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熊本県 熊本市

平成20年第 4回定例会−12月12日-04号




平成20年第 4回定例会

  平成20年12月12日(金曜)
┌──────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第4号                          │
│ 平成20年12月12日(金曜)午前10時開議               │
│ 第  1 質問                              │
└──────────────────────────────────────┘
                             午前10時03分 開議
○牛嶋弘 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
     ───────────────────────────
○牛嶋弘 議長  日程第1「質問」を行います。
 順次発言を許します。紫垣正仁議員。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇 拍手〕
◆紫垣正仁 議員  皆さん、おはようございます。改選後初の議会での質問からはや1年有余、この間、諸先輩議員の御指導と同僚議員間の切磋琢磨を体験しながら、また執行部の方々のアドバイスをいただきながら、きょうここに新鮮な気持ちで再び質問に立つことができましたこと、まことに有意義に感じております。
 4年に一度のうるう年、オリンピック開催の年に行われるアメリカ大統領選、特にことしのその経緯と結果は世界最大のサプライズ、人種偏見が根強く残る米国で初めての黒人大統領バラク・オバマ氏の誕生、このことはかつてリンカーン大統領がゲティスバーグ演説で述べた「新しい自由の誕生」が21世紀のアメリカに再び起こったと言っても過言ではないと思います。アメリカは後戻りもひとり歩きもできない、未来に向かってともに行進しよう、国民の結束を訴え、強敵ヒラリー・クリントン上院議員を制した劇的な勝利の象徴は、今や万人が知るところとなった代表的なスローガン「Change」であります。その武器は、冷静な知性と貧困の立場を理解する感性に裏打ちされた雄弁さであり、国際協調と将来の国家像などの変革を叫び、また肌の色を超越したその一体感は、アメリカ的ではない彼の半生にもかかわらず、新鮮な政治哲学をホワイトハウスにもたらしていると思います。今後、その前途に多くの試練が控えているとはいえ、これまでの世界が見ていた米国観を新しく変えてくれるものと期待されます。
 特に「I わたくし」ではなく、「We わたくしたち」と「You あなたたち」を多用する演説は多くの有権者への参加意識を育て、「Yes,We can」の大合唱となり、今や若い響きで米国再生への活力を世界に発信しているようです。
 外国は外国、我が国は我が国と言っている場合ではありません。4年に一度アメリカ国民が履修する民主主義講座を私たちは素直に評価し、学習し、今日我が国の政治に対する国民の不信感、政治離れを検証しながら、謙虚に反省する意味であえて質問冒頭、アメリカ大統領誕生に対する私の所感を披瀝した次第です。
 若き同世代のリーダーとしてのこれらに対する幸山市長のお考え、御所見をぜひお伺いしたいと存じます。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  ただいま紫垣議員の方から、アメリカ大統領選をとらえられましての私の所見ということでお尋ねがございましたので、大統領選の所見と、それからリーダー像のあり方等々につきまして、大変僣越ではございますが少し触れさせていただきたいと存じます。
 来年の1月に第44代大統領就任が決定したわけでありますけれども、先ほどもお話がありましたように、激戦を制され、そしてある意味では人種の壁を乗り越えて見事な当選を果たされたことにつきまして、オバマ大統領に対しまして祝意を表したいと存じます。
 勝利の原因、さまざまな角度から分析されておりますけれども、まずはやはりその掲げておられる政策が、多くの皆様方から評価されたということ、これは基本であろうと思います。それに加えて、先ほど話がありましたけれども、演説の巧みさ、これはただ単に巧みというだけではなく、多くの人々を引きつける魅力というものを打ち出されたのではないかと思います。「Change」であれ、「Yes,We can」であれ、その言葉、単なる口先だけではなく、その人格そのものも言葉としてあらわされた、そのことが多くの人を引きつけた要因にもなったのではないかと感じたところでもあります。
 さらには、今世界的な経済情勢、大変閉塞感も漂っているわけでありますけれども、その閉塞感を打破してくれるのではないかという期待感、このこともやはり大きかったのではないかと思いますが、さまざまなことが重なり合います中で、大きなうねりとなって、そして今回のような結果が出たのではないかと思っております。
 このことは、アメリカでの一国のリーダーを決める選挙ではあるわけですけれども、メディアの影響も大変大きかったと感じておりまして、このアメリカの大統領選が、私自身もその投票権があるのではと錯覚するほど大きく取り上げられたわけであります。それと同時に、その臨場感というものも十分伝わってきたわけであります。しかしながら、そのことは、メディアの影響というだけではなく、やはり一国のリーダーを決めるというその選挙制度、直接投票という制度もやはり日本と異なるというだけに、また違った形で伝わってきたと思います。
 それから、アメリカという国は、やはり何といいましても世界のリーダーであるということ、日本に対しても大きな影響を与えるアメリカのトップを決めるということもありまして、先ほど申し上げたような、私自身も投票権があるのではないかと感じられるような、身近な選挙ともとらえることができたのではないかと感じたところであります。
 そうした選挙戦を見ております中で、そのリーダー像を考えたわけでありますけれども、その選挙戦を通じましても、先ほど申し上げましたように、多くの人を引きつけるその魅力は兼ね備えていなければならない大事な資質ではないかと思いますけれども、やはりそこには最後までやり抜く、貫き通すという信念や覚悟というものが必要ではないかと感じております。
 それから、もう一つは先ほど演説という話をしましたが、話術、これはただ単にテクニックではなくて、人の心をとらえる言葉でありましたり、あるいはそのことは説明責任、さらには説得力という意味におきましても、その言葉の重み、力というものをしっかりと持つ必要があるのではないかということも感じた次第であります。そしてそのことは、やはり多くの人々と夢やビジョンを共有することにもつながるという意味でも、やはり言葉の大切さを実感した次第でございます。
 選挙戦を通じてそのようなことを感じたわけでありますが、1月からいよいよ大統領に就任して、いろいろなことを実行していくという立場になられるわけでありますけれども、やはり今後は多くの人々とビジョンを実現していくための実行力が求められてくるというのは申すまでもございません。そして、実行してまいりますためには、あらゆる対立を乗り越えていくという包容力もやはり必要となってくるのではないかと感じているところでもあります。そして、そのことにおきましても、やはり最後まで貫き通すという信念や覚悟というものが中心となってくるのではないかと思った次第であります。
 そういうことをつらつら考えながら、みずからに置きかえましたときには至らない点が多々あるわけでありまして、私自身少しずつでも身につけていかなければならない、そんな思いを新たにしたところでございます。と申しますのも、アメリカとその規模は異なるわけでありますけれども、アメリカが世界のリーダーとして注目されておりますように、政令市を目指している熊本市は、この九州内、あるいは全国からもその動向が注目されているのではないかということをつくづく実感しているものでございます。熊本都市圏の核として、県庁所在都市として、さらには九州中央に位置する交流拠点都市としてリーダー的な役割というものを、熊本市はもっともっと果たしていかなければならないと感じているものでもございます。そのためには、やはりまずは基本として、これまでもこの議場でもたくさん取り上げていただいたわけでありますけれども、失いつつある市民の皆様方の市に対する信頼というものを取り戻し、そしてあらゆる対立を乗り越えてまいります中で、先ほど申し上げたような役割を果たしていきたいと考えております。
 私自身、先ほども申し上げましたように、至らぬ点ばかりではございますけれども、最後までやり通す、貫き通すという覚悟と信念を持ちまして、昨日の答弁でも申し上げましたように、全身全霊を込めて取り組んでまいる所存でございますので、議員各位の今後ともの御指導を何とぞよろしくお願い申し上げる次第でございます。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  選挙制度から包容力の話まで市長の御所見を伺いましたが、全く同感。奴隷解放から145年、米国史上初めての黒人大統領に、Changeを訴えたオバマ氏を選んだ歴史の運命に、私は天の啓示を感じざるを得ません。「今こそアメリカを変えるときだ」の命題は、即我が熊本市、そして同世代の幸山市長にも相通じるものがあろうとか存じます。熊本を変えるのはまさに今、今であります。
 以上の観点から、質問通告に従い市政運営における危機感の共有について言及したいと思いますが、質問3日目、市長も議会各派も既に綱紀粛正を重く受けとめた質疑が行われていますので重複は避け、ただ後を絶たない不祥事に本会議で、あるいは関係委員会での陳謝があたかも通過儀礼になり、市民にとってまたかというマンネリ化の風潮が生まれてくるのが私は恐ろしく思っております。これを避けるためにも、二度と繰り返さない決意の裏づけが必要であると思います。難関を突破し市職員となった使命感と誇りをよもやお忘れではないか、感激の中での宣誓書は空証文のたぐいでしようか。あのときのあの気持ちを定期的に思い起こすことは、不祥事防止はもちろん、モチベーションの維持、ひいては市政運営の活力につながるはずです。研修を含めて再検証の必要があると思います。
 ここで一言触れておかなければいけないのは、悪いとわかっていてもついやってしまう、その精神状態の分析であります。さまざまなストレス下において、正常な判断力を保つそのノウハウについて、学問的にも有効性が立証されている心理学の手法を取り入れてはどうか。いかに多く、自分の中に多くのハードルを、各自がそのストッパーをつくれるかが大事であります。前記した手法は大きなストッパーになり得るはずです。
 次に、さきに公表されました会計検査院の全国12地方公共団体に対する平成19年度決算検査報告によって、地方公共団体における国庫補助事業にかかる事務費等についての不適切な経理処理が明らかにされました。続いて、県でもいわゆる預け、預かりでの裏金の実態が明らかになりました。既に国から通知があっているかと思いますが、行政経営課が事務局になり、契約検査室も入っての調査チームでという話も聞いておりますが、具体的に本市はどのように対応されていくのか。もちろんないにこしたことはありませんが、楽観的なことは言えない空気もひしひしと伝わってまいります。
 また、第6次総合計画には、市民の参画と協働によるまちづくりを推進するための主な取り組みとして、地域のまちづくりやボランティア活動への職員の積極的な参加を促すということが記載されてありますが、職員の不祥事が続く中、今まで以上に積極的に地域活動へ、またボランティア活動へ参画することが市政の信頼回復にも寄与するでしょうし、市民協働のまちづくりを進める上で必要不可欠なことだと強く思います。平成17年12月に実施した庁内調査では、地域活動等に参加している職員の割合はわずか7.4%、これでも平成14年よりも3ポイント上昇している数字であります。余りにも恥ずかしい数字、これまでの反省に立っての今後の取り組みを当局にお尋ねいたします。
 以上、特に問題が重大なだけに、不祥事関係は、市長の決意も含めた答弁を求めます。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、綱紀粛正と市政運営における危機感の共有につきまして、私の方から数点お答えさせていただきたいと存じます。
 これまで、不祥事が起きますたびにさまざまな対策を講じてきたところでございます。例えば、本年4月には熊本市職員の倫理の保持に関する条例を、また7月には利害関係者等との禁止行為を定めました倫理規則を制定したところであります。現在、職員がどのような行動をとらなければならないか、あるいはとってはならないかを具体的に示した職員行動規範を作成しているところでありまして、これらのことを通しまして職員の規律を徹底し、さらなる倫理の保持に努めてまいる所存でございます。
 また、今年度の職員研修の目標の一つといたしまして、職場風土の活性化を重点目標として掲げ取り組んでいるところでありまして、部下への目配りや、あるいは声かけなどを行い、仕事の進め方の指導や部下を育成してまいります中で、上司と部下の信頼関係を形成したいと考えております。具体的には、昨年度から取り入れております職場研修推進制度を活用し、職場内でのミーティングや研修を継続的、実践的に実施し、職員一人一人がみずからの資質の向上に努められるような仕組みとしたところであります。さらには、全職員が今の市役所の状況をどのようにとらえているのか、あるいは危機と感じているのか、そして自分に何ができるのかなどに関しまして意識調査を行い、職員一人一人が考えた対策などをもとに職場で議論することによりまして、市職員としての意識の高揚を図ってまいりたいと考えております。
 ただいま議員から御提案のございました宣誓書の利活用につきましては、やはり入庁時の初心に立ち返り、そしてまた志を新たにするという上で大変有意義であると認識いたしております。今後、その利活用の方法につきましても、先ほど申し上げましたような対策にあわせます中で、検討を進めてまいりたいと考えております。
 本市を取り巻きます環境は大変厳しい状況が続いておるわけでありますが、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業、政令市の実現に向けた対応など、本市の将来を決定するような大変重要な時期を迎えております中で、新しい熊本づくりには市民の皆様と一緒になって考え、取り組んでいくことが重要でございまして、そのためには市民の皆様の信頼と御協力がなければならないと考えております。
 今後とも、全職員が一丸となり、市民の皆様の信頼回復に向けまして、いま一度初心に返り、そして危機感を持ってゼロからのスタートを行わなければならないと、強く感じているところでございます。
 次に、事務費の不適切な経理処理につきまして、お答えさせていただきます。
 さきに公表されました会計検査院の平成19年度決算検査報告を受けまして、国からは総務事務次官より、公金の取り扱いの適正化等についての通知がございまして、その中で経費の支出が関係法令等にのっとり適切に処理されているかを点検するなど、適正な予算執行を確保するよう要請があったところであります。このような不適切な経理は地方行政全体に対する信頼を著しく損ね、そして行政の執行に多大な悪影響を及ぼすものでもありまして、本市におきましてもこの問題を重く受けとめているところでありまして、今後速やかに予算執行に係る内部調査に着手したいと考えております。具体的には、現在契約事務の総点検を行っているところであり、また今回の調査も契約事務に関連する内容でもありますことから、現行の調査体制を基本といたしまして全庁的に取り組みますとともに、外部委員会への報告も行いながら厳正な調査を行ってまいりたいと考えております。
         〔原幸代子市民生活局長 登壇〕
◎原幸代子 市民生活局長  私からは、地域のまちづくりやボランティア活動への職員の参加についてお答え申し上げます。
 ただいま議員がお述べになられましたように、協働によるまちづくりを進め、さらに市民の皆様との信頼関係を構築するためにも、地域住民の一人として私たち職員が身近な活動に積極的に参加していくことは、大変重要なことであると認識いたしております。
 これまでも職員に対しまして、町内自治会を初め子供会、PTA等の地域のまちづくり活動やボランティア活動への主体的な参加の呼びかけを行ってまいりました。火の国まつり清掃ボランティアや、水あかりなどのボランティア活動につきましては、年々職員の参加がふえているところでございます。
 今後は、職員の各活動への参加意欲を高めるために、その意義や体験事例を紹介するなどの研修を実施してまいりますとともに、あらゆる機会をとらえて参加を呼びかけてまいりたいと考えております。
 また、改めて職員のボランティア意識を把握するために、今年度中にアンケート調査を実施いたしまして、その結果をもとに関係部局と協議しながら、多くの職員が地域のまちづくり活動やボランティア活動に積極的に参加しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  全職員への不祥事防止のための意識調査はもちろんですが、ぜひ嘱託職員、アルバイトの方々にも、なぜこのような不祥事の連鎖がとまらないと思うのかのアンケートもとっていただきたいと思います。むしろ一番客観的で鋭い判断をしてくれるかもしれません。不祥事問題に関してはまだまだ申し上げたいこと多々ですが、残りは所管の委員会で深く掘り下げたいと思います。
