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平成27年  6月 定例会(第332回) 07月02日−03号




平成27年  6月 定例会(第332回) − 07月02日−03号







平成27年  6月 定例会(第332回)



        平成27年7月2日(木曜日) 開議第3日

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出席議員

       1番  上田貢太郎君

       2番  今城誠司君

       3番  久保博道君

       4番  田中 徹君

       5番  土居 央君

       6番  浜田豪太君

       7番  横山文人君

       8番  加藤 漠君

       9番  川井喜久博君

       10番  坂本孝幸君

       11番  西内 健君

       12番  弘田兼一君

       13番  明神健夫君

       14番  依光晃一郎君

       15番  梶原大介君

       16番  桑名龍吾君

       17番  武石利彦君

       18番  三石文隆君

       19番  浜田英宏君

       20番  土森正典君

       21番  西森雅和君

       22番  黒岩正好君

       23番  池脇純一君

       24番  石井 孝君

       25番  大野辰哉君

       26番  橋本敏男君

       27番  前田 強君

       28番  高橋 徹君

       29番  上田周五君

       30番  坂本茂雄君

       31番  中内桂郎君

       32番  下村勝幸君

       33番  野町雅樹君

       34番  中根佐知君

       35番  吉良富彦君

       36番  米田 稔君

       37番  塚地佐智君

欠席議員

       なし

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説明のため出席した者

  知事         尾崎正直君

  副知事        岩城孝章君

  総務部長       梶 元伸君

  危機管理部長     野々村 毅君

  健康政策部長     山本 治君

  地域福祉部長     井奥和男君

  文化生活部長     岡崎順子君

  産業振興推進部長   中澤一眞君

  理事(中山間対策・運輸担当)

             金谷正文君

  商工労働部長     原田 悟君

  観光振興部長     伊藤博明君

  農業振興部長     味元 毅君

  林業振興・環境部長  大野靖紀君

  水産振興部長     松尾晋次君

  土木部長       奥谷 正君

  会計管理者      岡林美津夫君

  公営企業局長     門田純一君

  教育委員長      小島一久君

  教育長        田村壮児君

  人事委員長      秋元厚志君

  人事委員会事務局長  福島寛隆君

  公安委員長職務代理者 山崎實樹助君

  警察本部長      國枝治男君

  代表監査委員     田中克典君

  監査委員事務局長   吉村和久君

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事務局職員出席者

  事務局長       中島喜久夫君

  事務局次長      川村文平君

  議事課長       楠瀬 誠君

  政策調査課長     西森達也君

  議事課長補佐     小松一夫君

  主任         沖 淑子君

  主事         溝渕夕騎君

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議事日程(第3号)

   平成27年7月2日午前10時開議

第1

 第1号 平成27年度高知県一般会計補正予算

 第2号 高知県立高知城歴史博物館の設置及び管理に関する条例議案

 第3号 高知県個人情報保護条例の一部を改正する条例議案

 第4号 高知県個人情報保護条例及び高知県住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例議案

 第5号 地方自治法第203条の2に規定する者の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例議案

 第6号 職員の再任用に関する条例等の一部を改正する条例議案

 第7号 高知県税条例の一部を改正する条例議案

 第8号 過疎地域等における県税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例議案

 第9号 半島振興対策実施地域における県税の不均一課税に関する条例の一部を改正する条例議案

 第10号 高知県南海トラフ地震による災害に強い地域社会づくり条例の一部を改正する条例議案

 第11号 高知県介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例議案

 第12号 高知県指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営等に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第13号 高知県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案

 第14号 高知県が当事者である和解に関する議案

 第15号 県が行う土木その他の建設事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案

 第16号 保健衛生総合庁舎改築主体工事請負契約の締結に関する議案

 第17号 高知県立室戸広域公園屋内運動施設建築主体工事請負契約の締結に関する議案

 第18号 高知県公立大学法人に係る中期目標の一部変更に関する議案

 報第1号 平成27年度高知県病院事業会計補正予算の専決処分報告

 報第2号 損害賠償の額の決定の専決処分報告

 報第3号 損害賠償の額の決定の専決処分報告

第2 一般質問

   (3人)

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   午前10時開議



○議長(三石文隆君) これより本日の会議を開きます。

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△諸般の報告



○議長(三石文隆君) 御報告いたします。

 公安委員長織田英正君から、所用のため本日の会議を欠席し、公安委員山崎實樹助君を職務代理者として出席させたい旨の届け出がありました。

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△質疑並びに一般質問



○議長(三石文隆君) これより日程に入ります。

 日程第1、第1号「平成27年度高知県一般会計補正予算」から第18号「高知県公立大学法人に係る中期目標の一部変更に関する議案」まで及び報第1号「平成27年度高知県病院事業会計補正予算の専決処分報告」から報第3号「損害賠償の額の決定の専決処分報告」まで、以上21件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。

 1番上田貢太郎君。

   (1番上田貢太郎君登壇)



◆1番(上田貢太郎君) 皆さんおはようございます。自由民主党の上田貢太郎でございます。

 それでは、発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、私見、要望を交え御質問させていただきます。県議会議員として初めての質問ということで、なれないこの議場の雰囲気の中、また新人の皆さんの中ではトップバッターということで大変緊張いたしておりますが、今回の選挙で掲げ、訴えてまいりました地方創生、このことを今回はテーマに御質問させていただきます。私は、とにかくこの高知県が潤って、県民一人一人が輝いて−−私自身、まだ3歳の子を持つ親でありますが、そうした次の世代にこの町を心から残したいと思える、そんな高知県を目指して皆さんとともに頑張ってまいりたいと思っております。先輩、同僚議員の皆様、知事初め執行部の皆様、御指導どうぞよろしくお願いをいたします。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 まず最初に、高知版CCRCについてお伺いいたします。

 皆さん御存じのとおり、このCCRCとは、米国発祥の暮らし方、継続的なケアつきリタイアメント・コミュニティーの略称で、高齢者が自立して生活できるうちに入居して社会活動に参加し、介護が必要になった場合も医療を受けながら暮らし続ける仕組みです。元気なうちから終末期まで過ごせる新しい住居形態として、近年、注目が集まるCCRCですが、本県でも、都市部から高知県に移住するシニア世代の受け皿をつくろうと、官民の研究会、高知版CCRC研究会が5月11日に発足いたしました。

 CCRCを御理解いただくために、最初にアメリカのアリゾナ州サンシティで展開された第1世代のCCRCを御紹介いたします。これはレクリエーション中心のまちづくりを行い、シニアの理想郷として、雇用1万人、消費3億ドルという産業の活性化などを生み出しましたが、高齢者ばかりの町になるとともに、ストレスもなく、ゴルフ三昧など快適過ぎる環境が老化を早め、再度、別の地の介護施設に移転せざるを得なくなるなど、経済的・精神的負担が伴うなどの問題が出てきたというものです。

 そうした課題を解決するため、第2世代のCCRCは、マサチューセッツ州ラッセルビレッジで展開された大学連携型CCRCですが、コミュニティーの入居条件として、大学の授業に一定時間以上出席の条件を付し知的好奇心を充足し、学生との世代間交流を行う仕組みや、介護問題も介護保険つき住宅を整備するなど、退職後の生活を生涯お世話する地域社会づくりというシステムを構築したものです。

 そうした大学連携型CCRCは、民であるシニア市民は健康、活力、生きがいを得、公である自治体には雇用、税収増、地域活性化、医療費抑制をもたらし、学である大学には学生増、学習、福祉の地域貢献をもたらし、産業面では住宅、ヘルスケア、金融などの活性化をもたらすという可能性を秘めたものです。

 一方で、日本版CCRCは、大都市から多くの高齢者を受け入れるために、地域の方々とのコミュニティーの調整のあり方も課題になってきますから、その仕組みづくりも含め、高知版CCRCの場合は、行政主導で健康長寿県構想と産業振興計画とを組み合わせた、新たな地域のメリットになる移住政策の一環として捉えなければなりません。

 介護施設の不足から、首都圏1都3県に介護難民が出るから地方が受け入れろという話ではなく、地方に移住してきていただくという心構え、当然地方にもメリットがあり、さらに移住してきた方々に対しても希望をかなえ、生きがいを提供し、双方がプラスになるトータルな構想の最適化を図る必要があります。

 そして、移住してきていただくには、受け入れる地域の皆さんも、地域に誇りを持ち、幸せであるということ、移住してきていただく皆さんにも、あんなところで暮らしたいという動機づけがなければ、どこで暮らしてもいいわけで、持続可能なCCRCモデルを考えますと、まずやはり地域の暮らし、あるいは幸せというものをしっかり考えておく必要があるかと思います。

 そこで、国への動きに関して少し触れたいと思いますが、先月19日、自民党本部において、地方創生実行統合本部の第24回会合が開催されました。この本部運営には、福井照衆議院議員が事務局長として力量を発揮されております。高野光二郎参議院議員の強い薦めもあり、政府のまち・ひと・しごと創生本部の日本版CCRC構想有識者会議の主要メンバーである高知大学受田浩之副学長を同会に招聘して、その取り組みの必要性を訴えていただきました。そして自民党本部としては、日本版CCRCを極めて重要な施策として位置づけ、8月の概算要求に向けて具体的に提案をしていくという議論が行われました。

 そこで、この国の動きに対し、本県はモデル県として積極的に行動を起こす必要があると考えますが、まずは尾崎知事のお考えをお聞かせください。

 高知の場合は、エリア全体、あるいは町全体で、やわらかくCCRCの機能が担保されていて、サービスつき高齢者住宅という暮らしが既にございます。特に高知市を中心とした中央エリアには、病院施設が近場にあって、疾病対策につきましても、急性期や慢性期を含めてカバーできます。あとは生きがいづくりですが、周辺に大学があったり、あるいは高知市から少し足を延ばせば、嶺北地域や仁淀川筋の市町村のように、人材を求めているコミュニティーもありますから、そういったところとやわらかく連携しながら、これが高知版CCRCですよと言える、そんなネットワークがエリアで構築しやすいと考えます。

 そこで、CCRCには、市町村レベルのタウン型と地区レベルのエリア型、単体施設の施設型などがございますが、知事が考えている高知版CCRCは、どのレベルから取り組むお考えなのか、知事にお伺いいたします。

 現在、来年度から国が地方に対して本格的な支援をする地方創生に向けて、5カ年の地方版総合戦略を全国の都道府県の中で最も早く策定した本県を初め、34市町村の全てが年度内に総合戦略の策定を予定しております。そのうち31市町村が、ことしの10月末をめどに計画策定にかかっています。ですので、これまでの施策の延長線上で考えるのではなく、これまでと違う視点で移住政策を強化したコンセプトを練り上げることが必要ですし、そのことで各自治体としても、総合戦略の中身がかなり現実的かつ効果的なものになっていくと思います。

 そんな中、先日発表されました梼原の事例のように確かな戦略があれば、人口の減少があれだけ食いとめられるのです。もっと効果的な戦略を立てて、各地域で積極的かつ果敢にチャレンジしなければならないわけですが、その場合のCCRCの持っている意味は極めて大きいので、そこを県としても、しっかりと各自治体に取り組むべきという方向に持っていっていただきたいと考えます。

 ただ、いきなり嶺北で、梼原で、馬路でとなりますと、都会からの移住者が、いきなり中山間地域の暮らしではつらいものがあると思いますので、そこで最初は、高知市などの中央エリアに来ていただき、中央エリアから徐々に中山間地域に活動の拠点を移しつつ、最後は中山間地域に行くという、2段階のツーステップCCRCがあってもいいと思います。

 また将来的には、インターネットオブシングスのような形態を整え、会員の方々の健康情報、生活の情報を全て把握していくデータセンターを配置して、健康管理も集中管理されているなど、メンバーの安全・安心を担保しながら、かつ生きがいづくりを提供する、いろいろな情報が常に双方向にやりとりされている、そんなCCRCがあってもいいと思います。

 ココプラは、知の拠点、交流の拠点、そして人材育成の拠点にすべく、知事の強い思い入れもあってできたわけです。知や交流の拠点は、なかなかすぐに成果は出せないものです。ですので、もしかしたら高知版CCRCは、ココプラの成果の第1号かもしれません。

 いずれにしましても、これから各地域での競争になってくると思いますが、県として高知版CCRCにもっと力を入れ、県民に正しいCCRCの理解を啓発していただきたいと考えますが、ココプラの成果の活用も含めてどのように理解を深めていくおつもりなのか、文化生活部長にお聞きいたします。

 そして最後にもう一点、これは要請になりますが、実は海洋立県構想として政府系研究機関誘致の問題を、今議会の質問の目玉として検討しているうちに、困難だとは思いますが、これをCCRCとリンクさせたらどうかという考えが生まれてまいりました。産官学の連携による共同事業やまちづくりは、私が高知市議会議員時代から進めていたライフワークの一つで、まさにこの高知版CCRCの考え方に生かせると考えます。

 私の考える海洋立県構想とは、国が政府系研究機関の東京一極集中を是正するため、地方の自主的な創意工夫を前提に、地方移転を促す提案をしておりますが、この国の提案にエントリーし、高知独特の創意工夫と立地を武器に新しい高知県を目指すというもので、まさにその創意工夫が高知版CCRCとのリンクというものです。

 現在、高知大学の海洋コア総合研究センターは、アメリカ、ドイツ、日本に各1カ所、我が国では唯一本県にあり、世界の海洋資源のデータがこの3カ所に集められているわけです。

 高知大学農学部も、平成28年から農学海洋科学部と名称が改められ、4次元的黒潮域資源学を、これから国内オンリーワン、世界ナンバーワンの海洋資源研究を盛んに行っていきたいとのことです。

 海洋研究開発機構−−JAMSTECと包括連携協定を既に締結しており、今後は、水産総合研究センターや石油天然ガス・金属鉱物資源機構との連携協定も模索しており、理化学研究所や科学技術・学術政策研究所などともあわせてブランチ誘致ができれば、海洋コア総合研究センターがテーマに挙げている4次元的黒潮域資源学は、まさに世界のオンリーワン、ナンバーワンの研究になると考えます。

 また、関連民間企業にも、この研究開発に参画していただき、高知大学物部キャンパスに黒潮圏資源開発の総合研究タウンをつくり、これをCCRCにリンクさせ、研究者やその家族に定住してもらう。また、今でも年間200人近くの研究者が海外から高知大学を訪れており、海洋立県構想が実現すれば、世界中の研究者も高知を訪れますし、中には、海外からの移住者も出てくる可能性もございます。

 ココプラで配られたCCRCの資料の中に、サービスつき高齢者住宅の入居者問題が記されており、提案の中に「要支援、要介護にまだなっていない50代以上の人を、一定の比率で入居してもらう」というものがありました。

 健康で働いている研究者とその家族を高知市、南国市、香美市、香南市などのゲーテッドコミュニティーやマンション型の居住地に入居していただき、エリアに子供の声が聞こえるCCRCが実現すれば、他に類を見ない政府系研究機関誘致と研究者タウン型CCRCが実現するのではと考えます。政府機関の地方移転に係る提案募集締め切りが平成27年8月末と迫っておりますが、こういった視点から、ぜひ執行部の皆様に検討していただきたいと思いますので、要請しておきます。よろしくお願いをいたします。

 次に、農産物の輸出についてお尋ねいたします。

 現在、農産物の国内市場は、消費者の国産志向が高まっているとはいえ、少子高齢化や人口減少の傾向により量的には充足し、成熟化しています。一方で海外においては、東アジアを中心とする消費市場の拡大、新興国を中心とした富裕層の増加など、魅力的な市場が形成されつつあります。

 こうした現状を踏まえ、国におきましては、日本の食文化の普及に取り組みつつ、日本の食産業の海外展開と日本の農林水産物・食品の輸出促進を一体的に展開することによりグローバルな食市場を獲得するとして、農林水産物・食品の輸出額を、2014年の6,117億円から2020年までには1兆円規模へ拡大するとの目標を掲げているところであります。また、県におきましても、食料品輸出額を3億円にするとの目標の上方修正がされたところであります。

 日本産農産物を取り巻く環境を見てみますと、ジェトロが2012年にアメリカなどの7つの国、地域で好きな外国料理を消費者調査したところ、一番人気、圧倒的に人気の高かったのは日本料理だったとの結果が出ております。2013年には和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことや、現在開催されていますミラノ万博においては日本の食文化に大変高い関心が集まっておりますし、さらには2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会は世界中から多くの人が日本を訪れ、日本の食を体験するチャンスとなります。また、全世界には5万5,000店を超える日本食レストランがあるとも言われており、これは相当大きな日本食材のマーケットです。

 これらをターゲットに日本の農産物の輸出に取り組んでいくことは重要なことであり、海外市場に打って出るには、今まさに好機を迎えているものと考えています。こうした追い風とも言える状況を捉え、本県の誇るべき農林水産物の輸出拡大に向け、これまで以上に取り組みを強化していくことが必要ですし、その際海外の日本食レストランなどをターゲットとした取り組みなども有効な方法ではないかと考えます。

 このような状況を踏まえまして、農産物や加工食品を含めた食料品の輸出に係る県の取り組みや今後の販売戦略につきまして産業振興推進部長にお尋ねをいたします。

 次に、農産物の輸出においては、相手国・地域によっては関税を初め、残留農薬などの食品安全や動植物検疫に係る規制が異なり、輸出に取り組む産地にはさまざまな新たな負担が生じることとなり、輸出に取り組むには産地の体制整備も重要であります。

 本県の食料品輸出において大きな位置を占めるユズを初めとする農産物に関して、今後どのように産地支援に取り組んでいくのか、農業振興部長にお尋ねいたします。

 次に、防災訓練における在日米軍との連携について御質問いたします。

 6月7日に開催された高知県総合防災訓練と連携して、日米共同統合防災訓練が実施されました。その目的は、南海トラフ地震が発生した場合を想定し、防衛省が策定した自衛隊南海トラフ地震対処計画に基づき、実動訓練による自衛隊及び在日米軍並びに警察や消防、自治体などの防災関係機関との連携要領について訓練を行って、自衛隊の災害対処能力の向上を図るものでした。訓練には約2,500名が参加し、自衛隊1,150人、在日米軍15人、警察、消防、自治体関係者1,300人で行われました。

 平成27年4月27日、日米両政府は、日米安全保障協議委員会−−2プラス2において日米防衛協力のための指針を18年ぶりに見直し、その改定を了承しました。集団的自衛権ばかりがピックアップされて政治利用されがちですが、実はこのガイドラインの中に、日本における大規模災害への対処における協力という項目があります。「日米両政府は、日本における人道支援・災害救援活動に際しての米軍による協力の実効性を高めるため、情報共有によるものを含め、緊密に協力する。さらに、米軍は、災害関連訓練に参加することができ、これにより、大規模災害への対処に当たっての相互理解が深まる」とあります。

 私は、今回の有効な訓練の実現とこれからの防災訓練、また国民の生命と財産を守るための米軍との協力に、このガイドラインが大きな役割を担ってくれるものと評価しています。また、南海トラフ地震により陸路途絶が想定される高知県のような地域において、米軍のオスプレイを活用するなど、ふだんから米軍との連携を密にして実践的な訓練を実施する必要があると考えます。

