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福岡県 福岡市

平成20年決算特別委員会第4分科会 質疑・意見




2008.10.17 : 平成20年決算特別委員会第4分科会 質疑・意見


[質疑・意見]
 大阪市で起こった個室ビデオ店の火災は、死亡者16人と大変な惨劇であった。これを受け、全国的に緊急査察が行われており、消防法違反あるいは建築基準法違反での査察になると思うが、査察内容はどのようなものか。

[答弁]
 平成20年10月1日に個室ビデオ店の火災を受け、国土交通省より、緊急立入点検の通知が来ている。住宅都市局としては、10月3日から市内の個室ビデオ店及び類似の施設としてカラオケボックス、インターネットカフェ、漫画喫茶、テレフォンクラブ等、大別して4種類の営業形態を持つ店舗を緊急立入点検している。建築基準法に基づく緊急点検については、当該営業店舗のエリアと屋外への避難経路について、防火避難規定を中心に緊急立入点検中である。



[質疑・意見]
 本市内の個室ビデオ店、カラオケボックス、インターネットカフェといった対象業種について、業種別の店舗数は把握しているか。

[答弁]
 個室ビデオ店が12店舗、カラオケボックスが67店舗、インターネットカフェ及び漫画喫茶が34店舗、テレフォンクラブが2店舗、合計115店舗を現時点で市内にあるものとして把握し、調査対象としている。



[質疑・意見]
 調査期間、国に対する報告はいつまでか。また、現在の調査の進捗状況はどうか。

[答弁]
 調査期間は、国土交通省からの通知によると、10月末をめどに調査し11月上旬までに報告するようになっている。現在の進捗状況は、10月14日現在で個室ビデオ店10店舗、カラオケボックス41店舗、インターネットカフェ及び漫画喫茶25店舗、計76店舗の緊急立入点検を完了している。



[質疑・意見]
 避難経路や非常照明の不備など見ただけで違反が確定するものと、違反の疑いがあるものがあると思うが、違反の種類、違反の疑いのあるのは何店舗か。

[答弁]
 緊急立入点検を実施済みの店舗76店舗のうち、建築基準法に照らし合わせて、不備あるいは違反の疑いのあるものが52店舗ある。内訳は、個室ビデオ店が9店舗、カラオケボックスが30店舗、インターネットカフェ等が13店舗である。



[質疑・意見]
 個室ビデオ店については、10店舗中9店舗で違反あるいは違反の疑いがあるということか。

[答弁]
 そうである。



[質疑・意見]
 76店舗調査完了した中で52店舗、約70%が建築基準法違反の疑いがあり、こうした割合が高い理由を当局としてどう考えているか。

[答弁]
 4業種については、建築基準法上、現行法令の中では、想定されていない業種形態であり、事務所なり店舗を小間仕切りにして個室性を高めるため、音の漏れや排煙設備を一部閉鎖するなどの造作がなされているケースが多く、改造時に建築基準法に抵触するような不備が発生したと考えている。



[質疑・意見]
 違反あるいは違反の疑いがある理由の多いものから順に、3つほど示してほしい。

[答弁]
 疑いの多い設備関係として、排煙設備、非常用照明設備、当該営業店舗から屋外への避難経路に当たる防火戸の不備が多い。



[質疑・意見]
 避難誘導経路あるいは排煙設備や非常用照明の不備などの建築基準法違反への対応はどうなっているのか。改善の努力が見られない業者が出てきた場合にどういった対応をしているのか。また、違反に対する罰則はあるのか。

[答弁]
 大阪市での火災事故を受け、本市においても建築基準法、消防法に基づき、建物の火災事故から人命を守る観点で消防局と連携した取り組みを行っていきたいと考えており、緊急立入点検においても、連携して行っている。今後、詳細な調査を経て違反事実が確定したものに関しては、早急に所有者並びに管理者等に対して是正改善の指導を消防局と連携しながら行っていきたい。基本的なスタンスとしては、行政指導の中で自主的な改善を指導していく。指導に従わず、違反状態が重大なもので建物を使用する市民の生命に重大な危機を及ぼすようなものに関しては、強く行政指導するとともに、建築基準法に基づく措置も視野に入れて検討していく必要があると考えている。罰則については、違反の程度、内容によって最高3年以下の懲役、または300万円以下の罰金の規定がある。



