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平成11年  2月 定例会(第1回) 02月26日−02号




平成11年  2月 定例会(第1回) − 02月26日−02号









平成11年  2月 定例会(第1回)



   平成十一年第一回定例会議事日程 第五日目(平一一・二・二六)

 一、開議

 二、県政一般に対する質問

 三、散会

平成十一年二月二十六日(金曜日)

   出席議員(五十二名)

        一番  松島世佳君

        二番  松元義隆君

        三番  大川美津男君

        四番  松尾 等君

        五番  萩原康雄君

        六番  杉 徹也君

        七番  橋本希俊君

        八番  松尾忠幸君

        九番  高倉洋一君

       一〇番  吉川 豊君

       一一番  橋村松太郎君

       一二番  野口健司君

       一三番  浜崎祐一郎君

       一四番  馬込 彰君

       一五番  中山 功君

       一六番  田中愛国君

       一七番  西川忠彦君

       一八番  野本三雄君

       一九番  川越孝洋君

       二〇番  川村 力君

       二一番  森 信也君

       二二番  前田富雄君

       二三番  平田賢次郎君

       二四番  林田 悧君

       二五番  朝長則男君

       二六番  三好徳明君

       二七番  佐藤 了君

       二八番  西津 覚君

       二九番  奥村愼太郎君

       三〇番  八江利春君

       三一番  末永美喜君

       三二番  田口一信君

       三三番  大石 保君

       三四番  中田晋介君

       三五番  広川 豊君

       三六番  宮崎角治君

       三七番  本多繁希君

       三八番  園田圭介君

       三九番  松田正民君

       四〇番  田中廣太郎君

       四一番  北村誠吾君

       四二番  末吉光徳君

       四三番  谷川弥一君

       四四番  池原 泉君

       四五番  南条三四郎君

       四六番  吉永和男君

       四七番  石本順之助君

       四八番  林 義博君

       四九番  加藤寛治君

       五〇番  吉住重行君

       五一番  古藤恒彦君

       五二番  村山一正君

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   説明のため出席した者

       知事       金子原二郎君

       副知事      清浦義廣君

       副知事      澤井英一君

       出納長      宮崎政宣君

       総務部長     森脇晴記君

       企画部長     溝添一紀君

       生活環境部長   田中敏寛君

       福祉保健部長   塩塚吉朗君

       商工労働部長   水谷 正君

       水産部長     木村道夫君

       農林部長     白浜重晴君

       土木部長     梶 太郎君

       交通局長     前田信行君

       雲仙岳災害

                川端一夫君

       復興担当理事

       長崎都心再開発

                勝本 豊君

       担当理事

       教育委員会

                桟 熊獅君

       委員長

       教育長      出口啓二郎君

       教育次長     山崎滋夫君

       監査委員     中川 忠君

       監査事務局長   浦川 勝君

       人事委員会

                高平米雄君

       委員

       人事委員会

                三浦正秀君

       事務局長

       公安委員会

                小鳥居 建君

       委員

       警察本部長    森  喬君

       警務部長     岩田 彰君

       地方労働委員

                木下浩之君

       会事務局長

       選挙管理委員

                藤本勝善君

       会委員

       選挙管理委員

                南里雅彦君

       会書記長

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   事務局職員出席者

       局長       水上啓一君

       次長兼

                米倉元治君

       総務課長

       議事調査課長   吉田岩水君

       議事調査課

                立花正文君

       企画監

       議事調査課

                内田喜久君

       課長補佐

       議事調査課

                本田哲朗君

       係長

       主事       永野清士君

       主事       山下尚信君

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           −−午前十時零分開議−−



○議長(村山一正君) おはようございます。

 ただいまから本日の会議を開きます。

 これより一般質問を行います。谷川議員−四十三番。



◆四十三番(谷川弥一君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・県民会議の谷川弥一でございます。

 質問通告に従ってお尋ねいたします。

 前置きが長くなる異例な質問になりますが、予算のほとんどを地方交付税と国庫支出金に依存し、自前の金では人件費すら賄えない本県にとって、国の財政がどうなっているか、その中で何が問題か、今後どうなるのか、把握しておくことは非常に重要なことであると思われます。早く質問に入れというおしかりを受けることを覚悟しておりますが、しばらくの間、御辛抱をお願いします。

 私は元日より日経新聞、毎日新聞を切り抜き、その内容ごとに分類し、不況、金利、不良債権、ビッグバン、公的資金注入、雇用、倒産、リストラ、情報公開、規制緩和、アメリカの問題、ロシア、アジア、ブラジル、ユーロ、コソボ等々のことを整理してみました。結論から先に言うと、今回の不況は今までとは違う、幾ら金利を下げても、財政出動しても、問題は解決しない。それにはそれなりの理由があるということです。それは日本型生産システムが、冷戦終結後、グローバル化、ボーダーレス化する経済の中で通用しなくなった。政策を生かすためには行政改革、政治改革、産業構造の改革をやる必要がある。いや、その前に、日本人の生き方そのものを変えない限り、どんな手を打ってもだめだということです。修正資本主義から、一日も早く新保守と言われる、サッチャーがやり、レーガンがやった、痛みを伴う諸改革に取り組むことです。

 その成功にまず必要なことは、マスコミの変革です。真剣に勉強し、体を鍛え、努力、精進し、何とか一人前になろうとする夢のある生き方をする人々をほめ、励ましていく報道の姿勢を打ち立てることです。改革の壁になる人々や組織に対してはロッキード、リクルート以上の報道を続けることです。苦を避け、楽を求める人間の本能のままに生き、自分が努力しない結果として起こることを国家のせいにして他を批判する人々の肩を持ち、あおりまくって部数を増やす、視聴率を上げる姿勢を改める必要がある。

 それでは、なぜ不況になったか、不況の内容はどんな状況か、それに対して政府がやった財政出動と金融政策だけに絞って整理してみたいと思います。

 バブルがはじけて、ピーク時に比べ土地が七百六兆円、株が五百五十五兆円下がったと、昨日の日経新聞に載っています。その結果、大変な不況になった。以下、日経・毎日新聞によりますと、総務庁が一月十九日に発表した九八年の家計調査概況によると、世帯主の年齢別に見た消費支出は、四十歳代が、物価変動の影響を除いた実質で前年比四・二%と最大の落ち込みとなった。洋服や旅行など生活必需品以外の出費を切り詰める傾向が強まっており、これは景気の低迷を背景にした企業のリストラ強化が影響していると見られます。九八年のサラリーマン世帯の可処分所得は実質〇・九%減と五年ぶりのマイナス。中でも、四十歳代のサラリーマンは実質二・六%減で、他の世代に比べて所得の減少が目立っております。所得の落ち込み以上に消費支出の減り方が激しい。可処分所得の中から消費にどれだけ振り向けたかを示す平均消費性向は、三十歳代、前年比マイナス一・五ポイントの六七・二%、四十歳代、前年比マイナス一・一ポイントの七二%で、所得の減少傾向が今後も続くと見て、消費者心理が萎縮したものと思われます。その結果として、一、九八年のスーパー百二十一社、七千二百四十七店の売上高は十六兆八千三百四十一億円で、前年と同じ店舗数と仮定して比較すると二・七%減。二、同じく、百貨店百三十九社、三百三店の売上高は九兆一千七百七十三億円で、前年比五%減、いずれも二年連続のマイナスとなっております。GDPに六〇%以上影響を与える個人消費の状況はこのとおりであります。

 次に、一五%の影響を与える設備投資を見てみると、九八年度は前年比四・六%減、九九年度は前年比八%減の見通しであります。牽引役だった通信は、大型投資一巡などで、同じく一四・二%の大幅減。自動車、電機など製造業の主要産業も過剰生産設備の解消に向けたストック調整を進めており、軒並み減少し、民間設備投資の落ち込みが景気回復の足取りを重くする懸念が強まってきております。

 企業の設備投資抑制の直撃を受けたのがトラック専業メーカーであります。九八年度、百七十七万二千百三十六台、前年比二〇・一%減。二百万台割れは六八年の百九十九万台で、実に三十年ぶりであります。いすゞ自動車、マイナス一三・八%、日産ディーゼル、マイナス四〇・七%、日野自動車、マイナス四六・五%。恐ろしいような数字が並ぶ、これが不況の実態なのであります。

 雇用への影響を見てみると、失業率は、九八年平均で四・一%。特に十一月は過去最悪の四・四%となり、アメリカと逆転してしまった。雇用保険の失業手当を受けた人が九八年の年間平均で百二万一千人。九八年六月、百六万人になって以降、十二月までずっと百万人台で、前年比約十五万人の増となり、比較できる四九年以降、初めて百万人の大台を突破したままだった。文部・労働省推計で、就職が決まっていないのは、大学生七万六千人、短大生六万七千人、高校生六万六千人で、合計二十万九千六百人ということになります。労働省調査によると、高校の就職希望者数約二十五万五千人のうち、内定率七三・九%、前年比六・九%減、中学生求人数は前年比四四・八%の大幅減になっております。

 次に、不況による倒産であります。九七年に倒産した企業、一万五千三百七十一件で、負債総額十四兆二百九億円、九八年に倒産した企業、一万九千百七十一件で、負債総額十四兆三千八百十二億円。件数では八四年の二万八百四十一件に次ぐ戦後二番目、金額では戦後最大であります。

 企業はバブル期に甘い見通しで設備投資をやり、不況の今、二ないし三割も過剰であると言われております。今、各社、構造改革に必死で、その中身は、持ち株会社・カンパニー制、合併・再編などであり、収益向上を目指しているのであります。NEC・一万五千人削減、日立・六千人、東芝・四千人と、すごいリストラを実施し、大和証券は税制の整備を待つより機動性確保がメリットがあるとの判断で、抜け殻方式で、今年の四月に持ち株会社に移行すると言われております。

 さて、不況脱出のために政府はどうしたのか。九七年度、十八兆五千億、九八年度、当初予算、一、二、三次補正と次々にやり、その財源として三十四兆円の公債発行、九九年度、当初予算、財源として三十一兆五百億の公債発行。その結果、九七年度、二百五十五兆円であった公債残高は、九九年度末、約三百二十七兆円となる見込みであり、国、地方を合わせた長期債務残高は約六百兆円となる見込みであります。ちなみに、九九年一月末の日銀券発行残高は五十兆六千四百二十四億であるから、六百兆円がどのくらい大きなものか、御理解していただきたい。

 金融対策としては、平成三年七月、六%から、次々と引き下げ、ついには平成七年九月八日には、史上最低の〇・五%まで引き下げ、現在に至っております。これにより景気も一時回復の兆しを見せたものの、平成九年はマイナス成長に転じ、平成十年度も引き続きマイナス成長が予想されております。

 ところで、九九年度予算案で三十一兆五百億円の国債を新規発行。資金運用部が資金を貸し渋り対策などに回すために市中買い入れの中止という二つの決定に反応して、金融市場は、国債発行量が市場の買い入れ能力を越えていると判断し、高利回りでないと国債の買い手がつかなくなり、結果として、九八年九月、長期金利〇・六六五%が、三カ月後の暮れには二%超と急上昇してきました。景気対策実施のための国債発行が、逆に、景気の足かせになっているということになります。景気対策の柱である住宅ローン控除制度は、取得後六年目まで住宅ローン残高の一%相当額の減税となっているが、この間の長期金利上昇で吹き飛んでしまったことになるわけであります。

 ここでアメリカのルービン財務長官は、日銀による国債の買い入れを求めてきた。一、米国の統計は九八年に二千億ドル(一ドル百二十円として二十四兆円)増で、うち五〇%が株高、三五%が金利低下、一五%が海外からの輸入下落と言う。一、個人貯蓄率は、九二年が六%、九九年はゼロ。一、中間層年収五万ドル、一世帯平均株式保有二万ドル。一、ドル高による輸入物価下落、インフレ抑制、金利引き下げ、株高という流れになっている。一、ドル高による対外収支悪化で、貿易赤字千六百八十五億ドル、前年比五三%増と十一年ぶりに過去最悪の更新となり、強いドルは実体面からは過大評価されていることになる。一方で、現在のアメリカ景気はドル高がその前提になっているから仕方がない。しかし、株高による過剰消費と膨大な貿易赤字は不健全で、長続きするはずはない。アメリカにとって今、株が下がると、バブル崩壊後の日本と同じになり、それを一番おそれているので、さきのルービン発言となった。日本の長期金利が上がり、米国のそれと差がなくなることは困るのである。また、日本経済も、今上がると、景気対策上好ましくない。

 そこで、政府首脳は、日銀による新発国債の買い入れ、既発国債買い切りオペの増大要求となった。それに対して日銀総裁は、中央銀行の独立性を盾に拒否。かわりに、短期金利のゼロ発行で応じた。「無担保コール翌日物をゼロでやっていけるならゼロでもいい」という発言である。コール市場は無担保で翌日返済の取引が日々行われ、日銀は、この市場への資金供給量を調整することで金利を操作している。コール全体の市場規模は、九八年末残高三十三兆六千億円で、九八年平均の主な出し手は、投信を含む信託銀行十四兆二千億円、保険会社四兆七千億円、農林系金融機関四兆九千億円。取り手としては、都銀二十三兆四千億円となっており、大手銀行の資金ぐりの主な手段となっている。コール市場が超低金利で崩壊すれば、大手銀行の死活問題となってくる。

 積極財政への転換、金融の量的緩和、円安の三点セットを総動員してデフレから脱出し景気回復を目指すというシナリオは、二月二十日の毎日新聞にあるとおり、「コール」残高激減という記事になった。週明け十五日の三十五兆円が、十八日現在で二兆五千億円減った。金利が限りなくゼロに近づく現象は、短期資金を野菜に例えると、市場に出荷しても二束三文の値段しかつかないというわけで、生保や投信にとって運用のうまみがないと言える。

 さて、国債発行による財政拡大と、その結果としての短期金利の引き下げもだめになると、いよいよ日銀による国債買いしかないことになる。一九一四年のドイツ、一九三二年に高橋蔵相がやって大インフレを起こしたあれである。大蔵資金運用部による市中国債買いを始めてから小康を保っているが、基本的構造から見ると微々たるものであることを忘れてはならない。大手十五行に七兆四千五百億円という、公的資金を優先株を買うという手段で注入したが、これは十五行の株式資本の一・三倍である。その八割は転換型なので、健全化対策の実行を必死でやらないと、普通株に転換し、大株主として物を言う。

 以上が日本経済の不況とその対策のあらましであるが、時間がないので詳しくは言えなかったが、いずれにしても、ただごとではないのであります。このことをしっかり踏まえていないと、我々議員も皆様方行政も、とんでもない間違いを起こすことになります。野村證券は九七年九月の部、店長会議で、株屋から証券業になると宣言し、そこで社長は次のように言ったわけです。「私たちは何者なのか、何になりたいか、そこをはっきりさせたい」と。別の記事にこんな文章もあった。「企業に必要なのは、効率的で低コストの経営体制の確立だが、業績不振で体力を弱めた企業は、新しい経営体制に不可欠な投資にさえ支障を来し始めている」。この「企業」を「日本国」とか、「長崎県」とかに直しても同じではないのか。

 そこで、知事にお尋ねいたします。

 一、職員の意識改革について。

 国に集中した権限を地方に譲り、住民に密着した行政に転換するための地方分権の推進に関する法律が国会に提出されている。地方分権が実現すれば、地域のことは地域で決めることになるが、当然に、その結果についての責任も出てくる。いわゆる自己決定、自己責任ということになる。こういう時代にあっては、地域住民の声を反映し、それを施策としてつくり上げるために、行政の企画立案能力が問われることとなる。県内最大のシンクタンクである県庁の機能を十分に発揮するには、それに携わる職員の意識改革が必要になると思う。これまでは行政が住民に施すものであったが、これからは住民の目線に立った行政でなければならないと思っている。一つの例として、職員は県民に対してどのように接しているのか。県に対していろいろと相談を持ちかけているのに、相手の気持ちを考えずに型どおりの回答をしたり、ぞんざいな言葉で対応しているのではないのか。職員を取り巻くいろいろな状況に目をやり、県民の目線に立って行政を進めてこそ「開かれた県政」ではないか。来年度の組織改正に当たって、縦割り行政から横割り行政に変えるために、職員一人ひとりの意識改革を含めたさまざまな取り組みを進めることは賛成である。具体的には、職員の意識改革にどう取り組もうとしているのか、お伺いしたい。

 二、行政改革について。

 (一)、県民が県へ提出する書類のうち約半数について、四月から押印を廃止し、手続を簡略化する。(二)、将来的には申請書類自体をなくし、ファックスでの申請に改善を図りたい。(三)、知事部局の一般職員、九六年四月時点で五千二百十一人のうち二百五十ないし三百人の配置を見直し、新たな行政需要に対応する。(四)、退職者の補充を抑制し、二%相当の百人を減らす等々高く評価し、敬意を表します。しかし、先ほど述べた経済界の生命をかけたリストラに比べると、まだまだ覚悟のほどが足りないと言わざるを得ないし、一段の行革を望みます。知事の決意のほどをお示しください。

 三、予算の基本的な考え方及び産業の振興について。

 我が自民党も去る一月二十二日、知事に対して、当面する県政の重要課題について、十五項目の政策要望をいたしたところであります。現下の厳しい情勢の中で、知事になられて初めての年間予算を編成されたわけでありますが、どのような施策に力を入れて編成されたか、お伺いいたします。

 少ない財源の中からやりくりして、何とか県勢浮揚につなげたいという考えが随所に見られますが、一次産業の所得アップに目ぼしいものがあるとは思えない。農林漁業者の収入アップについて、具体的な措置をすべきと考えるがいかがか。

 情報社会の到来を踏まえ、風光明媚、気候温暖を理由に(株)日本ビソーが大村湾岸に本社機能を移した。これをいい教訓として、本社機能移転を実現すべく知事等のトップセールスの考えはないか。

 四、政策審議室の展開について。

 金子県政の目玉として、政策審議室が所期の目的達成のために成功することを強く望んでおります。今、創造会議が三部会に分かれて活発に動き出しております。その議論を読んでみますと、随所に目を見張るものがあります。

 (一)、諏訪の森構想について。

 主要観光地の入場者数は、平成八年を一〇〇とすると、平成九年三月には一〇三だったのが、平成十年三月は九四を割ってきた。また、今年度は首都圏の修学旅行生の長崎希望は前年比七十三校の減であると言われている。当県の基幹産業である観光がこういう状況では、長崎の県勢浮揚はますます遠のくと思われる。ところで、長崎観光の目玉は過去の遺産にぶら下がっていると言われて久しいが、我々の世代で観光の目玉をつくるべきだと思う。そこで、知事の大英断により、知事公舎を明け渡し、そこに諏訪の森構想が打ち出されたのは時宜を得たものであると高い評価をするものであります。NHKで放送された「長崎奉行・夢ごよみ」は大変な評判であった。混迷をきわめる現代社会において、江戸文化の復元はぜひともやるべきだと思う。近代日本の夜明けをもたらした出島につながるものであるし、有力な選択肢として、そういうイメージの持てるものを考えてほしいと思うが、知事のお考えはいかがか。

 (二)、産業政策について。

 抽象論が多く、具体的な若者雇用増につながるものが出てこないと、今までの審議会の繰り返しになります。結果として利益の上がる設備投資につながるようなものでなければならないと思うが、いかがか。

 (三)、人づくり。

 二十二日の知事説明によると、子供の教育だけに絞ったように受けとめられるが、これは各界の強力な指導者づくりも含んでいたのではないのか、知事の御見解をお聞きしたい。

 五、料飲業の振興について。

 バブルがはじけたことによる民間企業の経費の節減。オンブズマン、マスコミ等の官官接待批判。統一地方選挙の影響で、売り上げは前年比六割減。数十年続いた店の倒産が続出している。また、この業界は多くの人たちが職場として働くところでもあります。観光客への安らぎの提供、仕事で疲れた人たちの憩いの場でもあり、そのまち独特の文化の薫りを漂わせているところでもあります。このまま崩壊させるわけにはいかないと思いますが、官官接待のよしあしは置くとしても、国、県、市町村等かなりの金額が落ちていたことは事実で、これはある程度の既得権となっていたのであります。それがいきなりなくなることの業界への影響ははかり知れないものがあります。制度を変えるときには激変緩和措置があるが、そういう面からも、何らかの手を打つべきと思うがいかがか。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕谷川議員の御質問にお答えいたしますが、現下の我が国の経済状況につきましては、議員御指摘のとおり、まことに厳しいものがあり、私といたしましても、県内景気の回復、地域経済の活性化、そして雇用環境の改善こそ何よりも優先すべき課題と強く認識をしているところであります。こうした厳しい経済状況からの脱却を図るためには、国の景気対策と一体となった本県ならではの施策を着実かつ思い切って進める必要があります。また、それと同時に、行政に携わる者すべてが意識改革を図りながら、最小限の投資で最大限の効果を上げるさまざまな政策に取り組んでいくことが肝要であると考えております。

 次に、職員の意識改革について、今後、横割り行政を進めるための職員の意識改革には、具体的にはどのように取り組むのかというお尋ねでございますが、地方分権の推進が実行の段階に至り、地方自治は新しい時代を迎えようとしております。地方分権の目的は、地方公共団体の自主性、自立性を高めまして、国主導の受け身の行政から、県民本位の主体的な行政へと、縦割り行政から横割り、総合行政へ転換し、個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現することであると考えております。

 また、国の省庁再編におきましても、時代の要請にこたえ、より機動的に弾力的な行政運営が図られるよう検討されているところであり、こういう変化にいかにこたえていくかが職員一人ひとりの意識改革を含め、緊急の課題であると思っております。こうした観点から、平成十一年度の組織の改正に当たり、行政需要への機動的な対応や、各部相互間の連絡調整を図るため、横割り行政の推進を明確化するための事務執行の基本方針を「部の設置に関する条例」に規定することとし、今議会に改正案を提案しているところであります。

