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平成18年第299回定例会(第2号12月 4日)




平成18年第299回定例会(第2号12月 4日)





第299回愛媛県議会定例会会議録  第2号


平成18年12月4日(月曜日)


 
〇出席議員 48名


   1番  楠 橋 康 弘


   2番  豊 島 美 知


   3番  大 沢 五 夫


   4番  豊 田 康 志


   5番  笹 岡 博 之


   6番  鈴 木 俊 広


   7番  徳 永 繁 樹


   8番  高 山 康 人


   9番  泉   圭 一


  10番  欠     番


  11番  欠     番


  12番  阿 部 悦 子


  13番  欠     番


  14番  佐々木   泉


  15番  住 田 省 三


  16番  菅   良 二


  17番  渡 部   浩


  18番  白 石   徹


  19番  戒 能 潤之介


  20番  赤 松 泰 伸


  21番  欠     番


  22番  欠     番


  23番  井 上 和 久


  24番  栗 林 新 吾


  25番  村 上   要


  26番  高 橋 克 麿


  27番  本 宮   勇


  28番  黒 川 洋 介


  29番  河 野 忠 康


  30番  明 比 昭 治


  31番  猪 野 武 典


  32番  田 中 多佳子


  33番  篠 原   実


  34番  成 見 憲 治


  35番  藤 田 光 男


  36番  笹 田 徳三郎


  37番  寺 井   修


  38番  西 原 進 平


  39番  竹 田 祥 一


  40番  岡 田 志 朗


  41番  薬師寺 信 義


  42番  仲 田 中 一


  43番  帽 子 敏 信


  44番  横 田 弘 之


  45番  土 居 一 豊


  46番  欠     番


  47番  欠     番


  48番  清 家 俊 蔵


  49番  中 畑 保 一


  50番  森 高 康 行


  51番  柳 澤 正 三


  52番  山 本 敏 孝


  53番  谷 本 永 年


  54番  玉 井 実 雄


  55番  池 田 忠 幸


  ――――――――――


〇欠席議員 なし


  ――――――――――


〇欠  員 2名


  ――――――――――


〇出席理事者


  知事            加 戸 守 行


  副知事           吉野内 直 光


  出納長           永 野 英 詞


  公営企業管理者       和 氣 政 次


  総務部長          讀谷山 洋 司


  企画情報部長        藤 岡   澄


  県民環境部長        三 好 大三郎


  保健福祉部長        濱 上 邦 子


  経済労働部長        上 甲 啓 二


  農林水産部長        高 浜 壮一郎


  土木部長          清 水   裕


  公営企業管理局長      相 原 博 昭


  教育委員会委員       砂 田 政 輝


  教育委員会委員教育長    野 本 俊 二


  人事委員会委員       木 村 スズコ


  公安委員会委員長      吉 村 典 子


  警察本部長         種 谷 良 二


  監査委員          壺 内 紘 光


  監査事務局長        河 野 恒 樹


    ――――――――――


〇出席事務局職員


  事務局長          丹生谷 光 嘉


  事務局次長総務課長事務取扱 北 川 一 徳


  参事議事調査課長      菅   宜 登


  参事政務調査室長      森 川 保 男


  副参事総務課長補佐     門 田 正 文


  副参事議事調査課長補佐   橋 本 千 鶴


    ――――――――――


〇本日の会議に付した事件


 定第116号議案ないし定第125号議案


 議発第10号議案





     午前10時 開議


○(篠原実議長) ただいまから、本日の会議を開きます。


 本日の会議録署名者に横田弘之議員、井上和久議員を指名いたします。


    ―――――――――――――――――


○(篠原実議長) これから、定第116号議案平成18年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第125号議案及び議発第10号議案を一括議題とし、質疑を行います。


○(森高康行議員) 議長


○(篠原実議長) 森高康行議員


   〔森高康行議員登壇〕


○(森高康行議員)(拍手)何かと事件の多かった平成18年も12月議会を迎えることになりました。


 6月議会に続きまして登壇の機会が与えられましたこと先輩同僚に感謝をし、質問をいたします。さきに3選出馬を表明された加戸知事を初め関係理事者におかれましては、直接県民に話しかける気持ちで率直明快な答弁を期待いたします。


  われわれは戦後の日本が、経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失い、本を正さずして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力欲、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながら見ていなければならなかった。


これは、36年前、昭和45年11月25日、東京市ヶ谷陸上自衛隊東部方面総監部において自決された作家の三島由紀夫氏の檄の一部です。


 当時、小学校6年生でありましたが大変衝撃を受けたのを覚えております。革命前夜と呼ばれるほど大学紛争があり、ゲバ棒とヘルメットの映像をマスコミ報道で見ながら、この国のあり方を考えるとともに三島作品も読みふけりました。特に、大学時代は米ソ冷戦時でもあり、自主憲法の制定やよき伝統文化を守ること、あるべき防衛など、この国の形を考えることの多い日々でした。


 時あたかも、現下我が国の姿はいかがでしょうか。36年前に三島さんが訴えられた内容から改善されたでしょうか。親子や家族間の殺人事件は日々発生し、建築や教科履修の取り返しのつかない偽装事件の頻発、あってはならない公務員の汚職事件、国民教育への他国の不当な介入、平和憲法と称し諸国民の公正と信義に信頼すると高らかにうたっているのに、隣国北朝鮮よって、国民が多数拉致され核武装によって恫喝されている現状。また、ある識者の、我が国の歴史の中で他国との戦争や内戦でない状況において最も多くの人が亡くなっている異常な実態を嘆いている声にも接しました。


 一体どうなっているのだ。この国の悲しい現実に向き合いながら、憲法や教育基本法を初め、この国のあるべき形を歴史や伝統に求めながら、質問に入ります。


 質問の第1は、安倍内閣に対する評価についてであります。


 ことし9月、党員党友の圧倒的な支持を得て誕生した安倍総裁は、内閣総理大臣の指名を受け、小泉前総理の改革路線を引き継ぐ形で内閣を組織しました。報道によりますと、内閣発足直後の支持率は65%と歴代3位の高い支持率を得ており、美しい国づくりを目指す真正保守の若きリーダーである安倍総理の手腕に大きな期待が寄せられているところであります。とりわけ就任早々の中韓両国の歴訪は、懸案であったアジア外交立て直しの糸口となったほか、北朝鮮の蛮行に対処する極めて政治性の高い初外遊となったと思うのであります。


 また、安倍総理は、決して都会とは言えない西瀬戸の山口県選出であり、本県同様格差という小泉政権の負の遺産を身をもって感じている代議士経験にも大いに期待したいところであります。


 安倍総理は、去る10月25日、政権発足1カ月の感想を聞かれ、1年ぐらいに感じたとした上で、内政、外交とも難問が山積みだが、国民に約束した課題の多くの取り組みをスタートすることができたと述べています。特に、外交について、中国と韓国を訪問し新たな外交をスタートすることができたとし、歴訪の成果をアピールされています。


 今後は、活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自立の精神を大事にする、世界に開かれた「美しい国、日本」を実現するため、来年度予算編成を初め、地方分権の推進や教育再生、活力ある経済成長など、この国の形を問う諸改革に雄々しく取り組んでくれることを願いたいと存じます。


 そこで、お尋ねいたします。


 加戸知事は、これまでの安倍内閣をどのように評価し、また、これからの安倍政権にどのような期待を持っているのか、明らかにされたいのであります。


 質問の第2は、加戸知事の提唱される第3次県政改革についてであります。


 知事は、さきの9月議会において、我が党の西原議員の代表質問に答え、3選出馬を表明されました。そしてその折、決断に至るまでの熟慮に熟慮を重ねた胸のうちを淡々と率直に述べられました。そこには、愛媛県知事は本当に自分でなければならないのかと厳しく自問自答を繰り返したであろう苦吟の日々が垣間見えたのであります。真っすぐ正直で、曲がったことは大嫌いな、しかし、弱いものにはひたすら優しい心で接する、8年前の初当選当時と少しも変わらぬ加戸知事の人間性を強く感じたものであります。


 さて、知事は、3期目を目指すと宣言されました。「利を計らば応に天下の利を計るべし」という言葉をかりながら、私を捨て、家族の反対に目をつむり、愛媛のため県民のためにと、みずから厳しいいばらの道を選択されたのであります。


 御案内のとおり、愛媛県の財政は危機的な状況に陥っております。少なくともあと3カ年は大変に窮屈な県政運営を強いられることになります。その上に、今の愛媛県は多くの課題を抱えています。思うように回復しない経済、雇用情勢の立て直し、南予地域の活性化、いじめや履修不足に揺れる教育の再生、深刻な医師不足問題や少子高齢化の対応などなど解決すべき課題は山積みしております。愛媛のため県民のためを標榜されるのであれば、厳しい財政の立て直しばかりでなく、その一方で、これら諸課題に敢然と立ち向かっていかなければならないと思うのであります。そしてそれこそが、次の愛媛県知事の使命であると考えるのであります。


 その意味におきまして、先ごろ拝見した知事の政策「輝くふるさと愛媛づくり」には「ぎゅっと愛媛改革」と「ほっと愛媛政策」という2本の柱が示されておりましたことは、まさに我が意を得たりとの思いでありました。改革を徹底しつつ温かい政策を推進していくとの知事の3期目にかける思いが見えるような気がしたのであります。


 しかしながら、一部には、そこまで厳しくするのかとの声にも接するところであります。知事が選んだ道は本当に厳しい道であります。しかし、加戸守行であればこそ、この難局をしっかりと乗り越えてみせてくれる、私はそのように確信をし、また信頼いたしております。


 そこで、お尋ねいたします。


 知事は、どのような方針で第3次県政改革に臨もうとしておられるのか、お聞かせ願いたいのであります。


 質問の第3は、今議会に久しぶりの議員提案で上程されました防災対策基本条例についてであります。


 防災対策につきましては、これまで本会議や委員会において多くの質問がなされ、また、要請が行われてまいりました。加えて、中畑自民党幹事長を委員長とする環境・災害対策特別委員会において、南海地震対策などの調査、研究を行うとともに、兵庫県の人と防災未来センターなどを視察いたしました。我が自民党においても、執行部を中心に、先進県の動向を踏まえながら、県民が一丸となって防災対策を推進するための基本理念や方向性について検討を進めてきたところであります。


 こうした中で、本条例が議員提案として上程されましたことは、我々議員としても、日ごろから防災対策の重要性を認識し、その見識を高めてきたところでありますだけに、まことに感慨深いものがあります。


 忘れもしません2年前の平成16年には、本県に6つの台風が来襲し甚大な被害をもたらしました。26名の死者、60名の負傷者、そして、今も行方不明の外国の方が3名と89名の人的被害。公共施設で380億円、農作物等で111億円、その他を含め500億を超える被害金額となりました。3カ年でやっと復旧が概成したものの、森林の本格的な復旧には莫大な財政支出が予想されますし、また、倒木などの処理はこれからのところも多く、昨年とことしが幸い本格的な台風上陸がなかったことに助けられたというのが真実ではないでしょうか。


 しかし、私たちは、一昨年の災害から多くのことを学びました。具体的に改善され備えが進んだことも多くあります。関係者の御努力に敬意と感謝を申し上げたいと存じます。


 例えば、自主防災組織の結成率は55.8%になっております。国策として、南海大地震が30年の間に50%の確率で発生するという前提で取り組みが開始されたという現実も重く受けとめ、県民一人一人の課題は何か、市町の最先端行政としての役割は何か、そして、県行政が何をなし、国に何を求めていくのかなどの大切な取り組みにも当たらなければならないと考えるところであります。


 さきの9月議会では、一部議員を除いてプルサーマル導入が決議されたところですが、原子力災害時においては、原子力防災計画を厳格に運用し、県民の不安軽減に努めるとともに、一方では、本条例の制定により、台風、地震など自然災害に備える最善の取り組みを期待したいものです。


 そこで、お尋ねいたします。


 今議会に県防災対策基本条例を上程いたしましたが、こうした動きを踏まえ、県は、今後、防災対策にどのように取り組まれるのか、明らかにされたいのであります。


 質問の第4は、警察行政についてであります。


 今日ほど日本社会が多様化し、国際化し、県民の安全安心の確保が難しい時代はなかったのではないかと考えます。7月に本県に赴任された種谷本部長におかれましては、しっかりと頑張ってほしいと願います。


 さて、私が6月県議会で質問した個人情報流出につながったパソコンの個人所有物の使用に関して、マスコミ報道によると、公費パソコン導入の見通しがついたとのことでありました。高度情報化時代ともIT時代とも言われる昨今、便利さは取り返しのつかない不便さにもつながることをよく認識いただき、今後、適正な運用に努められますよう期待したいと存じます。


 さて、県内における治安情勢でありますが、平成17年中の刑法犯の認知件数は2万2,167件であり、戦後最高を記録した平成15年をピークに2年連続して減少し、ことしの10月末現在においても、前年同時期と比較して約13.6ポイント減少しているほか、検挙率でもこの5年間で10ポイント以上向上しております。また、交通事故による死者数も平成17年中113人と、昭和30年代前半のレベルとなるなど、指数治安の点では大きな改善が認められます。


 しかし、県民が肌で感じる体感治安にあっては、全国的に子供が被害者となる凶悪事件、飲酒運転や暴走車両等による重大事故が連日大きく報道されるなど、犯罪情勢は依然厳しい状況にあり、治安に対する県民の不安を解消するには至っていないのが現状であります。


 そこで、以下、数点にわたり治安の回復を目指した課題について質問いたします。


 その1つは、悪質な右翼標榜政治団体の活動実態を含む、暴力団等組織犯罪対策の推進状況はどうか明らかにされたいのであります。


 その2は、地元でも動きが見られますが、県内の防犯ボランティア団体の活動状況はどうか。また、高まりつつある県民の自主的防犯活動を継続させるため、県警としてどのような支援を行っているのか、明らかにされたいのであります。


 関連ですが、私は、治安の回復に当たっては、その前提として警察の信頼回復が重要であると考えます。以下、信頼回復の問題についてもあわせてお尋ねします。


 私は、6月県議会の本会議において、県人事委員会が本年6月6日、現職警察官の配置がえを取り消す裁決を行ったことを踏まえて、現職警察官のけん銃の所属保管及び配置がえについて警察本部長に説明を求めたところであります。その際、警察本部長から、県警の主張が認められなかったことはまことに残念であり、裁決内容を精査し、今後の対応について再審請求の可否を含めて検討を行う旨の説明をいただいております。再審請求については、裁決書の交付を受けた日の翌日から6カ月以内にできるとされておりますが、その期限が目の前に近づいており、県警の対応に県民は高い関心を持っているものと思います。


 そこで、お尋ねいたします。


 県警は、県人事委員会の裁決に対して、再審請求の可否を含めてどのように対応されるのか、県民に理解できる説明を願いたいのであります。


 質問の第5は、いわゆる未履修問題についてであります。


 富山県で判明した事案が全国に飛び火し、46都道府県約663校もの高校に広がりを見せ、約10万人を超える高校生に影響が及ぶ事態となりました。本県でも多くの高校で不適切な事例が明らかになりましたが、まさかこれほどの実態があるとは大変な驚きでありました。特に、結果的に教師がうそをついたという事実は、教育現場で決してあってはならないことと思うのであります。ないと言っていたことが実はあったと発表する姿は悲しいことでした。事なかれ主義だったのか、生徒を守るためであったのか、それとも現場の運用として従来からあったのか、いろいろ論評されています。


 しかしながら、いかなる理由であれ、子供たちに規範意識を教育すべき学校において、このようなルール違反は許されないことです。生徒や保護者の皆様方は、不安や不満を抱き、さぞや気をもまれたことと思います。特に、受験を目前にした高校3年生にとって影響が最小限になるよう最善の措置を求めたいと思います。


 一方、今回の一連の出来事は、多くの教訓や課題も明らかにしてくれました。公立の高校教育は、決して大学受験の予備校化してはならない。世界史が必修で何ゆえ日本史が選択なのか。これでしっかりした国民としての自覚を持った人材が育てられるのか。ゆとり教育という美名のもとに十分な授業時間の確保ができていないのではないかなどなどです。


 また、関係者の自殺という痛ましい事件も起きました。私は、命を大切にというのは教育の根本にかかわる問題であると考えます。全国では、いじめなどを苦にした子供たちの自殺も相次いでいます。


  人間は一人ではない。いや一人では生きていけないのです。だから、そういう人たちが悲しむようなことを絶対にしてはいけないと僕は考えます。相手の身になって、もう一度考えてみてください。


ニューヨーク・ヤンキース松井秀喜さんからのメッセージの一部です。


 これまで全国有数の教育県と言われてきた本県の教育が大きな危機に直面していることを改めて教育関係者が肝に銘じ、批判を真正面から受けとめ、信頼回復に向けて真摯な気持ちで一から出直し、全国に誇れる真の教育県としての復活を図っていただきたいと思うのであります。


 そこで、お尋ねいたします。


 県教委では、いわゆる未履修問題にどのように対応するのか。また、今後、国に対してどのような声を届けようとしているのか、明らかにされたいのであります。


 質問の第6は、教科書採択をめぐる一連の裁判についてであります。


 日本と韓国の市民交流は、私にとってライフワークになりました。松山市と友好都市締結を行った大韓民国京畿道平澤市の市民団体平澤フォーラムとの交流はことしで12年目を迎え、7月には県民有志40名による訪問団で平澤市を訪ね、第12回日韓市民友好交流セミナーを開催いたしました。これまで青少年教育、環境、観光、IT、高齢化社会などで両国の市民が抱える課題を設定し、相互に訪問し合いながら理解し合って、隣国の市民として友好共生を目指してきました。