[質疑・意見]
 こういった事故等を受けて、緊急立入点検が行われたのは今回が初めてではないと思うが、直近では、同種の緊急立入点検がいつごろ、どういう内容で行われたのか。指導等に対する改善状況はどうか。

[答弁]
 同種の火災事故については、平成19年1月に兵庫県宝塚市でカラオケボックスの火災があり、そのとき死亡者3人、負傷者5人であった。このときも国からの通知・指導で緊急立入点検を行った。内容としては、市内のカラオケボックス72店舗を緊急点検し、そのうち53店舗で建築基準法違反を覚知している。覚知したものについては、是正指導を継続的に行っており、現在17店舗は是正が完了している。残りについては、是正工事中、是正の協議中、指導中である。



[質疑・意見]
 平成19年1月から相当期間が経過しているにもかかわらず、17店舗での改善しか行われていない。人命にかかわる重大事につながるおそれがあるので、緊急性をもって取り組むべき大きな課題であり、今後も努力されたい。



[質疑・意見]
 個室ビデオ店、カラオケボックス、インターネットカフェ、漫画喫茶、テレフォンクラブなどの業種の中で、宿泊可能な施設はどれか。

[答弁]
 現在、緊急立入点検を実施した中で、個室ビデオ店、インターネットカフェには仮眠、就寝可能な備品が置かれており、24時間営業であれば就寝、仮眠は可能であると思う。



[質疑・意見]
 宿泊施設と非宿泊施設の種類における建築基準法上の規制に、明確な違いはあるのか。

[答弁]
 建築基準法においては、当該4種類の営業形態については、宿泊という概念で法規制がなされているものではない。建築基準法では、旅館やホテル、病院等について就寝できる施設として法体系が組み立てられている。建築基準法においては、この4業種について宿泊、就寝の観点から法規制はかかっていない。



[質疑・意見]
 実際に宿泊施設として使用されているなら、実態調査により、これらに対する厳しい規制が求められている時代ではないかと思う。法整備の遅れを感じており、法律を超えて条例とはいかないだろうが、何らかのチェック、実態に合わせた法律の範囲内における施設の点検、整備促進はできないのか。

[答弁]
 建築基準法違反については、3年以下の懲役、300万円以下の罰金等があるので、まずそれらを適用しながら違反に対して対応したいと考えており、現時点では条例による対応は考えていない。



[質疑・意見]
 300万円の罰則は今まで適用されたことがないと聞いている。厳格に罰則を適用していくことが必要であり、可能な範囲で最大限の努力をしていくべきと意見を述べておく。



[質疑・意見]
 新しい営業形態に対する俊敏な事故の未然防止を図るため、緊急点検体制の強化が必要と思うが、現在、住宅都市局では緊急点検は何人で行っているのか。

[答弁]
 緊急立入点検の体制としては、監察指導課を中心に平均して毎日数班2人体制で行っているので、10人程度で対応している。



[質疑・意見]
 緊急点検については、少人数で対応している現状もあり、ぜひ体制の強化等についても局として対応を考えてほしい。



[質疑・意見]
 大阪市の事件の場合、3人の店員が初期消火や避難誘導を全くしていないと報道されており、防火管理者を選任しておらず、日常的訓練も行っていなかった。住宅都市局として、何らかの対応はとれるのか。

[答弁]
 火災時における従業員の初期消火や避難誘導の訓練は消防局の管轄であるので、住宅都市局では対応していない。



[質疑・意見]
 今後の方針についての決意を伺う。

[答弁]
 大阪市でとうとい人命が失われる事件が起きたことを踏まえ、市内にある115店舗の対象施設についても、緊急立入点検を実施する。また、消防局とも連携しながら今後の対応を考えていきたい。建築基準法上の課題は何か、今後営業形態の問題をどう考えていくかという課題もある。住宅都市局、消防局だけでなく、営業形態という観点で、どういう規制や対応ができるかを検討していくこととなるが、住宅都市局としては建築基準法違反に対して厳しい態度で今後とも臨んでいきたい。



