議事ロックス -地方議会議事録検索-


長崎県 長崎県

平成11年  2月 定例会(第1回) 03月02日−04号




平成11年  2月 定例会(第1回) − 03月02日−04号









平成11年  2月 定例会(第1回)



   平成十一年第一回定例会議事日程 第九日目(平一一・三・二)

 一、開会

 二、県政一般に対する質問

 三、散会

平成十一年三月二日(火曜日)

   出席議員(五十一名)

        一番  松島世佳君

        三番  大川美津男君

        四番  松尾 等君

        五番  萩原康雄君

        六番  杉 徹也君

        七番  橋本希俊君

        八番  松尾忠幸君

        九番  高倉洋一君

       一〇番  吉川 豊君

       一一番  橋村松太郎君

       一二番  野口健司君

       一三番  浜崎祐一郎君

       一四番  馬込 彰君

       一五番  中山 功君

       一六番  田中愛国君

       一七番  西川忠彦君

       一八番  野本三雄君

       一九番  川越孝洋君

       二〇番  川村 力君

       二一番  森 信也君

       二二番  前田富雄君

       二三番  平田賢次郎君

       二四番  林田 悧君

       二五番  朝長則男君

       二六番  三好徳明君

       二七番  佐藤 了君

       二八番  西津 覚君

       二九番  奥村愼太郎君

       三〇番  八江利春君

       三一番  末永美喜君

       三二番  田口一信君

       三三番  大石 保君

       三四番  中田晋介君

       三五番  広川 豊君

       三六番  宮崎角治君

       三七番  本多繁希君

       三八番  園田圭介君

       三九番  松田正民君

       四〇番  田中廣太郎君

       四一番  北村誠吾君

       四二番  末吉光徳君

       四三番  谷川弥一君

       四四番  池原 泉君

       四五番  南条三四郎君

       四六番  吉永和 男君

       四七番  石本順之助君

       四八番  林 義博君

       四九番  加藤寛治君

       五〇番  吉住重行君

       五一番  古藤恒彦君

       五二番  村山一正君

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   欠席議員(一名)

        二番  松元義隆君

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   説明のため出席した者

       知事       金子原二郎君

       副知事      清浦義廣君

       副知事      澤井英一君

       出納長      宮崎政宣君

       総務部長     森脇晴記君

       企画部長     溝添一紀君

       生活環境部長   田中敏寛君

       福祉保健部長   塩塚吉朗君

       商工労働部長   水谷 正君

       水産部長     木村道夫君

       農林部長     白浜重晴君

       土木部長     梶 太郎君

       交通局長     前田信行君

       雲仙岳災害

                川端一夫君

       復興担当理事

       長崎都心再開発

                勝本 豊君

       担当理事

       教育委員会

                桟 熊獅君

       委員長

       教育長      出口啓二郎君

       教育次長     山崎滋夫君

       監査委員     中川 忠君

       監査事務局長   浦川 勝君

       人事委員会

                栗原賢太郎君

       委員長

       人事委員会

                三浦正秀君

       事務局長

       公安委員会

                圓田誠一君

       委員

       警察本部長    森  喬君

       警務部長     岩田 彰君

       地方労働委員

                木下浩之君

       会事務局長

       選挙管理委員

                松藤 悟君

       会委員長

       選挙管理委員

                南里雅彦君

       会書記長

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   事務局職員出席者

       局長       水上啓一君

       次長兼

                米倉元治君

       総務課長

       議事調査課長   吉田岩水君

       議事調査課

                立花正文君

       企画監

       議事調査課

                内田喜久君

       課長補佐

       議事調査課

                本田哲朗君

       係長

       主事       永野清士君

       主事       山下尚信君

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

           −−午前十時零分開議−−



○議長(村山一正君) おはようございます。

 ただいまから、本日の会議を開きます。

 これより、昨日に引き続き一般質問を行います。平田議員−二十三番。



◆二十三番(平田賢次郎君) (拍手)〔登壇〕壱岐郡選出、自由民主党・県民会議の平田賢次郎でございます。

 一期四年目の最後の議会で、日ごろより、離島、その他のことに懸命に頑張ってまいりましたけれども、この機会に日ごろの思いをお伝えすることができまして、非常に光栄に思っております。

 それでは質問に入ります。

 その前に、「見える県政」というところで、このところ目についたことを申し上げますと、まず、例の大瀬戸町のダム事業用地の三分割の問題の反省として、土地の購入に当たって、金額三千万円以上、面積五千平米以上については、直近の議会に報告することを提案いたしましたが、直ちに徹底・実行されたこと。また、さきの決算審査特別委員会におけるシーボルト大学の設備に関する入札について、あの場合の日付云々の件は、入札の必須条件ではないという議論に対して、早速、改善策に手をつけ、直ちに公表されたこと。さらには、決算審査特別委員会の日程その他について、少しでも実効が上がるように、つまり、いつも一月中にやっていて、予算編成に指摘事項が間に合わないじゃないかというような指摘に対して、早速、「早めることができれば、早めたい」という前向きの検討がなされたこと等、従来に比べて対応が早くなったのではないかと感じております。

 私なりのとらえ方で言えば、「見える県政」とは、「扉は開かれました。さあ何でも見てください」ということだけではなく、例えば、「時計の長針も短針も動いているよ」と言われても、せめて秒針ぐらいのスピードでないと、正常人には動いていると見えない。つまり、問題提起から、改善なり、対応なりが、県民の皆様の感覚に合ったスピードで実行されることも、また「見える県政」と言えるのではないかと思います。蛇足ながら、その結果、県民の皆さんが、「ああ、よかったな。県はよくやっているな」と感じて、初めて「感じる県政」の実現がなされるものと大いに期待しているところであります。

 そして、「見える県政」の第一歩は、情報の公開であります。

 昨今の世の中に目を向けますと、景気対策、あるいは情報公開の大合唱であります。景気対策について見れば、行財政改革という、がけっ縁の日本を救うという唯一の選択肢を捨ててまで方向転換を迫られた不景気の深刻さの中で、景気対策に逆らう話は悪であると決めつけられている風潮がありますが、恐ろしいのは、これら大合唱を背景に、絶対にやってはいけないと言われてきた国債の日銀引き受けという麻薬にも似た政策が本気で登場してくる気配にあることであり、また、その陰に隠れて何十兆円もの公的資金をして救済せざるを得ない金融システム破綻の巨悪の本体を見失うことであります。

 このテーマは別の機会に譲るとして、何が言いたいのかと申しますと、情報公開の大合唱について、これは長崎県だけじゃない、一般的に気をつけなければいけないのは、情報公開に手をつけていれば、これにさわっていれば、県は前向きである、政治は前向きであるという評価を受けやすいがゆえに、事の本質に触れることなく、安易に、あるいは中途半端な形づくりをする可能性があるということであります。また、往々にして、大合唱はプライバシーの侵害を正当化する作用があり、みんなで渡ればこわくない、あるいは官官接待の話が出ましたけれども、官官接待は悪だという風潮、その反動として、プライバシーの保護を盾に情報公開の制限を正当化しようとする動きが必ず出てくるのであります。

 それでは、本質とは何か、大切なものは何か、それは社会的公正の確保であり、情報公開はその手段の一つにしかすぎないということであります。もっと言わせてもらうならば、情報の中身については、人としての権利を損なうもの、あるいは血税にかかる公金の支出が適切かどうかについてのみ、みんなの関心は高く、不正・腐敗について不十分な情報公開は、本来、行政に信頼をかち取るつもりのものが、かえって不信感、不満を増幅させる結果になることは、最近の住民による監査請求や住民訴訟の増加を見てもよくわかることと思います。

 そこで、県はこのたび、「県政情報の提供等の推進に関する要綱」を制定されましたが、その考え方、内容等について、この機会に御紹介をお願いいたします。

 そして、それが情報公開に取り組む県の施策のまだ序の口であるのか、ひとまず全日程は終了なのか、その辺のところもあわせてお尋ねいたします。

 次に、現在ある県の情報公開条例との関係について、今回の要綱のポイントとして、条例に基づく開示請求の手続を省略するほか、部分的には条例の否定とも見える踏み込み方を見せていることは高く評価されますが、県が前向きに考えれば考えるほど、今までの条例との整合性が問題になるものと考えます。なぜならば、条例の成立当時と現在では、客観情勢がさま変わりしており、しかも、前にもこの議会で申し上げましたが、当時の総務委員会で、成立に当たって、この件に関して一言一句の条例についての吟味がなされていないんです。したがって、知事の意図する崇高な情報公開という理念を実現しようとすれば、合わない部分が必ず出てくるのではないか、私はそう危惧するのであります。特に、具体的に気になる部分と言えば、やはり第九条の非開示、これは、この件は見せないよという条項であります。私は、当時、どうしても情報はできるだけ開示したくないんだという考えが感じられているのですが、間違いでしょうか。

 結論として、現在の情報公開条例は、手直しを考える時期にきていると思いますが、いかがでしょうか。

 次に、離島振興に関する質問に移ります。

 私も、懲りずに毎回この離島のことを取り上げさせていただきますが、しばらくお耳をかしていただきたい。

 昨今、中央では、予算の配分その他、地方の切り捨ての議論が公然と行われております。また、規制緩和の大合唱の中で、窮地に陥っているのが離島であります。規制緩和は、弱い者にしわ寄せをする、これはもう今や常識であります。現実の例として、ANKによる壱岐−福岡路線は廃止になりました。今や、二十世紀の総決算、戦後五十年の総括の中で、離島は重大な岐路に立たされております。しかも、悪い方へいくのではないかということを、私は鳥肌が立つ思いで感じております。高齢化、後継者不足、嫁不足、人口激減、こんな言葉ももう聞き飽きたかのごとき、社会の反応であります。離島振興法をよりどころに、都市との格差をなくそうとすればするほど、格差は広がる一方であります。「二十一世紀は、市場原理、弱肉強食が支配した二十世紀の反省の世紀になる」と識者は申しております。私もそう確信しております。

 そこで、知事、私は特に、離島政策に関して、基本観として、過保護の必要はありませんが、安易に経済性、合理性を前面に出すと何事も進まないと思いますが、いかがでしょうか。これは長崎県がそう言っているのではなくて、全国の風潮としての話でございます。

 したがって、二十一世紀は、離島にとっては、次元の違う視点から新しい価値を発見する世紀になるのではないか、そうしていただきたいと考えるのであります。

 日本から見れば、長崎県自体が離島のようなものであり、経済性ということを主張すれば、長崎新幹線の例をとっても、三県架橋の問題を見ても、なかなか容易ならざるものと思いますが、いかがでございますか。

 次に、各論として、離島の交通の問題に移ります。

 離島にしてみれば、航路、航空路は道路であり、また高速道路であります。それは経済、あるいは生活全般、あるいは島民の健康等の生命線であります。

 そこで、まず航路、つまり海の方からの質問ですが、規制緩和の流れの中で、海上運送法の一部が改正になり、従来行われていた需給調整という名の規制が廃止され、免許制から届け出という許可制に緩和されます。これは来年十月に発効します。

 県におかれましては、企画部長を中心に、早速、せんだっての二月二十二日、これは知事の当選記念日でもあると思いますが、関係する運輸省の九州の海運局の各幹部数名を招き、関係船会社の経営者及び各離島の町村会長と、我々離島関係議員による意見交換会を持っていただきました。大変ありがたく感謝申し上げる次第であります。

 意見交換会では、活発な意見が出て、概略はわかりましたが、この際、島民の立場から一、二点質問させていただきます。

 まず、従来から離島生活航路という考え方はあったと思いますが、今度、明確に文言となってあらわれております。これが離島にとっては重要なポイントになると思われますので、その定義と申しますか、考え方と申しますか、従来の観念と変わってくるのかどうか、お尋ねいたします。

 次に、免許制から許可制へ、つまり一定の要件を備えれば届け出を受け付けるという制度に変わることが、果たして利便性の向上につながるものかどうか、過当競争の結果、経営の安定、運航の安全等に問題は生じないのでしょうか。しかしながら、利用者側の要望、指摘等を実現する当局の指導力は低下するのではないかと私は思いますが、この点をお尋ねします。

 戦後五十年の間、我々離島民は、一社の運航会社のサービスが非常に不満であると幾ら申し立てても、改善されていない。離島の島民は、一時間も二時間も立って並んで座る場所を確保するというのが常識になっております。こういうことに対する指導力というものは、この規制緩和の中で強くなるのか、弱くなるのか、この辺をお尋ねいたします。

 次に、頭の痛い離島航空路、特に、壱岐−福岡線について質問いたします。

 平成十一年度の需給調整規制の撤廃に向け、急激に進む国内航空業界の路線見直しに伴う本県離島航空路線の危機については、これまで我々離島選出議員も何度となく議論をしてまいりました。第二回定例県議会では、同僚、福江の西津議員から、エアーニッポンの動向、政府の支援体制、長崎航空の活用法を絡めた県としての考え方等の質問がありました。また、第三回定例県議会では、私の方から、規制緩和の中で、離島航空路、特に、壱岐−福岡路線の存続への具体策について質問をさせていただきました。さらに、直近の第四回定例県議会では、同僚北村議員から、国の支援措置、並びに壱岐−福岡線の存続についての質問がありました。

 このように、離島航空路の問題は、県政の重要課題であり、しまの代表として、しまの地域振興を第一と考える私にとっても、重要な問題であります。そういう認識のもと、我々も、県離島振興協議会、県交通政策課とともに、関係中央省庁やエアーニッポンへの陳情を繰り返してきたところであります。

 県も、「長崎県離島航空路線存続協議会」を設立され、昨年九月九日からこれまで、エアーニッポンの経営状況、路線収支、長崎航空の経営状況等に関する情報公開を行うとともに、中型機による新たな展開が可能かどうか、これを探るため、具体的な試算を行われたところであります。さらには、協議会の議論をより具体的に検討するため、同協議会作業グループを設置され、事業主体のあり方等について議論されるなど、努力されております。

 ただ、このような関係者の努力にもかかわらず、昨年八月末をもって対馬−関空線が、十一月末には福江−関空線が、また、本年一月末をもって、我々が離島生活路線と考えている壱岐−福岡線が休・廃止されたことはまことに残念でなりません。特に、壱岐−福岡線については、一月末に廃止されて以来、約一カ月ですが、島民生活に支障が起こっております。親の死に目に会えないケースも出てくるでしょう。我々は同じ国民であり、便利なものを利用する権利はあるのであります。

 そこで、以下の点について、知事の御所見をお伺いいたします。

 一、離島航空路全般の現時点の状況について。

 一、壱岐−福岡線についての見通しについて。

 一、地元がこの際なすべきことは、どういうことがあるのか。

 以上、三点をお願いいたします。

 また、私は、さきの第三回定例県議会において、例えば長崎航空を受け皿として、壱岐−福岡線の存続を図ってはどうかとの提案をさせていただきましたが、その際、知事は、「長崎航空は、累積赤字の処理の問題、人件費等経費をどのように節減し、事業の収益性を高めていくのかといった経営体質の改善など、再建に向けた課題は大変難しいものが多く、このような状況下で、収益性について必ずしも明らかではない事業に進出することは、再建そのものの足を引っ張ることにならないか」との懸念を表明されました。その後、長崎航空におかれましては、事業の廃止、人員の削減、給与の削減を柱とする「経営健全化計画」を策定され、現在取り組んでおられると聞いております。

 そこで、長崎航空の再建の状況についてお伺いいたします。これは我が壱岐−福岡路線について、長崎空港はかぎになると、私は判断するからであります。

 次に、しまの拠点的まちづくりについてを主として、壱岐の状況を中心に質問いたします。

 離島振興法が制定されて以来、本年度までに一兆六千億円を超える公共投資がなされ、社会・産業基盤の整備が推進されてきましたが、冒頭に申し上げましたように、逆に、地域社会の活力低下が懸念されている状況にあります。その凋落傾向に歯どめをかける政策の一つとして、離島振興法にはない視点から魅力あるしまづくりを推進しようというのが拠点的まちづくりの発想であり、観光に力を入れる壱岐のニーズにマッチしたものであると高く評価しているところであります。

 県においては、島原の「がまだす計画」や、三県架橋などのプロジェクト、「ナガサキ・アーバン・ルネッサンス二〇〇一構想」、佐世保の「レインボー計画」、県北の「海洋クラスター構想」など、発想の原点は多少違っていても、地域振興を目的とした大型プロジェクトがメジロ押しであります。その中にあって、この拠点的まちづくりは、県土の均衡ある発展という考えの中で、離島にとって必要な政策であるということは間違いありません。

 壱岐における経過は、平成六、七年から、各町担当者のワーキング会議や、地元住民代表との懇談会、地元四町長等による基本計画が策定され、「一支国歴史産業交流センター」として整備することが決定され、平成九年一月十七日に県と四町との覚書で確認されているところであります。

 しかるに、昨年七月、地元の財政負担軽減ということで、広域圏を事業主体とする事業推進方法の変更協議が県からなされました。地元四町としては、広域圏はいろいろ問題を抱えているし、これまでの勝本町の献身的な協力を考えるとき、にわかに方法変更は受け入れがたいところであり、平成九年の覚書に基づき実施されることを強く望んでいるのであります。確かに、社会・経済情勢が変化していることは承知いたしておりますし、各離島の立地条件等が異なっており、画一的にいかないということもあると思います。しかしながら、壱岐の場合は、諸条件を勘案して、当初の方式が適しているし、所期の目的の実現の可能性が高いと思われますが、知事のお考えをお聞きしたいと思います。

 最後に、原の辻遺跡についてお尋ねいたします。

 八方ふさがりの感がある離島壱岐にも、一つ、二つ明るい話題があります。

 一つは、肉用牛の好調さであります。官民一体となった努力の結果、壱岐牛が国内で最も注目を集める産地の一つとして健闘いたしております。まだまだ課題は残っておりますが、ほとんどの農家が牛を飼っている壱岐としては元気が出る分野であります。

