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平成17年第295回定例会(第5号12月 7日)




平成17年第295回定例会(第5号12月 7日)





平成17年12月7日(水曜日)


 
〇出席議員 49名


  1番 楠 橋 康 弘


  2番 豊 島 美 知


  3番 大 沢 五 夫


  4番 豊 田 康 志


  5番 笹 岡 博 之


  6番 鈴 木 俊 広


  7番 徳 永 繁 樹


  8番 高 山 康 人


  9番 泉   圭 一


  10番 欠     番


  11番 欠     番


  12番 阿 部 悦 子


  14番 佐々木   泉


  15番 住 田 省 三


  16番 菅   良 二


  17番 渡 部   浩


  18番 白 石   徹


  19番 戒 能 潤之介


  20番 赤 松 泰 伸


  21番 本 宮   勇


  22番 欠     番


  23番 井 上 和 久


  24番 栗 林 新 吾


  25番 村 上   要


  26番 高 橋 克 麿


  27番 河 野 忠 康


  28番 黒 川 洋 介


  29番 明 比 昭 治


  30番 猪 野 武 典


  31番 田 中 多佳子


  32番 竹 田 祥 一


  33番 森 高 康 行


  34番 成 見 憲 治


  35番 藤 田 光 男


  36番 笹 田 徳三郎


  37番 薬師寺 信 義


  38番 帽 子 敏 信


  39番 岡 田 志 朗


  40番 西 原 進 平


  41番 寺 井   修


  42番 仲 田 中 一


  43番 清 家 俊 蔵


  44番 横 田 弘 之


  45番 土 居 一 豊


  46番 欠     番


  47番 欠     番


  48番 柳 澤 正 三


  49番 中 畑 保 一


  50番 篠 原   実


  51番 高 門 清 彦


  52番 山 本 敏 孝


  53番 谷 本 永 年


  54番 玉 井 実 雄


  55番 池 田 忠 幸


  ――――――――――


〇欠席議員 1名


  13番 今 井 久 代


  ――――――――――


〇欠  員 なし


  ――――――――――


〇出席理事者


  知事         加 戸 守 行


  副知事        吉野内 直 光


  出納長        永 野 英 詞


  公営企業管理者    和 氣 政 次


  総務部長       讀谷山 洋 司


  企画情報部長     夏 井 幹 夫


  県民環境部長     石 川 勝 行


  保健福祉部長     藤 岡   澄


  経済労働部長     高 浜 壮一郎


  農林水産部長     喜 安   晃


  土木部長       大 内 忠 臣


  公営企業管理局長   相 原 博 昭


  教育委員会委員    山 口 千 穂


  教育委員会委員教育長 野 本 俊 二


  人事委員会委員    木 村 スズコ


  公安委員会委員長   吉 村 典 子


  警察本部長      粟 野 友 介


  監査委員       壺 内 紘 光


  監査事務局長     河 野 恒 樹


  ――――――――――


〇出席事務局職員


  事務局長          丹生谷 光 嘉


  事務局次長総務課長事務取扱 北 川 一 ?


  参事議事調査課長      菅   宜 登


  参事政務調査室長      篠 崎 泰 男


  副参事総務課長補佐     川 口 和 男


  副参事議事調査課長補佐   玉 井 省 三


  ――――――――――


〇本日の会議に付した事件


  定第151号議案ないし定第154号議案、定第156号議案ないし定第194号議案


    ――――――――――――――――


     午前10時 開議


○(清家俊蔵副議長) ただいまから、本日の会議を開きます。


 本日の会議録署名者に竹田祥一議員、村上要議員を指名いたします。


    ――――――――――――――――


○(清家俊蔵副議長) これから、定第151号議案平成17年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第154号議案及び定第156号議案ないし定第194号議案を一括議題とし、質疑を行います。


○(阿部悦子議員) 議長


○(清家俊蔵副議長) 阿部悦子議員


   〔阿部悦子議員登壇〕


○(阿部悦子議員)(拍手)おはようございます。


 財政問題についてお伺いします。


 県は、中期財政見通しに続き財政構造改革基本方針を発表されましたが、それによりますと、平成17年度当初予算で財政破綻のシグナル点滅と認識され、今後の情勢次第では、財政再建準用団体への転落という事態も想定されるとしています。


 そもそも県債残高がふえ続けている現在の県財政は既に破綻しているとも思えますが、現在、財政再建促進特別措置法によって財政再建団体に移行した場合、県民生活への影響はどのようなことが予想されますか。準用再建団体への移行は、もっと深刻な財政破綻の回避、または、再建型破綻処理への手続の移行と考えられますので、むしろ国に申し出て、今すぐに破綻処理手続に移行した方がいいという考え方もあります。


 いずれにしろ現在のような県財政では、実質的に準用再建団体並みの財政対策は不可避でしょう。県民のサービスへの低下や、より過大な負担が避けられないのですから、何が何でも準用再建団体にならないと決めてしまうよりも、なった場合とならない場合のコスト計算、県民への影響などについて比較検討されるべきではありませんか。しておられるとすれば、その結果はどのようなものか、伺います。


 次に、県財政再建のために不可欠な負債のコントロールについてお尋ねします。


 現在、県の財務会計方式は、1年間の現金の出入りを記録する現金主義の単式簿記が採用されています。この方式は、予算統制が可能で、行政の事務、事業の大部分がそうであるような収益を予定しない非対価性取引を扱えるという利点があります。しかしその反面、資産と負債の残高情報が完全に無視されてしまうという大きな欠点を抱えています。借金が全くない状態でしたらこれで問題はなかったのですが、今や我が愛媛県は莫大な借金を抱えていますから、この会計方式だけではこの借金をコントロールすることは不可能なのです。そのため、複式簿記の手法を会計制度に取り入れる必要性が出てくるのですが、これは、そもそも企業会計用につくられており、収益を基本的に生まない財政支出を取り扱うには難点があります。


 ところが、ここにきて複式簿記に非対価性取引を取り込む動きが始まっています。東京都が来年から実行に移す新たな会計制度のことです。つまり国と自治体が、明治以来1世紀以上にわたって使い続けてきた単式簿記、発注主義会計にメスを入れ、我が国で初めて複式簿記、発生主義会計を導入するとしているのです。


 東京都の予算は12兆円。中国一国の予算規模を有して、交付税の不交付団体である東京都の取り組みをどのように評価されるのか。また、愛媛県においても、莫大に膨らんでしまった負債のコントロールをするために公会計制度の改革に踏み込まれるおつもりはないか、伺います。


 ここまで負債を積み上げてきた県財政破綻の原因はどこにあると理事者はお考えですか。


 私は、さきに公会計システムの不備をその一因として指摘しましたが、それだけでしょうか。


 元行政管理庁の官僚であった稲葉清毅さんは、公務員の多くは金利の圧力を経験したことがないために、その感覚は、いつも血が凍る思いをしている零細企業の経営者に劣っているようで、直感的な複利計算ができない者も多いと、その著書「霞ヶ関の正体―国を滅ぼす行政の病理」の中で痛烈に指摘しています。本県でも知事以下全職員、さらには、私たちすべての議員は胸に手を当ててみる必要がありそうです。もし血が凍るような金銭感覚を持ち直感的な複利計算ができたら、このような莫大な負債の累積を許すこともなかったのではないかと。


 そこで、伺います。


 県財政再建のために、今こそこのような全職員の抜本的な意識改革に取り組むおつもりはありませんか。


 次に、県警の裏金問題でお尋ねします。


 私は、この問題で内部告発をした県警の仙波巡査部長を支える会の報告集会に何回か出席し、仙波さんのお話を聞く機会を持ち、その勇気と正義ある行動に感銘を受けました。


 そこで、お尋ねします。


 仙波さんは報告集会で、にせ領収書を書かない者は組織の敵だという言葉を浴びせかけられ、昇任試験を受けても、君は領収書を書いていないだろう、だから通らないと言われたいきさつを具体的に述べておられます。これについて県警の調査報告書は何も語っていませんが、これでは、平気で法を曲げ、にせ領収書を書くような人物しか幹部に登用されないということになるわけですから、まことにゆゆしいことだと思います。


 そこで、お尋ねします。


 県警の昇任システムはどのような仕組みになっていますか。


 試験問題が漏れているというようなことも言われていますが、試験問題はだれがつくり、そしてだれが採点しているのか、お尋ねします。


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――試験の公平性、公正性はどのように担保されているのか、お尋ねします。(発言する者あり)


 時代の複雑化に伴い犯罪は悪質化の一途です。犯罪検挙率も高いとは言えず、愛媛県警では重大な冤罪事件も発生しています。このようなときにこそ、正義のために働く、つまりにせ領収書など書かない本当に優秀な人材の確保が最優先されなければなりません。


 そこで、お尋ねしますが、今後、試験問題の作成と採点を外部の専門家に任せてはどうですか。他県の実態についてもあわせてお答えください。


 2点目は、県警で使われる旅費に関してですが、県警で使う旅費は年間幾らになりますか。全国の警察でカラ出張による裏金づくりが明らかになっておりますが、県警の内部調査ではいかがでしたか。本当にカラ出張の事実はありませんでしたか。


 行政システム改革課では、来年度より県庁職員の旅費に関して、手続の電子化を図り、旅程の作成からチケット購入までをシステム化することによって、年間数千万円を倹約するとしています。それによってチケットは現物で各職員に配付されることになると言い、担当課では、このシステム改革について聖域を設けずに断行するとしていますが、本部長もこの件を承知され、県警にも導入されるのかどうか、お尋ねします。


 障害児問題でお尋ねします。


 県内で身体、知的それぞれに障害を持つ中学生の普通高校への過去3年間の進学率をお尋ねします。


 障害児の就職状況は、過去3年間、障害別でどうなっていますか。また、養護学校卒業者と普通高校卒業者の3年間の実績についてもお答えください。卒業後、就職とは呼べない授産所や作業所に行くことになった人数は何人ですか。


 障害者自立支援法が成立しましたが、この制度の骨格を成す応益負担制度により、障害者も収入を得なければ生きていくことができなくなりました。県内で働く意欲と希望を持ちながら就職ができない障害者の人数はどのぐらいと把握していますか。


 知的障害者のための県立高等技術専門校に本年度入学したのは何人か。また、ことしの卒業生のうち本採用で就職した人は何人か、お尋ねいたします。


 愛媛県でも近年、知的障害児が普通高校に進学する例が出てきました。特に、小中学校時に普通学校で学んだ生徒が普通高校を希望するのは、地域でともに生きる友人を得ることや一般社会で生きていくための必要な日常生活の感覚を身につけ、社会で仕事をしていくために重要なことだからです。


 例えば、大阪府では、知事が先頭に立ち、知的障害児を府立高校で受け入れることを制度化しています。これは、このような試みが健常な生徒にとっても有用なことだと判断されたからです。


 昨日白石議員が、学校でのノーマライゼーションの例を紹介され、心を打たれましたが、愛媛県でも知的障害児の普通高校への進学を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


 異常気象が日常化しています。10月や11月にフジの花や桜の花が咲いて話題に上るなど、私たちの周りでも信じられないような気候の変動が起こっています。


 温暖化現象は県財政の逼迫をも招き、昨年度の台風などへの対策費は242億円と例年の5倍もの出費を余儀なくされました。


 そこで、県の温暖化対策についてお尋ねします。


 ことし2月には、2008年から2012年までの国内の温室効果ガス排出量を規制する京都議定書が発効し、2008年の規制開始に向けて余す期間は2年少しとなりました。


 さて、愛媛県では、県地球温暖化防止指針の中で、2010年に県内の温室効果ガス排出量を90年レベルから6%削減することを目標としていますが、県内シェアの6割以上を占める産業部門で既に17%も増となっており、今後、県には取り組みの強化が求められます。


 私は、平成14年9月議会で、大手製紙会社等がCO2に排出量の多い石炭利用設備を増設してきたことを指摘して、県が企業と排出削減協定を結ぶことを提案しました。その際の答弁では、企業との協定は温室効果ガスの削減に効果的であるとし、指針でも検討していると答えられましたが、それ以来どのような働きかけを行い、実績はどうなのか、お尋ねします。


 CO2排出量と密接に比例するものとして産業廃棄物の量が挙げられます。


 御承知のとおり、本県は、産業廃棄物の排出量が極めて多く、その6割が製紙スラッジだとされ、知事は、環境対策の目玉として森林環境税と同時に産廃税の導入を意欲的に提案された経緯があります。その後どうなっていますか。全国の21県で産廃税は導入されていますので、県も早急に進めていただきたいと思います。


 仄聞しますと、この産廃税の導入については大手の製紙会社の強硬な反対があるとのことです。今後、県が企業と温室効果ガス排出削減協定を結ぶとともに、産廃についても排出の総量削減を行うという協定を結んではどうでしょう。そして、協定に参加する企業には産廃税を大幅に軽減するという仕組みを創設すれば大手製紙会社の反対も和らぎ、税も導入しやすいと考えますが、いかがでしょうか。


 策定中の県国民保護計画についてお尋ねします。


 当計画は、2003年から2004年にかけて国会で制定された有事法制の一貫としての国民保護法を根拠にして進められています。


 弁護士の田中隆さんは、有事法制に関する著書の中で、有事法制とは、アメリカに追随して世界に出て行こうとするこの国の海外侵攻戦争のための法制であり、国民保護法とは、その銃後を固めるための後方構策法制であると語っています。


