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平成18年第296回定例会(第3号 3月 3日)




平成18年第296回定例会(第3号 3月 3日)





第296回愛媛県議会定例会会議録  第3号


平成18年3月3日(金曜日)


 
〇出席議員 47名


   1番  楠 橋 康 弘


   2番  豊 島 美 知


   3番  大 沢 五 夫


   4番  豊 田 康 志


   5番  笹 岡 博 之


   6番  鈴 木 俊 広


   7番  徳 永 繁 樹


   8番  高 山 康 人


   9番  泉   圭 一


  10番  欠     番


  11番  欠     番


  12番  阿 部 悦 子


  14番  佐々木   泉


  15番  住 田 省 三


  16番  菅   良 二


  17番  渡 部   浩


  18番  白 石   徹


  19番  戒 能 潤之介


  20番  赤 松 泰 伸


  21番  本 宮   勇


  22番  欠     番


  23番  井 上 和 久


  24番  栗 林 新 吾


  25番  村 上   要


  26番  高 橋 克 麿


  27番  河 野 忠 康


  28番  黒 川 洋 介


  29番  明 比 昭 治


  30番  猪 野 武 典


  31番  田 中 多佳子


  32番  竹 田 祥 一


  33番  森 高 康 行


  34番  成 見 憲 治


  36番  笹 田 徳三郎


  37番  薬師寺 信 義


  38番  帽 子 敏 信


  39番  岡 田 志 朗


  40番  西 原 進 平


  41番  寺 井   修


  42番  仲 田 中 一


  43番  清 家 俊 蔵


  44番  横 田 弘 之


  45番  土 居 一 豊


  46番  欠     番


  47番  欠     番


  48番  柳 澤 正 三


  49番  中 畑 保 一


  50番  篠 原   実


  51番  高 門 清 彦


  53番  谷 本 永 年


  54番  玉 井 実 雄


  55番  池 田 忠 幸


  ――――――――――


〇欠席議員 3名


  13番  今 井 久 代


  35番  藤 田 光 男


  52番  山 本 敏 孝


  ――――――――――


〇欠  員 なし


  ――――――――――


〇出席理事者


  知 事           加 戸 守 行


  副知事           吉野内 直 光


  出納長           永 野 英 詞


  公営企業管理者       和 氣 政 次


  総務部長          讀谷山 洋 司


  企画情報部長        夏 井 幹 夫


  県民環境部長        石 川 勝 行


  保健福祉部長        藤 岡   澄


  経済労働部長        高 浜 壮一郎


  農林水産部長        喜 安   晃


  土木部長          大 内 忠 臣


  公営企業管理局長      相 原 博 昭


  教育委員会委員       山 口 千 穂


  教育委員会委員教育長    野 本 俊 二


  人事委員会委員       木 村 スズコ


  公安委員会委員長      吉 村 典 子


  警察本部長         粟 野 友 介


  監査委員          吉 久   宏


  監査事務局長        河 野 恒 樹


    ――――――――――


〇出席事務局職員


  事務局長          丹生谷 光 嘉


  事務局次長総務課長事務取扱 北 川 一 ?


  参事議事調査課長      菅   宜 登


  参事政務調査室長副参事   篠 崎 泰 男


  総務課長補佐副参事     川 口 和 男


  議事調査課長補佐      玉 井 省 三


    ――――――――――


〇本日の会議に付した事件


 定第1号議案ないし定第69号議案


    ―――――――――――――――――


     午前10時30分 開議


○(森高康行議長) ただいまから、本日の会議を開きます。


 本日の会議録署名者に横田弘之議員、成見憲治議員を指名いたします。


    ―――――――――――――――――


○(森高康行議長) これから、定第1号議案平成18年度愛媛県一般会計予算ないし定第69号議案を一括議題とし、質疑を行います。


○(高橋克麿議員) 議長


○(森高康行議長) 高橋克麿議員


   〔高橋克麿議員登壇〕


○(高橋克麿議員)(拍手)社民党を代表して質問いたします。


 理事者の皆様の温かい御答弁をお願いいたしまして、早速質問に入ります。


 まず最初は、財政問題についてであります。


 政府は、税源移譲、国庫補助負担金、地方交付税の三位一体の改革を進めていますが、その結果は、平成16年度から18年度までの3年間で、国庫補助負担金改革が約4.7兆円、税源移譲が約3兆円、地方交付税改革が約マイナス5.1兆円となっており、結局は地方が割りを食う負担のつけ回しに終わる状況をもたらしています。


 平成18年度の国庫補助負担金改革においては、児童手当、児童扶養手当、義務教育費国庫負担金の負担率の引き下げなど裁量の余地がない義務的なものに偏っており、真の地方分権自治の推進につながらない内容であることから、厳しく批判されなければならないと考えています。


 また、地方交付税は、対前年比、率にして5.9%減、額で9,900億円の減の15兆9,100億円となっていることから、多少の地方税の伸びが期待されるとはいえ、地方財政はますます深刻な危機に直面しており、地方の公共サービスや県民生活へのしわ寄せが懸念されております。


 本県においても、財政は、いまだかつて経験したことのない極めて厳しい状況にあるため、今回の当初予算においては、財政構造改革基本方針に基づき、大規模事業など歳入歳出全般にわたる徹底した見直しに全庁一丸となって取り組むとともに、臨時的な対策として、加戸知事を初めとする職員給与の減額に踏み切り、財源を捻出したとのことでありますが、5年連続となる超緊縮型の予算となっており、三位一体の改革による地方交付税や臨時財政対策債の削減が大きく影響していることを痛感しております。


 しかしながら、県政の発展のためには、最低限の行政サービス水準の維持だけでは社会環境の厳しい変化に対応できません。また、本県には解決すべき多くの課題が山積しています。ない袖は振れないといった発想で、諸課題に対応する従来からの施策展開を一律にとめるわけにはいかず、愛媛の元気創造に向けた新たな取り組みの導入が不可欠であると思います。そして、県民が少しでも夢と希望を持てる予算であってほしいと念願しております。


 そこで、お伺いします。


 18年度当初予算の編成にどのように取り組んだのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次は、伊方原発のプルサーマル問題についてであります。


 我が社民党は、原子力依存そのものからの脱却を訴えておりますが、まず、それに先立って、核燃料サイクル計画を直ちに凍結し、エネルギー政策を大きく転換すべきと考えております。


 私は、この立場から現実を見詰めつつ、これまで伊方原発のプルサーマル問題を本会議で2度ほど質問してまいりましたが、今回も、国の政策の安易な受け入れは本県に大きな禍根を残すことになるとの思いから、県には慎重かつ適切な対応を求めたく、改めて各問題について質問するものであります。


 まずは、現時点における伊方原発の防災面について、愛媛県国民保護計画との関係をお尋ねします。


 現在、策定が進められている県の国民保護計画の案では、伊方原発への平素からの備えや予防として、住民への原子力災害に関する知識の普及、啓発が盛り込まれておりますが、具体的に県はどのような規模の原子力災害を想定されたのでしょうか。記述には被曝医療体制と安定沃素剤の準備程度しか触れられておりません。原子炉への武力攻撃による被害対策をこの程度で十分と考えられたのであれば、認識が甘くはないでしょうか。原子炉の破壊や一次系主要配管の破断は、炉心溶融や核暴走の、さらには炉心内部での水素爆発、最悪はチェルノブイリ事故級の原子力災害に発展する可能性が高いと思いますが、そのような事態までは想定されていない内容に見受けられます。


 そこで、まずお伺いします。


 本気で県民を守るための計画ならば、被害想定を矮小化せず最悪の事態に備えるという姿勢が必要と思いますが、御見解をお聞かせください。


 また、伊方原発の安全協定は、現在、県、伊方町と四国電力が結んでおりますが、県国民保護計画においても周辺自治体への影響が大きいとの前提に立っているように見受けます。


 そこで、県は、八幡浜市、大洲市、西予市も四国電力と安全協定を結ぶよう積極的に行動すべきと思いますが、お考えをお聞かせください。


 次に、プルサーマルがはらむ危険性と巨大地震への対応についてであります。


 プルサーマルを推進すること自体、一度事故が発生すれば、武力攻撃を受けた場合でなくとも、先ほど指摘したような原子力災害につながる可能性が高まります。


 プルサーマルの危険性の一つは、MOX燃料中のプルトニウムの挙動にあると指摘されています。プルトニウムとウランが均質に混ざらず、プルトニウムの塊であるプルトニウムスポットができ、ウランとは異なる核反応でガスが発生し燃料棒を破裂させます。核分裂反応そのものもウラン燃料とは変わってきます。また、毒性の高いプルトニウムが混ざるため、チェルノブイリのような過酷事故の際には、死者数が距離で2倍、面積で4倍に達すると見込まれます。そして、原子炉自体の中性子脆化の進行も速くなり、劣化が早まると思います。伊方原発では1号機、2号機とも一次冷却水ノズルと圧力容器の溶接部が応力腐食割れで亀裂が入りました。3号機でも同じことが起きると想像されますが、プルサーマルを実施すれば、亀裂が出現するまでの時間は短くなるだろうと言われております。


 以上述べました燃料の不良、炉心でのプルトニウムによる異常反応、そして、圧力容器の亀裂。これらが同時に起こると、燃料破裂、反応度事故、圧力容器破損、炉心溶融、水素爆発、原子炉の爆発へと至る過酷事故となり、愛媛県どころか瀬戸内海全域、西日本全域を巻き込む原子力災害となります。これは、原子力推進側が触れようとしない30年前から指摘されているシナリオであります。このシナリオが巨大地震という自然災害で起こる可能性はどうでしょうか。


 伊方原発は日本構造線の上にあり、さらに目前には伊方沖断層があります。この活断層は、伊方原発の設置許可の際には見落とされていましたが、その後、高知大などの研究グループにより、マグニチュード7.6以上の地震が起こり得るとされたものであります。設置許可の時点は見落とされていたのですから、プルサーマルの実施云々以前の問題として、この活断層の存在を織り込んだ耐震設計の見直しを行うべきであり、国は現在、耐震設計指針の見直しを進めておりますが、これを待っている時間はないと思います。


 そこで、お伺いします。


 県は、四国電力に対し、伊方沖断層の存在を前提とする伊方原発の耐震設計の見直しを求めるべきではないでしょうか、御所見をお示し願います。


 最後は、プルサーマル計画の具体的プランについてであります。


 四国電力は、2010年にプルサーマルを実施するとしておりますが、具体的なプランが現時点で示される必要があります。四国電力のプルトニウム保有量はわずか約1.3tと公表されています。それでは、プルサーマルに用いるプルトニウムは今どこにあり、どのようにMOX燃料に加工し、どのように伊方原発まで運ぶのでしょうか。MOX燃料への加工では、データの捏造などトラブルが相次いでおり、どこでつくるかが大きな問題でもあります。


