ちなみに日銀は六月十五日の金融政策決定会合で、「国内需要が堅調に推移するもとで緩やかに持ち直しつつある」として、追加の金融緩和を見送っています。

 二月以降に円安が進行し、株価上昇が続き、日本経済の転機と見えましたが、結局は一瞬の幻にすぎなかったのではなかろうかと思います。

 県下の経済情勢においても、なかなか好転の兆しが見えてこない中、中小企業金融円滑化法の導入などで表面上はやりくりをされているが、実際は厳しい状況に陥っている、これが中小企業の実態ではないかと思う次第であります。

 二十三年第四回定例会で私の一般質問に対し、商工労働部長から、「二十四年度予算編成については、金融対策として県内の中小企業の資金繰りに万全を期すという観点から必要な手当てをしっかりと講じる」と、中小企業者にとりましては大変ありがたい答弁をいただいております。

 そこで、平成二十四年度予算において、中小企業金融対策費として、県内中小企業者の経営の安定に資するため、各種県制度化資金の融資を行う予算として四百十四億一千百万円が計上されています。高齢化または後継者不在などの理由で事業が継続できなくなった企業等の、その卓越した事業を継承するための支援措置として事業引継円滑化資金を新たな制度として起こしていただいていることにつきましては、ありがたく感謝を申し上げる次第であります。

 帝国データバンク大分支店の調べでは、平成二十三年度の県内企業の休廃業・解散件数は二百三十九件となっており、前年度に比較して四十七件少なく、三年連続の減少傾向となっています。景気の低迷の中で、金融円滑化法の効果のあらわれとも言われています。主な業種別で見ますと、建設業八十一件、小売業五十一件、サービス業四十三件となっており、全体の七割を占めております。

 ここ数年、三百件以上の企業が毎年、休廃業、解散しております。平成二十三年度も、五十九件あった法的整理の倒産、これは一千万円以上ですが、これの四倍に上っております。

 見通しとして、景気の先行きが不透明なことから、事業継続をあきらめる企業が増加していくおそれがあるとも分析をされており、県の新しい制度が有効に活用されることを期待いたしております。

 中小企業金融対策費は、制度が多岐にわたることから、利用者の企業において具体のことが知られていないのが実態ではないかと思われます。制度を有効に活用するためには、企業への徹底した周知活動をお願いするところでございます。

 また、金融庁は、中小企業金融円滑化法の施行期限を平成二十五年三月まで延長しました。金融円滑化法と緊急保証・セーフティーネット保証が相乗効果を発揮し、全国の倒産件数は平成二十一年度下半期六千九百九十六件から平成二十三年度上半期六千四百二十件と八・二%減少するなど、中小企業の資金繰り緩和に大きな効果を見せました。しかし、業績改善がおくれた九州などは倒産件数が増加し、これまで中小企業の資金繰りを後押ししてきた金融円滑化法の効果に一巡の気配も見られてきたと民間企業調査機関では評しています。

 また、五月の全国の企業倒産件数は、前年同月比七・一%増の千百四十八件、三カ月ぶりに前年同月を上回っており、金融機関が貸し出しに対し、厳しい姿勢をとっていることが背景にあるのではと言われております。

 中小企業金融円滑化法において、企業の資金繰りを支援するために返済や財務内容に懸念があっても経営改善が見込めるとして正常債権に区分した、いわゆる不良債権予備軍は、ことし三月期に地銀全体で約二十六兆円強になっており、金融円滑化法が二十五年三月に終了すると一部が不良債権となり、銀行経営を圧迫しかねません。

 このような中、地銀では、支援強化を図るため、事業再生ファンドを設立して支援強化を図っています。その事例として、横浜銀行など神奈川県の十五の金融機関は昨年末にファンドを立ち上げ、また、中国銀行も九月末にファンドを立ち上げ、他の地域金融機関や国の中小企業基盤整備機構と連携を探るなど、円滑な再生につなげています。

 政府においても、再生ファンドがない地銀に設立を促すほか、企業再生支援機構や中小企業再生支援協議会との連携体制を全国的に整えるなど、不良債権対策に官民一体の取り組みが示されています。

 そこで、県制度資金の活用や国が示している中小企業支援ネットワーク並びに事業再生ファンドの動きとの連携を踏まえた金融対策の取り組みについてお伺いします。

 また、県内における中小企業金融円滑化法の活用実態についてあわせてお伺いをいたします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 議員ご指摘のように、現在のヨーロッパの経済不安、もとはといえば金融不安から端を発しているわけでございまして、やはり金融が正常に動くということは経済にとって大変大事なことだというふうに考えております。

 県内の中小企業に対する金融支援でございますけれども、経営基盤の強化の観点から大変重要でございます。金融機関とも協議しながら、中小企業のニーズに対応した各種制度資金を設けているところであります。

 最近では、新事業の展開だとか、事業再生の支援を強化する必要があるという考え方から、商工団体等が経営面の支援を行うチャレンジ中小企業応援資金を平成二十三年度に設けました。また、事業引継円滑化資金を平成二十四年度に設けたところであります。

 こうした制度資金を中小企業に広く活用していただくために、商工団体や、あるいは金融機関への説明、五百社訪問、企業研修会など、さまざまな機会をとらえて周知と意見交換を行っているところであります。

 一方、国は、金融円滑化法の最終延長を踏まえまして、中小企業の経営改善や事業再生を支援することとしておりまして、中小企業再生支援協議会を核とした金融機関、商工団体等から成る中小企業支援ネットワークの構築や地域における事業再生ファンドの創設を促進するとしております。

 ファンドにつきましては、本県では大分ベンチャーキャピタルにおきまして、平成十六年に大分企業支援ファンドが創設されまして、中小企業基盤整備機構が出資する地域再生ファンドの全国第一号となったところであります。また、二十一年には広域型の九州中小企業支援ファンドが創設されまして、再生支援に活用されております。

 九州ファンドが出資して設立いたしました株式会社城島高原オペレーションズが事業引継円滑化資金を活用して事業譲渡を受けるなど、ファンドと県との連携による成果も生まれているところであります。

 他方、国による中小企業支援ネットワークの構築に向けた動きはこれから具体化するものと認識しておりますけれども、大分県中小企業再生支援協議会では、金融機関訪問を強化しておりまして、協議会を活用した事業再生の一層の促進を図っているところであります。県におきましては既に、二十二年度から中小企業の経営力向上に向けて地域金融勉強会を開催いたしまして、地域金融機関への情報提供や意見交換を活発に行っております。

 金融円滑化法の最終延長は本年三月に決定されましたけれども、三月末時点での県内六金融機関におけるこの金融円滑化法の実施状況を見ますと、貸付条件変更の申し込みに対しまして、件数で実に九七・六%、金額でも九七・九%となっておりまして、円滑化法への依存度が大変高くなっております。

 今後、法の最終期限、もう決まっているわけですから、そこに向けたソフトランディングを図るためには、金融機関、あるいは商工団体及び行政が連携をいたしまして、それぞれの役割を果たしていくということが大変重要だというふうに思っております。ソフトランディングをいかに図っていくかが、大変、これからの課題であります。

 県といたしましては、県内中小企業への資金繰り等の影響を注視しながら、しっかり対応していきたい、こう思っているところであります。



○志村学議長 古手川正治君。



◆古手川正治議員 ありがとうございます。

 先般、県の商工会議所連合会、県商工会連合会、県中小企業団体中央会の三団体の皆様方が広瀬知事に地場企業への支援強化を求める要望をされております。企業と行政が一体とならなければ地域の発展はないと訴えられておりますし、広瀬知事は、中小企業の活気がなければ県の経済は成り立たない、変化に応じて対応していかなければならないと述べられております。

 経済対策は、金融対策だけではなくて、やはり抜本的な経済対策をも視野に入れた取り組みが大事かと思われます。どうか、力強いリーダーシップのもと、積極的な取り組みをお願いいたします。

 次に、防災について質問をさせていただきます。

 まず、地震津波対策についてお伺いをいたします。

 大分県におきましては、地域防災計画「地震・津波対策編」「風水害対策編」の見直しに昨年の早い段階から積極的かつスピード感を持って、県内市町村を指導し、かつ、相互協力して取り組んできたと伺っております。

 特に、地震津波対策についてでありますが、東日本大震災を教訓に、県内市町村に対して、防災計画に津波からの避難対策を盛り込むよう指導されてきたと伺っています。

 積極的な取り組みの結果、大分県版はことし三月に早々と完成しております。大変すばらしいものができ上がっており、関係者皆様のご尽力に感謝する次第であります。

 そこでお伺いをいたします。

 県内の市町村の状況について、地震津波対策について県の重点的課題として指導した内容、また、当面できること、しなければならないこと、例えば、住民への情報伝達体制の確立、危険箇所の把握、避難路、避難場所の整備確保など、現在の各市町村の取り組み状況、整備状況、進捗状況、そして市町村への今年度の助成制度についてお伺いいたします。

 また、地域防災計画についてであります。

 南海トラフ地震でありますが、ことし三月三十一日に内閣府の有識者会議が公表した南海トラフ地震の予測によれば、東海、東南海、南海に加え、日向灘の一部を震源域とするマグニチュード九クラスの地震が起きた場合、大分県にどのような影響が想定されるかといいますと、県内の満潮時の津波の高さが最も大きくなるのは南海トラフ西側の室戸岬沖や日向灘で断層が大きく崩れた際であって、佐伯市で最大十四・四メートルに達するとのことです。これは、県が二月に発表した暫定想定値十一・一九メーターよりも三メートル以上高い数値であり、平成十五年度に示された国の推計より二、三倍の水準となっています。また、県内の沿岸部では、最短のケースで地震発生からわずか十三分後に高さ一メートル以上の津波が到達し始めるとも言われています。

 先ほど述べましたように、津波においては、内閣府の有識者会議の公表値と本県の暫定想定値との間に三メートル以上の差が生じており、明らかに危険が伴う度合いが高くなることが公表されています。いよいよもって身近な対策が急務であることから、地域住民の安全、安心をいかに確保していくかが行政の役割と思われますので、この新たな予測値に関し、防災計画の見直しを考えておられるのか、お伺いをいたします。