 それはさておき、何といっても明るい話題は原の辻遺跡であります。去る一月二十一日に福岡県で、長崎、福岡、佐賀の三県の知事による「九州北部三県懇話会」が開かれ、その中で、壱岐・原の辻遺跡と、福岡県・平塚川添遺跡、佐賀県・吉野ケ里遺跡の三遺跡間で、「九州北部三県姉妹遺跡」の締結が行われたところであります。この三遺跡は、大規模環濠集落跡という共通点を持ち、弥生時代の豊富な出土品や建物跡などの遺構が「魏志倭人伝」の記述を思い起こさせることから、邪馬台国ルーツに絡んで全国的に非常に高い関心が持たれています。今回の締結は、遺跡の価値を多角的に生かそうという全国的にも大変興味深い試みであり、また、全国に向けて原の辻遺跡をPRし、その重要性を改めて知らしめる機会を知事みずからつくっていただいたことは、大変ありがたいことと思っております。我田引水ながら、弥生文化は海を渡ってきたものと考えるなら、原の辻遺跡は、文化的・歴史的な価値において絶えず主導権を持つものであると言いたいところであります。

 この画期的な「姉妹遺跡」の締結を受け、知事は、今後どのような連携を図っていくのか、お伺いをいたします。

 次に、原の辻遺跡については、平成九年九月に、国の史跡指定を受けた後も、中国大陸の高度な建築技術を用いた建築部材の床大引材や日本最古の三翼鏃など、極めて貴重な遺物が、こう言っては失礼ですけれども、絶妙のタイミングで相次いで発見されており、全国的に絶えず新しい成果が発信されております。オーバーな表現をすれば、弥生時代の国際交流の拠点として、九州北部三県と言うより、日本全体、さらに東アジアの歴史を語る上でも大変貴重な宝であり、史跡の中の史跡とも呼べるものではないかと、ひそかに認識しておるところであります。

 今後の保存整備を進める上で、地元として克服しなければならない課題もたくさん抱えております。今後とも、その解決に向けた努力を重ねていかなければなりませんが、県としても、これまで以上の取り組み、支援が必要と思われます。知事のお考えをお伺いいたします。

 最後に、貴重な歴史遺産である原の辻遺跡の国特別史跡の指定の見通しについて、教育長にお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕平田議員の御質問にお答えいたします。

 県政情報の提供等の推進に関する要綱の内容等、及び情報公開に対する今後の姿勢についてお尋ねでありますが、御承知のとおり、このたび「県政情報の提供等の推進に関する要綱」を制定しまして、本年四月から施行することといたしております。

 本要綱は、情報公開条例に基づく県民からの開示請求を待つまでもなく、県民が県政に関する主要な情報を容易に得られるよう、県民に対して県政情報を広く提供するための基準や手続などを定めたものであり、「開かれた県政」を一層推進しようとするものであります。特に、これまで県民から見てわかりにくいと言われている計画策定を初め、審議の過程に関する情報、あるいは事業実施過程などの情報を要綱により義務化して、積極的、かつわかりやすい形で公表していくものであります。

 したがいまして、本年四月からは、県政の重点施策にかかる計画を初め、主要事業の進捗状況、あるいは一部の県出資法人等の事業概要及び財務状況など、県政に関する多くの情報を県民に対して広く提供していくこととしているほか、審議会等の会議の公開や、委員の公募制の拡大等についても、あわせて実施することといたしております。

 また、これまでに食糧費等の支出に関する公文書の開示基準の策定を初め、インターネットによる県政情報の発信や、「県政相談室」の設置などにも取り組んでまいりましたが、これからも個人情報保護条例の制定に向けて引き続き取り組んでいくほか、県民が必要とする情報を迅速、かつわかりやすく提供していくための施策の拡充に努めてまいりたいと存じます。

 情報公開条例と本要綱との整合性についてお尋ねでありますが、御承知のとおり、情報公開条例は、県が保有する膨大な公文書のうち、開示請求があった特定の公文書を請求者のみに開示するための手続を定めたものであるのに対しまして、本要綱は開示請求を待って開示するのではなく、県みずからが、多くの県民に対しまして、県政に関する主要な情報を公表するための手続を定めたものであります。この条例及び要綱におきましては、いずれも県政に関する情報を積極的に公開及び公表していくことが基本的な考え方でありますが、一方では、例えば憲法が保障する基本的人権としてのプライバシーがみだりに公にされることがないよう、最大限の配慮をしていく必要があるなど、情報の公開等に当たりましても、一定の制約があることも事実でありまして、このような公開ができない事項を最小限の範囲で具体的に規定したものが、議員御指摘のとおりの条例第九条であります。このような非開示の条項については、現在、国において審議中の、いわゆる情報公開法案の中でも同じような趣旨で盛り込まれているところであります。また、本要綱におきましても、条例第九条の非開示事項に該当する情報については、同様に、公表できないとの考え方であり、そういう意味におきましては、整合性が図られているところでありますので、御理解を賜りたいと存じます。

 なお、先ほど申し上げました個人情報保護条例におきましては、情報公開条例第九条のうち、個人情報につきましては、本人に限って開示される予定であります。

 さらに、情報公開条例の見直しにつきましては、先ほどの情報公開法案に関する国の動向なども見極めながら、必要があれば、その際に検討してまいりたいと考えております。

 次に、しまの振興についてのお尋ねでございますが、しまの振興につきましては、県政の重点課題との認識のもとに、交通・産業基盤の整備など、ハード、ソフト両面の対策に積極的に取り組んできたところであります。

 しかしながら、ここ数年、国の財政事情が逼迫する中で、公共投資のあり方について、投資効果の大きい地域、つまり人口の集中する大都市地域に重点を置くべきで、住む人もまばらな離島や僻地などに幾ら投資してもむだではないかという考えも聞かれるようになっております。こうした論議が広がっていくことは、本県のように国土の西の端に位置し、しかも、県土の七割以上を離島・半島が占める地勢的に恵まれない県にとりましては、まことにゆゆしき問題であると考えております。投資対効果、費用対便益という視点は、行政を進める上で非常に重視すべきことではありますが、公共投資を行うに当たりましては、各地域における社会基盤の整備状況等を総合的に勘案する必要があると認識しております。

 しまの振興につきましても、こうした観点から、しまの人々が誇りと愛着のもてる住み良いまちづくりを推進し、均衡ある県土の発展に努めてまいりたいと存じます。

 次に、離島航空路全般の現時点の状況についてお尋ねでありますが、規制緩和に伴う競争激化を理由にいたしまして、航空会社は不採算路線の見直しを進めており、本県でも対馬−関空線、福江関空線、壱岐−福岡線が休・廃止されました。

 そのような中、国は、離島航空路線の維持を図るために、平成十一年度新規事業としまして、航空機購入費補助金四億九千万円を確保され、地方交付税による財政支援とともに、具体的な制度が現在検討されております。

 県におきましても、離島航空路線の存続を図るため、「長崎県離島航空路線存続協議会」及び同作業グループにおきまして協議を重ねているところであります。

 御案内のとおり、壱岐−福岡線につきましては、「長崎県離島航空路線存続協議会」の中で議論していただいた結果、四十席程度の中型機で運航する場合、初期投資を一〇〇%支援することを前提として、他の路線とあわせて運航すれば、現在の三億六千万円の赤字が五千万円から一億円程度にまで改善することができるという試算が出ております。具体的な方策については、現在、同作業グループにおきまして、事業主体、事業採算性、財政支援の問題等、具体的に検討していただいているところであり、その検討状況等を踏まえ、早急に結論を出さなければいけない課題だと考えております。

 私といたしましては、長崎航空が経営合理化を早急に実施していただき、航空関係者、民間、地元市町村など、関係者の御理解を得た上で、協議会で議論されているような中型機を導入し、将来的に収益性の高い路線に就航することも、本県の離島航空路線の発展を図る上で、一つの考え方であると思っております。

 ただ、いずれにいたしましても、赤字が大幅に予想されるのであれば、その負担のあり方について広く県民の理解を得ることが必要であると思っております。

 地元がすべきことはどういうことがあるかというお尋ねでありますが、地元壱岐からは、存続協議会において、中型機での運航の際の初期投資及び運航経費の赤字について相当の負担をするという決意が示されております。

 今後は、地元四町、町議会を含め、島民の皆様など、関係者の御同意を得て、より具体的な負担割合等の協力案を取りまとめていただき、県とともに、地元住民の利便性の向上、地域の活性化にとって欠くことのできない県内離島航空路線の維持・存続に努めていただきたいと存じます。

 また、すべての離島航空路線について言えることでありますが、その維持・存続のためには利用客の確保が必要でありまして、一定割合の利用を地元で確保するなどの対策を講じていただく必要があると思っております。

 長崎航空(株)についてのお尋ねでございますが、長崎航空は、昨年十二月、航空宣伝・測量等の事業の廃止及び人員削減、職員の給与の見直しなどを柱とする「経営健全化計画」を策定いたしました。既に航空宣伝・測量等の事業の本年四月での移譲、欠員不補充及び募集退職による人員削減に着手し、経営再建に現在取り組んでいるところであります。

 さらに、同社によれば、人員削減等、徹底的な合理化を早急に実施することはもちろんのこと、その路線網についても国の補助対象路線等の検討状況を踏まえつつ、輸送需要の実態に合った適切なものに見直しを行う方針でございます。

 またさらに、単年度の赤字をできるだけ圧縮するためには、なお一層の経営効率化に努めることとしておりますが、ただ、運航路線が短い上、アイランダーという非常に効率の悪い機材で運航を余儀なくされている事業の性格上、経営の合理化に努めたとしても赤字は生じるものであり、同社は、路線を維持していくためには一〇〇%公的資金で補てんしていただきたいという考え方を持っております。この点については今後の国庫補助制度及び地方財政措置の検討状況を踏まえながら、単年度赤字が発生しないような対策を県議会、地元市町村など、関係者の皆様とも十分に相談しながら検討してまいりたいと思っております。

 また、累積債務の問題につきましては、これをどのように処理するか、まず長崎航空で取りまとめていただいた上で、県といたしましても、同社の維持・存続のために制度資金を貸し付けてきたということ等を踏まえまして、県議会を初め、関係者の皆様とも相談しながら結論を出していかなければならないと思っております。

 いずれにいたしましても、新しい展開において、長崎航空を活用するとしても、航空関係者や民間の支援を得るためには、これらの課題の早期解決が不可欠であると考えております。

 次に、しまの拠点づくりについてのお尋ねでございますが、しまの拠点的まちづくり事業につきましては、しまの住民が、生活の豊かさ、潤い、利便さを享受できるまちづくり、若者にとっても魅力あるまちづくりを推進することによりまして、住民の生活の向上及び若者定着の促進、並びにしまの活性化に資することを目的としまして、平成六年度より、下五島、上五島、壱岐及び対馬の各地域において、主に交流の拠点となる施設の整備について、地元と協議しながら進めてきたものであります。

 今日、事業の計画着手時に比べまして、市町村財政の悪化が進み、廃棄物対策や介護保険制度の導入等の課題もある状況下におきまして、将来的に運営管理費を必要とする施設の整備のあり方について、真に地域振興に効果のあるものに重点を置くべきであると認識しております。これからの地域づくりには、地域の主体的な官民挙げての取り組みが不可欠であり、この事業につきましても、「開かれた県政」の取り組みの一環として、計画を公開の上、広く住民の参加を得て、事業の効果が広くしま全体に及ぶような計画を構築していく必要があります。

 御指摘のとおり、壱岐地域につきましても、こうした基本スタンスのもとに、事業に関する覚書の趣旨を踏まえ、地元における用地の確保等の取り組み及び計画全体の熟度の高まりを勘案して、地元と十分に協議しながら進めていく所存であります。

 次に、原の辻遺跡の件についてお尋ねでございますが、九州北部三県が有する我が国を代表する遺跡間で「姉妹遺跡」の締結を行ったことは、全国で初めてのことであり、遺跡を活用した地域連携促進による地域活用化の新しい試みとして、また、一つの新たな観光ルートを形成する上でも意義あるものと考えております。

 今後は、学術交流、県民交流、三県、地元市町村の広報活動を柱に、具体的な方策を県、市町村などで検討していくことにいたしております。

 平成十一年度におきましては、県単独の締結記念事業といたしまして、原の辻遺跡におきまして、発掘体験、子供会議、遺跡見学等からなる「三遺跡交流こどもフォーラム」を開催するほか、三県共同で「姉妹遺跡パンフレット」を作成することといたしております。

 原の辻遺跡の保存整備につきましては、平成九年十月に、地元町において、専門家等からなる「保存整備委員会」を設け、二年間にわたり遺構の復元を含む「原の辻遺跡の保存整備基本計画」について検討してきており、今月末にその結果が取りまとめられることとなっております。

 平成十一年度以降につきましては、地元町において、史跡地内の土地の公有化を引き続き行うほか、さきの基本計画に基づき、新たに史跡整備のための発掘調査などに取り組むこととなっております。

 県といたしましても、国や地元町との連携を密にしながら、原の辻遺跡が地域振興の核として、また生涯学習の場として活用が図られるように、積極的に支援・協力を行ってまいりたいと考えております。

 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。



○議長(村山一正君) 企画部長。



◎企画部長(溝添一紀君) 航路につきまして、従来からの離島生活航路という考え方が、今後、観念的に変わるのではないかというお尋ねでございます。

 御案内のとおり、平成十二年十月に「海上運送法」が改正されます。その中で、需給調整規制というものが廃止になるわけでありますが、現在、国におきましては、離島と本土間、あるいは離島相互間を連絡する航路などにつきましては、住民の通勤、通学、通院等のために利用される航路、あるいは日常生活のための物資の輸送に用いられる航路については、生活航路として明確に定義されるものというふうに聞いております。また、これらの生活航路に新たに参入するに当たりましても、安全性の確保に加えまして、事業の適切性、一定のサービス水準などの確保が求められております。具体的には、住民の日常生活に必要な航路を確保するための適切な事業計画となっているか、安定的な経営ができるかどうか、さらに運航回数、旅客定員、時間帯等の設定が適切かなどの観点から基準が設けられることになっておりまして、従来どおりの生活航路の維持・存続が図られるものと考えております。

 県といたしましては、今後とも、島民の皆様の日常生活に不可欠な生活航路の維持・確保に努めてまいりたいと存じております。

 次に、免許制から許可制に緩和されることについての御懸念でございます。

 今申し上げましたように、生活航路への参入に当たりましては、安全性の確保に加えまして、事業計画の適切性、安定的な経営について、国において審査、あるいは指導がされることとなっております。利便性の向上についての指導は引き続きなされるものと考えております。

 県におきましても、これまで同様、利便性の向上については、適宜、事業者に対し、指導・助言をするとともに、国に対しましても、その実現に向けて働きかけてまいりたいと考えております。



○議長(村山一正君) 教育長。



◎教育長(出口啓二郎君) 原の辻遺跡の国特別史跡指定の見通しはどうかというお尋ねでございます。

 特別史跡とは、史跡のうち、学術上の価値が特に高く、我が国文化の象徴たるものとされ、国の文化財保護審議会の答申に基づき、文部大臣が指定することとなっております。

 特別史跡の指定は、平成三年五月以降なされておりませんが、原の辻遺跡は、「魏志倭人伝」に記載された三十の国の中で、唯一、国の王都が特定された極めて重要な遺跡であることから、早急に特別史跡として指定されるよう、毎年、「政府施策に関する要望」等でお願いをしており、現在、文化庁において御検討をいただいていると聞いております。今後とも引き続き、国に強く要望してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 再質問に入ります。二十三番。



◆二十三番(平田賢次郎君) 情報公開については、私が言わんとしているところと、知事の言葉の中で非常に共通する部分があり、問題意識がある程度近いということを認識いたしました。それで結構でございますが、大事なのは二点。

 一点は、条例というのは議員の議決によってできているわけです。要綱というのは庁内の規則というんですか、運用の取り決めなんです。この議員の議決を要したものと、どちらが大事かという問題になると思うんですが、これは質問ではありません。

 もう一つは、情報の公開の背後にあるものは、先ほど申しましたように、公正、腐敗をなくすということなので、そこについては、やはり何を、いつ、どこで出しても恥ずかしくないというような業務体制を県庁内につくってもらわにゃいかぬ、こういうことであります。それであれば、なれ合い、癒着、そういったものがなくなるような業務体制ができ上がれば、情報公開はさして問題になることはないと、私はそういうふうに考えておりますので、昨今、相当努力をされているということはよく目に見えておりますので、その辺をくれぐれもよろしくお願いいたします。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 議員のお話もよくわかるんですが、ただ、今までの長いしきたりがありますと、やっぱりそういった形のものをつくっていかないと難しいんですよね。意識の改革をしていくためには、ある程度の要綱をつくりながら、積極的に県がこういった情報公開をしていきますというような形をとってできるだけオープン化していかないと、なかなか難しいと思うんですよ。それはもう長年のしきたりできているんだから、ここは情報公開、ここはと言って、それぞれの個々の判断でやるということになったら、従来と同じような形にしかならないと思うんですね。だから、やっぱりある程度の要綱をつくって、こういう姿勢で県はやるんですよという形を、体制を見て、初めてまたそれぞれの県の職員の意識が出てくるわけなんです。

 それから、私が職員との話の中でいつも言っていることは、必ず県民の立場に立って物事をまず考えなさいと。それから、こういった問題の一つのものが公にされたときも、必ず説明ができるような形でちゃんと処理していきなさいと、県民に説明ができないような処理の仕方はだめですよと。どんなことであっても、公開された後、県民に説明がちゃんとできるようなことであるなら、どんどん進めていきなさいというような形のことで、それぞれ職員にお話をしております。やっぱり情報公開というのは、確かになかなか難しいところ、それをまたいろいろととらえて、議員御指摘のようなこともあると思いますが、私は、やっぱりすべてオープンにしてガラス張りにすることが非常に大事なことではないかというふうに思っておりますので、これからも情報公開は徹底してやらせていただきたいというふうに思っております。



