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平成26年  9月 定例会(第328回) 09月30日−02号




平成26年  9月 定例会(第328回) − 09月30日−02号







平成26年  9月 定例会(第328回)



          平成26年9月30日(火曜日) 開議第2日

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出席議員

       1番  金子繁昌君

       2番  加藤 漠君

       3番  川井喜久博君

       4番  坂本孝幸君

       5番  西内 健君

       6番  西内隆純君

       7番  弘田兼一君

       8番  明神健夫君

       9番  依光晃一郎君

       10番  梶原大介君

       11番  桑名龍吾君

       12番  佐竹紀夫君

       13番  中西 哲君

       14番  三石文隆君

       15番  森田英二君

       16番  武石利彦君

       17番  浜田英宏君

       18番  樋口秀洋君

       19番  溝渕健夫君

       20番  土森正典君

       21番  西森潮三君

       24番  ふぁーまー土居君

       25番  横山浩一君

       26番  上田周五君

       27番  中内桂郎君

       28番  西森雅和君

       29番  黒岩正好君

       30番  池脇純一君

       31番  高橋 徹君

       33番  坂本茂雄君

       34番  田村輝雄君

       35番  岡本和也君

       36番  中根佐知君

       37番  吉良富彦君

       38番  米田 稔君

       39番  塚地佐智君

欠席議員

       なし

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説明のため出席した者

  知事       尾崎正直君

  副知事      岩城孝章君

  総務部長     小谷 敦君

  危機管理部長   野々村 毅君

  健康政策部長   山本 治君

  地域福祉部長   井奥和男君

  文化生活部長   岡崎順子君

  産業振興

           中澤一眞君

  推進部長

  理事(中山間対

           金谷正文君

  策・運輸担当)

  商工労働部長   原田 悟君

  観光振興部長   久保博道君

  農業振興部長   味元 毅君

  林業振興・

           大野靖紀君

  環境部長

  水産振興部長   松尾晋次君

  土木部長     奥谷 正君

  会計管理者    大原充雄君

  公営企業局長   岡林美津夫君

  教育委員長    小島一久君

  教育長      田村壮児君

  人事委員長    秋元厚志君

  人事委員会

           福島寛隆君

  事務局長

  公安委員長    島田京子君

  警察本部長    國枝治男君

  代表監査委員   朝日満夫君

  監査委員

           吉村和久君

  事務局長

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事務局職員出席者

  事務局長     浜口真人君

  事務局次長    中島喜久夫君

  議事課長     楠瀬 誠君

  政策調査課長   西森達也君

  議事課長補佐   小松一夫君

  主任       沖 淑子君

  主事       溝渕夕騎君

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議事日程(第2号)

   平成26年9月30日午前10時開議

追加

 第25号 高知県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例及び高知県婦人保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案

 諮第1号 退職手当支給制限処分に対する異議申立てに関する諮問

第1

 第1号 平成26年度高知県一般会計補正予算

 第2号 平成26年度高知県災害救助基金特別会計補正予算

 第3号 平成26年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計補正予算

 第4号 平成26年度高知県県営林事業特別会計補正予算

 第5号 平成26年度高知県流域下水道事業特別会計補正予算

 第6号 高知県税条例の一部を改正する条例議案

 第7号 災害に際し応急措置の業務に従事した者に係る損害補償に関する条例の一部を改正する条例議案

 第8号 高知県地方薬事審議会条例等の一部を改正する条例議案

 第9号 高知県手数料徴収条例の一部を改正する条例議案

 第10号 高知県の事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例議案

 第11号 高知県旅館業法施行条例及び高知県暴力団排除条例の一部を改正する条例議案

 第12号 高知県指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案

 第13号 高知県立美術館の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第14号 高知県営住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例議案

 第15号 高知県認定こども園条例の一部を改正する条例議案

 第16号 高知県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案

 第17号 高知県が当事者である訴えの提起に関する議案

 第18号 高知県公立大学法人と公立大学法人高知工科大学との吸収合併に関する議案

 第19号 県有財産(情報処理機器)の取得に関する議案

 第20号 新図書館等複合施設電気設備工事請負契約の締結に関する議案

 第21号 新図書館等複合施設空調設備工事請負契約の締結に関する議案

 第22号 平成25年度高知県電気事業会計未処分利益剰余金の処分に関する議案

 第23号 平成25年度高知県工業用水道事業会計未処分利益剰余金の処分に関する議案

 第24号 平成25年度高知県病院事業会計資本剰余金の処分に関する議案

 報第1号 平成25年度高知県一般会計歳入歳出決算

 報第2号 平成25年度高知県収入証紙等管理特別会計歳入歳出決算

 報第3号 平成25年度高知県給与等集中管理特別会計歳入歳出決算

 報第4号 平成25年度高知県旅費集中管理特別会計歳入歳出決算

 報第5号 平成25年度高知県用品等調達特別会計歳入歳出決算

 報第6号 平成25年度高知県会計事務集中管理特別会計歳入歳出決算

 報第7号 平成25年度高知県県債管理特別会計歳入歳出決算

 報第8号 平成25年度高知県土地取得事業特別会計歳入歳出決算

 報第9号 平成25年度高知県災害救助基金特別会計歳入歳出決算

 報第10号 平成25年度高知県母子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算

 報第11号 平成25年度高知県中小企業近代化資金助成事業特別会計歳入歳出決算

 報第12号 平成25年度高知県流通団地及び工業団地造成事業特別会計歳入歳出決算

 報第13号 平成25年度高知県農業改良資金助成事業特別会計歳入歳出決算

 報第14号 平成25年度高知県県営林事業特別会計歳入歳出決算

 報第15号 平成25年度高知県林業・木材産業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算

 報第16号 平成25年度高知県沿岸漁業改善資金助成事業特別会計歳入歳出決算

 報第17号 平成25年度高知県流域下水道事業特別会計歳入歳出決算

 報第18号 平成25年度高知県港湾整備事業特別会計歳入歳出決算

 報第19号 平成25年度高知県高等学校等奨学金特別会計歳入歳出決算

 報第20号 平成25年度高知県電気事業会計決算

 報第21号 平成25年度高知県工業用水道事業会計決算

 報第22号 平成25年度高知県病院事業会計決算

第2 一般質問

   (3人)

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   午前10時開議



○議長(浜田英宏君) これより本日の会議を開きます。

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△諸般の報告



○議長(浜田英宏君) 御報告いたします。

 去る9月24日に組織されました予算委員会から、委員長に溝渕健夫君、副委員長に弘田兼一君をそれぞれ互選した旨通知がありましたので御報告いたします。

 なお、予算委員会の構成につきましては、お手元に名簿をお配りいたしてありますので御了承願います。

   〔予算委員名簿 巻末296ページに掲載〕

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△議案の追加上程、提出者の説明(第25号、諮第1号)



○議長(浜田英宏君) 御報告いたします。

 知事から議案が追加提出されましたので、お手元にお配りいたしてあります。その提出書を書記に朗読させます。

   (書記朗読)

   〔提出書 巻末297ページに掲載〕



○議長(浜田英宏君) お諮りいたします。

 ただいま御報告いたしました第25号「高知県児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例及び高知県婦人保護施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案」及び諮第1号「退職手当支給制限処分に対する異議申立てに関する諮問」、以上2件をこの際日程に追加し、直ちに議題とすることに御異議ありませんか。

   (「異議なし」と言う者あり)



○議長(浜田英宏君) 御異議ないものと認めます。よって、日程に追加し、直ちに議題とすることに決しました。

 これらの議案を一括議題といたします。

 ただいま議題となりました議案に対する提出者の説明を求めます。

 県知事尾崎正直君。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) ただいま追加提案いたしました議案について御説明申し上げます。

 まず、第25号議案は、児童福祉施設及び婦人保護施設の設備や運営に関する厚生労働省令が一部改正されたことに伴い、用語の改正を行うために必要となる条例議案を提案するものであります。

 次に、諮第1号議案は、元県職員から退職手当支給制限処分の取り消しを求める異議申し立てがありましたので、これに対する決定を行うに当たり、地方自治法の規定により議会への諮問を行うものであります。

 何とぞ御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。

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△質疑並びに一般質問



○議長(浜田英宏君) ただいま議題となっている議案を、日程第1、第1号「平成26年度高知県一般会計補正予算」から第24号「平成25年度高知県病院事業会計資本剰余金の処分に関する議案」まで及び報第1号「平成25年度高知県一般会計歳入歳出決算」から報第22号「平成25年度高知県病院事業会計決算」まで、以上46件の議案にあわせて一括議題とし、これより議案に対する質疑並びに日程第2、一般質問をあわせて行います。

 通告がありますので、順次発言を許します。

 15番森田英二君。

   (15番森田英二君登壇)



◆15番(森田英二君) おはようございます。お許しをいただきましたので、自由民主党を代表いたしまして、順次質問をさせていただきます。

 まず、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。

 今月3日に発足した第2次安倍内閣は、安倍首相を先頭に地方創生に全力を挙げていく姿勢を力強く表明されました。あわせて、今後の日本の成長戦略は、女性の活躍こそが鍵を握るとの認識を示し、先日の国連演説でもこのことを広く世界に宣言しました。また、昨日開会の臨時国会でも、安倍総理は、その所信表明で、地域の活性化と人口減少に対処するために、地方創生に全力で取り組む決意を示されました。日本の地方の隅々までをも元気にし、女性が生き生きと輝く社会、これは今、私たちに最も身近なキーワードであります。

 そこでまず、地方の創生についてお聞きいたします。

 政府は、元気で豊かな地方の創生に向けて、まち・ひと・しごと創生本部を設置しました。ここで注目すべきは、自民党幹事長であった石破議員を地方創生担当大臣に充てていることであります。このような実力者を大臣に起用したことは、地方を本気で活性化させたいという総理の強い思いのあらわれでもあります。安倍政権は、アベノミクスを全国津々浦々に広げていくためにも、また喫緊の人口減少に対応していくためにも、地方の創生、つまり地方を新しくつくり直すことがどうしても必要だと考えたのであります。

 一方、尾崎知事は、就任当初から、人口減少が進んでいる高知県で、いかに経済を活性化させ、県民の生活を守っていくのかという重い課題に対し、正面から全力で取り組んでくれております。今、安倍内閣も同じ認識を持たれたのであります。本県も今こそ、この国の動きと連動しなければなりません。また、先月の27日、知事は、山田京都府知事とともに、全国知事会を代表して安倍総理に少子化対策の抜本強化などについて直接要請をされました。知事会を代表して、少子化や人口減少という国レベルの壮大な課題に率先して行動される知事の姿は、非常に誇らしく、大いに期待をしているところであります。

 そこで、知事にお聞きいたします。国のまち・ひと・しごと創生本部の活動には、全国知事会などと一体感を持って参加していくと同時に、本県は本県なりの事情を踏まえた政策提言を積極的にここに持ち込むべきだと思いますが、今後どのように地方創生本部に働きかけていくのか、御所見をお伺いいたします。

 そこで、さらに地方の創生を一層進めていくためには、まずは、その原資となる財源がどうしても必要となります。地方がみずからの創意と工夫でその地域に合った施策を進めるためには、自由に使える自主財源がどうしても必要であります。

 例えば、若い人材が流入してくる都市部と若者が出ていってしまって人口の少なくなった地方とでは、住民サービスに係るコストは相当違います。躍動感のあるメリットを受ける都市部と高齢化、過疎化などそのしわ寄せを食う地方、こうした偏在の解消には、やはり国がもっと本気になってこの格差の是正に取り組んでもらわなければなりません。交付税制度によって税の再配分が行われていることも、またそこに地域事情を反映して傾斜的な配分が行われていることも知っていますが、それにしてもここまで拡大した都市と地方の格差は、もう看過できません。

 昨日召集された臨時国会では、地方創生関連法案が提出され、今後は地方創生本部などで新たな交付金制度についても議論が進められていくと聞いております。

 そこで、地方創生本部ができた今こそ、都市と地方の間に生じたこの大きな格差の解消のために、十分な税財源の確保を一段と声高に政策提言していく必要があると考えますが、県としてこれまでどのような提言を行ってきたのか、そして今後はどのように進めていくおつもりなのか、お聞きをいたします。

 次に、中山間地域の活性化につながる林業政策について、林業振興・環境部長にお聞きいたします。

 本県の山に蓄積された豊富な森林資源は、ずっと宝の山と言われてきました。一方、本県の大きな課題の一つである中山間振興は、その宝に埋もれたまま、これといった打開策もなく、冬眠状態にありました。

 その山が今、いよいよ産業振興計画によるさまざまな取り組みによって動き出そうとしています。いわゆるおおとよ製材の政策の的中が、こんなにも幅広い経済の連鎖をつくり、実体経済を動かすのかと、目をみはる思いで注目をしております。この高知おおとよ製材の成功が、林業を活気づけ、山間地域に再び活気を取り戻すことを心から願っています。宝の山からその宝の材木が切り出されることで、木材の生産はもちろんのこと、運輸業や加工業など、関連する多くのサービス業が中山間の地で胎動を始めます。この、木の切り出しから始まる雇用の連鎖は、必ずや中山間の振興に大きな貢献をすることになるでしょう。

 そこで、お聞きしますが、この1年間を振り返って、高知おおとよ製材の原木加工量はどのように推移をしたのか、目標は達成できたのか、反省や成果についてお聞きをいたします。

 また、原木の切り出しや運搬に要する人材や資機材は、質・量ともに十分に確保できていたのか、さらに、原木の供給というサプライチェーンが安定しないと、製材工場の稼働はもちろん、その後に続くバイオマス発電事業なども深刻な影響を受けかねませんが、今後に不安はないのか、あわせてお聞きをいたします。

 次に、木質バイオマス発電についてであります。

 時代は今、循環型社会を志向しており、森林はCO2の吸収源としてその価値が見直されています。

 本県も早くから木質バイオマスの利用に積極的に取り組んできた結果、園芸用のボイラーを中心にその普及が進んできました。このことは、重油などで使われる燃料費が県外や海外へと流れ出るのを、わずかとはいえ、阻止しています。そのことによって、今、県内で使われている数十億円とも言われる加温用の燃油経済は、今後、県内の山間部を経由する経済循環へと置きかわり、中山間での生活が成り立つ構造へと変わっていきます。そして、化石燃料を木質バイオマスに転換することで、本来の加温効果とはまた別の、県内の経済の流れまでをも変えてしまう大きな政策効果を生もうとしております。

 こうして県産材が園芸用ボイラーや高知市と宿毛市の発電事業に使われることになれば、これまでは捨てられていた低質材までもがお金にかわることになり、山の所有者や林業関係者に還元されていくことになります。この2カ所の発電所で燃料に使われる、いわゆるC材の量は、年間20万立方メートルと言われております。この量が順調に消費され続ければ、山の活性化に大いに貢献することになります。

 そこで、高知市仁井田と宿毛市平田にそれぞれ整備が進められている木質バイオマスを利用した発電施設は、予定どおりに進捗しているのかどうか、またそこで使用される原材料の切り出しや運搬計画のほうも、所期の計画どおりに進捗しているのかどうか、お聞きいたします。

 また、園芸施設のほかにも高齢者の福祉施設や公共の施設などにおいて、このバイオマス熱利用が普及すれば、木材のさらなる利用拡大につながると考えますが、こうした分野への今後の利用促進をどのように取り組まれているのか、あわせてお聞きいたします。

 最後に、今後の木材の抜本的な需要の拡大は、やはりCLTの普及にかかっていると言っても過言ではありません。しかし今のところ、本格普及までには建築基準法やCLTに関する法令の整備、さらには技術の向上など、乗り越えなければならない高いハードルがまだまだ幾つかあるようですし、一般普及までには課題も多そうであります。

 その一方、高知おおとよ製材の社員寮は、既に実証的に建築もされ、私はその資料映像を拝見しました。しかし、せっかく木造建築を売りにして建てているのに、肌で感じる木のよさが余りなくて、納得がいくものにはなっていませんでした。おまけに、建築単価もこれまでの建て方に比べ割高ということでありました。

 今後のCLTの普及には、まだまだハードルが高いと思い知らされたわけですが、今後の一般住宅や中層階ビルへの導入と普及について、現在どのような取り組みで進められているのか、また今後の見通しについてお聞きいたします。

 あわせて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでの施設への活用やそこでのPR効果なども考えておられるようですが、現在の状況や問題点などについてお伺いいたします。

 次に、産業振興計画のコンパクトな成功事例とするためにも、大川村での土佐はちきん地鶏の取り組みについてお聞きいたします。

 大川村は、日本で一番小さい村と言われ、その人口は今、400人を切る状態となっています。以前は銅山の採掘などで大変にぎわい、ピーク時には4,000人を超えていた時期もありました。しかしその後、鉱山の閉山に加え、早明浦ダムの建設に伴い多くの集落が水没し、村が寂れました。大川村は、そんな気の毒な歴史を持つ村でもあります。

 そうした中であっても、村は何とか人口減少に歯どめをかけようと、鉱山施設の跡地で謝肉祭や黒牛の繁殖などに取り組み、村の活性化に向けて精力的に行動し、存在感を示してきました。また、村では、平成25年に大川村振興計画を策定し、400人台の人口を維持すべく、その取り組みが進められてきたところであります。

 その中で今、村が力を入れている産業の一つに、土佐はちきん地鶏の飼育、生産があります。この、かみ応えがあって、しっかりとしたおいしさのブランド鶏肉は、シャモをベースにしており、県の畜産試験場と民間のノウハウを合体させて、品種の改良に成功したものであります。

 このはちきん地鶏、知事の熱い思いもあって、産業振興計画に沿う形で取り組みが進められ、今やっと商業ベースに乗ろうとしております。そうした努力が次第に実り、また龍馬が食べ損なったシャモという売り込みもあって、非常に人気の高い、高知県の有力ブランド商品になろうとしています。この養鶏生産がこの先うまく軌道に乗れば、大川村内だけでなく、本県をもリードするブランド商品になることも期待されます。

 そこで、大川村はもう一段の産業化を進め、現在の5万羽から10万羽へと増産を目指しているほか、村内での加工と味つけ、さらには消費者に商品を直接出荷することにも意欲を燃やしております。

 しかし現状は、加工施設がないことから、生産鶏を素材そのまま、まちに出荷しています。

 村を挙げて取り組むこの事業が村の構想どおりうまく進めば、知事がいつも言われる1次産業から加工を経て6次産業化までをも一気になし遂げる、まさに完結型のモデルともなります。産振計画のバイブルでもあります、素材は産地で加工してから出荷するという意味でも、産地の大川村で加工することには大いに意義があります。また、そうすることで付加価値がつき、若者の雇用につながり、山での定着にもつながります。そして、それが本県のブランド品になれば、この一連の流れは、まさに知事が目指されてきたモデルケースと言うことができます。

 そこで、まず知事に、先日の知事提案の中でも少し触れられておりましたが、産振計画を着実に実践する大川村のこうした取り組みについての御所見をお聞きいたします。

 次に、ここまで順調に伸長しつつある大川村のはちきん地鶏の熱心な取り組みを何らかの形で支援をする方法はないのか、必要ではないかと思うんですが、産業振興推進部長にもお聞きいたします。

 次は、次世代型こうち新施設園芸システムについてお聞きいたします。

 去る7月、私は、オランダの園芸施設を研修してきました。そこには、トマトやパプリカ、ユリの球根や菊など、目をみはるばかりの集約化された大量生産システムがありました。重労働などは全くなく、全てが機械化された流れ作業のシステムでしたので、農場も農作業の人たちの表情も非常に明るく、農家の概念までもが変わりました。もちろん面積当たりの収量も、本県などとは格段の開きがあるようでした。

 今、四万十町では、そのオランダと同様な規模や規格の高軒高ハウスが、4.3ヘクタールもの規模で建設が進められています。県内では四万十みはら菜園に次ぐ2カ所目の大規模な施設となりますが、そこではあのオランダのシステムが高知の自然条件や今の栽培品種などに応用できるかどうか、使いこなして進化させていくことが課題であります。また、同時に導入される炭酸ガス施用の環境技術の活用も大きな鍵を握っています。

 本県は、これまでも他県に先駆けて天敵農法などのIPM技術の導入や木質ペレットによる加温など、先進的に取り組んできましたし、これからも園芸王国の名にかけて、一歩先を行かなければなりません。

 加えて、オランダの農業は、施設面だけでなく、経営手法においても多くの学ぶところはあるようでありました。そんなすぐれたノウハウも積極的に取り入れることで、さらに収益性の高い高知の園芸にしていきたいものであります。

 そこでまず、窪川で建設されている施設の進捗状況と、これからの経営に向けた準備状況について農業振興部長にお聞きいたします。

 これからの本県農業は、海岸沿いの温暖で低平な土地を使うだけでなく、津波の危険性が全くない高台での営農にもシフトしていくべきではないかと思い始めています。これこそが農業の究極のBCP、つまり経営の存続になるんではないかと考えるんです。

 しかし、本県では、農家も高齢化してきたこともあって、今後も現在のような小規模な施設園芸農家がほとんどであり、さきのような先進技術を導入した高軒高ハウスなどの大規模農家と既存のハウスを利用する農家に分かれていくんではないかと思われます。ですから、当面はそれぞれへの対応が農業面で必要になるものと考えます。

 今議会には、次世代型施設園芸モデルの補助金などとして2億3,000万円が予算計上されていますが、このような大規模化を志向するのはどのような経営体なのか、またそうしたニーズをどのように把握したのか、まずお聞きいたします。

 さらに、世界的なTPPの流れに対応していくためにも、本県農業も国際競争力のある生産性の高い、強い農業を目指していくべきだと考えますが、そのためにも、こうした新しい施設園芸システムが一日も早く一般対策として国の補助事業となって動き出すことを期待をしております。

 そこで、今後の本県の新しい農業システムについて、どのような構想や計画を持っておられるのか、また一方で既存型のハウス経営の将来をどう展望し、どのように支援していくのか、あわせてお聞きいたします。

 農業の最後に、販売力の強化についてお聞きいたします。

 生産については、さまざまな補助や支援の制度がありますが、私は、もっと生産者側が販売力の強化や消費量の拡大に努力をすべきだと常々考えております。

 そこでお聞きしますが、もっとあらゆる手段を使って販路や販売力の強化に官民挙げて取り組むべきだと考えるんですが、どうでしょう。

 市場の購買力は景気に任すにして、それでも生産者側に力強い販売力があれば、産地のほうはひとりでに力強くなっていきます。

 私が課題と考えるのは、その販売力の強化についてであります。その考え方と取り組み方法をお聞きいたします。

 次に、南海トラフ地震についてお聞きいたします。

 まずは、将来を見据えた移転計画とまちづくり構想についてであります。

 海岸沿いの浸水が想定されている地域では、今、若い人たちを中心に安全な土地に移り住む人がふえていっています。その一方では、移転したいが、経済的な負担などから諦めているという人の声も聞きます。しかし、高台や浸水のない土地に行くのが最も望ましい姿であることに間違いはありません。避難路や避難場所は命は救えるかもしれませんが、一切の財産がなくなります。

 しかし今、移転先としてちょうどいい高台や浸水の危険のない広い土地に発電用のソーラーパネルが次々と建設され、既に稼働している施設も多いようであります。移転したい人や被災前の復興用住宅用地などとして最適の土地が、ソーラーパネルの設置によってどんどんなくなっていっています。この発電設備、環境に優しい社会づくりにはかなっていますが、一度建設されてしまうと、もうほとんど雇用を生みません。

 そこで、津波で甚大な被災が想定されている今、平地の少ない本県は、命を救うことと被災後の就業を頭に置いた土地の活用を優先的に扱っていくべきではないかと考えるんですが、どうでしょう。

 資源小国の我が国で独自のエネルギーを開発すること、またその姿勢には全く異論はないんですが、この今、本県での土地の使い方の優先順位としてはどうなのかと考えさせられます。4万2,000人もの人が死ぬかもしれない。また、県内の人口の3分の2が被災をして、住む家や仕事を失うことが近い将来に予想されているんです。

 そこで、高台の平地や浸水のおそれのない一団の土地などは、移転を希望する人や被災後に県民が住むための用地などとして、あるいは企業が事業継続をしていくための用地や農業用の土地などとして計画的に確保するという視点を持つべきだと思うんですが、どうでしょう。危機管理部長にお聞きいたします。

 さらに、神戸市や南三陸町でも、被災地域周辺に住宅や雇用が十分に確保できなかったことから、人口も減り、産業活力が落ち、かつてのにぎわいがなかなか戻らないという話をお聞きしました。

 そこで、県内の香北町や本山町、土佐町、佐川町や四万十町など、浸水に対して安全で、ある程度のまち機能があるところに、3万人から5万人程度の人口規模のまちを計画的につくってはどうか。仕事はもちろん、医療や福祉、エネルギーや教育など、他の地域に依存しない形の自己完結型の地域都市をつくることで、被災時に人口の県外流出を食いとめることができると思うんです。

 中山間地域に安心して居住でき、かつ雇用能力もある、ある程度の都市を整備すれば、被災者の県外流出が防げます。今から真剣に構想を練り、対策を講じていくべきではないかと考えます。またそうなれば、本県課題の中山間対策としても究極の抜本策にもなり得ます。県は今、被災後の県民の姿を、人口や仮住まいなどをどのように描き、想定しているのか、あわせて知事にお伺いいたします。

 次に、浸水想定区域内にある学校や保育園等が高台に移転する際の考え方についてお聞きいたします。

 高い津波が想定される海岸沿いの地区などでは、特に少子化が進み、園児や児童が急激に少なくなっていっています。しかし今、行政はそれぞれの学校や保育園を、それぞれ個別に高台移転を検討し、用地の確保や建築計画を進めています。今でさえ複式学級のある学校でも、そのまま個別の移転をしようとしています。私は、この際、一定の区域内にある小規模な学校や保育園等は、統合も検討した上で移転したらどうかと考えます。そうすることで、自治体の負担も小さくて済みますし、適正な生徒数による教育も復元できます。

 去る7月の教育再生実行会議においては、学校が地域の核としての存在感を発揮しつつも、適正な規模での学校運営によって教育効果を高めていくべきだとの第5次提言を示し、必要な財政支援も視野にあるようです。

 そこで、教育長にお伺いいたします。

 私は、津波浸水区域からの移転に際しては、子供たちの教育環境の向上を最優先に考えて、学校や保育園等の適正な統合を早急に進めるよう各自治体に働きかけるべきではないかと思います。

 高台移転を踏まえての統合の進め方についてどのように考えているのか、また浸水を想定した県下の高台移転の動きの中で、今、統合が考えられる組み合わせなどはどのようになっているのか、あわせてお聞きいたします。

 既に県下の各地で個別に高台移転が検討されていますので、早急に県としての姿勢を示すべきだと思います。

 次に、住宅耐震補強工事への支援についてお聞きいたします。

 この9月議会にも、地震対策への抜本強化と加速化に向けた1,600万円余りの予算が提出されています。その中に、住宅の耐震化を促進する市町村に支援をする事業があります。昨年度、行政が戸別訪問によって耐震診断を促した結果、受診率が大幅に上がったとのことから、この取り組みを他の市町村にも広げようとするものであります。大変意義のあることだと思います。

 しかし、私は、この診断を促すだけでは十分ではないと思っています。それは、耐震診断の結果、強度不足が判明した建物などについて、補強工事への支援がまだ十分ではないからであります。県や市の補助金制度を活用しても、まだかなりの自己負担が必要だそうで、年金生活などの方の中には、経済的な事情から工事ができない人も多くいらっしゃると推測します。そうした人に県や市の公営住宅が優先的に割り当てられることもありませんし、今から行政の手で事前復興の住宅を建てるとも聞いてはいません。

 では、そうした自己資金を構えられない人をどのように支援するのか。実際、私の住む新居や宇佐地区の農漁村の集落などでは、お年寄りのひとり住まいや年金生活の老夫婦が多くいらっしゃいます。危険と診断されても、耐震補強さえできない家や手の施しようのない危険な住宅なども多くあります。もちろん転居や建てかえるなんてことはできっこありません。そして、日増しに高まる巨大な津波の恐怖におびえています。

 南海トラフ地震が発生するまでの残り少ない時間のことを考えますと、診断後の安全な住宅対策について、今からさらに取り組みを強化すべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、廃屋等の倒壊防止対策についてお聞きいたします。

 耐震診断の結果、強度が著しく不足した家やブロック塀などは、公のことを考えて早急に補強するか取り壊してもらわないと、地区の大切な避難路が塞がれてしまいかねません。私の住む新居や宇佐地区は、住宅が密集し、その上路地も非常に狭く、そこに強度不足の住宅や空き家やブロック塀などがひしめき合って建っています。

 そこで、避難路の重要性から、その整備も多少は進められていますが、危険な状態などは今も余り変わりません。このままでは家の周りの狭い路地は、恐らく倒壊物で塞がれてしまって、使う段にはなりません。若い元気な人でも通れる状態にはなく、ましてや夜間の地震だったら、恐らくほとんどの人が家から身動きができないんではないでしょうか。今の状態を抜本的に改善しなければ、密集地の中心部の人家は、言い方が適切ではないかもしれませんが、蒸し焼き状態になりかねません。せっかく整備された立派な避難路や避難場所がすぐ近くにできているのに、そこまでたどり着けない状況であります。新居や宇佐地区のような古い住宅密集地は、高知市などの新しい住宅団地を想定した対策では、とても対応できません。全く様相が違う住宅区域なんであります。

 そこで、狭く入り込んだ路地の中の住宅密集地の人命救助は、どのようにお考えでしょうか。危険な住宅やブロック塀などの崩壊防止対策とあわせて、安全な避難路をどう確保していくのか、危機管理部長にお伺いいたします。

 次に、市町村が策定する避難計画の進捗状況について、危機管理部長にお聞きいたします。

 市町村が策定した今の避難場所は津波が到達するまでに本当に逃げられる計画になっているのかどうかについて、県のチェックは今どこまで進んでいるんでしょうか。国の緊急防災・減災事業債や県の加速化交付金の終了年限が近いことを考えると次の対策を急ぎ講じなければなりませんので、いつごろそのチェックは完了するのか、また、その際の脱出時間の計測には、倒壊で塞がれた狭い路地の状況などはどのように反映されるのか。

 さらに、県のチェックでは避難が難しいと思われる超密集集落などを現地調査されるのかどうか、また、その結果は路地の避難路の整備にどのように生かされるのかどうかについても、あわせてお聞きをいたします。

 次に、狭い路地を通って避難する際に、最も障害になると思われるブロック塀の安全対策についてお聞きいたします。

 先ほどから述べていますように、狭い路地には、さらに危険なブロック塀までもがひしめき立っています。しかし、路地や道路に面したブロック塀などの安全対策は、あくまでも他人様の避難路の確保のためにする工事であって、現状を放置していても、本人への危険は余りありません。年金生活などでぎりぎりの生活をする高齢者たちにとっては、多額の自己資金の足しが必要になるブロック塀の倒壊対策は、そういう意味で無理ですし、大変お気の毒であります。ですから、現状の制度ではもうこれ以上進まないんではないでしょうか。

 今のブロック塀の安全対策補助金は、限度額が20万円ありますが、その補助金をもらうにしても、見積もりの工事費の提出、自治体の登録工務店からそれをとらなければならないなどの、ハードルが高い決まりが多くて、制度の活用を断念する方も多いと聞きます。実は私も補助申請を試みましたが、取り壊しの基準が細かい上に、見積もりの手続や下請、労務管理などで建設業者も難色を示したため、利用を断念せざるを得ませんでした。実際には個人請けの左官さんや大工さんで十分できる仕事であります。

 1基1億円もする避難タワーの建設などに比べましたら、この20万円程度のブロック塀の対策でありますが、命を救う費用対効果で言えば、十分大きな意義を持っています。この制度の適用基準をもっと現場の実態に合ったものに改善して、施工のスピードを上げるべきだと考えます。

 そこでお伺いいたしますが、この制度をどんどん活用してもらって、狭い路地の安全対策をもっとテンポよく進めるためにも、適用基準などを早急に見直すべきではないかと思うんですが、土木部長にお伺いいたします。

 次に、公共交通の課題についてお聞きいたします。

 大都市と地方との格差については、これまでにも申し上げましたが、公共交通の分野でも、運賃や運行の便数などで相当大きな開きがあります。

 例えば、名古屋市においては、65歳以上の高齢者は、少し前まで市営のバスとか市営の地下鉄は無料でしたし、現在でも1,000円程度の負担で1年間乗り放題の敬老パスがもらえます。その一方で、地方では、運行会社も自治体もそうした体力はありませんので、高齢者はもちろん、子供たちの通学費も相当な負担があります。利用者数が低迷している要因の一つには、そんなこともあるんではないでしょうか。

 それよりも、都会でただで乗り放題の運賃を支えているのが地方の出身者であって、反面、その都会で働く若者の父母や祖父母は地方で高い運賃を支払い、またまばらな便数で不便を強いられているのはまことに理不尽に思われてなりません。国土のどこに生活しても格差を感じさせないというあの全総の考え方は、一体どこに行ってしまったんでしょうか。

 そこで、企業努力の限りを尽くしても、その経営が著しく厳しい地域については、国に対してそうした実情を訴えることで、もう一段の手厚い支援を求める必要があると思うんですが、どうでしょう。その際には、交通政策の面だけでなく、高齢者のひきこもり防止とか医療や買い物などといった基本的な生活の維持、さらには教育や福祉も含めて、もっと広い別の視点からこうした実情を訴えていくべきではないでしょうか。そして究極は、若者を地方から流出させない、もっと言えば地方の人口をふやすという視点も含めて、公共交通の支援を幅広く提案していくべきだと考えますが、知事のお考えをお聞きいたします。

 数十年来の懸案課題でありました中央地域の公共交通の再構築に向けた協議がやっと調い、いよいよあす、土佐電鉄と高知県交通が経営統合し、とさでん交通という新しい会社になります。

 ここに来るまでには関係する12市町村の全ての議会で、新会社への出資に関する予算が深い理解のもとで議決されてきました。その後、7月16日には新会社の設立委員会を立ち上げ、先日、新会社の執行体制や経営方針が公表されました。新会社では、心機一転、経営者も社員も一丸となって奮闘してくれることを県民は期待しております。

 この内容について、5億円もの出資をした県としては、どのようにこれを評価しているのか、またどういった点を重視し、今後にどのようなことを期待しているのか、県としての見解を設立委員会の委員でもあります副知事にお聞きいたします。

 次に、新会社の電車、バスの運行に対する今後の支援についてお聞きいたします。

 私は、行政の支援のあり方としては、赤字を補填するにしても、それ以前にもっと利用者を増加させ、収益を改善するような仕組みづくりにこそ力を入れるべきだと考えます。企業の側は、潜在的な利用者を掘り起こす意味でも、県民から広く声を聞き取るなどして、例えば停留所の位置とか最終便の時刻などまで、もっともっと目線を下げた細かな配慮をすべきだと思います。

 あすからは第三セクターになり、路面電車も路線バスも同じ会社が経営することになります。これまでは路線が競合するなどで難しかった点も、新たにチャレンジできることがたくさんあるんではないかと思います。

 そこで、県としても、新会社に対して支援や提言を強化する必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいくのか、中山間対策・運輸担当理事にお聞きいたします。

 最後に、今後の取り組みが成果を上げることで、公共交通の収益が改善され、安定経営に向かうことを望むわけですが、その一方で、今後も県内の人口減少が見込まれることなどから、サービス水準を維持するためには、今後もある程度の行政負担は見込まざるを得ないのではないかとも考えます。運行に関係する市町村では、現在でも公共交通の維持に要する財政負担が大きくなっていることから、今後のさらなる負担増加に対する不安の声も聞こえてきています。

 こうした状況の中で、県は今後どのような対策をしようと考えているのかについても、この際あわせてお聞きをしておきます。

 次に、高知南中・高等学校と高知西高校の統合について、以下、教育長にお聞きいたします。

 両校の統合話は、将来の生徒数の減少を見越して、適正な学校規模での教育環境を保障することや、南海トラフ地震の津波浸水想定区域から脱出して、生徒たちの命を守ることなどの観点から始まったものと認識しております。

 しかしながら、南中・高校の生徒や保護者にしてみれば、春先の県教委の発表は余りに唐突な話であり、混乱された心境はよくわかります。一方で、その後、県教委の話を聞けば、将来を見据えて教育力の向上を目指し、また子供たちを津波から守ろうとしたのはもっともなことであります。そのような意見の対立から始まって、その後の県教委の真摯な説明や要望に対する互いの柔軟な姿勢が理解を深め合うことになり、現在までに大まかな合意ができつつあると伺っております。

 これまでの経緯と現時点での統合に向けた取り組みの状況、そして今後に残る課題について、まずお聞きをしておきたいと思います。また、今後に残るデリケートな課題についても両校の関係者と真摯な対応を期待するものですが、この点もあわせて伺っておきます。

 私としては、津波の心配のない西高の土地に移転統合されることは、大切な生徒の命を守るという点で安全面が確実に保障され、大変望ましいことと考えます。また、そのことに加えて、これまでの西高の英語科と南高の国際科という特色を持った2校が統合することで、県内では初めて世界を視野に入れたグローバル教育がいよいよ始まるという大きな期待感もあります。そして、西高において中高一貫教育が始まることで、県下の保護者たちから新しい進学拠点校として今後注目されるのではないかとも感じています。

 その際には、拠点校にふさわしい入学者の資質を備えていることを見抜くという意味で、中学校の入学募集においても、学力を含めてしっかりとした選考をすべきだと考えますし、そのことを踏まえてどのような特色のある新しい学校づくりに取り組むのか、お聞きをしておきます。

