議事ロックス -地方議会議事録検索-


熊本県 熊本市

平成20年第 2回定例会−06月18日-03号




平成20年第 2回定例会

  平成20年6月18日(水曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第3号                         │
│ 平成20年6月18日(水曜)午前10時開議               │
│ 第  1 質問                             │
└─────────────────────────────────────┘
                             午前10時02分 開議
○牛嶋弘 議長  ただいまより本日の会議を開きます。
      ───────────────────────────
○牛嶋弘 議長  日程第1「質問」を行います。
 順次発言を許します。有馬純夫議員。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇 拍手〕
◆有馬純夫 議員  皆さん、おはようございます。公明党市議団の有馬純夫です。
 2期目、5回目の登壇になりました。議員の皆様、傍聴席の皆様、よろしくお願いいたします。
 本日も地元紙に学校の耐震化の記事が載っておりました。教育問題の最初に、学校の耐震化についてお尋ねします。
 中国四川省で5月12日、午後2時半、マグニチュード7.8という大地震が起こり、多くの犠牲者が出ました。また、我が国でも14日に岩手・宮城内陸地震が発生しました。犠牲になられた方々に謹んで哀悼の意を捧げるとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 さて、この中国四川省の地震では、多くの学校が倒壊しました。極めて残念なことに、子供たちが多数犠牲になったことは記憶に新しいと思います。次代を託す大切な子供たちが集まり、昼間の大半を過ごす学校こそ、安全で安心な場所でなければなりません。
 その意味から、我が党はこれまでも学校の耐震化に全力で取り組んできました。2001年、党女性委員会に学校施設改善対策プロジェクトを設け、翌年には党文部科学部会に学校施設耐震化推進小委員会を置き、国会や地方議会でも学校耐震化を強力に推進してきました。
 こうした取り組みにより、2002年に44.5%だった学校施設の耐震化率は2007年4月には58.6%と14%も向上、耐震診断の実施率も89.4%と2002年の30.5%から飛躍的に向上しました。それでも、地域差も大きく、東海地震や首都直下型地震の予想される神奈川県の80.9%を筆頭に、大きな地震の多い宮城県、東海地震の想定地域である静岡県、三重県の計4県で8割を超えているものの、その一方で長崎県、37.3%、徳島県、40.8%、山口県、44.7%、北海道、茨城県、広島県、44.8%など、14道県で5割に達していません。ちなみに、本市の耐震化の進捗率はどの程度なのか、お聞かせください。
 この学校耐震化については、公明党の太田昭宏代表が5月20日、福田首相に対して、学校の耐震化をより一層進めなくてはいけないと耐震化事業への国の補助率拡大を要請、首相も理解を示し、政府として自治体への支援拡充により、工事の推進を図る方針が明確になりました。同時に、与野党で特措法改正の協議が進み、成立しました。この法改正で、公立小中学校の地震補助事業の国庫補助率を現行の2分の1から3分の2とし、私立学校に対する配慮も行うなどとなっています。あわせて、地方財政措置も拡大し、学校耐震化事業に対する地方交付税措置を手厚くすることで、実質的に地方の財政負担は現行の3割強から13.3%と半分以下に圧縮されます。
 我が党の北側幹事長は5月28日の記者会見で、自治体の負担について、後で交付税で返ってくるといっても、当面の3分の1の負担が容易ではないところもあるとして、当面の負担ができない自治体への対応策を総務省に要請している。何らかの対応がなされると思うと強調しております。こうした公明党の後押しで、本市でも耐震化診断、耐震化工事を飛躍的に進めていけるのではないでしょうか。
 本市では、耐震診断が平成19年度より始まり、平成22年度までに終えるよう計画されています。最近のエネルギーと建築資材の高騰により、受注する業者にとっては設計と工事との時間があけば、材料の値上がりで仕事ができにくくなることも想定されると聞き及んでおります。この耐震診断の期間と平成26年度に完了予定の耐震設計、平成27年度に完了予定の耐震化工事の期間を圧縮し、計画期間の短縮ができないか、お尋ねします。
 引き続き教育問題についてお尋ねします。
 私は去る2月14日に出水南小、19日に川口小、20日に飽田東小、22日に古町小と、ALTの先生による英語の授業を視察してまいりました。子供たちは既に何回か英語の授業を受けているらしく、ALTの先生と親しくゲームを通じて絵に描いた季節、遊び、習慣、物語等に目を輝かせ、先生の発音を聞いていました。
 文部科学省では、平成20年3月28日に小学校指導要領の改訂を告示し、新学習指導要領では小学校5年、6年で週1こま、外国語活動を実施することとしました。ここで英語学習について、竹中平蔵(元経済財政政策担当大臣、元金融担当大臣)と中村邦夫松下電器産業代表取締役会長と片山修(経済ジャーナリストで学習院女子大学客員教授)の対談の一部を紹介します。
 その中で、ここ数年、日本では小学校での英語教育の是非が議論されていますが、国際的には国家戦略として、小学校段階において英語教育を実施する国が急速にふえています。例えば、アジアの非英語ゾーンを見ると、96年にタイが必須化し、97年には韓国、2001年には中国が段階的に必須化を開始しました。また、EUにおいても母国語以外に2つの言語を学ぶべきだとし、早い時期からの外国語教育を推進しています。
 日本では早期の英語教育は、母国語の習慣に干渉するため、どちらの言語も十分発達しなくなるとか、漢字が書けない子供が出てくるとか、何だかんだと理由をつけて反対しますが、英語を勉強して漢字が書けなくなることはありません。韓国では、国際競争力と英語の実力は直結しているとの考えから、英語公教育が段階的に進められていると言われております。
 本市においても、国の新指導要領の改訂により、平成23年度より5、6年生に英語教育が授業として35時間入ります。現在の2年生、3年生がその対象になっていきます。総合的学習の時間の中で、3、4年生は異文化を理解するといった探求的な活動の中で英語になれ親しむ時間をとることができます。しかし、低学年になると、そこまではいきません。例えば、1、2年生でも、朝の授業前とか、給食の時間にALTの先生と一緒に食事をすることで、接する機会をふやしていけば、コミュニケーション能力の向上が期待されます。本市は、英語学習について、低学年から5、6年生まで、どのような実施計画をたてていかれるのか、お尋ねします。
 また、英語授業の導入となれば、担任の先生の語学力を高めていくことも大事です。担任の先生方の語学力を高めていくために、どう対応策を講じていかれるのか、お尋ねします。また、ALTの先生の配置について、増員も含めてどう考えておられるのか、お聞かせください。後で述べますが、英語学習のノウハウを持った民間の学習塾やNPO法人、学校支援ボランティア等の活用も必要ではないかと考えます。教育長のお考えをお尋ねします。
 各学校の視察の折、時間を見つけては図書館を見てまいりました。それぞれ図書館は工夫されており、子供たちがゆっくり読めるように畳を敷いてある学校もありました。また、パソコンも置かれ、検索やバーコードを使って本の貸し出しもされています。司書補助の先生は5時間勤務で、1人で貸し出しから本の配置までされています。
 そこで、市の財政を使わず、図書館と司書業務の充実はできないものかと尋ねたところ、学校支援ボランティア活動があり、各学校それぞれ取り組んでいることを聞きました。ボランティアで学校図書館の手伝いに取り組んでいる若葉小学校の話を聞き、5月30日に視察に行きました。その折、司書の方からは勤務時間だけでは本の貸し出しで精いっぱいです。このとき、近所のボランティアの方が七、八人来られており、一生懸命に四季折々にデザインを変えて、入り口を飾られておりました。また、一月に一回は例会をされ、中心者が皆さんと協議されながら進めておられます。学校支援ボランティア活動をされている婦人の方々は、子供たちの保護者ばかりではなく、地域に住んでいる方や、子供が大きくなった方もあれば、時間に余裕がある方等、こうした活動が好きな方ばかりです。
 ところで、学校支援ボランティアは、本市の小学校では80校中69校が活動されています。また、中学校では37校中22校がボランティアの参加があります。中身は学校管理支援がほとんどです。教科等学習支援は5校で中身はその他となっています。
 さて、小学校の授業を手伝ったり、図書館の運営を手助けしたりといった活動を地域の人に担ってもらう地域ボランティアの拠点になるのがボランティア本部です。
 今回、公明党の主張が反映され、各地域本部がボランティア本部を募る際の広報活動費用や、ボランティア名簿の作成経費、各種会議の費用など、財政面での支援を行うことになりました。ボランティア本部を今後4年かけて全国に設置する方針です。
 先進的な取り組みとして、マスコミでも取り上げられている杉並区立和田中学校や千葉県木更津市、東京都小平市等があります。小平市では、実践マニュアルまでつくっています。この中で支援ボランティアとともに学校と地域をつなぐコーディネーターが重要な存在であると書いてあり、教育委員会の果たす役割も大きな存在でございます。今後、地域や学校にお願いするにしても、この学校支援ボランティア活動の拡充と展開をどう進めていくお考えか、お尋ねします。
 次に、放課後対策として、各小学校において既存の児童育成クラブに加えて、1年生から6年生までの小学生を対象とする放課後子ども教室が実施されます。これは放課後や休日等に小学校の施設や公民館を利用し、地域の方々の安全管理・指導員としての参画を得て、子供たちへ読書活動、スポーツ、学習、地域住民との交流等を実施するとなっています。まず、モデル校を決められるようです。学校図書館放課後開放に関しては2校で生涯学習課が担当し、子どもスポーツ教室には2校で社会体育課が担当し、週に1回か月に2回開催され、無料になる予定と聞いております。今後、1年生から3年生の有料による児童育成クラブとの両立が課題となると思われます。また、単なる居場所だけでは子供たちもおもしろくないと思います。例えば、年間計画のもと、子供の興味を引く企画を考えなければ、集まる子供が少なくなるかもしれません。本市は、将来どういう方向で進めていかれるのでしょうか、お考えをお聞かせください。
 次に、学校図書館へのエアコンの設置について、お尋ねします。
 夏は30度以上にもなるのに、エアコンはつけてくれないのと子供たちの叫びが聞こえてくるようです。司書の方に聞きますと、エアコンがないためにパソコンが湿気で動かなくなり、貸し出しに困ったときがあったとも聞きました。既にパソコン室にはエアコンも整備されています。教育委員会として学校図書館へのエアコン設置について、どう考えておられますか、今後の取り組みについて具体的計画をお尋ねします。
 次に、温暖化防止の緑のカーテンについてお尋ねします。
 若葉小学校を視察したとき、施設課の方が来ておられ、きょうは保護者の方に緑のカーテンのおろし方の説明をするようにしていますと言われていました。あいにく説明は聞けませんでしたが、この小学校の保護者の方がそれこそボランティアで、のり養殖用ののり網を使い、ニガウリやカボチャ、ヒョウタンにアサガオ等の緑のつるが成長してネットに絡み、それを校舎にかけておられました。こうした熱心な運動に心を動かされた施設課は、平成20年度予算で実験のための緑のカーテンを設置しました。
 今は植物が育っていないため、ただの緑のネットだけの状態になっていますが、手動式で何カ所か同時に、台風のときや風が強いとき、この緑のカーテンを下降させて収納するようできているのです。校舎の約半分ほどを緑のカーテンで覆い、温暖化対策に取り組まれています。教室のエアコン化も考えられますが、安い費用で温度を下げるこの緑のカーテン、現在は実験段階であると思いますが、今後注目を集めていくと思います。今後、本市として、地球温暖化防止と教室の温度を下げるために、全部の小中学校に拡大していくお考えがあるのでしょうか、お尋ねします。
 教育問題の最後に、AED問題について、お尋ねします。
 まず、この20年度に、市立の高中小学校すべてに、AEDの設置が完了します。ご尽力いただきありがとうございます。さらに追加で、熊本県PTA災害見舞金安全会が県内すべての小中高校と特別支援学校にAEDを1台ずつ貸し出すことになりました。曽我理事長以下、関係者の方々へ重ねてお礼を申し上げます。
 さて、このAED、普及が進んでもいざというときその使用方法がわからなくては何にもなりません。前回も質問しましたが、教職員の先生方に教えていかれる教職員蘇生法インストラクターの学校への配置は、進んでいますでしょうか、お尋ねします。
 また、本市でも夏休みが始まれば、プール監視のボランティアに協力していただける保護者の方もおられると聞いています。保護者や子供たちへの講習を進めなくてはならないと思います。早急な対応が必要と思います。保護者や子供に対するAEDの講習について実施されるのかどうか、お聞かせください。
        〔小牧幸治教育長 登壇〕
◎小牧幸治 教育長  教育問題についての7点のお尋ねに順次お答えをいたします。
 まず、1点目の学校施設の耐震化の進捗率についてでございますが、平成16年度から18年度までに行った耐震化優先度調査をもとに、昨年度から耐震診断を行っているところであり、平成20年4月1日現在での耐震化率は48.6%となっております。
        〔議長退席、副議長着席〕
 また、計画期間の前倒しと短縮についてでございますが、本市におきましては学校施設の耐震化を最優先課題の一つととらえ、早急に耐震対策を完了するため、耐震診断を終えたところから設計を行い、順次工事に取りかかることとしております。
 現在の予定では、高度の専門性が要求されます耐震設計のできる建築士が限られていることもあり、耐震診断の完了には平成22年度、耐震設計の完了は平成26年度を見込んでおります。このようなことから、耐震化工事の完了は平成27年度となりますが、さらに年度毎の状況を見ながら、早期に耐震化が図られるよう努力をしてまいりたいと考えております。
 次に2点目の小学校における英語活動でございますが、平成23年度からの新学習指導要領の全面実施に向けまして、来年度からその移行期間に入ります。5、6年生の英語活動につきましては、これまで本市において実施しております年間10時間程度に上乗せし、例えば平成21年度は20時間、22年度は28時間と段階的に移行し、全面実施の35時間に備えることが必要であると考えます。
 そのための条件整備の一つとして、既に設置しております小学校英語活動推進委員会において、国から配付をされる教材の活用法や指導法などをリーフレットにまとめまして、小学校の全担任に配付をする予定でございます。
 また、議員御指摘のように、1、2年生は学校生活の中で、3、4年生は総合的な学習の時間で、外国の方との交流や英語活動がどのように実施できるか、研究してまいりたいと考えております。
 次に、担任教師の語学力についてでございますが、現在教職員の英会話の研修を本市教育センターにおいて開催をいたしております。さらに、本年度は小学校英語活動の研究発表会を開催し、ALTとのチームティーチングや担任の先生方単独での指導法について、研修を行う予定でございます。また、各学校に英語活動担当者を位置づけ、語学力等の向上を図る研修を行い、学校の中核となる人材を育成してまいりたいと存じております。
 次に、ALTの配置についてでございますが、国の行動計画では英会話活動の支援として、指導実施回数の3分の1程度は外国人教員等によります指導を行うことを目標にいたしております。
 本市では、現時点でも年間10時間程度はALTの指導ができるよう確保されておりますが、さらにALTの活用促進を図りながら、増員配置についての検討を進めますとともに、議員が述べられましたように、ボランティアの活用等も視野に入れて、指導体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
 3点目の学校支援ボランティア制度の拡充と展開についてでございますが、学校支援ボランティア制度につきましては、平成12年度から活動を開始したところでございます。平成16年7月からは特色ある教育活動及び地域に開かれた学校づくりをさらに推進するために、各学校が必要とするボランティアを校区の方々から募集、登録する新たな制度を構築し、活動の拡充を図ってきたところでございます。しかしながら、活動内容に偏りがあったり、ボランティアとの調整が教職員の負担となっているような課題もございます。
 議員御案内の学校支援地域本部はこのような課題に対応できるよう、学校支援ボランティアの活動拠点となる地域本部を核とし、中学校区単位でさまざまな支援活動を機能的、効果的に展開していく事業であります。
 そこで、教育委員会といたしましては、今後の学校支援ボランティア制度のさらなる充実に向けて、国の事業や先進都市の取り組みを参考にしながら、学校と地域を結ぶコーディネーターの機能など、学校への支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。
 4点目の放課後子ども教室の運営方針についてでございますが、議員御案内のとおり、放課後子ども教室は、放課後における児童の安全・安心な居場所づくりのため、国の補助事業であります放課後子どもプラン推進事業を活用して実施するものでございます。
 内容といたしましては、従来から本市小学校で実施しておりました学びノート教室や公民館、博物館での子供向け講座を関係事業として取り入れながら、新たに図書館開放事業と子どもスポーツ教室を試行的に実施するものでございます。
 図書館開放事業、子どもスポーツ教室のモデル校につきましては、本年9月から来年度にかけ試行いたしますが、事業の内容としまして、図書館開放事業につきましては、絵本など学校図書の読み聞かせや自主学習の場として、子どもスポーツ教室につきましては、体力向上のためのプログラムやニュースポーツなど、スポーツ活動を楽しむためのプログラムを計画をしているところでございます。今後、9月の試行開始に向け、他都市の事例を調査し、学校、総合型地域スポーツクラブ等関係団体と協議しながら、内容充実に努めてまいりたいと考えております。
 今後のあり方につきましては、学校教育関係者、社会教育関係者、学識経験者等からなります放課後子どもプラン推進委員会におきまして、児童育成クラブとの連携を含め、事業の効果や課題の検証等を行いながら、検討してまいりたいと考えております。
 5点目の学校図書館へのエアコン設置についてでございますが、小中学校の実情を把握するための室温測定や他都市の設置状況を調査しているところであり、今後設置に向けて努力してまいりたいと考えております。
 次に、6点目の緑のカーテンの拡充についてでございますが、緑のカーテンは夏の強い日差しを和らげ、葉の蒸散作用によりまして、周囲の温度を下げる効果が期待できるため、身近にできる暑さ対策として注目を集めております。
 地球温暖化を防止するためには、私たち一人一人のライフスタイルを変革することが不可欠であり、次代を担う子供たちに環境教育の一環として緑のカーテンを実施することは非常に意義深いことではないかと思います。
 しかしながら、現状においては、壁面の維持管理において安全性が保たれるか、また、室内が暗くなることや風通しが悪くなること等の問題があることも事実であり、一部の学校において検証を行っていく予定でございます。今後につきましては、検証の結果を踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
 最後に、7点目の学校におけるAED講習についてでございますが、AEDの学校への配置につきましては、昨年度は全中学校に、今年度は全小学校に1台ずつ導入したところでございます。また、議員お述べのとおり、熊本県PTA災害見舞金安全会からもAEDが1台ずつ貸与され、各学校には2台以上のAEDが設置されることになります。
 教職員へのAEDの実技講習につきましては、消防局の協力を得て、AED操作法を含む心肺蘇生法講習が行えるよう、教職員蘇生法インストラクターの全校配置を行いますとともに、全校において心肺蘇生法の実技研修を実施しております。
 次に、保護者へのAED実技講習につきましては、夏休み中のプール開放に備えまして、毎年PTA主催で行われます心肺蘇生法の講習会の中に、AEDの講習を含めて実施するよう学校に指導しているところでございます。
 今後は、さらに、PTAとの連携を図りながら、機会をとらえてAEDの実技講習が行われるよう学校に働きかけてまいりたいと考えております。また、児童・生徒につきましては、プール授業の開始時等において、AEDの役割や大切さを教えるなどして周知をしてまいりたいと考えております。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  耐震化の工事を27年度の完了と言わず、一日も早く取り組んでいただきたいと思います。
