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平成19年環境・災害対策特別委員会( 8月 6日)




平成19年環境・災害対策特別委員会( 8月 6日)





環境・災害対策特別委員会会議録





 
〇開催年月日  平成19年8月6日(月)


〇開会時刻   午後  1時01分


〇閉会時刻   午後  2時29分


〇場所     農林水産・建設委員会室





〇審査・調査事項等


 〇歴史に学ぶ防災の術について





〇出席委員[11人]


 委員長   森高  康行


 副委員長  西原  進平


 委員    阿部  悦子


 委員    戒能 潤之介


 委員    梶谷  大治


 委員    菅   良二


 委員    白石   徹


 委員    玉井  敏久


 委員    福羅  浩一


 委員    三宅  浩正


 委員    渡部   浩





〇欠席委員[0人]





〇その他の出席者[1人]


 参考人


 四国整備局危機管理連絡室長


         松尾  裕治





〇出席理事者[11人]


 土木部長    清水   裕


 技術監     佐藤   久


 土木管理課長  俊野  健治


 技術企画室長  三好  次男


 河川課長    八塚 眞喜雄


 港湾海岸課長  藤崎   茂


 砂防課長    西井  洋史


 道路維持課長  松本 正二郎


 都市計画課長  宇高  史範


 都市整備課長  今井  良計


 建築住宅課長  村上  慶裕








             午後1時1分 開会


○(森高康行委員長) ただいまから、環境・災害対策特別委員会を開会いたします。


 前回の委員会で委員長一任となっていました委員席は、ただいま御着席のとおり決定しましたので御了承願います。


 本日の会議録署名者に梶谷委員、三宅委員の両委員を指名いたします。


 それでは、これより議事に入ります。


 本日の議題は、「歴史に学ぶ防災の術について」であります。


 本日は、参考人として四国地方整備局で危機管理、防災を担当しておられる方に御出席いただいておりますので御紹介いたします。


 四国地方整備局松尾裕治危機管理連絡室長でございます。


            〔委員長あいさつ〕


 それでは、松尾危機管理連絡室長さんよろしくお願いいたします。


○(松尾参考人) (資料により説明)


○(森高康行委員長) 通常なら1時間半かかる説明を40分ではしょってもらってかなり松尾参考人も大変だったと思いますが、詳しくは今日は冊子を配っていますから、ここでよくまとめていただいております。


 以上で、松尾参考人の説明が終わりました。


 委員の皆さん、松尾参考人に対する質問を出していただきたいと思いますが、ございますか。


○(阿部悦子委員) お話の中にありました緊急地震速報のことなのですが、ちょうど昨夜テレビに映っていまして、柏崎・刈羽のときにも使われたというふうに言っていまして驚いたのですが、松山までだったら東南海・南海で60秒前には地震が来ますという速報が出せるというそういうシステムをつくりつつあるということだと思うのですが、少し詳しく具体的な実用化に向けてどうなのか教えていただきたいと思います。


○(松尾参考人) 今の話は、このパンフレットに書いています四国東南海・南海地震対策連絡調整会議がありまして、そちらの方で気象台が入っていまして、その中でいろいろ私どもが聞いている話を参考にお話したいと思います。まず、今言われたように本来は4月の予定だったのです。実際には先ほど私どもの庁舎に入っています、昨日テレビでありました装置でやるのですが、あの装置は、機能上は全部機能しています。私どもでは北海道とか非常に遠いところで起こると、210秒くらい前から震度はゼロなのですが装置がつきます。パッパパッパとついてあと何秒、あと何秒と知らせてきます。ただ、今気象台は震度4とかのある一定以上のところに知らせてくるのです。機能的には皆でき上がっています。先ほど言ったように車にぶつかったらいけないとか、いきなりで周知が十分できてないということで中央政府の方でそういう周知期間がいるということで、今年の10月までになったという感じです。ここの中で、検討の中に入れています。こういう中で皆さん方に周知するという話をしていくというだけですが、例えば緊急地震情報の課題というのは、この中に出てくるかな。


