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平成17年第293回定例会(第2号 7月 4日)




平成17年第293回定例会(第2号 7月 4日)





第293回愛媛県議会定例会会議録  第2号


平成17年7月4日(月曜日)


 
〇出席議員 47名


   1番 楠 橋 康 弘


   2番 豊 島 美 知


   3番 大 沢 五 夫


   4番 豊 田 康 志


   5番 笹 岡 博 之


   6番 鈴 木 俊 広


   7番 徳 永 繁 樹


   8番 高 山 康 人


   9番 泉   圭 一


   10番 欠     番


   11番 欠     番


   12番 阿 部 悦 子


   14番 佐々木   泉


   15番 渡 部   浩


   16番 住 田 省 三


   17番 菅   良 二


   18番 白 石   徹


   19番 戒 能 潤之介


   20番 赤 松 泰 伸


   21番 本 宮   勇


   22番 欠     番


   23番 井 上 和 久


   24番 栗 林 新 吾


   25番 村 上   要


   26番 高 橋 克 麿


   27番 河 野 忠 康


   28番 黒 川 洋 介


   29番 明 比 昭 治


   30番 猪 野 武 典


   31番 田 中 多佳子


   32番 竹 田 祥 一


   33番 森 高 康 行


   35番 藤 田 光 男


   36番 笹 田 徳三郎


   37番 薬師寺 信 義


   38番 帽 子 敏 信


   39番 岡 田 志 朗


   40番 西 原 進 平


   41番 寺 井   修


   42番 仲 田 中 一


   43番 清 家 俊 蔵


   44番 横 田 弘 之


   45番 土 居 一 豊


   46番 欠     番


   47番 欠     番


   48番 柳 澤 正 三


   50番 篠 原   実


   51番 高 門 清 彦


   52番 山 本 敏 孝


   53番 谷 本 永 年


   54番 玉 井 実 雄


   55番 池 田 忠 幸


  ――――――――――


〇欠席議員 3名


   13番 今 井 久 代


   34番 成 見 憲 治


   49番 中 畑 保 一


  ――――――――――


〇欠  員 なし


  ――――――――――


〇出席理事者


  知事            加 戸 守 行


  副知事           吉野内 直 光


  出納長           永 野 英 詞


  公営企業管理者       和 氣 政 次


  総務部長          讀谷山 洋 司


  企画情報部長        夏 井 幹 夫


  県民環境部長        石 川 勝 行


  保健福祉部長        藤 岡   澄


  経済労働部長        高 浜 壮一郎


  農林水産部長        喜 安   晃


  土木部長          大 内 忠 臣


  公営企業管理局長      相 原 博 昭


  教育委員会委員       和 田 和 子


  教育委員会委員教育長    野 本 俊 二


  人事委員会委員       菊 池 裕 子


  公安委員会委員長      吉 村 典 子


  警察本部長         粟 野 友 介


  監査委員          吉 久   宏


  監査事務局長        河 野 恒 樹


  ――――――――――


〇出席事務局職員


  事務局長          丹生谷 光 嘉


  事務局次長総務課長事務取扱 北 川 一 ?


  参事議事調査課長      菅   宜 登


  参事政務調査室長      篠 崎 泰 男


  副参事総務課長補佐     川 口 和 男


  副参事議事調査課長補佐   玉 井 省 三


  ――――――――――


〇本日の会議に付した事件


  定第84号議案ないし定第121号議案


    ――――――――――――――――


     午前10時 開議


○(森高康行議長) ただいまから、本日の会議を開きます。


 本日の会議録署名者に仲田中一議員、村上要議員を指名いたします。


    ――――――――――――――――


○(森高康行議長) これから、定第84号議案平成17年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第121号議案を一括議題とし、質疑を行います。


○(横田弘之議員) 議長


○(森高康行議長) 横田弘之議員


   〔横田弘之議員登壇〕


○(横田弘之議員)(拍手)待望の雨が降りました。しかし、この恵みの雨は、同時に災害を招きました。被災された方々に対して、心からお見舞いを申し上げたいと思います。


 現在、私たちは、この美しい地球上で最もすばらしい時代を生きているように思います。限られた自然環境を大切にし、省エネのために、このクールビズの姿で質問をさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。


 さて、戦後60年の節目の年、今、我が国は、内外ともに大きな変革の流れの中にあり、歴史的な曲り角に差しかかっております。新しい時代が求める変革に正しく対処しなければなりません。真に正しい先見性と勇気ある決断力、実行が求められているわけであります。そのために最も大切なことは、我が国がどのような立場を維持するか、私たち国民がどのような考え方を持つかということであります。


 今、我が国は、中国、韓国、ロシアや東南アジア諸国との友好関係の保持に大きな難問を抱えております。すなわち領土問題であり、靖国問題であり、教科書問題であります。


 第2次大戦後、平和国家として、自由社会の一員として、我が国は友好関係を第一として努めてまいりました。その結果は、国際社会に認められ、国連の常任理事国入りを目指すところまで来ております。しかし、近隣諸国との問題はなかなか厳しく、国論も大きく揺れ動いております。領土問題といい靖国問題、教科書問題といい我が国の根幹にかかわる問題であり、日本人が、日本国と日本人の大切な歴史、文化、伝統に基づく考え方、アイデンティティをどのように確認し維持するか、その存在をかけるものであります。


 戦後、我が国は、必死の力を振り絞って廃墟の中から立ち上りましたが、いつの間にか太平の中に紛れて、日本の正しいあり方を、勇気を持ってきちんと主張することが十分ではなかったと思います。ややこしいことを避け、決して逃げてはいけない大切な問題点を先送りしてきたのではないでしょうか。


 去る3月末、私は、自民党県連を代表して、北海道釧路、根室で催された党主催の北方領土問題研修会に参加し、全国の代表と一緒に論議する機会を得ました。党幹事長、外務大臣、経済産業大臣等も参加され、大変有意義な会でありました。


 しかし、この会が21年ぶりに開催され、しかも近々予定のプーチン大統領来日に合わせ、北方4島返還のアピールのためであったことは、タイミングのよさと同時に、2島返還論が取りざたされる中で一抹の不安を覚えました。このような基本的な我が国固有の領土返還のアピールは、もっと恒常的に強く続けるべきものであると思うのであります。靖国参拝問題でも、教科書問題でも、我が国の自主と独立をかけた重要問題であり、いやしくも外国からの圧力に屈することがあってはならないことは当然であります。ただし平和国家として友好的立場を堅持するため、正しい理解を求めることに最大限の努力をすることは当然であり、その説明責任を十分果たすことは、もっと丁寧になされるべきであります。この努力が不十分であるために誤解を与え、意見のはざまを埋められないことは、まことに残念であります。しかし、そのために、本質的な国家観、アイデンティティを見失うことは許されないと思います。


 慶應義塾長であり、今上陛下の東宮時代の教育参与でありました小泉信三先生が、昭和41年、三笠保存会の席上講演された中で、次のように語っておられます。


 日本国民の自重の精神は敗戦によって崩れました。他国の武力に屈するのやむなきに至りました日本人は、その国民としての誇りを失い、心の友を失って退廃に陥ったことはごらんのとおりであります。すべての道徳的努力は無意味なものとしてあざけるという思想、ひたすらに官能の満足を追い求めるという傾向、またさらに、何者かにこびるような気持から、しきりに日本及び日本人を侮りあざける風潮が起ってきたことは、御承知のとおりであります。ことに多少知識があって、時世の動きに対して神経が鋭敏であるものの間に、この傾向が顕著であって、その一派の人々の書いた歴史などを見れば、いかに日本人はつまらない国民であるかということを説くのに努力しているかのごとく見えるのであります。そもそも自尊自重、みずからをたっとびみずからを重んじるの精神のない国民が、他国人の侮りを受けますのは、これは当然でありますが、また、みずから重んずる精神のないものは、他国民のみずから重んずる精神をも理解することはできないので、かかる国民は、他国民に対しまするときに、弱小のものに対しては不遜となり、強大なものに対しては卑屈となることは、いずれも避けがたいことであります。したがって、一国民が正しい自重の精神を堅持することは、ひとり自国のために他国の侮りを防ぐのみでなく、世界の国民と国民、国と国との関係を正常で健全なものにする上において欠くべからざる要件であると思います。自尊自重の精神なき国民は、すべての高い精神活動の落後者にならざるを得ないのであります、と。以上のとおりでありますが、まさに至言であります。


 その後40年たって、我が国の根幹にかかわる領土問題、靖国問題、教科書問題をめぐり、近隣諸国から理不尽とも言える要望が出されている我が国の現状をどのように考えるか、私どもは筋を通すべく、真剣に対処しなければならないと思いますが、知事の御所見をお聞かせいただきたいのであります。


 御承知のとおり、本年は中学校教科書の採択の年であります。思い返しますと、県教育委員会が、平成13年に県立養護学校等、また翌14年には、新しく開校する県立中学校で使用する教科書を採択した際、歴史教科書の採択に関して、国内の一部や韓国の団体などから激しい干渉活動がありました。現在もまだ、その当時の採択に関して、意図的に理解しがたい裁判が続けられているのであります。そして今回も、報道によりますと、8月の採択に向けて、既に特定の歴史教科書のみの採択を阻止する活動が強まっており、その一環として、教育委員会の採択権限を否定するような動きも顕著になってきております。


 改めて申すまでもなく、教科書については、法令により、国の検定制度や地方自治体の教育委員会による採択制度が定められております。県立学校の教科書採択は、教育委員会が、制度にのっとり、その責任と権限により公正公平に審議して決定すべきものであることに疑いの余地は全くないのであります。さまざまな意見の表明や言論の自由は、民主主義として尊重すべきことは当然であります。


 しかし、教科書の採択に関して、仮にも教育委員会に対して圧力となるような行き過ぎた行動をとるようなことは、決して許されるわけではありません。公正かつ適正な採択を行う上で、静ひつな環境を乱したり、採択に影響を及ぼすような外部からの過当な働きかけはあってはならないものであり、あくまで全県民が良識と関心を持って静かに見守るべきであると思うのであります。教科書を手にする児童生徒が、我々大人の行動を見ております。


 教科書採択の当事者である教育長は、どのような心構えでこの大事な問題に取り組んでいかれるのか、御所見を伺いたいのであります。


 地域の活性化の観点から、愛媛FCに関してお尋ねいたします。


 ドイツでのワールドカップ出場も決まり、サッカー熱は一段と高まっています。サッカーは、Jリーグの発展とともに大きな盛り上がりを見せ、確実に日本の国民的スポーツとして定着してきております。Jリーグは、単にサッカーの普及を目指すのみにとどまらず、所属クラブの活動の本拠地をホームタウンと呼んで地域に根差した活動を展開しており、結果として地域の活性化に貢献しているように思います。


 例えば、アルビレックス新潟は、経済効果が、直接、間接を合わせて31億円と言われ、これに加え、県民に大きな夢と感動を与え、ふるさと意識の高揚と地域に対する誇りをもたらしているとの高い評価を受けております。


 我が愛媛におきましても、愛媛FCが平成6年に設立され、12年にJFLへと昇格し、15年にはJFLで年間観客動員1位を記録するなど、県民のクラブとして確実に定着してきており、J2昇格を目指して、チーム力の強化はもちろん運営体制の充実にも積極的に取り組んでおります。昇格した暁には、地域の活性化にはかり知れない効果が期待できると信じております。


 県では、ホームスタジアムである県総合運動公園陸上競技場の改修など、J2昇格に向けて必要な支援策を講じていただいた上、今議会には、愛媛FCへの出資金が計上されております。私は、愛媛FCのJリーグ入会申請を控え、まことに時宜を得たものと喜んでおりますが、財政状況が厳しい中、どのような考え方を持って出資を決断したのか。また、出資以外に今後どのような支援を行っていく考えなのか、お伺いしたいのであります。


 次に、行財政改革問題について2点お伺いいたします。


 我が国の地方行財政制度は、明治以来130年以上続いてきた中央集権型の縦割り、画一的な行政からの転換を図り、市町村合併の進展に伴う地方分権の本格化や道州制を見据えた議論がなされるなど、地方の自己責任、自己決定による地方分権型社会の構築に向けた大きな流れの中にあります。少子高齢化による人口減少時代の到来や県民ニーズの多様化、複雑化など、社会経済情勢も大幅に変化してきており、国、地方を通じた厳しい財政状況の中で、これまで以上に新しい視点に立った行政改革への積極的な取り組みが求められております。


 このような中、国においては、昨年12月に、今後の行政改革の方針を閣議決定し積極的に推進しております。県では、平成14年に、本県の行政改革の基本指針である行政システム改革大綱を策定し、1つ、中長期にわたって持続可能な財政基盤の確立、2つ、本格的な業務プロセス改革の実施、3つ、効率的、効果的な組織、執行体制の整備の3つを柱とするさまざまな改革に積極的に取り組んでこられました。さらに、現行大綱の推進期間が今年度で終了することから、新たな行革大綱を今年度中に策定し、本県の行政改革の取り組みを一層推進する方針であると聞いております。


 これまでの行政改革の取り組み状況を踏まえ、今後どういう方針で行政改革を推進していくのか、お伺いしたいのであります。


 2点目は、財政問題についてであります。


 地方分権の理念を税財政の観点から実現するものとして三位一体の改革が進められておりますが、私は、地方の歳出歳入両面における自由度を高め、国と地方の役割分担に基づいた地方自治の本来の姿の実現に向けた改革が進められることが重要であると思っております。


 したがって、今後も国庫補助負担金のさらなる改革を行うとともに、国、地方を通じた行政のスリム化を推進した上で、地方がみずからの判断と責任により行財政運営を行っていくためには、国庫補助負担金の廃止に伴う地方への税財源の確実な移譲と地方間の財政力格差を調整する地方交付税の機能の充実が何よりも大切なことであります。


 なお、義務教育国庫負担金につきましては、加戸知事のおっしゃるとおり、教育論の本質的な議論を経た上で、制度が堅持されることを私も強く願っております。


 現在、我が国の財政状況は、平成17年度末には、国と地方の長期債務残高が774兆円に達すると見込まれており、対GDP比151.2%と危機的な状況にあります。このような我が国財政が極めて厳しい状況においては、今後、地方交付税の縮減などにより、全体で地方の歳入が減収になることは考えておかなければなりません。地方分権は、同時に地方に相当の厳しさを求めるものであります。県におきましても、県債発行残高が9,600億円を超えて一般会計予算の1.5倍ある実態や、財源対策基金が枯渇している状況の中で地方交付税等の一般財源が確保されないとなると、地方分権どころか県そのものが財政破綻をしてしまう状況に追い込まれているのではないかと危惧するのであります。


 私は、職員の意識改革を進め、県全体で行財政改革に真剣に取り組み、今まで以上に行政のスリム化を図るとともに、新規財源の確保に努め、基金等に依存しない身の丈に合った財政運営を早期に実現しなければならないと考えておりますが、今後、財政運営にどのように取り組んでいかれるおつもりか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、四国電力の原子力本部の本県への移転問題についてお伺いいたします。


 このことにつきましては、昨年の12月議会におきまして、地元選出の高門県議から、県として四国電力に要請されてはどうかとの提案があったところであります。その後、県におかれては、地元伊方町の意向を確認されるとともに、去る6月22日には、知事から直接、四国電力の大西社長に原子力本部移転の要請書を手渡され、6月27日に四国電力から回答がありました。しかしながら、その回答内容は、県内への役員配置による権限強化と責任体制の明確化が柱であり、原子力本部の移転につながるような内容とはなっていないのであります。