 ここで、今回の訓練に参加した自衛隊の大型輸送ヘリCH47とオスプレイMV22の能力を比較すると、巡航速度はCH47の時速260キロに対して、MV22は約2倍の時速490キロとなっています。また、航続距離につきましてもCH47の1,040キロメートルに対し、MV22は約2倍の1,840キロメートルとなっています。この圧倒的な能力差を考えますと、東西の直線距離が約200キロメートルの本県は、発災時にはオスプレイMV22の出動要請を行うことで、多くの人命が救われると考えます。

 また、ライフラインの寸断した本県には、入院患者や人工透析患者、災害での負傷者など、数日内に数万の傷病者を県外などに移送させなければなりませんが、国道など幹線道路も寸断すると予想される本県で、これだけの傷病者を移送する手段はほかにありません。このような状況では、米軍の協力を仰がなくては救援・救助活動や人道支援活動が間に合わず、その被害はますます大きくなると思われます。東日本大震災時に米軍は、仙台空港の膨大な瓦れきを取り除き、早期復興に尽力し、その後の応急対策に大きく貢献してくれました。

 在日米軍の人道支援を受け入れるためにも、今後はオスプレイMV22を含む日米共同統合防災訓練は本県には必要不可欠なものと考えますが、知事の御所見をお聞かせください。

 次に、エアボートの有用性などについて御質問いたします。

 2013年の東京国際消防防災展で、消防隊員や自衛隊関係者が注目したボートがありました。それは、フレッシュエアー社が製造したエアボートです。私は、東日本大震災の港湾内に漂う無数の瓦れきを見たとき、エアボートがあれば、捜索・救助活動がスムーズに行えるのにと思ったところであります。

 エアボートとは、底が平たんでプロペラのある比較的小型の乗り物で、エアクラフトやホバークラフトと同様のプロペラと、自動車と同様のエンジンによって前進します。プロペラは、プロップガードという金属で保護されており、障害物による破損や破片の巻き込みによる人的被害を防ぐようになっています。その平たんな底のデザインの利点は、水面下に一切のスクリューやかじなどの推進部や操舵部がないことです。そのため、水面下の岩や瓦れきによるスクリューの破損や、ビニールや海藻などの浮遊漂流物によるスクリューへの巻き込みにより航行不能に陥ることがなく、浅い水路や河川、池はもちろん、湿地や沼地から凍った湖や河岸の陸地でも、操船が容易にできます。その結果、欧米では、氷上や河川氾濫による冠水地域救助活動で理想的乗り物として利用されています。

 また日本では、津波被害における大量の瓦れき漂流域での救助活動において、特に漂流瓦れきに船体を乗り上げていくといったとき、一般船舶やゴムボート、ホバークラフトなどでは、救助活動が困難な状況でのエアボートの利用が注目されつつあります。さらに、比較的浸水深の浅い倒壊家屋の瓦れきが散乱したエリアや中山間の斜面災害エリアでは、東京ハイパーレスキューも採用しているカナダのアーゴ社が製造した水陸両用8輪駆動車なども有効な車両だと考えております。

 大規模災害が発生し、被災者の救出に要する時間を72時間の壁と言います。救った命をどうつなぐか。6月7日に行われた日米共同統合防災訓練では、こうした特殊乗り物は見かけませんでした。

 しかし、本県の置かれた地理的状況や地形的特性を考えますと、人命救助に必要な72時間の壁や長期浸水対策にはエアボートは非常に有用だと考えますが、エアボートに関する認識と導入について危機管理部長の御所見をお聞かせください。

 次に、空き家対策について御質問いたします。

 私が3期目の高知市議会議員選挙を控えた3月11日、東日本大震災が発災いたしました。以来4年間の市議生活は、災害対策を中心に活動してまいりました。

 災害時に避難路を塞ぐ空き家対策は、高知市議会議員時代から私のライフワークの一つでした。4年前の秋には、尾崎知事に御助力いただき、9県知事会から提言として国に要望を願い、避難路に面した空き家の解体に関する助成制度も実現し、昨年より本県でも複数の自治体が予算化を始めました。今回の統一地方選挙の準備で慌ただしい中、平成27年5月26日、完全施行の空家等対策の推進に関する特別措置法を知りました。

 法律のポイントを見ますと、市町村が、固定資産税情報を利用しての空き家などの持ち主調査、特定空き家などの持ち主に対する指導、勧告、命令、そして特定空き家などと認められる場所への立入調査などの権限を有し、私が考えていた対応策が盛り込まれており、立入調査拒否には20万円以下の過料、命令に従わない場合は50万円以下の過料を科すことができることとなっております。また、特定空き家などは改善の勧告を受けた時点で固定資産税の住宅用特例から除外できるなど、実効性を伴う内容です。この特別措置法の施行によって、本県の空き家対策が進むのではないかと期待いたしているところであります。

 そこで、まず高知県における空き家の現状について土木部長にお伺いいたします。

 高知県における空き家率は、全国トップレベルということです。南海トラフ巨大地震のリスクに直面している本県として、災害時に避難路を塞ぐ空き家対策は大変重要です。

 一方、本県の所得水準から鑑みますと、所有者に対する補助や貸し付けも考えておきませんと、対策が停滞する可能性が高いと考えます。特別措置法においても、国及び都道府県は、空き家などに関する対策の実施に要する費用に対する補助など、必要な財政上の措置を講ずるものとするとされております。

 そこで、空き家対策における県の財政面の取り組みについて土木部長にお伺いいたします。

 本法案は、参議院で採決される際に、解体前に境界確定の測量を実施する附帯決議がつけられました。附帯決議ですから法的拘束力はありませんが、本県では助成金運用規定に、特定空き家解体前に境界確定を加えていただきましたら、なかなか進まない国土調査の一部前倒しにもなることですし、ぜひ御一考いただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

 最後に、土佐が輩出した偉人をテーマにした観光振興について御質問いたします。

 現在、高知県は400万人観光を目標に、知事を先頭に取り組んでおります。以前より高知県には、海、山、川があり、自然に恵まれて、おいしい食材がたくさんあると言われております。しかし、自然の恵みも山海の食材も、全国にはどこにでもあります。海の幸がないのはせいぜい内陸の8県ぐらいですが、しかし、そこには観光資源として、スキー場であったり、琵琶湖であったり、世界遺産であったり、また東京のベッドタウンである千葉、埼玉、茨城などではとりたてて観光観光と言わなくても、人は多くいますので問題はなく、高知にはないさまざまな資源があります。

 そうした中、高知県にあって他県にないものとは何かと考えたとき、やはり私は、幕末から明治、大正、昭和の時代を切り開いた立役者、また偉大な政治家、日本経済を支えるほどの実業家を世に送り出した土佐の風土、土佐人の気質ではないかと考えます。

 例えば、以前、金子直吉の番組がテレビで放映されました。皆さん御存じと思いますが、財界のナポレオンと呼ばれた高知県吾川郡名野川村、現在の仁淀川町出身の金子直吉は、6歳のとき生家の家業が破綻し高知市に移り住み、長屋での極貧生活の中、もちろん学校には行けず、紙くず拾いで一家の生計を支えたそうであります。奉公先を転々とした10年間の丁稚奉公時代、最後に高知市農人町の傍士久万次質店に落ちつき、後に傍士氏の推薦によって鈴木商店に入店しました。商才があったのでしょう。そこで手腕を発揮し、今の神戸製鋼、帝人、双日、太平洋セメント、サッポロビールなどの前身企業を数々設立させ、鈴木商店を、80社を超える一大コンツェルンに成長させた大番頭であります。

 また、早稲田大学の創設者は大隈重信とされておりますが、宿毛出身で世界のコマツを立ち上げた竹内明太郎が、人材と資金を大隈に提供することで早稲田大学理工学部を事実上創設したことが最近になってようやく評価され始めましたし、日産自動車の創立にも深くかかわっております。また、高知工業高校を創立させたのも、竹内明太郎でございます。

 ほかにも、関西経済を牽引した大阪ガスの片岡直輝、欧米からアイリッシュコブラーという品種のジャガイモを輸入し日本中に普及させた男爵、川田龍吉も高知市の生まれで、川田が男爵だったから、そのジャガイモは今でも男爵芋と呼ばれております。また、今や世界でも434万人が学ぶ世界企業にまで育った教育システムのKUMON、その創業者である公文公さんも高知出身でありまして、名前を挙げると本当に切りがありません。まさに高知は偉人の宝庫であります。

 現在の学校教育では、歴史授業の中で近代史は、時間の問題からか軽視されております。私たちは小中高の授業でさまざまな歴史を学びました。しかし、文科省の指導要領の関係からか、バランスのとれた歴史観が備わったとは言えないのではないでしょうか。特に学校で学ぶ日本史に関しましては、古代、中世、戦国にその多くが費やされ、私たちが暮らす現代に最も重要な幕末、明治新政府から戦後、高度成長期までの近代史はおろそかになっているように記憶しております。

 また高知県は、そうした歴史の変革期にさまざまな偉人を輩出しております。高知の歴史研究家に話を伺いますと、幕末の土佐の偉人は坂本龍馬だけではないという声が多く聞かれます。しかし、その多くを学んだ人は極めて少ないと思います。先ほども申しましたように、高知には志を抱く土壌があり、日本を切り開いたと誇れる数多くの偉人がいますが、その功績の割に全国的に余り知られていません。

 そこで、高知が輩出した偉人や土佐ならではのマインドを正面から捉えた取り組みは、今後の高知県の発展の重要なキーワードの一つだと考えます。そのためにも、そうした人たちを顕彰する拠点を持ち、さらに県内各地のゆかりの場所につないでいくことが必要ではないかと考えています。

 そうした視点も踏まえて考えますと、現在建設が進んでいます高知城周辺の高知城歴史博物館と県市合同の新図書館の整備に関連して、その絶好の位置から帯屋町商店街や東西軸構想などとも絡め、既存の機能との有機的連携をどう具体的に演出するかということが問われているように思えます。県と高知市がかかわるこの2つの大型文化施設が、時を同じくして高知城近くのこれだけ至近距離で建設されるということは、県都のまちづくりや産業経済の活性化を図る上からも、千載一遇のビッグチャンスではないかと思います。

 そこで以下、幾つかお尋ねをいたします。

 この2つの新たな施設を含め、県と高知市が共同して策定した東西軸エリア活性化プランについては、本年度プランの最終年度を迎えることとなっており、先般開催されたフォローアップ委員会では高知市の中心市街地活性化基本計画と一本化する方針が了承されたとのことでありますが、今後どのような手順、視点で一本化を検討するものか、総務部長にお尋ねいたします。

 また、高知城歴史博物館の周辺には、高知城や県立文学館といった既存の文化施設もあり、高知の文化ゾーンとして既存の施設と絡ませて、エリア全体で県外観光客にPRしていくことも効果的かと思います。規模は異なっても、岡山県や岡山市なども岡山城や後楽園周辺のミュージアムなどを、岡山カルチャーゾーンとして面で売り出しているのですが、オープンまで2年を切った現時点で具体的にどのように取り組んでいくのか、文化生活部長にお尋ねいたします。

 そして、先ほどの県輩出の偉人たちの話にも通じますが、高知の歴史や文化とその精神に誇りを持って末永く発信していくためには、次代を担う子供たちにしっかりと受け継いでいってもらうことが極めて重要で、歴史上に名を残した、大きな働きをした先輩たちの足跡を学ぶということが、人を育てる上でも早くて有効であると思います。

 そこで、アクセスの問題等もあり、最初はモデル的にでも実施できればと思うのですが、小学校の高学年で、授業の一環として高知城周辺の文化施設を探訪し、土佐の偉人、高知の歴史や文学に触れる仕組みをつくってはと思いますが、教育長の御所見をお伺いいたしまして、第1問とさせていただきます。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 上田貢太郎議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、高知版CCRCについて、モデル県として積極的に行動を起こす必要があるのではないかとのお尋ねがありました。

 都市部から健康で活動的な高齢者を受け入れることは、本県にとっても、経済波及効果や安定した雇用の確保につながるものと期待できます。他方で、受け入れに際しては、社会保障費の負担の問題などクリアしなければならない課題もありますので、受け入れる側にとっても、また受け入れられる側にとっても、双方にメリットがある仕組みを構築していくことが重要だと考えております。

 移住促進の観点から捉えますと、大都市圏の企業で長年にわたって豊富な経験を積んだアクティブシニアの方々は、本県の産業振興などの取り組みなどをさらに強化し、拡大再生産を目指していく上で大きな力として期待されますし、企業やプロジェクトの中核人材として誘致を進めたいターゲットでもあります。また、こうした人材は、各自治体が地方創生に取り組む中で獲得に乗り出すことも想定され、多くの選択肢の中から本県を選んでいただくためには、求人そのものの魅力に加え、生活面で魅力を感じていただける一定の条件整備も必要だと考えております。

 こうしたことから、アクティブシニアを対象とするCCRCに関しても、他に先駆けて積極的に検討を進めておくべきとの考えのもと、議員のお話にもありましたように、産学官民連携センターココプラにおきまして、高知版CCRCの検討に着手しているところでございます。この検討には、日本版CCRC構想有識者会議の委員の方々にも加わっていただいておりまして、大所高所からの御助言をいただきたいと考えております。

 また、高知版の構想を練り上げていく過程で明らかにボトルネックとなることなどございますれば、この委員の方々を通じることも含めまして、日本版CCRC構想の制度設計への反映に向けて、積極的に提言も行ってまいりたいと考えております。いずれにしましても、御指摘のとおり、本県では来年度の国のモデル事業へのエントリーも視野に入れた検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 次に、高知版CCRCは、どの型から取り組むのかとのお尋ねがございました。

 CCRCは、国の有識者会議において、区域の広がりに応じまして、タウン型、エリア型、施設型の3つのイメージが例示されております。実際にCCRCを導入する場合は、立地条件や立地場所、医療・介護サービスの提供のあり方、移住者の活躍の場の確保、学びやビジネスへのチャレンジといった生きがいづくりなども考慮する必要があります。

 これまでの研究会での議論では、中心商店街を活用するもの、郊外の大学等と連携するもの、中山間地域の拠点を活用するものなど、さまざまな意見が出されております。今後は、それぞれのメリット、デメリット等を整理するとともに、本県への移住を検討されている高齢者の方々のニーズも勘案し、どういったタイプが本県にふさわしいか、研究会において議論を深めていただきたいと考えております。

 私としても、現段階ではあらゆる選択肢を考えるべきときだと思っておりますし、またぜひ高知の強みを生かした、高知のためになる、高知独自のCCRCをみずから設計していこうとすることが大事だと考える次第であります。

 次に、防災訓練における在日米軍との連携についてお尋ねがございました。

 南海トラフ地震では、被災を受ける府県全体で、東日本大震災での死者、行方不明者の約16倍となる約32万人の死者が生ずることが想定をされており、本県だけをとってみましても、最悪の場合約4万2,000人となるなど、甚大な被害が想定をされているところであります。

 こうしたことから、南海トラフ地震が発生した場合、東日本大震災をはるかに上回る規模の救助を初めとする応急活動への対応が必要となります。しかしながら、国内最大の応急救助機関である自衛隊が、東日本大震災で派遣した人員が約10万人であるのに対して、本年3月に国が策定した南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画によりますと、南海トラフ地震時に本県など被害の大きな県に派遣され得る自衛隊の人員は、東日本大震災とほぼ同規模の約11万人となっており、被害の規模からすれば応急活動の人員が不足することは明らかであります。

 そのため、東日本大震災での在日米軍によるトモダチ作戦に見られたような外国からの応援は不可欠であり、そうであるならば平時より外国の皆さんと共同した訓練を行っておくことは必要であると、そのように考えております。

 今回、県の総合防災訓練と連携をして日米共同統合防災訓練が実施され、自衛隊のみならず米軍のヘリが初めて参加し、ヘリの運航調整や、孤立が想定される地域での離着陸訓練が実施をできましたが、これは応援をしてくださる米軍にとっても、応援を受ける本県にとっても有意義であったと思っております。南海トラフ地震発災時の本県の被害は甚大であります。今後も、自衛隊を初め、在日米軍などと連携した実践的な訓練を実施していきたいと考えているところであります。

 お話のありましたオスプレイにつきましては、一般的なヘリと比べ、速度や航続距離の面においてすぐれた能力を有しており、県外からの人員や支援物資の受け入れ、県外への負傷者の搬送に有効と考えております。しかしながら、防災訓練は一般の民間の方々も多数参加することから、とりわけ安全が最優先されるものであります。まずは5月にハワイで起こった事故の原因究明と、日本政府としても安全性を確認していただくことが必要であるとの考えでございます。

 私からは以上でございます。

   (文化生活部長岡崎順子君登壇)



◎文化生活部長(岡崎順子君) 初めに、CCRCへの県民の皆様の理解をどう深めていくのかとのお尋ねがございました。

 CCRCには、健康で活動的な高齢者を県外から受け入れることで、経済効果や雇用の確保といった大きな波及効果が期待できますが、将来の医療・介護サービスの負担など、課題もあると認識をしております。高知版CCRCの今後の検討におきましては、こうした効果や課題にしっかりと応えられるよう、研究会で議論を深め、産学官民連携センターココプラが中心となって、その検討状況を県民の皆様にお示ししたいと考えております。

 例えば、海外や他県での先進事例の紹介や関係機関の皆様を対象とした意識調査を行い、その結果や構想の検討状況もホームページ等でお知らせをしてまいります。また、高知版CCRC構想が取りまとめられました後は、その内容や特色を広く知っていただくことや構想に対する御意見等をいただく場を設け、県民の皆様の理解が深まるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、高知城歴史博物館を周辺の施設と絡ませて、どのようにPRしていくのかとのお尋ねがございました。

 高知城歴史博物館の周辺には、高知城や文学館といった文化施設がございますし、中心商店街が広がっておりますので、観光客の皆様にとっては、歴史や文化だけではなく、買い物や食事を楽しむことができる魅力的なエリアとなっております。博物館の開館によりまして、このエリア全体がより魅力的な文化ゾーンとなることを目指して、既に周辺の文化施設や商店街の関係者の皆様と協議を始めており、まずは連携したイベントの企画や共通券の発行を行うこととしているところです。

 今後は、博物館を核として、既存の文化施設と日曜市や商店街、さらに山内家墓所までを含めた中心市街地全体を、城下町の雰囲気が味わえる歴史観光エリアとしてアピールしたいと思っております。そのため、旅行商品をメニュー化するなど観光部門とも連携して、博物館を初めとした歴史や食など、本県の多様な魅力を県外観光客にも発信していきたいと考えております。

   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇)



◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 農産物や加工品を含めた食料品の輸出に係る取り組みや今後の販売戦略についてお尋ねがありました。

 食料品の輸出につきましては、平成22年に約9,600万円であった食料品の輸出額を平成27年に3億円にすることを目標に掲げ、全国一の生産量を誇りますユズを中心にヨーロッパやアジアへの売り込みを進めてまいりました。その結果、平成25年の実績は2億7,000万円を超え、平成27年には目標を達成できるものと見込んでおります。

