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熊本県 水俣市

平成29年3月第1回定例会(第3号 3月 8日)




平成29年3月第1回定例会(第3号 3月 8日)





 



       平成29年3月第1回水俣市議会定例会会議録(第3号)





平成29年3月8日(水曜日)


                 午前9時29分 開議


                 午後2時29分 散会


 (出席議員) 16人


福 田   斉 君       小 路 貴 紀 君       桑 原 一 知 君


塩 ? 達 朗 君       田 口 憲 雄 君       藤 本 壽 子 君


? 岡 朱 美 君       田 中   睦 君       谷 口 明 弘 君


? 岡 利 治 君       牧 下 恭 之 君       松 本 和 幸 君


中 村 幸 治 君       岩 阪 雅 文 君       谷 口 眞 次 君


野 中 重 男 君


 (欠席議員) なし


 (職務のため出席した事務局職員) 5人


事 務 局 長 (岩 下 一 弘 君)   次     長 (岡 本 広 志 君)


主     幹 (深 水 初 代 君)   参     事 (前 垣 由 紀 君)


書     記 (上 田   純 君)


 (説明のため出席した者) 16人


市     長 (西 田 弘 志 君)   副  市  長 (本 山 祐 二 君)


総合政策部長  (緒 方 克 治 君)   総 務 部 長 (本 田 真 一 君)


福祉環境部長  (川 野 恵 治 君)   産業建設部長  (関   洋 一 君)


総合医療センター事務部長


        (久木田 美和子 君)   総合政策部次長 (水 田 利 博 君)


福祉環境部次長 (高 沢 克 代 君)   産業建設部次長 (城 山 浩 和 君)


水 道 局 長 (山 田 雅 浩 君)   教  育  長 (吉 本 哲 裕 君)


教 育 次 長 (黒 木 博 寿 君)   総合政策部政策推進課長


                              (梅 下 俊 克 君)


総務部総務課長 (緒 方 卓 也 君)   総務部財政課長 (設 楽   聡 君)


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〇議事日程 第3号


      平成29年3月8日 午前9時30分開議


第1 一般質問


1 ? 岡 朱 美 君  1 就学援助金制度について


             2 水俣環境アカデミア事業について


             3 NHK大河ドラマ「西郷どん」の効果によるさらなる観光入込客獲得について


2 小 路 貴 紀 君  1 平成29年度施政方針及び予算について


             (1)観光振興について


             (2)水俣病問題への取り組みについて


             (3)水俣川河口臨海部振興構想事業について


             2 再生可能エネルギーを中心とした電力の供給について


             3 小・中学校の現状と課題について


3 野 中 重 男 君  1 水俣病について


             2 市庁舎建設について


             3 水俣歴史民俗資料館の設置について


        ──────────────────────────


〇本日の会議に付した事件


 議事日程のとおり


        ──────────────────────────


                               午前9時29分 開議


○議長(福田 斉君) ただいまから本日の会議を開きます。


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○議長(福田 斉君) 本日の議事は、議席に配付の議事日程第3号をもって進めます。


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◎日程第1 一般質問





○議長(福田 斉君) 日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。


 順次、質問を許します。


 なお、質問時間は、答弁を含め1人70分となっておりますので、そのように御承知願います。


 初めに、?岡朱美議員に許します。


  (?岡朱美君登壇)


○(?岡朱美君) おはようございます。


 日本共産党の?岡朱美です。


 ことし1月、NHKのサキドリという番組に当市のお茶農家の方お二人をメインに商店街の若手経営者、そして市の職員も出演されました。水俣病被害者と交流する中で、周りも自分も幸せになるには何を大切にしたらよいのか模索する中、今のお茶ができ上がったこと、そして安心安全なお茶をふんだんに使って商店街のケーキ屋さんが新しい商品を開発されるなど、思いを共有するネットワークが、海で仕事をする人にまで広がっているという内容でした。


 このグループで開発した水俣の恋路ガキの缶詰を調理しながら、ケーキ屋さんが言われた一言に私はとても共感を覚えました。「みんながもうからないと自分のケーキも買ってもらえない。だから、周りの人がもうかるために協力できることはしたい。」今、深刻な格差社会が広がっています。その原因は、この考え方を忘れてしまっているからだと私は考えています。


 NHKスペシャルマネーワールドという番組が3回シリーズで放映されました。その中で、世界の上位62人の資産が下位36億人分の資産と同じで、アメリカではこれら億万長者が、巨額の献金で政治家を動かしていると解説されていました。また、タックスヘイブンを利用した課税逃れ対策は、先進国首脳会議が取り組みべき共通の課題となっています。このようにお金持ちが得をするような仕組みがある限り、格差は一向に縮まりません。


 税金がふえなければ社会保障も教育も行き届かなくなり、すさんだ社会になります。賃金が上がらなければ、消費マインドは起きません。物はどんどん売れなくなり、いつかお金持ちにもしっぺ返しがくるのではないでしょうか。


 格差社会のしわ寄せは弱いところほど早くあらわれます。地方の停滞はもう随分前からです。そのような中で、活路を見い出しつつあるのが、NHKが取材した水俣の若手グループの取り組みであり、番組名のとおり、まさに「サキドリ」ではないかと私は感じました。これに続く方々がどんどん育ってくれることを願うとともに、本来、富の偏りをコントロールするのは政治の役目であり、今こそ、その政治力を発揮させるときである。決意を込めまして、以下質問に入ります。


 1、就学援助金制度について。


 ?、就学援助金支給の目的と根拠法は何か。また、これに基づき就学にかかわるどのような項目が補助対象となっているか。


 ?、水俣市における準要保護世帯の認定基準はどのようになっているか。また、これにより世帯収入がどれくらいまでの人が対象になるのか。


 ?、現在、小中学校それぞれが入学準備品として案内をしているものには、どのようなものがあり、その金額は平均どれくらいか。


 ?、制度の利用については、申請主義がとられている。制度があることを知らせるために市としてどのような方法をとっているか。また、申請後、最初に援助金が受け取れるのはいつか。


 2、水俣環境アカデミア事業について。


 ?、水俣環境アカデミア設置の目的は何か。その目的を遂行するためにどのような組織づくりをしているか。


 ?、開設して1年になるが、これまでどのような取り組みが行われ、参加者の反応はどのようなものだったか。


 ?、開設記念シンポジウムでテーマとなった持続可能な開発目標(SDGs)とは何か。この取り組みに対する日本の姿勢はいかがか。


 3、NHK大河ドラマ「西郷どん」の効果でさらなる入込客獲得について。


 ?、観光入込客獲得を目指した平成29年度の重点施策は何か。


 ?、水俣は西南戦争の戦場になったが、史跡として扱われていない。西郷どんの影響で西南戦争に関心を持つ人がふえると予想されるが、水俣のかかわりを見える化し、観光客の誘致に生かす考えはないか。


 以上、本壇からの質問を終わります。


○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。


 西田市長。


  (市長 西田弘志君登壇)


○市長(西田弘志君) ?岡朱美議員の御質問に、順次お答えします。


 まず、就学援助金制度については教育長から、水俣環境アカデミア事業については私から、NHK大河ドラマ「西郷どん」の効果によるさらなる観光入込客獲得については産業建設部長からそれぞれお答えします。


○議長(福田 斉君) 就学援助金制度について、答弁を求めます。


 吉本教育長。


  (教育長 吉本哲裕君登壇)


○教育長(吉本哲裕君) 初めに、就学援助金制度について、順次お答えします。


 まず、就学援助金支給の目的と根拠法は何か。また、これに基づき就学にかかわるどのような項目が補助対象となっているか、との御質問にお答えします。


 就学援助制度は、経済的に困窮している保護者の負担を軽減し、義務教育の円滑な実施に資することを目的として、学校生活に係る経費の一部について補助を行うものです。


 根拠法としては、学校教育法第19条に、経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童または学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならないと規定されています。


 本市が補助しております就学援助費の項目としましては、学校給食の給食費のほか、児童・生徒が学校で使用する文具やシューズなどを購入するための費用として学用品費、社会科見学旅行や集団宿泊教室に必要な費用としての校外活動費、定期健康診断で指摘された虫歯や結膜炎、中耳炎等を治療するための医療費等があります。そのほか、小学校6年生と中学校2年生には修学旅行費が、新入学児童生徒には、制服やかばん、靴などの費用の一部を補助するものとして新入学児童・生徒の学用品費を支給しております。


 次に、水俣市における準要保護世帯の認定基準はどのようになっているのか。また、これにより、世帯収入がどれくらいまでの人が対象になるのか、との御質問にお答えします。


 就学援助制度では、生活保護に認定されておられる世帯を要保護世帯、生活保護費を受給するまではないが、要保護に準ずる程度に困窮していると認められる世帯を準要保護世帯としております。


 準要保護世帯の認定基準につきましては、本市では、ほかの多くの市町村と同様に、生活保護費の認定基準を準用し、生活保護認定基準額の1.3倍以下の世帯を準要保護世帯として認定しております。準要保護世帯と認定される世帯の収入額につきましては、認定基準額は、世帯を構成する人数や年齢、住居は持ち家か借家か等により異なります。例として、夫婦ともに30代、小学校5年生の子どもが1人、借家にお住まいの3人世帯を今年度の認定基準で計算しますと、世帯の総収入から社会保険料を差し引いた金額が、354万4,980円未満であれば、準要保護世帯として認定となります。


 次に、現在、小中学校それぞれが入学準備品として案内しているものにはどのようなものがあり、その金額は平均どれぐらいか、との御質問にお答えします。


 新1年生となる小・中学生の保護者説明会で、入学時にそろえていただきたいものとして保護者に案内した内容を見ますと、小学校では、体育服、上履き、体育館シューズ、鉛筆やクレヨン・はさみなどの文房具、鍵盤ハーモニカ、算数セット、絵の具セットなどのほか、標準服を指定している学校では標準服がありました。中学校では、制服、通学かばん、上履き、通学靴、サブバック、夏用と冬用の体育服、体育館シューズなどがありました。平均金額につきましては、男女間で若干の差がありますが、標準服を指定している小学校の男子で平均4万円程度、女子で平均4万3,000円程度、標準服を指定していない小学校では男女ともに、平均2万円程度となっております。中学校では、男子で平均7万3,000円程度、女子では平均9万4,000円程度となっております。


 次に、制度の利用については申請主義がとられている。制度があることを知らせるために市としてどのような方法をとっているか。また、申請後、最初に援助金が受け取れるのはいつか、との御質問にお答えします。


 就学援助制度の周知の方法につきましては、新入学児童生徒の保護者に対しましては、各小中学校で開催しております新入学児童・生徒保護者説明会で案内しております。既に制度を御利用いただいている世帯につきましては、新年度分の申請書を、学校から2月にお渡ししております。そのほか、毎年2月の市広報誌でお知らせするとともに、民生委員児童委員研修会で就学援助制度についての説明をさせていただき、対象となる可能性があると思われる世帯への周知をお願いしているところです。


 就学援助費の支給につきましては、新入学生は入学後に申請書を提出していただき、認定審査を行った後、学校を通じて、振込口座を確認するための振込依頼書等の必要書類を保護者に提出していただきますので、年度当初の支給は、5月末から6月初旬ごろとなっております。


○議長(福田 斉君) ?岡朱美議員。


○(?岡朱美君) 制度のあらましについて、丁寧に説明をいただきました。


 2回目の質問に入らせていただきます。


 憲法第26条は、ひとしく教育を受ける権利と教育を受けさせる義務、義務教育の無償を規定しています。しかし、義務教育無償の範囲は現在授業料と教科書のみとなっており、それ以外のさまざまな必要経費については、保護者が負担を負わなければなりません。そのため、家庭の経済状況によってひとしく教育を受ける権利が損なわれないように就学援助制度がつくられました。


 そして、御答弁ありましたように、これについては学校教育法で市町村が責任を負っています。どういった項目が対象になっているか御答弁いただきました。その中で、新入学児童生徒の学用品費という項目がありました。新1年生の入学説明会に行きますと、入学前にこういったものをそろえてくださいということでリストを渡されます。中学校の場合、男子制服3万8,000円、女子制服6万3,800円、通学靴3,500円、上履き1,100円、かばんとサブバッグ1万2,500円、体育用品が1万7,300円、通学用のシューズ以外は全て学校指定のものです。


 これらを合計しますと、教育委員会のほうで先ほど調べていただいたとおり、小学校でその平均が4万から4万3,000円、標準服のないところでは2万円程度、中学校になりますと男子7万3,000円、女子9万4,000円ということです。


 先ほど、どれくらいの所得水準の方が就学援助を支給されるのかという問いに、世帯の総収入が354万4,980円未満というお答えでした。これを月々の手取り額にするとおよそ23万円くらいになるかと思います。子どもがいる御家庭でいろいろ出費がある中、急に9万4,000円もの出費はとても大きいです。それで、就学援助があるわけですけれども、では実際に入学準備のために支給される額が現在、幾らかといいますと、小学校では2万470円、中学校は2万3,550円です。実際にかかる金額と支給額が余りに乖離しているのではないかということを私ども日本共産党の国会議員が問題にいたしました。文科省もこれを認めて、来年度から金額がかなり改善をされたと思います。


 そこで水俣市の対応をお聞きします。要保護者については生活保護費の中から国の基準どおり支給されると思います。準要保護者については、一般財源化がされており、認定基準や単価については自治体の裁量に委ねられております。水俣市におきましては、準要保護の方についても見直しをされる予定があるのか。あるとしたら、いつから、また具体的な金額はどのようになるのでしょうか、これが1点目の質問です。


 そして次に、この制度には実はまだ欠陥があります。制度が申請主義であることと、支給の時期についてです。


 申請主義ということは、中にはこういう制度を知らない方もいて、必要なのに受けていないというケースもあるということです。しかし、この点については、私も3人子どもを学校卒業させておりますけれども、水俣市はとても丁寧に周知をされているというふうに思っています。


 問題は支給の時期です。先ほど答弁いただきましたように就学援助金は、入学後に書類を出し、その後審査を経て、実際に振り込まれるのが早くて5月の末になります。しかし子どもたちは4月初めの入学式までに全ての物品をそろえて登校しなければなりません。このことについて何とかならないのかという声が上がり、改善する自治体が出てきました。


 西日本新聞によりますと、福岡市は、昨年度から3月中の支給を始めており、熊本市、長崎市も2017年度から実施する予定だということです。


 そこで2つ目の質問です。水俣市もこうした動きに倣って入学準備金については前倒しで支給をするお気持ちはないでしょうか。


 以上、2点お願いいたします。


○議長(福田 斉君) 吉本教育長。


○教育長(吉本哲裕君) ?岡議員の2回目の質問でございますが、就学援助金の支給額の見直しをする予定があるのかと、予定があるとすれば、それはいつからか。また、具体的な金額等についてのお尋ねが第1点。支給の時期について、前倒しでできないのかというのが第2点ございましたけれども、就学援助における新入学児童生徒の学用品費等の国の補助単価につきましては、文科省から平成29年1月30日付の事務連絡で増額へ改定した予算案が示されております。準要保護児童生徒につきましては、国の補助単価をもとにこれまで市が支給額を定めておりますので、今回の国の予算が確定し次第、その単価を参考として、平成29年4月から市の支給を見直したいと考えております。


 具体的な額につきましては、国の予算額に準じますと、小学生で4万600円、中学生が4万7,400円となります。


 それから、2点目の支給の前倒しにつきましては、新入学児童生徒の学用品費に限って、3月に支給を行っている、そういった自治体が既にございます。県内でも14市のうち2市が取り組みを始めており、今後導入する自治体がふえるものと思われます。また、国の補助金も入学前の年度の支給を補助対象とするよう現在検討されており、本市におきましても実施に向けての検討を進めてまいりたいと、そのように考えております。