 生徒数の急減は待ったなしの状況でありまして、教育環境の質について議論を急ぐべきだと考えます。他県や諸外国における学力や進学への熱心さ、真剣さを知るにつけ、将来の高知県の振興、発展を考えれば、今回の南中・高の反省や経験の上に立って、できるだけ早い時期に次の統合も考えていかなくてはなりません。

 そこで、次なる統合についてどのように考えているのか、この際あわせて伺っておきます。

 さて次に、知事が就任以来6年半、ずっと力を入れ続けてきた生徒の学力についてであります。

 ことし4月に実施された全国学力・学習状況調査の結果では、小学生の全国順位は昨年並みの上位を維持したものの、中学生は全ての科目で全国平均には及ばず、全国順位は44位から46位にとどまりました。知事着任当時の小中学生の全国順位がともに全国最下位クラスであったことを思えば、この間の県教委や市町村教委の努力は大いに評価されますし、全国全ての自治体が血眼になって学力向上に取り組んできた中での結果ですので、この健闘にはそれなりの評価をしなければなりません。

 しかし、ことし小中学校ともに昨年よりさらに正答率が下がっており、ここ2年の低迷状況を見ると、もう少し何とかならないものかと考えています。高知市でのできが、生徒数の多さから、高知県の平均点を加重平均的に押し下げています。それを改善しようと、県は平成21年から、高知市の放課後学習などへの支援を続けてきました。この5年間に、高知市に対して4億5,000万円の県費が充てられています。さて、高知市は、この間にどのような取り組みをしてきたのか、またその結果、どのような改善が見られたのか。県も県教委も、これまでの手法と効果を市町村別にしっかり分析することで、学校以外の課題などにも正面から取り組まなければ、真の学力対策にはならないと考えます。

 また、学テと同時に行われている学習状況調査の分析によれば、スマホにさわる時間の長さと学力の高さは反比例していると分析されていました。であるとすれば、どちらかといえば1日の3分の2を過ごす家庭や地域での学習環境のほうに問題があることが浮き彫りになったんではないかと考えます。これまで先生や学校関係者が努力してたどり着いた結果が今のピーク、いわゆる踊り場だというのであれば、この先は家庭や地域などの徹底した協力がないと、この上は達成できないと認識しなければなりません。ここにしっかりと焦点を当てて取り組まないと、この踊り場から脱出することはできない予感もいたします。

 そこで、今回の学習状況調査の結果を市町村別に詳しく分析した上で、さらなる学力や学習態度の向上を望むものですが、今後の取り組み方についてお伺いいたします。

 また、今回の学テの結果は、せめて市町村単位では公表すべきだと思いますが、県教委はどのように考えているのか、あわせてお聞きいたします。

 次に、災害に強い県土づくりについてお聞きいたします。

 先月初旬に相次いで襲来した台風は、全国各地で大きな爪跡を残し、県内でも、住宅の床上・床下浸水を初め、崖崩れや道路橋梁などの崩壊や流失、そして園芸施設の損壊など、甚大な被害が発生しました。少し時期を逸しましたが、被災されました多くの県民の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。

 また、今回の台風で、本県の交通インフラの脆弱性が図らずも露呈しました。航空機の欠航から始まり、瀬戸大橋やJR、高速道路や2桁国道など、県外から高知にアクセスする全ての基幹的交通インフラが、一時的であったとはいえ、断続的に長時間途絶えていたのであります。私の友人も、ちょうどそのとき旅行先の大阪から帰る途中で、全ての交通手段を絶たれ、土佐市まで帰り着くのに4日間もかかったとあきれていました。結局最後は西条からタクシーで帰ったといいます。こんなにも貧弱で選択肢のない本県の交通インフラの現状を知事はどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

 産業振興や移住促進に向けた取り組みも進められていますが、もっと力強い、そしてもっと快適なインフラを整備しなければ、企業や若者から魅力を感じてもらえる県にはなれません。災害時などには複層的に対応できるインフラも考えておくべきでしょうし、せめて世間並み、他県並みの生活基盤が欲しいものであります。

 そこで、知事にお伺いいたします。本県の交通インフラの現状をどのように感じ、今後の充実強化についてどのような展望をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。

 次は、129億円余りの災害復旧予算を計上して、被災復旧に向けた準備が進められている件についてお聞きいたします。

 高齢化が進んだ農家などでは、余りにも甚大な被害に再開の意欲がそがれ、離農者がふえるのではないか、また土木施設の復旧では、短期間に多くの工事の発注が重なることで、復旧のテンポがおくれるんではないかなど、心配は尽きません。とはいえ、県民生活の一刻も早い安定を図るため、速やかな復旧を願うものであります。土木建設業の技術者が不足している、そうした状況もあり、今後、工事のおくれなどから県民生活や産業振興計画への影響が長引くことなども懸念されます。

 そこで、今回の災害復旧工事に素早く着手できるのか、その見通しについて、土木部長、農業振興部長、林業振興・環境部長にそれぞれお聞きいたします。

 先月、広島市北部の住宅街を中心に大規模な土砂災害が発生しました。連日のテレビ報道では、弱い地盤と急峻な山と想定外の豪雨という不利な自然的条件が重なったことで大災害になったとしきりに説明されていました。しかし、私は、それ以上に人間の、危険を顧みない傲慢な開発こそが本当の原因だと感じています。

 本県でも、8月の豪雨の際に、土佐市の宇佐地区で、不法、違法な開発での土砂などによってできたダムが決壊する事故がありました。その下流では、避難指示に従ったお年寄りがタクシーを呼んで避難していました。ここは確実に人災でありました。

 本県もこれから順次、大規模な造成宅地について点検を進めるとお聞きしており、安心しておりますが、県民が活動する範囲には多くの危険箇所があります。

 不法、違法な開発が危険な状態のまま放置されることがないよう強く願うものですが、今後の点検、調査の進め方について土木部長にお聞きいたします。

 次に、観光の振興についてお聞きいたします。

 ことしの夏は、ちょうどよさこいの時期に台風の襲来や大雨が降ったことで、高知市内の宿泊施設ではキャンセルが相次いだと報道されていました。そのほかにも宴会や日帰りの客、そして観光バスなどを含めましたら、大きな打撃があったんではないかと思われます。関係者の方々にお見舞いを申し上げます。

 そこで、この時期の観光の落ち込みをどのように把握しておられるのかを観光振興部長にまずお聞きいたします。

 そして、その観光客の減少に対して、県は、この9月補正で、緊急の誘客対策として2,000万円を超える予算を計上しております。

 マスメディアを活用した本県への誘客発信が柱だとお聞きはしておりますが、こうしたツールでの啓発に果たしてどのような効果を期待しているのか、また、この取り組みで夏の落ち込みを秋以降にどのように挽回できると考えておられるのか、お聞きをいたします。

 さらにもう一点、遠距離バスの事故の多発を受けて、バスの運行規定に関する法改正があったと聞きます。距離と時間の併用運賃となることや、実車距離に応じて交代運転手が必要になるなど、貸し切りバス料金は大幅に上がることが見込まれ、本州方面から本県など、遠方への泊まり旅行は宿泊数が減らされるんではないかと心配の声が上がっています。

 そこで、本県が取り組んでいる県の東部や西部などへの誘客施策に対して、どんな影響がいつごろからあると予測されているのか、またこのことに対して県では今どんな施策を考えているのか、あわせてお聞きいたします。

 次に、台湾への高知県事務所の開設についてお聞きいたします。

 本県は、平成8年にはシンガポールに、そして平成15年には上海に、それぞれ海外事務所を開設しました。それらの事務所は、高知県産品の外商戦略や観光などの情報拠点として、その使命を立派に果たしてきました。

 ところが、上海事務所につきましては、中国との貿易に関心を持つ企業が少なくなってきたことや、費用対効果などを総合的に踏まえて、ことし3月末で県独自の上海事務所を閉鎖しました。中国の人口や今後の経済発展を考えますと、これほど大きな可能性を持った商圏からの撤退は、大変残念なことではありますが、今の互いの国情を考えると、いたし方ありません。

 そこで考えるべきは、2,300万人もの人口を有する台湾との交流であります。台湾は、日本による50年間もの統治時代があったとはいえ、今も非常に親日的であり、東日本大震災の際には、他国をはるかに上回る額の義援金を国民からの自発的な意思により送られてきました。また、本県のよさこい踊りは、台湾最大の行事であるランタンフェスティバルに毎年参加しており、今では現地で絶大な評価を受けるまでになっています。また、チャーター便による互いの観光交流や経済視察なども次第に交流の幅を広げ、互いの信頼関係を深くしてきたところであります。今まさに、海外事務所開設の機運が熟したとも言えます。

 そこで、観光から経済まで、台湾との幅広い交流をさらに深めていくべきだと考えるんですが、どうでしょう。知事にお考えをお聞きいたします。

 最後は、龍馬マラソンのことでお聞きいたします。

 来年2月には、第3回目の龍馬マラソンが予定されています。回を追うごとに参加者がふえ、盛況になり、高知を代表する観光資源にまでなりそうな勢いであります。

 そこで、次回はどれだけの参加者を想定しているのか、また、その大会には埼玉県庁の川内優輝さんを招待されているそうですが、どんなコンセプトで、どのように盛り上げようとされているのか、まず教育長にお聞きいたします。

 次回からは、高知城が見える県庁前の電車通りからのスタートとなり、また「県庁おもてなし課」の映画に何度も出ていたあの仁淀川の河口大橋を渡る大変眺めのいいランニングコースができ上がりました。この龍馬マラソンがこの先しっかりと定着すれば、観光の閑散期である冬場に多くの宿泊客が見込め、よさこいにも匹敵する大きな観光資源になるかもしれません。そして、そこに高知の春のおきゃくなどをセットすれば、また新しい高知県のおもてなしにも育っていきます。選手の方は、事前にも走りに来ますし、試合後には家族ぐるみで高知観光のリピーターになってくれるかもしれません。これまでの参加者は約6割が県外客であり、日本の各地から訪れてくださっています。選手の方たちには、走るコースの景色のすばらしさだけでなく、沿道の応援にも、ボランティアにも、そして滞在中の食べるもの、接するもの全てに少しでもいい印象を持って帰っていただきたいものであります。

 この先は、観光の要素ももう少し加えながら、県を挙げて万全の準備で高知県の好印象を焼きつけていこうじゃありませんか。そして、埼玉県庁の星に加えて、高知県庁の星でもある尾崎知事にも選手として参加していただいて、大いに盛り上げるというのはどうでしょう。

 そこで、来年開催の準備状況につきまして、教育長から御答弁をいただき、知事にはこの龍馬マラソンを将来どんな姿に仕上げようとされているのか、お伺いをいたしまして、第1問を終わります。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 森田議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、今後、国のまち・ひと・しごと創生本部にどのように働きかけていくのかとのお尋ねがございました。

 国におきましては、総理を本部長とするまち・ひと・しごと創生本部を設置するとともに、国と地方が総力を挙げて地方創生に取り組むための指針である長期ビジョンと総合戦略の策定を年内に予定するなど、積極的に地方の創生に取り組もうとしております。

 私は、今回の国の取り組みに大いに期待をしております。大いに期待するがゆえに、国におきましては、第1に、直面している課題に応じて地域地域が取り組んでいる施策に重きを置いて支援をすること、第2に、地域の企業や事業者の皆様が抱える課題はそれぞれ異なっていることを踏まえ、地域の多様なニーズに対応できる総合的な施策を展開していくこと、第3に、中心都市のみならず、中山間地域にも若者が住み続けられるような施策とすること、この3点を基本に、地方の目線に立って、これまでの施策の延長線上にはない異次元の施策を展開していただきたいと考えております。

 このような思いから、全国知事会の次世代育成支援対策プロジェクトチームのリーダーとして、高齢者の資産移転を促し、若者の経済的負担を軽減する税制改正など、抜本的な少子化対策を安倍総理などに訴えますとともに、CLTの推進を起爆剤とする林業の再生や集落活動センターを中心とした中山間地域での小さな拠点づくりなど、本県の経験を踏まえ、地方創生につながると考えられる取り組みにつきまして、関係者などに政策提言を行ってきたところであります。

 こうした中、全国知事会におきまして、去る22日、私も含め13道府県知事で構成します地方創生対策本部が設置をされました。速やかに国の動きに対応するための体制が整えられてきております。

 今後とも、体制が強化されました全国知事会とも連携をしながら、国の動きにおくれることなく、スピード感を持って、地方創生に向けた骨太の政策提言を行ってまいりたいと考えております。あわせまして、引き続き本県独自の政策提言を積極的に行うことなどを通じまして、本県の取り組みを後押しする地方創生の施策が実現されますよう、取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、十分な税財源確保のための政策提言についてお尋ねがありました。

 人口減少や高齢化が全国的に進む中で、各地域がそれぞれの実情に応じた課題解決のための取り組みを積極的に進めていくためには、依然として存在する地域間の財政力格差を是正するとともに、必要となる地方の税財源をしっかりと確保していくことが重要であります。この点は、特に歳入に占める地方交付税の割合が高いなど、本県のように財政力の弱い団体にとっては、極めて重要な問題であると認識しております。そのため、本県としましては、これまでも地域間の財政力格差の是正や地方の税財源確保に向けた政策提言を国に対して積極的に行っているところであります。

 具体的に申し上げますと、まず地方交付税につきましては、地方公共団体の財源の不均衡を調整するという本来の機能が十分に発揮されますよう、毎年、全国知事会などを通じまして、必要となる総額の確保について繰り返し訴えてきております。

 また、国の経済対策に伴う交付金などにつきましては、例えば有効求人倍率の低い地域など、経済活性化の必要性が高い地域に手厚い配分になりますよう、具体的な算定方法について本県独自に政策提言をしてきており、これまでも幾つか成果が上がっておると考えております。

 さらには、本年4月からの消費増税に伴い、地域間の財政力格差のさらなる拡大が懸念されましたことから、地方税源の偏在是正措置が確実に講じられるよう、昨年度、四国知事会を通じて、政府及び与党関係者に緊急提言を行ってきたところであります。

 このようなこれまで本県が行ってきた地方税財政に関する政策提言につきましては、国の制度にも一定反映されてきていると認識いたしております。

 今後、まち・ひと・しごと創生本部では、人口減少の克服と地方の創生に向け、地方交付税制度などについてさらに検討を進めることとされております。また、年末の税制改正に向けまして、消費税率10%段階での地方税源の偏在是正措置などについて議論が行われる予定であります。

 本県としましては、引き続きこのような国の動向を注視しつつ、地域間の財政力格差の是正や地方の税財源確保のための十分な措置が確実に講じられますよう、他の地方公共団体とも連携を図りながら、機を捉え、国に対して、より積極的に政策提言を行ってまいりたいと考えております。

 次に、産業振興計画を着実に実践する大川村の取り組みについてお尋ねがございました。

 離島を除いて人口が全国最少の自治体である大川村では、人口維持を目標に掲げた振興計画に基づいて、地域資源を生かした1次産業や観光振興の取り組み、集落活動センターの開設も視野に入れた取り組みなどが活発に進められており、私としても敬意を表するものであります。

 県としましても、この大川村での取り組みの成功は、同じ課題を抱える県内の他の市町村に大きなプラスの波及効果をもたらすものと考え、これまでに庁内に産業振興推進部長をトップとするプロジェクトチームを立ち上げましたほか、村の取り組みの牽引役として県職員1名を村に派遣するなど、積極的に支援をしているところであります。

 この振興計画を進めるに当たっては、従来の枠組みにとらわれない柔軟な発想で村内の人や物を最大限に生かすという考え方に立ち、小さな村だからこそできる、行政と民間事業者、村民が総ぐるみとなった取り組みとすることを村とともに進めていきたいと考えており、考え方を共有しておると考えております。

 こうした基本的な考えのもと、議員のお話にもありました土佐はちきん地鶏や山岳観光などと、その関連産業の振興や自助・共助の視点も入れた支え合いの仕組みづくりなど、振興計画の実現に向けた具体的な行動計画づくりを大川村の皆様とともに進めているわけであります。

 本県のように、全国に先駆けて人口減少や高齢化が進む中山間地域の活性化をなし遂げるためには、地域地域で取り組んでいる産業振興による事業の拡大がさらなる雇用を生み出し、それによって新たな定住者の増加につながるというようなプラスのスパイラルを機能させるように取り組むことが特に重要と考えますので、土佐はちきん地鶏の振興についても、この目指すべき方向を常に意識しながら、村とともに取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 また、こうした中、国では、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、内閣を挙げて地方創生に取り組むこととしております。既に御紹介もしてまいりましたけれども、大川村の取り組みについて、必要に応じて情報提供し、ぜひ有効なる政策、こちらをかち取ってまいりたいと、そのように考えておるところであります。

 次に、南海トラフ地震対策に関連して、中山間地域への都市の整備、また被災後の県民の姿についてのお尋ねがございました。

 南海トラフ地震が発生すれば、県民の皆様の生命や住居に大きな被害が発生をし、多くの方が避難所での生活を余儀なくされることが想定をされます。また、東北3県を見ましても、もともと人口が減少傾向であったところに震災の影響によってさらに人口が減少し、いまだ震災当時の水準まで回復をしていない状況があり、沿岸部に居住地域が多い本県においては、より深刻な人口の減少が起こるのではないかという懸念もあります。

 こうした状況を考えましたとき、確かにお話のありました中山間地域にあらかじめ居住場所などが確保された都市を整備すれば、被災者の県外流出防止、さらには中山間対策の強化にもなると思われます。

 他方、人々の暮らしやまちというものは、長年の歴史の土台の上に立ち、また何よりその土地に根づいて形づくられてきたものでありますことから、仮に県が意図的に時間とコストをかけて新しいまちをつくったとしても、中山間地域に居住を希望される方がどの程度いらっしゃるのか、都市が形成できるほどの方が移転するのかという問題がありますし、またそもそも南海トラフ地震対策としては、次の地震に整備が間に合うのかといった課題もございます。

 県としては、事前の高台移転という点では、まずは特に人命にかかわる被害を最小限に食いとめるため、早急に実施すべき保育所や幼稚園の移転に対する支援を行いますとともに、黒潮町の出口地区のように、集落の高台移転に関心のある地域での検討を支援していきます。

 また、被災後の一時居住場所の確保策として、速やかに応急仮設住宅の確保ができるよう、供給体制づくりの検討も行い、速やかな復興に向けてあらかじめ取り組むことで、被災者の県外流出防止にもつなげていきたいと考えておるところです。

 県としましては現在、以上のような形で発災直後から応急期までの対策に全力で取り組んでおります。

 ただ、あわせまして、被災地に学びながら、復旧や復興のあり方についても、復興地のまちづくりをどうしていくのかといった点も含めて検討を始めたところであります。検討を深める中で、被災後に人口や経済の重心を移すことが適当だと明らかになる地域も出てくるものと思われます。こうした地域では、例えば老朽化などによりまして公営住宅を新築する必要が生じた際、あらかじめこうした検討をもとに他の地域に移しておくといった対応を図ることが有効である場合も出てくるものと思われます。このように、保育園の高台移転といった、まずは緊急に求められる対応を図りながら、あわせて復興後の姿をあらかじめ想定し、検討していく中で、その検討により次第に明らかとなる設計図に基づき、まちの姿を徐々に変えていくとの対応を図っていくことも必要ではないかと考えているところであります。

 さらには、そもそも中山間地域の活力を維持することが、移転も含めた将来の復興を速やかに行うための前提となるものと考えます。防災の観点からも、集落活動センターの設置など、中山間地域の生活を守り、産業をつくる取り組みに力を入れてまいりたいと考えております。

 次に、耐震診断後の安全な住宅対策についてお尋ねがありました。

 南海トラフ地震での死者を限りなくゼロに近づける上で、安全な住宅対策は極めて重要であります。そこで、住宅の耐震化の加速化に向けまして、まずは耐震改修の入り口となります耐震診断の実施率向上のため、特に効果の高い市町村による戸別訪問などの取り組みを支援いたします。

 戸別訪問は、耐震化の重要性や支援制度の周知に加えまして、耐震改修に係る費用などの情報を提供することにより、加速化の課題の一つである費用に対する不安を解消することにもつながるものと考えておりまして、耐震改修の実施率向上に全体として効果があると考えております。

 さらに、耐震改修を行う住宅所有者の経済的負担を軽減することも、御指摘のとおり、非常に大きな課題だと考えております。耐震診断士や工務店などに対し、既存の天井や床を壊さないで補強する工法や外壁から補強する工法など、従来の工法に比べて7割から8割程度の費用でできる低コストの工法の普及啓発を強力に進めていきたいと考えております。加えまして、初期の費用負担を大幅に抑えるため、補強工事を分割して実施できる仕組みの検討を行いたいと、そのように考えております。

 現在研究開発が進められております部分耐震技術の活用についても、引き続き検討しますとともに、経済的な理由によってどうしても耐震改修ができない住宅所有者への支援の一つとしまして、公営住宅などへの住みかえについても、市町村と連携して取り組むことができないものか、検討していかなければならないと考えております。

 南海トラフ地震のリスクに直面する本県として、少しでも早く全ての住宅が地震に対して安全となるよう、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えています。

 次に、公共交通の経営が厳しい地域への手厚い支援について、国に対して交通政策の面だけでなく、幅広い視点から提案をしていくべきではないかとのお尋ねがございました。

 日常生活や社会経済活動を行う上で、鉄道やバスといった公共交通機関は重要な役割を担っておりますが、人口減少やモータリゼーションの進展などに伴う利用者の減少から、地方における公共交通を取り巻く経営環境は年々厳しさを増しており、多くの事業者が御苦労をされておるところであります。採算のとれないバス路線などを多く抱える地域では、事業者の負担はもとより、路線維持を支援する地方公共団体の負担も大きくなっておりまして、そのことがさらなる路線の減便や廃止につながり、サービス水準の低下を招くなど、住民生活や経済活動に影響が生じてきております。

 こうした状況を受けまして、地方の公共交通についての国の方針は、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の改正趣旨に見られますように、公共交通を民間事業者に任せきりであった従来の枠組みから脱却し、地方公共団体が積極的に関与する必要があるという方向に変化してきております。

 今後は、地域の公共交通の維持、存続にこれまで以上に行政のかかわりが求められてくるといった大きな流れになると思いますが、地方公共団体がそうした役割を担っていくためには、財政的な負担が問題となっており、さらなる国の支援が必要な状況にあります。

 現在、国においては、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げ、人口減少克服、地方創生といった構造的な問題に正面から取り組みますとともに、それぞれの地域特性に即した課題解決を図ることを目指す取り組みが強力に進められようとしております。

 公共交通ネットワークは、産業経済活動はもとより、教育や福祉等のサービスを支える不可欠な基盤であり、その維持、整備は、地方が成長する活力を取り戻し、地方への人の流れをつくり、定着を図っていく上で重要なポイントとなるものであります。

 県といたしましては、今回の国の動きを捉え、地域が活力を取り戻すために必要な基盤として、公共交通の確保、改善に積極的にかかわって対策を行う地方公共団体の支援が充実されますよう政策提言を行ってまいりたいと考えております。

 次に、本県の交通インフラの現状と今後の充実強化についてどのような展望を持っているのかとのお尋ねがございました。

 先月の台風12号、11号の豪雨によりまして、他県と連絡する交通インフラにおいて、空路では延べ34便が欠航し、JR土讃線の阿波池田−土佐山田間では、約11日間にわたり不通となりました。道路においても、雨量による事前通行規制などにより、国道32号では239時間、本四高速の神戸淡路鳴門自動車道では37時間、高知自動車道の高知−川之江間でも61時間の通行どめを余儀なくされました。これらの交通の断絶が、例年観光客数がピークを迎えるよさこい祭り前からお盆の時期と重なりましたため、この時期の土讃線の利用客数は前年度比33%減、高知自動車道の利用台数は約20%減となるなど、県経済にとって大きなマイナスとなりました。また、議員御指摘のように、多くの方々に大変な御不便をおかけいたしたところであります。

 このような異常気象時に平時と同様の交通機関の運行や通行を確保することは、安全性の面から難しいことでありますし、そもそも四国が島国であるゆえに、地勢的に災害時の交通ネットワークが弱いということもありますけれども、改めまして本県の交通インフラの脆弱性を思い知らされたところであります。

 そうした中にありまして、高知自動車道は、土讃線や国道32号などと比べ通行どめの時間が短かったことや、今回の豪雨においても大きな被災がなかったことから、やはり高規格道路は信頼性の高い交通インフラであると、こういうことも実感をいたしました。

 高規格道路である四国8の字ネットワークが整備されますと、複数ルートによる県外とのアクセスが確保されることとなりますので、雨量による通行どめが発生しましても、長時間にわたり県外との交通が断絶するおそれは極めて少なくなります。災害時には命の道となり、平時には産業や経済を支える道となる四国8の字ネットワークの早期整備に向けまして、県議会や市町村の皆様、関係する地域の方々と一体となって取り組みを進め、早期完成を目指してまいります。

 あわせまして、直轄国道や鉄道の防災対策につきましても、国や鉄道事業者に働きかけを進めてまいりたいと、そのように考えています。

 次に、台湾への本県事務所の開設に関連したお尋ねがございました。

 まず、本県と台湾との経済交流につきましては、これまでに築いてまいりました現地の量販店や貿易商社との良好な関係をもとにして、平成23年度から毎年開催しております高知県物産展に加えまして、本年度は新たに現地の貿易商社との商談会を開催するなど、県産品の販路開拓に幅広く取り組んでいるところであります。

 また、観光面では、台湾のランタンフェスティバルと本県のよさこい祭りを通じた交流が年々活発になってきている中で、高松空港に台湾との定期便が就航したという機会を捉え、最優先市場としてセールス活動を精力的に行ってまいりました結果、台湾から本県への観光客数は、この4年間でおよそ3倍にふえてきております。

 この4月には、台湾の大手企業が加盟をしております中華民国三三企業交流会の定例会に出席する機会を得ることができました。この絶好の機会を生かして台湾との交流をさらに発展させるため、県内の観光、工業、食品の各業界から合わせて22社の参画を得て、高知県台湾販路開拓経済ミッション団を編成し、私が団長として台湾を訪問いたしました。

 訪問の際には、三三会の定例会の場において、本県が誇る食材などの観光資源や防災関連産業などを紹介しますとともに、現地企業を招いての商談会もあわせて開催をいたしました。この商談会をきっかけに幾つかの商談が始まっていますし、台湾との取引に意欲を示される県内事業者もふえてきておりますので、今後の観光客の増加や貿易の拡大に手応えを感じているところであります。

 こうしたことから、今後、台湾との経済交流の一層の促進や、さらには台湾をゲートウエーとした中国本土への輸出拡大を狙いとしまして、新たな戦略とそれを実行する体制について、本年度内に検討を進めていくこととしております。検討に当たっては、事務所の開設など現地にサポート拠点を設けることも視野に入れまして、さまざまな選択肢について検討を重ねてまいりたいと考えているところでございます。

 最後に、高知龍馬マラソンを将来どのような姿に仕上げようとしているかとのお尋ねがございました。

 高知龍馬マラソンは、過去2回の大会におきまして、参加していただきました多くの皆様から御好評をいただいておりまして、各種ランニング専門誌に紹介されるなど、全国的に注目される大会に育ってきていると受けとめております。

 参加者も、第1回大会の3,500人から、第2回では5,000人に増加をし、今回の第3回大会は7,000人を目標に取り組みを進めているところであります。そして、次回の第4回大会では、節目となる参加者1万人規模の大会を実現したいと考えております。

 そうしたことも視野に入れながら、今大会ではインターネットによる先着順の参加申込方法を導入しますとともに、仁淀川を渡るコースを加えた、より魅力のある走りやすいコースに見直しを行い、そして日本を代表するトップランナーである川内優輝選手を招待選手として迎えるなど、全国に向けた情報発信も強化したところであります。

 今後、1万人規模の大会に大きく育てていく中で、まず県内の皆様には、今までスポーツにかかわりが少なかった方にも、スポーツや健康づくりへの関心を高めるきっかけにしていただきたいと思いますし、より多くの皆様にランナーとして参加していただきたいと思っています。

 加えまして、ボランティアや応援などさまざまなスタイルで参画していただくことも含め、日本一の健康長寿県構想に掲げる、生涯を通じた健康づくりの推進につながる大きな機会としていきたいと考えております。

 また、県外からお越しいただくランナーや応援の皆様には、龍馬が育った高知県の風土や歴史、食や文化を存分に味わっていただくことができる大会づくりを心がけ、高知家ならではの温かいおもてなしを充実してまいります。

 こうしたことによりまして、高知県のファンをふやし、大会後も繰り返し本県に足を運んでいただきますよう努めてまいりたいと考えておりますし、またそうなりますように具体的な取り組みとして、ことしもそうでありましたが、龍馬パスポートなどをうまく活用していく、そういう取り組みを進めていきたいと、そのように考えておるところであります。

 本県には、高知龍馬マラソン以外にも地域の特色を生かした個性豊かなマラソン大会が数多くございますし、大会が開催される2月は、観光開きの時期でございます。こうした大会やイベントとも連動を図りながら、全国のランナーがぜひ高知県に行きたいと思うような大会を目指していきたいと考えております。今後も関係者の皆様の御協力を得て、真夏のよさこい、早春の龍馬マラソンと、全国的にも認知されるよう大きく育ててまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) 林業振興と中山間振興についての一連の御質問にお答えします。

 まず、高知おおとよ製材の原木加工量の目標達成はどうだったか、反省や成果についてのお尋ねがございました。

 高知おおとよ製材が昨年8月に稼働を開始してからほぼ1年が経過しましたが、初年度の目標原木加工量5万立方メートルに対して、9,000立方メートル少ない4万1,000立方メートルの実績となっております。

 この要因といたしましては、操業開始時の加工機械の初期調整や従業員の習熟に時間を要したこと、また11月に工場内で労働災害事故が発生し、安全総点検を実施するため、工場の操業を一時停止したことなどが考えられます。

 現在では、従業員の習熟度も向上し、また労働安全衛生面の改善により加工体制が整ったことから、月産4,000立方メートル余り、年換算にいたしますと5万立方メートルと、当初に目標とした水準で稼働しております。3年目の年間10万立方メートルという目標に向けて、さらなる増産の取り組みを進めているところでございます。

 成果といたしましては、高知おおとよ製材の本格的な稼働により、原木に対する需要が高まり、原木価格の下支えに寄与したことで、再び林業の将来に明るい兆しが見え始め、原木生産に携わっている方々の木材増産に対する意欲の向上と増産に向けた体制の構築が進み始めたということではないかと思っています。

 次に、人材や資機材の確保と原木の供給に関するお尋ねがございました。

 県では、県木の増産、安定供給に必要な担い手の育成確保を図るため、林業に関する知識や技術を習得していただくための研修を実施するなど取り組んできました。その結果、林業就業者については、近年増加傾向で推移してまいりましたが、昨年は建設業などへ人材が流出したことから、60名程度減少したものと思われます。

 しかし、林業就業者が減少する一方で、昨年度の原木生産は、一昨年に比べ3万立方メートル増加していることから、高性能林業機械の導入が進み、労働生産性は向上しているものと考えています。特に高性能林業機械の導入台数は、北海道、宮崎県に次いで全国第3位と高水準にあるものと考えています。

 今後は、高知おおとよ製材の本格的な稼働や木質バイオマス発電施設の整備により、原木のさらなる需要が高まりますことから、生産性の向上に不可欠な事業地の集約化や作業システムの効率化に向けた作業道の整備を進めてまいりますとともに、高性能林業機械の稼働率を向上させることにより労働生産性を向上させ、さらなる原木増産を図ってまいります。

 一方で、担い手の確保については、当面厳しい状況が続くものと思われますので、林業の裾野を広げるため、小規模な林業活動を実践している方々にも原木増産の一翼を担っていただきたいと考えております。このため、小規模な林業活動の本格的な振興に着手することとし、林業者のスキルアップやネットワーク化を図る経費を今議会に提案させていただいております。これらの取り組みにより原木生産に要する人材の厚みを持たせることで、原木の安定供給が可能となり、バイオマス関連施設への供給も滞りなく行えるものと考えています。

 次に、県内2カ所の木質バイオマス発電施設の整備状況と必要な木材の調達状況についてお尋ねがございました。

 2カ所の木質バイオマス発電施設については、平成27年の操業開始を目指し、施設の整備が進められており、夏場の豪雨や台風の影響で部分的には数日のおくれは出ているものの、ボイラーやタービン、発電機など主要な設備の設置が終わり、年内には施設が完成する予定となっています。

 また、この木質バイオマス発電に必要な木材を確保するため、土佐グリーンパワー株式会社では、森林組合連合会と原木の安定供給協定を結び、各共販所ごとに原木供給量の積み上げを行い、計画的な原木の収集ができるよう取り組みを行っています。

 他方、株式会社グリーン・エネルギー研究所では、幡多地域の森林組合等と安定供給協定を結ぶとともに、地域の素材生産事業者と協力関係を取りつけることで、原木確保に取り組んでおります。

 双方とも取引に係る受け入れ基準や価格等が既に示されており、稼働に向けて関係者による供給の準備が本格的に進み出したところでございます。

 固定価格買取制度による木質バイオマス発電では、間伐材など燃料の由来によって売電単価が異なるため、木材供給の際には、林野庁の定めるガイドラインに基づいて、その木材の由来の証明を行う必要がございます。

 このため、この制度の取り扱いや運用などについて、林業関係者への周知を行ってまいりました。この制度では、例えば県森林組合連合会の構成員である各森林組合は、団体認定を受けることでガイドラインに沿った証明を行うことができます。しかし、自伐林家などについては、こうした団体の認定を受けることができませんので、県として、国と協議した上で、市町村による証明の代行という仕組みをつくり、それを活用することで、多様な事業者から適正に証明された原木の出荷が確実に行われるよう対応を進めております。

 一方で、これまでにない大量の低質材を集めることが必要となりますため、伐採事業者が事業地を確保するのに必要な森林資源情報の提供による計画的な調達の推進、県内にある森林組合連合会の共販所や発電事業者が確保したストックヤードの活用、自伐林家等の小規模事業者向けの身近な中間土場の整備などにより、低質材を出しやすい環境を整えるとともに、機械装備の支援を行うことで個々の供給事業者の生産力を強化してまいります。これらの取り組みを発電事業者や供給関係者と連携して進めることにより、必要な木質バイオマス燃料の確保につながるものと考えています。

 次に、木質バイオマス熱利用として、施設園芸以外の木質バイオマスボイラーの普及の取り組みについてお尋ねがございました。

 これまで本県では、重油使用量が多い施設園芸を中心に、木質バイオマス利用の拡大と木質燃料の供給体制の整備を進め、エネルギーの地産地消に取り組んできたところです。この結果、平成25年度末までに208台の木質バイオマスボイラーが導入されています。

 お尋ねのありました公共施設での木質バイオマス熱利用につきましては、平成22年10月に施行されました公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律に、木材利用促進とともに木質バイオマスの利用促進が明記されており、本県においても、高知県産材利用推進方針の中で木質バイオマスの利用を掲げて取り組みを進めてきました。

 県有施設におきましては、あき総合病院や牧野植物園で木質ペレットボイラーの導入が図られ、市町村におきましても、梼原町や田野町、佐川町などで庁舎や高齢者福祉施設の冷暖房や給湯システムが導入されているところです。

 木質バイオマスの熱利用につきましては、都市部ではスペースの問題や排煙などの課題があり、導入できるところは限定されますが、今後も県みずから導入に取り組むとともに、各市町村においても、木質バイオマスを利用することでコストパフォーマンスが見込まれる施設については、更新の際などに国の事業を活用しながら積極的に導入を働きかけてまいりたいと考えています。

 加えて、公共施設以外でも食品加工業や製紙業など、重油等の化石燃料をたくさん使用している事業者も多いことから、木質燃料の供給体制を整えながら、このような施設での利用拡大を進め、持続可能な木質バイオマスエネルギーの地産地消を進めてまいります。

 次に、CLTの導入と普及について、現在の取り組み状況と今後の見通し、また東京オリンピック・パラリンピックに向けた現在の状況や問題点についてお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えします。

 CLTは、飛躍的な木材需要の拡大が期待できることから、本県が全国のトップランナーとして、その実用化に向けた取り組みを進めるとともに、国に対してCLTの早期普及に向けた政策提言を行ってまいりました。こうした中、本年6月に公表された新しい日本再興戦略においても、林業の成長戦略の主要施策にCLTが位置づけられました。

 さらに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける関連施設にCLTが採用されますと、今後の普及に一層弾みがつくと考えています。そのため、JOCを初め国や東京都知事、施設が集中します江東区長などにCLTを積極的に活用するよう提案活動を行ってまいりました。

 その中で、CLTによる施設の木造化については、総じて好意的に受けとめていただいておりますが、一方、耐火や耐震などの建築に関する基準が現時点では整っていないことや、CLT建築物に対するコストが改めて問題となりました。

 このため、今後のCLTの普及に向けて、まずはCLTに関する基準の整備が必要であることから、国におきましては、CLTパネルの強度確認や耐火に関する試験を実施するなど、より多くのデータ収集を進めています。

 本県におきましても、国と連動してCLTパネルの強度や耐火試験を行い、データを国に提供するなどして、CLTに関する基準づくりの促進につなげていくこととしています。

 また、日本の気候風土に合った設計、施工に関するノウハウの確立や対応できる人材の育成につきましては、高知県森林組合連合会ビルなど現在進めている4件の建築プロジェクトを進める中で明らかになった知見やノウハウを活用し、今後の人材の育成や設計、施工に生かしてまいります。

 さらに、まとまった需要に対応できるCLTパネルの供給体制の整備につきましても、市場ニーズの把握などの調査を行い、CLT加工施設の規模の見きわめや先進国のノウハウの集積に努めているところです。