○議長(村山一正君) 二十三番。



◆二十三番(平田賢次郎君) ありがとうございました。そういうことであれば安心しておれると、そういうふうに考えます。

 そこで、次に船の問題に入ります。

 これはやはり需給調整撤廃ということの中で、これは飛行機をこの間やって離島がどんどん切られていっている。長崎県下において、航路で赤字でない、すれすれのところをやっているのは壱岐−福岡だけだと思うんです、それと対馬に延びる九州郵船だけです。ほかのところは参入しても過当競争はできないと思います。だから、恐らくここが中心に議論の対象になると思うんですが、先ほどから利便性云々の話をしたんですけれども、今まで戦後五十年、いろいろ改善してくれとお願いしているにもかかわらず、補助を出している少し強い立場にある国、県がなかなか改善されない、離島民がずうっと言い続けていることが実現しない。それが今度、届け出制という大変こわい制度ですね。届け出制というのはこわい。入り口のところだけはしっかり審査しますよと、しかし、その後はもう自由という意識の中で、その後は、野放しと言っては失礼ですけれども、余り干渉できない。そうしますと、いい例が大瀬戸の三分割であります。あれは届け出制であった。ダムの上にもかかわらず、届け出書類がまあまあ違法と言えないということで届け出を受けてしまった、許可です。さあ、その後、すったもんだ、すったもんだして、大きなことになったわけですね。だから、届け出制というのは非常にこわいんですね。今まで強い立場の者が指導できないものが、今度そういうことになって果たしてうまくいくのだろうかと思うんですよ。

 したがって、私は、「閉鎖せろ」と言うんじゃないんです、八万五千人が、今度、九郵に対抗して大川海運が申請を出しておる。八万五千人の署名が集まった。八万五千人というのは、ほとんど離島で考えられぬ署名です、壱岐、対馬、福岡。八万五千人もの署名が集まった根源は何かというと、今までが余りにもひどいじゃないかということのあらわれなんです。我々としては、どこがどうあってもいいんですよ。そういうことが直せる、改善できるという機会があるのか、ないのか、その辺をお尋ねいたします。



○議長(村山一正君) 企画部長。



◎企画部長(溝添一紀君) 議員がおっしゃいますように、規制緩和によりまして競争原理が働くということでは、利用者の利便性の向上というものは期待されるところでございます。また、一定の需要が確保されるという線でありますので、先般の九州海運局長の御返事でも、「届け出制になったとしても、決して利便性が低下することはない」というお答えをいただいております。

 さらに、今の海上運送法の改正法律案におきましては、生活航路の維持につきましては、「運輸大臣が知事の意見を聞いて」という言葉もございますし、離島その他の地域住民が、日常生活、社会生活を営むために必要な船舶による輸送を確保する上で適切なものであるか否かを審査すると。さらに、廃止する前も、六カ月前に届け出を出してくださいという幾つかの縛りをかけておりますので、御懸念の点につきましては、私どもも含めまして、その辺の整理を進めていけば大丈夫というつもりでおります。



○議長(村山一正君) 二十三番。



◆二十三番(平田賢次郎君) 抽象的な、一般的なことを言うと余りぴんとこないかもしれないですけれども、改善を要望しておる、例を一つだけ紹介しますと、予約ということはできないですね。私どもは、東京、大阪から帰ってきて、盆、暮れは多い、乗れるか乗れないかわからない。予約制度を幾らやってくれと言っても、いまだに実現しない、これは事実であります。簡単なんですよ、事務を片づければ。券をどんどん、どんどん売ってポンとナンバーを押していけば簡単なんです。それがいまだに実行しない。

 もう一つは、今度、いろいろな申請が出されてくると思いますが、対馬において九郵と競合する岸壁は九郵の同意をとれと、これは法的要件なのかどうかわからないですが、県の指導で、岸壁は私有物じゃないと思うんですよ、私は本県の所有物と思うんです。その使用に当たって、これから申請してくる業者等に対して、先発の者の同意をとれと、同意を出すはずありませんよ、そんなものは、競争相手ができるんだから。

 そういうことに対して県、国はどういう考えをしているのかなと。これから来年十月の規制緩和撤廃で横一線になると、観念的には。事業は多少先に始まっているかもしれないけれども、一応考え方として横一線になると。そのときは総合的に島民の利便を考えて、横一線のスタートという観点で物事をやらぬと、既得権のある者がどんどん自分の主張をしていったら、これは大変なことになるんじゃないかと、そういう気がします。この具体的な二つの例について答えは難しいと思いますよ、県の方は。そういうことをみんな考えているということを一つ頭の中に入れておいていただきたいと思います。

 次に、拠点的まちづくりの件でございますが、確かに壱岐は既にスタートしたと、その点はまだいろいろ状況の変化もあると、そこを地元といろいろと調整しながらやろうじゃないかということ、よくわかりました。

 ただ、一つわからないのは、新聞の報道が必ずも正しいかどうかわかりませんが、西日本新聞に、原の辻遺跡というのが少しクローズアップされてきたと、競合するものが二つも要らないんじゃないかという考え方で見直すと言ったんですね。それはテーマ的に見直すのか、それをきっかけに全体の、例えば資金計画、事業主体のあり方等々を含めて全部見直そうというのか、テーマがダブるよと。壱岐の南側は「原の辻遺跡」があるから、県内の遺跡の半分は壱岐にあるんです。神社の数も、日本で単位面積の中で密度が一番高いのは壱岐なんですね。おもしろいロマンがあると思うんですが、北は北で「一支国歴史産業交流センター」でいいじゃないかと私は思うんです。南は南で、原の辻遺跡を中心にいいんじゃないかと思うんですが、そこの辺がちょっとこう、新聞の報道によると、あれはもうだめなんじゃないかと短絡的にみんな考えがちなので、その辺について説明があればひとつお願いしたいと思います。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 余り新聞の報道にこだわらない方がいいと思うんですね。一面だけとらえてしか書きませんから、前後のいろいろな話というのを詳しく書いていただければいいんですけれども、私も非常にそういった面については、報道について、やっぱりもう少し詳しく現実のままに書いてもらいたいなというのが、この問題じゃなくして、ほかの問題でもあるんですけどもね。

 ただ、私が心配するのは、今度つくる建物も約三十億円ということで、大体三十億円から三十五億円ぐらいかかると思うんですよ。そうすると、今度またつくる、いずれはつくるようになってくるでしょうね、原の辻遺跡というのは、あれだけの非常に有名なものですから。そうすると、これにはまたそれ以上の投資をするということになってくると思うんですね。そうすると、運営を含めた投資というものについて、拠点は私どもがつくるとしても、あとの問題につきましては、当然、補助事業という形になってくると思うんですね。それから、壱岐は町立病院の問題もある。それから、この後、また議員が述べられると思いますが、離島航空路の問題もある。本当にそういった、言うならば、町負担が次から次へ出てくるようなものに耐えきるだけのね、一方では、これから今議会中は、県の財政を含めて将来はどうなんだと、地方財政のあり方については、いろいろとこれから大変だというような議論を盛んに先生方おっしゃるでしょう。知事として見通しはどうなんだと言って。財政状況全体、日本の財政のあり方の仕組みというものが将来変わってくるということを前提にいろいろなお尋ねがあっている。そういったことを考えていくと、そういった将来含んでくる負担増というものを壱岐四町で負担できるかどうかということについては、これは真剣に考えなきゃいけませんよという意味での話をしているわけであってですね。

 それともう一つは、例えば同じような歴史的なものを資料館としてつくって、一方は大体古墳時代ですね、縄文時代、一方は古代の時代と。同じようなそういった遺跡的なものを壱岐に二つつくってどうかなというようなことについても、もう少し議論をした方がいいんじゃないかなというような話をしたわけです。

 ただ、私は、勝本町の場合は非常に迷惑をかけたなと、もう既に三億円を投資して町がやっているわけですから、これは町長の責任も問われているんじゃないかと思って大変心配いたしております。三億円の投資を既にしたということは、県との契約に基づいてこういう形がなされたことであるので、これは私としても十分に考えた上で今後対応していかなきゃいかぬというふうに思っております。

 そういうことで、そういうようなことがあったときには、どうぞ直接尋ねてください。新聞に載ったことで一々議会で言うんじゃなくて、私に言っていただければ、その前後のことがいろいろありますので、これから十分に説明したいと思います。



○議長(村山一正君) 二十三番。



◆二十三番(平田賢次郎君) 知事から聞いてよくわかりました。私もそうだろうと思っていたわけですが、ああいう書き方をすると非常に誤解を招きやすいということで、ありがとうございました。

 最後に、航空路について申し上げますが、これはなかなかよくやっていただいております。これは県に対して感謝しております。

 ただ一つ、作業部会等々で出ましたのは、先ほど私は「秒針のように見えてくれ」ということを申し上げたんですが、長崎航空に対するリストラはやっているよと言われても、これが最大限急いでやっても二年かかると思うんですね、中型機の。しかし、これはかぎを握っておるのは長崎航空なんですね、一県に二つの厄介な重荷を背負う会社は必要ないという議論がある。作業部会では、リストラ策が少し手ぬるいんじゃないかという議論が出ていると思うんですけどね、そういうふうにちょっと伺っていますが、その辺はいかがですか、企画部長でも結構です。



○議長(村山一正君) 企画部長。



◎企画部長(溝添一紀君) 議員おっしゃいますように、今、二十数項目にわたって、人員の削減を初め、主要事業の中止、あるいは給与体系の見直し等々、再建計画を立てて実施に移しております。

 まずは、単年度収支を均衡させるということが大前提だろうと思います。しかしながら、この計画はこれで終わりということではございません。私どもも、長崎航空と協議の中で、これは第一次の計画であると、さらなる御努力、改善をお願いしたいということを申し上げておりますし、この長崎航空の再建が確保できませんと、次の話が進みませんので、国の補助制度のあり方と長崎航空の再建、この両面から作業グループで精力的に今議論を進めていただいているところでございます。



○議長(村山一正君) 二十三番。



◆二十三番(平田賢次郎君) ありがとうございました。今動いている生身の会社であるし、そう簡単にはいかないということはよくわかります。

 一つ、今日の答弁全体について感じたことは、本当に理解していただいているなということを感じておりますので、今日はありがとうございました。

 これで質問を終わります。



○議長(村山一正君) 関連質問に入ります。二十八番。

           〔関連質問〕



◆二十八番(西津覚君) 離島航空路線問題に関連して、これは企画部長にお尋ねをしたいというふうに思います。

 需給調整規制撤廃方針と符合いたしまして、昨年は、降ってわいたように離島航空路線維持が危ないという問題が持ち上がりました。いろんな努力にもかかわらず、既存三路線について休・廃止に追い込まれたということになったわけであります。

 ただいま平田議員より、福岡便が廃止になった後の壱岐の切実な実情について語られておりました。壱岐の島民の生活にもろもろの支障が来されておるということは、私も容易に想像できるところであります。航空会社に対する運航費の補助制度の対象となる生活路線の指定ということも近々決定されるということも聞いておりまして、その結果いかんによっては、他の離島空港所在地についても、壱岐と全く同様の問題が生じることは必至であります。私は、この問題を解決するためには、もう自衛手段に頼るしかないと。かつて、この本会議場でも述べたことでありますけれども、やはり長崎航空を受け皿として活用するしかほかに道はないと、この長崎航空の新たな事業展開によって活路を見出すしかないということは間違いないというふうに思っております。

 ところで、先ほどの知事の答弁の中にもありましたように、「長崎県離島航空路線存続協議会」の作業部会において、今、鋭意いろんな問題解決に当たって検討がなされているということであります。平田議員は、「よくやっていただいておる」ということをさっき申しておられましたけれども、私は、進展がなかなか見えないという印象を持っております。このまま作業部会に任せておいてよいものか、やはり専門的なことをコンサルタントに依頼するといった手だてもあるんじゃないか、そういった思いもありますし、このまま壱岐で空白状態が続くということは、壱岐の観光、あるいはその他の産業振興にとっても大きなダメージになるというふうに思うので、これはやはり早急に手だてをする必要があるというふうに思いますし、いろんな問題があることはわかるんですけれども、その結果、結論を出すめどをいかにお考えか、この一点についてお尋ねをさせていただきます。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) ちょっと時間がないので、詳しくお話しすることができないんですが、私は、この離島航空路の廃止の問題が出たときから、長崎県の離島全体の航空路をどうするかということについては、内々いろいろと自分の考え方を持って、またそういう方向でずっと進めさせていただいております。

 ただ、前提となる条件として、もし仮に新しい会社をつくってやる場合は、県が余り主導をとるんじゃなくて、本当に民間の知恵で、しかも、従来から航空のそういった経営にタッチした、そういう方に来ていただいて、需給緩和ですから、これから航路については自由になってきますから、離島航空を含めて、ある程度総合的に物事を考えながらやっていかなきゃいかぬと。ただ、答えを早く出しちゃうと努力をしないというようないろんな考え方もあって、今まで余りいろいろなお話はしていないんですが、もうしばらく待っていただきたいと思います。

 問題は、長崎航空がちゃんとやってもらわなきゃ困るんです。長崎航空と同じようなことをやって、一方でまた別なことの話が出てきたら、長崎航空の再建は進みません。したがって、今後、何をやるにしても、長崎航空の再建が前提となっておる。したがって、長崎航空の再建さえ出てくれば、後はいろんな考え方を持って、しかもコンサルタントじゃなくしても、すべていろいろなことについて十分に今詰めをしながら話し合いをさせていただいております。ただ、それを今オープン化するような時期じゃないというふうに思っておりますので、その点については、ある程度の形ができ上がり、そういう体制が整ったら、県議会の皆様方にお諮りして、また検討させていただきたいと思っております。



○議長(村山一正君) 十四番。

           〔関連質問〕



◆十四番(馬込彰君) 同僚平田議員の航路の質問に関連いたしまして、若干お尋ねしたいと思います。

 先ほど、部長は新規参入の条件をいろいろ言われました、利便性とか、サービスの中身について言われておりますけれども、これは新規参入の会社に言われるんじゃなくて、既存の業者に見直しを迫らなければならなかった問題であるというように私は考えておるんですよ。(発言する者あり)

 結局、既存の会社の既得権益を守るために改善されないと、これでしまの経済も停滞したというのも事実なんです。そういう既存の権益を崩すために規制緩和があって、競争の原理を導入されてきた、これも事実でありますね。そうすれば、長崎県は離島を抱えている、それに就航させている多くの航路会社の保守的な体質が今問題にされなければならない。

 例えば、長崎の大波止のポンツーンがあります、桟橋が。あれは航路会社のための桟橋じゃない、利用者のための桟橋。ところが、利用者が遠くまで歩かされる。私もしょっちゅう利用していますけれども、五島の皆さんは荷物を持って一番端まで歩かされる、手前のポンツーンはあいている、有効活用されていない。それはなぜか、既得権益で自分たちは手前の桟橋につけるんだと、利用者本位じゃないんですよ、航路会社の都合で、あのポンツーンの利用を図られている。(発言する者あり)これが現実ですよ。だから、新規参入される会社を応援したいんです。この体質を変えないと、我々しまに住んでいて、しまの経済が疲弊する大きな原因ですよ、航路というのは。我々しまに住んでいる人間にとって、これは道路なんです。鉄道であって、道路であって、これが我々しまで生活している人間のネックなんですよ、動脈になります。そういう既存の企業の弁解をしてもろうても非常に困る、体質も問題なんですけどね。そういうことも含めて、新規参入業者に対する見解を再度お聞かせいただきたいと思います。



○議長(村山一正君) 企画部長。



◎企画部長(溝添一紀君) 議員御指摘のとおりでございまして、規制緩和、需給調整の撤廃を機に、さらに既存の海上業者とも、この前、初めてああいう会議を開かせていただきましたが、十分な情報連絡を取りながら、改善をするべきところは求めてまいりたいと思っております。



○議長(村山一正君) 林田議員−二十四番。



◆二十四番(林田悧君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・県民会議の林田 悧でございます。

 通告に従いまして、知事、並びに関係部長に質問をさせていただきます。

 一、福祉政策について。

 西彼町特別養護老人ホームの現況についてお尋ねいたします。

 御承知のとおり、西彼杵郡内のそれぞれの町に特別養護老人ホームが設置されておりますが、ただ、西彼町は未設置で、一日も早い設置を全町民が待ち望んでおりました。そこで、町民はもとより、関係各位の強い要望を受けて、町は関係者との協議を重ね、再三県への申請を行う中で、ようやく平成九年九月四日に、県の審議会による承認・決定がなされたのであります。そして、平成十年六月一日に国庫補助内示があっておることは御案内のとおりであります。その内容によりますと、国の財政構造改革によりまして、平成十年度と平成十一年度の二カ年にわたっての設置と言われております。本年度末には既に五〇%近くできていなければならないのに、なぜか現在、建設のめどすら立っていないということで、地元行政・町民は大変心配いたしていると聞いております。

 私があえて申すまでもないことではありますが、地元西彼町出身で県議歴二十数年、しかも、町民の絶大な信望も厚く、誠実な県議会議長さんもおられるわけでありまして、地元の実情は十分に理解されているはずであります。(発言する者あり)それだけに早く立派な老人ホームが建設されるものと地元の町民は大きな期待をしているところであります。

 聞くところによりますと、法人の主導権争いを行い、正式な社会福祉法人の設立もできないため、登記はもちろんのこと、補助金申請も県になされていないとのことでありますが、年度末ぎりぎりの予算措置と、そのために、担当部局、そして県当局が大変苦慮されていることが私の調査でわかりました。

 地元では、県の行政指導を受けながら、早く法人登記ができるように進めておりますが、当初の法人役員で基本的に申請することが当然のことと私は思いますが、聞くところによると、経過を無視した形で、二月九日に別の新たな理事申請がなされ、県議会議長が理事に名前を連ねておられるとのことで地元理事は驚き、「何で議長が理事に入らなければならないのか」との質問に対し、「理事長の財政的不安を解消するため」とか、「県への申請を含めた信頼性のため」とか言われたとのことでありますが、あり得ない話であると私は思います。(発言する者あり)

 私の手元には、地元設立準備委員会の経過内容はもとより、第二の申請とあえて言わせていただきますが、このメンバーが進めようとしていた計画書及び日程表も入手できており、これが県の指導であるならば大変な事態であります。部長や課長に直接ないし暗黙の政治的圧力がかかっているのではないかと、地元町当局や多くの町民の方々が心配されておられるようであります。

 ここで最も関心を持たなければならないことは、去る二月十八日、地元西彼町で設立準備委員会が開催され、二つの理事案に対する県当局の裁定案が示されました。当然、県が示した案でありますから、御承知のことと存じます。地元委員と吉田理事長、県議会議長も同席されていたようでありますが、十二名全員一致で「この案に同調できない」との結論に達したと聞いております。県当局へもそのような報告であったろうと思っております。