 予算配分について質問通告しておりましたが、先般市長等から重複する答弁がありましたので、1点、予算要求10%シーリング枠についてだけ述べさせていただきます。
 一律の削減ではなく、別途新規拡充枠を設けているとのことですので、国、県との関連性もしっかり精査した上での公平公正できめ細かな対応を強く要望しておきます。
 また、職員の地域活動への参加については、本年度中にアンケートをされるとのこと、ぜひ数値目標を設けて早急なる調査をお願いいたします。市政への信頼が失墜している今だからこそ、もっと積極的に参加すべきですし、市民に協働を呼びかけるのであれば、率先してその範を示すべきです。民間の方々はさまざまな形で、厳しさが増している中でも進んで参画されているのですから。
 それでは、熊本を発展的に変える喫緊の課題、すなわち政令指定都市を展望しながら、その前提としての合併についてお尋ねしたいと思います。
 なお、質疑は大局的に、各論は各委員会でという本会議での常道はできるだけ踏まえたいとは存じますが、以前とは異なり今はインターネット中継されていることもあり、質問の内容は余り広げずに、できるだけコンパクトな質疑を行いたいと思いますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。答弁の方も周知のことは割愛していただき、なるだけ簡潔な明快な御答弁をお願いいたします。
 さて、さきの植木町の住民投票の結果を分析いたしますと、前回とは全く逆転したその背景には、人口減や三位一体の改革に伴う財政難など、将来のまちづくりへの不安が大であったと思います。本市が先行し法定協議会の設置を議決していただけに、一山越えた形ですが、一面、来年の町長選や町議選の結果、また法定協での論議次第では紆余曲折も予測されます。また、城南町では、町長の解職請求の住民投票が今月の22日に告示されるという騒然とした雰囲気でもあり、10月に合併した富合町との協議も、9カ月間に10回開かれた作業を顧みますときに、益城町との法定協の歩みも気になる最近の状況であります。相手のあることですし、うかつには推測できぬとは思いますが、残り少ない日程を踏まえ、これら隣接自治体の現状と見通しについてお伺いしたいと存じます。
 合併決定に至るまで、地元の許される試行錯誤もありましょうし、町を二分する不穏な動き、賛成反対両派を今後どのように収れんしていかれるのか、隣接町村の歴史、伝統、文化、またこれまでのまちづくりの歩みを尊重し、ただ急ぐだけではなく、市長も触れていらっしゃいますが、より丁寧な話し合いを続け、彼我のハードルを乗り切るよう、血の通ったやりとりを心がけるべきだと思います。
 次に、政令都市に移行した場合、そのメリットはなかなか地域住民に見えにくいものが多いようです。バラ色の未来が開ける保証はありませんし、すぐにドラスティックな変化があるわけでもないでしょう。中でも、本市の裁量で使える財源は、果たしていかほどになるのか気になるところです。21世紀に入ってからの政令市、さいたま市、静岡市、堺市、新潟市、浜松市、いずれの都市よりも人口的にはかつて熊本市が上位にあったわけで、これらの都市を参考にした可能財源を試算され、本市がそのような財源をどのような分野で活用されるのか、現段階では決して皮算用ではなく現実の仮定構想を思いめぐらしていてもおかしくない時期だと思いますので、お尋ねいたします。
 先日、幸山市長は、本丸御殿で福岡、鹿児島両市長を迎えて、三市連携の会議を持たれた由、新幹線全線開業によるストロー現象等への強い危機感もあるだけに、極めてタイムリーであったとその積極性を評価するものであります。それぞれ都市の歴史、個性があり、3市のセールスポイントは異なりましょうが、幾多の共通の問題点があろうかと存じます。都市間競争が叫ばれる中、これから特色を持って熊本の拠点性を高め、将来の新しい都市づくりを戦略的にPR、また進めていくことが急務であります。新聞報道等の行間にある市長の生の言葉で、その間の事情をお聞かせいただきたいと思います。合併したらこうなる、しなかったらこうなると、政令市へ移行した場合の生活の利便性、将来のメリット、デメリットを徹底的に明確にすべきであります。
 一般的に、自分たちと異質な文化を持つものをお互いに排除しようとする人間のDNAがあることは認めますが、特に閉鎖的な熊本の県民性が災いして、人口的には遥かに上位であった本市が、合併に協力したかつての後進市におくれをとってきている事実経過、今日までの歴史があります。些細なことにとらわれず、大局的な立場からお互いもっと寛容になり助け合っていけば、家族でも地域でも新しい社会の発展が開けると信じます。ここに、自助、共助、公助、そのようなものに見られる共生、協同、協働の精神が生まれていくものと思います。
 県のKANSAI戦略とも連携を図られるでしょうし、当然合併から政令都市、そして道州制への展望となるわけですが、先日地方六団体の中で、脚力の強い全国町村会がその制度の導入に断固反対との態度を明らかにしています。道州制の影響を直接こうむる当事者の問題提起だけに、これまでの強引な合併推進と、一向に地方分権が進まない中での発言ではないかと、前途多難、一つの危機感を抱いているものであります。時間の関係で道州制に触れることは割愛いたしますが、それはそれとして早晩焦点になるであろう地域主権型、言いかえれば、地方政府の核としての州都にふさわしい熊本市の歴史的自己主張をお互い共有、披瀝しておく必要があろうかと存じます。
 地方自治は、英語ではローカルガバメントと言われますが、日本語の語感からは親近感がなく、地方政府という意味は感じがたいのであります。
 私は、学生時代、地方政府研究会というものを仲間とともに立ち上げ、松下政経塾の初期の方々と議論を戦わせていたので余り違和感はありませんが、政府といえば依然として中央政府の認識ですし、政令指定都市という概念もこの枠組みを脱し切れていません。我が郷土のルーツを求めるとき、九州探題と争った菊池を初め、加藤、細川と続く骨太の侍文化、その潮流の中に誇ってよい脱ローカルの歴史的実績を有していることをもっと知るべきであります。
 先日、熊日新聞で日本銀行熊本支店長の平田さんも述べられておりました。すなわち、肥後の鳳凰と言われた8代細川重賢公、この方による藩校時習館の存在が挙げられます。肥後の古屋昔陽、彼を送った会津の日新館、秋田の明徳館、長州の明倫館、小楠も訪れた岡山の閑谷学校を初め、全国の至るところに肥後の文教熱が発信され、その系譜から幕末、当時佐久間象山とともに日本の二つの目と言われた郷土の先覚者、横井小楠の誕生があり、ちなみに私が中学生のときには、象山は歴史の教科書に載っておりましたが、小楠は参考書にすらありませんでした。先日確認したところ、今は熊本市立の中学生の教科書にちゃんと載っているようです。やはり大人だけではなく、子供たちにも小さいときから郷土の偉人を伝えていくことは大事なことではないでしょうか。
 戻りまして、その後次々と輩出した門人によって、この熊本から憲法、教育、経済、法律、宗教、そして言論各界と近代日本の旗手を多数送り込み、九州はおろかまさに我が国のひとは石垣、ひとは礎を築いてきた自信ある実績を忘れることはできないのであります。
 以上の提言は風格ある州都としてのプロローグであり、重ねて私の発言内容について、市長の御所見を伺っておきたいと思います。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、政令指定都市への展望と熊本のかたちについてということで何点かお尋ねがございましたので、順次お答えさせていただきたいと存じます。
 まずは合併の現状と問題点ということで、1点目の3町への今後の対応についてでございますが、議員御案内のように、11月30日に植木町で行われました法定協議会設置の賛否を問う住民投票では、賛成票が過半数を上回りまして、これを受けて合併協議会が設置できたところでございます。大変うれしく感じたところでございますが、一方で反対票を投じられた方も少なからずおられました。また、先ほどお話がございました城南町や益城町におきましても、本市との合併に賛成、反対双方の意見があることも十分に認識いたしております。各町との法定協議会におきましては、このようなことを踏まえまして、それぞれの町の歴史、伝統文化やまちづくりの歩みを尊重しつつ、合併後の一体的な発展と住民福祉の向上を目指しまして、合併に不安を感じておられる方々にもぜひ御理解いただき、将来のまちづくりにともに取り組んでいただけるよう、十分な協議を進めていきたいと考えております。
 また、この合併協議におきましては、それぞれの町と本市が有しております観光資源や農産物あるいは工業の集積等を生かした魅力ある都市の将来像も示していくことにいたしております。こうした協議の内容につきましては、協議会だよりや住民説明会などを通しまして、できる限り丁寧に説明してまいりたいと考えております。
 それから、もう一点の合併に伴う投資と政令指定都市移行に伴う財源の活用についてでございます。
 まず、合併に伴う投資につきましては、新市基本計画の中におきまして、従来の町の計画に基づく事業や、町単独ではできなかったような事業を盛り込むことになるわけでありますが、この際には合併のスケールメリットから生じます効果額や、合併推進債等の新たな財源も勘案いたしまして、収支が均衡することを前提に計画を策定してまいりたいと考えております。
 次に、政令指定都市移行に伴い生じる市の裁量で使える経費についてでございますが、県から市に移譲される業務や地方債の引き継ぎなど、県との協議の上でなければ決まらない事項がございまして、歳出額の想定が困難なことから、どの程度の余剰財源が生じるかは現時点では明示できませんが、他都市の例では歳出より歳入の方が多く、新たなまちづくりに使える財源が生じているようであります。本市におきましても新たに生じる財源につきましては、住みやすく暮らしやすいという本市の特色をさらに伸ばしていくような施策に活用してまいりたいと考えております。
         〔議長退席、副議長着席〕
 続きまして、三都市連携につきましてお答えさせていただきます。
 御案内のとおり、去る8月26日に熊本城本丸御殿におきまして協定書を締結したところであります。地方分権の進展に伴いまして、自己決定、自己責任のもと自主自立のまちづくりが求められておりまして、中でも県庁所在地など中核となります都市は、地域全体の発展を牽引する役割を果たしていかなければならない、それは先ほどの答弁でも申し上げたとおりでございます。特に、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業によりまして、九州内の時間距離が大きく短縮されます中で、九州の縦軸を形成しております3つの市が連携して、さまざまな分野で連携を深めてまいりますことは、新幹線の開業効果を最大限に引き出し、九州の一体的な発展につながるなど、九州の将来にとりまして大変大きな意義を持つと考えておりまして、このことにつきましては両市長とも認識は一致しているところであります。
 また、将来の道州制の導入等も見据えましたときには、九州内の各都市がともに切磋琢磨するとともに、九州の地理的優位性を生かしまして、アジアを視野に入れた魅力の発信など、幅広い分野で連携を深めていくことが重要になってくると考えております。今後の連携の具体的な取り組みにつきましては、それぞれ市長が集まって意見交換を行いますほかに、市政だよりなど広報紙で3市の紹介、あるいは市の施設の市民料金の相互適用など、市民の皆様が3市をより身近に感じられ、そして市民間の相互交流が活発になるような施策に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、観光分野におきましては、これまで既に3都市によりまして、九州縦断県都観光ルート協議会を設置いたしまして共同での取り組みも進めてきたところでありますが、今後は東アジア地域における観光プロモーションなどを中心といたしまして、さらに充実していきたいと考えております。加えまして、企業誘致あるいは市政の共通課題に対する調査、研究など幅広い分野で連携を進めていきたいと考えております。
 これまでも申し上げてまいりましたように、私は九州中央に位置する本市といたしましては、九州の都市間交流を促進する拠点としての役割を果たしていかなければならないと考えておりまして、今回の縦軸の連携につきましても、本市が積極的にその調整役を務めてきたところであります。今後は、この縦軸の三都市連携はもとより、横軸連携にも取り組みまして、九州の一体的な発展に向けまして積極的な役割を果たしていきたいと考えております。
 最後に、地方政府に向けましてのお尋ねにつきましてお答えさせていただきます。
 あえて申すまでもございませんが、今日我が国の社会経済が成熟化の道を歩み、人々の価値観が多様化いたしますとともに、経済社会のグローバル化が急速に進展しております中におきまして、我が国が持続的に発展してまいりますためには、私はこれまでの中央集権による画一的な施策展開からの転換を図り、例えば国は外交、防衛などの国本来の役割に専念し、そして地域のことは地域特性や住民ニーズに応じ、地域みずからが決定し、そして実行できるよう、中央政府と真に対等の地方政府を確立していかなければならないと考えております。地方分権につきましては、平成12年の地方分権一括法の施行から今日まで、一定の改革は進んではおりますものの、法令等による義務づけなどの国の実質的関与は依然として多いわけでございまして、地方が求めているような事務配分の見直しと、あるいは本格的な税源移譲等はまだまだ不十分であると認識をいたしております。
 そこで、私といたしましては真の意味での国からの分権をかちとっていく必要があると考えておりまして、今後とも全国市長会などの活動を通じ、国に対し地方政府の確立につながる分権の推進を強く訴えかけてまいりたいと考えております。
 その一方で、地方政府の確立は国からの権限移譲だけでなし得るものではなく、地方みずから政策立案能力の向上や財政運営の健全化など、分権時代の受け皿としてふさわしい体制を確立することが不可欠でございます。加えまして、自治体みずからが住民への説明責任の徹底、行政情報の公開と共有など、透明性の高い行政運営に努めますとともに、市民の市政への参画機会を拡充し、行政と市民の皆様方とが協働でまちづくりを担うことによりまして、真に自立した地方政府を確立していかなければならないと考える次第であります。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  地方の政策立案能力を上げるためにも、二元代表制を適切に機能させるためにも、議会基本条例等の制定も視野に入れていかなければならないのではないでしょうか。最近の隣接町村の合併に対する動き、温度差を感じながら市長の御答弁を伺いました。
 前段の延長として、幾つか教育の問題点に言及したいと思います。
 ただいま触れました横井小楠、来年は生誕200年でありますが、さきの議会で発言もありましたが、没後130年の記念事業等を参考にし、改めて小楠の顕彰祭をぜひ企画すべきであると思います。また、福井市との小学生交流事業も15周年、熊本市制も施行120周年という運命的な節目の年ですので、なお一層のことポスト築城400年祭のキャッチフレーズとしてもうってつけなのではないでしょうか。
 話を戻しまして、小楠は著名な富国・強兵・士道の3篇から成る国是三論の中で、ワシントン以来のアメリカ政治のすぐれた一面として、大統領選挙の仕組みを紹介しています。「天下のための政治はもう世襲の時代ではない。広く賢人を天下に求めよ。また参勤交代を廃止し海軍を起こせ。」の卓見的な視点は、当時激動する幕末の世に向けて覚醒を促す警鐘だったと思います。これらのことは「尭舜孔子の道を明らかにし」云々の、2人の甥の渡米のときの短い詩、言葉の中に政治のあるべき姿が示されております。今や世襲の時代ではないとの言葉は、二世議員であります私が言いますと、いささか説得力に欠けるかと思いますが、ここは使命感の問題としてお許しいただきたいと存じます。
 ところで、小楠が国是三論を著したとき、万延元年1860年の大統領選挙では、共和党のリンカーンが勝利しております。民主党のオバマ氏であれだれであれ、真の賢人でなければアメリカはもちろん、世界じゅうが困惑する現在の局面であります。ちなみに、ライバルを取り入れたリンカーンの手法、チーム・オブ・ライバルズに習いヒラリー・クリントン、共和党のゲーツといった強力な政敵を閣僚に選んで船出する新大統領の包容力、懐の深さ、大局観には敬意を表さざるを得ません。国務長官に指名されたヒラリーが会見で、困難だがともにエキサイティングな冒険が楽しめることを誇りに思うと述べておりますが、私もぜひ熊本市の未来に向かってエキサイティングな冒険ができることを望むものであります。
 御案内のように、国是九条や五箇条の御誓文の原案となった坂本龍馬に諭した船中八策、先般せんたく八策等にも引用されておりますが、これら顕著な小楠の政治思想は、実学をベースに地租改正、上下二院制の設置、役人及び高利貸しの廃止など、当時の肥後藩、また日本の未来を切り開く新しい政策となりました。しかし、中央集権国家を目指す明治新政府にとっては目ざわりな小楠一派、実学党であり、閉鎖的な県民性にとっても受け入れにくい存在であったことは、皆様の周知のとおりでございます。しかし、大きな試練を克服し、当時の保守的な熊本から全国に先駆けて、日本近代化の先導的な役割を果たした小楠の志と実績を踏まえることで、熊本らしさの観点から、合併の時期に入っている現状と、小楠の共和思想、ボーダレスの考えは新しい熊本の地域像、熊本のかたちもさらにここから見えてくるものと確信します。
