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平成23年 第4回定例会(12月) 12月07日−04号




平成23年 第4回定例会(12月) − 12月07日−04号







平成23年 第4回定例会(12月)



平成二十三年十二月七日(水曜日)

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 議事日程第四号

     平成二十三年十二月七日

           午前十時開議

第一 一般質問及び質疑、委員会付託

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 本日の会議に付した案件

日程第一 一般質問及び質疑、委員会付託

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 出席議員 四十三名

  議長        志村 学

  副議長       井上伸史

            阿部英仁

            近藤和義

            古手川正治

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            田中利明

            渕 健児

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            後藤政義

            竹内小代美

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            吉冨幸吉

            平岩純子

            江藤清志

            久原和弘

            小野弘利

            元吉俊博

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

 欠席議員 なし

 欠員   一名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     林 浩昭

  人事委員長     石井久子

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      奥塚正典

  企業局長      緒方浩史

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     太田滋徳

  企画振興部長    池辺英貴

  福祉保健部長    永松 悟

  生活環境部長    照山龍治

  商工労働部長    山本和徳

  農林水産部長    阿部良秀

  土木建築部長    梅崎健次郎

  会計管理者兼

            平田茂雄

  会計管理局長

  人事委員会

            岡 正美

  事務局長

  労働委員会

            光永 尚

  事務局長

  財政課長      尾野賢治

  知事室長      草野俊介

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     午前十時三十六分 開議



○志村学議長 これより本日の会議を開きます。

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△発言の取り消し



○志村学議長 この際、お諮りいたします。

 油布勝秀君より、昨日の一般質問における発言中、「捜査対応について」に関する部分について、一部取り消したい旨の申し出がありました。これを許可することにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○志村学議長 ご異議なしと認めます。

 よって、申し出のとおり許可することに決定いたしました。

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○志村学議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第四号により行います。

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△日程第一 一般質問及び質疑、委員会付託



○志村学議長 日程第一、第一〇六号議案から第一二五号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。藤田正道君。

  〔藤田議員登壇〕(拍手)



◆藤田正道議員 皆さん、おはようございます。二十一番、県民クラブの藤田正道でございます。

 今回が初めての質問となりますが、私は、これまでみずからが経験してきたこと、そして、直接見聞きしてきたこと、さまざまな現場の課題を一つでも多く県政の課題へと取り上げていきたい、そういう思いでこの場に立たせていただきました。きょうも、そういった現場でお知り合いになった方々が傍聴にお越しいただいております。本当にありがとうございます。そのため、質問項目が多岐にわたってしまいますが、できる限り簡潔に発言をしてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 それでは、早速、質問に入らせていただきます。

 TPPに関しては、今議会においても先輩議員の皆様方から、県内農業との関係を中心とした質問を行っておりますけれども、私は県の海外戦略との関係についてお伺いいたします。

 現在交渉されているTPP二十一分野には、農林水産品、鉱工業品、繊維、衣料品の関税の撤廃、削減が含まれ、交渉参加について国内では賛否両論が渦巻いております。

 こうした関税など市場アクセス分野のほかには、貿易手続の簡素化を図る貿易円滑化分野、模倣品や海賊版の取り締まりなど知的財産権の保護に関する知的財産分野、ビジネスマンの入国、滞在する際の手続ルールを扱う商用関係者の移動分野、貿易や投資促進で環境に悪影響を与えないための環境基準緩和を制限する環境分野など、我が国の企業や事業者が海外で活動しやすくなる、また、技術力をさらに生かすことが可能となる分野も含まれております。

 自社製品の輸出や海外進出を希望する我が県の中小事業者にとっては、これまで海外での通関手続や商標登録、意匠登録など知的財産権を守るための手続の煩雑さが大きな障壁となっておりました。しかし、これらのルールづくりで簡素化が図られれば、知事も提案理由説明の中で触れられておりましたけれども、アジアに開かれた飛躍する大分県の実現を目指し、アジアの活力を取り込むための取り組みを本格化させるチャンスと見ることもできます。

 そこでお尋ねいたします。

 まず、県内ものづくり産業の海外市場開拓や県産品の輸出に関するこれまでの取り組みと現状、そして課題と、特に今後の中小事業者に対する具体的な進出支援策等について知事のお考えをお伺いいたします。

 次に、TPPは農業や輸出産業、金融・サービス業などさまざまな分野に影響があると思いますが、県内企業の海外展開や県産加工品、農林水産品の海外展開など海外戦略にどのような影響があると考えておられるのか、県の見解をお伺いいたします。

 これ以降は対面席に移らせていただきます。

  〔藤田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの藤田正道君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま藤田正道議員からTPPの影響を含む海外戦略全般についてご質問を賜りました。

 まず私から海外戦略について答弁をさせていただきます。

 歴史的な円高だとか、あるいは海外景気の減速といった状況の中で、県内のものづくり産業では、大企業における海外生産へのシフトだとか、厳しい価格競争等が続いておりまして、拡大するアジア市場との取引を望む声が強くなっております。

 これまで半導体分野では、大規模投資で世界シェアを拡大する韓国だとか、あるいは台湾企業とのビジネスを促進するため、県LSIクラスター形成推進会議と各国の支援機関等との交流を通じて情報収集やマッチングを支援しておりまして、韓国では四件の基本契約が締結されております。

 自動車分野でございますけれども、こちらの方も市場が拡大し、日系自動車メーカーのシェアが高いインドネシアとの取引の可能性を調査しているところであります。

 私も十月に中国内陸部の雄であります湖北省を訪問いたしましたけれども、武漢市の半導体企業は同行した県内企業との連携に興味を示す一方、襄陽市では国東市の中小企業が既に自動車の部品工場を建設中でありまして、改めて国際化の進展を実感したところであります。

 今後は、半導体、自動車を含む幅広いものづくり分野で企業のビジネスマッチングにつなげることが課題であります。

 これまでの交流や調査を踏まえまして、韓国や台湾、湖北省等において、先方の産業支援機関等との関係を生かして、コーディネート機能を強化していきたいと思います。

 他方、県産品の輸出の方でございますが、世界の市場になりつつある中国を初め、タイ、台湾、香港で見本市や物産展、現地バイヤーを招聘した商談会などを実施いたしまして、県内企業の海外展開を支援してきました。今では、調味料、しょうちゅう、ジュース、ナシや乳製品等が継続的に取引されております。

 今現在の課題として、原発事故による各国の食品輸入規制がありまして、産地証明等に迅速に対応しているところであります。

 今後は、物流のコスト高対策や売り込み先の多様化等にも取り組みますけれども、アジアで人気の日本食レストランも県産品売り込み拠点としてねらい目ではないかと思いまして、早速、先月、香港を訪ね、実践してきたところであります。

 同地の和食居酒屋「別府麺館」の十一店舗で、ブリのあつめし、冠地どり飯、シイタケステーキなどのメニューを一月間提供して、観光PRも実施中であります。大変好評で、現地においても大きく報道されておりまして、トップセールスの効果も出ているんではないかと考えております。

 ここで大事なのは大分県のために一肌脱いでくれるキーマンを確保することでありまして、香港では、先ほどの「別府麺館」の呂恵光社長と本県へのツアーを特別に企画してくれた訪日旅行の最大手EGLツアーズの袁文英社長がそのキーマンになるのではないかと考えております。他の地域でも適材を求めていきたいというふうに考えております。

 県といたしましては、県内企業が海外事業をてこに業容を拡大して、利益を上げながら、県内の生産、雇用を維持できるように、有効な施策を連携のもとで積極的に進めていきたいというふうに考えているところであります。



○志村学議長 山本商工労働部長。



◎山本和徳商工労働部長 TPPにつきましてお答え申し上げます。

 人口減少等によりまして国内市場の縮小が見込まれる中、県内企業も県内に軸足を置きながら、世界の成長センターでありますアジアの活力を取り込んでいくことが重要になってきます。

 県内企業等からは、「貿易の手続などが緩和されれば、中小企業でも海外展開が容易になる」とか、「関税がなくなれば、輸出がふえ、地場部品メーカーの発展にもつながる」などTPPへ期待する声が聞かれます。また、「具体的な内容がわからないので、メリット、デメリットの判断は難しい」といった声もあります。

 こうした中、TPPにつきましては、いまだ情報が不足しておりまして、県内企業等への具体的な影響は見えにくい状況であると認識しております。

 TPPにつきましてはこれからが大事なところでありまして、政府には我が国の国益をしっかり主張してもらいたいと考えております。

 いずれにいたしましても、県内企業が新たな市場で競争に打ち勝っていくためには、体質強化と新たな挑戦が必要になります。そのため、TPPの動向も視野に入れながら、県内企業をしっかり支援してまいる所存でございます。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございました。

 戦後、我が国は、資源を輸入し、それを加工し、輸出することで雇用の場、そして利益を得て、その利益を農林水産業の基盤整備などにつぎ込むことで安全でおいしい食料を生産調達し、また、その食料をおいしくいただくことで新たな生産の活力としてまいりました。また、中小企業も、輸出産業を支え、地域経済と雇用を支え、大多数の兼業農家の働き口として生計の一部も支え、ある意味で農地を維持する一助ともなってまいりました。

 私は、このようなつながりの中で産業と国民生活が営まれてきたと認識しており、TPPの問題もそうした全体のつながりの中で、産業や国民生活の安定をいかに確保していくかという議論が必要だと考えております。そうした議論を行うためにも、国には、今後得られる情報を積極的に開示していただきながら、また、県も、それらの情報、県内の産業や県民生活に具体的に与える影響を説明していただき、また、各分野での戦略にも反映させていただきながら、そして、現場の課題を集めて投げかけるといった県内各産業、企業と国との橋渡し役も果たしていただければと考えております。

 私も、本当に微力ではございますが、ぜひ協力をさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、水産業の振興についてお伺いします。

 我が県は、瀬戸内に面する県北地域、国東半島、別府、大分が囲む別府湾、豊後水道から太平洋に面した県南地域など多様な海に恵まれており、ご当地ごとの地魚や養殖魚も豊富な、まさにお魚天国県であります。

 これを裏づけるように、県の資料によると、本県水産業の平成二十一年における全国順位は、生産量では海面漁業、養殖合計で二十四位、生産額で十二位、単価で見ると総合で一位となっております。

 さらに、生産量で全国ベストテンに入る魚介類も、全国一位の養殖ヒラメなど三十二種もあり、食や観光面での多様性にも大きな役割を担っていると考えます。

 一方で、従事者にとっては事業継続にかかわる重大な課題も多く、生産量はピーク時の三分の一程度、生産額もピーク時の約五割と減少し、漁業経営体の数も昭和四十八年から減少に転じ、昭和六十三年には五千三百二十五あった経営体が平成二十年に二千九百八十三と四割以上減少しておりますし、就業者も昭和六十三年の一万五百二名から平成二十二年には五千二百十七名とほぼ半減しております。

 また、ことし八月時点での大分県漁協組合員の状況を見てみましても六十歳以上の方が実に七割近くとなっており、十年後、二十年後に大分の魚をとる人、育てる人が果たして何人残っているのかと心配になっております。

 実は、私の父親も漁協の組合員でありまして、兼業ではありますけれども、津久見でタコつぼやヒジキの漁を行っておりました。八十をもう既に超えておりますが、今も時々、漁に出ております。

 また、長い間、漁師さんの船を回って魚を預かって市場に出荷するという仕事をされているご夫婦のお話も伺いましたが、年々船が減ってきて、今は二十件程度の船を回っているけれども、そちらも後継者はほぼいないという危機的な状況でございました。

 また、卸売市場も、素人の私から見ても出荷量が少なく、年々減少しているとのことでありまして、原因は、漁獲量の減少に加えて、最も大きいのは大手量販店が港での直接取引を行うなど流通経路の変化であり、このことが販売価格低迷の要因にもなっておりました。

 こうした担い手不足、漁獲高の減少、価格低迷という負のスパイラルを断ち切って、大分産のおいしい魚をこれからも食べ続けられるように、また、全国の消費者に提供し続けられるような対策が求められると考えます。

 そこでお伺いいたします。

 まず、大分県内の水産漁業の現状とこれまでの振興策、そして、もうかる漁業にするために今後どのような対策をお考えか、知事にお伺いいたします。

 次に、担い手対策です。

 今般、改定案が提案されている大分県長期総合計画、そしておおいた農山漁村活性化戦略の中では、担い手対策として、中核的漁業者の育成、そして新たな担い手としての県内外からの企業参入などが挙げられております。ただ、現状を踏まえると、海面漁業分野では、燃料の高騰や漁獲高、価格の低迷で、まさに漁業では生活ができないことが後継者不足の最大の原因になっております。

 危機的な現状を踏まえた担い手対策としては、戸別所得補償制度の導入や法人化など集団経営による外部労働力の導入なども検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

 最後に、市場対策です。

 漁獲量の減少や流通経路の変化などによって産地市場の取り扱い量は年々減少し、開業日数の縮小や統合などを余儀なくされており、地元市場の魅力や活力が失われております。

 水産業振興策としての卸売市場のあり方についてどのようにお考えなのか、また、交通網の整備を前提として、県内産地のすべての魚を集約し、県外への出荷拠点として、また、海釣り公園や観光市場などの機能を持った中央卸売市場を臨海地域に開設するなどの活性策を行ってはいかがかと考えますけれども、県のご見解をお聞かせください。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 水産業の振興につきまして、まず私からお答えをさせていただきます。

 議員ご指摘のように、本県の水産業は、食の提供というだけではなく、地域を支える大変重要な産業であります。

 厳しい環境の中ではございますけれども、恵まれた漁場環境だとか、あるいは関係者の努力によりまして、生産額は二十一年から増加に転じております。二十二年は四百億円を超えると見ております。

 また、担い手につきましても、新たな担い手が毎年五十名前後確保されておりまして、これも、厳しい中、ほのかな光ではないかと考えているところであります。

 しかし、漁業では全国的に資源量が減少しておりますことから、本県では、マダイ、クルマエビ、ガザミなど価格の高い魚種の種苗を放流いたしまして増殖に努めるとともに、一本釣りとまき網漁業の資源管理協定を拡充いたしまして、マアジ、マサバの資源保護にも取り組んでいるところであります。

 一方、養殖業の方でございますけれども、生産量日本一のヒラメのブランド化だとか、あるいは生産振興を支援していくとともに、全国第三位のブリにつきましては、県漁協にフィレ加工場を整備しまして、流通や消費の現場ニーズに対応した商品開発に取り組んでおります。

 もうかる水産業を実現するためには、魅力ある水産物をつくり、それを高く売ることの両面に力点を置いた取り組みが必要だと考えております。

 まず、つくる取り組みでございますけれども、資源回復を確実なものにするために、漁獲サイズの制限だとか、禁漁区の設定など規制を強化しまして、その一方で、アワビだとかイサキなどの重要魚種の種苗放流を推進いたします。あわせて、稚魚を守り育てる藻場を拡大するため、例えば鉄鋼スラグなどを活用した漁場造成など、漁獲量の増大に努めているところであります。

 養殖業の方でございますけれども、特産のカボスを使用し、付加価値をつけた「かぼすヒラメ」「かぼすブリ」の生産を拡大してまいります。また、カワハギ、イワガキなどとの複合養殖を推進いたしまして経営安定を図るとともに、消費者ニーズが高いクロマグロ養殖を振興したいと考えております。

 次に、売る方の取り組みでございますけれども、先月、「坐来」で実施いたしました求評商談会におきまして、早速、首都圏の大手百貨店が年末に「かぼすブリ」の販売を決定したところであります。今後とも、このような取り組みを重ねまして、取引の拡大を図っていかなければならないというふうに考えます。

 また、ハモ加工品など学校給食での県産魚の地産地消を進めるとともに、ブリフィレを主体にした水産物輸出を北米に加えましてアジア方面にも展開するなど、多様な販路の開拓に努めたいと思います。

 こうした取り組みによりまして、二十七年の水産業生産額四百五十億円を目指しまして、もうかる水産業を実現していきたいというふうに考えております。

 私からは以上でございますけれども、その他のご質問につきましては農林水産部長からお答えさせていただきます。



○志村学議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 それでは、私の方から二点についてお答えを申し上げます。

 まず、水産業の担い手対策についてでございます。

 この五年間の新規就業者は毎年五十人前後で推移をいたしておりまして、合わせますと二百四十八人となっております。

 内訳を見ますと、就業先は、一本釣りを中心に漁業が九割、養殖業が一割となっておりまして、水産業以外の分野からの参入が約八割を占めている状況にございます。

 戸別所得補償につきましては、本年度から国による資源管理・漁業所得補償対策が実施されているところであります。

 具体的には、漁業共済制度の中で掛金を抑える措置がとられておりまして、基準収入から一定以上の減収が生じた場合に、収入を最大九割まで補てんする制度が導入されたことから、関係団体と連携して漁業者への加入促進を図っているところでございます。

 また、法人化等につきましては、まき網やマグロはえ縄漁業の一部で見られますが、本県では家族的で独立性の強い小規模漁船漁業が主体でございますため、外部労働力の導入に向けた合意形成は難しいものと考えております。

 県といたしましては、海洋科学高校の生徒を対象にいたしましたインターンシップや社会人を漁業現場で実践的に技術習得させる研修等を推進し、担い手の確保に努めてまいりたいと考えております。

 続きまして、水産物卸売市場についてでございますけれども、卸売市場を取り巻く環境は、流通量の減少や取引形態の多様化、買い受け人の減少などによりまして大きく変化し、厳しさを増しているところであります。

 このような中、水産振興や水産物の円滑な流通を図るため、平成二十七年度までを計画期間といたします第九次大分県卸売市場整備計画を現在策定中でございます。

 卸売市場の魅力を高めるためには、取り扱い量をふやすことや安全で品質のよい品ぞろえを豊富にすることが何より重要であります。このため、水揚げ量や魚種構成の変化などに対応し、市場の統廃合を含めた集出荷体制の整備を進めるとともに、地域拠点市場であります大分市公設地方卸売市場と県内の他市場がこれまで以上に連携し、コールドチェーンシステムの整備も検討する必要があると考えているところであります。

 観光面等の機能をあわせ持つ市場につきましては、興味のある提案ではございますが、市場開設者等の意向を踏まえて、今後、研究していきたいと思っております。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございます。

 私が心配しているのは、県内各地の地魚や地元の海の魚がその町で食べられなくなるのではないかという危機感でございます。

 地元の魚をその町でいただくことは、食のだいご味でもありますし、観光の目玉ともなっていると思います。やっぱり地元の魚をとる漁業の担い手対策、そして、その魚を地元の料理店や鮮魚店に提供する卸売市場の役割は極めて大きく、例えば、今、津久見市場は週三日しか開業していないため、地元の料理店さんは、その日以外には津久見の魚を津久見の市場で仕入れることができません。

 先般、第九次県卸売市場整備計画について、今もお話がございましたけれども、ぜひ漁業生産者、従事者初め、市場関係者などの声も反映しながら、水産業の活性化につながるような取り組み、そして、統廃合の話もありましたけれども、統廃合されても、とれた地域の魚をその地元の方が仕入れられるような仕組みをぜひつくっていただきたいと要望させていただきたいと思います。

 次に移ります。

 ウイルス性肝炎対策についてご質問いたします。

 我が国には、B型、C型肝炎の患者と感染者が約三百五十万人いると推計されています。

 ウイルス性肝炎は、国内最大級の感染症と言われながら、感染しても症状があらわれないケースが多く、感染者は、自覚症状のないまま、ある日突然、肝硬変や肝がんが見つかり、見つかったときには既に手おくれという方も多いと聞きます。一方で、近年では、診断方法や治療法が進歩し、早期発見と早期治療によって完治される方もふえております。

 私は、患者団体の皆さんとの交流の中で、大分県内にも集団感染地域が存在することや、肝炎以外の病気で治療を断られた、あるいは職場で差別をされた、中には仕事をやめさせられたなどの偏見被害についてもさまざまなお話を伺いました。

 肝炎患者の皆さんは、治療費の負担のみならず、仕事や生活上の制限や不利益、偏見や差別による精神的な苦痛を大きな負担として強いられています。

 こうした中、患者や支援者の皆さんの努力でウイルス性肝炎対策の重要性が社会的に認知され、昨年一月一日には肝炎対策基本法が施行されるなど法的な整備も進み、平成二十年度からは肝炎治療費助成制度が開始され、高額負担となっていましたインターフェロン治療や、最近では核酸アナログ製剤治療などの医療費自己負担限度額の設定や引き下げ、保健所や特定の医療機関での肝炎無料検査、そして肝硬変、肝がん患者への障害者手帳の交付など、早期発見、早期治療や患者負担軽減のための施策が、徐々にではありますが、取り組まれるようになってまいりました。しかし、感染経路特定の困難さもあり、薬害肝炎訴訟や集団予防接種によるB型肝炎訴訟によって補償が得られる患者はごくわずかであります。

 平成二十年に成立した薬害肝炎救済特別法においても、申請には感染経路の立証が必要であり、薬剤投与を証明するカルテや診療機関関係者の証言など客観的証拠が時間の経過とともに失われ、そのために救済を受けられない方が数多くおられます。

 また、この法律自体が五年間の時限立法となっており、そうした救済を受けるためにも、実は早期発見が非常に重要な意味を持っております。

 健康と命を守るための早期発見と検査機会の拡大、ウイルスキャリアに対する早期治療と健康指導体制の充実、同時に、差別や偏見をなくすための周知、啓発の取り組みが不可欠であると考えます。