 これまでも議論がありましたとおり、四国で唯一原発が立地する本県に原子力本部を移転し、万が一の緊急事態対応の迅速化や現地での指揮、責任体制の明確化を図るとともに、地元住民や自治体等との意思疎通の緊密化に努めるなど、安全安心のさらなる充実に向けた取り組みを求めることは、立地県として至極当然のことと考えるのであります。加えて、立地地域重視の経営に徹することが、ひいては、原子力発電所の安定運営と将来にわたる電力の安定供給につながるものと確信するのであります。


 既に関西電力では、美浜3号機事故の再発防止対策とは言え、福井県への原子力事業本部の移転や地域共生本部の新設など、立地地域重視の対策を思い切って進めようとしており、四国電力においても、さらに、立地地域県民の安全安心の向上に向けた対策に真摯に取り組むべきであると考えるものであります。


 原子力本部の本県への移転を、再度、強く要請すべきと考えますが、県として、四国電力の回答をどのように受けとめ、今後どのように対応されるのか、お考えをお聞かせ願いたいのであります。


 次に、防災体制の強化についてお伺いいたします。


 地震は、いつ、どこで起きるかわかりません。昨年からことしにかけて発生した新潟県中越地震や福岡県西方沖地震に改めてこのことを痛感しました。これらの地震では、阪神・淡路大震災の反省を踏まえ、地震発生と同時に、地元自治体や警察、消防のほか、自衛隊や消防庁の緊急消防援助隊による円滑な情報収集や救助、さらには、全国の自治体やボランティアなどによる救援活動が展開されました。


 しかし、これらの地震は、地域的に見ると、局地災害でありましたが、近い将来、発生が懸念されている南海地震は、揺れや津波による広域かつ甚大な被害が想定されているのであります。


 中央防災会議の資料によると、南海地震が発生した際の関係県の被害は、死者約1万1,000人、全壊家屋は、約22万棟となっておりまして、特に、高知、徳島、和歌山県など震源域に近い地域では、深刻な状況となることが予想されております。


 このような大規模災害への対応は、県単独では困難であることは明らかでありまして、今後、各県における十分な備えは言うまでもありませんが、全国的な応援体制が整うまでの初動期において、近隣県が相互に助け合う仕組みづくりは、極めて重要であると思うのであります。既に本県においては、民間事業者や近隣県などとの間で災害時の応援協定を締結されていますが、さらに、知事が、先般の四国知事会議において、災害時に即応できる4県の協力体制の強化を提案されたことは、広域的な防災体制整備への取り組みとしてまことに時宜を得たものと考えます。


 しかし一方、先般の大三島の山林火災の際に、防災無線の周波数が異なることによる混乱が生じたように、初歩的、基本的な連携ミスが起こらないよう、万全の体制が望まれるものであります。


 今後、県は、南海地震等の大規模災害発生時の広域的な防災体制の強化にどのように取り組まれるのか、お聞かせ願いたいのであります。


 2点目は、県民の防災意識の啓発についてお伺いいたします。


 大規模災害が発生した際、どんなに行政が対策を充実させても、その対応にはおのずと限界があることは、これまでの災害を見ても明らかであり、被害の最小化を図る上で、県民みずからの十分な備えが何よりも重要であると思うのであります。住宅の耐震改修や家具の固定を行うことで犠牲者は激減するほか、新潟県山古志村が孤立したように、全国で約6万集落が道路に遮断されて孤立するおそれがあると内閣府が推計するような状態では、災害発生直後の自主防災活動など住民同士の救助活動が被害の軽減に大きな役割を果たすことから、今後、県民に対し、これら災害に関する正しい知識を伝え、注意を喚起し続けることが、防災行政に課せられた大きな責務であると考えます。


 県は、南海地震等の大規模災害に備え、県民に対する啓発活動にどのように取り組んでいるのか、あわせてお聞かせ願いたいのであります。


 最後に、県警の捜査費問題についてお尋ねいたします。


 県警の捜査費問題が報じられて、はや1年が経過いたしましたが、いまだに最終報告がなされず現在に至っていることは、まことに遺憾と言わざるを得ません。


 本年1月には、現職警察官による内部告発もあり、先般、県警は、当該警察官の発言内容に関する調査結果を公表しましたが、その結果については、現職警官の発言内容をことごとく否定するものでありました。しかしながら県民の中には、現職警察官の告発という全国で類のない事案に対し、いまだ疑惑を完全に払拭したとは言えないとの声もあり、この件に関して、改めて本部長の見解を伺いたいのであります。


 また、去る30日には、さきの特別監査の結果報告において、執行の事実に疑義があると指摘された13事案35件の調査結果を公表されましたが、一部捜査報償費の執行に不適正な事案があったことは、極めて遺憾であり、県民の中には、何となく釈然としないという声が多いのであります。この調査結果に関する本部長の見解をお伺いいたします。


 さらに、この調査結果は、あくまでも監査委員の指摘による13事案に関するものであり、県警は、平成13年度全件の調査を行うこととしておりますが、県民の不信は、県警みずから払拭するしかありません。


 県警として、今後の調査に対しどのような方針で取り組んでいくのか、本部長としての御所見を伺いたいのであります。


 県警は、150万県民の安全で安心な生活を守ることが最大の責務であります。県内の治安情勢は、重要、凶悪事件が発生するなど大変厳しい情勢にあり、捜査費問題の長期化は、県民の安全安心な生活にも影響いたしますし、第一線で日夜頑張っている警察官にとっても不幸なことであります。


 私は、愛媛県警の自浄能力を信じております。県警は、県民の声を真摯に受けとめ、県民への説明責任を十分果たし、県民の信頼を回復して一日も早く本来の責務に全力を注ぐことができるよう、万全の態勢で臨むことを強く望むものであります。


 以上で私の質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 横田議員に対します答弁に先立ちまして、今回の豪雨関係の報告をさしていただきます。


 今回の梅雨前線豪雨によるこれまでの被害の状況でございますが、本日午前8時現在で、伊予市におきまして、昨日から76名の男性が行方不明になっておりますほか、県内全体にわたりまして、住宅の全壊が2棟、床上浸水が10棟、床下浸水が328棟などとなっております。


 被害に遭われました方々には、心からお見舞い申し上げたいと存じます。


 このほかの公共土木施設や農業被害などにつきましては、現在詳細を調査中でありますが、今後、関係機関と連携しながら、一日も早い復旧に全力を上げてまいりたいと考えております。


 恵みの雨が災害の雨となりませぬよう祈っております。


 それでは、横田議員の質問に答弁させていただきます。


 まず、我が国の根幹にかかわる領土問題、靖国問題、教科書問題などの諸問題は、筋を通すべく真剣に対処しなければならないと思うが、知事の所見を問うとのお尋ねでございました。


 今日、我が国と近隣諸国との間に生じておりますさまざまな外交上の問題は、政府レベルでの解決にゆだねられるべきものでございますが、国際交流の推進に努めている本県といたしましても憂慮しておりまして、今後の動向を注視しているところでございます。


 もとより国家の主権にかかわる事柄につきましては、他国の干渉を受けるべきものではなく、我が国の立場や考え方を一貫して毅然とした態度で主張し、理解を求めていくべきであると考えておりますけれども、戦後の我が国の外交姿勢は、横田議員御指摘のように、自尊自重の精神に欠けるきらいがあったと私も感じております。


 国際社会で協調を図っていくことは極めて重要なことでございます。そのためには、各国の歴史や文化などの違いを踏まえつつ、我が国の考え方を可能な限り理解してもらうための努力を続けていくことが大切なことでもございます。


 今から2000年も前の中国四書の一つと言われております「中庸」の中にも、「和して流せず」という言葉がございます。これは平和的に強調して世の中をお互いに仲よくしながら生きていくという基本的な考え方でありながら、ただ自分の信念を曲げることなく、相手の主張に押し流されてしまうということだけはしない、そんな意味でございまして、和して流せずの精神で臨むべきではないかと思っている次第でもございます。


 次に、財政状況が厳しい中、どのような考え方を持って愛媛FCへの出資を決断したのか。また、出資以外に今後どのような支援を行っていくのかとのお尋ねでございました。


 愛媛FCは、平成12年の四国リーグ優勝を経て、国内のアマチュアリーグの最上位に位置するJFLでも活躍し、今やJリーグ加盟の一歩手前まで実力をつけてきてまいっておりまして、この間、多くの県民をサポーターとして巻き込み、県民のサッカー熱を高めるなど、まさに元気えひめを象徴するような存在になりつつあると考えております。


 この愛媛FCの活動を支援し、J2昇格の夢を果たすことは、横田議員お話のございましたように、愛媛県の活性化に大きな効果を生むものと私も信じております。


 また、J2昇格を果たした場合は、他県からのサポーター等の来県も増加し、観光を初めとする県内産業の振興につながるなど、地域に元気とにぎわいをもたらすとともに、愛媛のイメージアップや全国へのPR効果も期待されるところでございます。


 さらに、Jリーグの方針として、地域、企業、行政の三位一体での支援体制を確立することが求められておりまして、7月または8月に想定されるJ2昇格のための実質的な審査におきまして、行政の支援体制を強くアピールできるということが1点。また、県が出資することにより、県内企業等からの出資の呼び水となり、愛媛FCの一層の経営基盤強化が図れることなどから、今回、松山市と協調して出資することとしたものでございます。


 出資以外の今後の支援策としては、これまでに県総合運動公園陸上競技場がJ2の試合会場としての条件を満たすよう、いす固定観客席を1万席余りに増設いたしましたが、昇格決定後に必要とされる施設整備につきましては、今後、引き続き検討してまいりたいと考えております。


 また、県広報誌や県ホームページ等による愛媛FCの情報発信なども検討しておりまして、今後も、できる限りの支援を行ってまいりたいと思っております。


 次に、行財政改革問題に関しまして、まず、これまでの行政改革の取り組み状況を踏まえて、今後、どのような方針で行政改革を推進していくのかとのお尋ねでございました。


 県では、行政改革を県政の最重要課題として位置づけ、行政システム改革大綱等に基づき、これまで組織、財政、事務事業の見直し等、行政の全般にわたって積極的に改革に取り組んでまいってきたところでございます。


 その結果、具体的には、まず、組織改革の面では、地方機関の再編整備、一般行政部門職員の削減、県出資法人の統廃合、また、財政面では、行政評価を活用した事務事業の徹底した見直しや予算編成システムの改善、さらに、業務改革の面では、旅費等総務系業務の改革、指定管理者制度の導入や愛と心のネットワーク推進のためのNPO、ボランティアへの支援などについて、着実に達成できているものと認識いたしております。


 しかしながら、現在、県行政を取り巻く環境としては、地方分権の進展や少子高齢化、高度情報化等社会経済情勢の変化、これまでになく厳しい県財政の状況などがありまして、このような環境の中で、多様化する県民ニーズに的確に対応してまいりますためには、今後、県民に開かれた行政をさらに推進し、県民満足度の高い行政サービスを目指すこと。市町や民間等とのより適切なパートナーシップを構築すること、そして、選択と集中を厳格に行い、持続可能で効率的な財政運営を徹底すること、さらには、地方分権時代にふさわしく、県民ニーズに的確にこたえる効率的な組織づくりを行うこと、これらの基本的な考え方のもとに、既存の事務事業を抜本的に見直す等の改革を行っていく必要があると考えております。


 さらに、第2点といたしまして、今後、財政運営にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 平成17年度当初予算の編成に当たりましては、中期財政見通しで約271億円の財源不足が見込まれましたため、事業廃止を前提とする徹底した歳出削減や特別職体制の見直しを行います一方、緊急避難的に特定目的基金の活用や、知事公舎を含む大規模な県有財産の売却を進めるなどの歳入対策を講じて、ぎりぎりの予算編成を行ったところでございます。


 今後は、財源対策基金が枯渇いたしますとともに、三位一体の改革の影響が不透明な中、今まで以上の歳出削減を行いますためには、選択と集中を徹底する新しい予算編成方法が必要と認識いたしておりまして、これまでの予算編成に係る全過程を見直す所存でございます。


 具体的には、予算編成と行政評価を連動させるとともに、長期計画の後期実施計画の策定作業とも連携しながら、既存事業のゼロベースからの見直しを図りますとともに、県民ニーズに即した優先度、緊急度の高い施策に重点的に予算配分する必要があると思料いたしております。


 今後は、これまでにないほど極めて厳しい財政状況が続くと見込まれますことから、職員の意識改革を進め、県民の目線に立った政策の選択と集中を行うことにより、財政破綻を来さないよう重点化、効率化に努める所存であり、議員各位の御理解と御協力を切にお願いしたいと思っております。


 次に、防災体制の強化に関しまして、今後、県は、南海地震等の大規模災害発生時の広域的な防災体制の強化にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 横田議員御指摘がございましたように、大規模災害発生時には、被災県単独で行う応急対策には限界がありますことから、県では既に、全国知事会を初め、中四国ブロックや四国各県との間で広域応援協定を締結しているところでございます。


 しかし、これらの協定では、被災情報等の連絡体制や支援物資の緊急輸送ルートに加え、応援職員の指揮命令系統や派遣規模、受け入れ体制などの具体的な対応策も明確になっていないのが現状でございます。


 このようなことから、先般の四国4県知事会議におきまして、南海地震の被害想定をもとに、被害が少ないと予想される県が、応援職員等を即時に派遣できる具体的な応援実施計画の策定について提案させていただいたところでございます。


 今後は、事務レベルによる具体策の協議や合同訓練の実施などのほか、四国地方整備局など国の関係機関とも連携し、情報の共有化など、4県が一体となって広域的な防災体制の一層の強化を図ってまいりたいと思います。


 先ほどの答弁の中で、伊予市での76歳というのを76人と申し上げさして、失言をいたしました。76人ではなくて76歳の男性が行方不明になっているということで、訂正させていただきたいと思います。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(森高康行議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 横田議員の御質問に答弁をさしていただきます。


 私の方からは、原子力本部の本県への移転を再度強く要請すべきと考えるが、四国電力の回答をどのように受けとめ、今後どのように対応するのかとの点についてお答えをいたします。


 原子力本部の移転要請に対しまして、6月27日に、四国電力から回答が示されました。その内容は、要約してみますと、四国電力としては、現在の本部体制が最良のものと考えているが、愛媛県民の安心を確保し、良好な関係を永続するため、要請の趣旨を真摯に検討をした結果、経営に携わる役員が直接県民の意見を聞き、よりきめ細かく、迅速な対応を行う体制整備を図るため、伊方発電所に常務取締役を常駐させるとともに、同発電所長及び松山支店長に取締役を配置する。そしてもう1点は、また、今後とも、環境の変化等を踏まえ、必要の都度、最善、最良の組織体制を整備していくという内容のものでございました。


 県としましては、常務取締役など3名の役員配置に加え、今後とも、組織体制の整備に取り組む旨の表明がありましたことは、立地地域に対する一定の配慮をいただいたものと受けとめております。


 しかしながら、県が要請しました主眼は、あくまでも原子力本部の移転でございます。これが受け入れられなかったことは大変残念でございまして、これで事足れりとは考えておりません。四国電力に対しましては、今後さらに、地元に立脚した体制の構築を働きかけていきたいと、このように考えております。


 このため、回答のありました役員配置の成果を十分見きわめますとともに、既に福井県へ原子力事業本部の移転を表明している関西電力の動向も注視しながら、今後、新たな課題として想定されます伊方1号機の高経年化問題や国民保護法制への対応をも含め、引き続き県内における原子力発電の運営管理体制の拡充強化を要請し、県民の安全安心の向上に努めてまいりたい、このように考えております。