 図書館へのエアコン設置、調査の段階ではありません。来年設置してください。
 次に、土日の開庁問題についてお尋ねします。
 横浜市では、2007年より市民の利便性を考えて、毎月第2、第4土曜日の午前9時から正午まで開庁し、戸籍や住民票、印鑑登録などを取り扱う戸籍課、国民健康保険、国民年金などの保険年金課、児童手当の申請受付を行うサービス課の3課で窓口サービスを実施しています。
 横浜市の窓口サービス課によりますと、母子健康手帳を一緒に受け取りに来るとも稼ぎの夫婦がふえたり、手続きが煩雑だった代理人請求をしなくて済むようになったとの喜びの声が寄せられるなど、土曜開庁は好評のようです。横浜市は、核家族化が進みとも稼ぎ世帯も多く、市には「会社勤めでも利用しやすいよう、区役所を休日もあけてほしい。」「民間では土曜、日曜の営業も当たり前なのだから、開庁日時の見直しを。」といった声が市民から上がっていました。これらを受け、2004年から、市民意識アンケートや他の自治体の取り組み調査などをもとに、第2、第4土曜日に全区役所で開庁することにしたそうです。
 土曜日開庁をスタートするに当たり、市が直面したのは経費の増加という問題でした。土曜開庁の実施を尋ねた意識調査でも、経費がかかっても実施してほしいという意見と経費がかかるなら実施しなくてもよいという意見がほぼ桔抗したそうです。そこで、横浜市は人件費のアップを抑制するため、土曜開庁の日は平日の約3割の職員を交代で勤務させ、代休を取得できるように工夫しております。
 他都市でも、川崎市では、毎月第2、第4の土曜日、午前8時半から午後0時半まで開庁、転入、転出などの手続に関係するものと住民票の写しの交付などを行っています。また、浜松市では中区役所のみ土曜日の午前9時から午後4時までの開庁を実施し、住民表の写しなどの証明書の発行などを行っています。このほか休日の開庁は大阪市や堺市、神戸市も実施しております。隣の福岡市では、引越しシーズンに当たる3月の最終日曜日及び4月の第1日曜日の両日とも、午前10時から午後2時に開庁し、転入・転出などの手続に関するものや、住民票の写しなどの証明書を発行しています。
 本市の各種届け出について、守衛室での時間外受付数を調べてみますと、婚姻、死亡、出生、その他の業務が、16年は4,161件、これが19年には4,720件とふえております。本市には、市民へのサービス窓口である市民サービスコーナーが産業文化会館にあり、土曜や日曜日にも、住民票等の交付事務を行っています。しかし、産業文化会館は、民間との再開発の予定があり、近く閉鎖されると聞いております。
 そこで、提案ですが、今後本市としても住民サービスの向上を図る意味から、土曜日や日曜日の開庁を実施してはいかがかと思います。まず、本庁からスタートさせ、次の段階で各総合支所や市民センターヘ広げていかれてはいかがでしょうか。土日の休日開庁について、幸山市長のお考えをお聞かせください。
 次に、熊本市役所駐車場の有効利用について、お尋ねいたします。
 まず、本庁東側の市駐車場は、土曜日や日曜日にはダイエーの買い物客が利用するフロアは満車状態ですが、3階以上の市営駐車場は利用者が少ないようです。この市駐車場について、閉庁時間後の利用率を向上させてはいかがでしょうか。料金は平日の朝8時半より夕方の5時半までは最初の1時間が400円で、市の用務先の印がある人は100円で済みます。追加料金は1時間増すごとに150円加算されます。夕方の5時半から10時までは最初の1時間が300円で、1時間増すごとに同じく150円が加算されていきます。土曜日、日曜日もこの夕方の料金制度が使用されています。
 一方、周辺の民間駐車場を見ると、短時間の駐車、それも30分間隔の駐車が多いのではないでしょうか。最初の30分を200円にしたり、20分で100円にしたりと、短時間駐車の料金を安く設定して、回転率と利用率の向上を図っているところもあります。今後、市駐車場も短時間駐車が安くなるような料金設定の変更などを行い、利用者の増加と回転率の向上を図られてはいかがでしょうか。また、あわせて夜間の営業時間を地下駐車場並みに深夜1時までとか、24時間にしてはいかがでしょうか。現在、夜は民間委託をされています。昼も委託が考えられないか、当局の見解をお聞かせください。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  公共施設の市民サービスの向上について、私のほうからは土日開庁につきましてお答えをさせていただきます。
 本市におきましては、平成5年から市民サービスコーナーを設置をいたしまして、公証業務の円滑な運営と市民の利便性の向上を図ってきたところでありまして、昨年度は住民票の発行など、1万4,000件を超える利用をいただいているところであります。
 この市民サービスコーナーにつきましては、現在の産業文化会館から移転する予定のため新たな設置場所を検討しているところでございまして、今後も市民サービスの低下とならないよう努めてまいりたいと考えております。
 また、本庁舎の開庁時間につきましても、平成17年度から、転居等で来庁者の多い3月末から4月の初めにかけまして、夜7時までの延長を実施しているところでありまして、その利用件数につきましても年々増加をしているところでございます。さらには、300項目を超えます熊本市の申請手続が24時間自宅のパソコンからできるサービスも実施しているところでございまして、これらのサービスにつきましても、さらにその周知、広報を行いまして、利用促進に努めてまいりたいと考えております。
 議員御提案の土曜日と日曜日の開庁につきましては、先ほどさまざまな都市の紹介もございましたけれども、改めまして他都市の利用状況を把握をさせていただき、本市で開庁した場合の人員の配置、さらには費用対効果等を総合的に検討してまいりたいと考えております。
        〔前健一企画財政局長 登壇〕
◎前健一 企画財政局長  私のほうからは、市役所駐車場の有効活用についてお答えいたします。
 まず、閉庁時の駐車料金の体系をこれまでの1時間単位から20分や30分単位へ変更をしてはどうかという御提案でございますが、この件につきましては、利用者の利便性の向上という観点から、今後検討してまいります。
 次に、供用時間を午後10時から深夜1時まで、または24時間とすることにつきましては、現在当駐車場が周辺駐車場に比べて割安料金にもかかわらず、昼間に比べて夜間の利用が少ないということ、また周辺の民間駐車場においても夜間の利用についてはあきがあることなどから、人員の配置など、追加経費に見合う収益を確保できるかどうか、費用対効果の課題もあり、慎重な検討が必要と考えております。
 最後に、昼間の管理業務を民間委託することにつきましては、当駐車場は行財政改革推進計画におけるアウトソーシング計画の対象ともなっており、民間委託の実現に向け、検討を進めてまいります。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  第2、第4土曜日の午前中、市役所での開庁をぜひお考えください。市役所駐車場の昼間の民間委託実現に向け動き出してください。
 続きまして、市営住宅の問題についてお尋ねいたします。
 さて、国土交通省は地方自治体の公営住宅について、1戸当たりの面積や設備などを全国一律に定めている整備基準を都道府県や市町村が決められるよう、本年度中に関係省令を改正する方針を決めております。あわせて、居住人数などを定めた入居者資格要件も緩和し、地方の裁量を広げる方針を示しております。
 多子世帯向けに現行基準を超える広さにしたり、トイレや浴室、飲食する場は共有で、10平方メートル程度の居室を複数備えた単身高齢者向けの集合住宅なども考えられるようになります。また、高齢者などに限って入居できる単身者についても年齢要件を引き下げるなど、対象の拡大を検討しているようです。こうした国の方針を受け、本市は今後どう対応していかれるか、お考えをお尋ねします。
 次に、平成17年の第3回定例会で、今後住宅を建てる予定がないと言われた山室の住宅未利用地についてお尋ねします。
 昭和61年から62年にかけて、約1ヘクタールを3億1,200万円で購入されています。その後、住宅管理課の管理のもと、これが開発もされず、住宅も建たず、そのままになっています。このままでは市民の大事な税金3億1,200万円が無駄になってしまいかねません。当時の建設委員会でも議論されており、都市整備委員会からも、どうするのかという意見は届いていると思います。地元の自治会長からは、公園として利用できないかとの要望が上がっているとも伺っています。今後は周辺の地域の方々からも、いろいろな要望が出てくると思います。今後のお考えをお聞かせください。
 あわせて、この住宅予定地以外にも市全体には未利用地がかなりあると聞き及んでいます。この問題については、未利用地の利活用について会派としても既に質問をし、利活用についてのルールもつくられました。
 そこで、お尋ねですが、本市全体で未利用地は何カ所あるのでしょうか。全体の面積などもお示しください。
 さて、この山室の住宅用地以外にも鉾町団地用地、白藤団地用地があります。
 まず、鉾町団地は20億8,100万円で購入、5分の1の5,400平米が未利用地になっており、約4億6,000万円相当の土地が使用されていないままです。白藤団地でも31億2,300万円で購入、4,430平米の未利用地があり、約2億3,000万円相当の土地がそのまま残っています。
 両方の現場を見てまいりました。白藤は団地の中にあり、鉾町は野越団地も近くにあり、住宅地の一角にありました。それぞれ団地の片隅に土がむき出しのままでした。今後、市民の大事な税金で買った土地をほったらかしでいいのでしょうか。市長並びに都市建設局長にお伺いしたいと思います。
 引き続き市営住宅の敷地の管理の問題について伺います。
 例えば、国道3号線清水バイパス沿いにある大窪団地の方から、国道3号線ののり面が市営団地の敷地になっていると言われました。早急に国土交通省への移管をするべきではないでしょうか、お尋ねします。
 この問題に関連して、市営団地へのAEDの設置についてお尋ねします。
 宮城県では梶乃杜県営住宅で昨年3月、高齢者が心臓発作で亡くなられました。AEDがあれば助けられたかもしれないと宮城県仙台市宮城野区の住民有志が公営住宅へのAED設置を推進する市民の会を結成、この代表者と公明党の県議と市議が村井県知事に対してAEDを内臓した自動販売機の設置を求める要望書を提出し、これを受けて仙台ビバレッジ・ネットワーク株式会社と宮城県住宅課が設置を決めたそうです。AED設置と維持管理に係る年間約40万円の経費は仙台ビバレッジ・ネットワーク株式会社が負担し、そのかわりに宮城県は本来発生する行政財産使用料を減免するとのことです。こうした市民と公明党の議員の早期実現を求めた運動がきっかけとなり実現したものです。このような民間の協力も仰ぎながらでも、本市の市営団地にAEDの設置ができないものでしょうか、お尋ねします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  市営住宅につきまして、数点お尋ねがございましたが、私からは公営住宅関係省令改正方針を受けての本市の対応につきましてお答えをさせていただきます。
 本市におきましては、平成18年度に熊本市第2次住宅マスタープランを策定いたしまして、市営住宅政策の基本方針といたしまして、建設中心からストック重視、管理重視の政策への転換を図り、市営住宅の整備に取り組んでいるところであります。
 議員御案内のように、これまで全国一律に定められておりました公営住宅の整備基準を見直し、また、入居資格要件を緩和する方針を国土交通省が示したことが先般報道されたところでございますが、このような考え方は先ほど御紹介いたしましたストック重視、管理重視という本市の方針にとりましても、好ましい方向性だと考えておりまして、今後の建てかえ等に際しましても、本市の実情を踏まえました市営住宅政策を、今まで以上に展開できるものと私も大変期待しているところでございます。
 ただ、現在のところ国土交通省、あるいは県から正式な通知等がなされておりませんことから、詳細を把握いたしました上で、適切に対応してまいりたいと考えております。
        〔村上博一都市建設局長 登壇〕
◎村上博一 都市建設局長  私からは、市営住宅について3点のお尋ねにお答えします。
 まず、1点目の市営住宅の未利用地についてお答えいたしますが、その前に、全庁的なことでございますけれども、本市全体の未利用地の状況につきまして、私のほうからお答えさせていただきます。
 現在、本市が所有しております未利用地は33カ所、約4万8,000平方メートルでございます。御指摘の山室等3カ所の住宅用地が約1万9,800平方メートルで、そのほかに普通財産等の未利用地が30カ所、約2万8,200平方メートルでございます。住宅の未利用地であります山室及び鉾町、白藤の3カ所につきましては、ほかの公共用地としての利用が可能かなど、全庁的に照会をかけるなどいたしまして、その有効活用を図るべく検討を進めていますが、いまだ結論を得るまでには至っていないのが実情でございます。そのうち山室の用地につきましては、地元に公園としての利用を望む声もございますことから、自然の地形を生かした憩いの空間としての整備も選択肢の一つとして引き続き検討を進めてまいります。
 また、鉾町と白藤の未利用地につきましては、再度ほかの公共用地としての利用を検討したいと考えておりますが、結論が出ない場合は最終的には売却も視野に入れた検討も必要になるかと考えておるところでございます。
 次に、2点目の大窪団地敷地の管理についてお答えいたします。
 議員御指摘の大窪団地敷地の国道3号に面する部分につきましては、現在国道ののり面の形状を呈しておりますが、国道を整備した当時は当該部分が小山状であったために、道路構造としてのり面を築造する必要はなかったようでございまして、その後財団法人熊本市住宅協会が団地用地として地権者から取得し、周辺の土地との高さの兼ね合いから、切土をして造成工事を行ったために現在の形状になったものでございます。建築工事に際し、この用地は本市が取得しております。
 団地造成の経緯からいたしますと、敷地を直ちに移管することには結びつきにくいと考えておりますが、まずは管理上の問題点の有無について、道路管理を行っております熊本河川国道事務所と相談してまいりたいと考えております。
 最後に、市営住宅へのAED設置についてお答えいたします。
 AEDの設置につきましては、議員御承知のとおり、本市でも平成17年度より本庁舎を初め市施設への設置が順次行われているところでございます。市営住宅へのAED設置につきましては、団地入居者の高齢化が進んでいる現状から、緊急時の備えとして大変有効であると認識しておりますが、経費や管理面など、解決しなければならない課題も多く、議員御紹介の他都市で実施されております民間事業者と連携してAEDを普及させる方式の調査もひっくるめまして、今後市営住宅へのAED設置について、関係部局と協議してまいりたいと考えております。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  山室の用地は自然の地形を生かした憩いの空間として整備し、鉾町や白藤の未利用地に関しては、地域の環境を損なうことがないような活用が望まれます。また、市営住宅へのAED設置をぜひお願いします。
 次に、観光政策についてお尋ねします。
 400年祭後の熊本城域をフル活用する方法はないだろうか、そうした観点から、先日皆さんもよく御存じのことと思いますが、黒川温泉のユニークな取り組みについて視察してきました。
 この黒川温泉、5月10日の地元新聞に掲載された九電工コミュニケーションズがインターネット上で実施した九州、山口の温泉についてのアンケートで、お気に入りナンバーワンとなりました。このほかにも5位までのうち4つが熊本となっています。
 この黒川温泉は、全国のすぐれた景観、町並みづくりを表彰する2008年度の美しい町並み大賞にも選ばれています。この黒川温泉は、昭和30年、40年代は大変寂れたところで、昭和36年に組合が設立され、何とかせんといかんということで、昭和61年、知恵を出し、3カ所しか露天風呂がなかったのをそれぞれ各旅館が工夫して露天風呂をつくり、田舎のよさを出すため木を植えるなど、共通の質の高い温泉をつくる作業をしてこられました。また、他県の温泉を参考にして入湯手形をつくり、日曜朝市等を始められました。黒川温泉の魅力は、黒川温泉全体が一つの旅館といったコンセプトのもとに改善されてきたことです。お客さんも○○旅館に行ったというより、黒川温泉に行ったと言われるそうです。
 この入湯手形ですが、間伐材を輪切りし、乾燥させ焼印を押し、裏に入湯シールが3枚つけてあります。1枚1,200円で3カ所の露天風呂に行けます。1カ所入るなら500円ですから、3カ所ですと300円の割引です。期間は6カ月と記載がありますが、旅館では、期間を過ぎても入れておられるそうです。
 さて、お伺いですが、熊本城を活用して、熊本での滞留時間をふやしたり、宿泊を考えていく必要があります。そのためには県と一体となり、熊本城の魅力を考えていかなくてはなりません。こうした協議はされていますでしょうか、お尋ねします。
 また、提案ですが、黒川温泉の入湯手形のような、本丸御殿や熊本城の焼印を押し、(仮称)お城通行手形と言えるものをつくられてはいかがでしょうか。例えば、この手形、1日に何回でも熊本城と城内の施設を利用できるようにするとか、県や市の施設の入場料の割り引きができるとか、近い将来建設される桜の馬場での買い物や飲食なども割引が適用されるとか、市内の協賛してくれるお店などでも割引が受けられるとか、多くの特典をつけ、お城だけでなく、民間の店でも販売できるようにしてはどうでしょうか。場合によっては、有効期間を1年とか無期限にすることも考えられます。そうすれば、熊本城から中心市街地まで、観光客の回遊性を拡大する一助にできるのではないでしょうか。ぜひお城通行手形を検討いただければと思います。当局の御見解をお尋ねします。
 次に、城内の駐車場について伺います。
 桜の馬場と二の丸公園内と刑部邸近くにある駐車場と藤崎台手前の宮内の駐車場ですが、2時間までバスで500円、普通車で200円、二輪車で100円となっています。しかし、お城以外に多くの施設があります。これらを見て回った場合、2時間を超えることも予想されます。
 そこで、提案ですが、城域内にあるこれらの駐車場を複数利用した場合、駐車するたびに200円をそれぞれ取られますが、これを基本料金の2時間の間なら、移動しても200円の料金で済み、次の場所で延長の時間だけいただくようなサービスはできないでしょうか。また、各駐車場間の空き情報がわかるシステムを取り入れ、移動がスムーズにできるようにしてはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
 あわせて、三の丸史料公園の駐車場整備と利活用を今後どのようにしていかれるのか、お尋ねします。
        〔谷口博通経済振興局長 登壇〕
◎谷口博通 経済振興局長  熊本城を中心とした観光政策について、4点のお尋ねにお答えを申し上げます。
 まず、1点目の熊本城の魅力向上に向けた県との協議についてでありますが、熊本城及びその周辺には国・県・市の観光施設が点在しており、そのことによりまして、熊本城の魅力も一層高まっております。このような中、本年4月には本丸御殿の落成と永青文庫の常設展示が開始されるなど、互いに相乗効果を高め、集客増につながっているところでございます。
 県市の協議に関しましては、定期的な連絡会を開催し、さまざまな分野で連携に努めているところでありまして、本丸御殿と永青文庫をセットにした新たなパンフレットの作成や熊本と福岡を結ぶ高速バスヘのラッピング広告など、共同で実施しているところであります。今後はお城を核とした本市の観光振興を図るため、県や周辺の各施設と情報交換を密にし、十分な協議を重ねるなど、さらなる連携の強化に努めたいと考えております。
 次に、2点目の共通入場券、お城通行手形の作成についてでありますが、お城通行手形は、訪れた方にとっては大変魅力のあるものであり、その導入によって、滞留時間の増加など、メリットもあるものと考えております。
 現在、城内施設の共通入場券などにつきまして、各施設と協議を行っておりますが、それぞれの施設の閉館日が異なること、あるいは特別展示の料金の扱いなど、解決すべき課題も多いところであります。
 今後、議員御提案の趣旨も含め、これらの課題解決に向けての協力体制など、実施に向けて、さらに協議を進めてまいりたいと考えております。
 3点目の熊本城の駐車場につきまして、お答えします。
 現在、城内にあります4カ所の駐車場におきましては、駐車場を複数カ所利用される方からは、その都度料金を徴収しております。今後、桜の馬場に計画されている飲食や物販等の施設が整備されますと、城内の駐車場を移動し、複数回の利用も考えられます。そのため、議員御提案の駐車時間を通算して徴収する方法は、入園者の城内における滞留時間をふやす方策の一つであると思われますので、今後桜の馬場の整備を進める中で、各駐車場間における新たなサービスとして検討してまいりたいと考えております。
 なお、車での移動に際し、駐車場の空車状況等の情報提供につきましても、あわせて検討していきたいと考えております。
 最後に、三の丸史料公園の駐車場整備と利活用についてお答えします。
