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平成21年 空港対策調査特別委員会 本文




2009.02.20 : 平成21年 空港対策調査特別委員会 本文


   平成二十一年二月二十日(金曜日)
   午 後 十 三 時 零 分 開 会
◯井上忠敏委員長 それでは、定足数に達しておりますので、ただいまから空港対策調査特別委員会を開会いたします。
 本日の議題は、お手元配付のとおりであります。御確認願います。
 なお、本日、報道機関からテレビカメラ等の撮影について申し出があっておりますので、これを許可しております。御了承願います。
 撮影者に申し上げます。撮影に当たっては、記者席に配付しております「撮影区域にかかる図面」及び「撮影にあたっての注意事項」をよくごらんいただき、それらを遵守していただくとともに、私の指示に従っていただきますようお願いいたします。なお、ムービーカメラでの撮影は冒頭から定位置で行うこと、またスチールカメラにつきましては、撮影区域内での移動に限り許可いたします。くれぐれも委員会運営に支障がないように撮影されますようよろしくお願いいたします。
 ここで、さきの委員会におきまして本委員会として知事に対し出席要求を行うことを決定した件についてでありますが、正副委員長において執行部との調整の結果、本日、知事に御出席をいただくこととなりましたので、よろしくお願いいたします。
 また、本日の議事の進行についてであります。さきの委員会におきまして、知事に対する質疑の段取り等につきましては、正副委員長に御一任をいただいたところですが、本日は、議題に入ります前に、まず、さきの委員会において要求のありました資料三件に関する質疑を行い、その後、一時三十分をめどに、お手元配付の「福岡空港の需給逼迫等に係る対策について」を議題とし、知事に入室を求め、知事に対する質疑を行いたいと思います。
 また、知事に対する質疑についてでありますが、本件は私が委員会を代表して知事のお考えをお尋ねしたいと思いますので、御了承願います。
 委員各位には、本日の議事進行方、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議題に入ります前に、さきの委員会において要求のありました資料三件をお手元に配付しております。御確認願います。
 それでは初めに、高橋委員要求の「福岡空港の需要予測(旅客数)について」、執行部の説明を求めます。
 秋山空港計画課長。
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◯秋山空港計画課長 お手元にお配りしております要求資料の一ページをお願いいたします。
 本資料は、福岡空港の需要予測(旅客数)について記載したものでございます。福岡空港の総合的調査におきましては、ステップ2、平成十八年度に行いましたけれども、この需要予測をお示ししたところでございます。その際の旅客数の将来見込みでございます。ケースAからCの三通りにおきまして、国内線、それから国際線ごとにお示しをいたしております。
 さらに、本調査は福岡空港の需給逼迫に着目しておりますので、最終的にはこの旅客数から、下に掲載してございますけれども、発着回数を割り出して予測をいたしております。
 説明は以上でございます。
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◯井上忠敏委員長 説明は終わりました。高橋委員、いかがでしょうか。高橋委員。
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◯高橋雅成委員 確認だけ幾つかさせてください。
 まず、上の旅客数の需要予測から下の発着回数を予測したということですけれども、どんな方法でこの発着回数を割り出されたのでしょうか。
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◯井上忠敏委員長 秋山空港計画課長。
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◯秋山空港計画課長 まず、旅客数は路線ごとに将来予測をいたしております。例えば、その路線にどういった機材が就航しているのか、小型機なのか中型機なのか、あるいは大型機なのか。あるいはまたこういった機材がどういった割合で就航しているのかを想定いたしまして、そういった機材の就航状況から発着回数を割り出しております。
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◯高橋雅成委員 発着回数の中には、旅客機だけじゃなくて自衛隊機ですとか、マスコミのヘリですとか、ドクターヘリも含まれると伺っているんですけれども、それは今回のこの予測の中にはどんなふうに反映されているんですか。
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◯秋山空港計画課長 発着回数の中には、今御指摘のとおり、旅客の定期便以外に民間機の不定期便、あるいは自衛隊ですとか、海上保安庁の飛行機も含まれております。おおむね一割程度がそういった不定期便と今の状況はなってございます。
 将来にわたりましても、大体一割程度がこういった不定期便が就航するだろうということで、そういった予測のもとに発着回数を割り出しております。
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◯高橋雅成委員 最後ですけど、今後、今示されている二案のうち一案に絞られるわけですが、絞られた後、この需要予測をさらにもう一度精査するということでいいでしょうか。それと、精査した場合、特に新空港となった場合は利便性が低下するわけですから、この需要予測が今回予測したよりも下回るということが想像できるんですけれども、その辺はどうですか。