 そこで、三点お伺いいたします。

 まず、我が県のB型、C型肝炎の患者数、感染者の現状と、推定されている患者数に対して平成二十年以降始まった無料検査事業によって今まで何名の方が検査を受けられ、そのうち何名の方の感染が確認されたのか、お教えいただきたいと思います。

 次に、これまでの周知、啓発への取り組みですが、その成果についての評価と今後の施策についてお伺いいたします。

 また、あわせて薬害肝炎や集団予防接種など感染経路側から感染が類推される方々への情報提供、つまり、対象となるフィブリノゲンが納入されていた医療機関で投与された可能性のある方、また、集団予防接種が行われていた学校や地域で感染が確認された場合の対象者への情報提供など、個別積極的な取り組みの状況もお教えいただきたいと思います。

 最後に、感染が確認された方々への支援や相談指導体制をさらに充実させる必要があると思いますが、お考えをお伺いしたいと思います。



○志村学議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 三点についてお答えをいたします。

 まず、ウイルス性肝炎患者と感染者についてでございます。

 平成十四年度から十八年度に県内市町村で実施をしました老人保健法に基づく肝炎ウイルス検査の結果から、感染者数は、B型、C型合わせて人口の二・五%、約三万人と推定されます。

 また、ウイルス性肝炎を含む肝疾患の患者数は、国民健康保険、後期高齢者医療の二十二年五月診療分の疾病分類別統計から、約八千人と推定されます。

 肝炎ウイルスの無料検査につきましては、二十年度から二十二年度までの三年間に二千五十人が検査を受けており、このうち感染が確認されたのは、B型三十一名、C型四十七名となっております。

 この無料検査のほか、十四年度から二十二年度の間に市町村が実施した老人保健法、健康増進法に基づく検査等では約十六万人が検査を受けておりまして、B型二千二十九名、C型一千七百六十四名の感染が確認されているところでございます。

 次に、二点目のウイルス性肝炎の周知、啓発についてお答えをいたします。

 これまで、治療費助成や無料検査の情報を中心に、県や市町村の広報誌、ホームページ等で周知を図っております。その結果、平成二十二年度までに、インターフェロンで千三百九名、核酸アナログ製剤で五百二十一名が治療を受け、肝硬変や肝がんへの進行を防ぐことができております。

 今後は、県民一人一人がみずからの肝炎ウイルスの感染の有無を把握するよう促し、肝炎患者等に対する差別の解消と知識不足による新たな感染を予防するため、肝炎についての正しい知識の普及に努めてまいります。

 薬害肝炎につきましては、フィブリノゲン製剤納入医療機関を新聞紙上などで公表してきておりまして、医療機関においても相談窓口を設けるなど積極的な対応がとられてまいりました。

 集団予防接種につきましては、市町村の予防接種台帳の保存状況についてホームページで公表しており、接種についての個別情報は市町村において提供されているところでございます。

 今後も、肝炎患者救済のため、関係機関と連携しながら、周知、啓発に取り組んでまいりたいと考えております。

 それから、三点目の感染者に対する支援体制についてお答えをいたします。

 本県では、肝炎を初めとする肝疾患患者の診療体制を確立するため、肝疾患診療のネットワークを構築しております。このネットワークの中核を担う肝疾患診療連携拠点病院である大分大学医学部附属病院に肝疾患相談センターを設置し、患者本人や家族からの医療に関する相談等に対応しているところでございます。

 今後の取り組みでございますが、本年度、肝炎患者や感染者を早期に発見し、適切な治療を受けられるようにするために、市町村や民間企業の保健師、医療機関の看護師等を対象に地域肝炎治療コーディネーターの養成講習を実施しておりまして、百八十五名の方が受講したところでございます。

 今後は、このように身近できめ細かな相談に対応できるよう、地域肝炎治療コーディネーターと肝疾患相談センターとの連携を促進するなど、支援体制の強化を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございます。

 実は、患者や感染者の皆さんは、みずからの責任はなく、みずから感染を防ぎようのなかった方々であり、今の答弁をお聞きしましても、推定で約二万人以上の方がまだ気づかずに県内におられるということだろうというふうに思います。

 私たちも感染したかもしれない、もしくは感染しているのかもしれないという非常に身近な問題でもありますので、ぜひ感染患者の方々、治療への細やかな支援体制をお願いしたいと思いますし、そのためにも、県が開催をしております肝炎対策協議会に患者代表を加えて意見を反映させるなどの取り組みもぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。



○志村学議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 患者さん代表の協議会への参加については、また、患者さんの団体ともお話をしながら、それから、今、拠点病院であります大分大学、それから、こういうコーディネーターの代表の方とも相談しながら進めてまいりたいと思います。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ぜひよろしくお願いいたします。

 また、救済を受けるための感染経路の立証が非常に困難な状況になっていますので、できればカルテや薬剤使用記録、これ、法的には五年保存年限ということですが、ぜひ医療機関の方に関連するものは破棄を待ってくれというような連絡をしていただければありがたいと思いますし、既に廃院となった病院や医院に関する情報提供もぜひ積極的にお願いしたいと思います。

 これだけ多くの方が感染しているかもしれないという状況にありながら、実は、啓発、周知の取り組み、あるいはマスメディアでの取り上げ方というのが非常に少ないように思われます。ぜひ、きょうお集まりの報道機関の皆さんも積極的な情報提供で県民への呼びかけをお願いさせていただきまして、次に移らせていただきたいと思います。

 分譲マンション対策についてお伺いいたします。

 大分、別府など都市部を中心に県内でもふえ続けている分譲マンションですが、全国で平成二十二年度末のストック数は五百七十万戸を超え、約一千四百万人、実に国民の一割以上が居住しており、我が県でも一般的かつ主要な住宅形態となってまいりました。その一方で、築三十年を超えるマンションは全国で百万戸を超えていると言われ、居住者の高齢化や賃貸化等が課題となっております。

 分譲マンションでは、設備の維持管理、管理費や積立金の管理、そして地域、自治会との連携などは区分所有者を組合員とする管理組合が担っておりますが、無関心な組合員の増加、あるいは役員のなり手がない、役員になってもほとんどが素人であるなど、県内でもさまざまなトラブルや訴訟問題が発生しております。

 平成十九年に公表された県の住生活基本計画において、本県の分譲マンション率、つまり、全世帯に占めるマンション世帯の比率は、福岡県に次いで九州で二番目と高く、今後も都市部を中心に供給が進み、初期に建てられたマンションの建てかえや適切な維持保全が重要であると認識されており、大規模修繕工事や建てかえ工事に備えた適切な管理が行えるように、管理組合に対する情報提供や相談機能の充実を図るというふうにされております。

 そこでお伺いいたします。

 まず、大分県における分譲マンションの棟数、ストック数、また、世帯数、居住者数などの現状の把握と、これまで県として取り組んでこられた管理組合への情報提供や相談機能の充実などの施策の実績についてお教えいただきたいと思います。

 なお、あわせて市町村の取り組みについても、把握されている範囲でお願いいたします。

 次に、住宅施策についてですが、現在、大分県住生活基本計画の変更作業が行われておりますけれども、総論的な基本計画に基づく具体的な施策を検討する際には、戸建て住宅と集合住宅、また、集合住宅については、オーナー賃貸や公営、そして分譲マンションとそれぞれの所有形態に応じたアプローチが必要だと考えます。

 分譲マンションに関しては、防災での耐震化や高齢化に対応したバリアフリー化などの施策をそれぞれのマンションで実行するためには管理組合での集団意思決定と全所有者による資金調達、それらが必要であり、所有権も個人所有部分と共有部分が併存しているなどの特性を踏まえた上での施策を検討すべきと考えますが、県の見解をお願いいたします。

 最後に、マンション管理組合に対する県、市町村の支援制度についてお伺いいたします。

 現在、国の補助事業である住宅の耐震診断や耐震改修に対する補助制度、そして自治体独自の助成制度、アドバイザー派遣制度など、マンション管理組合に対する支援策が福岡市、熊本市を初め、都市部を中心に全国で設けられておりますけれども、残念ながら大分県内ではそうした制度を設けている市町村はございません。

 今後、大分県においても、分譲マンションの管理運営状況の実態を調査し、市町村と連携した支援策を講ずる必要があると考えますが、いかがでしょうか。



○志村学議長 梅崎土木建築部長。



◎梅崎健次郎土木建築部長 私からは三点についてお答えいたします。

 まず、分譲マンションの現況等についてでございます。

 本県の分譲マンションの現況は、建築統計年報などによれば、平成二十二年度末現在で、棟数は約六百五十棟、戸数は約三万戸、住居者数は約七万二千人と推計されております。

 県といたしましては、マンション管理の適正化を推進するため、全国組織である財団法人マンション管理センターとの共催で県内の管理組合向けの研修会を毎年度開催しています。この中で、建物の維持管理の委託方法や長期修繕計画、修繕積立金などのノウハウを提供するほか、個別の相談窓口の設置等を実施してきているところでございます。

 市町村の取り組みでございますが、市町村の現況については、県内のほとんどの分譲マンションが集中している大分市と別府市での取り組みを把握しています。

 大分市では、マンションの現況を把握するため、管理台帳を作成しており、別府市では、マンション管理士会と共同で管理組合の運営状況や修繕に関する実態調査を実施し、その結果をホームページで公開しております。

 以上でございます。

 次に、住生活基本計画の見直しについてお答えいたします。

 県住生活基本計画の見直しに当たっては、分譲マンションは、その特性を踏まえ、戸建て住宅や賃貸住宅とは区別して個別に検討を行っております。

 国の新たな住生活基本計画では、分譲マンションの維持管理情報の蓄積や適切な管理、維持修繕の促進等を基本的な施策として位置づけており、県計画もこの方針を参考に、市町村と連携して見直しを進めているところでございます。

 最後に、マンション管理組合に対する支援についてお答えいたします。

 例えば、分譲マンションの大規模な耐震改修を行う場合には、建物の区分所有等に関する法律により所有者の四分の三以上の合意形成が必要となるほか、工事に当たっては修繕積立金の確保が必要になるなど、その推進役となる管理組合の役割が重要であると認識しております。

 別府市の調査によりますと、管理組合や長期修繕計画がない分譲マンションもあることから、県は、市町村及びマンション管理士会、NPO法人等と連携し、詳細な実態把握や課題整理を行った上で、より効果的な情報提供や相談体制の充実等に向け、検討していきたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございます。

 今のご答弁にもありましたように、もう既にマンションは大分県内でも一般的な居住形態となっておりますし、特に、近年、中心部には、高齢者や障害者など、いわゆる生活弱者と言われる方も多く移り住んでこられております。今まで以上に各施策の展開に当たっては、分譲マンションという特性を踏まえた施策をお願いしたいと思いますし、あわせて、国や自治体が住宅にかかわる支援、助成制度を設ける際には、ぜひ市町村とも連携して、分譲マンションも対象に加えていただくという努力をお願いしたいと思います。

 次に、防災対策について、三つの視点で質問いたします。

 なお、現在、県の地域防災計画の見直し作業が行われておりますので、できればその状況も含めてご答弁いただけるとありがたいと思います。

 まず一点目は、情報通信手段の確保対策です。

 先般、東日本大震災で被災した自治体議員の方のお話を伺う機会がございました。それによると、津波による被災地の多くの現場では、テレビも電話も携帯もネットもメールも、さらには防災無線も有線放送も使えず、伝達手段は緊急車両のサイレンとスピーカーしかなかったというところも多く、実際に情報が必要な人々に必要な情報を届けることができなかったと強調されておりました。

 現地では、住民の避難誘導に当たっていた多くの消防団の方々がその任務中に命を落とされ、ある調査では、消防職員の死者、不明者が二十七名に対して、二百五十名を超える消防団員が死亡または行方不明となっており、その原因は、現場の消防団員が情報を入手する手段がなく、みずからが置かれている状況を把握できなかったという分析がなされておりました。

 私の周りの消防団員の方にも尋ねてみましたが、緊急時に使える無線設備は限られており、活動時の情報連絡は大半を個人の携帯電話に頼っているということでした。また、一般市民が情報を得ることができた唯一の手段が電池式のラジオやカーラジオだったというお話もお伺いしました。

 そこでお伺いします。

 災害時には、電力設備や通信施設も被災し、また、一時的にアクセスが集中するため、携帯電話などの通信手段が使えなくなるという前提で防災計画を考えなければなりませんが、特に消防団員、あるいは福祉施設の関係者への非常時の連絡手段の確保策についてはどのように考えられているのでしょうか。

 また、万が一の事態に備えて電池式のラジオを常備するよう、改めて県民へ周知、啓発することが肝要かと思いますけれども、一方で、県内には山間部や沿岸部などに難視聴地区が少なからず存在しており、放送事業者と連携しながら早急に難視聴地区の解消に努める必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 二点目は、ライフラインの防災対策です。

 先ほどの情報通信手段を確保するためにも、災害に強い電力設備や情報通信設備の構築が必要でありますけれども、被災後の復旧、復興にもライフラインの確保が極めて重要でございます。

 東日本大震災では、ガソリンスタンドや製油所が被災した上に供給網が寸断され、ガソリンや燃料を求めて長い列をつくっていた被災地の映像が印象的でした。

 大分市には、南九州全域にガソリン、灯油などを供給している製油所があり、また、県下各地に都市ガスやプロパンガスの供給施設もあります。これら施設ごとの災害への備えと同時に、周辺のアクセス道路の強化も非常に重要です。関連企業との連携及び対策についてお聞かせください。

 三点目は、津波被害を想定した道路整備についてです。

 県南のリアス式海岸の半島地域では、主要道路や生活道路の大半が海岸線に沿って整備されており、津波被害を受けたときには孤立するリスクが極めて高くなっています。半島の尾根の部分に双方の集落からアクセスできるような避難路、迂回路の整備が非常に重要であると考えますけれども、県の見解をお伺いいたします。



○志村学議長 照山生活環境部長。



◎照山龍治生活環境部長 私からは、防災対策のうち、二点についてお答えいたします。

 まず、災害時における情報通信手段の確保についてでございます。

 被災地で支援活動を行いました職員や本県に避難されている被災者の方々から多くのご意見をいただきました。その中で、ラジオのほか、サイレンや半鐘など複数の情報通信手段の重要性を再認識したところでございます。

 そこで、議員お尋ねの三点の連絡手段などにつきまして答弁いたします。

 まず、消防団員相互の連絡手段の確保についてでございますけれども、トランシーバーなどが有効であるというふうに考えてございますので、消防団安全対策設備整備費補助事業などによりましてトランシーバーなどの安全装備品の緊急整備を積極的に行うよう市町村に働きかけていきたいというふうに思っております。

 次に、福祉施設関係者の連絡手段についてでございますけれども、社会福祉施設では、今回の大震災を受けまして、新たにトランシーバーや携帯ラジオなどを配備した施設もございますので、このような取り組み事例を関係者に周知して、配備を促していきたいというふうに考えております。

 最後に、難視聴地区の解消についてでございますけれども、山や谷が多い本県の地形と天候等の条件によりまして、一部ではテレビやラジオが視聴しにくい地域もございます。そのため、県といたしましては、難視聴の改善に向けまして、関係市町村と連携して、放送事業者への働きかけを行っていく所存でございます。

 次に、ライフラインの防災対策についてお答えをいたします。

 災害に強いライフラインの確保は、防災対策において極めて重要な課題というふうに考えてございます。今回の東日本大震災でも、被災地への派遣職員の報告によりますと、ライフラインの復旧にあわせまして住民の生活が次第に落ちつきを取り戻したということでございます。それからもその重要性がうかがえます。

 本県では、震災前からライフライン事業者も交えた大分県防災会議や大分地区石油コンビナート等特別防災区域協議会の開催、大分県石油商業組合との災害時支援協定の締結などによりまして連携体制を構築しておりますけれども、現在、地域防災計画の見直しの中で、ライフライン施設や緊急輸送道路の橋梁の耐震化を初めといたしまして、被災時の応急復旧体制の確立、事業者を含めた総合防災訓練などを検討しておりますので、今後は、県、市町村とライフライン事業者が一体となりまして取り組みを進めていきたいというふうに考えております。

 それから、防災計画の見直しでございますけれども、これまでも答弁をしたように、年内に素案をつくり上げまして、国の防災基本計画とすり合わせて、年度内に作業を終えたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。



○志村学議長 梅崎土木建築部長。



◎梅崎健次郎土木建築部長 災害に備えた避難路の整備についてお答えいたします。

 県南地域の海岸線沿いの道路は、東南海・南海地震で甚大な津波被害が想定されることから、被災後の救援、復旧ルートの確保は大きな課題と認識しております。

 半島地域では、海外沿いの集落を結ぶ生活道路の整備を進めつつ、のり面崩壊対策など防災面での機能強化を図っているところでございます。

 議員ご提案の、新たに尾根を縦断し、さらに各集落への道路を整備するには、多大な費用と時間を要することから難しいのではないかと考えております。

 まずは、引き続き災害に強い生活道路の整備を進めながら、被害が発生した場合には、国や他県等の関係機関との連携により早期の孤立解消に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございました。

 避難路については費用が多大であるというのも認識をしておりますけれども、地域住民との連携の中で、やっぱり最適な対策を講じていただきたいというふうにお願いさせていただきます。

 それと、情報手段の確保という観点では、視聴覚障害者の方々や日本語を理解されない外国人の方々のような情報弱者対策も日常的に取り組む必要があると思っております。

 例えば、テレビ、ラジオ番組での字幕放送や解説放送は、国としては二〇一七年までにすべての番組に付与するという方針を持っておりますけれども、現状では、県の広報番組もすべてに付与しているというわけではございません。

 また、これから設置される海抜表示板や避難場所、避難経路表示にも外国語の表示の併記などの配慮も必要だと考えますが、どのようにお考えでしょうか。



○志村学議長 照山生活環境部長。



◎照山龍治生活環境部長 災害対策で外国の方とか、あるいはいろいろ障害を持っている方の対策というのは非常に大事だというふうに思っております。

 海抜表示板につきましては、今、全市町村統一したデザインにしておりますけれども、その中には英語表示を入れるようにしていますし、JISマークも入れるようにしていますから、仮に外国の方が来たとしても十分対応できると思いますし、また、防災会議には放送関係者もいらっしゃいますので、地域防災計画を見直します中で、もちろんそういうふうなことも盛り込みたいと思っておりますし、その実行の中でも地域防災会議で対応していきたいと思います。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございます。

 この防災関係は非常に幅の広い課題が数多くありますので、本当にご苦労をおかけするとは思いますが、県民の安全のために万全の対策をお願いさせていただきます。

 そして、最後になりますが、NPO活動への支援についてお伺いいたします。

 一昨日、元吉議員の質問にもあったようにNPOは、我が県においても新しい公共を担う主体としての活動が期待されております。

 ことし六月には、こうしたNPOの活動を法的に後押しするために、寄附税制の改正法と改正特定非営利活動促進法というNPO法人制度に大きな変革をもたらす二つの法律が成立いたしました。

 これらは、一九九八年にNPO法人制度がスタートして以来、最大の改正と言われており、その概要は、財政基盤が脆弱であるNPOが寄附を集めやすくする、具体的には、認定されたり、指定されたNPO法人に寄附をした個人、法人の所得税や地方税が最大五〇%、税額控除できるという制度でございます。そして、その税制優遇措置を受けるための認定機関が国税庁から都道府県に、あるいは政令市に移管をされて、それに県や市町村が条例で個別に指定したNPO法人についても対象とするというものでございます。この法改正によって県内のNPO関係者の期待も大きくなっております。

 しかし、こういったメリットを県下のNPO法人がフルに享受するためには、今あるNPO法施行条例を改正後の法律に合わせた改正を行って、地方税法第三十七条の二の第三号に規定される対象となる法人の範囲を定めるいわゆる三号指定条例、それから、第四号で、自治体が条例で指定することで国税とは関係なく地方税の控除対象とできる、そう言われております四号指定条例が制定されなければなりません。

 そこで伺います。

 今回の法改正に関して、県としても県協働推進会議や県民活動支援室によるNPO関係者への説明会の開催が既に行われておるようでございますけれども、この法改正に伴う各条例の改正や制定を行うのか、また、今後のNPO活動に対する支援策について見解をお伺いいたします。

 次に、条例の改正をされるということになりますと、制定に関するNPO関係者や県民への周知、NPO法人からの申請に基づく認証や認定手続や問い合わせ対応など、県としての対応窓口となる県民生活・男女共同参画課などの体制を拡充する必要があると考えておりますが、お考えをお伺いいたします。



○志村学議長 照山生活環境部長。



◎照山龍治生活環境部長 改正NPO法への対応につきまして、二点お答えいたします。

 まず、NPO法等の改正についてでございますけれども、NPO法施行条例についてでございますが、今回の法改正では、法人認証手続が簡素化されるとともに、認定NPO法人の認定権限が県に移譲されるということになりました。このため、来年四月一日からの改正法の施行に向けまして、現在、NPO法施行条例の改正準備を進めているところでございます。

 次に、寄附税制に関する条例についてでございますが、今回新たに個人住民税の寄附金税額控除制度が設けられましたが、これはNPO活動の活性化に効果的な支援となりますため、できるだけ早い運用を目指すこととしております。そのため、県では、NPO法人がより活発に活動できるよう認定に必要な基準の検討を進めておりまして、市町村には、制度趣旨につきましての説明会等も行っているところでございます。

 最後に、今後のNPO活動への支援策についてでございますが、まず、NPOの信頼性を高めるための情報発信や経営能力向上のための研修等によって活動基盤の強化を図っております。

