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平成17年第292回定例会(第2号 3月 3日)




平成17年第292回定例会(第2号 3月 3日)





第292回愛媛県議会定例会会議録  第2号


平成17年3月3日(木曜日)


 
〇出席議員 49名


   1番 楠 橋 康 弘


   2番 豊 島 美 知


   3番 大 沢 五 夫


   4番 豊 田 康 志


   5番 笹 岡 博 之


   6番 鈴 木 俊 広


   7番 徳 永 繁 樹


   8番 高 山 康 人


   9番 泉   圭 一


   10番 住 田 省 三


   11番 菅   良 二


   12番 阿 部 悦 子


   13番 今 井 久 代


   14番 佐々木   泉


   15番 渡 部   浩


   16番 白 石   徹


   17番 戒 能 潤之介


   18番 赤 松 泰 伸


   19番 本 宮   勇


   20番 黒 川 洋 介


   21番 欠     番


   22番 欠     番


   23番 井 上 和 久


   24番 栗 林 新 吾


   25番 村 上   要


   26番 高 橋 克 麿


   27番 明 比 昭 治


   28番 河 野 忠 康


   29番 猪 野 武 典


   30番 田 中 多佳子


   31番 竹 田 祥 一


   32番 岡 田 志 朗


   33番 森 高 康 行


   34番 成 見 憲 治


   35番 欠     番


   36番 笹 田 徳三郎


   37番 藤 田 光 男


   38番 仲 田 中 一


   39番 清 家 俊 蔵


   40番 寺 井   修


   41番 帽 子 敏 信


   42番 薬師寺 信 義


   43番 西 原 進 平


   44番 横 田 弘 之


   45番 土 居 一 豊


   46番 欠     番


   47番 欠     番


   48番 高 門 清 彦


   49番 山 本 敏 孝


   50番 篠 原   実


   52番 中 畑 保 一


   53番 柳 澤 正 三


   54番 玉 井 実 雄


   55番 池 田 忠 幸


  ――――――――――


〇欠席議員 1名


   51番 谷 本 永 年


  ――――――――――


〇欠  員 なし


  ――――――――――


〇出席理事者


  知事            加 戸 守 行


  副知事           吉野内 直 光


  出納長           永 野 英 詞


  公営企業管理者       和 氣 政 次


  総務部長          金 谷 裕 弘


  企画情報部長        夏 井 幹 夫


  県民環境部長        石 川 勝 行


  保健福祉部長        藤 岡   澄


  経済労働部長        高 浜 壮一郎


  農林水産部長        喜 安   晃


  土木部長          大 内 忠 臣


  教育委員会委員       和 田 和 子


  教育委員会委員教育長    野 本 俊 二


  人事委員会委員長      稲 瀬 道 和


  公安委員会委員長      吉 村 典 子


  警察本部長         粟 野 友 介


  監査委員          壺 内 紘 光


  ――――――――――


〇出席事務局職員


  事務局長          山 岡 昌 徳


  事務局次長総務課長事務取扱 岩 崎 充 尋


  参事議事調査課長      北 川 一 ?


  政務調査室長        篠 崎 泰 男


  副参事総務課長補佐     川 口 和 男


  副参事議事調査課長補佐   玉 井 省 三


  ――――――――――


〇本日の会議に付した事件


  定第3号議案ないし定第79号議案


  定第80号議案


    ――――――――――――――――


     午前10時30分 開議


○(森高康行議長) ただいまから、本日の会議を開きます。


 本日の会議録署名者に清家俊蔵議員、村上要議員を指名いたします。


    ――――――――――――――――


○(森高康行議長) お諮りいたします。


 知事から、定第80号議案山鳥坂ダムの建設に関する基本計画の廃止に対する意見についてが提出されましたので、日程を変更追加して上程付議することに異議ありませんか。


   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕


○(森高康行議長) 異議ないものと認め、そのとおり決定いたします。


 知事の説明を求めます。


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) ただいま上程されました追加議案について説明申し上げます。


 山鳥坂ダムにつきましては、平成16年5月に肱川水系河川整備計画が策定され、治水単独ダムとして整備が進められることになりました。これに伴い、多目的ダムとして整備を図るために、平成6年8月に策定された山鳥坂ダムの建設に関する基本計画の廃止について、国土交通大臣から知事の意見を求められたことから、廃止に同意することについて議決をお願いするものであります。


