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平成23年 第4回定例会(12月) 12月06日−03号




平成23年 第4回定例会(12月) − 12月06日−03号







平成23年 第4回定例会(12月)



平成二十三年十二月六日(火曜日)

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 議事日程第三号

     平成二十三年十二月六日

           午前十時開議

第一 一般質問及び質疑

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 本日の会議に付した案件

日程第一 一般質問及び質疑

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 出席議員 四十三名

  議長        志村 学

  副議長       井上伸史

            阿部英仁

            近藤和義

            古手川正治

            土居昌弘

            嶋 幸一

            毛利正徳

            油布勝秀

            衛藤明和

            濱田 洋

            三浦 公

            末宗秀雄

            御手洗吉生

            桜木 博

            麻生栄作

            田中利明

            渕 健児

            三浦正臣

            守永信幸

            藤田正道

            原田孝司

            小嶋秀行

            馬場 林

            尾島保彦

            後藤政義

            竹内小代美

            玉田輝義

            深津栄一

            酒井喜親

            首藤隆憲

            吉冨幸吉

            平岩純子

            江藤清志

            久原和弘

            小野弘利

            元吉俊博

            荒金信生

            佐々木敏夫

            戸高賢史

            吉岡美智子

            河野成司

            堤 栄三

 欠席議員 なし

 欠員   一名

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 出席した県側関係者

  知事        広瀬勝貞

  副知事       二日市具正

  副知事       小風 茂

  教育委員長     林 浩昭

  公安委員長     平松徹夫

  代表監査委員    米浜光郎

  総務部長      奥塚正典

  企業局長      緒方浩史

  病院局長      坂田久信

  教育長       野中信孝

  警察本部長     太田滋徳

  企画振興部長    池辺英貴

  福祉保健部長    永松 悟

  生活環境部長    照山龍治

  商工労働部長    山本和徳

  農林水産部長    阿部良秀

  土木建築部長    梅崎健次郎

  会計管理者兼

            平田茂雄

  会計管理局長

  人事委員会

            岡 正美

  事務局長

  労働委員会

            光永 尚

  事務局長

  財政課長      尾野賢治

  知事室長      草野俊介

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     午前十時二分 開議



○井上伸史副議長 これより本日の会議を開きます。

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○井上伸史副議長 本日の議事は、お手元に配付の議事日程第三号により行います。

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△日程第一 一般質問及び質疑



○井上伸史副議長 日程第一、第一〇六号議案から第一二五号議案までを一括議題とし、これより一般質問及び質疑に入ります。

 発言の通告がありますので、順次これを許します。原田孝司君。

  〔原田議員登壇〕(拍手)



◆原田孝司議員 皆さん、おはようございます。二十二番、県民クラブの原田孝司です。

 初めての一般質問であります。この機会をいただいたことに関しまして、まずもって皆さん方にお礼を申し上げたいというふうに思います。大変緊張していますが、私の議会活動のテーマであります教育、福祉、労働、この三つの視点から質問をさせていただきます。

 まず最初に、県の発注する契約に従事する方々の問題について質問いたします。

 二〇〇八年秋のリーマンショックからの立ち直り半ばでの国内外での自然災害の発生や超円高など、日本経済をめぐる状況は本当に大変な状況が続いています。国においてもさまざまな雇用対策、景気対策が行われていますが、やっぱりハローワークにはたくさんの方が詰めかけております。

 先週発表された本県の十月の有効求人倍率は〇・六八で、九州では最も高く、久しぶりに全国平均の〇・六七を超しました。しかしながら、高卒者や大卒の就職内定は、昨日の答弁で予断を許さない状況であるとのことでありました。

 さらに、長引く不況に労働市場の規制緩和と自由化の要因が絡んで、正規雇用が減少し、非正規雇用が増加するということで、いわゆるワーキングプアという問題が起きています。このことは、低賃金で収入が安定しないということだけでなく、将来の生活設計も立てにくいことから、若い方は結婚することもちゅうちょし、安心して子供も育てられないといった悪循環を生み出します。

 二〇〇九年五月に施行された公共サービス基本法は、安全かつ良質な公共サービスが確実、効率的かつ適切に実施されることを理念として制定されています。

 県が発注する契約においても、それに先立つ二〇〇六年から、一部の工事、建築一式工事に限定されてはいますが、総合評価方式の試行導入などで工事の品質確保が進められています。

 公共サービス基本法では、その第十一条に「公共サービスの実施に従事する者の環境整備」という条項の中で、「国及び地方公共団体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする」と書かれています。しかしながら、その発注事業に従事されている方々の賃金や福利厚生面までは、残念ながら整備されていないのが実態ではないでしょうか。

 随意契約や指名競争入札による弊害をなくすために、入札の原則に従い、一般競争入札を実施することで、入札の低額競争が進み、その結果、その事業に従事する方々の賃金、労働条件が下がってきているのではないでしょうか。誤解を恐れずに言えば、入札制度の改革が、結果的に地域の勤労者の賃金、労働条件を引き下げるという新たな問題を発生させているのではないでしょうか。

 業務委託や公共事業などにおいて、従事する方々の賃金や労働環境などの実態把握を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 続いて、長期継続契約についてご質問します。

 このような状況の中で県は、労働者が正規雇用される環境づくりに率先して取り組んでいかなければならないと私は考えています。その第一歩として、大分県の契約方法のあり方を変えていく必要があるのではないでしょうか。

 お聞きしたいのは、県の事業委託における契約期間についてであります。

 企業の方からお話を聞くと、「県や市の仕事は一年単位の契約なので思い切った採用ができず、やはりどうしても臨時採用になってしまう」という話をお伺いしました。県民の生活を守る役目を担う自治体の責任として、これでいいのでしょうか。企業としては、長いスパンで契約ができると、一年の契約よりも正社員の雇用ができるのではないかと思うわけであります。

 長期継続契約は保守管理業務などに限定されているのだと思いますが、県では現在どのような業務において複数年契約を行っているのでしょうか。

 地方自治法上は例外的な規定であり、本来の目的ではないのかもしれませんが、雇用面でのメリット、つまり、正規職員を雇用するという意味で考えると、長期継続契約など複数年契約の対象範囲の拡大を県としてもぜひ前向きに考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 さらに、労働者が適切な賃金の支給を受けるための対策として、受注者が労働者に地方自治体が指定した賃金を支払うことを規定する公契約条例の取り組みが現在出てきています。第三回定例会においても、私たちの会派の守永議員が質問しました。私も、この大分県においても、また、すべての自治体においても、この公契約条例は必要不可欠であると考えています。

 千葉県野田市では、市の委託事業について、安心して生活できる賃金保障ということで、二〇〇九年に全国で初めてこの公契約条例を導入しました。野田市の根本市長は、インタビューでこう答えています。「私は、行政は人に優しいというところに軸足を置かなければならないと考えている。経済的、経済効果率だけで物事を考えると道を誤る。確かに税金で支払うのだから安い方がいいという意見は正論だ。しかし、その結果、働いている人が生活できないような、あるいは働きがいが感じられないというようになっているとすれば、行政サービスの低下につながりかねない。そんな仕事の出し方は、トータルで見るとマイナスだと考えている」と答えています。

 この公契約条例は、多くの議会で話題にはなっていますが、なかなか広がってはいませんでした。しかしながら、二例目として、政令都市である神奈川県川崎市でことし導入されました。先日、同僚の馬場議員、守永議員とともに実際に川崎市などを訪ね、この公契約条例を学んできました。

 千葉県野田市と神奈川県川崎市の公契約条例は、賃金の設定の考え方で相違点があります。時間が限られていますから、今回は川崎市の報酬基準に絞って話を進めていきます。

 川崎市の公契約条例における報酬基準の設定は二通りあります。特定工事請負契約、つまり公共事業に従事する方々の賃金設定は、工事にかかる予算を立てるときに自治体が使用する設計労務単価の九〇%を報酬基準としています。これは、平均落札率が百分の九十であるためだそうであります。

 さらに、特定業務委託契約の報酬基準をお聞きし、私は大変驚きました。川崎市の特定業務委託契約の報酬基準は、生活保護基準だということであります。川崎市の担当者は、生活保護基準を採用した理由について、「最低賃金と生活保護費の逆転現象や働くよりも生活保護を受給した方がよいというモラルハザードに対応するため」と言われていました。最低賃金では生活保護基準まで達しないという現実が間違いなくあるということに対しての問題提起だと私は感じました。働くより生活保護を受けた方がいいと思えてしまうような仕組みは大きな問題があると私は感じています。

 川崎市は、十二歳から十九歳の生活扶助基準を採用していました。川崎市は厚生労働省による「一級地一」という区分に該当していますから、冬期加算や期末一時扶助、さらに住宅補助の実績値の平均値などを含め、十二歳から十九歳の単身の生活保護家庭へ月平均十三万二千八百九十三円を扶助しています。それを時給計算すると時給八百九十三円という額になり、これを基準額としています。

 ちなみに、川崎市の現在の最低賃金は八百三十六円であります。その差が五十七円あるわけであります。九月までは最低賃金が八百十八円でしたから、生活保護に対しての時給に対して七十五円という差があったわけであります。委託事業に従事する方々の生活を、せめて生活保護基準まで引き上げるという意図の取り組みであるわけであります。

 私は、川崎市の算出基準をもとに、私の出身地である別府市ではどうなるかと思い、調べてみました。別府市は「二級地一」という区分で、これは大分市も同じであります。住宅補助の実績値の平均が若干違いますが、大体同じような額になるんじゃないかと思います。

 別府市は、十二歳から十九歳の単身の生活保護家庭へ月平均九万八千七百九十四円を扶助する計算となっています。ちなみに、十二歳から十九歳の単身家庭で生活保護を申請している家庭は、別府市には実際にはありません。これはあくまでも算出する手段としての計算であります。それを川崎市と同じ方法で時給計算すると六百六十四円になります。ご存じのとおり、大分県の最低賃金は六百四十七円です。ここでも十七円の差が出てきます。

 繰り返しますが、これは十二歳から十九歳までの単身家庭での生活保護基準から算出した差ですから、実際はもっと大きい差が出ていることは明らかであります。

 広瀬知事は、子育て満足度日本一を目標に掲げられています。私もこれは大事なことだと考えています。県が発注する工事や委託事業において官製ワーキングプアを発生させないような取り組みについて積極的に論議していただきたいというふうに思っております。

 広瀬知事は、公契約条例の導入についてどのように考えられているでしょうか、ぜひお答えをお願いいたします。

 なお、以降の質問は質問席からさせていただきます。

  〔原田議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○井上伸史副議長 ただいまの原田孝司君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま原田孝司議員には、県が発注する契約に従事する方々の労働環境の整備についていろいろご質問を賜りました。

 まず私から公契約条例について答弁をさせていただきます。

 地方公共団体が行う契約については、申すまでもありませんけれども、公益を目的とし、その手続に当たりましては、法令遵守はもとより、透明性だとか、あるいは競争性、品質の確保などが求められているわけであります。

 その中で、県では、これまでも入札、契約手続の改善に努めておりまして、公共工事におきましては、一般競争入札の拡大、あるいは総合評価落札方式の拡充などに取り組んできたところであります。

 また、品質の確保だとか、あるいは下請企業へのしわ寄せ防止、それが下請企業で働く従業員の皆様へのしわ寄せになるということにもなるわけでございますから、そういうことを防止するために最低制限価格等の見直しも行っております。

 つい先般でございますけれども、来年一月からの最低制限価格などにつきましては、この引き上げを決定したところでございます。

 なお、議員ご指摘の最低賃金につきましては、国におきまして生活保護との整合性にも配慮した上で決定されていると認識しております。

 このような中、さらに踏み込んで公契約条例をつくるかどうかということについてでございますけれども、県といたしましても、もちろん検討課題の一つとして研究を進めております。そういう中で、幾つかの課題があるわけであります。

 我が国におきましては、民間の賃金等の労働条件については労使当事者が自主的に決めるということが基本でございまして、また、ILO第九十四号の公契約における労働条項に関する条約は国においていまだ批准されていないという状況で、関係法令も整備されていないということもご承知のとおりでございます。こういう状況のもとでは、県が公契約条例を制定するということの効果だとか、影響について十分検討してみる必要があるというふうに考えております。

 また、実務的な課題といたしましては、対象となる労働者の範囲だとか、あるいは賃金の下限をどこに置けばいいのか、条例の実効性を確保する方策などが問題として出てくるわけでございます。

 県では、平成十八年度に公契約条例に関する研究会を庁内に設けておりまして、条例を制定している千葉県の野田市、神奈川県の川崎市、今、議員からご紹介ありましたけれども、そういったところの状況調査も行いました。情報収集と研究も進めているところでございます。

 労働環境の改善にもつながることと思いますので、今後も庁内関係部局での研究を続けて、できるだけの改善をしていきたいというふうに考えているところでございます。



○井上伸史副議長 梅崎土木建築部長。



◎梅崎健次郎土木建築部長 私からは公共事業等の労務費調査についてお答えいたします。

 本県では、公共事業従事者の賃金や労働環境の実態把握について、公共工事の積算に使用するため、毎年十月に国土交通省及び農林水産省と共同で公共事業労務費調査を実施しております。

 昨年度は、県内で発注された百七十八件の公共工事に従事した建設労働者千三百八十五人を対象に、労働基準法に基づく賃金台帳から賃金の支払い実態を調査したところです。

 この調査は、賃金のほかに就労形態や給与形態、労働日数や休日制度なども含まれており、労働環境の実態を踏まえたものであります。

 また、県庁舎の清掃や警備などの業務委託については、県による調査は行っていないものの、国土交通省が、建築保全業務労務単価の資料とするため、毎年度、実態調査を実施しています。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 平田会計管理者兼会計管理局長。



◎平田茂雄会計管理者兼会計管理局長 私の方からは長期継続契約についてお答えいたします。

 長期継続契約は、予算の単年度主義に対する特例として、複数年にわたって契約を締結するものでありまして、長期安定的なサービスの提供や契約事務の効率化、競争性の向上に資することなどを目的としております。

 県におきましては既に、役務の提供を受けるものとして庁舎の警備や清掃、電気設備の保守管理などに加え、物品を借り入れるものとして電子機器のリース等の契約を行うなど、可能な限り、その導入を図っているところでございます。

 今後につきましては、長期継続契約の趣旨を踏まえ、業務内容等がその目的にかなうものであれば、契約対象の拡大に向けて関係部局と協議してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 ありがとうございました。

 今回、私は、公契約条例の提言を含めて質問しているつもりであります。

 今、知事から答弁ありましたこともよく理解しています。ただ、知事は、最低制限価格というものを設けながら、いわゆる安かろう競争にいかないようにしよう、安ければいいということではないというふうに考えているわけでありますけれども、そのいわゆる最低制限価格の中で、そこで設定したことが、いわゆるそこで働く方々の賃金に反映されているのかということが、また私は危惧しているわけであります。そのことについて知事は労使の問題というふうに話されましたけれども、その労使できちんと話されて、その結果、その賃金が正当性あるものならいいんですが、そうでない場合も多々あるのではないかというふうに感じるわけであります。実際に、そういった意図で他市では公契約条例が導入されているという前提があるということをぜひ知っておいていただきたいというふうに思っています。

 ただ、この公契約条例、この話をすると、多くの方々は、いわゆる契約額が上昇するんじゃないかという意見、心配があります。実は、私もその点が気になって調べてみますと、千葉県野田市では、公契約条例を導入した結果、契約額の総額は三億円から七百万円ほど上昇したということであります。確かにこの公契約条例を導入すれば、契約額が若干上昇するのは間違いないようであります。ただ、川崎市の担当者は、落札予定額以内におさまるので問題ないとも発言されていました。

 この公契約条例、導入するときに業者の方々にそのしわ寄せを押しつけるということであれば、やはり問題があると思っています。業者も歓迎するような仕組みにすることが、まず、この公契約条例の大きなポイントになるというふうに考えています。

 来年度、北海道の札幌市も、この導入に向けて、今、パブリックコメント募集を始めています。この公契約条例、ただ、市だけではなくて、県においても、その検討を進めているところも多いようであります。全国的な動きになると思いますので、この本県においても導入に向けてぜひ研究を進めていただきたいと思い、この項の質問を終わります。

 続いて、教育行政についてご質問します。

 まず初めに、教職員のメンタルヘルスについて質問します。

 現在、多くの教職員がメンタルダウンで病休をとられています。経験豊かな教職員もそのケースが多くあるわけであります。この原因は何だろうと私自身考えます。学級の指導がうまくいかない、また、モンスターペアレントという言葉があるように、保護者の対応に苦労したということが原因、いろいろな原因、要因があります。ただ、メンタルダウンで病休をとられている方々に共通しているのは、責任を一人で抱え込んでしまっているということであります。

 私も小学校の教員を二十三年間してきましたが、学級担任というのは問題や責任を一人で抱え込むことが多々あります。今は、それを変えていくために学校全体の取り組みが重要だと考えています。しかしながら、現在、教職員の方々は、「他の学級のことまでかかわる余裕がなくなってしまっている」と多くの方々が言っております。

 一昨年度、大分県の小中学校現場で百八十八名の方が退職されました。そのうち八十五名は定年前退職です。実に四五・二%の方々が定年前に退職されました。資料が見つからず、この数字、比べようがなかなかないんですが、他の公共団体の職場の実態と比べ、決して少ない数字ではないのではないかと推測しています。学校現場は、定年まで働き続けることが厳しい職場になっていると言わざるを得ません。

 現在、公務員の定年延長についての議論が取りざたされていますが、学校現場ではそれ以前の問題があると感じています。現場で起きているメンタルダウンを解消していくために教育委員会としてどのように取り組んでいるのか、お答えください。

 続いて、学校教育の目的について、とりわけ学力問題について質問いたします。

 この議会においても、多くの議員の皆さん方が学力問題を取り上げられています。県内の小学校五年生と中学校二年生を対象にした基礎・基本の定着状況調査、文部科学省による小学校六年と中学校三年を対象にした全国学力・学習状況調査で、子供たちの学力、全国的にどうなのか、また、各市町村においては他の市町村と比べてどうなのかということばかりが注目されています。

 県教委は、各教育委員会と現場の先生方が結果の分析を十分吟味されて、それぞれの指導の改善に向けての資料にしてほしいと答弁しています。しかし、その前に、まず、やっぱり議論しなければならないのは、子供たちにつけさせたい力というものをどのように考えているかということだと思います。私は、テストで明らかになるものとならないものがあるということ、さらに、学力テストにより、大切にされなければならない教育の本来の目的がゆがめられているということを指摘します。

