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平成26年 12月 定例会(第329回) 12月16日−03号




平成26年 12月 定例会(第329回) − 12月16日−03号







平成26年 12月 定例会(第329回)



          平成26年12月16日(火曜日) 開議第3日

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出席議員

       1番  金子繁昌君

       2番  加藤 漠君

       3番  川井喜久博君

       4番  坂本孝幸君

       5番  西内 健君

       6番  西内隆純君

       7番  弘田兼一君

       8番  明神健夫君

       9番  依光晃一郎君

       10番  梶原大介君

       11番  桑名龍吾君

       12番  佐竹紀夫君

       13番  中西 哲君

       14番  三石文隆君

       15番  森田英二君

       16番  武石利彦君

       17番  浜田英宏君

       18番  樋口秀洋君

       19番  溝渕健夫君

       20番  土森正典君

       21番  西森潮三君

       24番  ふぁーまー土居君

       25番  横山浩一君

       26番  上田周五君

       27番  中内桂郎君

       28番  西森雅和君

       29番  黒岩正好君

       30番  池脇純一君

       31番  高橋 徹君

       33番  坂本茂雄君

       34番  田村輝雄君

       35番  岡本和也君

       36番  中根佐知君

       37番  吉良富彦君

       38番  米田 稔君

       39番  塚地佐智君

欠席議員

       なし

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説明のため出席した者

  知事       尾崎正直君

  副知事      岩城孝章君

  総務部長     小谷 敦君

  危機管理部長   野々村 毅君

  健康政策部長   山本 治君

  地域福祉部長   井奥和男君

  文化生活部長   岡崎順子君

  産業振興

           中澤一眞君

  推進部長

  理事(中山間対

           金谷正文君

  策・運輸担当)

  商工労働部長   原田 悟君

  観光振興部長   伊藤博明君

  農業振興部長   味元 毅君

  林業振興・

           大野靖紀君

  環境部長

  水産振興部長   松尾晋次君

  土木部長     奥谷 正君

  会計管理者    大原充雄君

  公営企業局長   岡林美津夫君

  教育委員長

           久松朋水君

  職務代理者

  教育長      田村壮児君

  人事委員長    秋元厚志君

  人事委員会

           福島寛隆君

  事務局長

  公安委員長

           山崎實樹助君

  職務代理者

  警察本部長    國枝治男君

  代表監査委員   朝日満夫君

  監査委員

           吉村和久君

  事務局長

  選挙管理委員長  恒石好信君

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事務局職員出席者

  事務局長     浜口真人君

  事務局次長    中島喜久夫君

  議事課長     楠瀬 誠君

  政策調査課長   西森達也君

  議事課長補佐   小松一夫君

  主任       沖 淑子君

  主事       溝渕夕騎君

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議事日程(第3号)

   平成26年12月16日午前10時開議

第1

 第1号 平成26年度高知県一般会計補正予算

 第2号 平成26年度高知県給与等集中管理特別会計補正予算

 第3号 平成26年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算

 第4号 平成26年度高知県電気事業会計補正予算

 第5号 平成26年度高知県工業用水道事業会計補正予算

 第6号 平成26年度高知県病院事業会計補正予算

 第7号 高知県地域医療介護総合確保基金条例議案

 第8号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案

 第9号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例等の一部を改正する条例議案

 第10号 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案

 第11号 高知県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例議案

 第12号 高知県立療育福祉センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第13号 高知県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第14号 高知県公営企業の設置等に関する条例及び高知県電気事業有料駐車場及び工業用水道有料駐車場料金徴収条例の一部を改正する条例議案

 第15号 高知県職員定数条例の一部を改正する条例議案

 第16号 高知県営病院事業料金徴収条例の一部を改正する条例議案

 第17号 平成27年度当せん金付証票の発売総額に関する議案

 第18号 高知県立交通安全こどもセンターの指定管理者の指定に関する議案

 第19号 高知県立人権啓発センターの指定管理者の指定に関する議案

 第20号 高知県立森林研修センター情報交流館の指定管理者の指定に関する議案

 第21号 高知県立甫喜ヶ峰森林公園の指定管理者の指定に関する議案

 第22号 高知県立森林研修センター研修館の指定管理者の指定に関する議案

 第23号 高知県立月見山こどもの森の指定管理者の指定に関する議案

 第24号 高知県立室戸体育館の指定管理者の指定に関する議案

 第25号 高知県立池公園の指定管理者の指定に関する議案

 第26号 高知県立室戸広域公園の指定管理者の指定に関する議案

 第27号 高知県立土佐西南大規模公園(大方地区・佐賀地区)の指定管理者の指定に関する議案

 第28号 高知県立土佐西南大規模公園(中村地区)の指定管理者の指定に関する議案

 第29号 高知県立甲浦港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案

 第30号 高知県立手結港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案

 第31号 高知県立香北青少年の家の指定管理者の指定に関する議案

 第32号 高知県立高知青少年の家及び高知県立青少年体育館の指定管理者の指定に関する議案

 第33号 高知県立県民体育館、高知県立武道館及び高知県立弓道場の指定管理者の指定に関する議案

 第34号 県有財産(機械設備)の取得に関する議案

 第35号 県有財産(機械設備)の取得に関する議案

 第36号 安芸高校南校舎改築主体工事請負契約の締結に関する議案

第2 一般質問

   (3人)

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   午前10時開議



○議長(浜田英宏君) これより本日の会議を開きます。

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△諸般の報告



○議長(浜田英宏君) 御報告いたします。

 教育委員長小島一久君から、所用のため本日の会議を欠席し、教育委員久松朋水君を職務代理者として出席させたい旨の届け出がありました。

 また、公安委員長島田京子さんから、所用のため本日の会議を欠席し、公安委員山崎實樹助君を職務代理者として出席させたい旨の届け出がありました。

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△質疑並びに一般質問



○議長(浜田英宏君) これより日程に入ります。

 日程第1、第1号「平成26年度高知県一般会計補正予算」から第36号「安芸高校南校舎改築主体工事請負契約の締結に関する議案」まで、以上36件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。

 35番岡本和也君。

   (35番岡本和也君登壇)



◆35番(岡本和也君) おはようございます。私は、日本共産党を代表して質問を行います。

 まず、知事の政治姿勢について3点伺います。

 1点目は、消費税増税についてです。

 安倍首相は、消費税10%は先送りしたものの、消費増税法の景気条項を削除して、景気に関係なく問答無用で実施すると述べました。これは、首相自身が税率を上げても税収がふえないということになっては元も子もないとして先送りした理由と全く整合性がありません。

 景気や国民の暮らしの状況を無視しても10%増税を実施する真の目的は、財界の言いなりに法人税減税を実施する財源を確保するためであることは明瞭です。財界は、日本の法人税は高過ぎると言っていますが、日本の法人税が高いという主張は政府自身が否定しています。

 ことし3月31日の政府税制調査会に、財務省が、企業負担の国際比較の中で法人税負担の対GDP比という資料を提出しています。表面税率では各国で課税ベースが違うために実態をあらわさないので、比較するにはGDP比で見るのが国際的な見方です。それによれば、日本は3.2%で、韓国3.5%、シンガポール3.9%より低く、中国3.2%と同じです。しかも、大企業が利益をふやしても国民に還元されないことは、1990年代半ばからの構造改革路線で実証済みです。消費税増税に相前後して法人税減税が実施されてきた事実を見ても、消費税が法人税減税のために使われてきた事実は明白です。そのことが確認できるのは、1990年からの25年間、法人3税が減税と景気悪化により累計で255兆円減少しています。反対に消費税収は1989年から26年間で282兆円と、ほぼ一致する数字となっています。今回もセットでの実施です。

 景気に関係なく消費税増税10%を実施し、莫大な利益を上げている大企業にさらに減税するでは道理にかなわないと思うが、知事にお伺いいたします。

 次に、TPPについてです。

 安倍政権は、あくまでTPPの合意に固執しています。しかし、国益が守れないことは日豪EPAで明らかです。EPAでは、国会決議に反し、牛肉の関税を大幅緩和することが決定されました。そのことは、畜産農家だけでなく飼料米の市場も縮小し、稲作農家にとっても未来を閉ざされる内容です。

 TPPは秘密裏の交渉のため、メディアの報道は減っていますが、日豪EPAの流れでTPP交渉が締結されたら、本県に深刻な影響を与えることは必至です。アメリカ農務省の報告書では、合意によって最も農産物の輸出をふやすのはアメリカで、参加国全体の輸出増加額の70%は輸出先となる日本に押しつけられ、日本農業はほぼひとり負けになると試算されています。

 産業振興計画の土台となる第1次産業を成り立たなくするTPPに対し、改めて高知県の意思を明確にし、県民世論を喚起する必要があるのではないか、知事にお聞きします。

 3点目に、田舎回帰として全国町村会の提言も強調する自然エネルギーの推進について伺います。

 9月議会で、自然エネルギーの新規契約の中止、保留について質問し、さらに普及を促進するための意見書も可決されました。

 自然エネルギーの実態は、計画を出しただけで、実際の運転はまだ一部であり、四国電力では計画だけでも春夏のピーク電力に届いていません。その後、太陽光発電協会は、約3割は権利の転売を目的にしたもので、本気でない業者は淘汰される、その結果、送電網に支障が出るのは九州電力で3年後、東北電力と四国電力で6年後とレポートを出しています。その間に送電網を整備し、電力会社間で融通し合う仕組みづくりが可能です。

 また、自然エネルギーの蓄電に効果的な揚水発電の利用率は、昨年度わずか3%です。四国の揚水発電のかなめである本川発電所の発電能力は、伊方1号機、2号機と同程度の60万キロワットを超えています。さすがに経済産業省も、揚水発電を最大限活用すれば自然エネルギーの受け入れ可能量がふえるとして、試算の提出を求めました。したがって、今回の自然エネルギーの契約中止は、電力会社が原発に固執し、自然エネルギーの普及にあらがう姿勢が明らかであり、条件が違うのに各電力会社が横並びで中止、保留を打ち出したのはそのあかしです。

 このことから、自然エネルギーの新規契約を保留している四国電力に抗議するとともに、契約を再開し、送電システムの整備など自然エネルギーの普及に真剣に取り組むよう強く要請するべきと思うが、知事にお聞きいたします。

 次に、小規模企業振興基本法について伺います。

 長引く不況のもと、中小企業は、施設の老朽化や財務状況の危機的水準など、深刻な事態が続いています。その中で、地域密着型の小規模企業、自営業の振興に向けた施策として小規模企業振興基本法がことし6月に成立しました。

 1999年に中小企業基本法が大改悪され、大企業と中小企業の格差是正、不利の補正という理念をやめ、創業、ベンチャー支援に重点が置かれ、それが原因で自営業者が大きく減少してきたわけです。そこで、今回の同法制定について中小企業白書は、成長発展する中小企業だけでなく事業の持続的発展を打ち出した点で、中小企業政策の大きなパラダイムシフトを意味すると明記しています。同法では、国が基本計画を策定し国会に報告すること、地方自治体はその区域の条件に応じた施策を策定し実施する責務を負うことを定めています。

 本県では、既に産業振興計画として小規模企業の振興を具体的に実践しているわけですが、小規模企業振興基本法の意義、課題について知事の認識をお聞きいたします。

 小規模企業の持続的発展を支援するための前提条件として、緊急の経済環境改善の取り組みが重要になっています。

 第1は、税制問題です。政府は、大企業の法人税減税の財源対策として、赤字の中小企業も増税となる外形標準課税の適用拡大を検討しています。ただでさえ消費税増税分を価格に転嫁できず原材料費の高騰で苦しむ小規模企業に、息の根をとめる増税です。赤字企業であっても労働者の給与を払い、社会保険料を負担し、地域経済を支える大きな役割を発揮しています。

 外形標準課税の適用拡大に断固反対するべきと思うが、知事にお聞きいたします。

 また、自営業から成る小規模事業者での自家労賃問題、所得税法第56条の解決も重要です。家族従業員への労賃が、同条により必要経費として認められておらず、後継者不足に拍車をかけており、高知県議会も2007年9月県議会で「所得税法第56条の廃止を求める意見書」を全会一致で可決しています。

 小規模事業者の存続にとって所得税法第56条の廃止が重要と思うが、知事にお聞きいたします。

 第2に、地域の実態に即した支援策の拡大、普及です。そのためにも、まずは県内地域の実態を把握することが必要ではないでしょうか。

 県内の小規模事業者の実態調査や要望の聞き取りをぜひ実施するべきと考えますが、商工労働部長のお考えをお聞きします。

 そこで、支援策の中で、全国でも県内でも歓迎されているのが住宅リフォーム助成制度です。現在実施している住宅の耐震改修は極めて重要であり、前県政のもとで共産党議員団が繰り返し論戦で要望し、導入に結びつけたものです。

 しかし、この仕事は専門技能を持った業者への発注となり、広範な事業者を支援することを目的にしていません。一方、住宅リフォーム助成は、広範な事業者に波及する緊急経済対策として意味があり、災害対策を考えても、地域に工務店や職人が存在し続けることを支援するものですし、住環境の改善そのものも重要であり、国も長期優良化住宅リフォームに踏み出しています。

 住宅リフォーム助成は、秋田、山形、静岡、広島、佐賀の5県を含む628自治体で実施されています。京都府与謝野町は、3年間実施した住宅リフォーム助成についてアンケートを実施し、利用者から689通、施工者から71通の回答を得ています。

 アンケートのまとめでは、改修された住宅は築30年から50年のものが多く、本制度が住環境を向上させるための改善工事を行うきっかけになったと述べ、「補助金が出るので実施した」という回答が約35%、「追加工事を実施した」が約17%となっており、経済波及効果が高いと評価しています。施工業者のアンケートでは、8.5%の会社が「従業員がふえた」と回答し、まとめでは、施工業者が本制度を利用して営業活動を行うことによって新たな仕事を獲得する機会がふえた可能性があり、町内の建設関連業者には非常に大きな影響があったと分析しています。施工業者の事業規模も、1,000万円から5,000万円が45%、1,000万円以下が31%と、小規模事業者の仕事確保につながっています。

 また、同町が経済波及効果の分析を委託した京都大学研究チームの報告は、投入した補助金の23.84倍の効果があったこと、1次波及効果の産業別割合の分析から、建設業を軸に、金属製品、窯業・土石製品、商業、鉄工、運輸、金融・保険、製材・木製品など多様な業種に波及効果があったことを明らかにしています。

 耐震改修助成と住宅リフォーム助成では、経済効果が波及する事業者に大きな違いがあります。改めて、住環境の改善、地元経済対策として、住宅リフォーム助成の実施を検討するべきでないか、土木部長にお伺いいたします。

 さらに、住宅リフォーム助成の発展型として、小規模企業支援に広げた群馬県高崎市の店舗リフォーム支援、まちなか商店リニューアル助成事業が注目を浴びています。同制度は、商業の活性化を目的に、店舗の改装、店舗などで専ら使用する備品の購入について、上限100万円として2分の1を補助するものです。

 きっかけは、市職員が直接店舗を訪問し、約300件から直接経営問題などをヒアリングしたことです。同制度は、浮かび上がった店舗の老朽化という課題に対応するためのものです。手続も簡単で、当初予算1億円で出発しましたが、好評のため補正で追加し、4億4,000万円に拡大し、経済効果10億2,760万円と試算されています。738件の申請のうち、改修工事は460件、壁紙や床の張りかえ、トイレの洋式化、LED照明への切りかえが行われています。

 同市の富岡市長は、町なかをおもしろく活気のあるものにしたい、そのためには小さな店が元気になることと制度の目的を語っています。まちづくりと一体で効果を上げています。その後、岐阜県飛騨市、北海道訓子府町、清里町などに広がってきています。

 店舗リフォームについても検討するべきと思いますが、商工労働部長にお聞きをいたします。

 次に、産業振興について伺います。

 耕地面積が小さな中山間地が多い本県の農業振興にとって、高付加価値を生み出す農業と食品加工業の連携強化など、県としても力を入れてきているところです。

 さて、高齢化が進展するとともに生活習慣病とその予備群が増加し、10年以上差のある平均寿命と健康寿命の差を解消する課題など、健康に対するニーズは今後ますます高まり、食品についても、より健康に資する需要が拡大することが考えられます。食品には、第1次機能として栄養面での働き、第2次機能として食事を楽しむための味覚・感覚面の働き、第3次機能として体調調整機能があり、この第3次機能に関する表示は一般に機能性表示と呼ばれています。現在、食品の機能性表示を行うことができるのは栄養機能食品と特定保健用食品ですが、この間、健康食品を初め保健機能を有する成分を持つ食品、農林水産物について、機能性表示を容易にするための新たな方策が検討されて7月に報告書が出され、来年4月から食品の新たな機能表示制度が実施されようとしています。

 新制度は、野菜や魚や肉などの生鮮品のほか、茶やそばなどの加工食品、サプリメントなど、原則として全ての食品が対象になります。病気の治療・予防効果の表示は認められないが、健康の維持・増進の範囲に限って機能性表示が可能になり、肝臓の働きを助けます、目の健康をサポートしますなどの表示が期待されます。実際に想定されているものとして、温州ミカンが、「ベータクリプトキサンチンを含み、骨の健康を保つ食品です。更年期以降の女性の方に適しています」、ホウレンソウが、「ルテインを補い、目の健康維持に役立ちます」、豆乳が、「ベータコングリシニンを含んでいるため、遊離脂肪酸を減らす働きにより、正常な中性脂肪の値の維持に役立ちます」というものです。同制度を有効活用することで高知県産の付加価値の高い農林産品の需要拡大に結びつくことが期待されます。

 県はこれまでも、食品産業振興事業で、機能性食品の開発、産学官連携産業創出研究推進事業の取り組みでは、県産有用未利用植物の研究として、幾つかの植物から特に有用な機能性が発見され、県内企業がお茶やフローラルウオーターなどの製品化に取り組んでいることが報告されてきたところです。

 新たな機能性表示制度は県の産業振興にとっても新たな可能性を開くものではないか、農業振興部長にお聞きします。

 大学、医療機関との連携も一層重要になってきていると思います。また、新制度の導入の理由に、これまでの制度では認可手続に時間と費用がかかるために中小企業にとってハードルが高いことが挙げられており、中小企業の活躍の場を拡大することに狙いがあると考えられます。一方、認可が要らないということは、企業の自己責任で表示するということで、企業は販売する前に、科学的根拠を立証した論文や製品情報などを消費者庁に届け出ればよいとなっています。

 生産者を含めて、県内の中小企業が取り組みやすくなるための情報提供、経費面や手続面の支援も重要になるのではないかと思います。その点についてどう取り組んでいくつもりか、商工労働部長にお伺いします。

 他産業からの新規就農者には、経営リスクを負うことから、5年間、年150万円の青年就農給付金が支給される制度があります。親元就農の場合も一定の条件のもとに適用となりますが、今年、制度が一部変更され、「新たな作目の導入、経営の多角化など新規参入者と同等の経営リスクを負うと市町村長に認められること」と経営リスク判断が条件に加わり、親元就農の場合の同制度利用者が大きく減少している事例があります。土佐市では、2012年度12件、うち親元就農10件、2013年度16件、うち親元就農15件、2014年度は12月段階で2件、親元就農なしとなっています。

 親元就農であっても、実際に経験を積み、技術、知識を継承するには苦労も多く、農業を取り巻く環境は、価格低迷、資材、燃料の高騰など厳しいものがあり、5年程度は経営が不安定なのが実情です。親元就農について、青年就農給付金の要件見直しの影響、新たな品目導入の指導、支援などの対策の必要性など、どう認識しているのか、農業振興部長にお聞きをいたします。

 次に、移住促進についてです。

 新規就農支援は、移住促進にとっても大きな役割を果たしていますが、兼業農家が少なくない現状を考えれば、兼業就農を支援する制度を考えてみる必要があるのではないかと思います。

 島根県では、酒造、看護、介護、保育など、地域で必要とされ兼業が可能な仕事、事業所を具体的に紹介し、農業のある暮らし、農村の豊かさを実感しながら、農閑期なども兼業で必要な現金収入を確保することで、移住促進に取り組んでいます。それまでも島根県は、移住者に滞在費として月額12万円を最長1年間助成していましたが、半農半Xとして地元の酒蔵といった働き口を紹介し、営農に必要な研修中の支援、定住して営農した場合の支援として、いずれも12カ月以内で月12万円の助成を実施し、就農のための施設などの整備についても事業費上限300万円で3分の1を補助する制度も整備しています。昨年7月25日付の日本農業新聞には、「農閑期の働き口があることで生活が安定する」、「就農への見通しが立てやすくなった」との声も紹介されています。

 兼業就農による移住促進については、高知県でも研究し、実施を検討する価値がある取り組みと思うが、農業振興部長にお聞きをいたします。

 次に、内水面漁業での資源保護について質問します。

 ことしも12月1日から、県内の主な河川で落ちアユ漁が解禁されました。「11月末の雨の影響などから、全体で見ると低調。一方、資源保護のための禁漁は野根、伊尾木、安芸、物部、新荘の5河川に拡大され、鏡川では禁漁区の範囲が大幅に広がるなど、共生を思いながらのシーズンとなった」と新聞紙上で落ちアユ漁の報道があったように、アユ漁についても資源確保が課題となっています。

 内水面漁業では、乱獲による資源保護の議論が最近顕著に起こっています。絶滅危惧種になったウナギを初め、川エビやツガニ、そしてアユなどであります。アユについては、稚魚の放流などで辛うじて資源を確保していますが、年を追って魚影が減っているのが実情で、内水面漁業における資源確保の環境は年々厳しくなっています。高知県でもアユ漁は地域によって特産品として産業振興につながっていることから、産業振興の観点からも資源の確保は喫緊の課題です。

