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平成27年  2月 予算委員会 03月09日−03号




平成27年  2月 予算委員会 − 03月09日−03号







平成27年  2月 予算委員会



           平成27年3月9日(月曜日)

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出席委員

           金子繁昌君

           加藤 漠君

           西内 健君

           弘田兼一君

           依光晃一郎君

           佐竹紀夫君

           三石文隆君

           森田英二君

           武石利彦君

           樋口秀洋君

           溝渕健夫君

           西森潮三君

           横山浩一君

           上田周五君

           西森雅和君

           黒岩正好君

           田村輝雄君

           中根佐知君

           米田 稔君

           塚地佐智君

欠席委員

           なし

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説明のため出席した者

  知事         尾崎正直君

  副知事        岩城孝章君

  総務部長       小谷 敦君

  危機管理部長     野々村 毅君

  健康政策部長     山本 治君

  地域福祉部長     井奥和男君

  文化生活部長     岡崎順子君

  産業振興推進部長   中澤一眞君

  理事(中山間対策・運輸担当)

             金谷正文君

  商工労働部長     原田 悟君

  観光振興部長     伊藤博明君

  農業振興部長     味元 毅君

  林業振興・環境部長  大野靖紀君

  水産振興部長     松尾晋次君

  土木部長       奥谷 正君

  会計管理者      大原充雄君

  公営企業局長     岡林美津夫君

  教育委員長      小島一久君

  教育長        田村壮児君

  人事委員長      秋元厚志君

  人事委員会事務局長  福島寛隆君

  公安委員長職務代理者 織田英正君

  警察本部長      國枝治男君

  代表監査委員     朝日満夫君

  監査委員事務局長   吉村和久君

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事務局職員出席者

  議事課長       楠瀬 誠君

  議事課長補佐     小松一夫君

  主任         沖 淑子君

  主事         溝渕夕騎君

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   午前10時開議



○西森[潮]委員長 ただいまから2日目の予算委員会を開会いたします。

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△諸般の報告



○西森[潮]委員長 御報告いたします。

 公安委員長島田京子さんから、所用のため本日の委員会を欠席し、公安委員織田英正君を職務代理者として出席させたい旨の届け出がありました。

 本日の日程はお手元にお配りしてありますので、御了承願います。

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△質疑並びに一般質問



○西森[潮]委員長 これより2月定例会に提案されました予算及び予算関連事項に対する質疑並びに一般質問を行います。

 米田委員。あなたの持ち時間は45分です。御協力をお願いいたします。



◆米田委員 おはようございます。日本共産党の米田稔でございます。通告に基づいて順次質問に入らさせていただきます。

 最初に、浦戸城跡の保存、活用についてお伺いをいたします。

 浦戸城跡内に県が坂本龍馬記念館新館の建設計画を進めています。これに対して、今、浦戸城跡の保存と国史跡化を求めて、地域住民、歴史愛好家、浦戸城跡保存会の皆さんが署名活動などを行っています。この情報がツイッターなども通じて広がり、全国、また台湾、韓国など国内外の長宗我部ファンからも熱い賛同の声が広がっています。

 まず、予定している坂本龍馬記念館新館整備計画の今後のスケジュールについて文化生活部長にお聞きします。



◎岡崎文化生活部長 現在の坂本龍馬記念館は、貴重な資料を収蔵、展示する博物館としての機能が不足しているため、新館は現在の建物にこうした機能を付加するものでございます。

 整備スケジュールにつきましては、現在基本設計を行っておりまして、平成27年度には実施設計、28年度には建築工事に着手をして、明治維新150年の節目に当たる平成30年1月のオープンに向けて取り組みを進めているところでございます。



◆米田委員 1995年に、文化財公開施設の計画に関する指針というのが文化庁文化財保護部長名で出されています。計画の段階から、文化財の公開、活用と維持保存の調和に十分な配慮が必要ということで、その中では、建物内の空気環境を安定させるためにコンクリートの打設後から文化財の公開までの期間は二夏の経過またはこれに相当する環境の実現が望ましいとうたわれています。

 この指針に基づいた計画期間だという理解でいいですか。文化生活部長にお聞きします。



◎岡崎文化生活部長 指針のとおり、コンクリートの打設から二夏の枯らし期間を設けるということは、建物内の空気環境を安定させるために有効な手段となっております。

 しかし、坂本龍馬記念館は県内屈指の集客施設でもあります。明治維新150年の節目となります平成30年には新館をオープンさせ、観光振興にも寄与すべく、二夏を経過しなくても建物の空気環境を安定させて展示公開が可能な環境を実現できる工法を採用することとしております。

 具体的には、現在行っております基本設計の中で検討しておりますけれど、例えば文化財にとって安全な建材を積極的に使用するとともに、現場でのコンクリート打設を極力少なくすることで短期間で有害物質を除去することが可能になると考えております。



◆米田委員 ぜひ、望ましいとしていますが大事な指針ですので、このことについては十分やっぱり検討していただいて−−以前、赤岡の絵金がよその施設へ行って大変な事態になったという体験もあるわけですので、十分精査をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 浦戸城跡は、高知市浦戸字城山にあり、戦国時代、本山氏によって原型がつくられ、長宗我部元親が完成した城郭です。1590年の小田原攻めや文禄・慶長の役での水軍基地、また朝鮮出兵への出撃地にもなり、太平洋側でほとんど唯一海城の実態がわかる貴重な城です。また、山内入国の際には浦戸一揆の舞台にもなり、戦国時代の高知の歴史が詰まった重要な遺跡と言われています。

 最近明らかになったことですが、今から400年近くも前、1640年以前の世界地図、日本の部分に四国の中で唯一浦戸がウランドとして記され、紹介をされています。上智大学キリシタン文庫に収録されています。当時、浦戸は、東西交通の要衝であるとともに大航海時代におけるヨーロッパ世界との窓口であったことを歴史は示しているのであります。高知市誕生のルーツと言えます。

 事前に、知事さんや教育長さんにお渡ししましたこれがその地図なんですね。

 1993年の桂浜荘改築工事に伴う立会本調査に際し、当時の最先端技術でつくられた裏込め石を使った石垣が発見され、鯱瓦も出土、また今も遊歩道を西に歩くと敵の侵入を防ぐための堀切や二の段、三の段など、当時の城の痕跡を見ることができます。天守台の存在とともに、中世から近世への過渡期の特徴を持った城跡として国史跡級と高く評価をされています。

 そして、北面山麓は、現在、埋蔵文化財包蔵地に指定をされていますが、町割り、追手道など当時の痕跡、歴史的景観が残り、浦戸城下町遺跡が広がっているのであります。

 教育長にお聞きしますが、浦戸城跡の歴史的遺産をどう評価、認識されているのか、お聞きします。



◎田村教育長 お話にもありましたように、浦戸城跡は長宗我部氏の居城であるとともに、水軍基地や朝鮮出兵の基地になるなど、中世から近世にかけての歴史的価値を有するものと考えております。

 ただ、浦戸城跡は、かつて水泳プールのある娯楽施設の建設、撤去などもございまして、昭和57年に高知市が行った中世城跡分布調査で南の本城台跡−−今の龍馬記念館が建っている敷地などは完全に掘削されているというふうに報告をされております。



◆米田委員 後で聞こうとしたことを答えていただいたんですが、浦戸城跡は中世から近世の城郭の変遷をたどることができて、戦国時代の高知の歴史が詰まった重要な遺跡です。

 まず、この本物の歴史的遺産を保存することが地域史の確立、個性豊かな地域再生への原動力になるのではないでしょうか。また、高まる歴史ブームの中、歴史とロマンがあふれる城山公園など個性ある貴重な観光資源としても活用できるのではないでしょうか。

 保存と活用について高知市と協議してはどうかと思いますが、教育長にお聞きします。



◎田村教育長 高知市とは、当該地域の保存、活用について、これまでも平成3年度の浦戸城跡西側尾根部分の確認調査、平成5年度の桂浜荘の改築工事に伴う発掘調査の実施の際にも連携して対応してきております。

 また、今回の坂本龍馬記念館リニューアル基本構想検討委員会におきましても、高知市教育委員会と商工観光部の担当者に御参加いただいて連携協議をして取り組みを進めてきております。

 さらに、高知市桂浜公園整備検討委員会にも県職員が参加をして連携を図らせていただいているというところでございます。

 お話の内容につきましては、改めて高知市にお伝えをするとともに、これからも連携して取り組んでいきたいというふうに考えております。



◆米田委員 ぜひ協議をして、大事な遺産ですので十分な保存、活用をお願いしたいというふうに思います。

 ただ、今答弁もされましたけれど、歴史的価値にふさわしく立会調査ではなく発掘本調査を実施すべきと思います。1964年、昭和39年に営業が始まった桂浜荘ですが、既に遺構はないということで、1993年の改築の際も立会調査から始めました。しかし、貴重な遺跡が出土、発見をされました。

 ぜひ発掘調査を行うべきというふうに考えるんですが、教育長にお聞きをいたします。



◎田村教育長 龍馬記念館が新たに建設される予定の土地につきましては、先ほども申しましたけれども、かつて水泳プールがある娯楽施設が建設され、また撤去されていると。それから、駐車場の造成工事も行われているということで、遺構等が残っている可能性は極めて少ないというふうに判断しております。

 そのため、発掘調査の必要性はないというふうに判断しておりますけれども、念のため立会調査を行うこととし、アスファルトを剥ぐ際ですとかボーリング調査の際には、丁寧に状況を確認していきたいというふうに考えております。



◆米田委員 最初の答弁でも、多分、高知市の城跡という報告書ですよね、根拠にされているのは。しかし、これを見ますと、南の本城台跡は完全に掘削され国民宿舎等が建ち、ここより東の各郭についての遺構は残存しないというふうに確かに書いていますが、私はこれは今回新館建設の予定地で発掘本調査をしないという根拠にはならないというふうに思います。

 1つは建設予定地。今の駐車場は完全に掘削されているとする国民宿舎や龍馬記念館、それ以前にあった桂浜ヘルスセンターとは明らかに別の位置、場所なんですね。

 また2つ目は、予定地を含めて本城台跡地を発掘調査したという公的記録はありません。浦戸城跡で明確に発掘調査をしたのは1993年の国民宿舎改築時の611平米のみであります。そして、今教育長が言われた高知市の城跡のこの文言からしても、国民宿舎から東は遺構は残存しないと指摘していましたが、実際1993年の改築に当たっての発掘調査で国民宿舎敷地から遺構が出てきたわけですね。

 ですから、これに基づいて根拠というふうには私は言えないと思いますし、この間の経過、また具体的に発掘調査をやって遺構が出てきたという事実からしても、やっぱり本調査をきちっとやるべきではないかと、そこから始めるべきではないかということを強く思うんですが、もう一度教育長にお聞きします。



◎田村教育長 1993年の桂浜荘の発掘調査につきましては、その可能性がある、実際に石塁ですとか石垣が出てきているわけですけれども、そういった可能性があるということで発掘調査を行ったというふうに承知をしております。

 ただ、今回につきましては、そのもとあった桂浜ヘルスセンターの建っていたところと相当重なっておりますし、それと今駐車場になっている部分ですね、という両方で掘削をされているという部分に建つということでございますので、極めて可能性は低いということで考えているということでございます。



◆米田委員 押し問答してもいかんのですが、現在の龍馬記念館の建っているところはもとは桂浜ヘルスセンターが建っていたところとほとんどダブっているんですよ。ですから、今教育長が駐車場と言われましたが、それははるかに北側、北西なんですよね、場所からいっても。そういうことからしたときに、国民宿舎改築時の経過を見たときに、あれも最初は立会調査から始めたんですよ。今と同じなんです、今度やろうというね。だから、最初から発掘調査に入ったわけではないんです。

 だから今回は、そういう経験も踏まえて、重要な歴史遺産ですから、きちっとやっぱり発掘調査から入るということが僕は必要だというふうに思うんですけれど、ごめんなさい、再度お聞きします。場所も違うということもあります。



◎田村教育長 ちょっと何回も同じことで申しわけないですけれど、今回計画している場所ですけれども、その場所の南部についてはかなりの部分が桂浜ヘルスセンターが建っていた部分と重なるということでございまして、北の方の一部については今駐車場になっている部分ということでございまして、そういうことからも、極めてそういう埋蔵の史跡が出てくる可能性は低いということで考えているということでございます。



◆米田委員 納得しがたいんですが、古図を見たときに龍馬記念館とヘルスセンター、こうダブって並んで−−だから駐車場も北側の駐車場に新館を予定されているわけですよね。ですから、そこは全く桂浜ヘルスセンターの位置していた場所とは全く別個のエリアなんですよ。そういうこともやっぱりきちっと踏まえていただいて、なお本当に歴史的な遺産に真摯にやっぱり取り組んでいくということを検討もしていただいて、なおそういう発掘調査に前向きに取り組んでいただきたいということを要請しておきたいというふうに思います。

 この2月12日の現地調査、行政との懇談も踏まえて、日本考古学協会埋蔵文化財対策委員会が2月23日に矢島國雄委員長名で、文化庁長官、県知事、県教育長、高知市長、高知市教育長など宛てに、高知市浦戸城跡の保存と活用に関する要望書を提出されています。

 要望項目は、1つが、「浦戸城跡の歴史的価値と景観を損ねる、坂本龍馬記念館新館の城跡内への建設を中止すること」、2、「浦戸城跡の歴史学的・考古学的内容を正確に把握し、その保護・整備・活用を図り、浦戸城跡の国史跡化に向けて取り組むこと」としてあります。

 知事のところへも届いているというふうに思うんですが、極めて重みのある専門家による提言だと受けとめています。知事の受けとめ、御所見についてお伺いします。



◎尾崎知事 この坂本龍馬記念館の新館でありますけれども、現在の館では不足しております博物館機能、これを付加しようということで新たに建設するものでありまして、現行の記念館の隣、隣接した地域に建設する必要があるものであります。

 位置としては、現在の記念館の西側に設置をするということで、今基本構想も立てていただいております。多くの専門家の皆さんにも入っていただき、またパブリックコメントも経て策定をさせていただいたこの基本構想に基づいた建設を行っていこうとしているところです。

 ただ、先ほどありましたそういう御提言書をいただきますなど、そういう御意見もあるわけでありまして、結局その背景にはこの土地が非常に歴史的意義のある土地だということがあるわけであります。そういう点を踏まえまして、我々としては文化財保護法に基づきます所定の手続によって隣境の確認を行うなどの対応をしますとともに、こちらを管理しておられます高知市の皆様とも御意向を伺いながら対応していくということが大事かなと、そのように考えておるところです。



◆米田委員 ありがとうございます。

 文化財保護法には、文化財が貴重な国民的財産である、将来の文化の向上発展の基礎をなすものなどとしています。一度失った歴史的遺産は取り返しがつかないと思います。後世に必ず禍根を残すと言わざるを得ません。

 少なくとも、龍馬記念館新館の新たな開発工事は一旦中止をして、発掘調査を行って、県民的、国民的な議論を、私は保障すべきではないかというふうに考えていますが、知事にお伺いいたします。



◎尾崎知事 新館建設の意義というのは極めて大きなものだと思っておりますし、これまでも多くの議論を経てこの新館建設ということに至ったわけであります。

 ただ、先ほどもお話にありましたように、ここの歴史的な意義というのも踏まえないといけないだろうと思います。過去の建設工事などなどを通じまして遺構等が残っておる可能性というのは極めて低いというふうに考えられますけれども、そうではありますが、立会調査で遺構の状況を慎重にあえて確認をするということとしたいというふうに、先ほど教育長の答弁にもありましたがそのように考えているところでございます。

 また、やはりこの土地が非常に歴史的意義がある土地なのだということを後々まで後世に伝えていくということも大事な仕事だと思っております。今度、坂本龍馬記念館が全体として新館建設に合わせてリニューアル工事をしていくことになるわけでありまして、それにあわせまして、その館の中でも長宗我部一統の一群の歴史を御紹介するでありますとか、ここが浦戸城としてこういう形で使われていたということをしっかり御紹介するコーナーを設けるでありますとか、さらにその他の検証の仕方はないか、後世に伝えていく仕方はないか、そういうこともあわせて検討していくということとさせていただきたいと考えております。



◆米田委員 確かに、知事の言われるように後世に伝える歴史的な土地だということは非常に大事なんで、ぜひその方向でお願いしたいんですが、ただ歴史遺産を本当にそういう姿で残すかどうかというのが、片や問われているというように思います。以前も高知城の北曲輪跡への民間マンション建設計画に多くの県民が立ち上がって、知事の英断、決断によって土地を購入し、国史跡化を実現されたという経過もあります。そういうことからしたら、今後、知事のこうした姿勢をぜひ堅持されて、慎重に対応していただくように重ねて要望しておきたいというふうに思います。

 次に、住宅行政についてお伺いをします。

 まず、県営住宅の家賃減免制度についてお聞きします。

 昨年9月、千葉県銚子市の県営住宅に住む母子世帯の母親43歳が無理心中を図って中学生の長女13歳を殺害するという痛ましい事件がありました。家賃滞納を理由に県が強制退去を執行する日の出来事でしたが、救える道はなかったのか、重大な社会問題になっていることは記憶にあることと思います。

 母親はパートで働き月収約7万円、このほか児童扶養手当の約5万円、年収100万円程度でした。家賃も滞納がち、国保料も滞納するなど、生活困窮していたことが明らかなのにもかかわらず、家賃の減免措置がとられず、入居許可の取り消しと明け渡しを請求、強制執行と。そして、減免措置が適用されていれば月1万2,800円の家賃が2,560円に引き下げられていたことになります。銚子市も、国保と生活保護の課へ行くも、その手続には至っていません。

 自由法曹団などが調査に入りましたが、その一人は、滞納など困窮の情報を集約できていれば今回の事件は防げたのではないか、自治体が家賃減免や生活保護で申請がないと動かない待ちの姿勢をとっていることが課題だというふうに指摘もされています。

 今回の事件をどのように受けとめておられるのか、土木部長にお聞きいたします。



◎奥谷土木部長 大変痛ましい事件であり、大変残念であると受けとめております。お亡くなりになった方の御冥福をお祈りいたします。

 また、強制執行は入居者にとって大きな金銭的、精神的負担となることを改めて認識いたしましたし、このような事案は、住宅部局と民生部局、県と市町村が連携した上で対応しなければ防げないとしても、県営住宅の入居者の個々の事情に応じた丁寧な対応が必要であると痛感いたしました。



◆米田委員 ありがとうございます。

 事件を受けて、国は、昨年11月5日付で、公営住宅の滞納家賃の徴収における留意事項等についてとの通知連絡を全国に出しています。その内容、ポイントとそれを受けて県の改善事項があれば、また市町村への周知徹底状況について、土木部長にお聞きします。



◎奥谷土木部長 通知のポイントは、家賃の滞納に対しては法令等の規定に基づき厳正に対応することを前提とすること、入居者の収入等の状況に応じて個別、具体的に対応し、やむを得ない事情を把握した場合は家賃減免等の負担軽減措置を図ること、またこの場合、民生部局との連携を十分とることであると理解しております。

 県では、家賃の滞納者に対して督促を通知するほか、県及び住宅供給公社の職員が個別に訪問し、納付指導を行っております。その際に、入居者の収入や生活の状況を聞き取った上で生活に困窮していると判断すれば、家賃減免制度の利用や福祉事務所への相談を勧めております。

 また、今後、市町村の対応状況を確認し、必要であれば市町村の民生部局から県営住宅入居者に対しても家賃減免制度の説明を行っていただくよう、改めて申し入れます。

 市町村に対しましては、昨年11月26日付で、国の通知及び事件に関する情報を送付し、その際、通知の趣旨を踏まえた市町村営住宅の適切な対応を要請いたしました。



◆米田委員 次に、県の減免制度ですが、市町村民税の非課税世帯、住民税の課税計算の基礎となる各種所得の収入金額がないとき、生活保護基準額相当の額以下、知事が家賃の支払いが困難で減免が必要であると認めたときなどが対象になるとしています。

 県営住宅入居世帯総数と現在減免を受けている世帯数について、また毎年提出の収入申告書による試算で先ほど紹介した減免対象になる人の場合、家賃減免の対象となる世帯数についてお聞きをいたします。



◎奥谷土木部長 本年3月6日現在、県営住宅入居世帯総数は3,964世帯で、その約20%の803世帯が家賃の減免を受けております。

 また、収入申告書の内容から試算いたしますと、減免要件の一つであります市町村民税非課税世帯に該当する世帯は、平成26年度申告分、これで約1,700世帯あります。



◆米田委員 今部長が言われたように1,700ですね、1,700世帯が本来家賃の減免の対象になる。しかし、申請がされていない、本人が理解してなくて申請はされてないですから、本来こういう人たちがきちんと減免をできるようにするのが、私は重要な行政の役割だというふうに思います。

 ただ、これは1,700世帯というのは約半数になりますよね。千葉県では、減免取扱基準は極めて明確です。県住入居者約1万7,000人のうち、減免対象者が1万1,000世帯、申告に基づく収入月額6万7,000円以下の人など6割を超える人が減免の対象になります。しかし、本人の申請によらなければ実際減免を受けることはできずに、問題になった千葉県の県営住宅でも1万7,000人の入居者がいながら、減免されているのはわずか1,900世帯となっています。申請すれば減免になる人のわずか2割、同じような状況ですね。

 減免基準は、各県違いがあると思いますが、高知県も同じような実態にあって、1,700世帯よりもはるかに、私はもう少し多いのが実際ではないかというふうに思います。

 そこで、例えば千葉県は、税法上また各種控除を行った後、収入月額6万7,000円以下の方には減免、減額率が2割、4割、6割、8割ということで、きちっとやっぱり数字を見たらわかる形に、減免制度になっています。

 私は、千葉県の県民の所得から見ても、高知県はなお一層生活実態は大変だというように思いますが、千葉県のようにわかりやすい減免基準に改善することを検討していただきたいというように思うんですが、その点どうでしょうか、土木部長に伺います。



◎奥谷土木部長 高知県におきましても、減免基準は定めておりまして、全部で10項目ございますけれども、それぞれ例えば入居世帯が地方税法に規定する市町村民税の非課税世帯に該当すると、こういった場合、該当いたしますと、認定家賃の額の4分の1に相当する額、これを減免できると。さらに、この市町村民税の課税計算になる前年度の収入が全くない場合、ゼロの場合ですね、この場合、家賃認定の額の2分の1が減免されるといった規定を設けてございます。



◆米田委員 時間がなくなっていますので、ちょっと飛ばして、通告とちょっと省いていかさせていただきたいと思いますが、先ほどの通知との関係もありますが、明らかに平成元年の通知も含めて、減免等の措置を講じて入居者の支払い能力に応じて負担の軽減を図るようにすることということで、今部長も言われましたが、少なくとも家賃滞納者や生活困窮者には個別に申請の勧めや制度の説明を丁寧にぜひ行うべきだというふうに思うんですが、実態はどんなふうになっていますか。



◎奥谷土木部長 家賃減免制度の周知につきましては、県営住宅の住まいのしおりに記載いたしまして、入居者説明会で入居者個々に配付して説明しております。またそれとともに、毎年度行う収入申告書の提出依頼あるいは家賃決定の際に制度をわかりやすく説明いたしましたチラシを同封しております。

 加えまして、家賃滞納者への戸別訪問の際、病気や収入の減によりまして家賃を支払えなくなった入居者に対しましては、家賃減免制度を説明しまして利用を勧めております。こうしたことで周知に努めているところでございます。



◆米田委員 ありがとうございます。ぜひ丁寧な対応をお願いいたします。

 次に、若者の定住、移住促進にかかわってお伺いします。

 2013年3月議会で、塚地議員が、低所得でも入居できる若者の好みにも合った住宅の整備、また民間への家賃補助を提言しました。部長は、民間賃貸住宅への支援について、その2月に設立した高知県居住支援協議会で検討していきたいという旨の答弁をされていますが、その後の検討状況、また施策の実施状況について伺います。



◎奥谷土木部長 高知県居住支援協議会では、年2回の総会や必要に応じて開催する勉強会等におきまして民間賃貸住宅への支援策などを検討した結果、空き家の活用を中心に若者の定住や移住促進につながる取り組みを実施していくこととしております。

 現在、11市町村で187件の移住希望者向け空き家などの情報をホームページで発信しております。そのうち96件が入居済みでございます。また、この不動産関係団体のホームページへのリンクも行っております。空き家情報につきましては、今後も充実を図っていく予定と聞いてございます。

 高知県居住支援協議会の設立によりまして、国の民間住宅活用型住宅セーフティーネット整備推進事業、こういったものの活用が可能となっております。その結果、本年2月現在、高齢者や低額所得者、子育て世帯の若者を含みます住宅確保要配慮者向けに改善されました民間賃貸住宅が72戸整備されております。



◆米田委員 ありがとうございます。

 少し飛びますが、今月2日に全国首長アンケートの結果が公表されています。人口増へ力を入れたい施策、3つまでの選択となっていますが、雇用と子育て環境と移住というふうに並んでいまして、次いで家賃補助など居住支援が4番目で26.8%となっていました。5番目のインフラ整備18.1%より大分多くなっています。

 人口問題の上でも、また住まいは人権を保障する上でも、具体的に踏み出す家賃補助や若者の単身向け、また子育て世帯向け公営住宅の整備を検討することを強く求めるわけですが、土木部長にお伺いをいたします。



◎奥谷土木部長 県といたしましては、空き家の増加が社会問題化しているという状況がございますし、公営住宅が住宅困窮者のための住宅であるという法の趣旨、こういったことから、公営住宅自体の整備は、これは困難であると考えておりますが、子育て支援あるいは移住支援など幅広い住宅需要に対応するためには、空き家を活用いたしまして良質な公的住宅を供給していきます市町村を支援してございます。

 県としましては、こういった空き家を再生いたしまして、良質な公的住宅を賃貸住宅として低廉な家賃で提供するということで、低所得の若者あるいは移住希望者も含めました住宅確保要配慮者への支援ができていると考えてございます。

 このため、市町村が民間の空き家を借り上げるなどいたしまして再生、活用する場合に、その工事費の一部を補助します空き家活用促進事業、これを本年度創設いたしました。

 本年2月末現在で、15市町村から合計56件の申請がありました。うち6市町村11件で空き家のリフォーム工事が完了いたしまして、活用開始してございます。こうした成果の周知などによりまして、事業の活用、これを市町村のほうに積極的に促しまして、県内全域で空き家の再生、活用を促進してまいりたいと考えております。



◆米田委員 ありがとうございます。

 住宅行政の最後に、住戸の改善、全面的改善事業について伺います。

 エレベーターの整備ですが、船岡団地方式が経済的にもメリットがあるんじゃないかというふうにも思いますし、整備状況と今後の計画について、また浴槽へのシャワー、給湯などの設置方針と実施状況についてお聞きいたします。



◎奥谷土木部長 エレベーターがある県営住宅は、現在、50棟でございます。エレベーターの増設は、現在、宇治団地の8棟において船岡団地方式と同様な全面的改善事業を進めております。平成29年度を目途に行うこととしてございます。

 浴槽へのシャワー設置につきましては、浴室、台所、洗面所に給湯を行います3点給湯設備への改善、これと同時に実施する方針でございまして、現在1,924戸で設置してございます。

 3点給湯設備への改善工事は入居者が居住した状態では困難でありますので、エレベーターの増設と同様、全面的改善事業として行う方針でございます。



◆米田委員 ありがとうございます。

 次に、小規模企業の振興について商工労働部長にお伺いします。

 昨年12月議会で岡本和也議員が、住宅とともに店舗のリフォーム支援を提言いたしました。県レベルでは全国初だと思いますが、本議会に店舗魅力向上事業費補助金として提案をされており、高く評価するものであります。同時に、使い勝手がよく、地域と商店街の活性化につながり、経済対策の効果も発揮し、そして個々の小規模企業の事業の持続的発展を支援するものであることが求められていると思います。

 まず、今回の制度の内容、対象業種、また対象要件について、商工労働部長に伺います。



◎原田商工労働部長 お話のありました店舗魅力向上事業費補助金でございますが、商店街や商業集積地域などの活性化を目的としまして、現在事業を営まれている方の経営革新への取り組みを支援するものとなっております。具体的には、小売業や飲食業、サービス業などを経営されている方を対象に、経営経過に基づく店舗リフォームに係る経費などを対象に、100万円を上限としまして経費の2分の1を補助するものとなっております。

 なお、この補助金は、事業の効果をより確かなものとするために、店舗経営者みずからの経営計画を作成するといったことを要件としております。



◆米田委員 その場合に、例えば商店街団体への加入問題とか、地域的な制限はどうなっているのか。そういうことが私はあってはならないというように思うんですが、その点はどんなふうに対象になっていますか。



◎原田商工労働部長 商店街や商業集積地域などでしっかりとした経営企画を持って経営革新に取り組まれている方が対象ということでございますけれども、商店街振興組合とか商工会といった商工団体の加入事業者以外の方も対象というふうに考えております。

 補助金の決定に当たりましては、店舗の経営計画の内容などといったことを十分検討しまして、地元の商工関係者などの御意見をお聞きして決定してまいりたいというふうに思います。