 以上でございます。


○(石川勝行県民環境部長) 議長


○(森高康行議長) 石川県民環境部長


  〔石川勝行県民環境部長登壇〕


○(石川勝行県民環境部長) 横田議員にお答えいたします。


 防災体制の強化について、南海地震等の大規模災害に備え、県民に対する啓発活動にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 南海地震等の大規模災害時におきましては、行政による応急対応には限界がありますことから、県民一人一人が災害に対する正しい知識を持ち、日ごろから家庭や地域において備えておくことが極めて重要であると考えております。


 このため県では、これまでも、啓発パンフレットの配布やセミナー等の開催のほか、県ホームページの活用や自主防災組織の結成促進などを通じて、県民の意識啓発に努めてきたところでございます。


 また、今年度新たに、地域の危険箇所等を広く住民に周知するため、市町が実施する総合防災マップの作成を支援するほか、危機管理監が講師となって、県民向けの防災講座を全市町において順次開催いたしております。


 今後とも、これら施策の一層の推進に努めるとともに、市町や消防機関との連携を密にしながら、県民に対する防災意識の啓発活動の充実強化を図ってまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(森高康行議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 横田議員にお答えをさしていただきます。


 どのような心構えで中学校教科書採択に取り組んでいくのかというお尋ねでございます。


 現在、中学校の教科書9教科につきまして、教科用図書選定審議会におきまして調査研究が進められております。


 御指摘のように、既に特定の歴史教科書の採択をめぐりましてさまざまな要請や働きかけがございますし、これからもあると思っておりますけれども、県教育委員会といたしましては、県立の3中学校や養護学校などの採択に当たりましては、外部からの圧力等に影響されることなく、教科書採択にかかわります法令、通知に従って、みずからの採択権限と責任において、適正かつ公正な採択を行う考えでございます。


 このためにも、静ひつな採択環境の確保は不可欠でございまして、円滑な採択に支障を来すような事態には毅然と対応しながら粛々と進めてまいりたいと思っております。


 以上でございます。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(森高康行議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 横田議員の質問にお答えいたします。


 初めに、現職警察官の告発内容に関して、改めて本部長の見解を問うとのお尋ねでございます。


 先般公表した現職警察官の会見等における発言に対する調査結果については、昭和43年度以降平成7年度に至るまでの当該警察官が所属した部署の署長、副署長、会計課長など関係者及び平成11年度以降の警察本部地域課の勤務員などのうち、死亡、病気などで聴取できなかった者57人を除く247人に対する聞き取りを行ったほか、現在保管、保存されている文書の確認を行うなどの調査を行ってきたものであります。


 当該警察官が指摘したにせ領収書の作成依頼、JR業務証明書の不正使用等については確認することができなかったものであります。


 また、警乗旅費の支給につきましては、平成16年度の書類に一部記載誤り等の不備が認められたほかは、不適正な点は認められなかったものであります。


 次に、特別監査で疑義があるとされた事案の調査結果に関する本部長の見解を問うとのお尋ねでございます。


 特別監査において、執行の事実に疑義があると指摘された13事案35件の関する調査につきましては、当該事案に係る捜査員、当時の署長、副署長、会計課長等50人及びすべての物品購入先など8対象11人について聞き取り調査を行うとともに、支払い証拠書や物品購入先などの関係書類を行ったものであります。


 調査の結果、5事案14件については、捜査報償費として本来執行し得ない使途に執行しており、不適正な予算執行と認められ、5事案8件については、捜査報償費として、本来執行し得る使途に執行しているが、執行実態と異なる内容を記した支払い証拠書が作成されていることが認められたものであります。


 まことに遺憾であり、県議会を初め県民の皆様に深くおわびをするものであります。


 県警察といたしましては、このような事案の再発防止に努めるとともに、捜査報償費として不適正な予算執行と認められた5事案14件7万9,384円については、早急に県に返還する方向で検討を進めてまいりたいと存じます。


 次に、平成13年度全件の調査を行うこととしているが、どのような方針で取り組んでいくのかとのお尋ねでございます。


 県警察といたしましては、平成13年度の捜査報償費について、特別監査で指摘された13事案35件の調査結果で、不適正な予算執行と認められた5事案14件及び執行実態と異なる内容を記した支払い証拠書が作成された5事案8件が認められたことから、今後は、6月30日付で設置した、私を長とする愛媛県警察予算執行調査委員会のもと、平成13年度の捜査費の執行について、国費分も含めましてすべてを対象として早急に調査を行うこととしたいと考えております。


 また、調査結果につきましては、速やかに議会を初め県民の皆様に公表し、説明してまいる所存であります。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 暫時休憩いたします。


     午前10時56分 休憩


    ――――――――――――


     午前11時9分 再開


○(森高康行議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(豊島美知議員) 議長


○(森高康行議長) 豊島美知議員


   〔豊島美知議員登壇〕


○(豊島美知議員)(拍手)民主党、豊島美知でございます。初めて質問いたします、よろしくお願いいたします。


 まず初めに、さきの2月定例会におきまして、我が党藤田議員が代表質問で、成見議員が一般質問で取り上げました県警の捜査費不正支出問題について、その後の情勢を踏まえ、質問いたします。


 去る5月9日、さきの特別監査が不十分だったとして、住民監査請求が出されました。平成11年度から平成16年度までの捜査報償費の予算執行状況を監査した上で、違法、不当な執行分の返還を求める内容です。県監査委員は、5月17日、請求を受理しており、請求日から60日以内に監査結果が公表されることとなっています。


 警察庁は、6月10日の衆議院内閣委員会で、県警の内部調査結果を報告し、また、同日、県警も記者会見を開き、調査結果を報告しました。しかし、いずれもにせ領収書の作成等、事実は確認されなかったとしています。そして、先般6月30日、さきの特別監査における13事案35件の疑義に対する調査報告も発表されました。この内容は、一部不正を認めるものではありましたが、現在問題となっている組織的な不正支出疑惑の全容解明へ直接踏み込めるものではありません。支出された額の約1割しか開示されなかった会計資料、その少ない資料の中からどのような種類にしろ不正が認められた点については、今後、平成13年度の捜査費全体の調査への期待が残されているとは言えますが、我々の求めるものからは、ほど遠い内容であります。


 連日の新聞報道等にも、より多くの県民がこの疑惑解明を求め注視している中、また、直接現場において人々の安全を守るために誠実に任務を遂行している警察官の士気への影響が懸念される中、これら報告内容は、だれをも納得させるものとはなっていません。


 知事は、それ以前の中間報告に対し、県民が納得する調査報告になっておらず、知事御自身も釈然としない部分があると5月30日の定例会見で述べていらっしゃいますが、これらの報告や先般発表された調査報告も含め、知事はどのような調査報告であれば県民は納得すると思われますでしょうか、お伺いいたします。


 また、この疑惑解明のためには、関係文書の公開がかぎとなることについては異論のないところであると私は思っております。


 そこで、協力者保護の理由により氏名等マスキングされていた点についてお伺いいたします。


 非開示、つまり秘密情報である旨の決定が実施機関の自由裁量で行われるものとすれば、我々の知る権利の意義は著しく薄くなり、この不正疑惑の解明において県民の公益性は侵害されるものとなります。捜査上の問題として非開示と決定した資料について、だれがいかなる基準によって秘密情報である旨の決定をするのでしょうか、お伺いします。基準については項目別に具体的に例を挙げ説明をしてください。


 次に、今後の県政運営についてお伺いいたします。


 47都道府県にわたる県民経済計算は、各県経済の実態を把握するとともに、国民経済の中での各県経済の位置づけを明らかにし、各県経済相互間の比較をも可能とします。2002年度の1人当たり県民所得は、全県平均292万円で実質経済成長率はプラス0.5%と、前年度のマイナス成長からプラス成長へと転換しました。


 我が愛媛県の1人当たりの県民所得は232万円、全県平均よりも60万円低く、実質経済成長率はマイナス1.8%となっています。また、県民1人当たりの平均個人所得は、愛媛県は200万2,000円で47都道府県中46番目、最下位をキープする沖縄県に次いで下から2番目に位置しています。ちなみに四国4県の比較において見ますと、徳島26位、香川30位、高知35位となっています。47都道府県の比較ですから、どこかがトップとなりどこかがビリとなるものではありますけれども、愛媛県はそういった状況にあります。また、愛媛県の人口減少も憂うるところとなっています。


 少子化関連の質問はあとに譲りますが、国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料2005年度版によりますと、愛媛県の人口は、5年後の2010年には2万8,000人減、10年後には6万6,000人減、そして25年後の2030年には23万人減少することが推計されています。


 このような県民所得・個人所得の低迷や、また、際限なき人口減少の中、愛媛の将来像をどのように描き、県政における施策を進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。


 次に、少子化に関連した問題について質問いたします。


 過去30年間低下傾向にある我が国の合計特殊出生率は、6月1日厚生労働省が公表した2004年人口動態統計によると1.28台となり、またもや過去最低を記録しました。愛媛県の合計特殊出生率は1.33、自然増加数はマイナスとなっています。この少子化問題は、今後の国民生活に深刻な影響を及ぼすことが懸念されており、少子化の流れを変えるために、国や地方自治体においてはさまざまな取り組みが続けられていますが、今のところ、その効果は見えてきていません。経済の発展等を背景にして、多産多死、多く生まれ多く死ぬという段階から少産少死の段階へ移行するのは、世界各国の共通の流れです。


 以前は、少産少死の段階になると人口動態は安定するものと考えられていましたが、最初に、少産少死に達した欧米諸国では、人口の置き換え水準よりも低くなるという一層の出生率低下が見られ、第2の人口転換と言われています。


 我が国も、こうした第2の人口転換に至っている状況にあります。この現象は、効果的な避妊法の普及、晩婚・晩産化の進展などがもたらしたものであると見られており、その背景には、結婚や家庭に対する個人や夫婦の価値観の変化があるとされています。少子化に歯どめをかける政策を打ち出し、功を奏して出生率の現状維持、または出生率が回復の兆しにある国、片や少子化を全くとめることができず、ますます加速している国などいろいろです。我が国におきましても積極的に取り組みがなされていますが、実効性のある施策が待ち望まれるところです。


 少子化問題を解決することを喫緊の課題とし、国において2003年には、次世代育成支援対策推進法、少子化社会対策基本法の成立、また、2004年には、児童虐待防止法の改正など、子供や子育てをめぐる法律の制定、整備が進められました。少子化社会対策基本法の前文には、「我らは、紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面している」と書かれ、続いて、少子化問題は社会の根幹を揺るがしかねず、解決には長い時間を要し、「我らに残された時間は、極めて少ない」と明記されているとおり、我が国は切羽詰った状況に置かれています。


 次世代育成支援対策推進法のもと、国の指針に基づいて、本県においてもこの3月、行動計画であるえひめ・未来・子育てプランが策定されました。今年度までの計画であったえひめ子どもプランに続くものですが、このえひめ・未来・子育てプランでは、多くの項目で具体的目標数値が挙げられております。子育て環境を少しでもよくしようと、現在生じているさまざまな問題への対処が見られます。保育サービスを充実させるなど、これらの目標数値を達成することによって、少子化が改善の方向へ向かうことを期待するものではあります。


 しかし、現実問題として、子育てをするとき、前に厳然と立ちはだかっているのは経済的な問題です。子育てにはお金がかかり、子育て世代は、収入に余裕がないこともあり教育費も大きな負担となっています。もう1人子供をと思っても、経済的事情のために断念するケースも多々あります。子育てのサポートは、子育ての環境整備とともに実質的な経済的サポートを伴わなければ、実効性も希薄になるのではないかと考えますがいかがでしょうか、御所見をお聞かせください。


 次は、男女共同参画について質問いたします。


 少子化の問題解決は、子育て支援と男女共同参画社会の形成にかかっていると私は考えておりますし、また、少子化社会対策基本法の中でも、「少子化に対処するための施策は」「国民の意識の変化、生活様式の多様化等に十分留意しつつ、男女共同参画社会の形成とあいまって」講ずると述べられております。国民の意識は変化し、女性も男性も多様なライフスタイルを求め、それを生きようとする時代になっているのです。そのような時代にあって、講じるべき施策は、多様なライフスタイルを保障する施策でなければなりません。年金制度、税制、雇用・労働条件、一生を通じての福祉サービス、健康保障などを、その多様なライフスタイルに見合ったものにしていかなくてはならないのです。例えば、若い世代の人たちが結婚したり子供を持った場合に、多様なライフスタイルを選択することができない人生を余儀なくされることとなるなら、結婚や子供を持つことに躊躇してしまうのは、当然の成り行きだと思います。


 男女共同参画社会基本法が制定され、はや6年が過ぎました。固定的な性別役割分業から脱し、男女がともに個性や能力を生かせる社会の形成を目指してきましたが、いまだ実現にはほど遠い状況です。


 経済が右肩上がりの成長を遂げている間は、男女の役割分担も可能でしたが、男性世帯主が「妻子を扶養する」ということをいつの時代にも当然の役割とみなすことはできません。個人の雇用処遇も、企業も浮き沈みがあることが通常となった時代には、世帯が男性の収入一極依存型では余りにも頼りないものとなります。40歳代、50歳代の男性が自殺に追い込まれている状況、この数の多さは、現在大変大きな問題となっていますが、その自殺の背景にあるのは、経済問題、生活問題であると見られています。


 家族の経済を支え、夫、父または息子であった大切な人を突然失うということは、家族の崩壊を招く非常事態であると言えます。そのことの重要さを考えるとき、男性世帯主稼ぎ型をモデルとした社会システムでは、家族が崩壊するだけでなく、社会も崩壊に向かうのではないかとの不安も呼び起こされます。女性はパートタイム就労が多く、税や保険料の関係から年収を抑え、男女の賃金格差が大きいために、共働きはふえても男性の重荷は余り軽減されていません。家族の経済を男性一人で支え切れなくなったのは、男性に甲斐性がなくなったわけではなく、これは経済状況や人口構造を背景とする事情によるものです。


 このことからも男性稼ぎ型をモデルとした社会システムでは、現在の社会情勢に対応することは困難であり危険も伴います。ですから、より安全な社会システムとして両立支援型をモデルとする社会システムを再構築していく、つまり男女共同参画社会の形成を急ぐところとなっているわけです。しかし昨今、男女共同参画を推進し、男女共同参画社会の形成を目指して講じられているさまざまな施策やその考え方に対して、歯どめをかけようとする動き、いわゆるバックラッシュが一部で見られます。知事のこれまでの御発言の中から、知事は男女共同参画に対する深い見識を持たれており、喫緊の重要課題として男女共同参画を推進されてこられたものと私は認識いたしております。


 現在の男女共同参画に対する御所見と、県内における歯どめをかけようとする動きをどのように把握されているのか、お伺いいたします。


 また、県政における男女共同参画を推進するに当たり、特に、知事のポジティブ・アクションの導入についての積極的な取り組みに対し、私は敬意を表します。


 審議会等への女性委員の登用も順調に進んでおり、今後とも意欲的に進めていただきたいと思いますが、女性職員の管理職への登用についても、また積極的に推進していただきたいと願います。この4月1日現在、知事部局等の職員に占める女性の割合は約17%ですが、管理職に占める女性の割合は5.1%となっています。経験年数等加味しなければならないとは思いますが、管理職への女性の登用について、知事のお考えをお聞かせください。