[質疑・意見]
 旧建築局の技術を支えるのは研修だと思う。法律改正が頻繁に行われているため、職員は勉強し、知識を得なければならないが、そのための研修費はどこに計上しているのか。

[答弁]
 住宅都市局の予算には職員の研修費用は計上されていない。19年度は建築局建築部技術計画課が建築技術職の研修プログラムをつくり、1年間を通じて統括的に実施しており、その経費については事務費程度の額が計上されていると思う。



[質疑・意見]
 今回の事件でもそうだが、技術力がないと対応できないと思う。この場にいる人は1級建築士免許を持っていたり長年の経験があると思うが、新しく配属された職員は資格を持つ人もいれば、持たない人も数多くいる。団塊の世代がもうすぐ定年を迎え、すばらしい技術力やノウハウがどんどん流出し、なくなっていけば、いずれ人材は枯渇する。住宅都市局で1級建築士免許の取得者は何人いるのか。

[答弁]
 1級建築士免許、2級建築士免許の取得状況は把握しているが、資料が手元にはない。



[質疑・意見]
 過去3年間で新たな1級建築士免許取得者は何人いるのか。

[答弁]
 詳細な数字は把握していないが、毎年1〜2人が合格していると記憶している。



[質疑・意見]
 建築技術職は何人いるのか。

[答弁]
 300人弱である。



[質疑・意見]
 300人いて合格者は年に1〜2人である。住宅都市局における1級建築士免許の保有や相当の知識の必要性について見解を伺う。

[答弁]
 1級建築士の免許は、建築技術職には非常に大事な専門的な資格であり、建築指導部を中心に必要不可欠であると考えている。最近の建築士の年齢分布状況は40〜50歳代に偏っており、専門的知識を継承していくには問題があると考えているので、研修費という費目はないが、各課に事務費があるので、職員研修や出張の機会を通じて若い人材を育成していきたい。大きな枠組みでは十分対応できるが、現場としては専門的知識を持った若い職員は今後も必要だと思う。



[質疑・意見]
 予算や事業費が減少している時代であるが、次の世代のことを考えると、局として研修費を計上する必要がある。1級建築士の免許には、6〜7万円もの取得経費がかかる。特に住宅都市局は技術力にあわせ、法的な根拠やさまざまな法制を覚えておく必要があり、法改正等に対する対応力も高めておかないといけない。研修費を設けて年間何人かは希望をとり、資格取得等への意欲のある職員には費用を出したり勤務時間内に勉強時間を当てて、次の世代に資格を取得させるという構想を持たなければ、この5年以内に免許保有者が激減する。技術者を養成するというグランドデザインを今後10年間に立ち上げておく必要があると思うが、どう考えているか。

[答弁]
 住宅都市局は建築職だけでなく、造園技術職、土木技術職等、多様な技術系の職員を多く抱えている。一方で行政需要の内容が日々変わっている状況であり、職員が法律に追いついていくための研修は極めて大事なことだと思っている。本市には研修センターはあるが、技術職の研修は特殊な研修であるので、研修センターにも頼れない。そういうことで、とりあえずは事務費の中で対応しているが、21年度の予算要求に当たっては、職員資質向上のための予算のあり方について、財政局とも十分議論したいと考えている。



[質疑・意見]
 行政分野に比べて技術系の参考書や研修会等には費用がかかり、そういった点を考慮して予算化するよう検討してほしい。



[質疑・意見]
 民間建築物の耐震化の促進について、18年度と19年度の補助事業に関する申し込み数はどうなっているか。

[答弁]
 戸建て住宅については、耐震改修工事の申し込み件数は18年度が14件、19年度が17件、建替補助事業は、19年度実績として6戸である。共同住宅の耐震診断のうち、予備診断の件数は18年度が6件、19年度が2件、精密診断については、18年度が9件、19年度が2件となっている。共同住宅の耐震改修工事の補助の受付件数は18年度が1件、19年度が1件、病院の耐震診断の補助事業は、18年度が1件、19年度がゼロである。危険なブロック塀を除却する補助の申請は、18年度が70件、19年度が26件である。