 よくマスコミ等でも、国際的にも日本の学力は落ちているということを耳にしますが、これは多分、PISAのテストの結果によるものであると思います。PISAというのは、経済協力開発機構、OECDによる生徒の学習到達度調査の略称であり、十五歳から十六歳までの子供たちに、義務教育終了時点で、将来生活していく上で必要な学力をどの程度身につけているかというテストを国際的にやっているわけであります。

 このPISAのテスト、私が見たテストは、イギリスで遺伝子操作で生まれた羊のドリーに関する記述がなされていて、「あなたはどういうふうに考えますか」というような問題でありました。例えば、日本の高校入試、大学入試ではなかなかないような、「あなたの意見はどうなのですか」と考えを問うようなテストであったわけであります。それを十五歳の子供が答えるわけであります。

 PISAが問うている学力、これは国際的に考えられている学力とも言えるのかもしれませんけれども、それは、学ぶ力、表現力、判断力などをあわせた総合的な能力であったということであります。

 もちろん私は、テストで明らかにされる学力、いわゆる点数学力を全否定するものではありません。点数にあらわせる力が十分でなければ、希望する高校、大学に入学できないという現実にも子供たちは直面しています。しかしながら、私が言いたいのは、学力というものは点数だけであらわせるものではないということであります。

 また、もう一つの危惧は、点数にあらわせる学力がひとり歩きしたとき、このことだけで、学校教育、また、教職員が評価されるようになったらどうなるかということであります。

 学校教育の目的が点数にあらわせる力の向上に集中し過ぎるために、学校現場においては、保護者や地域の批判を受けないために、学校の中で、点数にあらわせる学力の向上ばかりに目が向けられつつある動きにつながっているということをぜひ知っていただきたいというふうに思っております。学校教育は、塾や予備校ではないということであります。県教委は教育の目的をどう考えているのか、お答えください。

 また、私は、学力テストが教育の本来の目的をゆがめているということで、学力テストを中止すべきと考えています。どうしても実施せざるを得ないというのであれば、せめて、結果の公表について慎重に行うべきだと考えていますが、いかがでしょうか。

 また、地域に根差した教育について質問します。

 現在、幾つかの自治体で公立小中学校の学校選択制が論議されています。私は、結論から言えば、反対の立場であります。この学校選択制が論議される要因の一つに、先ほど話した学力テストの結果の公表というものがあるのではないかと私は感じています。

 学校選択制、よく話題にされるのが東京のケースの場合であります。東京には、完全自由化方式、ブロック方式、隣接校方式、いろいろあります。大分も学校選択制を一部行っていますが、これは隣接校方式だと考えています。学校選択制がなされると、ますます地域コミュニケーションというものが崩れていくのではないかというふうに考えているわけであります。

 長崎県長崎市は二〇〇五年から学校選択制を始めましたけれども、いろんな問題が生じて、現在は廃止されています。

 さらに、教職員の広域異動の問題であります。第二回定例会の一般質問では、津久見市の教職員の異動について問題があるのではないかという指摘がありました。

 教育は、地域に根差したものでなくてはならないと私は考えています。もちろん、教職員として他の地域にも勤務した経験も大事なものであります。私自身も僻地校の分校で、それこそ教職員一人で勤務した経験もありますし、それは今も大事な財産であります。しかしながら、小中学校教員の広域異動を拡大させる方針には反対します。

 県教委は、他の地域のいい実践を学び、教職員としての質の向上を図るためだと説明していますが、そもそも勤務している学校においてじっくり研究に取り組む余裕のない状況を放置していることが一番の問題であることをまず指摘します。

 さらに、学校を卒業した子供たちが担任だった先生にいろんな相談や近況を語りにすぐに行けるつながりを大事にすることこそが教育だと考えています。

 地域に根差した教育の推進が、今こそもっともっと必要に、大切にされるべきではないでしょうか。教育委員会として、地域に根差した教育というものをどのように考えているのか、お聞きします。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 三点お答えします。

 まず、教職員のメンタルヘルスについてです。

 教職員が児童生徒の教育に携わる上で心身ともに健康であることが何よりも重要であり、とりわけメンタルヘルス対策は喫緊の課題であると考えています。

 県教育委員会としては昨年度から、学校現場の実情や課題を熟知した教員経験者が不安や悩みについて早期相談、対応を行う心のコンシェルジュ事業を推進しています。

 教職員がみずから心の健康やストレスについて理解できるストレス診断システムの活用についても、本年度、市町村教育長及び県立学校長に対して、所属職員全員に実施を徹底するよう要請いたしました。

 また、精神科医師や臨床心理士等の専門家による相談事業の周知を徹底するとともに、メンタルヘルスの正しい知識や対応についての管理職研修を実施しています。

 学校が抱えるさまざまな教育課題は、議員ご指摘のように、教職員一人で抱え込むことなく、組織として対応することが重要であると考えています。

 今回取りまとめた人材育成方針で示したように、教職員のマネジメント能力の向上や主任制のあり方等について検討を行い、学校を挙げての組織的な課題解決力の向上に努めていきたいと考えています。

 次に、学校教育の目的についてですが、子供たちが夢に挑戦し、自己実現できるために、確かな学力、豊かな人間性、健康、体力の知、徳、体をバランスよく身につけさせることだと考えています。

 議員ご指摘の基礎・基本の定着状況調査は、本県における児童生徒の学力の状況を明らかにするとともに、一人一人のつまずきや理解度を把握、分析することで指導方法の工夫改善を図ることを目的としており、今後も継続していく必要があると考えています。

 本調査の結果公表は、学校、家庭、地域が一体となった学力向上に取り組む機運の醸成や、成果を上げている地域や学校の取り組みを点から面へ広げるという観点から引き続き大事であると考えています。

 失礼しました。ちょっと訂正します。今の学校教育の目的についての最初の私の答弁ですけれども、これは、子供たちが身につけるべき力についての答弁です。

 三つ目のご質問です。地域に根差した教育についてです。

 地域に根差した教育とは、学校と家庭、地域が連携、協力して、地域固有の文化、自然等を活用し、一体となって子供を育てていくものだと認識しています。そのためには、開かれた学校づくりを進め、学校が地域に対して積極的に情報発信を行い、家庭、地域の理解と協力を得ながら児童生徒の育成に力を注ぐことが大切であると考えています。

 その担い手である教職員にとって最も大事なことは、出身地のいかんでもなく、一定の地域に長く勤務することでもなく、地域に根差した教育を進めようとする意欲と姿勢であると考えており、市町村教育長からも同様の意見をいただいています。

 ご指摘のあった学校選択制については、県内の地域の実情に応じて実施されており、この制度の導入によって学校と家庭、地域のつながりが希薄になっているということは聞いておりません。

 また、教職員の広域人事については、教育の機会均等や全県的な教育水準の保障及び多様な教育現場を経験することを通じてさまざまな課題に柔軟に対応できる人材を育成するため極めて重要であり、今後、より積極的に進めていく必要があると考えています。

 以上です。



○井上伸史副議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 かなり考え方に違いがあるというのを感じていますが、まず、最初のメンタルヘルスについて再質問いたします。

 今、私は、県教委が緊急に取り組まなければならないのは多忙化の解消だというふうに考えています。その一番の施策は人の配置、これに尽きるのではないかというふうに考えているわけであります。学校現場では、現在、いろんな方々が配置されています。しかしながら、例えば、今年度で緊急雇用対策の配置が終わるわけであります。前回、緊急雇用対策が行われたときに、これはやっぱり重要だということで、各市町村では、市独自の加配を行い、また、配置を行っているところもまだあるわけであります。県もそういったことに学びながら、緊急雇用対策、今年度で終わるということで終わるんではなくて、県の負担になりますけれども、県の配置ができないものかと考えています。以上です。いかがでしょうか。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 緊急雇用の事業について、今年度終わるということでございます。来年度以降については、状況を見ながら、必要なものは手当てしますけれども、状況を見ていきたいというふうに思っています。



○井上伸史副議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 続いて、教育の目的について再質問をします。

 現在、難関大学に進学し、各分野での頭脳となる人材を育てていくことというのはとても重要なことだと考えています。しかしながら、温かい目ですべての子供たちを育てていくということが公教育の目的だと私は考えています。

 今回、野中教育長が就任されたわけですから、これまでの教育改革、一度ここで立ちどまって検証していくべきではないかと考えています。いかがでしょうか。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 私は、十月一日から教育長としての仕事を始めました。年度途中で仕事を始めるということで、私に課せられた使命というのは、これまで、平成二十年の六月以来、教育委員会、現場教員一丸となって取り組んできたあの事件からの教育の再生でした。それは、教育行政を進めていくシステムの問題もありましたけれども、あわせて、本来的な教育の使命である学力、体力の向上等、教育の質を上げていくことだというふうに理解をしています。私の決意、私が新たに就任した決意というのもそういうことでございます。二十年の六月に明らかになったあの事件を風化させることなく、改革に努めていく、あわせて教育の成果を着実に上げていく、これが私の決意です。



○井上伸史副議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 事業というのは、やはり一度検証しながら、また必要なものは進める、直すべきものは直すということが必要だと感じています。ぜひとも、一度立ちどまって検証すべきだと、私は重ねてお話ししたいというふうに思います。

 さらに、今回、県教委は、人材育成方針を出し、小中学校の教職員の広域異動の方針を、拡大を打ち出しています。私は、根底に流れているのは教職員に対する不信、そして、広域異動を通して物言わぬ体制をつくっていくことが目的ではないかと感じています。県教委の中で起きた汚職事件の責任を教育現場に押しつけているのではないかと考えている教職員が多いことも事実であります。教育委員会として、まず現場の思いを受けとめながら、これから教育行政を進めていただきたいというふうに考えています。

 続いて、国民健康保険の広域化について質問します。

 先月の十五日に野田首相は、交渉参加を表明した環太平洋経済連携協定、TPPの関係国との協議について、二十一にわたる交渉分野に関し、「日本が誇るべき制度を失うことはやらない」と発言し、公的医療保険制度を自由化の例外と主張しました。この国民健康保険制度は、私も日本が誇るべき制度だと考え、公的医療保険制度の自由化には強く反対する立場であります。

 この国民健康保険、県では、平成二十二年に大分県国民健康保険広域化等支援方針を策定し、本年九月に改正しています。

 広域化については、まず第一に、利用者の思いに立った制度にしなければならないと考えているわけでありますが、この大分県が作成した大分県国民健康保険広域化等支援方針と今後の方向性についてお伺いいたします。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 国民健康保険の広域化についてお答えをいたします。

 国民健康保険は、国民皆保険の最後のとりでとも言えるもので、将来的にも安定した運営を維持することが重要だと考えております。

 国保の運営主体には財政規模の小さい市町村が多いことや年齢構成が高く所得が低いことなどの構造的な問題を抱えており、運営の都道府県単位の広域化を進める必要があると考えております。

 県では、広域化を円滑に進めるに当たり環境整備を行うため、広域化等支援方針を策定しており、今年度は、医療費適正化策として、ジェネリック医薬品差額の通知、それから特定保健指導の質の向上、それから効果的な指導体制の共通化などに取り組むこととしております。

 今後は、各種申請様式の統一化など全県共同で取り組む事務事業について検討を進めていきます。

 それから、広域化の推進を図る上で、何よりも被保険者に対するサービスが低下することがないよう、市町村とも十分協議してまいりたいと思います。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 平成十九年に国民健康保険制度広域化勉強会が立ち上げられています。その年にまとめを出されていますが、これによると、広域化の思想には広域連合、一部事務組合、事務の共同処理の三種類が考えられるとし、結論として、広域連合から検討した方が効率的だと考えたとしています。しかし、今、部長の説明にあった支援方針を読んだとき、広域化の取り組みがトーンダウンしているのではないかと感じていますが、いかがでしょうか。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 国の方がまだ国と市町村の両方が運営主体になるというふうな考え方を持っておりますが、大分県としては、今、議員おっしゃるとおり、私どもは、県と市町村で広域連合をつくって協議をしてまいりたい、運営をしてまいりたい、そういうふうに基本的には考えておるところでございます。



○井上伸史副議長 原田孝司君。



◆原田孝司議員 この国保、今、それぞれの市町村、本当に厳しい財政になっております。財政安定化基金を切り崩したり、一般財源からの繰り入れをして何とかやっている状況であります。

 さらに、ここで問題なのは、各市町村によって保険料に違いがあるということであります。いろんな課題がある中で、やはり利用者の立場に立った国保の事業運営が必要だと思いますし、そのためにもその広域化は避けて通れないものだと私は考えています。ぜひこれからも安心して利用できる制度になるように検討していただくことをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○井上伸史副議長 以上で原田孝司君の質問及び答弁は終わりました。土居昌弘君。

  〔土居議員登壇〕(拍手)



◆土居昌弘議員 おはようございます。四番、土居昌弘。ただいまから一般質問を始めます。

 今回の質問内容ですが、大変、質問項目が多くなりました。少々急いで質問をしていきますが、その前に、一言、お礼を申し上げます。それは玉来ダムのことでございます。知事を初め、皆様方のおかげをもちまして、事業継続が決定いたしました。ここに至るまでの皆様方のご尽力に深く感謝申し上げます。ありがとうございます。

 今年度の予算確保、さらには来年度以降と、どうか、今後も引き続きまして、竹田市民の命、流域住民の暮らしを守るためにお力添えをいただきたいと心からお願い申し上げ、質問に入らせていただきます。

 まず、公立大学法人についてです。

 魅力ある大学づくり、社会ニーズにこたえる大学づくりなどが求められる中、国立大学の国立大学法人化や公立大学の公立大学法人化が進められました。本県においても、平成十八年四月に公立大学法人として芸術文化短期大学と看護科学大学が設立、平成十八年度から平成二十三年度までの六年間の中期目標を定め、県民の期待にこたえるべく大学運営が行われてきたと思います。

 本年度で第一期の中期目標年度が終了するということで、今議会に平成二十四年度からの第二期中期目標についての議案が提案されておりますが、しっかりとした中期目標の設定が必要です。

 まず、芸術文化短期大学についてお伺いします。

 ここは、全国でも珍しい芸術系短期大学であり、全国から学生が入学しており、しかも県内出身者の県内就職率が九七%と高く、県外出身者の県内就職率も四三%と約半分の方が卒業後も県内に残るなど、若者の定住に一役買っていると思います。

 竹田市にはオープンキャンパスもでき、学生は、キャンパス内にとどまらず、町に出て、まちづくりを市民と一緒になってしてくださっております。

 知事は、これまでの六年間をどう評価し、検証し、その上で、今後の芸術文化短期大学のあり方についてどのように考えているのか、伺います。

  〔土居議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○井上伸史副議長 ただいまの土居昌弘君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま土居昌弘議員から芸術文化短期大学についてのご質問を賜りました。

 その前に、玉来ダムの件についてお話がございましたけれども、むしろ玉来ダムにつきましては、安全、安心を求める竹田市、そして流域の皆さん方の粘り強い運動のおかげでございまして、私の方こそ改めて御礼を申し上げる次第でございます。

 さて、芸術文化短期大学でございますけれども、全国で唯一、公立で芸術系と文化系学科を持っております芸術文化短期大学でございますけれども、昭和三十六年に設立されまして、創立五十周年を迎えたことしまでに約一万二千人の卒業生を輩出しております。

 大学法人化後の第一期中期目標期間におきます評価・検証について申し上げますと、まずは、全国の短大の六割強が定員割れを起こす中で、本学の入学者は学科全体の定員三百四十名に対しまして四百人前後で推移するとともに、県外からの学生が約四割を占めているというところでございます。

 また、学生の希望に応じたきめ細かな進路指導とか就職指導の結果、就職や専攻科、あるいは四年制大学への進学、あるいは芸術活動継続など多彩な進路選択につながっております。特に就職率の方ですけれども、ご案内のように、ここ三年連続、全体で九割の就職率となっているところであります。

 さらに、地域巡回の演奏会やジュニアオーケストラの支援などの地域貢献事業も実施しておりまして、総じて、学長のリーダーシップのもと、大学の使命をよく果たしていると評価をしているところであります。

 ただ、一方では、一部の学科において平成二十三年度には受験者減少による定員割れが生じていることや、施設の老朽化が著しく進んでいることなどの問題が生じております。

 このような中、少子化傾向は今後も続くと思いますし、短大進学希望者の減少も予測されますから、大学経営はこれから厳しい環境となることが見込まれます。そのため、これまでの運営を継承、発展させながら、さらに魅力あふれる大学となるためには、不断の努力と改革が必要だというふうに考えております。

 私は、第二期中期目標のあり方として、次のように考えております。

 一つは、小規模校ならではのきめ細かな学生指導といった強みを生かして、さらに魅力ある大学としていくことだと思います。そのためには、学科の再編だとか、あるいはインターンシップを活用した就職支援を強化する必要があるというふうに考えます。

 第二は、県立大学としての地域貢献活動だとか、あるいは地域に開かれた大学としての役割の強化であります。

 県としては、新しい美術館との連携を含めて、芸術文化振興の一翼を担っていただくことを期待するほか、これまでの公開講座の充実だとか、あるいは社会人入学の推進、地域のにぎわいづくりへのかかわりをさらに深めていってほしいと思っております。

 第三は、事業の選択と集中による経営改善の推進であります。

 時代のニーズに合った講座開設の一方で、大胆なカリキュラムの見直しも必要だと思います。また、老朽化した施設の改修計画も早急に作成する必要があるというふうに考えております。

 このような考えのもとで、県の芸術文化の振興や地域社会の発展に寄与する大学を目指して、県としてもしっかりサポートしていきたいというふうに考えております。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 明るい未来を感じる答弁をいただきました。

 さて、芸短大は大分県のものでございます。県では、今、美術館の建設に向けて取り組んでおります。先ほど知事が答弁なさいましたように、地域に開かれた大学として、美術館とも連携していこうということです。皆さんが今この美術館に求めているのは、開かれた美術館でございます。実は、この開かれた美術館の実現には短大の力も大事になってくるんではないかと考えております。今の芸短大との関係よりも豊かな関係を築いていくことが大切ではないかと思います。今後の大学の動きにこの方向をどう動機づけるのかについてお伺いします。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 芸術文化短期大学は、これまでも学外講座とか、あるいは卒業制作展などにおきまして芸術会館との共同事業を実施してまいりましたけれども、議員ご指摘のように、そういう活動を通じて、この芸術会館と市民との関係もできていたというところがあります。これからさらに県立美術館は、開かれた美術館、そして、県民とともに成長する美術館ということを目指してつくるわけでございますから、この間を取り持つ関係として、芸術文化短期大学の皆さんが美術館と連携していろんなことをやっていただくというのは大変に大事なことだというふうに思っています。

