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熊本県 熊本市

平成20年第 4回定例会−12月15日-05号




平成20年第 4回定例会

  平成20年12月15日(月曜)
┌──────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第5号                          │
│ 平成20年12月15日(月曜)午前10時開議               │
│ 第  1 質問                              │
└──────────────────────────────────────┘
                             午前10時02分 開議
○牛嶋弘 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
     ───────────────────────────
○牛嶋弘 議長  日程第1「質問」を行います。
 順次発言を許します。田尻善裕議員。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇 拍手〕
◆田尻善裕 議員  皆様おはようございます。くまもと未来の田尻善裕です。
 まず、今回質問の機会をいただいた市民の皆様、先輩同僚の議員の皆様に感謝を申し上げます。今回、新しく熊本市を一緒につくることになった富合町のくつき議員も参加されて、12月議会、きょうが質問最終日であります。最終日でありますので、これまでの質問と多々重複することがございましたので、通告を一部修正しながら質問をさせていただきたいと思います。
 なお、現在は予算の編成時期であり、はっきりとした答えが出せないものもあろうかと思いますけれども、必ず市政に反映させていただきたいとの思いで質問をさせていただきます。
 まず最初に、交通局の経営状況及び市営バスの方向性についてお尋ねいたします。
 私は、ことし3月の第1回定例会において、長年議論のみに終始していたバス網再編や運行体制の効率化を早期に進めるためにも、市営バスの将来の方向性を出す時期について期限を切って取りかかるべきとお尋ねし、幸山市長からは新年度に発足するバスのあり方検討協議会において、まず初年度となる20年度に将来の望ましいバスサービスの水準についての検討、そして2年目の21年度は、4月から市営バスの本山営業所所管路線の移譲を受ける新バス会社が運行を始めることから、その状況を検証しつつ、市営バスを含め本市のバス交通の運営体制について、バスのあり方検討協議会での協議結果を踏まえて、2年をめどに判断をするとの御答弁をいただきました。協議会は、ことし5月に発足し、私も議員の立場から参画させていただいており、これまで3回の協議会では、バスを取り巻く現状を踏まえ、将来のバス路線網のあり方や利用促進策などが議論され、11月には計画の素案も提出され、交通網の再構築が着実に進んでいると認識しております。
 しかしながら、21年度に本格的に議論することとしていた市営バスの将来の運行体制などについては、果たしてそれでいいのか危機感は増すばかりです。それは、交通局の経営状況が原因とするものです。お伺いするところでは、19年度の交通局の累積欠損額は46億円を超え、このまま推移すれば24年度には81億円まで膨れ上がるとの見通しであり、また経営健全化判断比率である資金不足比率は、経営健全化基準である20%の約8倍となる158%となっており、日本で一番懸念されている公営企業だからです。このことは、昨年制定された新財政健全化法の経営健全化企業に該当し、21年度中、つまり来年度中に経営健全化計画の策定が義務づけられ、市議会での議決が必要になるとのことです。経営健全化計画には、資金不足比率158%を原則5年以内に経営健全化基準の20%を達成するような計画の策定が必要とされており、そうであれば、市バスをどうするのか、市電をどのように改善していくのか、早期の判断がなければ計画自体が策定できないと思います。
 そこでお尋ねします。まず第一に、このような経営状況になった背景、原因をどのように認識されているのか、まず交通事業管理者にお尋ねいたします。また、森田副市長は、第3回のバスのあり方検討協議会で、交通局の経営は危機的状況にあり、市バスの存続は大変厳しく存廃を含め検討する必要があると述べられています。経営健全化計画を来年度中に策定する必要があるのであれば、市としても判断を前倒しする必要があるのではないかと考えます。21年度中に議決をするためにも、議会で議論すべき時期に入ったと思いますが、いかがでしょうか、幸山市長にお尋ねします。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  質問の順番と前後いたしますけれども、まずは私の方からバス事業における市営バスの方向性についてのお尋ねにつきましてお答えさせていただきます。
 改めまして、バス交通を取り巻きます現状を見てみましたときには、複雑なバス路線網など、利用者にとりましてわかりやすく利用しやすいバス路線網が確立されているとは言いがたい状況にございまして、さらには長期にわたりますバス利用者の減少等によりまして、それぞれのバス事業者の経営悪化等を招いておりますことは、御案内のとおりであります。そこで、将来にわたりましてバス路線を維持してまいりますための方策として、路線網の再編や利用促進策の推進、また効率的な事業経営のための運行体制を確立しなければならないと考えまして、先ほど御紹介もございましたバスのあり方検討協議会におきまして現在御議論いただいているところでございます。
 一方におきまして、本市のバス交通を民間事業者とともに担っております市営バスにおきましても、これまで民間事業者との競合路線の整理、そして来春の面的移譲と、路線やダイヤをよりわかりやすく効率的かつ利便性の高いものへ再編への取り組みを行ってきたところであります。今後とも、利便性の高いバス交通体系を整えてまいりますと同時に、本市交通事業の経営改善とを並行して考えていかなければなりません。私も交通事業の経営健全化につきましては、喫緊の課題であると認識いたしておりまして、平成21年度には、先ほど御紹介のございました交通事業の経営健全化計画を策定することになるわけでありますが、その際はバスのあり方検討協議会において、市営バスのあり方について、前倒しして来年度の早い段階でバス事業の廃止も含めた御議論をお願いしたいと考えているところであります。その検討協議会や、あるいは議会での御議論を踏まえました上で、バス交通の利便性が損なわれることがないように意を用いながら、市営バスの方向性につきまして判断をしてまいりたいと考えております。
         〔石田賢一交通事業管理者 登壇〕
◎石田賢一 交通事業管理者  交通局の危機的経営状況になった背景と原因についてお答えいたします。
 交通局では、財政再建終了後の平成元年度から赤字経営が続いており、平成19年度末で、議員御指摘のように46億円を超える多額の累積欠損金を抱えております。よって、単年度黒字化と累積欠損金の解消に向け、平成9年度から経営健全化計画を策定し、これまでにもさまざまな収入増加策や支出削減策を実施してまいりました。しかしながら、これまで長年にわたる安全対策や市民サービスの向上に資するため行ってきた設備投資の後年度負担、あるいは退職金を含めた人件費などが経営を圧迫した上に、車社会の進展や郊外型の大型店舗の増加等の要因により、収入の根幹である運賃収入の落ち込みが続き、コストを賄っていないのが現状でございます。
 こうした経緯を経て、本市交通事業は全国の公営交通事業と比べましても、極めて厳しい経営状況にあることを深く認識しており、平成16年度から民間バス事業者への市営バス路線の移譲を進めてまいっております。また、来春には面的移譲も予定いたしているところでございます。現在、職員体制の見直しや土地などの売却を含めた資産の有効活用を進めており、軌道事業の課題についても関係部局と連携をとりながら、累積欠損金の縮減に努めてまいりたいと存じております。
 いずれにしましても、平成21年度に策定する経営健全化計画におきましては、資金不足比率20%未満としなければならず、バス事業の廃止も含めた検討が必要であると思っております。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  ただいま交通事業管理者も言われたとおり、公営バスが設立当初の目的を果たし役目を終わった今、民間を含め共倒れにならないようにしなければなりません。大事なのは、高齢化社会を見つめ、市民の足を守ることです。競合しているバス事業は廃止する、そして本市は市民が使いやすく、また市内全域まで考えた交通網を確保することに力を注ぐことが命題なのです。ぜひ、市長には早期の決断をお願いしておきます。
 確かに、前倒しを判断すると、今お答えがありましたけれども、存廃を含めたことは議会で決めることでありますので、この議会で議論ができるよう、遅くとも4月の面的移譲後の6月には判断を出していただきたいとお願いしておきます。職員の身分の問題など大変デリケートな問題があるのはわかっておりますけれども、これ以上先送りはできないと言わせていただきます。政治家の仕事は、決断することです。私は、そのために手を挙げて議員に出させていただいておりますので、今後ともはっきりと言わせていただきます。
 次に、熊本市の情報システムについて私が感じている課題や問題点について、その対応をどのように考えておられるのか、3点続けて質問いたします。
 この問題は、今までほとんど取り上げられていない問題ですが、自治体が行政経営を行う上で、だれかが指摘をしなければならないという思いでお尋ねいたします。
 本市の情報システムは、大きく分けるとホスト系システムと呼ばれる総合行政システムと、Cネットと呼ばれる庁内ネットワークシステム、さらにこれら以外の例えば消防指令管制システムや、体育施設予約案内システムなど、いわゆる個別のネットワークシステムの3つのシステムで構成されており、年間35億円に上る巨額の運用費が投入されております。まず1点目の質問は、このうちのホスト系システムに関してであります。
 ホスト系のシステムは、昭和60年度に稼働を開始し、現在では住民基本台帳、市県民税、国民健康保険など45業務が処理されており、年間8億円の費用がかかっております。いずれの業務も、本市の住民サービスの基幹的な役割を担っているもので、大半が稼働から10年以上経過しており、度重なる制度や法改正などによりシステムの追加や改修が行われており、プログラムが非常に複雑化しているようであります。システムは複雑になればなるほど、一たんトラブルが発生した場合、どこにプログラムのミスがあるか大変わかりにくくなり、復旧に時間がかかります。幸い、今のところ市民サービスに支障の出る致命的なシステムダウンは起こっていないようでありますが、そのような事態が起きないようすっきりとしたシステムに再構築すべき時期を迎えているのではないでしょうか。
 本市同様、電算システムが稼働し20年以上経過している他都市においては、情報システムの再構築、いわゆる最適化に取り組み、システムの効率化や信頼性の向上を図るとともに、経費の削減にも取り組んでいるところがあります。本市より規模の大きい政令指定都市では、大阪市や川崎市、さいたま市、北九州市などがあります。本市も、益城町、植木町、城南町との合併が実現すれば、政令指定都市も現実のものとなりますので、今のうちから政令指定都市への移行も見据え、情報システムの最適化に取り組むべきと考えます。無論、政令指定都市になる前段での合併に際しては、市民サービスの低下を招かないよう細心の注意を払いながら、お互いに異なる情報システムを統合するという作業も必要です。富合町との合併についても、10億円の予算が投じられており、城南町、益城町、植木町との合併が同時に行われることになると、さぞや大変な作業になるとは思いますが、いまや政令指定都市の移行をにらんだこの対応も、これまた至上命題であります。
 また、私がどうにかならないかと感じていることがあります。当初、ホスト系システムを開発したメーカーが23年間開発や運営を行っていることであります。恐らく、150億円近い経費がこれまでに投入され、大半がこのメーカーに支払われているのではないでしょうか。ホスト系のシステムの特性上、開発したメーカーでなければ追加の開発や改修、運用はできず、メーカーに随意契約せざるを得ないことは理解できないわけではありませんが、技術革新が革命的に進み、コストカットも大幅にできるこの時代に、このまま見直しを考えずにいるのは、市民の理解は得られないものと思いますし、私には納得できるものではありません。そこで、最適化に当たっては、競争の原理が働くようセキュリティーが保てる範囲で、ソースコードを公開するなどオープンなシステムにすべきであると思います。そこで、現在の本市のホスト系システムが抱える課題並びに最適化についての考え方についてお尋ねします。
 次に、2点目は庁内ネットワークシステム、Cネットについて質問いたします。
 Cネットは、平成13年度に稼働したシステムで、総合文書・電子決裁システム、財務情報システム、さらには電子メール、議事録検索システムなど18の共通アプリケーションを有するとともに、経営支援課の制度融資電算システムや、食肉衛生検査システムなど29の部門のアプリケーションが稼働するシステムとなっております。Cネットは、共通基盤の上に異なる開発業者のアプリケーションであっても稼働させられる、ある意味で最適化されたオープンな情報システムであるということでありますが、運用費用はホスト系とほぼ同様の年間約8億円の費用がかかっております。いまや、市の職員の日常業務に欠かせないパソコンとして全庁で4,000台を超える端末があり、サーバーなどを含めたハードの導入等に要する経費が、約6億円と大半を占めるとはいえ、システムの運用にも運用管理業務として1億円、総括管理業務として7,000万円、合計1億7,000万円を要しております。ハードの導入は、一般競争入札で実施されており、定価の4割ほどで落札されていると聞いておりますが、運用についてはCネットを開発した企業と随意契約が行われております。
 そこでお尋ねしたいのでありますが、Cネットの運用は、なぜ開発を行った事業者でなければ運用できないのか。また、なぜ1億7,000万円もの多額の経費がかかるのか。さらに、今後Cネットにも競争の原理を働かせるなど、最適化を行う考えがないのかお尋ねします。
 関連した3点目の質問は、民間人の登用に関して質問します。
 ただいまお尋ねしたホスト系システムにしても、Cネットにしても、開発や運用が莫大になることから、システムの内容や金額の妥当性についてきちんとチェックできる体制となっているかが非常に重要な問題であります。このようなチェックができる専門的知識を持った職員を養成し配置できればいいのでありますが、そのような優秀な職員を養成すれば、民間にヘッドハンティングされるおそれもありますし、定期異動のある市の職員では困難な面もあることでしょう。
 そこで提案でありますが、熊本県庁や長崎県庁では、情報システムの専門家を職員として中途採用しており、本市においても情報システムに詳しい知識を有する民間人を、CIO最高情報責任者あるいはCIO補佐官として登用してはどうかと思います。情報システムの合併による統合や、政令指定都市への移行、さらには最適化への取り組みも待ったなしの状況であり、このような専門家を配置する考えはないのかお尋ねいたします。
 以上3点について、企画財政局長に答弁をお願いします。
         〔前健一企画財政局長 登壇〕
◎前健一 企画財政局長  情報システムに関する3点のお尋ねに対し、順次お答えいたします。
 まず、ホスト系システムが抱える課題と最適化についてでございます。
 現在のホスト系システムは、議員御指摘のようにシステムが複雑化し改修が難しくなっていること、他システムとの連携が難しいこと、定期的なバックアップ処理のため運用時間の延長が難しいことなどの課題があり、システムの再構築による最適化が必要と認識しております。そのため、現在合併に伴う作業を考慮しながら最適化の手法やスケジュール等について検討を始めているところですが、最適化に当たっては市民サービスの向上や業務の改善、セキュリティーの確保とともに、システムの開発、運用に係る費用の適正化を図るために、競争原理が働くオープンなシステムとすることが必要であると考えております。
 次に、熊本市情報ネットワークシステム、いわゆるCネットについてお答えいたします。
 Cネットのシステム全体につきましては、1社のみではなく複数業者が参入できるオープンな情報システムとなっております。しかしながら、Cネットの安定稼働やセキュリティー確保のためには、基本的なシステムを開発した業者独自の技術やノウハウが不可欠であり、その運用、総括業務については開発した業者に委託しているところであります。このことにつきましては、平成18年度に実施された包括外部監査において、運用総括業務がシステムの製造者に依存せざるを得ない業務の特殊性を有するものであり、この契約方法は妥当であるとの報告がされております。また、その経費の積算に当たっては、広く利用されている財団法人経済調査会が出版している月間積算資料に掲載されている技術者単価をもとにしており、作業コースについてもこれまでの実績等をもとに精査し算定をしているところでございます。Cネットの最適化につきましては、基幹サーバーの更新に合わせて再構築を検討しておりますが、それまでの間も仕様の見直しなどにより、さらなるコスト縮減に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、民間人の登用についてお答えいたします。
 御案内のとおり、情報化の進展は著しく、複雑で専門化する情報システムに関する技術や知識を持つ人材の確保は重要な課題であり、本市におきましても職員の民間企業への派遣や、研修などにより技術や知識等のノウハウの習得に努めてきたところでございます。しかしながら、議員御指摘のように、これから取り組むシステムの最適化等、情報化全般にわたる課題への対応には、さらに高度で専門的な知識が必要であり、こうした人材の確保について、外部からの登用を含め検討してまいりたいと考えております。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  御答弁ありがとうございました。
 私が申しましたことすべてに、検討はされているということでありました。今、局長がおっしゃった経費の積算は、財団法人経済調査会をもとにと言われています。しかしながら、私が思うに、その経済調査会の判断基準がもう既に時代おくれになっていると思います。競争化もなしで、言われるがままに税金をつぎ込んでいいのだろうか、そう指摘させていただきたいと思います。
 今回、何回かにわたって担当部署に資料請求をいたしましたが、その情報は企業に資料があるからとか、大変だとか、随契にするのは役所が手間が省ける、だからそのために随契にしているのではないかと、そういう印象を受けてしまいました。今、市役所の予算編成時期、マイナス10%のシーリングで本当に各局乾いたぞうきんをさらに絞るような苦労をされておりますけれども、このシステムの再構築化によって、大幅な税金の節約ができると、私はほかの民間企業、大企業なんかは半分まで削減されたという実績もあるようです。さらに、市民の税金を使っている、だからもう聖域はないんだという思いで検討を進めていただきたいと思います。
 次に、熊本市コールセンター、通称ひごまるコールについてお尋ねいたします。
 本市は、ことし6月からインターネットを利用する人としない人との情報格差の解消、また問い合わせのたらい回しの解消という市民サービスの向上を目指してコールセンターを開通しております。契約内容は、整備、システム構築、運営を含み、6年で2億7,216万円、6月の開始を始めたころは、1日平均コール数約30件、一番近いデータの11月、先月、1日に約60件と若干ふえてはいますけれども、1時間平均にしますと4本から5本となります。これを、3人のオペレーターが処理するわけです。市役所本庁にかかってきた代表電話は、11月で1日約1,600件と比べると、60件と1,600件、大変な差があります。また、問い合わせにかかっている費用は、開設半年後の11月でさえ、1件当たり1,976円のコストがかかっております。