 主要な輸出品目のうち、ユズにつきましては、世界で最も食の情報発信力が高いと言われるパリにおいて、賞味会の開催や国際食品見本市への出展を行い、そこで得られました著名なシェフなどからの高い評価を力にして、ニューヨークやシンガポールなどに売り込みをかけてきました。その結果、ユズ果汁の成約目標100トンに対しまして、平成25年の実績が81トンに達するなど、欧米や東アジアでの販路拡大に成果を上げつつあります。

 本年度は、ユズに続き、日本酒の輸出拡大を目指して、アルコール飲料の情報発信力が高いとされるロンドンで、酒造メーカーと連携して土佐酒の賞味会を開催することとしております。賞味会には、和食だけでなく幅広いジャンルのシェフやバーテンダーなど実需につながる方々に参加を呼びかけますとともに、貿易商社のバイヤーも招聘して、着実に成約につなげていきたいと考えております。この賞味会を足がかりとして、また日本の食に対する追い風も生かしながら、欧州全体をターゲットに淡麗辛口の土佐酒の販路拡大を進めていきたいと考えております。

 また、本年度から新たに台湾において、現地法人に委託をする形で貿易と国際観光の支援拠点を設けました。これまで培ってまいりました取引開始に至るノウハウや台湾経済界とのネットワークを生かして、現地の企業とのマッチングはもとより、台湾を経由した近隣国との貿易取引も視野に入れた活動を展開していきたいと考えております。

 以上のように、食品の輸出に関しましては、今後とも品目ごとにターゲットとなるエリアや業種などを明確にした上で、これまで培ってきた成約に至る手法やネットワークを生かしながら、官民協働で取り組んでいきたいと考えております。

   (農業振興部長味元毅君登壇)



◎農業振興部長(味元毅君) ユズを初めとする農産物の輸出に取り組む産地をどのように支援をしていくのかとのお尋ねがございました。

 今後、大幅な需要拡大が見込めない国内需要に対して、新たな販路を確保するという点で、輸出は重要でございます。ただ、農産物の輸出に際しては、検疫や残留農薬基準等の規制への対応といった特有の課題がございます。

 ユズ果実のEUへの輸出に際しては、県や関係機関・団体が一体となり、検疫対象であるかんきつかいよう病やミカンバエの発生調査、残留農薬基準をクリアするための栽培指導などに取り組み、平成26年度は約4トンの輸出につながっております。

 本県からは、ユズ以外にも約30品目の輸出実績があり、中でもグロリオサ、ミョウガ、シシトウなどにつきましては、品質の高さや希少性が評価されていると承知をいたしております。

 県といたしましては、国によって異なる検疫等の規制条件をクリアするための病害虫の発生調査や、薬剤防除の体系化などの支援を行ってまいりますとともに、ユズの園地の拡大や高品質な農産物の安定供給を可能とするための施設整備を支援してまいります。

 また、高知県内で品種改良されたグロリオサやブルースターは、アメリカ等でその色彩や品質が高く評価をされております。輸出を維持・拡大する観点からも、このような独自品種の開発もポイントとなりますので、農業技術センターにおいて品種開発に取り組んでまいります。あわせて、海外での商談会への参加や、テスト輸出に取り組むJAや生産者団体などへの支援も行ってまいります。

   (危機管理部長野々村毅君登壇)



◎危機管理部長(野々村毅君) 人命救助や長期浸水対策におけるエアボートの活用とその導入についてお尋ねがございました。

 南海トラフ地震が発生すると、県内各地で地盤沈降による長期浸水が起こり、その規模が最大となる高知市では、中心市街地が2,650ヘクタール、最長で2カ月間にわたり浸水し、約6万人もの方々をボートで救助しなければならないと想定しております。そのため、消防や警察、自衛隊といった応急救助機関では、FRP製やゴム製などのさまざまな種類のボートで、数の確保に努めているところです。

 議員からお話のありましたエアボートにつきましては、水深が浅いところでの操船が可能であることや、高速での走行が可能であることなどのメリットがございます。一方で、浦戸湾は、湾口部と孕地区の2カ所に狭窄部があるという地形的な特性から、土佐湾のような外海に直接面している地域などと比べると、津波の引き波によって沖合へ流出する瓦れきは少ないことが予想され、浸水区域内に大量の瓦れきが残るのではないかと考えています。エアボートの導入に当たっては、そのメリットを生かした救助活動が行えるのかどうか、検証する必要があると考えております。

 現在、県と高知市が中心となり、実際にボートを使用することとなる消防や警察、自衛隊にも参加いただき、長期浸水区域における救助の具体的な対策を検討しております。その中で、エアボートについての情報の提供を行い、まずはエアボートの利点を生かした活動が可能なのか、検証してまいります。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 本県における空き家の現状についてお尋ねがありました。

 総務省の住宅・土地統計調査の平成25年データによりますと、本県の住宅総数39万2,400戸のうち6万9,800戸が空き家で、この中から別荘や賃貸用の住宅などを除いた空き家は4万1,400戸と推計され、その場合の空き家率は10.6%で全国2位となっています。

 空き家は、適切な管理を行わなければ、防災、衛生、景観など地域住民の生活環境に悪影響を及ぼす場合があるため、空き家対策は本県にとって重要な課題であると認識しております。

 次に、空き家対策における県の財政面の取り組みについてお尋ねがありました。

 空き家対策を促進させるためには、所有者の経済的負担の軽減を図ることが効果的であると考えています。平成22年度から平成24年度までの3年間に、3市町村が国の補助制度を活用し、老朽化した空き家の所有者に除却費用の最大8割まで助成を行い、56棟を除却しました。

 こうした取り組みを後押しするため、市町村が避難路沿いなどの老朽化した空き家を除却する所有者に対して助成する場合、その助成額の4分の1を、県が市町村に対して支援する制度を平成25年度に創設しました。この制度によって、平成25年度は5市町村で32棟、昨年度は16市町村で145棟が除却されるなど、空き家対策に取り組む市町村や除却件数が大幅に増加してきています。本年度は市町村からの要望を踏まえ、この2年間の実績を上回る210棟分の予算を確保しております。

 加えて、老朽化が進み危険な状態となる前に、再生して活用することも有効な取り組みと考えており、空き家を再生、活用する市町村を後押しする制度を昨年度創設いたしました。今後も、県としては空き家対策に取り組む市町村に対して、財政面からもしっかりと支援してまいります。

   (総務部長梶元伸君登壇)



◎総務部長(梶元伸君) 東西軸エリア活性化プランと高知市の中心市街地活性化基本計画の一本化についてのお尋ねがございました。

 平成23年3月に県と高知市が共同で策定いたしました東西軸エリア活性化プランにつきましては、お話にございましたように、先月3日に開催いたしましたフォローアップ委員会におきまして、エリア、事業の多くが重複している高知市の中心市街地活性化基本計画との一本化の方針につきまして御了承いただいたところでございます。

 今後、東西軸エリア活性化プランと中心市街地活性化基本計画、双方のフォローアップ委員会に共通する委員の皆様を中心とした専門部会を設置し、一本化に当たって追加すべき取り組み等について、9月末を目途に検討していただくこととしております。その上で、中心市街地活性化基本計画を変更の上、来年4月から、一本化した新たな中心市街地活性化基本計画としてスタートしていくこととしております。

 追加すべき取り組みの検討に当たりましては、まずは専門部会の委員の皆様に、自由に御議論いただくということが基本となりますが、例えば、お話にありました高知城歴史博物館や新図書館は、商店街の活性化も意図して整備しているものでございますけれども、これらの完成に伴う県外観光客の増加や人の流れの変化、また永国寺キャンパスの整備に伴う若者の増加など、東西軸エリアを取り巻く環境の変化をいかに商店街の活性化につなげていくのか、さらには大型外国客船の増加を初め、今後外国人観光客の大幅な増加が見込まれ、国際観光の抜本強化に取り組む中で、外国人観光客への対応をどうしていくのかなど、中心市街地をさらに活性化させる視点で、高知市や民間事業者の皆様と連携して検討してまいりたいと考えております。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) 小学校高学年の授業の一環として高知城周辺の文化施設を探訪し、土佐の偉人、高知の歴史や文学に触れる仕組みをつくってはどうかとのお尋ねがありました。

 次代を担う子供たちが郷土の偉人の業績や志、高知の歴史、文化を学ぶことは、高知県教育振興基本計画に掲げる基本理念の一つである、郷土を愛し世界に羽ばたく、心豊かでたくましく創造性に満ちた子供たちを育成していく上で重要なことであると考えております。

 現在、小学校においては、第3学年以上の総合的な学習の時間において、伝統と文化をテーマとして地域の特色に応じた課題などについて学習したり、第6学年の社会科においては、我が国の歴史や先人の働きについて理解と関心を深める学習を行っております。

 特に、社会への視野が広がる小学校高学年の児童が、こうした学習を行う際に高知城や文学館、また新しく建設される高知城歴史博物館や図書館などの文化施設を訪れ、高知の歴史や文学にじかに触れることは、郷土への理解を深め、郷土に誇りを感じる心を育んでいく上で意義あることと考えております。

 このため、県教育委員会といたしましても、本県の歴史や文化を学習する際の文化施設の有効な活用方法を調査研究し、それぞれの施設を活用した効果的な学習プログラムの策定を、各施設の方々とも相談しながら検討してまいりたいと思います。



◆1番(上田貢太郎君) どうもありがとうございました。

 個人質問のトップバッターということで大変緊張いたしましたが、それぞれ私の拙い質問に対し、知事並びに執行部の皆さんには、真摯な対応と明確な御答弁、まことにありがとうございました。

 それでは、第2問に移りたいと思います。

 私は、平成24年の高知市議会9月定例会で、リタイアメント・コミュニティーについてお伺いをいたしました。当時、県は、第2期産業振興計画の新たなテーマとして移住促進による経済活性化を追加する方針を決め、高知市においても、市の中心部に新資料館、新図書館、県立大学永国寺キャンパスの改修など、町が大きく変わろうとしておりました。また高知市も、産業振興として、大都市圏の元気な高齢者の方々を本県に呼び込み、快適な暮らしを提供することによって活力ある地域づくりを進めることについて、県市が連携して総合的に研究していくとの市長の答弁もあったわけでございます。

 そこで、文化生活部長にお伺いをいたします。ことし5月に、高知県産学官民連携センターをプラットホームとして、CCRCに関心がある市町村による研究会が立ち上がったわけでございますが、現在の高知市を含めた市町村との連携状況、どのようになっているのか、お聞きをいたします。というのも、ぜひ県と市町村が連携して全国のモデルとなる、そういったCCRCの実現に向けて取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 またもう一点、CCRCの運営について、アクティブシニアに担ってもらうということも考えていただければと思います。これは、高知大学の受田副学長のアイデアなんですが、現在ある地域おこし協力隊、これの制度をヒントにしたシニア版の地域おこし協力隊を創設して、CCRCに入居してもらうという考えであります。協力隊員には、CCRCの運営業務の傍ら、CCRC周辺の地域活動に参加、貢献していただけるようにすることで、アクティブシニアとしての充実した生活を送ってもらうということで、ぜひそういったことも、県としても検討していただきたいと思いますが、産業振興推進部長にお伺いいたします。



◎文化生活部長(岡崎順子君) 研究会の立ち上げに当たりましては、全ての市町村に参加を呼びかけました。現在、高知市を初めといたしまして、12の市町村から参加をいただいております。

 検討状況としましては、まだ初めにCCRCについての共通の認識とか先進地事例、あるいは国での検討状況といったことをもとに、さまざまな高知県での導入の可能性といったことも含めて議論しているところでございます。そういった意味で、今後議論が深まる中で、市町村との具体的な連携の動きというものが出てくるのではないかというふうに考えておるところでございます。



◎産業振興推進部長(中澤一眞君) シニア版の地域おこし協力隊、大変興味深いアイデアだというふうに思います。

 私ども、そのCCRCに限らずですが、移住の促進をしていく上で、やはり地域でそれぞれ活躍をしていただきたいと、何らかの役割を担っていただきたい、そしてその地域にしっかり定着をしていただきたいと、そんな思いを持っております。それを志移住というようなことで表現をさせていただいておるわけですけれども、シニアの方も、高知に来られてそれぞれの能力、得意わざを生かしていただいて、活躍をしていただく。そんな意味で、その一つの受け皿になり得るものかなというふうに思っております。

 受田先生のアイデアということでございますので、また一度話をじっくりお聞かせいただいて、検討してみたいと思います。



◆1番(上田貢太郎君) 御答弁ありがとうございました。

 3問目、それでは、質問ではございませんが、尾崎知事に一言申し上げたいと思います。

 1問目で、私が今回県議会議員選挙へ挑戦した理由というものを申し上げましたけれど、もう一つ、実はございまして、それは私の先輩でもある尾崎知事と、これから4年間を県民のために励んでいきたいという考えからでございます。

 昨日、尾崎知事は3期目出馬を表明されましたが、知事就任以来、本県の抱える課題に真正面から向き合い、県勢浮揚に向けて県政運営に邁進されてまいりました。高知県発展のために打ち出された数々の施策というものはそれぞれ実を結び、花咲かせているようにひしひしと感じております。ぜひ3期目、知事とともに県勢浮揚に向け邁進していきたいと思いますので、どうか知事、よろしくお願いをいたします。

 以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手)



○議長(三石文隆君) 暫時休憩いたします。

   午前11時7分休憩

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   午後1時再開



○副議長(西森雅和君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 26番橋本敏男君。

   (26番橋本敏男君登壇)



◆26番(橋本敏男君) こんにちは。県民の会の橋本敏男です。昨日の上田周五議員の関連質問により、順次一般質問を行ってまいりたいと思います。関係各位の適切な答弁を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げておきたいと思います。

 まずは、債権管理についてであります。

 昨日の上田周五議員の税外未収金の残高見込みと、その解消に向けた取り組みに対する総務部長の答弁では、平成25年度決算において税外債権の収入未済額は約52億円であり、その内訳は県税以外の公債権が20債権で633件の約2億円、私債権が38債権で1万3,271件の約50億円で、未収金の大半が私債権となっており、その解消は県財政運営上大きな課題となっています。

 税外債権は、貸付金、使用料、負担金などの多種多様であり、所管は30課58債権と多岐にわたることから、外部監査での指摘を受けるまでは、それぞれが独自に取り組み全庁的に統一された取り組みがなされていなかったと思われます。

 平成20年度の包括外部監査で、貸付金等の債権管理における基本的な事務が十分に実施されていないなどの厳しい指摘を受け、平成21年度に債権管理適正化プロジェクトチームを組織し、県が保有する債権の適切な管理の徹底と滞納防止や回収の強化を図るため、職員の意識・能力の向上、回収困難債権への対応、債権管理マニュアルの策定、組織体系のあり方を推進してきたようであります。平成22年度には税務課に3人の職員を配置し、行政組織規則「他の課の主管に属する県の債権に係る未収金の回収支援に関すること」の分掌に従い税外未収金対策を推進してきたところでありますが、いまだに52億円もの巨額な未収金を抱えながら、なぜか平成24年度は1名減らした2名体制の対応となって、現在に至っています。

 税外未収金の対応については、関係各課が所管する債権の種類が公債権、私債権など多種多様であり、各所管課の収入未済対策の取り組み状況は一様でないことから、各所管課が連携して全庁横断的に収入未済対策に取り組めるよう共通する課題について統一的な取り扱いを定め、事務の効率化につながる検討を行わなければならないと思います。各所管課の貸付事業などの運営と債権管理を適正に行っていくためには、担当所管課が発生から回収までを通して主体的に責任を持って対応することは基本であり、その原則を変えるものではないと思います。

 しかしながら、収入未済額の推移を調査してみれば、税外未収金の収入未済額は、平成21年度に債権管理適正化プロジェクトチームを組織し税務課に税外未収金対策担当を置いた平成21年から平成22年においての未収金は約10%の改善を見ていますが、それからは余り変化がなく膠着状態が続いているのが実情で、平成22年度からは結果として実績が上がっていないということは数字が物語っております。税外債権の管理を適正に行うには、管理業務を構成する滞納防止策、未収金の徴収、債権の欠損処理の各段階において統一的な処理が必要であると思われます。

 そこで、統一的、全庁的な債権管理を行う上でのポイントは、滞納の未然防止の徹底、債権回収の強化、債権の適切な整理、制度運用の強化、債権管理目標の公表などの基本姿勢の徹底であると考えますが、それを担保するための債権管理適正化指針策定についてどのようにお考えか、知事に答弁を求めます。

 表には出ていませんが、私債権に絡まる大きな問題の一つとして、滞納によって生じる延滞金や遅延損害金、違約金があります。これは、貸付金などの契約上の特約や違約金があらかじめ設定されている債権が回収できない場合のペナルティーで、設定されなくても法定利率−−現行5%で今国会で審議中の民法改正案は年3%になっていますが、それが賦課されると思われます。

 本県の税外債権の収入未済額にかかわる延滞金、遅延損害金、違約金の想定される総額を示していただきたいと思います。この種の未収金は元金の完済前には日々額が変わっており、金額換算の提示は難しいと思いますけれども、大枠で構いませんので総務部長の答弁を求めます。

 また、請求や徴収はどのような取り扱いをされ、この未収金の処理についてどのように認識しているのか、総務部長の答弁をあわせて求めます。

 次に、県職員住宅の有効活用についてでございます。

 これも、昨日の上田周五議員の、処分に時間を要する遊休財産などの有効活用についての代表質問に対する関連質問となります。

 全国的に地方の財政難が深刻な中、高知県においても財政は厳しい状況にあり、財政改革の必要性に迫られています。財政改革においては、主に収支予算額と債務残高がクローズアップされますが、財政改革は本来、歳出歳入の改革とともに資産と負債の改革、つまりバランスシート改革が必要不可欠であると思います。

 今後、ますます財政の厳しさが増す中で、公共施設の維持管理・更新コストが増大していくことを踏まえると、現在の公的不動産を引き続き維持することは大変難しく、その削減や再配置の推進が必要となります。したがって、職員住宅などの県保有の財産がどのような状況にあり、有効的に活用されているか検証してまいりたいと思います。

 県が保有する職員住宅は、知事部局が管理する職員住宅や教育委員会の所管する教職員住宅、そして警察官職員宿舎、企業局の職員宿舎などがあり、これらの職員住宅や宿舎は職員の福利厚生の一環として税金で建てられ、職員のための住まいとして県が維持管理をしてきたところであります。しかしながら近年では、一般の賃貸住宅やマンションと比べると、家賃や駐車場料金が格安であったり好条件づくしで、職員厚遇であるとの批判の声も出ています。それを受けて国では、国家公務員宿舎法が改正され、2014年度から激変緩和措置として2年ごと、2014年度、2016年度、2018年度と3段階で引き上げが実施されることになり、本県も1年おくれで国に準じて職員宿舎等使用料を4月1日より改正したところであります。

 いただいた資料によりますと、全ての所管する職員住宅の総戸数は、2015年5月現在2,054戸で、入居率は80%に届いていない現状にあります。それぞれの所管する部局での総戸数と入居率は、知事部局で改修中の24戸を除き616戸、入居率は79.4%となっており−−これはあくまで行政財産として位置づけられた住宅で、普通財産に落とされた住宅は入っていない数字であります。過去3年間の入居率の推移を見ましても、2012年度77.3%、2013年度72.9%、2014年度77.3%となっており、2014年度に少し改善されていますが、それでも入居率は80%には届いていません。