 でき上がってから、もちろん連携をしながらやっていくということが大事ですけれども、そのためにも美術館の開館に向けていろんなイベントをやる、そういうイベントやワークショップにもぜひ芸術文化短期大学の参画をお願いして、将来でき上がったときには、当然、開かれた美術館として芸短大もいろいろ活動していただきたいというふうに考えているところです。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 次に、看護科学大学についてお伺いします。

 看護科学大学は、本県の看護学の拠点として、看護に関する高等専門教育を行う場所として、社会の医療、看護ニーズに対応できる専門性の高い看護師等を養成することが求められており、昨今問題となっておる看護師等の確保にも、その責任を負うものと思います。

 そこで、知事は、これまでの六年間をどう評価し、検証し、その上で、今後の看護科学大学のあり方についてどのように考えているのか、お伺いします。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 看護科学大学についてのご質問でございますけれども、平成十年四月の開学でございますけれども、以来、ことしで、おかげさまで創立十三周年を迎えたところでございます。その間、十八年四月には公立大学法人となりまして、ことし三月には卒業生が八百人を超えまして、学内外の人的ネットワークも大きく広がりつつあるわけでございます。

 十八年度から今年度までの第一期中期目標期間の六年間でございますけれども、看護師養成課程を学部四年間に充実をさせまして、保健師や助産師養成課程を大学院の方に持っていくとともに、大学院には新たにナースプラクティショナー、診療看護師とも言うんでしょうか、そういった養成コースを開設するなど、全国に先駆けた取り組みを行っておりまして、高い評価を受けていると考えております。

 こうした時代を先取りする業績の積み重ねによりまして、看護系大学として、九州一円から学生が集まる魅力ある大学になりつつあるというふうに思っております。

 このような第一期の成果を踏まえまして、第二期中期目標では、看護師、保健師、助産師教育のさらなる充実に向けまして、学部教育での基礎教育モデルの確立だとか、あるいは大学院での保健師、助産師教育モデルの確立を目指すとともに、県内就職の推進だとか、県外に就職した卒業生のUターン支援を新たに掲げたところであります。

 今回の中期目標策定を受けまして、大学では目標の実現に向けた中期計画を今年度中に作成することになりますけれども、教育や研究にしっかりと取り組むとともに、県内看護職への支援や地域貢献の拠点として、さらなる充実が図られるように期待しているところであります。

 ところで、開学以来十四年間にわたりまして先頭に立って大学を育てていただきました草間学長は、本年度をもって勇退ということになっております。

 草間学長には、本大学の教育、研究、社会貢献の基礎づくりに粉骨砕身いただきまして、県内のみならず全国に開かれた大学にまで本学を導いていただいたと思っております。これまでの学長のご貢献に対しまして、この場をおかりしまして、心から感謝を申し上げたいと思っております。

 来年度からは、村嶋新学長のもとで、また新しい挑戦を始めるということになりますけれども、草間学長の築かれた基盤を受け継いで、看護科学大学が目標に向かってしっかりと進まれることを期待しているところであります。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 看護大学は、県民が支えております。その県民が実は、質の高い看護が受けられない現状がございます。看護大の卒業生が県内に残らない。なぜか。その理由の一つに、県内の学生が少ないことが挙げられます。平成二十三年度の看護大の受験者数は、募集人員八十人に対して三百七十六人が受験しており、人気の高さがうかがえます。一方で、なかなか地元大分県の生徒が入れません。定員を再検討したり、地元推薦枠の拡大や地域枠を設定するなどして、年間六億近く県から交付金を受けておる看護大学だからこそ、県民の声にこたえていく必要があるのではないでしょうか。伺います。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 現行制度の詳細に係る部分でございますので、私からお答えをさせていただきます。

 県内出身者に対する地域枠につきましては、現在の入学試験の特別選抜におきまして、八十名の定員に対して三十名、三七・五%の枠を設けておりまして、また、入学金を県外出身者より十万円差をつけて支援をしているところでございます。

 平成二十三年度入学では、一般入試と合わせますと五六・一%の県内出身者の入学がございました。

 今後につきまして、第二期の中期目標で県内就職の推進を掲げておりますので、大学が作成をいたします中期計画の中で県内就職の具体策づくりを依頼したいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 一般の入試では十数名の県内者しかいないということで、大変厳しいものになっております。ぜひこの辺を緩和していただきたいと願っておりますし、今後、県内の就職に向けてご指導をお願いします。

 いずれにしましても、芸短大、看護大は、ともに大分県の大学でございます。大学の自主自立は尊重されますが、あくまでも県の大学ですので、県民の求めに応じていけるよう、県行政と連携を密にして、人材育成や地域課題の研究などを進めていっていただきたいとお願いして、次の質問に参ります。

 看護師の確保対策について伺います。

 全国的に看護師不足が深刻化しており、厚生労働省の調査では、全国で約五万六千人の看護師が不足しているということです。

 そこでまず、新卒看護師の確保について伺います。

 県内には、看護師の養成機関として、高等看護学校が七校、高等学校専攻科が六校、大学が二つあり、今年度六百二十二名の方が看護師として就職しております。しかしながら、看護師になられた方のうち、四四%、二百七十六人の方が県外に就職しており、逆に、県外の学校を卒業して、大分県で看護師として就職した方は六十二人と少ない状況で、看護師についても人材の供給県となっています。

 看護師不足が深刻化する中、新卒看護師の県内確保が重要となりますが、県外流出の要因をどう分析し、どのような対策を講じるのか、伺います。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 それでは、新卒看護師の確保についてお答えをいたします。

 平成二十二年の人口十万人当たりの本県の看護師数は九百八十一人と、全国平均の七百四十五人を大きく上回り、全国順位も第九位と、看護師の多い県となっております。その中で新卒看護師の県内就職率は、第六次需給見通しの期間でございます平成十八年度から二十二年度の五年間の平均で約六割となっており、この傾向は、九州では鹿児島、熊本、宮崎県と同様の結果になっているところでございます。

 県外流出の要因でございますが、他の職種と同様に、新卒者の大都市志向や指導支援体制が整った大規模病院志向などがその原因として考えられると思っております。

 次に、新卒看護師の県内就職対策でございますが、修学資金の貸与に加えまして、養成所に対しては、県内就職希望者向け相談会の実施を要請しております。

 また、新卒者は自分が実習した施設に就職する傾向にありますことから、実習の段階から県内の病院の魅力を感じてもらえるよう、実習指導者を対象に講習会を開催するなど、受け皿となる医療機関の人材育成にも努めているところでございます。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 全国平均では看護師の数は多いということですけれども、県民のニーズにこたえるだけは確保できていないのが現状であります。

 先日、医師会の皆さんとお話をしましたが、看護師不足、嘆いておられました。

 そこで、入学当初の看護学生に対し、県内で就職を希望する学生への学費の助成制度の創設をしたらいかがかと思っておりますが、いかがでしょうか。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 新卒看護師の確保の関係ですが、看護学生に対する修学支援対策といたしましては、年間約四十名に対し修学資金を貸与し、県内定着の促進を図っているところです。現在は全国的に見て看護師の多い県となっていますが、全国的な看護師確保競争もあり、また、県内でも地域、施設により就職に格差があるという状況を聞いております。

 今後も修学資金貸与や養成校への働きかけ、それから、実習施設を初め、医療機関との連携により県内定着を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 四十名の方に助成をしているということですが、現状は本当に看護師が足りません。ぜひこの枠も再検討していただきたいと思っております。

 次に、看護師の早期離職対策です。

 看護師の早期離職が今、問題となっております。本県においても就職後一年以内に離職する率は、平成二十一年度では一一・三%と非常に高い率になっております。

 そこで、早期離職の原因をどう分析し、どのような対策を講じるのか、伺います。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 早期離職対策についてお答えをいたします。

 厚生労働省が設置します「看護の質の向上と確保に関する検討会」によりますと、医療の高度化、専門化等を背景に、看護現場で求められる臨床実践能力と卒業段階での能力のギャップ、いわゆるリアリティーショックが新卒看護職員の早期離職の一因との指摘がされているところでございます。このため、新人看護師の実践能力を高める必要がありますことから、平成二十二年度には、新人を採用し、国が示したガイドラインに基づく研修を実施する三十二カ所の医療機関に対しまして助成をするほか、医療機関における新人職員の教育責任者に対する研修を九十五施設、百九十四名に実施するなど、それぞれの医療機関内において新人看護師を育てる環境づくりを支援しているところでございます。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 リアリティーショックを減らし、スムーズに就職できるようご指導をお願いします。

 それと、私は環境もあるんではないかと思っております。医療の高度化などに伴い、質の高さやさらなる安全性が求められる中、夜勤による交代制勤務を伴う過酷な超過勤務の継続により慢性的な疲労につながるんではないかと思っております。やはり徹底した労働時間管理への取り組みを推進する必要があると思いますが、いかがですか。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 ご指摘にありましたとおり、労働時間の管理など勤務環境改善も早期離職対策として大切な手段であると考えております。

 平成二十一年度から二年間、五つの病院におきまして、疲労度や職場環境などの調査をもとに、病院が主体的に改善策を考え、実施する魅力ある病院づくりモデル事業を行いました。その結果、短時間正職員制度や二交代制の導入による多様な勤務形態の実施、それから看護事務作業補助者の導入などにより、看護業務の負担の軽減などによりまして働く看護職員の勤務環境の改善につながってまいりました。

 今年度は、県内普及のため、これらの先行事例の調査研究や情報交換をする事業を行っておりまして、さらに大分労働局が主催する看護師等の労働時間管理に関する会議や研修会などを実施しております。

 県といたしましても、医師会、それから看護協会などの関係団体とも協力しながら、各病院の取り組みを支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 次に、看護師の離職は、妊娠や出産、育児、家族の介護などが主な原因になっております。

 そこで、子育てや家族の介護をしながら、引き続き就業できる体制づくりが必要ですが、離職の現状をどう分析し、どのような対策を講じるのか、伺います。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 就業対策でございますが、平成二十年度の本県の調査では、離職理由として一番多いのは、他分野への興味で一一・二%、次に、本人の適性や能力への不安で一一・一%、三番目は、結婚の八・三%となっております。

 対策としましては、まず、看護の重要性や魅力を再認識させるとともに、同じ境遇にある看護師が悩みを共有し、解決できるよう、診療所や福祉施設などの就労場所別の研修を行っているところでございます。

 また、結婚、出産などの環境変化に対応して、ワーク・ライフ・バランスに配慮した職場環境づくりに向けまして、県内十三地域で、医療機関などの看護管理者を対象にスキルアップ研修や情報交換などを実施しているところでございます。

 引き続き、看護という仕事にやりがいを持ち、働きやすい環境づくりを支援してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 就労先別の研修など積極的に講じていただけるようお願い申し上げます。

 次に、院内保育所の現状はどのようになっているのか。院内保育所のさらなる増設が必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 就業継続対策として、院内保育所の設置も有効なものと考えております。県としてもその設置、運営について支援を行っていますが、県内の院内保育所数は現在二十九カ所となっております。最近では、保育時間や育児に対する考え方の多様化の中で、病院外の保育所を利用する職員の増加によりまして院内保育所を廃止する病院も出ております。中には、未就学児童を持つ看護職員の夜勤の免除や保育料の補助をする施設もあると聞いております。

 今後は、こういった一人一人のニーズに基づいたワーク・ライフ・バランスに配慮した職場環境づくりができるよう、各種研修会等の中で情報交換や事例紹介等を行い、子育て支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 個別の方々の支援に趣を置いて、環境を改善していこうとされています。ぜひ積極的な支援をお願いいたします。

 次に、離職した看護師は県内に約五千五百人いると言われております。離職した元看護師の方は、子育ても一段落して看護師に復帰したいけれども、技術が衰えていないか、また、年々、医療技術が進歩していて対応し切れないのではないかと、いろいろと不安があり、再就職をちゅうちょされる方も多いようです。そのような不安を解消する再就職支援を積極的に行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。



○井上伸史副議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 離職した看護師の再就職支援についてお答えをいたします。

 県では、離職した看護師等の再就労を支援するため、大分県ナースセンターを設置し、就労相談会や看護力再開発講習会などを実施しており、過去三年間の平均で年間五百十四人が再就職を果たしております。

 特に、ブランクのある看護師を対象とした七日間の看護力再開発講習会では、最新の医療や看護に関する講義や現場実習などを行いまして、二十二年度は十七名の再就労につなぐことができました。

 また、いずれは復帰したいと考えている希望者を対象に一日体験実習を県内五カ所の医療機関で実施しており、「久しぶりに現場の空気に触れ、復帰への思いが強くなった」との声も寄せられているところでございます。

 今後も、こうした現場実習の機会を充実するとともに、きめ細かな取り組みを通じ、再就職の支援を推進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ナースセンターが行っている看護力再開発講習会の回数をもっとふやすとか、医療施設が行う研修等に対する支援を行うとか、積極的な対策をお願いし、看護師不足の解消を図っていただきたいと思います。

 次に、発達障害児の学校教育について質問いたします。

 平成十七年四月に発達障害者支援法が施行されました。これに伴い、県でも、平成二十年三月、発達障がい者支援体制整備基本方針が策定され、発達障害のある方がそれぞれのライフステージを通じて一貫した支援を受けながら安心して暮らし、社会参加していくことができるような社会づくりを進めております。

 そこでまず、県教育委員会では、普通学校における発達障害児への特別支援教育について、基本的にどのように考え、それをどのように進めているのかについて伺います。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 発達障害を含めて、障害のある児童生徒への特別支援教育は、一人一人の教育的ニーズを正確に把握し、その能力や可能性を最大限に伸ばし、自立と社会参加に向けて適切な指導及び支援を行うものであります。そのため、校内支援体制の整備が重要であり、すべての小中学校の校内委員会において児童生徒の実態把握や支援方策を検討するとともに、特別支援教育コーディネーターを配置し、関係機関との連絡調整などを行ってきました。

 より専門的な指導という観点からは、特別支援学校の地域支援部が小中学校を巡回し、個に応じた指導内容、指導方法の改善などについての助言を行っています。

 担当教職員に対しては、発達障害のある児童生徒への理解、指導についての研修を充実させ、福祉、医療等の関係機関とも連携しながら、本県特別支援教育のさらなる質の向上を図っていきたいと考えております。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 県の基本的な考え方はわかりました。

 次の質問に参ります。

 竹田市では、平成十九年より五歳児健診を実施しております。市の健康増進課では、「発育が進んだ五歳できちんと確認して、気になるところがあれば速やかに家庭を支援して、スムーズに小学校に入学させるのが五歳児健診の目的」と言います。

 さて、今回問題にしますのは、この後、小学校入学後の教育支援についてです。

 発達障害児を支援するには、普通小学校に発達障害を理解し、教育並びに療育を施す能力のある専門的な先生の配置が必要です。ところが、県下の現状では、特別支援学級の先生や各学校の特別支援教育コーディネーターの先生方すべてが特別支援を専門的に学んできた方というわけではございません。年に数回の研修は受けておりますが、まだ勉強中でございます。さらには、教育支援員やスクールカウンセラーもそうではございません。そこで、県教育委員会では、今年度の教員採用の際に特別支援教育を学んだ方を例年より多く採用していると聞いております。

 そこで伺います。

 今回の教員採用のこの現状についてお示しいただきたいのと、この先生方の来年度の配置はどのようになるのか、伺います。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 特別な支援を必要とする児童生徒の増加に伴い、特別支援学級の増設や小中学校への専門教員の配置が求められています。このため、本年度実施の採用選考試験から、特別支援学校教諭のうち小学部、中学部の合格者は、特別支援学校の勤務に加え、新たに免許状の種類に応じて小中学校の特別支援学級にも勤務することとしました。

 この試験の結果では、小学部、中学部の教諭として十六名が合格し、来年四月一日付で採用することとしております。

 今後の小中学校への配置に当たりましては、市町村教育委員会からの要望等も踏まえながら対応をしてまいりたいと考えております。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 次の質問に参ります。

 過疎地の小学校では、児童数が少ないため、特別支援学級の設置ができず、普通学級に籍を置いている発達障害児がいます。現在、こういう児童たちの特別支援教育体制はどのようになっているのか、また、今後どのようにしていくつもりなのかについて伺います。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 普通学級の発達障害児についてでございますけれども、発達障害のある児童生徒は、就学基準に基づき、通級による指導もしくは通常の学級で配慮しながら指導することを基本としています。

 発達障害のある児童生徒への専門的な指導を行うため、平成十八年度から通級指導教室を設置し、二十三年度には二十八教室と増設に努めています。

 通級指導教室の担当教員には、障害の程度、状態に応じて教育や指導を行う専門性が求められることから、本年度、専門研修の充実を図ったところです。

 また、市町村教育委員会に対しては、児童生徒の学習上、生活上の支援を行うため、特別支援教育支援員の配置を要請し、その結果、支援員の配置数は年々増加しております。

 今後も、発達障害のある児童生徒の教育的ニーズに対応した指導及び支援について、市町村教育委員会と連携し、取り組んでまいります。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 その支援員についてお伺いしますが、年に数回程度の研修で発達障害について学習をしているわけなんですが、もう少しその機会をふやすなり、行政として支援が必要じゃないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 現在の研修でどの程度の力がついているのか、効果がついているのか、ちょっと調査をした上で考えていきたいと思います。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 支援員の方、先生の免許を持っていない方もいらっしゃいます。ぜひその辺をしっかりとしていただきたいと思います。

 次に、障害を持った子供を育てていく保護者は、さまざまな感情体験をしながら子供とともに歩んでいます。この保護者への支援も重要な課題ですが、小学校ではこのことにどのように取り組んでいるんでしょうか。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 通常の学級に在籍する障害のある児童生徒の保護者については、家庭での子供への対応、あるいはその学校における教育の効果、あるいは障害の受容、あるいは放課後の福祉サービスの利用など、さまざまな不安、あるいは疑問点等あると思います。それについて、小中学校では、特別支援教育コーディネーターが中心となって、管理職や学級担任と一緒に保護者の相談に応じております。また、特別支援学校の地域支援部が保護者の要望に応じて小中学校に参りまして、その小中学校が開催するケース会議に出席をし、専門的な立場からの助言をしたり、あるいは、心理検査の結果、今後の対応について保護者に説明をしたりして、保護者を支援しております。