 また、パートナーシップえひめ21、愛媛県男女共同参画計画は、平成22年度までの計画ですが、ちょうど今年度、平成17年度の目標数値が挙げられています。重点目標の項目のリプロダクティブ・ヘルス/ライツ、男女共同参画教育、ポジティブ・アクションの導入、農林水産業における男女共同参画について、目標数値に対する現在の進捗状況と最終22年度目標数値に至るまでの展望をお尋ねします。


 また、推進体制として、男女共同参画計画の策定市町の全体に占める割合を20%にすることが挙げられておりますが、どうなっていますでしょうかお伺いいたします。


 次は、障害者問題についてです。


 平成19年度開設予定の子ども療育センターについて質問します。


 県におかれましては、愛媛整肢療護園の建てかえにあわせて、その機能を充実した子ども療育センターを開設予定です。この3月に策定されました愛媛県障害者計画によりますと、保健・医療・福祉・教育などの総合的なサービスを提供し、広く障害児に対する地域療育の拠点となるものとなっています。愛媛整肢療護園は、運動発達に問題があるなど肢体不自由の子供たちを対象とする園ですが、子ども療育センターは、広く障害児に対する地域療育の拠点として、どのような機能を持ったものと予定されているのでしょうか。関係者や保護者の意見や要望はどのように取り入れられているのでしょうか。また、開設までのスケジュールはどうなっていますでしょうか、3点お伺いいたします。


 次は、発達障害者支援についての質問です。


 この4月より、発達障害者支援法が施行されております。自閉症、アスペルガ−症候群等の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等の発達障害については、人口に占める割合が高いにもかかわらず、これまで法制度が整備されていませんでした。そのため発達障害というハンディを持つ人々は、福祉制度の谷間になっており、従来の施策では十分な対応がなされず、困難な状況を余儀なくされていました。この法律によって、発達障害の早期発見や学校教育における支援、支援センター設置などが定められたことによって、残された課題はまだまだ多くありますが、支援体制がやっと一歩前に進んだと言えます。


 発達障害に対しては、乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応し、地域において教育、福祉、医療、就労などの関係機関が相互に連携し、生涯一貫した支援を行う必要があります。発達障害者支援センターは、発達障害者への生涯一貫した支援の中核的な役割を担うものです。さきの愛媛県障害者計画の中で、発達障害者支援センター設置の必要性について検討するとありますが、支援センターの必要性は検討するまでもなく明らかだと私は考えます。


 教育委員会においては、本年度、特別支援教育への教育支援体制の整備を重点施策としています。それとあわせ積極的に取り組んでいただきたいと思いますがいかがでしょうか、お伺いします。


 最後に、児童虐待問題について質問いたします。


 ふえ続ける児童虐待ですが、児童相談所で扱われたケースからの全国調査で、非行の子供の約3割が被虐待経験を持つことがわかりました。以前から関係機関の人々の間では、非行の背景には虐待問題があると言われていましたが、それを裏づけるものとなっています。他県の婦人相談員からも、売春にかかわったり非行少女と言われた問題行動を持つ女性たちの多くが、過去に性的虐待を中心とする虐待の被害者であったことも聞きました。人間の健やかな発達のためには、子供時代における環境が大変重要であります。児童虐待の社会的認知も広がり、相談件数もウナギ登りにふえています。県内の児童虐待の状況はどうなっていますでしょうか、お伺いいたします。


 また、私の出身地今治市におきましては、児童虐待問題に対し、地域のネットワークづくりを初め先進的な取り組みがなされてきました。県内に先駆け平成12年には、旧の今治市に児童虐待防止連絡協議会が設置され、専門部会においては、専門家や関係機関の連携によって個々の事例を検討するなど取り組んでまいりました。虐待の早期発見、早期対応のためにも、また、虐待防止のためにも、関係機関の連携体制を整えることは、大変有効であると認識いたしております。県内市町の取り組み状況はどうなっていますでしょうか、お伺いいたします。


 また、児童虐待の急激な増加に対応するためには、児童相談所の体制整備は緊急の課題と思われます。一時保護を必要とする子供たちや施設入所が望ましい子供たちが自宅待機になったままというような、保護されるべき児童が保護されないまま状況悪化となることがあってはなりません。児童相談所の体制整備はどのようにお考えでしょうか。ソフト、ハード両面からお聞かせください。


 以上で質問を終わります。御答弁よろしくお願いいたします。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 本会議場での初質問となりました豊島議員に答弁をさせていただきます。


 まず、県警捜査費不正支出問題に関しまして、どのような調査報告であれば、県民は納得すると思うかとのお尋ねでございました。


 捜査費等に関する県警の内部調査につきましては、4月25日と6月10日に調査結果が報告されましたが、いずれも、指摘されたような事実はなかったと否定するのではなく、そういう事実は確認されなかったとしておりまして、県民の気持ちとして、また、私としても釈然としない面があるということを申し上げさせていただきました。


 先般、6月30日に発表された特別監査の疑義に対する調査結果については、関係店舗から直接聞き取りをするなど、これまで以上に深く掘り下げた調査であったと受けとめておりまして、その面では一歩前進と考えております。その中に不適切な事例がありましたことは、大変遺憾なことでもございます。


 今後、県警では、13年度分の捜査費すべてについて調査するということでございますが、徹底した調査を行い、早急に県民の前に明らかにすべきであると考えております。


 県民が求めておりますのは、これまでいろいろと指摘された事実があったのか、なかったのかということをはっきりさせるとともに、その調査内容についても、具体的かつ県民にわかりやすく説明することではないかと考えております。


 次に、県民所得、個人所得の低迷や人口減少が続く中、愛媛の将来像をどのように描き、施策をどう進めていくのかとのお尋ねがございました。


 豊島議員お話がございましたように、経済環境の長期低迷から、本県経済は非常に厳しい状況にあります中、元気創造の糧となる地域経済の拡大に向けて、企業立地の促進、地場産業の振興、雇用対策などの各種施策に積極的に取り組んでいるところでありまして、その効果は徐々にではあるが、あらわれていると感じております。


 一方、これからの少子高齢化に対応していきますためには、これまでの成長、拡大思考から脱却し、豊かな自然や文化、思いやりのある県民性など、本県が有するすぐれた資源や特質を活用し、みずからの創意工夫による等身大の県政を推進していくことが重要であると考えております。


 このため、貨幣には換算されませんが、ボランティア活動など、県民同士の助け合いに満ちた住みよい地域社会を目指す愛と心のネットワークの構築を初め、防災対策、えひめ夢提案制度等による規制緩和など、県民生活の安定や活力創造に結びつく施策を中心に重点的な取り組みを行い、愛媛の元気創造の実現に努めてきたところでございます。


 さらに、本県の財政状況が厳しさを増し、行政サービス水準の低下が懸念されます中、本年度策定する後期実施計画においては、5年間の中期ビジョンとして、県民ニーズを踏まえ、優先的に対応すべき施策分野を明らかにし、それらに行財政資源を効率的に配分したいと考えております。


 今後、同計画を中心に、市町との連携や県民との協働のもと、県民一人一人が生きがいを感じ、安心して暮らすことのできるふるさと愛媛の実現に取り組んでまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(森高康行議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 豊島議員にお答えいたします。


 管理職への女性の登用についてのお尋ねでございますけれども、男女共同参画社会の推進のためには、審議会等への女性委員の登用とともに女性職員の登用が必要であると考えておりまして、特に、平成11年度以降は、女性職員の登用を県の人事の基本方針の一つに据えて積極的に取り組んでいるところでございます。


 御指摘のように、管理職に占める女性職員の割合は5.1%でありますが、これは本県の女性職員の8割近くが45歳未満で、多くの職員が管理職への登用対象となる年齢に達していないことなどが背景にございます。


 このため、女性を庶務部門などに固定的に配置するのではなく、事業部門や企画・管理部門に積極的に配置し幅広い経験を積ませるとともに、係長への抜てき登用を進め、将来の管理職登用に向けた人材育成に努めてきているところでございます。


 この結果、係長を含めた、いわゆる役付の女性職員は、平成11年度の106人から平成17年度には154人と約1.5倍に増加しており、また、45歳から49歳までの行政事務職員の管理職登用率は、男性の約18%に対し女性は約36%に達するなど、積極的な登用の効果があらわれてきているところでございます。


 将来、これらの女性職員が、男性職員とともに県行政を支える幹部職員となり、県組織においても男女共同参画社会の形成が一層進むよう、今後とも積極的に女性職員の登用と人材育成に努めてまいりたいと考えております。


○(石川勝行県民環境部長) 議長


○(森高康行議長) 石川県民環境部長


   〔石川勝行県民環境部長登壇〕


○(石川勝行県民環境部長) 豊島議員にお答えいたします。


 男女共同参画について、現在の男女共同参画に対する所見はどうか。また、県内における歯どめをかけようとする動きをどのように把握しているのかとのお尋ねでございました。


 男女共同参画社会の形成は、少子高齢化の進展、経済の成熟化など、社会経済情勢の急速な変化に対応していく上で、最も重要な課題の一つであると認識しておりますが、特に、経済の低迷が続き人口の減少が見込まれるなど厳しい現状の中で、一人一人が希望のある将来像を描くことのできる社会を実現するためには、その重要性、緊急性がますます高まっていると認識しております。


 このため、県では、男女の人権がともに尊重される社会づくりを基礎として、それぞれが個性と能力を発揮して、社会のあらゆる分野に対等な構成員として参画し、ともに責任を分かち合う男女共同参画社会づくりを総合的かつ計画的に推進しているところでございます。


 男女共同参画社会づくりの推進に当たって、県内でもさまざまな御意見があることは承知いたしておりますが、今後とも、合意形成に努め、県民の理解と協力をいただきながら、男女共同参画社会づくりを進めていくことが大切であると考えております。


 次に、愛媛県男女共同参画計画の進捗状況と最終目標数値に至るまでの展望はどうか。また、市町の男女共同参画計画の策定状況はどうかとのお尋ねでございました。


 平成13年5月に策定いたしました県の男女共同参画計画では、各分野の数値目標を掲げており、男女共同参画教育では4項目中3項目で、ポジティブ・アクションの導入では3項目中2項目で、17年度末の目標を既に達成するなど、おおむね順調に進捗していると認識いたしております。しかしながら、一方では、農業委員に占める女性の割合や森林組合、漁業協同組合役員に占める女性の割合など、未達成の分野もございます。


 本年度は計画期間の中間年に当たりますことから、これらの進捗状況等も踏まえ、計画の見直しを行い、22年度の目標達成に向けて、各分野の関係者の理解と協力のもとに、積極的に推進してまいりたいと考えております。


 また、市町の男女共同参画計画の策定状況につきましては、現在、6市1町が策定し、策定市町の割合は30.4%、平成22年度末の目標数値30%を既に達成いたしております。


 住民と最も身近な市町の取り組みは大変重要でございますので、今後とも、未策定の市町に対しては引き続き策定を働きかけるとともに、協働して男女共同参画の推進に努めていきたいと考えております。


 以上でございます。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(森高康行議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 豊島議員にお答えをいたします。


 まず、子育てのサポートは、環境整備とともに経済的サポートを伴わねば、実効性も希薄になるのではないかと考えるがどうかとのお尋ねでございます。


 少子化は、先進国共通の課題でありますが、解決のかぎは、仕事と家庭の両立支援や働き方の見直しなど、子供の育ちや子育てを社会全体で支える環境づくりを進めることであり、中でも、子育てに対する経済的支援は、少子化対策の重要な柱の一つであると理解しています。


 例えば、ヨーロッパ諸国では、児童手当制度の充実や育児休暇時における高率の所得保障などの経済的支援が、出生率の持ち直しに効果があったとされており、我が国でも全国調査において、女性が理想の数の子供を持とうとしない最大の理由が、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからとなっておりますことから、子育てを私的なものではなく、社会的に扶養すべきものという国民的な合意形成に基づく積極的な経済的支援が喫緊の課題であると考えております。


 県では、これまでも児童手当制度の円滑な推進に努めるほか、県単独事業で乳幼児医療費の助成を行うなど、子育て家庭の経済的負担の軽減に努めてきたところでありますが、さらにダイナミックな経済的支援を行うためには、国の対応が不可欠であり、児童手当の拡充や医療費、税制などの経済的な支援策を積極的に講じるよう今後とも働きかけてまいりたいと考えております。


 次に、障害者問題のうち、子ども療育センターは、どのような機能を持ったものを予定しているのか。また、開設までのスケジュールはどうなっているのかとのお尋ねでございました。


 子ども療育センターは、医師や保護者等各方面の意見や要望を踏まえ、肢体不自由児だけでなく、増加傾向にある重症心身障害児、自閉症児などに加え、愛媛大学附属病院に入院中の第二養護学校在学の病弱児など、あらゆる障害児に幅広く対応できる施設として整備を進めているところであります。


 具体的な機能としては、入所者への治療・訓練に加え、外来でも利用できる整形外科、リハビリテーション科、小児科などの診療科、作業・理学・言語聴覚などの訓練部門、総合相談窓口を設置するとともに、さまざまな在宅支援事業を行うこととしております。


 また、隣接する第一養護学校との連携を初め、医療機関、福祉施設や保健所・市町保健センターなど関係機関とも密接に連携し、県下における地域療育の中核施設としての機能を担ってまいりたいと考えております。


 なお、整備のスケジュールにつきましては、現在つけかえ道路の整備を行っておりますが、本体工事についても、8月中旬に競争入札を実施、9月議会で請負契約の承認をいただき、11月初めに着工、平成19年4月に開設の予定であります。


 次に、発達障害者支援センターの設置に積極的に取り組んでほしいがどうかとのお尋ねでございます。


 発達障害者支援センターにつきましては、平成17年3月末現在、全国で22カ所設置されておりますが、国としては、できるだけ早く、全都道府県及び指定都市に少なくとも1カ所は設置したい意向を持っております。


 本県においても、関係者の間で本センターに対する期待が高いことは承知しております。また、県としても、設置の必要性は十分認識しておりますが、センターは、自閉症児施設や知的障害者更生施設等に設置することとされておりまして、県内には、自閉症児に適切に対応できる施設がないことや発達障害者に対する地域の相談支援体制が十分整っていないことなどから、現時点では具体化には至っておりません。


 このため、今年度から、常日ごろ、発達障害児(者)に対する支援を行っております保健、医療、福祉や教育関係者などをメンバーとするネットワーク会議を設置し、関係機関相互の連携を強化するとともに、啓発用冊子の作成、配布なども行い、発達障害に対する理解の促進と支援体制の整備を図ることといたしておりまして、今後、この事業の実施状況等を踏まえて、関係団体とも協議をしながら、設置について検討を行ってまいりたいと考えております。


 次に、児童虐待について、まず、県内の児童虐待の状況はどうか。また、市町の取り組み状況はどうかとのお尋ねでございます。


 平成16年度に県下3カ所の児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談処理件数は317件で、前年度の約1.8倍と急増いたしておりまして、相談内容は、身体的虐待が119件、ネグレクトが110件、心理的虐待が84件となっているほか、虐待を受けた児童の約4割が5歳までの学齢前児童であるなど、極めて憂慮すべき深刻な状況となっております。


 また、市町のネットワークについては、これまでは市町が任意で設置していたものでありますが、児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応のためには、多くの関係機関が参加するネットワークが極めて効果的であるとの観点から、本年4月施行されました改正児童福祉法において法定化されたところであります。