 また、NPO活動を社会全体で支える仕組みといたしまして市民ファンドを創設するとともに、寄附促進のためのフォーラムを行うこととしております。

 さらに、NPOと企業の相互理解を深めて信頼関係を構築するための出会いの場も、今後、定期的に設けることとしてございます。

 それから、次に、法改正に伴う対応窓口の体制についてでございますけれども、今回の法改正の趣旨や内容をNPO活動の活性化につなげるため、NPO関係者を対象といたしました説明会やNPOの情報を集積した「おおいたNPO情報バンクおんぽ」、そして広報誌等によりまして幅広く周知を図ることとしております。

 また、認定NPOなど法改正に伴う新たな事務、あるいは相談のほか、認定審査業務等の増加が予想されますので、職員の専門知識の習得を進めるなど、NPOを支援する体制を充実する所存でございます。

 以上でございます。



○志村学議長 藤田正道君。



◆藤田正道議員 ありがとうございます。

 今検討していただいているということで安心をいたしましたけれども、実は、改正NPO法自体は来年四月からの施行でございますけれども、所得税の税額控除に関してはもう既にことしの六月から適用されておりますし、地方税にかかわる部分も来年一月一日から適用となるようになっております。

 他県では、この十二月議会に条例提案をされているところも幾つかあると聞いておりますので、ぜひ早目の対応をよろしくお願いいたします。

 そして、あわせて今回のNPO法の改正でもう一つの大きな柱が、今まで福祉やまちづくりや社会教育などの十七分野が指定をされておりましたが、新たに三つの分野が追加をされております。

 一つが観光の振興を図る分野、そしてもう一つが農山漁村または中山間地の振興を図る活動であり、これらはまさに今議会でも話題となっている県の重要課題でもございます。さらに三つ目として、各都道府県や政令市が独自に施行条例で定める活動分野というのが入れ込まれました。これは、実は、例えば、再生可能エネルギーの開発や利用普及を図る活動などを県が指定できるようになりますので、こうした制度も使いながら、さらに市民活動との連携というものを重点的に展開していくという考え方も必要だと思いますので、ぜひご協力をお願いしたいと思います。

 最後になりますが、私も十年来、NPOの役員として活動しておりますけれども、県民活動支援室の皆さんや「おおいたNPO・ボランティアセンター」の皆さんには、直接、間接にきめの細かいサポートをしていただいております。

 特に、今回の法改正、それから認証手続という新たな取り組みも入ってきますので、先ほど、技術、知識の習得というお話もございましたが、ぜひ人的な面でのサポートもしていただきますことを最後にお願いさせていただきまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)



○志村学議長 以上で藤田正道君の質問及び答弁は終わりました。濱田洋君。

  〔濱田議員登壇〕(拍手)



◆濱田洋議員 九番、自由民主党・無所属の会、濱田洋でございます。

 きょうは、二十四節気の一つ、大雪でございます。平地でも雪が降り始める、その日でございますが、我が玖珠郡は大分県でも雪の多い地域でございます。おかげで雪がなくて、きょうは五十名を超える方々が応援、傍聴に来ていただきました。大変ありがとうございます。しっかり頑張っていきたいと思います。

 さて、本年は、三月十一日の東日本大震災、津波、そして原子力事故、まさに自然の猛威とエネルギーが大変な大災害をもたらすということを痛感させていただいた年でありました。また、人間の営みの行為では、去る十一月に大阪維新の会が大勝をしたことであろうと私は感じております。まさに、都市政策に住民の大きな意思があらわれた。大分県でいえば、ここにおられる広瀬県知事が大分市長に転向をするという、まことに信じがたい行為が大阪で起こったわけでございます。

 ご存じのとおり大阪は、例えば、食べ物でいえば、お好み焼きとか、親子どんぶりとか、きつねうどんとか、こういう食べ物は大阪で発祥し、全国に広がりました。また、経済行為では、ターミナルビル、ターミナルデパート、これは大阪が発祥でございます。また、スーパーマーケット、これも、ダイエー、主婦の店が大阪富田林市で始まり、瞬く間に全国に広がりました。

 こういうことを考えますときに私は、今回の大阪維新のあらわれというのは、全国的に広がるものであるか、また、大阪だけの特異の問題であるか、非常に関心を持って見詰めているところでございます。

 そういう中で今回、二〇〇五年に大分県長期総合計画が出されて、ちょうど中間の見直しという時期で、今議会に提案をされております。

 私は、今回、質問は、社会情勢が大きく変わる、特に世界の人口は七十億を超えて、どんどんふえております。しかし、我が日本国は、我が大分県は、あるいは我々が住んでおる地域は、どんどんどんどん人口が減ってくる、そういう今の状況であります。また、今回、いろんな見直し提案がなされておりますが、その中で、やはり、これを見直したことによって大分県が本当に豊かになるのか、日本は前を向いて進んでいるのか、大分県は前を向いて進んでいるのか、また、我々が住んでおる地域は進んでいるのか。恐らく皆さんの脳裏には、ちょっと待てよというような気持ちが大いにあるんではなかろうかというふうに感じさせていただいております。そういう中で、時代の進歩、あるいは社会の変貌、一昔前はドッグイヤー、いわゆる人間の七倍、犬は年をとる、そういう言葉が出ておりました。私は、今の感覚は、もう一年が十年ぐらいのスピードで周りは変わっておる。そういう中での今回の長期総合計画、あと五年の大分県ビジョンを策定する、あるいは今議会で議決をするわけでございます。その根本の提案をされておる知事さんに、まず、どういう時代認識と、それから、今の時代を踏まえてこの長期総合計画見直し案を提案されておるのか、お伺いをさせていただきたい。そういうことでございます。

 今回、六項目について質問をさせていただきますけれども、すべて長期総合計画の中でこういう問題をどういうふうに取り扱って進めていくか、そういう観点からの質問でありますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 以下、質問席でやらせていただきます。

  〔濱田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの濱田洋君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま濱田洋議員から長期総合計画の見直しについてご質問を賜りました。

 我が国は、したがって大分県もでございますけれども、かつて経験したことのない大きな変革に直面しておりまして、時代はまさに潮目にあります。また、議員ご指摘のとおり、政治や経済の未来に対する不安も広がっているというふうに思います。このような中、大分県の将来像を描くには、我々が置かれている状況を注意深く読みながら、これから何をなすべきかを見定めていかなければならないと思います。

 このたびの長期総合計画の見直しに当たりまして、私は、五つの視点から時代認識を整理いたしました。

 一つ目は、やはり東日本大震災が起きたということであります。

 震災から多くのことを学びながら、これを我々自身の問題としてとらえていくということが非常に大事であります。

 防災対策を充実することはもちろん、大きな問題となっている原子力発電所の事故に関連いたしまして、重要性が増しているエネルギー政策にも取り組んでいかなければならないと思います。

 二つ目は、本格的な人口減少社会が到来する中、助け合い支え合いながら信頼と安心のきずなで結ばれる地域力が求められる時代であるということであります。

 高齢者や子育て中の若い世代、そして障害者を地域ぐるみで支える仕組みづくりを進めるとともに、課題が広がりつつある小規模集落対策に力を入れていきます。

 三つ目は、労働力人口も減少する中で、活力に満ち、活気あふれる大分県を目指すには、今こそ産業の底力を定着させる時代であると思います。

 農林水産業におきましては、ブランド化の推進や担い手の育成などによる総合的な構造改革を進めます。製造業では、進出企業と地元の中小企業が一体となって大分の活力をリードしていただくように、産業集積のさらなる深化を図ります。観光業では、豊富な地域資源に磨きをかけて、戦略的に売り込み、国内外からの誘客につなげていきます。

 四つ目は、経済のグローバル化が県民生活にも影響を及ぼしていることから、世界を視野に入れた活動、対応が求められるということであります。

 中国を初めとするアジアの活力を取り込み、本県の活力に変えていくという、積極的な意味での国際化を進めていかなければならないと思います。

 そして、五つ目は、人口減少や国際化などの課題に対応していくためにも、やはり大事なのは人材でありますから、人材育成に力を注ぐべき時代であるということであります。

 小、中、高校における学校教育、学校と社会をつなぐキャリア教育、社会に出た後の生涯学習といったさまざまなステージでしっかりと人材を育て、地域の元気を生み出していきたいと考えております。

 このような時代認識を踏まえまして、計画に盛り込んだ取り組みを着実に実行いたしまして、県民が生きがいと幸せを実感できる、そして、住んでよかったと思っていただける「安心」「活力」「発展」の大分県を創造していきたいと考えております。

 議員からは、大阪の例をとりましてお話がございましたが、私は、いましばらく大分県知事の仕事を務めさせていただきたいと思っております。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 ありがとうございました。

 やはり、こういう本当に変化の多い時代でありますし、そういう中で、これは十一月八日の大分合同新聞に、来年度の県の予算方針ということで記事が出ておりました。四年ぶりにマイナスにもなりかねない。投資的な経費が減少というような見出しであります。

 これから後、社会資本整備等についても質問させていただきますけれども、やはり基本的な県知事の、来年度予算を含めた、これから非常に予算編成も厳しいというふうに思っておりますけれども、いま一度、来年度からの五年の長期計画の中で、投資的経費を含めた予算編成がしっかりなされるかどうか、それを一つお願いします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 来年度は、ただいま答弁をさせていただきました県の長期総合計画見直しプランの初年度ということになるわけでございます。したがいまして、このプランに沿って、その初年度という意気込みで予算の編成もしていかなければならないというふうに思っています。

 他方、予算をめぐる環境というのはますます厳しいものになってきております。特に、国の方の投資的経費が、いろいろ基金が終期を迎えるとか、そういった投資的経費が切られるといったような状況もございます。それからまた、東日本大震災の復興のための予算需要というのもあるわけでございまして、そういった意味では、やはり大変厳しいものがあるというふうに考えておりまして、特に公共事業を初めとする投資的経費については、これまでのように前年を上回る積極的な対策ということにはならないかもしれないと大変心配をしているところでございます。

 そういう厳しい環境の中ではございますけれども、予算編成に当たりましては「おおいた元気枠」という特別の予算枠を設けまして、選択と集中によりまして重要なものを選びながら、それを効率的にやっていくという構えで編成をしていかなきゃならぬ、こう思っているところでございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 ぜひとも積極的な予算で、県民を豊かにする、そういう気持ちで今後とも頑張っていただきたい、そういう気持ちでいっぱいでございます。

 次に、地域力をつける社会資本整備。

 これは、私は質問のたびに、道路の問題や河川の問題、あるいは農道、林道の問題をいつも言わせていただいておりますけれども、やはり、平成十一年、十二年ごろは、国土交通省、前は建設省でありますけれども、十五、六兆円の予算があった。今は、ようやく六兆円そこそこ。県も、当時の予算を見ますと約二千億に近い土木建築部の予算があった。現在は八百億円。このような社会資本を整備する予算がどんどんどんどん国も県も、また、これにつれて市町村も減ってきておる。こういう中で、質問では分割的にしてありますけれども、ぜひ県道整備、これも、今の予算では、大体、年間に十五、六キロしか改良ができない。河川は、わずか四キロ弱ぐらいしか改良ができない。県道は、平均七〇%の改良率であります。しかし、まだまだ、我々、山間地、郡部は非常に道路も悪い。そういう面を、土木建築部長、ぜひ決意のほどと、また、来年度に向けての決意をお願い申し上げます。



○志村学議長 梅崎土木建築部長。



◎梅崎健次郎土木建築部長 それでは、県道の整備についてお答えいたします。

 県内各地の県道には、慢性的な渋滞、歩道の未整備、離合困難など整備を必要とする箇所が多数残されております。

 道路整備に当たっては、中長期計画である「おおいたの道構想21」に基づき、生活の安全、安心や地域の活力を高める道路整備など、さまざまな事業を進めているところでございます。

 事業の実施に当たっては、住民の安心や希望につながるよう、地域からの声にスピード感を持ってこたえることが重要であると考えております。

 幹線道路のバイパス整備や拡幅などの改築事業に加えて、それぞれの地域の実情に応じ、比較的短期間で改良できる一・五車線的道路整備や暮らしの道再生事業などきめ細やかな手法も活用しながら、引き続き選択と集中を図り、効果的、効率的な整備を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 これから冬季に向かいますし、先ほど冒頭で大雪の話をしました。我々、大分県西部地区、雪の大変多いところでございます。この前の日曜日は九重のスキー場がオープンをしました。除雪の関係、あるいは冬季の降雪の道路管理、これについて質問しますけれども、実は、昨年は全国的に年末から非常に大雪。ちなみに、平成二十一年度は、玖珠郡の玖珠土木事務所で除雪関係、これは塩化カルシウム、カリウム等も含めて八千四百五十万。昨年は一億七千七百九十二万円。何と約一億円ふえておるんです。そういうことを考えますときに、ことしはどういう天候になるかわかりませんけれども、ぜひこの冬季のいわゆる除雪等を含めた道路管理、これを土木建築部長にお伺いをいたします。



○志村学議長 梅崎土木建築部長。



◎梅崎健次郎土木建築部長 降雪時の対応についてお答えいたします。

 冬季に凍結や降雪により通行が困難となるおそれのある箇所については、注意喚起の看板を配置し、あわせて凍結防止剤の配備や除雪車の重点配置など気象条件に応じて臨機に対応できるよう体制を整えています。

 また、冬用タイヤ等の装備不足による交通障害をなくし、事故を防止するため、運転者に向け、冬用タイヤの装着やチェーンの携行、気象条件に応じた安全運転等について注意を呼びかける広報を始めたところでございます。

 以上でございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 ぜひシーズンに向けて万全の備えをお願いいたしたいというふうに思います。

 次に、河川を含めた、いわゆる道路の情報、あるいは河床掘削。

 これは非常に、特に河床掘削は、県民から、我々郡民からの要望が非常に多いんです。今までは一億円。十二土木事務所全部で一億円。去年は五千万円上げていただきました。一億五千万円。だけれども、一土木事務所にすれば、わずか一千万円そこらでございます。一生懸命、土木事務所もやっていただいておりますが、約五百万のところを二カ所やっても、ほんの二百メートルぐらいしか、土砂によっては長さが伸びません。

 ぜひこれは、災害防止やいろんな地域の実情、いろんなことを考えて、予算をもっともっとふやす必要があるんじゃないかということを痛感いたしておりますが、土木建築部長、いかがでございますか。



○志村学議長 梅崎土木建築部長。



◎梅崎健次郎土木建築部長 河床掘削についてお答えいたします。

 河川の治水効果を高めるため、過去に浸水被害が発生した地域の中で、人家や災害時要援護者施設、学校、病院等の公共施設のある箇所について、平成二十年度から緊急的、計画的に河床掘削を進めております。

 特に今年度は、東日本大震災の発生を受け、事業の進捗を早めるため、七月補正予算において、前年度の一・五倍の予算を確保したところでございます。

 本年度までの四年間での進捗は、国の補正に伴う交付金の活用などもあり、事業費として六億五千八百万円余りを投じ、六十カ所で事業が完了しております。

 今後とも、対策が求められている箇所について、事業の選択と集中を図る中で必要な予算を確保し、効果的、効率的な事業を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 ぜひ進めていただきたいというふうに思っております。

 では次に、いわゆる農林水産業の振興。

 今、この「農山漁村活性化戦略二〇〇五」、これをいただいておりますが、これは非常に見直し案として立派にできておるというふうに思っております。このページの一番最後に、いわゆる、あと五年で農林水産の産出額を二千百億円に伸ばしていくというような計画でありますが、先ほどから、きのう、おとといから、TPPの問題とか、いろんな農業を取り巻く環境は質問に出て、答弁もいただいております。しかし、いろんな意味で、冒頭に申し上げましたように、社会の変化が非常に激しいし、また、いろんな条件を勘案しますときに、本当にこの目標達成が可能かどうか、できるんかどうか、その辺が非常に心配をされております。その辺の確固たる、農林水産部長、本当に実現できるかどうか、しっかりした答弁をお願いします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 せっかくのご質問でございます。しっかりとした答弁をさせていただきます。

 農林水産業については、大変厳しい状況ではありますけれども、それだけにやはり目標を明確に持って、そして着実に構造改革を進めて、展望を開いていくということが大変大事だというふうに思っております。今回の「安心・活力・発展プラン二〇〇五」の改定では、産出額二千百億円という高い目標を掲げまして取り組んでいきたいと考えております。

 これを達成するポイントは二つあるというふうに思っております。

 一つは、やはり生産基盤の整備ということであります。

 残念ながら、平成二十二年の農林水産業産出額は米の価格下落などで千八百九十億円程度と見込んでおりますけれども、認定農業者の規模拡大だとか、あるいは百六社の企業参入等によりまして二千億円の基盤は着実にできているというふうに考えております。

 これに上乗せするために、まず、園芸では、シロネギやトマトなどの戦略品目について、リース団地事業等によりまして規模拡大をさらに進め、広域、県域生産を厚いものにして、拠点市場への大量、定時安定出荷による単価向上を図っていきます。また、企業参入による茶園も目標の百ヘクタールまで拡大いたしまして、生産を本格化させます。

 畜産の方でございますけれども、大規模企業の倒産など厳しい面もありますけれども、畜舎の整備だとか、優良雌牛の導入による規模拡大だとか、あるいは繁殖肥育一貫経営による豊後牛の増頭等を進めまして、優秀な若い繁殖雌牛の導入だとか、飼養管理の見直しといったようなことによる子牛価格の向上に取り組んでいきたいというふうに思います。

 林業の方でございますけれども、国の森林整備加速化・林業再生基金を活用いたしまして、効率的な路網整備だとか、高性能林業機械の導入を進めまして、素材生産量を百万立米に拡大するとともに、市場の評価が高い大分方式乾燥材の生産拡大を図っていきたいと思います。また、シイタケ生産では、人工ほだ場や散水施設の整備による生産拡大と高品質化に取り組みたいというふうに思います。

 水産業でございますが、漁獲規制など資源管理とあわせまして種苗放流を実施して安定した水揚げの確保を図るとともに、市場評価が高い「かぼすヒラメ」「かぼすブリ」などの生産拡大を進めて、販路拡大に取り組んでいきたいと思います。

 二つ目は、やはり力強い担い手の確保育成であります。

 新規就農者は、これまでの百名程度から昨年度は百四十一名、今年度は九月末で百十二名と昨年度同期を二十五名超えておりまして、農業再生への光が見えてきたというふうに考えております。この勢いで、毎年、新規就農者は二百名、林業従事者は七十名、漁業者は五十名の参入を目指しまして、さらに、今後五年間で三千五百名の農業企業者、五十五の認定林業事業体、二百三十名の中核的漁業者を確保して、企業参入は二百社まで拡大をしたいというふうに考えております。

 厳しい中でございますけれども、新しい芽は確実に膨らんでおります。生産基盤の整備と人材確保を両輪に構造改革を進めて、将来にわたって持続、発展できる、もうかる農林水産業を実現していきます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 もう一点、長期総合計画の見直し案で、地域資源を活用して農林水産業の新事業を創出するというふうなことがうたわれております。これは具体的にはどういうことであるか、部長にお伺いします。



○志村学議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。

 農林水産業の振興を図るためには、農林水産物の高付加価値化も重要であると考えております。

 これまでにも県産農林水産物を使用した商品開発を支援しているところでございますが、その中から、例えば「かぼすこ」や「大葉ソース」などのように、日本野菜ソムリエ協会主催のコンテストでも上位に入賞するなど、高い評価を受けた商品が誕生しているところであります。

 また、郵便局との連携によりまして「つぶらなカボス」が大ヒットしたことによりまして、農家の所得向上にもつながったものもございます。

 今後は、六次産業化法の施行に伴い、県内に「六次産業化おおいたサポートセンター」が設置をされまして、地域資源の発掘から商品開発、販路開拓までを総合的に支援するプランナーが活動を開始したことから、食品産業、流通・サービス産業などとのネットワークを強化し、新たな付加価値を創出していきたいと考えているところであります。

 以上でございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 いわゆる地域資源を活用するということは、私は、地域振興局の役目が非常に大きいというふうにいつも思っておりますし、また、いろんな会合でも言わせていただいております。その辺の連携。特に、やはり、県庁では地域のことはなかなかわかりにくい。どこがしっかりやるか。これは、私は、地域振興局であるし、また、市町村であろうと。その辺の連携はどういうふうに考えておりますか。



○志村学議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 まさに議員言われるとおりに、現場を知る者が一番、そういう地域資源発掘にはいいわけでありまして、先ほど申し上げましたように、今回、六次産業化推進体制というものを、法律が制定をされたことから整備をいたしました。今年度からではありますけれども、六振興局の生産流通部でございますけれども、六次産業化を推進する担当職員を配置いたしまして、市町村、あるいは、先ほど申し上げました六次産業化プランナーというのがございますけれども、それと連携しながら、各地域の案件発掘から具体的な相談、支援までを担当することといたしております。

 以上でございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 これもしっかりひとつお願いをします。

 次に、先ほど知事からも答弁がございましたけれども、森林の管理。

 これは、お手元にあげてあると思うんですが、例えば、島根県が二〇〇六年に行った山合いの、これは匹見町というんですか、いわゆる、山林のその村に住んでおる地主はもう五〇%を割っておるんです。四八・七%。そして、その村の土地全体でも、そこに住んでおる地主は五二・九%。そして、その地主のうち、七・三%は広島県、五・八%が東京都、その他二十六府県にずっと分かれておる。そういうような状態が出ております。また、そこに住んでおる方が自分の山林の境界を知っているか。この調査では、三二・三%しか知っておるという人がいなかった。そういう数字が出ております。いわゆる、山林管理という、だんだんだんだん難しい状態がこういう数字にあらわれておりますが、大分県の現在のそういう調査状況等はどういうふうになっておりますか。お願いします。