 そんな中、ことし6月、内水面漁業の振興に関する法律が通常国会で成立しました。目的において、内水面漁業の振興に関し、国と地方公共団体の責務などを明らかにすることや漁業生産力を発展させることなどがうたわれています。

 本県における内水面漁業の振興に関する法律の意義及び課題について知事の認識をお聞かせください。

 県内の内水面漁協では、資源確保の取り組みの一つとして、外来魚、いわゆるブラックバスやブルーギル、そしてカワウの駆除についても積極的に行っています。県内漁協の中でも四万十川漁連では、駆除に対する年間100万円の予算がすぐなくなるくらい駆除が活発です。参考までに、平成26年度では、ブルーギル1匹100円の報償金で4,804匹、ブラックバスの報償金200円で2,650匹−−100万円とは別にです。カワウ1羽3,000円で300羽の数字が出されています。

 四万十川漁連の話をお聞きすると、「20代の若者が、仕事がない、少しでも生活の足しにと冷凍庫に保管してまとめて持ってくる」、「外来魚については6月から買い取りを始めるが2日間で予算がなくなる」、「県も外来魚のリリースをやめさせる啓発活動に積極的に取り組んでほしい」、「高知県としても県内水面漁連を窓口に駆除の報償金に対して補助金を拠出してくれているが、単位漁協の負担軽減になるような補助内容にしてほしい」など、切実な要望が出されました。

 県としても漁協のこのような声に応え、外来魚のリリースをやめさせるための啓発活動を積極的に行うこと、また駆除の報償金は総額の2分の1を漁協が負担していますが、県の予算を増額して漁協の負担の軽減や通年の駆除に取り組ませることができないか、水産振興部長の考えをお聞きしします。

 次に、国民健康保険制度、国保について伺います。

 全国知事会の決議も、負担が限界に来ていると指摘していますが、特に高齢化が進み県民所得の低い本県においては、高過ぎる国保税・料は極めて深刻な問題となっています。その原因は、国保加入者が大きく変化しているにもかかわらず、1984年以来、公費助成が医療給付費の2分の1という枠組みを変えないでいるからです。

 国保が発足して間もない1965年の加入者の内訳は、1次産業が42.1%、自営業が25.4%、被用者19.5%、無職6.6%でしたが、2011年は、1次産業2.8%、自営業14.5%、被用者35.8%、無職42.6%と大きく変化しました。その結果、世帯の平均所得は、1984年179万円、1991年は277万円でしたが、2011年は142万円と大きく低下しています。高齢者がふえ医療費が大きくなっているにもかかわらず加入者の所得は低下しているため負担は高まる一方で、1人当たりの保険料は1984年の3万9,000円から2011年には9万円近くに激増しています。

 まず、加入者の負担は限界を超えていると思うが、知事の認識をお聞きします。また、その対策として、広域化では解決にならず、解決には国費投入の抜本的な強化が必要と思うが、重ねて知事に決意をお聞きします。

 高過ぎる保険料により保険証を取り上げられたり、3割の窓口負担が影響で必要な医療にかかれない実態が拡大しています。本議会でも、無料低額診療の実態を取り上げて質問もいたしました。医療も介護もそうですが、早期に発見し早期に手当てすることは、命と生活を守る上で極めて重要であり、重篤化を防ぐことで保険財政にも寄与することになります。ところが政府は、自公政権のときも民主党政権のときも、自治体が実施する医療の窓口負担の軽減に対し、国庫負担金を削減する理不尽な対応をしています。その額は、本県では4億円もの巨額に達しています。

 国保負担金の削減は理不尽であり、知事会と各都道府県選出の国会議員が連携して改善をさせるべきと思うが、知事にお聞きします。

 全国で、国民健康保険税を滞納した世帯に対する差し押さえが急増し、10年間で4から5倍になっています。高知県でも差し押さえた件数は、2005年の581件から、後期高齢者医療制度の導入により加入世帯が減少したにもかかわらず、2011年度1,450件となっています。そもそも滞納になるのは、所得が低下する中、国保税がどんどん引き上がっていることが最も大きな要因であり、そのもとで加入世帯の生活実態を無視した差し押さえが大きな問題となっています。

 昨年、地方税滞納を理由として鳥取県が口座に振り込まれた児童手当を差し押さえたことが違法と広島高裁で認定、確定判決となりました。この件については県議会の場でも取り上げましたが、11月6日の参議院厚生労働委員会で、この内容は国保税の滞納にも当てはまるものではないかと、我が党の小池晃参議院議員が取り上げました。厚労省保険局長は、「厚労省も税務当局も同じであり、一般論としては、公的な手当などの受給権、差し押さえが禁止されている受給権は、これは差し押さえがもちろんできない。振り込まれた預金は受給者の一般財源となり、原則として差し押さえ禁止債権としての属性は禁止されないが、事実関係に照らして、この判決でこうした原則の例外となり得るケースがあることを示した」と差し押さえ禁止のケースがあると認めました。

 さらに、差し押さえの比率に自治体で大きな差があり、生活実態を調べて差し押さえをやっているところと機械的にやっているところがあるのが実態なのではないかとの追及に対し、生活が窮迫する場合は滞納処分を停止する仕組みがあると答弁し、実情をよく把握して対応していただきたいと述べています。厚生労動大臣も、しゃくし定規なことをやるのではなく、ぬくもりを持った行政をやるべく徹底していくと答弁しています。

 県内でも、機械的な対応がされている懸念があります。県内の市部で比較すると、加入世帯に対する差し押さえの比率は、2011年度を見ると200倍を超える差が生じています。また、滞納世帯への資格証明書の発行率でも大きな格差があります。2014年度の資料では、須崎市9.87%、高知市9.9%の一方、土佐市、四万十市、香美市が30%後半と、4倍近い差が生じています。

 実情を把握し、適切な対応をとるよう県としても働きかけるべきでないか、健康政策部長にお聞きします。

 最後に、避難施設としての学校の整備についてです。

 学校の耐震化、水、食料の備蓄など、子供の命を守る上で重要なことは論をまちません。同時に、多くの学校は地域の避難施設に指定されており、その点からの整備も必要です。

 2012年12月議会で吉良議員が、備蓄品や飲料水、生活水を確保する浄水装置など備えるべき資材についての検討状況、現状と課題について質問してきたところですが、10月3日に国立教育政策研究所が、避難所となっている学校施設の防災機能に関する実態調査を発表しています。その中には、備蓄倉庫、トイレ、通信装置、自家発電、浄水装置などの数字も出ています。南海地震対策に力を入れている高知県ですが、その実施率は全国平均よりも若干低くなっています。高校など県立校は8ないし10割と極めて高い実施率ですが、市町村の財政力が弱いこと、小規模校が多いことが影響していると思われます、小中の実施率が低いことが特徴です。

 幾つか数字を紹介しますと、備蓄倉庫などが敷地内に設置されている学校は全国平均47%、高知県の小中学校は36.3%、停電に備えた自家発電設備が設置されている学校は全国40%、県内の小中学校32.6%、貯水槽、プールの浄水装置などが設置されている学校は全国36%、県内の小中学校は24.2%、要配慮者に配慮したスペースを検討している学校数、割合は全国47.1%、県内の小中学校は43.2%、体育館、校舎などにスロープを設置している学校数、割合は全国66%、県内の小中学校は55%などとなっています。また、全国集計ですが、避難所に必要と考えられる機能を検討済みまたは検討中60%、学校施設を避難所とする際の施設利用計画などを策定済み44%となっています。

 同調査の結果についての認識、学校を避難施設として使う場合の課題と、今後学校の避難所機能を充実させていくための対策について教育長にお伺いをいたしまして、第1問といたします。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 岡本議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、景気に関係なく消費税10%増税を実施する一方で、莫大な利益を上げている大企業に法人税減税を実施するのは道理にかなわないのではないかとのお尋ねがございました。

 高知県のような地方では、時々の景気のよしあしよりも、長期間にわたる人口減少による経済の縮みのほうの影響が大きく、この構造的な問題は年を追うごとに悪化していくものでありますことから、抜本的な対策、すなわち少子化対策、安定的な社会保障制度の確立、地方創生の推進などといった対策を早期に本格的に講ずる必要があります。例えば、少子化対策として期待されております子ども・子育て支援新制度には約1兆円超かかることなどを踏まえますれば、そのための財源確保をしっかりと図る必要があり、構造的な問題に対応するためにも、消費増税は飲まざるを得ない苦い薬だと思っているところであります。

 また、法人税減税は、我が国の立地競争力を強化するとともに、我が国企業の競争力を高めることで国内経済を活性化し、質の高い雇用機会を国内に確保することを目的として議論されており、雇用の創出、ひいては将来にわたって持続可能な社会の構築を目指す点において、消費増税とその方向感を一にするものと考えております。加えて、来年度の税制改正の議論においては、大企業を対象に導入されている外形標準課税の割合を高める一方、中小企業への課税強化は先送りすることが検討されており、必ずしも御指摘のように財界の言いなりで減税を行うということにはならないのではないかと認識しております。

 ただ、留意すべき点として、国におきましては、企業の収益が雇用の拡大や所得の上昇につながり、それが消費の増加を通じてさらなる景気回復につながるという経済の好循環の実現に取り組んでいただく必要があり、この点が真になし得るものか、制度設計においてよくよく検証する必要があることに加え、消費税は逆進性の高い税でもございますので、消費増税に伴う痛みの部分を緩和するため、低所得者対策をもしっかりと行っていく必要があるものと考えているところでございます。

 次に、TPPについてのお尋ねがございました。

 TPPにつきましては、これまでも申し上げてまいりましたとおり、政府におきましては国民に対する情報開示と説明に努めていただきますとともに、米など重要5品目の関税など国益を必ず守っていただきたいと考えております。こうした考え方に立ちまして、これまでも国に対して提言等を行ってまいりましたが、本年6月にも四国の他の3県に呼びかけ、四国知事会として、農林水産物の重要品目の関税など国益を必ず守るという姿勢で臨み、守ることができないのであれば脱退も辞さないものとすることとの緊急提言を取りまとめ、農林水産省に要望活動を行ったところであります。

 12月7日から12日まで、ワシントンにおいてTPP首席交渉官会合が開催されておりましたが、報道によりますと、一定の進展はあったものの、政治判断を仰ぐ段階までは至っておらず、年明けに実務者協議を開催するとされております。重要5品目の関税など守るべき国益がきちんと守られるのかどうか、依然として予断を許さない状況にあると認識しております。

 県としましては、今後の動向に十分注視しますとともに、こうした国際交渉では国内からの強い声が交渉する方々を後押しすることになりますことから、今後とも必要に応じて、県民の皆様の生活を守るための取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。

 次に、電力会社に対し、電力買い取りの契約手続を再開し、自然エネルギーの普及に真剣に取り組むよう要請すべきではないかとのお尋ねがありました。

 今回、四国電力を含む4つの電力会社において再生可能エネルギーの買い取り契約の申し込みに対する回答を一時保留するに至りましたのは、固定価格買取制度の開始以降、急速に太陽光発電の導入が進んだことで、電力需要の少ない5月の休日などにおきまして電力の需要と供給のバランスが崩れ、安定供給の支障となるおそれがあるため、電力会社管内の接続可能量について早急に検討する必要があったからだと承知をいたしております。

 国におきましては、この事態を受け、10月16日に、総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会のもとに、専門家によるワーキンググループを設置し、統一的な計算方法を検討し、これに基づいて電力会社が試算した接続可能量の検証を行うとともに、発電施設の出力抑制ルールの見直しや蓄電池の設置などの接続可能量の拡大方策について集中的な審議が行われておりまして、年内にも対応策が整理されることとなっております。四国電力においては、現在、接続可能量や導入拡大策について検討を行っており、国のワーキンググループでの検証が終わった段階で検討結果を取りまとめ、回答を保留している契約申し込みについて順次対応していくと聞いております。

 本県はこれまでも、電力需要の少ない中山間地域を多く抱えていることから、電力会社の送電線が脆弱であり、接続可能量に限界があるという課題がありました。それに加えまして、今回の接続問題は、今後の再生可能エネルギーの最大限の導入に大きな制約となりますことから、引き続き、自然エネルギーの導入拡大に向けた政策が着実に進みますよう国に対して政策提言を行いますとともに、四国電力に対しては、導入拡大に最大限の努力を払うよう要請してまいりたいと考えています。

 次に、小規模企業振興基本法の意義と課題についてお尋ねがございました。

 小規模企業振興基本法は、従業員が5人以下といった零細な事業者の持続的発展を目的として制定された法律であり、特に小規模企業が多くを占める本県にとりましては、地域に根差した事業活動を行い、需要を支え雇用を守るといった観点からも重要な法律であると考えています。

 基本法における重点施策として、小規模企業の経営課題に対応する需要に応じたビジネスモデルの再構築や、多様で新たな人材の活用による事業の展開、創出、また地域のブランド化やにぎわいの創出などが盛り込まれていますが、既に本県では産業振興計画の取り組みの中で、ビジネスプランの作成から販路拡大に至るまでのものづくりに対する支援や、土佐MBAによる産業人材の育成、また「高知家」プロモーションの展開や商店街の取り組むにぎわいづくりへの支援などなど、基本法の理念を先取りした具体的な施策を実行してきたところであります。今後とも、産業振興計画の施策を着実に進めることで、小規模企業を初めとする県内企業の振興を図っていきたいと考えています。

 また国におきましては、今後、基本法に基づく具体的な施策が検討、展開されるとお聞きしていますが、そうした施策が地域のニーズを踏まえた実効性のある施策となるか否かが課題と考えています。このため、本県としましては、これまでの産業振興計画の取り組みの成果を踏まえ、地方にとって使いやすく、本県などの取り組みの後押しとなる施策となるよう、国への政策提言を行っていくことも検討していきたいと考えております。

 次に、外形標準課税の適用拡大についてお尋ねがございました。

 本年6月に策定された骨太の方針には、法人実効税率を数年間で20%台まで引き下げることが明記されました。法人実効税率は、企業に対する所得課税を基礎に算出するため、法人事業税において外形標準課税の割合を高め所得割の割合を引き下げることが法人実効税率を引き下げる有効な選択肢の一つでありますことから、来年度税制改正の議論において外形標準課税の拡大が検討されているところであります。この外形標準課税の拡大につきましては、政府税制調査会が本年6月に取りまとめました「法人税の改革について」においては、対象法人の拡大を行うべきとしつつ、その際には中小法人への配慮などを検討すべきとされているところであります。

 本年10月、全国知事会が取りまとめました平成27年度税財政等に関する提案におきまして、地方税の応益性の強化及び税収の安定化のために、まずは既に外形標準課税が導入されている資本金が1億円を超える大法人について外形標準課税を拡大していく方向で検討すべきであり、資本金1億円以下の中小法人への外形標準課税の拡大については、地域経済の実態として中小法人を取り巻く環境は依然厳しいことなどから慎重に検討する必要があるとしたところでありまして、私としてもこれと同様の考えであります。

 いずれにいたしましても、年末にかけての税制改正プロセスを注視していきたいと考えております。

 次に、所得税法第56条を廃止すべきではないかとのお尋ねがございました。

 所得税法第56条は、事業主と生計を一にする親族に支払う対価は原則として必要経費と認めないとの趣旨を定めており、この規定は、事業主がその所得を恣意的に分散して不当に税負担の軽減を図ることを防止するために設けられたものと言われております。

 申告納税制度は創設以来既に60年余りが経過しており、今日における家族関係の多様化から、納税者の意識も大幅に変化してきておりますが、他方で、その変化も踏まえて、家族従業者の給与の取り扱いの妥当性などに関する議論が長年国会の場などにおきましてなされ、結果として現行制度が続いております。こうした長年の議論を経た上での結論としての現行の取り扱いを、私も妥当なものと受けとめております。

 次に、本県における内水面漁業振興法の意義と課題についてのお尋ねがございました。

 本県は、四万十川や仁淀川を初め全国に誇る清流を数多く抱え、古くから、この豊かな川からもたらされるアユなどの恵みを享受してまいりました。しかし近年、山林の荒廃による濁水の長期化、外来魚やカワウによる食害などにより、本県の内水面漁業は厳しい状況に置かれています。

 こうした中、ことし制定された内水面漁業振興法は、内水面漁業の振興に係る施策を総合的に推進し、内水面漁業の生産力を発展させ、国民生活の安定向上と自然環境の保全に寄与することを目的としており、本県が産業振興計画に位置づけた資源豊かでにぎわいのある河川づくりを進める上で大きな後押しとなるものと捉えております。

 この法律の目的を達成するためには、資源の増強対策や河川環境の保全などの取り組みを着実に実行していくことが課題であると考えておりますので、アユ種苗の生産や放流、産卵場の造成など、産業振興計画に掲げました取り組みを県民の皆様とともに着実に実行していきたいと考えているところであります。

 次に、国保の加入者の負担が限界を超えていることへの認識と、解決のためには国費投入の抜本的な強化が必要ではないかとのお尋ねがありました。

 国保は、議員のお話にありましたとおり、制度創設時と比べ被保険者の職業構成が大きく変化し、無職の方や、いわゆる非正規労働者の方が増加してきたこともあり、協会けんぽなどの被用者保険と比べて低所得の方が多く、また病気になりがちな高齢の被保険者の方が多いことなどから、財政基盤が脆弱であるという構造的な問題を抱えております。特に高知県の市町村国保は、平成24年度で世帯主のうち無職の方が49.6%とほぼ半数となっていることなどから、1人当たりの平均所得は55万4,000円で全国の市町村国保の平均所得83万円と比べても低くなっており、一方で医療費水準が高いため、1人当たりの所得に占める介護保険分を除く保険料の負担割合は13.5%と、全国平均の9.9%と比べても非常に重くなっております。

 このような状況の中、医療費は今後も増大すると見込まれることから、国民の方々が安心して医療を受けられるよう、国民皆保険制度の重要な支え手である国保制度を将来にわたって安定的に維持していくためには、今まで以上に国費の投入による財政基盤の強化が必要であり、この点をこれまでも全国知事会を通じて要望をしてきております。現在、国保財政を初めとした都道府県化の協議が国と地方の代表とで行われているところでありますが、その協議においても、都道府県化だけでなく国保財政基盤の抜本的な強化について強く国に求めているところでありまして、引き続き、国保の構造問題が解決され、持続可能な制度となるよう、国による財政支援の拡充を求めてまいります。

 最後に、国保の国庫負担金の削減について改善させるべきではないかとのお尋ねがありました。

 医療保険においては、被保険者が保険医療機関を受診した際に費用の1割から3割の自己負担が必要となっていますが、少子化対策や重度の障害者が必要な医療を受けやすくすることなどを目的として、それぞれの自治体の判断により医療費の窓口負担の軽減を行っています。しかしながら国では、このように地方が独自に医療費の窓口負担を軽減した場合、軽減しない場合と比べて医療費が増加することから、医療費に対する国の負担も増加することになるため、限られた財源の中で公平に国費を配分するという理由により、国庫負担金の減額を行っているところであります。

 これに対して全国知事会では、乳幼児医療費助成事業など地方独自の医療費助成に対する国保の国庫負担金の減額措置は、地方の独自施策の実施を制限するとともに、本来であれば国が全国統一的に行うべき子育て・少子化対策などの地方の努力に反し、地方にのみ責任を負わせるものであることから、廃止するよう国に求めてきているところであります。今後におきましても、地方独自の事業の実施に制限を加えるのではなく、また国保財政の安定化を図るためにも、全国知事会を通じ、国会議員の方々の協力も得ながら、減額措置の廃止に向け要望してまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (商工労働部長原田悟君登壇)



◎商工労働部長(原田悟君) まず、小規模企業振興基本法に関しまして、小規模事業者の実態調査や要望の聞き取りを実施すべきとのお尋ねがありました。

 小規模事業者の支援を進めていくためには、事業者の経営実態や支援ニーズを把握することが重要であり、県では商工会や商工会議所などの支援機関と緊密な連携のもと、事業者の情報収集に努めているところでございます。

 昨年12月には、高知県商工会連合会と連携しまして、県下8,000の事業者を対象にアンケート調査を実施いたしました。その調査結果によりますと、売り上げの減少や利益率の低下などの経営課題に直面している事業者の姿や、経営革新の計画づくりや設備投資に活用できる助成制度の情報提供を求める意欲的な経営者の声やニーズなどが明確に示されておりました。商工会と県では、こうしたニーズに対応するため、一体となりまして、県外への販路開拓や新製品の開発を支援するとともに、税理士など専門家と連携した支援体制の整備などに取り組んでいるところでございます。

 小規模企業振興基本法の目的である小規模事業者の持続的発展を具体化していくためには、こうした小規模事業者の情報を十分に活用していくことが重要でありますので、今後とも関係機関と連携しまして、小規模事業者の実態とニーズの把握に努めてまいります。

 次に、店舗リフォームへの支援についてお尋ねがありました。

 県では、地域コミュニティーの核でもあります商店街や個店の活性化を図るため、これも商工団体と連携しながら、商店街のにぎわい創出事業への支援や、チャレンジショップを活用し、新規創業を希望される方の育成などに取り組んでいるところです。お話にありました店舗リフォームに対する支援につきましては、平成21年度から、空き店舗に新たに出店する際に店舗の改装に係る経費の助成を行っており、商店街の空き店舗の解消にもつながっているところでございます。