 現在、県内でネットワークを設置しているのは、今治市、西予市、八幡浜市、松山市、宇和島市の5市でありまして、このうち今治市と宇和島市が法定組織となっております。今後とも、県内全市町でネットワークづくりが進められるよう積極的に働きかけてまいりたいと考えております。


 最後に、児童相談所の体制整備をどう考えているのかとのお尋ねでございました。


 児童相談所の体制整備につきましては、増加する児童虐待や相談内容の複雑化に対応するために、充実強化することが大切であると考えています。


 このため、人員については、昨年度までの5年間で児童福祉司8名、心理判定員3名の外、心理療法職員や児童虐待対応協力員を含めて15名増員してきたところであり、今年度も、保健師資格を有する1名を含め児童福祉司3名、心理判定員1名を増員し、総勢19名の人員体制の拡充に努めてきたところであります。


 また、施設面については、昭和41年に建築し老朽化が著しい中央児童相談所が、児童虐待の増加などにより狭隘化し十分な機能を発揮できなくなっておりまして、時代にふさわしい施設として整備する必要があると認識しておりますが、厳しい財政状況を踏まえ、今後とも、そのあり方について検討を続けてまいりたいというふうに考えております。


 以上でございます。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(森高康行議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 豊島議員にお答えをいたします。


 資料について、だれがいかなる基準で秘密情報である旨を決定するのかとのお尋ねでございます。


 県民の皆様への情報の公開に係るものに関しましては、愛媛県警察が保有する情報の公開について、愛媛県情報公開条例に従って対応しているところであります。


 その際には、愛媛県警察本部長が情報公開審査基準に基づき公開の可否を決定しているところでございます。


 なお、監査委員による監査に対しましては、特段の支障がない限りすべての内容を提示することとし、捜査上の支障から特に秘匿を要する場合には、それぞれ個別に検討することとしているところでございます。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 休憩いたします。


 午後1時から再開いたします。


     午前11時57分 休憩


    ――――――――――――


     午後1時 再開


○(森高康行議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(高橋克麿議員) 議長


○(森高康行議長) 高橋克麿議員


   〔高橋克麿議員登壇〕


○(高橋克麿議員)(拍手)今年の梅雨は、空梅雨の心配が続いていましたが、先日からの久方ぶりの激しい雨のためか、ふと昨年8月の水害を思い出しました。まだまだ昨年の水害が、私たちの心の傷のように残っていることを再認識したようでした。


 あれから1年が近づこうとしています。今年既に被災されました方々のお見舞いを申し上げますと同時に、昨年のような水害が再び起こらないことを祈念いたしまして、質問に入ります。理事者の皆様方の温かい御答弁をお願いいたします。


 質問の最初は、平成15年6月議会以来となります教育基本法に関するものであります。


 本年3月、文部科学省は、教育基本法の改正に向けた原案づくりに着手し、5月には改正案の仮要綱案を与党検討会に提示するなどの動きを見せており、教育基本法は危機に瀕しています。


 御案内のとおり、戦後の日本は、帝国憲法と教育勅語を是とした時代への自省と、ポツダム宣言などにあらわれた日本へ反省を求める国際世論の要請に基づいて日本国憲法を制定し、平和と民主主義を目指す文化国家の建設を内外に誓い、その第26条で国民の教育を受ける権利を初めて憲法上の権利として保障したのであります。


 教育基本法は、戦前教育との断絶を確認し、戦後の新しい教育に関する国家・政府と国民の行動規範として、その目標を明示したものであります。そして、国民一人一人の人間としての尊厳が尊重されるとともに、自由な人格の完成への発展とそのための学習権が保障され、同時に国民一人一人が日本国憲法を担うのにふさわしい主権者としての育成が教育に期待されたのであります。


 教育基本法の前文に「日本国憲法を確定し、」「この理想の実現は、根本において教育の力にまつ」とあり、その締めくくりには「日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定する」と書かれています。つまり教育基本法は、日本国憲法の理念を実現する主権者としての国民の育成を目指して、その実効性を担保する役割を期待される教育の憲法であり、昭和51年の北海道教組学力テスト事件最高裁判決を持ち出すまでもなく、準憲法的な性格と位置づけを持つ法律として存在意義があるのです。


 教育基本法の改正論者は、教育基本法の中には愛国心教育や家庭教育などの目標が欠けているなどと言っておりますが、果たしてそうでしょうか。


 近ごろの目立った少年の犯罪など、戦後教育の不十分さがもたらしたとまで言っていますが、教育基本法の前文には、憲法の目指す「民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意」を掲げ、また第1条には「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、」と記されており、十分に目標とする国の姿と国を思う気持ちをはぐくむ配慮がなされています。国会レベルでは、国を愛すると国を大切にするの表現でもめているとの報道もありますが、改正論者の言う愛国心とはどういうものなのか、私には推しはかりかねるのであります。


 また、人格教育の目標として、第1条には「教育は、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」こと、第2条ではさらに教育の方針を達成するための具体的な人間像として、「実際生活に即し、自発的精神を養い、自他の敬愛と協力によって、文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。」と明示しているのでありまして、これもまた、改正論者が欠けているとする道徳教育や家庭教育などにおける人間形成の教育目標というのは、どのようなものなのか、はかりかねるのであります。


 そこで、お伺いします。


 現在、三位一体改革での義務教育費国庫負担金の論議に関連して、中央教育審議会において教育のあり方の幅広い検討も行われるなど、教育の根本をめぐる問題が多く浮上している状況にありますので、教育基本法改正の動きに対して、旧文部省において長年教育に携わってこられました知事の見解をお聞かせ願いたいのであります。


 次は、障害児教育についてであります。


 県では、平成19年4月に東温市に子ども療育センターの開設を予定されておりますが、隣接する第一養護学校の校舎等の整備もこれに合わせて計画的に進められております。


 先日、常任委員会の視察で同校を訪れた議員から、今年3月に完成した中学部の木造校舎は、木の香りとぬくもりがあり、子供たちが重い障害を抱えながらも目を輝かせて学習活動に取り組む生き生きとした姿を見て深い感銘を受けたという話を聞き、本当にすばらしいことだと思いました。


 ところで、昨年の9月議会におきまして、子ども療育センターへの病弱児の受け入れが可能となることから、このセンターの開設に合わせて、病弱児の通学する第二養護学校を第一養護学校に統合するとの方針が示されました。また、この機会に、第二養護学校には設置されていなかった病弱児のための高等部の新設を検討している旨の答弁がありました。私も、障害を持つ子供たちの療育と教育を一体的に進める上で大変よいことであると大きな期待を寄せるものであります。


 特に、第二養護学校は、近年、児童生徒数が減少し、今年度は小学部2人、中学部8人の計10人と聞いております。この人数では、学習活動や運動会等の学校行事において、子供同士協力したり、触れ合ったりすることが難しくなっているとも聞きます。また、進学希望を持つ中学部卒業生が、高等部を有する他県の養護学校に進まざるを得ないような状態は、できるだけ早く解決すべきであります。四国で高等部がないのは、愛媛のみと聞き及んでいます。


 そこで、善は急げの観点でお伺いします。


 県教委におかれては、第一養護学校と第二養護学校の統合、さらには、病弱児のための高等部設置をできるだけ早めることはできないか、ぜひ検討していただきたいと願うものでありますが、今後の取り組み方針をお聞かせ願いたいのであります。


 次は、東予東部地域への養護学校の設置についてであります。


 このことについては、さきの2月議会において、旧新居浜保健所跡に絞って養護学校の分校設置の検討を進めたい旨の教育長答弁がありました。本県の財政事情も大変厳しい中で、既存建物を有効に活用することは、これからの地方行政が進めていくべき確かな方向であり、まさに知恵と工夫により、県民サービスの向上を実現する一つのモデルケースとなるものであると高く評価をしているところであります。


 当該地域における養護学校の設置につきましては、長年の課題であり、保護者の方々は、その検討結果を首を長くして待ち望んでおられるのではないかと思うのであります。


 ところで、これに関連しまして1点心配がございます。


 先般の報道によりますと、旧保健所の既存の階段は、建築基準法に定められた小学校の階段の高さの基準をわずかながら満たしていないため、構造改革特区として国に規制緩和を求めたが、理解が得られず苦慮しているとのことでした。既存施設を活用する場合において、建築基準法上の例外や規制緩和が一切認められないという国土交通省のかたくなな姿勢は大いに疑問であり、私も、引き続き、国に対して弾力的運用や規制緩和を強く求め、むだな改修は避けるべきであると思います。ただこの問題に余り固執し過ぎ、それが逆に足かせとなって、養護学校の開設時期がおくれるようなことになっては、主客転倒になりはしないか心配しております。大事なことは、一日も早く養護学校を開設することであります。


 幸い、先日の定例記者会見において、知事が、規制緩和が認められるかどうかにかかわらず来年4月の開校を目指す考えを示されたとの報道がありましたが、どうか今後の情勢を十分見きわめ、開設に影響を及ぼさないような形で適切に対応していただきたいと思う次第であります。


 そこで、お伺いいたします。


 新居浜市の養護学校分校については、18年4月の開校を目指して、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次は、少子化対策に関してであります。


 我が日本の少子化の進行はとどまるところを知らず、人口減少社会の到来も、いよいよ現実味を帯びてきたことは、皆様御承知のとおりであります。


 去る6月1日に厚生労働省が発表した人口動態統計によりますと、少子化の指標とされる合計特殊出生率は、平成16年は1.29で前年と同率になったとありますが、実は小数点第4位まで見ると、前年の1.2905から1.2888に低下し、4年連続で過去最低を記録しており、世界の中でも最も少子化が進んでいる国の一つとなっています。


 国や地方自治体では、これまで、こうした少子化の進行をただ手をこまねいて何もしなかったわけではなく、保育対策の充実を初め、育児休業制度の普及など、官民一体となってさまざまな対策を講じられてきておりますが、なかなか少子化への歯どめがかからないのが現状であります。


 少子化が進めば、労働力の減少や消費の低迷など経済面に深刻な影響をもたらすことが懸念されるのを初め、年金、医療、介護などの社会保障制度の枠組みそのものを根底から揺るがしかねないといった深刻な事態を引き起こすことが予想されるのであります。


 なぜ少子化が進行するのかということにつきましては、晩婚化など結婚をめぐる変化に加え、近年では、結婚した夫婦の出生力そのものの低下も原因とされるなど、いろいろと言われておりますが、私は、この少子化問題の根本的な解決策は、これからも働く女性がますますふえていくことが予想される中で、安心して子供を産み育て、その上に仕事も続けられるような社会をつくっていくことだと思うのであります。


 内閣府が本年2月に発表した男女共同参画社会世論調査によれば、夫は外で働き妻は家庭を守るべきという考え方について、初めて反対が賛成を上回るなど、固定的な性別、役割分担に関する意識は着実に変化しております。しかしながら、掃除を主に担当しているのは、夫が4.0%、妻が77.6%、また、食事の支度は、夫が1.2%、妻が87.4%などとなっており、女性の社会進出が進む一方で、働く女性には、仕事の上に家事、育児など、なお負担が重くのしかかっているのが実態であります。今や少子化問題は、国や地方自治体のみならず、企業、さらには国民一人一人が一緒になって真剣に考え、取り組むべき国家的課題であると思うのであります。


 そこで、お伺いいたします。


 我が国が、子供を産み育てにくい社会となっている現実を我々は直視すべきときに来ていると思うのでありますが、本県における少子化の現状はどうか。また、今後、県は、少子化対策にどのように取り組んでいくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次は、県内企業における外国人研修生等の受け入れに関してであります。


 御案内のとおり、日本製品の品質のよさは世界各国から高い評価を受けており、これまでの我が国の経済発展を支えてきた大きな柱の一つであります。良質の日本製品は、日本企業、特に中小企業が持つものづくりにかかわる確かな技術力によるものであり、その技術力は、製造現場における一人一人の労働者が支えているのであります。


 以前、場所は東京だったと思いますが、数軒の町工場を特集したテレビ番組をたまたま見たことがございます。どこもが下町の機械加工所のイメージとはかけ離れた、ロケットの丸い先端部、携帯電話用の振動装置や充電電池のケースなど、相当な精密さを求められる部品を製造しているのですが、実態は、作業員の神わざのごとき職人芸で加工している状況が映し出されておりました。こうした機械任せでは成し得ない精密な加工技術は、世界に誇るべきものとして後世に引き継ぐ必要があり、中小企業の生き残る一つの道でもあると確信を深めた記憶がございました。


 ところが、近年、若年者の労働意識の低下が大きな社会問題となっている中で、こうした中小の製造現場において、長時間の地道な労働を通して技術を習得していくような職場は、若者の就職の場として人気がなく、その技術の継承どころか労働者の確保さえ難しいとも聞き及んでいます。


 さらには、先ほど少子化対策の質問で詳細を申しましたが、昨年の合計特殊出生率が過去最低の1.29であったことでもおわかりのとおり、我が国においては、少子高齢化社会の進行が著しく、数年もすれば人口減少時代が到来すると言われており、今後、生産人口の減少が予想される中で、地道な技術習得型産業への労働力の確保はさらに難しくなると考えられます。このような状況の中、労働力の確保に苦慮している業界では、生産現場の維持のため、開発途上国から外国人研修生を受け入れ、1年間の研修の後、在留資格を変更して2年から3年、技能実習生として就労させることにより労働力を確保しているのが実情であります。


 本県においても、繊維、機械、金属加工等の企業が外国人研修生を積極的に受け入れているところであり、特に、東予地域の今治市、西条市、新居浜市の3市では、地元企業の実情や要望を踏まえた上で、各企業の研修生受け入れ枠の規制緩和を主旨とする構造改革特区の認定を受けたところであります。


 本来、外国人研修生の制度は、開発途上国の青壮年に日本のすぐれた技術や技能を移転し、母国での産業人材の育成を支援するという国際協力、国際貢献の制度ではありますが、私自身は、地元求職者の雇用に特段の影響がないことが大前提ではありますが、担い手希望が少ない職種においては、外国人研修生を受け入れて労働力とすることも、県内中小企業や地場産業の振興を図るために、やむを得ないのではないかと考えるのであります。


 そこで、お伺いします。


 県内の外国人研修生等の受け入れ現状はどうか。また、県は、労働力としての外国人研修生等の受け入れについてどう考えているのか、お考えをお聞かせください。


 次は、昨年発生した新居浜、西条地域の災害に関してであります。


 御案内のとおり昨年は、本県に襲来した一連の台風などの大雨によりまして、県の発表によりますと、死者26名、住家被害約1,900棟、浸水被害約1万700棟という大きな被害を被っております。中でも新居浜市におきましては、平年雨量が約1,300ミリのところ、7月末の台風10号から10月中旬の23号までが、3カ月足らずの間に、平年1年分を超える約1,400ミリの雨が集中して降りました。特に、台風21号により9月29日には、1時間84ミリ、1日雨量299ミリと、昭和54年の観測開始以降最高を記録しましたが、追い打ちをかけるように、そのわずか3週間後の台風23号では24時間雨量で320ミリと、さらに大量の雨が降り、わずかの期間で最高記録を塗りかえたのであります。また、西条市の黒瀬ダム周辺では、9月29日に、1日雨量433ミリと最高記録を更新しますとともに1時間雨量150ミリを記録しました。


 体験してみませんと、数字だけを聞いても判然としない面がありますが、例えば、先ほどの1時間雨量150ミリの降り方は、今にも大洪水に襲われ、家ごと流されるのではないかという恐怖さえ感じるほどの猛烈な雨だとのことで、昨年の台風による集中豪雨がいかにすさまじいものだったか多少ともおわかりいただけると思います。


