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福岡県 福岡市

平成18年決算特別委員会第4分科会 質疑・意見




2006.10.12 : 平成18年決算特別委員会第4分科会 質疑・意見


[質疑・意見]
 地域による「まちづくり」の推進について、建築協定地区数40地区と実績があるが、西福岡マリナタウンの建築協定については廃止されたと聞いている。この廃止について、具体的事実関係はどうか。

[答弁]
 西福岡マリナタウンの建築協定には、戸建て地域と商業地域の建築協定がある。商業地域の建築協定については平成5年7月に認可したが、博多港開発(株)の4区画の兼用住宅用地の売却が進まないことなどから、博多港開発(株)をはじめとする土地の所有者から平成10年5月に建築協定廃止の申請があり、廃止を認可したものである。



[質疑・意見]
 建築協定は将来にわたり地域の住環境を保全し、魅力あるまちづくりを進めるための制度である。協定の締結後に問題が生じて廃止されることは、建築協定の安定性について問題があると思うが、どう考えるか。

[答弁]
 西福岡マリナタウンの建築協定は、当初意図した用途での土地利用が進まなかったため、廃止されたものである。今回問題となっているのは、北側に良好な戸建て住宅の建築協定地域が広がっており、ここに隣接する南側の商業地域の建築協定が廃止されたことである。当初は建築協定の変更という形で指導してきたが、建築基準法で定められている変更に必要な土地所有者全員の合意が得られなかったという経緯を聞いている。廃止については、建築基準法により過半数の賛成があれば可能であり、過半数以上の廃止の合意書で申請があったので、廃止の認可に至ったものである。今後は、建築協定締結地区が隣接している地域については、慎重に取り扱い、業者を指導していく。



[質疑・意見]
 地権者全員が賛同した建築協定を、過半数で廃止ができるということは、半分の人に認識されないまま廃止されることであり、これは大きな問題である。当初、建築協定に参加した人たちに対し、どう対応したのか。

[答弁]
 建築協定の変更・廃止に当たり、地権者12人に対し変更・廃止に関する通知を出すよう指導し、実行されたと聞いている。



[質疑・意見]
 隣接する人も良好な環境に賛同していたと思うが、説明はしたのか。

[答弁]
 協定外の隣接する地区に対する説明については、業者への指導は行われていない。



[質疑・意見]
 一体性がある地域であり、建築協定対象地域だけではなく、地域全体の人が関心のあることである。法律上は別として、大きな変更がある場合は、地域で説明会を行うべきだと思うが、どうか。

[答弁]
 建築協定は、自分たちのまちを自分たちの考えで、権利を制限しながら良好に維持していこうというものである。住民発意の制度であり、過半数の合意で廃止はできる。今回の問題は、当該の建築協定の隣接地で戸建て住宅地としての建築協定が結ばれていることである。住宅地に住む人は商業地の建築協定により自分たちの権利も守られると思っており、この協定が廃止されるとは思っていなかったのではないか。平成10年に協定が廃止されたとき、法律上の説明責任はないが、隣接する別の建築協定がある地域には最低でも廃止の意向を伝えるよう指導すべきであったと反省している。廃止に当たっては、今後は建築協定の趣旨、近隣への影響等を勘案しながら、指導に取り組んでいきたい。



[質疑・意見]
 過去10年間で、建築協定が廃止された事例は何件か。

[答弁]
 建築協定については、自動更新する場合や、住民全員の合意で継続する場合がある。把握している分については、自然失効が5件のほか、期間途中で廃止された西福岡マリナタウンのものが1件である。



[質疑・意見]
 博多港開発(株)が、当該地を福岡商事(株)に売却したのはいつか。

[答弁]
 博多港開発(株)から福岡商事(株)に土地が売却されたのは、1回目が昭和62年3月、2回目が平成元年8月である。



[質疑・意見]
 協定の廃止は、老人いこいの家が公益上必要な建築物に該当しないことも理由だとあったが、その根拠は何か。

[答弁]
 協定の廃止の理由は、博多港開発(株)による4区画の活用及び老人いこいの家の建設のためである。建築基準法施行令第130条の4において、郵便局、地方公共団体の支庁、老人福祉センター、その他これらに類するものが、公益上必要な建築物として当該建築協定のもとで建築可能とされているが、老人いこいの家は、建築基準法の適用に当たっては、公民館や集会所に類するものとして取り扱っており、施行令第130条の4で定める用途に該当しないと判断したものである。
 当該建築協定は、商業施設との兼用住宅は建てられるが、専用住宅は建てられない内容であった。建築協定廃止の申請者は、4区画が遊休地化し、不法投棄など周辺住環境への悪影響が懸念されたため、専用住宅地として処分したいとの意向があり、協定の廃止となったものである。