 ところが昨年、この交流の危機が発生しました。当時報道されたとおりですが、みずからの政治目的のために本県の活動家らが平澤市を訪問し、平澤市民新聞などの報道によると、愛媛県や松山市を誹謗中傷する発言を行って、愛媛地球市民の会を中心とする日韓両国市民の長年にわたる交流に冷や水を浴びせかけたのであります。幸い愛媛地球市民の会役員の訪韓や韓国有識者の御尽力もあり、結果的にこの事件を通じて相互のきずなは一層深まったものの、報道のとおりだとすると、全く許せない行為であります。


 私は、金子みすゞの有名な詩にあります「みんなちがってみんないい」の言葉が好きです。みずからの信念の行動は自由ですが、他人が懸命に取り組んでいることに対しては、慎重な対応を求めるものであります。


 さて、報道によりますと、このときの活動家を中心として、本県教育委員会や知事を相手取り、昨年度の教科書採択に反対する訴訟が連続して起こされているとのことであります。


 私も、過去、本会議で戦没者追悼決議を行ったときに被告として訴えられましたが、このときも活動家らは、議会に対して3件の訴訟を起こしたのであります。その3件の訴訟での請求は、いずれもほぼ同じ趣旨であり、当時私は、なぜ同じような請求を繰り返すのか不思議に感じたのでありますが、教育委員会や知事に対する訴訟はいかがでありましょうか。


 また、それ以前に起こされていた平成13年度及び14年度の採択に反対する訴訟についても、報道によりますと、昨年平成17年度の採択が終わるや否や取り下げられたようでありますが、これらの訴訟の原告らは、裁判所の判断を仰ぐ気はなくなったのでありましょうか。そもそも判決を求める気があったのでしょうか。


 このような動きに対して、国民生活にとって大切な司法制度を利用し、政治活動として訴訟を連発しているとの声もあります。もしそれが事実であれば、訴訟を政治活動に利用しているのではないかとのそしりを免れず、政治活動は別の場で民主主義のルールにのっとり行うべきであると考えるのであります。


 そこで、お尋ねいたします。


 県教育委員会に対する教科書対策をめぐる訴訟の実態と率直な所信はどうか。訴訟の提起件数と現状はどうなっているのかを含め、明らかにされたいのであります。


 質問の第7、締めくくりは地元課題についてであります。


 行政合併3年目を迎えた四国中央市は、井原市長の市役所改革宣言のもと、各方面にわたって懸命の努力がなされています。昨年は、加戸知事も参加いただき、田植えを児童生徒とともに取り組みましたが、県下初の「『食育』に根ざした『地産地消』を推進する都市宣言」を平成17年12月に行い、ケーブルテレビを第三セクターで設立し、4つの支所をITで結ぶ情報の渡り廊下と言われる地域公共ネットワークを確立しました。その結果、13課87業務を集約した行政窓口のサービスのワンストップサービス化を実現しました。さらに、女性生活相談室を設置するなど、さまざまな改革への取り組みが行われた結果、合併当初639位だった日本経済新聞社の行革ランキングが194位になるなど、全国一の伸び率で飛躍的に改革が進んでいることの評価をいただいたところであります。


 また、産業に目を向けますと、紙関係出荷額は、平成15年4,817億円で、静岡県富士市を抜いて日本一の紙の町となり、工業出荷額は5,813億円で、西条市に次いで四国で2番目の工業都市でもあります。


 四国中央市は、このように元気で発展する都市であるとともに、土居地区や新宮地区のような自然環境の豊かな地域も有する四国で唯一4県が接する文字どおり四国の中央の町であります。この四国中央市の新宮地区は、葉たばこの生産が盛んな地区でありましたが、住民の方々の努力の甲斐あって、現在は、香り日本一の新宮茶の生産に成功しております。


 この地元課題の一つに、新宮町小中一貫校開設があります。特区申請がなされ、内閣府により11月16日付けで認定をいただいたところでもあり、来春からの開校が待たれるところです。


 四国中央市の教育委員であり、香り日本一の新宮茶の生産者である脇斗志也氏は新聞のインタビューで、私の中学校時代の同級生は86人いたが、地元に残ったのは自分一人だけだと答えられています。このことからもおわかりになると思いますが、かつて新宮地区には小学校が6校あり、児童数も1,000人を超えていた時代がありましたが、現在は新宮小学校と寺内小学校の2校のみで、児童数は新宮小学校が50人、寺内小学校が12人で、合計しても62人でしかありません。


 このように進行する過疎化により、新宮地区からすべての学校がなくなる可能性すら考えられる中、何とか学校を残そうと8カ月もの間、市と地元との話し合いが行われました。その結果、苦渋の決断ではあったものの、最後は単なる延命策としてではなく、地域に人を呼び込むことを目指した前向きな小中一貫校をつくろうという案で地元の了承も得られたということです。この学校に魅力を感じて、多くの児童生徒が他地域から来てくれることに大いに期待をしたいと思います。


 そこで、お尋ねいたします。


 四国中央市が新宮地区に開設する小中一貫校は、どのような内容であり、県として具体的にどのような支援を考えているのか、明らかにされたいのであります。


 以上で質問を終わりますが、先般のひょうにより、本県が全国に誇るあたごガキなどに甚大な被害が発生し、大きな痛手を受けました。知事におかれましては、すぐさま災害対策に乗り出す旨の意向を示していただき、深く感謝を申し上げます。


 関係農家の方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、今後の元気な復興を期待して、私の質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(篠原実議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(篠原実議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 森高議員の質問に答弁いたします。


 冒頭、知事は、これまでの安倍内閣をどのように評価し、また、これからの安倍政権にどのような期待を持っているのかとのお尋ねでございました。


 内閣発足後2カ月を経まして、外交面では、中韓両国と未来志向の関係を構築することで合意いたしましたほか、内政面では、地方分権改革推進法案の国会上程を初め、財政再建や再チャレンジの支援など「美しい国、日本」をつくるための新しい政策を展開されておりまして、順調な船出となったのではないかと認識いたしております。


 また、内閣の最重要課題と位置づけておられます教育再生についても、教育再生会議の設置や教育基本法の改正などに積極的に取り組まれておりまして、教育は国家百年の計として、今後、一層議論が深まることを願っております。


 さらに、安倍総理も地方の活力なくして国の活力なしと述べておられまして、地方の自立と魅力ある地域社会の実現を図りますためには、地方分権の確立が不可欠でありまして、今後、地方分権一括法制定に向けての作業や道州制の制度設計が進むものと期待しておりますが、地方の側におきましても、道州制の将来ビジョンを描くなど、国に提言していく努力が必要と考えております。


 ただ不安な面がないとは言えません。小泉総理、安倍官房長官の時代、ことしの夏骨太の方針2006が策定されましたが、その中で、教職員の人材確保法に基づく教職員の給与の優遇措置につきまして、法の廃止を含めた見直し並びに優遇措置の縮減という方向性が打ち出されておりまして、平成18年度中の検討を経て平成20年度から実施するとされておりますが、先般の予算編成方針の中でもこの縮減とめり張りのきいた給与措置等の文言等があるわけでございまして、ひょっとすると平成19年度予算編成におきまして、この考え方を流れができておりますことを受けての具体的な措置がとられる危険性なしとはしないという懸念を有してもおります。教育再生を目指されております総理が、教育再生の第一弾として、教職員の給与優遇措置を縮減するというようなことがあってはならないと思っているわけでございまして、重大な関心を持って年末の予算編成を見守っているところでございます。


 次に、知事は、どのような方針で第3次県政改革に臨もうとしているのかとのお尋ねでございました。


 お話のとおり、逼迫する県財政の構造改革と並行して県政の諸課題に的確に対応することは、向こう4年間の県民の負託を受け、県政のかじ取り役を担う知事の責務でありまして、新しい知事には、行財政改革の歩みをとめることなく、推進し続けていく強固な意志と実行力、そして愛媛の未来をよりよき方向に導いていく政策を選択する見識と決断力が求められていると考えております。


 そのため、私は、次の2つの方針を県政運営の機軸に据えながら、第3次の県政改革に臨みたいと考えております。


 1つは、ぎゅっと凝縮されたコンパクトな県政の実現であります。県庁組織の徹底したシェイプアップを初め、費用対効果を重視した事業展開、存在意義の薄れた規制や行政関与の見直し、民間とのパートナーシップ拡大など、県政のあらゆる分野の一つ一つを徹底的に見直し、小さくとも県民から信頼される存在感のある県政を目指してまいりたいと思っております。


 もう1つは、愛と心のネットワークが広がるあったか県政の推進であります。


 政策の選択と集中を厳しく進めてまいります一方で、県民、NPO、企業、行政などが一緒に考え行動する、助け合い支え合いの輪をさらに広げることにより、愛媛の最大のよさである優しさを地域発展の力にかえていけるような心温かな社会の実現を目指したいと考えております。


 私は、この2つの方針をそれぞれ「ぎゅっと愛媛改革」「ほっと愛媛政策」として位置づけ、その具体化に必要な改革と施策を並行して着実に推進していく覚悟でございますが、森高議員御指摘のありましたとおり、その道は険しく、県民生活への影響を懸念する声があることも十分承知いたしております。


 「志は易きを求めず、事は難きを避けず」との言葉があります。一たん志を立てたら安易に流れず正道を歩め、事を起こそうと決意したならば困難を回避したりあきらめてはならないという意味の中国の古い教えでもあります。


 当面はつらく苦しくとも、公正公平を旨としながら、県政改革の道を歩み続け、やがて芽吹き花開くであろう輝くふるさと愛媛づくりのため、県民の皆さんとともに、歯を食いしばって頑張っていきたいと考えております。


 次に、今議会に県防災対策基本条例を上程したが、こうした動きを踏まえ、県は、今後、防災対策にどのように取り組むのかとのお尋ねがございました。


 今般、住民の代表たる議員におかれまして、全国で3例目となる愛媛県防災対策基本条例を提案されましたことは、議員各位からの県の防災対策強化を求める要請であると受けとめ、率直に賛同いたしますとともに、県におきましても、これを契機として一層の防災対策に取り組んでいかなければならないと思いを新たにしているところでございます。


 また、条例の基本理念につきましては、第3条において、「防災対策は、県民が自らの安全は自らで守る自助を実践した上で、地域において互いに助け合う共助に努めるとともに、県及び市町がこれらを補完しつつ公助を行うことを基本として実施されなければならない。」と明確に規定されており、まことに心強く感じておる次第でございます。


 この条例が、採択可決されれば、今後は、県民にこの条例の普及啓発を行うことなどを通じて、県民自身の防災対策の強化を図るとともに、人材養成等により、自主防災組織を育成強化するなど、自助、共助を基本として災害への備えを強力に推進する県民運動を展開し、災害に強い愛媛をつくり上げてまいりたいと思っております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(野本俊二教育長) 議長


○(篠原実議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 森高議員にお答えをさしていただきます。


 まず、県教育委員会では、未履修問題にどのように対応するのか。また、今後、国に対してどのような声を届けようとしているのかというお尋ねでございます。


 県立高校21校におきまして明らかになりました必履修科目の未履修問題は、学校としてさまざまな事情があったにいたしましても、ルールの違反は認められるものではなく、多くの生徒や保護者に不安や負担をおかけし、また、県教育委員会としても、指導監督が十分でなかったことを改めておわび申し上げたいと思います。


 また、この未履修問題に悩み、校長がみずから命を絶つという大変痛ましい事態が発生いたしましたことにつきましては、本当にやりきれないつらい思いでございまして、心から哀悼の意を表する次第でございます。


 御質問のありました今後の対応につきましては、まず、生徒の卒業や進学、就職などに支障が生じないということが第一でございまして、文部科学省の通知も踏まえて、調査書の適正な記載や補充授業などの実施について、各学校において取り組みを進めておりまして、すべての学校におきまして、2月中には補充授業などが終了する見込みとなっております。


 また、再発防止につきましては、各学校におきまして自主的な教職員の法令遵守の徹底や点検体制の確立などを求めますとともに、県教育委員会事務局といたしましても、プロジェクトチームを設置いたしまして、学習指導要領の遵守指導、教育課程相談窓口の設置、教育課程実施状況の審査の徹底、さらには、学校訪問による現地確認調査などのチェック体制をとることとしておりまして、真摯な反省の上に立って、再発防止に万全を期したいと考えております。


 さらに、この問題が全国的に大きな広がりを見せておりますその背景には、やはり高校教育や学習指導要領のあり方そのもの、さらには、大学入試との関連など、教育全体にかかわる問題が指摘されております。そして、この機会に、十分な授業時間数の確保など実状を踏まえた学習指導要領の見直しや運用の改善、必履修科目と大学入試制度とのあり方の検証につきまして国に検討してほしいと思っておりまして、この趣旨につきましては、四国4県の共同要望といたしましても国に提案していくこととなっております。


 県教育委員会といたしましては、お話にございましたように、今回の問題を深く反省いたしまして、これを契機に、今まで以上に学校との意思疎通を図りまして、失われた信頼の回復に一致協力いたしまして、全力で当たってまいりたいと思っております。


 次に、県教育委員会に対する教科書採択をめぐる訴訟の実態と率直な所信はどうかというお尋ねでございました。


 教科書採択に反対して提起されました訴訟の件数は、前回の平成13年度、14年度のものが8件、昨年度のものが5件ということで、計13件にも上っております。


 しかし、このうち、前回の8件はすべて取り下げられております。また、昨年度の5件につきましても、最近になって一方的な取り下げが相次いで行われ、残りの訴訟は2件となっております。しかもこの取り下げの大半11件のうち6件が、判決言い渡しを目前に行われたり、口頭弁論が開かれる前に取り下げがあったということなどから見ますと、違法をただして裁判所による公正な判断を求めるという意思が感じられないように思いますし、もし仮に議員お話のように、提訴をみずからの主義主張や運動をアピールする手段として利用したということとすれば、訴権の濫用と言われても仕方がないと言わざるを得ないと思います。


 いずれにいたしましても、納得のできる理由のないまま突然取り下げるということではなくて、提訴した以上は、あくまで裁判所による公正な判断を仰ぐべきだと思っておりますし、県教育委員会といたしましては、教科書採択は、法令等に基づいて適正に行っておりますので、残された訴訟に対しましても、毅然と、また粛々と対応してまいりたいと思っております。


 次に、四国中央市が新宮地区に開設される小中一貫校は、どのような内容で、県として具体的にどのような支援を考えているのかというお尋ねでございます。


 先般、教育特区の申請が認定されました四国中央市では、急速に進行する過疎化の中にあって、学校と地域の活性化を目指し、来年度から、新宮、寺内両小学校と新宮中学校を統合いたしまして、魅力と特色ある小中一貫教育校を設置されようとしております。


 その具体的な内容といたしましては、各学年で、標準の授業時数に年間20ないし35時間を上乗せするなどいたしまして授業時数の余裕を確保して、全学年に新しい教科としてコミュニケーション科を特設し、表現力やコミュニケーション能力の向上を図る。小学校5年生から英語の教科を導入し、5年計画で英語学習の充実を図る。国語や算数・数学の時間数を上乗せをする。それから、小学校高学年におきましては、一部教科担任制を取り入れまして、中学校への滑らかな移行を図るなどのほか、キャリア教育やふるさと学習・体験活動の充実など、一貫性と特色を持ったカリキュラムが計画をされております。


 したがいまして、県教育委員会といたしましては、過疎地域における学校再編の一つのモデル的なケースとして、四国中央市のこの取り組みを評価しておりまして、今後、市教委や学校現場の声をよく聞きまして、教育活動や教員の配置などの面で、できる限りの支援を検討してまいりたいと思っております。


 以上でございます。


○(種谷良二警察本部長) 議長


○(篠原実議長) 種谷警察本部長


   〔種谷良二警察本部長登壇〕


○(種谷良二警察本部長) 森高議員にお答えいたします。


 治安回復に関する御質問のうち、初めに、悪質な右翼標榜政治団体の活動実態を含む暴力団等組織犯罪対策の推進状況はどうかとのお尋ねでございます。


 全国の暴力団構成員につきましては、平成17年末現在、約8万6,300人で、平成8年以降微増傾向にありましたが、10年ぶりに減少いたしました。一方、県内の暴力団組織につきましては、本年11月1日現在、約70団体、構成員及び準構成員は約1,300人となっております。また、全国の暴力団準構成員の比率は約50%ですが、県内は約65%で準構成員比率が高いのが本県の特徴でございます。


 最近の治安悪化の大きな要因としては組織犯罪の深刻化があり、県警では、犯罪組織の壊滅、弱体化を図るため、情報の収集、分析を行い、それに基づき戦略を立案し、効果的な取り締まりを推進するため、昨年4月、刑事部に組織犯罪対策課を新設いたしました。


 県警では、本年を組織犯罪対策の本格的展開の年と位置づけておりまして、県警一体となって取り締まりを行った結果、山口組系暴力団組長らによる企業恐喝事件や山口組系暴力団組長らによるけん銃不法所持事件などの主要事件を多数検挙するとともに、暴力団員などからけん銃4丁を押収いたしました。10月末現在、暴力団員等の検挙人員は197人、これは前年同期プラス23人で、右翼を標榜する暴力団員等の検挙は47人、これは前年同期プラス14人で、いずれも昨年より大幅に増加しているところでございます。


 右翼を標榜する暴力団等は、表面上、政局や社会問題をとらえて街頭宣伝活動を行うなど政治団体としての既成事実づくりのための活動を展開しておりますが、その裏では、資金獲得のための違法行為を繰り返しているところでございます。県警では、本年に入り、電波法違反等で右翼を標榜する暴力団が組織した政治結社を解散に追い込んだほか、暴走音規制条例に基づく中止命令4件、勧告7件を発出しているところでございます。


 今後とも、県民の信頼を回復し、安全安心なまちづくりのため、県警の総合力を発揮し、暴力団等の組織犯罪の取り締まりを強力に推進してまいる所存でございます。


 次に、県内の防犯ボランティア団体の活動状況はどうかとのお尋ねでございます。


 県内の治安につきましては、指数的には回復傾向にございますが、体感治安という面におきましては、まだまだ県民が求める水準には至ってないとの認識でございます。県警の総力を挙げて防犯と検挙の車の両輪による犯罪抑止対策に取り組んでいるところでございます。


