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平成26年 12月 定例会(第329回) 12月15日−02号




平成26年 12月 定例会(第329回) − 12月15日−02号







平成26年 12月 定例会(第329回)



          平成26年12月15日(月曜日) 開議第2日

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出席議員

       1番  金子繁昌君

       2番  加藤 漠君

       3番  川井喜久博君

       4番  坂本孝幸君

       5番  西内 健君

       6番  西内隆純君

       7番  弘田兼一君

       8番  明神健夫君

       9番  依光晃一郎君

       10番  梶原大介君

       11番  桑名龍吾君

       12番  佐竹紀夫君

       13番  中西 哲君

       14番  三石文隆君

       15番  森田英二君

       16番  武石利彦君

       17番  浜田英宏君

       18番  樋口秀洋君

       19番  溝渕健夫君

       20番  土森正典君

       21番  西森潮三君

       24番  ふぁーまー土居君

       25番  横山浩一君

       26番  上田周五君

       27番  中内桂郎君

       28番  西森雅和君

       29番  黒岩正好君

       30番  池脇純一君

       31番  高橋 徹君

       33番  坂本茂雄君

       34番  田村輝雄君

       35番  岡本和也君

       36番  中根佐知君

       37番  吉良富彦君

       38番  米田 稔君

       39番  塚地佐智君

欠席議員

       なし

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説明のため出席した者

  知事       尾崎正直君

  副知事      岩城孝章君

  総務部長     小谷 敦君

  危機管理部長   野々村 毅君

  健康政策部長   山本 治君

  地域福祉部長   井奥和男君

  文化生活部長   岡崎順子君

  産業振興

           中澤一眞君

  推進部長

  理事(中山間対

           金谷正文君

  策・運輸担当)

  商工労働部長   原田 悟君

  観光振興部長   伊藤博明君

  農業振興部長   味元 毅君

  林業振興・

           大野靖紀君

  環境部長

  水産振興部長   松尾晋次君

  土木部長     奥谷 正君

  会計管理者    大原充雄君

  公営企業局長   岡林美津夫君

  教育委員長    小島一久君

  教育長      田村壮児君

  人事委員長    秋元厚志君

  人事委員会

           福島寛隆君

  事務局長

  公安委員長    島田京子君

  警察本部長    國枝治男君

  代表監査委員   朝日満夫君

  監査委員

           吉村和久君

  事務局長

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事務局職員出席者

  事務局長     浜口真人君

  事務局次長    中島喜久夫君

  議事課長     楠瀬 誠君

  政策調査課長   西森達也君

  議事課長補佐   小松一夫君

  主任       沖 淑子君

  主事       溝渕夕騎君

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議事日程(第2号)

   平成26年12月15日午前10時開議

第1

 第1号 平成26年度高知県一般会計補正予算

 第2号 平成26年度高知県給与等集中管理特別会計補正予算

 第3号 平成26年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算

 第4号 平成26年度高知県電気事業会計補正予算

 第5号 平成26年度高知県工業用水道事業会計補正予算

 第6号 平成26年度高知県病院事業会計補正予算

 第7号 高知県地域医療介護総合確保基金条例議案

 第8号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び知事等の給与、旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案

 第9号 高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例等の一部を改正する条例議案

 第10号 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案

 第11号 高知県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例議案

 第12号 高知県立療育福祉センターの設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第13号 高知県指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案

 第14号 高知県公営企業の設置等に関する条例及び高知県電気事業有料駐車場及び工業用水道有料駐車場料金徴収条例の一部を改正する条例議案

 第15号 高知県職員定数条例の一部を改正する条例議案

 第16号 高知県営病院事業料金徴収条例の一部を改正する条例議案

 第17号 平成27年度当せん金付証票の発売総額に関する議案

 第18号 高知県立交通安全こどもセンターの指定管理者の指定に関する議案

 第19号 高知県立人権啓発センターの指定管理者の指定に関する議案

 第20号 高知県立森林研修センター情報交流館の指定管理者の指定に関する議案

 第21号 高知県立甫喜ヶ峰森林公園の指定管理者の指定に関する議案

 第22号 高知県立森林研修センター研修館の指定管理者の指定に関する議案

 第23号 高知県立月見山こどもの森の指定管理者の指定に関する議案

 第24号 高知県立室戸体育館の指定管理者の指定に関する議案

 第25号 高知県立池公園の指定管理者の指定に関する議案

 第26号 高知県立室戸広域公園の指定管理者の指定に関する議案

 第27号 高知県立土佐西南大規模公園(大方地区・佐賀地区)の指定管理者の指定に関する議案

 第28号 高知県立土佐西南大規模公園(中村地区)の指定管理者の指定に関する議案

 第29号 高知県立甲浦港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案

 第30号 高知県立手結港海岸緑地公園の指定管理者の指定に関する議案

 第31号 高知県立香北青少年の家の指定管理者の指定に関する議案

 第32号 高知県立高知青少年の家及び高知県立青少年体育館の指定管理者の指定に関する議案

 第33号 高知県立県民体育館、高知県立武道館及び高知県立弓道場の指定管理者の指定に関する議案

 第34号 県有財産(機械設備)の取得に関する議案

 第35号 県有財産(機械設備)の取得に関する議案

 第36号 安芸高校南校舎改築主体工事請負契約の締結に関する議案

第2 一般質問

   (3人)

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   午前10時開議



○議長(浜田英宏君) これより本日の会議を開きます。

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△諸般の報告



○議長(浜田英宏君) 御報告いたします。

 第8号議案から第10号議案まで、以上3件の議案については、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき人事委員会に意見を求めてありましたところ、第8号議案及び第9号議案については、特に異議がない旨、また第10号議案については、同委員会の報告及び勧告の趣旨に沿ったものであり、適当であると判断する旨の回答書が提出されました。その写しをお手元にお配りいたしてありますので御了承願います。

   〔人事委員会回答書 巻末227ページに掲載〕

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△質疑並びに一般質問



○議長(浜田英宏君) これより日程に入ります。

 日程第1、第1号「平成26年度高知県一般会計補正予算」から第36号「安芸高校南校舎改築主体工事請負契約の締結に関する議案」まで、以上36件の議案を一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。

 10番梶原大介君。

   (10番梶原大介君登壇)



◆10番(梶原大介君) おはようございます。自由民主党を代表いたしまして、通告に従い、順次質問をさせていただきます。

 昨日、第47回衆議院議員総選挙が行われました。争点と言われましたアベノミクスのさらなる推進や、消費増税を延期し経済対策をしっかりと行った上で社会保障財源を確保していくこと、また地方を創生し、国家の課題である人口減少に取り組んでいくことなど、これまでの、そして今後の政権運営に対し、国民の信を問うものでありました。それぞれの政党、候補者が、それぞれの信ずることを、この選挙戦、訴えてこられましたが、その選挙結果におきましては、自由民主党、公明党で前回を上回る326議席という、今後の政権運営を担っていく上で大変重い責任と負託をいただきました。

 選挙結果の報道において、マスコミから、一強多弱についてどう感じるのかという問いを多くの自民党候補者に投げかけられていましたが、安倍首相は、国民の声を真摯に受けとめ、慢心することなく、丁寧に国民に説明をしながら、また責任を持って政策を進めていくと決意を示されました。そして今回、投票率の低下が懸念をされておりましたが、過去最低であった前回の59.32%を大きく下回り52.36%程度となりましたことに対し、石破大臣は、大変重く受けとめる、努力に努力を重ねると言い、また、デフレ脱却、経済再生を推進していくという強い意志を持って解散をした、必ずやり遂げると答えられた方や、次の消費増税の1年半後までに経済の立て直しと財政再建の入り口までつくらなければ自民党の責任以外の何物でもないと明確に答えられる方など、今後の政権運営や国会に臨む強い決意が示されております。

 今回の選挙を通して託された国民の声をしっかりと反映していくことを、本県選出の皆さん、そして四国比例代表の皆さんはもとより、与党議員のみならず、今回国民の負託を受け当選をされました全ての方々に期待をするところであり、国会において建設的な政策論議が進むことを望むものであります。

 また、私たちも期間中に、任期を2年残してなぜ今選挙をするのかということや、これまでの経済対策が高知のような地方ではそれぞれの暮らしには、いまだ及んでいないという思いなど、多くの県民の皆さんの声を聞いてまいりました。地方議員である我々も、こうした思いや今回の選挙結果を重く受けとめ、県民の皆さんのそうした声をしっかりと国に届けていくために、自由民主党会派一同、さらなる覚悟を持って臨んでまいることを、この場をおかりして県民の皆様にお伝えをさせていただきたいと思います。

 それでは、知事にお伺いをいたします。今回の選挙結果においてこれだけの支持をいただきましたことは、自由民主党と公明党のこれまでの政権運営と、今回の選挙で訴えてきました経済政策、財政再建を初め、地方創生、教育再生、防災対策などの選挙公約に基づいた国政を担っていくことに対し責任と負託をいただいたということでありますが、第47回衆議院議員総選挙投票結果についての御所見を知事にお伺いいたします。

 また、政権交代以来、金融政策、財政政策、成長戦略によるデフレからの脱却を図るための経済政策、いわゆるアベノミクスを初め、外交、安全保障やエネルギー政策、さらには地方創生による人口減少への対策などに取り組み、特に防災・減災対策を国策の中心に据え、昨年末に南海トラフ地震特措法や国土強靱化基本法が成立をしたことは、南海トラフ地震対策に直面をしている本県にとりましては大変意義のあるものであったと思います。

 そして、今回の選挙を通して国民の皆さんへ訴えた、10%への消費増税を18カ月延期するに当たり、景気判断条項を廃止し、将来への責任として財政再建を図ることなど、これまでの安倍政権の2年間の政権運営についての知事の御所見をお伺いいたします。

 また今後、特別国会は24日に召集をされ、第3次安倍内閣が発足をする見通しであります。新政権は、地域経済活性化や円安対策などを盛り込んだ補正予算案を年内にまとめる方向であり、急ピッチで経済対策に取り組むこととしております。あわせて、地方創生の長期ビジョンや総合戦略を年内に策定し、平成27年度予算編成を通して、待ったなしの人口減少や少子化問題、そして地方創生の関連予算についての本格的な議論が展開をされることとなります。

 本県としては、産業振興計画を初め、南海トラフ地震対策や日本一の健康長寿県構想といった5つの基本政策について引き続き推進をしていく中で、今後も国と地方の協議の場などを通して課題解決のためのさらなる政策提言を行っていかなければなりません。

 選挙後の新たな政権に対する期待について知事にお伺いをいたします。

 次に、地方創生における東京一極集中の是正についてお伺いをいたします。

 「わが国の現状は、政治、経済、文化等の中枢機能が首都東京へ集中した結果、人口の過密、地価の異常な高騰、良好な生活環境の欠如、災害時における都市機能の麻痺等を生ぜしめるとともに、地域経済の停滞や過疎地域を拡大させるなど、さまざまな問題を発生させている。」この文言は、平成2年11月7日、衆参両院において決議をされました国会等の移転に関する決議の一文であります。

 その後、東京への一極集中是正については、この平成2年の決議からその後も多く論ぜられてきましたが、いまだなされていないのが現状であります。今まさに地方創生、人口減少問題で議論になっている一極集中の是正は、これまでもずっと言われてきたことである中、地方創生は今回が最後の機会であり、相当の危機感を持って臨むと、地方創生担当大臣も述べられております。

 本年8月の内閣府による東京在住者の今後の移住に関する意向調査によりますと、東京都から移住をする、または今後検討したいという人の割合が40.7%、中でも関東圏出身者以外は49.7%と5割に及び、特に30代以下の若年層と50代男性の移住に対する意識が高いことがわかりました。また、農山漁村に関する世論調査におきましても、都市地域と農山漁村地域の交流の必要性や農山漁村地域への定住の願望などに対する答えが、先ほどの移住に対する意識調査と同様に、平成17年時点よりも高くなっていることも明らかになっております。こういったことは、今後、それぞれの世代に応じたさまざまな施策展開により、東京への一方的な人口流入の流れを変えることができる可能性を示しております。

 現在の進捗では、国の地方創生の長期ビジョン骨子案には、東京圏への過度な人口集中が集積のメリットを超えてさまざまなひずみや弊害が生じていること、このままでは今後もさらに拡大する可能性があること、そしてまた若い世代が地方から低い出生率の大都市に移動することにより日本全体として人口減少に拍車がかかっていることを明記しておりますものの、総合戦略の骨子案では、地方移住の推進、企業の地方拠点機能の強化と地方採用・就労の拡大、地方大学の活性化と、具体の議論についてはまだまだこれからであります。

 これまでの地方創生でのヒアリングや政策提言など、政府や各省庁への接触を通して、人口の東京一極集中の是正に対する国の姿勢をどのように受け取っているのか、また今後の地方創生において地方への人の流れをつくることによって人口減少に取り組む国の姿勢をどのように受けとめているのか、知事に御所見をお伺いいたします。

 次に、地方分権についてお伺いをいたします。

 権限移譲などの地方分権に関する953件の地方の提案についての中央省庁の第2次回答が、10月末に公表をされました。その中で、要求を大筋で受け入れる方向になった提案は208件にとどまっております。また、8月の第1次回答では、実施はわずか10件で、対応不可は817件でありました。今後、結論に向けて地方と協議をしていくとしており、安倍首相は要望を最大限実現する方針を示しておりますが、各省庁の抵抗は強く、大幅な上積みは見込めない現状であります。また、本県の提案についても、1次回答において、対応不可との返答が来ております。

 このような状況に対し、多くの首長を初めとする自治体関係者からは、提案募集方式を導入しながらも約8割が拒否または困難という現状に対し、改めて中央省庁の壁の高さを感じることや、地方からの提案は地方創生にもつながるので各省庁に前向きに対応をしてもらいたいという声も出てきておりますが、これまでの中央省庁の対応と今後の動向について知事の御所見をお伺いいたします。

 この項最後に、1993年の衆参両院による地方分権の推進から20年がたちました。第4次一括法の成立を受けて総括と展望をまとめられた地方分権改革有識者会議の神野直彦座長は、住民は公共サービスの消費者ではなく、地方自治に参画する生活者であることを期待されていると、住民の意識改革の必要性を訴えられております。

 分権改革を推進し地方が自立をすること、地方を創生し人口減少に立ち向かうためには、幾ら国に施策の推進を訴えても、県や市町村が取り組みをしても、そこに暮らす住民の地域への思いや高知県民の皆さんの高知への思いと参加がなければ、行政の力だけではなし得るものではありません。

 これからの地方創生においては、県民みずからが地方創生にかかわっていくことが不可欠だと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、人口減少における教育課題についてお伺いをいたします。

 総務省のまとめた人口推計によりますと、本年4月時点での14歳以下の子供の数は1,633万人と33年連続で減少し、総人口に占める割合は12.8%と過去最低となり、調査が始まった1950年からは1,300万人以上減少をしております。この水準は、先進7カ国の中でも最下位であります。

 また、厚労省によりますと、昨年度の合計特殊出生率は1.43と2年連続で上昇したものの、女性全体の数が減っているため、出生数は前年比7,400人減の103万人弱と過去最少となっております。さらに、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によりますと、約10年後には1,324万人、約20年後には1,129万人と、30.9%減少をする見込みであります。

 県内を見てみますと、本年の14歳以下の子供の数は8万8,000人、県内人口に対する割合は11.8%で、秋田県、東京都、北海道に次いで4番目に低い割合となっております。これが来年には8万3,500人、そして10年後には6万5,600人と21.4%減少し、また20年後には5万3,200人と36.3%減少する見込みであります。

 このような子供の数の減少により、全国では、昨年度までの10年間で、公立小中学校の約1割に当たる3,000校が統廃合などにより減少をしています。本県においても、10年前との比較をしてみますと、小中学校合わせて約90校が統廃合や休校などの理由により減少をしております。

 こういった現状の中、公立小中学校の統廃合が全国的な課題となっていることから、文科省において10月に有識者会議を開き、今後、市町村の実態調査を進め、学校規模や通学区域などの目安を示すこととしており、58年ぶりに統廃合に関する指針を見直す作業が始まり、近く示されようとしております。

 1956年に作成をしたこれまでの指針では、教育上望ましい学級数の標準規模はおおむね12から18学級とされていますが、現在、全国の小中学校の約半数は11学級以下であります。また、通学距離においては、小学校4キロメートル以内、中学校6キロメートル以内とされておりますが、10キロメートルほどの通学区域が多くの県にあり、少子化の進んだ現状に対応したものではありません。今後見直す指針では、学校規模別に学習活動に与える影響を示すことや通学区域の新たな目安を設けることも検討をされているようであります。

 文科省は、統廃合は自治体の判断によるものであるが、一定の規模の集団で学ぶことが子供の活動の幅を広げる上で望ましいとしております。また、統廃合した現場からは、子供たちがこれまでできなかった球技ができるようになったことや、友人関係やクラブ活動の幅が広がったこと、また学習意欲も向上し、集団で学ぶ効果が出ていることなどの成果が挙げられている一方、小規模校ではクラスがえができず、子供の人間関係が固定化したり、授業で多様な意見が出にくかったりするなどの課題も出てきております。

 また国は、これまで、統廃合を進める、または進めざるを得ない自治体からの要望で、今年度から統廃合を行う全国28道県の約100校の学校に対し、学級数に基づいて算出される定数より1人多く、統合後の3年間にわたり教員を配置しているものを、来年度からは、統合の1年前からの6年間、計350名分の関連経費や、自治体のスクールバス購入や施設整備の補助も拡充をする方針を示しております。

 こうした国の学校統廃合に関する指針の見直しに向けた動きについて御所見を教育長にお伺いいたします。

 また、他県においては、全学年でクラスがえできない小学校を統合の検討対象とする指針や、学習者である子供を最優先とする指針とともに、望ましい学級規模を1学年20人以上とするなどの方向性を出しているところもありますが、県内における公立小中学校の統廃合についての方向性と今後の見通しについて教育長にお伺いをいたします。

 また、知事にもお伺いをいたします。

 知事はこれまで、中山間対策に熱心に取り組み、また地方創生には中山間の創生が不可欠ということを国にもずっと訴えてこられました。中山間地域では、統廃合が進めば、子育て世代の転出などの懸念や、またその影響により、お祭りなどの行事が維持できなくなるといった懸念を初め、特に高齢者にとっては、身近に子供の姿を見ることで元気が出るなど、学校が地域の柱であり心のよりどころであることを考えれば、統廃合が地域の衰退につながっていくことを否定できません。地域の学校の統廃合や再編は、地域振興と大きく関連をしてまいります。

 中山間地域の振興を図る上で、子育て世代や地域の担い手が必要である中、子供たちには適正な規模、でき得る限りの望ましい教育環境と機会を提供しなければならないといった、人口減少による大変厳しい教育課題が突きつけられておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、教育委員会の共同設置についてお伺いをいたします。

 教育委員会の共同設置は、複数の市町村がそれぞれの予算を負担し合い1つの教委を設置する形態で、地方自治法上認められているものであります。本年5月より、群馬県の吾妻郡6町村で構成をする吾妻広域町村圏振興整備組合では、来年度に地域内の小学校や中学校が統合されるのを受けて、広域で連携をして子供たちの教育環境を守っていくこととし、共同設置に向けての検討が行われております。

 そのメリットとしては、事務の効率化で経費を削減でき、その分を教育現場に投入できること、また小規模自治体単独では難しい指導主事の配置ができることや、弾力的な教職員の異動による適材適所の人事が可能になることなどが挙げられております。一方、デメリットとしては、1人の教育長がそれぞれの自治体の議会対応をしなければならないことや、それぞれの部局との調整、また町村間の調整などが挙げられております。現在、全国で共同設置を実施しているのは岐阜県の2町による教委のみでありますが、その教育長は、広域での人事異動などに効果が出ていると述べられております。

 今後、全国的にも、また県内においても、子供の減少により教育委員会の共同設置について検討をする、またしなければならない地域が出る可能性は十分に考えられますが、教育長の御所見をお伺いいたします。

 次に、現在の電力の火力依存と四国内の電力状況についてお伺いをいたします。

 福島第一原発の事故を受けて、国のエネルギー政策が検討されている中で、我が国の火力発電所はフル操業の状況にあります。震災前の2010年、電源に占める火力発電の割合は62%であったものが、震災後、88%にまで上昇し、現在、日本の電力のほとんどは火力発電により賄われております。震災以降、貿易収支は18.1兆円悪化をしておりますが、その最大の要因は化石燃料輸入額が10兆円ふえたことによるものです。

 もともと、日本は島国であるゆえ、欧米のようにパイプラインが張りめぐらされているわけではなく、LNGを購入せざるを得ないため、欧米に比べて数倍のコスト高となっております。さらに、日本向けLNGは原油価格に連動し、また安定確保のための長期契約を余儀なくされることに加えて、原発事故後、LNGへの依存度が一気に高まったことで、日本は世界で最も高い天然ガスを買っているのが今の現状であります。2013年度における原発停止に伴う発電燃料費は3兆6,000億円の増と試算をされており、震災後、電力7社が値上げを実施し、家庭用の電気料金は平均約2割、産業用は平均約3割上昇をしております。

 また、現在国を挙げて取り組んでいる再生エネルギーは、日照や天候に大きく左右をされることや、送電線を増強するための多額のコストがかかることなどから、今後、革新的な技術の進歩がなければ、何より安定供給が必要であるベースロード電源にはなり得ません。

 このような状況の中、今回の総選挙においても、エネルギー政策は一つの争点でありました。安定的なエネルギー確保は国の経済活動、安全保障にとって不可欠であり、将来に向けての責任があります。

 しかしながら、現在の火力依存の状況が継続をすれば、我が国はさまざまな懸念を抱えることになります。まず、今後円安が進むことで、エネルギー調達コストがさらに増し、製造業の国外移転が加速をするという懸念があります。また、原油輸入の8割を占める中東の政治不安による偶発的エネルギー危機に巻き込まれるという危険、さらには今後、新興国を中心とするエネルギー需要が増加をすることにより、資源獲得競争が年々厳しさを増すなどの地政学的リスクも高くなってまいります。

 また、地球温暖化の問題についても、震災以降の温室効果ガスは、非電力部門で排出量が若干減少をしているものの、排出量を大きく左右する電力部門では、原発代替の火力発電のたき増しにより、2013年度は震災前の2010年度と比較して1.1億トン増となっており、こうした状況の中、2020年以降の新たな国際枠組み合意に向けて、来年末のCOP21に臨まなければなりません。

 このように、現在の火力発電への依存は大変深刻な問題を抱えておりますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 また、国内において、運転開始から40年以上経過をした老朽火力発電所は、昨年度、火力全体の26%に達し、東日本大震災後に原発の代替電源として火力発電が増加した分、老朽火力発電施設に依存をしている現状も明らかになっております。現在稼働中の四国電力の火力発電所は、橘湾1号機、西条1号機、2号機、坂出1号機から4号機、阿南2号機から4号機の計10カ所で、合計約370万キロワットとなっております。そのうち、運転開始から40年を経過している発電所は6カ所、計約178万キロワットと、老朽火力が全体の48%であり、全国平均より高い状況であります。

 加えて、火力発電所の定期点検は、ボイラーが2年に1回、タービンが4年に1回、その1回の点検に3カ月ほどかかることから、現在、点検の繰り延べをしている現状にあります。電力の需要がふえる夏場におきましては、需給見通しに対して、供給力と最低限必要とされる予備率を辛うじて上回る現状であり、10カ所の火力発電所のうち、出力24万キロワット以上を有する火力発電所が1カ所でも故障や異常の検知などで発電をとめなければならないような事態になれば、たちまち四国の供給電力の不足が起きるという、まさに綱渡りのような状況であります。

 このように不安定な現在の四国の電力状況に対する知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、南海トラフ地震発生時における火災対策についてお伺いをいたします。

 発災後、いかに火災の出火を防ぐかが、延焼防止、迅速な避難、そして人命の犠牲を出さないかということに大きくかかわってまいります。これまでの調べで、東日本大震災で発生をした火災全体の5割は電気火災であったことが明らかになっております。この電気火災の防止対策の一つとして、揺れを感知したら電気を遮断して火災を防ぐ感震ブレーカーがありますが、主に3タイプで、分電盤型、コンセント型、簡易型とあり、メーカーや工事業者の取りつけを必要とするものや、家電量販店で購入し自分で取りつけるものなど、設置にかかるコストや性能はそれぞれ異なります。

 この感震ブレーカーは、東日本大震災後、企業や、また歴史的建造物を初めとする施設などで普及の兆しが見られてきておりますが、個人の家庭や住宅への普及はまだ余り見られず、また設置について補助金をつけている自治体も現在では少なく、つけている自治体においても申請が少ないのが現状であります。内閣府の感震ブレーカーの普及に関しての検討会の資料では、普及の進まない理由に、まずその存在や必要性が理解をされていない、家具の転倒防止などに比べて予防効果が実感しづらいなどの理由が挙げられており、性能実験や普及に向けての取り組みも行われております。

 今後、津波火災とあわせて、特に住宅密集地などにおいては電気火災防止にも、より一層取り組んでいくべきでありますが、住宅への感震ブレーカー設置の必要性についての所見を危機管理部長にお伺いいたします。

 また、こうした出火防止対策以外にも、延焼防止などの地震対策の取り組みも急がなければなりません。現在、高知県地震火災対策検討会においてさまざまな火災対策が検討されておるようですが、これまでの取り組みと今後の進捗について危機管理部長にお伺いをいたします。

 次に、災害廃棄物対策についてお伺いをいたします。

 環境省が平成26年3月に中間報告として取りまとめた巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインに関する報告書では、南海トラフ地震発生時には、避難所への避難者のピークは発生1週間後までで、そのときに必要になる仮設トイレは17万基と推定をしています。これまでの各都道府県や市町村に対するアンケートで、保有をしている仮設トイレは計10万7,000基、そのうち55%が関東にあることがわかっており、大規模地震発生時には近畿や中部、そして特に四国で不足すると見られております。

 県では本年9月に災害廃棄物処理計画を策定し、今後3年間で市町村にも計画の策定を促していくこととしています。発災時に多くの避難者が生活をする避難所で仮設トイレを設置することや、大量に発生するごみやし尿の処理体制を確保することは、避難所の生活機能を維持していく上で欠かすことができないものであります。そのためには、市町村が策定をする災害廃棄物処理計画に基づき、集積されたごみやトイレの使用によるし尿を定期的に収集運搬し、処理施設で適正に処理しなければなりませんが、この体制に支障が生じた市町村は、他の市町村や関係団体に応援を要請するなどの対応が必要ではないかと考えます。