○志村学議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。

 島根県が行っております森林の所有や境界についての認識調査につきましては、本県では実施しておりませんけれども、県では、森林計画編成のための現地調査を五年ごとに行っておりまして、国土調査の結果や航空写真をもとに、所有者や境界、資源の現状等の情報を把握いたしているところでございます。

 また、今年度、市町村と森林情報の共有ができるようシステムの整備を進めてきておりまして、より一層の森林の適正管理につなげていきたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 これもしっかりした調査等をやっていただいて、やはり、森林を守るということは、今、大変重要な課題になっておりますので、ぜひともいろんな角度からご努力をお願い申し上げるところであります。

 次に、マリンカルチャーセンターの指定管理制度、これについてお伺いをいたします。

 去る十一月二十四日に、マリンカルチャーセンターの指定管理者である株式会社サンテツが指定を取り消されたという報道がありました。

 いろんな事業実績で虚偽の報告をやったり、あるいは、事故や、車検が切れた車を利用した、そういうふうなこともたびたび新聞に出ておりましたけれども、しかし、改めて四月に、これは指定管理の更新がなされておるんです。そして、一年もたたないうちに取り消しということについては、いわゆる、この管理制度、あるいは、再度、指定管理者を選んだ、そういうところの問題点が非常にあるんじゃなかろうかということを思いますけれども、この選定段階ではどういうふうな指導をなされたのか、それをまずお聞きします。



○志村学議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 マリンカルチャーセンターの指定管理についてお答えをいたします。

 このたびの指定の取り消しにつきましては、県民の皆様にご心配をおかけいたしましたことに対しまして、改めておわびを申し上げたいと思います。

 指定管理者の選定方法についてでございますが、地方自治法及び県条例等に基づきまして、公募の上、外部有識者を含む選定委員会による審査で候補者を選定し、議会の議決をいただいて指定をいたしたところでございます。

 今回の指定に当たりましては、三者からの応募がございました。サービスの向上、経費節減など多角的な視点から審査をした結果、株式会社サンテツは、これまで転落事故等の問題はありましたが、安全管理マニュアルの整備など安全対策が充実してきていること、あるいは地域団体と連携した体験学習などの提案が評価されたことから、指定管理者に選定されたものでございます。

 これまでの県の指導につきましては、車検切れ公用車の使用や船員法の手続違反が起きた都度、現地に出向きまして法令遵守や安全管理の徹底について指導するとともに、県のガイドラインで定められております月一回の書面審査と年二回以上の現地調査を行ってきたところでございます。

 以上でございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 私が聞いておるのは、いわゆる四月に、改めて再任をして運営をしておった。今回は虚偽の報告があったということで、これは当然と思いますけれども、四月段階の選定の基準がちょっと甘かったんじゃないですか。

 それと、今、県が指定をしておる指定管理者の制度、施設数は二十七あります。このうちで、公募をやっているのが二十なんです。そして、任意に七つの施設が指定をされております。この公募をやっておる施設と任意にやっておる施設の区別、どういう考え方でこれをやられておるのか、お聞きします。



○志村学議長 奥塚総務部長。



◎奥塚正典総務部長 お答えをいたします。

 指定管理者制度につきましては、今、濱田議員からお話がございましたように、指定の管理の手続に関する条例というものがございます。その条例によりまして指定管理者を決めるわけでございますけれども、まず、何といってもこの指定管理は県民のサービスの向上と経費の節減、そういう二大目的を図るために設置された制度でございますので、その選定に当たりましては、この趣旨に沿って選ばせていただいているということでございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 特にこの指定管理者制度というのは、私は非常にいいことだというふうに思います。やはり民間の活力、あるいは民間のノウハウを利用して、幾らでも経営を安くして運営をしていく、そういう趣旨にのっとって、やはり、本当に選考等は厳格に、そしてしっかりした指導方針を持ってやっていただきたい、そういう気持ちでございます。

 次に、地域力をつける教育振興。

 今度、九月の終わりの議会で野中教育長が就任をされました。去る平成二十年度の教員採用試験をめぐって、いろんな問題が起きました。そして、内部でしっかりした議論のもとに再建をしておる途中であります。こういう中で教育長の交代でございますけれども、いろんな意味で、きのうからも学力偏重とか、いろんな質問、ご意見がございました。しかし、学力をつける、これは一面では非常に大切なことであろうというふうに私は思っております。そういう中でこの教育改革を進めていく、そのために野中教育長が就任をされました。新たな決意をお聞きしたい、そういう気持ちでございます。決意のほどをよろしくお願いします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 就任して二カ月が経過をしました。この間、積極的に学校現場に足を運び、子供の様子を見たり、あるいは県民の教育へのご意見を伺ってまいりました。その中で、県民の皆さんの教育への思いや期待が非常に強いことを実感するとともに、改めて教育行政を担う重責を感じています。

 教育長として私に課せられた使命は二つであります。

 第一の使命は、平成二十年の事件の反省を踏まえ、これまでの改革を続行することであります。

 事件を決して風化させることなく、これまでの県教育委員会の血のにじむような努力を無にすることのないよう、改革の流れを引き継いで進めることが大事であると考えています。

 もう一つの使命は、学力、体力の向上など教育のさらなる質の向上を図ることです。

 学力向上支援教員や体育専科教員の取り組みを初め、地域ぐるみの学校支援などの広がりにより、学力、体力向上の成果があらわれ始めています。こうした動きをさらに広げていくことが重要であります。

 今後とも、常に子供を中心に据えて、本県の教育の向上、発展に全力で取り組んでまいります。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 決意のほどは聞かせていただきましたけれども、実は、つい最近は、南郡の高校で事務長さんの飲酒運転が発覚をしております。こういう問題は、何千人かおる中で一人の問題として、どうもとらえられているような気がしてなりません。例えば、あの事務長さんは、前職は県教委におられたというふうに聞いております。そういうことを含めて、やはりどこかに緩みがあるんじゃないか、そういうことをいつも感じておりますが、特に教育長さんとかかわるとそういう問題がすぐ出てくる。そういう点はどういうふうにお考えでございましょうか。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 県南の飲酒運転については、飲酒運転撲滅県民大会の開かれた直後という時期でもありまして、私としても、非常に残念、また、怒りを感じたところでもあります。

 今、私がかわった直後にこういう事件が起きて、そういうことはよくあるんではないか、私の態度というか、姿勢に問題があるのかなという気もしないでもありませんけれども、これまで、過去の不祥事のときに、これはもう繰り返し繰り返し注意を喚起していくしかないというふうに答弁しております。私も、就任直後の職員への訓示に、綱紀粛正については厳しく言ったつもりではありますけれども、これからも何度も繰り返し、県民の信頼を損なわないように指導していきたいというふうに思います。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 ひとつ気合いを入れてやっていただきたいというふうに思います。

 次に、教育の問題で高校再編成。

 これがいよいよ、後期の再編成、二十七年度に向けて、あるいはその前にも再編をする学校もあります。我々玖珠郡の大分県立玖珠農業高等学校と森高等学校の統合は二十七年四月一日でございます。これからのタイムスケジュールをまずお伺いしたいと思います。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 新設校の設置に当たっては、開校の三年前から検討を始めることとしております。

 玖珠地域の場合は、来年度から、玖珠農業高校と森高校の教職員を中心にして、学校構想や設置学科などについて検討を始めます。

 設置学科については、後期再編整備計画で普通科と農業系学科を設置することとしており、具体的な内容について、二十五年度末には決定したいと考えています。

 開校前年度に当たる二十六年度には、新設高校開校準備室を設置し、専任の職員を配置して、校歌、校章、制服、生徒募集など、開校までの具体的な準備を行います。

 また、地元の行政関係者や農業関係者、保護者や住民代表などから成る新設高校開校支援委員会を設置し、新設校のあり方について地域のご意見等をお伺いします。

 新設校の学校構想に当たっては、玖珠農業高校と森高校のそれぞれの伝統や特色を生かしながら、生徒や地域の実情、地元住民等関係者のご意見などを総合的に勘案して、特色、魅力、活力ある学校づくりを進めてまいります。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 きのうも質問がございました。やはり皆さん、大分県の農業教育をどうするか、あるいは、その生徒を教育する農業高等学校をどうするか。これはずうっと、計画が発表されてから問われてきました。きのうも新設をする大分東高等学校の質問が出ておりました。いわゆる、中身をどうやるかということなんです。

 だから、今度の玖珠郡の統合の高校、特に農業系をどういうふうな形でやろうとしておるのか。実は、先般から、両町や議会や地域の方々、PTA等を含めて、再編の協議会、あした第二回目が行われます。こういう意見がどういうふうに反映をされるんであろうか。その点について、教育長、答弁をお願いします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 農業系高校の再編についての考え方ですけれども、中学生の進路希望や農業関係への就業など大変厳しい状況の中で、農業に関する学校、学科をどのようにして存続するのかという視点で検討いたしました。単独校として集約するより、各地域で農業の学習ができるよう、各県内にバランスよく配置するという考え方でございました。他の学科と一緒になることで、幅広い学習、そして教員配置の充実、部活動の選択幅の拡大、他学科の生徒からの影響など教育的なメリットも多いと考えています。

 今後、再編後の高校において、総合選択制のメリットも生かしながら、そこでの農業科の専門性もしっかり身につけさせる教育を、既存の農業系高校の資源等も活用しながら、次代の農業の担い手づくりに知恵を絞りたいと思います。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 大分県農業の根幹にかかわる問題でありますので、じっくりした取り組みをお願い申し上げたいと思います。

 時間がありませんので、次の問題に移りたいというふうに思います。

 いわゆる高校とか地域力をつける、この前提になる小中学校、これも随分、小規模校がふえております。やはり、地域の人口がどんどん減ってきておる、そういう結果でありますけれども、これに対して、もちろん市町村の教育委員会の管轄でありますけれども、県教委として、どういうふうな指針で指導をやっていくのか、その点を、教育長、お伺いします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 小中学校の統廃合は、設置者である市町村がみずから主体的に判断して決定するものであり、各市町村が地域住民の理解と協力を得て進めるべきものであります。

 県内においては、各市町村で独自に統廃合計画を策定し、この五年間で五十二校の統廃合が行われています。しかしながら、これだけ統廃合が進められているにもかかわらず、国の標準規模を下回る学校の割合が小中学校とも全国八番目であり、本県の小規模な学校の割合は非常に高い状況であります。

 このまま推移しますと、児童生徒間で切磋琢磨する機会が得られず、部活動や委員会活動が制限される学校が多くなるなど、教育環境にさまざまな影響を及ぼすことが懸念されます。このため、県としても、設置者である市町村に議論を投げかけるとともに、市町村からの相談には個別に対応してまいりたいと考えております。

 以上です。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 これも地域力をつけるために大変重要な問題でありますし、しっかり、やはり市町村の教育委員会等と話し合いを深めて、本当の地域の教育を、幼児教育から小中学校の教育、これがしっかりしないと大分県全体はできないわけでありますんで、ぜひとも新教育長に指導力を発揮していただいて、しっかりお願いをしたいというふうに思います。

 最後に、教育問題で、いわゆる学力向上の先生、そして、ことしからですか、体力向上の先生の配置をしていただいておりますが、その成果等についてお聞きをします。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 学力向上支援員については、年間五回の授業公開や近隣校に出向いての指導を通して、県内での一時間完結型授業や板書とノートの一体化を意識した授業を展開するなど授業改善を進めています。こうした取り組みもあって、今年度の基礎・基本の定着状況調査では、低学力層の底上げや五教科中四教科で全国平均を超える等の成果に結びついています。

 一方、体育専科教員については、体育環境の整備や体育授業の工夫改善、教職員研修の活性化等により配置校での取り組みが充実しました。

 昨年度の体力運動能力調査では、全国平均以上の割合が県全体で三〇・七%であったのに対し、体育専科教員配置校では八一・三%と取り組みの成果が顕著でした。

 今後も、これらの成果を点から面へ、県内全域に広げ、低学力、低体力層の底上げを図り、児童生徒の学力、体力の向上に取り組んでまいります。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 これもぜひ力を入れてやっていただきたいというふうに思っております。

 あと三分でありますので、最後の地域力をつける観光振興ということで、四項目を出しておりますが、一括して池辺企画振興部長にお聞きをします。

 いわゆる観光情報発信については、大分県は今までちょっと宣伝下手やというふうなことが言われて、現在、知事を先頭にいろんな発信をされております。その成果等も含めて、特に本年は、新幹線が九州、鹿児島まで乗り入れになりました。この新幹線の利用客の観光誘致、先般の新聞情報では、関西から随分、宿泊客等がふえたというような報道もなされております。しかし、これは、一面考えれば、今ちょっと東北には行きづらい、九州に行ってみろうというような一つの方向じゃないかというふうにも思われます。こういう点。

 それから、やはり観光客を迎えるには、まず、交通インフラ、もちろん道路網もそうですけれども、いわゆる観光地周辺のいろんな整備、特に私はトイレの重要性、これを非常に感ずるんですけれども、なかなか、大分県、どこを回っても、公衆のトイレというのは、そこの地域の駅ぐらいしかありません。もう駅に行く以外に、公衆トイレというのは非常に少ない。こういう点をどういうふうに、今後、いわゆる観光インフラですから、考えておられるか。

 やはり、それも、総合的には、いわゆる観光振興につながるものというふうに思いますし、特に、来年度からどんどん東北の方が復旧が進めば、逆に九州じゃねえで、東北の方に応援に行ってみろうかというような、そういう流れというのは起こる可能性が非常に大きい。そういうときに、北に負けないような観光宣伝、あるいは観光客の誘致策、そういうものをどう考えていくか。これが私は非常に大きな、県政でも重要な役目であろうというふうに思いますが、部長の見解をお伺いします。



○志村学議長 池辺企画振興部長。



◎池辺英貴企画振興部長 観光振興について、四点のお尋ねでございます。お答えいたします。

 まず、観光情報の発信についてでございますが、観光客の誘客にとりまして情報発信は極めて重要であり、観光客のニーズや誘客対象地域の特性に合わせまして、素材や方法を戦略的に使い分けて行う必要があると考えております。

 海外に向けましては、震災後激減した観光客の回復が喫緊の課題であり、海外ブロガーや留学生による絶え間ない安全安心情報の発信に努めています。

 また、本県の知名度向上のため、温泉への関心が高い中国に対しましては、七月からインターネットの動画サイト「温泉テレビ」を開設して、本県の温泉日本一を印象づけるとともに、健康への関心が高い韓国に対しましては、県内のトレッキングルートや大分グルメなどを紹介いたしております。

 次に、国内への情報発信では、本県観光客の六割以上を占める九州圏域に対しまして、リピーターを意識したきめ細かい情報発信を、また、九州新幹線全線開業で観光客が増加している関西圏域等に対しましては、人気アニメ番組「サザエさん」のオープニングで県内観光地を紹介するほか、テレビや旅行雑誌などにより重点的、効果的な情報発信に努めております。

 次に、新幹線利用客への観光誘致についてお答えいたします。

 九州新幹線全線開業に伴いまして、関西、中国地方からの集客が期待できるため、「ひと足のばして、湯〜わくおおいたキャンペーン」を実施し、新幹線の縦軸を横軸に結びつけるための対策を行っているところでございます。

 具体的には、七月の大阪千里中央駅「せんちゅうパル」での観光物産展を皮切りに、旅行雑誌「じゃらん」や「るるぶ」のウェブを活用した宿泊予約の促進や携帯サイトを利用した県内を周遊するスタンプラリーを行っています。あわせて、十月から久大本線で「まちあるき観光列車」を運行し、近代産業遺産の豊後森駅機関庫や日田豆田地区などを途中下車しながら楽しんでいただきました。その結果、先ほど、議員ご指摘ございましたが、直近十月の速報値で見ますと、関西圏からの県内宿泊客数は前年比約六割増と大幅に伸びております。

 今後も引き続き関西以西で重点的にキャンペーンを展開するとともに、JRと連携しての誘客活動を強化いたします。また、長崎、熊本との三県連携によりまして、九州を横軸で結ぶ広域観光ルートの形成に努めてまいります。

 交通インフラの整備についてお答えいたします。

 道路網の整備や鉄道の高速化等の交通アクセスの改善により移動時間を短縮して利便性の向上を図ることは、観光客が訪れやすい環境整備として非常に重要であります。

 観光地までの道路網につきましては、中長期道路計画「おおいたの道構想21」に基づきまして、観光地周辺における狭隘区間や渋滞の解消、沿道景観に調和した標識整備などを行い、観光振興を図っているところです。

 例えば、玖珠郡では、九重夢大吊り橋へのメーンルートである飯田高原中村線や慈恩の滝ヘアクセスする菅原戸畑線の整備等を進めています。

 JR九州に対しましても、九州地域鉄道整備促進協議会、日豊本線高速・複線化大分県期成同盟会及び新幹線活用久大本線活性化協議会等を通じまして、鉄道整備と列車の増便等の利便性の向上に関する要望を行っているところです。

 鉄道の高速・複線化、駅舎のバリアフリー化等のインフラ整備に加えまして、九州新幹線の全線開業効果を大分まで伸ばすための乗り継ぎ改善や観光列車、旅行商品の導入等を要請しています。

 今後とも、JR九州と一体となって、大分への観光誘客を図ってまいります。

 インフラの観点では、ご指摘のトイレにつきましても、やはり観光地に快適なトイレがあるということは必要なことでございますので、十分意を配してまいりたいと考えております。

 最後に、今後の観光振興でございます。

 観光振興を図るためには、社会環境の変化や旅のトレンド、旅行者ニーズ等を的確につかんだ戦略的な誘客策が求められます。

 本県は、現在、九州新幹線全線開業等により誘客のターゲットを福岡都市圏から関西都市圏以西に拡大して取り組んでおりまして、最近の本県の観光統計でも、関西からの観光客を中心に、国内宿泊者数が昨年から約二割ほどふえてございます。

 来年以降は、海外観光客の回復のためにも、東日本の一日も早い復興が期待されますし、次第に東日本への観光客の増加も予測されますが、本県としましては、引き続き関西都市圏をターゲットとし、JR九州やJR西日本、また、九州各県と連携した誘客を展開してまいります。

 今後とも、民間事業者、ツーリズムおおいた、地域観光協会等と一体となって、誘客に向けた取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 濱田洋君。



◆濱田洋議員 しっかりよろしくお願いをします。

 最後に、我が町の宣伝を少しさせていただきます。

 実は、先般、森藩久留島侯庭園が国の文化財として指定をされました。大分県では耶馬渓と別府の地獄、そして、大名庭園では珍しいというふうに言われております。これは、もう二百年近く前にできたものでございますし、城が持てない小大名が心意気を示したものと私は感じております。ぜひ、大分県観光を含めて、しっかりこの整備等については応援をしていただきたい、そういう気持ちで最後にお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○志村学議長 以上で濱田洋君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午後零時四十八分 休憩

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     午後一時四十三分 再開



○井上伸史副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。馬場林君。

  〔馬場議員登壇〕(拍手)



◆馬場林議員 こんにちは。二十四番、県民クラブの馬場林でございます。

 今期の定例会におきまして初めて質問する機会をいただきましたこと、先輩、同僚議員の皆様に深く感謝いたします。

 それでは、互いに助け合い支え合う社会づくりについて質問いたします。

 本年三月十一日の東日本大震災では、死者、行方不明者の人たちが約二万人になっています。さらに、原発事故等による避難者は約三十三万人に上っています。お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被害を受けられた方々にお見舞い申し上げます。

 東日本大震災は、命の大切さ、家族、地域の支え合い、安全で安心な暮らしのありようなど、さまざまなことを私たちに教えています。

 現在の社会は、高齢化、少子化、過疎化がかなりのスピードで進行しています。家族の形態も、三世代同居の時代から、核家族化、そしてひとり暮らしの単身化へと変わってきています。二〇三〇年には、全体の四〇%が単身世帯になるとも言われています。ひとり暮らしがふえることで家族のセーフティーネットは弱くなり、さらに非正規雇用労働者の増加は企業のセーフティーネットもなくしています。また、財政危機によって、社会保障という公的なセーフティーネットも、その維持が厳しい状況になっています。このことは、結果的には無縁社会に近づいていくことになるんではないかと心配をしています。

 人と人の命を思いやれる社会こそが今求められていると思います。どこに住んでいても、高齢者も、障害のある人も、働く人も、子供たちも、お互いに助け合い支え合うことによって安心して生きていける社会が必要だと私は考えています。

 さて、本定例会に上程されている大分県長期総合計画「安心・活力・発展プラン二〇〇五」の改定案においては、「互いに助け合い、支え合う安心・安全の大分県」が基本目標として掲げられています。この目標の実現に向けて、これまでの取り組みをどう評価し、さらに今後の施策をどう展開していくのか、知事にお伺いします。

 次に、ともに助け合い支え合う社会づくりには、障害者に対する理解の促進も重要であると思います。

 本年八月二日に、中津市の井上小児科医院の子どもデイサービス森の家で行われた知事の県政ふれあいトークに参加させていただきました。

 特別支援学校の授業が終わって、放課後のケアについての話の中で、障害のある子供のお母さんから次のような話がありました。

 中学校一年生の子供が小学校のころは、どこに行っても人目が気にならなかったが、中一になって声変わりをしてから人の視線を感じることが多くなった。奇声がすごく大きいため、周りの視線を気にして、どうしても外出するのをちゅうちょするようになってしまった。本人はいろんなところに出かけて遊びたいんだけれども、周囲の目が気になって、なかなかそれができないといったものでした。さらに、他のお母さんからも、同じような経験をしたといったお話がありました。