 しかしながら、かつて世界一と言われた治安水準を回復するためには、ひとり県警のみの力ではその目的を全うできないことから、県民の方々を初めとする防犯ボランティア団体の積極的な協力が必要と考えているところでございます。


 防犯ボランティア団体の活動状況につきましては、本年10月末現在、県警が把握している防犯パトロール隊等の防犯ボランティア団体が283団体、2万4,870人でございます。昨年12月末現在では170団体でありましたことから、この1年間で大幅に増加している状況でございます。この団体数は、四国では他の3県のそれぞれ2ないし3倍強の団体数となっておりますほか、人口1,000人当たりのボランティア数は16.9人と全国で14位に位置しております。


 これら防犯ボランティア団体は、各地域において、青パトと呼ばれる青色回転灯装着車を活用したいわゆる見せる防犯活動や児童生徒の登下校時を中心とした見守り活動あるいは犯罪多発地域や不審者の出没地域等を重点とした防犯パトロール活動や、毎月5日の防犯の日等における警察と協働した各種広報啓発活動などの自主的な防犯活動を行っておられます。このうち新居浜市の「NPO法人守ってあげ隊」が、去る10月、ことし創設された全国で10団体に贈られる安全・安心なまちづくり関係功労者内閣総理大臣表彰を受賞するなど、活発に活動していただいているところでございます。


 また、こうした防犯ボランティア団体のほか、県内では県民や企業などが、県警のマスコットである「まもるくん」ロゴを活用して、子供の見守り活動や保護活動を積極的に行っていただいており、その数は、「まもるくんの車」が8,216台、「まもるくんの家・事業所」が1万3,229カ所となっており、これも四国では最多となっているところでございます。


 次に、高まりつつある県民の自主的防犯活動を継続させるため、県警としてどのような支援を行っているのかとのお尋ねでございます。


 県民の皆様の自主防犯活動を継続していただくための県警の支援につきましては、県警では、防犯活動に必要な不審者情報などの犯罪情報の提供や活動拠点としての交番等の提供と合同パトロールの実施あるいは地域安全安心ステーションモデル地区の指定による防犯用品の無償貸与などの支援を積極的に行っているところでございます。


 また、自主防犯活動の活性化を支援するために、来年度以降も内閣総理大臣賞受賞の推薦を積極的に行ってまいりたいと考えております。そのほか、今年度、NPO法人から提案のあった事業を提案型協働事業促進モデル事業として委託したように、今後も各種方策により県内の防犯ボランティア団体の育成と活動の活性化を支援することといたしております。


 なお、犯罪情報の提供につきましては、警察署ホームページの掲載や自治体等のホームページとのリンク情報閲覧機会の拡充あるいはファクスでの学校等への一斉送信や新聞紙上での掲載など、あらゆる手法を通じて迅速かつタイムリーな情報発信に努めているところでございます。


 さらには、いわゆる青パト保有団体の連携を図るため、県内の青パト保有団体15団体に働きかけを行い、来る12月20日に、青色パトロール隊連絡協議会の設立総会及び出発式を開催することとしております。


 今後ともこうした団体等と連携して、県民の自主防犯意識の啓発と県民総ぐるみの取り組みを図ってまいりたいと存じます。


 次に、警察行政に関する御質問の2つ目として、県警は、県人事委員会の裁決に対して再審請求の可否を含めてどのように対応するのかとのお尋ねでございます。


 去る6月6日に下された県人事委員会の裁決におきまして、県警の主張が認められなかったことはまことに残念であります。


 県警といたしましては、制度として認められた再審請求の可否について前向きに検討を行う旨を既に6月県議会において申し上げたところでございます。また、再審請求は、裁決書の写しの送達を受けた日の翌日から起算して6カ月以内に行わなければならないとされており、その期限は、本年12月7日となっております。


 この再審請求につきましては、訴訟における上訴の手続とは異なり、裁決の結果に影響を及ぼすような重大な一定の事実がある場合に限って行い得るもので、受理要件自体に厳しい制約が課せられているものであります。


 しかしながら、県警の主張につきましては、現在においてもいささかも変わりなく、現在係争中の損害賠償請求事件におきましても、主張すべき点はしっかりと主張しているところでもあります。厳しい要件ではありますが、期限までに再審請求を行うべく、所要の準備を進めているところでございます。


 以上でございます。


○(篠原実議長) 暫時休憩いたします。


     午前10時57分 休憩


  ―――――――――――――――――


     午前11時12分 再開


○(篠原実議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(豊島美知議員) 議長


○(篠原実議長) 豊島美知議員


   〔豊島美知議員登壇〕


○(豊島美知議員)(拍手)民主党豊島美知でございます。


 早速質問に入ります。よろしくお願いいたします。


 まず初めに、ひょうによる農作物被害対策について質問いたします。


 11月11日未明に降ったひょうによって、西条市周桑地域は農作物に大きな被害が出ました。私たち民主党会派は、早速現地に入り、状況を視察し当事者の方々のお話を伺ってきました。


 見渡す限りどこまでも広がっている周桑のカキ農園は、遠目で見ると収穫を目前にした実りの果実でいっぱいになっていましたが、近づくと、そのほとんどに無残なひょうの傷跡が生々しく残されていました。丹精込めて育て上げ、さあ総仕上げの収穫だというときにこのようなことが起こり、生産者の方々の無念はいかばかりかとお察しいたします。


 周桑地域は県内屈指の渋ガキの産地で、あたごガキは全国一の生産を誇っています。これまでもこの地域の生産者の方々は、消費者ニーズに対応した製造技術の開発に努め、東予園芸の渋ガキとして市場の評価も高く、また、加えて、あんぽガキのブランド化にも取り組んでこられました。


 一昨年は台風被害、炭疽病、昨年はカキ価格の暴落という生産農家にとって打撃が続いていましたが、ことしは台風被害もなく、価格的にも非常に期待されており、ことしこそはと意気込んでいた矢先の出来事でした。生産農家には高齢の方々も多く、この3年連続の凶事に呆然と立ち尽くすばかりの姿もあり、今後どのようになっていくのか非常に心配されるところです。期待される収穫作業なら意欲も出ますが、実を落としていく作業も膨大であり、放置せざるを得ないところもあるようです。果実の傷跡から液が流れ出しているものもあり、腐敗が始まると木も傷んでしまいます。


 視察時は3種類に分けて収穫中でした。串ガキにするもの、被害が少なく商品として市場に出すもの、また、規格外商品として扱えるものの3種類です。しかし、その割合も少なく、被害のひどいところは90%以上廃棄処分にしなければならないとのお話でした。


 こういった状況は、待ったなしで緊急に何らかの具体的対策を打ち出さなければなりません。当初7億円を超える被害であるとのことでしたが、調査が進むにつれ、被害額は増大しているようです。


 そこで、お尋ねします。


 被災農家は、今回の被害だけでなく、3年続きの凶事によって経営資金や生活資金の困窮度が非常に高くなっています。あたごガキは、「愛媛産には、愛がある。」として進めている代表的な愛媛産品であり、周桑平野の果樹園は、西日本有数の平坦な樹園地農業を担ってもいます。これらを守るために、県はできる限りの支援を行う必要があると思います。知事は、今議会開会初日のあいさつの中で、ひょう被害に対する補助を表明され、今議会で補正予算を追加提案されるようですが、今回の被害状況はどうか。また、県はどのように地域の要望を踏まえた対策をとっていくのか、お尋ねします。


 2点目ですが、私は、被害作物を何とか廃棄処分にしない方法はないものか、対策を講じる必要があると考えます。


 生産者のお話によると、これまでにも店頭出荷のみでなく、二次加工の必要性があるということからさまざまな研究や試みをされてきたそうです。


 例えば、カキからつくるお酢、カキ酢を製品化するという試みがあり、これへの取り組みを始めたいと考えているところであるそうですが、資金面での援助があれば早急に取りかかることができ、被害作物を二次加工へと利用することができるのではないかということです。県、市、農協、生産者が協力して取り組むことで、将来的にも長期的展望が開けてくるのではないかと思います。最大の危機を最大のチャンスにするという積極的な考え方で、この取り組みへの支援をしてはいかがでしょうか、お考えをお聞かせください。


 次に、高等学校の履修不足問題について質問いたします。


 先ほどの森高議員の質問と重なるところがございますが、よろしくお願いいたします。


 文科省がかかわる数々の問題が明るみに出、連日報道される状況となっております。履修不足問題だけではなく、いじめ自殺の頻発、教育基本法改正にまつわるタウンミーティングやらせ問題、そのような中で出された教育基本法改正案の衆議院における与党の強行採決など、子供たちは、こういった状況を見る中から何を学んでいくのでしょうか。すべからく建前の影でうまくごまかし、弱気をくじき強気に寄り添い、さまざまな意見を封じ込め口を閉ざし、国家の命令あれば命を投げ出すための人材となることでしょうか。教育の現場が、子供の成長を支援するための場所として十分に機能するためには、現在のさまざまな問題を乗り越えていかなければならず、子供たちに対する大人としての責任が問われているところであると思います。


 今回出てきた履修不足の問題は、文科省が4年以上前に受けた報告の中で発覚していたにもかかわらず、きちんと調査せず放置していたことでもあり、指導要領は何のためにあるのかというところから問い直さなければならないのではないかと考えます。指導要領に教育現場が振り回されてきていたのではないかとも思えますが、県におきましても、教育現場の経験者も構成員であるはずの教育委員会がこの問題を把握していなかったことは、大学受験最優先の考え方が、高校の教育現場において大勢を占めていることの結果ではないかと考えられます。


 そこで、お尋ねします。


 まず1点目ですが、教育委員会は、履修不足の実態を把握していなかった原因をどのように分析しているのでしょうか。また、国の救済措置が出ておりますが、県として今後の対策はどのようなものにしていくのか、お聞かせください。


 2点目は、今回の履修不足問題では、来年2月中に補充授業等が完了する予定とのことですが、一番負担がかかるのは、大学受験シーズンを目前とした生徒たちです。本県の履修不足問題をめぐる状況について、文部科学省御出身の知事としてはどのように感じられているのか、御所見をお伺いいたします。


 3点目ですが、今回の履修不足問題は、これだけに限定された一つの問題とは思えず、現在の教育体制のひずみから浮上した問題と考えられます。大学入試制度や指導要領を含めた教育制度そのものを問い直す必要があるのではないでしょうか。


 では、教育制度をどのように問い直していくのか。例えば、経済協力開発機構OECDが実施した国際学力調査でトップクラスの成績を上げ、世界じゅうから注目されている国にフィンランドがあります。そのときの国際学力調査で、日本の子供たちの学力が下がったと一時期国内でも随分騒がれていましたが、フィンランドがどのような教育制度をもってこのような結果を生んでいるのか、世界じゅうから研究者や政府関係者、教育関係者が訪れているようです。本県におきましても、率先して研修に行かれた教育関係者の方もいらっしゃると伺っております。(発言する者あり)行かなかったんですか。


 フィンランドでは、国家教育委員会が1991年に組織され、教育管理機構は解体、1994年からほとんどの教育権限を自治体に移管、教育省は、学校の建物や教師の給与などの条件整備と制度構築や権限規定などの立法部門を担当、国家教育委員会は、教育内容の水準維持を行う、教科書検定は1991年に廃止、中央管轄の国家のカリキュラム大綱も国民の意見を取り込みながら年数をかけて審議会で作成され、この内容は、学年別の記述をなくし、最終学年時点の到達目標を大まかに指定するのみとなりました。どの学年でどう学ぶかは、地方自治体と学校の協議で具体化されているそうです。


 国家教育委員会は、教育内容と教育方法を統括する組織なので、教育学の専門家で構成されており、行政と学校との間に専門家集団を置くことによって、地方の利害や一時的な政治の論理に流されることなく、学校教育に教育の論理が貫徹するような仕組みをつくり出しています。行政は管理ではなく支援に徹し、学校制度は、生涯学習の原則と平等な教育機会を促進するという目標で30年以上にわたる教育改革が動いてきたと報告されており、まず、教育目標が福祉的なものとしてとらえられ、長期に安定しているということです。


 私は、これらを福田誠治教授の「競争やめたら学力世界一」という著書から知りました。この本は、フィンランド教育事情の調査報告書といった内容となっており、紹介されているさまざまな事例等、驚きを持って受けとめました。


 これら先進地の状況をそっくりそのまま日本に持ち込むことはできないかもしれませんが、そこから多くのことを学ぶことはできるはずです。


 現在、多くの問題を抱えている日本の教育をどうしていくのか、さまざまな研究を重ねながら、じっくり議論を進めなければならないとき、その最も根幹となる教育基本法改正案を強行採決するような国にあっては、教育の基本である学びのなさを露呈しているように思えてなりません。


 そこで、お尋ねします。


 県におかれましては、子供たちの健やかな成長を願い日々尽力されている教職員の方が多いことを私は実感しておりますが、教育長は、高等学校を含む教育の目標は何か。また、現在の教育制度に対してどのような御所見をお持ちか、お伺いいたします。


 次に、いじめ対策について質問します。


 いじめによる自殺が相次いでいます。


 県内におきましてもこのつらい出来事があり、9月議会でも取り上げられていました。みずから死を選ぶしかなかった子供の悲痛な心を思うと耐えがたく、私たち大人は一体何をしているのか自責の念にかられるばかりです。できることは何か、できるところから取り組んでいくしか方法がありません。国におきましては、緊急対策として、学校の相談員を増員するなどの補助拡充を検討しているようです。


 11月15日の愛媛新聞に、PTA連合会が実施したアンケートの調査結果が載せられていました。全国の高校生を対象にした「精神的いじめ」の実態調査ですが、それによると、いじめを経験したのは小学生のとき、加害者としての経験、被害者としての経験、双方とも60%前後であったということです。そしてまた、その調査では人間関係の背景を探っていますが、「心から信じられる友達がいるか」という問いかけに対し、高校生になっていじめをした子供の場合は、しない子に比べると、いないと答えた率が女子で2倍、男子で1.3倍になるという結果が出ていました。


 いじめの問題は、現に、たった今いじめられて苦しんでいる子供たちがいることが報道等により明らかになっていますが、緊急の危機介入の対策とともに、成長過程で多くの子供たちがいじめにかかわっているという実態を認識し、人間関係を背景にいじめは起こり得ることとして、それが随時解決されていくような長期的な対策が必要だと私は考えます。


 犯人を探し出せ、そして処分せよというような考え方が、国の政策を左右するような意見として扱われようとしたことなど、そのようないじめがどういうものであるかの無理解や無知が背景としている中からは、有効な対策が出てこないのではないかと思います。


 先日、いじめ対策に関するNHKのテレビ番組が放映されていました。滋賀県では、いじめ対策チームをつくり、そのメンバーに現役高校生も加え、子供たちの声を反映させながら対策を練るという試みを始めていました。また、イギリスの例では、中高生の年代の学校において、ピア・サポート・グループというその学校の生徒たちによるグループをつくり、仲間同士でいじめに立ち向かうというシステムが紹介されていました。相談者が来ると、そのケースにふさわしい2名の生徒がグループの中から選ばれ、その子たちが相談に応じます。どうしてほしいのか、どんなサポートがよいのか、相談者の意向を聞きながら対策を講じていました。このシステムにより、いじめが30%減少したそうです。これらは、今後、いじめに取り組む上で大変参考になるものと思います。


 そこで、まず、いじめ対策に向けて、県内における現在のいじめの実態はどうなっているのか。いじめの事実が明らかになった場合、現時点ではどのように対応しているのか、お尋ねします。


 また、いじめの防止についてですが、先ほども触れましたように、アンケート調査の結果から、小学生時に60%前後にも及ぶ割合の子供たちが、何らかの形でいじめにかかわっているわけですから、いじめを完全に封印してしまおうとするやり方やスローガンのみでは到底解決し得ないものだと思います。いじめは起こり得るものという前提で、ならばどういう対策で解決を図るかに知恵を出す必要があります。


 現在、市民活動として、いじめを初めとする子供への暴力防止教育に取り組んでいるグループにCAPという組織があります。全国では約160のグループがありますが、県内では、松山、今治、宇和島、新居浜、伊予に事務局を置く5つのグループがあり、メンバーは、研修・訓練を受け、資格を取得したCAPスペシャリストによって構成されています。


 CAPプログラムは、1978年にアメリカで始まって以来、経験とともに検証、研究され、また、各国各地へ波及する中、さらなる研究を重ねながら現在のプログラムに至っており、地道な活動が続けられています。このプログラムは、参加型、体験型のワークショップ形式となっており、授業時間の中で行われるものですが、その内容は、いじめ、誘拐、性的虐待の3つのテーマについて、子供たちがそういった状況に置かれたとき、また、そういう目に遭いそうになったとき、自分たちに何ができるかをロールプレイを挟みながら体験的に学ぶ仕組みになっています。また、子供ワークショップの中で、信頼できる大人に相談するよう繰り返し伝えられるため、相談してきた子供をきちんと受けとめられるように、また、大人自身のエンパワーメントのために、教職員、保護者、地域の人たちを対象とした大人ワークショップをともに行うことになっています。


 県内での活動状況は、現在、学校やPTAから個別に直接依頼があった場合にワークショップを行っていて、小学校を中心とした活動となっていますが、問題意識のいかんや置かれている状況は、学校間、地域間格差もあり、取り組みのばらつきがあるようです。


 そこで、お尋ねします。


 こういう市民活動と協働した形で取り組みを推進することは、学校ばかりでなく地域を巻き込んでのいじめ防止へとつながっていくと期待するところですが、県は、各学校の意欲的な取り組みへの支援など、いじめ防止対策に今後どのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。