 私は、田中弁護士の指摘こそが国民保護法の核心を言い当てていると思いますが、いかがでしょうか。


 小泉首相は、備えあれば憂いなしと語って有事法制を進めましたが、その世界一備えをしているアメリカはどうでしょう。2001年9月11日の同時多発攻撃を機に、正義のためにテロと闘うと称してアフガニスタンやイラクに先制攻撃をしかけて多くの人を殺し、今や世界から孤立して人々の憎しみを増幅させています。そのアメリカ自身の不安が、軍事費のとめどない拡張を生んで、アメリカは増悪と不安の連鎖の真っただ中にいるではありませんか。先日、個人で参加した視察旅行の中継地として半日滞在したアメリカのヒューストン空港の恐ろしいまでに異様な警備を目の当たりにして、私はその実感を新たにしました。


 一方、そこから4時間飛行機に乗って到着した目的地の中米の小国・コスタリカのサン・ホセ空港は、無防備で平和そのものでした。1949年に軍隊を廃止すると憲法にうたったときから今日まで軍事費を1円も使わず、永世中立国を宣言して国連もアメリカも一目置いており、この国に住むだれもが平和であることを当たり前とし、しかも環境先進国でもありました。


 そこで、軍隊の力で平和になった国が今までにあったでしょうか。あるとしたらどのような国か教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


 さらにお尋ねします。


 知事は、愛媛県で、計画素案にあるような武力攻撃事態が本当に起こるとお考えですか。その根拠は何ですか。


 県のスケジュールでは、来年の3月に県国民保護計画を完成させるとしていますが、すべての県民に重大な影響を与える県の施策が、それにふさわしく県民に周知され議論が尽くされているとお考えですか。私は、全くされていないと思います。国民保護法には作成期限は明記されていないのですから、もっと時間をかけて県民の声を聞くべきではありませんか。


 県計画を進める県国民保護協議会のメンバーですが、素案では女性にも配慮するとしながら、委員37人のうち女性委員はたった1人だけということをどのように考えればいいですか。


 さらに、特別に配慮するとしている障害者、高齢者、外国人がメンバーに入っていないのは不適当ではありませんか。有事に最も不安で特別な立場になる外国人の保護についてどのように考えますか。県内の外国籍の人は何カ国、何人おられますか。


 人権の擁護に理解を持つ弁護士や県職員組合、現場で具体的な救援活動を担う労働従事者からも意見の聴取を行うべきではありませんか。


 次に、計画素案では、住民の避難について知事が指示を行うとあります。住民が避難する際に使う国道や県道などが、有事には米軍や自衛隊の軍事行動の経路と重なることは容易に想定されます。そのとき知事はそのどちらを優先するのか、この点を県計画で明記されるべきではありませんか。


 国民保護法4条2項では、協力は国民の自発的な意思にゆだねられ強制にわたることがあってはならないと規定しています。県計画では、県民に強制をしないことをどのように保障していますか。報道の自由や市民の知る権利、表現の自由などはどのように保障されるのか、お尋ねいたします。


 次に、原子力災害への対応についてお尋ねします。


 県は、放射能汚染を伴う原子力災害が予想されるエリアを最大どの範囲に設定していますか。


 例えば県は、放射性沃素が放出するおそれのあるときには県民に対して安定沃素剤を準備するとしていますが、それは何市町、何人分を見込んでいますか。


 また、素案では、放射性物質による汚染の拡大の防止措置として、交通制限、遮断とありますが、遮断場所はどこを想定していますか。遮断することによって住民が取り残され汚染地域に閉じ込められることはありませんか。


 また、住民が被曝した場合、被曝医療の実施を行うとしていますが、大きな被害が生じたときの医師の確保はできるのでしょうか。愛媛県では過疎地の医師さえ不足している状況ですが、みずからの危険を顧みずに被曝医療に打ち込む医師を確保することはできるのでしょうか、お尋ねします。


 以上のように考えてみると、現実に戦争が起こってしまえば住民の保護などあり得ないことは明らかです。


 武力攻撃事態等から住民を保護し、安全を確保する最も確実で合理的な方法があります。それは、戦争を起こさせない、起こさないことです。そのために緊急の課題は、日本がアフガン、イラクに派兵している自衛隊の撤退を実現させること、つまり日本が、アメリカの軍事戦略への思考停止的追従を断ち切ることです。そのために、住民の身体、生命、財産の保護の責務を有する自治体が協力して政府に迫っていけば、国の現在の方向を変え得る可能性が出てくるのではないでしょうか。県が先頭に立ってその努力をすることが真に県民を保護することになるのではありませんか。


 提案ですが、銃後を守る計画ではなく、近隣のアジア諸国との共生を図るために県独自で平和を築くための外交努力をしてはどうでしょう。


 例えば、急速な経済発展を遂げる中国は、現在、環境政策に苦慮しています。広大で人口の多いこの国の環境問題は、酸性雨や黄砂、中国沿岸の海洋汚染の影響と思われる越前くらげとなって我が国にも悪影響を及ぼしていることを考えると、中国の環境問題は我が国にとっても重要です。愛媛県は、県の環境創造センター長であり世界的な環境学者である立川先生をチーフに、中国に環境政策についての支援を申し出てはいかがでしょうか。


 また、中国、韓国との共通の歴史認識を育てるための教材づくりをしてはどうでしょう。


 さきの戦争末期に新居浜市の別子銅山に中国、朝鮮半島の662人を日本軍が強制連行し、賃金報酬のない過酷な強制労働につかせて191人を死亡させた歴史は、ほとんどの県民が知りません。県は、ソウル便と上海便をもって両国との交流を進めているのですから、日の当たる部分でのつき合いばかりでなく、暗く辛い歴史を加害側である日本の自治体が真摯に掘り起こし教材にし子供たちに学ばせるのです。このような地道な取り組みが必ずアジアの平和に貢献し、ひいては愛媛県に住む住民を戦争から守ることになると私は思っています。


 最後に、伊方原発3号炉のプルサーマル導入計画ですが、現在、国の第1次審査を終えており、今にも第2次審査の結果が出ようとしています。この後、県と伊方町の判断次第で導入か否かが決定されます。


 県は、国民保護計画を作成し県民保護をうたっていますが、プルサーマルは、武力攻撃などにより爆破されると、現在のウラン炉とは比較にならないほどの被害を受けることになります。例えば、放射能汚染地域の面積は4倍、避難を必要とする人は5倍になるとされています。猛毒のプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使うからです。そうなりますと、原発災害は保険から除外されていますので、救済費用、復興費用を国や四電や県が負わなくてはならず、愛媛県経済は壊滅的になるばかりでなく、広島、長崎以上の多くの死者や被曝者を生むことになります。御所見を伺います。


 また、プルサーマル運転でできた使用済みMOX燃料は発熱量の高い超ウラン元素が多いため、500年後でなければ地中に埋めることもできません。500年も冷却管理しながら伊方に居座らせることになるのです。その費用をだれが負担するのですか。


 また、8月の電気新聞によりますと、資源エネルギー庁は、核燃料サイクル交付金を新設する方針とし、来年度までにプルサーマルを受け入れた自治体に対してだけ、プルサーマル同意から装荷まで年2億円、装荷から5年間は年10億円を交付するとしているのです。これは危険手当であり、プルサーマルがいかに危険なものであるかを国自身が物語るものです。お金と引きかえに、かけがえのない県民の命を売り渡さないでほしいと思いますが、いかがですか。


 現に、先般のマグニチュード7.2の宮城沖地震で緊急停止したままの女川原発は、内部で何が起こっているのか具体的に公表されていません。高知大学の岡村教授によりますと、この揺れは最高888ガルであったということです。


 一方、伊方原発の場合、活動期にある伊方沖の中央構造活断層が動いた場合、国の予測でもマグニチュード8を超えているのです。にもかかわらず四電は、揺れの周期の違いはあれ、伊方原発は473ガルの揺れに対応でき耐震性に問題はないとしています。このように認識の甘い四国電力の姿勢をどう思われますか。


 国も11月17日、原発の耐震指針改訂の原案を公表しました。このような中でのプルサーマル導入は危険過ぎます。これこそ破綻した財政問題よりも、さらに大きな長い将来世代を巻き込む危険な大問題であり、計画を中止すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。


 終わります。(拍手)


○(清家俊蔵副議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(清家俊蔵副議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 阿部議員の質問に答弁いたします。


 プルサーマル計画に関しまして、プルサーマル導入は将来世代を巻き込む危険な大問題であり、計画を中止すべきではないかとのお尋ねでございました。


 エネルギー資源の乏しい我が国のエネルギー政策は、資源の有効利用やエネルギー安全保障など総合的な視点に立って推進すべきものと考えておりまして、核燃料サイクル政策を基本とする国の原子力政策は、安全確保と国民の理解が当然の前提ではございますが、基本的には現実的かつ妥当なものと認識いたしております。


 このため、これまでもお話申し上げてまいりましたとおり、伊方発電所へのプルサーマルの導入につきましては、国の安全審査が終了した後、伊方原子力発電所環境安全管理委員会における審議はもとより、県議会でも十分議論いただき、地元伊方町の意向等を総合的に勘案しながら、安全性の確保と県民の理解を大前提として判断したいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 阿部議員にお答えします。


 まず、財政再建準用団体になった場合とならない場合のコスト計算、県民への影響を比較検討すべきではないか。また、比較検討しているとすれば、その結果はどうかとのお尋ねでございますが、本県におきましては、約150億円のいわゆる決算赤字が生じますと財政再建準用団体に転落することになりますが、そうなりますと、国の指導、監督のもとで県政を運営することとなりますため、独自の政策判断が極めて制約されることになります。


 具体的には、教育、医療・福祉を初め、さまざまな分野で行っております本県独自の施策や国の基準を上回る事業が実施困難になるほか、県単独の建設事業が原則できなくなるなど、県民生活に与えるマイナスの影響は大きく、選択と集中を本県独自で行うことのできる先般お示しした財政構造改革基本方針に基づく改革と比較しますと、はるかに深刻なものになると考えられるところでございます。


 次に、東京都の取り組みをどう評価するか。また、負債をコントロールするため、公会計制度の改革に踏み込むつもりはないかとのお尋ねですが、本県では、既に平成12年度以降、いわゆる発生主義的考え方を取り入れましたバランスシートや行政コスト計算書を各年度の決算確定後に作成し県民に周知しておりますが、東京都の取り組みは、現行の会計制度システムに加えて新たなシステムを整備し、平成18年度から複式簿記、発生主義による会計方式を導入し、支出と合わせて資産や負債などの情報も記録していくと聞いているところでございます。これは、支出によりもたらされる資産や負債を全体として把握でき、職員のコスト意識の醸成等にはつながるかもしれませんが、財政構造改革にどの程度資するか、費用対効果はどうか等については、現時点では必ずしもはっきりしないところであります。


 県としましては、東京都の取り組みの成果などを注視し見きわめてまいりたいと考えております。


 次に、負債を積み上げてきた県財政破綻の原因はどこにあるかとのお尋ねですが、バブル崩壊後の国と連動した景気対策等に伴い発行した県債に係る公債費や社会保障関係経費等、義務的経費の増大に加えまして、特に、平成16年度当初予算編成終盤におきます地方交付税等の大幅削減という、いわゆる地財ショックによる財源対策基金の枯渇等が原因であると考えているところでございます。


 次に、全職員が直感的な複利計算ができるよう抜本的な意識改革に取り組むつもりはないかとのお尋ねですが、県職員の意識改革につきましては、まず、現在の財政状況がいかに厳しいものかを全職員が認識することと、御指摘の点にも関係しますが、いわゆるコスト意識、経営感覚等を持つことが重要と考えております。


 職員の県財政の現状認識につきましては、本庁及び各地方局の職員に対して順次行ってきている説明会や行革タウンミーティングを東・中・南予でそれぞれ開催するなどに取り組んでおりますほか、コスト意識、経営感覚等につきましては、職員研修の中に所要の講座を組み込み、また、行政評価システムの研修及び実際の評価作業を通じて、具体的な数値目標等に照らした成果重視の意識づくりを図ってきているところでありまして、今後とも、こうした取り組みなどを通じ、職員一人一人が県民の目線で考え、コスト意識を持って行動するよう意識改革に努めてまいる所存であります。


 次に、国民保護法に関しまして、軍隊の力で平和になった国が今まであったか。あるとすればどのような国かとのお尋ねですが、申し上げるまでもなく、いわゆる軍隊の力だけで国が平和になるということではなく、平和や安全とは、外交努力や各国との協力関係の構築など、さまざまな施策を総合的に講じることで初めて確保できるものと認識しております。


 次に、自治体が協力して自衛隊の撤退を国に迫れば、考え方を変えることができるのではないか。また、県がその努力をすることが県民を保護することになるのではないかとのお尋ねですが、防衛、安全保障の問題は国の専権事項であり、また、自衛隊のイラク派遣は、小泉首相も述べておりますとおり、海外に多くを頼る日本にとって、国際社会全体の平和と安全が我が国自身の安全と繁栄にも不可欠であり、その実現に向け積極的に寄与していくために行われているものと考えられますことから、本県として国に撤退を要請することは考えていないところであります。


 また、国際紛争の解決、世界平和の実現が国民の安全、ひいては県民の保護にもつながると考えられますので、政府においてそのための努力を今後も続けていただきたいと考えております。


 以上でございます。


○(石川勝行県民環境部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 石川県民環境部長


   〔石川勝行県民環境部長登壇〕


○(石川勝行県民環境部長) 阿部議員にお答えいたします。


 地球温暖化対策について、温室効果ガス排出削減協定締結についてこれまでどのように働きかけを行ってきたのか。また、削減実績は上がっているのかとのお尋ねでございました。