 ただ、意識改革は一朝一夕に進むものではありません。私が先頭に立ちまして、日常業務の中であらゆる分野において、自分の範囲だけではなく、大きく物事を考え、みずからの創意と工夫に基づき、さまざまな取り組みを進めるなど横割り行政、総合行政を目指しまして職員の意識改革を徐々に進めてまいりたいと考えております。さらに、職員の一人ひとりが全体の奉仕者であることを改めて自覚し、県民に身近な行政サービスの担い手としての心構えや、効率的な行政運営を行うための感覚も必要であり、時代の変化に対応できる人材の育成にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 新行政システム推進基本計画の見直しを行っているが、経済界のリストラに比べると覚悟のほどが足りないのではないか、一段の行革をとのお尋ねでございますが、少子・高齢化、情報化の進展、地方分権の推進など社会経済情勢が大きく変化する中で、県政運営をスクラップ・アンド・ビルドの精神で総点検しながら、県民の複雑・多様化する行政需要に効果的に対応できる柔軟な行政運営体制に整備していくことを目的といたしまして、平成七年十一月に「長崎県新行政システム推進基本計画」を策定し、平成八年度から平成十二年度を計画期間として、その実現に鋭意努力しているところであります。

 その後の社会情勢は、議員御指摘のとおり、計画策定時に比べまして、景気の停滞に伴う民間企業のリストラによる失業者の増大、新規採用の抑制など厳しい経済状況になっております。また、国と地方を合わせた長期債務の増加など地方行財政を取り巻く環境は厳しさを増してきております。このような中にありまして、地方公共団体の行政改革への取り組みにつきまして、県民の皆様へよりわかりやすくするため、現行計画を一層充実し、さらに計画の目標をできるだけ数値化することなど見直しを行ったところであります。

 具体的な見直しの内容といたしましては、一、職員数を五年間の計画期間内に五%程度見直し、新たな行政需要に再配置しながら、二%に当たる約百人を削減することを目標といたしております。二、県の単独補助金や貸付金につきましては、総件数の五%程度を見直し、新たな施策へ充当すること。三、県民サービスの向上といたしまして、県民が県へ提出する書類の五〇%程度の押印について、廃止する方向で見直しを行うことなどを掲げております。

 検討の過程におきまして、抜本的な見直しについても議論をいたしましたが、現行計画は、民間の委員や議会の総務委員会の十分な審議を経て策定したものであり、また計画期間は五カ年であり、ちょうどその半分の期間が経過し、全庁的に取り組みが進んでいることなどから、現行計画を着実に実行することが効果的であると判断したところであります。今後は、この計画に沿って、さらに事務事業全般にわたる徹底した見直しと経費の節減に努め、時代の要請に合った行政運営体制の整備、充実に取り組んでまいりたいと思います。

 今回の予算の編成におきましてのお尋ねでございますが、今回、初めて当初予算を編成したわけでありますが、景気が停滞しまして、国、地方とも財政状況が厳しく、とりわけ歳入に占める自主財源が乏しく、また歳出に占める義務的経費の割合も高い本県の財政状況のもとでは、複雑・多様化する県民の行政需要に的確にこたえるとともに、県内経済の活性化対策、少子・高齢化対策など待ったなしの課題へと対応しなければならないという非常に難しい状況の中での予算編成となりました。しかしながら、私はこの長崎県に住んでおられる県民一人ひとりに夢と希望を与えられるような施策、ゆとりや豊かさが実感できるような施策をぜひ実現したいという信念のもとに、「夢と希望あふれる二十一世紀の長崎県づくり」に向けまして積極的に取り組むこととし、一に、「活力にあふれる長崎県づくり」、二に、「いたわりと温もりのある長崎県づくり」、三に、「人づくり日本一の長崎県づくり」の三本柱に沿って予算を編成したところであります。その結果、平成十一年度の一般会計当初予算は総額八千四百二十七億円に上り、対前年に比べて三・六%の伸びとなっておりまして、これは九州でも一の伸びになっておるわけでございます。

 中でも、今回の予算におきましては、本県の主要産業の一つである観光の復興を目指しまして、観光客の誘致を図り、本県経済に活力を与えるための日蘭交流四〇〇周年記念事業などの経済活性化対策、また平成十二年四月からの介護保険制度の円滑な導入に向けて万全を期すための対策や、ごみ処理の広域化を促進するための環境保全対策、柔軟で多種多様な履修形態を有する単位制高校の開設などに財源の重点配分を行ったところであります。

 また、予算の編成に当たりましては、「長崎県新行政システム推進計画」や、新たに導入いたしました「事務事業評価システム」に基づき、事務事業全般にわたる徹底した見直しと経費の節減に努めているところであります。

 次に、本社機能移転を知事のトップセールスにより実現できないかというお尋ねでありますが、日本ビソー株式会社は、昭和六十三年の十月に誘致企業として立地いたしまして、平成二年一月、長崎本社として操業開始をいたしております。同社の経理部門は東京に残っておりますが、長崎本社は、製造部門のほかに研究開発、人材育成、情報管理の重要な拠点となっております。これは本県の有する豊かな自然、伝統文化、人情等からの暮らしやすさ、また地場企業の技術力、航空路の利便性などが高く評価されたためと伺っております。また最近では、昭和五十九年七月に立地いたしましたコマツ電子金属株式会社が今年の一月から、会社再構築の一環といたしまして、長崎工場に生産本部を初め、情報システム室、営業本部の一部、総務・経理部門等の本社管理機能を移転しておりますが、これも本県の住みやすさ、働きやすさがその背景にあるものと考えられます。このように本県の有する自然環境、生活環境は、先端技術、研究開発型企業に対する大きなセールスポイントとなっております。

 企業誘致につきましては、今後とも、私を先頭に職員が一丸となりまして精力的にトップセールスを展開してまいりますが、工場の誘致とあわせて本社機能の移転、研究所等の誘致につきましても積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 政策創造会議についてのお尋ねでございますが、政策創造会議は、これからの行政運営は、従来の枠組みだけにとらわれない、新しい視点からの発想や取り組みが強く求められていること、県民の要望が多様化し、各部横断的に取り組むべき課題が山積していることから、県庁の中だけの議論だけではなく、県民の英知や創意を幅広く結集して課題に対処していくことが重要であるという認識のもとに、県政の主要課題について、民間の専門家や県民の方々に参画いただき、実効性のある施策を企画・立案する新たな仕組みとして設置したものであります。

 昨年の十一月以降、「諏訪の森再整備」、「総合的な産業政策」、「人づくり」の三つの専門部会ごとに、基本的な検討項目の抽出などを行ってまいりました。今後、引き続き、より具体的な論議を重ねていただき、今年の秋には中間提言を、平成十一年度末には具体的な施策を盛り込んだ最終提言をいただく予定にいたしております。

 長崎観光の目玉として評判となった「長崎奉行・夢ごよみ」のような江戸文化の復元をぜひやるべき、有力な選択肢として、そういうイメージの持てるものを考えてほしいとのお尋ねでありますが、「諏訪の森部会」におきましては、長崎市の諏訪の森地域を歴史、文化、学術の魅力ある空間として再生するため、県立美術博物館、長崎図書館を含む一帯の土地利用及び施設の配置等にかかる構想づくりが開始されたところであります。現在、同部会では、対象エリアや再整備の基本的な考え方について検討を進めていると承っております。議員御指摘の点につきましては、同部会の委員の中からも同様の意見が出されており、今後さらに具体的な検討がなされるものと理解しているところであります。

 いずれにいたしましても、諏訪の森の特性を生かしながら、本県の観光、文化の拠点として、長崎から全国に発信していくものとしては何が最もふさわしいかということについて、さらに幅広く御議論をお願いしたいと考えております。

 「産業政策部会」につきましては、現下の緊急課題である雇用改善や地域産業の活性化を図るため、全産業的な視野から、どのような対策が実効が上がるのかの具体的な議論をお願いしているところであります。同部会では、これまでの施策等の効果を冷静に検証しながら、新たな視点に立った観光振興、産業間連携の促進などを主要なテーマに、本県の特性を生かした新規産業分野の育成、既存産業の活用など、若者の雇用増を中心とした具体的な施策の企画・立案に向けて、徹底した議論を特にお願いしてまいりたいと存じます。

 「人づくり部会」については、あらゆる分野の基礎となる人材育成について、どういう人材を、どういう形で本県として育てていくか、そのためにはどのようなシステムと取り組みが必要か、具体的な論議をお願いいたしております。その際、議員御指摘の、各分野における強力な指導者づくりについても、「人づくり」の重要な要素であると考えておりますので、そのような方策やシステムづくりについても十分に検討を進めてまいりたいと考えておる次第であります。

 残余の質問については関係部長より答弁をさせていただきます。



○議長(村山一正君) 農林部長。



◎農林部長(白浜重晴君) 予算の基本的な考え方及び産業の振興の中で、農林漁業者の収入アップについて具体的な措置をすべきと考えるがいかがかとのお尋ねでございますが、農林水産業は、本県の重要な基幹的な産業でありまして、地域経済の活性化と県勢の浮揚のためには、農林水産業に従事をする方々の所得の向上を図ることが不可欠でございます。このため、農林業におきましては、従来から、「長崎県新農政プラン」に沿いまして各種対策を講じてきているところでございます。

 具体的には、まず「園芸振興プラン二〇〇一」によりまして、県内各地域にイチゴやアスパラ等の新たな産地が育成されるとともに、販売額が一千万円以上の農家も平成二年の千三百十四戸から、平成九年には三千戸へと二・三倍へ増加してまいりました。

 さらに、「肉用牛倍増プラン」を推進したことによりまして、農家一戸当たりの平均飼養頭数は、平成三年の八頭から、平成十年には十三頭へと着実に規模拡大が図られてきております。

 また、県内農林産物の付加価値向上を図るために、ビワやバレイショ等の新品種や、イチゴのベンチ栽培技術の開発、優良種雄牛の導入などの技術開発を積極的に推進をいたしております。

 このほか、本県農産物の銘柄を確立するために、県内外におきまして、「じゃがじゃがフェスタ」や、「初売りイベント」などのキャンペーンを実施するなどいたしまして販売促進に取り組みますとともに、規模拡大や機械化によります低コスト化など、生産性の向上を図るための基盤整備を最重点課題として推進をいたしております。今後とも、この成果をさらに高め、農家の所得向上が一層図られるよう、施策の充実を図ってまいりたいと考えております。

 なお、現在、国におきましては、三十七年ぶりに農業基本法の全面的な見直しが進められておりまして、県といたしましても、平成十一年度中に、現行の「長崎県新農政プラン」にかわる新たな農政ビジョンを策定をいたしまして、農林業の一層の振興を図るための新しい施策を構築してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 水産部長。



◎水産部長(木村道夫君) 漁業者の所得向上対策についてのお尋ねにお答えをしますが、地域経済へのかかわり方についてはただいま農林部長からお答えを申し上げましたので、重複する部分、省きますけれども、水産業につきましては、生産基盤であります漁場の整備、あるいは資源増加のための栽培漁業の推進、資源管理型漁業の取り組み、あるいは水産物の流通対策、そういったものを総合的に進めていくということこそが、いわゆる漁業者の所得向上につながっていくものという認識で取り組んでおります。ちなみに、漁業者一戸当たりの漁家所得に占めます漁業による所得は年々増加をしてきておりまして、これらの取り組みがその成果につながっているものというふうに判断をいたしております。

 平成十一年度におきましては、沿岸種苗の放流事業を拡大をいたしまして、栽培漁業を積極的に推進をするため、これまで五つの海域で造成をしておりました栽培漁業基金を、新たに壱岐海区を対象として造成をすることとして、十億円の目標額を設定をいたしております。あわせて県単独事業により、沈船等を利用いたしまして沿岸漁場の整備を緊急に行っていくという特別対策に取り組むことにいたしました。

 また、収益性の高い養殖を展開をするために、総合水産試験場において開発をいたしました早期人工種苗を用いましたブリの養殖試験の実用化を進めてまいりますほかに、コチ、オコゼ等の新しい種苗生産技術の開発に努めることにいたしております。

 さらに、トラフグ、ホシガレイ等を対象にいたしました高い生産性と低コストの養殖を目指しまして、初めて陸上養殖システムの開発を行うことにいたしました。

 さらに、本県で水揚げされます活魚、鮮魚のブランド化と、関東消費圏への販路の拡大を目的として開催をいたしました、大変好評でございましたけれども、「長崎のうまか魚ば知ってほしかキャンペーン」というものに引き続きまして、「長崎海鮮街道開発事業」によりまして、東京市場でパイロットショップを開設するということを企画をいたしております。

 水産加工につきましては、本県優良加工品の全国への発信を目的といたしまして、「平成長崎俵物育成事業」に取り組むことといたしております。これらの事業の効果的な実施を図りまして、漁業者の所得の向上に努めてまいりたいと存じております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 生活環境部長。



◎生活環境部長(田中敏寛君) 料飲業の振興について、何らかの手を打つべきではないかとのお尋ねでございますが、料飲業を初めといたします環境衛生関係業界は、経済や観光の動向、あるいは消費者マインドなどに直接左右されやすい業界であるというふうに考えております。最近の業界を取り巻きます環境は、景気の低迷、観光客の減少、消費者マインドの冷え込みなど非常に厳しいものがあることは、御指摘のとおりでございます。

 県といたしましては、料飲業界の活性化のためにも、日蘭交流四〇〇周年記念事業を大きな契機といたしまして、観光の振興に力を注ぎまして、またコンベンションの誘致にも努めることによりまして、多くの人々に長崎のにぎわいを楽しんでもらえるよう努力をしてまいりたいと考えているところでございます。

 一方で、業界におきましても、宿泊客が安心して低廉な料金で夜の街を楽しんでもらえるような創意工夫をされておられるようでございますので、こうしたシステムの拡充、PRにつきましても意を用いてまいりたいというふうに考えております。

 また、料飲業を初めとする環境衛生関係業界の経営の健全化や衛生水準の向上を図る目的で設置をいたしております財団法人長崎県環境衛生営業指導センターが中心となりまして、経営に関する相談や研修、融資のあっせん、郷土料理の開発など業界の活性化に努めているところでもございます。このようににぎわいの場を創出するように努める一方、関係団体などと連携を取りながら、業界の振興に努力してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 四十三番。



◆四十三番(谷川弥一君) 若干時間があるので、再質問をさせていただきますが、まず予算の組み方ですが、景気低迷による税収減、減税による税収減で東京都、大阪府、神奈川県、大都市ほど大変な状況になっていることはわかります。そういう中で我が長崎県は、統一地方選挙による十四都道府県が骨格暫定予算であったことを割り引いたにしても、前年対比、新潟県七・二%、それから青森県、石川県に次ぐ四番目の三・六%という伸び率でありますから、その御苦労について、また、いかに今、そういうことをするのが必要かという認識の持ち方について、高く評価します。とにかく神奈川県なんかは二千億円財源が不足すると、事業費を、優先順位をずっと並べて下からばさっと三割削ると、そういうような荒っぽいやり方。また、職員の賞与削減、第三セクターへの補助金の減額、とんでもないことに追い込まれていっているわけです。東京都は六千億足らぬ、大阪府は銀行から一時借入金と、長崎県もいずれそうなるのかと思うぐらい厳しさを感じるわけですが、一方では、大分県臼杵市なんかは、これはびっくりしたんですが、九八年十二月に過去二年間の決算のバランスシートをつくった。将来に備えて退職金を引き当てるんだ、学校や道路など固定資産の減価償却をするんだと、「これは企業じゃないのか」というふうな、そういう非常にすごい先をにらんだリーダーもおるわけです。悪いところといいところとを今、並べたわけですが、そういうふうになるのかなという思いを込めながら、片や、こういうことをしているということも踏まえながら、総務部長、どうですか、長崎県の今後の思いについて、何かあれば、お聞かせください。



○議長(村山一正君) 総務部長。



◎総務部長(森脇晴記君) 谷川議員の方から、一つの試みとして、大分県の臼杵市における貸借対照表の導入、バランスシートの導入についての試みのお話がございました。私も、こういう厳しい時代に、諸団体がみずからどういう工夫ができるかということを常に考えていくということは非常に大切だと思います。本県におきまして、貸借対照表の作成につきましては、交通事業、あるいは病院事業などの諸公営企業の財務会計については複式簿記により会計を行っておりまして、これは民間企業と同様に、料金収入で経営するということを基本としておりますので、こういうことをやっております。一般会計につきましては、これらの事業会計と違いまして、収益を上げることを原則として目的としていないこと、それから歳入の大半が税や地方交付税、国庫支出金によっていること、それから公有財産の評価をどういうふうにするか、市場価格がありませんので、その評価が難しいことなど、こういう事情がございまして、やっておりません。ただ、かつて熊本県が、大分前でございますが、こういうことをやった試みがございます。ただ、そのときにも他県が追随することなくて結局終わってしまったと、こういうことがございまして、やはりそれはいろいろ課題があったからというふうに考えております。

 ただ、先ほどからありますが、議員御指摘のように、この財政状況が厳しい中、地方団体がみずからの財政運営に自主性と自立性を持ってやるという観点から、どのような新しい財政分析手法がとれるか、あるいは予算編成手法がとれるかということは常に考えていく必要がございまして、本県におきましても、「事務事業評価システム」ということを導入したわけでございます。今後とも、本県にとってどういう手法が一番合っていくかということを真剣に考えながら、また他県の状況を見ながら検討してまいりたいと思います。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 四十三番。



◆四十三番(谷川弥一君) おととい、日経の「経済教室」の中の記事ですが、桜美林大学教授井上隆一郎さん、「世界的に企業の最適立地が進む中で、日本は経済再生へ向け経済ナショナリズムからの脱皮を急ぎ、外国企業の誘致を進めるべきである。世界的に企業は、国境を超えて最適立地に投資しながら、グローバルな事業展開を進めている。それに対応して世界の各国・地域は、それぞれの経済を維持・活性化するため、各国企業による投資を呼びかけている」と、こういうものが載っているんです。『フランスは日本のトヨタを誘致するときには、補助金など中央、地方を合わせて総投資額の七%の補助金を出し、約六千万ドルトヨタへやっているんです。こういう流れに対応して、うちも横浜市助役をトップとして「企業誘致推進本部」をつくり、そのもとに外資専門チーム、海外二カ所の事務所などを配し、ドイツ、イギリス、アメリカに進出企業の集積拠点を置いて誘致に成功した』と、こう書いているんです。少し恥ずかしいんですが、その後に、「我が長崎県も、全国でも最も充実した補助金制度を導入し誘致に成功している」と、初めて私は見ましたけど、長崎県がほめられた記事が日経に載っているんですが、私の記憶では、そんなに企業が来ているのかなという若干の認識を持っているんですが、いずれにしても、部長さん、上海事務所もソウル事務所もあることだし、何といっても、今、アジアは若干沈滞していますが、いずれ必ずここはまた起き上がってきます。日本でだめなら、地理的にも非常に近い東南アジアを中心とする企業を誘致すべく積極的に展開する用意があるのか、ないのか、もしあるとするなら、具体的にはどういうふうな考え方を持っているのか、お聞かせください。



○議長(村山一正君) 商工労働部長。



◎商工労働部長(水谷正君) 企業誘致につきましては、先ほど知事からお話ございましたように、知事を先頭に職員一丸として取り組んでおりますけれども、御指摘の記事の事例については、多分、平成九年に立地を決定をし、今年の六月に操業するように準備をしておりますドイツとの共同出資の会社であろうというふうに思っております。これも本県が用意をしております全国のトップレベルの十五億円を限度とする工場設置補助金が誘致の成功の一つの要因であるというふうに考えているわけでございます。

 外資の導入につきましては、谷川議員を初め、議員の皆さんも御参加をしていただき、知事を団長として、昨年、米国西海岸へ経済交流ミッションを派遣をし、ハイテクとの交流を図ってきたところでございますけれども、新年度では、さらに長崎で、日本進出の外資企業も出席を要請をして、「アライアンスフォーラム」を開催をし、外資の導入に努めてまいりたいというふうに思っております。

 さらにまた、ドイツとの経済産業交流については、今現在、合弁四社が環境関連の技術の提携、連携を進めておりますけれども、さらに今後は日蘭交流四〇〇周年記念事業をとらえて、オランダ等も視野に入れながら、長崎県の知名度の高さ、あるいは御指摘の、アジア市場への近さ、独自の優遇対策を武器といたしまして、積極的に外国の企業誘致に努めてまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 四十三番。



◆四十三番(谷川弥一君) 政策審議室、その二、雇用開発に関連して、アーバン関係についてお尋ねしますが、去年、二千万構想推進調整費をかけて、これは使っていないで減額したと思います。さらに、それを踏まえてと言ったらおかしいけど、今年、三千二百八十万をつけているわけですが、一見して、知事直属の長崎都心再開発推進局を土木部都市計画課に移すということは、とりようによっては後退かな。理事者が認識しているほどアーバンというのは煮詰まっているのかな。新聞報道によると、一定の企画を終えた、それから先行地域、長崎内港については大体姿が見えてきたというふうなことが載っておりました。終わったからもう縮小するんだというのではないんだとは思います。なぜかというと、中身を見ると、予算は減っていないし、むしろ増えているし、人間も、用地課の二人以外は移っているみたいだしですね。ただ、一見すると、「あらっ、手を抜くのかな」というふうに受けとられかねません。独立体を合体させるわけですからね。ですから、ぜひその考え方についてお聞かせを願いたいと思います。

