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平成18年第296回定例会(第5号 3月 7日)




平成18年第296回定例会(第5号 3月 7日)





第296回愛媛県議会定例会会議録  第5号


平成18年3月7日(火曜日)


 
〇出席議員 49名


   1番  楠 橋 康 弘


   2番  豊 島 美 知


   3番  大 沢 五 夫


   4番  豊 田 康 志


   5番  笹 岡 博 之


   6番  鈴 木 俊 広


   7番  徳 永 繁 樹


   8番  高 山 康 人


   9番  泉   圭 一


  10番  欠     番


  11番  欠     番


  12番  阿 部 悦 子


  14番  佐々木   泉


  15番  住 田 省 三


  16番  菅   良 二


  17番  渡 部   浩


  18番  白 石   徹


  19番  戒 能 潤之介


  20番  赤 松 泰 伸


  21番  本 宮   勇


  22番  欠     番


  23番  井 上 和 久


  24番  栗 林 新 吾


  25番  村 上   要


  26番  高 橋 克 麿


  27番  河 野 忠 康


  28番  黒 川 洋 介


  29番  明 比 昭 治


  30番  猪 野 武 典


  31番  田 中 多佳子


  32番  竹 田 祥 一


  33番  森 高 康 行


  34番  成 見 憲 治


  35番  藤 田 光 男


  36番  笹 田 徳三郎


  37番  薬師寺 信 義


  38番  帽 子 敏 信


  39番  岡 田 志 朗


  40番  西 原 進 平


  41番  寺 井   修


  42番  仲 田 中 一


  43番  清 家 俊 蔵


  44番  横 田 弘 之


  45番  土 居 一 豊


  46番  欠     番


  47番  欠     番


  48番  柳 澤 正 三


  49番  中 畑 保 一


  50番  篠 原   実


  51番  高 門 清 彦


  52番  山 本 敏 孝


  53番  谷 本 永 年


  54番  玉 井 実 雄


  55番  池 田 忠 幸


  ――――――――――


〇欠席議員 1名


  13番  今 井 久 代


  ――――――――――


〇欠  員 なし


  ――――――――――


〇出席理事者


  知 事           加 戸 守 行


  副知事           吉野内 直 光


  出納長           永 野 英 詞


  公営企業管理者       和 氣 政 次


  総務部長          讀谷山 洋 司


  企画情報部長        夏 井 幹 夫


  県民環境部長        石 川 勝 行


  保健福祉部長        藤 岡   澄


  経済労働部長        高 浜 壮一郎


  農林水産部長        喜 安   晃


  土木部長          大 内 忠 臣


  公営企業管理局長      相 原 博 昭


  教育委員会委員       砂 田 政 輝


  教育委員会委員教育長    野 本 俊 二


  人事委員会委員長      稲 瀬 道 和


  公安委員会委員長      吉 村 典 子


  警察本部長         粟 野 友 介


  監査委員          壺 内 紘 光


  監査事務局長        河 野 恒 樹


    ――――――――――


〇出席事務局職員


  事務局長          丹生谷 光 嘉


  事務局次長総務課長事務取扱 北 川 一 ?


  参事議事調査課長      菅   宜 登


  参事政務調査室長副参事   篠 崎 泰 男


  総務課長補佐副参事     川 口 和 男


  議事調査課長補佐      玉 井 省 三


    ――――――――――


〇本日の会議に付した事件


 会期決定の件


 会議録署名者選任の件


 定第1号議案ないし定第69号議案


    ―――――――――――――――――


     午前10時 開議


○(森高康行議長) ただいまから、本日の会議を開きます。


 本日の会議録署名者に岡田志朗議員、村上要議員を指名いたします。


    ―――――――――――――――――


○(森高康行議長) これから、定第1号議案平成18年度愛媛県一般会計予算ないし定第69号議案を一括議題とし、質疑を行います。


○(高山康人議員) 議長


○(森高康行議長) 高山康人議員


   〔高山康人議員登壇〕


○(高山康人議員)(拍手)おはようございます。


 4回目の質問をさしていただきます。自民党の高山です。どうかよろしくお願いします。


 まず最初は、今回で4回目になります県立北宇和病院問題から始めさしていただきます。


 県立北宇和病院については、平成14年度に実施された包括外部監査において廃止する方向で検討すべきであるとの報告が出されたことを受けて、県では、平成15年4月に県立病院機能・あり方庁内検討委員会を設置し、北宇和病院の必要性等について検討を行った結果、平成16年3月に、県立病院として求められる役割は終わったと考えられ廃止するとの方向が出されて以来、私も本会議で訴え、地元でも存続を求める運動を行うなどいろいろ紆余曲折ありましたが、最終的には、地元であります鬼北町が、地域の高齢化が進む中で、地元住民はもとより地域住民に引き続き安心な医療を提供するため、地域に密着した病院が必要であるとの決断をし、指定管理者制度を導入して町立病院として新たな出発をすることになりましたことは、御案内のとおりであります。


 現在、鬼北町においては、県の支援を受けながら、指定管理者となる社会福祉法人旭川荘との間で、病院運営に関する具体的な協議や病院開設にかかわるさまざまな手続を行うなど、4月1日の町立病院開設に向けた準備を進めているところであります。


 しかしながら、県立病院として廃止するとの方針が出されて以来、大きく落ち込んでいる患者数を回復させ、町立病院の経営を採算ベースに乗せるには、かなりな時間を要すると見込まれることや現在の町財政の中で、町立病院開設に伴う運営資金の確保が非常に厳しい状況にあることから、新病院が安心してスタートを迎えることができ健全な経営を図っていくためには、町行政を挙げて取り組み、すべての町民が自分たちの病院との認識を持って利用していくことが大前提でありますが、医師、看護師など医療スタッフも含めた県の支援が不可欠であると考えるところであります。


 県におかれましては、これまでの本会議での質問に対しましても、国立病院等の事例も参考にして、新病院の健全経営が図られるよう可能な限りの支援を講じるとの温かい答弁をいただいておるところであり、来年度の当初予算にその支援の予算を計上していただいていることについて、大変ありがたく思っておるところであります。


 そこで、お伺いいたします。


 県立北宇和病院を鬼北町に移譲するに当たって、具体的にどのような支援を行うのか、お聞かせください。


 次に、農業問題について、今回は、品目横断的経営安定対策と表裏一体の関係にある米の生産調整支援対策についてお伺いいたします。


 平成17年3月に策定された新食料・農業・農村基本計画において、19年産から品目横断的経営安定対策を導入することが明らかにされていることから、農林水産省は、昨年10月27日、経営所得安定対策等大綱を決定し現在の稲作所得基盤確保対策等を見直すとともに、19年度から21年度までの国の支援策の大枠を決定したことは既に御承知のとおりであります。国は、この品目横断的経営安定対策の導入にあわせて、19年産の米から新たな需給調整システムへ移行することを目指しておりますが、新たな需給調整システムにおいては、国の支援策を活用しつつ、農業者と農業者団体が、国、県からの情報や市場の合図をもとに、みずからの販売戦略に即した生産を行うシステムとすることが必要であるとされております。現行の需給調整システムは、国、県から数量の配分を受けた市町村長が、すべての農業者に対して生産目標数量を作付面積に換算して配分する方法で実施されておりますが、新たな需給調整システムは、実施段階の第一線から行政機関が手を引き、地域協議会等の場を通じて支援することになっております。


 生産調整の方針を作成し、方針に参加する農業者等に生産目標を配分するJA等の役割が極めて大きくなるのであります。生産の現場である市町においては、実はこの点が最も懸念されているところであり、生産調整の実行性が果たして担保されるか、結果として米価の維持が図れるのかといった制度の根幹に関する疑問の声が聞こえるのであります。


 米の生産調整は、昭和46年以降、一貫して国の農政の基本施策であり、国、県、市町村という行政機関が一体的に取り組んでいるものであります。よい悪いは別にして、行政と農村のかかわりの深さが生産調整の実行性を担保してきたのであります。新たな需給調整システムでは、行政機関は、情報提供と地域協議会における支援という限定的な役割に位置づけられ、結果として行政目的である生産調整という目的を達成することが可能なのか、疑問を感じるのであります。


 県は、県内の農業者、農業団体の現在の状況をどのように認識されているのか。水田農業推進協議会等の場を通じて、新たな需給調整システムにどのように取り組もうとされているのか、お伺いいたします。


 まさに需給調整システムの主役となることを求められている農業者団体・JAに、果たしてそのシステムの主体としての役割が期待できるかという問題があります。


 米については、本県は消費県であります。インターネットの普及によって、個人でも幅広い販売網を確立することが可能になっている今日では、従来のように、JAがその組合員の負託を受けて生産と販売を管理するということは、もはや当たり前ではなくなっております。生産に要する経費、販売における価格、これらの点で、組合員に対して目に見える形でメリットを提供できず、その結果、組合員はJAを利用しないという現実が生まれております。地域農業や農業社会におけるJAの影響力の低下は否めないものであります。


 さらに、JAの傘下を離れ、生産から販売に至るあらゆる面で経済性を追求する農業者こそ、まさに品目横断的経営安定対策の対象にしようとしているいわゆる担い手の資格要件を満たすと言えるかもしれないのであります。


 しかし、個別の農業経営体の幾つかが経営的に成功したとしても、JAがこれまで持っていた求心力を失い、その結果、農村社会や生産基盤が崩壊したのでは、対策が成功したとは言えませんし、やがて生産基盤としての用排水路や農道といった地域資源が荒廃し、成功したかに見えた農業経営体への経営圧迫につながるという悪循環も懸念され、農村社会全体を支える組織としてJAの役割は、依然重要なものであると考えます。


 そこで、お伺いいたします。


 各方面で大きな役割を期待されているJAの機能強化を図るためにどのように取り組もうとされているのか、お聞かせください。


 次に、市場化テストについてお伺いいたします。


 小泉内閣は、国、地方とも厳しい財政状況、多様化、高度化する行政ニーズなど社会経済環境の変化を踏まえ、これまで国、地方公共団体が大きな役割を果たしてきた行政システムのあり方を見直し、小さくて効率的な政府を実現することを目標に掲げ、構造改革の推進に取り組んでおられます。


 この実現の切り札と言われてきたいわゆる市場化テスト法案、正式名称競争の導入による公共サービスの改革に関する法律案が、去る2月10日に国会に提出されました。余り聞きなれないこの市場化テストとは、これまで国、地方公共団体など官が手がけてきた公共サービスについて、官と民が対等な立場で競争入札に参加し、価格、質の両面で最もすぐれた者がそのサービスの提供を担っていくというものであり、小泉内閣が掲げる民間でできることは民間にの方針を担う制度で、限られた財源の中で公共サービスの質の向上や経費の削減等をさらに進めるためのツールとして大きな期待が寄せられております。


 一部には、官の世界に競争原理が取り入れられることで、利益追求第一になり、コスト削減のみが優先されるのではないかなど、不安の声もあるようですが、きちんと市場化テストのプロセス全般をチェックし客観的な事後評価制度などの仕組みを整えることで、問題はクリアできるのではないかと思います。


 既に国においては、法案の成立に伴う本格導入に先駆け、17年春から国民年金保険料の徴収やハローワーク関連事業など、3分野8事業をモデル事業として試行しており、入札に参加した企業は延べ127社にも上るなど民間側の意欲も高く、今後、このモデル事業の検証などを踏まえ、より成果の上がる制度を構築していただきたいと思うのであります。


 そこで、お伺いいたします。


 私は、官民が競争することにより、官は、行政のスリム化や公務員の削減を初め歳出抑制策につながり、民では、新たなビジネスチャンス、雇用創出につながるなど、市場化テストは大変有効な仕組みと思っており、今後、市場化テストの導入について検討を進めていく必要があると考えますが、県のお考えをお聞かせください。


 次に、県有資産を対象とした広告事業の導入についてお伺いいたします。


 地方財政が厳しさを増す中、本県を初め全国の地方自治体が財政健全化に向けた取り組みを加速させておりますが、その中でも、多くの自治体が歳出削減を財政再建の本丸として位置づけ、組織定数の見直しや給与削減など内部経費の抑制や事務事業の徹底的な見直し等に取り組んでいるところであります。


 このような全国の自治体が非常に厳しく困難な行財政運営を強いられている中にあって、近年新たな財源確保の方策として、自治体が所有する資産を活用した広告事業に着手するケースが増加しております。全国の事例を見ますと、競技場や文化会館等の集客施設への広告看板の設置や自治体ホームページのバナー広告の掲載、自治体が発行する広報誌や刊行物、封筒等への広告掲載など多種多様な取り組みがなされており、広告収入も大規模施設や大都市圏では数千万円規模に達するケースも見受けられるなど有力な財源となっているものでもあり、四国においても、既に香川県や高知県において一部取り組みが開始されているところであります。


 広告事業は、媒体が多種多様なことから、広告を受け取る対象の違いによる宣伝効果や広告料の設定もさまざまなものが想定されると考えます。そのうち広告料が比較的少額なものについては、広告主も集まりやすいと思われますが、宣伝効果が大きいものの広告料が多額なものについては、県内外から募集することになるケースも考えられます。