 内閣府に設置された経済財政諮問会議は、以前よりこのコールセンターを民間委託するための問題点は、認知度を高めることだと指摘しており、果たして設立当初の趣旨、目的と現状をどのように考えておられるのでしょうか。また、今後認知度を高め、市民が使いたくなるような施策は考えていらっしゃるのでしょうか。企画財政局長にお尋ねします。
 引き続き、ICカードについてお尋ねします。
 ことし3月議会で私は、都市間競争の時代、九州は熊本市が引っ張っていくんだという気概を見せていただきたいとの願いも込めまして、先進自治体への提案、デジタル時代への取り組みで、市民サービス向上を目的とし、市役所に関係した支払いをICカードで支払えるようにするべきだと提案をいたしました。加えて、熊本市中心部のアーケード街が商店街として全国で初めてEdyを取り入れたのに連動し、電子マネーでバスや電車などの公共交通機関や美術館や行政関係の支払いができるようにしてはどうかとも提案してまいりました。この問題は、中心市街地の活性化のみならず、政令指定都市へのシステム構築や新幹線開通後の交通施策にもかかわりますし、本市の九州での拠点性としての大事なポイントとして基準になるものだと私は考えております。
 このような中、福岡の西鉄では、クレディセゾン、JCB、三井住友、三菱UFJニコスの4つのクレジット会社とタイアップして、ことしの春からバスや電車の運賃や福岡天神地区の西鉄グループの商業施設での買い物に使えるICカードNIMOCAを導入しております。また、JR九州でもSUGOCAを今月10日からモニターを募集し、来年2月1日から実証実験を開始する予定とのことであります。本市におきましては、中心市街地活性化基本計画において、市電の利便性向上策としてICカードの導入検討が盛り込まれているほか、今回示された第6次総合計画において重点的取り組みであるわくわくプロジェクトの中で、だれもが利用しやすい公共交通システムの整備や、中心商店街の活性化を図るために、ICカードの導入による公共交通と商店街との連携促進が掲げられているのは御承知のとおりです。
 私は、先ほど申し上げましたように、公共交通はもちろんのこと、商店街や公共料金に至るまで、1つのICカードで支払いが済むようなシステムを構築することは、基本計画で掲げるだれもが気軽にお出かけできるまちづくりの実現はもとより、九州中央の拠点都市としてふさわしいまちづくりにつながるものと考えております。このようなICカードの導入については、中心市街地活性化協議会を初め、各バス会社、各商店街などの一体化の取り組みが不可欠であり、本市としても関係者協議の推進に向け、積極的に調整役として役目を果たしていただきたいと思います。また、行政としても公共料金の支払いに限らず、いろいろな活用も考えることができるのではないでしょうか。
 そこで質問をいたします。ICカードの導入に関し、現在の民間の動きはどうなっているのでしょうか。また、市としてICカードの導入を促進するため、積極的な役割を果たしていただきたいと思いますが、この点について市長に考えをお尋ねいたします。また、クレジットカードによる収納については、前回私の質問に幸山市長は、国を初め既に導入を決めた自治体も出てきており、本市としても市民サービスの向上策として、費用対効果の課題、システム上の課題などにつきまして検討したいと考えていると答弁されております。そこで、クレジットカードによる公共料金の収納について、その後の対応状況をお尋ねします。この件につきましては、企画財政局長にお尋ねします。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、ただいま3点お尋ねがありました中で、私の方からはICカードの導入に向けての民間も含めた取り組みと、本市の役割につきましてお答えさせていただきます。
 ICカードの導入でございますけれども、公共交通の利便性の向上、さらには経済の活性化に寄与すると認識いたしておりまして、先ほど御紹介もございましたように、第6次総合計画基本計画におけるわくわくプロジェクト、並びに現在バス交通のあり方検討協議会におきまして策定中の地域公共交通総合連携計画におきましても、利用促進策の有効な方策として位置づけたいと考えております。
 お尋ねのICカード導入に向けましての民間の取り組みといたしましては、中心市街地の商店街や企業などで構成されておられますすきたい熊本協議会の中で、私どもも参画させていただきまして導入に向けた検討が進められているところでありますが、先月には西鉄のICカード運用状況や、JR九州のカード試験施設などを調査されますなど、熊本都市圏を対象に導入に向けた研究が行われているところであります。
 また、本市におきましても、導入に当たりましての事業主体となり得る市電やバス事業者と協議の場を設け、現在さまざまな導入手法につきましての情報収集、概算事業費、付加する機能などについて検討を重ねているところであります。導入にあたりましては、多額の事業費を要するなどの課題はございますが、本市といたしましても、ぜひ必要と考えておりますので、御指摘のように関係機関の調整役として積極的にその役割を果たしますとともに、市民にとりましても魅力のある、また使い勝手のよいICカードとなりますよう、その実現化に向けまして引き続き努力してまいりたいと考えております。
         〔前健一企画財政局長 登壇〕
◎前健一 企画財政局長  私の方からは、コールセンターの運用についてと、クレジットカードによる公共料金の収納についての2点につきましてお答えいたします。
 まず、熊本市コールセンターの運用についてのお尋ねのうち、その目的と現状についてでございますが、熊本市コールセンターひごまるコールは、市民サービスの向上、情報格差の解消、業務の効率化、市民ニーズの把握と市政への反映の4つを目的として、本年6月から運用しているところでございます。運用の状況につきましては、開始当初の6月、7月の問い合わせ件数は、月約1,000件程度でございましたが、8月は約1,500件、9月は約1,700件と徐々に増加し、11月までの半年間で約1万件の御利用をいただきました。特に、10月につきましては、秋の熊本お城まつりなどのイベントに関しての問い合わせ窓口となったこともありまして、約3,000件のお問い合わせをいただいております。
 また、先月実施いたしました利用者の方への満足度調査では、オペレーターの対応に対する評価につきましては、5点満点で平均4.87点と高い評価をいただき、約4分の1の方が繰り返し御利用いただいているという結果でございました。このように、実際に御利用いただいた方々からは、一定の評価をいただいているところでございますが、利用件数につきましては、徐々にふえてきておりますものの、まだまだ十分とはいえないのが現状でございます。
 次に、認知度と利用度の向上策についてでございますが、コールセンターの広報につきましては、これまでも市のホームページや市政だよりへの常時掲載を初め、市の施設や電車、バスでのチラシの配布、市役所や出先機関での窓口部門でのポケットカードの設置など、さまざまな方法で周知に努めてまいりました。今後も自治会におけるチラシの回覧や、金融機関や医療機関への協力依頼など、より積極的な周知広報を行うことといたしております。
 また、本市のコールセンターでは、市の各種制度や手続についての問い合わせにお答えするだけではなく、観光案内や公共交通機関の情報提供などさまざまなお問い合わせに対応するとともに、英語、中国語、韓国語にも対応できる体制を整えているところでございまして、今後市民の皆様はもとより、海外からの観光客や市内在住の留学生などにも御利用いただきますよう、関係機関と連携して周知に努めてまいりたいと考えております。加えまして、イベントの申し込み受け付けの拡大や、簡易なアンケートの実施などにも取り組み、コールセンターを有効に活用して市民サービスのより一層の向上に努めてまいりたいと考えております。
 次に、クレジットカードによる公共料金の収納についての取り組みについてお答えいたします。
 これまでの本市での検討状況でございますが、本年度に入りクレジットカードでの市税の収納について、税務部内に検討プロジェクトを設置し、また他の公共料金の所管課におきましても、それぞれ先行事例等の調査研究を始めたところでございます。このうち、市税への導入につきましては、これまで順次導入してまいりましたコンビニエンスストアでの料金収納の効果との比較など検討を行ってきたところですが、費用対効果や手数料負担の問題、あるいは支払い時に領収証が発行されないことなど、幾つかの課題がございます。いずれにしましても、クレジットカードの利用は日常生活全般にわたる各種の支払いに普及しており、市民の利便性の向上を図る観点から、引き続き検討する必要があると考えており、今後体育施設等の公共施設における料金収納などについて、関係部局と連携し導入の可能性を検討してまいりたいと考えております。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  御答弁ありがとうございました。
 ひごまるコールの設立趣旨については、私も大変理解しております。本当に、情報化の格差が出てきている今、大変意義あることだと思っておりますけれども、まずネーミングでひごまるコールというのでは番号はイメージできないわけです。ひごまるで150だったらわかるんですけれども、さあひごまるというんですね、さあまではなかなか思い浮かばない、そしてひごまるで何ができるのかというのまでは、まだまだ認知度が足りない状況ですので、今後検討が課題だと思います。
 それと、今使われている内容で、一番多いのはイベントとか観光案内の問い合わせということでありますので、もしそういうことであれば、ちょっと経費がかかり過ぎているシステムであるなと私は思います。セキュリティーとかかなりチェックの厳しいシステムを使っておりますので、もしもイベントや観光だけに使うのであれば、もっとそういうことだけでは使うことはないと思いますけれども、もしそれだけに終わってはいけないということで、さらなる情報格差のある人たちに使いやすいシステムになってもらいたいと思っております。
 ICカードの導入は、新幹線開通までがそれに間に合うかどうかが私はポイントだと思っております。いち早い実現ができるよう、関係当局にお願いしておきます。クレジットカードによる税金の支払いは、まだまだ検討があるようであります。領収証が発行できないというのは、確かに検討すべきものだと思いますので、そういうものが解決しましたら、いち早い導入に傾いていただきたいと思います。また、体育館など公共施設の利用に可能性を考えていただくとの回答でした。近い将来、必ず取り組んでいただきたいとお願いをしておきます。
 続きまして、教育に関連して質問させていただきます。
 幸山市政の目指す方向に、日本一暮らしやすいまちというターゲットがあります。私は、市民が住んでいて満足度が高いまちとは何だろう、どんなまちだと人は満足するんだろうか、人とは何を生きていく上で求めるんだろうかと、その答えを探しているのですが、その答えの一つに、住んでいる地域に愛情と誇りを持つことができることがあると私は考えます。どうすれば、地域に愛情と誇りが持てるのか、答えの一つにその土地の歴史を知ることが挙げられます。例えば、ふだん何気なく歩いていた道が、幕末坂本龍馬が横井小楠を訪ね熊本に来たときに歩いた道かもしれないとか、近所の神社はこのような言い伝えがあったんだとか、市域の歴史、物語、人物などを知ることが、住んでいる土地に特別の思いを起こさせるのではないでしょうか。
 そんな意味で、これまで会派で提案してきた郷土読本を新たに配布し、郷土の歴史を学ぶ機会をつくることを再提案いたします。これは、人間を育てるという価値観で考えるべきで、市は財政難だからできないと却下する案件だとは私は決して思いません。市長も先日、次世代への人づくりが一番大事だと答弁されておりますし、子供がその本で学ぶことにより、親も目を通し親も学ぶという効果も期待できます。その結果が、住んでいる郷土に興味を持ち、愛情を持ち、住んでいてよかったと満足度の高いまちになっていくのではないでしょうか。
 また、校区単位でもいいのですが、さらに身近な地域の歴史を教える時間が総合学習でできないものでしょうか。既に取り組んでいる地域もありますが、市が協力し全市的に行うことはできないのでしょうか。郷土愛につながる郷土読本の必要性の考えを教育長へお尋ねし、地域の歴史教育については市長へ考えをお尋ねいたします。
 引き続き、特別支援教育についてお尋ねします。
 平成19年4月から、特別支援教育が学校教育法に位置づけられ、1年半が過ぎました。各学校では、障がいのあるすべての子供の教育を一層充実を図るために、特別支援教育を推進されていらっしゃると思います。平成14年に文部科学省が行った調査で、教師による回答によれば、直ちにこれらの障がいと判断することはできないものの、普通クラスの6.3%の児童が学習障害や注意欠陥多動性障害アスペルガー症候群等の発達障がいを持ち、教育的配慮を必要とするとされています。国から出されている判断基準から照らし合わせると、本市小中学校においては、LD、ADHD等の特性があると思われ、特別な教育的な支援を必要としている生徒は700人から800人ほど在籍していると聞いております。
 発達障がいのある生徒を含め、生徒は学校生活を過ごす中で、授業にもっと集中したい、思っていることをうまく友達に伝えたいなど、一人一人違った思いがあると思いますが、そんな中で学校ではすべての生徒たちの教育的ニーズにこたえるため、先生たちは指導者、また支援者として研修を積み重ねながら対応に努力されておられると思います。特別支援教育とは、一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導、支援をするものであるとされており、一人一人に目を向けたとき、学校の現場ではどのように指導、支援をされているのでしょうか。
 多様化したニーズに十分こたえられず悩んでいる先生も多いと聞きますし、学校間で特別支援教育の取り組みにも差があると聞きますが、いかがなのでしょうか。昨年から始まった特別支援教育ですが、現状についてお尋ねします。また、成果と課題、今後の方向性についてもあわせてお答えください。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  教育に関しまして、私の方から地域の歴史教育に関するお尋ねにつきましてお答えさせていただきます。
 私は、6月の第2回定例会におきまして、熊本市第6次総合計画の基本構想案を提案させていただきました中で、市民の皆様が郷土を愛し、誇りに思えるようなまちづくりをしてまいりたいという考えを申し上げたところであります。私たちは、先人から受け継いでまいりました歴史や文化、自然の豊かな恵みをはぐくみ、そして次の世代に引き継いでまいりますことが大切であると考えております。そして、未来の熊本をつくっていく子供たちに、郷土を愛する心を豊かにはぐくんでいきたい、そのように考えております。議員が述べられましたように、ふるさと熊本を愛する心をはぐくんでまいりますためには、熊本の歴史や文化に触れ、まずそれらについて知ることが大切であり、本市といたしましても、熊本の歴史や郷土の先人に学ぶ機会というものを大切にしてまいりたいと考えております。
 熊本城築城400年と、それから本丸御殿の復元等を契機といたしまして、熊本城に直接足を運んで歴史学習を行う学校がふえていると聞いておりますけれども、大変喜ばしいことでもあります。今後とも積極的に活用していただけるよう努めてまいりたいと考えております。また、来年は横井小楠先生の生誕200年に当たりますことから、記念事業を実施したいとも考えているところであります。こうした事業は、市民の皆様はもとより、子供たちが先人の業績を振り返り、郷土のよさを認識し、郷土への誇りを持てるよい機会になるものと考えております。私は常々ひとづくりはまちづくりと申し上げておりますように、将来、より住みやすく暮らしやすいまちづくりを担うことになる子供たちが、ふるさと熊本の歴史や文化について知り、熊本を誇りに思い、熊本を愛する心を豊かにはぐくんでいけるよう、今後とも努力してまいりたいと考えております。
         〔小牧幸治教育長 登壇〕
◎小牧幸治 教育長  私の方からは、教育についての2点のお尋ねにお答えいたします。
 まず1点目の、地域の歴史教育についてでございますが、総合的な学習の時間で身近な地域の歴史学習を、市が協力し全市的に行えないかということにつきましては、総合的な学習の時間が地域や学校、子供の実態や特性を生かした学習でありまして、各学校が主体的に授業をつくっていく時間でございます。全市的に同じ学習を行うことは難しいかとは考えますが、議員お述べのように地域の伝統、文化など、校区の歴史にも目を向けていくような学習は大切なことであると考えます。そこで、総合的な学習の時間の趣旨を生かしながら、今後とも地域や学校の特性に応じた郷土学習が充実しますよう努めてまいります。
         〔議長退席、副議長着席〕
 次に、郷土読本の必要性についてでございますが、子供のときに郷土に生きた先人と出会い、子供の自分の生き方を考え、夢や希望を持つような郷土学習をしていくことは大変重要なことであると考えます。そこで、平成12年度から14年度まで、小学校6年生に郷土読本ふるさとくまもとの人々を配付し、郷土につきまして理解を深めることができるよう活用してきたところであります。平成15年度には、郷土読本を学校図書館に備えつけ活用できるようにいたしております。そして、社会科や総合的な学習の時間に郷土の歴史や偉人を調べるときの資料や、偉人の生き方、考え方に学ぶときの読み物として使用しているところでございます。
 このように、郷土読本を活用することは、郷土への愛着と理解を深める上で大切であるととらえております。しかしながら、学校図書館に備えつけて5年が経過しているところでもあり、郷土読本の必要性も認識しておりますので、その設置状況や活用状況を踏まえまして、その配付のあり方等につきまして検討してまいりたいと考えております。
 2点目の特別支援教育についてでございますが、まず現状につきましては、本市が取り組んでおります9地域17ブロックによります発達障害等支援・特別支援教育総合推進事業等を通しまして、教職員等関係機関との連携により専門家から学ぶ機会がふえてまいっております。また、本年度は特別支援教育の研究発表会を実施する学校も見られますとともに、子ども輝きプランに伴います研究会等、授業公開が進みつつございます。さらに、障がいに応じた適切な指導のあり方を深めたい教員のために特別支援教育の授業力向上支援員を配置いたしまして、学校の要請に応じて派遣いたしているところでございます。そのことにより、成果といたしましては、特別な支援を必要とする子供の存在に気づき、子供たちをより丁寧に見つめることができるようになってきております。
 課題といたしましては、発達障がいの特性に応じた指導法を初め、教員の専門性のさらなる向上や、効果的に子供たちを支えることができるように、校内の支援委員会や地域でのブロック会議といいました支援体制の充実等が必要であると認識いたしております。そこで、教育委員会といたしましては、各学校が自分たちの学校の取り組みを点検し、適切な指導や必要な支援のあり方について考えることができるような推進体制点検シートを連携協議会の専門家の方々の御意見をもとに作成、準備をいたしているところでございます。
 今後の方向性といたしましては、本シートの活用等によりまして、学校みずからが課題解決力を高めていくことや、研修のあり方を見直すことで、教員のさらなる専門性の向上を図り、発達障害のある子供たちの教育的ニーズにこたえることができますよう努めてまいりたいと考えております。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  御答弁ありがとうございました。
 次の世代を育てる上で大事な人間教育として、その歴史教育が大事だということ、市長とは同じ思いだと思いました。それと、教育長から郷土読本の必要性を認識しているとの御答弁がありました。この質問を契機に必ずや、配付に向けて取り組みが進むものだと信じております。また、特別支援教育は、各クラスに数人ほど対象になる生徒さんがいるという現実と、成果として存在に気づき丁寧に見つめることができるようになってきたとのお答えでした。私としては、現場の学校からもっともっと支援員が必要だとの声にこたえ、少しでも増員を考えていただければと要望しておきます。
 次に、文化施策に関し質問いたします。
 まず、文化振興計画について、デジタルミュージアムの提案を含めお尋ねいたします。
