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平成12年  2月 定例会(第255回) 03月07日−03号




平成12年  2月 定例会(第255回) − 03月07日−03号







平成12年  2月 定例会(第255回)



 平成十二年三月七日(火曜日)

           開議第三日

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 出席議員

一番  武石利彦君   二番  中西 哲君

三番  西岡仁司君   四番  三石文隆君

五番  森田英二君   六番  川田雅敏君

七番  谷相勝二君   八番  浜田英宏君

九番  樋口秀洋君   一〇番 広田 一君

一一番 山本広明君   一二番 植田壮一郎君

一三番 森 雅宣君   一四番 雨森広志君

一五番 東川正弘君   一六番 溝渕健夫君

一七番 元木益樹君   一八番 依光隆夫君

一九番 土森正典君   二〇番 西森潮三君

二一番 結城健輔君   二二番 西岡寅八郎君

二三番 小松 雅君   二四番 黒岩正好君

二五番 中内桂郎君   二六番 佐竹紀夫君

二七番 朝比奈利広君  二八番 岡崎俊一君

二九番 池脇純一君   三〇番 中沢潤二君

三一番 二神正三君   三二番 田村輝雄君

三三番 森田益子君   三四番 川添義明君

三五番 江渕征香君   三六番 米田 稔君

三七番 牧 義信君   三八番 公文 豪君

三九番 塚地佐智君   四〇番 梶原守光君

四一番 田頭文吾郎君

 欠席議員

 なし

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 説明のため出席した者

    知事      橋本大二郎君

    副知事     河野八朗君

    出納長     鍋島孝雄君

    総務部長    兵谷芳康君

    企画振興部長  島田一夫君

    健康福祉部長  山崎淳一君

    文化環境部長  池田憲治君

    商工労働部長  上岡義隆君

    農林水産部長  山本忠道君

    土木部長    石川和秀君

    国体局長    西野秋美君

    森林局長    安岡 健君

    海洋局長    森光 稔君

    港湾空港局長  宍戸達行君

    企業局長    若山 隆君

    病院局長    須藤 明君

    教育委員長   宮地彌典君

    教育長     吉良正人君

    人事委員長   上谷定生君

    人事委員会

            小松正典君

    事務局長

    (午前)

    公安委員長   竹村維早夫君

    (午後)

    公安委員長

            中村哲男君

    職務代理者

    警察本部長   恵良道信君

    代表監査委員  吉原 強君

    監査委員

            松岡召一君

    事務局長

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 事務局職員出席者

    事務局長    林 宏興君

    事務局次長

            山崎宣生君

    兼調査課長

    議事課長    井上 健君

    議事課長補佐

            森岡満明君

    兼記録班長

    調査課長補佐  鍵山和司君

    主幹      佐竹あき君

    主幹      中岡由佳君

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  議事日程(第3号)

   平成12年3月7日午前10時開議

第1

 第1号 平成12年度高知県一般会計予算

 第2号 平成12年度高知県給与等集中管理特別会計予算

 第3号 平成12年度高知県用品等調達特別会計予算

 第4号 平成12年度高知県土地取得事業特別会計予算

 第5号 平成12年度高知県災害救助基金特別会計予算

 第6号 平成12年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計予算

 第7号 平成12年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計予算

 第8号 平成12年度高知県流通団地造成事業特別会計予算

 第9号 平成12年度高知県農業改良資金助成事業特別会計予算

 第10号 平成12年度高知県県営林事業特別会計予算

 第11号 平成12年度高知県林業改善資金及び国産材産業振興資金助成事業特別会計予算

 第12号 平成12年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算

 第13号 平成12年度高知県流域下水道事業特別会計予算

 第14号 平成12年度高知県港湾整備事業特別会計予算

 第15号 平成12年度高知県電気事業会計予算

 第16号 平成12年度高知県工業用水道事業会計予算

 第17号 平成12年度高知県病院事業会計予算

 第18号 平成11年度高知県一般会計補正予算

 第19号 平成11年度高知県用品等調達特別会計補正予算

 第20号 平成11年度高知県土地取得事業特別会計補正予算

 第21号 平成11年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計補正予算

 第22号 平成11年度高知県流通団地造成事業特別会計補正予算

 第23号 平成11年度高知県県営林事業特別会計補正予算

 第24号 平成11年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算

 第25号 平成11年度高知県港湾整備事業特別会計補正予算

 第26号 平成11年度高知県電気事業会計補正予算

 第27号 平成11年度高知県工業用水道事業会計補正予算

 第28号 平成11年度高知県病院事業会計補正予算

 第29号 高知県行政書士法関係手数料徴収条例議案

 第30号 職員の再任用に関する条例議案

 第31号 職員の再任用に関する条例の施行に伴う関係条例の整備に関する条例議案

 第32号 高知県手数料徴収条例議案

 第33号 高知県消防法関係手数料徴収条例議案

 第34号 高知県の事務処理の特例に関する条例議案

 第35号 高知県介護保険財政安定化基金条例議案

 第36号 高知県全国障害者スポーツ大会運営基金条例議案

 第37号 高知県食品衛生法施行条例議案

 第38号 高知県温泉法施行条例議案

 第39号 高知県墓地、埋葬等に関する法律施行条例議案

 第40号 高知県理容師法施行条例議案

 第41号 高知県美容師法施行条例議案

 第42号 高知県クリーニング業法施行条例議案

 第43号 高知県旅券法関係手数料徴収条例議案

 第44号 高知県火薬類取締法関係手数料徴収条例議案

 第45号 高知県高圧ガス保安法関係手数料徴収条例議案

 第46号 高知県液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律関係手数料徴収条例議案

 第47号 高知県計量法関係手数料徴収条例議案

 第48号 高知県職業能力開発促進法関係手数料徴収条例議案

 第49号 高知県中山間地域等直接支払基金条例議案

 第50号 高知県建設業法関係手数料徴収条例議案

 第51号 高知県土地収用法関係手数料徴収条例議案

 第52号 高知県公共用財産管理条例議案

 第53号 高知県都市計画法施行条例議案

 第54号 高知県宅地建物取引業法関係手数料徴収条例議案

 第55号 高知県プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例議案

 第56号 高知県教育委員会委員定数条例議案

 第57号 教育長の勤務時間その他の勤務条件に関する条例議案

 第58号 高知県警察手数料徴収条例議案

 第59号 高知県立学校授業料等徴収条例の一部を改正する条例議案

 第60号 高知県立児童福祉施設の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第61号 地方自治法第二百三条に規定する者の報酬、期末手当、費用弁償等に関する条例及び出頭者、鑑定人等の報酬、費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例議案

 第62号 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例議案

 第63号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案

 第64号 高知県税条例及び高知県風致地区内における建築等の規制に関する条例の一部を改正する条例議案

 第65号 福祉地区及び福祉事務所設置条例の一部を改正する条例議案

 第66号 高知県立幡多高等看護学院の設置及び管理に関する条例及び高知県立総合看護専門学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第67号 公衆浴場法第二条の規定による公衆浴場の設置の場所の配置の基準に関する条例の一部を改正する条例議案

 第68号 高知県環境衛生適正化審議会設置条例の一部を改正する条例議案

 第69号 高知県興行場法施行条例の一部を改正する条例議案

 第70号 高知県旅館業法施行条例の一部を改正する条例議案

 第71号 高知県立自然公園条例の一部を改正する条例議案

 第72号 高知県立紙産業技術センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第73号 高知県立産業構造改善支援センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第74号 森林総合センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第75号 高知県漁港管理条例の一部を改正する条例議案

 第76号 高知県普通河川等取締条例及び高知県工業用水道条例の一部を改正する条例議案

 第77号 高知県立都市公園条例の一部を改正する条例議案

 第78号 高知県営住宅の設置及び管理に関する条例及び高知県特定公共賃貸住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第79号 高知県建築物の設計又は工事監理の制限に関する条例の一部を改正する条例議案

 第80号 高知県建築基準法施行条例の一部を改正する条例議案

 第81号 高知県港湾施設管理条例の一部を改正する条例議案

 第82号 高知県収入証紙条例の一部を改正する条例議案

 第83号 高知県営病院事業料金徴収条例及び高知県立療育福祉センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第84号 高知県特別会計設置条例の一部を改正する条例議案

 第85号 高知県高等学校定時制課程及び通信制課程修学奨励資金貸与条例の一部を改正する条例議案

 第86号 高知県立青少年センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第87号 高知県文化財保護条例の一部を改正する条例議案

 第88号 使用料及び手数料の額の改定に関する条例議案

 第89号 高知県木材業者、製材業者及び木材チップ業者登録条例を廃止する条例議案

 第90号 南国市と土佐山田町との境界の一部を変更する議案

 第91号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案

 第92号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案

 第93号 県が行う流域下水道の維持管理に要する費用に対する市町の負担の変更に関する議案

 第94号 包括外部監査契約の締結に関する議案

 第95号 地域高規格(北川奈半利)道路改築工事請負契約の締結に関する議案

 第96号 県道興津窪川線緊急地方道路整備(興津坂トンネル)工事請負契約の締結に関する議案

 第97号 特定賃貸住宅(八反町団地)建築主体工事請負契約の締結に関する議案

 第98号 坂本ダム建設工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案

 第99号 県道高知南インター線道路改築(五台山トンネル)工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案

第100号 地域高規格(北川奈半利)道路改築(柏木大橋下部工)工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案

第101号 高知港改修(重要)工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案

第102号 山田高校体育館改築主体工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案

第104号 特別職の指定等に関する条例議案

 報第1号 平成11年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告

 議発第1号 高知県合併処理浄化槽設置推進に関する条例議案

第2 一般質問

 (3人)

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 午前十時一分開議



○議長(依光隆夫君) これより本日の会議を開きます。

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△質疑並びに一般質問



○議長(依光隆夫君) 直ちに日程に入ります。

 日程第一、第一号から第百二号まで、第百四号、報第一号及び議発第一号、以上百五件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第二、一般質問をあわせて行います。

 三十四番川添義明君。

 (三十四番川添義明君登壇)



◆三十四番(川添義明君) おはようございます。私は、県民クラブを代表いたしまして、知事初め各部局長に提言も含めまして質問をいたします。

 まず最初に、知事にお尋ねいたします。知事の政治姿勢並びにその政治手法については、この議場でもそれぞれ議員が繰り返し質問されておりますし、きのうの土森議員の質問に対する答弁でも一定の内容はわかりました。しかし、これまで私たちの指摘したことは改められてはおりません。特別職の秘書の問題や今回の副知事と出納長の辞任の件にしても、副知事、出納長の人事は知事の任命権はあるものの、議会の承認が必要な人事であります。通常の人事でないということは、だれしもが承知しているところでございます。そのような重要な人事が、いとも簡単に新聞辞令で世の中に明らかにされ、人事を承認した議会へは事後報告という、これまで指摘してきたことに対する反省の対応が全く見られないことは極めて遺憾であります。

 この本会議場で承認した人事でありますから、辞任することについて副知事と出納長が具体的にどういう理由で辞任を知事に示されたのか、きのうの答弁以外の内容について、もう少し丁寧なお答えをしていただきたいと思います。

 あわせて、河野副知事にお伺いいたします。激動している県政の中にあって、副知事も今月いっぱいで後進に道を譲るということが明らかになったわけですが、県庁職員と後を引き継ぐ後任の副知事に先輩として主張しておいた方がよいということもあると思いますので、率直な御意見をお聞かせ願いたいと思います。

 次に、二月二十六日に開催されました自民党県連の大会で、自民党の田村公平参議院議員が、高知一区から出馬を予定されておる福井照氏について、自民・公明の選挙協力問題に関連して、「野中自民党幹事長代理から「福井君を高知県の副知事にするから降りろ」という打診があった」と述べたことが、二十七日付の高知新聞に掲載をされました。野中幹事長代理は、町長、県議会議員、京都府副知事を経験されまして、衆議院議員として六回当選の議員でございます。地方自治にも携わった人が、そのような副知事人事とは何かを熟知した人から、高知県の副知事にするという条件で名誉ある撤退を示唆するような話があったということが明らかになったわけです。一政党の幹部の人が、高知県副知事のポストを利用して、選挙協力の調整を図るとは何事ですか。地方自治を愚弄する以外の何物でもないと思いますし、公職選挙法にも抵触することになるわけです。

 そこで知事に伺いますが、野中幹事長代理とはいつ、どこで会って、どういう話をされたのか。また、二人だけで話したのか、またどういう人が同席していたのか、その内容を明らかにしていただきたいと思います。県民はその内容について正確なことを、知事からのお答えを願いたいと思います。

 次に、警察行政についてお伺いをいたします。神奈川県警、新潟県警の不祥事や管区警察局の職務怠慢と言われても弁解の余地もない出来事などが次々と世の中に明らかになりました。今、国会でも多面的に議論がされている状況でございます。警察庁長官の懲戒処分を初め、かつてない警察行政に対する国民の不信はピークに達しております。また、警察行政の監視役である国家公安委員会に対しても、その機能が問われているところです。国民、県民に対してどう信頼を回復するかということは、警察庁だけで問題が解決するとは思えません。高知県警でも、第一線の警察官は県民の命と財産を守り、治安の維持に日夜努力されていることは多くの県民が認めるところでございます。県警も新庁舎が今月末に完成し、六月には新庁舎で業務が進められると思います。

 そこで、公安委員長にお尋ねをいたします。県公安委員会の現在の活動状況はどのような内容なのか。また、今後公安委員会としてその役割と任務を果たすために、どのような決意をされているのか、お聞かせを願いたいと思います。

 次に、警察本部長にお尋ねいたします。県警の捜査力、検挙率などはどういう状況にあるのか。また、殺人事件の検挙率が低いという指摘の声が県民の中にありますが、その理由を捜査に影響のない範囲内で明らかにしていただきたいと思います。

 また、昨年十一月の全国警察本部長会議における訓辞の中で、警察庁長官は情報公開の時代に即したわかりやすい警察活動の推進ということで、「公開すべき情報は可能な限り公開し、警察活動の実態を広く国民に伝えるとともに、その活動が国民の目から見て納得できるものであるかどうかを常に念頭に置きながら仕事を進めていくことが必要である」と述べておりますが、本県において、この情報公開を具体的にどのように進めていくのか、さらには警察活動に対する県民の理解と協力をいかにして求めていくのか、お答えを願いたいと存じます。

 いよいよ四月一日から地方分権の時代に入ります。今後の市町村行政について、広域行政や分権の推進といった視点から質問をいたします。今回の分権改革により、市町村の受け持つべき役割がますます大きくなることもあって、市町村の行財政基盤をより強化すべきという考え方が強く打ち出されており、最近は特に合併の問題が脚光を浴びてまいりました。

 県内でも表立って合併に関する議論が活発化してきているとは思えない状況でありますが、国の合併に向けての積極的な姿勢や他県における合併運動の展開、あるいは自分たちが住む市町村の将来に対する漠然とした不安などもあってのことだと思いますが、県民の方々から自分は市町村合併についてどう思うといった意見を聞かせていただく機会が徐々に多くなってまいりました。そういったことでは、県民の関心も徐々に高まってきていると思います。

 合併に関しましてはさまざまな意見がありますが、肯定派といいますか、合併に対して前向きな考えを持つ方の代表的な意見としては、「住民の日常生活圏は、交通、通信手段の発達などによって昔と違って広がってきている。この際、従前からの市町村区域を見直し、より広域的な視点に立って公共施設の整備や土地利用など、地域づくり、まちづくりと積極的に進めるべきだ」とか、あるいは、「地方分権によって今後は市町村の役割、責任がますます大きくなるし、住民に対するサービスも従前以上に多様化し、高度化していくことが見込まれる。市町村合併を行うことによって規模拡大を図り、行財政基盤を強化するとともに、効率的な行政運営を進めるべきだ。そうでないとこれからの厳しい行財政環境のもとで、市町村行政は行き詰まってしまう」といったような趣旨の意見がございます。

 一方で、合併に対する消極論、否定論としては、「行政の効率化、簡素化といった面で広域行政は重要だが、住民参加とか住民自治という面で、自分たちの地域社会のあり方を考える適切な自治体規模という視点を持つべきではないか。したがって、まず合併ありきで物事を進めるべきではない」といった意見、あるいは、「合併により、きめ細やかな行政サービスが行われなくなるのではないか」、「合併によって周辺部はますます過疎化が進み、地域の衰退が進むのではないか」など、合併によるデメリットを強く懸念する意見もあります。

 私としては、市町村合併によるデメリットは十分理解できますし、また、例えば本県に多く見られる人口減の進む市町村が合併しても、規模のメリットや行財政運営の効率化には余り結びつかないのではないかと思います。少なくとも合併の推進を目的として性急に事を進めるのではなく、あくまでも市町村や住民の人々にじっくり考えてもらい、我が町、我が村の将来について、きっちりと方向づけを行ってもらうことが大切だと考えております。

 そこで企画振興部長にお伺いをいたしますが、県は来年度、市町村の自主合併に関する要綱を策定するということであります。どういう基本的な考え方に立ち、どういう手法で、どのような要綱をつくろうとしているのか、明らかにしていただきたい。

 先ほど申し上げましたとおり、合併に関しては慎重な検討が必要で、事を急いではならないと思いますが、一方で、ごみ処理の問題や介護保険への対応など、広域行政の推進は避けて通れない課題となっております。広域行政の重要性はだれしも認めながら、一方で課題も多く、本県では残念ながら必ずしも円滑な広域行政が展開しているとは思えない現状でございます。

 広域行政推進への一つのてこ入れ策として、県職員の広域行政機関への派遣ということが考えられます。県職員であれば、構成市町村に対しても中立的、仕事が進めやすくてよいという評価をよく伺いますが、そういうことであれば今後県と広域行政機関との人事交流を、市町村と十分協議を行い、市町村行政を支援するという立場から進めるべきと思うが、総務部長に考え方をお伺いいたします。

 次に、地方分権一括法がこの四月から施行されることになりますが、今回の分権の大きな柱として、さまざまな行政事務をより住民に身近な団体で処理するようにする、いわゆる事務権限の移譲が行われることとなっております。権限の移譲には、一つは国の事務であったものが県の事務とされたもの、また一つに県の事務であったものが市町村の事務とされたものとがあると聞いておりますが、何事につけスピードアップが要請される現代社会で、住民に対する利便性や事務処理のスピードアップという観点からも、この権限移譲はもっと早い時期に行ってしかるべきであったと考えますが、いずれにせよ住民にとっては歓迎すべき改革ではないでしょうか。

 そこで、今回の法改正により、県に移譲された事務、あるいは市町村に移譲された事務として、どのような内容のものがあるのか。また、県の事務を条例の規定によって市町村に移譲する事務処理の特例制度が創設されておりますが、この規定によって高知県ではどのような事務を市町村に移譲することになったのか、明らかにしていただきたい。

 また、住民の利便性や事務のスピードアップという観点に加え、住民に身近な市町村で総合的な行政を進めるといった視点からも、市町村への事務権限の移譲は今後とも積極的に取り組むべきと思うが、企画振興部長の考え方を明らかにしてほしいと思います。

 これからの分権時代における行政サービスのあり方ということについては、去る二月十六日に「分権型社会における行政サービスのあり方を考える懇話会」から、今後における行政のあり方や住民と行政との望ましい関係、さらには対等・協力の立場となる県と市町村との連携の推進などを柱とする報告書が知事に提出されました。この懇話会は、大学関係者を初め、経済界や保健福祉の分野、市町村行政の第一線で活躍されている方々など十四人のメンバーで構成されておりまして、昨年六月以降七回にわたって熱心に高知県における分権の進め方について議論を重ねてきたと伺っております。私も報告書をいただいて読ませていただきましたが、非常に内容の濃い、示唆に富んだ報告書だと評価をいたしております。

 報告書では、わかりにくいと言われる地方分権の意義について、「地方分権が自治体の首長や議会の責任の拡大という団体自治の強化だけにとどまるのでは意味がない。住民自治の確立こそが重要であって、地方分権は仕事や暮らし、住民自治といった面で民の力を向上させることが目的である」というふうに、地方分権の真のねらいをわかりやすく位置づけております。また、分権型社会へ向けての課題や行政として当面取り組むべき方策について、的確な分析や提案をされておりますし、地方分権を住民のものとするため、「二十一世紀に向けて、高知の将来展望やビジョンを住民とともに考え、知恵を出し合う場をつくってはどうか。高知県の未来をともに考える中で、地方分権に対する理解も進んでいく」といった提案も行われております。このように、この報告書は、今後高知県において真の分権型社会を構築していく上で、また分権時代に即応した行政サービスを推進していく上で重要なポイントを数多く示唆しており、庁内や市町村の行政関係者はもとより、県民の方々にも広くこの報告書をお知らせした上で、分権への具体的な取り組みを進めていただきたいと思うところでございます。

 そこで伺いますが、知事はこの報告書をどのように受けとめておられるのか。また、分権型社会といっても緒についたばかりで、県や市町村行政関係者を初めとして、県民の方々の意識づくりがこれからの大きな課題となると思うわけですが、この報告書を受け、県として具体的な取り組みを今後どう進めていくのか、企画振興部長にお伺いをいたします。

 次に、情報化についてお伺いをいたします。県では、情報化を手段として産業、地域社会、生活のあり方を変革する情報生活維新を実現するため、平成九年度から五カ年計画で情報化プロジェクト、いわゆるKOCHI2001PLANに取り組んでおります。このプロジェクトの推進については、県などの行政だけでなく、民間企業や大学などの研究機関が参加した協議会を組織し、互いに連携して多くの先進的な実験や研究に取り組んできたと聞いておりますが、この取り組みも間もなく三年が経過することになりました。この間、情報通信分野における、まさにハイウエーとしての機能を持つ高知県情報スーパーハイウェイが全国に先駆けて平成十年十一月に整備をされ、稼働しているわけであります。

 また、この基盤を利用して県の本庁や出先機関のLANなどの情報基盤も整備されましたし、昨年四月からはすべての市町村とも情報ネットワークをつくり上げておりまして、こうした全県を網羅した情報基盤は全国でも初めてというようにお聞きをしております。また、教育の分野では、小・中・高等学校における校内LANの整備も順次進みまして、インターネットへの接続も全国のトップ級と伺っております。これまでのマスコミ報道などでも、これを活用した教育現場での取り組みが紹介されてきておりまして、成果もかなり上がっているのではないかと思います。

 このような取り組みにつきまして、昨年高知新聞が行いました県民世論調査の結果でも、本県の進んだ施策として情報化が一番手に上がっておりましたが、全国的にも高知県は情報化の先進県として認識をされるようになっております。しかし、最近他県でも同様の取り組みを始めてきており、またこの情報化の分野は非常に早いスピードで物事が進んでおりますから、少し油断をしておりますと、すぐに追いつき、追い越されるということになりましょう。せっかく全国に先行して整備などができたこのような情報の基盤を今後いかに活用するかが重要であろうと考えます。