◆米田委員 地域的な制限などもぜひ検討していただきたいんですが、商店街の活性化、魅力ある商店街づくりも大事、買い物弱者の支援も大事、景気対策としても大事、だから地域的な制限もなくて、そして小規模企業の事業の持続的発展も応援する、そういう施策をぜひ今後検討していただきたいなというふうに思います。

 それで、今回1,500万円の補正予算というふうになっていますが、私は予算額が少ないなというように思っていますが、今後の利用状況を含めて、補正や継続的な拡充と、また先ほど言ったようなことも含めて制限もないような引き続き改善拡充を検討していただきたいというふうに思うんですが、その点今後をどんなふうに考えておられますか。



◎原田商工労働部長 この補助金、来年度年間執行件数を15件ということに一応見込んで計上しているところでございます。全く新しい取り組みということもございますので、まずその効果をしっかり検証するということが必要ではないかというふうに思っておりまして、来年度の事業の執行状況、商店街関係者などの御意見もお聞きし、それらを参考にしながら、それ以降の事業内容の見直しといったことや予算額についても検討していきたいというふうに思っています。



◆米田委員 ぜひそういう方向でお願いします。

 全国1番目に始めた群馬県の高崎市は、当初1億円の予算でした。しかし、2回の追加補正で合計4億4,000万円、利用した店舗が738件ということで、1つの市がこれほど予算を投じて経済効果10億2,000万円ということで、業者と地域が元気に明るさを取り戻しているという話もありますので、ぜひ今述べられたような方向で来年度の事業を見ながら、ぜひ改善、検討、拡充をしていただきたいというふうに思います。

 最後に、小規模企業振興基本法にかかわって幾つかお伺いをします。

 昨年10月、閣議決定した基本計画に、地域で雇用を維持して頑張る小規模企業を正面から支援したい、成長発展のみならず、事業の持続的発展を小規模企業の振興の基本原則と位置づけたとしています。また、小規模企業の振興と地域経済の活性化は表裏一体であるとしています。

 今日、改めて、とりわけ地方政治が小規模企業に光を当て、高知県産業振興計画を充実、実践することが求められていると考えます。

 そこで、県内の事業所数と従業者数、そして小規模の企業それぞれについて順次お伺いいたします。



◎原田商工労働部長 平成24年の経済センサス、これは24年2月1日現在でございますが、それによりますと、県全体で事業所数は3万6,775、従業者数は28万1,911人となっています。

 ちょっと細かいことになりますが、この中で従業者数の少ない零細な小規模企業としましては、従業者が19人以下の事業所数は3万3,883で全体の92.1%、従業者数で14万2,000人、全体の50.3%となっています。さらに、従業者4人以下の事業所数は2万3,561で全体の64%、従業者数で4万8,588人、全体の17.2%を占めております。



◆米田委員 ありがとうございます。

 新たな法の制定も受けて、小規模の企業への政治を光を当てるということでぜひ頑張っていただきたいと思うんですが、その基本法では、地方公共団体は「施策を策定し、及び実施する責務を有する」としています。また、閣議決定をした基本計画では、「地域の特性に応じた施策を策定し、効果的・重点的実施を図る」としています。

 全国的には先進的な取り組みだと私は思っています。しかし、基本法と基本計画の立場で、高知県の産業振興計画を点検、充実を図って、法でうたう、計画でうたう施策を策定する必要があるというふうに考えますが、商工労働部長にお聞きいたします。



◎原田商工労働部長 小規模企業の振興基本計画の重点施策というのがございますけれども、その中では展示会の開催とかアンテナショップの整備といった国内外の需要の開拓を進めるといったことや経営者、事業者の研修を実施すること、その他幾つか重点施策があるわけですけれども、そういった施策、まさに現在本県が産業振興計画で取り組んでおりますそのものであると考えております。

 基本法、基本計画と本県の産業振興計画の方向性は同じでございますので、今後とも産業振興計画の着実な実行によりまして、小規模企業を含む商工者へのさまざまな支援を行いますとともに、各施策につきましてPDCAサイクルを常に回すことでさらに小規模企業支援の充実を図ってまいりたいというふうに思っております。



◆米田委員 ありがとうございます。

 12月議会でも提案をしましたが、確かに産業振興計画、全国に先んじて高知県の実態に見合うそういう計画を立てられたんですが、この小規模企業振興基本法というのが制定され、閣議決定もされています。そういう点では、本当に高知県の企業の主役にふさわしい対応が改めて求められているというふうに思いますし、私は、小規模企業の実態調査、悉皆調査をやっぱりきちっとやって−−産振計画が今100%ではないんですよ。やっぱりそういうところにも光を当ててこそ、もっとそれが生きる計画に私はなっていくというふうに思うんですね。

 この間、8,000件、アンケートを出しましたとかというて、それから毎年、何百軒回っていますとかというて、それなりに努力されていますけれど、私は努力は十分認めますとともに、さらに高知県の小規模企業を含めて本当に振興と事業の持続的発展のためには、やっぱり信頼関係を結びながら対応をしていくということが必要だと思いますので、ぜひ小規模企業の実態調査や悉皆調査についても、改めて検討していただきたいということを最後にお願いしまして、全ての質問を終わります。ありがとうございました。



○西森[潮]委員長 以上をもって、米田委員の質問は終わりました。

 5分間休憩いたします。

   午前10時46分休憩

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   午前10時51分再開



○西森[潮]委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一問一答による質疑並びに一般質問を続行いたします。

 上田委員。あなたの持ち時間は30分です。御協力よろしくお願いします。



◆上田委員 県政会の上田でございます。早速質問に入ります。

 仁淀川水系宇治川支流天神ヶ谷川、県管理河川でございますが、これの改修につきまして伺います。

 初めに、少し過去の経緯などに触れながら質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。

 宇治川支流の天神ヶ谷川は、国道33号に沿っていの町枝川地区を東西に流れる県の管理河川でございます。天神ヶ谷川は、集中豪雨などにより過去にもたびたび氾濫を繰り返していることから、県では平成14年度から18年度にかけて、河川災害復旧助成事業で36億円の事業費を投じて下流部の河川改修工事を概成させております。

 私は、天神ヶ谷川に関しては、下流部の改修に加え、上流部を改修しなければ抜本的な浸水対策にはならないとの思いで、9年前でございますが、平成18年2月予算委員会でこのことについて質問をさせていただきました。その際、当時の久保田部長から予想以上に踏み込んだ前向きな御答弁をいただきました。それから9年経過する中で、この河川の改修は、工法の複雑さに加え、高知西バイパス工事の進捗も勘案しながら進めていかなければならないという特殊要因もございまして、地域住民から見えづらい部分もございました。そうしたことで、工事の進捗ぐあいが気になっていたところでございます。

 そうした中、昨年8月、本県を襲った台風12、11号の猛威は皆様の記憶に新しいところだと存じます。あの台風で、日高村を流れる日下川といの町を流れる宇治川流域では甚大な被害が出ました。被害が大きかった台風12号では、いの町宇治川流域で256戸の家屋が浸水、うち142戸が床上浸水、日高村では日下川流域で浸水家屋が159戸、うち109戸が床上浸水しております。

 私は、浸水状況を確かめに、被災直後、次の日でございましたが枝川地区に行きました。現場では被災者の方は後片づけに忙しく、何とも言いようのない重苦しい雰囲気でございました。私が役場当時に宇治川流域の浸水対策事業に携わっていたこともございまして、現地の方が、上田さん、これは人災じゃないかといった厳しい言葉やお叱りを受けました。特に、西浦5区は2週連続で床上の浸水がございました。

 今回の被害発生の要因の一つは、県が管理している宇治川支流の天神ヶ谷川が氾濫して住宅地に流入したことにございます。

 そこでまず、土木部長に、天神ヶ谷川を管理する県の立場として、当時の浸水状況は把握されたのかどうか、要は被災直後に現地の状況を見に行かれたかどうかということでございますが、お聞きをいたします。



◎奥谷土木部長 現場の状況につきましては、8月3日の発災当日に中央西土木事務所が被害状況を確認いたしまして、直ちにその報告を受けております。

 また、8月18日には、私も河川課長と中央西土木事務所長とともに現地に行きまして、浸水被害の状況を確認してございます。報告を受け、写真では見ていたものの、現地では住民の方々からお話をお聞きできましたし、また橋梁高欄部にひっかかったごみの痕跡によりまして、出水の痕跡、こういったものを確認することなどで浸水被害の大きさを実感いたしました。



◆上田委員 ありがとうございます。

 8月3日当日、それから土木部長も18日に現地へ行かれたということで、そういった意味では、本当に被災直後に県自身がそういう行動をとっていただいたということは大変適切な行動だったと評価をいたします。

 その天神ヶ谷川の浸水状況の図面、土木部からいただいておりますが、少しこれを見ますと、この天神ヶ谷川の改修の必要性、急ピッチで天神ヶ谷川を河川改修しなければならないということを改めて感じたわけでございます。

 次の質問に移りたいと思いますが、私はいの町に住まう者として、地元役場で長い間お世話になった者として、いの町枝川地区の浸水問題は地元いの町行政のみならず県行政の命題であるとも考えております。平成16年には、総額200億円余りの巨費を投じて新宇治川放水路が完成しました。私は、残るのは天神ヶ谷川の抜本的な河川整備だと強く思っておりましたので、そうした意味から、平成18年2月予算委員会で天神ヶ谷川の上流部における早急な河川整備の必要性を指摘させていただきました。

 先ほど申し上げましたが、当時の部長が、上流部の改修については高知西バイパスの進みぐあいを見ながら下流と同じ断面で施工したいと答弁されました。私は、随分前向きな答弁をしてくれたものだと少々驚きまして、同時に大変浸水対策に、解消に対する期待を持ったわけでございます。また、地域の住民の方も大いにこのことを歓迎したことでございました。そうしたことをその18年4月に私の県政だよりで地域の皆さんにそういった当時の部長答弁を報告もさせていただいております。

 そんな中で、この天神ヶ谷川は、上流と下流との間に勾配がなく、集中豪雨でたびたび氾濫する河川でございます。そのため県では、先ほど申し上げましたが、下流部について平成18年度に改修工事を概成させております。しかしながら、上流部、県営住宅宇治団地付近まで改修しなければ、抜本的な浸水対策とはならないわけでございます。

 御案内のとおり、上流部につきましては、現在、国道33号高知西バイパス工事の枝川−波川間が来年度、27年度の開通を目指して急ピッチで進んでおります。また、この付近は御案内のとおり、高知市の西の玄関、そして伊野インターチェンジも間近にございまして、多くの県民の皆様の今最もといいますか、注目度の高い公共工事現場となっていると思っております。

 しかしながら一方で、この天神ヶ谷川が流れる枝川地区では、この半世紀の間河川の氾濫などによるたびたびの浸水被害が住民を悩ませ続けております。

 そこで、部長に、下流部を改修された以降においても、たびたび河川の氾濫が起きておりますけれども、県は18年以降、浸水解消に向けどのような対策を講じてきたのか、お聞きをいたします。



◎奥谷土木部長 平成18年以降につきましては、国道33号から上流200メートル区間で高知西バイパス事業と調整を図りつつ、測量や用地買収などを実施いたしました。用地取得がほぼ完了いたしました平成23年以降は、高知西バイパス橋梁工事に伴いまして、河川のつけかえとなる区間の地盤改良工事あるいは護岸工事などに着手しております。



◆上田委員 ありがとうございます。

 それでは次に、昨年8月の台風で甚大な浸水被害が出ました日下川と宇治川の浸水対策を協議する場として、国と県、いの町、日高村の4者で浸水対策調整会議が設置をされております。先ごろ、この会議が日下川に放水路を、宇治川に排水ポンプをそれぞれ増設するなどの対策案をまとめられまして、仁淀川流域学識者会議で了承されたことが地元の高知新聞に出ておりました。

 この記事を少し読ませていただきます。1月29日付の高知新聞でございますけれども、その中に、「また宇治川でも伊野雨量観測所の2日間の降雨量が751ミリと観測史上最大となり、支流・天神ヶ谷川などが氾濫して住宅地に流入。県による天神ヶ谷川の河道掘削と、国による宇治川排水機場の排水ポンプ(毎秒12トン)増設を提案した」と、こういう報道がされております。

 この記事で、県による天神ヶ谷川の河道掘削というところがございますが、これは先ほどから申しております18年2月の予算委員会の答弁との整合性がとれておらないと思いますし、住民の皆さんから見ても、ここだけ読んでもどんなに工事がなっていくのかということがわかりづらいと私は思っておりましたら、後日、地域の住民の方から私に連絡がございまして、そこだけ捉えると今から船が出るような内容だがどうなっちゅうろうという、そういった御指摘も受けましたので、そこで改めてこの場でお聞きをしたいと思います。

 浸水対策調整会議の提案で県による天神ヶ谷川の河道掘削ということが出ておりますが、この河道掘削の提案ということをもう少し、部長、詳しく説明をしていただきたいと思います。



◎奥谷土木部長 浸水対策調整会議が提案した内容といたしまして、県が行う対策としましては、天神ヶ谷川の河道拡幅、それから河道掘削、護岸整備、築堤などの河川改修となっております。

 なお、いの町が行う対策としましては、都市下水路の整備としまして排水ポンプの設置あるいは支川の河川改修、ソフト対策としての土地利用規制や災害情報の周知などとなっておりますし、国が行う対策は、宇治川の洪水を仁淀川本川に排水するための宇治川排水機場のポンプ増設となっております。

 こうした県、町、国が一体となりまして、再度災害防止に向けて取り組んでいくという内容になってございます。



◆上田委員 先ほどの部長答弁で大変詳しく説明していただきましたので、よく理解ができました。

 理解ができましたが、やはり報道機関に対して発表されるときは、ずっと申していますが、過去のいきさつ、複雑な部分がございますので、やはり過去のいきさつも踏まえた丁寧な説明が必要だと自分は思っております。

 例えばこの場合だったら、私の考えでございますが、天神ヶ谷川については河川改修のさらなる加速化を図るといった提案をしたと、こういうふうに書いていただきましたら、そういった誤解といいますか、問題はなかったんじゃないかと改めて思っております。

 と申しますのは、地域住民の方には、今どんなに工事が進んでいるのか、いつごろ浸水対策を開始されるのかということが見えづらい部分がこの事業に関してはございますので、そういった県とか地元の行政による説明がない限り、新聞紙上でしか知り得ないというようなことがございますので、そういった点、今後また部長のほうでよろしくお願いをいたします。

 それから次に移りますが、このいの町枝川地区は、御案内のとおり、昭和45年に高知広域都市計画区域に包含されて以来、高知市のベッドタウンとして急速に市街化が進んでおります。現在は、国道33号を挟んで南北に1,200世帯、約2,000人の方がお住まいになっております。そういった地域でございますが、先ほどから申しておりますように、低沃地というか上下流の勾配がないということで常に浸水被害に悩まされるという地域でございます。

 特に、平成8年、新宇治川放水路問題をめぐって、当時私も役場におりましたけれども、町長リコールまで起こりまして町が二分された、そういう経緯もございますので、本当に住民の方はそういう浸水に対して物すごい敏感になっております。

 冒頭申し上げました昨年8月の集中豪雨で浸水被害を受けたばかりでございまして、天神ヶ谷川の河川改修工事の進捗につきましては非常に高い関心を持たれておりますし、また工事現場が高知西バイパス工事と河川改修工事が複雑に絡み合った大型の公共工事現場でもございます。先ほどの新聞報道のこともございますが、その意味でも、今後機会あるごとに部長のほうで地元説明会などを通じて丁寧な説明をすることが、私は河川管理者の責任において非常に大事なことだと思いますけれども、部長にそこのあたりの見解をお願いいたします。



◎奥谷土木部長 今後の天神ヶ谷川の改修につきましては、平成26年12月17日に枝川コミュニティーセンターにおきまして第1回の地元説明会を開催いたしました。その際、横断図や平面図、こういったものを示しながら、河道拡幅、河道掘削、護岸整備、築堤などの河川改修の概要をわかりやすく説明した上で測量の立ち入りの了解を得ております。

 他方、繰り返しになりますけれども、本年1月28日に開催されました仁淀川流域学識者会議におきましては、県が行う対策としまして天神ヶ谷川の河道拡幅、河道掘削、護岸整備、築堤などの河川改修を提案いたしました。しかし、報道ではこれらのうち河道掘削のみが例示的に取り上げられたということで、河川改修が行われなくなったんじゃないかといった誤解を地元住民に与えたということじゃないかと思います。

 今後は、地域の皆様の誤解を招くことのないよう、報道機関等に対しましても、より一層正確な説明を心がけますとともに、地域の皆様に対しましても丁寧な説明を心がけてまいります。



◆上田委員 詳しい説明ありがとうございます。

 この天神ヶ谷川の河川改修につきましては、本当に県のほうで莫大な投資をしていただきまして、今後も前倒しというか、事業が進んでいくように聞いております。本当に、県営住宅の宇治団地まで今の倍ぐらいの幅で河川改修を行っていくということも聞いていますので、地域の方は、浸水解消に向けて本当に期待をしておられると思います。やっぱりそういった中で、繰り返しになりますが、半世紀にわたって毎年雨が降るたびに浸水被害が出やせんろうかというような心配の中でずっと生活されていますので、そんな中で今後、先ほど部長が説明されましたが、工事が進んでいきます。この工事は幹線国道33号沿いで、今も皆さん高知市以西、米田のほうからバイパスを通ってきたらおわかりになろうと思いますが、本当に高知西バイパスの工事が急ピッチで進んでおりますし、沿線住民から見ても大変関心はもちろんございますし、加えて日高村とか佐川町、越知町、ずっと大変期待を持って見守っております。

 ということでございますので、先ほど部長がお答えになられましたけれども、そういうことで進んでいっていただきたいと強く思っております。

 新聞の話も出ましたが、こうやってこの問題で3回も新聞紙上で取り上げられてということなどもございます。そういうことも含めて、一日も早い完工を願っておりますのでよろしくお願いいたします。この項はそれで終わります。

 次に、まち・ひと・しごと創生総合戦略について若干知事さんにお伺いいたしたいと存じます。

 まち・ひと・しごと創生総合戦略についてでございますが、対話と実行行脚を通じた県版総合戦略の策定について少しお伺いしたいと思います。

 対話と実行行脚は、中山間地域、とりわけ山間部の声を直接知事自身に届けられるよい機会だと私は思っております。これまでも知事自身が住民の皆様から多くの御意見を聞かれていると存じます。これまでに30市町村を訪問されておられます。その中で、今年度、26年度は6回にわたって地域に出向かれていると聞いております。

 そこでは、地域ごとの特色ある取り組みについてその現状と課題、そして今後の取り組みの展開などを実際に取り組んでおられる方から聞かれていると存じます。そういった知事自身が直接聞かれた県政への意見や要望などで今回の県版総合戦略の策定に大いに生かせるものがあると考えますけれども、知事の御所見をお聞きいたします。



◎尾崎知事 今お話しいただきましたように、私も対話と実行行脚ということでこれまで30市町村にお伺いをさせていただきまして、いろいろ勉強させていただいたところであります。本当に、直接お伺いして百聞は一見にしかずといいますけれども、一見とともに百聞も得られるということでありまして、大変勉強になっております。

 そういう中で、対話と実行行脚を通じて新しい政策のヒントを得たりとか、さらにはこういうことをやってはどうかなと幾つか選択肢を持ったりしているときに、どうもこのやり方がうまくいきそうだなということを実感させていただいたりとか、さまざまな機会として生かさせていただいているところでございます。

 具体的に申し上げますと、例えばこうち型の次世代施設園芸システムを普及していく取り組みなんかについても、やはり安芸にお伺いしましたとき、実際住民の皆さんから直接かなり熱意あるお話なども伺って、どうもこれはやはりこういうものを進めていこうとしたときにうまくいきそうだなと一定実感を持って、むしろスピード感を持ってやっていかなければと思ったりしたことでありましたし、またある集落活動センターのところにお伺いしましたときに、やはり地元の木を地元の人が切ってお金にしていくということがいかに地元にとって大事かというお話などもお伺いする中、自伐林家の皆様方の応援をさせていただく取り組みなどが今後重要になってくるなと。これを練り上げていって、今回提案させていただいております自伐林家の皆様への支援策という形にひとつつなげさせていただいておったりとか、さらに集落活動センターなんかの取り組みで年月が一定たったところにお伺いしたときなど、やはり地域のコミュニティーとしての機能はもう既に発揮し始めていますけれども、例えば経済的自立ということでいけば、もう一段、やはり後押しが必要な側面があるなと。やっぱりこれは国も巻き込んで何とかならんかなということで、今回の交付金獲得に向けた政策提言活動に生かしたりとかなどなど、こういう形で枚挙にいとまはないわけでありますけれども、本当に数々の形で対話と実行行脚を通じて県民の皆様からお知恵をいただきながら政策に生かしてまいりました。

 現在、第2期産業振興計画ver.4に向けた改定、それに伴います予算案を提案させていただいておりますけれども、こちらにおいても、先ほど申し上げた例のようにたくさんさまざまなお知恵をいただいて、それを盛り込んだ形にさせていただいております。

 これを反映して総合戦略につなげていきたいと考えていますが、今後、27年度におきましても、こういう活動などを通じていきながら、さらにお知恵を生かさせていただくようにさせていただきたいと、そのように思っております。



◆上田委員 ありがとうございました。

 そういう対話と実行行脚を通じて、先ほどの知事答弁では、新しい政策へのヒントが多々あるというふうに理解をいたします。

 そんな中で、先月24日に仁淀川町で対話と実行行脚が開催されまして、私も総務部長とともに終日同行させていただきまして、大変お世話になりました。当日、ずっと一日回られる中で、やっぱりある意味緊張感が漂う中でも終始和やかといいますか、そういったことでやりとりが本当にざっくばらんというか、御意見が出たと思って、私は本当に、知事も多分そうやと思いますが、有意義な行脚やなかったかと実感しております。

 具体的に、高齢者が安心・安全で暮らせるまちづくりへの取り組みとか地元の特産のお茶を使って地域のそういった特産物を生かした製造加工品の取り組みとか、はたまた先ほど集落活動センターのお話も出ましたが、長者の集落活動センターだんだんの里でも、今3年間やってきてこれから4年目に向かっての将来展望とかという具体なお話があったと思います。

 そういった意味で、いわゆる地方創生へ即つながるようなお話もあったと思いますが、そういったことを今後の総合戦略にぜひ生かしていただきたいと切に思うわけでございます。

 次に、市町村版総合戦略の策定についてでございますが、これは言うまでもなく、県と市町村との深い連携が不可欠であると思っております。また、双方の計画に整合性がなければなりません。

 そこで、地域支援企画員の役割が重要になってくるものと考えます。地域支援企画員の役割は変化しており、産業振興計画を推進するというミッションのもと、市町村支援に大きな役割を担っております。来年度は、地方版総合戦略の策定や産業振興計画の改定など、地方創生に向けて地域支援企画員の役割が一層重要になってくると思いますが、改めてここで知事に、地域支援企画員に対して期待することについての御所見をよろしくお願いいたします。



◎尾崎知事 地域支援企画員は、大変大きな役割を果たしてくださっていまして、本当にありがたい存在であります。これまでも地域アクションプランの育成、こちらについて大変力を発揮していただいてまいりました。またさらには、集落活動センターの設置に向けて地域地域で取り組みを進めていただいておりまして、ありがたいことだなと思っていますが、これからますます御指摘のように役割は大きくなってくると、そのように思っています。

 今も県政と市町村政との連携・協調ということで、基本的にできる限り産業政策等と方向感を一にして取り組まさせていただきたいということでやってきているわけでありますが、今度総合戦略という形で、よりその点をはっきり形にしていく必要が出てまいります。

 本庁におきましても、市町村と一緒に汗をかかせていただく、そういう体制を設けようとしておりますが、それの実を上げるためにも地域支援企画員が地域地域において地域の皆様と、そしてまた市町村役場の皆さんと一緒に協働でそういう計画づくりに汗をかかせていただくような取り組みが大事だと、そのように考えています。そういう点において今後もますます役割は大きくなってくると、そのように思っています。



◆上田委員 本当にありがとうございます。

 今度の地方創生ということで、私は、竹下内閣のときのふるさと創生1億円事業を、携わっていましたので思い出しました。あのときは、みずから考え、みずから行うふるさと事業ということで、本当に市町村職員頑張りましたが、また30年ぐらい近くたっていますので状況も変わっておりますが、そういった意味でも、もちろん市町村が主にならんといきませんけれども、やはりそこには県の助言と、情報のたくさんある助言が必要でございますので、ぜひそのためにも地域支援企画員の活躍を期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、30分、短い時間でしたが言いたいこと言いましたので、ありがとうございました。



○西森[潮]委員長 以上をもって、上田委員の質問は終わりました。

 暫時休憩いたします。

   午前11時21分休憩

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   午後1時再開



○溝渕副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一問一答による質疑並びに一般質問を続行いたします。

 弘田委員。あなたの持ち時間は55分です。御協力をよろしくお願いいたします。



◆弘田委員 自民党の弘田でございます。委員長のお許しをいただきましたので質問させていただきます。

 私が支部長をさせていただいている自民党室戸市支部が党の表彰を受けることになり、きのう東京で開催された党大会で表彰状をもらってきました。その受賞の記念事業として、2月21日にニューサンパレスむろとで地方創生シンポジウム「東部の願い国に届け」と題してシンポジウムを開催いたしました。基調講演を福井照衆議院議員にお願いし、防災対策と地方創生をテーマにお話をいただきました。その後、福井先生に加えて松延宏幸東洋町長、高知工科大学特任教授の永野正展先生、室戸市木炭振興会会長の森本生長さん、高岡大敷株式会社船頭の田内正勝さん、協同キラメッセ室戸有限会社社長宇賀俊六さんに参加をいただきまして、パネルディスカッションを開催いたしました。

 私自身は、コーディネーターとして参加をいたしました。パネルディスカッションのテーマは、地産起業で東部に活力をということであります。地産起業という言葉は私の造語であります。地域資源を生かして働く場所をつくるという強い思いから浮かんできた言葉であります。パネラーの皆様は、それぞれの立場で地域の振興に取り組まれている方ばかりです。まさに地産起業の実践者と言えると思います。今回の予算委員会では、シンポジウムでの福井衆議院議員の基調講演やパネラーの皆さんの発言に基づき質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。

 まず、福井衆議院議員は、災害に強い国土、地域をつくることが地域活性化の前提、国土強靱化と地方創生は車の両輪として取り組むことが重要と考えると講演の中で話をされました。災害に強い国土を災害に強い県土に変えれば、そのまま高知県に当てはめることができると思います。

 そこで知事に、国土強靱化と地域活性化とのかかわりはどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。



◎尾崎知事 対象は、平時か、そしてまた危機災害のときか、その違いはありますけれども、ともに表裏一体、お互い高め合う関係ということなのかなと、そのように考えております。

 地方創生のための取り組みをして日ごろより地域に活力があることが、いざというときの対応、例えば助け合って復旧・復興に向かっていく、その力の強さ、そういうものにつながっていくだろうと、そのように思いますし、また日ごろよりさまざまな形で活力を持たせていくことがいざというときの防災のための備えのスピードアップにつながっていくということになりますでしょうし、また国土強靱化のための備えをしていくこと、それによって域外からの信頼を得ることがさまざまな形での地域活性化にいろんな活力を呼び込んでくるという点において力になりますでしょうし、また国土強靱化のために整備していきますさまざまなハード支援、さらにはソフトの対策、これらはいざというとき災害時において大いに力を発揮するものということになるだろうと、そのように考えています。

 両者は表裏一体の関係にあると、そのように考えています。



◆弘田委員 どうもありがとうございました。では進めます。

 地方創生の取り組みは行政だけにとどまらず、産業界、大学、金融機関、労働団体、言論界が一体となり、国民の皆様と基本認識を共有しながら総力を挙げて進めなければならないとの話もありました。このことも国民を県民に置きかえれば高知県に当てはまると思います。

 知事は、既に産学官の連携強化についてはさまざまな取り組みを進めておられますが、地方創生に取り組むに当たり、産業界や大学などと今後どのようにしてさらに基本認識の共有を深めていくのか、お伺いをいたします。



◎尾崎知事 産業振興計画の取り組みなどを進めていくに当たって、官民協働で進めていくから本当の実効性をもたらすということがあるだろうと思います。そしてまた、大学と連携をしていくので、今の範囲にとどまらない新しいイノベーションとか新しい仕組みを生み出していくということができるんだろうと、そのように思っています。

 そういう意味で、官民協働、そして産学官民の連携、これは非常に重要なテーマだと考えています。産業振興計画、策定したときも、そしてまた現在のフォローアップの体制においても、産業界、そして学界の皆様方にもフォローアップ委員などにも入っていただいて、総勢250名の体制で常に議論をいただく、そういう形になっているわけでありますが、さらに意図してこの産学官民の連携を強めていくようにしていきたいと、そのように考えておるところです。

 一つの仕組みとしては、産学官民連携センター、こういうものがありますけれども、個々のプロジェクトにおいてもなお一層いろんな技術革新、イノベーションを取り入れていくことが重要なだけに、一つ一つでこういう産学官民の連携というのを意識して仕事をしていくと、そういうふうにしていきたいと、そのように思っています。



