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平成17年第294回定例会(第3号 9月21日)




平成17年第294回定例会(第3号 9月21日)





平成17年9月21日(水曜日)


 
〇出席議員 50名


  1番 楠 橋 康 弘


  2番 豊 島 美 知


  3番 大 沢 五 夫


  4番 豊 田 康 志


  5番 笹 岡 博 之


  6番 鈴 木 俊 広


  7番 徳 永 繁 樹


  8番 高 山 康 人


  9番 泉   圭 一


  10番 欠     番


  11番 欠     番


  12番 阿 部 悦 子


  13番 今 井 久 代


  14番 佐々木   泉


  15番 渡 部   浩


  16番 住 田 省 三


  17番 菅   良 二


  18番 白 石   徹


  19番 戒 能 潤之介


  20番 赤 松 泰 伸


  21番 本 宮   勇


  22番 欠     番


  23番 井 上 和 久


  24番 栗 林 新 吾


  25番 村 上   要


  26番 高 橋 克 麿


  27番 河 野 忠 康


  28番 黒 川 洋 介


  29番 明 比 昭 治


  30番 猪 野 武 典


  31番 田 中 多佳子


  32番 竹 田 祥 一


  33番 森 高 康 行


  34番 成 見 憲 治


  35番 藤 田 光 男


  36番 笹 田 徳三郎


  37番 薬師寺 信 義


  38番 帽 子 敏 信


  39番 岡 田 志 朗


  40番 西 原 進 平


  41番 寺 井   修


  42番 仲 田 中 一


  43番 清 家 俊 蔵


  44番 横 田 弘 之


  45番 土 居 一 豊


  46番 欠     番


  47番 欠     番


  48番 柳 澤 正 三


  49番 中 畑 保 一


  50番 篠 原   実


  51番 高 門 清 彦


  52番 山 本 敏 孝


  53番 谷 本 永 年


  54番 玉 井 実 雄


  55番 池 田 忠 幸


  ――――――――――


〇欠席議員 なし


  ――――――――――


〇欠  員 なし


  ――――――――――


〇出席理事者


  知事         加 戸 守 行


  副知事        吉野内 直 光


  出納長        永 野 英 詞


  公営企業管理者    和 氣 政 次


  総務部長       讀谷山 洋 司


  企画情報部長     夏 井 幹 夫


  県民環境部長     石 川 勝 行


  保健福祉部長     藤 岡   澄


  経済労働部長     高 浜 壮一郎


  農林水産部長     喜 安   晃


  土木部長       大 内 忠 臣


  公営企業管理局長   相 原 博 昭


  教育委員会委員    和 田 和 子


  教育委員会委員教育長 野 本 俊 二


  人事委員会委員長   稲 瀬 道 和


  公安委員会委員長   吉 村 典 子


  警察本部長      粟 野 友 介


  監査委員       壺 内 紘 光


  監査事務局長     河 野 恒 樹


  ――――――――――


〇出席事務局職員


  事務局長          丹生谷 光 嘉


  事務局次長総務課長事務取扱 北 川 一 ?


  参事議事調査課長      菅   宜 登


  参事政務調査室長      篠 崎 泰 男


  副参事総務課長補佐     川 口 和 男


  副参事議事調査課長補佐   玉 井 省 三


  ――――――――――


〇本日の会議に付した事件


  定第124号議案ないし定第148号議案


    ――――――――――――――――


     午前10時30分 開議


○(森高康行議長) ただいまから、本日の会議を開きます。


 本日の会議録署名者に帽子敏信議員、藤田光男議員を指名いたします。


    ――――――――――――――――


○(森高康行議長) これから、定第124号議案平成17年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第148号議案を一括議題とし、質疑を行います。


○(村上要議員) 議長


○(森高康行議長) 村上要議員


   〔村上要議員登壇〕


○(村上要議員)(拍手)さきに行われました衆議院選挙、自民党の圧倒的勝利となりました。国民の審判を尊重しなければなりませんが、果たしてこれでいいのだろうかという不安も感じているのであります。


 御存じのように衆議院の選挙は、小選挙区比例代表並立制になって4回目の選挙ですが、この制度の特徴が顕著にあらわれた結果だったと言えましょう。マスコミも、1.3倍の得票で2.6倍の議席、また、選挙区において得票率47.8%でありながら議席数では73%を確保、比例区を合わせて296議席を獲得と報じています。


 この制度に対し、政権交代につながりやすいと評価する声もありますが、与野党を問わず小選挙区制には問題が多いとの声もありました。2大政党どころか党の分裂、新党結成という現状なども踏まえれば、死票を多く生み出す選挙制度は改めるべきと考えるのであります。


 また、今回の衆議院選挙において小泉首相は、郵政民営化が最大の争点である、賛成か反対かを国民に問いたいと1点に絞った選挙戦を展開されたことも、今回の選挙結果の一因だと考えます。


 選挙が終わった今、この議場で論議を戦わそうということではありませんが、余りにも感情的で一面的、国民をあざむく論法について見過ごしてはならないとの思いを強く抱いたのであります。


 選挙のきっかけとなった郵政民営化問題については、さきの国会でも相当な時間を割き、各般にわたって論議が交わされてきましたが、最後まで議論はかみ合わずじまいでした。選挙戦に入っても、小泉首相の郵政民営化が改革の本丸だ、郵政民営化で小さな政府をつくるとの聞きなれのよい言葉だけが踊っていたように思われます。


 小泉首相は演説の中で、警察官を全国合わせても25万人、郵政ではそれ以上の26万人プラス非常勤公務員を合わせると約38万人、これ以上公務員を減らす改革はないでしょうと訴えられています。


 政治は学問と異なりますから、それぞれの政策や思いを短くわかりやすい言葉で語りかけることが必要でしょう。しかし、だからといって論議をすりかえるような論法は許されません。郵政公社で働く職員の皆さんの身分は公務員でありますが、職員の皆さんの給料を初め郵政事業に対しては、1円の税金も投入されていないのであります。公務員という名の人員は削減されるでしょうが、これで本当に小さな政府につながるのでしょうか。特別国会においては、正しく国民に理解されるもっと丁寧な議論を展開してもらいたいと願うものであります。


 そこで、お尋ねします。


 知事は、今回の衆議院選挙結果をどのように受けとめておられるのでしょうか。また、小選挙区比例代表並立制の現行選挙制度についてどのような考えを持たれているのでしょうか、御所見をお聞かせ願いたいのであります。


 続いては、市町村合併と郵便局の活用についてであります。


 市町村合併が進んだ本県において、合併後、行政内部、住民を問わずさまざまな思いが伝わってきます。また、先日のマスコミの世論調査によりましても、合併してよかった、悪かったが、それぞれ2割と拮抗していますが、県都以外は合併に不満を持つ人の方が多くなっています。多岐多様にわたる合併協議を重ねても、難問を合併後にゆだねる事例があり、その難問の具体的検討は、合併後の首長選挙を経てからとなるために、選挙公約との調整も必要になるなど、合併までよりむしろ合併後に課題があるように感じられます。


 県では、合併協議の促進に向け各種の支援策を講じてこられましたが、合併後においても何らかの指導、支援が必要ではないかと考えるのであります。知事は、現状をどのように認識され、どのような支援が必要と考えておられるのか、お尋ねしたいのであります。


 また、合併後の事務方式のあり方として、分庁方式、総合支所方式などと対応は県下同一ではありませんが、住民サービスの低下を招かないことが肝心で、そのための取り組みが必要であります。県下新自治体の現状及び課題についてどのように判断されているのでしょうか、お尋ねをいたします。


 ところで先ほどの郵政民営化と関連しますが、市町村合併における地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律の活用についてお尋ねします。


 この法律は、2001年3月に提案され会期終了により閉会中審査扱いになっていましたが、その年の秋、小泉首相が郵政事業の民営化を推し進めると所信表明演説をした第153国会において可決成立し、同年12月1日に施行されています。


 当時の片山総務大臣は、この法の趣旨について、我々の推進している市町村合併が進めば住民から役場の距離が遠くなる。そこで、郵便局でワンストップサービスを行い、住民票の写しや証明書がもらえるようにすると述べています。すなわちこの法律は、自治体と日本郵政公社との協議により、議会の議決に基づく規約を定めることによって、戸籍の謄本、抄本、納税証明書、印鑑登録証明書などの自治体の事務を郵便局において取り扱うことができるようにするものであります。


 このように郵便局を活用することで合併のデメリットを補えるのでありますが、県下市町の郵便局活用に関する取り組みの現状及び今後の推進策などについて、所見を伺いたいのであります。


 次に、教科書採択に関連してお尋ねします。


 教科書採択、特に、中学校歴史、公民の教科書採択に当たって国内外においてさまざまな意見が出され運動が展開されています。


 愛媛県においては、平成13年の夏、県立聾学校と養護学校につくる会主導の扶桑社版中学校歴史教科書を採択したことをめぐって物議を醸したことは記憶に新しいところであります。またその際に、事前に知事が教育長に扶桑社版の優位性についての感想を述べ、知事みずから、影響はゼロではなかったと想像すると記者会見などで述べられてもいます。


 これに対し同年9月議会において、我が党の笹田議員から、政治、行政その他の権力の不当な支配や介入を排除している教育基本法10条の精神に照らして、感想とはいえ、いささか問題があるのではないかと指摘、知事は、教育委員会の権限に属する、特に教育内容に関連する問題につきましては、教育長に感想を申し上げるようなことは慎重にしたいと答弁されています。


 ところが先日、9月定例記者会見での知事発言がマスコミで報道され、再び関心を呼んでいます。早速、県ホームページを検索してみました。教科書採択は、各教育委員会が、法に基づきみずからの権限と責任において行うべきものと認識しており、個々の採択結果についてコメントする立場にはないと述べ、慎重さを示してはいますが、私なりにまとめてみますと、報道でしか承知していないが、教員アンケートは好ましい方向ではない。仮にアンケートするとなれば方法を考えるべきと疑問を呈し、一方で、教育委員は、まさに問題となる教科書をすべての種類について、2カ月以上、眺め、読み、分析し、考え、判断するだけの材料を持っている。採択の権限と責任は教育委員会にあり、みずからが判断するという責任を放てきしたことにはならないのか、進める採択のあり方として疑問を持っているとなります。


 率直な感想と意見を申し上げますと、まずは、報道でしか承知していない段階で、そこまで発言しなくても、もう少し慎重であってほしいと思うのであります。また、アンケートのあり方について、知事の仮定の話については理解はしますが、一体どういう保護者なんですかと言い、一方で、教育委員は云々と述べられています。置かれている立場と任務について異なることはごく当たり前のことであります。


 教育委員の皆さんは、確かに見識のある方であり、問題となっている教科書はもちろん、市町教育委員会では、義務教育課程の他のすべての教科書、県教育委員会では、中学及び高校のすべての教科書に目を通されてはいるでしょうが、失礼ながら、知事が言われるとおりだろうかと率直な疑問を抱きます。


 今回の知事発言は、県内市町教育委員会の採択方法、権能及びあり方にまで言及されており、さきに紹介した教育委員会の権限に属する、特に教育内容に関連する問題については慎重にしたいとする態度と異なり、誤解を招くとともに法に抵触するのではないかと考えるものであります。