 ちょうど国におきましては、昨年十二月に二〇〇〇年を迎えるに当たっての新しい千年紀プロジェクトとして、ミレニアム・プロジェクトを決定しております。二十一世紀の新生日本の牽引車となる三つの分野について、今後の新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むこととしており、その一分野として情報化が位置づけられております。この情報化の中身は、二〇〇一年度までにすべての公立の小・中・高等学校がインターネットに接続できるようにすることなど、教育の情報化を進めることや、二〇〇三年度までに民間と政府の間の行政手続をインターネットを利用してペーパーレスで行えるようにする電子政府の基盤を構築するなどが挙げられております。このプロジェクトには、平成十二年度予算の中で相当額の特別枠の予算を設けておりまして、政府の並々ならない積極姿勢が見えるわけでありますが、中でも電子政府の実現に向けた取り組みにつきましては二〇〇三年度を目標にいたしまして、インターネットを活用した電子入札などを導入し、政府のさまざまな調達手続を電子化することや、国税の申告などの各種の申請や届け出などの手続を電子化しようとしているわけでございます。こうしたことが本格的に始まりますと、人と人とが直接顔を突き合わせての事務作業や遠隔地からも多くの書類を持参して申請事務などをするといった、これまでの事務処理の方法などが全く変わってくるということでありましょう。いわば、私たちの社会経済活動の至る場面で、そのスタイル、パターンなどがさま変わりするということになりますし、単にパソコンを導入すればそれで対応できるというものではないと思います。

 さて、こうした情報化、電子化の取り組みは、国が先行して実施することとはいえ、地方公共団体にとってもいずれ避けて通れないことであり、二〇〇三年度を目標にした国の取り組みを見ながら、地方としての対応を急いでいく必要があるのではないかと思います。例えば、住民サービスを向上させるため、窓口業務を効率化したり、手続のために幾つもの窓口に行かなくて済むワンストップサービスや、インターネットなどにより各種の申請や手続ができる電子申請といったことも考えられます。いずれにしましても、県と市町村が一体となって情報化技術を活用した住民、県民が何より利用しやすい、より質の高い行政サービスを提供することが大切だと思います。こうした情報化を取り巻く状況を踏まえながら、以下お伺いをいたします。

 まず、県はこの三カ年間、2001プランを進めてきましたが、他県に誇り得る成果が上がった一方、思いどおりに進まなかった部分があろうと思います。これまでの成果と課題をどのように把握しているのか、情報化戦略の総括をお聞きいたします。

 次に、今後の情報化戦略のさらなる推進を考えますと、せっかく県はこれまで先進的な取り組みをしてきましたから、今後の電子政府や教育の情報化といった大きな国の施策についてもこれを見越して、他県に先んじて取り組みを進め、成果を早く出していく、住民、県民へのよりよいサービスに早くつなげていくといった姿勢で臨んでいくべきだと思いますが、今後の考え方をお伺いいたします。

 十二年度予算においても、情報化関係の予算は一定思い切った措置をしているように思います。県は、これまで2001プランの予算枠について、五カ年でおよそ百億円程度という想定を立てながらやってきたと思いますが、十二年度予算措置を踏まえてこの総額などがどうなる見込みか、およそ予定どおりになるのか、お聞きをいたします。

 あわせて、この予算との関係でお聞きしておきますが、御案内のように、国においては情報化を進めるため、平成十年度、十一年度の連年にわたり、経済対策としての補正予算の中で地域の情報化や行政、教育の情報化といった分野において、地方公共団体などが取り組む先進的なモデル事業に対して、これまでにない財政支援を行っております。県で取り組んでいる2001プランも、まさに全国のモデルを目指して実施しているプロジェクトですから、こうした国の助成措置を活用していると思います。

 そこで、これまでどのように国の助成制度を導入してきたのか、またどのような成果があったのか、お伺いをいたします。

 また、県では情報スーパーハイウェイなどの情報基盤を整備し、その基盤を使って保健・医療・福祉や観光、防災などの情報を提供したり、庁内LANや県、市町村ネットワークを活用して、行政の事務の効率化につなげることにより、住民、県民への行政サービスの向上を目指した取り組みを行っていると承知をしております。こうした取り組みには、住民に直接接する機会の多い市町村の情報環境の整備も必要と思います。市町村の庁内LANやパソコンの整備はまだまだ不十分であり、市町村のホームページについても、現在二十二市町村しか開設していない状況だと聞いております。さきに申しましたように、電子政府の動きなどの中で、地方の行政も情報化への備えが避けられません。しかし、現在の市町村における情報化の整備状況では今後の情報化への対応に相当の差が出るのではないかと心配をしております。

 そこで、今後一層県と市町村が一体となって、情報基盤の整備のみならず、情報化を生かした住民サービスの向上に向けて取り組む必要があるのではないかと思いますが、市町村への働きかけなどどのようにしていくのか、お考えを企画振興部長にお伺いいたします。

 次に、教育問題について質問をいたします。土佐の教育改革は、教員の資質・指導力の向上や子供たちの基礎学力の定着と学力の向上、学校・家庭・地域の連携による教育力の向上の三つを柱として、子供たちのための教育という原点に立って、主に小・中・高等学校を中心に進められています。子供たちが学力の基礎・基本を確実に身につけ、友人とも協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性を養っていくことは極めて重要な課題であり、異論のないところでございますが、一方では初等中等教育から高等教育への接続、つまり大学進学への視点による改革議論が不足しているのではないかと思っております。これまでの教育改革は、とかく高等学校以下の問題、あるいは大学入試や大学のカリキュラムの問題といった、それぞれの一面のみから論ぜられていましたが、それぞれの改革について高等学校と大学間の相互理解が十分ではなかったのではないかと思われるところがあります。

 高学歴化や少子化の進展の中で、大学進学率が上昇し、高等教育を受けることが特別なことではなく、近い将来には四年制大学でも入学定員が入学者の総数を上回る、いわゆる全員入学も予想されております。このような時代の趨勢の中で、県内には高知大学、高知医科大学、高知女子大学、高知工科大学、放送大学の五つの大学と高知短期大学、高知工業高等専門学校などがあり、それぞれ地域社会や産業界の要請に積極的に対応して、社会の貢献を果たしているところです。しかしながら、今後時代や地域のニーズに対応できる教育環境づくりや人づくりを進めるためには、県内の大学等と高等学校関係者が一堂に会して、高校教育の現状や大学改革の状況について情報交換を行える場を設けて、高等学校と大学が相互に連携して、高校から大学を通じた生徒個人が持つ多様で特色のある能力を効果的に伸ばすことが可能な教育連携システムが求められているのではないかと考えます。

 そのためには、高等学校と大学等の高等教育機関が連携し、新しい視点での土佐の教育改革を模索する時期にあるのではないかと思います。このような取り組みは、高校生の県内の高等教育機関の進学率を高め、若い世代を県内にとどめるとともに、県外からも若者を呼び寄せることができる魅力ある大学づくりも必要ではないかと思います。つきましては、県内の高等教育機関と連携した新しい視点での土佐の教育改革への取り組みについて、知事の考え方をお伺いいたします。

 次に、県内の高等教育機関のあり方について質問をいたします。先ほど申し上げましたように、少子高齢化が進む中で、我が国の十八歳人口は平成四年度の約二百五十万人をピークに減少を続けており、平成八年度には約百七十三万人となっておりまして、この傾向は今後も続きまして、平成二十一年度には約百二十万人と予想がされております。このような高等教育機関への進学年齢層である十八歳人口の減少傾向が、既に一部の短期大学や大学におきまして、入学定員の確保に困難が生ずるなど、その影響が見受けられるところでございます。今後、このような傾向はますます顕著となり、各大学等において組織体制や教育内容について、社会や学生の変化に即した十分な対応が図られない場合には、大学そのものの存立基盤が危機的な状況に陥ることも予想されるわけです。大学等がみずからの責任において、それぞれの組織体制や教育研究機能の質的な向上が図られていくための経営環境の整備に政策的な配慮が求められているところです。

 このような傾向は、最近の新聞報道でもされましたように、国立の一橋大学や東京工業大学、東京外国語大学、東京医科歯科大学、東京芸術大学の国立五大学における大学の連合構想に見られるように、国立大学の独立行政法人化の進展によりますます拍車がかかるものと考えられます。少子高齢化が全国に先駆けて進む高知県においても、高知大学、高知医科大学、高知女子大学、高知工科大学と四つの大学が独立して設置されておりますが、国立大学の独立行政法人化を含めた大学改革の流れや高知女子大学、高知工科大学の運営費負担など、高等教育機関を取り巻く環境を考えるときに、独立した四大学の運営のあり方について検討を要する時期にあるのではないかと感じているところでございます。国立と公立並びに私学という異なる設置形態から、法的には難しい部分もあると考えますが、教養教育は高知大学と高知女子大学が受け持つといった部分的な一元化であれば、現行の法制下でも可能性があるのではないかと思います。つきましては、各大学がそれぞれの個性を生かし、それぞれの役割分担を担えるような四大学が連携した大学運営のあり方が検討できる、例えば協議機関の設立といったネットワークの構築について、知事の考え方をお伺いいたします。

 次に、智の基盤整備について質問いたします。智というのは経験と知識でございますが、高知県は産業集積が脆弱で、公共事業など公の経済への依存度が高く、財政力も低いわけでありまして、大学の研究活動の活用は高知工科大学に見られるように、産学提携による新しい産業の創造や地域産業の活性化など、産業振興につながる理工系に重点が置かれる傾向にあります。産業構造を転換し、若者に魅力ある就業の場を確保するためには、産業振興は県政の大きな課題でありますが、県内には他府県から見れば魅力のある文化や言語・歴史があり、高知大学や高知女子大学などではこれらの研究をしている人文社会学系のすぐれた研究者がたくさんいるところです。

 また、県内には公立の博物館や図書館、美術館があり、地域の文化を研究しているすぐれた学芸員の方々もおるところですが、ただ残念なことにはこれらの研究者や公立博物館などの文化施設は、それぞれが個々に活動しているため、県内外へのアピール度も弱く、また行政と連携した研究も乏しいために、研究成果であります智の成果が行政へ全く還元されていないということでございます。このような原因の一つには、県の文化行政と大学や文化施設の研究者、管理者の間の連携が十分行われていないことから、研究成果の活用方法をシステム化することができず、県内外への効果的なアピール手法について双方がわからない状況にあるのではないかと考えます。

 大学や文化施設のユニークな研究成果は、すぐれた地域資源の一つであり、これらのインターネットを活用した県内外への情報発信や県内外の研究者の人的なネットワークの構築は交流人口の拡大を促進し、高知県らしい文化の形成につながるものと考えるところであります。そのためには、県が音頭をとって関係者から成る協議機関などを設け、行政と大学等の間で研究成果の智と融合を図るためのシステムづくり、言いかえれば智の基盤整備を進める、長期的には近世の土佐南学の二十一世紀版とも言える高知学なるものの創造を目指した取り組みを進めていくべきだと思いますが、智の基盤整備につきまして、文化環境部長の考え方をお聞きいたします。

 産業振興の取り組みについてお伺いをいたします。二十一世紀を目前に控えた今日、我が国経済や中小企業を取り巻く環境は大きく変貌し、ライフスタイルの変化を初めとして、経済のグローバル化、情報化等の進展はスピードをさらに加速しております。このような中、国においてはこうした時代の変化に対応した新たな産業を創出するため、昨年十一月の臨時国会において、中小企業基本法の抜本的な改正を行い、経営革新や創業に向けての自助努力など、中小企業の自立重視の政策に大きく転換してまいりました。

 一方、県内経済に目を移しますと、総じて経済は横ばいでありますが、高知県は依然として厳しい環境にございます。特に、産業の高度化に立ちおくれた本県にとっては、公共経済依存型の産業構造からの転換を図ることは重要な課題となっておりますが、平成八年度の市町村経済統計調査によると、まだ多くの市町村において建設業の占める割合が高く、公共工事など公経済に依存している状況が依然として続いております。この二月に経済企画庁から発表されました平成九年度県民経済計算でも、県民一人当たりの県民所得は前年度の全国四十四位から四十五位に一つ順位が下がっておりまして、本県産業の状況は相変わらず厳しいものとなっております。

 その一方で、産業界に開かれた新しい大学という建学の理念を掲げた高知工科大学の方は産学官の連携による共同研究など人的交流を通じ、新しい産業の芽が育ちつつあるのも事実でございます。高知ダイヤライトなど、大学教授や大学院生を核とした企業の設立といった、これまでにないビジネススタイルも生まれつつあります。このような産学官連携を土台にした取り組みは、決して他地域に引けをとるものではないと考えておりますが、本県産業の構造転換を実現していくために、研究の成果や斬新なアイデアなど、新たなビジネスの芽を確実に事業化や創業に結びつけ、二十一世紀をたくましく生きるための糧として、その育成に邁進していくことが重要だと考えます。

 そこで商工労働部長にお伺いいたしますが、県では平成十一年四月に産業振興センターと中小企業公社を統合し、全国に先駆け経営革新や新たな産業おこしに意欲的に取り組むベンチャー企業や中小企業の事業活動を総合的に支援する、いわゆる産業振興プラットフォーム体制を整備してきましたが、これまでの取り組みをどのように評価するのか、またそうした取り組みを踏まえた上で、今後さらにどのような支援の施策を展開していくつもりなのか。

 二つ目は、産業振興センター等の支援体制において、中小企業やベンチャーの支援活動を効果的に進めていくためには、民間の活力やノウハウを有効に活用することが不可欠と思いますが、こうした取り組みをいかにして進めていくのか、お伺いをいたします。

 介護保険制度についてお伺いをいたします。昨日も、この課題については質問がございました。介護保険は、昨年十月に亀井自民党政調会長が引き金を引いたあのどたばたの見直し劇がありましたし、そうでなくとも別に介護保険法はパーフェクトではないので、私は介護保険法が持っている幾つかの課題あるいは問題点、それを地域で住民と市町村行政が一緒になって解決していける余地はまだまだたくさんあると思っております。

 それは一つには、介護保険事業計画の策定委員会です。そこに公募の委員も含めて、市民、住民の意見を十分に反映させて事業計画をつくることが、衆議院厚生委員会で介護保険法第百十七条第五項という形で修正追加されているわけです。住民参加の枠組みをきちんと生かして、地域における介護保険、介護保障を住民と行政が協力、協同して育て上げていくことが大切であり、その余地がまだまだたくさんあると思っております。

 もう一つ大事なことは、住民が知恵を出し、行政と一緒に議論をし、地域で育て上げていく介護保険の枠組みです。これは、市町村の条例で法的な位置づけを与えなければ、ただの絵にかいたもちになってしまうということです。この三月の市町村議会には、一斉に介護保険条例が提案されます。広域連合で介護保険を行っているところ、広域連合議会に提案する形になると思いますが、基本的には三月の市町村議会に介護保険条例が提案されます。そこで事業計画の中で盛り込み、そして法制化すべきポイントが幾つかあるだろうと思います。九九年四月、厚生省は法の中で、これは市町村条例で決めなさいと言っている事項を条例でどう定めるかを条例準則という形で示しています。しかしながら、私はこれだけでは非常に不十分だと感じております。もちろん、条例準則にあるような中身というのは、例えば保険料の額とか、保険料率、納期など、重要ではないという意味ではありませんが、このままこれだけ決めていくということは、介護保険法の施行条例をつくるだけになってしまいます。市町村条例という立場から見ると、条例準則にのっとっただけの条例をつくるというのは、制度先にありきということになると思います。大事なことは、制度が先ではなく市民が先にある、要介護・支援の方が先にあるということが重視されなければなりません。この視点から見ると、条例準則に示されていることで欠けていることがたくさんございます。

 そういう点で、以下質問をいたしますが、市町村の介護保険条例においては、高齢者保健福祉計画や介護保険事業計画に沿って介護予防や生活支援などを盛り込んだものとなっているか、またもしその定めがないのであれば、市町村としてはそうした介護保険の周辺対策にどのように実施していこうとしているのか、お聞きをいたします。

 また、財政安定化基金を造成するための市町村の拠出金負担は、この三年間で幾らになるのか。この拠出金を高齢者が負担することによって、県平均で保険料は一人当たり月額で幾らアップすることになるのか、お伺いをいたします。

 また、介護保険は国民に新たな負担を求める制度ですので、特に市町村の担当者は国保の収納率が悪化することはもちろんのこと、介護保険財政の赤字に大きな不安を持っております。それだけに、この財政安定化基金の額で市町村の保険財政の赤字に対応できるのか危惧されているわけですが、どれだけの赤字を想定して基金額が決定されているのか、お伺いをいたします。

 次に、病院の健全経営についてお尋ねをいたします。昨日も、この項目については質問と答弁がございました。前段の主張は省略をいたしまして、私はこの次の病院の二次の計画について質問をいたしたいと思います。その前提といたしましては、議論の中で人件費の問題がすべてのように言われておりますけれども、人件費削減あるいは人員削減ということは、患者さんのニーズ、医師や看護婦を削減してもニーズには合わないという視点で、以下質問をしたいと思います。

 病院事業の借入金が二百億円にも達した原因は、長い経緯の中で幾つかあると思いますが、どう総括をされているのか。

 次に、その総括に立って第二期の経営健全化計画にどう取り組んでいくのか。また、中央病院は統合へ円滑に移行するため、病床規模の削減等のサイズダウンが計画されているが、そのことによる経営面の影響をどう考えるのか、病院局長にお伺いをいたします。

 また、看護職員の平均退職年齢は四十四歳程度であり、過酷な労働条件のもと、多くの職員が定年を待たずに退職する実態にあります。早期勧奨退職制度の導入はさらなる早期退職を進めるものであります。使用者としては、六十歳定年まで働き続けられるよう努力すべきであり、現在国家公務員を含めて年金支給開始年齢が引き上げられて、六十歳定年後の職員の再任用制度が進められていますが、このことに逆行することになるのではないかと思いますが、どう考えられているのか、病院局長にお尋ねをいたします。

 また、いろいろの問題を含む準用再建団体の指定は慎重にすべきと考えますが、この点については総務部長にお尋ねをいたします。

 次に、防災、消防、救急体制についてでございます。先日私は総務委員会の一員として東京都庁の防災センターを勉強に参りました。その規模の違いは、日本の大都市、首都圏でございますから全然違いますけれども、いろんな面で勉強になったわけでございます。この防災センターにつきましては、知事の年頭所感でも「防災作戦室とも言うべき施設を庁内につくることにしている」と述べておりますが、具体的にいつ、どこに設置する予定なのか。

 四国の高速道路は、順次整備が進められております。三月十一日には、徳島自動車道、池田−川之江間も開通をいたします。四国四県の県庁所在地が高速道路で結ばれることになりました。高知自動車道の通行量もますますふえることが予想されます。高速道での事故は、車両火災や多数の死者が出るなど、重大事故の事例が多いことは御案内のとおりでございます。高知自動車道におきましても、複数の車両を巻き込むような事故こそ起こっていないものの、昭和六十二年十月八日から開通いたしまして、十二年二月二十日までの人身事故九十六件、死者四人、負傷者百八十六人、物件事故が六百九十二件となっております。高速道路は、構造上インター以外の進入ができないため、的確で迅速な広域応援体制が必要であると思いますが、事故による車両火災や人命救助に対してどのような対策がとられているのか。

 また、高規格救急車の姿を見ることが多くなりました。消防の救急業務をより効果的に実施し、救命率の向上を図るためには、常時救急救命士が高規格救急車に乗務できる体制が急務でございます。そのような県内における導入状況と養成状況及び今後の計画について伺います。

 最後になりますが、防災教育でございます。今、高知県にも消防学校がございます。その消防学校で子供さんや、また大人の皆さん方に火災予防の知識、あるいは救命の知識を持つために、そういう体制を整えていくべきだと思いますが、その人員は消防のOBの方や消防団のOBの方にボランティアでやってもらうというような工夫もしながら、防災の教育重視に努めるべきだと思いますがどうか、お伺いをいたしまして第一問を終わります。

 (知事橋本大二郎君登壇)



◎知事(橋本大二郎君) 川添議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、副知事と出納長の辞任に関しましてお尋ねがございました。副知事と出納長が辞任を申し出られました理由は、昨日土森議員にお答えをしたとおりでございまして、それ以上のものはございません。私の三期目のスタートに当たりまして、さまざまな県政の課題に思い切って腕を振るいますためにも、人心を一新すべきだとの強い御意向でございました。

 次に、自由民主党の幹事長代理との会談についてお尋ねがございました。自由民主党の野中幹事長代理とは、毎年、年に何回かはお目にかかっておりますが、場所は議員会館や党の役員室などさまざまでございます。また、お会いするときはいつも二人きりでございますが、私はNHKの記者時代に先輩から、二人でさしで交わした話を軽々しく外に漏らしていたら、情報は入らなくなると教えられました。今もその先輩の教えを大切に守っております。

 続いて、分権型社会における行政サービスのあり方を考える懇話会からの報告書に関しましてお尋ねがございました。この懇話会には、地方分権の主役となります住民や県民の皆様の立場から、分権型社会を構築してまいります上での課題や必要となる取り組みなどにつきまして、率直で大胆な御提言をお願いしておりました。これにこたえて、提言では地方分権は民の力を向上させることであると、地方分権の意義を明確にしました上で、住民参加や住民の活動の支援などを通じましての、住民と行政とのパートナーシップの構築のほか、地域の課題や新しい時代に即応できる行財政の経営能力の向上など、行政自身の主体的な自己変革の必要性といったことを今後の大きな課題として位置づけております。その上で、本県におけます分権を着実に進めてまいりますため、住民と行政のコミュニケーションの拡大や、より柔軟で効率的な行政運営を進めますための体制の整備、さらには自治体職員の意識改革などの方策につきまして、幅広く明確な御提案をいただいております。今後は、お話にもありましたように、この報告書を県と市町村の行政関係者だけではなく、広く住民や県民の皆様にもお伝えをする中で、よりよい分権社会のあり方についての議論が進んでいきますよう取り組んでまいります。

 続いて、土佐の教育改革に関連いたしまして、高等学校と大学など高等教育機関との連携についてお尋ねがございました。本県では、これまで高等教育機関との連携の一つといたしまして、充実した施設とスタッフがそろっております高知工科大学との連携教育事業−−通称ブルーバードと呼んでおりますが、この事業を通じまして小・中・高・大の教員が子供の基礎学力を定着させますための教育方法や教育内容についての研究を進めております。また、高知医科大学や土佐女子短期大学との授業での連携も既に行われております。あわせまして、来年度は高知工科大学と県内の工業高校や香北町の中学校との間で連携教育を実施することにしております。さらに、県内の各大学と高校との連携につきましても検討を進めております。こうした高校と大学との連携教育の効果といたしましては、生徒の学力の向上や目的意識の醸成のほか、教員の資質や指導力の向上といった面でも大きな効果があると考えられております。このことは、これまで進めてまいりました土佐の教育改革のねらいとも一致する点が多いと考えられますので、今後も積極的に進めてまいりたいと思います。