○(森高康行委員長) 阿部委員、緊急地震情報は気象庁の所管であるということですから、国土交通省の所管ではないわけですから、限界があると思います。


○(阿部悦子委員) ないと思います。機械も持っていて、全部実地にやっておられるので。


○(森高康行委員長) いやいや気象庁の所管でしょう。


○(松尾参考人) 今、気象庁は国土交通省に入っていますので、今言われた内容は調整会議の中で半年延ばすようになったといういきさつを、先ほどの周知のパンフレットがありましたが、その中で気象台の方が順次こういうのを私たちの方に説明してほしいと言われておりまして、気象台だけでは説明しきれないのでいろいろな形で言ってくださいと言われていて、車がぶつかるのでそういうのが出たときは、車を減速して当てないようにしなさいとか、そういうことを周知するやり方がありまして、それを今気象台が一生懸命周知しています。10月からは完全に一般に出していくという方針が出ていますので、それは変わりません。例えばビルでいきなり出すと、ここで緊急地震情報ですということをいきなり言うとエレベーターの中とか、階段に殺到して将棋倒しになって大変なことになるので、今利用の心得というのを気象庁がつくってこういったものを周知しています。いろいろな場面を通じて周知しています。こういったものができると、例えば周知が不十分だったら、車だったら当ててしまうので、車はできるだけ速やかに減速しなさいとか、こういったことを周知しようと今やっています。ここまでの情報は今入っていますが、それ以上のことはわかりません。また、専門の部署に聞いていただけたらと思います。


○(阿部悦子委員) そのテレビを見ていて寝てしまって、全部見なかったので残念に思っているのですが、今までは突然地震がやってきたのですが、おっしゃったように南海・東南海のかなり大きな地震が起きたとき、確実に来るわけですが、そのときに地震が起こり、あと1分後にはそちらに揺れが届きますよという周知がされたら画期的なことだと思うのです。それが、柏崎の方ではもうすぐ地震が来ますという音が流れて、そのときすごく助かったという人も出ていたのですよね。だから全国的には実用化が始まっているのかなと思っていたのですが、今お話を聞くと情報を出す場所ですよね、例えばデパートとか車の中、出す場所によって出し方を考えないとパニックになるから、その出し方を考えているのだというふうに考えたらいいのですか。私がテレビで見ていたのは、マンションの親子があと10秒で揺れますとかというのを聞いて、多分夢じゃなかったとテレビで見たと思うのですが。


○(森高康行委員長) 県の方、もしサポートできるなら。


○(技術企画室長) 私の方も土木でございますので、所管しているわけじゃないのですが、聞いているのは平成18年8月1日から、設備の制御等に利用する事業者等に対し緊急地震速報の先行的な提供を開始しまして、本年の5月1日現在で、地方公共団体、鉄道、製造、放送などの約500機関に提供しています。恐らく阿部委員のおっしゃっているのはその範疇の中の情報提供ではないかなと、今度10月1日からやるというのは、一般向けに地震情報を提供する、開始するということだと思います。


○(阿部悦子委員) 愛媛県でもそういった具体的な計画があるわけですね。


○(技術企画室長) 先ほど申しましたように、そこら辺の所管というのは土木ではございませんので、恐らく消防の方かなという気がしますが、危機管理課の方に聞いてもらえばわかるのではないかと思います。