 市町村がこうした広域的な処理体制を整備するためには、県が率先して取り組みを進めていく必要があると思いますが、林業振興・環境部長に御所見をお伺いいたします。

 また、阪神・淡路大震災ではトイレの確保が大きな問題となりましたし、東日本大震災においても、トイレを我慢していた人やトイレの不便を理由に水分を控えていた高齢者が体調を崩したケースも多数あったとの調査報告もあります。南海トラフ地震の発災時においても、下水道施設の被災や断水、停電により避難所のトイレが使えなくなり、同様の問題が起きることが想定をされます。

 トイレの確保は、避難所の運営において大きな課題の一つではないかと考えられますが、避難所のトイレ対策について、県として市町村をどのように支援していくのか、危機管理部長にお伺いをいたします。

 次に、水道施設の老朽化問題と耐震化についてお伺いをいたします。

 本年6月に、大津市、北九州市で老朽化した水道管が破裂し、1万2,000世帯で濁水が出たり、歩道が陥没をするといった事故が発生をいたしました。

 国内の多くの水道施設は、高度経済成長期である1950年から70年ごろに集中的に整備をされております。国交省がまとめた今年度版の水資源白書によりますと、2011年時点で、全国の水道管などの8.5%が耐用年数を超えており、今後も上昇し、2020年から25年には10%から20%に上昇をすると言われております。そして、人命や社会経済に重大な影響を与えると警鐘を鳴らしております。そして、老朽化の更新に充てる資金不足も見込まれ、2010年度の全国の合計が6,700億円だった更新費用は、2020年から25年ごろには1兆円規模になると試算をされております。

 それぞれの市町村が運営をする水道事業の維持管理に必要な費用は、料金収入で賄う独立採算制が原則で、人口減少による料金収入の減少が、更新のための投資に使える資金を初めて上回ることも試算されており、老朽化した設備を維持管理できなくなるリスクが高まっていることや、またその対応には料金収入の値上げなどが必要になることが明らかになっております。

 国は、今後10年先までの水道事業の投資・財政計画の策定を求め、老朽化対策を促すとしておりますが、県内の老朽化の現状について健康政策部長にお伺いをいたします。

 また、老朽化対策が進まないために、耐震化率や耐震適合率が上がらないことも指摘をされております。2012年度の全国での耐震適合率は、基幹管路で33.5%、浄水施設で21.4%、配水池で44.5%となっております。中央防災会議が発表した南海トラフ地震の被害想定では、高知県は被災直後の断水率が99%、被災1カ月後も51%であり、被害が想定をされている都道府県の平均値である被災直後31%、被災1カ月後4%を大きく上回る数値となっており、発災直後の人命や避難所運営、またその後の復旧に大きな影響を及ぼすことが重大な問題となっております。

 県はこのことについて、先ほど申し上げました地方分権改革に関する提案募集に対し、上水道施設の耐震化にかかわる国庫補助メニューの採択基準に資本単価要件があることから、本県全ての上水道事業体が基準をクリアできずに国庫補助を受けられず、耐震化が進んでいないことを挙げ、制度改正を提案しておりますが、対応不可となっております。

 南海トラフ地震対策として、水道施設の耐震対策は喫緊の課題でありますが、県内の現状と今後の取り組みを健康政策部長にお伺いいたします。

 次に、現在整備を進めております高知海岸を初め県の海岸の整備の促進についてお伺いをいたします。

 平成23年7月、復興の基本方針が示され、東日本大震災を教訓として、全国的に、緊急に実施をする必要性が高く即効性のある防災・減災等のための施策が実施をされることになり、23年度の3次補正に計上されたことから、整備が急がれる高知海岸での堤防の耐震補強事業が行われております。これまでの整備状況を見てみますと、国直轄として、平成23年度、仁ノ工区、25年度、新居工区、26年度、戸原・長浜工区と、順次着手をしておるところであります。また、県事業分では、25年度に十市前浜海岸で事業着手をし、整備が進んでおります。

 県の管理する海岸堤防200キロメートルのうち、比較的発生頻度の高い津波に対する堤防高さが不足している区間は、145キロメートルという大変長い距離に及んでおります。津波発生時には、県内沿岸市町村全てに被害が及ぶために、県民の命を守る高知県の南海トラフ地震対策としては、でき得るだけ早く、現在進めている堤防の耐震補強を県東西に延伸していくことが必要不可欠であります。

 しかしながら、これらを推進していくためには莫大な予算を必要とすることから、県としてこれまでも国に対し早期の事業化や予算の重点配分などの必要性について積極的な政策提言を行われているところでありますが、今後の整備促進への取り組みについて土木部長にお伺いをいたします。

 次に、産業振興についてお伺いをいたします。

 今議会に提出をされました補正予算に、地産外商公社の体制強化とアンテナショップまるごと高知の契約更新の予算が計上をされております。

 公社の外商活動による成約件数は昨年度が3,300件余り、成約金額が12億3,500万円と、平成23年度からは3倍または3倍近くとなっております。また、高知フェアの開催件数や営業訪問件数の増加、まるごと高知の物販・飲食部門の売上増、そして経済波及効果や広告換算効果の拡大は、県や公社の職員の皆さんや県内外で地産外商に取り組む事業者の皆さんの努力の成果であることに敬意を表したいと思います。

 しかしながら、3年間の推移を見てみますと、高知フェアの開催件数はふえているものの、テストマーケティングや催事の参加企業数、アイテム数が減少をしておりますこと、またまるごと高知では物販、飲食ともに売り上げは増加をしているものの、来店者数は平成24年の75万人から昨年度は69万5,000人と前年度6万人以上の減少をしていることなど、地産外商のさらなる推進、まるごと高知のより魅力ある店舗づくりを目指していく上では一定の課題も見受けられると認識をしております。また、開店当初より、まるごと高知レポートを見ておりますが、22年の開店当初から現在に至るまでの物販の売れ筋ランキングにおいて、上位商品の固定化といった傾向なども見受けられるように思います。

 今回、体制を強化しての地産外商公社の取り組みも、まるごと高知の運営も、今後8年間という長期にわたるものであり、更新に当たりましては、これまでの公社とまるごと高知の店舗運営の総括をしっかりとした上で、さらなる地産外商の推進に向けて取り組んでもらいたいと思いますが、産業振興推進部長に御所見をお伺いいたします。

 次に、中小零細企業の後継者対策についてお伺いをいたします。

 中小企業白書によりますと、昨年度の全国の中小企業の休廃業件数は2万8,900件余りで、10年前から倍増をしており、理由として、経営者の高齢化や事業の先行きに対する不安、そして後継者の不在が主な理由となっております。

 全国的にも、倒産件数に対して休廃業、解散件数の割合が高くなっている傾向の中、本県の現状は、昨年度の倒産件数は35件に対し、休廃業は215件と、6.1倍と急激にふえ、平成18年の2.6倍から年々、倒産件数よりも休廃業件数の割合が増加をしており、このことは知事も産業振興計画を推進していく上で深く問題視をし、いかにして後継者を確保し事業承継を図るかがポイントになると言われております。

 これからの地方創生においては、それぞれの地域経済を支える中小企業の活性化は重要な政策課題であります。後継者不足による休廃業を減らし、事業承継による雇用の維持や新事業への転換など、地域産業の維持と雇用の創出は今まさに取り組んでいかなければなりません。

 今後、国の中小企業の事業存続・後継者対策への取り組みとして、親族外承継を踏まえた法制、税制等の整備が進んでいるところであります。また政府は、後継者不足に悩む中小企業を支援するために、起業家らをあっせんする後継者人材バンクを新設することとしています。登録した起業家を、後継者を求める中小企業に仲介し、円滑な事業承継や新事業への転換等を図ることとし、現在全国16カ所で開設されている事業引継ぎ支援センターを、今後全国へと展開することとしています。また、資金面においても、関係省庁での協議会を設けて、成長資金の供給など幅広い活性化対策を今後打ち出していくこととしています。

 こういった国の動きも捉まえながら、県においても中小企業の事業承継・後継者対策をより一層取り組んでいくべきであると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、林業学校についてお伺いをいたします。

 9月議会で森田議員も御質問をされましたが、近年の高知県における主な林業政策を見てみますと、高知おおとよ製材が稼働し、木質バイオマス発電施設は年明けに稼働予定であり、また国のCLTの動向については、オリンピック関連施設への使用の推進や量産体制の構築への補助金などの方針を打ち出しており、また政府として、2024年までに年間50万立米の生産目標を立てております。このことは、これまでの知事を初めとする県の積極的な政策提言による成果であると認識をしております。

 現在、日本の1人当たりの木材消費量は0.62立米であり、アメリカの半分以下、フランス、ドイツ等の主要国よりも少なく、国においては、現在の自給率27.9%を2020年には50%とすることを目指し、森林の多面的機能の発揮、雇用の創出、そして低炭素社会の構築を進めることとしています。

 本県は、年間の原木の生産量約50万立米をはるかに上回る300万立米の成長量を誇る成熟した森林資源を有しておりますが、全国では、戦後に造林をした人工林を中心に高齢級の森林がふえ、その森林蓄積は49億立米と言われており、森林資源として本格的な収穫期を迎えております。今後の国内全体での木材利用の増加への取り組みと、他県においても供給体制のさらなる構築、担い手確保対策への取り組みが進む中、移住促進や中山間振興を図るための担い手の育成と確保対策へ、さらなる取り組みは急務であると考えております。

 これまで産業振興計画の中で、原木生産の拡大や供給先の確保に取り組み、9月議会においては自伐型林業を含む小規模林業の振興を提案され、今回の林業学校開設への取り組みは、知事の、林業振興をもって中山間振興を図る、そして地方創生への熱意が感じ取れますが、林業学校の開設に込める思いと本学校の目指すべき姿について知事にお伺いをいたします。

 また、今後の開設に向けてのスケジュールや研修内容について林業振興・環境部長にお伺いをいたします。

 最後に、日本一の健康長寿県構想の取り組みについてお伺いをいたします。

 まず、ウイルス性肝炎対策についてお伺いをいたします。

 厚労省の研究班によりますと、国内の感染者数は2011年時点で210万人から280万人と推計をされ、感染に気づかないまま生活をしている人が78万人、感染検査で陽性と判明をしながら治療をしていない人が全国に少なくとも53万人いると推計をされております。

 また、2012年の自治体への調査では、感染検査で陽性となった人のうち医療機関で受診した人は66.2%で、33.8%の人が感染を知りながら治療を受けていなかったとされています。さらに、受診した人のうち継続して治療を受けていない人は、B型肝炎で30%、C型肝炎で15%となり、理由として自覚症状の少なさなどが挙げられております。

 国の医療費助成制度もある中で、肝炎を放置し症状が進行すれば肝硬変や肝臓がんにつながるおそれがあることから、県ではこれまで、健康長寿県構想の中での取り組みで、広報の充実や検査機会の提供、地域肝炎治療コーディネーターの養成や、感染者の受診継続への支援とあわせて、今年度の新規事業として陽性者のフォローアップの取り組みも行っておりますが、県内の感染を知らずにいる人の把握や感染者の治療の継続など、ウイルス性肝炎対策の現状と今後の取り組みについて健康政策部長にお伺いをいたします。

 次に、がんの精密検査の受診についてお伺いをいたします。

 国立がん研究センターによりますと、2014年にがんで死亡する人の数を36万7,000人との予測を立てております。これは1975年以降のデータをもとに予測をする初の試みで、来年からは毎年春に当年の予測を公表することとしています。

 そのがん対策についてでありますが、市町村の行うがん検診で精密検査が必要と判定された人のうち精密検査を受けた人の割合が、肺がん、胃がん、乳がんではおおむね8割の受診率であったのに対し、大腸がんは63%、子宮頸がんは68%と、3割以上の方が必要とされながら精密検査を受けていない現状が厚労省の調査により明らかになっております。県はこれまでの取り組みにおいても、がん検診の受診促進には市町村検診の広域化やセット化の促進を図り、受診率の向上に努めてこられましたが、検査後の精密検査が必要とされた人の受診率を高めていくことは、がん対策において大変重要な取り組みであります。

 今後、厚労省としても、都道府県間の格差の要因の分析と対策を講じていくこととしておりますが、県内の精密検査の受診率の現状と今後の対策を健康政策部長にお伺いいたします。

 次に、高齢者向け住宅の介護漬け問題についてお伺いをいたします。

 2011年にできました高齢者住まい法により厚労省と国交省が整備を進めてきたサービスつき高齢者向け住宅は、現在の戸数で約16万戸となっております。この住宅で、運営事業者が不必要な介護保険サービスを提供したり、自社の介護利用を入居の条件とするなどの事態が起きており、監督する自治体の半数以上が問題視しているとの報道がされています。これらの手法は、介護漬け、囲い込みと呼ばれており、関係法令に抵触するおそれが指摘をされています。介護サービスは本来、利用者が自由に選べますが、運営事業者の利益優先といったことが背景となっております。

 この報道によりますと、サービスつき高齢者向け住宅で、訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを3種類以上使っている入居者は60%を超えることがわかっており、一般住宅に暮らす人の36%を大きく上回っているとのことであります。また、ケアマネジャー事務所が併設をされているケースの3種類以上のサービス利用は71%に上っており、6種類以上の利用も15%になるとされています。

 こういった家事援助や入浴回数を必要以上に行う介護漬けや、逆に、定額の報酬を得ておきながらサービスを絞る介護渋りなどが行われていると、半数以上の自治体が調査に答えているとのことです。このことに対し、国交省では、サービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会を設置しており、また厚労省で、介護報酬の減額を見据えた議論もされております。

 このサービスつき高齢者向け住宅における介護漬け、囲い込み、介護渋りといった問題について、県内の現状と今後の対策を地域福祉部長にお伺いいたしまして、第1問とさせていただきます。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 梶原議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、第47回衆議院議員総選挙結果についてお尋ねがございました。

 昨日の衆議院選挙の結果、自民党、公明党の連立与党が、定数の3分の2を超える議席を獲得することになりました。これは、デフレからの脱却に向けた経済政策を初め、南海トラフ地震等大規模災害への対応など、これまで2年間の安倍政権の政策への有権者の皆様の評価と、経済の好循環の実現や地方創生に向けた取り組みなど、自公連立政権による今後の政権運営に対する期待のあらわれではないかと思っているところであります。

 他方、残念ながら投票率は低く、また各論では賛否多様な意見があることも事実であります。政府・与党におかれましては、安倍総理御自身もおっしゃっておられますように、こうしたことを謙虚に受けとめていただくとともに、選挙を通じて聞いていただいた地方の声を初め幅広い国民の皆様の意見をしっかりと生かして、特に地方を大切にして今後の政権運営に当たっていただきたいと、そのように思っておるところでございます。

 次に、これまでの安倍政権の2年間の政権運営への所見についてお尋ねがございました。

 これまで安倍政権におかれましては、経済政策や持続可能な社会保障制度の構築、また南海トラフ地震対策や外交・安全保障問題など、国内外の山積するさまざまな政策課題にスピード感を持って対応してこられました。

 まず、経済政策では、長引くデフレからの早期脱却と低迷する我が国経済の再生に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢を放ち、アベノミクスが進められております。

 足元の経済状況を見ましたときに、円安に伴うエネルギー価格や原材料費の高騰による中小企業の負担増大、4月からの消費増税の影響による実質賃金の低下など、特に地方において景気回復が足踏みをしているのも事実でございます。他方、長期化していた過度の円高の是正に伴い、輸出関連企業を中心に収益が改善され、また有効求人倍率など雇用面の数字も上向いており、全体としては経済の好循環に向けた道筋をたどっているのではないかと思っております。今後、有効な地方創生策を打ち出すことを通じ、地方にもこの好循環が行き渡ってくることを望むものであります。

 安倍政権では、総理を本部長とするまち・ひと・しごと創生本部を設置し、少子化、人口減少、地域の活性化の3つを歴代初めて三位一体の問題として捉えて、構造的な問題に正面から取り組もうとされており、今後に大いに期待をいたしております。また、延期したとはいえ、消費税の10%への増税により、このための財源の確保を図る道を選択されたことも、苦しくとも避けることのできない重い決断をされたものと受けとめているところであります。

 また、南海トラフ地震が避けられない本県にとって、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法が成立し、南海トラフ地震対策を国家的課題として捉え、国を挙げて取り組んでいこうという姿勢が明確に示されたことは、大変心強いことでもございました。

 外交面では、懸念されていた日米関係について、オバマ大統領との首脳会談を実現するとともに、ASEAN諸国などとの外交にも力を入れ、近隣諸国とのきずなを強めてきています。また、中国とは、日本の立場をしっかりと主張しつつ、日中首脳会談が実現するなど、関係改善に向けた前進が見られつつあります。

 このように、まだ道半ばのものもございますが、一定の成果を上げたもの、あるいは上げつつあるものがあり、私としては安倍政権の2年間の政権運営を大いに評価いたしているところでございます。

 次に、選挙後の新たな政権に対する期待についてお尋ねがございました。

 新政権には、今回の衆議院選挙の大きな争点でございました経済政策や地方の創生など多くの課題がございます。引き続き、これらの課題に正面から取り組んでいただきたいと思っております。

 まず、経済政策でございますが、アベノミクスの中でも特に重要となります第3の矢である成長戦略を着実に進めることによりまして、民間主導の持続的な経済成長を軌道に乗せ、企業の設備投資や新たな雇用創出、賃上げにつなげ、さらなる消費拡大に至るという経済の好循環を実現していただくことを期待いたしております。あわせて、急速な円安や消費増税の反動減による足元の景気の低迷に速やかに対応するため、即効性かつ実効性のある経済対策をしっかりと行っていただきたいと思っております。

 また、本県にとって重要な課題である南海トラフ地震対策を初めとした防災・減災の取り組みにつきましても、引き続き強力に進めていただきたいと思っているところでございます。

 特に地方の創生につきましては、今後、国において総合戦略を策定するなど、具体化に向けた動きが始まります。これまで、直面している課題に応じて地域地域が取り組んでいる施策に重きを置いて支援をすること、地域の企業や事業者の皆様が抱える課題はそれぞれ異なっていることを踏まえ、地域の多様なニーズに対応できる総合的な施策を展開していくこと、中心都市のみならず中山間地域にも若者が住み続けられるような施策とすることなど、地方の目線に立って、これまでの施策の延長線上にはない異次元の施策を展開していただきたいとの政策提言を国に行ってまいりました。こうした地方の声をしっかりと踏まえ、本県の産業振興計画や中山間対策など、地域の強みを生かした、また地域の実情を踏まえた取り組みを後押しし加速化できるような施策を展開していただきたいと考えております。

 また、こうした施策を展開していくためには、各省庁の縦割りを打破することが不可欠であります。今回の総選挙の結果を受け、新政権として、民意を背景に、各省庁の縦割りを打破されることを大いに期待するものでございます。

 このような国と地方が抱える諸課題の解決に向けまして、地方を初めさまざまな声を聞き、しっかりと議論を行っていただき、その意見を反映した施策を政権を挙げてスピード感を持って実行していただきたいと思っているところでございます。

 次に、人口の東京一極集中の是正に対する国の姿勢や、地方への人の流れをつくることにより人口減少に取り組む国の姿勢をどのように受けとめているのかとのお尋ねがございました。

 今回の地方創生は、構造的な問題である人口減少を克服するとともに、地方が成長する活力を取り戻すことを目指して対策を講じようとしており、人口の東京への一極集中の是正は重要な課題だとしているところであります。

 そのため、10月に行われました国の基本政策検討チームヒアリングにおきましても、都市から地方への新しい人の流れをつくる取り組みとして本県の移住促進の取り組みを御紹介させていただきますとともに、移住促進を国策でも本格的に取り上げるべきこと、そしてとるべき施策の具体例として、全国に移住に関する情報が行き届いていないという問題点を踏まえ、移住関係情報と就業情報を一元的に発信し、都市部人材と地方とのマッチング機能を持った全国移住促進センターといったものの設置を提案させていただきました。また、国や政府・与党の関係者などに対しても同趣旨の提言を行いますとともに、地方における受け皿そのものをふやす対策として、地方への企業や大学の移転等を促す優遇税制や仕組みなどについて要請をしてきたところであります。

 お話にありましたように、今後、国の総合戦略が策定される中で具体的な施策が明らかになってまいりますが、一連の活動を通じて一定の御理解はいただいたのではないかと思っております。先月開催されましたまち・ひと・しごと創生会議で示された総合戦略骨子案におきまして、基本的視点の一つとして、東京圏における人口の過度の集中を是正することが掲げられているところであります。私は、こうした国の姿勢を評価しておりますし、期待もいたしているところでございます。

 次に、地方分権に関する提案募集方式を通じたこれまでの中央省庁の対応と今後の動向についてお尋ねがございました。

 地方分権改革については、地方分権改革推進委員会の勧告に基づき、4次にわたる地方分権一括法等により、地方公共団体への権限移譲や義務づけ・枠づけの見直し等が進められてまいりました。こうした成果を基盤として、地方分権改革は、安倍政権のもと、提案募集方式の導入など新たなステージに入りました。

 この提案募集方式は、国が選ぶのではなく地方が選ぶ地方分権であり、地方が自主性、独自性を最大限に発揮し、地域が直面する課題に応じた対策を講ずることを可能にするという点で、我々地方は大いに期待をしておりますし、地方創生を進める上でも欠かせないものだと考えております。しかしながら、現時点では、地方からの提案に対し実現可能とされたものが約2割にとどまっており、大変残念に思っております。このままでは、地方の意欲をそぎ、地方に失望感が広がり、今後の地方分権改革の見通しが立たないものとなってしまうのではないかと危惧もいたしているところです。

 当初は年内にも対応方針を取りまとめる予定でございましたが、衆議院選挙の影響があり、現時点では日程を固めることができないとの報道もございました。国におきましては、地方創生を強力に進める観点からも、地方からの提案を真摯に受けとめ、提案の実現に向けて丁寧な議論を重ねていただきたいと考えているところでございます。

 次に、これからの地方創生においては県民みずからが地方創生にかかわっていくことが不可欠だと考えるがどうかとのお尋ねがございました。

 私も、県民の皆様の参画なしに地方創生を実現することは不可能と考えております。これまでも、産業振興計画を初め県のさまざまな取り組みへの参画と協力を県民の皆様に呼びかけ、多くの県民の皆様に県の取り組みへの参画や御協力をいただいてまいりました。

 産業振興計画におきましては、計画の策定段階から多くの県民の皆様に参画いただくとともに、プロジェクトの事業主体となっていただいております。例えば、地域アクションプランでは、地域の皆様が主体となり、地域の資源を生かして加工品の開発や販売、魅力ある観光地づくりなどに取り組んでいただいておりますし、多くの事業者の皆様にアンテナショップまるごと高知への出品や地産外商公社を通じた販売拡大に参加いただいております。また、「高知家」プロモーションにおきましても、県民の皆様を中心に15万個を超えるピンバッジを御利用いただくなど、高知家のPRに御協力いただいております。

 集落活動センターの取り組みでは、地域の課題を住民の皆様に共有していただき、住民の皆様が主体となって、自発的なアイデアをもとに、集落での支え合い活動や地域の資源を生かした特産品づくりなど、地域の課題やニーズに応じた取り組みを展開していただいているところです。

 しかし、こうした取り組みにも地域によって濃淡があることも事実であります。地方創生をなし遂げるためには、これらの取り組みをさらに進め、より多くの県民の皆様に参画していただくことが不可欠であります。県としましても、産業振興計画を初め官民協働の取り組みをさらに進めてまいりたいと考えております。

 次に、中山間地域における学校再編についてお尋ねがございました。

 次代を担う子供たちが健やかに成長し、これからの社会を生き抜くためには、よりよい教育環境のもとに、知・徳・体の調和のとれた生きる力を確実に育んでいくことが大切であります。そのためにも、子供たちが発達段階に応じた充実した教育内容のもと、友人と切磋琢磨しながら学び、社会性を身につけることのできる適正な学校規模を維持していくことは重要なことだと考えます。

 一方で、人口減少が進む中山間地域においては、地域で学ぶ機会を維持・確保していく観点から、学校が存在することもまた極めて重要であります。小学校、中学校をなくすことは、その地域の文化拠点を閉じることであり、また若い世代が地域に住んで子育てをする拠点を失うことでもあり、人口流出をさらに加速させることにつながります。

 そのため、学校の統廃合を考える際には、学校規模の適正化とともに、地域の活性化、存続ということもあわせて考えなければなりません。地域の実情に応じた学校のあり方について、それぞれの市町村で十分に議論を重ねていくことが必要であります。

 こうした考え方について、私自身、教育再生実行会議で発言を行ってまいりました。今後とも国に対して、人口減少が続く地方の実情などを訴えてまいりたい、そのように考えております。

 次に、電力の火力依存と四国内の電力状況に関する一連の御質問にお答えをいたします。

 まず、電力の火力依存におけるさまざまな問題についてお尋ねがございました。

 現在、我が国の電源構成における化石燃料への依存度は、震災前の約6割から9割に急増し、燃料輸入額も、燃料価格の上昇や為替変動の影響から、震災前と比べ2013年では約10兆円の増額となっています。

 このように、他国からの化石資源への依存度が高まれば、議員御指摘のとおり、輸入国の政情の不安による偶発的なエネルギー危機に巻き込まれる危険性があり、エネルギーの安全保障の確保は我が国が抱える大きな課題であると考えております。また、地球温暖化防止対策の観点からも、我が国の温室効果ガス排出量は震災前と比較して約1億トン増加しており、火力発電へ過度に依存することはさまざまな問題があると認識しています。

 こうした課題を克服し、国際情勢の変化に対する対応力を高めるためには、国産エネルギーとして活用していくことができる再生可能エネルギーなどの導入を進めるとともに、エネルギーの供給構造の多様化を進める政策を戦略的に整備していくことが重要です。加えて、省エネ、蓄電技術、システムの抜本強化を図っていくことも国家的課題だと考えます。

 そのためには、国において、再生可能エネルギーの推進や燃料の多様化等を踏まえた上で、電源ごとのメリットやデメリットを総合的に判断し、安定的なエネルギー供給体制の確保に向け、我が国のエネルギーのベストミックスを早急に示すべきと考えます。あわせて、省エネ、蓄電の推進策を強力に推し進めるべきだと考えているところであります。

 次に、現在の四国の電力状況についてお尋ねがありました。

 議員からお話がありましたとおり、東日本大震災以降、全国的に、火力発電所を重要な供給源とし、電力需要が高まる夏場には、長期停止となっていた老朽化した火力発電を再稼働させるなどして電力供給量を確保している状況であります。そのため、老朽化した火力発電所のトラブルも増加傾向にあり、ことしの夏、突発的な事故や緊急補修などによる停止件数は87件にも上っているところであります。

 四国電力におきましても、電力供給量を確保するため、老朽化により長期停止していた阿南2号機の運転再開に加え、火力発電所の定期点検の繰り延べや、通常より出力を上げて運転するなどの対策を講じているところです。ことしの夏は、これらの需給対策や消費者の節電対策が定着したこととあわせて、11年ぶりに夏の平均気温が平年を下回ったこともあり、四国電力管内は安定した需給状況であったと承知しています。