 私は、先ほどの教育問題に関し、郷土の歴史教育の重要性を訴えたところでありますが、本市の城下町の歴史や恵まれた自然環境の中で、脈々と受け継がれてきた文化遺産や伝統芸能などは、熊本市民の心のよりどころであり、また本市の都市ブランドを確立する上で極めて重要な要素であると考えております。加えて、今、本丸御殿の復元などにより、熊本城が200万人を超えるなど過去最高のにぎわいを示しておりますように、社会、経済の成熟化が進んでいる今日では、人々のニーズも物質的な豊かさから心の豊かさへと変化してきており、地域の歴史や文化はそれだけで多くの人を引きつける新たな魅力となり、観光を初め地域経済の活性化にもつながるものであります。特に、九州新幹線の全線開業を間近に控え、福岡や鹿児島などとの都市間競争に打ち勝つとともに、将来の道州制を見据え州都としてふさわしい都市と発展していくためには、本市のまちづくり戦略を描く上で、熊本城を中心とした伝統ある歴史、文化の継承と活用は大変重要であると考えております。
 このような中、本市では平成15年3月に、熊本城の城下町として発展しながら蓄積された伝統ある文化遺産と、恵まれた自然や歴史にはぐくまれた個性豊かな風土など、市民共有の貴重な財産を継承、活用しながら真に豊かさを実感できる暮らしの実現を目指し、熊本市文化振興計画を策定しております。
 この計画においては、一人一人が参画する文化創造、お城を中心とした文化振興、特性を生かした生活文化、地域文化の振興の3つを基本目標とし、これを実現するための基本方針として文化活動の活性化、文化を創造する人材の育成、伝統文化の継承と活用、文化情報の収集と発信、文化を通した交流の促進の5つを掲げられており、これらは文化の振興に極めて重要な施策だと思いますが、具体的な動きについては余り見えてこないのが現状です。加えて、本計画では計画期間を第5次総合計画の基本構想期間である平成22年度までとし、熊本城築城400年を迎えた平成19年度を区切りとして、諸情勢の変化や施策の評価を踏まえ、柔軟かつ適切に推進していくとされています。
 そこでお尋ねします。この文化振興計画に基づく具体的な成果や課題について、担当部局においてはどのように把握し検証されているのでしょうか。また、当初区切りとされている期間は既に過ぎております。また、長期的な目標とされていた基本構想は、既に2年前で改定されておりますが、今後本計画を見直しあるいは改定される予定はないのかお示しください。
 また、具体的な施策について、提案を交えお尋ねいたします。
 先ほど申し上げましたように、この文化振興計画では、施策の基本方針の一つに、文化情報の収集と発信が掲げられて、芸術文化、生活文化、生涯学習で取り組む文化活動などさまざまなジャンルの文化情報を収集するとともに、市民がいつでもどこでも気軽に文化に関する情報が得られるよう情報発信に努めるとされています。加えて、熊本地域の特性を生かし、熊本らしい文化を内外に積極的に発信することも掲げられております。そこで、私はこの熊本の文化を市民はもとより内外に広く発信していくために、ぜひデジタルミュージアムを設置、運営していただきたいと思います。
 このデジタルミュージアムにつきましては、岡山市では全国初の建物を構えるデジタルミュージアムとして、歴史、文化、自然、人などのさまざまな情報を発信しておられますし、あわせてリットシティミュージアムと呼ばれるインターネット上のデジタルミュージアムも運営されておられます。また、鹿児島市でも、考古資料、美術品、文学、伝統工芸品、自然、文化財など、さまざまなデータをデジタルデータとして収集され、ホームページで発信されております。
 私も、これらのホームページを開いてみましたが、文学や文化財などそれぞれの画像や動画で紹介されるとともに、それらにまつわる歴史や所蔵先などもあわせて紹介されており、大変わかりやすく、これらの歴史や文化に大いに興味がわいたところです。また、このようなデジタルミュージアムを活用し、利用者からの情報提供もあわせて求めていくことで、埋もれている地域の文化財などの発掘にも大変役立つのではないかとも思います。このようなことから、本市でもぜひデジタルミュージアムを立ち上げ運営していただきたいと思います。
 そこでお尋ねします。本市でも今後、文化や歴史について幅広く情報を収集し、また発信していくために、デジタルミュージアムの立ち上げを計画し、できる限り早期に実現していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。先ほどの文化振興計画の見直しとあわせ、市民生活局長にお尋ねいたします。
 引き続き、文化財修復に関し予算面でのお尋ねをいたします。
 本市は、肥後銀行から寄附をいただいた3億円をもとにし、市文化財保存修復基金条例を制定し、緊急性のある文化財から修復するとしております。基金は、墓所や古今伝授の間など、大きな修復に使われておりますことから、箱物以外の例えば刀剣などの保存は大丈夫なのかと危惧しております。重要な、観光にも寄与する博物館の収蔵品が予算削減で十分な修復ができていないのではないか、現状と今後の考えをあわせてお尋ねいたします。
         〔原幸代子市民生活局長 登壇〕
◎原幸代子 市民生活局長  私からは、文化施策についての2点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、文化振興計画の検証と見直しについてでございますが、議員御案内のとおり、この計画は本市の文化振興の基本指針といたしまして平成15年3月に策定し、平成22年度までを目標年次としておりました。しかしながら、第6次総合計画での整合性を図るため、現在新たな計画の策定に向け準備を進めているところでございます。
 具体的には、昨年、中間見直しを行いまして、これまでの取り組みを検証し、解決すべき課題の解消に向け平成20年度、21年度の重点事業を明らかにいたしますとともに、継続的取り組みでありますとか、長期的取り組みを必要とするものなどにつきましては、平成22年度にスタートいたします次期計画へ引き継ぎ事項として整理したところでございます。また、本年度は市民意識調査を実施したところでございまして、平成21年度早々には、次期計画の策定委員会を設置いたしまして、平成22年3月の策定を目指しているところでございます。
 次に、デジタルミュージアムにつきましてお答えいたします。
 御案内のとおり、美術品や伝統工芸品、文化財などの画像や説明をデジタル化し、一元的に管理いたしますとともに、インターネットにより広く情報を提供するシステムでございまして、多くの方々がいつでもどこでも作品等を鑑賞したり、情報収集することができ観光振興にも役立っていると伺っております。本市におきましては、市の文化財や観光情報を市のホームページ上で紹介しておりますほか、さまざまな文化情報や現代美術館の収蔵作品リストなども、それぞれのホームページに掲載し、情報発信に努めているところでございます。こうした文化、観光情報のほか、熊本の歴史や自然などさまざまな分野の情報が容易に検索、収集できるデジタルミュージアムは学習教材としての活用や、熊本の魅力を国内外にこれまで以上に広くアピールしていく上では有効な手段であり、必要なツールであると考えております。そこで、議員御提案のデジタルミュージアムに関しましては、第6次総合計画基本計画案や熊本市情報化計画、熊本シティブランド戦略などとの整合性も視野に入れながら関係部署と協議し検討してまいりたいと考えております。
         〔小牧幸治教育長 登壇〕
◎小牧幸治 教育長  私の方からは、博物館収蔵品の保存、修復についてのお尋ねにお答えいたします。
 熊本博物館は、現在位置に移転開設してから30年が経過しておりまして、多くの方々に親しまれております本市の重要な文化拠点施設となっております。御指摘のように、博物館には多くの収蔵品があり、平素よりその保存、修復に留意いたしております。中でも、刀剣類につきましては美術的価値が高いものも多く、専用の収蔵庫に保管をするなど、特段の注意を払っているところであります。その他の収蔵品の保存、修復につきましても、予算等を勘案しながら、本市の文化遺産継承の観点からも、今後とも鋭意努めてまいりたいと考えております。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  文化振興計画につきましては、来年度に次期計画の策定委員会を設置し策定するとの回答をいただきました。デジタルミュージアムについても、有効で必要なツールだとの御回答でしたので、近い将来実現していただきたいと思います。私が思いますには、一遍につくらなくてもいいと思うのです。少しずつデータを、できた分だけアップしていく、そうすれば最初に多額の費用がかからないとも思いますし、また先ほど言いましたように、民間とのコストなんかも比較しながら、実現していただけますようお願いしておきます。
 文化財修復に関しての考えは、予算がないから今までどおりと受けとってしまいました。市長は、博物館に企画展とかを見に行かれたことがあると思いますけれども、私もよく行くんですけれども、予算がないからか、せっかくいいものがあるのに、見せ方になかなか工夫ができないような状況ではないかと思います。せっかく観光の重要なツールにもなっておりますし、そこら辺の配慮は今後検討していただきたいとお願いしておきます。
 続きまして、魅力と活力に満ちた新しい本市のまちづくりについて、今後本市の都市像を形成する上で大事な骨格になる城下町の再生という観点から幾つかお尋ねいたします。
 平成19年5月に国からの認定を受けた熊本市中心市街地活性化基本計画においては、3つの基本方針の一つに城下町の魅力があふれるまちづくりが掲げられております。このように、本市が策定している計画や報告書などにおいて、城下町という言葉は頻繁に出てまいりますが、そのイメージを的確に表現したものは余り見かけません。そこで、城下町とは何か改めて考えてみたいと思います。
 城下町の歴史をひもとくと、成立は戦国時代に始まり、その礎を築いたのは織田信長であります。城下町には、都市防衛の工夫が随所に見られ、敵の侵攻を防ぐために川など地形を巧みに利用するとともに、堀を掘り、土塁や石垣、城門などが設けられました。この堀は、当時運河としても使われ、物流などに大きな役割を果たしており、熊本城でいえば坪井川がこれに当たります。また、城下に入ると幹線道路の両わきに家屋をすき間なく配置させることで城を見えがたくし、道をかぎ形に曲げたり、袋小路を設けるなどすることで、城への到着距離を延長しており、また町割ごとにさくや木戸を設けて、夜には門を閉めて門番を立たせるなど、不審者の侵入を拒んでいました。町割は、城を中心に侍町、町人、寺町などが配置され、商人や職人は職種ごとに分けて移住させており、現在に残る地名では、呉服町や紺屋町などがこれに当たります。
 また、城下町も当初は防衛の観点が強かったものの、江戸時代に入り、幕府や藩による政治、経済の中心としての色合いが強くなり、その名残から、今日人口10万人を超える都市の多くは旧城下町を起源としております。しかしながら、現在では火災や戦災、あるいは開発などで、往時をしのぶことのできる城下町は少なくなってきており、その中で、弘前市、萩市などは武家町として名残をとどめ、また飛騨高山の町屋や金沢の商家なども往時の姿が残る地域として、国内外から観光客が訪れるスポットとなっているところであります。
 さて、改めて本市を振り返ってみますと、新町、古町に先ほど申し上げた城下町の商家町、職人町として400棟を超える町屋が現存しております。このような中、私は九州新幹線の全線開業や政令指定都市実現後の新しい熊本市づくりについて、城下町再生をまちづくりの中心に備えるべきではないかと思います。しかし、400年前の姿に戻せというのは非現実的であります。私の考える城下町再生とは、お城を中心として、その時代に応じたまちづくりに取り組むことであります。そして、これからの時代を見据えたときに、私たちが目指すべきは九州中央の一大交流拠点として熊本城を中心に、わくわくするようなさまざまな出会いと触れ合いが生まれる、熊本ならではの交流の城下町をつくり上げることだと思います。私は、この交流の城下町づくりの基本視点は400年の歴史と伝統を生かしながら、お城と城下との回遊性の向上を図っていくことであると考えており、このようなことから、新町、古町における町並みの保全、お城との回遊性の向上や、歴史と伝統を生かした交流の仕組みづくりなど、いわゆる駅都心間協働のまちづくりが大変重要であると考えております。
 そこで、駅都心間地区のまちづくりについて、町並みや景観の保全についてお尋ねいたします。
 先ほど紹介しました金沢市、萩市、弘前市など往時の面影を残している地域は、そのほとんどが行政主導で、例えば金沢市のこまちなみ保存条例のように、区域を指定し点ではなく面で、必要であると認めるときには保存区域内の歴史建造物などの修繕、復元等に対して技術的な援助、または財政的な援助をしながら町並みの育成を図っております。さらに、本年11月4日には、地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律、いわゆる歴史まちづくり法が施行されました。
 この法の趣旨は、これまでの歴史的建造物を外観からとらえ、その景観について法規制により保全し維持していくという視点からさらに発展し、城などの歴史的価値の高い建築物が、周辺の城下町などと一体となって歴史、伝統を反映した人々の生活が営まれてこそ、地域固有の風情、情緒、たたずまいを醸し出すことができるといったところまで発展しており、国の方で支援措置や規制緩和も準備がされているとのことであります。まさに、熊本城を核として、昔から脈々と受け継がれてきた商人、職人の営みが残る新町、古町をイメージしたような法律が施行されたものと感じ、本市がこの法律を活用していただけるものと大変期待をしているところです。
 このような中、現在本市では景観法に基づき、昭和63年に施行した熊本市都市景観基本計画と平成元年に策定した熊本市都市景観条例の見直しに取り組まれております。この基本計画の見直しのポイントとして、計画区域の中で景観形成上重要な地域を重点地域として指定すること、重点地域などについては良好な景観形成に関する個別方針を定めること、さらに良好な景観形成のため、建築物等の規制誘導を行い、特に重点地域ではきめ細やかに対応すること、また建築物等の色彩やデザインについて勧告や変更命令基準を検討することなどが掲げられております。私としては、ぜひこの新町、古町など城下町について、城下町の景観を守り形成する地区として、重点地域として指定していただき、地域全体としての景観形成を図っていただきたいと思います。
 さらに希望を申し上げるならば、ことし成立した歴史まちづくり法を想定し、歴史文化基本構想に取りかかっていただきたいと思います。予定では、本年度中に景観計画を策定し、平成21年度には景観条例を策定するとされておりますので、計画については既にある程度でき上がっているのではないかと予想されます。
 そこでお尋ねいたします。現在策定中の景観形成計画について、新町、古町地区の位置づけをどのよう考えられているのか、またこの地域において城下町としての風情を保全、あるいは創造していくため、この地域の景観形成に今後どのように取り組まれていくのか、さらに歴史まちづくり法の施行に伴い、本市がこの法律を積極的に活用してまちづくりを進めていく予定があるのかどうか、都市建設局長にお尋ねいたします。
 引き続き、城下町の風情を創出するための町屋活用についてお尋ねします。
 先ほど申し上げましたように、新町、古町などは城下町の中でも職人町や商家町として栄えたところであります。このような中、昨年、新町、古町地区で町屋実態調査をされており、446棟を確認されております。なお、ここで言う町屋とは歴史的建造物だけでなく、町割と調和して軒がそろっているもの、職住が一体となっているものと定義されております。さらに、地元では本市で今年度から創出された熊本市駅都心間協働のまちづくり推進制度を活用され、これらの所有者の意識調査を行い、町屋を活用した地域づくり手法を検討しているとのことであります。
 また、一新結婚お披露目物語として熊本城での結婚式を行い、城下町としての新町の資源を生かしながら、新郎新婦をおもてなしの心で祝福し、新町の風情を創出と印象づけを行い、中心市街地の回遊性の向上にも取り組んでおられます。加えて、先ほどの支援制度を活用し、くまもとさるくのまち歩き拠点となっている地域の25店舗の立ち寄りどころについてトイレ等の改修も始まっております。このようなソフト、ハード両面から城下町の風情とにぎわいを創出することは、本市全体の魅力向上につながるものであり、あと2年数カ月に迫った九州新幹線全線開業に向け、地元と連携した城下町の再生にさらにスピードを上げ取り組んでいただきたいと強く思うものであります。
 そこでお尋ねします。このような駅都心間協働のまちづくり事業について、進捗状況はどのようになっているのか、また先ほどの町屋調査など、今後市では地元の取り組みなどをどのように支援していかれるおつもりなのか、以上先ほどの景観形成にあわせて、都市建設局長にお尋ねいたします。
         〔村上博一都市建設局長 登壇〕
◎村上博一 都市建設局長  私からは、城下町の再生に関する5点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、1点目の景観形成計画における新町や古町地区の位置づけについてでございますが、議員御案内のとおり、現在昭和63年度に作成しました景観基本計画の見直しを進めているところでございます。この新しい景観計画においても、熊本城をかなめとした都市景観形成を図ることが本市の都市イメージを高めるものと考えておりますので、新町、古町地区を含む熊本城周辺地域を今後も本市の重点地域の一つとして位置づけを予定しているところでございます。お尋ねの新町、古町地区に関しましては、歴史的に見ましても、熊本城を中心とした町人町や寺町でございますので、熊本城と一体となった地域として景観形成を図っていくことが適当であると考えております。
 次に、2点目の新町、古町地区の景観形成の取り組みについてお答えいたします。
 これまで、新町、古町地区においては、地域の景観を特徴づけ市民に親しまれてきたものとして、都市景観条例に基づく景観形成建造物を9棟指定しており、その保存のための外観の修繕等に6棟助成し、城下町らしい景観づくりに努めてきたところでございます。さらに、現在地域のまちづくり団体の方々が、本市の支援制度を活用し、この地域一体で調査を行われており、町屋として位置づけられる建築物が400棟以上あると整理されているところでございます。本市としましても、今後町屋を生かした景観形成活動の具体化に合わせて、積極的に支援したいと考えております。
 次に、3点目のまちづくり法の活用についてお答えいたします。
 重要文化財である城などを核として、その周辺の市街地が一体となって形成してきた良好な市街地環境を、地域の貴重な資産として位置づけ、保全創造を図る地域の取り組みを支援するというこの法の趣旨は、議員御案内のとおりでございまして、新町、古町地区のまちづくりに適したものと考えております。また、この法以外にも景観法に基づいた景観形成総合支援事業等も新町、古町地区にふさわしいものと考えております。いずれにしましても、この地域の方々の意向を踏まえつつ、こうした制度の活用を検討しながら、城下町再生に取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、4点目の熊本駅都心間協働のまちづくり事業の進捗、並びに5点目の今後の地元の取り組みに対する支援に関する考え方についてあわせてお答えをいたします。
 熊本駅都心間協働のまちづくりは、2年余りに迫った九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を見据え、新町、古町において本市のシンボルであります熊本城や、中心市街地との回遊性の向上や、城下町風情を生かしたまちづくりを推進するために取り組んでいるものでございます。取り組みの経緯を御紹介いたしますと、平成16年に城下町都市熊本の実現を目指して、学識経験者や自治会や地域のまちづくり団体、関係機関など多くの関係者から成る熊本駅都心間協働まちづくり協議会を設置するとともに、地域と一体となってワークショップを開催し、平成17年に熊本駅都心間協働のまちづくり計画書を策定したところでございます。この計画には、24事業を掲げておりますが、これまでにおてもやん像の設置や、まち歩きの拠点となる立ち寄りどころなど9事業が実現したところでございます。
