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平成26年 12月 定例会(第329回) 12月17日−04号




平成26年 12月 定例会(第329回) − 12月17日−04号







平成26年 12月 定例会(第329回)



          平成26年12月17日(水曜日) 開議第4日

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出席議員

       1番  金子繁昌君

       2番  加藤 漠君

       3番  川井喜久博君

       4番  坂本孝幸君

       5番  西内 健君

       6番  西内隆純君

       7番  弘田兼一君

       8番  明神健夫君

       9番  依光晃一郎君

       10番  梶原大介君

       11番  桑名龍吾君

       12番  佐竹紀夫君

       13番  中西 哲君

       14番  三石文隆君

       15番  森田英二君

       16番  武石利彦君

       17番  浜田英宏君

       18番  樋口秀洋君

       19番  溝渕健夫君

       20番  土森正典君

       21番  西森潮三君

       24番  ふぁーまー土居君

       25番  横山浩一君

       26番  上田周五君

       27番  中内桂郎君

       28番  西森雅和君

       29番  黒岩正好君

       30番  池脇純一君

       31番  高橋 徹君

       33番  坂本茂雄君

       34番  田村輝雄君

       35番  岡本和也君

       36番  中根佐知君

       37番  吉良富彦君

       38番  米田 稔君

       39番  塚地佐智君

欠席議員

       なし

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説明のため出席した者

  知事       尾崎正直君

  副知事      岩城孝章君

  総務部長     小谷 敦君

  危機管理部長   野々村 毅君

  健康政策部長   山本 治君

  地域福祉部長   井奥和男君

  文化生活部長   岡崎順子君

  産業振興

           中澤一眞君

  推進部長

  理事(中山間対

           金谷正文君

  策・運輸担当)

  商工労働部長   原田 悟君

  観光振興部長   伊藤博明君

  農業振興部長   味元 毅君

  林業振興・

           大野靖紀君

  環境部長

  水産振興部長   松尾晋次君

  土木部長     奥谷 正君

  会計管理者    大原充雄君

  公営企業局長   岡林美津夫君

  教育委員長    小島一久君

  教育長      田村壮児君

  人事委員長    秋元厚志君

  人事委員会

           福島寛隆君

  事務局長

  公安委員長    島田京子君

  警察本部長    國枝治男君

  代表監査委員   朝日満夫君

  監査委員

           吉村和久君

  事務局長

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事務局職員出席者

  事務局長     浜口真人君

  事務局次長    中島喜久夫君

  議事課長     楠瀬 誠君

  政策調査課長   西森達也君

  議事課長補佐   小松一夫君

  主任       沖 淑子君

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議事日程(第4号)

   平成26年12月17日午前10時開議

第1

 第1号 平成26年度高知県一般会計補正予算

 第2号 平成26年度高知県給与等集中管理特別会計補正予算

 第3号 平成26年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算

 第4号 平成26年度高知県電気事業会計補正予算

 第5号 平成26年度高知県工業用水道事業会計補正予算

 第6号 平成26年度高知県病院事業会計補正予算

 第7号 高知県地域医療介護総合確保基金条例議案

 第8号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案

 第9号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例等の一部を改正する条例議案

 第10号 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案

 第11号 高知県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例議案

 第12号 高知県立療育福祉センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第13号 高知県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第14号 高知県公営企業の設置等に関する条例及び高知県電気事業有料駐車場及び工業用水道有料駐車場料金徴収条例の一部を改正する条例議案

 第15号 高知県職員定数条例の一部を改正する条例議案

 第16号 高知県営病院事業料金徴収条例の一部を改正する条例議案

 第17号 平成27年度当せん金付証票の発売総額に関する議案

 第18号 高知県立交通安全こどもセンターの指定管理者の指定に関する議案

 第19号 高知県立人権啓発センターの指定管理者の指定に関する議案

 第20号 高知県立森林研修センター情報交流館の指定管理者の指定に関する議案

 第21号 高知県立甫喜ヶ峰森林公園の指定管理者の指定に関する議案

 第22号 高知県立森林研修センター研修館の指定管理者の指定に関する議案

 第23号 高知県立月見山こどもの森の指定管理者の指定に関する議案

 第24号 高知県立室戸体育館の指定管理者の指定に関する議案

 第25号 高知県立池公園の指定管理者の指定に関する議案

 第26号 高知県立室戸広域公園の指定管理者の指定に関する議案

 第27号 高知県立土佐西南大規模公園(大方地区・佐賀地区)の指定管理者の指定に関する議案

 第28号 高知県立土佐西南大規模公園(中村地区)の指定管理者の指定に関する議案

 第29号 高知県立甲浦港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案

 第30号 高知県立手結港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案

 第31号 高知県立香北青少年の家の指定管理者の指定に関する議案

 第32号 高知県立高知青少年の家及び高知県立青少年体育館の指定管理者の指定に関する議案

 第33号 高知県立県民体育館、高知県立武道館及び高知県立弓道場の指定管理者の指定に関する議案

 第34号 県有財産(機械設備)の取得に関する議案

 第35号 県有財産(機械設備)の取得に関する議案

 第36号 安芸高校南校舎改築主体工事請負契約の締結に関する議案

第2 一般質問

   (1人)

追加

 第37号 高知県教育委員会の委員の任命についての同意議案

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   午前10時開議



○議長(浜田英宏君) これより本日の会議を開きます。

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△質疑並びに一般質問



○議長(浜田英宏君) 直ちに日程に入ります。

 日程第1、第1号「平成26年度高知県一般会計補正予算」から第36号「安芸高校南校舎改築主体工事請負契約の締結に関する議案」まで、以上36件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。

 19番溝渕健夫君。

   (19番溝渕健夫君登壇)



◆19番(溝渕健夫君) おはようございます。12月県議会の本会議の質問も最後になりました。私は、議員として務めさせていただいて、もう28年になろうとしています。そして、とうとうこれが最後の本会議での質問になると思っています。ですから、さきにあった質問と重複する部分もあろうかと思いますが、知事を初め執行部の皆さんの真摯な御答弁をお願いするものです。

 最初に、知事の政治姿勢についてお伺いします。

 尾崎知事におかれましては、平成19年12月の就任以来、全国に先駆けて人口減少や高齢化が進む本県で、地域経済の規模が縮小していくことの克服も視野に入れ、5つの基本政策を中心として課題解決のために全力を尽くされてきました。そして、その成果も各方面で実感できる状況となり、今後のさらなる進展を期待しているところであります。

 来年は、2期目の知事任期の最終年であり、産業振興計画を初め日本一の健康長寿県構想、教育振興基本計画の重点プランなども一つの節目の年を迎えることとなります。

 そこで現在、来年度の県政運営の海図ともなる予算編成の作業を行っているところと思いますが、節目の年を迎えるに当たり、どのような点に留意して取り組まれているのか、知事にお伺いをします。

 次に、安倍内閣の取り組みのうち、大きな課題である地方創生に関してお伺いをします。

 尾崎知事からは、我が党の梶原議員の質問に対し、今回の総選挙の結果に対する所見や安倍内閣のこの2年間の取り組みの評価、また新たな政権に対する期待などを表明いただきました。また、地方創生の取り組みについてもお答えをいただいたところですが、私からは視点を少し変えてお尋ねをいたします。

 第2次安倍内閣は、今から2年前に、民主党の何事も決まらない、決めることができない政治から脱却して、決める政治、前に進む政治を国民に約束してスタートしました。東日本大震災からの復旧・復興を引き続き命題としながら、デフレからの脱却を目指し、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢を放つ、いわゆるアベノミクスを打ち出しました。また、積極的平和主義を掲げた外交や集団的自衛権、普天間基地の移転などの防衛問題、そして増税した消費税を財源として子育て環境の改善やその他の社会福祉施策の充実、教育の取り組みなど、重要懸案課題に果敢に、そして精力的に取り組んできました。また、今年9月からの改造内閣においては、地方創生を新たな命題として加えたところでした。

 そこで、この地方創生ということに関して、もう少し知事の考えをお伺いしたいと思います。

 地方拠点都市構想に関して、知事は、8月26日の定例記者会見で、高知県で若者の流出を防止するために、せめて高知市があればよいみたいな発想は大間違いだ、中山間地域に若者を残せる地域創生であってほしい、多様な人の多様なニーズに応えられてこそ地域創生だ、全体として多様なニーズに応えられる大きな仕組みを論じてもらいたいと話されています。

 私もそのように思いますが、問題はどうやってそのようにしていくかという具体論です。現実の問題として、仕事がないところは人の定着は困難であることは明らかであります。加えて、今の日本社会においては、仕事に加えて質の高い医療、福祉、教育サービスも必要です。人口のダムとして地方拠点都市のような考え方を持つとしたとき、高知市だけがあればよいという発想は論外としても、ではどれくらいの範囲で人口のダムをつくっていくのがよいのか。例えば基幹集落ごとぐらいで考えるのか、いや、市町村役場のある町ごとぐらいで考えるのか、いやいや、広域都市ぐらいで考えないといけないなど、現実を踏まえた範囲を考えていく必要があるのではないかと思います。

 知事のイメージとしては、どのくらいの範囲での人口のダムが効果的だと考えておられるのか、地方創生における人口のダム論というものをどのように考えているのか、お伺いをします。

 次に、中山間対策について伺います。

 今年度は、中山間対策を本格化し始めてから3年目となります。この間、知事が本部長となって、中山間地域で誰もが一定の収入を得ながら安心して暮らし続けることができる仕組みづくりを目指してきました。

 少子化、高齢化で生活環境が年々厳しくなり、またこれをやれば絶対だという解決策があるわけではない問題ですが、飲み水や生活物資、移動手段の確保などに具体的に取り組み、また、あったかふれあいセンターや集落活動センターなど、地域を支える仕組みも広がっています。こうした対策の効果は徐々に上がってきていると思っていますが、知事は現時点でこれまでの対策をどう評価しているのか、また今後の中山間対策に取り組む意気込みはどうか、お尋ねします。

 その集落活動センターについては、平成24年度に取り組みを開始し、先月開所した、いの町柳野で15カ所目となりました。活動に参画する地域おこし協力隊の隊員の任期を終えた後の定住も、全都道府県の平均定住率5割強を大きく超える7割と高く、地域の人材確保にもつながっていると思います。

 私の地元南国市でも、今年6月に集落活動センター「チーム稲生」が開所し、公民館を拠点として住民の健康づくり、地域のきずなづくりに力を入れるとともに、地元のビワや桃を生かした地域おこしに取り組んでいます。最近では、特定健康診査、いわゆるメタボ健診の受診率の向上に取り組むなど、行政と協働する新たな活動も生まれています。

 私は、この集落活動センターは地域活性化の鍵になるものであり、国においても地域発の取り組みとして高く評価され、地方創生のモデルとして取り上げられているとお聞きしています。