 もう一つは、アーバンの企画委員会とかの記事をいろいろ見てみますと、我々議員とは何かなという気がせぬでもありません。失礼ですけども、私どももえらい苦労をして選挙を戦いながら上がってきて、選挙のときには、長崎のまちについては責任を負うんだということも言いつつ上がってきているんです。理事者と一体となってと言おうか、いわば一種のまやかしと言ったら悪いけども、大半は「あなたたちは無視するよ」というふうにとられてなりませんね。この審議委員は「おれたちがこのまちはつくるんだ」という発言が多いんです。聞きますけど、審議委員とは何だ、何の資格で入っているのか、何が根拠があるんだ、どうして選ばれたのか、こういう気持ちもあります。私どもも長崎のまちづくりについて、それから発展について、それなりの責任と覚悟を持っているつもりです。場合によっては否決しますよ、あなたたちが何を決めても。そういう思いも持っておりますので、どうか、ひとつ理事者と、公募であれ何であれ、あなたたちが選んだ審議委員だけでまちづくりをしていいんだとはならない。県庁舎建設だって審議委員ではここに決まったんです。それを我々議員は「何をやっているのか、そんなに議員をばかにするのか」といって魚市跡にもっていった経緯もあるわけですよ。もう少し県議会議員というものの役割というものも考えてもらわぬと困る、いかがですか。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 最後の方の御質問にお答えいたしますが、決して議会を無視したわけではございません。できるだけ多くの皆さん方の意見をお聞きしたいということで、ああいった委員会を設けさせていただきまして、公募委員もとらせていただきました。また、それぞれの方々は、そういう専門にたけた方々も入りまして、その中で今、いろんなたたき台をつくっていただいておるわけでございまして、しかも、そのでき上がるたたき台につきましては、決して我々といたしましては一つに絞ってくるようなことは考えておりません。いろいろな立場でのいろいろな意見という複数的なものが出てまいります。出てきたものをまた皆さん方の中で議論して、最終的に決定するというような考え方を持っておりますので、決して皆さん方の意見とか、議会を無視するというようなことでやっているわけではございませんので、その点には御理解をいただきたい次第でございます。

 また、アーバンが後退したんじゃないかというようなことでございますが、アーバンの問題につきまして、あと残っているのは、県庁の問題、新幹線が入ってくる場合にどうするかといった問題、それから常盤・出島地区の最終的な利用の仕方というのが二点残っております。そういう総合的な、仮に新幹線と県庁の問題、長崎駅の周辺の開発ということになってくると、一アーバンじゃなくして、長崎市全体の都市計画はどうあるべきかという総合的な立場で考えていかなきゃならぬ。そういうことを考えますと、限定した部局でやるよりも、土木部の中で、要するに、一部局をつくって、専門的に土木部の皆さん方と一体となって取り組んだ方がいいんじゃないかということで、そういう組織改革をさせていただいた次第でございます。

 それから、二千万円、金を使っていないじゃないか、補正で減額しているというようなお話でございますが、これは今まで、予算を決めたら、いろいろと委員会の中で議論されて、ワーキングチームをつくっております。いろいろな資料をつくりました。今までは、こういう資料はすぐ外注して、どことかのところにお願いしておったんです。私は、できるだけ自分たちでできる範囲は自分たちでつくれと。いうならば、経費節約というよりも、全部外注すると、外注した人たちの意見が入ってしまうと。何々総研とか、何々とかというところに頼みますと、いうならば、そういったところの意見が入って、そこで打ち合わせされたことが無視されることが往々にしてあるので、極力そこの中の内局でみんなの意見をまとめた上で、またその委員の名簿からワーキングチームをつくって、今回、特に私がよくやったなと思うのは、委員のメンバーからワーキングチームをつくって、いろいろな案を五つつくり出しているんです。後でこれは最終的に決定したら出すということになると思います。それだけみんなが努力してつくりあげて、できるだけ金を使わないでやろうという形でやったので、結果的には二千万円浮いたものだから、減額させたわけなんです。したがって、新しいやり方で、今までとは違って、本当に市民の皆さん方の意見を結集した上でやりたいというふうに思っておりますので、決して議会無視ということはございませんので、御理解をいただきたい次第でございます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 園田議員−三十八番。



◆三十八番(園田圭介君) (拍手)〔登壇〕改革21の園田圭介でございます。

 早いもので、金子知事が就任されてから一年が経過しようとしております。私は就任早々の昨年の第一回定例県議会におきまして、改革21を代表して祝意を申し上げますとともに、二十一世紀を目指す県政のトップとして、初心を忘れず、不偏不党、清潔で公平な姿勢で県民の期待にこたえて頑張っていただくよう申し上げました。

 さらに、改革21といたしましては、昨年五月に、知事へ、高田県政の基本を継承し、公平で公正な県政、県民に開かれた県政を進めるため、情報公開の徹底と、県民の英知と創造を結集して質の高い豊かさを実感でき、「夢と希望あふれる二十一世紀の長崎県づくり」に全力を挙げられるよう要請をいたしまして、知事から、真剣に受けとめて県政推進に努める」とのコメントをいただいたわけであります。自来、私ども改革21といたしまして、知事が真摯に県政に努められておりますこと、とりわけ、これまでの政治経験、あるいはまた事業家等としての経験を生かされまして、新しいセンスで意欲的に県政推進に取り組まれておりますことに注目をしてまいりましたが、一部に問題を残しながらも、総じて評価されるものも多いと思います。

 知事は今議会冒頭の説明で、本県を取り巻く経済、社会情勢はこれまで経験したことがない転換期を迎える中、機会あるごとに県下各地に出向いて実情の把握に努め、県民との対話の中から民意を受けとめ、県民の立場に立った県政運営に努めていくと述べておられます。まことにもって適切な取り組みであると受けとめております。任期二年目に向かって、さらなる努力をなされようと決意をされております金子知事にエールを送りたいと思います。

 それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。

 まず、平成十一年度当初予算についてであります。

 現在、通常国会で審議されています国の平成十一年度一般会計予算は、政府発表によりますと、いわゆる十五カ月予算の考え方のもとに、平成十年度第三次補正予算と一体的にとらえ、当面の景気回復に向け全力を尽くす観点に立って編成するとともに、財政構造改革の基本的な考え方は維持し、限られた財源の中で、経費の一層の合理化、効率化、重点化を図ることや、税制改正等については、現下の厳しい経済情勢等も踏まえまして、景気に最大限の配慮をして、所得税及び法人税について恒久的な減税を実施するとともに、住宅建設及び民間設備投資の促進、経済、金融情勢の変化への対応などの観点から、適切な措置を講じることを基本方針に編成したと言われております。この結果、一般会計予算は対前年比五・四%増、一般歳出は五・三%増と二十年ぶりの高い伸び率を示しております。とりわけ公共事業関係費につきましては、実質二けたの伸びを確保する積極型予算となっております。確かに景気回復が最優先ではありましょうが、恒久的な減税の実施に伴う国税の大幅な減税、反面、二十一兆七千百億円の赤字国債を含む総額三十一兆五百億円の国債発行に頼る歳入確保対策につきましては、緊急避難的なものではあるでしょうが、将来の国民負担の増につながることがないように、苦言を呈しておきたいと思います。

 一方、非常事態に突入したと言われている地方財政は、これについても恒久減税が実施されることに加えまして、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が落ち込む一方で、公債費の累増が見込まれるほか、景気対策、介護保険などの地域福祉対策等々に対応するための歳出増加によりまして、巨額の財源不足が生じることとなっております。

 この対策につきましては、大蔵省と自治省の折衝の結果、減税分は国たばこ税の地方への移譲、法人税の交付税率の引き上げ、地方特例交付金の創設、減税補てん債の発行で穴埋めがなされることとなっております。

 また、通常分につきましては、交付税特別会計の借り入れや財源対策債で措置されることになっているようですが、中身を見ますと、今後の地方財政運営に大きな危惧を抱かざるを得ない状況ではなかろうかと考える次第であります。

 さて、このような国、地方とも厳しい財政運営の中で、離島、過疎地域を多く抱える長崎県、地理的に我が国の西端に位置する長崎県、観光、造船、水産などの基幹産業の低迷が続く長崎県、等々課題が山積している県政でありますが、若い金子知事が誕生しての初めての本格的な年間予算であります。まさにかじ取りが大変難しい時代でありますが、今議会に提案されております予算につきまして、会派を代表して総括的に知事のお考えをお尋ねをいたします。

 まず最初に、知事は今回の予算編成に当たって、どのような基本方針で臨まれたのか、また特に意を用いた点についての御所見をお尋ねをいたします。

 次に、先ほども申し上げましたが、地方財政は危機的な場面に直面しておりますが、自主財源が乏しく脆弱な財政構造であります本県の予算編成に当たっては、その財源確保、財源捻出に苦労されたと思いますが、その対策について、お伺いしたいと思います。

 最後に、累増する本県の県債残高に対して、どのような認識を持っておられるのか、お尋ねをいたします。

 二、県内の景気対策についてお尋ねをいたします。

 我が国経済は、金融機関の経営に対する信頼の低下、雇用不安などが重なって、家計や企業のマインドが冷え込み、消費、設備投資、住宅投資といった最終需要が減少するなど極めて厳しい状況にあります。国においては、昨年四月に、総事業規模十六兆円超の総合経済対策、十一月には、二十兆円を超える規模の緊急経済対策を打ち上げましたが、堺屋経済企画庁長官の発言によりますと、「変化の胎動も感じられる」と言われておりますが、一方で、「製造業の平成十年度三月期の業績悪化が一段と鮮明になってきた」という報道もなされております。このように景気は極めて厳しい状況にあるというのが国民の一般的認識であろうかと思います。

 一方で、県内経済を見ましても、国の経済対策に対応した公共事業を中心に大幅な投資が行われたものの、その効果が必ずしも期待どおりに生じておらず、観光の不振などもあって、厳しい状況下にあり、先行き不透明な不況の中で、県民は生活の不安におびえ、一日も早い景気の回復を期待をしているところであります。

 金子知事におかれても、就任早々から全力を挙げて取り組まれ、これまで公共投資の増額や中小企業緊急サポート資金の創設など、厳しい財政状況の中にあっても格別の努力をされてこられたことについては評価をいたしますが、県民のさらなる期待が知事に寄せられていることを御認識の上、一層の努力を求めるものでありますが、そこでお尋ねしたいと思います。

 これまで取り組んでこられた景気対策の評価とこれから取り組む意欲について、この際、お尋ねをしておきたいと思います。

 (二)、商店街及び中心市街地の活性化対策についてであります。

 地域の商店街は多くの人々が交流するにぎわいの空間として、これまでの長い歴史の中で地域の顔であり、地域振興の中核として大いに貢献してきたわけであります。しかしながら、大規模小売店舗の進出や消費者ニーズの多様化などによりまして、近年、地域中小商業を取り巻く経営環境は一段と厳しさを加えておりまして、この結果、商店街では、小売店の廃業などによって空洞化が深刻化しております。その盛衰は単に地域商業にとどまらず、地域全体にかかわる問題として、地域のまちづくりにも深刻な影響を与えております。このような状況の中で、中心市街地の再活性化を目的とした「中心市街地活性化法」が昨年七月に施行され、今後の中心市街地、商店街の活性化のための諸施策が期待をされておりますが、そこで次の二点についてお尋ねをいたします。

 第一点は、商店街の活性化対策について、県としての基本的な考え方をお尋ねをいたします。

 第二点は、中心市街地活性化のための各地域での取り組み状況及びそれに対する県の支援対策について、お尋ねをいたします。

 (三)、地場の中小企業の振興でございます。

 経済活動のグローバル化、産業の空洞化、急速に進展する技術革新、企業の国際化の中で、技術革新に挑戦する中小企業は、新規産業及び雇用の創出の大きな担い手でありますが、バブル経済崩壊後、その数が減少するとともに、雇用創出も伸び悩んでおります。このような時代だからこそ、独自の技術と商品を開発する自立した中小企業が幅広い産業分野で育つことが求められておりますが、そのためには中小企業に対して、技術開発の初期的段階から事業化、商品化まで一貫した支援が必要だと思います。特に、資金調達の面からの支援を初め、商品化されたものの販路開拓への支援強化が望まれています。

 このような中にあって、県において、本県の中小企業の振興を図るため、種々の施策を講じておられますが、具体的な振興策について、お尋ねをいたしたいと思います。

 三、開かれた県政の推進について、お尋ねをいたします。

 知事は、特に就任されるに当たりまして、「県民に開かれた県政、見える県政、感じる県政」を基本方針として、公平で公正な県民本位の県政を推進する決意であり、とりわけ県政に関するさまざまな情報を広く県民に公開していくとともに、県民の意見や創意を積極的に県政に反映させながら、地方分権の時代にふさわしい、活力に満ちた、新たな長崎県を創出していくとの所信を述べられました。就任以来、インターネットによる県政情報の発信、あるいは食糧費などの支出にかかる公文書の開示基準を策定されたほか、政策提言機関として、県内外の専門家や公募で参加された県民により構成された「政策創造会議」を初め、「政策審議室」や「県政相談室」を設置される等、これまでの「開かれた県政」の意欲的な取り組みを評価するものであります。

 ところで、地方分権の時代を迎えて、地方自治体の果たすべき役割が一層増大するなど、地方自治体を取り巻く環境が急激に変化する中、今後の取り組みをどのようになされようとするのか、お尋ねをいたしたいと思います。

 (四)、高齢者福祉と介護保険の問題でございます。

 今日の日本は、急速に高齢化が進みまして、それに伴って介護を必要とする高齢者の数は増加の一途をたどっておりまして、介護保険制度が発足する平成十二年度には、本県でも実に四万六千人の介護を必要とする人がいると言われております。家族だけでの介護となりますと、家族の御苦労は大きく、特に、核家族化や介護する方々の高齢化などによりまして、深刻な家庭問題となっている例も少なくないのであります。このような中で、公的介護制度の一日も早い施行が望まれております。

 これまでの老人福祉制度のもとでの在宅福祉事業の福祉サービスの提供者は、市町村の裁量にゆだねられ、利用者の立場から見ると、まさに福祉は与えられるものとなっていました。このため、民間事業者が独自で事業展開するのは採算的に非常に難しく、また利用者は高負担を強いられるという関係から、限られてまいりました。しかし、介護保険制度の施行に伴いまして、サービスの提供者が行政から民間事業者へ広く門戸が開かれることになり、民間事業者にとっては、新しいビジネスチャンスがめぐってきたとも言えます。本県におきましても、平成十二年度の介護保険の円滑な導入に向けて、広域化等に全力を尽くされていることは評価しますが、介護報酬単価など重要な項目で未決定の部分が残っています。

 そこでお尋ねしますが、本県の地形的、地勢的特性を配慮した上で、市町村の介護基盤の整備に対して、今後どのように指導していかれるのか、お尋ねをいたします。

 次に、最近の雇用情勢は大変厳しい中で、中高年齢者の離職、新規学卒者の就職状況など過去最悪となっております。このようなとき、介護保険の導入によりまして、ホームヘルパーを初めとしてさまざまな職種を必要とする新たな雇用の場が創出されるものと思いますが、離職者や新規学卒者を生かす有効な施策を考えるべきと思いますが、いかがでしょうか。

 また、高齢者の方々の中で介護が必要な方がいらっしゃる反面、大多数の方々は自立した生活を送っておられ、それぞれの地域において、老人クラブを通じ、社会に貢献する活動や、さまざまなスポーツ活動に参加し、みずからの健康を進める運動を展開されております。高齢者の方々が持っておられます、これまで培った豊かな知識や経験を生かした活動を進めている老人クラブは、豊かな地域社会づくりに不可欠の存在であり、その役割はますます大きくなるものと思います。

 そこでお尋ねしますが、介護保険導入に伴い、元気な高齢者の方々に対しては、地域社会の重要な一員として、生きがいを持って活躍できるよう、老人クラブ等への支援などその環境の整備が重要と思いますが、どのようにお考えなのか、お尋ねをいたします。

 五、アーバン二〇〇一構想について、お尋ねをいたします。

 県都長崎市は平地に乏しく、山の斜面に形成された地形的な制約条件から、都市環境の悪化が進み、停滞感がつのっております。これらの問題を解決して、都市再開発の切り札として、昭和六十一年に、「ナガサキ・アーバン・ルネッサンス二〇〇一構想」が策定され、その先行プロジェクトとして内港再開発事業に取り組み、まず元船地区に旅客ターミナル、港湾上屋等の整備が行われ、中央部のにぎわいの空間には複合商業施設であります「夢彩都」の立地が決まり、平成十二年春の開業を目指して工事が進められています。

 また、長年懸案でありました倉庫群が、関係者の御理解のもと、移転がすべて完了いたしまして、元船地区と常盤・出島地区をつなぐ空間が確保されるとともに、常盤・出島地区の埋め立て、造成工事も順調に進んでおりまして、平成十三年度の完成と伺っております。元船地区と新たに造成される常盤・出島地区は、その大部分が長崎市民がこよなく愛する長崎港の一部が埋め立てられたものだけに、市民にとりまして貴重な土地でありまして、二十一世紀への将来に大きな可能性を有する土地でありまして、市民の期待にこたえたすばらしい事業としなければならないと思います。

 知事は就任早々に、長崎の新しいまちづくりである本構想を県政の最重要課題として取り組んでいくが、策定から既に十二年が経過して、社会経済情勢も変化しているので、将来の長崎に向けて、今、何が大事かということを念頭に、新しい時代に向かって広く各界各層の方々の意見を求めて、見直すべきは見直して、集客性のある施設を中心に進めていくと述べられ、新たなアーバン構想推進会議に検討をゆだねられております。

 知事の冒頭の説明では、「今年三月中に提言を取りまとめてもらって、それを踏まえて県都長崎の再生にふさわしいまちづくりを目指していく」と述べておられます。私どもがかねて伺ってきました常盤・出島地区の構想は、新たに造成された土地約四・六ヘクタールの部分については、ホテルが二棟と、芸術劇場機能を兼ね備えた二千人規模のコンベンションホール、二千人規模の会議室、一千平方メートル規模の展示、イベントホールなどの施設が計画されていましたが、これらの計画が現在検討されている中で、どのように受けとめられているのか、また現在の進捗状況と今後の見通しについて、お尋ねをいたします。

 最後に、観光の振興についてお尋ねをいたします。

 知事は冒頭の説明で、特色ある美しい自然景観や歴史的遺産、文化に恵まれた本県にとって、観光は主要産業の一つであるが、最近の厳しい経済状況に伴って低迷を続けていると述べておられますが、私もまた同感であります。

 報道によれば、長崎の主要観光地であるグラバー園の入園者が昨年は過去最低を記録したとのことであります。また一方では、乗客の減少による壱岐−福岡、福岡−関西などの航空便が運休となり、これは県下の観光の落ち込みが要因の一つであると言われております。しかしながら、うれしいニュースとして、全国五十八カ所の観光地の格付けで、長崎が五つ星の最高ランクに評価されておりますことは、長崎は観光地としての大きなポテンシャルを持っているということでありまして、これは大きな財産であろうかと思います。観光客の減少は本県だけではなく全国的状況かもしれませんが、本県観光の落ち込みは、他県よりすぐれたポテンシャルを持ちながら、観光資源の有効な活用がなされていないことが原因の一つとも考えられます。

 そこで、観光は行政のみの力で振興できるものではありませんが、県として、このような状況を打開するために、どのような施策を持っているのか、お尋ねをいたしたいと存じます。

 以上で本壇からの主質問を終わり、答弁によりまして、自席からの再質問のお許しをいただきたいと存じます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(池原泉君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕ただいま園田議員の質問におきまして、大変激励のお言葉をいただきましたことを厚くお礼を申し上げる次第でございます。

 ちょうど一年がたちまして、行政経験のない私がこの一年間どうにか行政をやってくることができましたのも、ひとえに議会の皆さん方の温かい、いろいろな面での御指導、御鞭撻によるものと、改めて厚くお礼を申し上げる次第でございます。ただ、御承知のとおり、大変厳しい財政状況、かつてない不況を迎えております。こういった中でこれから県政をやっていくためには、議会と一体となって、お互いが協力し合ってやっていくことが大変大事だというふうに思っておりますので、これからもいろいろな面で御指導、御鞭撻をいただきますように、よろしくお願い申し上げる次第でございます。

 それでは質問にお答えいたしますが、今回の予算編成におきまして、国、地方とも財政状況が厳しい中、どのような基本方針で臨まれたのか、また特に意を用いた点は何かとのお尋ねでございますが、平成十一年度の当初予算の編成に当たりましては、かねてから申し上げておりましたように、「夢と希望あふれる二十一世紀の長崎県づくり」に積極的に取り組むこととし、まず一に、「活力にあふれる長崎県づくり」、二に、「いたわりと温もりのある長崎県づくり」、三に、「人づくり日本一の長崎県づくり」の三本の柱に沿った施策を展開し、県勢の活性化と均衡ある発展を期することといたしました。

 中でも、新しい時代の要請や多様化する行政需要に的確に対応するために、観光客の誘致を図り、本県経済に活力を与えるための日蘭交流四〇〇周年記念事業などの経済活性化対策、平成十二年度からの介護保険制度の導入に万全を期すための対策や、ごみ処理の広域化を促進するための環境保全対策、柔軟で多種多様な履修形態を有する単位制高校の開設などに財源の重点配分を行ったところであります。

 議員御指摘のように、自主財源が乏しく脆弱な財政構造である本県の予算編成に当たって、財源捻出に苦労があったと思うが、どのように対応したのかとのお尋ねでございますが、議員御指摘のように、本県の財政状況は、他県に比べまして歳入予算に占める自主財源の割合が非常に低うございます。歳出予算に占める義務的経費の割合が高いほか、数次にわたる経済対策の実施に伴いまして、将来の財政負担となる県債残高も増加しており、依然として脆弱な財政構造となっております。

 さらに、平成十一年度においても、現下の厳しい経済状況や恒久的な減税等により県税が減収になるなど、極めて厳しい財政運営となることが見込まれていることから、予算の編成に当たりましては、「長崎県新行政システム推進基本計画」や新たに導入いたしました「事務事業評価システム」に基づきまして、事務事業全般にわたる徹底した見直しと経費の節減に努めたところであり、なお不足する財源につきましては、地方財政対策によって設けられました特例的な県債や基金の取り崩しによって補てんすることといたしました。