 これらの話をお聞きしながら、放課後のケア施設が必要だと感じましたし、同時に、みんなが障害について理解し合うことが大切だと痛感しました。そして、そのことは、障害だけではなくて、同和問題や子供や高齢者の人権にもつながっていくと考えます。

 現在、県では、差別をなくすための人権教育や啓発活動を行ったり、相談体制を整えていると思います。

 そこで、障害に対する理解や啓発の取り組みの実施状況とその成果、今後の課題についてお尋ねします。

 また、千葉県、北海道、熊本県などでは、障害のある人もない人もともに安心して暮らせる社会づくりに関する条例が制定されています。本県においては、このような条例制定に関してどのような認識を持っているのか、お尋ねをいたします。

 さらに、障害者の就労の促進も大切であります。

 本県における平成二十三年の五十六人以上の民間企業全体の雇用率は二・〇〇%に上り、対象である六百三十八社のうち三百七十七社が達成しています。また、知事部局では二・一三%、県の教育委員会では一・四三%となっており、県教育委員会は法定雇用率の二・〇%まで達していない状況です。

 これまでの知事部局と県教育委員会の障害者の雇用状況について調べたところ、知事部局では、平成十九年度から二十二年度までの四年間における身体障害者の採用は三名となっています。宮崎県では同じ四年間で二十三名を採用しており、大分県とはかなりの差があります。また、県教育委員会では、平成十九年度から二十三年度までの五年間での身体障害者の採用は、教諭五名、教育事務三名となっています。障害種別では、聴覚障害者が二名、視覚障害者が一名、他の身体障害者が五名となっています。

 本県の障害者の職員への採用状況を九州他県と比較したところ、まずもって採用者数が少ないことと採用試験の申し込み者が少ない点に気づきました。率先して県が障害者の雇用を推し進めることが必要であり、採用者数の増加が必要だと思います。また、採用試験実施のPRを充実し、たくさんの方に受験していただくことも大切ではないでしょうか。

 そこで、身体障害者を対象とした県職員や教員の採用予定者数の設定に当たっての考え方と、今後、採用数をふやす予定はあるのかについてお尋ねします。

 また、視覚障害者の採用は、今まで県教育委員会の採用の一名のみです。知事部局では、受験資格から判断するに、視覚障害者が受験することは非常に困難だと思われます。視覚障害者の受験や採用についてどのように考えているのか、お尋ねいたします。

 次に、昨年末からことしにかけて「タイガーマスク現象」という言葉がテレビや新聞紙などで大きく取り上げられました。名前を告げず児童養護施設にいろんなものが贈られてきたことで社会の注目が集まり、児童養護施設の実態が少し知られるようになったと思います。

 県内には、児童養護施設が九施設あります。そして、そこには、さまざまな事情によって、十八歳未満の子供たちが三百五十名ほど入所しています。この子供たちは、十八歳を過ぎると、就職するにせよ、進学するにせよ、施設を退所することになります。そして、そのときに親のかかわりがなされる子供は少なく、退所後のハンディキャップは大きなものとなっています。

 私のかかわった子供たちは、家族としての温かさやきずなをほとんど体験することなく施設に入所して、社会に出かけていくことになりましたが、その後は、働くことや自分の家族をつくることがなかなかできていません。退所後の子供たちが働いて家族をつくって生活していくことは厳しい状況にあるのです。

 県では、今年度から児童養護施設退所者等相談支援事業として、「児童アフターケアセンターおおいた」を設置して自立支援や就職支援等に取り組んでいます。このセンターの活動状況も含め、児童養護施設を退所後の支援についてお伺いいたします。

 あとは質問席で質問させていただきます。

  〔馬場議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○井上伸史副議長 ただいまの馬場林君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいまは馬場林議員には、これからの社会づくりに向けて我々が忘れてはならない、互いに助け合い支え合う社会についてご質問を賜りました。まず私から答弁をさせていただきます。

 多くの県民の参加を得て策定いたしました現行の「安心・活力・発展プラン二〇〇五」を推進する中で、安心の分野は、県民一人一人の多様な生き方が尊重されて、心豊かに過ごす生活のベースとなることから、力を入れて取り組んでまいりました。

 例えば、地域で見守りなどを行う小地域ネットワーク組織を設置した自治会は、平成二十二年度末で目標の千九百団体を大きく上回る二千百二十一団体にまで拡大するとともに、住民が互いに安否を確認する黄色い旗運動の展開、あるいは緊急連絡先やかかりつけ医などの情報がわかる冷蔵庫保管型救急バトンの配備、企業、NPOによる小規模集落応援隊の派遣など新たな展開も始まったところでございます。

 しかしながら、少子・高齢化を伴う人口減少が進行する時代にあって、また、東日本大震災以降、地域のつながりの重要性が改めて見直される中、地域住民が主体的にかかわり、互いに助け合いながら、信頼と安心のきずなで結ばれる地域力をさらに強化することが求められていると思います。

 これまで地域福祉を担ってきた社会福祉協議会、NPO、ボランティアはもとより、子供からお年寄りまですべての人が地域に目を向け、地域ぐるみで支え合う仕組みづくりに参加し、さらにその輪を地域の枠を超えて広げていくということが大変大事ではないかと考えております。

 これからは、世代を超えて、そしてまた、地域ぐるみ、あるいは地域を超えて、支え合いの体制をつくっていくということが大事だと思います。

 そのため、例えば子育てでは、育児相談のほか、高齢者との世代間交流も行う地域子育て支援拠点を拡充するなど、社会全体で子育てを支え、子供を産み育てやすい環境づくりを進めてまいります。

 また、高齢者や障害者、小規模集落で生活される方々が住みなれた地域で安心して暮らしていける体制づくりも大切です。

 高齢者の介護、予防、医療、生活支援、住まいの五つのサービスを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築に取り組むとともに、障害者の地域生活を支援するサービスを充実してまいります。

 小規模集落では、給水施設や生活道路等の維持、保全を初め、周辺集落とも連携した見守り・応援活動などに取り組みます。

 こうした政策を実行していくことによりまして、「互いに助け合い、支え合う安心・安全の大分県」の実現にさらに努めていきたいと考えております。

 互いに助け合い支え合う社会づくりの中で、児童養護施設退所後の支援も大変重要な課題でございます。

 さまざまな事情によりまして家庭を離れて児童養護施設で生活してきた子供が十八歳で施設を退所した後に、保護者から十分な援助が期待できない中で、社会人としての旅立ちを支援するということは、これも大事な課題だというふうに思っております。

 順序が逆になって恐縮ですが、このことについても私からご答弁をさせていただきます。

 まず、施設を退所して自立するためには就職や住居の確保が必要になります。この場合、身元保証人や連帯保証人を求められることが一般的ですけれども、その確保が困難なケースもあります。県では、施設長が保証人を引き受けたときに、損害保険契約の保険料を負担しているところであります。

 また、経済的な支援も重要になります。子供が就職し、ひとり暮らしを始めるための就職支度費という国の制度に加えまして、県単独で一人当たり二万円を支給してまいりましたけれども、平成二十二年度から十万円に増額するとともに、大学や専門学校に進学する子供も対象に加えまして、本年三月に卒業した二十五人の若者を支援したところであります。

 就職に当たり、自動車運転免許証の取得も必要になってくる場合が多いということも聞いておりましたけれども、こういう支援によって道が開けたんではないかと思っております。

 さらに、精神的な支援も重要でございます。退所すると、生活環境が大きく変化し、身近な相談相手がいないことなどから、社会への不適応を起こす若者もおります。そのため、退所した子供を親がわりになって支援する「児童アフターケアセンターおおいた」を本年四月に設置いたしまして、退所後の支援はもとより、退所前からの社会適応について支援を行っております。

 退所前からの支援として、施設入所中の高校生を対象に、退所後の自立に役立つ社会適応訓練を実施しているところであります。これまで四回開催をいたしまして、延べ七十一人の子供たちが、先輩からの体験談だとか、アドバイスを聞いたり、コミュニケーション能力向上のためのグループワークなどに参加をしております。

 退所後の支援といたしまして、来所や電話、訪問による相談を行っておりまして、十一月までに延べ五十人の若者を対象に、彼らが抱える職場での人間関係の悩みなどに対しまして継続して支援を行っております。

 中には、就職したものの長続きせずに退職し、親戚の家でひきこもっていた青年を関係機関と連携して支援することによりましてアルバイトができる状態にまで改善し、今や再就職に向けて、現在頑張っているという事例もあります。

 今後とも、関係機関と連携しながら、施設を退所した若者の社会的な自立についても積極的にバックアップをしていきたいというふうに考えております。

 その他のご質問につきましては、部長からお答えさせていただきます。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 障害者に対する理解の促進についてお答えをいたします。

 障害者が地域で安心して暮らし、働ける社会づくりを推進するためには、障害者に対する理解を深めることが大変重要でございます。そのため、十月に開催いたしました「障がい者秋の交歓会」では、障害者がつくったパンや野菜の即売会などに約二千人の県民が来場し、障害者との交流を通して相互理解を深めたところでございます。

 また、十二月四日の「障がい者週間福祉大会」では、障害者の体験発表や聴覚障害者による演劇などで、約千人の参加者に対し啓発を行ったところでございます。

 また、毎年行っております車いすマラソンでございますが、車いすマラソンの選手と子供たちとの触れ合い交流を県内各地の小学校や児童福祉施設で実施しております。

 このような取り組みに一人でも多くの県民に参加していただき、障害の理解につなげてもらうことが大切であると考えております。

 条例制定に対する認識についてでございますが、国では、障がい者制度改革推進会議の差別禁止部会で、障害者差別禁止法案の考え方を来年夏までに取りまとめ、二十五年の国会提出を目指していますことから、その動向を引き続き注意深く見守ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 奥塚総務部長。



◎奥塚正典総務部長 私から二問につきましてお答えを申し上げます。

 まず、知事部局の身体障害者の職員採用についてでございます。

 大分県では、障害者雇用促進法の改正により法定雇用率が二・一%に引き上げられたことを契機に、平成十年度から一般の職員試験とは別に、身体障害者採用選考を実施しており、これまでに十八名を採用いたしております。

 採用予定数の考え方でございますが、採用選考導入時には、一般事務職員の採用予定数や障害者の実雇用率の見通し等を踏まえ、採用予定数を二名と設定いたしましたが、職員全体の採用を抑制する中で、障害者についても十六年度から一名としているところであります。

 今後の対応でございますが、議員ご指摘のとおり、県が率先して障害者雇用を推進することは大変重要でありますことから、今後、障害者の方に積極的に受験いただけるよう、人事委員会と連携して、広報の工夫を図るとともに、採用数の増についても検討を進めたいと考えております。

 あわせて、平成二十年度から実施をいたしております知的障害者の非常勤職員採用や本年度から実施をしております精神障害者の非常勤職員採用につきましても拡大する方向で検討していきたいと考えております。

 次に、視覚障害者の職員採用についてであります。

 本県の身体障害者採用選考における受験資格の一つに、「活字印刷文による出題に対応できる者」としております。これは、県の職場における業務は通常の文字による文書を取り扱うことが必要であることから、全盲などの重度の視覚障害者が恒常的に従事し、能力を十分発揮できる職務の確保が困難との事情によるものであります。

 なお、軽度の視覚障害者につきましては、受験時に本人の希望により試験問題の文字を拡大することやルーペや電気スタンドの持ち込みを認めております。

 重度の視覚障害者の職務といたしましては、点訳、テープ起こし、相談業務等が考えられますが、継続して一人分の事務量を確保することは、これまで難しい課題と整理してきたところです。しかしながら、パソコンの画面読み上げソフトなどの支援機器の改善も進んでいる状況もあることから、他の都道府県における職域の状況等も参考にしながら、人事委員会とも協議の上、点字試験の実施について検討してまいります。

 以上であります。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 私からも二点お答えをします。

 まず、身体障害者の教職員の採用についてです。

 県教育委員会においては、法定雇用率の達成に向け、平成十四年度実施の教員採用選考から、九州各県に先立ち、二名の障害者特別選考枠を設けてきました。

 また、学校事務についても、全体の採用数がわずかな中で、平成二十年度実施の採用試験から一名の身体障害者枠を設けてきました。

 教員については、障害者特別選考の出願数も少なく、一定程度の教科指導力等も求められることから、合格者が採用予定者数に達していません。このため、採用予定者数の拡大は現時点では難しい状況でありますが、まずは、議員ご指摘のように受験者数の拡大を図ることが重要であり、障害者団体と連携を図るなど制度の周知に努めてまいります。

 教員以外の職については、本年度採用試験から教育事務の身体障害者枠を一名から二名にふやすとともに、新たに県立学校実習助手に二名の身体障害者枠を設けたところです。

 また、今後採用予定の非常勤の事務職についても新たに身体障害者枠を設けるなど、こうした取り組みを進め、障害者雇用の促進に向け、引き続き努力をしていきたいと考えています。

 次に、視覚障害者の教職員の採用についてです。

 教員採用試験では、障害者の社会参加を推進するため、平成十四年度から障害者特別選考枠を新設し、視覚障害者の方も受験できるようにしています。この結果、これまでに弱視の方と全盲の方の計三名が受験し、それぞれ拡大文字による試験や点字による試験を実施しています。そのほかにも、視覚障害の程度に応じて、別室受験や試験時間の延長、受験会場における誘導などの配慮を行っています。

 視覚障害者の採用については、引き続き視覚障害の程度に応じた試験を実施するとともに、障害者団体や大学等への周知を図り、受験者数の拡大に努めます。

 以上です。



○井上伸史副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 地域でみんなが助け合って支え合う、具体的な取り組み等を含めて答弁いただきまして、大変ありがとうございます。

 この四点の中で、二つだけお願いと、それから再質問をさせていただきたいと思います。

 まず一点目は、現在の就職状況というのはとても厳しい状況にあるわけで、障害者の方たちももちろんその中に入っているわけですが、ことし十二月三日の新聞報道によると、大分県が、障害者の雇用率が二・〇%で全国六位というのが報道されておりました。

 一つは、先ほど答弁にもあったんですが、身体障害者の中でも視覚障害の方、そして精神障害、知的障害の方たち、または発達障害の方たちの採用というのがなかなか厳しいような状況があると思いますので、ぜひ県が民間の方に先駆けて検討いただいて、取り組みを進めていただきたいというのが一つ要望です。

 もう一つは、児童養護施設の支援についての件なんですが、先ほど知事もご答弁いただいて、退所前の子供たちのケア、退所後のケアと事例を挙げていただきまして、大変ありがたいというふうに思いました。

 私、先ほども言ったように、かかわった子供は、本当に、家族のきずなとか、温かさとか、そういうのを知らずに、本人のせいではないと思うんですが、そこで保護者を幾ら批判しても、その子自身がこれから生きていくというときに、社会全体でやっぱり支え育てていくというところを、行政としても、難しい面はあろうかと思うんですけれども、かかわっていただきたいというふうに思っております。

 そのために、「児童アフターケアセンターおおいた」というのに、この前行かせていただきました。本当に狭いところに二人の方がいらっしゃいました。この「児童アフターケアセンターおおいた」だけではなくて、児童養護施設の退所者だけではなくて、不登校とか、ひきこもりとか、そういう子供たちは、大分県ひきこもり地域支援センターというのがあったり、それから、学校は卒業したけれども、就職できないでひきこもりとかいう方々に対しては、「おおいた地域若者サポートステーション」というのがあったり、ジョブカフェの中でも扱ったり、いろんなところで、若者、退所した子供たち含めて、サポートしている。ただ、それが点々とあるという、一つに、どこかでそれが一つにまとまって、ワンストップみたいな形で、そこに相談に行ったら、この相談もできる、ここはこういうふうにした方がいいという、ワンストップの、そういう若者たちが相談に行けるような場というのがとても今必要になっているんではないか。あっちに行ったりこっちに行ったりとなるということよりも、そういうワンストップで相談できる場というのが検討いただければ、とても、それも町部でできたら、子供たちが相談に行けるんではないかというふうに考えているんですが、そういう面では、場所的にはなかなかないんです。省庁が違う関係でできてないんですが、検討いただけるかどうかというのを含めて、答弁をお願いします。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 「児童アフターケアセンターおおいた」を視察していただいて、ありがとうございます。

 ちょうど、当初予定していた場所が、どうしても使えなくなった事由がありまして、今、暫定的に大津町にあります総合社会福祉会館の中におりますけれども、来年度、時期を見て、利用しやすい町部に移転を考えているところでございます。

 それから、あと、ほかの、例えばアスパルとか、そういったところとの連携ですけれども、同じような共通の課題を抱えているところもありますし、そういう意味では、やはり、サポートする側の方も一堂に会するような場を、今でも持ってはいるんですけれども、もっと頻回に、そして、こころとからだの相談支援センターという県の福祉保健部の組織もございます。そこと上手にかかわって、なるべく重くならないうちに手が打てればと、そういうふうに考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 今でも連携はできているというのは伺いました。そういうところが場所が一つになると、町部であると、とても行きやすいというか、そして、それがまたケアできて、自立できればというふうに思いますので、ぜひお願いをいたします。

 時間がありませんので、次に進んでいきたいと思います。

 二つ目は、市町村への権限移譲について質問いたします。

 本県では、住民に身近な行政サービスを基礎自治体である市町村で処理できるようにするために、平成六年三月に大分県権限移譲等検討専門委員会が設置され、全国で初めて多項目にわたる権限移譲の取り組みを推進してきました。その結果、平成二十三年四月一日現在、七十三事務、八百六十二項目について市町村に権限移譲がなされ、市町村で事務が実施されていると聞いています。

 そこで、これまでの取り組みにより多くの事務が市町村に移譲されてきましたが、県として、住民に身近な市町村が行った方がよいと考えるにもかかわらず協議が調わず移譲ができていない事務、項目にどんなものがあるのか、さらにその理由についてお尋ねいたします。

 さらに、ことしの八月二十六日に、いわゆる第二次地域主権一括法が成立しました。これにより、基礎自治体への権限移譲が推進されることとなり、母子保健法や身体障害者福祉法、知的障害者福祉法など四十七法律に基づく権限が、今後、県から市町村に対し移譲されることとなっています。

 そこで、今回の二次一括法の成立により新たに県から市町村に移譲されるものには具体的にはどのようなものがあるのか、特徴的なものをお尋ねします。

 また、移譲に伴っての財源措置はどのようになされるのか、お尋ねいたします。

 また、この二次一括法による市町村への権限移譲は、一部を除き来年四月一日から施行されるため、関係条例の改正が必要となったり、市町村との速やかな調整が必要であると考えます。

 市町村による円滑な事務の実施に向けて、現在までにどのような協議、調整が進められ、今後どのようなスケジュールで具体的に行っていくのか、お示しください。



○井上伸史副議長 奥塚総務部長。



◎奥塚正典総務部長 三点についてお答えを申し上げます。

 まず、市町村への権限移譲の状況についてでございます。

 県ではこれまで、市町村の事務と一体的に処理することにより住民サービスの向上や効率化などが期待される事務について、移譲に向けた協議を市町村と進めてまいりました。そのうち、現時点ですべての市町村との協議を終えていないものは四つありますが、屋外広告物の許可等の事務が残り十三団体、農地転用許可等が残り十五団体、浄化槽設置届受理等が十二団体となっております。

 また、パスポートに関する事務は、申請のワンストップ化による住民の利便性の向上の観点から県として重点を置いておりますが、大分市と宇佐市とはまだ協議が調っていません。

 これらの協議が調わない理由といたしましては、事務費の負担増を挙げる団体がありますが、県としては、事務処理の実績に基づき算定いたしました額を権限移譲事務市町村交付金として交付をしているところであります。

 また、移譲を受けることによる責任やクレーム処理に対する不安といった声も聞かれますが、市町村には、きめ細かなサービスや利便性の向上といった住民のメリットを第一に考えて対応していただきたいと思っております。

 今後とも、市町村の理解を得て、権限移譲の推進に努めてまいりたいと考えております。

 次に、第二次一括法に基づく権限移譲についてであります。

 今回の一括法により、新たに未熟児の訪問指導や理容所、美容所などに係る衛生措置の基準の設定などの事務が移譲されます。

 未熟児の訪問指導につきましては、従来、市町村が行ってまいりました未熟児以外の新生児の訪問指導や乳幼児の健康診断などの事務と関係の深いものであり、住民に身近な市町村が処理することで、より効果的な対応が可能になるものと考えております。

 また、今回移譲されます四十七の法律に基づく事務の中には、騒音、振動、悪臭に係る規制地域の指定や家庭用品販売者への立入検査など、大分県の条例で既に先行して移譲している十七の法律に基づく事務も含まれております。

 移譲に伴う財源措置についてですが、昨年六月に閣議決定をされました地域主権戦略大綱の中で「国は、権限移譲に伴い、確実な財源措置を行う」としており、今後、事務の移譲に当たって、市町村に対し、地方交付税等の措置がなされるものと考えております。

 最後に、市町村への移譲スケジュールでございます。

 市町村への円滑な権限移譲に向けて、ワーキンググループ会議を本年五月と九月に開催し、各市町村に対し、一括法の概要や移譲までの基本的なスケジュールを説明したところです。今月下旬には三回目のワーキンググループ会議を開き、それぞれの移譲事務ごとの研修や引き継ぎ計画について説明を行うこととしています。