 これまで以上に市町村とも連携し、地域の実情に応じた形で県内各地域に広がってもらいたいと思っていますが、当初の目標にはまだ遠く、県民にも十分に周知されていない課題もあるように思います。

 今後の集落活動センターのさらなる拡大に向け、どう取り組んでいくのか、中山間対策・運輸担当理事にお聞きします。

 次に、自然災害への取り組みについて伺います。

 今年は自然災害の多い年でした。あの広島市での土砂災害での土石流の様子や流された家々を思い出すと心が痛みます。楽しいはずの登山が突然とうとい命を奪い去った御嶽山での痛ましい火山噴火の災害など、改めて自然の恐ろしさを知ることになりました。

 本県でも、台風第8号による竜巻や突風、また12号や11号による豪雨災害など、人的被害は少なくて済んだものの、近年にない大きな被害であり、今議会を含め補正予算での対応も順次行われているところです。

 そこで土木部長にお聞きしますが、今年の災害における県内での土木施設の被害総額はどのようになっているのか、また復旧のスケジュールはどうか、お伺いします。

 一方で、地震や豪雨による災害を防ぐ、あるいは軽減するには、既存インフラの機能を確保することが重要であります。5年に1度の道路施設の点検が義務化されたように、定期的な点検や巡視の実施によって予防的な修繕も行うなど、計画的に維持管理や更新に努めなければなりません。

 そこで、県民に身近なインフラとして、また災害からの避難の重要施設でもある県が管理している道路の橋梁の長寿命化修繕計画の策定状況と、これに基づく修繕をどう進めているのか、土木部長にお伺いをします。

 また農業についても、今年の竜巻や突風、豪雨災害によって園芸ハウスなど農業関連施設に被害が出ています。一部の農家からは、ハウス再建に要する負担や高齢化などから、これを機会に営農を縮小するという声も聞いているところです。

 今後も、こうした異常気象による災害が発生する可能性がある中で安心して農業を続けられるための県としての支援策を講じるべきではないかと思いますが、農業振興部長にお尋ねします。

 また今年は、災害に加え、近年にない米価の安値に農業者の悲痛な叫びが聞こえます。なぜこのような米価になったのか、こうした状況がいつまで続くのかと思いますが、毎年このような米価が続くとすれば、高齢化の進展とともに農村社会はどうなっていくのか大変心配であります。

 本県の農業、農村社会を支えている米の価格低迷をどう認識しているのか、また本県稲作農業の将来像をどう描いているのか、知事にお伺いをします。

 次に、産業振興計画について知事にお伺いしたいと思います。

 本県の中小企業や事業者は、都市部への資源、資本、人材の集中やエネルギー価格など国際的な経済変動にも対応しながら、何とかこれまで頑張ってまいりました。急激な人口減少、少子高齢化が進む中、県内市場の縮小といった問題や大消費地から遠い距離的なハンディキャップなど、個別の対応ではどうしようもない構造的な課題を前にして、とにかく歯を食いしばって頑張ってきたわけでございます。7年前のリーマンショックから国の経済が徐々に立ち直り、本県でも一部では活発な取引環境も生まれているようですが、円安のマイナスの効果などの中で、多くの県内企業にとってはまだまだ厳しい経営環境が続いていくと考えなければなりません。

 一方で、県では尾崎知事を先頭に、官民を挙げた産業振興計画の取り組みを積極的に進めてこられています。その取り組みによって幾つかの経済的指標でよい傾向があらわれております。有効求人倍率は、ここ最近、過去最高を記録し続けています。10月は0.84倍と7月からは少し下がっているようですが、10年ぐらい前の0.4だ、0.5だというときのことを考えると、まだまだ厳しいですが、全国的な流れに一定ついていっていると言えるのではないかと思います。また、製造品出荷額を見ても、6年連続の全国最下位ではありますが、5年ぶりに5,000億円台に回復したこと、前年と比べての伸び率では全国でも4番目に高かったということ、機械分野や食料品分野を初め、多くの分野で頑張っていることなどは評価されるべきだと思います。そういった成果が、県内各地で、また外商の場で見えてきた中ではありますが、本県の産業振興はまだまだこれからであり、今後も官民を挙げて積極的に取り組んでいただく必要があります。

 この状況を踏まえ、改めて今後の産業振興の政策を進めるに当たっての知事が考える基本的な方針と思いをお聞かせいただきたいと思います。

 次に、企業誘致政策についてお伺いをします。

 本県は、基幹的な産業や技術の集積が弱い上に、特に製造業の層の厚みに乏しいといったこともあり、今までも企業誘致による産業の振興と雇用の場の拡大に精力的に取り組んできていますが、最近では、南海トラフ地震に伴う津波浸水の新想定の公表以来、企業誘致が低迷しているとも聞いております。

 工場を立地するに当たって、大変厳しい状況の中、ものづくりの仕事につきたいといったニーズに応え、製造業などの企業誘致を進めるため、現在どのような取り組みをしているのか、また今後の企業誘致施策をどのように進めていくのか、商工労働部長に伺います。

 また、企業誘致を進める上で、その受け皿となる工業団地の整備が急がれるところですが、私自身、県内企業から津波対策として高台への移転を希望する声をお聞きしており、こうした企業の県外流出も心配されます。こうしたニーズにも対応するため、早期に震災に強い工業団地を整備していかなければなりません。

 県においては、本年度から南国市日章地域での団地開発に取り組んでいますが、企業のニーズに応え、産業基盤づくりと津波対策をあわせて進めていくためには、できるだけ早く、またできるだけ多くの団地整備をしていかなければならないと思います。

 そこで、日章地域での団地開発が今後どのように進められていくのか、また他の地域での今後の整備予定について、商工労働部長にお伺いします。

 次に、県内企業の若者の確保についてお尋ねします。

 県内の企業経営者のお話では、少し前までは県内企業の多くは新卒者などの若い人の採用をしたいと思っても採用する環境ではなかったものが、ここ最近、経営環境も好転する中で、県内で若い、いい人材を獲得したいと考えるようになっているとのことです。ただ、ハローワークを通じても適材の人はなかなか見つからない、また高校に求人に行っても結果につながらないといったことがあるようです。

 県内企業の人材確保の意味でも、また人口対策のためにも、県内の若い優秀な人材にはできれば県内企業に就職してもらいたいし、本人や家族もそれを望んでいる方が多いと思います。

 企業の状況も変わってきています。県としても、ぜひ県内企業と県内の若い人たちがうまくマッチングできるよう、就職希望者への働きかけや企業側の努力を支援する取り組みを進めていただくべきだと思います。このことについて、教育長と商工労働部長にそれぞれ見解をお尋ねします。

 次に、農業振興についてお尋ねいたします。

 産業振興計画の農業分野では、まとまりのある産地づくりを戦略の柱に据え、生産性の向上、担い手対策や生産・流通・販売対策などに取り組まれております。産業振興計画前には毎年100人ほどであった新規就農者の数が毎年200人を超し、直近では261人と大幅な増につながるなど成果もあらわれておりますが、農業を取り巻く社会的な状況は国内外で大きな変化が見られますし、今後においても予断を許さない状況にあります。

 そうした中で本県農業の将来を展望したとき、新たな取り組みや課題も見えてまいります。私は、今年7月に、3回目となりますオランダの施設園芸の調査に県の調査団とともに参りました。オランダでは、技術の革新と経営の合理化、そのスピードに目をみはりました。改めて、オランダの園芸農業のパワーに感銘を受けたところであります。特に、ハウス内の温度や二酸化炭素、光などをコントロールする環境制御技術は、ピーマン農家でもあります私の目から見ても大きな増収効果が期待され、この技術が普及されれば高知県の園芸農業の姿を変えていく可能性があると考えるところであります。

 そこで、この環境制御技術を産業振興計画にどのように位置づけて県内の生産者に普及させていこうとしているのか、農業振興部長にお尋ねをいたします。

 次に、園芸の流通・販売の強化についてお尋ねいたします。

 県内各産地の園芸品を一元的に集荷し、全国の卸売市場に出荷する園芸連の販売体制は、全国に類を見ないものであります。平成26園芸年度販売額は600億円を割り込んだ前年度からV字回復しまして610億円にまでなったとお聞きしており、生産者を初め関係者の皆様の努力に敬意を表したいと思います。産業振興計画におきましても、流通・販売の強化に向け、大消費地でのパートナー量販店の設置や知事によるトップセールス、商談会の開催、生産者による試食販売活動などに取り組まれているところであります。

 園芸連の販売努力目標であります650億円や産業振興計画に掲げる平成33年の農業産出額1,050億円の達成に向けて、流通・販売策をより強化するため、業務需要の開拓や多様化する実需者のニーズに柔軟に対応できる取引モデルの構築など、新たな視点での対策も必要と考えますが、農業振興部長の御所見をお伺いします。

 次に、林業振興についてお聞きします。

 全国的に見ると、木材の価格は昭和55年をピークに下がり続け、それに伴う形で林業の就業者数も減り続けてきました。近年は減少のペースが緩み、ここ数年は下げどまりの感もあります。

 県内の木材事情を見ると、昨年8月、四国で最大級の製材工場高知おおとよ製材が操業を開始し、県産木材の受け入れが拡大しています。また来年度からは、県内2カ所で木質バイオマス発電施設も稼働する予定であります。本県の豊富な森林資源を余すことなく活用し、山村に活気を取り戻すことができる舞台装置が整ったと言える状況であります。

 県内の林業を形態別に見ますと、森林組合などの事業体が主に取り組んでいる生産性重視の高性能林業機械を使った効率的な集約化林業と、森林の経営や管理、施業をみずから行う自伐型の小規模林業とがあります。これらの形態の違う経営が共存共栄していく多様性が本県林業の発展には重要だと思います。

 さきの9月議会では、小規模な林業活動を実践する方々に対して、原木生産の一翼を担ってもらうための本格的な支援に着手すると表明され、その第1弾として、情報交換の場となる推進協議会を設置すると答弁されておりますが、現在の取り組みの状況について林業振興・環境部長にお聞きします。

 次に、将来本県の林業を担う優秀な人材を養成するための取り組みについてお伺いします。

 県内の木材需要が拡大する中、木を切り出す林業の担い手をふやすための政策展開が急務であります。本県の就業者は、平成18年度の1,508人を底に増加に転じており、平成24年度には1,662人と大きく増加していますが、昨年の大型の補正予算などもあって、林業の担い手が建設業に流れるなど、再び減少に転じるとも予測されています。