 知事発言の真意と御所見をお聞かせ願いたいのであります。


 この件に関連して、より開かれた教科書採択のあり方、委員会の公開についてお尋ねします。


 歴史教科書などの採択問題が注目される中、全国的には、委員会の会合を公開して採択する委員会、協議会が多くなり、本県においても新居浜市で公開されています。


 教科書採択に当たっては、何よりも現場教師の声が尊重されることが重要であると考えるものであり、現場教職員が十分に研究できるように、展示会へ参加、閲覧の機会を保障するとともに、保護者や県民により開かれたものにしていくこと、教科用図書選定審議会や採択地区協議会などの委員に保護者代表などを加えていくことなど、保護者などの意見がよりよく反映されるよう工夫することが求められています。


 また一方で、静ひつな環境の確保に向けた努力も求められています。国から教科書採択の改善についての通知を受け、県内においてもそれぞれに工夫、改善がなされ、特徴的なものとして委員会の公開などが挙げられると考えます。同様に県教育委員会に対しても公開を求める声がありますが、静ひつな環境を確保するためにとの理由から公開されていません。開かれた県政、開かれた採択の視点に立ち、工夫すれば環境は整うのではないかと考え、県民の期待に沿った対応を求めたいのであります。


 今年度における県下の教科書採択のあり方などに対する所感を含め、教育長の御所見をお聞かせ願いたいのであります。


 次に、財政問題についてお尋ねします。


 小泉政権により、分権、自治の基盤であり福祉の基盤である地方財政は、ますます深刻な危機に直面しています。政府は、税源移譲、国庫補助負担金、地方交付税の三位一体の改革を進めていますが、結局、地方が割を食う負担のつけ回しに終わり、三位ばらばら改革という状況をもたらしています。


 補助金の削減内容も、公立保育所運営費負担金や義務教育費国庫負担金の一部のように、裁量の余地が少ない義務的補助金に偏っており、むしろ一般財源化を名目にした当該事務事業の質や水準の切り下げと民間への業務開放の推進が懸念され、改革のひずみが住民サービスの切り捨てや負担の転嫁の形で具現化していることが心配されます。


 本県では、今回の9月補正予算案につきましても、事実上の財政破綻のシグナルが点滅中という極めて厳しい財政状況にあることから、愛媛の元気創造のために、急ぐべき事業を厳選し当面する課題への対応に絞って編成したとのことであります。3年連続となる緊縮型の予算となっており、愛媛県においても公債費や社会保障関係経費の増加の影響もありましょうが、三位一体の改革の影響による地方交付税や臨時財政対策債などの削減が大きく出ていることを痛感しております。


 現在、18年度予算編成に向け中期財政見通しを精査中だと思いますが、歳入と歳出の収支バランスを均衡させていくためには、遊休土地の売却などの歳入対策や歳出削減を進めていくことが必要であると私も思っておりますが、一方では、県政の発展のためには、最低限の行政サービス水準の維持や各種施設整備を行うことは不可欠であると考えます。


 そこで、お伺いいたします。


 当初予算に向けた財政見通しはどうか。今後の大規模施設整備の見通しを含めてお聞かせ願いたいのであります。


 次に、県長期計画の後期実施計画策定についてお尋ねします。


 知事は、平成11年1月の就任に当たって、アメリカリンカーン大統領の演説になぞらえ、県民の県民による県民のための県政を基本姿勢として示されるとともに、県民の目線に立った県民に開かれた県政実現のため、職員の意識改革や時代おくれで融通のきかない制度、仕組みの見直しなど県政改革に取り組まれてきたところであります。


 また、政策面においても、スポーツ立県の実現を初め高度情報化元年、森林そ生元年など、先導的な政策目標を次々と掲げ、実行に移されるとともに、2期目に当たっては、愛媛の元気創造というスローガンのもと、愛媛県民が持つ温かみのある思いやりの心という貴重な財産を生かした愛と心のネットワーク構築や県版構造改革特区であるえひめ夢提案制度などの独自政策を打ち出し、多くの実績を上げているところであります。


 このような知事の県政運営に対する思いや取り組みを県民にわかる形で具体的に示したものが、就任翌年に策定した第五次愛媛県長期計画であり、計画に盛り込まれたそれぞれのプロジェクトや事業が、計画の基本理念である共に創ろう誇れる愛媛、すなわちすべての県民がよりよい愛媛をつくりたいとの共通目標のもと、持てる力を結集して新しい愛媛づくりを進めるという考えをもとにして進められてきたと思うのであります。


 さて、この長期計画も中間点となる6年目を迎えていますが、御案内のとおり、この間、本県を取り巻く環境は、少子高齢化の一層の進行と本格的な人口減少期への移行、経済不況による地場産業の低迷と雇用環境の悪化、鳥インフルエンザやBSE問題、台風による風水害などなどによる日常生活における不安要因の増大など大きく変化しています。


 このような中、本年度策定する後期実施計画においては、長期計画の基本理念に立ち返り、急激な環境変化の波にさらされている県民のニーズを改めて把握した上で、本県が目指すべき目標を明らかにするとともに、県民生活が直面し、また、将来、本県が直面するであろう課題への対応を具体的に示すことにより、県民との協働や県政への参画を進めていく必要があると考えるのであります。


 そこで、お伺いします。


 県では、後期実施計画の策定のため、本年度実施した県民アンケート調査の結果などを踏まえて、今後5年間において何が主要課題であると考え、後期実施計画において課題への対応をどのように明らかにされようとしているのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、高度情報化への取り組みについてお尋ねします。


 平成17年版の情報通信白書によると、インターネット利用人口は約8,000万人にも及び、中高齢者の利用も急速に増加するなど大部分の国民が何らかの形でインターネットを利用するようになるとともに、映像や音声など大容量のデータを使ったブロードバンドサービスが本格的に普及を始めるなど、インターネットの商用開始後10年余りで、今やなくてはならないメディアにまで成長してきました。こうした情報通信環境の激変は、手紙や郵便にかわって電子メールが、固定電話にかわって携帯電話やIP電話がというぐあいに、国民の情報収集と通信手段も大きく変化してきています。


 さきの衆議院議員選挙運動の中でも、公職選挙法でインターネットの活用が認められていないため、一部でブログの活用などが話題となりましたが、既に情報先進国のアメリカや韓国の大統領選挙では、インターネットによる政策論争などが、従来のマスメディアによる報道を超えて投票行動に大きな影響を及ぼすまでになっており、このインターネットの活用は大きな課題になると考えるのであります。


 さて、本県の高度情報化の推進につきまして、私は、これまで何度もこの県議会の場で、インターネットなどの情報化基盤の重要性と行政の役割について提言、要望してきたところでありますが、このようなインターネットの急速な広がりを見るにつけ、改めて情報通信基盤の整備について、特に、過疎地域など民間による整備が進まない地域での行政の役割の重要性を認識するとともに、急速に発展するインターネットなどの新しい情報通信手段の有効性に意を強くするものであります。


 県が2000年を情報化元年と位置づけ、これまでの6年間、第一次、第二次の高度情報化計画を策定し、情報スーパーハイウェイの整備や地域のブロードバンド環境の拡充、電子自治体の推進などに鋭意努めてこられましたことについて高く評価をしているところであります。


 今後においても、地上デジタル放送の開始とその利活用の問題、国が、これまでのe‐Japan戦略にかえて新たに推進しようとしているユビキタスネットワーク社会すなわちu‐Japan政策への対応など、高度情報化への対応はますます重要性が高まっています。非常に厳しい県財政状況は十分承知しているところではありますが、急速な発展が見込まれ、しかも行政の簡素、効率化などにも寄与するとともに、県民生活の向上に密接に関連する分野でもあるだけに、この高度情報化関連施策については、日進月歩で進化する技術に適応するため、ひとときも休むことのない対応が求められていると思うのであります。


 そこで、お伺いします。


 県では、こうした状況に対応すべく、これからの5年間を見通した新しい高度情報化計画を策定中とのことでありますが、現在までの検討状況とその基本的な方向性について、お考えをお聞かせ願いたいのであります。


 次に、防災対策について2点お尋ねします。


 1点目は、県管理河川の河床掘削についてであります。


 昨年は、我が国に過去最高の10個の台風が上陸し、全国各地で甚大な被害が発生し、本県でも新居浜市や西条市を初め県内各地で記録的な大雨が降り、死者26名、浸水家屋も1万棟を超えるという大災害となったのであります。災害は忘れたころにやってくると申しますが、本年も、我が国への台風の上陸数は平年値の2.6を上回り、既に7号、11号、14号の3つの台風が襲来し、本格的な台風シ−ズンの中にあります。これからも一体何個の台風が上陸するのかと心配の種は尽きないのであります。7月上旬の梅雨前線豪雨や今月上旬の大型台風14号による豪雨で、大洲市の肱川や新居浜市の国領川水系客谷川などにおいて再び洪水被害が発生しており、河川への土砂の流出や浸水被害など、この傷がいえぬうちに、さらに台風が襲来すれば被害の拡大も懸念されます。


 昨年の一連の台風豪雨により、河川に大量の土砂が堆積したため、県では、特に土砂堆積の著しかった東予東部の関川、国領川、中山川、大明神川の4河川については、本年度の新規事業として、土砂の採取希望者を公募し、民間企業と県が連携することにより、土砂の早期撤去と土砂の有効利用を図った治水対策協働モデル事業を立ち上げられるとともに、その他の河川でも災害復旧事業や県単事業を活用され、河床掘削が行われており、心強く思っているところであります。


 しかしながら、先ほども申し上げましたように、先日の台風14号による土砂の流出もあり、早期の河床掘削の必要性が高まっていると思っているのであります。


 私の地元であります今治市を流れる蒼社川や頓田川においても、上流域から土砂の流出が特に多かったことから河床が上昇しており、県下の他の中小河川においても、同様に河床掘削の必要な河川が見受けられます。


 そこで、お伺いします。


 治水対策協働モデル事業の対象4河川を含めた県管理河川の河床掘削の進捗状況と今後の対応方針をお聞かせ願いたいのであります。


 2点目は、海岸の堤防や護岸の整備方針についてであります。


 先日の台風14号は、先ほど申し上げました河川施設に大きな被害を与えただけではなく、海岸施設においても、佐田岬の大久東海岸では離岸堤の1個15tもある消波ブロックが飛散したり、大三島南部の出走海岸の護岸の水たたきが陥没するなど、大きな被害を与えています。地域住民の方々の安全確保のため、早急な復旧を願うものであります。


 御承知のように本県の海岸は、1,633?と全国第5位の延長を有しており、海岸近くには多くの方々が居住し、あるいは企業等が立地し、日々の生活や生産活動を営んでおります。こういった沿岸域の県民の生命や財産を高潮や高波から守っているのが堤防や護岸などの海岸保全施設であり、県民が台風の進路に一喜一憂することなく、安心して日々の活動を営んでいくためには、これらの施設整備も急務であります。


 そこで、お伺いいたします。


 海岸の堤防や護岸の整備をどのように進めていくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、私の地元であります今治市において現在進められています今治新都市整備と造船海運の振興についてお尋ねします。


 御存じのように今治市は、本年1月に、全国で2番目に多い12市町村の合併をなし遂げ、県内第2の人口を有する新今治市として出発いたしました。しかしながら、市の活力という点では、合併で参入した地域においてはこれといった産業に乏しく、新市全体でも、造船業は最近持ち直しているものの、主力地場産業であるタオルなどの繊維産業の低迷が続いています。