 また、県の担当事業課では、既にこれまで特定の市町村を対象に、個別対応するものなどを除く二十一事務について、延べ二十二回、市町村担当課への説明会を開催しております。

 今後は、説明会に加え、移譲する事務の内容に応じまして、市町村職員研修の開催やマニュアル作成等に取り組み、今年度中に事務の引き継ぎを完了したいと考えております。

 また、県民への周知も重要でありますことから、県や市町村の広報誌やホームページでの広報も行う予定であります。

 県といたしましては、市町村としっかり連携しながら、事務移譲が滞りなく完了するよう万全を期してまいります。

 以上であります。



○井上伸史副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 ぜひ権限移譲については、市町村と協議をしていただいて、そして住民の方の周知も含めて進めていっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 次に、三つ目に進みたいと思います。

 一人一人を大切にする教育について質問いたします。

 教員採用選考試験に係る贈収賄事件を受けての調査結果報告書には、試験の見直し、教職員人事管理の見直し、組織の見直しという三つの改善策が示されています。その内容は試験制度や教育委員会のあり方が中心となっていますが、教育委員会と議会や知事部局との関係等さまざまな観点からの見直しを図る必要があったのではないかと考えます。

 なぜ点数を改ざんしてまで採用しなければならなかったのか、県民の信頼を失うに至った本当の原因はどこにあるのか、その背景を知る間もなく次々と教育の見直しが行われ、本末転倒の感が否めないのは決して私だけではないと思います。

 一方、教育の見直しが図られる中で、そもそも学校とはどのような場なのか、そこで学ぶ子供たちにどんな力を身につけさせ、どのように育ってほしいのかなど、教育委員会として、将来を見据えたビジョンをもとに、十分な議論がなされたのかという点についても疑問を感じています。

 学校は、校長を中心にすべての教職員が一人一人の子供たちに確かな学力をつけ、生きていく力の基礎を育てる場であります。そのために、全教職員が協力、協同して子供たちにかかわっていく場でもあります。そして、現在は、学校を卒業しても学び続ける生涯学習の時代になっています。点数のみに特化した学力を追求していけばどうなるのか。過去の事例が示すように、結局、その時点のみで消える学力になります。

 今の子供たちを取り巻く状況は、学力の問題、いじめの問題、不登校の問題、中途退学の問題、虐待の問題、自殺の問題等たくさんの課題を抱えています。また、教職員の現職で死亡される方、病気休職者の増加、早期退職者の増加など、学校現場は一段と厳しい状況になっています。私は、今こそ原点に戻り、学校の果たすべき役割について改めて見詰め直す必要があるのではないかと考えています。

 子供たちが確かな学力と生きていく力を身につけるために必要な学校づくりをどのように進めようとしているのか、そのビジョンと具体的な取り組みについてお尋ねをいたします。

 次に、冒頭にも述べましたが、東日本大震災で約二万人の命が失われました。親として子供のことを思いながら亡くなった人、親に助けてと叫びながら亡くなった子供たち、逃げ切れずに亡くなった高齢者の人たちなど、多くの大切な命が失われました。これらの方々の無念を思うたび、私は、胸を締めつけられるような気分になり、命のとうとさ、大切さを改めて感じるとともに、考えさせられます。失われた命は、決して取り返すことはできません。私自身も、四歳のときに父を、二十のときに母を亡くした体験から命の大切さを痛感しているので、この質問をさせていただきます。

 全国の自殺者数は、年間三万人を超える人数になっています。文部科学省によると、平成二十二年度の児童生徒の自殺は百四十七人となっています。一方、警察庁の統計によると十九歳以下の自殺者は同年で五百五十二名に上っており、実際にはもっと多いのではないかと懸念しています。私は、このような現状に非常に危機感を覚えています。そして、学校において命を大切にする教育を行うことが大切ではないかと感じています。

 そこで、本県における小、中、高校生の自死の実態とその原因、さらにその防止に関する取り組みについてお尋ねいたします。

 次に、平成二十年三月に策定された大分県特別支援教育推進計画では、幼児、児童、生徒数の推移、障害の重度重複化の傾向等に伴う適正な学校規模及び学科編制のあり方等の観点から特別支援学校の再編が必要であるとされています。

 この計画は、平成二十年度からの五年間であるため、平成二十四年で終了しますが、実施していく中で成果や課題が出てきたのではないかと思います。

 私の地元である中津市でも、計画に従い宇佐支援学校中津校小学部が開設され、そのうち中学部の開設を経て、本年度には高等部が設置されました。

 中津校には、現在、小学部二十四名、中学部十七名、高等部二十八名の六十九名が在籍していますが、県内の支援学校の中では五番目に児童生徒数の多いものです。しかし、分校ということで校長は配置されず、教諭、養護教諭、事務職員の人数も少ない状況にあります。このような現状では、日常の教育の中で子供たちの安全、安心の確保に不安を覚えざるを得ません。

 中津校では、事故が起きないように、少ない人数の中で負担を背負いながら、細心の注意を払いつつ、子供たちにかかわっている状況だと思います。早く本校にして、その基準での支援学校にしてほしいと願います。

 九月に、中津市議会において、宇佐支援学校中津校分校を中津支援学校本校に早期に格上げすることに関する意見書が提出されているように、これはこの地域の切実な願いでもあります。

 そこで、宇佐支援学校中津校を本校にする計画についてお尋ねいたします。

 次に、文部科学省の調査によると、平成二十二年九月一日時点で、全国の小、中、高等学校に在籍する外国人児童生徒は七万四千人を超え、そのうち日本語指導が必要な外国人児童生徒は二万八千五百人に上っています。また、県内の学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童生徒は三十三人となっています。全体から見ると本当にわずかな数かもしれませんが、日本有数の留学生数を誇り、国際化の進展が進む本県において、今後増加も予想されますし、一人一人を大切にする教育の観点からもこれらの児童生徒に対する支援が課題であると考えます。

 このような日本語が十分に理解できない子供たちに対する学校教育指導体制はどのように整えていくのか、その考えをお尋ねいたします。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 四点お答えします。

 まず最初の学校づくりについてですが、学校教育は、知、徳、体の調和のとれた心豊かな子供たちを育成し、子供たちが夢に挑戦し、自己実現を図っていくことが目的であります。

 この目的を実現するためには、県教育委員会が市町村、学校と意思疎通を徹底し、一体となって取り組む必要があります。このため、学校においては、教職員が組織として取り組むこと、また、学校だけではなく、家庭や地域と共同し、県民総ぐるみで子供を育てていくことが重要です。

 具体的には、一つには、教員の授業力向上等による学力、体力の向上、二つ目に、グローバル化やICT化など時代の変化を見据えた外国語活動や理科、科学教育の充実、三つ目に、豊かな心の育成に向けた体験活動の推進、四つ目に、スクールカウンセラーの配置等によるいじめ、不登校等への対応の強化など幅広い取り組みを進めることが必要です。

 こうしたことを現在見直しを進めている新大分県総合教育計画に盛り込み、取り組みを充実させてまいりたいと考えています。

 二つ目に、小、中、高校生の自殺についてです。

 大分県では、自殺の可能性が否定できない公立小、中、高等学校の児童生徒の死亡事案が、本年までの十年間で九件発生しています。

 子供の自殺は、遺書が残されていないことが多く、ストレスや心の病、家庭環境などさまざまな背景があり、原因の特定が難しいケースがほとんどです。本県の事案でも、すべて遺書はなく、原因を特定することが困難です。

 子供の自殺は、本人の未来を奪ってしまうだけでなく、遺族やかかわりのあった子供たちに深い心の傷を残してしまうことから、未然防止が重要な課題と認識しています。

 学校においては、日常の授業の中で子供の自尊感情や自己有用感を高めるよう指導するとともに、保護者の協力も得ながら、命の授業等、自他の命の大切さを教える機会を設けています。

 県教育委員会では、子供が発するサインに気づき、自殺を未然に防止するため、教職員を対象に研修会を開催するとともに、今後もスクールカウンセラーの積極的な活用を図るなど、教育相談体制の充実に努めてまいります。

 三つ目の宇佐支援学校中津校についてです。

 県教育委員会では、中津市の障害のある子供が地域で学べる環境を整備するため、旧中津商業高校の施設を活用し、宇佐支援学校中津校を平成二十一年度に開設しました。

 教育環境の整備では、障害のある子供向けに施設の改善を図るため、普通教室やプールの改修、エレベーターの設置などの整備を行ってきました。

 本年度は家庭科室等の特別教室の改修を行い、来年度は農場の整備を計画しております。

 まずは施設整備の充実を図り、児童生徒が安心して学べる環境づくりを進めているところです。

 中津校の本校化については、今後、児童生徒数の推移等を見ながら、慎重に検討してまいりたいと考えています。

 最後に、外国人児童生徒の教育についてです。

 平成二十三年十二月現在で、県下の公立学校には、十八カ国、百九十一名の外国人児童生徒が在籍しています。このうち日本語指導が必要な児童生徒は三十三名で、タガログ語、中国語、スペイン語、ベトナム語などを母国語としています。

 現状では、日本語指導の協力者による支援等、市町村教育委員会や学校が個別に対応していますが、すべての言語には十分な対応ができていない状況です。

 こうした状況を踏まえ、平成二十二年一月に策定した大分県在住外国人に関する学校教育指導方針に基づき、各学校では、個々の状況把握に基づいた教育課題の洗い出しや教育方針の作成、教職員研修等を実施しています。

 県教育委員会としては、学習活動支援のため、必要に応じた人員の配置や、教員や外国人児童、保護者向けの学校生活ハンドブックの配布、NPOとの連携などの取り組みを進め、外国人児童生徒の学校活動に支障がないように努めていきたいと考えています。

 以上です。



○井上伸史副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 四点ほど伺ったんですが、二つ再質問させていただきたいと思います。

 一点目は、学校づくりのビジョンと取り組みについて、知、徳、体という、子供たちを育成していくということで承ったんですが、地震学会というのがありまして、新聞報道によりますと、地震学会は異例の自己批判をしたという報道がありました。どういう内容かといいますと、地震学の大きな敗北、そして、今からの研究手法は、改善策として、批判を大切にし、複数の意見を検討することの重要性を強調したというような新聞記事でございました。

 教育委員会も、子供たちのいろんなサインが出てます。いろんな面で出てます。それから、教職員からもいっぱいサインが出てます。改革を進めていくときに、見直しを進めていくときに、そういうサインをどのような形で個々に取り込んでいくのか、ビジョンの中に入れていくのか。そして、いろんな批判と受けとめられる意見含めて、そういう意見をどのように聞いて、この見直しの、または計画の中に入れていくのか。自分を批判するような意見は全く入れないという姿勢なのか、それとも、いろんな方々の意見をいっぱい聞いて進めていくのかという、その姿勢のところはとても大事ではないか。そういう姿勢の問題をちょっと伺って、再質問にしたいというふうに思います。

 もう一点は、宇佐支援学校中津校というのは、これは慎重に検討ということですが、いつまでに検討されるとか、今後の見通しとかいうのはどういうふうになっているのか、お尋ねいたします。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 今策定を準備しております新しい教育のプランについて、ことし何回も会合を開きまして、各界から意見をいただきました。その中で、学校において、子供たちの姿、あるいは、こういう課題がある、いじめにしろ、あるいは体験の不足にしろ、具体的な話が出てきてます。そういった子供たちの最近の状況、そういった課題というのは、そういった場でも承っております。

 また、私ども県の教育委員会が市の教育委員会、あるいは校長、その他現場に行って話を聞く中で、子供たちの姿、あるいは学校の先生の置かれている状況についてもお話を伺っています。

 どういう状況にあるかについての努力は私もします。不十分だという批判はあるかもしれませんけれども、私なりにやっていきます。要は、それを受けとめて、どういう手法でその課題に取り組んでいくかということだと思います。なかなか私の方の方針について、理解が得られない部分もあるというか、そういう批判がございます。ただ、問題の状況について、どういう状況にあるかについてのサインの拾い方というか、把握の仕方というのは、かなり近いんじゃないかと私は思っています。そして、そういった子供の状況、先生の状況について、私の方は、どういう状況だということのお話は、いつでも伺う用意があります。そういったのを踏まえて方針をつくっていきたいというふうに思っています。

 二つ目の中津校ですけれども、施設整備についてが、まだ来年度までかかってしまいます。そういう意味で、ちょっと今の時点ですぐにというふうなテンポではありません。それも見ながら、あと、子供の状況を見て、そしてまた、中津校だけでなくて、特別支援学校全体としての課題もございます。それとの調整もございます。そういうのを踏まえて考えていきたいというふうに思っています。



○井上伸史副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 抽象的な話になってますので、一つだけ、私の経験をもとにお話を。

 私は、中学校の教員でしたので、中学校一年生を持つときは、三年後の子供たちがこういう子供たちになってほしいと願いながらやられた時期もありました。そして、もう本当に学校に行きたくないと、自分自身思った時期もありました。その子供たちとかかわりながら、一年生、二年生、三年生となって卒業していくという。そして、卒業したときにはこんな子供になってほしいと願いながら取り組んできたんですが、ただ、人事とかで、突然、三年持つとなっているときに、ぼんと切られてしまうと、子供たちとの関係をつくってきたんですが、なかなかその人事でやられると、三年一緒に卒業しようという思いの中で、がらっと変わってしまうと。そういうふうな人事が行われることが学校づくりにとってどうなのかというところは、やはりこれから、私もまた論議をしていきたいというふうに思っております。そういうところがあったのかなかったのか。あったんではないかというふうに思いますので、論議をまたしていきたいというふうに思っております。

 最後の質問ですが、四点目に、中津日田道路と中津港の整備についてお尋ねいたします。

 東九州自動車道の宇佐と福岡県築上町の間では、平成二十六年度の供用開始を目指して工事が進んでいます。中津日田道路においても、中津港から日田までの間において、それぞれ工事が行われています。しかし、このうち耶馬渓−山国間は、調査区間にさえなっておらず、いわば手つかずの状態であります。日田から中津港までがつながることによる県北地域や日田地域に対する効果は絶大なものがあると考えます。また、中津港は重点港湾に選定され、その整備は国の直轄事業として行われます。現在の中津港の取り扱い貨物は自動車と砂利、砂がほとんどですが、中津港が整備され、日田中津道路がつながれば、これまでの自動車に加えて、県北や日田地域で生産された農産物、木材などについても中津港から関西方面へ運ぶことが可能となり、この地域の産業の活性化がさらに促進されると考えます。

 そこで、国や県の財政の厳しさはありますが、耶馬渓から山国までの区間の調査区間への格上げの見通しと中津港の今後の整備計画についてお尋ねいたします。



○井上伸史副議長 梅崎土木建築部長。



◎梅崎健次郎土木建築部長 中津日田道路及び中津港の整備についてお答えいたします。

 まず、中津日田道路については、中津側の約三十キロメートル区間で事業着手しており、そのうち本耶馬渓耶馬渓道路は今年度末に供用予定、中津三光道路は、東九州自動車道と時期を合わせ、平成二十六年度の供用を目指しているところです。

 調査区間の山国−日田間については、地形が急峻で技術面やコスト面での課題も多いと考えていますが、引き続き、利便性や沿道地域に与える影響、費用対効果などを考慮しながら、バイパスルートや現道を活用したルートなど、必要な調査を進めているところです。

 財政状況が厳しい中、まずは事業中区間の早期完成に努めるとともに、既に調査区間に指定されている山国−日田間の調査を進め、その検討結果を受けて、隣接する耶馬渓−山国間の調査に着手したいと考えております。

 一方、中津港については、現在、国直轄事業及び県事業により水深十一メーター航路のしゅんせつ及び臨港道路の整備を鋭意進めており、まずは、これらの事業の早期完成を図りたいと考えております。

 今後の港湾施設の整備につきましては、港湾の利用状況や貨物量の動向などを踏まえて検討していきたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 馬場林君。



◆馬場林議員 中津港のお隣にはすばらしい干潟もございますので、そこも大事にしながらお願いしたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○井上伸史副議長 以上で馬場林君の質問及び答弁は終わりました。御手洗吉生君。

  〔御手洗議員登壇〕(拍手)



◆御手洗吉生議員 皆さん、こんにちは。十二番、自由民主党・無所属の会、御手洗吉生でございます。

 本日は、お忙しい中、地元より多くの皆様方にお越しをいただきまして、まことにありがとうございます。

 本年最後の質問者になりました。知事初め、執行部の皆さん方の明快なるご答弁を、どうぞよろしくお願いいたします。

 東日本大震災より間もなく九カ月、亡くなった多くの皆様方に心からお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧、復興を願っております。

 それでは、質問に入らせていただきますが、この問題については多くの議員の皆さんが質問いたしましたが、あえて質問させていただきたいと存じます。

 本年三月十一日十四時四十六分十八秒に発生した東北地方太平洋沖地震は、日本の観測史上最大のマグニチュード九を記録しました。この地震により、場所によっては波高十メートル以上、最大遡上高三十八・九メートルの大津波が発生し、東北地方の太平洋岸に壊滅的な被害をもたらしております。

 十一月十一日時点の震災による被害は、死者一万五千八百三十六人、重軽傷者は五千九百四十八人、警察に届け出のあった行方不明者は三千六百五十人であると発表されています。また、建築物の全壊、半壊合わせて十万棟以上、ピーク時の避難者は四十万人以上、停電世帯は八百万以上、断水世帯は百八十万以上に上りました。日本国内で死者、行方不明者の合計が一万人を超えたのは戦後初めてであります。

 その死亡原因について警察庁が発表した検死資料を見てみますと、検死等を終えた遺体は、男性五千九百七十一人、女性七千三十六人で、死因は、溺死が一万二千百四十三人を占め、全体の九二・四%に達しています。ほかに、圧死等が五百七十八人で四・四%、火災焼死が百四十八人で一・一%、不詳が二百六十六人で二%に上り、合計一万三千百三十五人と発表されております。

 死亡年齢を見てみますと、六十歳から六十九歳までが二千百二十四人で全体の一九・一%、七十歳から七十九歳までが二千六百六十三人で二四%、八十歳以上が二千四百五十四人で二二・一%を占め、その他年齢判別分が三千八百六十七人で三四・八%の結果となっております。実に六五・二%もの高齢者が災害の犠牲者になっており、死亡者のうち九〇%が倒壊した家屋や家具の下敷きによる圧死であった阪神・淡路大震災と大きく異なっており、最大震度七を記録した宮城県栗原市は、沿岸から四十キロあるため、一人の死傷者も出ていません。よって、死因の最大の原因は、津波による水死や流出した瓦れきに巻き込まれた圧死、損傷死と判断されております。

 また、人的被害を都道府県別に見てみると、十一月十一日現在の死亡者数は、岩手県が四千六百六十五人、宮城県が九千五百一人、福島県が千六百四人、その他の県が六十六人で、合計一万五千八百三十六人に達しております。さらに、行方不明者の合計は三県で三千六百四十六人に上り、他県はわずか四人であることが明らかになり、この結果から推測すると、太平洋側三県に死者、行方不明者が集中していることから、地震による家屋の倒壊でなく、その後の津波の被害が原因と考えられます。

 また、東日本大震災と阪神・淡路大震災の被害の比較をしてみますと、死者は、東日本大震災が一万五千八百三十六人で、阪神・淡路大震災は六千四百三十六人、被害総額は、東日本大震災で、現在のところ十六兆円から二十五兆円、阪神・淡路大震災は九・九兆円で、津波被害の甚大さを物語っており、今後の早急な対策が必要と考えられます。

 東海・南海・東南海連動型地震は、東海地震、南海地震、東南海地震の三つが同時に発生した場合を想定した巨大地震で、地質調査や文献資料からこの三つの地震はそれぞれ九十年から百五十年の間隔で発生していることがわかっており、今後も同じような発生パターンをとると推測されています。いずれもマグニチュード八に達するような巨大地震で、過去の揺れや津波により甚大な被害を出してきた地震であり、江戸時代以前まで歴史をさかのぼってみますと、この三つの地震は同時に発生したことが確認されており、文献によれば、一七〇七年の宝永地震、マグニチュード八・六が最も近代に発生したことが確認されています。

 一七〇七年十月二十八日昼過ぎに発生した宝永地震においては、県内においても十メートルを超える津波が佐伯市米水津の浦々を襲った記録が古文書に残っております。同じ津波は佐伯の城下町にも押し寄せ、そのときの様子も当時の佐伯藩主毛利高慶の日記「温故知新録」に記述されており、「城下へ潮差し込むこと、昼夜七度。初め二度は大きく、冠木門の内まで差し込んだ」とあり、このとき高慶は町人らに山に登るように指示しております。このときの被害は、津波の高さ九尺五寸、約三メートル、家屋の全壊四百八十六軒であったと記録されています。

 また、米水津間越地区において高知大学理学部による龍神池の地質調査が実施されておりますが、津波により一定のサイクルで海の砂が内陸まで入り込んでいる地質データが確認されています。

 これらの過去の地震データをさまざまな角度から検討した結果、宝永地震から三百年を経過した現在、中央防災会議においても指摘されているように、極めて高い確率で東海・東南海・南海連動型大地震が発生することが予測されております。

 今後、発生が予測されている連動型地震のうち最大のものはマグニチュード八・六とされており、この三つの地震が一挙に起きた場合、また、短い間隔で起きた場合は、太平洋ベルト全域に被害が及び、地域相互の救援、支援は事実上不可能となると予想されており、地方自治体は連動型地震を想定に入れた防災対策を早急に講じる必要があるとされております。