 史料公園を含む三の丸ゾーンは、熊本城復元整備計画の中で歴史学習体験ゾーンと位置づけられておりまして、旧細川刑部邸や博物館が整備されておりますが、城内の各駐車場が満車となった場合、史料公園の一部を臨時の駐車スペースとして利用を図っているところです。
 一方、現在整備が進められております桜の馬場におきましては、発掘調査を経て工事に着手することとなりますため、この期間中は駐車場としての使用が制限されますので、それにあわせて駐車場として整備するなど、観光客や市民の皆様の利便性を考慮し、当面の利活用を図ってまいりたいと考えております。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  お城通行手形の実施に向け協議しますという答弁でした。城内施設と民間施設の利用を広げれば、多くの中小企業の活性化につながります。熊本市と熊本県が真剣になって考えていただきたいと思います。
 次に、医療問題について、新型インフルエンザ対策からお尋ねします。
 2004年より2005年にかけてアジア各地で鳥インフルエンザの人への感染が相次ぎました。我が国では、関西地方を旅行していた台湾人医師が帰国後にSARSを発症、日本でも動揺が広がり、国では2005年11月に新型インフルエンザ対策行動計画を策定しております。
 この新型インフルエンザは、鳥などの動物のインフルエンザウイルスが人から人に感染しやすい性質に変異して発生するインフルエンザです。現在、アジアを中心に鳥から人への感染が広がっている鳥インフルエンザ(H5N1型)が新型インフルエンザになることが懸念されています。世界では2003年以降383人が発病し、そのうち241人が死亡しました。政府は、新型インフルエンザが国内で流行した場合の被害は最大で入院患者約200万人、死者64万人と試算しています。
 地方自治体でも取り組みが始まり、北海道の小樽市では、全国でもいち早くこの危機管理体制の整備に取り組み、小樽市保健所所長の外岡先生を中心に、発生時の感染を最小限にとどめるため、日ごろから市民への予備知識の普及に力を入れておられます。冊子をつくり、学習会や研修会等も開催されています。
 そこで、お伺いします。
 まず、この鳥及び新型インフルエンザ海外情報をどのように市民や市内の病院、学校、養護老人ホームなどに流していくのか。必要な防護服、マスクなどの備蓄品の準備は大丈夫か。タミフル(治療用の抗インフルエンザウイルス薬)はどのくらい準備できているのか。行動計画は策定しているのか。市民の方への周知や協力をどのようにしていかれるのか、この4点をお聞きします。
 次に、世界一長寿国である日本でがんが急増し、世界有数のがん大国になっており、日本人のおよそ2人に1人ががんにかかり、3人に1人が死亡しています。
 公明党は、国民の健康に重大な脅威を及ぼすがんとの戦いを緊急の課題ととらえ、がん対策に全力を掲げています。がんのことなら公明党と言われる先駆的な取り組みとともに国を動かしてきました。
 さて、がんの早期発見のための方法にPET−CT検診があります。早期発見とがんの転移の状況を知るには、最適な装置であることも聞いています。
 現在、一部保険適用の道が開けていますが、最初からPET−CT検査を受診するときには実費となり、かなり高い治療費となります。建物と機械と使用されるフッ素18の独自使用か、デリバリーシステムを選ぶかでシステム全体の金額が違ってきます。このようながん検診や放射線治療が市民病院ではどんな状況であるのかを拝見させていただきました。
 1階と地下を使用しての診療でした。狭い部屋での診療と機器類が相当の年月を経て時代に合わなくなっているようです。また、2台あるMRIの機械も一つは機器の性能が不十分なため、使用されていません。今、注目されているのが平面的な放射線の照射から3次元的な照射が容易になり、ミリ単位まで精度を高める装置で、定位放射線治療というそうです。日進月歩で進むコンピュータ制御技術で、リニアック標準装置と専用定位放射線装置を備えた機器は、今後治療にすぐれた成果を出せるとも聞きました。今、市民病院では年間850人程度の新規のがん登録があり、19年度でも約400人が放射線治療をされています。継続を含めて毎日50人程度が放射線治療をされています。
 さて、国では5年以内にすべての拠点病院で放射線療法と外来化学療法を実施できる体制を整えることを目標に定めております。本市としてがん対策をどのように進めておられるのか、さらに緩和ケアについてはどのような体制を敷いていくのか、お尋ねします。
 市民病院でも、こうしたPET−CTや、定位放射線装置等の整備を計画的に準備する時期に来ているように思います。市民病院として、最新の装置を入れる検討をされているのか、お尋ねします。
 あわせて、市民病院として時代のニーズに合った施設整備と治療体制と治療機器の整備についての整備計画のお考えをお示しください。
        〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  私のほうからは、新型インフルエンザ対策についての4点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目は鳥及び新型インフルエンザ海外情報をどのように市民の方々へ提供するかについてでございますが、現在市のホームページ等により情報を提供しておりますが、今後さらに新聞、テレビなども活用し、市民の皆様への情報提供に努めてまいります。また、特に集団発生の可能性が高い学校や養護老人ホームなどには、直接周知を含め、注意喚起を図ってまいりたいと考えております。
 2点目の防護服、マスク及びタミフルの備蓄についてでございますが、本市におきましては、新型インフルエンザ発生時の初動対応に必要な400名分の防護服とマスク、手袋などを備蓄しております。また、タミフルにつきましては全国で2,500万人分が備蓄される計画になっております。
 なお、本市を含む熊本県分といたしましては15万4,000人分が県において確保されているところであります。万一不足する場合には、国備蓄分から支援されることとなっております。
 3点目の行動計画についてでございますが、情報の提供、共有、感染予防と拡大防止などを定めた熊本市新型インフルエンザ対策行動計画及び医療機関の確保など、より具体的な対応を定めた熊本市新型インフルエンザ対応マニュアルを平成18年に策定しているところでございます。万一、本市において新型インフルエンザの患者が発生した場合は、感染症指定医療機関であります市民病院で治療を行うことになっております。
 なお、感染症病床は国の基準により12床となっております。
 4点目の市民の皆様への周知と協力につきましては、新型インフルエンザの予備知識をわかりやすくまとめた啓発冊子を秋までには作成したいと考えております。その冊子には手洗いの励行、日ごろからの体調の整え、早目の休養、人ごみを避けることやマスクの着用などの感染予防に必要な内容を盛り込んでまいります。さらには、この冊子を活用した、学習会や研修会を開催するなど、市民の皆様への周知を図り、予備知識の普及に努めてまいりたいと考えております。今後とも、国・県など関係機関と連携しながら、市民の皆様の御協力のもと、新型インフルエンザ対策に取り組んでまいりたいと存じます。
        〔馬場憲一郎市民病院長 登壇〕
◎馬場憲一郎 市民病院長  熊本市民病院のがん対策についてお答えいたします。
 市民病院では、悪性新生物(がん)医療を今後担うべき医療の大きな柱の一つとして位置づけております。
 熊本県内で最初に地域がん診療拠点病院の指定を受け、地域の医療従事者の研修や市民の皆様への出前講座などの情報発信に努め、地域のがん診療の質の向上に尽くしてまいりました。
 がん対策推進基本計画の目標となっている放射線療法と外来化学療法の実施体制はもとより、総合病院としての特徴を生かし、手術、放射線治療、化学療法の専門医師などによる集学的治療に取り組むとともに、主治医以外の医師に意見を求めることができるセカンドオピニオン外来も設けております。
 緩和ケアにつきましては、昨年5月、院内に緩和医療チームを発足させるとともに、在宅療養を推進するため、地域の医療機関との連携や情報提供を行っており、今後とも地域の医療機関と連携を深めながら、がん対策への取り組みを強化してまいりたいと思っております。
 次に、医療機器の整備につきましては、これまで経営改善計画に基づき、毎年2億円を限度に整備、更新を進めてまいりました。また、単体で2億円を超える機器の更新については隔年で対応するよう計画しており、その中でMRIや放射線治療機器なども予定しております。
 議員御指摘の時代のニーズに合った施設整備は、今後の大きな課題の一つでございますが、まずは現在の施設をできるだけ有効に活用してまいりたいと考えております。
 また、高度な医療機器は高額なものも多く、国の補助等を受けられるものにつきましてはできるだけ活用することはもとより、地域の医療機関との連携や機能分担を図る中で対応することも今後の病院運営にとって重要なことと考えております。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  新型インフルエンザの冊子を秋までにつくられると答えられました。危機管理をしつかりやっていただきたいと思います。
 さらに、市民病院は私が提案しましたセカンドオピニオン外来も設けられ、高額な医療機器を国の補助を受け導入し、緩和ケアの充実に努めていくとの答弁をいただきました。ぜひ総合病院として、がん対策の充実に努めていただきたいと思います。
 次に、その他の項目に移ります。
 男女共同参画社会について、素案として示されている条例に基づいて、どこまで現実的に変えていけるか、お尋ねします。
 ある新聞に「厳しい競争にさらされている企業には、わざわざ能力の低い男性を能力の高い女性より優遇したり、女性の賃金を抑制したりする余裕はない。そんなことをすれば、優秀な女性に活躍の機会が与えられているライバル企業に負けてしまう。逆に言えば、十分に企業間競争がなされていないならば、嗜好、好き嫌いによる差別が残る可能性がある。この点で、日本のデータを使った実証研究が近年活発です。一橋大学の川口大司准教授、神戸大学の佐野晋平講師はそれぞれ日本では女性の雇用率が高い企業ほど企業業績がよいことを明らかにしました。さらに、川口氏は亜細亜大学の浅野博勝准教授との最近の共同研究で、日本の女性従業員は生産性よりも低い賃金しかもらっていないことを実証的に示しました。日本の男女間賃金格差の一部は、生産性と乖離した嗜好による差別から発生したものである可能性が高い。そうなら、女性の能力をより活用することで日本全体の生産性も上がる。本来なら女性の採用や登用を進めれば、それだけ売上高や利益がさらにふえるわけで、いわば企業の経営者は女性差別で利潤を犠牲にしていることになる」とありました。
 これが公務員の世界にそのまま当たらないとしても、女性の雇用率が高いこの市役所では、女性の能力を引き出せていない職場の一つと言えるかもしれません。
 そこで、お聞きしますが、市職員の男女の割合はどのぐらいですか。
 次に、係長以上の人数は何人で、その男女の割合はどのようになっていますか。女性が管理職の試験を受けない理由にどんなことが挙げられますか。女性が管理職を目指していくには何が必要と思われますか。女性が管理職を目指すためには、職場の上司の協力が必要になると思います。そこで、管理職になるための勉強会を設けてはいかがでしょうか、お尋ねします。
 先日の新聞に、熊本市職員の2007年の懲戒処分が過去最多の12件、32人とありました。これは他都市と比べて多いのでしょうか、少ないのでしょうか、全国でどの位置にあるのでしょうか。今まで懲戒処分を受ける職員の男女間の割合はどうですか。女性が管理職になることは、職員の綱紀粛正に一役買っていくことにつながるのではないでしょうか、市長にお尋ねします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  男女共同参画問題の中で、本市女性職員の管理職登用に関するお尋ねにつきまして、数点ございましたが、順次お答えをさせていただきます。
 まず、本年4月1日現在の市職員における男女の割合でございますが、男性70.4%、女性29.6%でございまして、業務職を除きます係長級以上の職員数でございますが、2,061人で、男性85.1%、女性が14.9%となっております。女性の割合は平成11年と比較をいたしますと、その平成11年が10.9%、そこからは4%上昇したところでございます。
 また、女性が管理職昇任試験を受験しない理由ということでございますが、家事や子育て、あるいは介護等の負担が大きいため、受験意欲を持ちにくいことが原因の一つではないかと考えられます。女性に限らず、管理職には市民の視点、あるいは改革志向のもとでの政策立案能力や部下の指導育成能力などが求められることになります。将来の管理職を育成いたしますためには、直属の上司が日々の業務を通じまして、仕事の進め方や管理監督者としての心構え、あるいは部下育成方法などの指導等を行うことが必要でございまして、上司がその重要性を深く認識をし、部下に接していくよう指導に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、関連して懲戒処分に関するお尋ねにお答えをさせていただきます。
 まず、処分件数の他都市との比較ということでございますが、職員数の違いなどもございまして、単純に比較できない面もございますが、類似の10都市と比較をいたしますと、最も多かった都市で13件、最も少なかった都市で2件、平均で約7件ということでございまして、その比較を見ましたときには、やはり件数が多かったと言わざるを得ません。また、処分者の男女の別でございますけれども、平成19年度はすべて男性職員でございました。また、女性職員は過去3年で1人でございました。
 ただ、不祥事につきましては、男女の区別やその多寡にかかわらず、本市といたしまして大変憂慮すべきことであると認識をいたしておりまして、このようなことから、本年4月には職員の倫理の保持に関する条例を制定させていただき、また先月には職員倫理審議会から職員倫理規則の答申をいただきまして、現在その施行に向けまして準備を進めているところでございます。このほか、風通しがよく、人材を育成する組織風土の醸成を図り、職員のやる気を高める職場環境づくりに取り組みますために、昨年度から職場研修推進制度を取り入れまして、本年度は職場風土の活性化を重点目標としているところでございます。
 このような取り組みを通しまして、職員一人一人がみずからの資質を向上させ、公務員としての自覚や、あるいは倫理観を高めることによりまして、市民の皆様方の信頼を回復できるよう努めてまいります。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  女性の特質を生かした公平さ、辛抱強さ、堅実さを持つ管理職をふやしていけば、不祥事の減少に歯どめをかけることができると確信します。
 次に、一時保護施設について提案を交え、お尋ねいたします。
 過日、ある事情から社会に復帰することになった女性について相談がありました。事情があり、身内のところには一緒に住むことができないとのことで、早速、福祉総合相談室や子育て支援課に相談しました。単身であること、DV対象ではないことから、母子寮での一時保護はできません。最終的には、福祉総合相談室の方の尽力で、民間施設で2日ほど一時保護していただきました。
 もう一つの事例は、他県から事情があり熊本に来て飲食店で寝泊りしていた男性の方です。その男性は持病があり、治療したくても健康保険もない状態でした。保護申請を進めましたが、保護課としては、飲食店では宿泊の場所に適していないとのことで、最終的には病院に入院、現在保護の申請が進んでいると聞いております。
 現在の法律でいきますと、DV法や売春防止法、児童福祉法による一時保護は可能です。しかし、現行の法律に基づく一時保護対象者以外の方を一時保護する施設が市にはありません。これら法律外ではあるけれども、それぞれの事情で一時保護をすることによって次のステップに進める方は多いのではないでしょうか。
 そこで、お尋ねします。
 法律に基づかない対象者でも、事情によっては、男女を問わず一時保護できる施設を本市でつくれないでしょうか。また、市営住宅の一部をこのような人を保護する施設として活用できないものでしょうか、お尋ねします。
        〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  一時保護所の設置についてお答えいたします。
 現在、DV防止法や売春防止法による一時保護施設については、本市においても公的、あるいは民間の施設の活用により整備されてきております。しかしながら、生活環境の変化により居場所を失った方々に対しましては、これまでも関係部門が連携し、個々の状況に応じ対応してまいりましたが、今後さらに相談体制の充実及び迅速な対応を図っていきたいと考えております。
 施設の設置につきましては、福祉のみならず雇用や住宅等の課題もありますため、関係機関と協議してまいりたいと考えております。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  一時保護施設は、生活保護の申請をする窓口になってまいります。どんな住宅にするのか、どこに設置できるか、今後福祉の立場から、本市独自の基準を設け、実現に御努力ください。
 次に、発達支援センターの問題についてお尋ねします。
 ウエルパルくまもとが本年4月にオープンして3カ月がたちました。建物にも緑のカーテンが生えそろい、目を見張る緑の建物になってきました。つい先日、その中にある子ども発達支援センターを視察してまいりました。
 スタッフは総勢28名で、4月からの新しい相談者の方が約230人、継続での相談者が270人、計500人がおられます。その中で来所相談を受ける方が200人ほど待っておられます。この相談には、トリアージ的に差し追って大変な環境で子供さんを見ておられる方を優先するため、新規に申し込みをされた方が実際に相談を受けるまでの期間が6カ月以上、1年ほど待たなければならない状態でした。ほかに医師に見てもらっている方も、セカンドオピニオンのような他の人の診断も仰ぎたいとの思いがあるようです。
 一方、職員の方々もやっとなれてきておられるようですが、スタッフの数が足りないのが現状のようです。特に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理相談員、ソーシャルワーカーの人たちです。嘱託職員も足りていません。今後、この相談体制では、さらに相談の機会が、遅くなっていく心配もあります。
 今後、発達支援センターの機能を十分に発揮していくために、どのような職員の体制や相談、支援体制を構築していかれるのか、お尋ねします。
        〔木村正博子ども未来局長 登壇〕
◎木村正博 子ども未来局長  子ども発達支援センターについてお答えをいたします。
 御案内のとおり、熊本市における子供の発達支援は平成11年、就学前までの子供たちを対象に、相談、診察、療育を行ったことに始まり、本年4月からウエルパルくまもとの2階で専門職員や設備を充実させるとともに、対象もおおむね18歳までと拡大して開設したことにつながっております。
 また、開設して2カ月を経過した時点での利用実績といたしましては、ただいま御紹介をいただきましたように、昨年度から継続しておりますケース、さらに市民の皆様にとりましても待望の施設であるといったことから、これまでに比べ大幅に増加いたしました新規のケース、合わせまして約500件となっております。
 この500件につきましては、電話等による相談で済んだケースが約100件、来所による相談や面接、診断を行ったケースが約200件、残りの約200件が現在来所相談をお待ちいただいているケースであり、この早期解消が当面の大きな課題であると考えております。
 そこで、センターにおける相談から始まり、保護者からの聞き取り、子供の行動観察、医師等による診断、そして療育方針の決定までの手順の見直しに既に着手しているところでございます。
 具体的には、電話によるご相談を受けた結果を踏まえまして、緊急に対応する必要があるケースを除きまして、まずは来所相談を受けることによって、保護者の皆様に一定の安心感を得ていただき、その後で次の段階に移っていただくといった手順に変えたいと考えております。
 なお、この発達支援で最も重要なことは、子供たちの身近で長い時間かかわっておられる保護者の皆様が我が子の現状を正確に理解すること、そして子供に合った療育を考えることであり、そのための支援を継続してまいりますとともに、並行して保健福祉センターを核にした地域における療育ネットワークづくりも推進していきたいと考えております。また、人的体制につきましては、当初計画とほぼ同じ28名体制で運営しておりますが、今後の状況を見極めながら、担当部局と協議してまいりたいと考えております。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  相談体制のスピードアップと人的体制をふやすことが、保護者の不安にこたえ、療育のネットワークの構築につながります。先に人的配置に努めるべきだと考えております。
 次に、「熊本水物語」についてお尋ねします。