◆弘田委員 どうもありがとうございました。

 私も、産学官民の連携というのは非常に重要なことだと思います。これまで高知県は、行政が走るとか、大学が走るとか、それぞればらばらに動いていた感が随分ありましたんで、尾崎知事になられて随分変わってきたんですけれど、さらに続けていただきたいというふうに思っております。

 それから、福井衆議院議員は、観光振興の取り組みの重要性についてもお話をされました。国土交通省道路局の進める日本風景街道の取り組みの話であります。平成27年1月現在は134ルートが登録をされており、高知県では四万十かいどう、土佐のまほろば風景街道など4カ所が登録をされています。

 私は、東洋町から室戸にかけての国道55号は十分登録に値するところだと思うんですが、これまでの登録の経緯と今後の見通しについて土木部長にお伺いいたします。



◎奥谷土木部長 風景街道は、平成19年から全国的に登録開始になり、これまで高知県では平成19年に安芸市の土居廓中と西南地域の四万十かいどうが、また平成20年に南国市の、土佐のまほろば風景街道が、そして昨年4月には土佐市ドラゴン風景街道が登録されています。

 風景街道に登録されるためには、地域住民やNPO、市町村などで構成される団体が組織され、風景街道にふさわしい活動を継続的に実施していることなどが条件となります。

 東洋町から室戸市にかけての国道55号は、風景街道に必要な地域資源を十分に有していると認識しております。しかし、現時点では、団体が組織され風景街道にふさわしい活動を継続的に実施しているといった動きは聞こえてきておりません。

 風景街道の取り組みは地域活性化や観光振興にもつながることから、地域において登録に向けた条件が整ってくれば県としてもしっかりと支援していきたいと考えております。



◆弘田委員 どうもありがとうございます。

 私が活動して思うのは、県のとか国の取り組みが十分に地域までおりていっていないというところがあると思います。55号、東洋町−室戸市間は景色はいいし十分景観としてはすばらしいと思うんですが、確かに土木部長御指摘のとおりだと思います。

 こういった機運が出てくれば、NPOなり市町村なりの支援とか御指導をお願いいたしまして、この質問は終わりにいたします。

 それから、パネラーとして松延東洋町長が参加をされました。松延東洋町長は、国道493号高規格道路の一日も早い完成を強く求める発言をされました。

 現状では、東洋町への道は高知方面からも徳島方面からも55号1本です。南海トラフ巨大地震が発生すれば、東洋町の孤立は目に見えています。松延町長の、町民の命を守らなければならないという強い思いは私を含めたその会場の皆様に十分伝わったんじゃないかと感じました。

 そこで土木部長にお伺いをいたします。東洋町は、命の道55号が津波でさらわれれば、高知市にも徳島市にも行くことができません。地域は陸の孤島になってしまいます。そこで、奈半利町から東洋町までの国道493号高規格道路を一日でも早くつける必要があると考えますが、現状と今後の見通しをお伺いいたします。



◎奥谷土木部長 国道493号阿南安芸自動車道については、現在奈半利町から北川村柏木間を供用しております。これに続く北川村和田までの4キロメートルの区間については、平成25年度に事業着手し、本年度は道路詳細設計や用地測量などを進めております。

 来年度は用地買収と工事に着手する予定でございます。また、和田から北川村安倉の間では、来年度に概略ルートを決める調査を行う予定です。

 安倉から東洋町野根の区間では、事業化に向けた最初のステップとなります計画段階評価を国とともに実施しております。

 和田から野根の区間については、概略ルートが決まっていないことや計画段階評価が終わっていないことから、事業化の見通しが立っておりませんけれども、早期の事業化に向けて関係する地域の皆様や関係者の方々と一体となって全力で取り組んでまいります。



◆弘田委員 どうぞよろしくお願いいたします。

 松延東洋町長にパネラーを依頼、私が直接したんですけれど、そのときの裏話をいたします。町長は、引き受けることはやぶさかでないけれども、私が言いたいのは493号の早期の完成でありますと、この1点でありますという、そういうふうな話をされておりました。この話をするのは、室戸市民に対して申しわけないからというふうな話を松延町長がされました。というのは、実際室戸市では、高規格道路の話を余り市民は喜びません。何でかというと、計画がないからということであります。

 そこで、私が初当選したときの9月議会での質問を再度話をさせていただきます。

 「室戸市には高規格道路の計画も鉄道もありません。命の道は55号1本だけであります。食料や衣料品、ガソリンも灯油も生活にかかわる全てのものが55号を通って地域に入ってきます。また、農産物や魚、工業製品はこの55号から出荷をされます。まさに55号は地域住民の生活、命を支えています。私は、命の道は各市町村から県庁まで最低2つ必要であると考えます」、「例えば、室戸市には西山台地や崎山台地など海岸段丘に農道が走っています。その農道をつなげ、奈半利町の高規格道路のインターにつなげる道路をつくることによって、55号とは別の命の道をつくることができます。今現在、そこにあるインフラを工夫し活用すれば、新たな命の道をつくることができます」、「そこで、南海地震への備えとして、命の道空白地帯には今あるインフラを活用しながら整備を進めていくべきと考えますが、県の取り組みを土木部長にお伺いいたします」と当時質問をさせていただきました。当時の石井部長の答弁をいただいたところであります。

 今は、南海トラフ巨大地震対策特別措置法とか国土強靱化基本法など関連法案が整備をされ、4年前とは少し状況が違ってきているように私は感じております。もう一度同じ質問を土木部長にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



◎奥谷土木部長 室戸市への唯一の幹線道路である国道55号が南海トラフ地震の津波により寸断されれば、地域全体が孤立するおそれがあり、大きな課題であると認識しております。

 こうした課題の解決策として、国道55号の代替となる津波の影響を受けない道路を整備することは有効な手段と考えますけれども、厳しい地形による制約があることから、整備には大きな財政負担と長期的な取り組みが必要となります。

 しかしながら、南海トラフ地震への備えは喫緊の課題であり、室戸市などに至るルートの早期の通行確保のため、既存の農道なども活用した道路啓開計画の暫定版を先月18日にお示ししたところです。

 今後は、国や市町村と連携しまして、啓開日数のさらなる短縮並びに道路啓開計画の実効性と国道55号の信頼性の向上に努めてまいります。



◆弘田委員 どうもありがとうございました。

 台地を走る道路は、実は中内県政時代に計画がありました。私はかつて県庁の職員でしたので、当時、今はない耕地課という課で予算を担当しておりました。そのときに、農道の予算で一生懸命鉛筆をなめた記憶があります。副知事はそのときの財政課の担当官であります。私もかつてのことを思い出しながらしゃべっております。今現在は、農道事業は国にはありません。しかし、例えば我が県選出の国会議員である中谷先生とか、もう一度農道を復活してくれないかと、そういった話もしながら、何とか命の道をつくりたいという思いで頑張っておりますので、御協力のほどよろしくお願いをいたします。

 それでは、次に進みます。次に、高知工科大学永野特任教授には、木質バイオマスエネルギーによるエネルギーの地産地消についてお話をいただきました。

 山は人の手が入らないと死んでしまいます。かつて山はまきや炭といったエネルギーの供給場所でした。そこでは人が木を伐採し、炭をつくり、まきをつくり、出荷をする。伐採された山林は20年ほどで木が成長し、もとの山に戻る。この循環が私たちの生活と環境を守ってきたと言われていますし、山が生き返れば海も生き返ります。

 私は、山を生き返らせ、地域の環境を守るという意味からも、永野教授の言われる木質バイオマスエネルギーによるエネルギーの地産地消、これを進めていくべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。



◎尾崎知事 木質バイオマスエネルギーの地産地消を進めていくということは一石三鳥だと思っていまして、ぜひ進めていくべきことだと思っております。いわゆるC材、D材系統の有効活用という形で林業の振興に資するということが第1、さらには燃料代等のお金が域外に出るんではなくて県内循環をするという意味において経済効果をもたらすという点が2番目。そして、環境によいという点が3番目でありまして、これは大いに進めていくべき施策だと、そのように考えています。



◆弘田委員 どうもありがとうございます。

 ぜひ地域資源を生かすという意味からでも、進めていっていただきたいというふうに思います。

 それから、高知県では、木質バイオマスの発電所が中央部と西部に2カ所あります。私たちの独自の試算によれば、東部でも実施可能であるということの試算が出ました。雇用の創出という観点からも、東部でも実施すべきだというふうに考えますが、林業振興・環境部長の御所見をお伺いいたします。



◎大野林業振興・環境部長 東部地域のみならず、県内には十分な森林資源がございますので、将来的には各地域ごとに木質バイオマス発電によるエネルギーの地産地消が一層進むよう取り組んでいく必要があると考えています。

 現在は、この間増大しました原木需要にしっかり応えていくため、産振計画の平成27年度目標を達成すべく、原木が安定的に供給できる体制づくりを懸命に行っているところでございます。

 お話にありました東部地域での発電施設の整備については、今後発電を担う事業主体や地域で原木供給を担っている方々の御意見を聞きながら、検討してまいりたいと考えています。



◆弘田委員 どうもありがとうございました。

 私たちの独自の試算は安芸から東だけではなくて、徳島県の南部も含めての試算であります。十分に量はあるということでありますし、それから炭の話でもそうなんですけれど、雑木林も使えば可能であるということだと思います。雑木林は切ると勝手にもとへ戻りますんで、そういった意味で資源の活用ということでは非常に有効な資源であるというふうに私は考えておりますので、ぜひよろしくお願いをいたします。

 それから、室戸市木炭振興会の会長森本生長さんからは、製炭業を通して山の木を無駄なく活用しながら山の生命力を生かす話をしていただきました。

 私は、昨年の9月議会の一般質問で、室戸で土佐備長炭の新型窯の研究、開発を進めており、地域資源を活用した雇用の場づくりにつなげたいという、こういった趣旨の質問をいたしました。

 その新型窯の発案者が森本生長さんであります。また、彼は土佐備長炭の文化を将来まで残したいという、そういった思いから、毎年研修生を受け入れています。大月町とか室戸市内で彼のもとを巣立った研修生が今も活躍をされております。

 今の備長炭を取り巻く現状というのは、つくればつくるほど売れる、製造が間に合わないというふうな現状だということです。

 山林は人の手が入って初めて命を吹き返します。土佐備長炭については、売れ行き好調なこの時期だからこそ、県としては次世代につながる土佐備長炭の振興の施策を打っていくべきと考えますが、林業振興・環境部長の御所見をお伺いいたします。



◎大野林業振興・環境部長 これまで備長炭の生産に必要となる炭窯の建設への支援や担い手の育成などを進めてまいりました結果、備長炭の生産量は年々増加いたしまして、平成25年には全国1位の和歌山県と肩を並べるところまで伸びてまいりました。

 今後も、こうした取り組みにより生産の拡大を図り、紀州備長炭にかわって備長炭と言えば土佐と言われるようにブランド化に取り組んでまいります。ブランド化が進めば、燃料以外の商品化も進み、それに応じて需要が拡大してまいりますので、担い手の育成や炭窯の整備、また原料となるカシ類などの確保に努め、生産量や収益を向上させる生産体制の強化に支援することで製炭業が次世代につながる魅力ある産業となりますよう、市町村などと連携しながら取り組んでまいります。



◆弘田委員 ありがとうございました。

 土佐備長炭の新型窯の開発は、まさに若者の働く場所を新たにつくると、そういった思いもあって進めているということであります。

 現在は、新たな国の補助を得るために、諸条件を整えて次の段階に進めていこうというふうな努力をしております。

 次の段階では、一般に普及させるための窯をつくっていきます。新型窯が完成し普及していけば、土佐備長炭の生産量も倍増するというふうに思います。需要に供給が追いつくということになるかもしれません。

 私は、土佐備長炭にはもっともっと大きな可能性を感じています。新型窯開発のメンバーの一人、京大名誉教授の石原先生は、炭素素材としての大きな可能性、半導体、研磨剤、薬、放射性物質の吸着剤などなど多くの使途が考えられると話をされています。

 既に大学の研究室レベルでは成功しているということですが、既存の窯で焼く炭は品質にばらつきがあり過ぎて素材としてはまだまだ不十分だということだそうです。新型窯で炭の品質を一定にできれば、県下に炭素素材提供のための産業育成の大きな可能性が広がってきます。

 県には、森林技術センターや工業技術センターなどの研究機関がありますが、新たな産業育成、働く場の確保という観点からも、土佐備長炭の新たな活用について研究を進めるべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。



◎尾崎知事 この土佐備長炭の取り組みについては非常に期待をいたしております。安芸地域と幡多地域の産業振興計画の地域アクションプランということで位置づけをさせていただいて、ずっといろんな形で官民協働で取り組みを進めてまいりました。

 随分多くの研修生を受け入れて、地域に若い人たちの雇用が生まれていると。さらに言うと、先ほどお話にありましたように、紀州の備長炭に生産量が追いつこうとしているということでありますし、さらに委員が言われましたように、いろんな他の産業への波及の可能性もあるということでございまして、これはそれぞれの地域において今後基幹産業になっていき得る可能性のあるものだなと、そのように考えております。

 今雇用を生み出していっているそれぞれの取り組みをしっかりと足腰を固めていくという点も含めて、しっかりと進めていくとともに、新たな可能性を目指した取り組みも進めなければならないだろうと考えております。

 工業技術センターとか、そういうところにおきまして、それぞれの素材についての品質の研究とか応用可能性などについての取り組み、こういうものを研究していくとともに、先ほど来申し上げておりますような産学官民での連携体制というのを模索していきたいと、そのように考えています。



◆弘田委員 どうもありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。

 新型窯が完成し普及していけば、生産量が倍増すると先ほど申し上げました。森本生長さんには、フランスからも引き合いがあるとお聞きをいたしました。

 現在の土佐備長炭の販売ルートは問屋を通しての販売が主なものとなっています。この問屋を通しての販売も大切なことなんですが、生産量を増加させ、土佐備長炭を全国、さらには世界のより多くの方々に利用いただくようにしていくためには、海外展開も視野に入れながら、新たな販売ルートの開拓を行っていく必要があると思います。

 また、こうした取り組みは、用途開発や生産状況に合わせて早目に行っていく必要もあると思います。今後、生産者の意向も確認しながら、県としてもこうした取り組みへのサポートをしっかりしていただくことを要請いたしまして、この土佐備長炭の質問は終わりたいと思います。

 次に、高岡大敷株式会社船頭田内正勝さんからの話です。田内さんは、大好きな海で働くことの喜び、そして魚価の安定を望む、この話がありました。

 田内さんの働く高岡大敷は、一昨年10月の末、異常な潮の流れ、急潮による大きな被害を受けました。被害額は4億円を超え、高岡大敷の存亡の危機に陥りましたが、昨年の9月、新たな法人として再出発ができました。以来、ばらつきはありますが比較的好調な漁が続いていると聞いております。

 これも知事を初め県執行部の皆様の厚い御支援のたまものです。地元の県会議員として、心より御礼を申し上げます。

 魚価の安定は、田内さんが話の最後に希望したことです。大漁であることはもちろんですが、大敷という組織を守っていくためにも価格の安定が必要であるとのことであります。漁師は自分で販売価格を決めることができません。私は、それぞれの地域の定置網漁業は単なる働く場ということではなく、地域の文化や消防団など、地域の安全を根っこで支えている組織と考えています。

 魚価の安定は、その大切な組織を維持していく上で最も大切な要素だと思います。

 水産振興部長から、来年定置網の振興に重点を置くとお聞きをいたしました。そのための振興施策を具体的にどのように進めていくのかを水産振興部長にお伺いいたします。



◎松尾水産振興部長 定置網漁業の振興施策としましては、まず漁獲の維持・向上を図るという視点から、本年度、水中カメラなどを使いました網の状況を調査する取り組みを開始しております。来年度は、その取り組みを一歩進めまして、その調査をもとにしました小規模な網の改良などにも支援を行いたいと考えております。

 それとともに、大きな被害をもたらす危険のある急潮につきまして、その発生メカニズムを探る潮流解析などにも着手をしたいと考えております。

 それと、2点目の視点であります浜値を上げていく、魚価の向上を図るという視点からの取り組みも強めてまいります。

 具体的には、朝どれの鮮魚を高知家の魚応援の店などに高鮮度の状態で試験的に出荷する取り組みなどを行いまして、少しでも高い価格で安定的に取引できるルートを開拓してまいりたいと考えております。こうした取り組みを進めることで、定置網漁業の収益性の向上につなげてまいります。



◆弘田委員 どうもありがとうございます。ぜひよろしく話を進めていただきたいというふうに思います。

 それでは、少しシンポジウムから話がそれますけれども、2月13日、県定置網研修会懇親会の会場なんですが、独立行政法人水産総合研究センターの養殖実証研究グループの主幹研究員浜田和久さんという方と話をいたしました。

 彼は、これからマグロの完全養殖に県とともに取り組んでいくと熱い決意を述べられていました。彼が心配していることが1つあるそうです。彼の心配していることは、成功事例と言われる近大マグロでさえ、多くの失敗と長い間の研究の成果の積み重ねで今があるということであります。彼は、私は採卵し受精させるまでは絶対の自信があるのだが、成魚にするまでには県内外の多くの知見が必要だと思うが大丈夫かなと、そういう話をされていました。

 そこで、水産振興部長にお伺いをいたします。マグロの完全養殖は、高知県にとって非常に有力な事業となると考えられますが、成功に向けての各界の協力体制についてどのような状況か、今後協力体制の充実に向けた取り組みをどのように進めていくのか、お伺いをいたします。



◎松尾水産振興部長 人工種苗を用いましたクロマグロの養殖を成功させるポイント、大きなポイントは、御指摘のありましたようにいかに多くの方々と協力体制を構築するかだと考えております。

 まず、出発点となります受精卵の確保ですが、これにつきましては本県の海域が産卵に適しているという特性を生かしまして、産卵する親、親マグロでございますが、この養成を県内のマグロ養殖業者に委託し、連携をして取り組んでおります。その得られた受精卵をふ化して稚魚を生産する技術開発につきましては、我が国でもトップクラスの人工種苗の生産実績を持ちます、技術力のある県内企業と連携をして今進めております。

 さらに、来年度以降は生産した稚魚を海に沖出しし、養殖用種苗として出荷サイズまで中間育成をしていくということになりますが、その技術開発を地元漁協などとも連携をして進めてまいる予定としております。

 このように、こうした関係者の方々と連携をより密にしながら一体となって取り組みを進めてまいります。



◆弘田委員 ぜひよろしくお願いいたします。私の父は、マグロ船に乗っておりました。総じて室戸の人間はマグロと聞くと心が燃えてきます。この話も浜田和久さんと話したときに、心が燃えるような感じで、ぜひ質問に取り上げますから言って構いませんかということで、この場で言わせてもらいました。ぜひよろしくお願いいたします。

 それから次に、協同キラメッセ室戸有限会社社長の宇賀俊六さんの話であります。

 宇賀さんは、キラメッセが地域の地産地消、地産外商、ふるさと納税などの中心的な役割を果たしていること、現在キラメッセ売上額は約4億円であること、好調なふるさと納税を活用して売り上げ5億円を目指しているということなど、力強い話をお聞かせいただきました。

 私もキラメッセの取り組みについては時々質問に取り上げます。有楽町の交通会館にある、むらからまちから館へは、地域のお年寄りなどがつくった野菜をキラメッセが取りまとめて出荷しています。出荷額は月200万円を超えたということであります。これは地産外商ということであります。キラメッセのレストランで使う米や野菜は地元でとれたものです。これは地産地消です。

 私は宇賀社長の、地域の雇用に貢献したい、農家の収入を上げたいという基本的な考え方が大好きです。

 今回の宇賀社長の話の中で特に気になったのはふるさと納税の話です。ふるさと納税のお礼の品に用意した室戸の山間部の米、日南米、日南地区でとれる米なんですが、6トンが2週間で品切れになったということであります。私は、このことに山間部の捨てられた田んぼの復活とか中山間地域振興のためのさまざまなヒントが含まれているというふうに感じています。

 室戸の米は余りおいしくないと言われています。しかし、そんな室戸でも川の上流、山間部にはおいしい米がとれる場所が何カ所かあります。吉良川の日南地区はおいしい米のとれるところです。キラメッセのレストランは、この日南米を使っているということであります。このことを知っているふるさと納税の利用者が日南米を選んだんじゃないかというふうに私は想像しています。

 ふるさと納税のお礼の品用に山間部でおいしい米をつくり、通常より少し高く売ることができれば、山間地域の田んぼはよみがえります。地域に集落営農組織を立ち上げることにより、つくり手の確保もできます。

 私は、農業の振興については、平場と山間部、この両面から取り組んでいかなければならないと考えるようになりました。園芸ハウスでナスやトマトなど効率的に大量生産し、園芸連を通じて売り上げを伸ばしていく平場でのグループ、キラメッセの取り組みのような地産地消、地産外商、ふるさと納税などの施策を活用した山間部のグループといったきめ細やかな対応が必要と考えますが、農業振興部長の御所見をお伺いいたします。



◎味元農業振興部長 委員のお話にもございましたが、平野部では平野部の、山間部ではやっぱり山間部の生産・販売の取り組み方というものがあるというふうに考えております。

 県内全域に次世代型こうち新施設園芸システムを普及させまして、高品質、高収量な生産への取り組みを強化する。そして、それを園芸連を通じてきっちり売っていくということ、これは基本であると思いますけれども、やっぱり考慮すべきポイントは、条件の不利な山間部で何をつくって、それをどう売っていくかということだろうというふうに思います。

 生産面では、特に山間地におきましては、大量生産が望めない中で、少量でも地域に適した特色ある農産物、例えば先ほどお米の話も出ましたけれども、例えば高糖度トマトとか3色ピーマンなど、冷涼な山間地でつくれば品質がよいものができると、そういったこともございますので、そうした品目を見つけて丁寧につくり上げていくこと、そういうことが基本だ、大事だというふうに考えております。

 一方、販売面では、お話にもございましたふるさと納税や直販所などを活用した販売も一つの有効な方法だと考えております。

 加えまして、やはり首都圏などでの大消費地でいかにこれを売っていくかということが重要だというふうに思います。

 平成26年度、今年度からなんですが、卸売会社と一体となりまして、業務需要開拓を強化するという取り組みを始めております。また、27年度、来年度には園芸連の特販営業部の機能を園芸連と一緒になって強化をしていこうという取り組みを行うようにしております。

 これらの取り組みによりまして、こだわりのある生産者とこだわりのある消費者、それをきっちり結びつけていく、そういう体制も強化をしていきたいというふうに考えております。

 県としましては、普及指導はもちろんでございますけれども、販売・流通、両面でしっかりと、かつきめ細かく取り組んでいきたいと考えております。



◆弘田委員 どうもありがとうございます。

 ふるさと納税での話は、一定金額で高く買ってもらえるという利点が生産者にはあります。農業ではないんですが、大敷の組合長に聞いたら、ブリ1本もお礼の品にしているということなんです。ただ、ブリはどっさりとれると浜値が非常に下がりますんで、浜値が下がって大変やねというような話したら、いやいや、これはふるさと納税用だから、値段が決まっているから少し高く買ってくれるんで安心しているとか、そういった話も聞きました。

 ぜひ高く農家とか漁師の皆さんにお金が入るという、そういった仕組みを活用していくということをよろしくお願いいたします。

 それから次に、地域の医療についてお伺いいたします。

 4年前の2月議会で、私は、東部地域の核となる県立安芸病院をいかに立て直すか、また地域医療を支える診療所をどのように確保していくのか、お伺いいたしますという質問をさせていただきました。それから4年がたち、県立安芸病院はあき総合病院に衣がえをし、前田院長の強力な御指導のもと、地域の中核病院としての役割をだんだんと果たすようになってきたと感じています。

 しかし、地域医療を支える診療所については、私の暮らす室戸でも減少の一途をたどっています。室戸市の岬の津呂地区の診療所が昨年末に閉鎖となりました。地域のお年寄りが血圧や糖尿の薬をもらうのに1万円ほどのタクシー代を支払わなければならないという、そういったことが現実に起きるようになってきました。地域のお年寄りと話をしますと、「週1回でいいから閉鎖された診療所に医師が来てくれないだろうか。薬をもらいに行くだけで生活ができなくなってしまいます」そのように言っています。医師不足でなかなか対応ができないということも理解はできます。しかし、地域のお年寄りにとっては、お医者さんに診てもらえるか否かは大変重要な問題です。

 医師がいなくなった地域に対して、医師が一定程度確保された基幹的な病院などから地域の診療所に定期的に医師を派遣するといった仕組みなど、何らかの対応策がないか、健康政策部長に御所見をお願いいたします。



◎山本健康政策部長 医師のいない無医地区等の医療を確保するためには3つの事業が考えられます。まず1つですけれども、医師のいなくなった、今お話のあったような診療所に週に一、二回、他の医療機関から医師等を派遣して診療所を運営する方法、それから2つ目が、月に一、二回、他の医療機関から地域の公民館などに医師などを派遣して巡回診療をするという事業、それから3つ目が、マイクロバスなどにより地域住民を近隣の医療機関に定期的に輸送する患者輸送車の運行、この3つとなります。

 これらの事業ですけれども、患者数や地域の医療機関の状況によりまして各市町村がどういう方法をとるのか、選択して実施を今もしておりまして、県としても補助金の交付とかアドバイスなど、できるだけの支援をしているところです。

 あと、やはりもう一方、医師の確保というのがどうしても必要ですけれども、地域の中小規模の病院、診療所においては医師の確保が困難な状況が続くことが今後も想定されますので、これらの医療機関の後方支援を行う基幹的な医療機関、例えば東部地域であればあき総合病院なんかがあると思いますけれども、こういうところの人材確保とか機能強化を図っていく必要があるということで、いろいろな医師確保の取り組みに努めているところでございます。



◆弘田委員 どうもありがとうございます。

 本当に医師の確保というのは、一生懸命県庁のほうも取り組まれておるということは私たちもよく理解はしております。ただ、現実に医師不足である、看護師不足であるというふうなことで、私の暮らすような過疎地は本当にどんどんどんどん減っておるということです。

 前も質問させていただいたんですけれど、私の子供のころからいえば、10ぐらいの診療所がなくなっています。私の暮らす室戸の浮津というところなんですけれど、そこには私の子供のころは4カ所診療所がありました。今は一カ所もありません。大きく旧室戸町に広げても数が物すごく減っていますんで、ぜひ対策を市町村とともにということなんですが、よろしくお願いをいたしましてこの質問は終わりたいと思います。

 それから次に、鳥獣害対策についてお伺いいたします。

 挨拶回りを続けておりますと、地域のお年寄りから、猿を何とかしてもらいたいという話をよく聞きます。私、猿のことばかり言っているんですけれど、鹿もイノシシも対策を打たないとということはよくわかっていますけれど、地域を回ると本当に猿の話をよく聞くんで、いつも取り上げるというふうなことになります。

 以前は山間地で聞くことが多かったんですけれど、最近は海岸部とか比較的市街地に近い場所でも聞くことが多くなりました。室戸に西山地区があるんですが、その猿の被害については一度本会議で取り上げさせていただいて、その後西山地区に10件の捕獲のおりを設置していただいて、今その状況を見守っているというところです。

 その効果は非常に上がっておるというふうに聞いております。その西山地区からは猿が少なくなったということであります。被害がほとんどないということで、地元の農家が本当に大変喜んでいるというふうなことを聞いています。

 この猿の被害というのは、農家の田んぼとか畑とかはもちろんなんですけれど、お年寄りの家庭菜園といいますか、小さい畑、そういった生活に密着している部分で起きているということが多くて、それで被害額がつかみづらいということで、対策事業を実施しづらいという面があるというふうに感じます。

 今のうちに、猿の被害対策を打っていかないと、被害が倍増して今の鹿のようになってしまうんじゃないかなというふうな気がいつもしています。せっかく実験をした西山方式が成功しておりますんで、県下に広めていく必要があると思うんですけれど、中山間対策・運輸担当理事にお伺いいたします。



◎金谷中山間対策・運輸担当理事 大型の捕獲おりを使いました取り組みは室戸市の西山地区、四万十市の西土佐などで実績が上がっております。

 県内では、現在74の猿の群れが確認されておりまして、大型おりによる効果が期待できると思われる地域というものも幾つかございますので、市町村とも協議をしながら、お話のありましたような取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。



◆弘田委員 ありがとうございます。ぜひお願いをいたします。

 先般の知事との勉強会で、鹿をとるのにおりを大敷みたいな形にできないかという、鹿は柵の縁を歩いていくという習性があるそうです。何か柵の縁を歩いていったら最後には捕獲おりの中に入っていたとか、そういったものはできんかなちゅうふうなことを考えていましたら、先日テレビを見ていましたら北海道のエゾシカ対策で物すごく大きな捕獲おりで捕獲をしておると。とったものを一旦牧場みたいなところで飼って、それをジビエに提供しておるという、そういうのをテレビでやっていました。

 まさに自分が考えていたイメージが北海道であったなということで、ぜひそういったことも参考にして、おりは大き目のおりがいいんじゃないかなというふうなことを思うように最近なっております。

 それから、これは質問の最後になるんですが、おりは設置しただけではなかなか成果は上がってこないということであります。餌を変えたりおりの掃除をしたり、これは管理をしていく人が必要ということであります。一方、こういった地区は人も少なくて高齢化が進んじょって、管理が難しいという地域ということであります。