 この入居率の現状認識と今後の見通しについて、総務部長の答弁を求めたいと思います。

 また、教育委員会が所管する教職員住宅の管理戸数は、2015年5月現在477戸、入居率76.9%となっており、過去3年間の3月時点の入居率の推移は、2012年度76.9%、2013年度75.6%、2014年度74.3%と年々減少しており、2015年度は少し改善されてはいますが、この入居率は、普通財産に落とされた住宅はカウントされていませんので、教育委員会管理の普通財産で未利用な職員住宅も含めますと、入居率はもっと下がってしまいます。

 教員住宅の入居率の現状認識、そして今後の見通しについて、教育長の答弁を求めます。

 警察職員の宿舎については、行政財産として登録をされているものは2015年現在管理戸数859戸で、警察職員は原則勤務地に住まなければならないという居住地制限があるためか、入居率78.8%と、他の住宅と比べたら少し高くなっておりますが、過去3年間の推移を見てみますと、2012年度入居率79.4%、2013年度79.3%、2014年度82.9%という状況にあります。

 私の住んでいる地域の警察職員宿舎は全部で4棟あり、どの宿舎も新しく環境のいいところにあります。しかしながら、数年前から誰も入居しておらず、庭にはペンペン草が生え、水量計のボックスの中からは低木が伸びているような官舎が見受けられます。私が言うまでもありませんが、家というのは住んでいてこそ長もちをするし、管理が行き届くのだというふうに思います。

 警察職員宿舎の入居率の現状認識と今後の見通しについて、警察本部長の答弁を求めます。

 次に、2・4・5T系除草剤埋設についてであります。

 2・4・5T系除草剤、いわゆる枯葉剤問題が本県で大きく取り上げられたのは1984年で、その発端は愛媛県宇和島市、当時は北宇和郡津島町の山中に猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤が林野庁の指示で埋設されており、関係者が愛媛大学脇本助教授同行のもと調査に出かけたところ、容器から薬剤が漏れ出していることを確認、これが全国紙に大々的に取り上げられたことに始まりました。

 この2・4・5T枯葉剤は、ベトナム戦争のときにアメリカ軍が使用した史上最強の猛毒ダイオキシンを含んだ毒性の強い薬剤で、ベトちゃんドクちゃん事件に象徴されるように、先天性異常、流産、がん、健康障害など多数の障害が発症した恐ろしい劇薬であります。

 林野庁は、2・4・5T枯葉剤の埋設処理に当たって、「1カ所当たりの埋設量は300キログラム以内。セメント1、水0.6、土4に、埋設する枯葉剤の10倍の量の土を練り込んで、コンクリート詰めにする」との埋設方法を通達していたのにもかかわらず、そのことが守られておらず、灯油缶に入れたまま埋めてしまった津島町の例は通達違反となるわけですが、そんな事例は隣の愛媛県のことだけではなく、高知県でも発覚をしたところであります。

 県下でこの問題の枯葉剤が埋設されていたのは高知営林局本局と11署で、このうち8営林署は林野庁の埋設方法を無視し、津島町と同じ方法で通達違反をし埋設したと報道されています。その8営林署は、宿毛、中村、窪川、須崎、高知、本山、安芸、野根と発表されており、奈半利、大正、本局は薬品メーカーで引き取り処理をされ、残る清水は、現認調査もせずに聞き取り調査だけでの対応となっています。つまり、林野庁が埋設処理を通知したのは12営林署等ですが、埋設処理を実行したのは9営林署等で、残る3営林署は、通達を無視し埋設処理をしなかったから、最終的には薬品メーカーが引き取ることになったわけであります。埋設処理された9カ所のうち、8営林署は通達を無視して違反処理をしていることが確認されており、残る1カ所の清水は、掘削もせず聞き取り調査だけの対応というのは、信憑性、信頼性に欠けるような対応だと言わざるを得ません。

 1990年9月、土佐清水市議会定例会でこの問題が取り上げられ、質問に立った議員は、コンクリート処理をしていなかったという職員がいると主張、2・4・5T枯葉剤についての再調査を要求していましたが、「指導通達に基づいてきちっと処理をしたものと聞いており、現地調査はしない」との清水営林署長からの回答でありました。

 このずさんな処理実態を見れば、当時の清水営林署長の回答は、到底納得できるものではなく、当然掘削して再調査すべきだと思うのですが、林業振興・環境部長の見解を求めたいと思います。

 先日、2・4・5T枯葉剤の埋設している場所を確認するため、土佐清水市大岐の貯木場跡−−今現在は土佐食や元気プロジェクトの食品工場−−にある入り口から山に入り、ものの1分もたたないうちに樹木のすき間にあっさりと、「立入禁止、2・4・5T剤を埋設しています。四万十森林管理署長」と書かれた看板を見つけました。周りは有刺鉄線で囲われており、その中はこんもりと盛り上がった竹やぶで、周囲には大木が林立しているのに、フェンスの内側だけがほとんど竹で、例外的にある低木のほとんどが枯れていました。

 これは、埋められた2・4・5T枯葉剤は除草剤としての効果を発揮しているわけで、つまり既にしみ出している可能性が高いことを示しているのではないかと思われます。竹というのは、深く根を張る植物ではなく、逆に広葉樹は深く根を張る植物であると言われておりますので、立木は1メートル近くに埋設してある枯葉剤の影響を受けているものと考えられます。この問題を担当課に事前に問い合わせをした関係か、すぐに現場に来て目視をされていますので、現状把握はされていると思います。

 ここの現場に埋設された枯葉剤は、林野庁の話では、石油缶などに入れられて処分されたものではなく、枯葉剤をセメントに練り込んで固めたものであると主張していますから、そのことが本当であっても、埋設され44年の長い年月が経過しています。当然、コンクリートで固めて埋設処理をしていても経年劣化することは当たり前で、現場を有刺鉄線で囲い、立入禁止の看板を設置し、定期的な目視を続けても、問題は何ら解決することはありません。

 地域住民の安全で安心して暮らすことのできる生活環境を守っていくのは無論です。森林県高知にダイオキシンが含まれた2・4・5T枯葉剤が埋設されている事実がありながら、1984年の津島事件以来土壌調査や水質調査などの環境アセスメント調査、そしてダイオキシン調査もせず黙認し続けてきた林野庁に対して、土佐清水市は無論ですが、高知県の対象地区全ての埋設箇所の再調査を強力に訴えていただきたいと思いますが、知事の所感を求めたいと思います。

 次に、LCCについてであります。

 LCC−−ローコストキャリア、格安航空会社を指す、この言葉もすっかり定着をしてきました。

 国土交通省はLCC路線誘致に係る経済効果について、2014年6月のシンポジウムで、LCC参入効果の分析と地方空港の事例調査を発表しました。それは、過去1年間にLCC利用経験のある旅行者に対するインターネット調査で、「LCCが無かった場合どうしていたか?」の問いに「旅行しなかった」の回答が16%だったことから、新規誘発需要がある程度存在するとの見解を示しました。

 例えば、2013年6月にピーチアビエーションが開設した大阪石垣線は対前年比で256%増となり、ほかの旅客数も大きくその数をふやし、しかもLCCだけではなくフルサービスキャリアも伸びたと言っています。また、過去1年間にLCC区間でのフルサービスキャリアや高速バス、鉄道を利用した各旅行者の調査結果と比較したところ、LCC利用者は片道のみの利用が約3割で、フルサービスキャリア利用者や鉄道利用者の片道利用よりもその割合が大きいことから、他のモード利用者の逆方向での新需要を掘り起こせる可能性もあるとしています。

 ここ3年余りで急成長したLCCは、2014年4月現在で国内線26路線、国際線46路線が就航していますが、大きな問題もあります。コストを低く抑えられる小型の航空機を使っているため、飛行距離に限界があり、遠くの主要都市と直行便を結ぶことはできません。そこで、比較的近いアジアにLCC各社が熱い視線を注いでおり、地方空港を活用しての取り組みに力を入れていると聞いています。

 ピーチは沖縄那覇空港を拠点に、春秋航空は長崎・高松空港を拠点に国際線を就航させ、そこを起点に国内線で日本各地へと外国人旅行者を送り込む戦略と聞いています。ただ、LCCの場合は、かなりシビアにビジネスライクに地方空港との関係を見るので、短期的にもうからなければあっという間に撤退し、より有利な条件を設定する他の空港に逃げてしまう可能性があるといいます。多少の不安定さはあるにしても、LCC誘致は高知県にとって大きな利益をもたらすものであると思われます。

 しかしながら、各県のLCC誘致に向けた取り組みをネットで調べてみますと、あるサイトでは、「立地的に飛行機欠かせない高知県。観光地も十分。しかし人口が少ないのが難点。県がLCCの誘致をしているものの、LCC側の反応が悪いのか積極さは感じません。情報不足。」とあることから、その取り組みは余り活発でないのではと感じています。どの県においても、取り組み状況を公開していない自治体が多いということなので、この情報は余り当てになりませんが、しかしながら、本県がLCC誘致に向けて、どのように取り組んでいるのかが気になるところであります。

 構わない範囲で、本県が取り組んでいるLCC誘致活動についての現状と見込みについて中山間対策・運輸担当理事の答弁を求めて、1回目の質問を終わります。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 橋本議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、統一的、全庁的な債権管理を行う上でのポイントとなる、基本姿勢を担保するための債権管理適正化指針の策定についてお尋ねがありました。

 県の債権管理につきましては、平成20年度の包括外部監査をきっかけに庁内にプロジェクトチームを設置し、債権管理及び回収の適正化についての検討を行ったところであります。

 プロジェクトチームでは、平成22年2月に債権管理方法の改善、債権回収の強化などの、債権管理の基本的な考え方や取り組み方針を示す債権管理・回収の適正化に係る報告書を取りまとめますとともに、適正な債権管理を徹底するため、督促や催告などの基本的な手続を記載した債権管理マニュアルを作成しました。さらに、平成23年4月には、特に債権回収を強化すべく、税外未収金の総合的な対策を検討するために庁内に設置した税外未収金対策幹事会で、債権管理の基本姿勢を示す税外未収金の整理方針を策定しております。これらの債権管理マニュアルなどが、債権管理の基本姿勢を示すものとなっております。

 現在、債権管理マニュアルなどに従って、督促や催告など適正な債権管理に努めているところでございますが、マニュアルなどが作成される以前と比較すれば、債権管理に対する職員の姿勢や知識は向上してきていると思いますので、今後とも、幹事会や毎年度開催しております研修会などを通じて、さらなる徹底を図ってまいります。

 次に、高知県内の2・4・5T系除草剤の埋設場所について、林野庁に再調査を強力に訴えていくべきではないかとのお尋ねがありました。

 細かな経緯につきましては、後ほど部長から御説明させていただきますが、お尋ねの埋設箇所については、四国森林管理局が立ち入り及び土壌攪乱行為の禁止措置等を講じ、管理していると伺っています。しかしながら、土佐清水市の埋設箇所のように一度も環境調査が行われていない場所もあり、そのことを不安視する声がありますので、そうした不安を払拭するためにも、四国森林管理局に周辺の水や土壌の調査を行うよう申し入れを行ってまいりたいと、そのように考えております。

 私からは以上でございます。

   (総務部長梶元伸君登壇)



◎総務部長(梶元伸君) 初めに、債権管理について、本県の税外債権の未収金額に係る延滞金、遅延損害金及び違約金の総額についてお尋ねがありました。

 税外債権のうちの公債権に関する延滞金の額は、地方自治法及び高知県税外収入金の延滞金徴収条例に基づき、納期限の翌日から納付日までの期間に応じ、滞納額に滞納期間によって変動する割合を乗じて算定をいたします。税外債権のうちの私債権に関する遅延損害金や違約金の額は、民法や他の法律等または契約に基づき、納期限の翌日から納付日までの期間に応じ、滞納額に一定の割合を乗じて算定いたします。

 このように、延滞金、遅延損害金及び違約金の額は、元金が完済された時点で確定することになります。平成26年度末で56の債権、件数にして1万4,462件に上る税外未収金の延滞金等の額については、まず滞納額に乗じる割合が、債権ごとに滞納期間によって変動するものと変動しない一定のものがあり、さらには滞納期間が1件ごとに異なりますので、正確な総額をお示しすることは困難でございますが、一定の仮定による試算を行うことは可能です。

 平成26年度末の税外未収金について、まず滞納額に乗じる割合については、各債権ごとに、一定の割合のものはその割合を、期間によって変動するものは直近の割合を用いることとし、次に、過去に債権放棄に至った事案における滞納期間が26年だったこと、及び滞納期間が短い税外未収金も含まれることも踏まえ、全ての税外未収金の滞納期間が26年の2分の1の13年であると仮定をして機械的に計算いたしますと、極めて粗い試算でございますが、52億円の元金に対し、70億円程度の延滞金等が生じている計算となります。

 次に、延滞金、遅延損害金及び違約金について、請求等の取り扱いや未収金の処理についてお尋ねがありました。

 延滞金、遅延損害金及び違約金の額については、原則として、元金が完済された時点で所要の算定を行い、法令等の規定により免除や減免するものを除き債務者に請求し、元金同様に徴収することとしております。延滞金等であっても、債権としては元金と変わりませんので、その処理については、債権管理マニュアル等の規定に基づき適切に債権管理する必要があると考えております。

 最後に、職員住宅の入居率の現状認識と今後の見通しについてお尋ねがありました。

 知事部局が所管する県職員住宅は、その時々の需要に応じて整備したものですが、その後、施設の老朽化や職員数の減少、交通事情の改善による通勤圏の拡大等が進んだことから、近年入居者数が減少してきています。このため、入居率が低い職員住宅については、資産の有効活用の観点から、県警など他の任命権者との間で相互利用や所管がえを行うほか、本来の用途に支障がない範囲で、地域振興等のための住宅として市町村にも利用していただいております。

 また、職員の利用の見込みが全く立たない職員住宅については処分を進めてきており、こういった取り組みにより、入居率は8割弱の数字を維持しております。今後も、これらの取り組みをさらに進めることで職員住宅の有効活用を図るとともに、老朽化した職員住宅のうち利便性等の観点から利用価値の高い住宅については、一定の整備を行うことで入居率の上昇につなげてまいりたいと考えております。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) 教職員住宅の入居率の現状についての認識と今後の見通しについてお尋ねがございました。

 教職員住宅の入居率は、平成14年度には87.5%であったものが、最近では75%前後を推移している状況となっております。教職員住宅の入居率が下がっている理由としましては、道路状況がよくなり通勤時間が短縮されたことにより、教職員が学校の近くに居住しなくなったこと、県立学校の校舎の耐震化に最優先に取り組んできたことから老朽化した教職員住宅の耐震化や改修が十分に行えなかったこともあり、教職員が入居を避けることなどがあると考えます。

 しかしながら、日ごろからの地域とのつながりや緊急時などに対応するためには、教職員が学校の近隣に居住することが望ましいと考えておりますので、民間の賃貸住宅が少ない郡部などを中心に、引き続き教職員住宅を確保していく必要があると考えているところでございます。

 そうしたことから、県教育委員会では、今後10年間程度を見通した教職員住宅の整備方針を本年1月に策定しております。その中では、入居者が減少している教職員住宅の現状を踏まえ、各住宅の必要性を検討した上で耐震化や改修等を行うこととし、また使用する見込みのない耐震性のない住宅については、順次売却処分等をすることとしております。こうした方針に沿って取り組んでいくことで、入居率の上昇につなげていきたいと考えております。

   (警察本部長國枝治男君登壇)



◎警察本部長(國枝治男君) 警察職員宿舎の入居率の現状認識と今後の見通しについてお尋ねがありました。

 県警察の宿舎については、議員御指摘のとおり、平成27年5月末現在、管理戸数859戸に対して入居戸数677戸、入居率は78.8%となっております。平成24年度末以降、入居率は増加しており、平成26年度末は82.9%となっているところであります。平成26年度末の非入居率17.1%については、戸数にして約140戸でありますが、これらには、建物の老朽化や未耐震等により解体または売却予定のものや、入居するためには大規模改修が必要なものが含まれており、実際に入居可能な戸数は、県下で約50戸であります。

 年度途中の入居等への対応を考えますと、決して十分な数ではなく、また災害に強い宿舎、Uターン、Iターンを促進するような若手警察官用の宿舎、取扱件数がふえ職員数が増加している警察署の宿舎などは不足しており、県下全体の実態といたしましては、質・量ともに宿舎不足が生じていると認識しております。

 現在、県職員宿舎などに入居させていただいたり、宿舎自体を県警察管理に管理がえをお願いして警察宿舎として利用させていただくなど、必要な宿舎の確保を図っているところであります。

 南海トラフ地震対策や警察署の再編等もあり、警察庁舎施設の新築、改修を優先しているところではありますが、災害発生時等において後顧の憂いなく警察職員が働くことができるよう、災害に強い宿舎の整備等についても引き続き努力してまいりたいと考えております。

 一方、議員御指摘のとおり、地域によっては老朽化した宿舎や入居者のいない不要となった宿舎もあり、地域の要望等も踏まえ、適時適切に整理を行っているところであります。

 土佐清水市内を例にしますと、議員お住まいの地域である土佐清水市汐見町には、平成24年度には警察職員宿舎が4棟ありましたが、これらの宿舎は職員の入居見込みがないため、既に2棟4戸の建物を有効活用に資するべく土佐清水市へ譲渡し、1棟8戸の土地、建物を民間に売却しており、さらに今年度も1棟2戸を売却する予定であります。

 県警察といたしましては、今後とも、老朽化により居住できない宿舎や入居見込みのない宿舎については売却等により整理を行うなどして、保有する職員宿舎の適正管理に努めるとともに、県関係部局等と連携の上、災害に強い警察宿舎の整備や県職員宿舎の借り受け等により、必要な宿舎の確保に努めてまいる所存であります。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) 土佐清水市の国有林内に埋設されている2・4・5T系除草剤を掘削して再調査すべきとのお尋ねがございました。

 2・4・5T系除草剤につきましては、昭和46年に安全性に問題があることがわかり、林野庁は全国の営林局に使用の中止を指示するとともに、廃棄処分の方法などを定めた通達を出しました。各地の営林局では、この通達に従い、埋設処分が行われたところであります。その後、昭和59年5月、愛媛県内において除草剤を缶に入れた状態のまま埋設し、容器が腐食し薬剤が流出していると報道されたことに端を発し、全国的な問題となりました。

 林野庁は、薬剤を缶に入れた状態のまま埋設を行っていた箇所を発掘するとともに、その周辺の水及び土壌調査を行う対処方針を定め、県内では9カ所の埋設箇所のうち、通達どおりコンクリートで固めて埋設していた土佐清水市と発掘調査を地元が希望しなかった1カ所を除いた7カ所で、県も立ち会い、発掘と、水及び土壌中の2・4・5Tの調査を実施したところです。その結果、水については全ての箇所で2・4・5Tが検出されませんでしたが、土壌については3カ所から検出されました。

 林野庁は、環境への影響を詳しく調べるため、昭和59年度に全国29カ所で2次調査を実施いたしました。高知県内では、県の発掘調査により薬剤の流出が確認されなかった3カ所と土佐清水市を除く5カ所について2次調査が行われました。その結果、4カ所から2・4・5Tが、うち3カ所からダイオキシンが検出されました。