 本市は、67万都市の水道水源を100%天然地下水で賄う日本最大、世界でもまれな都市です。世界有数のカルデラ、阿蘇がつくった幾重にも重なる地層の中で、長い年月をかけて磨かれたこの天然水は、適度にミネラルと炭酸分が溶け込み、全国一の特級水と評価されています。このおいしい天然水を熊本オフィシャルウォーター「熊本水物語」として熊本市の宣伝の一つとして売りだしておられます。
 さて、水に関して大分の日田天領水を視察に行きました。社長から直に聞く機会もあり、この会社の規模、生産力、宣伝力にも驚きました。この会社は、武雄市と自社の製品を普及する協定書を結び、積極的に展開されていました。さらに、この水はiTQi(国際優秀味覚コンクール)で日田天領水と日田天領水のお茶が日本初3年連続ダブル受賞と2007年モンド・セレクションで2年連続最高金賞を受賞されています。
 これだけ研究しながら、世界に日田の水をPRされています。また、販売にしても、インターネットで注文を取ったりしています。その中で、定期購入や一括前払い定期販売等があり、宣伝はけた外れでした。余りに規模が違っています。社長は、ここの水の性質をビデオで回しながら、世界の有名な水にも負けませんと言われ、10リットルや20リットルの容器での配送も可能で、災害時にもいち早く送っておりますと言われておりました。
 現在、この「水物語」を販売しているところは限定されています。例えば、市役所の売店、水道局、熊本城内売店、動植物園売店、国際交流会館など、公的施設のみです。果たして多くの旅行者の皆さんは「熊本水物語」の存在をわかっておられるでしょうか。
 ほとんどの旅行者やお客さんは、自動販売機かコンビニでしか飲料水を買わないと思います。市役所の自動販売機ですら販売していません。今後、市内、県内の自動販売機のメーカーにお願いできないか、旅行者が立ち寄る場所やコンビニにも置かせてもらってはどうでしょうか。こうした販売が可能か、販路を広げるお考えはあるのか、お尋ねします。
 さて、この「水物語」の製造過程をJA果実連に視察に行ってきました。
 ここでは500ミリサイズの「水物語」7万2,000本が4時間でできるそうです。市が注文してわずか4時間です。仮に倍の14万本をつくるにしても7時間でできるそうです。さらに、この工場では350ミリサイズのお茶も生産しており、金額的には350ミリサイズも500ミリサイズも変わらないとのことです。
 そこで、この「水物語」を会議等で活用する際、飲み切りやすい350ミリサイズも生産してはいかがでしょうか。
 以上、2点についてお伺いします。
        〔加耒英雄水道事業管理者 登壇〕
◎加耒英雄 水道事業管理者  「熊本水物語」の販路拡大と活用策について答えさせていただきます。
 「熊本水物語」は天然地下水都市のイメージ確立を目指し、地下水都市熊本の内外への情報発信と熊本の水道水のPRを目的に活用しており、環境保全局や水道局の連携のもとでオフィシャルウォーター事業として展開しております。初年度である平成18年度は3万本、19年度は8万本を活用し、20年度も8万本を予定しております。
 「熊本水物語」の活用の手法といたしましては、会議及びコンベンションやイベント等での配布によるPRと、公共性の高い場所における販売によるPRとがございます。公共性の高い場所としましては、現在熊本城売店、JR熊本駅売店、動植物園売店や銀座熊本館などで扱っていただいておりますが、これらは一般の商取引とは異なり、熊本並びに水道水のPRに一緒になって取り組んでいただく形で御協力いただいているものでございます。
 御提案の販売場所の拡大につきましては、今後も引き続き、公共性の高い場所への拡大に向けた協議、調整を行っていきますとともに、公共施設内の自動販売機についても取扱所をふやしていけるように、関係する部署の協力を得ながら努力をしていきたいと考えております。
 次に、350ミリサイズの「熊本水物語」の製造についてでございますが、御案内のとおり会議等では小型のボトルのほうが活用しやすい、飲みやすいという意見があり、必要性を感じているところでございます。ただし、一般市場では需要が低いことや、災害時の備蓄用には不向きということもありますので、現行の500ミリサイズとの役割分担及び製造本数の調整なども考えながら、小型ボトルの製造、活用に向けて取り組んでまいりたいと考ております。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  350ミリサイズの製造に取り組まれるとの答弁です。さらに積極的に自動販売機に「熊本水物語」を置かせてもらうよう、力を入れていただきたいと思います。
 次に移ります。
 現在、世界規模でエネルギーの高騰が続いております。石油に始まって、すべて輸入製品が上がり始めております。建設工事において加速している鋼材価格の高騰は、公共事業受注者の大きな負担となっています。資材をストックしておくことが難しい中小企業は極めて深刻な状況であります。東京都議会でもこの問題が取り上げられ、早急に単品スライド条項を適用するとともに、実態に即した適用ルールを定め、公平性を確保することが必要と指摘されております。この問題について、本市においても公共工事の契約締結後、資材価格が高騰した場合、現在どういった対応をしているのか、また今後どのような対応をされるのか、お尋ねします。
        〔寺本敬司総務局長 登壇〕
◎寺本敬司 総務局長  建設資材価格問題についてお答えいたします。
 建設資材価格の高騰につきましては、契約締結後、資材価格が著しく変動した場合の対応としまして、熊本市公共工事請負契約約款の第25条第5項に、いわゆる単品スライドの条項を規定しているところでございます。この条項につきましては、昭和54年の第2次石油危機における石油関連建設資材の高騰という事態の経験を背景に、公共工事の契約約款の標準モデルを示しております中央建設業審議会の標準約款にあわせまして、本市においても追加した条項であります。
 国土交通省におきまして、今回鋼材と燃料油の2資材を対象とする単品スライド条項の運用を6月13日に発動されましたが、工事請負契約約款の本条項は今回が初めての発動となります。その中で、それらの資材の価格上昇分が対象工事費の1%を超える額を発注者が負担するというルールが示されたところでございますが、詳細につきましては、まだ不確定な部分も残っておりますので、全容が明らかになり次第、積算単価を設定しております熊本県や関係部局と連携し、適切に対応してまいりたいと考えております。
        〔18番 有馬純夫議員 登壇〕
◆有馬純夫 議員  建設資材の高騰が続いています。工事を請け負う業者さんにとっては朗報ではないかと思います。
 きょうは長時間の質問になりました。議員の皆様、また傍聴においでの皆様、御清聴ありがとうございました。また次の質問に向け努力してまいります。(拍手)
     ───────────────────────────
○磯道文徳 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。
 午後2時に再開いたします。
                            午前11時42分 休憩
                            ───────────
                            午後 2時00分 再開
○牛嶋弘 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
     ───────────────────────────
○牛嶋弘 議長  質問を続行します。上野美恵子議員。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇 拍手〕
◆上野美恵子 議員  日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。
 本日の質問、時間いっぱい使ってじっくりと論議してまいりたいと存じます。
 本日は唯一の女性議員の質問となりますので、その点も大事にしてお尋ねしてまいります。
 命、暮らし、経済や地域の将来が先行き不透明、大変不安の多いときです。市民の希望と安心につながるよう、問題点を指摘して、積極的な提案をしてまいります。市長並びに執行部の皆様方には、真摯で誠実な答弁をいただきますよう、お願いいたしまして、早速質問に入ります。
 今、全国の書店で現代のワーキングプアにも重なる過酷な労働環境を描いた名作が、平成の格差社会に大復活と紹介された小林多喜二の小説「蟹工船」の売れ行きが急増し、コミック版も発行されています。地元紙1面のコラムでも、「おい地獄さ行くんだで」という書き出し、脚光を浴びるほどの売れ行きが紹介されています。
 テレビ朝日「サンデープロジェクト」の「資本主義は限界か?」のコーナーに、私ども日本共産党の志位委員長が出演しました。サブプライムローンに象徴される過度な投機、深刻な貧困問題、利潤第一の資本の論理によって破壊される地球環境など、アメリカと日本を中心とする世界の資本主義がケインズ主義を乗り越える切り札として新自由主義を進めた結果、どうにもならなくなって、資本主義が道に迷っているということを指摘しています。田原総一朗氏は、「資本主義が道に迷ったから志位さんに来てもらった。」と言われました。迷い道から抜け出る道は蟹工船の飛ぶような売れゆきの中にあるのかもしれません。
 今、福田内閣、自公政治も先行きが真っ暗な事態に直面をして、国民の暮らしも立ち行かなくなっています。今、私たちはなぜここまで行き詰ってしまったのか、どうすれば打開できるのか、地方では何をなすべきか、しっかり論議すべきときだと思います。アメリカの圧力のもと、90年代から進められた聖域なき構造改革は、労働者を保護するルールを破壊して年金、医療、生活保護など、社会保障の連続改悪と庶民への増税による過重な負担強化、そして三位一体改革と言いながら際限のない地方切り捨てを進めて、その一方で、大企業への大幅減税と規制緩和など、強い大企業にはますます有利になる政策を強行しています。その結果が大企業栄えて民枯れるの今日の状況です。
 こうした事態を前に、各種メディアも改革論議の視点を変えて、大企業から家計へ経済政策を移すときだなどと主張するようになって、家計に軸足を移して、庶民の購買力を引き上げることなしに、現在の局面を打開できないことがはっきりしてきています。
 今、直ちになすべきことは、社会保障の切り捨てや負担増をやめて、正規雇用の拡大や最低賃金の引き上げ、地方の中小企業と農業の支援など、暮らし、福祉を優先する政治に国も地方も転換することではないでしょうか。
 ところで、幸山市長は最近出版された本の中で、ぶれずに市政改革を進める、次世代への責任を果たすという意味で、かたく心に誓い、徹底した行財政改革に取り組んできたと書かれています。改革のすべてを否定するわけではありませんが、徹底した受益者負担の導入は根本的に間違っています。ことし市長がある会合で行いました講演では、財政健全化のために市民の協力を得た代表的事例として、さくらカード事業で、高齢者に2割負担、障がい者に1割負担をお願いしたと自慢されていたのには驚きました。その結果、負担感からどれだけ利用が減ったかには全く無関心のようです。
 そのほか、児童育成クラブの負担を年間8万円と2倍以上にしたことや国の庶民増税と合わせて国保料が17億円、介護保険料11億円、下水道料金17億円と次々に負担を押しつけたことにも反省はありません。弱いものいじめをすることを次世代への責任と言ってはばからない市長の姿勢は人間的にも問われるのではないでしょうか。
 また、官から民へとごみ収集や給食調理業務、保育所などに強行して導入した民間委託は、正規雇用を市みずから不安定な非正規労働者へと置きかえ、深刻な不安定雇用の広がりに市が後押しをすることになっています。まさに、弱肉強食の新自由主義による構造改革の熊本版です。
 書籍の中で、まだ完全に財政は健全な状態に戻りましたと言い切れるまでに至りませんが、今では合併の障害になるような状況ではありません。私自身、体を張ることができたのは、政令市を実現し、県全体の牽引役になるという目標があったからであると述べていますが、手段であるはずの政令市のために市民への負担増をお願いしたと言う告白でもあり、逆立ちではないかと思います。
 地方自治法第1条の2項には、地方自治体は住民の福祉の増進を図ることを基本とすると定めてあります。自治体の役割を投げ捨て、国に追随した改革、地方再編を進めていることの結果は、今後厳しく問われてくるに違いありません。
 初めに、後期高齢者医療制度をお尋ねいたします。
 4月から後期高齢者医療制度がスタートしています。沖縄県議選で与党が惨敗をして与野党が逆転する結果になったのは、何よりもこの制度への厳しい審判であり、きっぱり廃止する以外にはありません。この制度がうば捨て山、最悪の制度と批判されるゆえんは、第1に命と健康にかかわる医療に年齢での差別と高齢者への新たな負担増を持ち込んで、長年社会に貢献してきた高齢者に苦しみを強いる人の道に反するやり方です。
 第2に、存続すればするほど痛みが増して国民が苦しむ制度です。4月15日、初めて年金から天引きをされ、多くの高齢者が憤った保険料は2年ごとに見直されて、高齢者の増加、医療技術の進歩等に伴う医療費の増大により、青天井に値上げをされていきます。一方、定額制の導入や後期高齢者退院調整加算、終末期に延命治療を控えさせるための後期高齢者終末期相談支援料、療養病床を半分以下に削減する計画は、高齢者の病院追い出しをさらに加速します。
 第3に、後期高齢者だけでなく、すべての世代に痛みを押しつけます。2025年には75歳以上の医療費を5兆円削減する見通しですが、負担増と医療切り捨ての一番のターゲットは団塊の世代です。また、65歳以上の国民健康保険加入者の保険料は年金から天引きで、65歳以上の障がい者も事実上後期高齢者医療制度に加入をさせられて、負担増や差別医療が押しつけられます。全国的には、4月末現在で600を超える自治体が見直しや廃止を求める意見書を採択し、全都道府県医師会の6割を超える30都府県の医師会が異議ありの声を上げています。
 兵庫県医師会長の西村亮一氏は、人間は生まれてから死ぬまで同じ命、同じ人間です。75歳で線を引くことは全くおかしい。早く取りやめていただきたいと述べておられます。さまざまな立場、特に医療現場の第一線で奮闘されている方々の御意見を幸山市長はどのように受けとめておいででしょうか。
 第1に、市長は、3月議会での益田議員の一般質問に、「医療という側面から社会全体で高齢者を支えるための先々を見越した仕組みづくりのための制度である。」とお答えでした。4月のスタートから矛盾が激化をしているこの制度を市長は今も同じように受けとめでしょうか。市としては、制度廃止を国に求めるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 第2に、保険料負担を軽減してほしいという大きな世論の中で、全国的には東京、石川、京都、岡山の4都府県の広域連合は、都府県、市区町村などの補助によって保険料負担を軽減しますし、千葉県浦安市は1人当たりの年額保険料が9万円を超えることから、現役並み所得者を除く約6,000人に対して、年1万円の給付金を支給する形での負担軽減策を実施します。保険料が払えなければ、これまでは発行されなかった資格証明書が発行されます。熊本でも、保険料負担軽減をぜひ検討し、実施していただきたいと存じますが、いかがでしょうか。
 以上、広域連合長をお務めの幸山市長にお尋ねいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  後期高齢者医療制度について2点のお尋ねにつきまして、お答えをさせていただきますが、そのお答えに入ります前に、いろいろと私の本から取り上げていただきましたり、お考えを述べていただいたところでございますが、1点だけ事実と異なる点があったと思いましたので、その点について触れさせていただきたいと思います。
 確かに、お出かけトークでありますとか、校区自治協議会でのトークでありますとか、財政状況、市債残高、あるいは財政調整基金残高をここ数年の経緯をお示しし、財政状況が改善の方向に向かっているという説明をさせていただいております。
 その中で、確かにさくらカード、あるいは児童育成クラブの受益者負担のことを例に挙げているところでありますが、その説明としては、こうした市民お一人お一人の協力があって、この財政健全化がなされていると、行政だけの取り組みでできることではありません。皆様方のおかげですという趣旨で、例として挙げさせていただいておりますので、何も自慢げに受益者負担を取り上げているのではないということは、ぜひとも御理解をいただければと思います。
 それでは、後期高齢者医療制度、いわゆる長寿医療制度に関します2点のお尋ねにつきまして、お答えをさせていただきます。
 1点目でございますけれども、制度に関する考えについてでございますが、この長寿医療制度は、負担と給付を一つの制度といたしまして、世代間の負担区分も明確にしたものになっております。ふえ続ける医療費を背景といたしまして、これからも国民皆保険を維持していきます上で、一歩前進した制度であるととらえております。
 ただ、国における政省令のおくれでありますとか、あるいは施行直前の制度変更などから、結果といたしまして、制度への事前の周知と、あるいは説明が不足いたしましたことは事実でございまして、そのために制度への誤解を生じてしまったことは大変残念なことであると思っております。
 また、本市におきましても、保険料の算定を誤り、市民の皆様方に多大なる御迷惑をおかけいたしましたことは、大変申しわけなく思っているところでございます。今後は事務に遺漏のないよう、しっかり対応してまいりたいと考えております。
 なお、制度の充実や運用の改善につきましては、今後とも国に対して要望してまいりたいと考えております。
 また、九州の広域連合長で組織をいたしますこの後期高齢者についての対応を考える組織を立ち上げているところでございますけれども、先般も全国市長会の会合にあわせまして、九州各地の連合長がそろい、財政支援、あるいは不均一賦課に対する財源補てんの制度化、長寿医療制度の周知徹底等々につきましての要望活動を行ってきたところでございます。今後も市として、あるいはそうした九州でのネットワークを通じまして、国に対して改善の要望を続けてまいりたいと考えております。
 2点目は、保険料の負担軽減についてでございますけれども、国におきまして、低所得の方へのさらなる軽減対策が決定されたところでございますので、まずはこの対策を円滑に実施する必要があろうかと考えております。その方向性につきましては、先ほど申し上げました九州の連合長で要望に参りましたときに、その概略について説明があり、先般正式に決定がなされたと考えておりますけれども、このことにつきましても、先ほどのような事務の遺漏がないように、適切な対応を心がけてまいりたいと考えております。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  今や全国でこの制度に怒りが渦巻いています。与党すら見直そうとしているのに、一歩前進した制度などと評価している人はほかにはいないと思います。
 広島県医師会長の碓井静照氏は、政治は弱者の目線で行われるべきで、高齢者を尊重できない国は、まともな国とは言えないというご意見を述べていらっしゃいますが、まともな感覚があるならば、この後期高齢者医療制度がいかにお年寄りいじめの制度であるのか、高齢者の痛みをしっかり感じ取れるはずだと思います。
 今、国民が一番怒っているのは、年齢を重ねて75歳になったということだけで、別枠の保険に強制的に組み入れられて、差別医療を押しつけられることと、なけなしの年金から勝手に天引きされることです。市長はこれらのお年寄りの皆さんの痛みを感じないのでしょうか。再度答弁をお願いいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  後期高齢者医療制度に関しまして、再度のお尋ねがあったところでございますけれども、医療制度に対しての考え方につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
 既存の老人医療におきまして、さまざまな制度的な問題、あるいは財政的な問題が生じてまいります中で、今回国におきまして、新たな制度の見直しが行われ、今後も医療制度の改革も含めまして、見直しが進められてくるものと考えております。
 しかしながら、今回のこの後期高齢者医療制度につきましては、やはり先ほど申し上げましたように、制度の周知等の徹底が不足しているところもあり、そして決してこの制度というものは、高齢者の皆様方に対する畏敬の念を忘れたものではないと思っております。
 しかしながら、結果としてそのようにとらえられたとするのであるならば、やはりいろいろな意味での制度の周知が不足していたのではないかと思っております。広域連合長という立場におきましても、しっかりとこの制度、あるいはさまざまな制度改革、新たな減免制度等が次々に打ち出されてきておりますので、この対象となる皆様方に混乱が生じることのないように、適切な対応を心がけてまいりたいと考えております。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  今の市長の答弁には全く驚きです。周知不足を繰り返しておられますけれども、わかればわかるほど、高齢者の痛みはもっと厳しくなると思います。無神経だと思います。