 最近の築城400年祭、本丸御殿の落成を基軸にした熊本ルネッサンスの県民運動と軌を一にして、熊本愛を原点に改めて小楠の思想を見直し学習することは、県・市民、特に青少年にとって必要であり、生誕200年祭を契機にこれらのことについて市長初め教育長の御見解をお伺いしたいと思います。生誕200年祭を契機にこのようなことを見直すべきではないでしょうか。
 教育都市を自任するところは全国に数多くありますが、古くから知られているのは、御案内のように長野や岡山、ともに江戸時代は寺子屋や私塾の数が全国トップクラスであり、それらの教育的土壌が明治以降の就学進学率の高さにつながり、いずれも児童の個性を尊重する、すなわち子供がみずから考え応用力がつくような指導であり、暗記中心を質的に変える自由教育の徹底がそこにはあります。その前提としての教師の指導力、資質向上を図られているのは当然であります。ことし6月に熊大で、来年4月に向けての試行が行われた教員免許新制度に対しても、先ほど述べたような視点から期待するところであります。
 今日、教育どこどこの再生とか、教育都市何々の創造といった言葉がキャッチフレーズとして乱用され、文字どおり机上の空論化しているところが多いようです。そのような中、今はやりのマニフェストに乗って、ラサール、鶴丸を持つお隣鹿児島、これは県でありますが、日本一教育都市宣言を掲げ、かつての文教都市熊本のお株を奪っているようです。
 さて、私があえて肥後熊本の実像と虚像と言わずに残像と表現したのは、次に述べる誇るべき肥後の教育遺産が存在するゆえんであります。我が熊本も旧藩は私塾、寺子屋数が全国有数であり、西日本では第1位、それもほとんどが現在の熊本市に集中しており、前記の岡山、長野、また教育の分野で注目されている秋田等の教育先進都市にも劣るものではありません。しかし明治、大正、昭和、平成と右肩下がりの郷土の現状を思うとき、じくじたる思いを抱くのは私だけではないのではないでしょうか。
 そうした反省に立ち私が思いますのは、小楠から元田永孚への実学の変遷はもちろん、八雲の熊本スピリッツ等を学習しながら、眠れる肥後の教育の系譜を総括し、個性ある肥後熊本の教育を再構築することを提言したいと思います。あえて強調したいのは、格差や競争を排した教育は中学を卒業する義務教育終了までです。それ以降は、現実的には個々の能力主義に変わっていくことを思うとき、前述した人脈に思いをはせ、ぜひ熊本の心を、歴史を、そして日本のエネルギー基地であった郷土を誇りに思う少年期教育を徹底すべきだと考えます。
 さらに続けて、命を尊重する教育についても言及したいと存じます。
 親が子を、子が親を、左右の隣人が突如として犯罪者となる昨今の荒れる世相、だれでもよかったと無差別殺人の連続、つい先日、千葉の幼児遺体遺棄の報道もあり、まさに末法の世であります。これらに対する直接の特効薬を早急に見出すことは、なかなか困難だとは思いますが、無責任な方法論をここで述べるつもりも毛頭ございません。当局は何年かかっても、この世直しに取りかからねばなりません。社会のゆがみ、心の病から来る孤独感をいやすのは、やはり百年の計を立てる教育に頼らざるを得ないのであります。偏差値教育のため徳育がおろそかになっている現在の教育、しつけを中心とする家庭がベースにあることは当然でありますが、義務教育を中心にした幼児教育から、命のとうとさをもっと真剣に教えるべきであり、ことし試験的に長嶺小で行ったそうですが、命の授業を今後どのように展開されるおつもりか、お尋ねいたします。
 34年前に保健所でペットを処分された敵討ちだとうそぶいていたあの小泉容疑者、犬の命をいとおしむ気持ちと、人の命を無造作に奪う冷酷さとが同居している異常さ、あさって14日が義士討ち入りですが、敵討ちは赤穂浪士で十分であります。
 子供のころから、やってはいけないこと、特にひきょうな振る舞いは軽蔑される、恥を知る教育を徹底することから、命のとうとさを教えるべきであります。一つの方法論として、文明誕生のころから人類と仲間でもあったペット、犬、猫、小家畜と子供たちとの愛情交換をぜひお勧めしたい。徒然草の兼好法師は、「よき友に三つあり、一に物くるる友、二にくすし、三に知恵ある友」と説いていますが、現在犬を飼っている私は、これによき友としてペットをぜひ加えたい。19世紀のイギリスの女流作家エリオットも、「ペットは本当に心を許せる仲間だ、彼らはいかなる質問も批評もしない、その存在は実に貴重だ。」と書き残しています。このあたりに大切な仲間意識、人類愛が生まれ、命を尊重する萌芽が生まれてくるのです。
 ここで紹介したいのは、熊本動物愛護センターでの快記録、先日朝日系の雑誌アエラのトップ記事にもなりましたが、全国で年間処分される数50万という中で、処分しない捕獲犬は全国トップクラスの熊本であります。センターとしては小さな命に対する大変な配慮だと思いますし、もっとこのことを紹介して子供たちに生き物の命のとうとさを教えるべきだと考えます。
 地縁血縁の希薄になっている現代こそ、さらにペットの縁を加え、まさにペットは家族の一員です。新しい子供との縁、子縁を築くことが大切です。そして子供たちに命とは何か、命とは自分が使うことのできるこの世で一番大切な時間であることを教えていただきたいと思います。これらのことに関して、市長初め、初の御登壇になろうかと存じますが、大迫教育委員長に教育に対する熱い思いも披瀝していただき、関係当局の見解を、実情を交えて承りたいと存じます。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、私の方から教育都市肥後熊本の歴史を振り返り、これからの教育に対する思いにつきましてお答えさせていただきます。また、小楠生誕200年事業及び福井市との姉妹都市交流、さらには命を尊重する教育につきましても、あわせて触れさせていただきたいと存じます。
 本市の教育の歴史を見てみましたときには、ただいまお述べいただきましたように、特に江戸時代に肥後熊本の特色を生かした教育が行われたわけでありまして、その後の新しい熊本を築く、新しい日本を築く礎となった先哲たちを輩出いたしますなど、すばらしい多くの功績を残していると感じております。私は、先哲たちのその思いや努力を知り、よき伝統文化を継承してまいりますことは非常に重要なことであると考え、何よりも大切なのはその歴史に学び、そしてこの熊本の基礎を築いた人々の行いを検証しながら今の時代に生かしていくということ、そのことが重要であると考えております。
 特に、子供たちには熊本市の恵まれた自然や、あるいは熊本城を初めとする伝統ある歴史や文化に学び、国際化・情報化など急速に変化する社会の中にありまして、みずからの力で考え、判断し、表現する力や行動する力を培い、未来への可能性を引き出しながら、世界に夢を描けるような子供たちを育成していくことが重要ではないかと考えております。さらに、市民の学習、スポーツなどの多様な学習機会を保障いたしますとともに、学習成果を生かす環境づくりを推進し、生涯学習という面におきましても、その生涯学習社会の構築に努めてまいりたいと考えております。
 次に、横井小楠生誕200年事業についてでありますが、郷土の伝統や文化を理解しながら、そのよさを継承、発展させることは、先ほど申し上げましたように重要でありますことから、来年度におきまして、幕末期の人々に影響を与えた横井小楠先生の顕彰事業を実施したいと考えております。また、横井小楠先生を縁に結ばれました福井市との交流につきましても、姉妹都市締結15周年を迎えますことから、今後さらに事業内容の充実を図っていきたいと考えております。
 それから、先ほど後半に触れられました命を尊重する教育という点につきましては、昨今の青少年による痛ましい事件や事故を考えますときに、子供たちに小さなころから、人間を尊重し命に対する畏敬の念をはぐくんでいくことが重要であると考えております。他を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性や社会性をはぐくむことも私たち大人の責務であり、市民の皆様方と一丸となって取り組んでいかなければならないと考えております。
 いずれにいたしましても、いろいろと申し上げてまいりましたが、これからの教育につきましては、かつて文豪夏目漱石が第五高等学校の創立記念日の祝辞の中で「それ教育は建国の基礎にして、師弟の和塾は育英の大本たり。」と述べておりますように、政令市を目指す本市のまちづくりの基礎はまさに人づくりであると考えております。今後とも、郷土熊本を誇りに思い、新しい熊本づくりを担う人材の育成に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
         〔大迫靖雄教育委員会委員長 登壇〕
◎大迫靖雄 教育委員会委員長  本年10月2日付で熊本市の教育委員長に就任いたしました大迫でございます。就任後まだ2カ月半足らずでございますけれども、教育委員長としての責務の重大さを強く感じているところであります。教育委員長といたしまして、熊本市のすばらしい自然環境や教育遺産を熊本市の教育に反映させるべく努めてまいりたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは、本市教育の方向性についてどのように考えているかということをお尋ねでございますので、お答えいたしたいと思います。
 議員も述べておられますように、地元の教育史をひもときますと、熊本は藩校時習館を初め、塾、寺子屋など多くの教育財産を有しております。そのような中から、御存じのように時習館で学び、勝海舟や坂本龍馬にも影響を与えたという思想家横井小楠や、大日本帝国憲法の起草に当たった井上毅などを初め、我が熊本は多くの人材を輩出してまいりました。特に横井小楠は、「智はただ善を選ぶにあり」といった詩の中で、「学問を磨くには、善悪の善の立場や中庸の立場を大事にしなければならない。その立場をとる方法は一つ、公のただ一字のみである。」ということを述べております。教育も同様で、子供たちの夢の実現、自己実現も大切でありますけれども、もう少し公のため、社会のために学ぶこともあってよいのではないかと感じております。そのような意味で、子供たちが我が熊本の先人の偉業を学びながら、そのような豊かな心や豊かな感性を持つような教育が大切であると考えております。
 私は、もともと大学では木材に関係する研究を専門の一つとしてまいりましたが、一つ一つの木材には個々別々のいろいろな特性がございます。我が国の伝統的な建築物において、木材の生かし方一つによってその性質を引き立たせるとともに、建築物として私たちの人としての成長にまで影響を与えているのではないかと考えております。教育もまさにそうでありまして、我が国の初代文部大臣森有礼は、明治の学制を始めるに際し、エデュケーションという言葉を翻訳するに当たりまして、彼の仲人であった福沢諭吉と議論したという話がございます。その際、森有礼は教育という言葉を主張し、福沢諭吉は一人一人の人間の中に内在するいろいろな才能を引き出すべきであるということで、「啓発」を訳語の一部にできないかということを述べたそうであります。いずれにいたしましても大事なことであり、我々大人が心から子供たちの健やかな成長を願い、教え育て、さらに一人一人の能力や才能を引き出していくことが、私は教育の根幹であると考えております。
 そこで、本市の教育の方向性といたしましては、多くの市民の皆様の御協力を得ながら、熊本市の持つすぐれた教育遺産を生かしつつ、子供たちの個性や能力を伸ばし、「徳・知・体」の調和のとれた、次の世代を担う子供たちの育成を目指し、地道であっても着実に前進していきたいと考えております。
         〔小牧幸治教育長 登壇〕
◎小牧幸治 教育長  私の方からは、教育環境の再構築への提言についての2点のお尋ねにお答えいたします。
 1点目の小楠生誕200年事業と、福井市交流15周年事業の今後の展開についてでございますが、来年度、横井小楠先生の生誕200年を迎えるに当たりまして、多くの人々に影響を与えました小楠先生の功績を顕彰する目的で、横井小楠生誕200年記念事業を計画いたしているところでございます。この事業の開催によりまして、多くの市民がその業績を知ることで、郷土への誇りと愛着が高まることを期待しており、あわせて築城400年祭後の伝統が息づくまちづくりに寄与できるものと考えております。具体的には、来年4月に実行委員会を組織し進めていきたいと考えておりますが、現在関係各課などと記念講演会やシンポジウム開催、横井小楠記念館を活用した記念講座などの実施案を検討しているところでございます。
 次に、熊本市・福井市小学生交流事業につきましては、平成7年度から開始いたしております事業でございまして、両市の小学生が互いの都市で寝食をともにしながら、両市の歴史、文化などについての学習活動を通して、その健やかな成長に資するとともに、親善交流を深めることを目的として実施いたしております。来年度は市制施行120周年であり、横井小楠生誕200年、小楠先生の縁で結ばれた福井市との姉妹都市締結15周年でもございます。このような節目の年である来年度、本事業を横井小楠生誕200年記念事業に位置づけますとともに、熊本市子ども会育成協議会等との連携のもと、参加した両市の子供たちが小楠先生を初め先人の労苦や偉大さに思いをはせ、郷土への誇りを醸成していくよう、研修や交流事業の充実に努めてまいりたいと考えております。
 学校教育におきましても、今後とも中学校社会科歴史学習や、総合的な学習の時間の中で、横井小楠先生を初め郷土の偉人の業績や、すばらしさを学ぶ学習に努めてまいりたいと存じます。
 次に、2点目のいのちを尊重する教育でございますが、命を大切にしようとする心は、子供たちがよりよく生きていく上で最も大切なものであり、豊かな人間性の基盤となるものであると考えております。
 そこで本市では、命を大切にする心をすべての園児や児童・生徒に育てなければならない重要な道徳性であるととらえ、年間を通して道徳の授業を初め、すべての教育活動の中でその育成を図っているところでございます。具体的に申しますと、専門家や地域、保護者の方々をゲストティーチャーとして招き、命の誕生の喜び、命を大切にして生き抜くすばらしさなどのお話を伺う授業を実施したり、小動物の飼育や草花の栽培などの体験活動を通したりして、命を大切にする心をはぐくんでおります。
 議員お述べのように、子供たちが専門家の方々の知識や経験に触れながら、小動物を抱き、その心音を聞くなどして体験的に命の大切さを学んでいくことは大変重要であると考えております。
 今後とも、実体験を伴った命を尊重する教育の充実に努めてまいりたいと存じます。
         〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  私からは、いのちを尊重する教育における動物愛護センターの取り組みについてお答えいたします。
 動物愛護センターでは、平成12年の動物愛護管理法の施行に伴い、処分施設から愛護施設へ転換し、動物の愛護と適正な飼養に関し、学校や地域、家庭等における教育活動、広報活動を通じまして普及啓発を図っております。学校における普及啓発では、ふれあい出前講座において、動物愛護センターで処分される動物たちの現状を通し、命の尊厳を伝える命の授業を行っております。また、本年度からは市獣医師会と連携し、小学校の授業の一環といたしまして学校飼育動物を使い、その心音や人の心音を聞き比べるなどにより、同じ命を持った生き物であることを感じさせる動物ふれあい教室を始めております。このほか、地域におきましては、犬、猫の適正飼養の広報啓発に努めますとともに、当センターに持ち込まれる犬、猫の飼い主には、最後まで責任を持って飼育されるよう説得し、また収容している犬、猫の飼い主をホームページで募集するなど、命をつなぐ取り組みを推進しております。
 これらの取り組みにより、当センターに収容された犬の生存率は、全国平均が20.7%であるのに比べますと、80.4%と全国的には最上位となっております。
 今後とも、教育委員会初め市獣医師会等関係機関と連携を強化しながら、子供たちが命を尊重する心をはぐくむ取り組みを進めてまいりたいと存じます。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  人づくりとしての教育、命の教育の重要性、御認識いただいているようで安心いたしました。特に獣医師の方々は、予防接種等もほとんどボランティアのような形でやられているそうですので、その辺の適切な運営も重ねてお願いいたします。
 ここで一つ喜ばしい情報として、市制施行100周年のときに、あの藤子不二雄さんに書いてもらった金絲候ユウユウのキャラクターを御存じでしょうか。あの版権がまだ熊本市にあるということで、ぜひ、ひごまる君の兄弟分としてでも、また記念事業のシンボルマークとしてでも利活用すべきでしょうし、青少年を中心に福井との民間交流を続けられている白山校区の方々、先ほどの市の子供会の方々ももちろんですが、ぜひ参画していただいて広がりを持つ記念事業になることを切に願います。