○志村学議長 直野生活環境部長。



◎直野清光生活環境部長 まず、地震津波対策についてお答えを申し上げます。

 市町村の取り組み状況でございますけれども、県では、二十三年度の重点取り組みといたしまして、喫緊の課題である避難対策を中心に、市町村の防災対策の充実強化を進めてまいってきたところであります。

 その結果、避難場所は全市町村で約二千五百カ所、避難路は六市で約百八十カ所、海抜表示板は沿岸部十二市町村で約七千四百枚、避難所案内標識等は十一市町村で約千枚の設置が進みまして、また、津波避難ビルは六市で二百七カ所が指定されております。

 そのほか、防災行政無線が六市町で増設、更新され、投光器等の防災資機材の整備につきましても各市町村で増強されるなどの取り組みが進められております。

 また、今年度の助成制度等につきましては、本年七月には全市町村におきまして地域防災計画の見直しが終了いたしますので、この計画に基づく対策を早急に進めていく必要があります。そのため、県では、今年度も、地震・津波等被害防止対策緊急事業といたしまして補助金三億円を確保しておるところでございます。また、補助対象をハザードマップ等にも拡大いたしまして、地域の特性に応じて補助金が有効に使われるよう努めているところでございます。

 あわせまして、緊急防災・減災事業のための有利な起債制度の活用も促しまして、市町村の地震津波対策の充実強化を図ってまいりたいというふうに考えております。

 続きまして、地域防災計画についてであります。

 本年三月に公表いたしました県の地域防災計画では、県の有識者会議の提言を受けまして、津波の暫定想定について、平成十六年の津波浸水調査における津波高の二倍を基本といたしまして、特に一時避難地の整備や避難訓練等のソフト対策では三倍の津波高を想定して行っているところでございます。

 その後、国は、各市町村ごとに、津波高が最も高くなるポイントの数値を公表したところでございますが、それによりますと、佐伯市が最も高くて十四・四メーター、津久見市が九・五メーターとなっております。

 もとより、大規模災害時におきましては、まず逃げるという人命を守るための避難対策が最重要でありまして、津波に対しましては、佐伯市米水津では十九メーター、津久見市では十メーター以上を目安として避難訓練や一時避難所の選定を行っておりましたので、現状においてもおおむね対応できているというふうに考えておりまして、また、他の市町村につきましても、おおむね想定している範囲内であるというふうに考えております。

 今後は、近く、国から、浸水域を含め、さらに細かい十メーターメッシュの単位で推計した情報が提供されるということになっておりまして、出ましたら、有識者会議のご意見も伺いながら、県防災対策推進委員会の中で市町村とも協議を行ってまいって、地域防災計画の必要な見直しを行っていくということにしております。

 以上でございます。



○志村学議長 以上で古手川正治君の質問及び答弁は終わりました。(拍手)

 暫時休憩いたします。

     午後零時七分 休憩

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     午後零時二十一分 再開



○元吉俊博副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。馬場林君。

  〔馬場議員登壇〕(拍手)



◆馬場林議員 八番、県民クラブの馬場林でございます。

 今期の定例会におきまして質問の機会をいただきまして、先輩議員、同僚議員の皆さんに大変感謝いたします。

 県民クラブでは、六月十三日に津波と地震と放射能被害を受けた南相馬市に調査に行ってまいりました。この日は、直接、桜井市長に市の現状と取り組みについて伺うことができました。その中で印象に残っていることを二つ紹介して、質問に入りたいというふうに思います。

 一つは、心の再生ということを取り組みされているということです。

 情報や物資や金融機関、すべてストップした中、そして恐怖感と大混乱の中で、自分の責任で、市民の皆さんを県外や市外に避難をさせた。一年三カ月たった今でも、警戒区域は、三月十一日と余り様子は変わってない状況だということ。市内に住んでいる人も、地域によっては国の対応が違うために不安と怒りが多く、家族の中でも、親子の、または夫婦の意見が違うということが見られ、心までがばらばらになっているような状況もある。賠償、インフラ整備、そして除染などに取り組んでいるけれども、心の被害がとても大きい。市民の気持ちを一つにできる施策を取り組んでいきたいというふうにお話をされました。国にも、住民、市民の心の再生を図る取り組みを行ってほしいというふうに、切実な声を冷静に伺いました。

 もう一つは、命の防潮堤づくりについて伺いました。

 市長として、津波の現場を走り続けて思うことは、無念な思いで死んでいった人たちの家や物をごみ扱いされるということは耐えられないということでした。そこに住んでいた人たちの家や物を有効に使いたい、そのことが魂を静めることになるのではないかと考え、彼らの家や物を使って命の防潮堤をつくっていきたい。その市長のお話を伺いながら、改めて命の重みを痛感したところです。

 今後、福島県民への支援について大分で何ができるのかというのも、自分自身、問い続けていきたいという思いで帰ってまいりました。

 そこでまず、質問の第一に、教職員の労働安全衛生について質問いたします。

 まず、教職員の現職死亡と休職について伺います。

 四月に三名、五月に二名、六月に一名と、本年度四月から現在までに六名の教職員の方が現職で亡くなられています。

 平成十八年度からの状況を見ると、平成十八年度十四人、十九年度七人、二十年度九人、二十一年度十人、二十二年度七人、昨年度は、小学校四名、中学校五名、県立学校四名の計十三名の教職員が現職死亡しています。

 過去五年間の現職死亡の四十六人の死因としては、悪性新生物の方が多くを占めており、次に脳血管疾患、心疾患となっています。中には、自死された方もいます。また、年齢別では、五十代二十一人、四十代二十一人とそのほとんどを占めています。

 現職死亡者数については、全国的に見ても大分県はかなり高いのではないかと考えられます。

 一方、休職者は、平成十八年度に百十人と百人を超えてから、十九年度百二十三人、二十年度百十人、二十一年度百九人、二十二年度百七人、二十三年度百十九人と百人を超える状況が続いています。

 さらに、休職者に占める精神疾患の割合については、全国では、平成二十二年度の病気休職者八千六百六十人に対し五千四百七人で六二・四%になっていますが、本県では、七〇%を超えて八〇%になろうとしています。

 冒頭でも述べましたが、本年度は六月までに六名の教職員の方が亡くなっています。

 そこで、このような現状を任命権者である県教育委員会はどのように認識をされているのか、さらに、それらの原因をどのように把握されているのか、お尋ねいたします。

 そして、もう一つ、市町村立学校教職員の労働安全衛生についてということで、昭和四十七年に労働安全衛生法が成立をしています。この法律は、第一条で「職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする」と規定し、第三条で「事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」と規定をしています。また、七十一条の二は、「事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、同条記載の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければならない」と規定をしています。

 先ほど述べました本年度四月から六月に亡くなったのは小中学校の教職員です。

 県費負担教職員の場合は、身分は市町村に属し、服務の監督は市町村教育委員会にありますが、任命権は都道府県教育委員会にあります。

 任命権者である県教育委員会は、このような現状に対して、これまでにどのような施策を講じてこられたのか、お尋ねします。

 次に、今後の対策についてお尋ねいたします。

 四月、五月、六月の三カ月で六人の方が亡くなられています。このことは異常に思えてなりません。現場がどのような状況になっているのか、真剣に見てほしい、聞いてほしい、わかってほしいと痛切に感じます。なぜなら、命は二度と戻ってこないのです。このままでは、平均して月に二人もの方が亡くなることになります。

 一人一人の子供たちに一人一人の教職員がはつらつと深くかかわるようになってほしいと願います。そして、一人一人の子供たちの自尊心や学力を高め、みずから生きていく力をつけて成長できるように、学校が一つのチームとして活動できればと願っています。

 そこで、大分県教育委員会として、教職員の現職死亡や休職者をなくす対策を早急に実施する必要があると考えます。検討されている具体的な対策についてお尋ねいたします。

 以下は質問席でしたいと思います。よろしくお願いいたします。

  〔馬場議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○元吉俊博副議長 ただいまの馬場林君の質問に対する答弁を求めます。野中教育長。

  〔野中教育長登壇〕



◎野中信孝教育長 教職員と労働安全衛生について三点ご質問がございました。

 まず、現職死亡と休職の現状についてです。

 現職死亡者数については、過去五カ年の平均は九・二人で、全国データはありませんが、二十二年度の在職者に占める現職死亡者の割合は〇・〇六八%となっており、九州各県の状況とほぼ同様であります。

 主な死亡原因としては、がん四七・八%、脳血管疾患一五・二%、心疾患八・七%で、これらは主に生活習慣に起因するものであり、この状況は他県でも同様であります。

 二十四年度の六人の方の死亡原因も、全員、がんによるものであります。

 次に、精神疾患による休職者は八十人前後で推移しており、二十二年度の教員の病気休職者に占める精神疾患の割合は七一・七%となっているものの、新たに精神疾患で休職した者は、二十一年度の三十五人から二十三年度は三十一人と減少傾向にあります。

 精神疾患休職者の要因は、職員個人個人の業務そのものが必ずしも大きな要因とは言えず、職場内の人間関係や保護者対応、生徒指導などに加え、職場外では、家庭内の問題や経済的な問題などが複合的に絡み合っていると考えています。

 二点目の市町村立学校教職員の労働安全衛生についてです。

 市町村立学校における県費負担教職員の安全衛生の確保は、学校設置者である市町村教育委員会の責務です。

 県教育委員会は、必要な指導、助言、援助を行う立場から、市町村教育委員会に対し、学校職員総括安全衛生委員会の設置を求め、現在、全市町村で設置をされています。

 さらに、各市町村担当課長や教職員組合の代表も加えた安全衛生連絡協議会を県教育委員会に設置し、労使で健康問題等の協議や情報交換を行っています。

 メンタル面では、十八年度に設置した教職員健康管理センターを核として、ストレス診断システムの導入や医師等の専門家による各種相談事業を実施しています。

 二十二年度からは、早期の対応を充実するため、新たなメンタルヘルス対策として、こころのコンシェルジュによる巡回相談を実施するとともに、管理職の健康管理意識を高めるため、研修を強化しています。