[質疑・意見]
 専用住宅は、何戸建てられたのか。

[答弁]
 建築協定廃止当時は、兼用住宅のみであったが、現在は、専用住宅が4戸建てられている。



[質疑・意見]
 老人いこいの家が建設された当時、愛宕浜の自治会や住民は、協定が廃止されて建設された経緯を知っていたのか。

[答弁]
 建築協定を結んでいた地権者には、建築協定の廃止を通知している。協定地区外の戸建て住宅地の住民には、通知はしていない。



[質疑・意見]
 周辺住民に通知されていれば、再度協定が結ばれることになったかもしれない。廃止について過半数の届出があったとのことだが、周辺住民への説明はなかったのか。

[答弁]
 周辺住民への説明はなかったと聞いている。



[質疑・意見]
 博多港開発(株)から福岡商事(株)に土地が売却された際、特約はあったのか。

[答弁]
 博多港開発(株)から福岡商事(株)に売却された際には特約条項があったが、福岡商事(株)からマンション事業者に売却された際には特に条項はなかったと聞いている。



[質疑・意見]
 周辺の建築協定との関係もあり、博多港開発(株)から特約について福岡商事(株)に申し伝えておくべきではなかったのか。

[答弁]
 廃止申請の同意書によると「博多港開発(株)を廃止申請の代表とすること、又、商業地として良好な環境を維持するため今後とも本協定の趣旨を尊重する」とされており、協定の精神を守ろうとする背景はあったのではないかと思われる。



[質疑・意見]
 周辺住民は、この件について不信を持っている。そのような背景があるのであれば、博多港開発(株)と建築局が、より一体となって問題にかかわる必要があると指摘しておく。



[質疑・意見]
 市有建築物のライフサイクルの縮減や、経費支出の平準化を図るため、アセットマネジメントの導入に取り組んだとあるが、17年度の取り組みの概要はどうか。

[答弁]
 現在、保全情報システムを構築しており、18年度末から試行運用を始めたい。市有建築物個々の建物の長期保全計画を作成し、効率的な計画修繕を行うことにより、建物のライフサイクルコストの低減を図りたい。



[質疑・意見]
 財政状況が厳しい中、これから公共施設の更新時期を迎えるため、アセットマネジメントの導入が必要であるが、推進の課題と、導入の効果はどうか。

[答弁]
 課題としては、本市において高度成長期に建設された建物が今後大量に更新時期を迎えるので、優先度をつけるためのデータの蓄積が必要となる。また、全庁的にアセットマネジメントを進めるためには、財政的な裏付けが必要であり、推進体制も課題と考えている。



[質疑・意見]
 市有建築物全体の改善・改修経費は、現在どれくらいかかっているのか。また、今後20年ではどのくらい必要となるのか。

[答弁]
 16年度時点で、建築物の維持管理・修繕・更新にかかる経費は約400億円程度というデータがある。建物の更新を考えると、今後10年のうちに、この費用が2倍程度になる可能性があり、これを抑えるためにアセットマネジメントの推進を検討しているところである。



[質疑・意見]
 資金をどう調達するかが問題となってくる。公債費を削減していく中で、新たな資金調達の手法は考えているのか。

[答弁]
 市有建築物は現在約40年サイクルで建て替えている。アセットマネジメントは、計画的に改修・修繕を行うことで建物の寿命を延ばし、このサイクルを引き延ばすことにより、現在の費用を大きく上回らないようにする事業である。