 ことしの冬の需給についても、国は、厳冬になるリスクや直近の経済成長の伸び、節電の定着を織り込んだ上で、四国電力を含むいずれの電力会社管内においても、電力の安定供給に最低限必要とされる予備率3%以上を確保できるとの見通しを公表しています。しかしながら、議員御指摘のとおり、定期検査の繰り延べなどの対策により供給量を確保している現状であり、火力発電所のトラブルなどにより不測の事態が発生するおそれもあり得ます。このため、本県としましては、引き続き気を引き締め、節電対策に取り組んでいくこととしておりますし、四国電力においては、設備の点検、保守に細心の注意を払い、安全運転対策に万全を期すなど、電力の安定供給の確保に向けて最大限の努力をしていただく必要があるものと考えております。

 次に、中小企業の事業承継、後継者対策についてのお尋ねがございました。

 議員のお話にありました民間の調査によりますと、平成25年度の高知県の休廃業件数は、倒産件数の6倍に当たる215件となっており、その売上額は約200億円、従業員数は約800名に及び、本県経済に大きな影響を与えたものと認識をしております。

 県では、人口の減少や高齢化により県内経済が縮小するという構造的な問題に真正面から対応しようと、産業振興計画に基づき、地産外商、観光振興、ものづくりの地産地消・外商や移住促進施策などに取り組んでいるところであります。しかしながら、近年、休廃業件数が増加していることや、後継者不在であるという企業が5割を超える状況を考慮しますと、事業承継は高知県全体で官民挙げて取り組む必要がある喫緊かつ深刻な課題であると認識いたしております。

 私どもとしましては、現在、この事業承継を効果的に進めていくに当たり重要なポイントは以下の4点ではないかと考えております。

 第1に、多くの事業者の方々に早い時期から計画的に取り組むことの重要性を理解していただくことが必要であります。第2に、事業承継計画はまさに経営改善のための計画そのものであると捉えるべきであり、準備段階はもちろんのこと、承継後についても、経営が拡大しさらに発展していくところまで、金融機関や産業支援機関が連携して販路拡大などさまざまな支援を行っていかなければなりません。第3に、後継者が不在の場合には全国から広く人財を求めていくことも重要でありますので、移住促進の取り組みのうち人財誘致の取り組みとも連動して、人材ビジネス事業者などとも連携し、都市部の人財とのマッチングを図ることも必要となってまいります。第4に、いわゆるMアンドA、事業譲渡や合併といった手法を選択する場合は、より高度なサポートも欠かせないものであります。

 このように、事業承継対策は、ビジネスプランの作成から販路拡大に至るまでのものづくりに対する支援や、都市部からの人財誘致などの産業振興計画の各施策と密接に連動させた総合的な取り組みとすることが重要であると考えています。

 このように、事業承継施策を本格化させるため、産業振興計画の他の施策と組み合わせた官民協働の総合政策パッケージをまとめていく必要があるものと考えております。あわせて、施策が多岐にわたるだけに、その拠点として、事業者の相談にワンストップで対応する窓口や専門スタッフが一貫してサポートする機能を備えた事業承継・人材確保センターといった組織の設置が必要だと考えております。今後、その体制や機能などにつきまして、関係の皆様とさらに具体的な協議を進めていきたいと考えております。

 事業承継を着実に進めることは、休廃業による本県経済への大きな影響を軽減し、地域の持続的な発展や優良な雇用の場を守ることとなり、産業振興の加速化に確実につながるものであります。国の推進策とも連携をしながら、事業承継施策の本格化、これを第2期産業振興計画のさらなるバージョンアップの柱として、その推進に真正面から取り組んでまいりたいと考えております。

 最後に、林業学校の開設に込める思いと目指すべき姿についてお尋ねがございました。

 本県では、成熟した豊かな森林資源を余すことなく活用するため、これまで、大型の製材工場や木質バイオマス発電施設の整備、木材需要の飛躍的な拡大が期待されるCLTの推進などに積極的に取り組んでまいりましたが、今後、木材需要の拡大に応じた原木の増産体制をさらに推進することが中山間地域での雇用の創出や所得の向上のために必要だと考えております。

 原木の増産を担う本県の林業就業者数は、ここ数年は増加傾向で推移していましたが、昨年度は公共事業の拡大等の影響を受けて減少となりました。その一方で、本山町や佐川町等を中心に、地域おこし協力隊として林業振興等の業務に従事している方や、都会から帰ってきて地域でさまざまな仕事をしながら副業として林業を志す若者も見受けられるようになってきております。

 こうした状況を踏まえ、今回開設しようとする林業学校では、就業前に林業活動に必要な知識や技術を現場での実践も通じて習得していただき、即戦力となる人材を養成していくとともに、林業経営を専門的に学び実践できる人材を養成してまいりたいと考えています。またあわせて、林業従事者や小規模な林業活動を実践している方々が林業経営を新たに学ぶ機会を創出することで、林業活動の実践者のさらなる意欲の向上とスキルアップを図ってまいります。

 この林業学校の取り組みを通じまして、夢を持ちながら林業に従事する若者を育てていきますとともに、より多くの人々が林業活動に専業や副業で携わっていただくことで中山間地域の活性化にもつなげていきたいとの考えであります。そして、将来的には、県内外の林業関係の専門の方々の協力も得ながら、本県の林業、木材産業の体質を抜本的に強化し、全国の林業をリードできる人材の輩出を目指してまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、学校の統廃合について、国の統廃合の指針見直しに向けた動きの受けとめについてのお尋ねがございました。

 お話にもありましたように、公立小中学校の統合に関する基準については、昭和31年に出された当時の文部省の通達が今も生きておりますが、その後60年近くが経過し、市町村合併の進展、中山間地域における急激な少子化、交通環境の整備など、学校を取り巻く社会環境は大きく変わってきております。

 こうした中で、現在、国においてこの見直しに向けた議論が進められており、その中では、お話にありましたように、公立小中学校の配置のあり方について、適正な学級数や通学距離、時間などからどうあるべきか、また学校統合を行う場合の支援策や、小規模のデメリット解消のための支援策などについて検討されているとお聞きをしております。

 小中学校の統合につきましては、先ほど知事の答弁にもありましたように、よりよい教育環境のために適正規模を確保するということと、地域コミュニティーの核としての学校の重要性という両面から、地元市町村において十分に議論し決定されるべきものと考えております。その際、結果として小規模なままでの存続を選択した学校においても、小規模ゆえのデメリットができるだけ解消されるよう意を用いる必要があると思いますし、国にもそういった観点からの支援策を求めてまいりたいと考えております。

 次に、県内公立小中学校の統廃合の方向性と今後の見通しについてお尋ねがございました。

 本県では、全国に先行して少子化が進む中で、適正な学校規模をどう考えていくのかということについて、平成16年に、有識者から成る検討委員会を設けて、検討を重ねていただいた結果、学級の規模について、子供たちの教育効果の観点からは20人程度かそれ以上が、また学習、教育条件の観点からは25人程度かそれ以上が望ましい、また学校の規模について、学校経営上の観点から、少なくとも小学校では12学級程度、中学校では6学級程度は必要であるとの提言をいただいております。県教育委員会としましては、こうした提言をもとに適正な学校規模について検討していただくよう、各市町村への情報提供に努めてきたところでございます。

 その結果、この10年間で、小学校は265校から196校へ、中学校は124校から105校へと統廃合が進められてきました。しかしながら、中山間地域を中心に児童生徒が急速に減少する中で、こうした統廃合を行ってもなお、現状では複式学級を有する小中学校が全体の30%を占めるなど、学級や学校の規模は年々小さくなっております。こうした状況のもとで、現在複数の地域で学校統合について議論が進められているところでございます。

 今後は、近く国から示される統廃合の指針を受けて、県としてどう対応すべきかをまずしっかりと考えてみたいと思います。その上で、各市町村において地域の実情に即した学校配置をどうするべきかについて、適切な助言を行ってまいります。あわせまして、県としてどんな支援ができるか、国の制度の活用も含めて検討したいと思います。

 最後に、市町村教育委員会の共同設置についてお尋ねがございました。

 本県が抱える教育課題を解決するためには、公立小中学校の運営を初め地域の教育行政を担う市町村教育委員会が専門性や政策立案機能を高めていくことが必要です。しかしながら、本県においては、中山間地域を中心に小規模な市町村が多く、事務局職員の数に制約があるために指導主事の配置がなされないなど、体制が十分でない市町村教育委員会が多いのが現状でございます。

 こうした中で、本県におきましては、平成20年度、21年度に、東部教育事務所に広域化支援担当チーフを配置して管内の市町村教育長と協議を重ねるなど、共同設置などによる広域化の可能性について検討を行いました。また、高知県市町村教育委員会連合会におきましても広域化に関する検討が進められましたが、市町村の合併ではなく教育行政のみを広域化させることに対して、各市町村のまちづくりと教育の推進をどう整合させるのかといった課題や、地域に密着した教育行政が維持できるのか、学校の統廃合が加速するのではないかといった不安の声があったことなどから、実現には至っておりません。

 このように、本県における教育委員会の共同設置にはクリアすべき課題が多いのが実情ですが、少なくなっている子供一人一人を大切に育てるためには、専門性や人員体制の面などから市町村教育委員会事務局を強化することが今後ますます求められるものと思います。例えば、平成23年の地方自治法の改正により、教育委員会自体はそれぞれの市町村に残したままで事務局組織を共同設置できる制度も新たに設けられておりますので、こうした制度の活用も含め、広域化に関する情報の提供や助言を必要に応じて行ってまいりますことで、市町村教育委員会の体制強化に向けた機運の醸成につなげてまいりたいと考えております。

   (危機管理部長野々村毅君登壇)



◎危機管理部長(野々村毅君) 地震発災時の火災対策に関し、感震ブレーカーの設置の必要性についてお尋ねがございました。

 阪神・淡路大震災や東日本大震災における出火の原因は、電気に起因するものが最も多くなっております。地震発災直後には、電気ストーブへ衣類などの可燃物が覆いかぶさって燃え出したものや、一旦停電した後に被災者が知らないまま電気が復旧したため、破損したコードがショートして出火した事例などが報告されております。

 このような電気に起因する火災を防ぐためには、地震の揺れを感知して自動的に電気を遮断する感震ブレーカーの設置は有効な対策だと考えております。しかしながら、感震ブレーカーそのものがまだまだ知られていない状況でありますので、本年度から県民の皆様への周知の取り組みを始めるとともに、住宅の新築やリフォームのタイミングに合わせて設置していただけるよう、電気工事業工業組合や建築士会などの協力をいただいて、建築主に働きかけを行っています。

 ことしの9月には、国においても、お話にありましたように、感震ブレーカーの普及を目的とした検討会が設置されておりますが、年度内には、さまざまなタイプのブレーカーが満たすべき性能の基準を定めたガイドラインが示され、その要件を満たしたものは公的機関の推奨が受けられると聞いております。今後、そういった製品への関心が高まってくるものと期待しております。

 個々の住宅から出火を防ぎ、地域全体の火災件数を抑えることが、ひいては南海トラフ地震による大規模な地震火災の芽を摘むことにもつながります。1個数千円程度の簡易型の感震ブレーカーであれば、比較的手軽に設置していただくことができると思いますので、ガイドラインの内容を確認しながら、一層の普及に向けて取り組んでまいります。

 次に、地震火災対策のこれまでの取り組みと今後の進捗についてお尋ねがございました。

 南海トラフ地震による大きな被害としては、揺れと津波、さらには火災によるものがあり、揺れと津波への対策は南海トラフ地震対策行動計画にもしっかりと位置づけて、これまでその対策を加速化し、重点的に取り組んできたところです。

 一方、昨年5月に公表した南海トラフ地震の被害想定において、火災による最大の死傷者数は1,700人を超えており、その大きな要因としては、火災から逃げ切れないと想定されたことによるものであります。そのため、地震による火災対策として、まずは市街地での大規模な火災から何よりも人命を守ることを目的として、専門家を委員とする検討会を4月に立ち上げ、本格的に対策の検討を進めているところです。

 地震火災の特徴は、木造住宅が密集している市街地で同時多発的に火災が発生することであり、現在の消防力では全てには対応し切れず、さらに家屋やブロック塀の倒壊による通行の支障や消火用水の不足などにより、効果的な消防活動ができないおそれがあると考えています。このため検討会では、県内で大規模な火災が発生する危険性が高い地域を抽出しますほか、出火防止を初め、延焼防止、安全な避難の3つの視点で検討を行っています。

 出火防止については、電気や石油ストーブなどによる出火を防ぐ対策、延焼防止については、個人や地域で行う初期消火や、消防が確実に活動を行うための防火水槽などの水源の確保対策、また安全な避難については、延焼シミュレーションやハザードマップを活用し、安全な避難場所や避難経路の確保など、大規模火災となっても確実に避難するための方策について検討を行っています。年度内には、こうした検討の結果を地震火災の対策指針として取りまとめる予定ですので、来年度は、対策が必要な市町村がこの指針をもとに取り組みを進めることができるよう、技術的な助言も含め支援を行ってまいります。

 次に、避難所のトイレ対策に関して市町村にどのような支援をするのかとのお尋ねがございました。

 阪神・淡路大震災や東日本大震災では、配管が壊れたまま使い続けたことによって汚物があふれ、不衛生な状態が長く続いたといった事案がありました。また、お話にもありましたように、トイレの使用を控えたことで体調を崩された避難者があったことも報告されており、避難所の環境や避難者の健康管理の面からも、衛生的なトイレ機能は確保されなければなりません。

 避難生活が始まった直後からトイレの機能は必ず必要となりますが、仮設トイレの手配や下水道施設の応急復旧には一定の時間を要しますことから、発災直後においては、緊急的な対応として、例えば段ボール製の簡易トイレなどの備えが必要になります。そのため、本年10月に市町村にお示しした大規模災害に備えた避難所運営マニュアル作成の手引きにおいて、発災直後のトイレが使用できない場合に備えた簡易トイレの備蓄の必要性を位置づけているところです。

 こうしたことも踏まえまして、本年度からは、避難所への簡易トイレの備蓄を地域防災対策総合補助金の補助対象として追加しており、既に香美市や宿毛市など6つの市町村でこの制度を活用し、備蓄を開始しております。今後も、必要な支援を継続し、避難所における環境面での整備にも努めてまいります。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) まず、広域的なごみやし尿処理体制を整備するための県の取り組みについてお尋ねがございました。

 南海トラフを震源とする巨大地震では、膨大な量の災害廃棄物が発生しますことから、県民の生活基盤を早期に復旧・復興するため、災害廃棄物処理計画を策定するなどの取り組みを進めているところでございます。私自身、東日本大震災の被災地を訪問し、大量の災害廃棄物の処理の難しさをお聞きし、改めて事前の準備や対策が重要であることを強く認識したところです。

 災害廃棄物は、生活ごみやし尿と同様、一般廃棄物として取り扱われますことから、その処理方策等について、全市町村において市町村災害廃棄物処理計画を策定していただくこととしています。この計画では、廃棄物の発生量予測やその処理方策、処理施設の耐震化及び津波浸水対策、生活ごみやし尿の処理方策、災害時に活用するための災害用トイレの備蓄などの項目を盛り込んでいただく予定です。

 県としましては、災害が発生してから措置を講じるのではなく、可能な限り事前に対策を講じておくことが、県民の生活基盤の迅速な復旧・復興のため必要と考えています。また、大量の災害廃棄物が発生した場合、市町村みずからでは処理が困難となる可能性がありますことから、県内市町村間における相互支援の仕組みづくりを進めるとともに、さらに県内での処理が困難な場合は、県域を越えた広域処理の体制を構築することが必要となってきます。

 現在、国のほうでも、中国・四国ブロック9県による協議会を立ち上げ、災害廃棄物処理に関する情報の共有や広域処理を含む連携などについて検討を始めたところです。こうした動きも踏まえ、実際に処理に当たる市町村と連携しながら、県として広域処理のあり方を検討してまいります。

 また、いち早い復旧・復興のためには、県や市町村だけでなく廃棄物処理業者と一体となって処理することが必要となります。このため、事業者や関係団体と、発災時の協力支援協定の締結について準備を進めているところです。

 今後は、市町村ごとの状況に応じて必要な広域調整の対応を行うことによりまして、実効性のある災害廃棄物処理計画となりますよう、市町村と連携しながら取り組んでまいります。

 次に、林業学校の開講に向けてのスケジュールと研修内容についてお尋ねがございました。

 林業学校は、林業の実践的な技術、知識を学んでいただく基礎コースと、将来の林業経営を担っていく人材を養成する専攻コース、林業活動を実践する方々のニーズに沿った知識や技術のスキルアップができる短期コースの3つのコースを予定しています。そのうち基礎コースと短期コースについては、来年4月の開講に向けて準備を進めているところです。また、専攻コースについては、年明けから専門家によります検討委員会を設置し、研修の内容などについて検討を進め、平成29年4月の開講を目指して取り組んでいきます。あわせて、この間に、学校施設についても整備を進めていく考えです。

 次に、具体的な研修内容ですが、基礎コースでは、林業活動に必要な基礎的な知識の習得はもとより、安全教育からチェーンソーの取り扱い、高性能林業機械の操作に至るまで、現場での実践研修やインターンシップによる就業体験研修などを通じて即戦力となる人材を養成し、確実な雇用につなげてまいりたいと考えています。あわせて、研修生には、国の給付金事業を活用し、年間150万円余りを支給することで、安心して研修に専念できるよう取り組んでまいりたいと考えています。

 また、短期コースでは、林業関係者のニーズに応じて必要な技術や知識のスキルアップを図ることができるよう、さまざまなテーマを設定し、より実践的な短期の研修コースを考えています。さらに、専攻コースについては、これから具体的に議論してまいりますが、基本的には、技術はもとより、林業事業体の経営が安定的に継続できるように、組織をリードする高度で専門的な事柄を習得した人材を輩出するコースにしたいと考えています。

 こうした林業学校の取り組みを通じまして、即戦力となる林業の担い手の養成から、将来の高知の林業界における核となる人材の養成まで、幅広い人材を育成し、本県林業の底上げを図ってまいりたいと考えています。

   (健康政策部長山本治君登壇)



◎健康政策部長(山本治君) まず、水道管の老朽化の現状についてお尋ねがありました。

 今年8月、総務省から、老朽化に伴う更新費用の増大や人口減少に伴う料金収入の減少などに対応していくため、水道事業者に対し、中長期的な視野に基づく計画的な経営に取り組むよう要請がなされたところです。

 県内の水道管の老朽化の現状については、平成24年度末時点で40年の耐用年数を超えている管路が15%で、総延長3,779キロメートルのうち568キロメートルとなっています。ここ5年間の平均で見ますと、年間30キロメートルの更新しかできていませんので、計画的に行わなければ老朽化対策が進まないことが危惧をされております。

 これら全てを更新するには、概算で約270億円の費用が必要となり、市町村の水道料金収入で経費を捻出していくことは非常に厳しい状況ですので、持続可能な水道事業の確立に向けた取り組みを進められるよう、国や市町村などと調整を図っていきたいと考えています。

 次に、水道施設の耐震化について、その現状と今後の取り組みについてお尋ねがありました。

 県内の水道施設の耐震化の現状については、基幹管路は38.7%、浄水施設は11.7%、配水池は33%となっています。県内の上水道事業の耐震化は、国庫補助事業の採択基準である資本単価を満たしておらず、市町村が独自の財源で行う必要があることから、耐震化が進んでいません。

 県としては、国庫補助事業の採択要件の緩和などについて平成23年度から継続的に国へ政策提言していますし、全国知事会や全国衛生部長会などを通じても要望をしているところであり、今後も粘り強く取り組んでまいります。

 一方、議員から御指摘がありましたとおり、南海トラフ地震の被害想定では、被災直後の断水率が99%、被災1カ月後も51%と非常に高く、このまま耐震化が進まない状態では、被災時に生活や医療に必要な水の確保が大変難しい状況となりますし、施設の復旧には長い期間が必要となりますので、県としても水道施設の耐震化について検討をしていきたいと考えています。

 次に、本県のウイルス性肝炎対策の現状と今後の取り組みについてお尋ねがありました。

 本県の対策としては、まずは検査を受けていただくことで感染者を効果の高い治療につなげることを目的に、取り組みを強化してまいりました。県の推計では、平成25年度末までに、市町村が検診対象としている方の約46%の方に検診を受けていただいています。

 また、県内でのウイルス性肝炎への感染者は、検診で発見された方が約3,500人、検診以外で医療機関を受診して血液検査などで発見された方が約1万4,200人、合わせて1万7,700人と推計しており、国の平成16年の調査から推計した県の感染者約2万600人の86%が既に確認されていると考えています。残りの14%に当たる約2,900人が感染を知らずにいる方と推計されますので、引き続き啓発や検査機会の提供に努めてまいります。

 次に、御指摘のありました、既に感染が確認されたにもかかわらず医療機関での受診ができていない方については、平成23年度より、感染者を確実に治療へ結びつける目的で、地域肝炎治療コーディネーターの養成を開始し、検診で陽性とわかった方に対して、医療機関での精密検査を受診するまで個別に勧奨するなど、感染者への対応を強化してきています。

 なお、国の推計を単純に当てはめれば、本県では1万7,700人中約3,200人が継続的な受診ができていないと推計されますので、本年度より陽性者フォローアップ事業として、医療費の負担を軽減するための助成制度を開始し、受診継続への支援を強化しているところです。

 今後も、まだ検査を受けられていない方への検査機会の提供や感染者の治療継続のための取り組みを強化し、感染者が効果の高い治療を受けられるよう努めてまいります。

 次に、がん検診の県内の精密検査の受診率の現状と今後の対策についてお尋ねがありました。

 精密検査の受診率として国が公表している資料は、平成23年度が直近となります。高知県の現状は、受診率の高い順に、乳がん検診92%、胃がん検診91.4%、肺がん検診90.8%、大腸がん検診80.8%、子宮頸がん検診64.9%となっています。胃がんと大腸がん検診は全国2位、肺がんと乳がん検診も10位以内ですが、子宮頸がん検診は全国平均を若干下回っている状況です。ただ、がんの受診率向上に向けた取り組みを進めてきましたので、平成24年度の子宮頸がんの精密検査受診率は県の集計では79.2%となっており、23年度の全国平均の68%を超えていることから、現状では5つの検診とも全国平均を上回っていると考えています。

 また、精密検査受診率を高く保つために、医師、放射線技師、保健師などで構成しています高知県健康診査管理指導協議会で、毎年、精密検査の受診状況を分析し、市町村に情報提供や助言を行っているところです。がんを早期に発見するためには、精密検査を受けてもらうことが重要となってまいりますので、がん検診の受診に加えて精密検査の必要性についても、市町村や健康づくり団体などとも協力しながら、引き続き啓発に取り組んでまいります。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 海岸堤防の耐震補強における今後の整備促進に向けた取り組みについてお尋ねがありました。

 議員御指摘のとおり、県が管理する全ての海岸で地震・津波対策を行うとすれば膨大な予算が必要で、限られた時間と財源の中では効率的かつ効果的に整備を進める必要があります。このため、人口や経済・社会インフラが集積する高知市を中心とする県中央部で重点的に海岸堤防の耐震補強を行っています。

 高知海岸では、国直轄事業で、平成24年度に仁ノ工区が完成し、現在、新居工区と戸原・長浜工区で工事を進めています。県事業では、これらの海岸に隣接する宇佐漁港海岸のほか、高知龍馬空港前の十市前浜海岸や、浦戸湾内の高知港海岸若松町工区で堤防の耐震補強を実施しています。

 県中央部以外の地域においては、浸水区域内人口のほか、防災拠点や医療拠点の数、緊急輸送道路の延長といった指標を用いてエリアごとに評価し、総合的に重要度の高いエリアから順次整備を進めていくこととしています。

 県東部においては、本年度から奈半利港海岸で堤防の新設工事に着手しています。また、県西部では、長期浸水が予想される宿毛市の新田海岸などで、来年度から堤防の耐震補強に向けた調査設計に着手する予定です。

 今後とも、県民の皆様の安全・安心を確保するため、予算の重点配分や強靱な国土形成に向けた新たな財政支援制度の創設などについて国に政策提言を行い、海岸堤防の整備推進に積極的に取り組んでまいります。

   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇)



◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 地産外商公社の取り組みと、アンテナショップまるごと高知の店舗運営の総括、そしてさらなる地産外商の推進についてお尋ねがございました。

 これまで地産外商公社が実施してきました外商活動によりまして、今議会の提案説明で知事から申し上げましたように、外商の成約件数・金額や「高知家」プロモーションなどによる情報発信の成果は飛躍的に伸びてまいりました。また、まるごと高知で行います催事やテストマーケティングへの参加事業者数はふえておりませんものの、店舗で取り扱う商品数は伸びておりますし、店舗以外での外商活動でも、例えば展示商談会に参加する事業者は年々増加をしておりまして、まるごと高知を拠点とする外商活動全体としては着実に前進をしているものと考えております。

 こうした事業者の方々の意欲の高まりもありまして、昨年度の物販・飲食部門の売り上げも過去最高となっておりますが、一方で、御指摘がありました来店者数の伸び悩みなどの課題があることも事実でございます。このため、今後とも、こうしたさまざまなデータに基づいた公社の活動や成果の点検をきめ細かに行い、店舗と外商部門、プロモーション部門が一体となって日々の活動の改善に取り組んでまいります。

 こうしたPDCAサイクルを外商活動全般にわたってしっかりと回していくことが大変重要だと考えています。今議会に関連予算を提案させていただいております、外商活動を担う職員を3名増員するという施策も、外商に対する事業者の方々の意欲の高まりに加えまして、10月に県内事業者と旭食品株式会社とのビジネスマッチングを実施した結果、首都圏以外でも販路を開拓したいという事業者のニーズもヒアリング調査等から明らかになってまいりましたため、この機会を逃すことがないよう、スピード感を持って対応しようとするものでございます。

 この体制強化によりまして、首都圏以外での外商成果の把握も可能となりますので、成果の公表と検証、それに基づく施策の改善をさらにしっかりと行いますとともに、地産外商へのチャレンジを始めようとする事業者の裾野をより広げる努力を重ねながら、官民協働による地産外商活動の成果をさらに上積みしていきたいと考えております。

   (地域福祉部長井奥和男君登壇)



◎地域福祉部長(井奥和男君) 県内のサービスつき高齢者向け住宅における介護サービスの現状と今後の対応についてのお尋ねがありました。

 サービスつき高齢者向け住宅につきましては、現在、県内の22カ所で798戸分が登録されており、このうち高知市を除いた県での登録分は約半分の11カ所、369戸となっておりますが、これまでに介護サービスの提供に関する苦情などが県に寄せられた事例はございません。