 現在、国の緑の雇用制度を活用した技術研修の実施やチェーンソーの取り扱いから高性能林業機械の操作まで幅広い実務研修が実施されています。また、高校生の林業体験講習の開催など若者に林業に興味を持ってもらう取り組みも行うなど、これまでの担い手対策については評価しているところです。しかしながら、県内の林業事業体の方と話をしますと、一人前になるのには時間がかかるため、就業前に一定の必要な技術を身につけている即戦力となる人材が欲しいという声を聞きます。

 そこで、新規就業者の確保に向けて、即戦力となる人材の育成を強化していく取り組みが必要と思いますが、今後どのように取り組んでいくお考えなのか、林業振興・環境部長にお伺いします。

 次に、木質バイオマスの推進についてお伺いします。

 先日、高知市仁井田の土佐グリーンパワー株式会社の木質バイオマス発電所の建設現場を見学しましたが、施設の整備は着実に進んでおりました。また、宿毛市平田の株式会社グリーン・エネルギー研究所についても、木質ペレットの製造施設は既に完成し、これから本格的な生産に入るとのことであり、発電施設についてもほぼ完成し、試運転に入る段階だと伺いました。

 本県での木質バイオマスの利用は、これまで施設園芸を中心に熱利用の面で普及しており、昨年度末で木質バイオマスボイラー208台が設置、今年度も約40台が導入の予定とお聞きしております。今回発電事業が動き出すことで、こうした熱利用に加えて低質材の活用はさらに進むことになります。豊かな森林資源を余すことなく活用するという取り組みは、中山間地域での雇用創出や地域経済の活性化など、本県が抱えている課題に対する有効な対策の一つになるものと考えております。

 今申し上げたそれぞれの発電施設の本格稼働に移行するスケジュールと燃料となる原木の確保に向けた取り組みについて、県としてどのような支援を考えているのか、林業振興・環境部長にお聞きします。

 次に、国際観光についてお伺いいたします。

 先月19日、政府観光局から発表されました本年10月の訪日外国人旅行者数の推計値は127万2,000人と、過去最高となりました。また、今年1月から10月までの累計も1,100万人を超え、昨年記録した年間の最高記録を既に上回っております。国では2003年から、観光立国実現を目指して官民が一体となったビジット・ジャパン事業を展開しており、ビザ発給要件の緩和や消費税免税制度の拡大、あるいは外国人観光客の受け入れ環境の整備に取り組んでおります。さらに、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催決定が強烈な追い風となって、このような数字にあらわれてきたのではないかと感じております。

 本県でも国際観光を強力に標榜し、東アジアを主要なターゲットとした国別の誘客戦略の展開や四国4県での海外プロモーションの実施に取り組んでおられます。今年度からは新たに、温かい人柄やおもてなしの心、そして自然の恵みを生かしたさまざまな体験メニューなど、本県の強みを前面に押し出した、通常の日本の旅行では味わえない高知ならではの満足度の高い旅行の提供も進められております。

 そこでまず、こうした取り組みの成果として、今年、本県への外国人観光客の入り込み状況はどうか、その要因や課題をどのように分析しているのか、観光振興部長にお伺いをします。

 政府は2020年に向けて訪日外国人旅行者数2,000万人という高い目標を掲げていますが、これを実現するためには、いわゆるゴールデンルートと呼ばれる東京、富士山、京都、大阪をめぐるルートのみならず、地方にどう足を向けてもらうのか、地方がいかにして海外の観光客を呼び込むかが鍵になると思っております。

 外国人観光客はリピーターになればなるほど日本の生活文化の体験や歴史、伝統文化の体験などを好む傾向があると言われており、そうした点からも、高知にも大きなチャンスがあると思っております。

 そこで今後、本県の国際観光の推進に向け、本県としてどういう戦略を立て、展開していくのか、観光振興部長にお伺いします。

 次に、とさでん交通についてお尋ねします。

 とさでん交通は、県と市町村の出資によって財政基盤が一定強化され、経営の改善に向けた新たなスタートを切りました。これまでの関係者の皆様の努力に敬意を表するものであります。

 多くの県民がマイカーを利用し、人口が減少傾向にあるといったこれまでの状況に変化はなく、利用者の増加による経営改善は容易ではありません。公共交通はお年寄りの通院や中高生の通学の足として守るべきとの声があります。当然の声でありますが、ただそういった福祉的な観点があるにしても、今後も公的資金を投入していくことには県民の理解は得られず、やはり企業としてあらゆる工夫や努力を行い、苦しい現状から再生してもらいたいと思っております。

 私は、高知県競馬組合議会の議長をさせてもらっています。高知競馬は平成15年度以降赤字を出せば即廃止という中、馬主や騎手、調教師などへの手当を大幅にカット、従事員の賃金は最低賃金すれすれ、場内清掃も職員自身で行うというような必死の努力を続けてきました。また、労働環境の悪化もいとわず、ナイター開催に踏み切りました。その結果、一時期39億円ほどに落ち込んだ売り上げが、昨年度は118億円までに回復し、カットしてきた手当も復元されつつあります。とさでん交通の社長は、高知競馬でナイター開催を始めたときの競馬組合の管理者でもあり、ぜひその手腕を新会社でも発揮していただきたいと思っております。

 そこで、とさでん交通発足から2カ月が経過した今、経営改善への手応えや今後の見通しについてどのように思われるのか。

 また、事業者であるとさでん交通の努力はもちろんですが、出資者となった行政として、県民に公共交通に目を向け利用してもらうための取り組みをこれまで以上に行う必要があると思いますが、その認識と取り組みの状況を中山間対策・運輸担当理事にお聞きします。

 次に、東京オリンピック・パラリンピックに関連して教育長にお尋ねします。

 2度目の開催となる東京大会は、官民挙げた誘致活動により実現をしたものであり、開催決定の瞬間には競技関係者のみならず国民の多くが歓喜し、2020年に向けて大きな期待が膨らみました。

 昭和39年の東京オリンピックは、我が国が戦後の焦土の中から復興を果たし、国際社会に復帰していくシンボルとしての意味合いを持つ大会だったと言われております。我が高知県においても、本県出身の石川健二選手が水泳の400メートルメドレーリレーで5位入賞を果たすなど、県民が大いに意気軒高となる大会であったと記憶しております。

 今も当時の興奮を思い出すことができますが、スポーツは人々の心を奮い立たせ、未来にチャレンジする力を与えます。厳しい状況にある今こそ、今回、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を契機としてスポーツの振興を図ることで、県民を元気にして地域活性化にもつなげるべきだと考えております。県としても、本年9月補正予算において、スポーツ推進プロジェクト実施計画を策定することとしたところであり、今後の取り組みに大いに期待をしているところであります。

 そこでまず、この計画の策定に関して、9月議会以降、どのような検討が進められ、スポーツ振興に向け具体的方策にどう取り組むのか、基本的な考えについてお尋ねをいたします。

 また今後、スポーツ振興の取り組みを定着させるには、成長期にある子供のころからしっかりとした体をつくっていくことが全ての面で基礎となります。しかしながら、本県の児童生徒の体力を見ますと、先ごろ発表された全国調査で中学校の女子が大きく向上するなど、これまでの教育委員会の取り組みの成果が着実にあらわれてきてはおりますが、依然として全国平均に届いていないのが実態であり、学校における体育の授業の改善が必要ではないかと思います。

 本県には、将来オリンピックや国際大会などで活躍をしたいという夢を描き、日々スポーツに打ち込んでいるお子さんも数多くおります。また、学力向上を実現していく上でも、体力づくりは不可欠であります。本県の子供たちの夢の実現を支援するためにも、また学力向上のためにも、小中学校における体育の授業の一層の改善が求められると考えますが、この課題にどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお尋ねします。

 次に、公立大学についてお伺いします。

 高知県公立大学法人と公立大学法人高知工科大学の法人統合も、いよいよ来年4月に迫ってまいりました。さきの9月議会では、提案のあった吸収合併に関する議案について、議会としても議決しましたが、この11月には国へ申請を行ったとも聞いているところです。

 一方、県立大学の新しい永国寺キャンパスは、整備工事も順調に進んでおり、来年4月には香美市から高知工科大学の経済・マネジメント学群を迎え、知の拠点としてスタートすることとなります。

 今回の公立大学法人の統合は、今年4月に地方独立行政法人法が改正施行され、全国でも初となるものであります。法人の管理運営に関する部分の統合ではありますが、県と大学は連携を密にとりながら丁寧に統合作業を進めていただきたいと思います。

 そこで改めて、今回の法人統合による具体的なメリットをどのように発揮しようとしているのか、文化生活部長にお伺いをします。

 さて、地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服するためには、国民が安心して働き、希望どおり結婚し、子育てができ、また将来に夢や希望も持つことができるような地方を創生していく必要があることは、今や国、地方共通の認識となっているところでございます。

 また、人口減少、少子化の流れに歯どめをかけ、中山間地域の活性化など、地方創生を推進していくために、本県においては地元の公立大学である高知県立大学と高知工科大学の知見や学生の活力に期待する部分は非常に大きいものがあり、地元大学の魅力をさらに向上させていくことが不可欠だと考えております。

 そこで今後、地方創生の流れの中、地元の公立大学にのどのような役割を期待するのか、知事にお伺いをいたします。

 最後に、治安対策について警察本部長に伺います。

 最近の全国的な犯罪情勢については、刑法犯、交通事故死者数とも減少傾向を示しているとのことでありますが、その一方で特殊詐欺や女性、子供が被害者となる殺人事件などの凶悪事件なども多く発生しております。

 県内の状況を11月末現在で見てみますと、昨年同期比で刑法犯認知件数は約1割減の5,277件、検挙、補導された刑法犯少年の人数は142人減の324人と、全体として見れば治安の回復が図られていますが、特殊詐欺の被害は11月末現在の認知件数が69件、被害額は約5億4,700万円となっており、人口1万人当たりの被害額は本県が全国ワースト1位とのことです。また、交通事故の発生状況については、事故件数は2,410件、負傷者数は2,691人と、昨年同期に比べ約1割減少しているものの、死者数は昨年同期と同じ36人となっています。このうち高齢者は23人で、その割合は60%を超え、全国ワースト6位と伺っています。

 こういったことからすると、よい方向に進んでいるように見えても、治安情勢は依然として予断を許さない状況であります。県民は安全と安心を実感できていないのではないかとも思います。

 國枝本部長におかれては、本年7月に本県治安の最高責任者として御着任し、5カ月が経過するところです。まず、本県の治安情勢をどのように認識されているのか、また犯罪や交通事故の抑止、予防のために、今後どのような治安対策をとっていくのか、御所見をお伺いいたしまして、第1問を終わります。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 溝渕議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、来年度の予算編成に当たり、どのような点に留意して取り組んでいるのかとのお尋ねがございました。

 私は、2期目の県政運営に当たり、課題解決の先進県となることを本県の目指すべき方向と見定め、全国に先行して進む人口減少や高齢化、さらには南海トラフ地震への備えなど、本県が抱える困難な課題に対して真正面から取り組んでまいりました。