 今後さらにそれぞれの店舗や商店街の魅力を向上させ活性化を進めるためには、これまでの新規出店に対する支援を中心とした施策にあわせ、既存店舗に対する施策を拡充していく必要があると考えています。店舗リフォームにつきましても、新規出店に加えて、魅力あるお店を目指す既存店舗に対する支援策も検討してまいります。

 次に、食品の新たな機能性表示制度について、県内の中小企業などへの情報提供や支援についてのお尋ねがありました。

 現在、機能性表示ができる特定保健用食品は国の認可までに数年を要し、また多額に及ぶ研究費が必要で、資金や研究体制が十分でない中小企業にとってはハードルが高いと言われています。一方で、新たな機能性表示制度は、国への届け出だけで実施できることから、事業者からも期待されており、本県を初めとする四国の各県も大いに注目しています。

 そのような中、四国産業競争力協議会では本年5月に、四国4県の担当者や大学、企業代表などの産学官による機能性表示検討会を設置いたしました。この検討会では、これまで国の情報収集や関係省庁への政策提言などを実施しますとともに、四国で有望な機能性成分の調査や事業者への支援体制の検討などに取り組むこととしています。

 こうした動きに加え、本県独自に企業との勉強会を開催してきましたし、今後、本県独自の事業者支援策も検討することとしておりますけれども、機能性表示に関する具体的なルールを定めるガイドラインが現時点でまだ定められておりません。今後、ガイドラインが公表されましたら速やかに県内事業者にその情報を提供しますとともに、その内容を精査した上で、事業者の取り組みを支援するためのアドバイザーの配置や情報提供の仕組みなどといった適切な支援策について検討してまいります。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 住宅リフォームの助成の検討についてお尋ねがありました。

 県では、南海トラフ地震に備えた住宅の耐震化や、高齢者、障害者の居住する住宅のバリアフリー化、県産木材を活用した内装の木質化などに対して助成を行っています。加えて本年度から、市町村が県内への移住希望者や子育て世帯向けの公的住宅として空き家を再生、活用するため、耐震改修、断熱改修、トイレの水洗化などの住宅リフォームを実施する場合に助成することとしました。

 このように、単なる水回りの更新や床、壁紙の張りかえなどではなく、南海トラフ地震対策や日本一の健康長寿県づくりなど県の政策目的に沿った住宅リフォームを積極的に推進しているところです。中でも住宅の耐震化は、平成25年度に約700棟の実績があり、1件当たりの耐震改修に係る事業費だけでも平均で210万円ほどであることから、直接投資額は約15億円に上ります。このうち、県内で生産されない資材に要する費用などを除く約9億円が地域の中小事業者に支払われたと考えられ、地元経済対策としても効果的であると考えております。

 今後の住宅所有者への戸別訪問や低コスト工法の普及などの取り組みの強化によって、耐震改修の件数を加速度的に増加させることとしており、地元経済対策としての効果もさらに高まると考えております。引き続き、住宅の耐震化を初め、県の政策目的に沿った住宅リフォームを積極的に推進し、あわせて地元経済の活性化にもつなげていきたいと考えております。

   (農業振興部長味元毅君登壇)



◎農業振興部長(味元毅君) まず、機能性表示制度は県の産業振興にとっても新たな可能性を開くものではないかとのお尋ねがございました。

 現在国において検討されております新たな機能性表示制度は、サプリメントや加工食品だけでなく、野菜などの生鮮食品につきましても機能性の表示を可能としていることが特徴となっております。科学的根拠をもとにして機能性を表示することは、健康に関心のある消費者の皆様にその食品を手にとっていただくためのきっかけづくりになるものと考えております。

 そこで、農業技術センターでは今年度から、ナスやピーマンなど本県の主要15品目の野菜について、品種や作型、収穫時期などの違いによるビタミンCやポリフェノール類などの機能性成分の調査研究を行っております。来年春には新たな表示制度の施行が予定をされておりますので、これらの調査研究の成果も活用しながら、消費者の皆様に本県の園芸品の機能性を含めた魅力を広く知っていただき、本県産を選んで購入していただけるよう、販売促進活動を強化していきたいと考えております。

 次に、青年就農給付金経営開始型の親元就農の要件見直しの影響と、新たな品目導入の指導・支援についてのお尋ねがございました。

 青年就農給付金の経営開始型は、経営リスクを負って新たに営農を開始する新規就農者に対して、経営が軌道に乗るまでの間の支援を行うことを目的として、平成24年度に始まった国の事業でございます。

 ことし2月から、親元で就農する場合の給付要件の見直しが行われ、土地や資金を独自に調達する新規参入者と同等の経営リスクを負って経営を開始すると認められることが必要となりました。一方、利用する土地については、親族からの貸借が主でも、給付期間中に所有権を移転する確約があれば給付対象とするという要件緩和も同時に行われております。また、この見直しとあわせて、研修中の就農希望者を支援する青年就農給付金の準備型につきましては、従来対象外とされておりました親元就農を予定している方を条件つきで対象とする要件緩和が行われているところでございます。

 現在のところ、平成26年度の給付金の申請が全て出そろっておりませんが、今後、各市町村の御意見もお聞きしながら、これらの見直しによる影響を調査し、必要に応じて事業の有効活用に向け政策提言などの対応をとってまいりたいと考えております。

 なお、親元就農の方が親と異なる新たな品目の導入に取り組まれる場合も含め、新規就農者が栽培技術を早期に習得できるよう、県といたしましては、学び教えあう場の活用や農業振興センターの普及指導員による技術指導など、積極的な支援を行ってまいります。

 最後に、兼業就農による移住促進の取り組みについてのお尋ねがございました。

 本県の特に中山間地域では、平場と比べ営農条件が悪いことから、農業だけで十分な所得を確保することが難しく、兼業農家によって地域農業が守られている状況にあります。しかしながら、高齢化や担い手不足により、10年後には約40%の生産者が減少する見込みの地域もあるなど、本県農業を発展させていくためには、平場の担い手確保とあわせて中山間地域などでの多様な担い手の確保対策も強化していく必要があると考えております。

 議員から御指摘ございました島根県の半農半Xへの支援は、農業の維持や移住促進に有効な手法の一つだと考えております。県といたしましては、本県の営農実態も踏まえた上で、兼業という形で地域の農業を将来にわたって守っていただく方への支援ができないか、現在検討を進めているところでございます。

   (水産振興部長松尾晋次君登壇)



◎水産振興部長(松尾晋次君) 外来魚のリリースを防ぐための啓発活動と駆除対策の充実についてお尋ねがありました。

 ブラックバスなどの外来魚やカワウは、近年生息域の拡大や生息数の増大が確認されており、アユなどの内水面資源に大きな影響を与えております。このため県では、内水面漁協が行うカワウや外来魚の駆除を支援しておりますが、外来魚については、アユなどの在来種の減少要因であることを県民の方々に広く知っていただき、リリースしない機運を高めていくことが重要であると考えておりますので、広報紙への掲載などあらゆる機会を捉えて積極的な啓発に努めてまいります。また、カワウにつきましては、広域的に移動することから、本年度より中四国の9県が連携してカワウ管理指針の策定に着手しておりますので、この指針に沿って、より効果的な駆除を行いたいと考えております。

 県としましては、これまでの駆除に対する財政的な支援に加えまして、このような新たな取り組みを行いますことで、より大きな効果を生み出してまいりたいと考えております。

   (健康政策部長山本治君登壇)



◎健康政策部長(山本治君) 国保の保険料を滞納した世帯に対する差し押さえの実情を把握し適切な対応をとるよう県としても働きかけるべきではないかとのお尋ねがありました。

 国保は、被保険者の保険料と公費により病気やけがなどの治療に対する費用を賄う仕組みとなっていることから、被保険者には、医療を受ける受益や負担能力に応じた保険料の負担をお願いしています。このため、病気やけが、事業の休廃止などといった保険料を納付することができない特別な事情がないにもかかわらず保険料を滞納している方については、保険料をきちんと納付していただいている方との公平性を確保する観点からも、やむを得ず差し押さえや資格証明書の発行を行っているところです。

 しかしながら、こういった滞納者に対する差し押さえや資格証明書の発行に当たっては、機械的な運用を行うことなく、電話による督促や戸別訪問などにより滞納者と接触を図り、保険料の支払いが困難な特別な事情の有無を確認し、生活実態などを十分に把握した上で実施するよう、これまでも市町村には助言を行ってきています。また、おおむね2年ごとに行っています各市町村との個別の事務打ち合わせにおいても、実施方法について確認を行っているところであり、現在は機械的な運用をしている市町村はないものと承知をしています。

 今後とも市町村に対して、保険料の滞納者対策については被保険者の生活実態の把握などを行った上で適切な運用を行うよう、引き続き助言を行ってまいります。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) 国立教育政策研究所が行った学校施設の防災機能に関する実態調査における本県の市町村立学校の結果についての認識、学校を避難施設として使う場合の課題と、今後学校の避難所機能を充実させていくための対策についてお尋ねがありました。

 本県の市町村立学校については、お話の中で実態調査結果の御紹介がありましたとおり、備蓄倉庫や停電時に備えた自家発電設備等、避難所として必要な施設設備の整備は、まだこれからという状況でございます。これは、市町村ではまずは地震の揺れや津波から児童生徒の命を守ることを最優先に、校舎等の耐震化や避難路の整備などから着手してきたことや、お話にもありましたように、市町村の財政状況が厳しく人員も限られる中で、避難所のための施設等の整備にまで至っていないという事情もあるものと考えております。

 しかしながら、南海トラフ地震はいつ何どき発生するかもしれないことを考えますと、避難所における備えを強化することは急務であり、休校中の学校も含めまして331校と多くが避難所として指定されている小中学校についても例外ではございません。今後、小中学校に避難所としての機能を整備するに当たっては、まずは各市町村においてどのような避難者をどれだけの人数受け入れるかを定めた上で、避難所として必要な機能を決定していただく必要があると考えております。こうした検討を踏まえ、小中学校において避難所機能を整備する際には国や県の財政的支援制度もありますので、それらについて危機管理部や教育委員会が適切な情報提供を行うことで、できるだけ早期の整備を促してまいります。

 なお、学校の避難所機能を検討するに当たっては、一定期間が過ぎれば授業を再開する必要があるため、避難所としての利用に制限が生ずる可能性を考慮に入れていただくことも必要だと考えております。



◆35番(岡本和也君) それぞれ大変親切丁寧な答弁をいただきました。準備をしていただいた執行部の皆さんに感謝したいと思います。

 時間の関係もありますので、若干再質問させていただきます。

 まず、消費税増税の知事の政治姿勢についてお聞きします。

 知事の言われることも非常に理解できまして、今から高齢化社会が始まって、社会保障の財源、少子化に対する財源など本当に必要だというふうに思います。財源確保は本当に必要だと思いますけれども、ただ消費税が実施されてことしで26年、法人税が減税されて25年たったということは先ほどの質問で紹介したところです。この数字ですよね、法人税の減税で255兆円が減収されたと、それと282兆円がこの26年間で消費税が集められたと。この数字を見たときに、本当に消費税が社会保障のために使われたのか、疑義を感じます。消費税が実施されたときに、物品税などのぜいたく品の税制も改正されました。ですから、消費税が本当に使われているかということは疑義です。このあたりはきっちりと見定めるべきであるのではないかと思います。

 その数字をあらわす点で、大企業がこの間かなり内部留保してきましたけれども、この間調べましたら323兆円集めています。この2年間で50兆円もふえているんですよね。この実態を見たときに、どうなんだと。これでまた法人税の減税ですよね。このあたりは見た上で、本当に消費税が社会保障のために使われてきたかということは知事としても認識をしていただきたいですし、今いろんなところで話す中で、富の再配分が必要だと、余りにも大企業の中にたまり過ぎていると。大企業もそりゃ大事なことだと思います。大企業が栄えて日本が栄えるというのは大事ですけれども、余りにもたまり過ぎていると、金融の世界ではだぶついているということが言われていますので、このあたりは判断していただいて、本当に苦い薬を飲むのかどうなのかということを判断していただきたいと思いますので、その点について知事の考えを再答弁求めます。

 それと住宅リフォームについてです。

 小規模事業者の基本法ができましたので、この住宅リフォーム、この間ずうっと経済波及効果がかなり大きいということは訴えてまいりました。これをきっかけに、高知県のようなところではぜひ拡大してほしいと。既存の店舗への店舗リフォームも拡充されるということですので、そのことも含めて、知事に住宅リフォームについて今後やるべきではないかと、答弁を求めたいと思います。

 それともう一つ、外来魚のことについてです。

 外来魚については、広報活動をしていただきたいということと、数字を見ますと県の予算が100万円で、何と7,454匹の外来魚を駆除しているんですね。もっとふやせば、これ毎年2日間で予算がなくなるからできないそうです。たった100万円で。ですから、ぜひそのことも、これは水産振興部長に予算の拡充を、水産振興部長に答弁を求めて、私の最後の質問にします。



○議長(浜田英宏君) 岡本議員、リフォームのことは知事でよろしいですか。土木部長ではなくて知事ですね。

   (35番岡本和也君「はい、それを拡充していくべきだと」と言う)



◎知事(尾崎正直君) まず、税についてでありますが、この間消費税が導入されて以降、社会保障に対するいわゆる税金による国費負担というのがどんどんどんどん拡充してきたということは確かであります。そのための財源をどう確保していくかということでさまざまな税制改正が行われていき、消費税増税というのもその一環であったかと思います。肝は、所得を稼いでいる人だけじゃなくて、かつて稼いでいた人も含め、あまねく広く負担を行っていきましょうということであったのではなかろうかというふうに考えておるところでありまして、そういう意味において、消費増税、さらなる社会保障負担が必要となる中において、より広く、幅広く多くの人で負担を分かち合おうというこの消費税の制度、一定導入の意義はあるものと考えているところです。

 ただ、御指摘のように、単に消費税だけである意味、事を終わらせてしまってはいけないのでありまして、あまねく広くという点でいけば、私は従前より申し上げておりますように、資産税改革などによって高齢世帯と若年世帯の著しい資産格差、これを是正するような対策もぜひぜひとるべきではないか、高齢者から若者に資産を移していく、そういう対策もとるべきではないかということも考えていますし、提言もしておるところであります。

 もう一つ法人税の件についても、減税によって雇用をふやして、それによって経済をあっためるという効果をぜひもたらして、雇用をもたらすという効果もあると同時に、あわせまして、負担をあまねく広くとるという観点から、現在、大企業について外形標準課税の見直しなどの議論も行われているわけであります。これはいわゆる所得を稼げているところだけ、もうけているところだけではない、皆さんに負担をしてもらおうという、これもまたあまねく広くという観点かと思います。

 いろんな形でこの社会保障負担の増大に対してあまねく広く負担をしていってもらおう、そういう形での税制改正が行われておるということ、そういう方向の中での議論ではないか、私はそういう中の一つとして消費増税は飲まざるを得ない苦い薬ではないかということを申し上げてきたということであります。

 住宅リフォームにつきましては、ぜひいろんな政策目的も勘案しながら、今後どうしていくべきなのかについて、部長答弁などで申し上げました方向感も踏まえてしっかり対応していきたいと、そのように思います。



◎水産振興部長(松尾晋次君) 外来魚につきましては、駆除予算額は200万円だったとは思いますが、それでもやはり少ないという御認識だと思います。これにつきましては大変大きな問題でございますので、先ほど申しましたように、新たな効果的な対策等々も連携をしながら進んでまいりたいと思います。1つ一般の鳥獣被害対策と違いますところは、御質問にもありましたが、内水面漁業振興法の中でも、内水面漁業者の責務として資源の回復、また漁場環境の保全等にみずから取り組むというようなことが位置づけられておりますし、それと漁業権の免許を受ける際の条件としまして増殖行為が義務づけられておりますけれども、そこでその財源として遊漁料等を充てるということになっております。そういう条件の違いがございます。

 けれど、いずれにしても漁業者の方々だけがやるというのではなくて、この問題は当然、国、県、市町村も絡んでやるべきものと思っておりますので、そこら辺も踏まえまして、漁業者の方ともいろいろ連携をさせていただいて効果的な取り組みを展開していきたいと思っております。



○議長(浜田英宏君) 暫時休憩いたします。

   午前11時21分休憩

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   午後1時再開



○副議長(桑名龍吾君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 2番加藤漠君。

   (2番加藤漠君登壇)



◆2番(加藤漠君) 自由民主党会派の加藤漠でございます。お許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。

 さきの総選挙において、自民党、公明党の与党が引き続き3分の2を上回る議席を獲得いたしました。今回の選挙戦では、経済政策が最大の争点になりました。アベノミクスをこのまま続けるのかどうか、このことが問われた選挙戦でありました。景気回復、この道しかない、私も街頭から何度もお訴えをさせていただきました。

 思い起こせば2年前、自民党・公明党政権が発足をいたしました。それまで、暗くどんよりとした雰囲気が日本全体を覆っておりました。もう日本は成長できないのではないか、多くの方々が日本の将来に不安を感じていました。政治は誰がやっても同じだ、そんな御意見が多くありました。しかし、自民党・公明党政権にかわって、政治は誰がやっても同じではない、どの政党がやっても同じではないと誰もが実感したのではないでしょうか。円高は是正され、有効求人倍率は上がり、株価も倍増いたしました。デフレからの脱却も目の前に見えてまいりました。しかしながら一方で、景気回復の実感がない、円安で原材料費が上がったなど、厳しいお声も選挙戦を通じてたくさんお伺いいたしました。目の前にはまだまだ困難な課題が山積しております。今後も現場の声に耳を傾け、謙虚な政権運営を望むところでございます。

 明治維新をなし遂げた日本のリーダーたちは、自分が1日怠ければ日本の進歩が1日おくれる、こういう気概を持って日々を送っていたと伺います。この道しかない、私自身も皆様方とともに、初心を忘れることなく、ぶれずに真っすぐ全身全霊での取り組みをお誓い申し上げて、質問に入らせていただきます。

 さきの国会において、最重要課題は地方創生でありました。内閣にまち・ひと・しごと創生本部が設置され、地方の創生に向けた力強いスタートが切られました。

 地方創生の目的は、人口減少に歯どめをかけること、そして東京圏への人口の集中を緩和し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことであります。あと20年、せめてあと10年早く取り組んでいればという思いもございますが、まさに長年待ち望んだ国としての不退転の決意であり、これまでとは次元の違う政策が実行されますことを大いに期待しております。

 地方に新たな活力をつくり出していくためには、若者が学校を卒業して都会へと出ていく、その根本的な人の流れを変えていくことが必要であります。そのためには、企業や国の機関、さらには大学の地方分散を進めるなど、雇用の場を地方に生み出していくための大胆な政策の転換が求められます。

 高知県はこれまでも一貫して、人口減少や少子化、高齢化、縮んでいく経済の深刻さと真剣に向き合ってまいりました。知事の、課題解決の先進県として県勢の浮揚を目指していくという強い思いのもとで、全国に先駆けた取り組みがなされてきたものと思っております。

 知事は国に対し積極的に提案を行っておられますが、地方創生に向けた政策提言の手応えをどのように感じていらっしゃるのか、御所見をお伺いいたします。

 地方創生の目玉は、何といっても東京一極集中の緩和、そして人口と活力の地方分散化です。そして、この地方創生が目指す方向性は、国土強靱化が目指す方向性そのものでもあります。本年6月に閣議決定されました国土強靱化基本計画には、その基本方針として、東京一極集中の緩和、自律・分散・協調型国土の形成が明確に示されています。その方針のもと、現在、政府が一丸となって強靱な国づくりを進めているところであります。

 歴史を振り返ってみても、日本は台風や地震を初め数多くの災害に繰り返し向き合ってまいりました。規模の大きな災害であればあるほど、まさに忘れたころに訪れ、多くのとうとい命が失われ、甚大な被害を受け、そしてその都度、長い期間をかけて復旧・復興を繰り返してまいりました。そして今日、東日本大震災という、とうとい犠牲の上に得られた教訓を踏まえれば、いま一度、自然災害を初めさまざまな危機を直視し、日ごろから備えを行うことが必要不可欠であることは言うまでもありません。そのためにも、東京一極集中のリスクを分散し、強さとしなやかさを備えた国土をつくっていくことはまさに急務であります。

 取り組みの推進に当たって、ナショナル・レジリエンス懇談会の委員としてもこの課題に向き合ってこられた知事の国土強靱化に対する思いをお伺いいたします。

 申し上げるまでもなく、強靱な国土をつくっていくためには、国と地方が一体となった取り組みが必要不可欠であります。本県においては、全国に先駆けて地域強靱化計画の策定作業を進めています。国土強靱化の理念は、防災という範囲を超えて、まちづくりや産業政策も含めた総合的な対応、いわば国家百年の大計の国づくりとしての計画を行っていくことであります。そのため本県においても、地域強靱化計画は、防災計画はもとより産業振興計画や日本一の長寿県構想など全ての計画よりもさらに上位に位置づけられる大変重要な計画になるものと考えます。

 どんな災害が起ころうとも県民の命を守っていく、この強い決意で、全国のモデルとなる計画の策定を期待いたしますが、現状と今後の取り組みについて知事にお聞きをいたします。

 また、強靱化の取り組みを進めることは、災害から住民の命と財産が守られるだけではなく、それと同時に地域の成長につながることでもあります。さらには、計画をつくることで事業の合理性を示すことにもつながりますので、さまざまな投資を地域に呼び込むことが可能となります。