 続いて、県内の高等教育機関の連携などについてお尋ねがございました。本県では、既に平成八年九月に教育内容の充実と地域社会への貢献を目的といたしまして、高知大学、高知医科大学、高知女子大学、高知工科大学、それに放送大学を加えました五つの大学で、高知五大学学長協力会議を発足させまして、単位の互換や共同研究の実施などの相互協力を進めております。この会議の成果といたしまして、平成九年四月には五つの大学の間で単位互換の協定が交わされております。また、この協定に基づきまして、昨年十二月には高知大学と高知女子大学との間で単位互換に関する覚書が交わされました。これによりまして、この四月から双方の大学の間で単位の互換が実施されることになっております。このように、本県では大学自身の取り組みが先行して進んでおりますので、県といたしましては五大学の学長協力会議の取り組みを見守りながら、必要な場合には側面的な支援も行っていきたいと考えております。

 私からは、以上でございます。

 (副知事河野八朗君登壇)



◎副知事(河野八朗君) 県職員に対して主張しておくことがあるのではないかというお尋ねでございましたが、川添議員さんの御配慮には感謝をいたしますが、今はまだ副知事として精いっぱいその職責を果たさなければならないという思いでいっぱいでございまして、特に用意がありません。ただ、職員には、二十一世紀の本県の発展を目指しまして、県民の皆さんのために何をすべきかという観点で、新たな感性を持って鋭意頑張ってほしいという思いでございます。まことに恐縮ですが、以上をもちまして答弁にかえさせていただきます。

 (公安委員長竹村維早夫君登壇)



◎公安委員長(竹村維早夫君) まず最初に、公安委員会の現在の活動状況についてお尋ねでございますが、昨年一年間を例にとりますと、本県での定例公安委員会を初めとして、公安委員会関連の会議に二十八回出席しているほか、当県議会に二十八回、警察署長会議等警察本部主催の会議や大会に十九回、交通安全県民大会等各種行事に四回と、通算をいたしまして七十九回の会議や大会に出席いたしております。

 次に、警察不祥事を踏まえての公安委員会の決意についてお答えをいたします。このたびの神奈川県警察を初めとする一連の不祥事につきましては、警察のみならず公安委員会のありようについても御批判のあることは十分承知いたしております。御案内のとおり、そもそも公安委員会は警察行政の独善化を防ぎ、政治的中立性を確保するため、戦後発足した制度でございます。この趣旨に基づきまして、現行法で「都道府県公安委員会は、都道府県警察を管理する。」と規定をされており、この条文を基礎といたしまして、県民の負託にこたえる警察活動を行うよう、鋭意本部長を通じ県警察の指導に努めているところでございます。

 一連の不祥事につきましては、本県公安委員会といたしましても、決してそれを対岸の火事とせず、他山の石とし、県警察における各種不祥事の防止と県民の皆様の立場に立った適正な職務執行の指導に最善の努力を傾注しているところであります。具体的には、県警察に対する管理機能をさらに強化し、県民の皆様の視点で社会の常識に適合するよう指導し、重要な部分でのチェックに万全を期したいと考えております。したがいまして、昨年来、特に公安委員会を活性化さすべく、警察本部からの具体的な報告もいただき、御意見を申し上げ運営をしてきたところでございます。先日も、最近の一連の不祥事を受けまして、公安委員会として高知県警察に県民の命と財産を守り、県民の信頼にこたえるたくましい警察の実現に向けて、さらなる御努力をお願いしたところでございます。

 また、御承知のように、警察法の一部改正案が今国会に上程されており、成立すれば、監察に関する指示権、懲戒事由の報告義務らが規定をされており、公安委員会の警察に対する管理能力の法的基盤がさらに強化されるものと考えております。

 (警察本部長恵良道信君登壇)



◎警察本部長(恵良道信君) 犯罪捜査と情報公開について御質問があったところでございます。

 まず、犯罪捜査についてでございますが、昨年県下では刑法犯一万一千五百十三件を認知しておりまして、うち七千四百七十一件を検挙しております。検挙率は、六四・九%でありまして、全国平均の三三・八%を大幅に上回っております。殺人事件につきましては、昨年十三件を認知いたしまして、うち未遂の八件を含めまして一〇〇%検挙であります。過去五年間を見ましても、県民の皆様の御協力もいただきながら、いずれも一〇〇%検挙、解決しております。しかしながら、犯罪の悪質・巧妙化、広域化、国際化といったことの進展や無関心層の増大等、国民の意識の変化等から捜査はますます困難化してきておりますが、県警察といたしましては、今後とも捜査力の強化に努め、重要凶悪犯罪等県民の皆様方に不安を与える事犯を重点に、犯罪の予防と検挙に総力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

 さらに、本年一月二十三日夜から二十四日未明の間、野市町で発生いたしました独居女性殺害の殺人事件につきましては、昨夜被疑者を逮捕したところであります。

 次に、情報公開についてでありますが、県警察といたしましては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律制定の趣旨や、あるいは平成九年十二月に提言がございました情報公開を考える懇話会の提言等を踏まえまして、警察活動に関し、犯罪捜査やプライバシー等の理由から公表することが適当でないものを除きまして、可能な限り県民の皆様にお知らせすべきことはお知らせし、県民の皆様の理解と協力を得ながら、治安維持に努めてまいる所存でございます。

 また、県警は県民の皆様の理解と協力を得るため、既に高知県警察ホームページ「こうちのまもり」を初めとする広報媒体を通じ、警察活動の実態にかかわる情報を積極的に提供するとともに、同ホームページに寄せられる電子メール、あるいは警察相談電話、さらには警察苦情一一〇番等を通じて、県民の皆様方から質問や照会があれば、警察業務に支障のない範囲で説明しているところであります。

 以上でございます。

 (企画振興部長島田一夫君登壇)



◎企画振興部長(島田一夫君) 広域行政と情報化につきまして御質問をいただきました。

 まず、広域行政について三点の御質問にお答えをいたします。最初に、市町村合併についてでございます。市町村合併につきましては、地域での十分な議論を踏まえ、市町村や住民の皆様が自主的に決定することが基本でございまして、地域でそうした議論が深まりますよう、必要な情報提供などを行いますことが基本的な県の役割だと考えております。こうした基本的な考え方に立ちまして、十二年中に策定します市町村の自主的合併に関する要綱につきましては、高知県の市町村の現状などを踏まえまして、想定される合併パターンやそのメリット、デメリットなどについて検討いたしますとともに、一部事務組合や広域連合など、広域行政機関の活用のあり方についても幅広く検討を行ってまいりたいと考えております。また、策定に当たりましては、有識者などで構成します検討委員会を設けますとともに、住民の方々や市町村の方々からもお考えを聞かせていただくなど、県民各層からの幅広い御意見を反映し、本県の実情に即したものとしてまいりたいと考えております。

 次に、権限移譲についてお尋ねがございました。今回の法改正によりまして、県に移譲されました事務としましては、開発行為を行います事業者に対する埋蔵文化財の発掘調査の指示や森林法に基づきます重要流域以外の流域について行う民有保安林の指定、解除等の事務など、九つの法令に基づく事務がございます。市町村につきましては、中核市を除くすべての市町村に狂犬病予防法に基づきます犬の登録、鑑札の交付など、六法令に基づく事務が移譲され、市にはこれに加えまして文化財保護法に基づきます史跡、名勝、天然記念物の軽微な現状変更等の許可事務など、三法令に基づきます事務が移譲されました。また、中核市につきましては、毒物及び劇物の販売業の登録及び登録取り消しの事務など、トータルで十一法令に基づく事務が今回の法改正によって新たに移譲されております。

 これとは別に、県の事務を条例の規定で市町村に移譲します、いわゆる事務処理の特例制度に基づきますものでは、高知県公害防止条例に基づきます事務など、これまでの事務委任規則によります十七の法令に基づく事務を引き続き市町村にお願いするほか、新たに有害鳥獣の捕獲許可など、二つの法令に基づく事務の移譲を予定しております。

 また、これまで要綱などによりまして、県への申請書の受け付けなど、市町村に協力いただいておりました、いわゆる経由事務につきましても、原点に立ち返って見直しを行った上で、母子寡婦福祉資金の貸し付けなど、二十五の法令に基づく事務を引き続き行っていただくよう条例化いたしております。今後の市町村への権限移譲につきましては、種々の市町村の実情を踏まえる必要はございますが、住民の方々への行政サービスの向上、市町村の身近な総合行政の推進といった観点から進めていくべき課題と考えておりまして、市町村と十分協議しながら取り組んでまいりたいと考えております。

 この問題の最後に、分権の推進に向けての今後の取り組みについてのお尋ねがございました。地方分権につきましては、先ほど知事がお答えいたしましたように、県や市町村など行政側の取り組みはもちろんでございますが、県民の皆様にもその趣旨を御理解いただきまして、ともに進めてまいることが重要であると考えております。このため、懇話会からいただきました報告書につきましては、県や市町村などの行政関係者に周知し、活用していただくほか、県のホームページに掲載するなど、県民の皆様に広く情報発信をしてまいりたいと考えています。また、この報告書を踏まえまして、地方分権を推進していく上での県の基本的な考え方や具体的な取り組み方針などを明らかにしました推進指針を早期に策定し、本県におけます地方分権を着実に進めてまいりたいと考えております。

 次に、情報化についての五点の御質問にお答えをいたします。まず、2001プランの総括でございますが、KOCHI2001PLANにつきましては本年度が五カ年計画の中間年に当たりますことから、現在その中間評価を行っているところですが、おおむねの成果としましては、国などから情報化の先進県として評価を受けまして、その有利な補助制度を導入できたこと。高知県情報スーパーハイウェイの構築や学校のLANやインターネット接続など、情報基盤が全国に先駆けて整備されたこと。また、この情報基盤を活用したさまざまな実験的な取り組みを推進してきたこと。さらに、全県的な情報化推進の機運が醸成されたことなどが挙げられます。

 一方、課題としましては、さらに目に見える形で県民の生活の向上や産業振興などの成果につなげていくことだと考えております。

 以下、少し御答弁が長くなって恐縮ですが、主要な分野の成果を申し上げますと、教育の分野では、本年度中にはすべての公立の小・中・高校がインターネットに接続されるなど、日本で最も進んだ情報ネットワーク環境が整備され、これを活用しました授業や地域を超えた交流が進んでおりまして、今後は情報教育の内容の充実と教員の指導力の強化が課題となっております。行政の分野では、県の本庁と出先機関とすべての市町村をネットワーク化しましたが、今後さらに市町村のLAN化などの情報基盤整備とあわせまして、開発中の総合防災情報システムや文書情報システムの稼働などによりまして、迅速で質の高い行政サービスを行うことが重要と考えております。また、産業面でもSOHOやベンチャー企業等の新しい産業育成の場となります南国オフィスパークセンターがこの二月にオープンしましたが、この活用や既存産業の情報化の支援を強化していく必要があると考えております。このほか、コミュニティーづくりや住民参加などの分野は、今後強化を図るべきテーマであると考えておりまして、今後とも県民、住民の皆様方が成果を身近に実感できる情報化を推進してまいりたいと考えております。

 次に、住民、県民へのよりよいサービスの提供ということについてでございますが、他県に先駆けて整備してまいりました情報基盤や国の電子政府とか、教育の情報化など、国の政策を見越して進めてまいりました取り組みを今後とも生かしながら、他県に先んじて県民、住民サービスの向上につなげていくよう努力していきたいと考えております。このため、県と市町村の情報ネットワークの充実とか、平成十二年に予定しております本庁職員一人一台のパソコン体制の整備、庁内情報の電子化を推進する文書情報システムの開発、国や市町村との情報を共有できる総合防災情報システムの開発などと並行しながら、従来までの事務処理方法の見直しや情報基盤を十分に活用できるような人づくり、行政情報の県民との共有などに取り組んでまいります。

 また、教育の情報化につきましては、中山間の小規模校が多い実情にも即応しまして、本県ならではのネットワーク教材や地域教材の作成のほか、障害を持つ児童生徒のために開発されたソフトの活用などを進めていくこととしております。

 さらには、こうした取り組みを進める中で、本県を国の情報施策の実証実験フィールドとして活用していただけるよう働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、百億円という想定で進めてきた事業費面での進捗状況でございます。平成十二年度の当初予算では、KOCHI2001PLAN関係の予算額は約二十五億円をお願いしておりまして、平成九年度からの累計額は約七十八億円となっております。平成十三年度の計画額を含めまして、およそ予定どおりの進捗と考えております。

 次に、これまでの国の助成制度の導入状況についてでございます。KOCHI2001PLANにつきましては、これまで国などから先進的な情報化戦略としての評価を受け、リーディング・プロジェクトや国の実施しますモデル事業の採択といった、有利な地方債制度や国の直轄あるいは補助事業などを積極的に導入することができました。平成九年度から本年度までに導入しましたこれら補助金等の額は、合わせて約七十六億円となっております。このうち、先ほど申し上げました県の当初予定しました百億円に対しますものは十五億円弱でございまして、あとは国の外郭団体が直接実施する事業でありますとか、企業への研究開発のための直接の補助金でございます。

 最後に、県、市町村一体となった取り組みをどう進めるかというお尋ねでございました。御指摘にございましたように、情報化を県民・住民サービスの向上につなげてまいりますためには、住民に身近な団体でございます市町村の役割も重要で、その体制の整備が急がれていると考えております。県と市町村が一体となりまして、情報ネット活動が展開できますよう市町村のハード、ソフトにわたる条件整備を促進しまして、すべての市町村の情報化のレベルを高めていくことが必要であると考えております。このため、今後県といたしましては、市町村との連携を密にしながら、県と市町村との間の通知文書や各種申請、統計業務などの一層の情報化の推進や、市町村職員に対しまして情報化についての理解や技術を一層深めるための各種研修会の実施や情報化推進体制の整備、また市町村が使いやすい高知県情報スーパーハイウェイの一層の充実、さらに国の地域インターネット導入促進事業や新世代地域ケーブルテレビ施設整備事業など、先進的・モデル的な事業の導入による行政の地域情報化の促進などについて、積極的に働きかけや支援をしていきたいと考えております。

 以上でございます。

 (総務部長兵谷芳康君登壇)



◎総務部長(兵谷芳康君) 一連の御質問にお答えいたします。

 まず、県と広域行政機関との人事交流についてのお尋ねでございます。分権型の社会や少子高齢化社会が進展していきます中で、効率的でかつ効果的な行政サービスを提供するためには、各市町村と相互に連携をした広域行政を推し進めていく必要がございます。そのため、平成三年度以降、安芸、高幡、幡多の各広域市町村圏事務組合及び嶺北広域行政事務組合に対しまして、職員を派遣してまいりましたし、現在も安芸広域市町村圏事務組合に派遣をいたしております。

 また、地方自治法の改正を受けまして、平成十年度に設置されました中芸広域連合に対しましても、現在職員の派遣を行い、県として支援をしております。

 今後におきましても、広域行政に積極的に取り組む地域から要請があれば、必要に応じて人事交流を実施していきたいと考えております。

 次に、病院事業に関する御質問の中で、準用再建団体の指定は慎重にすべきとのお尋ねがございました。病院事業会計に累積しておりますおよそ二百億円に上る借入金を処理していくに当たりましては、一般会計の側からの支援も必要となると考えられますが、その大前提として病院事業自体が経営改善に向けた抜本的な改革に取り組むことが不可欠でございます。そのための具体策として策定いたします財政再建計画については、準用再建団体の指定を受けることにより、再建計画の法的な位置づけを明らかにしました上で、計画を着実に実施していくことが必要だと考えております。

 また、これにより計画の実施に向けた取り組みにつきましては、国から一定の財政上の支援も受けることが可能となります。確かに、財政再建計画は国との協議が必要でございますが、この計画の策定自体は病院局との密接な連携のもと、あくまでも自治体の長がイニシアチブをとって行うものでございます。こうしたことを勘案いたしまして、病院事業の抜本的な改革に向けて、今後とも準用再建団体の指定を受けることの検討を進めていきたいと考えております。

 次に、防災、消防に関する御質問にお答えをいたします。まず、防災センターをいつ、どこに設置する予定かとのお尋ねがございました。平成十四年度の本格稼働を目指し、現在総合防災情報システムの構築に取り組んでおりますが、このうち平成十一年度末には水防情報、地図情報などのシステムが完成をいたします。これを受けて、これらの情報を一元的に管理し、防災対策の司令塔的な役割を果たします防災作戦室とも言うべき施設も庁内につくることにしておりますが、その設置の時期につきましては、警察本部の移転に伴う県庁全体の再配置を考える中で、平成十二年度末を目途に作業を進めております。

 次に、高速道路での事故による車両火災や人命救助に対しての対策についてお尋ねがございました。高速道路における事故につきましては、お話にもございましたとおり、重大事故となる危険性がございますので、現在高知市、南国市、嶺北広域行政組合及び仁淀消防組合の四消防本部において、消防相互応援協定を締結し、それぞれの高速道路についての担当区間を定めますとともに、重大事故については相互に応援、協力して消防業務を実施することとしております。

 また、高速道路上の火災に備えまして、水槽車や水槽つきのポンプ車を整備するとともに、救助工作車や高規格救急車など、必要な資機材の整備を進めております。

 なお、県といたしましても、重大事故が発生した場合には速やかに消防・防災ヘリコプター「りょうま」を出動させ、救急活動に当たることにしております。

 次に、高規格救急車の導入状況と救急救命士の養成状況及びその今後の計画についてお尋ねがございました。県内十五消防本部には、現在七十八名の救急救命士が在職し、高規格救急車の配備台数は本年度末には十二消防本部で合わせて二十一台となっております。高規格救急車は、常時救急救命士が乗務することになりますので、最も効果的な救急活動ができますが、まだ救命士の数が十分でない消防本部もございます。したがいまして、今後も財団法人救急振興財団の研修所に救急隊員を派遣し、毎年十五名前後を養成することにしております。

 また、高規格救急車につきましては、平成十三年度中にはすべての消防本部に配備できますよう努めてまいります。

 最後に、自主防災組織や幼児、児童を対象とした防災教育について、消防学校や消防職員OBの方々を活用するなどの方策は考えられないかとのお尋ねがございました。消防学校では、現在消防職員や団員の教育を行いますほか、婦人防火クラブ員等を中心とした防災リーダー教育を実施しております。このほか、学校や保育園、地域などで、主として消防本部や市町村が防災教育を行っておりますが、県といたしましても地域で支え合う防災対策事業の推進や、起震車、教育用資機材の貸し出しなどの支援を行っております。今後、より効果的な防災教育をどのように進めていくかにつきましては、消防学校等の施設や御提案にもございましたボランティアとしての消防職員OBなどの活用も含めまして、各消防本部や市町村、学校などとも協議してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 (文化環境部長池田憲治君登壇)



◎文化環境部長(池田憲治君) 土佐の教育改革に関する御質問のうち、文化施設と大学などとの間の連携についてのお尋ねにお答えいたします。

 県の文化施設にとりまして、市町村あるいは大学や地域の研究者の方々と連携し活動の幅を広げ、県内全域での面的な取り組みを進めますことは、これからの大切な視点であると認識しております。県の文化施設の学芸員の研究成果は、それぞれの施設の機関誌などに掲載し、市町村などに配布することで研究成果を共有することに努めております。

 また、具体的な取り組みの事例を挙げますと、平成十三年に山内一豊公の入国から四百年を迎えることを記念いたしまして、県が主唱し、地域の歴史や文化に焦点を当てた企画を市町村の文化施設や大学、地域の研究者の方々などと連携して実現するための準備を始めております。さらに、来年度には県立美術館と市町村の文化施設などが連携し、移動美術館事業を新たに開催することとしております。

 学校教育におきましても、多くの学校では文化施設などの協力も得まして、各市町村教育委員会が作成しております社会科副読本などを活用し、それぞれの地域の特色ある文化や歴史、伝統行事などを取り上げて学習を行っております。こうした取り組みを進めますことや施設間のネットワークの強化を通じまして、県内の文化振興や情報発信につなげてまいりますとともに、その成果を学校教育の中でも活用してまいりたいと考えております。

 (商工労働部長上岡義隆君登壇)



◎商工労働部長(上岡義隆君) 川添議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、産業振興プラットフォームの評価と今後の支援施策についての御質問でございます。県では、プラットフォーム体制の中核を担います産業振興センターの支援機能を強化するため、産業情報の提供や紹介、経営や技術に関する相談事業の実施など、地域企業の要望に応じたきめ細かなサービスを総合的に行う、いわゆるワンストップサービスの充実に努めてまいりました。

 また、二十を超える県内の産業支援機関が定例的に情報交換や人的交流を行いますプラットフォーム会議も設立され、相互の連携の強化も図ってまいりました。このように、ベンチャーや経営革新を目指します中小企業を支援するための仕組みづくりはほぼ整ったと考えております。今後は、こうした支援体制を土台にいたしまして、来月オープンいたします高知工科大学連携研究センターを拠点に、新たなビジネスの芽を育てていくための産学官連携のコーディネート活動をさらに強化してまいります。

 また、共同研究の成果を生かした事業展開やベンチャービジネスを効果的に大都市圏のビジネス市場に結びつけるため、販路開拓等のサポート事業などに取り組んでまいります。

 次に、産業振興センター等の支援体制における民間の活力やノウハウの活用についての御質問でございます。多様化する地域企業のニーズに対応していくためには、ビジネスの現場の豊かな経験を有し、専門的な知識あるいはノウハウを持った人材を確保することが今後ますます重要になってくると考えております。そのため、本年度は産業振興センターにおきまして、常駐の特許流通アドバイザーを民間から登用するとともに、技術や経営などの各分野の専門家をアドバイザーとして委嘱してまいりました。来年度には、高知工科大学連携研究センターにおいて、産学連携を推進する産学交流コーディネーターや大都市圏での販路開拓を支援するためのビジネスサポーターとして企業経験者の配置を予定するなど、今後とも民間のノウハウの積極的な活用を図ってまいります。

 また、こうしたさまざまな分野の産業支援人材の導入を通じまして、産業振興センターの職員の専門能力の向上を図るとともに、各支援機関における人材の育成につなげてまいります。

 以上でございます。

 (健康福祉部長山崎淳一君登壇)