[質疑・意見]
 教育委員会の学校施設など、さまざまな市有建築物があるので、建築局だけでなく関係局と連携して全庁的に進める必要があると思うが、どうか。

[答弁]
 現在、財政局が中心となり、アセットマネジメントの基本方針の検討委員会をつくっており、その中で検討が進められている。



[質疑・意見]
 建築局も主体的に取り組むよう要望しておく。東京都のさまざまな区では、市民に建物の更新に多額の費用がかかることを理解してもらうために施設白書を作成しているが、本市にはあるのか。

[答弁]
 建物に関する施設白書のようなものはないが、公有財産台帳を公開している。



[質疑・意見]
 市有建築物の現状を市民に知らせ、今後市民の理解を得ながらアセットマネジメントに取り組む必要がある。市民への周知は重要であり、白書の作成を検討してほしいと思うが、所見を伺う。

[答弁]
 アセットマネジメントは財政局を中心に進められているが、建築については建築局が中心になり、また、道路、下水道、港湾施設も視野に入れ、全庁的に取り組んでいる。これを実現するため、建築局において学校等の建物の修繕計画を把握できるシステムを構築し、全庁的に取り組むように進めている。財政が逼迫する中、今後、維持管理・更新費が増加するのは明らかであり、水道、光熱費等を含め、この費用を平準化させる必要がある。実際に実行する際には、どれを優先させるかの議論が出てくると思うが、この決定の過程を公開する必要があるので、白書に類するものにより、透明性の高い政策決定の仕組みづくりに取り組んでいきたい。



[質疑・意見]
 ぜひ、白書の作成を要望しておく。



[質疑・意見]
 開発許可等取扱件数346件とあるが、無許可開発の案件はあるのか。ある場合は何件か。

[答弁]
 無許可開発はあるが、件数は把握していない。



[質疑・意見]
 発見していないものがあるから、件数がわからないのか。発見して、後日指導した分はあるのか。

[答弁]
 地元からの通報により、東区下原において指導しているものがある。



[質疑・意見]
 開発許可を受けずに、勝手に造成した場合、どのような指導をしているのか。

[答弁]
 違反行為があった場合、これを是正するよう指導している。



[質疑・意見]
 勝手に造成等を行うと、地崩れが起こるなど周辺に障害が出て、迷惑をかけることがあるが、これらにどう対処するのか。

[答弁]
 工事の停止を命じ、安全措置を取らせ、期間を定めて違反是正についての措置をとるよう指導している。



[質疑・意見]
 発見した場合は指導ができるが、発見しなければ、そのまま得をするのか。通報からしか発見できないのか。

[答弁]
 違反の発見は市民からの通報が一番多い。このほか週1回現場を周り、違反がないかパトロールを行っており、発見した場合は指導を行っている。



[質疑・意見]
 許可が必要な開発にもかかわらず、開発許可が不要だと開発者が思っている場合は、発見できないということなのか。

[答弁]
 開発地における違反は、調整区域、市街化区域の場合があり、市街化区域の違反については、週1回のパトロールにより発見に努めているが、調整区域は地域が広く発見が難しいのが実情である。いずれにしても開発の後、建物を建てるときは、確認申請の行為が必要であり、その際に開発許可を受けたかどうかが判明する。本人が開発許可を不要であると思っていたものでも、確認申請が出た場合にはわかる。



[質疑・意見]
 パトロールはどのように行っているのか。

[答弁]
 週1回行っており、市内全域は広いので区単位でパトロールをしている。工事をする場合は確認申請を行い、確認の表示板を現場に掲示するようになっているため、表示板がない場合等は指導をしている。



[質疑・意見]
 確認申請を出さなくてもよい軽微な増改築の場合で、実際は申請が必要なものについては、たまたま通りかかったパトロールでしか発見できないのか。

[答弁]
 パトロールで回ったときに発見するか、市民からの通報があったときに現場で指導している。



[質疑・意見]
 確認申請が必要な増改築を申請しないで行った場合、見つからなければ、それでいいのか。

[答弁]
 確認申請をしないで増改築を行えば、銀行の融資の際に検査を義務づけられたり、転売等の取引に不利になることはある。現実的に市内全域すべての違反を発見するのは難しく、市民からの通報やパトロールでしか発見できないのが現状である。