 適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。


    ――――――――――――――――


○(森高康行議長) これから、定第3号議案平成17年度愛媛県一般会計予算ないし定第80号議案を一括議題とし、審議を進めます。


 なお、関係議案に対する人事委員会の意見は、お手元に配付のとおりであります。


 これから、質疑を行います。


○(山本敏孝議員) 議長


○(森高康行議長) 山本敏孝議員


   〔山本敏孝議員登壇〕


○(山本敏孝議員)(拍手)私は、自由民主党を代表いたしまして質問をいたします。


 ことしは、戦後60年の節目の年であります。


 我が国は、戦後復興に必死に努め、国民の努力により驚異的な高度成長を果たし、GDP世界第2位という地位を占めるに至りました。しかし、当時は予想もしなかった少子高齢化、情報化、ボーダレス化の時代が到来し、この国の発展を支えてきた政治、経済、社会など、さまざまな分野におけるシステムがうまく機能しなくなり、これらの改革をなし遂げなければ、21世紀の真の繁栄は考えられなくなりました。


 現在、国においても三位一体の聖域なき改革を進めておりますが、50年先、60年先まで十分機能する改革でなければなりません。現在の日本は、国際政治の混乱の中で国内外に各種の危機を抱えており、こうした危機を回避し国家としての尊厳を守り、さらなる発展を遂げるためには、思い切ったシステム改革が政治における最重要課題であると考えます。


 このため、すべての国民が、今ここにある危機を直視し、危機打開のための方策を真剣に考える知性と勇気ある行動力が求められておりまして、地方においても改革の実現に向かってたゆみない努力を続けることが必要であると考えております。


 私は、それらのことを念頭に置きながら、当面する県政の重要課題について質問をいたしますので、加戸知事初め理事者の明快なる答弁をお願いいたします。


 最初に、財政問題についてお尋ねいたします。


 昨年は、国内外で多くの災害に見舞われた年でありまして、愛媛県におきましても、台風が6個も来襲し、東予東部地域を初め県下各地に甚大な被害をもたらしました。常日ごろからの備えの大切さを改めて痛感したところであり、県民の安心、安全な生活を確保する観点から、防災対策は、今後とも県政の重要課題の一つとして位置づける必要があると考えております。


 一方、県内経済状況に目を向けますと、我が国経済は回復局面にあるものの踊り場にあり、ことし半ばにはこの状況を脱するとの見方もありますが、景気は地域間のばらつきが大きく、県内においても、特に南予地域は、農林水産業の不振、大企業の工場閉鎖や縮小に伴い地域経済が活力を失いつつあります。


 こうした状況から、財政が厳しいといえども、景気回復の流れを地域や業種を超えた本格的な流れとするため、産業政策には特に意を用い、地域経済の活性化と雇用対策に万全を期することが重要であります。そのことにより元気な愛媛の実現を強く念願しているところであります。


 さて、我が国の地方行財政制度は、今まさに、地方の自己責任、自己決定による地方分権型社会の構築に向けた大きな流れの中にあります。16年度から本格化した三位一体の改革はこの流れの一つであり、国の礎たる地方が活力を発揮するために、地方の裁量を広げた交付金化や統合補助金化といった補助金改革のほか、規制緩和策や権限の移譲などを進め、地方の自主、自立を高めていく必要があります。ただし地方分権は、同時に地方に相当の厳しさを求めるものでもあります。我が国の財政状況は、危機的な状況にあります。地方にとって17年度は、一応、一般財源総額が確保されたと仄聞しておりますが、現状を考えると、今後、地方交付税の縮減などにより地方全体の歳入が減少することは想定しておかなければならず、裁量が広がる一方で財源が縮小するという厳しい状況の中で、地方みずからの判断が求められるのであります。


 昨年12月議会における我が党の高門議員の質問に対し、知事から、財源不足は今後も拡大するとともに財政対策基金が枯渇に近づいている状況であり、財政破綻のシグナルが点滅し始めたと認識しているとの答弁がありました。現に先般発表された当初予算では、財政の健全度を示す指標の一つである公債費比率が、15年度の13.4%から17年度推計値では18%になるなど大変厳しい状況が伺われます。