 最後に、児童虐待対策について質問します。


 最近、たびたび報道されていますように、児童虐待によって子供の命が失われるケースが後を絶ちません。全国的に見て、関係機関が状況を把握していながら命を救えなかった例が多くありますが、それが関係機関の怠慢とばかりも言えず、児童虐待への対策がまだまだ十分ではない状態にあることによるものだとも思います。何をどうすれば被害を最小限に抑えることができるのか、せめて死に至る前に対処するという体制は整えていかなければなりません。


 目の前あるいはすぐそばにいる小さな子供の命が、思いもよらなかった、知らなかったという状況下や、あるいは突発的に事件に巻き込まれたなどで失われたのではなく、周囲が危険を察知していながら、みすみす見殺しにしてしまうという状況は、戦時下や非常時でもない社会においては、余りにも命が軽く扱われているとしか言いようがありません。たとえ小さな子供であっても、その命は、ほかのだれの所有物でもなく、親がどうであろうと守られてしかるべき大切な命です。子供は親の持ち物ではありませんし、生育に適さない親元に生まれたからといって、生きていく権利が侵害されていいなどということにはなりません。


 虐待の背景には、虐待をする親自身が虐待されてきた生育歴を持っていることによって、問題を抱え、支援を必要としている場合が多くあることも明らかになってきています。もちろん虐待を受けて育った人が皆虐待をするというわけではありませんが、健やかな成長が妨げられたことによる影響から、自由でいることがとても難しくなるだろうことは想像にかたくありません。ましてや人間は、いつも安泰でいられるわけではなく、危機的状況を背景とした虐待が起こり得る可能性はどこにでもあると考えられます。


 児童虐待への取り組みは、人間が生存するための最低の条件を整えることだと私は思います。最低の条件からこぼれ落ちないように実質的なサポートの仕組みが必要だと認識していますが、このことを前提に何点かお尋ねします。


 1つ目は、要保護児童対策地域協議会についてですが、以前に比べると児童虐待への取り組みは進んできています。昨年4月から、市町が児童虐待の窓口として機能することとなり、要保護児童対策地域協議会を設置することができるようになりました。それぞれの地域でその地域に合った取り組みをすること、身近に相談できる場所があること、早い対応が可能であることなど利点も多くあります。この要保護児童対策地域協議会が十分な役割を果たすことができれば、児童虐待問題の解決に向けて大きく前進するものと思いますが、現時点での県内市町の設置状況及び相談などの活動内容はどのようになっているでしょうか。また、県は協議会の効果をどうとらえているのか、お伺いします。


 2点目ですが、現在のところ各協議会はそれぞれ個別に活動しているようですが、さらに取り組みを進めていくためには、県内における状況を共有することも重要だと考えます。県の主導によってネットワーク体制をつくり、情報交換や研修によるレベルアップを図っていく必要もあると思いますが、お考えをお聞かせください。


 3点目は、児童養護施設についてですが、虐待を受けていて一時保護された子供は親元へ帰さない方がよいと判断された場合、児童養護施設へ入所することになります。児童養護施設は措置費で運営されており、問題を抱えて入所している多くの子供たちと寝食をともにしながら献身的に働く職員の方々によって成り立っている施設も多いことと思います。


 しかし、現在、施設によっては、定員いっぱいなどの状況によって被虐待児を引き受けることが難しい場合もあるとの声を聞きます。児童虐待問題の周知、啓発が進み、通告や相談がふえ迅速な対応ができたとしても、引き受けられる施設がなければ、危険を承知でまた親元へ帰さなければなりません。


 そこで、お尋ねします。


 県内における施設数や定員数など児童養護施設の状況はどうなのでしょうか。また、一人でも多くの子供が速やかに施設に入所できるよう県はどういった支援を行うのか、お伺いします。


 最後に、児童相談所の体制についてですが、児童相談所におきましては、人員も拡充され、日ごろから児童虐待問題に対して積極的に取り組まれています。


 しかし、要保護児童対策地域協議会が市町に設置されたことで、今後、より指導的立場、専門的立場としての役割が高まっていくのではないかと考えます。児童相談所が、専門家集団で構成され専門性が高まれば、地域で虐待問題にかかわる機関にとっては、迅速に指導や相談、助言を仰ぎ取り組みを進めていくことができます。児童虐待防止のためには、対策のかなめとなる児童相談所の専門性を高め、福祉関係者のみならず医療、保健、教育、警察など地域の関係機関や地域住民の幅広い協力体制を構築する必要があると思いますが、県としてのお考えをお聞かせください。


 以上で質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。失礼いたしました。(拍手)


○(篠原実議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(篠原実議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 豊島議員の質問に答弁いたします。


 まず、本県の履修不足問題をめぐる状況について、知事はどのように感じているのかとのお尋ねでございました。


 本県の多くの高等学校で必履修科目の教育が正しく行われていなかったことは、まことに残念でありまして、社会のルールを教えるべき学校が、たとえ生徒のためとはいえルールを逸脱しましたことは、真摯に反省すべきでありまして、この機会に改めて人間を育てるという教育の目的に立ち返って、指導のあり方を見直してほしいと考えております。


 また、多くの生徒や保護者に卒業できるのかという不安や補充授業による負担など、御迷惑をおかけすることになりましたことは、まことに遺憾でありますが、国の救済策も示されましたので、県教育委員会や各学校においては、何よりもその対応に全力で当たってほしいと考えております。


 さらに、この問題が全国の多くの学校で発生したことを考えますと、単に学校現場の未履修という問題だけでは片づけられないものがございまして、この機会に学習指導要領や大学入試制度、さらには、高等学校教育のあり方を含め、教育全体の問題として、その背景をよく考えていく必要もあるのではないかと感じております。


 あくまでも教育の目的は人格の完成でありまして、好ましい日本人を育成していくことだという原点を教育関係者は忘れないでほしいと思っております。


 次に、児童虐待対策に関しまして、児童相談所の専門性を高め、関係機関や地域住民との幅広い協力体制を構築する必要があると思うがどうかとのお尋ねでございました。


 児童相談所の体制につきましては、児童福祉司や心理判定員など必要な人員を平成12年度から今年度までの7年間で22名増員するなど人的拡充を図りますとともに、職員を実務経験に応じた専門研修に積極的に参加させるなど、職員個々の専門性の向上に努めているところでございます。特に、児童福祉司につきましては、これまで行政事務職のほか、心理判定員や保健師など専門職を登用してきたところでありますが、今後は、これら職種に加えて児童自立支援専門員の活用を図るなどにより、児童相談所の専門性の向上に努めてまいりたいと考えております。


 また、関係機関等との協力体制につきましては、市町の要保護児童対策地域協議会に参画いたしますとともに、児童相談所が中心となって、主任児童委員などの地域協力員を初め、市町、保健所、学校等の関係者を対象とした連絡会の開催、弁護士、医師、警察など専門家から助言いただく児童虐待事例評価検討会議の開催等によりまして、児童虐待防止に取り組んできたところであります。


 今後さらに、全国で児童虐待による不幸な事件が発生しておりますことから、特に警察を初めとする関係機関との連携強化をより一層進めてまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(濱上邦子保健福祉部長) 議長


○(篠原実議長) 濱上保健福祉部長


   〔濱上邦子保健福祉部長登壇〕


○(濱上邦子保健福祉部長) 豊島議員にお答えをいたします。


 児童虐待対策に関して、まず、市町における要保護児童対策地域協議会の設置状況及び活動内容はどうか。また、県はその効果をどうとらえているのかとのお尋ねがございました。


 現在、県内で児童福祉法に基づく要保護児童対策地域協議会は、今治市を初め11市町で設置されており、このほか松山市においては、同様な役割を果たす任意の組織が設置されております。これらの地域協議会では、児童相談所を初め学校、警察、医師会など関係機関等が参加して、代表者会議や実際に相談、援助を行う実務者で構成する会議の定期的な開催のほか、個別の事例については、随時ケース検討会議を開催しているところでございます。


 県といたしましては、児童虐待に対して、早期発見、早期対応するためには、住民に最も身近な市町において、地域協議会の設置など、多くの関係機関等が参加するネットワークづくりが効果的であると考えておりまして、19年度中にはすべての市町において地域協議会が設置されるよう強力に働きかけてまいりたいと考えております。


 次に、要保護児童対策地域協議会のネットワークをつくり、情報交換や研修によるレベルアップを図ってはどうかとのお尋ねがございました。


 要保護児童対策地域協議会等を設置している市町では、活動を行う上で、専門職など人材の確保や効果的な会議のあり方の工夫、関係機関に対する虐待防止の意識づけの必要性などの課題を抱えておりまして、各地域協議会のネットワークをつくり、情報交換や研修を行うことは必要であるというふうに考えております。


 そのため、県におきましては、今年度新たに市町担当職員を対象とした研修会を開催し、児童相談所で行った児童虐待事例検討会の結果を情報提供するとともに、結果を踏まえた事例検討を行うこととしておりまして、この機会に、お話のあった各市町地域協議会の活動状況の報告の場を設けて、情報交換を行うなど、地域協議会のネットワーク化を図り、活動内容の充実強化に向け支援してまいりたいと考えております。


 最後に、県内における施設数や定員数など児童養護施設の状況はどうか。また、被虐待児が速やかに入所できるよう県はどういった支援を行うのかとのお尋ねがございました。


 県内には、児童養護施設が10施設あり、平成18年11月1日現在、総定員数559人に対し入所児童数は532人で、入所率は95.2%となっております。施設によっては、入所率100%の施設もありますが、全県的に見ると、まだ入所できる余地はあるため、被虐待児など早急に親から引き離し施設に入所させなければならないと判断した児童につきましては、施設と調整を図り全員入所させているところでございます。


 しかし、近年、入所率が上昇していることから、今後、入所状況などについて慎重に見きわめていく必要があると考えておりまして、状況によっては、定員増が可能な施設に対して定員変更を要請するなど、被虐待児が速やかに施設に入所できるよう努めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎農林水産部長) 議長


○(篠原実議長) 高浜農林水産部長


   〔高浜壮一郎農林水産部長登壇〕


○(高浜壮一郎農林水産部長) 豊島議員にお答えします。


 ひょうによる農作物被害対策について2点ございました。


 まず、今回の被害状況はどうか。また、県はどのような対策をとるのかとのお尋ねでした。


 このたびのひょうによります農作物等の被害は、西条市を中心に今治市、松山市、東温市に及んでおりまして、その被害額は約8億3,000万円に達しております。中でも西条市周桑地区では、収穫直前のカキに深い打撲痕や葉の裂傷、落葉が発生するなど、極めて憂慮すべき事態となっております。


 このため、県におきましては、いち早く被害回復の技術指導や被害果実の販路確保対策などに取り組みますとともに、園地での農作業ボランティアやえひめ産業文化祭りにおける販売活動などを通じまして、被害農家の支援に努めているところでございます。


 しかしながら、今回のひょう被害は、このところの台風被害や価格暴落を乗り越えて経営再建に取り組んでこられた農家にとりましては大きな痛手となるものでありますことから、地元から樹勢回復のための助成や営農、生活資金への利子補給に対する要望が出されていることを踏まえまして、これらを内容とした支援を行い、農家の生産意欲の維持、向上や産地復興を図りたいと考えております。


 なお、引き続き、関係機関と連携を図りながら、現場の声に沿ったきめ細かな技術、経営改善指導などを行いますとともに、昨今の異常気象に伴います相次ぐ災害への備えとして、農業共済制度への加入促進を図り、早期の産地復興と災害に強い産地づくりに努めてまいりたいと考えております。


 次に、被害作物の利用法として、二次加工への取り組みを支援できないかとのお尋ねでした。


 加工も含めて、今回のひょうによる被害果実の販路拡大に取り組みますことは、物心両面にわたる被害農家への支援として重要な課題であると認識をいたしております。


 このため、地元JAや生産団体におきましては、果樹産地を育成するために平成15年度に県も支援をして導入をいたしましたあんぽガキ加工施設の機能を十分に活用して、あんぽガキの加工量の増大に努めるとともに、干しガキ加工業者への出荷量の拡大、お話のカキ酢の原料や干しガキを材料とした菓子などの新たな利用についても検討を進めておりまして、県といたしましてもこれらの取り組みに参画をし、指導、助言を行っているところでございます。


 なお、被害作物の加工に伴います運賃などの経費につきましても、先ほど申し上げました今回追加を予定しております予算措置のうち、営農、生活資金で対応できるように検討をしているところでございます。


 以上であります。


○(野本俊二教育長) 議長


○(篠原実議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 豊島議員にお答えをさしていただきます。


 高等学校の履修不足問題につきまして、履修不足の実態を把握していなかった原因をどのように分析し、今後どのような対策をとるのかというお尋ねでございます。


 教育課程の編成及び教科指導を行う権限は各学校長にございます。したがいまして、教育委員会としては、教育課程研究集会や校長会などでこの学習指導要領の趣旨の徹底を図りまして、適正な履修や単位認定を行うよう指導を重ねてきたところでございますけれども、実際の授業が県教委の承認した教育課程のとおり学校で行われているかどうかということまではチェックしていなかったために、今回の実態を把握することができなかったものと思っております。


 今後の対策といたしましては、当面、森高議員にもお答えいたしましたとおり、国の救済措置を活用して、各学校において計画的に補充授業などを行っておりまして、生徒には負担がかかりますけれども、確実に卒業や進学、就職ができることを第一に指導支援をしていきたいと思っております。


 また、再発防止につきましては、学校におきまして自主的に、学習指導要領の遵守の徹底や校内の点検体制の確立、時間割や授業内容の外部への公開などを行うよう指導いたしますとともに、県教委事務局に来年1月からチームを設けまして、相談しやすい窓口の設置や教育課程の実施状況を書類審査や学校訪問により確実にチェックすることとしておりまして、真摯な反省の上に立って、再発を防ぎ、学校長とともに協力して、一歩一歩県民の皆様方の信頼を回復していきたいと考えております。


 次に、高校教育における教育の目標は何か。現在の教育制度に対してどのような所見を持っているのかというお尋ねでございました。


 教育の基本的な目標は人格の完成でございますけれども、特に高等学校における教育は、国及び社会の有為な形成者として必要な資質や、さらには社会について深い理解と健全な判断力を養うということを目標として行われるものでございまして、知・徳・体の調和のとれた教育が必要でございます。


 また、その中で、生徒たちが、大学や就職など将来に向かって希望する進路を実現できるように相談指導していくことも高校教育にとってはきわめて重要なことでございます。


 御指摘のとおり、今回の問題の背景といたしまして、教育制度のあり方も問われていると認識をしております。高校時代に学ぶべきものは何かといった原点に立ち返った上で、義務教育ではない以上、学習指導要領の一層の弾力化や特色ある学校運営への支援をすべきではないか、また、必履修科目と大学入試制度のあるべき姿はどうなのか、私立の学校との不平等の是正や授業時間の運用改善などについて再考していただきたいと、そういうことを踏まえまして、高校教育の制度を実情を踏まえた望ましいものに改善していくべきと考えております。


 次に、いじめ対策につきましてお答えをします。


 県内におけるいじめの実態はどうか。また、いじめの事実が明らかになった場合、どのように対応しているのかというお尋ねでございました。


 各市町教育委員会や県立学校から報告のございました平成17年度のいじめの件数は、小学校で41件、中学校で115件、高等学校で30件の計186件でございまして、ここ10年、報告されましたいじめの件数は減少傾向にあるわけでございますけれども、このほかにも見えないところで陰湿ないじめが行われるなど、実態が十分把握できていない事例もあるのではないかと考えているところでございます。


 いじめへの対応は、一律ではございませんけれども、現在、各学校では、常にいじめられている児童生徒の気持ちに立って、児童生徒が発するサインのいち早い把握に努め、いじめと見られる状況を把握した場合には、学校ぐるみで徹底して守り通すという共通認識のもとに、速やかにチームを編成し、プライバシーや2次被害の防止にも留意しながら、いじめられている児童生徒と加害児童生徒から話を聞きますとともに、必要に応じて友人や保護者などからも情報収集をする、そして、実態を把握した上で、関係児童生徒の家庭に対しても経緯等について連絡し、防止への協力を依頼する、そして、立ち直りやいじめの解消に向けて関係児童生徒を指導しながら経過を見守っていく、また、必要に応じて、PTAとの連携や専門の臨床心理士の派遣を求めるなどの組織的な対応を行うように指導しているところでございます。


 また、お話のように、児童生徒同士でいじめを解決していくということが極めて有効であると認識をしておりまして、各学校におきましても、集会での児童生徒の意見発表や人権劇、いじめの根絶宣言など、児童生徒の主体的な活動を生かしたさまざまな対策も講じられているところでございます。


 次に、県は、各学校の意欲的な取り組みへの支援など、いじめ防止対策に今後どのように取り組んでいくのかというお尋ねでございます。


 お話にもございましたように、いじめを防ぐためには、児童生徒一人一人に、生命、命や人権を大切にする態度を養い、いじめの起こりにくい人間関係や集団をつくるとともに、いじめを回避する力、これも育てていくことが必要であると考えております。


 そのための方法といたしまして、学校では、お話にありましたCAPプログラム、これは小学校を中心に現在11市町の学校でワークショップが行われているわけでございますけれども、このCAPプログラムを初めといたしまして、このほかにも人間関係を深めたり、自分の気持ちを相手にうまく伝えたりするトレーニングなどにつきましても、児童生徒や学校、地域の実態に応じてさまざまな取り組みを行っているところでございます。


 県教育委員会といたしましては、このような児童生徒の対人関係能力の育成、これをさらに進めますとともに、教職員に対しましては、児童生徒の変化を見抜き迅速に対応する力を養うこと、さらに学校に対しましては、専門家を交えた相談体制づくりや関係機関との連携による地域ぐるみのネットワークづくりなどを積極的に進めるよう指導してまいりたいと思っております。