[質疑・意見]
 20年度に戸建て住宅の耐震改修工事及び建てかえについての補助要件が緩和されたと聞いているが、具体的な内容はどうか。

[答弁]
 平成20年6月に戸建て住宅の耐震改修工事及び建てかえについての補助要件を緩和している。緩和要件の主な内容は、これまで前面道路との距離が2m、4mなど一定の距離がないと補助対象でなかったが、道路要件を撤廃し、道路から5m、10m離れた住宅でも対象とすることにしている。戸建て住宅については、1階建て、2階建ても含め、すべての住宅の基準が上部構造評点1.0以上になるような耐震改修工事でなければ補助対象とならなかったものが、平成20年6月から1階の部分だけでも満足すれば対象となるよう要件を緩和している。



[質疑・意見]
 補助要件の緩和に伴い、どのような変化が起きているのか。

[答弁]
 戸建て住宅の耐震改修工事の実績については、平成20年9月末で18件である。建てかえの補助は9月末で9戸である。



[質疑・意見]
 補助の申請がふえた要因は、補助要件が緩和されたことだけか。

[答弁]
 もう一つの要因として、5月末に各区ごとに「揺れやすさマップ」のパンフレットをつくり、市民に配布できる形にしたことから、その影響も含め申請件数がふえたと考えている。



[質疑・意見]
 補助金の上限については、神戸市は戸建て住宅の場合60万円に対し、本市は30万円である。もう少し補助金をふやし、もっと利用できる方向での考えはないか。

[答弁]
 補助の基準として、実際の耐震改修工事にかかった工事の15.2%を補助対象としており、上限が30万円である。平均すると30万円が上限の補助金は少なく実際は20万円などが多く、上限30万円が制度の促進を遅らせてはいないと思うので、総合的に利用増となるよう考えていきたい。



[質疑・意見]
 アスベストの除去作業について、公共施設のアスベスト除去については、19年度に1件残っていたが、完了したのか。

[答弁]
 公共施設のアスベスト除去については、現在財政局のアセットマネジメント推進部が行っている。全庁的なアスベスト対策連絡会議の資料では公共施設は1施設のみ残っており、20年度内に除去が済む予定である。



[質疑・意見]
 アスベストの除去作業については、アスベストを一部含む成形板の解体を除き、石綿作業主任者の管理下で解体工事を行う必要があると聞いているが、実際には、石綿作業主任者がつかないまま作業が行われている。この場合の指導監督は住宅都市局の所管なのか。

[答弁]
 吹きつけアスベストやアスベストの保温材等、曝露、飛散するおそれが高いものについては、大気汚染防止法や労働安全衛生法等で規制があり、労働基準監督署や環境局が所管している。



[質疑・意見]
 マンション紛争の処理について、市に対する苦情件数の過去5年間の推移はどうか。

[答弁]
 苦情相談の件数は、15年度が251件、16年度が270件、17年度が219件、18年度が187件、19年度が221件となっている。



[質疑・意見]
 事前説明は何のためにするのか。

[答弁]
 事前説明は、あらかじめ中高層建築物やワンルームマンションの計画内容や工事の方法を知らせ、疑問点や要望があれば建築主と調整してもらう期間を設けるのが趣旨である。



[質疑・意見]
 工事内容が周辺住民にきちんと説明されていない実態があることについて、どう考えているか。

[答弁]
 事前説明の中には工事の方法を説明することを条例上定めている。実態的には、通常その段階では施工業者が決まっていないことが多いので、着工の1カ月前ごろに建設会社を中心に具体的工事内容について説明を行うのが通例となっている。



[質疑・意見]
 福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例施行規則第5条に事前説明の規定があり、同条第4項に「中高層建築物等の工事の施工方法及び予定期間並びに条例第8条の規定により講じる工事に関する措置の内容」と示されている。建築の申請をしてから許可がおりるまでにはかなりの時間を要しており、申請時には施工業者が決定していないこともあるようだが、施行規則の定めどおり、早期に説明を行わなければ住民も困る状況が生まれる。規則にのっとって、厳しく指導すべきであると思うがどうか。