 温暖化対策の推進に当たりましては、国の地球温暖化対策推進大綱の基本方針であるステップ・バイ・ステップの考え方に基づき、これまでは、県民や事業者の自主的な取り組みを促進する観点から、体験型環境学習センターの開設や地球温暖化防止活動推進センターの指定など、普及啓発とその拠点づくりを重点に施策を展開してきたところでございます。


 このため、お話の企業との協定に関しましては、経団連の環境自主行動計画に基づく経済界の主体的な取り組みを重視するとの国の方針もありまして、具体的な働きかけは行っておりませんが、県内産業部門の温室効果ガス排出量は依然として増加しておりますことから、来年度国が創設する温室効果ガス排出量の報告・公表制度を踏まえまして、地球温暖化防止指針に掲げた地球環境保全に関する協定制度について検討したいと考えております。


 次に、産廃税の導入はどのようになっているのか。また、産業廃棄物についても排出の総量削減協定を結んではどうかとのお尋ねでございました。


 産業廃棄物税につきましては、昨年11月に取りまとめられた報告書の提言内容を踏まえまして、関係業界等に対し説明、説得に努めますとともに、香川県と協調して導入する方向で調整を行っているところでございます。


 また、産業廃棄物排出総量の削減協定を結ぶ企業に産業廃棄物税を軽減する仕組みを設けてはどうかとのお尋ねでございますが、企業の削減目標値が適切であるか否かの評価など困難な問題がございますことから、今後、パブリックコメントを実施し制度を取りまとめていく中で、一つの提案として承っておきたいと考えております。


 次に、国民保護法について、国民保護法はその銃後を固めるための後方構築法制であるとの指摘があるがどうかとのお尋ねでございます。


 国民保護法は、米国同時多発テロや武装不審船事件等により、我が国の安全保障に対する国民の関心の高まりを背景に、昨年6月、有事関連7法等の一つとして成立したものでありまして、万が一、武力攻撃事態など国家の非常事態が発生した場合、国民の避難や救援など、武力攻撃災害を最小化するための措置を定めたものでございまして、国民の生命、身体及び財産を守るために必要な法律であると考えております。


 次に、国民保護計画の策定について、計画素案にあるような武力攻撃事態が本当に起こると考えているのか。また、その根拠は何かとの質問でございました。


 昨今の国際情勢を見ますと、米国同時多発テロ以降もロンドンの地下鉄やインドネシア・バリ島での連続爆破事件など、世界の各地でテロが多発しておりまして、我が国におきましても対岸の火事ではなく、地下鉄サリン事件や北朝鮮による弾道ミサイル発射事件などを考慮いたしますと、他国からの武力攻撃事態や大規模テロ等の発生など、最悪の事態を想定した備えが必要であると考えております。


 次に、県民に周知され議論が尽くされていると考えているのかとのお尋ねでございますが、県国民保護計画につきましては、国から今年度内に策定するよう通知を受けておりまして、18年3月末を目途に、関係機関との意見調整やパブリックコメントの実施を経て、県国民保護協議会へ諮問するなど、定められた手順に従って策定作業を進めておるところであります。


 現時点では、すべての県民に周知され議論が尽くされたとは考えておりませんが、今後も、計画について広く県民の理解を得るため啓発活動を展開することとしておりまして、その過程で寄せられる県民の意見等も踏まえながら、随時見直しを行い、内容を充実させていくこととしております。


 次に、国民保護協議会に女性委員が1人しかいないことをどう考えているのかとのお尋ねでございます。


 国民保護協議会の委員は、国民保護法により、国民保護措置を実施する機関の代表者に加え、国民保護措置に関する有識者の中から任命するよう定められておりますことから、本県では、災害時の避難や救援などに豊富な知識と経験を有する者を選任いたしました結果、女性委員は1名となっておりますが、女性や障害者、高齢者及び外国人への対応のほか、人権問題につきましても、所管部局の意見を聞き十分反映することといたしております。


 次に、県内の外国籍の人は何カ国で何人か。また、外国人の保護について具体的にどのように考えているのかとのお尋ねでございました。


 県内の外国人登録者数は、昨年12月末時点で、中国、韓国などアジア諸国を中心に73カ国9,011人となっております。


 県では、これら外国人の安全を確保するため、今後、市町や国際交流協会とも連携して、具体的には避難情報等の伝達や救援に当たっては、言語や生活習慣の違いなどに配慮し、地域全体で外国人を支援する体制を整備していきたいと考えております。


 次に、米軍や自衛隊の軍事行動と住民のどちらを優先させるのか。また、住民優先を計画に明記すべきでないかとのお尋ねでございました。


 住民避難など国民保護措置と自衛隊等の侵害排除の行動が道路や港湾等の利用で競合する場合には、武力攻撃事態等における特定公共施設等の利用に関する法律に基づき国が調整いたしますが、その際、県としましては、県民の安全確保を図る観点から、避難の緊急性や施設利用の必要性などを総合的に判断し、意見を述べることができますことから、その旨計画に明記しているところでございます。


 次に、計画では、県民に強制をしないことをどのように保障しているのかとのお尋ねでございました。


 国民保護法では、憲法が保障する国民の自由と権利を尊重することとされておりまして、計画の中でも、県民の協力はあくまでも自発的な意思によることや県民に対する適時適切な情報提供のほか、放送事業者の自主性を尊重し、言論その他表現の自由に配慮することを明記しているところでございます。


 次に、放射能汚染が予想されるエリアを最大どの範囲に設定しているのかとのお尋ねでございました。


 武力攻撃による原子力災害への対処は国主導で行われますことから、具体的な被害の範囲は国が示すべきであると考えておりまして、現在、原発立地県が合同で被害想定を実施するよう国に要望しているところであります。


 なお、安定沃素剤は、県原子力防災計画により、国が定める放射能事故を想定した半径10?の防護区域に加え、その周辺を含む半径20?以内の3市1町の住民も対象にして約6万2,500人分、12万2,000丸の沃素剤を配備しているほか、原子力事業者も伊方発電所等に11万丸を備蓄しておるところでございます。


 次に、放射性物質による汚染の拡大の防止措置の交通を遮断する場所はどこを想定しているのかとのお尋ねでございました。


 交通規制等の措置は、放射性物質の放出量や風向き等で異なりますことから一概に想定することはできませんが、伊方発電所の立地条件を考慮いたしますと、陸上交通の遮断で孤立する場合も考えられますことから、船舶の活用も含めた適切な避難方法をとることとCいたしております。


 次に、プルサーマル計画について、危険性の高いプルサーマルの導入について県民を保護する立場の県としてどう考えているのかとのお尋ねでございました。


 原子力発電所は、原子炉容器や原子炉格納容器など5重の防壁により基本的に放射性物質を閉じ込める構造とした上で、多重防護の考え方に基づき施設の設計や安全対策がとられており、安全性は確保されております。また、技術的には起こり得ない仮想事故を想定した場合でも、周辺公衆に与える放射線量等は、プルサーマルとウラン燃料との間で有意な差異はなく、著しい放射線災害をもたらさないと評価されているところでございます。


 しかしながら、武力攻撃による原子力災害につきましては、ウラン燃料の場合にあっても、県民の生命、財産を保護する上で極めて重要な問題であると考えておりまして、国民保護計画において平素の備えのほか、予防から事故対策までの措置を定めることにより、迅速で的確な国民保護措置の実施に万全を期したいと考えております。


 次に、使用済みMOX燃料の冷却管理費用はだれが負担するのかとのお尋ねでございました。


 使用済みMOX燃料の管理費用につきましては、電気事業者が負担することとなりますが、国においては、使用済みMOX燃料についても再処理することを基本方針としておりまして、御指摘のような長期間にわたり電気事業者が冷却管理することは想定していないところでございます。


 次に、交付金と引きかえに県民の安全と命を売り渡さないでほしいと思うがどうかとのお尋ねでございました。


 核燃料サイクル交付金については、現在、国において制度の創設を検討していることは承知しておりますが、交付金創設の目的は、核燃料サイクル施設の立地地域の自主的、自立的な発展のための支援を強化するものであると聞いておりまして、御指摘のような危険に対する代償措置であるとは考えておりません。


 最後に、地震対策についての認識が甘い四国電力の対応をどう思うかとのお尋ねでございます。


 四国電力では、これまで、敷地前面海域活断層群や中央構造線帯に起因する地震など、伊方発電所建設以降の新たな知見に対しましても、その都度耐震安全性を再評価し、国に安全性の確認を受けてきたところでありまして、県としては、現時点で必要な対応が図られているものと考えておりますが、引き続き、耐震指針の改訂等に対しましても適切に対応するよう指導してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 阿部議員にお答えをいたします。


 国民保護計画、原子力災害への対処のうち、被曝医療を行う医者を確保することはできるのかとのお尋ねでございました。


 本県では、既に、県原子力防災計画に基づき、緊急被曝医療の拠点となる医療機関を県内に4カ所指定するとともに、国や他県の医療機関等との間で被曝医療に関する協力関係を構築するなど、緊急被曝医療体制を整備しているところであります。


 さらに、緊急被曝医療マニュアルを作成し、毎年医師会や救急医療機関の参加する原子力防災訓練を実施するとともに、被曝医療に関する研修会を開催して関係者の理解を高めているところでありまして、被曝医療を行う医師初め医療従事者は確保できていると認識しております。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎経済労働部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 高浜経済労働部長


   〔高浜壮一郎経済労働部長登壇〕


○(高浜壮一郎経済労働部長) 阿部議員にお答えします。


 障害者問題について、県内で働く意欲と希望を持ちながら就職ができない障害者の人数はどのくらいか。また、知的障害者のための県立高等技術専門校に今年度入学したのは何人で、ことしの卒業生のうち本採用で就職したのは何人かとのお尋ねでした。


 本年10月末現在、県内ハローワークに求職を申し込んでいる障害者の数は1,203人と聞いております。


 知的障害者を対象とした職業訓練は、松山高等技術専門校で昨年度から訓練期間1年の販売実務科を実施しておりまして、今年度は定員と同数の20人が入校をしております。


 また、昨年度は12人が入校しておりますが、中途退校3人を除く残り9人は全員就職をしておりまして、雇用形態は、パートが7人、有期契約社員が2名ということになってございます。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 阿部議員にお答えをさしていただきます。


 障害児問題につきまして、過去3年間の身体・知的の各障害別の普通高校への進学率はどうか。また、就職状況はどうかというお尋ねでございました。


 まず、高校進学率でございますけれども、身体に障害のある生徒につきましては、平成14年度が18.5%、15年度は6.3%、16年度は17.2%となっております。知的障害のある生徒につきましては、平成14年度11.7%、15年度8.5%、16年度は11.2%となっております。


 また、県立盲・聾・養護学校高等部及び県立高等学校卒業生のうち就職した者につきましては、障害別に見てみますと、身体に障害のある生徒につきましては、平成14年度が8人、15年度が7人、16年度10人でございます。そして、知的障害のある生徒につきましては、14年度が24人、15年度が11人、16年度は23人でございます。


 これを学校別に見てみますと、県立養護学校高等部卒業生の就職状況は、14年度が24人、15年度が11人、16年度は23人でございます。そして、県立高等学校の卒業生につきましては、14年度が2人、15年度3人、16年度4人という状況になっております。


 また、県立高等学校卒業生のうち授産所や作業所に通所し、あるいは入所した生徒はおりませんけれども、県立養護学校高等部卒業生のうち通所や入所した人数は、14年度が77人、15年度が64人、16年度は85人という状況になっております。


 次に、知的障害児の普通高校への進学を積極的に進めてほしいがどうかというお尋ねでございます。


 知的障害児の高校進学につきましては、あくまでも生徒一人一人の能力や個性を最大限に伸ばす観点に立ちまして、障害の程度を十分考慮した上でそれぞれの進学先を選択することが大切でございます。


 県立高校における入学者選抜につきましては、文部科学省の指導に沿いまして、各学校や学科などの特色に応じて、その学校で教育を受けるに足る能力、適性等があるかどうかを総合的に判定して行っているわけでございますけれども、近年におきましては、特殊学級に在籍をしていた知的障害のある生徒もこの総合判定をクリアいたしまして、毎年10名程度県立高校に入学している状況でございます。


 現在のところは、この適格者主義の方針に基づきまして入学者選抜を行う考えでございますが、養護学校と高等学校との交流教育は必要でございますので、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思っております。


 以上でございます。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 阿部議員にお答えをいたします。


 初めに、県警の昇任システムはどのような仕組みになっているのかとのお尋ねでございます。


 警察官の昇任制度については、競争試験、選抜及び選考によって行われておりますが、人事委員会規則に基づいて厳正公平に実施しているところであります。


 試験問題の作成者及び採点者につきましては、私を長とし各部長などが委員となっている試験委員会において作成し、採点しているところであります。


 昇任試験は、受験資格を有する警察官に対して平等に受験する機会を与え、試験委員会において成績上位者から昇任候補者を決定し、その結果については、人事委員会に報告するなど公平性に配意しているところであります。


 また、採点においても、択一式予備試験、論文式の第一次試験の採点においては、受験番号を採点番号に置きかえて採点を行う、これは、採点者が、受験者がだれであるかわからないようにするための措置でありますが、こうしたことにより、採点者の恣意が入ることのないように公正性に配意しているところであります。