 そこで、例えば、全国規模の大会等が開かれる会場のネーミングライツを買い取る企業等を募集する際に広く県外にも呼びかける。その場合は、せっかく県有資産を活用するのでありますから、県内出身の人や企業を対象としたふるさと広告枠のようなものを設け、愛媛県人会やいよかん大使等の協力を得るなどして、県内出身で全国的に活躍する人、企業等に応募を呼びかけ、ふるさと愛媛の発展のために何かの形で貢献したいという思いを持つ人々に広告提供という形で協力していただければ、広告を出す側のPRになることはもちろん、県民にとっても本県出身者が全国で活躍するさまを目にする機会がふえるなど、工夫次第で収入面以外の効果も期待できるのではないかと思われます。


 もちろん広告事業の導入に当たっては、県有資産の公共性や公益性あるいは県の資産は県民の財産であるとの観点から、広告媒体となる県有資産や広告主の選定、広告の掲載内容等について適正な審査が必要であることや、大都市圏と比較して市場規模も小さいことから多額の収入を得ることは困難とは思いますが、危機的な財政状況にある愛媛県においても、財源確保のための自助努力の一つとして、ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思うのであります。


 そこで、お伺いいたします。


 県では、厳しい財政状況の中、新たな財源確保の方策として、来年度から県有資産を活用した有料広告事業に着手することを表明し、既に県広報紙であるさわやか愛媛や県ホームページなど4つの媒体を対象に具体的な準備作業に着手されているところでありますが、今後、どのような方針で広告事業に取り組むのか。また、現在先行する4件以外にどのような取り組みを検討されているのか、お聞かせ願いたいのであります。


 最後に、先週の我が党の代表質問でも南予対策について質問されましたが、私も南予の議員として、県土の均衡ある発展を信じる者として、極めて憂慮すべき事態と知事も認識を示されている南予地域の活性化対策についてお伺いいたします。


 御案内のとおり、本県経済は踊り場を脱却し、緩やかな回復基調にあるとされておりますが、南予地域におきましては、基幹産業である第一次産業の不振に加え、第一次産業を下支えしてきた建設業も財政難から公共事業の削減で整理、縮小、また、中核企業の撤退が相次ぐなど、非常に厳しい状況が続いており、地域の持続的発展すら危惧されている事態となっております。


 そうした中、県におかれましては、南予の惨状を救うべく、このたびの当初予算案においてえひめの元気創造枠を最大限活用するなど、南予の活性化対策を重点項目に位置づけていただいているところであり、その御英断に深く感謝を申し上げるところであります。南予地域がその特性や資源を生かし、地域経済の活性化を図っていくために、我々地元としても英知を結集し、県当局と手を携えて頑張ってまいりたいと思っているところであり、強い期待を込めて南予活性化対策の推進体制について質問さしていただきます。


 今回の予算案を見ておりますと工夫を凝らした施策が提案されており、まことにありがたくその成果に大きな期待をしておりますが、心配する点があります。それは、部局間の総合的な調整や密接な連携が効果的に行えるかという点であります。


 知事は、部局横断的な形で全庁一丸となった体制を構築したいと考えていただいておりますが、県としては、今のところ新たな組織やポストまでつくるお考えはないと聞いております。かつて国においては、特定地域の振興開発等を所管する独立した行政機関として北海道開発庁及び沖縄開発庁を設置され長官を置かれておりましたし、2001年の中央省庁再編に伴い統合はされたものの、総理大臣直轄の内閣府に沖縄及び北方対策担当として特命担当大臣を置かれております。


 もとより県においては、徹底した行財政改革が求められており、組織やポストの新設は慎重であるべきと思いますが、東・中予と広がる一方の地域間格差、南予経済の立て直しは難問であり、有効な決め手はないが考え得る限りの努力はしたいとも知事はおっしゃっていただいており、また、昨日高門議員が地方局再編問題について質問された際、地域振興部を設置し、各地域の発展を図ってはどうかとの提案も出されております。とりわけ厳しい経済情勢にあります南予の活性化対策は、県の最重要課題に位置づけられるものでもあり、最初から全力で取り組む態勢、統一的な考えのもとに、強力なリーダーシップに基づいて総合的かつ効果的に全力で取り組める専任のスタッフや予算を持った特命組織・担当総括ポストの設置をぜひとも御検討いただきたいと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。


 以上で私の質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 高山議員の質問に答弁さしていただきます。


 南予活性化対策に総合的かつ効果的に取り組む特命組織・担当総括ポストの設置を検討してほしいがどうかとのお尋ねでございました。


 高山議員御出身の南予地域は、農林水産業の低迷や公共事業の減少、大企業の撤退等に伴う雇用悪化などによりまして、東予、中予地域に比べて地域活力の低下が著しいことから、その活性化は県政の大きな課題であると認識しておりまして、新年度から部局横断的な体制を整備し、全庁一丸となって南予地域の活性化対策に取り組みたいと考えております。


 今回の体制を考えます際には、高山議員のお話にもありました専任のポストや組織の設置についても検討を行いましたが、徹底した行政機構のスリム化や定員の削減を進めている状況にある上、新たに組織をつくって十分な効果が出せるのか、特に、既存の部局との権限の調整が難しいのではないかとの判断もありまして、既存組織を活用した部局横断的な対策本部を設置する方向で検討しているところでございます。


 しかし、せっかくの高山議員の御意見でもございますし、対策本部の中での専任ポストは無理だといたしましても、半専従的な形での幹部ポストを設けることを考えてみたいと思います。


 また今回は、全庁的な取り組みに加えて、八幡浜と宇和島の両地方局に、南予地域の活性化について、地域とともに考え行動するための現地対策本部を設置し、地域に密着した地方局の組織やスタッフをフルに活用しながら、南予地域の活性化に取り組みたいと考えております。


 地方局に対策本部を置いて、地方局が主体的に地元の問題に取り組むということは、これまで余り例はございませんが、今回の問題の重要性にかんがみ、現地即決・現地完結型の地方局の真価を十分に発揮させることにより、地域の実情に即した機動的かつ効果的な施策展開を図ってまいりたいと思っております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(和氣政次公営企業管理者) 議長


○(森高康行議長) 和氣公営企業管理者


   〔和氣政次公営企業管理者登壇〕


○(和氣政次公営企業管理者) 高山議員にお答えいたします。


 県立北宇和病院を鬼北町に移譲するに当たって、具体的にどのような支援を行うのかとの御質問でございました。


 県立北宇和病院につきましては、今年度末をもって鬼北町に移譲し、町立病院として運営されることになっておりますが、町立病院開設当初におきましては、当面の運営資金が不足することや2年間は病院事業に対する地方交付税が措置されないことなど、資金確保の面で非常に厳しいことが危惧されるところでございます。


 このため、町では、病院事業基金を設置して、効率的に資金を活用することとしておりますので、県といたしましても、新病院の健全経営が図れるよう、国立病院移譲時の支援制度の考え方を参考にいたしまして、この基金に対して、運営費及び施設・設備整備費の一定割合を初年度に一括して補助するとともに、病院運営に必要な土地、建物及び医療機器などについては無償譲渡することとしております。


 また、町立病院において、当面確保が困難な医師、看護師などの職員につきましては2年を目途に県から派遣するなど、地元住民の方々に対し、引き続き安心安全な医療が提供できるよう協力してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(森高康行議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 高山議員にお答えいたします。


 市場化テストの導入について検討を進めていく必要があると考えるがどうかとのお尋ねでございましたけれども、市場化テストは、これまで国や地方公共団体など、いわゆる官が実施してきました公共サービスにつきまして、官と民とが競争入札を行い、価格、質の両面で最もすぐれたものがそのサービスの提供を担っていくという制度でありまして、公共サービスの質の向上と経費、人員の節減による効率化及び民間のビジネスチャンスの拡大を目的とするものであると承知しております。


 本県では、これまでも厳しい財政状況の中で、民間でできる分野は民間にゆだねることを基本にいたしまして、民間で実施可能な業務は積極的にアウトソーシングの推進に努めてきたところでありますが、この市場化テストは、官民競争入札という新たな手法を用いることにより、民間委託をさらに推進するための有効な手段になり得ると考えられるところであります。


 なお、現時点では、市場化テストのプロセス等詳細が明らかになっておりませんで、また、県としましては、民間活力の積極的、効果的な導入を図るためのアウトソーシング・ガイドラインといったものを来年度策定することとしておりますことから、関係法案の動向でございますとか、あるいは、いわば市場化テストの先行的な取り組みと言えます指定管理者制度の効果検証、あるいは今後の方向性に関する検討などを行いながら、今後の対応について検討を進めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(夏井幹夫企画情報部長) 議長


○(森高康行議長) 夏井企画情報部長


   〔夏井幹夫企画情報部長登壇〕


○(夏井幹夫企画情報部長) 高山議員にお答えをいたします。


 どのような方針で広告事業に取り組むのか。また、先行する4件以外にどのような取り組みを検討しているのかとのお尋ねでございました。


 広告事業は、厳しい財政状況の中での新たな財源確保という観点はもちろんのことでございますが、これに加えまして、県有資産の遊休スペースの有効活用や、これまで、ともすれば予算の執行にのみ目が向いていた職員に、みずからの創意工夫により新たな財源を見出すといった意識改革をもたらす意味でも有意義な取り組みでありまして、現在、全庁を挙げて導入に向け具体的に検討を進めているところでございます。


 現在検討中のものといたしましては、緑化センターでの造園業者を対象とした有料モデル庭園、とべ動物園の移動用バスへの中づり広告などがございますほか、広告料ではなく企業や県民等から広告の表示と引きかえに物品や役務の提供を受けるものとしまして、えひめエコ・ハウスでの企業からの資材の提供を条件としたポスターの掲示、県立公園内での県民の幸せメッセージ等を刻んだプレートのついたベンチの受け入れなどのアイデアが出されておりまして、今後、実施可能なものから順次着手してまいりたいと考えております。


 なお、事業実施に当たりましては、愛媛県広告事業実施要綱を制定いたしまして、広告主の選定や広告内容の審査基準を明らかにしておりますほか、状況に応じて、関係課長で構成いたします広告表示審査委員会を開催することとしておりまして、県民の誤解や批判を浴びないよう、適正な運用に努めてまいる考えでございます。


 以上でございます。


○(喜安晃農林水産部長) 議長


○(森高康行議長) 喜安農林水産部長


   〔喜安晃農林水産部長登壇〕


○(喜安晃農林水産部長) 高山議員にお答えをいたします。


 米の生産調整支援対策について、まず、県内の農業者、農業者団体の現在の状況をどのように認識し、新たな需給調整システムにどのように取り組むのかとのお尋ねでございました。


 米の生産調整につきましては、今までの市町等行政主体による農家への一律配分が少なくなっており、昨年からは農協中央会等の指導のもと、それぞれのJAが生産者の水稲生産希望面積を調査し、その積み上げを基礎に生産者配分を行う地域がふえている状況でございます。引き続き、農家や農業者団体の主体的な取り組みがスムーズに推進できますよう支援してまいりたいと思っております。


 なお、平成19年産米からの新たな需給調整システムにつきましては、昨日、村上議員にお答えいたしましたとおり、平成19年産からの移行に向けて、本年2月より検証作業が開始されており、県といたしましては、今後、導入しようとするシステムが県内生産者に理解され、円滑な移行とその定着が図られるよう努めてまいりたいと考えております。


 次に、農村社会全体を支える組織として大きな役割を期待されているJAの機能強化にどう取り組むのかとのお尋ねでございます。


 農業・農村を取り巻く情勢が激しく変化する中で、地域農業の牽引役であるJAが、今こそ、真に農家・組合員の負託にこたえ農業振興を図る事業活動を一層強化していくことが求められており、愛媛農業の再生のためにも、環境変化に適合したJA改革は避けて通れないものと認識をしておるところでございます。


 県といたしましても、農業に軸足を置き、農業者に最大のメリットを提供することを基本に、JAが進めている営農指導の強化、生産資材価格の引き下げ、消費者との直接取引等販売戦略の見直しなどの改革を円滑に推進し、農家・組合員や地域から信頼され、引き続き農村社会の基層を構成するJA組織であり続けるよう積極的に指導、支援してまいりたいと考えております。


 なお、米の新たな需給調整システムへの移行に当たりましては、県は、これまでに蓄積した行政ルートによる配分手法及び水田情報等の提供、生産者に対する新システムの周知などに対する支援を積極的に行い、JAが需給調整の中心となる役割を果たすことができるよう指導してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 暫時休憩いたします。


     午前10時38分 休憩


    ―――――――――――――――――


     午前10時53分 再開


○(森高康行議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(徳永繁樹議員) 議長


○(森高康行議長) 徳永繁樹議員


   〔徳永繁樹議員登壇〕


○(徳永繁樹議員)(拍手)自民党の徳永繁樹です。


 「ぼろは着てても心は錦」これは知事が県民に向けたメッセージであります。私自身、6年前に、故郷に錦を飾るのではなく、故郷で錦を織ろうと、そんな思いを持ってこの愛媛に帰ってまいりました。厳しい環境下ではありますが、愛媛の元気創造に少しでもお役に立てるよう、議員の先輩方、そして同僚並びに理事者の皆様方に、今後ともの御指導、御鞭撻をお願い申し上げ、4度目の質問に早速入りたいと存じます。