 以上であります。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 さまざまな取り組みがされており、感謝しておるんですけれども、文科省の「今後の特別支援教育の在り方について」では、セミナーなどを開催して保護者の理解が進むように手助けしなさいと書いてありますし、また、個別の相談支援も大事でございます。県としましても充実させていただきたいとお願いします。

 哲学者の市井三郎は、「歴史の進歩とは、みずからに責任のない問題で苦痛を受ける割合が減ることによって実現される」と言っております。新しい歴史をともにつくってまいりましょう。よろしくお願いいたします。

 次に、農業教育です。

 農業高校には、食料生産や環境保全の視点から農業の大切さについて県民の理解を深め、農業を担う人材を育成し、また、すぐれた教育機能を開放することにより地域社会の活性化を図るという役割がございます。ですから、本県の高等学校の再編整備計画での、農業高校を廃止し、総合選択制の中で農業科を残すという方針には、「果たして大分県の農業就業者やリーダーが本当に育成されるんだろうか」という疑問の声も上がっております。

 新しい時代に対応した農業教育のあり方が問われている今、高校再編により目指す農業教育の目標、再編整備後の農業科の特色についてお伺いします。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 農業教育についてお答えします。

 県農政の方向性として、マーケット起点のものづくり、力強い経営体づくりに加え、地域資源を活用した新事業の創出が挙げられております。この方向に沿って、本県の農業教育では、新しい時代に対応した農業の担い手を育成することを目標としております。

 再編後の農業学科では、従前の農業高校同様に実技を重視し、農業の基礎、基本を身につけることに加え、総合選択制の特徴を生かして経営や商取引などの幅広い学習も可能になりました。また、他学科との交流によって新たな取り組みも生まれています。例えば、三重総合高校においては、農業科と商業科の生徒が共同して、地域の産品を用い、農産加工品のマーケティングから商品開発、商標登録、販売まで一貫した取り組みを行っています。

 このような各地域の特色に根差した農業教育を総合選択制のメリットを生かしながら進めていくことにより、地域農業を支えていく人材を育てていきたいと考えております。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 農業教育は、次代を担うすぐれた農業従事者や農業関連産業従事者を育成するとともに、農業教育を通じて生徒に生きる力を養い、心豊かな人材を育てるという大きな役割も持っております。ここのところもしっかりと考えていただきたいと思います。

 また、新しい農業に対応した人材育成を目指すということですが、実は、本県の農林業における深刻な後継者不足という問題もございます。例えば、県立高校の農業、林業科の平成二十二年度の卒業生四百五名の進路状況は、農業就業者は四名でわずか一%、農業関連分野への就職は八十三名で二〇・五%、農業大学校への進学者は二十二名で五・四%、合わせても二七・四%しか農業関連へ進んでないという現状があります。まさに今が正念場でございます。今後の産業を担う知識と技術と志を持った農業者をいかに確保し、育成していくかが真剣に問われております。

 そこで、農業学科卒業生が高校で学んだことを生かして農業関連分野へと進めるようにするための進路開拓と指導方法についてお伺いします。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 農業関連分野からのニーズにこたえ、将来を見据えた人材育成を行うためには、農業の社会的意義や役割を理解させ、興味、関心を高める中で農業の基礎、基本を身につけさせることが重要と考えています。そのため、県農業大学校や先進農家等での体験研修、宿泊研修や青年農業者との交流等を実施することで、卒業時には農業学科で学んだことを生かした進路選択ができるよう指導を行っています。

 大分労働局によると、十月末日現在の新規高卒者の産業別求人状況では、農林水産業の割合は約〇・八%と大変厳しい状況にあります。このため、学校では、インターンシップやキャリアサポーターを活用しながら、農業法人などの企業訪問等にも取り組み、新規の進路開拓を進めております。

 以上です。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 では、この質問の最後に、新しく設置する農業学科の施設について伺います。

 高校再編計画では、大分東高校や日出新設高校に農業施設や設備を新たに設置して農業科を設けることになっておりますが、新たな実習施設も必要になるんではないでしょうか。普通科高校に新たな投資をして農業科を設置する必要性について見解を伺います。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 農業の振興は県政の重要課題であり、農業教育の果たす役割は重要であると認識しております。このため、農業に関する学科を県内の各地域にバランスよく配置し、それぞれの地域に根差した農業や農業関連産業の担い手を育成する必要があると考えています。

 大分東高校への農業科の設置については、大分市は野菜を中心に農業産出額が高く、企業的農業経営者も多いなど近郊型農業が盛んであること、また、全県の四割を超える中学生が居住していることを勘案し、大分市に農業科を設置することが今後の農業教育の充実や人材育成上、重要であると判断したためであります。

 再編整備に伴い、大分東高校と日出新設高校において、実習に必要な施設については、従来の農場施設等の有効活用を図るとともに、新たに必要となる施設についても、生徒の農業実習に支障が生じないよう精選し、整備していきたいと考えています。

 以上です。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 先ほど、実習しながら農業を学んでいく、また、人を育てていきたいという答弁がございました。具体的にはこの二つの学校ですが、その実習施設についてどのような方向で今検討しているのか、お伺いします。



○井上伸史副議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 日出の新設校については、山香農業高校の農場等を活用することを考えております。

 それから、大分東については、近隣に県の農業高校で使える施設がちょっとございません。遠過ぎるということでございます。そこで、基本的には学校の中で施設整備を図っていきたいというふうに考えております。

 詳細については、ただいま検討中ということで、この場ではちょっと遠慮させてください。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 農業は教室の机の上だけでは学べません。ごまかしの農業施設では本当の農業はわかりませんし、山香の方は、ちょっと距離が離れているのではないかと思います。全国農業高校の校長会の元理事長、渡辺先生は、「農業高校での人間形成は、自然を学び、その中から自然に対する畏敬の念を感じ取り、人間として生きる知恵、自然とともに生きる知恵を創造していくことを基本としている」と述べられ、「人間のおごりをなくし、自然の営みに素直に感謝できる謙虚な人間は農業体験以外では育てることは難しい」とまで言っております。実習施設がないと、農業体験もなりません。知恵を絞って解決の方向を考えていってください。お願いいたします。

 次に、葉たばこ生産についてですが、初めに、葉たばこ生産からの転作支援について伺います。

 本県の葉たばこ生産の状況は、平成二十二年度で、作付面積五百九十九ヘクタール、販売額二十億五千五百万円で、販売額は全国十位に位置し、本県の基幹作物となっています。しかし、日本たばこ産業は、たばこ離れが進むため、この夏、契約農家に対し、葉たばこをもうつくらない廃作農家を募集しました。長年、葉たばこ生産に取り組まれてこられた農家の方々にとっては苦渋の決断だったと思いますが、県内二百六十二戸のうち六割近い百四十九戸の農家が廃作することになりました。廃作する農家の多くは、転作して引き続き農業を続けていくということでありますが、やはり、つくる作物が違うと、生産のための初期費用がかかりますし、新たに栽培技術を習得しなければなりません。また、廃作する農家の作付面積は二百五十三ヘクタールと大変広い農地でございます。転作を行う農家に対し、積極的な支援を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。



○井上伸史副議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 葉たばこからの転作についてご質問を賜りました。

 近年のたばこ消費の減少だと思いますけれども、日本たばこ産業株式会社の廃作募集が行われまして、多くの農家が廃作に応じたということでございます。生産者の将来の設計だとか、あるいは地域農業への影響といったようなことを考慮いたしまして、県の方でも対策を開始しているところでございます。

 まず、各振興局に葉たばこ転作等相談窓口を設置いたしまして、お話にありましたように、百四十九戸の廃作農家の意向なども伺いながら、関係機関と連携して、転作だとか、あるいは農地の有効活用といったようなことを推進してきたところであります。

 その結果、十月末の時点でございますけれども、廃作農家の約九〇%、百三十五戸が農業を続ける意向を示しております。また、廃作面積の七四%に当たる百八十八ヘクタールの農地が引き続き耕作されるという予定となりました。

 主な転作品目は、産地化が進み、収益性が安定しているカンショ、ピーマン、シロネギ、サトイモなどですけれども、これらの生産が円滑に開始されて経営が安定するように積極的に支援をしていかなきゃならないというふうに考えております。

 まず第一は、生産体制の整備でありまして、カンショなどの種苗につきましては、生産者組織等の協力で要望量を確保できる見込みとなりました。

 また、今年度中に整備する必要がある、例えば、ピーマンの雨よけ施設だとか、あるいはカンショの掘り取り機、あるいはシロネギの土寄せ機などの整備につきましても支援することとしております。

 第二に、栽培技術の習得というところも課題であります。

 廃作農家に対する現地説明会で転作品目の栽培技術に不安がある農家が多かったということもありましたので、県、市町村、そしてJAが連携をいたしましてプロジェクトチームを立ち上げて、品目ごとの栽培講習会を開催するとともに、巡回指導を徹底いたしまして、初年度から生産量が確保できるように指導をしております。

 第三は、現時点で借地を中心に利用が決まっていない六十五ヘクタールの農地の対策であります。

 この農地につきましては、所有者の高齢化や新たな品目に対する不安といったところから、いまだ品目を決めかねているなど、さまざまな課題がありますので、課題に応じた対策を講じていくという必要があると思います。

 転作品目については、関西市場で高い評価を得て、出荷量の拡大が要望されている高糖度のカンショ「甘太くん」を中心に推進をしたいというふうに考えております。

 このような取り組みによりまして、長年にわたり葉たばこを栽培してこられた皆さんが、これまで培ってきた高い技術、それから持ち前の肥沃な農地を生かして、知恵を出して汗をかいてもうかる農業が実現できるように応援をしていきたいというふうに考えております。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 県としましても積極的な支援策をお願いいたします。

 そこで、一つ、農林水産部長に提案がございます。

 「葉たばこの転作として漢方生薬はどうか」と、慶応大学医学部の漢方医学センター、渡辺賢治准教授が提案しております。漢方薬の原料になる生薬は、約八〇%が中国からの輸入でございます。国産もかつては多かったようですが、最近では自給率が一二%程度まで低下しております。葉たばこ農家であれば、栽培方法が似通っているところもあり、技術的には難しくない。畑もそのまま利用でき、生薬栽培の新たな担い手と期待できる。そのことで農業の再生と漢方原料の確保という双方が同時に解決できると言っております。部の見解を伺います。



○井上伸史副議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 今、ご提案をいただきました漢方生薬についてでございますが、県内でも栽培されておりまして、例えば、竹田市ではサフラン、臼杵市ではミシマサイコといったものが栽培されております。これは、どっちかといいますと、高齢者の方、しかも小規模という状況にございます。

 一つ課題がございますのは、漢方生薬につきましては、市場流通ではないという点、いってみれば契約栽培という形になります。それから、種苗の確保ができるかどうか、そういった問題もございます。

 先ほど知事から答弁申し上げましたように、今回の転作の品目につきましては、産地化が進められていること、それから経営の安定が図られること、こういったことを基本に置きながら、戦略品目を中心に支援を申し上げているところでありますが、今、議員からご提案ありました漢方生薬につきましても、いわゆる実需の動向でありますとか、農家の皆様方のご意向、こういったものを総合的に勘案しながら、一つの検討課題とさせていただきたいというふうに思っております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 さまざまな可能性を検討しながら進めていっていただきたいと思います。

 次に、鳥獣被害対策について質問いたします。

 県はさまざまな対策を講じて被害を減らす努力をされておられますが、その中でも非常に多くなっているイノシシやシカの数を直接的に減らすことのできる捕獲は非常に有効な手段でございます。また、イノシシやシカは、当然のことながら市町村の境や県の境を越えて移動することを考えれば、隣県と合同で一斉に捕獲する方がより効果的であることは議論を要しないことでございます。ことしの十月十六日に県内全域と隣県とで一斉捕獲を行いましたが、本県だけでも一日で二百三十七頭を捕獲し、大きな成果がありました。

 そこで、このような取り組みをもっとふやすべきだと思いますが、県の見解をお伺いします。



○井上伸史副議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。

 隣接県との合同捕獲につきましては、県境域の奥山での捕獲を目的に、猟友会などの協力をいただきながら、毎年実施をしているところであります。昨年度は、延べ九日間で計三百十一頭を捕獲したところであります。今年度も既に六回実施しておりまして、一定の成果を上げております。

 また、より効率的な捕獲対策の試みといたしまして、今回、この合同捕獲と同日に県内全域での一斉捕獲を初めて実施をしたところでありますが、その結果、一日で二百三十七頭を捕獲するという成果を上げることができました。

 今回、決算特別委員会審査報告書でもいただいたご指摘も踏まえまして、今後とも、隣接県や猟友会などと連携をしながら、一斉捕獲の回数をふやすとともに、効果的な実施時期、あるいは方法について関係者と協議を進め、イノシシやシカの捕獲対策を積極的に進めていきたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ありがとうございました。

 県下の合同捕獲も充実をさらに図っていかなければならないと思いますが、その充実の方向についてどういうぐあいに今検討されているのか、少々お聞かせください。



○井上伸史副議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 今回、十月十六日に一斉の合同捕獲を実施いたしましたけれども、これを検証してみますと、時期の問題が一つございまして、例えば、猟友会では捕獲班員の皆さん方は農業者の方が多いということで、この時期が農繁期であったということで参加者が限られてしまったというところがございます。また、県民の皆様方からは、時期が秋の行楽シーズンであったといったこともございまして、登山者を中心に一部不安があったということであります。それから、農業生産者の皆様方からは、稲の乳熟期を過ぎておりまして、捕獲効果が薄れたんではないか、こういったご意見もございますが、こういうことを検証しながら、いずれにせよ、実施の時期、それから、猟友会の皆様方のご協力をいただかなければいけないわけでありますので、そういったことを総合的に検討しながら、回数を少しでもふやしていきたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、農業用水路の安全対策について伺います。

 竹田市で有害鳥獣捕獲を行っていた狩猟者の方から、以前、捕獲の際に井路に猟犬が落ちて亡くなったという話を伺いました。それが一匹だけではございません。それ以来、猟友会の皆さんもこの地域には入っていただけず、山はイノシシの楽園のようになっているということです。

 そこで、有害鳥獣捕獲時の安全性の確保の観点から、県としても農業用水路の安全対策を講じていただきたいと思いますが、ご見解をお伺いします。



○井上伸史副議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。

 農業用水路は、水源の多くが山中にあることから、有害鳥獣を捕獲する山間部にも長大な幹線水路が敷設されているところであります。この水路は、土地改良区が日々管理し、農地に安定的に用水を供給する重要な施設となっております。

 なお、有害鳥獣捕獲時の安全対策は重要でありますけれども、そのために水路にフェンス、あるいはふたを設置するといったことは、泥上げや草刈り等の維持管理に一部支障があるなど、土地改良区にこれまで以上の負担を求めることにもなります。このため、県といたしましては、毎年、狩猟者登録時に配付をいたしております大分県鳥獣保護区等位置図に、新たに水路の危険箇所を明示することとしたいと考えております。

 また、これに限らず、有害鳥獣対策において問題が生じた際には、各地域の鳥獣被害現地対策本部におきまして情報の共有や課題解決に向けた検討を進め、よりよい対策を講じていきたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 土地改良区が費用がかかったりすることは、井路の受益には全く関係のないことですから、それは求められませんですし、また、維持管理に費用が上がるということでは困ります。ですが、こういう悩みを持っている県民もいらっしゃいます。ぜひ相談して、解決の方向に前向きに進んでいただきたいと思っております。

 次に、林業の課題ですが、実は、林業の課題、山ほどございますが、今回は三点に絞って質問したいと思います。

 まず、切り捨て間伐について伺います。

 林業は、植林して木材として収益を得るまでに長い年月を必要とし、その間に切り捨て間伐などの保育を行わなければなりません。木材価格の低迷など厳しい林業経営を背景に、収益を得ない切り捨て間伐については、本年度まで国の全額補助の事業がございました。しかし、来年度より、国が搬出を主体とした森林経営計画制度を導入し、切り捨て間伐については経費の三二%の個人負担が生じるようになりました。厳しい林業経営の状況が改善されない中、収益を得ない切り捨て間伐について個人負担を強いることは無理な話ではないかと私は感じております。

 そこで、適切な切り捨て間伐が行われるよう県による独自の支援が必要ではないかと思いますが、見解を伺います。



○井上伸史副議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。

 国は、十年後の木材自給率五〇%を目指す「森林・林業再生プラン」を着実に実行するため、今年度三次補正におきまして森林整備加速化・林業再生基金事業を三年間延長したところでございます。

 本県では、この基金事業を活用し、間伐や路網の整備、高性能林業機械の導入、加工体制の整備など林業の構造改革を推進してまいりましたが、この基金が延長されたチャンスを逃すことなく、生産体制の向上や経営強化に取り組む意欲ある認定林業事業体や林家を支援したいと考えております。

 また、基金事業における間伐支援につきましては、定額助成制度は継続されるものの、新たに一定量の間伐材の搬出が要件となっているところであります。

 議員ご指摘の切り捨て間伐につきましては、搬出間伐と組み合わせ、搬出量を確保することで助成が受けられるよう事業を進めていきたいと考えております。

 なお、三年後の基金事業終了を見据え、持続可能な林業経営に向けて、より一層の構造改革を進めてまいります。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 次に、既存の路網整備についてお伺いします。

 先ほど述べました森林経営計画制度の導入により、既存の路網整備に対する補助事業も今年度でなくなると聞いておりますが、厳しい林業経営の状況が改善されない中、木材の売り上げ収益から負担するのは難しく、独自の支援が必要でないかと思いますが、見解を伺います。



○井上伸史副議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。

 これまでの取り組みといたしまして、低コストでの木材生産や間伐等を行う上で路網整備は必要不可欠であり、これまでにも公共造林事業や基金事業を活用した整備を進めてきたところでございます。

 平成二十四年度から再スタートいたします基金事業では、新たに低コストで壊れにくい林業専用道や森林作業道が定額事業として盛り込まれたことから、県といたしましても積極的な事業導入を図りたいと考えているところであります。

 林業専用道は十トントラックの走行を可能とするもので、一メートル当たり定額二万五千円、森林作業道は高性能林業機械を基本とするもので定額二千円となっておりまして、いずれも工夫次第で自己負担の少ない路網整備が可能となるものでございます。