 こうした取り組みを進めることで、CLTが競合する鉄筋コンクリート工法と変わらないレベルに建築コストを持っていけるものと考えており、施設の整備を行う事業者に丁寧に説明し、理解を求めていきたいと考えています。

 いずれにしましても、オリンピック関連施設へのCLTの活用を一つの目標として、引き続き国などへの要望活動をし、本県が先頭に立って着実にCLTの普及拡大に取り組んでいくことが必要であると考えています。このことによって、CLTの普及による木材需要を大きく飛躍させ、森林資源の活用が都市と地方の新たな関係を築き、中山間地域における雇用の創出や地域経済の活性化など、持続可能な取り組みになると考えています。

 次に、災害復旧工事に素早く着手できるのか、その見通しについてお尋ねがございました。

 今回の台風により、林業関係では、林地崩壊や地すべりなどの山地災害、林道や作業道の路側やのり面の崩壊など、約650カ所、51億円余りの被害が発生いたしました。このうち山地災害では、再度災害を受けるおそれがあり、緊急を要する箇所については、災害関連緊急事業として国へ要望し、迅速な復旧に努めているところです。また、市町村が管理しております林道につきましては、11月初旬から国の災害査定を予定しており、現在、その準備を進めているところです。

 林道災害復旧工事の実施に当たっては、国の補助指令前工事着手制度や繰越制度の活用による前倒し発注や柔軟な工期設定により、緊急度に応じて施工時期を分散するなどの対応をしていただくよう、関係市町村に対し要請してまいりたいと考えています。

 なお、作業道につきましては、作業道を管理します森林組合や林業事業体が復旧工事を行うものが大半ですので、技術者不足への影響は少ないのではないかと考えております。

 いずれにいたしましても、今後の原木生産への影響を極力少なくするよう、早期の復旧に努めてまいります。

   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇)



◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 大川村の土佐はちきん地鶏の熱心な取り組みに対して何らかの支援が必要ではないかとのお尋ねがございました。

 土佐はちきん地鶏を活用した畜産業の活性化につきましては、平成21年度の産業振興計画の策定当初から嶺北地域の地域アクションプランに位置づけられておりますし、大川村振興計画においては、村の命運を担う基幹産業と位置づけられており、大川村の振興を実現する上で特に重要な取り組みであると認識をしております。

 大川村では、平成20年度から本格的に土佐はちきん地鶏の生産・販売に取り組まれております。これまでの関係者の御尽力によりまして、脂肪分が少なくヘルシーであることや、適度な歯応えがあり、消費者にも受け入れられやすいといった肉質の優位性を確保することで、知名度も高まり、市場からは生産の拡大を期待する声も多く聞かれますなど、今後の生産拡大によるさらなる売上額の増加が期待されているところです。

 一方で、現状の生産体制における収支の改善や生産羽数の増、生産から加工・販売までを一貫して取り組む体制の確立といった将来に向けての課題もあると認識をしております。そのため現在、農業振興部を初めとする県の関係部と副村長ほか村の担当課が互いに協力をして、村の基幹産業となることを目指した事業計画の策定に向けて、具体的な検討を進めております。

 今後、村の御意向を踏まえつつ、専門アドバイザーの助言なども参考としながら、具体的な事業計画づくりを支援してまいりますとともに、計画の実行につきましても、産業振興推進総合支援事業費補助金など県の支援施策の導入等を通じまして積極的に支援をすることで、村とともに計画の実現を目指してまいりたいと考えております。

   (農業振興部長味元毅君登壇)



◎農業振興部長(味元毅君) まず、四万十町に整備を進めております園芸団地の建設の進捗状況と、これからの経営に向けた準備状況についてのお尋ねがございました。

 次世代施設園芸団地につきましては、平成28年8月からの営農開始に向けて、計画的に整備を進めているところでございます。本年度は、ハウス建設の前提となります基盤整備を行うこととしておりまして、これまでに、この団地で必要な用水量の調査などを行うとともに、この10月からは既存施設の撤去や圃場の整備に着手いたします。年度内に完了する予定となっております。

 また、ハウスや集出荷場などの施設につきましても、9月17日に実施設計に着手し、事業主体となる農業法人3社の方々と協議を行いながら、施設本体や附帯設備などの具体的な仕様を固めていくこととしております。工事は、現在のところ平成27年度当初に発注し、28年3月に完了する計画となっております。

 次に、経営開始に向けた準備状況でございますが、事業主体となる法人3社の経営が順調にスタートを切るためには、人材の確保と事前の技術習得、そして販売先の確保が重要だと考えております。

 まず、人材の確保と技術習得についてでございますが、作物の生産や経営の中心的な役割を担ういわゆる幹部候補生につきましては、国の地域人づくり事業を活用して、各社が数名程度を雇用し、27年2月から営農開始までの約1年半、県内で先進的な取り組みをしている法人や農業担い手育成センターなどで実践研修を行うこととしております。

 一方、団地全体で60人から80人の雇用が見込まれる従業員につきましては、四万十町においては企業誘致などによる人材不足が懸念されるとの情報もございますので、町内にとどまらず、県内外からの従業員の確保に取り組む必要があると考えております。そのため、四万十町や県などで構成する雇用対策プロジェクトチームを立ち上げまして、県内外での人材募集や移住対策のための住居の確保などにも取り組むこととしております。

 また、販売先につきましては、法人3社が中心となりまして、これまでの取引先との関係などを通じまして、その確保に努めているところですが、より有利な販売につながるよう、県としても引き続き支援を行ってまいります。

 なお、この団地は、県が進めている次世代型こうち新施設園芸システムの拠点となりますことから、事業の円滑な推進はもとより、事業主体の経営安定に向けて、県、市町村、JA、そして民間企業などから成るコンソーシアムにおいて、各方面からの支援を行ってまいります。

 次に、次世代型こうち新施設園芸システムにおいて大規模化を志向するのはどのような経営体なのか、また次世代施設園芸モデル事業のニーズをどう把握しているのかとのお尋ねがございました。

 今回補正予算に計上しました事業を組み立てるに当たり、対象としては、将来にわたり安定した生産と販売が確保されており、雇用就農を含めた新たな雇用の創出が見込まれる一定規模以上の経営体で、具体的には雇用労働力を活用した企業的経営を実施している農業生産法人、あるいはそうした農業生産法人を志向する意欲的な経営体を考えております。

 また、日ごろからの経営体とのおつき合いの中で、あらかじめ経営の意向を把握していた方々、具体的には四万十町のモデル団地に参入を検討していたものの、立地条件などから断念した方々や、規模拡大の意欲を持っているものの、既存の事業では補助要件等の制約があって施設整備に踏み切れずにいた方々などに直接あるいは間接的に紹介するなどいたしまして、今回の事業のニーズを把握しているところですが、それ以外にも意欲をお持ちの方々がおいでるものと考えております。

 このため、事業の実施に当たりましては、10月中旬から下旬にかけて、4カ所で5回の説明会を開催いたしますなど、広く周知を行いまして、これまでに把握できていなかった方々にも積極的に事業参加していただけますよう努めてまいります。

 次に、次世代型こうち新施設園芸システムの構想や計画、また既存型ハウスの将来展望と支援策についてのお尋ねがございました。

 本県の施設園芸の現状は、農業者の高齢化の進行などによりまして、産地は縮小傾向にあります。この状況を打破し、安定した出荷量を将来にわたって維持・確保していくことが重要な課題となっております。

 そこで、県としましては、オランダの環境制御技術の理論を本県の気象条件や農家の経営規模に応じた技術として確立し、県内の主要品目に普及を図ることで、品質や収量の向上につなげていくことを目指して、農業技術センターで試験研究を行ってまいりました。

 昨年11月からは、生産現場の既存ハウスにおきましても、ナス、ピーマン、ニラなどの7品目について、炭酸ガス施用の実証を行いましたところ、15の全ての圃場で5%から37%の増収効果が確認をされました。特に12月から3月の品薄で高単価の時期に10%から42%の増収効果があり、生産者の高い関心が寄せられております。こうした結果を踏まえまして、この秋からの栽培にその成果を反映させるため、今回必要な予算を計上したところでございます。

 具体的には2点ございまして、まず1点目が、県内の大半を占める既存型ハウスへの炭酸ガス施用技術等の普及を加速化することを目的に、機器の導入を支援することといたしました。

 2点目は、規模拡大に意欲のある農業生産法人等を対象に、今後の施設園芸のモデルとなる環境制御技術を標準装備した次世代型ハウスの整備を支援することといたしました。これにつきましては、当面県内で5カ所程度を考えております。

 また、ハード整備の支援とあわせまして、ソフトの取り組みも重要でございます。そこで、技術を速やかに普及いたしますため、環境制御技術に習熟した環境制御技術普及推進員を県内5ブロックにJAと連携して10名配置し、次世代型ハウスのモデル整備や既存型ハウスへの技術導入において、きめ細かな技術指導や導入後のフォローなどを実施することとしております。

 さらに、今回の事業により環境制御技術を実践する圃場を学び教えあう場として位置づけ、現在の17カ所から平成27年度には106カ所に拡充いたしまして、現地検討会などのあらゆる機会を捉えて、技術のノウハウや効果を産地の皆さんと共有してまいります。

 こうしたハード、ソフト一体となった支援によりまして、次世代型こうち新施設園芸システムが本県施設園芸の標準技術として普及、定着することで、将来にわたって出荷量の維持・拡大、そして市場への安定供給が可能になるものと考えております。

 次に、園芸品の販売力強化と消費拡大に向けた取り組みについてお尋ねがございました。

 本県園芸品の販売に関しましては、流通の大半を占める市場を通じた家庭での消費を念頭に、環境保全型農業の先進的な取り組みや本県園芸品のすばらしさを伝えるための拠点として、パートナー量販店を関東や関西などに6社設けております。ここでは園芸連などと連携した高知青果フェアに取り組んでおり、平成25年度は53回、延べ817店舗で開催をいたしました。本年度は東北と中京エリアでさらにパートナー量販店を拡大して8社にいたしますなど、取り組みを強化してまいります。

 また、県を挙げて取り組んでおります「高知家」プロモーションと連動して、販売促進を図ることとしております。具体的には、ニラを手始めに、野菜の包装資材に高知家のロゴマークを表示し、高知の野菜に対する認知度を高めることによりまして、家庭での消費に対する販売力の強化に努めることとしております。

 一方、国内の園芸品の消費動向を見てみますと、家庭での消費の減少と外食や総菜加工等のいわゆる食の外部化が進行しておりまして、加工用・業務用ニーズへの対応が課題となっております。そこで、本年度から新たに外食産業等のニーズを熟知した卸売会社と連携いたしまして、外食業者などへの販路開拓に取り組んでおります。例えば、生鮮食品の通販実績でトップのウエブサイトを使った園芸品の売り込みや大手外食チェーンとタイアップしたメニューの開発や高知県産フェアの展開などを行っていくこととしております。

 さらに、鮮度や品質、栽培方法にこだわった野菜、果実の展示商談会、こだわり青果市を、本年度は東京、大阪に加えて高知でも開催し、大阪では魚の商談会とセットで行うことにより、相乗効果を出していきたいと考えております。

 先般、東京や大阪で本県の園芸品を取り扱っていただいております卸売会社の方々との意見交換の場に出席する機会がございました。その席上、卸売会社の方から、高知の園芸品の品質はいいので、「とにかく量を確保してもらいたい」、「送ってもらった品は市場が責任を持って売り切るから」との本県園芸品に対する高い評価と期待が込められた力強い言葉をいただいたところでございます。

 先ほど来、御説明をいたしました次世代型こうち新施設園芸システムの普及により、供給量の増加に努めることとあわせまして、取引の実態に応じた販売対策を強化することによりまして、全国トップのシェアを誇りますナス、ニラ、ショウガなどにつきましては、さらにそのシェアを拡大し、そこまでは至らないにしても、市場において重要な位置を占めておりますその他の品目につきましても、市場での存在感を高めることができますよう、引き続き関係団体や生産者とともに全力を挙げて取り組んでまいります。

 最後に、災害復旧工事に素早く着手できるのか、その見通しについてのお尋ねがございました。

 台風第12号及び第11号により、農地では、畦畔、あぜの崩壊や土砂の埋没など約600カ所が被災をし、農業用水路や農道などの農業用施設では588カ所が被災するなど、24億円余りの被害が発生をいたしました。

 農地、農業用施設の災害復旧につきましては、比較的手厚い国の補助事業がございますが、被災原因の調査や復旧工法の妥当性など、国による査定を受けることが必要でございます。今回の災害に対する国の査定は、11月上旬から12月中旬まで行われる予定で、現在査定に向けた準備に事業主体となります市町村と連携して取り組んでいるところでございます。

 災害復旧工事につきましては、通常、査定後に着手することになりますが、そのまま放置すると被害が拡大するおそれがある場合や農産物の生産に支障を来す場合などの応急工事につきましては、国の承認があれば、査定前であっても着工が可能でございまして、今回の災害におきましても、高知市や四万十町などでそうした手続を経て対策を行っているところでございます。

 また、事業に対する補助金や事業費が確定する前でも、県が承認をすることで本工事に着手することが可能ですので、こうした手続を積極的に活用していただき、迅速な復旧に向けて取り組んでまいります。

 以上でございます。

   (危機管理部長野々村毅君登壇)



◎危機管理部長(野々村毅君) 南海トラフ地震対策に関しまして、まず浸水のおそれのない土地を計画的に確保する視点を持つべきではないかとのお尋ねがございました。

 浸水のおそれのない土地に住居や事業所などを事前に移転することは、生命を守るだけでなく、財産や生活、産業の基盤も守ることができる大変有効な対策であると考えており、可能なところから取り組みを進めています。

 例えば、新たな工業団地の開発については、地元合意が得られたところから、必要な土地の確保を含め、市町村と連携して取り組んでおります。さらに、集落の高台移転については、沿岸市町村と高台移転に活用できる制度について理解を深めるための勉強会を開催いたしますし、黒潮町出口地区においては、総事業費や個人の負担の目安といった具体的な検討に必要な資料の提供も行っております。また、社会福祉施設や幼稚園などの個々の施設の高台移転につきましても、独自の制度を創設し、積極的に支援しているところです。

 他方で、高知市に代表されますように、本県においては、最大クラスの津波の浸水区域に県民の約半数が居住していることから、全ての方の居住地を浸水区域外に確保することは被災後であっても困難であると考えております。

 そのため、被災後の復興のまちづくりについては、地形や人口、産業の構造などの状況を踏まえて、例えば、山が海岸に迫り平地が少ない集落で、その大半が被災した地域は高台へ移転する、広い海岸平野にある市街地で、海岸堤防と道路盛り土の2種類の防護で安全な居住地を確保する、また浸水深が浅い地域では土地のかさ上げを行うといった、さまざまな土地利用の考え方やその組み合わせを事前に検討していくことが重要になります。

 事前に復興に向けた土地を計画的に確保するのであれば、こうして検討されたさまざまな土地利用の考え方について、市町村と地域の皆様、事業所などで合意しておくことが必要であります。迅速な復興のためにも、まず被災地の土地利用も含めた復興計画や住民の合意形成、計画を進める上での課題など、東日本大震災の被災地からできるだけ多くの情報を収集し、復興のまちづくりの考え方を整理したいと思っております。

 次に、入り組んだ路地の中の住宅密集地の人命救助をどう考えるのか、また危険な住宅やブロック塀などの崩壊防止対策とあわせて、安全な避難路をどう確保していくかのお尋ねがございました。

 津波が想定される地域での人命救助につきましては、まず率先して救助に当たる消防団員でさえ、みずからの避難と住民の避難誘導を優先するといった考え方が消防庁から示されており、特に津波の到達時間が短い地域では、救助に当たる時間的な余裕はないものと思われます。

 また、狭い路地が入り組み、住宅が密集した地域における避難につきましては、避難路に出るまでの路地を拡幅することは大変困難であり、現状では安全性の確保といった点で課題があると認識しております。そうした地域では、お話にありました住宅の耐震化や老朽化した空き家の除却、またブロック塀の撤去といった対策を地域の皆様に着実に進めていただくしかないと考えております。

 今後、地域本部が市町村や自主防災組織と連携しながら行っていく避難路の現地点検においては、住宅密集地内の路地などの点検も行いますので、そうした機会を通じて、住民の皆様に安全な避難に必要な対策についての御理解をいただきますよう取り組んでまいります。

 次に、県が実施している津波避難計画の点検状況と密集集落における現地調査についてのお尋ねがございました。関連しますので、あわせてお答えいたします。

 県では、沿岸19市町村で策定した508地区の津波避難計画の図上点検を7月より実施しております。この点検は、計画が県の指針に基づいてそれぞれの避難場所にどこまでの範囲の方々が逃げられるか、昼間と夜間の避難に加え、要配慮者と同行した夜間の避難という3つのパターンを地図上に描き検証するものです。10月末の完了を予定しております。

 特に昼間でも避難が困難な地域では、新たな施設の整備を早急に検討する必要があるため、昼間のパターンの点検結果については、今週中には全ての市町村にお示しすることができます。

 なお、津波避難対策等加速化臨時交付金を活用し、新たな施設整備を行う場合は、本年度中に予算化したものが対象となりますので、市町村にはその旨お伝えしているところです。

 図上点検の完了後は、順次避難路の現地点検を実施することとしています。現地では、古い家屋やブロック塀、耐震性の確保されていない橋など、避難の妨げとなるおそれのあるものも確認してまいりますし、その際には避難路に出るまでの路地についても同様に点検することとしております。

 なお、この点検は、2,000カ所を超える避難場所へ向かう避難路や路地が対象となり、全てを完了するまでには相当な期間を要しますので、狭い路地が入り組んだ住宅密集地区につきましては、優先的に実施してまいりたいと考えています。

 こうした点検結果をもとに、先ほどもお答えいたしましたとおり、集落内の安全な避難に必要な対策について、市町村とともに住民の皆様と協議してまいりたいと考えております。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、南海トラフ地震対策として、津波浸水区域からの移転を契機とした学校や保育園等の適正な統合の進め方についてどのように考えているのか、また浸水を想定した県内の高台移転の動きの中で、統合が考えられる組み合わせなどは今どのようになっているのかとのお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。

 南海トラフ地震による津波の浸水予想区域内に位置している県内の保育所や幼稚園は122園、小中学校は96校ございまして、津波から子供たちの命を守るための対策が求められておりますが、高台移転はその根本的な対策ともなる有力な手段であると考えております。また、その際には統合とあわせての検討もあり得るものと考えております。

 そうした中で、保育所や幼稚園につきましては、自力での避難が困難な幼い子供たちの命を津波から守る観点から、平成25年度に県独自の高台移転の施設整備に対する補助制度を創設し、高台移転に向けた市町村等の取り組みを積極的に支援してまいっております。その結果、現在、土佐清水市と宿毛市で高台移転に向けた施設整備が始まっており、室戸市など他の市町においても、移転に向けた具体的な検討が進められているところです。保育所等は地域性が強いため、広域での統合が難しい側面もございますが、少子化が進行する過疎地域等では、土佐清水市のように高台移転に当たり3つの保育所を1つに統合し、保育環境の充実を図っていこうとする事例もございます。

 県といたしましては、今後とも高台移転を円滑に進めるための助言や情報提供を行ってまいりますとともに、将来にわたって安心・安全で充実した教育、保育の場が確保できるよう、こうした地域の主体的な取り組みに対して支援を行ってまいります。

 また、小中学校につきましては、まず地震の揺れから命を守るために校舎等の耐震化を行うとともに、津波から迅速に避難できるよう、避難訓練や防災教育の徹底、高台への避難路の整備といった対策を最優先に取り組んでいるところでございます。

 津波浸水区域にある小中学校について、高台に移転することや、それにあわせて統合を行うということも有力な選択肢だと思いますが、広い面積を備えた適地の確保や地元合意の問題などがありますので、まずはそれぞれの市町村において十分に議論を尽くしていただくことが必要になります。

 学校施設の高台移転については、国において、南海トラフ地震対策特別措置法に基づく有利な支援制度が今年度創設されておりますが、制度の活用には集団移転が前提となるため、現実には学校施設整備に対する通常の補助制度を活用することが多くなってしまいます。一方、小中学校の統合に対しましては、これまで以上に手厚い支援策が検討されているところでございます。

 県といたしましては、小中学校の高台移転やそれに合わせた統合を検討している市町村に対しまして、こうした国の支援制度の活用などについて適切に助言を行いますとともに必要な予算の確保に努めるなど、しっかりと支援してまいります。

 次に、高知南中・高等学校と高知西高等学校の統合の経緯や課題、また今後の対応についてお尋ねがありました。

 県立高等学校再編振興計画につきましては、平成25年12月から教育委員協議会の場で、県民の皆様に広く議論の状況を公開しながら、県立高等学校の今後のあり方について検討を重ね、本年1月27日に県立高等学校再編振興計画の基本的な考え方と高知南中・高等学校と高知西高等学校、須崎工業高等学校と須崎高等学校の統合を含む前期実施計画の策定に向けた、たたき台を公表いたしました。

 このたたき台につきましては、統合対象となる学校関係者の皆様などから、なぜ統合が必要なのか、なぜこの学校なのかなどの多くの疑問の声をいただきました。このため、今年度から統合の必要性や統合後の学校の姿などについての、より具体的でわかりやすい資料をお示しし、統合の対象となった学校関係者や県内教育関係者から御意見も伺いながら、14回にわたって丁寧な協議を重ねてまいりました。その中で、高知南中・高等学校の関係者の皆様から、当初のたたき台では統合の過程で下級生がいない期間が4年間と長く続くことへの強い懸念が示されたため、統合後の中高一貫教育校への高知南中学校の生徒の進学の仕方を工夫することで、下級生がいない期間を2年間に短縮する案に見直しを行うとともに、統合までの間の両校の教育の充実策もお示ししたところでございます。

 このようなこれまでの協議によりまして、両校の関係者の皆様からは、統合の必要性についてはおおむね御理解をいただいたものと受けとめております。

 現在、パブリックコメントを通じて広く県民の皆様から御意見をいただいているところでございますが、今後この計画を実施していく上で、募集停止となる高知南中・高等学校の教育を充実させることや、本県におけるグローバル教育の拠点校となる新たな中高一貫教育校を円滑に立ち上げていくことが重要な課題と考えております。

 高知南中・高等学校においては、新たな中高一貫教育校への統合を円滑に進めることや、平成33年度から募集停止となり、統合までの2年間、下級生がいなくなることへの対応として、教育センターと密接な連携のもとに探求型学習や英語教育のプログラムを開発、実践するなど、教育環境の充実に努めてまいります。こうした取り組みを通じて、将来の統合への不安を払拭し、これまで以上の志願者を確保できるよう努めてまいります。

 また、新しい中高一貫教育校を円滑に立ち上げていくという観点では、グローバル教育をリードする国際バカロレアの導入を視野に、しっかりとした探求型学習などのプログラムを開発することや、そのプログラムを実行するための高い指導力を備えた教員の育成や確保、また中高の連携に配慮した教育環境の整備などが必要です。さらに、新たな中高一貫教育校の魅力を小中学生や県民の皆様にも広く知っていただくことも重要となってきます。県立高等学校再編振興計画の策定後、グローバル教育に関する有識者や高知南中・高等学校及び高知西高等学校の関係者の御意見を伺う場も設けながら、こうした課題に対応してまいります。

 お話にありましたデリケートな課題としては、校名等の取り扱いがございます。この問題につきまして、統合までには一定の猶予期間がございますので、来年度以降、両校の関係者の御意見をお聞きする場を設け、県民の皆様の御意見もお伺いしながら、県教育委員会において責任を持って決定することで御理解をいただいているところでございます。

 今後、教育の充実策や統合後の具体的な学校の姿などをお示しするとともに、節目節目で両校の関係者の御意見をいただく場も持ちながら、真摯な対応を引き続き行ってまいります。

 次に、拠点校にふさわしい資質を備えた生徒を選考できる適性検査にすべきと考えるが、どのような特色のある新しい学校づくりに取り組むのかとのお尋ねがありました。

 新たな中高一貫教育校は、グローバル教育を教育活動の柱に位置づけ、みずから課題を発見し判断する探求型学習や高度な英語運用能力を養う教育活動を実施するとともに、国際バカロレアの認定に向けた取り組みも取り入れるなど、本県のグローバル教育のトップ校、大学進学の拠点校を目指します。

 併設中学校に入学した生徒は、基本的にグローバル教育科に進学し、その中にはバカロレアコースを選択する生徒も含まれていることから、高度な英語運用能力とともに、高いレベルの論理的思考力や課題解決能力、コミュニケーション能力などを身につけることが求められます。そのため、中高一貫の6年間でこうした学力や能力をしっかりと身につけることができる適性と意欲を持った生徒に入学してもらうことが必要となってまいりますので、中学校の入学者募集についても、それにふさわしい適性検査が必要になると考えております。

 今後は、他県の事例も研究しながら、単に知識量をはかるのではなく、新たな中高一貫教育校の求める論理的思考力や判断力、表現力を備えた生徒を選考できる手法を検討するとともに、開校する平成30年度に向けて、募集のあり方の見直しについても検討を進めてまいります。

 次に、県立高等学校の次なる統合についてお尋ねがありました。

 現在、パブリックコメントを行っております県立高等学校再編振興計画案では、平成26年度から平成30年度の5年間の前期実施計画において、高知南中・高等学校と高知西高等学校、須崎工業高等学校と須崎高等学校の4校の統合案をお示ししております。

 あわせまして、今後も生徒数の減少が見込まれる東部地域の中芸高等学校、安芸高等学校、安芸桜ケ丘高等学校の3校については、学校のあり方を検討する必要があること、また幡多地域の宿毛高等学校、清水高等学校については、南海トラフ地震への対応のため、適地への移転の可能性も含め、将来の学校のあり方を検討していく必要もあるといった考え方もお示ししているところです。

 計画策定後は、前期実施計画で位置づけております学校の統合を円滑に進めるとともに、後期実施計画の策定も視野に入れながら、こうした検討課題についてもしっかりと対応してまいります。

 次に、今回の学力・学習状況調査の結果分析を受けた今後の学力向上に向けた取り組みについてお尋ねがありました。

 本県の児童生徒の学力の状況は、ここ数年は足踏み状況が続いているものの、全国学力・学習状況調査が始まった平成19年度からは著しい伸びを示しております。この背景には、学力調査の分析結果を踏まえ、課題解決に向けた的確な対応策を考え、学力向上に取り組む中で、学習意欲が向上してきたことや家庭学習時間などの学習習慣が改善したことなどが挙げられます。

 また、市町村ごとの状況について、県では、それぞれの学力状況の経年変化を把握しているところであり、そこから見ますと、学力調査の結果分析を確実に行い、具体的な目標を掲げながら実効性のある取り組みを進め、常にチェックを行っている市町村は成果が上がっているということが明らかになっております。

 そのため、今後、こういった成果事例を紹介することとあわせて、個別に市町村を訪問し、分析結果の共有や取り組みについての意見交換を行い、地域や学校の実態に応じた指導を行わなければならないと考えております。

 一方、県全体を見ますと、共通する課題として、児童生徒の思考力や表現力に弱さがあることや、また中学校の学力が全国平均を下回っている状況にあることなどがあります。その中で、思考力や表現力を高めるためには、質の高い授業づくりを行うことがベースにあると考えており、そのための教材開発や教員研修をさらに充実してまいります。

 また、中学校の学力を定着させるために、学校経営や教科指導に実績のある退職校長をアドバイザーとして全ての中学校へ定期的に派遣し、また課題の大きい学校には集中的に訪問を重ねるなど、中学校の組織的な学力向上の取り組みを支援しているところです。

 今後、将来に向けて、本県の児童生徒の学力をより高いレベルに引き上げていくためには、児童生徒が課題を見つけ、その解決に向けて主体的に学習に取り組む課題探求型の学力を育む授業の構築、お話にもありました本県の厳しい経済状況にも影響されている家庭や地域の教育力を高めていくこと、さらに、厳しい条件、環境にある子供たちの学習意欲や学力の問題、中学校進学の際に私学を選択する割合が全国と比較しても高い状況にある本県の公立中学校の学力問題などが大きな課題であると捉えており、これらの問題に腰を据えて取り組んでいく必要があると考えております。

 そのため今後は、学力に関して全国的な知見を持った大学教授等の有識者や教育関係者の方々とともに教育懇談会を立ち上げ、こういった課題を丁寧に分析し、改善に向けての検討を行っていくこととしております。こうした結果を来年度に予定しております教育振興基本計画重点プランの見直しや、地方教育行政法の改正により新たに策定することとなる教育の振興に関する施策の大綱に反映させていきたいと考えております。

 次に、今回の学力・学習状況調査の結果の市町村単位での公表についてお尋ねがありました。

 全国学力・学習状況調査の結果については、地域の教育行政の責任を担っている市町村教育委員会が公表する、しないを主体的に判断すべきものですが、住民の皆様への説明責任をしっかり果たしていただく観点から、積極的に公表していただきたいと考えております。

 また、本調査も悉皆調査としては今回で5回を重ね、本県の学力については、子供たちや教職員の努力が成果となってあらわれてきておりますが、ここ数年は改善状況が足踏み状態にあり、学校質問紙調査における就学援助を受けている児童生徒の割合と学力の関係など、子供を取り巻く環境の厳しさもクローズアップされてきております。

 こうした中で、各市町村教育委員会においては、結果の分析結果を効果的に授業改善に生かしていただくとともに、学力を支えている家庭での学習時間や自尊感情、規範意識、生活習慣などの学習環境についてもきちんと分析し、改善に向けた取り組みを進めていただくことが必要となっております。

 こうした取り組みを着実に進めていくために、保護者や地域の方々に全国学力・学習状況調査で明らかになった学習環境の課題についても関心を持っていただき、学校と家庭、地域が一体となった取り組みを推進していただくことが重要です。そうした観点からも、市町村教育委員会には積極的に公表していただくことを期待しております。

 最後に、第3回目となる高知龍馬マラソンについて、参加人数や大会の盛り上げ、また準備状況についてお尋ねがございました。あわせてお答えいたします。

 過去2回の大会は、全国各地から参加いただきましたランナー、沿道の応援やボランティアの方々のサポートなど、多くの皆様に支えられまして、盛大に開催することができております。

 本大会をさらに充実した大会として盛り上げていく上での基本的な考え方として、スポーツの多様な魅力が味わえる大会とすること、スポーツに参加する機会を広く提供すること、本県の魅力を県内外に発信すること、官民協働の連携によるスポーツの振興を図ること、そしてスポーツツーリズムの推進を図ることを主な目的として捉えております。

 第3回目となる高知龍馬マラソン2015では、さらに多くの方に参加をいただき、全国に高知県の魅力を強く発信するとともに、参加者1万人の大会に向けて着実にステージを引き上げていくことを目標として捉え、新たに3つの取り組みを行うこととしております。

 1つ目は、より多くの皆さんに参加していただくために、参加申込方法の見直しを行いました。今回は前回大会を約2,000人上回る7,000人程度の参加者を目標としておりまして、そのためインターネットによる先着順の方法を取り入れました。9月17日から受け付けを開始し、9月29日現在で、前回大会を上回る5,000人程度の申し込みをいただいております。

 2つ目は、スタート位置を高知県庁前に移動するとともに、新たに日本一の透明度を誇る清流仁淀川を渡るコースを加えるなど、より魅力ある走りやすいコースに見直しを行いました。市街地から始まり、のどかな田園風景、雄大な太平洋、そして仁淀川と山々が織りなす美しい景観など、高知の豊かな自然を楽しめるコースとなっております。

 そして、3つ目は、全国的にも知名度の高い公務員ランナーの川内優輝選手の参加です。日本を代表する現役トップランナーと一緒に走る喜びや間近で見られる楽しみが加わり、市民ランナーや応援の皆様には貴重な体験ができる大会として喜んでいただけるものと思います。また、川内選手が土佐路を駆け抜ける姿を全国に発信することで、広く全国の皆様に関心を持っていただけるものと考えております。

 こうした取り組みを通して、高知龍馬マラソンの魅力を県内外に強くPRするとともに、今まで以上におもてなしの心が感じられる工夫を細部に凝らしまして、全ての参加者に満足していただくことができるよう、関係者が一団となって準備を進めてまいります。

 現在は、実行委員会を中心に、協賛いただく企業への協力依頼、県警察と連携した7,000人を想定した警備計画の策定、陸上自衛隊第50普通科連隊の協力による物資の運搬方法の検討、さらにコース管理や医療関係などに携わっていただくボランティアスタッフの募集など、円滑で安全な大会運営に向けた準備を進めているところであり、来年1月末には準備を完了し、万全な体制で大会に臨んでまいります。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 狭い路地の安全対策をもっとテンポよく進めるためにも、ブロック塀の安全対策補助金の適用基準などは早急に見直すべきではないかとのお尋ねがありました。

 ブロック塀の安全対策に係る補助制度については、平成24年度に創設し、平成25年度末までに125件の活用実績があります。

 この補助制度は、ブロック塀が避難路などの沿道に位置していることに加えて、建設業者または県に登録された工務店によって行われるなどの要件を設けております。左官や大工などの個人事業主の方も耐震診断士が所属する建築設計事務所と連携することによって、登録工務店となることができます。

 この登録の方法について、関係者への周知が不十分であったため、今後は市町村、建設労働組合、建築関係団体と連携して、地域の個人事業主の方々に対し周知を徹底してまいります。

 加えて、まだ補助制度を設けていない市町村に対し、制度の創設を働きかけるとともに、住宅の耐震診断を加速させるための戸別訪問の際に、ブロック塀の安全対策についても啓発することにより、事業が促進されるよう取り組んでまいります。

 次に、今回の災害復旧工事に素早く着手できるのか、その見通しについてお尋ねがありました。

 今回の台風第12号及び第11号による豪雨では、道路の損壊や地すべりの発生、河川の流域での床上浸水など、多くの被害が発生したところです。このうち、公共土木施設の被害状況は、県工事、市町村工事合わせて1,000件を超え、被害額は約184億円となっております。

 被災した地域の皆様には、日常生活に多大な御不便や御心配をおかけしております。このため、道路の寸断など県民生活を維持する上で緊急を要する箇所については、一日も早く日常生活が回復できるよう、応急的な復旧工事の早期完了に努めているところでございます。

 引き続き、被災箇所の調査や測量設計を行い、10月下旬から11月下旬に予定している国の災害査定を受けた後、設計、積算や入札、契約などの事務手続を迅速に進め、早いところでは年内に本復旧工事に着手できる見通しとなっております。

 工事の発注に当たっては、建設業者の手持ち工事の状況を踏まえ、技術者を効率よく配置できる複数工事箇所をまとめた発注、人手や資機材の調達に要する期間なども考慮した十分な工期の確保、市町村の発注状況も踏まえた発注時期の設定、災害復旧に係る発注見通しの迅速な情報提供など、受注しやすい環境整備に努めてまいります。

 次に、大規模な造成宅地の今後の点検、調査の進め方についてお尋ねがありました。

 先月、広島市において、豪雨に伴う住宅背後地からの土石流により甚大な被害が発生したことを踏まえ、今回、大規模盛り土造成宅地について、台風第12号及び第11号による豪雨の影響調査を緊急的に行うことにしています。県内の大規模盛り土造成宅地は、高知市が把握している389カ所、高知市以外で県が把握している38カ所、合わせて427カ所あります。

 県は、把握している38カ所について、現地で溢水の痕跡やのり面の変状の有無などを調べ、変状があった場所については、さらに詳細な調査を実施する予定です。この調査結果から、災害が発生した場合に相当数の居住者や道路などの公共施設に被害及ぶおそれが大きいと判断された箇所については、対策の実施者や費用負担等を含め、今後の対応を検討していくこととしています。

 さらに、調査結果につきましては、当該市町村に周知し、大規模盛り土造成宅地における災害の未然防止や被害の軽減につなげたいと考えております。

 なお、高知市内の389カ所については、市が県の調査方法を参考に、優先順位をつけ、調査すると聞いております。

 このほかの開発については、網羅的に調査することは困難であるものの、河川や道路の占用等の許可申請があった場合については、安全に十分に配慮された計画となっているか、また現地が許可条件どおりに施工されているかをチェックし、開発事業者を指導監督してまいります。

 また、お話のありました土佐市の事例のように、開発が市町村の管理している河川や道路などで問題となる場合につきましては、市町村と十分協議しながら、問題の解決に向けて連携して取り組んでまいります。

   (副知事岩城孝章君登壇)



◎副知事(岩城孝章君) とさでん交通の執行体制や経営方針についてどのように評価しているのか、またどういった点を重視し、今後どのような期待をしているのか、お尋ねがございました。

 とさでん交通では、今後の経営戦略として、路線の再編やサービスの充実を通して、利用者の満足度を高めていくとの基本的な考え方のもと、公共交通の利用状況などのデータに基づく経営を会社全体に徹底させるとともに、接遇の向上や安全・安心の徹底、コンプライアンスの強化を柱とすることを強く打ち出しております。また、その実現に向け、運輸事業戦略部や接遇センターの設置などの組織体制の改革を行うとの考えが示されました。

 事業再生に向けては、専門的なノウハウを必要とする諸課題に対して、引き続き専門家からの法務・財務面に関しての指導のもとに進めていくほか、先進的な取り組みを行う公共交通事業者との連携なども検討しているとの報告も受けており、着実に事業再生を行い、持続可能な公共交通の実現に向けた運営を行っていける体制が整いつつあると受けとめております。

 とさでん交通が目指す持続可能な公共交通の実現のためには、いかに利便性を高め、利用促進や増収対策につなげていくかがポイントとなります。そのためには、広く意見や提案も求め、具体的な取り組みに反映させていくという姿勢が重要となってまいります。