 この台風21号の異常な降雨によりまして、私の地元であります新居浜市では、尻無川などの中小河川において、流木と一緒に土砂が河川をふさいだためにはんらんし、浸水被害をもたらしました。また道路では、松山自動車道、国道11号など東西を結ぶ幹線道路が、すべて崩れ落ちた土や路側の決壊により寸断され、社会経済活動に深刻なダメージを与えました。


 このように河川や道路などの公共土木施設の被害は、単に社会資本の損失というだけにとどまらず、住民生活に重大な影響を及ぼすものなのであります。また、土砂災害は、突発的に発生しその破壊力も大きいことから、とうとい人命まで失われており、昨年の本県における一連の台風による犠牲者の約6割は、土砂災害によるものでありました。


 県では、厳しい財政事情の中、昨年から精力的に災害復旧事業に取り組まれており、地元の市場川においては、護岸が被災したため水が越え人家の浸水被害を生じる原因となった箇所に、大型土嚢で応急措置をしていただいておりましたが、このたび本復旧が完了する見込みと伺っております。さらに、水が越えた箇所については、予防的に護岸を嵩上げして施工するなど、迅速かつ的確な対策を講じられており、大変心強く思っております。しかし、これから台風などによる出水期を迎えるに当たり、再度災害を防止する必要があると考えております。


 そこで、お伺いいたします。


 昨年、台風等の異常気象により大きな被害を受けた新居浜、西条地域の被災箇所の復旧状況と今年度の対応について、どのように取り組まれていくのか、お聞かせ願いたいのであります。


 最後は、県警の捜査費不正支出問題についてであります。


 昨年、県警の不正支出問題が噴出、内部調査の結果、大洲署でのにせ領収書による支出の事実が明らかとなり、捜査報償費についての特別監査が実施されたことは御案内のとおりです。


 さらに、特別監査において警察側は、県民にしてみれば抵抗としか映らない対応に終始し、十分な調査が実施できなかったため、県警に対する怒りと疑問の声はいまだおさまっていない状況にあります。


 振り返ってみますと、北海道や宮城県などで捜査費の不正支給が追求されていた当時、愛媛県においても捜査費の会計書の写しを保管していた元県警職員が、支出のほとんどがうそだったことを明らかにしました。問題発覚のきっかけとなった証言内容は、報道によると次のとおりであります。名前と金額を書いたメモとゴム印を押した領収書を捜査員らに渡し、メモのとおり清書させる、筆跡が合わないと困るから日付も書かせる、これで領収書のでき上がり。これは情報提供者と会食したかのように装い、裏金をつくるシステムが存在すると疑うには十分な生々しいものであります。


 しかし、以後の県警による内部調査の報告には一遍の誠実さも見られず、大洲署で平成11年度と13年から15年度に領収書約30万7,000円が作成された、同署以外で不正はなかったとされたのでありますが、半端な調査で幕引きを図ったとの印象がぬぐえません。


 また、特別監査において、捜査上の秘密ということで領収書を黒塗りで見せたり、捜査員への聞き取り調査時における上司や本部会計課員の同席など、外から見れば非協力的な姿勢に終始している印象しか残りません。


 監査委員には守秘義務があり、一般には見せられないものを見せた上で、誠実に説明を尽くすのが監査ではないのでしょうか。秘密を盾にとって処理を隠すことが許されるのなら何でもできることを意味し、監査も必要ないことになります。


 捜査費問題が露見して1年余りたちます。先ごろは実名告白者の告発内容に対する内部調査を終結し、事実はなかったと公表されました。また、6月末日には特別監査で指摘されました疑義に対する調査報告も行われ、一部に不適切な執行があったことを認めた上で、警察本部長をトップとする愛媛県警察予算執行調査委員会を設置して、平成13年度分の捜査費執行状況を調査する方針が示されたようでありますが、疑惑は深まるばかりで解消が図られているとは思えません。


 警察官の中には、住民から罵声を浴びせられる方もおるなど、現場の苦悩は相当との報道もございます。それでいて警察組織への不信は増すばかりです。県警の幹部は、職務上、最前線に立つ必要はほとんどなく、特に本部長は、東京に戻る時期が来ますからよいのかもしれませんが、現場は疑心暗鬼の状態がこれからも続き、警察内の人間関係も不信の中で崩れるのではと危惧するのであります。


 そこで、お伺いします。


 県警は、みずからの対応が疑惑を深めているとの反省に立ち、問題の解決を図るべきと考えますが、どのようにして県民の信頼を回復していくお考えか、本部長の明快なる所見をお聞かせ願いたいのであります。


 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 高橋議員の質問に答弁させていただきます。


 まず、教育基本法改正の動きに対して、知事の見解はどうかとのお尋ねでございました。


 教育基本法は、我が国の戦後の教育において、大きな役割を果たしてきたと評価いたしております。しかし、制定以来半世紀以上が経過し、社会状況の大きな変化や教育の今日的課題が指摘される中で、現状を踏まえ、改めて教育の目指すべきものや目指すべき方向などについて具体的な議論を深め、現行法の基本精神は堅持しつつ、多くの国民に望まれる形での法改正があってもしかるべきと考えております。


 私自身、文部省在職30数年、教育基本法を拳々服膺してまいりました。中でも第1条で、「教育は、人格の完成をめざし」という表現が大好きでございまして、事あるごとに人格の完成を目指すのが教育だということを言ってまいりました。ただいかんせん人格というものに対する概念が、それぞれ人によって異なりますし、また、具体的なブレークダウンがなければ、人格の完成自体の意味についての全国民的な合意があったと言えるのかどうか、やや具体的な問題等に面したときに、そういった悩みも抱えていたことは事実でもございます。そういった点も含めて、人格の完成という、教育の目的をもっと国民にわかりやすくブレークダウンする必要があるのではないかというのが、私の個人的な感想でもございます。


 現在、文部科学省が提示した仮要綱案をもとに検討が進められておりますので、郷土や国を愛する心などの論点の意見集約が図られ、今後、国会等におきましても十分な議論、審議が行われることを期待いたしております。


 次に、本県における少子化の現状はどうか。また、今後、県は少子化対策にどのように取り組んでいくのかとのお尋ねでございました。


 少子化の現状につきましては、本県において、女性が一生の間に産むと推定される子供の数を示す合計特殊出生率で見ますと、平成16年が1.33で、30年前の昭和49年の2.16から0.83ポイント減少しておりまして、また、本県の15歳未満の年少人口は、平成12年の国勢調査によりますと、21万9,000人でございますが、30年前の昭和45年と比べ、実に12万4,000人も減少しているなど、少子化は長期にわたって着実に進行しているのが実態であろうかと思っております。


 このため本県では、これまで、愛媛版エンゼルプランやえひめ子どもプランを策定し保育対策などを中心とした子育て支援の諸施策を推進してきたところでございますが、さらに本年3月、少子化に歯どめのかからない現状を踏まえ、次世代育成の総合的な計画であるえひめ・未来・子育てプランを策定したところでございます。


 今後は、このプランに基づき、これまで取り組んできた保育サービスを中心とした各種子育て支援策の一層の充実はもとよりでございますが、特に、雇用、就労の面では、若年者の自立意欲を高めるための各種施策の充実や育児休業制度の普及、また、在宅勤務制の導入や女性の出産後の再就職支援など、弾力的な働き方ができる職場環境づくりを進めますとともに、家庭や地域における男女の役割分担の面については、男性の家事や育児等への参加など、男女が協力して地域全体で子供をはぐくむ社会づくりを推進するなど、幅広い観点に立った多様な少子化対策に取り組み、だれもが安心して夢を持って子供を産み育てられる愛媛づくりをぜひとも進めてまいりたいと考えております。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(高浜壮一郎経済労働部長) 議長


○(森高康行議長) 高浜経済労働部長


   〔高浜壮一郎経済労働部長登壇〕


○(高浜壮一郎経済労働部長) 高橋議員にお答えします。


 県内の外国人研修生等の受け入れの現状はどうか。また、県は労働力としての外国人研修生等の受け入れについて、どう考えているのかとのお尋ねでした。


 県内企業で受け入れております外国人研修生等の数は、県の調査では、昨年12月末時点で、研修生が2,057人、それから、技能実習生が1,781人、計3,838人で年々増加する傾向にございます。


 外国人研修生制度は、技術の習得などによる国際協力を目的としておりますが、お話のとおり、縫製、タオル、造船、鉄工、一般機械などの分野にありましては、地元若年層の就職希望が少ないことなどから、外国人研修生等の受け入れが、事実上これらの産業の下支えをしている面があると認識をしております。


 県としましては、本県ものづくり産業の将来を担う若者の育成に向けて、各種の施策を講じていきます一方で、外国人研修生等の受け入れは、厳しい経済情勢のもとで、生産を持続していくためにやむを得ない面もあると考えておりまして、今後とも、県中小企業団体中央会など関係団体と連携を密にして、受け入れが適正かつ円滑に行われるように努めてまいりたいと考えております。


 以上であります。


○(大内忠臣土木部長) 議長


○(森高康行議長) 大内土木部長


   〔大内忠臣土木部長登壇〕


○(大内忠臣土木部長) 高橋議員にお答えいたします。


 新居浜、西条地域の被災箇所の復旧状況と今年度の対応はどうかとのお尋ねがございました。


 新居浜、西条地域では、昨年、河川や道路など586カ所、約98億円の公共土木施設の被害があり、そのうち6月末までに、約9割の547カ所の発注を終え、現在、復旧工事を実施しているところでございます。


 また、土石流などの土砂災害への対応策といたしましては、災害関連緊急砂防等の事業17カ所すべてで工事に着手しますとともに、本年度から新たに、砂防堰堤などの整備を35渓流で実施することとしており、早期の工事着手を図りますため、用地の確保等に関し地元の協力を得ながら取り組むこととしております。


 さらに、災害復旧対応とあわせまして、今年度、国領川、中山川、大明神川におきまして民間活力を導入した治水対策協働モデル事業を実施し、堆積土砂の排除を行いますとともに、加茂川や渦井川などでは、県単独事業により河床掘削を行い治水機能の回復に努めているところでございます。


 しかしながら、御指摘にもありました尻無川につきましては、既に工事が完成しておりますものの、その他の多くの箇所では、工事の完了までにまだ時間を要しますため、施工中及び未発注箇所におきましては、シートや土嚢などにより崩壊防止対策を講じますとともに、常時の堤防、道路などの点検や警戒、避難体制の強化など、県、市、地域が連携いたしまして、防災体制の確保に努めてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(野本俊二教育長) 議長


○(森高康行議長) 野本教育長


   〔野本俊二教育長登壇〕


○(野本俊二教育長) 高橋議員にお答えをさしていただきます。


 障害児教育につきまして、まず、第一養護学校と第二養護学校の統合と病弱児のための高等部設置を早めてほしいが、今後の取り組み方針はどうかというお尋ねでございました。


 昨年の9月議会におきまして、仲田議員にもお答えいたしましたように、当初、県教育委員会といたしましては、19年4月の子ども療育センターの開設に合わせまして、近接しております病弱児の第二養護学校を第一養護学校へ統合することと、そして、あわせまして、病弱児のための高等部を新しくつくる方向で検討を進めてまいりました。


 しかしながら、その後、検討を進める中で、現に来年3月に卒業予定の第二養護の中学3年生4名の方が高等部へ進学をしたいという希望を持っておられること、それから、現在工事を進めております第一養護学校の校舎整備が進みますと、18年4月から統合したといたしましても、42学級の教室の確保が可能となったということ、それから、統合によりまして、18年4月開校準備を進めております今治養護学校新居浜分校の開設に当たりまして、必要な教職員の数を確保できるというふうなことなどを総合的に考慮いたしまして、予定を1年前倒しいたしまして、18年4月から、両校の統合と病弱児の高等部新設を行うこととしたいというふうに考えております。


 今後、このために必要な保護者への説明や就学相談など具体的な準備を進めまして、本県で初めての複数の障害に対応できる養護学校を開校したいというふうに思っております。


 2問目は、新居浜市の養護学校分校については、18年4月の開校を目指して、今後どのように取り組んでいくのかというお尋ねでございました。


 旧新居浜保健所跡に検討を進めております知的障害の小中学生を対象といたしました今治養護学校の分校につきましては、18年4月の開校を目指しまして、当初、生徒数約30人程度、教員20数名規模でスタートをいたしまして、専門性が高く、しかも少人数によるきめ細かな学習指導や病院に隣接した教育環境などの特色を生かしまして、障害児教育におきますこの地域のセンター的役割を担う学校となるように準備を進めているところでございます。


 ハード面におきましては、建物の内部改修や運動場の整備について、現在検討を進めているわけでございますけれども、普通教室小中の9クラスのほか、重複児対応教室、パソコン室、家庭実習室、美術室などの特別教室や図書室が整備できる見通しでございます。


 また、通学にはスクールバスの運行を予定したいと思っておりまして、給食の提供や近隣のプールや体育施設の利用、それから、周辺の学校との交流といった問題につきまして、新居浜市の協力を得て、具体的な協議を進めてまいりたいと思っております。


 県教育委員会といたしましては、今後、関係市教委とも連携いたしまして、保護者や関係者などへの説明会を開始をいたしまして、分校での教育活動への理解をいただきまして、18年4月からのスムーズな入学や転学ができるように、就学指導の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。


 なお、お話のありました既存の階段を現状のまま使用するということにつきましては、今後、国の検討結果を踏まえまして、お話のように、開校には支障のないように適切に対応していきたいと思っております。


 以上でございます。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(森高康行議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 高橋議員にお答えをいたします。


 捜査費不正支出問題について、県警はどのようにして県民の信頼を回復していくのかとのお尋ねでございます。


 県警察の会計経理をめぐる問題につきましては、昨年6月以降、警察を第三者的立場から管理する公安委員会に対し、県警察の実施する調査状況について逐次御報告するとともに、その御指導をいただきながら厳正公正に進めてきたところであります。


 また、先般実施されました特別監査におきましては、監査委員による捜査協力者への直接の聞き取りは、今後の捜査に重大な支障を及ぼすおそれがあるため応ずることができないとの県警察の要請を御理解いただけませんでしたが、関係書類について捜査上の支障の有無を勘案しつつ、できる限り開示するとともに、捜査員136人からの直接の聞き取り調査に応じるなど、誠実に対応してきたところであります。


 県警察といたしましては、今後とも公安委員会の管理のもとに必要な調査を実施し、その結果については、県議会を初め県民の皆様に速やかに御報告するとともに、本問題の再発防止を図り、捜査費の適正かつ効果的な執行を確保するため、関係職員に対する指導教養の徹底など各般の対策に組織を挙げて積極的に取り組んでまいる所存であります。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 暫時休憩いたします。


     午後1時48分 休憩


    ――――――――――――


     午後2時3分 再開


○(森高康行議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(猪野武典議員) 議長


○(森高康行議長) 猪野武典議員


   〔猪野武典議員登壇〕


○(猪野武典議員)(拍手)自由民主党の猪野武典でございます。


 いよいよ来月には、新宇和島市の誕生によりまして愛媛の市町も20市町となり、新生愛媛の構築に向けた改革への足取りも一層強く確実なものになると思います。


 平成の大合併と言われる中、全国の先駆けとして本県が注目されてきたのも、これまで終始合併の必要性について明確で力強い旗振りを行ってこられました加戸知事のおかげであり、心から敬意を表するものであります。20市町には、それぞれに合併後のまちづくりへの夢多き構想が描かれていることと思いますが、反面、失われたもの、犠牲になったものなどの痛みの部分を一気に消し去ることはできないものでありまして、今後は、加戸知事には、合併という大きな旗を指揮棒に持ちかえていただき、20市町が自立することによって、新生愛媛としてのすばらしいハーモニーが奏でられますよう、めり張りのある指揮をお願いいたします。