◎健康福祉部長(山崎淳一君) 介護保険についての御質問にお答えをいたします。

 まず、介護保険の周辺対策についての条例の定めと実施についてのお尋ねでございます。国が示しております市町村の介護保険条例の準則では、介護認定審査会や保険給付、保険料について定めるほか、介護保険制度の中で介護予防や生活支援などの事業を実施する場合には、保健福祉事業として定めをすることとされております。ただ、この保健福祉事業を実施する場合は、基本的にそのために必要となります費用を一号保険料で賄うこととされておりますので、この事業を実施いたしますと、保険料を押し上げる結果となりますことから、ほとんどの市町村は条例に盛り込まないと承知をしております。このため、市町村におきましては、生きがい活動支援通所事業といった国の補助事業や、地域支え合い推進事業や高齢者住宅改造支援事業といった県の単独事業を活用して、高齢者保健福祉計画に定められた介護予防や生活支援の事業を実施していくこととしております。

 次に、財政安定化基金の市町村の負担と高齢者の負担についてのお尋ねでございます。財政安定化基金として、平成十二年度から平成十四年度までの三年間に積み立てが必要な額は、約十九億八千万円と見込んでおりまして、市町村が拠出金として負担する額はこのうち三分の一に相当する約六億六千万円となります。この拠出金については、第一号の保険料で賄っていただくこととされておりますが、この拠出金による保険料への影響を試算いたしますと、県平均で一人月額約百円となります。

 なお、保険料軽減のための特別対策がございますので、この約百円については平成十二年四月から九月までの半年間は全額が、またその後の一年間は半額が国からの交付金で賄われることとなります。

 最後に、基金額の決定に当たり、想定している赤字についてのお尋ねでございます。先ほど申し上げました基金の積立額は、国の考え方に基づき算定をしておりまして、国の考え方は、保険料の収納率の低下による赤字がすべての市町村で普通徴収される保険料の二%発生した場合と、約半数の市町村において給付費が見込み額の一割から二割上回った場合を想定したものでございます。介護保険制度は新たな負担を求めるものでありますので、収納率の低下も心配されるところではございますが、国の特別対策もとられていることから、この積立額により対応できるものと考えております。

 以上でございます。

 (病院局長須藤明君登壇)



◎病院局長(須藤明君) 病院の健全経営についての御質問にお答えいたします。

 まず、病院事業の経営悪化の要因につきましては、さまざまでございますが、長い経過の中で疾病構造の変化や県民の医療ニーズの多様化に施設や機能の面で十分に対応し切れなかったこと、近年の国の総医療費抑制策のもとで、人件費や材料費の伸びに見合った医業収益の確保ができなかったこと、さらに看護体制の充実や週休二日制の導入による職員数の増加などが主な要因と考えております。

 また、一方では、これまで経営責任の所在にあいまいな点がありましたことや公営企業としての経営のあり方そのものも要因の一つではなかったかと受けとめております。

 次に、第二期の経営健全化計画への取り組みでございますが、昨日中沢議員の御質問にお答えしましたとおり、第一期計画での取り組みや総括を踏まえまして、期間中に病院長への権限を一層拡大し、各病院が責任と自覚を持って経営に当たる独立採算方式を高めることや、一般会計からの借入金に頼らない経営体質にしていくことを最大の目標に取り組んでまいります。

 また、中央病院のサイズダウンに伴う経営面への影響についてのお尋ねでございますが、統合新病院は県、市両病院の総病床数から約二割の病床数が削減されますことから、円滑な移行のためには中央病院のサイズダウンが必要となってまいります。このため、統合に向けて計画的に病床数や診療体制についてサイズダウンを実施してまいりますが、その際には経営面への一定の影響は避けられないものと考えております。しかしながら、その場合でも可能な限り収益の確保を図ることによりまして、影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。

 最後に、早期勧奨退職制度についてのお尋ねでございますが、病院事業は抜本的な経営改善を求められており、人件費を初めとする医業費用につきましては、医業収益に見合ったものにしていくことが避けて通れない課題であると認識しております。早期勧奨は、退職を無理強いするものではなく、職員本人の意思を尊重しつつ、結果的に人件費を抑制する効果がありますので、平成十三年度から実施したいと考えております。

 以上でございます。

 (三十四番川添義明君登壇)



◆三十四番(川添義明君) 再質問を行います。

 余り時間もありませんので、知事と企画振興部長に絞って再質問をいたします。知事が野中幹事長代理と話をして、先輩からそういう二人の信義を損なうようなことは発表してはならないと、これはこれで理屈があると思います。それでは、質問の第一問で質問しましたように、自民党県連の中で福井さんを副知事にというようなことは、現在ではこれは否定できると思います。河野副知事、鍋島出納長が今月末でやめる。新しい副知事と出納長について、議会の各会派に話が来ましたから、だから福井さんの副知事ということはあり得ない、これははっきりしたわけです。しかし、そういうことが新聞報道されたことによって、県民は何でこんなことが言われたんですかと。また、新聞報道では知事が否定していないということも確実になされていないわけですから、そのことはやはりきちっと、話の中身は別といたしまして、そういう副知事選任についてはみずからが新しい副知事、出納長にはこういう人を人選するということを明らかにしましたので、その辺を一度整理して明確にして、打ち消すということが必要だと思います。

 それから、企画振興部長には、情報化の問題で中間総括が言われました。いろいろ国の制度を非常に有利に活用して成果をおさめているということでありますが、五カ年計画の最終到達年度に向けて具体的にどういうスケジュールで、目標達成に向けて市町村も含めた、産業界も入れた情報化の達成をしていくかという具体的なスケジュールがわかっていれば、お知らせを願いたいと思います。

 以上で、私のすべての質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)

 (知事橋本大二郎君登壇)



◎知事(橋本大二郎君) 川添議員の再質問にお答えをいたします。

 野中幹事長代理との会談について、改めて御質問がございました。私は、自由民主党の党員ではございませんので、自由民主党の中でどういう話し合いがなされたかは全く関知をしておりません。また、私はどなたとお話をいたしますときにも、後になって県民の皆さんに対して後ろめたさを感じるような、そういう話をしたことはございませんし、また今回の場合もそれは同様でございます。あわせて、川添議員も御承知のとおり、私は政治的な駆け引きというのは得意ではございません。けれども、政治的な色彩の濃い会話をいたしますときにも、県民の立場に立ってどうすべきかということをいつも考え、行動をしているつもりでございますので、県民の皆様には御安心をいただきたいと思います。

 私からは、以上でございます。

 (企画振興部長島田一夫君登壇)



◎企画振興部長(島田一夫君) 情報化につきましての再質問にお答えをいたします。

 先ほど御答弁いたしましたように、2001プランは平成九年度から取り組んでまいりまして、一定の成果は上げてきたと思っておりますが、反省点としましては、やはり使い手側のサイドの意見、ユーザー側の意見がなかなかうまく吸い上げられていなかったのではないかというのが一点でございます。それから、各プロジェクトをきちっと管理するチームリーダーというのがはっきりしておったかというのが、反省点の第二点でございます。

 ですから、一点目につきましては、やはりこれから県民の皆様方にもできるだけ参加していただく、現場の方々にできるだけ参画していただくという形でユーザー側の意見を吸い上げる、それから二点目につきましては、現在工科大学にお願いもしてございますが、工科大学の先生を各プロジェクトのリーダーにしていくといったような取り組みも必要ではないかと思います。そうしたことによりまして、平成十二年、十三年は産・官・学、市町村一体となりまして現プランを成功させる努力をいたしまして、平成十四年からは、できますれば新しい情報化戦略をスタートさせたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(依光隆夫君) 暫時休憩いたします。

 午前十一時四十四分休憩

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 午後一時一分開議



○副議長(雨森広志君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 三十一番二神正三君。

 (三十一番二神正三君登壇)



◆三十一番(二神正三君) 質疑及び質問に入ります前に、初めて登壇をさせていただきました私といたしまして、一言冒頭申し上げておきたいことがございます。

 午前中の質問でも川添議員から御指摘がございましたけれども、本会議開会直前になりまして副知事及び出納長の辞任が報道をせられ、まさに青天のへきれきと言わざるを得ません。少なくても特別職でございますから、私が申し上げるまでもなく、選任同意議案が提案をせられ、議会におきまして慎重に審議の結果、選任をせられましたお二人の特別職の方が、本会議開会直前に辞意が明らかになる。このことは、議会の同意を必要とするだけに、議会の議決の重み、貴重性並びに最近県政を取り巻く県民の皆さん方の厳しい視野から判断をいたしまして、もっと慎重に対応するべきではなかったのか。特に、私は議会議員として議会の同意議決の重みの観点から、今後におきましては、より慎重に御判断、政治決断せられますことを要請いたしておきたいと存じます。

 あと一点、大変厳しい御指摘をさせていただかなければならないという認識を持っておりますことの中に、これもごく最近、県の教育委員会の職員が飲酒運転で逮捕された。しかも、新聞報道等によりますと容疑内容を否認して、その後の経過を私どもは承知することができておりません。少なくても、昨日から議会が再開され、そしてその直前には議会運営委員会が開かれておるわけでございますから、県教委は、少なくてもその後の経過について議運に報告をする、そうした説明責任が果たされていないのではないか。そのことについて、冒頭御指摘をしておきたいというふうに考えております。

 では、ただいまから通告に従いまして、まず最初に議案に対する質疑を行います。質疑でございますから、私の個人的な意見は一切入れるものではございません。

 第百四号議案についてでございます。提案をせられております条例の議案、その内容によりますと、特別職としての任期を定めることとなっておりません。本条例については、任期を定める意思がないのか。

 さらにもう一点、この提案議案において、地方公務員法あるいは労働基準法との整合性に問題はないのか、この二点について伺っておきます。

 次に、一般質問を行います。

 臓器移植法についてでございます。質問の中身に入ります前に、あえてお話を申し上げ、前提の御理解をいただいておきたいと存じます。私は、平成七年十二月十九日に、みずからの過失によりまして、十メーター墜落をいたしました。そのときの障害が現在も残っておりまして、前頭部を強打したその関係で視神経器官を損傷し、左眼が永久に失明をするというアクシデントに遭っております。今議会におきまして臓器移植法についてあえて質問をいたしますのは、私のそうした現在の身体の状況にかんがみて、あえて県執行部のお考えを伺うところでございますので、そのことはあらかじめ御理解をいただいておきたいと存じます。

 平成九年に現在の臓器移植法が施行をせられました。三年後に見直しをするとした臓器移植法は、本年十月ごろをめどとして、さまざまな論議や問題点を抱えながらの三年近くの経過の中で一定の見直しが図られるであろう、そういう前提認識をいたしておるわけでございますけれども、現在のこの臓器移植法では、生存者からの角膜移植ができないこととなっております。心臓、肝臓、肺あるいはその他の臓器につきましては生命に直接かかわる移植になってまいりますから、そのための論議が慎重に長期間行われ、現在の法の施行となっておるわけでございます。こうした私自身の健康状態から、平成八年から九年にかけまして角膜移植を申し出ましたけれども、先刻申し上げましたような現在の法律の障壁に遭いましてその思いが達成をいたしていないために、十月までの見直しの期間において生体間移植が実現できるような法整備を県として厚生省に働きかけるべきである、私はそのように考えて、あえて質問をいたすところでございます。

 昨年五月末における、角膜を移植希望する待機患者数は、県内におきましては十九名、全国では五千六百九十九名の皆さん方が角膜移植を待機しておる状況でございます。そこで、私自身が専門医の見解といたしましてお聞きをいたしましたその状況からいたしますと、生存者からの角膜移植が医学的、技術的に困難ではないこと。さらに、角膜提供者の術後における健康維持や管理に特に支障が生じないであろうこと。さらには、同じく、新たな障害の発生や身体に危険性が生じないと思われること。また、平成九年八月には、県の健康政策課の課長が厚生省に角膜移植について接触を持っていただいております。そのときの厚生省の見解といたしましては、アイバンクを通じずに当事者間での直接献眼は可能であろう、しかしながら、日本の法律が先ほど申し上げましたような制約があるために生体間移植の経験を有した医師がいないため、万が一後世障害が発生したときには傷害罪に問われる危険性があるために手術をしてくれるお医者さんがいないであろうというのが厚生省の見解でございました。しかしながら、脳死移植と同じように本人もしくはその家族の同意がある場合に、さらには整備された法の中で生体間移植ができ得るような法律改正をぜひとも県が取り組むべきである。

 ちなみに、私どもの調査によりますと、毎年約一千二百名の皆さん方が角膜移植を実施されて視力回復を得ておられるようでございますけれども、本県には、財団法人としてのアイバンクも設立されておりません。他県におきましては、民間がそうした財団法人を設立し、視力障害の皆さん方に一生懸命に視力回復のためのお手伝いをいたしておるわけでございますけれども、本県にはそうした民間団体もございません。そうしたものも含めまして、健康福祉部長の御見解を賜りたいと存じます。

 次に、少子化対策についてでございます。過般までの議会におきまして、知事や関係執行部からそれぞれに御答弁の経過があることは承知をいたしておりますけれども、従前のとらえ方は、産みやすい環境をつくる中での少子化対策、あるいはお生まれになられた後の子供さんの健やかな成長のための対策、そうした観点から質問戦が展開をせられておりますけれども、私はあえて別の角度から今回質問を行うものであります。

 平成九年度の高知県の人口動態からの検証でございますけれども、本県の特徴といたしまして、大変婚姻件数が年々減少をいたしておりまして、平成九年度は四千百四十八件。これを人口千人に対するポイントを出してみますと、全国でワースト五位の五・一ポイント、出生率も六千八百七人と年々後退をいたし、その千人に対する出生率は八・四ポイントで、全国第二位という低い数値でございます。また、本県は大変人工死産率が高うございまして、こちらは二六・一ポイントという数値になっております。

 また、反対の方から見てみますと、離婚件数が、こちらは婚姻件数と違いまして年々増加をいたしております。そして、平成九年度における件数は一千六百六十八件で、全国ワースト第五位という数値になっております。単純に婚姻件数と離婚件数を比較してまいりますと、婚姻五件に対して片方では二件の離婚が進行しておる。そうした比率になっておるわけでございますから、人口が自然減もやむを得ないという状況にあると言わざるを得ません。

 私ども地元宿毛市、大月町、三原村だけではなしに、あるいは高知県に限ったことではございませんけれども、大変全国的に婚姻件数というものが減少傾向にある。このことが、ひいては少子化の進む、拍車をかけておる原因の一つであろうというふうに認識をいたしております。独身男女の恋愛でありますとかそうした結婚の問題でありますから、行政としての対応が大変難しいことは承知をいたしております。しかしながら、たとえそうした個人間の問題とはいえ、男女間の問題とはいえ、行政としてこのまま放置をすることは、健全であるべき地域社会の構造あるいは秩序維持等にも将来的に必ず問題が生じてまいる、そういうふうな懸念の思いから、あえて質問をするところでございます。

 私たちの住む地域だけではございませんけれども、特に承知をいたしております地元のことを例に申し上げますならば、結婚をしたくても、相手との触れ合いの機会がない、あるいは外に出るのに恥ずかしいといった、そうした方が独身者の数の中に大変多くを占めております。このことが地域の産業や経済の活力に低下を招く遠因になっておるのではないか。あるいは、対人交流の格差や閉鎖性、そうした問題にもつながっているのではないだろうか。当然のごとく消費力の衰退にもつながってまいります。特に、一次産業に従事をする男女間に潜在化いたしておりますこうした独身男女の解消について、それぞれの市町村あるいは地域には漁協、JAあるいは婦人会、森林組合、青年団、さまざまな民間団体がおいでるわけでございますから、県として、そうしたそれぞれの地域の皆さん方と具体的に対応策を直ちに協議するということにはつながらないとは思いますけれども、今後の二十一世紀の活力ある地域を築き上げていくためには、そうした潜在化する独身男女対策について県として取り組む考えはないのか、企画振興部長にお尋ねをいたします。

 次に、よさこい祭りを通じます観光振興についてお尋ねをいたします。戦後の混乱期から、市町村合併促進やあるいは学校給食法が施行、制定されました昭和二十九年、高知市ではよさこい祭りが産声を上げて、今日に至っております。演歌からロック調などの幅広いジャンルに鳴子ばやしが巧妙にマッチして、年々人気を博し、情熱的でエネルギッシュな若者の踊りは一種の頼もしさもありますし、高知県にもこんなバイタリティーがあるのに感心をさせられます。遠く県外からの参加チームや、逆に県外への派遣チームの交流で、今や全国的によさこい祭りが脚光を浴びてまいりました。

 その代表的な祭りが北海道でのYOSAKOIソーラン祭りで、平成四年の第一回目の踊り子は十チーム、約千人でのスタートであったものが、昨年の第八回大会では三百三十三チーム、約三万四千人、観客動員数は五日間で延べ百九十三万人、さらに経済波及効果は約二百億円と言われ、一大産業に成長したと言われております。それだけに道内百六十八市町村からは三百十一チームが参加する北海道挙げての祭りとなり、一方、よさこい祭りは高知が発祥地で本場であることは、余り知られていないようであります。北海道でこれだけ急速に浸透し、急成長した最大の要因は何であると考えておられるのか、文化環境部長の見解を賜りたいと存じます。

 さらに、本年で四十七年の歴史を誇るよさこい祭り、本県にありましては昨年度参加チーム百三十四団体、一万五千人、この数字を北海道のYOSAKOIソーラン祭りと比較することは、地理的条件、人口密度、その他の観光資源、民族性など、諸条件からして無理でもあろうかと推察をいたします。しかしながら、平成十五年には第五十回の節目を迎えるに当たり、本県の躍動する観光資源として、最大限な発展と活用施策も行政課題であります。高知市を中心とした周辺部の祭りという県民意識から、高知の祭りという意識が育つための普及、啓蒙を図り、県下に広める施策が肝要と考えます。

 祭りに欠かすことのできないのが、鳴子でございます。県下に普及をせらす一つの手法として、例えば幼稚園、保育園、さらには小学校の運動会の応援合戦に、個性を強調したデザインの鳴子や豊富な色彩の鳴子を使って応援合戦をせらす。あるいは、本県にはプロ野球三球団が春季キャンプを張っておるわけでございますが、例えば、阪神タイガースであればトラ顔の鳴子を製作、販売したり、それを使って応援合戦をする。その姿がテレビの実況中継で全国放送される。そのことにおいてのイメージ戦略等を展開することにおいて県内はもとより全国発信をすることで、県民の意識は高まると考えます。県民に愛され、親しまれ、灼熱の夏は南国高知のよさこい鳴子踊りへとの、観光客の心を動かす、全国に誇れる祭りに育成するために、五十回大会を記念して、将来的に県が条例に制定し、祭り文化の醸成に取り組むべきではないかと思料いたしますけれども、文化環境部長の御見解をあわせてお尋ねいたします。

 次に、教育改革について県教委にお尋ねをいたします。

 その前に、あえて申し上げておきたいことが一点ございます。去る三月三日、宿毛高等学校小筑紫分校が五十一年の歴史に幕を閉じました。その閉校式の当日、遠路、宮地教育委員長が同校にお越しをいただきまして、卒業する生徒や、あるいは保護者、学校関係者の皆さん方に大変感動を覚えるお話をちょうだいいたしましたことを、改めて厚くお礼を申し上げておきたいと存じます。

 一方、この小筑紫分校の廃校に至ります経緯の中で、今さら申し上げても時既に遅しではございますが、県教委にあえて厳しく申し上げておきたいことがございます。

 宿毛市教育委員会は、平成八年五月に市内百二十名の市民の皆さん方に宿毛市のこれからの教育、いかにあるべきか、その論議を深めていただくために、百二十名の皆さん方を懇談会の委員に委嘱せられ、そして私どもがその意見の取りまとめ役に携わってまいりました。約一年間、慎重な皆さん方の熱心な意見が、今でも宿毛の教育の改革のために息づいておるわけでございますが、その論議が最終回であったのが、平成九年四月の初めでございます。その教育懇談会が終わりまして、そして新学期が始まってまだ一カ月もたたないという四月の終わりごろだったというふうに記憶をいたしておりますけれども、県教委は突如として宿毛高校小筑紫分校の平成十年度からの入学生徒募集停止を打ち出しました。まさに青天のへきれきでございまして、私どもを含む百二十名の当時の委員も大変困惑をいたしましたし、さらには小筑紫分校の保護者の皆さん、あるいは関係者の皆さん方から、さまざまな苦言や要望が私どもに寄せられましたけれども、私どもには何ら打つ手がなかったのが実態でございます。

 入学して間もない子供たちにとって、自分たちには後輩のいなくなる学校、そういう思いで入学はいたしておりません。少なくても三十二名の子供たちは、小筑紫分校でのその学校生活に大きな夢と希望で胸をときめかし、入学して間もないその段階で、なぜああいう方針を唐突に打ち出さなければならないのか極めて不信を感じ、その怒りたる思いはいまだ消えるものではございません。しつこいと言われればそれまでかもわかりませんけれども、去る三日の閉校式におきまして、生徒代表の森下君が、「生徒募集停止ということを知らされたとき、大きなショックでした。そして、二年生になり、三年生になり、今卒業を迎えたときに、体育祭すらもできなかった」、あの子供のあの悲痛な声が県教委に届いておるのかどうか。私は、大変無念と悔しさと、そして子供たちへの切ない思いをいまだこの胸に秘めております。今後はかようなことのないように、子供中心の教育を推進してやる県教委でありますから、その言葉と現実が遊離、乖離しては、全くナンセンスと言わざるを得ません。あえて言いたくない言葉でありますけれども、やっとここで言える機会を得ましたので、申し添えておきます。

 以下、一般質問を行います。

 通告の一点目の、小規模校の解消についてでございます。現在、平成十一年五月一日現在での資料でございますけれども、高知県内には国立、私立それぞれ小学校一校ずつございまして、児童数は一千百五十六名、教員が四十八名となっております。そして、県内での公立小学校は、三百二十五校中現在十八校が休校のようでございますから、三百七校であるという前提認識に立って質問を行います。

 その公立小学校の児童数は四万五千二百二十八名、教員数三千七百七十七名でございます。その三百七校の小学校のうち、児童数が十人未満の学校が三十七校、十人以上二十人未満三十六校、二十人以上四十人未満四十七校、四十人以上五十人未満十校。五十人未満までの合計が、学校数にして百三十校、児童数にいたしますと二千五百二十四名で、教員数は七百二十八名でございます。したがいまして、教員一人当たりの児童数は三・五人となると理解をいたしております。さらに、百人未満の学校に目を転じてみますと、こちらは五十五校となっておりまして、児童数は四千三名、教員数が五百六十名でございます。ちなみに、先ほど申し上げました五十人未満の児童数が占める割合は、全体の児童数に対する五・六%、そして教員の占める割合が一九・三%でございます。百人未満の学校数五十五校を計算いたしますと、児童数にして八・九%、教員数にして一四・八%、こういう数字になると思います。したがって、三百七校中、百人未満の児童の学校が百八十五校となりますから、全体小学校の六割に値をいたしておりまして、その百八十五校の児童総数は六千五百二十七名、教員数が一千二百八十八名でございますから、五人に一人の先生の割合ということに計算上なっております。