[質疑・意見]
 確認申請が不要な物件であっても、建物の増改築等について報告義務を課すことはできないのか。

[答弁]
 現在のところ、報告義務は定めていない。



[質疑・意見]
 例えば本市の条例で定めることができないのか。

[答弁]
 建築確認や開発指導等については、手続きがそれぞれの法律に定められており、現在のところ報告を求めるという制度になっていない。条例等で求める場合も根拠となる法がない。法律に基づかない報告義務は難しいと考えている。



[質疑・意見]
 調整区域に無許可開発を行い、建物を建てている事例がある。これに対しどういう指導を行っているのか。

[答弁]
 現在、相手方からどういう状況で建てたのか、報告等を求め、協議中である。



[質疑・意見]
 協議中というが、建物は使用させており、これは不適切ではないか。

[答弁]
 建物を使用するのが非常に危険だと判断した場合は使用禁止とするが、危険性がなければ使用させながら是正指導を行っている。



[質疑・意見]
 使用させながら指導するのは、おかしい。協議中なのになぜ、使用できるのかが理解できない。建物は使用停止すべきであり、土地も使用できないと思う。今のような指導を行うのであれば、建てた方が得をすることになる。これをおかしいとは思わないのか。

[答弁]
 すでに使用、居住している段階で発見する場合もあり、違反是正は難しい問題である。事前に把握し防止する仕組みと、発見後に適正に対応することが重要だと考えている。17年度には、市街化調整区域の物件について都市計画法違反と建築基準法違反で警察に告発し、強制執行を考えていたが、本人が自主的に撤去した事例があった。違反事例ごと個別に、どうしたら法律どおりに対応できるのかという観点から指導しているところである。指摘の点も認識しており、個別に適切に対応していきたい。



[質疑・意見]
 東区の山中に、無許可で寺が建てられ、水路が埋められたため水があふれ、田んぼに水が流れなくなり農家が困っている。開発指導課は建物を撤去しないと開発許可が出せないと指導したとのことで、これは適切と考えるが、一方で監察指導課は、建築基準法にのっとっていれば建物はそのままでよいと指導したとのことで、これは大きな問題である。周辺住民は、水路から水があふれ、土砂崩れが起き、農道がふさがれて田んぼにも行けず困っている。本当に、建築基準法に適合していれば、建物はそのままでよいと指導したのか。

[答弁]
 現在、その件については協議中であり、建物をそのままでよいという結論は出していない。



[質疑・意見]
 開発指導課は、建物を撤去しなければ開発許可が出せないと指導している。危険な場所に確認申請もせずに建築しており、この指導は当然だと考える。当該建築物を撤去するよう指導していないのか。農業委員会でも問題となっており、最低でも原状復帰すべきとの話となっている。問題が起こったのは1年も前だが、協議中とはどういうことか。

[答弁]
 建設された当時の施工状況を確認するため、図面や写真等を求め、安全であるか協議している状況である。



[質疑・意見]
 無許可造成のため、周辺住民は危険にさらされており、すでに水害が起こっている。このような状況で、建物の安全性について1年もかけて検証しているのか。そのような対応があり得るのか。

[答弁]
 周囲の安全性を最優先すべきであり、適切に対応したい。



[質疑・意見]
 違反対策について、きちんと監視をし、適切な指導をするよう要望しておく。



[質疑・意見]
 まちなみのルールづくり支援センターにおける、紛争の相談件数の推移はどうか。

[答弁]
 過去3年間の紛争相談件数は、17年度219件、16年度270件、15年度251件である。



[質疑・意見]
 相談件数は毎年200件を超えている。マンション関連の請願を審査していると、建築紛争防止条例が機能しておらず、互譲の精神が発揮されていないと感じる。相談件数のうち、解決した事例はどの程度あるのか。

[答弁]
 紛争のうち4割は和解に至っている。



[質疑・意見]
 紛争において、市の指導が有効に働いているのか疑問に思う。先日、2件のマンション関連請願を審査したが、ともに工事協定が結ばれないまま着工に至っており、条例をふみにじる行為である。工事協定が結ばれる前に着工に至った事例はどの程度あるのか。