○議長(福田 斉君) ?岡朱美議員。


○(?岡朱美君) 前向きな御答弁をいただきました。ぜひよろしくお願いいたします。


 2014年に千葉県の銚子市で県営住宅に住む母子家庭で、母親が心中目的で中学2年生の娘さんを殺害するという事件がありました。直接的な原因は家賃が払えなかったために強制立ち退きを求められたためで、これについては県や市の対応に批判が上がりました。しかし、実はこのお母さんは、娘さんの中学入学準備の時期にお金が足りず、闇金に手を出し、借金取りに追い詰められていたということが後でわかっています。義務教育を受けさせるために借金をするということが実際には起きています。今回、金額や支給時期など、改善されることになったのは非常によかったと思いますけれども、小中学校の生活に必要な経費について、日ごろからできるだけ親に負担がかからないような工夫をしていただきたいということをお願いしたいと思います。


 最後に1点だけ確認いたしますけれども、前倒しの支給について検討を進めるというふうに今、御答弁いただきました。具体的にはいつからの実施を目指されるのか、最後1点お願いいたします。


○議長(福田 斉君) 吉本教育長。


○教育長(吉本哲裕君) 前倒し支給の実施の時期についてのお尋ねですけれども、具体的に今後検討を進めていきます。平成30年4月には新入学を迎える児童生徒から対応を目指したいと考えております。


○議長(福田 斉君) 次に、水俣環境アカデミア事業について、答弁を求めます。


 西田市長。


  (市長 西田弘志君登壇)


○市長(西田弘志君) 次に、水俣環境アカデミア事業について、順次お答えします。


 まず、水俣環境アカデミアの設置の目的は何か。その目的を遂行するためにどのような組織づくりをしているか、との御質問にお答えします。


 水俣環境アカデミアは、高等教育・研究活動及び産学官民連携の拠点として、また、地域社会の将来を担い、持続可能な地域社会の形成に貢献する人材等の育成に資する学習機関として、平成28年4月に設立いたしました。水俣環境アカデミアの運営等について、専門的及び先駆的見地から助言・提言をいただくために、学識経験者、民間事業者等10名で構成する企画戦略会議及び事業内容に地域の意見を反映させるため、市民団体、学識経験者、市議会等多様な分野の地域住民等16名で構成する地域ステークホルダーフォーラム、つまり地域住民等による会議を設けております。


 次に、開設して1年になるが、これまでどのような取り組みが行われ、参加者の反応はどのようなものだったか、との御質問にお答えします。


 今年度に行った主な事業といたしましては、教育・研究活動推進事業として、遠隔講義システムを利用し、慶應義塾大学や台湾南栄科技大学等との間で行った遠隔講義、人材育成事業としまして、小中学生を対象に行ったサイエンス講座であるミニみなまた環境塾、住民の暮らしに身近で役に立つテーマで行った市民公開講座、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)をテーマとした水俣環境アカデミア開設記念シンポジウムなどがあります。


 また、視察研修等の受け入れに関しまして、約100名の留学生が2泊3日で研修を行った上智大学大学院地球環境学研究科水俣研修、東京大学大学院の留学生による水俣での研修、その他多数の大学や団体等の受け入れを行っております。


 さらに、国立環境研究所主催で、水銀の大気連続観測技術に関する本格的な専門家会合である水銀の大気連続観測に関するアジア太平洋地域専門家ワークショップの開催、研究者招聘事業として、新たな知見や企業を市内の高校生や市内事業者と結びつけ、教育環境の充実や産業振興に資するための取り組みなども行っております。


 このほか、文部科学省よりスーパーグローバルハイスクールとして認定された水俣高校と連携した事業として、水俣高校と慶應義塾大学とが、コンピューターによるデジタル形式で環境問題に関する作品をつくる環境デジタルアートをテーマとした高大連携未来塾、慶應義塾大学とASEAN6カ国7大学の留学生が行ったEBAフィールドワークへの水俣高校生の参加などがあります。


 水俣高校からも、留学生が水俣市で研修を行う際などは、ぜひ交流の機会を提供してほしいとの要望をいただいておりますので、次年度以降もこのような機会を定期的につくり出し、支援を行ってまいりたいと考えています。


 政府機関の一部機能移転関係としては、環境調査研修所水俣研修事業事務局(環境調査研修所水俣サテライト)が水俣環境アカデミア内に開所されました。今年度は、環境問題史研修と題し、35名の環境省職員が2泊3日で元水俣市長の吉井正澄氏の講義や水俣病資料館での語り部講話の聴講などさまざまな研修を受講しました。


 研修参加者の反応につきまして、環境調査研修所に問い合わせてみると、現在、参加者アンケートの取りまとめを行っているとのことでありました。研修の最終日には、水俣市の今年度及び前年度採用職員も参加し、水俣市の環境問題やまちづくりに関するワークショップを共同で行うなど非常に有意義な研修になったものと考えております。


 なお、2月には、台湾南栄科技大学を訪問し、異文化交流学術研究会において、水俣市の環境モデル都市の取り組みと水俣環境アカデミアの事業概要を説明してまいりました。


 次に、開設記念シンポジウムでテーマとなった持続可能な開発目標(SDGs)とは何か。また、この取り組みに対する日本の姿勢はいかがか、との御質問にお答えします。


 持続可能な開発目標(SDGs)は、平成27年9月、ニューヨーク国連本部で開催された持続可能な開発サミットにおいて、我々の世界を変革する持続可能な開発のため、2030アジェンダと題する成果文書で示された具体的行動指針であり、17の個別目標と169の達成基準が定められています。国連に加盟する全ての国は、2030年までに貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など、持続可能な開発を行うためのそれぞれの目標を達成するために全力を尽くすこととなっております。


 これに対する日本国政府の対応としては、首相官邸内に全ての国務大臣を構成員とする持続可能な開発目標(SDGs)推進本部が設けられ、行政、NGO、NPO、有識者、国際機関、各種団体等の関係者が集まり、取り組み推進に向けた意見交換を行うための持続可能な開発目標(SDGs)推進円卓会議も開催されております。


○議長(福田 斉君) ?岡朱美議員。


○(?岡朱美君) 市民、それから関係職員の方が随分長い準備期間を要してようやくスタートした環境アカデミアです。1年たちまして、ぜひこれまでの成果についてお尋ねをしたいと思って取り上げました。


 水俣が経験したことを後世に教訓として伝えることは水俣にしかできないことであり、当市の使命であることは明確です。この作業は、これまでも水俣病被害者自身の努力や映像記録作家、あるいは医学、社会学、法律学などさまざまな専門家の立場から世界に発信されてきました。


 このたび、水俣環境アカデミアができたことによって、水俣の教訓を未来に向けてさらに積極的、また発展的な形で発信ができるようになったこと、また発信できる人材を育成する機関ができたことを歓迎しております。


 アカデミアでは、持続可能な社会の形成に貢献する人材育成を目指すという説明がありました。私は、この環境アカデミアのシンボルマークが端的に表現していると思っています。この緑と青の輪っかですけれども、緑と青は海と山、輪はつながりで、生態系全体の調和のとれたつながりを実現するという意味だそうです。アカデミアでは、このつながりを壊さずに経済活動ができる人、新たな価値をつくれる人を育てようとしているのだと理解をいたしました。


 このような目的のもと、開講後どのような場を提供されてきたのかをお答えいただきました。まだ1年ですけれども、かなりいろいろなことに取り組んでおられます。ただ、タイトルだけ聞いても内容がイメージできないのは私だけではないと思いますので、水俣高校の先生に具体的な内容をお聞きしてきました。


 まず水俣高校は、スーパーグローバルハイスクールに認定されているわけですけど、これを申請する段階で、アカデミアとの共同研究という企画を盛り込んで、それが認められる要素になったとおっしゃられていました。


 そして、実際にアカデミアで行われた慶応大学との授業は、高校生にとって大変刺激的なものだったようです。


 例えば、高校生は貧困、健康、水と衛生環境の3つのテーマで水俣の現状を調べます。大学生は日本レベルで現状を考察します。そして、水俣と日本の課題をそれぞれが出し、どう改善するかを討論したそうです。これら一連の作業は、実に多くの能力を必要とします。初めてなのでまだ先生がアドバイスした場面もありましたが、いずれ全て自分たちで進められるようにしていきたいとおっしゃっていました。


 この授業に参加した高校生は1年生から3年生まで総勢55名でした。こんな感想を書いています。


 目標2の飢餓について、ふだん身の回りで飢餓という言葉は聞かないので、日本には関係ないことだと思っていたが、現在、日本の子どもの6人に1人は貧困により栄養が足りていないことを知り、驚いた。世界には日本以上に飢餓に苦しんでいる人たちがたくさんいることを知り、日本のことだけを考えるのではなく、広い視野を持って世界の現状を知ることが大切だと再認識した。普通に生活していたら考えなかったかもしれない課題について、みんなで話し合い、意見交換をし、自分の考えを持つことができ、よい勉強になった。水俣市と全国を比べることで、水俣市の現状をより知ることができてよかった。福祉の問題が難しかったが、発表を通じて水俣の人の健康率が高いことや平均寿命が長いことなど、たくさんのことを知ることができた。同時に、調べていく中で水俣をどのように改善していけばよいかということも考えることができた。


 また、夏休みには、慶應大学の学生9名とASEANからの留学生13名が2泊3日でアカデミアを訪れたのに対して、水俣高校生39名が水俣について学んだことを現地に案内し、英語で解説する取り組みをしています。これに参加した高校生はこんな感想を書いています。


 久木野の里が高齢者のためにさまざまな取り組みがなされていることなどは、全国的にも珍しいものであることを知り、地域の意識の高さ、つながりの強さを感じた。ASEANの方々に水俣の自然や環境をほめていただき、一緒に水俣をめぐることで、私たちが当たり前に思っていたことがすばらしく見え、とてもよい機会になった。違う国々の方が集まって講義を受けることはめったになく、貴重な体験となった。自分の英語でも会話が続いたときはうれしかった。さらに続けられるように英語学習に取り組みたい。英語の内容を理解できずに内容が薄いものになってしまい、少し悔しい気持ちが残った。講義で扱われるような専門的な知識と同時に、英語力も高めたい。


 大学生や留学生と共通の課題について学び、討論することで、考察力を深め、視野を広げ、また語学力についてはもっと高める必要を感じていることが見てとれます。また、自分の地域のよいところを客観的に評価されることで、水俣への愛着も育んでいます。


 担当されている高校の先生が、本当に今の生徒たちは恵まれているとおっしゃっていましたけれども、私もそう思いました。


 また、市長を先頭に、厳しい競争を勝ち抜いて誘致に成功した環境調査研修所水俣サテライトがついに開設されまして、早速35名の環境省職員が2泊3日の研修に訪れています。


 政策をつくる国のお役人には常々現場主義であってもらいたいと思っていましたけれども、こうして現地に研修所が置かれたことはその意味で画期的なことだと思います。今後よい作用があることを期待しております。


 そこで、2回目の質問をいたします。


 1つ目はこのようにさまざまな事業を通じて、合計何名の方が水俣を訪れたのでしょうか。


 そして2つ目に、平成29年度の予算にはサクラサイエンス事業が上げられています。そのほかにも新たな大学ヘのアプローチや、また、今後さまざまな大学のカリキュラムの中で、水俣環境アカデミアでの受講が単位取得に結びつくような方向になるのでしょうか。


 次に、SDGsの話です。私も10月1日の開設シンポジウムに参加したときに初めてこの言葉を聞きました。そのときは何のことやらよくわからなかったのですけれども、調べてみますと、先ほど御答弁あったように、国連に加盟している150カ国以上の国がこのSDGsに掲げられた17の目標を達成するために全力を尽くすことになっているんです。


 具体的にどのような目標かといいますと、貧困をなくす、食糧安全保障と持続可能な農業、健康と福祉の促進、全ての人が公正で質の高い教育を受けられること、ジェンダー平等、全ての人が水と衛生を確保できること、持続可能なエネルギーの確保、持続可能な経済成長とディーセントワーク、全ての人へのインフラ整備と持続可能な産業の推進、格差の是正、持続可能なまちづくり、持続可能な生産消費活動、気候変動への緊急対策、海洋資源の保全、陸上の生態系保全、平和と正義が保たれる制度の構築、以上の目的達成のための相互協力関係、これら17の目標の達成のために、それぞれの国が努力をする。そうすればどんなに世界はよくなるだろうと思う内容なんです。逆にこれをやらなければもう地球はもたないというところまで来ているんじゃないかというふうにも思います。


 日本も当然その責任を負っていまして、平成28年5月にSDGs推進本部が内閣府に置かれまして、全国務大臣が構成員になっています。


 水俣環境アカデミアの企画戦略会議のメンバーである学識経験者には、このテーマの研究に深くかかわっておられる先生が多いようです。国として着手したのが昨年の5月で、水俣高校の生徒たちはその2カ月後の7月にSDGsを学んで、水俣の現状と課題について考察をしています。


 高校生のレベルでこのような学習をするのは全国でもまれなのではないかと想像しております。


 そして3つ目の質問ですけど、このSDGsに関してお尋ねします。


 戦略会議の馬奈木俊介先生は、自治体としてもこの指標を大いに活用してほしいとおっしゃっていました。市としてはどういうふうに受けとめられていらっしゃるのか。


 質問は以上の3点です。


○議長(福田 斉君) 西田市長。


○市長(西田弘志君) 御質問いただきました。


 アカデミアにつきましては、4月の地震を受けて、開校が伸びてしまい、秋から本格稼働だったんですけど、所長に迎えました古賀所長等頑張っていただきまして、成果が今、あらわれつつあるというふうに感じているところでございます。


 実際に何名の方がいらっしゃったかということでございますが、資料といたしましては、平成29年2月の末までで92団体、約3,000名の方が利用され、訪問をいただいたというふうに報告を受けております。


 それと、大学の単位でございますが、今、大学に関しましても非常にいろんなところにアプローチもしておりますし、先日は、台湾の国立台北科技大学と覚書を締結したところであります。そして、幾つかの案件として、大学と何かできないかというふうな問い合わせもあっているところでございますが、将来的にはそういった大学と連携しながら、単位取得というものに結びつけていきたいというふうには思っておりますが、各大学ごとの事情もあると思われますので、現在では包括協定を締結している大学を中心としながら、将来的にそのようなことがぜひできるように、可能性を探ってまいりたいというふうに思っております。


 それと、3つ目のSDGsについてでございますが、これまで水俣病の教訓に基づき、本市で行ってまいりましたさまざまな取り組みは、持続可能な開発目標SDGsの掲げる目標につながるものと考えております。


 そして、このことが知の共生拠点としてのアカデミアの存在価値を高めることに寄与するものと考えておりますので、今後とも九州大学の馬奈木先生の御協力を賜りながら、持続可能な開発目標でありますSDGsの考え方や指標を活用して、各事業を進めてまいりたいというふうに考えております。


○議長(福田 斉君) ?岡朱美議員。


○(?岡朱美君) 1年間で92団体、3,000人の方がアカデミアに訪れた。今後は、単位の取得も含めて、さらに拡大する計画があるということでした。


 また、SDGsについては、その自治体単位でそういうのを目標にするというのはなかなかまだ全国ではないと思いますので、ぜひ今後取り組んでいただけたらというふうに思います。


 昨年、アカデミアを使って経済観光課主催で行われたローカルビジネスサミットという勉強会をのぞかせていただいたんですけど、そのときに、テーマが生産者も消費者も環境も喜ぶビジネスのあり方について学ぶというものだったんです。アカデミアが目指すものと全く方向が同じでしたので、アカデミアの事業なのだというふうに私は勘違いしていたんですけれども、実は経済観光課のほうが、それ以前から取り組んでいたということを後でお聞きしました。


 この経済観光課が行ったサミットの発表者は、化学物質を全く含まない伝統の漆塗りで新しい商品を開発したり、健康寿命が長い人はその土地で昔から食べられている野菜を多く食べている人だということを突きとめて、福祉分野で生かす取り組みをされている人など、商売としては大もうけはできないんだけれども、本当に消費者や社会の幸せをつくるためのビジネスをしている人で、そのことで自分も幸せを感じているという人たちでした。


 こういうビジネスのあり方を水俣市の商工関係の方たちが一緒にアカデミアに来て学んでおられたんですね。前段でも少し触れましたけど、水俣がだんだん変わっていくんじゃないかという気がして非常にうれしく思っています。ぜひ、担当課には今後とも頑張っていただきたいと思いました。