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◯秋山空港計画課長 まず一点は、「構想・施設計画段階」と言っておりますけれども、次の段階に進みましたときに、ステップ4で一つの考察ということで、平成十九年度の国の航空分科会で示された全国の予測をもとに福岡空港の考察をいたしておりますけれども、こういった予測をさらにどういった規模の施設が必要であるかとか、さらに詳細な計画をする場合に、その予測を精査する必要があると思っております。
 二点目の、もし新空港になった場合ということでございます。新空港の候補地は、若干都心部からのアクセスの利便性が低下するということで、最後の交通機関の分担のところで、例えば競合する新幹線等との比較において、現空港の位置よりは若干そういう部分では空港利用者が減るという可能性はございます。
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◯井上忠敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者がある〕
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◯井上忠敏委員長 特にないようですので、以上で本件の質疑を終わります。
 次に、諏訪下委員要求の「福岡空港の需要予測の前提条件とした将来人口について」、執行部の説明を求めます。
 秋山空港計画課長。
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◯秋山空港計画課長 次の二ページでございますけれども、福岡空港の需要予測の前提となります将来人口の予測ということで、先ほど申しました平成十八年のステップ2の段階の予測におきましては、ここの表に掲げております国立社会保障・人口問題研究所が平成十四年に推計をいたしました将来人口の中位の推計値を用いております。
 参考に、平成十九年度の航空分科会の際の人口予測としては、同じ人口問題研究所の平成十八年度の推計値を用いております。
 説明は以上でございます。
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◯井上忠敏委員長 説明は終わりました。諏訪下委員、いかがでしょうか。諏訪下委員。
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◯諏訪下勝造委員 人口を前提とした資料ということで、ありがとうございました。
 これをもとにして四段階推計方式でその計算をやられたということですが、一人当たりのGDPと一人当たりの生成交通量の関係について、一九七八年のデータをもとに行っておりますけれども、それから二〇〇〇年のGDPの関連の推計をもとに再度四段階推計方式を行っていると理解しているのですが、その点に関しては間違いないですか。
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◯井上忠敏委員長 秋山空港計画課長。
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◯秋山空港計画課長 GDPの伸びのお話でございます。全国の生成交通量はGDPとの相関関係が非常に高いということで、過去のGDPの伸びと交通量の伸びを比較しまして、先ほど御指摘のあった一九七八年からの相関関係を割り出しまして、今回の需要予測に反映させているということでございます。
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◯諏訪下勝造委員 そうすると、一九九〇年代以降に関してのGDPその他の相関関係によっての推計をやられているかどうか。
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◯秋山空港計画課長 いわゆる一九九〇年代の「失われた十年」をどう反映しているかという御指摘かと思いますけれども、平成十九年度の航空分科会で推計された全国の予測値、これはそういった失われた十年という期間におけるGDPとの相関関係を考慮して出されたと聞いております。
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◯諏訪下勝造委員 じゃあ、その数値は反映されていないということで理解していいですか。
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◯秋山空港計画課長 ステップ4で一つ考察とお示しをしました。それは、平成十九年度の航空分科会の全国の需要予測をもとに、簡易な方法ではございますけれども、考察をしたということで、当然、一九九〇年代のGDPとの相関もこの中に反映をされていると理解しております。
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◯諏訪下勝造委員 それでは、二〇〇三年度以降の需要予測に関するデータに関しては、検討する余地があるのかどうかをお聞きしたいんです。
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◯秋山空港計画課長 今回お示ししております需要予測は、単年度の実績も当然あるんでしょうけれども、長い将来にわたってどういうふうにGDPが伸びるのかという将来の予測が非常に大事になるのだろうと思います。こういった将来のGDPの伸びの予測は、例えば経済財政諮問会議とか国の公的な会議なり機関で示された数値を用いているということでございます。もちろん今後どうなっていくかは十分注視をしていく必要があるとは思っております。