 また、今後の取り組みといたしましては、先週、国の教育再生会議からいじめ問題への緊急提言がありましたけれども、この中身は、既に取り組んでいるものもありまして、その中身をよく精査した上で、学校や教員がなすべきことや家庭での取り組み、さらには、県、市町教育委員会の学校サポート体制づくりなど、できるものから取り組んでまいりたいと考えております。


 以上です。


○(篠原実議長) 休憩いたします。


 午後1時から再開いたします。


     午後0時2分 休憩


  ―――――――――――――――――


     午後1時 再開


○(篠原実議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(村上要議員) 議長


○(篠原実議長) 村上要議員


   〔村上要議員登壇〕


○(村上要議員)(拍手)社会民主党の立場から、当面する県政の諸課題について質問いたします。


 まず、防災対策について、幾つかお尋ねいたします。


 その第1は、建物の耐震化促進についてであります。


 地震大国である我が国において、今後30年以内に南海地震は約50%、東南海地震は約60%の確率で起こるとする政府の地震調査研究推進本部の長期評価が公表されていることは、御案内のとおりであります。本県においては、この地震によって死者約3,000人、負傷者約4万7,000人、また、全壊・半壊家屋約29万棟などとする被害想定を基礎資料として地震防災計画を策定するとともに、諸対策に取り組むこととされています。


 また、耐震化への取り組みの一環として、昭和56年の建築基準法改正に続き、平成7年の阪神・淡路大震災を受け同年12月に耐震改修促進法が施行され、さらに、その後の中越地震などを教訓として建物の耐震化を強力に進めるため、建築物に対する指導などの強化を内容とする改正耐震改修促進法が今年1月に施行されました。施行に合わせて示された国の基本方針では、住宅と病院など多くの人が利用する特定建築物の耐震化率の目標を、平成27年までに現行の75%から90%に引き上げるとしています。


 さらに、国においては、住宅・建築物耐震改修等事業の拡充及び耐震改修促進税制が創設されたところであります。具体的には、耐震改修を促進する補助制度として、住宅の耐震診断の費用を国、地方、所有者でそれぞれ3分の1ずつとするほか、耐震改修では、一定の要件を満たす地区においては国と地方が費用の7.6%ずつを負担する。また税制面で、改修費用の10%上限20万円を所得税額から控除し、建物の固定資産税を最長3年半額にするというものであります。


 この国の支援制度を活用するためには、地方において制度整備を進める必要がありますが、今年7月、国土交通省から、都道府県において制度整備を検討するとともに、管内市町村に対しても整備検討に向けた指導、助言などを行うよう通知が出されていることからもわかるように、地方においては制度整備が進んでおらず、相次ぐ地震被害や耐震偽装事件によって一たん関心が高まっていた建築物耐震化への機運と取り組みが鈍っているのではと危惧されるのであります。とは言うものの、単に市町の取り組みを期待するのには限界があるのではないかと考えられます。県も市町と一体となって地震への備え、耐震診断と耐震化に取り組むべきであり、補助制度の早期創設や耐震化を促す条例制定などにより、県民及び市町の取り組みを積極的に支援していく必要があるのではないかと考えます。


 そこで、お尋ねをいたします。


 今議会には、議員から県防災対策基本条例が上程されていますが、もう一歩進める具体的取り組みとして、県では、条例制定などにより、耐震化に係る県民及び県内市町の取り組みを支援していくお考えはありませんでしょうか、御所見をお聞かせ願いたいのであります。


 2点目として、災害時要援護者の避難支援についてお尋ねします。


 台風や梅雨前線豪雨、地震による被災状況を振り返ると、近年の特徴として、高齢者などの災害時要援護者の被災が多くなっていることが指摘されています。また、要援護者の避難支援に当たって、要援護者の情報把握が十分になされていない、避難支援者が定められていないとともに情報伝達体制が整備されていない、防災関係部局と福祉関係部局において情報が共有されておらず連携が不十分であることなどが問題とされています。


 また、政府においても、本年3月、避難支援ガイドラインの改訂を行ったと聞いておりますが、災害時要援護者の避難対策をさらに進めるために避難支援体制の具体化が必要であり、例えば、老人福祉施設などの活用による福祉避難所の設置、避難所への手話通訳者、要約筆記者の配置など支援体制を整備、充実していくとともに、保健、医療などの行政機関、介護保険制度関係者、自主防災組織、ボランティア、NPOなどのさまざまな関係者の連携を強化し、避難支援を進めることが必要であると考えます。


 そこで、お尋ねいたします。


 本県では、災害時要援護者の避難支援や情報共有にどのように取り組んでいるのでしょうか、お聞かせ願いたいのであります。


 3点目として、高潮対策についてお尋ねします。


 御案内のように、地球温暖化による海水面の上昇や近年の台風襲来による高潮による被害が心配されています。私の地元今治市波止浜地区においても、平成16年の台風襲来時に同様の心配がなされたところであり、地区住民はもとより県地方局においても慎重な検討を行うとともに関係者間において協議がなされており、関係者の熱意と努力に敬意を表するものであります。


 ところで、この波止浜地域は、海事都市今治の造船集積地であり、今治市においては造船振興計画を策定し、現在、整備に取り組まれている場所でもあります。この整備に合わせて抜本的な護岸改修を望む声もありますが、現下の厳しい財政状況もあり、思案、検討していただいていると聞いております。このほかにもさまざまな課題があろうかと思いますが、高潮対策の早期の実施が望まれております。


 そこで、お尋ねします。


 波止浜地区における高潮対策の現状及び今後の取り組みについて、御所見をお聞かせ願いたいのであります。


 次に、環境問題についてお尋ねします。


 食用油の原料として輸入された遺伝子組みかえセイヨウナタネが長野県、福岡県、千葉県、兵庫県、大阪府の5府県14カ所で自生していたことがマスコミ報道で伝えられています。このセイヨウナタネは、主にカナダから輸入されており、陸揚げ港や生産工場の周辺だけでなく、内陸部を含め国内に広く繁殖している実態が明らかとなっています。遺伝子組みかえ作物については、人体への影響や在来種との交雑が懸念されており、使用をやめるべき、また、適切な措置を講じるべきというような規制を求める声が広がっています。


 また、先日テレビ番組で北海道の白いスイートコーン栽培の例が紹介されていましたが、品種の異なる国内栽培作物同士においても、花粉の飛散など他の作物との交雑を防ぐ対策が求められており、遺伝子組みかえ作物の栽培が行われることとなれば、生態系への影響が一層懸念されます。


 これらに対する具体的取り組みの一環として、今治市では、遺伝子組みかえ作物の市内での栽培を許可制とする食と農のまちづくり条例が今年9月に制定されました。このような条例は、北海道と新潟県が制定しているのみとのことで、市町村における制定は全国初とのことのようであります。このような取り組みは、一つの市の範囲にとどまらず、同時に幅広い地域、県全体としても考える必要があるのではないかと思うのであります。


 そこで、お尋ねいたします。


 遺伝子組みかえ作物の県内での実態と今後の対応について、県はどのようにお考えでしょうか、御所見をお聞かせください。


 これに関連して、湖や池における外来魚ブラックバスやブルーギルの繁殖による在来魚への影響が危惧されています。また、県内においても、瀬戸内しまなみ海道ののり面で中国原産の植物が発見され、さらに、内子町では中国原産のシマカンギクと在来のノジギクが自然交配しているものが確認されており、先日は、松山市のため池において、外来種同士を人工的にかけ合わせた雑種のアゾラと見られる浮き草が大量繁殖するなどの実態が確認され、遺伝的干渉や外来帰化種の問題、さらには、自然破壊が懸念されるとの指摘があります。


 環境問題について考える際の県民一人一人の身近な教材、教訓とするとともに、行政としても適切な対応が求められていると考えるのであります。


 そこで、お尋ねします。


 本県における外来種による生態系への影響について、どのように普及啓発に取り組んでいくのでしょうか。


 また、佐賀県では、在来の動植物を保全し、外来種との適切な関係を維持するため、駆除活動または拡散防止活動に係る準備、実施、事後処理などに要する経費を補助する制度を設けており、本県でも、県民参加のもと、このような活動に具体的に取り組むことも有効ではないかと考えるのでありますが、いかがでしょうか、あわせて御所見をお聞かせください。


 次に、高度情報化施策の取り組みについてお尋ねします。


 都市部と地方の格差を解消し対等の立場で利用でき、また、競争できる環境整備を行うのが高度情報化であり、愛媛が全国におくれている施策の一つであるとして、加戸知事が就任直後に高度情報化元年として打ち出し取り組んでこられたところであります。


 この間、光回線による情報スーパーハイウェイ、庁内LAN、愛媛スクールネット、携帯電話の電波不達地域の解消、ADSLなどインターネット接続利用環境の整備などに次々と取り組んでこられ、愛媛の高度情報化が進んできました。これらの課題については、私も幾つか要望してきたところであり感謝するところではありますが、全国各地で同様の取り組みがなされてきていることから、全国と肩を並べるような環境が整備できているかと言えば、少々心もとないものも感じるのであります。例えば、平成18年版情報通信白書による都道府県別ブロードバンド、世帯カバー率ベースによる整備状況を見てみますと、まだまだ満足できる状況とは言えません。


 このような中、現在、地上デジタル放送が順次開始されており、2011年7月には、現行のアナログ放送からデジタル放送に完全に切りかわることとされています。見るだけ受けるだけの一方通行から、双方向での情報交換が可能となることから、私たちの生活環境の向上に大きく寄与するものと期待されています。本県でも、今年10月から松山地域で地上デジタル放送が開始され、今後、放送局による中継局の整備に伴い放送エリアが順次拡大されていく見通しであります。


 ところが2011年7月にアナログ放送が終了する時点において、全国4,700万世帯のうち、離島や山間部など約1%では採算性などの問題から中継局が整備できず、地上デジタル放送が受信できないまま取り残される可能性が高いと報道されています。


 特に、本県は離島や山間部を多く抱える複雑な地形であり、デジタル波が届かず難視聴となる世帯が生じることが懸念されておりますが、当然のことながら、地上デジタル放送移行に伴い新たに情報格差が生じてはなりません。加戸知事が就任直後に高度情報化元年と打ち出し鋭意取り組んでこられたという熱意を踏まえ、少なくとも県下くまなくデジタル放送が受信できる環境は整えられるべきであると願うものであります。


 そこで、お尋ねします。


 難視聴地域を発生させることのないよう、デジタル放送に移行する前に、その解消に向けて準備、対応をすべきであると考えるのでありますが、県はどのように取り組んでいかれるのでしょうか、御所見をお聞かせ願いたいのであります。


 次に、障害者用駐車場利用環境の整備についてお尋ねします。


 障害者も健常者もともに生きるノーマライゼーションの普及とともに、さまざまな施策が取り組まれてきました。本年6月議会において笹岡議員から障害者用駐車場のマーク改善の要望が出されていたところでありますが、関連して要望、提案いたします。


 御承知のように、私たちが買い物や公共施設、ホテル、または高速道路のサービスエリアなどを訪れたとき、障害者をあらわす国際シンボルマークを記した駐車場をよく目にいたします。この障害者用駐車スペースは、車いす使用者など障害のある方が施設を利用しやすいように、出入り口に近いところに通常の駐車スペースより広くとって設けられています。しかし、障害のある方が当該駐車スペースを利用しようとしたときに、既に健常者の車が駐車されていてとめることができなかったという声を聞きますし、私もですが、皆さんもそういう光景を見られたことがあるのではないでしょうか。


 このようなことがあり、健常者による無断駐車をなくし、一方では、障害のある方にとどまらず、一時的に歩行が困難となったけが人や妊娠されている方、難病などにより歩行が困難な方、さらに、介護認定に準ずる高齢の方など本当に障害者用駐車場を必要とする人に対して、駐車スペースを確保する方策がないものかと、ない知恵とアンテナを張りめぐらしていたのであります。


 そうしたところ、佐賀県において、パーキングパーミット・身障者用駐車場利用証制度が今年7月からスタートしているとのことでありました。この制度は、ショッピングセンターや公共的な施設の管理者と県があらかじめ協定を締結しておき、利用者は、県から利用証の交付を受け、車に表示することで駐車場を利用できることを明らかにしておくというものであります。


 この取り組みを通じて、健常者による無断駐車をなくすることはもちろん、車を運転する人々の意識と心を変えること、ひいては愛と心のネットワークづくりにも通じるのではないかと考えるのであります。本県においても取り組んでみてはどうかと提案、要望するものであります。御所見をお聞かせください。


 次に、空き交番対策についてお尋ねします。


 地域住民の安心感と安全を保障するために交番の存在が大きく寄与していることは異論のないところであろうと思われます。


 今日、本県においても事件、犯罪などが多発していることから、防止を図るために交番勤務警察官がパトロールなどに出ることも多く、住民が交番を訪れても警察官がいない場合が多い、いわゆる空き交番問題の解消について地域住民の要望が強いことを耳にしています。


 全国各地において、都市部、過疎地域を問わず犯罪が多発する中、地域住民の間には、常時交番に警察官がいてほしい、また一方では、パトロールを強化してほしいという相反するような要望があります。私は、二者択一ということではなく、どちらも同時に満たされてこそ地域住民は安心できるものと考えるのであります。


 このような要望から、警察職員OBなどが交番相談員として交番に配置され、交番警察官が、パトロールや事件、事故の対応で不在の際に地域住民からの各種届け出や相談などに対応していると聞いております。この制度は平成6年から全国で実施されているようであり、地域の治安維持という観点から、警察業務のノウハウを備えた警察職員OBを再雇用し、地域住民にとって最も身近で、安心のよりどころである交番に配置することは、団塊世代の大量退職を迎える警察にとっても人材の有効活用となるものであり、空き交番の解消にもつながるため、地域住民にとっても大いに歓迎できる対応策ではないかと評価するものであります。


 現在、県内でも主要な交番に警察職員OBを交番相談員として配置し、その役割が十分に発揮されていると聞いておりますが、本県における交番相談員の人数は、全国的に見ても非常に少ないのではないかと考えます。本年2月議会での中畑議員の質問に対して、今後、増員や効率的な運用に努めていくという御答弁もありましたが、現在でも、まだ不十分ではないかと考えるのであります。県の厳しい財政状況も承知しておりますが、地域住民の安全、安心の確保を一層図るためにも、当面、せめて全国平均並みに近づくよう、ぜひとも交番相談員の配置拡大を願うものであります。


 そこで、お尋ねします。


 当面の空き交番解消の切り札となる本県の交番相談員の配置状況はどうなっているのでしょうか。また、配置の強化に向け、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか、お聞かせ願いたいのであります。


 また、現状において空き交番となる場合の対応として、交番に連絡用の電話が設置されていますが、その電話で連絡しても先方が応答してくれなかったという例も聞かれております。現状においても、交番警察官不在時の連絡体制は最低限必要であると思われますが、どのような連絡体制になっているのでしょうか、あわせてお聞かせ願いたいのであります。


 最後に、教育問題について幾つかお尋ねいたします。


 まず、いじめについてであります。


 御承知のとおり、今、学校で、心や体を傷つける言葉によるいじめ、暴力をふるっての金品の強要などが問題となるばかりか、その結果、子供たちがみずからの命を絶つという最も悲惨な、あってはならない出来事が次々と起きています。私は、何よりも命を大切にすることがあらゆる物事の基本であり、最高のモラルと確信しております。


 NHKのある番組で、スウェーデン、カナダ、イギリス、オーストラリアなどなどにおいてもいじめが大きな問題になっていると報道されていました。その中で、オーストラリアの学者が、いじめはあるということを前提に学校教育の場で対応せねばならない、また、大切なのは加害行為をなくすること、加害者をなくすることである、さらに、加害者の中には被害を受けた経験者が多いとも発言されていました。


 安倍内閣が誕生し、政権の重要課題として教育再生の具体策を検討するという教育再生会議を立ち上げ、いじめ問題も含めて戦後60年の教育の見直しに着手していますが、私は、現在の教育基本法が示す教育の理念や目的、方針が、学校のみならず、あらゆるところで着実に具現化されることが必要であり、これがいじめ問題解決のためにも最も重要なことであると考えているのであります。


 そこで、お尋ねします。


 本県でのいじめの現状とその解決に向けた基本的な取り組みの方向について、御見解をお聞かせ願いたいのであります。


 次に、未履修問題についてであります。


 報道によりますと、高等学校において未履修の教科があり、このままでは学習指導要領の内容を満たすことができず、卒業すら危ぶまれるとのことでありました。文部科学省は、直ちに実態調査を実施すると同時に、必ず卒業できる対策を具体的に指示されております。当然のことでしょう。


 本県においても、この問題で生徒たちが動揺するとともに、学校と教師への不信を抱かせることとなる事態が生じています。また、この問題に責任を感じた学校長がみずから命を絶つという、あってはならない痛ましい事件が起きています。まことに残念なことであります。


 私は、未履修の原因として、1つには、小中学校でのゆとり教育や高校における情報などの新しい教育内容が求められるようになったことなどから、学習指導要領に沿った時間がとれない過密状況が起きていること。2つには、生徒の希望校への進学を援助するため、特に有名校の大学受験科目や試験内容に高校教育を合わせてルールに反した授業を進めたことなどがあると、ある教職にいる友人から聞いております。


 また、未履修への対応として昼休みに授業を行うなど、生徒たちに負担を強いている例があるのではないかと心配もしております。


 そこで、お尋ねします。


 県教育委員会で行った調査結果を踏まえ、本県における未履修の実態はどうであったのか、また、その原因についてどのように考えているのか、お聞かせを願いたいのであります。


 さらに、当然のことながら、未履修となっている生徒の進学や卒業については十分な対策が講じられているものとは思いますが、未履修科目への具体的対応を含め、その内容についてもお聞かせ願いたいのであります。