 旧今治市の製造品出荷額は平成3年の2,706億円をピークに減少傾向がとまらず、平成15年の出荷額は1,809億円となり最盛期の67%となっています。中でも繊維関係産業の減少は著しく、出荷額が平成15年には平成3年のピーク時の37%となっており、従業員数においても同様に減少傾向がとまらず、最近10年間、平成6から15年で7,658人から3,626人へと47%にまで減少しております。


 このように産業の疲弊が進む中、この現状を打開し、元気を取り戻す切り札として、都市再生機構、県、市が一体となって今治新都市整備が進められており、私も大いに期待を寄せるものであります。


 現在まで、新都市整備においては、市と機構により土地はほぼ取得済みであり造成工事もかなり進んでいます。県におきましても、財政状況の厳しい折ではありますが、機構の施行する土地区画整理事業はもとより、新都市整備の進捗にあわせて、関連する公共事業である県道今治丹原線、二級河川浅川水系の改良事業に、現在まで約70億円を投入するなど、今治新都市整備に取り組んでいただいておりますことを、地元選出の議員といたしましてお礼を申し上げたいと思います。


 しかしながら、先行きが不透明な今日の社会、経済情勢の中、新都市整備を取り巻く状況は、スタート時よりさらに厳しいものとなっていますが、今治市が第2の県都として輝きを取り戻すためにも、新都市整備は、あらゆる工夫を凝らし、ぜひとも成功させるべき事業と考えています。


 このため、今治市では、今治新都市整備が財政面も含めて市の今後を左右する極めて重要な事業であるとの認識のもとに、また、これまでに投じた約153億円の市費の投資をむだにしないためにも、より効果的な土地利用を目指し、今治新都市土地利用見直し市民委員会を立ち上げ、市民の意見も参考に見直しを行っているところであります。


 このような状況の中、県においては、昨年12月議会の答弁において、今治新都市整備は今治圏域の発展のため重要な事業との認識を示されるとともに、知事には、去る7月29日に新都市の現地に来ていただき、工事の進みぐあい、新都市の環境などについて見ていただいたところであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 知事が現地を視察した結果を踏まえて、今後の今治新都市の整備にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせ願いたいのであります。


 新今治市が輝きを取り戻すためには、地域発展の柱の一つである造船海運の振興も重要なかぎを握っています。


 御承知のとおり、新市は、海に密接な海洋都市であり、市内には、世界第4位、国内首位の建造量を誇る企業グループと、同6位と3位の企業グループなど、造船集積都市であるとともに、日本で唯一外航船主の集積する都市でもある造船と海運産業の両方が集積した世界最大の海事都市、今治市となりました。市においては、地元船主の保有船大型化などに対応した設備の増強を図るため、2003年に今治市造船振興計画を策定し、今回新たに全市域を対象にした新造船振興計画の策定に取り組んでいます。造船、海運業は、とりもなおさず県内の主要産業でもありますことから、県におかれましても適切な御支援を願いたいのであります。あわせて御所見をお聞かせください。


 質問の最後に、県警察本部捜査費不正支出問題についてお尋ねします。


 昨年5月に問題が発覚してから約500日、人のうわさも75日と言いますが、おさまるどころか疑惑が広がり、ますます不信が増大する残念な状況にあります。この間、警察本部は、みずからの問題はみずからの手で解決するとの決意で内部調査に取り組んでこられました。


 しかし、振り返ってみますと、内部調査では不正はなかったとしながら、特別監査によって13事案35件について不正の疑義があるとの指摘を受け、改めて調査した結果、ようやく不正があったことを認め、陳謝したのであります。そして、平成13年度の捜査費について、国費分を含めてすべてを対象とした内部調査が現在行われています。


 なお、この間、捜査費の不正支出ということにとどまらず、裏金づくりや交際費などへの流用が全国的にも問題とされてもいました。県警の裏金づくりを実名で告発した仙波巡査部長が、署長によっては捜査費を交際費に使っていたと不正流用を示唆しています。


 そこで、お伺いします。


 警察本部及び各警察署に交際費としての予算計上がどれくらいなされているのでしょうか。また、その使途について、例をお示し願いたいのであります。


 また、捜査費の執行状況について、減額となったことで支障を来していないのか、現在までの執行状況についても報告をください。


 捜査費不正支出問題の真相解明が遅くなればなるほど不信感は増幅します。警察本部の信頼回復への取り組みを県民は注目し、県民生活の安全と安心を確保し、公共の秩序維持に当たるという崇高な使命遂行に対する信頼を一日も早く取り戻すことを願っています。


 内部調査の現状はどうなっているのでしょうか。また、調査を終え、いつごろ報告がなされるのでしょうか、説明と見解を求めます。


 終わりに、愛媛FCのJ2昇格問題に関して一言申し上げます。


 J2入会予備審査をめぐる報道で話題となり、何で今ごろとの率直な感想もありますが、今チームは決勝ゴールへのラストキックの場面にあります。スポーツ立県を掲げる知事は最前列で旗を振り、サポーターとともに総立ち、ピッチの選手とスタンド、そして、テレビ観戦の県民の熱い思いが実を結ぶ瞬間を迎えています。絶好のチャンスに得点を、私ども議員団もエールを送って質問を終わります。


 ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 社会民主党を代表しての村上議員の質問に答弁させていただきます。


 まず、知事は、今回の衆議院選挙結果をどのように受けとめ、現行選挙制度についてどのような考えを持っているのかとのお尋ねでございました。


 今回の総選挙の結果は、郵政民営化の是非に争点を絞った小泉首相の劇場型の政治手法が、ムードとして国民の関心を高めたという面も強いと思いますが、帽子議員にも昨日お答えしましたように、構造改革の推進を望む多くの有権者の方々が、小泉政権の取り組みを評価し、改革のさらなる前身に期待を寄せていることのあらわれではないかと認識いたしております。


 小選挙区制度につきましては、村上議員御指摘のとおり死票が増加するという欠点もございますが、政党中心の選挙により、政策本位の議論が展開できるとともに、民意を集約しやすいとの利点もございます。また、現行制度は、比例代表制度との組み合わせにより少数意見の国政への反映にも配慮されておりますけれども、いずれにいたしましても、その評価は、国民の間や国会の中での議論にゆだねられるべきものと考えております。


 次に、市町村合併に関しまして、知事は、市町村合併の現状をどのように認識し、どのような支援が必要と考えているのかとのお尋ねでございました。


 それぞれの合併協議におきましては、地域の事情等を踏まえ、課題を合併後に先送りせざるを得なかった場合もあったものと考えておりますが、一段と厳しさを増します財政状況や少子高齢化が進展する環境下にありまして、新しい市町におきましては、課題解決にできる限り早期に取り組むことが大切だと認識いたしております。ただし、これらの課題は、自己決定、自己責任という地方分権の趣旨を踏まえ、新市町が主体的に解決すべきものでありまして、今回の合併により規模、体制が充実したというメリットを生かして、1人でも多くの住民が合併してよかったと思えるための取り組みを強力に推進していただくことが必要であると思っております。


 県といたしましては、これらの取り組みに対して必要に応じて助言を行うなど、新市町の取り組みを支援していく考えであります。


 次に、記者会見での知事発言の真意と所見はどうかとのお尋ねがございました。


 キジも鳴かずば撃たれまいとは申しますが(笑声)、先日の教科書採択に関する発言は、報道で知り得た範囲での私個人の感想を率直に述べたものでございます。


 私は、教科書の採択は、法律や制度に基づき、あくまでも採択権者である教育委員会の責任と権限において行われるべきものであると考えております。しかるに報道されておりますように、一部の教育委員会で教員へのアンケートが行われ、しかもそれは、調査委員等の専門的な調査とはまた別に、一般教員へのアンケートが行われ、その結果が教科書決定に影響があったとすれば、どの程度のウエートを持つかは別として、必ずしも適切なものではないと思っております。さらに、その結果を優先したとすれば、教育委員の責任と権限はどうなるのかなど、素朴な疑問を述べさしていただいたものであります。


 仮に教員アンケートを行っても、その対象となる教員すべてが、すべての教科書を読み比べて調査研究した上で回答したのであればまだしも、そうでないとすれば、そのアンケート結果は不十分なものでありまして、これを優先重視した教育委員会があるとすれば、みずからの責任と権限を事実上放棄したに等しいことにはなりはしないのか、今も疑問に思っております。やはり制度上、採択は教育委員みずからの判断と見識により行うべきものでありまして、例えば、アンケートで、教科書が事実上決定されるような事態は問題があると思っております。


 私自身、文部科学省の前身であります文部省に勤務いたしました中で、飛び飛び4回でございますが、通算して10年以上、教育委員会制度を担当させていただきました。その過程の中で、教育委員会の形骸化の問題であるとか、あるいは場合によっては、教育委員会の廃止論等々が出てまいりましたこと幾たびもございましたが、その都度、教育委員会の果たすべき役割を説明申し上げ、教育委員会存続の必要性を訴え続けてまいりました私自身の思いでもございます。そういった意味で、私の発言は、今回の採択結果ではなくて、教育委員会として踏むべきプロセスについての、私個人としての疑問や感想を述べたものでありまして、このことが誤解を招いたり、法に抵触するとは考えておりません。


 次に、平成18年度当初予算に向けた財政見通しはどうかとのお尋ねでございました。


 議員お話がございましたように、平成16年度当初予算編成終盤におきまして、三位一体改革に伴う地方交付税並びに臨時財政対策債の削減などが当初の予測を大きく上回る270億円にも達するダメージを受けまして、応急措置として、基金の取り崩し等による財源対策の追加により対応せざるを得なかったところでございます。


 平成17年度は、16年度に大幅に取り崩した財源対策基金が枯渇状態になりましたため、緊急避難的に知事公舎を含む大規模な県有財産の売却を進めるなどの歳入対策を講じましたが、財政破綻のシグナルが点滅している危機的状況の中で、現状のままでは、平成18年度当初予算編成はほぼ不可能に近い状況にございます。現在、中期財政見通しを精査中でございますが、予定しておりました大規模施設整備の中止、凍結、延期等々も含めまして、どういう形で県政運営を行っていくのか、かじ取りが大変難しいと認識いたしております。


 このため、財源不足解消に向け、具体的目標を設定した財政構造改革基本方針を今後策定いたしますとともに、県民ニーズに即した優先度、緊急度の高い施策に重点的に予算配分するため、行政評価と連動した新しい予算編成システムを導入することなどにより、これまで以上に思い切った歳入歳出全般にわたる改革を行わなければならないと思料いたしております。


 最後に、愛媛FCのJリーグ昇格に関する御発言がございました。ただいま鋭意条件整備のための具体案について早急な検討を急いでいるところでございます。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(森高康行議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 村上議員にお答えいたします。


 まず、県下新自治体の現状及び課題をどう判断しているのかとのお尋ねについてでございますけれども、合併後にどのような体制で事務を進めていくかということにつきましては、それぞれの合併協議において十分に議論され、住民サービスの維持に配慮した方式を採用されてきているものと考えておりますけれども、効率化の観点から見ますと、今後、改善すべき点も残されているものと認識しているところでございます。


 ただし、この改善に当たりましては、効率化と住民サービスレベルの維持、向上、これらを両立させることが重要であると考えられるところでございます。


 なお、例えば、四国中央市におきましては、当初採用されておりました総合支所方式を総合支所・分庁併用方式に変更するとともに、窓口サービスを一本化したワンストップサービスを実施したという事例がございますけれども、こうしたケースを初めとしまして、庁舎間のIT化の推進など、既に改善の取り組みを進めている市町もあるところでありまして、県としましては、今後とも情報提供や助言などを行い、市町の取り組みを支援してまいる所存でございます。