 県としましても、県民の皆様から寄せられた多くの声を今後の交通政策に生かしていけますように、関係市町村とともに公共交通事業の改善を協議する場を設け、今後の取り組みをサポートしてまいりたいと考えています。

 とさでん交通は、県民の会社として大きな期待を受けて、あす出発することになります。健全な事業運営に向けて、効率的な経営と収益構造の確立を図り、利用促進・増収対策などの事業再生の取り組みが着実に進むことを期待しております。

   (中山間対策・運輸担当理事金谷正文君登壇)



◎中山間対策・運輸担当理事(金谷正文君) まず、県として、新会社に対しての支援や提言について、今後どのように取り組みを行うのかとのお尋ねがありました。

 とさでん交通につきましては、事業再生計画を実現するためにも、利用促進や増収対策など経営改善に向けた積極的な取り組みが求められております。会社では、利用者目線をキーワードに、利用促進につながる利便性の向上策を運輸事業戦略部を中心に検討を進めることとしておりますし、あすからはそうした取り組みの一環として、系統番号化の導入や200円均一エリアの拡大、乗り継ぎ割引ポイントの増設など、サービスの拡充が図られることとなっております。今後も採算性や経営への影響などを検討する中で、さらなる利便性向上策やサービスの拡充が図られますことが期待をされております。

 公共交通の利用を喚起してまいりますためには、お話にありましたように、利用者目線に立って広く意見や提案を求め、具体的な施策に反映していく姿勢が重要になってまいります。

 県といたしましては、会社に対して、そうした取り組みを強く求めてまいりますとともに、中央地域の公共交通の事業改善を協議する場にも積極的に参画し、交通政策上の観点から助言や提案をしてまいりたいと考えております。そうした取り組みを通して、効率的で利用しやすい路線やダイヤ編成など、利用者の増加につながる効果的な取り組みが実現されますように、県としてもサポートしてまいりたいと考えております。

 次に、今後のさらなる負担増加に対する市町村の不安への県の対応についてお尋ねがありました。

 将来にわたって持続可能な公共交通の実現を図ってまいりますためには、とさでん交通の公共交通部門の収益改善をいかに図っていくかがポイントになってまいります。このたび会社からは、経営戦略の柱の一つとして、データに基づく経営を徹底するといった方針が示されました。まずはそうした方針のもとに、事業再生に向けて、路線ごとの収支を詳細に把握することや、利用促進や増収対策を着実に実行することによって収益性を高めるなど公共交通部門の経営の健全化に向けた取り組みを徹底していただく必要があると考えております。

 他方で、今後も公共交通を取り巻く外部環境の厳しさは増していくことが想定され、そうした状況のもとでは、さまざまな対策を講じても、なお採算のとれない路線が生じることは、一定見込まざるを得ない状況にあります。

 今後、地域の公共交通の維持、存続には、これまで以上に行政のかかわりが求められてくる、そうした大きな流れにあると考えております。将来にわたって持続可能な公共交通を実現していくためには、事業者と行政、利用者がそれぞれの役割を果たしてく必要があります。同様に、行政の負担のあり方については、このような視点に立って、路線の利用状況や地域の実情や課題などを十分に踏まえた上で、県民生活に必要な公益性が高い路線は守るとの基本的な考えのもとに、県と市町村との負担のあり方などを含め、今後の補助制度のあり方について協議を進めてまいりたいと考えております。

   (観光振興部長久保博道君登壇)



◎観光振興部長(久保博道君) まず、ことしの夏の観光の落ち込みをどのように把握しているのか、また9月県議会に提案をしております緊急誘客対策の効果についてお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。

 本年7月までの県外観光客の入り込み数は、主要道路の交通量や公共交通機関の利用状況などから推測しますと、過去2番目となります407万人の入り込みがあった昨年をやや上回るペースで推移をしておりました。しかしながら、8月に入り、2つの台風や大雨により直接被害を受けました観光施設もありますし、高速道路や国道の通行どめ、さらにはJRや高速バスの運休による観光客への影響もありました。報道等によりますと、お盆期間中における県内のインターチェンジの降車台数は前年より18.9%の減少、JR土讃線では、高知−窪川間の利用客が前年より40%の減少となっております。

 また、高知県旅館ホテル生活衛生同業組合からは、8月上旬だけでも1万5,000人泊を超える宿泊のキャンセルが発生し、宴会のキャンセルと合わせると1億7,000万円を超える大きな経済的被害が生じたと伺っております。この中には、浸水や道路が寸断された県内の様子が繰り返し全国で放送されたことなどによりまして、台風、大雨の影響がよさこい祭り期間中も続いているとの誤解を生み、キャンセルされた方もあったとお聞きをしております。

 県としましては、こうした観光へのダメージを極力少なくするために、これまでできることから速やかに対応してまいりました。

 まず、よさこい祭り本祭の前日に旅行会社や首都圏を初めとするマスメディア約400社に対しまして、台風の関係でおくれていましたよさこい祭り開催決定のリリースを決定直後に行いました。あわせて、観光特使の皆様にフェイスブックなどを使った高知県観光のPRをお願いしたり、首都圏や関西圏で行っていますイベント等で高知をPRするなど、できる限りのツールを使いまして、全国の皆様にふだんどおり高知においでいただきたいというメッセージを発信したところです。

 また先日、県内の旅館、ホテルの皆様や高知市と連携し、関西の大手旅行会社の主要店舗において、本県への誘客のための観光キャンペーンを実施いたしました。官民一体となったこうしたキャンペーンは大変評判もよく、旅行会社はもとより、一般のお客様にも本県の現状をお伝えすることができたものと考えております。

 加えて、この9月県議会には、今回の台風、大雨等による観光客の落ち込みを補うため、10月から12月に集中して行う誘客対策として、大きく2つの事業をお願いしております。

 一つは、大手旅行雑誌の調査で、「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」部門で、2年ぶり5度目の1位となりました機会を捉え、観光客の皆様から評価の大変高い高知の食を中心に、テレビや雑誌に情報発信することで、本県へ旅行に行きたいという方を確実にふやしてまいりたいと考えております。

 もう一つは、個人旅行客に向けにインターネットで宿泊販売を行う旅行会社と連携し、予約サイト上で高知県の特集ページを組んだり、団体旅行客向けには旅行会社のパンフレットや新聞広告で本県旅行商品の露出強化を行い、誘客の拡大に努めてまいりたいと考えております。

 このように、台風を受けての即座の対応とこの秋から年末にかけての集中的な誘客策を通じまして、本県への旅行需要を喚起し、実際の旅行につなげることで、夏の観光客の落ち込みを挽回し、昨年に引き続き400万人観光の達成を実現してまいりたいと考えております。

 次に、貸し切りバスの交代運転手の配置や料金制度の見直しによる県内観光への影響と対応策についてお尋ねがありました。

 国においては、乗客の安全性の確保とバス事業者の経営や労働条件の改善に向けて、運転手の配置基準や料金制度の見直しを行いました。

 まず、昨年8月に施行されました貸し切りバスの運転手の配置基準では、1人が1日に運転できる距離を短縮し、原則として昼間は500キロメートルまで、夜間は400キロメートルまでとし、これを超える場合には交代運転手の配置が必要となりました。このことにより、本県では、特に足摺地域において貸し切りバスの旅行に影響が出ているとお伺いをしております。

 さらに、ことし3月には、従来の運転距離に応じた運賃に加えて、乗務時間に応じた運賃も加味した新たな貸し切りバスの料金制度が公示されました。この制度では、発地から遠くなるほど値上がり幅が大きくなるため、本県のような大都市から離れた地域では、今後の観光誘客において厳しい状況が予想されております。ただ、新たな料金制度への移行には経過期間がございますので、本格的に影響が出るのは来年4月以降ではないかと予想をされます。

 こうしたバス料金の値上がり対策として、各旅行会社においては、旅行先の近距離への変更のほか、時間短縮のための立ち寄り場所の見直しやJR等他の移動手段への切りかえなど、バス料金の軽減を図る一方、旅行代金の値上げに見合う旅行内容の充実など、さまざまな検討がなされているとお伺いをしております。

 今後、こうした旅行会社等の動向を踏まえ、JRや航空機など公共交通機関を利用した商品の旅行会社への提案を初め、県内のMY遊バスやしまんと・あしずり号、周遊タクシーなどの二次交通の利便性の向上など、旅行会社や受け入れサイドの観光関係者の御意見もお伺いしながら、バス料金の値上がりへの対応策を検討してまいります。



◆15番(森田英二君) それぞれ皆さんに御丁寧な、また前向きな御答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。

 また、知事のまち・ひと・しごと創生本部への取り組みの意欲、非常にしっかりと伝わってまいりましたし、我が意を得たりの心境ではないかなと。これまでも霞が関方面から見るだけの地方への思いやり施策、いろんな政策があったわけでございますが、私たちの提言が1.5車線的道路、あるいは命の道構想、高知県からしっかりと執行部が練り上げた政策が具体的に動いた、そういった事例もこれまでもありますし、どうか執行部の皆さんで知恵を結集して、しっかりこれから、まち・ひと・しごと創生本部に提言をしていく、大いに期待をしたいところでございます。質問ではございません。

 その次に、もう一点、私の友人が仙台空港のすぐ南、宮城県亘理町におりまして、執行部の皆さんに関連する話になりますが、そこから津波による非常に厳しい内容の話が、メールで1週間前に来ました。防犯のことでございます。

 行政機関に、我々も委員会出張でいろんな市町村を調査してまいりましたが−−震災後に片づけボランティアと称して地域に入り、日中ぶらぶらしながら物色をする、レアな話ですけれど、本当に遺体から、指からちぎってとっていくのを目の当たりにした−−我々の調査でもそんなことはありましたが、貴金属泥棒、金庫解体泥棒、あるいはバッグ泥棒。被災後に、我々被災者はそういうところに当然まだ思いがいかず、自衛隊の中からも私も聞きましたが、今回の友人の話の中にも、そういったもう無法地帯になったときのいわゆる民生の構え方、そういうところは我々も県の政策の中でなかなか聞き届いていないところです。泣きっ面に蜂というようなことが、本当に翌日から起こるというようなことを聞きまして、なおかつ具体的に言いましたら、海岸沿いの漁民の人たちは、たんす預金をしていたと、それも5,000万円。書いてあったメールの内容ですが、5,000万円、1億円のたんす預金の方も幾らもいて、泣きっ面に蜂と。私は銀行の回し者じゃありませんが、ぜひとも、金融機関に預けるとか、貸し金庫とかトランクルーム、そういうところもしっかりと頼りにしながらやってほしいと、こういうことが書いてありました。

 また、海岸からは20トンブロックがかなり上流まで当たって、コンクリートの壁なんかも壊していたというようなことも、なかなか行政同士の話の中で上がってこない。海岸沿いの生の声を聞きながら、県民の備えを、今後とも全部局共通でぜひともしっかりと南海トラフ地震対策に備えてほしいという要望をさせていただいて、私の一切の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(浜田英宏君) 暫時休憩いたします。

   午後0時35分休憩

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   午後1時30分再開



○副議長(桑名龍吾君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 36番中根佐知さん。

   (36番中根佐知君登壇)



◆36番(中根佐知君) 日本共産党を代表いたしまして質問を行います。

 まず、政治姿勢についてです。

 4月に消費税が増税をされ、個人消費や住宅建設が大幅に落ち込み、7月になっても低迷が続いていることが8月29日に発表された政府の経済指標で明らかになっています。GDPの約6割は個人消費です。総務省が発表した家計調査によれば、7月の消費支出は実質で5.9%の減少、4月から4カ月連続の落ち込みです。家庭用耐久財など家具・家事用品が14.6%減、洋服など被服及び履物が7.4%減、教養娯楽9.6%減の落ち込みが顕著です。住宅建設も、国土交通省が発表した住宅着工統計で、7月は前年同月比14.1%の大幅減となっています。

 深刻なのは、アベノミクスによる異次元の金融緩和、円安誘導により物価が上昇し続けていることです。全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数で前年同月比3.3%の上昇と14カ月連続上昇です。一方、家計調査で見た勤労者世帯の実収入は、実質6.2%減と10カ月連続の減少です。

 政府は、求人がふえたと言いますが、中身が問題です。総務省の労働力調査では、安倍政権発足前の2012年は、平均で正規雇用3,340万人、非正規雇用1,813万人でしたが、この7月の数字は、正規3,307万人、非正規1,939万人となっています。ふえたのは非正規であり、正規は33万人も減っているのです。

 安倍首相の経済ブレーンで内閣官房参与を務める本田悦朗静岡県立大学教授でさえ、9月1日のロイターのインタビューで、増税による景気下揺れは想定外に大きかったと認め、消費税率10%への引き上げに懸念を表明しています。8%増税を決定したときの年率は、瞬間風速でプラス3%台でした。その後、急落しますが、その瞬間風速でもって消費税増税法の附則第18条、いわゆる景気条項を適用しない判断をしました。しかし、4月から6月期の成長率は、年率でマイナス7.1%という想定外の結果となっています。

 この間、私たちは、県信用保証協会、県園芸連、県商工会議所、県漁連、経営者協会を訪問し、消費税問題で懇談を実施してきました。「天候不順、燃料高騰、そして消費税で園芸は大変な事態」、「アベノミクスの効果は感じられない。県経済にとって深刻なのは、倒産件数もそうだが、休業、廃業がその五、六倍の規模に広がっていること。信用保証した資金額も減っている」、「一部の企業は業績が上がっているかもしれないが、高知県はほとんどが中小企業、余り効果はない。賃金が上がっている状況ではない」と厳しい声ばかりです。

 私たちは、応能負担の原則に逆行する消費税増税、大企業減税の財源に使われてきた消費税そのものに反対ですが、少なくとも附則第18条に基づき増税を中止するのが筋だと思います。

 実質賃金、可処分所得が連続して低下しているもとで、消費税増税の環境にはないと思いますが、いかがでしょうか、知事にお聞きいたします。

 政府は、政権最大の課題として、元気で豊かな地方の創生を掲げました。地方は、人口減少や高齢化などに直面をし、日本社会にとって死に至る病とも例えられる状況にあり、その打開の手だてをとることは待ったなしの課題です。しかし、原因をしっかり分析しない限り、政治がつくり出した構造的問題を解決できません。輸入自由化など農林漁業を切り捨ててきたことと大型店舗の出店自由化など、地域経済の破壊、結婚や子供を産み育てることができない非正規雇用の蔓延、高額の医療の窓口負担や教育負担など、OECD諸国で最低クラスの所得再配分機能がもたらした生活の安定の破壊などが過疎化と少子化の原因ではないでしょうか。

 地元紙も社説で、「死に至る病がそう簡単に完治するはずはない。竹下政権時の「ふるさと創生」を持ち出すまでもなく、過去には同様の取り組みで十分な成果を出せなかった例が多い。(中略)国の政策が、なぜ成功しなかったのか。過疎対策に本気で取り組むというのなら過去の取り組みを検証し、その轍を踏まないよう教訓を生かすことから始めなければならない」と指摘をしていますが、当然の声です。

 まず、少子化、過疎化を生み出した原因と過去の対策が成功しなかったことへの認識を知事にお聞きいたします。

 出てきている対策では、地方拠点都市を重点的に整備し、人口流出を防ぐとか、過疎地でも中心的な集落に必要な施設を集約するなど、過去に成功しなかった政策の焼き直しでしかありません。政策の基本が、地方では人口の大幅な減少が避けられず、各地域が自立するのは困難であることを前提に、コンパクトとネットワークでどう対応するかにとどまっていることが最大の問題です。

 食や水、空気の提供、国土保全などで重要な役割を果たしている中山間地域の重要性をしっかり位置づけ、その地に若者が定着し、住み続けられる状況をどう築き上げるかの視点を欠いては、地方創生はあり得ないと思います。所信表明でも述べられていますが、再度、知事の認識をお聞きいたします。

 国が地方創生を掲げるなら、直ちにとるべき課題があります。各地のJAが発表した米の価格も異常な低下、過去最低が相次いでいます。前年を2,000円から3,000円も下回り、1俵1万円を切る事態が続出しています。高知県も例外ではありません。天候不順の影響で1等米が少ないことが追い打ちをかけています。農水省が試算する1俵の生産費1万6,000円には遠く及ばず、「米つくって飯が食えない」状況です。放置するなら米をつくる農家がいなくなり、地域経済、地域社会の崩壊に至る極めて深刻な状況にあります。

 政府がことしから経営所得安定対策、10アール当たり1万5,000円を半減させ、米価変動補填交付金も事実上廃止したことが事態を一層深刻にしています。米価下落の要因は、過剰米がふえて米価が下落することを承知しながら政府が対策をとらなかったことにあります。5年後に需給調整から撤退する方針も価格下落に追い打ちをかけています。また、機会の提供にすぎず、全量輸入が義務づけられていないMA米を毎年枠いっぱいの77万トン輸入し続けていることも昨今の米価下落の大きな要因となり、農家を苦しめています。

 地域経済、地域社会を支える基幹産業である農業を守るにふさわしい抜本的な米価下落対策が必要ではないかと思いますが、知事の認識をお聞きいたします。

 地方創生というなら、政府には地方の声に真摯に向き合う姿勢が不可欠です。その点で、地方政治にかかわる者としても極めて懸念する事態が生まれています。

 沖縄では、辺野古新基地建設反対の意思が、昨年、県議会や全市町村首長、議会によるオール沖縄の建白書として政府に提出されました。それが昨年末、知事が県外移設の公約を投げ捨て、埋立承認をすると、そのことをもって工事がどんどん強行される。その事態に対し県民の8割が反対し、県議会も反対の意見書を可決、地元名護市長も反対していますが、この圧倒的な反対の声を無視し、内閣はこの9月に、もう過去の問題だと発言しました。県民が、地元自治体が、県議会が反対をしているのに、事業を進めていく、沖縄だけの問題ではありません。地方自治に対する政府の姿勢が問われています。

 住民や議会、地元自治体の意思を無視して政府が事業を強行することは、地方自治の軽視、無視ではないか、知事にお伺いをいたします。

 次に、原発問題について伺います。

 8月26日、福島地裁は、原発事故で避難を強いられ、自殺した女性の遺族が起こした損害賠償訴訟で、東電に約4,900万円の支払いを命じました。判決は、展望の見えない避難生活への絶望と生まれ育った地でみずから死を選んだ精神的苦痛は極めて大きいと、因果関係を認定。その上で、住民は避難を余儀なくされ、ストレスで自死に至る人が出ることも予見できたと東電の責任を厳しく指摘をしています。福島県では、自殺に追いやられた人は数十人に上り、その人の数が年々増加をしています。

 5月21日、大飯原発の運転差しとめを命じた福井地裁判決は、人格権という「この根源的な権利が極めて広汎に奪われるという事態を招く可能性があるのは原子力発電所の事故のほかは想定し難い」と指摘をしましたが、ふるさとを丸ごと奪ってしまう異質の危険性を持っていることを司法の場が連続して断罪したものと言えます。

 原発の持つ異質の危険性についての認識を知事にお伺いいたします。

 福島原発事故に最前線で対応した吉田元所長の政府事故調査委員会による聴取記録が公表されましたが、極めて重要な問題が明らかになっています。2号機の水圧が高く、注水できない状況について、「我々のイメージは東日本壊滅ですよ」、「完全に燃料露出しているにもかかわらず、減圧もできない、水も入らないという状態(中略)ここで本当に死んだと思ったんです」と語っています。本当に危機的な状況だったわけです。

 この事態が避けられたのは、2号機の格納容器底部が小さく損傷し、結果として安全弁と同じような役割を果たし、圧力が低下し、注水が可能となった幸運、4号機の機器仮置きプールにもふだんにない大量の水がはられて、その水が使用済み燃料プールに偶然にも流入し、暴走が食いとめられた幸運が重なったものです。こうした幸運がなければ、東日本壊滅は現実のものとなっていたことを改めて真剣に受けとめなくてはなりません。

 改めて、事故の教訓と安全対策の徹底について知事の決意を伺います。

 ところが、新規制基準は、欧州などで採用されているメルトダウンを防ぐためのコアキャッチャーも、航空機事故に対する格納容器の二重化も採用されていません。電源も欧州は独立4系統を確保していますが、規制基準は2系統です。避難計画も規制基準の対象となっていません。以前よりは対策は進みましたが、とても世界一の基準ではありません。

 津波・地震大国である日本で世界一の基準は最低限の条件ですが、最先端の対策さえ求められていない事態をどう評価しているのか、知事にお聞きいたします。

 四国電力が基準地震動を570ガルから650ガルに引き上げることを明らかにしています。基準地震動については、この10年間で基準地震動を超える事象が5回観測されており、その原因として、過小評価する計算方法になっていることをこれまでも指摘をしてきました。

 四国電力は、基準地震動を超える事象が頻発している原因をどう分析しているのか、また、その教訓をどう生かしていると説明をしているのか、林業振興・環境部長にお聞きします。

 また、原発は安価でないことも日に日に明らかになっています。先日、エネルギー問題の調査機関として実績のある米国企業系ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスが、原発電力は風力の約2倍、太陽光と同レベルであることを示しました。また、この電力自由化で電気料金の引き下げ競争が進むと原発が成り立たなくなるため、原発で発電した電気に一定の価格を決めて電力会社の収入を保証する制度の検討が経産省で始まったことも、そのあかしです。異質の危険性を持ち、安価でもなく、核のごみの処理方法もない破綻したビジネスモデルです。

 自然エネルギーの普及は、第1次産業と関連性が強く、売電収入など地域活性化に欠かせません。

 先日、九州電力が、送電網の容量不足を理由に自然エネルギー買い取り契約の中断を発表しましたが、自然エネルギーの爆発的な普及に向けた投資こそ必要ではないか、また四国で中断という事態は起きないのか、林業振興・環境部長にお聞きします。

 次に、災害対策について伺います。

 ことし6月の集中豪雨、8月の台風12号、11号と連続した風水害は、高知県にとっても甚大でした。特に、広島市では時間雨量101ミリに達する雨量で、想像を超える災害を引き起こしました。後日、防災科学技術研究所は、国交省のレーダーの観測データの分析から、今回の異常な大雨を降らせた原因について、広島市で線状降水帯が長時間停滞したのは、バックビルディング型形成によって線状降水帯が形成されたためと考えると発表しました。集中豪雨のメカニズムについて研究している気象研究所の加藤輝之室長が、条件がそろえば日本のどこでもバックビルディング型形成による線状降水帯形成は起こると考えられると述べているように、このような現象は今後も起こることを想定しなければなりません。

 本県としても今回のような異常気象を教訓とした取り組みが求められますが、知事のお考えをお聞かせください。

 災害に強いまちづくりについて何点か伺います。

 まず、命を守るための情報提供です。

 市町村は、防災行政無線システムで住民に防災情報の提供を行っています。最近では、携帯電話によるエリアメール、テレビによるテロップ等による提供も行っているところです。しかしながら、今回台風11号のような暴風雨が吹き荒れている中では、屋外に設置した外部スピーカーでは情報伝達は十分機能しません。今回、広島県で起きた集中豪雨で、時間雨量が急激にふえた時間帯は午前2時から午前4時の間で、深夜住民が寝静まった後での集中豪雨と避難勧告に、住民はその状況を十分に知り得ないでいた可能性があります。

 今紹介した2点の問題に関して、防災行政無線の現状を市町村と連携し、検証し、改善する必要があるのではないか、危機管理部長の考えをお聞かせください。

 高松市では、地震や台風などの災害時に緊急放送が自動で流れる防災ラジオを製作し、購入費の一部を市が負担して、市民に格安で提供しています。このラジオは、待機状態にしておけば、緊急時に自動でスイッチが入り、FM高松を受信する仕組みになっていて、緊急地震速報や市が発令する避難勧告などが最大音量で放送され、他局の放送を聞いていても、緊急時には割り込み機能がついています。

 この防災ラジオの普及を本県でも検討できないか、危機管理部長にお聞きします。

 次に、土砂災害の防止についてです。県内でも土砂災害から人命を守る目的で、県独自のがけくずれ住家防災対策事業などの事業を行っています。高知県のように森林面積が84%の地形では、住宅の裏は崖が多く、特にこの事業が必要です。

 がけくずれ住家防災対策事業では、住民の要望に対して五、六年待ちはざらで、10年目にやっとできたとの県民の声をこの間聞いてきました。市町村と連携をとって、十分な予算措置が早急にとられるよう、県としても取り組む必要があると考えますが、土木部長に伺います。

 次に、住宅などの浸水対策についてです。対策として、知事提案説明にも、市町村と相談しながら排水ポンプの新設を検討するとあります。浸水を経験した県民にとっては、喫緊の要望です。早急の対応が求められますが、改めて知事の考えをお聞きします。

 関連して、河床掘削の実施ですが、住民からの要望も数多く出され、今議会でも補正予算に含まれているところです。引き続き、今回のような集中豪雨に見合う取り組みが必要ですが、土木部長の考えをお聞きします。

 鏡ダムの操作について、土木部長に伺います。8月5日、高知新聞が「鏡ダム越流をギリギリ回避した高知県職員 豪雨の中で放流量を巧みに操作」との記事を報道しています。現場職員の必死の対応に心から敬意を表するものです。同時に、今紹介したような記録的、ゲリラ的な集中豪雨が頻繁に発生する可能性が強まっています。またさらに、異常な豪雨によっては、鏡川の越流による浸水地域の大幅拡大が予想されるとの研究報告がされています。今後、職員の経験の蓄積と危機対応能力の一層の向上が求められるとともに、今日の異常気象に対応する鏡ダム操作規則の見直しが必要ではないかと考えます。

 例えば、洪水期間を7月1日から9月30日までとしていることや、その洪水期間の制限水位を7月と9月21日から30日の期間は標高68メートル、8月1日から9月20日までの期間は標高63メートルとしていることなどを見直すべきではないでしょうか、お伺いいたします。

 また、国などに対して、12から24時間先の精度が高い洪水予測情報、メッシュ情報の提供、局地的豪雨に係る観測、予測の精度向上、高度化を働きかけるべきだと思いますが、お聞きいたします。

 次に、四国における鉄道の抜本的高速化について知事にお伺いします。

 四国4県とJR四国が費用負担をして基礎調査を行い、4月18日にフル規格新幹線整備の妥当性を確認したとの発表を行いました。そして、四国の経済活性化や国土強靭化の名のもとに、新幹線の整備計画への格上げに向けた動きを加速させようとしています。しかし、さまざまな問題があり、また四国に暮らす住民の願いと合意に基づくものとは言えず、新幹線整備ありきで進めることは決して認められるものではありません。

 まず、基礎調査の結果についてです。

 今回の調査結果の最大の目玉とも言える費用対効果を評価するとされる費用便益分析において、ケース3、四国新幹線と四国横断新幹線を結んだケースで初めて1を超え、1.03としていますが、その根拠が示されていません。しかも、北陸や北海道新幹線の1.1よりもまだ低い。また、16年後の2030年の開通、それから50年間の運行期間、70年先までの試算としています。

 一体どれほど信憑性、科学性があるのでしょうか、お伺いいたします。

 主な整備効果として、山陽新幹線の代替機能、四国のイメージアップ効果、新幹線沿線地域の人口減少傾向の抑制、経済活性化に寄与などなどを列挙していますが、一つ一つ真剣に科学的に検討しているとは全く思えません。先日の四国観光議員連盟総会の講演での、JR四国元社長、日本観光振興協会四国支部長の、新幹線が通過するところは全部栄える、開通したところは間違いなく発展しているとのお話には、全く驚きです。

 整備効果についてどのように検討、検証してきたのか、お聞きします。

 費用の点でケース3は、建設費が1兆5,300億円との想定ですが、事業費はさらに増額することも十分予想され、莫大な税金投入となることは明らかです。また、地元負担が3分の1求められることになり、厳しい地方財政状況の中で、県民負担の増大や財政運営の一層の困難を招くことになります。

 高知県の財政負担、また県財政への影響をどのように試算し、考えているのか、伺います。

 最も重要な地域住民の移動権、交通を保障する在来線に影響を与えることは必至で、重要な問題です。2012年3月、JR四国社長はインタビューに答えて、「在来線はだいたい第3セクターがやる。都市間の輸送は新幹線で、都市圏内、地域圏内は在来線でと役割分担」と述べています。そして、各地でも新幹線建設に伴い、在来線の第三セクター移管が起こっています。先日、九州新幹線の調査に伺いましたが、在来線からのJRの撤退、特急の減便、廃止、料金の大幅な値上げ、騒音・振動被害など、深刻な課題が山積していました。

 結局、在来線は切り捨て、自治体などに丸投げして、莫大な補助金、税金投入を押しつけることになり、新幹線整備という大規模な公共事業によって地域住民の日々の足が奪われることになるのではありませんか、お伺いいたします。

 この計画は、1969年の新全総、日本列島改造論を反映し、1973年に基本計画が決定されて以来、調査が行われてきましたが、事業のめどが立たない中で、2008年度予算の執行を中止してきたものです。

 今後、財政負担が一層求められ、また新幹線整備ありきで進む四国の鉄道高速化連絡会からの脱退を検討すべきだと考えますが、見解を伺います。

 少なくとも高速バスや高速道路、航空機など多様な代替交通機関と比較することや総合的に検討すること、新幹線導入のプラス面だけではなく、費用面や移管される在来線などマイナス面も提示して議論を行うことが大切だと考えますが、いかがですか。

 次に、公共交通再編について副知事にお伺いいたします。

 土佐電鉄111年、高知県交通70年の歴史に幕を閉じ、あすから新会社とさでん交通株式会社がスタートすることになりました。県民の会社として、住民の交通権を保障する役割を果たすことが強く求められるとともに、県行政の権限と責任は一層重大になっていると考えます。

 公共交通に責任を持つ県として、また2分の1の出資金を保有する株主として、二重の意味での権限、責任をどう受けとめているのか、決意とあわせてお聞きいたします。

 この新会社が県民から大きく変わったと信頼されるためには、何よりこの間の暴力団問題を初め、明らかになったコンプライアンスとコーポレート・ガバナンス欠如への厳しい検証、反省とコンプライアンスの確立等を目指す仕組みと不断の努力が問われると思います。しかし、今回もこれまでと同じような県警察OBなどを監査役に据えるなど、何も変わっていないではないかなどの県民の声が上がっています。

 コンプライアンスの確立を目指すシステムと取り組みへの決意について伺います。

 新会社は、出資金は全額自治体負担で形は公設民営ですが、名実ともに県民の会社です。県は、その半分を負担しており、会社の運営、経営そのものに責任を持つ上でも、必要な執行部署に県職員を派遣、出向させることも検討してはどうかと考えますが、伺います。

 次に、6月議会で副知事は、「今回の再構築スキーム案は、事業者の経営努力や増収対策により一定の収支改善が見込まれており、両社がそれぞれ単独で事業を行うケースと比較して、行政経費は抑制される計画となっております」と説明されています。

 スタートする新会社に具体的にどのように計画されているのか、また今後の見込みについて改めてお伺いいたします。

 次に、関係機関との連携強化として、公共交通改善に対する協議機関とモニタリング会議の立ち上げ、設置が提案をされています。その進行状況についてお聞きします。

 同時に、県民の会社というものの、構成メンバーに県民、利用者の参加が保障されていません。少なくとも県として、あるいは市町村と連携して、県民、利用者の意見を反映する場を持つこと、県民参加を保障することが必要だと考えます。

 県民の交通権を保障すること、そして利用を促進することが経営改善、増収に直結するのであり、県民のニーズ、また現在余り利用していない人も含めた潜在的なニーズをリアルに掌握し、反映することが決定的に重要だと考えますが、見解を伺います。

 この8月から9月に新日本婦人の会が公共交通アンケートを実施し、回答が寄せられています。意見では、公共交通機関は本数が少なく、料金も高いので利用しなかった、利用したくても目的地までの便や本数がないので車を使うことになる、バス停の停留所に自転車置き場があると、もっと利用しやすいと思う、65歳以上の老人は子供並みの半額料金にすれば、利用者は多くなるのではないか、電停に柵がなく危険、障害者がもっと利用できるよう低床電車をふやしてほしい、車椅子利用時に段差があり自力で乗車困難なのでスムーズに乗れるよう工夫してほしいなどなど、たくさん寄せられています。

 これらの意見、要望をどう受けとめられるのか、またこうした県民の取り組みをどう評価し、今後反映していくのか、お伺いします。

 公共交通を利用する際、障害を持っている人のうち、精神障害の皆さんに障害者割引が適用されていません。知的障害や身体障害と同じく割引適用の制度をつくるべきだと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。

 次に、子供の貧困問題と少子化、子育て支援について伺います。

 昨年6月、子どもの貧困対策の推進に関する法律がつくられ、その基本理念には、「子どもの貧困対策は、子ども等に対する教育の支援、生活の支援、就労の支援、経済的支援等の施策を、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することを旨として講ずることにより、推進されなければならない」、また、「子どもの貧困対策は、国及び地方公共団体の関係機関相互の密接な連携の下に、関連分野における総合的な取組として行われなければならない」とされています。

 2013年の国民生活基礎調査を見ると、1世帯当たりの平均所得は537.2万円で、2003年の調査と比較すると、42.5万円も少なくなっています。貧困率は16.1%、子供の貧困率が全体の貧困率を上回り、過去最悪の16.3%となりました。中でも、ひとり親世帯の貧困率は54.6%で、世界的に見ても極めて高く、今の日本経済を子供の貧困の観点から考えると、親や大人の雇用状況の悪化や生活状況の悪化が子供の貧困に及んでいます。子供の将来を危機から救うためには、子どもの貧困対策推進法に基づき、国、自治体での具体的取り組みを進めることが緊急に問われています。

 先日8月29日、政府は、子供の貧困対策に関する大綱を閣議決定しました。社会経済情勢の変化や子供の貧困に関する状況の変化、大綱に基づく施策の実施状況や対策の効果等を踏まえ、おおむね5年ごとをめどに見直しを検討するとし、2017年7月ごろには対策法の成果を反映した子供の貧困率を厚労省が発表する予定としています。が、残念ながら大綱の中に子供の貧困率をゼロにするための数値目標が示されていません。推進法の第9条では、都道府県は子供の貧困対策の計画を定めるよう努めるものとすると記されており、高知県としても緊急の取り組みが求められています。

 計画の策定を急いで行うべきだと思いますが、県としてどう取り組み、対策を具体化するために計画をどうつくっていくのか、お聞きします。また、現在、各都道府県別の子供の貧困率という統計は出されていません。少なくとも県ごとの実態を明らかにし、改善の数値目標を示す必要があると考えます。貧困の概念は幅広いものです。高知県の子供の実態調査を行い、いろいろな角度から改善する指標を示すことができるようにすべきだと思いますが、いかがでしょうか、あわせて地域福祉部長に伺います。

 文部科学省は、所得の低い家庭が多い公立小中学校の教員を来年度からの10年間で2,000人増員し、塾に行けない子供に放課後補習を行うことで貧困の連鎖を断ち切ることを狙いとして、来年度の概算要求に200人分の4億円を盛り込むと報道されています。

 教員の増員について、高知県では該当する学校が何校あるのか、10年間の教員配置を国にどのように要望していくのか、教育長に伺います。

 一方で、これまで貧困の連鎖を断ち切る重要な手だてが学習支援であるとして、全国94自治体で実施されている厚生労働省のセーフティネット支援対策等事業である無料塾は、来年度から新たに実施される生活困窮者自立支援法の枠組みに移り、これまで全額国の負担であったものが2分の1の補助になってしまいます。関係者は、財源をどこに求めるのか当惑しています。

 高知市を初めとする実施市町村のこの間の取り組みが評価され、県も実施市町村を拡大するとしてきました。国に対し、これまでと同様の予算措置を求めるべきだと思いますが、地域福祉部長に伺います。

 少子化への対応と子育て支援も急ぎ手だてが必要です。知事会が7月15日に少子化非常事態宣言を発表し、今こそ思い切った施策を展開し、国、地方を通じたトータルプランに総力を挙げて取り組むときであることを宣言したのは記憶に新しいところです。高知県も努力を重ねてきていますが、多面的な取り組みが必要で、中でも働き方の改善と子育て・教育費用の思い切った軽減なしに少子化を解消することはできません。最近では、社会を支える国民を育てる観点から、大学卒業までを見通した支援策が必要だとの議論も起こっています。

 子育て支援への本気度を財政的にもどう示していくかという点で再三取り上げていますが、子供の医療費助成を県として中学校卒業まで所得制限なしで無料にすることは、大きな子育て支援につながると考えます。自治体間の制度格差が広がり、人口の多い市レベルでは、助成の枠が十分ではありません。非常事態宣言を実効あるものにするためにも決断のときだと考えますが、以下、知事に伺います。

 子供の医療費無料化を国に要望することはもちろんですが、国が施策として実現するまで、県が子供の医療費無料化の拡充を一日も早く行うべきだと思いますが、いかがですか。

 また、国保の保険料の均等割についても、子供の数が多ければ多いほど重い負担となり、国保世帯にとって深刻な負担となっています。少子化対策や子育て支援に逆行するものです。国に対して保険料の子供の均等割の見直しや保険料の軽減を提案すべきではありませんか、お聞きいたします。

 次に、男女共同参画社会を推し進める立場から、男女共同参画推進本部長の知事に伺います。

 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、女子差別撤廃条約が国連で1979年に採択されて35年、日本が批准したのは1985年ですから、29年が経過しました。男女平等社会実現の流れの中で、1999年に男女共同参画社会基本法が制定されて、ことしで15年になります。