 次に、未履修問題に関連して、視点を変えて考察を述べてみたいと思います。


 未履修というのは、学習指導要領に示されたことが完全には満たされていないということであり、その限りではルール違反であり、それに対する責任は関係者にあるのは当然と言えましょう。しかし、関係者の責任を問うということだけで事を処してしまってよいのでしょうか。原因をかんがみるに、いささか問題が残ると考えるのであります。


 昭和22年に制定された学習指導要領の表紙には、学習指導要領(試案)と括弧でくくられていました。そして「学習の指導について、一つの動かすことのできない道を決めて、それを示そうとするような目的でつくられたものではない。新しく児童の要求と社会の要求とに応じて生まれた教育課程をどんなふうに生かして行くかを教師自身が自分で研究して行く手びきとして書かれたものである」と記されております。そして、これに基づき、教育基本法の示す教育の目的や方針のもと、各学校は校長を中心とし、子供の実態、地域の歴史や文化、環境、経済などの実態をしっかり把握し、特色ある教育計画を立てて取り組み、教育の実を上げてきたのだと多くの教育学者が語っております。


 ところが昭和33年、告示として法的拘束性を持った改訂学習指導要領により、本県においても学習指導要領の完全実施という学校教育への画一的指導が打ち出されたのであります。まさに、一人一人の子供に目を向けた生きる力をつけるための教育活動の創造に制約が加わると同時に、学校5日制、ゆとり教育によるしわ寄せが未履修問題につながったと考えられます。そして、そのようなしわ寄せが、過度の大学受験競争が生じている高校教育において顕著にあらわれたわけであります。


 私は、学習指導要領は、教育の最小限の基準を示すにとどめるべきであるとともに、各学校の教育計画をつくるに当たっては、学校現場で創造的、自主的に決めることができるよう弾力性を持たせることが根本的解決の道であると考えるのであります。教育は、まさに専門職のなせるものであり、現場の専門家である学校長を中心にした教師集団の意見を基本に、子供たちや保護者の意見を聞きながら進めるべきであり、行政はそれにきちんとこたえるべきと考えるのであります。


 そこで、お尋ねをいたします。


 高等学校の学習指導要領のあるべき姿についてどのように考えておられるのでしょうか、御所見をお伺いしたいのであります。


 以上で私の質問を終わります。


 どうもありがとうございました。(拍手)


○(篠原実議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(篠原実議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 村上議員の質問に答弁いたします。


 まず、防災対策に関しまして、災害時要援護者の避難支援や情報共有にどのように取り組むのかとのお尋ねでございました。


 本県では、一昨年の台風災害等で、高齢者等の被害が多かったことなどの課題を踏まえまして、昨年度、県地域防災計画を見直し、新たに、市町の事務として災害時要援護者に関する実態把握や避難体制の確立などを定めたところでございます。


 特に、市町に対して、要援護者一人一人ごとに避難支援者や避難方法を定める避難支援プランの策定や、災害発生時には、社会福祉施設を借り上げて要援護者の避難場所として使用するなど多様な避難所の確保。災害時要援護者の利便性等に配慮した避難所の運営などを要請いたしておりまして、一部の市町では、社会福祉法人と避難施設使用協定を締結するなどの動きも見られております。


 なお、村上議員お話の避難所への手話通訳者や要約筆記者の配置のための派遣につきましては、障害者自立支援法の施行に伴い、本年10月から、市町がこれらの者を派遣する事業を実施いたしておりまして、こうした制度を災害時要援護者の避難支援に積極的に活用するよう働きかけたいと思っております。


 また、災害時要援護者の情報共有につきましては、今後さらに防災部局と福祉部局が連携し、民生児童委員や介護職員の協力を得ながら、きめ細かな実態把握に努めるよう市町に要請しているところでありまして、要援護者の安全確保については、今般の愛媛県防災対策基本条例案にも盛り込まれているところであり、今後とも、防災関係機関、ボランティア、自主防災組織等との連携を深めながら、充実、強化をしてまいりたいと考えております。


 次に、地上デジタル放送移行までに難視聴地域を解消するためどのように取り組むのかとのお尋ねでございました。


 県では、地上デジタル放送への移行に伴い難視聴地域が生ずることのないよう、これまで、中継局整備に関する支援制度や難視聴解消施設整備事業の創設等について国に強く要望してまいりましたほか、全国知事会や条件不利地域を多く抱える33道府県で構成する地上デジタル放送普及対策検討会を通じて、地域間格差を生じさせない受信対策を国や放送事業者の責務として強く求めてきたところであります。


 このような動きを受けて、国では、来年度事業として、放送事業者の中継局整備に対する支援の拡充や共同受信施設の改修費用に対する助成制度の創設について具体的に検討が進められているところでありまして、県としても、まずは共同受信施設の現状や課題等の把握などに努めることとし、市町と連携しながら現況調査を実施しているところであります。


 今やテレビは生活の一部でありまして、今後は、他県や市町とも密接に連携しながら、国等に対して引き続き対策の強化を求めますほか、現況調査の結果や国の施策動向等を踏まえて県としても必要な対策を検討するなど、アナログ放送が終了する2011年7月までに、県内全域でデジタル放送が視聴できるよう努めてまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(三好大三郎県民環境部長) 議長


○(篠原実議長) 三好県民環境部長


   〔三好大三郎県民環境部長登壇〕


○(三好大三郎県民環境部長) 村上議員にお答えをいたします。


 環境問題についての2問目、外来種による生態系への影響について、どのように普及啓発に取り組んでいくのかという御質問でございました。


 お話がありましたように、外来種が在来の生態系に悪影響を及ぼす例が各地で報告されております。その中には、人や農林水産業に被害を及ぼすような事例も見られております。このことから、国におきましては、被害等の防止に取り組むため、17年6月に外来生物法を施行しております。これによりまして、指定した外来生物、今83種類ほど指定されておりますけれど、につきましては、原則として飼育、栽培、輸入、販売等を禁止するとされております。


 これを受けまして、県においては、外来種を「入れない」「捨てない」「拡げない」という外来生物被害防止3原則を記載しましたパンフレットなどを作成しまして、市町や学校等に配布するなど、普及啓発に努めております。


 一方、外来種の防除につきましては、平成17年2月に県では野生動植物の保護に関する基本指針を策定しまして、まずは17年度から19年度にかけ、県内に生息あるいは生育する外来種の実態調査を行っております。17年度の調査でオオクチバスなど約500種類の外来種をリストアップしておりまして、今後は、種ごとに生態系等に及ぼす影響を調査することとしております。


 なお、佐賀県では、お話にありましたように、独自に条例で外来種32種を移入規制種に指定して、ボランティア団体等による駆除活動に対しまして補助制度を設けております。本県におきましては実態調査を行っている段階でございますので、この結果を待って、効果的な防除措置を検討してまいりたいと考えております。


 以上です。


○(濱上邦子保健福祉部長) 議長


○(篠原実議長) 濱上保健福祉部長


   〔濱上邦子保健福祉部長登壇〕


○(濱上邦子保健福祉部長) 村上議員にお答えいたします。


 パーキングパーミット制度に取り組んではどうかとのお尋ねがございました。


 お話のように、ショッピングセンターなどの障害者用駐車場において、健常者のものと思われる車がとめられ困っているというお話は、障害者の方や関係団体からもお聞きいたしております。障害者用駐車場の適正な利用につきましては、広く県民の皆さんの理解を得る必要があり、県といたしましても、さわやか愛媛やホームページ等を活用して、運転者のマナーやモラルの向上に努めてまいりたいと考えております。


 御提案の佐賀県で本年7月から実施されているパーキングパーミット制度は、障害者用駐車場の利用者を明確にすることにより、対象者以外の駐車を防止し、歩行が困難な方などの駐車場確保に一定の効果が期待されますが、費用など実施する上での課題も想定されますことから、他県の状況も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎農林水産部長) 議長


○(篠原実議長) 高浜農林水産部長


   〔高浜壮一郎農林水産部長登壇〕


○(高浜壮一郎農林水産部長) 村上議員にお答えします。


 環境問題について、県内での遺伝子組みかえ作物の実態と今後の対応についてどう考えているのかとのお尋ねでした。


 県内では、愛媛大学や農業試験場等で、ユリなどの花を中心に遺伝子組みかえ作物の研究が行われておりますが、一般圃場での遺伝子組みかえ作物の栽培は行われておりません。


 遺伝子組みかえ作物の安全性につきましては、国において必要な規制が行われ、安全性が確認されているにもかかわらず、今治市等の自治体で規制をする動きがあるのは、お話の交雑に対する危惧などから、一定の規制を行うことによって地域農産物のイメージの向上などを図ることを目的としている場合が多いと聞いております。


 いずれにいたしましても住民の関心が高い問題でありますし、県としては、交雑の問題を初め、生産、流通上の混乱が生じないようにするためには、一つの自治体の範囲にとどまらず全国的なルールでの対応が必要であると考えておりまして、今後とも、国や他県などの動向把握に努めながら、規制の必要性について研究をしてまいりたいと考えております。


 以上であります。


○(清水裕土木部長) 議長


○(篠原実議長) 清水土木部長


   〔清水裕土木部長登壇〕


○(清水裕土木部長) 村上議員にお答えいたします。


 防災対策について、条例制定等により、耐震化に係る県民及び市町の取り組みを支援してはどうかとのお尋ねでした。


 建築物の耐震化につきましては、建築主や市町が主体的に取り組むべき課題であると考えております。


 県といたしましては、補助制度等の財政支援ではなく建築主が耐震化に取り組むことのできる体制や環境を整備することが役割と考えており、建築主が耐震化に取り組むことができるよう講習会による耐震技術者の養成等の体制整備やマニュアル作成等の環境整備を行っております。


 耐震診断につきましては、市町へ耐震診断補助事業の実施を積極的に働きかけました結果、全市町で実施できる体制が整備され、現在、昨年度の9市を上回る17市町で申し込みを受けている状況であります。


 また、耐震改修につきましては、建築主への情報提供として、住宅リフォーム支援事業により、県の定めた要件を満たす事業者や金利優遇措置が得られる金融機関の紹介などに努めているところであります。


 なお、村上議員御指摘の条例制定につきましては、本議会に建築物の耐震化なども含めました防災対策における県民や行政の責務、役割を定める愛媛県防災対策基本条例が提案されておりますので、その審議状況を見守ってまいりたいと考えております。


 次に、波止浜地区における高潮対策の現状及び今後の取り組みはどうかとのお尋ねでございました。


 村上議員御指摘の波止浜地区の高潮対策につきましては、波止浜水門の西側から約400m間を、現在、今治地方局建設部が護岸、岸壁等の施設や背後の道路、水路、住宅等の状況を把握するとともに、高潮時における影響を調査しているところであります。


 当該地区におきましては、岸壁や護岸の低い箇所があり、満潮時に台風が襲来したり冬季波浪が重なると浸水する可能性もあることから、現在実施している調査結果を踏まえ、今後、地元とも十分協議をし、胸壁や護岸などの効率的、効果的な整備方策を検討してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(篠原実議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 村上議員の教育問題についてお答えをさしていただきます。


 まず、本県におけるいじめの現状とその解決に向けた基本的な取り組みはどうかというお尋ねでございました。


 本県のいじめの現状につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、平成17年度は186件の報告がありました。これは平成7年の810件をピークに減少しているわけでございますけれども、最近学校からは、いじめが見えにくくなっているという話を聞いております。


 お話にもございました教育基本法には、個人の尊厳を重んじるということが示されておりまして、この理念を具現化することが、とりもなおさず、いじめ問題解消につながるものと考えております。


 その基本的な取り組みの方向につきましては、いじめは、どの学校にもどの学級にも起こり得るとの認識を持って実態の早期把握に努めること、悩みを持つ児童生徒の相談に温かく応じることができる体制づくりを行うこと、いじめが明らかになった場合には、必ず守り通すとの共通認識のもとで、家庭、地域と連携した組織的な取り組みを行うこと、いじめが解決したと見られる場合でも、継続して生徒を見守り必要な指導を行う、こういうことを重点といたしまして、各市町教育委員会や学校に対し、いじめは絶対に許さないとの強い姿勢で対処するように求めているところでございますが、さらに、国の教育再生会議の緊急提言につきましても、これを参考にして、できるものから取り組んでまいりたいと思っております。


 次に、高等学校の未履修問題につきまして、その実態と原因をどのように考えているのか。また、未履修となっている生徒の進学や卒業についての対策はどうかというお尋ねでございました。


 本県の県立高校の未履修の実態でございますけれども、日本史、世界史、地理この3つのうちで、世界史を含めて2つの科目を履修しなければならないところを1科目だけ履修した高等学校が10校、情報や世界史Aなどを2単位履修するべきところを1単位だけ履修した高等学校が11校などの不適切な授業が行われまして、全体として21校、約3,800人の生徒が未履修となっていたことが判明をいたしました。


 この問題の原因につきましては、直接的には、生徒の希望進路を実現させたいとの思いから、学習指導要領を都合のよいように解釈したり運用したことによると思われるわけでございますが、その背景といたしましては、県立高校は、特に、学校週5日制の実施や総合的な学習の時間などの新設によりまして時間割が一層窮屈になってしまったこと、学習指導要領の必履修科目のあり方や大学入試制度との関連など、高校教育のあり方にも問題があるというふうに認識をいたしております。


 既に各学校におきましては、文部科学省の救済措置を生かしまして、未履修の時間数が70時間までの場合は50時間の補充授業とレポートの提出、未履修の時間数が70時間以上の場合は70時間の補充授業とレポートの提出を行うこととしておりまして、放課後や冬休みに補充授業などを行っているところでございますが、遅くとも2月中には、すべて補充授業が終了する見込みでございます。


 このうち1校では、昼休みも活用しておりまして、確かに生徒には負担がかかっているわけでございますけれども、卒業するためにはほかに方法がないわけですので、やむを得ない措置でありまして、生徒や保護者の理解を得て補充授業をやり抜いて、生徒全員が確実に卒業や進学、就職できるように全力を尽くしてまいりたいと思っております。


 次に、高等学校の学習指導要領のあるべき姿についてどのように考えているのかというお尋ねでございました。


 学校教育そのものが公の性質を持つものでありますことから、教育課程の編成に関しまして、学習指導要領という国の基準を定めることは、一定の教育水準を確保する上で必要なことであると思っております。


 しかしながら、義務教育と違いまして高校教育は、これからますます学校現場が創意工夫をこらして、特色ある教育を進めることによって、生徒、保護者や地域の期待にこたえていくことが求められておりまして、ぜひこの機会に、国におきましても、守るべき基準は示しつつも、各学校の自主性や独自性が一層発揮できるよう、高校教育における学習指導要領の本来のあり方や弾力的な運用の拡充につきましても検討してほしいと考えております。


 以上でございます。


○(種谷良二警察本部長) 議長


○(篠原実議長) 種谷警察本部長


   〔種谷良二警察本部長登壇〕


○(種谷良二警察本部長) 村上議員にお答えいたします。


 初めに、交番相談員の配置状況及び配置強化に今後どのように取り組むのかとのお尋ねでございます。


 交番勤務の警察官が、パトロール、巡回連絡、事件・事故等の所外活動に従事し、不在がちとなる交番の不在対策の一環として交番相談員を配置しております。交番相談員は、空き交番の解消とともに、地域住民の常時交番にいてほしいという要望とパトロールを強化してほしいという相反する要望を同時に満たし、安全と安心を確保するために有効な制度であると考えているところでございます。


 依然として低い水準にある体感治安を回復するため、全国的に交番相談員の増員が図られておりまして、平成18年4月には全国で992人が増員されまして、全交番6,362カ所に対して5,214人が配置されておりまして、全交番に対する率といたしましては82.0%となっております。


 本県の交番相談員は、本年4月に3人が増員されまして55交番に対しまして17人が配置されているものの、同率でいきますと30.9%にとどまっておりまして、全国と比較して著しく低い水準にございます。また、四国4県で比較いたしましても、徳島県の26交番に37人、前年比プラス5人で142.3%、香川県の40交番に38人、前年比プラス2人で95.0%、高知県の16交番に21人、前年比プラス2人で131.3%と他県の水準に達していない状況にございます。


 県警といたしましては、今後とも積極的な交番相談員の増員に努め、繁忙な交番へ複数の交番相談員を配置するなど、治安情勢と県民のニーズに応じた適切な配置を行ってまいりたいというふうに存じます。


 また、交番相談員の制服につきましても県民から見てわかりやすく安心感を与えるものに変更するほか、効率的、弾力的な運用を図るなど、空き交番の解消と地域住民の安全安心の確保に努めてまいる所存でございます。


 次に、交番警察官不在時の連絡体制はどのようになっているのかとのお尋ねでございます。


 交番勤務員がパトロール等で不在となる場合、交番内の電話機横に本署の連絡先番号を明記した掲示板を表示して、来訪者に対して本署で対応するようにしているところでございます。また、連絡先の番号は、ほとんどの警察署で電話交換の番号を指定しておりまして、交換が用件に応じて署内の各係に接続するようにしてございます。


 警察署の電話交換は24時間体制で運用されておりまして、原則として交換手が対応することとしておりますので、通常、電話してもだれも出ないことはないと思いますが、まれに交換で電話が混雑いたしまして交換手が順次対応しているような場合もございます。その場合、電話に対応するまでに時間を要し、来訪者にだれも出ないという形で受け取られる可能性はございますので、そのようなことがあったとすれば、その方には、大変御迷惑をおかけしたと思うところでございます。


