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平成20年決算特別委員会第3分科会 質疑・意見




2008.10.16 : 平成20年決算特別委員会第3分科会 質疑・意見


[質疑・意見]
 ことし8月の集中豪雨では、早良区有田地区の狭い水路に設置してある農業用井ぜきから水があふれ出し、水利委員が慌てて井ぜきを開けようとしたが、手動の井ぜきであったため、なかなか開けることができず、周辺の住宅の床下まで浸水したことがあった。その時に地域からは自動で開閉できる井ぜきにできないのかという声が出ていたが、井ぜきの改善についてはどうなっているのか。

[答弁]
 井ぜきの開閉の自動化については、水利委員からも狭い水路では急激に水量が増したとき水圧により井ぜきが開けにくいとの声があったため、19年度から開始した農業用井ぜき改善事業により、水位の上昇により自動的に井ぜきが開く転倒堰の改良工事を実施している。今後、緊急性が高い所から順次進めていくこととしている。



[質疑・意見]
 19年度は農業用井ぜき改善事業により24カ所の井ぜきの改良が実施されているが、内容はすべて自動転倒堰の改良工事か。

[答弁]
 すべてではないが、自動転倒堰の改良工事が主となっている。



[質疑・意見]
 農業委員会からも市長に要望書を提出しているが、高齢者では集中豪雨時に手動の井ぜきを開けることは困難である。自動転倒堰の設置には1カ所当たり200万円程度の費用がかかり財政的な負担も大きいとは思うが、生命の危険にもつながることであり、危険性が高い所から順次整備していくよう要望しておく。



[質疑・意見]
 農林業金融資金及び水産業金融資金について、不用額の推移はどうなっているか。

[答弁]
 農林業金融資金については、17年度は予算額12億4,000万円に対し決算額4億8,000万円、不用額7億6,000万円、18年度は予算額12億4,000万円に対し決算額4億3,100万円、不用額8億900万円、19年度は予算額12億4,000万円に対し決算額3億8,400万円、不用額8億5,600万円となっている。また、水産業金融資金については、17年度は予算額28億8,300万円に対し決算額16億2,600万円、不用額12億5,700万円、18年度は予算額24億8,300万円に対し決算額16億1,700万円、不用額8億6,600万円、19年度は予算額28億9,900万円に対し決算額15億2,700万円、不用額13億7,200万円となっている。



[質疑・意見]
 不用額は適正なものと考えてよいのか。

[答弁]
 農林業や水産業については、災害時に迅速に対応する必要があり、金融資金については十分な予算を確保しているため、ある程度の不用額が生じることになる。



[質疑・意見]
 原油高騰による農家や漁家への対策はどうなっているか。

[答弁]
 農林業金融資金及び水産業金融資金については、平成20年2月に緊急対策資金制度を設けており、年利0.9%、保証料0.5%と通常よりも低い利率で融資を実施している。なお、農林業金融資金については、これまでに2件、合計300万円の融資を行っている。水産業金融資金については、実績は0件であるが、これは、平成17年の震災時に緊急融資について100件を超える申し込みがあったことなどによるものと思われる。



[質疑・意見]
 地域水田農業ビジョン推進事業の内容はどうなっているか。

[答弁]
 稲作の生産振興、農作物の振興、水田の有効利用に取り組んでいる。



[質疑・意見]
 具体的にはどのような取り組みを行っているのか。

[答弁]
 稲作の生産振興については、水稲の種子の温湯による消毒施設等を導入している。また、農作物の振興については、有害獣対策、土壌診断、営農情報の電子化の整備を実施している。さらに、水田の有効利用については、レンゲの作付け、コスモスの市民ふれあい花広場、タウン農園、福祉農園の支援を行っている。



[質疑・意見]
 本市の農林水産業のうち、畜産、沖合漁業、青果の取扱高が伸びているが、その要因についてどのように分析しているか。

[答弁]
 畜産については、養鶏農家の出荷高が伸びており18年度41万2,000羽に対し19年度48万7,000羽であり、7万5,000羽の規模拡大がなされている。
 沖合漁業については、18年度5,884tから19年度9,931tと68%の増となっている。内訳はサバの収穫が約2倍にふえているが、一方でアジの収穫は減っている。周期的な要因や温暖化の影響なども考えられるが、明確な原因はわからない。
 青果については全国的に取扱高が減り、また、卸売単価も減少している中で、九州の拠点市場として、卸売業者の集荷対策の努力もあると考えている。



[質疑・意見]
 それぞれの取扱高が伸びている原因は、いずれも流通との関係があるのではないか。国でも議論され始めているが、今後、農商工連携についても検討してほしい。