 例えば高速道路を初め、いざというときの代替性確保のための道路ネットワークの整備は、まさにその最たるものではないでしょうか。もしも南海トラフ地震発生時に、県内で予定されている全ての高速道路が開通していれば、人的、物的な被害はもとより経済的被害も大幅に軽減できるのではないでしょうか。本県の基幹道路である国道56号や国道55号が津波によって被害を受けることが予想をされる中で、内陸部や高台にある高速道路がまさに命の道として役割を担うことは想像に難くありません。将来的に道路整備を進めるのであれば、一日でも早く開通させることで、長期的な財政面から考えても、より一層合理的になってまいります。

 地域強靱化計画の策定に当たり、将来の地域づくりを見据えること、そして既にこれまでも取り組みを進めてきた施策であっても改めて強靱化としての意味を持っているという点を明確にしておくことが重要になるのではないでしょうか。強靱化の推進を通じて地域の経済成長につながる視点をどのように捉えているのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、南海トラフ地震対策について伺います。

 東日本大震災から3年9カ月が経過いたしました。東北の被災地では、住宅再建、農地、漁港の整備など、着実に復旧・復興の作業が進みつつあると理解をしております。しかし、まだまだこれからであります。

 とりわけ、避難者の数は24万人弱です。いまだこれだけ多くの方々が避難されている状況を、我々は直視しなくてはなりません。そして、長引く避難生活などが原因で亡くなる災害関連死は今なお続いているのが現状です。震災で助かった命が失われるほど悔やまれることはありません。復興庁の調査では、このたびの東日本大震災における災害関連死の数は3,000名を超えています。そして、その9割が66歳以上の方々であります。

 南海トラフ地震の発生が予想される本県においても、避難者の命や健康をいかにして守っていくのかということは急務であります。特に、中山間地域も多く、長期浸水や地域の孤立化など、避難生活が長期に及ぶ場合も想定をされます。被災者の健康や生活支援、特に高齢者の孤立防止や心のケアなど、きめ細かな対策にもしっかりと取り組む必要があります。

 災害関連死をいかにして防いでいくのか、その取り組みと決意を地域福祉部長に伺います。

 さらに、長期浸水が予想される地域においては、ハードによる対策も重要となってまいります。宿毛市では、南海トラフ地震で、市街地など広域の長期浸水が予想されており、その対応が求められています。

 県は今年度中に長期浸水対策を取りまとめる方針であり、来年度からの事業着手を目指しています。昨年12月以降、国土交通省、宿毛市などと検討会をつくり、計画の策定作業を進めているとお聞きしておりますが、現在の進捗状況と今後の方向性を危機管理部長にお伺いいたします。

 東日本大震災の発災直後、みずからが被災しながらも道路の啓開や復旧作業に大きな役割を果たしたのは、地元の建設業者の方々でございました。南海トラフ地震対策を初め安心・安全を確保していくに当たっては、現場の担い手となるのは地域の建設業者の皆さんです。長く続いた公共事業の大幅な減少に伴い、若い担い手の減少、重機の保有台数の減少など、業界全体の施工力は低下をしております。

 本県においては、高知県建設業活性化プランを策定し、建設業の活性化のため総合的な支援を行っているところでありますが、建設業の現状と課題、活性化プランの今後の取り組みに対する土木部長の決意をお伺いいたします。

 次に、産業振興計画について伺います。

 継続は力なり、産業振興計画はその一言に尽きるのではないでしょうか。産業振興計画を通じて、地域の資源を生かした取り組みが各地に広がっています。今後、さらなる新しい事業やこれまでの取り組みを拡大していくためには、県内だけでなく県外からの人材を活用する取り組みも重要になってまいります。

 本県では、多様なスキルを持つ都市部等の人材をマッチングさせる人財誘致を進めております。人材を誘致することで、経験やノウハウが地方経済の振興に生かされて新たな可能性が開かれることを大いに期待するところであります。

 しかし一方では、経験がありスキルの高い人材であればあるほど、首都圏と高知県では賃金を初め雇用条件の違い等が大きな課題となるのではないかと考えます。これらの課題をどのように認識し、いかに人財誘致の取り組みを進めていくのか、産業振興推進部長に御所見をお伺いいたします。

 地域を歩けば、働くところがないという言葉をよく伺います。何としても地域に働く場をつくっていかなくてはなりません。しかし、それはただ単に雇用の場が少ないという意味だけではなく、働きたいと思える、希望に沿うような仕事が見つからない、こういった意味が含まれているというのが私の実感でもあります。

 産業振興計画は、若者が誇りと志を持って働ける高知県を目指して取り組んでいます。地域で働く若者に対して魅力のある雇用環境をつくっていくためには、スキルアップにつながる取り組みも欠かせません。

 県内では中小零細規模の事業者も多く、郡部になればなるほど若い社員さんに対しての研修機会も限られ、学びの機会が少ないといった課題もあります。現在も、人材育成については、土佐まるごとビジネスアカデミーを開催してさまざまなビジネス研修に取り組んでいます。例えばその中のカリキュラムとして、地域の企業に就職した若い社員さんに対しても研修の機会を提供するなど積極的に取り組むことで、地域で働く魅力の向上につながるのではないでしょうか。

 土佐まるごとビジネスアカデミーのこれまでの成果と今後の対応について産業振興推進部長に御所見をお伺いいたします。

 1次産業についても、新たな取り組みが加速をしてまいりました。宿毛市では、木質バイオマス発電の施設が来年1月末より稼働する予定です。先日は、試運転に向けたボイラーの点火式も行ったと伺っております。地域の山に眠る資源が地域のエネルギーになる、まさに木質バイオマス発電の取り組みは地域内で経済が循環する仕組みであります。先進地であるヨーロッパでは、発電から出る余熱を利用して、広域に広がる暖房網の整備、あるいは企業誘致戦略として活用するなど、地域の核として木質バイオマス発電が稼働している事例もあり、今後の可能性についても期待がかかるところです。

 しかしながら、まずは必要な原木の確保が最優先であります。国のガイドラインに示されておりますとおり、同じ木材であっても、森林経営計画が作成できているかどうかによって、電力の買い取り価格が異なってまいります。今後、地域への還元を高めていくためには、より有利な価格で買い取りができるよう、計画の作成を促していくことが重要となってまいります。特に杉やヒノキなど植林された山はもちろんですが、これまで余り人の手が入っていなかった雑木の山に計画を立てることによって、今後の買い取り価格も大きく変わってまいります。

 地域経済への波及効果を高めていくためにも積極的な取り組みを行っていくべきと考えますが、森林経営計画についての現状と課題、今後の対応、そしてガイドラインの周知についてもあわせて林業振興・環境部長にお伺いいたします。

 次に、女性の活躍の場の拡大について伺います。

 ことしの7月に森雅子前大臣が来高され、輝く女性応援会議の第1回が高知県で開催されました。本年4月の内閣府の発表によると、高知県は、働く人、管理職、そして起業家のいずれの項目でも女性の割合は全国トップでありました。全ての女性が輝く社会に向けて、高知県の取り組みが全国に広がっていくものと思っております。

 本県ではこれまで、女性の活躍については、保育サービスの充実やワーク・ライフ・バランスの推進など、子育てをしながら働き続けられる環境の整備に取り組んでまいりました。さらに今後は、社会全体で女性の活躍を応援する機運が高まることを期待するところであります。

 しかし一方で、女性の活躍の推進が働く女性を強調する余りに、専業主婦を希望する方々にとって負担になってはならないという懸念もございます。国立社会保障・人口問題研究所がことしの8月に公表した調査では、結婚後は夫は外で働き妻は専業主婦に専念すべきと答えた女性が4割を超えています。また、子供が3歳くらいになるまでは仕事を持たずに育児に専念したいと考える女性は約8割を占めています。人生にはさまざまなステージがあり、そのステージごとに、女性が望むライフスタイルも異なります。

 確かに、働きたいのに働けないという思いを抱いている女性に働ける環境を提供することは重要でありますが、働く女性に限らず全ての女性がその時々においてさまざまな選択が可能となるような社会を目指さなければなりません。女性の活躍を高知県としてどのように進めていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 関連して、少子化対策について伺います。

 本県においても、少子化の傾向に歯どめがかからない厳しい状況にあります。このままの状況が続けば、労働力人口のさらなる減少、社会保障制度の崩壊など、社会に及ぼす影響はより一層深刻化することが予想されます。高知県の将来推計人口を見ても、26年後の2040年には、現在の約73万人の人口から約53万人にまで減少していくと推計されております。急激な人口減少が進む中で、少子化対策は待ったなしの課題であります。

 こうしたマクロの視点をしっかりと踏まえ、危機感を持って対応していく、そして何よりも重要なことは、若い世代が結婚や出産といった家族を形成することの希望が持てるかどうかということであります。子供を産み育てることの経済的な損得を超えた価値を忘れてはなりません。

 「しろがねもくがねも玉も何せんに まされる宝子にしかめやも」山上憶良は万葉集の中で、子供にまされる宝はないと歌に詠みました。まさに子は宝です。子供を育てることの価値、家族がいることのすばらしさをもっと発信していく必要があるのではないかと、こう思うところであります。

 少子化対策について、幼稚園や保育所に預けて親が働く家庭に支援を行うことはもちろんですが、同時に、在宅で育児をする御家庭への支援も求められます。病気でつらいときに子供を見てくれる人がいない、1日30分でいいから友達とゆっくりお茶を飲める時間が欲しい、こういった子育て世代の声にいかに応えていくのか、子育ての負担を支援するという発想を超えて、子育てを県が全力で応援するという強いメッセージが必要であると考えますが、いかに取り組みを進めていくのか、地域福祉部長の決意を伺います。

 さらに、少子化対策として、日本文化の強みを生かしていくためには、3世代同居や近居への支援を強化すべきと考えています。4月に内閣府が公表した調査によると、理想の家族の住み方として、両親の近くで暮らす近居または同居を望む方が半数を超えています。また、両親と近居や同居をしている女性のほうが出産後も働き続ける割合が高い、さらには出生率も高い傾向にあることが、さまざまなデータによって裏づけられています。つまり家族の住まい方と出生率には相関関係があり、両親との同居や近居が子供を産み育てやすい環境であることが読み取れるわけでございます。

 祖父母から孫までがスープの冷めない距離に住むことで、少子化対策にもなります。また、家族の大切さを肌で感じながら育つことで、子供たちへの高い教育的効果が図られるものと考えております。

 このような子育て世代のニーズを踏まえて、家族でともに支え合い、そして助け合いながら生きていこうとする方々に対して支援を行っていくべきではないかと考えますが、地域福祉部長に御見解をお伺いいたします。

 来年4月からは、子ども・子育て支援新制度がスタートいたします。新しい制度は、親が働いている、働いていないにかかわらず、全ての子育て家庭に対して支援を行う大変重要な施策であります。その目玉は認定こども園です。

 しかし、この新制度についてはいまだ不明確な点も多く、幼児教育・保育の現場や関係者の方々からも不安の声を伺うところであります。特に私立幼稚園については、新制度に移行するかどうかの判断を迫られている状況があり、その経営判断が迫られているところです。また、新制度では実施主体が都道府県から市町村へ移行するため、これまで市町村と制度的な関係がなかった私立幼稚園が、新制度に向け円滑に移行できるように、その関係構築を行っていくことも重要となります。

 さらに、来年度からの開始を目前に、保護者の方々に対して新制度が周知されているかどうかも大きな課題です。新制度の実施によって、幼児教育の振興に向けた取り組みが後退することがあってはなりません。今後も、私立幼稚園への認可など、私学行政を担当する立場として県の果たす役割は引き続き大きいものがあります。

 新制度の移行について現状をどのように把握し対応しているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。

 また、新制度における子ども・子育て支援事業支援計画の策定に向けた県の取り組み状況について地域福祉部長にお伺いいたします。

 次に、教育についてであります。

 子供は無限の可能性を秘めています。全ての子供に必要な学力を保障することは、公教育の重要な役割です。

 本県の児童生徒の学力の状況については、全国学力テストの結果を見ても、着実に改善傾向にあります。しかしながら、著しい伸びを示していた改善状況が一定の足踏み状態になっている現状もあり、さらなる課題改善を図るための対策を講じていかなければなりません。

 先日、全国学力テストの結果公表に関する調査の結果が文部科学省より発表されました。ことし4月に実施された学力テストからは、市町村教育委員会からの同意があれば県の教育委員会がテストの結果を公表できるように運用方針が変更をされております。この調査によれば、都道府県の約3割に当たる14の教育委員会が市町村別の成績を公表すると回答をしております。

 私は、学力の低下によって経済格差や地域格差を生んではならないと思っております。また、勉強している内容がわからなければ学校の授業が楽しくない、不登校にもつながる懸念もあります。そのため、子供や保護者等にも学力の実態を把握していただく、そして学校だけでなく家庭や地域が一体となって取り組んでいくことが、今後の高知県の学力向上にとっても、重要なことだと考えております。

 他県の事例等も参考にして、教育委員会が積極的に説明責任を果たしていくためにも、学力テストの結果公表をしていくべきではないでしょうか、教育長の御見解をお伺いいたします。

 子供が生まれて初めて受ける教育は家庭教育です。家庭は、全ての教育の出発点でもあります。基本的な生活習慣、他人に対する思いやりの心、自立心や自制心などは、家族との触れ合いを通じて家庭を中心に育まれるものです。しかしながら近年、核家族化や地域とのつながりが少なくなるなど社会が変化している中で、親はどうあるべきかといった家庭教育に対する学びの機会が減少しています。こうした状況を受けて、本県ではこれまでも、保育所や幼稚園で、保護者が親として成長することを支える親育ち支援に取り組んでおります。参加された保護者の評価も高く、成果が上がっていると承知をしております。

 今後は、親育ち支援を、乳幼児期だけでなく子供の発達段階に応じた取り組みへと広げていくことが求められるのではないでしょうか。体制強化を進めていくことで、より一層家庭教育の充実が図れるのではないかと御提案いたしますが、家庭教育に対する決意とあわせて教育長に御所見をお伺いいたします。

 また道徳教育についても、家庭との連携は欠かせません。本年度から、全国の小中学生一人一人に道徳教育用教材の「私たちの道徳」が配付されました。この「私たちの道徳」は、学校だけでなく、児童生徒が自宅に持ち帰って家庭や地域でも活用することを念頭に作成された教材であります。

 しかしながら、文部科学省の調査によれば、この教材を家庭に持ち帰ることなく学校に置いたままの状況となっていることも見られるなど、十分に活用されていない実態があることも明らかになりました。他県の事例では、なくすと困るという理由から、授業の後に回収して教室に保管をし、夏休みになってただ持ち帰らせるだけといった対応があったとも伺っております。こうした指導では有効活用はできません。

 「私たちの道徳」に関して、本県の利用状況をどのように把握し、活用を促しているのでしょうか、またあわせて、本県は独自の教材として「家庭で取り組む 高知の道徳」を作成しています。これらの教材の活用を一層進めるべきと考えますが、現状と今後の取り組みを教育長にお伺いいたします。

 最後に、投票所について伺います。

 このたびの衆議院選挙は、突然の解散から公示までわずか10日間しかない期間での選挙戦となりました。準備期間が短く、人員体制も限られる中で、投票所の確保など、まさに綱渡りのような作業となったのではないかと拝察をいたします。

 今回の選挙から、1票の格差の課題を受けた定数削減によって、高知県の小選挙区は3つの選挙区から、新1区、新2区へと変更となりました。また、有権者人口の減少を受けて、選挙を行うたびに投票所の数も減り続けています。2年前の衆議院選挙では、県内に932カ所の投票所が設置されておりましたが、今回は927カ所と、前回から5カ所の投票所が減少しています。公共交通手段が少ない中山間地域を初め、投票に行きたくても車がない、足が痛いといった理由で投票所まで行けないという声も聞こえてまいります。明るい選挙推進協会の調査によりますと、投票所が自宅から遠いほど選挙に行かなくなる傾向があるという結果も出ています。

 自治体によっては無料バスを走らせるなどの対応を行っている地域もあると承知をしておりますが、今後も投票所の減少が予想される中で、さらに積極的に対応する必要があるものと考えますが、選挙管理委員長に今後の対応をお伺いして、私の第1問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 加藤議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、地方創生に向けた政策提言の手応えをどのように感じているのかとのお尋ねがございました。

 今回議論されている地方創生は、これまでのように単に地域の活性化を進めるという観点にとどまらず、少子化、人口減少、地域の活性化という3つの問題を歴代初めて三位一体として捉えて対策を講じようとしており、大変評価をしておりますし、その期待も大きいものがございます。このため、私も関係部署に積極的に政策提言を行ってきたところでありまして、その中では特に以下の3つの方向性での議論を提起してまいりました。

 第1に、地域での雇用を確保するため、個別の地域の取り組みへの支援だけでなく、地域の多様な主体の多様なニーズに対応できるよう、川上から川中、川下に連なる総合的な政策群を提示すべきであること、第2に、人口ダムの議論もなされる中で、本県の農業産出額の約8割を占め、さまざまな観光資源に恵まれた中山間地域を再生することが、地方創生にとっていかに重要であるかということ、第3に、地方においてはそもそも人口減少に伴い担い手が減り、また経済が縮む中で、いかに都市への人の流れをとどめ、都市から地方への人の流れをつくるか、これが重要であるということ、こうした点につきまして提言を行い、さらに具体的な提案を持って、国や政府・与党関係者などに対して政策提言を行ってきたということであります。

 具体的な提言内容としては、まず第1に、総合的な政策群をつくるという視点につきましては、国としてそれぞれの地域の創意工夫に基づく取り組みを全体として下支えする総合的な仕組みをつくるべきであること、都道府県に対しては、地域の多様かつ幅広い取り組みを後押しするため、総合的な仕組みをつくらせた上で、それをファイナンスするための自由度の高い総合的な交付金を創設すべきであるということを提言いたしました。

 また、中山間地域の再生という視点では、小さな拠点を応援する仕組みの創設や地域おこし協力隊の制度拡充、中山間農業の複合経営化の促進やCLTの普及による木材需要の拡大など、都市部と中山間地域の共生を可能とする産業群の育成を行うべきであることを提言いたしました。

 さらには、都市から地方への人の流れをつくるという視点に関しては、全国移住促進センターの設置など、地方の多様な求人ニーズや生活関連情報を一元的に発信するとともに、都市部の人材とマッチングをさせる仕組みの創設を図り、各県の移住促進の取り組みと連結させるべきであること、また地方への企業の移転等を促す優遇税制の創設など、地方における受け皿そのものをふやす対策などを提言したところであります。

 加えまして、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーといたしまして、少子化対策の推進の観点も含め、高齢者の資産移転を促し若者の経済的負担を軽減する税制改正、地方大学への支援と大学キャンパスの地方移転の促進などの対策についても訴えてきたところであります。

 一連の活動を通じて、多くの部分で御理解をいただいてきたのではないかと思っております。例えば総合戦略骨子案では、中山間地域等における小さな拠点の形成といった項目が盛り込まれております。また、移住希望者の相談窓口となる全国移住促進センターの設置、本社機能や研究開発拠点を地方に移した企業への税制優遇措置の創設、自由度が高い交付金の創設の検討といったことが盛り込まれるのではないか、さらには、結婚や育児等の費用を贈与する場合の非課税制度を導入する方針を固めたとの報道もございました。

 このように、私自身、一定の手応えも感じておりますけれども、総合戦略の成案に向けては今後急ピッチで詰めの議論が行われる予定でありまして、まだまだ気を緩めるわけにはまいりません。引き続き来年度の予算編成過程なども含めて注視しますとともに、必要に応じまして全国知事会などとも連携しながら、各事務レベルから閣僚クラスに至るまでさまざまな形で政策提言を行うなど、地方創生の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えておるところであります。

 次に、国土強靱化に対する思いについてお尋ねがございました。

 国土強靱化は、南海トラフ地震や首都直下地震の発生が危惧される我が国において極めて重要な取り組みであります。私は、特に以下の3つの点から重要であると考えておるところであります。

 第1点目としては、何より、大規模な自然災害より国民の命や財産を守っていくためには、あらかじめ備えを徹底しておく必要があります。第2点目としましては、災害後、経済が速やかに立ち直ること、これは現代のグローバル社会の中で競争力を維持し、我が国が一流国であり続けるためにも極めて重要であり、そのためにも備えを徹底しておく必要があると考えております。そして第3点目としまして、近い将来、大規模地震などの発生が確実視されているにもかかわらずそれに対する備えができていないということでは、国際社会からの信頼を失うことになります。逆に、事前の備えをしていることは国としての信頼につながり、これがあらゆる面での競争力確保ということにつながるものと考えているところであります。

 国土強靱化の取り組みは、直接的な防御措置に加え、もろもろのシステムの複線化といった対応も含めて、全体としてこうした3つの方向での備えを果たすものであると考えております。そして、この重要性は、国家全体としてのみならず各地方地方においても言えることでありまして、本県といたしましても、特に甚大な被害が想定されます南海トラフ地震対策、これを最もあってはならない備えるべき事態として捉まえ、この南海トラフ地震対策行動計画に基づきまして、命を守る対策を全力で進めますとともに、速やかに経済が立ち直るための企業のBCP策定の促進や、さらには前向きな対策として防災関連産業の育成などにも取り組んでいるというところであります。

 以上のように私は、国土強靱化の取り組みは歴史的観点から見ても極めて重要であると考えておりまして、ナショナル・レジリエンス懇談会にも積極的に出席をし、発言もしております。特に地方の代表として、事前の防災・減災対策に国と地方が役割分担をしながら連携して取り組むべきこと、マンパワー不足が懸念される地方公共団体への支援の重要性や、災害時における医療救護体制の強化の必要性などを強く申し上げてきたところであります。