 例えばアイデアなんですけれど、常会、地域の組織が管理して、捕獲報償金をその運営費に充てるといった、その地域の組織が潤うような仕組みづくりが必要と考えます。これは、もちろん県の事業というわけではなくて、市町村とかそういった地域の事業ということになるかとは思うんですけれど、そういった案を提供してあげるとか、指導してもらうとか、そういったことが必要だと思うんですけれど、中山間対策・運輸担当理事の御所見をお伺いいたします。



◎金谷中山間対策・運輸担当理事 大型のおりで捕獲する場合、お話にございましたように、地域の組織が管理する取り組みというのは非常に有効だと思います。

 そうした取り組みには、まず地域での合意形成が必要になりますので、どういった形が地域で望まれているのか、地域の声を聞きながら、よりよい形というものを検討していきたいというふうに考えております。



◆弘田委員 どうもありがとうございました。私が通告した質問は以上であります。

 いつも私がさせていただく質問は、地域の人と話をしたとか聞いたことを自分なりにそしゃくして質問させていただくということになります。毎回似たような質問であるとか、出てきますけれども、やはり地域を回ると本当に悲痛な叫びというか、そういうのが心に届いてきます。それを県庁に、知事に対して、副知事に対して、各部長に対して伝えるのが私の役割ということで、私はずっと訴えて、地域に入ってということを続けております。

 私の思いが伝わっているかどうかというのは自分自身にはわからないんですけれど、知事初め執行部の皆さんが一生懸命やられておる、県勢の浮揚について一生懸命やっておるというのは私どもも感じますし、ぜひ今いただいた答弁を前へ進めていただくような、そういったことをお願いいたしまして、まだ少し時間がありますけれども私の一切の質問といたします。ありがとうございました。(拍手)



○溝渕副委員長 以上をもって、弘田委員の質問は終わりました。

 ここで約5分間休憩をいたします。

   午後1時52分休憩

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   午後1時57分再開



○溝渕副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一問一答による質疑並びに一般質問を続行いたします。

 加藤委員。あなたの持ち時間は60分です。御協力をよろしくお願いいたします。



◆加藤委員 自民党の加藤漠でございます。よろしくお願いいたします。

 皆様方、一般質問、そして予算委員会、本当にお疲れさまでございます。今議会、地方創生ということでそれぞれの議員さんからたくさんの御質問が出たと思います。私も地域の方々とお話をしておりましてこの地方創生ということに非常に皆さん関心を寄せているなということと、期待もされているなというふうに感じております。そういった意味で、私も地方創生ということに関連してきょうは質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 これまで国の施策で地域の活性化というと地方分権ということがよく言われていたわけなんですね。北海道から沖縄までずっと地域がそれぞれ違うのに、国が一方的に施策を押しつけて一律にやっていく方法じゃいけないと。地方でできることは地方で、地域それぞれで考えてやっていくというのが地方分権であったわけでございますけれども、確かに理念としては、方向性としてはそのとおりなんでありますけれども、地方分権というのはどちらかというと役所の中の話でもあって、地方分権で私たちの暮らしが豊かになったわというようなお声を聞かないというのも実態なのかなというふうに思います。

 今回のこの地方創生と地方分権、何が違うのかということでありますけれども、一つは、明確なビジョンが示されたということだと私は思います。この地方創生によって、日本がどこを目指していくのか、あるいは地域が長期的にどこを目指していくのかということが明確に皆さん方に伝わったということだろうというふうに思います。

 もう一点は、今まで地方のことは地方でという中で、何か国が余り口を出さないほうがいいんだというような風潮があったかと思うんですけれども、そうじゃない、地方が主体的にもちろんやるんだけれども、それに対して国が一緒になってバックアップをしていきましょうと。国と地方が一緒になって、さらには民間も一緒になってこの地方創生に向かって進んでいくんだということが今回の地方創生の大きな特徴でもあり、これまでとの違いなのかなというふうにも感じているところでございます。

 昨年末に、この地方創生に関連して、まち・ひと・しごと創生長期ビジョン、そしてそのビジョンを実現するために今後5年間の目標や施策や基本的な方向を提示する、まち・ひと・しごと創生総合戦略がまとめられて、閣議決定がされました。

 目指すべき将来として、少子化傾向がこのまま推移すると、2060年に日本の総人口が8,674万人に落ち込むと推計されているが、これに人口減少に歯どめがかかると、2060年に1億人程度の人口を確保し、その後、2090年ごろには人口が安定すると見込まれていると、こういうふうに書かれているわけでございます。

 つまり、50年後の未来あるいは100年後の未来を見据えて日本の人口減少ということに取り組んでいくんだということが、この地方創生のまさに国家百年の計といいますか、長期の方向性ということだろうというふうに思っております。

 今回、そういう観点から、10年後、20年後あるいは30年後の将来を見据えて、まずは足元の一歩からというような観点で少し質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 尾崎知事は、提案理由説明の中で「今回の予算編成に当たっては国のまち・ひと・しごと創生関連予算などを積極的に活用しつつ、限られた財源で最大限の事業を実施できるよう知恵を絞り、工夫を徹底した」と御説明をされました。

 まち・ひと・しごと創生関連予算、いわゆる地方創生が今回の予算案にどのように活用をされているのか、また知事の地方創生にかける思いとあわせて、まずはお伺いをさせていただきたいと思います。



◎尾崎知事 先ほど加藤委員が言われましたように、今回の地方創生の動きというのは、今までの地域活性化の動きから随分と踏み込んだ形になっているだろうと思います。何といいましても、本当に地域の衰退の最大の原因であるところの地域の人口減少という問題に正面から取り組むぞという形になっているということ、これは非常に難しい課題ですし、さらに言うと、先ほども長期ビジョンのお話をされましたが、2060年ぐらいまで視野に入れていかなければならないような大きな課題です。ですから、それに正面から取り組もうとしておられること、私は、これは本当に本県もそうしてきたわけでありますし、国において、まさに行くべき方向に行かれているんだと、そのように思い、期待も申し上げておるところであります。

 この予算を我々としても大いに使っていきたいと思ってまいりまして、さまざまな政策提言もしてまいりました。その結果かなったものとして、我々も大いに今回の地方創生関連予算、我々の施策に生かせるようになってきたと、そのように思っておりますので大いに生かしたいと思っています。

 一つは、先行型の交付金でありますけれども、御案内のように、さまざまな地産の強化、外商の推進、いずれにいたしましても、川上、川中、川下、一群のものに使えるような総合型の交付金になっています。第2期産業振興計画ver.4に全てこれをバックファイナンスしてもらえるように、これを大いにそれぞれに生かしていこう、これが第一の方向性でありますが、そのほかにも例えば小さな拠点に使えるようになったでありますとか、さらには少子化対策に関連して特出しした交付金を少子化対策の推進に使えるようになったとか、幾つも個別事項もございますんで、こういうものをしっかり出し切っていきたいと、そのように考えておるところです。



◆加藤委員 知事が今おっしゃったように、これまで高知県が取り組んできた取り組みと本当に私も方向性は同じくできるものだろうなというふうに思っております。県の役割もそうなんですけれども、これから市町村もこの、計画を立てながらやっていくということが問われるわけでございます。

 午前中に、上田委員さんからふるさと創生というお言葉の質問がございまして、二十五、六年前に竹下内閣のときに各地方自治体に1億円ということで、このふるさと創生事業があったわけでございますけれども、宿毛市は1億円で桜を植えました。その植えた桜が今きれいに咲くようになっているということで、今年に市と、それから地元のロータリークラブなんかが協力して公園の整備をしているところなんですね。今月の29日には宿毛の青年会議所が桜を見ながら婚活のイベントをやるということで、まさに30年近くたってこのふるさと創生の事業が生きてきているということでございまして、非常に感慨深いなというふうに思います。

 ただ、当時と今では状況も違いますし、何よりも市町村の危機感が違うというのが今回の地方創生とふるさと創生の一番の大きな違いなのかなというふうにも感じております。

 この長期ビジョンやまち・ひと・しごと創生総合戦略を勘案して、人口ビジョン、それから総合戦略を地方が策定していくことが求められるわけでございますが、現時点での市町村の受けとめ方というのはいかがでしょうか、総務部長。



◎小谷総務部長 地方創生へ向けた市町村の取り組みにつきまして、これはもう既に住民参加の創生本部を設置することを決めた団体ですとか、職員の勉強会を開催した団体ですとか、あるいはもう早々と今後取り組もうとする地方創生の骨子案を取りまとめた団体とか、こういった団体もある一方で、正直戸惑いを覚えているという声も聞くというのは事実でございます。

 県としましては、県と市町村と方向性を合わせて、互いに高め合うような総合戦略をお互いにつくれるように、市町村版の総合戦略の策定段階から連携を深めていく必要があると考えております。

 必要な情報提供ですとかを行いまして、地産外商のさらなる強化、それによる拡大再生産といった産業振興に向けた取り組み等について、市町村とともに知恵を絞っていきたいと考えております。



◆加藤委員 ぜひ連携をして取り組んでいただきたいと思います。

 人口400人の大川村から30万人を超える高知市まで、いろんな人口規模、それから地形、多種多様な地方自治体があるわけでございますので、県としてのさらなる役割が求められてくるんだろうなというふうに思っております。

 この市町村ということもそうでございますけれども、この地方創生、今危機感のお話をさせていただきましたが、何が問われているのかというと、私は地域のやっぱり意志、決意が問われているんだろうというふうに思っております。

 私、初めてこの議会に当選させていただいて、一般質問で知事に質問して自分が言ったことをよく覚えているんですが、政治が夢を示すべきだと、目標を示すべきだというようなお話をさせていただきました。そのときに、知事から、この産業振興計画、具体的な目標をつくって前向きに取り組んでいくというような大変強い御答弁をいただいたことを今でもよく覚えております。

 あのデフレの景気の悪い、本当に日本全体が暗い雲で覆われていたあの3年前、4年前に、農業、林業、水産業、そして商工業、観光業に至る全ての産業において高知県は成長をするんだという強い意志でもって目標を示したこの産業振興計画というのは、私は本当にすごい決意、意志であったなというふうに思っております。

 やっぱりこのデフレ、長く15年近く続きましたんで、もう成長しないのが当たり前になっている、もうこの地方はどんどん人がおらんなっていくだけやないかと、そういう声が聞こえてくる中でいかにしてこの強い意志を示していくか、みんなで成長を目指していくかということが、この地方創生で私は問われていることなんだろうというふうに思っております。

 悲観していても変わらないわけで、みんなで一緒に取り組んでいこう、国民運動、そして県民運動、市町村民運動になって初めてこの地方創生ということになっていくんだろうというふうに思っております。そういった意味では、この産業振興計画でこれまで取り組んできた、地域でみんなで知恵を絞りながら認識を共有していくというこのノウハウは本当に高知県の財産なんだというふうに思っております。

 この総合戦略づくりに当たって、どのようにしてこの取り組みを進めていくのか、産業振興推進部長にその決意を伺いたいと思います。



◎中澤産業振興推進部長 産業振興計画の推進において、そのノウハウといいますか、これまで心がけてきた、実行してきたことということで申し上げれば、多くの皆様方に策定の段階から広く参加をいただいているということ、そしてその実行する段階でもその進捗管理に多くの県民の皆様、各界各層の方々に参加をしていただいているということがあろうかと思います。

 そして、内容については先ほど委員のお話にもございましたけれども、将来像、ビジョンといいますか、10年後の成功イメージという形で、地産外商が進んで地域地域で若者が誇り、志を持って働ける、そんな高知県をつくっていくんだという目標を掲げた上で、各計画全体の数値目標であったり、先ほどお話がありました産業分野別の数値目標、これをしっかりと掲げていくと。その実行に向けて、またこれも各層の皆様方に御参加いただいてPDCAをしっかり回していくといったようなことが、産振計画の進め方、そのノウハウ、特徴と言えようかというふうに思っております。

 この今般の地方創生の総合戦略については、これも全国に先駆けて少子高齢化、人口減少が進んでいる高知県、こういった課題に、それに伴う経済の縮小ということに真正面から取り組んでまいりましたので、まさにこの総合戦略というのは高知県にとりましては産振計画を中心とする本県の一連の政策の進め方そのものだというふうに思っております。

 このため、本県版の総合戦略づくりにおいても、こうした産振計画で実施をしてまいりましたノウハウ、やり方、こういうようなものを最大限活用して策定に臨みたいと、そのように考えております。



◆加藤委員 力強い御答弁をいただいたと思っております。

 本当に地域でも景気がよくなってきたとか、仕事が忙しくなってきたとか、個別に聞けばそういうお声は聞こえるんですけれども、まだまだやっぱり周りを見渡せば厳しい企業あるいは地域、ばらつきがあるわけでございますので、この地域でみんなでやっぱり共有をしていく、地域で明るい未来を目指していくということにつなげていくことが何よりも私は重要なんだというふうに思っております。

 これまでのノウハウを生かして、ぜひとも取り組みを進めていっていただきたいと、そのように思っておるところでございます。

 次に、この地方創生の一つの大きなポイントでありますが、東京一極集中の是正ということについて伺ってまいりたいと思います。

 東京一極集中ということは、長年、もう戦後ずっと言われてきたわけでございますけれども、これが改めて地方のためじゃなくて日本全体のためなんだということが共有をされてきたんだろうというふうに思っております。日本全体が成長するために地方経済を活性化しなくてはならないということ、それがひいては東京の都市部の人たちのためにもつながるんだということ、この循環をつくっていくというのがまさにこの東京一極集中是正の議論なんだというふうに思っております。

 東京、埼玉、千葉、神奈川、この1都3県で大体3,600万人の人口、日本全体の4分の1以上がこの関東圏、首都圏に集中をしているわけでございます。世界的に見ても、非常にこの日本の集中度合いというのは特殊で、ヨーロッパの、例えばフランスのパリやイギリスのロンドン、これで大体15%前後でございます。それから、アメリカ等々、その他の先進国も大体10%以下でございますので、10人に1人ぐらいが首都圏に集中して住んでいるというような状況でございます。

 世界の中でこういう特徴なのは、日本と、それから隣の韓国ですね。日本と韓国の共通点はやっぱりこの少子化、出生率が上がっていないということであります。もう一つ、シンガポールもそうでございますけれども、シンガポールもある意味では一極集中の最たる国家みたいなところがありますので、やはりこの一極集中が進んで都会の生活が進めば進むほど、この少子化傾向というのもあるのかなというふうに感じておるところでございます。

 昨年も、この東京を中心とした首都圏に年間10万人以上転出超過、これ、名古屋も大阪もほかの地方都市もほとんど出ていく人口が多いんですね。東京だけふえているという状況でございます。本県も、昨年は2,179人の転出超過でございました。これから5年後、2020年には東京でオリンピック・パラリンピックがございますし、さらには東京の駅前開発であったりとかいろんなインフラ整備の話も出ております。この東京一極集中の流れを変えるというのは本当に大きなパワーが必要なんだというふうに思っておりますけれども、知事はこの東京一極集中の御議論、どのように捉えておられますでしょうか、御所見を聞かせてください。



◎尾崎知事 東京一極集中は、誰かが意図的に仕掛けたというよりも、むしろ集積による利便性の向上がますます集積を生むという形で、ある意味自然にこういう形になってきたものであります。であるからこそ、この一極集中の問題というのを見きわめて、これに対して意図的に対応していくということが大事だろうと、そのように考えております。

 国土の強靱化という観点からも非常に懸念が残るところでありますし、さらに日本全体の出生率という観点からいっても、東京だけが極端に出生率が低いということからも、その子供たちを産み育てにくい地域に若い人が集まってきているという現象を変えていかないといけないでしょうし、また我々地域の側から見れば、有為なる人材をどんどんどんどん東京に集められてしまって地域の衰退につながっているということ、何とかこの流れを変えたいものだなと、そのように考えておるところです。

 そういうことで、全国知事会といたしましても、また特に私は少子化対策の担当といたしまして、少子化関係のプロジェクトチーム長といたしましてもさまざまな政策提言を行ってまいりました。

 全国移住促進センター、これが今度つくられることとなりました。本格的な、初めてと言ってもいいと思うんですが、東京から、首都圏からの移住というのを促していくような組織をつくるということになり、また企業の本社移転ですね、これを促していくための税制度、これも新しく講じられることとなったところであります。

 また、地方創生の議論そのものが、地方において雇用を生み出して若い人たちを地方にとどめる、もしくは戻らせていくと、そういうことにもつながっていくものでしょうし、また今は大学について、地方の大学をいかに後押しをするかという議論も行われようとしてきているところです。

 まだまだ一つ一つの取り組みがパーツパーツにとどまっている側面もあるかもしれませんけれども、一つ大きな方向感として、東京一極集中、これを改善していこうじゃないかと、そういう方向に向き始めたのではなかろうかなと、そのように考えています。

 この流れをぜひ推し進めていくように、我々としても、我々としてやるべきことをしっかりやり、また国にも引き続きの政策提言などを行っていかなければならんなと、そのように思っています。



◆加藤委員 私は、この東京一極集中の話をするときに、スポーツの例えをよく使うんですけれど、サッカーにしろ野球にしろ何にしろ、4番バッターとピッチャーを同じチームにずっと集めていくと、そのチームは確かに強くなるかもしれませんけれども、周りのチームがだんだんだんだんと人気もなくなってきて、選手も集まらなくなってくれば、次第に強かったチームも全体と一緒にレベルが落ちてくるということがあるんだと思います。そういう意味では、野球なんかでいうとドラフト会議なんかがうまく機能をしているのかなというふうにも思いますし、一定人工的に東京一極集中の緩和を目指していくということが必要なんだろうというふうに強く思っております。

 まずは、そういう政府の方向に対して隗より始めよということで、政府は今月、国の関係機関の地方移転に向けて誘致案の募集を始めたという報道が出ております。各府省庁や独立行政法人の研究所あるいは研修所、250機関のリストを提示して、ことしの8月末までの提案期間を設けて、再来年度以降に具体的な作業に入るということを伺っております。

 この政府関係機関の高知県の誘致提案についてぜひとも積極的な提案を行っていってはどうかというふうに思いますけれども、知事の現時点での御所見を伺えればと思います。



◎尾崎知事 この3日に、国の募集要項が出されたところであります。これを見させていただきながら、8月末までが期限ということでありますから、関係市町村とも大いにお話をさせていただいて積極的に取り組みたいなと、そのように思っています。



◆加藤委員 もう一件は、先ほど知事からも御答弁がありましたけれども、地方への企業の移転ということでございます。

 私も朝、日経新聞なんかを見て、本当にこの地方創生ということに関して企業が非常に関心が高いんだろうなというふうに思っております。日経ビジネスとか雑誌なんかも見ても、地方創生特集とか、子宝企業特集とか、本当にそういった人口減少に対して企業がどう向き合っていくのかということが今問われているんだろうと思います。

 それから、地方創生の民間代表で旗振り役をしておりますのが、コマツの坂根相談役さんでございます。私は直接面識はございませんけれども、このコマツの創始者は高知県宿毛市出身の竹内明太郎さんでございます。吉田茂元総理の実のお兄さんでございますので、非常にコマツが企業の先頭に立って地方創生の旗振りをしているということを感慨深く、また御縁も感じながら拝見させていただいているところでございます。

 購買部とか教育部を石川県に東京から移したと。そうすると、石川の社員さんと東京の社員さんでお給料は変わらないんだけれども、平均の子供の数が東京は0.9、それから石川は1.9と、ほぼ倍違うそうなんですね。そして、結婚をされている女性の数も圧倒的に石川のほうが多いと。こういう企業の実例がありますので、ぜひともこういう企業の動きが日本全体に少しずつ広まっていくことを期待するわけでございます。

 まずは東京23区から地方へ本社機能の移転等に係る税制上の優遇措置が設けられますけれども、県としてこれをどう捉えてらっしゃいますでしょうか、総務部長。



◎小谷総務部長 地方創生を推進していくために、本県におきまして、それから全国知事会におきまして、この企業の地方移転を促進する税制について提言を行ってきたということでございまして、今回税制改正大綱におきまして地方拠点強化税制が創設されたこと、これは非常に高く評価しているところでございます。

 この税制改正が大企業の地方移転の誘因として機能すること、これは大いに期待しているところでございます。



◆加藤委員 ありがとうございました。

 なかなか、すぐに大きな動きがあるかというのはこれからなんだろうというふうに思いますけれども、大きな一歩、踏み込んだ一歩がこの税制措置に設けられたんじゃないかなというふうにも感じておるところでございます。

 この企業移転ということに関しては、例えばシャープとかパナソニックとか、まだまだ大手企業の一部ではありますけれども、円高が是正をされて海外から日本に工場を移転する企業がふえてまいりました。日本の製造業というのは、長年続いた円高でどんどんと産業の空洞化が起こったわけでございます。これは大手企業に限らず、デフレもそうなんですけれど、円高というのは地方にこれまで与えた影響というのは本当に甚大だったと思います。

 工場だけじゃないんですね。1次産業、例えば漁業であったり農業であったり、あるいは林業もそうでしょう。日本に入ってくるものがどんどんと安くなっていく中で、やはり加工食品の原材料を海外から輸入するようになったりですとか、競争が強いられるようになったりですとか、もっと言うと、私はこの地方の衰退の、例えば商店街の一つ一つの個人店が衰退をした、物が売れなくなってきたというこの根本にも、この円高というのがこれまで長年にわたって大きくかかわってきたんだろうなというふうにも感じているところでございます。

 観光にしてもそうですね。今、円高が是正されて海外からどんと観光客がふえるようになりました。逆に言うと、海外に出ていくのは高くなりますんで、その分国内に観光客がふえるということも期待ができるんだろうというふうに思います。

 これも円高が是正されたから、先ほどの税制じゃないですけれど、すぐに国内に帰ってくるかというと、また決してそうでもないんだろうというふうに思いますが、確実に国内回帰の動きは地方創生を後押しする絶好の機会になるんだろうというふうに思います。

 また、景気が上がってきて、企業の設備投資の額もどんどん上がってきておりますんで、ぜひともこの機を捉えて企業誘致にも積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 先月の5日に、知事が名古屋で企業立地セミナーを開いておられました。この、知事がトップセールスに出向かれたということは、今のお話からしましても絶好のタイミングだなというふうに感じて、私は拝見させていただいたわけでございますけれども、この名古屋での企業誘致の狙い、そして手応えといったものをお聞かせいただければと思います。



◎尾崎知事 中部エリアというのは本県に進出してくださった企業さんがもともと多いということもありまして、また本県から就職をしておられる方も多いということもありまして、経済的に非常につながりの多い地域であります。そういうこともありまして、企業誘致のためのセミナーをぜひ開かせていただこうということでございました。特に本県の場合、南海トラフ地震の問題がありまして、企業誘致という点においては極めて厳しい条件に立っておりますだけに、こちらから出かけていって情報発信をすることが大事だということだったわけであります。

 当日、約70社の方に御参加をいただいて、私からは産振計画のいろんな一連の補助制度、いわゆる企業誘致の補助制度のみならず、いわゆるビジネスプランづくりから販路開拓まで、一連の支援策があるのだということをお伝えしますとともに、南海トラフ地震対策についての備えがいかに徹底しているかということをお伝えもさせていただき、また本県進出企業の皆様にもそちらのお話について御紹介もいただくと。本県に来てよかったよという体験を御紹介いただくなどという形でお話をさせていただいたところです。

 当日、70社の方に来ていただきましたが、これからその中で比較的感触のよかった25社を、職員がまた後々訪問していく予定になっています。また、向こう側からも5社、いろいろとお問い合わせがあったということでございますから、こういう御縁を大いに生かしていきたいなと、そのように考えています。



◆加藤委員 私も新聞なんかで知事の動向を拝見させていただいておりますけれども、本当にあちこちへ飛び回っていらっしゃってお忙しいだろうなと思いながら拝見をしておりますけれども、その中でもぜひこういうトップセールスというのはまた引き続き続けていっていただければなというふうに期待もしておるところでございます。

 また、工業団地も、新たな工業団地の造成もありますけれども、これまでの既存の工業団地も、少しずつあきが出てきたというところもございますので、そういったところもあわせて、今後誘致に取り組んでいただきたいなということをあわせて要請をさせていただきたいというふうに思っております。

 続きまして、人口減少の課題について質問をさせていただきます。

 この人口減少にスポットが当たったこと自体が、私は本当に画期的なんだろうというふうに思います。やはり、私も東京に暮らしておりましたけれども、毎朝満員電車に揺られて、ビルの中で仕事をしていると、人口減少という言葉は確かに聞くんだけれども、実態としてこの人口減少というのを感じないというのは率直に思ったところでございました。私たちは、暮らしている中で隣近所に空き家がふえて、自分たちが通った小中学校がどんどんと統廃合になっていって、小さいときに通った思い出のあるお店がなくなっていってというのを本当に地域で、生活の中で感じておりますので、この人口減少というのがただの言葉じゃなくて、本当に肌感覚でわかっているというのがやっぱり地方なんだと思うんですよね。

 これが日本全体の課題として、私は、スポットが当たったというのは本当に画期的なことなんだろうというふうに思っております。人口減少問題、高知県がやっている取り組み全部が関連をする問題でございますので、ある特定の施策を行えば解決をするというような簡単な課題ではないことはもちろん承知でございますし、あらゆる対策を、取り組みをあわせて取り組んでいくということが必要であると思っております。

 この高知県の、まずは人口減少の原因分析をどのように捉えていらっしゃるのか、総務部長にお伺いいたします。



◎小谷総務部長 本県の人口の推移を見ますと、高度経済成長期、それからバブル期、それからリーマンショック前の時期と、この計3度、特に大きな転出超過が起こっております。この時期の若い年齢層の県外への進学や就職による社会減、これが人口減少の大きな要因でございます。

 近年、若い年齢層の県外への進学、それから就職による転出超過というのは続いてはおりますものの、社会減の数そのものは少ない状態でございます。

 人口減少に占める社会減の割合が低くなる一方で、多くの若者が県外に流出したことによります少子化、それから高齢化の影響で人口ピラミッド、これが逆ピラミッド型の人口構造となっていることによりまして、死亡数が出生数を上回る自然減の割合が高くなってきております。人口構造上、今後も人口の自然減、これは避けがたいものになっていると承知しています。



◆加藤委員 以前、総務部長が、今の秋田県の知事さんの部下をやっておられたということも伺っていますけれども、秋田県に視察にお伺いしたときに、この高知県の、人口減少の原因分析の緻密さというのに非常に感銘を受けていらっしゃいました。秋田県は人口大体100万人でございますけれども、社会減が大体4,500人ぐらい、毎年あるそうであります。高知県のデータも勉強されていまして、平成11年、12年、高知県の社会増減がプラスになっている年があることに非常に感銘をされて、ぜひ高知県に勉強をさせていただきたいですというようなこともおっしゃっておりました。

 ただ、非常に厳しい状況であるということは変わりなくて、特に若者が県外に出ていく。県外に出ていく人口のほとんどが15歳から24歳人口、つまり学校を卒業して進学と就職で県外に出ていくということが高知県の人口減少、大きな課題となっているわけでございます。この若者の人口流出にいかに歯どめをかけていくのかということが積年の課題なんだろうというふうに思っております。

 そして、一回、例えば仮に出ていっても、帰ってきてもらうという、若者を呼び込むための取り組みも欠かせないわけであります。私も、地域を歩けば、確かに一回出ていくんですけれども、帰ってきたいと思ってもなかなか帰ってこられない。それから、家族や友達もやっぱり帰ってこいよと、帰ってくればいいじゃないかと言いたいんだけれども、なかなかその声がかけられないというのがまさにこの、地方の高知県の現状なんだというふうに思っております。

 ここからいかに脱却をしていくのか、住みなれた地域で希望を持って暮らしていけるのかということに尽きるんだというふうに思いますけれども、この産業振興計画において人口の社会増を目指しておられますけれども、どのように今後取り組んでいかれるのか、知事の御決意を伺いたいと思います。



◎尾崎知事 人口の社会増を目指す、これが産業振興計画のまず第1ステップとして目指していくところでありまして、そのためにも若い人がいわゆる誇りと志をかけるに足ると思われるような仕事をたくさんつくり出していくということが何よりも肝要なのだろうと、そのように思っています。

 地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志を持って働くことのできる高知県を目指すんだというのが産業振興計画の目指すところでありまして、地域にありましても、その地域にあって地産外商に取り組んでいく仕事というのは十分やりがいのある仕事であって、多くの若い人たちが誇り、そして志をかけるに足るお仕事なのだろうと思っています。そういうものをたくさんつくり出していこうということであります。

 先ほど弘田委員との御議論の中でもありました、例えば土地備長炭のお取り組み−−地域の皆さんは室戸の地にあって全国でトップクラスの品質の炭をつくる。世界、日本全体をマーケットとして仕事をしておられる、例えばこういう形で誇りを持って仕事をしておられる人をもっともっとふやしていく。いろんな形態があると思いますが、これをぜひ目指したいと考えています。