 そこで最後の質問になりますけれども、今のビジネスの話を例にとりますと、売る人の意識が変わって、品質の高いものを提供しようとしても、同時に消費者の意識が変わらないとバランスが保てませんし、発展もしません。安いものを大量に消費、大量に廃棄するという生活スタイルを見直し、賢い消費者を育てる必要があると思います。


 環境アカデミアは、市民にも開かれた機関です。


 昨日の熊日でしたが、初の市民公開講座が開かれたという記事が掲載されておりましたけれども、こういう市民向けの講座をどんどん企画をしていただいて、一部に意識の高い人をつくるんじゃなくて、それが常識になるようなまちづくりに力を入れていただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。


 それと、これは教育委員会に対しての要望になりますが、これからの水俣高校のSGH(スーパーグローバルハイスクール)の取り組みへの支援のことについてです。


 昨年のアカデミア関係事業への生徒の参加数を見ますと延べ238人でした。全校生徒数から見ると、まだ一部です。担当の先生もこれは課題だと言っておられました。


 生徒たちが大学生とともに取り組んだ内容はかなり高度で、内容を理解して、現状を分析して、理論的に説明して、そして新しいアイデアを出す。そしてさらに英語に直すというような能力を求められています。これについていくには、やはりしっかりした基礎学力が必要です。


 昨年から水俣高校の生徒たちが第二小学校に行って宿題を教えるという試みをされているそうです。高校としても自分たちの姿を見てもらって、目標を持ってもらおうという意図があるとおっしゃられていました。


 そこで、前回取り上げました放課後学習指導、ぜひ充実させていただいて、義務教育の段階で、学習意欲の高い子どもたちを育成していただいて、そして高校で発展的な授業に触れられるようにしむけていただきたいと思います。これは要望です。


 1点だけ質問、最後お願いいたします。


○議長(福田 斉君) 西田市長。


○市長(西田弘志君) アカデミアの市民講座等、ぜひ力を入れていただきたいというふうな内容だったかと思います。


 アカデミアを開設するときに、一部の方が使うような施設ではいけないということは最初からのコンセプトでございます。市民の方々が、通常このアカデミアに会して、いろんな学習・勉強、そして環境の問題、また持続可能な社会づくりに、ここを使って、勉強できるようなそういったアカデミアにもなっていただきたいということはもともとありました。そんな中で、市民向けの講座、非常に重要だというふうに思っております。


 これまで築き上げたこのネットワークを生かして、各大学との連携した市民の学習機会の提供として、市民公開講座、こういったことをアカデミアでは積極的に行っていきたいというふうにも思っております。


 平成28年度におきましては、3月、包括協定を締結しております熊本県立大学の先生にお願いをいたしまして、先ほどのお話ですけど、環境に優しい暮らし方及び生活習慣病対策に関する講座を行っていただいくわけでございます。平成29年度におきましても、住民の暮らしに身近で役に立つようなテーマでの講座を今後ぜひ企画をしていきたいというふうに思っております。


○議長(福田 斉君) 次に、NHK大河ドラマ「西郷どん」の効果によるさらなる観光入込客獲得について、答弁を求めます。


 関産業建設部長。


  (産業建設部長 関 洋一君登壇)


○産業建設部長(関 洋一君) 次に、NHK大河ドラマ「西郷どん」の効果によるさらなる観光入込客獲得について、順次お答えをいたします。


 まず、観光入込客獲得を目指した平成29年度の重点施策は何か、との御質問にお答えします。


 本市の平成29年度の観光重点施策としては、今年度から手がけている湯の児でのスキューバダイビング、アウトリガーカヌー、また、湯の鶴七滝トレッキングなどのアクティビティを前面に押し出し、若者をターゲットとした旅行商品と、そのPR動画を作成しており、平成29年度は、これらのコンテンツをSNSを活用して映像配信するなどのPRを実施していく予定でございます。


 また、インバウンド対応については、平成29年度も、八代港に入港する大型クルーズ船から、外国人観光客が、ツアーバスで水俣市を訪れることが予想されるため、水俣市に来ていただけるよう通訳の配置や、外国語の表示など、おもてなしの充実を図りながら、水俣の魅力をPRしてまいります。


 このほかにも、近年、多くの観光客が訪れているエコパーク水俣バラ園での水俣ローズフェスタなど、各種イベントの実施、各種メディアを活用した観光PR活動などを、継続的に行いながら、観光入込客の獲得に向けて取り組んでまいりたいと考えております。


 次に、水俣は西南戦争の戦場になったが、史跡として扱われていない。「西郷どん」の影響で西南戦争に関心を持つ人がふえると予想されるが、水俣のかかわりを見える化し、観光客の誘致に生かす考えはないか、との御質問にお答えします。


 NHKのホームページによりますと、NHK大河ドラマ「西郷どん」は、薩摩藩士で、明治維新の立て役者である西郷隆盛を主人公とし、平成30年1月から全50回が放送されると紹介されております。


 新水俣市史においては、西郷隆盛が薩軍の指揮官として官軍と戦った西南戦争について、120ページにわたり紹介されており、深川地区など多くの地域が、薩軍と官軍の戦いの舞台になるなど、多くのエピソードが記載されております。今回、テレビの大河ドラマで西南戦争が紹介されることで、多くの観光客に、水俣への関心を持っていただければ、市としても歓迎するところですので、教育委員会等とも連携をとりながら、水俣市の観光パンフレットや、ホームページの更新に合わせて、「西郷どん」に関連する西南戦争の出来事などを、できる限り紹介できるようにしていきたいと考えております。


○議長(福田 斉君) ?岡朱美議員。


○(?岡朱美君) まず、平成29年度の観光施策についてお答えをいただきました。


 交流人口をふやしたいという意欲は、市長の所信表明の中でも鮮明になっています。


 来年度の重点施策として、湯の児でのマリンスポーツ、湯の鶴でのトレッキング、そして好調なエコパークばら園をさらに盛り上げる取り組み、そして大型クルーズ船観光客への対応を挙げられました。


 温泉を温泉としてだけでなく、学び、楽しむ場所として新たな価値を見出し、若者を呼び込もうとしている努力がうかがえます。


 昨年、水俣病公式確認60周年事業の一環として行われた湯の児海と夕焼けでのさかなクンの講演会に家族で参加させていただきましたけれども、湯の児では全国的にも珍しいタツノオトシゴの産卵が見られるということで、その映像を会場で見せていただきました。


 これを撮影されたのは、ダイビングインストラクターの森下さんですけれども、夜中の2時から3時ごろにしか見られない光景だということで、さかなクン自身もまだ実際には見たことがないと言っていました。とても感動する光景でした。湯の児をダイビングスポットしてPRしていく試み、とても期待をしております。


 湯の鶴温泉のほうも、継続的に集客増を意識した取り組みがされてきました。ことしの足湯の整備に続いて、来年度の予算には喜久屋旅館跡の公園化が挙げられています。これは多くの市民が歓迎するのではないでしょうか。


 そして、これに加えてということで、来年のNHK大河ドラマ「西郷どん」に照準を合わせた提案させていただきました。前向きに受けとめていただいたようで、非常にうれしく思っています。


 西郷隆盛といえば、人望が厚くて、明治維新という大改革をなし遂げながら、最後は不平士族に担がれる形でみずからつくった明治政府に反旗を翻して、城山で自害をした人です。


 この不平士族の反乱である西南戦争は士族による日本最大の内乱と言われています。薩摩軍は、各地から加わった党薩諸隊を含めると3万人が挙兵し、迎え撃つ政府軍は日本に徴兵制が初めて敷かれた戦争となっており、農民、商人出身者を多く含む6万人の兵士が動員されました。前線では、戦をいわば職業としてきた侍たちの突撃、振りおろす刀に、新米兵の官軍は震え上がって、逃げ出す者、動けなくなる者が大勢いて、陸軍大将山県有朋を大いに悩ませたといいます。田原坂がなかなか突破できずに、このままでは熊本で籠城している部隊が持ちこたえられないという危機が迫る中、急遽、士族出身者、中でも戊辰戦争で薩摩への恨みを強く持つ会津藩士を多く選び、100名ほどの切り込み部隊を組織しました。その決死の活躍によってようやく田原坂を越えることができました。この切り込み隊は抜刀隊と呼ばれ、その9割が戦死したそうです。


 西南戦争全体での戦死者は1万4,000人に上り、戦費は、国家予算のほとんどを使い果たしました。また戦場では、敵が隠れる場所を奪うために、多くの民家が焼かれ、流れ弾に当たったり、人夫として徴用され亡くなった人も含めますと、相当の犠牲が出ています。


 実は、深川でも松崎安太さんという人が薩軍に切り殺されたという記録があります。地元の言い伝えによりますと、薩軍が家に火をつけたのを消そうとして殺されたのだそうです。また、下向の森内喜太郎という9歳の少年は官軍が手入れをしていた銃の暴発事故で亡くなっており、官軍の記録にもありますし、お墓も残っています。


 なぜ西郷隆盛がこのような戦争を起こしたのかということについて、さまざま評価があります。


 司馬遼太郎の小説「飛ぶが如く」が1990年に大河ドラマ化されたのには、やはり多くの人が関心を持つ題材だったからではないかと思います。


 来年放送の「西郷どん」の時代考証を担当される東川隆太郎さんという方がいて、一度、市長にも会っていただいたんですけれども、この東川さんによりますと、今度のドラマでも西南戦争は当然重視され、数回にわたって描くことになるだろうとのことでした。西郷さんは部下とともに死ぬ覚悟で、熊本全域、そして宮崎、鹿児島へと移動していきます。放送を見てその足跡をたどりたいという人はたくさん出てくるはずです。


 そこで水俣はどうだったかといいますと、先ほど答弁にもありましたように、水俣市史に120ページにわたって戦況が書かれるほどかかわりがありました。


 まず、薩軍が熊本に向かって進軍する際に、陣内に延べ7,000名の兵士が宿泊しており、幹部が泊まった宿ではおもしろいエピソードが残っています。


 その後、田原坂で敗退した西郷隆盛は本営を人吉に移して、1カ月にわたってそこから各地に兵を出します。中でも大口は鹿児島から人吉に人員や物資を運ぶために非常に重要な場所であったために、辺見十郎太率いる2,000名の部隊が出て、ここを死守しようとします。これを迎え撃ったのが川路利良が水俣から上陸させた別働第三旅団1,700名で、これらの部隊が深川、久木野、中尾山、矢筈岳などを舞台に1カ月にわたって激しい攻防を繰り広げています。その様子は水俣市史を初め、従軍した兵士の日記などに描かれています。


 そこで、具体的な提案になります。


 まず、市の観光パンフレットやホームページに西南戦争にかかわる出来事を紹介していきたいと御答弁がありました。これはまさに入り口になるところですので、ぜひともお願いします。


 そしてホームページについてですけれども、鹿児島や熊本・植木・玉名など西郷さんにかかわる各記念館では、今後「西郷どん」を意識した多くの企画が発信されることになると思います。そうしたホームページに水俣の観光案内をリンクさせるお考えはないでしょうか。これが第1点目です。


 そして、これを見て、水俣の西南戦争関連の場所を訪れた人がいたとして、そこに何の説明看板もなければがっかりさせてしまいます。戦いの激しかった場所を選定していただいて、案内看板を立てることを検討していただきたいと思います。


 中でも、1つ、特にお願いしたいのが、湯の鶴温泉です。ちょっと時間が少なくなったので、ここを割愛しますけど、東京の巡査で官軍として水俣に上陸した喜多平四郎という人が、日記にこの湯の鶴温泉に入った。そして入っている様子も全部挿絵にして残しているんですね。ぜひ、これを湯の鶴の観光にもプラスアルファで生かしていただきたいというふうに思っています。


 この案内看板については、観光物産協会のほうからも、水俣は案内板が少ないという苦情を言って帰る人がいると聞いています。市内全域で一体どこがわかりにくいのかということを点検をしていただいて、より観光客に親切な案内をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。


 この2点、お願いいたします。


○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。


 関産業建設部長。


○産業建設部長(関 洋一君) ?岡朱美議員の2回目の御質問にお答えします。


 まず、ホームページへのリンクについてなんですが、先ほど答弁しましたとおり、今回テレビの大河ドラマで多くの観光客に水俣へ関心を持っていただけると期待をしているところです。


 リンクについては、各鹿児島、熊本、植木、玉名など、御相談をさせていただきたいと思っております。


 次に、観光案内版の設置についてですが、現在、観光の案内版については、市内を初め近隣市町村にも市及び先ほど出ました観光物産協会で設置をいたしております。今後新たに西南戦争など、特に歴史に関する看板の設置に当たっては、歴史資源の調査とか、史実の確認等を行う必要がございますので、そのためには専門的知識を持った人を含め、人員や時間を要すると考えております。


 また、今後の誘導サインや看板の新設等については、設置場所、土地の所有者の許可等の問題が出てまいりまして、そういったことに配慮をしながら、設置していきたいと考えております。


○議長(福田 斉君) ?岡朱美議員。


○(?岡朱美君) ホームページには、相談をしながら進めてもらう。看板については、今、御答弁あったように、やっぱり史実について、正確なことを書かなきゃいけないというのがあって、教育委員会と協力する必要があるということは私も理解しています。


 もう一つ質問ですけれども、今までも何回かお願いしてきましたけど、教育委員会に学芸員という資格を持っていながら、一般職員で採用されている人が一人いますが、今、ひばりヶ丘の発掘調査などにかかっていて非常に忙しい状態です。やはり、ぜひとももう一人、学芸員という資格で新たに雇用をお願いしたい、これが3回目の1点目の質問です。


 そして、2013年のNHK大河ドラマ「八重の桜」が放映されたときに、徳富蘇峰・盧花生家を訪れた観光客が非常に多かったというお話をさせていただいたことがありました。テレビの影響は本当に大きくて、しかし、期間も限られています。やっぱりタイミングよく意識的に取り組むということが効果を生みますので、八重の桜のときには、心残りがありましたので、ぜひタイミングよく取り組んで、積極的にしていただきたいと思います。


 ちなみに、私、自分が読んでいないので恐縮ですけど、徳富盧花の短編小説に「灰燼」という作品があって、これは西南戦争の悲劇を描いた作品だそうです。ぜひ、徳富生家のほうでもドラマに合わせた特設コーナーの設置も可能ではないかと思います。


 そして、水俣西南戦争史研究会は、地元にある歴史を後世に伝えておきたい。また、観光にも生かしたいという思いで6年前から活動してきています。現在オリジナルのガイドブックを作製しておりまして、ツアーガイドの実践的な講習も何度か受けてきました。ぜひ水俣を盛り上げるために、協力を惜しまない覚悟でおりますので、市と連携した取り組みをお願いしたいと思います。最後に市長からもお考えをお願いいたします。


○議長(福田 斉君) 確認します。質問は、学芸員の件と。


○(?岡朱美君) 市長の御所見をいただきたいということです。


○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。


 関産業建設部長。


○産業建設部長(関 洋一君) 新たな学芸員の雇用等についてなんですけれども、現在、本市には専門の学芸員として採用している職員はおりません。今、議員が言われた職員は大学で考古学を専攻した事務職採用の職員でございまして、その職員は市内の遺跡発掘等に当たっているところです。


 しかしながら、事実の裏づけは必要だと考えておりますので、専門職員の配置や、また外部への委託など、さまざまな手法を今後検討していきたいと思います。


○議長(福田 斉君) 西田市長。


○市長(西田弘志君) 大河ドラマへのかかわり方というか、市長の考え方なんですけど、当然30年から始まるというのはわかっていて、多分もう鹿児島県はそれでいろんな動きをやっていらっしゃるというふうに思います。本市もできることに関しては、私みずからでも積極的にやりたいというふうに思っております。


 もともと、水俣は資源が限られていて、観光も限られています。その中で、職員ともよく話すんですが、ないものねだりはやめようと、あるものを探して、それをブラッシュアップして磨き上げて、世の中に出していこうというのが考えでございますので、その中で水俣西南戦争史研究会の方々もいらっしゃるかと思いますけど、そういった方々とお話ができて、きちっと外に出せるものがあったら、積極的にやっていきたいというふうに思っております。