 昨年開催されたえひめ町並博2004は、新たなパビリオンをつくるのでなく、南予に今も残る町並みや美しい自然を舞台に繰り広げられ、大きな成果を上げましたが、これこそが、これからの南予地域ひいては愛媛全体の振興対策や活性化を図るための大きな手がかりとなるものだと感じています。


 それでは、質問に入らせていただきます。


 まず初めに、景気、雇用の悪化している南予に対する対策についてお伺いをいたします。


 先般、内閣府が発表した地域経済動向によりますと、四国地域は、消費回復の動きと雇用情勢の改善から持ち直していると景況判断を引き上げているものの、北海道から沖縄までの11地域において、景況感に地域間で大きな格差があります。県内におきましても、東予地域には、古くから紙・パルプや化学工業、造船などの製造業を中心とした工業集積があるのに比べ、南予地域は、かんきつ類を中心とした果樹農業と真珠・魚類養殖など水産業のウエートが高い一方、今回の景気回復を牽引しているIT関連部品や輸送用機械などの製造業のウエートが低いため、長引く農林水産業の低迷が地域経済に直接的に影を落としており、景況は県内の他の地域と比べ大きく見劣りしているのではないかと思うのであります。


 さらに、南予地域においては、昨年、宇和島シロキや四国明治などの県外資本の事業所が、相次いで閉鎖もしくは縮小されました。特に、本年3月には、地域最大級の事業所であった松下寿電子工業一本松事業部の閉鎖により、全社的な早期希望退職の募集が行われ、南予地域では、同事業部と大洲事業部を合わせて600人を超える従業員の方が離職されたと聞いております。


 県におかれては、雇用・経済対策を県政の最重要課題と位置づけ、これまでは全県的にさまざまな施策を講じられてきたところでありますが、南予地域の現状を見るにつけ、この地域の将来について深い憂いを覚えるものであり、今後は、経済活性化、雇用の創出対策の主眼を南予地域に置いて、対策を強化する必要があるのではないかと思うのであります。


 そこで、お尋ねをいたします。


 南予地域の雇用情勢についてどのように認識されているのか。また、県は、今後、この地域の雇用対策にどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。


 次に、漁協合併後の水産業振興体制強化への取り組みについてお伺いいたします。


 御存じのとおり、水産物価格は低迷を続けており、県内の浜の悲鳴が聞こえてくるようです。


 先般、愛媛新聞で魚類養殖と真珠養殖に関し産地再創が掲載されましたが、まさに産業存続の危機が迫っています。特に、本県は、全国でも有数の水産県で、南予地域を中心にその影響ははかり知れないと考えます。この状況を打破するには、生産者、漁協、行政が一体となって水産業の振興を行う必要があります。


 幸い本県は、試験研究機関の充実により、県当局の生産指導を中心としたバックアップ体制が整備され、本当に心強く思っています。また、市町村合併により、規模の大きな市町が誕生して、水産業振興を専門的に行える部署が整備されてきました。あとは、漁協合併により足腰の強い漁協が誕生すれば、生産者への支援体制が整備されるものと考えます。


 現在、八幡浜漁協が4月1日に発足し、愛南漁協も10月1日に誕生する予定であります。さらには、宇和島市内の7漁協も来年10月の合併を目指して本格的な協議に入ったことが明らかとなるなど、今後も、県下6自立漁協に向けて着々と合併が進むものと期待しております。


 このように市町や漁協の規模が大きくなることで推進体制の基盤は整備されつつありますが、肝心なのは、どのような施策を展開して生産者への支援を行うかということです。特に、漁協が合併して単純にスケールメリットが働く分野もありますが、安全安心への取り組みや販売促進などは、明確な目標を定めるとともに、推進のできる人材の確保が急務となっています。


 魚類養殖の分野で一例を挙げれば、魚病対策など、安全な養殖魚を出荷するための生産者指導が可能な漁協はごく少数であります。これでは安全安心の水産物供給体制は構築できません。漁協が魚病対策などの生産者指導ができる職員を確保できるよう合併漁協や関係市町などへ県の専門職員を派遣するなどの方法で、漁協の専門職員育成を図ることができないのかと思うのであります。私は、県当局の厳しい財政状況を考慮すると、今後は、人的な支援が有力な選択肢となるのではないかと考えています。


 そこで、お尋ねをいたします。


 県は、合併漁協や関係市町へ魚病対策などの生産者指導ができる県の専門職員を派遣する考えはないのか、お聞かせください。


 次に、販売促進についてお尋ねいたします。


 「愛媛産には、愛がある。」のもと、県当局がさまざまな県産品の販売施策を展開していることは存じており、大変期待もしております。しかし、個人経営の零細な水産業者が販売能力を上げることは非常に困難で、漁協に頼るしかないのが現状であります。必然的に、漁協が販売の最前線に立つことになり、漁協職員の販売能力向上が生産者価格上昇のキーポイントになると考えます。これからは、漁協が消費者の意見を把握して、流通業者に頼らない消費者のパイプを持たない限り生産者価格の上昇は見込めません。漁協も漁連も、今後より一層、販売能力の向上に取り組むものと推察しますが、ぜひ、県としても漁協職員の販売能力向上に力をかしていただけないでしょうか。


 そこで、お尋ねをいたします。


 県は、漁協職員の販売能力向上にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。


 次に、真珠養殖についてお伺いいたします。


 アコヤ貝の大量へい死以降、既に10年が経過しようとしています。この間、養殖業者は、さまざまな種類の中国系アコヤ貝を導入するなど、高水温やへい死に強い貝を求めて、いろいろと試行錯誤しながらこの難局を乗り越えるための努力を重ねてきました。しかし、平成15年度の真珠入札会では、加工業者の体力の低下もあってか、品質に見合った評価がなされず、価格破壊とも言える暴落となり、生産面はもとより、販売面においても、全く出口の見えない状況となりました。


 ところが、平成16年度の真珠入札会は、長崎県や熊本県などで感染症が原因と言われるへい死が発生したことから、全国的に浜揚量が少ない中で、一転して愛媛の真珠の品質が評価され、前年に比較して価格も大幅に上昇するなど、久しぶりに明るさが見えてきました。


 その要因として、1つは、これまで導入されたさまざまな種類の中国系アコヤ貝が、試行錯誤を重ねる中で、水産試験場が開発した耐性貝系を中心に幾つかの種類に絞られてきたことにあります。2つ目は、真珠の色目を決定すると言われるピース貝を選択することによって、この1年だけでも急速に真珠の品質が向上してきたことにあります。その結果、愛媛の真珠が改めて高い評価を得たもので、長い間の苦労が報われる形となったことは、まことに喜ばしい限りであります。


 そのように考えると、ここにきて、ようやく真珠産業の課題が整理されてきたように思われます。すなわち、いかにへい死の少ないしっかりした母貝をつくるかということ、優良な真珠を生産するピース貝をいかに確保するか、この2つがクリアできれば、宇和海の真珠産業の復活も十分期待できるのではないでしょうか。


 しかし、母貝については、従来、サイズ別に単価を決める方式となっており、品質による価格格差をつけていないことから、品質のよいものほど三重県など県外に流出して、県内の真珠養殖業者の手には入りにくいという実態があります。また、良質の母貝が確保できるのであれば、あとはピース貝のできいかんで真珠の品質は決まると言っても過言ではないほど、ピース貝は重要なものですが、残念ながら、本県ではこのピース貝の研究が余り進んでおりません。長らく不況にあえいでいた真珠産業ですが、既に一部では越もの生産への移行も始まるなど、ようやく底を打ち、上昇する気配が見え始めたところです。この機会を絶対に逃がしてはならないと思います。


 そこで、お尋ねをいたします。


 へい死に強いしっかりした母貝と、優良な真珠を生産するピース貝の確保について、県はどのように取り組んでいかれるのか、答弁をお願いいたします。


 次に、介護保険制度についてお伺いいたします。


 介護保険制度は、高齢化の進行や核家族化によって深刻化する介護の問題を、従来の家族中心の介護にかわって社会全体で支え合う制度として、平成12年4月にスタートし今年で6年目を迎えています。制度創設時には、市町村は保険者としてうまく事業運営できるのかといった懸念もありましたが、関係者の御努力により大きな混乱もなくスタートして、サービス利用者は順調に増加し、今や国民の老後の生活を支える、なくてはならない制度として定着してまいりました。


 本県においても、要介護認定者数は、平成17年3月末時点で6万6,016人と制度発足時の1.8倍に増加し、65歳以上の高齢者数に占める割合も18%を超えています。これに伴って介護給付費も年々増加しており、平成16年度における県下の給付費総額は約892億円と見込まれるとのことであります。


 このように制度が普及し、だれもが安心して介護サービスを受けられるようになるのは大変結構なことですが、介護給付費は、全国的にも年率10%程度の伸びが続いており、保険者である市町村の財政負担だけでなく、高齢者の保険料負担も重くなっています。今後一層の高齢化の進展を考えた場合、このまま要介護者が増加し、介護給付費がふえ続けることになれば、制度の存続さえ懸念されるところであります。


 このような状況を踏まえて、今国会において介護保険法が改正され、一部は今年10月から、大部分は来年4月から大幅な制度見直しが行われることとなりました。今回の改正では、高齢化の進展に対応して制度の持続可能性を高めていくとともに、高齢者が尊厳を保持し、その有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう、筋力向上トレーニングや栄養改善指導を初めとする新たな介護予防サービスの導入など、制度全体を予防重視型システムへ転換することが大きな柱となっております。また、特別養護老人ホームなど施設入所者の居住費、食費を自己負担とすることなど給付費の抑制策を講じるとともに、地域密着型サービスを初め新たなサービス体系の確立、サービスの質の確保、向上など、制度全般にわたって大幅な見直しが行われることとされております。


 このため、保険者として制度を運営する市町におきましては、今回の改正で保険者機能が大幅に強化されることもあって、体制の整備や人材確保など、制度発足当初に勝るとも劣らない膨大な準備作業を短期間に行うことが求められています。果たして来年4月からの改正に間に合うのか、また、新たな制度として十分に機能するのか懸念の声も聞かれます。


 そこで、お尋ねをいたします。


 介護保険制度の来年4月からの制度改正に伴う新制度への円滑な移行を図るため、今後、県としてどのように取り組まれるのか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、介護サービスについてお伺いをいたします。


 これまでの介護給付費膨張の大きな要因の一つとして、要支援や軽要介護者層の拡大が指摘されています。これは政府の規制緩和の方針のもと、多種多様な業種が介護保険業界に進出し、過剰な対象者の掘り起こしやサービスの供給を生み出していることが原因ではないかと言われています。民間活力を生かし公正な競争を促すことも大切ではありますが、利益追求だけの形になる危険性はないかと危惧しているところであります。


 そこで、お尋ねをいたします。


 県内における介護サービスの状況を踏まえて、事業者指導にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。


 次に、市町村合併後の県内各市町の行政評価制度への取り組み状況についてお伺いをいたします。


 冒頭でも申し上げましたように、本県は、加戸知事の御理解のもと、先進的に市町村合併が推進され、規模拡大によるスケールメリットが追求できる体制が整いました。今後は、合併後の行財政の効率化と住民要望への対応をいかにバランスよく図るかが焦点になっており、各市町とも新しい行政システムの構築に迫られています。特に、住民要望に対して、あれもこれも対応することは不可能で、あれかこれか優先順位を鮮明にして、住民サービスの向上を図る時代となりました。


 この解決策の一つとして、行政評価制度の導入が図られているようであります。国も効率的で質の高い行政の実現や成果重視の行政への転換、行政の説明責任の徹底を目指して、行政評価制度への取り組みを推進しており、全国的に自治体への導入も進んでおります。その結果、本県など都道府県レベルでの導入はほぼ完了していると聞きます。


 一方、県内の合併市町の中には、まだまだ行政評価制度への取り組みが進んでいないところもあるようです。今後、財政状況が悪化する見通しの中、より一層の自治体経営効率化が求められており、施策や事務事業に対する費用対効果の点検が欠かせません。行政評価は、そのための有力な手法として国を初め広く認知されており、職員の事務量の割に成果が十分でないとの批判もありますが、やはり導入は避けては通れないものと思うのであります。既に行政評価を予算編成等に利用するのでなく、総合計画の実施を図る上での検証制度として活用を図っている自治体もあり、先進的な自治体では、生活者起点の行政運営が着々と進んでいます。さらに、成果契約システムという新たなマネジメントシステムを導入して、組織内分権として予算などの権限や責任を各部局に委譲するなどの取り組みを行っている自治体もあり、今後、行政評価制度への取り組み方で自治体間格差が広がらないのか心配であります。


 そこで、お尋ねをいたします。


 県内市町の行政評価制度の導入状況はどうか。また、今後、県内市町への行政評価制度の導入をどのように促進していくのか、お聞かせください。


 最後に、道路整備について質問をさせていただきます。


 まず、高速道路の南予延伸についてであります。


 昨年は、過去最多の10個の台風が日本に上陸し、そのうち実に9個の台風が本県に来襲、接近して、県下に未曾有の被害と大きなつめ跡を残しました。特に、9月に上陸した台風21号においては、総雨量300ミリを超える大雨により、新居浜市では、松山自動車道、国道11号、2本の主要な県道や鉄道が土砂崩れにより不通となり、1日約5万台の東西方向の交通が、3日間にわたり完全に寸断されてしまいましたが、多々羅大橋の交通量が通常時の約3倍にふえるなど、瀬戸内しまなみ海道や山陽自動車道等が迂回路としての機能を果たしたおかげで、基幹的な物流が確保され、経済活動や住民生活への影響が最小限に食いとめられたところであります。


 翻って本県の南予地域に目を転じますと、土砂災害の多い地域であるにもかかわらず、特に、宇和島以南においては、鉄道もない上に、幹線道路が国道56号1本しかない状況であります。もし昨年のような大災害が発生したらどうなるのかと考えますと、まことに心もとない限りでございます。


 このようなことから私は、高速道路の南予延伸ひいては四国8の字ルートの整備は、南予地域の活性化はもとより、すべての県民が安心して暮らせる災害に強い県土づくりの観点からも、まさに命の道として大きな役割を担うものであるとの認識のもとに、早期整備に積極的に取り組む必要があると考えるものであり、そのためにも道路財源の確保が重要と考えております。


 ところが最近、道路特定財源が余ってくるのではないかとか、一般財源化してはどうかなどの議論が報道されており、大変な危機感を抱いております。


 このように厳しい財政状況ではありますが、昨年の12月に実施された四国横断自動車道宇和島北−西予宇和間の起工式、また、去る6月11日に行われた宇和島道路の新松尾トンネルの起工式に私も出席させていただき、高速道路の南予延伸が着実に進められていることに意を強くいたしますとともに、本年度、津島町高田−岩松間の3.5kmが宇和島道路の延伸区間として新たに事業化されたことは、高速道路が、さらに南に向けて一歩踏み出したものであり、その早期整備に大きな期待を抱いているところでございます。


 そこで、お尋ねをいたします。


 高速道路の南予延伸、さらには四国8の字ルート整備に向けての足固めとなる宇和島道路の進捗状況と、その延伸区間の今後の見通しについて、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、1.5車線的整備についてお尋ねをいたします。