 景気回復局面に転出超過になるというのが本県のずっと積年の課題でありました。これを見ていくと、前回の景気回復局面というのは、大体転出超過数というのが3,000人から4,500人ぐらいまでです。現在の転出超過数、今も前回以上の景気回復局面でありますが、これが大体2,000人弱ぐらいにとどまっているところでありまして、前回の半分以下ぐらいになってきています。これに移住が1,000人ぐらい、もし仮にコンスタントに確保できるという形になってくれば、一定私は社会増減、これがフラットになってくる状況というのも見通していけるようになるんじゃないのかなと考えておるところであります。

 とにかく、雇用を大きく生み出していくような大きな大きな、よりインパクトのある仕事を追求してきているところなんですけれど、ぜひそれを引き続き続けていきたいなと、そう思います。



◆加藤委員 雇用のことは非常に重要でございます。そして、この社会増を目指していく決意というのが今知事からお話があったとおりでございます。ただ、県全体として社会増になったとしても、人口減少の状況というのは高知県も地域によって異なってくるんだろうというふうに感じております。

 若者が学校を卒業して進学、そして就職で県外に出ていく状況を教育委員会としてどのように把握をしているのか、県全体と地域別の進学状況、就職状況を御説明いただきたいと思います。教育長。



◎田村教育長 昨年、平成26年3月の卒業生の県内公立高校の進路状況を見てみますと、進学者数は全体で3,157名、−−卒業者数の3分の2でございますけれども、となっておりまして、県外進学者は1,463名、46.3%でございます。

 それを県外進学者の比率を地域別に見てみますと、東部地域は36.9%、中部地域は44.6%、西部地域は61.3%が県外へ進学しているということでございます。

 就職のほうでございますが、就職者数は全体で1,053名、うち県外には398名、37.8%でございます。

 県外就職者の比率を地域別に見てみますと、東部地域は31.3%、中部地域は35.5%、西部地域は50.3%というふうになっておりまして、県外への進学者、それから就職者数の割合は西部地域においてほかの地域よりも高くなっているという状況にございます。



◆加藤委員 教育委員会としてこの状況をどのように受けとめておられますでしょうか、教育長。



◎田村教育長 やはり、西部につきましては、就職するにしても進学するにしても、例えば高知市まで来ますと結局下宿なりアパートを借りるというような形で自宅から通学あるいは通勤できないということがあって、こういうことになっているのかなというふうに受けとめています。



◆加藤委員 ありがとうございました。

 今、教育長のほうから御答弁いただいたとおりだと思います。東部、中部は、高校卒業して県外に進学する割合が大体約4割なんですね。ただ、西部地域になると、それが約6割にふえます。そして、県外の就職、今度は働きに行く卒業生の割合、これが東部、中部で約3割、そして西部になるとこれが約半数が県外に出ていくということでございます。

 そして、自宅から通える進学先がほとんどありません。看護学校はございますけれども、専門学校その他の専門学校あるいは大学、短大というのは、愛媛県側に行っても宇和島に1つ短大がありますけれども、それ以外は松山に行くのか、あるいは高知市に出てくるのかというのが選択肢であります。

 つまり、県内に残った約4割の進学者も地域にはほとんど残っていないというのがこの西部地域の現状であります。

 東部も、この今おっしゃっていただいたデータ、山田高校から東の進学でしたら状況を把握いただいたと思うんですけれども、これが室戸高校と、例えば安芸高校では状況が違うと思いますし、高知市から遠ざかれば遠ざかるほど、そういった傾向が顕著になるのかなというふうに思っておるところでございます。

 私も、毎年成人式にも出席をさせていただいていますけれども、成人式でやっぱり話を聞くと、ほとんど地元の方はいません。正月に帰ってきて、きょうこの日のために帰ってきたという方がほとんどでございますので、やはりここは一つ大きな課題なんだろうというふうに感じております。

 高校を卒業して全体の7割から8割ぐらいが大体進学をするんですね。その7割から8割の生徒さんには選択肢がないというこの厳しい現状に、私はやっぱり課題解決先進県を目指す高知県としても向き合っていく必要があるんだろうというふうに思いますし、これは高知県だけじゃなくて、やっぱり日本全体の課題であります。例えば大学の偏在をどうするのか、国土の利用のあり方をどうするのか、そういった観点からも是が非でもここにはしっかりと政治が対応していかなくてはならないんだろう、このように思っておるところでございます。

 地域格差は、これは所得の格差にも結びつく課題だと思っております。ひとり暮らしをさせて大学に出すとなると、その分経済負担も大きいわけでございますので、しっかりとこの対応をしていかなくてはならないというふうに思うわけでございます。

 西部地域のように地元での進学の選択肢がない高校生の県外流出、この対応を県として考えていくべきではないかというふうに感じますが、知事の御所見を伺いたいと思います。



◎尾崎知事 2つあると思いますね。

 1つは、確かに県外に高等教育機関に進学する際出ていくでしょうが、その人たちをいかに帰すか。やはりそれは、地域地域、西部地域の一つ一つの地域、市町村がみずから一生懸命努力をして職を生み出していく仕事をするのだと、我々県も一緒になって汗をかいて産業振興計画を通じて、帰ってきて誇りと志を満たすに足る仕事をたくさんつくり出すと、そういうことに努力をさせていただくと、これが何といっても王道だと、そのように思っております。

 あわせまして、高等教育機関が偏在、県内の中でも偏在している状況があるだろうということは確かだと思います。ただ他方で、高等教育機関についての全国的な議論というのはどういうことかというと、どちらかというと数が多過ぎるんだという議論がむしろ行われているのが現状でありまして、そういう中において高知、あえて新しく学部を設置するとか定員をふやすとかという形でもって、これも国全体にも認めてもらうような形で運動もいたしまして、県内でできるだけ進学先を確保するような努力をしてきたということです。

 残念ながら、東部地域に大学1校、中部地域に大学1校、西部地域に大学1校という形には、残念ながらならないだろう。しかしながら、少なくとも、高知県内において進学先をしっかり確保できるような、県内学生のニーズに合ったそういう学部の設定をしようということで、今回県立大学の見直しを図り、また高知大学においても地域協働学部を充実させるという形でそういう取り組みをしてくださっておるということかと思います。

 じゃあ、問題は地理的に遠い地域の皆さんはどうするんだということでありまして、そこのところは何らかの形で一定後押しをするような仕組みというのを考えられないものだろうかということを、今後来年以降、少し奨学金の問題などが一つ大きな課題になっていきますんで、そういう議論の中でまた一つ考えていく課題となってくるのかなと考えております。

 正直、非常に難しい問題でありまして、すぐさま答えを持っておりませんけれども、少しそういう方向感で考えさせていただければなと、そのように考えております。



◆加藤委員 非常に思いのこもった御答弁をいただいたと思っております。ありがとうございます。

 やはり、何事もそうですけれど、できることからやっていくということが基本だというふうにも思いますし、やっぱり大きな意味で考えると、価値観をどう変えていくかということにもつながってくるんだと思います。例えば尾崎知事が東京から帰ってきたその志の一つを察しますに、やっぱり地域のために自分が力になりたいとか、ふるさとのために何が自分ができるんだろうというふうに思ったことも、帰ってこられた大きな志の一つなんだろうというふうにも私は思いますし、また私もそう思って帰ってきた人間の一人でもあります。

 やはり、こういう価値観の転換というのも一つ大きな、私はこの地方創生の中で求められることだというふうにも思いますし、かといって、価値観を変えるということに向き合いながらも、この現実の数字ということにもしっかり向き合っていく。やはりどうせ高知へ行って、松山へ行ってひとり暮らしするがやったら、大阪へ行っても東京へ行っても変わらんろうと、こういう声が現実的に若い人から聞こえてくるというのが地域の実情でありますので、今おっしゃっていただいた、ぜひとも検討を深めていただきたいなというふうに思っておるところでございます。

 引き続きまして、地域の拠点づくりということについて質問をさせていただきます。

 これまで地域の拠点づくりということで、中山間対策として集落活動センターのような小さな拠点の取り組み、これがまち・ひと・しごと創生総合戦略の主要施策に位置づけられました。これまでも、小さな拠点に限らず、課題解決先進県として高知県がずっと取り組んできた取り組み、これが全国の施策へ反映されたケースというのはたくさんあるんだというふうに認識をいたしております。

 これと同様に、高知県内にとってみて考えますと、一番の課題先進地域はまさにこの中山間地域でございます。10年先、20年先、地域の未来を考えたときに、今中山間地域で起こっていることが、いずれは郡部の市町村あるいは高知市にまでだんだんと未来が波及をしてくるということなんだというふうに思います。

 この小さな拠点という発想をもっと広い取り組みで進めていくべきではないかというふうに思っております。

 私も、地域の御高齢の方々からお話を聞くと、朝バスで病院に行って、病院から今度買い物に行こうと思うと病院から1キロも2キロもやっぱり離れているんですね。さらに、帰りに役場に寄ろうとか銀行に寄ろうとか農協に寄ろうとか、するとまた役場からも500メートル、1キロであってもなかなか歩いていけない。だんだん高齢化がさらに進んできますと、こういった方々が非常に多くなってくると思うんですね。

 これも一足飛びに全部の拠点を集めるという話は確かに現実的ではないのかもしれませんけれども、この小さな拠点の取り組みの推進とあわせてもう少し広い範囲、例えば市町村の中心部ですとか、そういった広い範囲で行政あるいは医療、福祉、こういったサービス機能を集約化していく観点でまちづくりを進めていくべきではないかと。このように思っておるところでございますが、この拠点づくり、集約化について知事はどのようにお考えになられておりますでしょうか。



◎尾崎知事 集落活動センターの取り組みは、それぞれの市町村の、例えば周辺部にある、本当に限界集落とも言われるような集落の皆さんの暮らしをどう支えていくかという観点からスタートしたものでありまして、いわゆる周辺部の複数集落の拠点となるような地域において、コミュニティーの中心となる場をつくっていこう、そういう観点で進めていっているものです。

 これと、いわゆる自治体における中心部の機能がうまくコーディネートされることによって、皆さんの暮らしの利便、さらは活性化ということにもつながっていくんだろうなと、そのように思います。

 各自治体の中心部にできる限り一定機能が完結できるように仕掛けていくことが望ましいと、そのように思われますところでありまして、それぞれ自治体において考えておられることかと思いますけれども、そういう方向性と我々の集落活動センターのような取り組みとうまく調和させていけるようにしたいなと、そのように思っています。



◆加藤委員 まちづくりで大切なことは、やっぱり人が集まるところをいかにつくっていくか、集いの場をつくっていくということなんだと思います。やっぱり、人口が減っていく中で各サービス機関が点々としていると、そこに集う人の数もだんだんと少なくなっていってにぎわいが少なくなってくるということにもつながってくると思いますので、この集約化という観点は非常に重要になってくるんではないかなというふうに思っておるところでございます。

 そういう意味では、今小学校あるいは中学校の教育機関とほかの公共施設、これを一体化する動きが広まっております。例えば、子供とお年寄りなんていうのも相性はいいと思いますし、子供と地域なんていうのも非常に相性のいい組み合わせの代表例だというふうに思います。

 例えば、デイサービスと小学校の複合化によって子供とお年寄りが触れ合う、そういった中で思いやりの心が生まれたとか、運動会にお年寄りを御招待したり、あるいは放課後に将棋クラブの児童がお年寄りと対局をするとか、そういった長年の経験をお持ちのお年寄りから子供が学んでいくと、地域で子供を育てていくと、こういったつながりになっているという事例が地域で広がっていると、県外の多くの事例があるというふうにも伺っております。

 この地域の定住ということに関しても、学校は欠かせないわけでございまして、学校が廃校になればその地域で子育てすることは難しい、当然そうなってくれば地域コミュニティーの衰退にもなりますし、あるいは人口減少、移住対策、いろんなことにもこの学校ということが今後大きなキーワードになってくると思いますし、これまでもなってきたんだというふうに思います。

 この地域全体で学校を育てていくという観点からも、この地域コミュニティーの形成を推進する観点からも、学校の複合化というのを推進していくべきだと考えますが、教育長、いかがお考えでしょうか。



◎田村教育長 お話にありましたように、小中学校と社会教育施設ですとか福祉施設等との複合化というのが、教育の振興と地域コミュニティーの活性化という面で効果があるというふうに考えております。特に、これもお話にありましたけれども、児童生徒と地域の皆様とのつながりが密接になることで、地域全体で子供を育てていくというようなことにもつながっていくんじゃないかというふうに考えております。

 今、県では、多くの地域住民が学校の教育活動を支援する仕組みでございます学校支援地域本部の取り組みを強力に進めようとしておりまして、学校と地域の良好なパートナーシップが醸成される中で、学校の複合化のニーズですとかアイデアも生まれてくるものと思いますし、それによってより効果的な活用といったことも期待できるのではないかというふうに考えています。

 現在、国の検討会におきまして、学校を複合化していく上での効果的な施設整備の進め方などの検討が進められております。今後、先ほどの学校支援地域本部の推進とあわせまして、国の検討状況ですとか、あるいは施設整備に活用できる支援制度等の情報を市町村に提供し、学校を複合施設として活用することの検討を進めるに当たっての参考としていただきたいというふうに思っております。

 その上で、条件が整った市町村に対しましては、関係部局と連携して積極的に支援をしてまいりたいというふうに考えております。



◆加藤委員 ありがとうございました。

 もう一点、地域の拠点づくりということで、広域での取り組みというのも必要不可欠だというふうに思います。

 幡多地域では四万十市、それから宿毛市、この2つの市が中心市となって幡多3市2町1村が協定を結んで、地域に人口を定着させようと定住自立圏構想の取り組みを行っております。地域が一体となってそれぞれの地域で役割分担をしながら、人口流出をせきとめる機能を果たしていく、いわば広域で人口のダム機能を果たしていくという取り組みでございます。

 私も中山間地域の方にいろいろお話を聞く機会がございまして、この中山間地域の方々というのは本当にその地域に誇りを持って、そこに住みたいから暮らしているというのは間違いないことなんだろうというふうに思います。

 ただ一方では、何が課題なのかというと、一つは交通の課題があります。スーパーが遠い、病院が遠いということがあります。ここにはしっかり交通の支援をしていくべきだというふうに思いますが、もう一つやっぱり子供、家族なんですね。やっぱり兄弟のうち一人でもいいから近くに住んでいてほしいとか、大阪に行って東京に行って年に1回会いたくても会えないと。やっぱり家族が近くにいないというのが、私は中山間地域に本当に共通する皆さんの思いなんだろうというふうに思います。

 理想を言えば、確かにその中山間地域のところで若い方が住むというのが一番の理想ではあるんですけれども、現実的になかなかそれがかなっていないという現実もあるという認識も必要かと思います。

 そういう意味では、せめて車で30分とか、せめて車で1時間とか、子育てのときに、介護のときに、何かあったときにおじいちゃん、おばあちゃんの家にという−−前回の議会でも近居あるいは3世代同居という質問をさせていただきましたけれども、できるだけ近くで人口をせきとめていくダム機能といった取り組みも重要になるんだというふうに思っているところでございます。

 この広域でのダム機能の取り組み、幡多地域の市町村が連携して取り組んでいる定住自立圏構想、これに対する評価と、県として今後どうかかわっていくのか、ここあたりを知事に御意見を伺えればと思います。



◎尾崎知事 この定住自立圏構想の取り組みというのは、私が知事に就任させていただいて一番最初のころに、政策提言活動で徹底して国に働きかけていったものでありまして、制度設計がかなり大都市中心型になりそうだったもんですから、高知県なんかでも複数で活用できるようにということを、当時、平成20年ぐらいでしたけれど、新たに機能強化した東京事務所と一緒にいろいろ何度も何度も東京へ行ったことを覚えております。

 その後、この幡多地域の定住自立圏、できてから5年間ですね、この間において、例えば「楽しまんと!はた博」の開催を行われるでありますとか、さらには医療分野では幡多けんみん病院と圏域の医療機関の間でカルテの共有をするでありますとか、それからまたいろいろ厳しい状況もありますでしょうけれども幡多地域における交通システムがいまだに例えば守られていることなんかもこの定住自立圏の皆様方の協調した取り組みの成果だろうと、そのように思っています。

 我々としては、この定住自立圏の取り組み一つ一つの中で、例えば「楽しまんと!はた博」、その後のフォローアップをどうするかとか、そういうこと、今度も新しいメニューを組ませていただいておりますけれども、そういう形で個別に後押しをさせていただくというのがまず基本だろうと思いますが、たださらに加えて言えば、今回の地方創生の動きの中なんかでも、幡多は連携してやっていこうではないかという機運も出てきているやに伺っているところでございまして、そういう地域の連携した取り組みと我々県とがしっかり連携して取り組みを進めていくということが非常に大事だと思っています。

 そういう形で、この定住自立圏構想も含めてですが、いろんな連携の取り組みと、我々と県とも連携をすると、そういう形で取り組ませていただきたいと、そのように思っています。



◆加藤委員 ありがとうございました。

 それでは最後に、少子化対策について伺ってまいりたいと思います。

 少子化対策については、平成17年度から、こうちこどもプランを策定して取り組みを進めてまいりました。今後も引き続き、晩婚化であったり未婚化であったり、切れ目のない対策を推進していくために、来年度から高知家の少子化対策総合プランに取り組む予定でございます。

 これまでの計画と、これからの計画、改定版の策定に当たってこれまでとの違いや強化すべき点などを地域福祉部長にお伺いいたします。



◎井奥地域福祉部長 県民世論調査の結果、9割近くの県民の皆様が少子化を深刻な問題と捉える中、その大きな要因となります結婚につきましては、未婚化、晩婚化の進行に歯どめがかからず、子育ての面では子育て支援サービスの不足や仕事と育児の両立が難しいといったような状況が続いております。

 このため、今回の計画の改定に当たりましては、独身者の方々を希望の時期に結婚へとつなげるためのきめ細やかな支援や理想と実際の子供の数の乖離を縮めるための子育て世帯への行き届いた支援策の充実などを中心といたしまして、結婚から子育てまでのライフステージに応じた課題を整理した上で、作業を進めてまいりました。

 その結果、新たな行動計画におきましては、「誰もが希望の時期に次代を担う高知の子どもを生み育てやすい環境づくり」を目標として掲げまして、誰もが希望する時期に安心して結婚・妊娠・出産・子育てできる社会、全ての子供の生きる力を育むことができる社会、地域社会が一体となり世代を超えて子育てを支え合う社会といった少子化の問題の克服に向けました目指すべき新たな3つの社会像の柱ごとに、課題解決に向けた成果目標を設定いたしまして、少子化対策の抜本強化を図ることといたしております。



◆加藤委員 少子化対策の課題は、いろいろなものが複雑に関係しているんだというふうに思います。

 ただ、本当は3人産みたいんだけれども、2人しか子供がもうけられていないという方が非常にアンケートの結果なんかからも顕著にあらわれているわけなんですね。なぜ経済的な負担がかかるのか、何で3人産めないのかというと、やはり1番は就学前教育、幼稚園、保育園、認定こども園、やっぱりここの負担が大きいという声がまさに切実なお声だと思います。

 知事は、全国知事会でリーダーとしても活動されております。この就学前の教育費、これを段階的に無償化に向けて取り組みを目指していくべきなんじゃないかと切実に思いますけれども、最後に知事の御決意をお聞かせください。



◎尾崎知事 まさにそういう方向で進めていくべきだと思っています。

 この6月にも、国において、幼児教育の無償化に向けた取り組みを財源を確保しながら段階的に進めるとの閣議決定がなされておりますので、これも一つのよすがにして、さらに進めていけるように積極的な政策提言をしていきたいと、そう思っています。



◆加藤委員 ありがとうございました。

 最後に、この地方創生ということでございますけれども、正しく本当に問題提起がされたなと思います。産業振興計画も高知県の課題が正しく提起をされたから、今解決に向かっているわけで、デフレも一緒です。デフレが正しく提言されたから解決に向かっているわけで、今回の地方創生もそういう意味で期待をしたいと思います。ありがとうございました。



○溝渕副委員長 以上をもって、加藤委員の質問は終わりました。

 ここで午後3時15分まで休憩をいたします。

   午後2時57分休憩

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   午後3時15分再開



○西森[潮]委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一問一答による質疑並びに一般質問を続行いたします。

 森田委員。あなたの持ち時間は60分です。御協力をよろしくお願いいたします。



◆森田委員 御指名いただきました。早速質問に入りたいと思います。

 先ほどの加藤委員の質問、まずは本県課題の人口減少、そして地方創生、議論を尽くしてきたところの究極はやはり県内の、いかに人口を減らさないようにするか、いかにふやすか、そこが究極の経済対策になると。人が住むことによって経済活動をするわけで、やはりそこへ収束するのかなと。

 東京の一極集中を是正しながら地方への人口分散、あるいはその企業の移転、企業の移転にはいわゆる税制対策もあるでしょう。そういうことがあったにせよ、やはりそういう後押しもいただきながら地方の魅力を、高知県なりの魅力をしっかり持って、能動的に高知県に住む、高知県に来てもらう、基本はやっぱりそこだろうと思いまして、私も人口減少対策を構えておりますが、高知の魅力づけ、魅力から発信して、人に押しつけられて高知にやってくるんじゃなしに、そういう意味で高知県の魅力探しをひとつ言いながら、議論に入っていきたいと思います。

 あわせて、その背景にあるのが、高知県に来ても仕事がなければ、若い人に高校を卒業しても大学を卒業しても高知県に住んでくれって言っても、結婚もしなきゃいかない、あるいは子育てをしなきゃいけない。仕事がなければ、やはり魅力があってもこれはいけないと。こういうことで、7年前からの産業振興計画の高知県の職場づくり、あわせて高知県の魅力づくり、それで高知県の人口がふえていく、Uターン、Iターン、移住者、そして観光客と、こういうふうになって高知県の活性化を促すと、そういう論調で私は議論を進めてまいりたいと思います。

 高知県は、全国的に見ましても、とても魅力的な土地柄だとよく言われます。そしてまたあわせて高い評価をいただいております。旅行雑誌のじゃらんも皆さん御存じのとおりでございます。このように、本県は全国的に見ても抜群の高い評価をもらっております。

 そして、いごっそうやはちきんに代表されるように、温かい、そしておせっかい好きの独特の人柄を持つ土佐人が多く住む土地柄でもあります。幕末の志士坂本龍馬は、あの維新への活躍もさることながら、あのひょうひょうとした人柄はまさに土佐人の代表的な気質と言えます。そんな龍馬や土佐人を日本中の多くの人が知ってくれており、好いてくれております。

 また、皮肉にも本県のおくれたインフラ、その結果手つかずの自然あるいは価値のある文化や伝統や生活の営みが数多く高知県には残されております。

 世はまさに今新幹線時代ではございますが、私たちの土讃線はディーゼル機関車であります。しかし、これも逆手に考えれば、おかげで日本一の清流として四万十川も残せましたし、仁淀川や土佐湾や、そして風光明媚な景色、海や山や川の豊富な食材資源もまだまだ潜在的に多くの魅力を秘めたまま残されております。こうした魅力をその中にどっぷり暮らす私たちは余りにも身近過ぎて感じ切っていない、貴重さに気づいていない、そんなような気もしますが、このように本県には将来への大きな可能性を秘めた素材がまだまだ多く眠っているものと思います。これらの素材、希少価値を持った本県の大きな資産でもございます。

 現状の高知県の魅力を知事はどう認識され、今後そうしたポテンシャルをどう引き出し、県勢浮揚につなげていこうとされているのか、冒頭まず知事にお伺いをいたします。



◎尾崎知事 高知県の強みということでいけばいろいろあるでしょうけれども、大きく言いますと2系統なのかなと思っています。

 1つ、いわゆる自然由来の強みということ。これはある意味重化学工業化が進まなかった県であるからこそ残ってきたさまざまな自然があります。この自然由来のものとして、例えば産業系統で考えていけば、1次産業、そして関連産業群、そして自然を生かした観光というような形になって、いろいろな展開を図っていくことができるだろうと思います。

 ただ、こういう県はほかにもたくさんあると思いますが、もう一つ、2番目のいわゆる人柄といいますか、人の強みといいますか、この点について言えば、高知県、ある意味非常にキャラが立っているといいますか、いい意味でキャラの立っている県でありまして、これは高知独特のものとして非常に今後も生かし続けることができるだろうと思っています。

 ある意味、これは非常にオールマイティーだと思っておりまして、高知の人の魅力でもってして、例えば物を売り込む、それを通じて観光客を誘う、それを通じて移住促進を図る、そういう形に一連使っていくことができるだろうと思っています。

 これは非常に抽象的なことを言うようですが、実際データにも裏づけられている話だと思っておりまして、高知家プロモーションを行っていくに当たって、首都圏、関西圏、5,000人の方にアンケート調査をとったとき、高知県に対して観光経験もなく高知県に対する認知度もない方の高知県に対する好感度というのは46.5%あります。ところが、5年以内に観光経験があって、かつ高知家の取り組みを知っている方の高知県に対する好感度というのが86.5%、一挙に40ポイントもアップをするというわけでありまして、いかに高知の人たちに触れていただくと好感度が上がるかということをこのデータは示しておるのかなと思っております。この強みを生かしていきたい、そう思っています。



◆森田委員 そのキャラが立っている高知県民性、そこはやはり他県の追随を許さない部分があろうと思いますね。自然の持ち味あるいは1次産業なんか、強みがほかにあっても、高知県独特の、そこをいかに知事に、土佐人のアイデンティティーを大いに生かし切った県勢浮揚を支援してもらえたらなと、そんなふうに思うわけです。

 そんな中で、私は土佐人のアイデンティティー、いわゆる土佐弁のことなんですがね、坂本龍馬のまねも日本中の人がされたように、土佐弁をしゃべれない今の人、若い人、あるいは意味を理解できない若い人、大変寂しく思っているところですが、土佐弁はれっきとした地域文化でございますし、地元高知の宝ですから大事に残していってもらいたい。土佐弁は、私が高校時代に古典の先生に、古語が非常に多く残っていて日本語のルーツだというふうなことも教わりましたが、土佐弁の微妙な言い回し方、これは豊かな感性と表裏一体なんですね。龍馬伝の放映当時に、福山雅治の坂本龍馬に日本中の人が得意げになって土佐弁を話していましたよね。あのことを思い出したらわかると思います。

 ところが子供や孫たちが学校の本を読むのにいつも非常に違和感があると、そんなことを感じております。それというのも、私の家系は大家族でこれまで暮らしてきましたし、4世代、5世代で同居してお年寄りの言葉を聞きながら育ってきました。ですから、他の家族よりも土佐弁のボキャブラリーはかなり豊富なんですね。合理的な標準語に比べて、土佐弁はデリケートな動詞とか形容詞の言い回しの中に土地の文化を背景にした思いやりの気持ちがいっぱい詰まっている、そんな土佐弁でございます。

 そんな土佐弁、教育の中でどう扱われているのか。私は高知県人として、どうかあの土佐弁を大事に地域の魅力として使い切って残しながら高知県の魅力発信の一つにしていただきたいと思いますが、教育長、どうお感じですか。



◎田村教育長 土佐弁につきましては、かの司馬遼太郎が、曖昧なところがなく日本で一番明晰な言葉ではないかと思うことがあるというふうに言っておりますように、またおっしゃるように微妙な言い回しもございますけれども、この高知県人の議論好きですとか、先ほどからお話のあるようなキャラの立ったその人柄のもとになっているのではないかというふうに思っております。

 方言につきましては、その土地の伝統的な暮らしや文化から生まれてきますし、逆にそういった伝統的な暮らし文化を支える、つくり出す、そういった役割もあるのではないかというふうに思っております。

 日本の社会全体が均質化していく中で、高知県がその独自性を保って、存在感を示していくためにも、土佐弁−−それから西のほうになりますと幡多弁ですけれども、は非常に大事で残して使われ続けていくということが大事じゃないかというふうに思っております。

 教育におきましては、その標準語と方言の特質を踏まえて、場合場合によって適切に使い分けていくということが基本でございますけれども、方言につきましては、その地域の高齢者などとの交流の機会でありますとか、あるいは道徳用郷土資料集の「ふるさとの志」に随所に土佐弁を用いておりますので、そういった機会をいろいろ使わせていただいて、土佐弁が子供たちに身近に感じてもらえるように努めていきたいというふうに思っております。



◆森田委員 一回、土地のいわゆる伝統文化の土佐弁が途切れるとなかなか復活をしないと、こういうこともありますので、そういう姿勢で、非常に大事に教育の中でも織りまぜながら高知県の魅力を残していっていただきたいと思います。

 そこで、もう少し田舎のよさを話してみましたら、挨拶の仕方、都会ではおはようございますと行き会う人に丁寧には言いますけれど、大体それで話は終わりですが、田舎では、おはよう、どこ行きゆうと言うことから話が始まるんですね。これは都会風に言うと、この人懐っこさが煩わしいかのような言い方を聞いたこともありますが、これがやはり高知の田舎の治安のよさだとか、あるいは住み心地のいい高知県の雰囲気をつくり出しゆう、これがやはり地域の土地の言葉を交えた文化なんですよね。

 そこで、こういうふうな生活が連綿と織りなされながら、土佐弁が育て上げてきた土佐人のアイデンティティー、こういうことは私はもしかしたら、これからのキャラが立つと知事がおっしゃいましたけれど、キャラが立つ高知県のこれからの売りに、暮らしぶりに、文化生活部長、何か使えるところはないでしょうかね。