 今後は、これらの路網を集約化された施業団地に集中的に配置し、高性能林業機械の活用とあわせまして、間伐材の生産効率を高めるとともに、素材生産量の増大を図りたいと考えているところであります。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 再度伺いますが、既存の路網についても、その事業は使えるんでしょうか。



○井上伸史副議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 既存の事業、いろいろ整備計画を進める中で施業団地に対して集中的に投資するということでありますので、今、議員が言われた既存のというのがどういうものを指すかちょっとわかりませんが、できるだけ工夫することによってこの定額制度というものを有効に活用するということが重要になってまいりますので、個別な対応につきましてはいろんな形でご相談をさせていただきながら、やっぱり低コスト化を図るためには路網整備が非常に重要であるという認識を持っておりますので、いろんな形で支援をしていきたいと思っております。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 先ほどの切り捨て間伐の際にも、量の話が出てきました。間伐も、今、五町歩そろわないと申請できないということになっておりまして、実は、竹田市のような中山間地の多い、そんなに広い山を持っていない皆さん方は、とても使いづらいということも言っているのが現状でございます。その辺も考慮に入れながら、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

 最後に、クヌギ林の整備について伺います。

 シイタケ生産者の高齢化や減少により、伐期が来てもそのまま放置されるクヌギや雑木化したクヌギ林が毎年増加しております。伐期を過ぎたクヌギは、シイタケ生産用に適さなくなり、そのまま放置され、結果としてクヌギ林が荒廃してしまうということになります。

 本県の主要作物であるシイタケ生産には適齢期のクヌギが必要であり、また、クヌギ林の荒廃は鳥獣被害の増大につながります。

 そこで、クヌギ林の適正な整備について県の方針を伺います。



○井上伸史副議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 お答えをいたします。

 県内のクヌギ林面積は約四万七千ヘクタールでございまして、十五年生を中心に、シイタケ原木として、毎年約二千ヘクタール程度伐採されている状況にございます。

 近年、シイタケ生産者は増加傾向にありますけれども、ピーク時に比べますと半減をしている状況にございます。このため、利用されていないクヌギ林は放置され、大径化が進んでおり、その有効活用が大きな課題となっているところであります。

 そこで、クヌギをチップ化した菌床シイタケ栽培への利用促進を図るとともに、家具用材への利用技術開発にも取り組んでおります。

 今後は、製紙用チップ、あるいはバイオマス燃料としての利用なども検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○井上伸史副議長 土居昌弘君。



◆土居昌弘議員 前向きなご検討をよろしくお願いいたします。

 今、国は森林再生プランを掲げて林業の振興に取り組んでおりますが、残念ながらプランには、木材生産の前にある森づくりの意識が希薄ですし、製材加工後の国産材需要の喚起も不十分でございます。木材を鉄や石油と同じマテリアルの一つとして、質より量と考えております。ならば、この考えにない最も大事な部分、川上から川下に至る森づくりからまちづくりをつなぎ、地域社会がより豊かになる施策を県が独自に実施して補完していくという意気込みで林業政策に取り組んでいただきたいと心底からお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○井上伸史副議長 以上で土居昌弘君の質問及び答弁は終わりました。

 暫時休憩いたします。

     午後零時六分 休憩

  −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

     午後一時四十三分 再開



○志村学議長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一般質問及び質疑を続けます。尾島保彦君。

  〔尾島議員登壇〕(拍手)



◆尾島保彦議員 皆さん、こんにちは。二十五番、県民クラブの尾島保彦です。

 平成二十三年第四回の定例会において、先輩諸氏のご配慮をいただき、こうして質問の機会をいただき、心から感謝を申し上げたいと思います。

 私にとりましては、県議就任後、初めての一般質問ということで、大変緊張いたしております。しかし、傍聴席には、私の地元宇佐から応援にも駆けつけていただいております。皆さんの力をいただきながら、しっかりと質問をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 今回の一般質問では、孤立対策などの福祉施策や小規模集落対策、農業施策、教育課題を中心に、六項目にわたり、分割方式で質問を行います。広瀬知事初め、執行部の皆さんには、私が初めての質問ということもございますので、ご祝儀も含めて、理解あるご答弁をお願いしたいと思います。

 それでは、早速、質問に入ります。

 まず初めに、だれもが安心して暮らせる大分県づくりについてです。

 多くの県民に生きづらさが急速な広がりを見せています。地域社会からの孤立と貧困の中で、自殺、ひきこもり、不登校、高齢者や児童、障害者への虐待、DV、心の病などなどが社会問題となっています。

 現状はというと、これらの問題を支援したり、対処したりする制度や政策がつくられ、取り組みもされてはいますが、個々的、小手先の対策になっており、重い荷物を背負っている方々を苦しみから解き放すものとはなっていません。

 高齢者、不登校を含めたひきこもり、障害のある方々は地域社会から孤立しがちになるし、実際、孤立化が進み、苦しさを抱え続けての自殺や悲惨な事件も後を絶ちません。

 地域回りをすると、ひとり暮らしの高齢者から何時間も話し込まれることが多々あります。「だれとも話をしない日々もあり、寂しい」「ひとり暮らしを続けるには、病気をせんように、体力が落ちんようにと、毎日、目いっぱい頑張らないかん」。子供を育て、社会をつくってきた先人たちがこんな思いで生きていかないとならないのかと考えさせられます。

 不登校問題で話し合う場がありました。「学校では毎日、教頭先生が迎えにいくなど涙ぐましい努力を重ねているが、なかなかよくならない」「不登校の背景には、いじめに遭ったから不登校となったなどの学校に関すること以外に、さまざまな家庭が抱えている生活困窮、孤立、保護者の教育放棄、虐待などなどもふえている」などの声が上がっていました。

 ハートコムが支援してできたひきこもりの親の会「ステップ」の数人が宇佐に視察に見えました。

 ひきこもりの本人、家族を受け入れているという、家から地域への一歩としての居場所、一般就労への一歩としての福祉的就労事業所、本人、家族と向き合ってくれる相談支援事業所、いずれも障害福祉にかかわっている事業所を見学し、「こんなところが県下に広がるといいのに」と漏らしていました。

 その中で、「ステップ」の会員の方より、「親は何とかしたいという思いが強いが、そのことが本人に伝わり、何かといがみ合うばかりで溝が深まっていくんですよ。解決するまで向き合ってくれるところもないのが実情です」と打ち明けられました。

 ひきこもり、障害のある人の親から異口同音に「親亡き後が心配」と言われます。社会が解決しなければならないことを家族の責任に押しつけている不条理を感じざるを得ません。

 一方、自殺者は、ここ十数年、全国で三万人以上という異常な状態が続いています。宇佐市の人口が六万人ですから、二年間でこの宇佐市が消滅するほどの数です。自殺未遂者はその数の十倍いるとも言われていますし、自死遺族は苦しみを抱え続けています。

 今では、農業も効率化、競争の波にさらされ、農業離れが進んでいますが、かつては、田植えなど何かにつけて助け合い、祭りや祝いも村を挙げてやっていました。結の精神がありました。東日本大震災も人と人のきずなの大切さを教えてくれました。生きづらさを抱えて苦しんでいる多くの方々に、「一緒に生きようよ」「あなたも必要です。役割もありますよ」と地域が包み込むインクルーシブな社会づくりが政治、行政に求められていると考えます。

 そこで、政策提言を行いながら伺います。

 生きづらさを解決できるシステム、仕組みが重要ですが、小ぢんまりと一部署や縦割り、また、県だけでもできません。しかし、県の役割、機能は大きいと思います。知事が、県内に広がる生きづらさの解決へ向け、県民ぐるみで取り組むことを内外に明らかにすること、縦割りから横割りへとつなぐ市町村との連携、地域づくりを担う人材づくりを行うセクション、だれもが安心して暮らせる大分県づくりの拠点として地域困り事連携室を創設したらどうかと思います。

 その仕組みづくりと実践のヒントは、障害福祉の地域自立支援協議会にあります。本人、家族の実態とニーズを掘り起こす専門部会、解決するまで困ったときはいつでも支援する個別支援会議、こんな仕組みと実践がだれにでも必要なのです。

 そこで、高齢者や障害者、ひきこもりの方などが地域社会から孤立しないようにするための対策について、私の提言も踏まえ、知事のご所見をお伺いいたします。

 また、地域福祉を推進する担当部長に、県庁内における連携の現状をお尋ねいたします。

 障害のある人は、先ほど申しました生きづらさを抱え続けながらも懸命に生きています。ところが、多くの障害のある人が通所している福祉的就労事業所では、依然、保護的で、人としての権利の主体が保障されていません。

 就労継続支援B型の平均工賃は、月二十日間働いて、全国平均で一万三千円、県内一万四千ほどと聞いています。工賃倍増等の努力はされていると思いますが、現状はなかなか改善が進んでいないのではないでしょうか。

 宇佐では、障害のある人と接する機会も多くなりました。「きちんとした支援があれば、私は働けるのに。せめて時給が三百円以上になれば、障害年金と合わせて月十万円になり、やりたくても我慢していたことが少しはできるのに」「同じ障害のある人が、最低賃金以上を保障したA型で働いている。そんなところがふえたら私も行きたい」、こんな声をよく聞きます。

 障害のある人は、所得が保障され、自立した暮らしができる就労の実現を待ち望んでいます。

 そこで、県内の現状と、改善が進まない問題点は何か、また、改善に向けた取り組み、国の動きをお聞かせください。

 高齢化の進行や独居割合の増加の中、高齢者の活動拠点としてのサロンの必要性が高まっています。サロンは、地域のお年寄りが寄り合い、話をしたり、レクリエーションに興じたりする場ですが、そのことにより、生きがいづくり、体力づくり、食事バランスの改善、認知症の防止、改善などの効果が期待されます。

 各地域で高齢者サロンはふえ続けていますが、本当にお年寄りのニーズに合った施設となっているでしょうか。設備や運営経費、地域とのかかわりや行政との連携など、きちんとした展望のもとに開設、運営されることが重要だと考えますが、サロンはつくったものの、その後の運営に大変苦労しているところもあると聞いています。

 そこでお伺いします。

 お年寄りの期待にこたえられるサロンづくりを県はどう推進していくのでしょうか。高齢者サロンと子育てサロンの同時運営でうまく機能しているところもあるようですが、県として推進する考えはありませんか。

 以後、質問席で質問を行わせていただきます。

  〔尾島議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの尾島保彦君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま尾島保彦議員には、県政推進に当たって最も基本となる、だれもが安心して暮らせる大分県づくりについて、諸課題、ご質問を賜りました。初めてのご質問ということで、ご祝儀だらけでお答えを申し上げたい、こう思っております。

 私からはまず、孤立対策についてお答えを申し上げます。

 私も、かつてあった隣近所との温かい心の交流とか、何かあったときのお互いさまの助け合いが少なくなった、つまり、地域力というか、そういったものが低下しているんではないかと心配しております。とりわけ、無縁社会という言葉に象徴されるように、ひとり暮らし高齢者や障害者など地域の中で孤立しがちな方々に対する温かいかかわりが薄れてきていることを心配しているところであります。

 県ではこれまでも、個々に課題を抱えた方々が地域社会から孤立しないように、さまざまな分野において施策を講じてきたところであります。

 例えば、ひとり暮らしの高齢者には、老人クラブ会員による見守り訪問だとか、サロン活動などの居場所づくりを進めております。

 ひきこもりの人には、ワンストップの総合相談窓口として青少年自立支援センターを設置しまして、保健所やNPOなど支援団体とも連携をした取り組みを進めております。

 障害者には、困り事にきめ細かく対応する相談支援事業所を充実するとともに、就労に関しましては、県内六圏域の障害者就業・生活支援センターで支援を行っております。

 自殺対策も大変重要でございます。こころとからだの相談支援センターが、こころの電話相談や自死遺族のつどいを実施するなど、苦しんでおられる方、悩んでおられる方に寄り添った支援をしてきたところであります。

 少子・高齢化、核家族化が進む中でこれからは、これらのさまざまな分野別の課題を地域という横軸でとらえ直して、住民みんなで共有し、解決に向けて協力し合うことも大変重要だと思います。このため、県では、地域の福祉力再生事業といたしまして、四市町九地区におきまして、支え合い推進協議会の設置や地域住民が主体となった課題の解決に向けた取り組みを支援しています。

 一方で、行政からの働きかけを待つことなく、例えば中津市の「沖代すずめ」のように、利用者と同年代の高齢者が運営するサロン活動を通じて、お互いが地域で生き生きと暮らしている事例や、国東市の黄色い旗運動のように、地区の全世帯で旗を出すことで会話がふえ、気遣いが育ち、結びつきが強まるなどの住民の自主的な支え合いも行われております。

 議員ご提案の地域困り事連携室につきましては、一人一人の課題にきめ細かに対応し、個々の解決に至るには、やはり分野ごとの専門職員による専門的な支援を基本として、さまざまな組織が、さらに地域に一歩踏み込んで地域の底力を引き出すことが重要だと考えます。

 ご提案の趣旨を踏まえまして、横の連携もしっかりとって、切れ目なしに支援をしていくということを心がけていきたいというふうに思っております。

 県といたしましては、現場主義を徹底し、孤立することなく、だれもが安心して暮らしていけるような大分県づくりに全力を尽くしてまいりたいというふうに考えているところであります。

 その他いろいろご指摘を賜りました。それらにつきましては担当の部長から答弁をさせていただきます。



○志村学議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 私の方から三点にわたってお答えをしたいと思います。

 まず、孤立対策に係る連携についてでございます。

 個々の孤立問題の解決には、分野ごとの専門部署による支援が基本ですが、十分な成果を得るために常に関係部局と連携を図っているところでございます。

 先日、別府市で発生しました子供の死亡事故を受けて、直ちに福祉保健部、生活環境部、教育庁、県警本部、関係機関等で構成いたします「子どもの虐待防止連絡協議会」を開催いたしまして、情報を共有するとともに、防止策を持ち寄り、検討をいたしているところでございます。

 また、障害児者への支援につきましては、障害者の福祉的就労や雇用を促進するため、福祉保健部と教育庁、商工労働部が協力し、生活支援、職業訓練、職場開拓、就職後のサポートを実施しております。

 また、早期発見、早期療育を担う福祉保健部と、幼稚園、小学校教育を担当する教育庁、生活環境部で連携し、切れ目のない個別支援に取り組んでいるところでございます。

 今後とも、庁内連携をさらに深め、各部局と問題意識を共有し、地域の孤立対策の充実を図ってまいりたいと考えております。

 次に、障害者の就労支援についてでございます。

 県内の現状と問題点でございますが、平成二十二年度の県内事業所の平均工賃月額は一万四千五十九円で、工賃倍増五カ年計画に掲げた目標工賃の基準である十八年度に比べ、四・二%増にとどまっております。これは、事業所の多くが小規模で、商品開発やまとまった受注への対応、販路開拓などのノウハウが不足しているためと考えられます。

 県では、障害者自立支援対策臨時特例基金を活用しまして、受注拡大等に積極的に取り組む事業所が導入する調理機器や農業用ハウスなどの生産設備に対し助成をいたしております。

 また、工賃が伸び悩んでいる事業所には、中小企業診断士をアドバイザーとして派遣しまして、コスト削減、品質向上など企業的経営手法を取り入れた支援を展開しております。

 あわせて、事業所が共同で受注し、生産するネットワークづくりの支援も行っているところでございます。

 最後に、国の動きでございますが、二十四年度予算の概算要求では、引き続き経営改善、商品開発、市場開拓など工賃向上のための取り組みを実施することとなっております。

 それから、三点目でございます。高齢者サロンについてでございますが、本県では千百カ所余りのサロン活動が展開されておりまして、お年寄りが食事やゲームなどで楽しく過ごし、七夕やもちつきなどの行事の際には、子供や親子との交流を行っているところも多くございます。

 例えば、宇佐市の院内では、高齢者や障害者、子育て中の親子が毎週一回、空き家となった民家に集い、生き生きと交流するサロン活動が行われております。

 こうした活動は、高齢者の生きがいづくりや地域での居場所として孤立を防ぐとともに、高齢者の豊富な経験を子供や親世代に伝える場となることも期待できるところでございます。

 県では、足腰に問題を抱え、参加をためらっている方でも気軽に参加できるよう、また、より多くの世代間交流が図られるよう、拠点となる公民館等のバリアフリー化や設備整備、レクリエーション用具の充実などに対する助成制度を設け、積極的に支援しているところでございます。

 今後とも、自発的な活動への支援を通じ、参加者の増加や世代間交流を促進してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 大変詳しいご答弁をありがとうございました。

 二点ほどちょっとお伺いしたいと思うんですが、孤立対策について。

 福祉施策については、県から市町村へかなりの権限移譲といいますか、事業の移譲が進んで、実施主体が県から市へと、あるいは市町村へと移っていると思います。このため、どういいますか、各自治体間の取り組みの格差、そういったものが生じていると言われておりますが、県としては、このような格差解消のために、実態調査を行って、その是正調整を図るべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

 二番目には、障害者の就労支援についてです。

 今、具体的には、設備の補助であるとか、アドバイザー、あるいは受注の促進ということが言われておりましたが、県内の月額平均賃金が一万四千円という中で、中には非常に進んだ工賃改善をやったり、それから保障したりというところもあると思いますので、どういった事業所がそういう努力をされ、高い賃金を獲得しているのか、そういう実態調査をしながら、また、そういった分析をして、県として事例集をつくって、いろんな紹介をされたらいかがでしょうかと考えております。

 それから、先ほど、ハウスの補助というお話もありましたが、仕事の場の確保として農業とのコラボは考えられないのか。

 この前から出ておりますが、今、農業者は、非常な人手不足、あるいは後継者不足ということで悩んでおります。ですから、障害者の方々ができるような仕事、作業を県があっせんして、そういった就労を促進するという考えがないか、質問したいと思います。

 以上です。



○志村学議長 永松福祉保健部長。



◎永松悟福祉保健部長 まず第一点目の、例えば、障害福祉であるとか、それから高齢者福祉であるとか、権限のほとんどが市町村に移譲されて、議員ご心配のように自治体間に格差が生じているのではないかということでございます。

