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平成18年第297回定例会(第2号 7月 3日)




平成18年第297回定例会(第2号 7月 3日)





第297回愛媛県議会定例会会議録  第2号


平成18年7月3日(月曜日)


 
〇出席議員 48名


   1番  楠 橋 康 弘


   2番  豊 島 美 知


   3番  大 沢 五 夫


   4番  豊 田 康 志


   5番  笹 岡 博 之


   6番  鈴 木 俊 広


   7番  徳 永 繁 樹


   8番  高 山 康 人


   9番  泉   圭 一


  10番  欠     番


  11番  欠     番


  12番  阿 部 悦 子


  13番  欠     番


  14番  佐々木   泉


  15番  住 田 省 三


  16番  菅   良 二


  17番  渡 部   浩


  18番  白 石   徹


  19番  戒 能 潤之介


  20番  赤 松 泰 伸


  21番  欠     番


  22番  欠     番


  23番  井 上 和 久


  24番  栗 林 新 吾


  25番  村 上   要


  26番  高 橋 克 麿


  27番  本 宮   勇


  28番  黒 川 洋 介


  29番  河 野 忠 康


  30番  明 比 昭 治


  31番  猪 野 武 典


  32番  田 中 多佳子


  33番  篠 原   実


  34番  成 見 憲 治


  35番  藤 田 光 男


  36番  笹 田 徳三郎


  37番  寺 井   修


  38番  西 原 進 平


  39番  竹 田 祥 一


  40番  岡 田 志 朗


  41番  薬師寺 信 義


  42番  仲 田 中 一


  43番  帽 子 敏 信


  44番  横 田 弘 之


  45番  土 居 一 豊


  46番  欠     番


  47番  欠     番


  48番  清 家 俊 蔵


  49番  中 畑 保 一


  50番  森 高 康 行


  51番  柳 澤 正 三


  52番  山 本 敏 孝


  53番  谷 本 永 年


  54番  玉 井 実 雄


  55番  池 田 忠 幸


  ――――――――――


〇欠席議員 なし


  ――――――――――


〇欠  員 2名


  ――――――――――


〇出席理事者


  知事         加 戸 守 行


  副知事        吉野内 直 光


  出納長        永 野 英 詞


  公営企業管理者    和 氣 政 次


  総務部長       讀谷山 洋 司


  企画情報部長     藤 岡   澄


  県民環境部長     三 好 大三郎


  保健福祉部長     濱 上 邦 子


  経済労働部長     上 甲 啓 二


  農林水産部長     高 浜 壮一郎


  土木部長       清 水   裕


  公営企業管理局長   相 原 博 昭


  教育委員会委員    砂 田 政 輝


  教育委員会委員教育長 野 本 俊 二


  人事委員会委員    木 村 スズコ


  公安委員会委員    木 綱 俊 三


  警察本部長      粟 野 友 介


  監査委員       壺 内 紘 光


  監査事務局長     河 野 恒 樹


    ――――――――――


〇出席事務局職員


  事務局長          丹生谷 光 嘉


  事務局次長総務課長事務取扱 北 川 一 徳


  参事議事調査課長      菅   宜 登


  参事政務調査室長      森 川 保 男


  副参事総務課長補佐     門 田 正 文


  副参事議事調査課長補佐   橋 本 千 鶴


    ――――――――――


〇本日の会議に付した事件


 定第72号議案ないし定第96号議案


    ――――――――――


     午前10時 開議


○(篠原実議長) ただいまから、本日の会議を開きます。


 本日の会議録署名者に仲田中一議員、栗林新吾議員を指名いたします。


    ―――――――――――――――――


○(篠原実議長) 知事から、発言の要求がありましたので、これを許可いたします。


○(加戸守行知事) 議長


○(篠原実議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 6月28日開会日の議案説明の中で、知事等特別職の退職手当の条例改正について、算出率を引き上げると申し上げましたが、算出率を引き下げるの誤りでございますので、おわびして訂正させていただきます。


 以後、上げ下げに関する発言は、正確を期したいと存じます。


    ―――――――――――――――――


○(篠原実議長) これから、定第72号議案平成18年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第96号議案を一括議題とし、審議を進めます。


 なお、関係議案に対する人事委員会及び教育委員会の意見は、お手元に配付のとおりであります。


    ―――――――――――――――――


○(篠原実議長) これから、質疑を行います。


○(森高康行議員) 議長


○(篠原実議長) 森高康行議員


   〔森高康行議員登壇〕


○(森高康行議員)(拍手)3年ぶりに本会議質問の機会が与えられ、感謝を申し上げたいと思います。


 さて、私は昨年、議長に就任させていただき、7月からは四国ブロック選出の全国副会長にも就任させていただきました。小泉総理の推進される構造改革、いわゆる骨太の方針のもと、三位一体改革を目の当たりに見させていただき、時には地方の立場から率直な発言をさせていただくことにも恵まれました。


 地方にとって、特に本県のように財政力の弱い県にとりましては、一連の改革が大変つらい痛みの大きく伴う改革であることは論を待ちません。


 しかしながら、国の債務残高の国際比較を見ても、先進国中最悪の現況であることや小泉改革により銀行や大企業が国際競争力を回復するなど経済的回復を見るときに、人の病気に置きかえて論ずるに、例えば、風邪薬を飲ませて治療するという方向は正しい。少々苦くても風邪薬は飲まなければならない。だけれども、心臓が弱い人には心臓の薬も、胃の弱い人には胃の薬も合わせて飲ませないと治療行為としては不十分で、命の危機すら考えなければならないのであります。


 ポスト小泉のリーダーには、この地方の声を率直に受けとめていただける方を望みたいものであります。


 さらに、去る2月来県され講演なされた石原信雄元官房副長官の指摘にもありましたが、地理的、歴史的ハンディキャップを有する地域と、反対に恵まれた地域とを同列に競争させても無理との声にも励まされましたが、道路特定財源の適正な運用や本来的に地方に権利のある財源である地方交付税の果たしてきた役割を正しく継承させるためにも、地方におけるリーダーの存在も大変重要なときであると考えます。


 加戸知事におかれましては、今後とも本県の将来のみならず、哲学ある改革を国に求める意味からも、義務教育費の国庫負担制度のあり方について国を相手に闘い抜かれた経験を生かし、元気に頑張っていただくことを期待いたします。


 質問の第1は、地方交付税制度のあり方についてであります。


 竹中総務大臣は、先般、地方財政制度の問題点の一つとして、複雑でわかりにくい地方交付税制度の見直しに当たり、人口と面積を基本に配分する新型交付税を19年度予算から導入し、3年間で5兆円程度規模を目指すとの分権改革工程表を示しました。複雑な現行制度を簡素化するものでありますが、単純に人口と面積だけで算定するのではなく、地域間で自然的、社会的条件に差異があることなどを勘案して、行政需要を適切に把握した上で算定されることが望まれます。


 一方、交付税改革をめぐっては、経済財政諮問会議の民間議員や財務省が、大幅削減を念頭に国税の一定割合を自動的に繰り入れる法定率の引き下げを主張しており、到底納得できません。


 地方の歳出は、国が法令等によりその実施を義務づけたり国庫補助負担金に合わせて支出するものなど、その7割は国が関与する経費で占められており、また、今後、社会保障費などの当然増が予想されますが、こうした事情を考慮せず、何ら根拠を示すことなく地方交付税の総額を抑制することは、地方交付税の役割を無視しており、容認できないものであります。加えて、もともと税源基盤の弱い本県財政に与える影響ははかり知れないものがあると考えております。


 国は、国・地方間のバランスのとれた財政再建の実現の名のもとに、地方に大幅な歳出削減を押しつけようとしており、これまで地方が懸命に行財政改革に取り組み、国を上回るペースで歳出削減努力をしてきた経緯を無視した国の赤字の地方へのつけ回しは断じて受け入れることはできないのであります。改めるべきは改めることとしても、地方が現実に立ち行かない非現実的な改革には反対するものであります。


 5月に来県した竹中総務大臣は、改革を続ければ地域や中小企業にも波及すると理解を求めたのに対し、加戸知事は、県財政は大幅な歳出削減を強いられており、職員の給与の減額で何とかしのいでいる状況であり、地方が痛みを背負う以上に国が痛みを背負い、範を示してほしいと述べられましたが、私は、まさに加戸知事のおっしゃるとおりであると考えます。


 5月末には、全国知事会や全国県議会議長会など地方六団体が地方自治危機突破総決起大会を開催し、政府は財政再建の名目で国の赤字を地方につけ回そうとしている、国、地方が一体となって歳出削減に取り組むべきだとして、交付税削減に反対する決議を採択したところであります。


 また、6月には、地方自治法に基づく意見提出権を行使し、現行の交付税にかわり地方側が配分調整に関与する地方共有税の創設などを求める六団体の意見書を内閣と国会に提出したところでもあります。


 県内でも、愛媛県自治体代表者会議が、地方交付税制度の本質を無視した地方交付税の削減をやめ、国と地方の役割分担を明確にした上で、地方のあるべき行政サービス水準を検討し、財源保障と財源調整を適切に行い、必要な一般財源の所要額を確保するとともに、新型交付税の導入についての検討は慎重に行うことなどを盛り込んだ地方交付税改革に関する緊急アピールを取りまとめ公表するとともに、総務省や財務省などに提出されたことは大変重要なことであり、まさに時宜を得たものであります。


 6月26日に政府・与党がまとめた歳出・歳入一体改革案は、ある程度地方にも配慮した内容となっておりますが、まだまだ予断を許さない状況であり、今後とも国に対して地方交付税を削減しないよう強く要望していく必要があると考えております。


 そこで、お伺いします。


 歳出・歳入一体改革に伴う地方交付税の削減について、どのように考えているのか、お聞かせ願いたいのであります。


 質問の第2は、行政改革の推進についてであります。


 現下の国、地方を通ずる厳しい財政状況の中、行政のむだを省き、効率的な行政運営を行う行政改革が喫緊の課題となっております。そのため去る5月、その基本法である簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律いわゆる行政改革推進法が制定されました。単純に経費や人員を削ることだけが行政改革ではありません。公共サービスには行政にしかできないものもあり、国民が真に求める公共サービスは何か、行政と民間との役割分担はいかにあるべきかというこの国の形を国民とともに考え、我が国の長期的、持続的発展につなげていくことが目的でなければならないと考えます。その意味で、この法律は、政府や地方公共団体の事務事業の必要性の有無や実施主体のあり方について検討を行った上で行政改革を推進する旨、基本理念に明記されており、その着実な具体化を強く期待するものであります。


 本県でも、本年3月末に県の行政改革の基本的な指針となる愛媛県構造改革プランを策定したところです。その名の示すとおり、県を取り巻く環境変化を踏まえ、県内部の改革にとどまらず、県のあり方自体を見直し、新たな行財政運営の仕組みを構築する愛媛県の構造改革を推進するものであり、行政改革推進法の基本理念と同様、愛媛県の形を県民とともにつくっていくという強い決意を表明されたものと認識しております。


 今後、愛媛県の構造改革を行うには、県民とともに、県民の目線に立って、県のあり方、果たすべき役割を抜本的に見直していく必要があります。特に、県と市町の役割分担のあり方を見直していくことは大変重要な課題であります。住民の目線に立てば、県、市町のどちらで事務を行うかは問題ではなく、県民にとって最も効率的で効果的な住民サービスを住民に身近な市町で提供できるよう権限移譲を積極的に推進すべきであると考えます。


 そこで、第1は、既に市町への権限移譲について、県と市町が協議する場を設け協議を行っていると聞いておりますが、構造改革の理念を踏まえ、市町への権限移譲をどのように進めていくのか、お聞かせいただきたいのであります。


 さらに、県の役割やあり方を見直すとした以上、県の業務はすべからく見直す必要がありますが、県財政が極めて厳しい状況の中で、多大の財政負担が生じている公の施設のあり方の見直しについても重点的に取り組むべきであると考えます。


 そこで、第2は、県では既に昨年度から、外部有識者等から成る公の施設のあり方検討部会を設置し、県民の目線で公の施設のあり方を見直されているとのことですが、検討状況はどうか、お聞かせいただきたいのであります。


 そしてまた、行政改革にも関連すると考えますので、今議会に提案された特別職の退職手当を減ずる条例改正についての知事の所見はどうか。退職手当の支給率引き下げの考え方を含めて、お聞かせ願いたいのであります。


 さて、質問の第3は、防災・減災対策についてであります。


 家のありかさえわからない泥の海。二次災害の不安にさいなまれながらも懸命に続けられる捜索活動。そして、願いもかなわず相次いで運び出される犠牲者の方々。これは2年前の平成16年、相次ぐ台風の襲来のたびに本県で報道された土砂災害現場の状況であります。


 この年の水害による全国の被害額は、これまでの記録の実に1.5倍に上る2兆182億円であったとの報道がありましたが、本県においても、死者26名、住宅の全半壊449棟を初め未曾有の被害を招いたことは生々しい記憶でありまして、これまで我々が抱いていた愛媛県は災害が少ないという思い込みは、何の根拠もなかったこと、そして、災害はいつでもどこでも発生し得ることを改めて思い知らされたのであります。


 さて、ことしも風水害の時期を迎えました。また、本県に大きな被害をもたらす南海地震も近い将来の発生が確実視されております。私は、一昨年の大禍を忘れることなく、行政はもとより住民一人一人が、それぞれの立場で災害に対してしっかりとした備えをするとともに、一たん災害が発生した場合は、行政、民間、住民が連携した対応を求めることが、何よりも重要であると思うのであります。


 そこで、お伺いします。


 第1は、新市町における地域防災計画であります。


 災害による被害を軽減するためには、直接、住民と接し、地域防災の最前線を担う市町の役割は非常に重要であることは言うまでもなく、それぞれの市町が、近年の災害の課題を他山の石として日ごろから十分な対策を講じておく必要があり、そのためには、防災対策の具体的方針を定めた市町の地域防災計画の実効性をさらに高めていくことが不可欠であると思うのであります。


 県では、一昨年の災害を教訓として、県地域防災計画を改訂しましたが、この県計画の見直しや近年の災害を踏まえ、新市町における地域防災計画の策定や見直しの状況はどうか、お聞かせ願いたいのであります。


 第2に、地元課題でもありますが、一昨年の四国中央市と新居浜市間のすべての道路が数日間完全遮断された現実も踏まえて、高速道路など既存道路における防災機能の向上や新たなトンネル整備、状況に応じた海路の確保などさまざまな検討が必要と考えますが、この区間の緊急輸送路の確保などについてどのように考えているのか、明らかにされたいのであります。


 第3に、これまでに経験のない土砂災害であったため、今後の対策の教訓になったことも多かったこととは思いますが、例えば、流木、倒木問題に対する各部局間の連携など、一昨年の土砂災害で得た教訓をこれからどのように生かしていくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、質問の第4は、教育基本法改正案についてであります。


 教育は国家百年の計と言われます。人づくりは国の礎であり、教育は国の将来を左右する極めて重要な国家的課題であります。我が国の教育については、特に義務教育の水準の高さなど、世界に誇れるすばらしいものがあることは、だれもがひとしく認めるところであります。


 しかしながら、戦後60年が経過する中で、子供や学校を取り巻く環境は大きくさま変わりし、いじめ、不登校、学級崩壊、それに子供をめぐるさまざまな暴力事件が話題に上るたびに、今のままの教育で本当によかったのか、教育のあり方を改めて見直そうといったことが叫ばれるようになってきております。


 こうした状況を受けて、教育の根本法である教育基本法について、さきの通常国会に改正法案が提出され、改正内容の実質審議が始まりました。


 御案内のとおり、現行の基本法は、昭和22年に施行され、以来一度も改正されておりません。私自身は、現行の基本法が果たして今の時代に合っているのか、常日ごろ見直しの必要性を感じていたところであります。改正法案については、今回は国会会期の関係上、残念ながら継続審議扱いとなってしまいましたが、我が国の教育のこれからの方向を決定づける極めて重要なものとして、その成り行きに大いに注目しているところであります。


 今回は、政府が提出した改正法案では、現行の基本法の理念は尊重しつつ、家庭の教育力の回復、学校、家庭、地域社会の連携、協力のほか、公共の精神をとうとび、主体的に社会の形成に参画する態度の涵養など、今日極めて重要と考えられる理念や原則が盛り込まれております。また、愛国心の表現については、国を愛する態度を養うというのには、文言として若干ひっかかりがありますが、全体としては高く評価すべきものと考えております。


 最近、大変な話題となっている「国家の品格」の中で、著者の藤原正彦氏は、まず家族愛、それから郷土愛、それから祖国愛、そして、この3つがしっかり固まった後で、最後に人類愛、この4つの愛が極めて重要であり、このうちのどれかが欠けていたら、世界に出ていってもだれも信用してくれないと言っておられます。今回の基本法の改正案は、まさにこの4つの愛を基本に据えた、これからの21世紀を切り開く、心豊かで、そして、国際社会にも十分通用するたくましい日本人の育成を目指すものであると思っております。


 一部には、愛国心の問題をとらえて、戦前の国家主義につながり戦争への道にもつながりかねないのではないかといった指摘も見受けられますが、国民主権が確立され、しかも、現在の成熟した日本の民主主義の姿や議会制度を見れば、そのようなことが認められるはずもないことは明らかであると思います。