 この計画をさらに推進するために、本年度から新たに熊本駅都心間協働のまちづくり推進制度を創設し、その制度運用に当たっては、政策段階から地域と協働した取り組みを進めてきたことを重視し、提案募集型としております。現在まで、議員から御紹介がありました町屋のアンケート調査の実施、立ち寄りどころのトイレ整備の補助に加え、回遊性向上には不可欠なまち歩きルート設定作業や史跡等の説明サイン設置など、地元からの提案を採択し5つの事業を支援しているところでございます。今後も、現在活動されておりますまちづくり団体を中心に、地域の多くの方々との協働でまちづくりを推進し、できる限り多くの事業を具体化させてまいりたいと考えております。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  御答弁ありがとうございました。
 まちづくりに、長い年月がかかります。ぜひ、今まで局長が答弁されたように、協力して市民と一緒に本市のまちづくりをつくっていただきたいと思いますし、私も一市民として協力していくつもりであります。まず本市は、お城を中心とした城下町に特化したまちづくりをすることこそが、全体の発展につながっていくものだと思いますので、今後とも御協力をお願いしておきます。
 引き続き、熊本城再生に関し坪井川の舟運についてお尋ねいたします。
 坪井川の舟運については、九州新幹線開業に向けて熊本を売り出す観光振興の大きな目玉事業になると確信しており、これまで私も質問のたびに取り上げてまいりました。もはや、私のライフワークの一つとなった感があります。そのような中、去る9月29日に坪井川の舟運の復活に向けて、坪井川舟運復活推進会議が設置されました。この会議は、熊本城400年と熊本ルネッサンス県民運動本部と坪井川流域住民代表の方々、及び県市の関係部局で構成されている、まさに官民一体となった組織で、ようやく舟運実現の具体的取り組みが始まったといえるでしょう。
 この会議では、舟運復活の基本方針として、沿川のまちづくりに生かすとともに、観光資源として活用することを目的とし、九州新幹線全線開業までに何らかの形で舟運を実現することを目標に取り組むことにしております。この基本方針に、沿川のまちづくりに生かすということがうたわれておりますが、私はこの視点も非常に重要であると考えております。舟運の発想は、熊本駅におり立った観光客を、熊本城や都心部に案内するという観光振興策としてのものですが、明八橋や船場橋付近に船着き場を設け、沿川のまちづくりとの連携を図ることで観光客の回遊性も高まり、城下町の活性化にもつながるものと思います。この船着き場には人力車や、復活すればベロタクシーなどを待機させ、船からおりた観光客を乗せて、城下町としてのたたずまいが残る新町、古町などを案内すれば、熊本の新たな観光スポットにもなるのではないかと考えます。
 折しも、地元住民と大学の連携により、坪井川にまつわる思い出やまちおこしの活動、写真などを盛り込んだ地図、坪井川おもしろマップの作成が進められたり、熊本城とJR熊本駅を結ぶ4つの地域のまちづくり組織メンバーで構成される熊本城下のまちづくり連絡協議会が発足するなど、地元の機運も高まっており、私は坪井川の舟運を復活させるのは、今この時を置いてほかにないと感じております。
 そこで、幸山市長にお尋ねします。幸山市長には、これまでにも本会議において舟運に関する質問をし、前向きな御答弁をいただいておりますが、舟運とまちづくりとの連携や観光資源としての可能性など、再度市長の思いを聞かせていただけますでしょうか。また、私としては、舟運復活に向けて、本市にはもっと積極的に支援いただきたいと考えております。プロジェクトの設置など、組織体制やハード、ソフト両面の支援など、舟運に対する支援の考え方についてもあわせてお尋ねします。
 さらに、いま一点お尋ねしたいのでありますが、推進会議はこれまで4回開催され、基本方針や復活に向けての課題、今後の進め方等が議論されており、年内には運行ルートや運営体制の方向性を固め、来年3月までには実現までの具体的なスケジュールも示されると聞いております。運行には、一定以上の水深が必要となることから、県の河川課により水深調査が行われるとともに、熊本ルネッサンス県民運動本部によるトレジャーボートでの試験運行なども行われたところです。私も、ルネッサンスの試験運行にも参加させていただきましたが、道中は想像以上に魅力のある時間でありました。使用した船が想定している平底の和船ではなかったので、水深の関係上万歳橋までが限界との見きわめがついたわけではありませんが、現状のインフラのままでは熊本駅前の東A地区から熊本城長塀前までという、皆さんが思い描いているルートでは運行は極めて困難に思えます。
 そこで、万歳橋から上流の整備について、私は以前から注目している韓国ソウルの取り組みをヒントにしてはどうかと考えております。ソウルでは、李大統領がソウル市長時代に暗渠化し、高架道路につくりかえた川を再び市民の憩いの場となる川として復元をいたしました。この川の名は清渓川というのですが、河川改修で坪井川のように深く切り込まれた川の両岸に散策路を設け、その間を川が流れるように整備してあります。人の目線と川面が近く、本当に親水性のある空間となっております。このような整備により、清渓川はソウルの一大観光スポットとなり、年間数百万人の観光客が押し寄せるほどに変わったのです。
 坪井川についても、ソウルと同様の整備をすれば、散策路とともに舟の航路が確保でき、まさに一石二鳥と考えます。この方法であれば、新たな堰の設置も必要ないのではないかと思います。この手法が実現できましたら、万歳橋から長塀前までは難しいとしても、桜の馬場の対岸まで航路を確保できれば、熊本駅から熊本城まで舟運が実現することになります。そうなれば、快適な遊歩道が整備されていることもあり、熊本城や桜の馬場を訪れた観光客も歩いて来て舟に乗ってくれると思います。もちろん、この話は文化財保護法がクリアできたらのお話であります。
 そこでお尋ねでありますが、舟運復活に向けての課題並びに整備手法の検討状況について、河川の専門家であります森田副市長に技術的視点も交えて御答弁をお願いいたします。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  ただいま坪井川の舟運復活についてお尋ねがございましたが、私の方からは舟運に対する思い等につきましてお答えさせていただきます。
 ただいま議員から御紹介がございましたように、現在、先ほどマップの作成ということで御紹介もございましたが、坪井川サイエンスショップの活動でございますとか、あるいは熊本城下のまちづくり連絡協議会が発足をされますなど、沿川住民の皆様方や、あるいは坪井川に関心を持つ人々のまちづくり活動というものが大変活発になってきているところであります。これらの活動によりまして、今後坪井川の魅力というものは高まっていくものと期待をしておりまして、そのような中で舟運復活に向けました取り組みというものは、大変大きな役割を果たすものと考えております。
 私自身、春に行われております観桜坪井川園遊会におきまして、船の周遊をさせていただいたこともありますが、観光資源としての可能性につきましても十分感じているところであります。特に、先ほどもお話がございました平成23年春の九州新幹線鹿児島ルート全線開業に合わせまして、和船で熊本駅から熊本城へ向かう観光コースというものが実現をすることになりますと、本市観光に新たな魅力が加わることとなり、熊本駅と中心市街地との回遊性の向上にもつながるものと考えております。
 その一方におきましては、この実現のためには民間主体による継続的な運行体制の確立でございますとか、あるいは後ほど副市長の方からも話があるかと思いますが、治水安全性の確保でございますとか、解決すべき課題も多いところであります。本市といたしましては、これまでも舟運復活推進会議に参画いたしまして、検討に加わってきたところでありまして、今後も引き続き民間の皆様方、あるいは河川管理者であります県とも連携をしながら、舟運実現に向け努力をしてまいりたいと考えております。
         〔森田弘昭副市長 登壇〕
◎森田弘昭 副市長  私からは、舟運復活に向けての課題並びに整備手法の検討状況についてお答え申し上げます。
 まず、舟運復活に向けての課題につきましては、出水時の安全性の確保、水深の確保、水質や景観などの河川環境整備、事業主体採算性などの事業計画、沿川住民の協力体制などが挙げられるところでございます。
 次に、整備手法の検討状況についてでございますが、坪井川舟運復活推進会議では、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業までに何らかの形で舟運を実現することを目標として、できるところから段階的に取り組む基本方針が確認され、現在運行区間の想定と、それに伴う必要なインフラ整備を検討する技術安全部会と、事業計画を検討する運行部会を設置し、積極的に調査、検討が進められております。
 お尋ねの舟運復活に関する技術的な観点からの見解でございますが、まず地域の方々が安心できる浸水対策の手当てが重要と考えております。また、昨今の超過降雨に伴う急激な出水に対する利用者の安全性の確保も同様に重要と考えております。さらに、坪井川の衛生学的な安全性を確保するための合流式下水道の改善も大きな技術的な課題の一つであります。なお、舟運の運行に必要な水深の確保が実現のための基本的な課題と考えておりますが、これにつきましては現在推進会議において現状のままで一部の区間で運行を始める案や、議員御提案のソウルの清渓川に近い案、石塘堰を改築する案、新たに堰を設置する案などが検討されております。また、それぞれの案について、船着き場や船の係留施設の位置や工法、費用試算、さらに安全面からの検証や実際の運行に当たっての採算性などの詳細な検討も必要だと考えております。
 今後、本市といたしましては、民間主体による運行体制の構築など、推進会議の検討状況に合わせ、必要なインフラ整備の工法や費用などについて、河川管理者である県と連携をとりながら庁内でも検討を進めてまいりたいと考えております。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  御答弁ありがとうございました。
 具体的な課題が出るということは、それだけ真剣に議論されていることで、かなり話が前進してきているなと印象を受けました。今後とも、市長からは積極的に応援していきたいという御答弁もありましたので、私たち行政だけでできることでもありませんし、民間だけでできることでもありません。今後一緒になって、本市を元気にしていくんだという気持ちで、頑張っていきたいと思っております。
 続きまして、私たち議員が市民との対話を通して、身近によく出てくることについて、取り上げさせていただきます。それは、私たちがよくまちなかに行く中心市街地のアーケードのことなんですけれども、私はこれまで熊本の中心であるまちなかのアーケードはせめてきれいで安全に歩けるようにとの思いで、路上喫煙禁止条例を過去に提案させていただいた経緯があります。施行の結果、昼の時間はまず見かけなくなりましたが、路上喫煙もポイ捨ても条例施行前と比べると減りこそしたものの、深夜に至っては効果はなしというのが私の感想であります。
 また、以前から問題視している客引き、スカウトに至っては、夜、女性がアーケードを一人歩きするのが怖いといった声まで出る状況でもあります。調べたのですが、スカウト行為とは、女性を水商売や風俗にスカウトすることをいうのですが、お店に紹介して紹介料をもらう、さらに紹介した女性の給料の何%かが月々支払われるといったシステムになっておるようであります。これがきっかけで風俗に入るなど、まちのにぎわいには確かにある程度のわい雑さも必要だと思いますが、メーンの通りにはいかがなものでしょうか。行き過ぎると、まちは危ないからと足が遠のく原因にもなります。それと、風俗や出会い系の広告が入ったティッシュ配りも、年齢に関係なく配っておるようです。さらに、もともと禁止されているアーケード内の自転車乗り入れも禁止してくれ、どうにかならないかなどなど、市民からの声はなくなりません。
 そこで質問いたします。路上喫煙やポイ捨て禁止を徹底させるため、週末は深夜まで見回りができないか、この問題では市民から資格がもらえればお手伝いしたいとの声も上がっております。また、自転車の乗り入れ規制を徹底してできないか、未成年へのティッシュ配りの規制を徹底できないか。多くの都市で現在、客引き、スカウト禁止条例をつくっております。まちの風紀を守る動きが出てきております。本市はどのように考えていらっしゃるのか、以上担当局長にお尋ねします。
         〔宗村收環境保全局長 登壇〕
◎宗村收 環境保全局長  私からは、路上喫煙禁止を徹底するための深夜の見回りについてお答えいたします。
 昨年、7月1日に路上喫煙及びポイ捨ての禁止等に関する条例を、議員提案により施行し、上通、下通、新市街のアーケード内を路上禁煙区域及び美化重点推進区域として指定し、早朝7時30分から夜の10時にかけて指導員による巡回指導等を実施してきたところでございます。その結果、禁止区域内における違反者に対する指導件数も、条例施行当初に比較して4分の1以下の1日10件程度に減少するなど、かなりの成果があらわれているところでございます。しかしながら、深夜におきましては、この区域が繁華街ということもございまして、十分に徹底されているとはいえない状況でございます。安全安心で美しいまちづくりを推進するためにも、深夜の指導、啓発につきましては、民間団体の地域安全活動と連携した取り組みを試行的に行うなど、今後検討してまいりたいと考えております。
         〔原幸代子市民生活局長 登壇〕
◎原幸代子 市民生活局長  私からは、中心市街地の安全対策につきまして3点のお尋ねにお答えをいたします。
 本市では、犯罪防止の観点から、平成18年10月に施行いたしました犯罪を防止し安全で安心なまち熊本市をつくる条例に基づきまして、歩行者用道路への自転車等の乗り入れ禁止や、客引き行為の防止等6つの重点項目を掲げまして、犯罪のない市民が安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目指し、さまざまな施策に取り組んでいるところでございます。
 まず、1点目のアーケード街への自転車の乗り入れにつきましては、これまでも交通指導員や放置自転車整理指導員によります乗り入れ禁止の指導のほか、商店街によりますアナウンス放送や中学校や高校へ自転車マナーアップチラシを配布するなど、広報、啓発に努めてきたところでございます。さらに、この8月から毎月20日を自転車安全利用の日として、自転車利用者の交通ルールの遵守と運転マナーの向上に努めているところでございます。今後とも、商店街との連携強化や、交通指導員によります巡回指導の回数をふやすなど、自転車の乗り入れ禁止の指導を徹底してまいります。
 2点目の、議員御指摘のティッシュ配布につきましては、出会い系サイトやテレクラ等の広告が入ったものにつきましては、法により18歳未満の者への配布が禁止されておりますことから、さまざまな機会をとらえて、中学生、高校生への周知や、また民間団体とのパトロール時に業者への注意喚起を促すなど、違法な行為の未然防止に努めてまいります。
 3点目の、客引き、スカウト禁止条例についてでございますが、今後その実態を詳細に把握する必要があると考えておりまして、まずはアーケード街におけるスカウト行為の実態調査を含めました通行者アンケートなど、安心して繁華街を歩ける環境づくり調査を実施したいと考えております。さらに、関係機関との情報交換や、他都市の状況を踏まえ調査研究してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、今後とも熊本県警察や、商店街、関係団体等との連携を密にし、安全で安心なまちづくりに積極的に取り組んでまいる所存でございます。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  答弁を聞いていまして感じるのが、本市すべての施策に通じることなんですけれども、本気で取り組んでいただきたいという思いであります。本気であれば、必ず市民からどうにかならんのかという声は少なくなってくるのではないかと思います。
 それでは、きょう用意しました質問の最後に当たり、家庭ごみの収集の有料化について質問いたします。
 私たちくまもと未来は、今議会において提案された家庭ごみの有料化の審議に備え、これまで会派としてさまざまな取り組みを行ってまいりました。市民アンケートの実施のみならず、8月の八王子市の戸別収集体験に始まり、本市の東部環境工場や南部浄化センターといった環境施設を改めて訪ね、10月の市議会議長会研究フォーラムの際には、八王子市減量化のモデルとなった函館市、さらに先月は北九州市の下水汚泥とプラスチックごみのリサイクル処理の現状を視察してまいりました。
 なぜ、ここまで私たちがごみの問題にこだわるかというと、この問題が本市に住むすべての市民の生活に直結し、他の課題と比べようもなく大きな影響を及ぼすというものであること、さらにはこの有料化条例を契機に、これまで場当たり的だったごみ問題の姿勢に終止符を打ち、将来に向けたごみ処理のリサイクルシステムの構築を図らねばならないと考えたからであります。
 市民アンケート結果でも同様であったように、市民の多くは有料化に理解を示しております。しかし、それはごみを減らし、次の世代への負担軽減を図り地球環境を守るためにはやむを得ないとの思いからではないでしょうか。であれば、ごみの減量化、リサイクルの推進は有料化最大の目的であり、22年度の家庭ごみ排出量19年度比16.1%減との目標値達成を至上命令として取り組まなければならないのです。有料化しました、想定していた市民の協力が得られず減量目標は達成できませんでしたと責任転嫁はできないことを、もっと認識していただきたいと思います。
 これまでの今議会における質問への答弁では、いまだ不明確な点もあり、私自身本市のそのような強い姿勢が伝わってこないのであります。そこで、この質問を賛否を決断する判断材料の一つとして、市長の考えをお尋ねします。
 まず最初に、袋の価格の積算根拠についてであります。
 2年前の最初の案では、45リットル当たり1袋60円、その後45円になり、今回の提案は35円となっています。この価格の推移に、私は有料化の理念というものを感じることができません。先般の答弁では、35円の積算根拠について、昨今の経済状況、市民アンケートの結果、近隣自治体との兼ね合いといったお答えでした。確かに、経済不況の真っただ中、市民感情を考えると安いに越したことはなく、有料化導入への反発は抑えられるでしょう。しかしながら、ごみの減量が目的であるならば、安ければ安いほど期待している効果は望めないのではないかとの危惧が残ります。
 45円の場合、35円の場合の減量効果をどうとらえての判断なのでしょうか。本来ならば、今後の減量計画とリサイクルシステムの構築には、トータルとしてこれだけの予算が必要です、そのかわり実現すれば市民生活は向上するし、将来的な財政負担は軽減します、そのための目標達成のためにはどうしてもこれだけは市民に負担をお願いしなければなりませんと、目標とするリサイクルシステムの将来像を描き、具体的な数値を示した上で提案するのがあるべき姿ではないでしょうか。
 そこでまず第1点目に、今回の袋の値段の算出について、その積算根拠と減量効果をどうお考えなのか明確にお答えください。また、有料化で得られた財源の具体的使途として10項目の新規及び拡充事業が提示してあります。どれも重要かつ有効な事業と評価しており、早期の事業着手が減量化の目標達成のためにも必要であると考えます。しかし、22年度の家庭ごみリサイクル率19年度比10.8%増との目標値を掲げながら、プラスチック製容器包装の分別収集の実施にしても、22年10月からとのことであり、ここにも目標達成への姿勢に疑問を感じてしまいします。モデル事業としてでも、いち早く取り組むべきではないでしょうか。また、一般会計にごみ袋の売り上げが組み込まれていることからも、見込みより収入がふえた場合、予算の使途がリサイクルシステムの構築に充てんされるのか明確ではありません。
 そこで2点目として、財源使途の明確化と、これら10項目のそれぞれの事業の実施時期について具体的にお示しください。
