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平成27年  2月 定例会(第330回) 03月02日−02号




平成27年  2月 定例会(第330回) − 03月02日−02号







平成27年  2月 定例会(第330回)



        平成27年3月2日(月曜日) 開議第2日

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出席議員

       1番  金子繁昌君

       2番  加藤 漠君

       3番  川井喜久博君

       4番  坂本孝幸君

       5番  西内 健君

       6番  西内隆純君

       8番  明神健夫君

       9番  依光晃一郎君

       10番  梶原大介君

       11番  桑名龍吾君

       12番  佐竹紀夫君

       13番  中西 哲君

       14番  三石文隆君

       15番  森田英二君

       16番  武石利彦君

       17番  浜田英宏君

       18番  樋口秀洋君

       19番  溝渕健夫君

       20番  土森正典君

       21番  西森潮三君

       24番  ふぁーまー土居君

       25番  横山浩一君

       26番  上田周五君

       27番  中内桂郎君

       28番  西森雅和君

       29番  黒岩正好君

       30番  池脇純一君

       31番  高橋 徹君

       33番  坂本茂雄君

       34番  田村輝雄君

       35番  岡本和也君

       36番  中根佐知君

       37番  吉良富彦君

       38番  米田 稔君

       39番  塚地佐智君

欠席議員

       7番  弘田兼一君

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説明のため出席した者

  知事         尾崎正直君

  副知事        岩城孝章君

  総務部長       小谷 敦君

  危機管理部長     野々村 毅君

  健康政策部長     山本 治君

  地域福祉部長     井奥和男君

  文化生活部長     岡崎順子君

  産業振興推進部長   中澤一眞君

  理事(中山間対策・運輸担当)

             金谷正文君

  商工労働部長     原田 悟君

  観光振興部長     伊藤博明君

  農業振興部長     味元 毅君

  林業振興・環境部長  大野靖紀君

  水産振興部長     松尾晋次君

  土木部長       奥谷 正君

  会計管理者      大原充雄君

  公営企業局長     岡林美津夫君

  教育委員長      小島一久君

  教育長        田村壮児君

  人事委員長      秋元厚志君

  人事委員会事務局長  福島寛隆君

  公安委員長      島田京子君

  警察本部長      國枝治男君

  代表監査委員     朝日満夫君

  監査委員事務局長   吉村和久君

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事務局職員出席者

  事務局長       浜口真人君

  事務局次長      中島喜久夫君

  議事課長       楠瀬 誠君

  政策調査課長     西森達也君

  議事課長補佐     小松一夫君

  主任         沖 淑子君

  主事         溝渕夕騎君

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議事日程(第2号)

   平成27年3月2日午前10時開議

第1

 第1号 平成27年度高知県一般会計予算

 第2号 平成27年度高知県収入証紙等管理特別会計予算

 第3号 平成27年度高知県給与等集中管理特別会計予算

 第4号 平成27年度高知県旅費集中管理特別会計予算

 第5号 平成27年度高知県用品等調達特別会計予算

 第6号 平成27年度高知県会計事務集中管理特別会計予算

 第7号 平成27年度高知県県債管理特別会計予算

 第8号 平成27年度高知県土地取得事業特別会計予算

 第9号 平成27年度高知県災害救助基金特別会計予算

 第10号 平成27年度高知県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算

 第11号 平成27年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計予算

 第12号 平成27年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計予算

 第13号 平成27年度高知県農業改良資金助成事業特別会計予算

 第14号 平成27年度高知県県営林事業特別会計予算

 第15号 平成27年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計予算

 第16号 平成27年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計予算

 第17号 平成27年度高知県流域下水道事業特別会計予算

 第18号 平成27年度高知県港湾整備事業特別会計予算

 第19号 平成27年度高知県高等学校等奨学金特別会計予算

 第20号 平成27年度高知県電気事業会計予算

 第21号 平成27年度高知県工業用水道事業会計予算

 第22号 平成27年度高知県病院事業会計予算

 第23号 平成26年度高知県一般会計補正予算

 第24号 平成26年度高知県収入証紙等管理特別会計補正予算

 第25号 平成26年度高知県用品等調達特別会計補正予算

 第26号 平成26年度高知県会計事務集中管理特別会計補正予算

 第27号 平成26年度高知県県債管理特別会計補正予算

 第28号 平成26年度高知県災害救助基金特別会計補正予算

 第29号 平成26年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計補正予算

 第30号 平成26年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計補正予算

 第31号 平成26年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算

 第32号 平成26年度高知県農業改良資金助成事業特別会計補正予算

 第33号 平成26年度高知県県営林事業特別会計補正予算

 第34号 平成26年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計補正予算

 第35号 平成26年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算

 第36号 平成26年度高知県港湾整備事業特別会計補正予算

 第37号 平成26年度高知県高等学校等奨学金特別会計補正予算

 第38号 平成26年度高知県病院事業会計補正予算

 第39号 高知県民生委員定数条例議案

 第40号 高知県産学官民連携センターの設置及び管理に関する条例議案

 第41号 高知県立林業学校の設置及び管理に関する条例議案

 第42号 教育長の職務に専念する義務の特例に関する条例議案

 第43号 高知県情報公開条例及び高知県個人情報保護条例の一部を改正する条例議案

 第44号 高知県行政手続条例の一部を改正する条例議案

 第45号 高知県手数料徴収条例及び高知県食品衛生法施行条例の一部を改正する条例議案

 第46号 知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案

 第47号 知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案

 第48号 地方自治法第203条の2に規定する者の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例議案

 第49号 高知県特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例議案

 第50号 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例議案

 第51号 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案

 第52号 恩給並びに他の地方公共団体の退職年金及び退職一時金の基礎となるべき在職期間と職員の退隠料等の基礎となるべき在職期間との通算に関する条例の一部を改正する条例議案

 第53号 知事、副知事及び教育長の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案

 第54号 高知県税条例の一部を改正する条例議案

 第55号 高知県調理師法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案

 第56号 高知県看護師等養成奨学金貸付け条例及び高知県助産師緊急確保対策奨学金貸付け条例の一部を改正する条例議案

 第57号 高知県医療施設耐震化臨時特例基金条例の一部を改正する条例議案

 第58号 高知県の事務処理の特例に関する条例及び高知県四万十川の保全及び流域の振興に関する基本条例の一部を改正する条例議案

 第59号 高知県介護保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例議案

 第60号 高知県特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案

 第61号 高知県指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第62号 高知県指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営等に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第63号 高知県介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案

 第64号 高知県指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案

 第65号 高知県指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第66号 高知県指定障害児通所支援事業者等が行う障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第67号 高知県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第68号 高知県立高等技術学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第69号 高知県森林整備加速化・林業再生基金条例の一部を改正する条例議案

 第70号 高知県宅地建物取引業法関係手数料徴収条例の一部を改正する条例議案

 第71号 高知県建築基準法施行条例の一部を改正する条例議案

 第72号 高知県公営企業の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案

 第73号 高知県教育委員会委員定数条例の一部を改正する条例議案

 第74号 教育長の勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例議案

 第75号 公立学校職員の勤務時間、休日及び休暇に関する条例の一部を改正する条例議案

 第76号 高知県警察の設置及び定員に関する条例の一部を改正する条例議案

 第77号 高知県警察手数料徴収条例の一部を改正する条例議案

 第78号 高知県理学療法士養成奨学金貸与条例を廃止する条例議案

 第79号 高知県立塩見記念青少年プラザの指定管理者の指定に関する議案

 第80号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案

 第81号 県が行う土地改良事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案

 第82号 県が行う土木その他の建設事業に対する市町村の負担の一部変更に関する議案

 第83号 県が行う流域下水道の維持管理に要する費用に対する市の負担の変更に関する議案

 第84号 包括外部監査契約の締結に関する議案

 第85号 国道439号社会資本整備総合交付金

     (木屋ヶ内トンネル)工事請負契約の締結に関する議案

 第86号 高知県公立大学法人がその業務に関して徴収する料金の上限の変更の認可に関する議案

 第87号 高知県の事務処理の特例に関する条例等の一部を改正する条例議案

第2 一般質問

   (3人)

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   午前10時開議



○議長(浜田英宏君) これより本日の会議を開きます。

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△諸般の報告



○議長(浜田英宏君) 御報告いたします。

 議員弘田兼一君から、病気のため本日の会議を欠席したい旨届け出がありました。

 次に、去る2月23日に組織されました予算委員会から、委員長に西森潮三君、副委員長に溝渕健夫君をそれぞれ互選した旨通知がありましたので御報告いたします。

 なお、予算委員会の構成につきましては、お手元に名簿をお配りいたしてありますので御了承願います。

 次に、第46号議案、第47号議案、第50号議案から第53号議案まで、第74号議案及び第75号議案、以上8件の議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会に意見を求めてありましたところ、第46号議案、第47号議案、第53号議案及び第74号議案については、特に異議がない旨、また第50号議案から第52号議案まで及び第75号議案については、法律の改正に伴うもの及び法律の改正の趣旨を考慮したもの等であり、適当であると判断する旨の回答書が提出されました。その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。

   〔予算委員名簿、人事委員会回答書 それぞれ巻末309、310ページに掲載〕

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△質疑並びに一般質問



○議長(浜田英宏君) これより日程に入ります。

 日程第1、第1号「平成27年度高知県一般会計予算」から第87号「高知県の事務処理の特例に関する条例等の一部を改正する条例議案」まで、以上87件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。

 13番中西哲君。

   (13番中西哲君登壇)



◆13番(中西哲君) おはようございます。私は、自民党を代表して、知事以下執行部の皆さんに質問を行います。

 初めに、知事の政治姿勢について、財政問題についてでございます。

 提案理由の説明の中で、臨時財政対策債を除く来年度末の県債残高が本年度末の5,017億円から21億円減の4,996億円と見込まれ、21年ぶりに5,000億円を下回る見込みであるとともに、来年度末の財政調整的な基金残高についても昨年9月時点での推計を54億円程度上回る213億円程度を確保できる見通しとなったとの報告がありました。

 尾崎知事は就任以来、対話と実行座談会を開催して県内各地で県民の意見を聞き、それを県政に反映する県政運営を進めてきました。その中心となったのが高知県産業振興計画でありました。その産業振興計画で、1次産業、観光産業の振興、そして地産外商で積極的な事業展開を図り、その成果で県内経済も明るい話題が聞かれる中で、財政健全化に大きく前進したことに対し、尾崎知事を初め県庁職員の御努力に対して敬意を表します。

 提案理由の説明の中で、平成27年度予算編成に当たっては、各分野において限られた財源で最大限の事業を実施できるよう知恵を絞り工夫を徹底いたしましたと、事業のスクラップ・アンド・ビルドをより積極的に促したなどの説明が出てきましたが、この成果を上げた要因について、知事にお聞きします。

 次に、地方創生についてお伺いいたします。

 日本は世界に先駆けて人口減少・超高齢化社会を迎えており、こうした待ったなしの構造的な課題に対して、地方創生に真正面から取り組み、答えを出していかなければなりません。このため、国においては昨年、まち・ひと・しごと創生法を制定するとともに、地方の意見を踏まえて昨年12月27日にまち・ひと・しごと創生総合戦略を閣議決定しました。そこでは、1、自立性、2、将来性、3、地域性、4、直接性、5、結果重視という5つの政策原則に基づき施策を展開することを基本としており、2020年に向けての5カ年戦略の中の政策パッケージでは、若者雇用の創出数や地方への人材還流など、多くの具体的な数値目標が掲げられております。

 地方創生については、尾崎知事は6年前から高知県産業振興計画を策定して取り組んでおり、いわば地方創生の先進県であります。石破大臣が強調していた、5カ年の戦略を策定、実行する体制を整え、進捗についてアウトカム指標を原則とした重要業績評価指標で検証し、PDCAサイクルを継続的に行うことによって改善していく仕組みは、尾崎知事が数年前から産業振興計画の実施に当たり強調しているものであります。

 国の2014年度補正予算案では、政策パッケージの中で、地方自治体が人口減少対策に充てる地方創生分の新交付金の対象例に、中山間地域で福祉や買い物などの機能を集約する小さな拠点の形成など、高知県の提案事業が明記されました。また、地方への移住希望者の相談にワンストップで対応する窓口新設、CLTによる林業再生なども各省の事業に盛り込まれたと聞いております。これらは、尾崎知事が、この総合戦略の構想が始まる当初からいち早く担当省庁を訪れ政策提案を繰り返してきた成果でしょう。

 このうち、小さな拠点の形成は、本県の集落活動センターの取り組みであり、県としては中山間対策の柱の一つとして位置づけているとのことであり、大いに進めてもらいたいと考えますが、サービスや機能面の充実、取り組みとしての広がりといった面では、まだ工夫、改善の余地があるように思います。今後どのように取り組んでいくお考えか、知事にお聞きします。

 また、県や市町村には、仕事がつくられ、人を呼び、町が活力を取り戻すための総合戦略の策定と実践が求められておりますが、こうした動きに県としてはどういった方針、スケジュール感でもって対処していくお考えか、あわせて知事にお聞きします。

 次に、産業振興計画の今後の展開についてお聞きします。

 尾崎知事の提唱した産業振興計画も6年目が終わろうとしております。私が特に注目したのは地産外商公社の成果です。初年度の平成21年度の成約件数は178件でしたが、それが平成25年度には3,333件と18倍以上にふえ、今年度も昨年11月末で1,716件と、前年同時期よりも400件ほどふえております。また、成約金額も、平成23年度の約3億4,000万円から平成25年度には12億3,000万円と4倍近くにふえております。また、高知県の製造品出荷額等は、平成24年度の4,944億円から平成25年度の速報値は5,217億円へと約272億円の増加となっておりますが、これも産業振興計画の成果ではないかと思っております。

 ことし1月末の第2回高知県産業振興計画フォローアップ委員会で示された改定案では、「これまでの産業振興計画の取り組みの積み重ねを土台に、第2期計画の総仕上げである第2期計画ver.4は「地産」「外商」をさらにパワーアップさせ、4年後の数値目標の達成はもとより、さらにその先の高い次元のステージを目指す」、そして外商の強化では、外商活動の全国展開の強化や輸出振興の本格化、400万人観光の定着と国際観光の抜本強化が、また地産の強化では、新技術の導入による第1次産業のステージアップ、本県の強みである紙産業のさらなる競争力強化、産学官民連携によるイノベーションの創出がうたわれており、それらを実現することによって取り組みの成果を拡大再生産へ向け、人財確保・事業承継の取り組み強化、地産外商の成果をさらなる雇用の増加へつなげる計画を立てております。

 知事は、これまでの産業振興計画の取り組みをどう分析した上で来年度以降の計画を立て、それを実現するための手法を考えているのか、お聞きいたします。

 次に、危機管理部長にお聞きします。応急期機能配置計画の策定について。

 来年度は、第2期南海トラフ地震対策行動計画の最終年度であり、ここ2年間で地震津波対策が進んでいることを実感しております。

 知事の提案理由説明の中で、命をつなぐための応急期の対策については、まだ不足している避難所について地域地域でその確保対策をしっかりと進めていくと書かれてありますが、私の地元宿毛市では、多くの小中学校が津波被害を受けて避難所として使えないという事態が生じると予想されておりますが、その対策がまだ不十分であると思っております。津波被害を受けるであろう地域で、高台に学校や集会所などの施設がない地域があり、地域住民からは集会所などの高台移転を求める声がありますが、市町村の財政事情等でなかなか実現しないところがあります。

 市町村の管轄ではありますが、県として市町村と連携して地域住民の要望を実現することにどう取り組まれるおつもりか、危機管理部長にお聞きします。

 次に、発災後一番必要となるのが、被害者の遺体検案・安置所と仮埋葬の候補地でしょう。岩手、宮城両県でお話を聞いた際にも、とりわけ仮埋葬地の確保に御苦労されたとのお話でした。高知市は現状でも火葬場が不足しており、発災後は確実に仮埋葬地が必要になると思います。

 県では、平成26年度は中土佐町をモデルとして、地震発生後に必要となるさまざまな機能の配置について計画づくりを進めているとのことでありますが、その中で遺体検案・安置所と仮埋葬の機能の確保についてどのように考えているのか、危機管理部長にお聞きします。

 次に、福祉行政についてお聞きします。住まいの整備などによる包括的なネットワークづくりについて。

 本県においては、高齢者のひとり暮らし世帯は、平成27年度の推計5万2,771世帯から10年後は5万5,177世帯に急増すると想定されています。それに加えて、本県においては低所得者が多いという特徴があります。

 そのような状況の中で、国の政策で県内の全市町村が、平成29年4月までに、訪問介護や通所介護などの予防給付を地域支援事業へと移行を開始するとのことであります。ところが、本県においては都市圏と違って、地域支援事業に手を挙げる新たなNPO法人などのサービス提供主体が少ないという現状があります。

 そのため、県では来年度から、配慮が必要な高齢者向け住まいの整備に取り組む市町村などを支援することとしておりますが、介護保険制度の見直しに伴う新しい地域支援事業への対応の視点も含めて、その目的と狙いなどについて地域福祉部長にお聞きします。

 次に、福祉・介護分野の人材確保対策についてであります。

 福祉・介護分野の報酬については、政府が約1万2,000円の報酬アップを決める一方で、介護施設の内部留保が多過ぎることに対する対策として、介護報酬全体でマイナス2.27%の減額となりました。

 高齢化比率の日本一高い本県にとっては、介護・福祉分野の人材確保は大変重要な施策です。福祉・介護分野への就職は、平成24年のデータでは、ハローワークを通じてが2,613人と全体の92%を占め、それ以外では福祉人材センター、介護福祉士養成学校、県立学校卒業生となっております。県では来年度事業において、福祉就職フェア、就職支援セミナーの開催や介護福祉士資格取得データ等の活用による働きかけなどを行い、新規就業者や復職希望者などの積極的な採用に取り組むと聞いております。

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年までに本県で必要となる介護人材の需給見通しはどうなっているのか、また今後の介護人材の確保対策を進める上での課題と、それを踏まえた来年度からの取り組み等について、あわせて地域福祉部長にお聞きします。

 次に、少子化対策についてであります。

 尾崎知事は2年前から、全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームのチームリーダーとして少子化対策に積極的に取り組んでまいりました。

 国においては、平成27年度の政府予算案及び成立した平成26年度補正予算において、人口減少の克服に向けた少子化対策の関連予算が大幅に拡充されることとなりましたが、これまでの国への政策提言活動などを踏まえた知事の認識についてお聞きします。

 次に、県ではこれまで、未婚化、晩婚化の対策として、市町村の主催する出会いのきっかけとなるイベントへの助成や県主催の出会いのきっかけ交流会などを開催して、適齢の男女が出会う機会をふやす事業に積極的に取り組んできました。その結果、出会いの機会はふえてきたが、社会全体での結婚の機運の醸成が必要であるとか、独身者の多様なニーズに応えるイベントが不足しているとか、出会いから交際、結婚につなげるための工夫やきめ細かな支援が必要であるとの課題があると分析しております。

 そして、その対策として来年度は、結婚の機運の醸成や出会いの機会の充実、拡大、そして独身者に対するきめ細かな支援の充実などの、結婚を希望する独身者の実情に沿った総合的な支援策をとると聞いておりますが、少子化対策の抜本強化に向けた本県における来年度の具体的な取り組みについて、地域福祉部長にお聞きします。

 次に、産学官民連携センターについてお聞きします。

 ことし4月に、社会に貢献する知の拠点として新たにオープンする永国寺キャンパスに、産学官民連携センターが開設されることになりました。このセンターは、産業振興のための大きな起爆剤になるものであり、今回の産業振興計画バージョンアップの改定ポイントにも挙げられているものであります。私は、新たなチャレンジを続ける知事の取り組み姿勢には大いに賛同するもので、しっかり取り組んでぜひ大きな成果につなげていただきたいと思うものであります。

 一方、これまでの産学官民連携の取り組みを見てみますと、各大学においても地域と連携して産業振興や地域振興に取り組んできたという経過があります。例えば高知工科大学においても、これまでに産学官民で研究開発を行ってきており、成果につながったものもありますが、残念ながら現状では大きな産業が生み出されているとは言いがたい状況ではないかと感じております。

 そこで、今回のセンターが起爆剤となって大いに産業振興につながることを期待するものでありますが、今回のセンターにどのような機能を持たせ、どのように活用して産業振興に結びつけようと考えているのか、知事にお聞きします。

 さて、来月にはいよいよ高知県公立大学法人と公立大学法人高知工科大学の2つの法人が統合し、新たな高知県公立大学法人としてスタートを切ることになります。また、永国寺キャンパスは、新しく6階建ての立派な教育研究棟も今月末には完成し、高知工科大学から既存のマネジメント学部を改組拡充した経済・マネジメント学群の学生を招き入れ、個性、風土が異なる2つの大学の学生がともに学び集う新しい試みも始まります。

 2つの大学の学生が同じキャンパスで学ぶことによりお互い大いに刺激し合い、教育・研究面を初め、大学間の学生、教員の交流がより促進され、それぞれ大学の活性化につなげていただきたいと思いますし、別の側面から見れば、香美市から高知工科大学の学生が300人以上移ってくることで多くの若者が高知市中心市街地に集まることとなりますことから、中心商店街などの地域の活性化にも寄与することも大いに期待するところです。また、地方創生における地方への新しい人の流れをつくる取り組みとして、地方大学への進学、地元企業への就職を積極的に促進していくことが求められており、ぜひ今回の入学定員の拡充や学びの拡充を初めとする大学改革により若者の地元定着に大きな効果を出していただきたいと思います。

 高知工科大学の経済・マネジメント学群については、設置の議論があった当時、学生が集められるのかという心配もありましたが、永国寺キャンパスでスタートする両大学の平成27年度入学生に係る一般試験の志願状況及び県内高校生の推薦枠の状況がどうなっているのか、また今後学生が地元に定着してもらうためにどういった取り組みを行っていこうと考えているのか、文化生活部長にお聞きします。

 次に、中山間対策・運輸担当理事にお聞きします。広域的バス路線の維持・確保に向けた取り組みについて。

 これまで、国庫補助路線の維持に関する国、県、市町村の経費負担割合はほぼ均衡してきましたが、平成19年以後だんだんと市町村の負担割合がふえ続け、平成25年度には倍近い負担率となりました。この現状に鑑みて、市町村の国庫補助路線の負担軽減並びに移動手段の確保、強化のために来年度事業で国庫補助路線の負担区分の見直しが行われるということですが、その内容と想定される期間についてお聞きいたします。

 あわせて、市町村や広域的路線を運行するバス事業者から、地域のニーズに沿った運行、新たな路線、増収策への挑戦としてさまざまな提案をしていただき、利便性の向上や利用者の増加を通して事業者の収益構造の改善と経営体質の強化を図ることによって持続可能な広域的路線の実現を図るために広域的路線利用促進事業費を創設するとのことですが、その内容についてお聞きいたします。

 次に、事業承継支援事業についてお聞きします。

 全国に先駆けて高齢化の進む本県において、平成25年度の休廃業の件数は215件と、倒産件数35件の6倍であります。これは全国平均約2.4倍を大幅に超えており、後継者不在による事業者の休廃業数の増加は優良な雇用の場の喪失と本県産業基盤の脆弱化につながるため、円滑な事業承継対策が必要との趣旨で、休廃業の前に支援する仕組みづくりに取り組むということであります。

 事業承継が進んでいない理由は幾つかあるでしょうが、大きく分けて、将来の展望が開けない、後継者がいない、相談相手がいないなどの理由であろうと思います。この問題は現在、金融機関で事業者からの相談に応じているようですが、どうしても一定規模以上の事業者が中心となります。

 そのような中で、県がどのような事業者を支援できるのかは難しい課題であろうとは思いますが、全国において事業承継に対応する政策がとられている今、高齢化の先進県である本県ではどんな特徴ある取り組みを行おうとしているのか、商工労働部長にお聞きします。

 次に、ものづくり産業強化事業費補助金について商工労働部長にお聞きします。

 産業振興計画でものづくりの地産地消に取り組み、これまで積み上げてきた施策により徐々にではあるが製品出荷額は増加し、防災関連製品など全国展開を見据えた製品もあらわれ始めました。平成26年度はものづくり地産地消・外商センターを設置し、ものづくりへの支援体制を抜本強化し、外商支援による成約額は1月末で対前年同時期比45%増で推移するとともに、新たなビジネスプランが策定され始め、平成27年1月末で36件着手されていると聞いております。

 本県経済の飛躍のためには、生まれ始めたビジネスプランの実行や海外展開など、企業の挑戦を一層後押しすることが必要との判断で、これまでにあった研究会発事業化支援事業費補助金、ものづくり地産地消・外商推進事業費補助金、そして設備投資促進事業費補助金を統合して、ものづくり産業強化事業費補助金を新たに創設しました。この補助金は、海外への事業展開に取り組む企業についても支援を拡充するとのことですが、その内容と、この事業によってどのような効果が期待できるのか、部長にお聞きします。

 次に、農業振興についてお聞きします。次世代施設園芸モデル事業について。

 高知県はかつて園芸王国と言われましたが、現在はその復活を目指して官民挙げて取り組んでおり、そのかなめとなる取り組みが、次世代型こうち新施設園芸システムの普及であると思います。

 現在、国庫事業を活用して四万十町で建設が進められている次世代ハウスは、1.4ヘクタールが2棟と1.5ヘクタールが1棟と、まさにその頂点となるオランダ型の大規模なハウス整備となっております。1農家当たりの経営規模の小さい本県の農業では、これだけの規模での整備は広がりにくいと思います。

 そのため、高知の土地条件や農家の経営実態に応じた規模で対応できるよう、今年度9月補正で立ち上げられた次世代施設園芸モデル事業に期待しているところでありますが、その進捗状況と、今後どのような展開を目指しているのか、農業振興部長にお聞きします。

 次に、環境制御技術導入加速化事業についてお聞きします。

 この事業は、二酸化炭素濃度をコントロールすることにより収益率を向上させることができるということで、本県の農業生産額の向上を図ることができるのではないかと期待されます。

 オランダと日本との規模の違いや、本県の農家に対する宣伝不足などの課題があると聞きますが、この事業の内容と、普及に当たっての課題と将来の展望について、部長にお聞きします。

 次に、大規模施設園芸の県外企業誘致についてであります。

 今回、農業分野で企業誘致に取り組むとのことでありますが、1次産業における企業誘致の先行事例として、かつて漁業でハマチやタイの養殖が盛んな時代に、大手商社などが養殖業に資本参加し地元の漁業者の名義で養殖に取り組んだことがありました。しかし、景気の落ち込みで養殖業がもうからないとわかると、そういう県外企業はあっという間に資本を引き揚げた事例があります。

 こうした過去の事例を踏まえると、県の補助金をこういう事業に投入して失敗すると問題が生じます。大規模施設園芸の県外企業誘致においては相当慎重にしなければならないと思いますが、部長の所見をお聞きいたします。

 次に、担い手育成・確保対策事業、農地中間管理事業についてでございます。

 今後の農業の展開を考えたとき、担い手の確保と農地の確保は重要であると思います。農業一本で生活する意欲ある農業者から、もっと農地が欲しいという話は何度も聞かされました。そこで、農地中間管理機構が貸し手と受け手の調整役をすることは大いに期待しているところであります。

 ところが、現在、受け手の要望面積が約412ヘクタールに対して、出し手側は95ヘクタールと聞いております。余りに差があり過ぎますが、この原因をどう分析しているか、またその対策はどうするのか、部長にお聞きします。

 次に、林業振興についてでございます。

 本県においては、一昨年の大型製材工場高知おおとよ製材の稼働に続き、ことしに入って宿毛市と高知市で木質バイオマス発電設備が稼働し、さらに来年度には、新たなCLTパネルの材料となるラミナの生産工場が県の補助を受けて稼働する予定であるとのことです。林業振興にとってまたとない機会が到来しましたが、これらの施設に供給する原木の供給体制が整うかどうかが課題となっております。

 県の林業振興・環境部では、平成27年度の原木生産量を72万立方メートルとする目標を掲げておりますが、平成26年度の見込みは54万立方メートル程度と見込まれております。この原因は、山で働く林業従事者が不足しているという現状があります。

 県では来年度事業として、小規模林業事業者に対する支援や林業学校の新設に取り組んで林業従事者を確保するとのことでありますが、そのためには、山で働くことにより安定した収入が得られるというモデルケースを提示することが必要ではないかと思います。これは今後人材不足が心配される建設業界でも同様ですが、年収がどの程度見込めるかのある程度のめどがなければ人材は集まらないでしょう。ことし林業従事者が減少しましたが、その原因は、待遇のいい他業種への転換ではないかと考えられます。

 もちろん雇用するのは民間ですので、県がどんな形でかかわれるのかは検討する必要がありますが、県として林業従事者の確保についてどのようなお考えを持っているのか、林業振興・環境部長にお聞きします。

 次に、CLTパネルの普及についてお聞きします。

 尾崎知事は非常に熱心にこの問題に取り組まれ、何度も国の担当省庁に要望活動を続けておられます。CLTパネルの普及は、本県の林業振興にとって大いに期待の持てる事業であります。

 私も2年前に、このCLTパネルの先進国であるオーストリアのウィーンを訪れ、CLTパネル工場を見学し状況を調査したことがあります。

 CLTパネルの普及に関して、我が国においては建築基準法の耐火基準という大きな壁があり、またヨーロッパにおける主要木材であるモミノキやエゾマツなどに比べて、本県に大量にある杉材は強度が若干劣るということがあります。これらの課題についての林業振興・環境部長の認識とそれを克服するための戦略についてお聞きします。

 次に、水産振興についてであります。

 県では、水産物の販売力の強化と魚価の向上のため、都市圏でのさらなる外商の強化に取り組むとのことであります。そのため、第1として、高知家の魚応援の店登録店舗数の増大と県内業者とのマッチング機会の充実等による取引の拡大、第2に、築地にっぽん漁港市場を活用した、首都圏における県産水産物のPRと外商活動の推進支援、第3に、漁協の販売子会社の機能を生かした応援の店や漁港市場の活用による外商の強化、第4に、高品質な水産物を取り扱う取引先の開拓と高鮮度出荷体制の構築、第5に、大阪市場とのネットワークを生かした関西の量販店でのフェア等の開催、以上の高知県の水産業振興のための5つの事業は、他県では愛媛県漁連、香川県漁連、長崎県漁連などの活動がよく知られており、それぞれ成果を上げていると聞いております。

 ところが、本県においてはさまざまな事情で、高知県漁連がそういう活動をすることができませんでした。そこで、県水産振興部が取り組むことになったものだと思います。この取り組みの現状と今後の見通しについて水産振興部長にお聞きします。

 また、この事業は何年か先に県1漁協やすくも湾漁協などに引き継いでもらう必要があると思いますが、長期的な視点についてはいかがお考えか、あわせてお聞きします。

 次に、カンパチ、クロマグロの種苗生産、中間育成ビジネスについてお聞きします。

 クロマグロの昨年の取り組み結果は、ふ化には成功したが、沖出し後1カ月半ほどで死滅したと聞いております。知事の提案理由の説明では、順調に成果も出始めているところですとのことですが、私は近畿大学がマグロの前にマダイの人工ふ化に取り組んだ当時から経緯を少しではあるが見てまいりました。また、他の民間事業者が人工ふ化に取り組んだ経緯も聞いており、魚の人工ふ化はそれほど甘いものではないと考えております。今年度ふ化に成功したからといって来年も同様にできるとは考えないほうがいいと思うし、沖出しからの成長も、毎年海の状況は変わるので、それほど簡単ではないと思います。