 こうした中、この8月に国から、第3期介護給付適正化計画の策定に向けた指針が示され、その中において、高齢者向け住まいの入居者に焦点を当てたケアプランの点検などを実施することが望ましいとの方向性が示されております。このため、県としましても、こうした介護サービスの提供事業者の指導監査を行う際には、介護報酬の適正請求に向けた指導をこれまで以上に徹底いたしますとともに、ともに所管をいたします土木部とも連携を密にいたしまして、入居者へ介護サービスなどを提供する際の実態把握なども行ってまいります。あわせて市町村には、保険者指導などの機会を捉えてケアプランの点検が実施されますよう指導、助言に努めてまいりたいと考えております。

 なお、議員の話にありましたサービスつき高齢者向け住宅における過剰なサービス提供の問題などを踏まえ、2015年度介護報酬改定に向けた議論の中では、報酬を減算する現在の仕組みを拡充する方向での検討が行われているとお聞きをいたしております。



◆10番(梶原大介君) それぞれ御答弁ありがとうございました。2問目をさせていただきたいと思います。

 まず、人口減少における教育課題について、学校の統廃合なんですが、58年ぶりの見直しということで、これまで58年間にこれだけ人口減少や過疎が進んできているわけですから、この指針の見直しに対して、これまで高知県だけではなくて地方として見直しをするべきだというようなことをこちらから働きかけたようなことがあったのか、それか今回の見直しに対して地方の実情というものを文科省のほうからアンケートであるとか実態調査であるとか問い合わせてきたことがあるのか、そういったことがあれば教育長のほうに、お知らせをいただきたいと思います。

 そして、知事には、学校の統廃合が今後−−地方創生もそうです。中山間対策もそうです。そういった取り組みが実って、この統廃合のことを考えんでよくなることが一番の望みであり、統廃合しなくてよければ、それにこしたことはないんですけれども、子供の教育環境と、そしていろんな現状を考えた場合に、先ほど知事も言われたとおり、今、統廃合に対して国がいろんな施策を進めておりますが、逆にこの存続という小規模校の道を選択したほうに対してもこれまで以上の国の支援というのをぜひ求めていっていただきたいと思いますけれど、その辺についての所見を1点お伺いさせていただきたいと思います。

 それと続きまして、感震ブレーカーについてなんですが、今後そのガイドラインを示され、品質の合ったものは国の推奨も受けれるということですが、国の推奨を受けれてその品質がある程度担保されたものに対して国のほうの補助ができるかどうかの進捗ぐあい、まだそういう段階では全然ないのか、仮にないとして、県として単独でそういう補助金というものをつけて感震ブレーカーの設置に対して推進をしていく今後のおつもりがあるかどうか。

 それと、先ほど言われましたように、この感震ブレーカーが広まっていないという理由に、まず知られていないということもありますし、その効果がわかりにくいということもありますので、どちらにしても、設置を推進していくには県の広報が特に大事になってくると思うんですけれども、今後いかに広報していくかという取り組みについて危機管理部長にお伺いをさせていただきたいと思います。

 もう一問、市町村のし尿処理、災害廃棄物処理計画についてなんですが、今後、市町村でも処理計画を3年以内につくって、そして県としては市町村間の連携、また県域をまたいだ連携、また事業者との連携の協定づくりに着手をされているということですが、その協定というのは大体いつごろをめどにというふうに思われているのか、その点をお聞かせいただきまして、2問目とさせていただきたいと思います。



◎教育長(田村壮児君) 今回、国の公立小中学校の統廃合に関する指針の見直しについて県から働きかけをしたのか、あるいは国からの実態調査があったのかという御質問でございますけれども、このことについて県から働きかけをするとか、あるいは具体的に国からの実態調査があったというようなことはございません。ただ、知事が教育再生実行会議のメンバーとして参加させていただいておりますので、その中でこういった話題も出まして、知事からは、先ほど答弁がございましたような形で、統合の方向はよしとして、ただその際に地域の活性化ということについて忘れてもらっては困るというようなことを申し上げたというふうに思っております。

 私どもも、今回の統合の話が一部財務省の財政的な観点から出てきたというようなことも一応ございましたので、小規模な中山間地域の学校が不利益になることがないようにということについて、特に文部科学省のほうにもお話もさせていただいているということでございます。



◎知事(尾崎正直君) 小中学校の人口減少下における統廃合の問題、これは本当にバランスをよくよく考えることが大事だと、そのように思っています。片や教育の観点からいきましたときに、余りにも小規模校過ぎるということはデメリットであるということ、これはしっかりと踏まえておかなければならないというふうに思います。

 ただ他方で、小中学校がなくなるということになりますれば、そこで子供を産み育てていこうとする若者の皆さんが住みづらくなる、さらには移住促進も進まなくなる、結果として地方創生のきっかけそのものが失われてしまう、前提条件そのものが失われてしまうということにもなりかねないということでありまして、やはりこの両者をよくよく勘案して、一定の地域、領域においては必ず一定校は残すとかというような一つの原則を敷いていくことも大事ではないでしょうかというようなお話などを、今私、政策提言などでも申し上げてきておるところです。教育再生実行会議、総理がおられる場でも、私、直接その話、申し上げましたし、折に触れ今後もそのような考え方を申し上げたいと、そのように考えているところであります。



◎危機管理部長(野々村毅君) 感震ブレーカーに関しまして、国の検討会におきます状況につきましては、うちの県の検討会の委員が兼ねておるということで、情報もいただいておりますが、まだその補助に関してのほうのお話はまだそういう中では出てきていないというふうにお伺いしています。

 また、県でどうかという話でございますが、個人の家で個々の家が出火を防止するということが、ひいては、先ほどもお話ししましたように、特に密集する市街地でございますと地震火災の件数を減す、被害を大きく減していく重要な効果があると思ってございます。そのためにも、先ほどもお話ししました簡易型の感震ブレーカーでしたら、そんなに高価なものではございません。そういうことも含めまして市町村とお話し合いをしながら、補助についてもちょっと検討をさせていただきたいと思ってございます。

 また、広報を強化しなさいということで、するべきではないかということでございます。南海トラフ地震対策としてかなりいろんな広報をしてございますが、来年度の広報の重点項目の一つとして感震ブレーカーもまた普及の啓発をしていきたいと思っております。



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) 事業者や関係団体と発災時の協力支援協定につきましては、現在、関係事業者等と、具体的にどのような支援協定を結ぶべきかについて協議を行っているところでございまして、例えば産廃事業者あるいはし尿処理団体といったところ、順次その内容が定まり次第、年明けから締結をしていこうと考えております。



◆10番(梶原大介君) それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございました。

 3問目は質問ではありませんが、知事の安倍政権のこれまでの評価とそして期待といったところでお聞きしたところに、地方を中心に景気が少し足踏みをしているという、そういったことももちろんありますし、消費税8%の影響もありまして、選挙中に出た7月から9月のGDP比がマイナス1.9%と下方修正をしたように、今後安倍政権、進めていく上で、知事も記者会見で第3の矢がポイントになると言われました、その第3の矢をまさに今後、今回の選挙を機に再点検して、また進めていかなければなりませんし、今回の衆議院選挙の候補者、多くの方々が当選後のこれからの決意について地方創生という言葉を、本当に多くの方が日本全国の当選された候補者が言っておられましたので、また今後の課題として地方創生に日本全国で取り組んでいけますように、ともに議会も執行部と力を合わせていきたいと思います。

 以上で私の一切の質問を終わります。(拍手)



○議長(浜田英宏君) 暫時休憩いたします。

   午前11時55分休憩

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   午後1時再開



○副議長(桑名龍吾君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 37番吉良富彦君。

   (37番吉良富彦君登壇)



◆37番(吉良富彦君) まず、知事の政治姿勢についてお聞きします。

 安倍首相が解散総選挙を実施し、昨日結果が出ました。消費税10%への増税を国民の7割から8割が反対する声に押されて1年半先送りにすることの是非を問うという理由でしたが、実態は、アベノミクスでは国民の生活はよくならず、さらに原発再稼働の判断、集団的自衛権の行使のための法整備など国民の多数が反対する事項を前にして、支持率が大きく下がる前に政権を維持したいという個利個略によるものでしかありませんでした。

 国民が増税に反対するのは、4月からの消費税率の8%への増税が国民の消費を落ち込ませ、経済を急速に悪化させているだけでなく、発足から2年近くになる安倍政権の経済政策アベノミクスが国民の暮らしを悪化させ、日本経済を破綻の際に立たせていることが、誰の目にも明らかになってきているからです。読売新聞の世論調査では、景気回復を実感していないという答えが79%と圧倒的です。産経新聞の11月23日付、日曜経済講座は、「消せない「8%」の負の衝撃」として、民主党は3党合意による消費税増税が景気悪化の元凶だと素直に認めるべきだ、首相も判断ミスを犯した、日銀総裁は異次元緩和をすれば消費税増税による悪影響を相殺できると首相に進言したのだと批判しています。

 安倍政権は発足以来、経済再生を第一の課題に掲げ、異常な金融緩和や財政支出の拡大など、アベノミクスを推進してきましたが、再増税の延期を決定したことは、アベノミクスと増税路線が破綻したことを証明したものです。

 それは統計数字が証明しています。2年前の2012年7月から9月とことしの7月から9月の数字を比較しますと、正規雇用の労働者は22万人減少しました。非正規雇用者は123万人増加し、非正規雇用の割合は37.1%と1.6ポイント上昇し、年収200万円以下のワーキングプアは1,119万9,000人と、29万9,000人ふえています。これが雇用増の実態です。その結果、実質の雇用者報酬は4,320億円減少、実質の個人消費も2兆1,186億円減少です。貯金なし世帯の割合は26%から30.4%へと4.4ポイントも増加しています。一方、資本金10億円以上の大企業の経常利益は、7兆円から約11兆円へと4兆696億円増加しています。100万ドル以上の富を持つ富裕層は、9万1,000人増加しています。

 この2年、国民は貧しくなり、より一層格差が拡大したのではないかと考えるものですが、知事に認識をお聞きします。

 アベノミクスは、異常な金融緩和で国内に出回る資金をふやせば、株高で大企業のもうけがふえ、円安で輸出もふえて、労働者の賃金が上がり、消費もふえると宣伝しました。しかし実際には、株高で大企業の含み資産や大資産家の所得がふえただけで、輸出数量はふえず、円安で物価が値上がりし、労働者の実質賃金は増税前から16カ月連続で前年を下回っています。高齢者は、年金が切り下げられた上の物価上昇に直面しています。GDPの6割を占める家計消費が冷え込んでは、経済の好循環は起こりようがありません。失政は明らかです。直ちにやめるべきだと考えるものです。

 9月議会の討論でも明らかにしたように、私たち日本共産党は、大企業、富裕層に応分の税金負担をしてもらう、そのために、これらへの行き過ぎた減税をもとに戻すだけでも20兆円という巨額の税収が確保できることを示しています。また、巨額の内部留保を、賃上げ、雇用の安定で国民に還元し、景気を回復させ、税収も増収させる道に切りかえることが必要です。

 帝国データバンクは、10月の円安関連倒産、負債1,000万円以上が39件に上り、昨年1月以降で最多を記録したことを発表しています。中小企業比率の高く、第1次産業を基幹産業とする高知県の影響は、燃料費や原材料費の高騰で、極めて深刻な状況に陥っています。

 異常な金融緩和がもたらした物価上昇が県経済や産業振興計画にどのような影響を与えているのか、知事の認識をお聞きいたします。

 続いて、政府の掲げる地方創生に関連してお聞きします。

 9月議会での、中山間地域が消滅すれば都市部自体も存続が危ぶまれるとの知事答弁は、正論だと思います。問われているのは、そのための方策です。最初の質問も、このことに深く関連しています。

 まず最初に、自治体消滅が喧伝されていることについて伺います。

 自治体消滅論は、地方切り捨てを推進するためのイデオロギー的世論操作と考えるものです。地方制度調査会の委員を歴任してきた大森彌東大名誉教授は、全国町村会報、平成26年5月19日に「「自治体消滅」の罠」と称して、「市町村の最小人口規模が決まっていないにもかかわらず、自治体消滅の可能性が高まるというが、人口が減少すればするほど市町村の存在価値は高まるから消滅など起こらない。起こるとすれば、自治体消滅という最悪の事態を想定したがゆえに、人びとの気持ちが萎えてしまい、そのすきに乗じて「撤退」を不可避だと思わせ、人為的に市町村を消滅させようとする動きが出てくる場合である」と厳しく批判しています。

 そうした中で、全国町村会は9月10日、「都市・農村共生社会の創造〜田園回帰の時代を迎えて〜」との提言を発表しました。提言は、最近の農村志向の高まりを田園回帰と捉え、1、少子化に抗するとりで、2、再生可能エネルギーの蓄積、3、災害時のバックアップ機能、4、新たなライフスタイル、ビジネスモデルの提案の場として、地方の価値を宣言しています。高知県が産業振興計画で努力している方向と一致する内容だと思います。

 自治体消滅論への認識について知事に伺います。

 地方創生というなら、必要な財源は国が責任を持つ必要があります。三位一体改革で、地方財源は6兆8,000億円削減されています。その後地方の反乱と言われ、政権交代につながる事態の中、交付税の総額確保、緊急経済対策などを実施されてきましたが、財務省は、リーマンショック対応から平時に戻すと、地方交付税の削減を狙っています。

 総額確保は、実質的には行政サービスの水準の低下をもたらしています。高齢化で社会保障費は増加していますが、その自然増分に届いていません。就労支援、自殺防止対策、防災事業など、地方には新たな行政需要が次々と発生しています。いずれもマンパワーを必要とする事業です。

 2012年12月議会の質問で、「新しい南海トラフ巨大地震対策特措法は、東日本大震災の復興の取り組みを教訓にしたものにする必要がある」として、地域の防災対策を推進するには自治体のマンパワー充実が重要であり、職員配置の充実に対応できる内容をと提起したことがあります。ことし2月の記者会見で知事も、マンパワー不足に国として支援すべき、ナショナル・レジリエンス懇談会のメンバーとして強く述べてきたと発言しています。

 総額確保ではなく、社会保障の自然増分、行政需要の拡大に対応した財源確保を強く求めていくべきではないか、お聞きします。

 地方を元気にするというなら、地方の意見に対し真摯に向き合う国の姿勢が不可欠だと思います。9月議会で、県民の反対する辺野古新基地建設を強行する国の姿勢について、一般論として好ましくないと答弁されましたが、11月16日投票の沖縄県知事選挙で辺野古移設に反対する翁長新知事が当選し、重ねて沖縄県民の意思が示されました。また、昨日の衆議院選挙でも、オール沖縄の候補者が小選挙区1区から4区全てを勝利したということは、この流れをさらに確たるものとしています。

 住民、地方自治体の意思を無視し、基地建設を強行することは、民主主義国家では、あってはならないことです。翁長新知事はインタビューに答えて、問われるのは日本の民主主義国家としてのあり方だ、沖縄の民意に配慮できないというのであれば日本の民主主義はアジアや世界から評価されない、粛々と辺野古を埋め立てていくという発想は世界から民主主義国家としての信頼を失うという意味で大変な損失になると発言していますが、全くそのとおりだと考えるものです。沖縄の事態を許せば、全国どこでも同様の強権政治に道を開くことになるという私たち自身の問題だと捉えるものです。

 地方自治の本旨からいって、国に対し、少なくとも計画は凍結することを全国知事会として要請すべきではないか、知事にお聞きいたします。

 原発再稼働も同様です。いまだに拡大し続け、原因も究明されていない福島原発事故、それにもかかわらず、再稼働の最終判断は事業者任せであるという従来の枠組みは変わっていません。事業者が自主的に結んでいる立地基礎自治体と都道府県の同意に委ねられています。避難計画づくりを義務づけられている原発30キロ圏内の自治体の意見は無視されています。

 川内原発では、30キロ圏内の9自治体のうち再稼働に賛同しているのは1市のみです。いちき串木野、日置両市議会は同意が必要な地元に加えるよう要求し、姶良市議会は再稼働反対と廃炉を要求しています。11月6日の衆議院原子力問題調査特別委員で、東京電力の原子力部門のトップである姉川常務は、原発の30キロ圏内の自治体の理解がなければ再稼働させるには十分ではないと発言しています。

 浜岡原発を抱える静岡県の川勝知事は、11月10日の定例記者会見で、UPZの自治体は備えをしなくてはならない地域、差し当たってこの方たちをしっかり入れる、11市町の同意がなければ動かせないことになると述べています。同知事は、川内原発に対し、30キロ圏の住民の意向が無視されたという意味では見切り発車の面があると指摘し、私どもは見切り発車をしないと発言をしていますが、原発の賛否を超えて、余りにも当然の主張だと思います。

 再稼働の同意要件に法的根拠がないのは異常であり、30キロ圏の住民、自治体の意向を無視しても構わないというスキームは地方自治の本旨、住民自治を無視したものと思いますが、知事の認識をお伺いいたします。

 次に、社会保障改革についてお聞きします。

 地域医療介護総合確保推進法により、必要な医療・介護が提供できなくなることが危惧されています。今回、政府が医療費を抑えるために示した柱が、病床機能報告制度と地域医療構想です。病床機能報告制度は、厚生労働省は、医療機関はその有する病床において担っている医療機能の現状と今後の方向を選択し、病棟単位で都道府県に報告する制度を設け、医療機関の自主的な取り組みを進めると説明し、この10月1日から各医療機関が報告を開始することとされています。

 政府によると、川上の改革として、病床の削減の具体化を進めようとしています。高齢化人口が一番ふえる2025年までに202万床のベッドが必要であるのに、それを159万床まで削減する計画です。そのために、まずは36万床ある看護師の配置基準が手厚い7対1病床を、今年度から来年度にかけて2カ年で9万床減らすというのです。そして、病床全体でも、高度急性期や回復期など4段階に機能を分けて病床数を盛り込んだ地域医療構想を策定することが都道府県に義務づけられるのです。

 政府は医療費の低い地域を標準集団と位置づけ、都道府県に支出目標を決めさせ、国は目標を超えた都道府県に対し原因の分析と具体的な改善策の策定を義務づけ、支出の抑制をというものです。とりわけ病床再編とベッド削減、平均在院日数削減により医療給付を減らす役割が担わされ、しかも一つ一つの病院にとって、そのベッド数削減に従わなければペナルティーが科せられることにもなります。このように、都道府県や病院に医療費削減のための義務が課せられることとなってしまうのです。

 これまでも、患者さんは在宅へと言われ、遠いところに入院しなくてはならず、入院したらもう次の転院先を探し始めないといけないだとか、在宅と言われても夜間はどうするのかなどの実態に、この方向は一層拍車をかけることとなり、第一線で医療を支えておられる開業医の方々から、行き場のない患者さんがあふれてしまう、都市部との医療の格差がほとんど考慮されていないなど、疑問の声が出されているのです。ひとり暮らしの高齢者の多い本県の影響は深刻だと考えるものです。

 地域医療構想の本県への影響をどう認識しているのか、必要な医療が確保されるのか、知事の認識をお聞きします。

 介護分野の切り捨ても深刻です。要支援の通所介護、訪問介護のサービスを、ボランティアなどが担う市町村の事業に移行させる計画で、必要な介護サービスが受けられない、重篤化して保険財政にも結果として悪影響を及ぼすなど、多くの反対、批判の声が上がりました。その結果、政府は専門的サービスを残すとしましたが、厚労省の資料では、その割合を将来は5割以下にすることが示されており、新規にサービスを受ける人を中心に、資格のない常勤の雇用者やボランティアなどによる多様なサービスに流し込む仕掛けがつくられようとしています。

 その最大の仕掛けは、毎年5から6%増加すると見込まれる要支援者向け給付費を地域支援事業に置きかえることで、後期高齢者の人口の伸び率3から4%に抑えるというものです。政府は、上限を超えて給付費が伸びた場合には超過分には国庫補助を拠出しないというおどしをかけ、地方自治体がいや応なしに給付抑制に追い立てられていく仕掛けとなっています。あったかふれあいセンターを軸に新たなサービスが提供できる可能性もありますが、総額に上限がある制度では、全体のサービスが縮小するもとでの話でしかありません。

 6月12日、参議院厚生労働委員会で厚生労働大臣が認めたように、必要なサービス切り捨ては「介護財政が悪くなるだけ」です。また、多様なサービスの報酬は、現在の介護報酬より低くなり、事業所の経営を圧迫することが懸念されます。高知県は、条件不利地の中山間地の事業所に県単独で支援し努力していますが、その努力にも逆行するものです。

 今回の介護給付費削減の仕組みについて影響をどう試算、認識しているのか、地域福祉部長にお聞きします。

 10月8日、財務省の財政制度等審議会で、2015年度の介護報酬改定について、6%以上のマイナス改定にする考えが示されました。財務省は、介護サービス全体の平均収支差率8%程度が一般の中小企業の平均値2から3%を上回っていることを根拠にしていますが、マイナス改定が連続しており、この大幅な削減は介護の基盤を崩壊させかねません。全国老人施設協議会は、各種調査で経営状況に大きなばらつきが見られるにもかかわらず平均収支差率だけで報酬のあり方を論じることは、現に厳しい経営実態のある事業もあり、サービス提供を維持する上で大きなリスクを伴うこと、仮に特養の報酬をマイナス6%とした場合、5割を超す施設が赤字経営となると、強く反対をしています。

 介護報酬が6%削減されれば本県への影響は極めて深刻であり、断固反対すべきと思うのでありますが、知事の御所見をお聞きいたします。

 医療・介護分野は、生活を支えるとともに、おおむね医療費の半分、介護費用の6から7割は人件費であり、雇用、経済政策にしても、本県にとっても極めて重要です。とりわけ本県の女性の就労者の3割は医療・福祉関係であり、全国平均の2割を大きく上回っています。

 高齢化が進む地方にとって、医療・介護の充実は地方創生の重要なテーマだと思うのでありますが、知事の御所見を伺います。

 第6期の介護保険料について伺います。厚生労働省の推計によると、40歳から64歳の介護保険料の2014年度の見込み額は月5,273円になり、介護保険制度が始まって以来初めて5,000円を突破しました。制度開始時の保険料は2,075円であり、14年間で2.5倍にはね上がっています。増大する負担に、政府も低所得者対策を導入し、みずから公平性を欠くと否定してきた一般財源の繰り入れを決定しました。このこと自体が、介護保険のスキームの限界を証明しています。今ある都道府県の財政安定化基金、市町村の介護給付費準備基金を活用して保険料の引き上げを抑える努力が求められています。

 財政安定化基金は、市町村の介護事業の赤字に対応するものですが、制度発足当初には活用されたものの、昨今は見通しが正確となり、ほとんど活用されていないのが実態です。可能な範囲での取り崩し、活用が求められます。市町村の介護給付費準備基金は、介護サービスの利用が計画に届かず結果として黒字になった保険料が原資ですから、3年前の本議会で答弁のあったように全額取り崩すべきものだと考えます。

 第6期の介護保険料の見通しはどうなっているのか、基金を活用し保険料を抑制することについて地域福祉部長の決意を伺います。

 次に、子供の貧困対策について伺います。9月議会で、重要な課題、実効性ある計画をつくるとの力強い答弁をいただきましたが、政府の子ども貧困対策推進法の大綱については、少なくない地方紙が、本気度が伝わってこないという厳しい指摘をしています。その理由は、子供の貧困対策は何より貧困の根絶が目標とされるべきですが、同法は政策目標を、健やかに育成される環境を整備するとだけ規定しており、貧困そのものの削減、根絶が目標となっていないことにあります。イギリスの子供の貧困法を参照したと言われていますが、貧困指標の設定とその削減目標の法定、政府及び自治体の対策大綱策定過程への当事者参加の法定など、取り入れられていません。

 以下、高知県の計画を実効性あるものにするために、子供の貧困対策大綱に基づく計画づくりの課題、問題点について具体的にお聞きします。

 最初に、知事に、子供の貧困に対する認識と解消に向けた決意を伺います。

 計画づくりで最も大事なことは、子供の貧困の定義、削減目標の明確化です。貧困対策を総合的に推進するという以上、これなしに施策の立案、施策への合意形成、検証評価が成り立ちません。

 イギリスの法は、4つの数値目標を定めています。相対的低所得に関する目標、低所得と物質的剥奪の複合に関する目標、絶対的低所得に関する目標、貧困の継続に関する目標の4つです。これらの目標の中で、所得、相対的貧困の数字だけでなく、ほかの子供が共有する生活体験が奪われている状態の克服、景気動向、中央値に左右されない指標、貧困の期間が長いほど世代間連鎖を招きやすいことに着目した指標など、子供の貧困を総合的に捉えた視点が極めて重要です。

 この視点の重要性と、県計画にどう反映させるおつもりなのか、知事にお聞きいたします。

 大綱の示す指標は、生活保護世帯に属する子供の進学率、就職率、ひとり親家庭の親の就業率、その子供の就園率、進学率、就職率を挙げています。進学、就職は大事なことですが、大綱の基本目標の筆頭に、「我が国の将来を支える積極的な人材育成策として取り組む」とされており、一人一人の価値よりも人材需要と効率的な育成が優先される懸念を覚えます。重点施策の大学進学項目では、意欲と能力がある学生がという前提がついています。貧困ゆえに意欲の獲得や能力の顕在化の機会を奪われるというリスクそのものの解消が目的となっていない、そういう不十分さがあります。

 ことし3月、学力・学習状況調査の結果から学力に影響を与える要因を分析した耳塚寛明お茶の水女子大学副学長による文科省の委託研究が発表されています。家庭所得と両親の学歴を加味した社会経済的背景に関する項目では、社会経済的背景が低い児童生徒が3時間以上勉強して獲得する学力の平均値は、最も高い層の全く勉強しないという児童生徒の学力の平均値よりも低いという衝撃的なものでした。報告は、こういう意味で学力格差というのは教育問題というよりは社会問題として把握したほうが正しいと考えますと指摘しています。

 きちんと食事が確保されていること、自分を表現できる服装ができること、一人になったり勉強に集中できる空間があること、本に親しんだりクラブ活動に参加できる環境があること、家族で芸術文化に触れたり旅行など外の世界に触れられることなど、子供の成長過程にどのような環境、資源が用意されているかが極めて重要だということです。

 貧困によるリスクの解消が最も重要であり、そのための指標と、部局を横断した総合的な推進体制が必要と思うのですが、地域福祉部長にお聞きいたします。

 大綱の別の指標は、スクールソーシャルワーカーなどの配置、就学援助制度に関する周知状況、奨学金の貸与基準を満たす希望者のうち貸与を認められた者の割合と、行政の実施状況の目安です。しかし、まずこれらの施策が積極的に役割を果たすかどうかが検証されていません。

 例えば、奨学金のほとんどは、卒業時に数百万円の借金を背負わす教育ローンです。仕送りも減少する中、借金もできるだけ少なくしたい、そうした重圧が、ブラックバイトが蔓延する原因ともなっています。無批判にこれらの施策を肯定すべきではありません。