 現在、新聞各紙の世論調査でも評価しないと答えている人が7割を超えています。世代を超えた圧倒的多数の国民に批判の声が広がっています。広域連合が実施主体であるため、県でも、市町村でも問題を解決できないという大きな弱点もあります。そういう意味で、広域連合長である市長の認識が極めて重要です。痛みを感じ取れるように、感性をしっかり磨いていただきたいと存じます。
 また、この制度の実施の中で、これまで無料であった検診が有料化されたり、鍼・灸・あんまの助成制度も後退しています。これらにつきましては、もとに戻して早急に制度矛盾の改善にしっかりと努めていただくことも強く要望しておきます。
 続いて、国民健康保険制度についてお尋ねいたします。
 全日本民医連が行った調査で、国民健康保険証がなかったために、病院に行けず悪化し、死に至った事例がわかっただけでも全国で39件、うち2件が熊本であったということが報告されています。県下で最高額の保険料が払えないために、当たり前の保険証がもらえない。短期保険証、資格証明書の発行は年々ふえ続けて、発行率、制裁率は全国一です。短期証が更新できずに、毎年11月の時点では9,000世帯以上が無保険です。
 先日、私どものほうに相談に来られた方は、自営業で売り上げが落ち込み、昨年は月額の給与所得が10万円、収入に直して約18万円から19万円程度です。夫婦、子供の4人世帯で、この中から月2万5,000円を超える保険料が賦課されています。生活保護基準以下の収入で1割以上が国民健康保険料として徴収されます。計算間違いではないかと思うような高い保険料、しかし現行制度で計算するとそのようになるとのことでした。払えなくて滞納額がふえていくのは当然のように思います。こんな高い保険料を賦課されていては、どんなに徴収を強化しても、払えと言うほうが無理ではないでしょうか。
 第1に、本市の保険料算定でいけば、1カ月にたった十数万円の収入の人が月2万5,000円以上もの高い保険料を払わなければいけません。この実態を市長は負担の限界を超えているとは思われませんか。
 また京都市は、今年度より低所得者世帯を中心にして96%の世帯の保険料を値下げしています。お隣の福岡市も、昨日の市議会の中で保険料の値下げが表明されています。政令市で相次ぐ保険料の引き下げ、市長が政令市を目標にするというならば、政令市並みの一般会計繰り入れを行って、負担の限界を超えた保険料引き下げを速やかに行うべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 第2点目に、保険料の収納問題で市役所に相談に来る人は年間5万人を超えています。ところが、減免の実績は昨年度1年間で865件、来られた方々のわずか1.5%です。3月議会で益田議員が要望いたしました低所得者減免については、必要ありと制度実施を約束されていましたが、実施時期や内容の検討はどこまで進んでいるのでしょうか。
 また、保険料の負担だけでなく、病院に行けない、治療費が払えないということで困っている方の相談も相次いで寄せられています。中には病院代のために借金に苦しんでいる方もおられます。ところが、本市では、医療費を減免する一部負担金減免制度がほとんど活用されていません。昨年度実績で年間たったの13件です。しかし、全国でも積極的に一部負担金の減免を行っている自治体もあって、広島市では年間約2,000件、東大阪市は5,000件を超えています。制度の周知不足への対策も含めて、抜本的な制度の運用改善をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 第3に、ここ数年収納対策がますます強化をされて、手当たり次第に差し押さえが行われています。2005年度までは年間三、四件だったのが2007年度には121件と、わずか二、三年で30倍、40倍にもふえています。しかも、五、六十万円の滞納額に対して数百万円を超えるような資産価値の家、土地が差し押さえられています。
 国民健康保険料の徴収にも準用されている国税徴収法では、第48条の1で「国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押さえることができない。」と超過差し押さえの禁止を定めており、例えば滞納額50万円に対して1,000万円もの土地を差し押さえた場合は、超過差し押さえということで、原則として違法です。
 さらに、国税徴収法基本通達では、財産の選択について滞納者の生活の維持または事業の維持に与える支障が少ない財産であることに十分留意をするとあって、生活、事業に差し障るような差し押さえはせずに、慎重かつ抑制的にとり行うというのが差し押さえの原則です。
 本市では、差し押さえに当たって、超過差し押さえなどの違法な差し押さえとならないよう、どのような配慮と検証を行っているのでしょうか。また、そのような実態があれば早急に改善すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 市長並びに健康福祉局長にお尋ねいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、私のほうから国民健康保険の保険料負担と引き下げについてのお尋ねにつきまして、お答えをさせていただきます。
 国民健康保険制度は、医療給付費のおよそ半分を加入者の保険料で賄うという仕組みでございますが、国保加入者の保険料負担感の軽減という観点から、平成19年度に行いました国保会計健全化計画の見直しにおきまして、平成21年度と平成24年度に予定をしておりました料率の改定を2年繰り延べることとしたところでございます。
 なお、多額の累積赤字を抱えているのは御承知のことかと存じますが、大変厳しい国保財政の現状におきましては、―律の保険料率の引き下げは難しいと考えております。
 もう1点のお尋ねの減免制度等につきましては、担当局長のほうからお答えをさせていただきます。
        〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕
◎甲斐節夫 健康福祉局長  私のほうからは、国民健康保険に関し、保険料の低所得者減免、それから一部負担金の減免及び差し押さえについてお答えいたします。
 まず、保険料の減免につきましては、低所得者の方々については負担の軽減を図る必要があると考えておりまして、本年度中の実施に向け、現在本市の実情に応じた減免方法について検討しているところでございます。
 また、医療機関での受診の際に御本人がお支払いになる一部負担金の減免は、災害や失業等の特別な事情に対応するものであり、今後とも保険料の納付相談や減免相談の際に御案内するなど、さらに被保険者の皆様へ周知を図りますとともに、医療機関への周知につきましても検討してまいります。
 次に滞納者に対する差し押さえについてでございますが、まず滞納者の家計、財産等の状況や滞納状況を調査し、今後の納付についての意思を確認しながら、個々のケースに応じた納付指導を行うよう努めております。
 その経過を踏まえ、保険料負担の公平性の確保という観点から、保険料債権の保全が必要と判断した場合において、滞納者の事情を考慮した上で、法に基づき適正に執行しているものでございます。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  市長の答弁は負担に痛みを感じないような答弁だと思います。
 差し押さえについても、昭和35年に国税徴収法が制定された当時に租税徴収調査会の責任者を務めておられました我妻栄氏という方が「国税徴収法精解」の発行に当たって寄せた文章の中で、「制度の運用に当たって当局は、慎重を期することが当然の前提」と強調されています。昭和51年に定められた政務運営方針でも「租税の徴収に当たっては、第三者の権利の尊重に留意するとともに、法律に定められた諸制度の運用については、いやしくも拡張解釈による不当な処分や不十分な調査による安易な処分が行われることがないよう配慮する。」と明記されています。
 本市では、過大な差し押さえによる法を逸脱した状態が放置されておりますので、早急に改善すべきと思います。また、政令市並みの一般会計繰り入れを行って、保険料引き下げについてもぜひ実施していただきたいと思います。それが政令市を目指す道だと思います。また、低所得者減免につきましては、本年度じゅうに実施していただくということですので、4月にさかのぼってぜひ早急に実施をお願いいたします。
 では、続きまして、熊本産院存続、子どもたちをめぐる問題についてお尋ねいたします。
 昨年度決算見通しで赤字が2,653万8,000円と、3,000万円を切るとともに、向山、春日、本荘、春竹の地元自治会連合会が挙げて市長への要望がなされていたにもかかわらず、6月6日、議会運営委員会記者会見の席上において、幸山市長が突然に「現在、熊本産院の機能を市民病院に一体化する方向で検討を進めており、9月をめどに最終的な判断を行う。」と、事実上の産院廃止発言を行ったことに、私どもは驚き、怒りました。その日即座に市長への抗議を行って、9日には24時間の座り込みもしました。
 6月11日に市長への要望では、「赤ちゃんにやさしい病院を必要とする人がたくさんいるのに、なぜ廃止するのですか。」、「産科の病院を減らすのは時代に逆行。」、「産んだときお世話になったスタッフに相談できることが一番の不安解消。」、「心で訴えれば市長にも必ず通じると、何度もお願いしてきました。」と、涙ながらに訴えられました。こういうお母さんたちの姿に市長は胸が痛まないのでしょうか。
 第1に、私ども議会は、2年前、閉会中審査も含め何十時間にもわたる真剣な論議を行いました。赤字3,000万円という条件も含めて総合的に検討するとしていたその2年目を迎えて、今まさにこの問題での議論を私どもとしては始めようとしていたところです。しかし、議会の開催も待たずに市長が行った一体化、事実上の廃止発言は、余りにも唐突で、議会軽視ではないでしょうか。
 私は改めて2年前の市立産院廃止問題についての議事録に目を通しましたが、所属する会派によってニュアンスや結論は違っていても、共通していた意見は3つにまとめることができると思いました。
 1つ目は、議会として市立産院の存続を願うかつてない10万人という多数の署名や陳情など、市民の願いを真正面から受けとめて、何とか市民が納得する解決策を導きたいという議会の真剣な思いでした。
 2つ目は、行財政改革の一環として赤字の産院廃止ということからスタートをして、市民病院との統合、赤ちゃんすこやか支援センターと議会が混乱した市長の提案自体に根本的な瑕疵があったという批判です。特に委員会の取りまとめに大変難儀されました当時の鈴木委員長は、今回の条例の出し方に根本的に瑕疵があったということを指摘をせざるを得ないと厳しい批判をされておりました。
 3つ目には、NICUをとるか、産院をとるかという選択を迫るような提案になっていましたが、議会としては大切な母と子の命をどうして守っていくのかという1点にあるという強い思いでした。市長に言いたい、お金の問題ではない。人の命が一番重い。もっとぬくもりのある市政運営をしてもらいたいと自民党のベテラン議員も発言していましたが、これは委員みんなの共通した思いでした。
 こういう論議を踏まえ、条例案修正による総合的な検討と附帯決議が決められました。議会無視でないというのであれば、こういう議論を踏まえて市長に総合的検討を求めるに至った当時の市議会の総意について、市長はどう受けとめているのか、明確にお答えください。
 第2は、この2年間、産院のスタッフの皆さんは、議会の指摘を真摯に受けとめて、風評被害を乗り越え、本来の市立産院の総合力を発揮して、とても無理と思われた赤字の大幅縮小を実現しています。しかし、問題は市長や執行部がその一方でどのような努力をしてきたのか、明確にされていないということです。
 2年前、ベッド数は産院から市民病院に10床移したわけですから、本来であれば、そういう条件を生かしてNICUの増床も含めて総合周産期母子医療体制の充実も検討すべきであったと思います。また、赤ちゃんを産み育てているお母さんたちを初めとして、行政や現場スタッフ、広く産科医療にかかわる関係者で総合的な検討の場を設けるなど、最低限の努力はなされたのでしょうか。
 第3に、全国的にも深刻な産科医と産科医療機関の不足の中で、昨年4月に日本産科婦人科学会産婦人科医療提供体制検討委員会がまとめました最終報告「わが国の産婦人科医療将来像とそれを達成するための具体策の提言」では、産婦人科医療の中でも、特に産科医療が危機的状況にあるとした上で、地域における分娩取扱能力維持のためには分娩施設の維持が前提となるが、特に地域においては病院での産婦人科の診療機能維持が困難なので、診療所における分娩取り扱いを維持し続けることが非常に重要であると指摘しています。全国的な産科医療の置かれた深刻な現状を受けとめるならば、産院での分娩機能維持こそ、市が真っ先に取り組むべきではないでしょうか。
 第4に、市長は一体化を図っても、産院の機能は充分に引き継ぐことができるし、より効率的に充実できると説明されています。昨日、佐々木議員の質問でもるる答弁されておりますが、母乳育児の推進でも、措置・福祉分娩でも、妊産婦に対する支援でも、各医療機関や保健福祉センターにおいて着実に取り組みが進められてきたのは、産院の取り組みに続けと、いい意味で各機関が競い合って母子医療・福祉の向上に努めてきたからではないでしょうか。熊本産院が熊本に存在をして、母乳育児、措置・福祉分娩、妊産婦へのケアでもどこにも引けをとらないようなサービスを提供して、熊本の母子医療の質を引き上げていることの意味は大変大きいと思います。
 認定基準も厳しくて、今、全国6,000の産科施設のうち48カ所しかない貴重なWHO・ユニセフ認定の赤ちゃんにやさしい病院をこの熊本で1カ所なくす意味がどこにあるというのでしょうか。そこが拠点となって、持っているノウハウを市内、あるいは県下の産科医療機関に広げていく役割こそ担うべきではないでしょうか。市民病院でも、産院でも、現場のスタッフの皆さんは、本当に頑張っていらっしゃいます。
 しかし、日本母乳の会が市民病院に対しまして、その改善を強く求めた入院中の母乳率が56.7%であることは、市民病院と産院の担う役割の違いを顕著に示しているのではないでしょうか。また、措置分娩はこの2年間に2.5倍近くにふえています。そういう意味では、助産実施施設を広げたことはよかったと思います。
 地域別に見たときに、北部、中央部に措置分娩施設がない中で、市の比較的中心部に位置する産院の役割は大切だと思います。妊産婦に対する支援では、育児支援家庭訪問事業、産後ホームヘルプ、いずれも実施や利用は伸びていません。これがどうして産院廃止の理由になるのでしょうか。
 厚生労働省の健やか親子21検討会報告書では、育児への不安感や孤立感を持つ母親の数は今後も増加して、深刻化するものと考えられると指摘しており、周りの支え、福祉、医療のケアを必要とする母と子はますますふえていくと思われます。今後の周産期母子医療においては、無事に産むだけではなくて、母と子の幸せにつながるような継続したケアが重要です。産院をなくすことは、今後求められる母子医療のあり方に逆行するのではないでしょうか。また、先日市長は産院に行かれたそうですが、そこで何を見てこられたのでしょうか。現場スタッフの皆さんの生の声はどのように聞いてこられたのでしょうか。
 5点目に、今回の産院廃止の財政的な側面として、今回は赤字を3,000万円に抑えたが、今後とも安定した経営は困難という点と病院施設の老朽化が進んで、多額の投資経費が必要になるという2点を挙げておられます。これは余りにも無責任で非科学的、まさに廃止先にありきの最たるものです。
 そこでお聞きしますが、市立産院が議会の期待にこたえて、不可能と思われました赤字を3,000万円以下に抑えた努力をどのように評価しているのでしょうか。また、産院の老朽化による多額の投資と言われますが、駅前東A地区再開発の205億円、桜の馬場整備の48億円など、再開発への巨額な投資に比べれば、産院への投資はそんなに多くないはずです。産院への投資はもったいないとお考えなのでしょうか。税金をどう使うのかは市長の勝手な判断でなく、納税者である市民の判断を求めるべきではないでしょうか。市民に聞けば、ほかのどんな施設よりも産院への投資に賛成されると思いますが、いかがお考えですか。
 以上5点につきまして、幸山市長にお尋ねいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、産院の問題につきまして、数点お尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきます。
 まず、1点目の総合的検討が条例附則において定められました趣旨につきましては、保健福祉委員会による附帯決議も考えあわせますと、本市における妊産婦に対する支援というものを効率的、効果的に、かつ適切な施設、環境のもとで進めていく必要があると考えておりまして、そのこと自体大変重く受けとめているものでございます。
 2点目のNICUの増床についてでございますが、市民病院全体としての看護師の確保といった課題などもあり、実現に至っておりませんけれども、市民病院のNICUが満床のために県外の病院への母体搬送例が毎年20件を超えている状況でございまして、できるだけ早く解決すべき課題であると考えております。
 〔議長退席、副議長着席〕
 また、「周産期母子医療体制及び妊産婦支援の充実のための総合的な検討の場の設置」についてでございますが、これまでも市民の皆様方からの御意見を伺ってきたところでございます。今後、本議会における御議論を踏まえますとともに、必要に応じまして、幅広く関係する方々の御意見等も伺ってまいりたいと考えております。
 続きまして、3点目の産科医と産科医療機関の不足が言われる中で、産科医療機関をなくしていいのかという御質問につきましては、確かに全国的には産科の医師や医療機関が不足し、深刻な状況となっている地域がございますが、本市におきましては、産婦人科医師数は人口10万人当たり13.1人と県や全国に比べますと6割程度多い状況でございます。また、お産のできる産婦人科の病床数は現在624床あり、病床利用率は6割を切る状況にございますことから、十分に対応できるのではないかと考えております。
 4点目の今後の周産期母子医療のあり方についてでございますが、出産前後の母体や新生児のその他の疾患や緊急時の対応等を考えましたときには、市民病院が有する高度医療機能や総合的な医療体制の中で一体的に進めていく必要があると考えております。
 また、先日熊本産院を訪れたことに対するお尋ねでございますけれども、院長、あるいは看護師長に御案内をしていただいたわけでありますが、分娩室や病室を初めといたしまして、全館をつぶさに見させていただきました。そして、その途中、育児サークルや育児支援活動の取り組みなどの説明を受けたところでございまして、改めて現在産院が果たす機能や役割について再認識し、それらの取り組みを全市的に拡充していかなければならないとの思いを持ったところでございます。ただ、一方では、施設面におきまして、例えば窓が開閉しないところもございますなど、施設の老朽化というものも感じたところでございます。
 5点目の平成19年度の産院の経営改善についてでございますが、特に早産や切迫流産の防止のための長期入院がふえたことが主な要因ではございますが、土曜診療の実施、あるいは各種広報の充実、経費節減といった努力の成果もあろうかと考えております。
 また、他の事業との比較といったとらえ方につきましては、それぞれの事業につきまして、その必要性、緊急性や、あるいは効果等につきまして総合的に検討し、議会におきましても御審議をいただいた上で、それぞれ取り組みを進めさせていただいているものでございます。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  今の市長の答弁を聞いて納得をされた方が一人でもいらっしゃるでしょうか。今議会で、一番論議をしなければならない問題でこの程度の答弁で議会の理解を得ようと考えておられるのであれば、認識不足も甚だしいと言わなければなりません。
 2年前、議会がどういう思いで市長に宿題を与えたのか、全く理解されておりません。市長は効率的、効果的に、かつ適切な施設、環境のもと進めていく必要があると受けとめたと言いましたが、そんなことは産院に限らず、行政すべてが行う問題に共通して、最低限なすべき当然のことです。その程度の薄っぺらな答弁をしていただくために、2年前に議会で何十時間も審議したかと思うと情けない気持ちでいっぱいです。要するに、何と言われようと産院は廃止と結論が決まっているからとしか思えません。
 NICUについても、どういう努力、検討したかには全然答えていませんし、全国的な産科医と医療機関の不足もよそごとです。1995年から2005年まで、この10年間、全国の分娩実施施設数は3,991カ所から2,993カ所へと約1,000カ所、4分の1がなくなっています。昨年1年間で1,000人を超える妊産婦が救急搬送で3カ所以上の病院をたらい回しになっています。だからこそ、日本産科婦人科学会が分娩施設の維持を強く訴えているのではありませんか。
 この報告ではさらに続きます。分娩施設の急激な減少は、地方で先行して認められているが、有効な施策が講じられなければ、相対的に医療資源が豊富で、医療機関へのアクセスが容易な都市部においても、極めて近い将来に同様の事態が発生することは確実であると警告しています。実際、熊本でもお産のできる施設が減っています。