 今後、県財政が厳しさを増すことを前提に、県全体で行財政改革に真剣に取り組むとともに、職員の意識改革を進め、基金等に依存しない身の丈に合った財政運営を早期に実現しなければなりません。その中で、限られた貴重な財源を有効に活用し、元気な愛媛を実現するための雇用、産業再生対策や防災対策を初め、愛と心のネットワークなど第2次県政改革プランの具体化を図り、愛媛の元気創造に向けた取り組みを強力に進めていかなければならないと考えております。中期的にも厳しい財政状況の中、継続的な財政運営はもとより、政策の選択にも自己責任が強く求められるものであります。


 予算編成に当たっては、大変御苦労されたと伺っておりますが、平成17年度当初予算の編成作業にどのように取り組み、どう評価しておられるのかお聞かせ願いたいのであります。


 次に、市町村合併についてお尋ねいたします。


 本県では、平成の大合併として、既に14の組み合わせで合併が実現いたしました。さらに3月28日には、紆余曲折があったものの八幡浜市と保内町が合併し、4月には、新伊予市と新伊方町が誕生することが決まっております。残る宇和島地区についても近く合併調印が行われる運びと聞いており、法定協議会を設置して合併に向けた協議を行ってきた18の組み合わせのすべてで合併が実現する見込みであります。


 この結果、平成の大合併以前にあった70市町村のうち68市町村が合併することとなり、現行合併特例法のもとでの合併の進捗率としては、全国でもトップクラスと聞いているところであります。


 私は、国、地方を通じた厳しい財政状況の中で、少子高齢化の振興などを背景とした住民ニーズの増大に対応していくためには、市町村合併は不可欠であると考えており、本県においてこのような成果が上がったことを非常にうれしく思うところでありますが、これもひとえに、地方を取り巻く厳しい状況をいち早く認識し、合併の必要性を訴えてこられた知事と、それを真摯に受けとめ市町村合併に積極的に取り組んでこられた関係市町村の首長、議員各位、さらに住民の皆さんの見識の高さと御努力のたまものであり、敬意を表するものであります。


 このように現行法のもとでの市町村合併は大詰めを迎えておりますが、残念ながら、県内には、合併の枠組みから取り残された町もございます。全国的に見ても、現行法の適用期限内に合併しない市町村が3分の1程度残されておりますが、三位一体改革などにより、地方を取り巻く情勢はますます厳しさを増しており、このような中で小規模な市町村が単独で自立していくには、大変な困難が伴うものと推測されます。


 このような状況をかんがみ、国では新年度から、いわゆる合併新法を施行し、現行法のもとで合併が実現しなかった市町村について、さらに合併を促進していく考えであります。合併新法では、県が合併構想を策定し、これに基づく勧告権限が知事に与えられるなど、合併推進に関する県の役割がこれまで以上に増すことになると聞いております。


 そこで、お伺いいたします。


 知事は、県内におけるこれまでの合併の進捗状況をどのように評価し、それを踏まえて、今後の合併にどのように取り組んでいく考えなのかお伺いしたいのであります。


 また、市町村合併の進展により、旧市町村の多くが、本庁舎が置かれないいわゆる周辺地域となります。これらの地域では、中心部となる地域との間に格差が生じたり、培ってきた地域の伝統や文化といった地域の個性が失われてしまうのではないかといったことが一部で懸念されているところであり、これら周辺地域の振興を積極的に図っていくことが必要でないかと思うのであります。


 県においては、17年度当初予算に、合併市町の周辺地域振興に対する補助制度を計上しておられますが、私の地元新砥部町でも、合併後の周辺地域振興策として砥部焼や文化施設などをめぐる陶街道五十三次のスタンプラリーを実施しており、このイベント関係などにもこの補助制度は活用できるのではないかと期待しております。