 マグロの人工ふ化について来年度はどの段階までの成功を目指すのか、またこの事業は長い目で取り組んでいってほしいと考えておりますが、水産振興部長の御所見をお聞きします。

 あわせて、カンパチ人工種苗の養殖現場への導入と、さらなる品質の向上に向けた生産技術の開発についても、現状と今後の見通しについて部長にお聞きします。

 次に、土木行政についてお聞きします。

 平成26年度の普通建設事業費は約993億円、対前年度比146億円、17.3%の増であり、そのうち土木部の関連予算は約502億円、前年度から23億円の増でした。そして、今議会に提案されております平成27年度普通建設事業費は約1,000億円、そのうち土木部関連予算は約544億円と、南海トラフ地震対策費の事業がふえたことによりここ数年大幅に伸びており、県経済の活性化につながると期待されているところであります。

 例年、公共工事においては、4月から6月にかけての端境期には工事量が極端に少なく、以前より建設業界から工事の平準化の要望が出されておりました。そこで、一昨年12月に、工事の発注に関して翌年度への繰り越しを見越した特例発注の相談を受け、前向きに承認したところであります。

 私は昨年、県内各土木事務所並びに高知県建設業協会の12の支部を全て訪問し、所長並びに建設業協会幹部から実情を聞きました。その結果、土木部の公共事業に関し、平成26年4月から6月にかけての端境期に工事量を十分に確保できなかったことがわかりました。

 そこで土木部長にお聞きします。4月から6月にかけての端境期に工事量が少ないことの認識をどう考えているのか、またその解決策の一つとして平成26年12月議会において県単工事を前倒しする議案が可決されたところでありますが、平成27年度はどういう対策を打つのか、お聞きします。

 次に、高知新港、須崎港、宿毛湾港の重要港湾3港における地震津波対策についてお聞きします。

 東日本大震災において釜石市や田老町などの津波被害に遭った港湾において、沖防波堤は破壊されたものの、津波の予想浸水高を低く抑える効果があったことや、最大津波が居住地に達する時間を数分おくらせることにより人的被害を抑える効果があったことなどの防災・減災機能があったことが証明されました。

 本県においては、須崎港の沖防波堤以外は津波を想定してつくられた防波堤ではありませんが、高知新港においても宿毛湾港においても、背後に控える工場や居住地域の津波被害を低減させる防災・減災効果が期待されております。また、須崎港と宿毛湾港は、巨大地震発災後は道路が寸断されるため、内陸部に設置される総合防災拠点と連携して、救援物資の輸送拠点として輸送機能や物流機能の確保も求められるところであります。

 県では、今後も防波堤の延長、強度補強などのハード整備工事を続ける計画があると聞いておりますが、重要港湾3港における防波堤による津波対策の現状と課題について、土木部長にお聞きします。

 また、地震発災後の航路啓開計画を含む港湾での事業継続計画、いわゆる港湾BCPについても現状と課題についてお聞きします。

 また、今年度新たに供用開始された高知新港の水深12メートル岸壁と水深11メートル岸壁が、静穏度の問題で利用に支障が出ているとの報道がありました。高知新港は天然の港ではないところに港湾をつくったので、防波堤の建設経過次第ではこの問題が起き得ることがかねてより指摘されておりました。

 東第1防波堤と南防波堤については、まだ完成途上ではありますが、この問題にどのように対処するのか、部長にお聞きします。

 次に、土砂災害対策の推進についてお聞きします。

 一昨年の伊豆大島の土砂災害や昨年の広島市の土砂災害では多くの人命が失われ、改めて土砂災害のすさまじさが認識されたところであり、ここ数年毎年のように日本各地で記録的豪雨による大規模な土砂災害が発生し、とりわけ広島市の土砂災害以後、国の対応が変わったと聞いております。

 また、本県でも過去には、土佐山田町繁藤の土砂災害で多くの犠牲者を出しました。豪雨災害時には、市町村による避難勧告や避難指示を出すタイミングが何度か問題として取り上げられましたし、土砂災害警戒区域のさらなる指定と住民に周知させる問題などソフト上の問題もあります。

 そして、急傾斜地崩壊対策事業やがけ崩れ住家防災対策事業などハード整備とあわせて、土砂災害警戒区域指定のさらなるスピードアップ、土砂災害危険箇所についてもさらなる周知、そして住民の避難行動に結びつく訓練のさらなる充実などについてどのような対策を考えているのか、土木部長にお聞きします。

 次に、河川における災害防止対策の促進について。昨年は、夏場の台風による豪雨災害が四万十町や日高村、いの町などで発生し、家屋の浸水被害が多数発生しました。人的被害がなかったことが不幸中の幸いでありました。

 この地域では過去にも浸水被害が起きており、抜本的な対策が求められますが、今後の対応について土木部長にお聞きします。

 次に、教育についてお聞きします。

 高知県教育振興基本計画重点プランが、来年度、計画期間の最終年度を迎えます。県教育委員会では、この重点プランに掲げた知・徳・体それぞれの目標の実現に向けて、これまでさまざまな取り組みが進められてきたと思います。

 初めに、知についてであります。

 全国学力・学習状況調査の結果を見ると、平成19年度からは上昇傾向にあるものの、B問題を初め、やや足踏みの傾向にあり、さらなる学力向上を図っていくためにはもう一段の取り組みの強化が必要であると思います。

 一方、国においては昨年12月22日に中央教育審議会から、「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」の答申がなされました。この答申においては、日本が目指す未来の姿を明らかにした上で、教育改革における大きな課題の一つであり、かつこれまで実現が困難とされてきた高大接続改革を初めて実現するための方策として、高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的、抜本的な改革が提言されております。これまでの1点刻みの知識を問う試験ではなく、知識の活用力や論理的思考力を見る新しい共通試験の導入等を柱とするこの高大接続の改革は、単に大学入学者選抜のあり方にとどまらず、高校教育や大学教育、さらには義務教育も含めて大きく変えることにつながるものであります。

 また、この答申に先立ち、昨年11月20日には、高等学校までの教育内容を定める学習指導要領の全面改訂が中央教育審議会に諮問され、検討が始まっています。今回の諮問においては、小学校における英語の教科化や高等学校における日本史の必修化など、何を教えるのかということに加えて、高大接続改革もにらんで、みずから課題を発見し解決する力を身につけられるように、学習方法や指導方法のあり方の検討も進められることになっております。新学習指導要領は平成32年度の小学校での実施を初めとして順次実施され、また新しい大学入試も平成32年度から実施される予定であり、残された期間は少ないのではないかと考えます。

 こうした国の教育改革の動きを踏まえて、今後本県の子供たちの学力をどのように向上させていくおつもりなのか、教育長にお聞きします。

 次に、徳についてであります。

 本県の子供たちの不登校や暴力行為、中途退学などの生徒指導上の諸問題の状況は、依然として厳しい状況が続いております。子供たちを取り巻く環境がますます厳しさを増す中で、生徒指導上の諸問題の状況を改善していくため、教育委員会ではさまざまな取り組みを進めておりますが、規範意識や思いやりの心などの豊かな人間性を育む道徳教育を充実していくことが大切だと考えます。

 国においては昨年10月21日に中央教育審議会から、「道徳に係る教育課程の改善等について」の答申が出されました。この答申では、道徳の時間を特別の教科道徳として位置づける、道徳教育の目標を明確で理解しやすいものに改善する、道徳の内容をより発達の段階を踏まえた体系的なものに改善する、多様で効果的な道徳教育の指導方法へと改善する、特別の教科道徳に検定教科書を導入する、一人一人のよさを伸ばし成長を促すための評価を充実するといった道徳教育の充実の方向性が示されています。

 この答申内容を実現するための取り組みが進められていくことになりますが、こうした道徳の強化などの動きを踏まえて今後本県における道徳教育の充実にどのように取り組んでいくのか、教育長にお聞きします。

 次に、体についてであります。

 2020年に東京での開催が決定したオリンピック・パラリンピックは、日本が今後とも国際社会の中で発展していく一つの契機となります。県教育委員会においても、昨年秋にはスポーツ推進プロジェクト検討会を立ち上げ、本県におけるスポーツの現状と課題を整理し、スポーツの振興を図っていくための基本理念、基本方針を定めた上で、2020年までに取り組む対策を網羅したスポーツ推進プロジェクト実施計画の策定を予定しております。

 本県においては、高知国体において強化対策を図ったが、国体が終わればもとのもくあみとなりました。そのときの結果を踏まえて、今回の実施計画の検討を通じて明らかとなった本県のスポーツに関する現状と課題にはどのようなものがあり、また課題を克服するための対策としてどのようなことを考えているのか、教育長にお聞きします。

 また、オリンピック・パラリンピックに本県出身の選手が出場することは、県民にオリンピック・パラリンピックやスポーツそのものを身近に感じてもらい、県民を勇気づける大きな意義があると考えます。実施計画に基づく対策を行うことで、オリンピック・パラリンピックや国体の選手、スポーツ分野で活躍する選手などを育成していくことが期待されますが、こうした選手の育成に関する決意を教育長にお聞きします。

 次に、警察本部長に、特殊詐欺対策についてお聞きします。

 平成26年の全国の特殊詐欺事件の認知件数は1万3,371件、被害総額559億4,300万円余となっております。平成26年度版警察白書によりますと、平成23年以降、主に高齢者が被害者となっているおれおれ詐欺において、現金を直接受け取る手口が広がり、その被害総額が増加しました。また、平成22年ごろから、未公開株や社債の取引を装う金融商品等取引名目の詐欺等、振り込め詐欺には該当しない特殊詐欺が多発したため、警察ではこれらについても振り込め詐欺と同様に対策の対象とすることとしました。それ以降も、特殊詐欺全体の認知件数及び被害総額はそれぞれ増加を続けているとのことです。

 本県においては、特殊詐欺の認知件数は78件、被害総額5億6,600万円余となっております。この本県における認知件数と被害額は、5年前の40件、被害総額1億5,200万円から大幅に増加しております。また、人口1万人当たりの特殊詐欺被害額は749万円で全国第1位だと報道されております。そして、被害者は高齢の女性が大きな割合を占めております。

 最近の傾向として、以前多かったいわゆるおれおれ詐欺は6.4%と減少し、架空請求が48.7%、金融商品等の手口が15.4%と、この2つの手口が突出しております。マスコミなどでも特殊詐欺への対策は連日報道されており、なおかつ金融機関においても窓口で現金振り込みの際にはチェックをかけており、それによって詐欺に遭うことを未然に防ぐことができたことが時々報道されますが、さきに述べたようにこの特殊詐欺の被害は年々ふえているのが現状です。

 そこで、警察本部としては今後、特殊詐欺による被害減少のためにどのような対策を考えているのか、本部長にお聞きします。

 以上で私の県議会における一切の質問を終わります。16年間にわたり、知事初め執行部の皆様、そして同僚県議の皆様に大変お世話になりましたことを心から感謝して、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 中西議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、財政健全化に係る要因についてお尋ねがありました。

 今回の予算編成に当たりましては、全国に先駆けて人口減少が進む中、人口減少による負の連鎖の克服に向け、経済活性化の取り組みなど課題解決先進県を目指した取り組みを大幅に加速しながらも、財政の健全性を確保できるよう十分意を用いたところであります。

 具体的には、まず歳入面では、景気回復などによる県税収入の大幅な増加などを見込むことにより、前年度を大きく上回る一般財源を確保いたしております。特に県税収入については、平成26年度の決算見込みや主要法人に対する各県税事務所のヒアリング結果、税制改正の影響など考慮できる要素を慎重に検討し、保守的に見積もっても前年度を約73億円上回る約607億円と大幅な増加が見込まれております。

 あわせまして、国の有利な財源も積極的に活用したところであります。特に、新たに創設されたいわゆる地方創生先行型の交付金につきましては、ver.4に改定いたします第2期産業振興計画に基づく新たな事業や、集落活動センターといった小さな拠点関連事業などに幅広く活用しております。

 また、歳出面では、行政のスリム化による人件費の抑制や積極的な事業の見直しを行うなど、歳出削減に徹底して取り組んだところであります。特に事業の見直しに関しては、昨年度に引き続き裁量的経常経費にマイナスシーリングを設定した上で課題解決先進枠を拡充することにより、事業の積極的なスクラップ・アンド・ビルドを促したところです。

 加えて、予算編成の過程においても、例えば産業振興計画関連予算については、予算案の決定までの間に産業振興推進本部会議を6回開催するなど、施策の執行状況を確認しつつ、その課題や対策について徹底的に議論を重ね、施策の実効性の向上と効率化に努めたところであります。同様に、日本一の健康長寿県構想については各課と私との個別協議や推進会議において、また南海トラフ地震対策についても同様に個別協議や推進本部会議において、それぞれ徹底的に議論を重ねるなど、各政策分野の課題解決のためにPDCAサイクルに基づく不断のチェックを行いながら、アウトカムを意識した事業の見直しに組織として徹底して取り組んだところであります。

 その結果、課題解決推進枠の仕組みの中での見直しだけを見てみましても、昨年度を上回る約15億円、計152件の事業の見直しを実現するとともに、それにより生じた財源を活用して約28億円の課題解決先進枠を確保し、118件の事業のさらなるバージョンアップを図っております。

 以上のように、今回の予算編成においてはこれまで以上に歳入の確保と事業のスクラップ・アンド・ビルドに徹底して取り組んだところであります。このような徹底した取り組みの結果、県債残高の減少傾向を引き続き維持するとともに、昨年9月時点の推計を54億円程度上回る213億円程度の来年度末の財政調整的基金残高を確保できる見通しとなるなど、財政の健全性を一定確保することができたものと考えているところでございます。

 次に、集落活動センターについて今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがありました。

 平成24年度から中山間対策の核となる取り組みとして全庁を挙げて推進しております集落活動センターは、今年度末に17カ所となる見込みであり、他の地域においても立ち上げに向けた準備が着実に進められているところです。

 こうした中、これまで県が先行して推進してきた集落活動センターなどの取り組みが小さな拠点といった形で国のまち・ひと・しごと創生総合戦略の主要施策に位置づけられたことは、大変力強い後押しとなるものと考えております。こうした国の動きも追い風にしながら、今後、集落活動センターの取り組みをもう一段力強いものとするとともに、住民の皆様にとってより魅力あるものとしていくためには、経済活動を主とした機能面の充実と県内各地へのさらなる広がりが求められます。

 そのため、現在立ち上げを準備している地域に対しては、地域の実情に合った地産外商につながるビジネスプランづくりや実践を支援するとともに、開設から3年が経過し活動の基盤が整ってきた集落活動センターについては、経済活動の拡充を図る取り組みを新たに支援することにより、運営の安定と継続、発展を目指してまいります。またあわせて、担い手の育成と確保が重要でありますので、地域内の人材に加え、高知ふるさと応援隊を初めとした地域外の多くの人財を積極的に誘致する移住促進対策ともしっかり連動させながら、より一層取り組みを強化してまいります。

 こうした取り組みを通じまして、集落活動センターのいわゆるロールモデルをつくり、県内外に発信するとともに、ポータルサイトの構築などにより、より多くの方にセンターの活動を身近なものとして知っていただき、今後取り組みを始める地域の機運を醸成し、集落活動センターの拡大をさらに加速させてまいりたいと考えております。集落活動センターが、地域地域の暮らしを支えるだけにとどまらず、地域における新たな事業の展開や起業につながるようなさまざまな活動の拠点となり、将来的には中山間地域で若者を初め誰もが一定の収入を得ながら暮らし続けることができる本当の意味での地方創生の取り組みとなりますよう、市町村や地域の皆様とともに全力で取り組んでまいります。

 次に、総合戦略の策定と実践に県はどのような方針、スケジュール感で対処していく考えかとのお尋ねがございました。

 本県におきましては、全国に先駆けて人口減少や高齢化が進む中、経済の活性化を初めとする5つの基本政策と、中山間対策の充実・強化など基本政策に横断的にかかわる政策に積極的に取り組んでまいりました。とりわけ経済の活性化では、地産外商戦略や移住の促進などを柱とする産業振興計画を通じ、人口減少が招く経済規模の縮小やそれによる若者のさらなる県外流出といった本県経済の根本的な課題に真正面から向き合い、県勢浮揚に向けて全力で取り組みを進めてまいりました。

 今議会には、国の地方創生関連予算をも活用した産業振興計画のバージョンアップを図るための予算も提案させていただいているところであります。この中では、地産の取り組みをさらに強化するとともに、外商の取り組みも一層強化し、加えてこの地産外商の成果を拡大再生産につなげていくため、現行の産業振興計画を大幅にパワーアップした形で、一連の総合的な政策群を計上させていただいております。

 あわせて、少子化対策の抜本強化につきまして、改定いたしました第2期日本一の健康長寿県構想ver.4に盛り込み、また中山間対策の核として集落活動センターのさらなる普及拡大を位置づけるなど、地方創生に関係する施策を計上したところでありまして、これらが国が求める総合戦略におおむね当たるものだと考えております。

 また、県と同じく地方版総合戦略の策定主体となる市町村には、県の産業振興計画などを踏まえ、市町村版の総合戦略に掲げた取り組みを産業振興計画の地域アクションプランに位置づけていただくなど、できる限り県と方向性を一にした総合戦略を策定していただくことが重要だと考えております。こうしたことから、県の総合戦略を策定するとともに、市町村の総合計画の策定支援を総合的に行いますため、産業振興推進部が地方創生の業務を総括的に担うこととし、専任の企画監等を配置するなど体制を大幅に強化し、官民協働、市町村政との連携・協調のもと、地方創生に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 今後のスケジュールにつきましては、まずは第2期産業振興計画ver.4などをベースに、本年度内にも総合戦略の暫定版を取りまとめたいと考えております。その上で、国に対して本県の取り組みをしっかりと伝え、理解していただき、国の総合戦略の見直しや平成28年度予算概算要求に反映されるよう政策提言を行ってまいりたいと考えております。そして最終的には、今後策定する予定の本県の人口展望を含んだ人口ビジョンなども踏まえ、来年度の半ばにも確定版として取りまとめたいと考えているところでございます。

 次に、これまでの産業振興計画の取り組みをどう分析した上で来年度以降の計画を立て、それを実現するための手法を考えているのかとのお尋ねがありました。

 本県の人口減少の負の連鎖に陥っているという構造的な問題に正面から向き合い、県勢浮揚を図るため、5つの基本政策とこれに横断的にかかわる政策に積極的に取り組んでまいりましたが、特に産業振興計画においては、活力ある県外市場に物を売って外貨を稼ぐ地産外商を全体戦略として全力で挑戦を続けてまいりました。その結果、お話にありました地産外商公社の成約件数や製造品出荷額等の増加のほか、年間の県外観光客受け入れ数においても、以前は310万人前後で推移していたものが、平成25年、26年と2年連続で400万人を超える見込みとなるなどしているところであります。本県の有効求人倍率を見ましても、平成21年以前は0.5倍前後であったものが、本年度は過去最高水準である0.8倍台で推移いたしております。

 一部に見え始めたこうした成果は、以前は全国の景気回復の波に乗れなかった本県経済が、地産外商を強力に進め、首都圏を中心とした全国の経済とのパイプを太くしてきたことも一助になっているものと考えておりまして、県経済全体としては、地産外商の戦略により、よい方向に向かっていると言えるのではないかと考えております。

 ただ、有効求人倍率が過去最高と申しましてもたかだか0.8倍台にとどまっていること、また地域における担い手不足や事業承継問題といったように、取り組みが進んできたからこそ改めて見えてきた課題も多くありますことから、今の方向性は維持しつつも、さらにパワーアップした取り組みを行っていかなければならない状況にあると考えているところであります。

 そのため、これまでの6年間の取り組みの積み重ねにより整えてまいりましたそれぞれの分野の取り組みを土台といたしまして、平成27年度は地産の取り組みをさらに強化するとともに外商の取り組みも一層強化し、加えてこの成果を拡大再生産につなげていくための取り組みを強化するという3つの取り組みを柱として産業振興計画をバージョンアップしてまいりたいと御説明してきたところであります。

 次年度以降の具体的な取り組みといたしましては、まず1つ目の柱である地産の強化に関しては、次世代型こうち新施設園芸システムやCLT関連産業の振興、養殖における人工種苗の生産・中間育成ビジネスの展開などのように新技術の導入による第1次産業のステージアップを図ることや、本県の強みである紙産業の振興を新たに付加すること、産学官民連携によるイノベーション創出の拠点となる産学官民連携センターの開設を図ることなどの取り組みを進めてまいります。

 2つ目の柱である外商の強化では、地産外商公社の体制強化により外商活動の全国展開を図ることや、400万人観光の定着を目指した広域観光組織の機能強化を図ること、高い専門性を持つ人材配置等による貿易や国際観光の抜本強化を図ることなどに取り組んでまいります。

 3つ目の柱である地産外商の成果を拡大再生産へとつなげる取り組みの強化では、事業承継・人材確保センターの開設や就農コンシェルジュの配置、林業学校の開校といった新たな担い手の確保対策を行いますとともに、こうした人材が活躍することで雇用拡大や設備投資の好循環につながりますよう、事業者の設備投資に対する支援制度や体制をさらに強化し促してまいりたいと、そのように考えているところであります。

 また、これらの取り組みを進めるに当たっては、こうした大きな政策群同士を連携させプラスのスパイラルを生み出していくことや、官民協働や市町村との連携・協調、県外企業との連携や外部人材のネットワークなどさまざまな対外的な連携をさらに強化するという方針のもと、平成27年度末の目標はもとより、その先の目標達成に向けて引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。その際には、国の地方創生の動きを追い風として最大限に活用し、産業振興計画等の目指す目標達成につなげてまいりたいとの考えでございます。

 次に、これまでの政策提言活動などを踏まえた少子化対策関連予算の大幅な拡充についてのお尋ねがありました。

 私はこれまで、全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとして、少子化の問題は国家的な危機を招きかねない待ったなしの課題であり、直ちに抜本的な対策の強化に取り組む必要があることを国に対し重ねて訴えてまいりました。昨年夏の全国知事会議では、少子化対策の抜本強化に向けた提言に加え、少子化問題への強い危機感をあらわす非常事態宣言を取りまとめ、地方が取り組む少子化対策の予算的な後押しや、若い世代の結婚、子育てを応援するための新たな税制の創設などの必要性を、安倍総理や少子化担当大臣を初めとする関係の各方面の方々に強く申し入れてきたところであります。その結果、今回、少子化対策に関連する予算が、質・量ともに非常に手厚い形で措置されましたことは、大変大きな成果であったと受けとめています。

 具体的には、まず補正予算において、地方自治体の効果的な少子化対策を推進するための地方創生先行型の交付金に加え、多子世帯への経済的な支援なども可能とする消費喚起・生活支援型の交付金が創設されますとともに、地域少子化対策強化交付金が昨年度に引き続き確保されるなど、地方の取り組みをしっかりと後押しするとともに、その創意工夫が生かされる予算の中身となっております。また、当初予算案では、消費税率引き上げの先送りが決定される中で、4月スタートの子ども・子育て支援新制度への円滑な移行に向けてサービスの量的拡充と質の向上を図るために必要となる十分な財源が確保されております。さらには、平成27年度の税制改正において、高齢者が若い世代の結婚、子育てを後押しする仕組みとして贈与税の非課税措置が創設されますなど、これまでの全国知事会の主張をしっかりと受けとめていただき、国と地方のこの問題に対する危機感の共有が一定図られたのではないかと認識いたしているところでございます。

 本県といたしましてもこの機を逃すことなく、「誰もが希望の時期に子どもを生み育てやすい環境づくり」に向けまして、こうした一連の財源の積極的な有効活用を図ることなどにより、結婚から子育てまでのライフステージに応じたきめ細やかな対策を積極的に推進をしてまいります。

 最後に、産学官民連携センターにどのような機能を持たせ、どのように活用して産業振興に結びつけるかについてお尋ねがありました。

 平成27年4月に永国寺キャンパスに開設する高知県産学官民連携センターには、知の拠点、交流の拠点、人材育成の拠点という3つの拠点機能を持たせることとしております。

 1つ目の知の拠点機能では、企業や地域などのニーズに対応した産学官民連携に向けたワンストップ窓口を設置いたしますとともに、事業化に向けた支援プログラムを実施してまいります。

 2つ目の交流の拠点機能では、県内のみならず県外からもより多くの人材や知恵を呼び込みながら、さまざまな連続講座やワークショップを開催するなど、産学官民の交流の機会を積極的に設けることでさまざまな課題解決やビジネスチャンスにつなげる仕事をしてまいります。

 3つ目の人材育成の拠点機能では、さらにバージョンアップした土佐まるごとビジネスアカデミーなどの研修事業を実施するとともに、大学等が実施する社会人教育等の情報発信を一元的に行い、産業人材の育成につなげてまいりたいと考えております。

 こうしたセンターにおける交流や学びの機会で生まれたさまざまなアイデアを、県内外の大学等の知恵やノウハウを活用した一連の支援プログラムにより具体的な事業プランとして磨き上げていくことで、新たな事業展開へとつなげてまいりたいと考えております。

 具体的には、1つ目の知の拠点機能のワンストップ窓口へ相談してきた方を、2つ目の交流拠点の機能の連続講座等や、3つ目の人材育成の拠点機能の各種研修事業等につなげ、そこから生まれてくるアイデアや構想の芽に対してセンターのスタッフが評価を行い、新たなプロジェクトにつながるよう支援をしてまいります。例えば、有望なアイデアに対しては、関係部局や専門的なアドバイザーが事業化に向けたサポートを行いながらアイデアを磨き上げたり、また必要に応じて事業可能性の検証等のための調査や研究費用に対する助成を行ってまいります。最終的には、事業構想の実現可能性に対する認定をセンターとして行い、認定を受けたものについては、国や県あるいは関係団体等が実施している産業振興のための本格的な事業化支援事業などにつなげていくことなどとしていきたいと考えております。このように、センターにおいてアイデアや構想を事業化につなげるための最初のステップを強力に支援してまいりたいと考えているところであります。

 以上のように、センターが3つの拠点機能を十分に発揮し、県内外からの多くの英知を取り込みながら、産学官民連携によるイノベーションの創出を誘発することで産業振興につながるよう果敢に挑戦してまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (危機管理部長野々村毅君登壇)



◎危機管理部長(野々村毅君) 南海トラフ地震対策について、集会所などの高台移転を求める地域住民の要望に市町村と連携してどう取り組むつもりかとのお尋ねがございました。

 最大クラスの地震による被害想定の避難者数を踏まえ、現時点で避難所の確保状況を見ますと、発災1週間後には県内で約7万人分が不足し、宿毛市だけでも9,000人分の不足が見込まれます。

 宿毛市においては、新たな避難所の指定や学校の校舎利用など避難所の確保対策を進めていますが、それでも不足を解消できる状況にはありません。そのため、お話にありました、高台へ避難所となる集会所などを新たに建てることも有効な手段の一つだと考えております。

 こうした避難所の確保に対する支援制度として、市町村が避難所として利用する集会所を新たに建てる場合や津波浸水区域から学校を移転する場合には、有利な起債である緊急防災・減災事業債を活用することができます。さらに、集会所につきましては、防災に関する施設の整備を支援する都市防災総合推進事業も活用することができ、これは用地の取得や建築の費用が対象となります。また、津波対策のため学校を移転する場合には、来年度、建築の費用を対象とする新たな国庫補助制度も設けられる予定と聞いております。

 現在、県内を4つのブロックに分け、市町村と連携し、避難所の確保や市町村を越えた広域避難について検討を行っており、そうした協議の場でこれらの支援制度について改めて周知を行い、市町村における避難所のさらなる確保につなげてまいります。

 次に、遺体検案・安置所と仮埋葬の機能の確保についてどのように考えているのかとのお尋ねがございました。

 発災後には、避難所や遺体検案・安置所、応急救助機関の活動拠点、災害廃棄物の仮置き場、応急仮設住宅など、さまざまな機能に必要となる施設や一定の広さを持った用地を確保しなければなりません。応急期の対策を具体的に検討するに当たっては、これらの機能を公共施設や公共用地を中心に確保する計画をそれぞれの市町村において事前につくっておいていただく必要がありますので、中土佐町をモデルに具体的な計画を策定し、その過程を手順書に取りまとめることといたしました。この手順書では、施設や用地がどれだけ必要になるのか、どういったところに配置すべきか、時間の経過を踏まえて機能をどのように置きかえるのかといったことを整理することとしております。

 お尋ねのありました遺体検案・安置所につきましては、東日本大震災の事例によると、既に休廃校となっていた学校の体育館などを発災直後から利用していた事例が多くありました。また、収容能力以上の遺体が運ばれ、新たに別の施設を用意しなければならなくなった事例もありました。一方、仮埋葬地は公共の墓地や公園などが使われていましたが、地域によっては適地が少なく、用地の選定に苦慮したという事例も見受けられました。

 遺体検案・安置所につきましては、これらの東日本大震災の事例を参考にすると、それぞれの市町村で発災直後から必要、他の機能と重複は避けなければならない、一定規模以上の公共施設や公共用地が必要といった要件を満たしながら、最優先で確保されるべきものと考えております。

   (地域福祉部長井奥和男君登壇)



◎地域福祉部長(井奥和男君) まず、高齢者向け住まいの整備について、地域支援事業の見直しへの対応を含めた目的と狙いなどについてのお尋ねがございました。

 来年度から新たに取り組みます高齢者向け住まいの整備につきましては、今後急増するひとり暮らしの高齢者への対応の必要性といったことや、特別養護老人ホームが要介護3以上の中重度者を支える施設へと重点化されることなどを踏まえ、配慮を必要とする高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることのできる住まいの確保を目的として取り組むものでございます。

 具体的には、要支援などの状態にある低所得でひとり暮らしなどといった配慮を必要とする高齢者が低廉な家賃で入居し、見守りや配食などといった日常生活を支援するサービスを利用しながら安心して地域生活を送ることのできる集合住宅的な住まいの整備に取り組む市町村などを積極的に支援することといたしております。

 一方で、入居者の日常生活を支えるサービスを確保するためには、これまで本県が独自に進めてまいりましたあったかふれあいセンターなどを、こうしたサービスを提供する新しい地域支援事業の拠点施設として有効活用することが効果的だと考えております。このため、施設の改修や職員のスキルアップなどに取り組む市町村を積極的に支援するなど、地域の実情に応じたサービス提供体制の整備などもあわせて進めてまいります。

 こうした住まいの整備とサービスの確保といったハードとソフトの両面から新たな地域の支え合いのネットワークを構築することなどによりまして、将来的な社会保障負担を軽減する効果や地域の雇用を創出する効果などといったことも見込まれますことから、高知型福祉の充実に向けた取り組みを中山間地域の活性化にもつなげてまいりたいと考えております。