 先日の東京都議会や国会での女性議員へのセクハラやじ発言のてんまつに、国際的にも驚きを持って報道され、日本社会の人権意識もこれくらいのものかとひんしゅくを買ったことは、この間の「男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない」と男女共同参画社会基本法第3条に明記し、努力してきたことが、まだまだ不十分であることを突きつけられた思いです。

 人権意識と啓発活動がいかに大切かを感じますが、本部長として、こうした事例をどのように感じているのか、またどのように学習や研さんを広げていこうとしているのか、お聞きします。

 安倍政権は、女性の活躍を掲げ、女性が輝く日本を目指すとうたい上げています。しかし、男女共同参画は進むどころか、正規労働者の長時間過密労働や非正規雇用やパート等、女性が担ってきた不安定雇用が男性にも広がり、ブラック企業やカローシ、ワーキングプアの言葉が蔓延する事態になっています。ワーク・ライフ・バランスの実践を意識できず、家庭さえ維持できない中で、労働環境を整えないまま男性並みの就業率にしていこうとするのは、結局、豊かな男女共同参画社会から遠くなってしまいます。政権が女性の労働力に焦点を合わせているときこそ、高知県の男女共同参画社会づくり条例に基づくプランを進め、豊かに生きていくために必要な女性の声を施策に生かせるよう、参画率も上げていかなければなりません。

 昨年末、こうち女性団体ネットワークの皆さんが、働く女性の実態と改善を求めるアンケートに取り組み、県内28市町村217人から回答が寄せられました。年齢、家族、雇用形態、年収、仕事を続けられるか、結婚、出産、介護などで退職したことがあるか、働き続けるにはどのような施策が必要か、昇格の要請があればどうするか、不安要因は、などなど、回答をまとめています。

 まとめでは、「アンケートを集約していく中で、あらためて高知県の女性の働く環境の厳しさを実感することができた」、「女性の賃金の低さが浮き彫りとなった」、「女性がその能力を生かし、意欲を持って働き続けるためにも、労働条件や環境の改善、子育て支援や高齢者の介護支援の充実などの施策が急がれる。女性が出産や育児で退職せずに働き続けられるように、公的支援だけでなく、企業、職場の意識改革も求めたい」と結んでいます。

 2011年から2015年のこうち男女共同参画プランの実践も残すところあと1年です。この間の総括をどのように行い、次のプランに臨もうとしているのですか。今の課題を明らかにし、プランを実効性の高いものにしていくためにも、審議会の議論のもとになる高知県の女性の実態を男女共同参画社会づくりの観点で調査すべきときではないかと考えますが、いかがですか、あわせて伺います。

 男女共同参画社会基本法第4条には、「男女共同参画社会の形成に当たっては、(中略)社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない」とし、慣習の中にも男女共同参画社会づくりの風を入れていく必要が述べられています。この慣習の中の意識改革こそ社会づくりにとって大切だと考えますが、まだ古い慣習のままで改善されていないことが目にとまりました。

 どの自治体でも同様に、多くの皆さんの努力や栄誉をたたえて表彰が行われています。その中で、知事から消防活動に25年以上尽くされた消防団員の妻に消防団員内助功労者の感謝状が贈られています。消防活動は、危険を伴い、災害のときに飛び出していく大変な任務ですから、その家族の支えについて感謝することに異議があるものではありません。ただ、内助の功とは、家庭において夫の外部での働きを支える妻の功績の意味であり、消防の感謝状も団員に妻がいなければ、父や母や子供がいても、その家族に感謝状が贈られることはありません。

 他県では、妻も含めた家族に贈る感謝状に変えているところが多くあり、男女共同参画推進本部長の知事名で内助の功と書かれた文面が感謝状として贈られることに違和感を覚えるものです。直ちに改善すべきだと思いますが、いかがですか。

 また、他の分野でも県行政のかかわる制度や慣習の中に配慮すべきものはないか、職員が意識を持って点検に心がけ、改善すべきだと考えますが、いかがですか、お伺いいたします。

 最後に、野中兼山生誕400年の顕彰について伺います。

 野中兼山は、江戸時代初期の土佐藩家老として27年間在任し、米の生産向上を図るために、堰やかんがい用水などの農業土木施設を建設するとともに、上方との海上交通の安全を確保するための港湾施設を建設しました。吉野川、物部川、仁淀川、四万十川の後川、松田川につくられた堰は13、堰から13本の用水路が延びて、農地を潤し、運河として高知城下への物資の輸送に使われています。また、浦戸湾、手結、室津、室戸津呂、佐喜浜の港は、位置の選定や港口の向き、波や砂の対策、規模など、すばらしいものです。その偉業は卓越した先見性と計画性に見ることができる画期的なものだと高く評価されています。今でも小学生の社会科の地域教材として、身近な地域の堰や用水路、掘り込み港湾が兼山の取り組んだ事業として紹介、学習されています。

 兼山が生まれて、来年は生誕400年です。これまで野中兼山や野中婉を顕彰し、その偉業を文化遺産として次の世代に渡していくために努力を続けているボランティア団体の皆さんや研究者の皆さんから、功績を顕彰する行事ができないかとの声が上がっています。

 この声に応え、ぜひとも400年の歴史に合わせて文化遺産を学び、またとない高知県をしっかりと見る機会を逃すことなく、県もこの取り組みに支援を考えてはと思いますが、いかがですか。文化生活部長の御所見を伺って、第1問といたします。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 中根議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、消費税増税についてお尋ねがございました。

 従前より申し上げておりますとおり、確実に進行する少子高齢化などの社会情勢の変化に対して、しっかりと財源に裏打ちされた持続可能な社会保障制度を確立するために、消費増税は必要であると考えております。

 他方、7月の全国の有効求人倍率が1.10と高い数字を引き続き維持するとともに、7月の現金給与総額も前年同月比で2.4%増となっているものの、個人消費については、さまざまな経済指標を見ましても、4月の消費増税や天候不順などの影響もあり、伸び悩んでおります。政府が発表した9月の月例経済報告でも、5カ月ぶりに景気の基調判断を下方修正しておりまして、消費増税の時期を来年10月からとするかどうかについては、引き続き経済状況を見きわめていく必要があると思っております。

 安倍総理も、これまで経済状況などを総合的に勘案して年内に判断する旨の発言をされておりまして、総理には適切な判断をお願いしたいと考えております。

 次に、少子化、過疎化を生み出した原因と過去の対策が成功しなかったことへの認識についてお尋ねがございました。

 まず、少子化の進行につきましては、直接的には子供を産む年代の女性の数の減少と出生率の低下が原因でございますが、その背景には、経済的な問題に加えて、国民のライフスタイルの変化、出生率の低い大都市圏への若者の流出など、さまざまな要因が重なり合っているものと考えております。

 また、過疎化につきましては、そもそも高度経済成長に伴い、第1次産業を中心とする農山漁村地域から、第2次・第3次産業を主な産業とする都市部に向けて、若者を中心として大きな人口移動が起こり、その後も働く場所や収入の問題などから、過疎地域に若者を呼び戻すことができなかったことが主な原因だと考えております。

 国におきましては、こうした問題に対応するため、少子化対策ではエンゼルプランや次世代育成支援対策推進法、過疎対策では、過疎地域に関する特別措置法の制定などを通じて取り組みを進めてまいりましたが、過疎地域における道路の整備など一部に効果は見られましたものの、抜本的な解決には至っていないものと考えております。

 このことは、例えば一言に少子化対策と言っても、地方では結婚支援、都市部では待機児童の解消といったように、重点的に取り組むべき課題が異なっているにもかかわらず、地域の実情に応じた政策が十分でなかったこと、結婚や出産、子育てに対する経済的負担の軽減が十分ではなかったこと、企業の地方移転や過疎地域での若者の雇用、収入の増加につながるような産業の育成など、東京一極集中の回避に向けた抜本的な対策が十分でなかったことなどが要因ではないかと受けとめております。

 国におきましては、今回の地方創生を進めるに当たりまして、地方の目線に立つとともに、これまでの施策の延長線上にはない異次元の施策を展開していただきたいと考えております。

 先ほど申し上げました3点について、知事会とも連携をし、政策提言を行ってきておりますが、その政策提言を通じて、国においても一定の理解が図られてきておると私としては考えているところでございまして、地方目線に立った施策の展開を引き続きお願い申し上げたいと、そのように考えております。

 次に、地方創生に関して、中山間地域の重要性についてお尋ねがございました。

 中山間地域の農業産出額は、全国の算出額の35%を占めており、中山間地域の農業が衰退すれば、国民の食、生活に多大な影響が生じるなど、中山間地域の果たしている役割は大きいものと考えておりまして、中山間地域が消滅すれば、都市部自体も存続が危ぶまれるのではないかと考えております。

 こうしたことから、今回の地方創生をなし遂げるためには、中山間地域の重要性をしっかりと位置づけた上で、都市部と中山間地域が共生できるような対策を進める必要があります。その際、本県が進めております集落活動センターのように、意欲のある方々が中山間地域の活性化に向けて頑張っていくための拠点が必要だと考えています。

 国におきましては、こうした視点に立って、都市部だけでなく中山間地域にも若者が住み続けることができる地方創生を実現していただきたいと思いますし、県としましても、中山間総合対策本部を通じて全庁を挙げた政策を展開するとともに、全国知事会とも連携しながら政策提言を行っていきたいと考えております。

 次に、米価下落対策についてお尋ねがございました。

 本県における平成26年産の米価の状況は、時期や品種により価格差はありますが、例えば最も生産量の多いコシヒカリは、60キログラム当たり9,600円と、これまで最も低かった平成22年産を下回るといったかつてない低い価格となっており、こうした米価の状況は、本県に限らず、全国でも同様となっております。このような米価の状況について、県内の稲作農家の方からは、この米価だと肥料代や機械経費などの生産費を賄うことができなくなるといった声も上がっており、稲作農家の方にとりましては大変厳しい状況であると認識しております。

 米価下落の背景としましては、人口減少や少子高齢化、食生活の多様化などによって米の消費量が減少し続けている中で、ここ数年、米の需要に対し過剰な作付となっているため、恒常的な米余り状態となっていることなどが考えられます。

 今後もこうした米価の下落傾向が続けば、特に生産コストが高く、小規模農家の多い中山間地域を中心に、離農する農業者や耕作放棄地がふえるのではないかといったことが懸念をされます。

 県としましては、このような懸念が現実のものとならないよう、まずは需要に応じた米生産を行うことが最も重要であると考えております。このため、国の水田活用の直接支払交付金を最大限に活用しまして、主食用米から飼料用米を中心として非主食用米への転換を推進してまいります。また、主食用米に対しては、国の米の直接支払交付金や、収入が減少した場合に一定の補填が受けられる収入減少影響緩和対策への加入促進に取り組んでまいりたいと考えております。こうした取り組みを市町村やJAなどの関係機関と一丸となって進めていくことにより、今後とも稲作農家の方が安心して農業を続けることができるように努めていかなければならないと考えておるところであります。

 次に、普天間飛行場の辺野古周辺への移設に関して、住民や議会、地元自治体の意思を無視して政府が事業を強行することが地方自治の軽視、無視ではないかとのお尋ねでございました。

 一般論として申し上げれば、地元自治体が反対しているにもかかわらず、国が事業を強行するといったことが望ましくないのは言うまでもありません。沖縄県には在日米軍の専用施設の74%が集中するなど、その負担は大変大きなものがあり、沖縄県民の中に普天間飛行場の辺野古周辺への移設に対する不安があることや、移設反対を訴えて当選された名護市長が受け入れを拒否されていることも承知しております。

 一方で、沖縄県知事は苦渋の決断であったと察せられますが、普天間飛行場周辺の県民の皆様の安全確保のために、関係法令に基づき埋め立てを承認しています。

 既に沖縄県知事の承認があり、事業が進められている中で、私から申し上げるべきことはありませんが、いずれにしても政府におかれては、沖縄県民の皆様の不安な声を踏まえ、丁寧な説明を繰り返していくことが必要ではないかと考えているところでございます。

 次に、原発問題に関する一連の御質問にお答えをいたします。

 まず、原発の持つ異質の危険性に対する認識についてお尋ねがありました。

 福島原発の事故は、我々がこれまで経験したことがないほどの大規模な原子力災害であり、事故による直接的・間接的被害は広範囲かつ長期に及んでおります。被災地では、今もなお多くの被災者がふるさとを追われ、働くこともままならない厳しい生活を強いられており、こうした現実に胸の痛む思いがしてなりません。

 本県におきましても、一たび伊方原発で事故が起これば、その影響を直接的、間接的に受けるおそれがあることから、伊方原発の安全確保には非常に強い関心を持っており、福島原発のような事故は絶対に起こしてはならないという強い思いを持っております。

 次に、事故の教訓と安全対策の徹底への決意についてお尋ねがありました。

 今回公開された政府の事故調査・検証委員会による聴取記録からは、原子力安全に対する過信から、過酷事故に対する事前の防止策、防災対策、事故発生後の被害防止策について十分な対策がとられておらず、原子力に対する国民の信頼を揺るがすほどの深刻かつ大規模な事故になったことが改めて明らかとなり、このことは教訓として我々は決して忘れてはならないと認識しております。

 こうした事故の教訓を踏まえ、新規制基準では、多層の対策を用意する深層防護の徹底や安全確保の基礎となる電源の信頼性の強化、地震や津波などの自然現象等の想定の大幅な引き上げと防護策の強化に加えて、設置の許可を得た原子力施設に対しても、最新の規制基準への適合を義務づけるバックフィット規制も導入されています。

 国は、新規制基準に基づいて、安全対策についてさまざまな角度からの検証を徹底していただき、基準に該当しない、安全性の確保のされない原発は稼働させないとの姿勢を堅持していくべきだと考えています。また、電力会社においては、安全対策に終わりはなく、一層の安全対策を追求していくとの不断の努力が必要だと考えています。

 本県としても、四国電力に対して、勉強会などを通じて南海トラフ巨大地震による影響なども含めた安全対策について詳細な説明を求め、徹底した安全の確保を行っていただくよう、今後とも強く要請を行っていきたいと考えています。

 次に、津波・地震大国である日本において、世界一の規制基準は最低限の条件であるが、最先端の対策さえ求められていないことについてどう評価しているかとのお尋ねがありました。

 新規制基準は、福島原発事故の反省や国内外からの指摘を踏まえて、大規模な自然災害への対策強化に加えて、重大事故対策を規制の対象とし、新しい基準を既存施設にさかのぼって適用することを法的に義務づけるなど、常により高いレベルの安全対策を追求していくものとなっています。そのため、技術の進展に応じて電力会社が最新の技術を選択することを妨げないように、特定の技術を指定せず、安全対策に必要な機能や設備の性能を規定しているものと認識をしております。

 御指摘のありましたコアキャッチャーを例に申し上げますと、基準ではコアキャッチャーの設置を義務づけるかわりに、この施設が果たす原子炉内の溶融した核燃料を受けとめ、冷却水等で冷却する機能が果たされる対策が講じられていればよしとしているところです。

 また、原子力規制委員会における審査の状況や資料も原則公開のもと実施されており、審査に係る資料等もホームページ等で誰でも閲覧できるようになっており、より透明性が高いものとなっています。

 一方、避難計画につきましては、国が一方的に実効性のある、なしを審査するのではなく、関係自治体と一体となって国として取り組んでいくことを表明しており、内閣府に原子力災害対策担当室を設置し、現在、関係自治体と連携をとりながら、既に企画立案に当たっております。また、来月から現在の担当室を廃止し、新たに原子力防災の専門部署を設けることとしており、支援体制の充実や原子力防災体制の一層の強化が期待されるところであります。

 いずれにいたしましても、原子力規制委員会も電力会社も福島原発事故の教訓を忘れることなく、安全対策には終わりはないとして、新たな知見に基づく不断の努力を続けていただくことが原発の安全性を確保する上で極めて重要であると考えています。

 新規制基準についても、常に新たな知見を得れば、それを取り込んで進化していくという、そういう姿勢で国はあり続けてもらいたいと考えているところでございます。

 次に、広島市で起こったような異常気象を教訓とした取り組みについてお尋ねがございました。

 今回、広島市では、いわゆるバックビルディング現象などによる異常な降雨により、大きな被害をもたらしましたが、こうした集中豪雨は、日本全国で起こり得るものだと思います。本県でも、今回の台風第12号、第11号による豪雨では、嶺北地域などで1時間の最大雨量が100ミリを超えるとともに、仁淀川町などでは総雨量が2,000ミリを超えました。また、過去にも98高知豪雨や平成13年の西南部豪雨などが発生していますので、今後においても県内のどこでも集中豪雨が発生し、大きな災害が起こり得るという危機意識を持たなければならないと考えております。

 従前より、高知地方気象台から気象情報を随時入手し、県民の皆様や市町村、関係機関に向けて早目早目に注意喚起を行ってまいりましたが、引き続きこうした対応の充実を図ることが大事だと思っております。

 先月の広島市での土砂災害では74名の死者、昨年の伊豆大島では39名の死者、行方不明者、本県においても、昭和47年の繁藤災害では60名の死者を出していますように、大規模な土砂災害は多くの人命にかかわる被害を出してまいりました。

 県民の皆様には、集中豪雨や土砂災害に対して日ごろから警戒感を持っていただき、強い雨が降る予報が出た場合には、テレビやラジオ、インターネットなどでその後の気象情報を確認していただく必要があります。このため、県のホームページこうち防災情報では、気象情報のほか河川の水位や土砂災害に関する情報など、災害に関するさまざまな情報を提供しているところです。引き続き、こうした点について広報、啓発を徹底していくことで、県民の皆様が早目早目の対応がとれるよう努めていきたいと考えています。

 また、集中豪雨の発生が少しでも早く予測できれば、県や市町村は事前の対応が可能となり、県民の皆様の早期の行動にもつながることとなりますので、国に対しましては、ゲリラ豪雨など突発的、局所的な自然災害に対する予測技術の開発に取り組んでいただくよう、政策提言を行いたいと考えているところであります。

 次に、住宅などの浸水対策について、早急な対応が求められるのではないかとのお尋ねがありました。

 台風第12号及び第11号により、本県の雨量も広い範囲で記録的なレベルに達し、約2,000戸の家屋の浸水被害が発生をしました。この被害に対しましては、これから実施する浸水被害の原因分析に基づき、河川改修などの治水対策を早期に実施してまいります。

 特に今回、多くの家屋浸水が発生した日高村の日下川流域、いの町の宇治川流域、四万十町の吉見川流域につきましては、河川改修だけではなく、内水を排出するためのポンプの整備や流域の保水・遊水機能の確保など、国や地元自治体と連携した総合的な治水対策を講ずる必要があります。このため、9月1日に、国、県、地元自治体をメンバーとする日下川浸水対策調整会議及び宇治川浸水対策調整会議を開催し、再度災害の防止に向けて協議を始めました。また、四万十町の吉見川についても、協議会の設置に向け準備を進めているところであります。これらの協議会におきまして、流域の特性に応じた効果的な治水対策を検討するとともに、それぞれの機関が役割を分担した上で、早期に効果が発揮できるよう取り組んでまいります。

 次に、四国における鉄道の抜本的高速化について、基礎調査の費用便益分析の信頼性や整備効果の検討経過についてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。

 四国の鉄道高速化の検討の背景には、全国で新幹線の開業、延伸が進む一方で、四国だけが新幹線の空白地帯となっていることから、他地域と比べて相対的に交通利便性が低下し、地域間交流が阻害され、四国の一体的発展が危惧されているとの状況があります。

 今回の基礎調査は、新幹線の導入について、関係者間での議論の基礎とするとともに、機運の醸成を図ることを目的に、四国4県、四国運輸局、四国経済連合会、JR四国等で構成する四国の鉄道高速化検討準備会が昨年度に鉄道等の公共交通機関に関する調査実績がある一般財団法人運輸政策研究機構に委託して実施したものであります。費用便益分析につきましては、国土交通省作成の鉄道プロジェクトの評価手法マニュアルに基づいて算出されており、現在、国の基本計画にとどまっている四国新幹線のうち徳島−松山間と四国横断新幹線の岡山−高知間をルートの工夫も加えて同時に整備した場合に、社会的観点から費用対効果を評価した費用便益比が1を超える結果が得られたとしたものであります。また、新幹線導入による整備効果として、経済波及効果や時間短縮効果などが定量的に示されております。

 費用便益分析や整備効果の信頼性、科学性についてのお尋ねでございますが、今回の基礎調査は、あくまで次の段階の検討に入っていけるかどうかを判断するための調査で、現時点で想定されるデータ等に基づき試算されたものと受けとめておりますし、その調査方法につきましては、国のマニュアルや国が他の整備新幹線の収支採算性等を検討する際に用いた手法や事例等を参考に試算、検討されたものであり、信頼できるものと考えております。基本計画にとどまっている四国の新幹線計画の整備計画への格上げの段階で必要となる、法に基づく国の調査を求めていくに足りる内容となっているとの受けとめもいたしているところであります。

 次に、県財政や在来線への影響、四国の鉄道高速化連絡会との関係、さらにはプラス面、マイナス面の幅広い検討の必要性などについてお尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えをいたします。

 新幹線が整備、導入されますと、各都市間の移動時間が大幅に短縮されることなど、地域経済の活性化等が期待されますが、新幹線の具体的な検討を進めるためには、まずは国による地形や地質や供給輸送力、建設費用などの調査が必要となります。そのため、本年4月に基礎調査の結果が発表されて以降、四国知事会や四国4県議会正副議長会、四国鉄道活性化促進期成会などにより、国土交通省に対して、基本計画にとどまっている四国の新幹線の整備計画への格上げに向けた調査研究を行うよう、提言や要望活動などの取り組みを行っているところであります。

 今回の基礎調査で示されました整備事業費は、他の線区の所要額をもとに算出されたものでございますので、今後、国が調査を実施するといったことになれば、精査されていくものであります。現時点では、地方負担やそれに伴う県財政への影響などをお答えできる段階ではございませんが、整備事業費の負担や並行在来線の問題などは、新幹線の整備に当たってクリアすべき条件に挙げられている重要な課題でございますので、今後検討を進める中で議論が深まっていくものと考えております。

 今後に向けては、四国の鉄道高速化連絡会などを通じて国の動きを注視しますとともに、他県や関係者団体との連携を図ることが重要だと考えており、県としましては、今後とも県議会や県民の皆様方、経済界などからも広く御意見をいただきながら、他の3県やJR四国と連携し、プラス面、マイナス面ともに検討を深めてまいりたいと考えております。

 いずれにしても、四国における鉄道の抜本的高速化に向けた取り組みは意義ある取り組みだと考えており、ぜひとも検討段階を前に進めていくべきものであると考えているところであります。

 次に、子供の医療費無料化についてお尋ねがありました。

 子供の医療費につきましては、子供が生まれ育った環境によって左右されず、全国どこでも治療費を心配することなく安心して医療を受けられるよう、社会全体で支えていく必要があると考えております。私といたしましても、全国知事会のプロジェクトチームリーダーとして、次世代を担う人づくりに向けた少子化対策の抜本強化に取り組んでいく中で、新たな子供の医療費助成制度の創設につきましても提言しているところであります。

 県内の多くの市町村では、ここ数年の間に医療費助成制度の拡充に取り組んできており、中学校卒業まで医療費の無料化を実施している市町村は、所得制限等も含めると、この10月には30カ所となり、さらに来年度中にも幾つかの市で拡充されるとお聞きしております。

 県による助成制度の拡充を行うと、毎年およそ12億円が必要と見込まれますが、ほとんどの市町村で既に中学校卒業まで医療費の無料化が実施されていますので、市町村での財源の振りかえになるだけでは本当の意味での子育て支援策の充実にはつながらないのではないかと考えております。

 このため、国への政策提言を引き続き積極的に行うとともに、次世代を担う子供たちの健やかな成長と発達、少子化対策としてどのような支援策が最も効果的であるのか、十分な検討を行ってまいりたいと考えているところであります。

 次に、国民健康保険料の子供のいる世帯への均等割の見直しや保険料の軽減について国に提案すべきではないかとのお尋ねがありました。

 国民健康保険料は、医療給付に要する費用を賄うために被保険者に負担をお願いしているものであり、所得や資産といった能力に応じた負担だけでなく、子供を含めた全ての被保険者に保険給付による受益に応じた負担をしていただくこととされております。子供の多い世帯ほど負担が増加することとなっております。

 しかし一方で、我が国の少子化の現状は、全国知事会が非常事態宣言を出さざるを得ないほど危機的な状況にあり、将来にわたって国や地方が活力を維持していけるよう、若い世代が安心して結婚し、子育てを行うことができる環境を整えるために、幅広い分野での思い切った政策の展開が不可欠となっております。

 このような状況から、全国知事会としては、特に税制について、子供が多いほど有利になる制度や子育て等に伴う経済的負担の軽減に資する制度の創設などの検討を国に対して要請を行っているところであります。

 御提案のありました国民健康保険料の子供の均等割の見直しや軽減については、子供の多い世帯の負担軽減を図るために大事なことではありますが、見直しに伴い減収となる保険料にかわるべき財源をどうするかといった課題もあります。両面で検討していくべき必要があるものと考えているところであります。

 次に、先日の東京都議会や国会での女性議員へのやじの事例をどのように感じているのか、またどのように人権意識に関する学習や研さんを広げていくのかとのお尋ねがありました。

 今回の東京都議会等における女性へ結婚、出産を強要するかのような一連の発言はセクシュアルハラスメントであり、こうした女性に対する人権侵害の発言がされたことは、非常に残念であると感じております。男女平等の大原則に立ち、さらには男女共同参画社会の実現に向け、今後とも粘り強く意識啓発に取り組んでいく必要があるものと考えております。

 高知県では、こういった啓発は幅広い年代に向け、かつ多くの機会を通じて取り組むことが必要と考えておりまして、こうち男女共同参画センターや人権啓発センターにおける講演会の開催や、市町村や団体、学校等教育機関が行う研修会への講師派遣、また、さまざまなメディアを通じた広報などに取り組んでおり、今後ともさらなる内容の充実を検討してまいりたいと考えています。

 次に、こうち男女共同参画プランの総括と次期プラン策定に向けて実態調査をすべきではないかとのお尋ねがありました。

 現在のこうち男女共同参画プランにつきましては、男女共同参画社会の実現に向け、計画期間が満了する平成27年度末における目標値やモニタリング指標を設定し、PDCAサイクルに基づく進捗管理を行いながら取り組みを進めております。

 現時点の進捗状況としましては、子育てしやすい職場環境づくりに積極的に取り組んでいる次世代育成支援企業の認証企業数や女性が農業経営へ参画することを牽引する農村女性リーダーの認定者数の増加、またプラン策定時に男性のみであった高知県防災会議委員に7名の女性委員が加わるなど、着実に進んでいるものもある一方、県の審議会等の委員の男女構成比など、進捗が十分でないものもあります。こうしたことから、全体として取り組みが前進しているものの、さらなるスピードアップが必要な状況であると受けとめているところであります。こうした中、本年度より、女性の活躍の場のさらなる拡大に向けて、高知家の女性しごと応援室の開設などの新たな取り組みも始めているところであります。

 これから来年度にかけましてプランの改定作業に取り組んでまいりますが、本年度は県民意識調査を行うこととしておりまして、男女平等や性別役割分担意識といった経年変化を把握するための項目のほか、女性が働きやすい環境づくりに関する新たな項目もお聞きをし、本県の女性の実態把握を行ってまいりたいと考えています。

 来年度は、この意識調査の結果やこれまでの取り組みや本年度の新たな取り組みの成果と課題をしっかり分析いたしますとともに、さまざまな分野の委員から構成されますこうち男女共同参画会議での御議論や、パブリックコメントなど幅広く県民の皆様の御意見を賜りながら検討を進めてまいりたいと、そのように考えているところでございます。

 消防団員内助功労者への感謝状についてお尋ねがございました。

 消防団員は、消火活動や河川氾濫時の警戒、土砂崩れが発生した際の人命救助など、昼夜の別なく危険と隣り合わせの現場で、地域の防災力のかなめとして地域住民の生命、財産を守る活動を行ってくださっています。団員の皆様が長年にわたりこうした消防団活動を行うには、御家族、特に配偶者の理解と協力は欠かせないものであり、その御労苦に報いるため、消防団員内助功労者として感謝状を贈呈しているものであります。

 この感謝状は、妻に限らず、夫も含めた配偶者を対象としており、そのことは市町村や消防関係者に定着していますが、内助という言葉は、一般的に妻が家庭にいて夫の働きを助けるという固定的な性別役割分担を連想させますことから、感謝状の趣旨が伝わるような表現を今後検討したいと考えております。

 最後に、県行政のかかわる制度や慣習の中に配慮すべきものがないかを職員が意識を持って点検に心がけ、改善すべきではないかとのお尋ねがありました。

 男女共同参画社会をさらに推進していくためには、県行政に携わる職員一人一人が日ごろから男女共同参画の視点や人権意識を持って業務を進めるとともに、気づきがあれば速やかに改善、改革に取り組んでいく姿勢が重要であると考えております。このため毎年、全庁を対象に男女共同参画、女性問題に関する研修を実施しておりますほか、新規採用職員の研修やそれぞれの職場での人権研修などを通じて、個々の職員の男女共同参画に対する意識を高めていくよう努めております。

 今後は、職員が感性を磨き、時代や環境の変化を敏感に捉えるための研修、既存の制度や枠組みにとらわれず、さまざまな視点から物事を考えるための研修、みずから改善すべき点や課題を見出して業務を進めるための研修などを一層充実することで、男女共同参画の意識も十分に備えた職員の育成に努めてまいりたいと考えております。

 私からは以上でございます。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) 原発問題についてお答えします。

 まず、四国電力は、基準地震動を超える事象が頻発している原因をどう分析しているのか、その教訓をどう生かしていると説明しているのかとのお尋ねがありました。

 御指摘のありました、全国の原発施設のうち4つの原発に5回にわたり想定されていた基準地震動を超える地震が到来していることについて、大飯判決では、「地震動を推定する複数の方式について(中略)選択の誤りがあったのではないか等の種々の議論があり得ようが、これらの問題については今後学術的に解決すべきもの」としています。現在、原子力規制委員会で実施されている新規制基準による原発施設の審査において、基準地震動の設定に多くの時間が費やされていますが、学術的に最新の知見に基づいた審議が行われていると認識しています。

 御質問のありました伊方原発の基準地震動については、これまで四国電力から、発電所の立地する敷地に最も影響を与えると予想される地震として、敷地近くを通る中央構造線断層帯をリストアップした上で、地震断層の長さや断層面の傾斜角度などを揺れが大きくなる厳しい条件で想定して、発電所における地盤の揺れを評価し、さらにそれを上回るよう、余裕を持って設定しているとの説明を受けています。

 また、これまで570ガルとしてきた基準地震動について、北海道留萌地震を、震源を特定せず策定する地震動として考慮することとし、その結果、620ガルの地震動を追加したとの説明を受けたところですが、さらに、敷地ごとに震源を特定して策定する地震動についても、計算手法の見直しや計算結果に余裕を多くとることなどにより650ガルに引き上げ、現在、原子力規制委員会において、新規制基準適合性に係る審査を受けている最中であると認識しています。

 いずれにしましても、基準地震動については、現在、原子力規制委員会において、こうした四国電力の考え方を含め、慎重に審査を進めているところであり、今後、結果が明らかになった時点で四国電力から詳しい説明を求め、その内容についてしっかりと確認を行ってまいります。

 次に、自然エネルギーの普及に向けた投資の必要性や四国で買い取り契約の中断が起きないかについてお尋ねがございました。

 自然エネルギーの普及につきましては、本県は豊富な森林資源や全国トップクラスの日照時間など、優位な自然条件を有していますことから、新エネルギービジョンを策定し、官民協働で太陽光発電事業を行うこうち型地域還流再エネ事業や木質バイオマス発電などに取り組んでいるところです。しかしながら、電力需要の少ない中山間地域を多く抱える本県は、電力会社の送電網が脆弱であり、接続可能量に限界があるため、これまでも一部の地域では接続問題で発電施設の導入を断念するケースが起こっており、導入促進を図る上で大きな課題となっています。

 一方、国の新たなエネルギー基本計画では、再生可能エネルギーについて、2013年から3年程度、導入を最大限に加速していくとしており、再生可能エネルギーの導入促進を加速させるために、送電網の整備等について早急に道筋を示すよう、国に対して要望を続けてまいりました。

 議員よりお尋ねのありました自然エネルギー買い取り契約の中断につきましては、四国電力管内においても太陽光発電の導入が急速に進み、昼間の電力需要と供給のバランスに悪影響を及ぼすおそれがあることから、再生可能エネルギー設備の接続可能量等について早急な検討を行うため、10月1日以降、住宅用など余剰買い取りとなる10キロワット未満の太陽光発電を除いて、新たに受け付ける送電網への接続に係る契約の申し込みについて、接続の可否についての回答を保留すると、本日、四国電力は発表いたしました。これにより、現在、県内で進められています民間等の事業計画にも支障が生じ、順調に進んできた普及拡大の動きにブレーキがかかるのではないかと懸念しておりますので、今後の見通しなどについて、四国電力からしっかりと説明していただく考えです。

 いずれにしましても、送電網の強化は必要ですので、引き続き国に対して送電網の整備等について要望を行ってまいりますが、御指摘の一つにありました自然エネルギーの爆発的な普及を実現させるためには、安定した出力を確保するための蓄電技術の開発や低コスト化など、本格的な対策に取り組んでいく必要があると思います。

   (危機管理部長野々村毅君登壇)



◎危機管理部長(野々村毅君) 災害対策について、防災行政無線の現状や改善の必要性についてお尋ねがございました。

 市町村が整備、運用している防災行政無線は、専用の周波数を用いて、屋外スピーカーなどにより避難勧告などの緊急情報をいち早く住民の皆様に伝達するものです。

 防災行政無線で使うスピーカーの設置に当たっては、一般的に周辺の雑音や人家の分布状況、地形などを考慮し、十分に聞き取れる位置に計画されていますが、気象状況や家の構造などによっては聞こえにくいこともあります。そのため、県内の市町村では、屋外スピーカーだけではなく、放送が始まると自動的にスイッチが入る戸別受信機を各家庭に配付しているところもあります。

 災害時の緊急情報は、住民の皆様に確実にお伝えすることが重要ですので、県内の27市町村では防災行政無線、8つの市町村ではケーブルテレビ等の既存ネットワークを活用した有線放送、そのほか全ての市町村で携帯電話の緊急速報メールやテレビによる緊急速報を活用するなど、さまざまな手段を用いて伝達されています。

 県では、昨年度、県下に現在設置されている屋外スピーカーの設置時点の計画を点検いたしましたが、放送が届かないと思われる地域もありましたので、屋外スピーカーの増設など防災行政無線の充実を初め、さまざまな伝達手段の組み合わせによって、そうした地域をなくすよう市町村と協議をしていくこととしております。

 次に、本県での防災ラジオの普及についてのお尋ねがございました。

 議員からお話のありました高松市の取り組みは、防災行政無線の戸別受信機にかわるものとして、高松市に放送エリアが限定されているラジオ局を通じて、専用のラジオから住民の皆様に緊急情報をお知らせするものだとお聞きしており、災害情報を伝達する新たな手法と思っております。先ほどお答えしましたとおり、屋外スピーカーの放送が届かない地域の解消に向け、市町村と協議を行うこととしておりますので、緊急情報の伝達手段の一つとして、高松市の取り組みを情報提供してまいりたいと考えております。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) がけくずれ住家防災対策事業の予算措置についてお尋ねがありました。

 がけくずれ住家防災対策事業は、市町村が行う事業で、県は、この事業の促進のため、事業費の2分の1の額を補助しています。

 8月の台風第12号及び第11号による災害を踏まえ、県では、市町村に対して、がけくずれ住家防災対策事業の必要な箇所についてヒアリングを実施しました。この結果、市町村が要望する全ての箇所を採択し、事業の実施に必要な県負担分2億6,800万円を今回の補正予算案に計上しているところです。今後とも必要な予算の確保に努めてまいります。

 次に、河床掘削に関して、引き続き今回のような集中豪雨に見合う取り組みが必要と考えるがどうかとのお尋ねがありました。

 今回の台風第12号及び第11号では、県内の河川において異常な土砂の堆積などが多数発生し、緊急に対応しなければならない箇所から順次、河川掘削などを実施しています。しかし、限られた予算の中でこれら全ての箇所を実施するのは困難ですので、緊急を要する箇所の対策の実施に必要な補正予算を今議会に提出しています。残りの対策が必要な箇所についても、次年度以降、順次実施してまいります。今後とも河床掘削など河川の適切な維持管理のために必要な財源の確保に努めていきます。

 次に、今日の異常気象に対応する鏡ダム操作規則の見直しが必要ではないかとのお尋ねがありました。

 現在の鏡ダム操作規則は、限られたダムの容量の中で、ダムに水を貯留して上水道などに安定供給する利水と、空き容量を確保して洪水を調整する治水の相反する2つの目的を達成するために定められています。その中で、ダムの水位については、夏場は洪水に備えて低く、また冬場は渇水に備えて高く設定しています。

 現在の鏡ダム操作規則は、ダムへの最大流入量を毎秒1,450トンとする計画に基づいて定めています。夏場の8月1日から9月20日までの間は、治水容量を最大に確保するために、ダムの水位を63メートルに制限しています。今回の台風第12号はこの時期に襲来し、ダムへの最大流入量は毎秒1,422トンでしたので、現在の操作規則に基づき洪水調節を行うことができました。

 このような出水が今後季節外れの時期に発生したとしても、現在の操作規則に定められている予備放流を適切に実施し、洪水の前にあらかじめダムの水位を63メートルに下げる放流を行うことで、夏場と同等の治水機能を最大に確保することが可能となっております。これらのことから、現在の操作規則を運用していくことが適切であると考えています。