 そこで、この補助制度の創設の目的とこれを活用してどのような効果を期待するのかお伺いいたします。


 次に、道州制を含めた今後の県のあり方についてお尋ねいたします。


 地方分権と言われて久しいのでありますが、少子高齢化の進展や、交通、情報網の発達による生活圏や経済圏の拡大、県民の生活意識の多様化等に加え、厳しさを増す財政状況の中、地方税財政の見直しを行う三位一体改革が進められるなど、地方を取り巻く環境は大きく変化しており、地域の実情に応じた行政需要に積極的に対応していくためには、地域が自主性、自立性を高めながら地方分権を強力に推進していく必要があります。


 また、本県では、ことし8月には20市町になる予定でありますが、基礎自治体として10年先も耐えられる規模は人口10万人程度という考え方もあり、これに相当する6市以外の市町の行く末について憂慮しているところでもあります。


 一方、この平成の大合併により、基礎的自治体の区域や権限が拡大していくことに伴い、県のあり方が問われてくるのも必然の流れであり、地方は今まさに、みずからが大きく変革すべきときを迎えているのであります。


 県のあり方の一つとしての道州制の議論は、現在、政府の第28次地方制度調査会においてなされているところであり、私たち自由民主党内でも四国4県の国会議員、県議会議員で勉強会を重ねておりますが、今後、道州制導入の方向で進むとすれば、地方がみずからの判断と責任において地域課題に対応できる仕組みとなることが必要であり、住民の意向に沿った行政運営を地方が主体的に推進されることを強く願っているのであります。とはいえ当分の間は、現状の都道府県制度が継続していくわけであり、その間においても、将来の道州制などを見越した行財政運営上の不断の努力や工夫が必要と考えます。


 例えば、知事がよく言われているフルセット型の行政投資から脱却し、災害発生時の対応や観光や特産物のPRといった共通の課題に対し、四国4県が共同で取り組むことにより相乗効果や経費節減効果等が期待できるものについて、四国が連携を強化していくことも重要でありましょうし、現行の制度でも可能な都道府県合併や広域連合という手法の採用も視野に入ってくるのではないかと思いますが、今後のふさわしい県のあり方についてどのように考え、どう取り組みを進めていかれるのかお伺いいたします。


 次に、県内経済、雇用情勢についてお尋ねいたします。


 2001年1月の景気の谷から順調に回復を続けてきたかに思えた我が国の景気は、ここに来て陰りが見え始め、輸出の減速とIT関連製品の在庫調整、個人消費の鈍化が3つの重しとなり、今しばらくは踊り場の状態が続くとの観測もあります。


 日本経済新聞社が先月まとめた社長100人アンケートによりますと、現在の景況感をよいとする回答が全体の2割を下回ったほか、ことしの実質経済成長率は、1.5%未満との予想が5割を超えるなど、企業経営者の間では、判断の下方修正が相次いでおります。また、総務省が発表した2004年の1世帯当たりの消費支出は、世帯主の定期収入が増加したことから7年ぶりにプラスとなりました。しかしながら、昨年の第4四半期では、企業収益が好調であったにもかかわらず、個人所得に反映されず、前期比を下回っておりまして、家計部門においても回復が足踏みしているとの感が否めないと思うのであります。


 一方、県内に目を転じてみますと、国内の景気回復に伴い緩やかに回復を続けておりましたが、本格的な回復感がないまま、国内の景気減速の影響により後退局面に入っており、特に、昨今の鉄鋼や原油の値上がりが、素材型産業中心の県内の製造業にも影響を及ぼし始めているようであります。


 例えば、東予地方の中小鉄工業や造船業では、原材料の高騰を製品価格に転嫁できていないほか、材料の確保が困難であったり時間がかかるなどの状況が発生しており、経営に影を落としつつあります。また、南予地方につきましても、農林水産業の低迷と公共投資の減少に加え、松下寿電子工業一本松事業所や宇和島シロキなど、地域の基幹となる製造業において事業所の撤退が相次いでおり、県民生活や自治体財政の悪化など、私は、今後の本県経済と雇用の先行きに強い懸念を有するものであります。


 そこで、県内経済、雇用情勢に対する認識と、その対策について御所見を賜わりたいのであります。


 次に、防災対策についてお尋ねいたします。


 昨年は、世界の各地で自然災害が猛威を振るった1年でありました。何と申しましても、暮れも押し迫った12月26日、スマトラ島沖で発生したマグニチュード9.0という超巨大地震は、世界中の人々に大きな衝撃を与えました。これがもし日本で起こっていたらと思ったとき、本当に慄然とさせられたのであります。