 そして、公立小学校の全体像をとらえてみますと、児童十二人に一人の教員の配置となっております。その中で、低い、いわゆる小規模校の多い地域ということであえてここで取り上げてみましたら、土佐郡が五・一ポイント、幡多郡六、長岡郡六・三、高岡郡八・七、安芸郡八・八。ちなみに、九市の中で土佐清水市が最も低い八・三。これは、今申し上げた数字は、教員一人に対する子供の比率でございます。

 さらに中学校の方に目を転じてみますと、中学校は国立一校、私立八校中一校が休校でございますから七校、生徒数四千五百二十六名、教員数二百二十八名、十九・九人に一人の先生という数値になっております。ちなみに、公立の中学校が数字的には百三十七校となっておりますけれども、現在五校が休校中でございますから百三十二校になるわけでございますが、その百三十二校と国立、私立を足しますと百四十校、生徒数二万七千五百六十一名で、教員総数が二千五百九十二名、十・六人に一人の教員の割合になります。

 この数字を四国の他の三県に比較いたしますと、愛媛県は五万一千八百五十三名の生徒に対して教員が三千四百三名ですから、十五・二人に一人、香川県が三万三千七百九十名、教員数二千二百五十五名ですので、十五人に一人、徳島県は二万八千七百六十六名に対する教員数二千百三十五名でございますので、十四人に一人となっております。こうして四国の他の三県と比較をいたしますと、高知県が数字的にも極めて小規模校、児童生徒数が少なくて、それに対する教員の比率が高いという数字に自然体としてなっております。

 そして、生徒数が三十人未満の中学校は現在公立中学校で二十七校、七十五人未満の学校三十校、百人未満の学校十四校、トータルいたしますと、七十一校が百人未満の生徒数となっておりまして、その数三千十名に対する教員数は七百十一名でございますから、教員一人当たりに値する生徒数は四・二人となっております。この数字は、単に中学校だけではございません。小学校でも、例えば愛媛県でありますと十六・二人に一人の先生の割合、香川県十六・六人に一人、徳島県、児童十四・三人に一人の先生の割合。先ほど申し上げましたように、本県の場合でございますと、この小学校を見ましても、あるいは中学校を見ましても、他の三県から四人から五人少ない児童生徒に教員一人が配置をせられておる数字となっております。

 さらに、本年度卒業見込みの中学三年生が七千九百九十九名。そして今小学校六年生で新年度から中学に入学をしてまいります子供たちが約八千百名。今後小学校を卒業し、国立や私立に入学をする子供たちが一千四百名から一千五百名近く見込まれると思うわけでございますので、新しく中学校に入ってくる子供たちの数、卒業していく中学生の子供たち、そうしたものを換算してまいりますと、平成十二年度の生徒数は平成十一年度より一千有余名減少をするということが、私どもの調査、計算上は予測が成立するわけであります。

 このように、高知県は御承知のとおり地理的なハンディでありますとか、さまざまな問題がたくさんございますために、小規模校が大変多い。そして、国の配置基準等もあるわけでございますから、その基準に従って教員の配置が大変多くなっておりまして、効率の悪い、いわゆる児童生徒対教員の数となっております。

 御案内のように、いよいよ地方分権が本格的にスタートしていこうといたしておる中で、これからの地方自治体は財政力の問題が問われてまいります。いや応なしに、学校の維持管理について、公費の負担を軽減するための統廃合でありますとか、あるいは小中学校の閉校への取り組み、そうした問題も本格的に県教委として直接関与はできないとしても、やはりこれからの県教委の教育力を向上さすための教育環境の整備のためには、積極的に関与をしていく姿勢が必要であろう、そのような私なりの判断からお尋ねをさせていただいておるところであります。

 今申し上げましたような状態の中にあって、土佐の教育改革という問題に教育委員会は積極的に対応いただきまして、全国にも注目をされる新しい制度や試みが行われておることについては評価をいたすわけでございますけれども、少なくても本県の今置かれておる子供たちの学力の全国レベルから比較した水準、それは低いはずであります。あるいはまた、県の補助事業として、到達度把握事業も各学校で実施をいたしております。この事業におきましても、それぞれの学校に主体性を持たせておるために補助金として事業実施のための支援は行っておりますけれども、その報告は、市町村教委から簡単な報告が県教委に寄せられるだけである。そのことによって新たな問題の把握であるとか、あるいは教育力向上のためにどういう施策が必要なのか、そこまで突っ込んだ論議が果たして行われているのかどうか、私は疑問に思っておるところであります。

 しかしながら、そうしたさまざまな教育を取り巻く環境は大変複雑、多岐多様に及びます中で、県教委としてこの小規模校の解消策について、私どもは五年、十年の中長期の教育指針を確立する中で鋭意積極的に取り組んでいく必要がある、この判断から、教育長の御見解を伺います。

 次に、基礎学力の向上と定着についてでございます。私どもは、昨年九月の予算委員会におきましても、県教委にこの件につきまして質問をさせていただいたわけでありますが、私なりに小学校の管理者や現場の教員の皆さん方のさまざまな御意見をお聞かせ願うときに、「子供たちが基礎学力をつける最も大切な学年は、教科内容が難しくなる三年生、四年生の段階である」この話を多くの学校現場で直接耳にいたしております。

 昨日の教育改革に関する質問の中で、教育長答弁の中には、一年生対策のための教員配置ということが言われておりましたけれども、確かに新入学児である一年生対策も大事であろうと思います。しかしながら、本県の場合は、御承知のとおり幼稚園より保育園の数が多いという状況の中で、幼児期における教育という認識にいまいち欠けておる部分があるかもわかりませんから、一年生対策も重要であろうとは思いますけれども、やはり県教委の言われる基礎学力を身につかす、定着さすためには、三年生、四年生に対する指導体制の確立というのが何より重要なポイントになってくるのではないか。各学校では、クラスを受け持つ担任の先生は学校任せでございます。どちらかといえば、女先生の一定年配の先生が一年生、二年生を担当せられる。そして高学年は男子先生か三十代半ばから四十代の先生が対応せられる。ちょうど中間の三年生、四年生が、どちらかといえば学校では若い世代の先生が担任をせられておる。そういう学校が意外と多いというのが私は現実ではないのかなというふうに思うわけでございます。クラス担任につきましては、県教委が直接関与いたしていないわけでございますので、その分は申し上げませんけれども、教育長にお伺いしたいのは、基礎学力の定着と向上のための対策、具体的にお示しを願いたいと存じます。

 次に、広域交流人事についてお伺いいたします。本件につきましても、昨年九月予算委員会でお尋ねさせていただきました。片道一時間、二時間かけて通勤をしておる先生の問題でありますけれども、広域交流人事そのものを私は否定するものではございません。特に独身で若い先生方、さまざまな体験や実習を重ねていただくためには、大事な配置であろうかと存じますし、制度であろうと思います。しかしながら、先生といえども、家庭を持った先生が一時間、二時間もかけて通勤をしなきゃならぬ。なぜ通勤をするかといえば、その地域に教員住宅がないんです。あるとき、県教委のある方は、その他の住宅があるんだからそれなんかもという非公式なときの私的なお話もございましたけれども、そうした甘いものではないと私は思います。

 これは私なりのアイデアでございますけれども、広域交流人事によって得られる効果、そしてデメリットというものを今の制度のままで考えたときに、必ずしも現行のままでいいとは限らない。少なくても、開かれた学校づくり、地域ぐるみの学校運営が言われておるときでございますから、やはり通勤に可能な距離や時間というものの一定の枠組みも考慮の中に私は入れるべきだというふうに思うわけであります。もう一度、この件につきまして教育長の御所見を賜りたいと存じます。

 私は、次の質問は決して頼まれてお尋ねするものではございません。その実態を調査するために電話でいろいろ問い合わせなどいたしておりましたときに、たまたま遭遇した特異なケースかもわかりません。二時間近くかけて通勤をしておった教員の方が教頭職に任用せられ、ある中学校の教頭として一年勤務をしておられたようであります。ところが、去年の異動で、同じ町の補導センターの補導員に配置をせられておるということでありまして、一年前に教頭に任用せられた教員の方が、わずか一年の教頭歴で、その二時間近くかかる補導センターに配置をせられておる。これもやはり県教委の言われる広域交流人事の制度に該当する配置と判断してよろしいのかどうか、お尋ねをしておきたいと存じます。

 次に、これも昨年お尋ねをいたしましたけれども、長期社会体験研修についてでございます。今までの県教委の答弁をひもといてみますと、例えば平成十一年度、採用二年目の教員に対するこの体験研修、おおむね八割程度実行されたというふうな答弁があったように記憶をいたしておるところでございますけれども、あと二割の方が体験をしていない。なぜ二割の方が体験をしていないのか中身はわかりませんが、この体験を実際行った教員の皆さん方のその後の感想というものをいろんな機関を通じて私ども承知をさせていただいたことがございます。例えば、こういう会社に半年間行きました、チームワークがすごいとか、ここがこうですごいとか、普通、我々一般常識で普通のことだと思っていることを非常に感心しておられることに、大きな驚きを覚えたこともございます。

 私は、恐らく一定の社会体験を実際身につけておられる、例えば教員の採用試験を受けたけれども不幸にして採用できなかった方、臨時教員として勤めていた、あるいは会社勤めをした、あるいはいろんなボランティア活動をした、そして何年後かに採用されたと、そういった社会体験を実際受けた方は、恐らく県教委が採用二年後にこの長期体験研修に派遣をしていないだろうと思うわけでございます。また、そうした体験のある方は、あえて派遣をしなくてもいいわけであります。公費が伴いますし、この指導体制に変則性が生じてまいりますから、そうした一定の社会経験を身につけておられる方は、この制度の該当に値しないだろうというふうに私は判断をいたしておるところでございますけれども、もし私の今申し上げました……。



○副議長(雨森広志君) 発言中で大変申しわけありませんが、議会運営委員会の申し合わせの時間をひとつ厳守していただきたいと思います。



◆三十一番(二神正三君) はい。

 本件につきまして教育長の御見解を賜りまして、私の質問のすべてを終わります。大変失礼をいたしました。

 (総務部長兵谷芳康君登壇)



◎総務部長(兵谷芳康君) 特別職の秘書に関してのお尋ねにお答えいたします。

 まず、任期についてでございますが、知事と特別の信頼関係に基づきまして任用するものとされております地方公務員法上の特別職の秘書につきましては、法的には任期についての定めがございません。このため、御提案申し上げております条例案におきましても、任期について特に規定をしておりません。

 なお、特別職の秘書につきましては、地方公務員法による身分保証がないことから、労働基準法の解雇制限に反しない限り、任命権者はこれをいつでも解職することができるものとされております。

 次に、特別職の秘書の給与に関してお尋ねがございました。特別職の秘書の給料を定額で定めることなく、一般職の職員の例による額と今回規定いたしましたのは、他県の例も参考にしました上で、年齢や経歴などを勘案して給料の額を決定できるように、すなわち対象となる方により格付を変えられるようにしたものでございまして、御懸念のございました労働基準法や地方公務員法の規定に抵触するものではないと考えております。

 以上でございます。

 (健康福祉部長山崎淳一君登壇)



◎健康福祉部長(山崎淳一君) 臓器移植法についての御質問にお答えをいたします。

 ことし十月に予定されている臓器移植法の改正に向けて、生体から角膜移植が可能となるように国に働きかけてはどうか、またアイバンクの整備についてのお尋ねでございます。

 生体からの角膜移植は、それを禁止した法律はございませんので移植自体は違法ではございませんが、お話にもありましたように、移植によりまして障害を残したときの対応方策など、医師の理解と協力が得られるようにするための条件整備が必要不可欠でありますので、現実的には移植に協力していただけます医師の確保が困難なことから、移植した例がないというように伺っております。しかし、ただいまの議員御自身の角膜移植に対する熱意と深い思いには強く心を打たれるところでございまして、そうした思いも添えながら、このような条件整備を進めるよう国に対して働きかけてまいりますとともに、アイバンクの整備につきましても、関係機関とさらに協議を進めてまいりたいというように考えております。

 以上でございます。

 (企画振興部長島田一夫君登壇)



◎企画振興部長(島田一夫君) 触れ合いの場など、結婚のための条件づくりに県も取り組むべきではないかという御質問にお答えをいたします。

 お話にもございましたように、結婚はすぐれてプライベートな事柄でございまして、直接公がかかわることには難しい面があるのではないか、またかかわるにしましても、住民生活により身近な市町村が適当ではないかといった議論があることは承知をいたしております。ただ、お話のように、地域や一次産業に携わる方々に三十代、四十代の独身の方が多いという実情の中で、民間やボランティアなどの活動によりまして結婚を望む男女の出会いの場などが広がっていきますことは、大変意義が大きいと認識いたしております。

 県の地域産業の振興や後継者づくりといった施策の展開に当たりましては、こうしたことを念頭に置くことも大事なことだと考えております。十二年度には、集落の方々が中心になりましてその活性化策をつくっていくというモデル事業を現在予算でお願いしているところでございますが、こうした中で、触れ合いの機会づくり、あるいは交流の場づくりといった形でメニューに取り上げられたものや、また地域の活性化や集落の活性化のために取り組まれるNPOの活動の中でそうした動きがありました場合には、県としましても、間接的にはなると思いますが、支援ができるものと考えております。

 以上でございます。

 (文化環境部長池田憲治君登壇)



◎文化環境部長(池田憲治君) よさこい鳴子踊りと観光振興等についての御質問にお答えいたします。

 まず、YOSAKOIソーラン祭りが急成長した要因についてのお尋ねがありました。ことし九回目を迎えます北海道札幌市のYOSAKOIソーラン祭りでございますが、これは、エネルギッシュな情熱や自由な雰囲気を持った高知のよさこい祭りを体験し、感動を味わった学生たちにより立ち上げられました。

 数年間のうちに三百を超えるチームが参加する大きなイベントとなった要因といたしましては、常設の事務局が年間を通じて活動をしていることや、積極的に各種メディアを通じたPRを展開してきたこと、そして札幌の経済界をベースに資金調達を広く行ったことなどが考えられます。また、よさこいのような躍動的な祭りが北海道になかったことから、道内の若者がこの催しに共感し、さらに主催者が初期のうちから全道に向けて呼びかけたことなどもありまして、広い参加が得られたのではないかと考えております。

 次に、よさこい鳴子踊りを県内に広める施策についての御質問がございました。よさこい祭りは、昭和二十九年に商工業の発展と高知市民の健康を願って開催され、これまで地域の方々に支えられ発展してきました。その結果、県内で最大の祭りになり、また全国にもその名が知られるようになったことから、高知県を代表する祭りとなりました。最近では、高知市を超えた県内の多くの地域にも広がり、昨年は県内の九市町村から十五チームも参加を得ています。また、県内で鳴子踊りをイベントなどに取り入れている地域は四十市町村程度に広がっています。

 県といたしましては、来年度、県民参加型の予算づくり事業による「ちびっこよさこい参加事業」を実施する予定です。これは、須崎ブロックにおきまして、子供たちが踊り子チームを編成し、よさこい祭りに参加することを支援するものです。

 また、その他の取り組みといたしまして、鳴子の活用について御指摘がありましたが、希望する方には鳴子の貸し出しを行い、さまざまな行事で使うことで、より広がりが出ることを期待しております。こうした事業を通じまして、県内によさこい祭りや鳴子踊りを紹介、普及していきたいと考えています。

 他方、県内の各地域には、古くからはぐくまれた固有のすばらしい祭りがそれぞれあります。祭りは、地域やそこに住む人々に根づいたものでございますので、よさこい鳴子踊りを普及するに当たりましては、各地域の考えも大切にしながら進めなければいけないというふうに思います。

 次に、よさこい祭りを全国に誇れる祭りに育てるための施策についてのお尋ねにお答えいたします。御指摘のとおり、よさこい祭りや鳴子踊りが全国に広がりますことは、本県からの情報発信にもつながり、その魅力による観光客の誘致にも大きな効果があります。県といたしましても、観光資源としてとらえ、対外的な施策を展開しています。これまでもよさこい鳴子踊り出前事業や派遣事業を実施し、全国の祭りやイベントに県内の踊り子チームが参加することを支援してまいりました。また、昨年から開催され、全国各地からチームが集いますよさこい全国大会に対しまして、全国への情報発信という観点から、平成十二年度より財政支援を行う予定でおります。

 お話にありましたとおり、平成十五年にはよさこい祭りが第五十回という節目を迎えます。今後のよさこい祭りのあり方につきましては、高知市、高知商工会議所と一体となり、中長期的な視点に立った検討を行うための体制を四月から整備する予定でございます。その中では、よさこい祭りの発展のため、全国への情報発信の推進も含むさまざまな方策を検討することになります。

 また、将来に向け、条例の制定をしてはどうかとの御提言がございました。先ほども申し上げましたように、祭りは地域やそこに住む人々が時間をかけてはぐくんできたものであり、このことが祭り文化の原点であると考えております。こうしたことを踏まえながら、条例になじむのかどうか、また、祭りの振興のため、条例により定める事柄としてどのようなものがあるかなどの点を考えてまいりたいと思います。

 以上でございます。

 (教育長吉良正人君登壇)



◎教育長(吉良正人君) 教育改革についての御質問にお答えをいたします。

 まず、小規模校の解消を県教委の方針のもとに取り組む必要があると思うがどうかとのお尋ねでございます。県内の小規模校の統廃合につきましては、今後さらに少子化が進む中で、避けて通れない課題であると認識をいたしております。ここ五年ほどの状況を見ましても、統廃合で小学校が八校、中学校で七校、また休校が小学校で十二校、中学校で一校となっています。また、県内各地で統廃合に向けた検討や協議が進められております。

 小規模校の統廃合の問題は、基本的には、保護者や地域の方々の御意見をお聞きしながら、設置者であります市町村が判断することでございます。県としては、統廃合がなされる場合には、それぞれ適切な指導や支援に努めてまいります。

 次に、小学校三、四年生の指導体制の充実についてのお尋ねがございました。子供たちの基礎学力の定着と学力の向上は、本県の教育の重要な課題でありまして、土佐の教育改革の重要な柱として位置づけをしております。特に、小学校の中学年の学習内容は、高学年以降の学習の基礎、基本となる内容が多く盛り込まれておりまして、これを確実に習得させることが重要だと思っております。このため、チームティーチングなどの教員配置を行っている多くの学校では、特に中学年の算数を中心に、複数教員による指導をしております。また、経験の浅い教員につきましては、管理職を初めとする教職員が援助や助言を行っております。

 今後におきましても、複数の教員で協力して指導したり、習熟の程度に応じた指導を行うなど、指導方法の工夫、改善を図りますとともに、指導体制の充実に努めてまいります。

 次に、広域交流人事についての二点のお尋ねにあわせてお答えをいたします。広域交流人事につきましては、各事務所管内にとどまっていた人事異動の弊害をなくし、学校の活性化や教職員の意識改革を促すことによりまして、全県的な教育水準の向上を図るため実施をいたしております。このことは、土佐の教育改革を考える会で議論され、教職員の構成の均衡や適材適所の配置に努めながら、県教委の権限と責任のもとに実効ある交流を推進するよう提言もされております。

 一方では、地域に根差した特色ある学校づくりや開かれた学校づくりを進めるためには、地域に根差した人材の確保にも努めなければなりません。人事異動に当たりましては、こうした両面のバランスを調整しながら進めていく必要があると考えております。

 なお、遠距離通勤についての御指摘もございましたが、これまでも子供たちや地域との触れ合いを大切にするということから、市町村に住環境の整備もお願いをいたしてきましたし、あわせて土佐の教育改革を推進する中で、教職員の意識改革も図っているところでございます。

 また、教頭の遠隔地の補導員の配置も広域交流人事かとのお尋ねがございましたが、教員を補導センターや教育研究所などに派遣することは、人事異動の一環として適材適所の観点から行っているものでございます。

 最後に、長期社会体験研修についてのお尋ねがございました。教員の資質は、大学での教員養成そして採用、また研修の各段階を通じて高めていく必要があると考えております。土佐の教育改革を考える会では、教育を担う教員に特に要請されている豊かな人間性や社会性、組織人としての自覚や責任感を養い、教員としての資質を培うため、長期の社会体験研修を新たに導入するよう提言をされました。これを受けまして、全国に先駆けて、民間企業や社会福祉施設で三、四年目の教員を対象に六カ月間の社会体験研修を実施しているものでございます。

 こういった民間等での研修を行うという取り組みは、その後全国的な流れにもなっております。これまで三年間実施した結果を見てみますと、対人関係能力や意欲の向上、また職業意識の向上、徹底したプロ意識や視野の広がりなどの成果が認められておりますし、昨年十二月に出されました国の教育職員養成審議会答申においても、できるだけ多くの教員に対して長期の社会体験研修の機会を拡充するようにとの提言もされております。こうした社会体験研修は、今後とも工夫を重ねながら積極的に実施をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○副議長(雨森広志君) 暫時休憩いたします。

 午後二時十一分休憩

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 午後二時三十二分開議



○議長(依光隆夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 十番広田一君。

 (十番広田一君登壇)



◆十番(広田一君) それでは、一般質問を始めたいと思います。

 まず、地方分権についてお伺いいたします。地方分権一括法がいよいよ本年四月から施行されます。このことによりまして、県並びに市町村がどのように変わっていくのか、また、それによって県民の生活がいかに向上し、また県民自身が変わっていくのか、こういった視点で質問を進めていきたいというふうに思います。

 地方分権一括法の目的は何かと問われれば、それは国と地方の関係を、上下・主従の関係から対等・協力の関係にするということだと思います。それはどうして必要なのか、背景は何なのかといいますと、中央集権、画一的行政システムでは多様化した住民ニーズに十分対応できない。むしろ、住民に身近な行政サービスは地方に任せた方がいい結果が得られるのではないかということだと思います。

 それでは、そのようにするためにはどうすればいいのか。一言で言えば、国の地方に対する関与をなくす、もしくは減らすということだと思います。言いかえれば、行政の世界で規制緩和を進めることだと言えるのではないでしょうか。地方分権一括法では、大きく四つの視点でこの規制緩和を進めております。それは、機関委任事務の廃止、必置規制の見直し、国庫補助負担金の整理合理化、権限移譲の推進が挙げられると思います。そして、その受け皿強化のため、市町村合併の推進や中核市の指定要件の緩和など、地方の行政体制の整備・確立などが盛り込まれております。