 林野庁は、この2次調査による土壌から検出されたダイオキシンの長期的な推移を見るため、埋蔵量が多く、高い濃度のダイオキシンが検出された旧窪川町と、ダイオキシンは検出されなかったものの埋設量が多かった鹿児島県旧上屋久町をモニタリング地点と定め、5年ごとに土壌調査を実施いたしました。その結果、平成11年の調査で、土壌中のダイオキシン濃度は環境基準の範囲内におさまっていることが確認できました。

 林野庁は、この調査結果について専門家の意見も聞いた上で、薬剤は土壌中に埋設されたまま安定状態にあり、埋設処分箇所の立ち入り及び土壌攪乱行為の禁止措置等を行うことが最善であると判断し、埋設処分箇所を適切に保全するよう通知を出し、現在に至っています。

 土佐清水市大岐の埋設につきましては、四万十森林管理署からは、通達に基づいた処理が行われていると聞いております。しかしながら、一度も環境調査が行われていないことを心配する地域住民の声がありますことから、先ほど知事からも申しましたように、まずは四国森林管理局において、掘削も含めた周辺環境の調査の実施と地域住民への十分な説明を行っていただくよう、申し入れをしてまいります。

   (中山間対策・運輸担当理事金谷正文君登壇)



◎中山間対策・運輸担当理事(金谷正文君) LCC誘致活動の現状と見込みについてのお尋ねがありました。

 LCCの国内線は、就航した当初は成田空港や関西国際空港を拠点として新千歳空港など、いわゆる幹線を結ぶ路線を中心に就航しておりましたが、現在では西日本を中心に17の空港にLCC国内路線が開設されており、地方路線への拡大が進められております。

 この間、県としましては、国内のLCC各社を何度も訪問して情報収集を行いますとともに、本県の旅客流動の実績や潜在的な航空需要、観光面の魅力などのデータも提供しながら誘致活動を行ってきたところですが、残念ながら現在のところ、LCCの就航は実現に至っておりません。

 これは、LCCは低価格をセールスポイントとしているがゆえに、安定した需要が見込める収益性の高い路線に経営資源を集中する傾向にある中で、高知龍馬空港の場合は、後背地の人口が少ないこともあって安定・継続的な需要といった点で、先行している路線に比べ厳しい捉え方をされているのが、理由の一つではないかと受けとめているところです。

 本年3月には、国土交通政策研究所によるLCC参入による地域への経済波及効果に関する調査結果が公表され、LCCは地域経済の活性化に寄与するものだということが、広く認知されつつあります。LCCが就航すれば、低廉な移動手段の選択肢がふえ、そのことによって県民の利便性が高まりますし、本県を訪れようとする新たな観光需要の掘り起こしが期待できるものと考えております。

 県としましては、今後とも本県のポテンシャルをアピールしながら、粘り強くLCCの誘致に向けて取り組んでまいりたいと考えております。



◆26番(橋本敏男君) 債権管理について、知事より債権管理適正化指針の策定についての答弁をいただきました。今現在、さまざまな仕組みの中で、整備方針や報告書を取りまとめ、そしてマニュアルも策定をしているので、それを最大限に利用するというような答弁だったというふうに思います。

 債権管理適正化方針は、多分、知事の頭の中にはないのではないかなというふうに今思ったところでございます。でも、債権管理マニュアルというのが策定をされておりまして、債権管理の手続が整理をされれば、積極的に債権の回収を強化するものと徴収を緩和するものに区別がなされ、徴収可能な債権の回収業務に一層集中することが可能となります。

 しかしながら他方では、一部の未収金は、長期間の管理が必要な債権も存在することが想定されます。回収の可能性が全くないか、あるいは極めて回収の可能性が低い未収金か、すなわち不良債権を長期間管理することは、適正で効率的な債権管理という観点からは、私は好ましくないというふうに思っております。法的な手段をとっても回収の見込みのない不良債権の管理は多大な事務管理費の拠出を招くだけで、費用対効果の面からも大きな問題が生じると思います。このような債権を会計上整理するための不納欠損処理については、全庁的な方針が、私はまだ定まっていないのではないかというふうに思っています。調査した限りでは、統一的な処理ができていないように思われます。

 そして、極めて困難な私債権の処理手続は、消滅時効期間が経過しても援用を必要とし、地方自治法第97条第1項第10号の議会議決による債権放棄しか処理方法がなく、また支払い督促などの裁判手続をとっても、異議の申し立てがあれば訴訟の提起とみなされ、どちらの処理も議会議決による手続が必要となります。

 昨日の上田周五議員への総務部長の答弁は、法的措置を含めながら取り組んでいくとのことですから、それを可能とするためには、職員が能動的に動ける仕組みが必要となります。膨大な件数の債権を議会に上程し、債権放棄の議決を得るための手続をとることは得策ではありません。

 地方自治法第180条第1項の規定「普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる」とあり、これは議会において事前に、認められた一定の条件下で債権回収を強化するために訴えの提起の手続や債権放棄の条項を備えた条例−−債権管理条例を制定することで適時の強制執行が可能となり、徴収可能な債権の回収業務へ集中できる効果が期待できると思いますが、知事の所見を求めておきたいと思います。

 総務部長のほうから答弁をいただきました延滞金、遅延損害金、違約金の総額提示については、きちっとした数字は上げられないとのことですが、ある一定仮定をすればということで70億円の数字を示していただきました。確かに元金を期限内に返納していただくのは、当然のことではあります。しかしながら、延滞金、遅延損害金、違約金についても発生すれば立派な県の債権で、県民の財産でありますので、この表に出ない債権ともしっかり向き合っていただきたいと思います。

 また、延滞金、遅延損害金、違約金の請求や徴収の扱いにおける認識についても答弁をいただきました。元金と同じように丁寧に、大事に扱っていきたいという答弁だったというふうに思います。

 しかしながら、行政の保有する公債権や私債権、そして延滞金、遅延損害金、違約金の管理を怠った首長及び職員の責任は、民法第709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とされ、賠償義務を負うことにもなりかねません。

 いま一度、隠れた債権、延滞金や遅延損害金、違約金などの回収に対する取り組みについて、知事の姿勢を求めておきたいと思います。

 それから次に、県職員住宅の有効活用についてであります。

 入居率の現状認識と今後の見通しについて、総務部長、教育長、警察本部長、それぞれ答弁をいただきました。今の現状は、皆さんそれぞれしっかりと把握されているようで、今後の見通しについては適正管理に努めるということがしっかり答弁をなされています。

 県が進めている行政改革の流れの中で、出先機関の統廃合による守備範囲の広域化が進み、モータリゼーションの進展や道路整備による通勤時間の短縮などが加わり、廃合される市町村から県職員が減少、それに伴い、統合前にマックスで建設された職員住宅への入居が減っていくというような状況が生まれ、知事がよく言葉にする人口減少に伴う負の連鎖、負のスパイラルのような現象が起こる環境をつくり出すことになっています。統廃合された地域は、ますます人口減少が進むことになり、このような環境が拡大していくことが予想され、行政財産としての職員住宅の利用が困難になると思われます。

 そこで、知事部局、教育委員会、警察等、それぞれが所管する職員住宅の横断的な管理を行い、整備し、広く県民に開放することで有効的に利活用が図られるのではないかと考えますが、いま一度総務部長の答弁を求めたいと思います。

 次に、2・4・5T枯葉剤についてであります。

 林業振興・環境部長より、土佐清水市に埋設されている2・4・5T枯葉剤の経緯とその歴史について答弁をいただきました。それから、知事からは林野庁に対して、土佐清水市については2・4・5T枯葉剤の埋設箇所の再調査を訴えていくというような話もいただきました。

 10日ぐらい前だったと思いますが、四万十森林管理署長に直接電話をかけ、再調査の依頼をいたしましたが、けんもほろろに私、断られてしまいました。その電話のやりとりの中で、「再調査してください」と私が話をしましたら、「いえ、有識者会議でこの問題についてはちゃんと答えが出ています。攪拌すると危険だから」という話がございました。「そらいかんろ、危険やったら、もっとちゃんとせないかんがやないか」という話をしたところですが、一切取り合ってくれなかったというのが実情でありました。そういうやりとりの経過があったということだけは御認識いただきたいと思います。

 2・4・5T枯葉剤は、林野庁が1970年代に全国54カ所で埋設処分したもので、処分したのは粒剤24トン、乳剤1,835リットルにも上ります。全国の埋設処分した地域から土壌調査や水質調査は無論のこと、枯葉剤撤去の声が上がっています。

 津島町事件で、林野庁が埋設処分箇所の汚染状況を調べてみると−−当時の新聞です。安全とされる基準の100倍のダイオキシンが検出されたと調査結果を発表されました。このうち高知県内で、先ほど部長のほうから話がありましたけれども、ダイオキシンが検出された場所は、四万十町−−旧窪川町、いの町−−旧本川村、四万十市−−旧西土佐村の3地区であります。

 当時の高知営林局は猛毒ダイオキシンを含む2・4・5T枯葉剤の埋設処分箇所の土壌処理対策について、管内の9カ所全部に立入防止柵や立入禁止表示を設置するほか、旧窪川町と旧本川村など、先ほど部長が言われていましたように、5カ所は地表をコンクリートで覆うなどの最終処理を施しました。

 2・4・5T枯葉剤の埋設処分から44年が経過しており、1984年の調査から31年が経過しています。林野庁は、立入禁止の看板を掲げ、有刺鉄線で埋設場所を囲い、31年間にわたる長きの間、定期的に目視することを続けてきました。しかしながら、時は流れ、埋設場所やその周辺のロケーションも大きく変化し、土壌や水質調査の技術も飛躍的に発展してきました。

 この際、林野庁の埋設方法を無視して処理をした8営林署管区内と清水の埋設現場の再調査はもとより、全国で埋設処理された2・4・5T枯葉剤における国の責任を、森林県高知が先頭に立ち訴えていただき、国民の不安を安心に変えるためののろしを上げていただきたいと思うのですが、知事の所見を求めます。

 LCCについては、中山間対策・運輸担当理事の答弁をいただきました。想定どおりの答弁内容でございます。

 高知龍馬空港のカウンターも1つあいていますので、そのカウンターをLCCで埋めることができたらと期待し、誘致活動にエールを送っておきたいと思います。

 2回目の質問を終わります。



◎知事(尾崎正直君) まず、債権管理についてでございます。

 債権管理について、現在私どもとしてどういう考えで行っているかということについてでありますが、先ほど頭に入っていないんじゃないかというお話もあって、その趣旨がよくわかりませんが、債権管理マニュアルで定めておりますように、債権の放棄につきましては、条例で包括的に議会の承認をいただくんではなくて、個別の債権ごとに一つ一つ県議会にお諮りし議決を得る手続が必要と、そういう形での方針をしてきています。

 これはいろいろ考え方がありまして、包括的に対応する場合と個別にやる場合とどちらが丁寧かという問題もあり、これは非常に丁寧さを重視した方針として、今までこういう対応をとってきているということであります。ただ、先ほど来お話にございますように、いかに能率的に処理をしていくのかということもまた観点としては重要な観点だろうと、そのように思います。

 今回調べてみましたところ、債権管理条例を制定している都道府県というのが、だんだんふえてきているのも確かでありまして、そういうところにおいては、一つ一つ議会の議決方式ではなくて、一定、包括的な対応をとるというやり方をしている場合もあります。こういうこと、ぜひ当該自治体が条例制定に至った背景とか運用実態なんかを把握して、今後さらなるその他の対応の方向というのはないもんだろうかということについて、よく勉強をさせていただきたいと、そのように考えております。

 それとあと、先ほど来お話があります延滞金、遅延損害金、違約金、これをしっかりと管理することは当然のことでありまして、こちらについても管理はしっかり行っていきたいと思います。そもそも、こういうものが多量に発生しないようにするためにも、遅延しておるところの元金を太らせないことが非常に大事でありますから、早期の対応を図っていけますように対応していきたいと、そのように考える次第であります。

 そして、2・4・5T系除草剤の問題でありますけれども、ある意味、御指摘はごもっともだと、そのように思います。

 ぜひ、いろいろと全国的にもその他関係箇所もあるということだろうと思いますんで、林野庁に対しまして、しっかり説明責任を果たしてもらいたい。場合によっては、危険性にしっかり対応していく必要があるということを強く申し入れてまいりたいと、そのように思います。



◎総務部長(梶元伸君) 職員住宅の件でございます。

 職員住宅の空き宿舎がある場合は、これまでも必要に応じて、任命者間での所管がえですとか相互利用を行っております。

 多少具体的なことを申し上げますと、知事部局が持っております職員住宅については、平成25年度に2戸を教育委員会に所管がえをいたしておりますし、今年度には80戸を警察本部に所管がえするとともに、44戸を警察本部に御利用いただいておるということであります。また、教育委員会が所管している職員住宅を県警本部に所管がえした例も、平成22年度になりますが、あるというふうに承知しております。

 御指摘のように、横断的な一層の連携をとるということ、大変重要だと思っておりまして、今後はお互いの空き宿舎の情報を任命者間で共有した上で、こういった取り組みをさらに推し進めていきたい、これによりまして職員住宅の一層の活用を図ってまいりたいと考えております。



◆26番(橋本敏男君) 2回目の質問で知事からの答弁をいただきました。2・4・5T枯葉剤についてであります。

 全国の2・4・5T枯葉剤の埋設箇所の再調査を高知県が先頭に立ち、のろしを上げていただきたいという質問に対して、大変ありがたい答弁をいただいたというふうに思っています。

 ただ、先ほど知事のほうからも話がありましたように、相手が国ですので、どういう方向で決定されるのかということが、まずわかりません。そういう状況になったときですが、これはできれば、高知県のその埋設されている箇所の調査を県単独でできないか。森林環境税なんかを使っていただいて何とか、もしそういうときの場合ですが、対応していただけると非常にありがたいというふうに思っています。

 多くの人たちが、2・4・5T枯葉剤の恐怖におびえ、不安を抱えながら暮らしており、早急な対応が、私は求められると思います。

 それから、済みません。議長にお願いなのですが、この問題を議会でも取り上げて、所管の委員会で調査をしていただき、知事ともども林野庁に働きかけていただくことを要請いたしまして、私の全ての質問を終わりたいと思います。



◎知事(尾崎正直君) 先ほど2問目でお話をいただきました点であります。

 2問目のときにおっしゃいましたロケーションがいろいろ変化しているんではないかというところをやはり重視しなければならないのではないかなと、そのように思っています。事が事だけに、いわゆるダイオキシンにかかわることでありますし、場合によっては埋設量の多いところもあるわけでありまして、やはり国において、こういう不安の声があることを率直に受けとめて、しっかり対応していただきたいものだと思いますんで、その点はしっかり申し入れていきたいと思います。

 1つだけ、いろいろ調査することがむしろ危険を招くということのないようにという点には留意をしていかないといけない、そういう専門家のお声をしっかり聞いていかないといけないと思いますが、そういうことも留意していきながら、しっかりと再調査もしてくれということを申し入れていきたいと思います。

 そして、もし国のほうで対応が非常に後ろ向きでありましたときは、森林県高知は環境を大事にしたいと思っておりますから、県単独ででも調査をしたいと、そのように思います。



○副議長(西森雅和君) 暫時休憩いたします。

   午後2時2分休憩

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   午後2時20分再開



○議長(三石文隆君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 3番久保博道君。

   (3番久保博道君登壇)



◆3番(久保博道君) 自由民主党の久保博道でございます。議長のお許しをいただきましたので、順次質問をさせていただきます。

 昨年の10月末まで執行部に在籍をしていましたが、ちょうど8カ月たち、この県議会の議場におきまして、今度は質問をさせていただく立場になりました。とはいえ、大好きな高知をもっともっと住みよく、夢と希望のあふれる県にしたいという思いは、立場が変わりましても全く同じですので、気負わずに執行部に在籍していたときと同様に、自然体で質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど申しましたように、昨年の10月末に退職をしましてから、1日3回のつじ立ちや民間会社の朝礼などでの御挨拶、また後援会活動で多くの御家庭にお伺いする中でいろんな方々とお会いをして、さまざまな御意見やアドバイス、苦情、御要望をいただきました。その中には、私がこれまで県庁在職中に担当しており、よく承知していることもありましたが、余り直接にかかわっていなかったことや全く知らないこともありました。そして、多くの方とお会いをしてお話をする中で、なるほどと思うことや、同じことでも自分とは全く違うお考えもあるのかと、自分の思慮の浅さを恥ずかしく思うこともありました。

 ですから、これから質問を差し上げるのは、私が県民の皆様からお聞きしてきた中で、これはぜひとも執行部の皆様にお尋ねしたいと思うことや、私がふだんから高知県の県勢浮揚のために必要であると思っていることをお尋ねさせていただきたいと思っております。

 まずは、県民の皆様の生活実感についてであります。

 先ほど申しましたように、退職してからこれまでの間、多くの県民、市民の方々の生の声をお聞きしてまいりました。お聞きしたことを簡潔に要約しますと、尾崎知事の取り組みを大いに評価した上で、高知に住んでいることについては不便なことや不安なこともあるが、5月の有効求人倍率の史上最高値0.96倍を見るまでもなく、県民はここに来て、大好きな高知県の将来にこれまで以上の希望を見出し始めているというような感触を受け取りました。そして生の声としましては、県外で働いている子供や孫が高知に帰ってきて就職したくても、残念ながら、なかなか就職先が見つからないとか、高齢のひとり暮らしで将来の生活が不安であるといったようなことが聞こえてきました。

 この背景には、全国にいち早く人口の自然減に陥り高齢化が進展してきたことなどから、高知県の経済が縮小し、またその後の全国の景気回復の波にも乗れなかったという本県の長年にわたる課題があるのかもしれません。いずれにしても、都市圏ほどアベノミクス効果を感じることのできない県民が、まだまだ多くいるのではないかと思います。

 そこで、知事は、現在の大方の県民の皆様が自分たちの生活をどのように捉えていると思うのか、まずお伺いをいたします。

 次に、昨年12月には、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンとその総合戦略が閣議決定されました。2060年に1億人程度の人口を確保する展望を提示した長期ビジョンでは、「人口減少は、「静かなる危機」と呼ばれるように、日々の生活においては実感しづらい。しかし、このまま続けば、人口は急速に減少し、その結果、将来的には経済規模の縮小や生活水準の低下を招き、究極的には国としての持続性すら危うくなる」として、国民の認識の共有が最も重要とした上で、東京一極集中の是正、若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、地域の特性に即した地域課題の解決という、3つを基本的な視点として方向づけしています。

 また、今後5年間の政策目標や施策を整理した総合戦略では、第1に、地方における安定した雇用を創出する、第2に、地方への新しいひとの流れをつくる、第3に、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる、第4に、時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連携するという4つの基本目標を掲げ、地方版の総合戦略を展開していく上で必要と考える支援策を政策パッケージとして掲げています。

 しかし、私は政府のこの地方創生の取り組みを高く評価した上で、あえて言えば、人口減少問題に関する危機意識の割には、この総合戦略の支援策の多くは以前から国が取り組んできたものであり、一番の肝である地方分権に関する記述がほとんどなく、そのことが残念であったというのが率直な私の感想でありました。東京一極集中の要因の一つには、中央に権限や財源が集中する中央集権があります。