 国内では、新潟・福島の集中豪雨や新潟県中越地震、本県における25名もの犠牲者をもたらした数々の台風襲来と、次々と猛威を振るう自然災害により、多くのとうとい人命や財産が奪われたことに、改めて災害に対する備えの重要性を認識させられたのであります。奇しくも、あの阪神・淡路大震災から10年という節目に起こった厳しい自然の仕打ちでありました。こうした一連の災害は、孤立地区の発生や高齢者等のいわゆる災害弱者への対応など、多くの困難な問題を私たちに突きつけたのであります。


 また、スマトラ沖地震では、津波警報システムの不備や津波に対する無知が犠牲者を拡大させたと言われておりますが、世界共通語となった「ツ」「ナ」「ミ」を生んだ我が国の対応は果たして万全なのでしょうか。昨年9月の紀伊半島沖地震の際、津波警報が発令された沿岸の42市町村のうち避難勧告や指示を発令したのはたったの12市町のみ。しかも実際に避難した住民は、発令対象人口のわずか6%でしかなかったという報道がなされましたが、本県でも、近い将来、南海地震等の大規模災害の発生が懸念されております。


 私は、これからの防災行政には、各種防災施設の整備や災害に強い情報伝達手段の確保対策などはもちろんのこと、被害の未然防止に向け、県民一人一人が各種災害への正しい知識を持ち、状況に応じ的確な行動がとれるようサポートすることこそ強く求められていると思うのであります。


 そこで、お伺いいたします。


 近い将来発生するであろう南海地震などの大規模災害に備え、県は、今後どのような防災対策を講じていかれるのか、お考えをお聞かせ願いたいのであります。


 次に、愛と心のネットワークづくりについてお尋ねいたします。


 災害は忘れたころにやってくるとよく言われますが、国内外で起こった災害を見ても、災害はいつ発生するかわからないのが実情であります。我々が災害から逃れられない以上、いかに被害を最小限に抑え、負傷者を助け被害者の生活を支え、一日も早い復旧を図っていくか、これが我々のできる最も重要で基本的なことだと考えております。そして、今やその重要な役割を担っている一つがボランティアであることは申し上げるまでもありません。既にさきの県議会でも言及されましたが、昨年の県内の被災地には、たくさんのボランティアが駆けつけました。これほど多くのボランティアの活躍は県内ではこれまで余りなかったことから、加戸知事は、昨年を愛媛におけるボランティア元年と位置づけられましたが、ボランティア活動は、加戸知事の唱えられている愛と心のネットワークづくりの大きな一翼を担っております。私は、平成14年から15年にかけて知事が打ち出されたこの理念が、県民に浸透してきた何よりのあかしではないかと、加戸知事の先見性と地道な御努力に対し、深く敬意を表するものであります。


 そういった中で、ことし元日の地元新聞紙に、県政に関する世論調査の結果が出ておりました。加戸知事を支持する有権者は全体の4分の3、75%に上るということで大変心強く思っておるところでございます。ただ「愛と心のネットワークという政策を知っているか」という問いに対し、「知っている」と答えた有権者は20%でありました。新聞では、「中心施策8割知らず」と厳しく評価されていました。しかし、私は、先ほど述べた災害時における多くのボランティアの活躍状況をつぶさに見た場合、愛と心のネットワークという言葉そのものを知っているのは有権者の5人に1人だが、知事が助け合い支え合いに力を入れているという政策そのものの概念はかなり浸透してきているのではないかと思うのであります。世論調査の評価は、このように見方が分かれるところではありますが、ただ愛と心のネットワークをさらに県民に浸透させていく必要性については、だれにも異論はないと思うのであります。