 青森県の六ヶ所村再処理工場は、アクティブ試験に入り、本格運転を開始しようとしています。実際には、国内外に40tものプルトニウムを保有しておりますが、再処理の必要性も緊急性もありません。こうした状況でありますから、県は、具体的なプランの提出を四国電力に求め、同時に公表もさせるべきなのであります。具体的プランの確認もないまま県は承認などしてはならず、同時に公表内容について県民の理解を十分に進めていく必要があります。


 プルサーマルが実施されようとしている佐賀では、県主催による公開討論会がこれまでに開催されています。これは、単に推進側の説明会ではなく批判派と推進派が一堂に会して議論を闘わせ、一般参加者の理解を深めるというものであります。また、プルサーマルをめぐる住民投票や市民のパブリックコメントを求める自治体もあると聞いています。


 しかし、本県においては今日まで、そのような公平な立場からの手続は何一つ行われておりません。こうしたことでは、地域における民主主義の水準が低いと全国に示すことになりはしないか心配しております。


 そこで、お伺いします。


 今後、公開討論会の開催など、県民の理解を深めるための取り組みを県に求めたいと考えるのでありますが、見解をお聞かせください。


 次は、愛媛エコタウンプランの推進についてであります。


 環境の世紀と言われる21世紀において、県民一人一人が生きがいを感じ、安心して暮らすことができる社会を実現し、先人から受け継いだ豊かな県土を健全な姿で次の世代に引き継いでいくことは、今日の我々に課せられた使命であります。


 しかしながら、大量生産、大量消費、大量廃棄に象徴される現在の経済社会システムは、我々に物質的な豊かさをもたらす一方で、地球温暖化や廃棄物による環境汚染など、自然や生態系に大きな影響を与えており、例えば、台風、ハリケーン、集中豪雨、異常寒波や豪雪といった形となって世界各国で被害が相次いで発生している状況を見ましても、これまで我々が地球に与えてきた負荷に対するしっぺ返しのような印象を受けるのであります。これら地球温暖化や環境汚染といった問題を解決し、社会経済が健全に発展するためには、持続可能な循環型社会の構築が喫緊の課題であります。


 県では、廃棄物の減量とリサイクルや適正処理を進める本県独自の循環型社会の構築を目的に、平成12年えひめ循環型社会推進計画を策定し、60項目の主要施策を掲げ、実現可能なものから実施に取り組まれてきたところであり、昨年3月には第二次計画を策定し、引き続き幅広い施策の展開を図っており、循環型社会の構築に向けた確かな歩みが続けられていることを心強く思っています。


 循環型社会の構築のためには、廃棄物を資源として再生、再利用する事業がビジネスとして成り立つことが必要であり、環境ビジネスの育成が急務でありますが、県では平成14年、えひめエコランド構想を策定し、県下全域で地域の実情に合わせたゼロエミッションを実現するためのリサイクル事業を振興するなど、地域循環システムの構築に取り組まれているところであり、このような取り組みが広く展開されることにより、廃棄物の有効活用はもとより、県民の活力の創出とともに、地域の活性化をも生み出す大きな原動力となるものと確信しております。


 このような循環型社会構築の取り組みを背景として、近年県内においても、製紙スラッジの再資源化など、民間や産官学の連携によるさまざまな技術開発が進められてきておりますが、県では、これらの動向を踏まえ、このほどえひめエコランド構想を国のエコタウン事業に基づくプランとして申請し、経済産業省及び環境省から資源循環型社会の形成に資するものとして承認を受けたと聞き及んでおり、環境先進県を目指した県の取り組みに、さらなる弾みがつくものと期待しているところであります。


 そこで、お伺いします。


 今回の国のエコタウンプランの承認を受けて、今後の構想の具体化についてどのように取り組んでいるのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次は、少子化対策についてであります。


 我が国の少子化の進行については、皆様よく御承知のとおりで、そのことに対する危機感は全国的に広がっております。


 少子化の原因には、晩婚化や結婚しない人がふえていること、将来の生活設計への不安を抱える中で、教育面を含め子育てにお金がかかり過ぎる現実があること、就労条件や保育所等、仕事と子育てを両立させる社会的仕組みが整っていないこと、子供を取り巻く社会状況が悪化していることなどが挙げられ、危機回避のための環境整備として、教育費用の軽減、延長保育や一時保育などの保育サービスの充実、小児医療体制の整備といった課題への対応が急務になってきております。こうした情勢の中、本日は特に、子育てに悩みを持つ家庭からの相談体制の整備について取り上げたいと思います。


 昔のように家庭で多くの子供を抱えている場合には、一人一人の子供に十分なものを与えることはできませんでしたが、時代とともに家族も変わり、今では、可能な限り大切に育て、さまざまなものを与えたり試させるといったことが当たり前のようになってきております。しかしながら、その反面では、本当に必要なことを手抜きしたり、それぞれの子供の成長段階に応じた育て方をするという大切なことが忘れられているように思うのであります。


 最近の親は、学歴も高くなり知識も豊富で、子育ての仕方についてもよくわかっていると思うのですが、それを実践しているかどうかになると、甚だ心もとない気がするのであります。子育てがうまくいかない、わかっているけれどもできないといった親が多いのではないでしょうか。昔であれば、いろいろと世話を焼く人が身の回りに何人かいたものですが、核家族や都市化により、そういったことはほとんど期待できないという現状の中で、家庭のみでは子育てを支え切れなくなってきており、その端的な現象として、近年、児童虐待の相談件数が急増してきているものと考えております。


 このような状況のもと、これら子育てに悩みを持つ家庭からの相談を受け、適切な助言を行うことなど、育児への不安や負担感を軽減することのできる相談体制の整備がますます重要になっていると思いますが、昨年4月には児童福祉法が改正され、児童家庭相談に応じることが市町の業務として法律の上でも明確化されました。住民に身近な市町において児童虐待の未然防止、早期発見などの児童家庭相談について積極的な取り組みを求めつつ、児童相談所の役割を専門的な知識及び技術を必要とする事例への対応や市町の後方支援に重点化することによって、全体として地域における児童家庭相談体制の充実を図ることとなったところであります。


 子育ては次代の担い手を育成する営みであるという観点から、子供の価値を地域で共有し、子育て家庭が安心と喜びを持って子育てに当たれるよう地域社会全体で支援していくことが必要であると考えております。


 そこで、お伺いします。


 現在、本県の市町を含めた児童家庭相談体制はどうなっているのか。また、県は、児童家庭相談体制の充実についてどのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいのであります。


 次は、若年者の雇用対策についてであります。


 先般、厚生労働省が、昨年12月の全国の有効求人倍率は前月を0.01ポイント上回り1.00倍になったと発表いたしました。有効求人倍率が1倍を回復したのは、平成4年9月以来13年3カ月ぶりとのことであります。また、完全失業率につきましても改善傾向にあり、景気回復に伴う雇用の改善が統計数値で裏づけられるようになってきました。


 また、県内の雇用情勢についても、全国と比べると回復はおくれているものの改善傾向にあり、製造業が集積している東予地域においては、有効求人倍率が1倍を大きく上回るなど、数字の上では人材不足と言えるほどに回復しております。さらに、県内の今春の新規学卒者の就職決定状況につきましても、企業の採用意欲の高まりにより求人が前年に比べて増加していることから前年を上回っており、一時期言われておりました超氷河期は脱出したと思われます。


 こうした状況に加え、今後、団塊の世代と言われる方々が定年年齢を迎えます。いわゆる2007年問題を考えますと、企業にとっては、若い人材の育成、確保が緊急の経営課題となっているのではないかと思うのであります。


 一方、昨年県が実施した調査では、県下にもフリーター、ニートが相当数いることが明らかになりました。バブル崩壊後の景気の長期低迷期に就職時期を迎え、企業の採用意欲の冷え込みから学校卒業時に正規社員としての採用が得られず、やむを得ず不安定なフリーターとして働いている若者、フリーターや失業の期間が長期化し、結果として働くための具体的な行動を起こせなくなった若者なども多く、若年者を取り巻く雇用環境の厳しさの中でフリーターやニートが生み出されたという面があります。


 先般の新聞報道によりますと、なぜニートになるのかなどを探るために文部科学省が行ったニートへの実態調査で、ニートは意欲のない若者と見られているが、実態は異なり、ニートになる経緯は千差万別ではあるものの、職場の人間関係のつまずきを理由に勤め先をやめ、厳しい雇用情勢の中で求職活動をあきらめるケースもあったとのことであります。


 景気が回復基調にある今、産業界の若い人材に対するニーズの高まりの中で、こうしたフリーターやニートを含む若年者に対する産業人材としての育成と就職支援は、地域経済の活性化にもつながるものであり、社会全体で継続して取り組むべき大きなテーマであると考えるのであります。


 そこで、お伺いします。


 県では、平成16年7月にジョブカフェ愛workを設置され、いち早く若者の就職支援や地域産業が必要としている人材の育成に取り組まれ、多くの若者が愛workを利用して就職するなど、大きな成果を上げており、敬意を表する次第でありますが、本県産業が必要としている若年人材の育成と若年者の雇用対策に今後どう取り組まれるのか、お伺いしたいのであります。


 最後は、教育問題についてであります。


 文部科学省大臣官房が発行する文部科学広報本年1月4日付け第70号の年頭の所感で、小坂憲次文部科学大臣は、義務教育の構造改革について次のように主張しています。


  義務教育は、子どもたち一人一人の人格形成の基礎であり、国家・社会の形成者たる国民として共通に必要な資質を身につけるために不可欠な、全ての教育の基盤となるものです。また、憲法の要請により、全国どこにおいても、全ての国民に対して、等しく無償で提供されなければならないものであり、国は、その責務として、機会均等、水準確保、無償制という義務教育の根幹を保障する必要があります。