◎岡崎文化生活部長 方言にはお国なまりという言葉がありますとおり、その土地柄や人柄のイメージをインパクトを持って伝える効果があると私も考えております。

 委員おっしゃったように、これまでも映画やドラマの中で土佐弁が使われることで、おおらかでおもてなし好きという高知のイメージが全国に伝わったと、このように思います。

 県の文化広報誌「とさぶし」でも、土佐弁など高知の持つ独特の土地柄や人柄の魅力が伝わってくると県外の読者の皆様からも好評を得ているところでございます。

 こうした高知の土地柄や人柄の魅力が凝縮された土佐弁を、例えば観光ガイドブックやさまざまなパンフレット、商品の紹介などに活用することが高知ならではの魅力的な情報発信、商品づくりにつながるんではないかと思っております。



◆森田委員 おっしゃるとおりで、ぜひともこのまったりとした高知県人、土佐人のこの延長線上で県勢が活気づく、浮揚していく、これも使い切りたいと思います。

 そこで、私には、今も鮮明に、今から五、六十年も昔の子供のころになるんですが、年上も年下もなく田んぼで一緒になって遊んだ記憶がございます。そんなにして育った子供時代のふるさとのよさが忘れられなかったもんですから、大好きだったこの高知に、紆余曲折はありながらも帰ってきました。

 ここで私は、40年前に初めて社会人になったころを少し振り返ってお話をしてみたいと思います。

 当初、私は普通の就職はせずに紀行作家になりたいと漠然と考えておりました。今から40年以上も前のことですが。すると大学の卒業を目前に控えた2月、卒論の担当の先生から就職するように説得をされて、紹介された東証一部上場企業に急遽入社をいたしました。渋々入社して、400人近い新入社員の一人として研修して、将来を嘱望された、これは私が勝手に言うんですが、嘱望されながら、7月には任地に配属をされました。しかし、本社が東京だったことから、将来の住まいのことや子育ての環境などのことを考えた結果、やはり高知への帰郷を決断して、その年の11月、早々と退職をして高知に帰ってきました。

 会社にも大学の先生にも本当に申しわけなく思っておりますが、高知に帰るとすぐに、高松に本社を置く1,000人規模の企業に途中入社して、結局23年間そこにいました。その間、3回の転勤内示を受けましたが、そのたびに高知支店から離れることを拒否しました。上司からは、出世はないがそれでもええかと聞かれながらも高知に居続けました。そして、4人の子育てをしながら、一時は最大家族12人で元気に楽しく暮らしました。大家族で住み、文化や伝統やしきたりを受け継ぎ、曽祖母、祖父母、父母、私たち若夫婦、そして私の子供たちというふうに直系5世代が元気に12人でにぎやかに暮らしたんです。そして、高知に居続けて、今があります。

 転勤を拒否した理由は、単に生まれ育ったこの高知にしっかりと根を張って暮らしたかった、それだけでございます。今、後悔はありませんし、リスクも多くありましたが、思いはかないました。その間、海や山や川へ家族を連れ出し、野趣たっぷりに子育てをしました。仁淀川の河口では子供たちとシジミガイも掘りましたし、海岸の磯ではエビもすきましたし、釣りもし、岸に生えたツワブキも子供たちと一緒にとりました。裏山に上がって山芋掘りやクリ拾いもしましたし、仁淀川の上流にはテントを持ってよくキャンプにも行きました。描いていたとおりの大家族をつくり上げて、恵まれた自然の中で高知ならではの子育てをしました。まさに丸ごと高知で大家族のよさを満喫、実感しながら過ごした感性豊かな子育て時代でございました。

 今で言うゼロ歳児保育には預けず、2歳か3歳ごろから保育に入れました。90歳を超して亡くなったひばあさんを祖父母たちが自宅で最後まで目の前で世話をする姿を家族みんなが見守りました。家族とはこんな形でつながり、引き継がれていくということをみずからの体験を通して家族のみんなが学習をしました。

 こうした私たちの暮らしぶりは、介護や保育の行政負担を軽くしただけでなく、当事者にとっても幸せがいっぱいの時代でありました。子供たちが学校から帰っても、誰かが必ず家におって、お帰りと言い、祖父母のところに行っておやつを食べていました。その祖父母や曽祖母にとっては学校帰りの孫やひ孫は格好の遊び相手であり、癒やしであったことだろうと思います。

 今の時代、孫やひ孫が近くにいないことから、グラウンドゴルフ場などを必要に迫られてつくるとはいえ、本当にお年寄りにとって幸せなことかなといつも自問をします。

 こんなにも得るところがいっぱいの3世代や4世代で暮らすことを国や県がもっと推奨したらいいのにと思います。核家族暮らしや行き過ぎた個人主義の礼賛、私には納得がいかないことが多くあります。大人数で暮らしていると、互いが言いたいだけ言い合っていたら家庭はすぐに壊れます。家族がそれぞれを思いやる暮らしの中で、子供の心もひとりでに思いやりのある優しい子に育ちます。私たちにとっては大家族万歳の暮らし方でございました。

 長々と申しましたが、いかに高知を好きか、高知に帰ってきてもらいたい人あるいは移住のこと、Iターン、Uターンのことを含めて、参考になればと思ってつづってみた次第でございます。

 さてそこで、人口問題の具体的なところに入ってまいりたいと思いますが、先ほど申しましたが、本気でやはり人口減少を考えるなら、県民自身がまずは本県の魅力を自覚して出ていかないことが一丁目一番地であります。私はその魅力を感じて、危うく迷いかけましたが帰ってきました。まずは、人口の流出に歯どめをかけるのが最優先。しかし、私の子供も4人のうち3人が県外におりまして、今娘と婿を一遍に高知へ呼び返そうと倍返しをもくろんでおりますけれども、まずは出ていかないことの次の手はもちろん呼び込むことであります。

 それぞれが体験した、また感じている本県の魅力を県外にしっかりと発信することで、移住家族やIターン、Uターンを一家族でも多く呼び込みたい。単純な人口推計によりますと、現在73万人の県内人口、30年後にはまだ減って50万人ほどになると言われておりまして、自治体の存続が危ぶまれる状況に直面します。

 今議会の冒頭、知事が提案説明の中で危機感いっぱいに説明された、人口の減少が経済の縮みとなっており、この負の連鎖を一刻も早く断ち切らなければならない、これは今県民のほとんどがこの共通認識に立とうとしております。

 そのことを裏づけるかのように、昭和30年代の日本の高度経済成長の時代、日本人の高い技術力や勤勉な国民性によってなし遂げられたと一般的には言われておりますが、実は当時の人口の爆発的な増加こそが内需を拡大させて経済を活性化させたという学説があります。

 いずれにしても、これまでの歴史を振り返れば、人口と経済が密接に関係していることは間違いありません。これからは、経済活性化ばかりをてこ入れする政策でなしに、人口増加政策こそが究極の経済対策になると、こういう認識で進めていかなければなりません。

 今、国も、人口問題を地方創生の最重要課題として認識して、東京一極集中から地方への人口分散を言い始めました。

 そこで、移住政策の取り組みになるわけですが、国のアンケートでは、東京都在住者の4割が、仕事などがあれば地方への移住をしてもいいという回答結果が出ております。高知に帰ってきたい人が全国にはたくさんいるだろうと思います。

 一方で県は、地域や経済を支える人材を確保するため、移住促進を第2期産業振興計画の主要な課題として位置づけて、全国への情報発信から移住後のサポートまで一貫して積極的な取り組みを展開しております。平成26年度からは、庁内の組織強化を図って、高知家プロモーションと連動した積極的な情報発信や移住・交流コンシェルジュによるきめ細やかな相談対応なども行い始めました。そして、官民協働で取り組んできた結果、平成24年度は121組225人、平成25年度は270組468人が移住の成果を上げました。

 26年度の実績見込みはどうか、またその見込みは他県と比べてどうか、また27年度の目標は幾らか、産業振興推進部長にお聞きをいたします。



◎中澤産業振興推進部長 今年度の移住の目標ですけれども、これは年間400組ということで今取り組みを進めております。

 これに対する実績ですけれども、現在のところ2月末時点、データ集計中で暫定値ということになりますけれども、約360組の皆様に移住をしていただいております。

 これから3月、この年度がわりの変わり目の時期というのは比較的人が動く時期でございますので、本年度の目標、ほぼ達成、それに近づけることができるんではないかなと思っております。

 それから、その数字の他県との比較による評価ということでございますけれども、この移住の数字というのは実は移住者の定義はございません。統一的な統計もございません。各県によって目標も実は定かではないということがありますので、なかなか比較による評価というのは難しいかなというふうに思っております。

 それから、来年度の目標でございますが、年間500組、これは産振計画の27年度目標ということで掲げたものがございます。来年度は地方創生の動きで非常に追い風が吹く一方で、競争も一層厳しくなるというふうな面も考えられますんで、これまで以上に市町村との連携、官民協働でもってぜひこの目標を達成したいと、そのように考えております。



◆森田委員 知事の先ほどの答弁でもありましたが、500組が、あるいは年間1,000人が移住でコンスタントに積み重なっていくとすれば、高知県の社会減に大いに貢献する大きなロットになると、こういうことで、地方創生の分捕り合いという背景も新たにできてきましたが、やはり高知の魅力で、仕事場がないと自然いっぱいよと言っても生活になりませんのでね、それとあわせて産振計画の担当部長でもございますので、その人を呼び込むのと、仕事場もあるよ、そして来た人のフォローアップ、地域のお祭りにしても仕事にしてもきれいにマッチングをさせる仕事、そのことがやはり私は今後大事になってくるんだろうと思います。

 家ですよね、移住するときの家、空き家はあるが知らない人にはなかなか貸せない、あるいは修繕してまではよう貸さない、こんなふうな背景もあるんですが、市町村とかNPOなんかとこの空き家対策、しっかり支援をしていくことによって定住をさせていく。こういうことだろうと思いますが、その辺についての取り組み結果、現在どんな状況なんでしょうかね、部長。



◎中澤産業振興推進部長 空き家を移住者向け住宅として提供すること、今お話にございましたけれども、なかなか持ち主の方の問題などありますけれども、それらに対する対応策として、これまで県では市町村あるいはNPO団体等に中間保有をしていただくでありますとか、その修繕に係る費用あるいは荷物を移す際の費用、これに対して補償するといったような取り組みを進めてまいりました。

 中でも、空き家の中間保有、改修にかかわりますけれども、これについては、土木部とも一緒になりまして、複数の制度でもって支援策を用意しておりまして、本年度は現在のところ81件の住宅が確保はできております。それに対して、33世帯の方が入居する予定というふうになっております。



◆森田委員 その住み家対策、最も大事な部分でございますが、移住者が一組そこに根づけば、人が人を呼ぶ形で、また新たな移住者で地域が活性化していく。そして、せっかく移住してきた人が地域に根づいて、地域の担い手になってもらうには、生涯そこで住み続けてもらうということのためにも、フォローが大事。地域は、都市より親密な近所づき合いがあって、結構都会から来た人が定着するには壁がある、悩みがあるというような声も聞こえております。

 そういった意味で、マッチング作業も大いに大事だろうと思いますが、今後、こうした地域住民や移住者同士のコミュニケーション、あるいは仕事紹介、あるいは地域行事への参加、こういったところのコミュニケーションを持つマッチング作業に、産業振興推進部長の心づもりをお聞きしておきたいと思います。



◎中澤産業振興推進部長 お話しのように、やはり移住された方がいかに地域になじんでいただくかということが非常に大事です。ステップを5段階に分けて移住の促進を進めておりますけれども、最後はやっぱり定住していただくということでございますので、そのためにまず移住の入り口の段階でその住まいの情報あるいは仕事の情報、生活環境、そういったさまざまな情報をいろいろ形で提供していくと。

 県では、移住・交流コンシェルジュを用意しております。それから、市町村には専門相談員という形で窓口を設置していただくようにお願いしておりまして、かなりこれは広まってまいりました。そして、地域の住民の方々にも、移住サポーターというふうな形でかかわっていただくと。いろいろな段階で、入り口もいろいろでございますので、重層的にそういった御相談に対応できる、そういう体制を今構築しております。

 その上で、実際地域に足を運んでいただく、お試しツアーでありますとか、長期の滞在、施設の整備ということも進めておるわけでございますけれども、一方で、定住を、移住をされた後のフォロー体制ですね、これも同じようにやはりその周辺とのいかにコミュニケーションがとれるかということでございますので、先ほど申し上げた3つの相談窓口担当者等ばかりではなくて、移住者同士のコミュニケーションをとる機会あるいは移住者とその地域の方々との交流の機会、そういった機会をさまざま設けて、いかに地域になじんでいただくかというところの取り組みを今後も進めていきたいと思っております。



◆森田委員 移住はそういった制度支援あるいは県の姿勢で移住の促進が進んでいく。この次に、私が設問を構えておりますのは、やはり自力で人をふやしていく、婚活をする。非常にいいシステムの婚活をすることによって、結婚をし子供をもうけ、3人、4人の子育てをする、それも支援すると。そういう格好で設問を次に移りたいと思いますが、私たち今地域を随分回る、選挙前でございまして回っておりましたら、実はこんなことを聞くわけですね。娘がまだひとり者やけんど誰かおらんろうか、それから息子の結婚相手を早う世話してや、こんな切実な親の生の話をしょっちゅう聞くわけですね。

 現に、私の周りにも独身者が結構おいでます。知事のこれまで参加されてきたふるさと知事ネットワークが共同研究プロジェクトの中で、婚活応援の報告書を平成24年8月に出された分を読んでみました。その内容を見てみましたら、未婚者を対象に調査した結果、その9割の方がいずれは結婚したい、そう考えているそうであります。

 結婚は言うまでもなく一人一人の人生の選択によるものですが、本人の努力だけでなく、男女の出会いから結婚に至るプロセスを社会全体で支援すること、これがやはり必要になってきた時代だというふうな書きぶりでございます。

 その意味で、本県は来年度には少子化対策を抜本強化しようと予算を拡充して、出会い・結婚支援事業費として新しい出会いシステムの構築経費というのが計上されておりました。

 これまでは各JAや市町村、あるいは商工会青年部などがそれぞれ出会いイベントを開催してきました。しかし、大きなエネルギーを使った割にはその場限りの単発イベントとして終わってきていることが多かったんですね。せっかく集めた参加者情報、あるいは出会いを切望する人たちの気持ちがその都度立ち消えになっていた。ところが、平成21年ごろから24年ごろにかけてはこれが主流でしたが、せっかくの先ほど言ったように貴重な個人データが1回のイベントでなくなるむなしさから、もっと組織として立ち上げることで、あるいは対象を県下一円に広げることで、結婚を望む人たちのリストを厳密な管理のもとで残しながらマッチングさせたらどうかという動きが先進地から始まりました。

 それが始まり出したのが24年、25年、26年、今年度ぐらいがいよいよピークになってきまして、今まさにそれが主流になろうとしております。本県の来年度の予算案というのも、うれしいことにそのシステムの構築予算でございます。

 そもそもこんなにまで行政が本格的に個人の出会いに公費を使うことを認め始めたのは、26年に発表された増田レポート、皆さん御存じのとおりであります。このまま少子化が進むと、中山間集落だけでなく地方都市までもが消滅していくというとても衝撃的なレポートでございました。

 しかし、ほんの六、七年前、平成20年ごろまでは、行政が男女の出会いにお世話をすることはタブーとされてきました。しかし今は、個人のプライバシーはもちろん尊重しながらも、地方のあるいは日本の将来がなくなるという危機感を国民も自治体も共有し始めて今の動きが急なわけでございます。

 そこで、本県がこれから取り組もうとしているマッチングシステム、独身者が会員登録してお見合いをするシステムなんですが、それは一体どのように運営をしようとしているのか、地域福祉部長、お聞きします。



◎井奥地域福祉部長 今回導入するシステムでは、希望する独身男女に有料で会員登録を行っていただきまして、自身のプロフィールを登録いたしますとともに、登録会員の中から会ってみたいと思うプロフィールの方を検索していただき、相手の方が会うことを承諾した場合に、サポーター立ち会いのもとでお引き合わせをすることとなります。こうしたシステムを導入することによりまして、御自身の希望する条件に合った方に、より迅速に出会える可能性が高まり、効率的で効果的な出会いの場を提供することが可能になるものと考えております。



◆森田委員 そのようなシステム、他県では一足早くから導入されておりまして、今ではかなり進化したシステムとなりまして成果を上げております。

 例えば愛媛県、既に今このシステムで7,500組のカップルが誕生し、結婚しましたと報告があった人だけで既に420組いるそうですね。愛媛県のそのエントリーシート、私も見ましたが、県外からの登録も受け付けている。その意味ではロットが非常に大きいですから、マッチする確率も非常に高い、人気もあって大きな成果が上がっている。7,500組のカップルがいるということは、1万5,000人いるということは、その背景には10倍の15万人とか20倍の30万人いる可能性がありまして、愛媛県だけの人じゃないなというのも推測をされるわけですが、その意味では高知県の取り組み、少し遅いようにも思いますが、愛媛県に負けないシステムを一日も早く始動させてほしいと願っております。

 このシステムの完成を待ちかねて、私のところにはや既にエントリーしてきちゅう女の子もおりますが、そこでこのシステムの構築の意気込み、成果目標、部長にお聞きをいたします。



◎井奥地域福祉部長 委員お話しのように、愛媛県を初め結婚支援に先行的に取り組む各県では、既にこうしたシステムを導入しまして多くの成婚につながっているとお聞きしております。本県も県内の独身者のニーズを踏まえた使いやすいシステムの開発、導入に取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、まず来年度、システムの構築に加えましてお引き合わせに立ち会いその後の交際をフォローするサポーターの養成を開始し、28年度の早い時期に登録会員の募集や検索・閲覧を行う窓口体制を整備した上で、システムの運用を開始したいと、そのように考えております。

 なお、システムの導入によります出会いの機会の大幅な拡大に伴う成婚者の増加などの具体的な数値目標については、現在のところ予定はしておりませんが、独身者の立場に立ったきめ細かな支援を行うボランティアサポーターにつきましては、現在の婚活サポーターを含めまして、5年後には現在の86名を150名程度に拡大したいと、そのように考えております。



◆森田委員 やはり人生の中でもこの伴侶との出会い、県庁のような信用のできる自治体が中に入ることによって、安心感、信頼感が増して登録も進むものと思いますので、どうか精力的にこのシステムを動かしていただきたいと思います。

 これまでの見合いの場づくり、そこに注ぐエネルギーの割には成果が少なかったように思います。このシステム、ぜひとも結婚を真に望む人に最後の最後までチャンスをつくり背中を押し切ってあげなければと、私も個人的に思います。何とか結婚をしたい、そんな方がおりながら、一回ごと立ち消えになっていくこれまでのやり方、しかし今度のシステムは継続をされてつながっていって、最後の最後まで行き着かせてあげたい、大いに私も賛成するところでございます。

 愛媛県のように完成したシステムもありますが、先進事例も大いに参考にしながら一刻も早く取りかかってほしい。そして、県外の高知ファンとも出会いの場をセットすることで、このシステムはもしか移住にもつながるんではないかな、そんなふうなことも思うんですが、そこら辺は地域福祉部長はどうお考えでしょうか。



◎井奥地域福祉部長 今回導入するマッチングシステムでは、県外在住の方でも高知の男女との出会いを目的に会員登録さえすれば利用が可能な仕組みとすることを予定いたしております。あわせて、移住促進策のほうでは、来年度からこれまでの県外の相談会に加え、本県での子育てなどといった暮らし方や各世代ごとの移住に対する考え方の相違に着目した切り口からの新たな情報発信などにも積極的に取り組む予定だとお聞きしております。

 高知の方との結婚を希望して県外からシステムに登録された方などにこうした情報などもあわせて御紹介をしていくことで、具体的に移住といったことも検討していただける機会も広がってまいるのではないかと、そのように考えております。



◆森田委員 そこで、今年の2月の初め、高知をキーワードに出会いのきっかけにしてほしいということで、県人会の近畿連合会が婚活イベントを大阪でやりました。参加者からは、こんなに高知の話で盛り上がったイベントは初めてとの感想もあったと新聞で読みました。これは大成功だったと言えるんではないかと思いますが、あのイベントの状況と成果を地域福祉部長にお聞きいたします。



◎井奥地域福祉部長 県人会近畿連合会が大阪市内のホテルで開催をいたしました「高知好きのあなたに贈るときめきパーティー」には、高知県にゆかりのある方や好意を持たれている方など35名の独身男女に御参加をいただいたと聞いております。

 パーティーでは、よさこい祭りや四万十川など高知県の話題で大いに盛り上がり、その結果として3組のカップルが誕生したと、そのようにお聞きしております。



◆森田委員 そのイベントの始まりなんですが、一昨年のこと、大阪にいる娘を高知の人と出会わせてほしい、そんな企画を献立ててほしいと高知のお母さんに頼まれて、私がその人の要望を聞きながら、京都、大阪なんかの県人会、商工関係者の間を走り回って県の大阪事務所と一緒に努力をして仕掛けたものでございます。

 移住促進も人材移入も1年半ぐらいかかったわけですが、それはそれでいいんですけれど、高知県のことを出身者である本人が恋い忍んでふるさとへの回帰を切望している人たち、そういった人にこんなイベントを仕掛けることは大いに意義があろうと思います。こうしたこと、関東や中部や九州などにも潜在的にあるんではないかなと思いますが、県はそのあたりをどのように把握をされておられますか、地域福祉部長。



◎井奥地域福祉部長 昨年度に、県の移住相談窓口を通じて移住された方々のうち、約3割は本県出身者のUターン移住となっております。また、昨年開設をいたしました出会い・結婚・子育て応援コーナーに寄せられました結婚相談の中には、県外で暮らす息子や娘を高知の方と結婚させたいといった親御さんからの相談も、数は少ないですけれども寄せられてきております。さらには、国のアンケート調査の結果で、東京在住者のうち10代、20代の方で移住する予定もしくは移住を検討したいと回答した方の割合が46.7%と比較的高くなっているという結果もあります。

 先ほどの本県におけます移住者の状況やアンケート調査の結果などを踏まえれば、本県への回帰を希望されている皆様が相当程度いらっしゃるのではないかと、そのように考えております。



◆森田委員 そのように、高知への回帰を望む県外へ今出られている方も潜在的にいるということですから、ぜひとも私はそういうところに努力をしてもらえたらなと。

 そこで今後、あの近畿連合会のやったイベント、来年以降はどのようにされるおつもりか、また関東とか中京地区でのこういった開催意向はどうなっているのか、地域福祉部長にお伺いいたします。



◎井奥地域福祉部長 今回の県人会近畿連合会のイベントは、昨年度末以降、県からの助言や支援を行いながら準備を重ねた上で初めての開催に至ったものであり、その取り組みは緒についたばかりとの認識をいたしております。

 引き続き、同様のイベントを開催していただける場合には、県が主催しております婚活イベントにおける参加募集者の手法や進行のノウハウなど技術的な面での支援を継続してまいりたいと、そのように考えております。

 また、関東や中部の県人会における開催につきましては、今後検討していただくこととなりますが、具体的な御要望などがあれば積極的に開催の支援に取り組んでまいりたいと、このように考えております。



◆森田委員 潜在的に関東にも中京にもおいでますし、一回大阪でやったノウハウを大いに生かして、高知県にUターンを思う気持ちの人、ぜひお帰りになっていただくような助けをしていただきたいと思います。

 それでは、交流人口のこと、いわゆる観光客の話へ進めていきたいと思いますが、平成26年の高知県への入り込み客数については速報値では401万人、そして今後の目標については、先日の知事の提案説明の中で、400万人観光が定着したので過去最大の435万人の達成を来年度は目指そうという表明がなされました。

 しかし、私は目標は高く打ち出してこそ、県民や旅館・旅行関係者たちの意欲にもつながってこようと思うものです。龍馬伝以降に入り込み客数が落ち込まなかった、それは県の観光戦略が非常に功を奏して御努力の結果だろうと高く評価をしております。

 そこで、ここはひとつアクセルを一気に踏み込んで500万人観光という高みを目指されてはどうか。目標は高く掲げて、その難しい目標の達成のための努力や工夫や知恵を回す。どうかと思うんですが、観光振興部長。



◎伊藤観光振興部長 第2期産業振興計画で4年後の目標として掲げました400万人観光、これが定着しつつある中、10年後の目標として掲げました435万人、この435万人も相当に高いものとなっておりますので、まずはこの目標を一年でも早く達成するように全力で取り組んでまいります。



◆森田委員 余り話が、500万人やろうという意気込みがなかったように思いますが、だけど努力をしていくと。こういうことで、交流人口と定住人口の話に戻して、経済効果の話にしてみましたら、年間400万人の観光客が1,100億円の消費をすると。これはもう統計数値で出ておりますので、1人当たり2万7,500円の経済効果。

 そこで、1人の定住者が1年で消費する金額というのは、これも109万円というデータがございまして、400万人観光というのは10万人の定住者の経済効果と同じということになります。そこで、観光客をもし500万人というお返事をいただけたら100万人の増加は一気に定住者を2万5,000人ふやす、こういうことになるわけです。

 2万5,000人の定住者をふやす、これはなかなか難しいことでございますので、ぜひとも、私は、そういう努力をしながら、国が地方創生に力を入れて都会から地方に注目が集まっている今こそ、観光施策を一気にレベルアップさせて、交流から定住に向かうような、それも視野に入れた観光戦略を立てられてはどうかと思いますが、観光振興部長にもう一回お聞きをしておきます。



◎伊藤観光振興部長 まち・ひと・しごと創生総合戦略では、地域産業の競争力強化に向けた分野別の取り組みの一つに観光を位置づけまして、訪日外国人観光客を地域に呼び込むための観光地づくりや受け入れ環境の整備、そして観光人材の育成などが重点施策として示されております。

 こうした国の戦略も見据えまして、県では来年度、国際観光の抜本強化と地域が一体となった戦略的な観光づくりという2点について、観光施策を大きくバージョンアップさせることとしております。

 まずはこの2点に全力で取り組み、しっかりと成果につなげてまいりますとともに、PDCAサイクルを徹底しながら、施策のさらなるレベルアップを図ってまいりたいというふうに考えております。



◆森田委員 定住人口をふやすだとか、あるいはUターン、Iターンだとか、企業誘致だとかということも視野に入れながらやってきましたが、要は交流人口もいわゆる経済対象人口でございますので、そういうことで一連の質問をしてきました。

 高知新港もでき上がったことですので、大型クルーズ船活用、あるいは隣県には海外との定期航空路線もあったりということで、そういった海外観光客も高知に今呼ぼうという機運もありますので、そこも構えておりましたが、先日佐竹議員の質問で答弁をいただきましたので、一連の人口問題関連質問はこれで終わりまして、とさ千里のことで、関西での県産品の販売戦略のことでお伺いいたします。

 大阪の豊中市で長い間県産品の魅力を発信してきたとさ千里、先月24日に閉店しました。店舗周辺の住民はもちろん、関西地区在住の本県出身者たちに大変惜しまれながらの閉店だったそうであります。

 去年2月に、このとさ千里、私は訪問しました。品ぞろえは少し少ないかな、お客さんの入りも少ないかなと少し不安はありましたが、立地場所がいいことや中沢店長の前向きな取り組み、そのパワー、大いに期待をしておりましただけに、突然の閉店は残念でなりません。15年間という長い期間、高知で作物をつくり、大阪に向けて出荷をし続けてくれた生産者の方々やこの店で買い続けてくれた大阪の人たちに心から感謝とお礼を申し上げたいと思います。

 今回の販売事業の打ち切りは、直接取引をされてきた多くの方々にとって大きな痛手になったことはもちろんですが、もっと深刻なのは地産外商を掲げている本県にとって、関西地区での高知県産品を専門に販売する店がなくなったということだろうと私は理解しますが、今後多方面への影響も大きいんではないかな、そんなことも思っております。

 そこで、本県と人的なつながりの深い大阪をもっと大切にするべきじゃないですかというのが私の持論でありますので、日ごろから委員会、議会でもこれまで何度か関西地区を重視した施策の必要性を提案してきました。そこで改めて、関西地区における今後の戦略を立てるためにも、現状分析をしておかなければなりません。

 県は東京の銀座に大規模なアンテナショップを置いておりますが、関西地区における県産品の販売戦略をこれまでどのように位置づけてこられてきたのか、産業振興推進部長にお聞きします。



◎中澤産業振興推進部長 お話のとおり、関西地区は本県にゆかりのある方も多くて、人的なつながりが非常に強い地域だというふうに思っております。

 また、首都圏に次ぐ大消費地、大きな市場でありますし、首都圏と比べて時間や距離のハンデが小さいということもありまして、以前から県内事業者の取引も多いというふうに認識をしております。そのため、外商のターゲットとして重要なエリアというふうに考えております。

 これまでも、県の大阪事務所を中心として、商談会あるいは高知フェアといったようなことを精力的に実施しますことなどによりまして、県産品の認知度の向上あるいは新たな販路開拓に努めてきたところでございます。