 特に違和感のあるのが、就学援助の周知です。就学援助は、市町村で水準が違います。周知ではなく、その水準が十分なのか、そして必要な家庭が受けられているかを指標とすべきではないでしょうか、教育長にお聞きいたします。

 大綱には重要な指摘もあります。基本方針2は、「子供の貧困対策を進めるに当たっては、第一に子供に視点を置いて、その生活や成長を権利として保障する観点から、成長段階に即して切れ目なく必要な施策が実施されるよう配慮する」としています。また、「施策の実施に当たっては、対象となる子供に対する差別や偏見を助長することのないよう十分留意する」という内容も重要です。例えば、公的保育は子供の発達を保障する施策であり、多様な所得階層の家庭の子供が通園することで、スティグマを生みません。

 低所得者対策という視点ではなく、一般施策の充実の中で権利を保障する観点が極めて重要ではないかと考えるものですが、地域福祉部長にお聞きいたします。

 子供の貧困解消と逆行する動きが政府内部から聞こえてきます。第1は、生活保護の児童養育加算、母子加算の引き下げの懸念です。

 10月21日に開催された社会保障審議会第19回生活保護基準部会では、住宅扶助だけではなく、子供のいる世帯に対する扶助や加算についても短時間ながら議論が行われています。厚労省は、直ちに削減する意向を示したわけではありませんが、検討のためのたたき台を提出しています。児童養育加算においては、一般の夫婦子世帯における生活扶助相当支出額と均衡がとれるものとなっているか、母子加算においては、一般のひとり親世帯における生活扶助相当支出額と均衡がとれているかという比較検討の方法です。

 既にことし5月30日の財政制度等審議会に提出された参考資料では、夫婦子1人世帯、ひとり親世帯のいずれにおいても生活保護基準額のほうが一般低所得世帯より高いという結果を示し、「各種加算・扶助を加えた有子世帯の生活保護水準は、低所得の有子世帯の消費水準を上回っている。有子世帯の加算・扶助のあり方・水準について総合的な見直しが必要」と断じています。これは、生活保護水準にも達していない、あってはならない層をどう改善するのかの視点に立っておらず、子供の貧困対策推進に逆行しています。あってはならない層との比較をすること自体が大問題であり、比較自体が間違っています。

 生活保護基準は、モデル世帯との水準均衡方式をもとに決定し、世帯の構成が違っても、その基準を確保するために、子供がいれば教育扶助の適用、児童養育加算を行い、その2人親世帯の生活基準を維持するために、ひとり親世帯には母子加算を実施しています。低所得世帯との比較となれば、それは生活保護基準の決定のあり方の全面的な見直しを意味しますが、そのような検討はなされていません。

 本来あってはならない生活保護基準以下の世帯をなくすことが政治の役割です。しかも、ひとり親家庭の貧困率は先進国の中でも極めて高く、しかも就業すると貧困率が50.4%から50.9%と高くなる異常な構造が問題です。

 児童養育加算、母子加算の見直しは、子供の貧困解消に逆行しており、全く道理にかなわないと思いますが、地域福祉部長の考えをお聞きいたします。

 第2は、貧困が拡大する中、さまざまな課題に向き合って努力している教育現場で、35人学級をやめ、40人学級に戻す動きです。財務省が、現在行われている公立小学校1年生の35人学級を40人学級に戻すよう文部科学省に求める方針を財政制度等審議会に示しました。

 多くの自治体がその必要性を認めて、少人数学級の実施に努力しています。本県も限られた財源の中で取り組んでいます。地方自治体の動きに対し、国がおくればせながら踏み出した少人数学級は、小学校1年生だけで、2年生は未実施自治体への加配という極めて貧弱なものです。

 財務省は、小学校全体のいじめの認知件数や不登校、暴力行為の件数に占める小1の割合を、35人学級導入前の5年間と導入後の2年間について比較し、導入の前後でほとんど変わらないというデータを持ち出し、35人学級には効果がないと決めつけています。これは全く根拠になりません。子供の不登校や暴力行為には、貧困や競争教育の影響などさまざまな要因、背景があり、学級人数の問題だけで捉えることはできません。しかも、比較したのは導入直後のわずか2年間です。それをもって効果がないと結論づけるのは強引です。

 国に先立って少人数学級を実施した府県の調査では、明確に不登校や欠席者が減ったとの結果も出ています。いじめの認知件数がややふえたのは、むしろ学級の人数が減って教師の目が行き届くようになり、いじめが発見しやすくなった結果ではないかとの指摘もあります。きめ細かな指導という意味で35人学級のほうが望ましい、下村博文文科相もそうおっしゃっていますが、それは国民共通の願いです。

 財務省の持ち出したデータは、40人学級に戻す結論が先にあり、都合よく見えるデータを探し出してきた疑いが濃厚です。こんなやり方は、将来に重大な禍根を残します。40人学級復活方針は撤回すべきだと考えます。

 日本の教育への公的支出のGDP比は、OECD加盟国で5年連続して最下位です。先進国の中でも、少人数学級は極めておくれています。

 少人数学級の拡大に国が責任を果たすことこそが求められていると思うものです。知事、教育長それぞれに御所見をお伺いいたします。

 次に、とさでん交通について中山間対策・運輸担当理事にお聞きいたします。

 2010年2月議会予算委員会で米田議員が、生活物資の購入もままならない、いわゆる買い物難民問題を取り上げ、移動手段の確保は中山間地域のみならず高知市においても深刻となっていることを示し、その対策を求めました。知事は、「生活を支える移動の手段の確保というのは極めて重要な課題」、「高齢化先進県として、中山間地域のみならず都市部においても生じてきているこういう問題に対してしっかり対応していくことは重要」と答弁されていますが、生活の足としての重要な役割があります。

 また、公共交通を整備されることで気軽に出歩けることが、高齢者の生きがい、健康づくりにもつながります。例えば富山市は、LRTを中心にした公共交通網を整備しています。車両も低床のバリアフリーで統一するなどし、利用者は平日で約2.1倍、休日で3.4倍に増加しました。割引サービス「おでかけ定期券」の利用者を対象に調べたところ、65歳以上の平均歩数は6,360歩で、全国平均を1,000歩近く上回っており、富山市長は、歩数増加には健康増進の効果が認められており、医療費に換算すれば年間7,500万円程度の効果になると話しています。

 取り組みは世界からも注目され、ことし9月にはニューヨークの国連本部で報告を行い、10月には富山市でOECDと共催の国際会議を開かれています。地理的条件は違いますが、大いに学ぶべきものがあると思います。

 公共交通には生活者の権利保障、福祉の観点が不可欠だと思いますが、改めて高齢化先進県として公共交通の位置づけについて伺います。

 一方、経営環境については、9月議会では、人口減少もあり今後さらに厳しさを増すこと、そのもとで、県民目線による利便性向上の利用促進策により潜在需要を掘り起こし、増収を図るとともに、統合のメリットを生かした経費削減で、目標である3年目の単年度黒字化、実質債務超過の解消が図れるとの認識が示されました。

 経営改善の努力は必要ですが、経営改善は何よりも公共交通の責務を果たすためのものです。とりわけ全額自治体出資の会社として、福祉の増進に資することが求められます。

 事業再生計画に当たっては、公共交通としてどのような役割を果たすのかが基本になるべきです。車椅子の障害者やカートなどを押して歩行している高齢者も利用できるなど、生活者としての権利保障の観点、自転車での通学・通勤、観光などともリンクさせるなど、環境負荷の少ない社会づくりへの目標を持ち、PDCAサイクルをきかせて取り組む必要があると思います。

 県民の生活環境の改善としてどのような目標を持っているのか、お聞きいたします。

 3年後に黒字化するという経営目標に枠をはめられ、低床のバリアフリー車両への切りかえなど利便性向上の思い切った投資が抑制されているのではないかと懸念しています。移動権を保障する点では、命の道と命名し、生活者の権利保障として位置づけて、道路整備には今回の出資とは桁違いの公費を投入しています。

 今年度、国の地域公共交通確保維持改善事業として、地方公共団体がバス車両を購入して事業者へ貸与する公有民営補助が創設されました。地方自治体にバス車両更新費用の2分の1を補助する事業です。

 低床のバリアフリー車両への切りかえなど、交通弱者への権利を保障することに思い切った施策を展開すべきではないか、お聞きをいたします。

 次に、リマ水域に関して知事と水産振興部長にお聞きいたします。リマ水域は、日米安全保障条約締結に伴い、足摺岬沖約70キロメートルの地点に、高知県の面積に匹敵する約6,255平方キロメートルに及ぶ広大な海域をアメリカ軍事演習用に設定した水域です。1952年7月に漁船の操業制限に関する法律が告示されて以降、月曜日から金曜日まで通告なく、米軍、そして自衛隊の軍事訓練・演習が実施されています。海面はもとより海中での演習の回数は、私どもが調べたところ、昨年は200日以上となっており、その演習内容については何ら漁業者、県民には知らされていません。海域一帯は、カツオ、マグロ、キンメなどの好漁場と言われており、漁業者は一貫してリマ海域の撤廃を求めています。

 本県議会は過去5回にわたって、リマ演習区域解除を求めるなどの意見書を全会一致で採択し、政府に提出しています。直近の平成8年2月議会の意見書では、カツオ、マグロ、アジ、サバなどの宝庫で全国屈指の好漁場であるにもかかわらず、米軍演習及び同区域周辺における自衛隊の演習は、極めて厳しい漁業環境下の漁業者に耐えがたい深刻な悪影響を及ぼしていると、日米地位協定見直しと演習区域解除への強力な取り組みを求めています。

 尖閣諸島や小笠原諸島の海洋資源を守ることと同様、治外法権的に軍事演習域として一方的に奪われている広大な好漁場水域の撤去を図ることは、厳しい環境のもとにある高知県漁業関係者の長年にわたる悲願であり、産業振興施策のみならず、平和で豊かな海を守る県政上極めて重要な課題と考えるものですが、知事の撤去に向けての決意をお聞きします。

 漁業補償についてお聞きします。

 本水域や周辺水域に関しては、リマ海域や種子島、沖縄等、漁業補償事業の対象になっています。そのうち漁場喪失による漁獲減少や演習爆音による魚道攪乱、魚群散逸など漁獲に対する補償は、当初80%行うとの約束であったものが年々減って、今や30%になっている現状だとお聞きしています。

 年々減少している漁業補償について、政府に当初の補償を行うよう求めるとともに、新たな魚種としてキンメの漁獲を対象に加えるよう迫るべきだと考えるものですが、お聞きいたします。

 また、迂回航行による経費増も深刻です。高騰する油代も出さないなら我々の近くの漁場を返せとの漁業者の憤りの声が聞かれてまいりました。

 県として、南方漁場へ向かう際の迂回に費やされる経済的、時間的、労働的負担、油代や諸経費等への補償を政府に求める考えはないか、お聞きいたします。

 最後に、全国屈指の好漁場であるがゆえに、水域に隣接して操業することはやむを得ず、その際、演習における艦船の行動や航空機の飛来に常に留意し、不安の中での操業にある漁民の精神的不安と生産意欲減退に伴う損失は、直接的な漁場喪失に加えて大きいと言えます。

 米軍はもとより、自衛隊の全ての演習の事前通告と演習内容の事前公開を求めるとともに、精神的被害、意欲減退に対する補償を求めるべきだと思いますが、御所見を伺いまして、第1問といたします。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 吉良議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、安倍政権発足からの2年間で国民は貧しくなり格差が拡大したのではないかとのお尋ねがございました。

 安倍政権は、長引くデフレからの早期脱却と低迷する我が国経済の再生に向けて、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢を放ち、アベノミクスを進めているところであります。

 政府が先月25日に発表した11月の月例経済報告では、「景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている」とされており、私は、アベノミクスは全体として経済をよい方向に向かわせているものと思っております。また、消費税率の引き上げも、しっかりと財源に裏打ちされた持続可能な社会保障制度を確立するとともに、少子化対策などの構造的な課題に取り組み、若い人の暮らしを支えるための財源を確保するという点で、飲まざるを得ない苦い薬だと考えております。

 ただ、経済の好循環を生み出すためには一定の時間がかかりますし、加えて4月の消費増税に伴う反動減などもあり、現時点では、お話のありましたように、全国津々浦々にまで景気回復の実感が届いていないものだと受けとめています。また、いかなる経済政策も、よい効果とともに一定の副作用をもたらす可能性があり、その点への配慮も必要であります。

 国におきましては、企業の収益が雇用の拡大や所得の上昇につながり、それが消費の増加を通じてさらなる景気回復につながるという経済の好循環の実現を目指して、成長戦略などを着実に進めていただきますとともに、消費増税に伴う痛みの部分を緩和する低所得者対策、また現下の景気回復を図るための経済対策を実行していただきたいと思っております。その際には、地方に経済の好循環をもたらすという視点を特に重視していただく必要があるものと考えておりまして、そうした意味からも、有効な地方創生策の創設を望むものであります。私も引き続き積極的に政策提言をしてまいります。

 次に、物価上昇が県経済や産業振興計画に与えている影響についてのお尋ねがございました。

 本県の消費者物価は、昨年7月以降、前年比プラスで推移しており、直近のデータである10月の生鮮食品を除く総合指数で103.1、前年同月比2.8%の上昇となっておりますが、これは本年4月の消費税増税を踏まえれば想定される範囲内ではないかと認識をしております。一方、個人消費は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動や天候不順の影響が見られるものの、大型小売店販売額など、徐々に持ち直しつつあります。

 また、生産活動の面では、鉱工業生産指数を見ますと、業種によるばらつきが見られますが、全体としてはおおむね堅調に推移し、さらに雇用、所得の面では、有効求人倍率は引き続きかつてない水準で推移しており、雇用者所得も全体的には緩やかに持ち直しております。

 これら各種の経済指標を総合的に判断しますと、本県経済は基調的には緩やかに回復してきていると認識をしておりますが、まだまだ県民の皆様に景気の回復を実感していただけるような生産活動、企業利益、雇用者所得、消費の拡大の好循環には至っていないと考えているところであります。

 一般的には、物価の上昇は消費の手控えを招き、生産面でも原材料価格、物流コストの高騰につながり、売り上げが増加しなければ利益を減少させる要因となります。本県の事業者においても他県と同様に、物価の上昇による影響が及ぶものと思われますが、いずれにいたしましても、力強い経済体質にすることにより地産外商が隅々まで行き渡る、経済の縮みに対抗できる、そういう経済体質をつくり上げていくことが大事だと考えています。そして、それが産業振興計画の役割であります。

 本県では、これまでは全国の景気の回復の波に乗ることができず、全国の景気が回復しても、本県は全体としては外部経済とのパイプが細いために回復できなかった状況に、特に平成12年から22年にかけてあったわけであります。しかしながら、産業振興計画において、付加価値の高い商品づくりを進めて外商活動を積極的に展開してまいりました結果、従前に比べれば全国の景気に連動するようになり、有効求人倍率も過去最高水準にあります。

 加えて、これまでの取り組みの積み重ねにより、各産業分野を大きく動かすような本格的な取り組みに挑戦できるようになってまいりました。全国的な景気回復のトレンドともしっかりと連動して、多くの県民の皆様に県勢浮揚の実感を持っていただけますよう、官民一体となって産業振興計画を強力に進めてまいります。また国においても、こうした地方の取り組みを後押しし、経済の好循環を地方にもたらす実効性ある地方創生策の策定をされますよう強く求めるものであります。

 次に、自治体消滅論への認識についてお尋ねがございました。

 本年5月、日本創成会議・人口減少問題検討分科会は、いわゆる消滅可能性都市のリストを公表いたしました。このことをきっかけとして、全国で人口減少問題に対する危機感が広く共有され、少子化・人口減少問題が国家的な課題であることが強く認識されるようになりましたし、国におきましても、地方創生の中で、少子化、人口減少、地域の活性化の3つを歴代初めて三位一体の問題として捉まえ、対策を講じようとするなど、そのインパクトは大きく、意義のあるものだったのではないかと受けとめております。

 他方、この提言に基づくさまざまな御意見の中には、当初、若者に魅力ある地域の拠点都市に投資と施策を集中していくべきだという考え方が示されておりましたので、私も、中山間地域を初めとする都市以外の地域の切り捨てにつながりかねないのではないかと懸念をいたしまして、中山間地域と都市の共生や、本県が取り組んでいる集落活動センターのような小さな拠点の必要性を関係者に強く訴えてきたところでございます。こうした活動を通じて、関係者の皆様には一定御理解をいただいてきているのではないかと思っておりますし、先月開催されましたまち・ひと・しごと創生会議で示された総合戦略骨子案におきましても、中山間地域などにおける小さな拠点の形成といった項目が盛り込まれるなど、中山間地域の重要性は広く認識されつつあるのではないかと思っております。

 今後、国におきましては総合戦略を取りまとめることとしております。引き続きその動向を十分注視いたしますとともに、必要に応じて全国知事会とも連携して政策提言等を行うなど、中山間地域も大事にした地方創生となりますよう取り組んでまいりたいと考えているところであります。

 次に、行政需要の拡大に対応した財源確保についてお尋ねがありました。

 社会保障関係経費に加えまして、南海トラフ地震対策などの防災・減災対策や地域経済の活性化対策など、地方の財政需要が増大する中で、それに対応できるだけの十分な地方の税財源を確保していくことが必要であります。特に、歳入に占める地方交付税の割合が高いなど、本県のように財政力の弱い団体にとっては極めて重要な問題であると考えております。

 そのため、本県としましては、これまでも、地方の財政需要に対応した税財源が確保されるよう、国に対して強く訴えてきたところであります。具体的には、増嵩する社会保障関係経費を含め、今後の地方の財政需要について地方財政計画に的確に反映するとともに、地方の安定的な財政運営に必要となる地方交付税などの一般財源を十分に確保するよう、全国知事会などを通じて繰り返し訴えてきております。また、例えば南海トラフ地震対策に関しては、国の手厚い支援制度を盛り込んだ南海トラフ地震対策特別措置法の制定などを働きかけてきたほか、社会保障分野に関しては、地方独自の少子化対策を後押しする少子化対策強化交付金の創設を提言するなど、個別分野での財源確保につながる制度の創設も強く訴えてきており、本県の訴えてきた内容が一定実現してきているところであります。

 今後も、社会保障関係経費など地方の財政需要の増大が見込まれますことから、それに対応した十分な税財源がしっかりと確保されますよう、全国知事会などを通じて引き続き強く訴えかけてまいりたいと考えております。

 次に、地方自治の本旨からいって、国に対し少なくとも辺野古への基地移転計画を凍結することを全国知事会として要請すべきではないかとのお尋ねがございました。

 9月定例会におきまして、中根議員の御質問に対し、一般論として申し上げれば、地元自治体が反対しているにもかかわらず国が事業を強行するといったことが望ましくないのは言うまでもないとの答弁をいたしました。これは、国が何ら手続をとらずに事業を強行する場合は一般論として望ましくないとの趣旨であり、辺野古新基地建設に関しては苦渋の決断であったと察せられますが、当時の沖縄県知事が普天間飛行場周辺の県民の皆様の安全確保のために関係法令に基づき埋め立てを承認しているものと理解しております。

 既に沖縄県知事の承認があり事業が進められている中で、私から申し上げるべきことはありませんが、政府におかれましては、沖縄県民の皆様の不安な声をしっかりと踏まえ、丁寧な上にも丁寧な説明を繰り返していくことが必要ではないかと考えているところであります。

 次に、原発の再稼働の同意要件に対する認識についてお尋ねがございました。

 川内原発の再稼働の判断における自治体の同意については、法令等の定めにより付与されたものではなく、立地自治体の鹿児島県や薩摩川内市と九州電力との協定によるものと承知しています。伊方原発におきましても、愛媛県と伊方町が四国電力と協定を締結しておりますので、これに基づいて、事実上、同意なしには再稼働できないということになっております。また、伊方原発周辺に位置する八幡浜市などは、事前協議などについて定めた覚書を締結しておりまして、このように距離に応じて強い発言力を持つ形になっているということは合理的な姿だと従前から申し上げているところであります。

 なお、本県は、協定に基づいて地元同意する立場ではありませんが、四国電力に対して、勉強会を通じて安全対策の徹底を求め、県民の皆様が日ごろから心配されている原発の安全性に対するさまざまな疑問を率直にぶつけています。それに対して、四国電力も誠意を持って対応していただいているところです。このような形で、そのプロセスを公開の場で行うことで、本県においても住民の皆様や自治体の意向が十分尊重され、誰もが納得できる安全対策が講じられる状況を担保していきたいと考えているものであります。

 次に、地域医療構想の策定による本県への影響と必要な医療の確保についてお尋ねがありました。

 本県は、人口当たり病院数や病床数が全国で最も多いものの、医療資源が県中央部に集中している上、医療機関へのアクセスが不便な中山間地域が多いという特徴があります。また、高齢化や過疎化の進行とともに、高齢者の単身世帯が今後も増加することなどにより、しばらくは入院医療のニーズが増加していくことが予想されます。

 このような中、地域における効率的かつ効果的な医療提供体制を確保することを目的としまして本年6月に制定されました地域医療介護総合確保推進法における医療法の改正により、病床機能報告制度が10月に開始をされ、各医療機関から病棟ごとに急性期や回復期といった医療機能の現状と今後の方向性について御報告いただいているところであります。

 今後、この報告内容や地域の医療需要の将来推計等をもとに、医療機能ごとの病床数の必要量などを含む地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示す地域医療構想を平成28年度までに策定することといたしております。策定に当たりましては、先ほど申し上げた本県の医療提供体制の特徴を勘案しながら、地域の実情に応じて、その地域にふさわしいバランスのとれた医療提供体制を構築することが必要と考えておりまして、これまでも国に対し、全国知事会などを通じてこの点を提言してまいりました。

 現在国において、この地域医療構想の策定のためのガイドラインが検討されているところでありますが、現時点では、病床機能ごとの必要数の算定方式などガイドラインの具体が明らかになっておりません。このため、本県の医療にどのような影響が生じるか判断できる状況にはまだありませんが、地域医療構想の推進によって県民の方々が必要な医療が受けられなくなることがないよう、今後の国における検討の状況を注視してまいりたいと考えているところであります。

 介護報酬が6%削減されれば本県への影響は極めて深刻であり、断固反対すべきだと思うがどうかとのお尋ねがありました。

 国の財政制度等審議会の議論におきまして、介護サービス全体の平均収支差率はプラス8%程度と、一般の中小企業の水準であるプラス2から3%弱を大幅に上回っており、介護職員の処遇改善加算などの充実は図る一方で、介護報酬の基本部分の収支差を少なくとも中小企業並みとなるように6%程度削減することが必要との主張がなされていることは承知をいたしております。また今後、首都圏を中心にして、我が国が先進国でも例を見ないような超高齢社会を迎える中で、社会保障給付費は医療や介護などを中心に急激に増加することが見込まれ、介護保険制度の持続可能性を確保するためには、給付の伸びを国民の負担能力の伸びに近づける必要があるとの考え方も示されているところです。

 一方で、制度を安定して運営していくためには、地域の必要性に応じてその量が確実に確保される必要がありますし、その質についても充実が図られることが欠かせません。このため、行き過ぎた介護報酬の見直しにより、その量と質がニーズに十分に応えられないといった状況だけは避ける必要があります。年明けに予定されております介護報酬改定の決定に向けた議論の動向などを注視してまいりたいと考えているところでございます。

 次に、医療・介護の充実は地方創生の重要なテーマと考えるがどうかとのお尋ねがありました。

 本県において医療・介護分野で雇用されている方は、平成24年の調査で5万5,000人に上り、全ての産業種別の中で最も多くなっております。また、そのうちの約8割が女性労働者となるなど、医療と介護の職場は地域の雇用の場として、また女性活躍の場としても大きなウエートを占めており、高齢社会において医療・介護分野は、地域で安心して働ける仕事をつくり出す重要な産業とも言えます。

 一方で、地域のニーズに応じた医療・介護サービスを適切に確保していくためには安定的に医療・介護に従事する人材が確保されることが必要であり、今議会において、医療介護総合確保法に基づき、人材確保を含む医療・介護サービス確保のための財源として高知県地域医療介護総合確保基金の設置をお願いしているところです。

 こうした中、今後とも高齢化が進む本県にとりまして、ひとり住まいの高齢者の増加のことなどを考慮いたしますと、地域で安心して住める住まいの確保対策など、医療・介護と地域のかかわり、それを後押しする施策がますますその重要性を増してくるものと考えているところであります。このため、県としましても、配慮を必要とする高齢者などの住まいの整備と確保対策などについて、また、あったかふれあいセンターなどの地域資源を活用した入居者へのサービス確保策などについて、地域の課題解決に向けた新たな取り組みとして支援したいと考えておりまして、また結果として、そのことが地域での新たな雇用を生み出すことにもつながっていくよう仕組みを検討したいとも考えているところであります。

 今後とも、地域が必要とするバランスのとれた医療・介護サービスの提供体制の構築はもちろんのこと、介護や福祉の分野などでの地域の課題解決に向けた市町村などの自主的な取り組みを積極的に支援することなどを通じまして、医療・介護、そして地域の創生、よい相乗効果をもたらしていきたいと考えているところでございます。

 次に、子供の貧困に対する認識と解消に向けた決意についてのお尋ねがありました。

 子供の貧困問題は、経済的な困窮にとどまらず、子供たちのさまざまな可能性の選択肢を閉ざし、その結果として将来への夢と希望や人生を選択する機会を奪うことにもつながるなど、県としても課題解決に向けて早急に取り組まなければならない重要な政策課題だと認識をいたしております。このため、子供の貧困の実態などから目を背けることなく現実を真摯に見詰め直し、子供の貧困対策は本県の未来への投資であり、そして何よりも子供たち自身の未来への投資だと捉えた上で、子供たちが生まれ育った家庭の経済状況などに左右されず夢と希望を持ち続けて育つことのできる環境整備に向け、取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。

 次に、計画策定に当たっての総合的な視点からの支援の重要性と、県計画にどのように反映するのかといったことについてのお尋ねがありました。

 本県ではこれまでも、教育振興基本計画での学校教育における学力保障と就学支援などに向けた取り組みや、日本一の健康長寿県構想における次代を担う子供たちを守り育てる環境づくりなどを通じまして、子供たちの健やかな成長を支援してまいりましたし、ひとり親家庭の保護者などへの就労や経済的支援などにも積極的に取り組んでまいりました。

 今後は、こうした取り組みを、子供の貧困対策大綱で示されました教育、生活、保護者に対する就労、経済的な支援といった4つの分野で再整理を行い、大綱の基本方針で示されました貧困の世代間連鎖の解消に向けまして、きめ細やかで切れ目のない支援が行き届きますよう、総合的な視点に立った計画づくりを進めていく必要があるものと考えております。具体的には、子供の貧困率だけにとどまらず、大綱で示されました県計画に盛り込んだ施策の実施状況や効果を検証、評価するための子供の貧困に関する25の指標の改善に向け、本県の教育、福祉などに関する施策を25の指標と関連づけた上で、おのおのの効果もよく検証した上で、実効性がもたらされるよう、要すれば効果的な施策を追加的に盛り込むことなどによりまして、子供の貧困対策を総合的に推進してまいりたいと考えているところでございます。