 と。


 しかしながら、義務教育を支える社会の現状はどうでしょうか。勝ち組と負け組という言葉に象徴されるように、我が国は格差社会になりつつあるとの認識が広がっています。


 新聞報道を見ますと、景気は回復していると言われながら、厚生労働省の調査結果では、常用雇用者の給与は2004年まで4年連続で減り、2000年の94%まで落ちたとのことであります。また、正社員から安易な置きかえでパート、契約、派遣、請負労働者等が急増し、中小、下請企業等はコスト削減の中で苦しい状況があり、低賃金労働者の増大と不安定雇用の拡大に拍車がかかっています。その上、医療制度改革での負担増、所得税の定率減税廃止、年金の減額等の動きもあり、生活の不安は増すばかりで、小坂大臣の言っている義務教育の根幹である機会均等、水準確保、無償制の保障が危うくなっていると思うのであります。


 その例として、公立の小中学校で文房具代や給食費、修学旅行費などの援助を受ける児童生徒の数が2004年度までの4年間に4割近くもふえ、受給率が4割を超える自治体もあることが新聞社の調べでわかったと本年1月3日に報じられています。さらに同記事では、「文部科学省によると、就学援助の受給率は2004年度が全国で約133万7,000人。2000年度より約37%増えた。受給率の全国平均は12.8%。都道府県で最も高いのは大阪府の27.9%で、東京都の24.8%、山口の23.2%と続く。」東京足立区には受給率が7割に達した小学校もある。足立区のある学校では、「6年生を担任する男性教諭は、鉛筆の束と消しゴム、白紙の紙を持参して授業を始める。クラスに数人いるノートや鉛筆を持って来ない児童に渡すためだ。」とあり、これに対し、苅谷剛彦東大教授の話として、塾に何万円もかける家庭がある一方で、学用品や給食費の補助を受ける子供がふえているのは驚きだ。教育環境が義務教育の段階でこんなに差があって次の世代の社会はどうなってしまうのかとの意見が掲載されています。


 この報道に接し、一昔前の学校では、低所得の家庭で給食費を持ってこれない子供がおり、そうした子供たちの未納金を補てんするために、教員が私費で立てかえたりPTA会費等の校納金が使われたことを思い起こしました。そして、全国的に生活格差が広がっていると言われる中で、地域的な偏りもあるのでしょうが、学用品が持ってこれず担任が準備したり、修学旅行費や給食費が払えなかったりする状況があることを改めて認識した次第であります。


 また、苅谷教授は次のような意見も同時に述べております。国は補助金を一般財源化した。今後、自治体が財政難を理由に、教育環境の切り捨てを進めるおそれがあると。この言葉はまさに多くの国民の教育に対する不安を代弁していると考えます。


 この意見を踏まえると、今議会に提出されている教職員の僻地手当の支給割合を大幅に引き下げる議案については、マイカーの普及や交通網の整備状況に応じた見直しは必要と思いますが、地域個々の実情に即して見直しが図られたものでないと僻地教育条件の悪化を招く懸念があります。


 愛媛に限らず、僻地教育の困難性と重要性は、文部省出身である加戸知事が最もよく御存じであると思います。地方の時代と言われ、過疎地の住民は学校教育を中心として地方の活性化に努力している最中であります。このような時期に、地域の活力をそぐようなことになっては本末転倒と考えるのであります。


 そこで、2点ほどお伺いします。


 まずは、所得面を中心に格差社会が進行し、生活不安が拡大する中、本県における教育環境への影響についてどのように認識しているのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、国の責務「教育の機会均等、水準確保、無償制という義務教育の根幹を保障」に対し、県教育委員会は、その実効を確保していく必要があると思います。そこで、今回の僻地手当見直しの基本的考えはどうか、お聞かせください。


 以上で私の質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 社民党を代表しての高橋議員の質問に答弁いたします。


 まず、平成18年度当初予算の編成にどのように取り組んだのかとのお尋ねでございました。


 18年度当初予算は財政構造改革の初年度として、行政のスリム化、効率化、そして、事務事業の徹底した見直しを行いますとともに、県有財産の売却や広告料の導入など広範な歳入確保対策を実施するほか、胸の痛む思いで職員の臨時的な給与の減額を行うなどによりまして、財源の捻出を図ったわけでございますが、地方交付税の減少などにより、最終的な財源不足額は中期財政見通しから56億円悪化し376億円となりましたことから、基本方針で掲げました額を上回る基金の繰り入れにより対応せざるを得なかった予算編成であると認識いたしております。


 厳しい財政状況ではございますが、高橋議員お話のございましたように、少しでも未来に希望が持てるよう選択と集中を行い、財源の重点的、効率的な配分に努めますとともに、えひめの元気創造枠を活用して、43事業、5億1,000万円を計上するなど、第五次長期計画後期実施計画の具体化を図ったところでございます。


 主な事業といたしましては、災害ボランティア活動の支援体制の整備や県民総参加によるボランティア活動の活性化、僻地の医師確保のため県独自の奨学金制度の創設、県立学校の耐震化に重点を置いた改修、改築、子ども療育センターの平成19年4月の開設に向けた整備、県立中央病院本院の建てかえ整備に向けた調査、検討の開始、若年者への就職支援を初め、中高年離職者や障害者の職業訓練等、金額の多少にかかわらず愛媛の元気創造へ向け、できる限りの対応をしたところでございます。


 今後は、地方交付税の減少など今まで以上に厳しい財政状況が続くと見込まれますが、県民ニーズに即した政策の選択と集中を行い、豊かな明るい愛媛の未来に向けて改革の道を邁進してまいる所存でございます。


 次に、市町を含めた児童家庭相談体制はどうなっているのか。また、児童家庭相談体制の充実についてどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 急増する児童虐待などの深刻な家庭問題に対応してまいりますためには、住民に最も身近な市町と、こうした児童の問題を専門的に取り扱う児童相談所が緊密な連携を図り、一体的に取り組んでいく児童家庭相談体制を構築することが極めて重要であると認識いたしております。


 このため、市町の相談窓口につきましては、平成17年4月から全市町に設置され、さらに、松山市、今治市、新居浜市など8市においては、行政を初め教育、保健、医療、福祉や警察など専門機関をメンバーとする児童虐待防止等のネットワークを設置しているところでございます。


 また、愛媛県が設置しております3カ所の児童相談所につきましては、それぞれに児童福祉司や心理判定員などの専門スタッフを増員いたしますとともに、弁護士や精神科医など外部の専門家からの助言なども得ながら、高い専門性が求められる複雑で困難な事例への対応や市町に対するバックアップなどを行っているところでございます。


 県といたしましては、今後とも、この児童虐待防止等のネットワークが未設置の市町に対し、その設置を働きかけますとともに、さらに18年度からは、新たに市町の担当職員の資質の向上を図りますため研修会なども開催し、市町における相談体制の充実に向けて支援いたしますほか、児童相談所につきましても、実務経験に応じた専門研修に積極的に参加させるなど、職員個々の専門性の向上を図り、相談機能の強化に努めてまいりたいと考えております。


 本県産業が必要としている若年人材の育成と若年者の雇用対策に今後どう取り組むのかとのお尋ねでございました。


 いわゆるフリーター、ニートを含む若年者の雇用対策は、本県の社会経済の発展にとって喫緊の課題でありますとともに、景気が回復基調にある中、ニーズにこたえて、地元企業に人材を確保するといった側面からも対策を強化する必要があると認識いたしております。


 このため、今後、ジョブカフェ・愛workでは、地場中小企業の人材ニーズを把握し、これを踏まえた若年人材の育成に取り組みますほか、地場中小企業を支援して、自社の魅力を若者にアピールできる力をつけさせることにより、人材の確保が困難な企業への若年者の就職促進に努めますとともに、企業の新規採用職員等を対象にした基礎研修を実施することなどによりまして、確保した人材の定着を支援することといたしております。


 さらに、若者を取り巻く県内関係者に働きかけて、経済団体、教育機関、保護者団体、企業、NPOなどで構成いたします若年人材育成推進機構の設立を強力に推進し、ここにおいて自律的な取り組みを行いますとともに愛work事業も一体として行い、地域社会が一丸となって本県の未来を担う若年人材の育成に取り組む体制を構築して、若年者の雇用情勢の大幅な改善と地域経済の活性化を目指したいと考えております。


 なお、ニート対策につきましては、来年度、ニートに関する総合窓口となる地域若者サポートステーションを国の委託事業を活用して新たに設置いたしますほか、県民に対するニート支援の意識啓発にも取り組むことといたしております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(石川勝行県民環境部長) 議長


○(森高康行議長) 石川県民環境部長


   〔石川勝行県民環境部長登壇〕


○(石川勝行県民環境部長) 高橋議員にお答えいたします。


 伊方原発の防災面と愛媛県国民保護計画との関係について、本気で県民を守るための計画ならば、被害想定を矮小化せず、最悪の事態に備えるという姿勢が必要と思うがどうかとのお尋ねでございました。


 原子力発電所における武力攻撃災害への対処につきましては、国民保護法や国民の保護に関する基本指針に基づき国主導で行われることとされており、県は、県原子力防災計画に準じ、環境モニタリング、住民避難、緊急被曝医療などの応急措置を講ずることとされております。


 これを受けまして、本県の国民保護計画では、伊方発電所への武力攻撃における放射性物質等の汚染範囲を事故等による原子力災害と同程度として、平素の備え、予防から事後に至る対策までを記載しておりますが、高橋議員御指摘のように、武力攻撃原子力災害の発生時には、さらに大きな被害となることも否定できないと考えており、このため、県では、より実効性のある計画を目指し、原発立地県と合同で、国に対し、放射性物質等の拡散予測を含む被害想定や避難基準の提示などを強く要望しており、今後、具体的な被害想定の提示を待って速やかに計画を改訂いたしますとともに、所要の措置を講じてまいりたいと考えております。


 次に、県は、八幡浜市、大洲市、西予市も四国電力と安全協定を結ぶよう積極的に行動すべきと思うがどうかとのお尋ねでございました。


 伊方発電所に係る安全協定につきましては、四国電力が、発電所周辺の安全確保及び環境保全に責務を有することを確認し徹底することを目的に、立地町である伊方町と、周辺市町を含む広域的立場としての県が当事者となって締結しているものでありまして、万一の武力攻撃による原子力災害に対する各機関の防災対策のあり方を定める国民保護計画とは性格を異にするものでございます。


 このため、県としては、周辺自治体に対し安全協定を締結するよう働きかける考えはございませんが、隣接自治体である八幡浜市につきましては、市長及び市議会議長に、伊方原子力発電所環境安全管理委員会の委員として伊方発電所に関する重要事項等の検討に参画いただいているところでございます。