 私が考えまするに、地元町民を網羅した、皆様が積み重ねてきたこの設立準備委員会の経過と、県の裁定すら受け入れられないほど、皆様の固い意思というものは、町民の長年の特老に対する思い、願いであると同時に、福祉の心を汚してはならないという素朴な、いわば反発ともとれるものと受けとめておる次第であります。

 以上のような状況のもとで、西彼町の多くの皆様方から問い合わせがありまして、老人ホームの建設はどうなっているのか、どうなるのか、そして、このような事態を知っているのかと尋ねられますので、確かにこのような事態は前代未聞というか、補助金の内示があっているにもかかわらず、着工することができないということは、何とも不可解としか思えません。同じ西彼杵郡選出で近隣の県議として、あえて質問に立ったわけでありますが、こういう内容そのものが残念と言うほかありません。明確な指導方針はもとより、現状における認識を明らかにしてほしいと思います。

 また、年度内の解決ができない場合は、予算の繰越手続等も含めて、この問題が解決されなければ、部長はどのような解決をなされるのか、お伺いいたします。

 次に、介護保険制度に伴う市町村の財政状況及び保険料の徴収方法について。

 現在、我が国においては、高齢化と少子化の進展により、二十一世紀の初めには四人に一人が高齢者という社会が到来することが予想されており、高齢者のひとり暮らしや夫婦のみの世帯の増加、さらには、要介護者の増加や、介護期間の長期化、介護者自身の問題が顕在化しております。

 本県においても、今後ますます高齢化が進んでいく中で、高齢者数と構成割合の増加とあわせ、七十五歳以上の後期高齢者も増加の一途をたどり、それに伴い将来的に介護保険総額も増加の傾向にあるものと思われます。

 介護保険成立を前に、多くの市町村は、介護保険の導入により市町村の財政が大きく圧迫され、介護保険が第二の国保になるのではないかと、運営主体になることを心配していたと承知しております。また、介護保険制度発足後、介護保険給付額が予想を超えて大きくなったり、保険料の徴収に危惧を抱いている市町村が多いことも事実であります。しかしながら、県民が平成十二年度から開始される介護保険サービスを安心して受けられるようにするためにも、この運営主体である市町村が介護保険特別会計の健全性を維持することが必要不可欠であります。

 そこで、本県のように財政基盤の弱い市町村も多い中で、介護保険制度の導入により市町村の財政はどのように変わるのか。

 第二号被保険者の保険料は全国統一でありますが、第一号被保険者の保険料は市町村で異なり、これをどのように徴収するのか、お尋ねいたします。

 また、本県が先日試算した保険料は三千二百円程度と新聞報道されておりましたが、介護保険料の徴収については、国民健康保険税のように滞納が考えられますので、徴収方法についてどのように考えておられるのか、あわせてお尋ねいたします。

 二、水産業の振興について。

 磯焼け対策。

 再三質問をいたしておりますが、近年、水産生物の産卵場や、稚貝、稚魚の育成の場として重要な役割を果たしている藻場が消失してきており、このことが沿岸漁業の振興を図る上で大きな問題となっております。

 このため、本県では、全国に先駆けて平成五年に「磯焼け対策本部」を設置し、平成六年度から県単独事業で、「藻場復旧パイロット事業」及び「海藻バンク造成事業」、並びにウニやマキガイの駆除、海藻の種の供給等を行っており、また、平成十一年度の予算に磯焼け対策事業費として約二億二千万円の予算を計上されるなど、積極的に藻場の回復や磯焼けの予防に取り組んでこられました。

 この結果、磯焼け対策実施地域においては、聞くところによると、地域によっては藻場の回復の兆しが見られているとのことであり、大変喜ばしいことと評価しているところでありますが、西彼杵半島、特に大瀬戸町の沿岸漁業者からは、大瀬戸町松島沖合で藻場の消失や、カジメ、ワカメ、ヒジキ等の生育不良の現象があるとの心配の声を耳にするわけでございます。御承知のとおり、藻場の回復にかなりの時間がかかりますので、早急に対策を講じていく必要があるものと存じます。

 また、近年、原因ははっきりわかりませんが、沿岸部においては、ワカメやアオサ等の有用資源の生育が以前に比べて悪くなっているとの情報も聞いております。このことは生産量の減少はもとより、身近な海藻をとっている漁村の季節的風物と住民生活の潤いを損ないつつあるのではないかと考える次第であります。

 そこで、磯焼け対策について、今後どのような方法で、どの地区で展開しようとしているのか。また、ワカメ、アオサ等の有用資源を増やすための漁場造成対策について、水産部長にお尋ねいたします。

 以上をもちまして私の質問を終わらせていただきますが、再質問が要らないような的確な御答弁をお願いいたします。(発言する者あり)

 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)



○副議長(池原泉君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕林田議員の御質問にお答えいたしますが、介護保険の導入により市町村財政はどのようになるのかというお尋ねでございますが、平成十二年四月から実施される介護保険制度では、四十歳以上の国民に新たな保険料を負担していただくことによりまして、市町村の介護費用の負担割合は、現行の六分の一から八分の一へと変更され、基本的には市町村の財政負担は軽減されることとなります。

 歳入面におきましては、市町村の介護給付に必要な財源のうち、国、県、市町村での公費負担が五〇%と、医療保険者が徴収する四十歳から六十四歳までの方の保険料の三三%で、八割以上が確保されます。さらに、六十五歳以上の高齢者の保険料は一七%であり、その約八割の方の保険料は年金から天引きされますので、市町村が直接徴収しなければならない高齢者の保険料の割合は三ないし四%の見込みであり、必要な財源が安定的に確保される仕組みとなっております。

 なお、予想を上回る給付額の伸びや保険料の収納率の低下による赤字を補てんする「財政安定化基金」や、七十五歳以上の高齢者の加入割合が高いことなどによる保険料の負担増を防ぐための調整交付金等、健全財政を堅持する仕組みが講じられております。

 次に、介護保険料の徴収方法はどうなのかというお尋ねでございますが、四十歳から六十四歳までの方々の保険料につきましては、介護保険分も含め、現行の医療保険の保険料に上乗せして一括して徴収され、一たん全国でプールした上で各市町村に交付されます。保険料の計算の仕方や額は、加入している医療保険により異なっております。

 一方、六十五歳以上の方の保険料につきましては、老齢・退職年金が月額一万五千円以上の場合は年金から天引きされ、年金月額が一万五千円未満の場合は、直接市町村に納めていただくことになっております。

 なお、高齢者の保険料を所得に応じ五段階に設定し、低所得者の方に対する負担を軽減するなど、滞納が生じないよう措置が講じられています。

 残余に質問につきましては、部長よりお答えさせていただきます。



○副議長(池原泉君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 西彼町の特別養護老人ホームについて、進捗状況はどうかということと、それから認識はどうかというお尋ねでございます。

 現在、西彼町において計画されております特別養護老人ホーム「西彼荘」の事業につきましては、議員から質問がございましたように、平成十年度から平成十一年度の二カ年の継続事業として、国と協議を行いまして、昨年五月二十九日に国から補助金内示を受けております。県からは、六月一日付で、平成十年度施設整備補助金の内示を行っております。この内示を受けまして、施設の設立代表者は、社会福祉法人の設立認可申請を県へ行い、法人認可を受けた上で着工すべきでありますが、現在、申請書の提出がなされていない状況であるため、早急に提出するように再三再四指導をしてきたところであります。

 申請が遅れた原因は、理事の構成メンバー、それから建設資金の財源などにつきまして、設立代表者と地元町、地元設立準備委員との調整がいまだ合意に至っていないためであり、県といたしましては非常に遺憾と思っております。今後とも、法人設立及び着工に向けて鋭意指導してまいりたいと考えております。



○副議長(池原泉君) 水産部長。



◎水産部長(木村道夫君) 水産業の振興に関しまして、磯焼け対策について、今後どのように対処していくのかというお尋ねでございますが、御指摘のとおり、海藻類が繁茂いたしますいわゆる藻場は、水産生物の産卵場でありますし、あるいは稚貝、稚魚の育成の場として大変重要な役割を果たしております。水産資源の繁殖、保護、栽培漁業の展開を図る上で大変重要なエリアでございます。

 このため、本県におきましては、平成五年度に「磯焼け対策本部」を設置いたしまして、平成六年度から、磯焼けが進んでおります海域での藻場の復旧対策事業として、西彼海域、あるいは北松海域等で十一カ所、それから磯焼け地区等への海藻を供給するための藻場づくり対策事業を、五島、あるいは壱岐の海域等で十カ所実施をしております。また、地元自治体、あるいは漁協等の取り組みによりまして、ウニなどの食害駆除や母藻の移植などによりまして磯焼けの予防対策を講じておりまして、県下七十一カ所を超える地域で諸事業が実施をされております。それぞれ水中カメラ、水中ロボット等で確認をいたしておりますけれども、藻場回復の傾向が見え始めているところもございまして、これからも一生懸命取り組んでまいりたいというふうに存じております。

 平成十一年度においても、これらの事業に要する県単独の措置として二億二千万円を予算計上いたして磯焼け対策を実施することにいたしておりますが、箇所につきましては、この磯焼けの現象が県下全域に広がっております。非常に緊急性の高いところを選びまして、地元の漁協等とも相談をしながら、箇所の選定をしてまいりたいというふうに考えております。

 それから、ワカメ、アオサ等の漁場造成についてのお尋ねでございますけれども、ワカメ、アオサを採取する磯場の情景といいますか、議員御指摘のとおり、漁村独特の季節的な風物というふうに私も感じておりますし、漁村文化の伝承をするという意味で大事なことだと思っております。

 そういう一方、ワカメ、アオサ等の海藻類が、最近、健康食品食材として大変注目を集めてきておりまして、これらの資源増大を図るためには、自然石等の設置による方法が考えられますけれども、実施に当たりましては、場所あるいは規模等、そういったものについて地元の自治体、あるいは漁協と十分協議を行って対応していきたいと、こういうふうに存じております。

 以上です。



○副議長(池原泉君) 二十四番。



◆二十四番(林田悧君) 部長、暗黙の政治的圧力はかかっていないのか、その点は答弁はございませんが、肝心な一番大事な質問をしよるのに、だれか、消えていなくなっている。(笑声)のれんに腕押し、全然効き目なし。だから、こういう圧力があったのか、ないのか。こういうことがあるから西彼杵の福祉は後退してしもうとるという意見があるわけです。老健にしかり、この老人ホームにしかり、入居をお待ちしておる方もたくさんいらっしゃるわけでございます。ですから、当初の理事で、町と協議して早く申請ができるように指導できないのか。できるとなれば、もうぎりぎりですから、三月いっぱい、福祉保健部長、できるのかどうか、御答弁をお願いいたします。



○副議長(池原泉君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 議員御指摘のとおり、県といたしましても、やはり当然、当初の申請時の理事でお願いしたいということを再三再四指導しておりまして、また、そのようにやってきたわけなんですけれども、先ほど申しましたように、内部で不協和音が起こりまして、非常に信頼関係が崩れまして、こういう結果になっております。

 しかしながら、地元の皆さん、それから両方の方々も、やはりどうしても特別養護老人ホームは地元につくりたいとの熱意がありますので、今後、当初の申請をもとにしまして、両方に調整を図って努力してまいりたいと考えております。(発言する者あり)



○副議長(池原泉君) 二十四番、もうないんですね。(発言する者あり)五十番。

           〔関連質問〕



◆五十番(吉住重行君) 林田議員の西彼町に予定をしております特別養護老人ホームについてお尋ねをいたします。

 今、部長の答弁ではどうもはっきりしない。もう少しはっきりした状況を答えてもらわにゃいかぬ。平成十年と平成十一年の二年にまたがる補助だそうですが、さっき本人からも話のあったように、三月いっぱいに着工できなければ補助金はどうなるのか、まずお尋ねをします。



○副議長(池原泉君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 議員御承知のとおり、この事業は平成十年度と平成十一年度の二カ年計画でございます。現在、予算としましては、平成十年、平成十一年、それぞれ五〇%ということでお願いしておるわけなんですけれども、現在、未着工であるために、繰り越しの手続を行うようにしております。ただ、その繰り越しの手続を行うにしましても、平成十一年三月三十一日までに、両方合意して法人が設立されて、それから事業の工事契約が結ばれませんと繰り越しもできませんので、そういうことに向けて、あと一カ月ございますので、全力で合意を図っていきたいと考えております。



○副議長(池原泉君) 五十番。



◆五十番(吉住重行君) 二年にまたがる工事なので何とかなるだろうということですが、私は、三月までに果たしてこの工事が着工できるのか問題だと思います。いわゆる、あなたはいろいろ話を説明をしよるけれども、法人の設立も、「これはだめだ」ということで別につくって、今、二つできておるんでしょう。それは、ある西彼出身の県議会議員が邪魔をしてできないというのが現実でしょう。はっきり答弁してください。(発言する者あり)



○副議長(池原泉君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 確かにおっしゃいましたとおり、両方で理事構成がなされております。そこで、二月時点で両方の代表者を呼びまして、折衷案を出して、「これではどうか」ということを、県の案として、私の案として両方に提示いたしましたけれども、それでもなお合意に達していません。そういうことでありますけれども、残り一カ月でございます。そういうことも含めまして、これからも鋭意その両方の代表者に会いまして、設立認可ができるように頑張っていきたいと、努力していきたいと、そういうふうに考えております。



○副議長(池原泉君) 五十番。



◆五十番(吉住重行君) 自分が理事に入りたいということで理事に入って、理事会を二つつくってあるんでしょう。それは、「三月いっぱいにやります」と言いよるけれども、約束できますか、できないときはどうする。



○副議長(池原泉君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 努力してまいりたいと思っております。



○副議長(池原泉君) 五十番。



◆五十番(吉住重行君) 努力してできないときはどうするのかという質問をしてあるんだ、私は。(発言する者あり)



○副議長(池原泉君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 努力してできない場合には、内示の取り消しと思っております。



○副議長(池原泉君) 四十七番。

           〔関連質問〕



◆四十七番(石本順之助君) ちょっと今の質問に関連して質問させていただきたいと思いますが、部長の答弁の中でよくわからないのが、「法人が二つある」という話ですね、部長のあれでは、今、現在。最初に許可を、認可をおろした法人はどっちなんですか。



○副議長(池原泉君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 「法人が二つある」と言いますのは、内部で今、二つ法人を検討しておるということでございまして、実際は当初申請の法人が一つでございます。ただ、内部において、非常にそういう不協和音によりまして、そういう結果になっておりまして、現在、二つの法人ということが内部の方で検討されているということでございます。(発言する者あり)



○副議長(池原泉君) 四十七番。



◆四十七番(石本順之助君) それは内部の話であって、現在、一番最初の届けを出した法人の理事会の構成の問題でしょう、どうですか。代表者が二人おるというところで、何か話がえらいややこしいように聞こえて、感じて、関連もやっているわけですけれども、代表者二人とは何ですか。



○副議長(池原泉君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 代表者は一人でございまして、その代表者をめぐって二つの理事会というのが内部の方で検討されているということでございます。(発言する者あり)



○副議長(池原泉君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 設立代表者が一番大事なんですよね。だから、設立代表者が中心となってやっておるわけでして、だから、正直言って、本当はここの県議会の議論の中で、まず設立代表者が申請しているものについて、今後、そういう形でできるように努力をするということで、本来ならば御了承いただきたいんですよね。あと、二つあるとか、三つあるというのは内部の問題なんですね、これは。正直言って、議会の、県議会のここの中で公にする問題じゃなくして、(発言する者あり)言うならば、これはアウトサイダーで、いろいろとそういった内部で議論があるんじゃないかということで、県が中に入って調整をしておることなんですから、本来ならば、二つあるとか何とかという議論をここですること自体が私はいかがなものかなと。(発言する者あり)

 だから、調整したことについては、要するに、設立者がどっちにあるかということについて、はっきりですね、問題は設立者が大事なんです。これは吉住議員でも、皆さん方も、直接に特老にタッチしているから、よくおわかりになると思います。設立者がだれであるかということが問題でありますので、これは今、部長から「努力をする」ということで答弁があっておりますので、御了承いただきたいと思います。(発言する者あり)



○副議長(池原泉君) 四十七番。



◆四十七番(石本順之助君) 今、知事が明確な答弁をされました。やっぱり一番困るのはお年寄りの方なんですよ。だから、やはり毅然たる態度で一日も早く解決をして、目的を敢行していただきたいということを最後に御要望しておきたいと思います。



○副議長(池原泉君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。

 午後は、二時から再開いたします。

           −−午前十一時四十二分休憩−−

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

           −−午後二時零分再開−−



○議長(村山一正君) 会議を再開いたします。

 この際、林議員から昨日の一般質問において、一部適切を欠く発言をしたので、議長において適切な措置をお願いしたい旨の申し出がありました。

 この件につきましては、後刻、議長において会議録を精査の上、適切な措置をいたしますので、御了承をお願いいたします。

 午前中に引き続き一般質問を行います。川村議員−二十番。



◆二十番(川村力君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。

 緑の羽根募金は御苦労さまでした。

 緑豊かな県づくりを進めております川村 力です。長崎市選出・改革21の川村 力でございます。

 新進党の解散から一年有余、私は県議会では改革21に所属しながら、新しい民主党県連の結成に参画し、高木義明代表のもとで幹事長代理を担当しておりますので、今後とも、これまでと変わらぬ御指導と御協力をお願いいたします。

 それでは、質問に入りますが、その前に、知事就任満一周年を迎えられました金子知事に、これまでの活動に敬意を表しながら、「大変革時代の中で長崎県の進むべき道筋を示し、自律ある長崎県を築きたい」と言明されたあなたの思いは、徹底した情報公開等により県民総参加の県政に近づきつつあると認識されておられるのかどうか。まず自己評価をお願いいたします。

 一、新年度の予算と行財政改革について。

 (一)、県と市町村の財政問題。

 新年度の当初予算の編成方針や行政改革につきましては、同僚議員の皆様からも一般質問がなされておりますが、借金残高一兆円が目前でございまして、適切な財政運営が一層求められるとともに、行政改革にも全力で取り組む必要があるとの判断から、重複するかもわかりませんが、質問をさせていただきたいと考えます。