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◯諏訪下勝造委員 十分注視をしていただけるということなんですが、じゃあそれを注視してやっていただけるということで理解してよろしいんでしょうか。
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◯秋山空港計画課長 先ほども高橋委員の御質問のときにお答えしたように、次の「構想・施設計画段階」では、需要予測の精査を行うということでございます。そういった時点で、例えば国の公的機関なりが将来のGDPの予測をなされれば、そういったものは当然ながら反映をしていくべきだろうと思っております。
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◯諏訪下勝造委員 じゃあ、反映をしていただくということで。
 今回、空港の規制緩和はいろいろな公共事業等の関連もあるんですけれども、費用対効果ですね。公共事業の関連が非常に今問題になっていますけれども、そういった関連を含めて、費用対効果に関しては今後検討していただく余地があるのかお聞きしたいと思います。調査をしていただけるのか。
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◯秋山空港計画課長 当然、そういった社会資本の整備は、費用対効果、費用に対してどういう効果があるのかは大変重要な要素だろうと思っております。
 現在の福岡空港におきましては、現在既に福岡空港があるわけですけれども、非常にこれは大きな効果を生んでおるわけですから、十分将来ともにそういった効果が発揮できるようにやっていくべきだろうと思っております。
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◯諏訪下勝造委員 それじゃあ、やっていただけるということで、新空港の費用対効果と増設案の費用対効果の調査をしていただくということを要望したいんですけれども。
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◯井上忠敏委員長 要望でよろしいですか。
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◯諏訪下勝造委員 はい。
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◯井上忠敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者がある〕
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◯井上忠敏委員長 特にないようですので、以上で本件の質疑を終わります。
 次に、井上貴博委員要求の「福岡空港の歴史的経緯について」、執行部の説明を求めます。
 秋山空港計画課長。
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◯秋山空港計画課長 資料の三ページでございます。
 本資料は、福岡空港の歴史的経緯ということで作成をさせていただいております。福岡空港の生い立ち、あるいは経過が、福岡空港の所在地の所有者の方、あるいは周辺の方々とどんなかかわり合いを持っているのかを整理させていただいております。
 まず、生い立ちでございますけれども、一九四四年、昭和十九年、第二次世界大戦終戦の前年でございますが、旧陸軍によりまして席田飛行場として建設に着手されております。翌年完成をいたしまして、終戦によりまして、一九四五年、昭和二十年でございますけれども、米軍により接収をされ、その後米軍管理のもとで板付基地として運営をされております。
 こういった過程におきまして、旧陸軍、あるいは米軍によって民有地が強制的に接収をされまして、現在の敷地内に民有地が存在する源流となっております。
 一九七一年、昭和四十六年でございますけれども、民有地の所有者の方々が国を相手取りまして、土地明け渡し請求訴訟を起こされております。これにつきましては、同年十一月に国、県、市と地元の間で、福岡空港用地に関する覚書ということで、用地の賃貸、あるいは騒音対策等についての覚書がなされまして、提訴を取り下げられております。
 一九七二年、昭和四十七年に国管理空港として運輸省に引き継がれております。
 民有地につきましては、一九七二年六月から土地賃貸借契約ということで、現在の賃貸の状況が続いているという状況でございます。
 主な出来事につきましては、ここの表に掲げているとおりでございます。
 説明は以上でございます。
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◯井上忠敏委員長 説明は終わりました。井上貴博委員、いかがでしょうか。
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◯井上貴博委員 今、歴史的な経緯を説明していただきましたけれども、陸軍や米軍の諸問題があって収用され、そして現在に至っているわけです。今回、福岡空港を新設する、もしくは増設するという状況下になって、私は地元ですので、地元の議員としては、どちらにしてもいろいろな問題を抱えるわけです。
 例えば、新空港にいったとしても、博多区は福岡市南区とほぼ面積が一緒なんですが、南区は二十五校区あって、博多区は十九校区ですけど、実質二十二校区ある。三校区分の広大な土地がぽっかりあくわけです。ですから、そういう中で全体のグランドデザインが描けることが大前提になってくるだろうと。