 質問の第1は、愛媛版三位一体改革についてであります。


 国と地方の借金が1,000兆とも言われる財政的背景を受け、あれもこれもという時代からあれかこれかという時代を経て、今や、あれはやれません、これは延ばしますという時代を迎えました。


 御案内のとおり、本県の財政事情は、平成16年度当初予算編成時の270億円もの地方交付税等の削減のダメージが今も大きく影響し、昨年10月に見直された中期財政見通しによりますと、来年度からの4年間で1,579億円という巨額の財源不足が見込まれている上、財源対策用基金残高も今年度末見込みで89億円と枯渇状態であること、さらには、公債費や社会保障関係経費、団塊の世代の退職に伴う人件費等が今後ふえ続けることなど、患者に例えて言うなら、一般病棟を飛び越していきなり集中治療室に入らなければならないといった危機的状況にあります。


 そのような中、県におかれましては、集中治療室から一般病棟へ回復させるため、新たな行政改革として構造改革プランを、その中において、財政再建として財政構造改革基本方針を、さらには、県政の将来展望を示す第五次長期計画後期実施計画の策定を進めるなど、持続可能な行政体を目指し、行政運営、財政再建、政策を三位一体となって取り組む、まさに愛媛の再発展に向けてのプランニングができ上がりつつあると考えております。


 そこで、お伺いをいたします。


 私は、為政者のリーダーシップの一つとして、時代を読み、価値観を定め、進むべき方向性を示すことが大変重要であると考えております。


 知事就任から7年が経過し、時代認識や理念も以前とは少しずつ変わってきていると拝察いたしておりますが、常々日本の中の愛媛という座標軸で県政を考えられている加戸知事におかれましては、現在の時代をどのようにとらえ、県民へのコミットメントとも言えるこのたびの愛媛版三位一体改革をどのような思いで断行されようとしているのか、御所見をお聞かせいただきたいのであります。


 質問の第2は、愛媛版三位一体改革の大きな柱である行政改革についてお伺いをいたします。


 平成8年に策定された行政改革大綱から数えて第4期目となるこのたびの愛媛県構造改革プランは、県民ニーズの多様化、高度化、地方分権の進展、危機的な財政状況という地方自治体が直面する諸課題を踏まえた上で、自助、共助、公助という視点を徹底し、これまでの県行政内部のみの改革にとどまらず、県のあり方自体の見直しを行う、まさに構造改革であります。構造改革は、我が国の政治経済、行政の近代史の中で、恐らく最も多用されてきた言葉とは思いますが、一部民間企業での成功例はあるものの、タイミングを逃したり、ふさわしいリーダーに恵まれず、倒産、吸収された企業が多いことや政府機関、地方自治体においても組織再編を構造改革と称して実りないレベルでとどまった例は多く、本当の改革を実行し、結果を出すことがいかに困難なことであるかは、これまでの歴史が証明しております。


 本来、構造改革とは、そこで働く人たちの思考構造の変革に至らなければ意味がなく、日々の取り組みや判断に当たっての共有の価値基準の変革にまで達して初めて実効あるものになり得るのでないかと考えておりますし、本県の行う構造改革の目的とは、愛媛に住んでよかったと感じてくれる県民と、この県庁で働けてよかったと思う職員を一人でも多くふやすことではないかとも考えております。


 そこで、本県の構造改革を組織という現場で支える職員の人材育成についてお伺いをいたします。


 これまで県におかれましては、長期的視野のもと、国の省庁や国際関係機関等への派遣研修や他県との人事交流を、職員の政策立案能力並びに組織としての政策形成力向上のため特定重要新政策制度を、さらには、庁内公募制の実施により能動的な職員を求めるなど、多岐にわたり職員の意識改革や人材育成に積極的に取り組んでこられました。特に、特定重要新政策制度では、例年100件を超える新しい提案がなされ、今年度はえひめ夢提案制度やえひめ愛フード推進機構などが、来年度にはゼロ予算事業や財源確保のための有料広告の導入といった提案が実現されると伺っており、こうした取り組みが改革のDNAをはぐくんでいるとも感じています。


 しかし、現下の財政事情から、これまで聖域と考えられてきた職員の給料にも改革の手が及ぶなど、意欲の減退にもつながりかねない状況でもあると一方では危惧をいたしております。特に、若手職員は、これから何十年という期間を、全体の奉仕者として、その時代に応じた構造改革を実行し続けなければなりません。そのためにもこうした取り組みに歯どめをかけかねない状況を乗り切り、さらに改革を推し進める仕掛け、例えば、職員の能力、実績を確実に反映させる人事考課や幾つかの自治体で導入されている予算のメリットシステムなども今後検討していただきたいとも考えております。


 幸い県におかれましては、若手職員や県民から成るえひめ次世代委員会の設置や愛媛県人材育成方針に基づき自律実行型職員の育成を目指すこととされており、その取り組みに大いに期待を寄せるものでありますし、芽が出始めた改革のDNAを大切に育てていただきたいと切に願うものであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 職員が改革し続けることができる組織風土づくりにどのように取り組まれるのか、お考えをお聞かせいただきたいのであります。


 次に、公の施設のあり方の見直しについてであります。


 県では、本年4月からの指定管理者制度本格導入に向け、えひめこどもの城など従来から管理委託されてきた25施設において、公募による指定管理者の選定が行われ、それぞれの施設の指定管理者が決定し、現在ではそのほかの公の施設について、行政改革・地方分権推進委員会にあり方検討部会を設置し、抜本的な見直しが図られているやに聞き及んでおります。


 さて、指定管理者制度導入においては、施設の設置目的や事業内容、運営方法を見直し、経営が効率化され、施設運営の弾力性が高まるといったプラス面がある一方、収益性が重視され、集客性の高い事業のみに偏り、採算の乗りにくい先駆的事業や普及事業が実施しにくくなる。また、長期的な展望が持ちにくくなり、施設本来の設置目的が見失われるといったことへの懸念の声が相次いでおり、さらには、民間事業者やNPOに対する情報が不足していることに加え、制度実施の目的がわかりにくく、相談できる専門機関もないといった制度そのものの問題点も指摘されているなど、制度の実施を先送りする設置団体も多いと伺っております。


 本県の選定結果では経費削減の効果はありましたが、福祉分野など特殊なノウハウが必要な施設が多かったことなどにより、公募した25施設のうち、複数の応募があった施設が10施設と少なく、20施設が従前の管理委託先となっておりまして、住民サービスの質的低下につながるのではないかといった不安や、公募時に事務事業の行政評価ではなく施設の特性を踏まえた評価、いわゆる設置団体としての戦略課題が抽出され、達成すべき目標像が描かれていたのかという疑問が残るのであります。


 また、今後あり方を検討される総合科学博物館や歴史文化博物館などの文化施設においても、当然、指定管理者制度の導入について検討されると思いますが、事業の企画実施における公共性と有効性、運営管理における市場性や効率性というベクトルの異なる2つの業務をどういった形で担保をしていくのか、あるいは文化政策や施設の基本方針策定には専門的な見地からの検討も不可欠であり、芸術文化評議会のような恒常的な専門組織の設置を検討すべきと感じておりまして、今後、あり方を検討されていく上でクリアしなければならないハードルは実に高いように思われます。


 そこで、お伺いをいたします。


 県におかれましては、これまでの公の施設の指定管理者選定結果をどのように総括をされておられるのか。また、今後の公の施設、特に、文化施設のあり方についてどのようなお考えで検討をされようとしているのか、お考えをお聞かせいただきたいのであります。


 3点目は、組織・機構の見直しに伴い地方局の再編問題についてお伺いをいたします。


 「皆さんこんにちは。きょうは、東は四国中央市、北は上島町、西は伊方町三崎、南は愛南町、県内各地からたくさんの方々においでをいただきましてありがとうございます。」これは昨年秋に行われた加戸知事の講演の冒頭のごあいさつであります。


 県土が細長く、特徴ある都市が分散して存在する本県の特性を端的にあらわされた言葉であり、現在の地方局もそれに対応して5局体制が編成され、今日まで市町の補完機能や広域調整機能といった多方面において果たしてきた役割が大きいことは言うまでもありません。


 しかし、平成の大合併を契機に、県と市町の役割分担を見直し、将来の道州制を見据えた体制を構築するとの観点から、平成20年4月を目途に5局体制を3局体制へ再編するという作業が行われており、議会はもとより、それぞれの地域において、高度情報化の時代でもあり本庁直轄が望ましい、あるいは現体制を維持し、かつ機能強化を図ってほしいなど実に活発な論議がなされております。


 そのような中、先月行われました行政改革特別委員会において、これまでの論議の争点であった地方局統合後の新旧地方局の機能分担の方向性や規模にまで踏み込まれたモデルが示されました。このことは県の説明責任という意味からも大変評価をいたしておりますし、こうしたモデルや市町への権限移譲などを踏まえ、地方局の統合については、さらに慎重に検討をされるべきと考えております。


 さて、このたびの地方局再編の基本方針は、地方局の権限、機能の大幅な強化により、これまで指摘されてきた地方局の権限不足による本庁との二重行政といった問題点を改善することで、縦割り行政の弊害を緩和し、地域の実情に即した総合的な行政を推進することや、市町長に対するワンストップ窓口機能を担うこととされておりまして、地方局において地域に関するさまざまな事項については、即決、完結できると言っても過言ではありません。


 しかし、現実にどの程度の権限、機能が本庁から地方局に委譲され、それによってどの程度県民の利便性が向上するのかということについては、いま一つイメージがわかないところであります。


 また、地方局制度が評価され、今後も維持されていく最大の目的そのものは所管地域の一体的発展であり、再編によってその所管地域が広範囲になることになれば、これまで推進してきたそれぞれの地域実態に即した各種振興計画なども広域化されることとなり、政策的にも、これまでよりも地域の声が反映されにくくなるのではないかとも考えるのであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 地方局を現体制から3局へ再編を進められようとしている県におかれましては、地方局再編後の本庁と地方局との役割分担についてどのような見解をお持ちであるのか。また、所管地域の広域化による問題点をどのように認識されておられるのか。今後、議論を重ねていく意味でも、ぜひお聞かせをいただきたいのであります。


 質問の第3は、高次脳機能障害者への支援についてであります。


 不幸にも交通事故に遭遇し外傷性脳損傷と診断。医療の発達により一命を取りとめ、やがて回復退院。自宅に戻り受傷前と何かが違うことに気づき、当事者、家族が困惑する。これは高次脳機能障害者の一例であります。


 近年、病気や事故などさまざまな原因で脳が損傷された結果、言語、思考、行為、学習、注意などに障害が起きた状態を高次脳機能障害と言われるようになりました。この障害の特徴として、身体機能に障害がないことが多く、外見からは障害がわかりにくいこと、医療の場にいる間には障害が見つけられず、自宅で生活するようになって初めて思いがけない問題が持ち上がったり、当事者自身も障害の自覚に欠けることが多く、援助の必要性を理解しないといったことに加え、脳神経外科医でさえ、まだまだ同障害への理解が進んでおらず、当事者、家族が現行制度のはざまにあって支援が受けにくく、社会的に孤立することなどが指摘されております。


 国では、平成13年度から高次脳機能障害者に対する適切なサービス提供のあり方について検討する高次脳機能障害支援モデル事業を創設、15の自治体が指定されるとともに、国立身体障害者リハビリテーションセンターと連携しながら地方支援拠点機関等連絡協議会を立ち上げ、各地の拠点病院における支援事例のデータ集積、分析や支援体制が検討されるなど、障害者のリハビリテーションや社会復帰に向けた取り組みが行われております。


 また、中四国に目を向けますと、隣県広島県や岡山県がモデル事業の指定を受け、具体的な支援体制の確立に向けた取り組みが始まり、香川県や高知県でも社会福祉法人やNPOなどによる実行委員会が日本損害保険協会等の助成を受け講習会を行うなど、各地において支援に向けた理解の輪が広がりつつあります。


 そのような中、本県においても、日本脳外傷友の会などに指導をいただきながら、愛媛の高次脳機能障害者を支援する「あい」という家族会を立ち上げ、個々の実態調査を進めるとともに、関係機関への支援要請をされていると伺っております。


 4月には、障害者自立支援法が施行され、身体、知的、精神の3障害の一元化が予定をされておりますが、施設など関係者の理解がどこまで進んでいるかが不明な今、支援が受けられると言っても、精神障害者保健福祉手帳を取得した方に限定されるのではないか。また、手帳を取得できない軽微な方には、支援なしで就学や就労をして、結果として世の中に受け入れられず、二次的被害をこうむることにはなりはしないか、懸念をぬぐい去ることはできないのであります。


 先日、家族会メンバーが涙を流しながら言われた、あのとき助からなければよかったのにという一言が今も私の脳裏から離れません。


 そこで、日の当たらないところに光を当てることこそ政治の原点と思い、お伺いをいたします。


 県におかれましては、本県における高次脳機能障害者の実態をどのように把握されているのか。また、同障害への理解を一層深めるため、家族、行政、医療などで構成する連絡協議会なるものを立ち上げ、啓発活動を含め支援のあり方を検討していただきたいと考えるのでありますが、お考えをお聞かせいただきたいのであります。