 三点目は、今後の対策についてです。

 定期健康診断はもとより、精密検査やストレス健康診断の受診率について、市町村と連携して一〇〇%を目指します。

 また、市町村によりばらつきがある定期健康診断の検査項目の充実を図るとともに、生活習慣病の予防策として、定期健康診断後の保健師等による事後指導体制の整備に努めるよう市町村と協議を進めてまいります。

 メンタルヘルス対策では、教職員健康管理センターの各相談事業やコンシェルジュ相談の積極的な活用促進に努めます。

 学校におけるさまざまな教育課題については、教員に任せきりにすることなく組織で対応することが重要と考えており、人材育成方針に沿って教職員のマネジメント能力を高め、学校を挙げた組織的な課題解決力の向上を図ります。

 教育活動を進める上で教職員はかけがえのない財産であり、今後とも教職員の健康保持増進に努めてまいります。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 ありがとうございました。

 この原因というのは、さまざまな要素、原因があるというふうに思います、死因については。私は、なぜこれを一番最初に取り上げたかといいますと、二カ月足らず、六月の初めぐらいだったと思うんですけれども、その中で六人という方が亡くなる、それも四十代と五十代の方。個人の部分もあるんでしょうけれども、教育長として、その六人という数、人数、命がなくなったということについての認識というのは、どのように思われておりますか。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 大分県の教育を担う大切な教員の方が現職の間に亡くなられたことについては、大変残念なことだと思っております。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 他の部局の状況も教えていただきまして、過去五年間でさかのぼってみると、知事部局が二十三名、警察関係が十名という現職死亡の方が出ております。

 最近の民間でもどういう労災申請が行われているかといいますと、六月十六日に厚労省が発表した中には、長時間による仕事上のストレス、職場での嫌がらせによる精神障害を理由にした労災の請求が千二百七十二件、三年連続で過去最高、そして、自殺による請求は過去最高の二百二件、そして、過労死など脳・心臓疾患による労災申請は八百九十八件、二年連続でふえているというような状況が報道されております。

 それぞれの原因は違う部分もあると思うんですが、特にここで一番私が思ったことは、県費負担教職員の場合は、その責任と権限というのを考えると、労働安全衛生体制をしいていくときに、どこに責任があって、どこにチェックが入るのかというところが非常にあいまいになっているんじゃないかというふうに思うわけです。

 具体的に言いますと、知事部局ですと、任命権者の県が、そういう体制をつくって、計画をつくってやります。そして、その監督は、民間でいいますと労働基準監督署がそういう労働災害についてやりますが、そういう権限は地方公務員の場合ありませんから、人事委員会がそのチェックをやると思います。そうすると、市町村教育委員会の場合は、先ほど答弁では、責任は市町村教育委員会にあるということになりますと、そういう計画自体はどこがつくるのか、検診含めて、いろんな計画はどこがつくって、それをチェックする機関としては、県費負担教職員の場合は、どこがそのチェックの機能を果たすのかというところをお尋ねしたいというふうに思います。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 労働安全衛生法に事業者という規定がございまして、事業者がみずからのところの職員の労働安全、健康についての計画を立てて、責任持って施策を進めてございます。この事業者は、県費負担教職員については、日常的な服務監督権を持っています市町村にございます。市町村が責任を持って実施していく、こういう仕組みになっております。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 そうすると、責任のある市町村がその計画をつくって、教職員含めて、いろんな労働安全衛生、検診だとか、そういうものを進めていくということになります。

 そうすると、例えば、労働基準監督署は、それぞれの民間企業に対しては、労災が守られているかどうか、そういう計画つくっているのかどうかということを司法警察的な監督官が調査に入ります。ところが、市町村が責任を持って県費の場合はつくる。そうすると、監督的な部分は、人事委員会がない市町村は市町村長が持つようになっているんです。そうすると、それをつくった人と監督、チェックをする人が同じ人物になるということはちょっと論理的にはおかしくなるような気がいたしますが、いかがなもんでしょうか。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 ただいまお話あったように、人事委員会を置かない地方公共団体においては、労働基準監督機関としては地方公共団体の長というふうになっております。

 先ほど私が申し上げました事業者、正確に言えば、各学校での教育を責任持って実施している教育委員会かなというふうに思います。ですから、教育委員会が教職員の労働安全衛生についての計画を立て、実施をしていき、そして、その監督を労働基準監督署にかわって首長が行う、こういう構成ではないか、構造ではないかと理解しています。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 そういうことで間違いないかどうか、また私の方も検討していきたいというふうに思っておりますが、ただ、法的な部分はさておきまして、やはり、具体的にそういう、お互いに現職死亡を出さないような取り組みを進めていくべきだというふうに思います。それは、民間のメンタルヘルス対策含めて、さまざまな活動が行われております。ぜひ、県の教育委員会も市町村も一緒になって具体的な対策に取り組んでいただきたい。そうしないと、まだ出るような気がします。もっとふえていくような気がいたします。現職死亡の数というのは波があるような感じもありますけれども、病気休職者の方、がん含めて、まだ調査したら、いらっしゃいますし、そういう方がふえていくということは、本当に教育にとっても、とても損失になってくるというふうに思いますので、ぜひぜひ、対策、対応をお願いしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 そこで、もっとお話をしたかったんですが、いろんな文部科学省からの通知も、メンタル面含めて、随分と出ております。出ておりますので、そのこともきちっと取り組んでいただければというふうに思います。

 それでは、二番目の質問に移りたいと思います。

 アメリカ海兵隊による日出生台演習についてお尋ねいたします。

 これまでの米海兵隊による日出生台演習についてお願いいたします。

 県民クラブでは、四月十六日から十八日にかけて、県民の命と暮らしを守る沖縄調査を実施しました。特に、県道一〇四号線越え砲撃訓練の内容や被害について調べるために、琉球新報社、沖縄県庁、金武町の伊芸地区、恩納村の喜瀬武原地区などを訪問しました。その結果や日出生台の住民の方からお聞きした声をもとに質問をします。

 一九九六年のSACOの最終合意では、一つ、土地の返還、二つ、訓練の改善、三つ、騒音の軽減、四つ、地位協定の運用改善の四つのことが合意され、沖縄県民の負担軽減を図っていくとの内容でした。

 訓練の内容については、公道における行軍を終了すること、パラシユート降下訓練は伊江島に移転すること、県道一〇四号線越え射撃訓練は一九九七年度中に本土へ移転することになっていました。

 本土の移転場所は、日出生台、東富士、北富士、王城寺原、矢臼別の五つの演習場となりました。当時の防衛庁によると、沖縄での訓練と同質、同量の訓練内容という説明がなされています。具体的には、年間最大三十五日、一回当たり十日以内の射撃、年間最大四回となっています。

 そこで、日出生台での一九九九年の第一回目から二〇一二年の九回目までの訓練内容は、実弾砲撃数を含めて、どのように変化してきたのか、お尋ねいたします。

 次に、「大分県は、由布市と玖珠、九重両町で演習場近隣住民代表との意見交換会を開いた」と、先日、新聞報道されていました。

 意見交換会では、二月十日の夜に、りゅう弾砲をひいて県道を走行したことについて、参加者から「現地事務所は二十四時間体制で警戒できないのか」「県は、協定違反などがあったときに抗議できる人を現地に置くべきでは」などの意見が出たとありました。

 また、私たちの今回の沖縄での調査では、県道一〇四号線越え実弾砲撃訓練だけに限ると、夜間の砲撃訓練をしていたという記録や証言はありませんでした。沖縄の負担を軽減するために、沖縄で行われていたものと同質、同量の訓練を移転するというのであれば、夜間砲撃訓練は認められないと考えます。

 実弾砲撃訓練は十日間実施をしていますが、その前後の滞在期間が長過ぎるため、日出生台の地域住民の方は、本年実施された訓練において、二月一日の入県から撤収の二月二十八日まで緊張が続いたとのことでした。訓練期間前後の滞在期間を一日でも短くしてほしいというのが地元住民の切実な願いであります。

 そこで、ことし十月までとなっている「日出生台演習場の米軍使用に関する協定」の見直しが行われるようでありますが、以上のような課題についてどのように対応されるのか、お尋ねいたします。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 馬場林議員から米海兵隊による日出生台演習についてのご質問でございました。

 まず私の方からお答えを申し上げますけれども、米軍の実弾射撃訓練は、米軍基地が集中する沖縄の負担軽減のためということで、苦渋の選択として受け入れてきたものであります。

 訓練は国の責任において実施されるものでありますけれども、県の訓練に対する基本姿勢は、県民の安全確保と不安解消、そして将来にわたる訓練の縮小、廃止であります。

 このような観点から、訓練日数及び規模、治安安全対策等を盛り込んだ米軍使用協定を全国で唯一、国と締結し、訓練状況を確認してきたところであります。この結果、これまで九回の訓練が実施されましたけれども、議員ご指摘の夜間砲撃訓練も含め、SACO合意の内容を逸脱したものではなくて、かつ、協定の範囲内での訓練であったと考えております。

 米軍使用協定は、県と由布市、九重町、そして玖珠町とが国を相手として締結しておりまして、この十月末に期限を迎えます。

 これまで、この協定が、県民の安全、安心の確保に実効性を持って、訓練の拡大に歯どめをかけているものと評価しておりまして、県といたしましては、米軍の訓練が続くということであれば、協定は必要であるというふうに考えております。

 そのため、新たな取り組みといたしまして、地域住民との意見交換会を六月上旬に地元一市二町とともに開催いたしまして、住民の皆さんからは、県の対応、体制のあり方、滞在日数の短縮等、さまざまな意見、ご要望を直接伺ったところであります。

 県では、庁内に対策連絡会議を設置いたしまして、現地連絡事務所には職員を駐在させて、関係する市町と連携し、訓練状況の確認や情報収集等に取り組んでまいりました。この体制につきましては、今後も継続していきたいと考えております。