 次に、累増する県債残高について、どのような認識を持っているかとのお尋ねでございますが、最近の地方財政は巨額の財源不足が生じまして、その対策として、本来、地方交付税で措置すべき部分を財源対策債などの地方債や交付税特別会計の借入金などで対応してきており、また相次ぐ経済対策により追加された公共事業等の地方負担額の大部分も地方債で措置されてきたところであります。

 本県におきましても、これに対応する形で県債現在高が増加してきており、一般会計ベースで申し上げますと、平成七年度末で六千五百十六億円、平成八年度末で七千七百三十二億円、平成九年度末で八千三百九十九億円、平成十年度末で九千四百七十二億円、平成十一年度末で九千八百五十二億円となる見込みであり、雲仙岳災害対策基金関係の一千億円を除きましても、本県の当初予算額八千四百二十七億円を初めて上回っております。

 なお、地方財政全体の財源不足や経済対策の実施に伴う県債につきましては、後年度におきまして元利償還金の八〇%ないし一〇〇%が地方交付税で措置されることとなっておりまして、本県におきましても、現在の県債残高の全体額の約六割は地方交付税などの償還財源が手当されております。しかしながら、残りの約四割は自主財源で返済する必要があるなど、将来の財政負担が懸念されることから、事務事業全般にわたる徹底した見直しと経費の節減、交付税措置のある県債の確保や県債管理基金の活用に努めてまいりたいと考えております。

 次に、景気対策について、これまでどのように取り組み、それはどのような成果を生みつつあるかとのお尋ねでございますが、本県においては、今年度当初から、国の総合経済対策の趣旨や県内経済の状況にかんがみ、上半期における公共事業等の契約目標を過去最高である八三%に設定いたしまして、公共事業などの施行促進を図ること、中小企業の経営安定化対策として緊急相談窓口を設置し、経営・融資・労働相談に応じることなど、直ちに実施可能な対策を決定するとともに、昨年の第二回定例県議会を初めとする各定例会を通しまして、公共事業の積極的な確保に努めてまいりました。

 また、本県独自の施策といたしましては、売り上げが減少している中小企業に対して、低利融資制度である中小企業緊急サポート資金を創設いたしまして、中小企業の経営安定化対策を講じるとともに、また中小建設業の受注機会の拡大を図るための県有施設の小規模改修事業の実施や一般求職者を対象とした合同就職選考会の開催などの経済活性化対策関係予算を編成し、総合的な経済対策の展開に努めてきたところであります。

 また、一月には、国の緊急経済対策を具体化するための国の第三次補正予算に対応するために、臨時県議会を開催いたしまして、公共事業を中心とした所要の補正予算を編成したところであります。

 この結果、平成十年度の経済活性化対策予算の総額は一千二百九十五億円に上っております。さらに、平成十一年度当初予算におきましても、公共事業費においては前年度を上回る予算を確保しているほか、観光客の誘致を図り本県経済に活力を与えるための日蘭交流四〇〇周年記念事業などに重点配分いたしております。

 これらの施策の実施によって、雇用の創出や中小企業の経営安定に一定の効果が出てきていると考えておりますが、今後とも景気対策については優先的に対応してまいりたいと考えております。

 次に、開かれた県政推進への取り組みの状況と今後の取り組みについてのお尋ねでありますが、知事に就任するに当たりまして、私は常に県民の立場に立って県民の声に謙虚に耳を傾けるとともに、県民の英知と創意を結集して二十一世紀の夢と希望あふれる新しい長崎県づくりに全力で邁進する決意であるとの所信を申し上げたところであります。

 議員御指摘のとおり、地方自治体を取り巻く環境が地方分権へと大きく転換していく昨今の状況の中で、地方分権の時代にふさわしい県づくりを推進していくためには、情報公開を積極的に推進するとともに、県民が何を考え、何を求めているかを的確に把握しながら、多くの県民の声を県政に反映させていくという開かれた県政を推進していくことがこれまでにも増して重要であると考えております。

 このため、アーバン構想推進会議や長期構想検討委員会におきまして、公募委員を新たに導入するとともに、県政の主要課題について、県民の英知を幅広く結集しながら、特色ある施策を打ち出していく新たな仕組みといたしまして「政策創造会議」を設置するなど、開かれた県政の推進に積極的に取り組んできたところであります。

 また、本県ゆかりの中央の方々と意見交換を行う「東京長崎懇話会」、並びに県内各地で活躍中の県民の方々とじかに懇談、協議をする「地域懇談会」の開催を計画しており、その際の御意見、御提言などについても県政の推進に十分に反映させてまいりたいと考えております。

 さらに、個人情報保護条例の制定に向けて既に取り組んでいるのを初め、食糧費等の支出に関する開示基準を策定し、公務員の職、氏名等を開示することとしたほか、インターネットによる県政情報の発信、総合的な相談窓口として「県政相談室」の設置、県政モニターの皆様との懇談会開催など、全庁的な取り組みを展開してまいりました。

 加えまして、このたびの「県政情報の提供等の推進に関する要綱」を制定したところであり、今年の四月からは、情報公開条例によることなく、県政の重点施策にかかる計画を初め、主要事業の進捗状況など、県政に関する多くの情報を県民に対して広く提供していくこととしているほか、審議会等の会議の公開や委員の公募制の拡大等についてもあわせて実施することといたしております。

 今後とも、さらに県民にわかりやすい広報に努めるとともに、情報公開に積極的に取り組み、開かれた県政の推進に一層努めてまいりたいと存じます。

 次に、介護保険に関しまして、長崎県の地形的、地勢的特性を配慮した上で、市町村の介護基盤の整備に対して、今後どのように指導を行っていくのかとのお尋ねでございますが、離島や過疎地域における介護基盤の整備につきましては、介護サービス提供事業者の確保が困難な場合、市町村が指定要件を緩和して事業者を指定することが可能でありますので、地元のマンパワーを活用した介護サービス組織の養成を図るよう市町村を指導してまいります。

 具体的には、離島・過疎地域等で市町村が行うホームヘルパー研修の費用を助成し、平成十年度と平成十一年度の二年間でヘルパーを約千名養成いたしたいと思っております。また、在宅サービスに新たに参入する民間事業者等には開設経費の助成を行うとともに、一島一町村における住民参加型在宅サービスの組織づくりについても積極的に支援してまいりたいと考えております。

 さらに、施設の整備の面におきましては、離島の小規模特別養護老人ホームについて、平成十年度と平成十一年度に五町で計七十床の増床をいたします。なお、平成十年度、各市町村は、高齢者のサービス利用の意向等について実態調査を行っております。県といたしましては、その調査結果が、平成十一年度に作成予定の市町村介護保険事業計画に十分反映され、それぞれの地域の住民の方々が必要とする介護サービス基盤が適切に整備されるように、指導をしてまいる所存であります。

 それから、介護保険の導入によりまして、介護業務への離職者や新規学卒者を生かす施策についてのお尋ねでございますが、介護保険制度の実施に伴いまして、今後、介護業務に携わる人材の需要拡大が見込まれることから、失業者や高齢者等のホームヘルパー養成研修等による介護人材としての養成と活用についても検討してまいります。また、新卒者についても、その活用について、研究いたしたいと考えております。

 次に、アーバンの問題について、常盤・出島地区の進捗状況と今後の見通しについて、お尋ねでありますが、アーバン構想の進捗状況につきましては、先行プロジェクトである内港部において、元船地区の整備がほぼ終了に近づきまして、常盤・出島地区につきましても、倉庫群の移転が完了し、国際観光船バースを初め、各岸壁の整備や埋め立て工事も順調に進捗しております。また、親水性のある緑地空間として、例えば自然石を用いた運河形式の水路、樹林や芝生広場を配した自然と人とがふれあう空間など、県民の憩いの場の整備を公共事業を十分に活用しながら引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。大体完成年度は平成十五年度ということで予定されております。

 常盤・出島地区の売却予定地約四・六ヘクタールにつきましては、従来の構想の中で、大規模なコンベンション複合施設とホテルを含めた一体型の活用を計画しておりましたが、構想策定後十二年の間、文化情報交流施設であるブリックホールを初めといたしまして、公的施設及び民間施設の整備状況、並びにホテル宿泊施設及び定員数や宿泊客の動向等が変化している現状と、民間の投資環境なども見極めながら、現在、新しいアーバン構想推進会議において、将来の長崎にとって今、何が大事であるかとの観点のもとに、どのような活用方法があるかを検討いただき、見直しを行っているところであります。

 現在までに四回の推進会議及び五回の企画委員会を開催しまして、多数の意見、提言をいただき、全体の意見としての集約が図られつつあるところであり、最終的には、本年度末までに推進会議の御提言をいただくことといたしております。

 県におきましては、この御提言を待って、県議会とも協議しながら、周辺整備の進捗状況や関係機関の各種施設配置計画との整合性にも留意し、推進を図ってまいりたいと考えております。

 今後とも、長崎の新しいまちづくりである本構想を県政の重要な課題として、市や地元経済界と一体となって取り組んでいく所存であります。

 次に、観光行政についてのお尋ねでありますが、観光は、言うまでもなく、すそ野の広い産業でありまして、本県の重要な基幹産業の一つであると認識しております。御指摘のとおり、近時の本県観光客の動向は、全国的な景気低迷の長期化によりまして、一昨年以来、厳しいものがありますが、本県は本来、豊富な観光資源を有しており、中でも長崎は、今、議員からもお話がありましたように、運輸省の外郭団体である「財団法人運輸政策研究機構」の評価で五つ星の評価をいただいたところであります。県といたしましては、これらをより有効にアピールすることによりまして、観光振興に積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 そうした意味から、来年度は観光課を設置し、組織を強化するとともに、従来、各部において所管しているまちづくり、グリーンツーリズムなどの観光にかかわりのある事項については一体として取り組むよう、連絡調整を図ることとし、あわせて局と支庁には「商工観光班」を設置することにより、地域と連携した施策を進めていくことにしております。

 また、来る西暦二〇〇〇年に向け、「日蘭交流四〇〇周年」をキーワードとして観光県長崎の魅力を全国に発信すると同時に、来年度には、そのプレイベントとして、関東・関西地域から約四百名のモニターツアーを募集いたしまして、積極的にマスコミに情報を提供することによって、一層の周知を図ってまいりたいと考えております。

 さらに、各界の有識者からなる「明日の長崎観光を考える会議」から、二十一世紀に向けた観光振興の在り方の提言を得ましたので、これをもとに、長崎県長期構想検討委員会や長崎県政策創造会議との連携を図りながら、本県の中長期的な観光振興計画を策定いたしまして、農林業や水産業など一次産業と連携したグリーンツーリズムの推進や、コンベンションの誘致にも積極的に取り組むことによって、観光の活性化を図ってまいりたいと存じております。

 残余の質問につきましては、関係部長よりお答えをさせていただきます。



○議長(村山一正君) 商工労働部長。



◎商工労働部長(水谷正君) 商店街の活性化対策の基本的な考え方と各地域での取り組み及びそれに対する県の支援はどうなのかとのお尋ねでございます。

 商店街を取り巻く環境は、議員御指摘のとおり、モータリゼーションの急速な進展などに伴う消費者行動の多様化や大規模小売店舗の郊外進出、さらには最近の消費需要の低迷など大変厳しいものがございます。このような状況の中、県では、商店街をまちづくりの中核、地域振興の中心として認識をし、商店街の活性化の取り組みに対し、積極的な支援を行っているところであり、新年度におきましても、街路灯やモニュメント建設への助成、特色あるイベントへの支援、空き店舗情報の発信などハード、ソフト両面における支援を行う「商店街賑わい創出事業」を実施することといたしております。

 特に、昨年七月、「中心市街地活性化法」が施行され、市町村が作成する基本計画に基づいて商工会議所等の街づくり機関、いわゆるTMOが具体的な計画を策定し、共同施設の設置や空き店舗を活用した事業などを実施する場合、国からの補助金など優遇措置が講じられることになっております。

 県内での取り組みといたしましては、平成十年度に、長崎市、佐世保市、諫早市及び大村市が中心市街地活性化の「基本計画」を、また諫早商工会議所が「TMO計画」をそれぞれ策定しているところであり、平成十一年度におきましても、複数の市町村において、これらの計画策定が予定されております。県では今後とも、これらの計画策定や事業実施に当たり、指導助言や支援を積極的に行ってまいりたいというふうに思っております。

 次に、本県中小企業の振興を図るための具体的な振興策についてのお尋ねでございます。

 経済のグローバル化の進展に伴う国際的な大競争の中、本県産業の活性化を図るためには、県内企業の技術力を高め、競争力のある高付加価値型産業を育成することが重要な課題でございます。そのため、工業・窯業の両技術センターや財団法人長崎県産業技術振興財団を核として、研究開発の推進、地域中小企業の多様なニーズに対応するための段階的な支援制度の構築、創造的中小企業創出支援事業及び新企業創出事業等ベンチャー企業の創出や育成のための施策、産学官共同研究並びに異業種交流や各種研修による人材育成など総合的な支援を行っております。特に、新年度は、中小企業が開発した製品に関する販路開拓支援事業や、新規成長分野に関連する研究テーマを公募により採択し、製品開発から商品化までを一貫して支援する新規成長産業支援事業を新たに創設することといたしております。

 今後とも、県内中小企業の技術支援に努力してまいりたいというふうに思っております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 元気な高齢者の社会参加、それから生きがい対策を推進するためには、老人クラブ等への支援が必要ではないかという御質問でございます。

 元気な高齢者の社会参加、それから生きがい対策につきましては、議員御指摘のとおり、老人クラブ並びに長崎県すこやか長寿財団に対しまして各種の支援を行うことが必要と考えております。

 長崎県すこやか長寿財団におきましては、現在、高齢者総合相談センター、それから介護実習普及センター、老人スポーツ大会の運営等、明るく活力ある長寿社会を目指し活動を行っております。

 これに加えまして、今後、すこやか長寿大学校におきましては、専門学科の設置、それから長崎・佐世保両校の常設等充実を図るとともに、中国・福建省の福建・厦門両老年大学との姉妹校の締結を行い、交流を図ることにいたしております。

 老人クラブにつきましては、研修費を初め、運営費等の助成を行っておりますが、平成十一年度からは、さらに地域の子供会等との世代間交流事業を行うことにより、老人クラブの活性化並びに加入促進を図ることにいたしております。



○議長(村山一正君) 三十八番。



◆三十八番(園田圭介君) 老人クラブの答弁等、残っておれば、お願いします。



○議長(村山一正君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 今後も引き続き、地域を基盤とする高齢者の自主的な組織であります老人クラブを積極的に支援しながら、高齢者の社会参加・生きがい対策を推進してまいりたいと思っております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 三十八番。



◆三十八番(園田圭介君) それぞれ御答弁をいただきました。若干時間がございますので、再質問をさせていただきますが、予算の関係につきましては、知事、いよいよ二年目に向けて本格予算ということで、金子カラーをいかにそこの中に盛り込むか、そういう御努力の跡も見受けられまして、新しい感覚で、新しい予算を組むという意欲、そのことは私どもとしても十分受けとめております。

 そういう中で心配されますのが財源の問題でありまして、財源につきましては、何せ一人当たりの県税収入が全国四十七都道府県の中の四十六番ということですから、いかに自主財源の中心であります県税収が低いかということに象徴される長崎県のこの財政基盤の脆弱さということが言えると思うんです。そういう中で、一方では、景気対策ということもあって、積極予算を国も組んでおりますし、今回の予算についても、そういう意欲は見られます。確かにこれはいろいろ見方はあると思うんですが、こういうときであればあるほどに、やっぱり借金をしてでも当面しのいで先へつないでいくという、そのことは私どもとしてもこれは容認せざるを得ない状況だと思います。したがいまして、後年度にそういうツケは回りますけれども、その前に、現状をどうするかという課題が先でありますから、そのことを私は知事としても割り切って、今の財政状況というものをもう一歩大胆にひとつ進めていただきたいという気持ちも持っております。

 それで、事務事業の見直しなどもされておりまして、そういう真摯な努力もされておりますが、先ほども御意見がありましたが、やっぱり民間企業に比べますと、今や民間のリストラというのは本当にすごいものでありまして、事務所の昼休みには電気を消す、いろいろ電気機器の電源を切る、紙も表裏使う、それは一つの事例でありますけれども、そういう努力がなされておるわけでありまして、行政改革を行うことによります大きなそういう手だても必要でありますが、もう少しきめ細かな、お互いの気配りによる一つの合理化といいますか、そういうものもやっぱり求められているのではないかと、このように思いますので、これは県政執行に当たられまして、十分これから意をその中に用いていただきたい。要するに、そういう細かなものから積み上げていくということも大きなことであります。

 また、投資対効果の問題、これも知事がよく言っていらっしゃいますが、余りにもそれにこだわり過ぎることによると、また一面、難しい問題も抱えておりますが、基本的には、私もそのことは賛成であります。去年、私ども改革21も三重県の北川知事にお話を聞く機会を得まして、非常に大胆ないろいろな施策をとられておりますが、金子知事もまさるとも劣らないぐらいの意欲を持っておられるということは十分受けとめております。そういうことで、これから頑張っていただきたいと、このように思います。

 次は、景気対策なんですが、これがまさに今、県民から知事に期待が寄せられている最大の問題であろうかと思います。私ども、行く先々で、何とか景気をよくしてくれぬかという声が切実でございます。そういう中で、決定的な切り札と言えるような施策はこれまた難しい、そのことは承知をいたしますが、そこで私はお尋ねしたいんですけれども、国もそうでありますし、県もそうでありますが、公共事業を中心としてお金を投入をする、そのことが地域にお金が回っていく、そのことにより景気浮揚を図ると、こういう考え方であります。従前、私が承知しておりますのは、公共事業に対する投資というのは、投資効果というのは大体一・五七倍ぐらいあると、こう言われておったわけでありますが、現実、我々が周囲から話を聞く段階では、今、長崎に投じられた公共投資のその効果というのが十分に生かされてはいないのではないか。こういう中で、一つの問題提起として、できるだけ地元への発注をしていただきたい、こういう願いになっておりますし、また仕事によっては大手のゼネコンさんが取る仕事もございますが、そういう中で、やっぱり地域での下請さんに対する対策とか、あるいは資材購入に対する配慮とか、そういうものが求められております。この辺について、知事としての御見解を承りたいと思います。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 景気対策というのはなかなかこれは難しゅうございまして、我々といたしましても、県独自でやれるというのは限界があります。したがって、国がやっている景気対策をいかに活用してやっていくかということになりますので、私も就任いたしましてから、極力国がそういった予算措置したものについては、大体すべて県としても対応してきたつもりでございます。

 そういった中で、今、議員御指摘の公共事業の効果の問題ですが、公共事業の内容によっては、非常に波及効果があるものもあるんです。ところが、内容によっては、なかなか難しいものがある。これをこういうものは効果がある、こういうものは効果がないと私が発言すると、またいろいろとありますので、それは申しませんが、したがって、我々も「本来ならば、こういうところにもう少し公共投資した方が本当は効果があるんだがな」というような考え方を持っております。しかし、何しろ国が決めてまいりますから、国の路線に乗った中での公共事業を組まない限りは、県単独でやるというのはなかなか難しいものですから、どうしてもそういったこともあるということを御理解いただきたいということと、それから発注の問題につきましては、努めて議員御指摘のとおり、県内発注に努力をしていきたいというふうに思っております。私は事あるごとにそういったお話をさせていただいております。

 それから、できるだけ皆さん方が全部がそういった公共事業の仕事をできるように、突出した形にならないようにというふうなことについても十分注意をしておりますし、それからもう一つ、公共投資の中でも、内容によっては非常に利益を生むものもありますし、そうじゃない、非常に厳しいものもあります。これは長年のそういったことがあるんでしょうけども、特に利益が出る企業につきましては、そのゼネコンさんが、自分の利益だけじゃなくして、その出た利益をできるだけ下請さんとか、従業員さんにこういうときにはやっぱり分配をするというか、そして、できるだけ金が回るような形にしていくことが大変大事なことじゃないかというふうに思っておりますので、努めて私も土木部長を初め、各担当にはそういった指導をするように、いろいろとお話をしているところでございます。

 それから、この不景気の問題で、確かに今、企業もそれぞれ、私なんかも昔、企業に勤めているとき、昼休みに電気を消したり、鉛筆もできるだけ節約というふうにやっていましたけども、厳しい会社ほどそうするんですが、ある程度、利益にゆとりがあるところは、余りそうしてしまうと、鉛筆も売れない、電気の消費もなくなる。逆に、みんながそういう節約をしてしまうと、結果的には、経済が収縮してしまうわけなんです。だから、ここはなかなか難しいところだと思うんです。例えば、夜の宴会だってもうちょっと、ある程度、余裕がある人、余裕がある人というのは、公務員は余裕があるとは言いませんが、公務員の場合は、これは失礼かもしれませんが、大体将来は年金ももらえるし、退職金ももらえるし、よっぽどのことがない限りは倒産はない。しかし、四十五歳を過ぎると、今度は子供さんたちが学校へ行くから大変でしょう。若い三十歳代、二十歳代は結構余裕があるんじゃないかと思いますから、こういう方々は活発に少しは消費をしていただかねばいかぬ。ところが、一方で、消費をしておると、「何だ、県庁マンがこんな経営が厳しいときに、そういうところで飲み歩いて」と、こういうこともあるわけなんです。だから、なかなかそういう面が難しい。だから、何もかも辛抱、辛抱、消費の節約に努めていくというのはよしあしで、ある程度、余裕があるところは、金を使うことも考えていかないと、なかなか景気はよくならぬのじゃないかというふうには思っておりますので、そういうことも含めて、これから指導していきたいというふうに思っておる次第でございます。