[答弁]
 把握していない。



[質疑・意見]
 現在の紛争防止条例には、工事協定が結ばれないまま着工に至る問題について、有効な手だてがない。条例の見直しが必要ではないか。

[答弁]
 条例を制定して年数も経過しており、見直しについては検討していきたい。



[質疑・意見]
 互譲の精神といいながら、住民は弱い立場にある。現状では、建築基準法を満たせば着工を強行でき、事業者の社会的責任を問うことでしか住民との関係を維持できないため、条例に有効な制裁措置を導入すべきである。また、城南区田島の事例など、狭隘な道路に囲まれた地域の大規模マンション建設について、市が黙認している問題がある。新たに条例を提案する意向とのことだが、狭隘道路に面した地域の開発の規制について、本市の考え方はどうか。

[答弁]
 平成19年3月に、建築物の敷地が接しなければならない道路幅員の制限に関する条例の提案を予定している。他都市の事例については、延べ面積が1000m2を超える建築物について、川崎市及び横浜市は幅員を6m以上、京都市は4m以上とするよう定めている。本市は、現在実態調査中であり、結果を踏まえて制限の内容を検討していく。事業者の社会的責任については、現在の紛争防止条例においても、事業者が事前説明等を真摯に行わない場合は、警告や勧告を行い、これに従わない場合は、事業者名を公表することとしている。建設の中止を条例に導入することについては、慎重に検討したい。



[質疑・意見]
 大企業でも、平気で建築紛争防止条例を無視している。現在も制裁措置があるとのことだが、西高宮や地行の事例など、実態として有効に機能していないと思うが、勧告などを行っているのか。

[答弁]
 指摘の事例については、事業者から事前説明が行われており、特に勧告などは行っていない。



[質疑・意見]
 西高宮の事例においては、アスベスト等の問題があるため住民が協議を求めていたにもかかわらず、工事が強行された。道路が狭隘な地行においては、緊急車両が入れなくなる問題があった。住民と十分な協議がなされないまま着工される事例については、強力な指導を行えるよう、法的な根拠をもたせる必要がある。また、狭隘道路に囲まれた低層住宅地については、高層住宅が建つことには景観上の問題もあり、接道の視点だけでなく、周辺のまち並みとの整合性も考慮した条例とすべきではないか。

[答弁]
 検討中の制限に関する条例は、建築基準法の規定に基づき、条例化が可能な範囲で検討しており、周辺のまち並みまで配慮した検討は行っていない。しかし、住民の協力のもと、建築協定や地区計画など他の方策を活用し、まち並みにふさわしい建築が可能であり、これを実現するために、まちなみのルールづくり支援センターを設置し、制度の周知や活用に努めている。



[質疑・意見]
 住民発意の建築協定等に頼るのではなく、市として土地利用計画を見直すことが必要ではないか。実際は低層の住宅地であるにもかかわらず、用途指定が異なるために高層建築が可能であり、建築協定で対策を立てることは、本末転倒である。市が総合的に判断して用途や高度の指定を行い、まち並みを維持するための規制を行うべきである。国もそのような答申を出しており、世田谷区のように、高さ制限や緑被率等を条例で規制している事例もある。建築紛争の事例を見ると、本市も本質的な見直しを図る必要があると思うがどうか。

[答弁]
 用途地域の指定等は、都市整備局により、本市の人口や将来像を見据え、大きな枠組みで行われている。建築紛争の根幹に、現状の土地利用と都市計画の乖離がある点は認識している。一方で小さな枠組みではあるが、建築協定や都市計画の地区計画等の制度がある。これらの活用により、紛争の予防や良好なまちづくりが担保できると考えている。



[質疑・意見]
 景観法は、現在のまち並みの維持だけでなく、目的に沿って将来の景観を作るための措置も可能な幅広い法律であるが、建築局としてどのように検討しているか。

[答弁]
 景観法は都市景観室の所管であり、建築局指導部としては特に検討していない。



[質疑・意見]
 博多部住環境整備事業において、御供所地区街なみ環境整備事業の修景施設整備費補助として1棟があるが、これは何か。

[答弁]
 都市整備局が所管する都市景観条例に基づき、都市景観形成地区の指定を行っており、この地域における民有地の住宅等の建て替えに対する修景助成を行っている。



[質疑・意見]
 都市整備局が助成すべきではないのか。なぜ建築局が助成しているのか。

[答弁]
 寺社の門・塀等については都市整備局、民有地の住宅等の建て替え等については建築局が助成し、道路等の公共部分については土木局が整備を行うなど、各局で役割分担をして、対応している。