 以上のような改革・改正を多くの政治家は明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革と言いますが、見方を変えれば、この一括法といったものはあくまで分権の枠といったものができたにすぎません。法の施行によって地方分権が完了するわけでもありません。それだけでなく、今回の改革につきましては、地方への税財源の移譲が不十分であるとか、いろいろな指摘がございます。無論、そういった側面は否定いたしませんけれども、今求められていることは、単に課題をあげつらうのではなくて、改革の成果を地方自治体でいかに生かすかを検討、実施することが必要ではないかと思います。そこで、以上のような視点を持ちながら、以下県の基本的な考え方をお伺いいたします。

 まず、地方分権に伴う県庁職員の皆さんの意識改革についてお伺いをいたします。東京都立大学名誉教授の兼子仁氏の言葉をかりれば、これからの分権自治体の行政責任は、国の政策と法解釈に専ら依存するのではなくて、国の示す全国水準を踏まえながらも、各地域の住民生活から出てくる切実な要求に、いかに自主的な政策や法的取り扱いの創意工夫でこたえていけるかにあると言えると思います。無論、そんなことは言われるまでもなく県も認識しております。例えば、高知県行政改革大綱によれば、二十一世紀型県庁の創造の中で、機関委任事務の廃止を受けた独自施策の展開と条例制定権の活用が明記をされていることからもわかると思います。

 その視点で、平成十一年一月に県が職員の皆さんに向けて出した「地方分権推進計画Q&A」にある「国の地方分権推進計画実施に伴う本県への影響基礎調査結果」を見ますと、疑問を感じるのは私だけではないと思います。例えば、機関委任事務に関する調査を見ますと、対象法令数三百九十六のうち、業務について現状のまま八五%、予算について現状のまま七八%、条例制定について不要七〇%という数字の示すことは、担当職員の多くの方々が機関委任事務が廃止されてもほとんど何も変わらないというふうに考えていると言わざるを得ません。以上からわかりますように、行政改革大綱に書いていることと、県庁の職員の皆さんとの意識との間に相当のギャップがあると指摘せざるを得ないというふうに思います。

 そこで、県職員の皆さんの分権に対する意識はまだまだ十分ではないと思いますが、現状をどう認識し、意識改革に取り組んでいくのか、知事にお伺いをいたします。

 その一方で、地方分権の自治のあり方に一石を投じる試みとして、高知県「条例一〇〇」研究・検討グループの報告書があると思います。これは、地方分権の進展を初めとするさまざまな変化の中で、現状の閉塞状況を脱却するために、新たな行政と住民との役割のあり方、関係が模索されている時代におきまして、新たに出てきた住民ニーズやそれに起因する政策課題にこたえるべく、条例という道具を用いてどのようなアプローチができるのか検討をなされたものであります。高知から日本を変えていこう、そういった気概が読み取れる力作だと思います。立法処置による政策実現への試みは、議会に対しても多大な影響を与えるかもしれません。この報告に知事自身も斬新、新鮮との評価を与え、自治基本条例を頂点とした本県独自の条例体系を研究すると清流・公明の池脇議員さんの質問にお答えしてから一年がたちました。これまでの経緯と自治基本条例を初め、今後の対応について知事にお伺いいたします。

 また、どういった事項を条例化するのかという条例化の原則、そしてまた、どういった方法で条例化するのかという具体的な指針の策定といった方針を自治体として確立し、県民の皆さんに理解をしていただくことが今後求められてくると思いますが、あわせて御所見をお伺いいたします。

 次に、条例化に関連いたしまして、自治事務における条例制定の基本的な考え方を中心にお伺いいたします。今県議会には、地方分権一括法の施行を踏まえて、高知県行政書士法関係手数料徴収条例議案等三十八本の条例が提案されております。これらの多くは、言うなれば義務づけられた必要最小限の条例化であり、また担当部長さんの御説明も、規則などをそのまま条例化したという趣旨でございました。

 しかし、事務処理方式の違いによって手数料算定の基礎となる事務の範囲をどのように設定するかが異なり、そのことによって職員の手数といったものにも大きな開きが出てくるという指摘もあるように、単に規則などを条例化するのではなく、きちんと業務を見直した上で条例化すべきではないかと思います。今回の手数料などの条例化をする場合、どのような問題意識を持って、どのような検討をされたのか、お伺いいたします。

 また、使用料、手数料に関して言えば、先般田頭議員さんの方からも御質問がございましたけれども、計二億七千六百万円余りの値上げを予定しております。私は、値上げに反対ということではございませんけれども、三月二十四日の県議会最終日に手数料などの値上げの議案が成立し、わずか八日後の四月一日に施行というのは、周知期間として十分なのかということはもとより、県民の皆さんに負担をお願いするという観点からも、県民への配慮という観点からも疑義がありますけれども、あわせて知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、任意的条例制定事項についてお伺いをいたします。これは、これまでの通達などの廃止に伴い、法律の縛りが緩和されるのに伴いまして、自治体が条例によってある種の基準を設定することが可能となる事項であります。この事項は、このたびの分権改革の成果として、例えば地方分権推進委員会の第四次の勧告でも取り上げられている工場立地法に基づく地域準則の条例化など、重要な事項というふうに言われておりますけれども、県の認識をお伺いいたします。

 次に、随意事項の条例化についてお伺いいたします。これは、これまで首長の決裁に基づく要綱などで執行してきました事務の根拠を、議会の議決を要する条例に置きかえていこうというものであります。機関委任事務の廃止の意味を団体事務化というふうにとらえるとするならば、団体の最高意思表明方式である条例をより重視していくという政策がとられるべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いいたしますとともに、具体例といたしまして、自治事務でありながら国が通達によって原則条例化の必要がないというふうに言っております大規模小売店舗立地法に関する事務手続の条例化について御所見をお伺いいたします。

 次に、地方分権一括法施行に伴う県と市町村との関係についてお伺いいたします。今回の地方分権の推進で、自治体は地方自治法第一条の二第一項に規定されているように、「地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」というふうにあります。この地域総合行政は市町村の責任でもありますけれども、とりわけ広域自治体である県の実績が期待されております。

 そこでまず、今回の改正によりまして統一的な処理を必要とする事務の区分が廃止されましたが、その意義と、これは県と市町村において大きな影響、そして効果が出ると思いますけれども、この件についてお伺いをいたします。

 あわせて、第二条第五項にある「広域にわたる」事務、「市町村に関する連絡調整」事務、「規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でない」ような行政を引き受ける補完事務について、これまでとどのように変わり、それぞれどのような基本方針を持っておられるのか、お伺いをいたします。

 次に、これは午前中、土佐清水市出身の大先輩の川添議員さんの方からも御質問がございましたけれども、県から市町村への権限の移譲についてお伺いいたします。地方分権の時代は、住民に最も近くて身近な市町村が権限と責任を持ち、住民サービスを担うべきだという考え方が原則であります。県と市町村の役割分担、パートナーシップ、対等・協力が地方分権の方向性とするならば、県から市町村への権限移譲は、そのバロメーターになると思います。事実、多くの県が地方分権一括法の施行をにらみながら、計画的な市町村への権限移譲が進められている理由の一つはそのためだと思います。例えば、静岡県は独自に平成十年度から三カ年に三十八法令百六十五の事務を移譲する計画をまとめ、現在その計画に基づき権限移譲を推進しております。高知県の場合、計画的な権限の移譲という点では少し取り組みが弱いのではないかなというふうに思いますが、その理由につきまして企画振興部長にお伺いをいたします。

 次に、県からの権限移譲について市町村はどのように考えているのか、県、市町村地方分権推進協議会の議論を踏まえてお伺いをいたします。あわせて、現行法制上で県から市町村へ権限移譲が可能なものは何法令で、事務の数は幾らぐらいあるのか、そのうち、実際に市町村から権限移譲の要望のあった項目は幾らあったのか、また、結果として県から市町村へ移譲する権限はどれくらいなのか、あわせて企画振興部長にお伺いいたします。

 次に、住民ニーズの把握や県民満足度の観点から、県庁出前出張講座制度の創設について提案をいたしたいと思います。この考えは、四年前の本会議において、鹿児島県隼人町の取り組みを紹介しながら県に提案いたしました。そのときは、「この制度は、単なる行政説明だけでなく、住民ニーズに合わせ職員の専門的知識や能力を住民の方に還元するという目的も持っており、住民の方がみずからの地域を知り行政に参画するという意味においても今後注目される取り組みである」というふうな御答弁をいただいたものの、その後、目に見えた取り組みがなされていないように思います。その間に、国においても建設省などが出前講座制度を始めたり、さまざまな動きがございました。そんな中、去る二月十六日、「分権型社会における行政サービスのあり方を考える懇話会」の報告書の中で、行政による出前出張講座による取り組みが提案されているのを見まして、この際に改めて知事の御所見をお伺いいたします。

 また、県民満足度に関連いたしまして、三菱総研「豊かさ指標」九八年版の結果をどう受けとめ、認識しているのか、お伺いをいたします。順位自体は全国最下位というふうに残念な結果でございますが、そこから導き出される高知県の課題についてどう取り組んでいくのかの方がむしろ今後の高知県にとって大切なことだと思いますが、どうか。また、高知県独自の満足度指標をつくり、県政に生かされるつもりはないのか、あわせて知事にお伺いをいたします。

 次に、財政問題についてお伺いをいたします。二十二年前、幡多地域選出の大先輩永野正季先生が議員生活の最後に投げかけられました問いは、我々にとって今も新鮮で、より重くのしかかっているのではないかと思います。永野先生いわく「財政力の弱い本県、どうしても自主財源が欲しい、乏しいのですから欲しい、こういう自治体にとっては、交付税の内容の問題、あるいは地方債の増額の問題などは重要な問題を含んでおります」、また当時の県の実態を踏まえ、「財政力は弱く税収は少ない、そういう中で全国一の財政支出ということは、実に驚異的な事象と申さなければなりません」と述べられ、質問の締めくくりに、「その投資が、その苦労が県民生活にはね返ってくるということを無視しての投資は許されないと思うのであります。いま一度財政の面からも行政の面からも洗い直して、量的な拡大よりも質的な充実を図る県政に発想を転換してはどうかと、かように思っているのであります」。以上のような永野先生の心からの警鐘が、今ほど我々に響くときはないというふうに思います。

 特に、交付税特別会計借入金など地方交付税の質の悪化はまことに深刻だと思います。バブル経済崩壊後、国が予算や地方財政計画をつくる際には、不景気による税収の伸び悩みや大型の景気対策などから財源不足が生じ、その補てん策として、一つには地方債の大量発行、もう一つには交付税特別会計借入金での処置などがとられてきたと思います。

 少し複雑になりますが、これを具体的に平成十二年度の地方財政計画から見てみますと、地方交付税の法定率分は約十三兆二千七百億円、それに国の一般会計の加算額約七千五百億円を加えて、入り口ベースでは十四兆二百億円となっています。しかし、行政需要額の総額を満たす財源を確保するためには、交付税の出口ベースで約二十一兆四千百億円の確保が必要となります。そのために、新たに利子を含めて、交付税特別会計借入金を約八兆九百億円借り入れているわけであります。この借入金が問題なのです。この借入金は国の資金運用部などから借りてくるわけですが、約八兆九百億円のうち、地方が負担するのは、所得税減などによる地方交付税の減収分の二分の一に当たる約八千億円に、通常収支の不足分の二分の一に当たる約三兆二千四百億円、合計で四兆四百億円となります。この地方の負担分は、後年度、特別会計から一般会計に返済することになっています。

 この交付税特別会計借入金の平成十一年度末における残高は、地方負担分で約二十二兆二千億円となる見込みだそうです。平成十年度の普通交付税総額に占める高知県のシェアは一・一八%ですので、単純計算いたしますと、高知県の負担分は何と二千六百二十億円になります。言いかえれば、本来高知県に交付されるべき交付金が天引きされることになるわけです。

 地方財政における問題の本質の一つは、県が血のにじむような思いで歳出を削り県債の発行を抑制しても、このまま交付税特別会計借入金が膨らみ続けますと、地方の将来的な負担額が増加し、大変な状況を迎えるということであります。この借入金分は、基準財政需要額の不足分などについて借り入れたものですから、交付税の立法趣旨から言えば、地方に負担を強いるべきものではないと思います。当然、国の責任において不足額に見合う交付税率の引き上げをするか、政府の責任において借入金の返済をすべきであると思いますが、知事の御所見をまずお伺いいたします。

 次に、県債に関連してお伺いいたします。平成十一年度の当初において県債残高が七千三百三十三億円に上るなど、県債残高は一年間の歳出額を上回り、公債費も一年間の県税収入を上回っております。これが県が財政構造改革を断行する一つの理由であり、良識ある県民は、自分たちの子や孫に自分たちがつくった借金やつけを回すことをよしとせず、一定の痛みを伴うことを覚悟し、知事の進める財政構造改革を支持していると思います。ただ、県債について申し上げれば、県民に対して説明する場合、より実態に近いものを把握してもらうために、債務残高としては交付税措置のとられる部分を除いた県債の残高を示すいわゆる純債高も用い、県債における真水の県の負担分を示すべきだと思いますが、総務部長に御所見をお伺いします。あわせて、県債残高のうち、将来基準財政需要額に算入される割合をお示し願います。

 次に、公債費負担比率と起債制限比率についてお伺いいたします。この二つの指標は平成十年度において、それぞれ二〇・八%、一三・三%と、ともに全国第四十一位と厳しい数字であり、県の財政を批判する方法としてよく使われます。確かにそういう一面はあるわけですが、そのような後ろ向きの使い方だけではなく、この差が大きいほど、県がどれだけ努力して自己負担の少ない事業を多く実施しているかのバロメーターになるのであります。高知県の場合、その差は七・五ポイントだと思いますが、これは四国の他県と比べどうなのか、総務部長にお伺いをいたします。

 その他、今後の財政運営の観点から、退職手当についてお伺いいたします。二月補正予算案の説明の中で、退職者が予想を上回って発生し云々という話がございました。そのときは何げなく聞いておりましたが、考えてみれば、退職手当に関しては、大半の自治体で何らの引き当て処理もなされていません。民間企業であれば、少なくとも税法基準に基づいて退職金を引き当てています。これに対し、自治体は退職手当をすべて発生時に処理しております。今後、団塊の世代が退職期を迎えたり、財政再建のため経常経費に切り込み定数削減などに取り組めば、割増退職金が必要になるかもしれません。その場合、人件費負担が浮く前に巨額の退職手当が発生すれば、目先の財源不足はますます拡大する可能性があります。確かに、幾つかの条件を満たせば退職手当債を発行することは可能ですが、それとて借金にほかなりません。そこで、将来の退職手当の見通しと対策、あわせて一部の自治体が持っています退職手当基金の設置について、知事に御所見をお伺いいたします。

 次に、事業評価システムと二十一世紀への構造転換特別枠について、知事を中心にお伺いいたします。この目的、意義につきましては、知事の御説明、また先般から各先輩議員の方から御質問がございましたので、以下今後の課題や疑問点についてお伺いをしたいというふうに思います。

 まず、この構造転換特別枠は、「雇用の拡大に向けた新しい事業の創出」、「資源循環型社会への取り組み」、「アウトソーシングによる民間資源の活用」、「構造転換を進める人づくり」の四つの戦略を掲げていますが、これらの戦略がなぜ構造転換につながるのか、ねらいも含めてお伺いをいたします。

 私は、相対評価をする際に、インセンティブを働かせるために戦略を設定することは仕方なかったかもしれませんが、例えば港湾課の移動式耐震岸壁整備事業のように大変ユニークな事業が不適格とされるのを見るにつけ、各部局に対し、構造転換に資する事業は何かを含めてアイデアを募った方が、より多様で自由な発想に富んだ事業が集まったのではないかなというふうに思いますが、どうか。

 次に、システムの内容に関して総務部長にお伺いをいたします。この事業評価システムは、評価自体の費用対効果を考えたシステムであるとしていますが、財政課とのヒアリングなど、個別評価や相対評価をするための経費、時間、労力などのコストは実際どうだったのか。年々対象事業が広がったり、事後評価が加わってきた場合、どうなると思われるのか。

 また、専門的な知識を必要としないシステムであるとしていますが、ヒアリングなどを重ねるにつれ記述内容などが複雑になり、結果として県民の皆さんに説明するとした場合、わかりやすさという点でどうなのか。

 また、個別評価シートの「ニーズの存在と規模の証明」並びに相対評価シートの「事業の効果(便益)」、「雇用効果」、「コスト縮減効果」などの数字の根拠や精度をどのように検証されたのか。その際、どのような点に課題を感じられたのか、あわせてお伺いをいたします。

 事業評価システムにおける数値化は、常に組織内の消化不良や拒否反応、技術的な困難さと隣り合わせだと思います。福島大学の今井照教授も述べているように、「あくまでも完璧な客観性を求めるのではなく、できるだけ客観的に」という指摘もあります。数値化や客観性にどの程度重きを置いているかは、事業評価システムを考える際のポイントの一つになると思いますが、御所見をお伺いいたします。

 また、幾つかの限界があるとしても、それでも事業評価を行う必要性を職員や県民の皆さんに普遍化するために、今後どのような点に留意して取り組んでいかれるのか、あわせてお伺いをいたします。

 今回の特別枠の事業評価とは視点が少し違うかもしれませんが、事業評価システムは、質の向上のみならず、行政の減量化、つまり事業を廃止したり見直したりするために使われるのではないかという指摘がございます。私が目を通したほとんどの文献では、この考えに否定的なものが多かったと思います。しかし、むしろ役目の終わった市町村への補助金やしがらみと化した各種団体への委託や補助金があるとすれば、一定意味のあることだと思います。

 そこで、既存の事務事業に対する事業評価の導入について、知事の御所見をお伺いいたします。

 最後に、住宅政策について土木部長にお伺いをいたします。住宅は、私たちにとっては健康、生活の基盤であり、最も重要な生活空間であります。しかしながら、高知県住宅マスタープランでも指摘しているように、高知県は地方圏にしては住宅事情のレベルは高いとは言えません。このことを踏まえて、第七期住宅建設五箇年計画が立てられたわけであり、平成十二年度がその最終年度に当たります。

 そこで、まず誘導居住水準未満率、最低居住水準未満世帯、住宅の目標供給戸数などの数値目標に関する達成状況や今後の見通しについてお伺いをいたします。

 次に、ストック面からの課題についてお伺いいたします。平成五年の段階で高知県の住宅総数は約三十四万戸であり、量的には十分充足した状況と言えます。しかし、空き家率は一四・四%で、全国第一位であります。知事並びに議員の皆さんも、地域を歩くたびに空き家がふえていることに気づかれていると思います。県民の多くが空き家を通して、過疎・少子高齢化の深刻さを実感しているのではないでしょうか。建設省の資料によりますと、空き家のうち利用可能なものは全体の二三%にすぎず、三九%は劣悪なストックになっているとのことであります。こういった数字のみならず、私もよく指摘されますが、地域住民の素朴な思いとして空き家を利活用できないのかという疑問が生じるのも当然だと思います。また、都市においても中心市街地の空洞化は目を覆う事態であり、早急な対策が求められているのは言うまでもありません。

 こういった中、例えば千葉県鴨川市は、空き家を地域資源ととらえ、希望者に空き家を紹介するという空き家活用対策事業を行っています。高知県の場合も、サーファーや定年後の夫婦などが都会から移り住むという事例が見られます。事実、宝島社発刊の「田舎暮らしの本」の編集長さんにお話をお聞きしたら、都会の方々の高知県に移住したいという需要はかなりあるということです。しかし、現実は空き家はふえるばかりですし、対策事業もうまくいっていないところが多いというふうに聞きます。

 そこで、空き家の利活用に対するこれまでの取り組みと課題について、企画振興部長にお伺いいたします。

 既存ストックの利活用に関連して、中古住宅の流通を促進する融資制度や中古住宅評価・情報活用システムに関する県としての取り組みや支援策について御所見をお伺いします。

 また、耐震、台風、災害対策を考えれば、老朽化した既存ストックの保全と更新が今後一層重要になると思いますが、県の対応、支援策についてお伺いいたします。

 さらに、この三月一日から導入された定期借家制度は、住宅ストックの流通促進策として期待されると思いますが、その効果と課題についてお伺いいたします。

 次に、公共賃貸住宅に関連してお伺いいたします。公共賃貸住宅を考える場合、特に昭和四十年代に建設されたストックの建てかえ時期が迫っていると思いますが、県としてどのような方針を持っているのか、お伺いいたします。その場合、PFIとして、民間企業が建設した住宅を公共住宅として賃貸する「借り上げ型公共住宅制度」が、いろいろ課題はあるとはいえ有効な手段の一つだと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、高齢社会に対応した住宅政策についてお伺いをいたします。四月からの介護保険制度の導入によりまして、認定結果によっては施設利用ができなくなる高齢者が相当数出てくることが予想されるなど、高齢社会に対応した住宅政策はますます重要になると思います。県は、高齢者向け公共賃貸住宅の整備目標数として、平成八年から十六年までに公営住宅で千八百戸、改良住宅で八百三十戸の計二千六百三十戸の整備を目標としていますが、中間時点での達成状況と財源的な裏づけなど、今後の見通しについてお伺いいたします。

 次に、県の資料によりますと、平成元年から平成五年間での高齢者向けの住宅改造の状況は、全世帯のわずか四・七%にすぎません。建設省の建設政策研究センターの調査によりますと、住宅取得の際ではありますが、バリアフリーのため、例えば五十四万円の建設コストを上乗せすることによって一世帯当たり二百八十万円の介護費用の軽減が見込まれ、費用対効果に直すと、実に五・二倍の効果があると試算をされております。構造転換というふうによく言われておりますが、私はこのような視点で業務を見直すことも、高齢社会のコストを考えた場合の構造転換の一つではないかなというふうに思います。

 そこでまず、平成六年以降、高齢者向けの住宅改造の状況はどのように改善されたのかお伺いします。関連して、その際に、県の「高齢者居住環境改造支援事業」や「優しい住まい利子補給制度」の果たした役割や効果並びに市町村の取り組み状況について、どのように評価をされているのか、あわせて健康福祉部長と土木部長にお伺いをいたします。

 また、シルバーハウジング、シルバーハウス、シニア住宅などの供給推進の状況並びに課題についてお伺いをいたします。幾ら制度が充実いたしましても、高齢者の方など受益者にその情報が届かなければ意味はないと思います。実際私自身、須崎市におきまして、ひとり暮らしのおばあさんが、制度があることを知らずに全額自己負担で自宅を改造したお話を聞きました。年金生活者の方々にとって公的な支援策を利用するかしないかは、大変大きなことだと思います。江戸川区のように、訪問しながら制度の周知徹底を図るのが一番いい方法かもしれませんが、そこまででなくても、市町村も含めてもう少し工夫があってもいいと思いますが、健康福祉部長と土木部長に御所見をお伺いいたします。