 これは国も県も市も、あれだけの都心部の広大な土地をどうグランドデザインを描いていくのかということは、ただ収用された、ただ返しますよ、あとは知りませんという状況は、これはすべてが国有地であればそれでいいけれども、民間の土地を借りて営業をしている、また我々の福岡市の富を共有してきたわけですから、そういう面では通常の空港、あと民有地が残っているのは沖縄が一部あると思いますが、空港は国策で考えていくことが必要で、それで民有地を使わせていただいておると、それが毎年契約をきちんと結んでいくことによって成り立っている。これは民間と同じだと思います。
 もし福岡空港を増設した場合でも、今度は増設するところの空港周辺の方々に土地の売却を協力していってもらわなければ、円滑な新しい空港を、そのまま増設案としても今の空港を残していくというのはできないわけですから、そういう面では双方が、国も県も市も、それから地域の人たちも協力して、この問題を解決していく、またそれを市民の人たちも十分理解した上で、過去の経緯や、それから国有地だけではないこと、それから周辺の整備事業なんかもひっくるめてですけれども、土地を持っている人も固定資産税を払っていて、賃貸借契約を結んでいたり、売却をしても相続税できちんと取られていたり、実際は違うところで税金をきっちり納められている部分も差し引いて数字を出さなければいけない問題も中にはあるわけです。
 ですから、現状を十分知事にも、それから国にも、それから担当者がかわるとゼロベースから説明をしなければいけないということが、もう何十年と続いているわけです。ですから、ここの福岡空港が、移設しようが、現空港のまま残ろうが、それで増設しようが、大きな問題をまだたくさん抱えているということを御理解いただきたいと思っています。
 その中で、今ステップ4まで終わって、この協定書と契約書と言われているものがどういうものであったのか。ここに、「民有地については、同年六月に「土地賃貸借契約書」及び「協定書」が締結され、現在まで国が地権者から賃借する状況が続いている」と。この内容について執行部のほうから、大ざっぱでいいですので、説明していただければと思います。
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◯井上忠敏委員長 秋山空港計画課長。
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◯秋山空港計画課長 協定書でいいですか。
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◯井上貴博委員 ええ、いいです。
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◯秋山空港計画課長 協定書の中身につきましては、飛行機が進入してくる真下の例えば農地の買収の促進、あるいは空港周辺の土地開発の対策、あるいは騒音対策を努力しながらしっかりやっていきましょうという協定の内容でございます。
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◯井上貴博委員 この協定書、それから覚書もそうですけれども、福岡空港をつくっていくプロセスの中で、最終的には当時の中村寅太運輸大臣と亀井知事、それから地域の人たちの間で、この空港に関しては国として借りて、それを使わせてもらう。そのかわり地域の人たちには迷惑をかけないということが大前提だったと思うんですけど、そのことはどうですか。
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◯秋山空港計画課長 覚書の内容は、今、井上委員御指摘のような、例えば賃借料の問題、あるいは騒音対策等についてしっかり努力をしていきますという内容だと理解しております。
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◯井上貴博委員 今言われたとおり、国との覚書の中でも、その地域の民有地が残っておるわけで、そういう人たちには迷惑をかけないということが大前提にこの空港はあって、そしてこれが新空港になっても、建設をするまでの間はこの空港を使わなければいけないわけですし、増設案となっても、本当は周辺の土地を買い取って広くして、空港をつくらなければいけないわけです。
 ですから、どちらの案になったとしても、十分地域の人たちに配慮した、また迷惑をかけない状況の中で事を進めていっていただきたい。そのために地域の人たちに説得をするというのにも協力しなければいけないところはきちんと協力していきたいと思いますし、そのかわり地域の方々からの要望も、歩み寄れるところはきちんと歩み寄りながら、どちらの案にしたって、この問題を円滑に解決できるような状況をつくっていくことが、福岡市民や県民の人たちが安全で安心に、そしてまた永続的に空港を利用することができる最終的な目的を達成することができるのではないかと思います。そのために努力を惜しまずにやっていただきたいと思います。
 以上で終わります。
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◯井上忠敏委員長 要望でよろしいですか。
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◯井上貴博委員 はい。
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◯井上忠敏委員長 ほかに質疑はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者がある〕
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◯井上忠敏委員長 特にないようですので、以上で本件の質疑を終わります。