[質疑・意見]
 このような事業は統一的に実施しないと、補助金など支出元も異なり、全体として不統一になる。まち並みの問題と建築物のあり方については、所管が違うとしても、統一的に考える必要があるのではないか。

[答弁]
 街なみ環境整備事業として補助金の支出元は同一であり、全体の総合調整は建築局が行っている。良好な景観を形成するには、統一的な視点が必要と認識しており、連絡調整を密にして事業を推進している。



[質疑・意見]
 景観法は建築協定と異なり、より踏み込んだ、広い範囲の対応が可能であり、住環境を含めたさまざまな場で活用すべきである。櫛田神社周辺の冷泉地区においても、景観の整備を検討するよう要望しておく。また、本市の観光については、まち並みが形成されていないところに問題がある。江戸川区において、景観法を活用してまち並みの形成に取り組んでいる事例がある。景観法は農村部においても活用でき、古いまち並みなど住環境の保全も可能である。本市の観光振興の視点から、新・福岡都心構想の中で、観光や景観形成について、議論しているのか。

[答弁]
 17年度に新・福岡都心構想が検討されたが、指摘の観光や景観については、特に天神や博多駅周辺などの景観形成、回遊性や観光の視点から議論が重ねられており、構想に盛り込まれていると考えている。



[質疑・意見]
 本市のマンション紛争問題と、まち並みの整備が進まない問題は、表裏一体にある。住環境の維持と本市の魅力づくりは、ともに考えるべき問題である。マンション紛争が、年間で200件も起こる都市を住みよいまちとは思えず、さまざまな手だてを尽くすべきだと思うが、所見を伺う。

[答弁]
 建築局においても、幅広い視点で業務を見つめ直す必要があると認識している。他都市から本市を訪れる人からは、都市景観を評価する声もあり、これは行政だけでなく、民間の努力のおかげであると考えている。今後も150万都市にふさわしい風格のある都市景観づくりが本市の活力や良い環境づくりに繋がるという視点で建築局の施策を展開していきたい。



[質疑・意見]
 良好な景観と住環境の整備を、重ねて要望しておく。



[質疑・意見]
 高齢者賃貸住宅居住支援事業における、高齢入居者に対する身元引受業務の実績はどうか。

[答弁]
 15年度から事業を開始し、15年度1件、16年度16件、17年度19件、18年度は現在までで1件、累計で37件である。



[質疑・意見]
 件数について、どう考えているか。

[答弁]
 身元引き受け業務の契約件数そのものは少ないが、入居支援として賃貸住宅の斡旋も行っており、問い合わせの累計は891件である。身元引受業務の契約をした37件のうち14件が入居に至ったほか、79件がこの契約を伴わず入居に至っており、計93件の住宅入居となっており、成果が上がっていると考えている。



[質疑・意見]
 社会福祉協議会が実施していたと思うが、月額500円で契約した人のみが利用できるのか。

[答弁]
 社会福祉協議会と契約を結んだ人にサービスを行うものである。



[質疑・意見]
 891件の相談で93件の入居とのことだが、制度的に問題はないのか。

[答弁]
 入居件数のほかに、斡旋を行った後に確認ができていない件数が140件ある。なかなか市営住宅に当選できないが、高齢者向け優良賃貸住宅では家賃が5〜6万で高いとして、3〜4万円の家賃を希望する人の多数の問い合わせに対応しており、この階層に対する住宅のセーフティーネットとしての役割を果たしていると考えている。



[質疑・意見]
 単身で低所得の高齢者の相談が多いようであり、市営住宅や民間の良好な住宅を確保することが必要である。本市は高齢者向け優良賃貸住宅事業を実施しているが、相談に対して住宅は足りているのか。

[答弁]
 これまで高齢者向け優良賃貸住宅は86戸を供給しているが、供給戸数は伸び悩んでいると認識している。しかしながら、民間の賃貸住宅を有効活用するため、高齢者受け入れ事業者登録事業を進めており、18事業者を登録し、約4万1,500戸の高齢者への紹介戸数を確保している。