 次に、プルサーマル問題について、県は、四国電力に対して、伊方沖断層の存在を前提とする伊方原発の耐震設計の見直しを求めるべきではないかとの御質問でございました。


 お話の高知大学の研究グループから指摘のありました伊方沖海底活断層につきましては、平成9年11月、四国電力が、活断層の活動度や長さ、地震の規模、伊方発電所設備の耐震性の再評価を行い、国と協議の結果、耐震安全性に問題がないことを確認しております。


 また、その後、政府の地震調査研究推進本部から、伊方沖海底活断層を含む中央構造線断層帯の全長360kmが同時に、または5つの区分ごとに活動する可能性が否定できず、その規模はマグニチュード8以上と評価されるとの公表がありましたことから、平成15年3月には、全長360kmの断層帯が同時に活動した場合も想定して、伊方発電所の耐震安全性を評価し、問題ないことを確認しております。


 県といたしましては、これらの評価結果について、その都度伊方原子力発電所環境安全管理委員会に報告し、伊方発電所の耐震安全性に問題がないことを確認しておりますが、四国電力に対しましては、高橋議員お話の耐震設計審査指針など、新しい知見が出れば、適切に対応するよう引き続き強く指導してまいりたいと考えております。


 次に、公開討論会の開催など、県民の理解を深めるための取り組みを県に求めたいがどうかとのお尋ねでございました。


 県では、伊方3号機のプルサーマル計画について、伊方原子力発電所環境安全管理委員会での議論をオープンにし、県民からの意見や疑問に対しても真摯に対応するなど、情報の公開と公正を基本に取り組みを進めますとともに、国や四国電力に対し強く要請を行い、四国電力主催の地元説明会や経済産業省主催のエネルギー講演会を伊方町と松山市で開催するなど、県民の理解促進に努めてきたところでございます。


 高橋議員お話の批判派と推進派が一堂に会して議論を闘わせる公開討論会につきましては、既に国に対して開催を要請し実施の方向で検討いただいておりますので、県主催の公開討論会等につきましては、その結果を踏まえて検討したいと考えております。


 最後に、今後、えひめエコランド構想の具体化にどう取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 環境ビジネスを育成し循環型社会の構築を図るため、平成14年にえひめエコランド構想を策定し実現に取り組んでまいりましたが、その中核事業に位置づけた廃家電・OA機器等総合リサイクル事業の事業化が困難となりましたことから、これにかわる事業として、製紙スラッジ焼却灰のゼロエミッションについて製紙業界団体などと協議を行ってきたところでございます。


 現在、製紙スラッジ焼却灰は大半が埋立処分されておりますが、そのスラッジから、紙の白色度を上げるために用いられる填料を再生する技術の開発や、焼却灰から付加価値の高いリサイクル製品を開発するなど、スラッジの発生抑制、焼却灰の再資源化に向けた業界の取り組みに見通しがつき、一部事業化の動きが始まっておりますことから、これらの事業を中核として、経済産業省及び環境省に国のエコタウン事業に基づくエコタウンプランとして承認申請をいたしましたところ、その独創性、先駆性が両省に認められたものでございます。


 今後は、プラン承認を受けたことで、国の新技術、環境関連施設整備への補助制度の活用が見込められますことから、プランの推進組織として、学識経験者や関係団体などで構成するエコランド構想推進協議会を設置し、県が取りまとめ役となって、人工ゼオライト、廃自動車等リサイクル事業など、構想の具体化に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(森高康行議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 高橋議員の代表質問にお答えをさしていただきます。


 教育問題につきまして、まず、所得面を中心に格差社会が進行する中で、本県における教育環境への影響についてどのように認識しているのかというお尋ねでございました。


 愛媛県におきましても、現に学校現場におきましては、校納金の滞納などに苦慮するケースがふえてきております。また、平成16年度の調査によりますと、県内の公立小中学校の全児童生徒数の7.7%に当たる9,710人が、家計を理由に学用品や給食費などの就学援助を受けておりまして、全国平均が12.8%ということでございますので、5ポイント程度下回っているわけでございますけれども、13人に1人が援助を受けている状況にございます。しかもその比率が毎年増加してきておりますことから、今のところは、学校あるいは関係者の御努力によりまして、子供たちの学習状況には支障は見られないというふうに聞いておりますけれども、事態を憂慮しているところでございます。


 この就学援助の制度でございますが、これは各家庭の経済的理由によりまして教育の機会均等が妨げられることのないように、学校教育法などに基づいて、市町が実施しているものでございますので、県教育委員会といたしましては、この制度を活用して、今後ともすべての市町で適切な就学援助が実施され、子供たちの義務教育に所得の格差が影響することのないよう、必要な指導、助言を行ってまいりたいと考えております。


 次に、今回の僻地手当の見直しの基本的考え方はどうかというお尋ねでございます。


 僻地手当は、へき地教育振興法に基づきまして、交通条件や自然的、経済的、文化的諸条件に恵まれない僻地教育に当たる教員の労力と経費負担の軽減に一定の役割を果たしてまいりました。


 しかし、手当創設時の昭和30年代に比べまして、交通事情の著しい改善による地理的条件の変化や新たな情報通信手段の普及、整備によりまして、僻地に勤務する教員の勤務実態や生活環境も大きく改善されているのが現状でございます。


 このような状況を踏まえまして、平成15年には法律が改正されて県の裁量で支給率が変更ができるようになりました。また、本年度の人事委員会の給与等に関する報告におきましても、教員の手当等につきましては、制度創設時の意義が薄れたものや学校現場の実態を反映していないものについては、見直し、検討が必要であるとされたところでございます。


 このようなことから、県教育委員会といたしまして、制度創設時の状況と現状の乖離などを踏まえまして、県民の目線に立って検討を行いました結果、当面、県が実施可能な範囲で、手当そのものは残しながら支給率を見直したものでございまして、このことが僻地における教育条件の悪化につながるとは考えていないところでございます。


 また、この手当の見直しによります削減分、約1.2億円、1億2,000万でございますけれども、この削減分につきましては、その全額を義務教育費国庫負担制度の総額裁量制を活用いたしまして、栄養教諭の配置、これは今のところ16人を内定いたしております。それから、35人学級を小学校4年生まで拡充すると、これには20人程度の教員が必要でございますので、それに充てると、それから、中1ギャップというのが課題になっておりますが、この中1ギャップへの対応拡大、こういうふうな教員の人件費に充当をいたしまして、教育内容の一層の充実を図りたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。


 なお、今後とも、現状に即した手当の適切な見直しにつきましては、引き続き検討してまいりたいと思っております。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 休憩いたします。


 午後1時から再開いたします。


     午前11時29分 休憩


    ―――――――――――――――――


     午後1時 再開


○(森高康行議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(井上和久議員) 議長


○(森高康行議長) 井上和久議員


   〔井上和久議員登壇〕


○(井上和久議員)(拍手)井上でございます。


 公明党・新政クラブを代表いたしまして、質問をいたしたいと思います。知事初め関係理事者の御答弁をよろしくお願いをいたします。


 「歳月人を待たず」という言葉がございますが、2006年も既に3月に入ってまいりました。この新年における各種新聞あるいは雑誌等の論調というものを見てみますといろいろとありましたが、経済は踊り場を脱却し回復から発展へと明るい方向が多く見られました。同時に格差というものが注目をされております。本来この格差という言葉は、我が国にはなじみにくい似合いづらい言葉の一つであったと、このように思うのであります。また、効率と安心あるいは地域の活力を取り戻そうと、こういう県内課題を取り上げたものもありました。


 そうした中にありまして、新年の方針としては珍しい見出しがございました。それは「武士道をどう生かす」というもので、ベストセラーになっております「国家の品格」というものを引き合いにし、品格を競い合うこと、すなわち中国との関係においても武士道で語られる「仁」とは孔子の教えであり、惻隠の情とは孟子の言葉である。子供のけんかは早くやめて大国らしい仁や品格を競い合うくらいの戦略をアジア戦略として描いてほしい。また、内政にあっても、二極分化が進む今日、競争や自助努力が求められる時代として、弱者や敗者など立場の違う人、相手を思いやる精神が必要であろうと述べています。


 さて、知事は、元気えひめの会の第6回総会のごあいさつの中で、相手の立場に立って考えて行動する愛と心のネットワークについて語られ、人生観として日本国あっての愛媛県、愛媛県あっての各市町を考える。県益最優先ではあるけれども、愛媛県が主張することで四国全体としてはどうなのかを判断の基準にしている。すなわち自分が相手だったらどう考えるか、どうしてもらいたいと思うのか、こう考えて手を差し伸べる。これが愛と心のネットワークの基本的な考えであると大要を示されました。今の時流として欠けて失われようとしている精神の復活であり、心から拍手を送るものであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 ことしは2期目加戸県政の最後の1年でありますが、県政運営の基本方針はどうか。中でも愛と心のネットワークの具体化で、例年とは違う強調点あるいは重視する取り組みはどこに置くのか。締めくくりと次につなぐ結接点となる大事な1年であると思いますので、改めてお尋ねをいたします。


 次に、去る2月4日、活力ある四国を目指して4県知事会談が開催されました。そのうち4県共同事業の項目の中で、3月の国際見本市などの4県連携について、四国ブランドの確立や4県ネットワークによる海外客の一体誘致及び加戸知事の提唱されました知名度の低い四国が4県ばらばらでは力が弱い、4本の矢を束ねなければならないと述べられ、四国4県も必要なくなる時代が来るであろう。そうならざるを得ない客観情勢があると語られていますが、この客観情勢とは具体的に何を指しておられるのか。あるいは4県のままでは、具体的各論になると県益最優先がそれぞれ出てくるのではないでしょうか。それを乗り越える決め手というものは何か。道州制が実現をした場合の価値が証明されることは、将来重要な意味を持つと考えますが、御所見をお伺いをいたします。


 さて、本議会は、18年度当初予算案を初め18年度県政の基本方針を審議する重要な議会でありますので、多少の重複がございますが、会派を代表しての質問でありますので、お許しをいただきたいと思います。


 先ほどの元気えひめの会のあいさつに返りますが、中見出しに、愛媛の財政は大変な時期を迎え、こうありまして、「やります」から「やれません」へと出ております。本来この後援会の会報などには実績を本来は大きく取り上げたり、少々無理でも「やります」と表現するのが世の常かと思っておりましたが、さすが加戸さんとニンマリいたしました。