 次に、国などに対する精度が高い洪水予測情報の提供、局地的豪雨に係る観測・予測精度向上、高度化の働きかけについてのお尋ねがありました。

 ダムを適切に操作するためには、事前の降雨予測が重要ですので、その精度の向上が必要であると認識しています。

 国においては、台風、集中豪雨などに対する防災情報の強化に向け、新たな気象衛星の打ち上げや気象情報の処理システムの強化などに既に取り組んでおり、事前の降雨予測の精度の向上が期待されているところです。こうした取り組みの成果の一つとして、降水域の分布をより詳細に予測する高解像度降水ナウキャストが本年8月7日に公開されております。こうした国から得られる情報を有効活用し、より一層適切なダムの操作に取り組んでおります。

 今後も国による降雨予測の精度の向上、高度化の取り組み動向を注視しながら、必要に応じ関係部局と連携し、政策提言を行ってまいります。

   (副知事岩城孝章君登壇)



◎副知事(岩城孝章君) 公共交通の再編に関しての一連の御質問にお答えをいたします。

 まず、公共交通に責任を持つ県として、また2分の1の出資金を保有する株主として、二重の意味での権限、責任をどう受けとめているのか、決意とあわせてお尋ねがございました。

 あしたからとさでん交通としてスタートすることになりますが、これまで中央地域における公共交通の再構築に向けた取り組みについて検討が進められる中、関係各方面から、土佐電鉄や高知県交通の事業運営や経営面、さらには行政としてのかかわり方等について、数多くの御意見をいただきました。県としましては、そうした御意見や御要望を正面から受けとめ、今後の会社の取り組みに対し、指導、助言をしっかりと行う必要があると考えております。

 県は、これまでの交通政策を担う立場に加えて、とさでん交通の最大株主としての立場も有することとなります。そのため、中山間対策・運輸担当理事を非常勤取締役として経営に参画させることとしております。また、事業再生計画を検証するモニタリング会議の場においては、進捗状況等について確認を行うとともに、必要な意見を申し述べることとしております。

 これまでの交通政策を担う立場としては、利用者目線に立った路線再編や利用促進・増収対策などの事業改善に向けて、交通事業者や関係市町村などともに、当事者の一人として、県民の皆様からの御意見や御要望を施策に反映することとしております。将来にわたり持続可能な公共交通の実現に向けて、会社の健全な経営基盤の確立を図ることで、県としてしっかりと、その責任と役割を果たしてまいりたいと考えております。

 次に、コンプライアンスの確立を目指すシステムと取り組みへの決意についてお尋ねがございました。

 とさでん交通では、コンプライアンスの確立、強化を経営方針の柱の一つに位置づけており、現在の土佐電鉄の体制や取り組みをベースとしながら、内部統制やリスクマネジメントの観点も含めて、コンプライアンス体制のさらなる充実強化に取り組んでいくとの方針が示されております。

 申し上げるまでもなく、コンプライアンス体制の確立は、現代の企業経営において不可欠なものとなっておりますが、とりわけとさでん交通は、自治体が全額出資する形で公共交通事業を営む会社であり、会社の成り立ちや事業内容の面から見ても、より高い規範意識が求められる会社と言えます。そのため、県民の信頼と協力のもとに事業を展開していくためには、社員一人一人が、経営方針に掲げたコンプライアンスの確立・強化や接遇・サービスの向上、安全・安心の徹底に向けて、たゆまぬ努力と強い決意を持ち続けていただくことが重要となってまいります。

 県としましても、とさでん交通に対しましては、不断の取り組みによりコンプライアンス体制のさらなる充実を図ることを期待し、また求めてまいりたいと考えております。

 次に、とさでん交通への職員の派遣についてと公共交通改善に対する協議機関とモニタリング会議の進行状況についてお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。

 持続可能な公共交通を実現していくためには、事業者の経営努力はもとより、行政を初め関係者がそれぞれの役割を果たすと同時に、多くの県民の皆様の協力が必要となってまいります。県としましては、会社の業務に直接従事する形となる職員の派遣は考えておりませんが、公共交通事業の改善策を協議する場に積極的にかかわることで、県の役割を果たしていきたいと考えております。

 その協議のメンバーとしましては、関係する自治体ととさでん交通に加え、学識経験者などを想定しており、事務局は会社内に設置することを予定しております。その役割は、路線再編に向けた検討のほか、路線バス、路面電車の利便性、収益性の向上を図る具体策の検討などを行うことを予定しており、県としましても、しっかりかかわっていくことで、交通政策上の課題等を協議の場に反映させていきたいと考えております。

 また、事業再生の進捗状況をチェックするモニタリング会議が四半期に1度開催されますので、県としましても、内容を十分に確認し、必要な意見を述べていきたいと考えております。

 公共交通事業の改善を目的とした協議会、モニタリング会議ともに、現時点では具体的なスケジュールは確定しておりませんが、早急に体制を整えるよう準備を進めているというふうにお聞きをしております。

 次に、事業者の経営努力による収支改善や行政経費の抑制が新会社でどのように計画されているか、また今後の見込みはどうかとのお尋ねがございました。

 事業者の経営努力や増収対策による収支改善につきましては、再構築検討会で示されました利用促進・増収対策のロードマップをもとに、随時、改善、充実を図り、各種の増収施策を実施することとしております。

 増収施策としては、わかりやすく使いやすい路線再編やダイヤの改正、さらには乗り継ぎ割引制度の充実など、利便性の向上を図り、増収につなげていくことが柱となっており、10月からは路線バスの系統番号化の導入のほか、まだ一部分ではありますが、地元から要望が寄せられていた路線の新設や、200円均一エリアの拡大、乗り継ぎ割引ポイントの増設など、サービスの拡大、充実を図ることが先日発表されたところです。

 また、経費削減につきましては、統合効果として、組織構造の効率化、燃料など各種コストの見直し、子会社の費用構造の見直しなどを見込んでおりますが、これまでの取り組みの結果、おおむね計画どおり進めることができていると報告を受けており、今後も着実な取り組みを期待しているところです。

 今後も事業再生計画のもとに、県民の皆様の御意見や外部環境の変化を分析しながら経営改善を行うことで、目標である3年目の単年黒字化、実質債務超過の解消が図れるものと認識をしております。

 次に、県民の潜在的なニーズを掌握し、反映することへの見解についてお尋ねがございました。

 公共交通を取り巻く経営環境は、人口減少の進展などにより、今後さらに厳しさを増すことが想定をされております。経営の健全化のためには、現在利用されている方や観光客に対する利用促進策はもちろんのこと、現在利用されていない方々のニーズを酌み取り、それに応え、新たな利用の喚起につなげていくことが重要であると考えております。

 県外のバス事業者では、収集・分析したデータに基づき、路線の見直し、停留所の新設、ダイヤの見直しなどによって潜在需要を掘り起こし、利用者の増、ひいては収支の改善につなげた事例もございます。

 とさでん交通からは、データに基づく経営を経営戦略の柱として、他県の成功事例なども参考にしながら、県民の潜在的なニーズを把握し、それを具体的な施策に展開していくとの考えが示されておりますので、そうした取り組みに大いに期待をしておりますし、またサポートもしてまいりたいと考えております。

 また、利用者目線に立った取り組みを進めていくためには、新たな体制のもとで公共交通事業の改善策を協議する場が設けられますので、そうした場では広く利用者の声や潜在的なニーズを酌み取ることができるよう、工夫もしていく必要があると考えております。

 次に、県民のさまざまな意見、要望をどう受けとめ、どう評価し、今後反映していくのかとのお尋ねがございました。

 利用者目線に立ったサービスを徹底していくためには、まずは広く利用者や県民の意見に耳を傾けることから始めることが必要だと思います。いただいた意見に対して、効果や採算性、実現可能性、優先度など、さまざまな角度から真剣に検討を加えるなどの姿勢を期待しております。

 先ほど議員からお聞かせをいただいたアンケートに基づく御意見等につきましては、それぞれ実体験等に基づくものだと思われますので、公共交通の利便性向上策の検討の際には参考にさせていただきたいと考えております。

 最後に、精神障害のある方への割引制度の創設についてお尋ねがございました。

 精神障害のある方への運賃の割引制度については、現在、県内の乗り合いバス事業者14社のうち、7社が精神障害者保健福祉手帳による運賃割引サービスを実施しており、鉄道では、土佐くろしお鉄道が同様のサービスを提供しています。

 平成24年度には、一般乗合旅客自動車運送事業標準運送約款に、運賃割引の対象として、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方が追加されたことを受け、県としても県内の交通事業者などに対して、精神障害のある方への割引サービスの創設を要請したところです。割引サービスの実施は減収となることから、これまで土佐電鉄や高知県交通では厳しい経営状況を理由に実施されていなかったというふうに承知をしておりますが、県としましては、未実施の事業者に対しまして、改めて割引サービスの創設を要請してまいりたいと考えております。

   (地域福祉部長井奥和男君登壇)



◎地域福祉部長(井奥和男君) 子供の貧困対策についての計画をどうつくるのか、また計画策定に当たり、本県の子供たちの実態調査を行い、独自の改善すべき指標を示すべきではないかとのお尋ねがありました。

 全ての子供たちが家庭の経済環境などに左右されず、夢と希望を持って育つことのできる社会をつくるための子供の貧困対策に関する計画づくりは、本県の将来を支える人材の育成にもつながりますことから、早急に取り組むべき重要な課題だと考えています。

 先月閣議決定されました国の大綱では、生活保護世帯の子供の進学率や就職率などの25項目の指標を設定し、その改善に向けて、教育、生活、保護者に対する就労、経済的支援の主に4つの分野で、政府が今後5年間に重点的に取り組むべき40の施策が示されたところです。

 今後、県におきましては、大綱で定められた4つの分野を中心に、教育委員会を初めとする関係部局との連携も図りながら、子供の貧困対策を総合的に推進するための具体的な取り組みについての検討を進めていく必要があるものと考えております。その際には、現状で本県と全国を比べますと乖離の見られる改善すべき指標もございますので、関連する分野の有識者などからの御意見をいただくなど、本県の実情に沿った実効性のある計画となりますよう留意してまいります。あわせまして、議員のお話にもありました本県の子供たちの実態調査に基づく独自の改善すべき指標の設定などにつきましても、計画づくりを進める中で、その必要性を検討してまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、子供の貧困問題の解消は、国と地方が連携して、早急に社会全体で取り組まなければならない大きな課題だと認識をいたしております。

 次に、県下で取り組みが進んでおります学習支援事業への国の財政支援措置に関するお尋ねがありました。

 県では、これまでも生活保護受給世帯の子供たちをその主たる対象とする学習支援事業に取り組んでまいりましたが、1町2名の実施にとどまっておりました。

 今年度からは、こうした子供たちを含め、生活困窮世帯の子供たちがその対象となる生活困窮者自立促進支援モデル事業による取り組みへと変更したこともあり、現在、3町1村の教育委員会との調整が整い、支援の対象となる子供たちが69名へと拡大をしております。

 来年度からの生活困窮者自立支援法施行後の学習支援事業につきましては、生活困窮者を支援するための取り組みの一つとして、国の補助率が2分の1とはなりますものの、一方でセーフティネット支援対策等事業費補助金につきましては、ここ2年間、国の財源不足による別財源での手当てを余儀なくされるなど、不安定な予算措置のもとでの事業実施となっていたという経緯もございます。

 今後は、法律に基づく補助事業として位置づけられ、安定した財源の確保が図られますことから、その面では各自治体におきまして、学習支援事業のさらなる拡大に向け、安心して取り組むことが可能になるものと考えております。

 いずれにいたしましても、県といたしましては、低所得の家庭の子供たちが十分な教育を受けられず、結果として貧困が世代を超えて連鎖するということに陥らないよう、少しでも多くの子供たちの教育の機会均等を図ることにつながりますこうした取り組みの拡大に向けまして、町村の教育委員会などとの連携を図ってまいりたいと考えています。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) 文部科学省の概算要求で示された貧困対策に係る教員の増員についてお尋ねがございました。

 文部科学省は、平成27年度の概算要求において、今後10年の新たな教職員定数改善計画の案を発表しました。その中には、お話にありましたように、家庭環境や地域間格差による教育格差の解消に向けて、10年間で2,000人の教員を配置するという内容が含まれていますが、この計画は、今後財務省との予算折衝などを経て決まるものであり、まだ確定したものではございません。また、具体的な配置基準についても示されておらず、現時点で該当する学校や加配教員数を想定することは困難でございます。

 一方で、本県は、全国と比較しても就学援助率が高く、経済的にも厳しさを伴い、教育環境が整わない家庭も数多くあり、こうしたことが児童生徒の学びに影響してきている状況もございます。こうした課題に対応し、全ての児童生徒に学習習慣を定着させ、基礎学力をしっかりと身につけさせるため、本県では、これまで独自に中学校の学力向上に向けた教員の加配措置や学習支援員の配置に努めるとともに、国に先駆けて少人数学級編制を実施してきました。また、国に対しても、こうした教育課題の解決を図るための教職員定数の充実と拡大を提言、要望してきたところでございます。

 今後も予算の編成に向けた国の動向を注視してまいりたいと考えておりますし、さまざまな機会を捉えて、国に対し本県の実情を説明しながら、教職員配置の充実を図ってまいりたいと考えております。

   (文化生活部長岡崎順子君登壇)



◎文化生活部長(岡崎順子君) 地域で検討の声が上がっております野中兼山生誕400年の取り組みに対する県の支援についてお尋ねがございました。

 歴史上の人物に関係の深い市町村や地域の皆様が、それぞれの思いで節目に合わせ、その功績をたたえ、広く知っていただくさまざまな取り組みを行うことは、地域の魅力の発見や発信、地域の活性化にもつながりますことから、大変すばらしいことであり、県といたしましても歓迎するところでございます。

 県では、このような県民の皆様が行うさまざまな文化芸術活動に対し、名義後援や広報への協力といった支援を行ってきておりますので、お話の取り組みに対しましてもこうした支援が可能であると考えております。また、本年度から、県民の皆様が主体となって行う地域の魅力を引き出し、地域の活性化につながるような文化芸術活動に対して、公募形式で財政的支援を行う高知県芸術祭、KOCHI ART PROJECTSを新たに実施しております。

 このような情報を提供することで、地域の皆様が行う多彩な取り組みについて支援をしてまいりたいと考えております。



◆36番(中根佐知君) どうもそれぞれに御丁寧にありがとうございました。

 それでは、第2問をさせていただきます。

 一つは、子供の貧困の問題です。

 先ほど、計画づくりに取り組んでくださるというお話がありました。知事も知事会の中でなど大変頑張っていらっしゃることは承知の上ですけれども、子供の貧困の問題っていうのは本当に日本社会のひずみそのものでして、そうした点では多方面で多岐で、そして思い切った応援が必要だというふうに考えています。ですから、再三ですけれども、子供の医療費の問題や、また国保の問題なども出させていただきました。

 思い切った対応をしなければ、この少子化問題や子供の貧困の問題も、つい最近から言われている話ではありませんので、そのあたりでは国もさることながら、高知県の実態、計画をしっかりつくりながら、思い切った対応、独自の改善点を行っていくという地域福祉部長のお話は大変心強く思いました。

 同時に、その心強い思いをスピード感を持ってやっていただきたいというふうに思いますが、そのスピード感のあたりを一言ちょっとお願いしたいと思います。地域福祉部長にお願いします。

 それから、災害について伺います。

 今回いろいろ挙げさせていただきましたけれども、土木部長にお願いいたします。バックビルディング型降水現象、私たちも本当に雨が降るたびにどきどきするという状況になっています。この間、高知に降った雨の中にもこの型があるように思います。そういう意味では、先ほど来のポンプの問題もそうですけれども、これまでの排水量では十分ではない状況がたくさんあるように思います。

 そういった点では、今大丈夫だからではなくて、想定外を想定するという意識でこれから取り組んでいただきたいのですが、決意を伺います。

 それから、精神障害者の割引の問題をさっきお答えいただきました。

 これ、何度か議会でも取り上げさせていただいています。県が出資をする県民の交通機関になったということであれば、これは実施をする方向で検討しますというふうにお答えになったのかどうか、そのあたりもう一度、副知事にお願いいたします。

 最後ですが、男女共同参画の慣習の問題です。

 先ほどお答えいただきまして、改善を検討しますというお答えでした。

 実はこの慣習の問題、意識の変化の問題、本当に難しい問題ですよね。県庁前に今、高知市の観光協会が大きな看板を立てていまして、そこに一方では「活きのよさ 笑顔も味も 土佐ごころ」という観光のキャッチフレーズと、もう一方に「ありがとう 内助の妻と 土佐めぐり」というふうな標語を掲げてあります。私、最初にそれを見たときに、余り気持ちがよくありませんでした。何と男性目線で土佐の観光を語るんだろうかと。

 ちょっとしたことなんですけれども、そうしたことがやっぱり意識をつくり、社会をつくっていくという点で、知事に最後に、しつこくて申しわけないですけれど、研修をどうやって職場の中や地域の中で生かしていくかというのがとても大事だと思うので、その点をちょっと所見をお聞かせください。



◎地域福祉部長(井奥和男君) 議員の御質問にお答えいたします。

 子供の貧困問題につきましては、特に生活保護世帯の進学率とか、ひとり親世帯の支援とか、非常に大きな課題を抱えた、全国的な数字と比べましても本県特有に非常に数字的にも厳しいような状況もございます。そういうことも反映しまして、関係部局、特に教育委員会の教育支援策とか重要なものが幾つか考えられておりますけれども、そういうところと連携を強化して、課題意識、そして議員おっしゃったスピード感を持って取り組みをやってまいりたいというふうに考えております。



◎土木部長(奥谷正君) 降雨につきまして、想定外を想定した対策が必要じゃないかといったお尋ねでございますけれども、もちろんこういった想定外を想定するということは、災害を考える上で非常に重要な観点でございます。

 しかしながら、これをハード整備で全て行うということにつきましては、相当なお金、それから長い期間かかるということから、私ども、ポンプだけではなくて、河川の整備あるいはダムについても確率降雨というのも一定定めまして、それもしかも段階的に、それに達するように、長い時間かけながら少しずつでも改善していくと、こういった対応をとっております。その間につきましては、やはりハードだけではなくて、ソフトな対策と申しましょうか、災害についての住民の方そもそもの危険の認識、災害に対する認識、こういったものもあわせまして、決して人任せにしないというふうなことで、住んでおられる方がまず認識をしていただいて、例えば避難の行動、こういったものを迅速にしていただくとか、こういった活動のほうもあわせまして、ハード、ソフト両面達成していくことによって、こういった防災・減災のほうを進めていくというふうな考え方に立ってございます。

 以上でございます。



◎副知事(岩城孝章君) 精神障害者の方々に対する割引ですが、これは最終的には、割引をするかしないかということは、会社が判断することでございます。県としましては、先ほどお答えしましたように、未実施の会社に対しては、しっかり割引をということを要請はしてまいりましたが、あしたからとさでん交通という新しい会社も発足いたします。これを機会に、とさでん交通を初め、未実施の会社に対してしっかりと要請をしていきたいというふうに考えております。



◎知事(尾崎正直君) 例えば、消防団員の配偶者の方に対する内助の功感謝状でありますが、最初はこれは善意で始まったことでありまして、配偶者の方に対する感謝の意も公に示すべきであろうということでやり始めたものであろうかと思います。まことに気持ちは善意として始めたものでありますが、ただ時代の流れに応じて、やはりそういう中でこれを見て不快に思われる方も出てくるということ、そういうことには思いをいたさなければならないのだろうと、そのように思います。

 こういう形で、多くのことが時々の時代の状況に応じて、善意であったものが残念ながら今の時代にはそぐわないというようなことも出てくる。これはやはり時代の流れに応じた見直しというものを不断に続けていくということが大事だろうと、そのように思うわけでございまして、やはりこういうことは不断にそういうことに気をつけるという感覚を持っているということがもう基本の基本だというふうに考えているところでありまして、県行政なんかが最たるものとしてこういうことに気をつけていかないといけないのだろうと、そのように思います。

 我々として、まず県職員に対してしっかりこういうことについての意識啓発しますとともに、より一般の啓発についてどうあるべきか、新しい参画プランを考えていく中で、より強化した啓発方法などについてちょっと考えてみたいと、そのように考える次第です。



◆36番(中根佐知君) どうも御丁寧にありがとうございました。

 先ほどの内助の功を辞書で引きますと、もう今はせっかくの言葉だけれども、男女共同参画も進んできて、余り使われなくなっているという注釈までついております。難しい問題ですけれど、男性も女性も頑張れる時代を目指して、ぜひ計画のほうもよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(桑名龍吾君) 暫時休憩いたします。

   午後3時32分休憩

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   午後3時50分再開



○議長(浜田英宏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

 議案に対する質疑並びに一般質問を続行いたします。

 29番黒岩正好君。

   (29番黒岩正好君登壇)



◆29番(黒岩正好君) 私は、公明党を代表して、知事並びに関係部長に質問をいたします。

 さらなる飛躍への挑戦を続ける第2期高知県産業振興計画ver.3がこの7月に改定をされました。これらの産業振興計画を着実に進め、県勢浮揚を図っていくためには、何といっても景気回復や国の経済対策の後押しが欠かせません。

 内閣府が発表した4月から6月期の国内総生産の改定値は、年率換算で7.1%減との報道がされております。これは消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動との見方もありますが、本県の今の経済動向をどう認識しているのか、知事に伺いたいと思います。

 先日開催をされました第1回産業振興計画フォローアップ委員会で議論をされました本年度上半期の進捗状況についてどのような認識を持たれているのか、知事に伺います。

 また、地域アクションプランに関連する第1次産品の加工品の開発、販売の状況や実績はどうか、それは地域のビジネスとして育っているのか、評価と課題について産業振興推進部長に伺います。

 高知といえばカツオ。県外から来る観光客の多くは、高知でカツオを食べたい、高知のカツオはおいしいと評価をしてくれております。しかし、ことしは打って変わって日本沿岸でのカツオの不漁が話題となりました。原因は明らかではありませんが、南方海域でのまき網船のとり過ぎではないかとも言われております。

 先日、カツオ一本釣り漁業の現状について伺うと、本県のカツオ船は全盛期の4分の1に減っています。原因として燃油価格が13年前から比べると約2.5倍に上がっていることが考えられ、カツオ船の燃料費は経費の半分程度を占めており、船主の経営を圧迫しています。一方、魚価は38年前からほとんど変わらない状況となっています。

 また、石油の高騰、魚価の低迷、カツオ資源の減少が言われている中にあって、本県の水産業の主要魚種であるカツオを取り巻く現状をどう認識し、改善を図るのか、知事に伺います。

 ことしは国連が定めた国際家族農業年となっています。これは家族農業や小規模農業が持続可能な食料生産の基盤として、世界の食料安全保障などに大きな役割を果たしていることを広く世界に周知するためのものです。

 本県は、家族農業が主体であり、専業農家だけでなく、他の収入を得ながら家族農業による兼業農家が多い実態となっています。本県を初め地方では、こうした家族農業が中心となって、農産物の生産とともに、水路、農道、里山等、地域農業の生産基盤、農村社会を維持しています。これは病院、学校、商店など、社会インフラもそれによって維持されていることになります。本県に見られるような小規模な家族農業を支えている総合事業を営むJAの役割は大きく、本県の農業振興政策を進めていく上でのパートナーともなっています。

 今、政府の進める規制改革では、JAの改革議論が進められておりますが、政府の進める地方創生の流れの中で、本県におけるJAの役割、位置づけについて知事の見解を伺います。

 本県の将来の人口推計は、2020年が69万3,000人、2025年が65万5,000人、2030年が61万6,000人、2035年は57万6,000人とされています。そのうち、生産年齢人口もほぼ5割強とされています。国も本格的に少子化対策に取り組んでおり、知事も内閣府の子ども・子育て会議の委員をされております。

 本県も少子化対策の抜本対策や移住対策を進めてきておりますが、本格的な人口減少社会を迎えるに当たり、10年後、20年後の高知県のあるべき姿をどのように描き、どのように政策を展開していくのか、知事に伺います。

 政府は来年度から医療費の抑制のために都道府県別に目標値を設定し、医療費の抑制を目指すとの報道がされています。人口の高齢化、医療の高度化等が医療費を増大させる要因とも言われています。

 本県は、1人当たりの医療費、入院費が全国第1位となっていますが、改めて本県の医療費の多さの現状をどのように分析をしているのか、また今後、医療費の抑制のためにこれらの政策が導入された場合の本県への影響についてどのようなことが想定をされるのか、あわせて知事にお伺いをいたします。

 8月に発生をした台風第12号と第11号の影響により、県下各地で記録的な大雨による河川の氾濫、床上浸水、土砂崩れ、通行どめ、交通機関の運休など、さまざまな被害を受けました。

 公明党県本部は、県下の被害調査を行い、関係者からの要望等をお聞きしてまいりました。

 安芸市穴内の漁港海岸では、防波堤の2カ所が162メートル以上にわたって決壊し、沖の離岸堤も破損するなど、国の財政支援の要望がありました。

 北川村では、山肌の崩落で発生した道路の決壊により、国道493号が通行どめになり、今後の復旧作業が長期化するため、代替の道路の要望を受けました。

 大豊町では、地すべりの危険地域を対岸から視察し、その後避難しておられた大平地区の皆さんをお訪ねしました。避難している皆さんからは、一分一秒でも早く安心した生活に戻りたいとの強く熱い要望を受けました。

 大規模な土砂崩れが発生した高知市鏡的渕では、24時間の監視体制が継続されるなど、12世帯34名がいまだに避難を余儀なくされております。一日も早い避難解除が望まれています。

 同じく、高知市宇津野地区の名切川では、土石流の影響で河川の側壁の崩れや一帯の田畑が大量の土砂に埋もれるなど、砂防堰堤の要望を受けました。

 日高村では、トマト選果場の選別機が浸水したため、11月下旬以降の出荷に対応できないのに加え、安定したシュガートマトのブランドを守るためにも、国、県の支援をとの要望を受けました。また、選果場の周辺のハウスでトマトをつくっておられる農家の方は、トマトの苗を植える準備ができ、これから植えようとする段階でハウスが浸水し、汚泥が多く入り、また一からやり直さなければならないし、病気が心配だと苦悩の思いを語っておられました。さらに、床上浸水のお宅を訪問すると、日下川放水路ができたので安心していたのにとの思いを吐露しておられました。

 四万十町では、雨量が940ミリを超え、水位の上昇した四万十川から流れ込んだ水で、町中心部の278世帯が床上・床下浸水に見舞われ、ビニールハウスなどの農業被害も施設と合わせて約4億9,300万円にも上り、10年前と同じ被害に遭い、排水ポンプをふやしてほしいとの要望も受けました。また、ショウガ畑で川からの流入物を必死に除去しておられた農家の方は、「ショウガを6町歩つくっているが、5町歩が水につかってしまった。何とか10月までもってくれたらいいが、病気が心配。昨年もひでり状態が続いたため、2年連続天候に左右され、困っている」と語っておられました。その後、お聞きすると、病気が蔓延し、ショウガが全滅したとのことであります。

 四万十市西土佐の長生沈下橋は、橋桁の流出とずれによる被害、愛媛県との県境にある西土佐大宮地区の県管理の目黒川の深田堰が決壊し、農業用水路が機能しない状態になり、地元住民からは一日も早く復旧し、使えるようにしてほしいとの要望がありました。

 また、四万十市伊才原の国道439号では、地すべりにより道路に大きな亀裂と段差が生じ、通行どめ。富山地区397世帯789名が孤立状態となっており、山道を長時間かけて来られた地区の代表十数人の方々からは、ともかく通勤、通学、買い物等が大変不便になり、生活に支障を来していると切実な要望を受けました。その後、幡多土木事務所や四万十市の取り組みにより、仮橋による人の往来ができるまでになっています。一日も早い車での通行ができる復旧を願うものであります。

 四万十市安並では、県管理の八宗田川が氾濫し、地域一帯が浸水、いざというときの避難施設となっている老人ホームが孤立状態、国管理の八宗田排水機場の能力以上の雨量により、地域住民からは河川のしゅんせつとポンプ機能の充実の要望を受けました。

 須崎市では、急傾斜地崩壊対策工事や砂防堰堤の要望を受けました。

 今回、県下地域を回る中で、近年の気象の変化による極端な集中豪雨など、予測しなかった対応を余儀なくされることへの不安を多くの県民の方が感じておられました。また、農家の皆さんの年齢によっては、生産への意欲の減退や廃業への足がかりになるのではと危惧もしており、ソフト面への対応も重要と感じております。

 8月26日には、知事は、復旧に向けた対応と今後のさらなる対策について記者会見で表明され、素早い対応を示してくれました。

 そこで、知事は被害現場の視察もされておられますが、今回の台風被害における教訓をどう今後に生かしていくのか、お伺いをしたいと思います。

 今回の記録的大雨により、行政区全域に避難勧告を出して警戒を呼びかけた市町村もありましたが、避難する時間帯や地域によっては危険を伴う場合も考えられます。一方で、広島市の対応の遅さが指摘されるなど、避難勧告の発令のあり方が課題となりました。

 今後、避難勧告等のあり方について、今回の教訓をどのように生かしていくのか、危機管理部長に伺います。

 国土交通省は、台風が近づく段階から、あらかじめ時間軸に沿って必要な対策を定めておくタイムラインと呼ばれる行動計画の普及を進める考えを強調しています。

 また、避難勧告のあり方について、和歌山県では、従来、市町村長が必要があるときという抽象的な基準で、防災担当者が発令のタイミングを決めており、県はこれを改め、累積雨量が400ミリを超え、30ミリ以上の雨量が予測されるなどと数値で基準を具体化するなど、防災担当者の経験だけに頼らない客観的な発令基準を市町村に促し、担当者が人事異動でいつかわっても対応できる仕組みへと改善をしています。

 そこで、国や和歌山県の事例についてどのような見解を持たれるのか、危機管理部長に伺います。

 また、先日の高知新聞には、馬路村議会の執行部答弁で、「8月の台風11号では県道の土砂崩れで村が一時孤立し、村民の問い合わせが多くあった。県安芸土木事務所などから入る情報が十分でなく、場合によっては二転三転し、村民への情報伝達が不十分な点もあり、迷惑を掛けた。今後は早く正確な情報を伝えてもらえるよう、県土木部に強く要請した」との記事が掲載をされていました。

 今後、情報提供などの対応について市町村とどのような連携を図っていくのか、土木部長に伺います。

 また、市町村管理の小規模河川の維持管理についても要望を受けました。8月の豪雨により、市町村管理の河川、水路に土砂が堆積し、水路断面を阻害したため、田畑に越流し、道路が冠水しています。公共災害復旧では、採択要件を満たす河川はなかなかなく、市町村単独予算で取り除いているのが現状です。また、通常での河川や水路についても、現在県単独事業等もなく、いずれも単独予算で行っており、苦慮している状況です。

 そこで、これらの要望に対して、県として何らかの対応策を考える思いはないのか、土木部長に伺います。

 今議会には災害関連事業費として約130億円の補正予算が計上され、速やかな復旧への対策がとられておりますが、災害復旧への対策を進める上で現時点での課題は何か、土木部長、農業振興部長に伺います。

 ことし6月、国土強靭化基本計画が策定され、巨大地震などの大規模な災害が発生した場合、壊滅的な被害を免れるため、防災・減災の取り組みが本格的にスタートしました。

 本県においては、インフラ長寿命化計画の策定を進めておりますが、現状と課題についてどのように考えているのか、土木部長の所見を伺います。

 また、国からは、道路を管理する全ての地方自治体に対し、橋梁やトンネルの定期点検の義務づけがされました。しかし、県下の市町村は、財源や技術者不足などの課題も指摘されています。県としてどのような対応を図る考えか、土木部長に伺います。

 東日本大震災の際、仙台市内の幹線道路で地震の揺れと繰り返し続く余震の影響で、約100メートルにわたり大規模な路面の陥没が発生し、道路の大渋滞や沿道の市立病院への出入りができなくなり、救急体制に大きな支障が起きたと伺いました。また、緊急輸送路や避難ルート、重要港湾岸壁などで陥没が多発し、被災地での救援・復旧活動が妨げられる状況となっています。

 ことし4月、マイクロ波を活用した新技術スケルカによる路面下の空洞のサンプル調査が高知市内の県道と市道で行われました。世界初の高速・高解像度マイクロ波探査車で、時速60キロで走行する車から、路面にマイクロ波を照射して、地中を透かすように計測する技術で、人間の体内の異常を発見するCTスキャンのように、道路下の空洞や橋などの劣化箇所を発見するものであります。開発業者に協力をいただき、4月のサンプル調査では、県道1.7キロ、市道1.1キロを走行し、県道で2カ所、市道で1カ所の空洞が確認をされ、その後の開削調査で実際に空洞が確認をされています。

 社会基盤の老朽化が進む中で、表面的には損傷のない箇所においても老朽化の危険は高まっており、一たび道路や港湾施設に陥没事故が発生すれば、人命にかかわる事態となり、救急活動や経済活動に大きな影響が考えられます。

 そこで、県管理の道路や港湾の岸壁における路面下の空洞調査と対策をどのように考えて取り組んでいくのか、土木部長に伺います。

 また、8月の集中豪雨により、高知市の県道北部環状線において、イオンモール高知の北側付近など数カ所で道路冠水が発生し、中久万や一ツ橋、秦南町でも浸水し、複数箇所で通行どめになっています。この道路は、広域消防の拠点となる高知市北消防署や災害拠点病院に指定されている日赤病院の予定地と隣接している道路であります。このことを考えると、南海トラフ地震の地盤沈下等により浸水するエリアでは、いかに速やかに排水等を行い、消防署や病院などの拠点施設の業務機能の確保を行うかが重要となります。

 その排水等の対策として、高知市とも連携をしながら、県都の長期浸水対策を進めていると聞いておりますが、その進捗はどうか、土木部長に伺います。

 また、県下に点在する防災拠点を連絡するための道路の確保に向け、現在策定を進めている道路啓開計画では、発災時に優先すべき道路の通行確保に向けた取り組みをどのように考えているのか、土木部長に伺います。

 公明党地域包括ケアシステム推進本部は、7月、田村前厚生労働大臣に対し、高齢者に医療・介護・生活支援サービスなどを一体で提供する地域包括ケアシステムの全国的な構築に向けた政策提言を行いました。

 提言では、団塊の世代が75歳以上となる2025年に備え、現在安定的な社会保障財源の確保を目指して社会保障と税の一体改革が進められていることに言及し、消費増税による財源を活用して社会保障施策の充実を進める一方で、持続可能な制度とするためには、給付の重点化、効率化も避けて通れない課題と指摘をしています。

 その上で、超高齢社会に対応する地域包括ケアシステムの構築を進め、高齢者自身が必要な支援、サービスを選択し、利用しながら要介護状態にならないための予防や能力の維持向上に取り組むことが特に重要と強調をしています。地域の医療・介護の体制整備とともに、自助や互助を含めた同システムの構築に向けて、国民運動を展開することが必要と指摘もしています。

 今年度は、市町村の第6期介護保険事業計画の策定の年でもあり、地域に密着した医療・介護等の一体的、安定的なサービスを提供していく必要が求められています。しかし、求められるサービスの形態は、市町村によって千差万別となっています。ゆえに、県の役割がますます重要となってまいります。

 それぞれの地域の実態を踏まえ、県として、地域包括ケアシステムの構築に向けどのように取り組んでいかれるのか、またその際の課題等についてどのように認識をされているのか、知事の所見を伺います。

 これらの事業を推進するためには、何といっても人材の確保が求められます。しかし、介護現場で働く職員の離職に歯どめがかからないと言われています。公益財団法人介護労働安定センターが8月に公表した2013年度の調査では、介護職員の離職率は16.6%、全産業平均14%台よりも依然高い状況にあります。政府の試算によると、介護職員は、団塊の世代が75歳以上となる2025年度に、今より100万人多い約250万人が必要と見込まれています。新たな担い手を確保するとともに、介護職員の職場定着への取り組みを強化しなければなりません。

 高い離職率の要因は賃金の低さなどが言われており、介護職員の一層の処遇改善が望まれていますが、今後、超高齢社会へ対応するための人材の確保をどのように進めていかれるのか、地域福祉部長に伺います。

 また、介護職のイメージは、夜勤があり、きつい仕事など、マイナスイメージが上位に挙げられています。

 安定的な人材を確保するためには、学校教育の現場で介護職の重要性やとうとさを学ぶ場を設けるなど、多くの人が興味を深める取り組みが求められますが、教育長の所見を伺います。

 またあわせて、社会保障はなぜ必要か、公的年金はどんな仕組みか、年金、医療・介護など社会保障について、次世代の主役となる子供たちが当事者意識を持ち、的確な知識を得るために、社会保障教育の重要性が指摘をされています。厚生労働省は、社会保障の教育推進に関する検討会で議論され、報告書として公表をされています。

 社会保障について報告書は、「正しい理解に基づく情報と、そうではない情報が世の中に混在して流れており、ともすれば後者の情報の方が広く常識として信じられている」と指摘し、的確な教材によって正しい事実や大切なことを教師や生徒に伝える必要性を強調しています。現在、高等学校で社会保障に関連する内容は、公民科と家庭科で学習されており、授業時間は3年間で2こまから3こまと少なく、現場では、制度の説明に偏り、考えさせる授業の展開が難しい、ほとんどの生徒が社会保障に対して関心、興味がない、教師もよく知らない場合が多いとも言われています。今後、こうした現状を打開していくために、中央教育審議会等で議論が深められると思います。

 全国に先行する超高齢社会を迎える本県にとって、若い人材の育成が欠かせません。本県における学校現場での状況や意識向上を図る取り組みの必要性について教育長に伺います。