[答弁]
 事前説明の事項については、住宅都市局に報告が上がってくるので、資料に基づいた適切な説明をしているかどうかを審査し、不十分な場合は再度説明をするよう指導している。また、条例上の定めはないが、本格的な工事説明については、施工業者が決まってからきちんと説明を行うことを指導するとともに、工事での迷惑がかかるのは近隣住民が中心になるので、極力工事前に近隣方の家屋調査を行うことと、工事の時間や休みの日などをルール化した協定書を交わすことが望ましいものと指導しており、今後ともそういった指導を行っていきたいと考えている。



[質疑・意見]
 19年度に請願審査を行った西鉄(株)が東区に建設予定のサンリヤンマンションについてだが、近隣の家屋調査の終わっていない段階なのに着工しようとしている。開発業者の余りにも強引なやり方に対しても、厳しく指導してほしい。



[質疑・意見]
 市営住宅の抽選に際して、住宅審議会の中で議論されたポイント制が導入されたが、既に実施しているのか。

[答弁]
 ポイント制は、平成20年8月募集の際に1回目の試行が行われ、16戸の募集に対して応募者は24人であった。現在、仮当選者、仮補欠者を含め、実際の居住地を調査し老朽度等を点数化しているところであり、まもなく審査会を経て当選者を決定する予定である。



[質疑・意見]
 この結果を受け、今後はどういう計画で行うのか。

[答弁]
 現在、検討委員会の中で多数回落選者などの新たな要素を入れてはどうかと考えており、今回の検証の結果も取り入れて平成21年2月の募集で2回目の試行を行いたい。その試行を踏まえて21年度に本格実施できたらよいと考えている。



[質疑・意見]
 市営住宅の応募倍率について、過去5年間の推移はどうか。

[答弁]
 15年度が18.51倍、16年度が21.26倍、17年度が20.56倍、18年度が24.54倍、19年度が23.63倍である。



[質疑・意見]
 市営住宅の全国平均の倍率はどのくらいか。

[答弁]
 17年度で9.9倍と聞いている。



[質疑・意見]
 全国平均は約10倍であるが、それに比べても非常に高い倍率で本市の市営住宅は推移している。決算特別委員会総会質疑でも質問が出ていたが、雇用促進住宅から退去しなければならない事態や公団の撤退など、住民の今後の住まいの確保が危惧される。こういう中で市営住宅の倍率が高く住宅が足りない状況が出てくる。市営住宅も更新時期を迎え、リフォームや改善事業にお金を費やしているが、市営住宅は不足しており新築すべきだと主張してきた。市営住宅の新築についてどう考えているか。

[答弁]
 現在市営住宅は、高度成長期に大量に供給した住宅が更新時期を迎えている状況であり、更新に当たっては効率的、効果的な対応が必要である。また、募集については高い応募倍率が続いていることも十分認識している。こういった状況の中で、本市では住宅のセーフティーネットの立場からどうしていくかを住宅審議会に諮問して答申を受けたところである。答申に基づき、公営住宅がセーフティーネットの中心的役割を担うべきであるが、さらに他の民間賃貸住宅まで含めた住宅市場全体で、適切な役割分担を図った上で取り組んでいくものと考えている。この中で特に市営住宅については、大量の更新需要があり、また財政健全化の取り組みを進めていることから、現在のところ、管理戸数は現状程度にとどめ、更新について効率的な取り組みを進めたいと考えている。こうした中で、住宅の困窮度に応じた入居選考方式として、真の住宅困窮者を優先して入居してもらうためにポイント制の導入などに取り組んでいる。



[質疑・意見]
 国で5年ごとに行われる住宅・土地統計調査で、市内の総住宅戸数と空き家戸数は何戸か。

[答弁]
 平成15年に直近の調査が行われたが、市内の住宅の戸数は、住宅総数が70万3,300戸、そのうち空き家が7万6,700戸である。



[質疑・意見]
 ことしは5年ごとの調査年に当たるが、その結果はいつごろ出る予定か。

[答弁]
 住宅・土地統計調査は10月1日を基準日として調査が行われている。通例では、翌年の3月か4月に速報が出て、1年後ぐらいに確定報が出る。詳細については、属性ごとに集計したものが、その後、引き続き報告される。