 質問の第4は、新繊維産業試験場整備事業についてであります。


 近年の世情をあらわす言葉として、格差という嫌な表現があります。このことは本県経済にも当てはまり、製造業主体の東予地域と農林水産業主体の南予地域では有効求人倍率から判断しても格差があり、産業間においても、外需で活況を呈している業種がある反面、原材料の高騰により収益が圧迫されている業種もある。さらには、同一地域、産業間においてもはっきりとわかる格差が存在しつつあります。護送船団という国民がなれ親しんだ時代に終わりを告げ数年たった現在、大競争時代の負の産物として新たな問題が提起されたのであります。私のふるさと今治においてもこうした状況に変わりはなく、地域経済を支え雇用を維持創出する観点から、造船やタオルといった本県を代表する地場産業を次世代にどう発展的に引き継ぐのかということが、新たな企業立地をどう進めていくのかということとともに喫緊の課題であります。


 そのような中、県におかれましては、今年度から今治地域造船業人材育成支援事業に、来年度には同事業の継続と技能継承支援事業といった技術の伝承に積極的に取り組んでいただけますことに厚く感謝を申し上げます。こうした取り組みが、溶射やぎょう鉄といった難度の高い、まさに職人技の伝承につながり、未来の今治の造船業界を担う人材の育成になり得るものと信じておりますし、今治市の進める海事都市への力強い推進力につながっていくものと考えます。


 一方、タオルなどの繊維業界は、中国やベトナムなどからの安価な輸入製品が急増し、その浸透率が80%に近づいており、関連企業は低操業を余儀なくされております。業界では、こうした状況を打開すべく、デザイン、新商品の開発や高品質で使い勝手のよい消費者に歓迎されるタオルの生産、流通面での掘り起こしなど自助努力を続けており、さらに、数社の企業では、東京銀座のアンテナショップでの経験を生かし、独自で店舗を開業させたり、顧客の幅広いニーズに対応するべく営業所を開設させるなど実需直結型への取り組みも始まっております。こうした中、繊維産業試験場は産地立地型の試験研究機関として数々の試験、研究、開発に取り組まれるとともに、新事業の展開などにおいても相談先としてその機能をいかんなく発揮してまいりました。


 しかしながら、現在の施設は築後37年を経過し、老朽化、狭隘化していることから、試験場の建てかえについてはこれまで多くの要望がされ、県のあり方検討委員会の報告も昨年3月に出されておりまして、建てかえに向けた関係者の合意形成は整ったと言えます。そのような中、今回、大規模事業の見直しにおいて、事業期間、内容の見直し対象となったことは、現下の厳しい財政状況からはやむを得ないものとは理解をいたしておりますが、待望久しい地元自治体や業界にとっては大変大きな衝撃であったことは言うまでもありません。試験場を建てかえることで業界が抱える問題がすべて解消されるわけではないことは十分に理解をいたしておりますが、地域経済を支え雇用を守る繊維産業が今後発展していくためにも、できる限り早期の着工をお願いするものであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 県におかれましては、厳しい財政状況の中、新繊維産業試験場整備事業を今後どのように進めていかれるのか、御見解をお聞かせいただきたいのであります。


 質問の最後は、教育問題についてであります。


 国内外に激震が走ったライブドア事件をマスコミは多方面から論じています。その中で、1月25日の読売新聞に「国家の品格」の著者としてもおなじみの藤原正彦お茶の水女子大教授の「情緒壊した市場原理主義」という見出しのコラムが掲載されており、事件発生の隠れた問題として、市場原理主義が日本人の行動基準であった情緒や惻隠の情を根こそぎ壊し、経済活動だけではなく日本文化の美点までもが損なわれているという指摘がなされておりました。


 私も勝ち組、負け組という言葉を耳にするたびに、迎合しているわけではないとは感じつつも、規制をなくして人々に競争を強いるという考えが潜在的に国民の多くに蔓延しつつあるのだろうとも感じておりました。


 先日、同世代の若者とこの事件について話をする機会に恵まれました。今の世の中の何でもありという風潮はおかしいと思う。このままでは、日本もアメリカのように1割の勝者に対して9割の敗者が存在する国になってしまう。現にそうなっているではないかとか、規制というものは弱者を守るために有効なもので、今回の事件は規制が機能していないことの方が問題。だから正直者が損をするんだといった意見が相次ぎ、金銭至上主義がまかり通る現状にどの若者も憂いの念を抱いておりました。


 確かに歴史を振り返ったとき、明治期のすさまじいまでの経済成長と工業化、戦後の焼け野原からの復興、さらには、バブル経済崩壊後の現在も世界第2位の経済大国であり続ける経済力には、賞賛の余地はあっても批判の余地はありません。しかし、時代の変遷とともに、その時々の結果や論理に余りにもこだわる余り、日本の国柄や祖国に対する誇りや自信といった物質的ではない精神文化というものが失われ始めているのではないかと思うのでありまして、戦後60年たった今を生きる私たちに突きつけられた我が国の教育のあり方を問う大変大きな命題なのかもしれません。


 藤原教授は、情緒や惻隠の情を取り戻すためには「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」と指摘され、あわせて活字文化や読書文化の復興を唱えられております。


 本県でも38年ぶりに実施された学習状況調査において、国語に子供たちがつまずいている現状が明るみになり、国語力向上モデル事業やすべての市町で子供の読書活動推進計画の策定が進められるなど、積極的な取り組みをなされており、今後の動向を一喜一憂しながらも温かく見守ってまいりたいと考えております。


 そこで、お伺いをいたします。


 教育長におかれましては、愛媛の子供たちが情緒に富み心豊かに育っていくため、国語力の向上にどのように取り組んでいかれるのか、改めてお聞かせをいただきたいのであります。


 また、子供たちが心豊かに育っていくためには、伝統文化などさまざまな文化芸術に触れることも大切な要素であると考えます。しかし、景気低迷や自治体の財政状況悪化の中では、文化芸術活動への支援はどうしてもさきに削られることは容易に推測でき、活動自体が低迷し、ひいては心の豊かさや生きがいが失われていくのではないかと危惧をいたしております。


 県におかれましては、第五次長期計画後期実施計画の優先施策の一つとして、文化をはぐくむ環境、機会づくりを掲げておられますが、現下の厳しい財政状況の影響を最も受けやすい文化芸術の振興に今後どのように取り組まれるのか、御所見をお聞かせいただきたいのであります。


 以上で、私の質問を終了させていただきます。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 徳永議員の質問に答弁いたします。


 まず、現在の時代をどのようにとらえ、今回の愛媛版三位一体改革をどのような思いで断行しようとしているのかとのお尋ねでございました。


 今日地方を取り巻く環境は、経済のグローバル化や少子高齢化の進展等を背景といたしまして、基幹産業の構造転換や防災など生活面での安全安心の確保、地球規模の環境対策など課題が山積しておりまして、さらに今後、本格的な人口減少期を迎え、国、地方を通じて財政の悪化が進む中、分権型社会への移行が求められるなど、ある意味では、明治維新にも匹敵する大改革の時代にあるものと認識いたしております。


 このような中、今後、これらの変化に柔軟に対応できる簡素で効率的なシステムづくりが求められておりますことから、徳永議員お話にございましたように、来年度から、政策、行政、財政のこの3つの改革に向けた計画をスタートさせることといたしておりますが、これらの計画に共通する理念は、県民との協働であり、選択と集中であり、この2点にあると考えております。


 県民との協働とは、公共サービスを行政主導でカバーするこれまでの仕組みを見直し、県民や市町、NPO等との連携、協働のもと、県民満足の最大化を図る新たな行財政システムを構築することであり、また、選択と集中とは、危機的な財政状況の中、持続可能な行財政を維持発展させるため、優先施策など、県民ニーズを踏まえた分野に行財政資源を重点配分していこうということでありまして、この2つの理念の実現を通じて、より効率的、効果的な県政運営を実現したいと考えております。


 もとより、政策、行政、財政は三位一体のものでありまして、今後3つの計画を県政改革の三本の矢として相互にリンクさせ、本県の発展の礎となる総合的なマネジメント・システムを構築することにより、県政の基本理念である共に創ろう誇れる愛媛の実現に全力で取り組む覚悟であり、今後とも、議員各位の御理解、御支援を賜りたいと考えております。


 なお、余談ではございますが、国が進めております三位一体改革いわゆる国庫補助負担金の削減、そして、地方への税源移譲並びに地方交付税の見直し、これを三位一体と称しておりますけれども、本来の神と子と聖霊のこの三位一体とは、やや感覚的にちぐはぐな感じがいたします。ただ今回の愛媛版三位一体改革は、政策を神とするならば、行政が神の子であり、財政は納税者である聖霊という意味で、やや違和感を覚えることもなく使える言葉ではないかと考えてもおります。


 次に、新繊維産業試験場整備事業を今後どのように進めていくのかとのお尋ねでございました。


 新たな繊維産業試験場の整備事業につきましては、財政構造改革基本方針に沿って見直しを行いました結果、財政構造改革期間中に多額の財政出動は困難との判断から、期間終了後の平成22年度以降の着工にならざるを得ない状況でございます。


 しかしながら、試験場整備の動向は、今治市、都市再生機構と県が一体となって推進しております今治新都市開発整備事業全体にも大きな影響を及ぼすものと考えられますため、改革期間中の厳しい財政状況下ではございますが、用地に関しましては、先行して取得し、かつ改革期間中に実施設計段階までは進める方向で検討していきたいと思っております。


 なお、以上申し上げたように、施設の移転整備自体は先送りせざるを得ない状況ではございますが、タオルを初め繊維産業の活性化は喫緊かつ重要な課題でありますことから、県内繊維企業の新製品開発、競争力強化を促進いたしますため、来年度、約1億1,000万円を投入いたしまして、現在の試験場に新たな試験研究機器を導入し、研究開発、技術支援機能を強化してまいります。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(森高康行議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 徳永議員にお答えします。


 地方局再編後の本庁と地方局との役割分担についてどう考えているのか。また、所管地域の広域化による問題点をどのように認識しているのかとのお尋ねでございます。


 地方局の再編に当たりましては、市町村から要望の強かった地方局の権限不足これや本庁との二重行政、これを解消するため、本庁から地方局へ思い切った権限委譲によりまして、地方局の機能強化を図りながら、業務内容によりましては、効率性の観点から本庁へ機能集約を進めるなど、めり張りのきいた制度の再構築を図ることにいたしております。


 具体的には、本庁は、国等との調整事務や全県的な調整事務、また、全県的な規模、視点で行う重要施策、さらには知事の判断を必要とする事務など、いわゆる企画立案機能に特化させることとしております。また、地方局は、県民への直接的なサービス提供事務、所管区域内での組織横断的な事業調整や事業実施、災害発生時の現場対応など、総合的な現地実動機能の充実を図る方向で検討いたしております。


 また現在、本庁から地方局への大幅な権限委譲を行うため、庁内各部局等におきまして1,000項目を超える委譲可能事務を抽出しますとともに、昨年の末に新しい市町に対して実施しました二重行政に関する実態調査の結果を取りまとめているところでございまして、今後は、これらの結果も参考にしながら、本庁直轄事務と地方局完結事務の選別を徹底し、本庁と地方局との役割分担を明確にしたいと考えております。


 所管地域の広域化に伴う問題点でございますが、議員御指摘のように、地域住民の方々の不安解消のためにも十分に配慮すべき課題であると考えております。市町村合併の進展により一つの地方局が所管する市町村数が激減しましたことや、近年の交通、情報通信基盤の整備状況を勘案しますれば、ある程度の広域化は避けて通れない道であると認識しております。


 このため、20年4月の3局体制への移行に伴って、今後は、市町村合併により行財政基盤が強化された市町に積極的に権限移譲を行いまして、住民に身近な事務は可能な限り市町で実施する体制を構築しますとともに、県は、本来の役割である広域自治体として、より広域的で専門的な事務に特化していく方向で、県と市町の役割分担を明確化しながら、トータルとしましては、所管地域の広域化により住民サービスが後退することのないよう十分に配慮してまいりたい、このように考えております。


 以上でございます。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(森高康行議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 徳永議員にお答えいたします。


 まず、行政改革につきまして、職員が改革し続けることができる組織風土づくりにどのように取り組むのかとのお尋ねでございますが、県の厳しい財政状況や社会経済情勢の急激な変化に対応しながら、県民だれもが誇りを持てる愛媛づくりを進めてまいります上では、県職員が果たすべき役割には大きいものがあると考えておりまして、職員の育成という面や、また、組織運営の面から、改革推進のための組織風土づくりにさらに取り組んでいく必要があると考えております。


 このため、まず職員育成の面からの取り組みとしましては、このほど策定しました愛媛県人材育成方針に沿いまして、研修所で実施いたします職員研修を、いわば与えられる研修からみずから主体的に参加する研修へと比重を移しまして、個々の職員の能力、適正やキャリアデザイン等に応じた多様な能力開発を行うよう見直しますとともに、職場研修、自己啓発支援、国や他県等への派遣研修などによりまして、県民本位の考え方や対応ができる人材、スピード意識やコスト意識を持った人材、説明責任をきちんと果たすことのできる人材、さらには、将来を見据えた広い視野と創造性を持った人材等の育成に努めているところであります。