 次に、少人数学級の拡大に向け、国は責任を果たすことこそが求められているのではないかとのお尋ねがありました。

 お話にあった財務省の主張は、いわゆる小1プロブレムに対して35人学級の効果が見られないので、財政的観点から40人学級に戻すべきではないかというものですが、教育は息の長い取り組みであり、たかだか一、二年の、しかも限られたデータのみをもって効果を云々するのはいささか乱暴ではないかと思います。また、過去の状況から効果を検証し判定することも重要なことではありますが、新しい学習指導要領、教育改革が目指すところの教育にとってどうあるべきかという未来方向から考えることも、それ以上に必要なことであります。

 特に、これからの社会を見たときに、思考力や判断力、そして表現力を育成することが重視されなければなりません。そのような力を育成する教育を進めようとした場合に、よりきめの細かい、一人一人の進度に応じた教育を展開していくことこそが重要であると考えます。

 これからの教育がどうあるべきかを考えれば、1学級当たりの人数は減らす方向にベクトルを向けるべきであると考えておりまして、私自身、文部科学大臣との意見交換会においてもこうした考え方を強く訴えてきたところであります。また、全国知事会におきましても、少人数学級の充実について国に対して求めているところでありまして、今後も国の動向を注視しながら、あらゆる機会を通じて少人数学級の継続や充実を訴えてまいります。

 最後に、リマ水域の撤去に向けての決意についてお尋ねがございました。

 リマ水域は、カツオやマグロの好漁場でありながら、軍事演習区域となっているために操業が大きく制限され、漁業生産面の損失を招くとともに、この水域を迂回することによる燃油コストの増大が生じるなど、本県の漁業振興の阻害要因となっております。こうしたことから県では、県漁連や関係漁協で組織されていますリマ種子島沖縄等対策委員会とともに足並みをそろえて、長年にわたり、演習区域の指定解除に向け国に要望をしてまいりました。

 このリマ水域は、日米安全保障条約に基づく法律により軍事演習区域に指定されたものですので、解除は困難であると受けとめておりますが、本県にとって大切な海域でありますので、引き続き国に対して指定の解除を求めてまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (地域福祉部長井奥和男君登壇)



◎地域福祉部長(井奥和男君) まず、要支援者向けの介護予防給付費の見直しに伴う新たな仕組みの本県への影響と認識についてのお尋ねがありました。

 要支援者に対する介護予防給付の新しい総合事業への移行につきましては、今後ひとり暮らしの高齢者世帯や認知症高齢者などが増加することなどを踏まえ、今から多様なサービス提供主体の参入を通じて地域特性を踏まえたサービスの確保が可能となるよう体制を整備しようとする趣旨の見直しだと認識をいたしております。

 今回の見直しを通じて、要支援者などの身体的機能などが低下した方が要介護状態となることを予防する事業などの充実が図られることにより、認定に至らない高齢者の増加なども期待され、結果として介護給付費の効率化といった面では一定の改善が図られるのではないかと考えておりますが、新制度への移行に伴いサービスの提供が確保できないといった事態だけは何としても避ける必要があります。このため、県としましても、あったかふれあいセンターなどを活用した新たなサービス提供拠点の整備や、新たなサービスの担い手となります意欲のある高齢者の人材養成研修などへの参加を積極的に支援するなど、地域の実情に応じたサービスの提供体制が整備されますよう、市町村への支援をこれまで以上に強化してまいります。

 なお、今回の見直しに伴う影響につきましては、現在、市町村において新しい総合事業への移行時期について検討中であることや、国において新たなサービスの単価設定の基準となります介護報酬改定に向けた議論が続いており、現時点での試算には至っておりません。

 次に、第6期の介護保険料の見通しと、保険料の上昇を抑制するための県と市町村に設置された基金取り崩しに向けた決意についてのお尋ねがございました。

 まず、第6期の介護保険料についてですが、現在、市町村において、これまでのサービス利用実績や新たな施設整備の計画などをもとに、今後のサービスの利用見込み量の推計作業が行われているところです。また、保険料算定の基礎となります介護報酬の単価につきましては、国において3年に1度の改定作業が行われているところですし、消費税率10%への引き上げが先送りされたことに伴い、低所得者の保険料の軽減措置の拡充策についても、財源確保の面から、その完全実施が流動的となっており、現時点では保険料の算定には至っておりません。

 次に、県と市町村に設置された基金の取り崩しによる保険料の上昇抑制策につきましては、まず県に設置された介護保険財政安定化基金ですが、介護保険法に基づき、市町村の保険財政が赤字になった場合に貸し付けや交付を行うために設置されたものであり、第5期のみの例外的な取り扱いとして、介護保険法の一部改正により、市町村の保険料の上昇を抑制するための取り崩しができることとされたものでございます。

 次に、市町村に設置された介護給付費準備基金につきましては、議員のお話にもありましたように、サービスの利用量が予想を下回ったことなどにより介護保険財政が黒字となった場合に積み立てを行っているものであり、国においても、次期計画期間に歳入として繰り入れ、保険料の上昇を抑制するために充当することも一つの考え方として示されております。このため、県としましても、第6期計画の策定に向けた市町村とのヒアリングの際には、準備基金の適正な取り崩しについて積極的な助言に努めているところです。

 次に、子供の貧困対策について、貧困によるリスクの解消のための指標と、部局を横断した総合的な推進体制についてのお尋ねがありました。

 子供の貧困対策につきましては、子供たちの将来がその生まれ育った家庭の事情などにより閉ざされ、結果として貧困が世代を超えて連鎖するといった貧困のもたらすリスクの解消に向け、子供の貧困に関する25の指標の改善が図られるよう総合的に取り組む必要があるものと考えております。

 このため、計画策定の際には、乳幼児期から就職に至るまでの間において、子供たちの意欲を引き出し、個々の能力が発揮できる学習・就学支援などといった教育面での支援策にとどまらず、大綱で示された4つの分野にわたる重点施策の総合的な推進が図られるよう留意しておく必要があります。あわせて、こうした重点施策を推進していくに当たりましては、県として早急に取り組まなければならない県政の重要課題と位置づけ、教育委員会や商工労働部などの関係部局との連携の強化を図りながら、本県の子供たちの貧困問題の課題解決に向け取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、子供の貧困対策を進める際には、一般的な施策を充実させる中で、子供の生活や成長の権利を保障するといった観点が極めて重要ではないかとのお尋ねがありました。

 子供の貧困対策を進めるに当たりましては、基本的には一般的な子供に関連する施策がベースとなり、子供たちの成長を育む環境や、教育、保育などが受けられる条件などが整備されていく中で、その改善と充実が図られることにより、世代間を超えた貧困の連鎖が断ち切られ、結果として子供の貧困問題の解消へとつながることが何よりも重要です。このため、子供の貧困に関する指標の改善に向けまして、計画に基づく具体的な施策を実施していく際には、生活保護世帯やひとり親家庭の子供、あるいは社会的養護を必要とする子供などといった、支援を要する緊急度の高い子供たちに優先的に施策を講じるような配慮が必要なのはもちろんのこと、差別や偏見を助長することのないよう十分に留意する必要があるものと考えております。

 最後に、生活保護制度における児童養育加算及び母子加算についてのお尋ねがありました。

 生活保護制度は、「国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という憲法第25条の規定を具現化するものであり、生活保護制度を国民の信頼に応えられるものとして維持・継続していくためには、その時々の経済状況の変化などに応じて検証と見直しを行うことは必要なことだと考えています。

 議員お尋ねの児童養育加算及び母子加算の見直しにつきましても、こうした趣旨から、現在、国の社会保障審議会生活保護基準部会において、その水準やあり方についての検証が行われているものと理解をいたしておりますが、先ほどの知事からの御答弁にもありましたように、県としましても子供の貧困対策を重要な政策課題と位置づけ取り組むこととしており、今後の国の動向などを注視してまいりたいと考えています。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、子供の貧困対策に関連し、市町村が行う就学援助についてのお尋ねがございました。

 まず、就学援助の水準につきまして、市町村によって援助対象となる費目が異なっているのは事実ですが、生活保護を受給している世帯に対する修学旅行費、また準要保護世帯に対する修学旅行費、新入学時及び進級時の学用品費や学校給食費は共通して援助されております。そのほかの例えば通学用品や校外活動の費用などについては、それぞれの市町村の実情に応じて援助されているものと受けとめております。

 県といたしましては、今後も市町村が安定的かつ充実した就学援助制度を運営していけるよう、全国都道府県教育長協議会などを通じて、国に対して十分な財政措置を講じるよう働きかけを続けてまいります。

 支援の必要な世帯に確実に就学援助を行っていくためには、こうした制度を住民の皆様にしっかりと周知していくことが重要であります。そのため、国の子供の貧困対策に関する大綱において、取り組み指標として、入学時や進級時に必要な書類を配付している市町村の割合が盛り込まれたものと受けとめております。

 指標としては、制度の周知状況ではなく、援助を要する世帯数に対する実際の支給状況とすべきではないかとの御指摘につきましては、必要な世帯に漏れがないようにとの御趣旨だと思いますし、そのことは大変重要と考えますが、就学援助はあくまで申請に基づいて実施する制度ですので、そういった形で数字を押さえるのは現実的にはなかなか難しいのではないかと思うところでございます。

 次に、少人数学級の拡大に向けての国の責任についてお尋ねがございました。

 全国的に、学力の問題に加え、不登校や暴力行為などの生徒指導上の課題が長年の懸案である中で、本県ではこれらの課題の解決に向け、平成16年度から全国に先駆けて少人数学級編制の取り組みを始めてきました。そして現在、小学校1、2年生及び中学校1年生に30人学級を、また小学校3、4年生では35人学級編制を実施しております。こうした取り組みを受けまして、各学校からは、きめ細かな指導が可能になり学力の向上や心の安定が図られるとの声や、子供個々の状況にも対応でき小1プロブレムの解消にも有効との声も寄せられております。

 また、これからの時代に求められる、みずから課題を見つけ、みずから学び、考え、主体的に判断し、問題をよりよく解決していく資質や能力を育むためには、教員が一方的に教え込むだけではなく、子供たち自身に考えさせる場面や他者と協働するグループ学習などを授業の中に適切に設ける必要があり、教員には、これまで以上に一人一人の児童生徒の状況を把握し、個に応じたきめ細かな教育を実施することが求められております。加えまして、近年、発達障害等により、学校の一斉授業にはなじめず、教員の手厚い配慮を必要とする子供たちが増加をしており、少人数指導のニーズは高まっております。

 こういった状況の中、財政的な制約を考慮せざるを得ない面はありますものの、特に義務教育段階においてはできるだけ手厚い教員の配置が必要と考えており、今後とも国に対し、全国都道府県教育長協議会等とともに少人数学級の充実、拡大を働きかけてまいりたいと考えております。

   (中山間対策・運輸担当理事金谷正文君登壇)



◎中山間対策・運輸担当理事(金谷正文君) とさでん交通についての御質問にお答えいたします。

 まず、生活者の権利保障や福祉の観点から、高齢化先進県としての公共交通の位置づけについてお尋ねがありました。

 路線バスや路面電車などの生活に身近な公共交通機関は、安全で快適な生活を送る上で欠くことのできない社会インフラの一つですが、人口減少やモータリゼーションの進展等により、地方の公共交通を取り巻く経営環境は年々厳しさを増している状況にあります。一方で、高齢化の進展などに伴い、公共交通を必要とする、自家用車などの移動手段を持たない、いわゆる交通弱者と言われる方々は増加しており、買い物や通院などのための移動手段として公共交通の役割は今後ますます大きくなってまいります。こうした背景のもと、公共交通に対する自治体の積極的なかかわりや責任が求められてきているところです。

 本県では、人口が集中する高知市を中心とした県中央地域においても、県民に最も身近な公共交通の維持が困難に陥ったという状況の中で、持続可能な公共交通ネットワークの実現を目指し、関係者の協力のもと、新たな枠組みでとさでん交通がスタートしたところです。バスや電車は県民の日常生活を支える大切な交通手段ですので、これまで以上に多くの県民の皆様に必要とされ、安心・安全に利用される公共交通機関となることが求められており、関係者が力を合わせて実現を目指していくことが必要であるものと考えております。

 次に、公共交通としてどのような役割を果たすかが基本となるべきだが、県民の生活環境の改善としてどのような目標を持っているのかとのお尋ねがありました。

 とさでん交通は、通勤や通学を初め県民の日常生活を支える交通手段として、多くの県民の皆様に利用され親しまれる存在となることが期待されております。そのためには、企画立案、実践を行う現場に常に利用者の声が届き、検討する仕組みが必要であるとの考えから、事業者と行政、有識者等で構成する中央地域公共交通改善協議会を立ち上げ、広く県民の皆様からの御意見やアイデアを募り、公共交通事業の改善を図っていくことといたしました。

 とさでん交通は、県民の皆様の日常生活を移動手段として保障し下支えをするものでございますので、今後、そうした場でいただいた御提案や利用データなどをもとに、利便性の向上や使い勝手のよい公共交通とするための取り組みを進めることで、県民の皆様の生活環境面の改善などにもつながっていくのではないかと考えております。

 次に、低床バリアフリー車両への切りかえなど交通弱者の権利保障をすることに思い切った施策を展開すべきではないかとのお尋ねがありました。

 持続可能な公共交通ネットワークを確立していくためには利用者にとって安全で快適な環境を整えていくことは大切なことであり、事業再生計画では、順次、路線バスの低床車両化を進め、導入率を現在の2割程度から5年後には5割程度まで引き上げる目標を立てるなど、計画的に車両のバリアフリー化を進めることとしております。高齢者や障害者などの交通弱者に配慮することは持続可能な公共交通を実現していく上で大切な視点ですので、事業再生や経営の健全化を進める中でそうした視点も踏まえ検討がなされるように、県としても注視してまいりたいと考えております。

   (水産振興部長松尾晋次君登壇)



◎水産振興部長(松尾晋次君) リマ水域について、まず政府に当初の補償を求めるとともにキンメダイを補償の対象に加えるよう迫るべきではないか、また南方漁場へ向かう際の迂回に費やされる燃料費などの補償を求めるべきではないかとのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えいたします。

 操業制限に伴う補償額につきましては、防衛省が毎年現地調査を実施した上で、リマ水域の設定に伴い減少した漁業所得を算定し、その8割を補償するとされております。その中には燃料費などの諸経費が含まれていると承知をしております。

 キンメダイにつきましては、補償の対象魚種に加えてほしいとの漁業関係者の要望がありますが、現時点では、漁場の形成が確認されていないことから補償の対象となっておりません。しかしながら防衛省は、リマ水域でキンメダイの漁場が形成されていることが確認できれば補償についての検討に入るとの見解も示しておりますので、県としましては、関係漁業者と連携して、リマ水域でのキンメダイの生息状況などの把握に努めますとともに、漁業の実態を反映した適正な補償が行われるよう国に求めてまいります。

 次に、演習の事前通告と精神的被害などに対する補償を求めるべきではないかとのお尋ねがありました。

 リマ水域では、月曜日から金曜日の午前6時から午後6時までの間において漁業の操業が制限されておりますが、演習についての内容は事前に知らされておりません。こうしたことが精神的不安にもつながっていると考えられますので、県としましては、漁業者の方々が安心して操業できるよう、演習に関する事前の情報提供を国に求めてまいります。



◆37番(吉良富彦君) それぞれありがとうございました。

 リマ水域のことについてちょっと私どもが調べたことも含めて御質問したいんですけれども、せんだって防衛省のほうにも伺わせてもらいました。直近の県議会の決議に地位協定の見直しという文言があったんですけれども、リマ海域は−−私たちが行ったときなんですけれども−−公海なんで、日米地位協定の領海などの対象外なんであって、軍事的利用は自由なんだという答弁をなされています。しかし、排他的経済水域なんで、それを軍事的利用して奪っているんで、漁業の操業あるいは一般航行の安全を図る上で決めているんで、そこには補償していくという考えなんですね。ですから、もしそこで事故に遭えばもう自己責任なんで、何の補償もされないんです。

 しかし、この県の漁業発達史を見ると、好漁場なんで、どうしてもその水域へ行くんですね。そうすると、常に心配しながら漁をしていると。常に不安の念立ち去らずというふうに書いておりますし、人命保全上、その精神的打撃も大きいというようなことも述べられています。ですから、この間、県がどのようにこの決議、県議会の決議を反映されてきたのか、向こうの答弁がどういう理由で、例えばその区域は外せないよだとかということが言われているのかというのを、ちょっと御報告をしていただきたいと思うんです。

 それで、県漁連を含めて協議をなさっているというんですけれども、例えば私たちはこのことについて、制限区域の優良漁場から外せということを、消滅させろということじゃなくて外せやと、好漁場なんで、そういうことを言ってどういう答弁が返ってきたのか。

 あるいは、実弾演習等やられているわけですから、海洋汚染などの水産資源に及ぼす実態をもう少し明らかにして追及していくということもなされているのかどうなのか。

 それから、特にカツオの最盛期の少なくとも3月から7月までは使用禁止、規制せえということを言っているのかどうなのか、あるいは言うべきじゃないかというふうに思うんですけれども、そこも一歩前進させていくような努力をしていただきたいと。これについてもちょっと具体的にどうなのか。

 それから私たちが聞いたときも、米軍のことは何もわからないんです。今回、秘密保護法が12月10日通ったんで、ますます秘密のベールにかかって、心配しながら操業せないかんってことになるわけですけれども、航空自衛隊が2013年が248日間、海上自衛隊が85日間、月々ずっと書いていますけれど、米軍は一つもわからないんですね。

 ですから、やはりこれは低空飛行の訓練のフライトプランと同じような訓練の通告を求めていく、もちろんさっき通告を求めているがということもありましたけれども、やはり求めていくということが必要だろうと思います。これについても、どういう理由で明らかにしないのかということもお聞きしたい。

 それから、県民世論にも訴えていくということが非常に大事だと思うんですね。県議会で5回も決議上げているんで、知事レベルの国に対する要望かと思ったら、どうもそうじゃないということが事前のお話の中ではあったんですね。

 まだ部長レベルだというふうに聞いているんですけれども、それはやっぱり知事のところで防衛省に対してもしっかりと県民の利益を守ると、漁業者の不安を解消していくということで、先頭に立って求めていくということが必要だと思うんですけれども、そういう、5点ぐらい述べさせてもらいましたけれども、ぜひ答弁をしていただきたいと思います。2問です。



○副議長(桑名龍吾君) どなたに対する質問ですか。

   (37番吉良富彦君「ひとまず部長のほうでお願いいたします」と言う)



◎水産振興部長(松尾晋次君) 演習区域の早期指定解除につきましては、随分前から漁業団体と足並みをそろえて早期解除についての要望は毎年行ってきております。その中で、この区域は、先ほども知事からも答弁いたしましたように、日米安全保障上の重要な区域であるからということで、なかなか難しいというお答えをいただいております。

 具体的にもうちょっと中身として、例えばカツオなんかを−−3月から7月まで禁止すべきだというような踏み込んだ内容でというお話もございましたが、それにつきましては、具体的にそこまで漁業団体と話をしたことはありませんので、どういうやり方があるのかというのはまたいろいろ意見も聞いて対応もしていきたいと考えております。

 それと、通告を求めていくべきだということでございますが、先ほど答弁させていただいたとおり、求めてまいりますけれども、これまでも、先ほどの安全保障上重要だということで、なかなか事前の内容通告については難しいというお返事でございます。

 それと、知事レベルでやるかどうかというのは重要な問題でございますので、また庁内で協議もして対応もさせていただきたいと思います。

 以上でございます。



◆37番(吉良富彦君) 知事ね、やっぱりこれは知事レベルで国に対してきちっと要望もしていくということが必要だと思うんですけれども、御答弁をお願いしたいと思います。

 それから、要望ですけれども、この件じゃなくて子供の貧困対策について、現時点での施策がどうなのかってことまでやっぱり一歩踏み込んで、教育長、奨学金の問題も含めて、今ある実施施策が本当に妥当なのかどうなのかも含めて踏み込んで検討していくってことが必要と思いますので、ただ、今あるものを認めた上でってことじゃなくて、そういう形での一歩踏み込んだ対策もお願いしたいと思います。

 以上で全て私の質問を終わります。



◎知事(尾崎正直君) 私レベルで行くことについて検討してみたいと、そのように思います。



○副議長(桑名龍吾君) 暫時休憩いたします。

   午後2時35分休憩

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   午後3時再開



○議長(浜田英宏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 4番坂本孝幸君。

   (4番坂本孝幸君登壇)



◆4番(坂本孝幸君) 自由民主党の坂本孝幸でございます。議長のお許しをいただきましたので、順次質問をさせていただきます。

 まず、地方創生についてということでございます。

 衆議院議員選挙の結果、私たち自民党に対する国民の大きな期待の度合いというものが明らかになりました。これと同時に、地方での景気回復ということが日本の国家としての課題となって現出し、今後は地方創生ということに国を挙げて取り組むことになりました。

 地方創生に関して、政府や都道府県、市町村の役割を定めるまち・ひと・しごと創生法のもと、人口減少に悩む地方の人口対策として、若い世代を中心とする東京圏への人口流出に歯どめをかけ、東京から地方への新たな流れをつくるために、若者が定住、移住できる地方の拠点づくりや、雇用の創出、生活環境の整備、そういったものを積極的に行っていく方向でございます。

 ただ、地方都市や農山漁村においては、この地方創生の火つけ役となった日本創成会議の問題提起が依然として強い衝撃となって残っているような気がいたします。全国の市町村の約半分がなくなる、いわゆる地方消滅、自治体消滅論であります。具体的な市町村名を挙げて行われたこの問題提起は、名指しされた市町村長に大きな不安と衝撃とを与えているのが現状でございます。

 今回の地方創生への取り組みは、地方の農山漁村や条件不利地域における諦めや不安を払拭することが第一のステップになろうかと思います。その上で、人口は少なくても、地域の歴史や文化に対して誇りを持ってそれを維持継承し、将来に向け受け継いでいこうという試みや、地域を自律的につなぎ、地域内外とも連携し、地域の可能性を開こうとする試みを積極的に評価し支援することがなければ、地方の創生はないものと考えております。

 現下の地方経済の疲弊、米価暴落と酪農の危機、円安による物価高とそれに伴う中小企業や農林漁業あるいは県民生活への影響を見れば、消費税10%への引き上げが先送りされたことは、私たち地方における県民生活の実態からすれば、選択すべき流れであったとも言えます。しかし一方では、ふえ続ける社会保障費の財源をどう確保するのかが課題として残っております。また、毎年多くの新規国債を発行しておりますが、ここにも財政赤字を抱える日本の厳しい状況が反映されているように思います。

 地方創生は雇用と保健・医療・福祉でという私の立場から、順次質問を行わせていただきます。

 消費税増税先送りと財源確保に対する知事の所見をまずお聞きいたします。

 国債の長期金利の上昇が懸念されておりますが、本県の財政運営に与える影響について総務部長にお聞きいたします。

 今後、本県のような地方における経済対策をどのように行っていくかということが課題になってまいります。11月21日、人口減少を克服するためのまち・ひと・しごと創生法案など地方創生関連2法案が成立いたしました。まち・ひと・しごと創生法は、平成27年度から5年間の総合戦略の策定を明記しておりまして、東京への一極集中や人口減少の是正に向けて、雇用の創出や子育て環境を整備することを基本理念としております。いわゆるローカルアベノミクスの実現が今後の焦点となってまいります。

 国では、人口減少の克服、地域経済の活性化を進める地方創生の一環で、地方の主体的な取り組みを支援することを明らかにしておりますが、地方創生を進める中で重要なことは、特徴のある地方をいかに形成するのかという点にあろうかと思います。

 そこで、知事にお聞きいたしますが、地方が真に求める地方創生とはどのようなものであると考えるのか、また地方創生を進める上で、特色ある地域づくりのためにどのような方向を目指そうとするのか、あわせてお聞きいたします。

 また、本県における総合戦略はどのような内容に組み立てていくのか、知事にお聞きいたします。

 特色ある地方を考えるとき、本県では、基幹産業である農業を初めとする第1次産業を基軸に考えることが重要だと思います。現在の第1次産業の到達点と不足点についてお聞きいたします。また、不足点改善のために今後何をしなければならないのか、あわせて農業振興部長、林業振興・環境部長、水産振興部長にお聞きいたします。

 アベノミクスについての検証も必要でございます。2%の物価上昇目標のもとで、確かに物価は上がっておりますし、高知県の最低賃金も677円となりましたが、過度の円安が国民、県民生活の前に横たわっております。

 12月8日、内閣府発表の7月から9月期のGDP速報値は、実質で前期比0.5%減、このペースが1年間続くとした場合の年間換算で1.9%減と、2四半期連続のマイナス成長となりました。消費増税で個人消費が伸びなかったことや、企業の設備投資の不振などでの景気の低迷が要因とされております。

 地方と都会との格差も拡大しております。一部企業の好景気の一方で、生活物資を中心とする個人消費の低迷が日本の景気回復をおくらせておりますが、最近の円安に伴う原材料費の高騰が、農林漁業という1次産業や商工業分野において大きな負担を生じさせているのが現状でございます。

 そこで、知事にお聞きいたします。アベノミクスについて知事はどのように評価しているのかをお聞きいたします。

 円安が及ぼす本県の商工業分野、農業・水産業分野への影響と対応について、商工労働部長、農業振興部長、水産振興部長にお聞きいたします。

 今回の衆議院選挙後に議論が加速するのは、農業委員会、農業生産法人、農協の一体改革、そういったことでございますけれども、まず一番大事なことは、今後どのようにして農業・農村の所得を倍増させていくのかということであろうかと思います。さきの地方創生国会の中で、安倍総理は、地方の声を徹底して聞いていくと言っておりまして、本県では特に、強い農業、農業の成長産業化ということが急がれているところでございます。しかしその前に、米価の超低価格時代をいかに脱するのか、地域農業が持続できるための具体的な対応というものが今求められているところでございます。

 米価の低価格時代についてどのように認識し分析しているのか、またことしのような特別な低価格状態に対してどのように対応するのか、あわせて農業振興部長にお聞きいたします。

 競争力のある農業の実現、成長産業化ということは、今後の本県農業振興の上からも非常に大事なことであります。ことし4月から建設に取りかかっている四万十町の次世代園芸施設は、今後の本県農業のモデルとなるものであり、期待しているところであります。