 今後、電話交換の迅速、確実な対応について指示を徹底してまいりたいというふうに考えてございます。


 以上でございます。


○(村上要議員) 議長


○(篠原実議長) 村上要議員


   〔村上要議員登壇〕


○(篠原実議長) 初めにすべての項目言ってください。


○(村上要議員) はい。再質問をいたします。


 1番、防災対策についてのうちの(1)、条例制定などによるということに対する再質問であります。


 再質問の時間も余りないということでありますので簡単に申し上げますが、先ほど土木部長から答弁をいただきましたお話は、今年1月に改正された以前の制度、それ以前の制度に基づいてなされている改修、診断改修というふうに私は認識をしておりまして、1月以降、改修に基づく制度ということでは、まだ取り組まれていないというふうに私自身が認識しており、そういう考え方で質問をしたものでありますから、例えば私が申し上げましたように、所得税あるいは固定資産税に対する課税減税の問題などにつきましても、本県で実施されているのかどうなのか、私は、なされてないのではないかというふうに思って質問しておりますので、そのところをもし私の質問が間違っておる、適切でないとすれば、それについても指摘をいただくということで答弁を再度お願いをしたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。


○(清水裕土木部長) 議長


○(篠原実議長) 清水土木部長


   〔清水裕土木部長登壇〕


○(清水裕土木部長) 村上議員の再質問にお答えいたします。


 今までの制度に基づき答弁をしておるんではないか。それで、新しい、国がことし1月に施行いたしましたものに基づく固定資産税等の減税等の制度が実際に進んでおるのかどうかというふうなことでございました。


 先ほど答弁で申し上げました内容につきましては、県としての基本的な姿勢、県、市町の役割、耐震診断に対する役割を述べさしていただいたところでございます。


 税の減免等の現状につきましては、ちょっと今の段階で具体的にどこまで進んでおるのか十分に把握しておりません。申しわけございませんが、そのような状況でございます。


 以上でございます。


○(篠原実議長) 暫時休憩いたします。


     午後1時58分 休憩


  ―――――――――――――――――


     午後2時12分 再開


○(篠原実議長) 再開いたします。


  質疑を続けます。


○(渡部浩議員) 議長


○(篠原実議長) 渡部浩議員


   〔渡部浩議員登壇〕


○(渡部浩議員)(拍手)自由民主党の渡部浩でございます。


 「ころり寝ころべば青空」放浪の俳人種田山頭火の俳句でございます。


 今、私は、自民党県連の諸先輩の温かい御指導をいただきながら、党務や政務、地域の活動などに各地を飛び回り充実した日々を過ごさしていただいており、この場をおかりしまして、改めて心から感謝申し上げます。


 こうした中で、この句に出会い、日々の忙しさの中でいかにものんびりした気分と自分を静かに見詰め直す新たな視点を与えられた思いでございました。


 現代は、社会のあらゆる面で競争が激しくなり、格差の是正が大きな社会問題となっております。世の中のお一人お一人がこの俳句に歌われているように、一瞬でもいいから日々の忙しさから離れ、寝転んで青空を無限の宇宙を感じることができ、社会全体がそんなゆとりを大きく受けとめることができれば、いじめなどで苦しむ子供たちにとりましても、一つの救いになるのではないかと念じながら、質問に入らせていただきます。


 まず、いじめや不登校の問題についてお伺いします。


 文部科学省がことし9月に公表したいじめの発生件数は、平成17年度で小中高校を合わせて2万143件となっており、平成7年度の6万96件をピークに減少してきていると言われてきました。しかし、ことしになって、本県でも8月にいじめを苦にした島嶼部の中学生の自殺が明らかとなったほか、全国的にも埼玉や福岡、大阪、山形など各地で、いじめを苦にしたと見られる中学生や高校生の自殺が相次ぎ大きな社会問題となっており、国が公表するいじめの発生件数は本当に正しいのかという疑問が提起されています。


 また、ことし8月に同省が発表した学校基本調査速報によると、平成17年度に年間30日以上欠席し、不登校とされた児童生徒数は、小中学校を合わせて12万2,255人で4年連続減少したとのことであります。ただ中学校では、平均すると36人に1人となり、少なくとも1クラスに1人は不登校の生徒がいるという驚くべき事態が続いているのであります。不登校になる直接的なきっかけとして、友人関係をめぐるトラブルなど学校生活に起因するものが35.7%に上っておりますが、その中には当然いじめも含まれていると思うのであります。


 先月26日のNHKの日曜討論において、不登校の約3分の1はいじめが原因であり、4割の子供たちが自殺したいとのアンケート調査があるとのことでした。いじめにより、ある者は不登校になり、ある者はある日突然自殺を選択するのではないかと考えられます。


 子供たちは心の発達が未熟であるため、やってよい悪いの概念や判断に対しても未熟であるのは当然でありまして、未熟な心を持った者がいじめを行うのは、あってはならないことでありますが、ある意味仕方のないことでもあります。そのことは我々大人も子供時代に体験した方々が多いのではないでしょうか。この際、学校も家庭も地域も、社会のすべての人がいじめは都会でも田舎でもどこでも起きるという前提で対応していかなければならないのではないでしょうか。その上で、今まさにいじめに苦しんでいる子供たちに申し上げたいことは、命は一つであり、どうしても苦しいなら死を選ぶことなく、今その環境から逃げてほしいということであります。


 新居浜市出身の鴻上尚史氏が先月17日の朝日新聞の「いじめられている君へ」と題するコラムの中で、「世の中はずっと広い 勇気を持って逃げて」と訴えていますが、深い共感を覚えたのであります。逃げることを何ら恥ずかしくないということを子供たちを初め我々社会全体が広く受け入れていく必要があると思うのであります。


 そこでお伺いしたい第1点は、いじめの定義についてであります。


 文部科学省では、いじめの定義について、一般的には、自分より弱いものに対して、一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものとしています。この深刻な苦痛という定義が全国的にいじめの発生件数を少なくしているのではないかという声も聞きます。私は、その状態に至るまでに、積極的にいじめととらえ、対策を講じていく必要があるのではないかと考えます。


 徒然草の一文に「身をやぶるよりも、心を痛ましむるは、人を害う事なほ甚だし。」とあります。体を傷つけるよりも心を傷つける方が、人にとってよっぽど害が大きく、心に負った傷は容易にはいやすことができません。そのことを私たち自身がわかっているようでわかってないことが多いのではないでしょうか。人の心は思っている以上にデリケートなものだと思います。


 この定義について、教育長はどのように考えておられるのか、所見をお尋ねしたいのであります。


 第2点目は、いじめ対策の一つとして、スクールカウンセラーの拡充についてであります。


 本県では、県下の中学校にスクールカウンセラーのほか、ハートなんでも相談員を配置するとともに、高校にはスクールライフアドバイザーを導入するなど先導的な取り組みを進めていただいており、心強く感じているところであります。


 しかし、これからは、いじめや不登校の多い中学校への配置拡大など柔軟な対応を初め、スクールカウンセラーの意見を学校が適切にくみ上げる仕組みづくりが課題であると考えていますが、どのように考えておられるのか、これまでの成果を踏まえてお尋ねしたいのであります。


 第3点は、心の教育の問題であります。


 司馬遼太郎氏が、昭和61年に小学校の国語教科書用に書き下ろした「二十一世紀に生きる君たちへ」の中で、「君たちは、いつの時代でもそうであったように、自己を確立せねばならない。自分に厳しく、相手にはやさしく。という自己を。そして、すなおでかしこい自己を。」と子供たちに訴えかけています。


 司馬遼太郎は、人という文字を見るとき、しばしば感動されて、いたわり、他人の痛みを感じること、優しさの3つの言葉を大切にしていたと伺っております。相次ぐいじめや不登校を初め、痛ましい少年事件などがクローズアップされている今こそ、司馬遼太郎のメッセージを強く受けとめ、心の教育、道徳教育に力を注いでいくべきではないでしょうか。


 また、月刊自由民主の中で、森隆夫お茶の水女子大学名誉教授は、高校にも道徳に特化した教科を設けることを提案しており、その際、現行の公民を改めて道徳とするとか、あるいは成人科、大人科という教科を設け、大人とは何かを考えさせてはどうかと書かれております。私も、生徒が人間としてのあり方、生き方を考え、模索するころにある高校時代にこそ、しっかりと道徳教育を行い、社会性や規範意識などの大人としての心構えを身につけるべきだと思います。


 そこで、お伺いします。


 小中学校では、道徳の時間は、相手を思いやる心の教育に一層重点を置いていただきたいと考えているのであります。また、高校では、道徳の時間はありませんが、高校は、成人となり社会的責任を負うための教育が行える最後の機会でもあり、今後、総合学習の時間などを活用して積極的に道徳教育に取り組んでいただきたいのでありますが、どのように考えておられるのか、お尋ねしたいのであります。


 次に、農業問題についてお伺いします。


 その第1は、地域農業の担い手対策についてであります。


 農林水産省では、来年度から戦後農政の転換を目標に、品目横断的な経営安定対策や農地・水・環境保全対策、米政策改革推進の新たな政策に着手し、その推進の中核として期待される担い手の育成について重点課題の大きな柱として取り組んでいくと聞いております。


 担い手育成に関して、同省の来年度予算の概算要求を見ますと、来年度から3年間を集中改革期間として、担い手向けの農業近代化資金貸付金の無利子化や無担保、無保証人による貸し付けを創設するほか、担い手がトラクターやハウスなどを借入金で購入する際に3割を補助する制度の創設、担い手に対する農地集約を促進するための助成金など、多種多様な事業の実施を検討しているのであります。


 県内農業も多くの地域で担い手不足に悩み、農業者の高齢化がますます進んできております。担い手の育成には、何と言っても、もうかる農業経営の確立が第一でありますが、それと合わせて支援の枠組みをしっかり構築していくことが大切であります。幸い県におかれても、認定農業者への経営相談を初め、組織化、法人化に対する支援、認定農業者が行う農地の集積に対する奨励金の交付など各種の担い手対策を講じてきておられます。


 そこで、お伺いします。


 県内における地域農業の担い手の育成状況はどうなっているのか。また、今後の対策をどのように進める考えなのか、お尋ねしたいのであります。


 農業問題の第2は、果樹振興についてであります。


 まず、先月11日未明に降ったひょうにより、深刻な被害を被ったあたごガキなどの支援対策について要望さしていただきます。


 午前中の本会議においても、我が党の森高先輩からも力強くカキ対策についての御要望があって、大変心強く思った次第でございます。


 西条市丹原町田滝地区のあたごガキは、同市の特産品で、収穫を目前に控え栽培農家の方々は大きな期待を寄せていた矢先の出来事で、農家の落胆は筆舌に尽くしがたいものがあります。


 こうした中、知事におかれては素早く被害対策の検討を表明され、被害農家にとりましては、まことに心強くありがたく感じている次第であります。この上は、迅速かつ的確な支援対策を講じられるよう強く要望いたします。


 11月6日に首都圏の大田市場などであったミカンの初競りでは、県内主力産地を有するJA西宇和産が1キロ当たり前年比66円高となり、好調なスタートを切り、ひと安心いたしました。また、11月9日には、築地市場で行われた知事のトップセールスに私も同行させていただき、本年の市場の活気を実感いたしました。


 ところで国においては、平成13年度から導入した果樹の需給調整・安定対策について、野菜と合わせて今年度で終了させ、来年度からは新たな経営支援、需給安定対策を導入していくことを決定しています。果樹では、産地、担い手が行う優良品目、品種への転換や園地の基盤整備を支援する経営支援対策や出荷集中時の需給調整対策を新たに実施することにしており、果実の価格下落時の補てん制度である果樹経営安定対策は今年度で廃止することになっています。農林水産省では、経営安定対策は価格が下がった場合の対応だったが、今後は値崩れさせないための対策を強化すると言っています。これから栽培農家が生き残っていくためには、高品質果樹の生産が一層重要な課題になってくると考えているのであります。


 こうした中、本県におきましては、平成16年度からいち早くかんきつ産地の再編を図り、産地ブランドの向上を目指したみかん産地再編緊急対策事業を実施され、大きな成果を上げてきたと伺っております。しかし、この事業も今年度で3カ年計画が終了し、関係者からは新たな事業の創設要望が強く出されているのであります。このように果樹生産を取り巻く環境は、国においても県においても大きな節目の年を迎えており、言いかえれば、生き残りをかけた新たな競争がスタートすると言えるのであります。


 そこで、お伺いします。


 国の新たな果樹政策にどのように対応し、県としてどのような支援を行おうと考えているのか、お尋ねしたいのであります。


 次に、市町への権限移譲についてお伺いします。


 全国的には市町村合併が進む中、国や都道府県、市町村のあり方についての議論が起こってきております。これまで中央主導で進められてきた行政のあり方を見直し、地方が自分たちの地域の特色を生かした地域づくりをみずからが主体となって行っていく必要があるということで、平成7年に地方分権推進法が制定され、国から地方へという基本的な考えのもとに、住民に身近な自治体へ権限や財源を移す方向で地方分権が進められてきたものと認識しております。


 政府では、今秋の臨時国会に地方分権改革推進法を提案し、さらなる改革を進めようとしております。今後は、3年以内に地方分権一括法を制定し、国から地方への権限移譲を進めるとのことであり、地方分権の流れが一層加速するものと我々も大いに期待しているところであります。


 こうした地方分権の流れは、県と市町村の関係においても同じであろうと思います。市町村は、合併し行財政規模が拡大しており、国や県から言われた政策を実施するだけではなく、住民ニーズに応じて、地域の特色を生かした独自のまちづくりを推進していく必要が以前にも増して高まってきております。また、地域づくりは、これまで行政が主導してきましたが、最近では、行政と住民がお互いに知恵と力を出し合いながら、よりよい方向を目指す住民との協働を行っていくことが主流となりつつあり、市町村は、主体性を持って地域づくりをリードしていく能力を持つことが必要となってきております。


 こうした中、本県では、県と市町が権限移譲検討協議会を設置し権限移譲に向けて積極的に協議を行っていると聞いており、先般、権限移譲推進指針を制定したとのことであります。その内容を見ると、行政サービスの向上につながる事務や市町行政の充実強化につながる事務など、54法令1,030事務が県から市町への移譲可能事務として示されております。今後、その指針に基づいて権限移譲を進めていくと思いますが、市町にとっては、合併後間もなく、行政改革を推進している最中であることや厳しい財政状況の中で新たな財政負担を強いられることなど受け入れ体制などの問題もあり、簡単には権限移譲が進まないのではないかと憂慮しております。


 そこで、お伺いします。


 県・市町権限移譲検討協議会におけるこれまでの検討状況はどうか。また、今後どのようなスケジュールで権限移譲を推進していくのかをお聞かせ願いたいのであります。


 次に、県税の徴収対策と税制改正についてお伺いします。


 まず、県税の徴収対策でありますが、最近、県では、三位一体改革の影響などを受け慢性的な財源不足が続き、厳しい財政運営を余儀なくされております。このような厳しい財政環境のもとでは、自主財源の中心である県税の収入確保対策は極めて重要な課題となっており、納めていただくべき税金についてはきちんと徴収するという県みずからの徴収努力と事務の省力化を図りつつ滞納整理を行う効果的で効率的な徴収対策が求められております。


 私は、税において一番大切なことは、その公平性の確保であると思います。悪質で常習的な滞納者に対しては毅然として差し押さえなどの滞納処分を行い、税負担の不公平感を解消し正直者が損をしない社会を実現することこそが、税金を納期内にきちんと納めている大多数の県民の声ではないでしょうか。


 総務省の調査では、平成11年度から16年度の6年間の都道府県や市町村の不納欠損は計1兆2,514億円で、年平均2,086億円に上ったことが判明しました。平成16年度の愛媛県においては、市町村分と合わせて21億6,300万円でありました。このような中で、厳格かつ適正な滞納整理の推進による徴収率の向上は、税務行政だけでなく県行政全般に対する信頼確保にもつながるものであると思うのであります。


 幸い県におかれては、ことし4月に、県と市町との協働により全国で3番目の事例となる愛媛地方税滞納整理機構を設立し、8月には、当初の徴収目標額である2億円を突破するなど、その取り組みにより、個人県民税の徴収率の向上に寄与していると伺っており、このような県の積極的な取り組みに大いに期待するとともに、徴収の現場で頑張っておられる税務職員の皆様に感謝を申し上げたいと思います。来年度からは、森林環境税に続く新税として資源循環促進税が導入される予定です。県民に新たな負担をお願いする以上、一層税の公平性の確保が求められることになります。


 また、県財政の健全化を図り、山積みする行政課題に的確に対応するためにも、私は、滞納者の生活状況をしっかり把握するなどし、貴重な自主財源である県税のより的確な徴収対策に取り組む必要があると考えております。


 そこで、お伺いします。


 これまで取り組んでこられた県税の徴収対策の成果は、財産の差し押さえ状況を含み、どのようになっているのか。また、今後どのような取り組みを行うのか、お尋ねします。


 次に、来年度に向けた税制改正についてでありますが、報道などによりますと、現在、法人課税の負担軽減策について、政府税制調査会などにおいて、生産設備などの減価償却制度の見直しが盛んに議論されております。その中で、取得価額の95%とされている償却限度を100%に引き上げること及び法定耐用年数の短縮による償却期間の大幅な短縮が求められると同時に、あわせて償却資産に係る固定資産税の課税方法の見直しが求められ、この検討が行われているところであります。法人税に係る減価償却制度の見直しは、法人税を課税標準とする法人県民税や法人税の所得金額を課税標準とする法人事業税に直接影響が及んでまいります。また仮に、法人税の減価償却制度の見直しと同様な見直しが固定資産税に対して行われることになると、全国の市町村で数千億規模の減収になるとの試算もあると伺っております。


 このような制度改正は、企業活動を活性化させる一方で、地方行政にとっては行政サービスの低下を招くばかりでなく、地方分権の推進にも影響が出るのではないかと心配いたしております。


 そこで、お伺いします。


 現在の国の法人税に係る減価償却制度の見直しの検討状況はどうなっているのか。また、この制度改正が行われた場合、本県の税収や交付税への影響はどうかお尋ねします。あわせて本県の市町に与える財政的影響についてどのように考えているのか、お聞かせください。