 それでは、これより「福岡空港の需給逼迫等に係る対策について」を議題とし、知事の出席を求めます。
 知事が入室されるまで、しばらくお待ち願います。
    〔麻生知事 入室〕
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◯井上忠敏委員長 麻生知事におかれましては、大変お忙しい中、御出席をいただき、まことにありがとうございます。
 本日、御出席いただきましたのは、前回の本委員会におきまして、この福岡空港の問題について、今、知事がいろいろな方面から意見を聞いておられる状況を踏まえて、本委員会としても早目に知事の意見を聞く必要があるのではないか、また、我々の意見も伝える必要があるのではないかということでお越しいただいた次第であります。
 質疑の進め方につきましては、私が委員会を代表して質問または意見を申し上げ、逐次、知事にお答えいただく形で進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。なお、知事はお座りになったままで結構でございます。
 これまで県議会では特別委員会を設置し、空港問題全般について調査してまいりました。今回の福岡空港の総合的な調査についても、当初から議論を重ねてまいりました。この福岡空港の対策については、現在、滑走路増設案と新空港案に絞られております。
 これにあわせて、知事は国会議員や経済界、また関係自治体等の意見を聞いておられるということであり、総合的な調査の結果やさまざまな意見を踏まえて、地元としての意見を取りまとめる時期に来ているということであります。
 そこで、まず最初に、知事にこの福岡空港問題についての基本的な認識について、本県の施策といいますか、目指している地域像と福岡空港の問題、また北九州空港との関係についてどのように考えておられるのかお伺いいたします。麻生知事。
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◯麻生 渡知事 福岡空港は、我々にとりましても極めて重要な役割を果たしている空港であります。旅客数の面から見ましても大体千八百万人でございまして、日本では四番目に位置する空港であります。また、貨物の取扱量から見ましても、同じく四番目に当たるわけです。
 そしてこの福岡空港は、日本では極めて珍しいハブ機能を持っているんです。国内線では二十一路線張っておりますが、海外との間では十七路線やっている。海外便と国内便がここでまさにハブとなりまして、国内と海外との接点になる空港でございます。かつ、この空港はまさに西日本の拠点空港でございまして、この活動は我々西日本全体の経済活動に及んでおるということでございます。
 そしてまた今後の我々の将来を考えました場合には、ますます私どもの将来に向かっての繁栄、これはアジアの国々を中心とした大きな経済、あるいは文化、学術、観光、交流をしていかなきゃいけない。また国内におきましても、今のように各地と積極的に交流をしながら、繁栄をしていかなければいけないわけです。しかも、ますます世界は一体化する中で、大航空時代に突入しておりますけれども、いろいろな活動が航空機を使うということによってなされる時代になっております。
 そういうことを考えますと、この福岡空港は非常に重要な機能を果たしておりますけれども、この空港が十二分に時代に対応した機能を発揮するという条件を確保しなければ、我々の地域、福岡県はもちろん広く西日本全体におきまして、将来に向かっての前進が困難になってくると考えております。いわば我々の将来を非常に大きく左右するのがこの福岡空港問題であるということであります。
 それを考えました場合に、今、離発着の回数が既に十四万回。大体一本の滑走路で処理できる回数は十五万強ではないかと考えておりますから、その意味で過密対策、端的に言いますと、空港としての容量限界の問題に正面からぶつかっておる。これをどうしても我々は打開をしなければいけないと考えております。
 これを考えます場合に、もう一つ重要な点は北九州空港であります。福岡県は二つの本格的な空港を持っておるということでございまして、このような県は数少ないわけであります。そしてかつ、北九州空港は今後国際交流にとって不可欠な二十四時間機能を持っておるという大きな利点があるわけであります。したがいまして、私は福岡県全体の航空政策を当然考えなきゃいかぬわけですが、その場合には、福岡空港問題と並びまして、やはり北九州の役割も十分発揮させる、両方の空港がそれぞれの個性をもって機能を十分発揮するという方向で考えていかなければいけないと思っております。
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◯井上忠敏委員長 ありがとうございました。
 次に、さきに終了したPIステップ4の結果についてどう評価されておられるのか、また総合的な調査全体についてどう評価されておられるのか、あわせて、現在、知事がお聞きになっている各界、国会議員や経済界ではどのような意見が出ているのか、また関係自治体の意見はどうなのかをお伺いしたいと思います。
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◯麻生 渡知事 今回、福岡空港の過密対策につきましては、PIという新しい手法を用いました。これはパブリック・インボルブメントとちょっと難しい英語を使っておりますけれども、要は調査の各段階におきまして、調査のやり方、実施状況、あるいはその結果につきまして、広く情報を公開する、また各段階において必要な意見を聞きながら進んでいくということでございまして、空港につきまして、このやり方が実際に使われまして調査が行われるのは初めてであると聞いております。