 続いて、教育力再生とそのアラカルトですが、私はことしの夏、我が党の政調会長にも御推薦いただき、教育改革の効果が報道されている東京都杉並区の和田中学校を訪れ、よのなか科の授業を拝見した後、その授業も担当されていた代田昭久校長、前は藤原校長でしたが、と長時間お話をし、また校長の案内で学校支援地域本部の方々ともじっくり意見交換、情報交換をさせていただきました。そこで一番印象的だったのは、校長も地域の方々も口をそろえて10年後の子供たちの笑顔のためにと、既成概念にとらわれずやれることは何でも挑戦するのだという、そのシンプルで揺るぎない共通の信念をさらりとおっしゃっていることでした。そこには、やらされている、渋々やっているというような悲壮感はみじんもなく、ある種のすがすがしさ、清涼感さえ感じられました。進学塾に委託した土曜と夜の補習である「夜スペシャル(通称夜スペ)」、学生や社会人の学校ボランティアが、土曜日や長期の休みのときに希望する生徒に勉強を教える「土曜寺子屋(通称ドテラ)」の実現は一朝一夕にはいかなかったと思いますが、我が熊本市でもやれるのではないかという期待を大いに感じさせてくれる成功事例でした。夜スペの前には、地域の人たちが手づくりのお味噌汁とお弁当を用意してくれたり、その後は図書館で子供たちは自習ができたり、ちょっとくつろげる場所もあったりと、至れり尽くせりの環境でした。いきなりここまでとはいかなくとも、大いに参考になる例だと思います。
 本市でも学校支援地域本部の立ち上げに井芹中学校が手を挙げられたとのこと、今後の見通しについてもお聞かせいただければと思います。
 加えて、先ほど少し触れましたが、市立図書館、学校図書館の学びの場としての利活用と、文科省が打ち出しています放課後子どもプランと厚労省所管の既存の児童育成クラブとの連携についても、教育長にお尋ねいたします。
         〔小牧幸治教育長 登壇〕
◎小牧幸治 教育長  教育力再生とそのアラカルトについての3点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、1点目の学校支援地域本部事業の今後の取り組みについてでございますが、本事業は本年10月に国の委託指定を受けまして平成22年度までの3カ年のモデル事業として実施することとしており、本議会に関係予算を計上させていただいております。
 まず、今後の取り組みにつきましては、井芹中学校区内に学校支援地域本部を設置いたしまして、その活動主体であります地域教育協議会におきましてボランティアの登録や、学校とボランティアとの調整役となりますコーディネーターの養成などを行いますとともに、支援活動内容の企画立案を学校と連携しながら行うことといたしております。地域住民の皆様にとっては、社会教育で得た知識や経験の活用機会となるこの事業を通して、本市の実態に合った学校支援の方法や形態などを検証してまいりたいと考えております。
 また、教育委員会といたしましても、今後先進都市の取り組みを研究しますとともに、モデル事業を展開する中で、事業の内容や効果、運営上の課題につきまして、他の校区にも情報提供を行ってまいりたいと存じます。
 なお、議員御提案の夜間の学校図書館の開放など学びの場の提供につきましては、夜間におけます学校施設の管理上の問題などがございますので、今後調査研究していきたいと存じます。
         〔副議長退席、議長着席〕
 次に、2点目の市立図書館の自習室設置についてでございますが、学習室などの環境を整備することは子供たちの学習支援の一環であると認識しております。
 しかし、現在の市立図書館は、建設当初から本の貸し出し及びレファレンスを主たる業務としておりまして、学習スペースが想定されておりません。現在、閲覧席は一般用が59席、児童用40席でございます。1日当たり平均1,000名の利用者がおられる中で、この数少ない閲覧席を長時間にわたり自習のために占有されますと、他の多くの方の利用に支障を来しますので、現在参考書持参での自習をお断りしているところでございます。
 そこで、夏休み等に会議室を自習室として開放いたしております公民館や青少年センターとさらに連携を深めまして、子供たちに学習の場として積極的に紹介してまいりたいと考えております。また、学習室の設置につきましては、熊本駅前東A地区に計画されております情報交流施設内の情報図書館での設置が考えられているところでございます。
 最後に、放課後子ども教室の現状と今後の展開並びに児童育成クラブとの連携についてでございますが、放課後子ども教室につきましては、従来から学校で実施しておりました学びノート教室と公民館や博物館で実施いたしております子ども向け講座に加えまして、本年9月から新たに放課後学校図書館開放事業と放課後子どもスポーツ教室を、2年間のモデル事業として実施いたしております。モデル事業の内容といたしましては、学校図書館開放事業は、黒髪小学校と桜木東小学校の2校で、週2回学校図書の読み聞かせや、子供たちが図書に親しむ読書活動の場として実施いたしております。
 子どもスポーツ教室におきましては、出水南小学校と日吉東小学校の2校で、月2回から4回、体力向上のためのプログラムなど、地域の総合型地域スポーツクラブ等の協力を得ながら実施いたしているところでございます。
 今後の展開につきましては、学校教育関係者、社会教育関係者、学識経験者等から成ります熊本市放課後子どもプラン推進委員会におきまして、事業の評価や課題の検証を行いながら検討してまいりたいと考えております。また、児童育成クラブ事業との連携につきましては、児童育成クラブは子育て支援、放課後子ども教室は体験学習の場というように、この2つの事業は性質や運営方法において異なっておりますが、子供たちが安心安全で健やかに活動できる居場所を確保するという大きな目的のために、所管部署とも連携をとりながら、取り組んでまいりたいと考えております。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  教育環境の再構築について、本市教育の現状とあわせ前向きな御答弁をいただきました。小楠に関しては、木下順二氏を迎えての講演会やシンポジウム等の没後130年記念事業も参考にし、できればこの際、横井和子先生御一家のえにしを深くし、四時軒、小楠記念館を再検証するなど、かつての人材輸出藩肥後で冷遇され、福井でまた中央で重用された小楠を、今度は郷土で、現代で優遇する機会にしていただきたいと存じます。
 動物愛護センターの今日までの陰の努力は、必ず熊本市の子供たちに命の重要さと、心豊かな人間性をはぐくんでいくものと信じます。
 次に、地域の活力をつくり出す経済振興策についてお尋ねいたします。
 平成の築城ブームの集大成として、大きな実績を残した築城400年祭を契機とし、築城500年祭に向けての第一歩について触れたいと存じます。
 外にあっては名古屋城の本丸御殿を初め、各地の復元計画の大きな引き金となり、内にあっては熊本県の観光立県宣言に向かっての答申が計画されるなど、熊本の歴史と魅力を発信する強力な拠点であることが改めて立証されました。その発想、原点から御苦労された先輩、また関係者の方々の洞察力と実行力によって実現された、本丸御殿を中心とする復元整備と一連の記念事業は見事花開き、大きな郷土の文化遺産が残されたことに対し、改めて敬意を表したいと存じます。
 しかし、当時復元への反対意見が多かったのも事実、今なかったことも十分あり得たわけで、考えるとぞっとしますが、新しく平成の遺産を確固たるものとした熊本城のあすへのプロローグ、例えば今後会議都市として各種サミットへの積極的な展開、県市民のさらなるオアシスとしての拠点づくりなど、先般述べられてもおりますが、また加藤清正の骨太の大名文化と豊富な歴史物語、すなわち八代将軍吉宗、あの暴れん坊将軍が、清正の娘が紀州徳川に嫁いだ関係で、清正のDNAが流れている。このような清正に対する誤解を、文禄の役や慶長の役ですね、むしろ清正を慕ったかの地の王子との関係など、こうした興味ある歴史の真実に加え、我が国の近代を生んだ西南の役の再検証など、改めて内外に発信する絶好のチャンスだと思います。
 ただ、心すべきは、観光用の近代城とは異なり、三大名城に冠たる熊本城であるだけに、これから続く復元計画は厳密な考証のもとに史跡整備の一環として位置づけるべきだと思います。先般の答弁からも、市長のポスト築城400年の問題意識の高さがうかがわれますが、400年祭を一過性のものとしないため、そういうことはもちろんですが、これらの事情を踏まえ当局のアスピレーションをお聞かせ願いたいと存じます。
 続いて、動植物園の再評価について触れさせていただきます。
 御存じのように、動植物園は、今、5次にわたる再整備計画が始まったばかりです。
 そこで提案です。ぜひ保育園、幼稚園、小中学校の見学計画が安心して行えるように、またすべての来園希望者が、雨の日も暑い日も快適にくつろげるように、全天候型の施設としての整備を全体計画の中に盛り込んでいただきたい。また、前述した動物愛護センター同様、動植物園は生き物のとうとさ、命の大切さを学び、人と動植物の共生について考える絶好の場であります。駐車場の有料化の計画もあるようですが、もしそうなったとしても、同時に県外の子供たち、ひいては世界の子供たちは無料の動植物園なんだという、国際的動植物園を目指すべきだと思いますが、いかがでしょうか。動植物園の集客力アップにもつながる全天候型動植物園、そしてその果たす役割について、経済振興局長にお尋ねいたします。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  私の方から、地域の活力を創り出す経済振興策の中で、築城400年祭後につきまして、お答えさせていただきます。
 熊本城は築城400年祭の開催、加えて本丸御殿大広間の完成等により、大変なにぎわいを見せておりまして、これまでも申し上げてきたところでございますが、入園者数過去最高を記録いたしまして、近々200万人を突破する、そのような状況にもございます。今後はこのにぎわいをさらに拡大し、そして一過性という言葉が何度も出てくるわけでありますけれども、まずは平成23年春の九州新幹線鹿児島ルート全線開業を契機とした観光振興につなげていくということが、大変重要と考えております。
 そのような中で、熊本城に代表される伝統ある歴史や文化は、本市の貴重な観光資源でありまして、その積極的な活用を図っていかなければならないと考えております。現在、市内各所に数多く存在いたします名所旧跡を、それぞれの時代の事柄や人物などを題材として結びまして、ストーリー性のある観光ルートを設定いたしますとともに、観光ボランティアの皆様方が案内をするまち歩き観光くまもとさるくにおきましても、歴史、文化を題材としたコースの充実を図っているところであります。
 また、NHK大河ドラマで取り上げられました宮本武蔵や、熊本を題材に草枕を執筆した夏目漱石など、熊本ゆかりの歴史上の人物にスポットを当てた観光PRやイベントを、その時々に合わせ開催してきたところであります。特に加藤清正につきましては、築城400年祭を契機に、昨年から熊本城を舞台に開催しております清正公新春の言祝ぎは、大変好評を博しておりまして、来年1月も引き続き開催することといたしております。
 また、本丸御殿の完成に合わせまして、加藤清正のまちづくりを体感する加藤家の偉業観光ルートを設定しているところでもありまして、今後ともさまざまな機会をとらえまして、例えば江戸城や名古屋城にも見られますような、石垣築造の技術など、加藤清正が熊本のみならず日本各地に残した歴史を伝えてまいりますことは、本市観光のさらなる魅力の向上にもつながるのではないかと考えおります。現在、本市におきましては、熊本シティブランド戦略プランの案をまとめたところでもありまして、今後伝統ある歴史、文化、豊かな緑と清らかな地下水、安全でおいしい農水産物などの魅力を題材とした本市ならではのブランドの確立を図り、これを広く内外に発信し、多くの人々から訪れてみたいあるいは住んでみたいと思われるような、選ばれる都市を目指してまいりたいと考えております。そのシティブランド戦略プランと連携した本市観光振興の中長期計画も策定いたしまして、さらなる観光コンベンションの振興を図っていきたいと考えております。
         〔谷口博通経済振興局長 登壇〕
◎谷口博通 経済振興局長  私の方から、動植物園に関しまして集客力アップ、それから動植物園の役割、また駐車場の関連について、3点についてお答え申し上げます。
 1点目の集客力アップにつながります動植物園の整備についてでございますが、現在動植物園におきましては、生き生きとした動物の生態を見学していただくとともに、動物と植物が一体となった自然を体感する学習の場として、新たな魅力づくりのために再編整備計画を進めているところであります。議員お述べの、来園者が雨の日も含めまして、くつろげるような快適空間づくりは集客力アップにとっても大変重要なことであると考えておりますので、今後とも見学者の視点に立った整備を進めてまいりたいと考えています。
 2点目の動植物園が果たす役割についてでございますが、動植物園は社会教育、レクリエーション、自然保護、調査研究の場としての役割がありまして、生命や環境保全の大切さを伝え、人と動植物園の共生について考えるという重要な使命を持っております。そのようなことから、現在夏休みの動物サマースクールや、動物ふれあい広場におきまして直接動物に触れることにより、命を感じていただくなどの教育プログラムを通した活動を実施しております。また、今年度初めての試みとしまして、夜の動物の生態を観察します夜間開園を行い、好評をいただいたところです。
 このような中、去る12月4日と9日、長年市民の皆様に親しまれてきましたカバのザブコとチンパンジーのミッキーが老衰などで死亡いたしました。それぞれ報道機関や園のホームページで報道され、多くの子供たちから哀悼のメッセージや花束をいただいております。動植物園は子供から大人まで全てに、動物たちやさまざまな植物との出会い、かけがえのない命の大切さを伝える重要な場となることから、今後ともこのような情操教育の場としての使命も果たしてまいりたいと考えております。
 また、最後にお述べになりました、駐車場に関連しましたさまざまな今後の入園料対策につきましては、今後とも鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  要は観光立市宣言の核として、将来にわたって熊本市にしかない大遺産を私どもの子孫に残すため、次の450年、そして500年に向かっての第一歩を、そしてそのメニュー、方向性をお示しいただきたかったわけです。今週末にも200万人を超えるという熊本城、喜ばしいことですが、熊本城だけに頼らない東のもう一つの核として忘れられた感がある水前寺成趣園、それと継続的に60万人の入場者を誇る動植物園のさらなる魅力アップを願ってやみません。もちろん加藤清正の大河ドラマ化も忘れてはならないと思っております。
 続きまして、まちづくりとしての商店街活性化について質問いたします。
 私はことしの秋口に、神奈川県厚木市のなかちょう大通り商店街にお邪魔し、商店街振興組合の木村嘉宏理事長とお会いし、同商店街が平成17年から実施している生ごみリサイクル事業のお話を伺ってまいりました。この事業は、環境省の循環型社会形成モデル事業で、商店街周辺の住民が生ごみをエコステーションに持ち込み、近くの東京農大のボランティア学生が受け付け、商店街で使えるエコマネーにかえ、生ごみは処理乾燥機で粉末にし、大学で畜ふんとわらをまぜ堆肥にし、それを近隣農家へ提供し有機野菜をつくるという、キッチンリサイクルシステムであります。
 また、空き缶、ペットボトル等は平成13年から商店街の引換券がもらえる当たりつき回収ボックスで、リユース、リサイクルしていらっしゃって、まさに持続可能な循環型というだけではなく、ごみは廃棄物という先入観にとらわれない、ごみは宝だとおっしゃっていましたが、逆転の発想は見事というしかない。本市でも城見町かいわいの商店街の取り組みもあるようですが、さらに理想像、未来像を見据えて、商店街だけでなく地域も活性化するこの手法を積極的に考えていってはいかがでしょうか、お尋ねいたします。
 また、ことし本丸御殿のお披露目をした春の城下祭りでは、中心市街地の電車通りで初めての歩行者天国を実現し、市電も無料にしたおかげでまちなかは多くの来街者でにぎわいましたが、水前寺、健軍商店街を初め電車通り沿いの商店とは連携がとれていなかったため、ほとんどにぎわいにはつながっていなかったようです。ただでさえ中心市街地活性化対策事業等に見られるように地域商店街が置き去りの感があるので、ぜひ中心市街地のイベント等でも、まちなかだけにとどまらず、地域商店街、ひいては熊本市全体で盛り上がる仕掛けをつくっていただきたいと思います。経済振興局長並びに環境保全局長の答弁を求めます。
         〔谷口博通経済振興局長 登壇〕
◎谷口博通 経済振興局長  私の方からは、商店街の活性化に関連しまして、商店街と地域の連携、また地域商店街と中心市街地の連携の2点につきましてお答え申し上げます。
 1点目の商店街活性化の地域との取り組みについてでございますが、今日郊外大型店の出店による来街者の減少や、消費行動の多様化等に加えまして、昨今の消費低迷の影響もありまして、商店街を取り巻く環境は大変厳しい状況が続いております。
 このような中、地域商店街におきましては、地域の自治会や学校、NPOなど地域の関係者と一体となった取り組みを、まちづくりという観点から進めていくことが商店街の活性化に必要であると考えております。