 市長の答弁は後期高齢者医療制度同様、全く先を見ない、お先真っ暗な受けとめです。そして、よその地域が大変でも自分の足元さえよければいいという考えは、余りにも自己中心的ではないでしょうか。せっかく産院に出かけたのに、廃止、一体化しかない。施設が古いでは、必死に頑張ってきた産院のスタッフの皆さんも、存続してほしいと真剣に願っているお母さん方や地域の皆さんも、市長はどこを見たのかと憤りを感じるのは当たり前だと思います。
 他の事業との比較でも、総合的に検討していると言われましたが、駅前の再開発に205億円も使うことや桜の馬場整備に48億円使うことに10万人の署名が届けられていますか、だれのためを考えての判断でしょうか。市政は市長の独壇場ではありません。
 先日、陳情に来られた益城町の方が「10万人の声も聞かないなら、3万人の声は絶対に聞いてもらえませんね。合併なんかしたくありません。」と言われていましたが、私も合併が検討されている周辺町の皆さん方には、こんな熊本市で申しわけないと思いました。
 こんな答弁でそうですかと先に進むわけにはいきませんので、議会が最も重視している命の重みをどう考えているのか、市長の公約である「日本一暮らしやすい熊本」との関連で3点お尋ねいたします。
 第1は、昨年の5月、慈恵病院に設置されました「こうのとりのゆりかご」は、この1年間、大変大きな問題を投げかけてきました。問いかけられた問題に真摯にこたえる立場ならば、産院の廃止、統合どころか、産院も市民病院も、その位置づけを、これまで以上に強化すべきではないでしょうか。
 慈恵病院の蓮田理事長は、賛否両論が渦巻くことを覚悟で「こうのとりのゆりかご」設置を決断して、赤ちゃんの命の重みを全国に問いかけられました。あわせて県、市、病院が実施をした妊娠等に関する相談には予想以上の切羽詰った相談が多数寄せられています。産まれてきた赤ちゃんを育てることができない、「こうのとりのゆりかご」に預けられた子供たちの背景には、暴力、離婚、若年妊娠、パートナーの反対など、複雑、困難な問題に陥ってしまう社会のゆがみがあります。格差・貧困社会の中で、弱い立場にある人、経済的困難を抱えている人ほど追い込まれ、行政の手の届かないところで苦しんでいます。ですから、熊本市がとるべき方向は明確です。
 蓮田理事長は勇気をふるって全国に問いかけられました。今度は幸山市長が赤ちゃんの命の重みをしっかりと受けとめ、文字どおり日本一安心して出産でき、子育てができるまちとして進むべきではないでしょうか。それこそ必ず市民の共感が得られるはずです。市長はいかがお考えになりますか。
 第2は、その立場に立てば産院の経営は今後も困難が予想されるとか、多額の投資が必要、だから廃止という命の重みよりもお金のほうが大事という人間性を欠くような結論には絶対にならないはずです。市民や議会、そして医療関係者の総意を結集して、国や県の協力も取りつけながら、市民病院の総合周産期母子医療体制のさらなる強化と産院の建てかえ強化を実現すれば、全国からも視察に来て、全国モデルの発信も可能になるのではありませんか。そういう決断はできないのでしょうか。
 第3に、日本一出産、子育て安心の都市を目指す立場に立てば、市長が廃止の理由としている母乳育児や措置・福祉的分娩、妊産婦への支援、いずれの問題においても市民病院と産院、それぞれの機能をさらに強化することで、全体のレベルアップを図ると言う方向に進むべきではないでしょうか。
 加えてもう1点お尋ねします。
 第4に、先ほど市長は産院に行かれた感想を述べられましたが、全然具体的ではありませんでしたので、改めてお尋ねいたします。具体的にどういうことに産院のすばらしさを感じたのか、現場の意見を聞いて赤字を3,000万円以下に減らした要因がどこにあると思われたのか、見てきたそのままを具体的にお答えください。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  それでは、再度4点についてお尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきます。
 急いでメモをとり、完全ではないかもしれませんので、適切にお答えができるかどうかわかりませんけれども、できる限り具体的にみずからの言葉でお答えをさせていただければと思います。
 まず、命の重みという観点でお尋ねがございました。そのときに「こうのとりのゆりかご」も例に挙げられたわけでございますけれども、確かにお話がありましたように、この1年間の運用を見守ってまいります中で、命の重み、尊さというものをつくづく実感をしたところでございますし、その尊さ、重みというものは何ものにもかえることができないという強い思いを持ったところであります。
 さらには、先ほど産院に行ったという話がございましたけれども、その前には市民病院にも少し立ち寄らせていただきまして、NICUも改めて拝見をさせていただいたところでありますけれども、そこにもやはり極小未熟児で、この姿を見ましたときにも、改めましてその命の重み、尊さというものを考え、この命というものを救うということを考えなければならないし、早急に解決しなければならない課題であると考えました。
 さらには、昨今の児童虐待でございますとか、さまざまな事件が起こります中で、子供の命の重み、尊さとともに出産や育児、そしてその後の子供を取り巻く環境の厳しさというものをつくづく実感しているところでございますし、児童虐待への対応という意味については、現在本市におきまして、保健福祉センターを核とした取り組みを進めているところでございますけれども、児童相談所の設置に向けましても、やはり早期に取り組まなければならない課題ではなかろうかと感じたところでございます。さまざまな昨今の熊本市で起きる、あるいは全国的に起きる状況を見ましたときに、命の重み、尊さというものを改めて強く感じている次第でございます。
 それから、2点目のお金を取るのか、命を取るのかというお尋ねと、その中でNICUも含めたお尋ねではなかったかというふうに思いますが、国や県の協力も求めて取り組むべきであるという御指摘があったかと思います。確かに、おっしゃるとおりだと思いますし、先ほど人ごとというお話もございましたけれども、現在の全国的な小児科の医師不足、あるいは産科の医師不足等を考えましたときに、やはりこれは国としてしっかりとした対応を打ってもらう必要があると思いますし、そしてNICU、周産期母子医療の充実ということを考えましたときには、やはりこれは県との連携が不可欠であろうと思っております。そういう意味におきましても、国や県との連携を深めながら、さまざまな課題の解決に向けて取り組む必要があると考えているものでございます。
 それから、3点目の母乳育児、あるいは産前産後ケア等のことだろうと思いますけれども、その全体のレベルアップというふうなお話がございましたが、やはり、本市全体におけるレベルアップが必要ではなかろうかと思っております。そういう意味におきましては、これまでの市立産院、あるいは市民病院での取り組みというものを民間医療機関、あるいは保健福祉センター等々と連携をとります中で、全市的な充実というものが必要であろうと思います。また、この2年間の取り組みの中で、まだ完全と言えるものではございませんけれども、さまざまな充実に向けたそれぞれの努力、連絡会等で意見交換をし情報共有をする中で、取り組んできているものと考えております。しかしながら、さらなる全体のレベルアップが必要ではなかろうかと考えております。
 それから、4点目の産院に行ったときの具体的なことということでございますけれども、まず最初に御案内をいただいたのが1階の正面のところの部屋でございまして、そこで産前産後のケアをされている。そのときには、実際その取り組みをされている時間帯ではございませんけれども、看護師長のほうからその取り組み状況につきまして、写真等も見せていただきながら、詳しく説明をいただいたところでございます。
 そして、その後2階に昇りまして分娩室を拝見させていただき、あるいはその隣の部屋では赤ちゃんを一時預かる場所がありますけれども、そこに二人でしたか、赤ちゃんが寝かされておりました。その間は例えばお母さんがシャワーを浴びたり、あるいはトイレに行ったりする、その間だけ預かるんだと、基本的には24時間同室という取り組みの中で、そういう時間だけ預かりますというお話を聞かせていただきましたし、24時間母子同室の取り組みが徹底されているなということを改めて感じたところでございます。
 そして、その後にそれぞれの病室等も連れていっていただきまして、さすがに既に入っていらっしゃる部屋はのぞくことはできませんでしたけれども、あいている部屋を何部屋か拝見をさせていただきました。最初は看護師長の説明を受けておりましたけれども、その後院長も来られまして、三人で一緒にその中のすべてを拝見させていただいたところでございます。
 先ほども申し上げましたように、改めましてこれまで産院が取り組んできた母乳育児でありますとか、あるいは産前産後のケア、相談機能等々の役割、機能というものは、大変重いものがあるというふうに感じたところでございますし、繰り返しになりますけれども、こうした取り組みというものを全市的に拡充する必要があるのではないかということを強く感じたところでございます。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  幸山市長が命の尊さ、命の重みと言われるならば、産院も市民病院も強化をすべきです。今の答弁もやはり産院廃止ありきの言い逃れとしか聞こえません。
 そこで、最後にわかりやすくイエスかノーでお答えいただける質問をしますので、明確にお答えください。
 1つ目は、昨日、佐々木議員の質問でも経営改善について、「年度により収支変動の幅が大きく、今後の安定的な運営見込みについての見極めが難しい。」と答えられています。しかし、ことし4月の診療報酬改定では、産科の医療機関へはさらに手厚い措置がとられています。昨年度の患者数が維持できれば、今年度は2,600万円の赤字どころか、黒字への転換も可能となるような計算になりますが、このような試算はされたのでしょうか。
 2つ目に、市長は老朽化しているので、建てかえに多額の投資が必要になると言われています。どの程度の投資が必要か、計算されたのでしょうか。計算したのかどうか、その額が幾らになったから建てかえができないという判断になったのか、説明は要りません。明確にお答えください。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  まず、1点目の診療報酬の改定後の試算をしたかどうかということでございますけれども、その試算についてはいたしておりません。
 それから、2点目のことにつきましては、これは建てかえの費用についての試算をしたかどうかということでありますけれども、これは現在の建物をそのまま建てかえたとするならば、幾らぐらいかかるという試算はさせていただいているところでございます。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  赤字が問題になっているんですから、そういう財政的な問題はしっかり計算してほしいと思います。診療報酬が手厚くされた。それは全国の医療機関が大変だから、とにかく施設を守ろうという国の配慮です。そういう中で産院が頑張っているんだから、試算して、これならいける、あるいは難しい、そういう判断が要るんではないですか。
 それと、もう一つ施設の問題です。
 計算されたというふうに言っておられますけれども、どういうところで、どの時点で出された数字かということと、それからもう1点、リフォームできないとか、すれば幾らかかるとか、そういう計算はしなかったのでしょうか、これもお答えください。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  産院を建てかえる場合には、どの程度の費用がかかるかといった見込みでございますけれども、建物構造や、あるいは面積、整備する機器等にもよるわけでございますけれども、他都市における病院の建築単価等を参考にいたしますと、10億円程度になると思われます。
 また、改修等の試算をしたかどうかということでございますが、その具体的な改修の試算等については、持っているものではございませんけれども、しかしながら築後かなりの年数を経過しておりますので、かなりの額がかかるだろうと思いますけれども、先ほどの診療報酬改定を見込んだ試算、あるいはその改修等の試算についても、でき得る限り早い段階で数字をお示しさせていただければと考えております。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  非常にいいかげんだったと思います。計算もしないで廃止とか、お金の問題を軽々に述べるべきではないと思います。
 そこで、お願いしたいんですけれども、計算もしないでお金がかかるとか、そういうふうに言ったことの意味は大きいと思います。今後、いろいろ論議されていくと思いますけれども、お約束していただきたい点がありますので、お答えください。
 建てかえれば幾らかかるかは聞きましたけれども、リフォームについてもやればどれぐらいお金がかかるのか、そしてまた病院の経営状況についても昨年度の患者実績でいけば今年度の収支経営がどのような方向になっていくのか、そういう試算なども踏まえてから検討するということをお約束していただきたいと思います。答弁をお願いいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  先ほども申し上げましたように、その2点につきましては、できるだけ早い段階でお示しをさせていただきたいと思っております。ただ、現時点においての産院のあり方についての考え方でございますけれども、繰り返しになりますが、総合的な判断をさせていただいた中で現時点における考え方をお示しをしたというものでございます。
 そして、特にその総合的な判断の中で重きを置きましたことは、先ほど御紹介がございましたけれども、2年前の議会におきまして議論をされました5つの項目を中心として総合的な検討をさせていただいたところでございまして、その中で経営状況、あるいは病院施設等の環境といった項目も含まれているものでございます。
 しかしながら、ただ単に先ほどから御指摘があっておりますように、赤字だからであるとか、あるいは改修、建てかえに多額の経費がかかるからといった金額だけでその方向性を打ち出したものではないということは、御理解をいただければ幸いでございます。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  市長は総合的と言われましたけれども、私どもに言わせると非科学的だと思います。お金のことが理由でこれが発端になって廃止論議が行われています。お金じゃないというならば、総合的に今後の母子医療について何が大切なのか、お金抜きにして議論していただきたいと思います。
 産院の存続については、お金をかけなくても幾らでも方法があります。きょうの議論を聞かれた方は、なぜ市長が産院廃止にこだわるのだろうかとますます疑問に思われたのではないでしょうか。10万人の署名こそが住民の声です。市長はそのことを真摯に受けとめるべきだと思います。
 北海道美瑛町で聞かれた「びえい九条の会」で、旭山動物園の前園長の菅野弘さんが講演されています。今や全国的にも有名になった旭山動物園ですが、各地に遊園地やテーマパークができて、お客も減っていたとき、菅野さんは飼育係の方々と一緒になって、できることからやろうとワンポイントガイドに始まって、その対話の中で、お客さんが何に興味を持っているのかを把握して、創意工夫をしていかれたそうです。
 例えば、猿山では透明なアクリル板に蜂蜜を塗って、猿がなめるときの牙のすごさ、突いた手の指紋がわかる、そういう工夫の集大成が今の旭山動物園だそうです。将来、動物園にお金がもらえたら、こんな施設をつくりたいと職員の皆さんが夢を語って、それが形となって実現して、ペンギンが水中を飛んで、アザラシが垂直にもぐる施設ができたそうです。その菅野さんは、「日常動物と接しているのは担当者です。私と意見が違ったら、彼らの意見を尊重しました。」と言われています。職場の中で本当にいい仕事をしようと思ったら、リーダーはどうあるべきか、トップのあるべき姿がここにあるように思いました。
 さきの3月議会ではあれほど職員不祥事が問題となり、職員倫理条例もつくられましたが、その後も相次ぐ不祥事の発覚。やる気があって、市民に胸を張れる職場状況とは到底言えないような状況が露呈しています。職員倫理条例にのっとって、職員の皆さん方が市民全体の奉仕者として公務に携わることはもちろんですが、職員の皆さんの毎日の仕事が、住民の暮らしに役立つという喜びに結びついているのか、市政のあり方は職員倫理と切り離して考えることはできないと思います。
 平成のうば捨て山と言われる後期高齢者医療制度の運用に四苦八苦し、高い保険料が払えない人を目の前にして、情け容赦なく取り立てを迫る職員の胸の内を思うと私もつらくなります。熊本産院でも住民のためにと頑張っていても、設置責任者である市のトップがその思いに耳をかさずに廃止一辺倒で暴走するような今の市政のあり方に、仕事の喜びが味わえるでしょうか。メンタルな理由から長期に休職される方もふえています。
 幸山市長は、執筆された本の中で、「市政改革を職員とともに進めてきた。その過程で職員の意識が変わってきたと感じている。もともと改革の必要性を感じていた職員は少なくなかったから、私はそこをうまく引き出してあげればよかった。」と述べておられます。こんな傲慢なことを言える状況でしょうか。議会や記者会見のたびに陳謝ばかりは繰り返されますが、御自身が心ある市政に意を尽くしているのか、今の市政改革の方向や政治姿勢を真摯に振り返るべきではないでしょうか。トップダウンでは職員の力も引き出せません。職員の皆さんの汗が報われ、それが市民の幸せにつながるようなハートある市政の実現を強く求めます。
 では、続いて中心市街地再開発と産文会館についてお尋ねいたします。
 昨年の9月議会以降、産文会館の存続問題が市議会でもるる論議をされて、市長や議会に対しても、市民からの産文存続を願う強い要望が出されています。現在入居されている県弁護士会や法テラスも、突然の立ち退きの求めに再開発の具体的な説明もないまま一方的に使用を許可しないというのは遺憾で応じられないと述べられ、市との協議も暗礁に乗り上げているかと思います。このような中で、4月からはいよいよホールも会議室も利用中止になりました。
 3月議会の経済委員会では、何人もの委員さんから、産業文化会館廃止前提はおかしい。市民への説明責任が果たされていないとの意見が次々と出され、私も最終日は市長に産文会館の存続や再開発については市民の意見を聞いて進めるべきとの立場で質疑を行いました。
 6月11日の地元紙1面には、「花畑公園北側も複合ビル・周辺一体的に再開発へ」という見出しで、産業文化会館も一緒の再開発で、花畑公園北側に複合ビルを建設し、ここに産文会館ホールの代替施設を検討しているという構想が紹介されています。私たちの知らないところで勝手に話が進んで、議会や市民の合意もないまま、再開発がひとり歩きという感が否めません。
 第1に、公共施設として27年、年間30万人が利用してきた産業文化会館の今後の行方や熊本城へのメーンストリートに位置する花畑町、桜町の再開発は、全市民的なまちづくりの課題です。すべての市民を視野に入れ、花畑町、桜町を初めとした中心市街地再開発並びに産業文化会館の問題について、丁寧な説明と意見を求める場を早々につくるべきではないでしょうか。
 第2点目、民間主導とはいえ、再開発となれば大きなお金が必要となります。駅前東A地区再開発の総事業費が205億円、桜の馬場整備費がPFIで48億円と予定されています。全国的にも、再開発ビル建設には巨額な税金が次々につぎ込まれています。
 産文廃止問題では、3月議会での市民からの陳情でももったいないということが強調されています。再開発事業への巨額な税金投入は、他の市民サービス提供に大きく影響するので、財政面を住民にきちんと説明すべきです。現時点で、花畑町並びに桜町それぞれの再開発事業の総事業費と市の負担額はどの程度が考えられているのでしょうか。
 そして、第3にこれからのまちづくりは、本丸御殿を初めとして、立派に整備された熊本城の魅力を引き出し、品格のある城下町の町並みをつくっていくことが必要です。35階建てマンションの熊本駅前東A地区再開発事業や岐阜駅前の43階建てのシティータワー43などのように、今や全国の再開発事業はマンションなどと一体化して高層化をしています。花畑町再開発は花畑公園を挟んで2つのビルが建設されることになるでしょうし、桜町再開発も、中心市街地活性化基本計画におきましては、ホテルや住居等を高層部に予定した高層化の事業です。
 要するに、これらの再開発計画が進んでいけば、城下町のメーンストリートに高層ビルが幾つも建ち並ぶわけです。しかし、本市は都市景観条例に基づいて、大規模建築物等景観形成指針を定めて、その中でも熊本城周辺地域を地域特別指針の対象にしています。ランドマークとして熊本城への眺望や熊本城からの眺望を確保するなど、熊本城の緑のラインと言われる海抜55メートルを超えないように配慮することが定められています。花畑町や桜町の再開発について都市景観条例の特別指針にはどのように配慮されるのでしょうか。
 第4に、花畑町再開発は5年後の完成を目指すようですが、5年間も産業文化会館の機能が停止することは大きなマイナスだと思います。700人収容の中規模ホールが5年間使えないこと、花畑町一帯が5年間人の出入りのない空間になってしまうこと、その損失ははかり知れないと思います。産業文化会館が存続すれば、一定改修期間は必要となるものの、5年はかかりませんし、産文の利用は継続しながらですから、花畑町一帯が広く人気のない空間になることはありません。