 次に、今後、試験問題の作成と採点を外部の専門家に任せてはどうか。また、他県の実態はどうかとのお尋ねでございます。


 試験問題は、その時々の治安情勢を踏まえた実務に直結した問題を出題しており、また、厳正公平な試験を実施していることから、試験問題の作成及び採点を外部へ任せる必要はないと考えているところであります。


 なお、他県において、外部の専門家に試験問題の作成と採点を任せているようなことは承知をしておりません。


 次に、県警は、年間に幾らの旅費を使っているのか。また、県警の内部調査ではどのように報告されているのかとのお尋ねでございます。


 平成16年度における県費旅費決算総額は1億9,157万5,902円であります。また、国費旅費決算総額は7,581万244円であります。


 現在、県警察が行っている調査は捜査費を対象に実施をしているもので、また、いわゆるカラ出張による裏金疑惑につきましては、本年6月10日に御報告したとおり、議員御指摘のようなカラ出張による裏金づくりの事実は確認されていないところであります。


 次に、県警本部長は、県が取り組んでいる旅費のシステム改革を承知し、県警にも導入するつもりかとのお尋ねでございます。


 県当局において、新しい旅費システムを導入して旅費業務改革に取り組んでいることは承知をしております。


 なお、県警察においても、県の運用開始に合わせて導入することとしているところでございます。


 以上でございます。


○(阿部悦子議員) 議長


○(清家俊蔵副議長) 阿部悦子議員


   〔阿部悦子議員登壇〕


○(清家俊蔵副議長) 初めに再質問の項目番号を全部述べてください。


○(阿部悦子議員) 項目番号は1の2、5の2のア、イ、そして6の5でございます。


 1の2、会計システムの改革を私はお願いいたしましたけれども、そのようにきちんと認識をされていないと、今の会計制度が、この負債、借金を積み上げた現況で適切であるかのような御発言がございました。


 しかし、愛媛県のバランスシートは、資産の部で、固定資産の部で、行政財産つまり売却できない財産と、普通財産売ることができる財産の区別もつけていません。こうなりますと負債と資産のバランスがわからないわけであります。


 東京都の会計基準、東京都はですね、新しい会計基準を設けましてこのバランスがきちっとわかるようになっておるわけです。つまり来年度の方針を立てやすくなるわけです。


 都民、県民や国民にはっきりと説明責任が持てる会計制度をつくろうという取り組みに対して、もう少し熱意のある調査をしていただきたいと思います。お尋ねします。


 それから5の2、武力事態が…(発言する者あり)何ですか。(発言する者あり)黙ってください。


 2番目です。5の2です。アですが、武力攻撃事態が起こるかもしれないという想定をなさったわけですけれども、昨年12月に政府が発表しました新防衛計画大綱では、他国からの本格的な武力攻撃の可能性は低下したとして、そのための正面装備を縮小する一方で、自衛隊の海外での活動を本務として格上げしました。


 有事法制を中心になってつくった久間元防衛庁長官でさえ、北朝鮮が先に攻めてきたり侵略してくることは現実的にはないと思うと言っているのです。こういうわけですから、もう一度御答弁ください。


 5番の2のイですが、説明責任、県民に対して周知をし、そして議論が尽くされているかという質問でしたけれども、これからやっていくということでしたけれども、パブリックコメントが出ております。その中の、8人出ているんですが6人は原子力事業者の関係者からのものであり、県民はたった2人でありました。このようなことではいけないと思います。もう1回計画スケジュールを練り直してもらいたいと思います。


 最後、6の5プルサーマルでございますが、女川原発では、先般の地震で3基とも原子力発電所がとまったままであります。この地震想定はマグニチュード7.4で184ガル。そして、250ガルまで増強して備えていました。しかし、起こった地震動は、マグニチュード7.2で284ガルという地震が起こったのです。これは伊方でもそれを採用しています大崎方式という、そういう計算過程での間違いがあったということです。


 知事はこのことを考えて、本当に今こっちの方を先にやっていただきたい。プルサーマルを進めるのはやめていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(発言する者あり)


 御質問です。(発言する者あり)(拍手)


○(清家俊蔵副議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(清家俊蔵副議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 阿部議員の再質問に答弁いたします。


 ただいま女川地震等々の他県におきます状況を例にひかれまして、この計画中止についての再質問と承知いたしました。


 具体的なさまざまな形での問題等ございますが、阿部議員の再質問の趣旨は、プルサーマル計画あるいはプルサーマル導入に関するものというよりも、原子力発電所あるいは原発そのものについての危険性という形で私は聞こえてまいりましたけれども、特にそういった状況があるから伊方におけるプルサーマル導入についての計画を中止すべき理由としての質問とはちょっと受けとめかねております。


 したがいまして、この問題につきましては、先ほど申し上げましたような、すべて伊方原子力発電所におけるプルサーマル計画のこの安全性をどのようにして確保できると言えるのかどうか、並びに地域住民、県民の理解がどの程度まで進んでいるのか、そういった視点から判断すると申し上げました答弁に変更はございません。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 阿部議員の再質問のうち、会計方式に関しまして、資産の把握等も含めてさらなる改革をすべきではないかとの御質問としてお答えいたしますが、御指摘の点も承りながら、いずれにいたしましても、資産あるいは負債の適切な管理に引き続き尽力してまいる所存でございます。


 以上でございます。


○(石川勝行県民環境部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 石川県民環境部長


   〔石川勝行県民環境部長登壇〕


○(石川勝行県民環境部長) 阿部議員の再質問にお答えいたします。


 1つは、武力攻撃事態が本当に起こるのか根拠を示せということについての再質問だったと思いますけれども、先生のおっしゃることはわかりますけれども、17年度の防衛白書の中におきましても、今9.11のアメリカの同時多発テロ以降、今なおテロの脅威は世界に拡散しており、各地でテロが発生しているというふうな現状認識でとらえておりまして、答弁いたしましたように、ロンドンの地下鉄とかインドネシアのバリ島等たくさんのテロが起こっている現状にかんがみますと、武力攻撃事態はいつ起こってもおかしくないんじゃないかというふうに考えております。


 それから2つ目でございますが、国民保護計画につきまして、もっと議論を尽くすべきじゃないかという御質問でなかったかと思いますけれども、答弁にもありましたように、一応国の方から18年3月を目途に全国各県つくれというふうな指示も来ております。そういうふうなことで3月を目途に進めておりますけれども、先ほどの答弁でも申しましたように、今後、新たな事態と申しますか、国の基本方針の見直しとか、あるいは新たなシステムの構築とか、訓練の検証結果を踏まえて不断の見直しを行いたいと考えておりますので、その点で御了解をいただきたいと思います。


○(清家俊蔵副議長) 暫時休憩いたします。


     午前11時3分 休憩


    ――――――――――――


     午前11時18分 再開


○(清家俊蔵副議長) 再開いたします。


    ――――――――――――――――


○(清家俊蔵副議長) 先ほどの阿部議員の発言については、後刻速記録を調査し、不穏当と認められる箇所がある場合は、関係者と協議の上、議長において善処いたしたいと思いますから、御了承願います。


    ――――――――――――――――


○(清家俊蔵副議長) 質疑を続けます。


○(豊島美知議員) 議長


○(清家俊蔵副議長) 豊島美知議員


   〔豊島美知議員登壇〕


○(豊島美知議員)(拍手)民主党、豊島美知でございます。


 ことし2月の終わりに県会議員となってから9カ月余り経過しました。7月には初登壇、そして、委員会視察等も経験させていただく中で、徐々に県議会にもなれてきたところです。


 50人中4人という数少ない女性議員の1人ではありますが、先輩阿部悦子議員に続いての登壇であります。(発言する者あり)(笑声)比べ、大変地味ではございますが、今回は2回目の質問、御答弁のほどよろしくお願いいたします。


 去る11月12日から25日まで女性に対する暴力をなくす運動の実施期間でした。今回は、女性に対する暴力の問題に集中して質問してまいります。


 警察庁の統計によりますと、平成16年中に検挙した配偶者間これは内縁関係も含みますが、配偶者間における殺人、傷害、暴行は1,694件ありました。いわゆるドメスティック・バイオレンスですが、そのうち1,554件91.7%は女性が被害者となった事件であります。また、性犯罪については、これも警察庁の平成16年の統計ですが、強姦の認知件数は2,176件、強制わいせつの認知件数は9,184件。また、同年のストーカー行為については、警察庁に報告のあったストーカー事案の認知件数は1万3,403件で、被害者の86.2%が女性であり、行為者の90.3%が男性となっています。また、セクシャル・ハラスメントについては、平成15年度に都道府県労働局雇用均等室に寄せられた相談件数7,403件のうち、女性労働者等からの相談件数は5,924件で80%を占めているのが実態となっています。


 これら表面化した数字は氷山の一角であり、女性への暴力行為は日常的に存在しています。これは、日本だけの問題ではなく世界的に共通する問題であることは皆様御承知のとおりです。国連においては、1993年女性に対する暴力の撤廃に関する宣言がなされました。


 また、11月5日の愛媛新聞に出ておりましたが、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、一生のうちに殴られたり性行為を強制されるなど、暴力、虐待を経験する女性は世界で3人に1人。また、欧州評議会によると、16歳から44歳の女性が死亡あるいは障害者になる最大の原因となるのは家庭内暴力。ロシアでは1999年、約1万4,000人が夫や親類に殺された。世界保健機関・WHOの調査では、女性殺害事件の犯人の約70%は夫やボーイフレンドだったというように、女性は、最も身近な人たちから暴力を受け生命の危険にさらされているのが実情となっています。本来ならば安心して暮らし生きていくための基盤となる家庭という場所で、本来ならば最も信頼し助け合うはずの家族や親族によって、生きる権利を侵害されるような境遇に置かれているわけですが、このような女性への暴力が常態化されているような状況をこのまま放置することはできません。


 日本よりひどい状況にある国はたくさんありますが、これら女性への暴力は構造的な問題であり、はびこる根はどこの国でも共通であるという認識のもと、この問題に取り組んでいく必要があります。


 さきに挙げた国連の女性に対する暴力の撤廃に関する宣言の前文にこう述べられています。「女性に対する暴力は、男女間の歴史的に不平等な力関係の現れであり、これが男性の女性に対する支配並びに女性の十分な地位向上の妨害につながってきたこと、及び女性に対する暴力は女性を男性に比べ従属的な地位に強いる重要な社会的機構の一つである」とあります。社会的機構の一つ、つまり構造的で根深い問題でありますから、表層的な取り扱いではなかなか前へ進んでいかず困難な取り組みではあります。しかし、少しずつでも変化していくために、努力し続けなくてはなりません。


 そこで、お尋ねします。


 冒頭に、女性への暴力について警察庁の統計数字を挙げましたが、県内の実態はどうなっていますでしょうか。


 DVにつきましては後ほどまとめて質問いたしますので、ここでは性犯罪とストーカー行為についてお尋ねしたいと思います。実態、被害者対策、また、犯罪防止についてお尋ねします。


 まず、性犯罪について、性犯罪は、被害者が被害を訴えるということそのものに大変な重圧や苦しさがあります。被害を受けたことで心身ともにひどいダメージを受けた上に行動を起こさなくてはならないからです。また、このことによって2次被害に遭うこともしばしばあります。脅迫を受けたり、知っている人であったり、恐怖によって身動きがとれなくなったりすることもあり、簡単に被害を届け出ることができないという困難さを持っています。そのような中で届け出されるものですから、氷山の一角との認識を持つ必要がありますが、県内の実態はどうなっていますでしょうか。


 また、相談を受けることも含め、被害者への対応には、女性警察官の配置や性犯罪被害者の置かれた状況、状態に対する知識や理解を持って当たるなど、かなりの配慮が必要だと思われますが、被害者対策はどうなっていますか。また、今後どのように進めていくのでしょうか、お尋ねします。


 また、性犯罪を防止するためにどのような取り組みがなされていますでしょうか、お伺いいたします。


 次に、ストーカー行為について、平成12年からストーカー規制法が施行されていますが、県内の実態はどうなっているのでしょうか。ストーカー事案の認知件数、また、相談状況はどれくらいあるのか、お伺いいたします。


 ストーカー行為がエスカレートする前に対応できるような防止対策はとられていますでしょうか、お聞かせください。


 それでは、DVの問題についての質問に入ります。


 昨年12月に改正DV防止法が施行され、ちょうど1年が経過しました。この間、各地域で温度差はあるものの全国的に取り組みが続けられています。


 改正によって配偶者からの暴力の定義が拡大され、暴力の相手方として、内縁を含む配偶者だけでなく、離婚後、事実婚状態の解消後も引き続いて暴力を受ける場合も対象となりました。また、暴力の内容も、身体的な暴力だけでなく、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動も対象となっています。


 平成16年度に県で行われた男女共同参画に関する世論調査では、ドメスティック・バイオレンスという言葉の周知度は73.4%と大変高くなっており、県民の関心事でもあると思われます。


 そこで、県におけるDVの実態と現在行われている対応について、まずお伺いいたします。


 県内における配偶者間での殺人、傷害、暴行の被害件数はどうなっているでしょうか。また、検挙にまでは至らなかった件数も多いかと思いますが、どれくらいありますでしょうか。そして、その対応はどのようになされたのでしょうか、お聞かせください。


 また、改正DV防止法には、「配偶者からの暴力を発見した者は、その旨を配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない。」とされていますが、通報の件数はどれくらいあり、どのような対応がなされたでしょうか。また、警察への電話相談などもあると思いますが、相談件数とその対応についてもお伺いいたします。