 国土強靱化を推進する指針となります国の基本計画は、こうした意見も反映して、ことし6月に閣議決定されており、現在、ステージが地方に移り、地域計画の策定を進めているところであります。この地域計画を策定することによりまして、大規模自然災害に対する脆弱性を評価し、それに対応する取り組みの重点化や優先順位づけを行いますとともに、地域が単独では対応できない課題も明らかになります。全国のそれぞれの地域が強靱化を推進することに加え、国と地方が連携していくことで国全体の強靱化につながってまいります。この点、私としてもしっかり取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 次に、地域計画策定の現状と今後の取り組みについてお尋ねがございました。

 南海トラフ地震の発生により、多くの県民の皆様が犠牲となり迅速に経済社会が回復できないような致命的な被害を受けるという事態は、絶対に避けなければなりません。そのため、地震発生後に何が起こり、事前にどのような対策が必要であるのかを徹底的に検討した南海トラフ地震対策行動計画に基づき、PDCAサイクルによる見直しも行いながら、全力で対策に取り組んでいるところであります。こうした本県の取り組みは、地域の強靱化の先進的な取り組み事例として、地方公共団体が地域計画を策定する際の指針として国が取りまとめた国土強靱化地域計画策定ガイドラインにも紹介をされているところであります。

 本県の地域計画は、この南海トラフ地震対策行動計画をベースとして策定していくこととしているところでありますが、計画を策定する機会を通じて、改めて、起きてはならない最悪の事態、すなわち南海トラフ地震による致命的な被害から県民の皆様の命を守り、迅速な復旧・復興を図る対策について洗い出しを行いますことで、南海トラフ地震対策行動計画の中身のブラッシュアップにもつなげていきたいと考えているところであります。

 さらに、地域計画策定作業には、本県だけで対応できないことについて、中四国地域と連携することや国により対応すべきことをも明確にするという意義もあります。今後、高知市や近隣県、また国とも協議を行いまして、年度内には地域計画を策定したいと考えているところでございます。

 次に、国土強靱化の推進を通じて地域の経済成長につながる視点をどのように捉えているかとのお尋ねがございました。

 強さとしなやかさを持った地域を目指して地域の強靱化を図ることは、災害による被害軽減を通じて速やかな復興を可能とするのみならず、あらかじめ備えを進めることが県内外からの安心を獲得することになり、信頼につながってまいります。ひいては地域間の交流が促進され、そのことが経済の中長期的な発展の呼び水となり、雇用創出や人口減少の歯どめにも寄与するなど、地域活力の維持や増進につながるものと認識をいたしております。

 また、迅速な復旧・復興に大きな役割を担う高速道路のミッシングリンクの解消、また高台の工業団地開発など強靱化のための基盤整備は、地域経済の発展や地域活力の基盤ともなるものであります。これらを地域計画にも位置づけるとともに、今後も整備促進に取り組んでいかなくてはなりません。

 さらには、防災教育による人づくり、要配慮者の支え合いという地域での取り組み、最大クラスの津波でも浸水しない企業用地の造成や防災関連産業の育成といった大規模自然災害のリスクという弱みを逆手にとった取り組み、これも福祉面、産業面両面において地域の活性化に資するものとだと考えております。

 以上のように、信用醸成、基盤整備、弱みを逆手にとった個々の取り組み、おのおののレベルで強靱化の取り組みを進めることにより地域の成長につなげていくという視点が重要であると考えており、またそのように対応してまいりたいと考えておるところであります。

 最後に、働く女性に限らず全ての女性がライフステージに応じてさまざまな選択が可能となる社会を目指して、女性の活躍をどのように進めていくのかとのお尋ねがありました。

 男女共同参画社会の実現を進めるに当たりましては、性別にかかわりなく、自分の意思と責任で生き方を選択できる社会をつくることが大切であります。したがいまして、女性が、結婚や妊娠・出産、子育てといったさまざまなライフステージを迎える中で、仕事と子育てを両立させる、あるいは子育てに専念するといった選択をみずからの意思に基づいてできる限り行えるようにすることが非常に重要だと考えております。

 昨年度の県民世論調査におきましては、女性が職業を持つことについて、過半数の方が「子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」と回答され、また3割近くの方は「子どもができたら職業をやめ、大きくなったら再び職業を持つ方がよい」と回答をされているところでありまして、それぞれのお考えがあるということであろうかと思います。

 このため県では、これまでの子育てしながら働き続けられるための支援に加えまして、本年度より、一旦退職した女性も含め、希望する女性への就労支援に取り組んでおります。本年6月に開室いたしました高知家の女性しごと応援室には、昨日までに延べ289件の相談が寄せられ、既に27名の方が就職に結びつくなど、一定の成果も出始めているところでございます。

 女性のライフステージの各段階においてさまざまな選択の可能性が広がるためには、こうした支援に加え、周囲の理解やサポート、さらには社会全体で女性の活躍に関する機運の醸成が必要となってまいります。このためにも、全国に先駆けて地域版の輝く女性応援会議が開催されましたこと、これはよい機会でありましたし、その場でよい貴重な御意見をいただきました。

 また、こうした取り組みを踏まえまして、来年度に予定しておりますこうち男女共同参画プランの改定におきましては、男性の家庭生活への参画やワーク・ライフ・バランスに関する意識啓発の取り組みなど、あらゆる女性が生き生きと活躍できるような社会づくりを念頭に、幅広い視点からの検討を加えてまいりたいと考えておるところであります。

 私からは以上でございます。

   (地域福祉部長井奥和男君登壇)



◎地域福祉部長(井奥和男君) まず、南海トラフ地震対策に関して、災害関連死を防ぐための取り組みと決意についてのお尋ねがありました。

 高齢者や障害のある方などの要配慮者については、生活環境の変化などにより健康状態が悪化しやすいため、災害時の避難生活などの際には、保健・医療・福祉が連携し、助かった命をつなぐためのきめ細やかな対応が必要になってまいります。このため、被災者一人一人のニーズに応じた医療・介護などの支援へと確実につなげるための保健活動の充実強化に向けまして、高知県南海地震時保健活動ガイドラインに基づき、災害時の保健活動マニュアルの作成に取り組む市町村を積極的に支援しているところです。

 また、災害時において高齢者などが孤立することのないよう、地域福祉活動と防災・減災対策の取り組みを一体のものとして捉え、日ごろの地域での見守り活動などによる地域の支え合いのきずなの強化に向けて支援をいたしております。あわせて、市町村による福祉避難所の整備と指定の促進を積極的に支援いたしますとともに、一般の避難所においても介護などの必要な支援が受けられるよう、避難支援体制のあり方などについての検討も進めてまいりたいと考えております。

 一方で、東日本大震災などでは、避難生活の長期化に伴う精神的ストレスなどが要因となり災害関連死に至った事例も報告されており、被災者の心のケアの問題は重要な課題だと認識しております。このため、災害時における心のケア活動に携わることのできる専門的な人材の育成とあわせて、災害派遣精神医療チーム−−DPATの県外からの受け入れ体制を含めた体制整備に向けまして検討を進めてまいります。

 こうしたさまざまな取り組みを通じまして、高齢者などの多様なニーズにきめ細やかな対応が可能となりますよう、減災につながります助かった命をつなぐための対策にしっかりと取り組んでまいります。

 次に、少子化対策の取り組みについて今後どのように進めていくのかとのお尋ねがありました。

 県ではこれまで、急速な少子化の進行等を踏まえ、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画となりますこうちこどもプランを策定し、仕事と子育ての両立支援に向けて、保育サービスの充実や子育て世代が働きやすい職場環境づくりに取り組む企業の拡大などに積極的に取り組んでまいりました。また、少子化対策県民会議などとも連携し、少子化対策の機運の醸成を目的に、キャンペーンやフォーラムの開催などといった取り組みも積極的に推進してまいりました。

 現在、来年度から5年間の新たな行動計画の策定に取り組んでいるところですが、その中では、誰もが希望する時期に安心して結婚、出産、子育てができる社会、全ての子供の生きる力を育むことができる社会、地域社会が一体となり世代を超えて子育てを支え合う社会といった3つの柱を中心に据え、全庁横断的に少子化対策のさらなる充実強化に向け取り組むことといたしております。

 議員お話しの、子育てを県が全力で応援しているといったメッセージを発しますことは、子育て家庭の不安を取り除き、安心感の醸成にもつながる効果を期待できるのではないかと考えております。このため、新たに策定する行動計画を着実に推進していくのはもちろんのこと、キャンペーンやフォーラムなどの開催の機会を捉え、県民の誰もが希望する時期に子供を産み育てやすい環境づくりを目指して、県が子育て家庭を全力で応援しているといったメッセージとあわせ、行動計画の趣旨や取り組みの内容などにつきまして県民の皆様にわかりやすい形で情報発信に努めてまいりたいと考えております。

 次に、子育て世代のニーズを踏まえ、家族間でともに支え合い助け合いながら生活をする人たちへの支援についてのお尋ねがありました。

 本県では、女性の労働力率や共働きの世帯率が高くなっている一方で、平成22年の国勢調査の結果では、6歳未満の子供がいる世帯に占める3世代同居の割合が全国平均よりも低くなるなど、核家族化の進行などもあり3世代同居が少ないという実態があります。このため県では、働きながら安心して子育てのできる環境整備や、子育てに伴う孤立感や不安感などを軽減するための施策などに積極的に取り組んできたところです。

 しかしながら、近年の状況を見ましても、核家族化は年々進んでおり、今後はこれまでの取り組みに加え、子育てを世代間を超えて地域社会全体で支えるといった観点から、元気な高齢者が子供の一時預かりなどを担う子育て支援策や、地域の子供を見守り交流する集いの場づくりなどに積極的に取り組む必要があるものと考えております。この点、子ども・子育て支援新制度においても、地域子育て支援拠点事業やファミリー・サポート・センター事業などの地域で子育てを支え合う施策の充実が図られることとなっています。また、全国知事会では、知事がリーダーを務めます次世代育成支援対策プロジェクトチームが中心となって、子育ての世代間での支え合いを促進するといった観点から、高齢者から子、孫の世代への自発的な資産移転を促し、子育て世代を支援する新たな税制、贈与税の非課税措置の創設などについて政策提言を行ったところです。

 議員からお話のありました3世代同居や近居を推進していくといったことは、先ほど申し述べました世代間を超えて子育てを支援する施策の一つだと考えられます。このため、3世代同居や近居の推進に向けました具体的な支援策のあり方などについて今後検討を進めてまいりたいと考えております。

 最後に、子ども・子育て支援事業支援計画の策定に向けたこれまでの取り組みについてのお尋ねがありました。

 子ども・子育て支援新制度の来年度からの円滑な施行に向けまして、高知県子ども・子育て支援会議において、平成27年度から31年度までの教育・保育サービスの需給計画や子育て支援の推進方策などを盛り込む子ども・子育て支援事業支援計画の策定に関して、これまで議論を重ねてまいりました。これまでの会議において、地域子育て支援拠点事業などの推進方策や障害児施策の充実強化、あるいは教育・保育サービスを担う保育士等の人材確保と資質の向上に向けた研修体制のあり方などについてさまざまな御意見をいただき、いただいた御意見などを踏まえ、この11月には計画の素案をお示ししたところです。

 新制度の施行まで残すところあとわずかとなりましたが、地域ニーズに十分に応える実効性のある支援計画となりますよう、事業の実施主体となります市町村の事業計画や、今年度に策定する予定の障害福祉計画などといった他の計画との整合性にも十分に留意した上で、計画案の策定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、消費税率10%への引き上げが先送りされましたことを受け、今月の3日には、知事が、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとして、新制度への円滑な移行に向けまして必要となる財源の確保などについて政策提言を行ったところです。

   (危機管理部長野々村毅君登壇)



◎危機管理部長(野々村毅君) 宿毛市の長期浸水対策に関して、現在の進捗状況と今後の方向性についてお尋ねがございました。

 最大クラスの地震が発生した場合、宿毛市では地盤が2メートル程度沈降すると想定されており、中心市街地のほぼ全域を含む560ヘクタールが長期にわたって浸水し、約9,000人の方が影響を受けるという厳しい状況になるおそれがあります。このため、早期に浸水を解消する止水、排水の対策、また浸水域の住民の皆様を速やかに救助救出する対策について、関係する国や県、宿毛市、消防及び警察が協力し、お話にもありましたように昨年から検討を進めております。

 これまでに、現在の堤防が地震で液状化し沈降した後にも満潮の水位以上の高さを保てるのか、現在の排水機場が耐震・耐水性を有しているのか、潮位が下がり一時的に浸水が解消される範囲はどこまでか、また高齢者など要配慮者がどこにどれだけいるのかといった課題を整理し、対策の検討を進めてまいりました。この11月には、主にハードの対策でありますが、止水・排水対策をテーマとした検討会を開催し、止水のために必要な資機材や工事の実施方法、排水が完了するまでに要する日数など、具体的な検討を行いました。

 現状のままでは、堤防の高さが約9キロにわたり満潮位以下になるため、その区間の大型土のうによる止水が必要であり、現時点での試算ではありますが、排水の完了までは約50日を要することとなっています。日数の短縮には、事前の堤防の耐震化と、排水ポンプ車や排水機場をできるだけ早く稼働させる対策が必要となります。

 来月には、救助救出対策をテーマとした検討会の開催を予定しています。宿毛市の浸水深は、市街地を中心に比較的浅くなると想定されており、潮位が下がった時間帯には徒歩で避難が可能になるエリアが広がるという特徴があります。このことを踏まえた救助救出方法、それに必要な時間や資機材などについて検討することとしております。

 今後、時間のかかる堤防や排水機場の地震対策についての目標期間を設定するとともに、これらの進みぐあいによって、排水が完了するまでにかかる日数がどれだけ短縮できるかといった効果も含めて、年度内に検討結果を取りまとめます。来年度からは、各機関がそれぞれ目標に向けて対策を実行することで、長期浸水の早期復旧の取り組みを進めてまいります。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 建設業の現状と課題、高知県建設業活性化プランの今後の取り組みについてお尋ねがありました。

 本県の建設業界については、長年にわたる公共事業の減少に伴う若年入職者の減少や、従事者の高齢化の進行、経営規模の小規模化などによって、建設業者の施工力の低下や、これまで培ってきた貴重な技術、技能の次世代への継承が危ぶまれることが大きな課題であると認識しております。

 こうした課題に対応するため、建設業の新たな展開を目指した高知県建設業活性化プランを本年2月に策定し、建設業者の多様な相談に対応する支援窓口を設置したほか、技術開発や施工力の向上を目的とした研修などを実施しております。また、建設業の重要性ややりがいを特に若い世代に知ってもらうため、先月高知市中央公園で開催された防災フェスタや、新たに誕生したマスコットキャラクターまもるくんのテレビコマーシャルなど、建設業のイメージアップへの取り組みを支援しております。

 さらに、4月から6月の工事量が少ない年度当初において、雇用の継続や企業の経営安定に効果のある工事の平準化を進めております。具体的には、年度をまたいで十分な工期が確保できる繰越制度を柔軟に活用するとともに、来年度の県単事業の一部を本年度内に発注できる債務負担行為、いわゆるゼロ県債の予算を今議会に提案させていただいているところです。

 一方、本年6月に改正された公共工事の品質確保の促進に関する法律では、中長期的な担い手の確保や受注しやすい環境の整備などについて、発注者の責務が明確化されており、その趣旨を踏まえた活性化プランのバージョンアップも必要であると考えております。このため来年度、まずは課題となっている若年入職者の確保と定着に向け、雇用環境や処遇の改善に必要な専門家による研修や、アドバイザー制度を活用した建設業者への個別支援などの取り組みを強化することとしております。

 こうした取り組みを通じて、地域をよく知り、地域に信頼され、それぞれの地域で活躍する建設業者を支援してまいりますとともに、さらに県外、海外への事業展開を目指すことができる、技術力、経営力のある建設業者が育成される力強い業界となりますよう、活性化プランの推進に積極的にしっかりと取り組んでまいります。

   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇)



◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 加藤議員の御質問にお答えいたします。

 まず、人財誘致を進める上での課題認識とその対応についてお尋ねがありました。

 本年度から新たに挑戦しています人財誘致の取り組みは、本県での就業を検討している都市部の方々を対象に、まず首都圏での座学研修を実施し、次に県内事業者とのマッチング交流会の開催、さらにはインターンシップによる業務体験と順にステップを踏みながら、本県への円滑な就業を進めようとするものでございます。また、これとあわせまして、本県と協定を結んでおります全国で事業を展開する人材ビジネス事業者4社を通じて、再就職を希望する経験豊かな都市部の人材と県内企業とをマッチングさせることにも取り組んでおります。

 こうした取り組みを進める中で、実際に転職を考える方々の中には、議員のお話のように、首都圏と高知県での雇用条件の違い、とりわけ賃金水準の違いが大きな課題となるケースも出てきております。これに対応するため、現状では、転職を円滑に進めることを目的に国が設けております研修費用の助成制度を活用することなどで、県内事業者の負担軽減に努めております。しかしながら、これらの施策は、助成の対象がOJTやOff−JTに係る研修費用などのため、賃金水準の違いの解消策としては必ずしも十分ではないというふうに感じております。

 一方で、年内に策定される予定のまち・ひと・しごと創生総合戦略では、人口の東京一極集中を是正することをテーマの一つに掲げておりますので、例えばこれまで政策提言をしてまいりました自由度の高い交付金の使途として、賃金格差の縮小に充当することも考えられるのではないかと思っております。今後、地方創生に関する国の動きの情報収集に努めますとともに、本県への人財誘致の追い風となるような政策提言を行っていきたいと考えております。

 次に、地域の企業に就職した若い社員に対する研修機会の提供など、土佐まるごとビジネスアカデミーのこれまでの成果と今後の対応についてのお尋ねがありました。

 若い方々が地域で誇りと志を持って働いていただくためには、お話がありましたように、自分自身の成長につながる学びの機会があることも大切な要素であると思います。

 平成24年度から開講しております土佐まるごとビジネスアカデミー、通称土佐MBAでは、ビジネスを進める上で必要な基礎知識から応用・実践力までを身につけていただける多彩なカリキュラムを用意しており、平成24年度、25年度ともに延べ1,600人を超える方々に受講をしていただいております。本年度も、学びのきっかけづくりとなります入門編の講座を充実させたことや、新たに土佐MBA相談員を配置して受講者の学びのステップアップをサポートしたことなどもありまして、現時点で延べ1,800人を超える方々に受講いただいております。特に、企業にお勤めをして間もない若手社員やこれまでビジネス理論を学んだことのない方を主な対象とする入門編では、前年度を大きく上回る延べ800人を超える方々に受講していただいております。

 この土佐MBAは、来年度から永国寺キャンパスに整備をします産学官民連携センターで実施をすることとしております。この地の利を生かして、土佐MBAのワークショップや異業種交流会の実施、高等教育機関との連携強化などのさまざまな交流の機会を設けるとともに、地域のリーダー的な事業者を育成するアドバンスコースを新設するなど、カリキュラムを一層充実させる予定でございます。さらにバージョンアップをする土佐MBAについて積極的な広報を行ってまいりますので、ぜひ多くの若い方々にも参加をしていただいてスキルアップにつなげていただきたいと考えております。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) 木質バイオマス発電における森林経営計画の現状、課題及び今後の対応、あわせてガイドラインの周知についてお尋ねがございました。

 木質バイオマス発電では、燃料となる木材の由来によって売電価格が異なることから、林野庁の定める「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」に基づく証明が必要となっています。このガイドラインでは、木材の調達コストの高い順、つまりは売電価格の高い順に木材を、間伐材等、一般木材、建設資材廃棄物と3つに区分しています。このうち間伐材等の区分の中には、森林経営計画を樹立している森林から伐採された木材が含まれていますため、間伐材だけでなく主伐材であっても有利な売電価格が適用できることとなっています。

 森林経営計画は本来、一体的なまとまりのある森林を対象として森林の施業の効率化と森林資源の持続を図ろうとするもので、計画を立てることによって健全な森林経営が担保されることはもとより、造林補助事業などで、より高い補助が受けられるなどメリットがございます。このため、県としましても、平成24年に新たな森林経営計画制度がスタートして以降、積極的に策定を働きかけてまいりましたが、零細な森林所有者が多い上に、不在村の所有者もいることから、思うように合意形成が進まず、計画認定をした面積は今年10月現在で民有林全体の約10%にとどまっているところです。

 今後も、森林組合等の林業事業体には、森林所有者の合意形成活動を支援する国の森林整備地域活動支援交付金の活用などにより、森林所有者に計画の意義やメリットを丁寧に説明し、引き続き森林経営計画の樹立に向け積極的に取り組んでいただくよう、市町村と連携し、事業体の支援をしてまいりたいと考えています。

 一方、ガイドラインに基づく証明ができていない場合には、たとえ間伐材であっても建設資材廃材と同様の最も低い価格となりますことから、適正に証明を行っていくことが重要となっています。このため、これまで、森林組合連合会や素材生産業協同組合連合会及び木材協会が行う傘下の組合員への研修会に合わせてガイドラインの説明を行ってまいりました。今後は、県や市町村の広報紙等を活用した情報の発信などさまざまな機会を通して、小規模林業事業者等も含めた幅広い方々にガイドラインを周知することで、少しでも有利な価格で木材が取引され、山への還元が進み、中山間での雇用と所得の向上につながるよう取り組んでまいります。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、子ども・子育て支援新制度の移行について、私立幼稚園の現状をどのように把握し対応しているのかとのお尋ねがございました。