 3月議会の経済委員会では、9月議会に続き、あれだけのすばらしい建物を築25年程度で解体する予定とは本当に考えられない。常識として市民の理解が得られるのかとの意見もありましたように、議会にも取り壊し反対の意見があります。
 欧米では、現存する建築物を最大限に生かすのが今や常識的です。県庁本館は業務を維持しながらリニューアルをして、今も大切に使われています。産業文化会館も膨大な産廃の山にしないよう、存続の道を探るべきではないでしょうか。
 また、今後の問題として、仮に産業文化会館の機能、ホールを含む公共施設部分が花畑公園の北側になるとすれば、現在サンロードから産業文化会館、交通センターまで地下通路でもつながれ、辛島公園や市営地下駐車場などと一体となって、大きな公共空間が形成されて、高齢者、障がい者初め、市民が公共交通でも自転車でもアクセスしやすい場所にあって、せっかく生かされている公共施設のメリットが台なしにされるのではないでしょうか。
 以上につきまして、幸山市長にお尋ねいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  中心市街地の再開発につきまして、4点のお尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきます。
 その4点に入ります前に、改めまして九州の拠点都市を目指す本市の将来の姿を考えましたときに、2核3モールの一つの核でもございます花畑・桜町地区の再開発は、先ほど御紹介もありました熊本城を中心とした中心市街地の回遊性の向上という点におきましても大変重要な事業でございまして、市民の皆様方や、あるいは経済界などからも大きな期待が寄せられているところでございます。本市といたしましても、この再開発事業の重要性にかんがみ、中心市街地活性化基本計画に主要な事業として位置づけさせていただきまして、中心市街地活性化協議会に意見を伺い、あるいはパブリックコメント等を経て基本計画を策定したところでございます。その事業実現に向けまして積極的に支援、協力してまいりたいと考えております。
 それでは、1点目の市民への説明及び意見の聴取についてお答えをさせていただきます。
 花畑・桜町両地区の再開発事業でございますが、御承知のとおり民間主体の事業でございますが、熊本市花畑地区開発協議会では、節目節目で中心市街地活性化協議会や、あるいはメディア等を通じまして積極的に公表していく意向でございます。
 なお、桜町地区につきましては、準備会社を設立されたばかりでございまして、今後協議の過程におきまして、公表等について協力をお願いしてまいりたいと考えております。
 また、産業文化会館のホール機能等につきましては、再開発のフレームの中におきまして、その場所、規模の案が固まってまいりますが、庁内におきましても利用者等の意見を伺いながら検討を進め、ホールの機能がある程度固まりました段階で、パブリックコメント等により市民の意見を集約することもあろうかと考えております。
 2点目の花畑・桜町地区再開発の総事業費と市の負担額についてでございますけれども、両地区におきましても具体的な内容、あるいは規模等はこれからという状況にございますことから、全体事業費及び市の負担額につきましては、現在のところ未定でございます。
 3点目の都市景観条例の特別指針への配慮についてでございますが、これまでも花畑、桜町の各事業者に対しましては、熊本城を中心とした景観への配慮につきまして、近年の事例を踏まえ、十分お伝えしているところでございます。今後、計画案を検討していく中におきまして、事業採算性を考慮しながら、高さやデザイン等につきまして協議されていくこととなります。
 4点目の産文会館を改修して存続させるべきという御指摘でございますが、産業文化会館のホールにつきましては、利用率もお話がありましたように高く、コンベンションや市民文化の振興といった観点からも、中心市街地に同規模程度のホールは必要であると考えておりまして、再開発計画全体の中で場所や用途、規模などにつきまして検討を進めてまいりますが、市民の皆様に対し御迷惑がかからないよう、できる限り早期に竣工できるよう努めてまいりたいと考えております。
 新たな施設へのアクセスにつきましては、高齢者や障がい者など、だれにでもわかりやすく、また訪れやすい施設計画となりますように、今後市民の皆様や、あるいは専門家の御意見を伺いながら、検討していきたいと考えております。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  事業費について、市長は未定との答弁でした。再開発という大事業を進めるときに、事業費の予定も示されないで、市民の理解や納得が得られるでしょうか。花畑町、桜町の再開発は中心市街地活性化基本計画に位置づけられて、国の承認も受けた事業です。
        〔図表示〕
 ここにあるように、国の承認を得る際に、各事業一つ一つの年次計画や財政計画が国にはきちんと示してあります。国には数字を示して、一方で出資者、納税者である市民になぜ財政見通しが説明できないのでしょうか。ここにある数字をきちんと答えるか、言えないならその理由を明確にしてください。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  ただいま中心市街地活性化基本計画の事業ごとの概算をお示しになられたかと思いますけれども、実際今年度におきましては、平成20年度の予算計上、補助金等もいただいているところでございます。これは平成19年度、あるいは平成20年度もこの事業につきまして、補助、交付金等をいただいているところでございますけれども、その際におきましては、まだ事業内容、規模等、決まっていないため、あくまでも仮のフレームでの積算におきまして、算定をしているものでございまして、このことは国にも説明し、同意を得ているものでございます。
 確かに、現時点におきまして、例えば容積率や建ぺい率などは、それに基づきまして、大体の試算というものはできないことはございませんが、しかしながらそれは事業のスキーム等もまだ固まっておりませんし、そういう中で現時点におきまして、その数字を出すのは極めて困難であるというふうに考えております。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  概算を出しているというのであれば、今の時点でこれだけの事業費が要る、ここで答えるべきだと思います。今の数字を言って、その計画を市民に説明して、どれだけお金を使うか言うべきです。産院はお金がないと言っているんだから。答えてください。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  概算でも数字を示せということでございますけれども、大変申しわけございませんが、現時点におきまして数字を持ち合わせておりませんので、改めまして検討いたしました上で御報告をさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  いつ出すのか、はっきりしてください。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  検討しました上で、できるだけ早くお答えをさせていただきたいと思います。遅くとも今週中ぐらいにはお答えをさせていただきたいと思います。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  情報公開は市長の公約でございますので、払った税金をどこに使うか、市民にきっちり説明していただきたいと思います。27年しかたっていない産文を壊して膨大なごみの山にしようとする市長には、テレビに出てごみ減量を語る資格はありません。笑われると思います。
 京都市では、大文字が見えるように高さ制限もあります。熊本でも、お城の眺望を確保して、城下町らしいまちづくりを進めるべきです。産業文化会館も壊すよりも、屋上庭園やソーラーシステムなどのエコ建築も取り入れて、ユニバーサルデザインにするリフォームを行えば、環境にやさしい建築モデルとして全国から注目されると思います。
 なお、桜町の再開発も民間事業ということですが、以前重松議員が交通センターと産交の問題で質問したときに明確にされていますが、そもそもこの地域は、県庁や専売公社などがあった地域で、交通センターをつくるときに中心市街地の公共セクターとして位置づけられていたために、格安で売却された経緯があります。したがって、現時点でも公共セクターとしての役割を担うことが求められています。この点を明確にして、この地域一帯の再開発について、そもそものコンセプトも含めて県民、市民の議論と合意が必要だと思います。
 では、続いて地下水についてお尋ねいたします。
 このたび熊本市は、第10回日本水大賞のグランプリに選ばれています。これは市議会が決議をした昭和51年の地下水保全都市宣言に始まり、昭和52年の地下水保全条例の制定、その後30年以上にわたる市民と行政が一体となった地下水保全の継続した取り組みが評価されています。市民の努力の成果として、みんなで喜びを分かつとともに、今後さらに魅力ある都市、熊本の命、市民の財産として地下水をより豊かに守り、次世代へと手渡していくことが行政と市民に求められています。
 しかし、地下水の現状というのは、水大賞にもろ手を挙げて喜んでいられるような状況ではありません。1996年に県、市で定めた熊本地域地下水総合保全管理計画に基づいて、量と質の両面から地下水保全に積極的に取り組んできましたが、この基本計画では地下水涵養量の目標値を平年時で年間7億2,000万トンとしていました。この管理計画の見直しが進められていますが、見直しの基本資料としてつくられております2005年の県、市による熊本地域地下水保全対策調査報告書では、2005年に熊本地域の涵養域面積827平方キロメートルに対する涵養量を6万1,440万立方メートルと推計しています。目標値の7億2,000万立方メートルは1983年ごろの涵養量です。当時の涵養域面積が875キロ平方メートルほどであったわけですから、現在と比べると約50キロ平方メートルも涵養域が縮小しています。
 この報告書では、今後都市化や産業の発達等によって、土地利用の形態が同様に変化していけば、推計で2025年には涵養域が786平方キロメートルにまで現在と比べてさらに3%以上も減少すると予測しています。確かに、日本一と誇れる地下水ではありますが、その保全状況は危機に瀕しており、長年取り組んできた地下水保全対策を抜本的に強化すべきときに来ています。
 第1に、土地利用状況の変化がこれまでどおりで継続するならば、今後の涵養量の減少への影響は甚大であるとの予測がはっきりしているわけですから、涵養域の保全を第一義的に位置づけるべきです。白川中流域の水田湛水事業を初めとして、水源涵養林の造成、整備に今後も引き続き積極的に取り組むことはもちろん、熊本地域地下水総合保全管理計画の見直しに当たっては、特に地下水涵養量の大きな白川中流域における水稲作付面積の確保や、白川中流域からの地下水流のメーンルートで浸透性も高く涵養能力の高い高遊原・益城台地など、台地部の涵養域における開発を抑制して、涵養域の確保に最大限努めることもはっきりと位置づけるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 そして、第2に農業は農産物の生産だけでなくて、その生産活動を通じて、国土の保全、水源涵養、自然環境や美しい景観の形成、伝統文化や食文化の継承など、国民の暮らしや環境にとって欠かせない役割、多面的役割・機能を果たしています。特に日本では中山間地域や水田の果たす役割、例えば中山間地の水田のダム機能や美しい棚田の景観や生態系の保存にとっても欠かせない存在であるなど、地球環境保持と生命維持に欠かせない役割があります。熊本の地下水保全における白川中流域の水田の役割もその特徴的な事例の一つだと思います。
 農林水産省は、農業の多面的役割に注目し、この評価を日本学術会議に諮問して、その答申として2001年に公表した試算によると、評価額は8兆2,226億円で、2007年度の農業総産出額が8兆2,900億円ですから、それに匹敵すると報告しています。そのうち水資源の涵養機能が1兆5,170億円もあります。そういう意味で、涵養域保全の具体策の一つとして、農地の保全を保全管理計画に明記をするとともに、優良農地については、特段に意を用いるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、地下水保全の観点から農地を守っていくためにも、農業そのものに対する支援が重要です。価格保障や所得保障などの農業経営に対する支援と、急速に高齢化している農業従事者対策としての担い手育成策、また地下水保全を視野に入れた環境保全型農業への支援など、農地が農地として本来の目的にしっかりと生かされて、優良農地を将来も熊本の財産として次世代に引き継いでいくために、農業支援策の積極的拡充を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 以上について、幸山市長にお尋ねいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  地下水の保全につきまして、3点のお尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきます。
 まず、熊本市は申すまでもございませんが、67万市民の水道水源をすべて地下水で賄う世界でもまれな都市でございまして、これまでこの地下水は本市の産業を初めといたしまして、歴史や文化をはぐくんでまいりました。
 そこで、このかけがえのない資源であります地下水の清冽で豊富な状態を将来に引き継がなければならないとの思いから、昨年12月に熊本市地下水保全条例の改正を行なったところであります。
 また、現在、熊本県及び熊本地域14市町村が共同して熊本地域地下水総合保全管理計画の見直しを進めているところでありますが、地下水涵養域の保全につきましては、これまでの計画と同様に位置づけることといたしておりまして、地下水は本市のみならず熊本地域全体の共有の財産でもあるとの認識のもとに、県及び熊本地域14市町村で連携しながら、その保全に努めてまいりたいと考えております。
 さらに、農地の保全につきましても、熊本地域の水田による地下水涵養量は全体の約46%を占めておりまして、水田等の農地の役割は大変重要なものとなっております。
 そこで、本管理計画の見直しに当たりましては、農を守ることは水を守ることにつながるという考え方に立ちまして、農地の保全を涵養対策の一つとして位置づけ、着実に取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、農業支援策についてお答えをさせていただきます。
 本市の農業は豊かな自然条件や大消費地を抱える優位性を生かした多様な農業が営まれているところでありまして、全国でも有数な農産物の生産高を誇るなど本市の経済の一役を担っていただいております。しかしながら、全国的な傾向でありますが、本市の農業も社会経済のグローバル化や生活様式の変化等によりまして、農業従事者の減少、あるいは高齢化の進展、後継者不足、経営耕地面積の減少など、農業構造や農業地域にさまざまな影響を受け、活力の低下が懸念されているところであります。
 そこで、昨年度、担い手推進室と地産地消推進室を設置いたしますなど、体制の強化を図り、認定農業者や集落営農組織の育成、あるいは農地の集積等に取り組みますとともに、農業体験など、農への理解を深める活動を通して地元農産物の消費拡大に取り組んでいるところであります。
 いずれにいたしましても、将来にわたりまして農業が活発に営まれることが重要であるという認識のもとに、本年度策定をいたします第6次熊本市総合計画にあわせて、農業の基本計画を策定することといたしております。
 今後、この計画に基づきまして、生産者と行政のみならず、市民の皆様方や関係機関など、幅広い連携のもとで農業振興に向けた取り組みを進め、農業の持続的発展と農業地域の活性化を図ってまいりたいと考えております。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  市長は、先日東京で行われました水大賞グランプリ授賞式のプレゼンテーションで、熊本の地下水は27万年前の阿蘇の大噴火によってできた地下水をはぐくむ大地の恵みであり、400年前に加藤清正が開いた水田によって、さらに豊かになったと述べられていました。そして、熊本市は、このようにしてできた地域の水循環を熊本水遺産の筆頭に掲げています。この大切な財産は何十万年にものぼる地球の歴史がはぐくんだものです。
 しかし、近年懸念されている地下水の減少は、戦後わずか半世紀ほどで進められてきた人為的な開発による涵養域の減少によるものです。27万年を1年に例えるならば、この半世紀はその中のたった1時間にも足りません。現代を生きる私たちが27万年の歴史がはぐくんできたかけがえのない自然、地下水の恵みをもとのまま後世に伝える責任はあっても、破壊する権利はありません。もしそういう道を進むならば、それは自然と歴史への冒涜だと思います。
 そういう意味で、本市が地下水日本一を標榜するのであれば、今後の都市開発に歯どめをかけて、涵養域の保全に最大限努めるべきであると思います。そのことを市長には肝に銘じていただきたいと存じます。
 続いて、合併・政令市問題についてお尋ねいたします。
 富合町との合併が両市町で議決されてから半年以上が経過しています。熊本市民の中では合併の実感がほとんどないように思います。その後、城南、益城、植木町との任意協や研究会がめまぐるしく開催されていますが、市民も各町民も置き去りの感が否めません。幸山市長は数合わせ合併とか丸のみと批判されるのが一番お嫌いのようですが、残念ながらますますその様相を強めているのが実態ではないでしょうか。
 実際、市長が先日出版をされた本でも、それを読んだ方々の声を聞きますと、全然わくわくしない。政令市制度がどういうものかはわかるが、熊本市の先行きが見えないなどといった声が多数です。
 先日、熊本で地方自治のあり方を研究しているNPO法人などが開催するシンポジウムの講演の中で、元政令市職員で全国の政令市の合併問題を研究している地方自治の専門家の方が熊本市の政令市を目指す合併は理念なき合併と厳しく指摘をされています。そして、財源がふえる、権限が大きくなる、道路建設が一体的、迅速的にできるなどと一般的メリットばかり宣伝していることの危険性を問題視されていました。都市圏ビジョンは作成しているものの形ばかりで、政令市ビジョンとは一体的にならずに中途半端だと思います。
 新潟市の場合は政令市に移行する前に、十数年にわたって合併市町村とともにかなりしっかりしたビジョンをつくっておりましたが、政令市移行後、新潟駅周辺開発や大型道路の建設に巨額の投資を行ったため、医療や福祉、教育が大きく後退して、市民の期待を裏切る結果となったそうです。ビジョンがかなり練り上げられていても、そういう状況ですから、さきに紹介した地方自治の専門家は熊本市はあと2年という期限を前に焦って、とにかく合併して70万人という理念なき政令市構想に陥って、結局道州制の州都にしがみつくしかない貧困なビジョンとならざるを得なくなっていると手厳しい指摘もされています。だけれども、残念ながらそのとおりだと思います。
 実際の合併のための協議でも、トップバッターの富合町との間では、公共事業を含めて、事実上町の要望をほとんど受け入れて、まさに丸のみという表現がぴったりだと思います。宇土との合併を前に駆け込みに強行した箱物建設でつくった借金と新たな公共事業計画で100億円強を抱え込んだだけではなくて、今後それを上回る投資を必要とする上下水道建設もこれから迫られてまいります。この合併協議を見ていた城南町長や益城町長は、今なら熊本市に大抵のことが受け入れてもらえそうだと強気で協議に臨んでおられます。
 御案内のとおり、城南町では新たな大型箱物建設計画を次々に打ち上げて、町民に話を聞くと、合併推進派は富合が100億円なら人口が倍以上の城南町は200億円以上だと、このように宣伝しているそうです。市長は御存じでしょうか。その上、城南町では富合町以上に多額の上下水道建設投資が迫られます。益城町の場合も合同の政令市研究会の報告書を見れば、30年後のインターチェンジから空港にかけての一帯のイメージがかかれておりますけれども、まるで羽田空港周辺と見間違うようなものになっています。第2空港線沿線一帯を丸ごと開発して、都市高速、モノレール、ホテルなど、巨大なビル群が林立する報告書です。まさにモラルハザード合併、理念なき合併と指摘されても反論できないと思います。
 ところが、富合町との合併協議でもそうでしたが、私どもが何度求めても、そのための財政負担は最後のぎりぎりまで議会にも市民にも示されていません。その調子でいくと、城南、益城、あるいは植木も加わるとすれば、これから一体どれだけの投資が必要になると見ているのでしょうか。それは今後の協議次第というお答えになるのでしょうから、形を変えてお聞きしますが、富合も含め4町合わせて10年間で総額どのくらいまでの投資であれば可能と計算しているか、少なくともそういう計算がなくては合併協議を進めることは難しいのではないでしょうか、お答えください。