○議長(福田 斉君) 以上で?岡朱美議員の質問は終わりました。


 この際、10分間休憩します。


                               午前10時41分 休憩


                               ─────────


                               午前10時50分 開議


○議長(福田 斉君) 休憩前に引き続き会議を開きます。


 次に、小路貴紀議員に許します。


  (小路貴紀君登壇)


○(小路貴紀君) 皆さん、こんにちは。


 水進会の小路貴紀です。


 新年度を迎える3月議会に当たり、本来であれば平成28年度の事業の成果や進捗状況を確認したいところではありますが、限りある時間の中では、新年度の事業に目を向けたいと思います。


 全国市議会議長会のまとめによると、全国813市における平成27年度一般会計予算の原案可決及び平成26年度一般会計決算の原案認定はともに97%を超えております。これだけを見れば、議会による予算の統制がなされているとは言いがたい状況であり、一般的に執行部に対する追認機関とやゆされるゆえんがあるとの有識者の意見もあります。


 ただ、一概に悪いという評価を下せるものではなく、審議結果よりもそこに至る過程において、議会からの政策提言などが活発に行われている事態が重要視されるとも補足しております。


 今回の一般質問については、予算審議にかかわる事項をピックアップし、議会の一員として、しっかりとチェック機能の役割を果たすとともに、提言につなげられるべく臨みたいと考えております。


 以下、通告に従い質問しますが、時間は限られておりますので、まずは簡潔に答弁をいただいた上で、必要があれば補足の説明をしていただくよう重ね重ねお願いいたします。


 1、平成29年度施政方針及び予算について。


 (1)観光振興について。


 ?、本市の観光振興やPRを目的とするそれぞれの事業名と、その金額は。また、総額に占める財源の内訳はどうなっているのか。


 ?、市長みずから周知するイベントの開催等が盛り込まれている水俣堂々推進事業の具体的内容は何か。


 (2)水俣病問題への取り組みについて。


 ?、水俣病教訓発信事業及び水俣病関係情報発信事業における具体的な事業の中身は何か。


 ?、平成28年12月28日付の熊本日日新聞に掲載された「たから箱」及び平成29年1月25日以降の各新聞に掲載された「水俣病不適切発言」に関して、市はどのように捉えているのか。


 (3)水俣川河口臨海部振興構想事業について。


 ?、本事業による水産振興の促進について、市はどのように考えているのか。


 2、再生可能エネルギーを中心とした電力の供給について。


 ?、官民連携による実証試験とは、どういう内容か。


 ?、実証後の将来ビジョンは、どのように描いているのか。


 3、小中学校の現状と課題について。


 ?、平成29年2月24日付の熊本日日新聞に掲載された熊本市PTA会費訴訟について、市はどのように捉えているのか。


 ?、一小及び二小の図書司書補助員及び読書活動推進員について、どういった経緯があって現状の体制になったのか。


 ?、学校における修繕料及び備品購入等に関して、PTA会費からの支出もあるようだが、どうか。


 以上、本壇からの質問を終わります


○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。


 西田市長。


  (市長 西田弘志君登壇)


○市長(西田弘志君) 小路議員の御質問に順次お答えします。


 まず、平成29年度施政方針及び予算については私から、再生可能エネルギーを中心とした電力の供給については総合政策部長から、小中学校の現状と課題については教育長から、それぞれお答えいたします。


 初めに、平成29年度施政方針及び予算について、順次お答えします。


 まず、観光振興についてのうち、本市の観光振興やPRを目的とするそれぞれの事業名と、その金額は。また、総額に占める財源の内訳はどうなっているのか、との御質問にお答えします。


 本市の観光振興やPRを目的とするそれぞれの事業名とその予算額については、初恋のまちづくり事業744万3,000円、水俣市地域ブランド構築事業142万7,000円、インターネット関係経費79万4,000円、一般事務経費(観光費)199万3,000円、観光振興団体助成事業619万5,000円、水俣観光PR事業605万5,000円、県南広域観光連携事業714万1,000円、観光アクティビティプロモーション事業318万6,000円、水俣堂々推進事業1,806万8,000円、総額5,230万2,000円を当初予算に計上しております。


 総額に占める財源としましては、地方創生推進交付金159万3,000円、地域づくり夢チャレンジ推進補助金330万8,000円、環境首都水俣・芦北地域創造補助金1,076万7,000円、その他入場料収入として、300万円、残りは一般財源として、3,363万4,000円を見込んでおります。


 次に、市長みずから周知するイベントの開催等が盛り込まれている水俣堂々推進事業の具体的内容は何かとの御質問にお答えします。


 水俣市では平成27年度から水俣観光誘客事業を実施しており、水俣のヒト・モノ・コト・ところをつないで風土を紹介するガイドブックの作成に取り組んでまいりました。


 山から海にかけて市内のいろんな所やたくさんの人を取材して回り、平成28年度にガイドブック「水俣堂々」が完成しました。


 平成29年度は、このガイドブックを補完するアイテムとして動画やリーフレットの作成を行う予定であります。撮影した動画はローカル局での放送も予定しております。


 あわせて、水俣の食材を広く紹介するために、物産展への参加やWebの駅への登録を呼びかけて販路の拡大を目指します。食材の紹介にとどまらず、生産者の思いを一緒に伝えることで水俣ならではの安心安全や環境への配慮等を前面に出すことができると考えております。


 また、この2年間の取り組みを紹介する場を設け、あわせてガイドブックで紹介されている水俣の風景を使いながら、水俣のよさを再認識するイベントを開催する予定であります。


 次に、水俣病問題への取り組みについてのうち、水俣病教訓発信事業及び水俣病関係情報発信事業における具体的な事業の中身は何か、との御質問にお答えします。


 まず、水俣病教訓発信事業とは、熊本県が行う水俣・芦北地域環境フィールドミュージアム事業の中で行うものであります。水俣芦北地域全体を環境をテーマとしたミュージアムと位置づける中で、地域資源の磨き上げ、環境に関する先進的事例や水俣病の教訓と伝承の発信、それらに必要とされる人材育成など、さまざまな施策を一体的に実施することで、地域内及び地域間交流を目指すとともに、水俣病を教訓に環境先進地として発展する地域というこれまで築いてきた高次な地域イメージを国内外に発信するために行うという県の事業趣旨に基づき、水俣病資料館事業として、補助金額の枠内で実施しております。


 平成28年度におきましては、10月に小学生を、11月には大学生を対象とした水俣病フィールドワークツアーを実施しております。事業費は170万円であり、水俣市内において環境学習や修学旅行に対して多くの受け入れ実績を持つ一般社団法人環不知火プランニングに運営業務の委託を行いました。


 10月に参加した鹿児島県長島町の獅子島小学校21名の子どもたちの場合、日帰りでの参加でしたが、高学年とそれ以下の子どもたちに分かれ、水俣病学習だけではなく、ロウソクづくりやミカンゼリーづくりなど、地域資源を生かしたものづくりを体験しました。


 11月に参加した宮崎県の宮崎国際大学の学生17名の場合、2泊3日のスケジュールでの参加でありました。水俣市内や水俣病に係る施設をフィールドワークで回り、水俣病患者と交流し、水俣の食や文化を通して環境を学ぶなど、水俣の地域と真剣に向き合っていただきました。


 地域のマスコミにも取り上げていただく中、参加団体の評価も高く、また、これまでに来館実績のない鹿児島県や宮崎県の学校や団体から、問い合わせもあっておりますので、水俣への来訪者増加も含め、今後の展開に期待しております。


 次年度につきましては、発信力の強い団体を対象にマスコミの協力も視野に入れ、同様の事業を行うよう予算を計上しております。


 水俣の過去と現在を正しく理解し、水俣の未来を応援していただく人材の発掘、育成に結びつけられればと思っております。


 水俣病関係情報発信事業につきましては、水俣病資料館の所蔵資料の充実と、適切な管理能力の強化を図るとともに、求められる情報発信機能を充実させるためのものであります。


 平成28年度におきましては、昨日、?岡議員の御質問の中で詳細をお答えいたしましたが、水俣病関係資料の調査収集業務に1,020万7,000円、資料整理等に関するコーディネート業務に958万6,000円、また、水俣病公式確認60年事業として行った市民フォーラムさかなクン講演会、環境学習交流会議、語り部の集い、富山市や四日市市などの公害資料館で開催した資料館サテライト展など、942万5,000円の事業費を計上し、実施いたしました。


 なお、事業費総額は、2,921万8,000円となっております。


 平成29年度におきましては、水俣病関係資料の調査収集業務に1,021万円、資料整理等に関するコーディネート業務に954万8,000円、保存設備購入等に356万9,000円、加えて、資料館で年2回行う企画展の開催と資料館サテライト展の継続開催に167万3,000円を計上し、資料館事業の充実を目指しております。これらの事業費の総額は、2,500万円となっております。


 次に、平成28年12月28日付の熊本日日新聞に掲載された「たから箱」及び平成29年1月25日以降の各新聞に掲載された「水俣病不適切発言」に関して、市はどのように捉えているのか、との御質問にお答えします。


 平成28年12月28日付の熊本日日新聞に掲載されたたから箱については、私も見させていただきました。この文章を読み、水俣市としては、今の市民の環境の取り組みや企業の地域振興等の取り組みも含め、引き続き情報発信に努めていかなければならないと思った次第であります。


 また、平成29年1月25日以降の各新聞に掲載された水俣病不適切発言に関しても、記事を確認いたしました。


 経緯等につきましては、教育委員会に確認したところ、1月22日の試合後、相手チーム児童間の雑談の中で、水俣病がうつるという不適切発言を本市連合チームの保護者が聞き、本市引率教員に連絡しました。本市引率教員らは、各学校で作成している差別対応マニュアルに基づき、それぞれ当該学校長へ報告するとともに、事後の指示を仰ぎました。その後、相手校引率者及び大会主催者に事実関係の確認を求めたところ、事実であると確認があり、相手チーム児童、引率者、保護者から本市引率教員に会場内で謝罪がありました。その際、本市引率教員は、水俣病で苦しんだ人や苦しんでいる人、亡くなった人たちへの思い等を考え、今後も学びを深めてほしいと相手方に伝えた、とのことでありました。


 水俣病問題については、その歴史と現状を正しく認識し、悲惨な公害を再び繰り返してはいけないという思いで国、県、市などで連携して取り組んでおります。特に、県は水俣病資料館等と連携して「水俣に学ぶ肥後っ子教室」を実施しております。これは、児童が水俣病に苦しむ人たちやその家族の思いや願いに触れながら人権や環境のことについて学び、差別や偏見を許さない心情や態度、環境保全活動への実践意欲や態度を身につけ、これを自分の生活に生かしながら、実践力へと発展させていくことを目的に実施されております。このような取り組みを行っている中での今回の発言ということであり、まことに残念に感じております。


 今回、発言に対しての学校や教育関係機関の対応は、迅速かつ適切に行われたと思っております。今後も、引き続き関係機関との十分な連携により水俣病問題の啓発、情報発信の取り組みを進めてまいりたいと考えております。


 次に、水俣川河口臨海部振興構想事業について、本事業による水産振興の促進について、市はどのように考えているのか、との御質問にお答えします。


 現在、水産振興の一環として平成26年度より開催された地元でとれた活魚鮮魚を販売する水俣漁師市が、加工施設の整備により平成29年度から未利用魚の加工品開発による6次産業化へ取り組みます。また、平成25年度から始まった水俣漁協カキ部会による恋路かき養殖事業がカキ小屋販売から販路開拓及び加工品開発によるブランド化の推進に重点的に取り組んでおり、これを県と市で支援しているところであります。丸島漁港を中心とした水産業振興と産業団地周辺の産業振興及び地域経済の活性化を目的とした本事業について、水俣市漁業協同組合へ計画説明を行ったところ、魚場藻場を再生してほしいとの強い意見が出されたところであります。


 これを受けて、市と水俣市漁協組合員で埋め立てによる魚場藻場再生を行った北九州市脇田漁港の先進地視察を行っています。


 魚場藻場再生は、海藻の森を造成し、魚の産卵所、稚魚の隠れ家等の天然魚礁ができることで、藻場周辺に魚が増加すること目的とするものであります。


 かつての豊穣の海を取り戻すことにより、漁獲高の増大を図ることは、水産振興の促進につながると考えており、市としても積極的に支援していきたいと考えております。


○議長(福田 斉君) 小路貴紀議員。


○(小路貴紀君) まず、観光振興でございますけれども、平成29年度の総額が5,230万2,000円であり、うち水俣市の一般財源が3,363万4,000円との答弁がありました。観光入込客をふやす取り組みが必要であることは大いに理解しております。小額の投資で成果を生み出す方法、投資をふやしてより一層の成果を出す方法、ある程度の投資はするが成果が出ない、あるいは見えない状況、今の水俣市はどれに位置づけられるか、現状を捉えておく必要があるのではないかと思います。


 水俣のPRについては、総合政策課及び経済観光課が主体で取り組むと思いますけれども、先ほどの答弁で挙げられただけでも、事業や経費の数は9つにも上ります。依然として縦割りの予算のイメージが強く、横串を入れた連携が見えにくいと思っております。そもそも総合政策課はそれぞれの課を横断した役割も期待されていたはずでございます。観光振興やPRに向けた投資の成果が、まずは見えてこなくてはいけません。水俣への観光客、特に宿泊客は何を目的に宿泊しているか、そのリサーチはできているのでしょうか。


 観光客は、初恋のまちづくりとか観光アクティビティプロポーションに魅力を感じて来るわけではなく、何か個別の目的を持って来られるわけでございます。


 単に、宿泊客数であれば、ホテルや旅館に尋ねればわかります。せめて、宿泊者の目的などを行政側がリサーチできていなければ、PRの効果も広く浅くを繰り返すだけになってしまうのではないでしょうか。


 そこで、2点質問いたします。


 水俣市への宿泊客が何を目的としているかなどのリサーチはできているのか。できていなければ、行政とホテル・旅館等が連携して、宿泊者へのアンケート実施による目的やニーズを把握することは、今後のPR活動の戦略に対して貴重なデータになると思うが、どうかお尋ねいたします。


 2つ目に、本市への観光入込客あるいは観光による交流人口増について、市長は年間何万人を目指したいのか、お尋ねします。


 今回、新規で水俣堂々推進事業が計上されております。


 財源の内訳については、先ほどの答弁でありましたけれども、総額1,806万8,000円の新規事業でございます。そもそも、これまでの観光振興等に関するPRについての継続事業は市長が認めておられるわけでございます。新規の水俣堂々推進事業の1,806万8,000円を差し引いても3,423万4,000円が観光等に関する事業としての継続事業になっております。よって、わざわざ新たに水俣堂々推進事業を実施するということは、よほどの即効性ある効果を生み出すものと期待されるわけですが、事業説明には、水俣堂々について市長みずから市民向けに周知するイベントを開催するとあります。先ほどの具体的な内容は何かの質問に対して、水俣のよさを再認識するイベントの開催をする予定との答弁しかありませんでした。


 そこで、3点目の質問をいたします。


 水俣のよさを再認識するという市長みずからがかかわるイベントの具体的中身は何か、再度お尋ねします。


 水俣病問題への取り組みにつきまして、たから箱の記事については、小学校名及び児童名が明らかになっております。この件について、個人等に対して事実を確認するための質問ではないことを、誤解がないようまずもって申し述べさせていただきます。水俣病フィールドワークツアーの事業費が170万円であり、運営業務を一般社団法人環不知火プランニングに委託しているとの答弁がありました。


 獅子島小学校の児童21名は日帰り、宮崎国際大学の学生17名は2泊3日のスケジュールで実施されたとのことですが、そこで4点目を質問いたします。


 この委託料170万円の具体的な支出内訳をお尋ねします。


 水俣病関係情報発信事業の平成29年度予算は2,500万円が計上されております。その中の水俣病関係資料の調査収集業務委託料等における約1,000万円については、平成27年度から継続事業となっております。昨日の?岡利治議員への答弁にもありましたが、平成28年度実績で、(株)ミナコレへ600万円の委託料、一般社団法人水俣病センター相思社へ400万円の委託料がそれぞれ支払われております。平成28年度と29年度では同規模の予算であることから、平成29年度も同様に委託料が支払われる前提での予算と推察いたします。そこで5点目、質問いたします。