 そこで、お伺いいたします。


 教育基本法改正案について、知事はどのように評価しているのか、御所見を伺いたいのであります。


 次に、質問の第5は、警察問題についてであります。


 申すまでもなく、県警は本県の安全安心のためになくてはならない存在であり、まじめに懸命に生きている県民にとって、信頼され、尊敬され、ありがとう、御苦労さまと言われる組織でなければなりません。


 今回の一連の事案対応を見てまいりましたが、組織は生き物であります。今後、再発防止への取り組みをして、県民の信頼回復をしっかりとかち取ってもらいたいものです。


 今回は、2つの事案について取り上げます。


 第1は、警察情報流出についてであります。


 ウィニーを介してインターネット上に個人情報を含む捜査情報などが多量に流出していたことが、マスコミ報道で明らかになりました。


 そこで、この問題に関し、以下の4点についてお答えください。


 1つ目は、今回の流出問題から派生した捜査費の不正支出疑惑に対して、天地神明に誓ってそのような事実はないのか。事実と異なる情報提供謝礼を交付したという内容が記載された書類が作成された理由を含めてお伺いします。


 2つ目は、流出資料の中に、取り調べ手法に疑念を持たれるおそれのある内容の記載があったが、県警における取り調べの実態と職員に対する指導、教養状況はどうか。


 3つ目は、個人情報が流出した約6,200人に対する謝罪や説明は、今後どのように進めていくのか。流出した情報の中には、性犯罪の被害者にかかわる情報など二次被害が懸念されるものもあると思いますが、そのような方々に対してどのような対策を講じているのか、含めてお伺いをいたします。


 4つ目は、再発防止対策をどのように進めるのか。特に、他府県に比較して、公費パソコンの整備が遅延しているが、今後の具体的な対応はどうか。


 次に、現職警察官のけん銃の所属保管及び配置がえについてであります。


 県人事委員会は、6月6日、地域課長の行った配置がえを取り消すとともに、その余の申し立てを却下する裁決を行いました。今後の県警の対応に県民は高い関心を持っていることと存じます。


 そこで、このことに関して、以下の2点にお答えください。


 1つ目は、けん銃の所属保管と配置がえの必要性についてどのように主張していたのか。


 2つ目は、通信指令室企画係はどのような業務を行っているのか。取り消し裁決の後、企画係のポストに後任者を配置したと聞いていますが、企画係は、今でも必要なポストであると考えているのかを含めてお伺いします。


 以上、明確な答弁を求めます。


 次に、質問の第6は、高齢者の介護予防として、健康づくりについてであります。


 加戸知事は2期目の大きなテーマとして、愛と心のネットワークを提唱され、助け合い支え合いの地域社会づくりに尽力されてこられました。


 これまで家族中心であった高齢者介護におきましても、社会全体で支え合う仕組みとして、国において、介護保険制度が導入され、施設介護や専門家によるケア体制の充実が図られましたが、一方で、予想を超える行政負担の増大が国や地方の財政を大きく圧迫するところとなりました。果たして介護を受ける高齢者自身にとって、施設やヘルパー等による画一的、集団的な介護が幸せなのかとの疑問の声もあり、県におかれましては、新しい理念に基づく在宅介護研修センターを整備し、高齢者一人一人の個性や生活リズムを尊重した実践的な研修を実施されており、全国に誇り得る成果を得ているところであります。今後は、その前段階で、介護を必要とする状態にならないこと、健康であることを維持することにも意を用いる必要があると思うのであります。


 本年度から、国が策定した食育推進基本計画と計画に基づく施策が推進されることとなり、その成果にも大きな期待がなされるところでありますが、私は、健康体操などによる健康づくりが、要介護者をふやさない面から意義ある取り組みではないかと考えるものであります。例えば、松山市でも、いきいき健康体操教室など具体的な数値としてその成果が確認されているところですが、一方で、南予地方においては、合併後、折からの財政危機もあり、行政の応援が得られずに、せっかくの成果が続けられていないところもあるように聞きます。


 そこで、お伺いします。


 今後、愛と心のネットワークのもと、高齢者の介護予防としての健康づくりにどのような方針で取り組まれるのか、明らかにされたいのであります。


 最後の質問は、教員採用選考試験における加点制度の導入についてであります。


 教育の充実を図るために最も重要なことは、言うまでもなく優秀な教員の確保であります。特に、近年、学校現場では、学力の低下や子供たちの基本的生活習慣の乱れなどといったさまざまな問題にどう対処していくかが問われており、そのために、幅広い社会性、人間性、そして、指導力を有する教員の確保が今まで以上に重要になっていると思うのであります。


 県教育委員会におかれましては、これまでも教員の採用試験において、民間人面接官の起用や生徒指導等の具体的な場面での判断力を試す場面指導の導入など、採用試験の改革を積極的に進められ、人物重視の選考に取り組まれているところでありますが、今回新たに、スポーツ、芸術文化、英語力、そして、青年海外協力隊などの体験を重視して、一次選考で加点制度を導入すると伺っております。


 今回の加点内容の具体的な公表は、全国でも例のない先進的なものであり、より優秀なやる気のある人材を集める意味からも、まことに意義深いことと存じます。事実、多くのマスコミが取り上げるところとなっており、より多くの優秀な教員の確保に大きな期待をいたしております。特に、私自身もかかわってきた青年海外協力隊員に対して100点の加点が実現されたことは、本人の実績はもとより、これまでのOB、OG教員の活躍に対しても正当で高い評価をしていただいたものと、本県育てる会の一員として感謝を申し上げるところであります。このことは、国際協力機構・JICAを初め全国の関係者からも大きな喜びが表明され、注目を集めているところでもあります。


 そこで、お伺いいたします。


 平成19年度教員採用選考試験における新たな加点制度はどのような内容であり、また、どのような期待が込められているのか、明らかにされたいのであります。


 以上で私の質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(篠原実議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(篠原実議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 森高議員の質問に答弁さしていただきます。


 歳出・歳入一体改革に伴う地方交付税の削減について、どのように考えているのかとのお尋ねでございました。


 これまでの地方交付税に関する政府・与党内の議論では、例えば、先月23日に示された財政・経済一体改革会議の素案において、交付税率の引き下げにつながりかねない表現が盛り込まれるなど、地方交付税が基本的な行政サービスの提供に必要不可欠な地方固有の財源であるという本質や、これまでに地方が国を上回るペースで歳出削減努力をしてきた経緯を無視し、国の財政再建のために地方に大幅な歳出削減を押しつけようとする姿勢が見られるところでありまして、このような議論が行われること自体極めて遺憾な状況と考えておりました。


 去る6月26日に経済財政諮問会議に報告された政府・与党の歳出・歳入一体改革案では、文言上「地方に安心感を持って中期的に予見可能性のある財政運営を行ってもらえるよう、地方交付税の現行水準、地方の財政収支の状況、国の一般会計予算の状況、地方財源不足に係る最近10年間ほどの国による対応等を踏まえ、適切に対処する。」とされました。しかし、今後の動向はいまだ不透明でありまして、仮に、平成16年度のような大幅な交付税等の削減が行われれば、県政運営に重大な支障が生じますことから、政府・与党間において、真の地方分権の理念に沿った検討がなされることを念願いたしますとともに、地方のあるべき行政水準の確保に必要な一般財源が確保されますよう、あらゆる機会をとらえて強く要望してまいりたいと思っております。


 なお、いわゆる新型交付税については、地域間の自然的、社会的条件に差異がありますことから、これらの行政需要を適切に把握するとともに、財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できる制度となるよう慎重に検討されるべきものと考えております。


 次に、構造改革の理念を踏まえ、市町への権限移譲をどのように進めていくのかとのお尋ねでございました。


 行政改革を推進するに当たりましては、愛媛県構造改革プランに示しておりますとおり、県や市町が、ともにパートナーとして協働していく必要があり、県民満足の最大化という観点からも、県民に身近な行政サービスはできる限り市町で提供することが望ましいとの考えのもとに、県、市町間の権限移譲のあり方を検討していくべきであると考えております。


 このため、県から市町への一層の権限移譲に取り組みますために、昨年秋に開催したえひめトップミーティングでの各市町長との合意を経て、本年4月に県・市町権限移譲検討協議会を設置いたしますとともに、中核市、一般市、町ごとに部会を設け、現在、権限移譲の具体化に向けた検討を行っているところであります。


 今後、この協議会及び部会において、具体的な移譲事務や移譲時期、支援措置等について十分協議を重ね、新たな権限移譲推進指針を策定いたしますとともに、市町ごとの権限移譲具体化プログラムを今年度中に作成し、円滑かつ計画的な権限移譲に取り組むこととしており、これらの作業を通じて、住民サービスの向上につながる実効ある権限移譲を積極的に推進してまいりたいと思っております。


 特別職の退職手当を減ずる条例改正についての知事の所見はどうかとのお尋ねでございました。


 知事等の退職手当については、知事等の退職手当に関する条例等に基づき支給されるものでありますが、その性格については、これまで定説がなく、支給基準や支給方法については、歴史的な経緯や全国の自治体の動向の中でこれまで決められてきたものと考えております。


 本県におきましては、私が知事就任後、算定方法の明確化や算出率の引き下げ等を行ってまいったところでございますが、本年4月の経済財政諮問会議における小泉総理の発言を契機に、全国的に知事等の退職手当について世論の注目が集まったところでありまして、本県においても、この機会に、現下の厳しい財政状況を踏まえ、特別職の退職手当について改めて検討を行ったところでございます。


 その結果、県の財政状況や現時点における他県の状況等を勘案し、知事については、算出率を全国下位水準となる10分の60に引き下げることが適当と判断し、あわせて副知事等についても、算出率を引き下げることとしたところでございまして、県議会を初め県民各位の御理解を賜りたいと考えております。


 教育基本法改正案について、知事はどのように評価しているのかとのお尋ねでございました。


 教育基本法は、戦後教育において大きな役割を果たしてまいりましたが、法の制定から半世紀以上が経過し、社会状況の大きな変化や教育の今日的課題が指摘される中で、その改正案が示され、これまでの基本精神は堅持しつつ、改めて我が国の教育の目指すべきものや目指すべき方向などを位置づけしようとしていることには、一定の評価をしているところでございます。


 そのうち、いわゆる愛国心は、人間本来の素直な感情として、家族愛、郷土愛、祖国愛として形づくられるものでありまして、愛国心を大上段に振りかざして強要する必要はございませんが、教育の本質である人格の完成を目指していく上で、他人を愛し、生まれ育った地域や国を愛することを一つの目標とすることは、表現の仕方はともかくといたしまして、妥当なものと考えております。


 また、このほか、改正法案では、個人の尊厳の重視、真理と平和の追求などを尊重した上で、公共の精神や伝統文化の尊重の理念、さらには、家庭教育や生涯学習、障害者への配慮などの条文が追加され、時代の要請にこたえたものにしようとしていることがうかがえます。


 教育基本法は極めて重要な法律でありまして、一度制定されれば長年にわたり存続されるべきものでありますので、今後引き続き、国会において十分議論が尽くされ、多くの国民に望まれる形で、我が国の将来を見据えた次代の法改正がなされることを期待いたしております。


 今後、愛と心のネットワークのもと、高齢者の介護予防としての健康づくりにどのような方針で取り組むのか明らかにされたいとのことでございました。


 森高議員お話のとおり、高齢者になっても健康で、介護を必要とする状態にならないことが大切でありまして、国では、介護保険制度を改正し、高齢者の自立の可能性を最大限引き出す支援を行いますため、運動機能の向上や栄養改善など、一人一人の状態に応じた介護予防を介護保険制度に新たに位置づけ、取り組みを始めたところでございます。


 県といたしましては、市町が行う介護予防の実施に中心的な役割を担う保健師など職員の研修や介護予防の事業評価を行う介護予防市町支援事業を通じて、県民が県下のどの市町においても効果的な介護予防サービスを適切に受けることができる体制整備を進めることといたしております。


 また、愛と心のネットワークづくりを推進する中で、老人クラブやボランティア団体が行う健康体操を初め、さまざまな健康づくりの自主的な活動を支援し、介護予防に積極的に取り入れることにより、県民が助け合い支え合う地域のケア体制づくりを進めていくことが有効であると考えております。


 このため、県在宅介護研修センターにおきましては、介護予防のためのボランティアを養成いたしますとともに、市町が行う介護予防やそのための健康づくりに地域のボランティアが積極的に参加できるよう支援することとしており、今後とも、健康で元気な高齢者がふえる地域社会づくりに取り組んでまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(加戸守行知事) 議長


○(篠原実議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 済みません。ただいまの退職手当の引き下げのところの答弁で、100分の60に引き下げると申し上げるべきところを10分の60と、また数字を間違えました。100分の60に引き下げるということでございます。


 訂正さしていただきます。失礼しました。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(篠原実議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 森高議員に答弁をいたします。


 私の方からは、防災・減災対策についてのうち、新市町における地域防災計画の策定や見直しの状況はどうかといった点について答弁いたします。


 県におきましては、一昨年の台風災害における課題等を踏まえ、県地域防災計画を改訂いたしました。その改訂の主な内容でございますが、市町による高齢者等災害時要援護者の避難支援体制の整備、それや孤立地区対策の推進、さらに、避難勧告等の客観的基準の策定のほか、県民一人一人の防災意識や地域コミュニティの防災力を向上させるための広報、啓発活動の展開などを新たに盛り込んだところでございます。


 一方、災害発生時におきましては、最前線を担う市町の取り組みが極めて重要でございます。そのことから、全市町に対しまして、市町の地域防災計画について、県計画を踏まえつつ地域の特性に応じて見直すよう強く要請したところでございます。その結果、これまで8つの市町が県との協議を終え、残り12市町も今年度中に策定が完了する予定でございます。


 今後、市町に対しましては、策定された地域防災計画の具体化に向けまして、避難準備情報等の発令基準や要援護者避難支援プランの策定、孤立地区への情報伝達体制の整備拡充、さらに総合防災マップの活用などを求めますとともに、市町みずからも防災訓練を実施して、応急対策活動や連絡体制を検証することを要請し、地域防災計画の実効性をさらに高めていきたいと考えております。


 以上でございます。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(篠原実議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 森高議員にお答えいたします。


 公の施設のあり方の見直しについて、検討状況はどうかとのお尋ねですけれども、公の施設のあり方の見直しにつきましては、愛媛県構造改革プランにおきまして、重点取り組み項目の1つに掲げており、昨年度、公認会計士、PTAや地域づくり関係者など民間委員10名と関係部長等で構成いたします公の施設のあり方検討部会を設置したところでありますが、その後、民間委員におきましては、各施設の現地視察やヒアリングを順次実施するなど、対象施設の現状、課題等の把握に努めているところでございます。


 今後は、民間委員によるヒアリング等を引き続き行った上で、利用者や納税者の視点に立った意見をいただき、検討部会において見直し案を作成することとしておりますが、検討に当たりましては、県議会での御議論も承りながら案の作成を行いますとともに、パブリック・コメントを通じて、幅広く県民の意見をお伺いした上で、各施設について、県としての方向性を決定したいと考えております。


 なお、スケジュールにつきましては、今回の公の施設のあり方の見直しは、議員お話のとおり、県の役割分担や財政負担も含め、各施設の将来的な方向性を示す重要なものでありますとともに、対象施設も多く、ヒアリング等に時間を要しており、十分な検討時間が必要ではないかとの民間委員の意見もありますことから、現在のところ見直し案が固まりますのは、今年度末ごろになるのではないかと考えているところであります。


 以上でございます。


○(清水裕土木部長) 議長


○(篠原実議長) 清水土木部長


   〔清水裕土木部長登壇〕


○(清水裕土木部長) 森高議員にお答えいたします。


 防災・減災対策についてのお尋ねがございました。


 まず、四国中央市と新居浜市間の緊急輸送路の確保などについて、どのように考えているのかとのお尋ねでした。


 記憶に新しい平成16年の災害では、四国中央市と新居浜市の間で、緊急輸送路である高速道路、国道11号、県道壬生川新居浜野田線を初め、すべての交通が2日間以上も通行不能になり、県民生活や経済活動に甚大な影響を及ぼしたところでございます。


 このため、高速道路については、技術検討委員会において危険箇所を抽出し、ほぼその危険箇所の対策を終えており、国道11号についても、平成17年度末に災害箇所の対策を終え、現在、抜本的な対策を図るため、国においては、新居浜船木地区検討委員会を設置し防災対策の検討が進められております。


 また、壬生川新居浜野田線については、治山事業とも調整を図りながら、本年度中に災害箇所の対策を終えるとともに、新たに橋梁の耐震対策を進めることとしております。


 なお、平成16年度災害の教訓から、平成17年2月に、愛媛県旅客船協会と協定を結び、船舶を利用した緊急輸送が可能となっております。


 県といたしましては、引き続き緊急輸送路等の防災機能の向上を図るなど、さまざまな方策につきまして、関係機関と連携をとりながら検討してまいりたいと考えております。


 次に、一昨年の土砂災害で得た教訓をこれからどのように生かしていくのかとのお尋ねでした。


 一昨年の一連の台風により、東予東部地域で土砂・流木災害が多発したことから、砂防激甚災害対策特別緊急事業等により、54カ所の砂防事業を重点的に実施してまいりました。