 来年4月からの子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、私立幼稚園は、新制度に移行せず現行制度のもと幼稚園のまま存続するのか、あるいは幼稚園または認定こども園として新制度へ移行するのかとの判断が求められております。

 新制度に移行しない場合、私立幼稚園に対する財政支援は現行の私学助成金が継続されることになりますが、新制度へ移行する場合は、幼稚園、認定こども園、保育所など全ての施設を通じた共通の給付制度となります。さらに、園児の保育料については、これまでそれぞれの幼稚園が決定しておりましたが、新制度へ移行する場合は、保護者の所得に応じて市町村が決定し、園が徴収することとなります。

 このように、私立幼稚園にとって新制度は大きな変革となるため、県では昨年度から、私立幼稚園を対象とした新制度の研修会を開催するとともに、本年8月から9月にかけて全ての私立幼稚園を直接訪問し、新制度の説明を行ってまいりました。また、認定こども園へ移行する場合の施設整備に対する財政支援を行うとともに、人材育成を図る研修を実施するなどの支援も行ってまいりました。

 その結果、本年9月末現在で、既に認定こども園となっている幼稚園を含む県内31の私立幼稚園のうち16園については来年度から新制度への移行を予定しておりますし、平成28年度からの移行に向けて準備を進めている園も幾つかございます。しかし、新制度における給付費の単価など概要が全て明らかになった段階で移行についての判断をしたいとのことで、現時点では確定していない園もかなりございます。

 こうした中、県といたしましては、私立幼稚園が円滑に新制度を迎えることができるよう、国に対して施設への公定価格を速やかに提示することや、教育・保育の質の充実につながる公定価格とすることなどを、全国知事会を通じて申し上げてきたところです。今後も国の検討状況を注視するとともに、施設の皆様に対し情報を適切に提供し、相談や疑問にもお答えすることで不安を解消し、新制度への移行を促してまいりたいと考えております。

 また、新制度の実施に伴い、幼稚園の利用についての手続なども変わってくることから、保護者に対しての周知も必要となっております。引き続き市町村と連携を図りながら、利用手続の方法や保護者負担などの周知に努めてまいります。

 次に、全国学力・学習状況調査の結果について、他県の事例などを参考にして、教育委員会が積極的に公表していくべきではないかとのお尋ねがございました。

 本県の子供たちの学力向上のためには、保護者や地域の方々の協力を得ながら、学校と家庭、地域が一体となって取り組みを進めていくことが重要です。このため、県教育委員会としまして、これまでも、県民の皆様に子供たちの学力の定着状況を知っていただき、評価や御協力をいただけるよう、全国学力・学習状況調査の結果について、その分析と改善策をあわせて具体的に公表を行ってまいりました。また、県立中学校におきましても、それぞれの学校が結果や分析、取り組みについて詳細な公表を行っています。

 市町村ごとの結果の公表につきましては、地域の教育行政の責任を担っている市町村教育委員会が主体的に判断すべきものと考えていますが、住民の皆様への説明責任をしっかり果たし評価や御協力をいただくという観点からは、調査結果などについて積極的に公表していただくことが望ましいと考えております。そのため、県教育委員会として、本年度の全国学力・学習状況調査の結果が公表された8月以降、個別に市町村教育委員会と意見交換を行う中で、地域の方々に説明していくことの必要性をお伝えし、積極的な公表を考えていただくよう、改めて要請してまいりました。

 その結果、全国学力・学習状況調査の結果を公表する市町村は、昨年度は11市町村でしたが、本年度は15市町村の予定となっております。今後は、さらに市町村が積極的な公表をして、地域と一体になった取り組みを進めていただけるよう、県教育委員会といたしましても、例えば正答率が低かった問題の原因分析の方法や公表事例などをお示しするなど、各市町村の相談にも乗りながらしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、子供の発達段階に応じた親育ちの支援と家庭教育の充実についてお尋ねがございました。

 家庭教育は、子供の健やかな育ちの基盤ですが、核家族化や地域のつながりの希薄化の進行などによりその機能が低下しているのはお話のとおりでございます。特に本県では、家庭学習や基本的な生活習慣の定着に課題を抱えている子供も多く、その対応として、家庭の教育力を向上させることが重要となっております。

 そのため、県では平成21年度から、保育所や幼稚園に在籍している就学前の子供の保護者を対象に、子供の発達の道筋や子供にかかわるときのポイントなどについて理解を深めていただく親育ち支援に取り組んでおり、受講した保護者の多くに意識の向上が見られ、成果が上がっております。また、小中学校においても、基本的な生活習慣の重要性について保護者の皆様の意識を高めていただくため、親子で行う生活リズムチェックカードを配付し家庭で活用していただく取り組みや、家庭版道徳教育ハンドブックを通じて、親子で人の生き方や社会に貢献することの大切さなどを学ぶ取り組みなどを進めているところでございます。

 また、日々の教育活動においては、課題を抱える児童生徒の保護者に対し、スクールソーシャルワーカーや関係機関との連携により、個々の課題に応じた助言や支援を行っております。さらに、11月の教育の日を中心として、保護者を初めとする全ての県民の皆様に教育について考えていただき、教育的な風土づくりの機運を高めるための取り組みを進めております。

 一方で、家庭の教育力向上の難しさは、教育力に欠けると思われる親ほどそのことに関心が薄い傾向にあるという点にございます。このため、今後は、そういった親に対してもさまざまな機会を通じ粘り強く親育ちを促していくことに加えまして、家庭の教育力の不足を学校や地域社会でカバーしていくことにもあわせて力を入れていく必要があるものと考えております。

 最後に、道徳教育用教材「私たちの道徳」に関して本県の利用状況をどのように把握し活用を促しているのか、また本県の独自教材「家庭で取り組む 高知の道徳」もあわせた活用状況と今後の取り組みについてお尋ねがございました。

 まず、「私たちの道徳」は、学校の道徳の時間や家庭や地域で活用することを通じて道徳教育の充実を図るため、文部科学省が昨年度末に各小中学校に配付したものです。本県でも、各学校の道徳の時間の年間指導計画への位置づけや家庭での活用などについて、各市町村教育委員会や学校へ指導してまいりました。その状況につきましては、本教材を活用した授業を行った学校の割合は全国よりも高くなっている一方で、家庭での活用は十分でない状況も見られるところでございます。そのため、各学校の道徳担当教員を対象とした悉皆研修会などを通じて本教材の趣旨についての再確認を行い、学校にとどまらず家庭においても活用いただくよう促してまいりました。

 次に、本県が作成した「家庭で取り組む 高知の道徳」は、大人が子供と向き合い、夢や希望、悩みなどを語り合うきっかけとなるものとして、昨年11月に公立小中学生の全保護者に配付し、PTAの研修会などにおいて家庭での活用をお願いしてきました。また、各学校では、この冊子の趣旨や学習内容、授業の様子などを学校便りやPTA便りで紹介するなど、有効に活用されております。また、各教育事務所の学校訪問などを通じて、その具体的な活用状況について継続的に把握し、有効な活用に向けて指導や支援を行ってきているところでございます。

 今後、このような教材の効果的な活用事例などを市町村教育委員会や学校、PTAの皆様にお示しし、道徳の授業はもとより、学校、家庭、地域をつなぐものとして、活用をさらに進めてまいります。

   (選挙管理委員長恒石好信君登壇)



◎選挙管理委員長(恒石好信君) 投票所の減少への対応についてお尋ねがございました。

 議員お話しのとおり、平成24年12月の前回総選挙のときと比べ、今回の総選挙における投票所数は県全体で5カ所の減となっております。区割りの改定に伴い1増となった高知市を除き、3市3町でそれぞれ1カ所の減となっております。また、そのうち5カ所が、選挙人の減少を理由として、住民の皆さんとの協議の上で近隣投票所との統合を行ったものであります。そのうち4カ所では、送迎バスなどによって投票所までの足の確保を行うこととしているとお聞きしておりまして、投票所の統合を行う際には一定の対応についても検討がされているものと考えています。

 しかしながら、平成16年7月の参議院選から今回選挙までの10年間で見ますと、投票所の数は人口の減少などとともに985カ所から927カ所へ58カ所減少しており、有権者の皆さんの高齢化の進展と相まって、多くの皆さんが投票に参加しやすい環境をつくることは、若い方の投票参加の問題とあわせ重要な課題であると認識をしております。

 このため県選管では、本年7月以降、各市町村の選挙管理委員会に直接出向き、組織体制や啓発事業のほか、高齢者の皆さんなどの投票機会の確保に向けた取り組みの状況や、投票制度の周知の状況などについて聞き取り調査を行い、あわせてほかの市町村におけるさまざまな取り組み事例なども紹介しながら、投票機会の確保に向けて積極的に取り組んでいただくよう呼びかけを行ってまいりました。この中で、来春の統一地方選挙に向けて、期日前投票所を増設することや、投票所の増設も視野に入れて投票区の見直しを検討するといったお話もお聞きしているところでございます。

 しかしながら、お話にもございました送迎バスなどの運行につきましては、市町村の選挙管理委員会の体制の問題や、運行の検討に当たっては特定の投票区への導入の場合の投票区間における投票機会の平等性といったことなど、選挙の公平・公正さにも十分配慮しなければならないといった難しい課題もございます。県選挙管理委員会としましては、投票の権利は民主主義の基礎であり、選挙人の投票の機会を広く確保することが重要であることから、引き続き、市町村の選挙管理委員会に対し、多くの皆さんが投票しやすい環境づくりについて御検討いただくよう要請してまいりますとともに、必要な助言も行ってまいりたいと考えております。



◆2番(加藤漠君) それぞれ御答弁ありがとうございました。

 1点だけ知事にお伺いをさせていただきます。

 地方創生と国土強靱化の関連性、現時点でどうお感じになっているのかなということがあればお答えをいただきたいと思うんですが、この共通点であります東京一極集中の緩和というのは本当にもう地方積年の課題でございまして、待望の政策なんだというふうにも思っております。その両方に懇談会の委員として知事が御参加いただいて、本当に中心となってできた計画だと思っていますし、地方創生に関しても知事会のリーダーとして積極的に御提案をされているということを承知しております。

 その結果、国土強靱化については、例えば国の計画の中にCLTなんていうのも入っているんですね。これは山林をしっかり管理していくことで災害も防げると、そして産業にもつながると、こういった施策が入ったのもまさに高知県の訴えがあったからこそだというふうに私は思っておるところでございます。産業だけではなくてインフラ、例えば大きい話で言うと、リニアの事業なんていうのは東京一極集中の緩和の一つの大きな材料になるんだと思いますし、高速道路のミッシングリンクなんかもそうであると思います。

 今現時点でまだ地方創生、見えてきていない部分もありますが、もし共通点、お感じになっていることがあれば御答弁願えればと思います。



◎知事(尾崎正直君) 地方創生と国土強靱化は、相互に依存しているといいますか、お互いに高め合う関係ということかなと、そのように思います。地方創生が進んでいく中で、地方がそれぞれ地力をつけていくことが、それが例えば経済の活性化のみならずさまざまな防災体制の活性化、さらには支え合い、福祉の活性化につながる、これが国土強靱化につながっていくということになりますでしょうし、また国土の強靱化が地域地域で進んでいくことが地域地域のそれぞれの信用の高まりにつながり、それがさまざまな交流の活発化、地方の創生ということにつながっていくという相互の関係にあるということではなかろうかなと、そのように思っております。相互の関係のありよう、対応というのはさまざまかと思いますけれども、確かにその中で一つのキーワードとして東京一極集中の是正ということは、国土強靱化、いわゆる複線的なシステムをつくるという点においては意味があり、そしてまた地方創生という点においては、地方に若者をとどめるという意味において意味があるという形で共通するものかと思っております。

 ナショナル・レジリエンス懇談会で、地方創生のためのワーキンググループというのが設置をされることになりまして、あした初会合があって、私、出席をしてくることとなっておりまして、この国家的課題である地方創生と国土強靱化、この両者を一体として捉える、そういう取り組みが今後広がっていくのではないかと考えております。本県にとってもまさに重要テーマでありますので、大いに積極的に政策提言していきたいと、そのように思っております。



◆2番(加藤漠君) 積極的な御答弁ありがとうございました。

 最後、質問ではございませんけれども、きょうは女性の活躍について質問をさせていただきました。先日、宿毛高校の70周年の記念式典があって、そこに田部井淳子さんという方が講師でお見えになりました。世界で初めてエベレストに登った女性なんですね。

 エベレストの登頂の準備にかかった期間、1,400日準備にかかったそうであります。登山の実際の期間というのは、130日間ずっと登り続けて、全体で約4年以上の歳月をかけてエベレストに登ったと。けれど、そんなにかけて登っても、頂上というのは本当に一瞬なんですよね。その一瞬のためにずっと準備して、昭和45年の時点で4,000万円以上の費用がかかったということなんですね。この話を聞いて、危機管理、南海地震もたった一瞬、その日のために備えてずうっと準備をしていくというふうに思うと、まさに危機管理の要諦をうかがったようにも感じたことでございました。

 それと、もう一点印象的だったのは、田部井さん、小柄な方で、運動能力にも小さいときから余り自信がなかったという方でございました。何で私がエベレストに登れたか、それはもう一言で言うとエベレストに登るという決意だけですということをおっしゃっておりました。8,000メートルを超える山が世界に14ある中で、どうせなら世界一に登ろうと決意をして、苦難を乗り越えて登ったということでございました。

 我々も、景気回復、この道しかないということで進んでまいりました。高知県の目指すべき方向も明確でございます。皆さんと、この決意ということを新たにして取り組んでまいりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(桑名龍吾君) 暫時休憩いたします。

   午後2時34分休憩

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   午後2時50分再開



○議長(浜田英宏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 5番西内健君。

   (5番西内健君登壇)



◆5番(西内健君) 自民党の西内健でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行わせていただきます。

 さて、衆議院議員総選挙がおととい行われ、与党である自民、公明両党は、改選前より2議席増の326議席を獲得しました。今回の総選挙の争点には、消費増税の延期、アベノミクスの評価、安全保障を含む外交問題などが挙げられていました。選挙結果を見れば、安倍政権は一定の評価を受け、今後のこの国のかじ取りに対して再度大きな責任を担うこととなりました。

 そして、選挙期間中に多くの候補が主張された、与党の掲げる地方創生の取り組みが開始されます。少子高齢化、過疎化、そして都市への一極集中といった問題は、日本の戦後69年の歩みの結果であり、戦後をどのように解釈をするか、それが必要であろうと考えます。

 我が国は、敗戦から立ち直り、その勤勉さや努力により高度経済成長をなし遂げましたが、その過程において、経済的側面で言えば、地方から労働力としての人口流出が続き、東京などの首都圏において都市化が進んだわけであります。また、戦後の民主主義の進展は、個人の自由を拡大し、居住、移転の自由が保障されるとともに、交通機関などの移動手段が進歩したことなどにより、それまでは生まれてきた地域で生涯を終える人々が大半であったものが、経済的に豊かで便利な上、他人に干渉されることの少ない都市圏への移動が進んだわけであります。

 このように、戦後の69年間における経済面、政治面での変化は日本人の価値観を大きく変え、地方から都市への人口流出に歯どめがかからない状態が続いています。都市への一極集中は、現在の世界中で、ある程度見られる現象でありますが、人類の歴史上、これに似た現象を少し振り返って見てみたいと思います。

 人類の歴史の中で、一つの文明が誕生し、繁栄そして衰退した例として、古代ローマ帝国の盛衰を見てみたいと思います。

 歴史家テオドール・モムゼンの書いたローマ史において、古代ローマ帝国の絶頂期において何が起こったか、それを見てみますと、現代日本と同様に地方から都市への大規模な人口流出が記述をされています。急激な人口増加によって、古代ローマでは、それらの人々を収容する、いわゆるパンとサーカスの言葉で知られるように、増加した人々に対して娯楽を提供するために必要な大規模建造物が多くつくられたわけですが、今でもローマを訪れますと、コロッセオ、パンテオン、そしてカラカラ浴場などの大規模施設が残っているのを目にすることができます。

 このように栄華を誇った古代ローマ帝国でありましたが、その衰退期に入った時代の記述を見てみますと、「ローマ帝国のどこを探しても100人隊の隊長として人並みに役に立つというイタリア人は十分に見つからず、この職務のために、異国人であるダルマチア人を雇わねばならなくなり、さらに後にはドナウ川やライン川地方の蛮人を雇わなければならなかった。その間、女性の出生率は低下し、イタリアの人口は希薄になっていったのである」と記されています。

 何やら、アメリカに戦後の防衛を委ね、近年はグローバル化の波に押され、建設や介護の現場での人手不足を外国からの移民に頼り、出生率の低下している我が国の姿とダブって見えます。自分の国は自分で守る、そういった当たり前のことを忘れ、豊かさや平和、安全といったものが当然にあるものと思い込んでいる我が国に足りないものが何か、それを古代ローマの失敗の歴史から学ぶことも可能かもしれません。

 物と金だけではなく人が自由に動くグローバル化が、ビジネスだけではなく教育現場でも声高に叫ばれておりますが、国家を維持するための自主独立の気概を持ち、自分たちの手で自分たちの国をつくる必要があります。地方創生も同じことで、地域に住む人間が自分たちの手で地域をつくり上げる必要があり、そのための政策提言が求められることになります。今回の地方創生が我が国にとって大きな転換点となるためにも、短期的な視点でなく長期的に考え、政策の転換だけではなく、我が国及び地域の歴史や伝統、文化や価値観に根づいた再生を果たすことが重要であると考えます。

 観念的な話になりましたので、知事に対して質問はいたしませんが、ぜひ知事には以上のことを頭の片隅にでも置かれて国への政策提言を行っていただければ幸いだと考えます。

 それでは、現実政治の世界に戻りまして、庭先の現場の質問も含め、入らせていただきたいと思います。それではまず、公共交通に関してお伺いをいたします。

 10月1日に、土佐電気鉄道株式会社、土佐電ドリーム株式会社及び高知県交通株式会社が経営統合し、とさでん交通株式会社が発足しました。3社の事業を新会社であるとさでん交通株式会社に統合し、3社はしかるべき時期に特別清算される新設分割の手法がとられました。

 土佐電鉄と県交通は、長年の経営不振により両社とも実質的に債務超過の状態にあり、累積債務は2013年度末時点で合計約75億円ありました。今回の新会社設立に際し、金融機関から最大28億円の債権放棄を受けるとともに、県及び沿線12市町村より10億円の出資を受け、財務体質が強化されました。それらにより、発足時の新会社の債務は約37億円となり、2013年度において2社で1年当たり2億5,000万円あった金利負担は7,000万円台に減少をしました。

 今後も、経費削減や資産処分により債務の圧縮が行われ、資金繰りの改善が見込まれることから、安定的な財務運営が期待されます。事業再生計画においては、統合3年目に当期純利益が1,900万円となり単年度黒字に転じるとされていますが、計画達成には、増収やコスト削減など、路線バス事業への今後の取り組みが鍵となります。

 中央地域における路線バスと路面電車が自動車などを含む移動手段全体に占める割合は2%程度ですが、路線バスの輸送人員数は毎年3%のペースで減少しています。再生計画においては、利便性の向上によって利用者の減少率を2%に抑えることを目標としています。統合時において、系統番号制度の導入などによる新サービスの提供や小規模な路線再編を行いましたが、目標達成のために、2年後に路線バスの抜本的再編を掲げております。

 今後、データ経営に取り組み、ICカード「ですか」のデータを活用し、利用者の動向分析を行い、効率的で利便性の高い路線編成を目指すとされています。しかしながら、これまでの路線編成は勘と経験による部分が多かったわけで、先行事例の少ないデータ活用による分析を行ったとしても、2年後の抜本的再編はスケジュールとして厳しいのではと思われます。

 抜本的再編に関して、期限を区切って拙速的に進めるよりも、時間的猶予を考慮してはと考えますが、中山間対策・運輸担当理事にお伺いいたします。

 土佐電鉄と県交通は、これまで一宮と桟橋に車両基地を有してきましたが、資産処分案の中で県交通本社を処分する予定であります。車両基地があったことで一宮方面からは乗客が多かったと考えられますが、今後の再編によって一宮方面からの乗客の利便性をどのように維持していくのか、中山間対策・運輸担当理事にお伺いいたします。

 また、今後車両基地を桟橋に統合する場合、とさでん交通の所有する全てのバスを桟橋に停車することは物理的に不可能であり、県有地の提供等を含め、駐停車スペースをどのように考えているのか、中山間対策・運輸担当理事にお伺いをいたします。

 路線バスの抜本的再編に向けては、高知市街地でのターミナル整備が大きな鍵を握っています。高知市内のバス路線は、基本的にはりまや橋付近とつながりがあるが、ターミナルがないため、現状では非常に複雑でわかりにくい路線となっています。はりまや橋付近にターミナルがあれば、路線は今よりシンプルとなり、利便性が大幅に向上すると考えられています。また、経営的にも、これまでの回送運行を減少させることで収益向上も図ることができます。

 JRや長距離バスの結節点であることを考え、高知駅にバスターミナルを設置してはとの意見もありますが、現状、高知駅からは路線バスの利用者は少なく、はりまや橋−高知駅間における運行上の経費が余計にかかるため、現実的ではないと思われます。現状は、路線バスの乗降客がはりまや橋から県庁前の間で集中していることから、この区間においてバスターミナルを設置することが理にかなっていると考えます。これらを勘案し、短期的には現在の堺町バス停付近を整備し、長期的にはりまや橋と県庁前の間においてバスターミナルの設置を考えるべきだと思います。