 一般社団法人環不知火プランニングと(株)ミナコレとはどういう会社で、この2社はどういった関係があるのか、お尋ねいたします。


 「たから箱」にあった毒を流すという表現につきまして、児童には何ら責任があるとは思っておりません。水俣病の原因物質が有機水銀とされる事実に対して、小学5年生の児童がみずから、有機水銀を毒に置きかえられる発想ができるのか、大いに疑問を感じております。学校教育なのか、それとも県が実施する水俣に学ぶ肥後っ子教室における水俣病資料館での学習の場なのかわかりませんが、どこかで毒という表現に触れたのかもしれません。


 水俣病がうつるという水俣病不適切発言も同様です。要は、正しい情報が発信されているのかということです。しかも、多感な小学校の児童に対しては、誤解につながらないよう細心な注意を払うべきことがいかに重要であるのか、今回の教訓といえます。


 水俣に学ぶ肥後っ子教室、これは県の主導でございますけれども、以前もサッカー大会で水俣の子どもが不適切発言を受けて、それ以後県の主導で始まったのが、この水俣に学ぶ肥後っ子教室だと理解しております。その学習の場は水俣病資料館であり、児童に対しての情報発信の多くを水俣市が担っているという責任もあるわけです。


 水俣病不適切発言については、関係者の対応は迅速かつ適切に行われたと思っているとの答弁がありましたが、そこで6点目、質問いたします。


 本件について、行政・教育委員会・水俣病資料館・学校などの関係者が一堂に会して協議されたのか、お尋ねします。


 水俣川河口臨海部振興構想事業についてです。


 西回り南九州自動車道の工事で発生する排土は、その地域の自治体が責任をもって処理しなければならず、今回の排土は本事業に有効に利活用されると理解しております。九州新幹線の工事で発生した排土の一部は、当市での利活用がかなわず、他自治体へ処理をお願いした経緯があります。


 環境首都や環境モデル都市をうたっている水俣市ではありますが、環境イコール水俣病あるいは自然に手を出していけないというような結びつきに陥ってしまう傾向も見られます。自然を守るとか環境保全というのは、人間がある程度手を加えることで、環境と共生していく考え方を持つことが大事だと思います。


 水俣川河口臨海部振興構想事業における水産振興等について、今議会に水俣市漁協から陳情書も出されております。恋路カキという新たなブランドづくりに取り組まれておりますが、現在の来客者の中には「水俣湾でとれたカキが食べられるのか」といった声もいまだあるようで、そういう声を聞くたびに漁業関係者は胸を痛められておると直接聞いております。


 これまでも風評被害から脱却するために努力を重ねられ、また行政側からの支援もなされてきておりますが、水俣病公式確認の節目節目の報道等によって、この漁業者の取り組みも水の泡となってしまうことの繰り返しにさらされておられるのも現状ではないかと思います。


 今般、水俣市漁協が本事業による藻場や魚礁の整備によって、水産業の資源を後世に残していこうとされる決議についても、新聞報道等の内容は違った視点で発信されており、大変残念です。


 そこで7点目、質問いたします。


 水産振興及び漁業従事者を支援していく上で、新聞報道等へ正確な情報提供はもとより、本市にとって有益性を欠く報道については、行政側もしっかりと対応していくべきと考えますが、どうかお尋ねいたします。


 以上、7点です。


○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。


 西田市長。


○市長(西田弘志君) 7点ございました。一部分けて答弁をさせていただきたいというふうに思っております。


 まず1つ目、観光について、宿泊される方のニーズ、そういったものを掘り下げるには、アンケート等が必要じゃないかというふうな御質問だったというふうに思っております。


 やはり、この水俣に来られるお客様、ニーズの掘り起こしを行い、それを狙ったPRを行うこと、そして今後の観光客増加のために、重要なことだというふうに思っております。


 水俣観光協会を通して、各宿泊施設とアンケートの実施、今後協議を行って、やっていきたいというふうに思っております。


 来られる方の意見を聞くのは、商売の基礎だというふうに私も思っております。


 水俣への入込客数、これはことしの最初の御挨拶等でも申し上げましたが、大体70万人を目指したいというのを各所で私も御挨拶の中で言っております。きのうも答弁の中でありましたが、大体50万前後だと思いますけど、1.4倍で70万人、インターが来るときには、人が入りやすくなりますので、まずは70万人を目指していきたい。それをクリアしたときに、次の100万人が見えてくるのではないかというふうに思っております。


 それと、3つ目の水俣堂々の中身についての御質問だったというふうに思います。


 5月21日にガイドブック水俣堂々のお披露目会、それを予定しておりますが、その経費については、平成29年度、今回の当初予算に計上をさせていただいているところでございます。


 内容につきましては、水俣市文化会館を会場に水俣の風土の豊かさと水俣に生きる人々の志を紹介したいというふうに思っております。


 また、ガイドブックで紹介されている風景を使いながら、由紀さおりさん、安田祥子さん姉妹によります童謡のコンサートを予定しております。


 あわせまして、会場の前でガイドブックに登場する飲食店の方たちでマルシェ、そういったものを実施する予定でございます。


 水俣の誇れるもの、そういったものを積極的に紹介していきたいということでございます。


 4つ目の水俣病教訓発信事業と水俣フィールドワークツアーの内訳でございます。


 この2つの団体でございますが、部長のほうから答弁をさせていただきます。


 内容につきましては、今回、この2つの団体が来たわけですけど、所在地から水俣までの交通費は負担をいただいております。水俣市に到着後の対応を今回の事業の範囲としております。


 10月7日の鹿児島県長島町立獅子島小学校におきましては、共通経費を除き、フィールドワークにおけるバス代及び案内人の謝金、水俣の食や文化の体験費用として、食事代や材料費など、合計で32万8,200円となっております。


 11月2日、2泊3日の日程で参加しました宮崎国際大学につきましては、同じく共通経費を除きまして、フィールドワークにおけるバス代と漁船借り上げ料、語り部案内人への謝金、食や文化の体験費用、ワークショップ開催費用ほか、移動交通費、合計で63万5,050円となっております。


 なお、今回の宿泊先は、湯の鶴温泉でありましたが、2泊分の宿泊費につきましては、参加団体の方から御負担をいただいているということでございます。


 共通経費として、各団体の調整に係る旅費、説明資料等の消耗品費及び企画運営費で合計73万6,750円となっております。


 5を飛ばして、6、7を私が言って、最後に5を答弁させていただきます。


 今回のたから箱、また、水俣病不適切発言が出た際、市の対応を協議したかということでございますが、これがございましてから、県、資料館、そして教育委員会等と関係者で協議を行い、事実確認及び今後の対応について協議をしたところでございます。


 7番のマスコミについてですけれども、これにつきましては、マスコミのほうは、事実に反したことがあったら私たちは抗議をするべきだというふうに思っております。あと、書き方によりましては、新聞のほうが適切という形で報道されているのかというふうに思っております。


○議長(福田 斉君) 川野福祉環境部長。


○福祉環境部長(川野恵治君) 小路議員の5番目の御質問にお答えをいたします。


 株式会社ミナコレにつきましては、昨日御答弁の中でも申し上げましたとおり、水俣病に関する調査、資料の整理、人材育成・研修、こういったことを目的とした団体でございます。


 また、環不知火プランニングにつきましては、水俣市内に訪れる環境学習や修学旅行に対する受け入れ等を主な業務とする団体でございます。


 それぞれ団体の目的、業務内容等も違いますので、以前ミナコレの代表者の方がプランニングの設立に関与したということは伺っておりますけれども、現時点では特にこの2つの団体が何か関係があるということは承知しておりません。


 以上でございます。


○議長(福田 斉君) 西田市長。


○市長(西田弘志君) 宿泊客の目的等についてリサーチはしておりませんので、今後アンケートを実施するということでございます。


○議長(福田 斉君) 小路貴紀議員。


○(小路貴紀君) まず、水俣川河口臨海部振興構想事業ですけれども、やはり現在の水俣の漁業を取り巻く環境はどうなんだろうかと。太刀魚といえば、芦北うたせ船のイメージが最近強くなってきておりますし、アジに至っては出水市の米ノ津に水揚げされれば、黄金アジというブランドになります。同じ海でとれる魚なのに、水俣だけが取り残されている感がずっと続いているような気がします。行政におかれても、今後もより一層の水産振興及び漁業従事者への力強い支援をお願いしたいというふうに思います。


 観光振興でございますけれども、先ほど70万人を目指したいということですけれども、年間1週間が52週あります。70万人を目指すということになれば、単純平均で1日当たり約2,100人、1週間で考えると1万4,000人ということになります。文化会館で今度水俣堂々というのを企画されておりますけれども、1日に2,100人となるととても入れません、収容人数は倍になります。1週間に1万人超えるとなりますと、エコパークでやろうとしても、1万人ぐらい来るようになっても、とても車をとめられる状況じゃないと思います。


 ですから、先ほどの宿泊者の目的のリサーチもですけれども、この観光入込客の目標を上げて取り組むのは非常に大事だと思いますけれども、まずは実態をしっかりと把握してから、観光振興、あるいはPRに関する予算づけ等もしっかりとやっていただきたいというふうに思います。


 あと、水俣堂々事業については、昨日中村議員が御質問されておりましたけれども、初恋のまちづくりについては、市長が非常に肝いりでやられておられるわけですけれども、構想自体がないというお話がございました。でも、既に3,600万円を超える事業費として費やされております。本年度も一部補助金の申請はされておりますけれども、一般財源740万円ほど計上されております。構想がないのに事業がどんどん進んでいくという実態があります。


 この水俣堂々事業についても、由紀さおり、安田祥子姉妹というのがありましたけれども、水俣を発信するのであれば、思い切ってNHKの「おかあさんといっしょ」を呼んで、公開収録ぐらいできないかとか、そういうことも何か考えてもらえればと思います。


 あと、水俣堂々のパンフもできているということですけれども、当市のPR活動を見ると、少し真面目過ぎるんじゃないかと、もう少し遊び心を持ってもいいんじゃないかと、遊び心を持ったPRをすることでメディアに取り上げてもらう戦略にもつながるんじゃないかと思います。


 芦北のユーチューブにアップされているのは、少し金髪の女性を使って、非常におもしろいPRをされておりますので、水俣市もとにかくメディアに取り上げてもらいたいということであれば、そういう戦略を持ってしっかりとやっていただきたいというふうに思います。


 水俣病問題でございますけれども、先ほどフィールドワークの委託料170万円の内訳でありました小学生に32万8,000円、大学生については、2泊3日ということで63万5,050円、これは来てもらうだけで水俣市が負担しているお金でございます。こういった中身ももう少ししっかりと見ていく必要があるんじゃないかというふうに思います。


 特に、先ほど環不知火プランニングとミナコレへの事業についても御説明ありましたけれども、もともとそういうことを専門にやられておられるわけで、ノウハウがあるということで委託されておると理解しております。


 そういった中で、企画と消耗品費等で70万円です。2つの団体しか来ていないのに、70万円です。どれぐらいの委託費というのを使っているのかということについては、本年度も事業はまた続いておりますし、予算審議の中でしっかりと確認させていただきたいというふうに思います。


 それと、先ほど水俣病の不適切発言については、関係者で協議して事実を確認したということでございます。まず、この件については、水俣の保護者の方がよく行動していただいたなということで感謝をしつつ共感するところでございます。事実を確認することと、肥後っ子教室については、基本的に県が主導しているということですけれども、水俣に住んでいる私たちが勘違いしてはいけないことは、今回の件で心配しているのは、実は水俣にいる児童や生徒の保護者であるということなんです。過去もサッカー大会でそういう不適切発言があったわけで、保護者の立場からすると、県の大会とかに行ったときに、今回表に出ましたけれども、実際はそういう目で見られているんじゃないんだろうかという心配を保護者はされているわけです。


 ですから、事実を確認するのではなくて、資料館で勉強をしていただくなら、本当に資料館での情報発信が子どもたちに受けとめられる情報なのかということを、この水俣市が責任持ってやらないと、水俣市にいる子どもたちが被害を受けてしまうということをしっかりと肝に銘じて、改めてこの対応策については、行政も入って、真剣にやっていただきたいということをお願いして質問を終わりにします。


○議長(福田 斉君) 次に、再生可能エネルギーを中心とした電力の供給について答弁を求めます。


 緒方総合政策部長。


  (総合政策部長 緒方克治君登壇)


○総合政策部長(緒方克治君) 若干、時間が押しております。少し早口になりますけれども、御了承ください。


 次に、再生可能エネルギーを中心とした電力の供給について、順次お答えします。


 まず、官民連携による実証試験とはどういう内容か、との御質問にお答えします。


 水俣市はこれまで、環境モデル都市づくりを推進し、日本で唯一の環境首都の称号を得ております。これから、さらに環境モデル都市づくりの取り組みを進め、地球規模の課題である低炭素社会の実現に貢献するため、本事業に着手いたしました。


 事業内容としましては、市役所庁舎の電気をできるだけ再生可能エネルギーで賄う取り組みとなります。事業の実施に際しては、東京都に本社を置くJFEエンジニアリング株式会社が発電する再生可能エネルギーをメーンに、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出せず、しかも、水という純国産のエネルギーである水力発電の電気をJNC株式会社から、あわせて供給を受けることで、市役所庁舎の電気を賄いたいと考えております。


 事業の実施に当たり、まずは、電気が安定的に供給されるのか、どの程度、電気料金が削減できるのか等を、実際に水俣市役所仮庁舎での電気供給を受けて検証したいと考えております。


 次に、実証後の将来のビジョンはどのように描いているのか、との御質問にお答えします。


 今回の検証事業により、電力供給の安定性、再生可能エネルギー比率向上によるCO2排出量削減や、料金削減などを確認し、効果が確認されましたら、議会の承認を得た上で、JFEエンジニアリング、JNC、そして水俣市による共同出資の地域エネルギー供給会社設立に関する協議を開始し、将来的には、この水俣の地に、水俣市が保有する施設全ての電力をカバーする地域新電力会社ないし地域エネルギー会社を設立し、さらなる低炭素社会の実現を推し進めていきたいと考えております。


 以上であります。


○議長(福田 斉君) 小路貴紀議員。


○(小路貴紀君) 2回目に入ります。


 JFEエンジニアリング株式会社でございますけれども、日本鋼管と川崎製鉄が経営で統合したJFEスチールを初め、JFEホールディングス株式会社の傘下で事業活動を行っておられる企業です。


 JFEホールディングスは、資本金1,471億円、連結ベースの従業員は5万9,000人強、時価総額に至っては1兆3,000億円を超える、まさに日本を代表する基幹産業の一つであります。


 そういった企業と、この水俣市のような小さな規模の自治体が事業面で連携できることは、大変喜ばしいい話題であると思っております。


 また、チッソの事業会社であるJNCは、熊本県を初め鹿児島県及び宮崎県を含めて13カ所の水力発電所を保有しており、流れ込み式という環境負荷が少ない発電方法で行っております。


 新しい目丸発電所で1964年(昭和39年)、最も古いものでは白川発電所の1914年(大正3年)の竣工であり、この白川発電所は熊本地震の被害で残念ながら現在も停止中であります。先人が残してくれた設備や技術が半世紀以上経った今も引き継がれております。


 過去に社会問題を引き起こしてしまった事実に対して、その補償を継続していく責任はあるわけですけれども、私もJNC株式会社に勤めている立場としては、同じ思いであります。


 しかしながら、過去の物差しだけで物事を捉えるのではなく、自治体と地場企業が連携して環境や経済面で連携できる現在進行形にあっては、過去の問題と混同せずに行政側からも進んで明るい話題を発信してもらうよう期待しております。


 先ほど、実証実験と実証後のビジョンについて、御説明がございました。


 電力料金が削減できるという大きなメリットがあるわけでございますけれども、この削減によって生み出される財源を行政サイドがいかにして新たな事業に生かしていくかが大事であると思います。単に安くなったからよかったということではなく、事業に生かしていく。