 次に、この条例が可決された場合、21年10月から施行されるわけですが、ほかに戸別収集といった取り組みがあるわけでなし、有料化単独、しかも破格の35円ということを考慮すると、先ほども申し上げましたがそうそう減量効果は見られないのではないかと懸念しております。また、先日のリバウンド対策の質問に対しては、市民意識の改革、啓発に努めると極めて抽象的な答弁でした。22年度の家庭ごみ排出量、19年度比16.1%減との目標値に向けての時間はそう多くはありません。私は、リバウンド以前に22年度目標とする減量効果が得られなかった場合には、価格設定の見直しや懸案である戸別収集の実施などの早急な対応が必要となると思っております。
 そこで、3点目に22年度の排出量が目的数値を下回る結果が出た場合の具体的な対応をどう考えていらっしゃるのか、お答えください。
 続けて、戸別収集についてであります。
 我が会派の白河部議員の質問に対し、環境保全局長は現在のステーション方式は地域コミュニティ形成に役割を果たしてきたとされ、また都市ごとにその実情は異なり、戸別収集における減量効果と経費増の関連について一概に論じることはできないと述べられました。しかしながら、私はこのことは地域コミュニティの問題とは別の問題として考えるべきだと思っておりますし、仮にそうでなくともごみステーションは地域の自治会等にとって最も厄介な問題ととらえており、逆に問題の解消につながると認識しています。さらに、戸別収集に伴う経費増については、18年度に実施したモデル事業の結果に基づいてのものですが、このモデル事業は当然有料化導入前の現状での調査であり、有料化導入後の参考とはならないものであります。ですから、本市の戸別収集における減量効果と経費増の関連を把握するための調査については、有料化導入後直ちに実施すべきであり、その結果に基づき導入への判断を下すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 4点目として、有料化導入後の速やかなモデル事業の実施に対する考えをお尋ねします。
 以上、るる申し上げましたとおり、1点目、ごみ袋の価格の積算根拠と減量効果について、2点目、財源使途の明確化と10項目のそれぞれの事業の実施時期について、3点目、22年度の排出量が目標数値を下回る結果が出た場合の具体的な対応の考え、4点目、有料化導入後の戸別収集モデル調査の速やかな実施について、幸山市長のごみ減量化への決意を込めた明確な御答弁を求めます。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  家庭ごみ有料化に関しまして、4点のお尋ねがございましたので順次お答えさせていただきます。
 まず1点目の価格設定の根拠と減量目標達成のめどについてであります。
 ごみ袋の価格設定につきましては、減量効果とも密接に関連するものであります。本市におきましては、先ほども御指摘がございましたように、前回の条例案、また今回当初にお示しをしておりました骨格素案におきまして、1リットル1円という料金設定をしておりましたが、昨今の経済情勢を踏まえ、そして市民の皆様の御負担を軽減するという観点、さらには近隣自治体との料金の均衡を図るという観点から、一定の減量効果も見据えました上で、45リットル35円という価格設定をしたところでございますが、啓発活動をさらに強化することなどによりまして、目標である20%ごみ減量を達成したいと考えております。
 具体的には、プラスチック製容器包装の分別収集、リサイクルや生ごみ処理機等への助成の拡大などを確実に実施いたしますとともに、すべての自治会やさまざまな世代や立場の皆様方に対し、有料化に合わせたごみ減量、リサイクルの説明会を徹底的に実施をいたしますなど、啓発活動のさらなる展開を図っていきたいと考えております。したがいまして、35円の価格設定により、20%削減目標そのものを見直したというわけではなく、このような取り組みを総合的に実施することによりまして、所期の目標でございます20%のごみ減量をぜひとも実現してまいりたいと考えております。
 このような取り組みには、改めて申し上げることもありませんが、私みずから先頭に立ち、ごみ減量への強い思いを市民の皆様方へお伝えすることによりまして、必ずや目標を達成してまいりたいと考えております。
 2点目の、ごみ有料化財源の明確化及び新規事業等の実施10項目のスケジュールについてであります。
 まず、財源の明確化についてであります。家庭ごみの減量及び分別徹底によるリサイクルの推進という条例改正案の趣旨を十分に尊重いたしまして、新たに得られました財源につきましては、循環型社会の構築に向けましたさまざまな事業の展開に有効活用してまいりたいと考えております。有料化の財源を活用して行います新規拡充事業につきましては、先ほども申し上げましたプラスチック製容器包装を除きます9項目につきましては、有料化の開始を予定しております平成21年10月から確実に実施をしたいと考えており、ごみ焼却灰のセメント減量化リサイクルや資源物の拠点回収の拡大、さらにはごみステーション管理への支援、生ごみ処理機等購入や集団回収への助成の拡大などを着実に進めてまいりたいと考えております。
 プラスチック製容器包装の分別収集リサイクルにつきましては、施設整備を初めとする導入の準備に相当の期間を要しますことから、有料化から1年後の平成22年10月からの開始としたいと考えておりますが、先ほどお話のございましたモデル事業の可能性につきましても検討してまいりたいと考えております。
 次に、3点目の仮にごみ減量の目標が達成できなかった場合の対応についてのお尋ねでございますが、その場合はただいま議員が述べられましたような対応が必要になることも考えられるかと思いますが、まずは私といたしましては何としてもこの目標を達成したいと考えておりまして、繰り返しになりますけれども、プラスチック製容器包装などの新たな分別、リサイクル品目の拡大や啓発活動のさらなる展開などに引き続き積極的に取り組んでまいりますことで、ごみ減量、リサイクルをさらに進め目標達成に向けて全庁を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、4点目の戸別収集についてお答えいたします。
 戸別収集につきましては、今議会でもお答えいたしましたように、今後これまでのモデル調査をさらに拡大した調査を改めて行いたいと考えております。具体的な調査のスケジュールについて申し上げますと、平成21年10月に予定しております有料化によるごみ減量の効果を一定期間見きわめる必要がございますことから、その開始の時期を平成22年1月としたいと考えております。調査期間につきましては、戸別収集の減量効果をある程度の期間見きわめる必要がございますことから、前回調査の3倍の期間でございます3カ月間としますとともに、調査の規模につきましても、前回調査の3倍程度の1,000世帯前後の規模で行いたいと考えております。
 このように、有料化導入早々には、前回の調査を規模、期間ともに拡大した調査を行い、戸別収集におけるコスト面などの課題を整理しました上で、将来の方向性を見きわめてまいりたいと考えております。今議会におきましては、議員各位からさまざまなごみ減量、リサイクルへの考え、必要性等をお伺いしたところでございまして、私といたしましても、改めましてごみ減量、リサイクルの推進に向けました決意を新たにしたところでございます。これまでも申し上げてきたところでございますけれども、地球温暖化という世界規模での環境問題が、ますます深刻化をしてまいります中で、その対策としても市民の皆様方の最も身近な取り組みでもございます、このごみの問題を通ずることによりまして、このごみ減量、リサイクルの推進、あるいは循環型社会の構築に向けました取り組みというものを、市民の皆様方とともに進めてまいりたいという決意を新たにしたところでございますので、どうぞ今後とも議員各位の御理解と御協力を何とぞよろしくお願い申し上げたいと存じます。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  今回、あえて市長に御答弁をお願いしたわけですけれども、確かに市長の強い意気込みは感じられました。しかしながら、その答弁の内容について、例えば積算根拠など従来の答弁どおりで、私たちにはその哲学というか理念というのがなかなか感じられません。果たしてその金額で目標とする減量化が達成できるのかどうかという危惧が消えないのであります。だからこそ、議会の中にも戸別収集を求める声が依然としてあるのではないかと思います。
 私たちの会派は、戸別収集については減量化への有効な手段として、有料化導入後の減量効果とその契機を調査分析し、仮に目指す減量化を達成できない場合は、実施を前提とすべきと考えております。市長御自身は、その点についてどのような考えをお持ちか、素直な御意見をお聞かせ願えればと思います。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  ただいま、再度お尋ねをいただいたところでございますけれども、先ほども申し上げましたように、まずは先ほど申し上げました対策というものを総合的に講じてまいります中で、まずは20%という目標達成に向けまして全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。今、田尻議員の方からは、もし達成できなかった場合には戸別収集をというふうなお話があったところでございますけれども、戸別収集のこの調査につきましては、先ほど申し上げましたような中で、これまで以上に具体的に、そして規模を広げた中で取り組んでまいりたいと考えておりますので、その調査結果を踏まえました上で、その方向性というものを見きわめてまいりたいと考えております。
 しかしながら、この20%の削減というものは、やはりこれは至上命題であろうと考えております。そして、そのことは68万市民の皆様方お一人お一人の理解と協力がなければ達成できるものではないと考えておりますので、今後仮にこの条例をお認めいただきますならば、先ほど申し上げましたように自治会初めあらゆるところへの説明会を全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えておりますので、その趣旨、必要性をしっかりと御理解いただけるように、精いっぱいの努力をしてまいりたいと考えております。
         〔16番 田尻善裕議員 登壇〕
◆田尻善裕 議員  御答弁ありがとうございました。
 有料化後の戸別収集、これまでの3倍にしてモデル事業をするということでありますけれども、私たちもそのモデル事業に今まで本当に徹底的に検証してきておりますので、私たち自身もこの足と目で実績、減量ができるかどうかを確かめて一緒にいきたいと思っております。また、明後日の委員会での審議の推移も見ながら、より充実した内容を最後まで模索していきたいと思います。
 これで、私の質問を終わらせていただきます。最後まで真摯に傍聴をいただきました皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
     ───────────────────────────
○磯道文徳 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午後2時に再開いたします。
                             午後 0時11分 休憩
                             ───────────
                             午後 2時01分 再開
○牛嶋弘 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
     ───────────────────────────
○牛嶋弘 議長  質問を続行いたします。上村恵一議員。
         〔49番 上村恵一議員 登壇 拍手〕
◆上村恵一 議員  皆さんこんにちは。市民連合の上村恵一でございます。本日は、平成20年質問の大トリを務めることになりました。大変荷が重いわけでございますけれども、ごゆっくりと気楽な気持ちで傍聴していただければと思っております。質問に入ります前に、一昨日でございましたか、熊本城の入園者が200万人を突破するという、本当に喜ばしい出来事がございました。皆さんと一緒にこの喜びを分かち合いたいと思います。おめでとうございます。
 それでは、質問に入ります。
 新しい年に向かって、ことしも残りわずかになりましたが、例年でありますと夢と希望に満ちた気持ちで新年を迎えることができました。しかし、ことしは100年に一度と言われている世界経済が大恐慌に見舞われ、国民はずっしりとした不景気の荷物を背負って新しい年を迎えることになります。この上は、一日も早く国と地方が連動して、効果的な景気対策の実行を期待しています。
 さて、本市は重要課題を抱えた中で新しい年を迎えることになります。まず、景気対策とともに、最大の課題とされているのが合併政令市であります。年内に3町との法定協が設置され、既に益城町と城南町とは協議が行われており、植木町も含めて年明けとともに取り組みは山場を迎えます。年が明けると、いよいよ新幹線開業までわずか2年になります。現在、熊本駅周辺を中心に新しい熊本づくりが行われていますが、交通問題を含めて必ずしも順調に進んでいるとは思えません。新幹線開業後の都市間競争を制するためにも、ソフト、ハード両面からのスピードを上げたまちづくりが求められています。また、平成21年第1回定例会で、第6次総合計画が議決されましたら、湧々(わくわく)都市くまもとづくりを目指した取り組みが新年度からスタートします。このほか、新年度から旧富合町のまちづくりが本格的に進められるのを初め、上下水道の組織統合、交通、環境、教育、福祉などそれぞれ多様な重要課題を抱えて新しい年を迎えることになります。
 こうした課題に対する取り組みの成否は、幸山市長のかじ取りにかかっていると言っても過言ではありません。そこで、幸山市長の新しい年に待ち受けている重要課題に対する取り組みの決意をお聞かせください。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、新しい年に向かっての重要課題に対する取り組みへの決意につきましてお答えをさせていただきます。
 議員御案内のとおり、本市は現在、政令指定都市の実現や間近に迫りました九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に向けました取り組みなど、本市の将来を左右する重要課題が山積をいたしておりまして、先ほど御指摘もありましたように、これらにスピードを上げて的確に対応してまいる必要がございます。こうしたことから、平成30年度を目標年次といたします第6次総合計画の策定を進めているところでありますが、来年の第1回定例市議会では、基本計画の議決をいただき、新年度からは具体的な施策の展開を図ってまいりたいと考えているところであります。
 本市の最重要課題でございます政令指定都市の実現につきましては、御案内のとおり現在、益城町、城南町、植木町との間に合併協議会を設置いたしまして、合併に向けた協議を進めております。来る平成21年、来年が政令指定都市実現の成否をかける最も重要な年となります。合併協議会の場で丁寧な協議を行いまして、合併後の新市の姿をしっかりと示し、住民の皆様の御理解をいただき、合併の道筋をつけ、必ずや政令指定都市の実現へとつなげてまいりたいと考えております。
 また、平成23年春の九州新幹線鹿児島ルート全線開業に向けました熊本駅周辺整備につきましては、東A地区再開発事業や軌道敷緑化を取り入れました市電のサイドリザベーション化など、熊本の玄関口にふさわしい魅力と活力あるまちづくりに着実に取り組んでまいりたいと考えております。さらに、熊本城を中心とした観光振興につきましても、ただいまお言葉をいただいたところでもございますけれども、熊本城の入園者数、一昨日で200万人を突破いたしまして、過去最高のにぎわいを見せます中、このにぎわいを未来へと引き継いでまいりますために、桜の馬場観光交流施設の整備や、ポスト築城400年の取り組みなどを積極的に展開してまいる所存であります。加えまして、花畑、桜町地区における再開発事業や、新町、古町かいわいでの城下町の再生に向けた民間主導による事業などと連携を図りながら、中心市街地のさらなる活性化に努めてまいりたいと考えております。
 これらに加えまして、中学校1年生での少人数学級の導入など、子供たちの個性や可能性を伸ばす教育環境の整備、児童相談所の開設準備など、子育て支援の充実、高齢者や障がい者などに対するきめ細やかな保健福祉サービスの充実、地下水保全やごみ減量、リサイクルの推進などなどの環境保全、地域産業の活性化、さらにはバス網の再編などによります公共交通機関の利便性の向上など、各分野の施策につきましても着実に取り組んでまいる所存であります。
 現在、アメリカに端を発しました金融不況が世界各国を襲いまして、我が国社会経済全体に先行き不透明感が広がっております中で、私といたしましては、市制120周年の節目の年ともなります、来る平成21年が68万熊本市民の皆様方にとりまして、将来に明るい展望が描ける年となりますよう、新しい熊本づくりに全力を挙げて取り組んでまいる所存でございますので、議員各位の御理解、御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
         〔49番 上村恵一議員 登壇〕
◆上村恵一 議員  市長の方から新しい年に向けての大変力強いメッセージをいただいたわけでございますけれども、どうか市民福祉の向上を含めて、さらなる市政の発展のために、よりよいかじ取りをよろしくお願いをしたいと思います。
 そこで、アメリカの金融危機をきっかけに、国の景気は坂道を転げ落ちるように悪化の状態が続いています。特に不況の影響をもろに受けているのが、御案内のように雇用問題であります。正規職員、非正規職員を問わず、全国津々浦々に失業者があふれています。雇用あっての暮らしであり、雇用あっての教育であり、そして雇用あってのレジャーでもあります。言うなれば、雇用は人生そのものであります。雇用問題は、国や県の所管ではありますが、本市としてもこの非常事態を厳粛に受けとめ、経営難に直面している中小企業等に対する支援とともに、雇用対策については国などの関係機関や経済界と連携をして、雇用創出に全力を尽くしていただきたいと思います。幸山市長の雇用対策に対する全力投球を期待しています。
 3町との合併問題については、いよいよ正念場を迎えることになります。まちとの信頼関係を築き、私も委員として合併への道筋をつけ、政令市実現へ向けていかなければならないと考えています。また、新幹線開業に向けてのまちづくりを含めて、第6次総合計画の取り組みに対しては新年度予算との絡みがあります。湧々(わくわく)都市くまもとづくりがスタートからつまずかないためにも、一定の財政出動のもとに効果的な予算編成をされるように、強く要望をいたしておきます。
 それでは、次に交通の問題について質問いたします。
 本市においては、市政の最重要課題として位置づけられている交通問題の中でも、バスの利用者離れが深刻化し、厳しい経営環境にあるバス事業の再生や、バス交通の利便性を高め、利用者のニーズにこたえるため、熊本市におけるバス交通のあり方検討協議会が発足し、現在審議が行われています。協議会に提出されている資料によると、路線バスの利用状況はこの20年間で半減し、さらにこの10年間でも約30%近く減少していることになっています。こうしたバス離れによって、通勤通学時におけるバス利用率は9.6%で、人口50万以上の都市の平均13.2%を下回り、さらに総合病院においては、バス停が近接しているのにもかかわらず、バスでの来院は11%と極めて低い利用状況になっています。
 公共交通機関を利用しない理由の実態調査によると、その主な理由は、自宅からバス停まで遠いから、本数が少ないから、乗り継ぎが面倒だから、車や自転車の方が早いからなどとなっています。
 こうしたバスを中心に公共交通機関の利用者離れに対処するため、熊本市が目指す公共交通機関の方針として、公共交通機関相互の連携機能を強化した一体的な公共交通体系の構築、高齢者に優しい交通システムの検討、自動車からバスへの転換を促す利用促進策の検討などが打ち出されています。これらの方針を具体化するために、乗り継ぎ割引券の強化、バス専用レーンの整備、バス停の新設見直し、パークアンドライド、サイクルアンドライドの整備、通勤通学における急行バスの導入などが熊本市地域公共交通総合連携計画の素案で示されています。この素案で評価されることは、公共交通機関を利用しない理由を把握し、利便性を図るための方針が打ち出されていることです。つまり、素案の段階ではありますが、利用者の視点に立った計画がなされています。したがって、この計画を実現させるための具体的な取り組みに対しては、バスのあり方検討協議会の中でも、しっかりと審議をしていただきたいと思います。