 本県では、平成9年度より室戸高校を皮切りに総合学科が設置され、県下各高校で学科再編の取り組みが行われてきました。

 文部科学省のホームページには、山口県立防府西高校の校長先生の、総合学科の課題についてのインタビューが掲載をされています。その内容は、「科目選択に当たり、2年次から使用する教科書の選定・採択及び需要数報告の時期が問題になる。報告の時期から考えると、1年次の10月には次年度の選択科目を決定しなければならない。生徒は入学後にいろいろな体験等を通して進路選択ができると期待しているが、実は1年次の秋には進路の方向性を決定しなければならず、時間的な制約が発生している。更に、講座開設の可否やそれに伴う教員配置の問題等により、途中で科目の選択希望が変わってもなかなか対応ができない。総合学科の良さが、総合学科以外のところのルールで縛られてしまっている。(中略)「高等学校で学ぶ中で将来のことを考える」ということを期待して総合学科に入学しているにもかかわらず、実際は「時間的余裕が少ない」という、期待と現実が裏腹になっている部分がその問題を大きくしているように思われる」と語っています。

 そこで本県の状況を調査すると、本県の場合はさらに早い7月にはコース決定をしなければなりません。入学してわずか3カ月での2年次からのコース決定に対して、保護者からは決定時期の変更の要望も出されています。また、生徒からも、系列決定の時期が早過ぎるとの主張も多く、入学当初から明確に希望系列を決めている生徒はいいとしても、決めていない生徒にとっては考える時間が少ないのではないかと危惧をするものであります。

 さらに、インタビューには、「「産業社会と人間」は、教員全員で取り組まなくてはならない。また、自分の専門以外の部分が中心になるので、教員が負担に感じるのは事実である」と語っております。

 現場の先生から現状をお聞きすると、「定期試験の実施回数が少なく、生徒個人の学力等の十分なデータがそろわないまま系列選択の指導をしなければならない」、「生徒が安易に科目選択をするのを避けるため、自由選択科目を少なくし、系列の特色をより明確に打ち出したカリキュラムになっている。そうなると、総合学科本来の自由な科目選択が極端に制約されることになる」、「来年度の教科書の需要数を7月に出さなければならないのは承知しているが、9月ごろにでも変更する機会があればいい」との意見を伺いました。

 本来の総合学科の特色のよさが失われているとの意見が多く聞かれました。要は、子供たちが将来に向け、目標や希望を持って勉学に励めるような環境をいかにつくっていけるかにかかっています。現状をどう認識し、これらの意見に対してどのような改善策が図れるのか、教育委員長に伺います。

 直径5メートルの大水槽、約2,000匹のミズクラゲが優雅に漂うさまは、まるで海中に降り注ぐ雪のようで、クラゲが織りなす幻想的な光景に来館者も自然と足をとめ、至福のため息や感動する姿に驚きを禁じ得ませんでした。これは、先日訪問した世界最大級のクラゲ展示で知られる山形県、鶴岡市立加茂水族館での情景でした。

 ことし6月にリニューアルオープンし、入館者数は約4カ月で46万人を超えています。私が訪問したウイークデーでも、地元を初め東北各県や関東などのナンバーの乗用車が100台余り駐車しており、決して交通の便のよい場所でもないにもかかわらず、人気の高さに驚嘆をしました。

 同水族館で飼育されているクラゲは51種類、その数は世界一で、ギネスブックにも登録されています。48年間館長を務めている村上館長は、「かつて民間経営の時代には入館者数が年間9万人まで落ち込み、経営難に直面した時期もあり、どこにでもあるような展示ではお客を呼べない。クラゲというほかの水族館との差別化を図ったことが大当たりし、入館者数が急増している」と語っていました。

 水族館をリニューアルするため最大の課題となったのが財源の確保で、財源に余裕のない鶴岡市は、PRも兼ねて住民参加型の公募債、クラゲドリーム債の発行に踏み切り、1回目の3億円分はわずか20分で完売し、2回目も6億円の募集に対して35億円もの応募があったようであります。現在、鶴岡市からの補助金は一切なく、自立した経営を進めています。

 前ベルリン動物園長、動物園水族館コンサルティング代表のユルゲン・ランゲ氏は、加茂水族館を訪れた際、「国際的な観点から見て、加茂水族館は、この新館の建設を通して、世界水準のすばらしい水族館としての第一歩を踏み出したのだ。近い将来、世界中の水族館関係者たちが渡り鳥のように海を渡ってここ加茂水族館を訪問すると私は確信している。彼らはこのすばらしい新水族館で比類なき世界最高のクラゲコレクションに舌を巻くことになるだろう」との手記を残しています。

 さて、前置きはこれぐらいにし、足摺海洋館のあり方検討委員会でさまざまと議論され、足摺海洋館の建てかえを求める意見を集約したとの報道もされています。そして、今議会には、その基本計画策定の関連予算が計上されています。展示内容によっては、幡多地域の観光の集客拠点にもなり得るとの期待をしています。それはいかに感動させる展示内容とするかにかかっています。

 そこで、これまでの検討の経過や海洋館の果たす役割をどのようにイメージしているのか、観光振興部長に伺います。

 足摺、竜串など全国に誇れるすばらしいロケーションを背景とした場所にリニューアルの水族館をつくることは、幡多広域の観光の大きな柱や社会教育施設にとどまらず、県民の水族館との共通意識の向上を図る上からも、加茂水族館のような県民参加型の公募債の検討をしてはどうかと提案をしますが、観光振興部長の所見を伺います。

 一方で、同じ幡多地域で、生物多様性と地球環境の保全をコンセプトに取り組んできたトンボ自然公園の記事が地元紙に掲載をされました。見出しは「苦境続くトンボ公園」、「保護区整備を始めて30年、展示施設の開館から25年になる。だが、入館者数は開業当初の5分の1近くまで減り、経営難が慢性化」との記事でありました。

 トンボ自然公園が果たしている役割は、日本一のトンボ生息地として評価されているだけではなく、昨今、子供たちの生き物離れも指摘される中で、子供たちへの自然体験の提供などが十分できる機能が備わっています。運営主体は四万十市ですが、観光施設とのスタンスが強く、運営を委託されたトンボと自然を考える会は、環境保全や体験型教育等と意識の違いも見受けられます。世界に誇れるすばらしい施設や環境を十分生かし切れていない状況を何とかならないのかと思う一人であります。

 そこで、生物多様性こうち戦略を政策に掲げる本県として、何らかの対応策を講じる考えはないか、林業振興・環境部長に伺います。

 また、幡多地域の子供たちの利用状況については、一定の利用があるものの、十分な利活用がされているとは言えない実態となっています。

 さらに、年間約2万5,000人が幡多青少年の家を利用して研修を行っています。足を延ばして世界に誇れるトンボ自然公園の自然体験学習の機会も必要と考えますが、教育長の所見を伺います。

 明日より、とさでん交通株式会社として新会社がスタートします。6月議会を中心に、県を初め関係市町村で10億円の出資を議決し、この3カ月、設立準備委員会でさまざまな懸案事項が協議され、新会社の方針として、3年間で黒字化するとの目標を掲げております。社長のリーダーシップと従業員との団結のもと、県民の足を守る公共交通の使命と自覚を一段と高め、県民に信頼される会社になることを県民は期待していると思います。

 そこで、7月に訪問した民間の北海道の十勝バスについて紹介したいと思います。

 十勝バスは、40年ぶりに黒字化したことで全国的に有名になり、全国の各種団体や自治体からの視察が相次いでいます。しかし、黒字化も一朝一夕にできたものではありません。十勝管内のバス利用者は、昭和44年当時をピークに5分の1以下までに減少し、人件費の削減、資産売却、車両更新の引き延ばし等の削減を進める中で、さまざまな取り組みを進めてきております。その後、会社が好転するきっかけとなったのは、原油高での危機感から営業を強化し、その手始めとして、ある1カ所の停留所の200メートル範囲のお宅に、チラシを持って社長みずから一軒一軒戸別訪問し、バスを利用していない方の理由を聞くこと、利用している方には利用する上での問題点を聞くことから始めています。バスに乗らない方の中には、どのように乗ったらいいかわからない、どこまで行くのか、目的地に行けるのか等、顧客の現実とサービス提供者の現実に大きな乖離があるなど、ふだん想像もつかないことに遭遇しています。

 そこで、それらの声を大切に、不安解消や目的提案活動等の営業戦略を進めています。また、行政と連携した取り組みとして、小学校や高齢者学級での出前講座で乗り方の勉強など、バスへの親しみを深める取り組みも行っています。

 その結果、2年後には40年ぶりに利用客が増加をしています。倒産寸前だった十勝バスは、社長がお客さんのためにという中心者の一念、社員との結束と意欲、バス停近くで営業をかけるという奇抜なアイデアにより、驚くべきことに地方でのバス利用者の減少が続く中にあって、平成20年度294万人が24年度には337万人と増加をしています。十勝バスの事例から学ぶことはたくさんあると思います。

 明日からスタートするとさでん交通株式会社に対して、知事は提案説明の中で最大出資者として責任、役割をしっかりと果たすと表明をされましたが、それらの思いについて具体的に知事に伺いたいと思います。

 一般的にノロウイルスは食中毒、レジオネラ菌は入浴感染というイメージが定着しています。しかし、国立感染症センターの報告書を見ると、近年の傾向として、感染経路不明の割合が多くを占めています。それを裏づけるように、本年4月、東京ディズニーシー内のホテルで、4つの披露宴の客106名が下痢や嘔吐の症状を訴え、千葉県が検査をしたところ、52名からノロウイルスが検出され、同じ症状を訴えたホテルの従業員25名のうち9名からもノロウイルスを検出しています。しかし、市川保健所によると、ホテル等では調理提供したものは一定期間保存するようになっており、その保存品からはノロウイルスが検出されず、食材や調理を担当している人からもノロウイルスが検出されなかったことを根拠に、営業停止処分がされていません。このように、感染経路のわからない状況が近年ふえてきております。

 厚生労働省は、昨年3月に高齢者介護施設における感染対策マニュアルを都道府県に通達しています。その内容は、「場合によっては、井戸水、入浴中に排便してしまったときの浴槽水によっても感染が起こることがあります」と水系感染があることを明言しています。県は、厚生労働省からの通達内容を県下市町村の高齢者介護施設や施設長に対して通知をしています。

 そこで、新たなマニュアルに対して県としてどのような対応を図っているのか、地域福祉部長に伺います。

 また、感染経路のわからない状況がふえてきていることに対しての認識や本県の実態について健康政策部長に伺います。

 広島県福山市保健所でのノロウイルス対応マニュアルでは、昨年の国の通達より、10年ほど前から浴槽水を介した2次感染の防止を掲げ、「ノロウイルスに汚染された浴槽水が感染経路となることがあります」と表明しています。

 また、浴槽水の塩素消毒について、「日常的に、浴槽水は塩素系薬剤で消毒して衛生を確保することが必要です。この場合、浴槽水の塩素濃度(遊離残留塩素濃度)は、通常0.2〜1.0ppmを保つよう求められています。しかし、この塩素濃度では、一般細菌や大腸菌に対する消毒効果はありますが、ノロウイルスに対する消毒効果は期待できません。また、浴槽水をノロウイルスの消毒に有効とされる塩素濃度(200ppm〜(通常の1,000倍以上))にすることは、人体への影響を考えると事実上不可能です。このため、感染が疑われる者の入浴をできるだけ控え、浴槽水の汚染を防止することが二次感染を防止する上で有効」と定義をしています。

 そこで、この福山市保健所が浴槽水の塩素消毒について、ノロウイルスには消毒効果がないとしていますが、この福山保健所の対応に対してどのような見解を持たれるのか、健康政策部長に伺います。

 近年、ネット社会の進展に伴った消費者トラブルが相次いでいます。高度情報化、グローバル化が進み、消費者の生活環境が多様化、複雑化している中で、子供や若者が一人の消費者として安全に自覚的に行動できるよう、早期から消費者教育を充実させることが喫緊の課題となっています。

 2013年度の消費者白書によると、全国の消費者センターなどに寄せられた消費者トラブルの相談件数が約92万5,000件と9年ぶりに増加に転じ、42都道府県で12年度を上回る結果となっています。消費者庁は、65歳以上の高齢者からの相談件数が前年度よりも5万3,000件多い26万7,000件と大幅なペースでふえていると発表しています。そのほか、未成年に関する相談件数が、2010年以降、毎年度約2倍ペースで増加していることも問題となっています。また、消費者白書では、最近子供が親のクレジットカードを無断で使用し、ゲームのアイテムを高額購入していたといった課金に関するものが多数寄せられており、国民生活センターが注意を呼びかけています。

 そこで、本県は、特殊詐欺被害等が県内全域で発生しているとの報道もありますが、消費生活センターでの相談件数や本県の特徴、懸念することは何か、文化生活部長に伺います。

 また、悪質な内容については、警察本部が消費生活センターと連携して取り組んでいると思いますが、どのような対応や取り組みが行われているのか、最近の事例も含め、警察本部長に伺います。

 平成24年9月議会で、私は、国が定めた、悪徳商法の被害防止と消費者の意識向上と消費者教育の推進を図るよう質問いたしました。消費者教育の推進に関する法律第10条第1項には、「都道府県は、基本方針を踏まえ、その都道府県の区域における消費者教育の推進に関する施策についての計画を定めるよう努めなければならない」と定められています。

 現在、本県における消費者教育推進計画の策定状況はどうか、また市町村をどうサポートされるのか、あわせて文化生活部長に伺いまして、第1問といたします。

   (知事尾崎正直君登壇)



◎知事(尾崎正直君) 黒岩議員の御質問にお答えをいたします。

 まず、県内の今の経済動向に対する認識につきましてお尋ねがございました。

 お話のありました内閣府が発表しました4月から6月の国内総生産の改定値は、年率換算の実質で7.1%減、前期比1.8%減と大幅なマイナスとなりました。これは国内総生産の6割を占める民間最終消費支出が消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減などによりまして、前期比5.1%減と大きく落ち込んだことが大きな要因と考えられますが、長期的には機動的な財政政策や大胆な金融政策などのアベノミクスの効果により、日本経済は緩やかな回復基調を続けているのではないかと思われます。

 県内の経済の動向につきまして、大型小売店販売額、新設住宅着工戸数などの消費面からの各指標を見ますと、消費税率引き上げの影響が相当程度あったものと考えています。

 他方、消費を喚起する雇用者の給与の動向を見ますと、現金給与総額指数が7月まで10カ月連続で対前年同月比プラスとなりまして、有効求人倍率につきましても、7月には0.86倍と3カ月連続で過去最高を更新するなどの動きが見えております。

 生産面につきましては、平成25年度でありますが、製造品出荷額等が第2期産業振興計画の目標値である5,000億円を超えましたが、県内の製造業の生産動向を示す鉱工業生産指数は、引き続き本年もおおむね堅調に推移しているところであります。

 過去においては、全国の景気が回復しても、本県経済は全体としては外部経済とのパイプが細いために、全国の景気の回復と連動せず、回復できないということが続いておりました。このことから、景気の恩恵が地方に及んでくることを受け身で待つのではなく、伸び行く外部経済といかにつながっていくかということを目標として、地産外商戦略を柱とする産業振興計画に取り組んできたところであります。

 本県経済は、従前に比べれば全国の景気に、より連動するようになり、総じて回復基調となっています。ただ、まだまだ生産活動、企業利益、雇用者所得、消費の拡大の好循環には至っていないと考えているところであります。

 国において力強く経済政策が実施されようとして、特に地方の創生に焦点を当てようとしているこの機会を追い風と捉えまして、産業振興計画をさらに強力に進めることによりまして、県勢浮揚を目指してまいりたいと、そのように考えているところであります。

 次に、本年度上半期における産業振興計画の進捗状況について、どのような認識を持っているかとのお尋ねがございました。

 第2期産業振興計画で掲げました4年後の目標を達成するためには、3年目となります本年度の取り組みが特に重要となりますことから、本県経済にインパクトをもたらす、より大きな、より実効性のある仕事をしていくことを現在努めているところであります。

 上半期の進捗状況としましては、本県のものづくりの流れをより大きく、より速く、より確実にするためのものづくり地産地消・外商センターや新規就農者の確保と先進技術の普及推進を一気に進めるための農業担い手育成センターの開設、その活動のスタート、こちらを図ったところでありますし、「高知家の魚 応援の店」の登録店舗数、こちらが目標とした300店舗を半年で超えますなど、本年度強化した施策が具体的に動き出したところかなと、そのように考えております。

 こうした点も含めた計画の進捗状況全般につきまして、先月開催しました産業振興計画フォローアップ委員会で報告をさせていただき、おおむね計画どおり進んでいると評価をいただいたところであります。私としても、昨年度大いに議論をして、強化を図ったこれらの取り組みが順調なスタートを切ったことに手応えを感じているところであります。

 ただ、先月の台風第12号及び第11号の被害によりまして、農業、林業、観光の分野を中心に、本県経済へのマイナスの影響も生じております。このため、今回の補正予算では、施設の復旧や緊急誘客対策などを迅速に実施してまいりたいと考え、所要の予算を計上させていただいております。

 あわせて、進捗状況をきめ細かくチェックする中で、見えてまいりました課題にも早急に対応しますとともに、これまでの取り組みを通じまして、新たな挑戦が可能となりましたもの、例えば先進技術を活用し、高品質、高収量を目指す次世代型こうち新施設園芸システムを全県的に普及をしていくことや、小規模な林業活動のさらなる推進を図ること、また本県の製造業を牽引する紙産業のさらなる振興など、新たな骨太の振興策にも挑戦してまいりたいと考え、この点につきましても今回の補正予算案に所要の予算を計上させていただいておるところであります。

 これらの取り組みがより多くの成果につながるよう、下半期におきましても、引き続きPDCAサイクルに基づく不断の点検や施策間の有機的な連携の確認を行い、よい点はさらに伸ばし、足りない点は改善しながら、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、カツオを取り巻く現状をどう認識し、改善を図るのかとのお尋ねがございました。

 昨年度、県が大都市圏で実施した高知県イメージ調査の結果、高知と聞いて思い浮かぶものとして、カツオは坂本龍馬に次ぐ知名度の高さを誇っておりまして、高知の代名詞ともなっております。

 しかしながら、近年、県内へのカツオの水揚げ量は減少傾向を示し、特にことしは3月から5月にかけての土佐湾沿岸でのカツオ漁が過去20年間で最低となっております。

 この主要な原因は、太平洋熱帯域でのまき網漁船によるカツオの大量漁獲に伴う資源の減少にあると考えております。それに加え、燃油価格の高どまりや魚価の低迷などによりまして、カツオ漁業を取り巻く環境は一段と厳しくなっていると認識しております。

 県としましては、国に対して、カツオ資源の実効ある国際的な管理措置の構築や燃油価格が高騰した際の国による補填の充実を求めてきたところであり、今後とも強く国へ要請していきたいと考えています。

 国レベルの対応に加えまして、本県独自のカツオ漁業の振興策も講じていきたいと考えております。カツオの価格が比較的高い県内市場への水揚げを促進する取り組みを行いますとともに、黒潮牧場に観測機器を増設することで、操業の効率化を図る、そういう取り組みを図りたいと考えています。

 また、近海のカツオ一本釣り漁船は、漁業経費に占める燃料費の割合が高く、経営を圧迫しておりますため、漁船の小型化を支援し、経営の安定を図りたいと考えています。

 さらには、「高知家の魚 応援の店」などを活用した、産地とこれらの店をつなぐ地産外商の推進にも取り組むなど、これらの施策を総合的に活用して、伝統の土佐のカツオ一本釣り漁業を守ってまいりたいと考えているところでございます。

 次に、政府の進める地方創生の流れの中で、本県におけるJAの役割、位置づけについてお尋ねがございました。

 農協改革に関しまして、政府は、6月24日の規制改革実施計画の閣議決定を受けまして、現在、次期通常国会への法案提出に向けた作業を進めております。また、全国農業協同組合中央会を初めとする農協系統組織におきましても、組合員の声を国の改革案に反映させるために自己改革案の検討が行われておりまして、11月上旬までに取りまとめを行う予定と聞いております。

 これまで本県の農協は、地域が活力を保ち、農業に従事しながら地域に住み続けられるよう、農家に寄り添ったきめ細やかな営農指導や新規就農者の育成、さらには県と一体となった産業振興計画の推進などを通じて、地域における農業を支えてこられました。また、県土の大半を占める中山間地域を中心に、地域住民の生活に欠かせない購買店舗や金融機関などの機能を発揮しておりまして、農協が行う総合的な事業全体が本県の地域社会を支える重要な仕組みとなっております。

 他方、中山間地域におきましては、担い手不足や農業従事者の高齢化が進んでおり、急峻で狭小な農地が多いことから、規模拡大による生産性の向上は難しい場合が多いというのが現状であります。こうした中山間地域の農業・農村社会を支え、攻めの農業を展開していくためには、地域の中核となる経営体が高収益の次世代型施設園芸や6次産業などを複合経営し、地域の雇用や女性が活躍できる場、都市住民との出会いの場を創出していくということが必要だと考えています。

 こうした考え方のもとに、その仕組みづくりについて国へ提言を行ってまいりましたが、この複合経営の実施主体として、JA出資型法人に対し大いに期待をしているところであります。

 そうした中で、石破地方創生大臣が就任に当たっての記者会見において、中山間地域や過疎集落などを念頭に、集落機能を維持する地域マネジメント法人の担い手の一つとして農協を意識した発言をされておりますが、県の構想と方向性がまさに同じであると考えております。

 このように農協は、地域において今後ますます重要な役割を担っていただかなくてはならない組織であり、県の事業を行う上での大切なパートナーでもありますので、農協改革や地方創生の動きの中でさらに存在感を発揮していただきたいと、そのように考えているところであります。

 10年後、20年後の高知県のあるべき姿をどのように描き、どのように政策を展開していくのかとのお尋ねがございました。

 本県の人口ピラミッドの構成が、高齢者の方が多く、若い世代は著しく少なくなっていますことから、お話にございましたように、10年後の2025年には県人口が65万5,000人、20年後の2035年には57万6,000人となるなど、人口減少が加速することが推計をされております。私は、こうした人口減少と高齢化の進展という事実を率直に受けとめた上で、現在、経済の活性化を初めとする5つの基本政策と中山間対策の充実強化など、これらの基本政策に横断的にかかわる2つの政策に取り組んでいます。現在県が進めておりますこれらの一連の取り組みは、人口減少時代において、一人一人の県民の暮らしをいかに守っていくかということに全てのベクトルは向いておると考えているところであります。

 経済政策に関しては、人口減少によって足元のマーケットが縮小する状況の中、産業振興計画に基づきまして、地産外商や移住の促進に取り組んでおります。

 日本一の健康長寿県づくりでは、人口減少に伴う過疎化、高齢化の進行による地域の支え合いの力の低下などに対応するため、福祉面において、政策的、意図的に地域の支え合いの力をつくり出そうとする高知型福祉を目指し、あったかふれあいセンターの整備などを進めますとともに、人口減少そのものに対応する策として、未婚化・晩婚化対策などに積極的に取り組んできているわけであります。

 また、子育て環境の潜在力にすぐれ、出生率が高いにもかかわらず、人口減少や高齢化が著しい中山間地域の対策には、5つの基本政策全てを対応させておりまして、地域の見守り活動や福祉や防災など地域の支え合いの拠点であり、さらには特産品づくりや交流活動など地域の活性化の拠点ともなる集落活動センターの普及拡大の取り組みを積極的に進めております。

 このように現在取り組んでおります政策は、人口減少による経済の縮み、福祉の低下がさらに人口減少を呼ぶという負のスパイラルそれぞれの段階に対抗することを目指して実施しているものでありまして、繰り返しになりますが、全て人口減の中で県民の皆様の暮らしを守ることにベクトルを合わせたものとなっております。

 引き続き、こうした政策をPDCAサイクルをしっかりと回しながら強力に進めますことで、第2期産業振興計画においても目指すべき姿として掲げておりますように、10年後、20年後の人口減少のもとにあっても、地域地域で若者が誇りと志を持って働ける高知県、これを目指してまいりたいと考えております。

 次に、本県の医療費の多さの現状をどう分析しているか、また医療費抑制のために都道府県別に目標値が設定された場合の本県への影響についてどのようなことが想定されるのか、お尋ねがありました。

 まず、本県の医療費につきましては、平成24年度の1人当たり医療費で、国保が全国第11位、後期高齢者医療が全国第2位で、国保と後期高齢者医療の合計で全国第1位となっております。

 また、後期高齢者医療の内訳では、入院の医療費は全国第1位となっておりますことから、本県の医療費の多さは、後期高齢者医療の入院の医療費がその主な要因となっているところであります。これは本県の後期高齢者は、全国と比べ80歳以上の高齢者の割合が高いこと、高齢化や過疎化の進行によりまして、高齢者のみの世帯が多くなっていること、また交通の利便性が悪い中山間地域が多く、通院が不便であることなどから、在宅での療養が困難であり、一旦病気となった場合、入院に頼らざるを得ない状況にあることなどが要因となっていると考えております。

 このため、県では、県民の方々の生涯を通じた健康づくりや地域社会で安心して医療が受けられる体制づくりを進めることが医療費の抑制につながるものと考えまして、日本一の健康長寿県構想に基づきまして、生活習慣病対策などの健康づくりの推進、医療や介護の連携による地域包括ケアシステムの構築や中山間地域での介護・医療提供体制の整備などによります在宅医療の推進などに取り組んでいるところであります。

 一方、本年度の国の骨太の方針におきまして、我が国の社会保障給付費は、少子高齢化のさらなる進行の中で継続的に経済成長を上回るペースで増大しておりますことから、国民の負担の増大を抑制していくことが重要であるとの基本的な考え方を示しました上で、平成27年の医療保険制度改正に向けまして、都道府県が策定する地域医療構想と整合的な医療費水準や医療の提供に関する目標が設定され、その実現のための取り組みが加速されるよう、医療費適正化計画の見直しを検討することとされております。

 またあわせまして、都道府県が目標設定するための標準的な算定式を国が示すこととしております。現在、専門調査会を設置し、そのための医療や介護の情報の活用方法などの検討が行われているところであります。

 今後の高齢化の進行に伴う社会保障費の増加や国、地方を通じた厳しい財政状況から、社会保障の安定化を図るための効率化、適正化は一定必要なものと考えますが、医療費は高齢化や家庭環境、地域の医療資源の状況、地理的条件などさまざまな要因に左右されるものでありまして、目標設定のための算定式の決定に当たっては、地域の実情を踏まえたきめ細やかな検討が必要だと考えております。

 現在のところ、どのような算定式が示されるかは明らかになっておりませんけれども、医療費水準を直ちに引き下げるということは、本県ではなかなか容易ではありません。どのような状況になるか、今後、国の検討状況を注視し、必要に応じ政策提言を行ってまいりたいと考えております。

 次に、台風第12号、第11号での被害における教訓についてのお尋ねがございました。

 私も、政府調査団が本県に来られた際に、高知市と大豊町の被災現場や避難所を訪問いたしました。その後、日高村やいの町、四万十町、土佐市の浸水地域、また安芸市や馬路村、北川村の道路災害の現地を自分自身の目で見て、被害の大きさを改めて実感したところでありました。被災された皆様方に対して心からお見舞いを申し上げたいと、そのように思います。

 今回の台風第12号、第11号では、局地的な豪雨の怖さを改めて感じました。特に次の2点を教訓として強く感じております。

 まず1つ目は、都市部を流れる中小河川の急激な増水による浸水被害対策の必要性であります。

 これらの河川は、容量が小さく、急激に増水し、緊急の対応も難しい上、いざ越水したときには、周辺の多くの人々を危険にさらすことになります。今回の豪雨では、紅水川、日下川、宇治川、吉見川などにおきまして、急激な増水により多くの家屋で浸水被害が発生しましたが、これらの河川では、これまでも河川改修事業を実施するなどさまざまな対策が講じられてきましたものの、今回の豪雨による出水規模が各施設の計画容量を超えたことにより、浸水被害が発生したものであります。

 先月上京した折に防災担当大臣にも直接こうした実情を説明いたしましたが、今後、再度災害防止に向けて対策を進める際には、地域の特性に応じた検討が必要でありますので、国や市町村との連携を一層強化してまいります。具体的に協議会等を設置いたしまして、早急な対策を講じていきたいと考えておるところであります。

 2つ目は、大豊町大平地区や高知市鏡的渕地区等で発生した地すべりなど、土砂災害に対する取り組みの重要性であります。

 今後は土砂災害のリスクを住民の方々にしっかり認識していただくことが何よりも重要と考えています。このためまず、土砂災害警戒区域の指定をさらに加速して、対応を強化してまいります。あわせて、現時点で警戒区域に指定されていない土砂災害危険箇所につきましても、さらに周知が必要と考えておりまして、これらを記載したマップと土砂災害への備えに関する冊子を作成しまして、来年度の早い時期に県内全戸へ配付するほか、土砂災害に関する学習会や住民参加型の避難訓練を開催するなどの取り組みを充実してまいりたいと、そのように考えております。

 さらには、広島市での状況等も教訓とし、避難勧告を発令する区域やそのタイミング、伝達の手段や内容などをわかりやすく明示しました避難勧告等の判断・伝達マニュアルを市町村が策定できるよう、県としても取り組んでまいりたいと、そのように考えておるところであります。

 最後に、今回の台風災害では、県内40カ所で孤立集落の発生や四万十町など1市2町で断水が発生し、自衛隊や県職員の派遣などにより市町村の支援を行いましたが、より広域で甚大な被害が想定されている南海トラフ地震発生時には、今回のような対応が十分できないことも想定されます。例えば、医療機関における水の確保や孤立を想定した備蓄の確保なども含め、平時から地域防災力の向上の取り組みが重要であると、具体的な諸点について再認識をいたしたところでございます。

 地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みの方向性とその際の課題についてお尋ねがございました。

 高齢者が住みなれた地域の中で安心して暮らし続けるためには、医療・介護、予防、住まい、生活支援などのサービスが一体的に提供される地域包括ケアシステムを地域の実情に応じて構築していく必要があるものと考えております。そしてその際には、今後の要介護者等の動向をしっかりと把握し、国の制度改正や地域の多様なニーズなども十分見きわめた上で取り組みを進めていくことが何よりも重要であります。

 具体的には、今回の介護保険法の一部改正に伴います介護予防給付の見直しなどを受けまして、これまで本県が独自に進めてまいりましたあったかふれあいセンターなどに代表されます高知型福祉や中山間地域の拠点となります集落活動センターの取り組みなど、地域の創意工夫でうまく活用することなどによりまして、地域の実情に応じたシステムをつくり上げていくことが効果的だと考えています。

 他方、こうした地域包括ケアシステムの構築に向けましては、医療や介護などの専門的なサービスや地域住民が主体となった生活支援サービスなどの提供を担う多様な人材の確保策を初めとしまして、在宅医療と介護のさらなる連携の強化や、必要となるサービスを受けながら安心して暮らすことのできる高齢者の住まいの確保対策などといったことが大変重要な課題になるものと認識いたしております。

 このため、県といたしましては、第6期介護保険事業支援計画を策定する際には、今後の人材確保に関する数値目標を掲げますとともに、在宅医療と介護の連携体制の構築や住まいの確保対策なども含めまして、具体的かつ実効性のある施策を盛り込んでまいりたいと考えているところであります。

 最後に、とさでん交通について、最大出資者としての責任、役割を果たすと表明した思いについてお尋ねがありました。

 明日からいよいよとさでん交通がスタートすることとなりますが、経営が軌道に乗り、県民の皆様の期待に応えるためには、今後乗り越えなければならない多くの課題があろうかと思います。

 議員からお話のありました、社長を先頭に地道な営業努力を重ね、経営改善に成果を上げられた十勝バスの事例は、とさでん交通を初め県内の交通事業者の今後の取り組みに大いに参考になるものと思います。

 中央地域における公共交通の再構築に向けた取り組みを始めてからこの間、県に対しましても各方面から新会社の事業運営に関して数多くの御意見をいただいております。会社に対しては、健全な経営に向けて、斬新で柔軟な発想のできる経営体制や、使い勝手のよさや利用促進・増収対策の取り組みと利用者の声を施策に反映するための仕組みづくり、さらには社員のモチベーションの向上や安全・安心の徹底、意識改革を求める声などが寄せられております。また、行政に対しては、行政が積極的に関与していくことで、地域公共交通の先進的なモデル事業となることを期待するといった声などが寄せられてきているところであります。

 とさでん交通の目指すところは、健全な経営基盤の確立を図り、持続可能な公共交通として県民に広く親しまれることにあります。そのためには、さまざまな立場にある関係者がしっかりとその役割、責任を果たしていくことが重要であります。県としましては、行政として支援や助言を行うという立場だけでなく、交通政策を担う当事者の一人として、しっかりと県民の皆様からの御意見や御要望を施策に反映するなど、その責任と役割を果たしてまいりたいと考えております。こうしたことによりまして、県民の皆様にとって利用しやすい、そして利用しやすいがゆえに将来にわたって持続可能な公共交通の実現を目指してまいりたいと考えておるところでございます。

 私からは以上でございます。

   (産業振興推進部長中澤一眞君登壇)



◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 地域アクションプランに関連する第1次産品の加工品の開発、販売についてのお尋ねがございました。

 これまでの実績としましては、昨年度の県地場産業賞の受賞を契機に、首都圏の量販店への販路を開拓し、ヒット商品になりましたシイラの加工品、全国紙で高い評価を受け、注文が殺到した清水サバの加工品、あるいは大手流通グループや食品メーカーとの取引により販路を全国に広げております直七の加工品、コンビニエンスストアでの販売を開始し、好調な売り上げを記録した天日塩を原料とするアイスなど、地産外商に挑戦をして、順調に売り上げを伸ばしている事業者が数多く出てきております。これらの取り組みは、地域に新たな雇用を生み出し、地域の産業として根づきつつあるものと考えております。

 また、これらに続くものとして、道の駅を拠点として販売されているクリを原料とした洋菓子や、葉ニンニクを加工した調味料など、新たな取り組みも各地で着実に進められております。

 こうした事例を含めまして、地域アクションプラン全体を見ましても、食品加工に取り組む約100件のプランのうち、おおむね9割のプランは目標達成に向けて着実に歩みを進めているものと認識をしております。

 一方で、取り組みを始めて間もないプランなど、一部には資本が乏しいことや外商に挑戦するための人材やノウハウが不足しているために、ビジネスの規模を大きくするには時間がかかるといった課題のある事業者もございます。

 このため、こうした課題を乗り越えていただくとともに、着実な歩みをより高いステージに進めていただけるよう、土佐まるごとビジネスアカデミーによるビジネスのノウハウの習得や必要とする人財の誘致、地産外商公社による外商の仲介、あっせん、総合補助金などを活用した設備投資の支援などのサポートを行っているところでございます。

 今後も地域アクションプランの事業者の皆様が抱える課題やニーズに応じてきめ細かなサービスを行ってまいりますことで、全体の底上げと地域のビジネスとしての定着を図ってまいります。

   (危機管理部長野々村毅君登壇)



◎危機管理部長(野々村毅君) 避難勧告等のあり方について、今回の教訓をどのように生かしていくのか、お尋ねがございました。

 ことし4月に国の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン案が改定され、その中で避難勧告の発令に関しては、「空振りを恐れず早目に発令すること」、「河川での氾濫危険水位への到達や土砂災害警戒情報の発表といった具体的な基準に基づくこと」、また住民の避難行動に関しては、「避難勧告を発令する時点で避難場所まで移動することが危険な場合は、近隣のより安全な場所や建物へ移動すること」、「それさえ危険な場合は、屋内でもより上の階といった安全な場所へ移動すること」などが新たに示されており、国は、このガイドラインに基づいて、市町村の判断基準の見直しや、基準を定めていない市町村は新たに設定を行うよう求めています。

 さきの台風12号、11号では、土砂災害警戒情報が全ての市町村において発表され、県内全域で土砂災害の発生する危険性が高い状態となったため、多くの市町村で避難勧告などが発令されましたが、一部ではその発令のタイミングや区域の判断が適切であったのか、また避難勧告が住民の避難行動に必ずしも結びつかなったという課題もあったと思っております。

 具体的な判断基準を定めていない市町村もあるため、県としましては、河川の氾濫危険水位の見直しを行うとともに、土砂災害警戒情報の基礎データである5キロメートル四方のメッシュ情報の解説などを作成し、全ての市町村が国のガイドラインを参考にしつつ、判断・伝達マニュアルが策定できるよう支援を行ってまいります。

 しかしながら、河川の氾濫危険水位の見直しの検討などには一定の時間を要しますので、当面の運用としては、土砂災害警戒情報が発表されれば避難勧告を発令するといった早目早目の対応をとっていただくよう市町村に要請しております。

 次に、国や和歌山県の事例についてどのような見解を持っているのか、お尋ねがございました。

 国が今年度から首都圏や中部圏で先行事例として進めている防災行動計画、いわゆるタイムラインにつきましては、大規模水害に関して、発災前から発災後までの対応を国や自治体などの防災機関が同じ時間軸に沿って事前に調整する行動計画であり、地域的な災害に対しても、災害の発生時間が一定予測可能な台風などの際の災害対策本部のアクションプランとして有効であると認識しております。

 現在、本県で初めて大豊町がタイムラインの策定に着手されており、その効果や課題などを把握する観点で、県もその検討に参加させていただいております。

 一方、和歌山県が平成23年9月の紀伊半島大水害を受けて策定いたしました和歌山県避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成のモデル基準につきましては、お話にありましたように、具体的な数値基準を用いた避難勧告の判断基準を設定したことや、災害の種類ごとに住民の避難を促すような伝達文を例示したことなど、国のガイドラインの改定を先取りした取り組みであると認識しております。