 例えば、市が保有する公共施設ということであれば、市の体育館に空調設備を設置して、施設利用者の環境をよくしてやるとか、プロ、アマチュア問わず、有名な選手やチームを誘致しやすい体育館設備として環境を整えていくべきではなかろうかと考えます。


 また、空調設備の投資には、多額の費用が発生するわけですけれども、電力料金が削減できるということであれば、投資に対する減価償却見合い分と捉えれば、現状よりは財源の面でも負担は軽減できると考えます。


 また、公共施設であれば小中学校の教室に早くエアコンを設置することを考えてもよいのではないかと思います。その際は、できる学校から少しずつという今までのやり方ではなくて、全学校を対象に一気に進めることで、購入台数による割引効果等の費用削減が大いに期待できます。


 メンテナンスや更新時期についても計画しやすくなるということがございますので、そこで質問いたします。


 官民連携の取り組みによる電力料金の削減から生み出される財源を、今、申し上げたような市体育館への空調設備の設置や小中学校へのエアコン設置などにつなげていくことを実証化の中で検討されることは、大いに有益性があると考えますが、いかがかお尋ねします。


 1点です。


○議長(福田 斉君) 緒方総合政策部長。


○総合政策部長(緒方克治君) 今回の実証事業で削減された予算を新たに使ったらどうかというような御質問だったと思います。


 単に電気料金を削減するだけでは、今回の事業、取り組みの効果が市民の方に享受できたとは言えないと私も思います。電気料金削減で浮いたお金を議員御指摘のような市外からのスポーツ合宿誘致とか、あるいは教育環境の整備などに使って、市民に還元していくということも重要だと私は考えております。


 今後、この実証実験でどの程度電気料気が削減されるか、そのようなものを見ながら、市民に対してどのような還元ができるか、このようなものも一緒に検討してまいりたいと考えております。


 以上であります。


○議長(福田 斉君) 小路貴紀議員。


○(小路貴紀君) JNCの鹿児島にあります栗野発電所もリニューアルされております。今回の実証化においては、担当課においても机上で考えるのではなく、現場・現物・現実の三現主義で、もしよければ担当職員の方と一緒にJNCの発電所を見に行ければというふうに思いますので、今後、前向きな取り組みを期待して、この質問は終わりにいたします。


○議長(福田 斉君) 次に、小中学校の現状と課題について、答弁を求めます。


 吉本教育長。


  (教育長 吉本哲裕君登壇)


○教育長(吉本哲裕君) 次に、小中学校の現状と課題について、順次お答えします。


 まず、平成29年2月24日付の熊本日日新聞に掲載された「熊本市PTA会費訴訟」について、市はどのように捉えているのか、との御質問にお答えします。


 熊本市PTA会費訴訟につきましては、PTAに加入していないのに、会費が徴収されたとして、PTAに対して支払い済みの会費と慰謝料の支払いを求めた訴訟です。一審では請求が棄却され、控訴審の福岡高裁で和解が成立しました。


 和解条項として、PTAが入退会自由な任意団体であることを相互に確認すること、PTAは、将来にわたって、保護者に対して、PTAが入退会自由な任意団体であることを十分に周知し、保護者がこれを知らぬままPTAに入会させられたり、退会を不当に妨げられたりすることがないように努めることが挙げられ、あわせて慰謝料等の請求は放棄することとされています。


 PTAにつきましては、御承知のとおり、教育環境の向上や児童生徒の健全な育成などを目的に、学校単位で組織された保護者と教職員による任意団体です。


 各学校のPTAでは、児童生徒のために、学級・学年行事の実施、学校の美化作業等環境整備、通学路の安全点検、保護者の研修の実施など、保護者や教職員の方々の御尽力により、精力的な活動が行われております。その活動は高く評価されており、本年度は第一中学校親師会が文部大臣表彰を受けられたほか、近年では、久木野小学校PTA、緑東中学校PTA、湯出小学校PTA、第一小学校育友会がさまざまな表彰を受賞されております。


 また、日本PTA全国協議会の教育助成事業では、福島県と水俣市の交流事業で水俣市の中学生が福島を訪問するなど、子どもたちが貴重な経験をすることができております。


 裁判においては、PTAへの入会と会費徴収が争われましたが、PTAが児童の福祉と会員の教養を高めることを目的とする入退会自由の任意加入団体であることには争いがありませんでした。PTAは法令等を根拠とするものでなく、入会を強制されるものではありません。しかしながら、先に述べましたように、PTA活動は、子どもたちの健全育成に重要な役割を担っております。


 各学校のPTA活動が全ての児童生徒に及ぶものであることを考慮しますと、PTAへの加入・未加入によって子どもの受益に差を生まないよう、また、全ての保護者と教職員が一体となってよりよい取り組みができるよう、全ての保護者に入会していただきたいと考えております。


 次に、一小及び二小の図書司書補助員及び読書活動推進員について、どういった経緯があって現状の体制になったのか、との御質問にお答えします。


 現在、第一小学校及び第二小学校に1名ずつおります図書司書補につきましては、以前の資料によりますと、学校図書館の運営と利用の振興を図るため、第一小学校には昭和36年から、第二小学校には昭和37年から配置されていたとの記録が残っております。図書司書補の雇用は各校のPTAが行っており、市はその賃金に対し補助を行ってきております。


 読書活動推進員につきましては、図書司書補を配置していない9つの小中学校に対し、平成24年度に緊急雇用創出基金を活用し、2名の非常勤職員を雇用し、巡回訪問を開始しました。基金による事業が平成26年2月で終了したため、一旦事業を終了しましたが、学校図書館の環境整備等に大きな効果があったため、一般財源で予算化し、平成26年8月から2名体制で活動を再開しました。平成28年4月からはさらなる充実を図るため、1名増員し、3名体制で巡回訪問をしております。


 次に、学校における修繕料及び備品購入等に関してPTA会費からの支出もあるようだが、どうか、との御質問にお答えします。


 各学校のPTAは独立した団体であるため、詳細な財務資料を持っておりませんので、聞き取りした状況を申し上げますと、PTA会費を備品購入等に支出している事例は少なく、行事や活動に必要な消耗品などへの支出が見受けられました。


 なお、備品の購入につきましては、地域からの後援会費、リサイクル活動の収益金、また地元企業からの寄附などにより購入されている例が各PTAで見られ、地域の皆様や地元企業に御支援をいただいているところです。


○議長(福田 斉君) 小路貴紀議員。


○(小路貴紀君) いつも目いっぱい時間を使わせていただいて、申しわけございません。


 早口になりますけれども、現在のPTAを取り巻く環境は、私の子ども時代とは随分と変わってきているのかなと客観的に思います。現在、個人情報保護のもとで、ファジーな部分が明確になった反面、柔軟性に欠ける部分も大いにあって、その一例がPTA会費訴訟などの事例が出てきているのではないかとも考えられます。


 もうすぐ新年度を迎えるわけですけれども、今後、PTAへの入会を望まない保護者が出てくるかもしれません。子どもの意思ではなく、保護者の責任でそういう選択がなされるわけです。入会を望まないごくわずかな意思決定が、実はPTA活動全体に影響を及ぼす懸念も考えられます。PTA活動を含めた学校自治ということに対して、どこまで教育委員会が関与できるのか難しい面もあると思います。


 そこで、2点質問いたします。


 今後もPTAへの入会は100%が望ましいと考えますが、いかがかお尋ねいたします。


 2点目に、PTAへの入会を望まない保護者に対して、学校及びPTAが対処できない場合に、教育委員会としてとり得る対応策があるのか、お尋ねします。


 続いて、一小及び二小の図書司書給与につきましては、市から半額を補助しているという考えになると思います。一方で、PTA側からすれば、現状では半額を負担しているという考えにもなっておるのではないかと思います。


 市とPTAがそれぞれ、平成29年度予算でも88万9,928円、これが市とPTAがそれぞれ負担する額ということになります。


 現在の制度に至った経緯は、先ほど昭和36年、37年という御説明がございましたけれども、これまでのPTA役員も世代が入れかわってきているわけで、時代ももう平成になっております。いわゆる世代間の認識の違い、そして制度疲労が出てきているのではないかというふうに思います。


 現在、一小、二小のPTAの収支報告を見させてもらいますと、収入に占める図書司書の給与額は半分近くを占めているのが現状でございます。


 このまま続けば、司書給与が減ることはない一方で、少子化の影響で会費収入は目減りしていくことが予想されます。そうであれば、PTA会費を値上げするのか、あるいは支出を減らす目的でPTAの学年行事を縮小するかなどの選択を迫られることになります。


 読書のまちづくりのよい影響もあってか、図書司書も図書館を開けるために早目に出勤して、子どもたちの読書環境に協力されていると聞いております。


 ここで、少し視点を変えます。先ほどのPTAに入会するか否かの問題に起因するPTAへの入会を望まないケースが発生した場合です。


 図書司書給与の半額はPTA運営費から支出されているわけですので、PTAに入会していない子どもが学校図書館を利用できるのか否か、またPTA主催の学年行事には参加できるのか否かといった問題を議論しなければならない必要性も考えられます。保護者の意思決定で、子どもには責任はなくとも、そういった問題が出てくる可能性があるわけです。


 学校図書館の利用や本の貸し出しもふえている中にあって、読書のまちづくりを推進する方策としても、一歩踏み出す取り組みを期待するところであります。


 そこで、3点目、質問いたします。


 学校司書がいない小中学校に対する読書活動推進員とのバランスも必要ではございますけれども、今後のPTAを取り巻く環境の変化にいち早く対応するために、読書のまちづくりに寄与するためにも、一小及び二小の図書司書給与については全額市が負担する体制が望ましいと考えますが、いかがかお尋ねいたします。


 あと学校の修繕料、備品等に関しては、PTAからの支出は少ないという御答弁ございましたけれども、私が聞いているところでは、少しそこに乖離があるかなというような気もあります。


 しかし、その中身についてはもうこの場では議論するつもりはありませんけれども、PTA側からすると、学校で必要な修繕であったり、備品購入というのは、そもそも市が負担してくれるんだろうという大前提の考えがあります。


 PTA総会等で、決算報告をするときに、先ほどの図書司書給与も一緒ですけれども、備品等の購入の支出があると、やっぱり保護者のほうから、なぜそういう支出があるんですかということになれば、PTAの役員側が非常に困惑するわけでございます。


 そういうことで、修繕料や備品等の購入については、まずは学校と教育委員会、そこで対応できない部分について、学校とPTA、その際にはしっかりと対応できない理由の情報をPTA側にもフィードバックしてやることで、PTA側もしっかり学校運営に協力していく体制というのをつくってくれるんじゃないかというふうに思っております。


 質問したいところですけれども、まずはPTAと情報を共有化できるように関係を構築して、そういう現状の修繕料、備品等の購入についてもいま一歩調査をしていただいて、また来年度以降の予算に生かすようなことでお願いしたいと思います。


 質問は、3点。


○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。


 吉本教育長。


○教育長(吉本哲裕君) PTAの加入についてでございますけれども、先ほど答弁をいたしましたとおり、教育委員会としても全ての保護者にPTAに加入していただきたいと、そのように考えております。


 また、入会を望まない保護者の対応につきましては、PTAが任意団体といいますか、公の支配に属さない任意団体であるということで、教育委員会は直接関与することができません。ただ、社会教育法の規定に基づいて、PTAの求めによりまして、いろいろな指導・助言ができると思いますので、保護者の理解が図られるようPTAの対応などにともに考えてまいりたい。PTAとの関係につきましては、より緊密な情報交換をやってこれまで以上に高めてまいりたいというぐあいに考えております。


 それから、図書司書についての件ですが、第一小学校と第二小学校では、昭和36年、37年ぐらいにそういう制度的に設けられたということで、以前から図書司書を雇用されていた経緯がございます。


 答弁したように市はその費用を補助しておりますが、小中学校全校に図書司書を配置するというぐあいになりますと、非常勤職員等でも多額の費用が必要になってくる。そのため、第一小学校、第二小学校のほかの9つの小学校には読書活動推進員を派遣して、学校図書の充実と児童生徒の読書活動の活性化を進めております。


 読書活動推進員の精力的な活動で、各学校の子どもたち、頻繁に図書館を利用するようになった。私も学校などを訪問いたしますと、休み時間に何十足という子どもたちのシューズがあって、図書館が活気を呈しているという状況でございます。


 そういったことからも、大きな成果が見られますので、現在の体制を基本として、さらなる充実を図ってまいりたいというぐあいに考えております。


○議長(福田 斉君) 以上で小路貴紀議員の質問は終わりました。


 この際、昼食のため午後1時30分まで休憩します。


                               午後0時4分 休憩


                               ─────────


                               午後1時29分 開議


○議長(福田 斉君) 休憩前に引き続き会議を開きます。


 次に、野中重男議員に許します。


  (野中重男君登壇)


○(野中重男君) 皆さん、こんにちは。


 日本共産党の野中重男です。


 私は、経済民主主義に関連して、昨年の12月議会で格差と貧困の問題を述べましたけれども、これをどのように解決するのかについて、日本を代表する経済団体の一つである経済同友会から昨年10月に政策が出されていました。


 その税制改革提言は、高所得者層の実効税率の適正化を図るためにも、株式等譲渡所得及び配当所得への課税を強化する必要があるというものであります。現在の日本の格差と貧困の矛盾を解決する処方せんが、私たちだけでなく経済同友会からも出されていることに、私は驚きましたし、すごいことを提案されるもんだというふうに思ったところであります。


 では、具体的な質問に入ります。


 1、水俣病について。


 ?、2016年12月31日の朝日新聞は、水俣病の原因企業チッソが、患者への補償で経営危機に陥り、それに対して1970年代に国は公的支援を決めた。これを決めるまでの詳しい経緯が、同社副社長の内部メモから明らかになったと報道しました。その内容はどのようなものか。


 ?、これらの経過を経て、環境省から出された昭和52年の判断条件と昭和53年の新事務次官通知はどのようなものか。


 ?、昭和48年3月の水俣病損害賠償請求訴訟の熊本地裁判決を受けて、患者団体とチッソとの間で補償協定が結ばれたが、それ以降の熊本、鹿児島及び国の認定審査会の認定数は年次ごとにどのようになっているか。


 2、市庁舎建設について。


 ?、水俣市本庁舎建替検討委員会がつくられ、審議が進んでいるが、現在の進行状況とこれからの予定はどのようになるのか。


 ?、新庁舎の建設に当たり、一つの大きな視点は、災害に対応する司令塔としての役割と考えられる。2月の建替検討会でも委員からこれまで水俣市で起きた災害について紹介されていた。水俣市が把握している現在までの災害の発生年、種類、被害規模はどのようなものになっているか。


 ?、これまで発生した災害に加え、新しく災害の危険性が指摘されているのは、日奈久活断層の地震と考えられる。この地震による揺れと津波による浸水はどれくらいが想定されているか。


 ?、旧庁舎地ではない、新しい場所に建設地を選定するとしたら、どのような手続と時間と費用が想定されるか。


 ?、新庁舎には、これまで別の建物の中にあった教育委員会や水道局も入れるのか。


 3、水俣歴史民俗資料館の設置について。


 ?、これまで水俣市で確認している歴史的、民俗的資料はどこに保存されているか。


 ?、新庁舎建設に合わせて、歴史民俗資料館についても設置すべきと考えるがいかがか。


 以上、本壇からの質問を終わります。


○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。


 西田市長。


  (市長 西田弘志君登壇)


○市長(西田弘志君) 野中議員の御質問に順次お答えをいたします。


 まず、水俣病については私から、市庁舎建設については総務部長から、水俣歴史民俗資料館の設置については教育長から、それぞれお答えします。


 初めに、水俣病についての御質問に順次お答えします。


 まず、2016年12月31日の朝日新聞は、水俣病の原因企業チッソが、患者への補償で経営危機に陥り、それに対して1970年代に国は公的支援を決めた。決めるまでの詳しい経緯が、同社副社長の内部メモから明らかになったと報道した。その内容はどのようなものか、との御質問にお答えします。