 地方創生は、地元の実情をよく知った地域が責任を持って主体的に取り組んでこそ、成果が期待できます。そのためにも、地方に必要な権限の移譲や、それに伴う財源措置を進めるべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いします。

 この地方創生の動きに即応して、知事は積極的な政策提言を展開された結果、集落活動センターなどの中山間地域の活動拠点となる小さな拠点づくりや、CLTの普及に向けた取り組みなどが国の総合戦略に盛り込まれたところです。政策に強く、みずから率先しての行動力に、多くの県民の方々は大変頼もしく感じ、高く評価をされているのではないでしょうか。

 そこで、今後本格的な事業展開を図っていく上で、さらに、より具体的な提言活動を行う必要性が出てくるのではないかと思いますが、現時点でどういうテーマや内容を想定しているのか、知事にお伺いをいたします。

 そして、この3月には、全国に先駆けて県版の総合戦略を策定しました。知事は、産業振興計画をスタートして以来、PDCAサイクルを常に回し、毎年改訂版を作成するなど、より具体的で緻密な計画にしていくことで実効性のある事業の展開につなげ、既にその成果が見えています。こうした産業振興計画の積み上げがあったからこそ、いち早く総合戦略の策定につながったと思います。

 昨年、県が行った県民世論調査では、県が進めている7つの政策のうち、一層力を入れて取り組むべきだと考えるものとして、「経済の活性化」が63.5%と最も高く、その経済の活性化に関して特に力を入れるべき施策としては、「産業を担う人材の育成・確保」が最も高くなっています。また、少子化の要因についても、「経済的な不安や、出会いの場が少なく適当な相手とめぐり合わないため、未婚化・晩婚化が進行している」というのと、「非正規雇用の増加など、所得面を含めた雇用環境が厳しい」という回答が上位の1位、2位を占めています。

 私は、こうした県民の声を踏まえても、産業振興計画の推進を通して県内一円に魅力ある雇用をつくっていくことが本県における地方創生の最大のテーマではないかと思うところですが、知事の御所見をお伺いいたします。

 今後、地方創生の取り組みを本格的に進めていくことになるわけですが、取り組みの真の主役は何といっても市町村だと思います。厳しい環境にある本県の市町村にとって絶好のチャンスですし、活性化の最後のチャンスかもしれないと思って、それぞれの地域の強みを生かし切る取り組みを進めていただきたいと考えるところです。

 そのためには、県としての積極的なサポートは必要ですが、その際に市町村の自主性を伸ばすことに特に心を配らなければならないと思います。このチャンスを生かし切るため、市町村に対してどのように対応されるのか、知事にお伺いをいたします。

 また、県全体の4割を超える人口を抱える高知市においては、県が進めています永国寺キャンパスの整備や高知城歴史博物館の整備、あるいは県市連携による図書館の整備などが着々と進んでおり、郊外においても県内屈指の観光地である桂浜の再開発が検討されるなど、まさに地方創生に取り組む絶好のタイミングではないかと思います。若者が行き交う活気と魅力があるまちとして、また国内外から多くの観光客などが訪れる交流の拠点のまちとして、県都高知市には大変期待がかかるところです。

 一方、中山間地域が多い本県の場合、もちろん県内の各地域地域に応じた規模の人口ダムが重層的に存在することは重要です。そして、その中でも特に、高知市の活性化なくして本県の地方創生は成り立たないのではないかと考えるところですが、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、社会資本整備関連につきましてお尋ねをいたします。

 御存じのとおり、昨年5月に改正公共工事品確法、改正建設業法、改正入札契約適正化法が成立をしました。

 近年、建設投資の急激な減少や受注競争の激化に伴い、ダンピング受注が横行し、それが下請にしわ寄せされ、現場の技能労働者の処遇の悪化を招いてきました。将来の見通しが立たず、他の業種と比べて魅力が乏しいことなどを理由に、建設業界への若者の就職も減少してきています。こうした状況にあって、東日本大震災を見るまでもなく、台風などの災害常襲県であり、今後30年以内に発生する確率が70%から80%と言われています南海トラフ地震対策を初め、待ったなしのインフラの老朽化対策や維持管理など、建設業界が果たす役割は一層増大してきています。建設業界に期待されるこうした役割を発揮することを目的に、これまで業界の疲弊を招く要因にもなったダンピング受注を防止し、将来にわたって公共工事の品質が確保されるよう、志のある若者が建設業界に就職する、いわゆる担い手の確保を新たな目的に据えた公共工事品確法と建設業法、入札契約適正化法をセットにした法改正が行われたところです。

 中でも、2005年に施行された公共工事品確法は、それまでの公共工事の発注は価格のみの競争が主体でしたが、この法律では、価格と品質の両面で競争するという大きな転換が図られ、総合評価方式が本格的に導入されたところです。そして今回の法改正では、法律の目的や基本理念が見直され、発注者の責務が明らかにされ、その上で、発注関係事務の運用に関する指針も示されたところです。

 ここでの発注者とは、土木部長を初めとする本庁幹部から出先の土木事務所の検査や現場を担当している職員の皆様まで、幅が大変広いわけですが、発注者の責務とはどのようなことがあり、そのことにどのように対応しているのか、また今後どう対応しようとしているのか、土木部長にお伺いをいたします。

 また次に、本県の行政と民間の建設関係者は、おくれています社会資本の整備促進に向けて懸命に取り組んでいます。そして、行政と民間が一致協力して同じベクトルの方向に進むべく、土木部長が率先して、みずからさまざまな機会を捉えて情報交換を行い、開かれた土木行政を目指していることを承知しています。

 そこで、現在でも土木部と建設業界は年間を通して意見交換を行っているとお聞きしていますが、現在の状況と今後の展開をどのように考えているのか、土木部長にお伺いをします。

 次に、端境期対策についてお尋ねします。

 このことにつきましては、最近でも本会議場で御答弁をいただいているところですが、建設業界の安定した経営のみならず、関連する資材や交通誘導員等の業界、また計画的な工期を確保することにより、特に若い従業員が求めている週休2日制の実現に密接に関係する重要なことですので、改めてお尋ねいたします。

 御承知のとおり、さきの改正品確法の発注関係事務の運用に関する指針でも、端境期対策として、債務負担行為の積極的な活用や年度当初からの執行の徹底など予算上の工夫や、余裕期間の設定といった契約上の工夫などにより、適正な工期を確保しつつ施工時期の平準化に努めることとうたわれております。

 そこで、ことしの4月から6月にかけての端境期対策の状況について、国庫補助事業と県単独事業に分けて、その実績と効果について土木部長にお伺いをいたします。

 そして次に、ことしの実績を踏まえ、今後の端境期対策の展開をどのように考えているのか、お尋ねします。私は、率直に言って、会計規律を踏まえた上で戦略的な取り組みをすべきではないかと思います。

 国庫補助事業においては翌債制度の、より一歩進んだ積極的な活用、また県単独事業についてはゼロ県債と言われる早期発注の仕組みや発想の転換によっては繰越制度を政策的に活用すべきではないかと思いますが、土木部長にお伺いをいたします。

 次に、中心商店街の活性化についてお尋ねします。

 消費者の購買ニーズの多様化やモータリゼーションの発達に伴い大型店の郊外への積極的な出店が進み、またインターネット等を活用した手軽な販売形態により小売業全体の競争が激化し、本来商店街が持っているコミュニティー機能が急速に失われつつあります。商店街の疲弊とともに地域経済が厳しくなる中、地域におけるにぎわい・交流・憩いの場として、地域の魅力や文化、また情報を発信する中心地としての機能と役割が衰退してきています。

 このため、県では産業振興計画において、そして高知市では中心市街地活性化基本計画において、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を推進しているところです。また、高知商工会議所内にTMO事業推進委員会を設置して、これまでも10年以上にわたり多くの事業に取り組んできています。しかし、そのような取り組みにもかかわらず、中心商店街の商店数や従業員数、年間販売額などは右肩下がりの傾向が続いており、最近でも一等地であるはりまや橋周辺のお土産物屋さんや呉服店の廃業が顕著な例として記憶に新しいところです。

 ただ、近年アーケードや舗装等のさまざまなリニューアルを行い、また商店街みずからが汗をかき、イベントを継続的に積み重ねてきた結果、昨年の12月に行われた歩行者の通行量調査において、平日では4万人台、休日では5万人台の大台を回復して2年連続の増加となっています。

 一方、一般的に言って、人は生活のために仕事があります。そしてその上で、住んでいる町に夢と希望、そして何よりも魅力があってこそ、そこにずっと続けて住みたいと思うのではないでしょうか。

 そこで、このような観点から中心商店街の機能や役割をどのように考えているのか、知事にお伺いをします。

 また、商店街の活性化を考えたとき、地元商店街組合や高知市などと一緒になって取り組んでいく必要がありますが、県として商店街の継続的発展に向けてどのような支援策を用意しているのか、商工労働部長にお伺いをします。

 また、今まさに整備が進められています永国寺キャンパスや高知城歴史博物館、さらには県市連携による図書館などは商店街の活性化に大きなインパクトとなることが期待されます。若者や観光客など新たな人の流れが期待されるだけでなく、例えば学生のフィールドワークとして、また歴史の専門家である学芸員が案内する町歩きを企画するといった取り組みも活性化に一役果たすのではないでしょうか。

 ぜひ、こうした施設の運営に当たっては、商店街の活性化、ひいては高知のまちづくりに資する視点でも取り組んでいただきたいと思いますが、文化生活部長と教育長に御所見をお伺いします。

 次に、よさこい祭りについてお尋ねいたします。

 よさこい祭りは、言うまでもなく、桂浜や高知城、四万十川、また坂本龍馬を初めとする歴史上の人物と並ぶ、本県最大の観光資源の一つであります。

 昨今では、政府のビジット・ジャパン・キャンペーンの効果で国際観光が急速に盛んになってきておりますし、先日も八十八カ所の遍路を核として、四国が外国人観光客の広域観光周遊ルートに国土交通大臣から認定されたばかりです。本県においても国内のみならず、外国からも観光客に来ていただく取り組みを積極的に進めており、その際のキラーコンテンツの一つがよさこい祭りではないかと思います。

 また、一昨年の秋には、よさこい祭振興会と高知商工会議所の連名で高知県知事と高知市長に対して、よさこい祭りを単発のお祭りではなくて総合産業として発展さすために、高知市観光はもとより高知県観光の振興を担う組織が必要であり、現在任意団体である運営母体のよさこい祭振興会の一般財団法人化への提案がなされたところです。その後、関係者の間で1年以上かけて議論をした結果、当面は、現状の組織形態はそのままにした上で、平成28年度からは組織の人的強化をして、その後の状況を見ながら法人化についても検討を重ねていくことになっています。

 そして、その検討をする段階で忘れてはならないことは、よさこい祭りは文字どおり祭りであって、決してイベントではないということです。競演場や演舞場の商店街の皆さんや踊り子の皆さんが、単発のイベントのように主催者の意志に沿って動くのではなく、よさこい祭りという伝統のある祭りに参加して、どうすれば大好きな高知や商店街が盛り上がるのか、自分たちで考え、みずからの意志で行動するのであり、だからこそ熱く燃え上がることができるのです。

 一方、東京オリンピック・パラリンピックは2020年に開催されます。ぜひ、そのオープニングではよさこい鳴子踊りを見たいと思いますが、そう思うのは私だけでしょうか。そんなことを考えていたら、よさこい祭りの運営基盤や情報発信などの強化について、残された時間は余りないのではないかと思います。

 ここで御質問をしたいのですが、総合産業としての将来のよさこい祭りの成功イメージをどのように描いているのか、知事にお伺いをいたします。

 また、よさこい祭振興会については、一旦は増員した上で、現状の組織形態で運営をしていくことになりましたが、それでは知事の描かれた成功イメージを実現することはなかなか難しいのではないかと思います。

 また、よさこい祭りには、踊り子さんと同時に、踊る舞台となります競演場や演舞場が必要です。こちらの商店街の方々は、60年以上にわたってずっとよさこい祭りを支えてこられておりますが、高齢化が進み、マンパワー不足や資金不足で大変に御苦労されています。言うまでもなく、観客と踊り子さんと競演場や演舞場の皆さんが最大限満足できるようなよさこい祭りにしなければならないと思います。

 知事が描かれるその成功イメージを実現する際に、一般財団法人化の必要性や役割をどのようにお考えになっているのか、知事にお伺いをいたします。

 次に、高知城の国宝化についてお尋ねします。

 我々が住んでいます土佐の高知という土地は、中世以来、高知城を中心に発展してきております。まちづくりは、その町の歴史や個性を生かすことが自然であって、高知市内の四方八方から見ることのできる高知城こそが高知の町のシンボルであり、高知の町を特徴づける歴史的な景観と言ってもよいと思います。

 私も子供のころから当たり前のように、そこにある高知城が大好きであり、何となく自慢でもあって、保育園のころから遠足や家族で、また友達同士で誘い合ってよくお城に行ったものです。そして、昨今では歴史ブームということも相まって、老若男女を問わず多くの観光客の方々が、国内からも、そして外国からも訪れています。

 そうした中、ことしの5月15日に文部科学大臣の諮問機関である文化審議会から、松江城を天守閣としては63年ぶりに国宝に指定するよう文部科学大臣に答申があり、近く答申どおりに告示される予定とのことです。そして、松江城が、この答申を引き出すまでには大変な御努力があったとお聞きをしています。

 松江市は、国宝化を目指して国に繰り返し陳情活動を行うと同時に、平成21年には松江城を国宝にする市民の会を発足させ、これまで12万人を超す署名を集めて文化庁に提出しています。また、市役所に松江城国宝化推進室を設置していますし、専門家に依頼して、天守閣の詳細な構造の調査や松江城が建造された経緯の解明を進めてきました。今回、松江城が国宝に指定されますと、国宝に指定されていないお城の天守閣は高知城を含めて7城となります。

 翻って我が高知城を見たとき、現在全国で木造の天守閣が残存している中で、天守閣に本丸御殿が接続しているのは高知城のみでありますし、11の重要文化財指定の建造物が天守閣のある本丸内にあるのです。また、高知城は築城時の詳細な記録も残されていますし、全国のお城の中でも天守閣と追手門がそろって残存しているのは3カ所のみであります。まだまだ高知城ならではの文化的な価値はほかにもありますし、文化庁によると、重要文化財の、残る7つの天守閣に関しても地元で学術的な調査研究が進められており、今後新たに国宝となる天守閣が出てくる可能性はあると述べていますので、学術的な調査研究によって、建築史、美術史上の意義を明らかにすることが重要だと思います。

 申すまでもなく高知城は、昭和9年において一度旧の国宝に指定されていましたが、昭和25年に文化財保護法施行とともに重要文化財に指定されて今日に至っています。高知に住んでいる県民、市民を問わず、高知のファンのほとんどの方々は高知城の国宝化を望んでいると思いますし、何よりも自分たちの住んでいる、ふるさと高知県に誇りを持つことにつながると思います。

 また、高知城の国宝化は、本県の観光振興面におきましても大いにインパクトがあります。テレビやラジオ、インターネット、またパンフレット、リーフレットにおいて、表示や言い方が「高知城」から「国宝高知城」と変わることにより、長期的に見ても高知城への入り込み数は2割から3割増加しますし、高知県全体への観光客の入り込み数も確実に増加すると、旅行会社の造成責任者は力を込めておっしゃっていました。ぜひとも、さきに述べました文化や学術面とあわせて観光振興の観点からも、国宝化を目指していくべきと思います。

 そこで、教育長に高知城の国宝化に向けての現状と課題、そして道筋についてお伺いをいたします。

 次に、牧野植物園についてお尋ねします。

 ANA−−全日空の機内誌「翼の王国」5月号に、牧野富太郎博士と牧野植物園に関する特集記事が18ページにわたって掲載されました。また、ことしの1月24日付の日本経済新聞に、温室のある植物園ランキングが載っておりますが、牧野植物園は全国51カ所の中で第3位に入っております。高知県には、清流四万十川や室戸ジオパークを初めとする雄大な自然や、坂本龍馬を筆頭に日本を動かした歴史上の人物など全国に自慢できるものが多くありますが、「翼の王国」で取り上げられた牧野植物園は、世界の牧野と紹介されておりまして、高知県からアジアに、そして世界に打って出て勝負ができる観光資源の一つだと思います。

 平成11年のリニューアルオープンや平成22年の温室の改築など、これまでも多くの投資をされておりますが、これにもう一押しの投資をすることで、牧野のこのような高い評価をより確かなものにするとともに、外国からのお客様に自信を持ってお薦めできる、アジアを代表する植物園に育て上げることができるのではないかと思います。

 牧野植物園では、平成20年に開催されました花・人・土佐であい博のメーン会場の一つとしてフラワーイベントを実施して以来、春には五台山花絵巻と題して園地を花で彩り、多くの来園者を迎えておりますが、御承知のとおり、現在の園地は若干狭く、フラワーイベントを開催するには現状では限界があると思います。また、かつてのような芝生の広場を子供たちが走り回れる空間もなくなっております。子供たちが一日中遊べる、家族がくつろげる、そしてゆったりと広い空間で国内外からの観光客が四季折々の花を存分に楽しめる、こんな新たな園地が求められているのではないでしょうか。

 また、もっと夜の植物園を活用できないでしょうか。私は、これまでも夜の植物園のイベントにも何度か行きましたし、一昨年開催されましたハワイアンフラワーフェスティバルの夜の温室でのディナーパーティーにも参加させていただきました。今思い出してみても、夜の牧野は幻想的で本当にすばらしい雰囲気でした。現状でも、夜の植物園や観月会などの夜のイベントは単発的に開催されていますが、県外から、外国から、もっとお客さんに来ていただき、また観光ツアーのルートに組み入れてもらうためには、昼の植物園とあわせて夜の植物園を楽しんでいただく機会を、これまで以上にもっとふやすべきではないでしょうか。その上で、夜の植物を観察するという植物園としての本来の役割だけでなく、例えば幻想的な夜の牧野でウエディング、夜の牧野でコンサート、こんなことにも活用できるのではないでしょうか。国際観光の売りになることは間違いないと思います。

 平成30年度が、牧野植物園の開設60周年に当たります。また、2020年の平成32年には、東京オリンピック・パラリンピックに外国から多くの観光客が訪れます。私はこれまでも多くの外国のお客様を牧野に御案内しましたが、異口同音に、こんなすばらしい植物園が高知にあるのかと驚かれます。既に、日本を代表する植物園の一つになっていると思いますが、これからアジアを初め外国に打って出るためには、現状の植物園の質的レベルを上げることはもちろん必要ですが、私が今提案しましたような、新たな2つの取り組みも求められているのではないでしょうか。

 そこで、知事にお尋ねします。多くの外国人観光客を含む次の目標である435万人観光を達成する上で、観光の4番バッターの一つとして牧野植物園をワンランクアップさせる必要があると思いますが、いかがでしょうか。そして、そのための戦略をどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。