 それに加えまして、平成16年度に愛媛県土砂・流木災害対策検討委員会を設置し、発生原因、発生のメカニズム及びその対策について検討を行い、同委員会からは、流域全体を視野に入れた森林整備、治山事業、砂防事業、河川事業等の事業間での連携の強化や、土砂災害警戒情報の高度化など警戒避難体制の強化を図ることなどが必要である旨、答申されました。


 これを受けまして、東予東部地域の渓流において、流木をとめる効果の高い砂防堰堤等の整備にあわせまして、農林水産部局では、今年度、新たに倒木除去や渓流沿いの強度な間伐などの森林整備を実施することとしております。


 また、ソフト対策といたしましては、精度が高く、わかりやすい土砂災害警戒情報を来年度から提供するため、現在その準備を行っているところであり、今後とも、ハード対策のみならずソフト対策の充実にも努めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(篠原実議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 森高議員にお答えをさしていただきます。


 平成19年度の教員採用選考試験における新たな加点制度はどのような内容か。また、どのような期待を込めているのかとの御質問でございます。


 教員採用試験におきましては、これまでも、筆記、実技、面接などの試験を通じまして、専門知識や意欲、人間性などを重視いたしますとともに、特に面接におきまして、多様な経験や活動歴を評価する人物本位の選考を目指してまいりました。


 今回の加点制度は、今、愛媛県教育委員会として、このような資格や貴重な経験を持った人材を採用したい、求めているという意思をあらかじめ点数を明示いたしまして応募者に公表して、それぞれの分野での優秀な人材をできるだけ多く募集いたしますとともに、あわせて選考の透明性、客観性を高めることをねらいといたしております。


 加点対象分野は、体育とか英語とかの教科にとらわれることなく、すべての応募者を対象にいたしまして、平成29年愛媛国体を視野に入れました優秀なスポーツ選手、情操教育を高めていくための芸術文化にすぐれた人材、貴重な国際的ボランティアに尽力をされました青年海外協力隊経験者、英語が話せる日本人を育成するための英語力の高い人材、読書活動を一層推進していくための司書教諭資格取得者の5つの分野でございまして、50点または最高100点の加点を行うこととしております。


 また、加点にはなじみませんけれども、面接におきましては、ボランティアの活動、この経験歴なども積極的に評価していく考えでございます。


 今回のこの制度の導入によりまして、教員としての基礎的な資質、能力に加えまして、今まで以上に、貴重な経験や活動歴を有するすぐれた人物を積極的に評価、採用いたしまして、この生きた実績や経験などをしっかりと授業や部活動に生かしてもらうことによりまして、さらなる学校教育の充実と活性化に努めてまいりたいと思っております。


 以上でございます。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(篠原実議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 森高議員の御質問に答弁さしていただきます。


 このたび大量の警察情報を流出させたことにつきまして、流出したファイルに氏名などが記載された当事者やその関係者の方々に対しまして、著しく御迷惑をおかけし、また、県民の皆様に対しましては、警察の情報管理の信頼を大きく損なうこととなり、深くおわびを申し上げます。


 県警では、本年3月7日、警察情報流出事案を把握して以降、流出文書の詳細な確認調査などを行った結果、先般個人情報などの不適切な取り扱いにより大量の警察情報の流出を招いた職員などに対し、厳正な処分を実施したところであります。


 県警といたしましては、今後、信頼回復のために、全力を挙げて警察活動に取り組んでまいる所存でありますので、県民の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。


 警察問題のうち、警察情報流出について、まず、今回の流出問題から派生した捜査費の不正支出疑惑に対して、そのような事実はないのかとのお尋ねでございます。


 議員御指摘のとおり、23件の流出文書において協力者と記載された方々が、警察に対する協力事実や情報提供謝礼の受領事実などを否定する事例が認められたことなどから、当該文書の作成経緯などを詳細に調査いたしました。


 その結果、これらの文書は、県警が組織として作成、管理していた通常の捜査報告書ではなく、当該警察官が、捜査協力者に対する謝礼交付の経緯に関する個人的な手控えのメモにするために作成していたものが、パソコン上消去されずに保存されていたことが判明したものであります。


 また、事実と異なる記載がなされていた理由として、捜査協力を得た際、手控えのメモには、実際に協力を得た方の氏名ではなく、別の方の名前を仮名として記載していたことから、名前を記載された方については、警察に協力した事実も謝礼を受け取った事実もない。あるいは捜査協力を得た際、その協力を得た方に対して、謝礼を交付しようと考えて、交付した後に作成すべきメモをあらかじめ作成したものの、上司から謝礼交付を承認されなかったなどの理由で謝礼交付に至らなかったことから、名前を記載された方々については、警察に協力はしたが、謝礼を受け取った事実はないなどの状況が認められたものであります。


 さらに、当該警察官による捜査協力者に対する謝礼交付のための捜査費の執行状況を精査いたしましたところ、情報の提供を受けていることが認められ、それら個々の情報について、捜査協力者に対して謝礼が交付されているものと認められたところであります。


 したがいまして、当該警察官が捜査費を私的に費消した事実や組織ぐるみで不適正に使用した事実は認められなかったものであります。


 次に、県警における取り調べの実態と職員に対する指導、教養状況はどうかとのお尋ねでございます。


 今回流出した資料の中には、被疑者の取り調べ要領などに係る資料が含まれております。その記載内容の中に、「調べ室に入ったら自供させるまで出るな」あるいは「否認被疑者は朝から晩まで調べ室に出して調べよ、被疑者を弱らせる意味もある」との記述が認められました。


 当該資料につきましては、過去に豊富な経験と実績を有するベテラン捜査官が、みずからの体験を伝えるために、取り調べに対する考え方、心情、意見などの私見を記載したメモとしてみずからの責任で作成し使用したものでございます。この記載の真意は、若い警察官の中には取り調べを十分に行わず、供述を得て事実の解明に当たることを安易にあきらめてしまう者が見受けられることを憂慮して、後輩警察官に対して、時間をかけて被疑者のかたくなな心を開かせることの重要性を伝えようとしたものであることが判明いたしました。


 しかし、これらの記載内容の一部につきましては、警察の取り調べ手法に疑念を持たれるおそれがあり、表現に不適切な面が認められたところであります。


 警察では、被疑者の取り調べを行うに当たっては、憲法、刑事訴訟法その他法令を遵守し、人権を不当に侵害することのないよう十分配意し、また、供述の任意性、信用性を確保し、取り調べ手法に疑念を持たれるおそれがないよう努めているところであります。


 例えば、逮捕されている被疑者を取り調べるに当たっては、起床、就寝、食事などの日課時限を遵守するよう配意し、やむを得ず所定の時刻に実施できない場合は、本来の取り調べ時間をずらして休養時間を確保するなどの補完措置を講じているところであります。


 なお、取り調べにつきましては、犯罪捜査規範において取り調べの心構えなどについて規定しているほか、警察学校における教科書においても、真実の自白を得るための留意事項あるいは任意性確保のための具体的方法などが盛り込まれております。こうした心構えなどを踏まえ、過去の事例を題材にした各種の教養資料を作成し、指導教養に活用しているところであります。


 今後とも、あらゆる機会を通じて、さらに取り調べの適正確保に向けた指導教養に努めてまいる所存であります。


 次に、個人情報が流出した約6,200人に対する謝罪や説明は、今後どのように進めていくのかとのお尋ねでございます。


 約6,200人の個人情報が流出した方々に対しては、流出した情報の個々の具体的な内容や当事者の方々の事情に即して、情報流出による二次被害に遭われることのないよう、警察署など関係所属の職員と適時連携をとりながら、謝罪や説明を実施しているところであります。6月末現在で約1,000人の当事者や関係者の方々に対する謝罪や説明を終えているところであります。


 具体的には、個別に情報が流出したことに対する謝罪あるいは万が一の場合の連絡先や部外の第三者が接触しようとするなど動きがあった場合の対処のあり方など、二次被害防止のための留意事項について説明を実施しているところであります。


 今後も所要の体制を維持しながら、引き続き適切に実施してまいる所存であります。


 また、今回の情報流出の関係で、フリーダイヤルの専用電話などに寄せられる相談や問い合わせに対しましては、今後も、速やかに所要の対応を実施してまいる所存であります。


 なお、どのような事件や罪種の関係者の方々の情報が流出しているかにつきましては、関係者の方々の名誉やプライバシー保護の観点から、詳細な御説明は差し控えざるを得ないところでありまして、御理解をいただきたいと存じます。


 次に、再発防止対策をどのように進めるのかとのお尋ねでございます。


 県警では、今回の事態を受け、すべてのパソコンなどを対象として、ウィニーなどファイル共有ソフト導入状況の把握及び削除、警察情報の固有情報の確保及び削除など緊急点検を実施し、さらに、1つは、無断で警察情報を庁舎外に持ち出さない、2つは、公務使用承認を受けていない個人所有パソコンなどでは警察情報を取り扱わない、3つは、ウィニーなどを導入した個人所有パソコンを使用しない旨を誓約する確認書を全職員に提出させたほか、内部規定や指導、監督体制の見直し、各種教養制度の整備など、再発防止に向けた諸対策を全力で取り組んでいるところであります。


 県警では、公費パソコンの整備が十分とは言えず、多くの職員が私物パソコンを公務使用させざるを得ない状況にありますことから、徹底した情報セキュリティ対策が困難な状況にあり、それが今回の情報流出事案の背景の一つになっていると考えられます。


 現在、セキュリティ機能を備えた捜査支援携帯パソコン及び外部記録媒体の導入を初め、暗号化ソフトなどの整備を図っているところでありますが、職場から私物パソコンを一掃するとともに、警察情報を一元的に管理するシステムの構築を図るなど、インフラ整備が急務となっております。


 そこで、公費パソコン整備に対する国の対応状況も見きわめながら、先月発表いたしました調査報告書にある、本年度中に捜査支援携帯パソコンを整備し、第一線で捜査活動などに従事する警察職員に対して必要数を配分できるようにすることや、平成19年度中に、業務用パソコンの使用が不可欠な内勤職員にも必要数の行政情報処理パソコンをできるだけ早期に配分できるようにすることについて、今後、県財政の厳しい状況を踏まえ、どのような対応が可能か、県当局と協議しつつ検討を進めてまいりたいと存じます。


 次に、現職警察官のけん銃の所属保管及び配置がえについての御質問のうち、まず、けん銃の所属保管と配置がえの必要性についてどのように主張したのかとのお尋ねでございます。


 今回の裁決におきまして、県警の主張が認められなかったことはまことに残念であり、裁決内容を精査し、今後の対応について再審請求の可否を含めて検討を行うとともに、同様の趣旨で提訴されております国家賠償請求訴訟において、主張すべき点はしっかりと主張し、十分な理解を得られるよう努めてまいりたいと存じます。


 けん銃を所属保管する必要性についてどのような主張を行ったのかにつきましては、鉄道警察隊の警察官は、制服を着用し、駅や列車内など多くの市民が往来する中で、突発的な事件、事故に対応し、けん銃の使用をも含めた直接的な権限行使を行う部署であり、まさに体を張って市民の安全を守らなければならない職務に従事するものであります。特に、けん銃につきましては、人の命をも奪いかねない強力な武器であり、極めて危険性の高いものであります。このため、個々の警察官にとっては、その携帯と使用に当たっては、常にけん銃奪取への警戒はもとより、極めて強い緊張感、集中力を要するものであります。


 また、けん銃の管理、保管の責を負う所属長においても、高度の注意義務を持ってその管理、監督に当たっているところであります。


 したがって、今回のけん銃の所属保管につきましては、会見後の本人を取り巻く騒然とした環境の中で、万が一にも職務執行に際し冷静さや集中力を欠くようなことがあれば、本人のみならず市民の方々にも被害が及ぶことが懸念されたのであります。万が一の事件、事故やトラブルなど、所属長として想定されるあらゆる危険を回避するため、時機を失することなく行った当然の措置であるとの観点から必要な主張を行ったところであります。


 配置がえの必要性につきましては、制服で勤務する鉄道警察隊においては、けん銃の携帯が義務づけられております。このため、けん銃を携帯できない警察官に対する不可避な措置として、けん銃の携帯を要しない部署へ配置がえする必要があったものであります。


 あわせて、会見前後の本人の状況や本人を取り巻く騒然とした環境の中で、万が一の事故やトラブルを回避するため、地域課長において、課内の業務量、本人の地域警察の経歴、聞き取りの利便性などを総合的に判断し、平成17年4月に新設することが決定されていた通信指令室企画係を前倒しして設置した上で、配置がえを行ったものであるとの主張を行ったところであります。


 次に、通信指令室企画係とは、どのような業務を行っているのかとのお尋ねでございます。


 通信指令室企画係の業務内容につきましては、県内のパトカーに搭載されるなど日常の警察活動において相互通話を担う無線システムを19年ぶりに技術的に高度化した上で更新し、第一線に定着させるための新警察移動通信システムの整備に関する業務のほか、非常通報装置や携帯無線機の管理、運用に関する業務、110番通報件数の急増により加重になっている通信指令業務を行っているところであります。


 通信指令室企画係のポストは、ただいま申し上げたような業務を行っているなど必要不可欠なポストでありまして、後任者を配置して業務に当たらせているところであります。


 なお、後任者につきましては、超過勤務もしながら積極的に担当業務を推進しているところであります。


 以上でございます。


○(篠原実議長) 暫時休憩いたします。


     午前11時12分 休憩


  ―――――――――――――――――


     午前11時27分 再開


○(篠原実議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(豊島美知議員) 議長


○(篠原実議長) 豊島美知議員


   〔豊島美知議員登壇〕


○(豊島美知議員)(拍手)民主党、豊島美知でございます。


 3回目の登壇になります。よろしくお願いいたします。


 早速質問に入ります。


 まず、障害者の自立支援について質問いたします。


 成立前、関係する方々や多くの国民が反対していた障害者自立支援法が本年4月より施行されております。施行後3カ月を過ぎた時点で、どういう現象が起こっているのでしょうか。


 福岡で、応益負担による将来の生活を苦にした母子心中未遂事件が起きたことは、皆さんも御存じのことと思います。


 障害者自立支援法が障害者の立場に立った制度となるよう訴える集会が各地で開かれ、各関係団体で調査が行われ、全国的な緊急集会が開かれることなどによって、現場の混乱が目に見えてきています。


 基本構想から施行までわずか1年半。介護保険の場合は、基本構想から制度スタートまで約6年をかけました。障害者支援費制度のときも、基本構想から制度スタートまで約5年をかけています。昨年のちょうど今ごろ、この法案に反対する声も本当に大きくなり、1万1,000人もの人々が反対の緊急大行動に集いました。しかし、その後の郵政解散により一度は廃案になったものの、総選挙の結果の勢いに乗って十分な審議も行われないまま成立してしまったわけです。


 この障害者自立支援法が成立したことによって、障害者の福祉制度が大きく転換させられたといえます。何のために障害者の福祉制度が存在するのか、改めて問わなければならないと考えます。


 障害者福祉制度の意義は何なのか、どういう理念のもとでの施策であるのでしょうか。私は、障害者の人権が尊重され、多くの県民の皆さんと同じように当たり前に生きていける社会が豊かな社会であると考えております。これは国連の障害者権利宣言でも高らかにうたわれているところです。今、日本の社会福祉制度や医療制度はどんどん切り詰められていき、社会的に弱い立場に置かれている人たちにとって生きづらく、とても住みづらいものとなってきています。


 自立支援法については、応益負担の問題や障害の重い人たちに対する所得保障の確立など、自立支援法の不備の是正や修正を求める声が多く聞こえてきます。障害のある当事者の視点に立って、法や制度の問題を解決していかなければならず、その問題解決は、障害者が地域社会で働き、暮らしていくために、働く場、交通・まちづくり、住宅、介護等の諸サービスの充実など、さまざまな社会資源整備を含めた形で進められなければならないと思います。


 私は、障害者福祉制度は、後で質問いたします医療制度と同じく市場経済の原理、競争原理になじむものではなく、それに巻き込まれてしまえば、人間として生きる権利が保障されない社会になっていくのではないかと考えています。市場原理にゆだねるもの、政策として市場原理から守られなければならないものというきちんとした分け方、考え方を持たない限り、市場原理はどこまでも侵入してきます。


 また、障害者福祉制度を支えるのは、人々の助け合う気持ちであり、連帯や友愛の考え方に立つべきであると考えます。


 このことは、知事が提唱されております助け合い支え合う愛と心のネットワークにも通じるものと思いますが、今後、県はどのような姿勢で障害者福祉施策に取り組んでいかれるのか、障害者自立支援法に対する感想も含めて、知事の御所見をお聞かせください。


 次に、県内の障害者自立支援法施行後の状況について質問いたします。


 さまざまな懸念が予測されることではありましたが、最初に心配するのは、それまでサービスを利用していた人たちへの影響です。


 応益負担制度によって、利用を断念したり、また、退所の検討をしている人たちが出てきているようです。例えば、授産施設を利用して働いていた人が、たとえそれがわずかな給料であったとしても、働いてもらえる賃金というのは大切なものであったわけですが、支援法により、そこを利用するためにお金を払わなくてはいけなくなりました。その払う額がもらう賃金よりも多ければ、働き続けることを迷ってしまうのは容易に想像がつくことです。