 次に、介護分野の人材確保対策などについてのお尋ねがありました。

 まず、介護人材の需給見通しについてですが、現在策定中の第6期の介護保険事業支援計画では、団塊の世代が全て75歳以上となります平成37年には約1万6,300人の介護に携わる職員が必要となります一方で、これまでの介護分野での新規就職者や今後の労働力人口の推移などをもとに推計をいたしますと約1万5,400人の確保にとどまるという結果となり、900人程度の人材が不足する見通しとなっております。こうした中で、中長期にわたり介護サービスを安定的に確保していくためには人材の確保が大きな課題となってまいりますが、その際には、新たな人材の参入促進と、就業者の約1割を占めます他産業へ転職する人材の流出防止といった両面からの取り組みの強化が必要だと考えております。

 このため、新たな人材の参入促進に向けまして、福祉人材センターにおいて、民間人材の積極的な活用を図ることなどによりマッチング機能を抜本強化いたしますとともに、福祉人材センターと福祉研修センターとが連携し、新規の就労や復職を希望する求職者向け研修を充実してまいります。さらには、未就業の介護福祉士、いわゆる潜在介護福祉士に対する求人情報の提供とあわせて、ハローワーク、高知家の女性しごと応援室などとの連携による国の求職者支援制度の有効活用なども図ってまいります。

 一方、人材の流出防止に向けましては、福祉研修センターにおいて、職場への定着促進につながる職員のスキルアップ研修などを充実いたしますとともに、キャリア形成促進助成金の利用につながる研修内容の見直しなども検討してまいりたいと考えております。あわせて、職場環境の改善に向けまして、事業者が取り組む福祉機器の導入などを引き続き支援してまいります。

 こうした介護サービスの安定確保につながる人材の確保対策にしっかりと取り組むことによりまして、安定した雇用の場の確保に確実につなげてまいりたいと考えております。

 最後に、少子化対策の抜本強化に向けた本県における来年度の具体的な取り組みについてのお尋ねがありました。

 誰もが希望の時期に結婚し安心して子育てのできる環境づくりに向け、昨年7月に開設をいたしました高知家の出会い・結婚・子育て応援コーナーでは、結婚を希望する方への総合的な支援とあわせて、出会いから子育てまでのライフステージに応じた幅広い相談への情報提供などに取り組んでおりますが、来年度はこうした取り組みの抜本強化を図ってまいります。

 まず、結婚を希望する方への総合的な支援につきましては、開設から半年余りで300件を超える相談を受け付けておりますが、年齢に応じたイベントが少ない、交際が長く続かないなどといったさまざまな相談が寄せられております。こうした多様なニーズに応えるため、希望の条件に見合った相手を効率的に探せるシステムの構築や、出会いのイベントや交際をする際に適切なアドバイスなどを行っていただけるサポーターの養成などといったきめ細やかな支援策の充実に取り組むことといたしております。

 あわせて、結婚や家族のよさを伝える冊子の作成や、結婚から子育てまでを視野に入れたライフプランを考えるセミナーの開催などを通じまして、若い世代が結婚を真剣に考える機会を提供いたしますとともに、独身男女の出会いを応援する企業や団体などによる婚活イベントの開催に向けた支援策を拡充するなど、社会全体で若い世代の結婚を応援していく機運の醸成などにも努めてまいります。

 次に、ライフステージに応じた相談への情報提供につきましては、新たに母子保健などの専門知識を持つ職員を応援コーナーに配置し、子育て支援センターなどに出向いて相談事業を実施するなど、相談支援体制の強化を図ってまいります。さらには、4月からスタートをいたします子ども・子育て支援新制度の推進に向けまして、就学前の教育、保育や地域の子育て支援策の充実などにも取り組んでまいります。

 こうした取り組みなどを総合的に推進することによりまして、誰もが希望の時期に結婚や子育ての望みをかなえられる環境づくりを目指してまいりたいと考えております。

   (文化生活部長岡崎順子君登壇)



◎文化生活部長(岡崎順子君) 永国寺キャンパスでスタートする高知県立大学文化学部及び高知工科大学経済・マネジメント学群の一般入試の志願状況や県内高校生の推薦枠の状況について、また今後学生が地元に定着するための取り組みについてお尋ねがございました。

 高知県立大学文化学部につきましては、募集人員82人に対して志願者数442人、志願倍率は5.4倍、高知工科大学経済・マネジメント学群につきましては、募集人員90人に対して志願者数779人、志願倍率8.7倍となっており、両大学とも志願者数は増加をしております。特に経済・マネジメント学群では今回、一般入試の募集人員を30人増員したところですが、志願者数は昨年に比べ465人の大幅な増加となっております。

 また、県内高校生の推薦枠につきましては、既に両大学で78名が合格をしておりまして、県内高校生の受け皿の拡充につながっています。

 次に、学生の地元定着に向けました取り組みとしましては、県立大学では来年度から、全学生が地域に入り住民の方々とともに地域課題の解決に取り組む実習を必修化いたします。また、工科大学では、県内企業や県内に支店や工場を有する企業のみを対象とした就職説明会をより早い時期に複数回開催しておりますし、通常2週間程度のインターンシップを一部の県内企業には1カ月以上の長期派遣とするなど、学生と県内企業との関係性をより深めるような新たな試みにも取り組むこととしております。こうした地域と協働した新しい人材育成の取り組みや大学と県内企業との連携の強化などにより、学生の県内定着をさらにふやしていきたいと考えております。

   (中山間対策・運輸担当理事金谷正文君登壇)



◎中山間対策・運輸担当理事(金谷正文君) 広域的バス路線の維持確保に向けた取り組みについての御質問にお答えいたします。

 まず、国庫補助路線における県と市町村との負担区分の見直しの内容と想定される期間についてお尋ねがありました。

 県内の路線バスは、現在、12の事業者によっておよそ430系統が運行されており、年間およそ533万人の方々に利用されております。これらの路線の内訳としましては、広域的・幹線的路線として国、県、市町村で支えている国庫補助路線が23系統、それに準ずる路線として県と市町村で支えている県補助路線が8系統あり、そのほかに、市町村が単独で補助し支えている路線がおよそ260系統、行政の支援を受けていない路線がおよそ140系統ございます。

 現在の路線バスに対する国庫補助制度は平成13年度に大きく見直しをされ、路線の乗車密度や経費に占める運賃収入の割合が一定の基準を下回った場合には、下回った部分が補助対象から除かれる制度となっており、本県では市町村がその部分を負担することで運行を維持している仕組みとなっております。公共交通を取り巻く環境が厳しさを増す中、特に平成19年度以降は、路線を維持するための行政負担、中でも市町村の負担が増加している状況にあり、市町村からは、国庫補助路線における負担軽減の要望をこれまで幾度となくいただいているところです。

 今回の見直しの内容は、国庫補助路線を対象とするもので、国庫補助路線における市町村負担のうち、運賃収入が一定の基準を下回ることによって生ずる市町村負担の2分の1を新たに県の負担とするものです。見直しを行いますことで市町村の負担も一定軽減が図られますことから、市町村においては、住民の日常生活に必要な地域内の路線のさらなる維持確保とサービスの充実に努めていただくことを期待しております。

 適用期間につきましては、期限を設けるものではありませんが、県民に最も身近な交通手段である路線バスのサービス水準や負担のあり方については、今後も県内バス路線全体の利用の状況などを見る中で、関係者間で鋭意協議検討していく必要があるものと考えております。

 次に、持続可能な広域的路線の実現のための利用促進事業についてお尋ねがありました。

 県内の路線バスを取り巻く環境が今後さらに厳しさを増していくことが想定される中、これまでのように、生じた赤字の一部を行政が補助するといった支援のあり方では、将来にわたって必要かつ適正なサービス水準を維持していくことが困難な状況になるものと考えられます。

 持続可能な公共交通の実現のためには、多くの利用者のニーズを反映した使い勝手のよいサービスが提供され、それによって多くの皆様に利用していただくことが必要となってまいります。そのため県といたしましては、広域的バス路線などの利便性向上に向けまして、利用者のニーズや行政からの提案のほか、これまで採算面への影響や経費負担の問題などから事業者が試みることができなかった企画や取り組みなどさまざまな取り組みを支援することで、利用者目線に立ったサービスの実現をサポートしてまいりたいと考えております。

 新たな補助制度の活用事例といたしましては、利便性を高めるための路線の新設や増便、経路の変更などに関する実証運行や企画商品の試み、長距離路線の途中に乗りかえ拠点を設けて運行頻度を上げて路線の利便性の向上を図るハブ・アンド・スポークの取り組み、市街地郊外にバス利用者専用の駐車場を設けて駐車場から市街地中心部へ向かうバスを運行するパーク・アンド・ライドの取り組みなどが考えられます。

 具体的な運用方法につきましては、路線バスのあり方を協議する場として、県内6地域に、県や関係市町村、利用者代表などで構成する地域交通協議会ブロック会がございますので、その場で認められたものに対して支援を行い、効果を検証する形で運用してまいりたいというふうに考えております。

   (商工労働部長原田悟君登壇)



◎商工労働部長(原田悟君) まず、本県の事業承継への取り組みの特徴についてお尋ねがございました。

 本県の高齢化は全国に10年先行して進んでおり、平成22年の国勢調査によりますと、県内の経営層のうち60歳以上の方が占める割合は、企業の役員で約5割、従業員のいる個人事業主で約6割となっており、経営層の高齢化は高い水準にあります。民間の調査会社によりますと、本県で後継者不在の企業は約5割を超え、また県内企業の経営者の高齢化による休廃業は増加してきており、この流れに歯どめをかけるための早期の対策が必要であると考えています。

 そのため、こうした課題に向き合い解決を図っていくための拠点として、来年度、高知県事業承継・人材確保センターを設置し、事業承継だけでなく経営支援から人材確保まで、県内企業が抱える課題に積極的に対応していくこととしております。

 まず、その取り組みの特徴の1つとしましては、県内金融機関の協力もいただき、事業承継や人材確保の業務に精通した専門のスタッフを配置するとともに、県からも職員を派遣するなど、官民協働による総勢12名という他県と比べましても大変に充実した体制を組み、事業者の相談にワンストップで対応していくことです。

 2つ目としましては、案件に応じて、専門のスタッフと産業振興センターや商工会議所などの産業支援機関や企業会計の専門家などで支援チームを編成し、事業者の課題整理から事業承継計画に基づいた事業展開まで一貫してサポートを行っていくことです。このチームで、産業振興計画の各施策や、ものづくり地産地消・外商センターの販路開拓、新商品開発の機能などを活用し、新たな事業展開の支援を行うこととしています。また、事業承継を進める際に必要な経費に対する助成制度を設け、事業承継の円滑な実施を支援いたします。

 3つ目は、後継者や事業拡大に伴う中核人材の確保もあわせて行うことです。このセンターでは、これまでのさまざまな移住施策と人財誘致の取り組みを連動させ、民間人材ビジネス事業者などとも連携し、都市部からの人財誘致に取り組むなど、事業者の人材確保を支援してまいります。

 このように一歩踏み込んだ本県の取り組みを行うことで、単なる事業の継続ではなく、経営者の若返りや人材確保を契機とした事業の再構築を促し、事業者の皆様の拡大再生産につなげる取り組みを強力に進めてまいります。

 次に、ものづくり産業強化事業費補助金の内容と期待する効果についてお尋ねがありました。

 産業振興計画の推進により、力をつけつつあります本県製造業の成長をさらに後押ししていくため、今回、複数の補助金を統合し、製品の試作、開発から販路拡大、設備投資といった各段階に一貫して対応するものづくり産業強化事業費補助金を創設したいと考えています。この補助金では、まず設備投資の促進支援を充実強化してまいります。

 これまでの支援策は、新たな雇用を要件として、金融機関からの借入金利相当の6.8%を助成してまいりました。しかしながら、多くの中小企業者は経営基盤が脆弱なことから、補助率を引き上げることができないかといった要望や、新たに雇用をふやさなければならない要件はハードルが高いといった声をお聞きしていました。

 このため、より雇用を創出し経済波及効果の高い設備投資に対しては補助率を25%まで引き上げてまいりますし、新たな雇用がなくても制度を活用していただけるような工夫も行ってまいりたいと考えています。こうした見直しにより、より積極的な投資を行おうとする企業に対してはしっかりと後押しをしてまいりますし、規模の小さな企業の方にも積極的に活用していただくよう努めてまいります。

 また、本県では、産業振興計画の推進により、全国展開を見据えた新たな製品があらわれ始めていますが、本県経済のさらなる活性化を図っていくためには、今後こうした製品を海外にも展開し外貨を稼いでいくことが必要となってまいります。このため、県内企業が海外展開を目指した製品改良を行う際の支援メニューを新たに創設してまいります。

 海外展開につきましては、人的支援の面でも、ものづくり地産地消・外商センターに貿易促進コーディネーターが配置されますし、海外での商談会参加も積極的に支援することとしています。そういった取り組みと有機的に連携しながら、ものづくり企業の海外販路の開拓支援を本格的に取り組んでいきますことで、本県経済のさらなる活性化に努めてまいります。

   (農業振興部長味元毅君登壇)



◎農業振興部長(味元毅君) まず、昨年の9月県議会で御承認をいただきました次世代施設園芸モデル事業の進捗状況と今後の展開についてのお尋ねがございました。

 意欲のある農業者の規模拡大を支援いたしますこの事業につきましては、昨年10月から11月にかけて公募を行い、12月には、外部の委員で構成する選定委員会の審査を経て、ニラ、ピーマンを栽培する3件の事業計画を採択いたしました。現在、ことしの秋から栽培が開始できますよう、事業主体と市町村、県がそれぞれ必要な手続を進めているところでございます。

 また、昨年の公募の際に、平成27年度に応募したいといった複数の要望をいただいておりましたことから、27年度当初予算に必要な予算を計上いたしまして、4月に公募したいと考えています。そのほかにも、まだ用地の確保や資金の調達などに課題はありますものの、意欲を持っておられる方もいらっしゃいます。

 ことしの秋には、環境制御装置を標準装備した50アール規模の次世代型ハウスが完成をいたしますので、それらのハウスを学び教えあう場に位置づけまして、生産技術やその効果を農業者の皆さんに実感していただくことで県内各地での普及につなげてまいりたいと考えております。また、予算面からもこうした意欲を持つ方の期待に応えられますよう、国の事業の柔軟な運用や予算枠の確保などにつきましても政策提言を行っていきたいと考えております。

 次に、環境制御技術導入加速化事業の内容と普及に当たっての課題、将来展望についてのお尋ねがありました。

 この事業は、平成26園芸年度の現場実証で大きな増収効果が確認をできた環境制御技術を普及させることを目的として、ハウス内の環境測定装置や炭酸ガス発生機など機器類の導入支援を行う事業でございます。

 環境制御技術は農業者の所得向上に確実に結びつくことから、一作でも早い導入を図りたいと考えまして、平成27園芸年度の栽培に間に合うように、昨年の9月県議会で予算を御承認いただき、普及に努めてまいりました。生産現場では非常に高い関心を寄せていただきまして、今年度末には、この事業の活用や自己導入も含めますと昨年度導入面積の3.4倍の48ヘクタールほどに拡大する見通しとなっております。

 しかしながら、事業の周知期間が短かったことなどから、残念ながら目標面積の達成には至っておりません。そこで現在、本年度導入された方の圃場を学び教えあう場に位置づけまして、まだ導入していない農業者の方々にその効果を確認していただくことで、次年度には確実に導入をしていただけますよう、環境制御技術普及推進員を中心に積極的に普及に努めているところでございます。

 今後の目標といたしましては、ナス、ピーマンなどの主要な野菜7品目での普及面積を、平成27年度末には全体面積の25%、169ヘクタール、また平成33年度末には90%、603ヘクタールを目指して全力で取り組んでまいります。

 次に、企業の農業参入の取り組みについてのお尋ねがございました。

 本県の施設園芸は、販売額1,000万円未満の農業者が約7割を占めますなど、比較的規模の小さい農業者を中心に営まれておりまして、農業産出額も減少傾向にあります。こうした傾向に歯どめをかけ、本県農業を活力あるものとしていくために、既存のハウスへの環境制御装置の導入や次世代型ハウスの整備など、次世代型こうち新施設園芸システムを県内全域に普及させる取り組みを本格化させたところでございます。

 本県農業の活力を高め、若者に魅力のある産業としていくためには、こうした取り組みをさらにステージアップさせまして、出荷量をふやすことで価格形成力を高めていくこと、また新たな雇用の創出や担い手の育成につなげていくことが重要だと考えております。

 しかしながら、例えば四万十町で整備をしておりますような高軒高の次世代型ハウスは、生産量が飛躍的に向上する一方、設備投資が高額になりますことから、一般的な農業者にとりましては取り組みにくい実態もございます。また、規模拡大につきましても同様に一定の制約がございます。

 そこで、資本力のある県内外の企業による農業参入や、規模拡大に意欲のある農業者とそうした企業との共同経営などを想定いたしまして、地域農業の新たな担い手となる経営体の育成に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。この取り組みを進めるに当たりましては、地元の皆さんの理解と合意が大前提でございますので、初期の段階から産地や農業団体の皆様と連携・協調して取り組むことが肝要でございます。議員御指摘の御懸念を払拭するためにも、本県ならではの仕組みであります学び教えあう場によるすぐれた栽培技術の支援体制や、園芸連を中心とした園芸品の一元集出荷体制などを最大限に生かすことによりまして、企業側と地元側の双方にとって互いにメリットが得られる好循環をつくり出せるように慎重に取り組んでいきたいと考えております。

 最後に、農地中間管理事業の農地の出し手が十分でないことの原因とその対策についてのお尋ねがございました。

 議員御指摘のとおり、農地中間管理事業につきましては、受け手のニーズに対応した農地の出し手が十分でないということが大きな課題となっております。その原因といたしましては、所有者は財産である農地を他人に貸したくないという考えがやはり強いこと、また農地を貸す場合でも地域の信頼できる農業者に直接貸したいと考えることなどがあると考えております。このような考え方を持った方々を含めた所有者から農地を貸していただくためには、所有者お一人お一人に対する丁寧な働きかけを行うことが必要だと考えております。

 そのため、県では、農地中間管理事業を実施しております高知県農業公社と連携をし、地域に密着して農地の出し手を掘り起こす地域推進支援員を増員して対処することとしております。既に昨年11月から活動しております5名の支援員は着実に成果を上げておりますので、関係機関の協力も得ながら適任者を見つけ、原則全ての市町村に1名以上配置するよう現在取り組んでいるところでございます。これにより、事業の仕組みや協力金などのメリット措置を所有者に対して丁寧に説明するなどいたしまして、安心して農地を出していただけるよう働きかけを強化してまいります。

 また、支援員が効果的に活動する上で、地域の実情に精通をした市町村や農業委員会とのより密接な連携が不可欠でございます。これまで県といたしましても各市町村を回って協力をお願いしてきたところでございますが、今後も頻繁に訪問をさせていただくなどいたしまして、事業目的などを十分に御理解いただき、さらなる連携体制の強化を図ってまいります。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) まず、林業従事者の確保についてどのような考えを持っているのか、お尋ねがございました。

 お話にもありましたように、林業従事者を確保するためには、所得の向上や福利厚生の充実などにより林業の職場環境を改善して、林業が魅力ある職場となることが重要でありますが、林業事業体の多くは経営基盤が脆弱で、十分な就業環境を整えられていないのが現状でございます。

 県では、こうした林業事業体の経営改善を図っていきますために、林業労働力確保の促進に関する法律に基づき、雇用管理の改善と事業の合理化、就業の円滑化の3つの柱により、それぞれ対策を講じてきたところです。雇用管理の改善では、労働条件や福利厚生などを改善するため、安全防具の支給や林業退職金共済への掛金に対する支援を行っています。事業の合理化では、労働生産性の向上や労働強度の軽減を図るため高性能機械の導入支援や、生産性向上に向けた効率的な作業システムの提案を行っています。就業の円滑化では、緑の雇用制度の活用や林業就業者の技術力の向上を図るための研修などに加えて、林業労働力確保支援センターでの就職のあっせんを行うなど、さまざまな取り組みを実施しています。

 また、林業事業体に対しては、事業体みずからが就労環境の改善を意識していただくために、この法律に基づく労働環境改善計画の作成を促してきました。その結果、現在、県下の林業事業体の約7割に相当する96の事業体が雇用改善に取り組んでいます。

 しかしながら、こうした取り組みはまだまだ十分ではありませんので、まずは、計画を策定していない事業体に対しては計画を作成するよう強力に働きかけてまいりますとともに、認定事業体においては労働環境改善計画の着実な実行が図られるよう助言等を行い、改善計画の実効性を高めてまいります。あわせて、来年度新たに開校します林業学校において経営者向けのコースを設定し、経営者の意識改革やマネジメント能力の向上にも取り組んでまいりたいと考えています。

 経営改善が進んだ事業体の中には、従業員の年収が400万円を超える事業体もあることから、これらの取り組みを通じて、こうした事業体を目標とした魅力ある林業事業体を育成してまいります。加えて、新たに小規模林業を実践する方々を支援することや林業学校により即戦力の担い手を育成することで、林業従事者の確保につなげてまいりたいと考えています。

 次に、CLTパネルの普及に関する課題についての認識とそれを克服するための戦略についてお尋ねがございました。

 CLTは、木材を使用した新たな建築材料であることから、現在、強度や耐火に関する国の基準がなく、利用に当たっては実験データを収集し、個別に基本的な性能を確認する必要があるなどの課題があります。強度につきましては、国の研究機関で行った杉のCLTパネルによる性能試験で、構造用の資材として十分な強度があることが確認されており、ヨーロッパの樹種と比べても遜色はないと考えています。一方、耐火につきましては、CLTに限らず木造建築物は高さや規模などにより規制を受けることになります。

 こうした中、平成12年には、木材であっても火や熱に対して一定の時間以上耐えられるという性能基準を満たし、国土交通大臣の認定を受ければ、防火上の規制を受ける耐火建築物にも木材が使用できるよう、建築基準法の改正が行われました。また、平成26年には、定められた仕様に従って木材を石こうボードで被覆した壁については、4階までの耐火建築に一般的な資材としての使用が可能になるなどの見直しが行われています。さらに、学校の3階建ての校舎については、建築基準法の改正により、今年の6月からは、建物に一定の防火対策を講じた場合には耐火建築物から準耐火建築物に取り扱いが見直されることから、これまでよりも構造部に木材を利用しやすくなるなど、木造の建築物に関しましては順次規制緩和が進められています。

 こうした見直しが可能となった背景には、関係者によるさまざまな実験データや科学的知見の積み重ねがあったものと考えています。CLTにつきましても、今後多くの実験や建築物での実証を行い、データや知見を積み重ねていくことで、耐火に関する基準をクリアし、中高層建築物にCLTを拡大することが可能になると考えています。

 このため、県としましては、農業担い手育成センターの宿泊施設など、現在進められている県内4つの建築プロジェクトを手始めに、より多くの実証事例を積み重ねながら技術やノウハウを蓄積し、国を初めCLT建築推進協議会や日本CLT協会など多くの関係者と連携して課題の解決に取り組み、日本におけるCLTの普及拡大に取り組んでまいります。

   (水産振興部長松尾晋次君登壇)



◎水産振興部長(松尾晋次君) まず、都市圏での外商の取り組みの現状と今後の見通しについてお尋ねがありました。

 水産物の外商に関しましては、本年度、大都市圏の飲食店と県内の事業者とのネットワークを構築し取引の拡大につなげる高知家の魚応援店制度の創設、東京築地に昨年10月にオープンしました築地にっぽん漁港市場へのさかな屋高知家の開設、東京、大阪において全国規模で行われております水産関係の展示商談会シーフードショーへの高知県ブースの設置、関西、中四国、九州の消費地市場関係者を本県に招いた産地の買い受け人との交流会などを行ってまいりました。

 こうした取り組みの結果、高知家の魚応援店制度では、制度に参加している県内の事業者のうち19の事業者が延べ105の応援の店と取引を行っていることを確認しております。また、さかな屋高知家では、来店した業務筋への売り込みや訪問営業などにより、飲食店など20件以上の新たな取引先を確保し、さらに東京のシーフードショーでは、出展した16の事業者が合わせて約1,600万円の成約に至るなど、外商活動による成果が徐々に見え始めてきています。

 来年度はこれまでの取り組みに加え、応援の店を500店舗にまで拡大し、応援店制度やさかな屋高知家を活用して、県内の事業者の商談機会をさらにふやしてまいります。それとともに、高鮮度な魚の試験出荷などを通じまして高級飲食店との取引につなげる取り組みや、これまでに構築してきた大阪市場とのネットワークを生かした関西圏の量販店での高知フェアの開催など、新たな取り組みを行うこととしています。これまでの成果の上にこうした新たな取り組みを行うことで、都市圏でのさらなる取引の拡大につなげてまいります。

 次に、水産物の外商支援の事業を長期的にどこが担っていくのかについてお尋ねがございました。

 本県では、漁協による販売活動や情報発信の取り組みが脆弱なことに加え、産地買い受け人や水産加工事業者の全県的な組織もなかったため、個々の事業者による取り組みが中心で、産地としてのまとまりを持った外商活動がほとんど行われてきませんでした。こうした状況もあって、水産物の外商を強力に推進するため、まずは県が先導役として、本県水産物のPRや個々の事業者の商談会への参加を支援する取り組みなどを行ってきたところです。

 一方、漁協は、県内の漁業事情に精通し産地とのネットワークを有するとともに、公益性の高い団体でもあることから、これまで以上に水産物の外商に主体的にかかわっていただくことが必要だと考えています。そうした考えのもと、来年度は、外商活動を支援する役割の一部を高知県漁協の販売子会社に担っていただくことにしています。

 県としましては、これらの取り組みを通じて体制の強化や人材の育成につなげていただくとともに、将来的には、すくも湾漁協を初めとする漁協の参画も視野に、外商活動の先導役を担える存在になっていただけるよう支援してまいります。

 次に、クロマグロの人工種苗の生産技術の開発について、来年度はどの段階までの成功を目指すのかとのお尋ねがありました。

 県では本年度から、受精卵をとるための親魚の養成を県内のクロマグロ養殖業者に委託するとともに、水産試験場が県内企業と連携し、得られた受精卵を用いて人工種苗を生産する技術開発に着手をいたしました。本年度は、親魚となる3歳魚を確保し、これらが4歳魚となる来年度から本格的に受精卵をとる計画でしたが、本県の海域は水温などの条件がクロマグロの成熟に適していることもあり、昨年の7月中旬には産卵行動が確認をされ、8月末までにおよそ800万粒の受精卵を確保することができました。そこで得られた受精卵を用いた生産試験を行い、最終的には数十尾ではありますが海面生けすに沖出しをする段階まで育成することができ、多くの基礎的な知見が得られました。

 来年度につきましては、親魚が4歳魚となり、良質な受精卵を大量に確保できることが期待されますことから、それらを用いた種苗生産の技術開発を一層進展させ、沖出し後の中間育成技術の開発につながるよう、陸上飼育段階での歩どまりの向上を図り、稚魚の量産化を目指したいと考えております。

 次に、クロマグロの人工種苗の生産技術の開発には長い目で取り組んでいく必要があるのではないかとのお尋ねがございました。

 クロマグロの人工種苗の生産技術の開発につきましては、世界で初めて完全養殖を成功させた近畿大学を初め大手の水産系企業などが取り組んでおりますが、いまだ安定生産技術の確立には至っておりません。クロマグロの人工種苗を30センチメートル程度のヨコワサイズに育てるまでにはさまざまな技術的な課題があり、技術が確立していますマダイなどと比べましても格段に難易度が高いものと認識をしております。

 このため、県としましては、マダイなどの養殖用種苗の生産で全国有数の供給実績を持つ県内企業と連携して技術開発を進めております。今後もこの企業との連携を密にしながら、平成29年度にヨコワサイズの人工種苗を養殖現場へ試験的に導入するという高い目標を設定して、種苗生産過程における諸課題の克服に向けてさまざまなチャレンジを重ねてまいります。

 最後に、カンパチ人工種苗の生産技術開発に関する現状と今後の見通しについてのお尋ねがございました。

 カンパチ養殖につきましては、種苗のそのほとんどを中国産の天然魚に依存しておりますが、中国産種苗は国内に新たな病気を持ち込む危険性があることや、過去には人への健康被害をもたらすアニサキスの寄生が大量に見つかるなど、品質面での不安を抱えております。

 そこで、県では平成24年度から県内企業と連携しカンパチ人工種苗の生産技術の開発に取り組んでおり、平成25年度には1万尾、今年度は13万尾の人工種苗の生産に成功をいたしました。さらに、親魚の成熟を調整することで、通常の産卵時期であります春に加えて秋と冬の産卵にも成功するなど、着実に成果が得られております。

 来年度は、人工種苗を県内のカンパチ養殖業者に試験的に提供し、品質や成長についての評価をいただきたいと考えておりまして、平成28年度には人工種苗の供給を実現させたいと考えております。また、これまでは、成長がよい個体を次世代の親魚候補として選抜してまいりましたが、来年度からは、病気に強い個体の選抜にも取り組み、将来的には、優良な形質を持った親同士を交配させることで、本県産のカンパチ人工種苗のさらなる品質の向上を図ってまいります。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 土木行政について、まず4月から6月にかけての端境期に工事量が少ないことの認識と来年度の対策についてお尋ねがありました。

 端境期の工事量を平成25年度と平成26年度で比較しますと、景気対策の大規模な補正があった平成25年度は約87億円であったのに対し、平成26年度は約75億円と減少しています。このことから、お話にありましたように、建設業者の方々にとりましては相対的に平成26年度の端境期の工事量が少なかったという印象を持たれたと思われます。

 年度末に多くの工事が終了し、年度当初に工事量が少なくなる端境期が生じていることは、建設業者の安定的な経営や従業員の継続雇用といった面から大きな課題であると認識しております。このため、来年度の端境期を見据えて、翌債制度を柔軟に活用し、年度をまたぐ工期により発注できる事業費を過去3カ年平均の約1.7倍に拡大するとともに、さきの12月議会で御承認いただき、早期発注のための債務負担行為の予算を確保したところです。こうした取り組みとあわせ、災害復旧工事の発注が年度末から年度当初にかけて続くこともあり、来年度の端境期の工事量は約100億円程度と見込まれ、過去5年の中で最も規模が大きくなると考えております。

 また、来年度の取り組みとしては、引き続き同程度の端境期における工事量の確保を目指し、早期発注の徹底や繰越制度の柔軟な活用、さらにはゼロ県債の拡充を進めるとともに、工期の分散化にも努めてまいります。加えて、市町村に対しても工事の平準化や発注時期の調整を働きかけ、県全体として端境期における工事量の確保に取り組んでまいります。

 次に、重要港湾3港における防波堤による津波対策の現状と課題についてお尋ねがありました。

 国によって整備が行われている高知、須崎、宿毛湾港の重要港湾3港のうち、高知新港では、早期完成を目指し東第1防波堤の延伸工事が進められています。また、東第1防波堤と南防波堤では、最大クラスの津波に対して粘り強く機能を発揮できるよう構造の強化が進められているところです。須崎港では、昨年3月に津波防波堤が完成し、現在は津波防波堤の粘り強い化の工事が進められています。また、宿毛湾港では、早期完成を目指し池島第2防波堤の延伸工事が進められているところです。