[質疑・意見]
 空き家戸数の割合は10%程度だが、本市ではどれぐらいの空き家戸数があるか。

[答弁]
 空き家にはいろいろな分類があるが、一番大きなものは賃貸用の空き家であり、ほかには売却のため空き家になっているもの、二次的な住宅として別荘その他で使われているものがある。それらの合計が7万6,700戸という数値である。平成10年の調査では6万1,700戸であり、これまでは10%前後の割合で推移している。



[質疑・意見]
 空き家に加えて民間のマンションもどんどん建っており、売れ残っているマンションも多く見受けられるが、住宅都市局としては、その状況をどう見ているか。

[答弁]
 空き家については、ほとんどが賃貸用の住宅である。分譲マンションについては、きちんとした統計を持っているわけではないが、昨今の経済情勢から、分譲住宅の販売状況については、厳しいものがあると認識している。



[質疑・意見]
 用途地域を指定しても、第1種低層住宅の真横に商業地域があり、すぐ隣に大きなマンションが建てられる状況があるため、ゾーニングが大事である。住宅都市局としては建築基準法に基づいたものなら許可せざるを得ないが、どんどんマンションが建っていい、開発が進んでいいというまちづくりではなく、住環境や緑を守るまちづくりにしていくことを考えていくことが大事だと思うがどうか。

[答弁]
 本市における用途地域の指定については、都心に近いところから高密度、周辺に行くにしたがって低密度の利用をベースに、基盤施設、道路・鉄道等の基盤施設の充実度によって用途地域を指定しているところである。また、本市は共同住宅の比率が非常に高い都市であり、建築紛争が全国の中でも多い地域である。現在、どういう用途地域で、どういう内容の建築紛争が起こっているのかは分析しつつあるが、その分析を踏まえて今回都市計画マスタープラン改定作業を進めている。その分析をもとに都市における高さのあり方も含め、用途地域と建築紛争の関係について、十分整理した上で都市計画マスタープランの中で市としての考え方を示していきたい。



[質疑・意見]
 市営住宅については、新築せず、既存の施設を生かしながら取り組んでいくとのことだが、既存施設の補修等の施設管理のため、担当者が巡回等を行っているのか。

[答弁]
 入居者から住宅供給公社等への申し出に基づいて公社職員が調査を行う場合と、公社に配置する巡回指導員16人が、2〜3週間に一度の巡回の際に、入居者から相談を受け現場を確認する場合の2とおりがある。



[質疑・意見]
 組長や棟ごとに入居者の代表者が指定されているのか。

[答弁]
 通常、市営住宅には棟長がおり、その棟長がまとまり町内会が組織され、自治会長や町内会長から公社へ届け出してもらっている。地域との調整は、自治会長や町内会長と行っている。



[質疑・意見]
 市営住宅の入居者から不正入居や又貸しについての情報を耳にすることがあるが、そうした情報を把握しているのか。

[答弁]
 不正入居や又貸しについては、入居者から公社や住宅管理課に対して情報提供がある。そうした情報があれば、まずは事実確認を行うが、実地調査の上で、事実が確認されれば、明け渡しを求めていくことになる。通常、疑義のある入居者を10〜20世帯抱えているが、解決までには3カ月から半年程度かかる。また、裁判まで至った事例が、18年度に2件、さきの9月議会に報告した1件と合わせて合計3件あるが、何とか指導により退去させている状況である。



[質疑・意見]
 巡回指導員16人と組長、棟長との連携を密にしながら、不正入居の事実が確認されれば、早急に対応し、真の住宅困窮者を救済していくよう要望しておく。



[質疑・意見]
 市営住宅の募集において、複数回落選した場合の優遇措置のシステムは、どうなっているのか。

[答弁]
 市営住宅の募集は年4回行っており、申し込み回数によって優遇措置を設けている。通常は申し込みによって抽選の球数は1個であるが、仮に抽選で過去6回落選していれば球数は2個、落選回数が9〜12回であれば球数は4個となる。また、21回以上落選した場合は球数が15個となる。