 また、組織運営の面での取り組みとしましては、議員お話の庁内公募制度を引き続き行ってまいりますほか、努力した者、成果を上げた者が報われるような職員の能力、業績、意欲を重視した評価制度を構築するためのさらなる工夫や、いわゆる部下が上司を評価する部下職員からの声の反映などを行いながら、組織のスリム化を進める中にありましても、職員一人一人が今まで以上にやる気を出して、持てる能力を最大限に発揮できますようさらに取り組みを進め、議員お話の改革のDNAを確かなものにしていきたいと考えております。


 次に、公の施設の指定管理者選定結果をどのように総括しているのかとのお尋ねでございますが、指定管理者制度につきましては、まず、現在外郭団体等に管理委託しております25の施設におきまして、本年4月から導入することとしておりますけれども、指定管理者の選定に当たりましては、県民サービスの向上と効率的運営を図る観点から、業務遂行能力、県民の利便性の確保、施設の設置目的を効果的かつ効率的に達成できるかなどといった点から総合的な審査が行われてきたところでございます。


 選定の結果は、議員御指摘のとおり、新たに民間事業者を選定したのは5施設にとどまりましたけれども、この制度導入によりまして経費面でかなりの削減効果がございましたほか、民間事業者が選定された施設は、民間の能力やノウハウが生かされることとなりますし、また、現在の受託団体が結果的に選定された施設におきましても、業務内容と運営方法等の見直しによりまして、いずれもより一層の県民サービスの向上と効率的運営が期待でき、制度導入の効果が発揮されるものと考えているところでございます。


 今後は、指定管理者の取り組みに期待するとともに、県におきましても、管理運営業務の実施状況や県民の利用状況などを把握、検証することにしておりまして、収益のみを重視することなく、施設本来の設置目的に沿って県民サービスが提供されるよう努めてまいりたいと考えております。


 次に、今後の公の施設のあり方、特に文化施設のあり方について、どのような考えで検討しようとしているかとのお尋ねでございますが、県では、教育・文化あるいは健康・福祉などさまざまな公の施設を設置しているわけでありますけれども、現下の厳しい財政状況の中、県の果たすべき役割、県民ニーズ等の変化を踏まえまして、施設のあり方を見直すために、公認会計士、企業経営者、PTA関係者、報道関係者等の民間委員と関係部局長で構成する公の施設のあり方検討部会を今年度設置したところであります。


 この検討部会では、これまでに見直し対象施設、見直し指針等を決定しまして、民間委員による対象施設の視察あるいは施設管理に直接携わっている職員からのヒアリング等も既に行われているところでもありますが、今後、それぞれの施設につきまして、利用状況、運営状況、利用者ニーズなどさまざまな観点から評価を行った後、県として設置する必要性、管理のあり方、経営効率化の方策などについて検討することとしております。


 また、見直しに当たりましては、各施設の役割や現状等について把握した上で、納税者としての県民の視点のみならず、利用者としての県民の視点にも立って民間委員が関係部局長とあり方を見直していくことが必要と考えておりまして、お話の2つの博物館など文化施設につきましても、各協議会での議論や中期運営計画なども適切に把握しながら、総合的見地から検討を行っていくことになるものと考えております。


 以上でございます。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(森高康行議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 徳永議員にお答えをいたします。


 本県における高次脳機能障害者の実態をどのように把握しているのか。また、連絡協議会を立ち上げ、支援のあり方を検討してほしいがどうかとのお尋ねでございました。


 高次脳機能障害につきましては、お話のモデル事業の成果を踏まえ、厚生労働省から平成16年度に初めてその定義や診断基準が示されたところでありまして、県内の患者数の把握はできておりませんが、厚生労働省の推計では、全国で約30万人とされております。


 これまで県としては、国の研修会や香川県や高知県で開催されました講習会に職員を参加させるなど、支援に向けての準備を行っております。また、昨年設立された家族会からの相談に保健所職員が応じておりまして、本年2月の今治市における家族交流会にも、県精神保健福祉センター及び保健所の職員が参加したところでございます。


 なお、国におきましては、平成18年度から障害者自立支援法の地域生活支援事業このメニューの一つとして高次脳機能障害支援普及事業を位置づけておりまして、県としても連絡協議会の設置を含め、具体的な支援のあり方を検討してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(森高康行議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 徳永議員の教育問題についてお答えをさしていただきます。


 愛媛の子供たちが、情緒に富み心豊かに育っていくために、国語力の向上にどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございました。


 国語は、日本の文化そのものでございますし、しかも人間としての知的活動や感性、情緒、さらには、コミュニケーション能力の基盤となるものであるだけに、学校のすべての教育活動を通じまして国語力の向上を重視していくことが極めて大切であると認識をいたしております。


 現在、国語は、各学年とも最も多い時間数が割り当てられているところでございますけれども、特に、御指摘もございましたように、愛媛県では、昨年度の学習状況調査におきまして、国語の通過率が全国平均を下回ったことから、現在学校現場では、国語力向上モデル事業や確かな学力定着向上調査研究事業などに取り組みまして、国語の時間はもとよりでございますが、全教科で話す、聞く、書くことや読解力の向上に重点を置いた学習指導に努めております。中でも国語の研究指定校におきましては、古典や名作の音読や暗唱、小論文の継続指導、3分間スピーチや討論活動などに力を入れておりまして、今後、これらの成果を県内の学校全体に普及していく考えでございます。


 また、国語力の向上には、日常の読書が大切でございますことから、すべての市町に対しまして、子ども読書活動推進計画の策定を指導いたしますとともに、学校におきましては、朝読書やボランティアによる読み聞かせの一層の奨励、さらには、家庭で眠っている本の再利用などによりまして学校図書の充実を図ることとしておりますし、18年度から、来年度からは、現在12学級以上の学校に配置している司書教諭を54人増員いたしまして、9学級以上の学校に拡充配置いたしますとともに、この司書教諭としての仕事により多くの時間を割いてもらうことができますように、先生の授業の負担を軽減するために非常勤講師の配置も検討しているところでございます。


 今後、県教育委員会といたしましては、これら学校での取り組みや子ども読書活動の充実によりまして、国語の力の向上に鋭意取り組んでまいりたいと思っております。


 次に、文化芸術の振興にどのように取り組むのかというお尋ねでございます。


 お話にもございましたように、今日の精神的な文化が失われがちな時代にこそ、人々に心の豊かさや生きがいをもたらす文化芸術の振興は重要であると考えておりまして、これまでも、長期計画に掲げております個性豊かな本県文化の創造を目指しまして、県民オペラの上演やすぐれた舞台芸術の鑑賞機会の充実ほか、子供たちが伝統文化や美術、音楽、演劇に楽しく親しむこども文化サマースクールの事業などを通じまして、子供たちの情操の涵養にも取り組んできたところでございます。


 18年度は、財政状況が厳しい中にありましても、この文化をはぐくむ環境・機会づくりを優先施策に位置づけまして、新しい事業といたしまして、愛媛らしさの発信という面におきましては、民間団体オペラえひめの公演など舞台芸術に対する支援、それから、小学生の情操の涵養の面におきましては、童謡、唱歌などに親しむ心に響け日本の歌事業の実施、文化の国際交流の面では、中国・杭州、これは杭州でございますが、杭州で開催されます国際音楽祭への高校生の派遣、文化に接する機会の拡充の面では、3月で廃止されます老人児童福祉センターを新たに県民文化会館の別館として再整備いたしまして、幅広い文化体験活動の機会の提供などに取り組みますほか、萬翠荘の改修にも着手いたしまして、従来から行ってきた事業につきましては、予算縮減幅を極力圧縮いたしまして、事業規模の確保に努めたところでございます。


 今後とも、創意工夫に努めまして、少しでも多くの文化事業を展開し、県民一人一人が伸びやかに元気になっていくよう、愛媛文化の輪を広げていきたいというふうに思っております。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 休憩いたします。


 午後1時から再開いたします。


    午前11時45分 休憩


   ―――――――――――――――――


    午後1時 再開


○(清家俊蔵副議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(渡部浩議員) 議長


○(清家俊蔵副議長) 渡部浩議員


   〔渡部浩議員登壇〕


○(渡部浩議員)(拍手)自由民主党の渡部浩でございます。


 経済や社会環境が大きく変化する中、最近、耐震偽装問題やライブドア問題、いわれのない児童や幼児の殺害や虐待など社会を揺るがす大きな事件が相次いでおります。互いの信頼を前提とした日本社会の構造がさま変わりをしてきているとしか思えず、今後は、自立、自助を基本とした、ある意味ぎすぎすした社会を前提にあらゆる物事を見詰めていかなければならないのかと思うと寂しい思いでいっぱいであります。


 しかし、嘆いているばかりでは問題は解決しません。老子の言葉に「天下の難事は必ず易より作る」とあります。すべての物事は、小さいうちに早く処理すれば大事に至らないという意味であります。時代の流れが大きなうねりとなって押し寄せている今こそ、国ばかりではなく地方においても、社会環境の変化に対する感度を高め、早目早目に対策を検討し、具体的な施策を講じ、芽が小さいうちに処理できるようにしていかなければならないのではないでしょうか。


 そのような観点で、教育、雇用、医療など各般にわたって質問をさしていただきますので、知事初め理事者の明確な御答弁をお願いいたします。


 まず初めは、学校や登下校中の児童生徒の安全確保についてであります。


 昨今、登下校中の児童が事件に遭遇し被害者となる凶悪事件が連続して発生するなど、子供たちが被害者になる事件が多発しており、また、県内においても凶悪事件までは至ってないものの不審者情報が増加しており、本県でも同じような事件がいつ発生してもおかしくないと言わざるを得ない状況であります。


 このような中、警察などの取り締まりだけに頼るのではなく、保護者や地域住民による自主的な防犯ボランティア活動が活性化しています。防犯ボランティア活動は、地域住民がみずからの安全安心のため、自分自身で知恵を絞り、汗を流そうとする真摯な決意のあらわれであり、地域社会の連帯を再生させる大きな原動力となるほか、防犯、防災と教育の連携を通して、地域、家庭の教育力の向上にも役立つ活動だと考えます。


 警察庁が平成17年11月に発表した自主防犯活動を行う地域住民・ボランティア団体の活動状況などに関する調査平成17年6月30日現在によると、その活動団体数は1万3,968団体で、平成15年末現在3,056団体に比べて約4.6倍に増加しています。また、ボランティア団体を構成する構成員別では、町内会、自治会による団体が7,141団体で約半数を占め、平成15年末現在と比較すると、子供の保護者による団体も18.4倍の1,969団体となっており、さらに構成員は80万317人で、平成15年末現在17万7,831人に比べ約4.5倍になっております。データから見ましても明らかなように、全国的に防犯ボランティア活動への住民の関心が著しく高まっております。保護者や地域住民のパワーを結集し、学校関係者、警察など関係機関と一体となって対処するということが今最も求められており、しかも最も効果的であると思うのであります。


 そのような中、平成17年6月28日、国では、犯罪対策閣僚会議で、安全安心なまちづくり全国展開プランを決定されましたが、このプランには、特に防犯ボランティア活動への支援が盛り込まれました。このプランを受けて文部科学省と警察庁は、連携、協力して、地域における防犯教育、防犯活動、防犯ボランティア活動を推進していくこととしました。そして、平成17年9月27日、文部科学省は生涯学習政策局長名で、各都道府県、政令指定都市の教育委員会委員長に対し、地域における防犯教育、防犯活動及び防犯ボランティア活動の推進についてを通知したところであります。具体的には、1つ、公民館、生涯学習推進センターなどにおける防犯教育、啓発活動、防犯教室・訓練の積極的な推進。2つ、地域住民の防犯ボランティア活動への参加促進を挙げております。


 県内各市町では、地域の住民や保護者を中心とした自主防犯組織が、児童生徒の登下校中の安全を見守ったり夜間の街頭犯罪に子供たちが巻き込まれないように活動しており、新居浜市などでは、乗用車の屋根に青色の回転灯をつけた青色パトカーでのパトロールも行われているとのことであります。また、マンダリンパイレーツや愛媛FCの選手が通学路に立って子供たちを見守るなどのニュースもありました。


 県におかれましても、文部科学省が昨年度から始めた地域ぐるみの学校安全体制整備事業の一貫で、昨年9月に学校の安全を守るため警察OBらを学校に派遣し、不審者への対応などを助言するスクールガードリーダー制度を早速導入され、鋭意学校の安全対策に取り組んでいただいており、一人の保護者として感謝申し上げます。また、私の地元西条市では、モデル地域として指定をいただき、大町小学校区で420名の隊員が見守り活動に当たっており、大変ありがたく思っております。


 さらに、他県においては、学校や通学路での子供の安全確保などを目指し、奈良県の子どもを犯罪の被害から守る条例を初めとして、独自の条例を制定する都道府県が急増しており、平成17年9月末現在で、既に28都道府県に上っていると聞いております。本県においてもそうした取り組みが行われるよう切望するものであります。


 このように、安全確保のためさまざまな取り組みがなされておりますが、反面、私は、子供たちに我が身の安全を人に任せる依存心を醸成するのではないかとも心配しております。大切なのは、まず、子供たちに自分の身の安全は自分で守るという気持ち、危険を避ける方法をみずから考え身につけさせることだと考えています。子供たちみずからが進んで身につけた安全意識は、自信となって人間形成にも大いに役立つものと考えます。