 先ほど申しましたとおり、昨年の台風の襲来ほど県民生活にとって道路がいかに重要であるか認識させられたことはありません。


 しかしながら、本県の道路整備の状況を見ますと、全国の道路改良率が平均82%を超える中、いまだ69%に満たない状況であり、全国に比べ大変おくれていると言わざるを得ません。また、今後30年以内に50から60%の確率で発生すると予想される東南海・南海地震などの災害に備えるため、緊急輸送路としての道路整備も急務となっております。さらに、市町村合併、来月で合併自体は一段落しますが、住民が合併を肌で感じるためには、新市町を一体化する合併を支援するための道路整備は引き続き必要であると考えております。


 ただ一方で、国、地方の財政状況は逼迫し、社会資本の整備を取り巻く状況が年々厳しくなっており、引き続き道路整備が必要な本県など地方にとっては非常に厳しい状況にあることは十分承知しております。


 こうしたことから県では、平成15年12月に、限られた予算を有効的に活用し、より効率的な整備を図るため愛媛道ビジョンを策定されたところであり、この中で1.5車線的整備を推進しております。この1.5車線的整備は、私の地元愛南町の県道網代鳥越線において先導的に実施されておりますが、数多くある課題箇所に早期に対処できるものとして、地元住民にも理解され、比較的順調に整備が進められると聞き及んでおります。


 道路は、快適性や安全性の面から考えますと、都市部だけでなく農山村部においても2車線の道路整備が望ましいと思うのでありますが、厳しい財政状況の中、地元の要望に早期にこたえるため、こういった1.5車線はやむを得ないものであると考えております。


 そこで、お伺いいたします。


 県の1.5車線的整備の基本方針はどうか。また、現在の取り組み状況はどうか、お聞かせ願いたいのであります。


 最後に、私の地元である南予地域を初め、本県の道路整備はまだまだ必要な状況にあります。ついては、県民が安心して暮らせる社会の実現を図るため、道路特定財源制度を堅持するなど、道路整備財源の確保について県の積極的な取り組みを強く要望し、私の質問を終わりにいたします。


 御清聴まことにありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 猪野議員の質問に答弁させていただきます。


 まず、南予地域の雇用情勢についてどのように認識しているのか。また、今後、この地域の雇用対策にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。


 県全体といたしましては、雇用情勢の改善が進みます中、南予地域においては非常に厳しい状況が続いておりまして、5月の有効求人倍率も、東予地域の1.06倍と対比いたしますと、宇和島地域で0.50倍、八幡浜、大洲地域がともに0.52倍でございまして、言うなれば、倍半分の顕著な格差が生じております。


 この原因としては、猪野議員御指摘のございましたように、今回の景気回復が大企業、製造業中心でありまして、第1次産業主体の南予地域には及んでいないこと、また、製品の生産、部材の調達拠点を賃金や原価の安い海外に求める企業の動きがあること、さらには、国の公共事業に連動した景気・雇用対策が困難となってきていることなどが挙げられます。


 南予特有の就業構造といたしましては、東予、中予でございますと、いわゆる農林水産業、第一次産業の従事者が就業者の7%を切っておりますけれども、南予地域は、その3倍の21%を超えているという特殊な就業構造も大きな要因と考えられます。


 このような南予地域にありましては、企業誘致とあわせて、何よりも地域独自の資源や産業を生かして自立を図ることが重要でありますため、県では、今年度新たに地元の資源を活用した起業の支援や、町並博の成果継承事業による一層の観光客誘客促進を図りますとともに、基幹産業である農林水産業の振興のため、みかん研究所の整備を初め、農林水産物及びその加工品の販路開拓やブランド化に精力的に取り組むことといたしております。


 一方、地元では、市町と経済団体が一体となりまして、国の新規事業である地域雇用創造支援事業の導入に取り組み、愛南町では、水産養殖業や農業、食料品製造業の分野における雇用の創造を柱とする地域再生計画を既に申請いたしておりますほか、宇和島市及び北宇和郡でも、農・水産物の加工業等の分野における地域の雇用の創造に向けた構想やビジョンを策定することとなっております。これらの地元の取り組みに対しましては、県としても積極的に働きかけをし、助言などの支援を行ってきたところでありまして、引き続き地域と一体となって、事業の円滑かつ効果的な実施を図ってまいりたいと考えております。


 次に、道路整備につきまして、宇和島道路の進捗状況及び延伸区間の今後の見通しはどうかとのお尋ねでございました。


 宇和島市の高串から保田までの間6.2kmについては、市街地部の高架橋1.3kmが完成し、今月、間もなく9日に全線が開通することとなり、地域の方々の利便性の向上や沿道の環境改善に大きく寄与するものと期待いたしております。


 これに続く宇和島市の保田から津島町高田までの間7.8kmにつきましては、本年5月末の用地取得率は87%となっておりまして、また、最も主要な工事である新松尾トンネルに着手するなど、平成21年度の供用に向け順調に事業が進められております。


 また、今年度、宇和島道路の延伸区間として新規着手が認められました津島町高田から岩松までの間3.5kmにつきましては、本年秋ごろまでに地元説明会を開催し、その後、現地測量や設計作業が順次進められることとなっております。


 猪野議員お話がございましたように、岩松までの事業化は、さらなる南予延伸に向けての大きな一歩となるものでございまして、県としては、国が目標としている20年代前半の供用の実現に向けて、関係機関との調整等、積極的な支援、協力に努めてまいりたいと考えております。


 なお、私ども、国土交通省初め国に対しての要望を行います際に、こんな言葉を使わせていただいておりまして、既に21世紀に入って5年有余を経過いたしておりますけれども、愛媛県は、一本松までの高速道路が開通するまで、まだ21世紀はスタートしていないと申し続けております。どうか猪野議員が、21世紀を愛媛県に到来するまでの間、政治活動大きく行っていただきますことを期待申し上げたいと存じます。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(森高康行議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 猪野議員にお答えします。


 へい死に強い母貝と優良な真珠を生産するピース貝の確保にどう取り組むのかとのことでございますが、平成8年のアコヤ貝の大量へい死以降、水産試験場におきましては、強い貝づくりに取り組みまして2種類の国産優良アコヤ貝をつくり出しました。現在、県内で人工生産される稚貝のうち、これらを親とするものが9割以上を占めるまでに普及しております。この結果、近年は大量へい死が回避され、越もの真珠の生産も再開されるなど、真珠生産に回復の兆しも見られるようになってきたところでございます。


 このため現在は、開発した強い母貝が安定供給できるよう、漁協等種苗生産者に対しまして、優良かつ健全な形質を持つアコヤ貝を選抜する技術の普及に努めているところでございます。


 また、品質のよい真珠を生産するため、平成15年度から水産試験場におきまして、真珠品質向上試験に取り組みまして、市場価値の高い4種類のピース貝の開発にめどが立ちました。これからは、このピース貝を用いまして挿核試験を行い、生産される真珠の品質を検証し、高品質真珠の生産技術を確立することによりまして、本県真珠産業の再生を図ってまいりたいと、このように考えております。


 以上でございます。


○(讀谷山洋司総務部長) 議長


○(森高康行議長) 讀谷山総務部長


   〔讀谷山洋司総務部長登壇〕


○(讀谷山洋司総務部長) 猪野議員にお答えいたします。


 県内市町の行政評価制度の導入状況、それから、今後の促進についてのお尋ねでございますけれども、県内市町における本年6月1日現在の行政評価制度への取り組みにつきましては、導入団体は松山市及び新居浜市の2市のみで、導入割合は8.7%となっております。昨年度の総務省調査による全国市町村平均の16.9%という数字を下回っている現状にございます。


 しかしながら、15市町が導入を検討中としておりまして、うち8市町は平成20年度までに導入予定で、今後、大幅にふえるものと期待しているところでございます。


 なお、松山市及び新居浜市の制度内容としましては、両市とも事務事業の一部を対象として評価を行い、その結果を事務事業の見直しや予算査定、総合計画の進行管理などに活用するとともに、評価結果を市のホームページにより公表しているところでございます。


 いずれにしましても、行政評価制度の導入は、住民に対する行政の説明責任を徹底し、効率的で質の高い行政を実現する上で極めて重要な取り組みであると考えておりまして、本年3月に総務省が示しましたいわゆる新しい地方行革指針におきましても、行政評価制度の導入及び活用の重要性が明記されているところであります。


 したがいまして、県といたしましては、市町に対しまして、早期に制度の導入を図り、効果的かつ積極的な活用を図っていくよう助言していく所存であります。


○(藤岡澄保健福祉部長) 議長


○(森高康行議長) 藤岡保健福祉部長


   〔藤岡澄保健福祉部長登壇〕


○(藤岡澄保健福祉部長) 猪野議員にお答えをいたします。


 介護保険制度について2点ございました。


 まず、介護保険制度の改正に伴う新制度への円滑な移行を図るため、県としてどう取り組むのかとのお尋ねでございます。


 今回の制度見直しは、ふえ続ける介護給付費の伸びを抑制し、制度の持続可能性を高めるとともに、今後、増加が予想される認知症やひとり暮らしの高齢者に対応していく上で必要不可欠なものと考えております。


 具体的な改正内容につきましては、改正法に基づく政・省令、運用基準等が待たれるところでございますが、新予防給付の導入や地域包括支援センターの創設など、保険者である市町村の役割が一層強化されるだけに、これまでも市町に対しては迅速に情報を伝達し、担当者説明会、勉強会を適宜開催して助言を行うとともに、現場の意見、要望の把握に努めているところであります。


 また、国に対しては、市町の意見も踏まえながら、早急に詳細な基準等を設定し、経過措置等を適切に講じることや、地方公共団体に過大な財政負担が生じることのないよう財政支援の強化などを要望しているところであります。


 さらに、県では、今回の制度改正を踏まえて、18年度からの新しい高齢者保健福祉計画等を策定するとともに、質の高い介護予防マネジメント等を提供する人材養成に係る介護予防研修事業などを実施することとしておりまして、新たな制度への円滑な移行に向けて、市町の取り組みを適切に支援してまいりたいと考えております。


 次に、県内における介護サービスの状況を踏まえて、事業者指導にどう取り組むのかとのお尋ねでございました。


 本県におきましても、介護サービスの利用者は大幅に増加し、給付費の伸びが続いておりますが、お話のように事業者による過度な需要の掘り起こしや過剰なサービス提供などの事例も見られるとの声があります。このため、県では、従来からの事業者指導に加え、昨年度から国民健康保険団体連合会が管理するデータを多角的に分析し、給付が急増している事業者や給付に偏りの見られる事業者などを抽出した上で、市町と連携して、効率的、効果的に事業者指導を行う介護給付適正化事業を実施いたしますほか、保険者である市町に対しては、利用者に対する給付費通知、ケアプランチェックなどの取り組みを呼びかけているところであります。


 なお、今回の制度改正においては、お話のように、特に問題となっている要支援や要介護1の軽度者について、市町村の責任のもと、公正、中立的な地域包括支援センターにおいて適切にケアプランを作成するとともに、ケアマネジャーの独立性、中立性の確保や事業者規制の強化、要介護認定における申請代行や調査委託の見直しが行われることとされておりまして、今後とも市町、国保連と連携の上、適正な事業者指導に取り組んでまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(喜安晃農林水産部長) 議長


○(森高康行議長) 喜安農林水産部長


   〔喜安晃農林水産部長登壇〕


○(喜安晃農林水産部長) 猪野議員にお答えをいたします。


 漁協合併後の水産業振興体制強化への取り組みについて、まず、合併漁協や関係市町へ魚病対策などの生産者指導ができる県職員を派遣する考えはないのかとのお尋ねでございます。


 県では、これまで、魚病指導センターや水産試験場において、養殖生産者に対し養殖魚の病気の診断や治療指導を行っているほか、市町や漁協職員等を対象に巡回指導や研修会を行いまして、魚病に関する知識の普及と予防、治療等の指導に努めており、専門職員が限られた中では派遣は難しいと考えておりますが、疾病が頻発、多様化する中、魚病による被害を軽減するためには、市町や漁協みずからが専門職員を確保し、養殖現場での魚病指導体制を構築することが重要でございます。魚病指導センターとの役割分担のもとで、魚病診断の迅速化と適切な対処が可能になるものと考えております。


 なお、漁協や市町が専門職員を養成しようとする場合には、社団法人日本水産資源保護協会が実施してございます研修会に県から推薦をいたしますとともに、魚病指導センター等において積極的に技術指導するなどの支援をしてまいりたいと考えております。


 次に、漁協職員の販売能力向上にどう取り組むのかとのお尋ねでございます。


 水産物の販売促進を図るためには、安全で質の高いおいしい水産物を消費者に供給することが基本であると同時に、愛媛らしさをアピールしながら、販売チャンネルを多様化するための商品開発や新たな流通ルートの開拓など、販売努力を地道に積み重ねることが重要でございます。


 このため、県では、産地市場や漁協の職員等を対象にトレーサビリティシステムに関する研修会や専門家による現地指導などを実施して、食品としての安全性の確保、衛生管理意識の向上に努めますとともに、県外の大消費地で、県漁連が実施する水産物の販売促進キャンペーンなどを支援するほか、本年6月に設立をいたしましたえひめ愛フード推進機構で水産物の販売促進を図ることとしております。


 また、系統団体では、漁協経営の基幹でございます販売事業の強化を最重要課題と位置づけ、合併等による漁協組織の強化を通じて産地市場の統合を進めるとともに、漁協と連携して加工による付加価値の向上、販路開拓、ブランド化など、より戦略的な事業展開を図ることとしており、県としては、これら事業が円滑に推進されますよう支援してまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(大内忠臣土木部長) 議長


○(森高康行議長) 大内土木部長


   〔大内忠臣土木部長登壇〕


○(大内忠臣土木部長) 猪野議員にお答えいたします。


 道路整備につきまして、1.5車線的整備の基本方針と現在の取り組み状況はどうかとのお尋ねがありました。


 1.5車線的道路整備といいますのは、限られた財源の中で、これまでの一律的な2車線整備にこだわらず、交通量や沿道状況などによりまして、部分的な拡幅や待避所設置を先行的に行うことによりまして、事業効果の早期発現を図ろうとするものであります。この手法は、比較的交通量が少なく、未整備区間が多く残されております中山間地域等で導入することとし、実施に当たりましては、将来の連続的な整備を視野に入れまして、前後の線形も十分考慮したものとしております。


 具体的には、お話にもありましたとおり、平成16年度から、愛媛スタンダード枠を活用し愛南町におきまして、真珠養殖などの地場産業の発展を支えております県道網代鳥越線のうち、特に離合が困難な6kmの区間を選定いたしまして、3カ年で5カ所を整備するモデル事業を実施しております。


 また、多くの地域の強い要望に迅速にこたえますため、現時点では、西予市の野村柳谷線や砥部町の上尾峠久万線などにおきましても、このような手法で取り組みを進めているところでございます。


 なお、道路整備につきましては、さまざまな住民ニーズや地域の課題がございます。今後とも、これらの課題に適切に対応するために、財源の確保を図りながら、着実な道路整備を進めてまいりたいと考えておりますので、引き続き議員の御指導よろしくお願いいたします。


 以上でございます。


    ――――――――――――――――


○(森高康行議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。


 明5日は、午前10時から本会議を開きます。


 日程は、全議案に対する審議の続行であります。


 本日は、これをもって散会いたします。


     午後2時53分 散会