○議長(村山一正君) 三十八番。



◆三十八番(園田圭介君) 確かにそういう面も考えられますが、そういうところも双方調和をしながらやっていただきたいと思います。

 それで、アーバンの問題なんですが、先ほど私、申し上げたんですが、かねて私ども、県立芸術劇場というのがあそこにできるというふうに聞いておったわけであります。これが今後どうなっていくのか。私ども長崎市選出の県議十五人で、かねて、コンベンションが二千人、芸術劇場が二千人、それならコンベンションを三千人にして、芸術劇場を千人ぐらいの規模にして中身を立派なものにしてほしいということを長崎市選出の県議十五人の総意として申し上げたことがあるわけであります。そういう経緯もありますので、もちろん芸術劇場については、つくるという前提で基金も積み立てられておりますから、どういう形か、できていくであろうと私は思っておりますし、これは全体的なものが今、論議されているわけですから、これを一つに絞って知事が「やりましょう」と言うのはなかなか難しいかもしれぬ。しかし、私どもとしては、そういうこだわりがあるわけであります。決して佐世保に県民文化ホールができておるから長崎にもという気持ちもありませんが、ブリックホールは市でつくったわけでありまして、県都の県民として、やっぱり県の、ふさわしいそういうものを求めておるということを申し上げておきたいと思います。

 それから、知事が一生懸命、公正公平な政治をされておるということについても十分理解いたします。あと、議会と知事との関係、知事と諮問委員会、諮問機関との関係。これは先ほど、お話がありましたので、十分ひとつその辺はこれから意を尽くしていただきたい、このように思います。

 それから最後にですが、最近、私どもの選挙も近まる中で、議員の中に特定の利益を求めて活動しているという疑惑があるということで、県民への不信感を得るような宣伝がなされております。この内容について、私どもが取り上げて、ここでどうとか申しませんが、もとよりあってはならないことでありますから、我々議員みずからがお互いに襟を正していかなければなりません。しかし、知事におかれましても、公正公平、不偏不党の姿勢で今後とも県政推進に当たられますよう切に要請して、終わります。



○議長(村山一正君) 四番。

           〔関連質問〕



◆四番(松尾等君) ただいまの園田議員の質問のうち、観光振興に関連をいたしましてお尋ねをさせていただきたいと思います。

 先ほど、知事は、既に出されました「明日の長崎観光を考える会議」の提言を受けて、新たな中長期の観光振興計画を策定をしたいという考えを表明をしていただきました。当然この中には、官民の役割であるとか、あるいは地域性であるとか、さらにはまた他の関連する産業との調和の問題、つまり、ハード、ソフト両面にわたる内容が必要だと思っておりますが、この振興計画の策定のめどと、そしてその手法について、まずお尋ねをいたしたいと思います。



○議長(村山一正君) 商工労働部長。



◎商工労働部長(水谷正君) 先ほど知事からお答えをしましたように、去る二月一日に、各界の有識者からなる「明日の長崎観光を考える会議」から、「人、自然、やすらぎ、出会いの長崎」を基本理念に、心温まる観光地づくりと二十一世紀に向けた本県観光振興の在り方について提言を受けたところでございます。これをもとに、長崎県長期構想検討委員会や長崎県政策創造会議との連携を図りながら、平成十一年度中に、県庁内関係各課で構成をする庁内検討会議において、本県の中長期的な観光振興計画を策定をしていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 四番。



◆四番(松尾等君) 今、長崎市内を中心に「ランタンフェスティバル」が開催をされまして、盛況のうちにやがて終盤を迎えております。このイベント自体、最も観光客の少ないシーズンオフに開催をされるということの意味は大変大きいと思いますし、長崎を活性化させるという意味で大変意味のある行事だというふうに私は受けとめております。

 ただしかし、残念ながら、二月十六日の開催以降、市内中心街は連日、交通渋滞の真っただ中でありまして、異常と言う以外にないのではないかというふうに思っております。その結果、市民の日常生活はもとよりでありますが、いろいろな域内産業に大変深刻な影響をもたらしておることは事実でありますし、また、せっかく大きな期待を持って長崎の地を訪れていただいた観光客の皆さんに大変な不快感を与えておるということも言えるのではないかと思っております。このことは突き詰めて言えば、いわゆる長崎観光に対するイメージの問題でありますし、こういう現象が定着をしていけば、やがて私たちが目指す将来の長崎観光の活性化にとっても悪影響をもたらすということは否めないというふうに思っておるところでございます。せっかく目的、意図を明確にして開催をするイベント、あるいは長崎観光の振興計画に基づく受け入れが逆効果にならないように、やはり私どもとしては最大限の意を用いていかなければならぬのではないかというふうに思っております。

 当然、つくっていただく振興計画は平成十一年度中ということでありますが、実現性や即効性のある、やはり真の意味での本県観光の将来の活性化に文字どおり結びつくものにしていただきたいという期待を持っておりますが、今申し上げますように、長崎観光の資源のグレードアップであるとか、あるいは新たな観光資源の掘り起こしだとか、いろいろありますけれども、交通アクセスの整備、いわゆる施設間交通アクセスの問題はもとよりでありますが、域内交通渋滞の解消についても、私どもはさきの「旅」博で一定の経験と実績を持っておるわけでございますので、そういう総合的な対策も含めて、遺憾なきを期していただくように御要望申し上げて、終わりたいと思います。



○議長(村山一正君) 三十七番。

           〔関連質問〕



◆三十七番(本多繁希君) ただいまの園田議員の公共事業の経済波及効果に関する質問に関連をして、知事にお尋ねをいたしたいと存じます。

 この公共事業の経済波及効果という問題については、これは建前みたいに必ず委員会でも本会議でも論議がされる。しかし、私は昨年、島原に災害対策並びに復興対策事業でおおよそ三千七百億円という膨大な金が投資されたにもかかわらず、なぜ島原の経済がより一層冷え込んでいくのかということを土木委員会で論議をさせていただきました。一体、県の土木部としては、建前的に公共事業は景気押し上げ効果があるということを言われるけども、果たして数量的に定量的にこれを土木部として把握をされているのかというお尋ねをしたことがありましたが、残念ながら、土木部の答弁としては、「私どもはそれはいたしておりません」という答弁が返ってきました。大事なことは、公共事業を発注をして、どれだけの波及効果があったのだという、その成果というのは、土木部のみならず関係部においてきちっとこれは把握をされるべきが当然であるんだと私は思います。システム的に、県としてこれまでそういう面において機能をしていなかったのではないかという思いを持っておるのは、恐らく私だけではないと思います。知事として、どのような御認識をお持ちか、まずお尋ねをしたいと存じます。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 本多議員御指摘の、特に、雲仙の災害の復興に関してのいろいろお尋ねでございますが、私も実は、就任いたしましてから、「がまだす計画」を含めて復興で大体今まで三千億円ぐらい使われてきているというお話を聞きまして、島原へ行っても「不景気だ、不景気だ」と言っていると、確かに景気がいい話は全然聞かないと、これだけ金を投資したら、本当は景気がよくなるはずだけどという疑問を持っておる一人でございまして、今度の予算の勉強会のときもちょっと私の方から、どうなっているんだというような、そういう投げかけをさせていただいたわけなんですが、確かに投資効果というのはなかなか数字で出しにくいところもあるだろうと思います。国さえも、正直言って、投資効果について、全体的な、全国的な投資効果はどれだけあるかということは、マクロの数字は出していますが、ミクロの数字というのは非常に出しにくいというのが現状でございます。

 しかし、せっかく投資する以上は、じゃ、何でそういった金が投入されている割には、そういう地域の景気がよくならないのか、地域にプラス的な要素が働いていないのかということについては、これはやっぱり我々としても十分にこれから調査していかなきゃいけないことだというふうに思っておりますので、大変遅いことですけど、これから私としても、そういった問題についても取り組んでいきたいというふうに考えておる次第でございます。



○議長(村山一正君) 三十七番。



◆三十七番(本多繁希君) 前向きな御答弁をいただきましたから、多としたいと思いますが、これだけの公共事業を発注をし、公共事業は景気押し上げ効果があるということを県のお立場で断言をされてきたわけですから、きちっとその成果については数量的に「こういうことです」ということがやはり言えるような、そういう御努力をやっていただきたい。そうしなければ、こういう島原みたいなことが起こり得るわけですから、知事の御答弁に沿って、関係部においても、そういう御対応をぜひおとりをいただきたいということを要望して、終わります。



○議長(村山一正君) 午前中の会議はこれにてとどめ、しばらく休憩いたします。

 午後は、一時三十分から再開いたします。

           −−午後零時十三分休憩−−

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           −−午後一時三十一分再開−−



○議長(村山一正君) 会議を再開いたします。

 午前中に引き続き一般質問を行います。奥村議員−二十九番。



◆二十九番(奥村愼太郎君) (拍手)〔登壇〕皆様、こんにちは。

 自由民主党・県民会議の奥村愼太郎でございます。選挙準備で大変お疲れのところをよろしくおつき合いをお願い申し上げます。(発言する者あり)

 金子知事、新憲法世代の初の長崎県知事の当選が昨年二月二十二日でございました。知事御自身による当初予算の編成が提示されます議会の初日が二月二十二日であります。感激の当選から丸一年が経過したわけでございます。この一年、経済人としての御経験、あるいは地方議会、国政の場に身を置かれた御経験から多角的に県政をとらえようと心がけられた知事御自身の行動は、おおむね県民には好意的に支持を保たれていると存じますし、少しでも早く県全体の状況を把握しようと早々から各地へ足を運び、県民と触れ合いを持たれた知事の日夜の御活躍に対し敬意を表するものでございます。

 また、島原半島広域農道の補修予算に対しましては、早速取り組んでいただきましたことを心から感謝申し上げるものでございます。

 一、厳しい地方財政下での市町村合併について。

 さて、今、二十一世紀を目の当たりにして、我が国は大きく転換すべき時を迎えているように存じます。日本は戦後一貫して右肩上がりの経済上昇を描いてまいりました。昨年よりも今年、今年よりも来年、それらの名残は常に対前年度との比較において積極的であるか否かの証明をなし、前年度実績の積み上げを続けてきたと考えるものでございます。

 現に、私が初当選した平成三年度の当初予算は約六千五百億円、八年後の現在八千五百億円弱と、わずか八年の間に二千億円の予算の増加があっております。米ソ間における冷戦状況が氷解し、世界における平和が訪れたかと言えば、それ以上の局地戦が勃発し、さらにまた対岸における有事の可能性さえ叫ばれております。現代は、まさに我々が信じてきたもの、この長い期間に信頼してきた価値観に対して、我々がもう一度問い直し、その本質を見極めるべき時期にきていると考えるものでございます。

 当面する国内問題におきましても、少子・高齢社会が唱えられ、高齢者の人口構成上での比率のみでなく人口減少さえ現実の問題として起こり、離島・半島の過疎地を有する我が県は、今後、県の礎となるべき若い活力が激減する可能性も否定できないと考えるものであります。

 また、バブル経済の崩壊後、低成長時代に突入した我が国においては、緊急課題として社会構造の転換が必要であり、その見直しを急がなければならないと考えるものでございます。これまでの高度経済成長を前提とした、いわゆる組織、社会システム、日本型経営や終身雇用制度、これらが明確に俎上に上がり、いわゆる聖域なしにその必要性を論じられる時代に突入した、そういう危機感を持つものでございます。

 こうした中、地方財政制度も新たな時代に即した新たな見直しが進められていくものと考えます。これまで磐石な経済活動に支えられ、富裕な自治体だった神奈川県が五百五十億円の財源不足を抱え、大阪府では東京都の三千五百億円を上回る四千五百億円の一時借入金の限度額を設定するなど、景気の急速な好転がない限り、今後も厳しい状況が予想されます。

 こうなった要因としては、長引く景気の低迷、消費者マインドの冷え込み、住宅投資の減少等々も考えられますが、一方では地方公共団体自身の行財政運営のあり方、あるいは現行の予算の単年度編成が収支を合わせさえすればよいというフロー主義で、その手法がある意味では負担の先送りや隠れ借金を許し、結果として危機を年々深刻化させたものではないかと思うのでございます。

 また、市町村においても、公債費負担比率一五%以上の市町村が一九九七年度決算において、過半数を超えたとの報告もなされております。このような厳しい財政状況下、今や都市対地方の対立が叫ばれ、我々財政基盤の脆弱な地方にとりまして、その主たる財源でありました交付税制度に対しましても、いや応なくメスが加えられようとしていると危惧するものであり、県下七十九市町村も同様ではなかろうかと思いますが、このような都市対地方の交付税制度の論議について、知事はどのように認識されているのか、お伺いをいたします。

 次に、昨今、よく「平成の市町村合併」と言われております。明治維新後の廃藩置県を経て、一八八九年、市制・町村制施行前後の明治の大合併、戦後の新憲法下での昭和の大合併に続くものでございます。現在の市町村の大枠ができた昭和三十一年当時と違って、今や車社会となり、小さな町村においては数十分の距離で両町をまたぐことが可能となっております。長崎県下においても八市七十一町村があり、人口の減少に伴い、より効率的な自治体運営上もその合併の必要性がささやかれ始めました。

 現在、島原半島や壱岐などにおいては、これらの問題が現実に取り上げられ、地方分権推進運動とも相まって、より実現へ向けた動きが見え始めた気がするものでございます。

 今回、合併推進へ向けた、より具体的な措置として「市町村合併等推進事業」も計上されておりますが、ともすれば合併推進の隘路となっていると考えられますのが、各地域における広域圏の存在でございます。消防やごみ処理の区域、あるいは警察、農協の管轄があり、これらがおよそおのおのの連携を結んでおり、これに加えて現在では経済圏の流れが派生し、従来の地域的な区割りとは異なった地域連携を描いております。

 これらを見ますと、町村主導での合併推進は、極めて困難に近いと考えられ、広域的にわたる見地からの県の整理指導が必要と考えますが、総務部長の御意見を伺います。

 地方交付税は、昭和二十九年に制度が発足して以来現在まで、県・市町村の財政調整機能の役割を果たしてきたところであります。しかしながら、社会経済情勢の変化にもかかわらず、町村においては、将来的にも現在の形で十分機能を果たしていくかのような認識も一部にあり、このことが町村の合併を阻害する要因になっていると考えますが、これについてどう思われるか、総務部長にお伺いします。

 次に、国、県、市町村の役割分担が明確化されることが今後必要でございます。国は本来の国家的役割を果たすことが必要であり、当面の目的達成のためには、国から県への権限委譲が必要であると考えますが、総務部長に御答弁をお願いいたします。

 二、がまだす計画等と島原半島の振興計画について。

 島原半島地域の本格復興を目指し、噴火活動の鎮静化と雲仙岳災害対策基金の増額・延長が実現しましたのを契機として、平成八年度を「復興元年」と位置づけ、地域住民と行政が総力を挙げて策定いたしました「がまだす計画」がスタートして二カ年が経過しようとしております。この間、「がまだす」を合言葉に行政と民間がおのおの一体となって半島地域の再生を目指して努力してまいりました。砂防ダム、治山ダム等の防災事業は、目に見えて進捗し、また計画に位置づけられたさまざまなプロジェクトも随時動き出しております。こうした中、噴火災害の凄惨さを後世に伝える「土石流被災家屋保存公園整備事業」は、道の駅整備事業の一環として第三セクターで実施するみずなし本陣ふかえ等とあわせ四月のオープンに向け、その整備が進んでおります。また、水無川流域一帯の火山観光化の中核施設となる「雲仙岳災害記念館整備事業」についても、現在、基本設計が実施されていると聞き及んでおり、完成後は半島の新たな観光拠点になるものと大きな期待を寄せているところでございます。

 さらには、去る二月四日、深江町において「雲仙岳災害農地復興事業」の竣工式がとり行われ、被災された農民の方々の喜びもひとしおのことと考えます。こうして順調に復興を果たし、計画どおりの歩みを見せた「がまだす計画」でありますが、五年計画の中での三年を残したこの時期に、組織改正に伴って「雲仙岳災害復興室」が廃止になると聞き、今後の計画遂行を危惧するものでありますが、まず、なぜこの時期での雲仙岳災害復興室廃止なのか、また、今後の進捗は着実にできるのかの二点について知事に質問をいたします。

 さらにまた、災害に強い道路づくりにおいては、先般二月二十日、島原深江道路の全線開通式が挙行されたのを初め、着々と効果を発揮いたしております。

 こうした中、半島南西部における道路の一環として、国道五七号が今後の道路網整備の中で単線としての役割が過重な点が指摘されようとしております。生活道路に比重が移りつつある中で、今後の産業道路としての役割を果たし、職と住との連結道路としての役割を全うしていくための国道五七号補完道路の建設促進のため、今後、関係町村での期成会設置の必要を考えますが、今後の要望とし、島原半島への効果ばかりでなく、県央地域への波及効果も含むであろう九州自動車道諫早インターへのアクセス道路設置を希望するものでございます。

 先般の調査によって五七号森山拡幅道路は、その存続必要性が認知されたところでありますが、五七号、二五一号線からの諫早インターへの直接乗り入れの建設は、収支効果も期待でき、三十数年間全く改善が見られなかった観光地雲仙への時間短縮も見込めると思いますが、知事のお考えをお伺いいたします。

 次に、「緑のダイヤモンド計画」が平成九年度からスタートし、直轄・補助事業によって野営場や駐車場の整備とともに田代原の野営場やトレイルセンターを初め、各サテライトの整備も進んでおります。自然環境の整備を着実に果たしていく光景を目にしながら、事業の進捗を頼もしく期待しているものでありますが、雲仙温泉街における今後の事業展開についてお尋ねをいたします。

 さらに半島医療圏の救急確保の観点から質問いたしますが、平成十三年に小浜国立病院の閉鎖が言われており、体制確保の目的から関係町村での取りまとめが重ねられておりますが、調査検討が終了する本年四月からの県の協力指導体制についてのお考えをただしたいと存じます。

 三、観光施策について。

 観光県長崎として全国に知られた本県でありましたが、長引く不況の影響や観光客ニーズの多様化のため、近年の本県観光は低迷を続けているように感じるものでございます。海外旅行の増加や国内航空運賃の値下げ、さらには修学旅行客の減少等、その原因はさまざまにあるわけでございますが、長期にわたって本県が観光地としての古くからの名勝にあぐらをかき、訪れる方々への要望調査やサービス機能等の基盤整備が十分でなかった感も残るものでございます。歴史遺産、文化、自然環境等長崎に存在する道具立てが立派であればあるほど、これらの保護や環境整備に対して十分な認識がなされ、県内の広域的な観光ルート形成が遅れたことが、現在の状況にもつながるのではないか、そうした考えを持つ者の一人でありますが、今回、運輸省の外郭団体、「財団法人運輸政策研究機構」よりの評価においては、長崎は神戸、京都と並び五つ星の評価を与えられております。こうした歓迎すべき評価を利用し、再び長崎が観光地として再生していくための足がかりとして「観光物産課」を「観光課」と「物産流通振興室」へと分割し、それぞれの特異性を発揮しながら長崎の観光を浮上させ、さらに物産の流通を拡大しようという知事の意気込みに対し、心から歓迎するものでございます。

 そこで、以下の点について質問をいたします。

 (一)、現在の県下観光スポットが、それぞれに点として存在しているようであり、平戸、ハウステンボス、長崎、雲仙など多面的な個性を生かし、一体的な観光ルートの形成は考えられないか、お尋ねをいたします。

 (二)、「日蘭交流四〇〇周年記念事業」へ向けて動き出しているところでございますが、第二弾として、二〇〇二年に韓国と共同で開催されるワールドカップ・サッカーのキャンプ地誘致を打ち出してはいかがかと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

 (三)、県下の風化した歴史、文化遺産を県民によく理解してもらい、あわせてボランティアガイドの育成を図るような事業は考えられないか、お伺いをいたします。

 (四)、「ながさき発見の旅」を新規事業として取り組もうとしておられますが、意義があり、充実したものにしなければならないと考えます。具体的な内容をお伺い申し上げます。

 四、介護保険制度の実施準備状況について。

 今後の高齢化社会へ向けて、その対応として二〇〇〇年四月より介護保険制度が導入されようとしております。その財源として、公費と四十歳以上の被保険者から徴収する保険料が充てられますが、申請、認定を経て、十二種類の在宅サービスや老人福祉施設での介護が受けられるとされております。

 県においても、昨年、「介護保険準備室」が設置され、その理解と普及への指導活動をしているところでございますが、介護保険事業の運営主体となるのが市町村でございます。

 福祉行政は住民に最も身近な市町村が行うのが理想でございますが、施設整備の状況、医師の問題等単独自治体での実施に格差が生じることも配慮し、一定の住民サービス確保と事務処理の効率化のために、新年度予算において、「事務広域化推進事業」を計上しておられます。

 当初、介護保険制度施行に伴い、財源が確保できる自治体とそうでない自治体を初め、各自治体間での能力や個性によって、そのサービスの格差が懸念されましたが、今回の県の指針によって、老人福祉圏域を基本とした十ブロックの広域化案のモデルが提示され、これをもとに地域の実情を加味した認定事務の広域化が、ほぼ実現したところでございます。自治体の個性よりも同ブロックでの個性化をとの知事のコメントもございましたが、これにより財政を含む広域化を推進する県の方針が鮮明になったところでございますが、過疎・過密での地域間格差に対して危惧を持つものであり、以下の点で質問をいたします。

 (一)、介護保険制度実施に当たり、施設整備の進んだ町村と未整備の町村においてのサービスの較差は生じないか。

 (二)、民間事業者の参入が考えられるが、離島を初め、採算性に乏しい地域における介護基盤整備をどう考えているか。

 (三)、ケアマネージャーを初めとする介護保険導入によって生じる新規雇用の波及効果を県内ではどの程度と受けとめ、推定するか。

 (四)、介護を必要とする老母についての看病体験を記した都知事候補が出馬する一方で、高槻市の江村市長のように、市長職を捨て、老妻の介護のために余生を尽くすという生き方がございますが、愛妻家としての知事の御感想をお伺い申し上げます。(発言する者あり)