 そこで、問題は計画した事業をスピードアップして行わなければ、利用者はさらに減少することは必至です。これからの事業促進に当たっては、熊本市地域公共交通総合連携計画等との整合性を図り、少ない費用で時間をかけずにできるような取り組みを、住民ニーズや道路事情等の調査を行い、その結果を踏まえて実行することによって、住民ニーズに近づけることを期待することができます。
 住民ニーズなどの調査の結果、必要性が確認できたら、停留所の見直し、バス専用レーンの整備、夜間ダイヤの充実などは、余り費用をかけずに効果を上げることができるものと思います。また、高齢化社会が進展する中で、病院への来院や買い物時などの生活手段としてバス交通の役割はますます必要性が高まっています。こうしたニーズにこたえるためには、コミュニティバスを導入する地域の見通しをつけることも差し迫った大きな課題として取り組む必要があります。
 交通問題は、余りにも課題が多くて、解決の見通しをつけるためには多くの費用を必要としますが、取り組みやすい課題から対処していくことによって、展望は開けてくるものと思います。
 そこでお尋ねします。1点目、現在素案として提出されている熊本市地域公共交通総合連携計画の事業促進に対する具体的な取り組みについてお尋ねします。2点目、公的病院を中心に、高齢者の来院時におけるバス交通の確保は喫緊の課題となっています。そこで、この課題に対する取り組みの見通しについて、都市建設局長にお尋ねします。
         〔村上博一都市建設局長 登壇〕
◎村上博一 都市建設局長  私からは、交通問題について2点の質問にお答えいたします。
 まずは、1点目の熊本市地域公共交通総合連携計画における事業推進に対する具体的な取り組みについてお答えします。
 議員御案内のとおり、バス交通のあり方検討協議会では、市民にとりまして利便性の高いバス交通体系を構築するために、地域公共交通総合連携計画を今年度中に策定することといたしております。先般開催いたしました協議会で提案させていただきました計画の素案におきましては、JR、市電、熊電、バスの連携機能を強化し、中心市街地と地域の拠点とを結ぶ幹線を軸に、循環路線や地域の生活圏を結ぶ支線を設定するなど、利用者本位の一体的な公共交通体系を構築することといたしております。また、バス利用の促進策として、乗り継ぎ拠点の整備やバス停の新設、見直し、夜間バスダイヤの充実など、25の項目を掲げさせていただいているところでございます。
 これらを進めてまいりますためには、議会はもとより、バス交通のあり方検討協議会の意見を踏まえながら、各項目の熟度を高めていく必要があると考えているところでございます。加えて、バス事業者の御理解と御協力が必要不可欠であることから、事業者と行政の役割を明確にし、その手法や期間、費用対効果などを総合的に判断しながら、導入が可能なものから順次その実現に努めてまいりたいと考えております。
 2点目の、公的病院を中心としたバス交通の確保でございますが、市民病院を初め済生会病院、中央病院、赤十字病院などをつなぐ路線につきましては、要望の多い路線であり、今回連携計画における新たなバス網を検討する中でも必要な路線と考えているところでございます。そこで、連携計画素案の中では中心市街地を通らない市街地循環路線として位置づけをさせていただくとともに、来年度から予定しております実証実験の一つの案としてまいりたいと考えております。
         〔49番 上村恵一議員 登壇〕
◆上村恵一 議員  交通問題でございますけれども、先ほど紹介いたしましたように、熊本地域公共交通総合連携計画の素案の内容は、一つ一つの事業を着実に進めることによって住民の足を確保できる計画になっています。ところが、これまでも交通問題については、例えばパーソントリップの調査を踏まえて、交通アクションプログラムなどが策定されてきましたが、事業の進捗状況は不十分なものになっています。そのことを裏づけているのが、バス交通を中心に利用者の減少に拍車がかかっているということです。そこで、今回の質問でささやかな提案をしたのが、地域公共交通総合連携計画の整合性などを図り、余り経費などを必要としない、つまり取り組みが比較的やりやすいところから順次事業に着手することによって、少しでも迅速な事業が期待できるようになり、さらに小さな取り組みの積み重ねによって大きな成果を期待することができます。
 将来の人口動向の中で予想されている高齢化率は、約20年後には人口の約30%に達する見通しになっています。特に、人口の多数を占める団塊の世代は、80歳に達することになり、免許証の保有者はごく一部に限られてくることになります。こうした状況からも、公共交通による受け皿づくりは待ったなしのところに来ていると言えるのです。また、高齢者の特徴は、病院通いが多くなることです。調査によると、病院への来院手段は、バス交通の場合11%と極めて低い利用状況になっています。来院者の安全確保のためにも、先ほど局長答弁がありましたように、計画されている公的病院を中心としたバス交通の確保は喫緊の課題として、ぜひその見通しをつけていただきたいと思っております。お金をかけてやるということになると、なかなか計画倒れになってしまうような状況になりますので、できやすいところから順次手をかけていっていただくと、大分事業は進捗すると思いますので、そういうことで交通の問題が余り今まで進んでおりませんので、よろしくお願いをしておきたいと思います。
 一方、バスのあり方協議会で審議の柱になっているのが、市営バスの存廃問題であります。先般、我が会派の村上議員が高齢者、障がい者の移動手段として、市営バスが果たしている役割を高く評価されていましたが、私もそのとおりだと思います。仮に、市営バスが廃止されることになれば、全国の状況からして、採算の合わない路線は撤退されることになり、健常者の足さえ確保することはできなくなります。
 そこで、一つの実例を申し上げますと、北海道札幌市では民間バスの3社に市営バス路線を7年前に移譲されています。ところが、その中の1社が補助金問題で札幌市と対立し赤字路線の廃止を決定しました。札幌市は、他のバス会社に廃止された路線の運行をするため、3年間の委託料として10億円投入することを決定したところ、一般市民を初め議会、マスコミなどから問題視される騒ぎになったということです。こうした騒ぎの発端は、住民の足を確保することを置き去りにして赤字路線の廃止をしたところにあります。このような実例を生かすためには、公民の役割を明らかにし、それぞれの役割を果たす中で、住民の移動手段を確保していくことが公共交通機関の大きな使命ではないでしょうか。
 もう一つの交通局の課題は、再建問題であります。この問題に対しては、人件費や事業費を削減するためにピーク時の職員1,116人を、現在356人に縮小したのを初め、昇給停止や限られた人員体制を効率的に勤務させるため、夏休みの廃止などの合理化が行われてきました。このほか、古くは市電の川尻線の廃止や、近年においては市営バスの8路線を民間バス会社に移譲されたことは御案内のとおりであります。しかし、再建の大きな決め手となる利用者の減少に歯どめをかけることができず、今日を迎えることになっています。
 そこで、交通局におかれましては、事業管理者を中心に市長部局との連携のもとに、徹底した職場討議などを行ってほしいと思います。ピンチの後にはチャンスありの言葉を信じて、再建に向けて積極的な主体性を持った取り組みを要請しておきます。そして、市営バスの問題につきましては、財政面と住民の足を守ることなどを含めた、いわゆる総合的に判断をしながら、市電の廃止をしたときと同じように、将来に汚点を残さないような形での結論を出すべきだと思っておりますので、そういうことを十分に受けとめてもらって検討委員会の中では審議をしていただければと思っております。
 続きまして、介護保険事業等についてお尋ねします。
 平成18年4月改正介護保険法の施行に伴い、本市においては高齢者が住みなれた地域での尊厳のある生活を継続することができるように、要介護状態になっても、高齢者のニーズや状態の変化に応じて必要なサービスを切れ間なく提供するため、地域の中核機関として住民の日常生活圏域に分け、26カ所の地域包括支援センターが設置されました。地域包括支援センターには、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士等の専門スタッフが配置され、介護予防、ケアマネジメント業務、包括的継続的ケアマネジメント支援事業などが行われています。事業開始から2年半以上にわたって、試行錯誤を交えた事業が展開されていますが、将来に向けて円滑な事業を推進するためには多くの課題解決に対する取り組みが求められています。
 そこで、より質の高い介護サービスを提供できるように必要な要件づくりについてお尋ねします。1点目、直営による公設の地域包括支援センターの設置であります。現在、旧富合町を含めて27カ所の地域包括支援センターが設置されていますが、全センターとも民間事業者に委託されており、丸投げの状態になっています。本来、地域包括支援センターは公平、公正な運営及び地域支援事業の積極的な展開を図る上で、公設が望ましいとされていました。香川県や岡山県では、公設の地域包括支援センターが基幹的な役割を担っています。そこで、公設地域包括支援センターを最低1カ所は設置し、各センターが連携のもとに足並みをそろえて円滑に均衡のとれた事業を展開できるよう、コーディネーターの役割を果たすべきだと思いますが、考えをお聞かせください。
 2点目、委託料の見直しについてお尋ねします。これは、我が会派の東美千子議員も質問されていますが、現在年間一律1,500万円の委託料になっています。しかし、地域包括支援センターごとに高齢者人口や職員数、さらに事業内容も異なっています。一律ではなく、必要に応じて委託料を増額すべきだと思います。そこで、委託料の算定基準を見直すとともに、委託料の早期改善を要請し御見解を求めます。
 3点目、介護労働者の人材確保についてお尋ねします。全国的に介護保険事業の現場は深刻な人手不足になっています。社会福祉事業団においては、パートホームヘルパーを中心に短期間のうちに58人辞職しています。要因は、過酷な労働の割には賃金が安く、加えて身分が不安定なことなどによるものです。国も、来年度の介護報酬改定率3%程度で介護人材の確保、介護重視の処遇改善に充当するとしていますが、まだ具体化はされておりません。必要とする介護サービスを安定して継続するためには、人材確保は不可欠であります。そこで、介護労働者の人材確保についてお尋ねします。
 4点目、事務の簡素化についてお尋ねします。高齢福祉のさまざまな手続を行う際に、同じような書類を何度も作成する必要があり、地域包括支援センターから事務処理が大変だとの話を聞いております。事務の簡素化を図る必要があると思いますが、その業務の状況と今後の改善に対する考えについてお尋ねします。
 最後に、障がい福祉の移動支援に関してお尋ねします。本市の地域生活支援事業の移動資源、いわゆるガイドヘルパーの報酬単価は、身体介護を伴う場合も伴わない場合も1時間1,500円の統一単価になっており、夜間などの加算措置はありません。他の市町村では、身体介護を伴う場合は3,000円から4,000円に設定しているところもあります。また、障がい福祉サービスの重度訪問介護の報酬単価も、身体介護と比較すると大変安価に設定されており、これらの報酬単価の見直しは喫緊の課題になっています。そこで、報酬単価の見直しについてお尋ねします。
 以上、答弁は一括して健康福祉局長にお願いします。
         〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  介護保険事業等5点の質問にお答えいたします。
 まず、1点目の直営による公設の地域包括支援センターの設置についてでございますが、地域包括支援センターは、各地域において地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援するための事業を一体的に実施する役割を担う拠点として設置いたしております。この役割を、各地域の状況に即し効果的に果たしていくために、これまで地域ケアの中心として地域在宅介護支援センターなど、地域に密着した活動をしてこられた民間の社会福祉法人や医療法人などに委託することとしたものであります。
 なお、地域包括支援センターの適正、公平かつ中立な運営を確保するため、学識経験者や公募委員等で構成された市地域包括支援センター運営協議会を設置し、定期的に運営状況等を検証しておりますが、本年度新たに外部評価も進めているところでございます。また、各保健福祉センターにおいて圏域内の包括支援センターの活動の支援や、連携の促進など、コーディネート業務の推進を図っているところでございます。今後とも、地域からの御意見をしっかりと伺いながら、この体制により取り組みの充実を図ってまいりたいと考えております。
 2点目の委託料についてでございますが、地域包括支援センター管轄ごとで高齢者人口の違いなどによる業務量の差異が大きくなりつつあります。このため、新年度に向けて現在進めておりますはつらつプランの見直しの中で、業務量や職員配置数に応じた対応なども含めて検討しているところであります。
 3点目の介護労働者の人材確保につきましては、本市といたしましても安定的な人材確保ができるよう、介護報酬の改定等について、国へ要望してきたところでありますが、現在、国においても経験豊富な職員を雇用する事業者への報酬の増額などを盛り込んだ介護報酬改定が検討されておりますので、その結果を踏まえて対応してもらいたいと考えております。
 4点目の事務の簡素化につきましては、地域包括支援センター連絡協議会と協力して、提出書類などの事務簡素化を行ったところであり、今後ともでき得る限り事務処理の改善に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、障がい者の移動支援についてでございますが、本市の地域生活事業における移動支援は、比較的軽度の視覚障がい者、知的障がい者、あるいは精神障がい者を対象としており、報酬単価は障がい福祉サービスの身体介護を伴わない通院介助の単価に合わせまして、1時間1,500円と設定しております。身体介護が必要な重度の障がいをお持ちの方は、重度訪問介護における外出支援を御活用いただいており、報酬単価は1時間1,600円としております。また、重度訪問介護の場合は、利用時間帯や利用時間数に応じた加算も行っておりまして、例えば2時間の利用の場合は4,700円としております。なお、今後は地域生活移行の進展に伴い、身体介護を伴う移動支援が必要であるものの、重度訪問介護の対象とならない方が増加することも見込まれております。また、国においても現在、報酬単価の見直しなどが検討されており、その動向も見きわめながら、利用者の実態に即した対応ができるよう検討してまいりたいと考えております。
         〔49番 上村恵一議員 登壇〕
◆上村恵一 議員  介護保険事業等について質問いたしましたけれども、平成18年度から地域介護事業の拠点施設として26カ所の地域に設置された地域包括支援センターは、御案内のように10月6日から旧富合町が加わりましたので27カ所になりました。現在、5つの保健福祉センターがコーディネートを担って、地域に根差した事業を目指して試行錯誤の取り組みが行われております。そうした中で、先ほども要請しておりますが、公設による地域包括支援センターを最低1カ所は設置し、基幹施設としての役割を果たすことによって、要は地域住民のニーズに対してより一層の共通の認識ができ、事業の充実にもつなぐことができるというものです。答弁では、現在の方策がベストということでありますが、今後27カ所の地域包括支援センターの事業状況等を把握し、公設の施設設置については今後検討されていくことを要請しておきます。
 2点目の一律の委託料については、新年度の見直しに向けて詰めの検討が行われておりますので、業務量や職員の数などに応じて委託料を見直されるように要請をしておきます。とにかく、これは早くしませんと職員数の多いところ、あるいはまた業務量が多いところは、今の委託料ではとてもお手上げの状態になっているようでありますので、ぜひ新年度からはこの委託料の見直しについては、実行をしていくという姿勢で最後の詰めをお願いしておきたいと思います。
 3点目の人材確保については、介護事業を円滑に展開するためには、人材なくしてはできないことでありますので、待遇の改善などを行い、人材確保に取り組んでもらうように要請をしておきますが、先般テレビを見ておりましたところ、どこかの県でしたか、介護施設が設置されておりますけれども、人材確保ができないということで、まだ開設がされておりません。介護の時代を迎えて、要は人材確保ができないと質の高い介護どころか、介護そのものの事業が全くできなくなりますので、その点も十分受けとめていただいて、ぜひ待遇の改善を行いながら人材確保についても積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 事務の簡素化については、これは以前からの課題にされていますので、早くその見通しをつけていただきたいと思います。職場の中でもいろいろと事務事業の見直しについては、努力をされているようでありますけれども、さらに積極的になっていただいて事務の簡素化に努めていただきたいと思います。
 最後に、障がい者の移動支援時における報酬単価でございますけれども、いずれにいたしましても本市は安いようであります。先ほど答弁にございましたように、国や他都市等の状況を踏まえて、適切な内容に見直しをしていただくように要請をしておきます。
 続きまして、社会福祉事業団の独立に向けての取り組みについてお尋ねします。
 熊本市社会福祉事業団は、昭和57年に公の福祉施設であるはなぞの学苑など7施設を管理させるために設立された本市の外郭団体でございます。現在は、事業団の設立目的である熊本市福祉施設の適切かつ効率的な運営に留意しながら、事業に対する取り組みが行われています。特に、平成17年4月に福祉公社ヒューマンライフの統合により、これまでの施設管理中心の運営から訪問介護や在宅福祉事業が加わり、業務量はより一層拡大し多様化しています。
 そのような状況の中で、平成15年6月の地方自治法の改正により、コスト削減やサービスの向上を図ることを目的として導入された指定管理者制度は、事業団の運営に影響を与えることになっております。現在、事業団においては経営改革推進委員会等を設置し、さまざまな経営改革の検討を通して組織のスリム化、デイサービス時間の延長、職員給与の10%削減などが行われ、さらに事業のサービス向上を図るための検討などが行われています。
 また、一方で、事業団は本市から独立し民営化を目指した検討も行われています。民間移行の理由とされているのは、福祉にかかわる業務は対人サービスを中心に行われており、安定したサービスを継続して提供する必要がある。指定管理者制度のもとでは、職員が数年ごとに行われる公募による審査結果の影響を受け、雇用への不安を募らせることになる。事業団が受託している福祉施設は、措置費や支援費等の財源措置があるため、民間においても同種の施設運営がなされている。独立し主体的な経営基盤を確立して、安定した財政運営を確保する必要がある。熊本県の事業団を初め、全国的にも生き残りを目指して民営化の動きが高まっている、などが挙げられています。
 独立民営化に当たっては、事業団から土地、建物の無償譲渡、施設整備、車両等の減価償却相当分の補てん、明生園、はなぞの学苑等の施設整備などが要望されておりますが、宮崎県や大分県では、社会福祉事業団の自主運営に向けて、施設の改修や建てかえを自治体の責任で行い、減価償却分の補てんを含めた準備資金などの財政支援を行っています。また、社会福祉事業団からの要望の中にもあります明生園につきましては、私も平成14年第4回定例会において老朽化した施設の実態を指摘し、施設の建てかえを求めました。その結果、当時の健康福祉局長は、財政問題などさまざまな課題をクリアする必要があるので、今後とも研究課題としてまいりますとの答弁をなされています。