 具体的には、経済の活性化、南海トラフ地震対策、日本一の健康長寿県づくり、教育の充実と子育て支援、インフラの充実と有効活用という5つの基本政策に加え、中山間対策、少子化対策と女性の活躍の場の拡大という横断的な政策について、それぞれの目標や具体的な取り組みを定めた計画やプランに基づき、PDCAサイクルに基づく徹底したバージョンアップを常に図りながら課題解決に向けた取り組みを進めているところであります。

 これまでの取り組みによりまして、例えば経済の活性化に関しては、御指摘いただきました第2期産業振興計画の目標年次である平成27年度末を待たずに年間の製造品出荷額等5,000億円以上といった目標を達成するでありますとか、県内の有効求人倍率も本年7月には過去最高の0.86になるでありますとか、また南海トラフ地震対策に関しては沿岸19市町村の508地区全てで津波避難計画の策定が完了し、津波避難路・避難場所の約8割が本年度中に整備されることとなる見込みでありますこととか、また中山間対策についても集落活動センターが15カ所開所されるでありますとか、各分野におきまして解決策が見えてきたものや一定成果があらわれ始めたものもあると感じておりまして、私自身一定の手応えは感じております。

 しかしながら、より多くの皆様に県勢浮揚の実感を持っていただくためには、まだまだ十分とは言える状況にはなく、現状に満足することなく、さらなる施策の展開によるプラスの効果をもたらしていく必要があるものと思っております。

 このため、平成27年度の当初予算につきましては、産業振興計画や南海トラフ地震対策行動計画など各分野での計画やプランが最終年度となることも踏まえ、各計画やプランで定めた目標を確実に達成するとともに、さらなる効果を上積みできる予算となりますよう、今後編成作業を本格化させてまいりたいと考えております。その際には、これまで築き上げてきた土台の上に立って、官民協働のもと、より大きな、より実効性のある施策となるよう心がけてまいりたいと考えているところです。また、現在進んでおります国の地方創生の動きにしっかりと呼応しながら、少子化や人口減少に歯どめをかけ、地域の活性化につながる施策をさらに充実強化できるよう取り組んでまいります。

 具体的な編成作業の中では、PDCAサイクルを通じ、既存事業のスクラップ・アンド・ビルドを徹底して行うことによりまして、より重点的な事項に予算を配分していく取り組みにしてまいりたいと、そのように考えておるところでございます。加えまして、個別の事業に関しても、より効果的な手法となっているか、必要十分な量が投入されているかといった点をしっかり精査してまいりたいと考えておるところでございます。これから予算編成作業は本格化してまいります。全力で取り組んでまいります。

 次に、地方創生における人口のダム論について、どのくらいの範囲でのダムが効果的と考えているのかとのダム論についてのお尋ねがございました。

 地方の拠点都市に質の高い医療や高度な教育などの機能を集積し、地方から大都市への人口流出を防止するための人口ダムにするという考え方は、住民の皆様のさまざまなニーズに応え、大都市への人の流れをとめるということを考えますと、一定理解できるものでありますが、それだけでは中山間地域から拠点都市への集中がますます進み、中山間地域の切り捨てといった状況につながりかねないものであります。

 中山間地域は、国土の保全や水源の涵養といった機能に加えて、例えば本県においても農業産出額の約8割を占めるなど、産業の主力で、また安全・安心な食料の供給機能も有しており、この点は都市部の住民の皆様にとっても安心して生活するために欠かせない機能であります。そして、何よりもその地域を愛する中山間の方々の思いを大事にしていかなくてはなりません。この点から見ましても、都市部にのみ若者が残ればよいという発想では不十分であり、都市部を支える中山間地域にも若者が残れるようにしていかなければならないと考えております。

 このようなことから、本県のように地方の中の地方、かつ東西に広い県土を有する県を考えた場合、地域地域に応じた規模の人口ダムが重層的に存在し、それぞれの役割を果たしていくことが必要ではないかと考えております。具体的には、第1に、高度な都市機能を有する拠点都市を中心とした都会への人口流出を防ぐためのダム、第2に、基礎的な自治体の中心部など通勤圏や生活圏として地域地域で生活を一定完結できるダム、そして第3に、特に大切にしたいものとして、おおむね旧小学校区単位で地域の特性を生かした生産活動や支え合いの拠点となる中山間地域の生活やコミュニティーを守るための小さなダム、これらが必要だと考えているところであります。このように、地域の状況や住民のニーズに応じた重層的なダム機能が必要だと考えるものであります。

 こうした考え方のもとに、県では、拠点都市である高知市の中心市街地にコンパクトシティーの観点も持ちながら大学や図書館、新資料館を整備し、中心商店街の活性化を図ることなどを通じたにぎわいのあるまちづくりを進めるなどの取り組みを進めてまいりました。また、広域単位に産業振興推進地域本部を設置し、地域地域の資源を生かした生産・販売活動や広域観光の推進などの地域アクションプランの取り組みを支援するなどしてまいったところであります。さらには、中山間地域において、地域の支え合いの拠点であり、活動の拠点としてさまざまな役割を果たす集落活動センターの整備などにも積極的に取り組んでいるところでございます。

 このような取り組みを通じまして、それぞれのダムが重層的に機能を発揮し、中山間地域を初めそれぞれの地域地域で若者が将来に向けての夢や希望を持ち、安心して住み続けることができるような高知県となるよう目指してまいりたいと考えております。また、国にもこうした視点を持ってもらいたいと思っておりまして、特に忘れられがちな中山間の小さな拠点の必要性を強く訴え、一定の理解を得てきたところだと考えております。これからもしっかりと対応してまいりたいと考えております。

 次に、これまでの中山間対策の評価と今後の取り組みへの意気込みについてのお尋ねがありました。

 中山間対策については、平成24年度から抜本強化を図り、これまで課題解決の先進県を目指し、産業をつくる、生活を守るの2つを政策の柱に据え、市町村とも連携、協働しながら総合的な施策を推進してまいりました。まず、柱の一つの産業をつくる取り組みでは、大きな産業と雇用をつくる流れとして、まず何といっても中山間地域の基幹産業である1次産業の取り組みを強化してきたところでありまして、産業振興計画におきましても、策定当時と比べ相当施策も具体化し、充実強化が図られてまいりました。

 今後は、大型製材工場やバイオマス発電、さらにはCLTに関連する取り組み、次世代型こうち新施設園芸システムなど、中山間地域をフィールドに仕事と雇用が生まれ、中山間地域の魅力が再認識される新たなステージに進む環境がようやく整ってきたのではないかと手応えを感じておるところでありまして、これらを生かした、さらにステージを上げた取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 さらに、中山間対策の中でも、そのそれぞれ地域地域の取り組みを応援する取り組みも行ってきたところであります。そうした中で、地域の個々の取り組み、これを応援する取り組みとして、これは小さなビジネスと言ってまいりましたが、こうした地域資源を活用した小規模な加工品づくりなどの取り組みにつきましても、25市町村の55件の取り組みに広がるなど、着実に進んできているところでありまして、地域の方々の生きがいややりがいにもつながっていただければと思っております。物によっては、産業振興計画の地域アクションプランにステップアップする動きも出てきているところであります。

 もう一つの柱である生活を守る取り組みに関しては、平成23年度に県が行った集落実態調査の結果から、課題とされた、移動手段の確保、生活用水の確保、野生鳥獣の被害対策などを重点対策として位置づけをし、その取り組みを強化してまいりました。その結果、高齢者等の買い物や通院などを支える移動手段の確保に関しましては、デマンドタクシーや過疎地有償運送など、30市町村において地域の実情に応じた取り組みがなされるなど、県内に着実に広がってまいりました。また、日常生活に欠かせない生活用水の確保対策につきましても、地域の要望に最大限対応する形で取り組んでまいりました結果、平成20年度以降で173カ所の整備が図られるなどしてきております。そのほか、農作物の被害など地域から切実な訴えが多い野生鳥獣の被害対策では、集落ぐるみの取り組みや捕獲対策の強化によりまして、被害が少なくなった集落もふえつつあります。

 そしてさらに、平成24年度からは、中山間対策の第2ステージとして、産業をつくり生活を守るために複数集落の拠点となる集落活動センター設置の取り組みもスタートさせ、現在15カ所で立ち上がっておりますし、他の地域でも立ち上げに向けた準備が着実に進められているところであります。

 このように、一つ一つの取り組みを見ますと、それぞれの対策は効果を上げつつあると思っておりますが、中山間地域全体に目を向けてみますと、まだまだ十分と言える状況にはありませんし、客観的な情勢としましても、人口減少や高齢化の進行による地域の担い手不足や産業の衰退など、今後も中山間地域の厳しさは加速度的に進むものと思われます。こうした実情を考えますと、例えば集落活動センターの設置数をさらにさらに県内全域に拡大しますなど、これまでの取り組みをもう一段力強いものとし、県内各地に広がりを加速させること、そして若い世代にとって魅力のある中山間地域とすることのために、地域地域での創業ということに取り組んでいかなければならないと考えているところであります。

 国では、人口減少対策や地域活性化を目指した地域創生の取り組みが今後本格化してまいりますが、その中では、本県の進める集落活動センターの取り組みが地域をつくり、安心な暮らしを守る施策として掲げられた小さな拠点の形成モデルになりますなど、高知型の中山間対策にも目が向けられております。

 今後さらに、課題解決先進県として本県が進めてまいりましたこれまでの取り組みを国の地方創生の動きも追い風にしてスピード感をもって進めてまいりたいと考えておるところであります。そして、地域地域で雇用を生み出し、若者が誇りと志を持って働ける中山間地域をつくり出し、そして我が国全体のモデルにもなる、ゆえに国全体の動きが追い風となる、そのような取り組みをぜひ行ってまいりたいと考えているところでございます。

 次に、米の価格低迷に対する認識や本県稲作農業の将来像についてお尋ねがございました。

 米は我が国の主食であり、古来稲作を中心に農村社会が形成され、日本独自の文化や共同活動を通じた結いの精神を育んできました。また、水田は、水源を涵養するほか、多様な生き物を育み、美しい農村の風景が我々の心を和ませてくれるなど、我が国の農業・農村においてお金でははかることができない大きな役割を果たしております。

 しかしながら、少子高齢化や食生活の多様化などによって、米の消費量が減少し続けており、ここ数年、米の価格は低迷をいたしております。今後も価格の低迷が続けば、稲作農家の皆様の生産意欲を減退させるだけでなく、ひいては農村社会の衰退につながっていくのではないかといったことなどが懸念をされるわけであります。