[質疑・意見]
 福岡市新・基本計画の19年度実施状況について、政策目標11に掲げている農業生産額と森林面積は目標が達成できていないが、農林水産局として目標の達成に向けてどのような方策を考えているのか。

[答弁]
 農業生産額は目標に対して約1割減となっているが、農業生産が開発や農家の高齢化などにより減少傾向にある中で、現状を維持したいとして掲げた目標値である。従来は、ほ場整備やハウス整備などハード面を中心に整備してきた。現在の課題は、農家の高齢化に伴い農地の保全が困難になっていることや、本市の農業が都市近郊型農業であり、国が実施している担い手を主体とした施策だけでは本市の農業は守っていけないということである。さらに、グローバル化の中で生産物価格が低迷する一方で、燃油や肥料の高騰により農家の経営が苦しくなっている現状もある。今後の対応としては、後継者の育成をはじめ、兼業農家への支援、兼業農家を含めた多様な担い手の確保、農協が設立した農業生産法人の支援、野菜・花の生産安定事業の活用、大消費地に近い有利性を生かした販売促進などソフト中心の施策の充実が必要であると考えている。また、そのためには市民の理解を得ることが必要であり、市民に対するPRや市民が参加できるような施策を進めていく。
 森林面積については、若干減少しているが、政策推進プランに主要事業として掲げている広域基幹林道の整備や市営林造林保育事業などに取り組んでいる。また、森林整備のほか、森林開発の抑止効果として県が許可する林地開発制度や水源かん養、土砂流出防止を目的とした保安林指定などの運用によって開発の抑制を図っているが、住宅開発等により森林面積が減少している。2011グランドデザインには、県の森林環境税を活用した荒廃森林再生事業や間伐促進事業などを新たに追加しており、今後とも施策の推進に努めていきたいと考えている。



[質疑・意見]
 事業目標と事業効果はセットで考えるべきである。農林水産局として予算の選択と集中を検討して、目標実現のために事業のプライオリティづけを行ってほしい。

[答弁]
 農林水産業は、担い手不足や都市化の問題により、全体的に減退している現状にある。このため基本計画の目標値は現状維持としているが、大きな視点での目標となっており取り組みを具体化しにくいという側面もある。このため、目標達成のための指標を新たに構築し直す必要があると考えている。本市は市域面積の33%が森林、9%が農地となっており、40%を超える森林農地を農林業に従事する人たちが守ってきた。農林業従事者が高齢化し、担い手が少なくなってきており、農林業に活力が失われつつある。農業生産物の市場価格や取引量も若干下がってきており、農家の経営にも将来の見通しが立たない。市の予算も厳しくなっており、施策には選択と集中が必要だが、生鮮食料品は多岐にわたり画一的に取り扱えない面もあるため、今後、農家や農業協同組合と連携して施策の選択と集中を検討していきたい。担い手不足についても、農家だけでは限界にきており、山間部をはじめ平地でも耕作放棄地が出てきている。今後は、一般の市民の協力も得ながら農地の生産性を上げる工夫を考え、お金をつぎ込むのではなく、知恵を働かせて市民の理解を得られるようなシステムをつくっていきたい。予算は限られており、大学などとも連携するなど創意工夫により施策を進めていきたい。



[質疑・意見]
 選択と集中を意識した政策展開をお願いしておく。



[質疑・意見]
 17年度から18年度にかけて、松くい虫の被害は縮小していると聞いていたが、19年度は被害が拡大しているように感じている。どうなっているのか。

[答弁]
 松くい虫の被害状況については、民有林は18年度1,368本で19年度1,809本であり、若干ふえている。また、国有林は18年度2,466本で19年度1万2,537本となっており、東区奈多にある空港事務所の松林や海の中道海浜公園の松林での大規模な松くい虫の発生により被害が拡大している。



[質疑・意見]
 異常気象による松くい虫の被害の拡大かもしれないが、失われた松林の再生は難しいので、対策に取り組まれたい。



[質疑・意見]
 かつて国の減反政策に基づき市でも減反政策の中で田園スポーツ広場を設置したが、地権者の相続問題等により田園スポーツ広場の数は急激に減少し、さまざまな競技を行う運動施設が不足している。一方、農業者の高齢化により、耕作が困難になり、また、相続などにより近隣に農業者がいない状態にあり、耕作放棄地が生じているので、田園スポーツ広場の設置について再度検討してはどうか。