 そこで、お伺いいたします。


 愛と心のネットワークづくりを今後県民に対して具体的にどのように浸透を図っていかれるお考えかお尋ねいたします。


 次に、松山空港の活性化についてお尋ねいたします。


 私は、日中友好促進愛媛県議会議員連盟の会長として、県議会の多くの同僚議員とともに上海線の誘致活動に参画したわけでありますが、正直、当初、上海、ソウルの国際便2路線が両立するかどうか心配していました。そんな心配をよそに、上海線については、就航ムードによる観光客やビジネス客等の利用もあり、搭乗率は予想した以上の滑り出しと聞いております。また、ソウル線も韓流ブームの影響を反映し、中高年の女性を中心に利用者が例年を上回っているなど、かつてない追い風が吹いています。上海線就航前に懸念された両路線の搭乗率が比較的順調に推移していることは大変喜ばしく、この状況が今後も継続することを心から願ってやみません。


 一方、中国を初めアジア路線につきましては、需要の高い路線であるため、近年、日系航空会社の中国路線増便や新規航空会社の日本市場参入により、関西空港や福岡空港などでは、一層の増便や格安旅行商品が出現し利用者への魅力を高めているのが現状でありますが、これら都市空港に隣接する地方空港では、県内利用者の県外流出による国際線の利用低迷に苦しんでいるようであります。


 このような中、本県におきましても、アジア経済の好調を背景としたビジネス客や各種交流団体等のリピーターを確保することが課題であり、県外からの利用者や固定客の多頻度利用を視野に入れた取り組みが必要であると考えます。力強い経済成長を続け、海外旅行の需要も拡大しつつある中国に対する中国人団体観光客ビザ発給地域拡大の流れや、韓国への日本人観光客のビザ免除期間が今月から90日間に拡大されるなど、相互交流の門戸は確実に広がってきています。この機会に、中国、韓国からも、道後温泉、しまなみ海道、南予の町並み等を見てもらい、積極的にセールスコールを行っていくことも重要だと考えます。


 そこで、お伺いいたします。


 今後、国際便2路線の定着を図るためどのような活動を行っていくのか、今後の新たな需要喚起策とあわせその取り組みについてお聞かせ願いたいのです。


 次に、松山空港の周辺対策についてお尋ねいたします。


 上海線の就航や熊本線の新規開設、また、小型機を活用した伊丹便や名古屋便の増便など松山空港の利便性は高まってきております。加えて、御承知のように、昨年12月20日に、長年の懸案でありました松山空港の運用時間延長が本年7月から実施され、13時間運用から14時間運用になるとの発表がありました。お聞きするところによりますと、航空会社では、この延長された時間帯を利用し、羽田空港や伊丹空港出発の最終便を今より遅く松山に着くようにしたいとのことで、ビジネスで松山と東京、大阪などを行き来する利用客にとっては、空港に向けて出発する時間をそれほど気にすることなく、今まで以上に腰を据えて商談などを行うことができるようになるなど、利便性が大きく向上し、経費の節減とも相まって、今後の企業誘致や観光客の誘致拡大につながり、県勢の振興に大きく寄与するものと期待しているものであります。


 全国の主要な地方空港のほとんどが14時間運用となっている現状での延長であるだけに、やっとの思いがある一方、夜間1時間延長は、松山空港周辺の住民の方々にとって、その生活に大きな影響を及ぼすことも事実であります。


 県におかれましては、これまでも、国や松山市とともに、航空機による騒音を少しでも軽減する対策を講じられるとともに、空港が存在することにより空港周辺地域の活性化が阻害されることのないよう、道路、公園などの生活基盤施設の整備などに努めておられますが、今後も引き続き、周辺地域に十分配慮していく必要があると考えます。


 そこで、お伺いいたします。


 松山空港の運用時間延長が周辺地域に及ぼす影響を踏まえ、今後どのように周辺対策に取り組んでいかれるのか、お考えをお聞きしたいのであります。


 次に、森林環境税を活用した施策についてお尋ねいたします。


 県土の7割を占める緑豊かな愛媛の森林は、豊かな郷土づくりの基礎として重要な役割を果たすだけではなく、台風などの自然災害への備えとなり、また地球温暖化防止に貢献するなど、人々が安心して暮らしていく上でも、その役割はますます大きなものとなっております。