 県としましては、このような懸念が現実のものとならないよう、まずは需要に応じた米生産を行うことが最も重要であると考えております。このため、国の水田活用の直接支払交付金を最大限に活用しまして、主食用米から飼料用米を中心とした非主食用米への転換を推進してまいります。

 また、農地中間管理事業による農地の集約や日本型直接支払制度といった国の支援策を効果的に活用しながら、比較的条件のよい地域では規模拡大農家の育成を進めていく一方で、条件不利地域である中山間地域では集落営農組織の育成を進めていくということが本県稲作農業の進むべき方向ではないかと考えているところであります。

 こうした方向性を市町村や関係機関と共有し、あわせて地域地域の実情に丁寧に配慮をしていきながら、稲作農家の皆様が意欲を持って稲作を続けることができるよう県としても全力で取り組み、本県の稲作農業、そして文化の維持、活性化につなげてまいりたいと考えておるところでございます。

 次に、産業振興の政策を進めるに当たっての基本方針と思いについてお尋ねがございました。

 本県は、人口減少による経済の縮みが若者の県外流出や後継者不足を招き、過疎化、高齢化とともに少子化が加速、さらに人口減少に拍車がかかるという人口減少の負の連鎖に陥っております。

 この構造的な課題に正面から向き合い、県勢浮揚を図るため、産業振興計画においては活力ある県外市場にものを売って外貨を稼ぐ地産外商を全体戦略として進めているところであり、これからの産業振興の政策を進めるに当たっても引き続きこの地産外商に挑戦していくことが最も重要であり続けるものと考えております。このため、官民協働で外商を推し進めていきますとともに、外商ができる付加価値のあるものを生み出していくこと、つまり地産を強化することをみずから持てる強みを生かす、弱みを逆手にとるという考え方のもと、進めていく必要があると考えています。

 産業振興計画の基本方向であります「足下を固め、活力ある県外市場に打って出る」、「産業間の連携を強化する」、「足腰を強め、地力を高める」、「新たな産業づくりに挑戦する」ことはいずれも地産を強化し、外商に挑戦するための重要な方向性であり、この取り組みを下支えする「産業人材を育てる」こととあわせ、今後さらに継続し強化していく必要があるものと考えております。

 これまでの取り組みにより、地産外商や観光振興などの分野において一定の成果は出てまいりました。例えば地産外商公社の外商活動を契機とした成約件数は、平成21年度の178件から444件、1,327件、2,603件、3,333件へと、またその成約金額は平成23年度の約3億円が平成25年度には約12億円になるなど順調に増加しておりますし、平成25年の県外観光客入り込み数は目標の400万人を前倒しして達成し、407万人となっております。

 ただ、「地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県」をつくるためにやるべきことはまだまだ多くあります。これまでの産業振興計画の取り組みの積み重ねによって、より大きな仕事に取り組めるようになってまいりましたので、さらなる官民協働、市町村との連携協調のもと、各産業分野においてこれまでよりも高い次元の新しいステージに踏み出してまいりたいという思いを強くしております。

 特に、新たに以下の3つの方法での挑戦を行ってまいりたいと考えております。

 1つ目は、外商の拡大であります。首都圏に対する外商活動が大きく飛躍している中、これをさらに全国に展開していくことや輸出や国際観光など海外に向けた取り組みでよい成功事例が出てまいりましたので、それを本格化させることなど、外商をさらに拡大してまいりたいと考えているところであります。

 2点目は、外商による成果を拡大再生産や雇用の増加につなげていくための施策の強化であります。これまで地産外商のさらなる拡大を図ることに前後してビジネスプランの更新や設備投資による生産拡大といった事業拡大を後押しする策を、例えばものづくり地産地消・外商センターなどの取り組みを通じて行ってきたところでありますが、その取り組みをもう一段太いものにし、あわせて例えば設備投資補助金などを強化することなどを通じまして、外商による成果を企業の成長、つまり拡大再生産、雇用の増加につなげてまいりたいと考えているところであります。

 3つ目は、担い手の確保であります。一連の産業振興計画の取り組みを進めてきた中で、特に人口の縮みの影響を強く感じるのが担い手の不足の問題であります。移住促進や人財誘致の取り組みを加速させ、さらに事業承継支援といった新たな取り組みで人財をマッチングさせていくことによりまして、担い手の確保、外商の拡大、そして拡大再生産という流れにつなげてまいりたいと考えているところであります。

 この3つの大きな方向感でもって産業振興計画をさらに進化させ、県勢浮揚につながるよう取り組んでまいりたいと思っておりまして、現在、具体的な政策群の検討を全力で行っておるところでございます。

 最後に、地方創生の流れの中、地元の公立大学にどのような役割を期待するのかとのお尋ねがございました。

 本県のような地方は、若者の県外流出や少子高齢化に伴う人口減少により、経済規模の縮小という共通の課題を抱えておりますが、これらを克服し、地方が成長する活力を取り戻す上で、大学は地域における知の拠点として地方創生に大きな効果をもたらす存在であり、大きく3つの役割において重要であると考えているところであります。

 まず1つ目としましては、産学官民の連携により産業振興や地域の課題解決に向けた活動を行うことで県勢浮揚に向けた取り組みを強力にサポートしていく役割であります。これまでも地元の公立大学である高知県立大学と高知工科大学においては、産業振興計画や健康長寿県構想の推進など県の重要施策に対し新たな産業の創出、健康や医療・福祉政策、集落の活性化といった幅広い分野で協力をいただいております。さらに、来年4月には、県が永国寺キャンパスに設置します産学官民連携センターにおいて、県内の高等教育機関と県が連携して企業や地域の方々を巻き込んだ事業展開を図っていくこととしており、今後の取り組みに期待するところであります。

 2つ目としましては、多様な人材を育成する役割であり、特に地方創生の観点からは、地域と協働した新しい人材育成の取り組みに期待をいたしております。これまでも両大学は保健・医療分野や産業分野において地域を担う人材育成に大きな役割を果たしており、加えて近年では、地域志向の授業や実習を行うなどそれぞれの専門性を生かしながら、学生が地域に入り、住民の方々と連携、協働して地域の活性化に積極的に取り組んでおります。こうした取り組みは、地域の再生につながるもので、学生の皆さんにとっても課題発見・探求能力、実行力といった社会で必要となる力を修得することができますことから、今後ますます重要性も増してくるものと考えます。

 3つ目としましては、県内の若者をつなぎとめ、かつ県外から学生を呼び込むという役割があります。来年4月から、時代のニーズに合った教育により大学の魅力向上を図るとともに地元高校生の進学希望に応えるため、新たな学部の設置や入学定員の拡充を行うこととしております。このことは、若者の人口流出の歯どめになると考えますし、さらには魅力ある教育内容の展開により県外からの入学者の獲得増につながることも期待をされるところです。

 このように、地域の再生や定住人口の維持など地方創生を実現するため、大学の果たす役割は大きいものがありますので、産学官民の連携や人材の育成・確保などを通じ、大学が地方創生のエンジンとなるよう県としてその機能の充実を積極的に図ってまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (中山間対策・運輸担当理事金谷正文君登壇)



◎中山間対策・運輸担当理事(金谷正文君) 今後の集落活動センターのさらなる拡大に向け、どう取り組んでいくのかとのお尋ねがありました。

 中山間対策の核となる取り組みとして、全庁を挙げて推進しております集落活動センターは、現在15カ所で開所しております。今年度末までにさらに2カ所で立ち上げの動きがあり、他の地域においても順次立ち上げに向けた準備が進められているところであります。

 中山間地域の厳しい現状を考えますと、地域の活性化や支え合いの仕組みづくりの拠点となります集落活動センターの取り組みをさらにスピード感を持って県内各地に広げ、地域でお金が回る仕組みづくりや暮らしの安心・安全につなげていくことが必要であると考えております。お話にありましたように、取り組みを進めていく上で集落活動センターの目的や効果、魅力といったことがまだ県内各地に十分に浸透していないのではないかと感じており、周知、啓発が課題の一つと受けとめております。

 そのため今後は、広く集落活動センターの取り組みを周知するためのポータルサイトの開設や量販店などと連携いたしましてセンターの特産品を販売したり活動をPRするイベントの開催などにより、県民の皆様にセンターをより身近なものとして知っていただけるように、情報発信を強化していきたいと考えております。また、こうした周知、啓発の取り組みを強化する一方、開所した集落活動センターに対しましては、安定的な運営組織の体制づくりへの支援に努めてまいります。あわせまして、話し合いが進んでいる地域に対しましては、取り組む上での課題や不安などに応え、具体的なイメージを持っていただけるように地域の資源や特性を生かしたビジネスプランの提案やロードマップづくり、アドバイザーの活用や必要な人材の確保・育成などの支援を行いまして、センターの取り組みの充実強化を図ってまいりたいと考えております。

 こうした取り組みを通じまして、来年度は、4年後の目標でありました30カ所を目指すとともに、集落活動センターの立ち上げに向けた取り組みがさらに県内各地へ広がっていきますように、市町村や地域住民の皆様とともに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、とさでん交通についての御質問にお答えいたします。

 まず、会社発足から2カ月が経過した現在の経営改善への手応えと今後の見通しについてお尋ねがありました。

 とさでん交通の発足から2カ月が経過をいたしました。経営状況に関しましては、経費の面では、両社の経営統合による業務の効率化など統合効果が早期にあらわれてくるものと考えておりますが、利用状況や収入面は現在まだ具体的な利用促進・増収策を検討している段階であるため、効果としてあらわれるところまでには至っておりません。人口減少など外的な経営環境の厳しさを考えますと、当面は統合前からの厳しい状況が続くのではないかと考えております。そうした状況にありますので、路線バスなどの利用状況や経営状況を分析し評価するには、もう少し時間を要する状況にございます。

 現在、とさでん交通では、事業再生計画の達成に向けて経営管理体制を充実させ、経営戦略の柱の一つとして掲げておりますデータに基づく経営の実現に向けまして、具体的なデータの収集や分析の手法や経営改善への生かし方などについて社内で検討が始まっております。また、経営改善のためには欠くことのできない利用促進・増収策に関して、利用者や行政もしっかりとかかわって地域全体で地域の足を守り活性化していくための仕組みも動き始めました。会社からは、統合により明らかになった両社の短所を改め、長所を取り入れ伸ばすように取り組みを進めていること、また社員の間にまとまりや連帯感が生まれてきており意欲も高いことから、経営改善に向けては手応えを感じているとお聞きをしております。

 公共交通を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、地域の公共交通が抱えるさまざまな課題を事業者だけで対処し解決していくことは困難な時代となってきておりますので、県も積極的にかかわり、関係者が連携し効果的な対策を講じることで収支構造の改善につなげ、県民の皆様に必要とされる公共交通のネットワークが実現するように取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、県民の皆様に公共交通を利用してもらうための取り組み状況と認識についてお尋ねがありました。