 明生園の施設整備については、この10年間に約1億5,000万円の財源措置によって、言うなれば一時しのぎの対応がなされています。しかし、施設の現状は相部屋によるトラブルの誘発、雨漏りによる漏電の危険性、シロアリ被害、浴場のカビの繁殖、廊下が狭くシルバーカーや車いすが通行困難など、多方面にわたって老朽化による被害が広がり、火災などの非常事態が懸念される状況になっています。また、昭和57年に開設された知的障がい者の更生施設はなぞの学苑も、施設の老朽化に加えてほとんどバリアフリーがなされていないため、施設利用者に多くの負担をかけることになっています。
 今回の社会福祉事業団の独立民営化に際しては、決して民営化ありきの発想ではなく、福祉施設の事業には不適切な指定管理者制度の弊害を克服し、利用者のニーズにこたえながら円滑な事業を展開するための手法であることを理解する必要があります。
 そこでお尋ねします。社会福祉事業団の独立民営化に対する本市の基本的な考えと、今後の対応について、あわせて明生園などの施設整備や土地建物の取り扱いについて、健康福祉局長にお尋ねします。
         〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  熊本市社会福祉事業団の独立に向けての取り組みにつきましてお答えいたします。
 社会福祉事業団は、市立の社会福祉施設を数多く受託運営しているなど、地域における福祉サービスの基幹的な担い手として重要な役割を果たしております。しかしながら、介護保険制度の導入など、福祉制度の改革や公の施設の管理手法の見直しなど、社会福祉事業団を取り巻く環境は大きく変化してきており、本市におきましても公の施設の指定管理者制度に関する指針、あるいは外郭団体経営改革計画に基づき、今後の公設福祉施設や社会福祉事業団のあり方について検討してまいりました。
         〔議長退席、副議長着席〕
 その結果、本市が保有する福祉施設のうち、民間で運営可能なものにつきましては、社会福祉法人等が担っていくことが適当であり、また社会福祉事業団が蓄積してまいりましたノウハウや人材は、今後とも地域福祉の担い手として不可欠であると考えているところであります。
 このような基本的な考え方に基づき、今後の対応といたしまして、民間で運営可能な市立の福祉施設の一部を譲渡し、社会福祉事業団は自立した経営のための基盤となる施設を有した上で、一般の社会福祉法人と同様に、独立した運営ができるよう図ってまいりたいと考えております。
 なお、社会福祉事業団が指定を受け管理を行っている施設の整備や、土地建物の取り扱いにつきましては、社会福祉事業団が一社会福祉法人として独立した後も安定した運営が行えるよう、十分に検討してまいる所存でございます。
         〔49番 上村恵一議員 登壇〕
◆上村恵一 議員  社会福祉事業団の独立に向けてという取り組みについて、今質問したわけでございますけれども、社会福祉事業団は本市の外郭団体として、約26年間にわたって福祉施設の管理や訪問介護等を中心に市民福祉の向上に寄与してきました。しかし、質問の中でも申し上げましたように、指定管理者制度のもとでは対人サービスの継続性が期待できず、利用者に質の高いサービスを提供することは困難であること、また職員は常に雇用不安を抱えなければならないことなどの事情によって、本市から独立し社会福祉法人によって運営する方向で、これから本格的に準備が進められることになります。
 本市は、これまで社会福祉事業団が蓄積したノウハウや人材は、今後とも地域福祉の担い手として必要であることを認め、独立に当たっては誠意を持って事業団から提出されている要望書に向けて対応するとの答弁が、今、健康福祉局長の方からなされましたけれども、どうか社会福祉事業団の独立に対しては、円満な旅立ちができるように、今後本市における誠意ある対応をお願いいたします。
 次に、教育委員会関係の不登校対策についてにお尋ねします。
 平成19年度に、病気や経済的な理由以外で30日以上欠席した不登校の実態が、文部科学省の学校基本調査速報によって明らかにされています。それによると、全国小中学校合わせて12万9,254人で、前年度比プラス1.9%で、2年連続して増加傾向になっています。一方、本市においては、平成19年度児童・生徒の不登校数を前年度と比較すると、本市の小学校は0.27%で、全国の0.34%よりも低く、県の0.2%を上回っています。また、本市の中学校は3.11%で、全国の2.91%、県の2.7%を上回る状況になっています。この10年間、全国における小中学校の不登校の実態は、小中学校合わせて12万人台から13万人台、本市が600人台から昨年は700人台と、極めて高い水準で推移をしています。
 本市においては、不登校の原因として考えられているのは、無気力等の本人にかかわる問題を初め、保護者の生活リズムが不規則で、子供が朝起きができない、保護者が学校教育に対して無関心などとなっています。不登校の要因はさまざまな問題が重なり合っているため、安易に特定することはできず、子供への対応は大変困難と言われています。それだけに、子供たちにとっては日常生活の大部分を占める学校と家庭とを中心に連携をとり、不登校を未然に防ぐための対応が重要です。不登校問題に携わっている関係者によると、不登校前に本人からSOSのサインが発信されるのを見落とさないことが、不登校を未然に防ぐかぎだと言われています。
 学校生活の中であらわれるSOSのサインは、授業中精彩を欠き集中力に欠ける、提出物等を出さなくなる、体の不調を訴える、保健室に行くことが多い、成績の急低下などが指摘されています。また、家庭生活の中であらわれるSOSのサインは、朝の準備に時間がかかるようになる、頭痛や腹痛を訴えることが多くなる、ささいなことを気にするようになる、などが挙げられています。こうしたSOSのサインを見落としたり、放任することのないように、迅速に効果的な対応を行う必要があります。
 他県においては、生活習慣の改善を通して、不登校を未然に防ぐ取り組みが効果を上げている実例が紹介されています。それによると、不登校の一部は脳機能の疲労で自律神経や生体リズムなどに変調を来した結果、学校に行きたくとも行けない小児慢性疲労症候群と見られています。同症候群は、遅い就寝などで生活リズムが乱れ固定化することから発展すると言われています。
 そこで防止対策として年2回、生活が乱れやすい夏休みなどの長期休業後に2週間程度児童・生徒の睡眠時間などを記録し、その実態をもとに担任や養護教諭は、早く就寝させるためゲームやインターネットを控えるよう指導し、場合によってはカウンセラーや医師の治療に生かしているということです。このような取り組みによって、生活リズムが改善された子供たちは、授業に集中できるようになったり、遅刻が少なくなるなどの効果があらわれ、保健室登校の中学生が教室復帰できたなどの報告がなされています。
 この取り組みは、個別の家庭事情に踏み込まざるを得ないようなケースも想定され、取り組みの成否には保護者の理解が不可欠であります。しかし、保護者も含めて生活習慣を振り返ることを子供に促すことを目的とした取り組みとしては評価することができます。義務教育は登校することに大きな意義があると思います。人間形成の基礎づくりには不可欠とされる義務教育の責務を果たさせるためには、不登校防止に向けてのさらなる取り組みを拡充する必要があります。
 そこでお尋ねします。1点目、不登校問題に取り組んでいる先進地においては、先ほど紹介した事例や、不登校対策委員会等を設置し、効果的な対応が行われています。そこで、本市の教育現場における取り組み体制と具体的な取り組みの現状についてお尋ねします。
 2点目、不登校問題については、教育委員会が中心となり、各校や他都市等の情報などを共有し、より一層充実した取り組みを推進する必要があります。そこで、教育現場に対する指導を含めた今後の取り組みについて教育長にお尋ねします。
         〔小牧幸治教育長 登壇〕
◎小牧幸治 教育長  不登校対策について2点のお尋ねにお答えいたします。
 まず1点目の、教育現場における取り組み体制と具体的な取り組みの状況についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、本市の不登校児童・生徒数が増加していることにつきましては、大変憂慮すべきことと考えております。このような中、本市の小中学校におきましても、校長先生を中心に不登校対策委員会を組織し、情報の共有や解決策の検討を行うなど、職員がチームを組んで対応いたしております。また、学級活動で人間関係づくりの力を高める授業の実践に努めながら、子供たちの生きる力を高め、不登校を未然に防ぐ取り組みを行っているところでございます。
 さらに、中学校1年生での不登校数が急に増加していることから、中学校入学前に、小中学校教職員間で情報の引き継ぎを行ったり、小学校6年生児童が中学校での学校生活がスムーズに送れるよう体験入学を行うなど、小学校と中学校の連携強化を図っているところでございます。
 次に、2点目の今後の取り組みについてでございますが、現在スクールカウンセラーや心のサポート相談員を配置し、教育相談の充実も図りますとともに、子供の話し相手となります大学生の派遣、ユア・フレンド事業を行っております。また、不登校の子供たちの学校復帰と社会的自立を目指す活動の場といたしまして、教育センターの適応指導教室の活用を進めております。さらに、不登校の解消には保護者の理解と協力が不可欠でございます。そのため、本年9月から新たな不登校対策の取り組みの一つといたしまして、子供の生活環境改善のために、スクールソーシャルワーカー3名を配置いたしたところでございます。今後とも、子供たちのSOSのサインを見逃さず、初期対応に万全を期すことが肝要でございますので、早い段階でこれまで以上に家庭訪問等を積極的に実施し、子供たち一人一人を大切にした取り組みを行い、不登校の解消に努めてまいりたいと存じます。
         〔49番 上村恵一議員 登壇〕
◆上村恵一 議員  不登校対策ということでお尋ねをしたわけでございますけれども、不登校については相談員の配置を初め、いろんな手法を使って取り組みがなされています。不登校の実態を見ますと、なかなか特効薬はなさそうであります。それというのも、不登校の原因は多岐にわたり、特定することはできないところに難しさがあるようです。それだけに、不登校のきっかけになっている原因を的確に究明し、情報交換などを通じて、より一層きめ細やかな対応を行うことが大切だと思います。不登校で最も大切なことは、先ほど申し上げましたように、家庭などとの連携を密にして、不登校前に子供から発信されるSOSに注意して、不登校に走らせないための対応に全力を尽くすべきだと思います。大変な取り組みでありますけれども、要は子供の未来のために、今後の取り組みに期待をしております。
 そして、一言つけ加えさせていただくと、やはり子供たちが学校に来て本当に楽しい、授業が楽しいという、そういう学校づくりをしていくことによって、子供たちも少なくとも学校にだけは登校するようになるのではないかと思います。特に、新年度からの中学1年生については、少人数学級が導入されますので、その点中学1年生に対する対応も、これまで以上に期待されると思いますので、教育長も受けとめてもらって、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、同じ教育委員会の関係の問題でありますが、学校給食についてお尋ねします。
 子供の心身の成長を支える学校給食が、食の安全に対する不信や給食費の値上げなどによって大きな不安にさらされています。食の安全が危機に直面し、大きな社会問題として取り上げられている中で、学校給食もその影響を受けていることが判明しました。愛知県では、汚染米を使用したオムレツが県内35市町村の小中学校の給食に、平成15年度から5年間で延べ45万食が提供されています。また、福島、富山、三重、兵庫県の幼稚園や小中学校でも事故米から製造されたでん粉を使った卵焼きが給食に出されていたことが明らかにされました。幸い、健康被害は確認されていないものの、まかり間違えば命にかかわる問題として発展しかねないことを思うと、改めて食の安全に対する認識を高め、食材の選定や購入経路などについてチェック体制を強化する必要があります。
 そこでお尋ねします。1点目、食材の選定や購入に対しては、食の安全を確保するため、どのような対応をなさっているのか。また、今後のチェック体制の強化策とあわせてお尋ねします。
 次に、小麦や牛乳などの食材や原油の高騰などが新年度から学校給食を直撃し、給食費の値上げが多方面にわたって行われています。九州管内で特に目立っている福岡県では、全自治体の3分の1に当たる22市町村で平均10%程度の値上げが行われているようです。このほか、状況を見ながら値上げが検討されている市町村の動きが注目されています。また、給食費の値上げを見送っている市町村においては、ジュースやデザートの頻度を下げる、形が悪くても安い野菜を使用する、牛肉にかえて豚や鶏肉を使うなど、食材のコストを削減するための努力を行っている市町村も目立つようになっています。このように、食材等の高騰によって、学校給食の台所は、大きな波紋を受けることになっています。
 そこでお尋ねします。2点目に、食材費の高騰の中で、本市の学校給食についてはどのような工夫を凝らして、献立を作成されているのか。また、今後においては、現在の給食費で賄うことができるのか、その対応について教育長にお尋ねします。
         〔小牧幸治教育長 登壇〕
◎小牧幸治 教育長  学校給食についてのお尋ねにお答えいたします。
 まず、給食食材の安全確保につきましては、成長期にある子供たちの命と健康にかかわることから、極めて重要であると認識いたしております。そのため、食材の選定と購入に当たりましては、財団法人熊本市学校給食会におきまして、学校長や学校栄養職員、PTA代表、食品衛生監視員等を委員といたします月1回の物資購入委員会並びに月2回の青果物査定会を開催いたしまして、品質、規格、価格等についての審査を行い、食材の安全性を確認した上で物資を選定し、共同購入をいたしております。
 具体的には、できる限り国内産の食材を選定するようにしており、内容分析や原産地表示並びに加工食品につきましては、工場の所在地も確認をしながら選定いたしております。また、野菜や果物につきましては、地産地消の一環といたしまして、安全安心な地域農産物の導入に積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後のチェック体制の強化策といたしましては、学校給食会と連携をいたしながら、納入業者に対しまして、生産地表示や流通経路等の積極的な情報提供を求めて、物資購入委員会等での安全性の確認をより強化いたしますとともに、給食現場での品質や規格等についての最終チェックの徹底や、保健所等との連携強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、給食費につきまして、本市においては、昨今の食材費の高騰の中で、子供たちの成長に影響のないよう、必要な栄養価や食材の安全性の確保に十分配慮をしながら、デザート等の調整や、安全で安価な食材に変更をするなど、献立の工夫等によりまして、現行の給食費で賄っているところでございます。今後の対応につきましては、学校や共同調理場における運営状況や給食物資の価格動向について注視し、安全安心な食材の確保等に支障が生じないように対応してまいりたいと考えております。
         〔49番 上村恵一議員 登壇〕
◆上村恵一 議員  何気なく食べ続けていたところ、ある日突然毒物が混入していたことが発覚したときの気持ちは、何とも言いようがありません。特に、学校給食は、子供の成長を図るため学校教育の一環として行われることを考えますと、その目的を達成するためには、食の安全に対しては細心の注意を払うべきだと思います。学校給食の場合、食材は共同購入が行われているため、まかり間違えば命にかかわる集団食中毒にかかることになりますので、改めて食の安全確保に対する教育現場への指導を徹底していただくように要望しておきます。
 また、食材費の高騰によって学校給食費の現状は火の車の状態ではないかと思います。現在、現場においては給食費の値上げを避けるため、献立作成についてはいろいろな工夫が行われているようであります。現在の生活環境の中では、給食費の値上げができるような状況ではないことを留意の上、これまで以上にやりくりを通して工夫を凝らし、献立作成に当たっていただきたいと思います。そして、学校給食の場合は、文部省が基準としております調理員の数が、だんだん正職員の数が少なくなって、かなり嘱託職員といいますか、パート職員でカバーされております。特に、食の安全等に対しての指導については、そういう職場の現状を踏まえて、改めて徹底していただくように要望しておきたいと思います。
 それから、質問を予定しておりましたけれども、中学校への少人数学級について、要望をしておきます。幸山市長は、中学校への少人数学級導入に対して検討委員会からの提言どおりに、新年度から1年生に導入することを津田議員に答弁をされました。小学校の3年、4年生から、今回は中学校に拡大されたことは高く評価します。そこで、アンケート調査の結果によると、進学や就職などの進路を決定するときにあること、これから人生を左右する進路決定の時期に、しっかりと教師と生徒が向き合う時間的な余裕が必要との切実な声が保護者、教師、一般市民から寄せられていることも重視する必要があります。こうした切実な意見を真摯に受けとめていただきながら、3年生への少人数学級の導入につきましても、これからの検討事項にしていただきたいと思います。
 それでは、引き続きまして消防問題に移ります。
 本市の災害発生状況を見ますと、本年は大きな自然災害は発生しておりませんが、全国的には地震や台風を初めとする自然災害が、各地において頻発しており、消防を取り巻く社会環境の変化におきましても、さまざまな問題が顕在化してきているところであります。そこで、まず初めに、救急車の出動状況についてお尋ねします。本市における平成19年度の救急車の出動は、前年より1,192件多い2万7,656件、搬送人員は昨年より941人多い2万4,327人となっております。救急時の出動は、とうとい人命を救済することが最大の使命とされています。それだけに、重症患者の搬送については迅速な出動、医療機関までの円滑な走行、車内における適切な応急措置、医療機関との綿密な連携などが必要とされます。
 ところが、近年、救急車の出動が本来の業務以外のものに対する出動要請や、軽症患者の搬送などによって、時間が遅くなりがちになっていることが指摘されているようです。これからさらに高齢化社会の進行によって、救急車に対する要請はますます高まることは必至です。それだけに、これまで以上に救急出動の使命を果たすための条件づくりに対する取り組みが求められています。
 そこでお尋ねします。近年、救急出動に値しない出動要請や軽症患者の搬送が多くなっていることが指摘されており、いわゆる救急車の適正利用の推進が求められていますが、本市の現状と対応についてお尋ねします。
 次に、救急車の出動件数や交通渋滞などによって、医療機関までの到着時間が以前よりおくれ気味になっていることや、先般、東京都で妊婦の搬送時に悲劇が起きるなど、患者受け入れに関する医療機関との連携が全国的に問題視されているようです。そこで、本市の医療機関との連携状況についてお尋ねします。
 次に、消防団の確保対策等についてお尋ねします。
 平成19年の消防白書によると、地域の防災活動を担う全国の消防団員数は90万人を割り込んだことが報告されています。最盛期の消防団員は、全国で200万人体制で組織されていました。しかし、少子高齢化の進展などによって、団員の担い手は減少傾向になっています。白書は、このまま団員の減少に歯どめがかからないことになれば、安全安心の確保に支障を来すことになると警鐘を鳴らしています。特に、近年においては、地震や風水害などの自然災害が多発傾向にあり、被災地の復旧支援などには消防団員の活動は不可欠とされ、安全安心のまちづくりの立場から、団員の確保が求められています。
 そこでお尋ねします。本市の団員の確保策と、女性団員の役割についてお尋ねします。
 次に、住宅用火災警報器設置の取り組みについてお尋ねします。
 近年、住宅火災による死亡者が増加し、今後高齢化の進展によってさらに増加していくことが懸念されます。焼死の主な原因は、逃げおくれによるものです。こうした火災時の逃げおくれを防ぐため、平成16年6月の消防法改正により新築住宅については平成18年6月1日から、既存の住宅は平成23年6月1日までに、住宅用火災警報器を設置することが義務づけられています。本市における昨年までの10年間の住宅火災による犠牲者は49人で、このうち40人が逃げおくれによるものと推定されています。現場検証の状況などから、逃げおくれて犠牲になられた方は、火災の発見が早ければ犠牲にならずに済んだものと思われます。