 そこで、県財政の厳しさにつきましては、昨日以来種々御議論がございました。状況打開への知事初め関係者の御努力に敬意を表するものであります。


 私ども最大限の努力、協力を惜しむものではありません。このことを前提として、数点にわたりお尋ねをいたします。


 まず第1は、長期計画の後期実施計画についてお伺いをします。


 財政問題を含め構造改革を進めるためには、何よりも国民の理解と協力が必要であります。このため小泉内閣では、発足当初から、毎年、経済財政運営と構造改革に関する基本方針いわゆる骨太の方針を作成し、日本経済の現状や課題、次年度の予算編成の基本方針などとともに、経済活性化に向けた重点施策など、今後力点を置くべき分野を示すことによって、日本の進路をしっかりと国民に対してアナウンスをしているのであります。


 一方、愛媛県では、昨年10月に財政構造改革基本方針を策定し、今後4年間で見込まれる1,600億円に上る財源不足に対応する方針を公表されました。歳入・歳出一体となった対応が練られているのでありますが、国と違いまして地方は、現行の法体系のもとではフリーハンドでの増税等を図るすべはなく、基本的には歳出カットが中心にならざるを得ないのであり、財政構造改革基本方針の中でも、聖域なくゼロベースから歳出の見直しを行うとしております。当然、このような対策を進めることに伴い、県民生活にも大きな影響が出てくるのであり、国以上に身近な県民の理解と協力を得ることの努力が不可欠と感じるものであります。


 そのような観点から、今回、財政構造改革にあわせて策定をされる県長期計画の後期実施計画は、極めて意義深く大きな役割を担うものと考えます。県御当局は、よく施策の選択と集中の観点から県民ニーズを踏まえ財源の重点配分を行うと説明されますが、この後期実施計画では、県民2,000人のアンケート調査の結果などをもとに長期計画の政策体系について評価を行い、緊急性や有効性などの視点から33の優先施策が選定されたと聞いております。そのような意味で、この後期実施計画は、名実ともに県民ニーズに立脚したものであり、今回策定をする計画が、国の骨太の方針に匹敵するような、今後の愛媛県の進むべき方向を示す県政運営の基本方針であってほしいと願うものであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 知事は財政構造改革で財政支出の削減を余儀なくされる中で、後期実施計画においてどのような愛媛づくりを目指そうとするのか。前期計画の実施を踏まえ、何をどのように見直し、変更し、実現されるのかお伺いをいたします。


 なお、これに関連して、規制緩和の取り組みについてお伺いをいたします。


 従来、国、地方を通じて、ある一定の政策目的を実現しようとする場合、例えば、不況になれば景気刺激のために公共事業を拡大したり新たな政策誘導を行おうとする場合は、それに向けた補助金を創設するなど、財政出動によりその実現を図ってきたのであります。


 しかしながら、今や国、地方ともに財政は火の車であります。もはや従来の手法だけでは政策目的を実現することは不可能であり、今後、予算にとらわれることなく、あらゆる政策手段を駆使して国民や県民の負託にこたえていく必要があると思うのであります。そのような意味で、今回、県がゼロ予算事業ということで、新たな予算措置を伴わず、職員の知恵と工夫で県政に夢と彩りを添えようとするもので、ぜひ積極的に推進してほしいと思います。


 また、このゼロ予算とは別に、政策実現を図る手段として注目しているのが規制緩和であります。先ほども申し上げましたとおり、日本経済は民間部門を中心に復活の道をたどっており、民間の手足を縛っている規制を取り除くことにより、日本経済はより元気になると思います。また、行政が政策展開するにしても、国や県ではなく、より県民や企業、各種団体等との距離が近い市町村の自由度を高めることで、より現場に即した形で地域の活性化が図られるのではないかと感じるものであります。


 そのような観点から、国においては、平成14年度に構造改革特区の制度を創設し、地域限定で規制の緩和を進め、民間や市町村の創意工夫により全国でさまざまな取り組みを行われているところでありますが、本県でも、今年度新たに県版構造改革特区とも言うべきえひめ夢提案制度を創設され推進されているのは心強い限りであります。えひめ夢提案制度では、今年度2回提案を受け付け、60件を超える提案を処理されたとお聞きしております。


 そこで、お伺いしたいのは、1年間この制度の運営を行ってきて、その意義や効果をどのように評価し、それを踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、将来見込み等についてお伺いをいたします。


 次に、効率的な行財政運営を実現するための方法の一つとして、全国的に注目を集めております事業仕分けを実施してはどうかと提言を申し上げるものであります。このやり方は、慶応大学の加藤秀樹教授を中心とする民間シンクタンク「構想日本」による取り組みで、2002年から活動を開始しており、昨年11月時点で既に9県4市で実施されております。事業仕分け作業というのは、?そもそも必要なのか、?必要なら行政と民間のどちらがやるべきか、?行政がやるなら国か県かあるいは市町村のいずれがやるのが妥当か、こういったことを順に検討し、整理していきます。


 事業仕分け作業では、現場の視点というのと外部の目という2つの観点から見直しが行われます。つまり学者などの専門家や中央省庁で働く職員の視点ばかりではなく、事業を実際に実施する自治体職員や民間企業などで働いている一般住民の現場感覚を特に重視し、さらに他の自治体職員や経営に詳しいビジネスマンなどの外部の視点も取り入れ、さまざまな角度から事業が見直されるという点が第1の特徴です。


 第2の特徴は、行政の事業を具体的に見直すことであります。例えば、ある県の青少年育成事業の中で、公園で子供をポニーに乗せるという事業があります。これに対して青少年育成事業の是非を論じてもこれは意味がない。事業仕分けでは、ポニーに乗せる事業が県の仕事として必要かどうか、これを検討する。事業の名目というものに目を奪われていると、いろんな解釈が可能であり、官民の事業分担は進まない。個々の具体的な事業を切り分けることが重要だと示されております。


 実際、これまで自治体で行われてきた事業仕分け作業には、自治体職員や経営者、NPO法人のメンバーなど約700人が参加をしてきました。参加した自治体職員は、事業項目の説明、質問への応答を通じて、自分の県の事業のあり方に対する理解が深まった、参加者同士の議論を通して自治体の役割を考える際の新たな視点を見詰めることができたといった感想を寄せているのであります。事業仕分けが自治体職員の意識改革にもつながっていることがわかるのであります。


 自治体の事業仕分けの結果を見ると、実施した8県の平均で、歳出ベースで10%の事業が不要あるいは民間の仕事、30%の事業が他の行政機関の仕事とされ、引き続き県の仕事とされたのは60%であった。例えば、新潟県の事業仕分けの結果を見てみますと、2003年度予算、一部事業の642億円を除きまして1兆2,205億円、このうち引き続き県とされたのは58%、市町村へというのが23%、国へが7%、民間へは8%、不要が4%だった。仕分けは多数決で決めるが、新潟県で不要・民間へとされた事業は、多数決ベースでも1,400億円、全員一致ベースでも1,100億円、予算の約1割が行政が手を離すべき仕事とされたのであります。


 昨年10月に構想日本により事業仕分けを実施した千葉県の堂本知事は、視察後に、当事者よりも第三者の方が状況を客観的によく判断できるという意味のおか目八目という言葉もあると指摘し、本当はおかしいが仕方がないと事業や制度について思っていた部分にも納税者の視点で厳しく切り込まれ、県庁職員も本音で議論をしていた、意識改革としての効果も大きいと強調。その上で、結果は可能な限り取り入れたい、議論のプロセスも大事だ、事業仕分けは非常に効果のある手法であり、多くの国会議員や国の官僚にも見てもらいたいと力説をしたと報告をされております。


 国においては、小泉純一郎首相も自民党の役員会で、公明党のマニフェストに基づき事業仕分けを自公で作業してほしいと指示し、実施に向けて具体策の検討を進めるよう強調されたと言われております。これを受けて、与党両党で財政について全般的に議論をする与党財政改革等協議会の初会合が昨年の10月開かれ、事業仕分け作業の具体的な進め方などについて話し合われたのであります。


 私ども公明党が提唱いたしました事業仕分けは、国レベルでは、国のすべての事業を、1、廃止するもの、2、統合するもの、3、民間に委託するもの、4、地方に移管するものに分けて、国が本来やらなくていい事業を洗い出すというものであり、これにより国の仕事が減り、当然人員も減るため経費を減らすことができ、結果として大幅な歳出削減が可能になります。私どもは、事業仕分けによる歳出削減で捻出した財源を子育て支援やがん対策などの国民のニーズに合った新たな事業にも重点的に充てていくように提案をしているところであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 効率的な行財政運営のあり方の一つとして、構想日本の事業を導入し事業仕分けを実施すべきだと考えるものでありますが、御見解をお伺いをいたします。


 次に、団塊の世代の大量退職者に対する農山漁村の受け皿機能の発揮と田舎への定住促進についてお尋ねをいたします。


 数字的には、2007年より約680万人、つまり総人口の5.3%を占めると言われている団塊の世代が大量に退職期を迎えます。この世代は、かつて金の卵と呼ばれ、地方から都市へ大量に移動し、我が国の戦後の経済成長を支えてきたのであります。


 去る2月18日、内閣府が発表いたしました都市と農山漁村の共生、対流に関する世論調査というのを見てみますと、週末は農山漁村で過ごしたいと希望する人が、50歳代で最も多く45.5%、次いで60歳代の41.4%と高い比率が示されております。


 一方、その希望してもらう農村の方では、高齢化と後継者不足から不耕作地、放任園、荒れた森林など一部では元来の地球の姿に返ろうとしているようにさえ感じるのであります。


 例えば、2005年農林業センサスによります本県農業経営体数は3万8,682と5年前に比べて14.1%減少し、耕作放棄地も9,619haと全国平均を2.3%上回っております。田舎は緑や水や空気の宝庫であるだけでなく、若いときにふるさとを離れた人々にとっては、まさに心のいやし場所でもありましょう。願わくはこの方々が就農、定住してくれれば本格的な都市と田舎の共存が実現すると思うのであります。調査でも農山漁村の家屋、土地を安く入手できることなどが必要であるとして挙げておられます。


 そこで、お伺いをします。


 農山漁村の維持発展のために、この団塊の世代と言われる勢力をどのように就農へ結びつけていくのか、具体的支援策についてお尋ねをいたします。


 御案内のとおり、昨年9月に農業経営基盤強化促進法が改正をされました。そして、従来、構造改革特区に限られておりました株式会社の農業参入が全国で認められることとなりました。一部報道では、これら緩和策により、大規模経営体の誕生や法人化の進展などをにらんで大手銀行や地銀の農業向け融資が活発化しているとあります。また、愛媛でも建設会社が農業経営に乗り出し、土木の道具をくわにかえて作業を進められているようでありますが、こうした動きは本県農業の体質を大きく変えていくものであります。このような農業を取り巻く環境変化にどのように対応するのか。また、農地の流動化や資本中心の農業経営の進行をどのように誘導されようとするのかなど、今後、新農業ビジョンの見直しを含めた対応が必要ではないか、こう考えますが、御所見をお伺いいたします。