 この調査を始めまして、既に約五年がたっております。この五年間にわたりまして、四つのステップによりまして、現在の第四ステップを終了するということになりました。
 第一ステップは、なぜこの空港問題があるのか、何が課題なのかということから整理を始めて、その問題の整理を提起しながら進んできたわけでございます。そしてこのたびは、第四ステップが終了いたしました。先ほどのように二つの案、つまり現在の空港における滑走路増設案と、思い切って新空港をつくるという案について調査を進め、そしてその調査結果に基づいた多くの皆さんへの意見提出の呼びかけを行いました。
 その結果、一般の県民の皆さんからは、八千人を超える方々が自分の意見を出していただきました。また、その意見の内容からいいますと、幾つかの意見を出しておりますから、その何倍かの意見になっておるという状況でございます。これは皆さんがこの問題について重要性を認識し、かつ積極的に意見を出していただいたという意味で、私は大変感謝をいたしております。
 そして、この総合的なステップ4の結果、これは現在の滑走路増設案につきましてもメリット、デメリットがあるわけでありますが、また新空港案も幾つかのメリットがありますけれども、課題も多いということでございますが、それらにつきまして、それぞれの立場から意見が述べられております。
 ただ、一人の方で二つの意見を述べる方も大分おられるわけです。こういう条件の場合にはこっちがいいんだ、どうしてもこれが無理だったらこっちに行かざるを得ないではないかという意見もございましたが、大勢といたしますと、増設案、やっぱりこれは便利だということに非常に大きな執着、あるいは安いということです。新設案につきましては、将来を見た場合に、この航空時代に対応するためには、この際思い切った対策に乗り出すべきであるということでございまして、そのような意味では、多様な意見が提出されている段階であると考えております。
 それから、国会議員の先生方につきましても御意見を伺う機会を設けさせていただきました。先生方の意見も、一言で申しますといろいろな意見があるという状況でございます。この際、長い将来を展望した場合には、やはり新空港に踏み切らなきゃいかぬのではないかといういわば百年の大計論です。一方で現実的に見た場合には、いろいろな費用の点を考えまして、滑走路増設案を選択すべきではないか。もう一方で、福岡には北九州空港という立派な空港があるのだから、これを思い切って使うことを中心に考えるべきではないかということでございました。
 経済界もいろいろな意見がございますが、一番大きいのは経済の今後の発展、アジアとともに発展していかないかぬ。それを考えました場合には、これを支える最も重要な社会インフラは空港であると。この空港が将来にわたって十分世界的な競争に耐えられるような能力を持っておかなきゃいかぬ。それを考えると、新空港をやるべしという意見が非常に多かったわけでございます。
 一方で、実際の費用負担等もございます。それからまた、この機能が完成するまでの時間を考慮した場合には、増設案を考えるべきじゃないか。さらに、こちらでも北九州空港を考えるべしという意見もございました。大きな意見は、新空港であったと言っていいのではないかと思います。
 それから関係自治体は、直接関係いたしますのが新宮町、それから今申し上げました意味では北九州でございますから、そちらと意見を交換したわけでありますが、新宮町長さんは、この際、いろいろな環境対策という条件はあるんですけれども、新空港に踏み出すべしという御意見でございました。北九州は、北九州空港と福岡空港の連携を十分考えた方針の設定といいましょうか、そういう方向に十分配慮した方策を考えるべきであるということであったと思います。
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◯井上忠敏委員長 ありがとうございました。
 それでは次に、委員会での意見を踏まえ、幾つか具体的な事項についてお伺いしたいと思います。
 まず、議論の前提となる需要予測についてですが、昨今の急激な経済の変化、大幅な景気後退や航空会社に関する報道等から、本委員会におきましても、この予測の信頼性に対する疑問の声や予測を見直すべきではないかといった意見もあります。
 そこで知事は、この需要予測に関してどのように考えておられるのかお聞きしたいと思います。
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◯麻生 渡知事 この問題を考えます場合には、我々は中期的、あるいは長期的な立場に立って考えなきゃいかぬと思います。したがいまして、需要予測もことしや来年という要素もありますけれども、大切なのは長期的にどうなっていくであろうかということであると考えております。
 ステップ2の段階で需要予測を出しました。この予測のやり方は世界的に一般的に使われているとされておりますが、四段階推計法でございます。今、この方法が国内でも海外でも基本的な推計方法になっておるということでございます。かつ、推計でございますから、今回の推計は、ただ一つの線、一つの点ということではいろいろ誤差も生じるということで、幅を持った推計、下のほうではこれくらいになる、上のほうではこれくらいになるという推計を行っているわけでございます。
 そういうことでございまして、その推計の基礎的な要素の中には、当然経済活動の水準もあるわけでございますが、確かに去年の秋以降、我々の経済水準が急低下いたしておるわけでありますけれども、ただ我々が考えなきゃいかぬのは、二十年とか三十年とかもっと遠い将来の中で空港をどうするかということであるわけでございまして、その意味からいいますと、確かに経済が大きく、特に昨年より落ち込んだということがありますけれども、この短期的な動向はありますが、今提出されておる長期的な需要を前提に考えるということでやっていかなければいけないと思っております。