 こうした森林の大切さを思うとき、先人たちの努力の結果として守り育てられてきた愛媛の森林を健全な姿で次の世代に引き継いでいくことは、私たちに課せられた大きな役割であろうと考えます。しかし、古来より私たちの生活を支えてきた森林は、長引く林業の低迷、山村地域の過疎化などとともに荒廃、放置林化が進み、森林の持つ公益的機能の低下が深刻化しつつあることは、まことに憂慮すべきことであります。


 そのような中、県では、森林を県民共有の財産として健全な姿で次世代に引き継ぐため、水源の森林づくり推進モデル事業など多様な森づくりや木造公共施設整備促進事業など県産材の活用促進を図る諸施策を積極的に取り組んでこられましたことに敬意を表するものであります。


 今回、森林環境税の導入が検討され、昨年12月、森林環境税条例とあわせて森林環境保全基金条例が制定されました。昨年11月に知事に答申されました森林環境税のあり方に関する報告書によりますと、県民参加による森林と共生する文化を創造し定着させることとなっており、全国に先駆けて、人と森林との関係を築き上げ、森林環境の保全に取り組まれることを県民は大きな関心を持って期待していると思うのであります。


 そこで、お伺いいたします。


 森林環境税を活用し、今後どのような方向で施策を展開されていくのか、御所見をお伺いいたします。


 次に、県警の捜査報償費問題についてお尋ねいたします。


 県警捜査報償費不正支出問題につきましては、警察本部が設置した調査班による内部調査結果では不信感をぬぐえないとの県民世論があり、我が党を初め県政与党会派の要請を受け、加戸知事は、監査委員に対して昨年10月、平成13年度の警察本部及び全警察署の捜査報償費の執行について特別監査を要求され、先日、その監査結果が知事に報告されたところであります。この監査結果に基づきまして数点、質問をいたします。


 まず、監査委員にお尋ねいたします。


 第1に、監査結果についてであります。


 報告書によりますと、大洲警察署において、にせ領収書を用いて執行した額は県が被った損害額と判断し、また、幾つかの警察署の物品購入等に一部疑義があるとしております。また、捜査協力者等への謝礼のすべてについては、違法性、不当性の有無の検証が不能であるとして、いわゆる灰色の判断がなされております。これについては、警察側から捜査協力者等の住所、氏名及び接触場所等が非開示とされたことから、謝礼金の支払いや物品交付の事実が確認できなかったことが要因であるとされております。


 警察本部長は、特別監査の実施に当たっては誠実に対応すると表明しましたが、必ずしも十分ではなかったと思われるのであります。この県警の対応も含め、監査結果について監査委員はどのような所感を持っているのかお伺いします。


 次に、特別監査の手法についてであります。


 捜査員への聞き取り調査の際には、本部会計課職員の立ち会いのもとに行われ、また、全捜査員の文書調査は、配布、回収を警察本部、各警察署を介して行っております。これら手法については、監査結果に影響があったのではないかと一部県民から批判の声もありましたが、これら監査手法をとったことについては適切であったかどうかお伺いいたします。


 次に、今回の特別監査の監査対象は、13年度の捜査報償費の執行についてのみでありますが、去る2月14日には、過去においてにせ領収書の作成依頼を受け、これを断った等の内容をマスコミに告発した現職警察官からの聞き取り調査を実施しておりますが、今後、監査委員がみずから監査対象年度を拡大して随時監査を実施する考えがあるのかどうか、お聞かせ願いたいのであります。


 次に、知事に対してお尋ねいたします。


 特別監査に当たって、知事は、警察本部長に対し、監査委員の求めに対して全面的に協力し誠実に対応するよう申し入れをされました。先般には、会計関係書類を保存年限経過後も当分の間は廃棄処分を行わず保存するよう要請し、県としての対応は、監査結果の報告がなされた後に検討するとの発言もありましたが、捜査協力者等の住所、氏名及び接触場所を非開示としたことなど県警の監査への対応も含め、この監査結果をどのように評価され、今後、対象年度の拡大等新たな監査要求についてどう対処されるのかお伺いいたします。