 次に、定住促進並びに子育て負担に対応した住宅政策についてお伺いをいたします。国の住宅宅地審議会の「二十一世紀の豊かな生活を支える住宅・宅地政策について」の中間報告で指摘されていますように、家族の子育て負担を軽減する良質な住宅などのストック形成が十分に行われていない状況にあります。特に、持ち家率の低い高知市におきましては、十一歳以下のファミリー世帯における借家率は当然高くなり、需要も多いわけです。しかし、賃貸住宅の平均住戸規模を県平均と比べても低い状況にあると言われております。

 一方、地方においても、高知大学教育学部の西島芳子教授が「定住促進のための地域住宅政策の効果と課題」でも述べられていますように、多くの若年世帯の当面の住まいに対する要求は、公的借家居住であり、これを持ち家取得までのワンステップとして考えています。その意味で、今後とも自治体を中心とする公的借家供給の充実が期待されているわけですが、県としての支援策の充実強化並びに課題について御所見をお伺いいたします。

 次に、環境共生型住宅についてお伺いをいたします。この問題につきましては、去る十二月議会におきまして、同僚の谷相議員さんの方から環境に配慮した住宅団地の建設支援に関連して御質問がございました。これに対し、土木部長さんからは、現在の県の取り組みの状況について御説明がございました。その中で、建設省の環境共生住宅市街地モデル事業により、太陽光発電についての助成を行っているということであります。特に、太陽光発電など太陽熱の利用につきましては、県の住宅マスタープランにおきましても、全国に先駆けて推進していくということでありますので、私も大いに期待しているところであります。

 そこで、現在までに県が関与した整備状況はどのようになっているのか、全国の状況と比較してお示しをいただきたいと思います。

 また、省エネ対策につきましては、世田谷区などが積極的に推進していると聞きますが、県としてどのようなメニューをそろえておられるのか。また、その支援策の実施状況と今後の課題についてお伺いをいたします。

 次に、市町村における住宅計画づくりの推進についてお伺いいたします。高知県は東西に長く、都市化が進行する高知市及び高知市周辺地域と農漁村地域や中山間地域とは、住宅政策一つとりましても地域性があるのは当然でありますし、今後ますますまちづくりや福祉などの分野と住宅宅地政策との連携が求められるとするならば、地域の実情に通じ、総合的な行政主体としての市町村の役割はさらに増大すると思われます。そう考えますと、市町村における住宅政策の憲法とも言える市町村マスタープランの策定状況が県下全体の取り組みになっていないことは、大変残念なことであります。

 そこで、県として、なかなか進まない市町村における住宅計画づくりの原因をどのように認識し、これまで県としてどのような支援、指導をされたのか、今後の取り組みとあわせてお伺いいたします。

 最後に、今議会に「住宅マスタープラン策定事業費」を提案されています。内容として、現在の住宅マスタープランを再検証し、後期の計画を再構築するとしていますが、どこを現状の課題としてとらえ、どこをポイントに見直しを図られるのかお伺いいたしまして、私の第一問を終わりたいと思います。

 (知事橋本大二郎君登壇)



◎知事(橋本大二郎君) 広田議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、地方分権に関します県庁の職員の意識改革についてお尋ねがございました。今回の法律改正などによります自治体の自己決定や裁量の幅の拡大を、県民生活の向上にどのように結びつけていくのかが今後の大きな課題でございます。このためには、何よりもまず、県の職員がこれを機会に、長く続きました中央依存型の行政のスタイルから脱却をして、新しい行政の仕組みづくりに取り組まなければなりません。こうした考え方のもとに、これまでも職員を対象にしましたセミナーや全職員への啓発用の冊子の配付、さらには法制面の整備などに当たります分権チームの設置などに取り組んでまいりましたが、地方分権の推進はまだ緒についたばかりでございますので、分権の趣旨などを職員に十分浸透させる必要があると考えております。

 このため、今後は分権チームなど庁内で分権を推進します体制や、自治研修所におけます職員研修の強化などを図りながら、分権時代に求められます職員の意識と能力を身につけることができますよう、取り組みを進めていきたいと考えておりますし、何よりもこうした意識を持った職員が評価をされる組織に変えていかなければならないと思います。

 続いて、自治基本条例を頂点としました条例づくりにつきまして、これまでの取り組みと今後の対応についてお尋ねがございました。地方分権が実施段階に入りました今、地方独自の政策の展開や、条例制定権を活用することのできます政策形成能力と法的な素養を兼ね備えた職員の養成が求められております。このため、昨年度に政策課題の集団研修といたしまして、庁内の若手職員十五人で百の条例づくりに挑戦をさせました。その成果といたしまして、自治基本条例を初め七十七の条例が提案をされておりますが、その後一年間具体的な動きにつながらなかったことは、私にとりましても残念なことでございます。

 そこでまず、自治基本条例につきましては、その実現を目指しまして、従来のような調整型の兼務のプロジェクトではなく、政策形成のための実務的な専任のプロジェクトチームを来年度早々に組織いたしまして取り組んでまいります。その際、この条例が目指すべき方向は、県の仕事の進め方の基本的なスタンスや県政運営の基本理念などを県民の皆様にお示しをいたします、いわゆる憲章的なものも含めまして、幅広く検討をしていきたいと考えております。

 続いて、どういった事項を条例化するのか、また、どのような方法で条例化するのかといった方針を確立すべきではないかとのお尋ねがございました。一般的に、条例化が必要なものといたしましては、県民の皆様の権利と義務に関するような事項や、法令の規定によりまして条例化しなければいけない事項がございますが、分権一括法で機関委任事務が廃止をされましたことに伴いまして、これまで国の法令に基づいて徴収をしてきました手数料なども条例に基づかなければ徴収できなくなりましたので、今回、国の関連の政令の改正等も踏まえまして条例化を図っております。

 また、今後は地方分権の趣旨を踏まえまして、例えば自治基本条例や中山間地域の振興のための基本条例、さらには子どもの権利条例など基本的な分野だけでなく、積極的に条例化を図ることによりまして、県民の皆様に地方分権をもっと実感していただけるように努めていきたいと思います。

 続きまして、地方分権一括法の施行に伴います手数料などの条例を制定します際の基本的な考え方についてお尋ねがございました。今回の手数料などの条例化に当たりましては、これまでの機関委任事務の際の金額との継続性や、県が独自に定めております既存の手数料との均衡などに重点を置いて検討を行ってまいりました。その結果、原則といたしまして国の定める金額に従わなければならないとされます標準事務以外のものは、その多くが現行どおりの価格に据え置かれることになりました。

 また、今回は標準事務などを規定いたします政令の公布がおくれましたことなどから、十分な時間的な余裕がない中での作業になりましたが、今後、地方分権の趣旨に沿って事務の検討を進めてまいります中で、手数料に関しましても必要な見直しを行ってまいります。

 続いて、使用料や手数料を値上げします際の周知期間についてお尋ねがございました。使用料や手数料は、本来、その時々の経済情勢などに応じまして、受益の程度に見合ったものになりますよう機動的に見直されるべきものでございますし、予算編成作業の全体の流れの中で検討する必要もございます。こうしたことから、使用料や手数料の見直しに関しましては、従来から二月議会に予算案とともに御提案をして議決をいただきました上で、翌年度の四月から施行することを基本にしております。

 ただ、港湾施設の使用料など、法令で周知期間をとることが義務づけられておりますものは所定の周知期間を設けておりますし、県民生活への影響が大きいもの、例えば学校の授業料などは募集の段階で改定のお断りを行いますなど、一定の対応もしております。

 続いて、自治体独自の条例化に関する御質問にあわせてお答えをいたします。これまでは法律に基づいて全国一律の基準で行っておりましたものが、今回の分権に関する法改正の結果、新たに条例を定めることによりまして、法律の基準とは異なります地域の実情を踏まえた基準を定めることができるようになりました。また、機関委任事務の廃止によりまして、独自の規定を置くことができるようになります分野もございますので、今後、本県ならではの政策を推進いたします上で条例の制定は大変重要な役割を果たすものと受けとめております。

 ただ、お尋ねにありました大規模小売店舗立地法に関します一連の事務手続は、この法律に基づきます運用指針の中で、騒音や駐車場の台数などきめ細かな基準が示されておりますし、本県の実情に照らし合わせまして格段の開きがあるとは受けとめておりませんので、当面はこの指針に沿いまして運用をしていきたいと考えております。

 続いて、地方分権一括法の施行に伴います県と市町村との関係についてお尋ねがございました。今回の地方自治法の改正によりまして、県の事務とされておりました「統一的な処理を必要とする事務」が廃止をされました。例えば、都道府県の教育委員会が行っておりました市町村立学校の教育課程や教材の取り扱いなどの基準の設定が、市町村ごと個別にみずからの判断で決定できることになりました。こうした事務の廃止は、県にとりましては事務の縮小につながりますし、市町村にとりましてはより自主性と多様性に富んだ行政運営ができることになりますので、地方分権の趣旨に照らしまして、大きな意義があると受けとめております。

 一方、「広域にわたるもの」や「市町村に関する連絡調整に関するもの」、さらには「規模または性質において一般の市町村が処理することが適当でないもの」につきましては、これまでどおり県が行う事務となっておりますが、国と地方との関係が対等・協力になるのと同じように、これからは県と市町村も対等・協力の関係になっていかなければなりません。このような視点に立ちながら、今後は小規模な市町村が多いといった本県の実情も踏まえまして、より望ましい県と市町村との役割分担や連携とは何か、また、広域自治体としましての県の役割を発揮するとはどういうことかといった点を常に念頭に置きながら、取り組みを進めていきたいと考えております。

 次に、県庁出前出張講座制度の創設について御提案をいただきました。行政と県民との間に新しいパートナーシップを築いて、県民参加の県政を一層進めてまいりますためには、行政の仕組みや事業の内容を、さまざまな機会にわかりやすく効果的に説明していくことが大切でございます。このため、これまでも広報紙の発行などの広報事業やマスコミへのパブリシティーといった情報提供を初め、直接地域に出向いての懇談や各種のシンポジウムの開催なども手がけてまいりました。また、県民の声ネットワーク事業や県民のアイデア募集事業、さらには県民参加の予算づくりモデル事業など、県民の皆様に県政に参加していただくための新たな取り組みも進めてまいりました。

 御提案の講座につきましては、実施いたします上での人的な、または時間的な制約など課題もございますが、地域に出向いていくという手法を今後も大切にしていくという視点から検討をしてまいりたいと思います。

 続いて、県民満足度に関連いたしまして、三菱総研が行いました「豊かさ指標」の九八年版をどのように受けとめ、また生かしていくのかというお尋ねとともに、高知県独自の満足度の指標づくりを県政に生かしていくつもりはないかとのお尋ねにあわせてお答えをいたします。

 御質問にありましたように、「豊かさ指標」の九八年版によりますと、本県は全国最下位になっておりますが、これは所得や消費といった指標の低さが影響しているとされております。また、生活の豊かさにはさまざまな側面がございますので、どのような統計数値を用いるのかとか、何に重きを置くのかによりましても違った結果が出てまいります。

 一方、御指摘にありました本県独自の指標づくりは、知事になって間もないころに試みたことがございますが、価値をはかる物差しそのものが大きく変わりつつございますので、県民満足度を何らかの尺度で一律に指標化することは難しいのではないかと考えるようになりました。ただ、個別の指標で全国と比較して低位にあるものに対しましては、その原因を探りながら改善への努力をしていきますことがワンランクアップにつながると思いますし、そうした取り組みを各分野で地道に続けていくことが大切だと考えております。

 次に、交付税に関しましてのお尋ねがございました。御指摘のありましたように、交付税特別会計の借入金が増加をしております状況は、十二年度当初の予算で歳入の三五・九%を交付税に依存しております本県にとりましては大変憂慮すべき状況でございますので、これまでも国に対しまして、交付税率の引き上げなどによりまして安定的に交付税の総額が確保できる方策を講じますよう要望をしてまいりました。その結果、本年度から、法人税の地方交付税率の引き上げや地方特例交付金の創設などの措置がとられることになりましたが、今後とも、引き続き知事会などを通じまして、地方交付税の総額の安定的な確保を要望してまいります。

 続いて、将来の退職金の見通しと対策、さらには退職手当基金の設置についてお尋ねがございました。現在の年齢構成や過去の退職者の実績などから退職者の数を推計しました上で、これに一人当たりの退職金の平均単価などを掛け合わせまして将来の退職金の見通しを試算いたしますと、一般行政職員と警察職員、それに教育職員を合わせまして平成十七年度までは毎年百億円から百十億円程度で推移をいたしますが、平成十九年度以降は百六十億円から百八十億円程度で推移することが予想されております。こうした義務的経費の増大に対応いたしますためには、現在取り組んでおります第二次の財政構造改革を着実に進めてまいりますことはもとよりでございますが、歳出の平準化を図ります観点から、御指摘のありました退職手当基金の設置も選択肢の一つとして検討を進めていく必要があると考えております。

 続いて、構造転換特別枠の四つの戦略がなぜ構造転換につながるのか、また、戦略を設定せずに事業を募集した方がよかったのではないかとのお尋ねがございました。今回、構造転換特別枠に設定をいたしました「雇用の拡大に向けた新しい事業の創出」や「資源循環型社会への取り組み」など四つの戦略は、次のような理由で選んでおります。

 まずその一つは、本県に残されました自然環境や地域資源の価値を再認識いたしまして、人と自然に優しい循環型の社会づくりを進めてまいりますとともに、こうした循環型社会への転換や高齢化の一層の進展を見据えまして、環境産業や福祉産業といった分野で、新しい事業の創出と雇用の場の確保を図っていく必要があると考えたからでございます。また、住んでいてよかったと実感できる高知県を県民の皆様とともにつくってまいりますためには、県民の皆様にも、ともに責任や役割を担っていただけますような、新しい公共の形をつくり上げることが必要になってまいります。さらに、こうした社会や経済の構造転換を進めてまいりますためには、それを支える人材の育成が何よりも大切でございます。

 このような理由から四つの戦略を設定いたしました。もちろん、これら四つの戦略だけで構造転換が言い尽くされるものではございませんが、具体性を持った大きな四つの柱を明確に掲げました方が事業の企画立案を誘導しやすいのではないかと考えました。ただ、十三年度の予算編成に向けましては、御指摘をいただきました点も踏まえまして、戦略の設定の方法など制度のあり方の検討を早い時期から進めてまいりたいと考えております。

 次に、既存の事務事業に対します事業評価の導入についてお尋ねがございました。財政面や人材面での一定の制約の中で、行政が県民の皆様の多様なニーズにこたえてまいりますためには、県民満足度を高めますための新たな事業を企画してまいります一方で、御指摘のように既に目的を達成した事業や効果が低いと判断される事業は、時期を逸することなく、的確に見直していく必要がございます。そのため、すべての事業に終期−−終わりの時期を設定しました上、その時期が来ましたときに事業を継続いたします場合には、新規事業として改めてそのあり方の検証を行います、いわゆるタイムリミット制の導入を検討していくことにしております。これに今回構造転換特別枠で試行いたしました事業評価システムを組み合わせますことで、一定期間を経た事務事業はニーズの存在や手段の有効性などにつきまして、改めて説明責任を果たすことが義務づけられることになりますので、行政のむだを省き、サービスの質の向上を図ってまいります上で、大きな効果が期待できるものと考えております。

 私からは、以上でございます。

 (企画振興部長島田一夫君登壇)



◎企画振興部長(島田一夫君) 大きく三点、御質問をいただきました。

 まず、地方分権に関連しまして、県から市町村への権限移譲の取り組みについての御質問がございました。本県独自の市町村への権限移譲につきましては、午前中に川添議員にお答えいたしましたとおり、この四月から事務処理の特例制度に基づきます条例によりまして、十七の法令に基づく事務を引き続き市町村にお願いするほか、新たに二つの法令に基づく事務の移譲を予定いたしております。

 御指摘にありましたとおり、他県に比べまして進んでいるとは言えない状況にございますが、これは、今まで県におきまして、権限移譲の促進に向けて本格的な取り組みができていなかったことが大きな原因と考えております。今後は、地方分権の趣旨を踏まえまして、市町村への権限移譲が進みますよう取り組みを進めてまいります。

 次に、市町村の権限移譲に対する考えなど、権限移譲に関する数点のお尋ねがございました。まず、市町村の権限移譲に対する考えでございます。地方分権がスタートするに当たりまして、今後は権限移譲の推進が必要ということは、市町村にも御理解をいただいていると思います。ただ、現実の問題といたしまして、介護保険の導入や国体の開催を目前に控えまして、現状の事務処理に手いっぱいとか、職員数や財政的な面からも困難といった意見が多く、権限移譲に消極姿勢が多いというのが実態でございます。

 次に、県から市町村へ権限移譲が可能なものは、何法令で何事務あるかというお尋ねがございました。他県の調査では、細かく分類すれば数千項目の権限を市町村に移譲することが可能といった調査結果が出たと聞いております。本県独自に調査をしたことはございませんが、一般的に申し上げますと、旅券法に基づくパスポートの交付事務など法令で権限移譲が禁じられている事務や、事務処理の実態が複数の市町村にまたがり、単一の市町村で独自に処理するという権限移譲の効果が見出せない事務など一部の例外を除きまして、県の事務事業は原則的に市町村への移譲が可能と考えております。

 また、市町村からの権限移譲の要望につきましては、昨年八月から九月にかけまして希望調査を実施いたしましたが、法制度上明らかに不可能と考えられるものを除きまして、墓地等の経営許可事務など、五法令に基づく事務について移譲の希望がございました。なお、この五法令に基づく事務でございますが、特定の市町村からの個別的な要望でございまして、全市町村的に調整がついておりませんので、実際に移譲するかどうかは今後の検討課題となっております。

 最後に、住宅政策の中で空き家の利活用についてのお尋ねがございました。空き家の利活用に向けましたこれまでの県の取り組みといたしましては、昭和六十三年から平成四年度までの五年間にわたりまして、過疎地域等に所在します貸し付けあるいは売却の可能な空き家等の物件情報を収集し、全国に紹介します「カントリーライフガイド事業」を実施しますとともに、続く平成五年度から七年度までの三年間は、「滞在型カントリーライフ施設整備事業」としまして、農山漁村の空き家を都市生活者向けの低廉な宿泊施設として整備・活用する市町村を支援してまいりました。現在は、U・Iターン希望者向けのパンフレットとして作成、配布しております「UIこうち」において、空き家の利活用の取り組みのある町村役場を紹介する形で情報を提供いたしております。

 過疎地域等におきまして、U・Iターン者の住宅を確保していきます上で、空き家の利活用は欠かせない視点だと考えておりますが、県として支援するにいたしましても、空き家情報の収集や所有者の意向の把握、関係者の利害調整などの面で市町村の取り組みが欠かせませんし、さらにU・Iターン者と地域コミュニティーとの関係の問題もありますし、宅地建物取引業法との絡みで活動に一定の制約が生じるなど、解決すべきさまざまな課題がございます。

 今後、空き家の利活用を進めてまいりますためには、こうしたことを踏まえまして、関係市町村や宅地建物取引業協会などの御意見も伺う中で、望ましい仕組みづくりを検討していく必要があると考えております。

 以上でございます。

 (総務部長兵谷芳康君登壇)



◎総務部長(兵谷芳康君) 一連の御質問にお答えいたします。

 まず、財政問題についての御質問の中で、県債残高のうち交付税措置のない部分の残高を県民の皆様にお示しするべきではないかとのお尋ねがございました。確かに、議員御指摘のとおり、県債残高から交付税措置額を控除した金額は、本県の実質的な負担額を示すものとも考えられます。しかしながら、その一部に交付税措置がある県債でありましても、今後本県が財源を構えて返済すべき債務であることには変わりがないことや、交付税措置そのものについても、やはり地方自治体共有の財源である交付税を県債の返済に充てるものであること等を考えれば、基本的にはこれまでどおり県債残高の総額をお示ししていくことが、わかりやすく適当ではないかと思われます。

 なお、お尋ねのございました、県債残高のうち交付税の基準財政需要額として算入されている、またはされることとなるものの割合を平成十年度末の普通会計決算で見ますと、県債残高七千五十七億円余りのうちの約五三・一%となっております。

 次に、公債費負担比率と起債制限比率についてお尋ねがございました。御指摘のとおり、本県の平成十年度の公債費負担比率は二〇・八%、起債制限比率は一三・三%で、その差は七・五ポイントとなっております。この二つの指標を四国の各県で見てまいりますと、徳島県と愛媛県が五・三ポイント、香川県が四・六ポイントとなっておりますので、本県の場合は四国の他県と比べてその差が大きくなっております。

 なお、公債費負担比率は単年度の数値を用いるのに対しまして、起債制限比率は三年平均を用いますし、また、前者は一般財源総額に対する比率に着目するのに対しまして、後者は標準財政規模を用いるなど、その指標のとらえ方が異なりますため、二つの比率の差が示す意味を厳密に説明することは難しいと思われますが、二つの指標のうち、起債制限比率だけが交付税算入を加味していることを考えますと、御指摘のとおり、本県においては、交付税措置のある有利な事業を積極的に行ってきたことが、両比率の差として反映されていると言えるのではないかと思われます。

 次に、事業評価システムと構造転換特別枠についての御質問にお答えいたします。まず、事業評価システムの作業のコストは実際どうだったのか、また、年々対象事業が広がったり、事後評価が加わってきた場合どうなると思うかとのお尋ねがございました。作業に学術的な手法や理論を要するような評価システムの場合ですと、職員に対する専門技術の講習や複雑な作業の実施に大きなコストがかかることになりますが、本県のシステムは県民にわかりやすく説明することがポイントでございまして、職員に評価技法についての専門的な知識を要求するものではございませんので、その意味で特に大きなコストがかかるものではございません。

 それでも、このシステムを用いますと、一定の項目に従って作業をすることになるため、従来の予算編成での作業に比べまして、時間や労力などの面で、確かに一定の負担はかかります。しかしながら、事業に関しては、県民への説明責任を重く考えるといたしますと、県民の皆様にわかりやすい形で説明をまとめることは今後当然必要となる作業でございますし、この評価シートの作成も決して余分な作業ではないと考えております。今後職員の習熟度に応じて対象範囲の拡大を考えてまいりますが、たとえ対象事業が広がったといたしましても、今申し上げました意味から、余分な作業やコストにつながるということにはならないのではないかと思っております。

 また、事後評価につきましては、このシステムを運営する上で必要不可欠なものでございますし、個別評価の中で事前に設けました目標値に対する検証を行うことでございますので、それ自体は大きな作業になることはないと考えております。