 朝日新聞に掲載された記事の内容については、私も確認をいたしました。


 報道内容については、要約すると、まず1面では、チッソが1973年、患者家族による初の損害賠償請求訴訟で敗訴した後、患者認定を求める人の急増で補償費支出が拡大し、当時の副社長である久我正一氏らチッソ幹部が1974年以降に当時の環境庁幹部や自民党国会議員らに支援を要請、深刻な債務超過に陥った1977年以降は頻繁に陳情を重ねた。相談を受けた元環境庁事務次官は、逆に久我氏に世論工作の必要性を説くとともに、藤井裕久参議院議員にチッソ救済方法の検討を要請した。1978年6月、県が県債を発行して国などから資金を調達し、チッソに貸す救済策を閣議了解した。その2週間後に環境庁は患者の認定審査を厳格化する次官通知を出し、その結果、それ以降の水俣病の認定申請を棄却される人が急増したという内容でした。


 また、3面の関連記事の内容については、認定患者数が1,348名となり、年間の補償支払い額が営業利益の4倍を超える52億円に達した。チッソ幹部は公的支援の要請を国に波状的に続けたが、関係省庁は、支援は至難との反応がほとんどだった。1977年10月には、当時の福田赴夫首相が国会で、政府が一企業の経営に肩入れはできないとの趣旨の答弁をしている。しかし、そのころ、官房副長官は、久我氏に政府内にも無為に放置できないという機運が出ている。しかし、政府が早く乗り出すと患者を増長させると伝えており、水面下でチッソ救済の検討が進められていた。ただし、チッソ救済の条件として、政府高官は補償協定の見直しにこだわった。補償対象となる患者の絞り込みも図られ、1978年3月には、官房副長官が熊本県知事に対し、患者認定に厳しい姿勢を求めた。同時に環境庁は、水俣病の新たな認定基準づくりに着手し、医学者でつくる検討会を設けていた。その内容は、1つの症状でも認定できるとした1971年の事務次官通知に対し、新たな基準は複数の症状の組み合わせ要件とし、認定のハードルが高まったとのことでした。


 また、3面補足記事によると、チッソ救済策の検討会を主催した藤井裕久元財務相が取材に経緯を語ったということで、内容は、検討会では、チッソをつぶしてはという意見も出たが、議論しなかった。つぶしたら国が直接補償をやらざるを得ず、大変なことになると腹の中では思っていた。県債は元環境庁事務次官の案だが、あくまでチッソの借金であり、説明がつく。水俣市幹部もチッソがなくなれば困ると言っており、水俣は企業城下町であり、つぶしたら地域経済も成り立たず被害者救済もできないと我々も認識していたという内容でした。


 次に、これらの経過を経て、環境省から出された昭和52年の判断条件と昭和53年の新事務次官通知はどのようなものか、との御質問にお答えします。


 52年の判断条件については、四肢末端の感覚障害や運動失調、求心性視野狭窄、歩行障害や構音障害といった水俣病にあらわれる症候は、それぞれ単独では一般に非特異的と考えられるので、水俣病と判断するには高度の学識と豊富な経験に基づく総合的な検討が必要であるが、魚介類に蓄積された有機水銀の暴露歴を有する者で、感覚障害を含めた複数の症候の組み合わせのある者については、通常水俣病の範囲に含めて考えられるとの内容でした。53年の新事務次官通知については、52年判断条件にのっとり、検討の対象とすべき申請者の全症候について、水俣病の範囲に含まれるかどうかを総合的に検討し、判断するという内容でした。


 次に、昭和48年3月の水俣病損害賠償請求訴訟の熊本地裁判決を受けて、患者団体とチッソとの間で補償協定が結ばれたが、それ以降の熊本、鹿児島及び国の認定審査会の認定数は年次ごとにどのようになっているか、との御質問にお答えします。


 昭和48年度以降の年度別の認定の推移について熊本県、鹿児島県に確認したところ、熊本県については、昭和48年度が292人、49年度が29人、50年度が146人、51年度が109人、52年度が196人、53年度が125人、54年度が116人、55年度が48人、56年度が57人、57年度が76人、58年度が46人、59年度が41人、60年度が29人、61年度が44人、62年度が18人、63年度が7人となっており、以下一桁で推移しているとのことでした。


 同じく鹿児島県については、昭和48年度が66人、49年度が15人、50年度が15人、51年度が39人、52年度が44人、53年度が50人、54年度が27人、55年度が23人、56年度が20人、57年度が19人、58年度が22人、59年度が26人、60年度が25人、61年度が16人、62年度が22人、63年度が12人、平成元年度が11人、2年度が11人、3年度が3人となっており、以下一桁で推移しているとのことでした。


○議長(福田 斉君) 野中重男議員。


○(野中重男君) この報道は、本当に驚きました。去年の12月31日にあって、またことしになって、この資料を発掘された大学の先生が水俣にもおいでになって、話を聞く機会が研究会によって開かれていまして、その関連の記事も新聞報道等になっています。


 それで、中身について、こんな背景があったのかということが生々しく出てきたというのは驚きだったんですけれども、国のほうで認定者を絞り込む動作がされたというのは、以前、これが出た当時から患者団体もあるいはお医者さんたちの集団も、あるいはたくさんの人たち、マスコミを含めて言われていたところであります。


 それで、最初に誤解のないように言っておきますけれども、私ども日本共産党は、昭和52年、53年に県債が発行されるということについては、これは発行されるべきだという立場をとりました。


 なぜならば、チッソがこの水俣にあって、あるいは周辺の地域にあって、大きな雇用を抱えているし、事業体として重要な企業であるという立場から県債を発行すべきだと。別の言い方をすると、加害者である国と県がもう少し前面に出て、被害者救済にも当たるべきだということをそのときに私たちの先輩たちは主張しています。


 そのことは、実は55年提訴の水俣病第3次訴訟にもつながっていまして、熊本地裁で昭和62年に判決もとりました。


 国と熊本県に加害責任があるということを初めて認めさせた判決でしたけれども、実はこの裁判の過程で、私は患者会の事務局に11年いましたので、弁護団と一緒にこれらの論理を練り上げるところに参加させていただいて、それが今でも大きな財産となっているということをまず紹介しておきたいと思います。


 その上で、2番目の質問をしたいと思うんですけれども、今、市長から新聞記事、かなり丁寧に説明していただいたんですけれども、ことしになってから報道された記事を改めてちょっと紹介しますと、新聞の見出しで言うと大変ショッキングな見出しがいっぱいついているんですよね。今、手元にあるのは、ことしの1月6日の熊日ですけれども、「もっと地元は騒がせよ」という大きな横見出しの新聞記事であります。もう一つは、西日本新聞1月8日付ですけれども、「水俣病補償金急増、政府協定破棄せよ、患者切り捨て詳細メモ」という大きな見出しがついています。もう一つ、ことしの1月8日付、毎日新聞、4段見出しですけれども、「水俣病補償協定ざるに水」という見出しがついています。もう一つは、1月9日読売新聞「水俣病補償抑制めぐるメモ」というこれも3段見出しで出ているんですね。


 いずれにしても、何を各紙書いているかというと、内閣官房を含めた行政の動きをかなり克明に久我メモには書いてあるということなんです。


 ことしになって報道されているのを4つだけ紹介します。


 熊日は1977年5月検討会の主要メンバーの鹿児島大学井形教授がチッソを訪問し、新基準がまとまった趣旨説明されたというふうに久我さんはメモされております。


 もう一つ、1977年9月、道正邦彦という元内閣官房副長官が、財政支援は私企業救済で大義名分がないと。坂田代議士を担いで、もっと派手に地元を騒がせよというふうに言われているんですね。


 もう一つ紹介します。1978年1月船後正道元環境庁事務次官が、水俣市の存亡にかかわるとして、社会的問題化しないと、容易ではないぞという発言を久我副社長にされています。


 1978年1月、清水汪内閣官房審議官は、公費負担を少しでも減らすように補償協定の改定、あるいは破棄、今のままではざるに注ぐがごとしというふうに久我さんにおっしゃっているんですね。


 このように政府を挙げて、どう被害者を救済するかということではなくて、その真逆のことをやられたというのは白日のもとにさらされて、やっぱりそうだったかということを私も思いました。それで、市長にちょっとお伺いしたいと思います。


 1つは、一連の経過は、県債を発行し、チッソを救済するかわりに、ざるのような認定基準と制度をかえて支払い額を少なくせよと迫っていると私は思います。このようなとんでもないことをされているんですけれども、これについては、市長の立場としてどのように思われますか。


 2番目、また、一連の流れからは、被害を受けた被害者の痛みが全く伝わってきません。このような行政をどのように思いますか。


 3点目です。今回のメモには、官邸などの動きと連動して、環境省では水俣病の新たな基準づくりのために医学者を集めた検討会が進められていた。先ほど読み上げましたけれども1977年5月には、井形教授が来社され、新しい判断基準がまとまった趣旨説明を受けたというふうに久我さんのメモにはあります。そもそもチッソを訪問されて、認定者を絞り込むための新しい基準について説明する、これは全く驚きでした。医学者としての矜持だとか道義的責任については、どう考えればいいのかというふうに思います。市長はこういうことについて、どう思われますか。


 4番目、52年と53年を境に認定されている患者が激減しています。広範な住民が汚染されているのにこのように激減するのは不自然というふうに思われないでしょうか。


 今、答弁あったように、熊本県、鹿児島県別々に言われたんで、総合形成が幾らなのかというのがわからないと思うんですけれども、私も独自に調べました。


 48年が両県で356人、50年が160人、51年が148人、52年が240人、53年175人、54年143人なんです。通知が52年判断条件と53年の新次官通知が出て、55年からは何と半分に減っているんです。54年の143人から55年は71人ですから、もう急激に減っている。ずっと減っていっています。だから、通知の影響だということも明らかだというふうに私は思うんですけれども、先ほど言いましたように、こういうのを不自然と思われないでしょうか。


 以上、4点お願いします。


○議長(福田 斉君) 西田市長。


○市長(西田弘志君) 4点、御質問がございました。


 まず1点目、ざるのような認定基準と制度をかえるというふうな発言について、どのように考えるか、どういった思いがあるかということでございますが、この県債の発行についての経緯につきましては、私も今回新聞では見させていただいたわけでございますが、個人的な思いはございますが、市長としてのコメントは差し控えたいというふうに思っております。


 それと、2つ目の当時の行政のあり方について、どう思うかということであったというふうに思います。


 新聞記事だけの情報だけで、限られた情報というふうに思いますので、これについても意見を述べるのは難しいというふうに考えております。


 それと、3点目、当時の水俣病の基準については、井形教授等が来社され、その辺の経緯を含めてどう考えるかということでございますが、これについてももう一方的というか、私の情報としては新聞記事だけの情報でございますので、限られた情報ということでございますので、意見を述べるのは難しいというふうに考えております。


 それと、4番目の数字が急に減ったことにつきまして、どう思うかということでございますが、認定患者数につきましても、急激な変化があったと言えるかどうかは判断は難しいというふうに考えております。


○議長(福田 斉君) 野中重男議員。


○(野中重男君) 答弁は市長としては大変難しいだろうなとは思いつつ、質問通告出したんですけれども、そして2回目の質問をしたんですけれども、いずれにしてもまだ被害者の問題は解決していませんし、そのほかいろいろなことがあるんですけれども、後世の人たちから見ても、あるいは今生きている人たちから見ても、やっぱり不条理なことは不条理だということで、どう認識して、その場面、場面で対応するかということが必要なんではないかなというふうに思います。


 水俣病についての市長答弁は水俣市だけで対応できるものではないんだというふうに私は思っていましたので、当然、上級機関ではありませんけれども、熊本県だとかいろんなところの意向も踏まえながらの答弁だと思いますので、それはそれでいたし方ないという面もあるのかなと思いつつ、次の質問にいきたいと思います。


 3回目の質問なんですけれども、現在の問題に戻ります。


 1番目です。認定基準を初め、95年の政治解決でも、あるいは水俣病特措法でも、支払い額を絞るために被害者を絞り込む線引きがされてきたというふうに思っています。52年、53年の判断条件と同じように、95年の政治解決でも特措法でも同じように線引きがされたと私は判断しています。これらについて、どのように判断しますかということです。今までの県債発行に絡むいろんなことと絡めて今もまだ続いているんだという意味で、これをどういうふうに思いますかというのが1つです。


 それから2点目は、全ての被害者が救われないと水俣病は解決しないというふうに私は思うんですけれども、基本的な認識として市長はどのようにお考えでしょうか。


 以上、2点お伺いします。


○議長(福田 斉君) 西田市長。


○市長(西田弘志君) 2点ございました。


 水俣病に関しましての線引きと、また現状についてどのように考えるかということでございます。


 水俣病特措法に基づく救済措置につきまして、救済対象の地域・年齢などにより、救済対象とならず、このため司法の場に救済を求められた方がおられることについては、十分認識をしているところでございます。


 議員御指摘の線引き等に関することにつきましては、このような御意見があったことにつきまして、熊本県、そして国に伝えてまいりたいというふうに思っております。


 そして、水俣病についての認識でございますが、水俣病問題の解決に関しましては、やはり救済されるべき全ての人が救済されることが考えられるというふうに思っております。


○議長(福田 斉君) 次に、市庁舎建設について、答弁を求めます。


 本田総務部長。


  (総務部長 本田真一君登壇)


○総務部長(本田真一君) 次に、市庁舎建設について、順次お答えします。


 まず、水俣市本庁舎建替検討委員会がつくられ、審議が進んでいるが、現在の進行状況とこれからの予定はどのようになるのか、との御質問についてお答えします。


 水俣市本庁舎建替検討委員会は、昨年12月21日に第1回を開催し、庁舎建てかえの必要性とこれまでの経緯などについて説明しました。本年2月3日に2回目を開催し、新庁舎建設の財源等について、説明したところであります。


 今後、検討委員会におきまして、建設場所の絞り込み、新庁舎に求められる機能、規模等について検討いただくとともに、市民の皆様の御意見を伺いながら、平成29年秋までに基本構想をまとめる予定であります。


 策定しました基本構想に基づき、平成31年秋ごろまでに、基本設計・実施設計書の作成を行った後、新庁舎の建設に着手することとし、平成33年中の完成を目指したいと考えております。


 次に、新庁舎の建設に当たり、一つ大きな視点は、災害に対応する司令塔としての役割と考えられる。2月の建替検討委員会でも委員からこれまでの水俣市で起きた災害について紹介されていた。水俣市が把握している現在までの災害の発生年、種類、被害規模はどのようになっているか、との御質問についてお答えします。


 水俣市におきまして、過去に災害救助法の適用になった災害は3件あります。まず、昭和40年6月に発生した台風15号で、全壊家屋が63戸、半壊家屋が133戸、被災世帯8,994世帯の被害があっております。次に、昭和46年7月に発生した水害で、全壊家屋5戸、半壊家屋4戸、市内各所の排水溝から雨水があふれ、床上浸水309戸、床下浸水1,800戸の被害があっております。また、平成15年7月に発生した土砂災害で、死者19名、負傷者7名、全壊家屋20戸、半壊家屋5戸、床上浸水121戸、床下浸水271戸といった大きな被害を受けた災害が発生しております。


 なお、災害救助法の適用は受けておりませんが、過去に大きな被害をもたらしたものとして、昭和34年7月に発生した水害があります。これは湯出地区において、死者6名、流出家屋1戸、床上浸水33戸の被害を受けております。


 次に、これまで発生した災害に加え、新しく災害の危険性が指摘されているのは、日奈久活断層の地震と考えられる。この地震による揺れと津波による浸水はどれくらいが想定されるか、との御質問についてお答えします。


 本市の地域防災計画では、布田川・日奈久断層帯の地震による揺れの想定は、マグニチュード7.9、震度6強で、津波波高は1メートルを想定しており、津波による浸水想定は、白浜町、梅戸町、湯堂地区の一部で、浸水を想定しております。この想定は、平成24年度に熊本県が発表しました地震・津波被害想定調査結果をもとにしております。


 このほか、本市では土砂災害、洪水、高潮のハザードマップを作成しており、洪水によって水俣川が氾濫した場合、医療センターなどがあります水俣川左岸の市街地の大部分が浸水するという想定をしております。