 これらの防波堤の整備には膨大な予算と時間がかかるという課題がありますので、津波被害の軽減とともに震災後の物流機能の確保もできるよう、防波堤の早期完成について、事業主体である国に引き続き政策提言を行ってまいります。

 次に、地震発生後の航路啓開計画を含む港湾での事業継続計画、いわゆる港湾BCPの現状と課題についてお尋ねがありました。

 港湾BCPにつきましては、発災後、緊急物資の輸送活動や港湾関係企業の事業継続を支える港湾機能の早期回復を目的に、1次防災拠点港を対象として、港湾関係者の合意により、平成24年度に高知港、平成25年度に須崎港、今年度に宿毛湾港で策定いたしました。また、残る奈半利港でも来年度の策定に向けて取り組んでおります。

 これらの計画では、発生頻度の高い地震、津波による被害想定をもとに、どの施設をいつまでに復旧させるかなどの目標を設定し、復旧に向けた対応拠点や連絡体制を定めるとともに、施設点検、応急復旧作業、緊急物資輸送船の手配等を行うための港湾関係者の役割分担等を定めています。この中で、航路啓開につきましては、早期に啓開が必要な水域を選定するとともに、障害物の把握や撤去を進めるための作業船の手配から障害物の撤去までの作業内容等を定めています。

 これまでに策定した港湾BCPに基づいて、高知港、須崎港では、安否確認から緊急物資輸送活動までの情報伝達訓練を実施し、港湾BCPの実効性の確保と課題を明らかにした上で、現在は、通信手段が途絶した場合を想定して、東日本大震災で有効性が確認されたデジタル無線機の新規導入にも取り組んでいます。

 しかしながら、港湾関係企業みずからのBCPとの連携や最大クラスの地震、津波への対応等が課題となっていますので、訓練の内容をさらに充実させることなどを通じて継続的にPDCAサイクルを回しながら港湾BCPの改善を図り、災害対応力の向上に努めてまいります。

 次に、高知新港の静穏度の問題にどのように対処するのかとのお尋ねがありました。

 高知新港の水深12メートル岸壁と水深11メートル岸壁は、貨物船や客船の増加による岸壁の混雑解消を目的に、昨年5月に供用を開始いたしました。これまでに貨物船や自衛艦等に利用していただいているほか、外国の大型客船から多数の寄港希望が寄せられるなど、供用の効果があらわれ始めております。

 しかし、議員御指摘のとおり、東第1防波堤と南防波堤が整備途上であり、岸壁前面の静穏度が十分確保できていないため、悪天候時において利用に支障が生じることがあります。年間を通じてこれらの岸壁を安全かつ安定的に利用するためには、東第1防波堤200メートルと南防波堤300メートルの延伸が必要であり、東第1防波堤の早期完成と南防波堤の早期事業化に向け、国への政策提言を継続して行ってまいります。また、防波堤の整備状況を見ながら、当面の間は、関係者との協議を踏まえ、安心して利用していただくための判断材料となる波浪の予測データ等の提供や積極的に利用していただくための助成措置などにより高知新港の利用を促進し、県内産業の振興に寄与してまいりたいと考えております。

 次に、急傾斜地崩壊対策事業などのハード整備とあわせて土砂災害警戒区域指定のさらなるスピードアップなどについてどのような対策を考えているのかとのお尋ねがありました。

 土砂災害はいつどこでも起こり得るという危機感を日ごろより住民の皆様に持っていただき、いざというときには速やかに避難していただくことが何よりも重要であります。このため、土砂災害の一般的な前兆現象や土砂災害警戒情報などが発表されたときの対処の仕方などをわかりやすく記載した土砂災害への備えに関する冊子と、土砂災害が発生する可能性のある土砂災害危険箇所などを示した地図を、来年度の早い時期に全戸配布し、土砂災害に関するさらなる周知を図ってまいります。

 あわせて、避難場所、避難経路や避難訓練の実施などを市町村の地域防災計画に定めることが義務化されることとなります土砂災害警戒区域の指定について、さらなるスピードアップを図ります。具体的には、これまでの指定箇所数を倍の年間2,000カ所となるよう基礎調査の実施を強化してまいります。この取り組みにより、県内の土砂災害危険箇所約1万8,000カ所全ての指定が5年後の平成31年度に完了する見込みです。

 また、住民の皆様の避難行動に結びつく取り組みを市町村と連携して推進してまいります。とりわけ、市町村のみでは対応が困難な南海トラフ地震後の河道閉塞に伴う土石流、いわゆる山津波を想定した行政機関の情報伝達訓練や住民の避難訓練の内容について充実を図るとともに、自主防災組織による防災学習会や避難訓練を直接支援できる市町村職員を育成するための講習会を開催するなど、住民の実際の行動に結びつくよう避難訓練のさらなる充実を図ってまいります。

 このようなソフト対策の充実に加え、砂防施設等のハード整備と一体となって、土砂災害による犠牲者を出さない総合的な対策を推進してまいります。

 最後に、浸水被害への抜本的な対策についてお尋ねがありました。

 日高村の日下川流域、いの町の宇治川流域、高知市の久万川流域及び四万十町の吉見川流域においては、昨年8月の台風第12号及び第11号により多数の家屋が床上浸水するなど大きな被害が発生いたしました。

 これらの流域では、再度災害の防止に向け、関係する行政機関で構成された浸水対策調整会議を設置し、これまでにそれぞれ2回開催して、浸水被害の原因分析とそれを踏まえた有効な対策メニューの絞り込みを進めております。

 このうち、日下川と宇治川の流域については、既に県や国、町村が一体となった抜本的な治水対策を絞り込んでいます。国においては放水路の整備や排水ポンプの増設、県は河川の流下能力を向上させるための河道掘削や堤防の整備、地元町村においては下水ポンプの整備や水路の改修などに取り組むこととしております。また、久万川と吉見川の流域については、浸水被害の原因分析に基づき、地元の市や町と連携して護岸のかさ上げや陸閘の整備などの対策案を策定したところであり、現在これらの対策案についてコスト面や実現性などの観点から評価を行っているところです。

 いずれの流域につきましても、浸水被害に対する住民の皆様の不安の軽減につながるよう、地元の御理解、御協力をいただきながら、できるだけ早期の事業着手に努めてまいります。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、国の教育改革の動きを踏まえて、今後本県の子供たちの学力をどのように向上させていくのかとのお尋ねがございました。

 お話のありました中央教育審議会の諮問や答申にも示されておりますように、グローバル化の進展や絶え間ない技術革新が進み急速に変化していく社会の中で、これからの時代を担う子供たちには、他者と協働しながら価値の創造に挑み、未来を切り開いていく力を身につけることが求められます。そのためには、教育のあり方も一層進化させる必要があり、知識の質、量の改善に加え、特に学びの質や深まりを重視することが必要になっております。

 一方、本県の子供たちの学力は、全国学力・学習状況調査の結果によりますと、中教審の答申等で重視されこれから重要性が増していく思考力、判断力、表現力などの学力に課題が見られます。そのため、小中学校では昨年度から思考力を養う教材の作成や授業改善に取り組んでいるところであり、さらに来年度からは、拠点となる中学校を指定して、各教科や総合的な学習の時間の中で課題の発見、解決に向けて子供が主体的、協働的に学習する探求的な学習、いわゆるアクティブラーニングの手法を取り入れた授業づくりの実践研究を行い、その研究成果を普及していきます。

 また、高等学校においても、高知南中・高校と高知西高校を統合して新設する中高一貫教育校に、アクティブラーニングのための系統的な教育プログラムを持つ国際バカロレア教育の導入を計画しており、これを視野に、来年度から対象校においてICTも活用したアクティブラーニングについての実践研究を行うとともに、その成果を全ての高等学校に普及させてまいりたいと考えております。

 こうした取り組みを進めていくためには、教員の指導力の向上が不可欠でございます。そのため、先ほど申しました研究校でのオン・ザ・ジョブ・トレーニングや教育センターでの研修に加えまして、先進的な取り組みをしている福井県の中学校や京都市の堀川高校などへの教員の派遣、あるいはスーパーティーチャーを招いての授業改善の研修会の実施などにより、教員の指導力アップに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、道徳の強化などの動きを踏まえて、今後本県における道徳教育の充実にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。

 本県においては、不登校や暴力行為といった生徒指導上の諸問題が全国ワーストクラスと厳しい状況にあり、また子供たちの学びや成長を支える家庭や地域の教育力も弱まってきております。このような状況にあって、子供たちの中に豊かな人間性や社会性を育んでいくためには、道徳の授業の質を高めるとともに、学校、家庭、地域が一体となって道徳教育に取り組んでいかなければなりません。

 県教育委員会としましても、これまで、各学校が学校経営計画に徳育を位置づけ、学校教育活動全体を通じて組織的に道徳教育を進めるよう、学校訪問や研修を通して指導・助言を行ってまいりました。また、地域教材を開発するとともに、道徳教育の中核となるリーダー教員を育成し、授業改善や教員の指導力の向上を図ってまいりました。さらに、家庭で道徳について話し合う教材となるハンドブックを作成したり、地域で道徳教育を進める組織を設置したりするなど、地域ぐるみの道徳教育にも取り組んでおります。

 このような取り組みにより、県内の全ての小中学校で道徳の授業が公開され、保護者や地域の方が道徳の授業を参観し道徳教育の大切さについて考える機会がふえてきました。また、児童生徒の自尊感情や規範意識などの道徳性の高まりも見られているところです。

 今後は、これまでの取り組みを継続発展させるとともに、道徳を特別の教科と位置づけ道徳教育を充実・強化するという国の動きも踏まえ、道徳の内容をより発達段階を踏まえた体系的なものに改善するといった観点などからのさらなる取り組みを進めていかなければならないと考えております。そのため、来年度は、道徳の授業力のさらなる向上のためにリーダー教員を新たに育成するとともに、模範授業を映像などでわかりやすく解説したDVD等を開発してまいります。また、今日的課題であるいじめの問題や情報モラル教育などについても充実を図り、子供たちの規範意識や思いやりの心などの豊かな人間性を育んでまいります。

 最後に、スポーツ推進プロジェクト実施計画の検討を通じて明らかとなった本県のスポーツの現状と課題及び課題を克服するための対策、またオリンピック・パラリンピックや国体の選手、スポーツ分野で活躍する選手の育成に関する決意についてお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。

 現在取りまとめをしておりますスポーツ推進プロジェクト実施計画の策定の中で、競技力向上に関し明らかになった本県スポーツの主な課題といたしましては、スポーツ環境が不十分な地域が多くスポーツの裾野が狭いことや、選手を効果的に発掘、育成、強化する体制が不十分であることなどが挙げられます。こうした中で、中長期的な視点で本県の競技力向上を進めるに当たっては、スポーツ活動を継続的に充実発展させるための取り組みや、それを支える推進体制の整備が必要になってまいります。

 そのため、スポーツの裾野の拡充に向けまして、運動好きの子供をふやすことを目指した小中学校の体育授業の充実を図る取り組みや、選手や指導者の減少を初め身近で利用するスポーツ施設が少ないといった中山間地域などが抱えるさまざまなスポーツ課題を複数の自治体を含む広域で解決する取り組みなどを行ってまいります。

 また、選手を効果的に発掘、育成、強化する体制の整備に向けまして、競技団体と連携した有望選手を発掘するシステムの構築、スポーツ医・科学に基づくトレーニングサポート、高度な技術や戦術を指導・助言できるアドバイザーの招聘、トップレベルの指導者の県内への受け入れ、有望選手に対する手厚い強化費の配分などを計画的に進めてまいります。あわせまして、有望な競技の強化のため、関連施設についても計画的に整備を行ってまいります。

 こうした取り組みの成果を確実なものとするため、日本のトップ選手の強化にも携わっている有識者などの協力を得て競技力向上プロジェクトチームを立ち上げたいと考えており、PDCAを有効に機能させながら組織的な支援体制で臨みます。このように、スポーツの裾野の拡充からトップ選手のさらなる競技力向上までを一体的に捉えた取り組みを推進する中で、オリンピック・パラリンピックや国民体育大会などで活躍する選手を一人でも多く育ててまいりたいと考えております。

   (警察本部長國枝治男君登壇)



◎警察本部長(國枝治男君) 特殊詐欺についてお尋ねがありました。

 議員の御質問の中にもありましたように、本県においては昨年、特殊詐欺の被害額が過去最悪の数字となっており、県警察としてはこの現状を踏まえ、本年の主要施策として特殊詐欺予防対策の推進と特殊詐欺事件に対する捜査の徹底を掲げ、予防と捜査の両面で、県民の皆様が特殊詐欺被害に遭わないための取り組みを重点的に実施することとしております。

 今後、推進する取り組みについて御説明いたします。その1つ目は、高齢者被害の抑止であります。本県では、昨年の特殊詐欺被害のうち約61%を65歳以上の高齢者が占めているところであり、また特殊詐欺の中でもおれおれ詐欺、還付金詐欺、金融商品等取引名目の詐欺の被害における高齢者率が高いことから、この3つの手口について特に重点的に諸対策を推進してまいります。

 2つ目は、被害の水際対策の推進であります。被害者が現金等を送付する方法としては、現金自動預け払い機を使う振り込み型、犯人とじかに接触する手渡し型、現金を郵便や宅配で送らせる送付型と呼ばれる手口があります。近年急増しているのが送付型であり、本県では昨年の特殊詐欺被害のうち約56%を占めております。

 そのため、金融機関に対しては、送付型事案の被害金原資対策も含めた対策をお願いしているところであり、郵便事業者、コンビニ、宅配事業者等に対しても具体的な着眼点を示し注意喚起するとともに、利用者への積極的な声かけや、被害防止に有用な情報の通報等をお願いし、警察官の積極的な立ち寄り、迅速な臨場を徹底してまいります。また、各事業者と協力し、ゆうパック、レターパック、宅配便で現金送れは詐欺として積極的に広報を行っていくほか、高齢者宅訪問等の警察活動を通じて周知徹底を図ってまいります。

 3つ目は、官民一体となった対策の推進であります。特殊詐欺の被害者の多くは高齢者であり、相手はプロの犯罪集団であることから、被害を抑止していくためには社会全体の抵抗力を強化する必要があると考えております。そのため、関係機関や団体と連携を強化し情報を共有するとともに、県民の皆様の協力を得て、粘り強く創意工夫を凝らした対策を推進してまいります。

 またこのほか、平成27年度の予算として、迷惑電話防止装置110台の購入費用を予算案に計上しております。この装置は、電話回線に接続することで、電話がかかってきた際に通話が自動録音されていることを警告等するもので、既に複数の県において導入されており、本県においても被害防止に効果が期待されるものと考えております。

 警察としては、関係機関等と連携した対策を推進するとともに、各種広報とあわせて県民の皆様の警戒意識及び防犯意識の醸成を図ってまいる所存であります。

 最後は、検挙の力による抑止であります。昨年、本県では、被害者の協力を得ただまされたふり作戦や、他府県警察との合・共同捜査を積極的に推進し、特殊詐欺事件及び助長犯罪64件34名を検挙したところでありますが、ことしも県警察の総力を結集し、あらゆる刑罰法令を駆使して検挙を徹底してまいります。

 県警察としては、本年の運営指針に高知県の安全・安心を守る強い警察を掲げており、県民の皆様が安全・安心を実感できる高知県を実現すべく取り組んでまいる所存であります。引き続き御理解と御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。



○議長(浜田英宏君) 暫時休憩いたします。

   午後0時24分休憩

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   午後1時20分再開



○副議長(桑名龍吾君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 39番塚地佐智さん。

   (39番塚地佐智君登壇)



◆39番(塚地佐智君) 私は、日本共産党を代表いたしまして質問をいたします。

 政府は、地方再生をキーワードに、いかにも地方をよみがえらせるかの言葉を振りまいています。しかし、地方を疲弊させてきた農林水産物の輸入拡大、社会保障の切り捨ての方向はますます強まるばかりです。

 知事の政治姿勢に関し、まずTPP問題について伺います。

 安倍政権が進めるTPPは、地方の暮らし、経済に壊滅的打撃を与えるものとして本議会でも議論され、交渉撤退を求める意見書決議も可決をしてきたところです。

 しかし、県民の願いに反して、日米の事務レベル協議がこの2月から再開され、日本政府が聖域と位置づけてきた分野を含め、日本がアメリカに次々譲歩しているという報道が連日のようにされています。米国産豚肉にかかる1キログラム当たり最大482円の関税を50円前後に下げる方向で調整、牛肉の関税現在38.5%を十数年かけて9%まで下げる、米国産米輸入5万トン増検討、アメリカは20万トンを要求などの報道です。しかも、甘利明TPP担当相は、交渉の中身については明らかにしないまま、「譲歩の幅をできるだけ小さい範囲で決着させるのが全て」、米国産主食米輸入について「一粒もふやさないということは不可能だ」と述べ、譲歩の報道を否定していません。

 1月には、日本に対して関税撤廃を最も強硬に主張してきた全米豚肉生産者協議会が、豚肉について日本の提案で重大な進展があったことを理由にTPP交渉を支持することを表明いたしました。日本国内では生産者にも消費者にも譲歩の内容は伏せられているのに、アメリカでは交渉経過を関係団体に明らかにし、事前了承を取りつけて進めているのです。

 TPP交渉をめぐる局面をどう認識されているか、お聞きをいたします。

 アメリカなどが進めるTPPが、アメリカ流のルールを関係国に押しつけ、アメリカの利益だけを求めていることは、TPP協定は米国民の所得をふやすためだというオバマ大統領の言明からも明らかです。米農務省は昨年10月、TPPが妥結した場合、2025年までに参加12カ国の農産物貿易は85億ドルふえるが、輸入増の70%は日本であり、米国産米の輸出は2倍強ふえると発表いたしました。まさに日本のひとり負けであり、自給率が39%にすぎない国民の食料を一層外国任せにし、主食までアメリカに頼ることになります。まさに売国的な内容です。

 政府の対応は、農産物重要5品目を交渉対象にしないよう求めた国会決議に反します。昨年12月県議会で知事は、「重要5品目の関税など守るべき国益がきちんと守られるのかどうか、依然として予断を許さない状況にあると認識しております」と述べ、「県民の皆様の生活を守るための取り組みを積極的に進めてまいりたい」と答弁をしています。また、本県選出の国会議員のほとんどはTPP反対を掲げて当選をしています。

 この重大局面に立って、どう共同を広げ、県民の生活を守る取り組みを進めるおつもりか、お聞きをいたします。

 次に、農協改革について知事に伺います。

 安倍政権が戦後以来の大改革と称する農協改革も、TPPと深くかかわっています。政府の農協改革の内容は、1、農協法に基づく中央会制度の廃止、2、現在の全国農業協同組合中央会−−JA全中の一般社団法人への移行、3、農協への会計士監査の義務づけとなっており、全中が立案した自主的改革案の主要部分を否定し、首相の強い意向として全中に強引に受け入れさせたもので、農家組合員や理事者、労働者の意思を無視した強権的介入です。

 安倍政権は、強い農業をつくるため、農家の所得をふやすために改革が必要と言いますが、どう強い農業をつくり農家の所得増大につながるのかの説明はありません。それどころか、生産者米価の暴落や円安と消費税増税による生産資材、飼料の値上がりなどで生産を続けられるかどうかの瀬戸際に立たされている農業者の深刻な事態に背を向けています。

 農協改革も、農業関係者が求めたものではありません。改革案の骨格も、政府の規制改革会議で財界代表が持ち出した内容が最優先されています。

 政府の進める農協改革は、農業関係者の要望でもないし、その理由も実態を無視したものと思うが、お聞きをいたします。

 重大なことは、この改革によって、戦後農政の民主的なあり方も大もとから崩されることです。それは、財界が繰り返し要求をしてきた、地域に定着する家族農業とその協同組織が担ってきた農業生産、農地管理、販売、購買、信用、保険などを、営利企業の新たなビジネスチャンスとして提供することになるからです。現に在日米国商工会議所は意見書で、JAグループの金融事業は金融庁の規制を受けないことによって利益を得ていると主張をしています。

 農協の営農指導は農家へのサービスですから、もともと赤字で、経済事業もそれだけで黒字が出ることはありません。金融と共済で出た利益を活用することで初めて総合的事業として成り立っています。JAバンクやJA共済が切り離されたら他の事業も成り立たず、農協自体が立ち行かなくなります。

 金融事業なくして農協の総合的事業はあり得ないと思いますが、お聞きをいたします。

 全農を株式会社化すると言っていますが、全農は全国的な共同販売を担い、独占禁止法の適用除外になっていますが、株式会社化したら適用除外を外されてしまいます。農協は、個々の農家の取引交渉力はイオンなど買い手の大手スーパーに比べたら極めて弱いので、価格を維持するために農家が集まって共同販売をしています。独占禁止法の適用除外を解かれると、農家同士で熾烈な競争をすることとなり、買い手側がさらに買いたたける状況がつくられます。

 独占禁止法の適用除外が解かれると、特に中山間地の多い高知県の農業は深刻な影響を受けると思いますが、お聞きをいたします。

 今必要なことは、農産物の生産、販売、信用、共済、医療など総合的な事業で地域の農業と住民の暮らしを支えてきた総合農協としての役割を生かすことです。

 地域と農業を守るため、一方的な改革の押しつけには断固反対すべきと思いますが、お伺いをいたします。

 次に、子育て支援について知事にお伺いをいたします。

 新年度の当初予算の案のタイトルは、「課題解決先進県を目指した力強い取組により、人口減少による負のスパイラルを克服!」となっているように、少子化対策の推進、子育て支援の充実は高知県の未来にとって決定的な重みを持っていると感じています。

 少子化の原因については、昨年7月の知事会の少子化非常事態宣言の発表とあわせて示された「少子化対策の抜本強化に向けたトータルプラン(政策集)」で2つの内容が示されています。第1が、「非正規雇用の増加や恒常的な長時間労働は、結婚・出産・子育ての大きな制約要因」、第2に、「理想とする子どもの数を養育できない大きな要因として、子育て・教育費の過大な負担が影響」です。この指摘は私たちの認識とも一致する内容です。

 高知県で言えば、安定した雇用の場、収入の確保などが課題となっており、産業振興計画などで県民挙げて取り組んでいるところです。私たちも、中小企業支援と一体となった最低賃金の引き上げ、医療・介護・福祉を雇用の場として重視、充実させることを提案してきました。その中でも、子育て・教育費の負担軽減は極めて重要です。子育て、子供の教育にお金がかからなければ、それなりの収入があれば生活できるわけで、産業振興計画での努力と相まって、若者の定住、移住にとって極めて大きなインパクトを持つことになります。

 県としては、公費によるエアコン設置など努力はされていますが、課題解決先進県として思い切った取り組みが必要だと思います。そのためにも、県政のスローガンに日本一の子育て応援県を掲げ、目標を持って課題解決に取り組むべきではないか、知事にお聞きをいたします。

 現在の県の予算を見ますと、公共投資額は700億円台から、道路整備、県立大学の充実、南海トラフ巨大地震対策などに関係する積極投資により1,000億円を超えています。これらは県民の願いに応えた事業ですが、こうしたハード整備は、人口が維持され地域社会が維持されてこそ、その役割、目的を十分に果たすことができるわけです。

 子育て支援策は、人口減を防ぐインフラ整備、ハード事業への投資を真に生かしていく投資と位置づけて、思い切って充実していくことが求められていると思いますが、お聞きをいたします。

 昨年度、地方消費税の増収分は全額社会保障費に充てるという方針の実行という観点からも、私たちは中学校卒業までの医療費の無料化を提案いたしました。

 2014年4月現在で、小学校卒業まで無料化は通院で5府県、入院で8道府県、中学校卒業までは通院5都県、入院12都県、福島県では18歳の年度末まで無料としています。本県は就学前までです。子供の貧困の克服、健康増進にとっても、その充実が強く求められています。

 中学校卒業までの無料化を県の制度とすべきだと思いますが、お伺いをいたします。

 県は、先行実施している市町村のさらなる子育て支援策につながる方法を研究したいと答弁をされました。医療費助成制度に加え、県内の自治体では保育料の無料化、給食費補助、教材費支援、給付型の奨学金制度に取り組んでいる自治体が存在をしており、子育て支援策を充実させる余地はまだまだあります。

 中学校卒業までの医療費助成制度に加え、市町村にとって使い勝手のよい、子育て支援策に活用できる県の交付金制度を創設すべきと思いますが、お伺いをいたします。

 次に、児童虐待問題について伺います。

 昨年12月25日、香南市で3歳の女の子が27歳の母親とその義理の妹に虐待を受け死亡するという胸塞ぐ痛ましい事件がまたも起こってしまいました。心より御冥福をお祈りし、県民の皆さんとともに、誰にもみずから助けを求めることのできない子供の命を守り抜けなかった、この事実を真摯に受けとめ、決して繰り返させないという決意で今後の対応を図っていかねばならないと考えます。事件の全容は、警察による捜査と裁判、さらには県と高知市が取り組んでいる検証委員会の調査を待たなければなりませんが、高知県中央児童相談所、高知市子ども家庭支援センターによる行政支援のあり方が問い直され、県としての責任ある今後の方向を打ち出さなければなりません。

 県はこの間、平成20年に起きた虐待死事件を受け、検証委員会の提言に基づく施策の強化に取り組んでこられました。そのスピードがもう少し早く機能していれば今回の事件は防げたかもしれないとのじくじたる思いは共通しているのではないでしょうか。その反省を胸に、必要な手だてをまさにスピード感を持って推進していく必要があると思います。

 私たちはこれまでも、児童虐待の対応で、第一義的には市町村が担い、重篤な案件への対応と市町村支援を県が担うとした児童福祉法の改正について、市町村にその任務を担う人員の上でも質の上でもその力が備わっていないことを指摘してまいりました。今回の事件はまさにその懸念が現実のものとなったことを大変悔しく思います。

 今回の事件は、居住していた高知市ではなく、一時的に身を置いていた香南市で起きています。複雑な状況であったかもしれません。しかし、現実に虐待による死亡事件が起きた事実に立ち、いかなる状況にも対応できる体制を築かなければなりません。

 今議会の知事説明でもお述べになりましたが、改めて知事の今回の事件の受けとめと今後の決意を伺っておきます。

 以下、地域福祉部長に伺います。

 この事件を受け、児童相談所と要保護児童対策地域協議会においてリスク管理されている全ケースについて緊急に安全確認を実施されましたが、その中で課題が明らかにされてきたことは何か、伺います。

 今議会に示された予算案では、市町村との連携、市町村の体制と機能強化、市町村の要保護児童対策地域協議会の有機的活動の推進などのため、中央児童相談所への専門員を1名配置すること、夜間、休日の相談にも対応する非常勤職員の配置が示されています。この専門員の具体的任務はどのようなものなのか、市町村の体制強化をどのように進めていくおつもりか、伺います。

 高知県の中央・幡多児童相談所の児童福祉司の配置はこの間大きく前進し、都道府県レベルでは全国1位となっています。しかし、新採の方もおられ、さまざまなケースに対応できるためには、不安に感じることをすぐに相談できる体制、どこまで家庭に踏み込んでいいのかなど、法律に関する課題に即応できる状態を充実する必要があるのではないでしょうか。

 既に児童相談所では弁護士に委託し、非常勤として相談を受けるなど活躍いただいていますが、高知弁護士会には子どもの権利委員会もありますから、地域連携を強め、機敏に対応できる体制強化を求めるものですが、お伺いをいたします。

 児童虐待に至る前に、保護者が社会的支援を受け入れやすくする環境づくりが求められます。これまでも新生児の訪問活動もされていますが、そこでリスクを感じた家庭に具体的な手を差し伸べることが大切です。

 児童家庭支援センターの体制を充実させ、サポートする体制、各保育所などで行っている地域子育て支援センターを待ちの姿勢でなく地域の訪問活動も行える体制の強化も検討すべきと思いますが、伺います。

 そうした支援を受けることに抵抗感をなくす、そのために、新生児が生まれた家庭に積極的にかかわれることが大切です。あるお母さんは、一日中、生まれたての小さな命と緊張しながら向き合い、大人とのコミュニケーションが絶たれているとき、週に3回でもお弁当を届けてもらい、少しでも語らいの時間が持てたら気持ちが楽になる、ぜひ実現してほしいと語っています。このように、問題が生じる前から社会的支援を受けることに抵抗感をなくしていく取り組みも要望をしておきます。

 次に、介護保険について地域福祉部長に伺います。

 12月県議会で、高齢化が進む地方にとって医療・介護の充実は雇用の場、経済対策など本県の地方創生の重要なテーマではないかと質問をし、知事から、県内の医療・介護分野の雇用者は全産業種別の中で最も多く、うち約8割が女性労働者であり、雇用の場、女性活躍の場として大きなウエートを占めており、高齢社会において医療・介護分野は地域で安心して働ける仕事をつくり出す重要な産業であるとの答弁がなされました。地方の暮らし、雇用を支える上で、医療・介護など社会保障の充実は極めて重要だ、これは共通の思いだと思います。

 ところが、介護報酬の大幅な減額が断行されようとしており、介護現場からは、利用者にも従業者にも事業者にも大きな損失をもたらす、介護崩壊が起こると厳しい批判の声が上がっています。今回の改定は、報酬全体で2.27%引き下げ、2回連続の実質マイナス改定です。しかも、改定には介護労働者の処遇改善などの特別な加算を含んでいるため、その上乗せ分を除けば本体部分は4.48%と、文字どおり過去最大規模の引き下げとなっています。

 特別養護老人ホームの基本報酬は、個室でマイナス6%弱、相部屋はさらに大幅カットをされています。特別養護老人ホームの3割が赤字という実態が全国老人福祉施設協議会の調査結果で判明をしていますが、今回のマイナス改定によって特養がさらに苦境に追い込まれることは明らかです。

 全国的には、介護報酬削減によって、進出を予定していた事業者の撤退という事態も発生をしています。2月3日、NHKの「介護報酬引き下げ現場で何が」という番組で、東京都北区の特別養護老人ホーム建設計画の中止を取り上げ、こうしたケースは全国に広がっていると指摘をいたしました。

 現在の県内の入所待機者はどのくらいになっているのか、また第5期介護保険事業支援計画の達成状況と第6期介護保険事業支援計画への影響についてお聞きをいたします。

 今回の改定は、特に小規模事業所ほど影響が大きい改定となっていると指摘をされています。通所介護の小規模型通所介護費の場合は10%の減、2014年の介護事業経営実態調査によると、小規模型通所介護の平均利益率は約7%でした。新報酬10%減の影響でこの利益が一気に吹き飛び、赤字に転落する小規模型通所介護がふえることも予想されます。

 市町村事業へ移行することとなっている要支援は、訪問で約5%、通所は約20%の大幅削減です。今後、要支援の利用者は敬遠される、週2回の利用が週1回に、週1回の利用が隔週ないし利用終了に追い込まれることになりかねません。また、認知症対策を重視すると言いながら、グループホームも6%近く減少です。

 今回の改定により、事業所の撤退、縮小、それに伴う雇用の場の縮小が危惧をされます。介護報酬削減の影響をどう判断しているか、緊急に調査をし、問題点を国に提言すべきと思いますが、お聞きをいたします。