 次に、県民の皆様に説明するとした場合、わかりやすさという点でどうなのかといったお尋ねがございました。このシステムでは、先ほども申し上げましたが、事業についての県民への説明力ということを重視しております。その意味からも、職員が特殊な技術を持たなくても、事業を企画立案する際の基礎的な資料や考え方で作成できる内容の評価シートを採用しております。

 各事業の評価シートの内容につきましては、評価チームでヒアリングをしておりまして、その際、関係部局とは県民への説明力という評価基準に従って意見交換を行っております。しかし、その結果を見てみますと、事業の説明を十分にしようとする余り、記述が余りにも詳しくなり過ぎた傾向がございます。今後、いかに県民の皆様にわかりやすくポイントを絞った説明をしていくか、その説明力を向上させていくことが課題であると考えております。

 次に、評価シートに記載された数字の根拠や精度をどのように検証したのかといったお尋ねがございました。個別評価のニーズの存在、規模の証明の項目は、事業の前提となります行政ニーズを県民の皆様に客観的に説明することが目的でございますし、そのために定性的な表現ではなく、数字を示して説明することを求めております。各事業ともその方向でシートを作成し、自己評価もしておりますが、評価チームでは、その数字がニーズの説明としてふさわしいかなどといった視点から評価をしております。

 また、相対評価は、行政部門を横断しての評価ということになります。ただ、その評価要素につきましては、すべての部門に完全に適合する指標はあり得ないと思われますので、できるだけ客観的で共通にあらわすことのできる指標を設定いたしました。各事業で算出、記載された数値については、評価チームにおいてその根拠をヒアリングし、妥当性について意見交換をしております。

 今後の課題といたしましては、例えばコスト縮減効果につきましては、人件費の面で時間コストなどの基礎的なデータが蓄積されておりませんので、その整備が急がれることがわかりましたし、また、ソフトとハードの関係などももう少し整理が必要であると考えております。そうした評価項目の面とともに、マーケティングリサーチやベンチマーキングといった事業の質を高めるための基礎的なノウハウを職員が身につけていくことも必要であると感じております。

 次に、数値化や客観性にどの程度重きを置いているのかというお尋ねがございました。数値化や客観性は、県民の皆様にわかりやすく説明するための重要な要素だと考えております。しかし、行政の施策や事業にはさまざまな要素が関係し、必ずしも一面的な切り口で説明し切れるものではございませんし、またすべてを数値化し完璧な客観性を求めることは、御指摘にもございましたように、技術的にも困難で相当難しい問題ですし、また過大な労力を要すると思っております。

 このシステムは、県民の皆様に、事業の目的など、重要なポイントをきちんと説明しようとするものでございますので、客観性の確保と作業量のバランスを考慮しながら、数値化自体が目的化することのないよう留意しながら取り組んでまいります。

 最後に、事業評価を行う必要性を職員や県民の皆様に普遍化することについてのお尋ねがございました。本県の事業評価システムの目的は、これまでも申し上げておりますとおり、予算編成のプロセスを通じて県事業の質を高めること、県予算に関しての県民の皆様の理解を得ることにございます。したがいまして、今回の試行における事業評価シートやその基準等についても、現在県民室や高知県のホームページ上で公開をしております。

 今後、このシステムについて外部の専門家の意見を聞くとともに、県民の皆様にさらに理解を深めていただきますよう、県民の声ネットワークの皆様の御意見も聞かせていただくなど、システムやシートの内容についての改善を加え、周知に努めてまいります。

 また、あわせて事業評価を行うことの必要性を職員に十分徹底させ、評価シートを作成すること自体が目的化しないよう留意しながら事業評価システムのさらなる向上に努めてまいります。

 以上でございます。

 (土木部長石川和秀君登壇)



◎土木部長(石川和秀君) 住宅施策に関連した一連の御質問にお答えいたします。

 まず、高知県第七期住宅建設五箇年計画についてお尋ねがございました。この計画は、人生八十年時代において、県民一人一人がそれぞれの人生にかなった住まい方を選択し実現できるよう、二十一世紀初頭に向け、県民の住生活の質の向上を目指した住宅政策を積極的に推進することを目的に、平成八年度から十二年度までの五カ年を計画期間として定めたものでございます。

 平成十年住宅・土地統計調査結果によりますと、誘導居住水準未満率は四九・八%であり、半数以上の住宅は誘導居住水準を満たしている状況にあります。一方、最低居住水準未満率は昭和五十八年の調査では一〇・三%、昭和六十三年では八・七%、平成五年では六・一%となっており、今回の調査では三・七%と、順次改善がなされております。戸数について見ますと、計画の目標供給戸数四万四千戸に対しまして、平成十年度末現在の実績は二万二千二百二戸、率にしまして五〇・五%の達成率となっており、これは、近年の社会経済情勢によります住宅着工戸数の落ち込みによる影響が大きいと考えております。しかし、平成十一年における住宅着工戸数の総数は、対前年比で一〇八%となっておりまして、住宅着工戸数において回復の兆しが見えている状況にあります。

 次に、中古住宅の流通促進に関するお尋ねがございました。国の住宅宅地審議会住宅部会・宅地部会の中間報告「二十一世紀の豊かな生活を支える住宅・宅地政策について」において、「今後の住宅政策において最も重要な視点は、良質な住宅が循環することにより、国民の多様な住居ニーズに応じた選択肢を適正な価格のもとで提供できる住宅市場の環境整備を進めることである」とされておるところでございます。

 このため、新築住宅市場における質の確保の推進のみならず、市場構築のおくれております中古住宅市場、賃貸住宅市場、リフォーム市場等ストックにかかわる市場環境に特に重点を置いた取り組みを行い、これを活性化することが必要であり、中古住宅市場の活性化への取り組みとしまして、中古住宅の評価・情報活用システムの確立が提言されているところでございます。その具体的な内容につきましては、今後同審議会や建設省で検討されることとなっております。県としましても、そのことの動向を注視してまいりたいと考えております。

 次に、住宅の既存ストックの保全に関するお尋ねがございました。住宅の既存ストックの防災対策につきましては、阪神・淡路大震災の被害状況を踏まえまして、県民に木造住宅耐震診断や補強方法についてのパンフレット等を作成し、技術的なアドバイスを行っております。

 一方、適切な耐震診断、改修を行う人材を養成することを目的としまして、木造住宅の設計、施工に携わる技術者を対象に、「木造住宅耐震診断講習会」を実施しております。また、既存住宅の耐震補強やリフォームを行う場合には、住宅金融公庫の融資制度を利用することが可能であることから、住宅相談等におきまして、その情報の提供等を引き続いて行ってまいります。

 次に、定期借家制度の効果と課題についてのお尋ねがございました。定期借家制度につきましては、「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」が昨年十二月十五日に公布されました。これに伴い、借地借家法が改正されたことによりまして創設されたものでございます。定期借家制度は、契約で定めた期間の満了により、更新されることなく確定的に借家契約が終了するもので、この制度の導入によりまして、本県におきましても賃貸住宅市場の活性化が期待されております。

 しかしながら、借家人が本制度の内容を十分に理解し、これが適切かつ円滑に活用されるためには、相談機能の充実等を行う必要があることから、県におきましてもその周知徹底に努めるとともに、相談窓口において必要な情報の提供に努めてまいります。

 次に、昭和四十年代に建設されました公共賃貸住宅の建てかえについてのお尋ねがございました。昭和四十年代に県下で建設されました公共賃貸住宅の公営住宅及び改良住宅は三千七百九十七戸で、その内訳は簡易耐火構造の平屋及び二階建てが二千七百四十三戸、二階建ての低層耐火構造が四十八戸、三ないし五階建ての中層耐火構造が千六戸であります。このうち、公営住宅法に定められました耐用年数の二分の一を経過したものにつきましては、国の補助事業によりまして建てかえが可能となりますので、これに現時点で該当いたします簡易耐火構造の住宅につきましては、順次建てかえを行っているところでございます。

 一方、中層耐火構造の住宅につきましては、現時点では国の補助事業による建てかえ制度の対象となりませんことから、既存ストックの有効活用という視点も念頭に置き、住戸改善をするか、あるいは建てかえ事業となる時期まで待つかなどにつきまして、各住宅の実情に即して検討してまいりたいと考えております。

 次に、公営住宅の建てかえに際し、民間借り上げ型公共住宅制度の活用についてのお尋ねがありました。借り上げ型公営住宅制度は、平成八年の公営住宅法の改正に伴い設けられた制度で、民間事業者等が新築または保有している住宅を地方公共団体が借り上げて公営住宅として供給するものであり、都市部における高水準の地価などによりまして、事業主体が新たに用地を取得して公営住宅を建設することが困難となっている状況等を背景として創設されたものであります。したがいまして、既に公共団体が用地を保有している既存の団地の建てかえ事業におきまして本制度を活用することにつきましては、一定の課題があると思っております。

 次に、高齢者向け公共賃貸住宅の整備戸数についてのお尋ねがございました。県下の公営住宅の高齢者向け住宅につきましては、新築及び建てかえ事業によりまして、平成八年度から十年度までの間に五百五十三戸の供給を行い、目標戸数の約三一%の達成率となっております。さらに、平成十年度からは、県営住宅において既存住宅の高齢者向け改善に着手しており、また今後は、市町村においても高齢者向け改善を促進させることによりまして、新規、建てかえ事業あわせまして、より一層の供給促進を図ってまいります。

 一方、改良住宅につきましては、実績は九十七戸で約十二%の達成率にとどまっております。しかしながら、現在二百十戸の建てかえ事業及び二百七十四戸の改善計画が進行していること、さらには、今後計画期間中に建てかえ時期が到来する住宅戸数も相当数あることから、高齢者向け住宅の供給に向け、目標戸数の達成が図られるよう市町村を指導してまいります。

 次に、高齢者向けの住宅改造についてのお尋ねがありました。高齢者向けの住宅改造の状況につきましては、平成十年住宅・土地統計調査によれば、過去五年間に階段や廊下の手すりの設置、屋内の段差の解消等、高齢者向けの住宅改造を行った住宅は持ち家住宅の約六・九%であり、前回の調査と比べ二・二ポイント高くなっております。さらに、同調査において、持ち家住宅の四七・八%が高齢者等のための設備があるという結果となっております。

 また、優しい住まい利子補給制度につきましては、民間住宅における長寿社会対応住宅建設の誘導を図るため、平成五年度から、住宅金融公庫の融資を受け長寿社会対応住宅を建設または改造を行う場合に、割増融資額に対し県が利子補給を行っております。平成十一年度末までの実績は、累計で七百九十一戸の見込みとなっております。近年、申し込み件数が伸びていることからしますと、この制度の普及が着実に図られているものと考えております。

 次に、シルバーハウジング等についてのお尋ねがございました。シルバーハウジングは、住宅施策と福祉施策の連携のもとに、生活援助員を配置した高齢者向け住宅で、平成五年度から県営住宅横浜第二団地に三十戸を整備し、その後、高知市が平成七年度から若草西団地に二十戸整備しております。しかし、高齢化が著しい市町村においては、団地規模要件から本事業の実施は困難であり、現在、新たな計画はない状況にあります。

 また、シルバーハウス整備事業は、中山間地区の在宅支援を必要とする高齢者のため、市町村が整備する公営住宅建設への県による補助制度として、平成十一年度までの時限措置で設けられたもので、平成八年度実施の北川村ほか五事業主体で三十戸の供給が行われました。

 一方、シニア住宅は、中堅所得高齢者に安定、安心した住生活を提供することを目的とした制度でありますが、平成十年度に、民間の土地所有者等の経営意欲を誘導しつつ、建設費用及び家賃の低減に要する費用を補助し、高齢者の居住の安定を図ることを目的とした「高齢者向け優良賃貸住宅制度」が創設され、これに取り込まれております。

 県としましては、高齢者向け優良賃貸住宅制度について、平成十二年度に新たに民間事業者に対し補助を行う市町村に対する助成措置を設け、その建設促進を図りたいと考えております。

 次に、高齢者向け住宅情報の周知徹底についてのお尋ねがありました。優しい住まい利子補給制度につきましては、その普及を図るため、市町村のみならず、銀行や農協などの金融機関にも制度の申込書やパンフレット等を配布し、幅広く情報提供を行うなど、制度を利用される方にとって利用しやすくいたしております。また、昭和五十八年から実施しております住宅相談におきましても、本制度の紹介を初め、幅広く県民の方々の住宅ニーズの相談や情報提供を行っております。さらに、住宅改造や建設に携わる大工、工務店に対しましても、積極的にこの制度を紹介しているところであり、今後は福祉部局とも連携して制度の普及を図ってまいりたいと考えております。

 次に、定住促進並びに子育て負担に対応した住宅政策についてお尋ねがありました。住宅宅地審議会住宅部会・宅地部会の中間報告において、地域の産業対策、地域産業と連携した定住用住宅等の整備の重要性や家族の子育て負担を軽減する公的住宅ストック形成の必要性についての指摘がなされております。県としましては、今後の国の動向も踏まえながら、市町村がそれぞれの地域の特性に応じた住宅対策を体系的、総合的に推進するため、まちづくりと連動した住宅政策を進めていく住宅マスタープランの策定に対しての支援を行うとともに、特定優良賃貸住宅供給促進事業の推進などにより、若年世帯層向けの良好な住宅供給に努めてまいります。

 次に、環境共生住宅についてのお尋ねがありました。建設省の環境共生住宅市街地モデル事業の実施事例につきましては、平成十年度までに全国で二十八都府県、六十一地区において事業が実施されております。本県におきましては、この事業制度の採択要件がおおむね五十戸以上であることなど、比較的大規模な住宅団地に特定されるなどの理由から、残念ながら現在まで事業が実施されていない状況でありますが、今後、市町村や住宅供給公社、さらには民間事業者に対して情報を積極的に提供するなど、広く制度の周知に努めてまいります。

 次に、省エネルギー対策についてのお尋ねがありました。住宅部門での省エネルギー対策としましては、断熱効果を高めることが一般的であり、住宅金融公庫におきましては、省エネルギー住宅工事割増融資を行っております。県におきましても、住宅金融公庫と連携し、高知県優良木造住宅利子補給制度の建設基準で断熱工事の義務づけを行うなど、省エネルギー対策の推進に努めております。

 一方、住宅の設計・施工業者を対象としまして、住宅断熱施工技術者講習会を財団法人住宅・建築省エネルギー機構とともに行っております。今後とも、住宅における適切な省エネルギー対策を進めてまいりたいと考えております。

 次に、市町村における住宅計画づくりについてのお尋ねがありました。住宅の供給に当たりましては、地域の特性を生かした事業の計画的な実施が重要であり、地域のまちづくりを推進する市町村が、地域独自の住宅に対する課題やニーズに的確に対応し、地域に密着したきめ細かい住宅政策を主体的かつ積極的に実施することが必要であると考えております。このため、住宅事情等に係る現状分析や課題の整理、住宅政策の基本方向等を示した住宅マスタープランを策定することが重要であると認識しております。その策定に当たりましては、国の補助に加えまして県費の上乗せ補助を実施し、積極的な推進を図っております。

 しかしながら、市町村における住宅マスタープラン策定に対する適切な認識に不足している面もあり、現在までにおいて、策定中のものも含め十四市町での策定にとどまっております。今後は、未策定の市町村に対し、以前にも増しまして制度の趣旨について適切な指導を行うとともに、その推進に努めてまいります。

 最後に、県の住宅マスタープランの再検証についてのお尋ねがありました。高知県住宅マスタープランは、地域の特性に応じた住宅対策を体系的、総合的に推進し、まちづくりと連動した住宅政策を積極的に進めることを目的としまして、平成八年に策定したものでございます。現在の住宅を取り巻く社会情勢としましては、人口減少社会の到来、少子高齢化の進行、環境問題への関心の高まり、経済面における安定成長への移行等、さまざまな点から成長社会から成熟社会への移行という経済社会状況の大きな変革期にあり、県の住宅マスタープランにおきましても、市場重視・ストック重視の視点からそれらを十分踏まえ、平成十七年度を目標年次とした現時点における再検証が必要であると考えております。

 さらに、この再検証に当たりましては、平成十年に実施しました住宅・土地統計調査や住宅需要実態調査結果を分析しまして、県民の住宅に対するニーズを把握するとともに、国の住宅政策の動向も踏まえる必要があると考えております。

 以上でございます。

 (健康福祉部長山崎淳一君登壇)



◎健康福祉部長(山崎淳一君) 住宅政策についての御質問にお答えをいたします。

 まず、高齢者居住環境改造支援事業の果たした役割や効果などについてのお尋ねでございます。この事業は平成十年度から始めておりまして、その内容といたしましては、介護の必要なお年寄りや体の弱いお年寄りの方などが在宅で安心して生活が送れるように、住宅の改修に対して支援を行うものでございまして、十年度の実績を申し上げますと、二十三市町村で五十一件、本年度は二十九市町村で九十五件となっておりまして、一番多い改修箇所はトイレやふろとなっておりますが、こういったバリアの多い家屋の改修によりまして、お年寄りの生活は随分暮らしやすくなったものと思っております。

 次に、制度の周知方法についてのお尋ねでございます。市町村では、在宅での介護についていろいろな心配事に応じるため、在宅介護支援センターを設置しておりますが、この支援センターでは、保健福祉サービスや利用方法などに関する情報の提供とともにサービスの積極的な利用への啓発なども行っておりまして、この中で、住宅改造についての助成制度の周知や改修の方法などについても支援を行っているところでございます。

 今後におきましても、この支援センターなどを活用いたしまして、制度の周知や利用の働きかけを行いますとともに、土木部とも連携しながら在宅で安心して生活できるような環境づくりに取り組んでまいります。

 以上でございます。

 (十番広田一君登壇)



◆十番(広田一君) それぞれ御答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、地方分権につきまして、知事の方からも積極的に条例化等を図っていきたいというふうな御答弁がございました。やはり、執行部がそういった姿勢を持たれているということは、同時に、やはり県議会のこれからの役割といったものも求められているのではないかなというふうに思っております。日本共産党さんの方からは乳幼児に関する条例、また我が会派の方からは合併処理浄化槽の設置を推進するための条例と、議員提案の条例化といったものは今後ふえていくだろうというふうに思っております。そういった条例化といったものを通して、議会と執行部といったものが切磋琢磨していって、県民生活のさらなる向上を図っていく、そういうふうなことが地方分権における私たちの役割ではないかなということを改めて認識いたしました。

 また、ちょっと事業評価制度につきましてお聞きをしたいんですけれども、コストについて、それほど感じなかったというふうな総務部長のお答えがございました。確かに、理屈上そうしなければならないというふうな点はあるかと思いますけれども、実際この業務に携わった方々の御意見といったものをもう少し聴取しなくてはいけないのではないかなといったことを思ったわけであります。

 事業評価制度といったものはこれから必ず必要になってくる時代ですし、議員というものは、これが理解できなければ、多分これからの議員活動といったものもできない時代になってくるだろうというふうに思います。そういった中で、役割といったものは大変重要だというふうに思いますけれども、しかしその一方で、これに職員の皆さんが忙殺されることのないような御配慮をこれからお願いしていきたいというふうに思います。

 そういった観点も含めまして、今、県とあと市町村の方が事業評価等検討委員会といったものをつくって取り組みをされております。これは企画振興部になると思うんですけれども、それの取り組みと県の今回の事業評価システムとの関連性、こういったものがもしあればお示しを願いたいということと、もしなければそれはどうしてなのか、趣旨等が違うからできないのか、その点をお示しいただきたいというふうに思います。

 それから、住宅政策につきまして、本当に適切な御答弁をいただきましてどうもありがとうございました。それで一点、今後見直しに際しまして検討委員会といったものを設置されるのかどうか、そのことについてお伺いしますとともに、設置する場合は、やっぱり県議会を含め、高齢分野、環境分野、また宅地審議会でも指摘されますようにNPOとの関連性といったこともありますので、そういった幅広い方々を含めた検討委員会を設置していただきたいというふうに思います。このことを土木部長の御所見をお聞きいたしまして、私の一切の質問を終わりたいと思います。どうも失礼いたしました。(拍手)

 (総務部長兵谷芳康君登壇)



◎総務部長(兵谷芳康君) 再質問にお答えいたします。

 今回の事業評価システムをやってみて、いろんな職員からの反省の声、負担があったという声については、行政システム改革室等はいろいろ回って、またお聞かせいただくことにしておりますし、調整会議においてもいろんな反省点等を踏まえて今後につなげようということにしております。御指摘のような、職員がこのために、つまり申し上げましたが、これが目的化することのないように、その点は十分配慮しながらやっていきたいと、このように考えております。

 なお、市町村が今取り組んでおられるものにつきまして、私どもの方で把握をしておりませんので御答弁はできませんが、御了承いただきたいと思います。

 (企画振興部長島田一夫君登壇)



◎企画振興部長(島田一夫君) 大変失礼をいたしました。

 県へ市町村から研修生がたくさんおいでてくださっていますが、そういった方を集めて、現在この試行なんかについての勉強をしていただいておりますので、そういったことにつきましては、お帰りになって生かしていただける場合があるのではないかと思っております。

 以上でございます。

 (土木部長石川和秀君登壇)



◎土木部長(石川和秀君) 再質問に対してお答えいたします。

 高知県の住宅マスタープラン、現在のマスタープランは、平成八年三月に策定しております。マスタープランですので、将来の基本的な方向づけということが目的でございますので、計画の期間は平成八年から十七年の十カ年になっております。この現在のマスタープランを策定しましたのは、学識経験者あるいは建築関係の業界の団体、あるいは福祉団体、それと行政を加えた九人の方々に検討の委員会のメンバーになってもらっています。

 マスタープランは、だれもが生涯にわたって安心して暮らせる住まいづくりということが基本理念でございまして、このもとに、良質な住宅ストックを建設する、高齢期においても安心して暮らせる住まいをつくる、快適で安全な住宅地の環境をつくる、それと、住まいの視点から地域活性化にアプローチすると、この四つが基本戦略になっております。そういう理念からしますと、この四つの基本戦略は現時点ではほぼ変わり得ないと思いますが、このマスタープランに基づきまして、前期五カ年間を県の住宅建設五カ年計画七次の計画として、現在中間段階に来ておりますので、そういう意味で、後期の五カ年を県の八次の住宅建設五カ年計画の中でのどこに力点を置くか、またどこに過不足があったかという検証をマスタープランの中間年次である現時点でやりたいということでございますので、それに当たって委員会をつくるかどうかまだ未定でございますが、いずれにしましても、検討した内容については、当初策定にかかわった方々、あるいは今後力点を置く住宅政策にかかわる関係者、機関の方々の御意見を聞くのは当然だと思っております。

 以上でございます。



○議長(依光隆夫君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。

 明八日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前十時、本日はこれにて散会いたします。

 午後四時十五分散会