 また、DVに関しては、女性への暴力は犯罪であるとの認識において、警察のかかわりが大変重要であります。実際、児童虐待と同じく生命の危機にさらされながらの生活を強いられている女性たちが、ぎりぎりのところで命の助けを求めるのは警察であろうと思います。一番最初に出会う現場の警察官のDVに対する認識が高ければ高いほど被害者は救われます。また、被害者は、男性への恐怖心が大きくなるなどの心理状況にある場合も多く、女性の警察官、相談員が対応することも重要です。それら警察における具体的な取り組みはどうなっているのか、お尋ねします。


 改正DV防止法によって保護命令制度が拡充されました。命令には接近禁止命令と退去命令がありますが、加害者に元配偶者も含まれることになり、また、被害者だけでなく、被害者と同居する子についても接近禁止命令を出すことが可能となりました。退去命令では、期間が2カ月、再度の申し立ても可能となっています。保護命令の発令状況はどうなっているのか、お伺いいたします。


 次に、配偶者暴力相談支援センターでの相談状況はどのようになっているのか、お聞きします。


 相談内容によって心理的なサポートが必要な場合はカウンセリングが継続するでしょうが、法律的介入や避難が必要な場合もあると考えられます。対応はどのようになされていますでしょうか。その他被害者への支援対策としてどのようなことが行われていますでしょうか。また、一時保護者数はふえているようですが、施設の確保は十分でしょうか、お伺いいたします。


 次に、県は、DV被害者サポーターを養成しましたが、どのように現在活動しているか、状況をお聞かせください。


 各都道府県ではどのようにDV対策を進めているのか調べてみましたが、取り組みの先進地においては、やはり民間団体の活動が大変活発であり、連携や協働を超えるような行政と一体となった動きがあります。DV問題は、こうした動きによって初めて具体的に解決の方向に向かうのではないでしょうか。


 県内の民間団体との連携、協働の現状はいかがでしょうか、お伺いいたします。


 次に、DV基本計画について質問いたします。


 改正DV防止法では、都道府県において、国の基本方針に基づいた基本計画の策定、民間団体との連携、そして、被害者自立支援を明確化することなどが盛り込まれています。これまで県が取り組まれてきたDV対策をさらに進めて具体化していくことになります。


 計画策定委員会も設置され、既に3回の委員会が開かれ、現在、愛媛県配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画の中間案に対する県民の意見を公募中となっています。


 基本計画中間案が出されるまでの経過ですが、他の県によっては、このような委員会の審議内容が簡単に閲覧ができるような仕組みになっているところも多くあります。千葉県の例ですが、第1回目の会議から、議事録ばかりでなく、その進め方、会議の資料、各委員ごとに出された意見をそれぞれまとめたものなど、だれがどこからアクセスしても情報が得られ、その成り行きや内容がわかりやすくなっています。


 DV防止は県民への啓発や意識の高まりを求めていかなければなりませんが、このように情報とのコミットメントがたやすいということが一つの大きな啓発となるのではないかと考えます。学識経験者、現場の方、また、医師や弁護士といった専門職等策定委員の方々の御意見は目に触れなければもったいないと思います。


 今回、これら情報に関しまして、47都道府県庁すべてのホームページを開きDVをキーワードに検索してみました。多いところでは915件のヒットがありましたが、全体では、各都道府県平均して約120件ほどの文書がヒットしました。ところが愛媛県におきましては、「婦人相談所」の1件が出てくるのみでした。そこから、また文書検索に移ることになります。残念に思った次第ですが、これら情報提供の仕組みにつきましては、今後必ず改善されるものと期待いたします。


 そこで、お尋ねします。


 県の中間案が出されるまでに、委員会において策定委員の方々からどのような意見が出されたでしょうか。そして、その意見は中間案にどのように反映されましたでしょうか、お聞かせください。


 また、今度は福井県の例ですが、ここでは、第1回の策定委員会が開かれる前にDV防止基本計画策定に係る意見を聴く会を開催しています。まずは県民の意見を聞き、計画に反映しようという姿勢であることがわかります。出された意見80件、それもホームページですべて見ることができます。その中には被害当事者や支援者からの意見も多く含まれていました。DV被害者の現状、抱える問題が手にとるようにわかります。DV被害者支援における問題点も浮き彫りになります。そして、必要とされる支援、方策がおのずと明らかになります。まずは、何のために計画を策定するのか、その目的はどこにあるのかという原点に立てば、そのために踏む手順、合理的な道筋が見えてくるはずです。


 それは、この計画に限ったことではなく、どのような計画を策定するに当たっても共通することであろうと思います。あくまでも計画にはその目的があるわけです。計画を策定することそのものが目的であるような認識を持って進んでしまうなら、計画は絵にかいたもちにすぎず、費やした労力は報われません。


 この福井県では、それら県民の意見を聞いた後、5回の委員会を経て11月に提言が出されております。計画策定に当たっては、よりニーズに見合ったものにすることが必要と考えますが、県では、中間案を作成するまでに被害当事者や関係者の意見は聞かれたのか、お尋ねします。


 また、策定のスケジュールですが、11月25日から12月26日まで中間案の意見公募をした後、来年1月最終案を決定し、知事に答申、2月に基本計画策定と伺っております。県は、策定する基本計画をどのように位置づけ、今後、どのようにDV対策に取り組んでいかれるのか、お考えをお聞かせください。


 最後に、具体的なDV対策についてお伺いいたします。


 基本計画策定後は、より一層取り組みは進んでいくものと思われますが、具体的に2点今後のお考えをお聞かせください。


 まず、財政的支援についてです。


 DV対策の先進的な取り組みを行っている地方公共団体を見ますと、効果的な取り組みを進めるためには財政的な支援が不可欠であると考えます。


 これは鳥取県の例ですが、昨年の改正DV防止法と同時に、この鳥取では基本計画を策定しました。そして、その時点では既にDV対策として財政的支援も行っていました。その財政は、県の予算全体から見るととても小さな額ですが、被害者や活動を行う民間団体にとっては、助成がなければ個人的な負担として重くのしかかってくるものと考えます。


 この鳥取県では、例えば、被害者が民間シェルターへ避難するために利用したタクシー運賃の助成、被害者、同伴者がけがや疾病を抱えている場合の民間シェルター入所前の医療費や入院個室料の助成、被害者が自立するために必要な住宅借り上げ費用の一部を助成、被害者の自立支援を図るための同伴行動、通信費等の助成などが実施されているとのことで、これらは自立支援への具体的かつ効果的な助成であると考えます。また、民間団体への助成としては、シェルターとして借り上げたアパートの家賃の助成、民間シェルターの防犯カメラ設置や警備委託の経費を助成、夜間の電話相談に関する助成などがあるとのことです。


 本県におきましても積極的な支援がなされることを期待するものですが、被害者の自立支援や民間団体の活動のための財政的支援について、現時点でどのようにお考えになりますでしょうか。


 2点目は、ステップハウスの設置についてです。


 徳島県におきまして、11月17日、ステップハウスの設置を盛り込んだ基本計画概要がまとめられました。ステップハウスとは、DV被害者が自立するまでの期間入居できるものです。一時保護された後、ある程度長く滞在できる施設として関係者の要望が強く、徳島県は来年度に整備したい考えを示しました。さきの鳥取県では、ステップハウスは民間の社会福祉法人に委託されています。このステップハウスの設置について、県はどのようなお考えをお持ちでしょうか、お聞かせください。


 以上でございます。


 今回は、女性への暴力1点に絞って質問させていただきました。


 最後になりますが、先日来、小学生の女の子が殺害されるという痛ましい事件が相次いで起こりました。


 私の住んでいる今治市の清水という校区では、地元の人たち80人ほどが見守り隊として登録されていますが、このような事件が起こらないように願い、登下校の通学路のあちこちに自発的に立ち子供たちの見守りを続けてくださっています。このような自発的な人々の行動こそが、知事提唱の愛と心のネットワークを推進する力であると私は思います。


 愛と心のネットワークが県政の隅々まで行き渡りますよう期待いたしまして、質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(清家俊蔵副議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(清家俊蔵副議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 豊島議員の質問に答弁いたします。


 DV防止及び被害者保護に関する基本計画に関しまして、策定する基本計画をどのように位置づけ、今後どのようにDV対策に取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 県では、これまで男女共同参画推進条例におきまして、ドメスティック・バイオレンスを禁止するなど女性の人権擁護に対する意識を社会に浸透させるよう取り組んできたところでございますが、今回の基本計画は、国の基本方針に基づき、本県の実情も踏まえながら、総合的に施策を推進するため策定するものでございまして、男女共同参画社会を早期に実現するための重要な柱の一つと考えております。


 今後、さらに配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を推進してまいりますためには、今回取りまとめられました基本計画の中間案にも盛り込まれておりますように、意識啓発の推進、相談体制や被害者保護体制の充実、自立支援に向けた体制の整備等に重点を置いて総合的に取り組んでいくことが重要と考えております。


 このため計画策定後は、市町はもちろんのこと民生委員、医師会、弁護士会、民間支援団体など、関係機関に計画内容を周知いたしますとともに、関係機関との緊密な連携、協働のもとに、各種施策を総合的に推進することにより、女性に対する暴力を容認しない社会の実現を目指してまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(石川勝行県民環境部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 石川県民環境部長


   〔石川勝行県民環境部長登壇〕


○(石川勝行県民環境部長) 豊島議員にお答えいたします。


 DV問題につきまして、県が養成したDV被害者サポーターの活動状況はどうか。また、民間団体との連携、協働の現状はどうかとのお尋ねでございました。


 県では、平成14年度から3年間、DV被害者を支援する民間ボランティアを養成し、DV被害者サポーターとしての登録をお願いしておりますが、平成17年度の登録者数は74名となっております。


 サポーターは、DV相談を行っている関係機関からの要請を受けたサポートコーディネーターの指示のもと、被害者が病院や裁判所へ行く際の付き添い、被害者同伴児の世話など行っておりまして、平成17年度は、11月末現在で20件の活動実績がございます。


 また、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に当たりましては、被害者の個々の事情に応じたきめ細かな対応が必要でありまして、行政だけでなく、この問題に取り組む民間団体と協働して対応することが重要であると考えております。


 県内におきましても、DV被害者サポーターの有志で組織する団体や女性専門のカウンセリングを行う団体等による支援活動が行われておりますので、これらの団体に対して積極的に情報提供をするなど、連携の強化を図って被害者の支援に努めてまいりたいと考えております。


 次に、県の中間案が出されるまでに、策定委員からどのような意見が出され、中間案にどのように反映したのか。また、被害当事者や関係者の意見を聞いたのかとの御質問でございました。


 県では、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する基本計画を策定いたしますため、本年5月に学識経験者、医療関係者、弁護士、民間支援団体関係者等で構成されます基本計画策定委員会を設置して検討を進めておりますが、これまでに各委員から、相談窓口のさらなる周知、関係機関や市町との連携の強化、医療機関、民生児童委員等の協力、被害者心理を理解した対応が必要であるなど多くの意見をいただいておりまして、これらを反映した中間案となっております。


 また、配偶者暴力相談支援センターとして、被害者からの相談や保護等に当たっている婦人相談所及び女性総合センターから意見を聴取することにより、被害者の置かれている状況等を把握いたしますとともに、現在実施しております基本計画中間案に対するパブリックコメントに寄せられる意見につきましても可能な限り計画に反映するよう努め、より実効性のある計画を策定したいと考えております。


 なお、先ほど御指摘のありましたホームページの件でございますが、これは、キーワードをホームページにDVを登録することを行っていなかったためのものでございまして、御指摘を受けまして早速修正をいたしておりますので、報告いたします。


 最後に、被害者の自立支援や民間団体の活動のための財政的支援についてどのように考えているのかとのお尋ねでございました。


 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律により、国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることとされており、被害者の自立支援については、生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法等により必要な措置を講じているところでございますが、豊島議員お話のとおり、一部の県では貸付金等の財政的支援を行っているところもございますので、本県の既存制度の活用実態や他県の状況等を踏まえ、今後研究してみたいと考えております。


 また、民間団体の活動に対する財政的支援につきましては、他県で行われております助成のほとんどがシェルターの運営費に対するものでございまして、本県には民間シェルターがございませんので今のところ財政的な支援は行っておりませんが、なお、今後、民間シェルター設立の動きが出れば、積極的に情報提供を行うなど支援に努めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 豊島議員にお答えをいたします。


 DV問題のうち、まず、配偶者暴力相談支援センターでの相談状況や支援対策はどうなっているのか。また、一時保護施設の確保は十分であるのかとのお尋ねでございます。


 本県の配偶者暴力相談支援センターであります婦人相談所及び女性総合センターこちらの方には、本年4月から10月までに313件の相談がありまして、前年度同期206件と比べますと107件、52%の増加となっております。


 センターでは、DVに関する各種相談のうち、生命の危険にかかわるなど深刻な事態が想定されるような場合におきましては、本人が裁判所へ保護命令を申し立てようとする際の手続面での支援や夫の暴力から逃れるための一時保護の実施などを行っておりますほか、お話の心理療法士によるカウンセリングや弁護士による法律面での相談、助言、さらには就労、住宅、子育てなどさまざまな相談に応じるとともに、必要に応じて関係機関につなげるなど、被害者が自立して生活ができるための幅広い支援に努めているところであります。


 また、一時保護につきましては、婦人相談所で実施しておりますほか、中予地区の1施設に加え、平成16年度から東予地区の1施設を新たに一時保護委託施設としているところでありまして、現時点では特に問題なく対応できていると考えておりますが、今後とも一時保護の状況を見きわめながら、その確保について適切に対処してまいりたいと考えております。