 報道によりますと、九州一の経済県でございます福岡県は、景気低迷に伴う深刻な財政悪化で、来年度にも財政再建団体に転落する見通しが強いとのことでございます。財政再建団体の指定を受けると、原則として単独事業の実施が困難になるほか、公共料金値上げなど、住民生活への影響も避けられないことから、行政改革を一層強化する方針と伺っております。民間企業で言えば、会社更生法の適用を受けるのと同じ意味を持つ財政再建団体は、大阪府、東京都、神奈川県などが転落寸前とも言われていますが、私たちの県や市町村は問題はないのかどうか、知事にお伺いをいたしたいと存じます。

 (二)、事務事業評価システムと新行政システム基本計画。

 次に、金子知事が新しい視点で取り組んでおられる新年度当初予算の編成時に試行的に導入された「事務事業評価システム」と、見直しがなされた「新行政システム推進基本計画」についてお伺いいたします。

 まず、九州で初めて導入された「事務事業評価システム」については、複雑・多様化する行政ニーズに的確に対応するために、県自らが県の判断で事業の評価、見直しに取り組まれたもので、約二十一億円の節減につながったとも言われており、一定の評価を与えるものでございます。しかしながら、評価の時期や評価調書の内容など、改善すべき点はないのか。また今後の活用策を含めてお伺いをいたします。

 次に、「新行政システム推進基本計画」、すなわち「行政改革大綱」を計画期間の途中で目標をできるだけ数値化するなど、内容の見直しをされたことは評価したいと存じます。しかしながら、定員の適正配置、申請手続の簡素化、県単独の補助金・貸付金の見直し、県政情報の公表、県政への住民参加の推進につきましては、さらに大幅な見直しを検討する時期にきているとも考えておりますが、知事の率直なお考えをお伺いいたします。

 (三)、公共事業の再評価システム。

 公共事業の再評価については、長崎県においても「公共事業評価監視委員会」が設立され、審議が進んでいるとお伺いしております。マスコミ報道によると、事業の継続、見直し、中止など、さまざまな論議がなされておりますが、再評価システムの導入は、金子知事が目指しておられる「開かれた県政」の一翼を担うものと思われます。

 そこで、公共事業の再評価について、「公共事業評価監視委員会」の役割、審議状況、その結果として事業の見直し、中止があるのか、あればその効果をお伺いしたいと存じます。

 二、県の経済活性化と緊急雇用対策について。

 (一)、地場中小企業の振興策と緊急雇用対策。

 二月四日の日銀長崎支店の県内金融経済概況によりますと、公共投資は増加基調、住宅投資が低迷、小売は横ばい、民間の設備投資が中小企業で抑制、観光は総じて不振とのことです。

 一方、大手造船、重電機器関連では高操業ですが、新規受注は減少、中小造船が仕事量不足、民間の建設や小売は低迷、雇用は二十年ぶりに有効求人倍率〇・三九倍、物価は若干の上昇となっており、景気低迷が長期化する中で、県内の地場中小企業は極めて厳しい状況に置かれております。特に、観光客などが減少したことから、人を運ぶタクシー業界では、運賃収入が十年前のレベルに落ち込んでいるとも言われておりますし、地場の中小造船では大幅な仕事量不足から、休業や出向の実施計画に伴う雇用調整助成金の申請を相次いで発表するなど、ますます深刻化する一方です。

 県では、平成十年度に国の経済対策に対応して、昨年の七月補正で約三百九十億円、今年の一月補正で約四百億円の公共事業予算を組んでおられますが、果たしてどれほどの経済効果があったのでしょうか。低金利政策と公共投資の拡大が、民間の設備投資の拡大や消費の拡大に連動し、景気が回復に向かう時代ではないような気がしてなりません。

 一方、県内の勤労者を代表する「連合長崎」は、去る一月十四日に、金子知事に対して、去る二月二十三日には、村山議長に対して、「緊急雇用対策」に関する要請を行ったとお伺いしております。県の経済活性化対策の中で、特に、地場中小企業の振興策と地場中小企業に働く勤労者の雇用対策についての知事の力強い御所見をお伺いしたいと存じます。

 (二)、池島炭鉱の長期存続策。

 次に、池島炭鉱の長期存続策についてお伺いいたします。

 平成四年度から始まった国の新石炭政策は、平成十三年度末の期限切れまであとわずかとなりました。この間、閉山が相次ぎ、現存するのは、本県の池島炭鉱と北海道の太平洋炭鉱のみとなったのは御承知のとおりでございます。

 池島炭鉱は、世界最高水準の生産・保安技術を有する炭鉱であり、地元外海町の唯一の基幹産業として地域振興、雇用対策の面からも重要な役割を果たしており、現在、労使一体となって平成十四年度以降の操業確保を目指しての諸取り組みを実行中だと伺っております。

 通産大臣から諮問を受けた「石炭鉱業審議会」の結果と国の対応が本年中にも出される状況にあることから、国へ向けての県の対応をどのように考えておられるのか。また、県としての池島炭鉱への具体的な支援策について、金子知事にお伺いいたします。

 三、県の土木行政について。

 (一)、幹線道路網の整備促進。

 道路は、県民生活や活力ある経済活動を支える最も根幹的な施設であり、その整備に県民の強い期待が寄せられております。また高齢化・少子化が進んでいる中、二十一世紀の社会基盤として計画的に充実させるためにも道路の整備は一層重要でございます。

 現在、県では、県内二時間交通圏の確立を目指して、九州横断自動車道の長崎延伸や県北地区の西九州自動車道を初めとして、地域高規格道路や都市計画道路など積極的に取り組んでおり、力強い限りです。特に、県内の経済活動の中心でございます長崎市周辺の幹線道路については、数本の大型事業が推進されており、近く国道二〇二号の飽の浦トンネルも開通の運びとなりました。

 そこで、今後とも幹線道路網の整備に努力をしていただくことを強く要望するとともに、長崎市周辺の幹線道路の整備計画について、土木部長にお伺いいたします。

 ? 九州横断自動車道の長崎延伸計画。

 ? 国道三四号日見バイパス計画。

 ? 長崎南環状線の女神大橋計画。

 ? 都市計画道路の浦上川線、小ケ倉・蛍茶屋線計画について。

 (二)、離島架橋と船員の雇用対策。

 西彼杵半島の西海町と大島町を結ぶ大島大橋については、平成三年度工事に着手し、本年末にも開通を迎えるとお伺いをいたしております。この大橋の完成により、本土と離島が一本化し、地域の振興はもとより、日常の生活での利便性や安心感ははかり知れないものがあり、今後とも、離島架橋は計画的に推進されるべきものと理解をしております。

 しかしながら、現在この区間を運航しておりますフェリー会社は、大橋の開通とともに廃業に追い込まれるものと判断をしておりまして、そこで働く船員や社員の失業が発生するものと想定されます。本四架橋に対する国の対応策を踏まえて、長崎県としてフェリー会社の船員・社員の雇用対策をどのように考えておられるのか、知事にお伺いいたします。

 (三)、下水道の整備促進。

 次に、県下の下水道の整備についてお伺いいたします。

 金子知事は、かつて、「下水道の整備は地域の生活水準をはかる一つの尺度である」と述べておられますし、先日、ある雑誌に県の下水道課長が寄稿され、「下水道を整備すると、嫁来る、孫来る、魚来る」と言っておられます。住民の生活環境を豊かにし、川や海をきれいにすることはもちろん、地域の活性化や定住促進、観光振興など、下水道整備の効果は大きく、重点的に整備すべきものと認識しておりますが、残念ながら、本県の下水道整備の現状は、下水道普及率が約三八%で、全国平均と比べて二〇%程度低いものとなっているようでございます。

 知事は、本会議冒頭、「快適で住みよいふるさとづくりに向けて、下水道整備への支援に努めていく」との力強い所信を表明されましたが、どのような全体計画で整備を進めていかれるのか、お伺いをいたします。

 また、近年、環境問題に対する住民の関心が高まる中で、閉鎖性水域でございます大村湾の水質保全は、本県の大きな課題でございます。現在、大村湾流域の公共下水道整備の現状はどうなっているのか。また、その普及のためにどのような対策を打っておられるのか、お伺いをいたします。

 四、県の教育行政について。

 (一)、学校週五日制への対応。

 学校週五日制は、子供たちの生活をそれまでの学校教育中心の生活から、家庭や地域社会に戻し、子供たちの生活にゆとりを持たせることによって、望ましい人間形成を目指して導入されたものでございます。平成四年から月一回、平成七年から月二回の経過を経て、完全学校週五日制を平成十四年度から導入するべく準備中でございます。この学校週五日制の実施は、二十一世紀を担う子供たちを心豊かに、たくましく育てるための重要な教育改革の一環であると認識をいたしております。

 しかしながら、その実施に当たっては、考えなければならない課題も幾つかございます。例えば、学習内容や学習時間の削減によって基礎学力が低下し、塾通いが過熱しないのかとの懸念や、家庭や地域社会の受け入れ体制は整っているのかなどの心配もございます。私は、学校週五日制の完全実施については、学校、家庭、地域社会、そして行政が一体となって、そのための条件整備や支援体制を整えながら実施を目指すことが大切なことであると考えております。

 そこで、教育長に次の点についてお伺いいたします。

 ? 学校週五日制の現状と課題。

 ? 完全学校週五日制に向けての学校の取り組み。

 ? 家庭や地域社会の支援体制などについて。

 (二)、中高一貫教育の導入。

 中高一貫教育については、昨年六月の学校教育法等の改正により、平成十一年度から制度として導入されることになりました。今回の導入は生徒や保護者が中高一貫教育を選択できるようにし、生徒一人ひとりの個性をより重視した教育の実現を目指すものと言われております。

 中高一貫教育は、これまで国立の附属学校や私立学校で実施され、特に、進学の面で一定の効果を上げているようでございます。本県においては、奈留地区などのしま地区において中高一貫教育の研究がなされていると聞いておりますが、まだ県全体としての導入はなされていないようでございます。

 教育長に次の点をお伺いいたします。

 ? 全国的な動向と本県の取り組み状況について。

 (三)、心の教育といじめ問題。

 新しい時代を担う心豊かでたくましい青少年を育てるために、心の教育は最も重要な課題であり、昨年六月、中央教育審議会は、「幼児期からの心の教育の在り方について」と題し、子供の心の成長をめぐる状況や、心の教育の在り方の重要性について答申いたしました。その中では、もう一度、私たちの足元を見直そうという視点から、学校の果たす役割や家庭、地域社会の果たすそれぞれの役割の重要性が改めて強調されており、私も全く同感でございます。

 また、いじめ問題の早期発見、早期対応、いじめを生まない学校づくりを考えるとき、どれを取っても教師の熱意と使命感とあわせて、家庭や地域社会との相互協力が極めて大切なことであると考えております。

 ところで、心の教育やいじめの問題を考えるとき、その原点は家庭にあると私は思います。家庭は、すべての教育の出発点であり、基本的な生活習慣、自立心、豊かな情操、倫理観など、子供の人格形成に家庭の果たす役割は極めて重要でございます。行政が家庭の中に入るのはなかなか難しい問題ではございますが、私は、親、保護者自身が子育てに自信を持って取り組んでいけるような教育環境をもっと整備をする必要があると思うのでございます。

 以上の考え方に基づき、教育長にお伺いいたします。

 ? 学校における心の教育の推進といじめ問題対策。

 ? 家庭の教育力を高めるための支援策について。

 五、その他。

 (一)、プレジャーボート対策。

 本県では、港や河川に係留されているプレジャーボートの登録と係留許可を行い、健全な海洋レクリエーションの発展を目指して、昨年の第二回定例県議会で「港湾と漁港の管理条例」の改正を行ったところでございますが、現状では県が管理する長崎漁港、茂木港では登録と許可業務が進んでいるものの、長崎港などではプレジャーボートの所有者の理解が得られず、許可申請がほとんど出ていないと聞いております。

 私が所有者の方から事情を聞いてみますと、事前に十分な説明がない中で、登録して許可申請すれば使用料を取られる。また、使用料が高い、係船場所の設備が整っていないなどの苦情がほとんどでございます。既に平成九年度から実施している長崎市の漁港などでは比較的スムーズにいっているとも聞いておりますが、プレジャーボート対策の現状と今後の対応策について、お伺いをいたします。

 (二)、最近、大きな問題になっております米海軍の立神四号・五号岸壁の明け渡し問題について、質問をいたします。

 本問題につきましては、四号・五号岸壁を使用しております佐世保重工業株式会社からの要請に基づき、既に県及び県議会としての対応を関係者に要望しており、知事並びに議長の素早い行動に敬意を表するものでございます。佐世保市及び県北地区の主要企業である佐世保重工業株式会社の経営に与える影響はまことに大なるものがあると考えております。

 ところで、現地佐世保では、去る二月二十八日、佐世保重工労組と佐寿協同組合などによる「明け渡し反対二〇〇〇人集会」と、デモ行進や、市民に対するチラシ配布が行われたと聞いております。この問題に対する金子知事の認識と今後の取り組みについてお伺いをしておきたいと存じます。

 以上をもちまして、本壇からの主質問を終わりまして、場合によりましては自席から再質問をお許しください。

 終わります。(拍手)



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕川村議員の御質問にお答えいたします。

 知事就任満一周年を迎えて、徹底した情報公開等により、県民総参加の県政に近づきつつあると認識されているのかどうか、自己評価をお願いしたいとのことでありますが、知事に就任してこのたび一年を迎えたところでありますが、これまでの議員各位の御協力に対して心から感謝を申し上げる次第であります。

 情報の公開、あるいは県民参加による県政の推進につきましては、園田議員の御質問にもお答えしたところでありますが、この一年間、「県民に開かれた県政、見える県政、感じる県政」を基本姿勢といたしまして、情報公開を積極的に進めてまいりましたほか、「アーバン構想推進会議」などの審議会におきましても、公募委員を新たに導入するとともに、政策提言機関として「政策創造会議」を設置するなど、県民の皆様に県政へ積極的な参画をいただきながら、地方分権の時代にふさわしい長崎県づくりを推進していくために全力を傾注してきたところであります。

 このように県政を進めるに当たりまして、常に県民の立場に立ちまして、県民の声に耳を傾けるとともに、県民の英知や創意を結集していくことに意を用いてきたところであり、中には一定の進展を見たものもあるかと存じますが、いずれにいたしましても、諸施策の取り組みを始めたばかりの段階であり、今後の成果に大きな期待をいたしているところであります。

 これからも決意を新たにしまして、情報公開に積極的に取り組み、開かれた県政の推進に一層努めていきたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。

 次に、大阪府、東京都、神奈川県などは財政再建団体に転落寸前とも言われているが、本県や県内の市町村は問題ないのかというお尋ねでございますが、最近の地方公共団体の財政状況は、国と同様に、長引く景気低迷から非常に厳しい状況となっております。とりわけ景気変動の影響を受けやすい法人関係の税収額が多い大都市部の団体ほど地方税の減収額が大きくなっております。

 税収が減少すると、まず歳出の削減に取り組むことになりますが、義務的経費もあることから、直ちに大幅に削減することは困難であり、税収にかわる財源である減収補てん債を発行することになります。しかしながら、この減収補てん債は建設事業などの投資的経費にしか充当できないことから、発行する額には限度が出てくることになり、その結果、赤字決算が避けられない状態にあると思われます。

 これに対しまして、本県の平成十年度の県税の減収見込み額は、今議会でも提案しているとおり六十二億円程度で、減収補てん債を投資的経費に充当することが可能であり、県内の市町村においても同様な状況であります。

 しかしながら、この減収補てん債の元利償還金に対する交付税措置は県分で八〇%、市町村分で七五%となっており、残りは地方税等の自主財源で返済することとなることから、今後におきましても、財政の健全性に十分留意いたしまして、適切な財政運営に心がけてまいりたいと考えております。

 次に、事務事業評価システムにつきまして、評価の時期や評価調書の内容など改善すべき点はないのか、また、今後どのように活用するのかというお尋ねでございますが、「事務事業評価システム」につきましては、平成十一年度当初予算編成において新たに導入したところでありますが、まず、評価の時期については、予算編成作業と並行して行うことの利点と欠点を考慮しながら、今後、検討してまいりたいと考えております。

 また、評価調書の内容については、目標値を設定することが困難な事業も多く、必ずしもすべての事業についてこの評価システムが有効に機能したとは言いがたい面もあったことから、さらなる検討が必要であると考えております。これからも県職員の一人ひとりが日常の業務について原点に返って考え、県民が今、必要としているものは何なのかを考えていく手段として、また、「見える県政」を進めていく上で、その施策の必要性や目標等について、可能な限りわかりやすい形で県民の皆様に対して積極的に説明していく手段としてこのシステムを活用してまいりたいと考えております。

 次に、行政改革大綱はさらに大幅な見直しを検討する時期にきているのではないかというお尋ねでございますが、本県では、平成七年十一月に「長崎県新行政システム推進基本計画」を策定しまして、県民の複雑・多様化する行政需要に効果的に対応できる柔軟な行政運営体制の整備を目指して努力しているところであり、この計画の見直しにつきましては、先日の谷川議員の質問に対してお答えしたところでありますが、まずは平成十二年度までの計画期間内にこの計画を着実に実行してまいりたいと考えております。行政改革を進めるには、職員の意識改革も必要であることから、平成十一年度の組織改正に当たっては、横割り行政の推進を明確化するなど、職員の意識改革に取り組むこととしております。

 また、時代の要請に合った行政運営体制の整備・充実に取り組むことは、行政に携わる者として当然のことであり、その後の社会・経済情勢を見ながら、さらなる取り組みを行ってまいりたいと考えております。

 次に、県の経済活性化と緊急雇用対策についてのお尋ねでございますが、我が国経済が戦後初めて二年連続でマイナス成長を経験すると見込まれる中で、企業経営は悪化し、失業率も過去最高の水準となるなど、本県中小企業をめぐる環境は極めて厳しい状況にあることは、議員御指摘のとおりであります。

 このような中小企業の活性化を図るために、製造業の活性化対策、商業活動の拠点である商店街の振興策、厳しい企業経営を支える金融支援策等を柱とした各種振興策を講じてまいりたいと考えております。

 製造業の活性化につきましては、中小企業の技術力を高め、競争力のある高付加価値型産業を育成することが何よりも重要であります。このため工業・窯業の両技術センター及び長崎県産業技術振興財団を核とする研究開発や異業種交流の支援を行うとともに、新年度におきましては、中小企業の販路開拓の支援を行う「『長崎発』製造品販売全国展開支援事業」や、新規成長分野における研究開発を支援する「新規成長産業支援事業」など、新たな支援策に取り組むこととしております。