 私どもでも、格差はやはりあってはならないというふうに考えておりますので、先ほど申されましたような事例集を作成したり、それから、あと、私どもで、例えば、障害者自立支援協議会を県でも持っております、それから各市町村でも持っておりますので、非常に進んでいるところ、例えば、いろんな専門部会を設けられて、活動が活発で、一人一人の障害のある人、子供に支援が行き渡っているようなところは、各市町村にまた伝えたり、県でまたそういういい事例を、そういう講師として各市町村に派遣する。それから、あと、工賃の問題もそうですけれども、非常に取り組みの進んでいるようなところは、講師として招いて、そういう法人さんが集まるときに研修会とかを実施しております。これも、国からも呼んでいたり。

 それから、あともう一つ、工賃向上につきましては、各授産所とか就労継続のBであるとか、そういったところにもアドバイザーとして派遣をしておりまして、かなり効果も上がってきております。ただ、成功している事例といたしましては、やはり、複数の事業所が共同で商品開発をしたり、これはかなり細かい連携をしないといけませんけれども、その連携をする中で非常に工賃向上に対する意識が上がってくる、そういう事例もございまして、これは成功している事例もございます。

 また、企業の方が社会福祉法人の方にいろんなノウハウを教えていただく。やはり、製品の質の向上であるとか、納期を守るとか、そういった非常に企業ならではの、ある意味、厳しいところもございますけれども、それを超えて皆が協力して工賃を上げている、そういった事例がやはり成功事例になっております。

 以上でございます。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 次に、小規模集落対策について質問します。

 中山間地域を中心に過疎・高齢化が進み、集落の集団的機能は著しく低下し、地域の基幹産業である農林水産業の不振と相まって、限界集落とも言われる小規模集落は増加の一途をたどっております。昨日もこの質問は出ておりましたが、集落そのものの消失が危惧される地域も多く存在します。このため、耕作放棄地の増大、山林の荒廃による水源涵養力の低下等が心配されます。

 各市町村では、小規模集落対策協議会の設置や、地域の振興救済策として、コミュニティーバスの運行や買い物代行サービス、配食サービス、高齢者サロンの設置、地域おこしのための補助制度などの対策が行われています。

 宇佐市では、情報格差是正のため、市内全域に光ケーブル網を整備する事業にも取り組みました。

 県においても、小規模集落・里のくらし支援事業として小規模集落応援隊活動支援等の取り組みがなされていますが、十分ではなく、今後の急激な過疎・高齢化の進行に対応するためにも、市町村とともに抜本的な対策を講ずる必要があると考えます。

 そこで質問ですが、現在の県下の小規模集落数と十年後、二十年後の推計数を示してください。

 また、今後の具体的な支援計画はあるのでしょうか。例えば、地域に点在する空き家の修理、改築等への補助をすることにより、住居として若者へ提供し、定住対策を図ってはどうでしょうか。



○志村学議長 池辺企画振興部長。



◎池辺英貴企画振興部長 小規模集落対策につきましてお答えいたします。

 小規模集落数は、調査を開始した平成二十年度と比較いたしますと百十九集落増加し、本年三月末現在、五百六十三集落となっています。

 十年後、二十年後につきましては、集落それぞれの今後の人口変動やそれに伴う自治区の統合等も影響するため、推計は難しいものがありますが、少子・高齢化の進行に伴い、その増加は避けられないものと思料いたしております。

 このため、決算特別委員会の審査報告書でいただいたご意見も踏まえ、県としましては、これまでの取り組みによって成果があらわれている住民による見守り隊の結成や名水を使った特産品の開発などに引き続き取り組むとともに、単独では集落機能維持の取り組み自体が困難なところには、複数集落が連携して助け合う仕組みづくりへの支援について検討してまいります。

 また、本県は、ことし八月に発表された田舎暮らし希望地域ランキングで全国第四位というアンケート結果もあるなど、一定の支持を得ていることから、これを好機ととらえ、市町村による空き家改修補助制度とも連携し、空き家バンクによるさらなる情報発信や移住フェアなどで大分の魅力を積極的にアピールし、定住促進につなげてまいります。

 以上でございます。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 市町村では、合併以降、中心部と周辺部のいわゆる格差が大きくなりました。このため、各市町村とも地域振興に大変な力を入れてきたわけですが、なかなか十分な対策がとれてないということが現状です。

 仮に集落が消滅するということになれば、跡地は放置され、荒廃します。そうなれば、そこがごみの捨て場になったり、あるいは産廃の捨て場になる。景観はもちろん大きく損なわれるわけです。

 先ほど答弁の中で複数集落が協力して助け合う制度ということが言われましたが、市町村では、今、集落再編の動きがあるんです。集落再編の手法としては、一つの手法として、近隣集落の合併などで集落の範囲を広げる行政的再編、それから二つ目には、先ほどの指摘と同じだと思うんですが、複数集落が広域組織をつくり、相互に協力をする機能的再編、それから三つ目には、もう住居を完全に移してしまうという、移転するという、空間的再編という三つの手法が言われておりますが、県下どこでも同じようにこうした悩みを抱えているわけですから、こういった各自治区の再編というのは市町村の問題でもありますけれども、県として何らかの推進策、そういったものを考えていくことはできないのか、再質問したいと思います。



○志村学議長 池辺企画振興部長。



◎池辺英貴企画振興部長 今、議員ご指摘のとおり、やはり集落維持を図るということが単一の集落では困難になってきている。そういうときに、やはり広域的に機能の再編であったり、その辺のところはまた市町村それぞれの取り組みの中で生じてくるものと私どもも思料いたしております。

 県といたしましても、もともとはその当該集落に、あるいは外部からの応援隊であるとか、見守り隊含めて、そういった単一集落の中での支援ができないか、そういうふうな形もやっておりますが、そこにもおのずから今後、今ご指摘のとおり、いろんな懸案、課題が生じてこようと思われますので、そういった複数の集落をドッキングする中で、広域の中でその辺のところを支え合うにはどういう仕組みができるのか、その辺のところを今、鋭意検討しているところでございますので、そういう点も踏まえまして、今後、検討課題とさせていただきたいと思っております。現場に入って調査していきたい、そういうふうに考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 三項目めは、農業振興についてです。

 まず、今議会でも他の議員さんからもたくさん質問が出されておりますが、TPP参加による県内農業への影響についてお伺いします。

 先ごろ、政府はTPPへの交渉参加を表明しましたが、TPPは「例外なき関税撤廃」を掲げており、完全自由化を目指す交渉で、この交渉に日本が加われば、米や小麦、畜産物などの農産物の関税撤廃を迫られるのは明らかで、日本農業は壊滅的な打撃を受けるとし、農業団体や生産農家からTPP参加反対の声が上がっているのは周知のとおりです。

 特に、日本人の主食である米に関しては、現在、内外価格差が四倍強あり、完全自由化ということになれば、国際競争力を持たない日本の米は外国産に置きかわってしまうのではないかと言われています。

 おのずから食料自給率は大幅に低下し、農業生産額は激減、多くの農業従事者が離農することになります。その結果、農地は荒れ、先人たちが長い間かけて築いてきた国土保全や水源の涵養機能など農業の持つ多面的機能は著しく低下し、中山間集落は消滅の運命をたどるのではないかと考えます。

 また、世界的な飢饉が起きたとき、日本の食料は一体どうなるのでしょうか。

 農業県である本県にとってもTPP参加の影響ははかり知れないものがあると思いますが、TPP参加による県内農業への影響についてご見解をお伺いいたします。

 次に、土地利用型農業の振興について伺います。

 米、麦、大豆などを生産する土地利用型農業は厳しい時代が続いています。私も米生産農家の一人でありますが、宇佐市では、昭和四十年代、駅館川総合開発事業として、かんがい用水確保のための日出生ダムの建設や大規模圃場整備が実施され、県下一の、いや九州でも有数の穀倉地帯が誕生しましたが、皮肉なことに、時を同じくして米の生産調整、いわゆる減反政策が始まりました。つまり、米が余ったわけですが、原因としては、全国の生産量がふえた反面、日本人の食生活の多様化により米の消費量が大幅に落ち込んだためと言われています。

 減反政策が始まってから四十年近くたちましたが、米余り傾向は今も続いており、自主休耕という形になっていますが、実質的な国による生産調整は継続されています。

 一方、米価、米の値段も昨年はとうとう一万円以下で取引されるところまできましたし、低価格傾向は今後も続くものと思われます。

 また、小麦や大豆も、所得補償制度導入による補助金の引き下げや単価の低迷に加え、作付に適さない農地等もあり、米同様に厳しい状況に直面しています。

 こうした中、県としては、農家の大規模化や認定農業者の認定、さらには集落営農、農業法人化、企業参入、新規就農の促進に大変な努力をいただいているところではございますが、現実問題として従事者の高齢化や収入減による経営の厳しさがある中で、今後の土地利用型農業の振興についてどうお考えか、お伺いします。

 次に、東日本大震災の被害に遭われ、就業の意思があっても田畑の荒れや放射線被害等により耕作できない農家の家族ぐるみの大分県への受け入れを全国に先駆けて名乗りを上げてはどうかということのお尋ねであります。

 例えば、宇佐市は昔より愛媛県などからミカン農家の入植者なども多く、そういった意味での先進性を持った土地柄でもあります。入植者の方々の事業の成功者も多く、温暖で日照時間も長い瀬戸内気候は農作物の耕作にも適しています。東北地方での農業技術を生かしていただき、必ずや実りある成果が上がるものと期待されます。

 二項目めとも関連しますが、少子・高齢化で耕作放棄地や空き家となった住居の居住環境を整備し、被災された方々に提供するなど、東北の方々への支援を集落単位や家族単位で積極的に進めて、被災者支援を強化することの提言でもあります。県としてどのようにお考えでしょうか、お伺いします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 これまた大変大事な県内の農業振興についてご質問をいただきました。

 私からまず、TPP参加による県内農業への影響についてお答えをいたしたいと思います。

 議員からただいま、TPP参加によって県内農業に大きな影響が出るんだということで大変ご心配をいただきましたけれども、私も全く同じ思いであります。

 一つは、米の生産についてでございますけれども、現在、四倍強ある内外価格差の状況からいたしますと、TPP参加ということになりますと、生産は甚大な影響を受ける懸念があるわけであります。

 振り返って、これまでの国内の米の需要を見てみますと、十年前、平成十二年の八百八十六万トンから二十二年には八百十四万トンに、約七十二万トン、率にして八%需要が落ちているわけでございます。

 農業従事者の方でございますけれども、同じく十年前の三百八十九万人から二百六一万人に、こちらの方は約百三十万人、三三%減少をしております。平均年齢の方も六十一歳から六十五・八歳になるなど高齢化も深刻であります。

 国内の農業は、TPP参加による影響を論ずる前に、食料自給率など既に大きな問題を抱えているということが明らかであります。このため、県といたしましては、水田経営の大規模化だとか、あるいは集落営農組織の法人化だとか、新規就農者の確保などに取り組んでいるところであります。今後、さらにこの取り組みを加速して、国にも支援を求めていかなければならないというふうに考えています。

 また、外国産の米が大量輸入されて、日本の米が外国産に置きかわるのではないかという声もあります。かつて大不作に陥った平成五年に外国産米を緊急輸入いたしましたけれども、評判は芳しくありませんでした。内外価格差を縮める努力は必要でありますけれども、日本の風土にあった安全、安心なおいしい米づくりに我々はもっと自信を持っていいのではないかというふうに思っておりますし、価格差だけではない、確かなものづくりがそこにはあるような気もいたします。

 いずれにしましても、国内の米生産への影響が少ないように枠組みをつくっていくということが大変大事であるというふうに思っております。

 二つ目は、国土の荒廃の問題もやはり心配されます。

 中山間地の集落がTPP参加によって消滅するんではないかとの不安もあります。TPPへの参加にかかわらず、既に県内の小規模集落は深刻な状況にありますし、耕作放棄地の増加など荒廃も進んでおります。喫緊の課題であり、何とかしなければならないという思いでさまざまな対策を行っていますが、今後さらに有効な対策を講じていくことが必要だと考えております。

 先ほどご指摘いただいたような対策も、ぜひ取り入れていきたいというふうに思います。

 TPPにつきましては、これからが国民的議論をして進路を決める大変大事なときになったというふうに思います。TPPへの参加で農業が衰退する事態に至っては困るわけでございますから、ここは国が国益を考えて交渉して、影響があるものについてはしっかりと対策を打ち出してもらうということが大事だと思います。

 県といたしましては、知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業を目指して、引き続き構造改革をしっかり進めていきたいというふうに考えているところであります。



○志村学議長 阿部農林水産部長。



◎阿部良秀農林水産部長 私からは二点についてお答えを申し上げます。

 まず、土地利用型農業の振興についてでございます。

 本県の水田は耕地面積の七割を占めており、米価格の下落傾向の続く中、高齢化や担い手の減少、耕作放棄地の発生など問題を抱えているところであります。

 米、麦、大豆は、生産費が販売価格を上回っていることから、国の所得補償などの支援が今後とも必要不可欠な状況にあると考えております。

 県としては、これまで進めてきた認定農業者や集落営農法人の規模拡大、農業への企業参入など力強い担い手の育成に引き続き取り組むとともに、面的集積による低コスト化や六次産業化も視野に入れた園芸、畜産との複合経営を進めていくこととしているところであります。

 また、新品種「つや姫」のブランド化を初めとした特色ある米づくりを進めるなど、地域特性に合わせた経営体育成を基本として、土地利用型農業を振興してまいりたいと考えております。

 次に、被災した農家の受け入れについてでございます。

 県としては、被災農業者を支援している農業法人や被災県を通して本県の就農に関する情報の提供を行っているところであります。

 また、本県の担い手確保専任職員が八月に仙台市で開催されました就農相談会に参加をいたしましたが、相談は二件しかなかったというところでございました。

 他に被災地周辺からも情報を入手いたしておりますが、被災農業者が他県で就農するためには新たな投資が必要なこと、被災した地域はそもそも農業の適地でありまして、郷土愛も強いことなどから、現時点で他県での就農を希望する例は少ないと聞いているところでございます。

 しかしながら、こうした状況の中で、知人の紹介で本県の就農を希望している被災農家がおられるとのことから、現在、関係団体と連携して、先進農家における研修の受け入れの準備を進めているところでございます。

 今後とも被災者の心情に配慮しながら、就農希望者があれば、各地域の生産者、県振興局や関係団体を構成員といたしております就農サポート会議の中で、農地や住宅の確保、技術支援や生活相談など、きめ細かな支援を行っていきたいと考えております。

 以上でございます。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 時間がなくなりましたんで、一点だけ質問したいと思います。

 答弁にあったように、TPP参加の有無にかかわらず、農業の体質強化、構造改革は絶対必要だと思います。しかし、農業をやる以上は、やっぱりもうかる農業でなくてはいけないというふうに思います。しかし、今、米農家を取り巻く環境というのは、生産調整によって危うく需要と供給の均衡が保たれているわけで、生産能力が消費量を大幅に上回っている。産業界でいう、いわば構造的な不況業種なんです。もうどうしようもない不況業種だということが言えると思います。こういった需要と供給の中で米の価格は市場にゆだねられたわけですから、そういった意味において、これからもやっぱりどんどん下落の傾向が続くんではないか。そういうことになれば、幾ら構造改革、あるいは体質強化を行い、大規模化、集約化を図ったとしても、米作は廃業せざるを得ないという状況が生まれると思いますので、その辺を十分留意をいただきながら今後の農業政策を推進していただきたいというふうに思います。

 四項目めは、教育課題についてであります。

 初めに、高校の準義務化についてです。

 高校への進学率が既に九〇%を超えて久しく、昨年から公立高校の授業料も無償化となり、高校は準義務化の状況にあります。これは、子供の育ちを社会の責任として応援しようという考え方であり、子育て満足度日本一を目指そうとする本県においても異論のないところだろうと思います。ただし、授業料無償化といっても、保護者負担の一部が軽減されたにすぎません。さらに、本県では、無償化の恩恵を、修業年限を超えて在籍する場合や高校既卒者が再入学する場合は受けられません。

 今年度の場合、既卒者の再入学はないようですが、年限を超えて在籍し授業料を徴収された生徒の数は、全日制高校で四人、通信制高校で九十三人になっていると聞いています。しかし、四十七都道府県のうち二十二団体は在籍生徒原則不徴収として、徴収することもあるとした団体でも、全員不徴収となったのが八団体、既卒者の再入学のみ徴収したのが五団体で、修業年限を超えて在籍する生徒からの徴収を行わなかったのは計三十五団体となり、本県は全国で見れば少数派と言えます。

 憲法で保障された教育の機会均等の精神、高校の準義務化というべき状況、また、教育は未来への先行投資であり、必ず社会に還元されるという考え方を踏まえれば、学び直しの生徒、さまざまな事情を抱えて就学する生徒への教育的配慮として、留年生、既卒者にも無償化の適用を拡大することが望ましいと思いますが、教育委員会の考え方をお聞かせください。

 準義務化という状況の中では、しっかりと卒業させ、卒業後の進路保障まで含めて対応していくことが求められています。現在、修業年限を超えて在籍するために授業料を徴収されている生徒の大半が通信制に集中していますが、定時制生徒も含め、卒業に導くためのきめ細かな学習支援が必要と考えていますので、今後の計画も含め、ご回答ください。

 ところで、特別支援学校に学ぶ生徒の一般就労を目指すための職業コースが四校に新規に設置されると聞いています。この四校と他校の格差が生じてはならないと考えますが、見解をお聞かせください。

 また、一般就労に向けた具体的な方策について、現段階での見通しと課題についてお聞かせください。

 先ごろ発表された「大分県公立学校教職員の人材育成方針」には、県立学校に在籍し、学校種に応じて教育活動を支援する教諭以外の職員の育成に関する記述がほとんどなされていません。豊かな教育の実現に向けては、こうした職員の専門性を高めていく観点での育成が不可欠と思いますが、教育委員会の考えをお聞かせください。

 学校司書については、十五年間、新規採用が行われていません。国として読解力の向上をうたい、義務制において図書館教育の充実に向けた施策を展開しています。読書を通しての厚みのある学力獲得こそが、学力向上対策となることは論をまちません。学力向上をうたいながら県立学校の図書館機能の充実を図らないことは理解に苦しみます。

 本県議会では、平成十七年第一回定例会において、学校図書館における専任司書教諭制度の確立を求める意見書を採択しました。専任司書教諭については国の情勢に変化がなく困難と思われますが、この意見書の趣旨を踏まえれば、県立学校における図書館教育の充実は大分県としての願いであり、少なくとも今在籍する学校司書の知職や経験を後の世代に伝達できる状況を持続的につくっていくことが必要です。