 次に、ステップハウスの設置についてどのように考えているのかとのお尋ねでございました。


 ステップハウスとは、一般的に、DV被害者が一時保護された後、就労や住宅確保など、自立した生活への橋渡しとしての機能を有する法律や制度には基づかない中間的な施設と言われておりまして、このような機能を有したステップハウスは、意義あるものと考えております。


 ただお話の鳥取県や徳島県と異なりまして、本県では既に、一時保護された方のうち、ある程度の期間自立に向けた準備を行う必要があると思われる方につきましては、婦人保護施設や他の社会福祉施設で対応しているところでありまして、現状では、新たにステップハウスを設置する必要はないと認識しておりますが、将来、民間団体においてステップハウス設置の動きがあれば、協力、連携に努めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(清家俊蔵副議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 豊島議員にお答えいたします。


 初めに、性犯罪とストーカー行為についてのうち、県内での性犯罪の被害実態はどうか。また、性犯罪の被害者対策や防止の取り組みはどうかとのお尋ねでございます。


 県内における強制わいせつ事件などの性犯罪の実態は、本年11月末現在、認知件数が119件で、うち92件を検挙しております。昨年と比べますと認知件数がプラス32件と大幅に増加しております。


 特徴的傾向といたしましては、深夜戸締まりをしていない窓から侵入されたり夜間一人で帰宅中の女性が被害者となるケースが多く、同一犯人が数府県に及ぶなど広域的な事件も増加傾向にあります。


 次に、被害者対策につきましては、性犯罪は女性の人権を著しく侵害し心と体に深い傷を残すなど、極めて反社会的な犯罪であることから、現在8名の女性警察官を性犯罪専従捜査係として配置し、被害者の心情に配意した捜査に努めているところであります。


 女性警察官は、被害者の精神的負担を少しでも緩和するため、事情聴取のほか病院への付き添いやその後のケアを担当しておりまして、2次的被害の防止、軽減に重要な役割を果たしているところであります。


 先般発生しました強制わいせつ事件では、被害児童の中に事件のショックからPTSDの症状が見られるお子さんがいることを考慮し、女性である性犯罪指定捜査員7名を集中派遣するなど、被害児童や御家族に対する被害者対策を実施しているところでございます。


 性犯罪を防止する取り組みにつきましては、この種犯罪は再犯性が極めて高いことから、犯人の早期検挙が効果的であることは言うまでもありません。また、事件が発生する前にいかにして未然防止を図るかが極めて重要でありまして、教育委員会や学校、ボランティア団体等との連携による防犯マップの作成など、防犯活動の強化に努めているところであります。


 さらに、戸締まりの強化など一般的な防犯対策のほか、女性警察官が高校や大学に赴いて講話を行ったり、県警ホームページにレディースルームを開設し、性犯罪に遭わないための広報活動も実施しているところであります。


 県警といたしましては、今後とも、被害者対策の徹底を図るとともに、性犯罪の未然防止と検挙活動を強力に推進したいと考えているところであります。


 次に、県内のストーカー事案の認知件数、相談状況はどうか。また、ストーカー行為がエスカレートする前に対応できるような対策をとっているのかとのお尋ねでございます。


 本県では、本年10月末現在で186件のストーカー事案を認知して対応しております。これら事案に対して、行為者が特定されている場合には、行為がエスカレートしないうちに早い段階で行為者に対する注意、指導、書面による警告などを実施して、事案の解決を図っているところであります。


 また、本県でストーカー事案として認知した186件のうち、ストーカー規制法違反で8件を検挙、器物損壊、傷害など他法令を適用して9件を検挙、警察官の口頭による行為者への指導、注意63件や書面による警告6件、被害者の居場所を秘するための住民基本台帳閲覧制限に係る援助措置13件などの対応によって101件の解決を図り、現在も85件について相談者の意向を図りながら継続対応を行っているところであります。


 また、事案の積極的な被害申告を促すため、大学、各種専門学校などへ警察官を派遣して啓発活動を行っているほか、女性被害者の相談には女性警察官を充てるなどしており、今後も被害者の立場に立った迅速、適切な対応に努めてまいりたいと存じております。


 次に、DV問題についてのお尋ねでございます。


 県内におけるDVの実態と現在の対応についてのうち、まず、県内におけるDVの被害件数はどうか。また、検挙に至らなかった件数や通報件数、相談件数はどれくらいあり、どう対応しているのかについてお尋ねでございます。


 本県の本年10月末における配偶者間の暴力事件として、殺人1件、殺人未遂2件、傷害12件、暴行2件を検挙しております。本年10月末現在、DV事案として医療機関からの通報など5件を含めまして180件を受理して対応しており、前年同期に比べますと18件増加をしております。


 県警察といたしましては、被害者の意向に沿った適切な対応に努めているところでございます。


 次に、警察における具体的な取り組みはどうなっているのかとのお尋ねでございます。


 DV事案の対応に当たっては、本部ストーカー対策室及び各署にDV担当者を指定して組織的対応を図っているところであります。特に、体制の許す限り、相談者が対応に女性を希望する場合には女性警察官や補助職員などを担当させるDV事案の特質、被害者の心情に配意した対応について指導教養を実施するなど、DV事案への適正な対応について徹底を図っているところであります。


 次に、改正DV防止法により保護命令制度が拡充されたが、発令状況はどうかとのお尋ねでございます。


 本年中、裁判所から被害者への保護命令15件が発出された旨通知を受けておりますが、このうち法改正により保護命令の対象とされた元配偶者への保護命令が3件、被害者の子への接近禁止命令が8件発出されている状況でございます。


 以上でございます。


○(清家俊蔵副議長) 休憩いたします。


 午後1時から再開いたします。


     午後0時 休憩


    ――――――――――――


     午後1時 再開


○(森高康行議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(戒能潤之介議員) 議長


○(森高康行議長) 戒能潤之介議員


   〔戒能潤之介議員登壇〕


○(戒能潤之介議員)(拍手)自由民主党の戒能潤之介です。


 質問もいよいよ最後となりました。いささかお疲れのこととは思いますが、どうぞ最後まで御清聴のほどよろしくお願いをいたします。


 まず最初に、行政改革についてお伺いをいたします。


 県では、先日、民間で言えば倒産寸前という財政再建準用団体への転落もあり得る危機的な財政状況を克服するため、徹底した歳出カットと歳入の確保を盛り込んだ財政構造改革基本方針案を発表をいたしました。県の財政状況は破綻目前という厳しい状況にあることから、徹底した歳出カット等に取り組んでいただくのは当然ですが、一方で、人口減少、超高齢社会の到来、情報化の急速な進展など、社会環境の大きな変化に伴い、県民ニーズの多様化、高度化が進んでおり、それへの柔軟かつ的確な対応も求められております。


 国では、骨太の方針2005で、本格的な人口減少、超高齢社会の到来や地球規模でのグローバル化の進展など時代の潮流に適切に対応し、新たな成長基盤を確立できるか緩やかな衰退の道をたどるかどうかは、ここ1、2年の構造改革の進展が成否を決めるとし、構造改革を強力に推進することとしており、本県も早急な県政改革を進める必要があります。


 私は、このような大きな時代の変革期にあっては、単に財政改革だけではなく、県の仕事のやり方や仕組みなど行財政システム自体を抜本的に改革しなければ愛媛の元気創造を図っていくことはできないのではないかと考えます。


 幸い県では、行財政改革についての基本的な指針である新たな行政改革大綱を現在策定中であります。策定の基本方針について、知事は9月議会において、新たな行政改革大綱は、県行政を取り巻く環境変化に的確に対応するため、県民との新たな協働関係の構築を大きな目標に、県民サービス改革、パートナーシップ改革、組織改革、財政構造改革の4つの基本的視点に立って策定したいと答弁されました。


 新たな行政改革大綱の目標である県民との協働という基本コンセプトは、県は、県民やNPO、民間企業、市町などとともに、元気な愛媛の創造に向け、ともにそれぞれの役割を果たして頑張っていこうという考え方であると思います。この考え方は、非常に厳しい財政状況や地方分権の進展、県民ニーズの多様化など時代の変化を見据えたまことに時宜を得たコンセプトであり、その方向での具体化をぜひお願いしたいと思うものでありますが、県民の中には、協働という言葉になじみを感じない方もまだまだいらっしゃるようにも思います。


 そこで、お伺いします。


 県では、今回の新たな行政改革大綱の策定に当たって、新しい試みとして、現場で直接県民と接する市町や地方局の職員の意見を聞き、それを大綱に反映するための行革タウンミーティングを東・中・南予ごとに開催するなど、順調に作業を進めていると聞いております。いまだ素案の段階ではあると思いますが、今回の新たな行政改革大綱で目標としている協働とはどのような考えなのか。また、そのコンセプトを踏まえてどのような仕組みづくりを考えておられるのか、お聞かせいただきたいのであります。


 次に、県内中小企業に対する技術開発支援についてお伺いします。


 我が国の経済は、バブル崩壊以降の長く続いた景気低迷から抜け出しつつあるものの、経済のグローバル化に伴い激しさを増す国際競争の中で、産業競争力の低下、雇用創出力の停滞などさまざまな課題に直面しております。


 本県においても、一部に持ち直しの動きはありますが、本格的な景気回復感には乏しく、とりわけ南予地方を中心に事業縮小や事業所閉鎖等が続き、雇用情勢は依然として厳しい状況にあります。


 こうした中、地域経済の活力を回復させるためには、産業の高付加価値化、高度化を促進し、高い生産性と国際競争力を持つ新たな産業を創出、育成することが重要であり、特に、現下の閉塞した経済状況を打開するためには、県内産業において技術革新が持続的に起きる環境を整備することが不可欠であると思います。


 しかしながら、中小企業にとって、絶えざる技術革新を実現していくためには、高度で先進的な技術の確保やその技術を継続的に高めていかなければならず、商品のライフサイクルの短期化、技術の細分化、専門化など企業を取り巻く環境の変化が進む中で、先進的な技術の確保と向上策を中小企業が独自で行うには、研究開発のために必要な資金や研究スタッフ、機器設備、技術情報といった経営資源に限界があり、高いリスクを伴うという問題が生じております。この結果、意欲と能力を持ちつつも効率的な技術の開発ができないため、能力を十分活用できない企業も多いのではないかと危惧しております。


 去る10月、警察経済委員会の県外視察において、総合的なものづくりの拠点として平成15年8月にオープンしたクリエイション・コア東大阪に参りました。そこでは、経験豊富なコーディネーターが中心となり、人と人、技術と技術を結びつけることで新たなビジネスチャンスの拡大を目指し、総合的な支援施策を展開しています。常設展示場、ワンストップサービス、国際情報受発信機能、インキュベート施設の4つの機能に加え、産官学連携を核とした新事業創出センターとしての機能も有し、御説明をいただいたスタッフの方の生き生きと自信を持ってその仕事に携わっている姿を拝見し、本県においても大いに参考すべき点があるなと実感いたしました。


 本県の産業基盤を支えている中小企業のものづくり技術を継続的に向上させ、その持てる能力を十分発揮できるようにするためには、工業技術センターを初めとする工業系試験研究機関を核とした研究開発や企業に対するソフト・ハード両面による技術開発の支援が不可欠であると思います。


 そこで、お伺いします。


 持続的な県内経済発展の観点から、産業の高付加価値化、高度化と競争力のある新事業を創出、育成するために、県内中小企業に対する技術開発の支援にどのように取り組んでいるのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、新型インフルエンザについてお伺いします。


 近年、東南アジアを中心に高病原性鳥インフルエンザが流行しており、このウイルスが人に感染し死亡例も報告されております。


 一昨年12月からことし11月29日までの間に、発症者133名のうち死亡者は68名となっており、さらに高病原性鳥インフルエンザの発生がヨーロッパでも確認されるなど、依然として流行が拡大、継続しております。日本においても、山口、大分、京都の養鶏場等で高病原性鳥インフルエンザが発生しましたが、幸い鳥の処分を行う者等の感染防御方法を徹底することなどで人への感染は未然に防ぐことができました。しかし今後、このウイルスが変異をし、人から人へ感染する毒性の強い新型インフルエンザが発生する危険性が大変懸念されております。


 10月にジュネーブで開かれた世界保健機関・WHOの講演の中で、李事務局長は、新型インフルエンザの大流行が起きると断言し、その発生源は鳥インフルエンザの大発生が続く東南アジアのどこかになるとの見解を示しました。また、世界各国が感染抑制プランを策定し、大流行発生に迅速に対応できる態勢を整えることが必要で、有効なワクチンを短期間に大量生産できる方策を検討すべきだと訴えました。


 今回、仮に新型インフルエンザが大流行したと想定し、アメリカ等における大規模流行対策の基礎として採用されている算定方式を用いて患者数を試算してみますと、日本国内で医療機関を受診する患者は最大で約2,500万人、入院患者は最大で約53万人、死亡者は最大で約17万人と驚くべき数字が算定されております。


 20世紀においては、1918年に大流行したスペインインフルエンザが最大で、世界じゅうで約4,000万人が死亡したと推定されており、我が国でも約39万人が死亡しています。また、1957年にはアジアインフルエンザ、1968年には香港インフルエンザがそれぞれ大流行し、経済活動や社会機能に多大な混乱を引き起こしております。周期的に発生を繰り返してきた新型インフルエンザの過去の歴史を見れば、この冬、新たなインフルエンザが発生する可能性は、高病原性鳥インフルエンザとの関連性を考えると極めて高いと言わざるを得ないのであります。