○(白石徹委員) 話の中に出ていたDIGについては、結構普及というか使えているのですか。


○(松尾参考人) DIGは、私どもは一生懸命現地に入ってやっているのですが、最近は各地でやられている取り組みだと思います。私どもが今行っているところは徳島県の美波町というところがありますが、日和佐というところがあります。ちょっとこれを見ていただきますか。薬王寺さんというのがありますが、有名な八十八カ所のところですが、DIGとはDisaster Imagination Gameと言いまして災害を想像するゲームということです。具体的には地域の人が現地を歩いて危ないところとかを調べたり、あるいは避難所を調べたり、それから自分たちの周りを守っている防災資源を見て地域を知るということから始めまして、それで防災を考えていくということで、こういうふうなことをやるわけです。例えば私どもがどういう支援をしているかというと、こういうことをやっています。画面では津波がやってくるということで、これは家なのですが、画像が5分後から動き出しました。これは人なのです。これは動くハザードマップというのですが、間もなく12分後に津波がやってきます。青くなってきました。グリーンのところが市町村が定めている避難地です。赤くなって、赤がとまってしまいました。これは津波に襲われてこれらの人たちはアウトです。死んでしまうということです。そういったことをいろいろやって地域の人たちにものを考えてもらおうということで、我々がこういうことをサポートしています。例えばこういうことですね。動くハザードマップのいいところは、いろいろなものが考えられています。動かないハザードマップというのは、ハザードになってない人は自分たちが安全であると錯覚してしまいます。あれはあくまで一つのケースであって、そういうことを教えているのではないのであって、そういうことを一生懸命やっています。この前も市町村の人たちを集めたトップ防災セミナーを中央でやりました。高松で。そのときもDIGというやり方を入れて実施したところです。


○(白石徹委員) これは市町村単位で申し込みをして、ファシリテーターといいますか、そういうのは国土交通省の人が見えられて、民間でそういう人がいるとかじゃないのですね。


○(松尾参考人) 私どもの地域は、すべてで96市町村があって、地域ごとにいえば、2,000くらいの地域があります。それを全部カバーすることはできません。今どういうことをやっているかというと、こういうファシリテーターがつくれるように、会議の中でDIGの手引書というのをつくったのです。それで、各県の人とか、市町村の人たちがその手引書を持って自分たちがファシリテーターになれるように、そういうものをつくるまではやりました。四国整備局がそういうところに入っていくのは、消防法とか内閣府との関係で少し立場が違います。だからできるだけそういうお手伝いをしますけれども、実際の救助とか非難に関係するところというのは、消防の方のエリアなので多少は境界線があるようでないようなところがありますので、四国整備局としては手引書をつくるところまではやろうとしています。


○(白石徹委員) 愛媛の中で、DIGのファシリテーターは今まで何人くらいいるのですか。県の方でどうですか。


○(技術監) 私の認識の範囲では、愛媛県では取り組みはやってないのではないかと思います。これは環境部局の方が主体になります。答弁が間違っていれば再度確認して訂正させていただきます。やってないという状況かと思います。


○(松尾参考人) 今の件に関連して、この手引書をつくるときに現地に行ったりしたのは、愛媛県の方も多分出てきていただいていたと思います。私どもだけでやったのではなくて4県の県とか消防の人も出てきて皆でまとめてやっています。四国整備局は事務局となっているだけです。ただ、つい先日できたばかりなので、まだ十分周知ができていません。作成の参画の過程には、県のメンバーの方も入っていただいていますので、危機管理課の方かもしれませんが必ず入っていただいていると思いますので、そういう段階であると思います。


○(森高康行委員長) 県民環境部長になっていますね。資料では。


○(白石徹委員) それならいいです。要するに今の考え方では、県単位で手引書を習得したファシリテーターの組織をつくっていけばいいなという感覚で理解していればいいのですね。


○(松尾参考人) 県単位とかいうことは考えてないのですけれども、多くの行政のリーダーがそういうところに入って行くときに、何も手引書がないので県とかそういう単位じゃなくても地域単位のリーダーに渡してもらってもいいし、それから市町村の単位のリーダーに渡してもいいと思っています。やっと簡単なマニュアルができたばかりなので、まだそれを十分周知する期間というのが、次の連絡調整会議の幹事会のときにそういうものを皆さんにお知らせをして、どんどんやってほしいということを周知したいと考えています。


○(渡部浩委員) このパンフレットの中に四国トップセミナーを開催している、そして四国東南海・南海地震対策連絡調整会議も開催しているということですけれども、こういった中で市町村長さんが県へ、県から国へと中にいろいろな要望もあったり、そして今何が地震に備えて必要であるか、だからこういうことをしてほしいという要望も出ているのではないかと思うのですが、数点緊急にこういうことをしてほしいという要望なり意見が、市町村から、また県から国に上がっているのがわかれば教えてほしい。