 岡崎高知市長も、抜本的再編を掲げる2年後をめどにターミナルを設置する意向でありますが、高知県としての考え方を知事にお伺いいたします。

 ターミナルの整備とともに課題に挙げられているのが、幹線、支線の役割分担であります。いわゆるハブ・アンド・スポークと言われる考え方であり、長浜出張所などの地区の基地に直通バスを走らせ、乗りかえを前提に、地域を支線でカバーする構想であります。現実には、ターミナル整備がされ、ターミナルを中心に放射線状に路線バスが整備されてからになるとは思いますが、例えば中山間地においては、集落活動センターやコンビニエンスストアなどをバス停として整備することで、バス停まで人が出てくる流れをつくることが可能であります。また、長浜地区や三里地区などにおいては、バス停の待合機能を強化し、複合施設とするなどして、津波避難ビルなどを活用して整備することも一考だと考えます。

 乗りかえ等の課題もありますが、ハブ・アンド・スポークなど幹線、支線の整備に関して中山間対策・運輸担当理事にお伺いをいたします。

 路線バスにおいては、これまで自主運行路線は収支がほぼとんとんであり、残る補助対象路線において大部分の赤字が発生してきました。採算がとれなくても、住民ニーズや公共性が高い路線に現行は補助金が出ています。

 補助金の支給基準として、四国ブロックの標準経費という指標が適用されています。この標準経費は、四国の路線バス会社の1キロ当たり運行経費の平均額で、1年間にかかった経費を年間走行距離で割り、1キロ当たりの経費を算出します。

 簡単に説明しますと、この標準経費が例えば300円であり、とさでん交通の平均運行経費が320円だとすると、1キロ当たり20円という会社負担が必ず発生するわけです。標準経費の部分までしか補助金が支給されないため、乗客がふえて運賃収入が増加しても、標準経費と実際の平均運行経費の差額の負担は変わりません。燃費や人件費等の効率がよくない県中央域における運行経費は、今後も標準経費を上回ることが予想されるため、今後の経営改善により増収を果たしたとしても、超過した部分の会社の持ち出しの解消は難しいわけであります。

 この補助制度の見直しを考えないと、補助対象路線の赤字解消は厳しいと思われますが、この点について副知事の御所見をお伺いします。

 企業統合において重要な課題の一つが、企業文化の融合であります。いかなる企業においても、風土、伝統、経営方針、価値観など独自の企業文化が根づいております。企業統合には、通常、対等合併である場合でも主導権争いが生じる可能性、人事制度や会計制度の運用の違いから生じるシステムの整備の必要性などの多くの課題があります。また、今回の統合では、両社における安全基準への取り組みを含むコンプライアンスへの対応などに違いがあるのではと考えます。

 これらの統合後の両社の課題をどのように捉えているのか、副知事にお伺いいたします。

 また、今回の統合により、早期退職も含め、人員整理が行われました。管理部門の人員削減による間接経費の削減などのメリットがあるわけですが、安全確保の視点からは、後方部門はともかく、安全運行に十分なバスの運転手の確保が必要であります。

 全国的にも課題となっているバスの運転手の確保は十分になされているのか、副知事にお伺いします。

 両社にとって統合は長年の課題でありましたが、今回の統合の大きな契機となったのは、土電のいわゆる暴力団問題でありました。土電の提出した内部調査結果が不十分であったことから、県外の専門家を含めた外部調査委員会が立ち上げられました。この中で中心的な役割を果たしてきたのは、県外の法律事務所と監査法人であります。統合までの法的手続が完了し、コンプライアンスが一定確保された現状において、新会社の課題は経営改善にあります。

 私も民事再生の現場に数度入った経験がありますが、事業再生手続において、再生チームのあり方として、法律事務所がチームのトップとして再生を行っていくというのは非常に疑問を感じるわけであります。なぜなら、弁護士事務所は法律の専門家であっても、乗客増加による増収やコスト削減に関しては門外漢の感が否めないところがあります。再生案件は通常、コンサルタントが扱う事案であり、収益力向上策やコスト削減策などは会計分野の専門家やコンサルタントの仕事であります。また、再生現場において一番重要であるのは、現場のモチベーションを高めて従業員一丸となって再生に取り組む姿勢をつくり上げていくことであります。

 事業再生に当たり、行政がモニタリングするとしても、今後の再生チームのあり方をどのように考えるのか、副知事に御所見をお伺いします。

 先ほども述べましたが、住民ニーズや公共性の高い路線を維持するために補助金が出されてきた面があるわけですが、今後も標準経費との差額の補填など補助金の見直しがなされない場合は、経営面で赤字となる可能性は高いと思われます。乗客の利便性の向上と収益アップはトレードオフの関係の部分が多くあります。

 補助制度の見直しなどを考えなければ、路線バスの抜本的再編がなされた場合でも、持続可能な公共交通の構築は厳しいと考えます。そのような状況になった場合、福祉としての公共交通というあり方も検討課題と考えますが、知事の御所見をお伺いします。

 次に、農業振興について質問をいたします。

 9月8日から13日の日程で、JA土佐くろしおの職員さんや須崎市の農家さんと一緒にオランダ・ウェストラントへ農業視察に行ってまいりました。一昨年に続いて2度目の視察でありましたが、ウェストラント側の対応によって違った視察先を訪問することができ、今回も有意義な視察となりました。

 現地では、LEDやナトリウム電球の使用、炭酸ガス効果による収量増加、またコンピューター制御システムや自動機械の導入による省力化、地熱利用システムを活用した安価なエネルギー供給によるコスト削減などの視察地を見てまいりました。地熱利用では、地域全体が砂壌土であることからボーリングや配管工事が容易である点、またガラス施設においても、台風の災害の心配が少ないおかげで骨材が簡易である点など、日本とのコスト面での大きな差を感じました。

 今回は、JA土佐くろしおの営農指導員の方々と一緒だったことで、オランダ型農業と高知型農業の違いを感じることができました。オランダ型農業は、合理的な考えをする国らしく、機械の中に植物が組み込まれ、機械が主役であるといったイメージであり、これに比べますと、日本の施設園芸は植物が主で、植物を生き物として扱う点にあるのではないかと考えます。これらのことは、日本とオランダの農業の大きな違いが、植物を初めとする自然に対する考え方からきていると感じるところでありました。

 例えば、今回キュウリの圃場を視察した際に、営農指導員の方から、日本のキュウリの栽培ではつるおろしという栽培方法によって収量を増加させる、しかしながらオランダにはそういった植物の植生に合わせた発想が全くないといった発言をされていました。高知県が培ってきた栽培技術は非常に高いものがある、そしてオランダと違った考え方のもとで発達してきたわけで、今後の高知型施設園芸の将来は、これまでの技術にオランダ型の技術をどのようにうまく取り入れるかが肝要だと考えます。

 高知県がこれまでに取り組み、また現状においても小規模ハウスが中心である県内において、高知型施設園芸の将来をどのように考えているのか、農業振興部長にお伺いします。

 また、今回の視察において印象に残ったのは、EUのロシアに対する経済制裁により、輸出減少から経営難に陥っているオランダ農業の一面でありました。一昨年のオランダ視察の際にも、ギリシャ経済危機に端を発したユーロ危機の影響が見られました。当時は不況で、経営不振に陥ると銀行管理となり、農業経営者の交代が余儀なくされるといった話も聞くことができました。

 近年、我が国の政府の農業政策は、農業を成長産業とするために、大規模農家の育成による経営規模の拡大や生産性向上を図ることによって国際競争力を強化しようとするものであります。農産物の輸出拡大はこれからの農業にとって必要であると考えますが、オランダの事例から見られるように、海外の景気や国際関係の影響を受けやすく、栽培する品種も限られることから、リスクを勘案する必要があります。

 高知県においても、今後オランダ型の高軒高ハウスによる大規模施設園芸を導入しますが、その位置づけと将来における展開について農業振興部長にお伺いいたします。

 次に、水産振興についてお伺いします。

 須崎市野見湾は、タイやカンパチを初めとする養殖漁業の盛んな地域であります。しかしながら、東日本大震災で被災し、漁業近代化資金などの融資制度を活用して数千万円に及ぶ借り入れを行った経営体が多くあります。据置期間が終了し、ことしから返済が始まりましたが、中には、返済期間5年のため、毎年の返済額は1,800万円と多額に上るケースが多く、魚価の低迷や異常事象により返済が滞る経営体は今後廃業を余儀なくされることも予想されています。

 特にここ数年は、白点虫と呼ばれる被害が深刻であり、その原因が特定できないため、有効な対策がとれていません。また一部には、津波防波堤の完成により潮流に変化が起きたために異常事象が多くなったとの声も聞かれます。

 県としても、養殖業の後継者育成に取り組んでいますが、景気動向も含め、現在の養殖を行う環境はリスクが大きく、今後は新規に参入する意欲を持てるか疑問であります。須崎市は、家族経営の事業者が多いが、技術的にすぐれたものを持っており、これらの技術承継は必要であると考えております。

 これらを踏まえ、白点虫などの異常事象に対する今後の対応について水産振興部長の御所見をお伺いいたします。

 次に、10月にオープンしました産直市場、築地にっぽん漁港市場についてお伺いいたします。先日、築地にオープンしたばかりのさかな屋高知家にお邪魔してきました。関東近辺の静岡などから鮮度のよいものが入る大衆魚においては競争力はないが、高知ならではの魚が評価されているとの声を聞くことができました。

 現状では、出店者の地元である宿毛などの魚類が中心でありますが、今後、県内全域の魚を販売していく上で、どのように集荷体制を整備していく予定であるか、水産振興部長にお伺いします。また、現状は観光客が中心の客層であることを伺いましたが、今後の業務筋への展開はどのように考えているのか、あわせて水産振興部長にお伺いをいたします。

 次に、高知県の伝統産業であります土佐打ち刃物における後継者育成対策についてお伺いします。

 須崎市には鍛冶町という地名が残るように、江戸時代から続く打ち刃物の町であります。現在も、包丁やくわなどを製造する鍛冶屋さんが点在をしております。昔ながらの鉄と鋼をくっつける製造技法に特徴があり、日本料理において使われる片刃包丁は全国的に評価が高く、研ぎの前段階である焼き入れ後の地と呼ばれる半製品は、日本一の和包丁の産地である堺でも定評があることから、大量の半製品が堺に向け出荷されています。

 このように伝統もあり全国的に評価の高い須崎の打ち刃物でありますが、香美市などの他市町村と同じく、須崎市の打ち刃物業界も高齢化と後継者不足に悩んでおります。高知県においても、受け入れ研修生に対して1人当たり月15万円、教える側にも1人当たり月5万円の補助制度があります。また、研修場所の整備などを行う場合、30万円の補助があります。

 それ以外の課題として、作業を行うのに必要な機械としてのハンマーやプレス機などがありますが、現在これらの機械類を新規に製造するメーカーがなく、廃業した鍛冶屋さんから中古の機械を入手するのがやっとの現状であります。また、古い機械に関しては安全面などの改良を加える必要がありますが、メーカーがない現在はそれらの対応にも苦慮をしております。プレス機など現場で使う機械類の多くは昔ながらのものが多く、研修生を受け入れるには安全面での改良を考慮する必要があり、県が推進しているものづくり地産地消への期待も大きいものであります。

 県として、打ち刃物業界の抱えるこれらの課題に対してどのような支援の可能性があるのか、商工労働部長にお伺いをいたします。

 一方で、これら産地が今後取り組むべき課題として、業者が減っていく中、半製品の製造から研ぎまでの工程を1社で行い、完成品の販売に取り組んでいくことであります。須崎から出荷される半製品は価格が3,000円から5,000円であるにもかかわらず、堺において一貫加工された製品は10万円以上の価格がつくものも多いわけです。須崎市でも、研ぎ作業を行う刃つけと呼ばれる業者もいることから、産地としてブランド化を行えば大きな付加価値を生み出すことができます。そうすることによって、地域の伝統産業を継承することが可能となってまいります。ブランド化や販路開拓に関する支援策について、あわせて商工労働部長にお伺いをいたします。

 次に、国道494号についてお伺いします。

 国道494号佐川・吾桑バイパスは、国道33号と国道56号を結び、四国横断自動車道須崎東インターチェンジや重要港湾須崎港にアクセスする重要路線として、平成5年に県道須崎佐川線から国道494号として昇格し、平成6年に事業採択され、高岡郡佐川町丙から須崎市吾桑までの事業延長5.9キロの整備を行っております。南海トラフ地震発生時には、四国版くしの歯作戦を補完する佐川方面への主要道路として重大な役割を担っております。

 今夏の台風12号災害において道路路側が崩壊し、道路亀裂が生じたことから、8月3日から13日まで通行どめとなり、現在も片側交互通行が続いております。本路線は、通勤利用者や日常の買い回り等で多くの利用者があり、加えてセメント工場への原料供給やコンクリート骨材輸送の大型車両など、通行量の多い路線であります。部分開通区間として2.5キロが供用されていますが、未改良区間の道路は狭く、歩道もなく、大型車両が多く通行するために路面損傷も激しい状況です。災害時だけでなく日常道路として、地域住民は一日も早いバイパス完成を待ち望んでいます。

 当初では工期10年での完成という声もありましたが、現状、完成時期が明確にされていません。一部地権者との交渉が難しく、土地収用のための事業認定を受ける必要などもありますが、国道494号佐川・吾桑バイパスの現状と完成時期について土木部長にお伺いします。

 次に、県道須崎仁ノ線についてお伺いします。

 須崎市と高知市春野町を結ぶ県道でありますが、須崎市側は浦ノ内湾に沿って蛇行していることや待避所が少ないことから、地域の園芸や養殖業の流通に大きな支障があります。台風12号災害では国道56号が路面冠水し、通行どめとなりましたが、須崎市より高知市方面への唯一の通行道路として大きな役割を果たしてまいりました。

 鳥坂トンネル、浦ノ内トンネルは狭いため、通学する中高生やお遍路さんにとって非常に危険を感じるものとなっております。また、横浪大橋も、両端に連なる道路が大きなカーブになっていること、高低差があることから、歩道整備の要望も多い場所であります。また、出見橋においても老朽化が進み、浦ノ内東部の塩間や灰方地区においては道路が蛇行するため、救急車の到着が30分近くかかることから、高齢者の多くは不安を抱えております。

 南海トラフ地震等の災害発生時において、須崎−高知間を結ぶ重要な道路としての役割も大きく、今後の大規模な整備が望まれますが、土木部長の御所見を伺います。

 最後に、観光振興についてお伺いします。

 昨年開催された地域博覧会「楽しまんと!はた博」では、観光施設等への入り込み数が146万人余りと、対前年で16%増加し、また宿泊を除く経済波及効果も約40億円となり、幡多地域の経済に大きく貢献いたしました。さらに、一過性の博覧会に終わらせることなく、幡多広域観光協議会が中心となって、市町村、観光団体などと連携して、80を超える体験プログラムの造成やエージェントへのセールスに取り組み、一般団体旅行の受け入れにもつながるなど、地域の主体的な活動がさらに活発になっているとお聞きしております。博覧会の開催を契機に、地域が観光を通じて外貨を稼ぐ仕組みが整いつつあるものと高く評価しているところです。

 来年4月からは、東部地域で「高知家・まるごと東部博」が開催され、そして再来年4月には、四国カルストから土佐の大海原へと題して、高幡地域で「2016奥四万十博」が開催されると伺っております。梼原町から須崎市にかけては、日本最後の清流四万十川と、ニホンカワウソの生息が最後に確認された新荘川が太平洋に注ぎ込み、山、川、海が生み出す旬の食材を有し、一年を通して比較的温暖な気候は、世界中にアピールをできる魅力を秘めた地域であります。梼原町から須崎市まで、雄大な自然と戯れ、旬の食材を満喫し、歴史と自然があふれる高幡地域の博覧会は、多くの観光客の方を魅了するものと思っております。

 幡多地域のように広域組織が中心となった博覧会終了後の継続した観光振興の取り組みにも期待をしているところでありますが、現在の奥四万十博の準備状況と今後の取り組みについて観光振興部長にお伺いをいたしまして、私の第1問といたします。

   (中山間対策・運輸担当理事金谷正文君登壇)



◎中山間対策・運輸担当理事(金谷正文君) 西内議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、とさでん交通の2年後の抜本的路線再編について、期限を区切って拙速に進めるよりも時間的余裕を見る必要があるのではないかとのお尋ねがありました。

 事業再生計画では、旧県交通の本社用地を2年後に売却することを前提に、バス車両を本社がある桟橋方面に集約する方向で検討をしておりますことから、それに伴いまして、2年後の平成28年10月には相当な規模の路線再編を実施する必要がございます。また、事業再生計画の達成のためにも、可能な限り早期に、効率的で使い勝手のよい路線、ダイヤに再編することが必要となります。そのため、中央地域公共交通改善協議会などの場を通じまして、利用者の御意見なども反映させ、乗降データや路線別収支などの分析も行いながら、その時点で最適と考えられる路線の見直しを行うことになるものと考えております。

 持続可能な公共交通を実現していくためには、2年後の路線再編後も、より多くの方により便利にバスを利用していただけるように、利用者の御意見をお伺いする中で、利用動向のデータ分析を継続して行っていくことで、路線やダイヤの改善を重ね、バス路線ネットワークの最適化を図っていく必要があると考えております。

 次に、今後の再編により、一宮方面からの乗客の利便性をどのように維持していくのか、また県有地の提供等を含め、バスの駐車スペースの確保についてどのように考えているのか、お尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えいたします。

 一宮にあります旧県交通の本社用地売却後の高知市北東部におけるバスの待機場の確保や路線に関しましては、現在会社において検討がなされているところですが、今後は中央地域公共交通改善協議会において路線再編の協議も行われることになりますので、そうした場で、利用者のニーズなども反映し、望ましい運行体系について検討が進められるものと考えております。

 また、バスの駐車スペースの確保につきましては、旧県交通本社の用地に収容しているおよそ130台のバスのうち、桟橋の本社敷地内に収容し切れないバスの駐車場を確保することが必要となってまいります。そのため、現在、効率や管理の面から、桟橋の本社に近い場所が望ましいとの会社側の考え方に沿って、高知港内の県有地の貸与をすることなども想定して検討が進められております。

 次に、ハブ・アンド・スポークなど幹線と支線の整備についてどのように考えているのかとのお尋ねがありました。

 路線バスにおけるハブ・アンド・スポークとは、幹線の中にハブと呼ばれる乗り継ぎ拠点を設置し、その乗り継ぎ拠点からスポークと呼ばれる支線となる複数の路線を延ばし、効率的な輸送を図る仕組みであると考えております。ハブ・アンド・スポークの導入効果といたしましては、事業者にとりましては、効率のよい車両運用や経費削減等が図られますこと、利用者にとりましては、運行の定時性が確保されることに加え、運行便がふえることなどによる利便性の向上が図られることなどが考えられますことから、事業者の収支改善とともに、利用者にとって使い勝手のよい路線の実現に向けた有効な手段の一つだと考えており、一部ではございますが、既に高知市の長浜や美術館通りを乗り継ぎ拠点といたしましてハブ・アンド・スポークの考え方による路線見直しを始めております。

 今後、本格的な導入を行いますためには、乗り継ぎ拠点の施設整備に加えまして、ICカード「ですか」の料金の乗り継ぎサービス機能を拡充することなど、ハード、ソフト両面での対策をあわせて実施する必要が生じてまいります。バス路線の再編は、これからの中央地域公共交通改善協議会において検討を進めていくことになりますので、県といたしましても、公共交通ネットワークの最適化が図れますようにサポートしてまいりたいと考えております。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 西内議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、抜本的再編を掲げる2年後をめどにターミナルを設置することについての県としての考え方についてお尋ねがございました。

 バス路線の再編を行う上では、利用者にとってわかりやすく使い勝手のよい路線とすることに加え、運行効率やコストの改善を図ることが求められており、これらを実現するためには、利用者の多くが集中する高知市の中心部に発着の拠点となるバスターミナルを整備することが望ましいと思われます。このため、バスターミナルの検討に際しては、第1に、使い勝手のよさや乗り継ぎの便利さなどの利用者の視点、第2に、運行の効率化やコスト改善などの事業者の視点に加え、第3に、バスの利用促進と同時に町のにぎわいづくりにつながるなどの中心市街地活性化の視点も必要ではないかとの県としての考えをお伝えし、高知市と協議を行ってまいりました。

 高知市においては、複数の候補地について事業化の可能性など現時点の検討状況をまとめ、中間報告として現在開会中の高知市議会に報告されるとお聞きをいたしております。県としましては、今後、高知市の考え方や高知市議会での御議論、事業者の意向などもお聞きしながら対応を検討してまいりたいと考えているところであります。

 次に、福祉としての公共交通というあり方についてお尋ねがありました。

 公共交通事業の場合、特に住民に最も身近な路線バスなどは、事業として経済合理性を求めていかなければならない側面と、公共的、社会的な使命や役割を担っていかなければならない側面の両面をあわせ持っておりまして、公共交通を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、特に地方の公共交通事業者においては事業運営に御苦労されている実態にあります。

 新たな枠組みでスタートしたとさでん交通の場合、将来にわたって持続可能な公共交通ネットワークを構築するために、事業者と行政、そして県民の皆様がそれぞれの役割を果たしながら維持し、活性化を図っていくことになります。そのためにも、まずは事業者において統合のメリットやデータ経営の徹底、利便性の向上などにより、徹底した収益構造の改善を図っていただくことが重要となってまいります。