 また、現在、「政策創造会議」の産業政策部会におきましても、各部横断的な視点に立って新産業の育成等について検討を行っているところであり、今後、こうした論議を踏まえつつ、地場中小製造業の活性化を図ってまいります。

 次に、地域商業の活性化対策につきましては、商店街をまちづくりの中核として位置づけ、その魅力の創出を図るために「商店街賑わい創出事業」に取り組むとともに、昨年七月に施行された「中心市街地活性化法」に対応した中心市街地の活性化対策を推進してまいります。

 また、厳しい経営環境にある中小企業の金融対策といたしましては、「中小企業金融安定化特別保証制度」の適正な運用を図るため、長崎県信用保証協会への出捐を積み増すとともに、各種制度資金の活用による資金供給の円滑化を図ってまいります。今後とも、本県経済の動向に細心の注意を払いながら、県内経済の活性化を念頭に置き、地場中小企業の振興策に取り組んでまいりたいと考えております。

 雇用情勢につきましては、議員御指摘のように、昨年十二月の有効求人倍率が〇・三九倍と、昭和五十三年度十二月以来二十年ぶりの〇・三倍台となり、非常に厳しいものと認識いたしております。

 県といたしましては、「雇用活性化総合プラン」により創設された中小企業雇用創出助成制度を初め、地域雇用開発助成金、雇用調整助成金、特定求職者雇用開発助成金など、特に、中小企業を手厚く支援する各般の助成制度の積極的活用を図り、雇用の安定・創出を図っているところであります。

 また、当面する緊急的な雇用対策等を協議する会議の設置については、今月中の開催に向けて、その準備を行っているところであります。さらに、地域の雇用の安定・創出にかかわる協議を行う連絡会議について、現在、長崎地域、佐世保地域に加えまして、諫早、大村の県央地域への新年度設置に向けまして、国と協議をしているところであります。

 次に、池島炭鉱についてのお尋ねでありますが、国内石炭鉱業のあり方については、現在、国の石炭鉱業審議会政策部会において審議が行われておりまして、今年の夏頃をめどに答申が取りまとめられることになっております。

 県では、これまでもあらゆる機会をとらえまして、国等に対して池島炭鉱の長期存続を要望したところでありますが、今月中旬に開催される次回政策部会を前に、来る十日、県、県議会など関係八団体からなる「長崎県石炭対策協議会」で中央要請行動を実施することとしております。今回は村山議長にも御参加いただきまして、通産省や石鉱審の委員等に対して炭鉱存続の必要性を訴えてまいります。

 また、会社側でも現在、労使一体となりましてコスト削減等に努めておられますが、国の新石炭政策終了後も操業を継続するためには、今以上に厳しい合理化等が必要であると思われます。

 県では炭鉱の経営安定に寄与するために、これまで「貯炭管理費補助金」等により支援を行ってまいりましたが、現在の石鉱審で「自治体の支援の可能性」が検討項目に上げられていることにかんがみ、今後、石鉱審の審議状況等も注視しながら、県としてどのような新たな支援が可能か、検討してまいりたいと存じます。

 次に、大島大橋の開通に伴うフェリー会社の船員・社員の雇用対策についてのお尋ねでございますが、大島大橋は、平成三年度事業に着手しまして、平成八年度からは有料道路事業を導入いたしまして、去る二月二十六日には、中央径間部の桁の海上からの架設を完了し、年内には供用開始する予定でございます。

 この大島大橋開通の影響により失職するフェリー会社の船員・社員の雇用対策につきましては、昨年八月、関係者である大島町、崎戸町、西海町、航路事業者、全日本海員組合及び県で、「大島大橋旅客船雇用問題連絡協議会」を設立しまして取り組んでいるところでございます。御承知のとおり、最近の雇用情勢は非常に厳しい状況でありますが、この協議会を中心として雇用の確保に努力をしているところでございます。

 次に、佐世保重工業の立神岸壁の問題についてお尋ねでございますが、佐世保重工業株式会社が使用している立神港区の第四号、第五号岸壁については、平成十一年一月二十九日、米軍から国を通しまして、平成十一年六月二十八日から八月六日までの四十日間、明け渡すようにという通告があっております。SSKにとりましては、同岸壁は日米地位協定上の一時使用地でありますものの、新船の艤装用岸壁として使用しており、生産活動の拠点として必要不可欠の施設であります。

 県といたしましては、これを長期にわたり明け渡すことは、同社の経営はもとより、佐世保市を初めとする県北地域の経済に及ぼす影響は大きいものがあると予想されることから、二月十七日に県議会議長と連名で、国に対して、SSKの経営にできるだけ支障が及ばない形で解決されるように要望いたしたところであります。

 今後、国及び米軍とSSKの間で調整が進められ、円満な解決に向けた努力が重ねられていくものと考えております。

 なお、今回の問題が仮に解決したといたしましても、今後も米軍から明け渡し要求が出てくることも予想されるところでありまして、これらの問題は、佐世保港での数少ない岸壁に関する軍・商の競合という現実が解消しない限りは、抜本的な解決にならないであろうということはよく承知いたしております。

 国といたしましても、長期的な視点から、佐世保港における基地問題の抜本的な解決のためには、すみ分けが必要であるとの考えが生じつつあり、県としても、佐世保市と力を合わせて、新返還六項目の早期実現と、すみ分けの必要性について国に働きかけていきたいと考えております。

 残余の質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。



○議長(村山一正君) 土木部長。



◎土木部長(梶太郎君) 公共事業の再評価システムについてのお尋ねでございますが、公共事業の再評価は、事業の効率性及び透明性の一層の向上を図るため導入したものでございます。

 委員会の役割は、県の再評価が適切に行われているか、幅広くさまざまな角度から御審議いただくものでございます。御意見をお聞きした上で、最終的な対応方針を県で決定します。

 本年度の審議状況は、水産部、農林部、土木部の百三十二事業を審議対象として提出し、そのうち二十一事業が抽出され、審議されました。その結果、中止が一事業、一部見直しが一事業、残る十九事業は継続との県の評価は適切に行われているとの判断がされました。再評価により約三十七億円の費用の削減効果が期待できるものであり、今後とも公共事業の効率化、重点化を図るため、さらに努力してまいる所存でございます。

 次に、幹線道路網の整備についてのお尋ねですが、まず、九州横断自動車道の長崎延伸計画についてですが、県としては、平成八年度に「九州横断自動車道用地事務所」を開設し、公団から受託して用地の取得を開始いたしました。その後、長崎市からも職員の派遣を受け、本年度からはすべての地区で用地取得を展開しており、現在までに必要面積の約半分を確保いたしております。

 工事につきましては、昨年、中尾橋が完成し、早坂地区でも着手されております。今年二月には中尾トンネルの入札も実施され、引き続き年度内発注の工事があるとお聞きしております。目標の平成十五年度完成に向けて、事業の促進を道路公団に強く要望しているところであり、平成十一年度は用地事務所の体制をさらに拡充し、用地取得になお一層努めることといたしております。

 国道三四号日見バイパス事業のバイパス区間となります芒塚町から妙相寺道までの区間につきましては、本年中に開通予定とお聞きしております。また田中町から芒塚町までの現道拡幅区間は、現在、平成十三年度完成の予定で全面的に工事がなされております。一日でも早い完成を強く要望してまいる所存でございます。

 女神大橋は、昨年六月、地域高規格道路の計画路線に指定され、十二月には整備区間にも指定され、今後の事業の進捗が図れるものと期待いたしております。

 運輸省直轄事業の下部工は、今年度は大幅な補正予算が配分され、感謝いたしているところでございます。

 また、県事業は、取り付け道路部の進捗を図っているところであります。女神大橋は、多額の事業費を要する大型事業であり、今後は予算の確保が課題ではございますが、整備促進に最大限努力してまいる所存でございます。

 次に、都市計画道路浦上川線の茂里町から幸町までの間につきましては、平成八年度に事業着手し、用地取得に努めてまいりました中で、本年度は交通局が西部ガス長崎支店用地に移転することについて合意に達しました。幸町から尾上町までの区間につきましては、平成十一年度に二車線での暫定供用開始を予定いたしております。

 また、尾上町から元船町までの南々伸区間につきましては、平成十年十二月に地域高規格道路整備区間の指定を受け、二月二十三日に地元説明会を行うなど、平成十一年度早期に都市計画決定をすべく鋭意作業を進めております。

 次に、都市計画道路小ケ倉蛍茶屋線でありますが、二本松団地から八景町までの区間につきましては、平成十一年度の供用開始を目途に鋭意努力しているところでございます。八景町から田上町までの区間につきましては、平成六年度に事業着手しておりますが、移転戸数が非常に多い工区であり、現在、用地取得に全力を注いでいるところでございます。

 続いて、ふるさとづくりに向けての下水道整備の全体計画のお尋ねでございますが、県では、今年度新たに下水道整備推進のため、「水澄むふるさとづくり構想」を策定いたしました。この構想では、市町村の実施率を平成二十年度に五五%に、普及率を六〇%にすることを目標にいたしております。そのため市町村に対し、基本計画策定の補助金に加え、「基本構想策定費補助金」の新設、「公共下水道事業促進交付金」の充実強化、「公共下水道過疎市町村代行事業」の積極的な実施など、総合的な支援策を強化したところであります。過疎代行事業につきましては、千々石町、江迎町に加え、新年度から新たに伊王島町においても実施することにいたしております。

 大村湾流域の公共下水道の整備状況は、平成十年度現在で、関係市町のうち一町を除いてすべて公共下水道事業を行っており、そのうち三市三町で既に供用されております。また、流域人口の下水道普及率は四九%であり、県全体の普及率三八%に比べて高い水準にございます。

 水質保全のための下水道の対策として、未実施の一町の平成十一年度新規採択を国に要望しているところでございます。

 県では、関係市町のうち、財政力の弱い団体に対し、公共下水道促進交付金等による支援を行っておりますが、これに加え、さらに大村湾奥部の地域の下水道整備を推進するため、平成五年度に県事業として「大村湾南部流域下水道事業」に着手しましたが、いよいよ平成十一年度末に供用開始の予定となっております。県としましても、今後ともさらに積極的に下水道等の整備を図ってまいりたいと考えております。

 次に、プレジャーボート対策についてのお尋ねでございますが、本県におけるプレジャーボート対策は、対策要綱の作成と、関係条例の改正により、海洋性レクリエーションの健全な発展及び公共水域の適正な利用と管理を進めているところでございます。

 なお、使用料につきましては、平成九年四月から先行して実施されております長崎市管理漁港における料金と同等、あるいはそれ以下に設定しており、また、制度の円滑な導入を図るため、低減の経過措置を講じております。プレジャーボートの所有者の方々には、テレビ・ラジオ等を通じて対策の趣旨を御理解いただけるよう周知を図ってきたところであり、さらに、昨年十月からは、より深く御理解をお願いするために、各港ごと、あるいは各地区ごとに説明会を開催してまいりました。まだ登録、許可ともに高い水準とはなっていませんが、さらに説明会を開催するなど、一層の周知徹底を図るとともに、利用者の便宜と安全を図るための簡易な施設を中心とした施設整備を計画的に実施し、所有者の方々の理解を得られますよう、今後とも粘り強くプレジャーボート対策を進めてまいりたいと存じます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 教育長。



◎教育長(出口啓二郎君) 学校週五日制の現状と課題についてのお尋ねでございますが、平成八年二月に、県教育委員会が実施した月二回の休業土曜日の子供の過ごし方に関するアンケート調査によれば、「自由に遊んだ」、「家族とともに過ごした」などがほとんどで、「学習塾・けいこ事に行った」と答えた子供はわずかであり、学校週五日制の趣旨に沿ってのびのびと過ごしているものと考えております。

 また、同年八月に文部省が実施した調査結果によれば、各学校とも、多くの保護者がおおむね学校週五日制の趣旨を理解していると受けとめております。

 完全学校週五日制に向けての学校の取り組みについてのお尋ねですが、文部省は平成十四年度から実施される完全学校週五日制に向けて、昨年十二月、小学校・中学校の新学習指導要領を告示し、教育課程の基準を明らかにしたところです。新しい教育課程においては、授業時数の縮減や学習内容の整理統合を図り、基礎的・基本的内容の確実な定着を図ることとしております。

 議員御指摘のように、授業時数の縮減に伴う学力低下への懸念については、新しい学習指導要領の趣旨にのっとり、一、学習内容を厳選し、基礎的・基本的な内容を繰り返し学習させることによって確実な定着を図ること。

 二、これまでの単なる知識の量を学力としてとらえる考え方から、体験的な学習などを通して、自ら課題を見つけ、自ら解決する、いわゆる生きる力を重視した新しい学力観へ転換を図ること。

 三、新しい学力観を踏まえた教員の指導力向上に努め、魅力ある授業を展開すること。

 四、保護者や地域社会に対して新しい学力観について理解の徹底を図ることなどを通し、二十一世紀を担う子供たちに、基礎的な学力と個性豊かで主体的に生きる力を確実に身につけさせてまいりたいと考えています。



○議長(村山一正君) 二十番。



◆二十番(川村力君) 残余の答弁をお願いいたします。



○議長(村山一正君) 教育長。



◎教育長(出口啓二郎君) 次に、家庭や地域社会の支援体制についてのお尋ねでありますが、家庭や地域社会において、子供たちが主体的に活用できる時間を確保し、ゆとりのある生活の中で豊かな体験を積むことは人格形成に大変重要であり、学校週五日制の実施は、その好機であると考えております。

 学校外における体験活動の場や機会の充実につきましては、これまでも、一、子供の直接体験活動の場づくりを市町村に奨励するモデル事業。

 二、子供の体験活動を支援する指導者や、地域でのリーダーとなる子供を養成する事業。

 三、市町村や団体が行う子供の主体的な活動を促進する補助事業などを実施しているところであります。

 さらに、平成十一年度からは、地域のボランティアを活用する人材バンクを創設し、地域と学校が一体となって、子供の育成に取り組む「地域で生き活き学社融合事業」を実施いたします。完全学校週五日制の実施に向けて、今後とも地域ぐるみで子供を育成する支援体制の充実に努めてまいりたいと存じます。

 次に、中高一貫教育の全国的な動向と本県の取り組み状況についてのお尋ねであります。

 中高一貫教育の全国的な動きとしては、宮崎県で六年制の中等教育学校が、岡山市で市立の中学校と高校を接続した併設型の一貫校が、三重県で町立中学校と県立高校との連携型の一貫校が今年四月から開設される予定であります。このほか各県でも導入に向けた動きが活発化しており、全国的に中高一貫教育導入の機運は高まっております。

 本県では、既に奈留地区など三地区で中高連携教育の実践研究に取り組んでおり、一、中高を通じた教育課程の研究。

 二、教員の相互乗り入れによる免許外授業担当の解消。

 三、学校行事や部活動の共同実施などにおいて多くの成果を上げているところであります。

 また、昨年から文部省の研究委嘱を受け、有識者等で構成する「長崎県中高一貫教育研究会議」を設け、本県における中高一貫教育のあり方等について、現在、研究を行っているところでございます。

 今後は、本研究会議における議論も踏まえて、本県における中高一貫教育の導入を具体的に研究・検討してまいりたいと考えております。

 次に、学校における心の教育の推進と、いじめ問題対策についてのお尋ねであります。

 学校教育における心の教育の推進に当たっては、特に次の三点が重要であります。

 一、あらゆる教育活動を通して正義感や倫理観、他者への思いやりの心など、道徳的実践力を育成すること。

 二、充実した研修により豊かな資質を持った教員を育成すること。

 三、学校・家庭・地域社会がそれぞれの教育的役割を発揮し、児童生徒の育成を図ることが何よりも肝要であると考えます。

 このことをもとに、さまざまな体験を通して道徳的価値を身につける「豊かな心を育む教育推進事業」、学校・家庭・地域社会が一体となって道徳性を育成する「道徳的実践活動推進事業」、さらに、平成十一年度の新規事業として、中学生を対象に職場体験学習等を実施し、豊かな心の育成を図る「生き方発見支援事業」等に取り組むことにしております。

 次に、いじめの問題についてでありますが、昨年五月に実施した公立学校の全保護者へのアンケート調査結果では、平成八年に実施した前回の調査に比べ、「いじめにあっている」と答えた人数は若干減少しているものの、比率ではやや増加しており、依然憂慮すべき状況にあると認識をいたしております。

 いじめの問題の解決に向けては、主に次のような取り組みをしているところであります。

 一、「いじめに立ち向かう児童会・生徒会活動支援事業」など、児童生徒の自主的・主体的取り組みを支援すること。

 二、「いじめ問題に関する研修」など教員研修の充実により教員の指導力向上を図ること。

 三、平成十年度からの「心の教室相談員配置事業」など、教育相談体制の充実を図ること。

 四、「いじめ根絶強調月間」の実施など、学校を中心に家庭、地域社会が連携して取り組みの強化を図ることであります。

 今後とも、一人ひとりの児童生徒にとって心の居場所となる明るい学校づくりに努めてまいりたいと思います。

 次に、家庭の教育力を高めるための支援策についてのお尋ねでありますが、議員御指摘のように、家庭教育はすべての教育の出発点であり、子供たちの生きる力の基礎的な資質や能力は、家庭において培われるものと認識しております。

 家庭の教育力を高めるための支援策としては、従来から、県内各地において、子供を持つ親や地域社会の人々を対象に家庭教育を考えるつどい、父親の子育てフォーラム、PTA研修会の開催、家庭教育の普及・啓発のための資料の作成などを行っております。

 さらに、平成十年度からは、家庭・学校・地域社会が一体となって取り組む「心をはぐくむ地域モデル事業」を実施するとともに、国の委嘱事業として、子育てに悩みを持つ親に対して直接相談に応じる「家庭教育カウンセラー活用調査研究事業」を行っております。

 今後とも、関係部局との連携を図りながら、家庭教育の充実に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 二十番。