○(森高康行委員長) 松尾参考人いかがですか。


○(松尾参考人) これはですね、今前面に映し出しましたが、96市町村のうちで先日トップセミナーというのをやりましたが、こういうDIG方式で市町村の首長さん本人が59名出席していただいて、代理の方を入れて75名、約8割の市町村の方がここに集合していただきました。そのときにDIG方式までにはいっていませんが、課題を与えてこういう地震がくると、こういう被害が起こるというのは国の機関で考えていると、では市町村ではどうするかとか、情報としてほしいものは何かとか、どういうものをやってほしいかということを聞きまして冊子にまとめているようなものを昨年出しています。それから今年もDIG方式で、こういうものに書いていただいて、そういったものをまとめているのです。アンケートもしています。3つの要点に絞れというのであれば、1つ言われたのは、市町村としては自衛隊とかいろいろなところに、こういう形で要望したいというのがあります。まず1つは早く助けてほしいということです。もう1つは要望として整備されてないような施設の整備、ヘリポートがないとか、そういったヘリポートを整備してほしいか、ハード的に道路が十分できてないのでそれをやってほしいとか、あるいは判断するときの知恵、避難するときの知恵を教えてほしいとかそういったことを言われています。ですからハードとソフトの両面で要望が上がってきています。


○(渡部浩委員) そういう要望が出ていて、それに国として順次対応が十分なされている状況にはなっているのですか。


○(松尾参考人) 私どもだけでは対応できないので、22の機関の長を全部集めていたのですが、局長クラスのトップです。それで、被害が起きたら、高松とか松山とかの県都ばかりに応援に行って、山の中に残された我々の地域はどうやって来てくれるのだ、自衛隊はそういうところまで入ってくれるのかということに対して、例えば自衛隊の第14旅団の旅団長は、災害対策法に決められておりますので、そういう山の中にもちゃんと支援に行きますと、ヘリコプターで行きますということを言いました。いわゆる基本的な方針は示していますが、具体化する話はこの会議の場では出ておりませんが、そういったものを調整していくのが調整会議なので、できるだけ課題があってそれを解決するために取り組んでいるところです。県の方も入っていただいて、当然愛媛県も入っていただいてやっています。


○(戒能潤之介委員) 先ほど来、津波を想定した映像を見せてもらったりしたのですけれど、愛媛の瀬戸内海に面したところ、震源地や震度にもよるのでしょうけど、津波の影響の可能性というのは、過去は瀬戸内海側は少なかったのですけど、最大で松山あたりでもこのクラスのこのくらいの地震について震源地がこの辺で来たら、このくらいの津波が来そうであるという想定はあるのですか。


○(松尾参考人) 南海地震とかの波源でプレートが動いたときの想定はあるのです。フィリピンプレートが大陸のプレートの下にもぐり込んでおりまして、年に5cm沈んでいるのです。そうすると100年たつと5m沈んでいます。150年だと7.5m沈んでいます。それがある瞬間パーンと跳ね上がるのです。そうしたら海底が7.5m跳ね上がると、7.5m波源があってそこからずっと津波が伝波していくのです。その際に地形とかによって増幅されるところとか減衰されるとこがあるのですが、先ほど見ていただいたように、例えば南海地震がああいうプレートのような場所で起これば、愛媛県であったら佐田岬のところでかなり減衰されています。ですから佐田岬のところまでは大きく起こるわけです。だからあそこからずっと曲がってきたエネルギーはかなり減衰されて、2mとかに落ち着きます。佐田岬から豊後水道側はかなり大きな津波が起こるというのが想定されます。ただし、もう一つの直下型地震で、例えばこの前、芸予とかいろいろ起こりましたね、ああいうものでは震源地が底にあってプレートが動いてないので、地震、ゆれが起こるのですが津波は起こりません。ですから津波が起こる地震と、津波が起こらない地震があるので、そういった意味ですべてのことは想定しておりませんが、プレート型は必ず起こります。海底が動きますから。だから南海地震の方が、津波が大きいということです。