 米軍の滞在日数の長期化ということになりますと、自衛隊の訓練日程を圧迫して、その結果、地域住民が行う採草、放牧に支障が出ているという切実な声もありました。滞在日数の短縮につきましては、これまでも訓練の都度、国に要請しておりますけれども、引き続き要請していきたいというふうに考えております。

 今後は、これまでの訓練で問題となったことをしっかりと検証するとともに、地元住民の皆さんのご意見も踏まえながら、米軍使用協定の取り扱いについて一市二町と調整して、国と協議を進めていきたいというふうに考えております。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 先日、副知事さんからもお話を随分伺いまして、県が県民の不安とか安心を確保するために誠実に取り組まれているという状況を伺って、沖縄にも調査に行かれたというお話を伺って、ぜひこれからも、先ほど知事もお話になられましたが、県民の安全と不安、そして、できるだけ縮小、廃止というその基本方針を深めていただきたいというふうに思いました。

 苦渋の選択でこういう結果になっているわけですけれども、ただ、訓練の拡大というよりも、今度また、日米共同訓練が八月の中旬から下旬というお話が新聞報道されております。それから、オスプレイという輸送機が、イエロールートということで、この九州にも、コースに大分県もなっているんではないかというふうに思いますが、今の段階で、共同訓練の日程、それからオスプレイの計画等ございましたら、わかっている範囲でよろしいんですが、お願いをいたします。



○元吉俊博副議長 直野生活環境部長。



◎直野清光生活環境部長 日米共同訓練のスケジュールがどうなっておるかということでございますが、六月十五日に陸上幕僚監部広報室から訓練の大要が、報告がありました。期間は八月中旬から八月の下旬、訓練場所は日出生台演習場、訓練規模等については不明でありますが、実施部隊は、日本側は、第四十一普通科連隊の一個中隊基幹、それから米軍側は、第三海兵師団戦闘攻撃大隊の一個中隊基幹というふうになっております。

 それから、オスプレイの飛行訓練についてであります。

 六月二十二日に九州防衛局の幹部が来庁いたしまして、担当部長からオスプレイ等について説明を受けました。その説明では、普天間飛行場に配備後、中隊の一部、二機から六機ぐらいでありますけれども、毎月二、三日間、キャンプ富士及び岩国飛行場に展開する、それから、国内にある六本の航空経路において飛行訓練を実施する、九州北部を飛行するイエロールートは、大分、福岡、熊本、宮崎、各県の上空を通過する、それから、各経路において三、四回の飛行が見込まれる、日本の航空法に基づいて地上百メートル以上を保ち飛行する、そういうことの説明がありました。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 部長、日出生台の演習について、答弁がまだできてないので、ひとつ先にお願いします。



◎直野清光生活環境部長 それでは、もう一つ質問がございました、これまでの米海兵隊による日出生台演習について回答をさせていただきます。

 訓練日数及び規模につきましては、米軍使用協定によりまして年一回を超えないこととなっておりますし、射撃日数は最大十日間以内、また、訓練規模は、最大でも、人員三百名強、百五十五ミリりゅう弾砲十二門、車両約六十台となっております。これまで九回の訓練では、いずれもこの協定の範囲内で実施をされております。

 こうした中、二十一年度の第七回訓練からは、砲陣地防御訓練といたしまして小火器訓練が実施されたところでありますが、この小火器訓練も、米軍使用協定によりまして、訓練日数内に専用の射撃場で実施をいたしまして、砲射撃訓練と同時には実施しないことになっており、これまで三回実施されておりますけれども、いずれも協定は遵守されているということでございます。

 昨年度は、小火器単独の訓練が二日実施されておりまして、その分だけ砲射撃の日数は減少しております。

 砲撃数につきましては、訓練終了後に九州防衛局から連絡を受けるようになっておりますけれども、訓練の一回目から五回目までは、おおむね三百五十から五百発ぐらい、六回目から九回目までは、訓練日数の短かった八回を除きまして、おおむね六百から七百ぐらいというふうになっております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 先ほどのオスプレイと、それから日米共同訓練についてですが、内容的に今の段階でのご説明をいただいたんですが、これから具体的に日程が決まり、規模が決まり、そしてルートが決まってくるというような段階で、県民の不安の解消だとか、それから縮小、そして、基本方針をもとに、これからどのようにこの問題に取り組んでいかれるのか、その辺も含めてお尋ねをいたします。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 ご質問は、日米共同訓練と、それからオスプレイの問題だと思います。

 日米共同訓練につきましては、もう議員ご承知のとおり、安保条約と日米防衛協力のための指針、いわゆる新ガイドラインでございますけれども、その枠組みの中で、国の責任において実施されるというものでございますけれども、この話があった直後に、私どもといたしましては、まず、訓練の時期について、帰省客や観光客の多いお盆の時期は避けること、それから、共同訓練の実施に当たっては、地元の市や町の意向を十分に尊重して、県民の不安解消、安全確保に万全を期すこと、そして、この日出生台演習場における共同訓練が恒常化することのないようにすることということを申し入れたところでございます。このことをベースに、しっかりと話をしていきたいというふうに思っております。

 オスプレイにつきましてもご質問ございました。

 ご心配をおかけしておりますけれども、これにつきまして、これまでの経緯は、今、部長からお話をしたとおりでございますけれども、このオスプレイにつきましては、この数カ月にわたっても大変深刻な事故が起こっているということで、まだまだ信頼性とか安全性基準について十分納得できない。そういうものが仮に沖縄や山口に配備されて、そういう中で県の上空を飛行するというようなことになれば、騒音ばかりでなくて、県民の不安も大きいということで、その件についても、そういう立場から、安全、安心を確認すること等について、きつく申し入れをしているところであります。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 ありがとうございました。

 ぜひ基本方針をもとに取り組みを進めていただきたいと思いますし、最後に、情報開示の面も含めてお願いをしたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

 次に、社会資本整備事業計画についてお尋ねをいたします。

 東日本大震災では、東京都の九段会館のホールの天井が崩落し、茨城県北浦町の鹿行大橋も落橋し、各地の自治体の庁舎も損壊をしました。

 高度経済成長期につくられた橋や道路や港や堤防、水道などの社会資本がこれから寿命を迎え、その新設や維持、改修に関する事業費が一時期に集中して必要になってくることも考えられます。

 大分県では、平成十六年度から大分県行財政改革プラン、平成二十一年度から大分県中期行財政運営ビジョンなどに取り組み、平成二十三年度末には、県債残高一兆四百二十億円ですが、臨時財政対策債を除くと七千五百七十三億円になっています。また、財政調整用基金は四百五十五億円となり、ビジョンによる試算額よりも四百二十億円の増加になっています。

 このような財政状況の中で、行政の質の向上と行革実践力の発揮を主眼とする新たな行財政運営の指針になる大分県行財政高度化指針が策定されました。

 指針の中で、平成二十四年度から二十七年度までの財政収支の見通しが示されています。歳出面での特徴は、社会保障関係費が二十三年度に比較して二十七年度では百億円の増加となっています。反対に普通建設補助・直轄事業は、二十三年度に比較して二十七年度では八十五億円の減少となっています。

 広島県では、道路、河川などの事業ごとではなく、事業を超えて横断的に優先度を決めて、社会資本整備の重点化と効率化を図るよう検討していると聞いています。

 そこで、本県の社会資本の整備について、どのような方向性と優先順位により整備していくと考えているのか、お尋ねいたします。

 二つ目は、通学路の整備について。

 四月二十三日に京都府亀岡市の府道で、四月二十七日に千葉県館山市の県道で、同じ日に愛知県岡崎市の国道で、通学途中に、小学生三人と保護者一名が死亡し、九名が重軽傷を負う事故が起きました。歩道がなかったり、ガードレールなどが設置されていない道路であったとの報道も聞いております。

 そこで、昨年度、本県において、県道が通学路となっている場合において、歩道などの改善に関する要望はどのくらいあり、その要望に対して改善できたものはどのくらいあったか、お尋ねします。

 また、改善できなかったのであれば、その具体的な理由についてもあわせてお尋ねいたします。よろしくお願いいたします。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 まず、社会資本の整備についてお答えを申し上げます。

 道路や港湾、河川などの社会資本は、暮らしや経済、産業活動の基盤でありまして、県民の安全、安心を守るためにも、その整備は大変重要であります。しかしながら、本県の社会資本はいまだ十分とは言えず、東九州自動車道を初め、高規格道路ネットワークの構築だとか、あるいは自然災害に備える玉来ダムの早期完成など、引き続き着実に進めていかなければならないと考えております。

 ご指摘の広島県での取り組みについても伺わせていただきました。

 ご質問の本県の社会資本整備の方向性と優先順位の考え方でありますけれども、まず、方向性につきましては、昨年度改定いたしました長期総合計画「安心・活力・発展プラン二〇〇五」の中で、広域交通網の整備推進や地域生活交通システムの形成、さらに災害に強い県土づくりの推進などを基本的な施策として示しているところであります。

 次に、その中で優先順位の考え方でございますけれども、この基本的な施策をもとに、事業の緊急性、費用対効果、事業期間、事業効果の発現時期などを勘案いたしまして重点化を図っているところであります。加えて、一定規模以上の事業につきましては、外部の有識者から成る第三者委員会に審議をお願いするなど、客観性を高めながら、限られた予算の中で優先度を判断しております。

 このような中で、特に今、優先的に取り組むべき課題が二つございます。

 一つは、東日本大震災を教訓とした地震防災対策の推進ということであります。

 自然災害は待ったなしでありまして、昨年度の補正予算及び今年度の当初予算で所要額を確保いたしまして、橋梁の耐震化だとか、道路のり面の崩壊対策に取り組んでいるところであります。

 重点項目のもう一つは、これまで構築されました社会資本の老朽化対策であります。

 そもそも、まだまだ新設しなければならないものが多いわけでございますけれども、しかし、建築された社会資本の老朽化対策もあわせてやらなければならない。定期的に点検、調査を行いまして、その履歴を台帳に記録して、適切な維持補修を行う、いわゆるアセットマネジメントにも取り組んでまいりたいと思っております。