 議員御紹介の厚木市の例で見ますと、生ごみを活用した地域との取り組みで商店街が活性化されていることから、今後は本市の商店街の活力創出にそのような視点で取り組むことは、大変有効な手段の一つになると考えています。また、本市の城見町かいわいにおきましても、商店街の方々が城東マネジメント会社を立ち上げ、各店舗が個別に契約しておりました事業所ごみにつきまして、収集業者と一括契約することで各店舗のコスト削減を図るとともに、削減で得られました財源の一部をまちの美化などまちづくり活動につなげる取り組みを始めておられる事例もございます。いずれにしましても、環境保全局などとも連携を図りながら、地域と一体となった商店街づくりを支援してまいりたいと考えております。
 次に、2点目の地域商店街と中心市街地の連携についてでございますが、中心市街地のみならず地域商店街の活性化も大変重要であると認識しています。特に地域商店街におきましては、活動を支える後継者や核となる人材が不足し、組織の財源の問題もあり、単独で活性化に取り組むことは難しい状況となりつつあります。健軍商店街でのにぎわい創出の取り組みを初め、中心市街地で行われているゆかた祭りを契機とした来街者への割引サービスや、はしご酒大会によります新たな顧客の掘り起こしなどの事例を紹介し、地域商店街にも広げていくなど、相互の連携が図れるよう支援してまいりたいと考えております。
         〔宗村收環境保全局長 登壇〕
◎宗村收 環境保全局長  次に、私の方から、ごみ減量に向けた取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。
 地域コミュニティの中核をなす商店街が、それぞれの創意工夫のもと特徴のある取り組みを行い、地域の活性化へとつなげていくことは極めて有意義なことでありますが、御提案いただきました神奈川県厚木市の循環型社会形成エコ・コミュニティ事業は、商店街振興による地域の活性化と生ごみの減量をともに実現しようというものであり、地域振興策としても、また環境保全策としても一つの取り組みであると考えております。
 本市におきましても、燃やすごみの約4割を占める生ごみの減量は大きな課題であると認識しており、既に昨年度は熊本大学と連携し、生ごみのエタノール化の可能性調査を実施したところでございます。また、今回の有料化に伴う財源の使途として、生ごみのエタノール化及び堆肥化のモデル事業を行うほか、生ごみ処理機購入への助成制度の拡充、さらには資源物の拠点回収の品目として、新たに乾燥生ごみを加えるなどさまざまな手法を講じてまいることといたしております。
 今後も、議員から御提案いただいたような全国のさまざまな取り組みも参考にさせていただきながら、本市としても実効性のある取り組みを進めてまいりたいと考えております。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  最後に、第6次総合計画に関して、当該委員会の論議の余地がありますので詳細には触れませんが、当面する市政の問題に限り断片的にお尋ねしたいと思います。
 先月25日に、両再開発地区を含む桜町・花畑周辺地区一帯の活性化に向けた基本計画を策定するため、事業関係者、自治会などの地域の関係者、熊本県・市を含む関係行政機関で組織した桜町・花畑周辺地区再開発検討協議会が発足されています。会長は都市建設局局次長の高田さんだとお伺いしておりますが、もちろん桜町・花畑地域の方々が最も問題意識と親近感を持たれているのはわかりますが、この再開発事業は熊本にとって100年に一度と言っても過言ではないくらいの大事業であり、基本計画策定に当たっては熊本市民全体も巻き込んだ論議があって当然でありますでしょうし、また再開発の状況についても何か閉じているような印象をぬぐえません。積極的に情報公開することにより関心も高まり、市民のさまざまな智恵やアイデアも出てくるのではないでしょうか。そうやって関係したことで、一枚かんだぞといういい意味での当事者意識が芽生え、完成後もその場を定期的に訪れるようになるはずです。
 サブプライムローン問題に端を発し、リーマン・ブラザーズの破綻で決定的なものとなった世界的な金融不安、景気低迷の中、国内経済の先行き不透明感による不動産開発をめぐる国内市場環境の悪化が懸念されますが、この再開発事業に及ぼす影響についてもお尋ねしたいと思います。
 次に、来年9月予定の景観条例改定に関して質問いたします。
 東バイパスと国体道路東西線の交差点の無秩序看板や大型看板、大甲橋傍らのサンタクロースの絵がついたホテルの看板等について、県外の知人から複数回御指摘を受けました。熊本の人たちは何とも思わないの、私もすぐに、何とかならないかという相談は近隣の方々も含め結構あるんですがとは答えたものの、何ともばつが悪かったものです。その後私なりに調べましたが、現行法ではなかなか改善が難しい。景観条例改定というこの好機に「ようこそ阿蘇へ!」「おいでませ、天草!さぁこちらへ!」などのキャッチフレーズをつけての、草千里を望む大阿蘇や天草の五橋のきれいな写真に協賛した看板、このような良好な広告景観は認めるといった形で、指導していくような条例にできないか、ぜひ検討していただきたい。
 以上、都市建設局長に御答弁お願いいたします。
 また、さきの議会においても取り上げられましたが、市電の軌道緑化について鹿児島市に負けないように、ぜひ中心市街地で早急に実現していただきたい。今後の見通しについても当局にお尋ねいたします。
         〔村上博一都市建設局長 登壇〕
◎村上博一 都市建設局長  私からは、都市計画の現状と課題に関する2点のお尋ねにお答えいたします。
 まず、1点目の桜町・花畑地区再開発事業についてお答えいたします。
 桜町・花畑地区は、本市の顔であります中心部の2核3モールの一つの核であり、再開発事業は当地区のにぎわい創出のみならず周辺との回遊性を向上させ、中心市街地の活性化に大きく寄与できる重要な事業と考えており、九州中央の交流拠点を目指す本市にとりましても、ぜひとも実現させなければならない事業だと考えております。
 そこで、この事業に実現性を持たせるためには、再開発予定地区のみならず周辺と一体となった地区のあるべき姿を示す必要があると考え、地域の代表者、再開発事業者、関係行政機関で桜町・花畑周辺地区再開発検討協議会を組織し桜町・花畑周辺地区再開発基本計画を策定することとしたところでございます。この地区につきましては、過去に議会や学識者、市民の皆様方からさまざまな意見が出されておりまして、協議会ではこのような意見も踏まえ、来年の2月には素案として取りまとめ、議会や市民の皆様に公表し御意見をいただきたいと考えております。
 次に、桜町・花畑両再開発の状況についての情報公開でございますが、これまでも節目、節目においてメディア等を通じて市民の皆様に公表されてきたところでありますが、今後とも両再開発事業者に対して公表についての協力をお願いしていきたいと考えております。
 最後に、世界的な金融不安、景気低迷の中で再開発が順調に進むかとの懸念でございますが、国内経済の先行き不透明感による不動産開発をめぐる市場悪化は、再開発事業にも逆風となっていることは確かでございます。しかしながら、両事業者とも厳しい経済状況の中においても、再開発は我々の使命という強い意志をお持ちであり、本市といたしましても今までどおり積極的に支援を行っていきたいと考えております。
 次に、2点目の幹線道路沿いの屋外広告物についてお答えいたします。
 本市では平成7年に屋外広告物条例を制定し、市全域を、3種類に区分した禁止区域と2種類に区分した許可地域に指定して、それぞれの設置基準を定め、沿道景観を含めた良好な景観形成の維持に努めているところでございます。
 議員御指摘の東バイパスと国体道路の交差点等は、屋外広告物の面積の総量についての制限がないなど、現在の基準では最も緩やかな第3種許可地域となっております。屋外広告物法第1条の趣旨によりますと、屋外広告物の表示内容には立ち入ってはならないとされておるところでございまして、条例でデザインの内容を規制することは困難であると考えております。デザインにつきましては、今後優良な広告景観の事例集や考え方をまとめたパンフレット等を作成して、広告主や屋外広告物業者に対し、その啓発に努めていきたいと考えております。
 また、現在景観法に基づく景観計画を策定中でございまして、都市景観条例及び屋外広告物条例についての改正も予定しているところでございます。この条例改正とあわせまして、議員御指摘のような広告物の規制を図るため、総量規制の導入等について、今後他都市の事例や基準改正による影響等を調査するなど、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えておるところでございます。
         〔宗村收環境保全局長 登壇〕
◎宗村收 環境保全局長  続きまして、私の方から市電の軌道敷緑化についてお答えいたします。
 軌道敷緑化は、緑の少ない中心市街地において貴重な緑化空間の一つであり、ヒートアイランド現象の緩和、都市景観の向上、騒音の軽減などさまざまな効果が期待できるものでございます。
 本市では、熊本駅前から田崎橋停留場まで市電の軌道を歩道側に移設する、いわゆるサイドリザベーションの区間、約570メートルのうち交差点部等を除く約400メートルの区間の緑化を行う計画でございます。平成21年3月から軌道移設工事に取りかかり、緑化工事については平成22年1月に着工し、完成は平成22年3月を予定いたしております。しかし、他の区間につきましては、一部の区間を除いて道路との併用軌道でございますことから、軌道敷を横断する車やバイクの安全性の確保など多くの課題がございます。そこで、本年10月に県、市等の関係機関による検討会議を立ち上げ、実施に向けて2回の協議を行っているところでございます。
 検討会議においては、軌道敷緑化について、車の横断ができない区間であれば施工できるとしており、熊本城の緑との連続性や森の都熊本をアピールできる中心市街地の辛島町電停から水道町電停までの区間について、施工可能箇所の検討を進めているところでございます。今後、この区間の測量設計等を行い、施工条件の整ったところから軌道敷緑化に取り組んでまいりたいと考えております。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  ぜひ積極的な取り組みをお願いいたします。
 次に、最後の質問になります。消費者行政の重要性についてお尋ねいたします。
 我が熊本は、美少年酒造の問題、また全国的に有名な多重債務者問題、このような問題を抱え、有名になっております。直ちに本市も消費者保護のための条例を制定すべきではないでしょうか。熊本県は既に昭和52年に消費者生活条例を、また平成17年に食の安全安心推進条例を制定しております。今まではこれを適用していたのでしょうが、政令指定都市を見据え、もう自前の条例を持つべきではないでしょうか。そうすることで、今まで以上に食の安全を脅かしたり、高齢者をねらう悪質業者に対して断固たる態度で臨めるのはもちろん、何よりも大きな抑止力となるはずです。決して早過ぎるということはなく、遅きに失したという感さえある、この消費者のための条例を早期に制定されることを求めます。市長に条例制定に対する所感も含めてお尋ねいたします。
 また、産業文化会館からの消費者センターの移転について、せっかく法テラスを同じ産文5階に迎えてのワンストップ体制をしいたばかりでの分裂話。消費者センター自身もということですが、法テラスにとってはそれ以上に青天のへきれき、それまであった信頼関係にひびが入るかと心配いたしましたが、さすがに弁護士会も大人、当然でしょうが産文会館もお手伝いされ、無事水道町加地ビルさんへの移転が決まったようです。この市役所内の連携不足も猛省に値しますが、何よりもワンストップではなくなったことによる、マイナスをいかにカバーするかが今後の大きな課題でしょう。これまで以上の緊密な両者の連携が求められます。
 今後の消費者センターの移転場所、その周知も含め、来年4月に本庁に戻る県の消費生活センターを含む関係機関とのこれからの連携についても触れながら、市民生活局長にお尋ねいたします。
 その次のごみの問題は、先ほど述べましたし、先般と重なっておりますので割愛いたします。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、私の方から消費者保護のための条例制定につきましてお答えさせていただきます。
 先ほど御紹介もありましたけれども、食品偽装、毒物混入など、食の安全性を脅かすような事件や高齢者をねらった悪徳商法の横行など、消費者、生活者に大きな不安を感じさせる事件が後を絶たない状況にございまして、消費者や生活者の視点に立った安全で安心して暮らせる環境づくりは、重要かつ喫緊の課題であると認識いたしております。
 本市における消費者相談でございますが、架空請求が増加いたしました平成16年をピークといたしまして、減少傾向にあるとはいいましても、昨年度は10年前に比べますと約2倍の相談件数となっておりまして、また相談内容も複雑多様化しておりまして、解決のための関係機関との連携や、迅速かつ的確な対応が不可欠となっております。
 こうした中、国におきましては、消費者行政を統一的、一元的に推進しますための強い権限を持つ新組織消費者庁の創設に向けた消費者行政推進基本計画が閣議決定されまして、その中でその役割を十分かつ迅速、確実に果たしてまいりますため、消費者、生活者の視点に立つ行政への転換を地方自治体にも求めているところであります。
 本市といたしましても、消費者被害の未然防止、拡大防止等に対応するための体制づくりは重要であると考えておりまして、ただいま御審議いただいております第6次総合計画基本計画案の中におきましても、消費者保護施策の推進を掲げているところであります。
 お尋ねの条例の制定についてでございますけれども、消費者行政を進めてまいります上で有効であると考えておりますので、消費者保護の仕組みを総合的に見直してまいります中で、関係団体等の意見も踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
         〔原幸代子市民生活局長 登壇〕
◎原幸代子 市民生活局長  私からは、消費者センターの移転に関しての2点のお尋ねにお答えいたします。
 現在、産業文化会館の中にあります消費者センターは、市民の利便性を考慮いたしまして、来年4月からは花畑別館1階への移転に向けて関係部局とただいま調整を行っているところでございます。移転に伴う市民の皆様への周知についてでございますが、ホームページや各広報紙、またマスメディアなどを活用させていただきながら、利用者の皆様に不安や混乱が生じないよう、早い段階から周知を徹底してまいりたいと考えております。
 さらに、消費者センターの移転をお知らせいたしますチラシの中に、法テラスや県消費生活センターの移転先もあわせて紹介するなど、きめ細かな対応に努めてまいります。また、法テラス等の関係機関との連携についてでございますが、消費者被害の未然防止、拡大防止にもつながりますことから、これまで行ってきました情報交換のための連絡会議や、日々の連携を今まで以上に密にし、それぞれのノウハウを活用して消費者問題への迅速かつ的確な対応ができるよう努めてまいりたいと存じます。
         〔4番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員  総合的に見直すとのお言葉もありました。ぜひ早急なる消費者条例の制定を望みまして、消費者行政の充実を図られることを期待いたします。
 数日前に12月8日を迎えました。ジョン・レノンの命日とは覚えていても、この日のことを国民がどの程度記憶に残しているか疑問です。そう、不幸な戦争に突入した太平洋戦争真珠湾攻撃勃発の日であります。以来70年になんなんとする今日、そのすばらしいエネルギーで戦後の過渡期を克服しながら、いつの時代においても国民によって叫ばれてきたのは、未来に夢を託す教育復興であり、また政治に求められる素朴な倫理観の満足であると思います。今日いろいろな歴史観が飛び交い、一方蟹工船がブームになったことが示すように、すさまじく変貌を遂げている現代、戦後が再び反復するような世相であります。
 相次ぐ不祥事を見聞する中で、少し教育に時間を割いた感じもありますが、3日目の質問でもあり、時節柄合併政令市の現状についても角度を変えお尋ねしてまいりました。政治家としてまだまだ未熟な私に、諸先輩から、質問に美辞麗句を並べる必要はない、等身大の現在の姿を、その思いを素直に表現するようにとの御指導を受けてまいりましたが、省みていささか冗長になり過ぎ、表現力も稚拙、しかも質問によっては前後したり濃淡があり、またその内容が変身した向きもありじくじたるものを覚えております。
 思うに私は、お役人さんは第一義的には市民の皆様へ言葉を届け、理解される立場と思いますが、私ども議員政治家は特に人を動かす言葉を届け、市民の方々の琴線に触れる心のメッセージを届けられるかが問われていると思います。今後みずからを戒めながら、さらに市民の負託にこたえるよう研さんに努める決意でございます。
 以上、誠意ある御答弁、また御清聴に心から感謝を申し上げ、私の全質問を終了いたします。まことにありがとうございました。(拍手)
     ───────────────────────────
○牛嶋弘 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午後2時に再開いたします。
                             午後 0時07分 休憩
                             ───────────