 学校や登下校中の、もうこれまでのような痛ましい児童生徒が巻き添えを食う事故がない地域社会の形成は、私たち大人の心からの願いであり、責務でもあります。


 そこで、お伺いいたします。


 まず第1は、今後、学校や登下校時の安全対策にどのように取り組んでいかれるのか。現在、県内の学校安全ボランティア団体の活動状況や育成なども含めて御所見をお伺いいたします。


 第2は、児童生徒に防犯意識を醸成させるためにどのように取り組まれていくのか、お伺いいたします。


 次に、雇用・経済問題について伺います。


 まず初めに、若年者の就職支援対策についてであります。


 厚生労働省から発表されている全国の有効求人倍率が、昨年12月に1.00倍となり、バブル経済崩壊後の平成4年9月の1.02倍以来、13年3カ月ぶりで1倍を回復しました。また、昨年1年間の有効求人倍率の平均は0.95倍で、平成4年以来の水準に回復してきており、雇用環境の改善の足音が、全国的にはやっと聞こえ始めてきたものと感じております。


 一方、愛媛県内においても、本年1月の有効求人倍率は0.92倍となり平成9年の水準となっており、全国に比べ景気回復のおくれが心配されていた本県においても、少しは暖かい春の陽差しが差し込み始めてきたととらえています。


 そのような中で、県内の高校生や大学生の就職内定率も、本年1月末時点で、高校生90.1%、大学生64.6%と、それぞれここ数年の水準を上回っていると伺っています。若年層の就職が一時期の氷河期を脱して、このまま着実な回復基調が続くことを心から願っております。


 ただこうした雇用情勢の改善も、地域的な二極化やパート労働の定着化などといった雇用形態の不安定要因を数多く抱えている中でのことであり、特に2007年問題と言われる団塊世代の大量退職時代を控え、企業による若年層の正社員採用が進んでいる反面、業種によっては、パート労働が常態化していることや若者の就業意識と企業の求人条件とのミスマッチなど、これからも地道に解決していくべき課題が残されているのであります。ダイナミックに進展する経済の国際化やそれに伴う我が国経済の構造変化などを踏まえ、県当局におかれましては、厳しい財政事情ではありますが、愛媛の未来を担う若年層の就職支援に、なお一層の御努力をお願いしたいのであります。


 そこで、お尋ねいたします。


 これまでの若年者就職支援事業の成果をどのように認識され、今後どのように取り組んでいかれる考えか、お示しいただきたいのであります。


 特に、これまで東・南予で開催されていた移動相談を、これからはきめ細かく各市町単位でも取り組んでいただく必要があると考えております。さらに、若年者就職支援事業の中核であるジョブカフェ愛workが、平成18年度で経済産業省からの助成が終了すると伺っておりますが、若年層の就職支援は、これからの愛媛を支えていく基盤づくりの一つとして、息長く地道に取り組んでいく必要があると考えており、愛workの存続を強く願うものであります。


 雇用・経済問題の2つ目は、中小企業の金融対策であります。


 先ごろ発表された我が国の平成17年経済成長率は、実質で2.8%になり、平成15年1.8%、平成16年2.3%と着実な景気回復への道筋が見えてきております。


 一方、勝ち組、負け組論争に見られるように、国民一人一人の生活は徐々に二極化が進んできているのではないかと感じられますし、大企業と中小企業に加え、中小企業の中で勝ち組、負け組の格差が拡大していると強く実感しているのであります。特に、中小企業金融の面では、時代の流れに乗り、業績を上げている中小企業への超低金利による金融機関の貸出競争が日常化している反面、経済の構造改革に追いつけず、経営に苦しんでいる中小企業への貸し渋りなど金融機関による企業の選別が冷徹に行われているのが実態であります。


 昔から、金融機関は、お天気のときには傘を貸すが雨になると傘は貸さないとやゆされています。このため、こうした点を補うことを目的に、以前から中小企業の信用補完制度が整備され円滑な中小企業金融の実施を担保してきていることは、御案内のとおりであります。


 近年、国では、取引先の経営破綻や事業活動の制限など外部要因により経営の安定に支障を生じている中小企業を支援するセーフティネット保証制度や不動産担保に頼らない売掛債権担保融資保証制度などを実施されています。また、本県信用保証協会では、協会独自に原則無担保の小口連携保証や当座貸越根保証などに積極的に取り組まれており、まことに心強く感じております。もとより企業経営は、自立・自助が基本でありますが、経済情勢の変化の激しい時代にこそ公的部門の支えが欠かせないものと考えております。


 そこで、お尋ねいたします。


 本県信用保証協会が独自で取り組んでいる保証制度の利用状況はどのようになっているのか。また、今後、県としてどのように信用保証協会を指導していくのか、お伺いしたいのであります。


 次に、障害者の雇用対策についてお伺いします。


 私は、会計事務所当時から、身体障害の方や知的障害の方、そして、精神障害の方々と接する機会に恵まれ、今もその交流が続いております。彼らからは生きることのすばらしさや難しさを身を持って教えていただくとともに、人としての尊厳を改めて見詰め直すきっかけを与えていただきました。そして、そのことが、現在議員活動の大きな糧ともなっており、心からありがたいと感じております。


 そんな彼らの大きな夢の一つが、親兄弟にできるだけ経済的な負担をかけずに自立して暮らしていきたいということであります。しかし、現実は厳しく、景気の波にも洗われながら、小規模作業所などで細々と報酬を得るのが精いっぱいという状況であります。もちろん彼らは、身体的な条件や能力の問題などから、限られた職種にしか適応できないという側面もありますが、社会が彼らを広く受け入れていけるような制度や仕組みをもっと工夫できないものかと以前から強く感じておりました。


 そうした中、和歌山県庁では、障害者の雇用を促進するため、知的、身体、精神の各障害者の方々を対象としたインターンシップ事業を昨年11月から始めたと聞いております。都道府県としては6番目ということで、そのねらいは、1つには、障害者が業務を体験することで就労に必要な知識や職業能力を高めてもらうこと、2つには、受け入れる県職員の障害者に対する理解促進であると言われております。こうした県の取り組みもあって、和歌山県では、民間企業でも同様のインターンシップ事業を取り入れる企業が少しずつあらわれてきているようです。和歌山県の場合、募集枠は5人で、期間も2カ月ほどと限られてはいますが、民間に先駆けて行政がこうした取り組みを進め県内企業に働きかけていくことは、まさに新たな社会制度や仕組みづくりの大きな呼び水になるのではないかと大いに期待しております。


 そこでまず、本県の障害者雇用への取り組みはどうなっているのか、お尋ねしたいのであります。


 また、本県においても、和歌山県のように障害者を対象としたインターンシップを導入する考えはないか、あわせてお尋ねいたします。


 次に、医師確保対策についてお伺いします。


 近年、僻地、過疎地域での医師確保が全国的に大きな問題となっております。厚生労働省の調査では、医師のいない無医地区が平成16年12月末現在で、全国で787地区と、平成11年に比べ127地区減り、統計的には無医地区が減少してきているように見えます。しかし、この調査は人口50人以上の地区が対象であり、厚生労働省の担当者も認めているように、人口が減って無医地区の基準から外れても医師がいないことに変わりはないのであり、僻地、過疎地域における医師確保は依然大きな課題となっているのであります。


 この調査では、本県は9地区となっており、広島県の56地区、高知県の48地区などに比べ、統計上は恵まれた状況と言えるかもしれません。しかし、実際に医療現場に従事する方々からは、地域における若手医師の不足や定着率の悪さなどを心配する声が上ってきており、これからの医師確保が深く憂慮されているのであります。


 こうした中、昨年の末に宇和島市における医師手当の問題が報道で大きく取り上げられ、地域における医師確保の大変さを改めて考えさせられました。宇和島の問題は、ヤミ手当という法律違反の問題があり、その点は謙虚に反省しなければなりませんが、住民の理解と納得を得ながら、給与面の優遇措置を講じることをためらうことがあってはなりません。僻地や過疎地域で医師を確保していくためには、医師本人の高い志に頼るばかりではなく、給与など待遇面での優遇を初め、定着のためのさまざまな仕組みをこれからも関係者が知恵を出し合ってつくり上げていく必要があります。


 幸い県におかれては、このような状況を踏まえ、平成18年度に僻地などに勤務することを条件とした医学部生への奨学金制度を創設することとされております。また、愛媛大学医学部では、平成18年度入試から、自己推薦5人の地元枠を設けられるなど、地域の医師不足解消に向けた関係機関の取り組みが積極的に進められており、まことに心強く感じる次第であります。


 僻地や過疎地域における医師確保は、今まさに進展している高齢化に対応することはもとより、こうした地域における子育て支援にもつながる生活基盤の重要かつ基礎的な条件であります。このため、医師確保の切り札になると考えられる本県医師養成の中核である愛媛大学医学部入試の地元枠が今後さらに充実されていくことを強く願うものであります。


 そこで、県におかれては、愛媛大学医学部に地元枠の拡大を強く働きかけていただきたいのでありますが、御所見をお尋ねいたします。


 最後に、災害ボランティアの関係についてお伺いします。


 内閣府が平成17年1月から2月に実施した災害ボランティアセンターに関するアンケート結果によると、平成16年度に発生した自然災害において、全国で89の災害ボランティアセンターが設置されたとのことであり、今や大規模な自然災害が発生した場合には、ボランティアセンターを開設し、被災者の救援や被災地の復興などが行われることが一般的となり、行政の救援、復旧活動を補完する大きな役割を担っております。


 本県におきましても、平成16年の東予地域に甚大な被害をもたらした一連の台風災害において、県内外から数多くのボランティアが駆けつけ、土砂の取り除きや家具の運搬などの活動が展開され、被災者の支援に大変寄与するとともに、多くの方々が勇気づけられたところであります。その後、このときの災害ボランティア活動の取り組みを教訓にさまざまな取り組みが進められているところであり、県においても、災害ボランティア活動の柱となる人材、物資、資金の確保を図るため、県社会福祉協議会と連携して、人材の派遣や物資の提供などが円滑に実施できるよう、四国4県の社会福祉協議会や県社会福祉協議会と県内20市町の社会福祉協議会との間で、相互に支援するための協定の締結や人材の育成として災害ボランティアコーディネーターの育成などに取り組み、また、災害時の支援が円滑に行えるよう、平時から連絡調整、情報交換を行うために県社協や建設業界、トラック協会等で構成した災害ボランティアネットワーク会議を立ち上げるなど、徐々にではありますが、災害ボランティア活動の支援体制づくりが進められていることは、県民の一人として心強く感じる次第であります。


 しかしながら、県内外から数多くのボランティアが被災地に駆けつけたときには、一度にたくさんの活動資機材などが必要となり、その確保の心配で災害ボランティアセンターの設置がおくれることは、被災者や被災地にとってはまことに残念なことであり、また、ボランティア活動においても混乱のもとになると思うのであります。


 新居浜で発生した台風15号では、幸いにも被災直後に福井県から4tトラック2台分の一輪車、スコップ、タオルなど多種多様な資機材の支援を受け、早期にボランティアセンターを立ち上げることができるとともに、大いに役立ったと聞いております。


 しかしながら、それでも不足する資機材の確保に当たっては、資金面で苦慮しており、市からの支援や独自に支援金の募集を行い対応したとのことで、内閣府の調査の結果でも、手持ちの用具もなく、仮に調達するとなると、資金的にも市内の店にある在庫面からも苦しかったとの回答がありました。センターの活動日数は、台風の場合は1ないし2週間、豪雨の場合には2ないし4週間、地震の場合は4週間以上がそれぞれ一番多い傾向となっているとの調査結果であり、特に、集中豪雨による災害では、本県の平成16年の活動事例や全国事例から見ましても、センターの活動期間が短いことから、発生直後の短期間にスコップ、バケツ、タオルなどボランティアが使用する数多くの資機材を確保する必要があり、その確保を図るための資金の手立てを平時から確立しておく必要があると思うのであります。


 同様の発言が、一昨年の12月議会において白石議員からもごさいましたが、このたび非常に厳しい財政状況の中、全国でも2事例目になる災害ボランティアファンドを平成18年度中に創設されましたことは、県の長期計画に掲げる共に助け合い共に生きる福祉社会の形成や災害に強い県土づくりを推進する上で、また、平成17年の県民世論調査において、行政課題として高い割合となっている地震、台風などへの防災対策への対応として、まことに時宜を得た施策であると思うのであります。


 そこで、今回創設する災害ボランティアファンドの内容と信託財産の確保についてどのように考えているのか、お伺いいたします。


 以上で私の質問を終わります。


 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(清家俊蔵副議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(清家俊蔵副議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 渡部議員の質問に答弁いたします。


 雇用・経済問題に関しまして、若年者就職支援事業の成果をどのように認識し、今後どのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 ジョブカフェ愛workにおける成果につきましては、これまでに延べ10万人近くの多くの若者が利用し、1,500人余りが就職を決定しておりまして、これまでにない若者に特化したマンツーマン対応のワンストップサービスセンターとして、若者の就職支援や産業人材の育成に大きい成果を上げてきたものと考えております。