 自立を支援するはずの法律が、自立への障害となる端的な例だと思いますが、県内の利用者にどのような影響が出ているのか、ヒアリングをするなど調査は行っていますでしょうか。把握している状況をお聞かせください。


 今まで、障害保健福祉施策は、国から県、県から市という流れで進められてきました。特に、主導的にかかわっていたのは県であり、計画を策定し、現場への対応やさまざまな問題に取り組まれてきたわけです。


 今回実施主体となりました各市町はどうでしょうか。今までかかわったことのない業務にかかわっていけるだけの十分なノウハウや情報を持ち、体制づくりができる状況にあるとはとても思えません。市町村合併などもあって、それでなくとも従来の業務を遂行していくためのシステムづくりですらままならない状態の中での法施行でありました。準備期間もないまま、なし崩し的に走りながら考えるといったふうに始まってしまいましたが、現在の市町の状況把握、関係機関の状況把握、障害者への影響をもとに、県がいかなる支援を行い、また、今後どのように取り組まれていくのか、具体的にお聞きしたいと思います。


 サービスの実施主体となる市町では、平成18年度中に障害福祉計画を策定することになっています。また県は、そのための市町に対する指導を行うこととなっています。


 障害福祉計画の策定を業者に委託する予定の自治体もあるという話も聞きましたが、どのような計画ができ上がるのか不安が生じます。計画は、その地域の当事者や家族、そして、住民の声を反映することで初めて地域の特性やニーズに見合ったものになります。それら地域の実情が十分に把握された上で、計画策定が行われていかなければなりません。


 また、計画を策定するためには専門的な知識を持った人材が必要不可欠ですが、市町では、それまでの業務内容の関係もあり福祉系の専門職が少ないのが現状となっております。各市町とも重要な役割を担いながら奮闘されていることと思いますが、専門性を持った精神保健福祉士、社会福祉士等の人材は十分ではありません。特に、精神障害者の保健福祉サービスは、保健分野で主に対応されてきた市町がほとんどではないかと認識しています。


 県におかれましては、保健所を中心として、長く精神保健福祉業務に従事してきた実績を持っていますので、その間に培われたノウハウをこの市町が策定する障害福祉計画に生かしていくべきであると考えます。関係する人々や住民のニーズを十分にくみ取り、将来を見越したビジョンを持つ障害福祉計画が策定されるように、各市町の取り組みに対し、今までの県の実績をもとに、万全の協力体制をとり十分な指導を行っていただきたいと強く望むものですが、県としてはいかがお考えでしょうか。


 今後の障害者福祉サービスの方向を決めるものとして、まずは最も重要でありますので、積極的な御答弁をお聞かせください。


 自立支援法によって、障害を持つ方々の地域生活は、どのように変わっていくのでしょうか。従来の社会復帰施設は、ことしの10月からおおむね5年間で随時新体系へ移行することとなっています。小規模作業所、通所授産施設、地域生活支援センターが新体系の中の事業へ移行していくことになるのかどうかは、今大きな問題となっています。


 現在、多くの障害者にとって、自立支援の場であり、日中の活動の拠点となり、地域に根差すことによって住民との交流にも大切な役割を果たしている小規模作業所への支援について質問します。


 自立支援法による新体系へ移行するため、県下の小規模作業所を運営する団体の多くが、NPO法人設立に努力をしています。しかしながら、現段階においても、国庫補助金の額や市町の助成金の額が不透明であり、このような状態で、今後の事業展開を予測することは難しく、困難を極めております。障害者の自立を支援していくには、そのための事業を展開していかなくてはなりません。事業を発展的に展開するためには、予算面での考慮が欠かせませんが、せめて全国の平均額並みになるようお考えいただきたいと思います。


 県におかれましては、この小規模作業所への支援をどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。


 次に、障害者の就労について質問します。


 障害者自立支援法の理念は、文字どおり障害者の自立の支援ですが、自立の一つの形として、障害を持つ方々の就労を外すことはできません。県におかれましては、障害者の就労支援に積極的な姿勢で臨まれており、インターンシップ制度を利用して県庁での職場実習が予定されるなど、大変うれしく思っております。さまざまな経験を積むことは、就労への移行として、今後就労の機会を得たときにきっと役に立つことと思います。しかし課題としてありますのは、これらのことが雇用に直接結びつくものではないということです。


 平成17年度から身体障害者を対象とする臨時職員採用試験を実施し、県の臨時職員として雇用されるなどの取り組みに加えて、県として、今後、障害者の就労に対する具体的な支援をどのように進めていくのかが大きな課題であろうかと思います。


 障害者雇用促進法では、従業員56人以上の企業で障害者を1.8%以上雇用することを義務づけていますが、障害者雇用を目的とした特例子会社の設立によって、雇用実績を親会社の法定雇用率に算入できるシステムがあります。特例子会社の設立には、障害者が5人以上、全従業員に占める比率が20%以上など、一定条件を満たすことが必要ですが、具体的な雇用の創出ということに関しまして、この制度をもっと活用していけるのではないかと考えます。もちろんこの制度を利用しないで、雇用率の基準をはるかに超える先進的企業も国内には存在しますが、特例子会社の設立はここ数年相次いでいるようですし、さまざまな課題を抱えつつも、このことは企業の社会的責任への意識の高まりが背景にあると考えられます。法定雇用率を達成しない企業は納付金を納めているのですから、特例子会社を設立していただければ、障害者の雇用は促進され、職域も拡大していき、企業の社会への貢献度も非常に高くなっていきます。


 また、障害者間の格差をなくすという自立支援法との連動もあり、この4月から精神障害者もこの雇用率にカウントされるようになりました。社会就労センター、平成12年度ですが、調査によりますと、授産施設利用者へのアンケートですが、身体・知的・精神の各障害別の一般就労希望者の数は、身体39.2%、知的40.6%、精神64.5%と精神障害者の一般就労希望が圧倒的に高くなっています。実際に就職のために施設を出たのは年間1%程度であるという現実もあるのですが、この精神障害者が雇用率にカウントされるようになったことを今後活用していくことができれば、就労を願い自立を願う障害者にとって、一つの道が開けることになります。


 本県は、民間企業における障害者雇用率は全国平均を上回っているようですが、障害があっても誇りを持って働ける愛媛でありますよう、障害者の雇用促進を、県から民間企業へ強く働きかけていただきたいと思いますが、民間企業に対する県の指導状況をお伺いいたします。


 また、県・市町と企業が協力して、特例子会社の創設を目指すなど、具体的な雇用の場をつくり出すことも考えていただきたいと思いますが、県内の特例子会社の設立状況とあわせてお伺いいたします。


 次に、医療問題について質問します。


 さきの国会で、医療制度改革法案が衆議院で強行採決され、参議院において21項目にも及ぶ附帯決議を付して成立しました。この列挙された附帯決議の項目は、今回の法改正でなし得なかった医療制度改革の重要課題ばかりであり、先に成立ありきで進めてきた側にとっても、改革案に対する不安や懸念があったのだろうと思います。


 さきの質問の障害者自立支援法もそうですが、結局、財政主導的な視点が目立った法制定であることは、だれもが疑う余地のないところで、良質な医療を確保する観点から見ると、法案の中身には、問題点が多いことが指摘されてきていました。医療が市場経済の原理にさらされていくのではないか、今後、医師や看護師等の不足による医療崩壊が、ますます深刻になっていくのではないか、高齢者の生活はどうなっていくのか、医療と介護の関係はどうなっていくかなど、不安は募ります。


 医療費が赤字財政をますます圧迫していること、高齢者の医療費がふえ続けていることもあり、少子高齢の社会にあっても、将来にわたって、安心して医療が受けられる仕組みをつくるというのが、これら制度改革の理由とされていますが、本当に国民生活を守るための医療制度改革であるのか、さまざまな懸念は消えません。財政を圧迫してどうしようもないと切り詰められていく日本の医療費は、GDPにおける割合で見ると、先進国に比べ決して多いわけではなく、現在30兆円の医療費を先進国並みの割合にすれば、40兆、50兆という予算にさえなると言われています。しかし、総医療費は低くても、これはデータブック国際労働比較の家計支出によりますと、医療・健康費の自己負担分がEU諸国の2〜3倍になるため、私たちは医療費が高いと感じ、これ以上高くなるのは困ると思ってしまいます。また、問題にすべきなのは、納めた税金や保険料のうち、どれだけの割合が国民に還元されるかですが、日本の還元率は42%。これはアメリカの53%にさえ劣り、ドイツの59%、スウェーデンの76%など、先進国の中で日本は、最低となっています。


 また、医師不足の現象は、都会に偏在しているために起こっていることのように言われておりますし、医師が過剰であるとして医学部定員の削減などが既に実施されていますが、日本の医師の数は世界平均に満たず、世界平均にするためには、12万人の医師が不足しているというのが現状です。人口1,000人当たりの医師の数、OECDの平均は2.9人ですが日本は1.9人。人口10万人に対する医師の数、医師が多いはずの東京や大阪でもOECD平均に達していません。医師1人当たりの年間の外来数、国際比較では、OECD平均は2,421回、日本は8,421回と、約日本の医師は、他国に比べ3.5倍の働き方をしています。これは医師の不足、そして診療報酬が極端に抑制されていることなどによる結果であろうと考えられています。最近、特に医療事故の多さが問題となっていますが、先日も、八幡浜市立病院で点滴ミスによる事故が起こりましたし、先週末にも他県でも事故が起こっております。亡くなられた方、御遺族の方々の心痛いかばかりかと本当にやり切れない思いでいっぱいになります。命を預ける医療現場への信頼が揺らぎ、多くの人たちが不安の声を挙げています。医療関係者の資質やモラルの低下が言われておりますが、それと同時に医療現場が、過労死が相次いで起こるような厳しい環境下に置かれていることも忘れてはならず、安心して医療を受けることのできる環境をつくり出していかなければなりません。


 そのような背景を抱えながら、県はこの医療制度改革において、今後重要な役割を果たしていくことになります。療養病床の削減や再編を中心として、医療費適正化計画をつくり取り組んでいかなければなりません。療養病床を転換する場合は、老人保健施設やケアハウスへの移行が想定されますが、介護難民が出ないように、受け皿づくりが必要です。また、大幅な転換は働く職員の雇用対策も問題となります。


 この療養病床の削減・再編は、医療機関にとっては非常に影響が大きく、反発や戸惑いも広がってきているようですので、県にしっかりとした調整力が問われるところとなります。


 県は、これら医療制度改革について、今後どのように取り組みを進めていかれる予定となっているのか、県内の療養病床の実態とあわせお聞かせください。


 次に、産科医療について質問します。


 県は、かねてより周産期医療について積極的に取り組まれてきていますが、産科医師の減少はますます進んできています。


 厚労省の小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究報告書によりますと、産科医は10年来入局者が明らかに減少し、医師の4割以上が既に60歳以上と高齢化が進んでおり、今後、医師の数が急速に減少すると予想されております。また、産科志望者が減っている原因としては、分娩に医師は不要というイメージが医師の中にあることや労働量や責任に対して報酬が低いこと、さらに、周産期訴訟の多いこと、医療訴訟の3割以上が産婦人科関連となっているようです、等が指摘されています。また、多くの産婦人科医にとり、産科診療における当直、不規則な診療時間、そして先ほども挙げた医療訴訟が多いこと等が大きなストレスとなっていることも要因であるとされています。


 医師不足の産科医療ですが、厚生労働省は、その産科医療の安全性を確保するために、地域周産期母子医療センタークラスの病院の中から圏域内で中心的な役割を果たす病院を設定し、その病院に5人以上の産科医を置く集約化案を打ち出しました。各都道府県は、今年度末をめどに独自の集約化等の必要性を検討し、その実施の適否を決定する必要があると聞いています。


 しかし、それら産科医療対策のもととなった厚労省の調査、産婦人科・産科の施設数、産科の医師数が、これらが現場の実感とかけ離れているとして、日本産科婦人科学会が調査を行いました。そして、その結果が先月明らかとなっております。


 産婦人科・産科の施設数、厚労省調査6,398カ所に対し、学会調査3,063カ所。産科・婦人科医師の数、厚労省調査1万594人に対し、赤ちゃんを実際に取り上げる医師は7,985人。厚労省調査と比べ、施設数で半分、医師の数で4分の3にすぎないことがわかりました。産科・婦人科を掲げていても、実際にはお産をやめている施設、医師がいるため、こういう結果となるわけです。この学会の調査は、昨年12月1日現在で行われたものでありまして、それ以降にも分娩を取りやめた病院も相次いでおり、実数はさらに減るものと見られています。


 このような実態の中、集約化計画は、地域の実情に合ったものにして、待遇改善などの産科医療対策に力を入れる必要があると考えますが、県におきましては、どのように取り組みを進めていくのか、県内の実態とあわせてお伺いいたします。


 最後に、ニート対策について質問します。


 さきの2月県議会において、我が党の成見県議が若者の雇用対策について質問いたしました。ニートと呼ばれる若者の急増を放置しておくと、将来重要な社会問題になるとして、県のニート対策をどのように進めていくかの質問でした。その際、加戸知事は、相談を重視しつつ個々人の状況に応じた支援を行っていくことが必要。教育や福祉の分野との連携も不可欠とし、国の委託事業を活用し、ニート支援の総合窓口として地域若者サポートステーションを設置、ニートの若者たちやその保護者への相談事業を開始するとともに、愛媛若者サポート事業を創設し、教育機関や保健福祉機関等の関係機関をネットワーク化し、ニートに対する支援策、防止策を講じていきたいという心強い御答弁をいただきました。県政のトップを担われている知事の県民の目線に立った御対応の一つであると考えております。


 ニートという言葉が用いられるとき、それが社会的な要因によって生み出された社会問題であるとして、その対策への取り組みを始めようとしている現在でも、まだまだ多くの人たちが否定的ニュアンスを持って、若者への批判がましい言葉の一つとして使われているのをよく耳にします。ニートの若者像は一くくりにはできませんし、簡単明瞭に結果が出せる問題でも、個人のみの問題でもありません。


 1980年代のイギリスから端を発したニート問題は、同時期にはアメリカで、その後もヨーロッパ、韓国、中国、オーストラリアでも表面化しています。このことからもわかるように、ニート問題は既に個人だけの問題ではないという方向に世界は動いています。先進国イコールニート問題を抱えるといった一人一人の認識がなされることが問題解決につながるのではないでしょうか。個人の能力が備わっているが受け入れることができなかった社会にも問題があるとし、個人と社会の両方の問題としてニートはとらえられています。しかし、日本では、多くの人が、働ける健康な体を持っているのに働こうしないのは怠慢だとか甘えているのではないかいうような個人の責任のみに終始しているように見受けられます。


 今後、啓発も含め、県が率先して事業を進めていかれることを望んでおりますが、昨年、内閣府が発表したニート人口は約80万ということでした。事業を進める厚労省の発表では60万人ということですが、県内のニートの実態はどうなっているのでしょうか。また、ニート支援の総合窓口の設置など、その後のニート対策をどのように進めているのかお伺いいたします。


 以上で質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(篠原実議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(篠原実議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 豊島議員の質問に答弁いたします。


 まず、障害者の自立支援に関しまして、今後、県はどのような姿勢で障害者福祉施策に取り組むのか。障害者自立支援法に対する感想を含めて、知事の所見を問うとの質問でございました。


 愛媛県におきましては、平成17年3月に策定した愛媛県障害者計画に基づき、すべての人が共に暮らし支え合う共生社会づくりの推進、質の高い障害保健福祉サービスの提供等による障害者の地域生活の支援、保健、医療、福祉、教育、雇用等各分野の有機的な連携による総合的な障害保健福祉の推進、これらを基本方向として障害保健福祉施策を展開しているところでございます。


 一方、障害者自立支援法は、身体・知的・精神の3障害について、共通の制度のもとでの一元的なサービスの提供、障害者の一般就労促進のための就労移行支援事業の創設等により、障害者がその能力と適性に応じ、自立した地域生活や社会生活を送ることができるよう必要な支援を行うことにより、真の障害者の自立を目指そうとするものでありまして、法の基本理念については評価できますものの、制度が円滑に運営されるためには、低所得や重度の障害者に対する利用者負担が過重なものとならないよう配慮が必要であると考えておりまして、国に対して必要な措置を強く要望しているところでございます。


 本県におきましては、引き続き、ノーマライゼーションの理念のもと、県民のだれもが相互に人格と個性を尊重し、支え合う共生社会の実現を目指し、障害保健福祉施策に取り組んでまいりたいと考えております。


 次に、県内のニートの実態はどうか。また、ニート対策をどのように進めているのかとのお尋ねがございました。


 15歳から34歳のニートの数は、内閣府が平成17年に実施した青少年の就労に関する研究調査では、平成14年時点の推計で、全国で85万人、本県では1万500人とされておりまして、これは本県の15歳から34歳の若年者全体の2.99%で、全国でワースト5位という結果になっております。


 この1万500人の内訳は、就業希望がありながら、就職活動の失敗や人間関係のつまずきなど何らかの理由により求職活動を行っていないと考えられる者が4,300人、就業希望がないと考えられる者が6,200人と推計されておりまして、就業希望がありながら求職活動を行っていない者が増加傾向にあります。