 介護の現場には看護師や給食、送迎のスタッフなどさまざまな職種の人が働いていますが、加算の対象にはなりません。介護保険料にはね返らない処遇改善交付金の復活、充実こそが求められていると思いますが、お聞きをいたします。

 介護保険料についてお聞きをいたします。

 介護保険は、サービスの利用がふえたり介護職の労働条件を改善すれば直ちに保険料、利用料の負担増にはね返るという根本矛盾を抱えています。開始直後2,911円だった介護保険料は、第5期では4,972円と1.7倍になり、今後さらなる保険料の高騰が危惧されます。国保とともに、重過ぎる介護保険料の負担が深刻な問題となっています。

 第6期計画の保険料は幾らになると計画をされているのか、その負担は年金が減額されるもとで極めて重いのではないか、お聞きをいたします。

 重過ぎる介護保険料の軽減に自治体が真剣に取り組む必要があります。その中でも市町村の介護給付費準備基金は、議会で答弁をいただいたように、想定した保険料が黒字となって基金として残ったわけですので、基本的には保険者に還元するという意味では全額保険料の軽減に充てられるべきものだと思います。

 県下の介護給付費準備基金の2014年度末残高と取り崩し予定額はどうなっているのか。

 保険料、利用料の高騰を抑えながら、制度の充実や介護の提供基盤の拡大を図り、本当に持続可能な制度とするには、公費負担の割合を大幅にふやすしかありません。公費投入を抜本的に拡大することが必要だと思いますが、お聞きをいたします。

 次に、難病相談支援センターについて健康政策部長に伺います。

 本年1月から、難病の患者に対する医療等に関する法律が施行されました。それに伴い、かねてから患者団体の皆さんから要望されていた、気軽に相談でき集うことのできる高知県難病相談支援センターの予算が今議会に提案をされており、本当にうれしく思います。

 高知駅北口の近くに、駐車場もある一戸建ての建物を借り上げ、NPO法人高知県難病団体連絡協議会が委託を受けて運営することになっています。今回の法律の施行に伴い、医療費助成の対象者もこの夏から約300疾患に拡大をされ、対象者数は約1万1,000名に上ると推計をされていますから、相談対象者も増加し、専門性を持ったスタッフの配置が何よりも重要となります。

 県が予算説明に当たって示された資料では、電話や面談、メールによる各種相談・支援、ハローワークなどと連携した就労相談・支援、出張相談会、全国のセンターと連携をした情報提供、ピアカウンセリングとカウンセラーの養成、患者の交流会の開催と、多岐にわたる事業を展開することとなっています。診断直後の不安に応え、治療や介護の問題など、一人一人に寄り添い、丁寧な対応が求められます。

 委託に当たってどのような人員配置を想定しておられるのか、専門性を持ったスタッフの人件費はどのように見込まれているのか、お伺いをいたします。まさに人材がこのセンターの存在価値を決定すると言っても過言ではありません。専門職の方に継続して働いていただけるだけの労働条件が不可欠です。人材の発掘への支援、必要な予算措置を望むものですが、お伺いをいたします。

 患者や家族を励まし、生きる力を培っていただくために、仲間をつくり情報交換のできる交流サロンは、センター機能の重要な取り組みです。病気によってその悩みも異なることから、ピアカウンセラーもそれぞれに必要で、多くのボランティアの皆さんの協力が必要となります。

 ピアカウンセラーとしての役割を担ってくださる方は基本的に難病患者御本人かその御家族の方ですから、交通費や駐車場代などの負担が重荷になってしまいます。そうした方々への一定の手当ても必要ではないかと考えますが、委託費の中ではどのようになっているのか、積算の中に組み込まれていないとすれば当然増額すべきと思いますが、伺います。

 交流サロンは高知市在住の方も多く、高知市に一定の負担をお願いすることも一つの案ではないかと思いますが、対応を伺います。

 このセンターは高知市に設置をされます。郡部への出張相談会も開催されますが、日常的な活動はやはり距離が壁になります。センター開設後も、各福祉保健所における支援体制も残すべきと考えますが、郡部での対応はどのように考えておられるか、伺います。

 昨年の2月県議会の予算委員会で、本年4月の開設を明言していただき、着実に実現にこぎつけていただいたことに感謝するものですが、本来なら県が直営ででも設置すべきもので、委託先や患者団体の負担に寄りかかるものであってはなりません。患者さんや家族にとって本当に喜ばれるセンターとしてスタートできることを目指す部長の決意をお聞かせください。

 次に、教育行政について伺います。

 1月27日に文部科学省は、「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引の策定について」を各都道府県教育長、知事などに通知しました。

 1956年にも、12から18学級を標準とし、それに満たない学校を機械的に統合させてきましたが、国民の反対の声に押され、1973年、文部省は、無理な学校統合をしないこと、小規模校でもそのまま充実させることが望ましい場合もあるとした新たな通知を出しました。仮に統合する場合でも、通学距離など子供たちに与える影響を考慮し、地域住民の合意を得ることなどを強調し、それまでの統合姿勢を修正し今に至っています。

 今回の文科省手引は、これら従前の通知を破棄し、6学級以下の小学校や3学級以下の中学校での速やかな学校統廃合を検討するよう市町村に促すものとなっています。また、これまでは、徒歩や自転車通学を念頭に、小学校で4キロメートル以内、中学校で6キロメートル以内としてきた通学距離についても、スクールバスなど交通機関の利用を含め通学時間はおおむね1時間とし、一層の遠距離通学を推し進めるものとなっています。

 この11年間で、高知県内の市町村では急速に統廃合が進みました。小学校が1校だけしかない町村は既に10町村にも達しています。これ以上の統合は、地域から、自治体から学校がなくなり、地域崩壊を決定づけるものとなります。ゆえに今、全小学校196校のうち4割近くの76校が標準に達していない学級数であっても、県内の各自治体は統合をすることなく複式学級として残し、地域の暮らしを支える役割を担わせています。

 県内市町村が小中学校それぞれを手引どおりに統合すると本県の学校数はどうなるのか、学校が消える自治体が出現するのか、そしてそのような統合シミュレーションを前に県として今回の手引にどう向き合うのか、各市町村に対し責任ある姿勢を明確に示すべきだと考えるものですが、教育長にお伺いをいたします。

 文部科学省は昨年5月に、全国の都道府県・市区町村教育委員会を対象に、学校統廃合を進めることを前提とした調査を実施しています。学校配置の適正化に関して国に望む支援で、市区町村が最も多く望んでいる回答は、「教職員定数の加配措置による支援」が77%で一番多く、次いで68%が「施設整備への補助」です。都道府県が国に望む支援も、「教職員定数の加配措置による支援」を47全ての都道府県が望んでいます。次いで、「施設整備への補助」が81%、それとほぼ同じ率で、「統合が困難な小規模校等への支援の充実」が並んでいます。「学校規模適正化の適否を検討する際に参考となる資料の提供」は要望の5番目と、低いものになっています。文科省の調査から明らかなことは、自治体は統合させないで存続させるための国の支援を求めているということです。

 本県はこの調査にどう回答されたのか、また調査結果をどう評価、分析されているのか、教育長にお聞きをいたします。

 手引は、調査結果を気にしてか、「教育の機会均等を確保する観点からまず検討しなければならないのは、小規模であることのメリットを最大限に生かし、児童生徒への教育を充実させる方策」だと、入り口では小規模校を尊重するような記述をしておきながら、出口では、クラスがえができない、多様な意見に触れられないと、集団活動の制約を殊さら強調し、小学校で12学級以上、中学校で9学級以上が望ましいと、統廃合を求めています。

 一方で、手引では、過大、過密の学校については、大規模校であることの課題を示しつつも、是正についてはほとんど触れられていません。その背景には、教育再生実行会議の第5次提言での、統廃合によって生じた財源の活用等によって教育環境の充実に充てよと述べていることがあると考えられます。

 また、学校統廃合は財務省が強く求めてきたことでもあります。全ての学校が12学級以上になれば、全国で5,462校が削減でき、小学校だけで1万8,000人の教職員を減らせると試算、300億円以上の予算削減につながるとしています。今回の手引は、この第5次提言の趣旨と財務省の要望に沿うように、学校規模の適正化の名のもと統廃合を進め、教職員削減と教育予算削減を図る側面、狙いがあることを見逃すわけにはいきません。

 小規模校は、子供たちに目が行き届き、きめ細かな指導ができることや、保護者や地域と連携をした教育活動がしやすいなど、十分な教育活動が行われているメリットがあり、それに引かれ、小規模校を希望し通学させる保護者もあらわれています。また、学校は教育施設というだけでなく、文化・スポーツ、防災の拠点など、地域にとって多様な側面があります。学級数や通学時間などの基準に照らし統廃合を機械的に進めることは、地域から多面的な学校の役割が消え、地域の文化やコミュニティーの拠点を奪うことになり、地域の衰退にもつながります。

 知事は本議会知事説明で、中山間地域対策について、地方創生のモデルとなった集落活動センターの運営に触れ、人々が地域で自立して生活していける本当の意味での地方創生となるよう全力で支援すると強調されています。であるなら、知事は今回の手引をどう捉えておられるか、本県にとって本当の意味での地方創生となる学校のあり方をどうお考えか、お聞きをいたします。

 最後に、米軍機の低空飛行訓練について伺います。

 昨年末からこの2月にかけ、米軍機による低空飛行訓練が嶺北、香美市物部町上空で頻繁に繰り返されています。県の危機管理部に寄せられた情報だけでも、昨年12月に22回、1月には13回21機、2月にも17日までに13回25機が飛来、2月11日の祝日にも本山町市街地上空を超低空で飛行、本山町役場屋上に設置された騒音測定器には、電車が通過するガード下の音量に例えられる98.5デシベルを観測、さらに1月13日には、これまで目撃情報のなかった越知町横畠小学校上空でも超低空で機体が飛行、高知市葛島や朝倉、また、いの町川内保育所、小学校上空でも目撃をされており、訓練域が大きく広がっています。

 昨年12月15日、香美市物部町大西地区に移住をされてきた西熊さんがスマートフォンで捉えた映像がネット上に公開され、12万回を超えるアクセスで、この実態が全国に発信され、大きな反響を呼んでいます。狭い谷合いを超低空で暴力的な爆音で飛び去り、その状況におびえて泣き叫ぶ西熊さんの3歳になる子供さんの姿も映し出されています。

 知事もこの映像をごらんになったと思いますが、まずこの映像をごらんになった感想をお伺いいたします。

 この映像を1秒間に30こまの写真に落とし、新聞紙上でも報道されました。地元紙にも大きく報道されましたので、ごらんになった方も多いと思います。

 私たちは、この映像をもとに、どのような高度でどのような飛行ルートをたどったのかを明らかにするため、低空飛行解析センターに現地調査を依頼し、解析を行っていただきました。その結果、米軍機は機影からEA−18Gグラウラーと見られ、距離は画面の大きさから算出、機体の位置、仰角と方位角は画像中の樹頂部分、木のてっぺんなどの現地での測量数値との比較で割り出し、飛行コース図を描いています。報告書を引用します。「撮影場所は、米軍の低空飛行訓練ルート「オレンジ」の7ポイントのひとつ、「綱附森」から南南西へ約5.5km。1,000m級の山にはさまれた谷は直線で約10kmになる。米軍機の動画は約7.7秒間で、画像230枚が得られた。カメラとの最短距離は約240m、水平距離は約200mだった。機体を右へ約50°傾けて、北東から南西へ向けて大きく右旋回した。映像記録の区間は約2,000mであり、秒速約260m(マッハ0.8)の亜音速だったとみられる。米軍機は標高500m前後、対地高度で200mあまりを飛行し、上韮生川にそうように、五王堂発電所の送水管の約200m上空を通過したとみられる。近くには緊急用のヘリポート「五王堂」もある」とされています。

 1999年の日米合同委員会では、航空法を守ることとあわせて、「在日米軍は、低空飛行訓練が日本の地元住民に与える影響を最小限にする」などとしていますが、予告もなく低空で飛行して住民に恐怖を与えています。大人でも身の危険を感じるもので、子供にとっては恐怖以外の何物でもありません。高知県の山間地で繰り返されている危険きわまりない米軍機による低空飛行訓練を中止させる取り組みの抜本的強化が求められています。

 この映像を撮ることができたのは偶然ではなく、この間、どのような飛行ルートで飛来しているかが監視団体により明らかにされてきました。厚木基地を飛び立った米軍機が和歌山県串本町上空を通過、その後、徳島県牟岐町上空を通過します。その後、物部上空に達するまでの時間が5分から10分後。それぞれの地点で目撃した情報が今回撮影をした西熊さんのところに寄せられ、撮影機を準備して捉えたものです。こうした情報を駆使すれば、飛行訓練の実態把握が可能となります。

 私たちはたびたび、被害自治体の連携を強め実態把握を行うよう求めてきましたが、県としてのこれまでの取り組みと、今後さらなる連携をどのように図っていかれるのか、危機管理部長に伺います。

 県としてもこの間、飛行実態把握に努力され、低空飛行の爆音調査のため騒音測定器の設置箇所をふやし、5カ所に設置をしています。その結果、大豊町や大川村、本山町では100デシベルを超える爆音がたびたび記録をされています。しかし、今回撮影された物部町大西地区では測定器がないため、調査することができていません。大西地区では、西熊さんが目撃しただけでも、ことしに入り十数回に上っています。飛行ルートを縦横無尽に切りかえ、訓練が繰り返されています。

 頻繁に目撃されるようになった人家で測定ができる移動式の測定器も導入する必要があると思いますが、危機管理部長に伺います。

 県は今回の映像を入手した直後、映像を防衛省に送り抗議の意思を示されたことは大いに評価するものです。その後、政府から抗議に対する回答は寄せられたのか、寄せられていればどのようなものか、伺います。

 本県では既に2度にわたる米軍機の墜落事故が発生をしています。決して繰り返させてはなりません。今回の解析でも、飛行ルートのわずか350メートルのところには緊急用のヘリポートが設置されています。オレンジルート下にもヘリポートがあります。いつどこから飛来するかの通告もなく行われる低空飛行訓練は、こうしたヘリとの衝突事故がいつ起きてもおかしくない状況が続いています。

 その危険性について危機管理部長はどのような認識か、お伺いをいたします。

 今、県を挙げて中山間地域の振興に力を注ぎ、移住促進の努力の中で移り住んでくださった方々が、地域おこしに懸命に取り組んでおられます。今回撮影をされた西熊さんも、また本山町に東京から移住され被害に遭っている方も、これでは平穏な暮らしができないと怒りの声を上げていますが、一向におさまらない低空飛行訓練の状況に悲嘆し、県政への不信にもつながっています。

 移住をされてきた方を初め被害を受けている県民を励ます県としてのアプローチも必要だと考えますが、どのように対応をされるか、知事にお伺いをいたします。

 さて、2月22日付高知新聞に、米海軍の戦闘機FA18Eスーパーホーネットの操縦席から撮影したと見られる画像が2月16日、インターネット上にアップされていることが報道されました。画像には、オレンジルート上での撮影との説明がついており、写真の眼下に見える地形は土佐郡大川村下小南川の吉野川にかかる小金滝橋付近と酷似していると指摘しています。

 また、その記事の中では、米軍監視団体リムピースの頼和太郎編集長の、FA18Eスーパーホーネットは単座、1人乗りで、操縦しながら自分で撮影していると思われるとのコメントも紹介、訓練中に危険な行為を行っていたのではないかとの不安が県民の中に広がっています。撮影日時などは記されていませんが、看過できるものではありません。

 県として米軍への調査依頼と抗議を行うべきだと考えますが、危機管理部長に対応を伺います。

 県はこれまでも知事を先頭に、低空飛行訓練の中止を国に求めてこられましたが、今日の事態を受け、地元出身の防衛大臣にも直訴する取り組みも必要だと考えますが、低空飛行訓練中止を求める知事の決意も含めどのように対応されるか、お伺いをいたしまして、私の第1問といたします。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 塚地議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、TPP交渉をめぐる局面をどのように認識しているのか、また今後どのように共同を広げ、県民の生活を守る取り組みを進めるつもりなのかとのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。

 TPPにつきましては、これまでも申し上げてまいりましたとおり、政府におきましては国民に対する情報開示と説明に努めていただくとともに、米など重要5品目の関税など国益を必ず守っていただきたいと考えております。こうした考え方に立って、これまでも、農林水産物の「重要品目の関税など国益を必ず守るという姿勢で臨み、守ることができないのであれば、脱退も辞さないものとすること」などの要請活動を行ってまいりました。

 今月9日から15日までハワイでTPP首席交渉官会合が開催をされ、4月以降に閣僚会合が開かれるのではないかといったことが報道をされております。さらに、アメリカにおきましては、大統領に通商交渉の権限を一任する大統領貿易促進権限、いわゆるTPA法案の議会への提出に向けた動きもあります。こうしたことから、今後TPP交渉が大きく進む可能性があり、重要5品目の関税など守るべき国益がきちんと守られるのかどうか、依然として予断を許さない状況にあると認識しております。

 県としましては、今後の動向に十分注視しますとともに、こうした国際交渉では国内からの強い声が交渉する方々を後押しすることになりますことから、今後とも必要に応じて関係団体の皆様方と連携して、県民生活を守るための取り組みを積極的に進めたいと考えているところであります。

 次に、農協改革に関連して、政府の進める農協改革が実態を無視したものではないかとのお尋ねがございました。

 全国中央会の一般社団法人への移行や、農協に対する公認会計士による監査の義務づけ、県中央会の農協法上の連合会への移行などを内容とする政府の農協改革の法制度の骨格が示されました。

 県中央会を中心としたJAグループは、農家に寄り添ったきめ細やかな営農指導はもとより、いわゆるJA出資型法人の設立により、耕作放棄地の適切な管理や新規就農者の研修、若手農業者による新たな事業展開の支援など、地域における農業を支えておられます。あわせて、産業振興計画の推進の面からも、県と目標を共有し、その達成に向けて地域の農業者をリードする重要な役割を担っていただいております。

 このように、JAグループは現行においても効果的かつ重要な役割を果たしていただいております。こうした中、今般の改革においては、改革の内容が農家の所得向上や農業再生にどのようにつながるのか、農業関係者の中にさらなる説明を求める声も上がっているのも事実でございます。政府において一層の説明を尽くしていただきたいと考えているところでございます。また今後、今月中には農協法改正法案が国会に提出され審議が行われると承知しておりますが、地域の実態や関係者の声を踏まえた真摯な議論を行っていただきたいと考えております。

 次に、金融事業なくして農協の総合事業はあり得ないのではないか、また独占禁止法の適用除外が解かれると本県の農業は深刻な影響を受けるのではないかとのお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。

 小規模な農家が多い本県におきまして、農協は、営農指導はもとより、農産物の共同販売や資材の共同購入など、農業や組合員にとって大変重要な役割を担っております。また、中山間地域では、地域住民に欠かせない購買店舗や金融機関などの機能を発揮しております。このように、農協が行う総合的な事業全体が地域農業や地域社会を支える重要な仕組みとなっております。

 今回の改革案では、県内の農業者や農協にとって直接的な影響が懸念をされました信用事業の譲渡や全農の株式会社化につきましては、それぞれ農協や全農等の選択に委ねられることとなりました。また、准組合員の利用量規制につきましても、5年間、正組合員及び准組合員の利用実態並びに農協改革の実行状況の調査を行って慎重に決定することとなりました。

 こうしたことから、平成30年に向けて県域1JA構想の実現を目指している本県におきましては、現時点では影響は比較的小さいのではないかと考えております。しかし、具体的な運用などの詳細が明らかでない点もありますので、国会での審議を含め、今後の動向を注視する必要があると考えております。

 次に、一方的な改革押しつけには断固反対すべきではないかとのお尋ねがございました。

 農業を取り巻く環境が大変厳しい中、農協には今まで以上に農業者の所得向上のための取り組みなどが求められております。農協改革については、農協の自己改革に向けた自主的な動きを尊重するとともに、時代の流れに合わせ、地域の実情に沿った議論が展開されていくことを望んでおるものであります。

 次に、子育て支援について、目標を持って課題解決に取り組むべきではないかとのお尋ねがありました。

 平成25年の出生数が5,266人にとどまるなど子供の数の減少傾向が続く中、昨年実施した県民世論調査の結果では、県民の約9割の皆様が少子化を深刻な問題だと捉えているという状況があります。こうした状況の中で、少子化対策を抜本強化していくためには、結婚から子育てまでのライフステージに応じた各段階における課題事項を整理した上で、目標を持って取り組みを進めることが何よりも重要だと認識をいたしております。

 例えば結婚に関しては、生涯未婚率や平均初婚年齢の上昇が顕著であり、嫡出子の割合が高い中では少子化の大きな要因ともなりますことから、独身の方々が希望の時期に結婚できるような支援策が必要であります。また、子育ての面では、共働きが多く仕事と育児の両立が困難な状況にありますため、保育サービスの一層の充実を図ることなどにより、理想と現実の子供の数の乖離をなくしていく必要があります。

 来年度から5年間の取り組み方針を定める新たな次世代育成支援行動計画では、こうした少子化の現状やこれまでの取り組みの成果なども踏まえ、「誰もが希望の時期に次代を担う高知の子どもを生み育てやすい環境づくり」、これを目標として掲げ、取り組みのなお一層の充実強化を図ることといたしております。あわせて、少子化対策は息の長い取り組みとなりますので、長期的な視点に立って、行動計画に掲げる目標の達成に向けまして、施策の効果や成果などについてしっかりとフォローアップしていくことが必要になってまいります。このため、個々の取り組みに対する目標事業量を設定することに加え、成果指標を定めた上で、PDCAサイクルをしっかりと回しながら取り組みを推進してまいります。

 次に、子育て支援施策の思い切った充実についてのお尋ねがございました。

 少子化対策の抜本強化につきましては、4月にスタートをいたします子ども・子育て支援新制度に関連する子育て支援施策を中心に、本年度を8億円程度上回る91億円余りの予算を計上いたしますなど、この間、大幅な拡充を図ってきたところであります。この中には、経済的に厳しい状況に置かれた子育て世帯が一時預かり保育などを利用する際の新たな減免措置などに加え、出会い・結婚・子育て応援コーナーの子育て相談機能を抜本強化するなど、きめ細やかな子育て支援につながる取り組みなども数多く盛り込んでいるところであります。

 人口減少に伴う負の連鎖を断ち切るためには、その背景にある少子化の問題を克服する必要があり、少子化対策の抜本強化とあわせて、若い世代の人口流出を食いとめる対策として産業振興による雇用の創出や大学教育の充実、さらには安全・安心な暮らしにつながる南海トラフ地震対策の加速化などといった少子化の問題とも密接にかかわる施策などの強化を図ることも大変重要だと認識をいたしております。こうした考え方のもと、今回の予算編成では、5つの基本政策はもちろんのこと、横断的にかかわる政策などを含めまして、限られた財源の中で最大限の効果が発揮できるよう知恵を絞り、工夫の徹底を図ってまいりました。

 今後とも、少子化対策そのものの抜本強化を図るのはもちろんのこと、5つの基本政策などに集中して取り組んでいくことによりまして、その相乗効果を互いに発揮させながら、若い世代が地域にとどまり、結婚や子育てを希望の時期にかなえられる環境づくりを推進してまいりたいと考えているものであります。

 次に、子供の医療費助成制度の拡充についてお尋ねがありました。

 子供の医療費につきましては、子供が生まれ育った環境にかかわらず全国どこでも治療費を心配することなく安心して医療を受けられるよう、社会全体で支えていく必要があると考えており、これまでも、次世代を担う人づくりに向けた少子化対策の抜本強化に取り組んでいく中で、国において新たな子供の医療費助成制度の創設につきましても提言しているところであります。

 県内の多くの市町村が既に医療費助成制度の拡充に取り組んできておりまして、中学校卒業まで医療費の無料化を実施している市町村は所得制限等も含めますと現在30カ所、ことし4月からは32カ所に拡充されるとお聞きいたしております。これまでもお答えしてまいりましたように、ほとんどの市町村で既に中学校卒業まで医療費の無料化が実施されています。県による拡充が市町村での財源の振りかえになるだけでは本当の意味での子育て支援策の充実につながらないのではないかと考えているものであります。

 次に、市町村が子育て支援策に活用できる県の交付金制度の創設についてのお尋ねがありました。

 これまでの間、国に対しまして少子化対策の抜本強化、この必要性を私もプロジェクトチームのリーダーとして訴えを重ねてまいりました。この結果もあるのではないかと思いますが、今回の国の補正予算におきまして一連の手厚い子育て支援策のための予算措置がなされたところであります。地方が独自に取り組む先駆的な少子化対策を後押しする地域少子化対策強化交付金が昨年に引き続き確保されますとともに、幅広い少子化対策に活用のできる地方創生の交付金が新たに創設されますなど、少子化対策にかかわる一連の予算が手厚く措置されております。これらはいずれも、県と同様、市町村にも交付され、市町村が取り組む少子化対策を直接後押しするものとなっているところであります。

 私自身、繰り返しになりますが、全国知事会などを通じまして、地域の実情に応じた少子化対策を抜本強化する必要性を重ねて訴えてきたところでありまして、こうした交付金を有効活用することで、それぞれの市町村が地域地域の実情に応じた新たな子育て支援の取り組みの展開が可能になるものと認識をいたし、また評価もしているところであります。

 県としましても、こうした交付金を積極的に有効活用し、母子保健の専門知識を持つ相談員によるきめ細やかな子育て相談機能の充実強化や総合的な結婚支援策の抜本強化を図るなどといった、市町村のバックアップも含めた新たな取り組みを推進することとしております。それぞれの市町村におきましても、地域の創意工夫を生かしながらこうした交付金を有効活用し、住民ニーズを踏まえた効果的な少子化対策の新たな展開を図ることにより地方創生へとつなげていくことも可能になるものと考えているところであります。

 次に、児童虐待問題について、今回の事件の受けとめと今後に向けた決意についてのお尋ねがありました。

 このたびの死亡事件の発生につきましては、まさしく痛恨のきわみであり、お亡くなりになった幼い児童の命をなぜ救えなかったのかと大変悔しい思いをいたしております。

 本県においては、平成20年の南国市における死亡事例検証委員会からの提言に基づき、児童相談所の体制強化を図るとともに、市町村の取り組みへの支援や連携の強化などに努めてまいりました。しかしながら、今回の事件の発生を踏まえますと、前回の事件以降、県としてこれまで取り組んでまいりました内容に加え、もう一段のさらなる取り組みの充実強化が必要だと考えております。

 このため、早急に対応すべきものについては直ちに着手することとし、中央児童相談所の体制強化などに必要となる経費を平成27年度予算案に盛り込ませていただいているところであります。さらには、県と高知市が合同で設置をいたしました検証委員会において、関係機関の対応の妥当性などについて専門家の視点からの検証作業を行っていただき、そこから出てきた課題などを踏まえた再発防止策について御提言をいただくこととしております。

 県としましても、子供の命と安全を守るために、今後改善が必要となる対応や市町村との連携のあり方などについて実践的な御提言をいただけるものと考えております。その内容を真摯に受けとめ、二度とこのような事件が起こることのないようしっかりと取り組む決意でございます。

 次に、介護保険制度について、持続可能な制度とするためには公費の投入を拡大することが必要ではないかとのお尋ねがありました。

 今後とも高齢化が進む中で、介護保険制度を将来にわたり安定して運営していくためには、給付の面において、サービスを必要とされる方に確実にサービスが提供されるのはもちろんのこと、負担の面においては、その能力に応じて痛みを最小限にとどめるための緩和策などを講じる必要があるものと考えております。このため、低所得の高齢者が多いといった本県の実情などを踏まえた保険料や自己負担額の軽減措置、さらには採算性の問題などからサービスの確保が難しい中山間地域における介護報酬の加算措置などについて公費負担により拡充を図ることをこれまでにも提言してまいりました。

 こうした中、今回の介護保険制度の見直しでは、消費税率の引き上げによる増収分などから財源を捻出し、65歳以上の特に所得の低い層を対象とする公費投入による保険料の軽減強化策が実施されることとなりました。

 今後とも、全国知事会などといった関係機関との連携も図りながら、介護保険制度がしっかりとした財源に裏打ちされた持続可能な制度となるよう、保険料や公費負担のあり方などを含めまして必要な改善が図られるよう、国への提言活動などに努めてまいりたいと考えているところであります。

 次に、学校統合に関して、今回の手引をどう捉えているのか、また本県にとって本当の意味での地方創生となる学校のあり方をどう考えているのかとのお尋ねがございました。

 次代を担う子供たちが健やかに成長しこれからの社会を生き抜くためには、よりよい教育環境のもとに知・徳・体の調和のとれた生きる力を確実に育んでいくことが大切であります。そのためにも、子供たちが発達段階に応じた充実した教育内容のもと、友人と切磋琢磨しながら学び社会性を身につけることのできる適正な学校規模を維持していくことは重要なことだと考えます。

 一方で、人口減少が進む中山間地域においては、地域で学ぶ機会を維持・確保していく観点から、学校が存在することもまた極めて重要であります。また、小中学校をなくすことはその地域の文化拠点を閉じることであり、また若い世代が地域に住んで子育てをする拠点を失うことでもあり、人口流出をさらに加速させ、結果、地方創生のきっかけそのものが失われてしまうことにつながります。

 そのため、学校の統廃合を考える際には、学校規模の適正化とともに、地域の活性化、存続とのバランスをも考えることが大事であります。そういったことを踏まえて、地域の実情に応じた学校のあり方について、それぞれの市町村でも十分に議論を重ねていただくことが必要だと思います。こうした考え方について、私自身、教育再生実行会議の場で総理に対して発言もさせていただいたところであります。

 今回の手引につきましては、学校規模の適正化を考える際の視点等とともに、小規模校を存続させる場合の支援についてもきめ細やかな対応策が示された内容となっておりまして、少子化が進む地域においてこれからの学校はどうあるべきか、これを考える上で参考となるものと考えております。

 次に、米軍機の低空飛行訓練に関して、香美市の住民の方が撮影した映像を見た感想についてお尋ねがございました。

 私はこれまでに、実際にも他の映像でも米軍機の低空飛行訓練を見たことがありますが、今回の映像を見て、スピードといい音といい大変な迫力で飛んでくるものだと思いました。映像の終盤でお子さんが泣いているのを非常にかわいそうに思いましたし、改めて本県の負っている負担の大きさを感じたところであります。

 次に、低空飛行訓練の被害に遭っている住民の方々への対応についてお尋ねがございました。

 県民の皆様から市町村に提供された米軍機の低空飛行訓練に関する情報につきましては、これまで県が情報を集約し、中国四国防衛局を通じて米軍当局に伝え、事実関係の確認を行っております。また、窓ガラスが振動した、子供が泣き叫んだといった住民生活への影響の実態も把握し、あわせて訴えてきたところであります。

 今回の香美市の件につきましては、香美市の職員の方が情報提供をしていただいた住民の方の不安の声をお聞きするとともに、このように情報を伝えたプロセスや、防衛省、外務省を通じて米側に要請を行っている点等につきまして丁寧に説明を行っていただいたと伺っております。