○(戒能潤之介委員) わかりました。愛媛県も東・中・南予と比較的広域にわたるので、例えば松尾参考人から見て、愛媛の海沿いであったり、山沿いであったりと地域にもよると思いますが、地滑り危険箇所でも県が指定しているだけでも1万5,000カ所くらいあるので、そういうところに住んでいる方とか、平野に住んでいる方とかによっては対応の仕方も変わるのでしょうが、一番愛媛で、地震で想定しておかなければならないという災害の対策といえば、やはり家が崩れて、水道管、ガス管が壊れて火災が発生するなどそこが一番大きくなるのですか。津波も当然起こるかもしれませんが、地震での被害で一番大きな想定しておかなければならない部分については、愛媛でも地域があるでしょうが、松山だったらまず耐震補強をすべきですよというところなのか、どの辺が一番大きなポイントなのでしょうか。


○(松尾参考人) 私は2つあると思います。個人でできる問題は今言われたとおりでして、耐震化設計というのは非常に大事な問題ですが、5年かかります。だから抜本的なことをやるというのは、時間がかかるのですけど、先ほど言いましたような簡単な対策というのはできます。それで個人でやるのと、それから防災の全体の話は、四国は脆弱な地質なので、泣きっ面に蜂という言葉がありますが、マーフィーの法則ということもあって、悪い上にさらに悪くなるという複合災害が四国は一番心配されています。それは地震が起こった後は、地滑りが起こります。そこにまた雨が降って、例えばこれの画面を見ていただきたい。これは中越地震のときです。山古志村です。こんなに滑ったのです。山の至るところが。四国は山がいっぱいありますし、地滑りもあります。こういったところに雨が降るとさらに大きなことが起こるということで、愛媛は山地分も結構ありますので、そういったことを考えていただきたい。これは逆にいうと住民ではできないですね。行政がやるべきことなのです。だから、住民でできる問題と、行政が分担して車の両輪で対策をしていきます。ただし、時間が十分あるという概念を持ってほしいのです。南海地震がやってくるのが2030年から2040年、今の小学生が社会の中心になったころですから、まだ時間があるのです。若干。それまでにハード対策をどんどん、少しずつやっていくことだと思います。


○(三宅浩正委員) こちらを読ませていただいた中に、広域的な緊急医療の体制の確立ということを触れられておりますけれども、広域連携のところですね。阪神淡路の大震災のときに、病院にけがをした方々が殺到した、本当に今すぐ治療したら助かる方々を優先して治療する体制がばたばたしてとれなかったという話を聞いたことがあります。それで、ロサンゼルスの大震災のときには、有事のときには基準を切りかえて、医療を先に行うべき方々、今すぐ治療したら助かるがそのままだと危ない方々などに区分しました。残念ながらもう危ないという方には手をつけない、これはアメリカ人ならではの感性かもしれないけれども、そういったいざというときの基準を持っているという話を聞いたことがあります。もし予想される大きな地震が3つまとめてやってきたということになれば、相当のけが人が予想されると思う中で、平時とは違った基準というものを医療機関の方々が、例えば今研究をされているとかということがあれば教えていただきたいと思います。


○(松尾参考人) 今まさに、東南海・南海地震対策連絡調整会議の中に、厚生支局がリーダー的な格好で勉強会をやっているのですが、その中で、委員が言われたように、一番最初というのは命を救うことです。今多くの防災訓練でやっていますトリアージというのがありますよね。あれはまさにそのとおりでして、トリアージというのは、コーヒー豆の選別という意味なのですけれど、普段なら、病院に並んだ順番で治療するのですけれど、虫の息の人は黒いタグをつけられるのです。重傷者は赤、中傷者は黄色、軽傷者は緑なのです。このように4段階に評価をしまして、これはDMATいわゆる災害派遣医療チームとか病院の医師などの限られたメンバーしかできないのです。しかし普段と違った訓練なので、ものすごく勇気が要るわけですね。180度違うことを考えるわけです。本来なら並んだ順番で平時のときだったらそうやるのだけど、そういうことをしないというふうな考え方に基づいてやっています。それから緊急医療のためには総合力が要るのです。いわゆる総力戦と言いまして、みんなで助け合わなければいけないので、1つの機関だけではいけませんから、そういうチームが各地域にどれだけあって、どのくらいの体制がとれるか。実は全然足りません。国が考えた物資とか緊急医療も含めた供給拠点が3月に発表されたのですけれど、例えば西予市の宇和運動公園陸上競技場というところに拠点を設けたり、松山では陸上自衛隊駐屯地とかに拠点を設けて、医療チームはそういったところに入ります。そのようにいろいろと考えておりますので、まだ十分にはできていませんけど、想定していろんな取り組みを実施している途中でございます。