 次に、産業振興についてお尋ねをいたします。


 昨日も南予地域を中心とした産業活性化の御議論がございました。新規創業や労働問題を含め、お伺いをいたします。


 先ごろ発表されました日銀松山支店のレポートによりますと、景気動向について、「昨年後半から輸出関連産業の持ち直しや個人消費の伸びから回復発展に向かっているが、本県は下請け中小企業が多く輸出の波及が限定的なため、生産や景況感の回復が全国レベルよりも遅れており、さらに愛知万博の影響もあり、県内観光産業の集客力が伸び悩んだほか、企業業績が地域によってばらつきが見られるなど、全体としては緩やかな景気回復になっている」と分析をしております。


 一方、県内倒産の状況では、17年度は発生件数が92件、負債総額は159億1,300万円で年々減少をしておるのでありますが、ただ倒産の原因のほとんどが販売不振など不況型倒産が多く、その意味では、一種の閉塞感さえ漂っているのであります。この閉塞感を打破し元気を回復するために、新規企業の育成、創業支援が必要と思うのであります。経済学者シュンペーターは、革新こそが経済発展の原動力であると述べております。


 国においても、大都市を飛び出して地方での起業、創業を希望するサラリーマンなどを後押しするため、創業資金を最大300万円まで支給する新制度をスタートすることとしており、これは団塊の世代に照準を合わせた新しい政策で、来年度予算に2億6,000万円の助成金が盛り込まれております。だが、これは厚労省の政策でありまして、雇用環境の厳しい地域20道府県47地域、いわゆる雇用機会増大促進地域に限られておるのであります。


 平成16年の県内事業所数は7万965事業所で、これは3年前に比べると6,006事業所、7.8%の減少、従業員数も55万6,411人で、3年前に比べると3万8,308人、6.4%の減少となっております。全国的な傾向であるとは言いながら、新規創業支援、起業の育成が重要と考えますが、県内経済の活性化と地域雇用の確保のために、知事は新たな産業の創出にどう取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いをいたします。


 中小企業は、ほかにまねのできない特色ある技術や経営ノウハウを持ちながら、十分に成果が上がっているとは言いがたい状況にあります。それは、資本やネットワーク不足により新たな研究や事業展開に踏み切れないケースが多く、中小企業の強みを引き出すためには、産官学の連携による研究開発や販路拡大に取り組むとともに、付加価値の高い製品、サービスを生み出せるような支援策の強化が求められております。


 15年度に中小企業基盤整備機構が創設をいたしました中小繊維製造事業者自立事業、これでは今治市のタオルメーカーが毎年選ばれており、助成金を足がかりに自社ブランド拡充を図っていると聞いております。県内景気をリードする中小製造業の競争力は、地域経済の活力の源泉であります。


 販路、人材、資金、経営ノウハウなど、経営の革新による地場産業の再生やブランド化による販売戦略など、既存産業の高度化は、新事業創出とあわせて重要な産業政策の両輪であると思いますが、中小企業の競争力を高めるための経営支援にどう取り組まれるのか、お尋ねをいたします。


 なお、このことに関連し、人材育成の面から職業能力開発施設についてお尋ねをいたします。


 手元の資料によりますと、16年度の訓練結果並びに17年度状況によりますと、新居浜市、今治、松山、宇和島の4地域における訓練科目21のうちで、1〜2科目を除きほとんどの科目が定員オーバーの応募となっております。中には定員の倍の応募がある科目も見られます。また、就職率も94.5%あるいは80.5%など極めて高い率を示しております。これは、離職者が再就職を目指しての応募が多いことからも、科目によっては入れない人が半分以上というのは、本県労働力の確保からも大きな損失であると思います。


 場所を確保する、指導者の育成による皆入学が実現できないものであろうかと考えるのでありますが、訓練科目の動向とあわせ、現状と今後の方針について御所見をお伺いをいたします。


 次に、少子化対策と児童の健全育成についてお尋ねをいたします。


 この問題は、我が国の将来問題として最重要だとも言えると思います。したがって今日まで、あらゆる角度から種々の提言や質疑がなされてきたところであります。人口減少社会あるいは高齢化社会など、間違いなくやってくる次の時代への最大のポイントであります。私ども公明党といたしましても、チャイルドファースト社会を政策の中心に据えたプロジェクトチームを立ち上げ、国会はもとより全国での運動として推進をいたしておるところであります。


 昨年の12月16日に閣議決定をし公表されました2005年版少子化社会白書は、従来と多少趣が異なり、地方自治体や企業による支援策の紹介及び欧米諸国の実例が取り上げられております。いわば理念的なものや必要性を述べるのではなくして、人口減少社会での少子化は、待ったなしの緊急課題であることを示していると思うのであります。さきの衆議院の予算委員会でも、どんなに困難でも出生率低下に歯どめをかけなければならないとの質問に対して、小泉首相も少子化の流れを食いとめたいと述べ、今や社会全体で子育てを支える仕組みづくりを進めたい、こう答弁をされております。


 本県におきましても御説明にありますとおり、地域内の保育サービスの補完、認可外保育施設の活動支援あるいは企業等との連携による地域社会全体で子育てを支援する体制づくり及び女性の社会経済活動への参画を支援する施策等を打ち出されております。財政困難な中での新規事業の導入など、御苦労を多とするものであります。提出されております予算案を見てみましての印象として、研修会あるいはディスカッション、協議会の立ち上げ、調査検討など、やろうとすることの条件整理、環境掌握などが多いように思います。もちろん必要な手続でしょうし、県行政の務めとして実施すべきことだと理解するものでありますが、大切なのは現実であります。具体的実施事業といいますか、企業に対して、あるいは若いカップルに対して、あるいは地域社会で市町の活動に対して制度的に補助的に知恵と効力を駆使したハードな事業実施を目指すべきではないでしょうか。


 例えば、国において今年4月から実施されようとしております児童手当制度にしても、対象を小学校3年生から6年にまでとし、支給率をおおむね90%に引き上げる、児童数でいうと370万人増の1,310万人となります。所得制限も緩和をされ、手当総額は9,070億が見込まれております。少子化対策の重点項目としての面目を感じるものであります。


 そこで、本県における少子化対策の重点施策は何をもって充てるのか。また、本県独自の少子化対策はどのようなものか。現状と目指すべき数値目標についてお伺いをいたします。


 登壇ごとに申し上げるようで、まことに恐縮ではございますが、少子化問題は県の存続に関連する重要事項であります。知恵と情熱を振り絞って立ち向かっていただくことを願うものであります。


 2005年の少子化社会白書では、日本を超少子化国と呼んでおります。去る1月6日の新聞に子供への投資が少ないとの見出しで、2003年度の1人当たりの社会保障給付費は、高齢者に対してが247万円、一方、子供は17万円にすぎない。社会が子供を育てるとの発想が必要だし、国も金を使わなければならないと結んであります。


 既に御案内のこととは存じますが、最近2〜3の少子化対策が発表されておりますので、御紹介をいたしたいと思います。


 その1つは、福井県におきまして、所得制限を設けず妊娠から保育医療まで無料にするというもので「ふくい3人っ子応援プロジェクト」と銘打ち、第3子以降の妊婦検診と3歳までの保育料無料及び3歳未満児と3子以上の世帯の子供を就学まで全額公費負担とするものであります。これが当初予算では、検診が4,800万、保育料は3,000万円が計上されているそうであります。


 次に、兵庫県では、5年間で25万人の赤ちゃんを産んでもらおうという計画に着手するということであります。重点は、まず、出産や育児で退職した女性が思うように再就職できないことを打開するために、1カ月ないし3カ月の試験的雇用に協力した事業主に10万円を上限に月給の半額を奨励金として支給する制度で、当初に618億円を計上しており、妊婦検診制度に5億3,000万円を盛り込むなど、25万人赤ちゃん作戦を少子局というのを設置して取り組むとあります。


 もう一例は、東京都の千代田区の取り組みであります。妊娠中の女性から18歳未満の子供を持つ全家庭に、月額5,000円を所得制限もなく支給する次世代育成手当の実施で、予算は3億8,800万円を予定しているということであります。もっとも千代田区は、若干特殊な面を持っております。例えば、人口は4万2,000人の区でありますが、昼間の人口が85万人、2004年の合計特殊出生率は、全国が1.29に対して千代田区は0.82だということであります。


 そこで、本県における合計特殊出生率の推移についてどのようになっているのか。地域別、職業別なども、もし分析がなされておりましたらお伺いをいたします。


 次に、名古屋のNPO法人「子どもの虐待防止ネットワークあいち」の調査によれば、2000年の児童虐待防止法の成立にかんがみ、前後おのおの5年間を比較したところ、法施行後も虐待死の数が減っていないことがわかったと報道されております。せっかく生まれ育ちつつある子供が虐待をされ、時には死亡するという事件が、法による歯どめもきかずに多発しております。調査結果によれば、加害者の55.9%は母親によるもので、父親が24.6%。年齢別では、26歳から30歳が20.5%、31歳から35歳が20.1%など、若年層の比重が高かったとあります。これは、子育てと社会生活のきしみに由来するのではないかと思うのであります。


 国においても、子育ては社会全体で行うものとの視点から、次世代育成支援対策推進法が2005年から施行されております。高度経済成長期を経て日本の社会は豊かで便利になった反面、親族や地域におけるお互いのつながりと助け合いを失うこととなりました。そこに、子育ち、子育て機能の社会化が求められるようになったのであります。


 さて、2004年度の子供虐待件数は3万3,000件で、これは1990年に全国統計が開始をされたときの30倍となっているのであります。特に、最近の特徴はネグレクトすなわち育児の怠慢や拒否の件数がふえていることだと言われております。淑徳大学の柏女先生は、子供が育つこと、子供を産み育てることを社会が十分に評価していないため、子育ての苦労の方が喜びを上回り、次第に忌避されていっているのです。そこに子育ての社会化が求められているのですと述べておられます。


 そこで、お伺いをいたします。


 本県における児童虐待の実態と全国傾向との差異について、また、県下市町での取り組みと県児童相談所の連携について、現状と今後の動向、対応についてお伺いをいたします。


 以上で質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 公明党・新政クラブを代表しての井上議員の質問に答弁いたします。