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◯井上忠敏委員長 ありがとうございました。
 次に、対応策についてお伺いしたいと思います。
 まず、滑走路増設案についてでありますが、この案についてもさまざまな報道等があっております。この増設案は滑走路処理容量が十八・三万回とされており、処理容量的にどうかという話もあるようです。
 知事も暫定案と発言されたようでありますが、どのような意味で言われているのか本委員会におきましてもお聞きしたいという意見や、また増設案そのものに関しましても、需要の伸びいかんにかかわらず、航空機の性能向上に伴い、小型化、多頻度化が進み、それにより危険度が増す可能性があり、滑走路を二本にすることによって危険度を下げることができ、また需要の変動にも対応が可能である。さらには、アジアのハブ空港に早期に対抗することも考えると、増設がよいという意見などがあります。
 知事は、この現在地での滑走路増設案についてどのように考えておられるのか、お考えをお聞かせください。
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◯麻生 渡知事 増設案につきましては、今委員長が御指摘になられたようなメリット、あるいは限界といいましょうか、そういう議論が活発に行われております。そして私がなぜこれは本質的に暫定対策だと申し上げたかといいますと、増設をいたして能力が上がっていくということに当然なるんですけれども、その能力の上がり方の量、それから将来伸びていくだろうと今想定されておる需要予測等を考えて、これをクロスできる時点はそう遠い先じゃない。恐らく三十年代に入ったらもうクロスを始めることになるということでございまして、一方で事業を行いますには相当の時間もかかります。そうしますと、でき上がった後、その次の容量限界がまたすぐ来るということになりかねない。というよりも計算上なってくるということでありますから、これをやればずっと何十年にわたって、この空港の過密問題、容量限界問題が克服されるというところまでの対策に至らないという意味で、私はこの対策は暫定的な対策であると考えざるを得ないんだと申し上げたわけであります。
 この空港につきましては、我々として考えていかなきゃいかぬのは、非常に便利なんですけれども、さっきの能力のアップに限界があるという点、あるいは現実に費用は安く見えるんですけれども、実際には毎年の飛行場の運営には地代を初め多額のお金がかかっておるという実態がございます。あるいは都市の真ん中にあるということは、いろいろな意味で、最近のアメリカの航空機事故を見ましても、そういうことも十分考えなきゃいかぬという点があります。何と言いましても皆さん方が非常に主張しているのは、やはり便利じゃないかと。この便利さを捨てるということは、到底考えられるべきじゃないんじゃないかということでございまして、便利さという点。それから、すぐかかるお金が二千億で安いということでございます。これは結局は新空港のメリット、あるいはデメリットとの比較の問題になっていくと考えております。
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◯井上忠敏委員長 ありがとうございました。
 次に、新空港案についてお尋ねいたします。この新空港案についても、ステップ4で示された概算事業費九千二百億円は、現地の状況等から信頼できるのかといった意見や、五十年、百年先の計を考えると拡張可能な新空港で対応すべきではないかという意見があります。知事の新空港案に関するお考えをお聞かせください。
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◯麻生 渡知事 新空港の過密対策、あるいは容量限界対策から見ましては、最大のメリットといいますかよさは、処理容量が思い切ってふえていくということであります。その意味で、我々の地域の長い将来を考えた場合には、魅力の多い、有効な対策であると考えられます。
 ただ一方で、何と言いましても多額の建設費用がかかっていくということ、あるいは自然環境への影響によほど慎重に配慮しなければいかぬという点もございます。さらに、でき上がるまで期間も長いということがあるわけでございます。逆に言いますと、増設案と非常に対比的な、対照的な形でのメリット、デメリットを持っておるということであります。
 そういうことでございますが、ここは難しいところですね。長い将来を考えなければいけないし、我々の将来というのは世界とともに繁栄するという点にあるわけですし、国内でもそうでありますが、そういう要素と、現にお金なんかをどうするのかという現実的な問題をどう走らせるのか考えていかないかぬと思っております。
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◯井上忠敏委員長 ありがとうございました。
 さて、本委員会は福岡空港の問題だけではなく、北九州空港についても調査しております。この北九州空港と福岡空港の問題に関しては、北九州空港との連携を進めるべきではないかとの意見も根強くございます。
 そこで、知事は北九州空港の具体的な利活用についてどのように考えておられるのかお聞かせください。
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◯麻生 渡知事 北九州空港に期待しております第一の点は、今、福岡空港が過密問題にずっとぶつかっておりますから、その意味で、かつ北九州方面の方も随分福岡空港を使っておられるということでございますが、一つは、北九州空港は一生懸命つくった空港でありますから、できるだけあちら方面の方は北九州空港を使ってもらいたいということなんですね。それによりまして、少しでも福岡側の現在の過密の問題について、負担を軽減したいと思っています。そういう意味で、我々はずっと利用促進運動をやってまいりました。