 県民の皆様に低空飛行訓練の実態やこれに対する県の取り組みをしっかりとお伝えすることは重要だと思います。今後、低空飛行に関する状況やこれまでの国への中止要請の内容等を県のホームページに掲載していきたいと考えております。

 最後に、訓練中止を求める私の決意と国への対応についてお尋ねがございました。

 嶺北地域での米軍機の低空飛行訓練は、昨年は例年に比べてかなり頻度が少なく推移しておりましたが、お話にありましたように、昨年12月に入って以降、頻繁に確認されるようになっております。こうした訓練に対しては、先ほど申し上げたように中国四国防衛局を通じて実態を訴えておりますし、四国知事会としても、国民に不安や懸念を抱かせるような低空飛行訓練の中止を求めてまいりました。

 今後とも米軍機の飛行訓練の動向を注視し、県民生活に大きな支障があるような訓練が繰り返される場合には、改めて訓練の中止について要請していきたいと考えているところであります。

 私からは以上でございます。

   (地域福祉部長井奥和男君登壇)



◎地域福祉部長(井奥和男君) まず、児童相談所などにおいてリスク管理されているケースの緊急の安全確認において明らかとなった課題についてのお尋ねがありました。

 今回の事件を受けた緊急の安全確認につきましては、県下でリスク管理されている全ての虐待ケース780件について、児童相談所においては職員みずからが、また市町村においては職員や関係機関による目視を行いました結果、全ての児童の安全を確認することができました。

 短期間の目視による安全確認の実施により明らかになりました課題といたしましては、学校などが休みの期間中に重なったこともあり、職員みずからが直接訪問をせざるを得ず、児童相談所に匹敵するケースを管理している高知市では、職員の配置体制のことなどもあり、結果として安全確認に多くの日数を要することとなり、この点、日ごろから地域での見守り体制をしっかりと構築し、いざというときに備えるための連絡体制を整備しておくことの重要性、必要性について改めて強く認識をいたしたところです。

 子供たちの命と安全を守り、虐待を未然に防ぐためには、要保護児童対策地域協議会においてこれまで以上のリスク管理に留意するのはもちろんのこと、日ごろから地域の関係機関などとの子供の見守り体制のネットワークを構築、強化しておくことが必要であり、県といたしましても市町村への指導の徹底を図りますとともに、こうした取り組みをしっかりと支援してまいりたいと考えております。

 次に、中央児童相談所に配置する専門職員と今後の市町村への支援体制の強化についてのお尋ねがありました。

 来年度から中央児童相談所に配置を予定しております専門職員につきましては、今回の香南市における死亡事件の経緯などからも、児童相談所による市町村への支援体制の強化を図る必要があり、その専門性を生かし、市町村などへの指導、助言を行う役割を担っていただくことといたしております。具体的には、市町村の要保護児童対策地域協議会の活動内容の充実に向けまして、個々のケースにおける支援内容や進行管理のあり方などについてのアドバイスを行うのはもちろんのこと、児童相談所などとも連携を図りながら、市町村内の関係機関などが情報を共有し、虐待の予防や早期対応が可能となる連携体制の整備などについても支援をしていくことを考えております。

 また来年度からは、新たに、市町村への支援体制の強化に向けまして、出張児童相談所の取り組みをスタートさせることといたしております。取り組みの内容といたしましては、職員がチームを編成し、地域に直接出向いての伴走型の支援に取り組みますとともに、その際の評価を市町村にフィードバックすることによる改善効果などを通じまして、児童虐待問題への市町村の対応力のレベルアップを図ってまいります。

 さらには、さきに設置をいたしました児童虐待死亡事例検証委員会から、県として必要となる今後の市町村との連携のあり方などについて御提言をいただけるものと考えておりますので、その内容なども踏まえまして、虐待問題への対応ケースが多くなっている高知市とも認識を共有しながら、課題解決に向けてスピード感を持ってしっかりとした対応を図ってまいりたいと考えております。

 次に、児童相談所における法的対応の体制強化についてのお尋ねがありました。

 現在、本県の児童相談所においては、弁護士1名を非常勤職員として委嘱し、虐待を受けた児童を施設に入所させることについて保護者の同意が得られないケースなどで、家庭裁判所への審判請求を行う際の法律相談や書類の作成支援などを受けられる体制を整えております。

 今後まずは、児童相談所が緊急に家庭への介入を行う際の法的な解釈などについての助言や、児童虐待の相談対応の窓口となっている市町村からの法律相談に応じていただくといった地域連携の視点を含めた仕組みづくりなどについて、5月を目途に示される児童虐待死亡事例検証委員会からの御提言なども踏まえまして検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、児童家庭支援センターの体制の充実と地域子育て支援センターの訪問活動の強化などについてのお尋ねがありました。

 乳児等のいる家庭への訪問活動は、保護者にとっては育児に関する悩みを相談できる絶好の機会となりますし、またこうした活動などを通じまして支援の必要な家庭を早期に適切な支援につなげることにより、虐待などの重大な事態に至る前の段階で防ぐことも可能になるものと考えております。

 現在、市町村においては、乳児家庭全戸訪問事業や母子訪問指導などの取り組みを通じまして、リスクのある家庭を把握した際には、地域子育て支援センターにおける子育て相談や児童家庭支援センターによる育児支援などにつなげるとともに、特に支援が必要な家庭については、児童福祉施設などでのショートステイの利用を勧めるといった対応もなされているところです。

 県としましても、こうした市町村における母子保健と児童福祉が連携した子育て支援の取り組みなどを強化するため、市町村とともに児童家庭支援センターを積極的に活用することなどを通じまして体制の充実などを図っていく必要があるものと考えております。また、地域子育て支援センターにつきましては、来年度から、センターが取り組む乳幼児家庭への訪問活動などに新たに財政支援を行いますとともに、高知家の出会い・結婚・子育て応援コーナーに新たに配置する母子保健の専門知識を持つ保健師などが地域に直接出向いて、センターの活動を積極的に支援することといたしております。

 次に、県内の特別養護老人ホームの入所待機者数や第5期介護保険事業支援計画の達成状況などについてのお尋ねがありました。

 まず、特別養護老人ホームの入所待機者数ですが、県内の要介護度が3以上の特別養護老人ホームの入所待機者数は昨年の10月末現在で2,872名となっており、そのうち621名の方が在宅で待機をされている状況となっております。

 次に、第5期介護保険事業支援計画期間中における特別養護老人ホームの整備状況につきましては、687床の計画に対しまして、計画期間内に整備が完了するものが467床となっており、残る220床のうち事業者の応募がなかったことなどから整備を取りやめた91床を除く129床が次期の第6期の計画期間中に完成する見込みとなっております。また、現在策定中の第6期計画においては、特別養護老人ホーム164床の整備に加えまして、老人保健施設、認知症高齢者グループホームなどの整備が196床見込まれております。

 最後に、第6期介護保険事業支援計画への影響ですが、今回の介護報酬のマイナス改定が及ぼす今後の施設整備に係る資金計画への影響などにつきましては、現在のところ県では事業者の皆様からそうした声をお聞きしてはおりません。

 次に、介護報酬削減の影響と介護職員処遇改善交付金の復活、充実についてのお尋ねがありました。関連をいたしますので、あわせてお答えをいたします。

 今回の介護報酬の改定では、介護職員の確保を図るための処遇改善を実現する中で、介護サービスの利用者負担と保険料の軽減が図られることとなっております。しかしながら一方で、介護サービス提供事業者の経営面から見ますと、今回の介護報酬の大幅な見直しにより、その安定的なサービスの提供が影響を受けるといったことも懸念されます。このため、現在策定している第6期介護保険事業支援計画の進捗管理を行う中で、今回の介護報酬改定の影響などについても検証を行ってまいりたいと考えております。

 次に、介護職員の処遇改善に関しましては、これまでにも国に対し、処遇改善加算の継続と対象職種の拡大、さらには賃金アップにつながる職員のキャリアパスの確立などについての提言を行ってきたところです。こうした中、今回の介護報酬の改定では、これまでの職員1人当たり月額1万5,000円相当の加算に1万2,000円相当の上乗せを可能とする拡充が行われることとなりました。

 しかしながら、こうした処遇改善加算は平成29年度末までの特例的な措置となっており、非正規雇用なども含めました職員の賃金向上に確実に結びつけるためには、介護報酬の基本部分に組み込んだ上で恒久的な制度として確立していただくことが必要だと考えております。このため、先ほどの介護報酬改定の影響なども含めまして、今後とも事業者の皆様の御意見などもお聞きしながら、国に対して必要な提言活動を行ってまいりたいと考えております。

 次に、第6期計画の介護保険料と県下の介護給付費準備基金の今年度末の残高などについてのお尋ねがありました。関連をいたしますので、あわせてお答えをいたします。

 まず、第6期計画の介護保険料につきましては、各市町村の介護保険事業計画策定委員会での議論を経て条例で定めることとなっており、市町村議会の議決により決定されることとなります。このため、各市町村の保険料については現時点では確定をしていない状況にあり、県において市町村からいただいた資料で試算をいたしました暫定値ではございますが、高齢化の進行に伴います介護給付費の増加などもあり、第1号被保険者の保険料につきましては準備基金の取り崩しなどを加味した県下の平均で約5,400円となり、第5期計画の平均額と比べますと400円程度の上昇となっております。

 なお、先ほどの知事からの御答弁にもありましたように、特に所得の低い層の方に対しましては、新たな保険料の軽減強化策が講じられることにより負担の軽減が図られることとなっております。

 次に、県内市町村の平成26年度末における介護給付費準備基金の残高につきましては約40億円の見込みとなる一方、第6期計画期間中の取り崩し予定額につきましては約20億円となっております。市町村の準備基金につきましては、これまでの第6期計画の策定に向けた市町村とのヒアリングの際に、県としましても保険料が過度に上昇することのないよう適正な取り崩しの助言に努めてきたところです。

   (健康政策部長山本治君登壇)



◎健康政策部長(山本治君) 難病相談支援センターについての一連の御質問にお答えをします。

 まず、人員配置などについてお尋ねがありました。

 難病相談支援センターについては、診断初期の不安な時期から気軽に相談していただく場として、また患者さん同士が交流できる場として、本年4月中の開所を目指して準備を進めているところです。

 難病は、治療法が未確立で、長期にわたり療養が必要となるため、患者さん方は多岐にわたる心配事や問題を抱えています。質の高い相談対応を行うためには、資格を有している相談員を確保した上で、研修による資質の向上を図る必要があると考えています。

 こうしたことから、保健師などの専門資格を有する相談支援員3人分の人件費770万円余りを、県の保健師臨時職員単価などに基づき、委託料に見込んで予算計上しているところです。また、相談支援員は委託先が採用することになりますが、県としても関係者から専門資格を有する方の情報をいただくなど、人材の確保に向けてともに取り組んでまいります。

 次に、ピアカウンセラーの負担軽減のための予算措置についてお尋ねがありました。

 患者さんや御家族と同じ立場で相談を受けていただくピアカウンセラーの方に、月2回程度、相談会を開いていただくことを予定しています。ピアカウンセラーについては、養成研修を平成24年度から高知県難病団体連絡協議会に委託して実施してきていますので、その研修修了者に活動していただくことを考えています。

 相談会をお願いするピアカウンセラーについては有償ボランティアとし、必要な経費を委託料に含めています。また、患者交流会やサロン活動において患者団体の方にサポーターとして活動していただくことも予定しており、同様に必要な経費を委託料に含めています。

 次に、交流サロンについて高知市に一定の負担をお願いしてはどうかとのお尋ねがありました。

 難病相談支援センターについては、都道府県事業として、難病の患者に対する医療等に関する法律に規定をされています。高知市は中核市として、保健所において難病相談活動を実施していますので、センターを運営するに当たっては高知市と十分な連携を図ってまいります。将来的に高知市が難病相談業務の一部をセンター受託団体に委託することを検討されるようであれば、共同実施の方向も探っていきたいと思います。

 次に、センター開設後の福祉保健所の支援体制についてお尋ねがありました。

 難病相談支援センターは高知市内に設置することを予定していますが、月1回程度、県内各地への出張相談を行い、療養生活上の不安や心配事への相談をお受けすることにしています。しかし、そうした活動だけでは適時の相談にはなりませんので、これまでと同様、患者さんがお住まいの地域での身近な相談場所として、福祉保健所において引き続き相談をお受けします。

 こうした地域での相談活動に加え、福祉保健所では、医療機関や介護サービス事業所、障害福祉関係機関などと連携し、地域における難病患者さんへの適切な支援が充実できるよう、支援機関のネットワークの構築にも取り組んでまいります。

 最後に、センター設立への決意についてお尋ねがありました。

 難病の患者さんや御家族の多くの方に、まずは気軽に相談していただけるセンターとなることが重要と考えています。そのため、相談されたお一人お一人に対して、少しでも不安の軽減や心配事の解消につながるようきめ細かに対応していくことが基本となります。また、患者さん同士が集まり、悩みなどを共有することで、地域で少しでも充実した生活を送っていただけるよう、皆さんに足を運んでいただけるセンターを目指します。

 先月、本県において全国の難病相談支援センターが集まる研究大会が開催され、ネットワークが一定築けましたし、活動報告もお聞きしましたので、できることから取り入れながら、皆様の期待に応えられるよう、開所に向けた準備を精いっぱい進めてまいります。委託先は、当事者でもある患者団体を予定していますので、利用者の立場に立った相談や事業を展開していただけるものと期待していますが、県としても他県の先進的な活動に学びながら、喜ばれるセンターとなるよう、ともに取り組んでまいります。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) 小中学校の統廃合に関し、まず、国が作成した公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引について、示された基準に沿って統合を進めた場合に本県の学校数などはどうなるのか、またこの手引にどのように向き合うのかとのお尋ねがございました。

 法令上の小中学校の標準的規模はどちらも12学級以上18学級以下と定められており、本県においてこの標準に合致している学校は、平成26年度、小学校で196校中32校、中学校で108校中10校しかありません。なお、小学校では、標準を超える大規模校がこれ以外に10校ございます。

 一方、今回示された手引は、この標準を下回る場合に市町村が学校規模のあり方などを検討する際の大まかな目安を学級数を中心に整理したものであり、国として一律の基準等を設けて統合を進める趣旨のものではありません。したがって、地域の実情によっては、小規模校であっても学校を存続させていくことを想定しております。

 また、統合によって学校規模の適正化を図っていくのか、あるいはさまざまな工夫を凝らして学校を維持していくのかについては、市町村において主体的に判断するべきものであり、また統合するにしてもさまざまなバリエーションが考えられますので、この手引に沿って統合すればどうなるかについて一律に申し上げることは困難でございます。

 ただ、子供たちが発達段階に応じ、充実した教育内容のもと、友人と切磋琢磨しながら学び社会性を身につけることのできる適正な学級規模の維持は重要であり、一方で、地域の事情で困難な場合には、小規模校のデメリットを最小化しメリットを最大化する方策を計画的に講ずることが求められます。こうしたことから県教育委員会といたしましては、各市町村において、今回の手引をもとに改めて地域の実情を踏まえた適正な学校規模や配置のあり方を検討するとともに、小規模校として存続させる学校についての教育環境の改善についてもあわせて検討いただくよう働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、国の、学校規模の適正化及び少子化に対応した学校教育の充実策に関する実態調査に本県はどのように回答したのか、また調査結果をどう評価し分析しているのかとのお尋ねがございました。

 今回の調査は、少子化、人口減少が進む中で、学校規模の適正化や小規模校における教育の活性化に向けた施策を検討するために実施されたものと受けとめております。こうした認識のもとに、本県としては、学校規模の適正化等について国からどのような支援を望むのかという問いに対して、市町村の御意見も参考に、学校統合の適否を検討する際に参考となる資料の提供、統合を進める場合の教職員定数の加配措置による支援、施設整備やスクールバス等購入費用への補助、統合が困難な小規模校等への支援の充実など7項目を回答しております。

 今回の調査結果では、回答した1,753市区町村のうち、おおむね適正と回答した自治体は17%にとどまっております。そして、53%の自治体が、全体として必ずしも適正規模になっていない、あるいは一部地域に過小規模の学校があると回答しており、学校規模の適正化について多くの自治体が課題を認識しているということが明らかになっております。一方で、小規模だが統合困難と回答した市町村も20%に上っております。

 そして、都道府県に望む支援としては、激変緩和のための人事面での措置とともに、指針や手引等参考となる考え方の提示といった意見も多く寄せられております。こうしたことから、統合あるいは小規模校での存続、いずれの選択を行う場合にも、県教育委員会といたしましては、学校設置者である市町村の主体的な判断を尊重しつつ、それぞれの地域で子供たちを健やかに育んでいくための、より望ましい教育環境が実現できるようできる限りの助言や支援を行ってまいりたいと考えております。

   (危機管理部長野々村毅君登壇)



◎危機管理部長(野々村毅君) 米軍機の低空飛行訓練に関して、まず他の自治体と連携した実態把握に係る県のこれまでの取り組みと今後の連携についてのお尋ねがございました。

 県民の皆様からいただいた情報については、事実関係と住民生活への影響の実態をあわせて中国四国防衛局を通じて米軍に伝えていますが、米軍に住民生活への影響を客観的で確定した数値として示すためには、映像による飛行の状況を伝えるというよりも、オレンジルート上の各市町村と連携して現在も取り組んでいる騒音の測定と記録が有効だと考えています。

 仮にお話のように映像による記録を行うとなると、目撃されてから情報を順次伝達し撮影するまでを短時間で行うことが可能なのかという点や、そのために相当の人員やコストがかかるという点で、実現は難しいのではないかと思っております。他方、近隣県との連携ということであれば、先ほど知事から申し上げましたように、四国知事会などで連携して、住民の方々に不安を抱かせるような低空飛行訓練の中止を求める要請を行っておりますし、今後も続けてまいります。

 次に、移動式測定器を導入する必要性についてのお尋ねがございました。

 先ほど申し上げましたように、県では、低空飛行訓練が住民生活に与える影響を客観的、確定的な数字として把握し記録しているほうが米軍に対して訴える説得力を増し、有効性が高いと考え、オレンジルート上で目撃情報が多い嶺北地域の4町村と香美市、合計5台の測定器を設置し測定を行っています。騒音測定器の設置場所については、低空飛行訓練が頻繁に目撃されること、県への報告がすぐに可能なこと、責任を持って機器が管理できることといった条件を満たす必要があり、市町村役場または支所としています。

 お話のあった香美市物部町大西での飛行は、騒音は測定されていないものの、騒音測定器を設置している本山町、土佐町、大川村の飛行情報と一連のものであると判断できるため、この中の最大騒音である103.8デシベルというデータを付して中国四国防衛局に情報提供しています。測定には市町村の協力が不可欠ですので、当面、現在の体制で測定を行っていきたいと考えております。

 次に、香美市物部町で撮影された映像に関する国からの回答についてのお尋ねがございました。

 12月22日に提供いただいた映像は、その日のうちに中国四国防衛局に送付し、事実関係とあわせて住民生活への影響の実態を訴えております。これに対して、12月24日、中国四国防衛局を通じて米軍から、映像に映っている機体は米軍機であるとの回答がございました。

 次に、低空飛行訓練の危険性についてお尋ねがございました。

 低空飛行訓練が行われている嶺北地域と香美市物部町で消防防災ヘリやドクターヘリがヘリポートを使用した回数は、今年度は1月までの10カ月間で42回でした。飛行ルートや時間の告知もなく行われる高速の低空飛行は、この地域で活動する消防防災ヘリなどの航行上、危険があるのではないかと考えています。実際に平成23年11月には、消防防災ヘリの訓練と同時間帯に3機の米軍機が飛来する姿が目撃された事例があります。

 現在、南海トラフ地震対策でヘリポートの整備を促進していますので、米軍にこれらのヘリポートの位置情報を提供していくことで危険を回避する努力をしていきたいと考えていますし、あわせて訓練実施前の飛行に関する情報の提供も求めてまいります。

 次に、米軍機の操縦席から撮影したと見られる映像について、県として米軍への調査依頼と抗議を行うべきではないかとのお尋ねがございました。

 県ではこの画像について、米軍機から撮影されたものなのか、どのようにして撮影しているのか、飛行中に写真を撮る行為は危険ではないのかといった点について防衛省と外務省に確認を行いました。その結果、防衛省からは、「米軍の運用にかかわることなので回答できない」、外務省からは、「日米地位協定の範疇になく、米軍内部の操縦ルールの問題である」との回答でした。そのため、複数の自衛隊関係者に御意見をお聞きしましたところ、必ずしも危険な行為とは言えないということでございました。

 こうしたことから、この件についてはこれ以上の対応は考えておりませんが、いずれにしましても低空飛行訓練が続いている状況でありますので、県民生活に大きな影響のある訓練の抑制に、今まで申し上げた取り組みをしっかりと継続してまいります。



◆39番(塚地佐智君) それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございました。

 それでは、2問を行わせていただきます。

 まず、知事の政治姿勢のTPPの問題について伺います。

 知事はこの間も、県民生活を守るという立場で、TPPに関しては注視もしていく、必要な段階では声も上げていくということをおっしゃってこられました。きょうの先ほどの御答弁の中でも、国内からの強い声が交渉には後押しになるというふうにおっしゃられたわけです。交渉は既に大詰めの段階を迎えていまして、まさに今そうした声を上げるべきときを迎えているというふうに私は認識をしております。

 米国のほうでは随分と交渉の情報も出されているような状況で、日本国民にはその情報もほとんど明らかにされていないというような状況になっております。そのことを踏まえて、やっぱり政府にしっかりとした情報公開をすることを直ちに求める、しかもその中で今必要な行動を知事が積極的に行うということの段階に私は来ていると思いますので、ぜひその点についての御答弁をお願いしたいと思います。

 2つ目が、子育て支援の問題です。

 先ほど知事は、私どもが求め続けてきた中学校までの医療費の無料化について、どこもやり始めたんで、もうそれでは財源の振りかえになっちゃうんでという御答弁でございました。かつて私たちが中学校までの医療費の無料化ということを求めてきたときには、それはなかなか市町村にも負担になっちゃうんで、県としてそういう年齢の引き上げは難しいよというようなお話がありました。どこもの市町村が始めると、今度は市町村がやっているので県はやらなくてもいいんだよというお話になっていて、これは結局県としては中学校卒業までの医療費の無料化の看板は掲げずに済むのかなあという、ちょっと不安な思いを持っております。

 知事も先ほどお話しになりました、知事会のほうで出しました緊急の政策提言の中でも、子育て支援で何が必要か、少子化対策で何が必要かというときに、やっぱり子育てと教育にかかわる費用負担が問題なんだという問題点を2番目に上げられておりますね。ここが私は子育て支援、子育て一番の高知県というふうに表明できる大事なポイントなんじゃないかというふうに思っているんです。その立場からするとやっぱり、もう既に各県が始めている中学校卒業までという看板を高知県も掲げて、やっぱり子育てを応援しているんだよということをしっかり示していく姿というのが、私は大事じゃないかと思うんです。そういう立場で再度御検討をいただけないかということ。

 そして先ほど、財源の振りかえになってしまうんでという御答弁でしたけれども、それでも私はいいと思うんです。先ほど幾つかるる述べましたけれど、各市町村では既に給付型の奨学金を始めているところがある、教育費や給食費の軽減のために独自の補助をしているところがある、そういう状況のところに中学校給食を県が補助することによって、また今回つくられました総合の補助金で活用ができていて、さらに市町村の子育て支援が豊かになればいいわけなんで。そこは財源の振りかえになることは何らやぶさかでなく、高知県がそういう看板を掲げたんだよというアピール力が私はいいと思うんで、ぜひその点をお答えいただきたいと思います。

 危機管理部長に、済いません、お伺いをさせていただきます。

 先ほど御答弁の中で出されました香美市物部町大西での映像を送られた後の米軍の反応が、それは米軍機だというもんだったというのが、先ほど私の聞き間違いかと思うような御答弁だったと思うんですけれど、そのことに対して県として何かアプローチはされたのかということを再度伺っておきたいと思います。

 そして、私はやっぱり都道府県レベルの飛行ルートを確定するということがすごく大事だと思うんで、この間の連携をさらに強めていただいて、各都道府県で持っているデータを寄せ集めていただく、高知県だけでなくてですね。それで、全国でどういう飛来状況なのかということをぜひともデータを突き合わせてつくっていただいて、それを力にやっぱりさらに押し戻していただいて中止の方向に追い込んでいただきたいと、そういう対応をぜひとっていただきたいと思いますが、以上、2問とさせていただきます。



◎知事(尾崎正直君) まず、TPPについてであります。

 今、交渉の最終局面に来ているかもしれません。そこのところはまだわかりませんが、いずれにせよ予断を許さない状況であると、そのように思っています。

 こういうときに、最近はもう余り国会決議を守るべきだとかという声がなくなったんで安易に妥協もしてもいいかなというような誤ったメッセージが政府関係者の中に蔓延してしまってはいけません。ですから、引き続きみんなこの点について懸念を持っていますよということをびしっと伝えることが大事だと、そのように思っております。ただちょっと今どういう枠組みでやることとするかについてはまだ検討中でありますけれども、この議場におられる多くの議員の方々からも心配するお声もお聞きしておるところでございますから、そういうお声も踏まえながら、我々としてしっかり、こういう点は懸念をしている、こういうところはしっかり交渉してもらいたいという地方の声を東京に、中央に上げていきたいなと、そのように思っておるところであります。

 2点目についてでありますけれども、医療費の無料化の問題でございますが、現実問題として、全てじゃありませんけれど、32の市町村で中学校までの医療費の無料化の取り組みが行われるわけですね。これに対して県がこれから新たに取り組みをするといいましても、財源の振りかえになるにすぎないことは確かなのであります。結果として、施策自体が拡大をするということにはならないわけであります。その分のお金でもって我々県として子育て支援のための施策が拡充するような新しい取り組みを行っていきたいと、そのように思っておるところです。

 平成27年度の予算においても、新しい子育て支援のための取り組みなどを盛り込まさせていただいているところでありまして、その中でも最たるものとして、このたびいわゆる貧困対策ですね、こちらについての取り組みを大幅に拡充することといたしております。

 経済状況にかかわらずしっかりと教育を受けることができて、貧困の世代間連鎖というものを断ち切ることができるように、小学校、中学校、そしてまた高校においても放課後しっかりと学習ができるようにするための対策、そのための指導者を確保するための予算、例えばそういうものを新たに確保することとしたりとか、新たにの部分もあれば大幅に拡充したという部分もあります。そういうことを行うこととしたりとか、我々として子育て支援のためにやっていくべきことというのは非常にたくさんのことがあると思っていまして、でき得れば我々といたしましては今ある限られた財源の中でその財源のやりくりをうまく、県と市町村との役割分担も踏まえ、もっと言えば国との役割分担もしっかり踏まえていきながら、施策として子育て支援がしやすくなる環境となるよう、新たな取り組みが追加されていくように、そういう方向で行きたいと、そういう考えで御答弁申し上げたものであります。

 ちなみに1つだけ、子育て支援ナンバーワン宣言をするということについてなんですが、私は少子化の問題というのは日本国全体の問題だと思っておりまして、子育て支援ナンバーワンぐらいの気持ちでやりたいのは確かですが、全国各県がそれぞれみんな子育て支援のための取り組みを今よりもっともっと充実させていって、子育てがしやすい国日本になることが大事だと思っておりまして、高知県はほかの県よりもすぐれていますというよりも、みんなでぜひ子育て支援の体制を充実しましょうという方向で行かせていただきたいものだなと思っています。

 私、全国知事会のプロジェクトチームリーダーでもありますから、取りまとめをする役目でもありますので、他の県と張り合うというより、みんなで一緒に子育て支援を充実していきましょうと、そういう方向で行かせていただきたいと、そのように思っています。ナンバーワンを宣言したらどうかという御質問に対してはっきりお答えしませんでしたが、大変失礼いたしましたけれども、私の気持ちというのはそういうものであります。



◎危機管理部長(野々村毅君) まず、物部町での送った映像につきまして米軍からの回答ということでございますが、やはり防衛省、米軍に対しまして住民の被害の実態ということをとにかくいろんなケース、いろんな場合で言い続けていくことが私は大事だと思っております。たまたま確かに今回は、米軍機であったという回答しか返ってきておりませんが、こういうことを映像であれ音であれとにかく言い続けていくことだと思っております。それが重要だと思っております。

 それから、飛行ルートのデータを各県で連携して取り組めということでございます。

 これにつきましては、オレンジルート上の他県におきましても本県と同様に市町村を通じて目撃情報を収集されております。しかし、騒音データというところに限って見てみますと、騒音を測定してデータを収集しておるのは本県と徳島県だけということになってございます。それから、目撃情報の数にもかなり差がありますことも事実でございます。そういったことから、各県によりましてちょっと取り組みに温度差もあるようなイメージも持っております。ですから、まず各県の考え方をお聞きし、話し合いはしてみたいというふうに思っております。



◆39番(塚地佐智君) それぞれ御答弁ありがとうございました。

 TPPは、ぴしっとぜひお願いしたいというふうに思います。

 やっぱり中学校の医療費の無料化は、残り2つが高知県の子供たちの割と多くを占めているパーセントになっているわけです。ここがやるかどうかというのは、一つの高知県全体の中学校のお医者代の無料化に、子供たちが本当にその施策を受けるかどうかということになるわけです。その点から考えて、やっぱり県が持つイニシアチブというのは、私は大きいというふうに思っていますので、さらにこれは引き続き御検討をぜひいただきたいというふうに思います。

 最後に、低空飛行訓練の問題ですけれども、まず私は、高知は本当に積極的に測定器も5台にふやし、交渉も行い、要望も行いということで積極的役割を果たしているというふうにも思っていますが、それでもまだとまらないという現実があるわけです。先ほど映像の感想もいただいたような実態が高知県の中山間地で起きているわけです。何をしてどのようにしたらこれを中止させることができるのかということの、やっぱり真剣な取り組みが求められていると。知事も、これまでの延長線ではこれはとまらないんだなということはもう実感されていると思うんで、そこは改めて私は地元の防衛大臣にも直接伺ってはどうかということも述べましたので、そのことも含めて最後に知事の御答弁を伺って、私の一切の質問といたします。ありがとうございました。



◎知事(尾崎正直君) 地元の選出の防衛大臣に訴えるかどうか、それも一つの手かもしれませんが、やはり今、中国四国防衛局も私どもの印象では非常に誠意を持って御対応いただいておりますので、やはり組織として、組織と組織との間で信頼関係を持って取り組んでいくことが先々に向けても一番効果的な対応ではないかと思っています。やはり先ほど危機管理部長からも御答弁いたしましたように、しっかりと訴え続けていくことが大事だと思っています。そしてその際には、どういう実態なのかということをしっかりわかりやすい形でお伝えしていく、そういうことが大事だと、そのように思っています。

 ここにデータがありますけれども、平成25年5月に、余りにも低空飛行訓練が大変で地元の負担になっているじゃないですかということを中国四国防衛局を通じまして米軍側に訴えました。するとどうなったか。1月から5月までの間、低空飛行訓練は68回行われておりましたけれども、それから6月以降、いわゆる申し入れを行って以降というのは18回という形で激減をしています。このとき、特に夜間の飛行についてお訴えをしました。1月から5月まで、要望前は夜間14回でしたけれども、要望してからは夜間2回だけになっています。もっと言うと、平成26年36回の飛行、86回だったものから36回まで回数が減り、夜間の訓練はゼロ回という形になっています。やはり、その実情をしっかり訴えていくことでもって一定我々の思いというのは通じるものだなと思っています。