◆森田委員 そこで、銀座のアンテナショップの商業圏域である首都圏、その人口はおおむね3,500万人としましたら、関西地区の人口は約2,000万人でございます。

 ところで、首都圏と関西地区のそれぞれを高知県とのつながりの大きさ、深さ、強さ、それをどんなふうにはかったらいいかなと思って調べてみました。すると、一つの指標として、本県から県外の大学、短大、専門学校への進学状況をまとめた資料がございました。平成22年度から25年度までの4年間、平均してみました、その資料を。すると、毎年関東には580人、平均で、関西には毎年1,055人が進学しています。関西のほうが1.8倍も進学者数が多い結果になりました。このことは、関西地区のほうが関東に比べて1.8倍もの人的なつながりが強いんではないかなということが推測される結果となりました。

 こうした数字が示すように、いつも東京東京と言う割には、人的交流は意外と関西とのつながりが太いんではないかな。そして、関西地区は人口からしても、たかだか73万人の高知県が相手にするには2,000万人もの人口を有しておりまして、十分過ぎるほどの商業規模でございます。

 そこで今後、関西地区での販売強化の必要性についてどう考えておられるのか、産業振興推進部長にお聞きします。



◎中澤産業振興推進部長 先ほど申し上げましたように、関西地区というのは外商のターゲットとして非常に重要なエリアであるというふうに思っておりますし、それに加えまして県内の企業の方にお聞きしましても、今県外での取引をこれから伸ばしていきたいというような非常に意欲が高まっておりますし、昨年結びました旭食品様との協定の中で、このビジネスマッチングに参加しております企業の方にお話をお伺いしますと、多くの事業者の方が関西地区での販路開拓に大変意欲を持っておられるというようなことがわかってまいりました。

 こうしたことから、こういったタイミングを逃さないように、公社の外商担当職員をこのたび大阪のほうに新たに配置をすることといたしておりまして、これまで以上に踏み込んだ仲介、あっせんの活動を行いますことで、県内事業者の方々の外商成果のさらなる上積みを後押ししていきたいというふうに考えております。



◆森田委員 これまで土佐町が主体になって経営してきたこのとさ千里でございますが、行政主導で県産品を宣伝販売しているという点では、高知県のアンテナショップ、銀座のアンテナショップと同じではないかなと思うわけですが、東京と大阪でそれぞれファンをふやして販路を広げていくという意味では、大阪にも東京と同様か、あるいはそれ以上の戦略で、この地の利を生かした高知県と近畿地方、県も臨むべきだろうと思うんですが、どうなんでしょう、部長。



◎中澤産業振興推進部長 首都圏も関西地区も、そういう意味ではともに大消費地でございますので、県産品を売り込む重要なターゲットであるという点は共通をしておるというふうに思っております。

 ただ、関西地区の場合は、地理的に本県から近いということ、本県産品も一定量流通しておりますし、そうした背景から県内事業者がみずから販路開拓に取り組んでおるといった事例も多く見られておるというふうに考えております。一方、首都圏の場合は、距離的に遠くて県産品の知名度もまだまだ低いということがございますので、販路開拓のハードルが高いというふうに感じる県内事業者も多いというふうに認識をしておりまして、県としましては、民間事業者だけでは越えることが難しいハードル、これを少しでも下げること、これが行政の役割というふうに考えております。地産外商公社という外商の拠点をそういう意味で関東に置きまして、県産品の認知度向上、あるいは事業者の販路開拓を支援していると、こういうことでございます。



◆森田委員 とさ千里は、土佐町から年間1,500万円の補助が出されておりましたが、こういう結果になって非常に残念ですが、大阪方面で県産品を専門に売るショップがこれからなくなったと。ところが、徳島県と愛媛県、東京にそれぞれあった上に、大阪市と名古屋市にもそれぞれアンテナショップを設けております。

 尾崎県政、懸命に地産外商に取り組んでいただいておりますが、地理的にも人的にもこれほど近い関西地区を視野に入れたらどうかという意味で、今後の関西地区における県産品の販売拠点戦略、どう考えていくのか、部長にもう一度お聞きをしておきます。



◎中澤産業振興推進部長 やはり先ほど申し上げましたとおり、関西地区と遠く関東の違いというのがございます。さらに、関西地区においては先ほど申し上げた事業者の意欲の高まりといったようなこと、それから地産外商公社の職員を新たに配置する、外商の体制強化をするということで、本県の産品の売り込みにこれまで以上に力を入れていきたいというふうに思っております。

 関西地区において、本県産品に触れていただける機会というのは、より一層、今後ふえていくものというふうに思っておりますので、一般消費者向けのいわゆるBツーCのための県産品の販売拠点を関西地区で設けるということは今のところは考えておりません。



◆森田委員 知事が本会議の提案説明の中で、今後、地産外商公社の職員を増員しながら体制を強化して、これまでの首都圏中心を関西、中部、中四国、九州まで広げていく、そういう意気込みをお聞きしたところですが、ぜひその延長線上に関西経済圏域に県産品が大いにまとまって出荷されて評判が上がっていく、そんなことを心から期待をしております。

 最後に、とさ千里の中沢店長とお話をした最近の言葉が、私は耳に残っておりますが、高知の野菜がとてもおいしくて大好きだったと言ってくれる常連客の声、そして京都や奈良から週末には必ず定期的に車で高知県産品をわざわざ買いに来てくれていた人の声、そして閉店が決まってから、再開はいつかという問い合わせやねぎらいの声が多くあった、そんなことをお聞きいたしました。とさ千里の周りには多くの高知ファンがいたことの証左であります。

 この声のように、関西にはたくさんの潜在的な高知ファンがおられます。今後、県はどのようにして、こういった物販だけでなしに関西の高知ファンの人たちの心をつなぎとめていくのか、知事にお聞きをいたします。



◎尾崎知事 本当にとさ千里の閉店は残念であります。また、本当に多くのファンの皆様に御愛顧をいただいておりますことにつきまして、県知事といたしましても、御礼を申し上げたいと、そのように思います。ですが、土佐町としての御決断ということでございますから、やむを得ないところがあります。

 首都圏と関西圏に対する対応の戦略というのは、これはどうかということでありますが、我々はあくまで公助でありますから、公助というのはやはり民間の皆さんにとってハードルが高いところに、より手厚くという形で対応していくべきだろうと。そういう中において、ポテンシャルがすごく大きくて、かつ民間の高知の皆さんにとってハードルの高い首都圏に一定支援を注力してまいりました。

 そういうことで、首都圏等々一定取り組みもふえてきたわけでありますが、他方で、その中で全国ネットにつながっていくようないろんなノウハウが蓄積されてきたことも確かであります。東京で築いたノウハウが、その事業者さんとの関係が大阪でも生かせるなどということも出てまいりました。

 そういうことでございますんで、この機にさらに取り組みを拡大していこうということで、大阪事務所を初めとしまして、地産外商公社の職員を増員する取り組みを行っていくなどということを今後行っていこうとしているわけであります。

 大阪でも今、高知フェアとか、25年度、57件、商談会8件ぐらいやっておりまして、相当地産外商の取り組み、どんどんどんどん進めていっています。これは大阪事務所が主としてコーディネートしてきましたが、今後は外商公社の大阪事務所に在住の職員などなども頑張ってこれをもっと大いに拡大していくことになろうかと思います。

 こういう場を通じて、今高知ファンであっていただいている皆様方にまた大いに御参加をいただければなと、そのように考えておるところです。



◆森田委員 今知事の明快な答えがございまして、ハードルが非常に高い東京の、それも銀座に店を構えながら、公助として県内産業のために資するノウハウを得るんだと、成果もそこそこ得たんだと、こういうことで、そのノウハウはほかのいわゆる高知県産品の商業展開に大いにキックバックしてもらえるような取り組みを今後にしていただければと思います。

 時間がなくなりました。

 もう一つ、高知県に人が住んでもらえる、高知県に好感度を持ってもらえるための魅力づけの側面をいっぱい構えておりましたが、要約して飛び飛びに質問をさせていただきます。

 社会資本を初め身の回りのものを日ごろからしっかりと美しく整えていくことは、県土の美観や好感度を上げて県全体のイメージアップになることは、誰も同じ思いだろうと思います。そして、観光にも移住にもそのことはいい影響をきっと及ぼすことだろうと思います。もちろん、そこに住む私たち県民にも気持ちのいい生活環境を提供してくれることにもなります。

 しかしながら、現実には公共物の十分でない維持管理が高知の魅力や好感度をおとしめている現状もございます。

 あえて道路に限って言いますと、ガードレールやガードパイプがさびたり曲がったりしたままの状態で、5年も10年もそのまま放置され続けている光景をよく目にしますが、汚れたままの看板、そして壊れた道路標識、いっぱい行政公共のものがございます。そうした放置は、毎日通学している子供たちへのすり込みにもなっており、常に何とかならないものかと思って見ていますが、簡単な対応で改善できると思うようなことでも全く手をつけられない。ほとんど費用も要らないのに手がつけられない実態が続いております。

 こんな光景は、もちろん観光客にもよくない印象として日々すり込まれていっているんではないかと心配をします。

 一方また、雨降りの日に住民から電話がありまして、道路から家に水が入ってきたと呼ばれます。現地に行ってみますと、屋敷は浸水して、道路は大きな水たまりとなって、側溝からはほとんど水がはけていません。側溝の穴から鉄筋を差し込んでみましたら、水路の中はほとんど土で埋まっております。そういえば、側溝の泥のけなどを定期的にしている、国も県も市もですが、そんな光景は見たこともございません。

 本県のような大雨の降る土地柄だからこそ、排水には特に気を使うべきであるんじゃないかな。その維持管理が反映されることによって、県民の交通安全はもとより、県外の観光客のドライブにも水はねをしない、高知の道路は大雨のところやのに乗りやすいね、そんな本県の好感度にもなっていく。

 やはりポイントを絞った県の維持管理政策、これは高知県の魅力を側面支援することにもなろうと思いますので、ぜひとも考えていただきたい、そんなふうに思います。

 前振りが長くなりましたが、本県に平成19年12月議会で全会一致で制定された清潔で美しい高知県をつくる条例がありますが、御存じですか、土木部長。



◎奥谷土木部長 土木行政の分野では条例の趣旨に合致しました取り組みをやってございます。美観と清潔さにも配慮した維持管理が行われるよう、これまでにロードボランティアにより景観保護と観光を支援する取り組み、あるいは梼原町の地域と一体となった道路維持管理の地域委託、ビーチボランティアによる海岸漂着物等の処理、あるいはリバーボランティアによる河川の除草や清掃活動、奈半利町ふるさと海岸におけますパートナーズ協定に基づきます官民連携による美化活動など、住民参加型の取り組みを進めてきております。

 今後も県民一人一人が身近な公共施設に愛着を持っていただけるよう、このような取り組みを通じまして恵まれた豊かな自然環境と美しい景観を次の世代にも引き継いでいくとともに、本県のイメージアップあるいは観光にも貢献できるように努めてまいります。



◆森田委員 おっしゃるとおりなんですよ。その中に、県の行政に課せられた義務もありますが、ここも聞こうと思っておりましたが、義務を私が読みましたら、こういうことになりますね。その9条に、「県は、県が管理する土地及び建物その他の工作物について、美観の保持及び回復に配慮した維持管理を行う」こと、部長の御認識も先ほどの答弁の中に含まれておりましたが、そういうことなんですよ。

 しっかり自分の認識、持ち場を点検していただきたい。土木部だけでなしに県の各部局でもぜひその条例の趣旨を生かして県土のブラッシュアップに役立ててほしいと思います。

 それで、この間の第3回龍馬マラソン、これ本当にすがすがしいコースをつくっていただきました。県内外のランナーも非常にいい印象を持って帰ったことだろうと思いますが、あのコース、本当に景観もすばらしい、県教委も各土木事務所も海岸担当も本当に繊細な努力で美しいコースをつくってくれました。今も私の通勤路なんですが、整備された美しさが保たれております。

 あのときは高知県に6,400人の参加者がありました。本県には年間400万人、1日にしましたら1万1,000人、これほどのあのマラソンの倍の人が毎日毎日県下の隅々まで行ってくれております。その意味で言いましたら、ふだんからもっと県下くまなく清潔感いっぱいの好感度のある県土をつくって提供していく、その県土の美観も含めた県土づくり、ひとつイメージアップの気概を文化生活部長にお聞きいたします。



◎岡崎文化生活部長 条例でうたわれますように、全ての県民が一体となって清潔で美しい県土をつくるということは大変重要なことだと認識をしております。

 芸術文化、県民生活を所管している私といたしましては、清潔で美しい県土をつくるという美化活動に加えまして、高知らしい文化のあふれる県づくり、そういったことを目指して、継続は力なりという言葉もあるように、一日一日の積み重ねを大切にしながら頑張っていかなければいけないと私も管理職員の一人として身の引き締まる思いでございます。



○西森[潮]委員長 以上をもって、森田委員の質問は終わりました。

 5分間休憩いたします。

   午後4時15分休憩

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   午後4時21分再開



○西森[潮]委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 一問一答による質疑並びに一般質問を続行いたします。

 樋口委員。あなたの持ち時間は60分です。御協力よろしくお願いします。



◆樋口委員 あるマスコミの尾崎県政の県民満足度は75%ぐらいということになっているんですが、私はこの数字を見て3点ぱっと思いつきました。

 1つは、県民にとって自分の県のトップの満足度が75%、これは県民幸せですね。一種の県民幸福度調査の数字につながっていくと思います。

 2点目は、私も世論調査をちょっとつついたことがあるんですが、これくらいのすごい満足度だったら支持率はプラスされます。つまり、尾崎知事の支持率は85%くらいじゃないかと思うんですが、そうなれば次の知事選は無投票の可能性も出てきます。

 ほんで、3つ目は、実はこの数字が出て私もちょっと発言しにくうなったんですが、これくらい県民が満足していたら、尾崎県政の政策に満足していたら、ちょっときつい質問もしにくくなりました。私たちは、自分のエリアから51%の支持率が欲しくて一生懸命頑張っているのに、なかなか51に届かないという現実が多分この中にも数人いると思うんですが、それから見たら非常にうらやましいですね。

 そういう中で、このようなすごい高い満足度、支持率が出たのは、僕らは僕らなりに分析しているんですが、知事自体はどのように自分で分析されて、そしてこの高支持率をどのように生かしていこうと思っておりますか。



◎尾崎知事 満足度75%と、75.6%ということでありますが、これ自体こういう数字は大変ありがたいことだと思います。私自身として、県勢浮揚に向けて全身全霊を挙げて努力をいたしておるつもりでございますけれども、そういう中で方向性はよいのでしっかりもっともっと頑張んなさいと言っていただいているということだと受けとめさせていただいておるところです。

 他方で、産業振興計画の成果が出ているのかという質問に対してのお答え、「出ている」という方向でのお答えが41.6%、「出ていない」というお答えが33.5%、そして「わからない」が23.5%ということでありまして、出ているとお答えいただいた方が多いは多いわけで、一番多いのは確かでありますが、とはいいながらも、まだ4割ぐらいということであります。

 県民の皆様方の成果に対する切望感、これは本当に大きいものがあるだろうと思っておりまして、これを何としても謙虚に受けとめて、より一層仕事をしていかなければならないものだなと、そのように思っております。一層努力をしていきたいと思っております。

 何といいますか、ある意味県庁の皆さん方職員一人一人の頑張りの結果でもあるわけでありまして、一定満足度75%ということはいただいておるということを県庁の皆さんお一人お一人も自信を持っていただいて。しかしながら他方で、成果が出ているかどうかということについては41%にすぎないということ、これも受けとめて、もっと頑張ろうということでみんなで一丸で頑張ってまいりたいなと、そのように思っております。



◆樋口委員 先ほど出ましたが、産業振興計画ですね、これ先ほど知事が言われたように、今絶対的な評価はまだ出ていないと思うわけなんですね。そういう中で、一種のこの産業振興計画も県民所得を上げるために非常に地道にこつこつと階段を上がっている感じなんですが、それも非常に大切なことなんだけれど、例えば一気にビッグプロジェクトの誘致というような政策も考えてほしいと思うわけですね。

 戦後間もなくは、いわゆる発電立県ですか、水力発電立県。それから随分前、知事も言われたように、太平洋沿岸ベルト工業地帯、これに乗りおくれたのが高知県のそもそもの経済の発展の阻害になっているんじゃないかということを昔聞いたわけなんです。それから40年くらい前ですか、宿毛湾のCTS、この宿毛湾のCTSは僕はいまだに非常に残念な話であるんですが、けれどそれも県民が選んだことだから仕方ないんですけれど。それと最近は、ちょっとミニかもわかりませんがメガソーラー、これが最高価格のときに県行政及び民間資本がどんどんどんどんやっていたら、多分県民には一種のオイルマネーじゃないけんど太陽マネーができていたと思うわけなんですね。

 そういう中で、知事も一生懸命しているし県民もそれを見ているんですが、やはりもう一段、ワンランクどんと一気に県民所得を上げれるようなことは、具体的になかなか今の時代は見つからないものでしょうか。



◎尾崎知事 私も自分自身でよく時間をとって、産業振興計画のことをずうっと考えます。いつも考えていると言っても過言ではないわけでありますが、その中で僕はインパクトのある施策をということをいつも考えておるんです。少しでもより大型の、より雇用を生み出していくような仕事ができないものかと思って、いろいろいつも知恵をめぐらせていくわけであります。

 ただその中で、いわゆるビッグプロジェクトを木に竹を接ぐような形で突然持ってくる。残念ながら、そういうことをやって後々それがまた分離して非常に苦境に立っておられる地域というのを、私は他方たくさん知っておるつもりであります。やはりいろいろプロジェクトを行っていって、それが本当の意味での県の発展に、長期的にも、20年、30年タームで見てもつながっていくということを考えれば、やはりその地域に根差した取り組み、それをしっかりと育てていくということが大事なのではないのかなと。そして、その先に条件が整って、より大きいプロジェクトを呼び込んでくることができるということになるんではないかと。

 大型の工場を誘致してきて、それが撤退して大変困っているという地域がたくさんございますね。そういう形であります。やはり、地域に根差すということが大事ではないかなと。

 今、1次産業関連の産業を育成し、そしてそれを外商につなげ、拡大再生産につなげていこうという方向感で産業振興計画の取り組みはいたしております。それぞれやっぱり年月がたってきたおかげで、よりインパクトある大型のプロジェクトになってきていると私は思っています。次世代型のハウス、さらにはCLTを初めといたしました一群のA材からC・D材まで生かしていくようなシステムづくり、そして人工種苗の生産を初めとした養殖業の振興の取り組みなどなど、私は決してこれは小さい取り組みではないんじゃないかなと思っています。

 こういうものに、地域に根差した形で発展していく産業群をつくっていくということであれば、本当にいつまでも続く大型の仕事ということで残っていくことができるんじゃないかなと、私はそこが大事だと思います。ただ、いずれにしても、さらなる大きなインパクトをもたらすようにしていくためにはどうあるべきかということを考えていきたいと思っています。



◆樋口委員 やはりさらなる大きなインパクトというのは、当然この高知のいろんな社会資本の整備の中で初めてピラミッド型に築けるもんですが、やはりこの地域の特性というのも重要だと思うわけですね。

 農業が非常に産出の内容がええという話もあるんです。この地域の特性で知事は今売り出しているわけなんですが、特にこの地域の特性においてこれから大きく発展されると思うのは、先ほど言われたように森の問題とか園芸の問題なんかと思われているわけですか。



◎尾崎知事 地域の特性、幾つかあります。

 まず第1に、私が思っておりますのは、この1次産業由来ということです。大きく伸びるかどうかという話でありますけれども、これから安全保障関係も厳しくなっていく中で、我が国においてこの1次産業、国内における1次産業の重みというのはどんどんどんどん増していくだろう。少なくとも決してなくなってよいものではないという意味において、この1次産業由来のものというのは強みを持っているんではないかと私は思っています。もう一つ、輸出とかの取り組みをしているときに、1次産業関連のものというのが一番まねをされにくい。考えてみれば、本県のような一番クオリティーの高いユズ、これを外国に持っていったときに、外国から模造品が出たりするものもありました。しかし、味は全然違います。1次産業由来のものというのはまねされないという意味において持続的な競争優位を築くことができる可能性もある。

 だから、私は本県のもともと持つ強みを生かしてという観点から、この1次産業由来の一定のクラスターというものをぜひつくり上げていきたいものだと、そのように思っています。

 そしてもう一つは、特に近年本県が力を入れている南海トラフ地震対策、これはある意味膨大なマイナスをゼロに戻していく取り組みでありますけれども、これをぜひ、これだけエネルギーをかけているわけですからプラスに生かしていきたい。防災関連の一群の産業群、これは保健とか医療とか福祉とか、こういうものにも絡んでいく取り組みだと思いますが、こういうクラスター群というのはつくっていけないものかなと考えています。

 そして最後、先ほど森田委員の御質問にもお答えいたしましたが、我々本県は、本当にこの土佐人というのは人に好かれる人が多い、そういう土地柄でありまして、この土佐人の人の魅力というものをいろんな意味で大いに生かすような取り組みをしたいなと。観光、これは自然と相並んで人の魅力を売り出していくような形での売り込みをしていくこと、移住促進にしてもそうでありますが、これは大いに生かせるだろうなと。

 私は、大きく言うとこの3つが本県の産業振興という点で生かすべき優位性だと、そのように思っています。



◆樋口委員 わかりました。ちょっと話題かえます。

 地方創生先行型交付金への34市町村の応募内容を見たんですが、それぞれ短期間で苦労されている部分もあるんですが、ある自治体なんかは、国の緊急雇用のをそのまままねたやつとか、以前から言っている政策をそのまま出しているとか。もう一つインパクトのあるのも欲しいと思うんですが、副知事から見ましたらどのように思われますか。



◎岩城副知事 地方創生先行型交付金ですが、御存じのように、その地方版総合戦略の策定、また地方版総合戦略におけるしごとづくりの事業に前倒しで取り組むものを支援する交付金でございます。

 本県におきましては、まさに産業振興計画などの取り組みを強く後押しするものであるというふうに思っておりますが、これは市町村においても直面する課題に積極的に対応するべく有効に活用されているというふうに考えております。

 ただ、今後、地方総合戦略につきましては、市町村独自の色が盛り込まれてくるというふうに考えております。いろんな意味で今までの類似系だというような御意見でございますが、これもこの交付金、これまでの県と歩調を合わせた取り組みがあったからこそ、この短期間で結構具体性のあるものになっているんじゃないかなというのが私の感想でございます。



◆樋口委員 次なるアイデアになるわけなんですが、以前から言われるのは地域の中核施設というのは小中学校でしたね、田舎では。

 しかし、近年では新しい施設が中核施設になろうとしています。知事のつくられた集落活動センター、これも中山間でハードな中核施設になりつつあるわけなんです。私たちの住んでいる県東部におきましては非常にハードな施設、強力な県立あき総合病院ができたわけですね。このような強烈なあき総合病院というようなものを中核施設にして、それを地域に広げていくというような、言ってみれば東部医療圏構想、そのような構想もあってもいいんじゃないかと思うんです。

 今のままだったら、市町村からそのような構想が私の現在の情報では出てこないみたいですので、県のほうもこれからの老齢化の人口を考えたり、そして老人施設の必要性、この高知県の温暖性というものを勘案して、このような中核施設を地域の発展に使っていくというような取り組みのアイデア提供といいますか、意見交換というのを私はしてほしいと思うわけですね。

 もちろんその中には、医療圏構想だから、後で質問するように看護師の不足問題の対応も医療圏という枠で捉えたら作文ができると思うんですが、そこらあたり副知事、どう思われていますか。



◎岩城副知事 医療・介護の分野につきましては、現時点で、昨年12月に設置をしました地域医療介護総合確保基金、これを中心に活用して、例えば看護師養成所の整備であるとか、運営に対する支援など、そういうことを想定はしております。委員がおっしゃられましたような、東部医療圏構想、これはそのものなのかどうかはともかくとして、地方版総合戦略を策定していくに当たっては、医療・介護分野もその地域の振興に資する部分があるのかどうか、これは市町村とも話をしていく必要がありますが、そうした視点を持って検討していきたいというふうに思っております。



◆樋口委員 やはり、これからは老齢化も進むわけで、病院がハードな中核施設になるぞ、極論をすれば小学校、中学校の時代は終わったと、幼稚園の時代、保育園の時代は終わったというように私は思っているわけです。

 さて、実は今議会でも御論議のテーマとなったんですが、地方創生では、言ってみれば勝つ市町村と、ひょっとしてそのアイデアといいますか、政策が弱くてなかなか地域が発展しないという強弱が出てくると思うわけなんです。

 私は、基本的には、行政間がもっと競争しなければならないと、勝つところは勝つべきだと、負けるところは負けるべきだというようなことを以前から言っていまして、知事にもトリアージをしたらどうですかと言ったら、知事はそれはとてもとてもと言っていたんですが、やはり競争は自治体でやるべきだと思います。

 ただ、その場合、当然ながら競争だったら、トリアージもそうですが、負けるところもあれば、ちょっと見捨てられるじゃないけれど目の届かないところも出てきますね。そのようなとき、やはり最低限のセーフティーネットというのは構えちょかないかんけんど、そのセーフティーネットをどのあたりに持っていくか。現在の状況でセーフティーネットを持っていくのか、それのとり分の多いところがとって、ちょっと下がるのかというようなところですが、そのあたりは知事としたら国のほうにどのように訴えていこうと思っていますか。



◎尾崎知事 私はいつも5つの基本政策について、中山間対策も含めてですがお話をするときにこういうふうに御説明しています。

 高知県は人口減少の負の連鎖に陥っているんだと、それぞれの局面に対応して、この負の連鎖をとめるための政策を打っておるという話をしています。人口減少で経済が縮む、これについては産業振興計画の地産外商、移住促進によって対抗する。ただ、さらに進んでいく中で過疎化、高齢化が進む、高齢者の方の孤立化とかという問題が起こる。これについて長寿県構想の高知型福祉のセーフティーネットで対応する。さらにいくと、中山間こそそういう問題が顕著になってくる。ゆえに、中山間対策を特に強化をするのです。小さな拠点などを設けてセーフティーネットを築くのです。そういうお話を申し上げているところであります。

 この地方創生に伴って、確かに競争が生じるし、より健全な競争を徹底して行っていけばと、そのように思っておるところでありますが、これはいわゆる第1層の部分で行われる競争なのであります。その競争が行われていく上においても、さらにこの長寿県構想、高知型福祉で支えていくところ、中山間対策のセーフティーネット群、集落活動センターなどを含めてそういうもので支えていくところというのは、地方創生の競争いかんにかかわらず、全体として県域全体を支えていくようなものとして機能すべきだろうと、そのように考えております。

 私は、こういう政策の多層構造というのを国に対して今までも御説明してきましたが、これからもよくよくお話をしていきたいなと、そういうふうに思っています。競争する部分というのはあくまでこの第1層部分だと思っていまして、この第2層、第3層部分、より懐の広い部分ですね、このセーフティーネット部分の政策群というのも、ぜひ我々自身大事にしたいですし、国にもその点を大事にしてほしいと訴えたいと思っています。

 そういう中において、あったかふれあいセンターだとか集落活動センターとか、こういうところに対しての活動を後押しする交付金ができたことは非常に有意義なことだと、一定理解をいただいてきているんじゃないかと思っていますが、またさらなる取り組みが必要だと、そう思っています。



◆樋口委員 話題ちょっとかわります。

 起業するにはリスクが伴うのは当然のわけでございますが、高知県に非常に先進的でやる意欲のある会社を呼びたいとすれば、非常に財政的にも苦しいんですが、リスクを県が一切見ると。だから、もう思い切って先端的な企業を起こす人はいませんかということを、日本中じゃなくて世界中で募集すれば、中には1社とんでもない会社が応募してくるかもわかりませんね。少々の企業誘致やなくて、全てじゃなくて1社だけでも2社だけでもいいから、思い切ってそのような誘致をしてほしいという質問内容です。

 知事には後でお聞きするんですが、まずそのようなリスクを県、行政自体が負う場合、どのようなリスク回避方法があるかということを商工労働部長にまずお聞きしてから入りたいと思います。



◎原田商工労働部長 起業、創業に関して活用できます主な今の助成制度といたしましては、産業振興計画に基づいた事業で市場調査、施設整備など初期投資も対象としました産業振興推進総合支援事業費補助金、それから現在やっておりますけれども県内に進出するシェアオフィス事業者を支援する補助金、また金額的に大きいものといたしましては、雇用条件等がございますが、最大50億円まで助成が可能な企業立地促進事業費補助金がございます。加えて、本県で新たな事業展開を後押しするこうちビジネスチャレンジ基金事業では最大1,000万円の支援もございます。

 ほかに融資面では、国の信用保証制度を活用した融資制度で最大1,000万円までの借り入れが可能となる制度もございますし、またこうした資金的な支援策に加えて土佐MBAでの起業家養成などソフト支援についても実施しておるところでございます。



◆樋口委員 そのような支援はあることはあるんですが、そのようなレベルを一気に乗り越えて、会社を世界から呼べると、やる気のある若者を呼べるというような支援策というのをやれば、多分日本で初めて、世界で初めてじゃないかと思うわけなんですが、そこまで大胆にやってほしいというのが僕の考え方なんです。

 もちろん、御存じのように、あの例のIT革命も小さなガレージからできたという話で、やる気のある者を、優秀な者を支援すれば、それに乗って若者が頑張るというようなことも十分あり得ると思うわけなんです。