 次に、県下市町の郵便局活用に関する現状と今後の推進策などについてのお尋ねでございますけれども、県内の市町の郵便局活用につきましては、本年8月1日現在で調査したところによりますと、内子町が、日本郵政公社との協議により規約を定めまして、戸籍の謄本・抄本、納税証明書、住民票の写し、戸籍の附票の写し及び印鑑登録証明書等の交付請求の受付や引き渡しを町内3カ所の郵便局で行っているとのことでございます。


 また、松山市、今治市、宇和島市、新居浜市、砥部町及び鬼北町の4市2町では、郵便局の外務職員によりまして、廃棄物等の不法投棄に関する情報提供が行われており、また、今治市、砥部町及び鬼北町では、高齢者等への生活状況の確認もあわせて行われているとのことでございます。


 住民の利便性の向上を図る上で、関係法に基づく郵便局の活用は有効な手法の一つであると考えられますことから、各市町におきましては、組織運営の合理化などの行政改革を推進する中で、地域の郵便局と連携しながら、必要に応じて、この制度の効果的な活用がなされることを期待しているところでございます。


 以上でございます。


○(夏井幹夫企画情報部長) 議長


○(森高康行議長) 夏井企画情報部長


   〔夏井幹夫企画情報部長登壇〕


○(夏井幹夫企画情報部長) 村上議員にお答えをいたします。


 まず、県民アンケート調査などの結果を踏まえ、今後5年間において何が主要課題であると考え、後期実施計画の中で課題への対応をどのように明らかにするのかとのお尋ねでございます。


 本年度実施をいたしましたアンケート調査は、今後の施策推進に当たって県民ニーズを把握するため、長期計画に掲げております81の施策について、県内有権者と県政モニターの計2,000名の方々から、それぞれ重要度、満足度、税金を使用する納得度、この3点について評価をいただいたものでございます。


 回答結果を見てみますと、教職員の資質向上や青少年の健全育成など教育分野を初め雇用や防犯対策、地域・救急医療、子育て、環境関連分野などに対する県民ニーズが高いことから、これらにつきましては、引き続き県政の主要課題として重点的に取り組みますとともに、地域別には、東予では災害対策、中予では水資源対策、南予では交通基盤整備に対するニーズが高くなっておりまして、県土の均衡ある発展のため、このような地域課題にもしっかりと対応したいと考えております。


 なお、回答者からは、アンケート結果の計画への反映を期待されているところでありまして、後期実施計画の本体となる中期ビジョンにおきましては、これら課題に対応する施策を中心に、今後5カ年に優先的、重点的に取り組む優先施策を選定し、施策推進のための取り組みや達成目標を明らかにしますとともに、必要とされる財源につきましても重点的に配分したいと考えてございます。


 また、優先施策の推進に向け、各年度において、特に重点的に取り組む事業につきましては、予算編成後に重点プログラムとして取りまとめ、県民にわかりやすい形で公表をしますほか、県民への説明責任を果たしますため、それぞれの施策、事業に成果指標を設定し、毎年度その達成状況を公表したいと考えてございます。


 次に、これからの5年間を見通した新しい高度情報化計画の現在までの検討状況と基本的な方向性はどうかとのお尋ねでございます。


 県では、一次、二次の高度情報化計画を通じて、県民だれもが高度情報通信ネットワーク社会のメリットを享受できる、このことを基本目標に情報化を進めてまいりました。今後も、議員お話のような日進月歩の情報化の進展状況などを勘案いたしますと、非常に厳しい財政状況ではございますが、引き続き、積極的な施策展開を図ることが重要であるというふうに考えております。


 現在、県内各界の利用者や情報通信事業関係者等から成ります検討委員会を設置し、平成18年度からの5年間を計画期間とします愛媛県高度情報化計画2010の策定作業を進めておりまして、先般開催した第1回の委員会では、来年から放送開始予定の地上デジタル放送の利活用や各種情報通信サービスの充実、セキュリティ対策などについて多様な提言をいただいたところでございます。


 今後、この委員会での審議やパブリックコメントによる幅広い県民の意見等をもとに、本年度末の計画策定を目指してございますが、国のu−Japan政策や県長期計画との整合性をとりながら、これまでに整備した情報基盤の充実と一層の活用、県、市町間の役割の分担と協力、民間の技術と人材の有効利用、適切なセキュリティ対策などにも配慮し、行政事務の効率化や県民ニーズに合致した情報化を推進する計画としたいというふうに考えてございます。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎経済労働部長) 議長


○(森高康行議長) 高浜経済労働部長


   〔高浜壮一郎経済労働部長登壇〕


○(高浜壮一郎経済労働部長) 村上議員にお答えします。


 今治新都市整備と造船海運の振興についての中で、県内の主要産業でもある造船海運に対し支援を願いたいが所見はどうかとのお尋ねでした。


 現在、造船海運業界は、中国特需等を背景とする鋼材の値上がりや原油高騰による燃料費高など、一部に懸念材料はありますものの、大手、中堅造船所や外航海運を中心に高操業を維持しており、おおむね好調に推移をしていると考えております。


 しかしながら、造船所や船舶では、厳しい労働環境から若年労働者の確保が難しい状況となっておりまして、労働者の高齢化や後継者不足が大きな課題となっております。


 このため県におきましては、平成17年4月に開設をされました造船関係技術者の養成を行います今治地域造船技術センターに対して運営経費の一部を助成しておりますほか、内航海運及び外航海運の船員等に対する資質向上のための講習会の実施など、人材育成への支援に加えまして、中小造船業に対する信用保証の特例措置や低利融資などの支援にも努めているところでございます。


 今治市では、これから、お話の新しい造船振興計画の策定に着手をする予定と聞いておりますが、造船海運業の動向は、世界でも有数の海事都市であります今治市だけではなく、県の経済、雇用環境にも大きな影響を与えるものでありますので、今後とも、県としても支援をしてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(大内忠臣土木部長) 議長


○(森高康行議長) 大内土木部長


   〔大内忠臣土木部長登壇〕


○(大内忠臣土木部長) 村上議員にお答えいたします。


 まず、防災対策について2点御質問がございました。


 最初に、治水対策協働モデル事業の対象4河川を含め、県管理河川の河床掘削の進捗状況と今後の対応方針はどうかとのことですが、昨年度、一連の台風により土砂が著しく堆積し、対策が必要な箇所161件のうち、災害復旧事業で46件、県単独事業で54件、堆積土砂の除去を行ったところであります。本年度は、県単独事業で、今治市の蒼社川下流部を含む40件の河床掘削を実施することとしております。そのうち4件、約6万m3は、治水対策協働モデル事業により除去することとしており、うち国領川につきましては、本年7月に約2万m3の掘削が完了し、中山川、大明神川、関川につきましても、民間事業者が決定しており9月末までに掘削する予定であります。


 残された箇所や梅雨前線、台風14号による堆積箇所につきましては、災害復旧事業の導入や県単独事業の効果的、効率的な執行を図るとともに、民間の参入が見込めます箇所につきましては、モデル事業の導入を積極的に検討するなど、早急な治水機能の回復に努めてまいりたいと考えております。


 また、海岸の堤防や護岸の整備をどのように進めていくのかとのお尋ねですが、県では、沿岸域の人命、財産を守る海岸の堤防や護岸等の施設整備を計画的に進めるため、平成15年12月に愛媛県海岸保全基本計画を策定しております。


 この計画では、背後地の防護が必要な585海岸1,187kmのうち、台風、高潮などにより災害が発生するおそれのある箇所、施設が老朽化して損傷がある箇所など、防護面の危険度が高い箇所につきまして、今後、おおむね20年間の間に272海岸160kmを整備することとしております。


 この計画に基づき、現在、高潮対策事業や局部改良事業等により47海岸で堤防や護岸の整備を進めております。今後とも、背後の人口集積、公共施設等の状況や土地利用状況を踏まえ、危険度や投資効果を勘案して効果的に整備してまいりたいと考えております。


 なお、整備された堤防、護岸などのうち、台風などで被災した箇所につきましては、災害復旧事業などにより対応し、防護機能の確保に努めてまいる所存でございます。


 次に、今治新都市整備について、今後どのように取り組んでいくのかとの御質問がありました。


 今治新都市開発整備事業は、新今治市発展の先導的役割を担う重要な事業であります。しかしながら、現在の厳しい社会経済情勢の中、効率的な事業執行が求められており、今治市におきましては、より効果的な土地利用を目指した見直しが進められているところであります。一方、現地におきましては、分譲に向けた造成工事が順調に進んでおり、先般、知事も現地視察を行ったところでございます。


 この事業の推進には、まず、18年秋からの第1期分譲を成功させる必要がありますことから、県としても、企業誘致、住宅分譲が円滑に進むよう最大限の協力をしてまいりたいと考えております。


 また、市の見直し結果が出た後は、その意見も尊重し、新たな今治市の発展に貢献できるよう、機構、市との連携をさらに強化して、事業の円滑な進捗に取り組んでいきたいと考えております。


 なお、関連いたします道路や河川の整備につきましても、引き続き着実に進めていく考えであります。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(森高康行議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 村上議員にお答えをさしていただきます。


 教科書採択に関連いたしまして、委員会の公開について、県民の期待に沿った対応を求めたいが教育長の所見はどうかというお尋ねでございました。


 昨日帽子議員にもお答えいたしましたとおり、県教育委員会では、静ひつな環境の保持と、もう一つ、採択期限まで非公開の取り扱いにしております選定資料を使いますことから、審議そのものは非公開といたしましたけれども、直ちに記者会見に応じまして、全教育委員が意見や経過を公表いたしますとともに、現在は、当日の委員会議事録を初めすべての資料を情報公開することとしておりまして、これにより県民への説明責任を果たしていきたいと考えております。


 もとより、県民に開かれた採択を進めていくことは賛成でございまして、これまで経験したような異常な状況が解消され、静ひつな採択環境が保持されるのでございますと、工夫は必要でございますけれども、今後、公開の方向へと進んでいくものと私は考えております。


 なお、今回の市町教育委員会の採択の公開、非公開のあり方につきましては、それぞれの置かれた状況に基づきまして、各教育委員会の責任と権限において行われたものでございますので、コメントする立場にはございませんが、あくまでも法令や文部科学省通知などに沿って、適正な方法で開かれた採択が行われますように、今後とも趣旨の徹底に努めていきたいと考えております。


 以上でございます。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(森高康行議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 村上議員にお答えをいたします。


 まず、警察本部及び各警察署に交際費の予算がどれぐらいあるのか。また、その使途について例を示してほしいがどうかとのお尋ねでございます。


 警察本部では、交際費として、公安委員交際費及び警察本部長等交際費を予算措置しておりまして、各警察署の交際費については個別の予算措置はいたしておりません。本年度の予算額は、公安委員交際費9万5,000円、本部長等交際費87万5,000円であります。その使途につきましては、主として葬儀に伴う経費であり、弔電、生花代などとして支出しているところであります。


 次に、捜査費が減額になったことで支障はないのか。また、現在までの執行状況について報告してほしいがどうかとのお尋ねでございます。


 本年度の捜査報償費につきましては、1,372万円を措置していただいております。県警幹部を初め捜査員に対し、捜査費に関する教養の徹底を図りつつ、定期監査の方法を改善するなど適正な執行に努めるとともに、昨年来の捜査費問題の中、捜査業務の停滞が生ずることのないよう効果的な捜査費の活用を推進してまいりました。今年度7月末までの4カ月間の捜査報償費の執行額は、前年度比約3割の増加となっております。