 次に、悪質商法対策についてお伺いします。


 全国的に振り込め詐欺や催眠商法を初め、高利をうたった怪しい金融商品やリフォーム詐欺、架空・不当請求など、いわゆる悪質商法は後を絶たず、より一層悪質化、巧妙化してきております。こうした悪質商法の被害者は、特に高齢者に多く、甘い言葉や時には脅迫めいた態度などにより、知らず知らずのうちにそのわなに絡め取られていると聞いており、強い憤りを感じているのであります。


 県内におきましても、社会問題となった昨年の住宅リフォーム詐欺を初め、ことしになっても、10月に突然営業を停止したベルル共済の問題や家庭教師名目での高額教材の販売など、詐欺、脅迫まがいの悪質商法が次々と表面化してきているのであります。特に、ベルル共済の問題では、愛媛県内でも約350人、約4億5,000万円の被害に上っていると報道されており、老後のなけなしの資金を預けた高齢者も多く、胸の詰まる思いを禁じ得ません。また、ベルル共済については、無認可共済であったために、被害者への法的保護もないのが現状であります。


 もとよりこうした悪質商法に引っかからないように、消費者としても常日ごろから進んで情報収集に努めておかなければなりません。さらに、自己責任ということも強く自覚していかなければなりません。


 しかし、甘い言葉をうのみにするなど消費者にも多少の非があるとしても、脅迫まがいの販売行為や催眠商法のほか、劇場型と言われる振り込め詐欺など、手口の悪質化や巧妙化が進んでおり、だれでもこれら悪質商法の被害に遭う可能性をはらんでいるのが実情であります。


 県におかれては、こうした被害者を一人でも出さないよう、より一層消費者への情報提供や相談体制などを強化するとともに、特定商取引に関する法律や愛媛県消費生活条例など諸法令の厳正かつ的確な運用に、これまで以上に取り組んでいかなければならないと考えています。


 そこで、お伺いします。


 悪質化、巧妙化する悪質商法に対処するため、県では、消費者への意識啓発や相談などにどのように取り組んでいるのか。また、消費生活関連法令の運用をどのように行っているのか、お尋ねしたいのであります。


 以上で質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(篠原実議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(篠原実議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 渡部議員の質問に答弁いたします。


 まず、農業問題に関しまして、国の新たな果樹政策にどのように対応し、県としてどのような支援を行おうと考えているのかとのお尋ねでございました。


 今回、国から示された新たな果樹政策は、本県の産地構造の改革や担い手の経営改善等に役立つものでありまして、需給調整や高品質果実の生産に向けた農家の努力が報われ、その生産意欲や経営の安定につながるものと期待しており、積極的に対応したいと考えております。


 しかしながら、経営支援対策として実施する基盤整備事業につきましては、本県の急傾斜地等の厳しい生産条件を踏まえますと、これまで以上にきめ細かい事業メニューが必要でありまして、本県の果樹農家がより安心できる施策となりますよう、私自身も農林水産省に出向き直接要望を行ったところでございます。


 これらの要望を踏まえた国施策の詳細な内容につきましては、年末から年明けに判明してくると思われますが、県といたしましても、地元からの要望を踏まえながら今後の対応を検討しているところであります。


 幸い本年産ミカンは、生産者の皆様の御努力もありまして、価格面では好調なスタートを切っているところでありまして、また今後、国の動向や農業団体等からの要望を見きわめながら、必要に応じて具体的な施策化を進め、渡部議員御指摘の生き残りをかけた新たな競争に打ち勝っていかなければならないと強く思っているところでございます。


 なお、御要望のありました先月のひょう被害に関しましては、地元要望を踏まえた緊急的な支援措置を本議会に追加上程いたしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


 次に、県・市町権限移譲検討協議会におけるこれまでの検討状況はどうか。また、今後、どのようなスケジュールで権限移譲を推進していくのかとのお尋ねでございました。


 市町への権限移譲につきましては、地方分権の趣旨を踏まえ、住民に身近な事務はできるだけ市町に権限を移譲し、地域の実情に応じた行政を実現することが重要だと考えておりまして、より一層の権限移譲に取り組みますため、今年度新たに設置した県・市町権限移譲検討協議会及び中核市、一般市、町ごとの検討部会での協議を踏まえ、先般、新たな権限移譲推進指針を策定し、50パッケージ1,030の権限移譲可能事務を市町に提示したところでございます。これまでの協議におきましては、市町から、行政サービスの質の向上を図るためにも権限移譲は重要という認識が示されます一方で、移譲に伴い新たな負担が発生することがないようにといった要望など、さまざまな意見が出されております。


 移譲事務の検討に当たりましては、市町によって合併時期等も異なり、移譲希望事務数や時期等に違いがあるものの、厳しい行財政改革が求められております中においても、住民の利便性が向上する事務や効率的かつ迅速な執行が図れる事務を中心に、真剣に検討いただいているところであります。


 引き続き、検討協議会において協議を行い、今年度中に、市町ごとの21年度末までの移譲事務と移譲時期を定めた権限移譲具体化プログラムを策定するとともに、個々の移譲事務について、各市町と財政支援及び人的支援措置も含めて協議、調整を行い、協議が整った段階で、平成19年度以降、順次移譲することとしておりまして、今後とも計画的かつ円滑な権限移譲を進めてまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(篠原実議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 渡部議員にお答えいたします。


 県税の徴収対策と税制改正について、まず、これまでの県税の徴収対策の成果は、財産の差し押さえ状況を含み、どうなっているのか、また、今後どのような取り組みを行うのかお尋ねですけれども、県では、平成15年度を滞納整理元年と位置づけまして、平成15年度に320件ありました差し押さえ件数が、平成17年度には1,768件になるなど、徴収対策の強化に取り組みました結果、過去最高を記録しました平成15年度への滞納繰越額約66億円が、平成17年度末には約44億円と約22億円縮減いたしましたのを初め、平成17年度の徴収率も、平成15年度の94.44%と比べますと1.65ポイントアップしまして96.09%と上昇いたしまして、全国順位も42位から35位にアップするなど、一定の成果を上げているところでございます。


 しかしながら、本県の徴収率は、依然として全国平均の96.87%を下回っておりますことから、愛媛地方税滞納整理機構による個人県民税の徴収確保に努めますとともに、自動車税等につきましては、今年度から、色付封筒いわゆるイエローカードやレッドカードによる催告書の送付でございますとか、自動車タイヤロックを活用した差し押さえ、また、インターネット公売による換価などに新たに取り組んでおりまして、引き続き、渡部議員御指摘のように、大多数の納期内納税者の視点に立って滞納整理を強力に推進し、着実に徴収率の向上に努めてまいりたいと考えております。


 次に、現在の国の法人税に係る減価償却制度の見直しの検討状況はどうか。また、この制度改正が行われた場合、本県の税収や交付税への影響はどうかとのお尋ねでございますけれども、法人税に係る減価償却制度につきましては、去る12月1日に行われました政府税制調査会の答申におきまして、償却限度額の撤廃や法定耐用年数の短縮など見直しが明記されておりますが、現在、国において対応方針が検討されているところでございます。


 仮にこの答申が実行に移された場合の本県への影響についてでございますけれども、まず、本県の法人関係税ですけれども、17年度の税収額で申しますと、県分が431億円で県税収入全体の34%を占めております。また、市町分では196億円で市町税収入全体の12%を占めておりまして、基幹税ということになっておりますけれども、国の試算をもとにおおざっぱな試算をいたしますと、今回の制度改正によりまして、県で12億円程度、また、市町で5億円程度の減収が見込まれるところであります。地方分権の推進にとって地方の税財源の充実が必要不可欠な状況の中で、また、財政状況の非常に厳しい本県といたしましては、結果的に財源不足の拡大につながるような制度改正が行われないよう望むところであります。


 また、法人税は、御承知のとおり、地方交付税の原資にもなっておりますことから、仮に何らの措置も講じられなければ、法人税の減税により地方交付税も減ることになりますので、県としても今後の動向を心配し、注視しているところでございます。


 さらに、市町の固定資産税に影響を与えるおそれについてでございますけれども、17年度の本県市町の固定資産税の税収額は892億円でございまして、本県市町税収の53%を占める最大の税目でございますけれども、このうち償却資産に係る税収は174億円と固定資産税の20%を占める重要な税源となっておりまして、仮に法人税に係る減価償却制度の見直しがそのまま固定資産税に導入された場合、現行の償却資産に係る税収の4割を上回る大幅な減収が見込まれますとともに、仮に減収が生じた場合、それをすべて交付税で補てんされるかどうかという点も定かではございませんので、本県内の市町の財政にとりましては、大きな影響が出ることが懸念されているところでございます。


 このため、県では、去る11月24日、県を初め県市長会、県町村会などいわゆる県内6団体が共同で緊急アピールをまとめまして、県選出国会議員や関係省庁に対しまして、地方税財源の充実・確保並びに固定資産税に係る現行の減価償却制度の堅持を要請したところでございますが、今後とも動向を注視していかなければならないというふうに考えているところでございます。


 以上でございます。


○(三好大三郎県民環境部長) 議長


○(篠原実議長) 三好県民環境部長


   〔三好大三郎県民環境部長登壇〕


○(三好大三郎県民環境部長) 渡部議員にお答えします。


 一番最後の悪質商法対策についての質問でございまして、消費者への意識啓発や相談などにどのように取り組んでいるかについてでございます。


 まず、消費者への意識啓発につきましては、年1回、女性総合センターにおきまして、全県の消費者を対象として講習会、参加人員300人ですけれど、開催しております。このほかにも高齢者とか若年者の被害が後を絶たないものでございますので、老人クラブの会合とか学校の現場へ地方局の職員を派遣いたしまして、高齢者など、あるいは高校生を対象として出前講座を実施しております。ここでは、悪質商法の手口や対処法、被害に遭った場合の相談窓口の周知などに努めております。ちなみにこの昨年度の実績は、高齢者等につきまして42回2,071人、高校生につきましては33回3,479人を対象として講座を開いております。


 さらに、新しい取り組みとしましては、本年5月に愛媛大学と県との連携推進会議が開催されたんですけれども、ここで合意を得まして、愛媛大学の全面的な支援を受けて、消費者問題に関するリーダー育成を主眼とする講座を来年1月から開催することにしております。これは、定員50人連続5回で愛媛大学を会場として実施します。


 一方、消費者からの相談に対しましては、消費生活センターと地方局の消費生活相談窓口の相談員に対応させておりますが、相談員を県内外の研修に参加させまして複雑化する相談に対応させるほか、法律知識を要する相談につきましては、弁護士相談の機会を設けるなどして、相談体制の充実も図っております。


 なお、情報提供につきましては、今年度から、より多くの県民の方々の意識啓発を行うため、相談事業で得ました悪質商法の手口とか、あるいは対処方法についての情報を新聞社あるいは情報誌などに提供いたしまして、掲載を依頼する取り組みも始めたところでございます。


 第2問目の消費生活関連法令の運用をどのように行っているのかについてでございます。


 悪質な取引行為に関しましては、特定商取引法におきまして類型が定められて規制をされておりますけれど、最近急増しておる架空請求につきましては規制の対象外となっております。


 県では、平成17年に消費生活条例を改正し、この架空請求を含めて、従来規定のなかった事業者の不適正な行為を禁止するとともに、これに違反する事業者がある場合には、指導あるいは勧告、さらには必要に応じて事業者名を公表することができるよう、規制の強化を行ったところでございます。


 これにあわせまして、平成17年以降、不適正な取引行為を行う事業者に対して、実際にもう指導強化をしておりまして、これまでに住宅リフォームの訪問販売を行う事業者等4社を口頭指導、浄水器の訪問販売業者等2社を文書指導しております。


 また、県の条例によりまして規制対象とした架空請求につきましては、条例に基づきまして、これまでに112事業者の事業者名を報道に発表するとともに、県のホームページにも掲載いたしまして、公表、周知し、消費者の被害の発生とか拡大防止に努めているところでございます。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎農林水産部長) 議長


○(篠原実議長) 高浜農林水産部長


   〔高浜壮一郎農林水産部長登壇〕


○(高浜壮一郎農林水産部長) 渡部議員にお答えします。


 農業問題について、県内における地域農業の担い手の育成状況はどうか。また、今後の対策をどのように進めるのかとのお尋ねでした。


 地域農業の担い手であります認定農業者は、今年度新たに認定をされた257経営体を含め、現時点で、中四国地域では最も多い4,296経営体を確保しておりますほか、小規模農家で構成される集落営農組織につきましては、水田地帯を中心に新たに25の組織を育成し、254組織が確保できております。


 県では、これらの担い手を確保、育成することが農業施策の緊急かつ重要な課題と位置づけまして、県及び市町段階に設置しております担い手育成総合支援協議会やJA担い手対策本部との連携を図りますとともに、普及組織、市町、JAで構成をする実践組織を整備をして、認定農業者となるための経営改善計画の作成や営農組織設立に向けた集落の合意形成などの支援に取り組んでいるところでございます。


 さらに県としては、日ごろの普及活動の中で、担い手が求めております営農体系、農地集積、経営資金、新技術の導入などへの要望を的確に把握をして、意欲ある農業者が効率的かつ安定的な経営が行えるよう、指導、支援に努めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(篠原実議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 渡部議員のいじめや不登校の問題につきまして、まず、いじめの定義についての所見を問うというお尋ねでございました。


 お話にございましたいじめの定義は、文部科学省が毎年度末に行います児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査という、長いこの調査において用いられているものでございますが、これは全国共通の定義として定着をしておりますし、愛媛県におきましても、この定義を使って調査を行っております。


 このうち、御指摘がありましたように、相手が深刻な苦痛を感じているものという、この深刻な苦痛の判断についてでございますが、県教育委員会といたしましては、児童生徒がいじめられているというふうに感じている限り、それは深刻な苦痛であるということで、いじめの判断は表面的、形式的に行うのではなくて、いじめられた児童生徒の気持ちに立って判断するように、市町教育委員会や学校を指導して、早期発見、早期対応を第一に心がけているところでございます。


 また、国におきましては、問題視されております従来のいじめのとらえ方や調査方法につきましては、有識者会議を立ち上げまして見直すというふうに聞いておりまして、今後、その結果を受けて、全国的な実態把握が行われるということになると思いますので、これに適切に対処してまいりたいと思っております。


 次に、スクールカウンセラーの拡充についてどう考えているのかというお尋ねでございます。


 お話にもございましたように、県教育委員会におきましては、平成11年度からスクールカウンセラーを中学校に配置してまいりましたが、昨年度からは、小学校にもかかわることができるような弾力的な運用を行いまして、今年度は、中学校で52校、小学校11校、計63校で指導、助言に当たっていただいているところでございます。


 ここ数年来、愛媛県の不登校児童生徒の出現率は、全国平均の1.13%に対しまして0.79%と低位で推移をしておりますけれども、このことは、数多くの相談活動の成果のあらわれの一つではないかというふうに考えております。また、スクールカウンセラーの配置校からは、スクールカウンセラーの専門家の助言によりまして、教職員の教育相談能力や生徒、保護者への対応の仕方が向上しているというふうな報告もいただいているところでございます。


 現在の厳しい財政状況や臨床心理士資格所有者、スクールカウンセラーは臨床心理士の資格を持っていなければいけないわけですけれども、この資格所有者が中予地域に集中しておるというのが現状でございまして、そういうことで、なかなか全県的な人数の拡大は難しい状況でございますが、1人で2校を担当してもらったり、あるいは相談経験の豊かな人を準スクールカウンセラーとして配置をいたしましたり、また、緊急時には、スクールカウンセラーの特別派遣をするといったふうな工夫して対処しておりまして、できる限り市町教育委員会の要望にこたえるよう努力してまいりたいと思っております。


 次に、道徳教育に積極的に取り組むべきと考えるがどうかというお尋ねでございます。


 現在、小中学校では、週1時間の道徳の時間に、すべての学年で思いやりや友情をテーマに取り上げまして、学校や地域での生活の中で、友達とかかわった体験をもとに本当の友達について考える授業を行ったり、総合的な学習の時間に、地域の人を迎えて、大人の考えを聞き話し合ったりするなど、全教育活動を通じまして道徳教育を行っているところでございます。


 また、推進研究校を指定いたしまして、この指定校を中心に、命を大切にする心や思いやりの心をはぐくむ教育の研究あるいは伝え合う力を養う教育の推進など、道徳教育の充実に取り組んでおりまして、今後ともこれらの取り組みを積極的に支援して、心の教育の充実を図ってまいりたいと思っております。


 また、高校におきましては、お話にもございましたように、道徳の時間はないわけでございますけれども、社会に出る一歩手前の高校生に社会の一員としての自覚や規範意識を養うと、そのために、すべての高校生に必ず保育、介護、奉仕、この3つのうち奉仕と、もう一つは保育と介護のどちらかを選んで、必ず2つ以上ですね、体験をさせるという豊かな人間性育成事業というものもやっておりますし、県内3校を選びまして、高等学校が小中学校や地域と連携するボランティアを中心とした交流体験活動などを行っているところでございます。


 さらに、高校の総合的な学習の時間におきましては、現在、人間としてのあり方生き方ということをテーマに学習を行っておりますほか、今後、生徒や教職員から、生徒に届けたい、仲間に届けたい言葉や話などを募集したり、先哲の教えをまとめまして、愛媛独自の心の教育のための資料集を作成し、活用することも計画をしておりまして、思いやりや大人としての心構えを身につけた若者を育てていきたいというふうに努力してまいりたいと思っております。


 以上でございます。


    ―――――――――――――――――


○(篠原実議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。


 明5日は、午前10時から本会議を開きます。


 日程は、全議案に対する審議の続行であります。


 本日は、これをもって散会いたします。


     午後3時4分 散会