 ただし、まだまだ足りないところがあります。お子さんが泣くようなことはやめてほしいということを従前から訴えています。そのことをわかりやすく今後もお伝えしていくことで配慮を求めていきたいと、そのように考えているところです。



○副議長(桑名龍吾君) 暫時休憩いたします。

   午後3時7分休憩

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   午後3時25分再開



○議長(浜田英宏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 30番池脇純一君。

   (30番池脇純一君登壇)



◆30番(池脇純一君) 私は、公明党を代表しまして、県政の重要課題について、知事並びに教育長及び関係部長にお聞きいたします。

 初めに、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。

 まず、人口減少問題についてであります。

 人口減少から派生する課題は、集落維持機能まで影響を及ぼします。増田レポートは、地方消滅という表現で、その危機的状況を、若年女性人口構成をもとに消滅可能性都市を導き出しました。増田レポートに対しては賛否両論、議論がなされているところであります。ただ、今後も一定期間人口は減り続ける現象については容認されているように思われます。

 全国的に人口減少が続く中、どこでこの流れを変えられるのか、どこで人口減少をとめるのか、このことを抜きに対応することにはならないと考えます。しかし、その時期の想定は非常に困難で、施策の効果として減少がとどまる時期を引き寄せることのほうが現実的とも思います。

 歴史人口学者の鬼頭宏上智大学教授も、どこまで減少するかの予測で終わるのではなく、どの程度の人口規模を実現したいのか、そのためには、いつまでに出生率を人口置換水準へと誘導していくのかを具体的数字で上げるべきであると述べています。つまり、今起きている人口減少は産業文明の発展に伴って起きる必然的な減少であり、社会の持続可能性を実現するには一定の人口を維持することが望ましいと言っているのであります。また、明確な解決策があるわけではないがと前置きし、人口が安定するには時間がかかることを理解した上で、50年後、100年後の社会の姿を予想し、現実に向け努力することが重要であると鬼頭教授は説かれています。

 そこで知事にお聞きしますが、本県の人口減少の起因は鬼頭教授が指摘するように産業文明の発展に伴って起きる必然的な減少であると認識されるのか、また全国より15年も先行して人口が自然減の状態に陥った起因をどう分析されるのか、お聞きします。

 また、本県における社会の持続可能な人口の安定時期と人口数の想定は持たれておられるのか。また、本県の人口減少の負のスパイラルの危機を克服する対策を知事説明で示されましたが、私としては大変理にかなった総合的対策であると受けとめております。その上で、負のスパイラルからの脱却のめどはどの程度の期間を想定されているのか、中長期的戦略上重要と考えますので、御所見をお聞きいたします。

 続いて、農山村の実態についての認識でありますが、小田切徳美明治大学教授の農山村における人・土地・むらの3つの空洞化の問題提起は傾聴に値します。

 小田切教授の説によれば、人の空洞化は1970年、最初の過疎法が制定されたときに既に生じ始めています。特に高度経済成長期に農山村の人口は都市の工業地域に吸収され、人の空洞化は若い後継者まで地域を離れ、基幹労働者不足の危惧が問われ出します。

 土地の空洞化は、1980年代に農地の流動化の機運が起こり進行するものの、農業の機械化に支えられ、一定地域内で吸収されていましたが、農家の高齢化で、いわゆる受け手の能力を超えた農地があふれ出し荒廃化する現象が発生していきます。こうした状況が明らかになる中、農水省は中山間地域の用語に新定義をつけ、地域を特定化し、その対策に当たることになります。なお、この呼び名は1987年に初出しています。

 むらの空洞化は、1990年代初頭に生じています。村をむらと平仮名表記するのは、行政村ではなく集落を表現するものとしています。むらの空洞化の状況を小田切教授は、社会学者の大野晃氏の論文「山村の高齢化と限界集落」から、次の1991年の高知県の山村の記述内容、すなわち「集落にこの独居老人世帯が滞留し、そのため社会的共同生活を維持する機能が低下し、構成員の相互交流が乏しくなり、各自の生活が私的に閉ざされたタコツボ的生活に陥り、以上の結果として集落構成員の社会的生活の維持が困難な状況となる。こうしたプロセスを経て、集落の人々が社会生活を営む限界状況に置かれている集落、それが限界集落である」を引用され、集落機能の著しい停滞、すなわちむらの空洞化を指摘しています。

 このように、農山村で人・土地・むらの3つの空洞化が段階的に折り重なるように進行している状況に危機意識を持たれ、問題提起されてこられたのであります。

 そこで、知事が想定する中山間地域における地域の活性化の対象は、小田切教授や大野氏が捉えている集落であり、むらと言っている、いわゆる限界集落を指すものと理解していいのか、確認しておきたいと思います。その上で、本県の集落の実態はどうか、お伺いいたします。また、その回復への処方箋が負のスパイラルの克服の施策であると捉えますが、その効果について外科的と内科的視点での効果はどうか、御所見をお伺いいたします。

 次に、法人減税と外形標準課税についてお聞きします。

 政府は、法人税の実効税率の引き下げ幅を2015年度から2年間で3.29%以上にする方針を固めました。2015年度と翌2016年度でそれぞれ2.51%、0.78%引き下げ、2016年度ではさらなる引き下げを図る内容となっており、企業の実質的な税負担を4,200億円減らすのが柱であります。

 また、成長戦略の大きな柱の法人減税で企業の競争力を高め、景気回復を後押しすることが期待されています。ゆえに、政府は企業に対し一層の賃上げを求める方針でもあります。

 一方、外形標準課税の拡大は資本金1億円を超える企業が対象になりますが、資本金数億円の小さな企業に負担がかかります。さらに、実効税率の引き下げで利益への課税が減少しても、利益水準がもともと低い企業は外形標準課税で実質増税になる可能性があるとの指摘もあります。

 ゆえに、これらの負担増を抑える軽減対策を講じる方向も与党で確認されました。具体的には、地方経済を担う中堅企業に配慮し、外形課税の税率見直しによる増加分の半分を控除する、また賃上げ企業への税優遇として要件を緩和し対象企業をふやすこと等が税制改正大綱に盛り込まれました。

 そこで、今回の税制改正に対する評価について御所見をお伺いいたします。

 次に、昨年の11月20日は、子どもの権利条約採択25周年の記念日でありました。1989年、国連総会で採択され、これまでに大きな発展を遂げてまいりました。しかし、それでもまだ多くの課題が残されております。

 子供の権利の4つの柱は、御承知のとおり、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利であります。この4つの権利を尊重し、深い愛情を持って育てられる社会環境をつくるのは大人の責任だと思いますが、子どもの権利条約の成り立ちや子供の権利に関する現状を踏まえ、子どもの権利条約採択25周年を迎えての知事の御所見をお伺いいたします。

 また、特に教育の果たすべき役割は大きいと考えます。教育的な観点でどう捉えているのか、教育長の御所見もお伺いいたします。

 次に、中教審の答申、「子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について」に関してお聞きいたします。

 中央教育審議会は昨年12月22日、義務教育の9年間を一体として行う小中一貫教育を制度化するよう下村文部科学大臣に答申をしました。文科省は、通常国会で法改正し、新たな学校形式として認め、各市町村の判断で導入できるようになる見通しを立てました。答申では、中1ギャップの緩和や9年一貫教育のカリキュラムの作成により教育の質の向上を図ること、また1人の校長のもとで小中学校が一体となった小中一貫教育学校と、組織上は別々ですが9年間のカリキュラムを組む小中一貫型小学校・中学校も、現行の小中学校とは別に制度化することが進言されています。

 答申は、小中一貫教育の本格的導入に踏み切る5つの理由を挙げております。1、教育基本法、学校教育法の改正による義務教育の目的・目標規定の新設、2、近年の教育内容の量的・質的充実への対応、3、児童生徒の発達の早期化等にかかわる現象、4、中学校進学時の不登校、いじめ等の急増など中1ギャップへの対応、5、少子化等に伴う学校の社会性育成機能の強化の必要性等の5点であります。

 私は、特に中1ギャップへの対応についての指摘内容に注視したいと思います。その点について答申では、「各種調査によれば、いじめの認知件数、不登校児童生徒数、暴力行為の加害児童生徒数が中学校1年生になったときに大幅にふえるなど、児童が小学校から中学校への進学において、新しい環境での学習や生活に不適応を起こすいわゆる中1ギャップが指摘されている」と前置きし、「加えて、授業の理解度、学校の楽しさ、教科や活動の時間の好き嫌いについて、中学生になると肯定的回答をする生徒の割合が下がる傾向にあることや、学習上の悩みとして、上手な勉強の仕方がわからないと回答する児童生徒数がふえる傾向が明らかになっている」と、中1ギャップを非常に重く捉えています。

 その要因として、以下の5点を指摘しています。1、授業形態の違い−−小学校、学級担任制。中学校、教科担任制。2、指導方法の違い−−小学校、丁寧にきめ細かく指導、比較的活動型の学習が多い。中学校、小学校に比べてスピードが速い、講義形式の学習が多い。3、評価方法の違い−−小学校、単元テスト中心、関心・意欲・態度が重視される傾向。中学校、定期考査中心、知識・技能が重視される傾向。4、生徒指導の手法の違い−−中学校では思春期を迎える生徒を指導することもあり、小学校と比較して規則に基づいたより厳しい生徒指導がなされる傾向。5、部活動の有無−−中学校から部活動が始まり、放課後のみならず休日の活動を行う機会もふえるなど、子供の生活が劇的に変化することの5点であります。

 これらの指摘は制度やシステム及び組織にかかわる問題で、小学校と中学校の段階の差異として存在する基本的な違いでありますが、この小中学校段階間の差異が子供の発達状況とのずれとなっており、中1ギャップの背景にあることを答申では指摘しています。こうした背景とその課題解決に向け、小中一貫教育の取り組みが全国的に広がり、今後さらに増加が見込まれる傾向です。

 しかし、その一方で課題も出てきています。それは教職員の負担の増加であります。今後、負担軽減など解消をどう図るのか、また小中一貫教育の取り組みの多様性を尊重しつつすぐれた取り組みが展開されるような環境整備、すなわち校舎などのハード面における充実の必要性が求められているのであります。こうした課題に対して答申は、検討の必要性を明記しております。

 そこで、こうした中1ギャップの5つの課題に対し、これまでどのような認識を持ってこられたのか、また具体的に今日まで解決に向けた施策を提示し対処してこられたのか、教育長の御所見をお聞きいたします。

 次に、小中一貫教育の促進に当たり、県の役割について次のような内容を提示しております。「これまで小中一貫教育は設置者の主体的な取り組みによって推進されてきた面が強く、都道府県教育委員会による指導・助言・援助は、一部の例外を除いて必ずしも組織的・継続的になされてきたとは言えない。実態調査の結果においても、4割の市町村、学校が都道府県教育委員会の理解・協力・支援が課題であると回答している」。

 このことを前提に、免許状併有のための工夫について、「小中一貫教育学校(仮称)においては、小中学校の教員免許状を併有している教員が勤務することを原則とすべきである」、「都道府県ごとの併有率の状況には極めて大きな違いがあり、都道府県によっては免許状の併有率の低さが域内における小中一貫教育の推進にとって障害となるおそれがある。都道府県においては、域内の市町村が小中一貫教育の実施を希望する場合に必要な人材が確保できるようにする必要がある」とし、必要な措置を計画的に図るよう求めています。

 次に、人事上の措置について、「小中一貫教育の最終的な成否は、管理職のみならず一人一人の教職員が小中一貫教育の理念や目標を理解し、9年間の全体像を意識した上で、一つのチームとなって日々の教育活動を積み上げていけるかどうかにかかっている。このため、人事権者である都道府県教育委員会等においては、市町村における地域の実情に応じた小中一貫教育の取り組みを組織的・計画的に支えていくことを期待する」とし、教育の質や教員の意識の高揚を図るよう促しています。

 次に、教員研修について、「児童生徒の9年間の発達を見据えて教育活動に取り組んでいくためには、積極的に他校種における指導技術の向上に努めるとともに、小中相互のよさを積極的に学び合っていく必要があるが、そうした研修は都道府県レベルではほとんど実施されていない。このため、都道府県教育委員会においては、小中一貫教育の制度化に伴って、小中学校教員の相互乗り入れ授業や9年間を見通した生徒指導のあり方、9年間一貫した教育課程の組み方などに関する実践的な研修を積極的に企画・実施していくこと」を求めています。

 次に、モデル事業については、「都道府県教育委員会においては、設置者である市町村のニーズも踏まえつつ、都道府県内の小中一貫教育の質のさらなる向上に資するようなモデル事業の実施について検討すべきである」と。

 さらに、計画的な小中一貫教育の推進として、「各市町村における小中一貫教育の取り組みを支える上で都道府県が講ずべき方策は、人事や免許の併有促進、教員研修、モデル事業など、地域の事情によって多岐にわたることが考えられる。このため、都道府県においては、域内の設置者の要望・実情を踏まえた小中一貫教育推進のための計画を策定するなどして、計画的に指導・助言・援助を行っていくことが期待される」と、以上5点について、国は県教委の積極的関与を促しております。県教委が本気で取り組むかどうかによって、市町村教委の取り組む姿勢も変わります。本県でも、市町村任せになっていた嫌いがなくはありません。

 小中一貫教育の推進は、県の教育課題解決への大きな推進力になることは間違いありません。答申に対する見解及び特に引用指摘した県教育委員会の役割を踏まえ、本県における小中一貫教育の現状と今後の取り組みについて、教育長の御所見をお聞きいたします。

 「すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために」との副題で、中教審は、「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」の答申を昨年12月に出されました。

 注目すべきは、今後の教育改革が目指すべき方向性を、「生産年齢人口の急減、労働生産性の低迷、グローバル化・多極化の荒波に挟まれた厳しい時代を迎えている我が国においても、世の中の流れは大人が予想するよりもはるかに速く、将来は職業のあり方もさま変わりしている可能性が高い。そうした変化の中で、これまでと同じ教育を続けているだけでは、これからの時代に通用する力を子供たちに育むことはできない」と、また、「この厳しい時代を乗り越え、子供や孫の世代に至る国民と我が国が、希望に満ちた未来を歩めるようにするため、国は、新たな時代を見据えた教育改革を待ったなしで進めなければならない」と、社会の急激な変化に対する正確な認識と未来予測への意識改革の必要性を踏まえることを指摘しております。

 そのために、「子供たち一人一人に、それぞれの夢や目標の実現に向けて、みずからの人生を切り開き、他者と助け合いながら、幸せな暮らしを営んでいける力を育むための、初等中等教育から高等教育までを通じた教育のあり方を示すことである」と述べています。

 私は特に、将来は職業のあり方もさま変わりしている可能性が高いという視点に注目したいと思います。なぜなら、同様な予測を、ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏も、その著「ワーク・シフト」で、働き方の常識の数々が根底から覆される、また仕事に対する意識も変わることを前提に、恐らくこれから社会に出る世代の働き方は、これまでとは似ても似つかないものに変わるだろうと言っております。

 私たちは、ややもすると日常の目先の変化の対応に追われ、世界や社会の大きな変化を見逃しているのかもしれません。グラットン教授は、産業革命のエネルギーが石炭と蒸気機関という新しいエネルギーであったことを踏まえ、これから起きようとする変化を突き動かす要因として、テクノロジーの進化、グローバル化の進展、人口構成の変化と長寿化、社会の変化、そしてエネルギー・環境問題の深刻化を挙げています。これからの子供たちは、こうした社会変化の中で生きていく力を持たなければなりません。その意味で、これまでの教育を続けるだけではだめだという意識改革が求められますし、先見性を持った、新たな時代に向けた教育改革を進めなければなりません。中教審のこうした視点での認識は十分理解できるところであります。

 また、グラットン教授が思考するように、社会や産業構造の急激な変化により、また未来に押し潰されないようにするにはどのような準備が必要なのか、そして日本の教育は時代の変化に取り残されているのか、これらの点について知事の御見解をお伺いいたします。

 また、答申では、新しい時代にふさわしい高大接続の実現には、既存の大学入試と公平性に関する意識を改革し、年齢、性別、国籍、文化、障害の有無、地域の違い、家庭環境等の多様な背景を持つ一人一人が、高等学校までに積み上げてきた多様な力を多様な方法で公正に評価し選抜するという意識に立たなければならないと、ここでも意識変革の必要性を強調しています。

 その上で、解決すべき課題も指摘しています。それは、「高等学校においては、小中学校に比べ知識伝達型の授業にとどまる傾向があり、学力の3要素を踏まえた指導が浸透していない」という実態の課題であります。こうした状況が定着している背景を、「現行の多くの大学入学者選抜における学力評価が、学力の3要素に対応したものとなっていないことが大きく影響していると考えられる」と、現行の入試制度に言及しています。

 しかし、こうした課題は、入試制度を改革することで全てが改善されるとは考えられません。入試制度の改革と一体的に、知識の暗記、再生に偏りがちな現状の高校・大学教育の内容も、思考力、判断力、表現力や、主体性を持って多様な人々と協働する態度など、真の学力が十分に育成、評価されるカリキュラムの編成をしなければなりません。

 もちろん授業内容の質的転換も求められます。高校と大学、その間をつなぐ大学入試、この3者の一体的改革がなされなければ、答申の求める成果は期待できません。今後、この中教審の答申を受け、全体的には2020年導入の実施スケジュール案に従い、制度改革へ動き始めることになるでしょう。

 そこで、県教委としては、まず高校教育が学力の3要素を踏まえたものになっていないという指摘に対し、実態を把握し対策を検討しなければならないと考えます。また、新しい教育振興計画には、この課題に対しどこまでの内容を検討し組み込むのか、答申に対する見解とあわせて教育長の御所見をお聞きいたします。

 次に、教育相談の充実についてお聞きします。

 家庭の教育力や地域社会の機能の低下は、虐待の深刻化や地域の包容力の低下をもたらし、児童生徒にも大きな影響を及ぼしています。こうした状況下で、学校がさまざまな社会問題に対応し切れず責任を問われたり、あるいは学校への過度の期待を求められたり、その結果、教員が生徒と向き合う時間が少なくなってきている状況も見られます。こうした状況下で、教員も児童生徒もストレスを抱えることが多くなってきていると言えます。

 昨今の問題行動や少年非行は、さまざまな要因が絡み合っていると考えられます。特に児童生徒が内面にストレスを抱え込み、なおかつそのストレスを自力で対処できないケースも多く、それまで問題行動や非行歴のない児童生徒が突然重大な犯罪行為を犯すケースも発生しています。こうした背景を考えると、学校教育における生徒指導上の諸問題は極めて多岐にわたるものと考えなければなりません。

 一方、児童生徒の視点から教育相談のあり方を検証すれば、さまざまな悩みを抱える児童生徒に対してきめ細かく対応するには、多様な専門家の支援による教育相談体制をつくることの必要性が問われます。特にスクールカウンセラーのような臨床心理の専門家や児童精神科医など医療関係の専門家等のバックアップと連携は不可欠であり、絶対的必要条件であります。

 こうした専門家のバックアップ体制は、平成19年に文科省が実施した教育相談等に関するアンケートにおいても、児童生徒のメンタルヘルスに関する問題の支援に当たっての課題として、子供のメンタルヘルスの問題が複雑多様化し理解が困難になっていると答えた学級担任が最も多かったことを考慮すれば、現場の声を無視することはできません。こうしたメンタルヘルスの複雑多様化の状況を鑑みれば、児童生徒が相談したいと思うタイミングを逸することなく相談できるように、相談機関や相談方法の選択肢を複数用意し、多様な視点できめ細かく児童生徒を見守ることができる相談体制を総合的に構築することが重要と考えます。

 本県は他県に先駆けて、こうした問題に対応するため心の教育センターを設置し、15年にわたり取り組んでまいりました。この取り組みは高く評価されるべきで、今後も進化すべきセンターとして拡充を図り、その役を果たすことが求められていると考えます。

 そこで、さきに述べた教育相談の体制に対する課題等の課題解決に向け、私は、教育相談の対応機能を心の教育センターのワンストップで対処できるよう機能強化を図り、SCやSSWのプラットホームの機能と機動性、情報共有化、研究開発が有機的に連携する有効な組織編成を図ることが喫緊の課題と考えますが、知事の御所見をお聞きいたします。

 次に、スクールカウンセラー、SCと、スクールソーシャルワーカー、SSWの専門性と効果的対応についてお聞きします。

 文科省の2013年度問題行動調査で、小学校のいじめは前年度より1,421件増加し11万8,805件で過去最多を更新したことがわかりました。小学校では暴力行為も増加し、初めて1万件を超えました。

 この現象を、教育評論家の武田さち子さんは、教師の申告制から児童生徒へのアンケート制にしたことで、かつては隠れていたいじめが表面化しているのではないかと、また鳴門教育大学大学院の阪根健二教授は、小学校は解決のために教員が介入する必要があり、積極的に掘り起こしたので今回も増加したと分析されています。そして、今後の対応を、教員数をふやすなどしてしっかりと子供に目配りできる環境づくりをすべきだ、重大ないじめでは中学校でも積極的にかかわることが必要だと述べられ、武田、阪根両氏ともに目配りやかかわりの重要性を指摘しています。

 この指摘は非常に重要な指摘と受けとめなければなりません。なぜなら、ここにSCとSSWの専門的な働きが求められており、問題行動の増加と多様化に対する課題解決の重要な鍵があり、キーマンとしての働きが期待されているのであります。

 文科省は平成25年度より、中学校100%、小学校65%のSCの配置を目指しています。本県は、26年度で中学校100%、小学校で57.7%の配置ができています。具体的には、小学校113校、中学校107校、高校13校、特別支援学校13校に配置されています。小学校への配置数が5割と中学校より少ないことは全国的傾向で、今後の重要な課題であります。それは、問題行動の低年齢化が進む中、小学校からのSCの要請が年々強まっていることを見れば明らかであります。

 それでは本県の実態はどうか、概観しますと、配置校の総数は246校でありますが、SCの有資格者は35名しかいません。これではSC1人当たり7校を担当しなければなりません。

 そこで、県は20人の準SCを補充し、55人体制で対応しております。実態的には、1人のSCあるいは準SCが平均3校を1週1回7時間で担当しているとのことであります。ゆえに、週1回の派遣を希望する学校が多い中、2週に1回あるいは1カ月に1回の派遣となっている学校もあるという状況であります。

 こうした実情を考えますと、SCの絶対的不足状況にあることは間違いありません。これが第1の課題であります。

 次に、SCになる人材は、臨床心理士が地域の状況により偏在しているため、その質の確保は非常に困難で、多様な人材を活用することも検討されなければなりません。本県で準SCで働いていただいている方たちは、所定の学習を終え、資格取得の受験資格をお持ちの方たちですので、問題はないと考えられます。

 SCの役割は、その業務として、児童生徒に対する相談のほか、保護者及び教職員に対する相談、さらに教職員などへの研修及び事件、事故等の緊急対応による被害児童生徒への心のケアなど多岐にわたっております。こうした業務からも理解できますように、学校の教育相談体制に大きな役割を果たしています。

 相談業務以外では、ストレスチェックやストレスマネジメント等の予防的対応や校内会議への参加なども含まれます。こうした業務を週1回、二、三時間で対応するとなれば、学校や担当教諭等との綿密な連携なしには対応できません。

 そこで、SCには資質としての能力と経験としての判断能力が問われますが、一方、学校側はSCを受け入れる環境整備が問われます。相互の協力体制の有無により、その効果が評価されることになります。県教委としては、SCの資質の向上、すなわちある一定の均質化された資質の保証をどのようにつくり上げるか、またマネジメントをどのように図っていくか、これが第2の課題であります。

 次に、SCの身分は非常勤という立場で、勤務時間が週4時間から8時間程度に限定されています。一人一人が県からの委嘱を受け派遣される立場であります。SCには所属部署がありません。通過点として心の教育センターが存在しますが、そこは情報交換の場であり研修の場でしかありません。訪問学校は職場ではありますが、週1で数時間の業務ですから、所属部署という意識は持てません。どこにも自分の居場所を持てないで、現場を移動しながら業務をこなしているというのが実態ではないでしょうか。自由といえば自由ですが、業務内容が内容だけに、問題を一人で抱え込んでしまう傾向が潜在化する危険性があります。SCは一見、個人業務のように考えられますが、チームプレーの意識が強くなければ、木を見て森を見失うことになりかねません。SCには所属部署を与えるべきであり、孤立した存在ではなくチームの一員の自覚を育てることが重要であると考えます。教育相談のかなめであるSCの連帯意識をどう図るか。

 また、時給額は5,000円と高いものの、月によっては無収入となる報酬の不安定性は、この仕事の継続性を阻む大きな要因にもなっています。その意味で、経験値を高めたSCが教員や医療関連に流れることは当然かもしれません。

 このような背景と実態を踏まえ、強力なSC集団をどう構築していくのか、これが第3の課題であります。

 以上、SCやSSWに対する3つの課題を解決するための機構改革は、子供を守り育てる観点からも最も優先されるべきと考えますが、教育長に、この課題に向けどのように対処されるのか、御所見をお聞きいたします。

 次に、漁業無線の現状と課題についてお聞きします。

 総務省は平成20年2月に、沿岸漁業無線システムのネットワーク化に関する調査検討会報告書を出しています。その概要の中で、東北管内の沿岸漁業における安全・安心の現状と題して、現状と課題と検討結果が紹介されています。

 現状に関しては、「災害対策の必要性、津波対策の実施、そして漁船海難事故の傾向として、5トン未満の漁船・早朝・高齢者の事故」等が記されています。

 次に、課題として、「東北管内の沿岸漁業で24時間ワッチ体制をとる漁業用海岸局は4局のみで、唯一岩手県が全県をカバーしています。東北管内の27メガヘルツ漁業用海岸局72局にアンケート調査を行った結果、漁協就業時間外に津波警報が発表された場合の出漁中の漁船に対する連絡体制は十分かとの質問に対し、31局45%が不十分と回答しています。特に、24時間ワッチ体制が整備されていない青森県、宮城県、山形県等の漁業用海岸局は、緊急時の連絡体制が不十分との認識にある」ことが示されています。

 その上で、検討結果として、「人為的要因が海難事故の多くを占める現状においては、情報通信基盤の整備のみでは安全・安心な状況が実現するものではないが、漁業用海岸局による24時間ワッチ体制のネットワークシステム等を効果的に活用することで、事故発生時の迅速かつ的確な対応、被害、事故件数の軽減や質的な改善が実現すると見込まれる。そのため、沿岸漁業従事者の安全・安心を確保するために、陸上からの沿岸漁業従事者の安全操業を支援する情報通信基盤整備は重要である」と、漁業無線を含む情報通信基盤整備の重要性を明確にされました。

 その3年後、東日本大震災が起こりました。平成23年3月11日の東日本大震災の際に被害を免れた岩手県釜石漁業無線局は、地震発生と同時に大津波の来襲が予測されたため、漁船への避難を呼びかけ、津波情報や安否情報を繰り返し発信し、これにより被災を免れた数多くの船舶が確認されています。

 長崎県は国に対し、東日本大震災の被災実態等を踏まえ、津波災害や予期せぬ事故から漁業者の命と漁船等財産を守るため、緊急時連絡通報手段の確保対策を講じるとともに、海上作業に従事する漁業者へのライフジャケット着用を義務化するよう提案、要望を上げております。特に海難事故数の増加傾向に対し、漁業無線海岸局に加入し航海警報や位置情報等の交信を行う漁業者は年々減少している状況を踏まえ、加入義務化の措置を講ずるよう求めています。その主な理由として、災害発生時の緊急連絡は漁業無線の一斉通報が有効な通信手段であること、次に、現在は加入義務がないため携帯電話での対応が進み、加入者減少で無線事業の運営が困難になっている。さらに、無線業務の廃止となれば漁業者の安全操業が確保できなくなる。その意味で、加入の義務づけは規制緩和に逆行するけれども、陸上と確実に通信できる手段の確保は必要不可欠であると、海岸局の無線業務の重要性を強調しています。

 それでは本県の状況はどうか。まず、漁業無線の現状でありますが、本県には1ワット漁業用超短波無線の任意団体として高知県漁業用超短波無線協会が組織され活動しています。現在の組織概要は、会員数22漁協と統括支所で、傘下の漁協及び支所の総数は51であります。海岸局は26局で、加入隻数は1,233隻であります。各海岸局は漁協や漁協支所が運営しておりますが、職員体制の問題や携帯電話の普及等もあり、通常勤務時間帯のみの運用となっております。夜間や早朝における漁船との連絡は携帯電話が使用されている状況であります。

 このほかの漁業無線団体としては、沖合・近海・遠洋漁船への通信業務に携わる高知県無線漁業協同組合があります。ここに所属する隻数は121隻で、県実習船や調査船もお世話になっております。

 また、昭和51年より室戸漁業無線局も同時に運営しています。この室戸漁業無線局は、県漁協から夜間業務17時から翌8時半までを委託され、室戸統括支所と室戸岬支所所属の沿岸漁船の安全確保のため、気象情報等の周知など通信業務を行っています。

 以上の状況から、本県では、夜間早朝に漁をする漁船は室戸関係のみ無線対応がなされており、それ以外は携帯での対応になっていることが実態であることがわかります。

 さきの報告書でも指摘されていましたが、漁船海難は、他用途の船舶に比較し、海難全体に占める割合は依然として高い状況であります。特に5トン未満の漁船・早朝・高齢者の事故が多発している現状であります。本県においても同じような状態であります。

 そこで、お聞きいたします。漁業従事者やその家族は、操業中の事故に対する不安を抱きながら日々の生活をしております。この不安を解消するためには、漁業従事者自身が安全対策を講じること、また安全意識の向上を図ることは言うまでもありません。しかし、漁業を取り巻く厳しい現状にあって、各個人の取り組みにも限界があります。

 東北や長崎の事例を鑑みれば、沿岸漁業無線システムのネットワーク整備は喫緊の課題と受けとめることができます。知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、水産振興部長にお聞きします。

 南海地震対策行動計画に基づき、津波発生時における漁船による緊急輸送活動等の協議が行われ、協定の締結がなされました。この協定に基づき、漁船における緊急輸送活動の実施マニュアルが昨年1月に作成されました。その際、何点か課題が指摘され協議されましたが、解決には至っておりません。その課題とは、おおむね次の3点であります。

 1点目は、海岸局はその立地から、津波にいち早く遭遇し、通信機能が消滅する可能性が大きい。2点目は、陸上施設間は衛星電話を整備することで対応できるが、海岸局が津波で機能不全に陥ると、沖合にいる漁船との連絡手段がなくなり、救援活動が極めて困難となる。3点目は、漁船への連絡方法の解決策としては、高台にある高知県無線漁業協同組合への海岸局の集約化が考えられるが、1ワット電波の到達距離を考慮すると県下に2から3の中継基地が必要となるという諸課題であります。