 国においては、新型インフルエンザに対する対策を講じつつありますが、県においても、危機管理の面からも独自でしっかりとした具体的な対応方針を早急に策定すべきであると考えます。


 そこで、お伺いします。


 新型インフルエンザが発生した場合の医療体制の整備状況、また、心配されている抗インフルエンザウイルス薬タミフルの確保等についての現状について、お聞かせください。


 次に、観光客誘致に向けた取り組みについてお伺いします。


 昨年の県内の観光客数は、南予一帯で開催されたえひめ町並博2004の効果などもあり前年比3.3%増の延べ2,499万人となり、瀬戸内しまなみ海道が開通した1999年に次ぐ過去2番目の数字となったとの報告がありました。


 昨年の相次ぐ台風災害等の影響を考えると、改めて町並博の効果の大きさを実感するところであります。この町並博は、パビリオンを持たない博覧会として、住民が主体となり広域連携のもとで約6カ月間という長期間にわたり展開されたものであり、南予地域の歴史、文化のシンボルである町並を中心とした地域の魅力を十分に全国に発信できたのではないでしょうか。


 一方で、本県の観光地の顔とも言える道後温泉の入浴者数が過去最低の119万人で、その周辺の宿泊施設も減少傾向にあるとの報告がなされました。このことは、台風災害やお正月に雪が降ったことなどの諸条件が重なったとはいえ、改めて観光地のあり方を考え直さなければならないという提言ともとれるのであります。そういう点で、日本イベント大賞など数々の賞を受賞したえひめ町並博2004は、ある意味で今後の観光地のあり方に対する一つの方向性を示してくれたのではないかと思うのであります。それは、ただ単に地域の町並を紹介するというコンセプトだけではなく、観光客に対する地域の方々とのちょっとした会話や触れ合いといったものが、今回、南予独特の人情温かないやしを与える雰囲気との相乗効果を生んだのではないでしょうか。


 愛媛そして四国には、江戸時代に固定された八十八カ所の巡拝としての四国遍路の歴史文化があります。それは、言いかえるとおもてなし、お接待の文化であります。私は、今でも愛媛県民の心の底には、道行くお遍路さんに当たり前のように湯茶や食べ物を施してきたお接待の心というものが脈々と流れていると信じております。だれでも旅先で出会った人との会話や表情、言葉遣いや対応、もてなしといったものが、景色やおいしい食べ物よりもむしろ大きな印象となって残ったというような経験をお持ちだと思います。


 今、どの自治体においても財政状況が逼迫してきている中、観光の分野だけに十分な予算を組んでいくということは困難であります。しかし、今後の愛媛の観光を考えたとき、町並博が示してくれたように県民の心にある本県独特のおもてなし、お接待の心を形にしていくべきだと考えます。だれでも受付でただ切符をもらうだけより、どこからおいでたんですか、道後温泉は行かれましたか、じゃこ天もおいしいですよと気軽に声をかけてもらった方がうれしいはずです。


 県内の観光地で、このお接待の心を前面に打ち出した対応を徹底し、県外の観光客から、ああやっぱり愛媛はお遍路さんの文化、お接待の文化が根づいているんだな、ほんとに温かいところだな、ほかの観光地とは違ってみんなが声をかけてくれたと言ってもらえるようになれば、行ってみたい、もう一度訪ねたい観光地としての評価も上がると思います。今まで以上に、進んでお接待の心で、愛媛には愛があるという気持ちで声をかけていく、このことは1円もお金をかけずに愛媛をPRする一つの方法だと考えます。


 そこで、お伺いします。


 観光客誘致に向けて、愛媛独特のおもてなし、お接待の心を持った接遇向上対策に取り組んでほしいと思いますが、その取り組み状況はどうか、お伺いいたします。


 次に、ゆとり教育と生きる力についてお伺いします。


 ゆとり教育と生きる力を内容とする新学習指導要領が平成14年度にスタートして3年以上が経過いたしました。これは、過去の詰め込み教育への反省に基づき、教える内容を絞ってどの子にも基礎学力を身につけさせる、知識だけを重んずることを改めて、生きる力、考える力や自発的に学ぶ態度を身につけさせる、個性を重視するという観点に立ったものであり、激変する時代の中を生き抜いていくためには、そうした生きた学力こそが必要との考えからであります。


 しかし、保護者からは、授業時間が減ることなどから学力低下への懸念が指摘されておりました。


 そうした中、昨年暮れに公表された2つの国際調査すなわちOECDの生徒の学習到達度調査とIEAの国際数学・理科教育動向調査では、読解力や応用力の低下が指摘され、教科への興味や自宅での勉強時間など、学ぶ意欲を示す数字も先進国の平均を大きく下回っていることが明らかになりました。


 また、ことし2月に読売新聞に掲載された全国世論調査では、子供の学力低下について、「どちらかといえば」を含めて「不安に感じる」という方が81%にも上っており、まさに3年前の懸念が現実のものとなり、今後さらに日本の子供の学力が低下しないか不安を感じているところであります。


 こうした状況を受け、文部科学省でも、ゆとり教育を見直し、新学習指導要領の全体的な見直しを表明したところであります。


 一方で、さきに述べました国際調査で1位になっているフィンランドでは、中学の授業時間は調査国中最少であったとの新聞報道もあり、単に授業時間の減少が学力低下に結びついたという考え方は短絡的であるかもしれません。フィンランドでは、総合学習や読書活動を国家的プロジェクトとして推進しており、その工夫された授業内容や指導方法がうまく機能していることが伺えます。


 また、アメリカでは、小学生までは比較的勉強は楽ですが、新聞をもとにした討論会やプレゼンの場を多く設け、主体的に意見を出し合ったりする実践や訓練の場を通して、勉強自体を楽しんだり意欲的に取り組む動機づけをしてあげる工夫をしており、みずからの進むべき道を見きわめることに効果を発揮していると聞きます。


 私は、世界の国々において、その人種や言語、歴史や宗教がそれぞれ違うように教育のあり方についても違いがあって当然だと思います。しかし、成功している国のよい点はぜひ見習うべきであり、そのことをどう日本独自のスタイルにしていくかということこそが重要であると考えます。また、そのことは、本県としてもどう独自の教育スタイルを模索していくのかということにもつながってくると思うのであります。


 そこで、お伺いします。


 愛媛県内の子供たちの学力の現状はどうなっているのか。また、3年以上を経過したゆとり教育と生きる力についてどう総括し、今後、真の生きる力をはぐくむための教育にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いしたいのであります。


 次に、国際理解教育についてお伺いします。


 急速に進む国際化の中で真の生きる力をはぐくむためには、子供たちが日本人としての自覚を持ち、主体的に生きていく上で必要な資質や能力を育成することが大切です。また、我が国の歴史や文化、伝統などに対する理解を深め、これらを愛する心を育成するとともに、広い視野を持って異文化を理解し、異なる習慣や文化を持った人々とともに生きていくための資質や能力の育成も重要となっています。


 こうした観点から、国際理解教育については、現在、各学校において社会科などの各教科、道徳、特別活動の時間を通じて指導が行われるとともに、新学習指導要領の実施に伴い新設された総合的な学習の時間においても取り組まれています。子供たちにとって、世界の子供の6人に1人が小学校に行けないこと、15歳以上の7人に1人が読み書きができないことなどを知ることは非常に大切なことであります。


 そうした中、今まさに、教育の現場において国際貢献活動の経験を有する教員の重要性が高まってきております。私も育てる会で支援活動のお手伝いをさせていただいております青年海外協力隊におきましても、文部科学省の方針により、平成13年度から現職教員特別参加制度が創設され、開発途上国においてさまざまな教育支援を行っております。帰国後、自身が身につけたコミュニケーション、異文化理解の能力等を教育現場に還元することによって、将来の国際協力のための人材のすそ野を広げるのみならず、我が国の教育の質を高めることにもつながり、高い評価を得ております。


 県内においても、既に海外での活動経験を生かし教育現場で生きた国際理解教育を実践している先生がおり、その先生の授業のときは、特に子供たちの目が輝いているという話を聞くにつけ、もっとそういう先生がふえればなと思うのであります。


 京都市の教育委員会においては、青年海外協力隊OBが教員に採用され評価が高いこと、また、協力隊に現職参加した教員の評価が高いことから、国際貢献活動の経験を有する方への特別選考を行い、38名の受験者のうち7名が合格となったようであります。


 しかし、大学を卒業後、青年海外協力隊員として2年間、開発途上国で活動し、その経験を生かすために帰国後、一般の教員採用試験を受験した場合、勉強時間やブランクのハンディがあり、そのハードルは非常に高いのが現状であります。本県において、京都市のような特別選考ということは、教員数の現状を考えたとき非常に難しいかもしれませんが、文部科学省においても、国際貢献の活動経験を有する者の採用について前向きな方向を示していることを考えると、本県においても早急に検討していかなければならない課題だと考えます。


 そこで、お伺いします。


 現在、県内で取り組まれている国際理解教育の現状はどうなっているのか。また、教員採用試験に際し、国際貢献活動の経験を有している者に対する考え方はどうか、お伺いします。


 最後に、県立中央病院についてお伺いします。


 まず、PETについてであります。


 陽電子放射断層撮影装置いわゆるPETは、がんの早期発見が可能であることからがん検診の切り札として注目され、全国各地にPET施設が設立されております。このような中、県立中央病院においても、待望のPET−CT施設の整備が進められており、来年4月にはPET検査が受けられるようになりますが、このことは県民にとって極めて有益なことと大いに期待しております。


 さて、本県の人口動態調査によれば、平成15年度中の本県における死亡者1万4,715人のうち、がんによるものが4,081人、全体の27.7%を占め死亡原因のトップであります。また、第2位の心疾患、第3位の脳血管疾患は、合わせて4,460人であり実に30.3%を占めております。


 PETは、これらの疾患に対しても従来の検査機器では不可能であった早期診断が可能であるものの、比較的新しい分野であるため、症例をふやし検査の精度を高めるためさらに研究を進める必要があると伺っております。既に中央病院は、心疾患や脳血管疾患などの分野においても四国でトップレベルの治療技術を有しており、PET−CT検査がこれらの治療技術と結びつけば他の医療機関にはない極めて質の高い医療が県民に提供できるものと確信しております。


 そこで、お伺いいたします。


 中央病院に整備中のPET−CT施設において、がんと並んで多くの県民が亡くなる原因となっている心疾患や脳血管疾患などに対する臨床研究も行う考えはないか、お聞かせいただきたいのであります。


 次に、県立中央病院の建てかえについてお伺いします。


 県立中央病院は、整備中のPET−CT施設のほか、救命救急センター、総合周産期母子医療センターを併設する県下最大規模の病院であり、高度・特殊医療や先駆的医療にも取り組み、県下の基幹病院としてその機能を果たしております。


 しかしながら、昭和49年に建築した本院は、既に築後31年を経過し、施設の老朽化に加え、その後の診療機能の拡大等から機能的にも限界に達しており、これまで議会においても整備についての議論がされてまいりました。


 このような中、県では、平成15年度に中央病院建てかえ基本構想を、昨年度はその構想を具体化した基本計画を策定し、引き続いて今年度はPFI手法による整備運営の検討を行うなど、整備に向けて着実に検討を進められていることを大変心強く思っているところであります。特に、民間の資金とノウハウを活用するPFI手法は、サービスの質の確保と経費削減が両立できると言われておりますが、その導入可能性調査につきましては、本県としても初の試みであり私も大いに関心を持っております。


 また、病院事業などの公営企業会計においては、本来、行政が負担すべき経費は一般会計が繰り入れを行い、あとは公営企業が経済性を発揮して独立採算で運営するのが基本原則ですが、中央病院の建てかえになると、その整備、運営にかかわる事業費も相当規模となり、一般会計の負担がこれまで以上に必要になるのではないかと危惧するところでもあります。


 先日発表された財政構造改革基本方針案でも示されたとおり、県の財政状況が非常に厳しいことは十分承知しておりますが、中央病院につきましては、県民の命を守る最後のとりでとして、その機能を一日でも早く確保するとともに、さらなる機能の充実を図り、県民への高度で良質な医療の提供を可能とするため、ぜひとも早期に建てかえを実現していただきたいと考えております。


 そこで、お伺いいたします。


 今回実施したPFI導入可能性調査の結果はどうであったのか。また、中央病院を建てかえるとした場合、一般会計に及ぼす影響はどうか、お聞かせいただきたいのであります。


 最後に、議員、理事者の皆様方には、どうぞ新年輝かしいお年をお迎えになられますようお祈りをいたしまして、質問を終わらせていただきます。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 戒能議員の質問に答弁いたします。


 新たな行政改革大綱で目標としている協働とはどのような考えなのか。また、そのコンセプトを踏まえてどのような仕組みづくりを考えているのかとのお尋ねでございました。


 本大綱の目指すべき姿として掲げております県民との協働自治とは、地域を構成するさまざまな主体が、自己決定、自己責任の原則のもとそれぞれの役割を果たしていくとともに、お互いを理解、尊重し合い、相互に持てる知恵や力を出し合って、誇れる愛媛づくりという県民共通の目的を実現していく新たな自治の姿であり、私が提唱しております愛と心のネットワークの理念を県の行政改革の推進において生かしていくものと考えております。