 次に、内部調査の現状はどうなっているのか。また、いつごろ調査を終え、結果を報告するのかとのお尋ねでございます。


 昨日、帽子議員及び藤田議員に答弁申し上げたとおり、現在、県警が平成13年度に執行した県費による捜査報償費及び国費の捜査費合計約3万900件につきまして、捜査費支払い証拠書に添付された領収書またはレシートの徴収先であります店舗などの業者約1,900対象に対する執行内容の調査や捜査費及び捜査報償費1件1件の執行について、それらを執行した当時の捜査員約780人からの聞き取り調査などを鋭意推進中であります。


 これらの調査に当たりましては、調査先店舗などの書類の保管状況の確認あるいは捜査費を執行した捜査員の記憶の喚起や関連書類の掘り下げなど、調査開始時に予想していた以上の作業量をこなしております。これまで、私以下41名の調査体制を維持し調査を進めてまいりましたが、引き続き最大限の努力をもって調査を遂行してまいる所存であります。


 今後は、各種調査事項を踏まえながら、捜査員個々の執行について分析し、問題点が認められる場合には、重ねて聞き取り調査を行うなどして、不適正な予算執行の有無などについて解明し、可能な限り早急に議会を初め県民の皆様に対し、具体的な調査結果を報告できるよう努めてまいる所存でございます。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 休憩いたします。


 午後1時から再開いたします。


     午前11時37分 休憩


    ――――――――――――


     午後1時 再開


○(森高康行議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(井上和久議員) 議長


○(森高康行議長) 井上和久議員


   〔井上和久議員登壇〕


○(井上和久議員)(拍手)井上でございます。


 公明党・新政クラブを代表いたしまして、上程議案並びに当面する県政の諸課題につきまして質問をいたしたいと思います。知事初め関係理事者の御答弁をよろしくお願いをいたします。


 本年は、戦後60年目の節目の年であります。これを記念するイベントや恒例行事の中にも、行事名に60年を冠したものが多く見られます。わけても被爆60年とか戦没者追悼式などが例年よりも多く開催をされたのであります。


 ここに若い女性が中心となりまして女性平和文化会議というクラブをつくり、全国15の都市で、10代、20代、30代の男女のみを対象としたアンケート結果がピーステップという冊子にまとめられております。


 2〜3御紹介をいたしますと、まず、「終戦日を知っているのか」この問いでは、知らなかったり間違った日を挙げた人が、10代では74%、20代で55%、30代で40%という結果が出ております。30代になってやっと8月15日が終戦記念日であると60%の人が知っているということであります。戦争・終戦というものが風化している証明かと思います。次の問いは、「あなたが生きている間に日本が他国と戦争状態になることがあると思うか」この答えで、思うが10代で25%、20代で15%、30代で13%となっており、若い人たちほど戦争が起こるを挙げておるのであります。このことは、次の問いであります「100年後の世界は今より平和になっていると思うか」に連動しておりまして、平和になっていると思うという人が、10代では22%、20代では28%、30代が32%と、若いほど100年後は今以上の平和は難しい、このように感じているのであります。その他いろいろとありますが、最後に「より平和な社会を創造するために何かをしたいと思うか」との問いかけに、全体の90%の人が「平和のために行動したい」との前向きの意思を持っていることがまとめられております。


 去る8月2日衆議院本会議におきまして平和決議が可決をいたしました。1995年6月の終戦50周年の国会決議に次ぐものでありまして、「国連創設及びわが国の終戦・被爆六十周年に当たり、更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議」と内容が全部わかるような長い名前の決議でございましたが、唯一の被爆国の立場を述べた上で「持続可能な人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべき」だと結ばれております。


 今や我が国の約68%の方が、この終戦後60年に生まれて育ってきたのであります。言いかえると、この60年こそが人生そのものであったと言える人も多いのであります。したがって、戦後60年を挙げるときは、単に戦争中ないし終戦・被爆を語ることは当然でありますが、同時に今日に至った60年のプロセスを歴史としてとらえ、よりよい未来に生かしていくことが大切ではないでしょうか。


 昭和30年代に入り、もはや戦後ではない、この池田首相の言葉や1万円札が登場しました。神武・岩戸などと呼ばれた経済発展など今では思うべくもなく、16から17%超という経済成長率を示すなど、急速に経済大国に成長したのであります。


 一方、負の部分も忘れてはならないと思います。今なお続いている水俣公害やまともに太陽の照らなかったという四日市ぜんそくを生んだ大気汚染など、押せ押せの裏の苦しみを決して忘れてはならないのであります。


 この10年余は、バブルから覚めて我に返る期間であるのかもしれません。国連においても常任理事国入りを目指しているようでありますが、まず、旧敵国条項の削除こそが最初にやらなければならなかったことではないか、こう私は思います。国連への資金提供額の多さもさることながら、国連発展、世界平和への出色の提言、行動を心がけるべきではないでしょうか。


 そこで、知事にお伺いをいたします。


 この戦後60年を総括なさって御所感をいただきたい。今後の世界の中の日本として、県民の心構えで大切なものは何だと思われますか、お伺いをいたします。


 ことしは大変暑い夏でありました。この夏に思いも強く印象に残った事柄がございます。


 1つは、60年を迎えた長崎の平和宣言であります。広島、長崎ともに、毎年感慨を新たにするのでありますが、60年ということもあって、ことしの平和宣言及び被爆者代表の言葉は強烈な言葉として残りました。特に、日本政府に求めます。再び戦争を起こさないようにすることを決意したはずです。非核三原則を法制化するべきです。核の傘に頼らない姿勢を示し核兵器廃絶への指導的役割を果たしてください。被爆体験で苦しむ人の支援を充実してください。若い世代の皆さん、ともに平和の鐘を長崎の空から響かせようではありませんかと呼びかけています。


 また、被爆者代表の坂本フミエさん74歳の平和への誓いには、60年何とか生きてきましたが、長く苦しい道のりでした。こんな苦しみはだれにも味あわせたくないと思いますと述べ、命ある限り長崎を最後の被爆地にと叫び続けることを約束します、この要旨の決意を表明されました。何ごとも体験した場所、体験した人には、真実の叫びと強い訴えを感ずるものがございます。


 さて、政府は、外国から攻撃を受けるなど日本有事の際の対応について、特に、国民生活に直接関係のある国民の保護に関する基本指針に基づき、去る3月31日に、各都道府県が国民保護計画を円滑に作成するための国民保護計画のモデル計画を示したのであります。


 この策定作業は、各県レベルが2005年度中に、また市町村では2006年度中の決定を見ることとなっておりますが、7月12日、報道では、大方が年度内策定を表明しており、9道県については策定未着手となっております。政府方針では、11月に福井県で各都道府県関係者等による実動訓練を行う計画で、それより前の10月には図上訓練を行い、連絡系統の確認などを行うということであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 本県における国民保護計画の進捗状況とあわせ、県内20市町の状況はいかがでありましょうか。もっとも市町は2006年となっておるのでありますが、願わざる儀ではありますけれども、さりとて国の方針でもあり、世界情勢からもテロ・有事ゼロと判定もできません。ならば粛々と進めるほかはないと思うのでありますが、国においても、実際に現場のことをよく知っている首長が臨機応変に対応できるようにして、警戒区域の設定や退避の指示を知事が行えるようになっているのであります。


 先ほど申し述べました実動訓練がなぜ福井県で行われるかと言えば、原発立地県であり、その原発がテロにねらわれたという設定で実施されるそうでありますが、その意味では、原発を持つ本県においても真剣に万全に取り組むべきだと思いますが、御所見はどうかお聞かせ願いたいと思います。


 政府は、武力攻撃事態として、1、着上陸侵攻、2、ゲリラ・特殊部隊による攻撃、3、弾道ミサイル攻撃、4、航空攻撃の4種類を挙げ、住民避難の訓練などを進めようとしております。攻撃が大きく4種類となっておりますので、避難も取り組みもそれぞれでありましょう。この住民の理解協力とともに、報道関係とのあり方及び消防署との関連など複雑でありますが、この理解と協力をふだんから進めておく必要があると思いますが、御所見をお伺いいたします。


 次に、昨日来議論をされております財政問題についてお尋ねをいたします。


 さきの総選挙においても、マニフェストが議論の中心を占めるようになってきたと思います。しかも財政再建あるいは財源をどこに求めるかが問われました。すなわち議員、理事者はもとより広く県民の間にも、国の財政、県の財政が逼迫しているとの認識が生まれていると思います。


 こうした中にあって、昨年10月に発表されました本県の中期財政見通しでは、17年度から20年度の4年間で1,510億という巨額の財源不足が予想をされております。このことを踏まえ、県は財政破綻の危機感から17年度当初予算では、歳出に対して3年連続となる厳しいシーリングを設定した上で、歳入面では、緊急避難的措置として、特定目的基金の活用や話題となりました知事公舎の売却などを見込み、ぎりぎりの編成をされたと思うのであります。


 他の県では、近年財政破綻が具体的なものになったとして次々と財政危機宣言がされております。本県の財政は、その意味から言いますと健全性を維持していると言われてきましたが、今後、公債費や社会保障経費の増加は避けられない上に三位一体の改革で不透明感が増すなど、財政環境はますます厳しくなってきます。今こそ中長期を見通した抜本的な措置が必要になってくると思うのであります。


 しかもこうした措置は、何と言いましても県民の理解と協力が必要なのであります。したがって、歳入歳出合わせた具体的な取り組みの実情をわかりやすくトータルで情報提供することが、極めて大切であると考えるのであります。


 そのような意味から、私は、平成11年10月に策定をされました財政健全化指針に注目をいたしております。この指針では、まず、基本方針として、基金の取り崩しを行わなくても財源不足が解消できるよう歳出の抑制を基本とした上での均衡を図る財政運営を行うこと。単年度収支の均衡を優先し、県債依存を強めれば将来世代への過大な負担を残すことになりかねない反面、県勢発展の基盤づくりのためには、県債に依存せざるを得ず、双方に目を向けたバランスのとれた財政運営を目指すという2つの大きな目標を掲げているのであります。


 そこで、初めに申し上げましたとおり、歳入歳出の状況、県債残高や公債費の実態、基金の残高などの主要な情報を明らかにした上で、歳入の確保方策としての県税収入の確保、各種使用料、手数料の改定、県有財産や基金、県債の活用について手をつけるとともに、歳出の適正化のあり方として、事業の必要性、実施の妥当性、事業の効果の面から事務事業を抜本的に見直すことや組織機構の見直しや定員及び給与の適正管理など、行政改革大綱に基づく取り組みが必要であるとして、これらの事柄を平成12年度から平成15年度の財政健全化推進期間に集中的に実施することとしているのであります。年数としては6年前に策定をされたものでありますが、推進期間が終了した現在見ましても十分に説得力のあるものであり、財政破綻のシグナルが点滅し始めた今こそ、この財政健全化指針の検証の上に立った新たな中期の指針を策定すべきだと思うのであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 財政健全化指針をどのように推進し、その効果をどのように評価をされるのか。また、今後、財政健全化指針を改訂し、県民にわかりやすい新たな指針を策定するお考えはあるかどうか、お伺いをいたします。