 そこで、今後の採用計画について考えをお聞かせください。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 お答えします。

 まず、留年者、既卒者の高校授業料についてです。

 昨年度から公立高校の授業料については原則徴収しないものとし、法律では、生徒間の負担の公平の観点から相当でないと認められる特別の事由がある場合は授業料を徴収できることとなっています。この特別な事由には、一度高校を卒業している生徒や標準修業年限を超えて在籍する生徒が該当し、これらについての授業料相当額は国の交付金の対象外となっています。

 こうした中、本県では、留年生や既卒者であっても、休学、留学、病気療養等のやむを得ない事情により留年した生徒や経済的に困窮している家庭の生徒については減免をしておりますが、そうした事情のない生徒の授業料は徴収することとしております。

 二つ目のご質問、定時制、通信制高校の生徒への学習支援についてです。

 定時制、通信制高校では、従来からの勤労青少年に加えて、転入、編入学者や不登校経験者など多様な入学動機や学習歴を持った生徒がふえています。

 県教育委員会では、生徒一人一人が自分の能力、適性や興味、関心、進路希望に応じ、自分のペースで学習できるよう、すべての定時制、通信制高校に単位制を導入し、また、負担軽減のため、授業料は月額でなく、一単位当たりとしております。

 学習がおくれている生徒や学校を休みがちな生徒に対しては、全教員による声かけや個人面談、学習相談など、きめ細かな支援を行っています。

 また、就職を希望する生徒にはキャリアサポーターを活用した就職支援を積極的に行い、その結果、定時制高校の就職内定率は年々改善しております。

 これからも、生徒一人一人が夢と希望を抱いて学校生活を送り、自己実現に向けて学ぶための支援を行ってまいります。

 次に、特別支援学校の生徒への就労支援についてです。

 一般就労を目指す生徒の希望を実現するためには、障害者雇用に対する企業の理解促進とあわせて、特別支援学校における職業教育の充実や就労支援体制の確立が必要です。そこで、生徒数が多くコース制の導入が可能な宇佐、南石垣、新生、大分の四校に平成二十四年度から職業コースを設置することとし、現在、各特別支援学校において準備を進めています。県教育委員会では、本年十月に就労支援アドバイザーをこの四校に配置し、商工労働部や福祉保健部とも連携して就労支援体制の強化を図っております。

 今後は、この四校の取り組みの成果を検証し、県内のすべての特別支援学校、労働、福祉等の関係者と情報共有する中で、一般就労に向けた支援体制の充実を図ってまいりたいと思っています。

 次に、教職員の育成についてお答えします。

 今回策定した「公立学校教職員の人材育成方針」は、小中学校、高等学校、特別支援学校に共通する課題を中心に取り上げ、それぞれの課題解決に向けての今後の方向性を取りまとめたものです。したがって、県立学校に勤務するすべての職について網羅したものとはなっていません。

 議員ご指摘のように、豊かな教育の実現に向けて、教育活動を支援している教員以外の職員の育成も重要であり、今後、学校長の意見も聞きながら、課題や問題点があれば、それぞれの職に応じた人材育成のあり方について検討してまいります。

 最後に、県立学校の学校司書についてです。

 学校図書館機能の充実は重要なことと考えており、特に学校司書については、既にすべての高校に配置しております。

 行政職員である学校司書については、学校職員としての業務のあり方や県立図書館との人事交流による人材育成など検討すべき課題もあります。

 今後、学校長の意見を聞きながら、これらの課題について十分な検討を加え、方向性を定めた上で、採用計画についても考えてまいります。

 以上です。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 ちょっと時間が押しておりますので、一点だけ再質問をします。

 授業料の徴収についてであります。

 今年度、授業料を徴収された人の大多数が通信制高校ということになっているわけですが、先ほどの答弁で、減免の措置もある、やむを得ない理由によった場合は減免することもあるということでありますが、通信制の場合、学費がかなり安いと思うんです。そういった意味から考えますと、先ほど来申しておりますように、高校準義務化という観点から、財政的な負担も軽くて済むんではないかと思いますので、予算確保の面から、通信制の無償化ということも頭に入れながら減免の緩和をされてはいかがかと考えますが、いかがでしょうか。



○志村学議長 野中教育長。



◎野中信孝教育長 先ほど答弁いたしましたように、この高校の授業料の無償化が導入されたときの法律、制度の考え方において、特別に配慮する理由なく在籍していたり、卒業している者がもう一度授業を受けるといったケースは、国の制度設計においても交付金の対象になっていないという考え方でございます。現在のところ、その考え方に従った対応をしていきたいというふうに考えております。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 それでは、五項目めです。五項目めは食育についてです。

 一人一人が食についての意識を高め、食を選択する力を身につけ、健全な食生活を送るため、食育の推進は重要です。また、食の大切さ、とりわけ成長過程にある子供に心と体をはぐくむ食の知識や食に関する心構えを教える食の学習、すなわち食育が求められています。

 宇佐市では、「食育推進計画食育体験ミュージアム」を作成し、県で登録したおおいた食育コーディネーターの方と連携を図りながら、市を挙げて食育に取り組んでいます。食材が豊富なこともあり、食イコール食育と考え、六次産業化とともに取り組みを進めており、県下でも珍しいのではないかと、先日の大分県食育推進会議委員さんの視察の際に話が出たと聞いています。

 県においては大分県食育推進計画を策定して食育に力を注いでこられましたが、県内どこの市町村に行っても同じ食育が受けられているのでしょうか。現状では、食育という言葉だけがひとり歩きをし、食育が余り進んでいかないのではないかとの指摘もあります。

 そこで、食育の課題と今後の推進方向について考えをお聞かせください。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 食育についてのご質問でございました。

 県では、平成十八年の三月でございますけれども、大分県食育推進計画をつくりまして、食育コーディネーターの育成だとか、あるいは食育人材バンクの創設など食育の土台づくりを行うとともに、市町村における食育の取り組みも指導してきたところであります。

 こうした取り組みの結果、近年、市町村では、小中学校で弁当の日を設けるなど家庭、学校における食育や、宇佐市の小麦づくり体験、佐伯市のブリ養殖体験といった生産者と消費者の交流など、地域ごとに特色のある食育が進められております。

 一方で、最近の食を取り巻く環境の変化から、不規則な食生活に起因する肥満、生活習慣病の増加や、伝統ある食文化の衰退、あるいは家族そろって食卓を囲む機会やコミュニケーションの減少による食事マナーの低下など、さまざまな問題が生じているところであります。

 こうした問題を解決するため、県では、本年三月に策定いたしました第二期の大分県食育推進計画を基本に、三つの取り組みを強化しております。

 一つ目は、望ましい食習慣や食事作法を身につけるべき学童、そして思春期や朝食の欠食率が高くなる青壮年期、さらには栄養が不足しがちな高齢期までライフステージに応じた切れ目のない食育を進めるということであります。

 第二期大分県食育推進計画の基本の二つ目は、生活習慣病予防等のための食環境の整備であります。ファミリーレストランやコンビニと連携をいたしまして、家計の三割を占める外食、中食をヘルシーなものにする取り組みを推進いたします。

 そして、三つ目は、どうも食育というのがよくわからないというご指摘もありますので、食育の見える化をやろうということにしております。食育が食生活から食文化、生産体験交流、環境の分野まで多岐にわたってきましたことから、県民にとってよりわかりやすい啓発と取り組みやすい環境づくり、いわゆる食育の見える化というのを推進していきたいというふうに考えております。

 今年度から、食育を県民運動にまで高め、県民一人一人が健全な食生活を実現できるように、県内食物栄養学科の大学生が中心となり食育の啓発を行う「おおいたWASHOKU運動」に取り組んでおります。

 なお、この運動には、議員の地元宇佐市で活発に食育活動に取り組んでおられる「生活工房とうがらし」を主宰する伝承料理研究家の金丸佐佑子さんに熱心なご指導をいただいておりますことを申し添えます。

 今後は、国や市町村とも十分連携を図りながら、食を通じた人づくり、地域づくりを行って、うまい、楽しい、元気な大分県の実現に取り組んでいきたいというふうに思っております。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 最後は、防災対策についてです。

 東日本大震災以降、防災に対する県民の意識は格段に高まっています。本県では、東日本大震災を踏まえた地域防災計画の見直しが行われていますが、私も危機管理対策特別委員として計画の中身については承知をいたしておりますが、一点だけ強く訴えたいことがありますので、あえて質問いたしました。

 東日本大震災や過去県内での台風等による災害の発生が予想された場合に出された避難勧告や指示に対する住民の反応は低調で、実際に避難する人は少なかったと聞きます。防災上一番大事なことは、人命を守ることです。避難指示などに従わないことは、単にみずからの命を危険にさらすことにとどまらず、避難の呼びかけ、誘導に当たる消防団員や自治体職員の命をも危うくします。幾ら万全な防災対策を確立したとしても、守るべき住民の意識が伴わなくては何もなりません。

 そこで質問ですが、災害時避難勧告、指示に対する県民の遵守規定、あるいは全国に先駆けた条例化をする考えはございませんか。



○志村学議長 照山生活環境部長。



◎照山龍治生活環境部長 災害時の避難勧告、指示の遵守についてお答えいたします。

 平成二十一年四月に制定いたしました大分県減災社会づくりのための県民条例では、「県民は、避難勧告等の発令があったときは、速やかにこれに応じて行動するよう努める」と規定されております。しかしながら、ご案内のとおり、東日本大震災の際、本県四市に発令されました避難勧告に従って実際に避難行動をとりましたのは、わずか一・八%の方々でございました。

 このため、東日本大震災の検証を踏まえまして、例えば、防災意識の向上に向けましては、多様な状況を想定した防災訓練や児童生徒の発達段階に応じました防災教育の実施、地域の核となる防災リーダーの養成など、そして、地域住民の迅速な避難につなげるためには、自主防災組織の役員が率先してとるべき避難行動を示すなど、具体的な避難対策を地域防災計画に明記して、人命を守ることを第一に考えまして、避難勧告等の実効性を高めてまいる所存でございます。



○志村学議長 尾島保彦君。



◆尾島保彦議員 実効性を高めるということでありましたが、住民の意識がやっぱり軽薄なんです。ですから、今後の防災計画にこういった住民の遵守規定といったような意識を高めることを明記する、そのことは大事だろうと思いますので、そのことを強く訴えながら、一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○志村学議長 以上で尾島保彦君の質問及び答弁は終わりました。油布勝秀君。

  〔油布議員登壇〕(拍手)



◆油布勝秀議員 皆さん、こんにちは。七番、自由民主党・無所属の会の油布勝秀でございます。

 本日、一般質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。また、傍聴席に来ていただきました皆さん、本当にありがとうございます。しっかり頑張りますので、今後の後押しもひとつよろしくお願い申し上げます。

 ぼちぼち眠たくなる時間ですが、耳をちょっと拝借したいと思います。

 それでは、一村一品運動について。

 本県の一村一品運動は、そのロマンあふれるすばらしいネーミングのもと、全国各地の地域づくりに大きな影響を与えました。国内だけにとどまらず、中国や東南アジアの国々や地域にその運動の輪が広がっています。ところが、近年、この運動が県内でしりすぼみとなり、特に県当局は全く関心がないように見受けられます。これは、合併前の五十八市町村から十八市町村への劇的な再編成によって地域関係が崩れたことも一つの要因でしょう。

 一村一品運動は、地域おこしの精神運動でもあり、地域間競争を巻き起こしたすぐれた事業でもありました。ところが、逆に地域が無理やりに苦し紛れのまちおこしに取り組み、大きな抑圧となってしまった大きな弊害も事実で、運動全体がしぼんでしまった原因と思われます。しかし、せっかく世界に広がっている運動でもあり、偉業をなし遂げた大分県がその精神を放棄することは余りにももったいない話です。

 知事は、一村一品運動をどう評価しているのか。また、このまま、なし崩しに消滅させてしまうのか、それとも、新たに発展的解消をして、次へのステップを講ずるのか、見解を伺います。

 それでは、対面で質問させていただきます。

  〔油布議員、対面演壇横の待機席へ移動〕



○志村学議長 ただいまの油布勝秀君の質問に対する答弁を求めます。広瀬知事。

  〔広瀬知事登壇〕



◎広瀬勝貞知事 ただいま油布勝秀議員からロマンあふれる一村一品運動についてご質問を賜りました。

 地方の時代の幕が上がろうとしておりました時期において、地方の元気を引き出す象徴的な取り組みとして一村一品運動は大きな成果をおさめたものと考えております。

 この運動には、地域を代表する特産品づくりと地域づくり・人づくりという二つの柱があったと思います。

 第一の柱は特産品づくりでございますけれども、麦じょうちゅうや関あじ、関さば、カボスなどの産品が全国に知られて、県民の自信ともなりました。

 しかしながら、二十一世紀の私たちを取り巻く情勢は、マーケットが全国、さらには世界へと広がって情報化が著しく進むなど、三十二年前とは大きくさま変わりをしております。

 このような時代にあっては、一つ一つが特色を持ったそれぞれの地域ならではの産品も大事ではありますけれども、視野を広げて、より付加価値の高いマーケット起点のものづくりに力を入れて、名実ともに全国、世界に通用する産業を振興しなければならないということだと思います。

 そのため、知恵を出し汗をかいてもうかる農林水産業の実現を目指して、戦略品目を絞り込み、生産者部会の統一や産地間連携を促進して、広域生産でロットを確保するザ・オオイタ・ブランドづくりを推進しているところであります。その結果、シロネギでは福岡市場の占有率が七六%、イチゴの「さがほのか」は京都市場の占有率が本場の佐賀よりも高い四一%を占めることになりまして、肝心の価格形成にも大きな成果を上げているところであります。全国的な規模で市場を考え、そしてまた、そのために県域全体で対応していくという時代になったんではないかというふうに思います。

 第二の柱、地域づくり・人づくりでは、自立自助の精神に基づいて県内各地に多くのむらおこしグループが育つという成果がありました。

 一方、近年の社会経済情勢は、人口減少やグローバル化の進展など、これまでの常識をはるかに超える速度で変化しておりまして、過去の延長線上で未来を予測することが困難になってきております。

 そのような中、本県の底力を維持、発展させるためには、当面する課題に柔軟に対応する専門性の高い人材が必要であります。そのため、これまで以上に、あらゆる分野において、あらゆる層を対象とした人材育成に力を入れていくことがますます重要となっておりまして、例えば、企業的農業者を育成する農業ビジネススクールや、地域商業のリーダーを育成する豊の国商人塾や、次世代の地域づくりリーダーを育成するツーリズム大学などを展開しているところであります。

 今後も、潮目にある時代の流れを注意深く読み解いて、夢と希望を持って心豊かに暮らせる大分県づくり、全国、世界に向けて挑戦する大分県づくりに努力していきたいと思っております。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 一村一品運動について幅広くお答えをいただきました。本当にありがとうございます。

 それでは、TPPについて。

 この問題については、私も長く質問を書いていますが、きのう河野県議、きょうは、今、尾島県議も質問されたことで、私も七月の議会で質問している関係、ちょっと短くやらせていただきます。

 特に農業という、一度崩壊すれば取り返しのつかない国の根幹にかかわる産業にきちんとした道筋をつけることなく協議を進めるなど、TPP参加には、私は強く反対を主張しております。

 そこでお尋ねします。

 農林畜産業が最も深刻な影響を受けると思っておりますが、県として農林畜産業を守る手だてをどう考えているのか、お伺いします。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 これまで国からの情報も少なくて、生産者や関係者の皆さんが大変不安を感じているわけでございます。ここに来てようやく、国民的議論をして進路を決める時期になったというふうに思っております。交渉に入るということになれば、当事者として、入手した情報をもとに十分議論を重ねて、国民が納得できる結論に至ってもらいたいというふうに考えております。

 交渉に当たっては、国益をしっかり主張することはもちろんですけれども、特に国内の農林水産業は、何といっても食料の安全保障を担う重要な産業でありますから、将来にわたって維持、発展が図られるようにしていくということが大事であります。TPPが、生産者の足を引っ張ることなく、国内の食料生産が成り立っていくような道筋をつけるということが大事だと思います。

 残念ながら、国内の農林水産業は、TPPの問題以前に、担い手の減少や高齢化、農地の減少などの課題を抱えておりまして、まさに危機的状況にあります。食料供給や地域社会、環境の維持に重要な役割を担っておる農林水産業を発展させる対策を講じていくということが大変大事な課題でございます。

 国におきましては、さきに決定した「食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」に一刻も早く取り組んでもらいたいというふうに思います。

 本県におきましても、まずは、競争力のある力強い農林水産業を構築していくということが重要であります。このために、生産の低コスト化、効率化や付加価値を高めるブランド化の推進に加えまして、中核となる経営体の確保育成など総合的に構造改革を進めるとともに、将来にわたって持続的な発展が図られるよう、もうかる農林水産業の実現に全力で取り組んでいかなければならないというふうに考えているところでございます。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 TPPについて、大変ありがとうございます。ご丁寧なご説明をいただきまして、ありがとうございます。

 それでは、次に、肉用牛の振興について。

 肉用牛経営は、リーマンショック以来、長引く景気の低迷で牛肉消費が冷え込み、東日本大震災で牛肉から暫定基準値を超える放射性物質が検出された問題等により枝肉卸価格の下落が続いており、飼料価格の高どまりとあわせて、肉用牛農家はかつてない厳しい経営を強いられております。

 こうした中、ことしの五月十九日には、県内の畜産農家を中心に約五百名が参加して、「これでいいのか豊後牛」をテーマに、生産者組織主催による初めてのシンポジウムが開催されました。

 宮崎、佐賀、三重県の各県から三名の講師を招き、県内畜産関係者を交えたパネルディスカッションでは、生産から流通に至る諸課題やブランド化、消費者ニーズ、種雄牛の活用法など、さまざまな角度から豊後牛の価格を向上させるためには何が必要なのか、歯にきぬ着せぬ活発な議論が交わされました。

 私も参加して討論を聞いておりましたが、県外のパネリストから本県の子牛の価格低迷の要因として飼養管理の甘さや豊後牛の広報活動の弱さなどを指摘され、毎朝五時に起きて繁殖牛や子牛の育成に頑張っている肉用牛農家の一人として、内心、じくじたる思いでありました。