 社会資本の整備は、将来の大分県の発展のみならず、安心、活力の観点から大変重要でありまして、今後とも着実に推進してまいります。

 なお、ご質問のありました通学路の整備につきましては、土木建築部長の方から答弁させていただきます。



○元吉俊博副議長 畔津土木建築部長。



◎畔津義彦土木建築部長 それでは、私の方から通学路の整備についてお答えいたします。

 昨年度、歩道などの改善に関しまして、市町村から四十件の要望がございました。このうち三十四件につきましては、要望に応じまして、事業を実施しているところでございます。

 要望にこたえることができなかった六件につきましては、隣接工区が施工中であり、その工区に引き続き施工を予定している箇所が一件、関係機関との協議を行っている箇所が一件、工法を検討している箇所が一件であり、残る三件は用地取得が困難な箇所でございます。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 社会資本の整備につきまして出させていただいたのは、財政的に豊かな時期は、すぐ、いっぱいつくれたと思うんですけれども、なかなか厳しくなってくると、そういう意味では、地域別に、ある程度の優先順位でもつくっていかないとなかなか難しいのかな、そこの方をにらんでいかなきゃいけないのかなという思いで出させてもらいました。

 それから、通学路については、ハード面だけではなく、ソフト面ももちろん必要だと思いますが、土木建築委員会に所属させていただいて県内を回らせていただいて、すごく、職員の方が用地買収とかで苦労されている部分も随分伺ったり、本当にその辺の大変さも伺っておりますので、難しい面はあると思いますが、ハード面の整備も進めていただけたらというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 四つ目の質問に移っていきたいと思います。

 医療費の現物給付制度についてお尋ねをいたします。

 今年度の予算の中で、ひとり親家庭医療費助成事業として二億三千百七万九千円が計上されています。その内容は、ひとり親家庭へ医療費を助成する市町村に対して、その経費の一部を補助するとともに、ひとり親家庭の一時的な経済的負担と事務的負担の軽減を図るため、現物給付化を実施するというものでした。実施時期は、本年十二月からとなっています。

 そこで、当該制度導入の目的である一時的な経済負担と事務的な負担の軽減の具体的な内容についてお尋ねいたします。

 そして、重度心身障害者の医療費の支払いについても、ひとり親家庭と同様の問題を抱えているとの声を聞いています。重度心身障害者医療費への現物給付制度の導入についてのお考えをお尋ねいたします。



○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 それでは、医療費の現物給付制度について二点お答えをいたします。

 まず、第一点目のひとり親家庭医療費助成についてでございますが、現制度では、受給者が医療機関の窓口で一たん医療費を支払い、その領収証を持って市町村に補助金を申請することで医療費が償還されることとなっております。しかしながら、ひとり親家庭は、就業、子育て、家事をすべて一人で担わなければならず、仕事と子育ての両立による負担が大きく、また、国の調査では、母子家庭の平均所得は二百六十二万円と全世帯の五割にも満たない状況にございます。子育て支援の観点から、ひとり親家庭の窓口での立てかえ払いや市町村への申請手続などの負担を軽減するため、市町村や関係機関と協議し、現物給付化を実施することといたしたところでございます。

 次に、二点目の重度心身障害者医療費助成についてお答えをいたします。

 重度心身障害者医療費給付事業は、重度障害者の経済的負担を軽減するため、医療費の自己負担額を県と市町村が助成する事業でございます。平成二十三年度の助成実績額は二十五億五千万円で、そのうち十億五千万円を県が負担しております。

 現在、償還払い方式で助成しておりますが、これを現物給付方式に移行した場合、試算では、国民健康保険の国庫負担金が七億七千万円減額されることに加えまして、制度改正に伴うシステム改修費や審査支払い手数料といった新たな経費負担が必要となり、市町村財政に大きな影響を与えることから、現物給付方式への移行は困難であると考えております。

 手続負担の軽減につきましては、市町村で郵送による申請や代理申請を認めまして、手続の簡素化に努めているところであります。

 今後とも、利用しやすい制度とするため、市町村と協議してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 ひとり親家庭の方法については、具体的内容については十分理解ができました。

 一つだけ、重度の方含めて、こういう実態があります。

 ガイドヘルパーを利用し、タクシーにて受診をして、一月一回の受診報告を障害福祉係へ提出する場合、金額が多ければ提出するが、三千円以上なら提出するが、ガイドヘルパー料、タクシー代を考えると提出しない月もあるというような実態もありますし、タクシーでの移動だけでも料金がかさむので、受診したくても我慢することもある。

 それから、中津は福岡県と県境を境にしていますので、福岡県に住んでいて、福岡県では、ちょっと私自身が確認をしたわけではありませんが、医療費が立てかえ払いになっているので、なかなか大分県に帰ってこれないというような実態もございました。

 すぐにそういう、ひとり親家庭と同じような現物給付はできないにしろ、なかなか市役所まで行けないとかいう状況もございますので、その辺の仕組みを少しでも変えていただければというふうに思いますが、いかがでしょうか。



○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 今、議員の方からお話のありました受診を抑制せざるを得ない、自分で控えなければいけないというのは、やはり、その出身の市町村、それから県も含めまして、郵送による申請であるとか、代理申請であるとか、これはほとんどの市町村でやっているところですけれども、もっと障害者一人一人にそういう制度が伝わるように、県と市町村を挙げて広報に努めたいと思っております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 よろしくお願いいたします。

 最後に、高校改革推進計画の検証についてお尋ねいたします。

 平成十七年に高校改革推進計画が策定されました。その中で、十年後の高校のあるべき姿を見据え、再編整備指針も作成され、平成二十一年度までの前期再編整備計画が実施されました。平成二十年には後期再編整備計画が作成され、現在、実施されています。

 前期再編整備計画では、十八の高校が何らかの形で統合に関係しています。そして、統合された新設校では既に卒業生を送り出しています。

 また、再編整備指針の中では、二十二年度以降について、再編整備の進捗状況や成果、学校教育を取り巻く状況等を踏まえながら推進するとしています。

 そこで、今まで実施されてきた高校改革推進計画の検証についてですが、統合や総合選択制などの新たな取り組みの成果や課題についてどのように認識されているのか、お尋ねいたします。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 高校改革推進計画の検証についてお答えをします。

 再編整備は、子供たちが充実した高校教育を受けられるよう、学校規模の適正化及び新しいタイプの学校の設置、導入を柱に進めています。

 中津東などの総合選択制高校では、生徒数の増加により、互いに切磋琢磨できる環境が整いました。それによって、多くの生徒が他学科の学習や資格取得に挑戦したり、部活動もふえ、希望するものに意欲的に取り組むなど、学校が活性化しています。

 このほか、中高一貫教育や単位制を導入した高校でも、生徒の進路希望や多様な学習ニーズに対応した教育活動が行われ、充実した高校生活が送られています。

 統合により閉校となる学校への支援が課題でありますが、既存校と合同で行う学校行事や部活動などに対する支援を行っております。

 今後とも再編整備に当たっては、成果や学校教育を取り巻く状況を踏まえながら、特色、魅力、活力のある高校づくりを進めていきたいと考えています。

 以上です。



○元吉俊博副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 もう終わりたいと思いますが、通学区の問題、少子化、過疎化含めて、地域の普通科高校もなくなるような状況になってくる可能性もありますので、いろんな、総合選択制の条件整備含めて、論議をいただければと思います。終わります。ありがとうございました。(拍手)



○元吉俊博副議長 以上で馬場林君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午後一時二十一分 休憩

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     午後二時二十二分 再開



○元吉俊博副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。衛藤明和君。

  〔衛藤議員登壇〕(拍手)



◆衛藤明和議員 二十四番の衛藤明和でございます。

 質問の機会を与えていただきました関係者に、心から感謝申し上げる次第であります。

 また、本日最後の質問者となりました。皆さん、お疲れのところでありましょうが、最後までおつきあいのほど、よろしくお願い申し上げます。

 なおまた、今回も、広瀬知事にぜひお会いしたいということで、地元杵築市より、九十歳を先頭に、多くの高齢者の皆さんが傍聴に駆けつけていただきました。ありがとうございます。

 今回は、地域の活性化に関する諸課題及び地域の防災対策について、分割方式により質問をしたいと思います。執行部には、明快かつ前向きな答弁をよろしくお願い申し上げます。

 まず、大分空港の利用促進についてお伺いします。

 大分空港は、大分県の空の玄関として、また、新幹線のない本県にとって、これまでも企業活動の円滑化に加え、多くの企業誘致などの産業振興や、由布院温泉や別府温泉、あるいは豊後高田の昭和の町、杵築や臼杵の城下町、さらに国宝宇佐神宮など多くの観光資源を有する本県の観光振興など、大分県の発展のために欠かせない施設であり、これまでに大分県の発展のために果たした役割は大きなものがあると思います。

 その大分空港の二〇一一年度の利用者数は百三十八万三千百四十三人で、二〇一〇年度から六・八%、約十万人も減少しました。

 東日本大震災後のビジネスや観光旅行を控える風潮で、主力の東京線が四月には前年比二〇・一%もの減少となり、大阪線も使用機の小型化と減便で減少、国際線も、大韓航空が震災による観光客の減を理由に昨年四月から十二月まで運休となり、国際チャーター便をあわせても前年度比五七・八%も減少したことなどが要因であります。

 しかるに、利用者数の状況は、一九九〇年度以降、一九九七年度の二百八万七千三百二十一人がピークで、この十年間を見ると、二〇〇二年度の二百万九千四百十人以降、減少傾向が続いており、百八十八万四千五百二十一人だった二〇〇六年度から五年連続の減少となり、二〇一一年度は、記録が残る一九九〇年度以降で最低を更新しました。

 昨年度はピークの一九九七年度の三分の二まで落ち込んだことになり、東日本大震災の影響があるとはいえ、大分空港の利用促進は待ったなしのところまで来ていると言わざるを得ません。