 次に、少子高齢化と人口減少社会への対応についてお尋ねをいたします。


 少子高齢化は、我が国における最大のテーマであり現実であります。したがって今日まで、本議場におきましてもたびたび議論の中心の存在でありました。ただ、今までは、人口減少が予測されると前置きのある議論でありましたが、去る8月23日に厚生労働省が発表した今年1月から6月まで上期の人口動態が、速報値とはいえ初めて自然増減数で3万1,000人の減少を発表いたしました。明治以来今日まで、戦争による特殊な時期を除き初めての減少であります。ただ、今までの例からは、後期は人口が増加する傾向があるということなので通年ではどうかと見る向きもありますが、本来2007年からと言われていた人口減少が前倒しとなることは間違いないのではないでしょうか。


 中央大学の大淵寛教授が、「人口減少社会を考える」と題して新聞連載をされております。先生は「少子化時代の日本経済」という著書もあり広く深く研究をされているのであります。


 まず、少子高齢化の人口減少社会では消費市場に少子化の影響が出て縮小をする。乳幼児が減る、すなわち少年が減り青年が減り中高年へと向かっていく。長期にわたって甚大な影響を及ぼすと分析をされております。教育産業にしても幼稚園、小学校、中学校、高校、大学まで厳しい経営環境に迫られます。既に私立大学では優秀な受験生を囲い込むという意味から、特待生奨学金とか特別奨学金などの名目で授業料の免除や割引などがとられております。例えば、早稲田大学でも11学部定員の約1%に当たる優秀な91名に4年間授業料を全額免除しております。このことは国立大学にも波及をいたしまして、北陸先端科学技術大学院大学では、昨年度から入試の上位16名に年間約52万円の授業料を2年ないし3年間免除する制度を取り入れているのであります。そのほか広島修道大学では、30人に入学した年に100万円を給付しております。


 それはそれといたしまして、大淵先生の分析に返りますと、経済が成長するための供給要素は3点ある。第1が労働力、第2に資本、第3に技術力であります。


 まず、現役労働力は全人口の過半数を占めており、労働力と全人口の関係は並行して変化をする。その推計では、20年ほどで6,000万人の大台を割り込み、さらに減少をする。このことは女性と高齢者の労働力への期待感が上昇するのではと述べておられます。


 次に、資本については、世界有数の高貯蓄率を誇る国内貯蓄を主たる供給源としておりましたが、その中心である現役労働者が減少する一方、高齢者にとっては少子化で子供や孫が少なく、これまでの貯蓄の大きなきっかけでありました子や孫に残してやるという遺産動機が減ってしまい、自分で消費する高齢者がふえております。


 次の技術の進歩という面では、経済成長の最大要因とも目されておりますが、先生は、ノーベル賞の受賞者は高齢の人が多い。しかし、受賞のための研究業績はほとんどが30代、40代のときのものである。したがって人口減少、高齢化が進む我が国では、技術進歩の面でも厳しい状況に直面しなければならないと警告をされております。


 そこで、お伺いをいたします。


 この4月1日より育児介護休業法と次世代育成支援対策推進法が施行されました。職場や地域での子育て支援の取り組みを促すもので、子供を産みやすい社会への願いを持った2つの法律であります。改正育児休業法では、従来正規雇用者に限られていた休業取得の対象者をパートや派遣労働のいわゆる有期限雇用者に拡大すること。第2に、期間を子供1歳から1歳半に拡大する。第3に、急な子供のけが、発熱などへの緊急対応の休暇を5日間申請できる看護休暇制度の創設などであります。ただこのような働く側を守ろうとする法が整備されても、現実は会社側への遠慮や同僚への思いやり、また、就職希望者との競争などから満度に権利を行使できないのではないかと思いますが、育児介護休業の本県における取得状況を職種別、年齢別などに分けてお示しをください。


 また、改正による変化と取得率向上のための障害事項は何かについて御所見をお聞かせください。


 次に、地方自治体と従業員300人を超える企業は、期間と目標を定めて子育て支援に取り組む行動計画が今年4月から実施されております。このねらいは、子育てと仕事の両立がしやすい職場づくりと地域づくりを住民参加のもとで策定し、地域色、独自色をいかに出すかが問われるもので、新しい時代の子育て職場づくりと喜ばれております。


 本県におけるこれが実態はどのようになっているのか、現状と見通しについてお伺いをいたします。


 また、各市町でも今後5年間職場と子育ての統合的な支援策の実施が求められておりますが、この現状もあわせてお尋ねをいたします。


 厚生労働省では、一定の認定基準を設け計画の目標を達成した企業を大臣が認定をした次世代認定マークを授与し、商品や広告に貼付表示することを許可しておりますが、本県の実績はいかがなものでありましょうか。


 人の死因の中に、多臓器不全と表示されているのを時々目にいたします。特定の一疾患ではなく関連する臓器がだめになって死ぬのであります。私は、人口減少社会は、この多臓器不全に似ているのではないかと思います。人口減少による経済面における影響については若干触れましたが、これのみではなく、あらゆる場面に大きく影響を与え、最終的には、社会の成り立ちがつぶれることにさえなりかねません。今こそセクトを超え、あらゆる機関、あらゆる人々が力を合わせて取り組むべきではないかと考えるのであります。


 政府においてもこのことを深刻にとらえまして、この9月、少子化問題解決に向けた国民運動を展開するため、経団連、連合、厚労省、経産省などの100人で構成する官民運動連携会議なるものを来春立ち上げることを決定したのであります。計画では、実践する実効部隊の創設や全国の成功モデルの普及、シンポジウムなどが計画されているようであります。細田博之官房長官は、エンゼルプランなど今日まで少子化対策に取組んできたが、目に見えた成果が上がっていない実態から抜本改革が必要としたと述べています。


 そこで、お尋ねをいたします。


 今日までエンゼルプラン、新エンゼルプランなど、本県においても多くの施策がとられてきましたが、細田さんの言う目に見えた成果が本県においてはどのようになったものであったかお伺いをいたします。


 繰り返しますが、人口減少社会の取り組みは、多臓器不全にあらゆる医者がかかわるように、あらゆる立場の県民が関与し対策を講ずるべきだと思いますが、国の動向や指示を待つのでなく、独自色を持った積極的な取り組みを願うものでありますが、御所見をお伺いいたします。


 次に、教育問題についてお尋ねをいたします。


 かつてイギリスでブレア首相が保守党から政権を奪還した1997年の総選挙で、最重要課題として、第1に教育、第2に教育、第3に教育と訴えました。なぜなら教育を強化することで勤労者を育て、安易に福祉に頼らないような社会を目指したいからであります。まさに教育を軸にして混迷する地域社会をよみがえらせようとする夢のある構想だとたたえられたのであります。


 我が国においても、かつて学力向上の詰め込み教育いわゆる知育偏重との批判と反省から、ゆとりある教育を中心とする総合的な学習の時間が採用されました。以来、今日まで3年余りたち、国際比較などで学力低下の現象から再び総合的な学習の時間を見直そうとの声が起こっているのであります。文科省でも、第三期中教審で学習指導要領の見直しを進めようとしており、その検討課題は、まず、人間力向上のための教育内容の改善、第2に、学習指導要領の枠組みの改善、第3に、学習意欲を高め理解を深める授業の実現、次に、地域や学校の特色を生かす教育の推進などであります。


 これらの項目はどれも望ましいものだと考えるのでありますが、新聞の投稿などでも指摘をされておりますとおり、例えば、「性急過ぎる総合学習の見直し」松山市の男性、「心のゆとりはぐくむ教育を」西条市女性などの声に見られるごとく、総合的な学習の時間、ゆとりある教育は、変化の激しい時代に主体的に生きる力を養おうとするものでもあります。


 そこで、お尋ねをいたします。


 本県における生徒の学力について、どのような認識を持っておられるのか。また、その裏づけは何であるのかお伺いをいたします。


 次に、総合的な学習の時間について、文科省調査などでは、その評価が、保護者の評価、教諭の評価、それぞればらつきがあり、小学校と中学校でもばらつきが見られますが、これらの評価に対する教育長の御所見はどうか、お聞かせいただきたいのであります。


 筑波大学大学院の藤田晃之先生は、学力の国際比較等について、正解率、正答率が0.1%低いとか高いとかを挙げつらうのであるが、例えば、はかり売りの肉を買うときに、幾ら几帳面な人でも1g以下の差は考えないのが普通ではないか。学力調査となると微細な点数差に一喜一憂するのはなぜだろうかと語っておられます。参考にすべきだと思います。


 次に、文科省みずから指導要領は最低ラインを示したものであると明示をされたことなどもありまして、各自治体の基準づくりが盛んに行われております。東京品川区では構造改革特区の認定を受け、全小中学校を一貫校とし、区独自のカリキュラムをつくり、指導要領をもとにしながらも、小学校4年生で現在よりも185字も多く漢字を教える。あるいは英語科は小学校1年から始める。また、道徳と特別活動を統合して市民科というのを新設するなどであります。同じような取り組みが金沢市でも行われており、金沢スタンダードと銘打ち、もっと伸ばせる点と克服しなければならない点などを明らかにして独自の取り組みを進めているのであります。このように地域に合わせて特色ある教育を展開することを認めているのであります。


 そこで、本県教育について、地域に合わせた独自色の発揮にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。


 また、小学校の英語教育が課題となっておりますが、これに対する御見解と2学期制、3学期制とか全国的にこれが実施されておりますが、これが是非について御見解をお尋ねをいたします。


 次に、文化芸術についてお尋ねをいたします。


 かつて平成14年の9月定例会におきまして、平成13年12月7日に公布をされました文化芸術振興基本法の成立と同時に、地方公共団体の責務として地域の特性に応じた施策を策定し実施する責務の発生を訴えて、県の条例化を求めたのであります。御答弁をいただきましたが、答弁の中では、国が予定している文化芸術の振興に関する基本方針が策定をされるので、これらとの整合性を保ちながら県の文化振興指針や、あるいは県政長期計画の文化振興基本理念及び施策の推進に努めたい旨の御答弁をいただきました。以来3年が経過をいたしました。


 国においては、既に平成14年の12月の閣議決定で基本的な方針を出しております。本県の対処の状況についてお伺いをいたします。


 私は、去る7月13日、愛南町の文化ホールで東京都交響楽団の演奏を聞くことができました。この催しは、子供たちに本物の文化芸術に触れさせる活動を進める文化芸術振興基本法に基づく活動であり、愛南町の中学生が満席の参加でプログラムでは名曲が演奏されるとともに、途中3名の中学生が代表でタクトを振りました。また、すべての楽器の紹介があり、本物の音を楽しんだのであります。数百名の生徒たちの胸に永遠に残るであろうすばらしいものでありました。


 2〜3の県であるいは3〜4回の開催が平均ですとマネージャーが話しておりましたが、年に1回希望をとり、決定すると文科省の予算で大方を賄ってくれるという事業であります。もちろん東響に限らず本物の芸術はいろいろと用意されております。ぜひこの事業を積極的に実施願いたいと考えますが、御所見をお伺いをいたします。


 次に、この文化芸術振興基本法の派生法ともいうべき文字・活字文化振興法が、与野党286名の議員による議員立法としてこの7月に成立をしたものであります。学校教育における言語力の強化や図書館や司書の整備推進などをうたい、人が生活する上で文字や活字はコミュニケーションのみならず、時と場所を超えて知識や知恵を伝え重要な役割を担う大切な存在であります。また、この法は、みずから本に手を伸ばす子供を育てようとするもので、ブックスタート事業、朝の読書及び子供読書運動を強力に後押しするものとなっております。