 持続可能な公共交通を実現するためには、利用者目線に立った取り組みを進め、使い勝手のよい公共交通とするとともに、多くの方々に公共交通の置かれた状況や大切さを知ってもらうことで利用者の増加につなげていくことが必要だと考えております。

 そのため県では、これまでラジオやテレビを初め高知市や事業者などと連携したキャンペーンイベントを通じて身近な公共交通の存在や便利さ、大切さをPRし、利用を呼びかけるなど、公共交通への県民の皆様の関心を高め、利用の増加につなげるための取り組みを進めてまいりました。

 本年度は、県の広報紙やテレビ番組を通じまして、県民の皆様に親しまれ利用される公共交通機関として生まれ変わるとさでん交通の姿勢や新たなサービス内容の紹介を行っております。また、新たな取り組みといたしまして、子供のころから公共交通に親しんでもらうため、本県出身の人気漫画家に絵本の制作を依頼し、県内の幼稚園や保育所などおよそ350カ所に配付をするといった取り組みも行ったところです。

 県といたしましては、バスや電車をより多くの方々に利用していただくことができますように事業者が実施する利便性の向上策や利用促進のための取り組みを支援しますとともに、利用促進のための啓発についても先月設置いたしました中央地域公共交通改善協議会を活用し、より効果的な手法を検討しながら、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 本年の自然災害における県内土木施設の被害総額と復旧スケジュールについてお尋ねがありました。

 本年は、8月の台風第12号及び第11号を初めとする豪雨などにより、県内で多くの公共土木施設が被災しました。これらの公共土木施設の被害は、県管理施設で592カ所、市町村管理施設で781カ所、合わせて1,373カ所で、その被害総額は約141億円に上りました。これは、過去10年間の平均被害総額と比べると、約2.5倍の規模となっております。

 これらの被災箇所のうち、道路の寸断や河川護岸の決壊など県民生活を維持する上で緊急を要する箇所の応急工事は年内に全て完了いたします。また、本復旧工事に必要な国による災害査定につきましては、台風第19号及び地すべりによる被災箇所を除く1,293カ所が先月までに終了したところです。

 今後、来年1月上旬には台風第19号により被災した78カ所と地すべり2カ所の災害査定を受ける予定となっています。このほかにも、地すべりの14カ所があり、これについては引き続き現地の観測調査を継続し、地すべり規模が確定次第、順次災害査定を受けることとしています。これら被災箇所につきましては、災害査定が終了した箇所から順次本復旧工事を発注することとしています。県では、既に108カ所の工事に着手しており、本年度内にはさらに約230カ所の工事を発注する予定です。

 引き続き、速やかな本復旧工事の発注に努め、県民生活が一日も早く回復できるよう全力で取り組んでまいります。

 次に、県が管理する道路橋の長寿命化修繕計画の策定状況とこれに基づく修繕の進捗状況についてお尋ねがありました。

 現在、県が管理している道路の橋梁は2,588橋あります。これらについては、平成22年度までの5年間で県の独自マニュアルによる点検を実施し、損傷度の把握や健全性の評価などを行いました。その結果をもとに、平成23年度に、修繕費用の縮減や平準化を図るため、計画的な管理を行う長寿命化修繕計画を策定いたしました。この計画に基づいて、損傷度が比較的大きく大規模な修繕が発生するおそれがある橋梁について、平成28年度までの5年間で171橋、さらに次の5年間で218橋の修繕を行うこととしております。最初の5年間の171橋については、本年度までに全て着手し、計画どおり修繕を進めているところです。

 そのような中、中央自動車道の笹子トンネル天井板落下事故を契機として道路法が改正され、本年7月1日から道路施設を対象に5年に1度の近接目視による点検が義務づけられました。このため、県が管理している全ての橋梁についても、本年度から平成30年度までの5年間のうちに近接目視による点検を行うこととしています。この点検結果をもとに、橋梁の健全性の保持はもとより、維持修繕、更新に係るライフサイクルコストの縮減が図られるよう長寿命化修繕計画を見直し、今後とも計画的に修繕を行ってまいります。

   (農業振興部長味元毅君登壇)



◎農業振興部長(味元毅君) まず、自然災害に備えた復旧支援策についてのお尋ねがございました。

 ことしは8月の台風や集中豪雨などにより、ハウスなどの農業用施設に近年にない大きな被害が発生をいたしました。県といたしましては、レンタルハウス整備事業や国の被災農業者向け経営体育成支援事業などの制度を活用して、復旧を支援してきたところでございます。しかし、事業認定までの手続に時間を要したことや事業によっては支援対象にならないケースが発生したこと、また復旧に係る新たな経費負担を理由に再建を諦めた方があったことなど、幾つかの課題が見えてまいりました。

 そうした中、来年2月には、被災農業者の復旧に係る経費負担を軽減することを目的として、国の園芸施設共済事業の補償が拡充されることになっております。県といたしましても、この見直しと連動しまして、台風による災害はもとより、県内で近年多発しております突発的な自然災害の発生時においても安心して農業を続けていただけるよう、被災された農業者の方が速やかに再建に取り組むことができる新たな災害復旧支援制度を検討していきたいというふうに考えております。

 次に、環境制御技術の産業振興計画への位置づけと生産者への普及方法についてのお尋ねがございました。

 これまで産業振興計画では、オランダの先進的な環境制御技術を本県の施設園芸に導入し、農家の所得向上に結びつけるため、本県の自然条件や品目、また広く普及しているハウスに適合した技術として確立することを目指し、研究開発に取り組んでまいりました。

 平成26園芸年度には、ナスやピーマンなど本県の主要品目について生産現場で実証いたしましたところ、全てのハウスと品目で増収効果が認められました。このように、本県の環境制御技術は研究開発の段階から普及の段階に入ったというふうに考えております。そのため、この技術の速やかな普及を産業振興計画の中心に据えて、農業団体とも連携して取り組んでいくことといたしました。

 9月県議会では、既存ハウスへの環境制御機器の導入支援のための事業と環境制御機器を標準装備した次世代型ハウスの整備を支援する事業を御承認いただきました。あわせて、この技術を熟知した県とJAの職員10名の環境制御技術普及推進員を中心に、県やJAの指導員が連携をして生産者に対して環境制御技術導入の効果の説明やその効果をより高める栽培方法の指導などを行う推進体制を整えたところでございます。

 こうしたハード、ソフトが一体となった体制のもとで、学び教えあう場をさらに積極的に活用しながら、環境制御技術が本県において標準の技術となるよう、一気に普及を図っていきたいというふうに思っております。

 最後に、新たな視点での本県園芸品の流通・販売策についてのお尋ねがございました。

 園芸品の流通・販売に関しましては、基幹となっている市場を通じた一般消費者向けの流通に加えまして、外食産業などの業務需要の開拓と小ロットでの注文やこだわりの商材を求めるなどの多様化する消費者ニーズに対応できる販売体制の構築が必要だと考えております。

 本年度は、新たに業務需要の開拓に向けた取り組みといたしまして、卸売会社3社と連携をし、主に外食産業をターゲットとした取り組みを行っています。例えば大手外食チェーンとのタイアップによる四方竹などのメニュー開発とその定番化や、高知応援シェフによるレストランフェアの実施、また飲食店などの業者向け専用通販サイトへの高知野菜コーナーの開設などを行っております。こうした外食産業や加工産業などのニーズに精通をされている卸売会社と連携した業務需要の開拓は、これまで県外に余り知られていなかった、例えば四方竹やハスイモ、葉ニンニクなどの取引を広げるといったような面からも効果的な取り組みだと考えております。

 今後は、新たな卸売会社との取り組みも加えながら、取引の対象を例えば規格外の野菜にも広げるなど、さらにバージョンアップをして継続することで新たな需要や多様な消費者ニーズに柔軟に対応できる流通・販売に取り組んでいきたいと考えております。

   (商工労働部長原田悟君登壇)



◎商工労働部長(原田悟君) 商工業の振興に関しまして、まず本県の企業誘致施策の現在の取り組みと今後の進め方についてお尋ねがありました。

 産業振興計画では、雇用の拡大や本県経済の活性化に向け、県内企業の足腰を強め、地力をつけるとともに、県外からの企業誘致の推進に取り組んでおります。しかしながら、議員のお話にもありましたように、津波浸水の被害想定の公表後、製造業などの新規立地につきましては厳しい状況にあります。

 一方こうした中で、既に本県で操業している製造業においては、地道なアフターフォローや企業立地における支援制度の大幅な拡充、市町村との共同開発による団地整備などにより、新規雇用を伴う工場の増設が平成25年度は7件、本年度はこれまでに6件と一定の成果があらわれており、これらのフル操業時における新規雇用者数は235人となっています。

 県外からの製造業の立地は、進出による直接的な効果に加え、県内企業の受注機会の拡大や技術力の向上、雇用の拡大といった地域経済への大きな波及効果が期待されます。そのため、昨年度から県外で開催している高知県企業立地セミナーを初めダイレクトメールなどさまざまな機会を通じて、本県の強みである手厚いアフターフォローや全国トップクラスの支援制度に加え、徹底した災害対策など、本県の施策を広く情報発信しております。また、産業振興センターや県と包括協定を締結している金融機関などとのネットワークによる企業立地に関する情報の収集や発信の機能の強化にも取り組んでいるところです。

 今後は、こうした取り組みに加え、本県ならではの地域資源やものづくり地産地消・外商センターによるビジネスチャンスの拡大支援、また人材確保の徹底したサポートなど、本県立地の優位性を積極的にアピールしながら、新たな企業立地の実現に取り組んでまいりたいと考えています。また、企業誘致の大きな目的であります雇用の場の確保といった点では、近年実績を伸ばしていますコールセンターなど事務系企業の誘致も大変重要でございますので、今後とも力を入れて取り組んでまいります。

 次に、日章地域での団地開発の今後の進め方と他の地域での今後の整備予定についてお尋ねがありました。

 議員からお話のありました日章地域での工業団地は、今年度から南国市と共同で開発に取り組んでおり、現在、地元住民の方々の協力を得ながら用地測量や用地調査を行い、あわせて具体的な整備に向けての実施設計を進めているところです。

 来年度は、これらの測量、調査、設計を進め、用地取得に着手してまいりたいと考えており、県外からの新たな企業誘致はもとより、県内企業の増設などのニーズにも応えられるよう早期の分譲開始を目指して取り組んでまいります。

 また、他の地域での今後の団地整備に当たりましては、企業誘致活動の進捗状況や県内企業の増設等のニーズの把握に努め、必要な規模等も検証しながら取り組んでまいりたいと考えています。