[質疑・意見]
 高齢者向け優良賃貸住宅事業については、国の助成の問題もあるが、よりふやす努力が必要である。また、民間の登録戸数が約4万戸とのことだが、入居に至らないのは条件が悪いからではないのか。

[答弁]
 民間賃貸住宅の斡旋については、計233件と、それなりの実績があると認識している。高齢者向け優良賃貸住宅については、新築のみの助成であったが、17年度から改良した住宅にも助成が可能となった。さらに18年度から整備基準が緩和されたので、今後は改良による整備についても事業者へ強く働きかけたいと考えている。



[質疑・意見]
 年金額の引き下げや税制改正により、高齢者は大変な状況にある。安価な住居の確保は大きな問題であり、高齢者向け優良賃貸住宅をふやすよう要望する。



[質疑・意見]
 市営住宅家賃の収納状況について、入居者の全体的な収入が下がったため減収となっているとのことだが、どのような状況か。

[答弁]
 市営住宅の家賃については、応能応益の原則に基づき、入居者の収入に基づき算定される。当初予算は従前の入居者の状況を加味して算定しているが、17年度にかけて第1階層の入居者がふえたため、見込み額を下回っている。



[質疑・意見]
 17年度に、新たに市営住宅に入居した世帯数はどうか。

[答弁]
 約700世帯である。



[質疑・意見]
 700世帯の入居により、家賃収入が下がったと考えてよいのか。

[答弁]
 従来から入居している世帯についても所得の見直しを行っており、全体として第1階層がふえたため減収となっている。具体的には、第1階層の割合は、15年度74.1%、16年度75.9%、17年度77.6%と上昇している。予算編成においては、過去3カ年程度を参考としており、家賃が少額である第1階層の割合が高かったため、収入不足が生じたものである。



[質疑・意見]
 入居者の所得調査は毎年行っているのか。

[答弁]
 入居者の収入については、毎年、申告してもらっている。



[質疑・意見]
 家賃収入の18年度予算は、第1階層の増加を反映して抑えた額となっているのか。

[答弁]
 過去3カ年程度の入居者の収入により予算を立てており、第1階層の増加が反映されている。



[質疑・意見]
 収入減を前提とした予算編成が必要となるため、建築局としても努力の必要があると意見を述べておく。



[質疑・意見]
 住宅管理費の委託料について、不用額の理由である落札差金等の内容は何か。

[答弁]
 住宅管理費の不用額1億3,400万円余のうち、住宅供給公社への委託料の精算によるものが8,000万円程度である。内訳は人件費等が約1,000万円、事業費が約7,000万円である。なお,落札差金は,階段手すり設置事業等による約3,500万円である。



[質疑・意見]
 最近、市の小規模な工事は、赤字覚悟で行う必要があり、業者が避けているとの声も聞いており、留意するよう意見を述べておく。



[質疑・意見]
 建築紛争について、工事協定が結ばれた後、住民が私有地に立てた看板やのぼりを撤去しなければならないことがあるのか。

[答弁]
 工事協定の中に条項がある場合は、それに基づき対応しなければならない。



[質疑・意見]
 「工事協定を守れ」等の看板を事業者が勝手に撤去することは、許されるのか。

[答弁]
 当然、許されることではない。



[質疑・意見]
 第4委員会でも審査した田島一丁目の事例において、「工事協定を守れ」という趣旨の看板やのぼりが盗まれたり、運動の主要メンバーに脅迫や怪文書が届いている実態を申し述べておく。



[質疑・意見]
 市営住宅について、高齢単身者住宅、単身者住宅の17年度の応募倍率はどうか。

[答弁]
 高齢単身者は約38倍、単身者は約42倍である。



[質疑・意見]
 異常に高い倍率と思うが、所見はどうか。また、今後の取り扱いをどう考えているのか。

[答弁]
 市営住宅に限らず、市内の住宅困窮者にかかる施策に建築局で取り組んでいるが、高齢者、障がい者などの住宅困窮者を市営住宅だけで支えるのは困難である。現在、住宅審議会において、この対策について諮問をしたところであり、住宅困窮者への対応、住宅のセーフティーネットをテーマに、高齢者、障がい者のほか子育て世帯への支援等、市営住宅の役割をはじめとして幅広く審議をお願いしている。この中で、今後の方向性の答申が出ると考えている。