◆二十番(川村力君) ちょっと質問が多岐にわたりましたけれども、それぞれ御丁寧に御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 若干時間もございますが、二、三、再質問をさせていただいて、その後、同僚議員からも関連の質問があると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 まず、第一点の財政問題でございますけれども、報道によりますと、福岡県の財政再建団体転落かというのを持ち出したわけですが、知事のお話によりますと、いわゆる税収が非常に豊かなところほど打撃が大きいと、こういうことで、ひょっとしたら福岡県は九九年度、これは要らぬことですけれども、危なくなるのではないかなという話もこれには書いておるわけでございます。

 ところで、その中に、都道府県の場合、歳入不足が一般財源の五%を超えると財政再建団体の指定の基準に該当するというようなことが書いてあるんですが、総務部長でもいいんですが、我が県の方の実情、そういう見通しがないか、御答弁をお願いします。



○議長(村山一正君) 総務部長。



◎総務部長(森脇晴記君) お尋ねの件ついて御説明いたします。

 この財政再建団体への転落という規定は、「地方財政再建特別措置法」という法律に規定してございまして、その算式によりますと、標準財政規模といいまして、簡単に言いますと、交付税と税収の合計と見ていいと思います。それを分母に置きまして、分子に県の赤字額を置きます。その率が五%を超えますとこういう再建団体になると、こういう規定でございます。

 本県の場合、その率を平成十年度の標準財政規模を見て算出しますと、百八十億円程度になります。ですから、赤字額が百八十億円を超えますと、本県もそういう再建団体に転落する可能性があると、こういうことになります。

 現在、平成九年度の実質収支でございますけれども、その分子の方の額が幾らかといいますと、本県の場合は黒字でございまして、黒字の額の七億円と、こういうふうになってございます。ですから、平成九年度までの財政運営、そして平成十年度も今のところ、この部分について赤字という見込みはございませんので、本県の場合は今のところ大丈夫と、こういうことでございます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 二十番。



◆二十番(川村力君) わかりました。

 今後とも、税収は当面一千百億円台から若干下がって、今年度は六十億円ばかり下がるんではないかなと知事は言っておられましたし、平成十一年度もなかなか増収が見込めるような状況にもならないような気もいたしておりまして、今後とも県財政の健全な運営といいますか、適切な財政運営といいますか、そういうことについて引き続き御努力をいただきたいというふうに考えております。

 それから、それに関連いたしまして、事務事業の関係で見直しをした結果、二十一億円ばかり削減できたと、それから公共事業の再評価システムで約三十七億円の削減効果があるということなんですが、もう少し御説明をお願いしたいと思います。



○議長(村山一正君) 総務部長。



◎総務部長(森脇晴記君) 今回の自ら行う事務事業の評価システムというのを本年の予算編成から導入いたしました。

 今年度の対象事業というのは、千三百十九事業でございまして、これは国庫補助事業は除いてございます。それから、三年間継続している継続事業を対象にしているということでございまして、県の事業というのは、もうはるかに多いわけでございますけれども、今年はとりあえず千三百事業余りを対象にいたしました。

 その結果、見直ししましたのは百三十三件でございまして、一部廃止が六件、縮小が三十六件、統合が三件、その他収益の前倒しが四件、その他八十四件でございました。初年度の成果としては、その結果、二十一億二千万円程度の削減があったということでございます。



○議長(村山一正君) 土木部長。



◎土木部長(梶太郎君) 公共事業の再評価によりまして、梅津ダムが中止ということになりまして、そのダムにかかる費用が三十七億四千万円ということで、これが削減効果ということであらわれたということでございます。



○議長(村山一正君) 二十番。



◆二十番(川村力君) ありがとうございました。

 もう時間がないようでございますので、あとはまた次の機会ということになるんですが、次の機会に質問ができるように当面頑張りたいなというふうに考えておるんでございますが、要望になると思うんですけれども、政・労・使による雇用対策会議ですか、これは知事の御発言で今月中に開催をすると、それに向けて準備をしているということで、大変力強く思いまして、ぜひ進めてもらいたいというふうに考えておる次第でございます。

 それから、池島の問題も、この八日を前にしまして、連合長崎の方が現地に行きまして、現地対策委員会を開くようなことも聞いておりますので、ぜひ知事としても長崎県の石炭対策協議会の代表として頑張っていただきたいなというふうに考えておる次第でございます。

 それから、大島大橋の開通に伴う船員・社員の雇用対策なんですが、四十名弱の社員でございますけれども、船員さんが半分ぐらいいると。今までは平戸大橋とか、あるいは生月大橋の関係もございましたが、今後、離島架橋もまだまだ取り組まんといかぬということになっておりますし、この問題につきましても、ぜひひとつ知事の方も十分な関心を持ってお取り組みをいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。



○議長(村山一正君) 五番。

           〔関連質問〕



◆五番(萩原康雄君) 川村議員の緊急雇用対策に関連をして質問をさせていただきたいと思います。

 初日の園田議員の質問に対して、知事は国の総合経済対策なり、あるいは緊急経済対策に呼応して、平成十年度で一千二百九十五億円の公共事業を中心とした補正予算を計上したと。さらに、平成十一年度に対しても対前年度比を上回る事業費を確保しておると。これらの事業を着実に実践をしていくことによって景気、あるいは雇用の拡大が見込めるんじゃないかと、こういう御答弁があったというふうに思っております。

 こうした取り組みが行われているにもかかわりませず、今の答弁にありましたように、まだその効果が十分に発揮をされていないと、こういうのが現状だというふうに思いますし、十二月の有効求人倍率は二十年ぶりに〇・三九倍台に突入したと、こういう状況にございます。

 こうしたことを受けまして、今も御答弁にありましたように、政・労・使による、行政と労働者、使用者の三者による協議会を設置して、当面の雇用対策について協議をするということでございますので、この協議会の中において実効あるものをぜひつくり出していただきたいと、こういうふうに思っております。

 それで、一つこの中において私が要望させていただきたいのは、国の方においては、政・労・使で構成をされます雇用対策会議が「一〇〇万人雇用創出プラン」というものをもとにしながら種々論議がなされておると、こういうふうに聞いておりますし、それに呼応して地方においても、雇用創出の安定プログラムというものを具体的に数値目標を設定してつくり出していただきたい。とりわけ本県の中において介護であるとか、あるいは福祉であるとか、情報通信であるとか、住宅関連であるとか、環境であるとか、こういう分野の中において具体的にどれだけの雇用を創出していくのかという目標を設定し、その数値目標が達成をされるように一段の取り組みを期待をしておきたいと思います。

 そこでお尋ねをしたいのは、労働力の需給ミスマッチがあることによってなかなか就職に結びつかないと、こういう状況もあるやにお聞きをいたしております。したがって、求職者の実態を十分把握をして、そのミスマッチをどう解消していくのかというのが必要だというふうに思いますので、今後、それらの問題について具体的にどのような取り組みがなされておるのか等について、わかっておれば明らかにしていただきたい、こういうふうに思います。



○議長(村山一正君) 商工労働部長。



◎商工労働部長(水谷正君) 雇用対策につきましては、先ほど知事からお答えをしましたように、現状は厳しいというふうに認識をして対応をしているところでございます。

 求職者の就職の促進につきましては、ハローワークでの職業相談の中できめ細かな対応を行っているところでございますけれども、議員御指摘のように、年齢、あるいは地域、職種等によります求人・求職のミスマッチが生じて、採用や就職が難しい状況にあるのも事実でございます。例えば、高齢者は求職者は多いけれども、求人が少ないとか、そういう問題については、このミスマッチに対応するためには、中高年齢者の就職を支援します特定求職者雇用開発助成金や、地域の雇用開発の機会を図る地域雇用開発助成金等の助成制度を積極的に活用してまいりたいというふうに思います。

 また、求職者個々人の職業能力を高める観点から、国の「雇用開発総合活性化プラン」により創設、充実をされました職業能力開発相談支援事業、あるいは職場体験講習、求職者短期講習等を積極的に実施をし、求職者個々人の支援に努めてまいりたいと思います。

 これらの施策に合わせまして積極的な求人開拓によりまして……。



○議長(村山一正君) 時間です。



◎商工労働部長(水谷正君) −求人の確保を図ってまいりたいというふうに思います。



○議長(村山一正君) 七番。

           〔関連質問〕



◆七番(橋本希俊君) 川村議員の質問に関連いたしまして、知事にお尋ねいたします。

 長崎市選出でありながら西彼杵郡の諸課題について、あるいは大村湾の問題についてまで質問の幅を広げまして、全県的な立場で知事の考えをただしておられまして、川村県議にはその姿勢に政治家としての鏡を見るわけであります。

 そこで、西彼杵郡の選出議員といたしまして、先ほど知事の答弁にもありました池島炭鉱の長期存続問題について、若干質問させていただきます。

 実は、平成九年九月七日に、雨の中、長崎市公会堂で二千名を超える、この長期存続のための長崎県大会が行われました。当時、知事も代議士として出席をされた御記憶があると思います。その後、存続問題についていろんな中央陳情も重ねながらきておるわけでございますが、先ほども答弁がありましたように、今年の夏頃には結論が出ると、そういう時期にもう今年はなっておるわけであります。

 そういう中で、北海道では一月末頃に、これは全道的な大会といいますか、太平洋炭鉱の存続に向けてそういう大会が行われたと。もう一方で、これも石炭の問題ですけれども、平成十四年以降の産炭地域振興のさらなる政策を求める意味で、福岡県ではやはりこれも県大会が行われております。

 今回、今月の十日に中央陳情をなさいますが、夏には結論が出るというのであるならば、大先輩であります宮崎議員の言葉をかりるわけではございませんけれども、「機を見て敏に」、やはりこういうムードを盛り上げて、長崎県としての態度を示していくともっと、そういう意味での大会が今後必要ではないかと私は思いますが、その辺のスケジュールをお考えなのかどうか、お尋ねしたいと思います。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 大変貴重な御意見でございますので、早速検討させていただきたいと思っております。

 実は、昨日ちょっと打ち合わせをしたときにもそういうお話がございましたので、早くやった方がいいんじゃないかということで、一応指示をしております。スケジュール等もあるようでございますので、全体の委員会の中でよく打ち合わせをして、早急に取り組んでいきたいというふうに思っております。



○議長(村山一正君) 七番。



◆七番(橋本希俊君) 川村議員の再選を願うわけですが、私ももちろんでございますけれども、(笑声)その大会に参加ができますように、ひとつぜひその計画を実現していただきたいと要望いたしまして、終わります。

 ありがとうございました。



○議長(村山一正君) 吉住議員−五十番。



◆五十番(吉住重行君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・県民会議の吉住重行でございます。

 今日で一般質問も三日目、私で十二人目で、皆さん方も大変お疲れだと思いますけれども、私の時間、一時間程度でございますので、おつき合いを賜りたいと存じます。

 私は、昭和五十四年に初めて県議会議員に当選をさせていただき、以来、知事以下理事者の皆さん、あるいは議員の皆さん方、あるいは広報の皆さん方におかれましては、心温かい御支援と御協力を賜りまして、無事に二十年間務めさせていただいたことに対し、深甚なる感謝を申し上げ、心から厚くお礼を申し上げさせていただきます。

 金子知事さんとは代議士としてはおつき合いは長くありましたけれども、県知事対県議会議員としては一年でございます。まだ若い知事でもございます。どうか御健康に十分留意をされ、長崎県勢発展のために格段の御活躍、御精進を賜りますように心からお祈りを申し上げ、質問に入らせていただきます。

 まず、財政問題についてお尋ねをいたします。

 平成十年度の国の当初予算は、平成九年十一月二十八日に成立をいたし、財政構造改革の推進に関する特別措置法の実行初年度ということもあり、徹底した聖域なしの歳出見直し、中でも公共投資関係予算は、平成九年度当初予算の百分の九三を上回らないことを基本に編成された結果、総額では対前年比〇・四%増加しましたが、一般歳出は一・三%の減と、大変厳しい内容であったことは皆さん御承知のとおりでございます。

 ところが、一方では個人消費の低迷、金融機関の不良債権問題、タイを発端にしたアジア地域の通貨・金融市場の混乱など、日本経済の先行きに対する著しい不透明感が漂う深刻な状況を憂い、国は昨年四月に総額十六兆六千五百億円の総合経済対策を打ち出し、「財政改革法」を五月に修正をいたしました。

 また、八月に閣議決定をされました中小企業など貸し渋り対策大綱により、十月に四十兆円の対策が実施されることになり、さらに、昨年十一月には、四月の対策を上回る二十兆円を相当程度超える緊急経済対策が財革法の停止法案とともに、昨年十二月に成立をいたしたところであります。

 そして、このような情勢を踏まえ編成された平成十一年度国の予算は、いわゆる十五カ月予算の考え方のもとに、平成十年度第三次補正予算と、平成十一年度当初予算を一体的にとらえ、当面の景気回復に向け全力を尽くすとの観点に立って編成されると同時に、財政構造改革法の基本的考え方を維持し、限られた財源の中で経費の一層の合理化、効率化、重点化を図ることを基本方針として編成された予算となっておることは、皆さん方も御承知のとおりでございます。

 また、恒久的な減税に伴い、国税収入が十兆四千億円余り落ち込む反動で、三十一兆五百億円にも及ぶ新規国債の発行によって収支が賄われたのであります。

 一方、本県の財政運営上の指標とされている地方財政計画も総額八十八兆五千三百十六億円で、国家財政を上回る額となっていますが、その内訳を精査してみますと、今回の地方対策は例年と異なり、国も非常に厳しい財政状況にある中で、恒久的な減税に対処するとともに、その他、通常収支の財源不足への対応として、かつてない巨額の財源不足に対処するという大きな課題二つに対して、地財対策を講じる必要があったという点が最大のポイントでありましょう。それぞれの額については、一日目の一般質問でも触れられた方がおられますので省略をいたしますけれども、この財源不足を補うために特に留意すべき点は、交付税特別会計における借入金が八兆四千億円で賄われているという点ではないでしょうか。

 これは交付税制度創設以来、地方税収の大幅な落ち込みや交付税の原資となる国税五税の大幅な落ち込みの中で、一般行政経費などを切り詰めた上で、なお不足する財源不足に対処し、昨年並みの一般財源を確保した結果であり、戦後最大の借金依存度となっておる。借入金に多くを依存して財源が捻出されたもので、この半分は地方の負担分であるということを我々は忘れてはならないのではないでしょうか。

 そこでまず、知事は、現在、国及び地方全体の財政状況をどのように認識をされておるのか。また、本県財政をどのように認識されているのか、お尋ねをいたします。

 特に、さっきの質問の中で、総務部長から長崎県はまだまだ心配はないというお話でしたけれども、個人の家庭ならば親子連れて夜逃げをするようなくらいに長崎県の財政もなっておると言っても過言ではないんではないかなというように私は思います。

 次に、公債費についてお尋ねをいたしますが、公債費は、前年度当初予算に比べまして六・一%増の九百六十六億円になっております。これは平成八年度の雲仙岳災害対策基金関係の特殊要素を除けば過去最高の償還額であります。

 また、県債現在高も平成十一年度当初予算八千四百億円の中で、いわゆる起債総額は十一年度末九千八百五十二億円と聞いております。平成元年が四千三十億円だったと思いますけれども、五千億円台になったのが平成三年度、六千億円台になったのが平成七年度、七千億円台になったのが平成八年度、八千億円台になったのが平成九年度、そして平成十年度に九千億円台に入っておるのが実情であります。

 そこでお尋ねをいたしますが、いわゆる長崎県の現状で財産というのは幾らあるのでしょうか。これらは過去の国の経済対策に呼応いたしましてやむを得ないと思いますけれども、借金は借金であります。今後の財政運営を考えるとき、詳細な分析が必要だと思いますので、現在借り入れている県債のうち、交付税等の財源措置分があるものとないものの割合、今後、純粋に県の負担で返済していくべく額がどの程度あるのか、お尋ねをいたします。あわせて、今後の償還がどのように推移するのか、お示しを願いたいのであります。

 次に、景気対策の観点から、本県の当初予算についてお尋ねをいたします。

 景気の低迷、恒久的減税の実施など、財政状況が大変厳しい中での予算編成だったと思います。目下、景気回復が最大の課題なのではないでしょうか。今回の予算編成の中で景気回復のために知事が特に力を入れた点についてどのようなものがあるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

 思い返せば、本県財政も過去昭和五十九年、六十年に大変厳しい状況に置かれました。私は行財政改革特別委員会委員長を受け持たせていただきました。議会と理事者が一体となって血の出るような苦しみで行財政改革に取り組んだことが、今日の長崎県を支えているものと確信しています。今後、同じような状況に転ずることがないように祈念して、この項目の質問を終わらせていただきたいと存じます。

 次に、農業問題についてお尋ねをいたします。

 去る二月十六日に、経済企画庁が発表いたしました平成八年度の一人当たり県民所得において、全国四十七都道府県の中で、本県は全国で四十二位と相変わらず低迷をいたしております。特に、本県の基幹産業である農業、漁業は、国際化の進展などにより厳しさを増しております。農村、漁村の活力低下が県勢の低迷の大きな要因となっておるのではないでしょうか。

 このようなことから、私は一昨年の三月、党派を超え、十三名の県議会議員の参加を得て「長崎県漁業・農業問題懇話会」を結成し、昨年の六月まで約一年半、県内各地に出向き、市町村長や農林水産団体長、並びに生産者の方々が日頃抱えている課題や要望などを現地で生の声を聞かせていただきました。予想以上に活発な意見があり、多くの課題が浮き彫りになったことから、早速、県当局に「農林・漁業施策に関する提言書」を提出し、一定の施策も講じていただいたところであります。

 しかし、本県の漁村・農村は、全国の動向と同じように、依然として後継者が減少いたし、高齢化、過疎化が急速に進行いたしております。生命と暮らしを守る基礎となる最も重要な産業であるにもかかわらず、大きな岐路に立たされておると言っても過言ではないでしょう。

 このような情勢の中、先祖が営々として守り育ててきた本県農業を活性化させ、農村を明るい定住の場にして農地を健全な状態で次世代に引き継いでいくのは、意欲ある農業者の活発な行動であると私は確信をいたしております。

 そこで、県は本県農業農村活性化をさせるために、意欲ある農業者の育成・確保をどのように考えておるのか、お聞かせをいただきたいのであります。

 次は、農協合併でありますが、農協合併の現状はどのようになっておるのか。お話を伺いますと、千七百四十七から五百三十五に編成する計画を立てておられるようですが、その計画に対して現状をお聞かせいただきたい。