 この団地で生産技術として活用される環境制御技術は、次世代型こうち新施設園芸システムとして、これからの本県施設園芸の主流とすべきものであるとともに、地方創生にも寄与するところから、強い農業、農業の成長産業化を図る上でも非常に重要なシステムであると考えます。今後の課題は、本県の実情を踏まえた速やかな普及をいかに図るかということであります。

 強い農業、成長産業化といった点から、次世代型こうち新施設園芸システムを普及させるための課題と、実現していくための具体的施策及び将来展望について農業振興部長にお聞きいたします。

 その一方で、これまで具体的に議論されていないのが兼業農家への対応であろうかと思います。平野部が多い南国市を例にとりますと、農家の55%が兼業農家でありまして、当然、経営規模が狭小で、農地も分散されているところでございます。農地整備などによって担い手農家への農地の集積を進めないと、遊休農地の拡大というものが非常に懸念される状況にございます。また、中山間地域の狭小な段々農地では、農地整備をしないと、競争力のある農業を実現することはとてもではありませんができません。

 平野部や中山間地域での農地整備における課題と今後の対応について農業振興部長にお聞きいたします。

 地方の創生をなし遂げるためには、人口減少が地域経済の縮小を呼び、地域経済の縮小がさらに人口減少を加速させる、そういった負のスパイラルを断ち切ることが不可欠であります。そのためには、地域で雇用を確保することが何よりも重要でありまして、地域内に働く場所を行政と地域企業との官民協働でつくり上げるという大胆な発想が必要であると考えます。

 これに真正面から取り組んでいるのがまさに産業振興計画でありまして、地域アクションプランなどの取り組みによって地域に新たな産業をつくり、雇用の増加や所得の向上といった成果も出ているところでありますが、産業振興計画ではこれまでどのような取り組みをし、また今後どのように強化を図っていくのか、あわせて産業振興推進部長にお聞きいたします。

 また、都市部から農山漁村に移住を望む人の多くが、生活を続けるための仕事を求めていることが明らかになっております。これは8月9日の内閣府の発表によりますけれども、そういった地方での仕事が必要であるということが明らかになっているところでございます。移住先で仕事につけるかどうかわからない、そういったことがあって、定年退職後の定住を望む声もあります。

 定住するために必要な要素として、医療機関が存在すること、アンケート調査ではこれは68%出ております。生活を維持できる仕事があるということ、これも62%という結果があります。こうしたことからいたしますと、今後の移住を拡大する上で大事なことは、中山間地域に仕事を生み出すということであります。これは中山間地域の人口確保の上からも非常に重要なことであります。

 地方創生という新たな流れの中で、中山間地域での産業創出のための課題と今後の取り組みについて産業振興推進部長にお聞きいたします。

 都市から地方に移住して地域づくりに協力している地域おこし協力隊の活用が大きな成果を生んでおります。任期後の隊員の定住や就農などで本県に移住してもらうための定住条件をどのように整備するかが重要であります。

 任期後に本県に定住する地域おこし協力隊の現状と定住に向けての取り組みについて中山間対策・運輸担当理事にお聞きいたします。

 一方で、地方では都会に比べて子育てなどで親族の支援を受けやすいということも考慮する必要がありますし、保育や医療の充実が出生数増加へと結びつくものと思われます。保育や医療の充実が出生数増加や定住者受け入れに有効であることは検証されておりますが、子育て世代への支援策として、保育所、幼稚園の保育料の無料化について私は提案したことがございます。今議会でも、高知県議会決算特別委員会から、無料化の対象となる子供の範囲を拡大するなど全国に先駆けた特色ある子育て支援を望むとの報告が行われました。

 これらの経緯も踏まえて、今後高知県では保育所、幼稚園の保育料の無料化についての検討を行うのかどうか、教育長にお聞きいたします。

 次に、地方創生は雇用と保健・医療・福祉でという立場から、医療費の削減についてお聞きいたします。

 医療費の動向について見てみますと、平成23年度の国民医療費確定値は、前年度より3.1%多い38兆5,850億円でした。ちなみに本県は3,020億円であります。1人当たりの額も3.3%増の30万1,900円となっておりまして、5年連続の増加で、過去最多を記録しております。

 平成25年11月に厚労省が発表いたしました医療費は、公的な保険で使われた保険料、税金、患者負担を合算したものでありまして、健康診断、予防接種などは含まれておりません。また、医療費のうち、国保であれば患者負担が原則3割で、残りは保険料と税金で半分ずつ賄っております。

 都道府県別の1人当たりの医療費ランキング、これを見てみますと、医療費平均額の第1位が高知県でございまして39万8,000円、長崎の37万3,000円、鹿児島県の37万円と続いております。また、入院患者の費用について見てみますと、第1位はやはり高知県でありまして18万3,000円、2位が鹿児島県の16万9,000円、3位が長崎県の16万3,000円でございます。

 このように毎年2%から3%のペースで増加し続ける医療費については、国でもその抑制策を講じているところでありますが、厚労省は10月29日の社会保障審議会で、市町村が運営する国民健康保険、国保の都道府県単位への移行後も、現行どおりの一律の保険料とせず、医療費削減や保険料の納付率向上への取り組みの有無を保険料の算定に反映させるという案を示しております。すなわち市町村の取り組み次第で保険料が下がる仕組みに見直すというものでありまして、これによって市町村の意欲を引き出そうというものであります。

 国保の都道府県移管をめぐる動きの中で、慢性的な赤字が続く国保財政の改善は地方創生の中でも重要な位置を占めるものと考えるところから、これの軽減、解消策の実行は、健康長寿県構想を進める本県にとっても非常に重要なテーマとなることに疑いはありません。そのような視点から、医療費削減についての質問と御提案を行いたいと思います。

 医療費の現状につきましてはさきに話したとおりでございますが、この削減についてはなかなか具体的、効果的な対策がとれずに推移しているように感じます。医療費高騰という国家的課題を認識はできておりますけれども、全国的にこれの軽減、解消ができずに、悲観論だけが先行しているのが現状であります。

 医療費削減ということが議論されるときには必ず、特定健診受診率の向上、特定保健指導の実施、メタボリックシンドロームの減少、そういったことが言われますけれども、今後はこれらに加えて、ジェネリック医薬品の使用推進や、重複あるいは頻回受診の指導、そういったことも重要になるのではなかろうかと思います。

 そこで、健康政策部長にお聞きいたします。本県の特定健診受診率、特定保健指導実施率、メタボ減少、ジェネリック医薬品の使用に関する目標値と達成の現状及び課題についてお聞きいたします。

 医療費適正化の推進に取り組む本県ではありますが、実は推進上のさまざまな課題が残っていることについては、先ほど申しました視点の不足のあることがわかってまいりました。特定健診受診率については上昇傾向にはあるものの、70%という目標達成にはほど遠うございますし、市町村国保の実施率も低うございます。また、40代、50代及び被扶養者の実施率も低い、そういった課題もございます。特定保健指導実施率もアップの傾向にはありますが、目標達成にはまだ遠うございます。ジェネリック医薬品使用についても、平成25年の使用割合は全国平均47.9%でありますが、本県では43.2%、全国平均に届いておりません。重複・頻回受診については、PDCAの確実な推進や効果額の公開検討なども不十分な状態にあります。

 これら課題の軽減、解消には、データを利用し、しっかりとした分析手法を活用して、医療費軽減への明確な根拠を設定すべきと考えるところでございます。以下、医療費適正化を進める本県においても大変参考となる医療費軽減モデルを簡単に御紹介いたしたいと思います。

 これは一口に言うと、レセプト、健診データ、アンケートなどによって集積した地域情報を相関分析することで費用対効果を上げていくということでございます。例えばジェネリック分析の場合、どのような県民が医療費削減効果が高いのか、どのような県民が慢性疾患以外の隠れ高コスト薬を使用しているのか、どのような県民にジェネリック医薬品を勧めればよいのか、そういった分析を行うことで医療費削減に向けた具体的な取り組みを始めることができますし、効果的なPDCAサイクルを確立できるわけで、こうしたことが医療費削減への具体的な出発点になっていくものと考えております。

 実は、私の住む南国市の稲生という地域に、平場では初めての集落活動センターでありますチーム稲生というグループができました。ここでPDCA推進体制を確立したいという声が上がっておりまして、短期施策として、1年から3年ぐらいでジェネリック分析、重複受診者分析、ライフスタイル別傾向分析、そういったものを行って、その後は南国市全域における同様の分析を行いたいとしております。また、中期施策として、3年から5年ぐらいを費やしまして、疾病、健診の状況レポート、医療費の状況レポート、介護費の状況レポート、そういった現状分析を行って、今後5年間の1人当たりの医療費や疾病別医療費、疾病別1人当たりの医療費などについての将来予測も行いたいということであります。

 このようにデータを利用して明確な根拠を示しながら医療費削減に向かい合う地方行政の事例を聞いたことはありませんが、東京葛飾区では、生活保護者1万人を対象にジェネリック代替効果分析というものを行った結果、約16%の高コストグループが医療費全体の46%を占めていた、そういうことがわかりました。そのグループをジェネリックに全てが置きかえることができれば医療費約1億6,000万円が軽減できる、そういった試算もされているところでございます。

 こうした医療費削減に向けた市町村住民の方々の努力について、県としてどのように評価するのか、健康政策部長にお聞きいたします。

 医療費の削減は、消費増税の先送りという政府方針の中でますます重視すべき課題となってきたわけですが、社会保障の財源を確保するためには、まず景気を回復すること、そして無駄をなくするということ、その上で国民、県民の負担をお願いするという順序になろうかと思います。

 南国市稲生地区では今後、ジェネリック利用の分析、社会活動と医療費との相関関係、高齢者生活実態調査と医療費の相関分析、頻回受診者の抽出、そういったものを行って、ジェネリック利用向上施策の立案や社会活動推進策の立案、あるいはチェックリストの予防指導への応用などで、医療費削減の手法を模索することとしております。さらに次の段階では、南国市全体での医療費削減策を実施する方向で取り組みを進めたいとしております。

 チーム稲生における取り組みは医療費適正化のよいモデルとなるものと言えるわけですが、県としてこうした取り組みをどのように支援していくのか、健康政策部長にお聞きいたします。

 これまで申しました医療費適正化への具体的なアクションは、本県にとっても、また財政問題を抱える国にとっても非常に重要な試行であります。私は、PDCAに基づく医療費適正化について、国に対してもしっかりと提言できる高知発の医療モデルの必要性を感じております。

 日本一の健康長寿県づくりを掲げる高知県が、本県発の医療モデルを考案し、医療費適正化の先進県となることを目指すのであれば、具体的にどのような形で取り組みを進めようとするのか、知事にお聞きいたします。

 次に、狩猟税の廃止ということについてお聞きいたします。

 狩猟税の廃止につきましては、本県の狩猟に関係する個人、団体からも強い要請が行われているところでありますが、政府では、来年度の税制改正で、都道府県が狩猟者から徴収している狩猟税を廃止する検討を始めております。

 狩猟税は、狩猟に使用する銃やわななどの狩猟方法に応じて支払われておりまして、ここでの税収は鳥獣保護や有害鳥獣駆除、そういったことの財源にもなっているところでございます。一方、有害鳥獣を駆除した上で狩猟税まで支払うのは狩猟者にとっては負担が大きいということで、これまでにも狩猟税廃止を求める声が大きかったのが実情であります。

 狩猟の現場では、野生動物に農作物を荒らされる被害が深刻でございまして、農水省発表では、平成24年度農作物被害額230億円。本県でも、平成25年度被害額3億2,400万円、平成24年度3億6,000万円となっておりまして、鹿、イノシシの被害が全体の7割に及んでおります。また、狩猟者の高齢化が進んでおりまして、今後、若い狩猟者の確保も必要となっております。

 以下、狩猟税の廃止という点から質問を行います。

 本県における狩猟税収の現状について総務部長にお聞きいたします。

 狩猟税廃止についての総務部長の所見をお聞きしたいと思います。

 若い狩猟者の確保については、これまでにも再三議論もされてきましたが、さほどの効果の得られていないのが実情であります。若い狩猟者確保のためにどのような努力が行われてきたのか、中山間対策・運輸担当理事にお聞きいたします。

 狩猟者確保のために数値目標など設定されて取り組みが行われているのか、中山間対策・運輸担当理事にお聞きいたしまして、私の第1問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 坂本議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、消費増税の先送りと財源確保についての所見につきお尋ねがございました。

 消費増税の考え方につきましては、先月開催されました国の、今後の経済財政動向等についての点検会合におきましても私の考え方を申し述べてきたところであります。

 その中で、第1に、高知県のような地方では、例えば本県の年間商品販売額が生産年齢人口の減少と軌を一にして平成9年からの10年間で約2割減少したことや、平成19年から25年の比較では倒産件数は4割減少しているものの、後継者不足などによって休廃業件数が倒産件数の6倍以上になっていることなどからもわかりますように、時々の景気のよしあしよりも、長期間にわたる人口減少による経済の縮みのほうの影響が大きいということ。第2に、この構造的な問題は年を追うごとに悪化していくものでありますことから、これに対する抜本的な対策、すなわち少子化対策、安定的な社会保障制度の確立、地方創生の推進などといった対策を早期に本格的に講ずることが重要であること。第3に、例えば少子化対策として期待されている子ども・子育て支援新制度には1兆円超かかることなどを踏まえれば、そのための財源確保を図る必要があり、構造問題に対応していくため、消費増税はそのための飲まざるを得ない苦い薬だという趣旨を述べてきたところであります。

 消費税率10%への引き上げを平成29年4月に行うことを公約に掲げられましたことは、こうした構造的な問題への取り組みを先延ばしにしないことを明示したものであり、私としては、行くべき道だと評価しているところであります。他方、今回の消費増税の18カ月間の先送りによりまして、消費増税による財源を充当する予定であった医療・介護や子育て支援など社会保障制度の充実がどうなるのか、大変懸念をしているところでございますが、与党の公約では、平成29年4月までの間も子ども・子育て支援、医療・介護等の充実を図る旨が明記されております。

 消費増税の実施時期が明確になり、その時期までに、不足する財源の額も明らかになりますことから、今後の予算編成を通じて事業の内容や財源などが示されるものと考えております。その動向を注視してまいりますとともに、必要に応じまして引き続き政策提言を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 次に、地方が真に求める地方創生とはどのようなものであると考えるか、また地方創生を進める上で、特色ある地方づくりのために本県としてどのような方向を目指すかとのお尋ねがございました。

 本県を初め地方は、人口減少による経済の縮みが若者の県外流出や後継者不足を招き、これが、本来なら出生率の高い中山間地域を真っ先に衰退をさせ、過疎化、高齢化とともに少子化が加速し、さらに人口減少に拍車がかかるとの負の連鎖に陥っていると認識をいたしております。

 こうした地方が置かれております厳しい状況を考えますと、今回の地方創生は、これまでのように単に地方の活性化策を講ずるということのみならず、東京一極集中や少子高齢化など構造的な課題に正面から向き合い、税制などを初め国の仕組みそのものを大きく変えることにより人口減少に歯どめをかけ、将来にわたって活力ある日本社会を目指していく必要があるものと考えます。そのためには、地方がそれぞれの地域の実情に即した取り組みを進めていくことはもちろん、国におきましても、東京一極集中の是正など国としての役割をしっかりと果たしていただくとともに、地方の個々の取り組みへの財政的な支援だけではなく、地域の多様な主体の多様なニーズ、これに対応できる間口の広い総合的な政策群を構築し、地方を支援していただくことが重要だと考えているところであります。

 このように、国と地方が連携をとって取り組むことで、若者にとって魅力のある仕事を地方につくり、若者が地方にとどまるとともに、都市から地方への人の流れもつくる、そして子育て支援などにも取り組み、中山間地域であっても若者が住み続けることができるようにする、こうした好循環をつくり、人口減少の負の連鎖を断ち切ることが、地方が真に求める地方創生だと思っているところであります。

 本県におきましては、全国に先駆けて人口減少や高齢化が進む中、経済の活性化を初めとする5つの基本政策と、中山間の充実強化など、基本政策に横断的にかかわる政策に取り組んでまいりました。その中では、人口減少に伴う足元のマーケットの縮小に対応するため、産業振興計画に基づきまして、川上から川下までの一連の流れを見据えた地産外商や移住の促進、さらには地域地域が置かれている状況や特色にも意を用い、地域資源を活用した地域アクションプランの推進などにも積極的に取り組んでいるところでございます。特に、人口減少や高齢化が著しい中山間地域では、その対策として、あったかふれあいセンターの整備や集落活動センターの普及拡大など、地域の福祉や活性化の拠点づくりにも取り組んでおります。

 以上の取り組みに加え、さらに独身者の出会いの場が少ないという地方独自の課題も踏まえ、出会いのきっかけづくりなどやワンストップの窓口づくりなど、少子化対策も強力に進めようとしているところでございます。

 このように、本県においてはこれまでも、県全体の構造的な課題、さらに地域地域の課題をしっかりと捉え、人口減少の負の連鎖を断ち切るための対策を講じ実践してきているところであり、その意味では、現在本県が進めている政策こそが地方創生を進める上で本県が目指すべき方向だと私は考えているところでございます。

 次に、本県における総合戦略はどのような内容に組み立てていくのかとのお尋ねがございました。

 まち・ひと・しごと創生法では、都道府県は国の総合戦略を勘案して、当該都道府県の実情に応じたまち・ひと・しごとの創生に関する目標や講ずべき施策等に関する基本的な方向を定めた総合戦略を策定するよう努めなければならないことになっております。

 人口減少、高齢化に全国に先駆けて直面した本県では、人口減少や高齢化に伴うさまざまな課題を真正面から受けとめて、全国に先んじてこの困難な課題に立ち向かってまいりました。先ほど申し上げましたことと重複いたしますけれども、人口減少に伴う経済規模の縮小に対しましては、地産外商戦略によって県民の皆様の所得を守ることなどを中心とした産業振興計画を推進いたしますとともに、過疎化、高齢化の同時進行による孤立化に対しては、日本一の健康長寿県構想の推進によるあったかふれあいセンターの整備などの高知型福祉の実現を目指しております。特に人口減少の影響を受ける中山間地域においては、地域の拠点となる集落活動センターの設置を進めますとともに、加速化する少子化に対しても、ライフステージに応じた課題をワンストップで総合的に支援するなど、対策を抜本的に強化をしてきております。

 このように、本県では既にまち・ひと・しごとの創生に関する取り組みを、県を挙げて総合的に進めてきており、この本県の取り組みを踏まえ、国に対しても、本県の強力な追い風となってもらいたいとの思いを込め、政策提言を行ってきたところであります。

 産業振興計画を初めとするこれらの計画や構想などにつきましては、毎年PDCAサイクルを回してバージョンアップをしてきておりまして、今後、国の総合戦略の内容も踏まえて改定されることになりますけれども、これらの改定に合わせまして、産業振興計画で掲げております、地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県を目指すのだという共通理念のもとに、産業振興計画、健康長寿県構想、中山間地域対策などの政策パッケージを一つに組み合わせ統合することで総合戦略を策定していくことになるものと考えております。また、これまで各計画において実施している施策間の連携や、それぞれが定めている目標達成のための指標や進行管理の手法なども、この総合戦略の中に盛り込んでまいりたいと考えております。

 ただ、現時点では、国の総合戦略自体がまだ策定されておらず、都道府県の総合戦略に求められる要件、内容等の詳細についても示されておりませんことから、今後の国の動向にも留意し、国の総合戦略の内容も踏まえて本県の戦略を取りまとめてまいりたいと考えているところであります。

 次に、アベノミクスについてどのように評価しているのかとのお尋ねがございました。

 いわゆるアベノミクスは、第1の矢の大胆な金融政策によって企業経営者や消費者のデフレマインドを払拭し、設備投資や消費を拡大するとともに、第2の矢の機動的な財政政策で公的需要を拡大する、そして第3の矢の民間投資を喚起する成長戦略によって民間企業の成長を促し、経済の好循環を実現しようとするものでありまして、短期、中期、長期それぞれの政策を組み合わせた理にかなった仕組み、政策ではなかろうかと思っているところであります。

 安倍政権発足以降、消費者物価指数はプラスに転じておりますし、また長期化していた過度の円高が是正され、輸出関連企業を中心に収益の改善が図られております。さらに、雇用面でも、有効求人倍率が22年ぶりの高水準となり、就業者数も増加するなど、デフレ脱却、経済の好循環に向けてその歩みを進めているのではないかと受けとめております。

 他方、民間主導の持続的な経済成長を軌道に乗せ、企業の設備投資をふやす、そしてそれを新たな雇用の創出や賃上げにつなげ、さらなる消費拡大へと至る、こうした経済の好循環を本格的に生み出していくには一定の時間もかかります。また、足元の経済情勢を見ましても、円安に伴うエネルギー価格や原材料費の高騰による中小企業、消費者の負担増加、加えて4月からの消費増税の影響により、名目賃金は伸びているものの実質賃金が追いついていないことによる個人消費の落ち込みなど、特に本県のような地方では景気回復を実感する状況に至っていないのも事実であります。

 こうしたことから、まだまだアベノミクスは道半ばではないかと思っておりまして、国におきましては、経済の好循環につながる成長戦略や構造的な問題である人口減少対策を含め、地方創生の取り組みを強力に進めていただくとともに、現下の景気回復を図るため、消費を喚起する対策や、1次産業、中小企業へのエネルギー対策など、即効性のある経済対策をも実行していただきたいと考えているところであります。

 最後に、日本一の健康長寿県づくりを掲げる本県が高知発の医療モデルを考案し、医療費適正化の先進県を目指すことについてお尋ねがありました。

 国民の方々が今後とも安心して医療を受けることができるようにするためには、国民皆保険制度を将来にわたって維持していくことが必要でありますが、急激な高齢化や経済の低成長などにより、医療保険財政が厳しい状況にありますことから、医療費の伸びの適正化を図るために、国の主導のもと、各都道府県において平成20年度より医療費適正化計画を策定し、取り組みを進めてきております。本県におきましても、特定健診実施率の向上やメタボリックシンドロームの該当者等の減少など健康の保持増進に関すること、平均在院日数の短縮のための医療機関の機能分化や地域包括ケアの推進などを盛り込んだ医療費適正化計画を定め、取り組んできているところであります。

 しかしながら、本県の高医療費は、ひとり暮らしの高齢者が多く、家庭での療養環境が脆弱であることや、医療機関が県中央部に集中している上に、交通の利便性が悪い中山間地域が多く、在宅での療養が困難であること、また現在は整備が進んではおりますものの、特別養護老人ホームの整備が長年にわたり不十分であったことなどから、入院に頼らざるを得ない状況が続いてきたことが大きな要因となっていることもあり、医療費水準を直ちに引き下げることはなかなか容易なことではありません。

 一方、国におきましては、現在においても増加を続けている医療費の伸びを抑制するために、医療費適正化計画の見直しに向けた作業を進めているところであります。目標とする指標の追加や目標達成のための進捗管理の仕組みの導入、また医療保険者の協力の仕組みなどが検討されているところであります。

 そのような状況の中、全国で最も医療費の高い高知県において、医療費適正化の全国のモデルとなる事業が展開できれば、すばらしいことだと思います。医療費適正化を進めていくためには、市町村や医療保険者の積極的な取り組みが欠かせないことから、今後の国における医療費適正化計画の見直しの検討状況も踏まえながら、先ほど議員からの御提案にありました住民の方々みずからによる活動も含め、高知県としてどのようなことができるか、市町村や医療保険者とも十分に検討を行っていきたいと考えておるところであります。

 私からは以上でございます。

   (総務部長小谷敦君登壇)



◎総務部長(小谷敦君) まず、国債の長期金利の上昇が本県の財政運営に与える影響についてのお尋ねがありました。

 現在の金利の状況を見てみますと、国債、地方債ともに低い水準にあり、先月発行した10年償還の本県債の年利は0.495%と極めて低い水準となっております。仮に国債の長期金利が上昇いたしますと、その影響を受けまして、本県債を含めた地方債の金利も上昇することが見込まれますが、その場合、本県の将来の利払い費の負担も増加することが想定されるところでございます。

 財政運営を行っていくに当たって、中長期的な見通しを常に持って行っていくことが重要であるとの考え方のもと、毎年公表しております財政収支の試算の本年9月公表分でございますが、今後の金利上昇にも一定対応できるよう、県債の金利を現状よりも高い2%に設定し、利払い費の試算を行っており、その上で、中期的に安定的な財政運営を行える見通しをお示ししたところでございます。したがいまして、今後、国債の長期金利が現在の水準から一定上昇いたしましても、本県の財政運営に直ちに重大な支障が生じるとは考えておりませんが、引き続き、国債の金利動向を十分に注視するとともに、本県への影響の的確な把握に努めてまいりたいと考えております。

 次に、本県における狩猟税収の現状及び狩猟税の廃止についてお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。

 狩猟税は、都道府県による狩猟者登録を受けた者がレジャーとして狩猟を行うに当たり、都道府県の行政サービスを受けることに着目して課される目的税であり、その税収は有害鳥獣駆除や鳥獣保護に要する経費に充てられることとされ、本県の平成25年度の税収は4,800万円余りとなっております。一方、狩猟免許を保持していても、都道府県等の許可を得て有害鳥獣の駆除のみを行う場合は、狩猟者の登録の必要がなく、狩猟税の課税対象外となっております。

 また、狩猟者登録を受けた方が市町村長の任命を受けて有害鳥獣の駆除を行う場合は、みずからの意思で行う狩猟について一定の制約を受けることから、狩猟税の税率を2分の1とする特例も設けられているところです。加えて、みずからの意思で行う狩猟であっても、鹿を捕獲された場合には1頭当たり8,000円の報償金を県単独事業により支出することとしております。このほかにも、狩猟免許取得に際しての講習受講料の全額補助など、狩猟者の方々の負担軽減策も講じているところであります。

 これらの事業を含む有害鳥獣対策等に係る本県の歳出予算は、平成26年度で5億3,000万円余りと、狩猟税収の10倍以上になっており、狩猟税収はこうした取り組みの貴重な財源の一部となっていることから、税財政を所管する私の立場から申しますと、これにかわる代替財源もなく、安易に廃止することはできないものと考えてはおりますが、狩猟を取り巻く環境の変化なども含め、税のあり方の中でよく検討される必要があるものと考えており、現在行われている国の議論を注視してまいります。

   (農業振興部長味元毅君登壇)



◎農業振興部長(味元毅君) まず、農業分野における到達点と不足点、不足点改善のための取り組みについてのお尋ねがございました。

 本県の農業の目指すべき姿は、若い人が産業としての農業に魅力を感じ、希望を持って県内外から就農できる、若者の雇用の受け皿として、またいわゆる外貨を稼ぐ産業として、高知県の地域経済の発展に大きく貢献できる産業となることだと考えております。第2期産業振興計画では、地域で暮らし稼げる農業を10年後の目指す姿として掲げ、収量や品質の向上、多様な流通・販売などに取り組んでおりますが、これは一つの通過点として捉え、本県の目指すべき農業に向けてさらに取り組みをバージョンアップしていく必要があるものと考えております。