 そこで、お伺いをいたします。


 読書週間の初日に当たる10月27日を文字・活字文化の日とすることが決定をしております。地方自治体の責任も明記されております。文字・活字文化振興法の成立を受けて、どのように対応されるおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。


 次に、来島海峡に浮かぶ名勝指定の波止浜にあります小島砲台の保存についてお尋ねをいたします。


 歌人吉井勇が小島で詠んだ歌に、「いにしえの海賊島の夜の灯を遠く眺めてなつかしみおり」というのがあります。小島は、周囲約3kmの文字どおり小島でありますが、ここに明治35年・1902年に要塞として設置された3カ所の砲台跡及び火力発電所、弾薬庫、兵舎など、ドイツ製のレンガでつくられた建造物が傷みも少なく保存されております。私の手元には、小島砲台顕彰実行委員会の発行になる今治市政80周年記念事業・来島要塞(小島砲台)顕彰事業計画書というパンフレットがございます。ここには小島砲台の成り立ちと役割及び歴史の価値について書かれております。この全国有数とも言える文化財を国指定のものとして永遠に顕彰したいという今治地域文化交流会の方々の熱意が史跡を立派に保存されております。


 今文化庁では、近代戦跡を50カ所を選定し調査に取り組んでおります。ただこの中に小島砲台が含まれておらず、これをぜひ入れてもらうに努力をされまして、51番目の戦跡としてもらっております。文化庁の担当者も現地に見えられたということで、史跡指定が大きく前進するものと期待をしているのでありますが、現時点でどのような状況なのか、見通しをお伺いいたします。


 なお、この史跡は、近代戦跡というよりも有形文化財建造物として重要文化財として指定されるのではないかと期待をするものでありますが、この指定への決意を伺いたいと思います。


 次に、伝統国技であります相撲の振興についてお尋ねをいたします。


 先日のテレビ報道で横綱審議委員であります脚本家の内館牧子さんが東北大学の相撲部の監督に就任をされ、部員もふえて大会で優勝するところまでいったことなどが紹介をされておりました。そのインタビューで、相撲が今ひとつ盛り上がらないのはなぜかという質問に、各学校に相撲場がないことだと東京都の学校と相撲場施設の少なさを指摘しておりました。


 また先日、日本相撲協会が普及、発展維持を目指して相撲指導適格認定講習会を開催し、スポーツ指導者の基礎知識やあり方などについて講演会や相撲健康体操の実技など、現役、OB力士57人がそれぞれ受講したとあります。協会では毎年1回ずつ開催し、認定指導者をふやしていく方針とのことであります。


 そこで、お伺いをいたします。


 本県、小・中・高における相撲場の実態について、また、クラブ等での活用実態はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。


 今場所は大変好調の郷土の力士玉春日の活躍を祈り、また、後に続く郷土力士の活躍に期待をいたしながら質問を終わりたいと思います。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 公明党・新政クラブを代表しての井上議員の質問に答弁させていただきます。


 まず、戦後60年を総括しての知事の所感はどうか。また、今後、世界の中の日本として、県民の心構えで大切なものは何だと思うかとのお尋ねでございました。


 ちょうど終戦を迎えましたとき、私は10歳で小学校5年生でありましたから、先ほどの井上議員のお言葉を借用さしていただければ、戦後60年は、私にとっても人生そのものであったと思っております。


 戦後60年我が国は、平和の恩恵を享受し、世界有数の経済国家へと目覚ましい発展を遂げます一方で、家庭での教育力の低下や地域におけるつながりの希薄化など、多くの問題を抱えておりますことから、国民の間には、心のゆとりや精神的な豊かさへの欲求が高まっていると私は認識いたしております。


 一方、国際社会に目を転じてみますと、日本は国連の平和維持活動にも近年参画いたしておりますし、さらには国連分担金につきましては、トップの米国の22%に次ぐ19.5%という分担金、この数字は他の残りのイギリス、フランス、ロシア、中国、4カ国の合計15%弱よりもはるかにそれを上回る分担金を支払いながら、今回常任理事国入りの問題も難航を極めたということで考えてみますと、国際社会の中ではまだ十分に日本の立場は理解されておるとは言えないのではないか、そんな意味で、今後、国連を中心とした世界平和の確立に一層取り組みますとともに、人と人、心と心の交流を通じて、諸外国との真の友好関係を構築することが求められていると考えております。


 こうした中、県民一人一人が改めて世界平和のとうとさを心に刻みますとともに、心の豊かさに重点を置いた社会づくりに取り組む必要があると考えておりまして、私が提唱申し上げております愛と心のネットワークづくりもその礎となり、助け合い支え合いの輪が家庭や地域、そして世界へと大きく広がっていくことを願っております。


 次に、財政健全化指針をどのように推進し、その効果をどう評価するのか。また、新たな指針を策定する考えはあるのかとのお尋ねでございました。


 平成11年、私が知事に就任後策定いたしました財政健全化指針の基本的な財政運営の方向は、井上議員お話がございましたように、歳出の抑制を基本とした歳入と歳出の均衡、将来世代の負担の軽減を図るため県債発行額を抑制、この2点を基本に定めたものであります。


 各年度の予算編成に当たりましては、この指針と中期財政見通しに基づき、県単独事業の削減や事務事業をゼロベースから見直すなど歳出の合理化と、県債依存率の可能な限りの低下を図ります一方、県民ニーズに即した施策や県勢発展のための施策については、スクラップ・アンド・ビルドを基本に重点化を図り、財政健全化に努めてきたところでありまして、収支均衡に達しつつあったものと認識いたしております。


 しかしながら、平成16年度当初予算編成終盤に地方交付税並びに臨時財政対策債等の大幅削減というダメージを受けまして、応急措置として取り崩した財源対策基金は枯渇状態となっておりますし、平成17年度は、財政破綻のシグナルが点滅している危機的財政状況の中でぎりぎりの予算編成となったところであります。来年度以降どういう形で県政運営を行うのか、かじ取りが大変難しい状況にあると考えております。


 今後、多額の財源不足を解消いたしますためには、これまでの取り組みからさらにもっと踏み込んだ歳入歳出両面にわたる徹底した見直しを行う必要がありますため、財政健全化指針の改訂ではなく、具体的目標を設定した県民にわかりやすい財政構造改革基本方針を策定し、強力に財政構造を改革する所存でございます。


 次に、人口減少社会に対し、国の動向や指示を待つのではなく独自色を持った積極的な取り組みを願うが所見はどうかとのお尋ねでございました。


 本県にとって人口減少社会は、既に20年前から始まっておりますが、これに対応し、地域の活力を維持向上させるためには、まず交流人口の拡大に努めることが重要でありまして、昨年のえひめ町並博2004を初めとした地域のブランド化を初め、愛媛の豊かな自然や文化を生かしたグリーンツーリズムの推進などに取り組んでいるところであります。


 また、租税収入の減少や公債費、社会保障関係費等の増加等によります財政の硬直化によって行政サービスの低下が危惧されます中、簡素で効率、効果的な行政組織への移行や県民の助け合い支え合いによる愛と心のネットワークの構築が大切な課題であると認識いたしております。


 さらに、いつの時代にも教育は国家百年の大計と言われますように、少子化でますます数が少なくなる子供たち一人一人を立派に育てていくことがこれまで以上に求められておりまして、今日ほど教育の重要性が増しているときはないと思っております。


 このようなことから、長期計画の後期実施計画で進めております優先施策の選定に当たりましては、教育・文化関連の施策を重視いたしますとともに、観光・物産の振興やともに助け合う社会の実現に十分配慮したいと考えておりまして、人口減少社会を課題の一つとして位置づけ、一層の施策充実に努めてまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(森高康行議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 井上議員にお答えします。


 私の方からは、国民保護法についてのうち、原発を持つ本県にとって、実動訓練に真剣に万全に取り組むべきだと思うがどうかといった趣旨の質問に対してお答えいたします。


 伊方発電所で想定されます武力攻撃の態様でございますが、1つは、弾道ミサイル攻撃、また、航空機を使った自爆テロのほか、ゲリラや特殊部隊等による破壊工作、これらが想定されます。いずれの場合におきましても、本県にとりまして極めて影響が大きいものでございます。そこで、現在作成中の県国民保護計画の中で伊方発電所に関する項目を別立てしまして、平素の備えや応急対策など具体的な措置を記載したいと考えております。


 井上議員お話のございました福井県で11月に実施される実動訓練についてでございますが、これは国民保護法に基づきまして、国が同県と共同で原発施設へのテロ攻撃を想定して実施されると聞いております。本県におきましても、国が10月に実施いたします図上訓練、これございますが、これに合わせた警報通知訓練に松山市など4市町と一緒に参加することといたしております。さらに、県計画に基づく訓練につきましても、来年度実施する方向で、できれば国とも協議を進めたいと考えております。


 今後とも、市町や関係機関と連携に一層努めながら、国民保護のための万全の体制を整えてまいりたい、このように考えております。


 以上でございます。


○(石川勝行県民環境部長) 議長


○(森高康行議長) 石川県民環境部長


   〔石川勝行県民環境部長登壇〕


○(石川勝行県民環境部長) 井上議員にお答えいたします。


 国民保護法について、本県における国民保護計画の進捗状況はどうかとのお尋ねでございました。


 井上議員お話のとおり、本県では、武力攻撃事態等が発生した場合の避難、救援、武力攻撃災害への具体的な対応を定めた国民保護計画を作成することといたしておりまして、去る5月26日、計画の諮問機関である県国民保護協議会の第1回協議会を開催し、計画の構成案及び県内で想定される武力攻撃事態等について協議したところでございます。


 現在、庁内各部局のほか自衛隊、警察などの関係機関の意見を踏まえ、計画の作成作業を進めているところでございまして、10月中旬に開催予定の第2回協議会に計画素案を諮った後、パブリックコメントの実施や国との調整などを経て今年度末に作成を終えたいと考えております。


 また、市町の取り組み状況につきましては、去る7月22日に説明会を開催の上、来年度の計画策定に必要な予算措置や組織体制の整備など所要の対応を要請したところであり、今後とも、全市町における来年度中の計画作成が円滑になされるよう必要な助言等に努めてまいりたいと考えております。


 次に、武力攻撃事態に備えて、住民や報道関係、消防署等の理解と協力をふだんから進めておく必要があると思うがどうかとのお尋ねでございました。


 国、地方公共団体等が行う住民避難等の国民保護措置を円滑に実施するためには、住民の理解や自発的な協力が不可欠でございますことから、現在県では、ホームページや県政広報番組のほか、全市町で実施する防災講座などを通じて県民の啓発に努めているところでございます。


 また、NHKや民間放送事業者には、指定公共機関等として、放送の自主性を前提に警報等を速やかに放送していただくほか、消防機関を初め自衛隊、警察などの関係機関には、自然災害への対応の場合と同様に住民の救助、救援などの役割を担っていただきますことから、連絡会議などを通じて連携を強化しているところでございます。


 さらに今後は、現在作成中の県計画に基づき、県民や市町、報道機関を含む関係機関の協力を得ながら、国民保護のための体制整備や平素からの備えに全力で取り組んでまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(森高康行議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 井上議員にお答えをいたします。


 少子高齢化と人口減少社会への対応のうち、まず、本県における次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の実態はどうかとのお尋ねでございました。