 次に、牧野ブランドの商品の開発についてお尋ねします。

 産学官民が連携して、牧野ブランドの商品を開発しようという動きが出ています。牧野博士ゆかりの植物や土佐ゆかりの植物から商品を開発しようとするものです。牧野植物園、高知大学、高知県立大学、高知工科大学及び県工業技術センターが連携をして、有望植物のリストアップ、有効成分分析、機能性評価を行うという、まさに県内3大学オールキャストによる商品開発であり、企業とのマッチングを行った上で、牧野ブランドの機能性食品や化粧品として商品化を目指そうとするものです。このことは牧野植物園の名声、知名度を高め、ひいては本県のステータスを引き上げることにつながると思います。

 商品化に向けては、企業とのマッチングや商品としての磨き上げが必要となってくると思いますので、それらを解決するためにも、4月に設立された産学官民連携センターを活用することが求められるのではないでしょうか。さらに、牧野植物園には、これまで収集した国内外産の豊富な植物資源がありますので、これらの有効活用も含め、牧野ブランド開発の現状をどう認識し、どう推進していこうと考えているのか、知事にお伺いをいたします。

 最後に、英語教育について教育長にお伺いをします。

 県教育委員会では、平成24年3月に高知県教育振興基本計画重点プランを策定し、知・徳・体の各分野で掲げた目標の達成に向けて、力のある学校づくり、心を耕す教育の総合的な推進、縦横のつなぎの強化の3つの柱に基づく取り組みを進めています。こうした中にあって、私が特に注目をしているのが英語教育であります。もっと具体的に言えば、英会話教育です。

 子供たちが、これからの国際社会を生きていく上で、コミュニケーションの手段として英語を使えるようになることに大きな意義があるのは当然でありますが、それだけではなくて、もっと大切なことは、言語習得は異文化への理解を深め、文化交流に役立ち、人間としての視野を広げることにもつながるという点であります。

 小学生が日本語以外にもう一つの言語を学ぶことは、世界に向かってもう一つの窓を大きく開くことになります。小学校で英語を教えることにいろいろと賛否の御意見があることは承知しています。とはいえ、これほど国際化が進む今日、日本語だけを教えていれば済むというものでもないと思います。私は自分自身の経験や周囲を見てきた経験から、子供のころに外国語に触れることには大いに意義があると考えています。

 明治の開国以来、日本人は海外文化を取り入れるために外国語を学んできましたが、今や逆に日本から世界に向けて文化や情報を発信しなければならない時代だと思います。私は、高知県の子供が日本の未来を託すことのできる地球人に成長し、国内外のさまざまな分野で活躍することを期待しています。

 小学校の英語教育はそのための布石であり、国際感覚を養う最初のステップであると思いますが、教育長の御所見をお伺いします。

 また、ことしの3月には、高知県英語教育推進のためのガイドラインを策定し、英語教育推進のための行動指針や具体的な取り組みについて取りまとめられています。

 そこで、小・中・高等学校の英語教育に関するこれまでの取り組みに対する評価と、今後何を重点的に取り組んでいくのか、教育長にお伺いをいたします。

 以上、1問でございます。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 久保議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、県民の皆様が自分たちの生活をどのように捉えていると思うかとのお尋ねがございました。

 景気全般につきましては、お話にありましたように、5月の有効求人倍率が過去最高の0.96倍となり、また今春、県内企業の6割が正社員の賃上げを行い、3割が非正規社員の賃上げを実施したとの民間シンクタンクの調査結果が発表されるなど、総じて雇用・所得環境は着実に改善しつつあり、景気回復に向けた道筋を一定たどっているのではないかと考えております。しかしながら、さまざまな機会を通じて県民の皆様のお話をお聞きする限り、一部に明るい兆しは見られるものの、まだまだ景気回復を実感する状況には至っておらず、そういうことが多くの県民の皆様の受けとめではないかと認識をいたすところです。

 地域地域での生活という面では、全国に先行して人口減少、高齢化が進んでいる中で、高齢者世帯、とりわけ単身世帯の割合が高くなっていることを背景に、将来の生活に不安を持たれている県民の皆様も多くいらっしゃいます。

 例えば、農業や地域活動の担い手が不足している、引退して子供に代を譲りたいが後継ぎがいないので、やめざるを得ないといった後継者不足に対する御不安や、中山間地域では仕事が少ない、医療・介護が十分でないといった中山間地域での生活に対する不安や、あるいは働きながら安心して子育てをしたいが、仕事と子育ての両立がなかなか難しいといった子育てに対する不安など、自分たちの生活に不安を感じている県民の皆様が多くいらっしゃるものと受けとめております。

 こうした県民の皆様の景気に対する実感や、暮らしに対する不安の背景には、長年本県が陥ってきた人口減少による負のスパイラル、この構造的な要因が深くかかわっていると考えております。やはり、この負のスパイラルという構造的な要因は根深いものだというのが私の実感であります。

 今後とも、この負のスパイラルと戦うべく、地産外商を柱とする産業振興計画の推進や、地域の支え合いの力をつくり出そうとする高知型福祉の実現、中山間対策の柱である集落活動センターの普及拡大など、5つの基本政策とそれらに横断的にかかわる2つの政策に積極的に取り組んでまいりたいとの覚悟でございます。

 次に、地方創生を進めるためにも、地方に必要な権限の移譲やそれに伴う財源措置を進めるべきではないかとのお尋ねがございました。

 地方への権限移譲を初めとする地方分権改革につきましては、地域地域の実情が異なることを考えますれば、地域がみずからの発想と創意工夫により、地方創生を図るための基盤になるものだと考えております。

 国におきましては、地方でできることは地方でという地方分権の本旨に基づき、しっかりと財源確保の措置を講じつつ、さらなる事務、権限の移譲や規制緩和などに取り組んでいただきたいと考えるところであります。特に昨年度から導入されました、地方に地方分権改革に関する提案を求める募集につきましては、地方分権改革を新しいステージへと押し上げるものとして期待をしており、本県としましても四国の他県とも連携して提案を行っているところでございます。

 他方、今回、国が進める地方創生の枠組み、とりわけ平成26年度の国の補正予算に盛り込まれた地方創生先行型の交付金につきましては、地方分権の観点からも、私は大変評価をいたしております。一定のカテゴリーはありますものの、対象事業を国が個別に指定して限定するという形ではなくて、地方みずからが計画をつくり、地方の創意工夫を生かした取り組みを、国がバックファイナンスするという仕組みになっておりまして、地方にとって使い勝手のよいものではないかと、そのように思います。

 やや手前みそではありますけれども、高知県として政策提言を徹底して行ってきたことも一助となっているんではないかと考えておりまして、結果、本県であれば産業振興計画を、ほぼこの先行型の交付金でカバーできる形となっております。その意味では、来年度創設されます新型交付金におきましても、ぜひこのスタイルを踏襲していただきたいと考えるところでございます。

 県としましては、引き続き全国知事会などとも連携して政策提言を行うなど積極的に取り組んでまいりたいと、そのように考えているところでございます。

 次に、地方創生に関して、本格的な事業展開を図る上での政策提言のテーマや内容についてお尋ねがございました。

 地方創生の実現に向けまして、本格的な事業展開を図っていくためには、まずは十分な財源の確保が必要であります。そのため県としましても、現在国が検討を進めております新型交付金につきまして、先ほど申し上げましたとおり、地方の恒常的な取り組みにつながりますよう、当初予算に計上しますとともに、先進的な施策や従来の取り組みの隘路に対応する施策に活用できるよう、引き続きしっかりとした制度設計が講じられるよう訴えかけているところであります。

 この我々の提言は、一定、現在国の議論に反映されようとしておりますけれども、まだまだ予断を許さない、そういう状況かと考えておりまして、引き続きの働きかけが大事だと、そのように考えています。加えまして、本年度の地方財政計画で創生されましたまち・ひと・しごと創生事業費、これを継続して確保することも大事であります。十分な一般財源総額を確保できるよう国に訴えかけていきたいと、そのように考えております。

 あわせまして、個別分野での国の制度的な後押しも重要であります。昨年度から、国の総合戦略の基本目標や個別施策について政策提言を重ねてきたところでありまして、平成28年度に向けまして、提言内容をさらに深化させていく必要があると考えております。具体的には、まず国の総合戦略の基本目標であります「地方における安定した雇用を創出する」に関しましては、本県の施設園芸をさらに発展させるための支援の充実や、CLTを推進するための建築物への利用促進の加速化などが必要であり、引き続き国に強く訴えていく必要があります。

 次に、基本目標の「地方への新しい人の流れをつくる」に関しましては、本県がこれまで移住促進の重要性を訴え、個別の施策に関して政策提言を重ねてきたことが実を結び、国の戦略の基本目標に明確に位置づけられました。加えまして、個別の施策に関しましても、一元的な移住相談窓口、移住・交流情報ガーデンの開設や、地方移住に関する情報を発信するポータルサイト「全国移住ナビ」の稼働も実現したところであります。より本格化させていくためのさらなる制度改善についての提言が必要かと考えています。中でも、地方移住を促進する一つの手段としまして、国が検討しております日本版CCRCにつきまして、国の制度設計が本県の実情に即したものとなるよう、積極的な政策提言を行っていきたいと考えております。

 さらに、基本目標の「コンパクトな中心部と小さな拠点との連携により人々のくらしを守る」に関しましては、中山間地域の維持・創生にかかわる柱、目標であります。この点、本県として小さな拠点、これをぜひ応援してもらいたいという政策提言をしてまいりました。一定、この点は実ってきていますけれども、小さな拠点を永続的なものにしていくことは極めて困難な課題であります。しっかり後押しされるよう、今後も政策提言を重ねてまいりたいと、そのように考える次第です。

 以上のように、各般にわたりまして政策提言を行っていくべき事項が多数ございます。本県として、また全国知事会とも連携を図りながら、継続的に機を捉えて政策提言を行ってまいりたいと、そのように考える次第であります。

 次に、産業振興計画の推進を通じて県内一円に魅力ある雇用をつくっていくことが、本県における地方創生の最大のテーマではないかとのお尋ねがございました。

 人口減少による負のスパイラルを克服するためには、本県で生まれ育った若者に県内に残っていただく、さらには県外から新しい人を呼び込んでくることが不可欠であり、地域地域で若者が誇りと志を持って働くことができる、新たな仕事をつくっていくことが極めて重要だと考えております。産業振興計画の目指すところも、まさにそこにあると、そのように考える次第です。

 産業振興計画のこれまでの取り組みによりまして、第1次産業や製造業、観光などの分野で新しい仕事が一定生み出され、地域アクションプランの取り組みでは、この6年間で延べ1,000人を超える雇用を創出したところであります。5月の有効求人倍率が過去最高の0.96倍になるなど、全体としても明るい兆しも見えております。しかしながら、こうした成果があらわれた一方、正社員の求人がまだまだ少ないといった声や、県内に希望する仕事がないといった声もあり、一層の努力が求められる状況だと考えております。さらには、先ほど申し上げた地域アクションプランの取り組みや地産外商の取り組みを、今後継続的に拡大再生産のループに乗せ、雇用を力強く生み出していくという状況まで持っていくためには、担い手不足の壁を乗り越えていかなければならない、そういう新たな課題にも直面していると、そのように考えております。

 今後、地産と外商の取り組みをそれぞれ強化し、さらには担い手の確保対策の強化など、拡大再生産につなげ、一層の雇用拡大を図るべく努力を重ねていきたいと、そのように考えるところでございます。

 次に、地方創生のチャンスを生かし切るため市町村に対してどのように対応するのかについてお尋ねがございました。

 現在、各市町村が策定を進めております総合戦略では、具体的な数値目標の設定や、政策や事業のPDCAサイクルの確立が必要となりますことから、各市町村にはこれまで以上に、将来の進むべき方向性をみずから具体的に考え、責任を持って実行することが求められるものと考えております。同時に、今回実効性のある総合戦略を策定することで、各市町村がそれぞれの強みを生かしながら地域を活性化していく大きなチャンスになるものと考えております。

 産業振興計画では、現在、地域地域の強みを生かした市町村の自主的な発案などに基づく253の地域アクションプランが、県の産業振興推進地域本部のサポートのもとで実行されております。こうしたアクションプランの取り組みにより、先ほど申し上げましたように、これまで延べ1,000人を超える雇用が創出されるなど、市町村の自主的な産業振興の取り組みによる成果も一部にあらわれつつあるところであります。

 県としましても、各市町村がこれまでのこうした取り組みを土台としながら、より自主性を発揮しつつ総合戦略の策定作業を進めることができるよう、地域本部をワンストップの支援窓口に位置づけたところであります。既に地域本部では、外部委員で構成する市町村の総合戦略の検討組織に地域産業振興監が参画するなど、サポートに努めております。これまでの取り組みを通じまして、市町村の個別の事情も十分に承知しております地域本部だからこそ、市町村の自主性を尊重しつつ総合戦略の策定から実行段階まで、一貫したきめ細やかなサポートができるのではないかと考えておりますし、またそれぞれの地域本部はそういうつもりで仕事をしなければならんと、そのように考えております。

 さらに、今回の地方創生という大きなチャンスを生かし切るためには、先ほど申し上げましたように、担い手不足の壁を乗り越えることが極めて重要であります。そのためにも、地域みずからが地域の新たな担い手をつくり出していくということが必要だという思いを、私自身、対話と実行行脚などを通じて、さらに強くしたところであります。このため、地域の皆さんみずからが、さまざまなプロジェクトの担い手を育てる取り組みを進めていただくことを期待しておりますし、県としましても、こうした取り組みを応援する仕組みを検討してまいりたいと、そのように考えているところであります。

 今後も、各市町村が自主性を発揮しながら、今回の地方創生というチャンスを大いに生かすことができるよう、県として積極的にサポートしてまいりたいと、そのように考えております。

 次に、高知市の活性化なくして本県の地方創生は成り立たないのではないかとのお尋ねがありました。

 高知市は、県人口の約4割が集積するとともに、総生産額も県全体の約5割を占めるほか、高度な都市機能も有する県都であり、本県全体の活性化を図っていく上で、高知市の活性化は欠かせないものと考えております。高知市には、県とも積極的に連携協調していただきながら、県全体の活性化に向けて大きな役割を果たしていただきたいと、多くの方が考えておられるのではないかと、そのように思います。

 これまでも県と高知市は、県・市連携会議を定期的に開催し、産業振興を初め南海トラフ地震対策や学力向上対策など幅広い分野で議論を重ね、連携して対策を進めてまいりました。また、高知市中心市街地の活性化に向けて、東西軸エリア活性化プランを県市合同で策定し、PDCAサイクルを通じた進捗管理を行いながら取り組みを進めているところであります。また、このたびの地方創生に関しましても、県と高知市が連携協調して取り組みを進めることは、高知市の活性化だけでなく県全体の活性化にもプラスの効果をもたらしますことから、市の総合戦略の策定を検討する有識者会議のメンバーに地域産業振興監を加えていただくとともに、事務レベルでも綿密な情報交換や意見交換を行っているところであります。

 現在、検討が進んでおります高知市の総合戦略の素案には、地産外商、観光振興等による産業の活性と安定した雇用の創出など、県の総合戦略と方向性を一にした4つの基本目標が設定されております。このうち雇用の創出に関しましては、その基本的な方向として、地産や外商を強化し、その成果を拡大再生産につなげていくという、我々県の総合戦略、産業振興計画と同一の方向性が明記されているところであります。今後、市と県が連携した取り組みを、さらに進めていけるのではないかと期待をいたしております。

 今後、市の総合戦略には、県全体を牽引していくような骨太の施策群も積極的に盛り込んでいかれるものと考えておりますので、県としましても、引き続き市の総合戦略の策定から推進まで積極的にかかわらせていただきまして、連携協調した取り組みを進めてまいりたいと、そのように考える次第でございます。

 次に、中心商店街の機能や役割についてお尋ねがございました。

 中心商店街は、多くの人が働く場であり、お買い物の中心であることはもちろん、イベントや地域の祭りなど、若者から高齢者まで幅広い年代の方々が交流し、かつ地域文化を発信するなど、県民の皆様の生活を支える大きな機能と役割を担っております。

 また、中心商店街は強力な観光資源でもありますし、高齢化の進展や環境問題への対応を踏まえたコンパクトシティーの要請に鑑みても、その役割は大変大きいと考えておるところです。

 県としましても、これまで中心市街地の活性化を重要な施策と考え、東西軸エリア活性化プランや高知市中心市街地活性化基本計画、そして県産業振興計画などで、その中心に位置づけて取り組みを進めてきたところであります。

 その中では、これまで郊外に展開してきた公共施設を中心部に持ってこようとする視点、中心市街地の中に人の集まる魅力的な拠点をつくり上げていこうとする視点、この2点を大事にして施策を進めてまいりました。前者の例が、永国寺キャンパスであり、図書館であり、そして高知城歴史博物館の創設であり、後者の例が、てんこすであり、土佐茶カフェの取り組みなどであると、そのように考えているところであります。

 民間の皆様の中でも、大変頼もしい取り組みが進められておりまして、例えば壱番街商店街や四万十市の天神橋商店街では、それぞれ創意工夫した取り組みを進められており、こうした活動が全国的にも評価され、国の「がんばる商店街30選」に選ばれております。そのほか、さまざまな、内閣総理大臣の賞を受賞された商店街の方々がいらっしゃるわけであります。県としましては、今後も中心商店街の持つ機能と役割を維持・発展させていくため、官民協働でもって地域の核となる中心商店街の振興に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。

 次に、将来のよさこい祭りの成功イメージをどのように描いているのか、また成功イメージを実現する際によさこい祭振興会の一般財団法人化の必要性や役割をどのように考えているのかとのお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。

 よさこい祭りは、商店街の振興を目的に始まったものでありますが、62回という歴史を重ねられる中、全国200を超える地域でよさこいが踊られるなど知名度は高まり、観光を中心に県経済に大きな波及効果をもたらす、まさに総合的なお祭りに成長してまいりました。県といたしましては、今後さらに、国内はもとより広く海外にもよさこい祭りといえば高知というイメージが定着し、国内外からより多くのお客様がよさこいを目的として高知に来ていただけるようになることを期待しているところであります。

 その実現に向けましては、まず8月のよさこい祭り本番が市民の祭りとして、これからも発展していけるよう、踊り子や観光客の皆様の受け入れ体制の充実強化を図ることが必要であります。さらには、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開閉会式への参加も含め、よさこい祭りを日本を代表する祭りとして国内外に大きくPRすることや、高知を訪れた観光客の皆さんに一年を通じてよさこいを体感していただける取り組みも必要だと考えております。このためには、祭り本番を運営しておられますよさこい祭振興会や県、市、高知市観光協会などが、今まで以上に一体となって戦略的に取り組む必要があると考えておりまして、現在、関係機関などが集まり、8月の本番とそれ以外の時期において、参加者、観光客、運営者のそれぞれの視点に立って、よさこいをどうしていくべきかの検討を進めておられるところであります。

 よさこい祭振興会の体制強化に当たりましては、現在の組織形態のまま、来年度は専任職員2名を配置することとなっておりますが、今後こうした議論を進めていく中で、関係者間で目指すべき姿をしっかりと共有し、年間を通じてよさこいを戦略的に活用するという役割を発揮できるよう、一般財団法人の設立の可能性も含め、体制づくりに向けて丁寧に検討を重ねてまいりたいと、そのように考えておるところであります。多くの皆様方の思いのこもったお祭りであります。ぜひ丁寧にしっかりと、皆さんで情報を共有しながら議論を重ねていくことができればと、そのように考えている次第であります。