 私は、昨年の第二回定例会においても、飛行機を使ったビジネス客や観光客を獲得するエアポートセールスが弱いのではないか、北九州空港や福岡空港に客をとられているのではないかという心配を執行部に問いかけ、大分空港の利用促進についての執行部の姿勢を問いただしましたが、福岡空港に格安航空会社、LCCが参入するなど近隣空港との競争がますます激化する中、大分県の発展のためにも、県としてしっかりとした利用促進策を講じるべきだと思います。

 そこで、利用者数減少の現状をどう分析し、大分空港の利用促進のため、どう取り組んでいくのか、LCCの誘致も含め、見解をお伺いいたします。

 次に、大分空港の管理運営についてお伺いします。

 国が三月に閣議決定した法案では、現在、別々に運営している滑走路、ターミナル、駐車場といった施設を一体で経営する民間事業体を選定し、管理運営させるということであります。

 空港施設の効率的管理運営の面からいたし方ない面もあると思いますが、滑走路の管理とターミナルの管理を適切に行うことのできるところがあるのかという疑問もあります。

 現在、ターミナルの管理につきましては、県が筆頭株主である大分航空ターミナル株式会社が行っていますが、空港利用者の減少による経営の悪化に加え、国が運営権を民間に売却する方針を打ち出していることを踏まえ、経営の立て直しと財務体質の強化を図っていると聞いています。

 そこで、大分空港の一体的管理運営の是非について及び筆頭株主である大分航空ターミナル株式会社の管理運営権取得に向けた取り組みについての県の見解をお伺いいたします。

 以下、対面演壇席から発言をいたします。

  〔衛藤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○元吉俊博副議長 ただいまの衛藤明和君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 衛藤明和議員には、地域活性化の観点から大分空港の利用促進についてご質問をいただきました。

 大分空港は、本県の経済発展にとって大きな役割を担っておりますけれども、ご心配のとおり、ここ数年は、長引く景気低迷によるビジネス需要の落ち込みに加えて、他空港との競争も激化いたしまして、空港利用者の数は減少傾向が続いております。特に伊丹線や中部線は、JRの利便性向上とその影響による航空機材の小型化などによりまして利用者が落ち込んでおります。さらに、昨年度は、ご指摘のとおり、東日本大震災等の影響やソウル線の長期運休も重なりまして、空港利用者は百三十八万三千人にとどまっております。

 このような減少要因を踏まえまして、昨年度から県といたしましては、航空会社などとタイアップして、大分に来たいと思ってもらうことと、大分空港を使いやすくするという二つの柱で積極的に取り組みを展開しているところであります。

 まず、大分に来たいと思ってもらうため、新たに作成した大分情報クーポンブックの配布のほか、JALと連携して機内誌への特集ページの掲載や空港ラウンジでの県産品の提供など、大分県の魅力や観光情報の発信を強化いたしました。

 今年度は、ANAのホームページ上で大分に関心を持ってもらう特集記事を掲載して、旅行商品の購入につなげる仕組みを構築します。

 また、大分の魅力を広く宣伝していただくため、新聞、雑誌の記者や旅行会社の販売員を対象としたモニターツアーを実施することとしております。

 次に、大分空港を使いやすくする取り組みといたしまして、空港アクセスバスのダイヤ調整やバス停の増設などにより利便性の向上を図っています。とりわけ、航空各社に対しまして繰り返し要望を行った結果、昨年十月末には羽田線につきましては機材の大型化が図られ、伊丹線も一往復の増便が実現したところであります。

 こうした取り組みもありまして、本年一月以降は対前年同月比で見ると利用者数が増加に転じておりまして、明るい兆しも見え始めたと思っております。

 今年度におきましては、これを確実なものにするために、航空各社に対しましてさらなる増便などの利便性向上を要請するほか、議員ご指摘のLCC誘致につきましても、大分空港発着便の増加と低価格化によりまして、県民の利便性向上につながるとともに、県経済の活性化も期待されるということから、真剣に取り組んでいきたいと思っております。

 県の観光、地域振興にとりまして大分空港の利用促進は欠かせないことから、今後も観光情報の発信や誘客活動の積極展開とあわせまして、航空ダイヤの充実や空港アクセスの改善など、大分空港の利用促進に努めていきたいと考えているところであります。

 その他のご質問につきましては、担当部長から答弁をさせていただきます。



○元吉俊博副議長 塩川企画振興部長。



◎塩川也寸志企画振興部長 私の方から大分空港の管理運営についてのご質問にお答えいたします。

 現在、国の方で、民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律案が国会に提出されております。これが成立いたしました場合、国は、各空港の運営形態などの制度設計につきまして、空港運営を希望する民間事業者、あるいは関係自治体等から具体的な提案を募集するという見通しになっております。

 空港の一体的な経営ということを考えますと、特に滑走路も含めた一体的な運営については、収支面での課題、問題が想定されますけれども、一方で、効果的、効率的な運営も期待されるというふうに考えております。

 県といたしましては、安定的な空港経営を維持しながら、観光を初めとする県内産業や地域の振興につながるよう、大分空港の活用策を検討してまいります。

 また、大分航空ターミナルでございますけれども、これまでも県と連携いたしまして大分空港の利用促進に取り組んできた実績を有する一方で、今回の法案を前提とする、一体的経営に必要な新たなノウハウですとか、財務基盤の強化などの課題解決が運営権の取得というものを考えた場合に不可欠の条件になると認識しております。

 県といたしましては、法案の動向を注視しながら、大分航空ターミナルと今後の対応を協議していきたいと考えております。

 以上です。



○元吉俊博副議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ありがとうございます。

 知事さんの大分空港に対する意気込みを、大いなる意気込みを感じましたので、多くは申しませんが、私はやはり大分空港は、大分経済発展の大きなキーポイントになるんではないかというふうに思っておりますので、どうかひとつ、さらに頑張っていただきたいというふうに思います。

 特にLCCにつきましては、ジェットスター・ジャパンとかピーチとか、それからスカイマークとかエアアジアとか、いろいろ国内の航空会社もありますので、せめて一機だけでも、一社だけでも何とか引っ張るように、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、大分航空ターミナルにつきましては、ぜひ、どんなことがあっても管理運営権を取得するように、部長にさらなる努力をお願いしたいと思います。

 次に、男女の出会い応援についてお伺いいたします。

 ことし一月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した将来人口推計では、日本の人口は五十年後の二〇六〇年には八千六百七十四万人となり、現在よりも約三割減少するということであります。

 人口の減少は、日本の生産力を低下させ、国力を低下させることは言うまでもありません。特に大分県のような地方の県、私の地元杵築市のような地方の市町村においては、さらに重大な問題であります。

 人口減少を少しでも食いとめるためには、少しでも多くの男女が結婚し、子供を産むことが大事だと思うのは私一人でありましょうか。

 国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によりますと、結婚しない理由として、二十五歳未満では「必要性を感じない」が多く、二十五歳を過ぎると「適当な相手にめぐり会わない」が多く選ばれています。また、二十五歳未満の女性では「仕事に打ち込みたい」が増加し、二十五歳未満の男性では「異性とうまくつき合えない」が増加しています。一方、見合い結婚は一貫して減少を続けており、一九六〇年代に恋愛結婚との比率が逆転した後、九〇年代以降は一割を下回っています。このように若者の結婚に関する意識の変化が見られます。

 また、婚活にかかわる方々に「なぜ結婚しないのか」について意見を聞いてみますと、一、結婚したい気持ちは同じでも、男女のニーズがかみ合わない、二、コミュニケーション能力が乏しい男性や希望条件に固執する女性が多くなった、三、出会いを紹介してくれる近所のおばさんや職場の上司といった世話焼きがいなくなった、四、結婚生活の大変な面ばかりが話題にされるから、若者が結婚から遠ざかってしまった、五、家庭を築くことのすばらしさを人生の先輩から聞く機会がほとんどないと、いろいろな意見をいただきました。

 私は、こういった意見を伺い、まずは、男女が話す機会、出会う機会をつくっていくことから始めないとその先には進んでいかないと思いました。

 県では、平成十八年度から二十年度にかけてNPO法人との協働により男女の出会い応援事業を行っております。平成二十一年度からは、NPO法人が自主運営する出会い応援センターで出会いを希望する独身者の募集、登録や、出会い応援団としてイベントを行うレストランやホテル等の募集、登録、イベントの企画、運営を行っています。平成二十三年度には、百二十件余りのイベントを行い、約三千三百人の男女が参加したということであります。しかし、そのほとんどが大分市内で開催され、大分市以外は、わずか十一回となっています。

 NPO活動として頑張っていただいていることについては、敬意を表するとともに、感謝申し上げるところでありますが、やはり、私の地元杵築市や国東市といった大分市以外の地域では、独身の男女が出会う機会が少なく、その出会いを応援する必要性は高いと思います。

 私は、大分市以外の地域まで責任を持って出会いの機会を設けることをNPO法人の方々にお願いするのは筋違いだと思います。協働してできることはお願いするけれども、大分市以外のように自然体ではなかなか出会いの機会を設けられないような地域については、やはり、県が積極的にかかわっていくべきだと考えます。

 そこで、大分市以外の地域での男女の出会い応援について県のご見解をお伺いいたしたいと思います。



○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 それでは、男女の出会い応援についてお答えをいたします。

 少子化の一因に未婚化、晩婚化が挙げられる一方、結婚したくても適当な相手にめぐり会わないという声も多いことから、独身男女の出会いの場の創出は次世代育成支援対策として重要であると考えております。このため、県では、NPO法人との協働で開設いたしましたおおいた出会い応援センターの活動について、県のホームページやラジオスポット放送などによる協力を行っているところでございます。

 センターが開催するイベントは、インターネットなどで県内各地から情報取得や申し込みが可能であることから、参加者の約半数を大分市以外の方々が占めております。

 市町村でも、地域活性化や若者定住事業として八市町が出会い応援事業に取り組んでおりまして、参加者募集などをセンターと協働で行う市町村もございます。最近では、国東市のテレビ番組開催地招致も話題となったところであります。