 今後、再び発生した場合の津波の想定高は、九州太平洋沿岸で最大八メートル級に、四国南端部の土佐清水市では十メーター以上に、また、地理的条件によっては最大三十メートル近い波になるおそれがあると推測されています。

 なお、この連動型地震が発生した場合の被害予想は、中央防災会議の資料によると、最も被害が大きいと考えられている朝五時に発生した場合で想定すると、建物全壊棟数は約五十一万三千から五十六万八千棟になり、阪神・淡路大震災の二十四万九千棟を大きく上回り、死者数は二万二千人から二万八千三百人に達し、被害額は約五十三兆円から八十一兆円になると推定されております。

 東日本大震災の被害を受け、すべての日本人が災害に対する備えについて気持ちを新たにしているところでありますが、県内ほとんどの自治体においても根本的な見直しを行い、その推進に向けて努力していただいております。しかしながら、防災計画の根幹をなす基本的な対策は県抜きで進めていくことは現実的に困難であります。津波被害そのものの発生を防ぐことはできませんが、津波による被害を軽減するための努力は惜しまず推進していく必要があると思います。

 そこで、防災対策に対する県の基本的な考えについてお伺いをいたします。

  〔御手洗議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○井上伸史副議長 ただいまの御手洗吉生君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま御手洗吉生議員には、防災対策について質問をいただきました。

 東日本大震災を目の当たりにいたしまして、改めて、災害に上限はない、何よりも人命との思いを強くいたしました。

 ただいまは、亡くなった方々に関する細かな分析なども謹んで伺わせていただいたところであります。

 災害は、いつ起こるかわかりません。人命を最優先に、次の四点を基本として災害対策に取り組んでいきたいと思います。

 一点目は、やはり、ただいまご質問にありましたように津波対策でございます。

 今回の大震災では、津波が来るまでの間の避難行動が生死を分けました。このため、自主防災組織や自治会で隣近所に呼びかけ、避難行動を連鎖的に広げていくということが重要だと思います。そのためにも、地域での日ごろの活動や、あるいはつき合いを大事にして、防災訓練に取り組んでおくことが必要だと思います。

 一方、行政も、いち早く確実に警報を伝えなければなりません。停電でも使えるサイレンや半鐘など、さまざまな手段を考えておく必要があります。

 今回、茨城県大洗町では、防災行政無線で「大至急、高台に避難せよ」という命令表現で緊急事態を伝え、犠牲者を出さなかったとも聞いておりまして、こういった事例も参考になると考えております。しっかりと事例を検証して、伝達方法等も考えなければいけないと思っております。

 二点目は、高齢の方や障害がある方など、災害時に支援が必要な要援護者対策でございます。

 例えば、高台への避難経路に手すりをつけたり、道を平たんにして歩きやすくしておく整備が必要であります。また、援護を要する方がどこに何人おられるのかという情報を地元の消防や自主防災組織、民生委員などで把握、共有し、避難時に実際に支援できる体制が求められると思います。

 三点目は、被災した住民に何が必要かという被災者の立場に立った対策であります。

 被災現場で支援に当たった職員から、被災者に必要な対策など九百八十八件の意見を集めました。また、本県に避難しておられる方のうち四十二名の方からは、避難所で必要な物資や運営など、実体験を踏まえたご意見もいただきました。手を洗えずにウエットティッシュが必要となることや、男女別の更衣スペース、あるいは仮設トイレの夜間照明など、女性の視点や子供の安全面からのご意見も防災計画に反映させたいと考えております。

 四点目は、広域大規模災害の想定であります。

 最大規模の地震、津波を想定した上で、県と市町村が一体となって取り組むことが大事でありまして、県としても市町村の防災対策をしっかり支援していきたいと思います。また、県を超えて速やかに相互応援を行うため、九州・山口九県災害時応援協定を見直すとともに、関西広域連合と九州地方知事会との相互応援協定を新たに結びまして、備えを強化したところであります。

 今回の大震災を教訓といたしまして、このような考え方のもとに、県民一人一人の命を最優先とする防災対策に力を注いでまいりたいというふうに考えております。



○井上伸史副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 ありがとうございました。多岐にわたっての取り組みというのがつぶさにわかりました。

 ここで、陸前高田市の市長が被害後に出した「被災地の本当の話をしよう」という本があるんですが、その中にこのようなことを書いていました。「津波によって交通網がずたずたになってしまいました。鉄道や道路が分断され、被災直後は食料も何も入ってきませんでした。救援物資が届き始めたのは震災の一週間後ぐらいだったでしょうか」というようなことで、そして、県、国にお願いをして食料確保ができるようになりましたが、ガソリンなどの燃料が手に入らない状況が続くということで、一週間ぐらいは悲惨な生活をされていたというようなことをこの市長は書いております。

 そこで、この大分は、十市一町一村が沿岸部に生活をいたしております。約九十七万五千人の方が生活をしております。それぞれの市によって高い、低いところがありますが、九十七万人の方がこの沿岸部に生活をして、いつ来るかわからない地震、津波のために不安な生活を送られている方も随分おられます。

 そこで、いろいろな取り組みをする中で行政の務めというのがあるわけなんですが、やはり県民一人の死傷者も出さないように取り組むのが行政の務めであり、知事の責務だというふうに私は思いますが、知事さん、その考えについて、どのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大きな災害を想定されるわけですけれども、そういう場合にやはり一番大事なことは、県民の命を守っていくということだろうというふうに思っております。そのためにできるだけの対策を講じておくということが大事だと思います。

 本当に不幸なことでございましたけれども、今度、東日本大震災、ああいう事態があったわけでございますから、亡くなった皆さん方のご冥福を祈るとともに、お見舞いを申し上げなければなりませんけれども、加えて、あそこから我々がこれから講ずべきいろんな対策についても教訓を学び取って、対策に生かしていかなきゃならぬ、こう思っているところであります。



○井上伸史副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 いつ災害が起きるかわからない状態の中で、不安な毎日を送っている県民の皆さんも多数いるわけですが、知事さんの今のお言葉を聞いて、少しは安心できたんではないかというふうに思いますし、やはり、一人の死傷者も出さないように取り組むのが本当に行政の務めだというふうに私は思っておりますので、そういう点で、今、地域防災対策の見直しを行っておりますが、そういう観点から、ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 東九州自動車道の整備について。

 この自動車道につきましては、知事を初めとして、関係各位のご努力によりまして順調に工事が進捗しておりますことに、まずもってお礼を申し上げます。

 しかしながら、高速道路ネットワークの整備状況は、全国平均が七〇%、九州平均が六九%であるのに対して、東九州自動車道の全長四百三十六キロメートルに対し、いまだ百九十五キロメートル、約四五%の供用率であります。

 県内の状況を見てみますと、築上−宇佐間が平成二十八年度、進捗状況により平成二十六年度供用開始の予定と伺っております。また、蒲江−北浦間については平成二十四年度供用予定となっておりますが、佐伯−蒲江間につきましては供用開始までにはまだ五年以上の年数がかかると伺っております。

 さきの東日本大震災における高速道路網の状況を見てみますと、位置的に海岸部から離れた高速道路の津波被害は皆無であり、被害後の救助活動や救援物資の運搬、被害者の救急運送等に大きな役割を果たしております。

 国土交通省九州地方整備局では、九州における災害時の広域ネットワークについて、特に東九州における縦軸が脆弱であり、横軸とあわせて戦略的かつ効果的なネットワークづくりが必要と位置づけられております。

 また、国土交通省でも、従来の事業評価に加え、防災対策や災害時の救助救援活動の支援といった側面から、さらに安全な道路交通の確保を目指していく方針を明確にしております。

 県内の主要都市のほとんどは海岸部に位置しており、大津波時には主要な幹線道路や鉄道網は壊滅的な被害を受けることは明白と言われております。特に県南地方の海岸部は、主要な連絡道路は一本しかなく、津波による道路網の寸断の可能性があると考えられています。東九州自動車道はほとんどが海岸から離れた位置にあることから、災害時における役割の重要性は言うまでもありません。

 県におかれましても、災害対策という重要な観点から一日も早い完成に向けて努力していく必要があると考えますが、その決意のほどをお聞かせください。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 東九州自動車道の整備については、御手洗議員にも大変熱心に運動に取り組んでいただいておりまして、心から御礼を申し上げます。

 高速道路は、国民の日常生活や通勤等に必要な生活の道でありまして、産業、経済、文化の発展を支える活力の道でもあります。東日本大震災を契機といたしまして改めて認識されたように、高速道路は、あわせてまた、住民の生命、財産を守る命の道であるということでもあります。

 議員ご指摘のとおり、さきの大震災では、高速道路が支援物資の輸送等に大きな役割を果たしたほかに、津波の侵入を防ぐ防潮堤として、さらには住民の避難場所として、副次的な機能も発揮したところであります。

 国土交通省では、この貴重な経験を教訓といたしまして、蒲江−県境間の丸市尾浦、葛原浦両地区におきまして、新たに一般道と高速道路をつなぐ緊急時専用の連絡路を設置することといたしました。

 これが整備されますと、仮に津波などの大災害を受けて一般道が通行どめとなり、両地区が孤立した場合でも、高速道路を経由して緊急車両が両地区へ到達できるほか、高速道路が両地区住民の避難路としても有効に活用されるものと期待をしているところであります。

 この蒲江−県境間については、平成二十四年度の供用予定が示されておりますけれども、災害対策上の観点からも、同区間の一日も早い供用を求めてまいります。

 問題は、佐伯−蒲江間であります。

 私は、産業振興の基盤として、また、防災対策という観点からも、ミッシングリンクを戦略的に解消し、強靱な国土を早急に形成する必要があるというふうに考えております。

 県北の築上−宇佐間を初め、北九州から宮崎まで、残された未供用区間の多くは二十六年度までの供用が見込まれておりますことから、佐伯−蒲江間についても二十六年度の供用を何としても実現させなければならないというふうに考えております。しかしながら、現下の厳しい財政状況や震災復興等を勘案しますと、東九州自動車道を初めとした高速道路の整備に係る予算の確保はまことに予断を許さない状況にあります。

 このようなことから、新内閣発足直後の十月には、沿線四県と経済界が一体となりまして、三年ぶりとなる中央大会を東京都で開催し、政府・与党や国土交通省等の関係機関に対し、早期整備を求める提言活動を実施したところであります。

 東南海・南海地震等に対する防災対策といたしましても、東九州自動車道の整備は極めて重要かつ喫緊の課題であります。

 今後とも、九州を循環する高速道路ネットワークの早期構築に向けて、北九州−大分−宮崎間の二十六年度供用を実現できるように、関係機関へ強く働きかけていきたいというふうに考えております。



○井上伸史副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 ありがとうございます。

 一日も早い開通を、特に知事さんには、先ほど述べましたように、避難のための高速というところの観点から、ぜひ強力なご支援をお願いしたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、次の質問に入らせていただきます。

 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準について。

 我が国は、少子・高齢化、人口減少という、かつて経験したことのない局面に立たされております。このような状況において豊かで活力ある大分県を創造していくためには、子供の健やかな育ちと子育て家庭を応援し、安心して子供を産み育てられる社会の実現を目指す次世代育成支援の取り組みが極めて重要であります。そのため、本県では、次代を担う子供たちや若い世代の夢を後押しする施策を幅広く展開するとともに、さらにもう一段推進するために、平成二十一年度から中期行財政運営ビジョンにおいて「子育て満足度日本一を目指す大分県」を政策目標に掲げ、それを具体的に推進するために平成二十一年度に大分県次世代育成支援後期行動計画「新おおいた子ども・子育て応援プラン」を策定、実践して今日に至っており、他県に誇れる取り組みがなされていると確信しているところです。

 こうした中、社会的養護の必要がある子供へのセーフティーネットとして大きな役割を担っている児童福祉施設の設備及び運営に関する基準がこのたび国から都道府県等の条例に委任されることとなり、平成二十四年四月一日から法が施行されることになりました。

 厚生労働省は、都道府県等が当該条例を定めるに当たって従うべき基準及び参酌すべき基準を省令で定め、先般十月二十八日に各都道府県等に示しました。

 本県における最低基準の条例制定に当たり、母子生活支援施設の加算措置によって配置されている職員をあわせた現行水準を下回ることのないように、また、必要に応じて、さらに支援水準の向上を図る必要も出てくるものと思われます。そのため、条例の内容検討に当たっては、児童福祉関係者の意見を聴取する場を設定するなど、現場の意見を反映する取り組みが早急に必要だと考えております。

 そこで、この条例による基準の制定に当たって、今後の県のプロセスはどうお考えなのか、お伺いをいたします。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準についてお答えをいたします。

 この基準は、児童福祉施設に入所している子供たちが、明るくて衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員の指導により、心身とも健やかにして社会に適応するように育成されることを保障するものであり、大変重要なものと認識しております。したがいまして、県がこの基準を条例で定めるに当たりましては、国の基準を下回る設定をすることは現時点で想定をしていないところでございます。

 次に、策定のプロセスでございますが、法の施行は平成二十四年四月一日でありますけれども、一年間の経過措置規定が設けられていますことから、それまでの間に十分な検討を行う必要があると考えております。

 条例制定に当たりましては、県議会のご意見を踏まえるのはもとより、パブリックコメント、県社会福祉審議会における審議、それから児童福祉関係団体等からの意見聴取など可能な限りさまざまな意見を取り入れたいと考えているところでございます。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 ありがとうございます。

 子育て満足度日本一を目指している本県でありますから、この基準を、全国の模範となるような取り組みをぜひしてほしいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをして、次の質問に入らせていただきます。

 認知症対策について。

 世界一の高齢化を誇る我が国において、平成二十二年十月一日現在の高齢者の人口は二千九百四十二万六千人で、高齢化率は二三%に達しております。本県ではさらに高齢化が進み、六十五歳以上の人口は三十一万六千七百五十人で、高齢化率は二六・六%を占めております。平均寿命も年々ふえており、平成二十二年度の平均寿命は、二十三年七月二十八日発表で、男性七十九・六四歳、女性八十六・三六歳と長寿命化が進展しております。

 高齢化に伴い、認知症高齢者も増加しております。認知症の原因は、脳血管疾患、アルツハイマー病、その他外傷性疾患に分類されています。特に多い認知症はアルツハイマー病で、全体の六〇%を占めております。認知症の病状には、記憶障害、見当識障害、理解判断力障害、実行機能障害などの中核症状と、幻覚、妄想、徘回、抑うつ症状などの周辺症状があります。

 認知症は、発病後、時間の経過とともに徐々に悪化し、家庭生活や地域での生活に支障を来すに至るため、症状の進行抑制、BPSDの緩和のための環境整備が必要であります。

 全国の要介護認定者に占める認知症高齢者数の将来推計によりますと、平成二十二年の二百八万人から、ピーク時の平成五十二年には三百八十五万人に至るとされております。本県の認知症高齢者は、平成二十二年度で二万九千人と高齢者の九%が認知症であると推計され、早急な対応が必要だと思われます。

 現在、東京都世田谷区では、認知症専門医と地域の開業医が共通の診断情報提供書、クリティカルパスを利用し、三年前から認知症の早期発見、診断に効果を上げていると伺っております。

 クリティカルパスに参加するのは地域の病院と診療所で、かかりつけ医が認知症の疑いがある患者の病歴や処方薬、治療経過などのほか、認知症の診断に必要な神経学的所見とOLDと呼ばれる十二項目の簡易検査の結果を記入し、パスを病院に送り、患者は病院で専門医の診断を受ける流れとなっており、その後、定期的にかかりつけ医の診察を受け、病状に大きな変化がなければ、半年から一年に一度、病院がチェックする仕組みとなっております。

 パス導入前には、認知症が専門ではない診療所の医師からは「認知症診断に自信がない」という声もありましたが、パス導入により認知症の診るべきポイントがわかるようになり、かなり的確に認知症を診断する医師もふえてきたとのことで、特に特徴的なのは認知症の一歩手前の状態である軽度認知機能障害の受診者がふえ、認知症の早期発見がよりスムーズになり、パス導入で成果を上げているとのことです。

 クリティカルパスは、病院とかかりつけ医の間だけでなく、地域包括支援センターでも利用し、かかりつけ医がいる場合はケアマネジャーがパスの利用を相談し、いない場合は認知症相談医リストを利用し、複数の医師を紹介する仕組みであります。それにより、毎年ふえ続けている社会保障費の中で介護・医療保険給付の減額と家族の医療費の軽減、あるいは精神的な軽減にもつながると考えます。

 そこで質問であります。

 本県でも認知症高齢者は増加すると推計され、早急な認知症対策が必要だと考えますが、見解を伺います。

 また、認知症高齢者が少しでも長く自立した日常生活を営むため、医療や地域と連携して支援する体制を強化する仕組みが求められております。医療機関や地域包括支援センターなどとの間にクリティカルパスを導入し、認知症の早期発見に役立てる仕組みを取り入れる必要があると思いますが、あわせてお伺いをいたします。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 認知症対策についてのご質問であります。

 認知症は、だれでも発症する可能性のある病気でございまして、症状が進むと徘回や攻撃的な言動があらわれて、社会生活や家庭生活に支障が生じるために、認知症の人やその家族が抱える不安や悩みはとても大きなものがあるというふうに思います。

 認知症対策につきましては、これまでも平成二十年度に策定した「第四期豊の国ゴールドプラン21」におきまして重要課題として位置づけ、重度の認知症高齢者を支援するため、介護従事者の研修やグループホームの整備、認知症サポーターの養成など介護サービスの充実や普及啓発を進めてまいりました。

 また、医療の役割が重要であることから、二十一年七月には認知症疾患医療センターを設置するとともに、サポーター医師の養成やかかりつけ医の対応力向上研修を実施してきたところであります。

 今後は、軽度の認知症を早期に発見し、治療を開始して、重症化を予防する医療体制の構築とともに、介護、医療など関係者が連携して認知症高齢者や家族を支える仕組みづくりを進めることが重要と考えております。

 そのため、認知症の相談や診察のできるかかりつけ医をさらにふやし、専門医と連携して地域における適切な医療を提供できる体制の整備を進めていきたいと思います。

 さらに、地域包括支援センターを中心に、介護、医療、予防、見守りなど、認知症高齢者の支援に携わるすべての人々が連携して支える地域包括ケアシステムの構築に向けて取り組んでまいります。

 また、お話のありましたクリティカルパスの導入についてのご提案でしたけれども、本県でも由布市におきましてオレンジパスポートという名称で、かかりつけ医と専門医、地域包括支援センターなど関係機関の情報共有の取り組みが行われておりまして、早期発見や住みなれた地域における診療体制の充実に効果を上げていると聞いております。今後、各地域でこのような取り組みができるように努めていきたいというふうに考えます。

 高齢化の進展に伴いまして認知症高齢者の増加が予想されますけれども、たとえ認知症になっても高齢者やその家族が、やはり住みなれた地域で安心して生活できるような体制を整えていくということが大事だと思っております。



○井上伸史副議長 御手洗吉生君。



◆御手洗吉生議員 ありがとうございます。

 認知症の早期発見、伺ってますと、認知症になる一歩手前の段階で、家庭でも病状がおかしくなったというような状況の中で、そこで専門医に行くということになると抵抗を感じる中で、どうしてもそういうところがクリアできない中で、時間がたつにつれて重度な認知症になるということが今まで続いたわけですから、このパス導入をすることによって、事前にわかるというふうに思いますので、要するに、地域包括支援センターやかかりつけ医でその診断がわかるというような仕組みになっているそうでありますので、ぜひ気楽に診断ができて、そして病状を進行させないようにすることによって、先ほど言いましたように、ふえ続ける医療費、介護給付というのが減額されるというふうに思いますので、私も介護の現場に携わっておりますが、認知症のいる家族の大変さというのは身にしみてわかっておりますし、今もう、老老介護は過ぎ去って、もう認認介護になっている、そういう方々を早くキャッチして、早目に治療することが認知症対策につながるというふうに思っておりますので、由布市が取り組んでいる形を県下全域に広げていただいて、そういう軽減を図っていただきたいというふうに思いますので、ぜひそこのところをお願い申し上げまして、時間が早いですが、知事さんから明確なご答弁をいただきましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○井上伸史副議長 以上で御手洗吉生君の質問及び答弁は終わりました。

 次に、上程議案に対する質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、これを許します。堤栄三君。

  〔堤議員登壇〕



◆堤栄三議員 日本共産党の堤でございます。

 私は、上程議案に対する質疑を行わせていただきます。

 まず、県政諸般の報告についてです。中でもTPPについて。

 野田首相は、国民にTPP問題について明確な情報を発信せずに、APECで交渉参加表明をいたしました。農林水産業分野だけではなく、二十四もの作業部会における関税撤廃や規制等の障壁を緩和するものです。特に本県では、今回、長期総合計画において農林水産業の産出額目標を平成二十七年に二千百億円にしようと設定をされています。しかし、米の関税撤廃や非関税障壁の緩和、さらなる食品の安全基準等の規制緩和が求められてきます。

 大分県農業を壊滅的な状況にしてしまうTPP推進と産出額目標二千百億円とは両立しないのは明白ではありませんか。答弁を求めます。

 以下、対面演壇にて。

  〔堤議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○井上伸史副議長 ただいまの堤栄三君の質疑に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 堤栄三議員のご質問にお答え申し上げます。