 そして、2番目に丸のみ合併は財政負担にとどまらずに、さまざまな問題を浮かび上がらせています。
 一つは、富合町での入札のあり方にかかわって、談合としか考えられないような不正常な事態が生まれています。昨年度、富合町が行いました新幹線車両基地関連受託事業における入札契約状況を見ますと、大部分を占める道路、水路等の土木工事で落札率はほぼすべてが90%以上、中には98%のものまであります。現在、土木工事については低価格落札が続いており、通常では考えられない落札です。
 しかもランク別にほとんどの指名業者に仕事が振り分けられて、入札の仕方は指名競争入札で2,000万円を超えるような仕事にD・Eランクの業者が指名されたり、土木工事に管工事の資格しか持たないような業者が指名されていたり、不自然でずさんな入札状況となっています。
 もう一つ益城町では、町長の弟が社長で一族で経営をしている会社が将来の開発を見込んで、農業委員会をだまして広い農地を手に入れるというようなモラルハザード状態も生まれています。その事実関係とは、本年2月28日に第2空港線沿線の約4ヘクタールもの広大な農地を農業者A氏が規模拡大を理由に売買によって取得。ところが即日、町長の兄弟や町長と同居の実母などが役員を務める有限会社ケイ・エム・ケイ・コーポレーションが買い取り、農地法第5条の許可を条件に条件付所有権移転仮登記を行っています。
 この農地の所有権移転は、1月の益城町農業委員会でも疑問視をされて、全会一致とはなりませんでした。規模拡大を理由にした農地法第3条に基づく所有権の移転でありながら、買収した当日に、町長親族の経営する企業に即日転売、耕作が継続されなかったために、虚偽申請の疑いが持たれております。
 この農地は甲種農地で、現状では転用は原則不許可の優良農地ですが、合併・政令市移行で、開発が進めば坪約2万円、2億3,000万円で購入した約4ヘクタールの土地は価格がはね上がり、坪当たり10万円を超すことは確実です。町長の親族企業の莫大な利益も予測されます。合併任意協議会の委員もかかわっているこういう問題を不問に付していいのでしょうか。富合町の入札契約問題や益城町での町長親族の経営する会社が疑惑が持たれるような農地買収をしている問題など、合併に付随してのこういう重大な問題を放置しておいていいのでしょうか。
 あわせて、本市が公正な入札契約を実施するためにこれまで行ってきた契約制度改善の取り組みと、道路、水路等の土木工事における平均的な落札率についてもお答えください。
 そして、3つ目には益城との合併に伴う第2空港線沿線の大規模な開発との関係で生じる問題です。
 益城町の政令市研究会報告では、第2空港線の定時性の確保が必要であると認識していると熊本市の考え方が示されています。3月議会の一般質問で益田議員が第2空港線沿線開発は空港バイパスとして最も重視される定時性確保を大きく阻害することを指摘し、市長の見解を求めましたが、定時性確保阻害の有無について、明確な回答を避けられています。もし益城町と合併して政令市になれば、県道第2空港線の管理や都市計画の権限を持つことは言われなくてもわかっています。肝心なことは、その権限を使って、現在の開発ノーから開発可能な方向に転換する方向で協議をしようとしているのかどうか、そしてそれが定時性の確保にどういう問題をもたらすかということですから、改めて明確にしていただきたいと存じます。
 続いて、第2空港線沿線開発と地下水の問題です。
 前段でも述べましたように、益城町との政令市研究会報告は、益城町の将来像として、道州制の州都としてインターから空港までをまるでテレビや映画に出てくる近未来都市のように開発しようという構想です。現在、空港インターより東は広大な農地が広がっています。優良農地であるこの緑の大地は、県下有数の農業生産地域であるとともに、熊本地域の地下水の40%を涵養している水の大地でもあります。
 熊本の地下水研究の第一人者である東海大学の市川教授は、熊本市の東の開発は涵養域を食べてしまうと熊本市の東側の開発を厳しく戒める発言もされています。熊本が全国に誇る地下水をしっかりと守ろうとするなら、益城台地の開発は抑制すべきではないでしょうか。
 あわせて、現在第2空港線沿線には開発に対する厳しい規制が幾重にもかかっています。益城町が熊本市と合併して、政令市になることで、どういう条件がそろったら開発可能となるのでしょうか、具体的に御説明ください。
 特に農地の転用に当たっては、甲種農地ということもあって、転用許可は難しいと思われます。許可は県知事もしくは農林水産大臣の判断となりますが、農地転用に当たっての基本的な考え方について、農業委員会にお尋ねいたします。
 以上につきまして、幸山市長ならびに関係局長にお願いいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  合併・政令市問題につきまして、私のほうから数点につきまして、順次お答えをさせていただきます。
 まず、第1点目の投資総額につきましてのお尋ねでありますが、富合町とは法定協議会におきまして、新市における普通会計ベースでの平成29年度までの歳入と歳出を推計した財政計画を策定したところであります。これに基づく富合町への投資額は、富合町が合併せず単独と仮定した場合に想定される投資的経費約41億円に加え、新市の合併による重点施策事業として、約58億円を合わせた約99億円を見込んでいるところであります。
 現在、協議を進めております3町と合併した場合のそれぞれの投資額につきましても、任意協議会や、あるいは研究会、さらには法定協議会におきまして、実施施策の協議を進めていく中で検討してまいりたいと考えております。
 平成20年3月に見直しをしました平成20年度から平成23年度までの計画でございます本市の中期財政見通しの中におきましては、合併が確定をしております富合町の分は見込んでおりますが、現在協議が継続しております3町の分につきましては、先ほど申し上げましたとおり、現時点におきましては想定できないため、見込んではおりません。しかしながら、最終的には先ほど富合町を例に挙げましたように、合併後の将来を見通しました財政計画を策定する予定でございます。
 2点目の富合町における入札事務につきましては、富合町の制度に基づき適正に処理をされているものと考えております。
 益城町での農地買収の件を放置していいのかというお尋ねでございますが、先ほどお話もございましたが、農地法第3条の所有権移転の許可につきましては、益城町の農業委員会により適正な判断がなされるものであると認識をいたしております。
 また、農地法第5条に基づく農地転用の許可権限は、県知事もしくは農林水産大臣にあることもありまして、この件を合併・政令市移行の問題と関連づけることには少々無理があるのではないかと考えております。
 3点目の益城町との合併に伴う開発問題についてでございます。
 まず、第2空港線の定時性の確保についてでございますが、阿蘇くまもと空港への主要なアクセス道路である第2空港線の定時性の確保は重要でございまして、開発に当たり十分考慮すべきであると考えております。
 続きまして、益城台地の開発と地下水の問題についてでございますが、本市にとりましては、先ほども答弁をさせていただきましたとおり、地下水保全は重要課題と認識いたしております。今後、この地域が開発されます場合は、地下水保全に十分配慮して進めるべきであると考えておりまして、仮に合併をしましたならば、本市の地下水保全条例に基づき適正に対応してまいりたいと考えております。
 第2空港線沿線の開発につきましては、御案内のとおり、第2空港線沿線は現在県の景観条例が適用され、開発に関しましても県知事の許可となっておりますが、合併により、その条例や権限が本市へ移ることとなります。また、合併後には、熊本市都市マスタープランを初めといたしまして、さまざまな計画が見直されることになります。その際には、空港と直結し、新市のエントランス部となる当該地域の位置づけ、あるいは都市景観や土地利用などを考慮して定めていかなければならないと考えております。合併後における具体的な開発に対しましては、それぞれの開発の規模、あるいは内容等によりまして条件が違ってきますものの、新市としての計画、方針を踏まえ、さまざまな法律や本市の条例、要綱等に基づき適切に判断することとなります。
 いずれにしましても、この課題につきましては、益城町との協議におきまして、主要政策課題の一つとして協議の場で議論していくことになるものと考えております。
        〔寺本敬司総務局長 登壇〕
◎寺本敬司 総務局長  契約制度改善の取り組みと土木工事の平均的な落札率についてお答えいたします。
 本市では、これまで公正、透明で競争性の高い入札契約制度を目指しまして、入札契約制度の改革に取り組んでまいりました。
 例えば、競争性を確保するため、条件付一般競争入札を平成19年4月から2,000万円以上の土木工事等へ拡大し、さらに同年10月から1,000万円以上のすべての工事等の案件に拡大いたしました。一方で、平成17年度に導入しました電子入札は段階的に拡大し、平成20年度から全案件で実施しております。
 また、本年4月には公正、中立の立場で客観的に入札及び契約について審査いただく入札等監視委員会を設置し、加えて透明性を確保するため、最低制限基準額の算出基礎となる額を公表するとともに、談合等を防止する観点から、指名停止の強化を図ったところでございます。
 なお、土木工事の落札率につきましてでございますが、道路、下水道工事、水道、河川、橋梁等を含めましたところの土木工事でございますが、随意契約を除いたところで平成19年度の実績で76.3%でございます。
        〔森日出輝農業委員会会長 登壇〕
◎森日出輝 農業委員会会長  益城町との合併に伴う第2空港線沿線の開発について、農地転用許可の判断についてお答えいたします。
 転用申請がありますと、農地保全を図るための農地法第4条第2項の許可基準に基づく可否の判断を行っております。
 1つ目は、農用地区域内農地から第3種農地までの5つの区分の中で該当農地の営農条件及び周囲の市街化の状況を見て審査する立地基準です。
 2つ目は、周辺農地への影響の有無と転用目的実現の確実性により審査する一般基準でございます。特に甲種農地につきましては原則不許可で、例外的に農業用施設や土地収用認定事業等、農業振興に関する地方公共団体の行う計画は認められております。これらの許可基準を踏まえ、申請案件ごとに現地調査を行い、農地部会において許可の可否を意見決定し、その旨の意見をつけて県知事あてに申請書を送付いたします。
 県においても現地調査を行い、県知事が可否の判断を行うことになっております。なお、該当農地が4ヘクタールを超える場合には農林水産大臣の判断になります。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  ただいま総務局長の答弁をお聞きいたしまして、本市の行っている入札契約と比べて富合町の入札契約のあり方は余りにも違っています。この問題は国会から発注元である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備機構の鉄道建設本部九州新幹線建設局に富合町の契約実態把握の調査が指示されており、別の場でも論議をされて今後問題となっていくと思われます。
 益城町において疑惑が持たれております町長親族企業による農地取得の問題では、6月6日に町としては異例の臨時農業委員会が開催されて、この問題が集中審議をされています。当日は農地転売にかかわった農業者の出席が求められていましたが、出てこられませんでした。各委員からは、日本は法治国家、この土地が農地法に違反しておるのはわかっとる。今のまましとけば、益城町の農業委員は笑われる。72歳で規模拡大と聞いて励まされたが、今思うと所有権移転の許可を取るだけの申請ではなかったのか。本人に出てきてほしいなどの意見が述べられていました。
 さらに、一昨日、6月16日には、この農地の問題での町議会としての地方自治法100条に基づく調査特別委員会の設置を求める議案が審議をされて、賛成・反対同数、議長裁決によって否決とはなっておりますけれども、疑惑が払拭されていないことの証明ではないかと思います。
 これら合併をめぐる町政をゆがめるような問題が幾つも持ち上がっていることは、まじめに合併・政令市問題を考えている住民にとっても、大変残念なことです。私どもの再三の指摘にもかかわらず、いずれの問題でも知らんふりをしている市長の姿勢は、後々問われるのではないでしょうか。
 第2空港線沿線開発の問題では、何一つまともに答えられていませんが、空港バイパスとしての定時性の確保では、第2空港線を現状のまま開発をすれば、定時性の確保に支障が出ることは明らかです。その解消はリニアモーターカーとまではいかなくても、第2空港線の拡幅など、第2空港線そのもののさらなる開発と深くかかわってまいります。
 そこで、市長に再度お尋ねいたします。
 第1に、地下水の問題では、開発先にありきの考え方に大きな間違いがあると思います。先ほどの答弁で、益城台地の開発抑制について市長は明言を避けられたのは7月1日から施行となります地下水保全条例で地域の水循環と質量の保全を明確に基本理念に定めて、それを具体化しようとしていることや今後策定されます地下水総合保全管理計画にも涵養域の保全を明記するという地下水保全への積極的な姿勢に全く反するものです。
 新たな条例では、県及び近隣市町村と連携して涵養対策を推進するというのですから、その主旨からして益城町だけは別でいいのでしょうか。益城台地を初めとして、地下水の40%を涵養している東部台地部の涵養域としての役割は大変大きいと思います。開発を抑制するのか、着実に進めるのか、市長の明確な答弁をお願いいたします。
 そして、第2は地下水保全における涵養域の保全と農業は密接な関係があります。第2空港線沿線の農地は熊本でも有数の優良農地となっています。甲種農地は国の補助金も使って、将来にわたって農地として大切に使うことを目的に法で守られている土地です。だからこそ、これまで県も法や条例によって規制されたこの土地を開発から守ってきたのだと思います。
 先日、益城町の農業者の方がこのように言われておりました。高遊原、益城の農地は九州でも有数の優良農地。肥料も3割、4割減らして地下水が汚れないように心がけて農業をやってきた。益城町の優良農地を残していかないと、熊本も困るのではないでしょうか。そのとおりだと思います。地下水保全と農業振興が一体となって、地下水を未来へと手渡していくべきであると思います。熊本の地下水を守ることを念頭に農業を営んでこられた益城町の農家の方々の思いはどのように受けとめられていますか。将来にわたり、益城台地で農業と地下水を守っていきたいとお考えのこのような農家の方々の思いにどのようにこたえていかれるのでしょうか。
 以上、幸山市長にお尋ねいたします。
        〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長  合併・政令市問題につきまして、益城台地の開発につきまして、再度お尋ねがあったところでございますけれども、お尋ねの内容が開発を全くさせないのか、あるいはコンクリートで固めたような開発を進めるのかという二者択一的のようなお尋ねであったかというように受けとめさせていただきましたけれども、一口に開発と言いましても、その内容や状況によりまして変わってくるわけでございまして、当然益城台地の地下水涵養域としての重要性、あるいは優良農地としての必要性、これは十分に認識をいたしているところでございますので、仮に合併をして開発や第2空港線の問題は、この任意協議会、あるいはそれから先の協議等におきまして、その課題となりましたときには、そういう条例、法律等に照らし合わせた中で、その地域に合った開発なりを進めていく必要があるのではないかと考えております。
        〔16番 上野美恵子議員 登壇〕
◆上野美恵子 議員  地下水の問題では、この益城町の未来と政令市を考える会、この報告の絵を見たときに、やはりどうしても益城台地をこのように開発をしていくのかとだれもが思っていると思います。私は地下水問題では、市長がしっかりと今おっしゃったように、地下水を守ろうというふうにお考えなのであれば、これ以上の開発はしないという、そういう姿勢で臨むことが大事だと思います。それが地下水都市・熊本のトップのあるべき姿勢かなというふうに思います。
 これまで熊本は健軍水源池のマンション建設、戸島のごみ埋め立て場など、地下水が脅かされるようなさまざまな問題、こんな問題に直面したときに、地下水保全都市宣言に始まって、地下水保全条例の制定など、市民と議会、行政の協力によって、大事な地下水を守ってきた歴史があります。そして、熊本地域の14自治体は自然と歴史が生んだ財産としての地下水を共有しながら、長年連帯してきています。その共通の財産をしっかりと守ることなくして真の共同はないと思います。
 数合わせの合併のために丸のみ合併に走って、開発ばかりを進めていくような、そういうあり方ではいけないと思います。住民の暮らしや、あるいは大切な環境、地下水をしっかりと守っていく、そういう立場が問われていると思います。そして、今の合併のあり方が将来後世に問われると思いますので、幸山市長におかれては、そのことをしっかりと御認識いただきたいと存じます。
 本日も大変長い質問になりましたが、最後まで御清聴いただきました皆様に心からお礼を申し上げて質問を終ります。
 ありがとうございました。(拍手)
     ───────────────────────────
○磯道文徳 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。
 次会は、明19日(木曜日)定刻に開きます。
     ───────────────────────────
○磯道文徳 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。
                            午後 4時16分 散会



〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり





平成20年6月18日
出席議員 48名
      1番   牛 嶋   弘        2番   磯 道 文 徳
      3番   紫 垣 正 仁        4番   田 中 敦 朗
      5番   重 村 和 征        6番   那 須   円
      7番   上 田 芳 裕        8番   前 田 憲 秀
      9番   原     亨       10番   澤 田 昌 作
     11番   倉 重   徹       12番   満 永 寿 博
     13番   大 石 浩 文       14番   高 島 和 男
     15番   田 尻 善 裕       16番   上 野 美恵子
     17番   東   美千子       18番   有 馬 純 夫
     19番   三 島 良 之       20番   齊 藤   聰
     21番   津 田 征士郎       22番   白河部 貞 志
     23番   藤 山 英 美       24番   田 中 誠 一
     25番   村 上   博       26番   東   すみよ
     27番   日和田 よしこ       28番   藤 岡 照 代
     29番   坂 田 誠 二       30番   下 川   寛
     31番   田 尻 清 輝       32番   北 口 和 皇
     33番   中 松 健 児       34番   佐々木 俊 和
     35番   田 尻 将 博       36番   田 辺 正 信
     37番   家 入 安 弘       38番   鈴 木   弘
     39番   竹 原 孝 昭       40番   古 川 泰 三
     41番   税 所 史 熙       43番   落 水 清 弘
     44番   江 藤 正 行       45番   主 海 偉佐雄
     46番   嶋 田 幾 雄       47番   益 田 牧 子
     48番   上 村 恵 一       49番   西   泰 史



説明のため出席した者
  市長       幸 山 政 史    副市長      西 島 喜 義
  副市長      森 田 弘 昭    総務局長     寺 本 敬 司
  企画財政局長   前   健 一    市民生活局長   原   幸代子
  健康福祉局長   甲 斐 節 夫    子ども未来局長  木 村 正 博
  環境保全局長   宗 村   收    経済振興局長   谷 口 博 通
  都市建設局長   村 上 博 一    消防局長     神 原 節 生
  交通事業管理者  石 田 賢 一    水道事業管理者  加 耒 英 雄
  教育委員会委員長 黒 澤   和    教育長      小 牧 幸 治
  代表監査委員   濱 田 清 水    農業委員会会長  森   日出輝
  財務部長     岡   昭 二    市民病院長    馬 場 憲一郎


職務のため出席した事務局職員
  事務局長     松 本   豊    事務局次長    山 田 利 博
  議事課長     木 村 建 仁    議事課長補佐   大 村   淳