 五、県内不況と雇用対策について。

 国内経済の停滞の中で、雇用情勢が一向に好転の兆しを見せておりません。昨年一年間の完全失業率の平均値が、前年の九七年を〇・七ポイント上回って四・一%、昨年の十一月、十二月の完全失業率は、統計を取り始めた昭和五十三年以降で初めて米国の失業率と並んでおります。

 二百八十万人失業時代に、政府は、昨年四月「緊急雇用開発プログラム」を、十一月には「雇用活性化総合プラン」を策定し、雇用創出・維持を打ち出しておりますが、県下におきましても、製造業においては、中小企業振興公社の調査によりますと、七割が売上高減少を報告し、経営状況が依然として厳しい状況にあることを証明しております。

 先行きの不透明感から消費は低迷し、失業者の増大、雇用規模の縮小など極めて厳しい状況下にございます。

 そこで、以下の点についてお尋ねをいたします。

 (一)、本県経済の厳しい状況下、なお一層の総合的な景気対策が必要であると考えますが、県としての取り組みについてお伺いをいたします。

 (二)、景況の厳しい中でも堅調に業績を上げている業種もあり、さらには事業規模の拡大を企画している企業もあります。これらへの支援も含め、県としての雇用対策への取り組みについてお伺いをいたします。

 (三)、県内経済の活性化を図り、雇用機会を創出するためには、ベンチャー企業のように新たな事業を起こす企業を育成することが必要と考えますが、どのような育成策を講じておられるのか、お伺いをいたします。

 (四)、ベンチャー企業の育成とあわせ、既存中小企業を育成していくことも重要であります。既存企業の新たな事業への取り組みや、事業化された商品の販路拡大に対する支援などが必要と考えますが、どのような支援策を考えておられるのか、お伺いをいたします。

 以上をもちまして本壇からの質問を終わり、必要に応じて自席からの再質問をいたしますことをお許しいただきたいと思います。

 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕奥村議員の御質問にお答えする前に、大変激励の言葉をいただきましたことを厚くお礼申し上げる次第でございます。

 厳しい地方財政状況の中で都市対地方の対立が叫ばれているが、地方交付税制度に関する論議について、どのように認識しているかとのお尋ねでございますが、議員御指摘のとおり、昨今、交付税制度につきましては、新聞、雑誌等でさまざまな議論がなされておりますが、地方交付税制度は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整するとともに、都市、地方を問わず、すべての地方公共団体が一定の水準を維持し得るよう財源を保障する制度であり、地方公共団体が独立して自主的に行政運営をする上で堅持されなければならない制度と認識しております。

 また、本県における地方交付税は、県、市町村ともに一般財源の大半を占めておりまして、本県域の行政サービスの維持・向上を図る上で必要不可欠な貴重な財源であります。

 今後とも財源調整や、財源保障という交付税制度の意義を踏まえて、その充実・確保について、国へ要望していきたいと考えております。

 次に、「がまだす計画」に関係いたしまして、雲仙岳災害復興室について、なぜ廃止したかというお尋ねでございますが、火砕流や土石流等が頻発しまして、しかもそういう状態が長期化した雲仙普賢岳噴火災害の復興対策を図っていくためには、関係部局が全庁的規模にわたるため、総合調整機能を充実させることと迅速な対応が重要でありました。

 そのため、今次災害の復興対策については、知事直属の理事を配置すると同時に、そのもとに復興対策を本格的に行う組織として「雲仙岳災害復興室」を平成三年七月に設置し、今日に至っております。

 このような状況の中、平成七年には噴火活動もほぼ終息し、また平成九年三月には、民間と行政が一体となって半島全体を視野に入れた総合的な復興・振興計画としての「がまだす計画」が策定され、計画に計上された各事業も、現在、着実に進捗していることから、雲仙岳災害復興室が設置された当初の目的は一応達成されたものと思っております。これに伴い雲仙岳災害復興室を半島振興策の一環として、企画部地域政策課内に「雲仙岳災害復興班」として再編することといたしました。

 なお、「がまだす計画」につきましては、現在、順調に進捗しておりますが、島原半島の総合的な復興、振興を図るには、最後まで同計画を着実に推進させなければなりません。そのために平成九年五月、民間と行政が一体となった「がまだす計画推進委員会」を設置しまして、計画の適切な進行管理を行うとともに、重点プロジェクトにつきましては、その推進を図るため、関係者で構成するワーキング・グループ等を開催し、鋭意、協議、検討を進めるなど「がまだす計画」の推進に支障がないように体制を整えております。

 また、新年度の組織改正に当たっては、各部に連絡調整と行政機能の一体化を図りまして、行政の横の連携を強化することとしており、「がまだす計画」を推進する上でも大きな効果があると思っております。

 次に、島原半島から諫早インターへの直接乗り入れはどうかとのお尋ねでありますが、島原半島から高速道路を利用するには、現在、一般的に諫早市内の国道五七号、三四号を通ることになります。この諫早市内の区間は交通量が多く、混雑していることは十分認識いたしております。

 また、島原半島の産業振興や観光客の誘致、災害に強い地域づくりのためには、交通網の整備が最重要課題であるということも確信いたしております。

 このような状況を考えますと、島原半島方面から諫早インターへ直結できる道路整備の御要望は十分理解できるものでございます。

 地域高規格道路の島原道路は、島原半島と九州横断自動車道を結ぶことを前提とした道路でございますので、この島原道路の整備計画を策定するための調査を促進していただくよう国に現在お願いしているところでございます。

 今後とも、地域の御要望に十分に配慮をしながら、道路網の整備に努力をしてまいりたいと思います。

 次に、「日蘭交流四〇〇周年記念事業」に向けて動き出しているが、第二弾として二〇〇二年のワールドカップのキャンプ地誘致を打ち出してはどうかとのお尋ねでありますが、二〇〇二年に開催されるワールドカップの公認キャンプ候補地につきましては、去る一月十九日に、「二〇〇二年ワールドカップ日本組織委員会」から各県サッカー協会に対しまして、キャンプ候補地として必要な基本条件や応募要項などの説明があり、今後、各県サッカー協会を窓口として、今年の九月末日を期限に応募申請が受け付けられることになっております。

 基本条件といたしましては、良質の芝生の練習場が二面以上必要となり、夜間練習のための照明設備や雨天練習場など、かなりの附帯設備も求められており、現状では県内に立候補の条件をクリアできる施設はないというのが実情であります。

 本県は、国見高校を初め、全国的にもサッカーが大変盛んな県であります。キャンプ地の誘致は、長崎県の名前を世界にアピールするとともに、本県サッカー界の一層の活性化と競技力の向上にも結びつくものと考えております。

 また、先般、オランダの蘭日交流四〇〇周年記念事業実行委員会委員長であるファン・ローイさんが長崎にお見えになった際に、私から長崎県をオランダチームの練習地にできないかと打診いたしましたところ、オランダサッカー協会に伝えるとのお話をいただいております。

 実現のためには解決しなければならない種々の問題があります。特に設備をこれから充実していくということについては、大変難しい問題でもあります。しかし、担当部局にキャンプ候補地として立候補するための条件をいかにクリアしていくか、現在、検討をさせているところでございます。

 次に、介護保険制度の実施に当たりまして、施設整備の進んだ町村と未整備の町村においてのサービスの較差は生じないかとのお尋ねでありますが、特別養護老人ホームや老人保健施設の設置状況につきましては、市町村ごとに異なっておりますが、県といたしましては、「県老人保健福祉計画」に基づきまして、生活圏域を基盤とした広域的な調整を図りながら整備を促進してきておりますので、サービスの格差は生じないものと考えております。離島や過疎地域などの採算性の面で、民間サービスの参入が難しい地域におきましては、市町村の社協やボランティア組織など地域の多様な事業主体の育成を図るとともに、平成十一年度新規事業といたしまして、一島一町村における在宅サービス基盤整備を目的として、「島のふれあい介護支援事業」を実施して、地域の核となる人材の育成に努めてまいりたいと思います。

 介護保険制度のもとでは、介護支援専門員が新たに必要となるほか、介護従事者につきましても、今後、在宅サービスの基盤整備が促進されるに伴い、さらに需要が増大するものと考えております。現在、各市町村において「介護保険事業計画」の作成作業を行っており、この結果によって介護保険制度導入後のサービスの必要量が推計されることとなっております。

 実は具体的な例を挙げられて、愛妻家としての私の感想をというお尋ねでありましたが、もともと家庭・家族というものは、肉親としての情愛を基礎にお互いに助け合い、支え合うべきものと存じます。都市化や小世帯化の中でこうした関係が薄れていく傾向ではございますが、やはり家庭・家族が国家・社会の基本であることは、これからも変わらないと思います。個々のケースに対する私の個人的な所感につきましては、この場では差し控えさせていただきたいと存じますので、御理解をいただきます。

 次に、県内不況について、本県経済が厳しい状況の中、なお一層の総合的な経済対策が必要であると考えるが、県としてどう取り組むのかとのお尋ねでございますが、午前中の質問にもお答えしましたが、本県におきましては、これまでの国の総合経済対策や緊急経済対策の趣旨にかんがみまして、公共事業の積極的な確保に努めるとともに、本県独自の施策として、「中小企業緊急サポート資金」の創設を初め、「県有施設の小規模改修事業」の実施や一般求職者を対象とした「合同就職選考会」の開催など、総合的な経済対策の展開に努めてきたところであります。

 この結果、平成十年度の経済活性化対策関係予算の総額は千二百九十五億円に上っております。さらに平成十一年度当初予算におきましても、公共事業費において前年度を上回る予算を確保したほかに、「日蘭交流四〇〇周年記念事業」などの経済活性化対策に重点的に配分したところであります。

 今後とも、景気対策については、国の動向や県内の経済動向に細心の注意を払いながら優先的に対応してまいりたいと考えております。

 残余の質問については、関係部長より答弁をさせていただきます。



○議長(村山一正君) 総務部長。



◎総務部長(森脇晴記君) まず、市町村合併についての御質問でございまして、現在の広域圏の区割りと実際の経済圏の区割りといいますか、広がりが違ってきていると、そういう中で合併を推進していくということについては、なかなか困難がある、いろんな障害があるのではないかと、こういうお尋ねでございます。

 現在の広域圏やごみ処理などの一部事務組合は、その多くが昭和四十年代までに設定されておりまして、当時と現在では、住民の日常生活圏や経済活動圏にずれが出ていると、そういう部分があるという議員の御指摘は、そのとおりであろうかと存じます。

 こうした中で、市町村合併をどう進めるか、具体的には区割りをどう設定するかということでございますが、これはなかなか難しい課題と認識しておりますが、歴史的な経緯とか、経済圏、それから事務の共同処理の実態など、そういうことを総合的に考えて設定していく必要があろうかと思っております。

 県は、合併推進を強力に支援していくという立場から、県内の市町村の区割りを定めた検討モデルを平成十二年度までに策定いたしまして、市町村に示してまいりたいと考えております。

 次に、現在の地方交付税制度の財政調整機能が、いわば効きすぎているために、市町村が合併を推進するということに対して少し後ろ向きに作用しているんじゃないかと、こういうお尋ねでございますが、近年、地方交付税の総額につきましては、法定交付税では到底足りないと、通常の収支不足で見ても平成十一年度は十兆円足りないと、こういう状況でございまして、その十兆円を確保するために激しい議論の末、何とか財源を、総額を確保しているという状況でございます。

 こういう状況でございますが、基本的には今後とも総額確保に全力を挙げ、地方交付税制度の財源保障機能を堅持していく必要がございます。ただ長期的に見れば、こういう財源不足が巨額にわたっているというところから見まして、議員御指摘のとおり、現在のような総額確保が将来ともずっと続いていくという保障はないわけでございます。このため市町村においては、より一層の行財政改革に取り組むとか、あるいは時代の変化に対応してみずから行財政基盤の充実確保に、より一層努める必要がございまして、その点からも市町村合併ということについて真剣に取り組んでいく時期にきているんじゃないかと、こういうふうに考えております。

 それから、地方分権に関しまして、本来、国は国の役割としてのものを大きくしていくべきであって、そういう観点からも、やはり地方分権はどんどん進めていく必要があるんじゃないかと、こういうお尋ねでございます。

 地方分権の背景としては、我が国の社会が成熟期を迎えまして、住民の行政に対するニーズが多様化、複雑化しまして、こうした変化にこれまでの国と地方のあり方、あるいは仕事の進め方では十分に対応できなくなってきていると、こういう事情がございます。さらに議員御指摘のとおり、国の役割につきましても、近年、我が国の国際的地位・役割が向上しておりまして、国が担うべき国際調整課題があらゆる行政分野にわたって激増してきておりまして、国はできるだけそういう仕事に集中して取り組む必要がある、そのためにも住民に身近な行政については地方団体に任せる必要があると、こういう事情がございます。

 こういうことから、国は外交、防衛、安全保障、海外との経済摩擦など、国家としての基幹にかかわることに全力を傾けることにしまして、その他のことにつきましては地方へ移し、国と地方の役割分担を明確にするということで、この「地方分権推進法」が制定されたところでございます。

 これまで四次、五次にわたりまして「地方分権推進法」によってでき上がりました地方分権推進委員会の方から勧告が出ておりまして、今般の通常国会にその法律改正案も出ております。我々も、まず県と市町村ございますけれども、市町村が不十分ならばまず県で受ける、そしていずれは、これは市町村に最終的には権限を委譲していくと、こういうようなこともまた考えながら、この動向については十分見極めてまいりたいと思っております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 生活環境部長。



◎生活環境部長(田中敏寛君) 国立公園雲仙の「緑のダイヤモンド計画事業」について、雲仙温泉街におきます今後の事業展開についてのお尋ねでございますが、平成九年度に着手をいたしました国立公園雲仙におきます「緑のダイヤモンド計画事業」につきましては、平成十年四月に国としての計画が決定されて以来、国の直轄事業及び国庫補助を受けました県の事業によりまして整備を進めているところでございます。

 本年度までの主な事業といたしましては、県におきましては、島原市の焼山における平成新山等の新たに生まれた火山景観を一望できる展望園地、田代原におけるエコロジーに配慮した野営場や自然学習などの利用拠点となるトレイルセンター、雲仙温泉街のおしどりの池周辺における歩道などの整備を行ってきているところでございます。

 また、国におきましては、諏訪の池地区におきますビジターセンターや雲仙温泉街におきます園地等の整備が進められているところでございます。これらによります「緑のダイヤモンド計画事業」についての平成十年度末現在の進捗率は約三〇%となっているところでございます。

 平成十一年度は、県として雲仙温泉街における駐車場や歩道、仁田峠からあざみ谷を経まして普賢岳登山道に至ります登山道などの整備を行うことといたしております。

 今後は、雲仙温泉街におきます「自然情報館(仮称)」の整備につきまして、国及び地元との調整を図りながら、鋭意その実現に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 福祉保健部長。



◎福祉保健部長(塩塚吉朗君) 国立小浜病院の移譲に関しまして県の協力指導体制はどうかとの御質問でございます。

 国立小浜病院は、島原半島の西部地域の中核的な病院であると認識いたしております。特に救急医療に関しましては、病院群輪番制の当番日数が非常に多いということから、国立小浜病院が廃止されますと、地元の救急医療の確保に支障を来すことが懸念されます。

 議員御指摘のとおり、今年度、地元小浜町が中心となりまして、国の補助事業を活用いたしまして、島原半島西部地域の医療のあり方について現在、検討を行っております。

 県といたしましては、観光地であります小浜町において安心できる医療サービスを確保することは観光客の誘致、それから利便を図る上で非常に大切であると思っております。そういうことを含めまして、地元での検討結果を受けた後に、地元と一体となって関係機関との協議等を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 商工労働部長。



◎商工労働部長(水谷正君) まず観光施策について、現在の県下観光スポットがそれぞれに点として存在しているようであり、平戸、ハウステンボス、長崎、雲仙等多面的な個性を生かし、一体的な観光ルートの形成ができないかとのお尋ねでございます。

 本県は、歴史・自然・テーマパーク等さまざまな観光資源に恵まれておりますが、議員御指摘のとおり、いわゆる観光スポットは、県内に点在をしております。県といたしましても、県内の各観光地を回遊するような広域的観光ルートのネットワーク化が重要であると考えております。

 そこで、現在、各地域における広域的観光ルートの形成に加え、エージェントを県内主要観光地に案内することによって、ルート化した旅行商品の造成に努めているところでございます。今後とも、それぞれの地域相互間を連携させ、特にテーマパークのハウステンボスから歴史とロマンの長崎へ、そして温泉の雲仙へ、また長崎から大村湾の船の旅でハウステンボスへ、そして九十九島を巡って平戸へのルートなど、県内主要観光地を結ぶ商品造成に努力してまいりたいと思います。

 次に、県下の風化した歴史・文化遺産を県民によく理解してもらい、あわせてボランティアガイドの育成を図るような事業は考えられないかとのお尋ねでございます。

 旅行者にとっては、訪れた土地でのすべての体験が観光となり、旅行者の受け入れは観光事業者のみが行うものではなく、県民すべてがもてなしの心を持って対応をすることが重要であります。そのためには、まず郷土を知り、郷土を愛する心を育てていくことが大切であると考えます。

 来年度は、「長崎県長期構想検討委員会」や「長崎県政策創造会議」との連携を図りながら、本県の観光振興計画を策定いたしますが、観光客の受け入れ体制づくりの中で、観光ボランティアガイドの充実・組織化は当然検討されるものであり、議員御指摘のような事業についても検討してまいりたいと思います。

 次に、「ながさき発見の旅」を新規事業として取り組もうとしているが、意義があり充実したものにしなければならない、具体的な内容はとのお尋ねでございます。

 本事業は、来る二〇〇〇年の「日蘭交流四〇〇周年記念事業」のプレイベントとして、関東、関西地区から四百名のモニターを募集し、新しい長崎県の魅力を再発見していただくとともに、今後の長崎県観光への提言を受けようとするものであります。モニターツアーの実施に際しては、公募段階からマスメディアを有効に活用することにより、長崎県の露出度を高め、効果的な事業展開を図ってまいる所存であります。

 さらに平成十二年度から使用するキャッチコピーの公募を行い、全国に情報を発信してまいりたいと考えております。

 次に、県内不況と雇用対策について、事業規模の拡大を企図している企業に対する支援を含めて雇用対策の取り組みについてのお尋ねでございます。

 最近の雇用失業情勢については、昨年十二月の有効求人倍率が〇・三九倍と、昭和五十三年十二月以来二十年ぶりに〇・三倍台となるなど、近来にない大変厳しいものと認識しております。

 県といたしましては、雇用情勢を改善するためにも、先ほど知事からも答弁がありましたように、景気対策に積極的に取り組んでいるところでございます。

 また、議員御指摘の「緊急雇用開発プログラム」、「雇用活性化総合プラン」により拡充された国の助成施策等を積極的に推進し、雇用の安定・創出に努めております。

 さらに求人を確保する観点から、二月六日には新聞を利用して県下の事業主の皆さんに、雇用情勢が厳しいこのような時こそ優秀な人材を確保する好機ととらえていただき、求人を出していただくようお願いをしたところでございます。

 今後も、求職者の早期就職を支援するため面接会等を開催するなど、きめ細かな雇用対策を進めてまいりたいと存じます。



○議長(村山一正君) 二十九番。



◆二十九番(奥村愼太郎君) 残余の答弁をお願いいたします。



○議長(村山一正君) 商工労働部長。



◎商工労働部長(水谷正君) 続けて答弁をさせていただきたいと思います。

 特に、お尋ねがあった事業規模の拡大を企図する事業主の皆さんには、昨年七月から県下全域で利用できることとなった「地域雇用開発助成金」、本年一月より拡充された「中小企業雇用創出助成金」等の利用促進に努めてまいります。これにより事業の拡大や新分野進出及び新規創業のための人材確保を積極的に支援し、雇用の拡大に努めてまいりたいと存じます。

 次に、雇用機会を創出するために新たな事業を起こす企業の育成をどのようにしていくのか、また既存中小企業の育成のためにどのような支援策を考えているのかというお尋ねでございます。

 ベンチャー企業の育成につきましては、平成八年度に創造的技術やアイデアをもとに本県での起業化を目指す者を全国から募集し、研究開発費の助成や研究施設の無償貸与などを行う「新企業創出事業」や「中小企業創造活動促進法」の認定を受けた、いわゆる「創造的中小企業に対する投資制度及び融資制度」を創設したほか、今年度の肉付予算では、中小企業の新規開業に必要な資金の円滑化を図るための「創業支援資金」を新しく設けたところであります。

 このうち創造的中小企業に対する投資制度は、財団法人長崎県産業技術振興財団が、ベンチャー・キャピタルを通じて間接的に投資を行うものであり、これまでに二件、七千万円の投資実績がございますが、さらなる投資の拡大を図るため、今般、同財団がベンチャー・キャピタルと協調する形で直接、投資できるよう制度の運用を改めることといたしました。

 また、既存中小企業の育成につきましては、来年度、「新規成長産業支援事業」と『「長崎発」製造品販売全国展開支援事業』を新設することとしております。このうち前者は、今後、新規成長が見込まれる産業分野での研究テーマを公募し、採択された中小企業に対して三年間にわたり製品開発から商品化まで一貫して支援するものであり、また、後者は、県内中小企業が開発した製品の販路開拓を支援するため、展示会への出展に対する助成や専門家によるマーケティング・アドバイス、商社とのマッチング等を行うものであります。ベンチャー企業や既存中小企業がこのような支援措置を積極的に活用され、それによって本県産業の活性化が図られることを強く期待をしているところでございます。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 二十九番。



◆二十九番(奥村愼太郎君) 知事ですね、知事が以前おられました衆議院でございますけれども、小選挙区制になりまして、地方からの議員の数よりも、やはり都市部の議員の数が随分増えたように思うわけでございます。そのくらいからずっと時代が変わってきまして、やはりこれまでは富裕団体でございました都市団体が非常に厳しい財政状況になってきている、こういう状況の中で、例えば今回、都知事選もございます。そうした中に非常に都市が搾取されているような話がマスメディアを使って流れているわけでございます。これは、今後、交付税制度に対しまして、改正を、見直しを迫るような勢力がどんどん出ているんじゃないかというふうに思うわけでございます。