○(阿部悦子委員) 東南海・南海地震の想定によるさまざまな御所見だと思うのですけれど、愛媛県には中央活断層系の大きな断層があります。しかも、伊方沖ということもあり、文部科学省も認めている2,000年間隔で起きているという知見もあるわけですね。そういうことで、防災話から学ぶのは非常に興味深いことではあるのですが、2,000年ということになると記録が残ってないわけですよね。そういう大きな地震の想定も必要ではないかと思うのですが、防災話は非常に役に立つ一方でもう1つ記録に残っていない地震の検証といいますか、そういうことはどのように国の方ではお考えになっているのでしょうか。


○(松尾参考人) まず、現在の科学技術では断層系の地震の予測はできない状況です。プレート型地震はエネルギーが蓄積されて周期的に開放されるので、ある程度予測がつくわけですね。ところが最近言われているのが、中越地震とか中越沖地震、あるいは能登の地震とか、地震が多発しています。地震の活発期に入ったのではないかということで、何かエネルギーが関係しているのじゃないかとか、南海地震が近づいているのではないかというふうなことを言われた学者が一部おりますが、それは正式な見解としては一般通念化されていないのです。まず、断層型の地震というのは、例えば中央構造線のことを言われましたが、中央構造線というのは西半分が1,500年から2,000年前くらいに動いた形跡があって、大体1万年に1回くらいですから、私どもが聞いている範囲では、中央活断層が動くのであれば東側、徳島以東で発生する可能性が高い。言ってしまえば記録がないのです。しかしどそういう記録がもう少し先であると聞いています。これは専門家の先生方に聞いてもらえればいいのですけれども、要は断層型地震の予測は、今の技術ではつかないと思ってください。


○(阿部悦子委員) 愛媛県では1万2,000年前から2,000年ごとの断層があるということは、これは通産省時代ですか、海底調査ですかこういった調査をやっています。一定の知見が出ているし、国の方でも認めているわけですよ。この間の柏崎・刈羽でわかったことは、断層はどこにあるか予見できないしどういう形であるかも間違って予見していた。ということは、日本中断層だらけで、今の話によれば予見もできないし、ある意味手の打ちようがないというふうにお考えになりますか。


○(松尾参考人) 私が答えていいのかわかりませんが、そういう断層とか地震が発生しやすいプレートの上に住んでいること、日本列島がそこにあることです。そのこと自体は、我々は認識しないといけない。そのことを認識した上で、災害が来たときにできるだけ被害を小さくすることができますし、そういう対策を無尽蔵に予算があってできるわけではありませんので、有限の予算の中で、できるだけ被害が小さくなるようなことをやっていく。あるいは、技術開発をしていく、将来に向かって科学技術を発展させるという方に向かっていくべきではないかと思います。私がコメントできない部分でありまして、私も完全な専門家ではありませんので、知っている範囲の中で言っていますので、一部今言われた2,000年に1回とかいうのは専門家の先生によってはいろいろな言い方をされている先生もあるので、いろんな学説がある中でどう考えるかというのもバランスある判断として、行政とか対応する方が考えていくべき問題かなと思います。


○(阿部悦子委員) 今のこと、お答え要りませんけれど、高知大学の岡村先生は、国の文部科学省の地震関連の専門委員会に入っておられますし、その知見は、ばらばらに出ているのではなく国の方から出ているように私は考えております。