 今後、愛workにおきましては、若者と企業経営者等が直接触れ合う場をふやしますとともに、地場中小企業を支援して、自社の魅力を若者にアピールできる力をつけさせることなどによりまして、より一層地場中小企業への若者の就職を促進することといたしております。


 また、渡部議員のお話にございましたとおり、現在実施しております経済産業省の事業が平成18年度をもって終了することとなりますが、今後も厚生労働省委託事業は継続され、また、平成18年度から新たに導入を予定している別の経済産業省の事業は平成19年度以降も継続される見込みでありますので、これらを活用して愛work事業は引き続き実施いたしますほか、新たに、県内経済団体、教育機関、保護者団体、企業、NPOなどの参加を得て、若年人材育成推進機構を設立し、関係者の自律的な取り組みを促しますとともに、ここを愛workの運営主体とすることによって、地域社会が一体となって愛媛の未来を担う若者の育成事業を継続していきたいと考えております。


 また、お話のございました地域で実施する愛work事業につきましては、昨年度は移動相談、今年度は出前講座をそれぞれ開催いたしましたが、来年度はこの両者ともに開催いたしまして、東予、南予でのサービスを充実してまいりたいと考えております。


 次に、本県の障害者雇用への取り組みはどうかとのお尋ねがございました。


 障害者の方々が意欲と能力に応じて働くことのできる社会を実現いたしますためには、雇用の受け皿となる企業の理解と協力、障害者の能力開発の支援が重要でございます。


 このため、毎年、街頭キャンペーンを実施いたしますとともに、障害者雇用フェスタを開催し、企業関係者を集め、障害者雇用に関する講演、優良企業の表彰、障害者による商品展示などを行い、意識啓発に努めますほか、法定雇用率未達成企業に対しましては、知事名で障害者の雇用要請を行っているところでございます。


 そのほか、県内事業所の障害者雇用を促進いたしますため、県工事の入札等における参加資格や用品調達におきまして、障害者雇用に積極的な企業を優遇する制度を平成17年4月からスタートさせたところでございます。


 また、障害者の能力開発につきましては、高等技術専門校において、昨年度から、知的障害者に対してはスーパーマーケットの商品管理業務や基礎的なパソコン操作を習得する販売実務訓練、身体障害者に対しましてはOA処理訓練を実施しておりますが、これに加え、今年度から、精神障害者を対象とした食品加工・厨房サービス訓練や販売実務訓練を開始いたしますとともに、企業等に委託してすべての障害者を対象にした実践訓練を実施するなど、障害者の就業を積極的に支援しているところでございます。


 さらに、県が指定しております県下2カ所の障害者就業・生活支援センターにおきましては、支援担当者を配置し、求職活動や職場定着などの就業に関する支援と健康管理や年金などの生活面の支援を総合的に行っているところでございまして、今後とも愛媛労働局を初め関係機関と連携し、障害者の自立を支援してまいりたいと考えております。


 なお、渡部議員から御指摘のございました障害者を対象とした職場実習を県庁が率先して受け入れることにつきましては、障害者の職業能力向上と企業の理解促進にもつながるものと考えられますので、関係団体の意向も踏まえながら、善は急げの精神で前向きに検討してまいりたいと思っております。


 障害者雇用に熱心な渡部議員に、この際、情報提供をさせていただきたいと存じます。


 2年前の3月に、萬翠荘の隣で、小規模作業所として喫茶室あいがオープンいたしました。養護学校の卒業生9人が、2交代で元気に明るく働いていらっしゃいます。


 議会からも散歩がてらで歩いて10分以内でございますし、萬翠荘あるいは愚陀仏庵の見物かたがた後援会の皆様方と、収容人員は20名でございますけれども、おいでいただきまして食事を召し上がっていただければ幸いでございます。(発言する者あり)(笑声)


 メニューとしましては、じゃこ天うどんといなりずしのあい定食、このほか山菜うどん、焼きうどん、チキンライス、カレーライス、カツ丼、カツカレー等々ございますが、ちなみに私の大好物は、揚げたての豚カツを使いましたカツ丼でございます。ぜひ御利用いただきますことをお願い申し上げたいと存じます。


 その他の質問につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(清家俊蔵副議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 渡部議員にお答えします。


 私の方からは、今回創設する災害ボランティアファンドの内容と信託財産の確保についてどのように考えているのかとの点について答弁いたします。


 今回設置を予定しておりますファンドは、ボランティアセンターの早期立ち上げと初期活動資金の支援を速やかに行うことができ、かつ各方面から寄附を受けやすいこと、そういったことから、公益信託として創設したいと考えております。


 ファンドでは、災害が発生し、災害救助法が適用された市町においてボランティアセンターが設置され、その代表者から支援要請があれば、センターの活動に必要な資材、機材の購入経費あるいはボランティア保険に係る経費などセンターの運営に必要な初期経費として、速やかに助成することにいたしております。


 また、信託財産につきましては、平成16年度のボランティアの活動実績あるいは過去の災害救助法の適用状況をもとに、全県下に及ぶような南海地震にも対応が可能と考えられます一応8,000万円を当面の目標額としております。県がリードしてファンドを設置することから、その2分の1の4,000万円を県が負担し、残り4,000万円につきましては、直接災害対策を行う市町が10分の3、そして、県民全体で支え合う信託制度といたしますため、民間からの寄附により10分の2を確保していきたいと考えております。


 市町、県民の皆さんにおかれましては、制度の趣旨を御理解いただきまして、ファンド創設にお力添えを賜りますようお願いしたいと思います。


 以上でございます。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 渡部議員にお答えをいたします。


 愛媛大学医学部に地元枠の拡大を強く働きかけてもらいたいがどうかとのお尋ねでございました。


 お話のとおり、僻地における医師確保は厳しく、県では、奨学金制度の創設などの対策を進めているところでありますが、愛媛大学におかれても、18年度入試から県内高校卒業を出願要件とする5人の地元枠を設け、これに対し28人の応募があったと聞いております。


 医学部入学定員における地元枠につきましては、近年、他県の大学でも徐々に導入が進んでおりまして、昨年8月、国が取りまとめました医師確保総合対策においても、その拡大促進が盛り込まれているところでございます。


 本県においても、地元枠は僻地を初めとする地域の医師確保を図る上で有効な取り組みであると認識しておりまして、愛媛大学の取り組みとその成果に大いに期待をいたしますとともに、同大学に対し、地元枠のさらなる拡大を働きかけてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎経済労働部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 高浜経済労働部長


   〔高浜壮一郎経済労働部長登壇〕


○(高浜壮一郎経済労働部長) 渡部議員にお答えします。


 雇用・経済問題のうち、信用保証協会独自の保証制度の利用状況はどうか。また、今後、県としてどのように信用保証協会を指導していくのかとのお尋ねでした。


 本県の保証協会におきましては、一般の保証制度とは別に、金融機関や商工団体と提携して、担保余力の小さい中小企業者の信用力を補完するため、原則無担保で審査期間を大幅に短縮した独自の保証制度を設定し、利用者の負担軽減や利便性の向上による保証利用の拡大に努めているところでございます。


 近年の主な独自制度の取扱開始から本年2月末までの利用実績は、金融機関の支援を受けて収支改善を図る者を対象とし、16年10月に開始をしました中小企業活性化支援保証が3,076件、289億200万円、企業の反復、継続的な事業資金の安定供給を目的とし、17年10月に開始をいたしました当座貸越根保証、商品名が「プラチナ5000」というものですが、これが498件、132億3,000万円、法人会など商工団体が推薦する者を対象とし、17年11月に開始いたしました小口連携保証、商品名が「トライアングル500」というものですが、これが1,752件、67億9,700万円と好調な利用となっておりますほか、これらを含めました6つの独自制度合計の保証債務残高は、本年2月末現在で877億9,800万円と協会全体の43%を占めるなど、独自制度の割合は増加をしております。


 県といたしましては、このような保証協会の取り組みは、中小企業者の資金調達手段の選択肢が広がりますとともに、商工団体など関係機関との連携を通して、利用企業の拡大につながるものでありますことから、今後もさまざまな資金ニーズに対応した保証制度の提供により、資金供給の円滑化が図られますよう指導してまいりたいと考えております。


 以上であります。


○(野本俊二教育長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 渡部議員にお答えをさしていただきます。


 今後、学校や登下校時の安全対策にどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございました。


 私どもも、通学路や学校での安全確保、これにつきましては、当面する最重要課題であるというふうに認識をいたしております。このため本年度から、地域ぐるみの学校安全体制整備事業を実施いたしまして、子ども見守り隊など、学校ボランティア組織の育成に取り組んでおりまして、警察OBなどによるスクールガードリーダーを県下で30名委嘱いたしまして学校に派遣し、組織の立ち上げ支援や具体的な防犯などに関する指導を行っているところでございます。


 これまでの取り組みによりまして、特に対策が急がれております小学校における組織率は、年度当初の30%程度から、直近の18年2月現在におきましては68%までに上昇いたしまして、245校の小学校において、通学路での見守りや一緒に登下校するなど、地域ぐるみでの活動を行っていただいておりまして、感謝をいたしているところでございます。ただ特に今後は、農山村部での組織率をどう向上させていくかということが課題だとも認識をいたしております。


 このため県教育委員会といたしましては、来年度は、スクールガードリーダーの数を2倍の60人に増員いたしまして、県下のすべての小学校に指導、派遣いたしますとともに、地域のボランティアや学校関係者が参加する連絡協議会というものをすべての市町で開催するなどいたしまして、学校安全ボランティア組織の一層の充実、拡大を図っていきたいというふうに考えております。


 また、新たな取り組みといたしまして、子ども安全情報共有システムといたしまして、学校、PTA、地域の関係団体、警察などがインターネットや携帯電話を活用いたしまして、子供の安全に関する情報を効果的に共有していくためのモデル事業に取り組みまして、その成果を県下に普及させるなど、学校ばかりでなく地域や関係機関が一体となって子供たちの安全を守る体制の整備に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。


 次に、児童生徒に防犯意識を醸成させるため、どのように取り組んでいくのかというお尋ねでございます。


 率直に申しまして、こんなことはしたくないわけでございますけれども、現に痛ましい事故、事件が連続している以上、このことにつきましても、残念ながら真剣に取り組んでいかなければならないと思っております。


 既に県下すべての小中学校において、特別活動の時間などを活用いたしまして防犯教室や防犯訓練を行いまして、登下校時の注意すべき事項や、万一不審者と遭遇した場合の対処の仕方などを指導しているわけでございますが、昨年末に小学校1年生をねらった広島、栃木両県の事件を受けまして、特に、小学校の低学年に対する指導の徹底と通学路の安全マップづくりに児童生徒も参加させて、みずからの注意を促すことなどを市町教育委員会に対し強く要請しているところでございます。


 また、入学を間近に控えました幼稚園児に対しましても、この3月までの間に、危険から身を守るための方法を少しでも身につけてもらうように関係機関に要請したところでございますが、今後は、学校として、これらの取り組みを一層充実いたしますとともに、子供自身の安全問題につきましては、やはり家庭でしっかり危機意識や防犯意識を植えつけてもらうということが有効でございますので、PTA活動などを通じまして、家庭との連携や働きかけに努めてまいりたいというふうに思っております。


 以上でございます。


    ―――――――――――――――――


○(清家俊蔵副議長) お諮りいたします。


 佐々木泉議員から、お手元に配付のとおり、監査請求に関する動議が提出されましたので、日程を変更追加して上程付議することに異議ありませんか。


   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○(清家俊蔵副議長) 異議ないものと認め、そのとおり決定いたします。


 提出者佐々木泉議員の説明を求めます。


   〔佐々木泉議員登壇〕


○(佐々木泉議員) 県警幹部の裏金事件に関し、1998年度から2004年度の警察予算、捜査報償費、旅費、食糧費の監査動議について説明いたします。


 2001年度の特別監査では、県警本部による妨害、非協力、これは証拠書類の件数で7割、金額で9割を見せないという常軌を逸するものでしたが、監査委員はそれにもめげず大きな成果を上げました。


 第1に、県警が公の監査で違法不当と認定されたのは、県政史上初、画期的なことです。第2に、特別監査自体が北海道に次いで全国2番目であり、これは県民の怒り、県議会の総意、知事の決断によるものでした。第3に、この結果、今年度捜査費が3分の1に激減するという全国一を記録したこと。第4に、県警幹部が渋々とはいえ県に金を返還したこと、これも初めてのことです。このように私の甘過ぎる評価かもしれませんが、監査の絶大な効果が証明されました。


 そもそも警察の調査だけだったらこんな結果は望むべくもありませんでした。発端となった大洲署の事件にしてからが、県警は、不適切だが不正はない、大洲だけの特異な例だと言い逃れをしました。特別監査があったからこそ、県警のいい加減な調査結果をひっくり返し、これが違法不当な支出であり、大洲以外でも起こっていたことを証明できました。


 今回県警が発表した1998年から2004年度分は、要するに身内の調査ですから、お茶を購入したのにジュースの領収書だった、せんべいを買ったのに水ようかんの領収書だった、こんなのばっかりで、そのくせ組織ぐるみの不正の事実はないなどと論証抜きで決めつけるというお粗末さです。外部監査によって真相を解明するほかありません。


 先日、高知の監査委員がさらに大きな成果を上げました。愛媛では捜査員の聞き取りに際して、県警本部職員が同席したのに対して、高知では同席なし。監査委員と捜査員が1対1のさしで聞き取りを行いました。