[質疑・意見]
 くじ運も関係してくるかと思うが、抽選の結果、21回以上落選する場合もあり、平等性が担保されているのか疑問がある。何回も申し込んで落選する人に対しては、優先的に入居させるなど、新しい募集方法も検討すべきではないか。

[答弁]
 落選者の話によると、子どもの学校や仕事の関係で申し込みの区域を限定せざるを得ず、同じ住宅に対してのみ申し込みを行っているようである。また、他の優遇措置として空き家募集制度があり、収入が12万3,000円以下の第1階層に限られるが、4回以上の落選や、母子家庭、老人世帯などが対象となる。3カ月から半年間程度待つことにはなるが、市営住宅に入居することが可能となる。ただし、複数回にわたって抽選したにもかかわらず、落選が続くことは望ましいことではないので、公正の範囲内で工夫できることがあれば検討していきたい。



[質疑・意見]
 当選者と落選者の間に生じる不公平感の解消のため、知恵を絞り工夫して取り組んでいく必要があると考えるがどうか。

[答弁]
 今回ポイント制を試行的に行ったが、その中では落選回数は反映されていない。今後はポイント制においても落選回数を反映させる是非について議論を行おうと考えており、住宅困窮者が一人でも多く入居できる仕組みを構築していきたい。



[質疑・意見]
 不正入居者によって住宅困窮者の入居が妨げられてはならず、又貸し等の不正入居については通報を待つばかりでなく、全棟一斉調査や聞き取り調査等の積極的な情報収集に努めるべきと思うが、所見を伺う。

[答弁]
 現在、年に1回収入調査を行っており、不正入居の事実が確認されれば、明け渡し請求を行う旨の説明を行っている。また、年に2回の市営住宅センターだより等にて、不正があった場合には退去となる旨の周知も行っている。また、巡回指導員が団地を巡回した際にも、不正入居等が行われていないか確認をしている。全棟一斉調査については、訪問した際の説明や事実確認の方法についての課題等があり、実施に向けては検討が必要だが、情報収集については今後検討していきたい。



[質疑・意見]
 ゴミ屋敷化等の目的外使用についても情報収集に努め、指導を行い、真の住宅困窮者の救済に向けた取り組みを行っていくよう要望しておく。



[質疑・意見]
 市営住宅の募集に際し、単身高齢者に対する優遇制度はあるのか。

[答弁]
 年4回行う募集の中で、単身高齢者世帯という枠で募集をしており、17年度が39戸、18年度が31戸、19年度が59戸となっている。募集に当たっては、単身高齢者が住みやすいように1階、2DKの中で選定している。



[質疑・意見]
 17〜19年度の募集戸数に対する応募倍率はどうか。

[答弁]
 17年度が37.95倍、18年度が64.03倍、19年度が35.88倍となっている。



[質疑・意見]
 2DKに絞って募集しているとのことだが、市営住宅に2DKは何戸あるのか。

[答弁]
 手元に資料がなく、わからない。



[質疑・意見]
 17〜19年度に募集したのは、すべて2DKなのか。

[答弁]
 そうである。



[質疑・意見]
 今後高齢者が増大し、また、現に2DKに居住している高齢者は亡くなるまで住み続けることになるため、空き率が悪く、募集できる2DKの部屋が減少することが予想される。募集は2DKだけではなく、3DKに枠を広げるなどの検討はできないのか。

[答弁]
 現在、市営住宅の居住年数が長くなっている傾向にあるため、世帯人数と部屋の広さが極力不均衡とならないように考えており、単身高齢者の募集に当たっては、市営住宅の中で余り広くなく、1階部分の中で選定しているところである。