 こうした中で、やはり今でも長崎県七十九市町村全体が交付税に非常に頼っている、これもまた事実でございます。こうした中で、やはり都市対地方という観点から、地方は地方で手をつなぎ、とにかく都市部に対しまして理論武装をしていかなければならない、今後やはり交付税堅守という見地から、私は活動をしていかなければならないというふうに考えるわけでございますけれども、この地方の取り組み、そしてまた連帯というのを私は執拗に考えるわけでございますが、このことについて、どういった戦略をお考えであるか、知事にお伺いしたいと思います。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 議員御指摘のとおり、昨今、新聞やテレビで地方交付税のあり方についていろいろな議論がなされております。

 我が長崎県は、先ほども答弁で申し上げましたとおり、県税が約一千億ちょっとでございますから、もうほとんどあとは交付税とか、国庫支出金、補助金に頼っている県でございます。しかし、私は、この仕組みを本当にかえるということになったならば、現在の行政のあり方そのものを抜本的にかえない限りはできないと思うんです。そのための第一歩として地方分権と町村合併というのが出てくるわけなんですから、当然、交付税を見直すということになってくれば、地方分権とそれから税の地方での、中央でのあり方、これはもう裏腹ですから、そういったものをひっくるめてやらない限りはそれは難しいと、私の長年の経験から言って、それは議論の上にはそういったいろんな意見があるけれども、正直言って制度をかえるということになってくると、相当なこれは時間もかかるし、大変だというふうに思っております。

 ただ、しかし、そういう流れにあるということは我々も前提にして、これからやっぱり長崎県の財政のあり方、市町村の財政のあり方については十分に考えていかなければいけないということは、もう絶えず私は主張いたしておりますし、市町村長とお会いしても、そういった話をさせていただいております。そうなってくると、もうこれから、要するに本当に市町村にとって必要なものだけやっぱりやっていくということになってくるだろうし、必要なものとなってくると、それは地域によっていろいろな考え方もあると思いますから、そこでやっぱり限られた市町村の範囲の中では難しいから、合併にして、できるだけ固定的な義務的経費を減らしていく、投資的経費に回すような仕組みをつくり上げていくと、そういったことを徐々にやりながら、我々としてもそういった形ができ上がって、将来くるであろうという前提の上での地方組織のあり方というものを考えていかなければいけないというふうに思っております。

 議員お尋ねの地方交付税依存度が高い地域については、お互いにそれぞれが手を取り合ってということで、これはもう当然なことでございます。今の制度の仕組みで現実的に地方自治体がどういうふうにして運営されているかということを、我々といたしましては理論武装をしながら国に対して、また国民に対して積極的に呼びかけていかなければいけないというふうに思っております。しかし、いろいろ言っているけれども、そう簡単にできるものではないというふうに私は思っております。(発言する者あり)



○議長(村山一正君) 二十九番。



◆二十九番(奥村愼太郎君) 知事の答弁を聞いておりまして少しは安心するわけでございますけれども、しかしながら、知事、一定のやはり交付税堅持という声を一生懸命上げていく一方では、やはり地方の方でも努力しなければならない部分がございます。

 そういう意味では、やはり町村合併というのもしていきながら、地方の足腰を強くしていかなければならないわけでございます。今回、二千六百万円の「市町村合併推進事業」というのがついておりますけれども、これに対しましても、参事監でございます小嶺さんが長崎県下各地を一生懸命回っておられる、それで一生懸命合併の必要性を訴えておられるわけでございますけれども、どうもその努力に対して住民の方々の意気というのが上がってこない、私はまだまだ十分に理解が進められていないんじゃないかというふうに思うわけでございます。特に、合併推進におきましては、特例法の問題とか、いろいろありまして、そういった説明をなさっているわけでございますけれども、やはり前提として住民の中にも、また市町村の方々の中にも、交付税というのはずっと永遠に続くんじゃないかという非常に楽観した見方があるんじゃないかというふうに思うわけでございまして、これは先ほどの交付税堅持を絶対しろという話と少し反する話になってくるわけでございますけれども、やはりこの部分では、もう少し市町村の方々にももっとわかりやすい言葉で、もっと理解のいただけるような話題提供をしていかなければならないというふうに私は思うわけでございます。こういった努力が必要じゃなかろうかと思うのが、まず第一点の質問でございます。

 次に、もう時間がないので少しはしょりますけれども、私は合併推進運動をずっといろいろ調べておりまして、広域にまたがる事業の補助金の流れというのは、企画部の地域政策課にあるわけでございます。そして一部事務組合の承認とか、こういったものは地方課でやるわけでございまして、「市町村合併推進室」というのは地方課に置いてあるわけでございます。国は縦割行政でおかしいという話があるわけでございますけれども、県もこれは一元化すべきでございまして、やはり今回の組織改正の中に、この地域政策課とそして地方課というのは、私は一体となって今後の合併推進事業には取り組まなければならないのではないかというふうに思ったわけでございますけれども、これについて知事いかがお考えでございましょうか。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) やっぱり合併のメリットというのが、まだ市町村の皆さん方によくおわかりにならないということと、それから今の財政の仕組みが、もう合併しなくてもある程度借金でやっていけるような、そういう市町村の仕組みになっているわけなんですね。だから仕事をやっても、ある一定の決められた数字であるならば借金した方が勝ちというふうな形に今の財政の仕組みというのを見るとなっているんですよ。だから、そういった面を少し制度的に改めていく必要があるというのと同時に、もう一つは、やっぱり地域の住民の皆さん方に、我々がこれからいろいろなモデルケースを出していきますが、例えば合併したときに、交付税が今までは五年間経過措置ということで五つの市町村が合併したなら、五つの市町村の交付税については、五年間はそのまま減額しないで交付するということになっていたんです。五年経過したら今度は漸次減らしていくということになっていたのが、新しい平成十一年度の今国会の中で、五年間が十年間になりましたから、十年になってくると相当なメリットが今度は出てくると思うんです。だから、そういった国の新しい制度を踏まえながら、我々がやっぱりモデルケースをつくらない限りは、なかなかわからないと思うんです。だから、これから二年間かけて町村合併のモデルケースを県内でつくっていって、それを示しながら町民の皆さん方を説得していかなければ、なかなか言葉だけでは非常に難しいような感じを受けておりますので、そのように努力していきたいと思っております。

 二点目、御指摘は確かにそのとおりとは思います。ただ、政策室をどこに置くかとなったときに、やっぱり政策全体は企画部の中で預かっているわけなんです。だから、政策のソフトまで地方課にやってしまうと、県全体の政策を考えたとき、例えば長期構想だってこれは市町村を含めた積み上げなんですから、やっぱり一体化した方がいいんじゃないかということでやらせていただきました。

 ただ、企画部の地域政策課が確かに広域行政は事務的なものもやっている、そしてこっちの市町村合併の方は地方課でやっている、これは確かに、実は私もきのう勉強会しておりまして気づきまして、これは将来、検討していかなければいけないなと私自身もそのように思っております。ただ、もう今回かえてしまいましたので、これは将来の検討課題ということにさせていただきたいというふうに思っております。

 以上です。



○議長(村山一正君) 二十九番。



◆二十九番(奥村愼太郎君) 時間がなくなってしまったわけでございますけれども、雲仙岳災害復興室が今回で閉じるわけでございまして、理事、最後になりましたけれども、このやりとりも含めて地方課長、それから島原振興局長、それから雲仙岳災害復興担当理事として六年近くの地方機関との連携をずっと取っておられたわけでございますが、総括的にこれまでのいろんな思い出、それからまた今後どうすればいいのか、そういった御感想をお話いただきたいと思います。



○議長(村山一正君) 雲仙岳災害復興担当理事。



◎雲仙岳災害復興担当理事(川端一夫君) ちょっと時間がありませんので、今の御質問にお答えできるかどうかわかりませんが、とにかく長期の災害、警戒区域の設定とか、昨日のテレビでも放映がありましたけれども、本当に前例のない災害の連続でございました。そういう中でここまで復興・振興が進んできたというのも、ひとえに県議会を初め、関係皆様方の本当に温かい御支援があったればこそというふうに感謝を申し上げたいと思います。

 最後でございますが、島原半島が今後、この「がまだす計画」をいかに実現させていくか、そのための課題としては、やはり三つあると私は思っております。議員も御指摘のとおり、まずやっぱり島原の置かれた立場から考えますと、観光の振興、それから農業の振興、それから最後が今御指摘の市町村合併の推進じゃないかと思います。確かに対馬の六〇%にしか過ぎない島原半島で十七の公共団体がひしめき合っているというこの実情、もろもろの行政の諸問題を解決するためには、やはり市町村合併というのを強力に推し進めていかなければいけないということだと思います。

 この三点につきましても、「がまだす計画」の中の重点プロジェクトとして位置づけをし、その対応をすることといたしておりますので、今後あと三年残っておりますが、変わらぬ御支援、御指導を賜りますようお願い申し上げまして、御答弁にかえさせていただきます。



○議長(村山一正君) 二十五番。

           〔関連質問〕



◆二十五番(朝長則男君) 奥村議員の質問で観光施策についてという項目があったわけでございますが、これに関連して質問をさせていただきます。

 知事は、去る一月十八日、中国を訪問されました。その中で上海の市長さんたちともお会いになられたということでございますが、その中で中国から日本への観光旅行が解禁をされる見通しがあるというようなことで、観光解禁を前にしていろいろお話もされてこられたというようなことを聞いているわけでございますが、私どもこの機会を待っていたわけであります。実際にどういうような状況になっているのか、もう少し詳しく御説明をいただけないかということと、それから、大体いつごろに解禁という形に中国サイドがなっていくのか、その辺についての見通しがわかれば教えていただきたいと思います。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 中国サイドは大体もうそういう方針なので、あとは日本の受け入れ体制なんです。要するに日本がそういった中国人の観光ビザを発行するかどうかということになってくるわけなんですから、これは今、日本側サイドでいろいろと検討がなされているようでございます。

 それから、旅行が解禁されて中国の方がお見えになるとなったときには価格の設定の問題が非常に、今、長崎県から上海に三泊四日、四万八千九百円か幾らかで行けるようですが、これは相当向こうでのコスト削減ができていると思うんです。向こうは非常に人件費も安いし、そういった面ではコスト削減というか、旅費の削減・圧縮ができるのだけれども、日本側は非常に高コストの中で中国人の皆さん方が来れるような価格設定ができるかどうかということが一つ。

 それから、中国の皆さん方が海外旅行をするときは必ず、東南アジアの場合はもう隣同士ですから各国をずっと回るということだそうですが、日本の場合も長崎県だけじゃなくして、やっぱり九州でも最低三県か四県は見たいというような考え方のようです。したがって、当然、長崎県だけじゃなくて福岡県、佐賀県、そういったところと一体となって誘致をやっていかなければいけないだろうというふうに思っております。そういった商品をつくり上げていく。したがって、この前の三県知事会議のときにも、そういったお話をさせていただいて、ぜひ中国からの受け入れに対しては、三県で積極的な協力体制をしいていこうということで、今、事務的にも打ち合わせをさせていただいているところでございます。ぜひこれはもう積極的に、これから取り組んでいきたいというふうに思っております。



○議長(村山一正君) 二十五番。



◆二十五番(朝長則男君) ありがとうございました。知事の御答弁を了とするわけでございますが、知事もおっしゃいましたが、これは日本の問題であると、法務省の受け入れの問題というようなことになってくるんじゃないかと思うんですが、それに関連して、例えば全国知事会であるとか、あるいは九州知事会であるとか、そういうようなところで観光県と言われる県の知事さんたちが、どういうような法務省に対する、あるいは政府に対する働きかけをなさっているのか、その点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。



○議長(村山一正君) 商工労働部長。



◎商工労働部長(水谷正君) 観光行政につきましては、県単独で行政をする場合と、先ほどからお答えいたしておりますように、ルートとして観光ルートを開発する必要がございますので、九州各県で九州観光連絡協議会等をつくりまして、その中で外国からの観光客誘致等についても協議をし、働きかけていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。



○議長(村山一正君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 知事会でということでございましたけれども、今、知事会でどういう働きかけをしているか、ちょっと私もつかんでいないんですが、ただ、これはある程度前向きで国も検討しているようなんです。ただ、いろいろな微妙な問題があるものですから、これはいろいろ発言できないのですけれども、だからそう長い期間じゃないと思いますから。



○議長(村山一正君) 吉川議員−十番。



◆十番(吉川豊君) (拍手)〔登壇〕自由民主党・県民会議の吉川 豊でございます。

 通告に従いまして、知事、教育長、関係部長へ御質問をいたします。

 一、知事公舎についてお尋ねいたします。

 金子県政が誕生して早くも一年が過ぎました。一年前の二月二十二日の同じ日に当選した私としましては、感慨ひとしおのものがございます。(発言する者あり・拍手)知事は、この一年間、県政に新しい風を送り、また誠実に選挙公約実現のために奔走してこられました。極めて多忙な一年間であったと拝察いたします。改めて、この機会を利用して心から敬意を表する次第でございます。

 金子知事が最初に実行されたことは何か、それは立山の知事公舎の開放でございました。知事は、あえて知事公舎に入居されず、桜馬場の手狭な一般の公舎に入ることを選択されました。この点につきましては、いろんな反響がございました。古くは長崎奉行が住んでいた立山という場所に、長崎県の知事は住むものという固定観念があったからでございます。しかし、金子知事は、この固定観念を破られ、入居されなかったばかりでなく、早速にも立山公舎を広く県民に開放してイベントを開催され、次に当面の活用方策として、県立美術博物館の新別館とすることを決定されました。また、将来的なものとしては、周辺一帯とあわせて「諏訪の森再整備構想」という形で活用することとし、現在、「政策創造会議」において検討を進めておられます。このような金子知事の政治姿勢を、私は高く評価するものでございます。どうかいつまでもこのような政治姿勢を貫いていただきたいと念願いたしております。

 ただ、私が思いますに、現在、知事が住んでおられるところは、あくまでも暫定的な公舎であって、やはり行く行くはちゃんとした知事公舎をつくるべきであろうかと思います。知事もこれまで「知事公舎の必要性は否定しない」と答弁しておられます。(発言する者あり)これから本格的な国際化の時代を迎え、外国からの要人やお客様も増えてこようかと思います。そうした折には、やはり家庭的な雰囲気でもてなすことも必要でございます。特に外国では、それが最大のサービスと聞いております。知事の奥様は料理が大変お上手だと仄聞しておりますが、ときには奥様の手料理でもてなすことも非常によいことだと思います。さらに日常の打ち合わせなどはもちろんのこと、いざというときには知事公舎で緊急の会議を開く備えも必要かと思います。

 そこで、知事公舎についての考え方、また今後の方針について知事の御所見を伺いたいと存じます。知事の率直な御答弁をお願いいたします。

 二、大村市内における道路網の整備について質問をいたします。

 国道三四号線の慢性的な渋滞緩和策の一つとして、現在、都市計画道路久原梶ノ尾線を整備してもらっております。現在の進捗状況と今後の見通しはどうなっているのか、お尋ねします。

 また、同じく三四号線の渋滞緩和策として、鈴田峠の広域農道への進入口を諫早市の御協力によりまして、右折帯をつくるなど種々御尽力をしてもらっていることに感謝を申し上げます。

 また、大村ボート開催時には、特に渋滞する大村公園付近六百メートルを交差点改良工事として拡幅工事を現在、実施しようとしてもらっております。この拡幅工事にかかる遺跡の範囲確認調査において、大村家関係の遺構が発見され、工事の着工前には本格的な発掘調査が必要であると聞いています。ついては早急に対応が必要と思いますが、遺跡調査の計画はどうなっているのか、教育長にお尋ねします。

 三、教育行政について。

 高等学校の総合学科教育について質問をいたします。

 今日、高等学校への進学率は九六%を超えて、多様な生徒が入学するようになっており、このような生徒の実態に対応するため、できる限り幅広く柔軟な教育を実施することが必要となっております。このため文部省では高等教育改革の方策として、普通科、専門科と並ぶ新しい学科として総合学科を平成六年度から導入しました。総合学科は、普通科目から専門科目まで数多くの科目を開設することから、生徒が興味、関心や将来の進路等に応じて学ぶ科目を選択でき、個性を最大限に伸ばすことができるという特色を持っており、重要な高校教育改革の一環であると私も認識をしております。本県でも、そのような趣旨を踏まえ、昨年四月から県南、県央、県北の三校に同時開設されたところでございますが、生徒の関心も非常に高く、志願者も増え、地域の活性化にもつながっていると聞き及んでおります。

 そこで、この総合学科について次の点を教育長にお伺いします。

 (一)、総合学科を導入した三校の現状はどうか。

 (二)、特に大村城南高校は、大村園芸高校を母体に、生徒のニーズに対応し、これを発展的に学科改善した農業科と総合学科の二つの学科を持つ新たな高校として再出発したところですが、農業科はどういう状況になっているのか、農業振興策や後継者育成等に影響はないか、また二つの学科を抱えている上で施設設備面の整備は十分かどうか。

 (三)、今後、他校への総合学科の導入について、どのように考えておられるのか、お聞かせください。

 四、長崎県下における環境問題について。

 本県における環境問題、特に絶滅のおそれがある野生生物の保護対策や自然保護に対する本県の取り組みについてお尋ねします。

 本県は日本の最西端に位置し、多くの半島と島々からなり、海岸線の延長は四千キロメートルを超えるという特殊な地形を有しております。本県は、他に誇れる多くの景勝地と豊富な自然に恵まれております。ふるさとの自然については、県民の貴重な財産であり、自然環境保護の観点からも長い将来にわたって官民一体となって適正な保護、管理を施していく必要があると考えます。このことは広く県民も共通の意識をお持ちであろうと思いますが、つい先日、環境庁が国内の河川や湖、沼に生息する野生の魚類のうち七十六種類を絶滅のおそれのある種とする、いわゆるレッド・データ・ブックを公表いたしました。そして驚きとともに認識を新たにしたのは、私たちが子供のころから慣れ親しみ、そして日本の国内ではどこにでも生息しているものと思っていたメダカやハゼなども、この中に含まれていたことでございます。

 その原因は、河川敷がコンクリートになり、農薬などの影響で水質が悪化しているからではないかという分析がなされております。

 また最近における事例といたしましては、隣の佐賀県では公共工事の施工により環境庁が指定する絶滅危惧種植物であるヒシモドキやデンジソウの自生地が、それらの自生地とは知らず埋め立てられていたという報道がありました。これらの問題については、事後の処理でなく、先立った適正な取り組みが必要であります。

 そこで、本県における絶滅のおそれがある野生生物について、どのように保護していこうとしておられるのか、お尋ねします。

 次に、ダイオキシン対策についてお尋ねします。

 さきのテレビ朝日の報道に端を発した埼玉県所沢市産の野菜のダイオキシン汚染問題については、所沢産の野菜が暴落するなど農業者に大きな損害を与えたほか、国民のダイオキシンに対する社会不安を招く結果となりましたが、国が農林水産省など三省合同での緊急実態調査の実施や、統一した安全基準づくりに着手するなどの対策を打ち出したほか、埼玉県が調査結果をもとに安全宣言を出したことや、小渕総理みずからホウレンソウを食べた例や、そういうことによって鎮静化に向かってはいるようでございます。

 ダイオキシンは、主に塩素を含む廃棄物等の低温燃焼に伴って生成される化学物質ではありますが、史上最強の毒性を持つ化学物質と言われており、国においては平成九年に廃棄物処理法等を改正し、ダイオキシンの主要な発生源とされる廃棄物焼却施設等に対する排出削減対策や、大気環境調査等の実施が義務づけられたところであります。

 ダイオキシンの人への影響は、まだよくわからない点が多いと言われておりますが、県民の不安を払拭するためには、県下の環境中におけるダイオキシン濃度の実態把握や廃棄物焼却施設等に対する徹底した排出削減対策を的確、迅速に実施するとともに、これらの調査結果や対策を県民にわかりやすく情報を提供することが肝要ではないかと思います。

 そこで、次の三点についてお尋ねします。

 (一)、本県における環境中のダイオキシン調査の現状と今後の対応について。

 (二)、ダイオキシンの主要な発生源である廃棄物焼却施設の現況と今後の対応について。

 (三)、農産物等におけるダイオキシンの対策について。

 五、大村湾の水産振興についてお尋ねをいたします。

 大村湾の平成九年の漁獲量は三千百九トンで、カタクチイワシ等が増加したこともありましたが、実質的には平成元年対比九〇%にとどまりました。大村湾の重要資源であるナマコ類は七二%、エビ類は三四%、カレイ類は三七%と、それぞれ前年の漁獲量を大幅に下回っております。このため、これまでも県や関係の市町村の協力を受け、漁業資源の回復を目指して築いそ等の漁場整備や、ナマコ、ヒラメ、クルマエビ等の種苗の放流がなされてきましたが、まだ十分とは言えない状況にあると思います。

 昨年は、特に大村湾の特産品であるナマコが不漁でありました。この原因は、昨年は大きな台風が来なかったこともあり、波、風による海底、海水の攪拌が少なかったためではないかと感じております。それに反して八幡の浜船着場の建設、改修工事によって海底の土砂をたくさん取って、郡川河口付近に投石して沈めたそうでございますが、そこには真珠の母貝であるアコヤ貝が多量に発生し、良品質ということで高値で商いがあったそうでございます。私は、漁場改良の一つの方法として、海底を陸の畑と同じように耕して、新しい海底の底質を表面に出すことが有効なものであると考えております。