 これらの課題は非常に重要で、その対策については協議を重ね、解決に向け対応策をとる必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、海岸局の集約化については、全国的な動きもあり、四国漁業無線連合会でも協議され、既に徳島県は検討に入っていると聞き及んでおります。しかし一方で、1局統制化、すなわちネットワーク化が実施されている県は、長崎県、宮崎県、熊本県、沖縄県、島根県、鳥取県、三重県、千葉県と既に8県もあります。

 本県の取り組みは、いまだ現状から具体的整備への動きも見えず思案にあぐねている状況のようですが、海洋県を名乗るのであれば、ざんじ整備をすべきと考えますが、部長の決意と御所見をお聞きします。

 次に、認知症高齢者らの法的トラブルに関する対応について地域福祉部長にお聞きします。

 法律の専門家に頼ることが難しい認知症高齢者や知的障害者らを支援するため、司法と福祉の関係機関が連携する動きが広がっています。その背景は、高齢者や障害者が詐欺被害や多重債務などのトラブルを抱えていても、認知症や障害のために的確な状況判断ができず、専門機関に相談できないケースは少なくなく、また高齢者の消費トラブルに関する相談件数26万7,000件のうち25%が家族やヘルパーからの相談であることが明らかになっており、自分で救済を求められない状況が多く発生しているからであります。しかも、高齢者や障害者の身近にいる福祉関係者も、異変に気づいても弁護士に相談してよいのかどうか判断が難しいケースも多く、問題が潜在化して被害が拡大する要因になっています。

 トラブルの早期解決のためには、福祉関係者が問題を把握し、法テラスなどの関係機関と連携して対応することが必要であります。このような取り組みを司法ソーシャルワークと呼び、各地で実施され始めています。

 法テラス事務所では、自治体などと協力して、弁護士の福祉機関への派遣や出張法律相談を実施しています。法テラス本部は、こうした司法ソーシャルワークを全国に普及させるために、司法ソーシャルワーク事業計画を2014年度中にまとめ、15年度から巡回相談数の増加など中期的目標を掲げ実施する予定であります。

 そこで、本県の司法と福祉の関係機関の連携の現状と今後の対応について御所見をお聞きいたします。

 最後に、警察本部長にお聞きいたします。

 警察庁は、認知症に起因する交通事故を減らすため、75歳以上のドライバーに対しチェック体制を強化することを決め、道路交通法の改正試案を公表いたしました。同法は、認知症の人には運転免許を認めていません。そのため、75歳以上の免許更新者には認知機能検査を義務づけています。検査で認知症のおそれと判断された人は、過去1年以内から次の更新までに一定の違反があった場合、医師の診断を求めることになっています。

 このように、現在の制度では検査を受けるのは3年に1度で、認知症が疑われても運転をし続けることができます。そして、違反した後になって、認知症か否かを確定させる仕組みになっております。

 警察庁は、認知機能の低下をタイムリーに把握できない現状の仕組みを改善するために同法の改正を求めておりますが、本県の状況と法改正による影響について御所見をお聞きいたします。

 時間がなくなりました。以上で全ての質問を終わります。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 池脇議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、本県の人口減少の原因、起因は産業文明の発展に伴って起きる必然的な減少であると認識するか、また全国より15年先行して人口が自然減の状態に陥った起因をどう分析するのかとのお尋ねがございました。

 お話にございましたように、本県は全国より15年先行して平成2年から人口が自然減の状態に陥っておりますが、これはさまざまな要因が重なり合った結果だと考えております。まず、出生数の減少では、高度経済成長期やバブル期を中心に多くの若者が県外に流出したことにより女性の数そのものが減少したこと、さらには未婚化、晩婚化の進行や経済的な側面を中心とした子育てに対する負担感の増大などに伴い出生率が減少したことが大きな要因であろうと考えておりますし、死亡数の面では、高齢者数の増加に伴い死亡する高齢者が増加したことが要因であります。これらの要因は、恐らく人口減少が進む地方に共通するものだと思われますが、本県は他県に比べて第2次産業などの産業集積が少なく、また高齢化率も高いことから、真っ先に人口の自然減に至ったものだと考えております。

 こうした要因の背景には、産業文明の発展に伴い都市化が進行したことや、一人一人の子供に高度な教育を施す必要が生じたことなどから子育ての負担感が増大したこと、加えて高齢化の進行による社会保障負担の増大など将来に向けた不安といったことなどがあるのではないかと思われ、いわゆる産業文明の発展に伴ってという側面があるものと考えているところであります。

 次に、本県における社会の持続可能な人口の安定時期と人口数を想定しているか、また負のスパイラルからの脱却のめどはどの程度の期間を想定しているかとのお尋ねがございました。

 本県における社会の持続可能な人口数、すなわち県として目指すべき人口、そしてその人口が安定する時期を想定し県民の皆様にお示しすることは、県民の皆様と共通の目標を持ち、また県の施策を進めていく上でも意味のあることだと考えております。他方、そうした目標を設定する上では、もちろん行政の押しつけになってはいけませんので、県民の皆様の結婚、出産などに関する意識や希望、さらには県内大学生や県外にいる高知県出身の大学生の就職希望など、出生数や社会移動数に直接影響を持つ皆様の意識、希望を十分に踏まえることが重要ではないかと考えております。

 そのため、来年度、総合戦略の確定版を取りまとめる際には、そうした方々の意識や希望を把握することとしておりますので、その結果も勘案し、どういった形でお示しできるのか、しっかり検討させていただきたいと考えております。

 また、負のスパイラルからの脱却の時期につきましては、人口減少による経済の縮みが若者の県外流出と特に中山間地域の衰退を招き、さらに経済が縮むことで県民の皆様の暮らしが一層厳しくなるという負の連鎖をたどっている、こうした本県の厳しい状況との闘いということになります。本県の人口ピラミッドを見ますと、人口の自然減は続き、全体としての人口は減り続けざるを得ない状況にありますが、まずは第2期産業振興計画全体を貫く目標として掲げております平成24年度から平成33年度までの10年間におきます社会増減をプラスにするということを目指してまいりたいと考えているところであります。

 その上で、最終的には、社会増がトレンドとなり、さらには生産年齢人口比率が増加する、いわゆる若返る社会にしていくことを目指してまいりたいと考えているところでございます。非常に大きな課題に取り組む問題でありますし、息の長い問題であるとは考えておりますけれども、先ほど申し上げました10年間の目標というものを明確に持って取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。

 次に、中山間地域の活性化の対象が限界集落を指すのか、また本県の集落の実態とその回復への処方箋が負のスパイラルの克服の施策であると捉えられるが、その施策の外科的、内科的視点で期待される効果についてお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。

 本県の集落の実態につきましては、県内全域を対象にした集落調査の結果から、中山間地域の集落では人口減少により疲弊が進み、地域活力の低下や担い手不足などが深刻化する中、農作業の共同作業や冠婚葬祭の助け合いなど、これまで集落内で支えてきたコミュニティー活動を維持することさえ困難になっている実態が明らかになっているところであります。中山間地域が県土の大半を占めるという地理的特性のほか、生活や産業のみならず伝統文化や原風景、心の豊かさなどを支えてきた歴史的事実などからも明らかなように、こうしたいわゆる限界集落を含む中山間地域全体が活力を取り戻し、その潜在力を生かし、将来につなぎ、期待をされる役割を果たしていくことこそが県勢の底上げにつながるものだと考えております。

 お話にありました内科的な視点、これはいわば体質改善、体力強化の取り組みで、これは本県の基本政策に当たるものと考えており、また外科的な視点、これは中山間固有の課題に早急かつ直接的に取り組む対策であり、中山間対策の個々の施策に当たるものではないかと考えております。

 中山間地域の抱える問題は、人口減少の負のスパイラルによってもたらされる複合的な課題であり、このため県では、これらの課題に真正面から向き合い、経済の活性化や健康長寿県づくりなど5つの基本政策や、5つの基本政策に横断的にかかわる2つの政策に取り組んでおります。これこそが御指摘の内科的な視点に当たるものであり、全体の活力を底上げしていくことを通じて中山間地域の活性化にもつなげていこうとする取り組みであります。

 さらには、中山間固有の課題に直接取り組む、いわば外科的な施策にも取り組んでおり、集落活動センターの取り組みのほか、命の水や生活用品の確保に向けた取り組み、移動手段の確保対策、鳥獣被害対策などに取り組んでいるところであります。

 今後、こうした内科的取り組みと外科的取り組みが互いに相乗効果をもたらすよう取り組んでいくことが有効であると考えておりまして、例えば産業振興計画の中の小規模林業の振興や次世代型こうち新施設園芸システムの普及などの新たな取り組みと集落活動センターの取り組みが組み合わさることで、地域地域で力強い地域活動の拠点を生み出せるように取り組んでまいりたいと考えているところであります。今回の国の地方創生の流れを追い風に、中山間対策の核である集落活動センターのさらなる普及拡大の取り組みを初め、いつまでも安心して暮らせる、また地域地域で雇用を生み出し、若者が誇りと志を持って働ける、そして我が国全体のモデルになる、そのような取り組みを市町村や住民の皆様との連携のもと県庁挙げてぜひつくり出していきたいと考えているところでございます。

 次に、法人税の実効税率の引き下げや外形標準課税に係る税制改正に対する評価についてお尋ねがございました。

 今般の法人税改革は、課税ベースを拡大しつつ法人実効税率を引き下げることにより、法人課税を成長志向型の構造に変えていくこととされております。平成27年度税制改正では、法人税率を引き下げる一方で、法人事業税の外形標準課税の拡大や租税特別措置の見直し等を行うことが示されたところであります。

 外形標準課税は、法人の事業活動の規模に応じた広く薄い課税により公平性を確保するとともに、法人が地方団体から受けるサービスの経費負担を求める応益課税としての税の性格を明確化し、税収を安定化させる機能を持つものであるため、全国知事会等もその拡大を求めてまいりました。ただしその際、対象を中小企業へ拡大することは、地域経済の実態として中小の法人を取り巻く環境は依然厳しいことなどから慎重に検討する必要があるとあわせて提言したところでありまして、この点、今回の税制改正では、従前どおり資本金が1億円を超える大企業のみが外形標準課税の対象とされたところであります。加えて、議員御指摘のとおり、いわゆる中堅企業については、地域で雇用を支えているという点に鑑み、時限的にではありますが、外形標準課税の拡大による税負担の増の2分の1程度が軽減される措置も新たに盛り込まれております。

 今回の法人税改革は、法人減税によって経済の好循環の実現を力強く後押ししつつ、社会保障財源を初めとする負担を広く分かち合う構造へと改革するとの観点からなされるとともに、中小の法人等に配慮しながら外形標準課税を拡大するという全国知事会の提言を実現するものであり、私としては一定評価できるものと認識しております。ただあわせて、今後とも法人税改革に当たっては引き続き中小の法人等に適切な配慮がなされるべきであるとも考えているところでございます。

 次に、子どもの権利条約の採択25周年を迎えての所見についてのお尋ねがありました。

 世界の多くの子供たちが飢餓や貧困などの厳しい状況にさらされる中、子供の生きる権利や教育を受ける権利を保障し、虐待や差別などから守るといった子供の最善の利益を尊重しようという考え方を国際社会に拡大してきた子どもの権利条約が25周年の節目を迎えましたことは、大変意義深いものと認識をいたしております。

 我が国におきましても、1994年に条約を批准して以降、児童虐待やいじめ、子供の貧困などへの対策を推進する新たな法律が制定をされ、子供の権利を守る取り組みが進展しつつありますが、一方で、児童虐待やいじめの問題が増加する中、子供のほぼ6人に1人が貧困な家庭で育っているという実態があり、県内でも一定数の子供たちが困難な状況に置かれていることを重く受けとめております。

 このため、県では来年度から、厳しい環境に置かれている子供たちへの支援を重点課題と位置づけ、教育と福祉の分野を中心に総合的な対策として取り組みを抜本強化することといたしております。具体的には、いじめや少年非行の防止対策などの取り組みの充実強化を図るほか、児童虐待の問題についても、児童虐待死亡事例検証委員会からの検証結果をまつまでもなく、中央児童相談所の体制強化などの取り組みを行おうとしているところであります。また、教育の面では、子供たちが生まれ育った家庭の経済状況などに左右されることなく健やかに成長し学ぶ権利を守っていくため、放課後の学習支援の取り組みなどを大幅に拡充いたしております。

 県といたしましても、子供の貧困などの実態から目を背けることなく、こうした一連の取り組みを強力に推進することによりまして、未来のある子供たちが将来への夢を諦めることなく希望を持ち続けることのできる県づくりを目指してまいりたいと考えているところでございます。

 次に、高大接続に関する中央教育審議会の答申について、社会や産業構造の急激な変化に押し潰されないようどのように準備が必要なのか、また日本の教育が時代の変化に取り残されているのかとのお尋ねがございました。

 私は国の教育再生実行会議のメンバーとして、今回の答申のベースとなりました第4次提言、高等学校教育と大学教育との接続、大学入学者選抜のあり方についての議論にも参画させていただきました。

 今、我が国は、かつて経験したことのない速さで少子高齢化が進行し、生産年齢人口の急速な減少が見込まれるという難しい状況にあります。また、社会や経済のさまざまな分野でグローバル化が進展し、近い将来、お話にもありましたように、職業のあり方や産業構造なども大きく変化していくことが見込まれます。こうした変化の速い複雑化する社会であるからこそ、教育を通してみずから学び判断できる力を持ち、多様な人々と助け合いながら人生を切り開いていくことのできる若者を育てていくことが必要であると考えています。

 これまでの我が国の教育は、画一化された条件の中で知識の習得を1点刻みで問う大学入学者選抜のもと、高等学校教育が知識の伝達や習得に偏りがちとなり、知識や技能を活用して課題を解決する力や主体性を持って多様な人々と協働する態度などの真の学力が十分に育成できておらず、また特定の分野で卓越した力を磨いている高校生やグローバルな課題に挑戦していこうとする若者の可能性を伸ばすこともできていないなど多くの課題があり、時代の速い流れに十分には対応できていないのではないかと感じているところであります。

 こうしたことから、教育再生実行会議では、大学入学者選抜の改革及びそれを踏まえた高等学校教育のあり方など、次々と改革の方向性を打ち出しているところであり、これを受けて中教審などで具体的な方策が練り上げられる段階にあるものと思っております。本県としましても、これらの改革をしっかりと受けとめて対応していかなければならないと考えているところでございます。

 次に、心の教育センターの機能強化など教育相談の充実についてお尋ねがございました。

 不登校やいじめ、虐待など子供を取り巻く諸問題の背景にあります子供や保護者の抱えるストレスや悩みの解消を図る上で、教育相談の果たす役割は大変重要であると考えています。

 そのため、本県におきましては、教育相談の中枢を担う機関として平成12年に高知県心の教育センターを開設し、臨床心理士や社会福祉士など専門の相談員を複数配置して、県内の全ての子供や保護者などを対象にさまざまな心の相談を受け、支援をしてまいりました。あわせて、子供や保護者にとってより身近な学校や市町村にスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置し、教職員や市町村等と連携しながらきめ細やかな支援に努めているところであり、来年度はこの配置を大幅に拡充することとしております。

 一方、学校における生徒指導上の問題が多岐にわたるものとなり、子供の問題行動の背景にさまざまな要因が複雑に絡み合うといった中で、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーだけでは対応が難しく、関係機関と連携して支援を行うことが必要なケースが増加してきております。また、子供の命にかかわるような事案に対しては、重大事態に至る前に、関係機関と一丸となって機動的に対応していくことが欠かせません。

 こうした課題に対応し、子供たちへの支援を一層充実させていく上で、お話のあった教育相談のワンストップ窓口やスクールカウンセラー等のプラットホーム的な位置づけなどといった心の教育センターの機能強化、さらにはスクールカウンセラー等と他の機関との連携を強化する仕組みづくりは非常に重要な視点ではないかと考えますので、今後、教育委員会とともに検討していきたいと考えているところでございます。

 最後に、沿岸漁業者の安全を確保するために必要な沿岸漁業無線システムの整備についてお尋ねがありました。

 漁業者の命と財産を守るため、県としましては、漁業協同組合の地震・津波防災マニュアルの策定などを通じて、漁業無線や携帯電話による通信の確保、ラジオによる情報の収集を徹底するよう指導してまいりました。このうち漁業無線については、漁業者に必要な情報を一斉に送信することができるなどの長所がありますが、現状では海岸局のほとんどが昼間だけの運営であることや津波被害が懸念をされます。また、携帯電話については、通話エリアが限られることや災害時には使用が困難になるといった懸念があります。

 こうした懸念を払拭して、操業中の漁業者の安心・安全をより高めるために、迅速かつ一斉に情報を伝達できる漁業無線を活用し、24時間本県の全海域をカバーできるシステムを構築することは有効だと考えます。このため、今後はシステムの具体的なあり方や解決すべきさまざまな課題について専門家や関係機関などの御意見をお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、子どもの権利条約について教育的な観点でどう捉えているのかとのお尋ねがございました。

 子どもの権利条約は、世界の多くの子供が今日なお飢え、貧困などの困難な状況に置かれていることに鑑み、世界的な視野から、子供たち一人一人の人権や自由を尊重し、子供に対する保護と援助を促進することを目指したものでございます。しかしながら、条約が批准された後も、全国的に大きな社会問題となっているいじめの問題、子供にとって一番の居場所であるはずの家庭で起こる虐待の問題、世代間を超えて連鎖する貧困の問題などにより、依然として厳しい環境にある子供たちが多数存在しております。

 このような状況の中で、教育分野で力を入れなければならないことは、こうしたさまざまな困難に直面する子供たちを学校など教育関係機関と関係者のネットワークで守っていくことや、全ての子供たちに教育を受ける権利をしっかりと保障していくことであると考えております。

 いじめや虐待など心や身体、生命を脅かす危険から子供たちを守るためには、まず周りの大人が子供たちの発するSOSのメッセージにいち早く気づき、しっかりと向き合うことが必要です。県教育委員会といたしましては、学校と保護者や地域住民が連携しながら早期発見、早期対応が図られるよう、その仕組みとなるコミュニティ・スクールや学校支援地域本部の拡充を図ってまいります。あわせまして、高知家の子ども見守りプランなどに沿って、福祉部門や警察等との連携もさらに進め、大きなネットワークの中で子供たちを守ってまいります。

 また、子供たちの教育を受ける権利を保障するためには、全ての子供たちが安心して通うことのできる、人権が尊重された安全・安心な学校をつくっていくことがまず大切です。その中で、経済的な理由などで厳しい環境にある子供たちにも十分な学習機会が保障されるよう、助言や相談支援に当たるスクールソーシャルワーカーの増強や放課後の学びの場の充実などに努めたいと思います。

 教育分野においてこうした取り組みをしっかりと行っていくことで、本県の子供たちの健やかな成長につなげたいと考えております。

 次に、中1ギャップの背景にある5つの課題に対する認識と解決に向けた施策についてお尋ねがございました。

 お話にありました、小学校と中学校の授業形態や指導方法などの教育システムの違いや、中学校での部活動の導入による生活スタイルの変化といった5つの課題を要因とした中1ギャップは、重大な教育課題であると考えております。

 本県においても、中学校での学力低下や不登校や暴力行為といった生徒指導上の問題の増加など、厳しい状況がございます。こういった課題に対応するためには、小学校と中学校の段差を少なくし、学習や学校生活のスムーズな接続、移行を図っていくことが基本的スタンスになるものと考えております。そのためには、小中学校の教員が授業交流や人事交流を通して児童生徒の学習や生活の状況を共有し、また指導内容や指導方法について学び合うこと、中学校の学習や生活、部活動などについての中学校入学当初のガイダンスを充実して中学校生活への生徒の不安感を和らげることなどが重要でございます。

 このようなことから、県教育委員会といたしましてもこれまで、モデル事業や教員研修などによって小中学校の教員が互いの授業を参観、評価し、また一緒に授業を行う場面をつくってきました。また、小中学生の授業や行事での交流、中学校入学時の仲間づくり合宿を実施し、児童生徒の心理的な不安の解消にも努めてきたところでございます。さらに、教育事務所の学校経営アドバイザーや指導主事などが各小中学校を訪問して、小中学校が連携した学校経営や授業経営を行うよう指導、助言を行っております。

 こうした取り組みを総合的に、また効果的に実施していくためには、お話のありました小中一貫教育は有効な方法と考えており、市町村教育委員会とともに導入促進のための条件整備などについて検討していきたいと考えております。

 次に、本県の小中一貫教育の現状及び今後の取り組みについてお尋ねがございました。

 お話にありました小中一貫教育に関するこのたびの答申には、小中一貫教育を進める上での意義や課題、改善策が示されており、本県が小中一貫教育を進める上で参考になるものと捉えております。特に、小中一貫教育を促進するため県教育委員会がどのような役割を果たしていくかということも事例を挙げて具体的に提示されており、今後このことについてしっかりと対応しなければならないものと考えております。

 県教育委員会といたしましてはこれまで、小中一貫教育に取り組む11の中学校区において、校長を1人にして全教員に兼務発令を行うなどの人事配置の工夫により、9年間の連続性のある学校経営ができるように支援を行ってまいりました。また、教員が互いの教育内容や指導方法を学ぶ機会を確保するため、人事異動方針の中にも校種間交流を位置づけ、小中学校間の人事交流も継続して行っております。さらに、小学校の教員採用においては、中学校の英語や数学等の免許を持つ受審者に対して加点措置を行う制度を設け、併有者の拡充を図ってきました。

 ただ、現段階では、県内で小中一貫教育に取り組んでいる学校は中山間地域にある比較的小規模校で実施されるにとどまり、また人事交流をスムーズに進めるための教員免許の併有促進は十分とは言えない状況にございます。加えて、小中一貫教育に取り組んでいる学校からは、教員の多忙化や系統的な指導計画の作成、小中合同研修などの時間確保等への課題も示されております。

 今後、本県においても、中1ギャップや少子化への対応などのため小中一貫教育のニーズは高まってくるものと予想されますので、国による条件整備の動向や市町村教育委員会の意向を踏まえ、さらに現時点における課題についても考慮しながら、小中一貫教育の導入促進に向けての県としての対応を検討してまいります。

 次に、高大接続に関する答申での、高校教育が学力の3要素を踏まえたものになっていないという指摘に対し、本県の実態の把握と対策を検討しなければならないのではないか、また県の新教育振興基本計画においてどう対応するのかとのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。

 本県の高等学校教育の現状は、お話のありました学力の3要素のうち知識・技能の習得に力点が置かれ、活用力や主体的に学ぶ態度といったほかの2要素についての育成が十分ではないのではないかと思っております。この点は、中教審の答申で指摘されている全国的な傾向と同じということかと思います。

 そのような中でも、キャリア教育においては、多様な体験活動などを行うことで課題解決に主体的に取り組み、人々と協働して学ぶ態度を育成してまいりました。また、高知南中・高校と高知西高校を統合して新設する中高一貫教育校に、課題の発見、解決に向けて主体的、協働的に学ぶ探求型の学習、いわゆるアクティブラーニングのための系統的な教育プログラムを持つ国際バカロレア教育の導入を計画しており、これを視野に、来年度からは対象校においてICTも活用したアクティブラーニングについての実践研究を行い、その成果を全ての高等学校に普及させていきたいと考えております。

 今後とも、小中学校における活用力や主体的に学ぶ態度の育成とも連動しながら、これらの取り組みをさらに充実・発展させていき、今後の変化の目まぐるしい社会で必要とされる学力の育成に努めてまいります。

 今回の高大接続に関する中教審答申は、社会の急速な変化に対応するため大変思い切った改革を進めようとするものであり、現在中教審で検討されている新しい学習指導要領とも連動して、高等学校教育、さらには義務教育まで大きく変化を迫るものになるものと受けとめております。県教育委員会としましては、この変化は避けては通れないものとして積極的に対応していく考えであり、新しい教育振興基本計画にも知識・技能の活用力や主体的に学ぶ態度の育成を重視する方向性を盛り込むことが必要だと考えております。

 最後に、スクールカウンセラーの不足、資質の向上、カウンセラー集団の構築といった3つの課題の解決に向けどのように対処していくのかとのお尋ねがありました。

 まず、1番目の課題であるスクールカウンセラーの不足の問題につきましては、子供や保護者が気軽に悩みを相談できる体制の充実を図るため毎年度その配置拡充を進めているところであり、平成27年度におきましても公立学校の配置校を270校から299校へと大幅に拡充し、これにより小学校への配置率を国の目標を上回る71.9%まで向上させることとしております。あわせて、カウンセラーが多数の学校をかけ持ちするような配置形態も可能な限り改善し、学校によって訪問する間隔が極端にあくことのないよう支援体制の充実を図ってまいります。

 一方、こうした取り組みを進めていく上で、お話のありました人材の確保は重要な課題となっております。現在、臨床心理士養成コースのある県外の大学院の学生に呼びかけを行ったり、県の臨床心理士会を通じて全国の臨床心理士に新規採用の案内を出すなど、有資格者の確保に努めているところでございます。今後は、より多くの有資格者に本県で勤務していただけるよう、広報や働きかけについても工夫をしてまいりたいと考えております。

 2番目の課題のスクールカウンセラーの資質向上につきましては、毎年、専門家を招いた講習会やスクールソーシャルワーカーとの合同研修会、県の臨床心理士会との共催による研修講座を実施しており、事例検討なども行いながら専門性や対応力の向上に努めております。さらに、経験豊富な4名をスーパーバイザーと位置づけ、カウンセラーの勤務校や相談室におけるスーパーバイズを行っており、今後これらの取り組みをさらに充実させてまいります。

 3番目の課題のカウンセラー集団の構築に関し、先ほども触れました資質向上に向けた研修会やスーパーバイズの取り組みがカウンセラー同士の連帯感を醸成し、学校において孤独になりがちなカウンセラーの不安や悩みを解決する重要な場になっているという側面もございます。しかし、こうした機会が年間を通してそれほど多くあるわけではありませんので、現場のカウンセラーの御意見も伺いながら、こうした機会の充実について今後検討していきたいと思います。

 議員から御提案いただきました3つの課題につきましては、スクールカウンセラーによる相談体制を充実する上でいずれも重要なポイントであり、今後しっかりと対応してまいりたいと考えております。

   (水産振興部長松尾晋次君登壇)



◎水産振興部長(松尾晋次君) 地震や津波発生時の漁業者との情報伝達手段の確保と海岸局の集約化、ネットワーク化についてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えいたします。

 地震や津波発生時の漁業者との情報伝達につきましては、漁業無線や携帯電話による通信の確保とともに、ラジオによる情報収集の徹底を指導してまいりました。しかしながら、操業中の漁業者の安全性をより一層高めるといった視点からは、先ほど知事からお答えしましたとおり、迅速かつ一斉に情報を伝達できる漁業無線を活用し、24時間本県の全海域をカバーできるシステムを構築することが有効だと考えております。

 議員のお話にもありましたように、室戸市の高台において24時間体制で無線業務を行っています高知県無線漁業協同組合を核として、本県の全海域をカバーできるよう中継局を設置し、それらをネットワーク化する方法や、各地の海岸局の設備を高台に増設する方法などが具体的な対策として考えられます。今後は、これらのシステムのあり方や有効性の検証に加えて、運営体制や必要な設備機器、費用負担などの課題について、関係者の御意見を伺いながらスピード感を持って検討してまいります。

   (地域福祉部長井奥和男君登壇)



◎地域福祉部長(井奥和男君) 本県における司法と福祉の関係機関との連携の現状と今後の対応についてのお尋ねがありました。

 高齢者や障害者をめぐっては、法的な問題で解決を必要とする事例が今後ますます増加することが見込まれており、法律の専門家と福祉関係者が連携し法的トラブルを早期に解決するための仕組みづくりとなる司法ソーシャルワークの取り組みの重要性については十分に認識をいたしております。

 現在県では、高齢者と障害者の110番事業の取り組みを進める中で法律相談を実施するとともに、身近な相談窓口でもある地域包括支援センターが抱える法的対応の必要な事例に関して、弁護士などの専門相談員による支援を行っているところです。あわせて本年度からは、高齢者などの権利擁護の取り組みの強化に向けまして、高知弁護士会、法テラス高知、県司法書士会の御協力をいただき、福祉保健所圏域ごとに市町村の福祉担当者や地域包括支援センターの職員などとの意見交換会を実施しておりますし、法テラス高知や高知家庭裁判所のほうでも行政の福祉関係者などとの意見交換会を開催されております。

 また、今年度からは、高知弁護士会と法テラス高知が連携し、高齢者や障害者の方々などを対象とします法律問題についての無料電話相談事業を実施しており、4月からは来所による無料法律相談も実施される予定だとお聞きをいたしております。

 このように、本県におきましても、みずからが法的サービスを求めることの難しい高齢者や障害者などを支援するための取り組みが広がってきておりますので、県といたしましてもこれまでの取り組みなどを踏まえ連携を強めていく必要があるものと考えております。

   (警察本部長國枝治男君登壇)



◎警察本部長(國枝治男君) 高齢者の認知機能検査に関し、道路交通法改正の動き等について御質問がありました。

 まず、交通事故の発生状況や認知機能検査の現状などについて御説明いたします。

 県下の交通事故の発生は近年減少傾向にあり、昨年の交通事故による死者数は、県警察が統計をとり始めて以来過去最少となる41人になりました。しかしながら、高齢者のかかわる事故は依然として高い割合で推移しており、加えて高齢者が加害者の立場となるケースも多く発生しております。

 本県の認知機能検査の現状でありますが、同検査が導入された平成21年6月以降昨年末までに6万4,976人に対して検査を実施しております。このうち、記憶力、判断力が低下していると認められる者は1,985人であり、信号無視等の交通違反を行ったことで123人に対して臨時適性検査を実施し、うち6人に対して運転免許の取り消し処分を行っております。

 次に、法改正による影響等についてであります。議員御指摘のとおり、現行制度は、認知機能検査の結果、記憶力、判断力が低下していると判断された高齢者が運転を続けていても、信号無視等の交通違反がなければ認知症かどうかを判断される機会がなく、3年以内に認知機能が著しく低下した場合であっても、これを把握するのが困難であるというのが現状であります。

 このため、警察庁では現在、一定の交通違反をした者に対する臨時認知機能検査の導入を初め、臨時高齢者講習や診断書提出制度の導入等、法改正に向けた作業が行われていると承知しております。制度が改正されれば、運転免許更新の期間にかかわらず、よりタイムリーな対応が可能となり、認知機能の低下による交通事故を未然に防止することができるものと期待されております。

 他方、対象者については、臨時認知機能検査を受けていただくなどの負担が発生するものと思われますが、県警察としましても今後、法改正の動向を踏まえ適切に対応してまいります。

 県警察ではこれまでも、日常の警察活動において認知症が疑われる運転者を発見した場合、関係者に指導・助言を行い、必要に応じて臨時適性検査を受けていただくなど高齢者の交通事故防止対策に取り組んできたところでありますが、法改正がなされるまでは現行制度を適切に運用しますとともに、今後も広報啓発、指導取り締まりなどあらゆる手段を講じて、高齢者のかかわる悲惨な交通事故を防止してまいる所存であります。



○議長(浜田英宏君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。

 明3日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。

   午後4時54分散会