 こうしたことから、県としては、創意工夫を凝らした市町村の取り組みやセンターの事業を支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ありがとうございます。

 今、国東市のテレビのことが出ましたので、ちょっとそれに触れたいと思いますけれども、先日、テレビで、国東の農業青年などと日本全国から集まった独身女性とのお見合いパーティーの模様がテレビで放送されました。

 私も見まして、すばらしいなというふうに思ったんです。テレビ局の企画番組として、日本全国の農村地域などと、その地域に嫁いでもよいと考えている独身女性とのマッチングの番組のようでありましたけれども、参加した女性たちが、遊び半分ではなくて、真剣に相手を探していることに驚きました。日本全国には、田舎に嫁いでもいいと考えている独身女性が多くいるなと思ったわけであります。

 それで、そういう番組のようなものを、やはり県が直接、東京事務所や大阪事務所を活用して、全国的に独身女性を集めて、婚活パーティーを開催したらいいんではないかというふうに思うんですが、部長のお考えをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。



○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 今、議員おっしゃいましたように、やはり、田舎暮らしにあこがれているという方も確かにいらっしゃるようでございますので、企画振興部になりますけれども、地域活性化事業というのがございます。募集の方法や費用対効果などを勘案しながら、私ども福祉保健部と企画振興部と連携して検討してまいりたいと思います。



○元吉俊博副議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ぜひそういう、また、市町村で希望するところもあるでしょうから、そういうところと組んで、やっぱり、各市町村でそういうパーティーを開くような方向でぜひお願いしたいと思います。

 次に、買い物弱者対策についてお伺いします。

 国土審議会政策部会がまとめた「国土の長期展望」によれば、二〇五〇年には、過疎地域では人口が半分以下に減少し、単独世帯が四割、しかもそのうち高齢者単独世帯が五割を超えると推測されています。このような地域では、店舗が都市部に集中することから、生鮮食料品店などの身近な生活利便施設が徒歩圏内に存在しない世帯数が、現在の約四十六万世帯から、早くも二〇三〇年には約二倍の九十九万世帯に増加すると見られています。この傾向は本県でも同じと考えられますので、全国との人口比から大まかに計算しますと、本県でも二〇三〇年には約一万世帯が歩いて生鮮食料品を買えなくなると想定されます。

 このような中、さきに大分県では買い物に関するアンケートを小規模集落等に対して実施しましたが、これによると、買い物に困っている住民がいる小規模集落の割合は七八・五%、自治区内に食料品、日用品を扱う商店が全くないというところは七四%にも上っており、このような地域では、生協やスーパーによる宅配事業、移動販売、買い物代行といった取り組みが既に行われているようであります。しかし、このような取り組みにもかかわらず、先ほど申し上げましたが、小規模集落では七八・五%が買い物に困っている実態にあり、過疎地域の買い物弱者が二〇三〇年までに約二倍になるという推計からすると、やはり現在の対策では不十分と考えるべきではないでしょうか。

 買い物弱者対策としては、これまでは商品を供給する側の施策が多かったのですが、利用する集落や住民の努力、工夫がもっと必要ではないかと思います。例えば、地元学の結城登美雄氏の調査にある沖縄の「共同店」のようなものを地域住民で運営したり、移動販売車であれば、時間と場所を設定して、山奥まで販売に来る事業者に損をさせない仕組みづくりなどをもっと検討するべきではないかと考えます。中津市耶馬渓町の「ノーソン」や豊後大野市の「集落営商」の取り組みは、そのような仕組みの一つだと思います。

 また、今年度予算に計上されている買い物弱者対策のように集落や地域に入って対策をつくり上げるタイプの事業は、仕組みや制度の紹介で足りるというものではなく、住民と直接、顔を合わせて、一つ一つオリジナルの施策を住民と一緒になってつくり上げるという決意、県職員や市町村職員が具体的に動くというスキームとでもいうものが必要であります。これは、どの地域をターゲットにするのか、本庁の役割は何か、振興局や市町村はどのように動けばいいのか、地元の商工会との連携方法はどうするのかといったことをよくよく議論していく必要があると思います。

 そこで、今後の買い物弱者対策を具体的にどのように進めていくのか、執行部のご見解をお伺いします。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 買い物弱者対策についてのご質問でございました。

 いわゆる小規模集落は、平成二十三年度末で六百二集落、県内自治区の一四・一%となっております。前年度に比べますと〇・八%の増ということでございます。

 これらの地域では、集落機能を維持することが精いっぱいというところも見られまして、とりわけ日常生活を支える買い物の不便さにつきまして不安の声が多く寄せられるなど、今後の高齢化の進展に伴いまして、買い物弱者のさらなる増加が懸念されております。

 この買い物への不安を解消するためには、三つの方策が考えられると思います。

 一つは、宅配だとか、あるいは移動販売車というのを活用いたしまして、地域に商品を届けるというものであります。

 最近では、既存の事業者に加えまして、大手のスーパーやコンビニも宅配や移動販売を行う動きが見られております。

 二つ目は、消費者に移動手段を提供するものであります。

 主に市町村におきまして、コミュニティーバスの運行経路の見直しを初め、自宅や指定場所から目的地まで送迎するデマンドタクシーの導入など、交通や買い物の利便性の改善に努めて、消費者が買い物に来ていただくという、その手段を整えるということであります。

 三つ目は、廃業した店舗などを活用して、住民の手で店をつくるという方法であります。議員お示しの「ノーソンくらぶ」なども、その一例だと思います。

 特に農山村地域におきましては、過疎・高齢化によって買い物需要が低下いたしまして、移動販売車の採算がとれずに、巡回が難しくなったという集落もあるなど、その実情に応じた支援体制の構築が必要となっております。

 そこで県では、各振興局が精力的に集落に出かけまして、買い物需要の調査を行って、地域の実情を把握するとともに、地域の皆さんや事業所などの需要側と移動販売業者や商工会、福祉関係者などの供給側に市町村も加わった地域調整会議で協議を重ねまして、関係者の協力体制づくりや利害調整を行っているところであります。

 例えば、移動販売を行う場所や時間をあらかじめ決めておくなど、地域の皆さんに新たな取り組みへの協力をいただくような実態に合った支え合いの仕組みづくりも必要でありまして、少しでも多くの買い物需要を掘り起こすということが肝要であろうというふうに思います。

 高齢化等の進展に伴いまして、買い物需要そのものが低下しつつある中、小規模集落におきまして買い物弱者対策は大変難しい課題となっております。しかし、そこに暮らす皆さんが安心して住み続けられるように、地域の実情に即した解決策を何とか見つけ出して、きめ細かく支援できるように、本庁、それから振興局が一体となって取り組んでいくようにしたいと思います。



○元吉俊博副議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ありがとうございます。

 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 そこで、もう一点、買い物弱者対策は、小規模集落だけではなくって、都市型のニュータウンというんですか、そういった都市の方でも必要になるというふうに私は思うんですが、その点についてお考えがあればお願いしたいと思います。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 おっしゃるように、買い物弱者の問題、小規模集落だけではなくて、都市型の買い物弱者の問題というのもございます。

 近年、大手スーパーだとか、あるいは生協など流通業者による宅配だとか、インターネット販売が浸透してきておりまして、商業基盤も中山間地に比較して堅固であるということから、私どもとしましては、まず、この都市型の買い物弱者につきましては、地域の商業者に積極的に取り組んでいただくということが大事ではないかというふうに思っております。

 県といたしましては、最も買い物が不便な地域と考える商業基盤の脆弱な山間地などの小規模集落地域を中心に、買い物弱者対策に力を入れていきたいというふうに思っております。

 おっしゃるように、都市型の買い物弱者もございますけれども、そこはまず、事業者にやってもらったらどうか、こう思っておるところでございます。



○元吉俊博副議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ありがとうございました。

 よろしくお願いしたいと思います。

 次に、特別支援学校高等部分教室への高等部設置についてお伺いします。

 私は、昨年の第二回定例会において、生徒数の増加に伴い、日出支援学校に高等部を設置すべきだと教育長に質問いたしました。教育長からは、「生徒数の推移を見守りながら慎重に検討していく」という答弁がございました。

 その後、本年第一回定例会において、同会派の毛利議員の特別支援学校高等部分教室の高等部への昇格についての質問に対して、教育長から、「生徒数の推移を慎重に見たところであるが、二十四年度の入学予定者数を見ても増加傾向が続く見込みであり、また、本校と分教室高等部の生徒数がほぼ拮抗した状態であることから、四つの分教室をそれぞれの設置校の高等部とすることについて、新たに策定する特別支援推進計画の中で、その早期実現に向け、具体的に検討していく」という答弁がありました。

 私が高等部設置を問いただしたわずか八カ月後にその方針をいただき、大変感謝申し上げる次第であります。

 また、教育長が答弁したとおり、本校と分教室高等部の生徒数はほぼ拮抗した状態であり、まさに高等部の早期設置が必要だと思います。

 そこで、いつ高等部を設置するかについてご見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。



○元吉俊博副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 特別支援学校高等部の設置についてお答えします。

 県教育委員会では、特別支援教育に関する諸課題に対応するため、第二次大分県特別支援教育推進計画を平成二十四年度中に策定することをこの三月に決定いたしました。

 ご指摘の日出、由布、佐伯、竹田の各支援学校に設置している高等部分教室については、急増する高等部生徒の教育を充実するとともに、小、中、高等部の一貫したキャリア教育など、特別支援教育の質の向上を図る学校体制の早期整備が必要であると考えております。このため、計画の策定に当たり、平成二十五年度に分教室を各設置校の高等部とする方向で検討を進めているところであります。

 以上です。



○元吉俊博副議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ぜひ、もう一日でも早く高等部に昇格するように、よろしくお願いしておきたいと思います。

 次に、防災士の養成についてお伺いします。

 東日本大震災は、死者、行方不明者合わせて一万九千人以上という未曾有の震災でありました。本県においても、これまでの想定や防災対策の見直しが行われるとともに、行政による公助だけではなく、やはり、みずからの身を守る自助、地域住民がお互いに助け合う共助との適切な連携が重要であることが再認識されました。