 次に、旧庁舎地ではない、新しい場所に建設地を選定するとしたら、どのような手続と時間と費用が想定されるか、との御質問についてお答えします。


 新庁舎を新しい場所に建設する場合、民有地であるならば、用地を取得しなければなりません。用地の取得には、地権者との交渉が必要になり、用地取得に係る費用のほか、造成費、既存施設の移転・除却費、インフラ整備等の費用がかかる可能性があります。


 また、市有地、民有地を問わず、建築基準法の規定に基づき、開発行為の申請を行い、知事の許可を受けることが必要になります。


 さらに、一般単独災害復旧事業債を活用するならば、原則、旧庁舎の敷地に建てることが求められますので、新しい場所を選定するとしたら、その理由を国等に認めてもらう必要があります。


 次に、新庁舎には、これまで別の建物の中にあった教育委員会や水道局も入れるのかとの御質問にお答えします。


 教育委員会や水道局が同じ庁舎内にあると、市民の利便性の向上が図られますので、検討してまいりたいと考えております。


○議長(福田 斉君) 野中重男議員。


○(野中重男君) 33年までの大まかな予定は今、答弁いただいたとおりで、そのようにこれまでも説明いただいておりましたので、理解しています。


 それで、これまでに起きた災害について、図書館に行って、この年代の災害等をずっと調べましたら、新聞記事が残っております。40年も46年も残っておりました。


 46年の水害は「戻り梅雨」という見出しがついていまして、昭和町あたりがひざ上まで水につかるというような写真も入ったりしていました。40年は台風被害ですよね。34年の湯出地区の水害は、何が原因で水害になったかというのは書いていなくて、ちょっとわかりませんでしたけれども、梅雨関係の大雨だったのかもしれません。


 いずれにしても、これまで起きた昭和30年代以降の大きな災害は、台風の風もありますけれども、主に水による災害、土砂崩れだとか浸水だとかが広範であるというのが特徴かなというふうに思いました。特に40年は、今、答弁ありましたように被災された世帯が8,900世帯ですから、特に水俣市の左岸、川は左岸とか右岸とかどっちを左岸というのか、どっちを右岸というのかちょっとわかりにくいんですけれども、河口に向かって左側が左岸、河口に向かって右側が右岸というふうに言うんだと思いますけれども、今で言うと体育館、あるいは江南町から平町、その辺がみんな水につかって、市内のほうが水につかるというのが、この40年の災害だったのかなと思います。46年も同じような形で市街地が1,800戸床下浸水していますので、そういう被害だったのかなというふうに思います。


 ですから、こういうことからこれから水俣で想定する被害というのはどういうものかというと、先ほど答弁もありましたし、あるいは私も指摘しましたけれども、地震だとか水害が中心なのかなというふうに思ったりしています。


 それから、もう一点、2回目の質問に入る前に、申し述べますけれども、教育委員会と水道局については、検討するというのが結論でしたので、この災害復旧事業債を使えるんであれば、使って建物をつくって、これが中に入れるんであれば、ぜひ入れたほうがいいんではないかなと私は思っています。


 その上で2回目の質問をします。


 1番目の質問です。おおむね5年という計画を今述べられたんですけれども、これが万が一、延びればどのようなことが想定されるんでしょうか。


 2番目です。平成15年の災害で、水俣市役所は1階部分が浸水しました。これは鶴田橋に流木がかかって堰ができ、また陣内2丁目の水路の川への出口に車が挟まってやはり堰ができて、陣内方面が浸水し、市役所1階も浸水しています。この事実は、東日本大震災で多くの自治体が津波被害を受けましたけれども、これをもとにして市庁舎などが高台に移転していることと同じように扱われるんでしょうか。それとも、災害復旧事業債は適用になるんでしょうか。これが2点目であります。


 3点目、水俣で起きる災害は、これから確率が高いのは水害と地震と津波というふうに答弁されたんですけれども、基本的には今申し上げたように、これから想定しなければいけない災害は、水害と地震ということで間違いないかどうかという2点、確認したいと思います。


○議長(福田 斉君) ちょっと確認しますね。


 3点目は。


○(野中重男君) 3点目は、これから想定される災害は、水害と津波による2つというふうに考えていいかという。


○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。


 本田総務部長。


○総務部長(本田真一君) まず、新庁舎の建設まで5年間で計画しているが、この計画が延びた場合、どのようなことが起きるかということについてお答えいたします。


 まず、現在の仮庁舎は、建築基準法第85条第5項の規定に基づき、5年間の建築許可をいただいており、原則、その延長はできないことになっております。


 仮に期間が延びた場合、プレハブリース料として1カ月当たり約97万円の費用が生じてきます。


 また、文化会館駐車場を仮庁舎用地として、また第一小学校の大運動場の一部を仮庁舎の駐車場用地としてそれぞれ借用しておりますので、文化会館を利用される方々、または第一小学校に御迷惑をおかけすることになるかと思います。


 さらに、熊本地震で被災した庁舎建てかえの財源として予定しております一般単独災害普及事業債は、長期の計画では認められない可能性があります。そこで現在、この地方債の活用を予定している他の市町においても、おおむね5年以内に建てかえ、移転する計画と伺っております。


 次に、東日本大震災で多くの自治体が津波被害を受けたが、これをもとにして、市庁舎などが高台に移転していることと同じように扱われ、災害復旧事業債は適用になるのかとの御質問でございますけれども、一般単独災害復旧事業債での事例ではございませんが、東日本大震災では、津波により庁舎が被災し、もとの庁舎があった場所に建てかえることが不可能な場合は、他の場所への移転が認められているようです。


 したがいまして、熊本地震の場合にあっても、同程度の理由が認められるのではないかというふうに考えております。


 以上です。


○議長(福田 斉君) 緒方総合政策部長。


○総合政策部長(緒方克治君) 第3点目、お答えいたします。


 水俣で考えられる災害、議員がお示しになられました、まず水害、そしてそれに伴う土砂災害、そして地震・津波が主だと考えております。


 したがって、防災を考えるに当たっても、これらのことを十分に考慮に入れて対策を講じる必要があると、このように考えております。


 以上であります。


○議長(福田 斉君) 野中重男議員。


○(野中重男君) 庁舎の建てかえに当たっては、それこそ1年前とか2年前とか、3年前だとか議会で話題になりましたのは、早く庁舎を建てかえないといけないんじゃないかということが随分話題になりました。そして、その財源をどうするんだというときに、公共建築物建てかえのための基金を積み立てていっているという答弁がずっとあっていて、それはまだ10億にも満たっていなくて、新たに建てかえるとしたら、30億、40億かかるだろう。残りの財源どうするんだという、合併した市町村は特例債があって使えますけれども、そうじゃないところはそういう起債もないと。単独で起債を起こすと、それなりに実施負担を30年、40年元利償還でしなきゃいけないという。もう財源的にどうなるんだということが大きな課題だったというふうに思います。


 出水をこの前、私どもも視察させていただきましたけれども、これはこれで将来にいっぱい負債を残すんだろうなということを思いながら、よく思い切って建てかえされたというふうにも思ったりしました。


 今回は、地震関連で市長もずっとおっしゃったように、災害復旧事業債が使えるということですので、これが使えれば、これを最大限に使って、後世に新たな負担はつくらないということで、この起債が使えるところで、どう上手につくっていくかということが一つの焦点でもあるんだろうなというふうに思っています。


 それで、最後に3点目に、市長の考え方を聞きたいと思いますけれども、今、市長がつくられた庁舎建替検討委員会があります。ここの答申が出て、あるいは市民の意見を聞いた上で、市長として場所はどういうふうにするのか、基本的な考え方はどうするのか、そういうのを表明される予定なんでしょうか。その前に市長の考え方をどこかで表明されるということもあるんでしょうか。この辺の今後の市長の対応について、お尋ねしたいというふうに思います。


○議長(福田 斉君) 西田市長。


○市長(西田弘志君) この庁舎建てかえにつきましては、今回、建てかえに踏み切ったわけでございますが、やはり50年使う庁舎でございます。強い頑丈な庁舎をつくるというのは1つ大きな目標だというふうに思いますし、それとやはり次の世代に負債を残さない、そういった建て方をやりたいというのを非常に考えているところでございます。


 そんな中で、建てかえにつきましては、今、水俣市本庁舎建替検討委員会で検討をいただいているところでございます。こういった委員会から意見を述べていただきますとともに、パブリックコメントで市民の意見を伺いましたその後に御答申いただくことになりますが、それらを参考にしまして、最終的には基本構想という形で明らかにさせていただきたいというふうに思っております。


○議長(福田 斉君) 次に、水俣歴史民俗資料館の設置について答弁を求めます。


 吉本教育長。


  (教育長 吉本哲裕君登壇)


○教育長(吉本哲裕君) 次に、水俣歴史民俗資料館の設置について順次お答えします。


 これまで水俣市で確認している歴史的、民俗的資料はどこに保存されているのか、との御質問についてお答えします。


 現在、農具や生活用具などの民俗的資料の多くを第一小学校空き教室に保存しています。そのほか、水俣城跡を初めとする近年の発掘調査による出土品や、市民の方々から提供いただいた石器や土器などの考古学的資料、古文書などの資料は、石坂川生涯学習センター及び公民館4階資料室に保存しています。


 次に、新庁舎建設に合わせて、歴史民俗資料館についても設置すべきと考えるがいかがか、との御質問にお答えします。


 教育委員会としましても、さきに述べたような資料は、水俣市の歴史や文化を如実に語る貴重なもので、保存して後の時代に伝えていくことも重要であり、同様に活用することも重要だと考えております。特に近年では本格的な発掘調査の事例がふえていますが、成果を公開することがなかなかできておりません。


 今後、資料を保存するだけではなく、資料を展示して歴史・文化を紹介し、また、資料が水俣の歴史の調査研究に活用されるようにするために、歴史民俗資料館は必要であると考えております。


○議長(福田 斉君) 野中重男議員。


○(野中重男君) 教育長から歴史民俗資料館は必要であるという答弁が出ました。


 これまで私は議会に出させていただいて、17年、18年になりますけれども、延々と言い続けてきたことでした。教育長からこういう答弁が出て、本当にうれしく思います。


 最近発掘されたのは、ひばりヶ丘ですよね。北園上原遺跡で、あそこは熊本県が調査したところと、水俣市が調査したところと2つあったというふうに聞いています。


 熊本県が調査したところについては、水俣だとか北薩地区だとか、あるいは八代の南のほうだとか、天草まで広がっている地下式板石積石室墓というのが十数基出たという話ですし、その中から銅鏃も出ています。銅鏃というのは、矢じりの先につける鋭利な刺さるものですよね。こういう発見は大きいというふうに新聞記事にも出ておりましたけれども、教育委員会の担当者に聞きましたら、もう本当に珍しいことで、それが贈り物として贈られて、死者の棺といいますか墓場に入れられたのか、あるいは何らかの戦闘行為があって、体に刺さって亡くなってそのまま埋葬したから、それがそのままあったのかというのはよくわからないと言っていました。


 今後、県として銅の成分を分析して、これがどこでつくられたものか、近畿なのか、あるいは北九州及び九州の北部なのか、それは銅を分析することによってわかるんだそうです。そういうことを分析することによって、私たちの水俣に先祖から住んでいた人たちが、どういう営々とした営みの中で今に至っているのかというのがわかってくるのではないかなと思うですね。


 もう一つ、今、教育委員会の担当者が直接担当し、調査されているのは、偽琉球銅銭ですよね。これもまだわかっていないんですよね。どういうものかよくわかっていないのもあります。


 それこそ、何度も言ったことあるんですけれども、旧石器時代から随分連続的な遺跡が残っているのが水俣なんです。実は、私はふるさとは天草ですけれども、旧石器時代の遺跡はありません。九州本土だとか中心なんだろうと思うんです。長島も出水高校の池見先生たちが発掘されているんですけれども、旧石器時代のものは余り見つかっていないんですよ。古墳時代からなんですよね。あるいは、そのちょっと前からなんです。そういう意味では、水俣は歴史的遺物の宝庫なんです。これを公開することが大変重要なんじゃないかなというふうに思っています。


 それで、教育長に端的にお伺いします。


 これまで資料館を建築するとしたら、新築だと3億、4億、5億のお金がかかって、そんな財源はとても確保できないというふうに言われていました。


 私は、今回、市庁舎の建てかえが一つの機会だろうというふうに考えているんです。それは、教育委員会が市庁舎の横に入っておられた建物は耐震構造もできていますよね。今、水道局が入っておられますけれども、教育委員会、水道局が本庁舎のほうに移転すれば、教育委員会がもと入っておられたところがあくことになるんです。ここを内部改装等にして、資料館にする、淇水文庫と一緒に、それこそ歴史資料を市役所周辺に集めるという方法もあるんだろうと思います。


 あるいはもう一つは、今、教育委員会が入っておられる公民館分館の2階部分ですけれども、以前あそこを使われていた方たちとの関係はあると思うですけれども、支障がなければ、あそこに歴史民俗資料館として整備するという方法もあるんではないかなというふうに思います。


 どこが一番水俣らしくて、合理的なのかということを含めて、今、庁舎の建てかえ等の検討が始まっていますから、それに合わせてこれもどうするかということを検討されたらいかがでしょうかというふうに思います。


 それから、2点目は、午前中の質問で?岡議員も質問で提案していましたけれども、教育委員会の生涯学習課の学芸員がやっぱり不足していると思います。水俣市政が文化政策にもきちっと力を入れているんだということを確立していくためには、専門家の力をかりる必要があると思います。コンサルタントだとか、あるいは専門家集団に調査してもらって、それで答申もらって、整備するという方法もあるですけれども、蓄積をしなきゃいけないと思うですよね。水俣市役所として学術的なものを蓄積するという意味では、内部に人を抱えるという方法が一番いいのではないかなと思うんですけれども、以上2点についていかがでしょうか。


○議長(福田 斉君) 吉本教育長。


○教育長(吉本哲裕君) 歴史民俗資料館の件に関しまして、議員のほうからの御提案もありましたように旧庁舎、今現在水道局のほうで使っておりますが、庁舎建てかえに伴いまして、旧庁舎ないしは公民館の分館も含めて、新庁舎が建てかえられた後、どういう形になるのか、具体的な構想づくりが今からですので、構想づくりの中に入っていくかと思いますが、歴史民俗資料館そのものの必要性は先ほど申しましたように認識をいたしております。今後、それらも含めて検討していくことになろうかと思います。


 それから、学芸員につきましては、この点、教育委員会としても常々その必要性は強く要請をしているところです。専門的な知識を要した人材を確保するということでございますので、非常に困難な部分もございますが、かねてより言っておりますように、人事担当のほうとも十分打ち合わせしながら、人材の確保には努めていきたいというぐあいに考えております。


○議長(福田 斉君) 野中重男議員。


○(野中重男君) 庁舎の建てかえに合わせて、ぜひ検討していただきたいと思いますし、人の確保についても教育委員会だけではできませんので、市長サイドが人員配置をどうするかということが大切だと思いますから、その辺を受けとめていただいて、対応していただければと思います。


 最後に、教育委員会にちょっと要望しておきたいと思います。


 教育とか学問だとか科学技術は、すぐ目先で何か利益が出るかというと出ないですよね。しかし、先人が切り開いてきた知識を学ぶということ、それから自然現象を解明して学ぶということ、こういうことが今、人間社会の基礎になって、現在があるんだというふうに私は思っています。


 地域と人間の歴史の学習も同じでして、営々と続いてきた地域の歴史の中でその一断面に今がある。私たちが長い歴史の中で今、ここに生きているということを、子どもたちが学び、そして大人も学び、そういう中で人が育っていくんではないかなというふうに思いますので、ぜひ力を発揮していただいて、資料館を含めた行政が進むことをお願いして、質問を終わりたいと思います。


 終わります。


○議長(福田 斉君) 以上で野中重男議員の質問は終わりました。


 これで本日の一般質問の日程を終了します。


 次の本会議は明9日に開き、一般質問並びに提出議案の質疑を行います。


 なお、議事の都合により、あすの本会議は午前9時30分に繰り上げて開きます。


 本日はこれで散会します。


                               午後2時29分 散会