[質疑・意見]
 近年、高齢単身者、単身者の応募倍率は非常に高い傾向である。住宅審議会で論議されるのはいいが、実際に入居したいという人が多くいることを、建築局として直視する必要があると意見を述べておく。



[質疑・意見]
 市営住宅における、17年度の新築住宅は何戸か。

[答弁]
 17年度は新築住宅はない。



[質疑・意見]
 17年度の応募倍率は何倍か。

[答弁]
 20.56倍である。



[質疑・意見]
 本市は住宅審議会答申に基づき、管理戸数を据え置いているが、この答申が出たときの倍率はどうか。

[答弁]
 住宅審議会の第1期答申は12年度に出ており、当時は平均で約9倍であった。



[質疑・意見]
 答申を受けてから、応募倍率は現在倍になっているが、17年度の20倍という倍率をどう評価しているのか。

[答弁]
 第1期答申から比べると相当な高率となり、当時と住宅事情が変わったという認識を持っており、現在、新しい諮問を住宅審議会へ行ったものである。



[質疑・意見]
 住宅事情が変わったというのは、どういうことなのか。

[答弁]
 当時も社会経済情勢は良好ではなかったが、さらにこれが深刻となり、低家賃の住宅を求める人が多くなり、市営住宅の申し込みがふえたと考えている。



[質疑・意見]
 市民生活が以前にも増して、困窮してきていると言えると思うが、どうか。

[答弁]
 高齢者の入居支援事業は、高齢者が民間住宅に入居を希望しても、オーナーが高齢者は緊急の対応に困るので入居を拒むことがあるという状況があり、こういった人が市営住宅に申し込むことが多いということで始めたものである。これからの審議会において、それぞれの困窮者のデータを整理して示し、本当に市営住宅で救済すべき人はどういう人なのか、あるいは公的支援をどう行うと民間住宅への入居が進むのか等を考えることが必要だと考えている。



[質疑・意見]
 建築局の市営住宅当選者アンケートによると、「生活が苦しく少しでも家賃が安い住宅に住みたい」が81%もある。市営住宅の管理戸数を現状にとどめるという施策は、市民ニーズにかなっているのか。この施策を見直すべきと思うが、どうか。

[答弁]
 アンケートでは、「特に生活が苦しいわけでないが、家賃が安いから申し込んだ」という人も12%いる。辞退者もおり、20倍の高率であるが、内訳を検証することが必要と考えている。その上で困窮の状況を分析し、現状の市営住宅の戸数が妥当かを検討したい。



[質疑・意見]
 少しでも安い家賃で住みたいとの81%の声と、12%の声を同列のように答弁しているが、市民のニーズが81%の声に反映されていることは明らかである。また、辞退者数が多いとのことだが、17年度の辞退者数194世帯は、補欠入居ですべて埋まっている。これは、辞退する人がいても、すべて埋まるだけの応募者がいることを示している。17年度は震災のため募集が3回であったにもかかわらず1万4,496人の応募者があっており、これだけの入居希望者がいることを直視すべきである。当選者アンケートの募集抽選の方法についての項目においては、約6割が募集戸数をふやしてほしいと回答している。市営住宅の戸数をふやしてほしいとの市民ニーズは年々高まっており、責任ある答弁を求める。

[答弁]
 応募倍率約20倍は、政令指定都市の平均程度である。人口当たりの公営住宅の戸数も、おおむね中位であると認識している。公営住宅制度については、国において入居収入基準を含めた見直しの動きもあり、20倍という数字がこのまま続くとは考えていない。本市の第1階層がふえている点は認識しており、この実態を踏まえる必要があると考えている。公的な住宅に対する需要については、子育て世代やDVへの対応、グループホームをはじめ福祉関係のニーズなど多様化しており、これらに適切に応じていく必要があるため、他局とも連携を図り、住宅審議会や議会の意見も踏まえて対応していきたい。