 その意味で、先ほどのささいな、よく今まであるような話じゃなくて、知事のほうにちょっと大胆な提案ですが、思い切ってそのような世界中からすばらしい企業を集めてみようと思いませんか。



◎尾崎知事 起業のリスクを100%公的に負っていくということについて、それはやはり私は若干問題があるんじゃないかなと思います。リスクゼロだと、果たしてその起業プランというのが本当に洗練されたものになるだろうかと、そういう問題もあるのではないかと思いますし、またやっぱり県民の税金で果たしてどこまで支えるのかという点も問題になるのかもしれません。

 だから、一定抑制的にすることが、起業される方にとってもよろしいでしょうし、県全体のバランスとしてもよいのだろうと、そのように考えています。

 そういう中、先ほどおっしゃられましたが、本県がやっております、例えば企業立地補助金の補助率、最大45%というのは全国トップクラスです。また、ビジネスチャレンジ基金の1,000万円というのも、ほかの県、例えば広島県、石川県でも500万円、東京都でも300万円、奈良県40万円という中において、この最大1,000万円のチャレンジ基金の投与というのは随分思い切った施策ではないかなと思っていますが、ただ、いずれにしても、起業が生まれてくるような環境を大いにつくり出していきたいという思いにおいては私も一緒でございます。

 先ほどIT革命のお話をされた、シリコンバレーのことをも念頭に置いておられるかと思います。あのシリコンバレーの成功の要因というのは何かというと、スタンフォード大学を中心として、産学官民連携のネットワークをつくり出していったこと、その中に非常に優秀なる先生方が何人かいて、その先生方が主導してつくり上げたプロジェクトというのが一つの種となって、それを見習っていろんなガレージからいろんな新しいものが生まれてきたということなのだろうと、その集積が生まれてきたのだろうと思っています。

 私もいつも高知のスタンフォードを目指すと言っておりました。これが産学官民連携センターということでございまして、100%起業リスクを負うというやり方ではなくて、いろんな内外からの才能を集めてきて一つの知に集積していただいて、その中でアイデアが絡み合っていく中で新しい起業が生まれていくと、そういう仕掛けを今考えているところであります。しかも、アイデアが出てアイデア倒れにならないようにするために、その後ちゃんとフィージビリティースタディーをやって事業化していくことを応援するような仕組みというのも設けさせていただいておるところでございます。

 私はリスクを100%公的負担でもって補うというやり方ではなくて、内外からアイデアをたくさん集めてきて集積させるというやり方でもってこの起業を促していくというやり方をとっていきたいと、そのように思っています。



◆樋口委員 わかりました。実は、私も100%という意味じゃなく、大胆にというように表現したいと思います。知事も、なお一層大胆な支援策、先ほど言いましたシステムもロジスティクスも全部できていますので、それはその方向でなお一段と思い切って支援をしていただきたいと思っています。

 話は小さくなりますが、私たちの住む県東部では、いわゆる会社勤めの給与所得者が非常に少ないという意味で、企業誘致を東部全体にもっとしなければならないんじゃないかと思っているわけなんですが、そこらあたり、商工労働部長の目から見ましたらどのような考えをお持ちで、またどのようにすればこの県東部に企業誘致がなお一層進行するかをちょっとお答えしてほしいと思います。



◎原田商工労働部長 以前にも委員のほうから御質問いただいているところでございますけれども、企業誘致に当たりましては、地域の雇用情勢や進出される企業の方々の意向、また地元の自治体の支援体制といったものを踏まえながら、地元市町村と一緒になってその推進に取り組んでおるところではございます。

 お話のありました東部地域には、ユズ、それから海洋深層水といった地域資源もございますし、高規格道路の整備も進められておりますので、こうした地域の魅力や強みを生かして、地元市町村と連携しまして、今後とも企業誘致に取り組んでまいりたいというふうに思っております。



◆樋口委員 話、またかわります。

 今、本県の観光は高知家を売り出しているわけですが、高知家といいましても観念的な高知家のわけでありますね。そのような意味で、現実に都会の人と高知の人が本当の家、ファミリーになれるように、一種の疑似家族とでもいいますか、例えば東京の樋口家と高知の尾崎家が表面的に家族関係を持って、そこが人のつながりになっていくと、深まっていくというような手法もおもしろいんじゃないかと思うんです。

 そこらあたり、観念的な高知家からもう一歩乗り越えて、そして本当の意味の家族関係を、法的な裏づけはないけれどつくっていこうというようなアイデアを知事はどう思われますか。



◎尾崎知事 今、高知家プロモーションに絡んでいろんな民間の皆さんから、例えば知事コンとかという企画もやったりしたんですけれど、そういうのを通じてアイデアを募集して、いろいろ楽しいアイデアが出てきています。やっぱり家族をベースにしているもんですから、間口が広くていろんな取り組みを包摂できるなということを実感いたしておるところであります。

 高知家を泊まり歩く企画とか、高知家学講座でおきゃく文化を体験に来る企画とか、高知のために気持ちや技術をおすそわけ企画だとか、いろんなアイデアが出てきているようでありますけれども、今言われたのもおもしろいなと思いましたんで、今後の参考にさせていただきたいと思います。



◆樋口委員 観光に関連すると思うんですが、メディアも地方創生とかそう言うて、テレビも限界集落株式会社なんてやって、言ってみれば本も、移住の時代もありまして一種の田舎ブームが来たというように思うわけですね。

 そういう中で、私たちよく田舎へ行くと、山奥へ行きますと廃屋集落というのがあるんですね。しかし、その廃屋集落の中へ行ってみると、なかなかすばらしい建物もあって、例えば家だけじゃなくて、玉石を重ねた物すごく歴史のある連絡道なんかもありまして、その地域一帯が非常に、新しい観点で見たらテーマパークになるんじゃないかと思うほどのすばらしい捨てられた集落があります。これは言ってみれば生活文化の遺産であるんですが、そのような集落を生かすことによって、逆に観光地になるんじゃないかと思うわけなんですね。私、以前ちょっと外国へ行ったときに、倉庫小屋、米倉といいますか小麦倉というのを−−集落がありまして、そのような古い昔の、誰も住んでいない捨てられたような集落でも結構バスでツアーに行くとかあったんです。

 私のいる安芸市に正藤という移転集落があるんですが、それはもう40年くらい前に集団移転を町にしてきました。そこへ行くには車で行って峠をハイキングして、峠の上から下の集落を見たら、これはなかなか立派な集落だと思うて中へおりていくと、ぞっとするようなといいますか、ある面昔を思い出すような集落なわけです。

 そのような高知県に多くあるような集落、廃屋集落といいますか、選びまして売り出すのも一つじゃないかと思うんですが、そこらあたり観光振興部長はどう思われますか。



◎伊藤観光振興部長 お話のありましたような場所を観光に生かすとすれば、何よりも所有者や地元の方々の思いが重要だと思います。加えまして、その安全性の確保や経済的な効果が得られる仕組みをどういうふうにつくっていくかといったさまざまな課題が想定されますので、そうした点も含めまして、これから少し勉強させていただきたいというふうに考えております。



◆樋口委員 僕は、これ結構うまいこといったらいくんじゃないかと、認知されればいくと思いますよ。だから頑張ってほしいと思います。

 それからまた話題かわります。野菜の機能性です。

 執行部の皆さんも知事も御存じのように、私は20年前から野菜の機能性を何回も言っているわけです。とうとう国のほうが食品の機能性表示制度を始めます。そういうことに備えてやるように、もう何年間も言ってきたんですが、現実に高知県は本気でこの野菜の機能性表示ということに重きを置いているんでしょうか。これは野菜だけじゃなく、魚もそうですよ。魚も高知県のブリはDHAが非常に多く含まれているというようなことがあれば、これは当然売り文句にこれからなるし、これくらい太陽光の当たるところは多分野菜の栄養価も高いと思うんですから。高知の◯◯は他県と比べてこれくらい栄養価が高いというようなことをやってほしいと20年間言い続けてきたけれど、国が制度をつくってやっと腰を上げろうかというようなイメージを私は持っているんです。

 幾ら何でも、国が制度をつくる前に、高知がせめて10年前に走っていたら、合法的にですよ、非常に高知がリーダーシップを持ったんじゃないかと思っております。

 御存じのように、サプリメントの市場が6,500億円から8,000億円と言われていますね。ところが、サプリメントは過剰摂取で問題もいろいろ起きてきているようなんですが、そのサプリメントでそれくらいの市場があれば、食べるサプリメントになりますので、これから機能性の販売競争はいよいよ始まると。戦国時代になっていくと思っているんですが、そこらあたり、知事にもこの前議会で質問したんですが、知事はどのように思われていますか。



◎尾崎知事 この野菜の機能性成分に関することについて、本当に樋口委員が熱心にお取り組みをしてこられておることについて、私も勉強させていただきました。平成7年に第1回目の質問をされて、12年に2回目の質問をしておられるわけであります。

 この間、平成10年ぐらいから平成17年ぐらいまで、この機能性表示をどちらかというと本県も売りにして、野菜の売り込みなどに材料として使ってくる取り組みをしておりました。

 しかし、残念ながら薬事法とか健康増進法とか景品表示法とかという観点から見たときに、果たしてこういう表示はどうなんだろうという議論が全国的に関心が高まってきて、なかなかその機能性表示一本でいくのもどうかなという議論になってきた。そういう中で、平成18年ぐらい以降につきましては、むしろ安全・安心でありますとかそういう点を売りにして売り込みを図ってきたという、こういう大きい歴史があります。

 そういう意味においては、この機能性表示の問題について全国的にもいろんな人が悩み苦しんできて、使いたいのだけれどもどうかなという形でちょっと残念ながらというところがたくさんあったというのは、これは全国的な傾向でありまして、私は決して高知県がサボっておったということではないと、そのように思っています。

 しかしながら、いよいよ多くの皆さんのこういう思いがかなって、今度は平成27年より食品の機能性表示について本格的にしっかりとしたプロセスというのが定められることとなりました。このチャンスを大いに生かしていかなければならないと、そういうふうに考えておりまして、平成26年度から準備をするということで農業技術センターでナス、ショウガなど15品目について機能性成分の分析を開始いたしているところであります。

 この結果を生かして、機能性表示売り込みに大いに生かしていきたいと考えています。園芸連とも連携しての売り込みというのは図ってまいりたいと、そのように考えておる次第でございます。



◆樋口委員 一生懸命、新しく研究予算もつけられたと思うんですが、450万円という年間予算をどのように評価するかということになるんですが、それは僕はそれ以上言いません。そして、県の方がサボっていたとは実は思っていないんですが、もっと一生懸命やる、やってこういう時代が来るのに対して先にリーダーシップが持てなかったかなというような残念な気持ちは非常にあります。

 それから、例えばトマトですね、トマトも今までは例えば糖度で勝負していましたね。四万十町にでっかいトマトのハウスが、オランダ型、できるんですが、これから糖度じゃなくて、機能性がトマトに対しても、トマトだけじゃないです。ナス、ピーマン、キュウリ、全部、特に機能性が表面に出てきて、どれくらいの栄養価を持っているかということが勝負になると思うんです。

 そういう意味で、ぜひとも心を引き締めてこの機能性勝負には高知県が勝つぞというような気持ちでやってほしいと思います。

 それから、ちょっと話題がまたかわります。

 高齢者の車の運転ですね。実際、高知県で住む限り、特に山間部で住む限り、高齢者は軽四でも車がないとなかなか活動ができないしスーパーにも買いに行けない。その反面、いろいろ県も努力しているんですが、だからといって公共交通が充実されているわけでもないということで、そうなればお年寄りの車の運転がより一層安全になるような方法はないかということで、この前も質問したわけなんですが、安全運転支援システム、簡単に言えば自動ブレーキとかセンターライン認識装置とかいろいろあるわけですね。

 その中でも一番装備費の安いのは、いわゆる自動ブレーキなわけです。高知県で65歳以上のお年寄りの年間の追突事故が380件くらいあると思うんですが、やはりこのようなところに減税したらどうかとこの前言ったら、副知事にぱんと断られましたけんど。減税というより補助金をつけて、お年寄りがより安全に車に乗れるというようなことを、全国上位の高齢化率の高知県だから、高知県でせめてそれをやってほしいと思うんです。

 そこらあたりまたお金の要ることですが、知事はこの高齢者の安全運転アシストに対して、どのような考えをお持ちでしょうか。



◎尾崎知事 高知県の場合、高齢者のアシストということでいけば、アシストしなければならないのはやはり交通手段の確保というところ、そこまで踏み込んでいかなければならない状況になるだろうと思っています。

 中山間地域で75歳以上の方、平成23年度の高知県集落調査によりますと、6割以上の方が自分で運転をしておられないわけであります。そういう意味において、運転しておられる方も、しておられない方も、ある意味不安だなと思われる方も、安心して例えば免許の返納ができるような、この中山間地域におけるしっかりとした公共交通システムというのをつくり上げていくということ。ここがやはり本務なのかなと、そのように考えておるところです。

 そうであれば、そういう支援システムとかつける前に、もう自分でやめようという方も安心してやめられることとなるわけであります。これはこれで非常にそれこそお金もかかりますし、むしろそっちのほうが大変な課題かもしれませんが、やるべきこととしてぜひ中山間における公共交通システムをしっかりつくり上げていくということに私は注力したいと、そのように思っています。



◆樋口委員 確かにそれはそのとおりと思うんですけれど、現実に山に住んでいれば、公共交通は、実際日に1便というところもあります。すぐ病院へ行かないかんとか買い物に行きたいとか、現実に自分の腕で運転できる限りはできるだけ安全運転するのをアシストして支援してあげないと、やはり公共交通だけでは不便さはありますね。

 最低限の人間としての生活を支えるためには公共交通の1日1便及び2便というのは重要な足になりますし、それはそれで行政がやるべき仕事だと思うているわけなんですけれど、プラスもう少し自由に山の人が動ける方法は考えていかなければならないと思うんですが、中山間対策・運輸担当理事はそこらあたりはこの山の人が支援できるように思われますか。関連で質問しますよ。



◎金谷中山間対策・運輸担当理事 事業ベースで公共交通サービスが十分に提供されていない地域におきまして、交通手段、移動手段をどう確保するかということでございますけれども、ここは中山間対策といたしましては、地域住民がひとしく利用できる仕組みとして構築していくということが基本として、今進めております。

 そういったことで、例えば交通事業ベースで今公共交通が十分でないところにつきましては、市町村営バスとか過疎地の有償運送、デマンドのタクシー、そういったいろんな形での行政が中心となった移動手段というものを確保、そういった形で中山間対策としても取り組んでおるところでございますので、やはり中山間対策としてはそういった形で進めていくのが基本ではないかというふうに思っております。



◆樋口委員 そう言うんだったら、十分な足の確保を市町村と話し合って、国とも話し合ってやってほしいと思います。しかし、私は、より利便性というところが、これもまた行政のサービスの一つじゃないかと思っております。

 話題をかえます。

 看護師不足なんですが、これはもう知事も嫌というほど知っているし、各地からいろんな声が上がっていると思うわけなんですね。看護師不足が原因で東部では診療所を閉めたと言われるところもあるわけですが、私は去年だったかな、教育長に対して、前教育長ですが、安芸高校に看護学科をつくったらどうかと、地域の要望があると言ったわけなんですけれど、その中で非常に人の確保が難しいというようなこともあったわけですね。

 しかし、県立の看護学校と民間の看護学校といったら卒業までのお金が倍から3倍違うわけです。そこらあたり、先ほどもテーマにあったんですが、高知県内でやはり東、中央、西というような非常に長い地域の地理的な特性もありまして、東のほうにも看護学校をつくってほしいという声があります。

 そんな中で、せっぱ詰まった民間が東部のほうで私立の民間立の看護学校をつくろうということで動いていまして、ちょっと早い話かわかりませんが、来年度に何とか具体化しようというような、そこまでせっぱ詰まっているんです。再来年度、その後にと言っていたら全く何ともならないというような状態ですから、来年度に私立で、県がしないんだったら自分たちでやろうというような、そこまでせっぱ詰まった中で県としたらどのような支援といいますか、その切迫さを感じているのか、知事にお聞きしたいと思います。



◎尾崎知事 看護師確保に向けて、安芸郡医師会の皆さん初め看護師養成所の設置の動きがあるということを承知いたしております。これについて、県としても教員や実習施設の確保に関する助言や情報提供を行いますとともに、施設・設備整備や設置後の運営について補助制度などにより支援を行わせていただきたいと考えておりまして、そういう形で取り組まさせていただければと考えております。



◆樋口委員 というのは、県としたらできる限りの協力をしていこうという話でありますが、それは地域医療介護総合確保基金の上積みもすると言われるがでしょうかね、健康政策部長。



◎山本健康政策部長 基金を財源として、今知事が言ったような支援策もやっていくということであります。上積み云々の話はこれからの議論になろうかと思います。



◆樋口委員 民間がそこまでやると言うがですからね、やはり上積みも含めて、関連の市町村も当然ながら上積みすると、お金を出すというような意思も固まりつつあるんです。知事におかれましては、ぜひともこの上積み分をできる限り努力してほしいと思いますが、どうでしょうか。



◎尾崎知事 大いに皆さんと議論させていただいて検討させていただきたいと思いますが、基本的に温かい気持ちで臨みたいと、そのように思っています。温かいというか、熱い気持ちで臨みたいと、そのように思っています。



◆樋口委員 温かい気持ちというのはすごく優しくて、熱い気持ちというのは何とかやるぞという決意が見られるわけですが、言葉をちょっと訂正したといえども、その2つの言葉が出たということは多分知事の性格から見ると相当やる気でおると解釈しておりますが、そのとおりですね。どうですか。

   (知事「はい」と言う)

 それから民間でやるのを支援すると知事が言われたんですが、県教委のほうも、例えばこの前にも話題が出たんですが、安芸高と桜ケ丘高の合併問題が将来出てきます。そのようなときには、やはりこのような新しい地域の魅力ある学部というのも必要なと思うわけなんですね。私立ができたら多分キャパシティーとしたら無理と思うんですが、もう少し県教委のほうもいろんな事情があるものの、看護師不足は地域の窮状、経済の窮状ですね、経済の窮状に対して単なる勉学じゃなくて経済を支援するという立場も持ってほしいと思っております。

 それでは、話題をかえます。

 去年の2月県議会で、入居待ちが増加する老人施設に対して、私は、国に対してコストの安いいわゆる簡易型といいますか、軽費の老人ホームをもっとつくってほしいというような提案をしたらどうですかと言いましたら、知事が新しい民間支援の予算を組んでくれましたけんど、その要配慮高齢者住まいというのは1戸当たり五、六部屋というようなことになっています。いろんな予算の都合もありまして、そのようなのが一つのコンパクトな集成じゃないかと思うわけなんですが、この中で現実に要介護3に近い要介護2の人が入った場合、これはどのように支援するシステムになっているのか、地域福祉部長にお聞きします。



◎井奥地域福祉部長 新たに取り組む配慮を必要とする高齢者の住まいの整備につきましては、要支援などの状態にある低所得でひとり暮らしなどといった高齢者が低廉な家賃で入居し、外部からの日常生活を支援するサービスなどを利用しながら、安心して地域生活を送ることのできる集合住宅的な住まいの整備をモデル的に実施することになっております。

 委員お話しの要介護認定を受けられている方の入居を想定する際には、見守りや配食などといった日常生活を支援するサービスの確保はもちろんですが、訪問介護や通所介護などといった在宅介護サービスの確保といったことなどについても考慮の上、建物の立地場所とか構造などについて創意工夫を生かした住まいの整備となることが必要になるんじゃないかと、そのように考えております。



◆樋口委員 先ほどの答弁では、そういうのにも対応できるという内容と僕は受け取ったわけですが、現実に、5部屋、6部屋、5人、6人が入居するところでそのような対応ができる人的配備はできるわけでしょうか。



◎井奥地域福祉部長 先ほどお答えしましたけれども、既存の在宅サービスの提供事業者、指定事業者のサービス提供範囲内のところに新たな高齢者の住まい、こちらのほうの立地場所とかにするということが1つ。あと構造的にサービス提供事業者のほうが提供しやすいような構造にしておくというふうな配慮をしていただくということが前提になろうかと、そういうふうに思いますが。



◆樋口委員 皆さん御存じのように、当然ながら対策はいろいろして、来年度からの計画でもベッド数はふやすということになっているんですが、介護の入居待ちが非常に多い中で、これが深刻な問題になっていますね。高知県の場合は、在宅といったところで、家庭介護といったところで、やはり共働きもありまして非常に難しい問題があると思うわけですね。そういう意味で、一気にこれから施設の利用者がふえてくるという中ではどうしてもコストダウンと合理化ということを考えないと、この今の状態じゃ乗り切れないと思うわけですね。

 そこらあたり、非常に人間をコストダウン、合理化の対象にするというたらおかしいという意見もあるんですが、現実、この大きな波を乗り越えるためにはその方向でやっていかなければならないと思うわけなんです。そのことに対してどのような方策を考えられていますか。今の人員体制じゃ、とても無理と思いますよ。



◎井奥地域福祉部長 今後の高齢化の進行などに伴いまして、独居や夫婦のみ世帯というのが増加する中で、介護を必要とされる方、中でも委員の話にあります認知症の方などの大幅な増加が見込まれておりまして、中山間地域が多いといった本県の実情とか政府が進めます在宅重視という方向性などを考慮いたしますと、在宅サービスの安定確保といった面から難しい状況が生じることも懸念されるところです。

 このため、今回のモデル事業による事業効果の検証とか、現在検討が進められております介護療養型医療施設の今後の方向性の議論などを踏まえまして、本県の高齢者のニーズに応じた施設サービスのあり方とか住まいのあり方などについて、第7期の介護保険事業支援計画の策定作業も、また第6期の計画が終わりましたら始まりますんで、そういう中で検討を進めていく必要があるものと考えております。



◆樋口委員 今度は、お年寄りから一気に子供の話に変わるわけですが、いわゆる子育て支援というのは、いろんな支援制度を見ますと国の税制度も県の制度も、市町村では非常なばらつきがあるんですが、私は相当充実していると実は思います。

 相当充実しているけれども、やはり今の生活が苦しい方も随分いらっしゃいまして、なお一層の生活支援をというようなことが、端的に言えばそのような内容だと思うわけなんです。乳児、幼児へのいろんな支援も必要と思うんですが、それはそれで先ほど知事の答弁の中にあったように、国のほうも保育の無料化の方向に非常に意欲を見せて、多分それは実現する可能性が高いと思うわけなんですけれど、こんなことを言ったらぜいたくかもわかりませんが、小さな乳幼児の支援をすると同時に、実際親御さんが子供を育てるに当たったら、高校時代が非常に出費が多いわけですね。そこらあたり、例えば高校の授業料無料化ということもありまして、相当肩が軽くなったわけなんですが、もう少し、もっとこの高校生に対して支援できる方法というのは考えられていないわけでしょうか、地域福祉部長。



◎井奥地域福祉部長 高校生を養育する御家庭に対する支援策といたしましては、一定の所得要件のもとに授業料を支援する就学支援金、あるいは教科書などの授業料以外の教育費を支援する奨学給付金、こちらの制度を実施しているところでございます。

 また、生活保護世帯の子供につきましては、高校卒業の資格を得ることが将来の選択肢の幅を広げることにもつながりますので、通常の生活保護費の支給に加えて、入学準備金から授業料、教材費など幅広く公費負担をしているところでございます。

 そのほか、ひとり親家庭につきましては、低所得世帯に対する高校の修学資金の無利子貸し付けとかを実施いたしますとともに、児童扶養手当の支給とか医療費の助成などが行われるところです。

 高校生を養育する経済的に厳しい家庭に対する支援措置につきましては、平成27年度にひとり親家庭の実態調査を行うことと予定しておりますので、その実態調査の結果なども踏まえまして、また今後の国の子供の貧困対策に関する施策の動向を、児童扶養手当の増額とか返済の必要のない奨学金の創設とか、こちらのほう全て先送りになっておりますけれど、こうした国の動向にも留意をしながら国への政策提言活動などを検討してまいりたいと、そのように考えております。



◆樋口委員 国への政策提言と言われますけれど、それはそれでよろしくお願いしたいわけなんですが、その所得の貧富の格差が広がっているとよく言われるわけなんです。私たちもよく最近県民と接する機会があるんですが、本当にこの20年くらいの間に貧富の差が激しくなったと思います。そして、その貧富の差に対してなかなか所得が伸びない部分もありますが、実は高知県の場合は先ほど言われたような国の交付金とかいろんな助成とかが、それから年金の金額によって高知県の経済が非常に変動されるという部分があります。国のそのようなお金が高知県の経済を大分支えていると私は見ているわけなんですけれど、国のお金を大きく引っ張ってくることによって高知県のとりあえずの現金経済が支えられるという現状がありますもんで、ぜひともそこらあたりを頑張ってほしいと思っております。

 それから、乳幼児のショートステイですね。よくお母さん方からも言われるんですが、高知にはそのような緊急時に対応できるショートステイ施設があるんですが、県東部と西部にはなかなかないというような話があります。

 各地につくれつくれというのも無理と思うんですが、やはりこのような子育てに重要なと思われるものは県東部、西部、中部というような地形的なかかわりもあり、基本的な姿勢をつくってほしいと思うんですが、部長、どう思われますか。



◎井奥地域福祉部長 保護者の疾病などの理由から養育等が一時的に困難になった方についてのショートステイサービスにつきましては、現在県内21市町村において事業が導入されており、来年度新たに3市町が事業の実施を予定しているところでございます。

 現在策定しております子ども・子育て支援事業支援計画におきましても、ショートステイ事業、こちらのほうの利用促進を図ることとしておりまして、安全・安心な子育て支援体制の整備に向けまして、現在行っていない市町村での実施を働きかけてまいりたいというふうに考えております。

 その際には、委員おっしゃいますようにバランスのとれたサービスの提供体制ということを念頭に置いてやっていきたいと思います。

 またあわせまして、国の実施要綱におきましてあらかじめ登録した保育士等の居宅で受け入れる方法なども可能というふうにされておりますことから、今後はこうした方法なども含めまして市町村との協議を進めてまいりたいと、そのように考えております。



◆樋口委員 よろしくお願いします。

 私は自分のエリアを回るうちに、子育て世代からそのような声を大変聞いたもんで、一種の世論を、県民の声をここでお届けさせていただきました。

 さて、防災ですが、南海トラフ地震の中で、私は以前に米軍のオスプレイの能力から防災に使ってほしいというような質問をしましたら、知事も前向きでありました。それは非常にいいことと思うんですが、このオスプレイが現実に、万一のときを考えたら、高知県の総合防災拠点におりるくらいのテスト飛行を一度してみるべきじゃないかと思っているんですが、危機管理部長、どう思われますか。



◎野々村危機管理部長 南海トラフ地震が発生いたしますと、県内では負傷者が3万6,000人、死者4万2,000人といったやっぱり甚大な被害が想定されています。道路の寸断などで県土自体の孤立ということも考えられますし、県内でも多くの孤立が発生しますし、特に東部、西部地域については長期化ということも予想されます。

 このような状況で一人でも多くの命を救うためには、ヘリなどの航空機による活動というのが必須でありますし、一機でも多くの航空機の応援が必要だと考えてございます。

 お話のあったオスプレイにつきましては、ヘリと比べまして速度、航続距離の面においてすぐれた性能を有しておりますので、県外からの人員や支援物資の県内の防災拠点への輸送、また県内からの負傷者の搬送などに有効と考えております。

 発災時に活動するヘリについてはオスプレイも同様でございますが、安全の確保を行った上で、それぞれの能力に沿った活動内容に応じて実際に使用が想定される場所で訓練をしておくことが重要ではないかと考えております。



◆樋口委員 確認ですが、それが県下の8カ所の総合防災拠点で、できたら一度はオスプレイは訓練したほうがいいという発言だったと理解していいですね。



◎野々村危機管理部長 やっぱり防災訓練でございますので、まず安全性の確保というのは、これは最優先でございます。安全性の確保をした上で、そういう防災拠点での訓練というのが有効ではないかというふうに考えてございます。



◆樋口委員 いろんな賛否両論もある中で、やはりこのような巨大地震の場合はどうしても外国の組織立った軍隊の支援は必要ですから、そこらあたりは大胆に声を上げて、県のほうからも積極的にあらゆる力をかりるというようなことをしてほしいと思います。

 以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。



○西森[潮]委員長 以上をもって、樋口委員の質問は終わりました。

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○西森[潮]委員長 以上をもちまして、本委員会の質疑並びに一般質問を終了いたします。

 委員並びに執行部、報道関係各位におかれましては、長時間にわたりまことに御苦労さまでございました。

 これをもちまして、平成27年2月定例会の予算委員会を閉会いたします。

   午後5時20分閉会



△(イメージ)委員席(案)

              予算委員名簿

             委員長  西森潮三

             副委員長 溝渕健夫

             委員   金子繁昌

              同   加藤 漠

              同   西内 健

              同   弘田兼一

              同   依光晃一郎

              同   佐竹紀夫

              同   三石文隆

              同   森田英二

              同   武石利彦

              同   樋口秀洋

              同   横山浩一

              同   上田周五

              同   西森雅和

              同   黒岩正好

              同   田村輝雄

              同   中根佐知

              同   米田 稔

              同   塚地佐智