 9月県議会で御承認をいただきました次世代型こうち新施設園芸システムの取り組みは、環境制御など先進技術を県内全域へ広げていくことで飛躍的な増収につなげるとともに、これまでの施設園芸を大きく変える可能性を秘めており、高知の農業を新たなステージに引き上げるものだと考えております。これらの取り組みをスピード感を持って県内農業者へ普及していき、産地の拡大や農業者の所得向上につなげてまいります。あわせて、それを支える人材につきましても、産地が真に必要とする人材を確保するため、産地みずからが具体的に提案、募集をし、面談等を行った上で新規就農者を受け入れる産地提案型の取り組みを中心に進め、担い手を確保してまいります。

 次に、円安が及ぼす本県農業への影響と対応についてのお尋ねがございました。

 農業分野では、円安は、畜産飼料や園芸用の燃油、肥料など、原材料の輸入依存度が高い資材の価格の上昇を招き、農業経営に影響を及ぼすことが懸念をされます。

 まず、畜産飼料の価格につきましては、円安や穀物相場などの影響を受けて高どまりをしており、経営の負担となっております。そのため、国の配合飼料価格安定制度の活用や自給飼料の増産の取り組みへの支援などによりまして、経営安定に向けて負担の軽減を図っているところでございます。

 一方、燃油価格につきましては、原油価格の下落によって円安の影響が相殺をされ、現在のところ低下傾向にあります。また、肥料や農薬の価格につきましては、価格改定時期のこの11月に見直しが行われませんでしたことから、直ちに影響を受けることはないのではないかと考えております。しかしながら、今後の為替や原油市場の動向によりましては、燃油や農業用フィルムなど石油を原料とした農業資材の価格の上昇が懸念をされますし、肥料、農薬につきましても、このような円安が継続をした場合、価格の上昇が懸念をされます。

 そのため、国の燃油高騰緊急対策事業を活用したヒートポンプエアコンの導入など省エネ対策の推進、また土壌診断に基づく効率的な施肥や、IPM技術の導入などによる肥料や農薬の使用量の削減などによりまして、生産コストの低減に取り組んでまいります。また、状況に応じまして、国の制度や事業のさらなる充実に向けて提言を行ってまいります。

 次に、米の低価格についての県の認識、分析などについてお尋ねがございました。

 ここ数年の米価は全国的に低下傾向にあり、本県におきましても同様の状況になっております。特に平成26年産米におきましては、最も生産量の多いコシヒカリで60キログラム当たり1万円を割るといった、これまでにない低い価格となっております。このような米価の状況について、県内の稲作農家の方からは、この米価では今後の米づくりに意欲が湧かないといった声も上がっておりまして、大変厳しい状況であると認識をいたしております。

 米の低価格の背景としましては、人口減少や少子高齢化、食生活の多様化などによりまして米の消費量が減少し続けている中で、ここ数年、米の需要に対し作付が過剰になっているため、恒常的な米余り状態となっていることが考えられます。今後もこうした米の低価格傾向が続けば、特に生産コストが高く小規模農家の多い中山間地域を中心に離農者や耕作放棄地がふえるのではないかといったことが懸念をされます。

 県といたしましては、このような懸念が現実のものとならないよう、まずは需要に応じた米生産を行うことが最も重要であると考えております。このため、国の水田活用の直接支払交付金を最大限に活用しまして、主食用米から飼料用米を中心とした非主食用米への転換を推進してまいります。さらに、主食用米から園芸品目などへの転換、米の消費拡大への取り組みなどもあわせて進めてまいります。

 次に、次世代型こうち新施設園芸システムを普及するための課題と、実現していくための具体的施策、将来の展望についてのお尋ねがございました。

 県として普及を目指しております次世代型こうち新施設園芸システムの中心は、炭酸ガス施用などの環境制御技術を既存ハウスに導入する取り組みと、環境制御技術を標準装備し一定の軒高と規模を持つ次世代型ハウスを整備する取り組み、この2つの取り組みから成っております。

 まず、環境制御技術の導入の取り組みにつきましては、これまでの現場実証でも明らかになっておりますように、作物の収量アップに即効性のある取り組みでございますので、いかに速やかに普及するかが肝要だと考えております。そのため、9月県議会で御承認いただきました環境制御技術導入加速化事業を活用いたしまして、この冬から導入していただけるように全力で取り組んでいるところでございます。

 また、次世代型ハウスの整備は、収量アップを実現するだけにとどまらず、これまでの施設園芸を大きく変える可能性を秘めた重要な取り組みだと考えております。

 この10月から事業参加者の公募を行いましたところ、4者から応募をいただき、現在、事業採択に向けた作業を行っているところでございます。事業の実施に当たっては、農地の確保や資金の調達、また雇用の確保などの課題もございますので、参入を希望される意欲的な農業者の方々と連携をしながら、それぞれの課題を一つ一つクリアし、早期の実現に向けて取り組んでまいります。これらの取り組みによりまして、収益性の高い農業を実現し、産地の維持拡大、農業者の所得向上につなげ、本県農業を活力あるものにしてまいりたいと考えております。

 最後に、平野部や中山間地域の農地整備における課題と今後の対応についてのお尋ねがございました。

 農地整備は、農業の生産性の向上や担い手への農地集積の促進など、効率的かつ安定的な農業を展開する上で欠くことのできない対策の一つでございます。しかし、中山間地域を多く抱える本県は、まとまった農地が少なく、国庫補助事業などの有利な事業の導入が困難であることや、農業をめぐる環境が厳しい中で、中山間地域はもとより平野部におきましても事業に対する投資意欲が減退していることなどが推進上の課題となっております。また、農地整備を推進するためには、地域での合意形成が不可欠ですが、経営規模が小さく関係者の多い本県では、その調整も課題となっております。

 このため、県では昨年度、事業の実施要件について政策提言を行い、これまで20ヘクタール以上の受益面積が必要であった県営事業の要件が、中山間地域においては10ヘクタール以上に緩和をされました。また、農家負担につきましても、担い手への農地の集積率に応じた軽減策が拡充をされ、地域の合意形成についても、農地中間管理事業を活用することで関係者との調整も迅速に進めることができます。

 県としては、過疎化や高齢化などにより農業者の減少が進行する中で、担い手への農地集積を加速化するためにも、こうした事業を積極的に活用するとともに、市町村と連携を図りながら農地整備を推進してまいります。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) 林業分野の到達点と不足点、不足点改善のための取り組みについてお尋ねがございました。

 本県には、成熟期を迎えた豊富な森林資源がございます。これを余すことなく活用することで、中山間地域における基幹産業としての林業を再生し、雇用の創出や所得の向上など中山間地域の活性化につなげるため、第2期産業振興計画において、当面の目標として、平成33年度末には木材・木製品製造業出荷額等で200億円以上、原木生産量で81万立方メートル以上を掲げ、川上から川下まで一体的に取り組んでいるところです。

 現時点におきましては、製品出荷額を向上させるための大型製材工場や、原木生産の拡大を誘引する木質バイオマス発電施設が整備され、本県の豊富な森林資源をダイナミックに活用する仕組みが整ってまいりましたが、一方で、ここ数年増加傾向で推移していました林業の担い手が、昨年度は減少する事態に陥っています。

 そのため、これまでも担い手の確保を目的として、新規就業者を対象とした研修などを実施してまいりましたが、こうした従来の対策に加え、林業の裾野を広げるために、小規模な林業活動を実践されている方々にもお声がけをして、林業に関する情報の共有や技術のスキルアップを支援する協議会を来年1月には設立することとしております。さらには、来年度新たに林業学校を創設し、即戦力となる人材の養成や、将来本県の林業を担うリーダーの育成にも努めてまいります。こうした取り組みにより、担い手の確保育成を図り、基幹産業としての林業を再生することで、中山間地域の活性化につながるよう取り組んでまいりたいと考えています。

   (水産振興部長松尾晋次君登壇)



◎水産振興部長(松尾晋次君) 水産業分野の到達点と不足点、不足点改善のための取り組みについてお尋ねがありました。

 第2期産業振興計画の水産業分野では、漁業者とその家族が将来にわたって生活していける、若者が住んで稼げる元気な漁村を実現するため、生産から加工・流通・販売まで一貫した取り組みを進めています。

 これまで、黒潮牧場の増設や、都市部の市場関係者とのネットワークの構築、新たな水産加工業の事業化などに取り組んでまいりました。しかしながら、漁業就業者の減少に見られますように、水産業全体は依然として厳しい状況にあり、一層取り組みを強化しなければならないと考えております。

 このため、カツオなどの県内への水揚げの促進や、漁業生産に占めるウエートの高い定置網漁業の収益性の向上を図りますとともに、養殖業における経営体の協業化の促進や、カンパチなどの人工種苗の導入などにより、沿岸漁業生産の確保、増大に取り組んでまいります。また、流通・販売に関しましては、今年度からスタートしました大都市圏の「高知家の魚 応援の店」や築地にっぽん漁港市場の活用などにより、外商をさらに強化してまいります。これらの取り組みを通じまして、本県水産業の振興、漁業就業者の確保につなげてまいります。

 次に、円安による本県水産業への影響と対応についてお尋ねがありました。

 水産業分野で為替レートの影響を受けるものとしては、燃油及び養殖用飼料に使用する魚粉が考えられます。これら燃油と養殖用飼料は、経費に占める割合が大きいことから、円安による価格の上昇は経営に大きな影響を与えるおそれがあります。

 このような影響を緩和するため、燃料費や養殖用の飼料費が高騰した際、漁業者と国が積み立てた基金から補填をする漁業経営セーフティーネットが構築されています。県としましては、制度のさらなる充実に向けた国への提言や、制度の活用に向けた漁業者への働きかけなど、必要な取り組みを行っていくことで漁業経営の安定を図ってまいります。

   (商工労働部長原田悟君登壇)



◎商工労働部長(原田悟君) 円安が及ぼす本県の商工業分野への影響と対応についてのお尋ねにお答えいたします。

 最近の円安に関しまして、主な県内製造業者や商工団体にその影響についてお聞きしていますが、化学製品や電子部品など円安が有利に働く輸出関連企業では、製造コストが上昇しているものの、全体的には売り上げが伸びており、メリットが大きいといった声があります。一方で、原材料を輸入している鉄鋼や製紙業では、コスト増加の影響を吸収できず、売り上げは伸びているものの利益率が下がっているという状況もお聞きしているところです。また、商工団体からは、包装資材、運送費などの流通コストが増加している中で、商品への価格転嫁が難しく、事業全体の効率化で対応せざるを得ないという声も伺っております。

 このように、円安が製造業者に与える影響は業態によりさまざまではありますが、本県におきましては、輸出に携わる中小企業が比較的少ないといったことから、このまま円安が続きますと、原材料費や燃料費などのコスト増が経営環境を圧迫してくるケースもふえてくるのではないかと懸念をしております。

 そういった中で、必要とされる資金需要に対しましては、まずは県の制度融資などにより対応していきたいと考えていますし、生産性向上につながる設備投資への支援も引き続き行ってまいります。また、国の経済対策の中で中小企業への円安対策が盛り込まれるとお聞きもしておりますので、その動向にも注視してまいりますほか、県内商工団体との連携のもと、状況を把握しながら、適切な対応に努めてまいります。

   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇)



◎産業振興推進部長(中澤一眞君) まず、産業振興計画に関して、地域内に働く場所をつくるためにこれまでどのような取り組みをし、また今後どのような強化を図っていくのかとのお尋ねがありました。

 第2期産業振興計画において将来像として掲げます、地産外商が進み、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県を実現するためには、御指摘のとおり、官民協働で働く場所をつくることが大変重要であると考えております。このため、お話にありました地域アクションプランの取り組みを、総合補助金による設備投資の支援や、専門家による助言、人材育成などさまざまな支援策を活用してサポートをさせていただいているところでございます。

 多くの方々に御参画をいただき、これまでになかった新たな取り組みが県内各地域に広がってまいりましたことで、地域アクションプランの数は250事業にまでふえております。また、外商に挑戦し、事業規模をさらに拡大しようとする動きも出てきており、雇用の面でも、平成21年度から25年度までの5年間で970人の新たな雇用が生まれております。

 さらに、地産外商公社において、このアクションプランを初め、外商に意欲的に取り組まれる事業者の商品の磨き上げや営業活動をサポートするとともに、本年6月には、地元企業であり全国で卸売業を展開されています旭食品株式会社との協定を締結し、旭食品と県内の食品加工事業者や農林漁業者の皆様とのマッチングの場を設けて、事業者同士の連携による具体的な事業展開につなげるといった、今までにはなかった取り組みも進めているところでございます。

 今後は、地域アクションプランの実践者をさらにふやすことに注力をいたしますとともに、地産外商公社の体制の強化等により、官民協働での外商支援の範囲を広げ、取引の拡大にさらに取り組んでまいります。こうした取り組みを積み重ねる一方で、事業者が次のステージに踏み出していけるよう、県内外の専門家の助言を得ながら、企業の成長段階に応じた総合的な支援を行い、事業者による新たな設備投資や雇用の拡大といった拡大再生産につなげますことで、地域内に働く場を数多くつくってまいりたいと考えております。

 次に、地方創生という新たな流れの中で、中山間地域での産業創出のための課題と今後の取り組みについてお尋ねがありました。

 地理的な条件が悪く、過疎・高齢化が進む中山間地域で産業を創出するためには、地域の持つ強みや特性を最大限に生かすことが重要であり、県としては、地域の方々の思いや主体性を大切にしながら、いかにしてそれに寄り添いサポートできるかが課題であると考えております。具体的な取り組みとしましては、先ほど御説明させていただきました地域アクションプランへの支援のほか、集落活動の拠点となる集落活動センターの普及や、地域の農地や農業者の生活を守るための集落営農組織の育成、さらには中山間地域の生産者グループなどによる小規模な加工品づくりなどの小さなビジネスへの支援、小規模林業活動の推進など、地域の課題や実態を踏まえて、市町村とともにさまざまな取り組みを総合的に進めているところでございます。

 こうした取り組みが地域地域で着実に進む一方で、事業をさらに拡大をしたいが、必要な担い手や人材の確保が難しいといった声もお聞きをいたします。この課題は、3年前に実施をしました集落実態調査の結果でも、集落の産業振興に必要な対策として最も多く回答があったところでございます。

 このため、今年度から、特産品開発や伝統産業の担い手といった地域の活性化に必要な人財ニーズを掘り起こして、多様な経験や能力を持つ都市部等の人財とマッチングをさせる人財誘致の取り組みを進めております。この取り組みでは、都市部の人財に地域の新たな担い手として活躍をしていただくことで地域の取り組みを拡大させ、さらに多くの雇用を生み出すことを目指すもので、地域おこし協力隊の導入とあわせまして、中山間地域の活性化を図るための重要な取り組みであると考えております。

 今後も引き続き、新しい産業を数多く創出することと、それをさらに大きくするために必要な人財を誘致すること、この2つの取り組みを、市町村とも連携をしながら官民挙げて全力で取り組みますことで、それぞれの地域で住みやすい環境を確保し、将来にわたって活力ある社会を維持していくという地方創生の実現につなげてまいります。

   (中山間対策・運輸担当理事金谷正文君登壇)



◎中山間対策・運輸担当理事(金谷正文君) まず、任期後に本県に定住する地域おこし協力隊員の現状と定住に向けての取り組みについてお尋ねがありました。

 地域おこし協力隊員は、12月1日現在、22の市町村で70名の方々が活躍されており、集落活動センターの取り組みや自伐型林業、特産品の開発や観光振興などさまざまな活動を通じて地域振興に貢献されております。

 任期を終了した隊員の状況でございますが、昨年6月末時点の総務省による調査では、全国で任期を終了した隊員は366名で、その定住率は5割強という状況でございますが、本県では、任期終了者17名のうち約7割の12名が、就農のほか、集落活動センターの事業推進員やクラインガルテンの管理、商工会や道の駅への就業、カフェの開業などで生計を立て、県内に定住されております。

 隊員の方々に任期後も引き続き県内に定住し地域の核として活躍していただくためには、生活の糧となる仕事の確保を初め、市町村や地域の受け入れの体制や任期中からのサポートが重要になってまいります。そのため県では、募集段階の情報発信など市町村の取り組みを支援するほか、隊員それぞれに対しては、研修会の開催や土佐まるごとビジネスアカデミーといった日々の活動の助けとなるセミナーの情報提供やあっせんのほか、移住相談への対応など、支援に努めてまいりました。

 今後とも、日々の活動や日常生活へのサポートに加えまして、県内での起業や就業につながりますように、導入段階から任期後の定住に至るまでを移住促進の取り組みとも連動させながら、市町村と連携して総合的に支援してまいりたいと考えております。

 次に、若い狩猟者の確保のためにどのような努力が行われてきたのか、また狩猟者確保のために数値目標を設定して取り組んでいるのかとのお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えいたします。

 本県における狩猟者数は、現在、昭和54年のピーク時の約3割、4,000人規模に減少してきており、年齢構成も60歳以上が7割を占めるなど高齢化が進んでいる状況にあります。鳥獣被害対策を推進してまいります上で、捕獲の担い手である狩猟者の確保は重要な課題であり、県では、被害対策の強化に取り組む中で、新たな狩猟免許取得者を年間500人確保することを目標に置き、取り組んでいるところでございます。

 狩猟者の確保の具体策としましては、狩猟免許試験の回数を年間10回から16回にふやし、またできるだけ地域に出向いて実施するなど、試験を受けやすい環境を整えますとともに、射撃教習料や事前講習受講料を補助することなどによりまして、狩猟免許を取得される方への経済的な負担軽減を図ってまいりました。また、昨年度からは、鳥獣被害の実情を県民の皆様に広く知っていただけるように取り組みを進めております。お話のありました、若い方にも狩猟の魅力や社会的な役割について理解を深めてもらい、みずから狩猟に取り組んでもらえるように内容を工夫した狩猟フォーラムを開催し、啓発にも努めているところです。

 そうした取り組みの結果、本県における新規狩猟者の数は、抜本強化前の平成23年度は年間334人であったものが、24年度は432人、25年度は425人とふえてきております。また、それを年代別に見ますと、20代から40代の増加が顕著で、特に20代の方は、平成23年度に3人であったものが、24年度には29人、25年度には28人と大幅に増加をしてきております。

 今後とも、県としましては、若い方を含め狩猟者の確保に、より実効が上がるように、引き続き市町村を初め猟友会等関係団体とも連携してしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) 保育所、幼稚園の保育料無料化についてお尋ねがございました。

 出生率を高めることや若い子育て世代の定住対策を進める上で、保育料の無料化を含む子育て支援の充実を図ることは大きな効果が見込まれるものと思います。

 国におきましては、昨年度、幼児教育の無償化への取り組みについて、財源、制度等の問題を総合的に検討しながら進めるとの閣議決定をなされ、本年度から、幼児教育における低所得世帯の保護者負担が無償化されるとともに、所得制限の撤廃により、多子世帯の保護者負担の軽減が拡充されました。一方、県におきましては、平成21年度から、一定の条件のもと、第3子以降かつ3歳未満の子供の保育料を無料としている市町村に対し独自の補助制度を設けることで、一歩踏み込んだ対策を講じております。

 こうした中、現在県内では14の市町村において、独自の子育て支援策として保育料を無料化あるいは軽減をしております。その内容といたしましては、保育所等の在園児全ての保育料を無料化している市町村が3町村、第2子や第3子以降の保育料を無料とするなどの負担軽減策を講じている市町村が11市町村となっております。こうしたことは、少子化や人口減少の進行に対して危機意識を持つ市町村が多いことのあらわれではないかと受けとめております。

 このことに関し、尾崎知事がチームリーダーを務める全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームでは、少子化対策の抜本強化を国に求める提言活動の中で、保育料についての第3子以降への重点的な支援や、段階的な幼児教育・保育の無償化などを働きかけてきたところです。こうしたことなどを受けまして、国では平成27年度の予算編成過程で、幼児教育の無償化について具体的な検討が行われているとお聞きをしております。今後も、国において幼児教育・保育の無償化に向けた取り組みが着実に進むよう、機会を捉えて働きかけを行うとともに、県としても、さらにどのような取り組みができるのかについても考えていきたいと思います。

   (健康政策部長山本治君登壇)



◎健康政策部長(山本治君) まず、本県の特定健診受診率、特定保健指導実施率、メタボリックシンドロームの減少、ジェネリック医薬品の使用に関する目標値と達成の現状、課題についてお尋ねがありました。

 現在実績値を把握している平成24年度までの第1期高知県医療費適正化計画では、特定健診受診率は70%以上、特定保健指導実施率は45%以上、メタボリックシンドローム減少率については、メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の推定者数が平成20年度に比べて10%以上減少することを目標値としていました。

 このうち特定健診の受診率については、市町村国保は平成20年度から4年連続で上昇し、平成24年度は全国水準まで達するなど、一定の成果があらわれてはいるものの、全保険者の受診率は43.4%と、まだまだ目標70%との乖離が大きい状況です。保険者別では、市町村国保と協会けんぽの被扶養者が他の保険者に比べて受診率が低くなっているため、市町村と連携し、国の助成制度を活用した健診未受診者への受診勧奨やがん検診とのセット化などの取り組みを強化し、受診促進に取り組んでいくことにしています。

 また、特定保健指導の平成24年度の実施率は15.6%で、全国平均は16.4%と、ともに低い状況です。このため、市町村に対しては、特定健診と同様に、国の助成制度を利用した勧奨の実施や、保健師など特定保健指導実施者のスキルアップや、事業所内で健康づくりを担う人材育成を行うなど、実施率向上に取り組んでまいります。

 また、メタボ減少率は、平成20年度と比べ平成24年度で10.9%減少となっており、10%の目標は達成しましたが、平成25年度からの第2期計画では25%を目標としていますので、さらなる減少に向けて取り組んでいく必要があります。メタボ該当者などを減少させるためには、早い段階から肥満や高血圧などを把握し、生活習慣の改善を促すことが重要であることから、特定健診の受診率や特定保健指導実施率の向上の取り組みを進めるとともに、「高知家健康づくり支援薬局」での健康相談や受診勧奨の実施、あわせて子供のころからの健康的な生活習慣の定着を推進するため小・中・高等学校での健康教育を実施するなど、さらに健康づくりの取り組みを進めていきます。

 次に、ジェネリック医薬品使用については、厚生労働省が策定しました後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップにおいて、数量シェアを平成30年3月末までに60%以上とする目標が設定されています。

 本県では、ジェネリック医薬品の使用促進を図るため、平成21年度に、医師や薬剤師、関係行政機関などで構成された協議会を設置し、医療従事者の意識調査や安心使用促進セミナーの開催、啓発チラシの作成などを行っています。また、医療保険者においては、ジェネリック医薬品を使用した場合の差額通知書の送付やリーフレットの配布などの取り組みも行ってきています。

 本県の使用状況は、平成26年5月時点で全国平均より4%ほど低い50.5%となっていますが、前年同期と比べて8.9%増加するなど、関係機関と連携した取り組みの成果も見え始めていますので、今後とも目標の達成に向けて、県民や医療関係者に対しジェネリック医薬品に関する普及啓発を実施してまいります。

 次に、医療費削減に向けた市町村の住民の方々の努力についてどのように評価するのか、お尋ねがありました。

 本県の1人当たり医療費は、議員御指摘のとおり全国1位となっており、医療費の適正化は従前から大きな課題となっていましたが、高医療費の主な要因が、高齢化や過疎化により高齢者の自宅での療養が困難なことにあることから、抜本的な医療費の削減は大変難しい状況にあります。しかしながら、増加を続ける医療費の伸びを少しでも抑制することは、国保を初めとした医療保険財政が厳しい状況からも重要であることから、県では、生活習慣病対策などの健康づくりや地域包括ケアシステムの構築などに取り組んできているところです。また、市町村国保では、ジェネリック医薬品の差額通知や、医療機関への重複・頻回受診者への指導などにも取り組んできたところです。

 このような状況の中で、議員のお話にありましたような、地域の住民の方々みずからが中心となり、行政と協働して、PDCAサイクルを意識しながらジェネリック医薬品の利用促進などに取り組んでいただくことは、地域全体での医療費適正化の住民意識の高まりも期待できますことから、医療費適正化を図るために有効な手段ではないかと考えています。

 次に、チーム稲生の取り組みを県としてどのように支援していくかとのお尋ねがありました。

 チーム稲生の活動は、地元自治体と協働して取り組みを行えば、医療費の適正化を図るために有効な手段ではないかと考えています。このような住民の方々の思いを実際の行動に移し、効果を上げ、また一部の地域だけでなくその市町村全域へと活動を広げていくためには、医療費適正化の実施主体となります市町村の役割が非常に重要となってきます。

 現在のところ、住民の方々における構想段階であるとのお話も伺っているところであり、また個人情報の取り扱いなど課題もあることから、まずは地元の南国市とチーム稲生とで具体的な取り組み内容の協議を行っていただいた上で、県として、国の助成制度の活用なども含めどのような支援が可能なのか、検討を行ってまいりたいと考えています。



◆4番(坂本孝幸君) 知事初め教育長、各関係の部長、本当に丁寧な御答弁いただきありがとうございます。

 質問ではございませんけれども、これまでの答弁の中から私も大変期待するものが幾つかありまして、もう一回その状況を繰り返して見てみたいと思いますが、高知県の医療の事情というのは高知県ならではの中山間、病院が遠いとかあるわけですけれども、長野県に松川村というところがあって、男性長寿日本一という村なんですね。ここはどうして長寿なんですかというふうな質問をすると、3つ言われまして、1つは受診率が高いということ、2つ目が野菜を食べる、長野県ですから野菜をいっぱい食べているわけですね。それから運動すると、これは農作業が中心のようですが、そういう要件があって男性長寿日本一になりましたみたいなことも言っていました。高知県ではやっぱり全国一の医療費とか、病院で亡くなる人の割合も日本一とかというふうな事情もありますので、ぜひ健診の受診率を目標まで早く近づけていただきたいということ、これをお願いしておきたいと思います。

 それから、保育料の無料化の関係ですが、知事も国のほうへ提言もされてくれておりまして、国でも検討中ということですので、国の流れを見ながら、高知県でもそういうこともぜひ検討していっていただきたいということです。

 それから最後ですが、高知型の医療モデルの発信、これ本当に先ほども申しました、こういう高知県の医療の現状から申しますと大変大事なものでございまして、知事もモデル事業、本当にすばらしいということも言われました。その一言、私ももう忘れることができませんので、国の検討も見ながら、ぜひ高知県のほうでも全国発信できるような医療モデルをつくり上げていただきたいと、そういうことをお願いいたしまして、私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(浜田英宏君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。

 明16日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。

   午後4時37分散会