 捜査員は封筒から資料の束を取り出しバサッと机に投げた。「これ全部うそだから」資料は、捜査協力者らに捜査費を支払ったことを示す証拠書類のコピー。県警本部を出る際、会計課が彼に持たせたものだった。監査担当者は書類に記された支出を1件1件確認していく。捜査員は身を乗り出すと、書面にささっと指を指した。「あっ、これはほんとに使った。でもこれはうそ、これもうそ」淡々と不正を認めた。これは新聞の一節ですが、こうした結果、監査報告には次のような事実が指摘されています。上司から鉛筆書きを示されて、そのとおりに書類をつくるよう指示され、そのまま書いた。電話帳で適当に名前を拾ってつくった。印鑑は会計の係が持っている印鑑である、会計係は三文判を数多く持っている。飲食費の領収書も私的な飲食の領収書を使って、協力者との接触費であるかのようにつじつまを合わせた。店によっては白紙の領収書をもらって適当に使っていた。こうした証言が数多く記録されています。この結果、高知県監査委員は、捜査費の35%、1,800万円もの不正を突きとめました。愛媛でも、一層効果的に精度の高い監査を進めることは可能です。


 以上、特別監査を求める理由として、第1に、そもそも限界のある内部調査ではなく外部監査の必要があること。第2に、現に県警の調査の後に特別監査によって不正が明らかになった実績があること。第3に、高知県で一層進んだ監査結果が出ていることなどから、本議会が監査請求を行うよう提案をいたします。


 以前から提案しております県議会の調査特別委員会百条委員会の設置とあわせるならば、両面から真相に迫る有力な手段となるでしょう。


 よろしく御賛同いただくよう訴えまして、説明を終わります。


 ありがとうございました。(拍手)


○(清家俊蔵副議長) お諮りいたします。


 本動議に対する質疑及び委員会付託は省略することに異議ありませんか。


   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○(清家俊蔵副議長) 異議ないものと認め、そのとおり決定いたします。


 これから監査請求に関する動議を議題とし、討論を行います。


○(村上要議員) 議長


○(清家俊蔵副議長) 村上要議員


   〔村上要議員登壇〕


○(村上要議員)(拍手)ただいま佐々木議員から提出されました1998年度から2004年度の予算中、報償費、旅費、食糧費の執行に関し、監査を求める動議について、反対の立場から討論を行います。


 愛媛県警察本部捜査報償費をめぐる問題は、平成15年5月31日、平成13年度の大洲警察署の捜査報償費が偽造された領収書によって不正に支出、流用されているとの疑惑報道がなされたことに端を発し、約2年が経過して今日に至っています。


 この間、県議会においても、県警察みずからによる迅速かつ徹底的な調査の実施を求める決議を採択し、徹底解明を求めるとともに、本会議及び常任委員会での質疑を通じて、さらには特別監査を求める大きなきっかけをつくるなど、解明に取り組んできたところであります。


 また、御案内のとおり、平成13年度捜査報償費の特別監査実施に当たって、金額にして9割、件数において7割の関係文書が黒く塗られ開示されず、平成10年度から平成16年度における5年間の予算執行調査委員会の調査結果報告によってさらに不正支出が明らかとなるなど、県民の疑惑や不信感を払拭するに十分とは言えない現状にあります。


 さらに、本日の毎日新聞に、愛媛県警捜査情報がネット上で流出との報道がなされ、県警も事実のようであるとの見解を示しています。外に厳しく内に甘い体質が露呈したものと考えるのであります。


 議会として、県警察本部みずからの手による内部調査及び特別監査に期待してきたところでありますが、今日までの経過及び今議会における県警察本部長の答弁からは、反省し県民の声に真摯に耳を傾けようとする姿勢が疑われるところであり、残念ながら限界と判断せざるを得ず、例えば、外部による監査などの検討を含め、解明に向けて何らかの具体的な対応が必要と考えざるを得ないのであります。


 しかし一方で、特に新しい状況が生じない限り、監査を実施しても実効ある監査とはなりにくいとの監査委員の発言があること、また、監査のあり方、手法について県議会が定めたり拘束する制度となっていないことなどから、再度監査を求めたとしても実効性が期待できる状況にないと考えざるを得ないのであります。


 さらに、一日も早く県警察が本来業務である治安維持活動に邁進し、県民の信頼回復に努めることが求められている現状に照らし、むやみに時間を費やすことも避けねばならないと考えるのであります。


 また、本会議での質疑及び常任委員会での審議が継続されている現時点において、動議を提出、可決するということになれば、残された本会議での質疑及び常任委員会での審議を縛ることになりはしないかと疑問を持つものであります。


 加えて私ども社民党は、他会派の皆さんとともに県民の負託にこたえ、県民に責任を負う県議会として直接調査に当たり、疑惑解明と捜査報償費の適正執行、県民の信頼回復に集中して取り組むための新たな実効ある方策を模索、英知を結集し具体的に協議を行っているところであり、今にわかに動議を採択することは、これらの努力を放棄することにつながりかねないと考えているものでもあります。


 提出者の捜査費不正支出の解明に一層取り組むべきとの趣旨については賛同できるものの、以上の理由から、監査を求める動議については、にわかに賛成することはできず、反対であることを表明し、討論を終わります。


○(清家俊蔵副議長) 討論を続けます。


○(阿部悦子議員) 議長


○(清家俊蔵副議長) 阿部悦子議員


   〔阿部悦子議員登壇〕


○(阿部悦子議員)(拍手)監査請求に関する動議に賛成の立場から討論します。


 元北海道警察方面部長、原田宏二氏の著書「警察内部告発者」によれば、彼は、退職までに所属した17の部署で裏金づくりに関与し、その一部を受け取り接待などに使ったと、具体的にその管理システムにまで言及し証言しています。その裏金の原資は、捜査費、報償費だけでなく、旅費などあらゆる項目に及んでいたと言います。また、その裏金のシステムは、道警のみならず全国の警察に及んでおり、その構図は、現場で働く警察官に裏金づくりへの関与を組織的に強いるものであり、一方、その金を使うのは、例外なく警察官僚やその取り巻きたちであったと書かれています。


 2004年、原田氏らの告発を受けた北海道警は、同年5月に組織的裏金づくりを認め、11月には内部調査の結果として、国費道費の合計7億1,500万円を不正支出と認めました。しかし、北海道議会はこれをよしとせず、特別監査、さらに確認監査を行いました。その結果、高橋はるみ知事は、道警に追加返還を要請、道警は合計9億6,000万円を国と道に返還したのです。ここで監査対象になった経費は、捜査報償費、旅費、食料費及び交際費であり、監査委員は、公金の原資が道民の税金であることについて幹部の意識が欠如していたと結論づけているのです。


 一方、去る2月24日に発表された愛媛県警の内部調査報告書では、その調査対象が捜査報償費のみに限られて、新たに不正を認めた金額は6年間で272万円であり、しかもその調査結果の内容たるや、例えば、協力者としての暴走族にサンドイッチを交付したが、支払い証明書に菓子と書いたとか、暴力団関係者にペットボトルのお茶の詰め合わせを購入交付したが、誤って支払い伝票にジュース詰め合わせと記載した。また、せんべいを誤って水ようかんと書いたなど、余りにも稚拙で県民を愚弄しているとしか言いようのないものでした。このような現場警察官の微細なミスを書き連ねることで県民が納得するとでも思っているのでしょうか。また、だれよりも県警の再建を望む現場警察官の方々が、どれほど県警幹部に失望したことでしょう。私は、こうした疑惑の中で、誠実に職務を遂行されている警察組織に属するすべての方々に同情の念を抱かずにはいられません。


 この裏金づくりという悪癖は,原田氏の告発からもわかるように、既に50年も前から厳然と常態化していたのであり、それに従わない者には昇進の道が閉ざされ、内部で改革を試みようとする者は、組織から疎まれ締め出されてきたのです。


 今、この裏金システムをなくし、警察官がその職務を誇りを持って遂行できる警察に刷新しなければ、私たちの社会の正義と公平は保たれないばかりか、それを見ている子供たちの未来を奪うことになってしまいます。だからこそ県民の信頼回復と県警の建て直しのために、ここはもう一度特別監査を行うべきではないでしょうか。金額の90%が黒塗りで十分な監査のできなかった前回2001年度分を含めて情報を開示し、さらに協力者への聞き取り調査を伴った実効性あるものにするべきです。また、捜査員の聞き取りの際、幹部や会計課の職員等の同席を認めない環境での聞き取りを行い、さらに必要があれば確認監査を行う必要もあるでしょう。


 そして、何より愛媛県には、33年間一度もにせ領収書を書かず、その結果、昇任をはばまれても裏金に手を染めていない仙波巡査部長がいます。全国で初めて、現職でありながら内部告発を果たした彼の告発は、さきの原田氏の証言といみじくも内容を同じくしています。愛媛県議会においても、警察経済委員会の場で彼の話を聞く機会をつくってはどうでしょう。また、さらに厳正な監査のために、百条委員会の設置をも望むところです。


 この問題は、県民の納めた血税の使い道の問題であり、議会はそのチェック機関として県民から負託を受けているのです。本県でもし以上のことが実現すれば、加戸知事と愛媛県議会は、全国に先駆けて歴史に残る警察改革の功労者とたたえられるでしょう。


 しかし、ここで県議会が当動議を否決すれば、県民は大きな失望を味わうと同時に、警察に対してだけではなく、議会に対しても改めて不信を抱くことになることは明らかです。


 以上、皆さんの賛同が得られることを願って討論を終わります。(拍手)


○(清家俊蔵副議長) 討論を続けます。


○(帽子敏信議員) 議長


○(清家俊蔵副議長) 帽子敏信議員


   〔帽子敏信議員登壇〕


○(帽子敏信議員)(拍手)私は、本会議に提出された監査請求に関する動議に対し、自由民主党を代表して反対意見を表明するものであります。


 愛媛県警察による不正経理問題は、県議会における多くの議論を経て、特別監査の実施及び県警本部長を長とする愛媛県警察予算執行調査委員会による調査へと至っております。そして、平成13年度分の特別監査において、13事案35件について執行の事実に疑義があると指摘した調査結果報告を受けて、県警察は、初めて捜査報償費自体の執行に不適正があったと認め、陳謝をいたしました。さらに先般、愛媛県警察予算執行調査委員会の調査結果として、新たに1,203件の不適正な執行があったことを明らかにいたしました。


 この間、長い時間と税金を費やして特別監査や内部監査を実施してきましたが、特別監査に際して情報公開をなかなか認めない県警察の姿勢と県警察内部による調査委員会の結果報告であることによって、県議会及び県民の不信感を払拭するには至りませんでした。


 確かに警察には守秘義務もある、捜査上知り得た情報やプライバシーを口外してはならないことは、県民も我々も十分理解しているし、逆に、そうでなければならないと思っているのに、開示してもいいものまであからさまに隠そうとした。また、特別監査においても、北海道警、宮城県警等の資料を取り寄せ参考にして、可能な限り監査を行い発表したものまで不審に思われてしまった。内部調査委員会の調査報告でも、膨大な資料を調査し1,200件ほどの不適正をみずから認めたのに、いまだ疑義を持たれている。新しい疑義が生じてもいないのに、なぜこのような動議が挙がるのか。他県の県警と内容や条件も違うのに、なぜ愛媛県警だけはきちんとしないのかと言われるのか。本部長おわかりでしょうか。それだけ県民は、警察に対して信頼の置ける正義の場であってほしいと願っているのであります。にもかかわらず、この一連の県警のこの問題に対する対応は、まことに誠実さに欠けております。なぜ2年近くにわたってこのようなことに多くの時間を割かなければならないのか。県警のとった対応や行動をみずから強く戒めるべきであります。


 さて、しかしそのような不信感や感情論にだけとらわれて、また同じように特別監査を請求し、かつ、県民の血税を使って再度監査をするということが、果たして県民の負託にこたえるということでしょうか。


 先般の特別監査に当たっては、監査の手法として可能な限り工夫をしており、また今回、特に監査を必要とする新しい状況が生じているとは思えない。単に他の県ではこうであったなどという理由だけでは、再度の監査を求める根拠になり得ない。


 よって、警察の不正経理問題に対する不適切な対応に反省を促し、かつ、県民に不信感を抱かせた行動や適正な情報公開を閉ざそうとした県警の傲慢さを指摘し、今後の監査においては、そのかたくなな態度を改めることを強く求め、また、今議会において、愛媛県警察における捜査費の厳正な使用を求める決議を提出することとして、監査請求に関する動議には反対をいたします。


 以上です。(拍手)


○(清家俊蔵副議長) 以上で討論を終局し、表決を行います。


 監査請求に関する動議を議題とし、本動議のとおり決定することに賛成の議員は、起立を願います。


   〔賛成者起立〕


○(清家俊蔵副議長) 起立少数。着席を願います。


 起立少数と認めます。


 よって本動議は、否決されました。


    ―――――――――――――――――


○(清家俊蔵副議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。


 明8日は、午前10時から本会議を開きます。


 日程は、全議案に対する審議の続行であります。


 本日は、これをもって散会いたします。


     午後2時11分 散会