 そこで、今後の大村湾における漁業資源の維持・回復に向け、海底耕うんを含めた漁場の整備について、どのように考えておられるのか、お尋ねします。

 また、大村湾では、近年、クロナマコの漁獲割合が増大しておりますが、クロナマコは有効利用が図られてなく、価格も極めて安くなっております。このため地元生産者及び漁協から相談を受けた県の総合水産試験場が、現在、加工方法等の研究、そして有効利用に向け開発、研究に取り組まれていると聞き及んでおりますが、どのような状況になっているのか、お尋ねします。

 以上でございます。(拍手)



○副議長(池原泉君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 〔登壇〕吉川議員の御質問にお答えする前に、私に対する過分なお言葉をいただきましたことを厚くお礼を申し上げます。

 まず、知事公舎についてのお尋ねでございますが、私は知事に当選しました際、立山の知事公舎には入居せずに、諏訪の森一帯については、歴史的な価値を踏まえた整備を行い、地域振興に活用していくことを表明いたしました。その一環として、県立美術博物館が狭くて展示等に支障を来していることから、当面、旧立山公舎を当美術博物館の新別館とすることとして、来る四月の開館を目途に、現在そのための改修工事を行っているところであります。

 また、「諏訪の森再整備構想」として、周辺地域一帯の将来ビジョンを明らかにするため、昨年十一月に設置した「政策創造会議」において種々検討を進めていただいているところであります。

 知事公舎についての考え方でございますが、知事公舎は、単に知事の住まいを確保する意味にとどまらず、県の公的な行事にも使えるという役割があり、私としても知事公舎の趣旨や意義については理解いたしております。

 議員御指摘のように、国際化が一層進展する中、国外からのお客さんを家庭的な雰囲気の中でおもてなしすることは、意義のあることと存じます。

 また、スポーツなど全国レベルで活躍した人をお招きしたり、日常の会議や緊急時の会議に知事公舎を活用することも適当であろうかと思います。このため、当面は知事公舎に関する多様な御意見も拝聴しながら、実務レベルにおいて知事公舎の果たすべき機能などを多角的に検討してまいりたいと考えております。

 次に、国道三四号の渋滞緩和策としての久原梶ノ尾線の整備状況についてお尋ねでございますが、国道三四号の渋滞緩和といたしまして整備を進めております都市計画道路・久原梶ノ尾線につきましては、全延長が六千三百二十メートルのうち県の事業といたしましては、国道三四号分岐の久原二丁目から木場一丁目までの約八百メートルを平成五年度に着手いたしまして、進捗率は約七〇%となっており、平成十四年度を目標に事業進捗を図ってまいります。木場一丁目から赤佐古町までの約千三百メートルは平成九年度に事業に着手いたしまして、現在、測量設計が終了し、一部用地交渉に入ったところであり、今後とも事業促進に努めてまいりたいと考えております。

 また、大村市事業の延長千三百メートルについても平成五年度より事業中であり、進捗率は約四〇%となっております。なお、供用開始区間延長は約千五百メートルですが、残りの未着手区間千四百メートルにつきましては、事業の進捗を見ながら大村市と協議をして事業主体等を検討してまいりたいと考えております。

 いずれにしろ、この久原梶ノ尾線につきましては、国道三四号線のバイパス的な役割も果たすことになりますので、県といたしましても全力を挙げて取り組みたいと、そのように考えている次第でございます。

 次に、本県における絶滅のおそれがある野生生物について、どのように保護していこうかというお尋ねでありますが、絶滅のおそれのある野生生物の人為による種の絶滅の防止と保護対策を実施するための資料として、全国的な視野による「日本の絶滅の恐れのある野生生物」、いわゆる国のレッド・データ・ブックが平成三年に環境庁より示され、以後、逐次見直しがなされております。

 この中にはツシマヤマネコやアカウミガメ、御指摘のメダカなど、本県に生息することが確認された種もリストアップされているところでありますが、なお県としては、県内におけるこれらの種の生息、生育状況を的確に把握することが必要であります。このため、本県における絶滅のおそれのある野生生物についての現状把握と適切な保護対策に対応できるよう、各分野における専門家からなる検討委員会を設置いたしまして、平成十二年度を目途に長崎県レッド・データ・ブックの作成に取り組んでいるところであります。策定後は、その結果を踏まえ、絶滅の防止が必要な種については、個別具体的な保護対策の検討を行うとともに、リストアップされた種については、その後の生息、生育の状況についてモニタリングを実施していくことにしたいと考えております。

 また、各種の開発事業等を行うに当たりまして、得られたデータの適切な提供、活用により環境アセスメントに確実に反映させるなど、これらの貴重な生物の保護に適切な配慮が図られるようにいたしてまいりたいと考えております。

 次に、本県における自然環境中のダイオキシン調査の現況と対応はどうなっているかとのお尋ねでございますが、ダイオキシン類につきましては、環境中におけるダイオキシン類の評価基準や健康への影響に関する評価方法等が、いまだ十分に確立されてない状況にあります。このことから国においては「ダイオキシン類総合調査検討会」を設置し、ダイオキシン類汚染の実態把握や知見の確立を図るため、今年度新たにダイオキシン類緊急全国一斉調査が実施されることとなり、本県におきましても大気、水質、水生生物、土壌等延べ三十地点において調査が実施されているところであります。

 また、大気汚染防止法施行令の改正に伴いまして、平成十年一月にダイオキシン類が従来の大気環境測定項目に追加されたことから、今年度から県及び長崎市、佐世保市の両政令市において、県下十八地点で大気環境調査を実施しております。

 これらの県及び政令市が実施する大気環境調査につきましては、大気環境指針値が年平均値で定められておりますので、本年度の調査が終了し、年平均値が出た後に調査結果は公表することにいたしております。

 このほか、大気環境調査の実施及び廃棄物処理施設の改善指導等を迅速かつ的確に行うため、今年度、衛生公害研究所にダイオキシン類の分析施設を整備中であります。今後とも、これらの施策の推進により、ダイオキシン類問題に適切、かつ的確な対応を図ってまいりたいと存じます。

 残余の御質問につきましては、関係部長より答弁をさせていただきます。



○副議長(池原泉君) 教育長。



◎教育長(出口啓二郎君) 大村市内における道路網の整備についての中で、国道三四号線の公園付近交差点の改良で、史跡の発掘調査の現状と今後の見通しはどうかとのお尋ねでございます。

 各種開発事業等に伴う埋蔵文化財の取り扱いにつきましては、事業の円滑な推進と県民の貴重な財産である埋蔵文化財の保護との調和を図りながら、これまで適切な調整に努めてまいったところでございます。

 今回の国道三四号線大村拡幅事業の工事区域に含まれる玖島城跡の埋蔵文化財発掘調査につきましては、建設省長崎工事事務所の依頼により、平成九年六月に県が範囲確認調査を実施した結果、大村家の屋敷跡や庭園遺構の一部を確認したところでございます。

 この調査結果を踏まえて、埋蔵文化財の取り扱い等について建設省、県、大村市との間で協議を行った結果、地域住民の利便性等を総合的に判断し、発掘調査による記録保存を行うことといたしました。

 発掘調査は、遺跡が道路拡幅部分にかかる三千平方メートルについて、平成十一年度と平成十二年度の二カ年にわたって建設省の委託を受け、県が実施することとなっております。

 今後、発掘調査の実施に当たっては、関係機関と連携を密にしながら、事業が円滑に推進されるよう努めてまいりたいと考えております。

 次に、教育行政の中で高等学校で総合学科を導入した三校の現状はどうかとのお尋ねでございます。

 総合学科を開設した学校の報告によりますと、明確な目的意識や学ぶ意欲を持つ生徒が数多く入学しており、学習の面ばかりではなく学校行事、部活動及び生徒会活動の面でも、学校の活性化が見られるということであります。総合学科の特徴的な科目である「産業社会と人間」では、職場訪問や地域の方々の講話を通じて、将来の進路選択について学んでおり、地域との密接な連携が図られています。

 さらに二年次からの多様な選択科目につきましては、地域からさまざまな協力をいただきながら充実した教育活動を展開したいと考えております。

 大村城南高校の農業科はどういう状況かというお尋ねでありますが、大村城南高校の農業科には、農業後継者や農業関連産業従事者を育成する「園芸科学科」と植物を利用した生活環境を創造する「環境デザイン科」を設置し、時代の要請に対応した農業教育を推進しております。

 また、総合学科の生徒も農業に関する科目を学習できるようになっているなど、総合学科と専門学科の相互の利点を生かした教育活動が実践されています。

 農業科においても総合学科導入により、生徒の学習意欲も高まっており、地域の将来を担う農業人の育成に向けて特色ある農業教育が展開されております。

 次に、大村城南高校の施設・設備についてはどうかというお尋ねでございますが、大村城南高校の施設・設備につきましては、平成九年度から外国語学習用のLL装置を初め、多様な選択科目の実習に必要な設備の整備を行ったほか、平成十年度から平成十一年度にかけて大講義室や介護実習室を備えた総合学科棟を整備しているところであります。また、農業科用の施設として、バイオテクノロジー実習室や環境デザイン関係実習室もあわせて整備を進めているところであります。

 今後、他校への総合学科の導入計画はどうかというお尋ねでありますが、総合学科への生徒の関心は、議員御指摘のように非常に高いものがあり、中学校等から設置拡大を希望する声も上がっております。

 県教育委員会では、既に設置した三校の成果を見極めるとともに、平成十一年度設置予定の「高校改革推進委員会(仮称)」において、生徒減少期を踏まえた県立高校の適正配置や、社会のニーズに対応した学科改編を検討することにしており、総合学科の新たな開設についても、あわせて検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(池原泉君) 生活環境部長。



◎生活環境部長(田中敏寛君) ダイオキシン類の主要な発生源であります廃棄物焼却施設の現況と今後の対応についてのお尋ねでございます。

 市町村及び民間が設置をいたしております廃棄物焼却施設から排出されます排ガス中のダイオキシン類濃度につきましては、国が定めます現在の基準は八十ナノグラムとなっているところでございます。焼却施設の設置者は、廃棄物処理法の改正によりまして、年一回のダイオキシン類排出濃度の測定が義務づけられているところでございますが、現在、政令市が管轄する民間の一施設を除きまして、この基準を達成しているところでございます。

 なお、この一施設につきましては、現在、焼却施設の使用が停止をされているところでございます。

 また、県管轄の施設につきましては、必要に応じまして立入検査を実施しているところでございまして、その結果を踏まえまして、所要の改善指導等を行うことといたしております。

 さらに平成十四年十二月から、恒久対策として基準が強化をされることとなっておりますので、この恒久対策基準に早期に適合できますよう引き続き施設の改善等を指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。



○副議長(池原泉君) 農林部長。



◎農林部長(白浜重晴君) 農産物におけるダイオキシンの対策についてのお尋ねでございますが、本県農産物のダイオキシンの濃度につきましては、平成十年度に環境庁が農用地及び農作物にかかるダイオキシンの全国一斉調査を実施した際に、一地区を選定して調査に協力をいたしました。

 なお、調査結果につきましては、調査内容を集約して公表される予定と聞いております。

 さらに、農林水産省においても、平成十一年度に、各都道府県を代表する農作物及び土壌についてダイオキシンの濃度にかかる全国一斉緊急実態調査を実施する予定であります。

 県としましても、本調査に協力をいたしますとともに、農林水産省及び環境庁の調査では、調査点数が限られることから、今後どのような調査が県内で必要か、農業団体等と相談しながら、早急に検討をし、県内農作物の状況について適切な把握をしてまいりたいと考えております。

 なお、去る二月十日には、全国知事会から国に対しまして、ダイオキシンの調査研究を推進し、安全基準の設定を行い、国民に示すこと等の緊急要望を行ったところでございます。

 また、ダイオキシンの問題につきましては、科学的根拠に基づいて客観的に判断されるべきものでありまして、風評等によって農作物の価格が下落するなどの事態は農家の死活問題ともなることから、より正確な情報の収集分析に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(池原泉君) 水産部長。



◎水産部長(木村道夫君) 大村湾の水産振興に関しまして、漁場の整備についてどのように考えているかという趣旨の御質問でございますが、大村湾の水産振興につきましては、湾内の重要な資源でございますヒラメ、あるいはクルマエビなどの種苗の放流を初めといたしまして、ナマコの増殖を推進をいたしております。

 また漁場の整備につきましては、沿岸漁場整備開発事業等によりまして、魚礁や投石によります漁場の造成、あるいは海の底を耕します、いわゆる海底耕うん、あるいは海底清掃と、そういったことで漁場の保全事業を進めて、漁場の整備を図っておるところでございます。

 海底耕うんは、議員御指摘のとおり、閉鎖性海域の漁場回復を図りますには、海底の改良方法としては大変有効な手段の一つというふうに考えております。今後も地元の市町、あるいは漁協と十分協議を行いまして、地元の意向を十分踏まえまして漁場の改良、あるいは整備を実施して、大村湾海区の漁業の生産性の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。

 それから、大村湾でとれますクロナマコの有効利用についての御質問でございますけれども、クロナマコは、大体大村湾でとれますナマコの四分の一を占めると言われております。しかも価格がアカナマコ、アオナマコに比べますと七分の一から八分の一というような低い価格で取り引きをされている実態でございますけれども、そういったことで有効利用を図るということから、現在、総合水産試験場におきまして、調理、加工素材としての製品開発の研究を行っております。

 先般、中華料理の調理師さんを初め、料理関係者の皆さんにお集まりをいただきまして、研究成果の発表と、研究いたしました加工食材の試食会を行いました。大変好評でございまして、調理、加工素材として見通しがついたのではないかという印象を持っております。今後、さらに大村湾の特産品化を目指しまして、加工技術の確立と、それから普及指導に努めてまいりたいと、そういうように存じております。

 以上です。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) 知事公舎の件でございますけれども、今くしくも商工労働部長が、観光客に対して県民すべてがもてなす心を持てというふうにおっしゃったわけでございますけれども、知事が率先してそれを知事公舎で持っていただきたいと思いますけれども、どのようにお考えになりますか。



○副議長(池原泉君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 貴重な御意見でございますので、参考にさせていただきたいと思っております。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) 何かちょっと多角的にというふうなことでおっしゃったわけでございますけれども、できますれば、年度的にいつごろはやりたいなというふうなめども考えていらっしゃいませんか。



○副議長(池原泉君) 知事。



◎知事(金子原二郎君) 現時点では、まだそのような計画は持っておりません。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) ちょっと散漫になっているわけでございますけれども、水産部長にお尋ねをいたします。

 海底の耕うんということは、何か特殊な機械なり船というのがあるわけなんですか。それともああいうしゅんせつ船みたいなもので耕すような形をとっておられるわけなんですか。そこら辺の具体的な事例があれば教えてください。



○副議長(池原泉君) 水産部長。



◎水産部長(木村道夫君) 海底耕うんと申しますのは、いわゆる畑を耕すようにして、がんづめと言いましょうか、鉄が突き出したようなものを船で引いて海底を回るわけでございまして、引いて回ることによって堆積層が上下回転するといいますか、そういったことで還元層の改良をすると、そういうやり方でございます。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) そうすると当然、深さに限度があると思いますけれども、そこら辺はどのくらいのところまでやれるわけなんですか。



○副議長(池原泉君) 水産部長。



◎水産部長(木村道夫君) 大村湾は、一番深い所で四十メートルぐらいだと言われておりますが、深さはナマコのけたが入る深さぐらいまでは十分やれるということを聞いております。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) それから、文化財のことでございますけれども、期間的には大体どのくらいで済むわけなんですか。



○副議長(池原泉君) 教育長。



◎教育長(出口啓二郎君) 先ほども御答弁申し上げましたように、建設省との間では平成十一年度と平成十二年度の二カ年間で実施するということにいたしております。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) そういたしますと、先ほど記録保存でいいということでございましたけれども、例えばものすごくいい遺跡が出てきた場合には、それを移設するとか、写真等の保存でいいというふうに解釈していいわけなんですか。



○副議長(池原泉君) 教育長。



◎教育長(出口啓二郎君) 建設省、県、大村市との間で協議を行った結果、地域住民の利便性を総合的に判断して、そちらを優先して、あとは記録にとどめると、そういうことでございます。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) そういたしますと、早く終わるということも考えられるわけなんですね。ちょっとこの前お話をしていたわけでございますけれども、二年間待たずに一年間で済んだところは、半年で終われば、半年後にはもう建設省の方は工事にかかってもいいような状態になるというふうに解釈していいわけですか。



○副議長(池原泉君) 教育長。



◎教育長(出口啓二郎君) 私どもが建設省と委託契約を結んでおりますのは、発掘を三カ月単年度で行いまして、あとの三カ月を整理に使うということで、平成十一年度の予算は建設省から委託費として六千百五十万円ということで、平成十二年度もまた同程度の委託費を受けて調査、発掘をやっていくという計画でございます。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) ありがとうございました。

 それからダイオキシンの問題でございますけれども、先般も高木善之さんという方のシンポジウムがあったわけなんです。それで非常に日本は遅れているというふうなこともあったわけでございますけれども、公共の焼却場ですか、この件に関しましては一年に一回、その所有者なりが報告を出すわけなんですか。それとも衛生公害研究所か、県の監督機関等が一年に一回実際の現地調査をするようなことで進んでいらっしゃるわけですか。



○副議長(池原泉君) 生活環境部長。



◎生活環境部長(田中敏寛君) ダイオキシンの年一度の調査につきましては、市町村が持っております焼却施設、それから民間が持っております焼却施設とも一年に一度は調査をするということが、自主的にまずやっていただくということが義務づけられておりまして、私どもとしてはその報告を聴取いたしておりまして、県といたしましても、必要に応じて立入調査をやって確認をするということで実施をいたしているところでございます。



○副議長(池原泉君) 十番。



◆十番(吉川豊君) 必要に応じて立入調査というんですか、非常に難しいわけですけれども、例えば何か苦情があったときとか、何か問題が発生してからやるというふうに考えていいわけですか。



○副議長(池原泉君) 生活環境部長。



◎生活環境部長(田中敏寛君) 一年に一度調査をした結果につきましては、すべて報告をいただいているわけでございますが、そういったものを見ながら、平成十四年十二月に新たに基準が強化をされますので、そういったことも考え合わせながら、必要に応じて必要な施設について立入調査をやっているということでございます。



○副議長(池原泉君) 十二番。

           〔関連質問〕



◆十二番(野口健司君) それでは、同僚吉川議員の大村湾の水産振興の質問に関連をいたしまして、知事、もしくは水産部長にお答えをいただきたいというふうに思います。

 まず、大村湾の水産業でありますけれども、これは大変深刻な現状であるということを、まずしっかりと御理解をいただきたいというふうに思います。

 長崎県の漁業と申しますと、生産高、もしくは漁獲量ともに全国第二位ということであります。その総枠から比べますと、大村湾の漁業と水産業というものはやっぱり漁獲高、生産高ともに微々たるものではあるんです。ただ、私は、やはり大村湾も、大村湾の水産業というのも、ある種やっぱり宝であるというふうに思っております。どうか、大変深刻な状況というものを耳にしておりますので、まずそれを知事さん、しっかりと御理解をいただきたいというふうに思っております。

 そこで、水産行政というものを見たときに、私は、これまでの水産行政の取り組みの中で欠けているアプローチというものが一つあるんじゃないかと、そういう気がしてならないんです。その水産行政の中で、これまで欠けていたアプローチというのは何かと言いますと、これはいわゆる海洋環境という問題だと思うんです。

 先ほどから少し議論がございましたけれども、やっぱり農業をやるには畑が必要です。水産業も同じでありまして、海はどうかと、海の状況がどうかと、これはもう種苗生産にいたしましても資源管理、中間育成、養殖、いかなる水産のいろんな方策をとりましても、海の状況というものが非常にやっぱり重要であるということです。ですから、それを大まかに考えるならば、海洋環境と言っていいと思うんです。

 私は、きょう、手元に県のいわゆる中期計画、そして県の長期計画、いずれも持ってきているんですけれども、その中でいわゆる水産行政というものの柱を見ていった場合に、やはりそういったアプローチというものが全然ないとは申し上げませんけれども、非常に少ないと思うんです。

 そこで、例えば今後の県の長期計画、または中期計画、そういった中・長期的なスパンの中で、その水産行政の一つの大きな柱に、ぜひ海洋環境という考え方を一つ立てていただきたいと、そういうふうに思うんです。

 具体的には、大村湾の場合は大村湾のいわゆる現状です、これはよくおわかりのとおりです。あとは沿岸におきましても磯焼けの問題とか、なかなか海藻が育たないとか、いろんなことがあります。そういうものを含めて、ぜひ海洋環境という柱を立てて、今後、議論できないかどうか、その点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。



○副議長(池原泉君) 水産部長。



◎水産部長(木村道夫君) 豊かな生産力を持つ美しい海づくりというのは、私どもの願っている最大の理念でございまして、このことは「水産四〇〇〇億構想」の中にも掲げてございますし、あるいは県の中期計画、長期計画の中にもその理念は掲げてございます。

 もとより、海は漁業者にとってはかけがえのない生産の場でございますから、これは今、議員御指摘のように、そういう面からのアプローチというのは、当然、欠かすべからざる要素だと思っております。

 したがいまして、私どもも常々、漁業関係者に申し上げておりますことは、海は次の世代といいますか、子や孫からの預かり物と、こういう観念で、海を大事に、豊かさをつくると、こういう考え方を持っております。

 したがいまして、そういう海洋環境の側面、切り口といいましょうか、そういう部分でもこの計画の中で、きちっと取り上げていって頑張りたいと思います。



○副議長(池原泉君) 十二番。



◆十二番(野口健司君) よくわかりました。いずれにしても私の議論は、今後、策定されるであろう県の中・長期計画の水産行政の中に海洋環境へのアプローチをダイナミックに取り入れてくれという趣旨であります。

 以上です。



○副議長(池原泉君) 本日の会議は、これにて終了いたします。

 三月一日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。

 本日は、これをもって散会いたします。

           −−午後三時三十二分散会−−