 冒頭、2期目加戸県政の最後の1年における県政運営の基本方針はどうかとのお尋ねでございました。


 変化の早い時代にありまして、県政のあり方も絶えず見直しが求められます中、県政改革にゴールはないと考えておりまして、これまでの取り組みを決して後戻りさせることなく、将来に向かって着実に前進させるため、まずはこの1年、改めて初心に立ち返り、県民の目線に立った県民に開かれた県政という県政運営の基本理念を職員一人一人が再認識し、実践してもらいたいと考えております。


 一方、本県財政は、今後4年間で1,600億円もの財源不足が見込まれ、財政再建準用団体への転落も危惧されます中、財政構造改革の推進は待ったなしの課題でありまして、その初年度となることしは、職員が一丸となって現下の苦境を何とか切り抜け、今後5年間の県政運営の基本指針として策定する後期実施計画のもと、愛媛の将来を見据え、自立的、持続的な発展を可能にするための礎をしっかりと築きたいと考えております。


 なお、2期目の中心施策であります愛と心のネットワークづくりにつきましては、これまで、地域通貨システムやボランティア相談窓口の開設など、県民への機運の醸成と環境づくり、基盤づくりに取り組んできたところでございますが、後期実施計画でも優先施策の一つと位置づけておりまして、今後は、県民の自主的な実践の段階へと大きくステップアップさせていきたいと考えております。


 このため、平成18年度には、昨年延べ1万7,000人もの参加を得ましたボランティア・キャンペーンの夏、冬開催や人生いきいきボランティア講座の開催、NPOとの提案型協働促進モデル事業などを通じ、県民の助け合い、支え合いの活動のすそ野をさらに広げていきたいと考えております。


 今後とも、愛と心のネットワークの精神のもと、あらゆる分野で県民との連携、協働を促進したいと考えており、議員各位におかれましても一層の御支援、御協力をお願いしたいと考えております。


 次に、道州制にならざるを得ない客観情勢とその実現に向けて県益優先を乗り越える決め手は何かとのお尋ねでございました。


 井上議員からお話のございましたとおり、先般の四国4県知事会談において、道州制は意外に早く来る客観情勢にある旨の意見を述べさせていただきましたが、これは、市町村合併の急速な進展により、市町村の補完や連絡調整等を担ってまいりました現行の都道府県の役割の見直しが求められておりますことや、国・地方を合わせた莫大な借金を後世につけ回しをしないために、行政のスリム化、効率化が求められていることなどの社会情勢の変化によって、早い時期に道州制を導入せざるを得ないとの私の認識に基づくものでございます。


 これらの情勢を背景として、各方面で道州制に関する議論が盛んに行われておりまして、去る2月28日の第28次地方制度調査会の答申におきましても、道州制導入が適当との方向性が示されたところでございます。


 また、県益優先を乗り越える決め手は何かという点につきましては、即効性のある明確な決め手はございませんが、四国は一つの理念のもと、観光、防災、環境などの各分野での4県連携施策の推進や4県道州制研究会における研究等を通じまして、各県職員や県民の間に県益よりも四国全体の利益を考える意識を醸成するとともに、四国が一体となった戦略的発展の可能性など道州制のメリットを検証し、これを広く県民に情報提供するといった地道な取り組みを行っていくことが重要であると考えております。


 卑近な例を引かしていただきますと、常に県益優先という形になれば、A県とB県との間の経費分担、これがいつも問題になるわけでございまして、例えて申し上げれば、しまなみ海道に関します各県の分担金は、広島県800億円、愛媛県800億円、同額でありますけれども、これが県益といった点で考えた場合に、広島県が愛媛県と同じ程度の便益を受けているといえるのかどうか、広島側からすれば、愛媛はもっと持つべきではないかという議論は、当然、県益という視点からはあり得ると思います。


 このことは、例えば、四国にフリーゲージトレインの導入の運動を四国4県で進めておりますけれども、今、岡山駅でフリーゲージトレインの切りかえの経費とか、その他複線化の経費等々について四国の分担も求められております。その場合に、四国4県が4分の1ずつ分担をするのか、それとも路線の長さで分担をするのか、それとも将来想定されるフリーゲージトレインの予定客数に応じて分担をするのか、さまざまな県益という点では4県の利害は合致することはあり得ません。ただそこはお互いに四国のためにという共通の認識で、みんながそれぞれ協力し合う、そんな形でこういった分担金の問題は円満に解決をしてきて、今まではいるということでございますし、一つの四国州へ向けた考え方にありましても、当然そのことは、さまざまな形でありますけれども、四国全体の共通利益を4県が目指す限り、この問題は解決されるだろうと私は思っております。


 次に、知事は、財政構造改革で財政支出の削減を余儀なくされる中で、後期実施計画においてどのような愛媛づくりを目指そうとするのかとのお尋ねでございました。


 前期実施計画は、長期計画に記載した総合的なビジョンを網羅的に掲載した計画でありましたため、策定後の地域経済の低迷や財政状況の悪化等により、必ずしもすべての分野で十分な成果が得られない見込みとなっておりますことから、後期実施計画においては、政策体系等については基本的に維持しつつも、県民との協働を図り、実効性を高める観点から計画の質的な転換を図ることとしたところでございます。


 具体的には、時代の潮流や県政の諸課題等を踏まえ、新たに今後5年間で達成を目指すものといたしまして、助け合い支え合う地域社会の構築や再生と創出によるたくましい産業の育成など5つの重点目標を設定しましたほか、これらの目標達成に向け、緊急性や必要性を判断し、行財政資源を優先的、重点的に配分する33の優先施策を選定するなど、県政運営に当たっての選択と集中の内容を明らかにしたところでございます。


 さらに、優先施策の推進に当たりましては、単に具体的な事業を列挙するのではなく、その時々の社会経済情勢や県民ニーズ等を踏まえつつ、特に力を入れる取り組みを重点事業として位置づけ、毎年度、当初予算成立後に県民に具体的にお知らせするなど、柔軟性と実効性のある計画となるよう心がけたところでございます。


 また、分権型社会の実現に向け、本計画が県政運営の中期的な行動指針としてだけではなく、県民や市町、NPO等との連携、協働による地域づくりの共通目標としても機能いたしますよう、施策、事業の推進に当たって県民等に期待する事例についても具体的に記載することといたしております。


 今後、後期実施計画の推進を通じ、県勢の発展に結びつく効率的、効果的な行財政運営と県民への説明責任を最大限に果たすことによりまして、県民だれもが安全安心な暮らしができ、生活に活力と生きがいを感じることのできるふるさと愛媛づくりを進めてまいりたいと思っております。


 次に、県内経済の活性化と地域雇用の確保のために、知事は新たな産業の創出にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。


 景気の回復基調を確実なものとし、雇用の拡大や県民所得の向上を図っていきますためには、企業の誘致や既存産業の高付加価値化、高度化とともに、新たな産業の創出に取り組むことが極めて重要であると思っております。


 このため、県では、次代を担う新たな産業シーズの発掘・育成を目指し、工業技術センター等の試験研究機関における研究開発機能を強化いたしますとともに、民間出身者をプロジェクト・プロデューサーに委嘱し、新しい技術開発の企画を発掘・育成するほか、アクティブ・ベンチャー支援制度による高度な新技術等の研究開発への助成を行っているところでございます。


 また、えひめ産業振興財団に経験豊かなプロジェクトマネージャー等を配置して、商工会議所等の支援機関とも密接に連携しながら、アイデア段階から商品化、市場開拓までに至る総合的な創業支援を展開しておりますほか、今後成長が期待できる分野での創業に対して資金の助成を行うなど、新事業の創出促進に力を入れているところでございます。


 県としましては、今後とも、これらの施策を効率的かつ効果的に推進するとともに、厳しい財政状況の中で外部資金の導入に努め、産学官の連携をさらに強化して、愛媛の未来を切り開く新しい産業の創出に取り組んでまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(森高康行議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 井上議員の代表質問にお答えします。


 1年間運用したえひめ夢提案制度の意義や効果をどのように評価し、それを踏まえ、今後どのように取り組むのかとの点でございますが、この夢提案制度でございますが、市町や民間からの提案に基づきまして県が規制緩和を行うことにより、それぞれの実施主体による自主的な取り組みを推進しまして、ひいては地域の活性化につなげることを支援するものでございまして、初年度の平成17年度には、同様の制度がございます他県を大幅に上回ります66件の提案をいただいたところでございます。


 これらの提案につきましては、可能な限り実現を図ることを基本に対応しておりまして、既に実施しているものとしましては、こどもの城にございますハンドベル、これは子供だけが使っておったのでございますけれども、これを大人への利用拡大、そしてまた、県産材を使用した木造住宅利子補給制度、この利用条件の緩和などがございます。提案をきっかけに、より実態に即した形での規制の見直しや、より県民が利用しやすい制度に改善されるなど、県民の夢の実現や県民にとってより望ましい規制改革につながっているものと認識いたしております。


 また、規制緩和等を求める先が不明な提案もございますが、それらにつきましては、県で一元的に受け付けまして、国の権限に係るものにつきましては国の構造改革特区に提案することを手助けするようにいたしましたことから、特区の提案数も全国でトップクラスになるなど、県民の意識改革の効果もあったのではないかと考えております。


 今後、ますます財政状況が厳しくなります中で、えひめ夢提案制度は、財政支出に依存しない有効な政策手段になるものと考えておりまして、合併後の市町のまちづくりや県民主体による地域の活性化の支援を目指しまして、今後とも、制度の周知徹底に努め一層の活用促進を図ってまいりたい、このように考えておりますので、議員の皆さんにつきましても御支援、御協力をお願い申し上げたいと思います。


 以上でございます。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(森高康行議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 井上議員にお答えいたします。


 効率的な行財政運営のあり方の一つとして、構想日本の事業を導入し事業仕分けを実施すべきと考えるがどうかとのお尋ねでございますけれども、お話の構想日本の事業仕分けといいますのは、地方公共団体の事務事業につきまして、民間の有識者や他の自治体職員と、その自治体職員の事務担当者が議論をして、必要か不要か、必要な場合はだれが担うべきかを仕分けし、見直していくものとのことでありまして、住民等の現場の視点や民間有識者等の外部の視点から、個々の事務事業を見直すことが特徴の一つであると聞いております。