 一方で、北九州空港は何と言いましても二十四時間使える、海上空港であるという強みを持っていますが、これを生かして北九州空港の機能をさらに十分発揮させる。そのためには貨物空港です。これは国内のみならず、近隣の諸国との関係の海外との貨物空港、この発展をいろいろな形で図っていきたいと考えております。また、貨物航空便が国内で発展するというのは、早速、今、京築地域の農産物なんかが非常に早く東京市場に出せるということになって、メリットを発揮しつつあります。
 もう一つは、この空港は航空産業を中心としまして、航空機の整備とか、いわば広義の航空産業の基地として発展する可能性はいろいろあるんじゃないかと私どもは考えておりまして、そのような道も探りながら、福岡空港と北九州空港のそれぞれのよさを発揮するという形で補完をしていくということをやっていくべきであると思っております。
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◯井上忠敏委員長 多岐にわたる内容に丁寧にお答えいただき、ありがとうございました。
 さて、本委員会でのさまざまな意見について、直接知事に伝え、また知事の意見やお考えを直接お伺いいたしましたが、本委員会におきましても、現状のままでよいのではないかという意見や、近隣空港との連携を進めたほうがよいとされる意見、また滑走路増設がよいとされる意見や、新空港がよいとされる意見などさまざまな意見があります。この問題につきましては、最後はさまざまな要素を考え合わせて、知事として政治判断をするという問題であろうと思います。また、その時期に来ているのではないかとも思っております。
 知事は、本年度中、三月中には考えを示したいとおっしゃっておりますが、昨今の経済情勢は百年に一度の緊急事態であると言われております。そのような中で、いずれの方向であっても決断をするのは容易ではないと思いますが、地元としての意見についてどう取りまとめられるのか、また、それをどのような時期に、どのような場で公表するのかについてお聞かせください。
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◯麻生 渡知事 福岡空港問題は、今回の総合的調査、パブリック・インボルブメント調査以前にも、いろいろな研究、検討がなされてきておる問題であります。そして今回、五年をかけて総合調査をやってきました。そのときもこの調査の終わる年度には方向を出そうということで作業を進めてきた経緯がございます。かつ、過密問題、過密対策も非常に現実的な問題でございますから、どういう方向で打開するのかということは確立せないかぬという現実の要請があるわけでございます。
 そういうことを考えまして、初めに考えておりましたスケジュール、つまり今年度のうちには地元としての意見を何とかまとめていきまして、国に提出し、その方向で具体的な行動が始まっていくということをやっていく必要があると考えているわけであります。
 どんな形で公表するのかということについては、議会を初め関係の皆さんと相談しながら、最終的に決めていかなきゃいかぬと思っております。
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◯井上忠敏委員長 ありがとうございました。
 ただいま知事からさまざまな意見を踏まえて、総合的に判断したいとのことでございました。福岡空港の問題は、冒頭にも述べましたように、本県にとって大変重要な課題であります。本日の本委員会での意見をしっかり踏まえて、十分に検討された上で、地元としての意見をまとめられるようお願いしたいと思います。
 それでは、以上で空港対策調査特別委員会の知事に対する質疑を終わります。知事は退席されて結構でございます。
    〔麻生知事 退席〕
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◯井上忠敏委員長 次に、議題にはありませんが、その他として何かございませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者がある〕
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◯井上忠敏委員長 特にないようですので、次に進みます。
 次に、今後の委員会活動についてお諮りいたします。このことにつきましては正副委員長に御一任願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
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◯井上忠敏委員長 御異議ありませんので、そのようにさせていただきます。
 なお、慣例により二月定例会において本委員会の委員長報告を行う予定となっておりますが、この委員長報告につきましては正副委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕
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◯井上忠敏委員長 それでは、そのようにさせていただきます。
 最後に、会議録署名委員を指名いたします。長裕海委員、泉日出夫委員、お二人を指名いたしますので、よろしくお願いいたします。
 以上で本日の議事はすべて終了いたしました。
 本日はこれをもちまして、空港対策調査特別委員会を閉会いたします。どうもお疲れさまでした。
   午 後 二 時 三 分 閉 会