 私は、昨年の第二回定例会において、津波に襲われた宮城県七ケ浜町花渕浜地区の自主防災組織リーダーである鈴木享氏の機転が六十人の命を救った例を紹介し、防災士養成の必要性を質問いたしました。

 執行部からは、今後とも防災士の養成に取り組んでいくという答弁をいただき、早速、平成二十四年度当初予算において、単年度で新たに三千人の防災士を養成していくという力強い事業を組んでいただきました。さすが政策県庁を標榜する広瀬知事以下執行部の対応の速さに敬服するとともに、ぜひとも三千人の新たな防災士の養成を実現していただきたいと思います。

 そこで、防災士三千人養成に向けた具体的な取り組みの状況と実現に向けた執行部の意気込みをお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。



○元吉俊博副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 地域防災対策につきまして、中でも自主防災組織の活性化についてご質問をいただきました。まず私から答弁をさせていただきます。

 大規模な災害が発生した場合には、まずは、地域住民みずからが生命や財産を守り、被害をできるだけ少なくするための自主防災活動というのが大変重要となります。また、災害時の避難や初期消火、炊き出し等には住民相互の協力が大きな役割を果たすことになりますけれども、これらを担うのが自主防災組織であります。

 佐伯市の米水津宮野浦地区や鶴見羽出浦地区では、自治会、老人クラブ、事業所等の皆さんが一緒によく議論をいたしまして、万一のときに備えて、避難場所や避難のためのマニュアルをつくるなど、大変頼もしい自主的な取り組みを行っておられます。

 自主防災組織の活性化のためには、自分たちの地域は自分たちで守るという意識を持って、地域が一体となった取り組みが必要であります。そのためには、三つのことが大事だと思います。

 一つは、議員がかねてからご指摘をしていただいている点でございますけれども、地域防災の核となるリーダーを養成する必要があります。

 そのため、県は、それぞれの地域で中心になって活動する防災士を、今年度、緊急に三千人養成することとしております。そのうち三百人を県職員から募りましたが、目標を上回る申し込みがあったところであります。

 専門的な知識を持った防災士には、避難訓練の企画運営や防災知識の普及啓発等を行っていただくことを期待しております。あわせて、防災士のスキルアップのため、実際に町を歩いて、地震発生時に建物倒壊等の危険性がある箇所を点検する研修なども行っているところであります。

 二つ目は、避難訓練など地域の防災対策に住民みずからが積極的にかかわることでございます。

 地域で住民と行政が十分話し合って、問題意識を共有することが防災力強化の第一歩であります。市町村と自主防災組織が協働して、海抜表示板の設置や避難場所、避難経路の見直しを初め、災害時要援護者を把握し、民生委員、消防団員等と情報を共有することなどが重要であります。また、あらかじめ避難場所を定めて、それを県として把握しておけば、災害で孤立した場合でも迅速に対応が可能となります。

 このような取り組みに対しまして、県では、地域の要望に応じて防災アドバイザーを派遣して、具体的な避難訓練の実施方法や自然災害への対応方法など助言、指導を行って、自主防災組織の活動を応援しているところであります。

 三つ目は、地区の清掃や消防、防犯など日常の活動を通じて、隣近所で声をかけ、互いに助け合い、支え合う地域づくりをしておくということであります。

 東日本大震災の被災地で支援活動を行った自衛隊別府駐屯地の隊長からも、日ごろからこのような地域づくりができていたところでは犠牲者が少なかったというような話も伺っております。

 引き続き、自主防災組織への活性化支援を積極的に行って、信頼と安心の地域づくりを進めていきたいというふうに考えております。

 その他のご質問につきましては、担当部長から答弁をさせていただきます。



○元吉俊博副議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 済みません。私の手違いで分割でやったんですけれども、防災士の問題しかちょっと質問しなかったんで、分割で、後を続けさせていただきたいと思います。

 先ほど申し上げました防災士三千人が養成されるということは大変頼もしい限りでありますが、地域全体で防災対策を進めていただくためには、防災士一人の力では限界があり、やはり地域の自主防災組織が活発に活動することが何よりも大事だと思います。

 そこで、すべての自主防災組織への防災士の配置を見据えた今後の自主防災組織の活性化について県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたしたいと思います。

 次に、福祉避難所についてお伺いします。

 平成二十三年八月に改正されました障害者基本法では、東日本大震災を受け、防災及び防犯対策を新設し、国と地方自治体が障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じた必要な対策を講じることが義務化されました。

 大分県には、身体障害、知的障害、精神障害その他の心身の機能の障害がある人たちのうち、障害者手帳の交付を受けている人たちが平成二十三年三月三十一日現在で八万一千六百七十四人います。障害のある人たちは、その障害の状態や特性に応じて、日常生活上、特別の配慮や支援、あるいは介護を必要とします。

 東日本大震災では、被災した障害者が、障害者用トイレやベッド、手すりがないなどの物理的障壁がある中で、必要な福祉的支援が受けられなかったり、コミュニケーション支援がないため、周囲に溶け込めず孤立したり、避難所の環境になじめず、周囲から不満の声が上がり、避難所を出ざるを得なかったなどのさまざまな事例が起きています。

 災害時に要援護者となる障害者には、避難所において、障害別に必要な支援や介護要員の配置、支援器具の配備、常時使用している処方薬の迅速な確保、心のケア、さらに、集団生活に適応しにくい人たちには二次避難所の設置など、障害に基づくニーズに応じた工夫が必要であると考えます。

 災害発生時に急遽、一般的な収容避難所で要援護者の受け入れ体制を整えることは極めて困難であります。大人数での共同生活という厳しい環境の避難所での生活で、障害者、高齢者、妊産婦、乳幼児、病弱者など特別な配慮が必要な災害時要援護者の避難支援対策の中でも福祉避難所の指定は、特に重要な課題であります。

 国のガイドラインでは、各小学校区に福祉避難所が指定されることが望ましいとされています。大分県内の小学校区数三百十四に対する福祉避難所指定の状況と、約二十万人とも推計されております大分県内の災害時要援護者の受け入れに必要な各市町村における福祉避難所指定の数値目標及びその達成状況及び今後の取り組みについてお伺いいたしたいと思います。



○元吉俊博副議長 直野生活環境部長。



◎直野清光生活環境部長 私の方から、最初に防災士の養成についてお答えをさせていただきます。

 具体的な取り組み状況といたしましては、もう本年五月から、各市町村におきまして、受講者の募集が始まっております。

 対象者は、自治会から推薦があった方を初め、市町村職員、福祉医療施設関係者、学校関係者など広く募集をしております。

 県職員も、専門的知識の取得による防災行政の質的高度化のために、三百人程度を養成することとしております。

 防災士として登録されるには、身近でできる防災対策、あるいは災害時の危機管理など多岐にわたる科目についてレポートを作成し、二日間の講義を受講した後、試験に合格し、さらに救命講習の受講が義務づけられております。

 講義は、七月二十一日から来年三月十日にかけまして、十五市町村の会場で計二十五回開催されます。

 県では、新聞広告やホームページ、さらには市町村広報誌を活用しまして募集活動に努めるとともに、市町村等を直接訪問し、取り組み強化を促しているところでございます。

 七月に開催予定の佐伯市と臼杵市では、第一回目の募集を締め切りましたが、佐伯市では、百人の募集に対して百二十四人の応募があっております。また、臼杵市では、百二十五名の募集に対しまして百八十名の応募があっております。

 今後とも、積極的な募集活動に努めまして、防災士三千人の養成について、自主防災組織の活性化にしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。



○元吉俊博副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 福祉避難所についてお答えをいたします。

 まず、福祉避難所の指定状況でございますが、東日本大震災の状況から推計いたしますと福祉避難所を必要とする方は約三千人と考えておりますが、震災直後の昨年三月末での指定は百一カ所でありましたが、現在は、七十一カ所が新たに指定され、百七十二カ所となっております。

 次に、数値目標と達成状況でありますが、各市町村におきましても、要援護者の生活圏や地域とのつながりに配慮し、少なくとも小学校区に一カ所の指定を目標として取り組んでおりまして、既に四市一村が目標を達成しております。

 全県では、三百十四カ所が目標となりますが、現時点での達成率は五五%となっております。

 今後の取り組みについてでございますが、今年度中に福祉避難所設置・運営マニュアルを作成し、市町村の指定に向けた取り組みを支援してまいります。

 また、九月には、宮城県での避難所設置、運営の実例を題材としたシンポジウムを開催し、県民の福祉避難所に対する理解を深め、指定を促進したいと考えております。

 さらに、津波被害を想定して、沿岸部の福祉施設の入所者を内陸部の施設へ移送する訓練や、旅館、ホテルでの受け入れ訓練を実施し、福祉避難所運営上の問題点を検証することといたしております。

 以上でございます。



○元吉俊博副議長 衛藤明和君。



◆衛藤明和議員 ありがとうございます。

 今、三百十四目標ですが、百七十二カ所ということのようであります。

 それと、私がお願いしたいのは、その避難所に防災士をどういうふうに配置するか、そういったシステムをぜひ早急に構築していただきたいと思います。

 それと、もう一点、避難所も、津波が来たら、全然役に立たないところがあると思うんです。ゼロメートル地帯の学校といいますか、杵築あたりは結構多いんです。ですから、そういったところを避難所にしていいのかどうかということもやっぱり考える必要があるかなと思いますので、今後、これからいろいろまた頑張っていただけると思うんですが、そういったことも含めてご検討していただきたい。要望にかえさせていただきたいと思います。

 ちょっと早いんですけれども、もう終わりましたので、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございます。(拍手)



○元吉俊博副議長 以上で衛藤明和君の質問及び答弁は終わりました。

 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○元吉俊博副議長 ご異議なしと認めます。

 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○元吉俊博副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。

 次会は、明日定刻より開きます。

 日程は、決定次第通知いたします。

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



○元吉俊博副議長 本日は、これをもって散会いたします。

     午後三時十六分 散会