                             午後 2時01分 再開
○牛嶋弘 議長  休憩前に続き会議を開きます。
     ───────────────────────────
○牛嶋弘 議長  質問を続行いたします。村上博議員。
         〔26番 村上博議員 登壇 拍手〕
◆村上博 議員  皆さんこんにちは。社民・民主・人(ヒューマン)市民連合の村上です。うかつにも大事な一般質問の前に風邪を引きまして、大変お聞き苦しいかと思いますがお許しください。ただし中身は今回も全力投球でまいります。
 さて、サブプライムローン、リーマンショックなどアメリカ発の金融不況の影響が日本の実体経済にも大変大きな影響を与えております。この厳しい状況を乗り切るために、毎日の生活を必死に送っておられる市民の皆さんの気持ちを伝える質問をしてまいりますので、市長を初め執行部の皆さんも真剣に受けとめてお答えいただくようお願いしながら、早速質問に入ります。
 最初に、ホームレス自立支援策についてお尋ねいたします。
 既に皆様も御存じのとおり、平成19年第1回定例会で、自立支援策の確立を求める請願が全会一致で採択されております。
 ところで、ホームレス自立支援法の条文にも明記されておりますが、ホームレスの人たちは、一人一人さまざまな理由で野宿生活を余儀なくされた人たちです。願ってそうなったのではなく、野宿生活を余儀なくされたという認識が、私たち社会の側には絶対必要です。なぜならば、もとは当たり前に普通に社会生活を送っていた市民がほとんどであり、会社の突然の倒産や失業、家のローン、家族問題、病気、多重債務など、これらの幾つかの項目が複雑に絡み合って自分の力だけでは解決できなくなり、もがけばもがくほど悪循環、負のスパイラルに落ち込み、ついにはホームレスとなり野宿生活を余儀なくされるというわけです。もちろん個別のケースではほかにもいろいろな状況があります。
 いずれにしましても、ホームレス問題には社会的な問題がその背景に存在しております。ホームレス問題で私たちが理解しなければいけないのは、個別の経緯はさまざまでも、一たんそうなってしまうともとの生活に戻るのはいずれの場合でも本人の力だけでは困難であるということです。その困難さについて、先日、大阪で二十数年間にわたり支援活動を続けている方が講演会で述べられた言葉に強く共感いたしました。「落ちるときは階段を落ちるように転がり、一番下まで落ちてしまうと目の前には垂直の高いがけがそびえている状態。」と表現され、ホームレスの人たちががけの上のもとの生活に戻るには一人では無理で、そこに支援が必要となります。ホームレスの人たちは自己肯定感が弱くなっているとも言われます。ですから、画一的な支援ではだめだということでした。
 住民票がなく就職活動や面接もままならず、自分自身の無能力の感情が強くなるそうです。さらには、長年にわたる劣悪な環境下での野宿生活で健康を害している人が多く見られます。こうした健康面に加え、心理的、精神的にダメージを受けている人たちへの支援は、社会復帰へのリハビリが必要となり、時間と根気が必要になります。支援の第一歩は、同じ目線で人としての尊厳を持って接することが何より大事であり、健康を回復し体力をつけ、心をリハビリし、社会復帰への意欲を高めないと支援がうまくいかず、そのためのプロセスが何段階もあるのです。
 現在、本市の取り組みとして3名の方が巡回し、個別支援計画に基づき就労、医療、生活保護などの支援が行われております。しかし、これまで述べてきました支援のあり方から検証すると、生活保護行政の域を全く出ておらず不十分であると言わざるを得ません。そうした中、NPO法人熊本ホームレス自立支援の会では、毎月末のおにぎり配りや健康相談、シェルターの提供、週2回の食事の提供、住宅相談、就労相談、夜回り、衣類などの日用品提供、生活相談などの日常活動のほかにも、クリスマス会、新年会、年に2回の温泉旅行など、野宿生活からの脱出、自己肯定、尊厳の回復へ向けた同じ目線の何段階もの支援活動、プロセスを実に根気よく続けておられます。
 支援の会がことしの4月から10月までの6カ月間に受けた相談件数が、総数で600件を超えたそうです。一月に直すと100件、1日平均3件強の数字になります。支援の会の悩みは、活動する人すべてがボランティアのため、緊急を要する場合にタイムリーに対応できず、そんなケースが相談件数の増加とともにふえてきていることです。活動資金はほとんど寄附に頼っているため十分ではなく、専従のスタッフが置けず、その都度携帯のメーリングリストで都合のつく人を探し、かろうじて急場をしのいでいるそうです。
 ところで、昨年12月から先月までの間に、6人のホームレスの方が亡くなられたそうです。30代が1人、50代が3人、60代が2人、そのうち2人は生活保護を受け畳の生活を送られていたそうですが、人生80年と言われる時代に何と短い人生でしょうか。一たん切れた社会とのつながりを再び結ぶには時間がかかり、人知れずこの世を去られた幾つかのケースで、メンバーの人たちは都合をつけ合い、火葬場でのお別れ会をされましたが、畳の生活になった後も訪問活動などのフォローができていたらと悔やまれておりました。
 人知れずこの世を去る人がいない社会の実現を目的にホームレス支援が始まったわけですが、昨今の状況はネットカフェ難民、派遣社員、非正規雇用者の雇いどめ、リストラ、失業など、ホームレスを生み出す社会的状況はますます悪化の一途をたどっております。こうした状況ですから、なおさらのこと支援の会の存在や活動は、安心のセーフティネットとして大変重要だと思います。しかしながら、先ほど述べましたように、支援の会の活動内容に対して、その存在意義が格段に増大しているにもかかわらず、会の現実は財政的問題が深刻です。
 そこでお尋ねいたします。
 総合的なホームレス自立支援を行う上で、支援の会に事業の一部を委託できないでしょうか。委託できれば本市のホームレス支援施策の総合的な体制が一段と充実し整うことになり、現在よりはるかに効果がある施策の展開ができると考えます。考えをお聞かせください。
         〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  ホームレス自立支援策についてお答えいたします。
 本市では、ホームレスの自立支援に関する実施計画を策定し、就労や生活、医療等の個別支援プログラムの作成を行うとともに、相談窓口の設置、巡回指導員の増員などの取り組みを進めてきたところでございます。また、民間支援団体におかれましても、緊急一時避難場所や食事の提供、健康や就労、住宅相談などに熱意を持って取り組んでいただいております。その結果、本市のホームレスの人数は、平成19年1月が92名、平成20年1月が86名、本年11月末までに巡回指導員が確認した時点では70名となり、ホームレス支援についての成果があらわれていると思っております。
 しかしながら、最近の経済状況の低迷に伴い、雇用情勢も急激に悪化しつつあります。このような急激な環境の変化を踏まえますときに、今後ともさらに民間支援団体との連携を密にしていく必要があると考えており、市民協働の取り組みの推進という観点から、ホームレス支援のあり方について他都市の状況等も踏まえながら、研究を進めてまいりたいと存じます。
 〔26番 村上博議員 登壇〕
◆村上博 議員  今、健康福祉局長の方から、民間支援団体との連携を密にする必要性に加え、一部委託も含め市民協働の取り組みの推進を研究するとの、これまでよりも一歩踏み込んだお答えをいただきました。セーフティネットの構築が機能することが、市民にとっても安心を実感することにつながってまいります。研究に長い年月をかけずに、一日も早い実現を強く要望しておきます。
 続きまして、居宅介護の適切な支給決定についてお尋ねいたします。
 最初に皆様に一つの数字をお示しいたします。平成20年1月、熊本市20.6%、全国7.9%、2.6倍、平成20年2月、熊本市19.4%、全国7.9%、2.5倍、平成20年3月、熊本市23.2%、全国7.8%、約3倍。これは重度訪問介護の利用者の割合です。この数字のもとは、熊本市の分は障害者自立支援給付状況報告書様式3−2から、全国の数字は社会保障審議会障害者部会からの資料です。
 ただいま紹介した数字は、全国の自治体における重度訪問介護の利用者数と居宅介護の利用者数を比較したものです。今の数字を頭に入れていただいた上で、以後の質問をさせていただきます。
 まず、平成19年2月16日付、厚労省社会援護局障害福祉課からの事務連絡文書、重度訪問介護等の適正な支給決定についてを紹介いたします。役所の文書ですのでわかりにくいとは思いますが、重度訪問介護等の支給決定に係る留意事項として、「重度訪問介護については、1日に複数回行われる場合の1回当たりの居宅介護サービスについても、基本的には、見守り等を含む比較的長時間にわたる支援を想定しているものであり、例えば、見守りを含まない短時間集中的な身体介護のみが1日に複数回行われた場合に、単にこれらの提供時間を通算して3時間以上あるようなケースまでを想定しているものではなく、重度訪問介護の要件に該当するものであっても、サービスの利用形態によっては、重度訪問介護ではなく居宅介護の支給決定を行うことが適切な場合があることを留意して適切に支給決定を行うこと。」といった内容です。
 つまり、これは何を説明しているかというと、1回の介護が3時間以上になる場合には、重度訪問介護を適用するのが原則ですが、短時間の身体介護を1日に何回か行って、通算して3時間以上になった場合は違いますよということを言っているわけです。この事務連絡では、重度の障がい当事者の自己決定による地域での自立生活を支援するための支給決定が、障がいの状態やニーズに応じて適切に行われていないことにかんがみ、通達されたものです。
 しかし、全国の自治体へ向けられた一般的な通達ではなく、この通達の一番の目的が、主に熊本市の支給決定の仕方が、国が想定した内容を理解しておらず一方的に解釈し熊本市独自の支給決定を行っていることから、まさに熊本市のみに向けて出された事務連絡となれば、これは大変にゆゆしき問題です。ところが、大変残念なことに、熊本市障がい保健福祉課はこの事務連絡文書に対して、これは単なる事務連絡でしょうと、指摘されたことの問題点について受けとめる姿勢を全く示しません。国が指摘した3時間にこだわるべきではないとの事務連絡の内容が理解できないようです。
 私は、こうした熊本市障がい保健福祉課の独善的な解釈と、支給決定の問題点と、今後及ぼす影響をこれまでも何度となく指摘してまいりました。その中で、この問題に対する市長の認識や当事者、事業者、行政のあるべき姿について、何とか信頼関係に基づく話し合いによって共通理解が進み、共通認識を持つことによって、障がい当事者の地域での安心した生活、安定したサービス供給の事業が行われることを願って、たび重なる質問をしてきたわけであります。
 確かに、昨年6月議会での市長の答弁を受け、当局と事業所ネットワークとの話し合いは先月を最後に何度か行われましたが、障がい当事者、事業所ネットワークの共通認識、信頼関係どころか不信感を取り除くにも至りませんでした。この給付決定事務については、冒頭に示しましたとおり、熊本市の重度訪問介護の給付決定数の割合は、全国の自治体と比較して2.5倍から3倍と、余りにその給付決定数の割合が突出しており、不信感を持たせる原因となっております。熊本市の障がい者福祉についての使命感とやる気が、全国規模で大きな問題として話題になっており、そうしたことが問われているにもかかわらず、問題解決に本気で取り組もうとしない、この1年間の当局の不誠実な対応が問題でもあります。
 私としましても、これまでかなり丁寧に問題の本質と今後重大な局面に発展する可能性をはらんでいることを、市長にはお伝えしてきたつもりであります。今回で3回目のお尋ねになってしまいましたが、受けとめていただいていたのでしょうか。また、これまでの局長答弁では、一部当事者の負担額や給付時間数の問題にすりかえた答弁をされてきたことで、真正面から解決しようとの姿勢が見られず、こうしたことも不信感を大きくしてまいりました。
 重度障がい者の地域での生活を支えようとしている事業所は、今や使命感だけで必死に毎日の介護事業を行っております。私はわずかな希望を持ち、再々度市長にお尋ねいたします。3者の信頼関係を今後どうやって修復されるおつもりかお尋ねいたします。そして、健康福祉局長には、問題の認識と問題を解決しようとのお気持ちはおありなのかどうか、あるとすればどのように解決されるおつもりか、お尋ねいたします。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  居宅介護の支給決定に当たりまして、利用者、事業者、行政の3者の信頼関係につきましてお答えさせていただきます。
 障がいのある方の地域生活を支えますための障がい福祉サービス提供につきましては、利用者、事業者、行政の3者が認識を共有する必要がありまして、さまざまな課題や問題点につきましても、利用者及び事業者の皆様方の御意見を踏まえていくことが重要であると考えております。このため、これまで平成18年度から利用者及び事業者の方々と、障がい福祉サービスの利用者負担についての意見交換を重ね、平成19年度には本市独自の利用者負担の軽減を実施したところであります。
 また、平成19年7月からは、介護事業所ネットワークの方々と10回を超える協議を行ってきたところであります。さらには、本年5月でございましたけれども、私もゆめトークにおきまして、利用者及び事業者の皆様方から直接お話を伺う機会がございまして、重度の障がいをお持ちの方が地域で生活する大変さ、あるいは事業所の皆様方の御苦労などを伺ったところであります。
 居宅介護の支給決定に当たりましては、利用者や事業者の方々の御意見をお伺いし、お互いの認識の共有化を図るよう、さらなる努力が必要だと考えております。
 今後、さらに利用者のニーズや提供されるサービスの実態を的確に把握し、3者の共通理解を進めることによりまして、障がい者の皆様が安定した生活を送ることができますよう努力してまいりたいと考えております。
         〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  私からは、居宅介護に関する今後の対応についてお答えいたします。
 居宅介護の支給決定に際しましては、平成19年2月の厚生労働省からの事務連絡の内容を踏まえまして、提供時間が通算して3時間以上ある場合に、一律に重度訪問介護を適用することなく、実際の利用実態に即し給付するサービスを判断することを基本とし、これまで事業所ネットワークの方々と、その運用について検討を重ねてまいったところでありますが、今のところ協議が進まず、残念ながらお互いの信頼関係を構築するまでに至っていない状況にあります。
 居宅介護の支給決定に当たりましては、利用者のニーズや提供されるサービスの実態を的確に踏まえる必要があります。また、サービスの提供に当たりましては、事業者の方々が果たす役割が大変重要であると認識しており、障がい者御本人にとってよりよいサービスが提供できるよう、当事者御本人の御希望をしっかりと踏まえることはもちろんのこと、事業所ネットワークの方々とも認識の共有化を図っていくため、さらに協議を密にし、お互いの信頼関係の醸成に努めてまいりたいと存じます。
         〔26番 村上博議員 登壇〕
◆村上博 議員  県の障がい者支援総室が調べた、九州各県の重度訪問介護決定に関する状況が手元にあります。それによると、例えば佐賀県のある自治体では、サービス提供が長時間にわたるものを、必ずしも重度訪問介護に支給決定しなくてもよいことを国に確認し、居宅介護と重度訪問介護の必要性を検討して支給決定をしている、そういった市町村があると記されております。
 このくらい柔軟に裁量を働かせて当事者の立場に立った支給決定をしている自治体があるわけであります。一昨年の12月議会、そして昨年の6月議会、そして今議会、市長はその都度、事業者の果たす役割の重要さを認識していること、さらに3者の共通理解があって、障がい当事者の安定した生活が送れること、そのように努力する旨、同様の答弁をされております。
 私は、市長の本会議場での答弁が軽いものになってはいけないと思っております。介護難民が出てしまってからでは遅いんです。私自身、ネットワークの方々のせっぱ詰まった気持ちがひしひしと伝わってまいります。熊本市における居宅介護事業が崩壊するのではないかという大変な危機感を感じております。どうか市長にも今後の展開に重大な関心を向けていただきたいと、強くお願いいたします。
 また、局長からは認識の共有化のため、今後改めて協議を密にし、信頼関係の醸成に努めるとの決意をお聞きしました。事業所ネットワークの人たちは、みずから介護の現場に入っておられる方たちです。介護現場の実態を熟知されている方たちからの重い問題提起をいただいてきたわけです。局長の決意に改めて期待すると同時に、ネットワークの皆さんに深甚なる敬意を表していただきたい。それなくして信頼関係は醸成されないことを申し添えて、解決に向けて全力を挙げていただくことを強く、強く要望しておきます。
 続きまして、緊急サポートネットワーク事業についてお尋ねいたします。
 残業などで子供を保育園に迎えに行けないときなど、親にかわりサポーターと呼ばれる人が保育園に迎えに行き、サポーターの自宅で預かる仕組み、すなわちファミリーサポートと呼ばれるこの仕組みの名称を、議員各位は既に何度となく聞かれたことがあると思いますし、同時に共働きの子育て世帯が大変助かっている制度であることも、既に御存じだろうと思います。