 次に、牧野植物園を観光施設としてワンランクアップさせるための戦略についてのお尋ねがありました。

 牧野植物園は、植物分類学の父と称される牧野富太郎博士の功績をたたえた博物館としての機能と観光施設としての機能をあわせ持つ、日本トップレベルの研究型植物園として、全国的に高い評価を得ております。牧野植物園では、これまで、研究、教育・普及、憩いの場の3本の柱を戦略の軸に、さまざまな取り組みを進めているところです。

 まず、研究分野では、これまでに収集した標本等の植物資源は国内最大数を誇り、植物園が持つ強力なネットワークを生かした分類研究や有用成分の研究など、国内外で共同研究を推し進めています。

 次に、教育・普及分野では、四国唯一の植物園として、自然体験教室や遠足受け入れ時の学習プログラムの実施のほか、出前授業などにも幅広く対応し、子供から大人まで年間で延べ6,000人を超える参加者に、植物に触れ合う場を提供しているところであります。さらには、大学生や留学生、小中学校の理科教員を対象とした研修の受け入れも積極的に行っており、植物園の教育・普及機能の充実にも力を注いでおります。

 また、憩いの場として、花皿鉢を初めとする春のフラワーイベントや竹林寺と連携をした観月会などの催しを開催するとともに、御指摘の夜の植物園や桜の宵といった五台山の立地を生かした新しい試みを取り入れ、常に新鮮な牧野植物園を演出するよう取り組んでいるところであります。

 このように、国内オンリーワンの植物園としてのさまざまな取り組みが功を奏し、全日空や日本航空の機内誌を初め、テレビなどでも話題として取り上げられるようになってまいりました。一方、平成11年にリニューアルオープンして以来15年が経過をし、平成20年度に開催しました花・人・土佐であい博での20万人を超えた入園者数は減少傾向にあり、新たな魅力を創出するための対策を行っていく時期に来ているのではないかと感じております。

 来年、牧野植物園が指定管理者制度の新たな5年間を迎えるに当たり、これまでの研究、教育・普及、憩いの場の強みにさらなる磨きをかけ、牧野植物園の価値を最大限に発揮できるよう、関係者を初め植物園を利用される研究者や入園者、県民の皆様の御意向も伺いながら、植物園の現行の戦略を生かし、どのようにパワーアップしていくかの検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 最後に、牧野ブランドの開発の現状と今後の進め方についてお尋ねがありました。

 牧野植物園には、国内に限らず、ミャンマーやソロモン諸島で収集した豊富な植物資源があり、これまでも県内外の大学や企業に対して、医薬品や化粧品等に有用な素材を開発する目的で、植物サンプルを提供し共同研究を進めているところであります。

 加えて、昨年5月からは、牧野植物園と県内3大学及び県工業技術センターが協働しまして、牧野博士にゆかりのある有用植物を使って、現在、機能性商品として有望と思われる植物を見きわめるための成分分析や機能性の評価を進めているところでございます。引き続き、成分の安全性や効能について分析をした上で、有望種の見きわめがつきましたら、商品化につなげていく予定であります。

 商品化に当たっては、製造や販売に向けて企業とのマッチングやマーケティングなどを行っていく必要がありますので、その際には、産学官民連携センターココプラやものづくり地産地消・外商センターを活用しながら、牧野植物園が持っている資源の魅力を最大限に生かしたブランド商品に仕上げていきたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) まず、昨年6月に公布された公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる改正品確法における発注者の責務の内容と、それに対する現在及び今後の対応についてお尋ねがありました。

 改正品確法では、現在及び将来の公共工事の品質確保と、その担い手の中長期的な育成、確保の促進が基本理念とされ、その実現のために発注者の責務として、適正な利潤が確保できるよう、市場における労務、資材等の取引価格や施工実態等を的確に反映した予定価格の適正な設定、ダンピング対策として低入札価格調査制度や最低制限価格制度の導入、計画的な発注、適切な工期の設定や適切な設計変更などが明確化されたところです。

 県では、こうした改正の趣旨を踏まえて、設計労務単価や諸経費の改定を国に連動して速やかに行うなど、予定価格の適正な設定に努めてきたほか、本年3月には建設業活性化プランのバージョンアップを行い、翌債等の繰越制度を積極的に活用し端境期における工事量の拡大による発注の平準化や適切な工期の設定、中長期的な担い手の確保に向けた施工能力向上のための技術研修の実施や、業界団体が行う入職・定着促進のための事業に対する支援などにも取り組んでいます。

 今後は、これらの施策の効果についてしっかりと検証を行いながら、さらに効果的な施策の実施に努めるとともに、この2月に発足しました四国地方公共工事品質確保推進協議会高知県部会を活用しながら、国や市町村との連携も進め、県全体として、品確法の趣旨に沿って公共工事が適正に執行されるように努めてまいります。

 次に、土木部と建設業界との意見交換の現在の状況と今後の展開についてお尋ねがありました。

 本年3月に改定した建設業活性化プランに基づく施策など、建設業の活性化に向けた取り組みを実効性のあるものとしていくためには、業界の実態をしっかりと把握した上で、施策を磨き上げていくことが大切であると考えています。このため土木部では、毎年、建設業協会を初めとする建設業関係団体との意見交換を行っています。本年度も6月に建設業協会との意見交換会を開催したところですが、秋ごろには建設業協会各支部との意見交換も行いたいと考えています。

 建設業界からは、県の施策に対してさまざまな御意見をいただいていますが、例えば、「積算の条件が現場実態と乖離しているのではないか」といった現場での対応を求められる御意見もございます。こうした御意見に対しましては、幹部職員だけでなく現場を担当する職員にまで広く情報を共有し、適切に対応ができるように取り組んできたところですが、さらに徹底してまいりたいと考えております。

 今後とも、建設業界との意見交換を通じて、業界との適切で良好な関係を構築していくことで、発注者に求められる責務を果たし、良質な社会資本の整備を推進してまいります。

 次に、ことしの端境期対策の状況について、国庫補助事業と県単独事業の実績と効果についてお尋ねがありました。

 まず、国庫補助事業等につきましては、翌債等の繰越制度を積極的に活用したことにより、土木部が発注した国庫補助事業等の4月末時点での工事量は約101億円で、昨年度と比較して約39億円、率にして62.9%の増となっております。また、同時期の県単独事業の工事量は約10億円となっており、この中には約20年ぶりに導入したゼロ県債による工事約5億5,000万円も含まれております。これらを合わせて、土木部が発注した4月末時点での全体の工事量は約111億円で、昨年度と比較して約36億円、率にしますと48%の増となっています。これは過去5年間で最も大きな工事量であり、近年、土木部の年間発注額が約400億円程度であることから見て、県全体として見た場合の端境期の工事量は十分に確保できたのではないかと考えています。

 しかしながら、6月に高知県建設業協会の会員を対象に実施したアンケート調査では、「受注した工事量が増加するなど端境期対策の効果があった」とする回答は約37%にとどまっており、業者側から見た効果には地域差が出ているといった状況も認められます。端境期対策につきましては、今後さらに多くの事業者の方に効果を実感していただけるよう、継続して取り組んでまいります。

 最後に、繰越制度の政策的な活用等についてお尋ねがありました。

 年度末に多くの工事が終了し、年度当初に工事量が少なくなる端境期が生じることは、建設業者の安定的な経営のみならず、従業員の継続雇用、労働条件の改善の大きな障害となると認識しています。

 このため、来年度に向けましては、本年度の端境期対策の効果を検証し、繰越明許費の計上時期などについて他県の取り組み状況も参考にしながら、引き続き端境期における工事量の確保を目指し、繰越制度やゼロ県債の柔軟な活用、早期発注の徹底や工期の分散化にも努めてまいります。加えて、市町村に対しましても、工事の平準化や発注時期の調整を働きかけ、県全体として端境期の解消に取り組んでまいります。

   (商工労働部長原田悟君登壇)



◎商工労働部長(原田悟君) 商店街の継続的発展に向けた支援策についてお尋ねがありました。

 県では、これまで地域コミュニティーの核でもある商店街の活性化を図るため、中心商店街の皆様や商工会議所などと連携しながら、にぎわいの創出を図るイベントなどへの支援や、空き店舗への出店時の改装費の補助、また新規創業に向けた支援などに取り組んできたところです。こうした取り組み、そして何より商店街の皆様の御努力もあり、高知市中心商店街におきましては昨年12月の調査では歩行者通行量が2年連続で増加し、また空き店舗につきましても、過去最も空き店舗の比率が高かった平成20年から徐々にではありますが、改善をしてきております。

 こういった動きを確かなものにしていくためには、今後さらに、商店街全体のにぎわいの創出と各店舗の魅力向上の両面から取り組んでいく必要があると考えています。そのため、今年度は関係者の皆様の御意見も踏まえ、これまでのにぎわい創出への事業の中に、商店街で子供から高齢者まで多くの方が集い、交流できるイベントなどを助成するメニューを追加し、地域コミュニティーの核である商店街の役割を応援したいと考えています。また、新たな商品やサービスの提供といった経営革新に取り組む既存の店舗に対し、店舗のリニューアル経費などを支援する店舗魅力向上支援事業を新たに創設したところです。

 商店街を取り巻く環境は厳しい中ではありますが、庁内はもとより、まちづくりに関する関係機関とも連携しまして、今後もこうした商店街のにぎわいづくりや店舗の魅力向上に向けた施策に取り組んでまいります。

   (文化生活部長岡崎順子君登壇)



◎文化生活部長(岡崎順子君) 永国寺キャンパスや高知城歴史博物館の運営に当たり、商店街の活性化や高知のまちづくりに資する視点で取り組んではどうかとのお尋ねがありました。

 高知城歴史博物館には、従来からの博物館の機能に加え、地域振興や観光振興への寄与といった機能も持たせることといたしております。既に中心商店街の関係者の皆様や近隣文化施設とも定期的に協議を行っており、中心商店街の活性化にも役立つような事業についても実施をしていきたいと考えております。

 具体的には、中心商店街や高知城のイベントに合わせて閉館時間をおくらせたり、日曜市の開催に合わせて開館時間を早めることで、観光客の利便性や満足度の向上にもつなげてまいります。さらに、城下町を紹介する情報コーナーを設けますとともに、今の町並みと江戸時代の城下町とを比べながら歩くことができる冊子を作成するなど、城下町の雰囲気が味わえる中心市街地全体の魅力を伝えていきたいと考えております。

 また、永国寺キャンパスの整備に伴いまして、これまで以上に多くの学生が中心市街地に集うこととなります。自然と若者を意識した店舗がふえ、商店街の方々と学生との交流が深まる中で、学生の若い感性が商店街の活性化にも相乗効果としてあらわれてくるものと考えています。

 高知県立大学では、既に学生サークル、エスコーターズが中心商店街と連携して、清掃等のボランティア活動を行っていますし、本年度からは全学的に取り組む地域学実習の中で、中心商店街や、はりまや橋小学校区の地域の方々との協働による実習も行われる予定でございます。

 今後、さらにこうした取り組みが広がっていくことを期待していますし、私も機会あるごとに大学と話をしていきたいと考えております。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、新図書館などの運営に当たり、商店街の活性化や高知のまちづくりに資する視点で取り組んではどうかとのお尋ねがございました。

 建設中の新図書館等複合施設は、旧追手前小学校の跡地、高知市中心商店街に立地し、長らく県内には設置されていないプラネタリウムを有する科学館と、205万冊の図書資料を収蔵できる全国有数の規模の図書館などを併設する複合施設で、年間100万人を超える来館者を見込んでおります。また、この複合施設は、整備基本計画において、中心市街地活性化に寄与する施設として位置づけられておりますので、施設の運営に当たって商店街の活性化やまちづくりに資する視点を持つことは、大変重要なことだと考えております。

 このような観点から、新図書館等複合施設の集客力を生かし、例えば土曜夜市の開催時期に合わせプラネタリウムの夜間開館や、商店街マップの配布などによる観光客への情報提供、あるいは商店街が開催する、得する街のゼミナールの教材やチラシをつくる際に図書館の豊富な資料を提供することなど、地元商店街との協働によるさまざまな取り組みが考えられます。このような取り組みなどを通じて、新図書館等複合施設が、地域におけるにぎわい、交流、憩いの場として、また地域の情報を発信する拠点としての機能をより発揮し、中心商店街の活性化やまちづくりに寄与することができるよう、今後、地元商店街などと連携しながら、具体的な取り組みの検討を進めてまいります。

 次に、高知城の国宝化についてお尋ねがございました。

 現在、江戸時代から現存する天守を持つ城は全国に12ありますが、そのうち国宝に指定されている姫路城など4つの城の天守は、おおむね江戸時代初め、1615年に一国一城令がしかれるまでに建造されたものです。これらは、天守の建築技術が大きく発展し、建築様式が確立した時代に建てられたもので、建築史上、我が国を代表する文化財として指定されております。

 今回、新たに文化審議会から国宝指定の答申を受けた松江城については、これまでも他の国宝天守と同時期の古い天守であることが知られていましたが、建築史や歴史学など各分野の専門家の皆さんが長年にわたり、多面的な調査研究を積み重ねてこられた成果に加え、創建時期が1611年であることを示す祈祷札が再発見されたことが、国宝指定の大きな決め手になったものと受けとめております。

 一方、高知城は、1727年の享保の大火で天守を初めほとんどの建物が焼失し、1747年に天守が再建されたことが文献に記録されております。再建された時期が国宝に指定されている天守の建造時期と比べて新しいことに加え、文化庁からは、再建による天守については建築技術、建築史的な研究が進展していないことから学術上の評価が定まっておらず、国宝としての指定のためには、さらに調査研究を深め、価値づけの検討を進めることが必要だとお伺いしております。

 県民の誇りと郷土愛のシンボルである高知城が国宝として指定されることは、県民意識の高揚や観光振興などの面でも大変意義深いものと考えます。このため、今後は専門家の御助言もいただきながら、古文書の掘り起こしや修理記録の検証などの調査研究を通じ、国宝化に向けて、これまで知られてこなかった高知城の文化的価値を明らかにする取り組みを進めていきたいと考えております。

 次に、小学校の英語教育は、高知県の子供が国内外のさまざまな分野で活躍するための布石であり、国際感覚を養う最初のステップであると思うがどうかとのお尋ねがございました。

 急速なグローバル化が進む変化の激しい社会を生き抜くためには、国内の人々にとどまらず、言語や文化の異なる他国の人々とも積極的に対話し、協働していく態度や能力を養うこと、またコミュニケーションツールとしての英語の力を育成することが求められます。

 このような視点に立って子供の発達段階を見ると、特に小学校段階は、言語や文化を体験的に理解し、コミュニケーションを積極的に図ろうとする態度を養うとともに、さらに国際感覚の基盤を培う大切な、また有効な時期でもあります。

 そうしたことから、本県においては、平成32年度からの小学校高学年の英語の教科化なども見据え、昨年度末に、これからの英語教育のあり方を示した、お話にもありました高知県英語教育推進のためのガイドラインを策定いたしました。その中では、小学校英語の研究校を指定して、学習内容や指導方法、評価についての研究を進めていくことや、小学校英語を推進する中核教員を育成することなどに取り組むこととしており、これらを着実に進めることで、小学校段階からの英語教育の充実を図ってまいります。

 最後に、小・中・高等学校の英語教育に関するこれまでの取り組みに対する評価と、今後何を重点的に取り組んでいくのかについてお尋ねがございました。

 これまで、教育振興基本計画重点プランに基づき、教員の指導力向上や生徒の英語運用能力の向上を図るため、英語の教材や指導資料集の作成・活用の促進、英語担当教員の指導力向上のための研修、指定校を軸とした研究とその成果の普及などを行ってまいりました。その結果、教員の授業改善への意識改革が進むとともに、研究指定校での研究成果を取り入れ、指導力の向上に組織的に取り組む学校もふえてきております。

 しかしながら、まだ小・中・高等学校ともに児童生徒の英語への学習意欲が低く、中学校、高等学校においては、聞く、話す、読む、書くという英語の4技能のうち、特に書くことが十分でないといった課題も見られております。また、英語担当教員の指導方法にも、まだまだ課題があるのではないかと考えております。

 こういった課題を解決するためには、小・中・高等学校を通じた英語教育全体の抜本的充実を図ることが必要であり、そのため先ほど申し上げましたガイドラインを作成し、児童生徒の英語力、英語学習へのモチベーションの向上や、教員の英語力や指導力の向上を柱として取り組んでいくこととしております。

 今後の重点的な取り組みといたしましては、言語活動を充実させることでコミュニケーション能力を育成することや、英語を使って何ができるようになるかという観点から、生徒に求められる英語力を身につけるための学習到達目標をCAN−DOリストの形で具体的に設定することにより、目標設定とそれを達成するための指導、さらにその評価のサイクルをつくることで授業改善を行うこと、研究開発校を指定し、小学校英語の教科化を見据えた小・中・高等学校の系統的な教育課程を研究することなどに、重点的に取り組んでまいります。

 今後とも、小学校における英語の教科化の動向などを見据えながら、ガイドラインに基づき必要な英語運用能力を身につけさせることで、高知県教育振興基本計画の教育理念にもうたわれております、世界に羽ばたく子供たちの育成に努めてまいります。



◆3番(久保博道君) それぞれに御丁寧、そしてまた前向きの御答弁をどうもありがとうございました。

 御答弁によりましては、2問、3問というふうなことも、少しお願いをしようかと思っておりましたけれども、要請にかえさせていただきたいと思います。

 まず1つ目は、端境期対策でございますけれども、本当に前向きの御答弁をありがとうございました。私、端境期対策は主に、自分自身も勉強不足でしたけれども、建設関係の会社の方の経営の安定ということがすごく頭にあったんですけれども、いろんな方とお話をする中で、特に若い従業員の方なんかから、端境期が工期に入ることによって、きちっと適切な工期を確保する、それがまた週休2日制の実現につながっていく、それが若い職員の方の採用、そして若い職員の方が根づくということになるというふうなことをお聞きしまして、ぜひこれは端境期対策をお願いしようというふうなことで御質問をさせていただきましたけれども、前向きの御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 特に翌債につきましては、現在、9月議会、12月議会で議案として御承認をいただいていますけれども、そういうのも少しまた、前もってというふうなことなんかもお願いできたらと思います。

 そしてもう一つは、高知城の国宝化でございますけれども、これにつきましても、私自身も、現在の高知城は一度焼失をしまして1700年代に再度建築をして、少し新しいというふうなことは承知をしております。そこにつきましても、先ほど教育長のほうから現在の、再度の建築についての調査をきっちりとやっていって文化的、そして学術的な価値、その調査をしていくというふうなことの御答弁がありましたので、ぜひ、それにつきましてはよろしくお願いします。

 私自身も、先ほど言いましたように、そちらの席に座っておりましたけれども、今回こちらの席になりました。この4年間、一生懸命高知県のために頑張りますんで、どうかよろしくお願いします。

 以上で一切の質問を終わります。(拍手)



○議長(三石文隆君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。

 明3日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。

   午後3時47分散会