 本県でも、従来から行政評価におきまして、事務事業の必要性、実施主体の妥当性、効率性などを評価し事務事業の見直しを行っているところでありますが、極めて厳しい財政状況を踏まえまして、今年度は、人件費などを除くすべての事務事業にこれの対象を拡大しまして評価を実施し、その評価結果を活用してゼロベースから見直しを行い、施策と事業の選択と集中を図ったところであります。


 また、現在策定中の新たな行政改革大綱案におきまして、県民の多様な意見を事務事業の見直しに反映させていくために、行政評価システムへの外部評価の導入を検討することとしておりますが、今後、県民視点での事務事業の見直しの徹底に向けまして、構想日本の事業仕分けにつきましても、他の自治体の導入状況等も参考にしながら研究してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(森高康行議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 井上議員にお答えをいたします。


 少子化対策と児童の健全育成について、まず、本県における少子化対策の最重点施策は何か。また、本県独自の対策はどのようなものかとのお尋ねでございます。


 少子化は、我が国共通の課題であり、全国的にその対策が講じられているところでありますが、本県においても、保育対策の充実、仕事と子育てを両立していくための働き方の見直し、子育てに伴う経済的負担の軽減などの施策を最重点と位置づけ、積極的に推進していかなければならないと考えております。


 このため、昨年3月に策定いたしました県の次世代育成支援行動計画でありますえひめ・未来・子育てプランにおきまして、保育対策の充実では、延長保育や一時保育等の特別保育の実施箇所数、これを平成16年度の111カ所から21年度には178カ所に増加させること、働き方の見直しでは、育児休業制度を導入している事業所の割合を、平成12年度の37.8%から21年度には100%にすることなどを数値目標として設定したところであります。


 また、その目標を達成するため、県独自の事業として、多様な保育ニーズに対応するための休日や病後児など各種保育サービスを地域で補完し合い提供するためのシステムづくり、男性を含めた働き方の見直しを図るための啓発活動、男性の育児休業取得に対する事業主への助成などの事業を行うほか、多面的に少子化対策を講じますため、平成18年度から、企業と地域の協働による子育て力アップモデル事業、出会いの場づくりとして農村と都市の独身男女の交流を支援する事業などにも取り組むこととしているところでございます。


 次に、本県における合計特殊出生率の推移はどうかとのお尋ねでございます。


 本県の合計特殊出生率は、全国の数値を若干上回ってはいるものの、全国同様、長期低下傾向にありまして、昭和25年には4.03であったものが、昭和30年には2.53、昭和40年には2.20となり、第二次ベビーブームの時期などには持ち直しの兆しもありましたが、昭和50年以降は、人口維持に必要とされる2.08を常に下回り、平成16年には1.33まで低下しております。


 また、職業別のデータはございませんが、地域別では、昭和58年以降5年平均ごとの二次医療圏域における数値が出ておりまして、これによりますと、直近の平成10年から14年の平均値では、最高が宇和島圏域の1.71、次いで八幡浜・大洲圏域の1.69と南予地域が高く、以下1.65の新居浜・西条圏域、1.57の宇摩圏域、1.4の今治圏域、最も低いのが松山圏域の1.29となっておりまして、多少の順位の入れかわりはありますものの、15年前から比べて、いずれの圏域でも低下をしている、こういう状況になっております。


 最後に、本県における児童虐待の実態と全国傾向との差異、また、県下市町での取り組みと県児童相談所の連携について、現状と今後の動向、対応はどうかとのお尋ねでございました。


 平成16年度に、県下3カ所の児童相談所に寄せられました児童虐待相談の処理件数は317件で、平成3年の9件に比べまして約35倍となっております。虐待の種別のうち、ネグレクトの件数が急増してきていることや、虐待者では母親が6割、父親が2割を超えていることなど、全国の傾向とほぼ同じ状況となっております。


 児童虐待に対する市町の取り組みにつきましては、さきに高橋議員にもお答えいたしましたとおり、全市町で相談窓口が設置され、そのうち8市では虐待防止ネットワークが設置をされております。また、児童相談所におきましては、日ごろから情報提供やこのネットワークへの参加などにより緊密に連携を行っておりまして、困難なケースにつきましては、児童福祉司等による調査や一時保護など、必要な措置を速やかに講じているところでございます。


 児童虐待問題は、今後一層、社会状況の変化に伴い複雑、多様化していくことが予想されますことから、児童相談所の機能の充実はもとより、市町担当職員の資質向上やネットワークの全市町への設置をさらに推し進めまして、市町と児童相談所の緊密な連携のもと、迅速かつ適切に対応できる体制をつくっていきたいと考えております。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎経済労働部長) 議長


○(森高康行議長) 高浜経済労働部長


   〔高浜壮一郎経済労働部長登壇〕


○(高浜壮一郎経済労働部長) 井上議員にお答えします。


 産業振興について、中小企業の競争力を高めるための経営支援にどう取り組むのかとのお尋ねでした。


 既存産業の高付加価値化、高度化のためには、県内製造業事業所数の99.4%を占めております中小企業の競争力の強化が不可欠でありまして、このためには、意欲のある中小企業者が創造的な事業活動に取り組めるよう企業活動全般にわたる支援体制を整備することが大切であると考えております。


 このため、県では、経営革新に取り組む中小企業の育成や試験研究機関等による技術開発支援、新たな市場への販路開拓、商工会等の経営指導員の資質向上、資金需要に柔軟に対応する県単融資制度の充実など、経営、技術、販路、人材、金融の各般にわたる支援に努めているところでございます。


 さらに、18年度におきましては、他産地や他の製品との差別化を図ることが重要であるとの認識に立って、地場産業の産地組合に対しては、地場産業地域ブランド育成支援事業を創設をしまして、地域団体商標の活用を目指す産品の出願登録や販路開拓などを支援いたしますとともに、個別企業に対しましては、愛媛のものづくりデザイン戦略モデル事業を創設をいたしまして、デザイナー等と協働して、デザインを活用した独自商品の開発を支援して産地の再生と売れるものづくりを促進することにしております。


 今後とも、意欲ある中小企業者の競争力強化のための取り組みに対しては、きめの細かい施策を積み上げ、小回りのきく中小企業ならではの強みを発揮できるよう総合的に経営支援を行ってまいりたいと存じております。


 次に、職業訓練科目の動向とあわせ、現状と今後の方針はどうかとのお尋ねでした。


 本県におきましては、新居浜、今治、松山、宇和島に4校の高等技術専門校を設置しまして、地域の産業動向や人材ニーズを見きわめながら、1つには、新卒者等、新規に労働市場に参入する若年者に対して、基礎的な知識・技能を付与する訓練、次には、離職者に対して、その早期再就職を促進するための訓練、そうして、企業在職者の技能向上のための訓練、この3つの訓練を実施しておりまして、来年度は約1,600人の方々を対象に訓練を実施することにしております。


 訓練科目につきましては、専門校ごとに関連業界の動向を把握いたしますとともに、科目の応募状況や就職状況等を考慮して適宜見直しを行っておりまして、来年度は、高等技術専門校で直接実施をする訓練につきましては、現在の22科目、これを15科目に再編整理をいたします。その中で、技能系、ものづくり系訓練については、幅広い知識と技能をあわせ持つ中核的人材を求める産業界の要望にこたえますため、充実を図ることにいたしております。


 お話の定員規模につきましては、可能な限り多く訓練生を受け入れるとの方針のもとで、指導員が責任を持って指導できる限界の定員ということにしておるところでございますが、訓練を円滑かつ効果的に実施するため訓練生の質を確保する必要があること、それから、業界の受け入れ可能数にも制約があることなどから、一定の限界があることを御理解いただきたいと思います。


 県といたしましては、地域の産業動向や人材ニーズを的確に把握し、厳しい財政状況のもとではありますが、訓練内容等の見直しを不断に行うことなどによりまして、本県の未来を担う人材の育成を図ってまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(喜安晃農林水産部長) 議長


○(森高康行議長) 喜安農林水産部長


   〔喜安晃農林水産部長登壇〕


○(喜安晃農林水産部長) 井上議員にお答えをいたします。


 農業問題について、まず、農山漁村の維持発展のために、団塊の世代と言われる勢力をどのように就農へ結びつけていくのかとのお尋ねでございます。


 農山漁村にとりましては、今後、退職を迎えようとする団塊の世代等が就農することによって、他産業で培った豊富な経験と人脈を生かして、農業の生産や農産物の販路などさまざまな面で新たなビジネスチャンスを生み出すものと期待されているところでございます。


 このため、県におきましては、今回、新たに定年退職者等を対象にした農業・農村体験イベント、就農フォーラム、企業人事担当者への就農説明会等を開催し、就農希望者を掘り起こすとともに、これまでのえひめ農業入門塾に加え、新たに職業訓練コースを新設することといたしました。


 さらに、各地域におきましては、新規就農者等の受け皿となる地域農業マネージメントセンターが核となり、農地や空き家などの情報提供、農作物の栽培講座の開催等、関係機関・団体が一体となった就農支援体制を構築することとしております。


 今後は、これらの相談、研修、情報提供活動等に積極的に取り組み、県内外の団塊の世代を地域農業の新たな担い手として確保育成し、農山漁村の維持発展とその活性化を図ってまいりたいと考えております。


 次に、農業を取り巻く環境変化を踏まえ、今後、新農業ビジョンの見直しを含めた対応が必要と考えるがどうかとのお尋ねでございます。


 中間年を迎えます新農業ビジョンにつきましては、新農業ビジョン推進懇談会を設置いたしまして、これまでの進捗状況について点検し、今後取り組むべき施策の方向性を議論しているところでございます。この懇談会の委員からは、担い手の減少や耕作放棄地の増大など農業構造の脆弱化が進んでいることから、喫緊の課題として、農業の担い手を育成し農地の有効利用を進め、地域農業を再構築することが必要と指摘されているところでございます。


 また、お話の企業等の農業参入につきましては、その経営ノウハウが農業に生かされるとともに、雇用の受け皿や地域活性化の手段となることが期待されますことから、県といたしましても、農業生産法人の設立相談や生産技術指導などを行い、アグリビジネスの支援に取り組むこととしており、今後とも、こうした新たな動きや環境の変化に的確に対応するとともに、意欲ある認定農業者の育成や集落営農の組織化、法人化に全力を傾注して、新農業ビジョンが目指します魅力と活力に満ちた農業、農村の実現に努めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


    ―――――――――――――――――


○(森高康行議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。


 明4日及び5日は、休日のため休会いたします。


 6日は、午前10時から本会議を開きます。


 日程は、全議案に対する審議の続行であります。


 本日は、これをもって散会いたします。


     午後2時9分 散会