 質問したいことは、とても興味深い防災話なのですけれど、この防災話を研究しておられて、戦前と戦後を比べて、この100年ぐらいで現代的な防災に関する考え方を変えていかなければならないと思われるところがあれば教えていただきたいのです。というのは、1つは先ほどの原子力発電所がどうなのかということは御専門でないということで結構ですが、原子力発電所が意外に活断層系地震に弱いということがわかったわけですが、それはおいておいても、他にも100年前と現代的な災害の発生の仕方ですよね、そういうふうな御実感というのはおありですか。


○(松尾参考人) 特に今言われたようなことはたくさんあるのですけど、私どもが考えているのは、やはり今の時代は江戸時代と違い、科学技術が発展していくばくか被害を小さくすることができていますけれども、そういう自分たちの寿命を超えて起こるような地震とか大規模な災害に対しては、昔も今もまったく変わっていない。むしろ今の時代の方が悪い。特に住民の意識に関して、技術に頼れば助かるのではないか、地震なんかはそういうものではなくて、自分自身がどうやって助かるかということを考えていただくということが大切でして、そういう意識の高揚をしていくことが行政の役割だと思います。だから、そういった視点から取り組んでいくことが大事であるというふうに考えます。


○(阿部悦子委員) 例えばですね、戦後すぐに拡大造林が行われてですね、山が人工林だらけになったということによって、山の風水害とか土砂崩れとかが起こりやすくなって、先ほど土砂崩れだらけの山の写真が出ましたけれど、ああいう土砂崩れは戦前の自然林、原生林では起こらなかったのではないかというふうに聞いていますが、そういう違いというのはお感じにならないですか。拡大造林をして、日本中杉とヒノキにしてしまって、間伐もしない手入れもしないために起こる災害というような、私はそういうふうに聞いたり考えたりしているのですが、そういうふうな何か古老の話とかはお聞きにならないですか。


○(松尾参考人) 日本の森林が破壊されたのは過去に3回ありまして、一番大きいのは戦国時代、それから江戸から明治に移るときに、藩が持っていた森林を全部民間に売ってしまって、大体藩有林だったのですけれど、そういうときに破壊されて、それと戦後です。空襲で焼けたのですが。それはその時代時代に木が必要だったので、その後、また植林して結果としていっぱい木があるのですけれど。昔のシイ、カシ、タモというのが原生林と言われていますけれども、そういうものと植林されたものと地震が起こったときの地滑りとの関係がどうかという知見は、まだ私聞いたことないのです。だから緑があることと地震で滑ることは、工学的に余り関係なく、むしろ脆弱な地盤、地震とかが起こって滑りやすい地盤がありまして、構造線に沿って痛んでいる地盤とかです。そういった地盤が滑りやすい。それから角度の問題、斜面が直角に近く切り立っているところが滑りやすい。そういうのはあるのですけど、植林の差によってそういうのが起こっているとは聞いてないので、私自身はそういう知見を知りません。


○(菅良二委員) 大規模な地震が来たときに、まさに自助と共助は非常に重要であると思うわけなのですが、そういった場合の公助の役割、その中でも緊急輸送路の確保とかライフラインの確保、これはやっぱり公が速やかに対応しなければいけない。それは、1つには自衛隊の持つ大きな役割を活用していただく。同時に、それぞれの地域の建設業者が持っている機械力です。ところが、地域を限定してくるのです。例えば、芸予地震にしても、それよりもっと大きな場合には愛媛県全体が大変なことになる。そうすると自衛隊は、どうしても影響の大きい松山とか都市部を中心としたものに、まずそこへ行くことになろうと思っています。二次的には他の近畿や九州から応援が来ると思いますが、その間に役に立つのが地元の建設業者の役割ではないかと思います。このあたりの対応といったものをどのように考えておられますか。