 これらの若者を社会参画へ、そして就労へと導くためには、一人一人の状況に応じた相談や支援を行っていく必要がありますため、その支援拠点として、国が全国25カ所に設置予定の地域若者サポートステーションを本県でぜひとも開設したいと考えまして、国の行う企画競争に本県からも事業主体となる1団体を推薦していたところでございますが、先週末に国の方から、本県への設置を決定した旨の連絡がございました。


 県といたしましては、このサポートステーションの早期開設の準備を進めますとともに、これと連動し、行政や事業主団体を初め、教育関係者や若年者支援の有識者等の参加を得て愛媛若者サポート会議を立ち上げ、現状と対策を検討しニートの支援プランを策定するほか、県民に対しニート問題の周知啓発を図るなど、効果的、効率的なニート対策を進めてまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(濱上邦子保健福祉部長) 議長


○(篠原実議長) 濱上保健福祉部長


   〔濱上邦子保健福祉部長登壇〕


○(濱上邦子保健福祉部長) 豊島議員にお答えいたします。


 障害者の自立支援に関しまして、障害者自立支援法施行後、県内のサービス利用者にどのような影響が出ているのかとのお尋ねでございました。


 障害者自立支援法が本年4月から施行され、福祉サービス等の利用者負担が、応能負担から定率負担及び実費負担に見直されたことに伴い、その影響について、施設や団体等の関係者にお聞きいたしましたところ、従来に比べ、負担感が増したとの意見があるほか、利用者負担の増加を理由に、身体・知的障害者の福祉施設利用者約2,800名のうち12名の方が退所されたとの報告を受けております。


 県といたしましては、制度の導入に当たりまして、利用者負担の軽減を国に要望していましたところ、月額負担上限額の設定や個別減免、補足給付等の軽減措置が講じられたところでございます。今後とも、制度の周知を図るとともに、さらなる軽減措置を国に要望してまいりたいと考えております。


 なお、お話の授産施設等については、現在、国において、利用者負担のさらなる軽減を図る観点から、工賃控除の見直しを検討されていると聞いております。


 次に、市町の障害福祉計画策定に対する支援について、どのように考えているのかとのお尋ねでございます。


 障害福祉計画は、障害者が、自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、支援に必要なサービス等の必要量や、その確保の方策等について定め、今後のサービス提供基盤の計画的な整備を図ろうとするものでございまして、本年度中に策定が義務づけられているものでございます。


 このため、県においては、策定に当たりまして、これまで市町への説明会を開催し、地域生活移行や一般就労への移行を進めるための計画策定の基本的な方向や計画に定める事項のほか、策定のスケジュール等をお示ししておりますが、特に、精神障害者を含む障害者のニーズ調査や意見聴取を踏まえた障害者の意見の反映、地域社会の理解の促進、福祉サイドのみならず、雇用・教育・医療など分野を超えた総合的な取り組みなどを強く助言しているところでございます。


 今後とも、市町との連絡会議を通じ、県が培ってきたノウハウや情報の提供を行うなど十分に連携を図りながら、市町の計画が円滑に策定され実効性のあるものになるよう支援してまいりたいと考えております。


 次に、小規模作業所への支援をどのように考えているのかとのお尋ねでございます。


 小規模作業所は、現在、県内で64カ所運営されておりますが、地域における障害者の活動拠点として大きな役割を果たしておりまして、その運営基盤の強化を図るため、県所管分51カ所に対し運営費の助成を行っております。


 障害者自立支援法の施行に伴い、本年10月以降、NPO等の法人格を有すれば、地域活動支援センターや就労移行支援など法定の新事業へ移行することが可能となるため、家族会等により運営されている作業所の大半がNPOの法人格を取得または手続中でございます。


 新事業への移行は、各作業所みずからが決定することから、今後、説明会等による情報提供とあわせ、関係市町等とも連携を図りながら、各作業所の運営実態に適した新事業への移行について適切な指導を行ってまいりたいと考えております。


 なお、作業所に対する運営費助成につきましては、現行の補助制度を継続したいと考えておりますが、現下の厳しい財政状況の中、直ちに補助金を増額することは困難であることを御理解願いたいと存じます。


 次に、医療問題に関しまして、県内の療養病床の実態はどうか。また、県は医療制度改革に今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。


 本県の療養病床は、平成18年6月1日現在、総数が6,825床、うち医療保険適用のものが4,270床、介護保険適用のものが2,555床となっております。


 療養病床の再編は、今回の医療制度改革において医療の機能分担を推進する観点から実施されるものでございまして、療養病床を医療の必要度の高いものに限定し、平成22年度末までに、介護保険適用療養病床の廃止も含めて、全国ベースで38万床から15万床へ病床の削減を行うこととされております。また、削減する病床については、介護保険施設等への転換を推進することとされており、本県の療養病床にも大きな影響が予想されるところでございます。


 療養病床の再編は、社会的入院の是正や医療従事者の急性期医療への再配置という面では評価できるものの、患者を初め医療機関等に不安を与えることは否めないと考えております。


 このため、再編が円滑に推進されますよう、県においても、医療計画や介護保険事業支援計画、医療費適正化計画の中で適切な再編計画を定めるとともに、国においても医療機関の介護保険施設等への転換について各種支援策を講じることとされているため、今後、国と十分連携して適切に対応してまいりたいと考えております。


 最後に、県内の産科医療の実態はどうか。また、県は産科医療対策に今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねがございました。


 愛媛県産婦人科医会の協力を得て、本年7月1日現在で調査いたしましたところ、県内の産婦人科を標榜する医療機関75施設のうち、実際に分娩を取り扱っているのは、病院17、診療所30の47施設となっております。また、2市7町においては出産できる医療機関がないなど、地域的な偏在が見られるのが実態でございます。


 県では、これまで、県内どこでも安心して出産でき、緊急時には速やかに高度な医療を受けることができる総合的な周産期医療体制の整備を推進しておりまして、本年3月には、圏域で中心的な役割を担っている松山赤十字病院など4施設を地域周産期母子医療センターとして認定いたしまして、地域の病院、診療所との連携強化を図っているところでございます。


 さらに、今後、必要な医療の確保と医師の勤務環境の改善を図るため、産科医療資源の集約化、重点化について関係機関の意見を十分お伺いしながら検討するとともに、医師確保につきましても、愛媛大学医学部入学定員における地域枠の設定など、本県独自の取り組みを行う一方、有効な施策の整備を全国知事会等を通じて国に対し強力に働きかけているところでございます。


 以上でございます。


○(上甲啓二経済労働部長) 議長


○(篠原実議長) 上甲経済労働部長


   〔上甲啓二経済労働部長登壇〕


○(上甲啓二経済労働部長) 豊島議員にお答えします。


 障害者の就労について2点お尋ねがございました。


 まず、民間企業に対する障害者雇用促進の指導状況はどうかとのお尋ねについてお答えします。


 障害者の自立のためには、障害者の方々が意欲と能力に応じて働くことができる就労の場を確保することが重要でありまして、そのためには、雇用の受け皿となる企業の理解と協力が不可欠であると考えております。


 このため、法定雇用率を達成していない企業に対しましては、毎年、知事と愛媛労働局長連名の要請文を送付しまして、障害者の雇用を働きかけておりますほか、障害者雇用フェスタinえひめを開催し、障害者雇用に関する講演や優良企業の表彰を実施いたしますなど、意識啓発を行ってきたところでございます。


 また、17年度から、物品調達・県発注工事において障害者雇用に取り組んでいる企業を優遇する制度や身体障害者を対象とした県臨時職員の採用試験を行っておりますほか、今年度からは、新たに県庁でのインターンシップを実施することとしたところでございます。


 今後とも、障害者と共に歩む社会づくりを目指しまして、県が率先して障害者の雇用促進に取り組みますほか、愛媛労働局等関係機関とも連携しまして、広く県民や企業に呼びかけ、一人でも多くの障害者の雇用が確保されるよう努めてまいりたいと考えております。


 次に、県内の特例子会社の設立状況はどうか。また、県、市町と企業の協力による特例子会社の創設を目指してはどうかとのお尋ねについてお答えします。


 特例子会社制度は、障害者受け入れのための設備投資に国の助成制度が活用できますなど、事業主、障害者双方にとりまして大きなメリットがありまして、本県では2企業、2つの企業がこの制度を活用して特例子会社を設立しております。


 そのいずれも親会社、子会社合わせた雇用率が法定の約3倍に達しているところでございまして、うち1社に対しましては知事表彰を行うなど、県としても高く評価しているところでございます。


 また、特例子会社の創設を目指す企業への協力、支援につきましては、神奈川県が会社設立や障害者の採用に要する経費を助成しておりますほか、横浜市が特例子会社設立に関する相談窓口の設置や横浜市所有建物の空きスペースの貸与による支援を実施しているところでございます。


 本県でも、これらの先進事例の実施状況あるいは効果を研究いたしますとともに、この制度を含めどのような施策が障害者の雇用促進に効果があるのか、検討してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(篠原実議長) 休憩いたします。


 午後1時15分、午後1時15分から再開いたします。


     午後0時14分 休憩


  ―――――――――――――――――


     午後1時15分 再開


○(帽子敏信副議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(笹田徳三郎議員) 議長


○(帽子敏信副議長) 笹田徳三郎議員


   〔笹田徳三郎議員登壇〕


○(笹田徳三郎議員)(拍手)社民党の立場から、質問をさせていただきます。


 初めに、加戸守行知事が就任されて7年余り、任期2期目の仕上げの年を迎えています。私たちは加戸県政を支え推進する立場から、常に是々非々の立場で参画してまいりました。すなわち地方自治体においては、首長も議員も住民の直接選挙によって選ばれ、両者の関係は、国会と異なり独立した機関でございます。協力したり牽制したりする関係にあります。


 一度この議会にも取り上げさしていただきましたが、千葉大学の大森教授は、このことについて首長と地方議会の関係を内閣と国会のように思い込んでいる、これが地方政治の最大の弱点であると指摘しています。地方自治体における議会と理事者の関係は、まさに是々非々であらねばならないと私は考えます。その意味からも、私は、加戸県政の誕生により、これまでの県政運営が大きく刷新され改革も前進しつつあることを評価する一人であります。


 私たちは、日本国憲法の精神を尊重することは当然でありますが、加戸知事の提唱しております普遍的価値である県民の県民による県民のための県政の推進を強く支持しております。ちなみに加戸知事におかれては、知事みずから県内各地で県民と直接対話を重ね、県民の意見や声をくみ取りながら、県政を県民の身近なものにするよう努力され、本当の意味で開かれた県政が進展していることを評価しています。そして今、それが、その県政改革が進行形であるということ、そして、その流れをとどめるものは許されないということであります。


 もちろん加戸知事と私たちとの間には、具体的な政策や理念の違いもあります。これについては議論を重ねていますが、何よりもみずからの利益を顧みない姿勢と創造力と、その成果は、多くの県民の評価するところであると推察しております。


 御承知のとおり、国の内外情勢と県内の政治、経済、社会情勢、特に財政は、かつてなく厳しいものがあります。県民に依拠しながら、みんなで愛と心のネットワークづくりを努めねばならないと、強くこれまた期待をしております。


 それでは、具体的な政策について質問をいたしますが、御案内のとおり、きのう滋賀県で知事選が行われました。


 前知事さんが敗れまして、新しく森田由紀子知事が誕生・・・(発言する者あり)ごめんなさい。嘉田由紀子知事が誕生しました。いろいろ報道の中で言われておりますけれども、簡単に言いますと、前の知事さんが、新幹線の新しい駅をつくりますという1項目が公約の中に入っておる。そして、嘉田知事さんが、いわゆるそれはもったいない、これは流行語ですな、もったいない、だから凍結をします。そのかわり教育や福祉これを進めていきます。このもったいないというのが、いわゆる我々の言う、あの政策選択と集中だろうと思いますが、実は県民が、こぞってそれを選択したということです。参考になるなあと思っております。


 本県の一般会計におきましては、7,000億円を超える規模の時期もありましたが、本年度の当初予算は、御案内のとおり、この10年間では最も少ない6,190億円と、かつてない厳しい状況にあります。このような中で、毎年のように選択と集中という言葉を耳にしますが、予算の内容を見てみますと、どこに集中されているのか、実のところ私にはよくわからないのでございます。県民も同じではないかと思っております。もちろん予算の編成に当たっては、ある程度総花的にならざるを得ないでしょう。しかし、もう少し集中の努力の成果がわかるようにした方がよいように思われてなりません。


 先般発表された県長期計画後期実施計画でも、5つの重点目標ごとに優先施策を設定していますが、その数何と33、これで本当に集中と言えるのでございましょうか。


 私は、この厳しい財政状況だからこそ、限られた財源をどこに集中投入するのか、知事の思いがどのように予算や政策に反映されているのか、もう少しわかりやすく県民に伝わるようにすべきではないかと思うのであります。


 中でも私は、今集中すべきは教育分野だと考えています。後期実施計画におきましても、5つの重点目標の最初が、愛媛の現在と未来を担う人材の育成になっております。文部省御出身の知事御自身も、本当は人材の育成、教育こそ今後の県政にとって重要な課題であるとお考えではないかと拝察しております。


 人口減少時代が到来して少子高齢化が進展する中で、最優先課題は、やはり人づくりであると思うのであります。すなわちすぐれた人材を育成、確保すれば、どんな困難があっても愛媛の元気は創造され、未来は切り開かれる、そう思うのでございます。


 そこで、お尋ねいたします。


 今後、どのような分野を県政の最大課題と位置づけ、財源や資源を集中していかれるのか、お聞かせ願いたいのでございます。


 次に、職員の給与カットについてでございます。


 知事におかれましては、本年度から平成21年度までの4年間の財政構造改革基本方針を示され、見込まれる巨額の財源不足に対応するため、教職員、警察職員を含め県職員約2万3,000人の臨時的給与カットを実施という苦渋の選択をされました。職員の我慢により、本年度約60億円、4年間で合計150億円の歳出削減を目指すわけであります。


 今回の財政構造改革では、当然のこと県民にもサービスの低下あるいは負担の増加が求められるだろうと思います。したがって、県民の理解と協力を得るためにも、県職員みずから痛みに耐えることが必要との判断もあったものと推察いたしております。


 また、加戸知事みずから給与を20%カットされ、職員に対して知事メッセージを発信して理解と協力を求められたと伺っております。知事メッセージを拝見いたしますと、知事の苦しい胸のうちはよく理解できます。また、苦渋の選択であったことは十分認識できますが、労働者の生活を守るという視点から、あえて質問をさせてもらいます。と申しますのも、県職員の給与は、昨年の人事委員会勧告に基づいて、国家公務員に準じた給与構造改革によりまして、改定前の現給は保障されるものの、行政職で平均4.9%の給料水準の引き下げが実施されております。市や町も同様の改定がなされておりますが、県の場合は、この引き下げに加え、独自に職位に応じて3.5%から8%の臨時的カットということでありますので、職員にしてみれば、言わばダブルパンチ、泣きっ面にハチといった状況なのであります。


 今回の給与カットでは、モデルケースでは、主事クラスの年額約10万円から部長クラスでは100万円近く減収になるようであります。当然職員からは、本当に4年間の時限的措置なのか、将来やっていけるのかなど、不安が先行しております。管理職からは、カット率が大き過ぎる。生活への影響が大きいとの不満の声も聞こえております。給与カットと昇給のおくれに加えて、ただただ予算を削るということだけに苦心するのでは、職員の不満は募ります。モチベーション、やる気を低下させることになりはしないかと危惧するものであります。


 給与カットについては、全国でも半数以上の都道府県で何らかの実施がなされていますが、財源不足の大きな要因は地方交付税削減の影響と思います。そして今また、新型交付税の導入が論議されておりますが、これ以上の削減はまさに死活問題と認識しております。


 そこで、お伺いします。


 この先の地方交付税確保の見通しはどうなのか、心配はないのか、御説明いただきたいのであります。


 また、今回の給与カット等により、職員のモチベーション、やる気の低下に対して心配されますが、実態をどのように認識し、また対応されていくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 いずれにいたしましても、人事委員会勧告に基づかない職員の給与カットは、いわゆる禁じ手であります。できるだけ早く解消するとともに、今後、安易にカットを実施しないことをお願い申し上げたいのであります。御所見をお聞かせください。


 次に、福祉問題について、これからの福祉のあるべき姿についてお伺いいたします。


 厚生労働省が6月1日に公表した2005年の合計特殊出生率が1.25と過去最低を更新したとの報道がなされましたが、将来の日本を支える世代はどんどん減っていく一方、最も多くの人口を有する年齢層である、いわゆる団塊の世代がこれから本格的な高齢期を迎えます。


 しかし、日本の福祉というものが、財政的な問題のみに議論が集中し、いかに経費を削減し、効率化していくのかという点のみに目が奪われているように思えてなりません。確かに福祉の充実には財政の問題は避けて通れません。今こそ国民全体が真剣に論議し考えていくべき大変重要な問題であると思うのであります。