 ところで、緊急サポートネットワーク事業というのを御存じでしょうか。これはファミリーサポートの病児保育版と言える仕組みです。厚労省は、働きながら子育てをする人の就労の継続を目的とし、平成17年、県域におけるシステムの提案として、子供の緊急時に対応する事業の公募を行いました。本市でも病児・病後児保育の一番の実績を持つNPO法人が中心となって、県内の小児科医や病児保育室の関係者が実行委員となり、こども緊急サポートネットワーク・熊本が立ち上げられ、委託事業が始まりました。
 平成17年12月の活動開始当初から、利用希望者311名、サポーター140名と全国一の登録者数だったそうであります。その後も登録者数はふえ続け、平成20年8月末時点では登録者数は1,237名を数えました。それから3カ月後の11月末には1,904名、そのうち実に84%に当たる1,597名が熊本市内の登録者だそうであります。平成20年度も登録者数、利用稼働件数ともに全国一だそうであります。
 このことからも、本市の共働き世帯、母子世帯、父子世帯の親たちにとって、子供の緊急時の対応を求めるニーズは私たちの予想をはるかに超えており、大変切実かつ重要なニーズであると言えます。ところが、厚労省は平成21年度からの事業を廃止し、市町村事業として取り組むようにその方針を伝えてきております。まさに来年度の予算編成作業にとりかかる9月に突然市町村に伝えてきたわけであり、猶予期間も置かず、しかも継続のための予算措置も十分に行わずに事業を打ち切る方針であり、本市だけではなく全国の自治体に同様の混乱をもたらすものであり、国に対して極めて大きな不信感を抱かずにはおられません。しかしながら、事業継続についての国からのアンケートに対し、本市では平成21年度の事業は行わない旨、回答したと聞き及んでおります。もしそれが本当であるなら、事は本市の子育てにかかわる重大な問題であります。
 次世代育成行動計画ひびけ!子ども未来プランでは、基本方針の最初に「子どもを育てる家庭を支援します」と掲げ、方策2として、「働きながら子どもを育てる家庭への支援」が明確にうたってあります。共働き世帯、母子世帯、父子世帯など子育て中の世帯の緊急時の不安を考えたとき、到底見過ごすことができません。国の直轄事業だったとはいえ、この3年間利用する利用しないにかかわらず、登録した本市の子育て世帯が安心して働いてこられたことは、セーフティネットがしっかり機能した3年間だったことに間違いがないのです。熊本市だけでなく、県の内外からも高く評価されております。
 財政基盤を立て直す最大の理由と目的は、市民にとって必要なサービスは何としてでも提供するためではないでしょうか。例えば、一口城主で集まった基金にしても、あらゆる財源を精査し、平成21年度以降もぜひ緊急サポートネットワーク事業を、本市が引き継ぎ実施すべきだと考えますが、市長の考えをお尋ねいたします。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  ただいま議員から御紹介がございましたように、子育てをしながら仕事を続けてまいります上での大きな問題の一つが、子供が病気をしたときに仕事を休まなければならないことでもありまして、共働きの家庭はもとより、特に母子家庭等のひとり親家庭におきましては、大変切実な問題であろうと認識いたしております。そのようなことから、本市におきましては保護者の子育てと就労の両立を支援いたしますために、病後児保育を平成11年度からスタートさせております。そして、平成16年度に1カ所、さらには平成18年度には2カ所をそれぞれ増設いたしまして、現在市内4カ所の施設で実施しておりますけれども、昨年度実施いたしました保育需要調査におきましても、子供が病気のときの預かりにつきましてのニーズは大変高いという結果をいただいております。
 したがいまして、先般策定いたしました保育所整備計画におきまして、来年度以降も病後児保育の充実に取り組んでまいりますために、新たに4カ所を増設することといたしておりますし、働きながら子供を育てる家庭に対する支援策のさらなる充実につきましても、早急に検討したいと考えております。
         〔26番 村上博議員 登壇〕
◆村上博 議員  ただいま市長から病後児保育の充実に加え、働きながら子供を育てる家庭への支援策のさらなる充実について、早急に検討したいとの大変力強く前向きの答弁をいただきました。これも雇用状況が一段と厳しさを増している中でのセーフティネットです。子育て世帯への大変大きな朗報だと思います。ぜひ引き続き継続して事業を行われますように、どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、療育ネットワークの構築についてお尋ねいたします。
 子ども発達支援センターの現状と今後の方向性に関しての質問です。まず、最初に本年4月にオープンしました子ども発達支援センターについて幾つかお尋ねいたします。
 このセンターは本市初の療育センターであり、長い設置要望活動の歴史は既に同僚議員の皆さんも御存じのとおりですし、それだけに多くの方々の大きな期待を背負っての船出であったわけです。子ども発達支援センターの運営方法は、平成16年以降地域の社会資源を活用したネットワーク方式で運営すること、療育を受ける場が自宅から近い場で行われる地域生活モデルであることが、これまでのさまざまな議論の中で確認されております。
 しかしながら、オープンして8カ月、実態は違っております。6月の第2回定例会における有馬議員の質問中で、相談の待機者が増大し、半年から最長1年待ちの相談者が出ていることが指摘されました。発達相談窓口からの継続相談者が270名、新規相談者が230名、電話での対応で済んだのが100名、200名が対応済み、残り200名が相談待ちとの説明でした。
 しかし、以前、湖東の市民病院の近くで10年前に開設された発達相談窓口での状況を聞いたことがありましたが、その時点でも大変な数の多さでした。既にこういった状況はわかっていたことであります。
 さらに私は、平成16年度の質問の中で、今後予想される療育ニーズについても、文部科学省が平成15年に報告書の中で示した特別支援教育の対象者が6.3%という数字から、熊本市の毎年の出生数約7,000人とすると、毎年約440人の対象者が生まれる計算になることを示し、そのニーズに対応できるネットワークの体制を構築しなければならないことを示しました。そのことからすると、オープン2カ月で200名の相談の待機者を出したこと自体、地域のネットワーク構築ができていない、準備ができていなかったことのあかしではないでしょうか。ネットワークの構築が進んでいなかったことで、子ども発達支援センターは4月のオープン以来、押し寄せる相談者に対応し切れなくなったのではないでしょうか。
 現在、センターは待機者をなくすための検査、診察、診断の医療モデルと化して、さらに地域ネットワークの構築に手が回らなくなっている状態に思えます。現在では待機の相談者は3カ月待ちほどに緩和されているようですが、検査、診察、診断はその後の療育方針を決める際に必要なことですが、このこともネットワーク全体で受けとめ、待機者を出さないネットワークの構築が不可欠なのです。
 こうした意味からして、当面の最大の課題は待機者をなくすことという子ども未来局長の認識は、今回の事態がネットワークの構築ができていないことから発生したという現状分析が抜けており、ずれております。これまでの長年にわたる議論の中で、地域の中核として市域5カ所にある保健福祉センター、地域の療育の場として、児童デイや保育園が挙げられていました。診察、診断は地域の医療機関と連携をとりながら、役割を分担するとの説明でした。さらには、対象者の年齢が18歳以下であることから、当然ながら学校や公民館などの教育機関もネットワークに位置づけられております。これらの社会資源を、多層的にネットワークとして構築するシステムエンジニアとでもいうべき立場の人が見受けられません。ただし、北保健福祉センター館内には、社会資源とそれらを機能させる協議会を立ち上げられ、比較的実効を上げていると聞いております。ところが、地域の中核である保健福祉センターでは、早期発見の機会と療育の場へつなぐ1歳半児健診、3歳児健診の事業を行っておりますが、療育事業の主管部署から明確な位置づけ、事業の分掌が示されていないようです。
 10月、児童デイサービスを行っている横手保育園、麻生田保育園を見学に行きました。その日利用されていた3歳児のお母さんのお話では、市民病院での出産時の障がいで、市民病院から松橋のこども総合療育センターを紹介されたそうです。そのお母さんは、2年前に知り合いの方から児童デイを行っている小島保育園を教えられ、その小島保育園に見学に行かれたら、自宅に近い横手保育園の児童デイを紹介されたそうです。そして現在、横手保育園で週2回、児童デイを利用されているというお話しでした。もちろん、子ども発達支援センターがオープンする前の話ではありますが、1歳半、3歳児の健診は西保健福祉センターで受けたものの、横手の児童デイサービスについては全く情報提供を受けていなかったそうであります。
 ちょうど見学に行った日、西保健福祉センターの保健師さんが、3組の親子を見学に案内されていましたので、そのお母さんは療育の輪から多分漏れたのではないでしょうか。しかし、その子供さんの今後の成長ごとのニーズの変化を考えると、この親子の療育に関するコーディネートをどこの機関のだれがするのだろうと思いました。
 また、横手保育園と麻生田保育園での共通した悩みは、担当職員が十分な研修を受けられないとの訴えでした。もちろん、10日間の体験研修、充実研修、フォローアップ研修と段階的な研修は考えられているようですが、前の2つの研修は受けたが、フォローアップ研修は定員が20名のため選に漏れたと、大変残念そうにおっしゃいました。地域の療育現場の人材養成や、スキルアップのための研修についても、私はこれまでの質問でお尋ねしてきました。さらには、障がい児の保護者の大きな悩みの一つに、就学問題があります。また、入学してからの悩みもあります。
 自閉症のお子さんを持つあるお母さんから相談を受けました。学校での学力は問題ないと担任の先生から言われているが、表現であったり、級友とのコミュニケーションなど生活しづらいという悩みを抱えているが、担任の先生がそのことを受けとめてくれないので、子ども発達支援センターに相談した、ところが学校から支援要請がなければ動けないと言われたというものでした。これではもはやネットワーク構築どころか、保護者の相談を受けとめ問題解決できない状態に陥っております。すべてのケースではないかもしれませんが、いまだに縦割り意識が現場を支配しております。ネットワークの構築には、実際に社会資源を開拓し、研修体制を考え、保護者の相談をネットワークに乗せるコーディネート、地域の療育現場への支援などなどもろもろの課題が横たわっております。子ども発達支援センターを中核とした療育事業の旗振り役、司令塔である所管課は果たしてどこなのかお示しください。
 出足からつまずいたとはいえ、多くの保護者や関係者の長年の期待を担って船出したセンターであります。これから本気になって地域療育のネットワーク構築へ向けて動かなくてはなりません。
 そこで、市長にお尋ねいたします。
 平成16年の質問で、センターの運営手法について、明確に答弁された子ども発達支援センターの現状についてどのようにお考えか。
 また、これからネットワーク構築に専念するシステムエンジニアとして、社会資源の活用に精通した新たな人材が必要であり、具体的には社会福祉士の活用です。複数の社会福祉士を含む人材を確保して、早急にネットワーク構築に取り組んでほしいと思いますが、いかがお考えか関係局長にお尋ねいたします。
         〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  子ども発達支援センターの現状についての認識ということで、お答えさせていただきます。
 御案内のとおり、子ども発達支援センターは、障がいまたは障がいの疑いのある児童と、その保護者の皆様方が住みなれた地域社会の中で、その人らしく生きていけること、そしてまたライフステージに応じてさまざまな支援機関が連携をした、途切れることのない支援を受けられることを目標としたネットワーク型の療育システムの中核施設として、本年4月に開設したところであります。このネットワーク型の療育システムを構築いたしますため、平成16年度から関係機関、団体の皆様に参加いただいた連絡会議を立ち上げまして、役割分担や相互連携についてさまざまな協議を行ってきたところであります。しかしながら、その療育システムとしての完成につきましては、いまだしの感もございます。
 先ほどお話もいただきましたように、子ども発達支援センターの設置につきましては、長年の悲願でもあったわけでございます。それを達成しました今、あとはそれをどうやって有効に機能させていくかということ、その意味におきましてただいま貴重な御指摘、御意見をいただいたと感じておりますので、十分にただいまの御指摘を踏まえました上で、多くの皆様方の御期待にこたえられますよう、これまで以上に取り組んでまいりたいと考えております。
         〔木村正博子ども未来局長 登壇〕
◎木村正博 子ども未来局長  私の方からは、熊本市における発達支援のあるべき姿と位置づけております療育ネットワークの構築についてお答えいたします。
         〔議長退席、副議長着席〕
 まず、その取り組みの現状でございますが、本年4月の開設以来、対象をそれまで小学校就学前としておりましたものを18歳までに拡大したこと、さらに市民の皆様方の期待が大きかったことなどから、相談者が急増し、まさに走りながら考えるといった状態にございました。そのような中、8月22日には熊本市療育支援機関ネットワーク会議代表者会議を、10月9日には実務者会議をそれぞれ開催するなど、今後の取り組みについて協議を続けているところでございます。
 なお、御紹介いただきましたように、北保健福祉センター管内におきましては、保育、教育、保健、福祉などの関係者の方々による北部地域発達支援ネットワークの発足がなされており、今後の取り組みを期待しているところでもございます。また、地域において障がい児を受け入れていただく幼稚園教諭や保育士の皆さんに対する研修も平成16年度から実施しており、366名が受講されておりますし、保健福祉センターの保健師も77名が研修を受けております。さらに、御指摘いただきました子ども発達支援センターを中核とした療育事業の所管につきましては、健康福祉局と連携をとりながら、子ども政策課を中心にとりまとめてまいりたいと考えておりますし、職員の配置につきましても検討させていただきたいと存じます。
         〔26番 村上博議員 登壇〕
◆村上博 議員  療育システムとしての完成については、いまだしの感ということで、これまで以上の取り組みを約束いただきました。この問題にもぜひ関心を持ち続けていただきたいと思います。
 さらに、局長からは療育事業の所管について、福祉局と連携をとりつつも、子ども政策課で行うとの答弁でした。ネットワーク構築のための人的配置も検討されるとのことですので、司令塔の役をしっかり果たしていただき、市内全域のネットワークの構築に取り組んでいただきたい。私は長年この療育問題に取り組んできておりますので、今後も一緒になって構築へ向けた活動をしていきたいと思っております。
 続きまして、福祉給付事業についてお尋ねいたします。
 重度の障がいを持つ女性が、日常生活給付事業を活用してトイレの改造を行った際の話です。
 障がい者の住宅環境を整備するときに心しなければならないのは、相談に乗る側が障がいの違いによる生活スタイルの違いを理解することです。障がいの違いはまさに千差万別です。例えば半身麻痺の左右の違いで、使いやすい手すりの取りつけ位置は全く逆になることを想像してもらえればおわかりと思います。特に重度の障がいを持っているとなると、その特性を理解し熟知した上で改造したり、さまざまな工夫を凝らさないと、せっかく設置工事をしても使いづらいものとなってしまいます。この女性の場合、最終的には便器自体を床に埋めて設置することで、介助者も介助しやすくなりましたし、その女性の満足いくでき上がりになったそうです。
 ところが、何度も現場に足を運び、何度も打ち合わせ、相談しながらアイデアを出し設計された工務店の方の手間暇は、現在の仕組みでは報われません。すなわちこの女性のように、日常生活給付品としてトイレの便器が給付される場合、入札で一番安い価格を出し、別の業者から納品されます。最初の段階からかかわった工務店の、障がいを熟知した上でのバリアフリーの知識が反映されなかったのです。今後、障がい当事者の住宅環境整備において、障がい者の生活実態にも詳しく、バリアフリーの知識と工夫ができるアドバイザーである施工者の確保はどうなっているのでしょうか。そして、今回のようなケースの入札の改善はできないでしょうか、お尋ねいたします。
         〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  福祉給付事業についてお答えいたします。