 次に、県内企業と県内の若い人をマッチングし、就職につなげる取り組みについてお尋ねがございました。

 議員のお話にもありましたように、県内の経営者の方々からは、新卒業生など若い人の採用が例年になく難しい状況にあるとお聞きをしております。できるだけ多くの若者に県内企業に就職していただくことは本県の将来にとって大変重要ですし、まずは県内で頑張っている企業の魅力や情報を十分に知っていただくことが必要であると考えています。そのため、これまでも高校生や大学生に対し、県内企業での実習や見学会の開催、さらには就職担当教員などと企業採用担当者による意見交換会なども実施してまいりました。

 就職に当たりましては、特に保護者の方の御理解が欠かせませんので、県がかかわる企業の合同説明会の場にこれまで以上に保護者の方に参加していただくよう取り組んでまいりたいと思います。さらに、県内企業の活動やそこでつくり出される製品などを若い方々に知っていただく場も必要でございます。例年県が主催しておりますものづくり総合技術展では、本年も100を超える県内企業に参加していただいておりますが、今後ともより多くの企業に出展していただき、自社の魅力をアピールしていただきたいと思っております。

 大学生につきましては、県内企業の情報を丁寧に学生に伝える必要がありますことから、本県出身者の多い県外の5大学と就職支援協定を締結しております。来年度からは、県内大学も含め協定締結校をふやすことで県内就職の促進に努めてまいりますとともに、県内企業に就職して間もない大卒者とその出身大学の後輩との交流を促進する仕組みづくりを検討することとしております。

 加えて、本県では、人材確保の体制も弱く、採用のノウハウも少ない中小企業が多いことから、その求人活動をサポートする仕組み、例えば求人コーディネーターといった人材の配置も検討していきたいと考えております。

 今後とも、そうした取り組みをさらに充実させていくとともに、産業振興計画の各施策を強力に推進しますことで魅力ある雇用の場を創出し、多くの若者に県内で就職していただけるよう取り組んでまいります。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、高校の新卒者など若者と県内企業をマッチングしていくための取り組みについてお尋ねがございました。

 将来を担う若者と県内企業をマッチングし、県内への円滑な就職につなげていくことは、若者に郷土で活躍する場をつくり、これからの産業振興や地域振興を図っていく上で大変重要なことだと考えております。

 より多くの高校生に県内での就職を考えてもらうためには、まず生徒や保護者の皆さんに県内で頑張っている企業の業務内容や魅力を十分知っていただくことが重要となります。そのため、これまで県内企業のインターンシップや企業見学を実施するとともに、企業で活躍している人材を学校に招いた職業人講話などの取り組みを行ってまいりました。本年度からは、大学卒業後の県内への就職も見据えて、高知追手前高校でも新たに企業見学をしております。また、先月開催されたものづくり総合技術展に産業系高校11校が出展するとともに、約450人の生徒が会場を訪れ、県内企業の最先端のものづくりに直接触れ、理解を深めたところでございます。

 一方、生徒の就職希望と県内企業をマッチングさせていく上では、進路指導を担当する教員自身が県内企業について理解を深めることも重要でございます。そのため、これまで全ての県立高校の進路指導主事やホーム主任を対象とした企業見学や校長と企業との情報交換会を行ってまいりました。本年度は、こうした取り組みに加え、新たに全ての県立高校の教頭が企業の人事担当者と率直に意見交換する場を設け、県内企業の取り組みや企業が求める人材について理解を深めております。

 こうした取り組みの成果や少子化に伴う保護者、生徒の県内志向の高まりとともに、県内企業の求人増も相まって、県内に就職する生徒の割合は6年前の47.9%から昨年度は62.4%と着実に増加しておりますし、本年度も県外からの求人が多いと言われる中にあって、11月末現在で昨年同期を上回っております。

 今後とも、マッチングに向けた取り組みのさらなる充実を図るとともに、官民挙げて取り組んでいる産業振興計画の取り組みをしっかりと周知していくことで、より多くの生徒が県内企業の魅力を感じ、一層の就職を実現できるよう努めてまいります。

 次に、スポーツ推進プロジェクト実施計画策定の状況と今後の取り組みの考え方についてお尋ねがございました。

 県では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機として、本県のスポーツ振興を抜本的に強化するためのスポーツ推進プロジェクト実施計画を策定し、中長期的な視点から戦略的にスポーツの推進を図ってまいりたいと考えております。そのため、本年10月に、全国的なスポーツ組織や大学などでトップアスリートの強化や指導者育成に携わっている3名の方々や県内のスポーツ関係者をメンバーとする検討会を立ち上げ、協議を進めているところです。

 検討会では、本県スポーツの現状と課題を踏まえ、1点目といたしまして、子供の運動・スポーツ活動の充実、2点目といたしまして、競技力の向上、3点目といたしまして、地域における運動・スポーツ活動の活性化、4点目として、障害者スポーツの充実、5点目といたしまして、スポーツ施設・設備の整備の5つの視点から今後の取り組みの方向性や具体的な対策を検討しております。

 これまでの検討会の中で、例えば競技力の向上に関しては、本県の有望な選手を世界レベルに育てるためには小学生から成年まで一貫した指導体制のもとで育成していく必要があること、またスポーツ施設に関しては、全国的に注目される選手が育っているレスリング競技や水泳競技などの拠点施設についてターゲットを絞って計画的に整備を進めることが重要であること、そして地域スポーツの振興については、複数の市町村が連携することで中山間地域の運動・スポーツ活動の活性化を図っていくべきであるといったことなど、今後の取り組みの方向性が一定整理されてまいりました。

 今後は、こうした方向性のもとに、個々の具体的な対策について達成目標を明確に示したアクションプランを整理いたしまして、本年度中にスポーツ推進プロジェクト実施計画を取りまとめることとしております。この計画に基づき、県内外の関係者や関係機関・団体との連携をさらに強め、本県スポーツの抜本的強化を図ってまいりたいと考えております。

 最後に、小中学校における体育の授業の改善にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。

 健やかな体は全ての活動の源であり、体育はそれを育む大切な役割を担っております。そのため、小中学校においては、体育の充実に向け、各学校における経営計画の中に体力や運動習慣などの現状や課題、目標設定等を明確に位置づけ、学校全体で組織的に取り組んでまいりました。その結果、本年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果では、長らく課題であった中学校女子の体力が大きく伸びており、学校での体力向上に向けた地道な取り組みの成果が着実にあらわれております。

 しかしながら、体力合計点は小中学校男女とも全国平均には届いていないことから、取り組みの一層の強化が求められております。そのため、授業改善に向けて、既に本年10月より新たに学校体育及び学校経営に専門的な知見がある元校長をアドバイザーとして学校に派遣し、体育・保健体育の授業視察等を通じて課題を把握し、課題解決に向けた具体的な指導、助言を行っております。

 来年度は、このアドバイザーをさらに増員するなど、学校に対する指導体制のさらなる充実を図ってまいりたいと考えております。特に小学校においては、体育専門でない学級担任が体育の指導に当たっているため、授業の改善が課題となっておりますので、実践協力校を新たに指定し、体育の学習のポイントをわかりやすく示した副読本も活用しながら、体育授業の工夫改善を促すとともに、その成果を授業公開等を通じて県内に広げていきたいと考えております。加えまして、教員の研修会等を充実させていくことで教員一人一人の指導力を高めるとともに、専門性の高い外部指導者をより有効に活用し、小中学校における体育のより一層の改善と充実を図ってまいります。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) 林業の振興について、まず小規模林業推進協議会の現在の取り組み状況についてお尋ねがございました。

 大型製材やバイオマス発電所の稼働により、原木に対する需要が増加し、商品としての原木の価値も従来に比べて高まり、より多くの方が専業や副業で林業活動に携わっていただくことができる環境も整ってまいりましたので、お話にもありましたように小規模林業推進協議会を設置し、情報交換や技術のスキルアップを行っていくことといたしました。

 現在の取り組み状況は、いわゆる自伐林家の方、林業関係のNPO法人やボランティア団体の方々に対して会の趣旨などを伝え、広く会員の募集を行っているところです。

 今後は、1月中に推進協議会を設立し、それにあわせて記念講演や実践活動報告会を開催する予定です。開催に当たっては、小規模な林業を営んでいる方々やそうした活動に興味を持たれている方々を対象に広く参加を呼びかけることで、協議会のPRを図っていくこととしています。その後も引き続き、会員の募集を続ける一方で、会員相互や行政との情報交換並びに技術のスキルアップなどを行っていく予定です。

 また、協議会の活動を通じ、小規模林業に携わる方々のニーズを把握し、今後の産業振興計画などに反映していくとともに、林業学校におきましてはニーズに即した短期の講座を設けて安全教育や実践的な技術講習などを行えるようにしていきたいと考えています。

 次に、新規就業者の確保対策についてのお尋ねがございました。

 新規就業者の確保については、これまで緑の雇用制度を活用するなどして、平成18年以降は就業者数をふやしてまいりましたが、昨年は公共事業の増加等の影響により就業者数が減少しております。また、就業者の定着率も低位であることから、県内の林業事業体からは、就業前にきちんと技術を身につけ、林業の現場を理解した即戦力となる人材の育成が必要だとの要望をいただいてきたところです。

 このため、林業学校を創設し、平成27年4月から開講する基礎コースにおいて、林業活動に必要な基礎知識の習得はもとより、安全教育からチェーンソーの取り扱いや高性能機械の操作に至るまで、現場での実践研修やインターンシップによる就業体験研修などを通じて現場を理解した即戦力となる人材の輩出に努めてまいりたいと考えています。

 次に、県内の2カ所の木質バイオマス発電施設の本格稼働までのスケジュールと燃料となる原木の確保に向けた取り組みについてお尋ねがございました。

 まず、県内2カ所の木質バイオマス発電については、双方ともスケジュールどおりに工事が進んでおり、外構や舗装等一部の整備を残すのみとなっております。

 施設の稼働につきましては、宿毛市の株式会社グリーン・エネルギー研究所は、12月5日に火入れ式を行い、ボイラー等機械ごとの試運転を実施し、性能を確認しながら調整を行っているところです。今後、施設全体を通した総合運転を行い、営業運転の開始は平成27年1月末を予定していると伺っています。一方、高知市の土佐グリーンパワー株式会社は、現在チップ破砕機の試運転を行っています。今後は、ボイラーやその他の機械の性能確認を行った後、施設全体を通した総合運転に移行し、営業運転の開始は平成27年4月を予定していると伺っています。

 次に、原木の確保につきましては、株式会社グリーン・エネルギー研究所では、地域の森林組合等と協定を結ぶとともに、発電事業者みずからが素材生産業の方々と協力関係を取りつけ、原木の調達を行っています。他方、土佐グリーンパワー株式会社では、原木調達の主体となる高知県森林組合連合会が原木を取り扱う共販所を中心に、各森林組合と連携して収集に当たっています。