 しかし、だからといって、ただ福祉を財政面のみで論じていいのか、疑問に思わざるを得ないのであります。


 例えば、介護保険制度の場合、高額な保険料に加えて利用料の1割負担が重くのしかかっています。これに加えて、昨年の10月からは、施設での食費や部屋代が自己負担となって、このまま施設で生活できるのか、高齢者の不安は大きいものがあります。


 また、ことし4月から段階的に施行される障害者自立支援法も利用者への1割負担が導入され、生活保護費なども給付が抑制されつつあります。先ほどもございましたが、社会的に弱い立場の方々にとっては大変厳しい状況になりつつあるのではないかと思うのでございます。


 また一方では、現在、格差社会、勝ち組み、負け組みといったことがよく言われておりますが、福祉の分野でも、こうした市場原理、競争原理といったものが深く浸透しているように思います。こうなりますと、過疎地など採算の合わない地域では、切り捨てられる部分が出るのではないかと大変心配しているところでございます。


 このような動きを見てみますと、今の日本では、福祉における公的責任が限りなく後退しつつあるように思えてなりません。また、それにかわって、安易に家族の責任あるいは自己責任といったことが強調されつつあるのではないかと危惧するものであります。


 福祉は、国民すべてが、生まれてからその人生を終えるまで、人間らしく安心して生活が送れるようにサポートしていくのが本来の役目であり、切り捨てられるような人が出てくるようなことはあってはなりませんと、常日ごろから思っておるものでございます。


 かつてのような右肩上がりの成長が見込まれない現在、何もかも公的なサービスで頼ることはできないことは十分理解できます。また、サービスを受ける側も、不必要なサービスまでは要求せず、ある程度の我慢はすべきであることも十分認識しておりますが、こういう中で、いかにして国民だれもが安心感の得られるような福祉にどうしていくのか問われていると思うのでございます。


 かつて私は、スウェーデンの福祉について勉強する機会がありました。スウェーデン型の福祉をしっかりと見習うべきではないかと今なお思っております。


 そこで、お伺いします。


 これからの福祉はどうあるべきかと、お考えをお聞かせ願いたいのでございます。


 次に、高齢者問題についてお伺いします。


 御承知のとおり高齢化は急ピッチに進んでおります。先ごろ政府が発表した2006年版高齢社会白書によりますと、2005年の65歳以上の高齢者が総人口に占める割合は20%を超え、2015年には4人に1人が高齢者という超高齢社会を迎えると推測されています。このように高齢化が進み、年金や医療、介護などに必要な経費がどんどんふえていくということが、どうしても悲観的になりがちなのであります。確かに高齢者の数がふえてくれば、当然のことながら病気や要介護状態になる人はふえていきますが、一方、支援や介護を必要としない元気な高齢者も非常に多く、社会貢献をしていることも御承知のとおりでございます。私は、このことにもっと注目すべきだと思うのであります。


 いよいよ団塊の世代が退職する時期を迎えました。本格的な高齢社会においては、元気な高齢者のパワーや、これまでのいわゆる培ってきた知恵や体験、さらに技能などを地域社会で積極的に活用していくことが、社会の活力を維持する重要なかぎになるのではないかと考えるのであります。


 例えば、徳島県の上勝町では、折々の草花を料理に添える「彩」の生産では、お年寄りが中心となっており、それが地域の活性化にもつながっていると聞いております。長野市の方では、高齢の主婦たちが農産物の直売所を立ち上げ、加工品の開発、販売、さらにレストランの経営、また、独居老人への弁当をサービスするなど、10年余りをかけて事業を拡大し、地域に貢献されている例もあると聞いております。


 もちろん本県でも元気に活動しておられる高齢者の方はたくさんおられます。元気な高齢者がみずからの得意技で地域社会の担い手の主役として活躍できる仕組みづくりは、すなわちそれぞれの地域が元気を取り戻すための重要な条件であり、えひめの元気創造にもつながることは間違いございません。


 そこで、お伺いします。


 元気な高齢者が地域で生き生きと活動できる仕組みづくりに、ぜひ県として積極的にかかわっていただきたいのでありますが、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、南予地域の活性化についてお伺いします。


 県内経済は、緩やかではあるものの回復しつつあると言われていますが、東・中・南予の地域間格差は顕著であります。依然として南予地域は厳しい経済状況が続いております。


 先日、愛媛労働局が発表した本年5月の有効求人倍率は、県全体では0.80倍でありますが、南予地域では0.54倍と、東予の1.11倍の半分しかないという状態でございます。


 南予地域では高速道路の整備もおくれ、大都市圏からも遠いという地理的な状況もあって、県の努力にもかかわらず企業立地が進みにくく、いわば活性化の特効薬がないような状況にあります。


 しかしながら、その一方で、豊かな自然や豊富な農林水産物に恵まれております。この地域資源を生かした活性化方策、すなわち地域の基幹産業である農林水産業の振興に重点的に取り組むことが地域の活力向上のかぎを握るのではないかと考えるのであります。


 県におかれましては、本年4月に、吉野内副知事を本部長として南予地域活性化特別対策本部を立ち上げられ、地方局にも現地対策本部を設置されるなど、南予地域の振興に部局横断的な、さらには本庁、地方局一体となって取り組まれております。


 また、昨年6月には、県がリーダーシップを発揮し、県を初め県内の農林水産団体、商工団体、マスコミなど、県内の主要な40団体が参画してえひめ愛フード推進機構が設立され、県内の農林水産物及び加工品のブランド化と販売促進に取り組まれております。そして、本年6月22日に開催された推進機構の平成18年度通常総会では、昨年来検討されてきたえひめ農林水産物等のブランド戦略基本方針が決定されたと伺っております。


 今後、この基本方針に基づいて、県内農林水産物等のブランド化が本格的に推進されると考えますが、この官民一体となった取り組みは、とりわけ南予地域の基幹産業である農林水産業の振興に大いに貢献すると期待しておるものであります。


 そこで、お伺いいたします。


 南予地域の農林水産業の振興を図るため、えひめの農林水産物等のブランド化にどのように取り組んでいかれるのかお伺いしたいのであります。


 さて、平成19年産からの品目横断的経営安定対策などの新たな政策転換に当たりまして、これまで農業者全般に対してなされていた指導やサービスが、認定農業者や集落営農組織などのいわゆる新たな担い手に集中することになっています。


 私は、これまでの農政の発想とは全く異なるこの新たな制度が、スムーズに現場や農村に浸透していくのかどうか心配しておりましたが、どうにかそれぞれの集落や農家の皆さんに周知され始めてきたのではないかと思っております。


 これは、国や県が単に政策をそのまま流すのではなくて、新たな集落営農などの政策展開に対し、現場の普及指導員の方々が農家の人たちにわかりやすく施策をかみ砕き、昼夜の別なくリーダーの発掘や組織化を行っているからだと考えており、心から敬意と感謝を申し上げるものであります。


 しかし一方では、これらの施策に乗らず、担い手の要件に当てはまらない農家の人たちをどうするのかという大きな宿題も残されているわけであります。


 平成17年には、地方局農政課と普及センターが一体化し農政普及課となりましたが、加戸知事の配慮もありまして、それぞれの地域の普及拠点には、室や班として普及指導員を残していただいております。また、平成20年度の3局体制の際にも、それぞれの現場拠点と普及指導員は確保いただけるものと期待している次第であります。


 そこで、お伺いします。


 平成19年度からの新たな担い手対策などから外れる農家の人々に対して、県は現場指導をどのようにしていくのか、どう対応していくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、AEDの学校配備についてお尋ねをいたします。


 現に日本では、心臓突然死により年間2万人から3万人の人が病院以外の場所で亡くなっていると言われています。これら心臓突然死の多くは心室細動とのことであります。私も十分わからないんですけれども、この場合、一般的には、発症してから1分間を経過するごとに10%程度ずつ蘇生率が低下するそうでございます。このため、救急隊員が現場に到着するのを待つことなく、一刻も早く酸素を全身に運ぶ血液の流れを再開させるための処置を行うことが命を救うかぎとされています。この処置には、心臓に電気ショックを与える自動体外式除細動器いわゆるAEDの使用が極めて効果的であるとされ、平成16年7月から、医師や救急隊員ばかりではなくて、だれもがAEDを使用できるように制度が改正されたのであります。


 その結果、空港や駅構内などでも多くの人が集まる施設へのAEDの設置が進められており、県庁、地方局におかれましても既に設置されたと伺っております。昨年開催された愛知万博では、AEDにより、心室細動で倒れた方の命が救われたとの報告がなされております。


 日本スポーツ振興センターの調査によりますと、全国で、平成15年度には56名、平成16年度には44名もの子供たちが、学校で心停止によって亡くなっておるとのことでございます。これは大変なことでございます。


 このような中、先日の報道によりますと、野本教育長は、本県ではすべての県立学校にAEDを配備する方針とのことであります。ことが生徒の命や安全にかかわる問題であるだけに、高く評価するものであります。


 そこで、お伺いします。


 県立学校において配備されるAEDを有効に活用するためには、日ごろからの講習や訓練が重要であると思いますが、その取り組み状況はどうなのか。また、小中学校における配備、これについてはどうお考えか、お聞かせ願いたいのであります。


 以上で質問を終わりますが、去る6月4日、社会民主党福島瑞穂党首が来県しまして、プルサーマル導入の是非について、耐震性を含めた安全性が確認されてなく、県民の十分な理解と納得が得られぬままに性急にゴーサインを出さないようにと、直接加戸知事に要請いたしました。八幡浜市議会におきましても、慎重論があると聞いておりますが、慎重の上にも慎重であるべきと考えますので、重ねて要請申し上げまして、終わります。


 ありがとうございました。(拍手)


○(帽子敏信副議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(帽子敏信副議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 笹田議員の質問に答弁いたします。


 今後、どのような分野を県政の最大課題と位置づけ、財源や資源を集中していくのかとのお尋ねでございました。


 御案内のとおり長期計画後期実施計画は、中期ビジョンと重点プログラムの2つの計画から構成されておりまして、このうち県政運営の基本指針としての機能を担う中期ビジョンにおきましては、本県が今後5年間に優先的に取り組む分野を総体として明らかにする観点から、長期計画に掲載しております81施策のうち33の優先施策を選定したものでございます。


 一方、重点プログラムは、まさしく県がどのような事業に力を入れ行財政資源の重点的な配分を行うかを具体的に明らかにする観点から策定するものでありまして、毎年度、優先施策を推進する個別事業の中から、特に重点的に取り組む事業を絞り込んだ上で、図表や写真、成果指標等を活用しながら、県民にわかりやすく紹介することとしているところでございます。


 なお、笹田議員御指摘のございました人材の育成につきましては、私自身も重要な県政課題であると考えておりまして、本年度のプログラムにおいて選定しました40の重点事業におきましても、教育分野を初めスポーツや介護、防災、農林水産業の担い手、若者の雇用など数多くの分野において重点的な取り組みを行うこととしております。今後とも、この重点プログラムを通じまして、県政の選択と集中について県民の皆様の御理解を得られるように努めてまいりたいと考えております。


 次に、職員の給与カットに関しまして、給与カット等により職員のモチベーション、やる気が低下していくことが心配されるが、実態をどのように認識し対応していくのかとのお尋ねがございました。


 職員の給与カットにつきましては、4年間の臨時的措置とはいえ、職員の生活に多大の影響を及ぼしますことから、声なき大多数の職員にも相当な不満はあると認識いたしておりますが、本県の厳しい財政状況をよく理解していただき、先憂後楽の精神で職務に精励していただいていることを大変感謝いたしております。


 このような状況下では、笹田議員のお話がございましたように、職員の士気への影響が懸念されますことから、その対策として、勤務成績に応じた昇給の徹底や勤勉手当への反映、能力主義による適材適所への人事配置、意欲ある職員の異動希望先への配慮など、人事、給与両面における成績主義の拡充に努めております。


 また、新たに、えひめ元気づくりプロジェクトに貢献した職員に対し、勤勉手当の上限の加算率を適用するなどの措置を講ずることとしておりまして、今後とも、努力した職員が人事配置や給与面で報われることを第一に、めり張りをきかせた公正、公平な処遇の徹底を図ることで、職員のやる気の維持、向上を図ってまいりたいと思っております。


 なお、議員の質問に関連いたしまして、大変気になっていることを付言さしていただきたいと思います。


 それは、6月26日の歳入・歳出一体改革の素案におきまして、義務教育国庫負担の見直しという項目の中で、今まで優遇されておりました義務教育諸学校教職員の給与問題で、人材確保法に基づく優遇措置を縮減するという文言の入っているところでございます。近く骨太の方針が発表されますが、この表現がそのまま残っているといたしますれば、少なくとも義務教育諸学校教職員に関しましては、笹田議員の言葉を使わしていただきますと、トリプルパンチになる危険性すらあります。


 そういった点で、教育の重要性というのを考えたときに、ただ切る切る切るということでいいのかという、非常な不安感を持っていることを付言さしていただきたいと思います。


 それから、これからの福祉はどうあるべきと考えているのか、知事の所見を問うとのお尋ねがございました。


 笹田議員が申されましたように、福祉は、国民すべてが生まれてからその人生を終わるまで人間らしく安心して生活が送れるようサポートしていくことが本来の役割と思っております。社会におきまして、市場原理や自己責任による自由競争も大事ではございましょうが、社会的に支援を必要とする者については、温かく手を差し伸べる必要があることは、言を待ちません。


 お話のございましたスウェーデン型の福祉につきましては、確かに見習う点も多々ございますが、何しろ収入の50%を税金として徴収されるという国民の高負担の上に成り立っている現状を考えますと、日本の社会に導入するためには十分な時間をかけて議論する必要があるのではないかと思っております。


 確かに財政的な面からのみ福祉が論じられることは問題でございますが、受益と負担は一体的に考えるべきでありまして、収入と支出のバランスをとりながらも、住みなれた地域で、個人の意思や尊厳への配慮のもと、自立に向けての支援を進めようとする今の福祉の流れは、方向としては間違ってはいないと考えております。


 これからの福祉のあり方を考えるとき、財政的支援のみに頼るのではなく、家庭や地域でNPOやボランティアの協力を得て、県民がお互いに助け合い支え合う社会をつくるという私の提唱しております愛と心のネットワークの考え方が、一つの進むべき方向を示しているのではないかとも思っております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(帽子敏信副議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 笹田議員にお答えいたします。


 まず、地方交付税確保の見通しはどうか。心配はないのかとのお尋ねでございますけれども、議員の御指摘にもありましたように、地方交付税等の削減、特に、平成16年度当初予算編成終盤における270億円もの削減が現在の財源不足の大きな要因と認識しておるところでございます。


 地方交付税につきましては、政府・与党におきまして、歳出・歳入一体改革のいわば焦点の一つとして議論されておりますほか、いわゆる新型交付税の提案などもありまして、今後の見通しは今のところ不透明であります。


 仮に平成16年度のような大幅な交付税等の削減がなされる場合には、県政運営に重大な支障が生じるなどまさに死活問題でありますことから、大変憂慮しているところであります。先般も知事から政府・与党幹部に対しまして、職員の臨時的給与カットなど本県の厳しい行財政改革の現状の説明と地方交付税総額の確保について強く要望を行ったところであります。


 次に、給与カットをできるだけ早く解消するとともに、今後、安易にカットを実施しないことを願うが、所見を問うとのお尋ねですけれども、職員の給与決定の基本原則は、労働基本権の代償措置であります人事委員会の勧告制度を尊重することでありまして、本県では、従来からこの基本原則のもと給与改定を実施してきたところでありますが、極めて厳しい財政状況を踏まえ、職員の理解と協力のもと、やむを得ず4年間の給与カットを実施することとしたものであります。


 現時点では、県財政を左右する地方交付税の動向に不透明な部分が多いところでありますが、あくまでも臨時的措置として実施しておりますことから、当初計画の範囲内で終了させたいとの姿勢で臨んでいるところであります。


 なお、給与カットにつきましては、これまでもいわば緊急避難的な手段と考えておりまして、その考えは変わっていないところであります。


 以上でございます。


○(濱上邦子保健福祉部長) 議長


○(帽子敏信副議長) 濱上保健福祉部長


   〔濱上邦子保健福祉部長登壇〕


○(濱上邦子保健福祉部長) 笹田議員にお答えをいたします。


 元気な高齢者が地域で生き生きと活動できる仕組みづくりに今後どのように取り組むのかとのお尋ねでございました。


 高齢化の一層の進展が見込まれる中で、議員お話のとおり、高齢者がみずから地域社会の担い手としてさまざまな社会活動に積極的に参加し、長年培った経験や知識、能力を活用して社会に貢献することが期待されていることから、生きがいを持って活動できる社会づくりを施策の目指す方向の一つとする愛媛県高齢者保健福祉計画を本年3月に策定したところでございます。


 県では、この計画に基づきまして、老人クラブ活動の支援やボランティア活動への参加促進、高齢者大学校の開設などによる生きがいづくり・生涯学習機会の提供、シルバー人材センターの機能強化による就業機会の確保など、高齢者の積極的な社会参加を推進しているところでございます。


 さらに今後は、県民がお互いに助け合い支え合う社会づくりを進めていく中で、高齢者が介護や子育て支援など、さまざまな地域活動に積極的に参加することができるよう、愛媛ボランティアネットの高齢者による活用促進並びにNPOやボランティアとの協働の推進等により、愛と心のネットワークをさらに発展させ、高齢者が生きがいを持って元気に活躍できる社会づくりを目指したいと考えております。