 今後、沿線人口の減少などにより、経営環境がさらに厳しくなることも予想され、事業者がこのような最大限の自助努力を行ったとしても、お話にありましたように、路線の維持が困難となるケースが生じることも想定をされます。そうした場合には、改めて、将来の需要の見通しや地域の実情に応じた移動手段や実施主体について、地域の住民の方々や市町村等の関係者を中心とした幅広い議論が行われることが必要でありますが、あわせて補助制度の見直しなども含めて、県も含めた行政支援のあり方の検討も必要になってくるものと考えているところであります。

 私からは以上でございます。

   (副知事岩城孝章君登壇)



◎副知事(岩城孝章君) とさでん交通についての一連の御質問にお答えをいたします。

 まず、路線バスの運行補助制度の見直しについてお尋ねがありました。国のバス運行補助制度におけるブロック標準経費は、経済圏や地理的条件をもとに全国を21のブロックに区分し、国が補助額の上限として設定しているものです。制度的には、補助額の上限を設定することにより、事業者の経費削減の努力を促す効果を生むものとなっており、地域ごとの実情を反映させる合理的な基準、仕組みだと受けとめております。

 お話にありましたように、都市部においてはバス停や信号が多いことや、渋滞などの道路事情により走行キロ当たりの運行効率が悪いため、燃料費や人件費などの経費が多くかかることから、個別の事業者の1キロ当たりの運行経費がブロック標準経費を超えやすい傾向にあると言われております。とさでん交通の運行経費も標準経費を上回っているため、国から補助を受けている全路線において事業者の持ち出しが生じております。

 他方、見方を変えれば、都市部は人口が集中し、交通需要が大きいエリアであるため、事業者の努力と工夫により採算のとれる可能性の高いエリアでもあります。とさでん交通の場合、条件的に厳しい路線も抱えてはおりますが、その多くは潜在需要が見込まれる高知市内を運行エリアとしておりますので、統合のメリットやデータ経営の徹底、利便性の向上などにより、まずは徹底した収益構造の改善を図っていただき、一つでも多くの路線を自主採算路線として維持できるよう努力していただくことが重要であると考えております。

 中央地域の公共交通の今後のあり方を考えますと、利用促進の取り組みを推進し、潜在需要をいかに実際の利用につなげていくかが大きな課題となります。そのため、先月末設立されました中央地域公共交通改善協議会などの場を通じて、利用者の御意見を積極的に取り入れながら、さらなる利用促進を図ることとしておりますので、県としましても、利用促進に向けた路線バス事業者の取り組みを促進するような支援のあり方について検討してまいりたいと考えております。

 次に、企業文化の融合など、統合後の両社の課題をどのように捉えているのかとのお尋ねがございました。

 今回の土佐電鉄と高知県交通の経営統合に当たりましては、6月末に開催されました両社の株主総会から10月1日の新会社設立までおよそ3カ月という短期間で、統合に関する各種の手続やバス路線の見直し、ダイヤの改正から各種の社内規程の整備など、膨大で広範な作業を進める必要がございました。このような経営統合の作業を通じて、社員一人一人が県民の足を守るという矜持を持って日々業務に精励しており、社員間の融和は図られているとお聞きをしております。

 しかしながら、短期間での統合作業の負担などもあって、管理部門やバス部門では現在においても両社の実務処理面での手法の違いを統一する作業など繁忙な状態が続いており、落ちつくまでにはもう少し時間を必要とするようですが、早期の解決に向けて社員が一丸となって業務に当たっているとお伺いをしております。もう少し時間はかかるかもしれませんが、社員が一体となってそれぞれの御指摘の課題に対応していく、そういった体制が必ずできるものと考えております。

 次に、全国的にも課題となっているバスの運転手の確保は十分なのか、お尋ねがございました。

 現在、特に地方のバス事業においては、厳しい経営状況や労働時間の長時間化、さらには大型二種免許取得者の減少や免許保有者の高齢化などを背景として、運転手不足が深刻な問題となっております。そのため国におきましては、地域の生活交通の維持や輸送の安全を確保するという観点から、バス事業者を初め学識経験者や行政関係者等によるバスの運転者の確保及び育成に向けた検討会を平成25年に設置し、バス運転手の安定的な確保と育成に向けた検討が進められているところです。

 土佐電鉄、高知県交通におきましても同様の状況にありましたことから、とさでん交通設立の際、希望退職者の募集には運転手は募集対象外とされておりました。現在、とさでん交通には、乗り合いバスで191名、高速バスで60名、貸し切りバスで51名、合計302名の運転手が在籍をしておりますが、会社にお聞きをしたところ、慢性的な運転手不足の状態であり、勤務シフトの効率化や、時間外勤務あるいは休日出勤を求めることでやりくりをしているとのことでございました。そのため、とさでん交通では、今後タイミングを見ながら中途募集を実施する予定であり、また大型二種免許の所有の有無にかかわらず運転手の募集、採用を行い、採用後には免許取得費用を会社が負担することで運転手の確保に努めるなどの取り組みも視野に入れて、検討しているというふうにお聞きをしております。

 最後に、今後の事業再生に当たっての再生チームのあり方についてどのように考えているのか、お尋ねがございました。

 土佐電鉄と高知県交通の経営統合を進める上では、両社の経営状況などについて、法務面、財務面、事業面の詳細な調査が必要であったことや、それぞれの課題について専門家から指導を受ける必要がございました。そのため、事業再生に関する豊富な経験と専門的な知識やノウハウを有する法律事務所とコンサルタント会社の指導、助言を受けながら、計画づくりや手続が進められてまいりました。

 とさでん交通の事業再生に当たりましては、当面、事業再生計画の遂行やコンプライアンス体制の強化などに関する法務面での助言が必要となりますので、引き続き法律事務所もかかわっていくこととなりますが、今後は経営改善に向けた具体的な取り組みを進めていくこととなりますので、コンサルタント会社の役割が高まっていくことになるのではないかと会社からはお伺いをしております。

   (農業振興部長味元毅君登壇)



◎農業振興部長(味元毅君) まず、小規模ハウスが中心である本県におきまして高知型施設園芸の将来をどのように考えているのかとのお尋ねがございました。

 本県の施設園芸は、冬場の豊富な日照量を生かした促成栽培を中心に、生産者のきめ細かな観察と巧みな技術に支えられて、どの品目においても、面積当たりの収量、品質ともに国内ではトップレベルにあります。一方、オランダで培われたデータ経営や環境制御技術は、本県の小規模で軒の低い既存のハウスにおきましても十分に応用することができる革新的な技術だと考えております。

 そこで、オランダの技術を本県の自然条件に応じて既存のハウスでも活用できるものとするため、平成23年度から、農業技術センターなどにおきまして技術の確立に向けて取り組んでまいりました。26園芸年度には、ナスやピーマンなど県内主要7品目について、実際の生産現場である15のハウスで炭酸ガス施用の実証を行い、5%から37%の増収効果が確認をされました。

 こうして確立した技術を本県の巧みな園芸技術と融合させて、次世代型こうち新施設園芸システムとして進化させ取り入れていくことで、本県では一般的な小規模なハウスにおいても収量の増加による所得の向上と経営安定が図られますし、またこうした取り組みを産地全体で行ってまいりますことで本県の施設園芸の底上げにつながるものと考えております。

 次に、オランダ型の高軒高ハウスによる大規模施設園芸の位置づけと将来の展開についてのお尋ねがございました。

 県では、四万十町に、環境制御技術を備えたオランダ型の高軒高ハウスの整備を進めておりますが、こうした先進的な技術を本県に広く普及させるため、9月県議会で御承認をいただきました次世代施設園芸モデル事業により、一定の軒高や規模を持ち、本県の自然条件や品目などに適合した次世代型ハウスを県内各地に整備していくこととしています。

 本県の施設園芸は、安定した需要が見込める国内市場で、ナスやニラなどの特色ある野菜や果物を他県の産地と競合しながら出荷をしております。量は力なりと市場で言われておりますように、市場での占有率を高めていくことで価格形成力を強め、より安定した経営が実現できるものと考えております。

 こうした観点から、環境制御技術の普及はもとより、品目に適した次世代型ハウスの整備により出荷量をふやしていくことで、市場での競争力を高めていくことが何よりも重要だと考えています。また、次世代型ハウスを整備し、県内各地に企業的な経営が行える安定した経営体を育成していくことで、新たな雇用の創出や後継者の育成などにもつながります。このように、本県の園芸農業のあり方を大きく変えていく可能性があるものと考えておりますので、そうした大きな方向感を持って計画的に取り組んでいきたいと考えております。

   (水産振興部長松尾晋次君登壇)



◎水産振興部長(松尾晋次君) 水産振興について、まず野見湾における白点虫などの異常事象への対応についてお尋ねがありました。

 野見湾は、宿毛湾と並んで本県の養殖業の中心となっていますが、赤潮や寄生虫の一種である白点虫が養殖魚に寄生する白点病によって養殖魚が大量に死亡する被害がしばしば発生するため、養殖業者の経営に深刻な影響を及ぼしています。県では、こうした養殖被害を防止、軽減するため、水産試験場と漁業指導所が、水温や酸素濃度、赤潮プランクトンの定期的な調査や病気の診断などを行い、その結果を養殖業者の方々へ速やかに情報提供することで、餌どめや出荷の自粛、緊急避難的な生けすの移動などの対策に生かしていただくよう取り組んでいます。

 しかし、ことしの秋、およそ8万6,000尾のカンパチが死亡する被害が生じています。こうした状況を踏まえまして、今後は、養殖業者の方々と連携して赤潮調査や病気の診断体制をより充実させるとともに、今年度から行っております養殖ビジネススクールにおきましても白点病対策などをテーマに取り上げていきたいと考えています。

 また、赤潮や病気の被害が発生した際の経営への影響を軽減するためには、養殖共済への加入が不可欠と考えており、県としましては、共済への加入の促進を図ってまいります。こうした取り組みを進めることで、野見湾における赤潮や病気の被害を減らし、養殖経営の安定に努めてまいります。

 次に、さかな屋高知家における、県内全域の魚を販売するための集荷体制の整備と今後の業務筋への展開についてお尋ねがありました。

 築地にっぽん漁港市場は、全国公募により選ばれた北海道、新潟県、静岡県、長崎県、本県の5つの団体が出店しており、本県からは、水産関係の民間企業2社に高知県漁協とすくも湾漁協を加えた4者がさかな屋高知家を共同で出店し、本県産の鮮魚や宗田節の加工品などを販売しています。鮮魚の販売に関しましては、宿毛市に拠点を置く民間企業が主に担っていることから、現在のところ宿毛市や土佐清水市の魚を中心とした品ぞろえとなっております。そのため、さかな屋高知家では、県内全域から幅広く魚を調達し販売するとの方針のもと、仕入れ体制の充実に向けた準備を進めているところです。

 また、業務筋への展開につきましては、飲食店など多くの魚のプロが買い出しに訪れ、築地という高いブランド力を有する立地条件を生かし、来店した業務筋への売り込みや訪問営業などを始めているところです。まだまだ取り組みは緒についたばかりでありますが、ホテルなど新たな取引先を確保したとの話も伺っております。

 こうした状況を踏まえまして、県としましては、さかな屋高知家と産地買い受け人とのネットワークづくりなどにより県内全域から魚を仕入れ、豊富な品ぞろえで販売できる体制の強化を支援しますとともに、飲食店などの業務筋を招いた商談会の開催などにより、さかな屋高知家を拠点に、首都圏での本県水産物の販売拡大に取り組んでまいります。

 なお、平成27年10月には、築地の仲卸業者が出店する集合施設が同じ地区に整備される予定となっておりますので、こうした施設との相乗効果も念頭に取り組みを進めてまいります。

   (商工労働部長原田悟君登壇)



◎商工労働部長(原田悟君) 土佐打ち刃物業界の課題に対する対応、またブランド化や販路開拓に関する支援策についてお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。

 土佐打ち刃物を初めとした伝統的産業を取り巻く環境は、生活様式の変化による需要の減少や職人の高齢化などによりまして非常に厳しい状況にありますことから、新たに後継者の育成、販路開拓のための施策を今年度から展開していまして、一部事業者の方には既に活用もしていただいているところでございます。

 また、お話のありました、機械類を新規製造するメーカーがないため中古機械を入手しており、改良もできずに苦慮されている状況につきましては、こうした課題にも対応できますよう、県内で必要とされる機械を県内でつくっていく、いわゆるものづくりの地産地消の仕組みを整えてきたところです。具体的には、ものづくり地産地消・外商センターが窓口となって、ニーズ側と製造メーカーとのマッチングを行っておりますし、県内企業が求める機械装置の試作開発に際しての助成も行っています。こうした仕組みを活用しながら、対応に苦慮されている県内事業者のニーズに応えてまいります。

 次に、厳しい経営環境にあります地域の伝統的産業に付加価値をつけ、販路開拓を行っていくには、まず外商までを見据えたしっかりとしたビジネスプランを策定していくことが必要であると考えています。これまでにも、成長分野育成支援事業を活用し、ビジネスプランの策定を支援してまいりましたし、さらにこの取り組みを強化するために、本年度からものづくり地産地消・外商センターを設置し、プラン策定から販売促進までの一貫支援を行っているところでございます。

 土佐打ち刃物を初めとする伝統的産業の方々に改めて関連施策をお伝えもしたいと思いますし、そして可能な制度は御活用いただき、ブランド化、販路開拓を進めていただくことで伝統的産業の維持・発展につなげてまいりたいと考えています。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 国道494号佐川・吾桑バイパスの整備の現状と完成時期についてお尋ねがありました。

 国道494号の佐川町と須崎市を結ぶ区間は、地域の生活道路としてだけでなく、須崎市の主要産業であるセメント製造業の原材料などを運搬する産業道路としても重要な役割を担っております。また、南海トラフ地震時には、国道33号と56号を結ぶ緊急輸送道路となる重要なルートです。

 この区間には、狭隘で歩道がなくカーブが連続する未改良部分があり、平成6年度から佐川・吾桑バイパスとして計画延長5.9キロメートルの整備を進めております。これまでに2.5キロメートルが完成しており、残る斗賀野トンネルから国道56号までの3.4キロメートルにおいてトンネルや橋梁などの工事を進めております。

 しかしながら、相続の関係などで用地買収が極めて困難な土地があり、現在、土地を収用するために、国と事業認定の事前協議を進めているところです。協議終了後は速やかに利害関係者への事前説明会などを行い、本年度中の国への申請を目指してまいります。この収用手続が円滑に進むよう努め、平成30年代半ばの完成に向けて重点的な投資を図ってまいります。

 次に、県道須崎仁ノ線の今後の整備についてお尋ねがありました。

 県道須崎仁ノ線は、地域の暮らしや経済を支える幹線道路であり、南海トラフ地震等の大規模災害発生時の緊急輸送道路にも位置づけられた重要な路線であると認識しております。

 本路線の整備の状況は、須崎市の出見地区から灰方地区までの間を除けば、2車線で整備がおおむね完了していますが、歩道がない、線形が悪い、勾配がきついなど、対策の必要な箇所もあります。出見地区から灰方地区までの延長2.1キロメートルの間は未改良であり、現在、出見地区において、出見橋を含む延長340メートルの区間で用地買収と改良工事を実施しております。この区間の工事の完了にめどがついた段階で、残る塩間地区から灰方地区までの間のバイパスの整備について検討したいと考えております。

 このバイパスや他の対策が必要な箇所の整備のあり方の検討に当たりましては、関係市町村とも連携し、地域の皆様の御意見を伺いながら取り組んでまいります。

   (観光振興部長伊藤博明君登壇)



◎観光振興部長(伊藤博明君) 奥四万十博の準備状況と今後の取り組みについてお尋ねがありました。

 高幡地域の5つの市町では、地域内の広域観光を推進するため、昨年11月に、高幡広域市町村圏事務組合の中に高幡広域観光推進本部を設置いたしました。その中で、地域が一体となって広域観光を推進していくきっかけとするため、まずは地域博覧会を開催することが決定され、その後、博覧会のコンセプトづくりや集客目標の設定のほか、博覧会後の広域観光の取り組みの定着を見据えた体制づくりなどについての検討が重ねられてまいりました。

 ことし6月には、博覧会の名称を「2016奥四万十博」とすることや、四万十にちなみ博覧会のスタートを平成28年4月10日とし、開催期間を12月25日までとすることが決定されました。さらに、今月3日には、5市町の首長や議長、商工団体などから成る奥四万十博推進協議会を立ち上げ、博覧会の基本計画や予算などが承認されたところです。

 また、この間、ことしの9月には大手旅行会社の商品造成担当者を招いたモニターツアーを実施するとともに、県の支援事業を活用した旅行商品づくりにより、中土佐町大正町市場の食べ歩きクーポンが大手旅行会社の商品となるなど、既に本番を見据えて着々と準備が進められているところです。

 今後、協議会では、川遊びやキャンプの場となる四万十川や新荘川を初め、漁業体験などができる海を生かした体験プログラムや旬の食材を生かしたイベントなど、高幡地域ならではの魅力的な観光資源を磨き上げ、訪れた方々が日常生活を離れてリフレッシュすることができる旅行商品づくりなどを進めることとしております。さらに、来年度からは広報活動や旅行会社へのセールスなどを本格化するとともに、広域観光の取り組みの定着に向けた協議会の体制強化に取り組むこととしております。

 このため、県といたしましては、まずは基本計画に定める観光施設などへの入り込み数の20%増という目標の達成に向け、県や観光コンベンション協会が行います全国各地でのセールスキャラバンや県外メディアへの情報発信を通じて、来年度開催されます「高知家・まるごと東部博」はもとより、奥四万十博についても積極的なPRに努めてまいります。あわせまして、奥四万十博後の広域観光の取り組みの定着に向けましては、地域の観光人材の育成はもとより、この博覧会で培われた旅行商品づくりや販売などのノウハウが地域に根づき、地域が主体となった広域観光の振興につながるよう、組織の運営面、体制面をしっかりと支援してまいりたいと考えています。



◆5番(西内健君) それぞれに御答弁ありがとうございました。

 それでは、2問目をさせていただきたいと思います。まず公共交通でありますが、本当に統合しても運転手の確保等に苦労されている面が告げられておりました。そんな中で、やっぱり補助制度、これの見直しをということでありましたが、やはり副知事のほうからも自助努力をまずというお答えをいただきました。これまでも土電、県交時代、非常に努力をしてコスト削減を続けてきた中、その辺の意思の疎通といいますか、なかなか通じなかったこともあり、こういう事態を迎えたところもあろうかと思いますが、今後もモニタリングをしながらしっかりとやっていっていただきたいと思います。

 今回、再生チームということでお話をさせていただきました。再生に当たって何が一番大事かというと、質問の中でも述べましたが、やはり現場の力であり、モチベーションを上げて、どのように再生に取り組んでいくかというのを現場の社員の方からリーダーのような方が生まれてくる体制をつくっていくのが大事だと思います。協議会で話し合ってそこで枠組みをつくるっていうのも一つの方法だと思いますが、その下にある作業部会とかそういったものでしっかりモニタリングしながら、現場の中からそういう雰囲気をちゃんとつくってこれるような仕組みづくり、これをぜひ求めておきたいと思います。要望であります。

 次に、国道494号、土木部長にでありますが、先ほど平成30年代半ばの完成のめどということでありましたが、平成23年2月の定例会において結城健輔元議員の質問の中で、当時の石井土木部長が、平成20年代内の完成を目指すとはっきりと述べている答弁が残っておりまして、その辺、当時民主党政権であったものがこういって政権交代もされて、コンクリートから人へがもとに戻った中で、もう少し突っ込んで積極的な答弁をいま一度いただけたらと思いますが、よろしくお願いいたしたいと思います。

 最後に、奥四万十博であります。この奥四万十というネーミングでありますが、非常に都市圏等の集客を考えた場合に、すばらしいネーミングになったと思います。その一方で、須崎市などの声で聞こえてくるのは、やっぱり四万十と須崎という高幡のイメージがなかなかできないんじゃないか、その辺の仕組みづくりをぜひしっかりと要望いたしまして、私の2問目とさせていただきます。



◎土木部長(奥谷正君) 平成22年ごろ、用地買収が困難な土地につきましては、収用手続を実は準備をしながら並行して任意買収といった買収を目指しておりまして、粘り強く用地交渉を進めておりました。したがいまして、このときは期待もありますんですが、平成24年度内の用地買収を期待した完成時期というものを想定したものと考えております。

 しかし、その後、相続の関係などによりまして、任意交渉による買収が極めて困難な状況になりまして、早期の用地買収のめどが立たなくなりました。このため、収用のため、事前認定の事前協議、こういったものを任意のときに同時に進めておりましたけれども、協議の資料の作成などに不測の時間を要しているのが現状でございまして、今後、一定、事業認定のための国との協議の資料の作成に時間を要しておりますが、内容につきましては国の理解もおおむね得られるところまでこぎつけましたので、今後の収用手続が円滑に進むよう最大限努力をさせていただきまして、用地買収完了後には少しでも完成時期を早めることができるように、重点投資によりまして工事の進捗を図ってまいりたいと、このように考えております。



◆5番(西内健君) 最後になりますが、本当に重点投資をお願いいたしまして、特に須崎市は南海トラフ地震だけではなくその他の津波災害も多く受けてきた都市であります。ぜひ道路を含めインフラ整備をお願いいたしまして、私の一切の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(浜田英宏君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。

 明17日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。

   午後4時9分散会