[答弁]
 国は食糧自給率の向上を全面に打ち出し、稲作ができない土地においても米粉用多収穫米や、飼料作物を生産する等、農地を保全するのみではなく農産物を生産するよう方向性を出してきている。また、田園スポーツ広場を整備するに当たり1カ所で4,000〜5,000万円、借地料を含めた管理費に年間約500万円の費用がかかることが見込まれる。市は財政的に厳しい状況にあるため、今後、慎重に検討していきたい。



[質疑・意見]
 さまざまな団体が運動施設を利用するが、特に週末に利用希望が集中するため、グラウンドを利用できない少年野球チームなどが二丈町や佐賀県三ツ瀬地区等のグラウンドまでバスで通っている。市が耕作放棄された土地を買い取り、スポーツ広場を整備するのは政策的に矛盾しているようだが、農業振興地域として市が助成しても、高齢化により農業に限界を迎えている農業者もおり、将来的に大規模な耕作放棄地が生じる可能性があるため、こうした部分を踏まえて田園スポーツ広場の設置について検討してはと思うが、どうか。

[答弁]
 耕作放棄地について、国が全国的な調査を行っている。市では農業委員会と農業協同組合を中心に農地パトロールとして本格的な調査に入ったところであり、データが集計された後、対策を考えていきたい。田園スポーツ広場を新たに整備していない理由については、地権者の相続の際にかかる相続税について、その土地が農地であるか否かにより相続税額が大きく異なるため、相続の際に多額の投資をして整備した施設を壊し、農地に戻して地権者に返さなければならない上に、相続の時期について見通しが立たないということがある。このため、田園スポーツ広場として使用している土地を地権者から継続的に借り入れる方策について検討が必要である。また、農地所有者の高齢化により耕作困難になる場合もあるが、農業協同組合が新たに設立する農業生産法人が借り上げ、農業従事希望者への農地貸し出しや法人自体が農地の耕作を行うこともできる。さらに、ある程度の規模の農地については体験型農園など、教育や福祉の分野で他の所管局と連携しながら、耕作が困難となった農業者を元気づける方策についても検討していきたい。



[質疑・意見]
 博多湾について、森と海の再生交流事業や湾内清掃などに取り組んでいるが、1年前に白潮が発生した。一方で、汚水の高度処理によりチッ素、リンの除去などに取り組んだ結果、湾内が貧栄養化し、ノリやワカメが成長しにくい状況となっている。また、過去に埋立土を取った際に生じた湾内の巨大な穴や、御笠川や多々良川の上流の地域で河川に流入したものが湾内の環境に影響していると思うので、よく研究するよう要望しておく。



[質疑・意見]
 博多湾内漁場研究事業における会議の開会回数を尋ねる。

[答弁]
 農林水産局、環境局、港湾局及び下水道局の4局で年間5〜6回の会議を開いている。また、博多湾環境保全計画策定の際には、合わせて年間10回以上の会議を開いた。



[質疑・意見]
 十分な予算措置を行い、実態調査と今後の取り組みについて大学や水産試験場などで研究してもらい、本格的な調査に取り組むべき時に来ているのではないか。

[答弁]
 本格的な調査を進めるに当たり技術的なノウハウが市にないため、県などの協力を得ながら取り組んでいきたい。また、福岡県水産海洋技術センターでも博多湾については、しっかりと取り組んでいきたいと言っており、協力しながら進めていきたい。なお、栄養塩不足については、18年度は長期間、基準不足であったが、19年度は基準を上下した結果となった。



[質疑・意見]
 水道局が室見川から大量の水を取っていることにより、室見川の生態系が影響を受け、川を上ってくるシロウオが少なくなっているという声を地元の漁師から聞いており、切実な問題であると考えている。生態系は破壊されてしまうとなかなか元に戻らないため、水道局とよく協議するよう要望しておく。



[質疑・意見]
 アユとヤマメの放流について、放流場所を尋ねる。

[答弁]
 アユは早良区大字石釜などで放流しており、ヤマメは早良区花乱の滝上流などで放流している。



[質疑・意見]
 成果はどうなっているのか。

[答弁]
 アユについては、たくさん釣れるわけではないが、放流を行った数程度は釣れると聞いている。ヤマメについては聞き及んでいない。



[質疑・意見]
 放流は毎年行っているのか。

[答弁]
 室見川漁業協同組合の内水面の漁業権を維持するための義務放流を漁業法で義務づけられていたため、放流を行ってきたが、平成20年3月末に室見川漁業協同組合が解散したため、義務放流の必要がなくなったことから20年度は放流を行っていない。また、21年度以降も放流を行わない方向で検討している。