 なお、午前中にお答えいたしました豊島議員の医療問題に関する質問に対するお答えの中で、療養病床の再編を平成22年度末までに行うと申し上げましたが、平成23年度末でございますので、心よりおわび申し上げまして、訂正いたします。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎農林水産部長) 議長


○(帽子敏信副議長) 高浜農林水産部長


   〔高浜壮一郎農林水産部長登壇〕


○(高浜壮一郎農林水産部長) 笹田議員にお答えします。


 南予地域の農林水産業の振興を図るため、えひめの農林水産物等のブランド化にどのように取り組むのかとのお尋ねでした。


 本県の農林水産物は、すぐれた品質の産品が数多くございますが、全国的な知名度が十分ではなく、品質に見合った評価が得られていないということから、えひめ愛フード推進機構では、消費者、市場関係者、マーケティング専門家などで構成をする戦略会議の提言をもとに、えひめ農林水産物等のブランド戦略基本方針、これを策定いたしまして、県外市場等をターゲットとするリーディングブランドと、地域のこだわり産品であります地域特産ブランド、この2つの愛あるブランドを打ち出すことにいたしております。


 推進機構では、この愛あるブランドを、生産者の顔が見え消費者から評価される確かなものといたしますために、推進機構のブランド認定ガイドラインに基づいて、生産団体がみずから定める管理基準によりまして、安全・安心や品質が確保できる産品に限って認定をいたしまして、愛媛の「愛」の文字をデザインしたブランドマークで産品の差別化を図りながら、大都市圏の市場などで行いますトップセールスやビジネスコンベンションなどの販売促進活動を通じて、ブランド産品を消費者に強力にアピールをすることにいたしております。


 特に、南予地域は、愛媛の代名詞となっております温州ミカンを初めとするかんきつ類、それから、養殖マダイ、ブリ、シイタケなど、全国のトップクラスの品質、生産量を誇る産品から、愛南のヒオウギ貝とか、宇和島の早掘ばれいしょなどの地域特産品に至るまで、まさにブランドの宝庫でありまして、県としては、今年度創設をいたしましたえひめブランドづくり推進事業で生産団体が行います加工、流通、販売設備の整備やPR活動を支援するなど、これらの産品のブランド化を進め、農林水産業の元気回復を図ってまいりたいと考えております。


 次に、平成19年度からの新たな担い手対策などから外れる農家の人々に対し、県は、現場指導をどう充実し対応するのかとのお尋ねでした。


 国は、昨年10月に、経営所得安定対策等大綱を公表をいたしました。認定農業者や集落営農組織などの担い手に施策を重点化する方向を出しましたことから、県といたしましては、農業者の経営改善指導や集落指導に当たってきました普及組織を核にして、市町、JAなどが一体となって認定農業者を確保、育成いたしますとともに、一人でも多くの農家の方々が集落営農組織に参加するよう呼びかけを行っているところでございます。


 一方、お話の新たな担い手対策などから外れる農家に対しましても、農村社会全体で地域を支えるために、直売所への出品などの地産地消活動や体験農業などグリーン・ツーリズム活動への参加を促進いたしますとともに、農道、農業水路などの保全活動を行います農地、水、環境保全向上対策にも積極的に取り組むよう働きかけているところでございます。


 さらに、県としては引き続き、普及指導員を中心に、市町、JAなどで構成をいたします地域農業マネージメントセンターなどとも連携をしまして、現場での指導が後退することのないよう適切に対応してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(帽子敏信副議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 笹田議員にお答えをさしていただきます。


 県立学校に配備されたAEDを有効活用するための講習や訓練の取り組み状況はどうか。また、小中学校における設置状況はどうかというお尋ねでございます。


 AEDにつきましては、本年6月末までに、分校、養護学校含めまして、すべての県立学校と水産実習船えひめ丸に配備を完了したところでございますけれども、このAEDを有効に活用するためには、お話にもございましたように、まず、学校現場の教職員が正しい使用方法を習得いたしまして、万が一、生徒などに不測の事態が生じた場合には、迅速かつ適切に対応できるようにしておくことが重要でございます。


 このため現在、各学校におきましては、導入に合わせまして、近くの消防署や日赤の協力を得まして、教職員を対象に人体模型を使ってのAEDの実践的な操作方法や人工呼吸、心臓マッサージなどの実技についての講習会を行っているところでございます。


 県教育委員会といたしましては、できれば夏休みまでには、県立学校の全教職員のおよそ3分の1以上が使用できるようになることを目指しておりまして、今後も可能な限り、より多くの教職員がこのAEDを使いました応急手当ができるような体制づくりを進めたいと思っております。また、今回のこのAEDの設置を児童生徒や保護者などにも広く周知いたしまして、より有効に活用されるように努めていきたいと考えております。


 また、小中学校への設置でございますけれども、この小中学校への設置につきましては、ことし4月の県内の市町教育長会議におきまして積極的な対応を要請しておりましたところ、6月に、ことしの6月に、西条市が中学校3校に設置したのに続きまして、7月には、新居浜市がすべての小中学校に設置をいたします。また今治市が、今後、すべての中学校に設置の予定と聞いておりまして、引き続き小中学校への設置を検討してもらうよう働きかけてまいりたいと思っております。


 以上でございます。


○(帽子敏信副議長) 暫時休憩いたします。


     午後2時7分 休憩


  ―――――――――――――――――


     午後2時22分 再開


○(帽子敏信副議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(猪野武典議員) 議長


○(帽子敏信副議長) 猪野武典議員


   〔猪野武典議員登壇〕


○(猪野武典議員)(拍手)自由民主党の猪野武典でございます。


 「光陰矢のごとし」と申しますが、1期目最後の登壇の折も、まさに日本中がワールドカップ一色にわき返っている最中でありました。今回残念ながら、福西選手を含むジーコジャパンは、一次リーグの突破を実現できませんでしたが、今再び多くの目がドイツにくぎづけとなっております。


 この4年間、愛媛県にとりましては、市町村合併を初め大きな時代の転換期を迎え、現在は、第五次愛媛県長期計画後期実施計画のもとに、新生愛媛の構築に向け、さらなる歩みを始めておりますが、私自身も、県民のサポーターとして、県政改革の一翼を担わせていただいたことを大変誇りに思っております。


 また、知事におかれましては、疲弊する南予の状況を極めて憂慮すべき事態として、南予地域活性化特別対策本部を立ち上げ、あらゆる機会を通じて南予への重点配分を打ち出していただいておりますことに、南予人として心から感謝申し上げます。


 現在、新書「国家の品格」がベストセラーになっておりますが、その根底には、「武士道」と「惻隠の心」の重要性が語られ、改めて知事の先見と一貫した思いやりの心に敬意を表するものであります。


 それでは、質問に入らせていただきます。


 初めに、本県における森林環境税を活用した水環境の保全に関する取り組みについてお伺いいたします。


 本県は、県土の約7割が森林に覆われる緑豊かな陸域と、瀬戸内海と宇和海という美しい海に囲まれた自然に恵まれた県であることは周知の事実です。また、この自然を次世代に引き継ぐために、県が中心となって、環境保全施策を総合的かつ計画的に推進して、環境先進県えひめの実現に向けて全力で取り組んでおられること、一議員として大変心強く思っております。


 しかし、環境保全の取り組みは、県民全体の環境意識の向上と相まって成果が出てくるもので、県だけの取り組みで環境を劇的に改善することが困難であることも皆が理解するところと考えます。当然、私が申すまでもなく、県もさまざまな施策を講じて県民とともに環境保全を図られており、特に、森林環境税の導入を契機とした森林の保全と水環境の総合的な調整機能の向上につきまして、今後の展開に注目しているところです。


 その中で、17年度の公募事業は、さまざまな団体みずからの提案による事業が推進されており、特に、子供たちを巻き込んだ取り組みが多く、よりよい環境を次世代に引き継ぐ意味でも有意義な事業であると言えます。私は、この事業は、愛媛の森だけでなく、河川、海まで含めた水系の機能向上に資するため、農業者や漁業者も含めた事業に充実強化する方法もあると考えます。


 具体的には、「森は海の恋人」という言葉があります。御存じの方も多いと思いますが、東北のカキ養殖業者が行っている考え方で、みずからのカキ養殖を守るには、海から視野を広げて、プランクトンの増殖に欠かせない河川とその水源の森を守っていく必要があるというものです。現在も漁業者などが植林活動を続けており、成果が出ているとのことです。


 本来は、このような自発的な活動が望ましいわけですが、森林環境税というきっかけができた現在、森林組合、農業協同組合、漁業協同組合などの連携のもとに、水系を軸とした運命共同体意識を醸成して、地域全体で支え合う環境保全を構築してはいかがでしょうか。海岸沿いに住む人が、海だけでなくその海に流れ込む河川と流域の山も自分の宝物と思えたり、山や里に住む人が、産業活動や生活の中で、環境に負荷をかけないことで、海を守る気持ちになることが県民を巻き込んだ環境保全活動になるものと考えます。


 一例を挙げますと、貝類養殖業者などは、河川から流入する有機物やミネラルが、プランクトンの発生にいかに重要であるのか認識しています。しかし、どのような方法で継続した植林活動に結びつけることができるのかわからないのが現状でございます。森林環境税が効果的に活用できれば、この悩みも解消します。


 そこで、お伺いいたします。


 森林環境税を活用した事業において、河川流域の森林組合や農業協同組合、漁業協同組合、また、関係市町とどのように連携を図って進められているのか、お聞かせください。


 次に、本県農林水産物の販売促進とブランド化への取り組みについてお伺いいたします。


 現在、日本じゅうが、地元農林水産物のブランド化と販売促進に取り組んでおり、本県も例外ではありません。今年度は、愛媛ブランドの育成や各産地のブランドづくりへの支援、国内外への販売促進、販路開拓や地産地消活動が計画されており、今後の展開が期待されるところでございます。しかし、全国の都道府県が地域の特色を生かしたブランドの育成に取り組む中、愛媛ブランドが評価されることは、大変な時間と労力とアイデアが必要と考えます。


 食品関係のバイヤーに聞きますと、現在、ブランドとして評価される都道府県は、北海道ぐらいではないかとのことでございます。確かに北海道の特産品はすぐに頭に浮かぶものが多く、消費者に認知されているなと納得できます。実際、東京にある各県のアンテナショップでも抜群の集客力があるとのことです。


 愛媛県も唯一ミカンについては、全国の消費者に認知されていますが、タイ、ハマチを中心とした養殖魚や真珠など全国有数の生産量を誇りながら、愛媛産を認知されずに消費されている特産品が数多くあるようです。


 そこで、今後、本県農林水産物販売の生命線となるブランド化には、次のようなアイデアで取り組んではいかがでしょうか。現在の農林水産物は、安全性が欠けては勝負になりません。そのため、これまで以上に、衛生管理の徹底とトレーサビリティシステムの確立に努め、より生産物の安全性を高める必要があります。


 しかし、このようにして確保された安全性も、その情報が正確かつ効果的に伝わらないと、消費者の安心は確保できません。つまり安全な生産物をつくる努力以上に、安全性を伝えることが大切なのです。この方法が確立できれば商品への信頼は向上します。その上で、おいしさの情報が一緒に伝われば、愛媛ブランドが認知され、あとは適正価格の設定で販売が伸びるはずです。


 以上の視点から考えますと、生産に対する支援はこれまでも県が積極的に行っており、ミカンの生産量日本一など、全国有数の生産支援ができたのではないかと考えます。


 それに比べ、本県のすばらしい生産情報を効率よく消費者に伝え、また、商品の魅力を東京、大阪を中心とした大消費地に伝えることは、改善の余地があるものと考えます。もちろん県が以前からこの問題に取り組まれており、さらに今年度は、以前にも増して充実したブランド化、販売促進策を展開されることは理解しておりますし、県民同様大きな期待もしております。


 私は、徹底した情報戦略が必要であると思います。当然のことですが、ブランドを認知するのは消費者です。幾ら生産者側でブランドであることを発信しても、消費者がそれを認知しなければ意味がありません。


 そこで、以下のような方法で愛媛産の生産物情報を発信、受信してはいかがでしょうか。


 まず、愛媛産の農林水産物と競合産品の消費者側の評価を生産者に届けます。次に、その情報をもとに改善された生産物と改善情報を同時に消費者に届けて、また、その反応を確認して新しい消費者情報を生産者に届けます。以上のサイクルを繰り返していけば、必ず消費者の視点に立った特産品ができると同時に、その情報が消費者に届けられることで、本県農林水産物のブランド強化と販売促進が図られるはずです。ここで問題になる消費者側の情報収集方法としては、都市部にあるえひめファンクラブのような団体を活用する方法もあると思います。


 以上の視点をもとに、お伺いいたします。


 このような大都市における消費者やバイヤーの情報の把握、生産者へのフィードバック、さらには、それを踏まえたブランドの認定において、えひめ愛フード推進機構がどのような役割を担っていく必要があると考えているのか、お聞かせください。


 また、県の東京事務所や大阪事務所がどのような役割分担をされているのか、そして、今後、いかに充実させていくのか、お聞かせください。


 次に、南予地域の振興についてお伺いいたします。


 御案内のように、我が国経済は、失われた10年と言われたデフレをようやく克服し、現在、景気は、戦後最長のいざなぎ景気を超えるのは確実と言われるようになっております。また、金融システムの安定化を目的に、平成10年以降、公的資金を注入された大手銀行は、不良債権処理が終わって過去最高益を計上したとのことであり、さらには、日銀のゼロ金利政策についてもその解除時期が注目を集めるなど、中央では確実に景気が回復しているようであります。


 一方、県内を見ますと、東予地域において、化学、紙パルプ、石油、非鉄金属、造船などの製造業を中心に業績が回復しており、18年5月現在の有効求人倍率も1.11と昨年同月と比較して0.05ポイント上昇するなど、景気回復に向けて確かな足取りが感じられるのであります。先般、警察経済・農林水産の両委員会で、東予地域を中心に視察を行った際にも、造船技術の伝承や地域経済の発展を目的として設立されている今治地域造船技術センターでは、将来にわたる需要に対応するため技術者の育成が進んでおり、定員50名程度に対して、17年度は61名、18年度は79名が入校しているとのことであり、東予地域の景気回復を実感したところであります。


 しかしながら、南予地域においては、相次ぐ大手企業の撤退、少子高齢化や過疎化に伴う人口流出、農林水産業の不振等によって、地域経済は長らく低迷しており、業績が回復する東予地域や人口が集中する中予地域とは、明らかに格差が生じてきているのであります。南予地域は、豊かな自然に恵まれ古くから一次産業が盛んで、農林業では、温州ミカンなどのかんきつ類を初めとする果樹や米、野菜、畜産物、シイタケなどの栽培が、水産業では、真珠、ハマチ、マダイなどの養殖が盛んに営まれ、農林水産業は地域の基幹産業となっております。


 しかしながら、近年、温州ミカンなどかんきつ類は、品質はよくても価格が上がらない状況で、農家の生産意欲が低下しているとも聞き及んでおります。さらに、水産業では、真珠養殖はアコヤ貝の大量へい死以降、生産量が激減するとともに、魚類養殖においては、魚価低迷が続いた結果、養殖漁家はもとより漁協の経営までもが非常に厳しい状況になっているとのことであります。このまま基幹産業である農林水産業が衰退し、高齢化や人口減少が続いていくならば、地域の活力が失われるだけでなく、地域自体が崩壊するのではないか、そのような危惧さえ感じられるのであります。


 このような中、県におきましては、経済の低迷が続く南予地域の振興に向けて、今年度から、県庁内に南予地域活性化特別対策本部を設置されるとともに、八幡浜地方局と宇和島地方局には、現地対策本部も設置されたとのことであり、まことに時宜を得たものと感謝し、期待をしているところであります。


 南予地域は、東中予に比べて交通の便も悪く、企業の集積も少ない地域ではありますが、里山に代表されるように、古くから豊かな自然と人が共存してきた伝統や文化が息づいており、一次産業が活力を取り戻してこそ南予地域だと思うのであります。また、一次産業が元気であれば、二次産業も三次産業も活性化し、そして地域全体も潤うものであり、南予地域にとっては一次産業が基本だと思うのであります。


 そこで、お伺いいたします。


 県では、南予地域の振興に向けてどのような考え方で産業振興に取り組むのか。特に、地域の基幹産業である農林水産業の振興についてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、県立南宇和病院の医師確保についてお伺いいたします。


 さきの2月定例議会の警察経済委員会におきまして、竹田委員がこの問題について触れましたが、再度、本議会で質問させていただきます。


 御案内のとおり、平成16年4月から、医師の臨床研修が義務化されたことにより、研修医が出身大学にとらわれず研修病院を選択することが可能となったことや、都市志向、専門医志向により、大都市の病院へ流れる医師がふえ、医師数は、全国で年間4,000人程度増加しているにもかかわらず、僻地における医師の不足が全国的に深刻な状況になっております。山間部や離島を多く抱える本県でも、これら僻地における地域の医療供給体制の確保は重要な課題であります。