 最近、ようやく子牛価格の方は一時の落ち込みから脱したものの、本県の肉用牛生産は担い手の高齢化や後継者不足が深刻な問題であり、さらにはTPP交渉参加に向けた協議入りが表明されるなど、畜産を取り巻く状況は今後ますます厳しくなるものと思われます。しかしながら、このようなときこそ、我々生産者も、より品質の高い豊後牛の生産に向け努力しなければならないと考えていますので、県としても、苦労している肉用牛農家のために、その振興に、より一層取り組んでいただき、豊後牛のブランド力を高めてもらいたいと思います。

 そこで、今後の肉用牛の振興について県の考え方を伺います。



○志村学議長 広瀬知事。



◎広瀬勝貞知事 ただいま、五月に開催された「これでいいのか豊後牛」というシンポジウムのお話がありました。行政として対応しなければならないご指摘も多々あったような気がいたします。謹んで伺わせていただいたところであります。

 肉用牛の生産は本県農業を支える重要な柱であることから、これまでも飼養規模の拡大とか、あるいは企業参入による生産基盤の強化に加えまして、豊後牛のブランド力を高める流通販売対策に取り組んできたところであります。

 その結果、この五年間で繁殖雌牛五十頭以上の飼養農家は六十戸から九十七戸に増加をいたしまして、肥育牛は、県内食肉業者や県外からの異業種参入等により一万一千七百頭から一万四千六百頭へ二千九百頭の増頭が図られるなど、経営規模の拡大が着実に進展してきたところであります。

 また、豊後牛の販売促進のため十九年度から開始いたしました「The・おおいた豊後牛」取り扱い認定店制度では、県内外の小売店や旅館、飲食店百五十七店舗を認定したところであります。

 しかしながら、肉用牛を取り巻く環境は依然厳しいものであります。特に肥育では、安愚楽牧場の経営破綻等によりまして、今後四千頭以上の減少が危惧されて、地域経済への影響も懸念されるところであります。

 このような状況を打破して、肉用牛農家の経営安定を図るためには、豊後牛の増頭はもとより、品質をより一層高めて、販路拡大を推進する取り組みが重要であると考えております。

 第一に、繁殖対策でございますけれども、本年度から優秀な若い繁殖雌牛の導入に助成をするとともに、生産された子牛の疾病予防や発育向上に効果のある初乳製剤の導入等を支援して、市場出荷子牛の品質向上に取り組んでいます。

 また、新たな種雄牛、種牛づくりにつきましては、多様化する消費者ニーズに対応するため、生産者や県外の有識者等による検討委員会で熱心な議論を交わしてまいりました。先般、これまでの霜降り重視の牛肉から、うまみ成分等のおいしさにも視点を置いた種雄牛の造成方針を決定したところでありまして、生産者と一体となって次世代種雄牛の造成に取り組みます。

 第二に、肥育対策でございますけれども、規模拡大のための施設整備や肥育素牛の導入を引き続き支援するとともに、空き牛舎等の遊休施設を活用した豊後牛の増頭対策に取り組みます。

 第三に、流通対策でございますけれども、上質肉の選抜出荷やうまみ成分であるオレイン酸含有量を指標にした有利販売に取り組むとともに、大阪や福岡を中心に県外市場への定時定量出荷体制を整備し、豊後牛の知名度向上を目指します。

 この定時定量出荷体制もまだできていない状況でございますので、とにかく流通対策の基本として、こういったあたりも十分に体制を整えていかなきゃいかぬと思っております。

 また、牛肉の国内需要は消費の回復が不透明であることから、今後は輸出を視野に入れながら、和牛肉に対する潜在的な需要開拓を進める具体的な方策を探ってまいります。

 TPPでは畜産が大きな影響を受けると予想されておりまして、まずは国が対策を強化する必要がありますけれども、県としてもこうした取り組みによりまして、意欲ある農家が安心して経営を続けられるよう肉用牛の振興に努めていきたいと思っております。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 非常に厳しい折ではありますが、今、知事から、いろいろな、各方面含めてご説明ありました。しっかり畜産農家の皆さんと一緒に挽回したいというふうな思いであります。どうぞ今後とも、そういうふうな含みを持ちまして、よろしくお願いいたします。

 それでは、大分市の産業廃棄物最終処分場建設について質問いたします。

 私は、七月の第二回定例会において、大分市戸次地区に建設計画がある産廃処理場建設計画に強い反対の立場から質問をさせていただきました。

 県側は、「大分市と大分県廃棄物処理計画推進協議会を設置し、最終処分場の建設に関しても協議する」と答弁しておりますが、現在、同協議会ではどのような話し合いが行われているのか、経過を説明願います。

 また、今後五年間の設置を抑制するという整備方針を県廃棄物処理計画に盛り込んでおり、これらを忠実に実施するよう市町村を指導すべきだと思いますが、県としての考え方を伺います。



○志村学議長 照山生活環境部長。



◎照山龍治生活環境部長 大分市の産業廃棄物最終処分場建設についてお答えいたします。

 県と大分市は、七月八日に協議会を設置して、これまで四回開催いたしました。

 協議会では、大分市も県計画の整備方針に沿って事業者を指導していくことを確認し、市は、来年度、県計画の整備方針を踏まえて、市の指導計画を策定することとしております。

 戸次地区の計画につきましては、事業者が平成二十年八月から市の要綱に基づいて廃棄物処理法の許可申請に先立つ事前協議を行っていますが、昨年十月に行った市の指摘事項に対する改善がいまだなされていないため、協議は長くとまっております。

 県は個々の許認可につきまして大分市を指導する立場にはございませんけれども、戸次地区の計画についても、大分市は整備方針に沿って慎重に対応していくものと考えております。

 今後とも、この協議会において県と市がしっかり話し合い、議員ご指摘の整備方針の考え方に基づいて、連携して県全体の産業廃棄物処理施設の整備に取り組んでいく所存でございます。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 この産業廃棄物の件につきましては、十一月二十七日の夜、反対運動の総決起集会といいますか、松岡、下流にある高田の方から千二百名の方が集まって、大南公民館に入り切らなかったです、集まってきたのが。地元の大南地区から集まって。

 そのような状況の中で、行政がもちろん反対すれば一番もうできないんですけれども、水俣病で大きな産廃ができるということで、そこでいろいろ苦しんだ坂本さんという女性の方、年配者の方、八十幾つですけれども、の講演を聞きながら、やはりこの反対運動がいかに大事か、私はそれをしみじみ感じました。

 それを見ながら、あの大野川流域からこの戸次側に、今こっち手前側には、米良地区にはたくさん産廃ができております。戸次側にできたら、もう皆さんご存じのとおり、吉野と戸次、農免ができるんです。もう格好いい産廃の捨て場がいっぱいあるわけでございまして、産廃場ができ上がると、次々、大分市が判をつきそうでございますので、できれば、しっかり私は県の方から、高次元から反対のご指導をしていただきたい、こういうように思っておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 それでは、捜査対応について。

 被害届の受理についてですが、きょうは被害者の方が傍聴に来ております。よろしくお願いします。

 弱い県民にとって警察は、信頼に足りるところでなくてはなりません。

 かつて警察は、「事件が起きなければ動かない」と言われてきました。犠牲者を出すことなく未然に防止できた事件が、その警察の判断ミスや不作為によって、殺されなくてよい人が殺されたりするなど、痛ましい大きな犠牲が払われてきたことは周知の事実であります。つまり、警察は、防犯活動をないがしろにしてきたと言えます。その反省の上に立って現在は、県民本位の警察行政が展開されているものと認識していたのであります。

 先般、談合の持ちかけに対して、断固として拒否し、自主入札で落札したがゆえに、「別府湾に沈めるぞ」「金を持ってこい」との脅迫を受けた被害者が警察に被害届を提出しました。しかし、警察はこれを受理しなかったため、この被害者は告訴に踏み切り、ようやくこの告訴状だけは受理されたのであります。ただ、その後も捜査は積極的に行われていないと聞いております。

 捜査というものは、着手の時期を失えば立件が難しくなることは周知のことであります。現に加害者は、落札できなかったことで、土木事務所に対して嫌がらせをしていると聞き及んでおります。警察が当初から積極的に捜査に着手していれば、このような問題は起こらなかったのではないでしょうか。警察は、小さな事件でも大きな事件に発展していくとの危機意識を持って真摯に捜査に努めてほしい。決して、面倒くさがり、事件化を回避するということがあってはならないのであります。

 そこで質問いたします。

 今回の事件のように、被害者が警察に対して被害届を出そうとしているのにもかかわらず、警察が受理しないということが頻繁にあるのかどうか。また、被害届を受理しないのは、どういう意図があってしなかったのか、お聞きします。



○志村学議長 太田警察本部長。



◎太田滋徳警察本部長 被害届の受理についてのお尋ねでございます。

 被害届の受理につきましては、国家公安委員会規則であります犯罪捜査規範第六十一条第一項に、警察官は、犯罪による被害の届け出をする者があったときは、これを受理すべき旨、定められておりまして、この規定にのっとって運用しているところであります。

 被害の届け出、告訴などを受ける際には、捜査の端緒となるものでありますので、慎重の上にも慎重を期すべきことを指導しております。

 また、一般論ではありますが、被害の届け出の意思が不明確であったり、最終的に相談事案としての処理を望まれた場合や、届け出人の方のご説明から犯罪構成要件に疑問がある場合には、被害届の受理を保留する場合もございます。

 以上でございます。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 何か理解できん。捜査を行ったということであります、ということですね。

 被害者が私を訪ねてきたときは、「談合の話を聞かないで落札したところ、別府湾に沈める、殺すぞと脅されたんです。どうか助けてくれへんやろか。怖くて、晩も夜も寝られない」と。そして、ちょうど議会中でありましたので、警務課の警視の−−−−さんに事情を説明し、被害者を中央警察署に行かせるので、事情を聞いてほしいと依頼したのです。ところが、被害者が中央警察署に二、三回出向き、「助けてください」と、工事の落札後の経緯、会社の事務員が電話で脅された事実、会社に電話で脅迫されたテープなどを提出し、被害届の受理をお願いしたけれども、事件にするかしないか考えてみると言って、被害届は受理されなかった。

 被害者の話では、事情聴取をする刑事が頭から事件化する気持ちがなく、簡単に事件にはできないみたいな話を被害者にして、被害届を受理しなかったと私は聞いております。そのため、その期間中、相手の業者が、工事現場付近でありましたので、あらゆる因縁をつけたり、七月中旬に落札した工事が七月下旬着工まで、これが九月の末、十月のかかりころ着工となった。

 私は、中央警察署が被害届を受理してくれないので、中央署の署長である−−−−−氏に捜査の経緯を聞いたところ、−−−−さんからはそんな話は全く聞いていないと。私が言ったのに。刑事官が事件にすると言わないなら、事件にすると言って、全く最高責任者としての責務を果たす話をしないのであります。私は、その後、その署長に、無責任な言動にあきれ返りました。

 被害者に「被害届を出しても受理しないのであるなら、告訴するように」と言って説明して、告訴をしたのであります。

 私も、県民を代表して警察にお願いしたのでありますから、もう少し真摯に受けとめて仕事をしてくれてもいいんじゃなかろうか、このように思います。このようなやり方は、私に私的な感情を持って被害届を受理しなかったのかと思わずにはいられません。

 このような話を聞いて、本部長、どう思いますか、一言。



○志村学議長 太田警察本部長。



◎太田滋徳警察本部長 仮に警察の捜査が県民の皆様にご心配をかけたり、それから、ご不快の念をお与えしたとするならば、それは申しわけないことだというふうに思います。

 しかしながら、捜査は秘匿が原則でありまして、ただいまの個別、具体的な事案について、これまでの経緯であるとか、それから現在の捜査であるとか、私自身のこの個別事件に関する感想をこの公開の場で公言するということについては、捜査の性質上、また、この大分県内で第一次捜査権を有する捜査機関の長として適当なものではないと考えますので、お答えは差し控えさせていただきたいというふうに思います。当初の言葉でご理解をいただきたいと思います。

 以上でございます。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 大体、わかったような、わからんような。

 今度は、私の選挙に対する選挙妨害について質問します。

 私の今回の県議会議員選挙は、前回落選という空白後の選挙ということで、率直に申しますと、非常に厳しい選挙戦であったと認識しています。

 前回の選挙活動中に私の支持者から、選挙違反の取り締まりにやってきた県警の捜査員が「油布を当選させてはいけない」などと、明らかに選挙妨害と思われる言動があったことを聞き及んでいます。その捜査員の真意はどこにあるのか、はかりかねるのでありますが、これは、私が県警の捜査費流用を追及したことに対し、一部の県警の職員が私の意図を誤解し、私に対して個人的な恨みを持ち、私を落選させようとした報復的な選挙妨害であると思っています。組織が一丸となって選挙妨害をしたとは思いたくありませんが、私的な感情を持って権力を乱用することについては非常に問題があると認識しています。

 警察本部長に伺います。

 これまでの県議会議員選挙に際し、特定の候補者に対し選挙妨害と思われるような捜査を指示したことがあるのかどうか、伺います。



○志村学議長 太田警察本部長。



◎太田滋徳警察本部長 選挙違反の取り締まりについてのお尋ねでございます。

 お尋ねのような指示を行ったことは、私はございません。

 以上でございます。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 はい、わかりました。

 この件については、私の方も名前を聞いております。警察の方で浄化できないことがたくさんあります。公安委員会の方に名前を出して事を進めてまいりたい、このように考えております。よろしくお願いします。

 それでは、捜査費について。

 私は、平成十七年三月定例会の総務警察委員会において警察捜査費の不正流用について追及し、警察本部長に対し組織の浄化をお願いし、あわせて、この問題の徹底的解明を進めるため、東京地検への告発をも準備していたところ、警察のOBから、告発するまでもなく警察は自助努力で浄化できるはずであるから、全国的に大分県警の恥を知らしめるようなことはやめてほしいと強く懇願され、組織自身の浄化作用に期待し、告発を断念したのであります。しかし、その後の県警の対応は、私が平成十九年の県議会議員選挙に落選し、議員活動に空白期間があったせいか、今日まで全く期待を裏切るものとなっています。

 特に、本年春の定期異動で、その当事者である警視が、将来の警察を担う警察官を育成するという、警視の最高峰のポストに上り詰めているのであります。

 私の調査した限り、この警視は、平成十一年四月から平成十三年二月の間、警備第一課企画官として在職中に、捜査費の中から、一部、約三千万円近くの金額を個人的に着服し、横領しているのであります。このような者が県警の将来の治安を担う警察官の育成に携わっていること自体、ゆゆしき問題であると思います。なぜこのような人事がまかり通るのか。

 この問題では、当時、警備第一課長であり、退職時の刑事部長が引責辞任したという経緯がありますが、学校長が何らの責任をとることなく現在の地位にあることについて、警察部内の者は、「こんな悪いことをしている、人間的にも問題がある者が最高幹部でいて、下の者が、ばからしくて、仕事をやってらるるか」という声のあることを知っていますか。本部長の見解を聞きます。



○志村学議長 太田警察本部長。



◎太田滋徳警察本部長 県警察の人事についてのお尋ねであります。

 一般的に人事配置につきましては、その者の能力や実績等を総合的に評価して、適材適所の配置を行っているところであります。

 今春の人事異動につきましても、警視以下の階級にある者については私の専権において行い、現在までのところ、本年、各級幹部がそれぞれの分野で成果を上げていただいているというふうに考えています。

 また、今のご質問の中に捜査費の支出に関するお話がございました。

 平成十六年当時、捜査費に関する証拠書類の精査を行うとともに、関係者に対する聞き取り調査を行うなど可能な限りの調査を行った結果、捜査費の不適正な支出は確認されず、そのような事実はなかったということで承知しております。

 以上でございます。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 その当時の私の書類の一部をきょう持ってきております。そんなこと、なってません。私が以前、東京地検に告発しようとした書類の一部をきょう持ってきております。

 そして、もう最後、時間がないから、私も大分県の人間です。大分を、大分県を愛しています。悪いですけれども、大分県警も愛しています。だけれども、やはり九九・九九%の中で、県民のため、一命を賭して日夜努力していることも十分私は知っております。しかし、警察の組織はこのような社会で、上、下の関係が最も厳しいのであります。どんな優秀な警察官でも、一人の幹部からつけられた勤務評定で大分県警の勤務評価とされているのです。一回つけられた勤務評定は、在職中、評価の材料とされ、重要なポストに在職中つくことはありません。そういった組織だけに、上司が間違った行動や違法行為をしても、部下は、それを注意することや意見を述べることはできないのです。上司に悪いことをした者がいて、その者の言う命令を素直に聞く部下はいないと思います。警察官が正しく素直に仕事をしていただけないと、困るのは県民だと思います。ですから私は、こういった不祥事の警察官は、幹部だからといって居直って警察に残るんではなく、早急に辞職すべきだと思います。

 今後は、公安委員会を通じて調査をお願いしようと思いますが、警察は、いつでも正義であってほしい、みずから過ちについては素直に襟を正してほしいと思います。

 この問題については、心を痛めたOBがたくさんおります。本部長、多くの警察官が心配して、正常化を願っていることを知っておりますか。

 このようなことで、私は、今後、質問していく中で、ちょっと公安委員長、あなたに、この問題について、調査するかしないか、質問したいです。よろしくお願いします。



○志村学議長 平松公安委員長。



◎平松徹夫公安委員長 お答えします。

 ただいま警察本部長が申し上げたとおり、当時の調査結果では、捜査費の不適正な支出は確認されず、そのような事実はなかったものと承知しております。

 当委員会としましては、改めて調査を行う必要はないものと考えております。

 ただし、今後、新しい事実が出てきた場合には、事務局へ審査をするよう命じたいと思います。



○志村学議長 油布勝秀君。



◆油布勝秀議員 警察と仲いいところは、よくご存じでありますが、私の方で、悪いですけれども、架空の領収書や金額など書いたやつ、何十枚も書いたやつが、全部ここにあります。それを持って公安委員長のところに、参考人、関係者、そしてマスコミの方、みんなを連れてお願いにあがりたい、このように思っておりますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)



○志村学議長 以上で油布勝秀君の質問及び答弁は終わりました。

 お諮りいたします。本日の一般質問及び質疑はこの程度にとどめたいと思います。これにご異議ありませんか。

  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕



○志村学議長 ご異議なしと認めます。

 よって、本日の一般質問及び質疑を終わります。

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○志村学議長 以上をもって本日の議事日程は終わりました。

 次会は、明日定刻より開きます。

 日程は、決定次第通知いたします。

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○志村学議長 本日は、これをもって散会いたします。

     午後三時四十分 散会