 障がい者の方が便器の取りかえや手すりの取りつけ、段差の解消等の住宅改修を行われる際には、御本人の身体機能や生活状況、住宅の現状等を熟知した施工業者が、状況に即してどの用具をどのように設置するのか、十分事前に検討を行う必要があります。このため、今年度、熊本市在宅重度障害者日常生活用具住宅改修費給付事業実施要綱を制定し、利用者御本人が施工業者を選定できるよう定めております。また、改修に含まれる用具につきましても、御本人の御希望により選定された施工業者が手配できることとしております。
 今後とも、障がい者の方々や関係する専門家の方々等の御意見を伺いながら、きめ細かな対応に努めてまいります。
         〔26番 村上博議員 登壇〕
◆村上博 議員  本年4月施行の要綱により、実態に即し当事者のニーズに合うような体制になっているとの答弁でありました。安心しました。今後ともよろしくお願いいたします。
 続きまして、高齢者・障がい者の移動手段としての公共交通機関についてお尋ねいたします。
 「廃止を含め検討へ、熊本市バス来年度早急に結論」という大きな新聞見出しが踊りました。先月末に開かれたバス交通のあり方検討協議会で、森田副市長が明らかにしたものです。確かに、市の財政計画に影響を与えるほど交通局の累積赤字が膨らんでいることは私も承知をしておりますが、この新聞記事の見出しである交通局の市バスからの撤退という文言がひとり歩きすることで、バスや電車しか利用できない立場の車いすの人たちや、車を運転しない高齢者の人たちなど、見落とされている視点があるのではないかと危惧いたします。つまり、高齢社会がますます進行する中で、高齢者・障がい者など、交通弱者と表現される人たちの移動手段としての将来の公共交通の姿が、市民の前にほとんど示されていないからです。公営交通としての公共交通機関である交通局は、累積赤字の問題はあるにせよ、1997年のノンステップバス導入以来、市内全域における高齢者・障がい者の移動手段としての大きな役割を果たしてまいりました。
 現在、交通局は161台のバスを所有し、そのうちノンステップバスが49台を占め、導入比率は30.4%になります。もちろん、これらの数字は熊本県内では断トツであり、台数では28台の九州産交バスより21台多く、導入率では11.40%の熊本電鉄のほぼ2.7倍です。国交省がまとめた平成19年度末のノンステップバス導入率を見ますと、熊本県は台数96台、導入率9.20%と、ともに九州の中では1位です。交通局の実績が押し上げているからです。
 1997年8月に日本で初めて導入された低床電車よりおくれたものの、同じ年の10月に最初の1台が導入され49台にまでふえてきました。しかし1路線当たりの配車は2台までいかず、ノンステップバスの便利さ、乗降のしやすさを利用者が実感するまでにはまだ至っていないというのが現実であります。ノンステップバスを利用する電動車いすの仲間からも、台数が少な過ぎると常々言われ続けてまいりました。定期点検で運休し、代替はステップのあるバスだったので乗れなかった、約束の時間に間に合わない、時間が計算できない、既に車いすの乗客がいたら乗れないなどなど、ノンステップバスが少ないことでの問題は数知れずあります。しかし、それでもゼロのときと比べれば、この10年間の交通局の努力には大いに敬意を表しますし、人の力をかりずにバスに乗って目的地まで行けたことの喜びは、大変に大きいものがあります。
 しかし、今回の市バスからの撤退という新聞記事には、累積赤字など財政的なことは書いてありますが、高齢者・障がい者など、交通弱者の人たちの日常的なバスによる移動に対する将来的な公共交通の姿は示されておりません。
 現在の状況は、ドア・ツー・ドア、1人に1台のモータリゼーションの進行と反比例して、バスの乗客が減少を続けてきたことは明らかです。果たしてこうした状況に一大変化が起こり、都市バス会社を中心としたバスによる公共交通機関が安定的に存続できるのでしょうか。利用者サイドに立った説明が同時に丁寧になされないと、交通弱者と呼ばれる人たちの存在は、ないがしろにされているようにすら感じられます。
 来年度、交通局から都市バス会社に39台のバスが有償譲渡され、39台のうち11台がノンステップバスでスタートするようです。国土交通省は2010年までの導入率を30%と打ち出しております。現実的には、導入比率が50%を超え100%に近づかないと、高齢者・障がい者の人たちの移動手段が保障されたとは言えないでしょう。これまで申し上げてきた点について、展望をどのように開いていかれるのか、わかりやすくお示しください。森田副市長の見解を求めます。
 続きまして、低床電車の導入についてお尋ねいたします。
 平成20年度当初予算に、低床電車を2両導入する予算が計上されておりますが、年度末を3カ月後に控え、導入の見通しはいかがでしょうか。さらに、九州新幹線の全線開業も迫っております。駅前の再開発に伴って、歩道側を電停とするサイドリザベーションが一部計画されておりますが、市民の皆さんには計画の詳細がよく伝わっておりません。さらに、サイドリザベーションは今後拡大されるのでしょうか。現在35カ所の電停のうち、利用できる電停が11カ所です。
 歴史的には日本初の導入で注目を集めた本市の低床電車でしたが、97年の導入以来、ただの1カ所も電動車いすで乗降できる電停がふえておりません。この新幹線開業を機に、熊本駅周辺だけはサイドリザベーション区間の設置、軌道敷の緑化など華々しく報道されますが、熊本駅周辺以外で乗降できる電停の整備についてはどうなっているのでしょうか。今後の電車事業の見通しとともにお尋ねいたします。
 〔森田弘昭副市長 登壇〕
◎森田弘昭 副市長  私からは公共交通の展望についてお答えいたします。
 現在の本市の公共交通環境は、過度のマイカー依存になっており、こうした状況下にあって高齢者や障がい者などの交通弱者の方々にとって、公共交通が極めて重要な移動手段となっていることは、私どもも強く認識しているところでございます。
 このような中、公共交通手段の一翼を担っているバス交通は、御案内のとおり危機的な状況にあり、民間事業者におかれましては利用者の減少による不採算路線の撤退、交通局においては資金不足比率158%という大幅な累積赤字状態で、その経営は大変厳しいものとなっております。このため、この危機的状況を克服し、持続可能なバス交通を維持していくためには、利便性の高いバス路線網の再編や、利用促進策の推進、さらに効率的な事業経営のための運行体制を確立することが重要と考えておりまして、本市ではバス交通のあり方検討協議会を設置し、このようなことを中心に御議論いただいているところでございます。
 さきに述べましたように、交通局の経営状況は大変厳しいものの、公共交通の重要性をかんがみれば、交通局がこれまで担ってきました信頼度の高いバスサービスを市民に提供する方策を考えることは必要なことだと考えております。さらに、市内では市バスを含め4事業者が運行しており、事業者間競争の中で経営は大変厳しいことから、民間事業者の体力向上もまた図る必要がございます。一方で、昨年12月民間バス事業者3者による熊本都市バス株式会社が設立されたことから、これまで必ずしも十分でなかったバス事業間の連携を強化する好機も訪れております。
 このような背景を踏まえ、本市のバス交通全体を抜本的に見直し、利便性の高い持続性のあるバスサービスを実現するために、このたびのバス交通のあり方検討協議会で、交通局のバス事業について廃止を含め検討する必要があると申し上げたところでございます。
 お尋ねのバス交通の将来のあり方としては、都市バス会社がバス事業全体の運行管理の一元化を図る役目を担う民間バス事業者のリーダーとしての役目を担い、行政は高齢者や障がい者などの移動手段の確保という観点も含め、望ましい路線網の形成や維持、利用促進の充実に、これまで以上に関与していく姿が望ましいのではないかと考えているところでございます。
 最後に、ノンステップバスの導入状況でございますが、現状では民間バス事業者の経営が苦しいこともあり、必ずしも満足できる状況ではないと理解しており、バス交通のあり方検討協議会で策定を進めております地域連携計画において、ノンステップバスの導入を掲げ、その推進に向けて努力してまいりたいと考えております。
 なお、来年4月に予定しております市営バス本山管轄路線の移譲におきましては、ノンステップ車両も含めて移譲し、移譲路線を御利用の皆様の利便性を損なわないような措置を講じてまいりたいと考えております。
         〔石田賢一交通事業管理者 登壇〕
◎石田賢一 交通事業管理者  低床電車の導入についてお答えいたします。
 今年度導入予定の車両についてでございますが、2編成を導入する予定でございます。本年6月6日に鉄道建設・運輸施設整備支援機構から補助の決定通知をいただいており、来年3月中には運行開始する予定でございます。現行車両と比較しますと、車両の長さはほぼ同じですが、座席定員は若干名ふえる予定でございます。また、車両デザインは現行車両よりも丸みを帯びた形となっており、車体側面の肥後椿をイメージした赤いラインが特徴となっております。
 なお、低床車両の運行頻度につきましては、現在20分から25分間隔での運行が、15分から20分間隔になる予定でございます。
 御案内のとおり、九州新幹線の全線開業も迫っているところであり、低床車両の導入は利便性の向上につながるものと考えております。今後とも魅力ある市電の導入や運行に努めてまいりたいと考えております。
         〔村上博一都市建設局長 登壇〕
◎村上博一 都市建設局長  私からは、市電のサイドリザベーションに関してと、電停の改良についての2点お答えをいたします。
 まず、市電のサイドリザベーションについては、市電の軌道を道路の歩道寄りに敷設する方式であり、今回、熊本駅周辺整備に伴い、熊本駅から田崎橋間で実施いたしますが、多くの利用者が予想される熊本駅前広場や合同庁舎の利便性の向上、さらには現状で市電が車道を2度横断する駅前広場の交通処理の円滑化など、都市景観の向上に寄与するものと考えております。
 サイドリザベーションのさらなる拡大につきましては、事業費の面だけでなく、沿線の土地利用が制限されること、軌道がシフトする箇所の交通処理が複雑になることなど、多くの課題があることから、早急な実現は難しいと考えております。
 次に、電停の改良についてでございますが、これは熊本都市圏都市交通アクションプログラムの、公共交通関係プロジェクトにおける別途検討課題として位置づけられております。これまで電停拡幅の手法として、植樹帯や歩道の縮小、または軌道の移設等が検討されておりますが、残念ながら近年、電動車いすで乗降できる電停がふえていないことにつきましては、議員御指摘のとおりでございます。
 今後は、新水前寺駅交通結節や熊本駅周辺整備等の事業に伴って電停改良を進めるとともに、これまでの検討で改良の可能性がある電停については、実現に向け、事業者である交通局を初め道路管理者、交通管理者等の関係機関と協議を進めてまいりたいと考えております。
         〔26番 村上博議員 登壇〕
◆村上博 議員  今後ますます高齢社会が進行し、人口が減少することはすべての統計が物語っております。どの時代の高齢社会にあっても、交通弱者と表現される存在をつくってはいけない、その点についての強い認識を持たないといけないということは、おわかりいただけていると思います。将来へ向けた議論や結論が、一般市民に対して示されるまでかなりのタイムラグがあります。今回のように、市バス廃止の見出しはセンセーショナルに扱われがちです。不安をあおるような公表の仕方には、行政としては十分気をつけて丁寧な説明をしていただきたいと思います。
 それから、低床電車に関しては、一時国からストップがかかっているとの情報で心配しておりましたが、2編成が予定どおりに3月中に運行予定とのこと、安心いたしました。現行車両よりも丸みを帯び、肥後椿をイメージした赤いラインが特徴ということで、楽しみであります。2編成導入によって7編成になり、運行間隔が短くなり利用しやすくなると思いますが、しかしながら私が常々言い続けております、市民でありながら熊本市民病院が利用できない原因の神水橋電停での乗降は、高齢社会における路面電車利用の象徴的な問題であり、今回の答弁でもその将来の姿が見えませんでした。バス問題同様、今後も強く意識し続けていただきたいと思います。
 これで今回用意した質問はすべて終わりました。改めて、お聞き苦しかった質問になったことを深くおわび申し上げます。
 ただ、今回の質問では、きのうの白河部議員ではないですけれども、かなり踏み込んだ答弁、いい内容の答弁をいただいたと思っております。緊急サポートネットワークに関しては、10日間で1,135名のお母さんが署名を寄せられたと聞いておりますし、こうした事業の継続を進めていただくことで市民の期待が高まり、また市政に対する信頼が高まっていくのではないかと思います。私も、今後ともそういう市政発展の一助になるように、市民の声に真剣に耳を傾け、またこういう場でそれを伝えていきたいと思います。
 傍聴の皆さんにも足をお運びいただきまして、心から感謝申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
     ───────────────────────────
○磯道文徳 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。
 この際お諮りいたします。
 12月13日、14日の両日は休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
         〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○磯道文徳 副議長  御異議なしと認めます。
 よって、12月13日、14日の両日は休会することに決定いたしました。
 次会は、12月15日(月曜日)定刻に開きます。
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○磯道文徳 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
                             午後 3時21分 散会



〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





平成20年12月12日
出席議員 49名
      1番   牛 嶋   弘        2番   磯 道 文 徳
      3番   くつき 信 哉        4番   紫 垣 正 仁
      5番   田 中 敦 朗        6番   重 村 和 征
      7番   那 須   円        8番   上 田 芳 裕
      9番   前 田 憲 秀       10番   原     亨
     11番   澤 田 昌 作       12番   倉 重   徹
     13番   満 永 寿 博       14番   大 石 浩 文
     15番   高 島 和 男       16番   田 尻 善 裕
     17番   上 野 美恵子       18番   東   美千子
     19番   有 馬 純 夫       20番   三 島 良 之
     21番   齊 藤   聰       22番   津 田 征士郎
     23番   白河部 貞 志       24番   藤 山 英 美
     25番   田 中 誠 一       26番   村 上   博
     27番   東   すみよ       28番   日和田 よしこ
     29番   藤 岡 照 代       30番   坂 田 誠 二
     31番   下 川   寛       32番   田 尻 清 輝
     33番   北 口 和 皇       34番   中 松 健 児
     35番   佐々木 俊 和       36番   田 尻 将 博
     37番   田 辺 正 信       38番   家 入 安 弘
     39番   鈴 木   弘       40番   竹 原 孝 昭
     41番   古 川 泰 三       43番   税 所 史 熙
     44番   落 水 清 弘       45番   江 藤 正 行
     46番   主 海 偉佐雄       47番   嶋 田 幾 雄
     48番   益 田 牧 子       49番   上 村 恵 一
     50番   西   泰 史



説明のため出席した者
  市長       幸 山 政 史    副市長      西 島 喜 義
  副市長      森 田 弘 昭    総務局長     寺 本 敬 司
  企画財政局長   前   健 一    市民生活局長   原   幸代子
  健康福祉局長   甲 斐 節 夫    子ども未来局長  木 村 正 博
  環境保全局長   宗 村   收    経済振興局長   谷 口 博 通
  都市建設局長   村 上 博 一    消防局長     神 原 節 生
  交通事業管理者  石 田 賢 一    水道事業管理者  加 耒 英 雄
  教育委員会委員長 大 迫 靖 雄    教育長      小 牧 幸 治
  代表監査委員   濱 田 清 水    農業委員会会長  森   日出輝
  財務部長     岡   昭 二


職務のため出席した事務局職員
  事務局長     松 本   豊    事務局次長    山 田 利 博
  議事課長     木 村 建 仁    議事課長補佐   大 村   淳