 県におかれましては、これまでに、自治医科大学における医師の養成や僻地診療所への代診医派遣などに努められ、今年度から、本県独自の取り組みとして、へき地医療医師確保奨学金制度を創設され、将来県内で僻地医療に従事する医学生を募集し、大学3年生から初期臨床研修終了までの原則6年間奨学金を貸与し、一定期間、県内の僻地医療に従事させる取り組みに着手されたところであります。


 また、愛媛大学におかれましても、本年度から地域枠の設定などにより、地域医療に従事する医師の確保に努められていると聞いております。


 しかしながら、こうしたさまざまな対策の成果として、僻地に医師が十分確保されるまでにはかなり時間を要すると思われ、それまでの間、医師不足をどのようにして乗り越えていくのか非常に危惧しているところであります。実際に、私の地元であります県立南宇和病院も例外ではなく、麻酔科や泌尿器科などで常勤の医師が確保できず、医師不足の状況が続いております。県立南宇和病院は、郡内で唯一の総合診療機能を有する病院として、一般医療から救急医療まで幅広い役割を担う地域住民にとってなくてはならない病院であり、医師不足の現状を非常に心配しております。


 先般、南宇和郡救急医療対策協議会に出席させていただきましたが、地域住民は、特に、救急病院としての機能に不安を抱いております。県立南宇和病院は、郡内の救急搬送患者の約9割を診療しており、まさに地域住民の命のよりどころでありますが、現在、麻酔科の医師が常勤しておりません。月曜から金曜までは、県立中央病院から麻酔科医が派遣されておりますが、週末に緊急手術が必要となる場合には、約1時間もかけて宇和島市の総合病院まで搬送する事態も発生しており、このままでは地域の拠点病院としての機能を十分に果たせなくなるのではと大変憂慮するものであります。


 そこで、お伺いいたします。


 県立南宇和病院が、地域住民から期待されている診療機能を確保し、良質な医療を適切に提供するために、医師の確保にどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。


 最後に、道路整備についてお伺いいたします。


 まず、高速道路の南予延伸と国道56号一本松工区の道路整備についてであります。


 おかげさまで南予における高速道路も宇和島市保田から高田までの間が平成21年度に、また、高田から岩松までの間が平成20年代前半に供用予定と伺っており、着々と高速道路の整備が進められております。また、平成12年度に事業化された国道56号宿毛一本松改良工区も、本年度末をもって供用となる運びと聞いております。地元を代表し、国、県の御努力に改めて感謝申し上げるとともに、知事におかれましては、常々愛媛県は一本松までの高速道路が開通するまで、まだ21世紀はスタートしないとの思いをお聞かせいただき、大変心強く感じているところであります。


 さて、四国沖を震源とする東南海・南海地震は、今後30年以内に50%の確率で発生すると予測されており、中央防災会議専門調査会が公表したところによると、東南海・南海地震が同時期に発生した場合の被害は、死者数が1万7,800人、全壊建物数は62万8,000棟、本県の死者数が最大で約200人、全壊建物が6,600棟に達するなど、甚大な被害の発生が憂慮されています。


 ここでまず思い出されますのは、平成7年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災です。倒壊した高速道路、救助、救急に向かう緊急車両や家族の安否を気遣い被災地に向かう人々、さらには避難者へ救援物資を輸送する車両が、幹線道路の被災により、至るところで立ち往生した光景は、決して忘れることができません。また、平成16年度は合計8個の台風が県下に被害をもたらし、中でも台風21号は、東予地域の高速道路も含め幹線道路を2日間通行どめにするなど、甚大な被害をもたらしたことは、まだ記憶に新しいところであります。


 このような事態を改めて思い浮かべるとき、地震など災害時における人命の安全と被害の拡大を防止するためには、災害に強い道路がいかに必要であるかを痛感しているところであります。大変厳しい財政状況ではありますが、県民の生命や財産を守り、将来に不安を抱かせない安心安全な県土を構築していくために、緊急輸送活動を支える高速道路を早急に整備することが極めて重要であると考えます。


 そこで、お伺いいたします。


 近い将来発生すると考えられる東南海・南海地震に備え、高速道路の津島以南の取り組み状況はどうか。


 また、高速道路が整備されていない四国西南地域において、唯一の緊急輸送路である国道56号のうち、急カーブが連続し幅員も狭く交通の難所となっている一本松工区約2kmの整備について、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、1.5車線的道路整備についてであります。


 地域における道路の役割は、樹木に例えますと、高速道路が樹木の幹、国道・県道は枝、集落が葉っぱに例えられると思います。中でも県道は、集落である葉っぱがつくり出した栄養分を樹木全体に運び、その生命を維持するために必要不可欠な存在といえるでしょう。現在、私の生活する南予地域という樹木は元気を失いつつあります。他の地域との競争力を強め、再び元気を取り戻すには、末端部の葉っぱから幹まで、全体がしっかりと構築されなければならないことは言うまでもありません。


 幸い、県におきましては、このような県道の整備対策の一つとして、平成16年度から私の地元愛南町の県道網代鳥越線において、真珠養殖などの地場産業の発展を支援するための1.5車線的道路整備を実施していただいております。現在、3カ所で局部的な改良が行われ、一部で離合困難が解消されたことにより、地元の住民からは、随分と走りやすくなったとの声が寄せられているところです。ここに、地元を代表いたしまして、深く感謝を申し上げます。


 また、18年度中には、残り2カ所の整備が予定されており、地元住民はますます走行性が向上しますことを期待しておりますので、引き続き整備を促進し、早期の完成をお願いいたします。


 このように、1.5車線的整備は、厳しい財政状況の中で、農山村部における地元の要望に早期にこたえる非常に有効な手段であると実感いたしております。


 そこで、お伺いいたします。


 県では、1.5車線的整備に今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 以上で質問を終わらせていただきます。


 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)


○(帽子敏信副議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(帽子敏信副議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 猪野議員の質問に答弁いたします。


 県では、南予地域の活性化に向けて、どのような考え方で産業振興に取り組むのかとのお尋ねでございました。


 南予地域の活性化のためには、地域に存在する豊かな自然や文化、産業、人材などを有機的に関連させ、新たな産業や仕組みを構築する必要がございまして、具体的には、民間部門が、より多くの域外マネーを獲得し、域内産業間の取引等により付加価値を増幅させ、これにより得られた所得等を域内で使うことにより、さらなる産業活動を誘発する経済構造へと転換を図ることが何よりも重要であると考えております。


 このため、県では、南予地域におきまして、1つには、域外マネーを獲得するため主力となる農林水産業の経営基盤や流通力の強化、町並博を継承した観光まちづくりの推進、企業誘致などに取り組んでおりますほか、2つ目には、域内での経済循環を高め波及効果を拡大するため、地場の農林水産物を原材料とする食品関連産業の育成や南予の資源を活用した地域密着型ビジネスの創出を行い、3つ目には、域内消費を促進するため、地産地消の推進、域内波及効果が大きい観光関連産業の振興、これらを戦略的な産業振興策を推進しているところでございます。


 また、産業を支える基盤として、高速道路の南予延伸など、基幹交通体系の整備に最重要課題として取り組んでいるところでございまして、これらの施策を総合的、効果的に推進することにより、南予地域の活性化に全力で取り組んでまいりたいと考えております。


 お尋ねのございました津島以南の高速道路と国道56号一本松工区約2?の整備について、今後どのように取り組むのかとの質問でございました。


 高速道路の南予延伸につきましては、御案内のとおり宇和島道路は直轄事業により、また、西予宇和−宇和島北間は新直轄事業により、それぞれ順調に工事が進められておりまして、また、昨年度に宇和島道路の延伸区間として、新規事業化が認められました津島町高田から岩松までの3.5?につきましても、地元関係者との設計協議等が円滑に進められております。


 お尋ねのありました津島以南につきましては、まだ整備手法も決まっていない状況にありますため、県としては、南予地域の活性化はもとより、8の字ネットワークの早期形成や災害に対する安全安心を確保する観点からも、一日も早く事業化が図られますよう、引き続き国に対し強く求めてまいりたいと考えております。


 次に、国道56号宿毛一本松改良につきましては、猪野議員お話のございましたとおり、地元の協力もありまして、今年度末の供用予定と聞いており、大変喜んでいるところでございます。


 国におきまして調査着手となりました一本松工区は、線形不良箇所の解消等、愛媛県南予地域の交流を支援する事業でございまして、今年度は基礎調査が実施されることとなっております。


 猪野議員が御指摘のありましたように、東南海・南海地震に備える意味でも、災害に強い道路整備は喫緊の課題でありますことから、早期整備が図られますよう、国に対し強く働きかけてまいりたいと思っております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(帽子敏信副議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 猪野議員にお答えします。


 私の方からは、農林水産物の販売促進とブランド化への取り組みについて、これのうちの県の東京事務所や大阪事務所は、現在どのような役割分担をし、今後いかに充実させていくのかとのお尋ねについてお答えいたします。


 県の東京・大阪両事務所におきましては、これまで県人会でありますとか、あるいは伊予観光大使など、これらの活動を通じまして、県産農林水産物及びその加工品のPRあるいは販売促進に努めておりますほか、えひめ愛フード推進機構が行いますトップセールスあるいはビジネスコンベンションなどの販路開拓事業におきましても、関係機関、団体との連絡調整機能を担っているところでございます。


 また、東京のせとうち旬彩館や大阪事務所の物産販売コーナーにおきましては、県産品の展示、販売、消費者による産品の評価を通じまして、アンテナショップとしての役割を果たしているところであります。


 今後は、えひめ愛フード推進機構のブランド戦略に基づきまして、大消費地であります東京、大阪において、ブランド産品のPR及び販売促進を強力に進めていくこととしております。それでありますので、これまでの展示、販売機能に加えまして、全農えひめなど関係団体、また市場関係者、さらには大型量販店のバイヤー等との連携を一層強化し、流通関係者や消費者などからの情報収集活動など、これらを積極的に展開いたしますため、両事務所の農林水産分野における活動の充実、拡大に努めてまいりたいと考えております。


 もとより組織は生き物でございます。生々流転という言葉がございますが、県の組織も時代に応じてかえていかなければならないと思っております。


 今後とも、行政需要に応じまして、いろいろ適切な対応をしてまいりたいと思っております。


 以上でございます。


○(和氣政次公営企業管理者) 議長


○(帽子敏信副議長) 和氣公営企業管理者


   〔和氣政次公営企業管理者登壇〕


○(和氣政次公営企業管理者) 猪野議員にお答えいたします。


 県立南宇和病院の医師確保にどのように取り組んでいるのかとのお尋ねでございました。


 県立南宇和病院は、地域で唯一総合診療機能を有する中核病院として重要な役割を果たしておりますので、今後も現有診療科を維持する必要があると考えておりますが、猪野議員お話のございましたように、僻地における医師確保が全国的にも大変困難な中、南宇和病院におきましても、内科、泌尿器科、麻酔科等で5人の医師の欠員が補充できていない状況にあることから、県立中央病院から医師を交替で派遣するなどいたしまして、診療機能の確保を図っているところでございます。


 特に、麻酔科医につきましては、県立中央病院におきましても、手術件数の増加や県立新居浜病院への新たな派遣などによりまして、南宇和病院への派遣も現在の週5日が限界の状況でありまして、週末の麻酔科医が必要な緊急手術等につきましては、宇和島市内の医療機関等との連携強化により対応をしているところでございます。


 南宇和病院につきましては、今年度より、医師給与の処遇改善措置を講じました結果、一部の診療科で医師が定着するなどの効果を上げているところでもございますので、今後も引き続き、関係大学に医師の派遣を要請するなどにより、医師の確保に努めまして、地域住民の方々に良質で安全安心な医療を提供してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎農林水産部長) 議長


○(帽子敏信副議長) 高浜農林水産部長


   〔高浜壮一郎農林水産部長登壇〕


○(高浜壮一郎農林水産部長) 猪野議員にお答えします。


 まず、森林環境税を活用した事業において、河川流域の森林組合や農業協同組合、漁業協同組合、また、関係市町と連携してどのように推進していくのかというお尋ねでございました。


 県では、県民皆様からいただきました森林環境税を活用しまして、県民参加による森林環境の保全、それと森林と共生する文化の創造、このことを目的としてさまざまな事業を展開をいたしております。


 このうち、県民みずから企画、立案、実行をする公募事業では、植樹や間伐、竹林整備、森林体験など幅広い活動に多くの県民が参加し、豊かな森づくりに向けた新たな取り組みが行われております。


 また、森林の恵みを受ける漁業者みずからが、豊かな漁場環境づくりの一環として、森林関係者の協力を得て、クヌギやコナラなどの広葉樹を植栽をしますえひめ漁民の森づくり活動を推進をいたしますとともに、植樹後の管理ノウハウを学ぶ講習会や実習も行っておりまして、今年度は、西条市加茂川流域で植樹活動を行うことにしております。


 今後は、市町及び農林水産関係団体などが一体となって、森、川、海のつながりの中で、緑のダムであります森林の環境を保全することは非常に重要でありますことから、こうした活動をさらに発展をさせたいと考えておりまして、森林環境税を効果的に活用し、地域総参加の森づくりを一層推進してまいりたいと考えております。


 次に、農林水産物の販売促進とブランド化への取り組みについてのうち、えひめ愛フード推進機構はどのような役割を担うのかとのお尋ねでした。


 えひめ愛フード推進機構は、本県農林水産物のブランド化推進の中核組織でありまして、本年6月に策定をいたしましたえひめ農林水産物等のブランド戦略基本方針に基づいて、「愛媛産には、愛がある。」これをブランドイメージとしまして、安全安心で品質にすぐれた産品を県内外の消費者に積極的に打ち出すという重要な役割を担っておりまして、県としても、本県農林水産業発展の礎になるものであると期待をいたしております。


 推進機構では、今後早急にブランドを認定するための審査会を立ち上げることにしておりますが、その委員に流通関係者や消費者団体関係者を選任をいたしまして、市場や消費者のストレートな声をお聞きしますとともに、生産団体や企業からは、生産時期、販売量、品質などの販売戦略の説明を求めるなど、市場や消費者の求める産品を販売するという、いわゆるマーケット・インの考え方を基本に置いて、ブランドの認定に取り組むことにいたしております。


 また、お話ありました大都市における消費者やバイヤーの情報は、ブランド戦略を推進する上で大変重要なものでありますので、推進機構ホームページの掲示板の活用や消費者アンケートの実施、商談会の開催などを通じて情報収集に努めまして、生産団体などにフィードバックをするなど、関係団体と連携、協力して、消費者に評価され、選ばれるようなブランドづくりを進めてまいりたいと考えております。


 最後に、南予地域の振興について、特に、南予地域の基幹産業である農林水産業の振興についてどのように取り組むのかとのお尋ねでした。


 猪野議員のお話にありましたように、南予地域は、本県農林水産業の産出総額の約半分を占めておりまして、その振興を図り、南予を活性化することは、本県農林水産業の発展のためにも重要であると考えております。


 具体的な取り組みとしましては、ミカンに関する研究開発の中核施設でありますみかん研究所の整備、それから、地域資源を生かした都市と農山漁村の交流を促進するグリーン・ツーリズムの推進、そうして、集落営農の組織化による安定的な農業経営の確立、これらを進めますとともに、付加価値を高める農林水産物のブランド化の促進や市場価値の高い越し物真珠への移行によります真珠産業の再生、そうして、マハタ、クエ等養殖魚種の多様化などによります産地間競争力の強化に努めますほか、治山、林道整備を初め、森林環境税を活用した森林づくりなど、南予地域を対象に進められる広範な事業に対し積極的な支援を行うことにいたしております。


 これらの施策を効果的に実施いたしますとともに、地元からのニーズに迅速かつ的確にこたえていくことが、南予地域を全体として底上げし、地域の活性化につながっていくものと考えておりまして、市町、関係団体と一丸となりまして、南予地域の農林水産業の振興に取り組んでまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(清水裕土木部長) 議長


○(帽子敏信副議長) 清水土木部長


   〔清水裕土木部長登壇〕


○(清水裕土木部長) 猪野議員にお答えいたします。


 道路整備について、1.5車線的整備に今後どのように取り組むのかとのお尋ねでした。


 1.5車線的道路整備につきましては、愛南町の県道網代鳥越線の特に離合が困難な6?の区間におきまして、平成16年度から今年度までの3カ年計画でモデル事業を実施しており、途中段階ではございますが、既に地域住民から一定の評価をいただき、この整備手法の有効性が確認できたところでございます。


 今年度は、このモデル事業のほかに、既存の事業で整備を行っております愛南町の一本松城辺線など県内69路線におきまして、これまでの一律的な2車線整備にこだわらない局部的なすれ違い区間設置や、待避所設置による1.5車線的道路整備に取り組むこととしております。


 現下の厳しい財政状況の中、比較的交通量が少なく、未整備区間が多く残されている中山間地域等におきましては、今後ともコスト縮減を図り、多様な住民ニーズや地域の課題に的確、迅速にこたえるため、積極的にこの手法を活用して、効果的な道路整備を進めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


    ―――――――――――――――――


○(帽子敏信副議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。


 明4日は、午前10時から本会議を開きます。


 日程は、全議案に対する審議の続行であります。


 本日は、これをもって散会いたします。


     午後3時8分 散会