[質疑・意見]
 市営住宅における単身者の3DK居住数は、現在どの程度あるか。

[答弁]
 型別のデータは持っていないが、平成20年4月現在、市営住宅入居3万世帯のうち、単身高齢者は全体の18.4%となっている。



[質疑・意見]
 募集については、2DKだけに絞るのではなく、3DKにも枠を広げ、多くの高齢者が入居できるシステムに変更してほしいと思うがどうか。

[答弁]
 市営住宅の居住実態としては高齢者が増加傾向にあり、自治活動等への支障が生じている現状を踏まえ、住宅の型別供給割合を変更している。具体的には、約43m2住宅の1〜2人世帯向けの住宅を、主に高齢者向けとして住宅全体の供給戸数に対して約30%、少子化に伴う住宅として2〜3人向けの約50m2程度の型を新たに設けその割合を約30%、また、一般世帯向けとして約60m2の広さである3DKを約30%、子育て世帯や多家族向けとして4DKの約70m2程度タイプを約10%供給することを19年度から実施している。



[質疑・意見]
 2DKを基本とするのは理解できるが、高齢者、住宅困窮者も増加しており、不足している実態がある。本来新築が必要だと思うが、建てられない状況ならば、現状にあわせた対応をすべきと思うがどうか。

[答弁]
 高齢化率や申し込み倍率が高くなっていることを背景として、型別供給基準を見直し、従来の高齢者向けの住宅の割合を20%から30%に引き上げた。建てかえや改善事業を行う際には、この割合をもとに事業を進めている。これに伴い2DKタイプの需要がふえてくるため、募集に当たっても、高齢者向けの別枠募集戸数を少しずつでも拡大する方向で設定したいと考えている。そういったハードとソフトの両面での対策を組み合わせながら、高齢者が増加している状況に対応していく。



[質疑・意見]
 型別の募集状況などの全体がわかる資料を要求しておく。



[質疑・意見]
 大阪府営住宅では、ペットを飼ってもよい棟を指定しているようだが、本市営住宅におけるペットの取り扱いについての検討状況はどうか。

[答弁]
 大阪府のようにペット容認の市営住宅にするかどうかについては、未検討である。市営住宅は集合住宅であるため、本市では入居前や入居中も、ペット飼育の禁止を指導している。現在、ペットを飼い著しく近隣に迷惑をかけている5世帯程度を抽出し、明け渡しができないか検討している。



[質疑・意見]
 我が子、生きがいといった意識でペットを飼っている人がいるなど、ペットに対する考え方が時代とともにかなり変化してきているので、大阪府の住宅のあり方を研究し、本市営住宅への適用について決定すればよいと思う。ペットを飼っている実態を調査したことはあるか。

[答弁]
 市営住宅におけるペット飼育の実態調査は行ったことはない。しかし、通報等により、確認・指導した件数は、19年度462件、18年度503件、17年度529件であり、実際はそれ以上のペットが飼われていると考えられる。現在は、巡回指導員が2〜3週間に一度巡回する中で、指導を行ったところには再度訪問し、ペットを飼わないよう指導している。



[質疑・意見]
 もう少し実態に即した管理の方法を検討されたい。



[質疑・意見]
 今後、雇用促進住宅については明け渡しを迫るだけといった無責任なやり方がとられるおそれがあり、こうした中で、市営住宅の応募倍率が高くなっているという状況もある。市営住宅におけるさまざまな矛盾点を解消するためには、市営住宅の新設が必要だと意見を述べておく。



[質疑・意見]
 住宅審議会で審議された民間住宅を含めた役割分担については、どのように具体化されていくのか。また、どのような論議があっているのか。

[答弁]
 民間住宅との役割分担については、住宅審議会の答申においても、適切な役割分担を図るため、賃貸住宅事業者や居住支援団体等と行政が一緒になった居住支援協議会を設置して検討していくべきとの意見を受けている。現在、協議会設置の準備を進める中で、住宅困窮者に対する直接の窓口である保健福祉局等とも課題分析や協議を行っている。



[質疑・意見]
 生活に困窮して家賃が払えず、退去せざるを得ない人たちが市営住宅に入居しようとしても、高い倍率のため入居が困難な状況である。民間との役割分担については政策的にも重要であり、今後、役割分担を具体化するなら、民間住宅が低家賃の市営住宅と同様に住宅セーフティーネットの一端を担えるのかといったことを検討していくべきである。また、そうした取り組みについては議会側にも情報提供していくよう要望しておく。