 この協働自治の実現に当たりましては、一人一人の県民を初め、NPOや企業、市町など地域を構成する多様な主体と県が、対等なパートナーとしてさまざまな施策やサービス提供等の企画・立案、実施、評価・改善のすべての過程において協働することが必要と考えております。


 具体的には、県の果たすべき役割やあり方を見直した上で、企画・立案の段階では、例えば、えひめ夢提案制度の推進、実施の段階では、民間活力の積極的な活用、NPO・ボランティア等県民との協働事業の推進、評価・改善の段階では、行政評価への外部評価の導入などにより、県民、NPO、企業、市町等との協働による新たな県政運営の仕組みを構築する必要があると考えております。


 次に、産業の高付加価値化、高度化と競争力のある新事業を創出、育成するために、県内中小企業に対する技術開発の支援にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 県では、意欲的に新製品の開発や新規事業分野への展開を目指す中小企業を集中的に支援して、製品開発や技術改善等に対する研究開発経費の助成、産学官が連携した共同研究や企業の開発ニーズを踏まえた試験研究の実施、成果の移転、工業系試験研究機関による技術支援や技術者の養成など、研究開発から人材の養成までの各段階に応じた支援策を積極的に推進しているところでございます。


 成果につきましては、研究開発の助成といたしましては、新事業創出の目玉であるアクティブ・ベンチャー支援事業で助成した金属熱処理会社が、環境に優しい熱処理炉を開発し、今後の事業拡大が大いに期待されているのを初め、支援を行った7割以上の企業で商品化、事業化が実現しておりますなど、徐々に実績を上げていると認識しております。


 また、工業技術センターなどの工業系試験研究機関の支援実績につきましては、企業からの技術相談や依頼試験、機器利用などが年間3万4,000件を超えて年々増加傾向にございまして、頼れる技術支援機関として新たな技術開発や生産の高度化に取り組もうとする中小企業から高い評価を得ているところでございます。


 県としては、今後とも、地域経済の活性化及び雇用の確保に直結するこれらの施策を総合的かつ効果的に推進して、県内中小企業の技術開発支援に努め、愛媛の元気創造を実現してまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(和氣政次公営企業管理者) 議長


○(森高康行議長) 和氣公営企業管理者


   〔和氣政次公営企業管理者登壇〕


○(和氣政次公営企業管理者) 戒能議員にお答えいたします。


 県立中央病院について3点の御質問がございました。


 まず、整備中のPET−CT施設において、心疾患や脳血管疾患等に対する臨床研究を行う考えはないかとのお尋ねでございます。


 現在、県立中央病院に整備を進めております愛媛PET−CTセンターでは、がんの早期発見に有効なFDG検査のほか、脳血管疾患の早期診断に有効な酸素ガス検査や冠動脈硬化症など心疾患の早期診断が可能なアンモニア検査、さらには脳腫瘍の検出に高い効果を発揮し、ガンマナイフ治療との一体的な運用が期待できるメチオニン検査にも対応可能となっております。


 しかしながら、FDG以外の検査につきましては、戒能議員お話にもございましたように、いずれも新しい分野でございまして、検査の精度を高めるためには、最新の情報や研究ノウハウを有する愛媛大学医学部との連携、協力により臨床研究を重ねる必要があると考えております。


 このため、現在、愛媛大学医学部、県立中央病院、そして県公営企業管理局の関係者で構成します愛媛PET−CTセンター運営協議会を設置いたしまして運用方法等を検討しているところでございまして、臨床研究にも十分活用できる施設として運用してまいりたいと考えております。


 次に、県立中央病院の建てかえについて、今回実施したPFI導入可能性調査の結果はどうかとのお尋ねでございました。


 県立中央病院の建てかえに当たりましては、多額な費用が必要となりますことから、従来の直営による手法に加えまして、PFI手法の導入可能性調査を本年4月から専門業者に委託して実施してきたところでございます。


 その調査結果によりますと、PFI手法で事業を実施した場合には、設計、施工、運営管理を一括して性能発注することにより工期の短縮化が可能となるとともに、長期間にわたる病院運営を考慮した施設計画がなされるため運営の効率向上が期待できることや、長期包括契約により事業者にノウハウが蓄積され、結果として、より効果的、効率的な業務の実施が可能となることなど、民間の創意工夫により、施設の建設及び運営管理において、質の確保とコスト削減の両立が可能であるとして、PFI手法を導入することが適切である旨の報告がなされたため、現在、報告の内容を検証するとともに、関係部局との調整を行っているところでございます。


 最後に、建てかえを行う場合、一般会計に及ぼす影響はどうかとのお尋ねでございました。


 病院事業におきましては、総務省の繰り出し基準等に基づきまして、不採算部門である救命救急センターの運営費や企業債の元利償還などに対して一般会計からの繰り出しを受けております。


 中央病院の建てかえをPFI手法で実施する場合には、事業者の選定作業等に2年程度を要し、事業着手は3年目からとなりますので、建てかえに係る一般会計の負担は、工事費等の財源として借り入れる企業債の利息支払いが発生する4年目から始まることとなりますが、元金償還は5年据え置きとなっておりますので、8年目までは比較的少額であり、直ちに一般会計に影響を及ぼすものではないと考えております。


 また、PFI手法の採用によりまして、初期投資に係るコスト削減が図られますとともに、過去に建設した他の県立病院の企業債の償還が順次終わりますことから、県立病院全体では、現在の一般会計負担金の範囲内での対応が可能と考えております。


 以上でございます。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(森高康行議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 戒能議員にお答えをいたします。


 新型インフルエンザが発生した場合の医療体制の整備状況や抗インフルエンザウイルス薬の確保等について現状はどうかとのお尋ねでございました。


 先日村上議員にもお答えしたとおり、新型インフルエンザ発生時の医療体制や薬の備蓄につきましては、現在、国の行動計画を踏まえ検討中でありまして、年内に愛媛県感染症対策推進協議会に諮った上で、本県の実情に応じた県の行動計画としてお示ししたいと考えております。


 お話の医療体制については、現時点では、大規模流行期までの間は、感染症指定医療機関、結核病床保有医療機関、公的病院等に対し協力を依頼することになりますが、大規模流行期にはすべての医療機関での対応が必要になると考えております。


 また、抗インフルエンザウイルス薬タミフルの備蓄につきましては、全国衛生部長会を通じ、国家レベルの危機管理対策として行われるべきもので、国の責任において行うことなどを国に強く申し入れているところでありまして、国が示す備蓄の方法や流通のルールを踏まえ、県としての必要量の確保に努めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎経済労働部長) 議長


○(森高康行議長) 高浜経済労働部長


   〔高浜壮一郎経済労働部長登壇〕


○(高浜壮一郎経済労働部長) 戒能議員にお答えします。


 観光客誘致に向けて、愛媛独特のおもてなし、お接待の心を持った接遇向上対策に取り組んでほしいが、その取り組み状況はどうかとのお尋ねでした。


 お話のとおり、観光の重要な基本の一つは、ホスピタリティ、おもてなしの心であり、地元の人々から向けられる好意と誠意によって観光の満足感が生まれ、これが、再びその地を訪れようという気持ちがわく源になると思います。


 その意味で、四国遍路のお接待に代表されます温かいおもてなしの心や豊かな人情は、まさに本県の最大の観光資源であり、県民すべてが大切に守り育てていかなければならないものであると考えております。


 昨年の町並博におきましても観光まちづくりを住民活動を主体として推進をする中で、地域住民一人一人におもてなしの心が醸成され、これが来訪者の満足につながったことが成功の要因の一つではなかったかと感じてもおります。


 近年ますます人々は旅に体験やいやし、触れ合いを求めておりますことから、観光従事者、これは旅館、ホテルの従業員や観光ボランティアやタクシー関係者、こういった方の一層の意識啓発に取り組むことはもちろんのことでありますが、さらに住民参加型の観光まちづくりを一層推し進めることによりまして、地域住民を挙げて観光客を温かく迎える機運を盛り上げ、県民総参加のおもてなしの風土を形成してまいりたいと思っております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(森高康行議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 戒能議員にお答えをさしていただきます。


 県内の子供たちの学力の現状はどうか。また、ゆとり教育と生きる力についてどう総括し、真の生きる力をはぐくむための教育にどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございました。


 昨年度行いました学習状況調査によりますと、本県の小中学生、各教科の多くの観点で平均通過率が60から70%を超えてはいるものの、全国調査との比較におきましては、国語や社会などで全国平均を下回っているものが多く、特に、国語の読む力に課題が見られることが明らかになっております。


 ゆとり教育のねらいは、時間的、精神的なゆとりの中で生きる力をはぐくむことでございまして、そのためには特に、義務教育段階では、子供たちの学習意欲を高め、みずから学びみずから考える力をはぐくむ上での基礎基本を学力としてしっかり教えることが重要でございますけれども、現状では、ゆとりが強調される余り基礎基本の徹底が不十分になっているのではないかと懸念をいたしております。


 国におきましては、中央教育審議会におきまして、フィンランドなど外国の教育やお話の2つの国際的調査も踏まえまして、このほど我が国の新しい時代の義務教育のあり方を示しておりまして、その中で学習指導要領につきましても見直しといたしまして、各教科の到達目標の明確化、総合的な学習の時間の改善、豊かな心と健やかな体の育成、体験活動の推進などを盛り込みますとともに、全国的な学力調査も行う方向が示されておりまして、来年度以降、具体的な施策といたしまして順次推進されることとなっております。


 県といたしましても、この方向や国の新たな取り組みに沿いながら、教職員の資質能力の向上や学力の定着向上などの面で、本県独自の工夫改善を行いながら子供たちの人間力を豊かに育てる教育に取り組んでまいりたいと思っております。


 次に、県内での国際理解教育の現状はどうかというお尋ねでございます。


 現在、本県の公立学校には、青年海外協力隊の経験者が11名在職しておりまして、みずからの国際貢献活動の経験を生かしまして、児童生徒に外国の暮らしや文化、相互理解の大切さなどにつきまして効果的な指導に当たっております。


 また、このほかにも、海外に研修派遣された教員がここ10年間で約550名、日本人学校や現地校などに派遣された教員が約100名、県教育委員会が行っております国際理解教育研修講座を受講いたしました教員が300名程度いるなど、国際的視野を持った教員が多く在職をしておりまして、学校活動のさまざまな場面で積極的に国際理解教育を進めているところでございます。


 この国際理解教育の具体的な例といたしましては、教科としての授業以外に、学校に外国人を招き勉強やレクリエーションを通して互いの文化や風習などを学ぶ活動や外国人留学生を活用いたしましたホームルーム活動や学校行事、夏休み中の児童生徒の海外派遣、空飛ぶ車いすや各種募金などを行う国際ボランティア活動、リーダー研修会や研究発表などを行う高等学校の国際教育研究協議会の開催などが挙げられます。


 今後とも、国際的視野とすぐれた指導力を有する教員の養成と指導内容の改善に努めますとともに、海外への修学旅行や、特に中国の小中高等学校との交流、これはちなみに来年1月から3月までの3カ月間で中国から7団体380人余りの教員と生徒が愛媛県を訪れまして学校との交流を進めることになっておりますけれども、こういった交流にも力を入れまして、豊かな国際感覚を身につけた児童生徒の育成を進めてまいりたいと思っております。


 次に、教員採用試験に際しまして、国際貢献活動経験者に対する考え方はどうかというお尋ねでございます。


 先ほどもお答えいたしましたとおり、国際貢献活動の経験者が教員となりまして児童生徒に実際の海外体験をもとにした教育を行うことは大いに歓迎すべきことだと考えております。


 青年海外協力隊には、現在も本県から現職3名の教員を派遣いたしております。また、お話のございました採用試験におきましても、青年海外協力隊経験者、OBは、1名ずつではございますけれどもここ3年連続して採用をすることができております。


 このような国際貢献活動経験者に限定をした特別選考というものを行うことは、100名にも満たない80名程度の教員採用規模からいたしますと余力はないわけでございますけれども、選考に当たりましては、自己アピール欄や面接を重視した評価や採用を進めておりますので、海外での活動を大いにアピールして積極的に挑戦してほしいと期待をいたしております。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 以上で質疑を終局いたします。


    ――――――――――――――――


○(森高康行議長) お諮りいたします。


 定第161号議案平成16年度愛媛県歳入歳出決算の認定については、議長指名による11名の委員で構成する決算特別委員会を設置し、これに付託して閉会中も継続審査させることに異議ありませんか。


   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○(森高康行議長) 異議ないものと認め、そのとおり決定いたします。


 それでは、決算特別委員会の委員をお手元に配付の委員名簿のとおり選任することに異議ありませんか。


   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○(森高康行議長) 異議ないものと認め、そのとおり決定いたします。


 決算特別委員会は、閉会中も継続して審査の上、次の議会で、委員長からその経過と結果を報告願うことにいたします。


 次に、ただいま決算特別委員会に付託いたしました定第161議案を除く他の議案は、お手元に配付の委員会付託議案一覧表のとおり、また、請願につきましては、お手元に配付の文書表のとおり、各委員会に付託いたします。


 各常任委員会は、明8日及び9日の2日間に付託議案及び請願について審査の上、13日の本会議で各委員長から、その経過と結果を報告願うことにいたします。


    ――――――――――――――――


○(森高康行議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。


 明8日及び9日は、委員会が開かれますので、本会議はありません。


 10日及び11日は、休日のため、12日は、議案調査のため、休会いたします。


 13日は、本会議を開きます。


 日程は、全議案及び請願の審議であります。


 本日は、これをもって散会いたします。


     午後1時55分 散会