   (土木部長奥谷正君登壇)



◎土木部長(奥谷正君) 災害状況の情報提供などの対応について、市町村とどのような連携を図っていくのかとのお尋ねがありました。

 台風第12号及び第11号の豪雨により、安芸土木事務所では、管内全域で道路や河川が数多く被災し、その応急対応に多くの職員がかかり切りとなったことや、途中に全面通行どめの箇所があり、遠方の被災状況を把握できなかったことから、市町村に対し正確な災害情報を速やかにお伝えすることができませんでした。

 また、市町村からの土木事務所への通行規制情報の問い合わせに対して、対応した職員によって回答の内容が異なるといった事態も発生しました。このため、市町村とのパイプ役となる職員を急遽安芸土木事務所に派遣して、各市町村の課題をお聞きするとともに、現場の復旧状況を定期的に伝達するなど、市町村との円滑な情報共有に努めました。

 一方、安芸土木事務所では、早速今回の災害対応における課題を洗い出し、次の災害対応に生かせるように、職員間での情報の共有化や外部への情報提供窓口の一本化など、市町村へ早く正確な情報を提供する体制の整備に着手しました。

 今回の災害対応における反省点については、既に他の土木事務所とも共有したところであり、今後の災害時における市町村等への円滑な情報提供に生かしてまいります。

 次に、市町村管理の小規模河川の維持管理についてお尋ねがありました。

 河川法では、国土保全や国民経済の重要性に応じて、国、県、市町村がそれぞれ区間を定めて河川管理することとされています。県内でのその延長は、国が約100キロ、県が約3,000キロ、市町村が約200キロとなっています。それ以外に、市町村は、河川法の適用外である普通河川の管理も行っています。

 それぞれの管理者が所管する区間の維持に要する費用は、みずからが負担することとなっています。県においても、限られた予算の中で相当な延長を適切に維持していくことは難しい課題となっており、優先順位をつけて効率的な予算管理を行うとともに、地域の協力を得て実施しています川支え合い事業などを活用することなど、工夫しながら維持管理に努めています。

 8月豪雨のような異常出水による土砂の堆積については、市町村の管理する小規模な河川においても、採択基準を満たせば災害復旧事業による国の支援を受けることも可能ですので、市町村に対しては、こういった、制度の活用に関する助言も行うなどして、流域全体の適切な管理に努めていきます。

 次に、今回の災害復旧に伴う課題についてお尋ねがございました。

 この8月の豪雨では、大規模な地すべりや県内の多数の箇所で道路の寸断などが発生し、県民の皆様の生活に御不便や御心配をおかけしております。まずは県民生活を維持する上で特に支障がある箇所について応急的な復旧工事を行い、その解消に努めているところでございます。

 今後、早ければ年内には本復旧工事に着手する予定ですが、道路や河川などの公共土木施設の被害は県と市町村とを合わせて1,000件を超えており、多数の工事発注が想定されることから、円滑な事業執行が課題であると考えております。具体的には、技術者や技能労働者の人手不足、工事に必要な資材や機材の確保、市町村工事との発注時期の調整といったことが挙げられます。

 このため、工事の執行に当たっては、複数工事箇所をまとめた発注、人手や資機材の調達なども考慮した工期の確保、市町村の状況を踏まえた発注時期の設定、災害復旧工事の発注見通しの早期公表など、建設業者が受注しやすい環境整備を図り、速やかな災害復旧に取り組んでまいります。

 次に、インフラ長寿命化計画の策定を進めているが、現状と課題についてどのように考えているかとのお尋ねがありました。

 中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故を契機として、安全で強靭なインフラを維持・確保することを目的に、国においてインフラ長寿命化基本計画が策定され、本県においても、各分野の対象施設ごとにインフラ長寿命化計画の策定に取り組んでいます。現在、橋梁や大規模な水門、排水機場、港湾の係留施設、公営住宅などで計画を策定しています。

 一方で、海岸や砂防施設では、計画策定が未着手となっていましたが、本年、長寿命化計画の具体的な策定方法が示されたことから、順次計画の策定に着手していくこととしております。策定した計画については、今後、いかに実効性を高めていくかが課題であり、このため点検結果を踏まえて適宜計画を更新するとともに、中長期的な維持管理、更新に係るコストの見通しを明らかにしてまいります。

 また、限られた財源のもとで、おくれている道路などの新たなインフラ整備と維持、更新への投資バランスをいかにとっていくか、さらにはメンテナンスを担う人材の育成なども課題であると考えています。このため、県としましては、インフラ長寿命化計画に基づき、施設の延命化を図るとともに、維持、更新に係るトータルコストの縮減を図るなど、計画的かつ効率的な維持管理に努めてまいります。

 あわせまして、高知県建設業活性化プランにおける県内建設業者を対象とした技術研修の実施や四国地方整備局が本年度から実施する維持管理実務研修に県や市町村職員の積極的な参加を促すなどにより、人材の育成にも取り組んでまいります。

 次に、橋梁やトンネルの定期点検の義務づけについて、県内市町村の財源や技術者不足などの課題に対して県としてどう対応するのかとのお尋ねがございました。

 議員のお話にありましたように、本年7月1日から、橋梁、トンネルなどの道路構造物について、5年に1度の近接目視による点検が義務づけられました。その実施に当たり、市町村に課題をお聞きしたところ、点検業務に対応する人員の不足、予算の不足、技術力の不足といった意見をいただきました。

 このため、県では、市町村の人員と技術力の不足への対応として、公益社団法人高知県建設技術公社に協力を要請し、技術公社が市町村から委託を受けて、点検業務を発注管理できる体制を構築いたしました。

 市町村の点検に要する予算については、国の防災・安全交付金が活用できますので、所要額が確保できるよう、国へ要望を行っております。

 また、国、県及び市町村など道路管理者の連携による検討体制を整えるとともに、効果的な道路構造物の老朽化対策の推進を図ることを目的として、本年7月3日に、高知県道路メンテナンス会議が設立されました。この会議において、点検を行う道路構造物の優先順位の考え方や橋梁等の点検方法などの最新の情報を共有するとともに、市町村職員などの点検技術向上を目的とした研修会を開催するなど、市町村支援の充実を図ってまいります。

 次に、県管理の道路や港湾の岸壁における路面下の空洞調査と対策について、どのように考えて取り組んでいくのかとのお尋ねがありました。

 まず、道路につきましては、議員のお話にありましたとおり、サンプル調査において、高知市内の県道で2カ所の空洞が発見されました。この2カ所については、空洞上部に健全なコンクリート舗装版があり、空洞の厚さも薄いことなどにより、緊急な対応は不要との意見をいただきましたので、路面の変状について、目視により経過を観察しております。

 今回のように路面の変状がほとんどない状態で空洞が発生している場合もありますので、路面下の空洞については、道路を管理する上で把握すべき情報だと考えております。

 このため、まずは市街地にある地下埋設物の多い道路や交通量の多い道路などを対象に、路線、区間を抽出するとともに、調査方法などの検討を行い、路面下の空洞調査を実施してまいります。

 一方、港湾につきましては、県において、今年度までの5カ年で県が管理する全ての岸壁で空洞調査を実施しました。現地で目視及び打音検査、レーダーによる地中探査の結果、高知港ほか4港の9カ所で空洞が確認されたことから、現在対策工事を進めているところです。

 今後も引き続き年1回以上、空洞による岸壁の変状について目視調査を実施するとともに、5年ごとに地中探査を実施し、空洞が確認された場合には対策を行い、岸壁の適正な維持管理に努めてまいります。

 次に、高知市の長期浸水対策の進捗状況についてお尋ねがありました。

 南海トラフ地震の地盤沈下等による長期浸水の解消を実現するためには、堤防の耐震化による止水対策と排水機場の耐震化、耐水化による排水対策を速やかに進める必要があります。河川堤防や海岸堤防の耐震化には莫大な費用がかかることから、重要度に応じて優先エリアを設定し、効率的に対策を進めることとしており、このうち鏡川と江ノ口川に挟まれた重点エリアについては、平成27年度の完成を目指して整備を進めているところでございます。

 また、排水対策につきましては、県においては、既に4排水機場の耐震化、耐水化を終えており、今後3年以内に県は残りの4排水機場、高知市は3排水機場の対策を実施することとしております。

 今後も引き続き、県と高知市が連携して、一体的な対策が講じられるよう取り組んでまいります。

 次に、道路啓開計画による優先すべき道路の通行確保に向けた取り組みについてお尋ねがありました。

 南海トラフ地震発生直後に、迅速かつ効率的に防災拠点への通行を確保するため、道路啓開計画の策定を進めています。発災直後は、限られた資源により早期に通行を確保する必要があることから、地震の揺れや津波による被災想定をもとに、あらかじめ優先して啓開するルートを決定し、区間ごとに建設業者の選定を行い、作業の手順書を作成するなど、実効性のある計画とすることが非常に重要であると考えております。

 優先するルートについては、啓開に要する日数を短縮するため、橋梁の耐震対策やのり面の防災対策などに重点的に取り組んでまいります。

   (農業振興部長味元毅君登壇)



◎農業振興部長(味元毅君) 災害復旧への対策を進める上での現時点での課題についてお尋ねがございました。

 台風第12号及び11号による農業関係の被害額は、農作物や農業用ハウス、集出荷施設で24億円、農地や農道などの農業用施設で24億円、合わせて約48億円となっており、近年にない甚大な被害となっております。県といたしましては、約20億円の補正予算を計上し、営農再開に向けて支援を行うこととしております。

 災害復旧のポイント、課題といたしましては、復旧のおくれによる今後の生産に対する影響を避けること、つまり次の作付への影響をいかに最小限にしていくかということだと考えております。

 例えば、お話にもございましたように、日高村のトマト集出荷施設におきましては、光センサー選別機などが水没し、稼働できない状態となっておりました。このまま高糖度トマトの選果ができない状態が続けば、これまで続いてきたブランドは市場からの信頼を失ってしまうおそれがありました。そうしたことから、国、県、事業主体であるJAコスモスや関係者と密接な調整を行いまして、トマトの出荷が始まる11月下旬までに高性能光センサー選果ラインの復旧が完了するように、大幅なスケジュールの短縮に取り組んだところでございます。

 また、損壊した農業用ハウスへの対応につきましては、どのタイミングでハウスの再建をすることが被災農家にとって適切なのかを話し合いました上で、早急に対応しないといけないケースでは、徹底した事務手続の短縮に努めているところでございます。

 このように、今後とも復旧事業の執行に際しましては、被災農家にとってどうすれば台風被害の影響を最小限にとどめることができるのかといった課題意識を持って取り組んでまいります。

   (地域福祉部長井奥和男君登壇)



◎地域福祉部長(井奥和男君) 今後の介護職場における人材の確保対策についてのお尋ねがありました。

 介護職場におきましては、当面の人材確保に加え、団塊の世代が75歳以上となります2025年に向けまして新たな人材を確保する必要もあり、多様な人材の参入促進を図るための対策と、他の業種に比べて多い離職者を職場にとどめるための対策の両面からの取り組みを強化する必要があるものと考えております。

 このため、まずは介護職場への就労を促す取り組みといたしまして、福祉人材センターと研修センターが連携した新規就労や復職を支援する取り組みを強化いたしますとともに、福祉人材センターとハローワークが連携したマッチング機能の充実強化などに取り組んでいるところです。

 あわせて、男女共同参画センターなどとの連携を図ることにより、女性の参画を促進いたしますとともに、今後は介護福祉士の資格取得者の情報などを活用した未就業者の掘り起こしなどにも努めてまいります。

 次に、職員の定着率を高める取り組みといたしましては、福祉研修センターにおいて、職員のモチベーションを高め、キャリアアップにつながる研修体制を充実いたしますとともに、今年度からは介護福祉機器の導入により就労環境の改善に取り組む事業所を支援することといたしております。

 また、職員の処遇改善を図る取り組みといたしまして、県内事業所の処遇改善加算制度の積極的な活用を促しますとともに、国に対しましては、制度の継続、拡充とあわせて、職場におけるキャリアパスの確立の必要性なども訴えてまいりました。

 今後ともますます必要になります介護人材の確保に向けまして、質と量の両面から取り組みを強化していく必要があるものと考えております。

 次に、昨年3月に国から示されました高齢者介護施設における感染対策マニュアルへの県の対応についてのお尋ねがありました。

 県では、平成25年3月に厚生労働省が当時の感染症の動向や新たな知見などを踏まえ、それまでの高齢者介護施設における感染対策マニュアルの見直しを行い、新たなマニュアルを作成したことを受けまして、高知市を除く県内の高齢者介護施設に対し、新たなマニュアルに従い、感染症、食中毒の予防や蔓延の防止に努めていただくよう通知を行いますとともに、その周知を図ってまいりました。

 具体的には、特別養護老人ホームなどにおけます設備などの衛生管理につきましては、県の条例において、施設内で感染症及び食中毒の予防などの指針を整備することや、職員に対して定期的な研修を実施することなどを定めており、施設の指導監査を行う際には、主要な項目についての確認を行い、対応が不十分な施設につきましては、改善の指導に努めてきたところです。

   (教育長田村壮児君登壇)



◎教育長(田村壮児君) まず、学校現場での介護職に興味を深める教育への取り組みについてお尋ねがありました。

 全国に先行して高齢化が進んでいる本県において、介護人材の育成は大変重要と考えており、学校現場で介護職に対する理解を深めることとあわせ、そうした方向に進みたいと考える生徒に対して適切な進路指導を行うことが必要だと考えております。

 そのため、全ての学校において、家庭科の授業で高齢者の生活と福祉についての学習を実施するとともに、生徒の介護に関する学習意欲を高める取り組みとして、昨年度、6校で介護施設へのインターンシップを実施しており、城山高校や四万十高校などでは、地域の介護施設と連携し、認知症の学習や施設学習なども行っております。

 また、県立高校で福祉を学び、介護職員初任者研修ができる学校として、室戸高校、城山高校、宿毛高校、須崎工業高校、中村高校西土佐分校の5校を配置し、福祉教育を特色とした教育を行っております。

 しかしながら、高校卒業後の進路を見ますと、平成25年度公立高校卒業生のうち、県内の介護職関係に就職した生徒は57名で、県内就職者の8.7%になっており、進学においても、県内の福祉系の大学や専門学校に進学した生徒は99名にとどまっております。介護人材の需要を考えますと、まだまだ十分ではないのが現状であり、生徒や教員の介護に関する職業理解をさらに進める必要があります。

 このため、それぞれの学校において、進路指導の場面で知事部局と連携して作成した介護・福祉の仕事ガイドブックを活用し、福祉や介護の仕事に興味、関心を持たせる指導を行っているところです。

 また、教員に対しても、教員の企業見学会の中で社会福祉施設などを訪問し、職員の仕事ぶりや職場の雰囲気を体験させることで、福祉や介護に関する理解を深める取り組みを行っております。

 今後ともこうした機会を一層充実させ、介護人材の確保と県内就職をふやしていきたいと考えております。

 次に、本県の学校現場における社会保障教育の重要性についてお尋ねがございました。

 持続可能な社会づくりのために、将来の社会を担う高校生が、国民間、世代間で相互に支え合う仕組みである社会保障の意義について理解を深めることは大変重要であります。そのため、現在全ての高等学校において、家庭科や公民科の授業を中心に社会保障についての学習を実施しておりますが、限られた授業時間の中で、制度の説明のみになってしまったり、生徒が自分のこととして受けとめられないなどの課題もございます。

 そこで、それぞれの学校において、ホームルーム活動や総合的な学習の時間を活用して、関係機関と連携した年金セミナーや社会保険労務士による雇用や労働に関する講話なども実施しているところです。

 さらに、社会保障に関して深く考察するために、新聞を使ったグループ学習を実施したり、社会保障についてわかりやすく解説した映像教材を活用して、生徒みずからが興味、関心を持って取り組める授業を行うなど、工夫を凝らした教育活動を実施している学校もございます。

 今後は、こうしたそれぞれの学校の取り組みを他の学校とも共有することで、社会保障について、より理解を深め、生徒自身が考えることができるよう、効果的な指導に努めてまいります。

 最後に、幡多青少年の家を利用している子供たちがトンボ自然公園で自然体験学習を行う機会が必要ではないかとのお尋ねがございました。

 世界初のトンボ保護区であるトンボ自然公園は、数多く存在するトンボ池やその周辺において、トンボはもちろんのこと、さまざまな動植物を観察できるだけでなく、世界のトンボの標本や四万十川水系を中心に国内外に生息する魚を飼育、展示する四万十川学遊館において幅広い学習ができるなど、子供の自然体験学習の場所として貴重な存在であると考えております。

 子供のころの自然体験等が豊富な大人ほど、やる気や生きがいを持ち、モラルや人間関係能力が高い人が多いといった国の調査研究報告もございますので、子供たちに体験の機会を提供していくことは非常に重要であると考えます。

 議員のお話にありましたように、トンボ自然公園は、幡多青少年の家から比較的近い立地にございますので、幡多青少年の家を利用される際の体験学習の場の一つにトンボ自然公園もあるということを、幡多青少年の家を利用される学校や利用拡大に向けて訪問する学校等に紹介するなど情報提供を行いますとともに、トンボ自然公園を活用した体験メニューについてもみずからも検討してまいりたいと考えております。

   (教育委員長小島一久君登壇)



◎教育委員長(小島一久君) 総合学科の状況をどのように認識し、どのような改善策が図れるのかとのお尋ねがございました。

 総合学科は、生徒の能力や適性、興味、関心に応じまして、多様な進路希望に対応することを目的として設置している学科でございます。そのため、まず入学後の1年次で総合学科の特有の教科であります、産業社会と人間を学び、生徒自身が将来の進路についての自覚を深めた上で、2年次、3年次と進む中で、将来の目標や適正に応じた適切な進路決定ができるようにしております。

 お話にありましたように、教科書選定の関係から、1年次の7月に2年次の系列選択の仮登録を行うことになりますが、最終的には10月に系列を決定することになっております。この間、系列選択の変更もできるような配慮もしておりますし、また2年次から3年次に進級する際にも、その時点での生徒の意向に柔軟に対応し、科目選択の変更もできることから、総合学科の特色を生かした系列の選択が行われるように努めております。

 しかしながら、少人数講座の開講や教員配置等での制約といった課題もありますが、特に総合学科特有の教科であります産業社会と人間の徹底した指導のあり方に課題があると考えております。そのため、生徒自身の将来への目的意識の醸成や社会参画意識等が十分醸成されていないことから、自分が進む系列や選択する科目について、適切な選択に至らない生徒がいることも事実でございます。

 そのため、今後はそれぞれの学校の状況を踏まえた上で、生徒自身が将来についての自覚を深めるために非常に重要な科目であります産業社会と人間の指導方法の工夫、改善がまずは必要であると考えておりまして、またその上でキャリア教育の充実、さらには外部人材の登用などを図りながら、総合学科のよさがさらに生かせるような努力を進めてまいりたいというふうに考えております。

   (観光振興部長久保博道君登壇)



◎観光振興部長(久保博道君) まず、足摺海洋館のこれまでの検討の経過や海洋館の果たす役割についてお尋ねがありました。

 足摺海洋館は、昭和50年5月にオープンして以来、平成25年度末までに約281万人の方に入館していただき、足摺・竜串地域の中核的な観光拠点としての役割を果たすとともに、児童生徒に対する海洋や環境に関する学習の場としてもその機能を発揮してまいりました。昭和50年代中ごろのピーク時には10万人を超える入館者もありましたが、観光客のニーズが多様化する中で、その変化に十分対応できなかったことなどから、ここ数年は5万人程度で推移をしておりました。

 また、昨年度に実施しました耐震診断の結果、耐震性能の基準値を満たしていないことが判明したことから、ことし2月に水族館の専門家、観光関係者、地元関係者等をメンバーとする足摺海洋館あり方検討委員会を設置し、今後の館のあり方について検討を重ねてまいりました。

 今月策定しました最終取りまとめでは、竜串地域全体を水族館と見立てた体験型総合レクリエーションゾーンとして整備すべきというコンセプトのもと、館内の水槽で見るだけではなく、目の前の海で実際に生き物を見たり、海を使ったさまざまな体験プログラムが提供できる機能を持つべきであるという御意見をいただきました。さらには、従来の水族館にとどまらない地域のさまざまな自然を案内するガイダンス機能や環境学習などの教育機能に加え、日本ジオパークの認定を目指した取り組みとも連携することのできる複合的な施設として整備すべきといった御意見もいただいております。

 議員からの御質問にありました施設の展示につきましては、あり方検討委員会の議論の中でも、水族館のシンボルとなる特定の魚を中心とした展示で大きな集客につなげてはどうかという御意見がある一方で、魚類という枠にとらわれない多様な生物を見せる展示や、さまざまな企画展を開催することなどにより集客を目指す方法もあるという水族館の専門家からの御意見もありました。

 今後は、これまで委員として参加していただいた大阪の海遊館や地元関係者の皆様に加え、海洋生物に詳しい大学教授や観光、また経営などの専門家を含めた基本計画検討委員会を設置し、地方にあっても全国に誇れる機能と内容、情報発信力を持つ統合型の水族館として、県西部の観光拠点となるよう具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に、県民参加型の公募債の検討についてのお尋ねがありました。

 あり方検討委員会のこれまでの議論の中でも、新しい海洋館の入場者増を一過性の開館ブームに終わらせず、安定した運営と利用者を確保するためには、県外からの来館者の増加に加え、県民の皆様にリピーターになっていただくことが重要であるとの御意見をいただいております。また、地域の海を生かした自然の水族館として機能するためには、地元の皆様にこれまで以上に館の運営に積極的にかかわっていただくべきといった御意見もございました。

 議員から御提案のありました県民参加型の公募債の発行は、水族館の建設そのものに地域の皆様に参加していただく一つの手法でございますし、公募債の発行を通じて新たな海洋館を全国にPRすることができるものと受けとめております。

 一方、一般的な地方債と比べ高い金利の設定や金融機関への手数料の増加などにより、発行に係る県のコストが増加するといった課題も想定されるところです。

 いずれにしましても、おらんくの水族館として県民に愛され、利用される水族館となるためには、新たな海洋館の建設や運営に、県民の皆様により一層かかわっていただくことが重要だと考えております。このため、お話にありました山形県の加茂水族館を初め他県の事例なども参考に、メリットとデメリットも比較しつつ、基本計画検討委員会の御意見もいただきながら、十分検討してまいりたいと考えております。

   (林業振興・環境部長大野靖紀君登壇)



◎林業振興・環境部長(大野靖紀君) トンボ自然公園の活用についてのお尋ねがございました。

 トンボ自然公園は、四万十市の指定管理を受託している公益社団法人トンボと自然を考える会が日々取り組まれている湿地帯の維持が功を奏し、日本最多とも言われるトンボの種類が確認できる県内有数の自然体感施設です。

 県では、これまで自然環境の保全を目的とした土地取得に関しまして、四万十市に対し、トンボ自然公園の延べ1万6,392平方メートルの用地取得について、平成12年度から17年度まで6年間補助を行ってまいりました。それ以降も自然環境を守る取り組みや環境学習の推進などについて活用いただける補助金があることをお知らせし、本年度は、全国からの誘客につながる観光地づくりの一環として、トンボ自然公園の持つ価値を観光資源としても磨き上げるため、四万十川学遊館の運営の見直しに向けたコンサルタントの導入や案内板の整備に補助をしているところです。

 四万十市においては、コンサルタントの提案を受けて、庁内横断組織で今後の方向性を検討すると伺っています。

 本年3月に策定いたしました生物多様性こうち戦略における行動計画では、生物多様性の価値を把握し、社会全体で共有することが必要だとしています。そのため、生物多様性の意義の普及啓発、地域の生物多様性から学ぶ教育の推進、身近な自然との触れ合いの場の整備と五感で感じる機会の提供を進めることとしています。

 トンボ自然公園を活用することは、こうした取り組みにも合致いたしますので、四万十市における検討結果も踏まえながら、関連団体と今後の対応を検討してまいります。

   (健康政策部長山本治君登壇)



◎健康政策部長(山本治君) まず、ノロウイルスの感染経路のわからない状況がふえてきていることに対しての認識と本県の実態についてお尋ねがありました。

 ノロウイルスによる感染症は、患者の便や吐物などから人の手指を介して感染する場合や、ノロウイルスに汚染された食品などを食べて感染する場合があり、一年を通して発生しています。

 本県のノロウイルス感染症の発生状況は、12月から6月ごろまで報告があり、ピークは12月から1月となっています。社会福祉施設などでの食中毒以外の集団発生事例は、平成18年、19年はそれぞれ年19件と多かったのですが、ここ3年ほどは年5から6件と減少しています。また、ノロウイルスによる食中毒事例は、平成21年から平成25年の過去5年間に10件起こっています。

 感染経路については、散発事例の特定は一般的に困難ですが、社会福祉施設などでの集団発生事例や食中毒事例の集団内での感染経路は、これまでの本県の事例においては、疫学調査によりほぼ特定できています。

 社会福祉施設などでの集団感染については、職員や訪問者などから感染しているケースが大部分であると考えられ、感染を予防するため、職員の健康管理や訪問者の手指の消毒など、国の作成した高齢者介護施設における感染対策マニュアルに示された一般防護策を徹底することが重要です。また、一般的な感染症予防については、帰宅時や食事前の手洗いの励行が簡単かつ最も効果的と考えています。

 次に、福山市保健所の浴槽水中のノロウイルスに対する塩素消毒の効果に対する見解についてお尋ねがありました。

 福山市保健所は、ノロウイルス対応マニュアル施設編の中で、参考として、ノロウイルスに対する消毒効果は期待できませんと記載していますので、見解をお聞きしたところ、消毒効果がないということではなく、浴槽水が高濃度に汚染された場合、低濃度の残留塩素では消毒効果が期待できないと考えているとのことでした。このことは、国のマニュアルにある「場合によっては入浴中に排便してしまったときの浴槽水によっても感染が起こることがあります」と同様の考え方と理解をしています。

 また、国に改めて確認を行いましたが、ノロウイルスの感染対策では、これまで浴槽水からの感染事例報告もないことから、汚物等の飛沫や接触感染対策が何より重要であると考えているとのことでした。

 県としては、浴槽水の衛生管理については、便など高濃度のノロウイルスを浴槽水へ持ち込まないよう、入浴前に体をよく洗うなどの配慮や浴槽内の塩素量が適正に維持されるよう確認する必要があると考えています。また、2次感染を防ぐため、ノロウイルス感染者の早期発見に努め、感染が疑われる方の入浴を控える、回復後もノロウイルスの排せつが続くことを考慮し、入浴順序を最後にする、タオルなどを共用しないなどの対策が重要と考えています。

   (文化生活部長岡崎順子君登壇)



◎文化生活部長(岡崎順子君) 消費者教育の充実につきまして、初めに県立消費生活センターでの相談件数やその特徴、懸念することについてお尋ねがありました。

 昨年度に消費生活センターに寄せられました相談は約3,500件で、平成16年度をピークに減少していた件数が9年ぶりに増加をいたしております。この背景には、60歳以上の相談件数の増加があり、相談全体に占める割合は、初めて40%を超えております。中でも70歳以上の件数は、前年度から30%以上増加しており、健康食品の送りつけやファンド型投資商品に関する相談といった高齢者の健康や生活への不安につけ込んだ内容が目立つことからも、高齢者が巻き込まれるトラブルは、人口の高齢化と相まって、今後ますます増加するものと懸念をされます。

 一方、20歳未満では、情報化社会の進展やスマートフォンの普及などに伴いまして、アダルト情報サイトやオンラインゲームなどのインターネットを介したトラブルに関する相談が60%を超えております。

 こういった年代による相談の特徴も踏まえ、消費者被害の防止のためには、引き続き消費生活センターを中心に市町村など関係機関と連携をしながら、集落活動センターや学校への出前講座など見守り活動の支援や情報提供を積極的に行いますとともに、特に詐欺まがいの相談につきましては、警察などと密な連携を図り、迅速に対応してまいります。

 次に、消費者教育推進計画の策定状況と市町村に対するサポートについてお尋ねがございました。

 消費者教育推進計画は、消費者が被害に遭わないよう自主的に行動できる力を培うための消費者教育を総合的に推進することを目的に策定が求められているものでございます。そのため、本年1月に、消費者や事業者の代表、学識経験者などで構成する消費者教育推進地域協議会を設置し、現在取り組みの方向や具体的な内容の検討を進めております。

 検討に当たりましては、消費者教育の推進が、幼児期から高齢期まで各段階の特徴に応じて、学校や地域、職域などあらゆる場において有機的に取り組まれる必要がありますことから、幅広く県民の皆様の意識を反映させるための県民世論調査のほか、地域協議会を中心に教育機関や事業者などの取り組み状況や意見もお聞きしておるところでございます。

 また、市町村に対しましては、まずは県が計画を策定し、先導的に取り組みますことで、市町村が行う消費者教育の具体的な取り組みの推進につなげてまいりたいと考えております。

   (警察本部長國枝治男君登壇)



◎警察本部長(國枝治男君) 警察本部と消費生活センターの連携した対応や取り組みについて御質問をいただきました。

 県警察では、県民の皆様を悪質商法等の消費生活に関する犯罪被害から守り、また被害に遭われた場合には、その被害回復を図るため、高知県立消費生活センター、高知県文化生活部県民生活・男女共同参画課の3者の間で、情報の共有と消費生活侵害事犯の被害防止、被害回復のための措置に関する申し合わせを締結しており、情報交換会を開催するなど連携強化を図っているところであります。

 消費生活センターから県警察に提供される情報は年々増加傾向にあり、犯罪の前兆事案や既に詐欺的な被害に遭っていると認められる事案については、直ちに関係所属と連携して事案概要の把握や相談者に対する防犯指導を行うとともに、必要に応じて口座凍結等の犯罪ツール対策や被害回復の支援を行っております。

 また、消費生活センターと連携し、検挙に至った事例といたしましては、昨年10月に、市役所をかたり、無料点検を装った上、法令で定められた書面を交付せずにトイレファンの取りつけをした暴力団員等を逮捕した事件や、本年4月に特殊詐欺で300万円をだまし取ろうとした男を、相談者の御協力によりだまされた振り作戦を行って、詐欺未遂で逮捕した事件などがあります。

 このほか、県民の皆様が犯罪被害に遭わないよう、消費生活センターからの情報をもとに交番や駐在所が発行する広報紙等を通じて生活安全情報の発信を行うとともに、各地区地域安全協会などの関係団体と協同し、被害の拡大防止対策の推進に努めております。

 県警察といたしましては、関係法令を駆使した取り締まりを徹底するほか、今後とも消費生活センター等関係機関とより一層の連携を図り、県民の皆様の被害防止、被害回復に努めてまいりたいと考えております。



◆29番(黒岩正好君) それぞれ御丁寧な答弁ありがとうございました。

 それでは、知事にお伺いしたいんですが、先日のフォローアップ委員会での報告書をいただきまして、拝見をさせていただきましたけれども、大変によく、いろんな意味で地産外商、また産業振興計画の取り組み等が前進をしているなということを感じております。

 先ほど産業振興推進部長からお話がありましたアクションプラン、これ245項目のアクションプランでビジネスとして成り立っているのかということの質問に対して、定着を図っていきますというそういう答弁だったと思うんですが、ということは逆に言えば、まだこれからだという側面だと思うんですけれども、いつかはやはりそれぞれが産業として自立をしていくような形になっていかなければならないと思うんです。現状、そのあたりの知事の思いというのはどうなんでしょう。そこを1点ちょっとお聞きしたいということ。

 それから、土木部長に伺いますが、築土構木という言葉は御存じでしょうか。

   (奥谷土木部長「はい」と言う)

 さすがやっぱり土木部長ですね。土木部長の土木という語源に築土構木という言葉があります。これは中国の古典の「淮南子」というところから出てきておる言葉でして、劣悪な環境で暮らす困り果てた民を目にした商人が、彼らを救うために土を積み、木を組み、暮らしの環境を整える事業を行った、その結果、民は安寧のうちに暮らすことができるようになったというそういうところから由来していると言われています。つまり土木とは、土を積んで、木を組んで、民の生活環境を整えて、人々を幸せにし、経済、文化、芸術を発展させると、こういうことだと思いますが、それは要は現実主義というべき机上の空論を排したことだと思います。

 今回、公共災害復旧の国の採択要件にかからないものも随分出てくるんじゃないかと思います。特に今回提案をさせていただいた市町村の小規模河川等については、そういう要件に満たないことが多いということが予測されるわけでございまして、今後やはり集中豪雨とかということも想定をされてまいります。こういうことで、市町村が当然河川法のそういうたてりはよく理解をしているんですが、どうしてもやはり現場レベルで苦慮しているということが実態だと思います。ですので、今後各県下の市町村の担当者とも連携をとりながら、いろんな意見もお聞きしていただいて、どういう方向で進めていけば地域住民が安心していけるかということをどうか協議していただければとこう思いますので、これは要請をしておきたいと思いますが、一言何かありましたらお願いをしたいと思います。

 それから、文化生活部長ですが、この消費者教育ですけれども、例えば警察であれば110番、消防署であれば119番というように、消費者相談の電話番号が3桁になるというふうに国で決まったということもお聞きしております。これ、覚えやすくするという意味だと思うんですけれども、そうなってくると今以上に相談件数がふえるんじゃないかと、こういうことが予測をされますんですが、そうした場合に今の相談体制で十分かどうかということをまずお聞きしたい。

 消費者教育推進計画を立てるのに、現行の消費生活審議会がそれを新たな形でそこの中で審議をするような形になっているようですけれども、本来子供から高齢者までの幅広い世代を対象に消費者教育を推進するというのがこの消費者教育推進法の本筋であります。そういうものからいうと、この審議会の中に福祉関係者が入っていないということのようでございまして、何とか高齢者のそういう被害実態が多いわけですから、福祉関係者の方々を審議会の委員に入れていただくということが適切な助言もできるんじゃないかなと、こう思いますので、その点も踏まえて御答弁をお願いしたいと思います。



◎知事(尾崎正直君) フォローアップ委員会でいろいろ御議論もいただきました。地域アクションプラン、今の現状はどうかということでありますが、一言で申しますと、産業振興計画というのは、本当に県民経済の向上を図ることを目指して取り組みを進めているものでございまして、ゆえにある意味さまざまな挑戦をしています。いわゆる行政計画として見ばえがいいものだけを集めて、いわゆる必ず成功するであろうようなものばかりを集めてホッチキスしたものでは決してありませんので、本当に手づくりで新しい挑戦を始めようとするものもたくさん盛り込んで、ある意味リスクをとって今現在、取り組みを進めているところです。

 新しい挑戦をしようとし始めるに当たって、発射台にはさまざまな違いがありました。もう既に一定程度ビジネスとしてスタートしてきたものをさらに大きくするために後押しをしようとしたものもあれば、本当にお祭りの中でお鍋を提供していたっていうところからスタートして、それを事業に展開していこうとし始めたものもあればということでありまして、それぞれの発射台からそれぞれの挑戦を今続けているという状況ではないかなと、そのように思います。

 比較的発射台の高かったところという中には、既に事業としてもう十分自立していけるようなところもあると思います。というかむしろ、拡大生産に向けて工場を拡大されたとか、そういうところもあると思います。しかしながら、まだまだ初期の段階で試行錯誤の展開をしておられるところもあるし、さらに言えば、地域のまちおこしの段階から初めて事業としてビジネスプランをつくり始めたというところもあられるし、いろいろだと、そのように思っておるところです。

 それぞれの挑戦を生かす、しかしながら、最終的には事業化するということを目指していくということ、それをにらんでの挑戦を続けていまして、ある意味失敗もあり得ることだと、そのように思っています。ただ、全体として県民生活の向上につながっていくということを目指して、十分最初から多くのチャレンジを引き出していくよう努め、結果として240を超える地域アクションプランの束となっているということであります。

 引き続き挑戦を続けていくことによって、結果として地産を生かした外商につながる、そういう事業が展開されていくように目指してまいりたいと、そのように考えておるところです。



◎土木部長(奥谷正君) 河川と申しますのは、やはり流域全体で考えるものでございまして、その中でも我々は二級河川をやってございますけれども、当然市町村の管理しております河川も、これまた一定の役割を持っておりますので、議員からも御提案、ございましたけれども、市町村の担当者と協議といいますか、きちんとお聞きをしまして、どういった課題がありまして、特に今回のような豪雨災害、こういったものを前提とした場合において、どんな課題、どんな悩みがあるか、しっかり聞き取りまして、この悩み解決等一緒になって考えていきたいと、このように思います。



◎文化生活部長(岡崎順子君) 県立消費生活センターは、こういった窓口のワンストップ窓口としてまず代表選手であると、そういった役割を担っているというふうに私も認識しております。そういった中で、件数がふえていく可能性もございます。まず、現状を聞きまして、そういったニーズにしっかり応えれるように、必要があれば回線をふやしていくということも検討していきたいと思います。

 また、もう一点でございます。おっしゃるように高齢者の相談がふえている中で、福祉関係をというお話でございます。

 おっしゃるとおりだと思います。ただ、具体的にどういったお立場の方、どういった見識をお持ちの方がふさわしいかどうかは、少し検討をさせていただきたいと思います。



◆29番(黒岩正好君) 大変にありがとうございました。

 じゃあ、以上で一切の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○議長(浜田英宏君) 以上をもって、本日の議事日程は終了いたしました。

 明10月1日の議事日程は、議案に対する質疑並びに一般質問であります。開議時刻は午前10時、本日はこれにて散会いたします。

   午後6時3分散会