 TPPについてのご質問であります。

 米の関税撤廃や非関税障壁の緩和、食品の安全基準等の規制緩和などによる県内農業への影響については、確かに大きな心配があるところであります。

 断片的な少ない情報の中で十分な議論ができなかったことも生産者などの不安を招いた一因だと思いますけれども、政府は今まさにTPP交渉参加に向けた一歩を踏み出したところでありまして、これからが大事なときだというふうに考えております。

 交渉に当たりましては、日本の国益をしっかり主張するとともに、交渉相手国の主張などさまざまな情報が得られるわけですから、国民生活や国内産業への影響についてしっかり情報を開示し、デメリットに対する対策も明示しながら、十分議論を尽くすことが重要だと思います。

 特に影響が大きいと心配される農業分野では、生産者が安心して営農できるよう対策を講じていくことが大事です。

 一方、本県の農林水産業は、TPPとの両立を論じる以前に、中山間地の多い不利な条件の中で、担い手の減少や高齢化、耕作放棄地の増加など早急に解決すべき課題を抱えています。

 TPPをめぐる国の動向を把握することはもちろん大事ですけれども、まずは、本県農林水産業の構造改革を進めていくということが先ではないかと考えております。

 このため、生産の低コスト化、効率化や付加価値を高めるブランド化の推進に加えまして、中核となる経営体の確保育成などに全力で取り組んでいるところであります。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 現在の農業が抱えている問題、結果論でありまして、もともとこれを推進してきた自民党農政の弊害が今出てきているわけです。ウルグアイ・ラウンドの締結等によって、輸入農産品が流入してきて日本の農業をつぶしてきた、そういうふうな状況の中で、やっぱり、根本的な問題を切りかえていくというふうな方向性に立つということが大事だというふうに思いますし、あわせて、TPP交渉に参加するしないということではなくて、交渉しないということをまず前提に考えるべきだというふうに私は思います。

 あわせて、今回の農産物の問題についても、さまざまな構造改革というお話をよくされておりますけれども、農地の面積だけを考えても、アメリカは日本の百倍あるわけです、オーストラリアは千五百倍あるわけです。幾ら集約化したとしても太刀打ちできないような、そういうふうな農地面積。おまけに、機械化によってコスト削減をやっているわけですから。それが一遍にTPPによって流入してくれば、日本の農業、大分県の農業、特に米生産がどういう状況になるかというのは火を見るより明らかだというふうに思います。だからこそ、いろいろな農業団体でも反対の集会等が開催をされているというふうに思います。

 そういう点で、やはり九〇%の農家が廃業する予測が立てられている現状もあるわけですから、構造改革して競争に勝てるというふうに言いますけれども、決定された後では、もう遅いわけです。ですから、そういう点では、知事として明確に反対の立場をとるべきだと私は思いますけれども、再度、答弁を求めます。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 今、堤議員から、今日の農政の現状、これはやはり、これまでの農産物の輸入政策がしからしめたというお話でございましたけれども、果たしてそうでしょうか。そうではなくて、需要が全体として減退してきたとか、あるいは、担い手が減少して、そして高齢化が進んできたとか、そういった構造的な問題に起因するんではないかというふうに思っています。そういう中で、このTPPの議論を、それだけを取り上げて論ずるということで、日本の農業の将来に対して責任のある対策になるかどうかということもよく考えてみなければならないというふうに思っております。

 それから、TPPは、今、政府が決めたことは、交渉に参加するということを表明したわけでございまして、これから交渉に参加して、そして、どういうことを主張していくか、そして、どういうことを相手国に認めさせるかということはまさにこれからの話でございまして、それをあたかも、もうこのTPP交渉への参加によって日本の農業の将来がないといったような判断は、むしろ私はとらない方がいいんではないかと思っております。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 TPP問題についての情報は、米通商部からかなり、日本に対する要求等も出されてきてました。それが今回、そういう俎上に上るということは国会でも認めているわけです。ですから、情報とすれば、つかもうと思えばつかめるわけです。それを、やっぱり意識的につかもうとしないところにも問題があるというふうに私は思います。

 あわせて、今回、大分県の農林水産業振興計画では、米の産出額の問題、これを、平成二十一年が二百九十九億円で、平成二十七年には二百四十五億円と、五十四億円も減少する目標値となっているんです。目標値が設定をされているのは米とたばこだけです。これが、生産調整の問題、需要の関係等々というふうに、そういうふうな説明も受けましたけれども、そうじゃなくて、そうであればなおさら、その米の生産を引き上げていく。このTPPに参加をすれば、関税がなくなるわけですから、安い外国産の米が入ってくる。そういうふうな状況を食いとめるのが私は大分県の農業を守るための知事の責務だというふうに思いますけれども、そういう立場にぜひ立っていただきたいと思いますけれども、答弁を求めます。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 私がかねてから申し上げておりますのは、日本の国際化ということと日本の農業の存立ということを両立できるような対策を考えながらやっていく、それがこれからの知恵ではないかというふうに言っておりますけれども、そういった方向をこれから探っていかなければならないというふうに考えております。

 なお、交渉に参加をしなくても情報が入るではないかというお話でございましたけれども、それは、交渉に参加をして実際に交渉の場で得る情報と外から得る情報は格段の差があると思います。今までは交渉の場に入ってないわけですから、本当にそこから得ている情報というのは上っ面の情報しかないというふうに考えます。そこのところが大変大事なところではないかというふうに思います。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 上っ面の情報じゃなくて、それがあるからこそ多くの県知事は反対表明をしているところもあるわけです。

 ですから、今回の交渉に、いろんな自分の国の国益を考えるというふうにおっしゃいましたけれども、しかし、そういうふうな国益を考えて、カナダはこのTPPには参加できなかったわけです。交渉参加を拒否されているわけです。実際には、国際的にはそういうふうな状況もあるわけです。だから、アメリカからさまざまな要求が今来ているわけです。それを拒否することがTPPの交渉の中でできるのか。これは、いろんな分野の中で、国会の中でも、そういうふうな交渉が来れば、話を継続していかにゃいかぬというふうなことすら認めているわけですから。だから、そういう点では、情報というのはさまざまな分野から得て、それに基づいて大分県農業をどうするかという立場に立ってTPPに反対をするんだというのが本来の筋だというふうに私は思いますし、先日のJA中央会が開催した反対集会の中でも、県青年組織協議会の委員長さんが「県内農業は守るに値しないのか。影響する分野への対策も財政措置もないまま、なぜ知事は交渉に参加すべきと言えるのか」というふうに発言したということが報道もされています。大分県内で本当に大規模で頑張っている、営農で頑張っている、こういう若者たちのこの声にこたえるためにも、ぜひいま一度、TPPにはやっぱり反対するというふうな立場を表明していただきたいというふうに思います。答弁を求めます。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 大分県に、本当に一生懸命、農業に携わって頑張ってくれている人たちがいるわけです。そういう人たちにまじめに将来を開くためにも、この問題はやはり真剣に考えて、そして、どちらに行くべきかということを考えなければいけない。みんなが反対しているから反対すればいいというようなもんではないと私は思っております。やはり、日本の農業の、あるいは大分県の農業の現状をよく考えて、どちらに行くのがいいかということをしっかりと判断していかなければならないというふうに思っております。

 もう一つ、交渉の中で日本の立場が認められないときには拒否できるかというお話がありました。拒否できないだろうというようなお話がありましたけれども、交渉に参加して拒否できないようなことを、交渉に参加しないまま、交渉そのものを拒否するというようなことができるわけがないと思います。やはり、しっかり交渉して、それからよしあしを判断して、拒否するなら拒否する、そういうことこそ大事なことではないかというふうに思っております。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 アジアとの連携について質問いたします。

 今回のTPP等については、東南アジアは四カ国しか入ってないわけです。中国、韓国、タイ、インドネシアなど参加してないわけですけれども、やはりアジアとの連携を強化させていくということとアメリカを中心としたTPPに参加するというのは両立しないわけです。アジアとの対等、互恵の貿易ルールの確立こそ、本県は率先して訴えるべきではないかと思うんですけれども、答弁を求めます。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 人口減少等によりまして内需の縮小が見込まれる中で、アジア地域の成長を取り込む上で、この地域での貿易ルールづくりというのは、我が国にとって大変大事な問題だというふうに考えております。

 アジア地域を含む広域的な貿易ルールづくりに向けては、昨年のAPEC横浜会議におきまして、二〇二〇年までのアジア太平洋自由貿易圏、FTAAPと言っておりますけれども、その実現に向けて、この地域におけるさまざまな貿易自由化努力を積み上げていくという道筋が示されたところでございます。議員ご承知のとおりでございます。

 TPPは既に交渉が始まっていることから、このFTAAPを実現するための有力な道筋の一つと考えられております。実際、日本に続き、カナダとメキシコが先般、交渉参加を表明し、その可能性が高まってきたと言われております。

 また、FTAAPを目指すこのほかの枠組みとしては、東南アジア諸国連合、ASEANに、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドの六カ国を加えたASEANプラスシックスや、ASEANに日中韓を加えたASEANプラススリーなどがありまして、これらについては、交渉入りはしておりませんけれども、検討作業の加速化が十一月に首脳レベルで確認されているところであります。我が国は、こうした枠組みでも、アジア太平洋地域の貿易ルールづくりを目指していくことになるわけです。

 新しい広域的な貿易ルールづくりについては、各国の思惑もありまして、どういう形で収れんするかはわかりませんけれども、大事なことは、我が国の国益が反映されたルールがつくられることであろうと思います。FTAAPに向けても、唯一交渉が始まっているTPPについても、この枠組みが我が国にとって有利なものになるように、しっかりと国益を主張していくということが大事ではないかというふうに考えております。

 アジアの活力を取り込むという中の一環としてTPPは位置づけられていいと思っております。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 TPPへの参加ではなく、食料主権を初め、経済主権を尊重し、お互いの国民の暮らしと権利を守るルールを尊重する、そういう貿易関係を発展させることをアジアに向けて発信すべきだということを申し述べて、次に移ります。

 次に、大分県長期総合計画の変更についてですけれども、この中で原発事故対策が全く記載をされていません。

 ことし十一月一日には、原子力安全委員会が「原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方案」を発表しております。この中で、EPZにかえて、PAZまたはUPZ、そして、プルーム通過時の放射性沃素による甲状腺被曝を避けるための屋内退避、PPAという、そういう新たな概念等も報告されています。

 県としても、こういう国の方向性を受けて、県民の命と安全を守るという、そういう立場に立って、具体的な原子力事故対策計画を作成すべきだというふうに思いますし、また、県の職員に、原子力に関する基礎知識を持ち、原子力防災体制及び組織に関する知識、放射線防護に関する知識、被曝に対する応急手当ての知識を持った職員の配置をすべきと考えますけれども、あわせて答弁を求めます。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 原発事故対策についてのご質問でございますけれども、現在、国の原子力安全委員会において原子力防災指針の見直しなどが進められておりまして、防災対策重点地域をどのくらいの圏域に設定するかについては検討中と聞いております。

 国の防災指針見直しの結果、防災対策重点地域に仮に本県が含まれるというようなことになれば、県地域防災計画を見直すことになると思います。

 なお、今回の長期総合計画の改定案におきましては、危機管理の強化における取り組みとして「東日本大震災を教訓とした大分県地域防災計画の見直しと着実な推進」と記載をしているところであります。

 次に、原子力に関する専門知識を有する職員の配置についてでございますけれども、緊急事態や災害が発生した場合には、放射線防護や被曝などの知識を有する技術職員、県立看護科学大学の専門教員などで構成する災害対策連絡室を速やかに立ち上げて、適切に対応することとしております。

 今回、原発事故が発生したこともありまして、県職員に、財団法人日本分析センターの環境放射能分析研修やゲルマニウム半導体検出器による測定方法研修、県立看護科学大学の放射線健康科学講義を受講させたところであります。

 今後も、さらなる防災体制の充実に向けて、職員を専門研修へ派遣するなど、資質の向上も図っていきたいというふうに考えております。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 ワーキンググループの規定の中で、福島のときには五十キロ圏内にプルームが流れてきたというふうな報告がされております。五十キロ圏内といえば、当然、大分県も入ってくるわけですけれども、そういう中で、伊方でもし事故が起きれば、例えば風速が五メートル吹いたときに、もう何も遮へい物ないわけですから、大体二時間三十分ぐらいでプルームがやってくるわけです。こういうわずかな時間で屋内退避だとか、または、さまざまな準備をするというのは非常にできないという状況になると思う。ですから、十分な防災計画や、それに基づく住民への情報提供と周知、訓練というのはやっぱり必要だというふうに考えるんです。だからこそ、計画の策定を、事故が起きてない今だからこそ、国の動向じゃなくて、県が率先して、この状況に検討を加えて、原子力事故対策防災計画という形で変えていくというふうな方向性をとるべきだというふうに私は思うんですけれども、再度、答弁を求めます。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 先ほど答弁申し上げましたように、今、国が総合的な観点から、また、今回の原子力発電所の事故等も踏まえながら検討を急いでいるところでございますから、その結論を見ながら対応をしていきたいと考えております。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 その報告を待たなくても、県として基本的な考え方、指針ということはできるというふうに私は思うんです。だって、そういうふうな情報が今開示されているわけですから。

 それで、このワーキンググループの中でも、「事故は起こると想定して、事故の拡大防止、影響緩和のための準備をあらかじめしておくことが必要である」だとか、そういうさまざまな教訓的なことも記載されて、報告されているわけです。これに基づいて県としてもこの原子力事故対策計画を策定するという、国の動向を見るんじゃなくて、今からでもその準備を始めておくという、そういうふうな方向性は必要だというふうに私は思うんですけれども、そういう準備も今現在まだ始めないという形なんですか。それとも、準備は今から始めていくというふうな方向性でよろしいんでしょうか。再度、答弁を求めます。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 先ほど答弁したとおりでございます。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 再度、ちょっと角度を変えて。

 福島原発について。

 ああいう、いろいろ地震時のときに事故が起きた、または電源が喪失したというふうなことで、やっぱり安全神話ということをずうっと、事故は起きないというのを前提に考えてきた。その結果がああいう状況になってしまったと私は思うんですけれども、私はこの福島原発は政府及び東電の人災事故だというふうに思うんですけれども、知事は基本的に今回の原発事故についてどのように考えておられるんでしょうか。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 結果のことになるんですけれども、今まさにそこのところをいろいろ議論しているんではないか、検証しているんじゃないかと思います。

 本当に想定をはるかに超えるような地震、津波があった。特に津波が大きな影響があったわけでございますけれども、そういうことも大きなもの。しかし、それに加えて、やはり、人為的にもう少し工夫をしておけば、もう少し対策を講じておけば、やれることがあったのかもしれない。あるいはまた、一たんああいうことになったときにも、その対応として、もう少し早く冷却水が流せるような手だてを講じておけばよかったんではないかとか、そういったことはこれから出てくる議論だと思います。いろんなことを、これがこうだったからということを決めつけないで、虚心坦懐にこれからのことを考えながら分析するということが大事だと思います。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 基本的な考え方によって今後の原発政策というのはいろいろ変わってきますので。

 再度、ちょっと角度を変えて。

 エネルギー政策等について。

 総合計画の中にいろいろ書いておりますけれども、やはり原発はいろんな対策をとっても安全とは言えない未完成な技術なんです。ですから、事故が起きれば、空間的にも、地理的にも大きな被害が出ます。

 期限を切った原発からの撤退と自然エネルギーへの転換を国に求めるべきだというふうに思いますけれども、答弁を求めます。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 エネルギー政策についてのご質問でございますけれども、原子力発電の安全性については、私も議員と同じ気持ちで心配しております。ここまでは同じ気持ちであります。しっかりと安全対策を講じなければ大きな事故につながる危険性を持っていると思います。だからこそ、常に安全性を検証して、安全対策を強化しながら、住民の理解と納得を得て進めていくということが大事だと思います。

 脱原発の意見もお伺いしますけれども、発電量の約三割を占める原子力発電のすべてを停止させることは国民生活や経済活動に多大な影響を及ぼすことが危惧されます。少なくとも当面は、原子力発電について、国及び電力会社の責任において、しっかりと安全性を確保し、住民の理解を得ることが重要だと認識をしております。

 もとより、中長期的には、再生可能エネルギーの導入を拡大して、エネルギー供給のベストミックスを図っていくということも大事であると思います。

 国に対しては、既に全国知事会を通じて、原子力発電所の安全確保を初め、再生可能エネルギーの導入拡大を要望しているところであります。

 国のエネルギー政策見直し議論でも、中長期戦略について、中間的整理として、エネルギーのベストミックス、分散型エネルギーシステムの実現、国民合意の形成の三つの方向性が示されまして、来年夏ごろには決定されることになっております。

 本県としては、地熱や水力など自然エネルギーの供給量と自給率が日本一の県であることから、国の取り組みも見ながら、温泉熱や小水力、バイオマスなど特徴のある再生可能エネルギーの導入促進を初め、関連産業の振興などエネルギー政策に力を入れていきたいというふうに考えているところであります。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 原発はこれから停止していきますので、それとの比率、どんどん下がってきます。ですから、期限を切った原発からの撤退ということをぜひこれから求めていきたい。

 最後に、一〇七号議案です。人事委員会。

 今回の勧告で給与総額の影響二千九百万円、これまでの三年間で四十四億四千七百万円もの減少があるわけです。他の公務員を加えれば莫大な減少となるんですけれども、これで、勤労意欲だとか、また、地域経済に与える影響ははかり知れないと思いますけれども、人事委員長としてはどう認識をされているでしょうか。答弁を求めます。



○井上伸史副議長 石井人事委員長。



◎石井久子人事委員長 職員の給与に関する条例等の一部改正についてお答えいたします。

 地方公務員の給与につきましては、地方公務員法において情勢適応の原則や均衡の原則等が規定されており、人事委員会が勧告及び報告を行うに当たっては、公務員と民間の給与較差及び人事院の報告、勧告、国の給与制度、他の都道府県の動向等を総合的に勘案することが求められています。

 地方公務員の給与の動向は地域経済を構成する要素の一つではありますが、現行の給与勧告制度は、県民の理解と納得が得られる給与水準を決定する方法として、長年の経緯を経て定着しているものと認識しております。

 ことしの勧告は、民間給与が依然として厳しい状況にあることから、職員にとりましても厳しい内容となっておりますが、労働基本権が制約されている現行法のもとで適切な給与水準を保障する制度として職員にも理解されているものと考えております。

 今後とも、地方公務員法の趣旨に基づき、職員の適正な処遇の確保に努めてまいりたいと考えております。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 総務部長に聞きます。

 職員の勤労意欲とか地域経済に与える影響はどういうふうに考えておられますか。今回の給与引き下げによって、三年間の引き下げによって。



○井上伸史副議長 奥塚総務部長。



◎奥塚正典総務部長 今回の勧告は民間企業の厳しい状況等を反映した結果だと思いますが、三年連続で引き下げたということで、内容的には大変厳しいというふうに認識をいたしております。

 ただ、地域経済に与える影響と給与の引き上げについては、消費に影響があるというようなことがあるかもしれませんけれども、給与のあり方と景気対策というのは分けて考えるべきであろうと思っております。景気対策等につきましては、また別途、いろんな対策を講じてまいっているところでございます。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 堤栄三君。



◆堤栄三議員 今後議論を続けるということで、質疑を終わります。どうもありがとうございました。



○井上伸史副議長 以上で堤栄三君の質疑及び答弁は終わりました。

 これをもって一般質問及び質疑を終わります。

 ただいま議題となっております第一〇六号議案から第一二五号議案まで及び今回受理した請願七件は、お手元に配付の付託表及び請願文書表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。

 なお、他の委員会にも関連のある案件につきましては合い議をお願いいたします。

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付託表


件名
付託委員会


第一〇六号議案
大分県の事務処理の特例に関する条例の一部改正について
総務企画


第一〇七号議案
職員の給与に関する条例等の一部改正について



第一〇八号議案
議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例の一部改正について



第一〇九号議案
大分県使用料及び手数料条例の一部改正について



第一一〇号議案
当せん金付証票の発売について



第一一一号議案
大分県税条例の一部改正について



第一一二号議案
大分県税特別措置条例の一部改正について



第一一三号議案
公立大学法人大分県立芸術文化短期大学の中期目標について



第一一四号議案
大分県長期総合計画の変更について



第一一五号議案
公立大学法人大分県立看護科学大学の中期目標について
福祉保健生活環境


第一一六号議案
大分県身体障害者社会参加支援施設の設置及び管理に関する条例の一部改正について



第一一七号議案
おおいた農山漁村活性化戦略二〇〇五の変更について
農林水産


第一一八号議案
工事請負契約の締結について



第一一九号議案
工事請負契約の変更について



第一二〇号議案
工事請負契約の締結について
土木建築


第一二一号議案
工事請負契約の締結について



第一二二号議案
工事請負契約の変更について



第一二三号議案
訴えの提起について



第一二四号議案
大分県スポーツ振興審議会条例の一部改正について
文教警察


第一二五号議案
職員の特殊勤務手当支給条例の一部改正について




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○井上伸史副議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。

 お諮りいたします。明八日及び九日は常任委員会開催のため、十二日は議事整理のため、それぞれ休会といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○井上伸史副議長 ご異議なしと認めます。

 よって、明八日、九日及び十二日は休会と決定いたしました。

 なお、十日及び十一日は、県の休日のため休会といたします。

 次会は、十三日定刻より開きます。

 日程は、決定次第通知いたします。

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○井上伸史副議長 本日は、これをもって散会いたします。

     午後四時五分 散会