[質疑・意見]
 2006年シティモニターアンケートで、農業とかかわる場としてあればよいものという問いに対して、一番多かった回答は何か。

[答弁]
 手元に資料がないが、市民農園であると思う。



[質疑・意見]
 本市には市民リフレッシュ農園があるが、市民が農業に参加する意義や市民リフレッシュ農園が果たしている役割は何か。

[答弁]
 健康づくり、レクリエーション、農作物をつくることにより食物の大切さや命の大切さを感じることだと考えている。



[質疑・意見]
 今津リフレッシュ農園と、立花寺緑地リフレッシュ農園の空き区画数はどうなっているのか。

[答弁]
 今津リフレッシュ農園については、平成20年3月末時点で、休憩ハウス付農園が11区画であり、集合農園は空きはない。立花寺緑地リフレッシュ農園については、空きはない。



[質疑・意見]
 空き区画数が少なく、市民のニーズがあると伺えるが、市民が農業に参加できる環境について、どのような計画を考えているのか。

[答弁]
 現在、市民農園は、市が設置したものが2カ所、435区画、農家が独自で設置したものが10カ所、970区画、簡易型市民農園が3カ所、178区画、志賀島で設置したものが4カ所、49区画、19年度から実施している市民農園拡大事業で設置したものが2カ所、76区画であり、全体で約1,700区画である。農業体験については、今後とも参加を促進していきたいと考えているが、市が新たに設置することは難しいため、農家や農業協同組合が主体となって設置する形態の市民農園をふやしていきたい。



[質疑・意見]
 市民のニーズに対して、現状をどう考えているのか。

[答弁]
 現状はニーズを満たしていないと考えている。



[質疑・意見]
 市民農園は遊休農地対策に貢献すると考えているが、本市の耕作放棄地の面積と耕作放棄地の割合はどうか。

[答弁]
 農家所有の耕作放棄地は185ha、農家以外も含めると約340haであり、農地面積約3,000haに対し、約1割が耕作放棄地となっている。



[質疑・意見]
 耕作放棄率は増加しているのが現状であり、この事業は拡大していくべきだと考えるが、市有の未利用地を市民農園として利用できないのか。

[答弁]
 市民農園は農地を保全する方策の一つとして進めていきたいと考えている。



[質疑・意見]
 市民農園は、市民参加で市の農業環境を保全していく一つの形だと思うので、事業の拡大を要望しておく。



[質疑・意見]
 食料自給率を引き上げるためには、農地の保全や担い手の確保が欠かせない課題と思うが、所見を伺う。

[答弁]
 農地の保全や担い手の確保が課題だと考えている。耕作放棄地については、調査を行い、地権者の意向を伺いながら、改善計画を立てていきたいと考えている。また、今後、耕作放棄地が増加しないように、農業経営の安定、兼業農家への支援、市民参加型の農地の保全方策を考えていく。さらに、農業協同組合による農業生産法人への農地の集積も進めていきたい。



[質疑・意見]
 農業経営がうまくいけば後継者がふえると思うが、農林水産省による稲作農家の昨年の家族労働報酬は1日当たり1,430円であり、非常に下がってきている。サラリーマンの最低賃金の4分の1である。本市の農家の所得の推移を尋ねる。

[答弁]
 農家所得については、平成17年が574万円、平成16年が517万円、平成15年が589万円、平成12年が626万円、平成7年が753万円である。



[質疑・意見]
 本市の農家も所得が下がってきており、原油高もあって深刻な経営状況にあると思うが、原油高の影響についてどのような対応を考えているのか。

[答弁]
 バラ、トマトなど、冬場に加温を要する際に重油を使うことから影響を受けている。このため、省エネ型施設として国は19年度にバラ、洋蘭関係にエアコンを76台、県は19年度にイチゴ、洋蘭関係にボイラーを4台、市は19年度にトマト関係にボイラー7台、20年度はイチゴ、トマト関係にボイラー6台を助成している。今後については、国、県の動向を見ながら必要な施策を検討していきたい。



[質疑・意見]
 直接補てんをしなければ、離農していくおそれがあると懸念するがどう考えるか。

[答弁]
 直接補てんは農家にとって大きなメリットになるが、市単独では現時点では困難だと考えている。



[質疑・意見]
 国の対応が不十分な中で、直接補てんは農業従事者にとって切実な要求であり、市は真摯に検討することを求めておきたい。農漁業を取り巻く状況は厳しく、価格補償、所得補償の制度、担い手づくり、輸入拡大による国内農業の衰退対策について、農漁業従事者を守る取り組みを国に強く要望してほしい。