 住宅用火災警報器の奏功事例として、台所に設置した火災警報器が鳴ったため確認すると、炊飯器付近から炎が上がっているのを発見し、消火器による初期消火に成功したなどが紹介されています。このような実例を重視し、市民の命と財産を守る立場から、住宅用火災警報器設置の普及を図るための取り組みを推進することが必要であります。
 そこでお尋ねします。本市における住宅用火災警報器の普及状況と今後の対応について、消防局長にお尋ねします。
         〔神原節生消防局長 登壇〕
◎神原節生 消防局長  消防問題について、3点のお尋ねに順次お答え申し上げます。
 まず1点目の救急車の出動についてお答えいたします。
 最初に、救急車の適正利用についてでございますが、本市の救急車の出動件数は平成15年から平成19年までの5年間で12.8%の増加率を示し、搬送した患者の約6割は軽症者でございます。この現状を踏まえ、市政だよりや救急講習、各種訓練の際に救急車の適正利用を呼びかけているところでございます。今後は、ホームページ等も活用し、市民啓発に取り組みますとともに、他都市の事例を調査研究してまいります。
 次に、医療機関との連携状況についてでございますが、議員御案内のように、一部他都市におきまして医療機関への受け入れ照会回数が多数に及び、現場から医療機関へスムーズに引き継ぐことができない事案が発生いたしております。しかしながら、本市におきましては、熊本市民病院など8カ所の拠点病院や22カ所の救急告示医療機関が充実しており、これらの医療機関とは熊本市救急災害医療協議会の中で受け入れ体制につきまして常に協議を行っており、現在まで発生しておりませんが、今後もさらに関係機関と一層の連携強化を図り、御指摘のような事案が発生しないよう取り組んでまいります。
 次に、2点目の消防団員の確保策等についてお答えいたします。
 まず、団員の確保策についてでございますが、現在、本市の消防団員は定員3,781人に対して、実員が3,528人となっており、充足率は約93%でございまして、全国平均と同程度となっております。そこで、さらなる消防団員の確保や消防団の活性化を図ることを目的に、平成18年1月に消防団長を委員長とする熊本市消防団活性化検討委員会を設置し、協議を続けているところでございます。今後とも、地域の安全安心を確保するために、団員の加入促進に取り組んでまいります。
 次に、女性団員の役割についてでございますが、現在64人の女性消防団員は、平常時には火災予防の啓発や住宅用火災警報器の普及促進、応急手当ての住民指導などを行い、災害時には後方支援を主とした被災者の救護や災害情報の収集などの役割を担うこととしております。
 最後に、3点目の住宅用火災警報器の普及状況と今後の対応についてお答えをいたします。
 まず、普及状況でございますが、総務省消防庁が推定しました平成20年度の本市の普及率は10.6%と低い状況でございます。その背景といたしましては、議員もお述べになりましたように、既存の住宅につきましては、平成23年6月1日までの設置猶予期間が設けられていることが影響しているものと考えております。昨年は、本市で消防庁主催による住宅防火対策推進シンポジウムの開催を初め、市政だよりやポスター、マスメディアなどによる広報はもとより、地域の訓練や高齢者の介護などの機会を通じ設置を呼びかけるなど、さまざまな方法により市民啓発を実施してまいりました。
 今後も、さらなる啓発活動に取り組みますとともに、自治会や自主防災クラブを単位とした共同購入をするなど、普及率の向上に努めてまいります。
         〔49番 上村恵一議員 登壇〕
◆上村恵一 議員  救急車の出動時における医療期間の受け入れの方は、スムーズに行われているようでありますが、しかし油断は禁物であります。これから、高齢化社会の進展によって、救急車の出動はこれまで以上に増加していくものと思われます。特に、医療機関との連携については、さらに密接にしていただきたいと思います。
 それから、この間の報道を聞いて、いわゆる救急車の必要がないのに利用するというような状況が非常に目立っているようで、もし余りそういうのに救急車が使用されるということになりますと、大事な重症患者を運べないようなことにもつながってまいりますので、その点については救急車の適正利用に対しての啓発を十分に行っていただくように要望しておきます。
 それから、消防団員の確保については、特に充足率の低い地域を中心に対応していただきたいと思います。と申しますのは、御案内のように消防団員は地域を拠点や基本として活動しているわけですので、総体的には本市の場合は一応定数に対する充足率は満たされているようでありますけれども、今申し上げましたようにかなり地域差があると思いますので、そういう実態を改めて調査をしていただきまして、安全安心のまちづくりの立場からも、ぜひ団員の充足が満たされていないところへの指導を、あるいはまた加入をよろしくお願いしておきたいと思います。
 それから、家庭用火災警報器の設置につきましては、市民の命と財産を守る立場から、その普及に努めていってほしいと思っております。そして、共同購入をいたしますと、安価で設置することができますので、その点も十分検討しながら対応をしていただければと思っております。
 それから、大事なことでありますので質問を予定しておりましたけれども、まだ余り動きがあっていないということでありますので、要望させていただきたいと思いますが、消防の広域化についてでございますけれども、消防庁は平成18年7月、行財政の効率化、スケールメリットを活用し、効果的、効率的消防体制を整備することを目的にした消防体制の広域化に向けた指針を策定しました。指針によりますと、消防本部規模を管轄人口30万人以上が適当とし、各都道府県に推進計画を策定するように求めています。熊本県は、国の指定を受け現在県下13ある消防本部を、城北、中央、城南、天草の4ブロックに再編する計画をまとめました。
 それによると、本市は宇城広域消防本部、上益城消防本部、高遊原南消防本部とともに、人口約90万人を擁する中央ブロック消防本部として再編されることになっています。各市町村や消防本部は、広域化推進協議会等を設置し、統合方式や統合時期、負担金の取り扱いなど、広域化の具体的な協議を織り込んだ広域消防運営計画の策定が行われることになっています。今後、消防の広域化については、本市の役割を含め、構成する市町村や消防本部との協力体制を維持しながら、国の指針についての必要性を十分考慮した協議が進められるように要望しておきます。
 特に、この問題については、今日の消防の機能が広域編成されることによって低下しないようなことと、もう一つはもしそういう動きが本格的になりましたならば、市民に対する説明責任を十分に果たしていただきたいということを要望しておきます。
 消防の場合は質問と要望をいたしましたけれども、最後に、消防局におかれましては、近年大規模な地震や集中豪雨による被害が多発する中で、災害に即応した十分な対応ができるような拠点整備や資機材などの充実を図り、市民の命と財産を守るために、今後の活動を行っていただきたいと思います。
 次に、観光問題でありますけれども、古今伝授の間の修復事業についてです。東海道五十三次をかたどった桃山様式を代表する水前寺成趣園は優美な回遊式庭園として、対外的にも知られています。その展望を一望できる景勝地に、約400年前関ケ原の戦いを挟んで、細川藤孝から後陽成天皇の弟に当たる智仁親王に古今和歌集の秘伝を授けられた古今伝授の間が建てられています。
 以前は、桂宮智仁親王の学問所として使用されていましたが、後に京から長岡天満宮に移され、さらに大正元年にほとんど部材はそのままに水前寺成趣園の現地に移築復元されました。復元から90年以上過ぎた現在、建物はすっかり老朽化し、改修の時期を迎えています。
 そうした状況の中で、古今伝授の間が保存修復される計画が進められています。水前寺成趣園は、長年にわたって熊本城とともに本市観光地の二枚看板として貢献してきました。しかし、近年の入園者は年ごとに下降し、減少に歯どめがかからない状況になっています。今回の古今伝授の間の修復は、ただ単に建物の保存修復だけを視野に入れるのではなく、水前寺成趣園の再生を図る絶好の機会としてとらえるべきです。成趣園の池には、清冽な阿蘇の伏流水がわき出、先ほど金峰山湧水郡とともに、水前寺江津湖湧水群として、平成の名水百選の指定を受けた、本市を発信できる歴史的に見て貴重な公園であります。古今伝授の間の修復によって、再び本市観光地のメッカとして脚光を浴びるとともに、周辺地域の活性化にもつながることが期待されます。
 そこでお尋ねします。1点目、古今伝授の間の保存修復事業の具体的な計画についてお尋ねします。2点目、古今伝授の間の歴史を伝えるため、展示物コーナーなどの設置を検討すべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。3点目、古今伝授の間の保存修復を契機に、出水神社等の関係者や地域などと連携をとり、水前寺成趣園の活性化対策や集客を高めるためのPRなどについて検討すべきだと考えますが、御見解をお聞かせください。
         〔小牧幸治教育長 登壇〕
◎小牧幸治 教育長  私の方からは、古今伝授の間の保存修復事業についてのお尋ねにお答えをいたします。
 大正元年に水前寺成趣園内に移築復元されました古今伝授の間は、県の重要文化財に指定されておりまして、長らく市民、県民から親しまれてきた歴史的に価値の高い建造物でございます。移築復元から96年を経過し、ふすま、壁、カヤぶきの屋根など至るところ老朽化が進んでおりして、保存修理が喫緊の課題となっておりましたが、現在は所有者であります財団法人永青文庫が、県、市、学識経験者等で古今伝授の間修理委員会を組織し、保存修理の検討を行っているところでございます。
 なお、修理に当たりましては、財団法人永青文庫が行います保存修理事業に対しまして、熊本市文化財保存修復基金を活用し、補助金として交付することを考えております。
 1点目の具体的計画でございますが、本年度中に保存修理のための設計を行いまして、平成21年度から2年間にわたり保存修理工事を実施する予定で進められております。
 2点目の展示コーナーにつきましては、訪れる人に古今伝授の間の歴史的由来や文化的価値のある伝統的建造物の趣を知っていただくために、景観に配慮しつつ説明版の設置や資料の展示等につきまして、修理委員会の意見を聞きながら永青文庫と協議をしてまいりたいと考えております。
         〔谷口博通経済振興局長 登壇〕
◎谷口博通 経済振興局長  私の方からは、水前寺成趣園の活性化のための連携とPRについてお答えを申し上げます。
 水前寺成趣園につきましては、熊本城と並び熊本の代表的な観光資源でありまして、本市といたしましても、永青文庫の常設展示に伴い、細川家ゆかりの代表的な史跡として位置づけ、本年度JR水前寺駅からの誘導案内板の設置を計画するなど、観光客の皆様が訪れやすい環境づくりに着手したところであります。
 このような中、園内にある県指定の重要文化財であります古今伝授の間につきましては、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業に合わせ平成22年度の完成を目指して、保存修理事業が始まったところであります。さらに、平成22年には、議員が詳しく御紹介されました細川藤孝公の没後400年を迎えることになります。そこで、これらを契機に、水前寺成趣園の活性化のため、本市といたしましても、出水神社を初め財団法人永青文庫、それから隣接します商店街、県などと連携を強化し、その具体的な手法を検討しますとともに、水前寺江津湖湧水群として平成の名水百選に選定された豊かな自然環境を生かし、江津湖と一体となった熊本の水をアピールする観光エリアとして全国に向けて、その魅力を発信してまいりたいと考えております。
         〔49番 上村恵一議員 登壇〕
◆上村恵一 議員  古今伝授の間の修復事業を契機に、再び熊本城とともに本市観光の中枢を担う施設としてよみがえると同時に、商店街を初め周辺地域の活性化につなげることができるように、本市の今後の努力を要請しておきます。
 観光振興対策ということで質問を予定しておりましたけれども、重複しておりましたので要望をいたしておきます。
 築城400年祭は大成功をおさめました。今回のにぎわいを一過性に終わらせないように、桜の馬場地区における観光施設とともに、一口城主制度を取り入れた第二期復元整備事業に着手することになっています。こうした事業によって、熊本城の集客力は一段と期待することができます。しかし、その一方において、本市の観光は熊本城のひとり勝ちになることが懸念されます。築城400年祭は他の観光施設や中心市街地の商店街などには、さほど波及効果はなかったと観光関係者や経済界は指摘しています。このような課題を払拭するためには、本市に点在する多くの観光施設を生かし、熊本城を中心に新たな観光のコースづくりを行い、本市の観光戦略に欠けているPR活動を積極的に展開する必要があります。
 本市の観光戦略の課題は宿泊対策です。築城400年祭の入園者の大半は日帰りで占められています。本市における観光客の滞留率は、かろうじて現在40%台をキープしています。現在の状況の中では、新幹線の開業を迎えることになれば、滞留率は40%台を下回る可能性が高まるものと思われます。宿泊者の増加を図ることによって、経済効果、雇用対策、さらに税収にもより一層期待することができます。
 とにかく、本市の豊富な観光資源を十分に生かしてほしいことを強く要望いたしますけれども、野球に関心がおありの皆さんは、今、つなぎの野球が非常に注目をされております。強打者あたりを中心に一発攻勢で得点を上げるよりも、足を絡めてつなぎの野球をやった方が勝利する確率は高いということで、つなぎの野球というのが非常に注目されておりますけれども、そのように本市にもたくさんの観光地が点在しているわけでありますので、熊本城を中心につなぎの観光コースあたりを市長、考えていただいたら、非常に集客にも期待できますし、それから特に回遊性をつくってもらわないと宿泊につなげることはできませんので、改めてそういうことに対しての御理解をいただきまして、とにかく本市の経済を力強いものにするためには、何といっても観光をメーンに対応や取り組みが非常に必要になってきますので、改めて市長の今後の取り組みを期待いたしておきます。
 最後になりますけれども、1点だけ要望いたしておきます。
 それは、平成20年第1回定例会で、母親が休業中の継続保育を要請し、当時の谷口健康福祉局長から拡充に向けて検討するとの答弁を受けました。今回は西議員に対して、現在の5歳児から4歳児まで拡大するとの答弁があり、非常に評価をしております。ただ、昨年の12月の資料でございますけれども、今回継続保育を見送られた1歳児から3歳児までの継続保育の希望者が、市長、181人に達しているんですよ。この継続保育を希望している保護者がいかに多いかということを厳粛に受けとめていただいて、恐らく常に1歳児から3歳児までということになると、200人前後は何とか継続保育をしてほしいと願っている保護者であると思いますので、ぜひ理解をしていただいて、いわゆる継続保育の完全実施を認めてほしいということを要望しておきます。
 本日は、大変お粗末な質問でございましたけれども、私の分を大分他の皆さんが親切に質問をしていただきましたので、ちょうどいいぐあいの時間に終わることができました。感謝をし、そしてまた来るべき年が市政にとっても、議員の皆さん方にとってもすばらしい1年になりますことを御祈念申し上げまして、長時間にわたって本当におつき合いいただきましたことを最後にお礼を申し上げながら、私の質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
     ───────────────────────────
○磯道文徳 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。
 この際、お諮りいたします。
 明16日から12月21日まで6日間は議案調査、常任委員会開催並びに休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
         (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○磯道文徳 副議長  御異議なしと認めます。
 よって、明16日から12月21日まで6日間は、休会することに決定いたしました。
 次会は、12月22日(月曜日)定刻に開きます。
     ───────────────────────────
○磯道文徳 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
                             午後 3時46分 散会



〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





平成20年12月15日
出席議員 49名
      1番   牛 嶋   弘        2番   磯 道 文 徳
      3番   くつき 信 哉        4番   紫 垣 正 仁
      5番   田 中 敦 朗        6番   重 村 和 征
      7番   那 須   円        8番   上 田 芳 裕
      9番   前 田 憲 秀       10番   原     亨
     11番   澤 田 昌 作       12番   倉 重   徹
     13番   満 永 寿 博       14番   大 石 浩 文
     15番   高 島 和 男       16番   田 尻 善 裕
     17番   上 野 美恵子       18番   東   美千子
     19番   有 馬 純 夫       20番   三 島 良 之
     21番   齊 藤   聰       22番   津 田 征士郎
     23番   白河部 貞 志       24番   藤 山 英 美
     25番   田 中 誠 一       26番   村 上   博
     27番   東   すみよ       28番   日和田 よしこ
     29番   藤 岡 照 代       30番   坂 田 誠 二
     31番   下 川   寛       32番   田 尻 清 輝
     33番   北 口 和 皇       34番   中 松 健 児
     35番   佐々木 俊 和       36番   田 尻 将 博
     37番   田 辺 正 信       38番   家 入 安 弘
     39番   鈴 木   弘       40番   竹 原 孝 昭
     41番   古 川 泰 三       43番   税 所 史 熙
     44番   落 水 清 弘       45番   江 藤 正 行
     46番   主 海 偉佐雄       47番   嶋 田 幾 雄
     48番   益 田 牧 子       49番   上 村 恵 一
     50番   西   泰 史



説明のため出席した者
  市長       幸 山 政 史    副市長      西 島 喜 義
  副市長      森 田 弘 昭    総務局長     寺 本 敬 司
  企画財政局長   前   健 一    市民生活局長   原   幸代子
  健康福祉局長   甲 斐 節 夫    子ども未来局長  木 村 正 博
  環境保全局長   宗 村   收    経済振興局長   谷 口 博 通
  都市建設局長   村 上 博 一    消防局長     神 原 節 生
  交通事業管理者  石 田 賢 一    水道事業管理者  加 耒 英 雄
  教育委員会委員長 大 迫 靖 雄    教育長      小 牧 幸 治
  代表監査委員   濱 田 清 水    農業委員会会長  森   日出輝
  財務部長     岡   昭 二


職務のため出席した事務局職員
  事務局長     松 本   豊    事務局次長    山 田 利 博
  議事課長     木 村 建 仁    議事課長補佐   大 村   淳