 県では、個々の供給事業者の生産力を強化するために必要な機械の整備や作業道開設への支援を行ってきておりますが、今後はさらに低質材の新たな流通経路として自伐林家等の小規模林業事業者が出荷できる身近な中間土場を確保し、出荷時の取引に必要な重量計を導入するなど、低質材を出しやすい環境を整えていきたいと考えています。

 また、固定価格買取制度による木質バイオマス発電では、木材の由来によって売電単価が異なりますため、供給の際には林野庁の定めるガイドラインに基づく証明が必要となります。既に高知県森林組合連合会や素材生産業協同組合連合会などの構成員の方は団体認定を受けており、ガイドラインに沿った証明を行うことができます。一方、小規模林業事業者については、団体の認定を受けることができないので、県として市町村が証明を代行する仕組みをつくり、説明を行ってまいりました。現在、宿毛市を初め6市町が運用を開始し、さらに7市町村が準備を進めています。今後も、市町村への啓発を行いますとともに、多様な事業者からより有利に出荷が行われるよう制度の周知を図ってまいりたいと考えています。

 こうした取り組みを発電事業者や原木供給関係者と連携して進めることにより、必要な木質バイオマス燃料の確保につなげてまいります。

   (観光振興部長伊藤博明君登壇)



◎観光振興部長(伊藤博明君) 本年の本県への外国人観光客の入り込み状況とその要因や課題、また今後本県の国際観光の推進に向け、どういう戦略を立てて展開していくのかについて、お尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。

 まず、本県への外国人観光客の入り込み状況につきましては、観光庁の調査によりますと、ことし6月までの上半期は、2万人泊を初めて超え2万830人泊となった昨年の同期に比べまして全国平均を約6ポイント上回る38.4%増の1万3,760人泊となっており、特に台湾と香港からの観光客が大幅に増加しております。

 その要因といたしましては、台湾や香港には訪日リピーターが多く、ゴールデンルートや都市部などでは味わえない自然を生かした体験や生活文化の体験を求めて地方へ観光に訪れる外国人が全国的に増加していることが、まず挙げられます。また県では、平成23年度から台湾などでのトップセールスを初め四国ツーリズム創造機構や民間事業者の方々と連携した海外でのプロモーション活動を強化してきたことや、今年度からは国際観光を推進する組織体制を強化し、国内外での旅行博や商談会への参加を大幅にふやすなど、積極的に取り組んできたことの成果が徐々にあらわれてきたものと考えております。これらに加えて、香港や台湾から四国への入り口となる関西空港や高松空港の国際定期便が拡大したことや、四国内の交通手段として訪日観光外国人を対象にした割安のJR周遊切符が発売されたことなどが後押しになったものと考えております。

 しかしながら、本県への外国人観光客は、他県に比べてまだまだ少なく、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、本県への外国人観光客を大きく増加させるためには、何よりも海外での本県の認知度を飛躍的に向上させることや県内の受け入れ体制の充実が課題であると認識しております。

 このため今後は、これまで以上に国内外での商談会や旅行博へ参加することはもとより、本県がターゲットとする国ごとに本県の認知度を高めるための情報発信を強化していく必要があると考えています。さらに、日本への観光客が大きく増加してくると見込まれます再来年のオリンピック・リオデジャネイロ大会の終了時期を見据えて、民間団体や市町村ともしっかり連携し、消費税免税店の拡大や無料Wi−Fiの環境整備を初め、県内の外国人観光客の受け入れ体制を整備する必要がありますので、この2つを国際観光戦略の柱として来年度予算編成に向けて具体的に検討を進めてまいります。

   (文化生活部長岡崎順子君登壇)



◎文化生活部長(岡崎順子君) 2つの公立大学法人の統合による具体的なメリットをどのように発揮しようとしているのかとのお尋ねがございました。

 今回の法人の統合では、3つの公立大学を1つの法人のもとで運営することで、経営規模の拡大による運営面での基盤の強化や法人管理部門の一元化による管理経費を初めとする経営面での効率化を目指しております。

 また、大学にとりましても、お互いが身近になりますことから、連携をより進めることでそれぞれの強みを生かし、さらに充実した大学運営や教育研究、社会貢献活動を行うことも期待できます。例えば高知県立大学にとりましては、学生募集や就職支援の方法など高知工科大学が私学の時代から積み重ねてきたノウハウを活用することが可能となりますし、高知工科大学においては、高知県立大学の介護・福祉分野の専門性を新たな機器の研究や開発などに生かすことができるようになります。とりわけ永国寺キャンパスにおいては、1つのキャンパスに3つの大学が同居することになりますので、こうしたメリットがより強く発揮されるものと考えます。

 歴史と伝統のある高知県立大学と私立大学からスタートし民間的な経営手法を取り入れてきた高知工科大学は、大学の個性、風土といったものも異なります。法人統合まで残された時間も少なくなってまいりましたので、これまで以上に両法人と連携・協力して、こうした統合のメリットが発揮できますよう、来年4月に向けしっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。

   (警察本部長國枝治男君登壇)



◎警察本部長(國枝治男君) 本県の治安情勢に対する認識と今後の治安対策についてお尋ねがありました。

 本県の治安情勢については、刑法犯認知件数、交通事故発生件数等から見て、数値的には一定の成果を上げていると考えておりますが、県民の皆様の要望、期待等を踏まえますと、議員御指摘のとおり、さらなる取り組みが必要と考えております。

 とりわけ、特殊詐欺対策は喫緊の課題であります。県警察におきましては、犯人からの電話を詐欺と見破った方々の御協力を得てだまされたふり作戦を展開したり特殊詐欺を助長する口座詐欺などの取り締まりを強化したりして、犯人の検挙に努めております。また、県や市町村、金融機関、宅配事業者等の関係機関と連携し、官民挙げての広報や窓口等での声かけなどにより、被害防止に努めておりますが、議員御指摘のとおり、本年の被害金額は過去最悪となっております。

 県警察といたしましては、引き続き犯人検挙に努めてまいりますが、あわせて関係機関等との連携を推進、強化しつつ、他県での効果的な取り組みなども参考としながら、抑止対策に一層努めてまいる所存であります。

 また、交通死亡事故抑止対策の推進についてもさらなる取り組みが必要と考えております。本年の交通事故死者は、昨日現在、昨年同期に比べて1人減の38人となっているものの、交通事故死者のさらなる減少に向けた取り組みが必要と考えているところであります。

 交通事故死者を減少させるためには、全死者の6割を占める高齢者の死者を減少させる必要があり、高齢者の方々に交通安全の意識をさらに高めていただくことが重要と考えております。県警察においては、これまでの交通安全教室などの施策に加え、本年7月から新たに高齢者交通安全支援隊による活動を開始いたしました。これは、運転免許を保有していない、あるいは老人クラブ等に加入していないなどの理由から、交通安全研修を受ける機会が少ない高齢者の方々を主たる対象とし、スーパーマーケットなどにおいて交通安全啓発を行うものであります。参加者からは好評を得ておりますが、こういった施策の効果について、引き続きPDCAサイクルで検証しつつ総合的な交通安全対策を講じ、安全で快適な交通の確保に努めてまいります。

 以上、特に2点を挙げましたが、このほかにも南海トラフ地震等対策の推進、少年非行対策の推進、子供・女性を犯罪から守る活動の推進、重要犯罪等に対する捜査の強化、警察基盤の充実強化などなど、課題は山積と認識しております。

 県警察におきましては、平成27年は運営指針に高知県の安全・安心を守る強い警察を掲げ、県民の皆様が安全・安心を実感できる高知県を県民の皆様とともに実現すべく取り組んでまいる所存であります。県警察に対し、引き続きの御理解と御協力、また御指導をよろしくお願い申し上げるところであります。



◆19番(溝渕健夫君) それぞれ丁寧な御答弁、本当にありがとうございました。時間がないですので再質問はいたしませんが、今議会は地方創生についての議論もありました。そのことについては知事におかれましても本当にいろんな提言を国に上げて、今回の法が地域と都市との格差の是正に向けても本当に役に立つ大きな節目の法にもなっていくと思いますし、その努力を積み重ねていっていただきたいと思います。

 そのことが、やはり高知県のいろんな夢とか希望とかを県民が持てるような、その努力ができるような、そういう県にしていってほしいと思います。どうか一層県勢の発展の実現のために、ますます活躍もいただきますことを祈念いたしまして、一切の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)



○議長(浜田英宏君) 以上をもって、議案に対する質疑並びに一般質問を終結いたします。

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△議案の付託



○議長(浜田英宏君) これより議案の付託をいたします。

 ただいま議題となっている第1号から第36号まで、以上36件の議案を、お手元にお配りいたしてあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

   〔議案付託表 巻末228ページに掲載〕

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△請願の付託



○議長(浜田英宏君) 御報告いたします。

 請第1−1号「すべての子どもにゆきとどいた教育をすすめるための請願について」から請第2−2号「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成の請願について」まで、以上4件の請願が提出され、その請願文書表をお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。

 これらの請願は、請願文書表に記載のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。

   〔請願文書表 巻末232ページに掲載〕

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△議案の追加上程、提出者の説明、採決(第37号)



○議長(浜田英宏君) 御報告いたします。

 知事から議案が追加提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。

   (書記朗読)

   〔提出書 巻末237ページに掲載〕



○議長(浜田英宏君) お諮りいたします。

 ただいま御報告いたしました第37号「高知県教育委員会の委員の任命についての同意議案」を、この際日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と言う者あり)



○議長(浜田英宏君) 御異議ないものと認めます。よって、日程に追加し、議題とすることに決しました。

 本議案を議題といたします。

 ただいま議題となりました議案に対する提出者の説明を求めます。

 県知事尾崎正直君。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) ただいま追加提案いたしました議案について御説明申し上げます。

 第37号議案は、高知県教育委員会委員の八田章光氏の任期が今月23日をもって満了いたしますため、同氏を再任することについての同意をお願いするものであります。

 何とぞ御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。



○議長(浜田英宏君) お諮りいたします。

 ただいま議題となっている議案については、質疑、委員会への付託、討論を省略し、直ちに採決することに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と言う者あり)



○議長(浜田英宏君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。

 これより採決に入ります。

 第37号「高知県教育委員会の委員の任命についての同意議案」を採決いたします。

 本議案に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。

   (賛成者起立)



○議長(浜田英宏君) 全員起立であります。よって、本議案に同意することに決しました。

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○議長(浜田英宏君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。

 お諮りいたします。明18日から23日までの6日間は委員会審査等のため本会議を休会し、12月24日に会議を開きたいと存じますが御異議ありませんか。

   (「異議なし」と言う者あり)



○議長(浜田英宏君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決しました。

 12月24日の議事日程は、議案並びに請願の審議であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。

   午後0時散会