○(松尾参考人) 今言われたことは、東南海・南海地震対策連絡調整会議の役割というのは、今言われたとおりでして。政府からの応援が来る前に、四国にいる機関が協力し合ってその間まではしのごうと、その一翼として建設業界とか、防災というのは、実はバックフォーを持っている人たちがいて今まで助かってきたという面もあります。ただ、最近そういった機械がリースになっているという問題があって、都会に集中し出したようなことがあって、地方に従来あったようなものが、機械の置いていく場所が効率を考えてかわってきている。そういった面でマイナスになっていますが、その辺は行政がどこに建設機械があって速やかな復興ができるかという情報を把握して、対応に当たっていくということが必要なのかなと思います。


○(菅良二委員) 昭和53年だったか大型台風が来まして、海岸の堤が決壊しました。そのときもちろん消防団員が一生懸命やったのですけれど、ユンボとブルの力でとりあえず修復してくれました。ところが今、御承知のように、それぞれの地域の建設業者が非常にあえいでいる状況で、これから10年20年先の地域の機械力というのがどうなるのだろうかと非常に心配しております。まずそのことを、土木の皆さんがおられるので、そういう防災の観点からもそれぞれの地域に、きちんとしたそういった役割を果たせる力のある会社を残してもらいたいし、それが大きな地域にとっての安全安心につながるという思いは、私ずっと持っておりました。そういった意味からも、建設産業の重要性というのを、部長、ぜひともお願いしたい。何かコメントあればひとつお願いします。


○(土木部長) ただいま菅委員からお話ございました。それから、松尾参考人から防災術の話がいろいろございました。自助、共助、公助、自助の場合ともかく自分でということなのですが、その中にはやはり地域でどうするかという、共助になるかもわかりませんが、そのときに建設業といいますか、結局機械力がどうしても必要な場合があります。それから1日2日のときに対応できるかというふうなことがございますので、そういうことが重要だろうと思っております。それで、一般競争入札を含めまして、いろいろな意味でこれから入札契約制度の方を整えていかなければいけませんが、その中でも総合評価制度を、いろんな意味で、地域できっちりと機械を持っていることも一つの評価点として考えていかなければならないだろうと思います。先ほどありましたように、どこかに集中してしまって、実際いざ災害が起こったときに対応できずに、そこへ持ってこなければいけないというふうになっても困るだろうと思っております。一つの例として、総合評価の中で、発注をするときには当然地域に近いところからということで、同一市町であれば少し点数を上げてあげるとか、そういうふうなことも考えながら、それぞれの地域ごとに自助、共助の形ができるような仕組みはつくっていくことが、特に大規模な災害で外からの応援に来られない間にどういうふうな対応をしていくかということでは非常に重要ではないかなと、もちろん、そこに皆さんの、住んでおられる方の意識も重要でありますが、建設業を所管している立場としても、そういうふうな形で地域が安心できるような形で建設業の育成も考えていかなければならないと考えております。


 以上でございます。


○(森高康行委員長) ほかに、松尾参考人に対する質問はございませんか。


 ほかに、議題に対する質問も菅委員の質問で出たようでありますので、以上で質疑を終了いたします。


 松尾参考人に感謝を表す意味で、みんなで拍手を送りたいと思います。


              〔拍手する者あり〕


○(森高康行委員長) 積極的に出前講座で出られているようでありますから、皆さんの当該の市町やいろんな場でも認識を深める意味で、経験に学ぶだけでなく歴史に学ぶことも本当に必要だと思いますので、どうかこれを御縁に委員の皆さんもまた松尾参考人との連絡をとっていただいたらというふうにも思っております。


 次に、次回の委員会についてであります。


 次回の議題、出席理事者や資料などの詳細は私に一任願いたいと思いますがよろしいでしょうか。


           〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○(森高康行委員長) それでは、そのようにさせていただきます。


○(阿部悦子委員) 今回のこととも関連がありますけれども、やはり柏崎・刈羽の原発震災ですよね。それは非常に大変な問題であろうと思うのですが、伊方原発を抱える私たちとして、この問題を特別委員会で取り上げていただきたいと要望しておきます。


○(森高康行委員長) 御意見として承っておきます。


 本日は、これをもって閉会いたします。


              午後2時29分 閉会