 法により義務づけられました行動計画の策定については、地方自治体では本年3月に県及びすべての20市町で策定されており、また、企業の行動計画につきましては、愛媛労働局から、9月14日現在、対象企業120社のうち115社から計画策定届を受理しており、残る企業についても引き続き策定指導を行っていると聞いております。


 また、市町の行動計画における職場と子育ての統合的な支援策につきましては、広報誌、パンフレット等による働き方の見直しや育児休業制度の周知等の取り組みが進んでおり、特に、松山市が企業への広報活動の一環としての啓発チラシや各種セミナーを通じた次世代法の周知やITを活用した場所や時間にとらわれずに仕事を行う、そういった働き方を広めるテレワーク支援センターの整備を検討されるほか、新居浜市では、男女が働きやすい環境に向けてのセミナーの開催やハローワーク、商工会議所等の連携による仕事と子育ての両立についての啓発活動などに取り組んでいるところであります。


 なお、愛媛労働局によりますと、次世代認定マークの認定要件には、行動計画の計画期間が2年以上5年以下であること、行動計画に定めた目標を達成したことなど8つの基準を満たす企業に認定を行うこととされていることから、認定を申請する企業が出てくるのは早くとも平成19年度以降となるため、現在のところ認定実績はないとのことであります。


 次に、エンゼルプラン、新エンゼルプランの目に見えた成果は本県においてあったのかとのお尋ねでございました。


 本県ではこれまで、愛媛版エンゼルプランやえひめこどもプランを策定し、保育サービスの充実を中心にさまざまな取り組みを行ってきた結果、例えば、平成12年度と16年度を比較した場合、延長保育が27カ所増、地域で子育てに関する相談等に応じる地域子育て支援センターが18カ所増、また、放課後児童クラブが49カ所増と支援策の充実が図られてきたところであります。


 しかしながら、少子化の指標とされる合計特殊出生率を見ると、国と同様に低下傾向にあり、いわゆる少子化に歯止めのかからない状況が続いておりまして、その意味では目に見えた成果があったとは言いがたいのが実情であります。


 県としては、今後、ことし3月に策定したえひめ・未来・子育てプランに基づき、保育サービスの充実にとどまらず、特に、男性を含めた働き方の見直しなど、仕事と子育てが両立できる就労環境の整備を進め、子育てを社会全体で支援する環境づくりを推進してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(高浜壮一郎経済労働部長) 議長


○(森高康行議長) 高浜経済労働部長


   〔高浜壮一郎経済労働部長登壇〕


○(高浜壮一郎経済労働部長) 井上議員にお答えします。


 少子高齢化と人口減少社会への対応のうち、本県における育児介護休業の取得状況はどうかとのお尋ねです。


 県が平成12年の10月に行いました調査では、本年の2月県議会での井上議員の御質問にお答えをいたしましたように、民間事業所での育児休業の取得率は、女性が72.1%、男性が0.5%となってございます。介護休業につきましては、雇用する労働者に介護休業を付与した事業所の割合これを把握しておりまして、女性に付与した事業所が1.6%、男性に付与した事業所が0.4%となってございます。なお、お尋ねにありました職種別、年齢別の取得状況につきましては、当時調査項目に入れておりませんでしたので、把握をいたしてないのでございます。


 次に、改正による変化につきましては、改正育児・介護休業法は本年4月1日に施行されたばかりでして、現在、法の普及徹底を図っている段階ですので、まだ不明でありますが、法の趣旨が浸透をするとともに休業の取得状況も徐々に向上をしていくものと考えております。


 取得率向上の障害事項につきましては、お話にもありましたように、各企業において休業を取得しやすい雰囲気づくりが不可欠と考えておりますので、県といたしましては、愛媛労働局と連携をして、民間事業主の理解促進と意識改革を促すセミナーの開催や広報紙等の活用により一層の周知啓発に努めているところでございます。


 以上です。


○(野本俊二教育長) 議長


○(森高康行議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 井上議員にお答えをさしていただきます。


 本県における生徒の学力についてどのような認識を持っているのか。また、その裏づけは何かというお尋ねでございます。


 本県の生徒の学力でございますが、昨年度実施いたしました小学5年生、中学2年生を対象といたしました学習状況調査では、小中学生とも平均通過率、この平均通過率と申しますのは、60%から70%通過するだろうということで問題を設定しているわけでございますけれども、この通過率で見ますとおおむね良好という評価をされているところでございます。


 ただこれを全国対比で見てみますと、小学校では16の観点中10の観点、中学校では21の観点中11観点で全国平均を下回っている状況でございまして、したがいまして、この調査で判断いたしますと、愛媛の小中学生は全国平均よりも下位にあると考えられておりまして、多くの教育関係者の想定を下回った結果となったわけでございます。


 また、私どもが特に気にしておりますことは、教科では国語の力が弱いということ、それから何よりも児童生徒の自主的な学習意欲や主体的に判断、解決する能力が低かったということでありました。


 この結果を受けまして、現在、研究指定校による調査、研究に着手をしておりますし、また、教員用の指導改善資料を取りまとめるなどいたしまして、指導力の向上に取り組んでおります。これらの対策を講じることによりまして、学力の定着向上が図られるものと考えているところでございます。


 次に、文部科学省の調査などによる総合的な学習の時間についての評価に対する教育長の所見はどうかというお尋ねでございます。


 私は、総合的な学習の時間と申しますのは、教科の縦糸に総合という横糸を通しまして授業を織り上げるようなものでございますので、しかも3年をたちまして各学校の特色を生かした取り組みも次第に充実してきておりますので、基本的に引き続き継続すべきと考えているところでございます。ただその運用につきましては、時間数などできるだけ学校での弾力的な取り扱いができないかというふうに考えております。


 5月の中央教育審議会義務教育特別部会の経過報告におきましても、総合的な学習の時間の役割は今後とも必要とした上で、その趣旨、理念を達成するために、授業時間数や具体的なあり方について再検討が必要と提言されておりますので、この方向に沿いまして、新学習指導要領では一層の改善や弾力的な運用が認められることを期待をいたしております。


 次に、本県教育について、地域に合わせた独自色の発揮にどのように取り組んでいくのかというお尋ねでございます。


 県内では、現在、お話のような構造改革特区の認定を受けまして、独自のカリキュラムによります教育活動を実施している例はないわけでございますが、現行制度のもとで工夫改善し、授業時間の弾力化や地域の特色を生かした体験活動など、独自色を出した取り組みを行う学校もふえてきております。


 次に、小学校での英語教育につきましては、中教審におきましても意見が分かれているところでございますけれども、愛媛県で英語の授業は行われておりません。ただ総合的な学習の時間におきまして、英語を取り入れている学校は355校、97%あるわけでございます。


 また、2学期制につきましては、メリット、デメリットが指摘されておりまして、全国の小中学校では1割程度、愛媛県では導入している学校はない状況でございます。


 義務教育である以上、やはり学習指導要領で示されました基準の維持など一定の制約はあるわけでございますが、市町教育委員会や学校長が前例にとらわれずに新しいことに挑戦することは大いに歓迎すべきことでございまして、県教育委員会といたしましては、特区申請を初め独自色を発揮した取り組みを大いに支援していきたいと考えております。


 次に、文化芸術振興基本法に対する本県の対処の状況はどうかというお尋ねでございました。


 文化芸術振興基本法において、地方公共団体は、その地域の特性に応じた施策を策定し実施する責務を有する旨規定されております。


 愛媛県では、法制定に先立ちまして平成10年に愛媛の文化振興指針を策定いたしますとともに、平成12年の県長期計画の方針に基づきまして、既に県民オペラ、県民ミュージカルなど文化のニューウェーブづくり、正岡子規国際俳句賞事業、こども文化サマースクールなど、本県独自の文化振興に積極的に取り組んでいるところでございます。


 お話の条例化につきましては、全国的に基本法施行後7府県で文化振興条例が制定されております。愛媛県でも検討すべき課題ではございますが、当面は条例を制定するまでもなく、引き続き、この長期計画などで定めました文化芸術振興施策の実現に向けまして積極的に事業を展開していくことによりまして、基本法で求められております地方の責務を果たしていきたいと考えております。


 次に、本物の芸術文化に触れる事業を積極的に実施してほしいがどうかという御質問でございます。


 この事業は、既に10年以上の歴史がございまして、文化庁のほか県も応分の負担をいたしまして、今年度は、お話にございましたように愛南町でのコンサートのほか八幡浜市では上方落語協会によります上方寄席を開催いたしております。


 また、このほか、この事業によりまして直接学校を訪問して公演を行うものといたしまして、今年度は、合唱、オーケストラ、児童劇、演劇の4種目、合計10公演を県内各地の小・中・高校で開催することといたしておりまして、入場者数はおよそ4,000人を見込んでいるところでございます。これらの公演は、いずれも生徒や保護者に大変好評でございますし、情操教育にも効果的でございますことから、今後も、ぜひ引き続き積極的に取り組んでいきたいと思っております。


 次に、文字・活字文化振興法の成立を受けてどのように対応するのかというお尋ねでございます。


 この読書環境整備の基本法とも言えます文字・活字文化振興法の制定は、活字離れや国語力の低下が指摘される中、文字・活字文化の振興にとって大きなバックボーンになるものと期待をいたしているところでございます。


 ただ制定後間もないことから、具体的な取り組みは各県ともこれからとなるわけでございますが、この法律の趣旨に基づきまして、現在行っているさまざまな読書活動推進事業も含めて、体系的、効率的に諸施策を実施し、子供から大人まで、広く文字、活字に親しむことのできる環境づくりを進めていきたいと考えております。


 毎年10月27日からの読書週間には、県立図書館でさまざまな記念行事や催しを行っているわけでございますが、本年10月27日は初めての文字・活字文化の日ですので、これにちなみましてシンポジウムを行って読書の大切さを啓発していきたいと考えております。


 次に、今治市の小島砲台の史跡指定につきまして現時点の状況はどうかというお尋ねでございました。


 お話にもございましたように、小島砲台は、平成10年に文化庁が行いました近代遺跡調査におきまして軍事に関する重要遺跡として取り上げられております。しかも本年3月、文化庁専門家による現地での詳細な調査が行われまして、本年度中にもその報告が取りまとめられると聞いているわけでございまして、ぜひいい報告になることを期待しているところでございます。


 県教育委員会といたしましては、小島砲台の建造物などの現状から見まして、我が国の近代史に関する重要な遺跡であると評価しております。そして、この建造物だけではなくて、その周辺を含めた周辺の一帯が国史跡として早期に指定されますように、今治市とも連携しながら文化庁に対し強く働きかけていきたいと考えております。


 最後に、本県の小・中・高における相撲場の実態はどうか。また、クラブなどでの活用実態はどうかというお尋ねでございました。


 小・中・高における相撲場の設置状況でございますが、小学校で361校中124校、34%でございます。中学校では146校中22校、これは15%となっております。高校では61校中5校、8%という状況でございます。


 また、その活用状況につきましては、部活動などによる使用が小学校では43校、中学校では10校、高校では4校でございまして、このほかに地域に一般開放している学校が10校となっております。やはりけがが心配されましたり指導者不足などの理由からか、残念ながら小中学校での活用が低調な状況にございます。


 お話にもございました認定指導者の増加など指導体制の充実によりまして、全体的な相撲の普及につながっていくことを期待しております。


 以上でございます。


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○(森高康行議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。


 明22日は、午前10時から本会議を開きます。


 日程は、全議案に対する審議の続行であります。


 本日は、これをもって散会いたします。


     午後2時6分 散会