 また、今後、県はどのように合併に対する支援をしていこうと思っておるのか、あわせてお聞かせをいただきたいわけでございます。

 次は、水産業の振興についてでありますけれども、平成十一年は、「水産四〇〇〇億構想」の第一期の目標年となります。県では、沿岸漁業資源の増大を図るために、漁場造成を行うとともに、栽培漁業の推進、資源管理型漁業の展開、そういうことで頑張っておられるようですが、その回復の兆しも幾らか見られておるようですが、この点の現状についてお聞かせをいただきたいのでございます。

 現在、県は漁協経営の強化を図るために、「第七次漁協合併計画基本方針」に基づいて、漁協合併を推進いたしております。できれば一市町村一漁協という考えを持っておりましたが、現在ではその枠を超え、複数の市町村にわたる広域合併もあらわれておるようでございます。しかし、合併により漁協の組織が大きくなることによって、余り大きくなればなるほど組合員の不便さなどがあり、組合員サービスの低下ということも考えてほしいなと思います。

 本県の平成九年における冷凍水産物を除く食用水産加工品生産量は四万二千トンにとどまり、全国で二十一位であります。県は、水産加工業を「水産四〇〇〇億構想」の中で漁村加工と企業加工の両面から推進しており、一千億達成が可能な分野として期待をしております。今後、本県の水産加工業の振興について、高品質の加工製品の開発と販路開拓により、一層積極的に進めていくべきではないかと思いますので、知事の御所見を承りたいと存じます。

 以上で終わります。(拍手)



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕吉住議員の御質問にお答えする前に、ただいま私に対する激励のお言葉をいただきましたことに心から厚くお礼を申し上げる次第でございます。

 また、議員におかれましては、昭和五十四年四月に、平戸市選挙区から県議会議員に初当選されまして、これまで連続五期二十年にわたり御活躍をいただいてまいったところでございます。この間、議会運営委員会の委員長等を歴任されまして、平成六年九月には、第五十代の県議会議長になられました。また、平成七年五月には、引き続き第五十一代の議長を務められ、議会運営に卓越した手腕を発揮されました。長崎新幹線や雲仙・普賢岳対策につきましては、気迫に満ちた行動力を示され、また、本日も御質問があっております地方財政問題、行財政改革、農林水産関係など熱心にお取り組みをいただいてまいりました。これまでの御指導、御鞭撻に対しまして、深く感謝を申し上げる次第でございます。

 吉住議員の今後ますますの御健勝、御多幸をお祈り申し上げますとともに、今後とも、長崎県発展のために何かと御指導いただければ幸いに存ずる次第であります。

 それでは御質問にお答えいたしますが、現在の国及び地方全体の財政状況をどのように認識しているのか。また、本県の財政状況をどのように認識しているのかというお尋ねであります。

 我が国の財政は、バブルの崩壊の後、数次にわたる経済対策がとられ、多額の公債が発行されてきた一方で、景気の低迷により税収が伸び悩んでいることなどから、ここ数年、急速に悪化してきており、特に、国及び地方の長期債務残高につきましては、平成元年度末に二百五十四兆円であったものが、十年後の平成十年度末で五百六十兆円、平成十一年度末で六百兆円が見込まれるなど、危機的な状況に陥っております。

 しかしながら、政府は、現下の極めて厳しい経済情勢に対処するため、まず景気回復に全力を尽くすとして、財政構造改革法を当分の間、凍結することとし、平成十年度においても過去最大規模の経済対策を二度も実施しております。また平成十一年度も積極的な予算を編成し、我が国経済をはっきりとしたプラス成長に転換させ、平成十二年度までに経済再生を図ることとしております。

 私も、こうした長期債務残高の増加は決して好ましいものとは考えておりませんが、現下の厳しい経済状況を勘案すればやむを得ないものと思っております。しかしながら、今後、少子・高齢化が一段と進む我が国におきまして、将来の社会や世代のことを考えれば、財政構造改革は必ず実現しなければならず、経済が回復軌道に乗った段階において改めて根本的な視点から必要な措置を取らなければならないと認識いたしております。

 本県の財政状況につきましても、常々申し上げておりますように、大変厳しい状況にありますので、できるだけ後年度に負担を残さないよう、財政の健全性に十分留意しながら、適切な財政運営に心がけてまいる所存であります。

 県債のうち、交付税等の財源措置があるものの割合及び今後純粋に県の負担で返済していくべき額はどの程度か、また今後の償還額はどのように推移するのかとのお尋ねでございますが、本県の平成十一年度末における一般会計の県債残高の見込みは、雲仙岳災害対策基金の一千億円を除きまして八千八百五十二億円で、このうち地方交付税等により償還財源が手当てされているものの、割合は約六割となっており、残りの約四割の三千二百億円程度が県の負担で返済していく額となっております。

 また、今後の償還額の推移については、今後の発行額が未定であることなどから、確定した数値は申し上げられませんが、これまで累次にわたり実施してきた経済対策分の県債の償還などが始まることから、年々増加する見込みであります。

 今回の予算編成の中で景気回復のために力を入れた点は何かというお尋ねでございますが、平成十一年度当初予算におきましては、公共事業費において前年度を上回る予算を確保しているほか、本県の主要産業であります観光の復興を目指しまして、観光客の誘致を図り、本県経済に活力を与えるための「日蘭交流四〇〇周年記念事業」などに重点的に配分しているところであります。

 次に、本県の農業・農村を活性化させる意欲ある農業者の育成・確保をどのように位置づけ、どのような施策を展開しようと考えておられるのかというお尋ねでありますが、議員御指摘のとおり、本県農林業の振興のためには、意欲ある担い手の確保と育成が最も重要であり、「長崎県新農政プラン」におきましても最重点課題として位置づけ、経営感覚にすぐれた農業者や法人経営組織の育成、次代を担う新規就農者の確保と育成、女性が主体的に農業経営に参画できる環境づくりなどの施策に積極的に取り組んでおります。

 具体的には、県立農業大学校に研究部を新設するなど、教育・研修体制の充実、農業の中核的担い手である認定農業者の拡大とその経営改善、離島等における新規就農者の確保を図るために、市町村等が設置する担い手公社に対する助成、青年農業者等の研修機会の拡大を図るための農林水産業担い手育成基金の充実、新しい農家経営の確立のための家族経営協定等の推進、意欲ある農業者への農地集積等を図るための基盤整備などであります。農林業を若者にも魅力ある産業として振興していくためには、担い手の確保と育成対策が不可欠であり、今後とも引き続き最も重要な政策課題として取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、地域農業の拠点となっている農協の広域合併は、現在どこまで進んでいるのかというお尋ねでございますが、全国的な農協合併の動向につきましては、昨年十月、宮城県など三県の経済連が全国連と合併するとともに、単位農協につきましても、現在の千七百四十七農協を、平成十二年度に五百三十五農協とする組織再編が全国各地で進められております。

 本県におきましても、平成九年十一月のJA長崎県大会で、平成十二年までに七農協に統合する「新農協合併構想」が決議されまして、現在、県下三十四農協においてこの合併構想に沿った推進が図られているところであります。

 合併の進捗状況につきましては、既に壱岐及び対馬地域が合併を完了しておりますが、未合併地区の多良見、長与、琴海の三町を区域とする四農協が、今年の四月に「ことのうみ農業協同組合」として発足することとなっております。

 また、県央地域の二市七町にまたがる五農協におきましても、関係農協、市町等で構成する「地区合併推進協議会」の中で、平成十二年四月の合併に向けた具体的な協議が行われております。その他の地区につきましても、合併に向けて「合併研究会」を設置するなど、鋭意取り組みがなされているところであります。

 県といたしましては、今後とも農協中央会等との連携を密にしながら、この合併構想が計画どおり実現されるように努力してまいる所存であります。

 次に、また県としてどのような支援をしていくかというお尋ねでございますが、県といたしましては、合併推進協議会設置費や施設整備費、及び財務改善を目的として農協中央会に設けられている合併対策基金に対する支援を引き続き実施してまいりたいと考えております。

 また、農協や市町村を対象に説明会を開催し、合併の必要性や効果についての啓発に努めるとともに、農協中央会など農協系統で構成する「合併対策委員会」や、「地区推進協議会」などに積極的に参画し、今後も「新農協合併構想」の実現に向け、できるだけ支援してまいりたいと考えております。

 次に、漁協の合併についてのお尋ねでございますが、漁協合併につきましては、平成八年度から「第七次漁協合併計画基本方針」に基づきまして、当面一市町村一漁協の合併を目指して推進しております。その結果、市町村規模を超えた広域合併も含め、今日までに百四十二漁協が百十五漁協になり、合併計画は着実に実現されているところであります。しかし、合併組合を含めた県下の漁協の経営規模は、一組合当たりの平均で販売事業取扱高が六億九千六百万円、貯金残高が十三億五千三百万円、出資金八千七百万円と小規模で、経営基盤が脆弱であります。

 したがいまして、県においては、漁協の組織強化や健全な財務基盤を確保するために、さらに合併を推進し、販売事業取扱高十五億円以上、貯金残高二十億円以上の規模を持ち、組合員の負託に応えられる漁協の育成を図ってまいります。

 議員御指摘の組合員へのサービスの低下や、組合利用の不便さについては、支所等の効率配置、サービスの質の高度化、職員の適材配置等、漁協合併の成果として克服されるものと考えております。

 なお、漁協の運営の健全化が一層確保されるよう経営実態についての情報開示の徹底、監査、指導、監督の充実強化についてもあわせて指導してまいりたいと思います。

 次に、水産加工品についてのお尋ねでございますが、水産加工業は、魚価の安定と付加価値の向上を図るのみならず、離島・半島の多い本県にとりまして、雇用の増大等地域経済の活性化に寄与するものであり、漁村加工、企業加工の両面から振興を図っております。

 その結果、平成二年の加工生産額は、七百六十億円が、平成九年には八百四十八億円に伸びを示しておりますが、内容を見てみますと、飼料、肥料等の非食品が五〇%を占めておりまして、食品加工生産量では全国二十一位と低位にあり、この部門での一層の振興が今後必要であると考えております。

 そのために、現在、「平成長崎俵物育成事業」により、高い品質基準を設け、優良加工品づくりの推進と、全国への知名度アップに取り組むとともに、引き続き販路拡大を目的とした商談会等を実施することといたしております。

 今後は、さらに総合水産試験場の開発技術を活用しながら、県内加工業者で組織する長崎県水産加工振興協会と一体となりまして施策の展開を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。

 残余の質問につきましては、部長より答弁させていただきます。



○議長(村山一正君) 総務部長。



◎総務部長(森脇晴記君) 本県の財産はいかほどかというお尋ねでございまして、本県の基金残高で見ますと、平成十一年度は千百六十二億円でございます。これは先ほど川村議員の御質問にお答えしました標準財政規模に対する割合でございますと、約三割を確保してございます。

 それから、全国的に見てどの程度かということを申し上げますと、これは平成十年度の統計しかございませんので、それで見ますと、本県は全国十一位でございます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 五十番。



◆五十番(吉住重行君) それぞれにすばらしい御答弁をいただきありがとうございました。

 知事、漁協、農協合併の問題ですが、これは市町村合併と関連性があるんではないかなと、市町村合併も一緒に進めるということであれば、農協合併もできるんではないかと思いますので、この点を十分頭に入れながら今後の問題としてやっていただきたい、このように思います。

 それから、水産加工の問題ですが、なぜに長崎県が加工が遅れておるかというと、もともと加工じゃなくして鮮魚で漁家の経営が十分成り立っておったということからして加工が遅れたものだと私は思っておりますけれども、もうこれだけ水揚げが減ってまいりますと、加工をやって付加価値を高めるということが非常に大切ですので、やはり漁協合併をする際には、いわゆる加工場を一つぐらいは県が世話してつくってやって、漁家の婦人が午前中働いてもいい、午後働いてもいいから、そういうことで加工を今後進めていくという考え方を持ってほしいと思いますが、この点いかがでしょうか。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 議員御指摘のとおり、確かに、長崎県の魚というのは、特に沿岸でとれる魚につきましては、鮮魚で売った方が値段が高いということで鮮魚中心でやってたわけなんですね。ただ、底びきとか、まき網でとれる多獲種、また沖合のものにつきましては、本来ならばこれは一次加工でなく、二次加工までした方が付加価値を高めて、結果的にはそういった加工の増大につながっていくわけなんですが、大変残念ながら、我が長崎県ではそういった沖合漁業につきましてもほとんど出荷というような形をとっておりました。

 したがって、今、議員御指摘のように、加工業をこれから振興していくためには、沿岸漁業のそういったものについても今後は価格も安くなってまいりましたので、付加価値を高めていかなければならないというのは思いますが、ただ、問題は沿岸でとれる魚が加工に適しているかどうか、また加工でやった方が値段が高いかどうかという問題については、今後、またいろいろとあると思います。だから、やっぱりそれは魚の内容によって、議員もその辺についてはもうよく御存じと思いますが、魚種によって恐らくそれはそれぞれに、またそういった対応の仕方をしていかなければいかぬだろうと思っております。

 いずれにしましても、加工品というのはなかなか難しいんですね。加工業というのはこれほど難しいものはありません。恐らく長崎県で加工をやっている業者で利益を上げているところはもう少ないんじゃないかと思うんですね。

 したがって、この加工というものが本当に経営上うまく成り立っていくためには、今後どのようにやっていくかということについては、やはり相当ブランド性が高くて、やはりよそにないものをつくっていくだけの技術力というものを今後我々としては考えていかなければいかぬというふうに思っておりますので、これは総合水産試験場を含めて技術力を結集して今後取り組んでいきたいと考えておる次第でございます。



○議長(村山一正君) 五十番。



◆五十番(吉住重行君) ただいまの加工の問題ですが、知事の言うとおりだと思います。大変厳しいし、もうけるためには大変苦労しなければできないということはわかっておるんですが、やはり付加価値をいかにして高めるかという勉強を県の方でもしてほしいと私は思います。水産部の方でも加工係というのを一、二名置いて、そして加工に対して、いわゆるどうやったらいいかということについてやってほしいなというように私は考えさせられておるわけでございます。

 それで、長崎県の二大基幹産業であります農業と漁業を何とかしなければ、一般の中小企業者の購買力もつかない、景気というのはますます悪くなると、こう思っておるんですが、農業だけでは生計が立たないんですね。私も一町二反程度水田をつくっておりますが、反当十俵とれて百二十俵、それを食べるだけを差し引いて、百俵を売った場合、百万円です。そうなりますと、やはりトラクターから何から機械というのが一千五百万円ぐらい、それを購入しなければ今の農業はやれない。それを償却していくならば、農業をしていては、ほとんど生活をする程度、食べる米だけしか残らない。

 それでひとつどうしたら農業がやっていけるのかというのは、今後、長崎県としては真剣に考えなければならない問題であるし、水産をどうしていくかというのも大切な問題であると、このように思いますので、知事は特に水産にはお詳しいわけですから、水産なり、あるいは農業なり、理事者が一体となって取り組んでいただいて、今後の長崎県の農林水産業が長崎県の基幹産業として一歩でも前進するような努力をしていただきたい。心から御要望申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)



○議長(村山一正君) 五十一番。

           〔関連質問〕



◆五十一番(古藤恒彦君) 吉住議員の質問に関連してお尋ねをいたします。

 財政の問題ですが、会社で言うならば財産目録とか、貸借対照表、損益計算等ありますね。ところが、地方公共団体はそういうものがないんです。しかし、今、財政の状況をつぶさに聞いてみますと、起債が九千八百五十二億円あるということですね。その償還方法については、今、知事、総務部長からの説明がありましたので大体わかりますけれども、返済方法について再度お尋ねいたしたいと思います。

 それから、県民がこの起債総額について非常に不安を持っておると私は思うんですよ。だからこの際、県は資産を公開、財産を公開する必要がありはせんかと思いますが、その点について知事なり、総務部長にお尋ねいたしたいと思います。

 それから、また庁舎建設につきまして、知事は先般のどなたかの議員の質問に対して、財政上、未定だというようなお話もございましたが、この財政状況をながめまして、私もさることながら、しかるべきであると、かように考えるわけでございますが、ただいま申し上げました財産の公開、資産の公開等の問題について、あるいは償還方法について、再度御答弁願いたいと思います。



○議長(村山一正君) 総務部長。



◎総務部長(森脇晴記君) 先ほど知事がお答えしました八千八百五十二億円のうち、約四割の三千二百億円程度が、これは県の税収で返していくものでございますので、残りの大体五千六百五十二億円でございますか、これが地方交付税で一応手当てされている額でございます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 要するに、正味の借金というのは三千二百億円ということなんですね。だから、確かに県民の皆さん方が不安がっておるというのは、こういった内容を我々がこういった議会で答弁いたしましても、また、いろいろな説明をいたしましても、こういう詳しいことは報道されないで、結局、総額だけの金額だけが報道されてしまうものですから、いかにも九千八百五十二億円がひとり歩きしてしまうわけなんです。昨今の新聞をここずっと、この一週間見ていただいたら皆さんおわかりになると思います。だから、私は答弁の中で絶えずそういった我々が借金してきたものについて、「こういう内容になってますよ」ということは何回となく答弁をさせていただいているんですが、一回も記事になったことはないですね。ぜひこの件については、我々は情報公開というのをこれからやっていくために、やはりマスコミも協力して、お互いにそうした現実をちゃんととらえて報道していただく。突出したものだけを報道していただくと、県民がやはり誤解したりしてしまいますので、この辺はぜひ私もお願いしたい。これが「開かれた県政」なんです。「開かれた県政」にはどうしても協力がないと、県民の皆さん方になかなかわかっていただけない。我々はこれから資料をどんどん提供してまいりたいと思います。先ほど古藤議員からもお話があったように、財産等についても、公表してまいりますので、こういったものをぜひ報道していただきながら、県民の皆さん方の御理解がいただけるように今後とも努力をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。



○議長(村山一正君) 総務部長。



◎総務部長(森脇晴記君) 先ほど私、五千六百億円と申し上げましたが、このうち住宅の料金収入等で返ってくるというもの、そういう財源手当もあるものでございますので、交付税で手当てされているものは五千四百三十五億円でございます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 本日の会議は、これにて終了いたします。

 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

           −−午後三時五十九分散会−−