 最後に、公安委員長並びに警察本部長にお尋ねいたします。


 現職の警察官である巡査部長が、実名で捜査費不正を告発するのは異例のことであります。その証言によれば、約30年くらい前からにせ領収書づくりを指示され、裏金としてプールされた捜査費は、幹部が飲み食いに使っていたものとされています。また、にせ領収書の作成を拒否したため昇任試験に合格できなかったとの証言や、最近まで勤務していた鉄道警察隊においても、警乗手当が水増し請求されていたとの証言も行っています。これに対し、報復人事ととられても仕方のないような対応がなされました。もし、証言内容が事実であるとすれば、ゆゆしき問題であり、県警として徹底した調査を行い、証言内容が事実かどうかを早急に明らかにする義務があると思うのであります。


 証言内容の事実関係について、どのような調査をしているのか。また、現在までに明らかになった事項があれば、警察本部長に説明をお願いしたいのであります。


 今回の特別監査結果は、警察にとって厳しい内容になっていると受け取っております。県警の捜査報償費については、来年度予算案において大幅に減額して要求されておりますが、内偵事件が減少している等の要因に加え、捜査費不正疑惑が表面化して以来、捜査員が自腹を切っていることが原因との話も聞いております。近年の増加する犯罪の最前線に立って日夜苦労している現場捜査員のためにも、今こそ警察に厳しい目を向けている県民に対し、十分説明責任を果たすことが肝要であると思いますが、この監査結果を受けて、今後、公安委員会は警察本部をどう管理していくのか。また、警察本部はどう対応するのかお伺いしたいのであります。


 以上で私の質問を終わります。


 御清聴ありがとうございました。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 自民党を代表しての山本議員の質問に答弁させていただきます。


 まず冒頭、平成17年度当初予算の編成作業にどのように取り組み、どう評価しているのかとのお尋ねでございました。


 平成17年度当初予算の編成に当たりましては、議員御指摘の公債費や社会保障関係経費の増大によりまして、中期財政見通しで271億円の財源不足が見込まれましたため、事業廃止を前提とする徹底した歳出削減や特別職体制の見直しを行います一方、緊急避難的に特定目的基金の活用あるいは知事公舎を含む大規模な県有財産の売却を進めるなどの歳入対策を講じて、ぎりぎりの予算編成を行ったところでございます。


 限られた財源の重点的配分を行いますため、昨年に引き続き成果主義を取り入れた愛媛スタンダード枠を活用、新市町の周辺地域の振興を図る新たな助成制度の創設や南予地域の活性化に意を用いるなど27事業6億1,000万円を新規に計上いたしますとともに、県版構造改革特区を創設し、市町や民間のアイデアを生かした県独自の規制緩和を進める方針でございます。


 また、当面の課題である雇用、産業再生対策や防災対策等に重点的に取り組みますほか、愛と心のネットワークを全県的に進めるほか、県立中央病院のPET施設の平成18年4月供用開始に向けての建設、機器整備や、子ども療育センターの建設に着手するなど、金額の多少にかかわらず、愛媛の元気創造に向けた第2次県政改革プランの推進のため、できる限りの対応をしたところでございます。


 今後とも、厳しい財政状況が続くと見込まれますことから、職員の意識改革を推進し、職員すべてがその責任と使命感のもと、県民の目線に立った政策の選択と集中を行うことによりまして、財政破綻を来さないよう重点化、効率化に努め、早期の収支均衡に向けて最大限の努力をする所存でありますので、議員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げたいと存じます。


 次に、市町村合併についての質問でございます。


 県内の市町村合併の進捗状況の評価とこれを踏まえた今後の合併への取り組みはどうかとのお尋ねがございました。


 本県では、平成13年2月の市町村合併推進要綱策定以来、県政の最重要課題の一つとして、合併推進に積極的に取り組んできたところでございます。


 その結果、県内のほとんどの市町村で合併実現に向けた真摯な取り組みが行われ、全国的に見ても広島県等と並ぶ多数の合併が実現するなど、大きな成果が上がってきているものと考えております。


 これにより、地方分権の推進や国、地方を通じた財政状況の著しい悪化、少子高齢化の進行などに対応した行政運営の効率化や一体的なまちづくりを進める体制は整いつつあると考えてはおりますが、残念ながら、2つの町が今回の合併の枠組みから取り残されましたほか、将来的なまちづくりを考えた場合、より大きな組み合わせが求められる可能性もありますので、地域によっては、合併新法のもとでの新たな合併も含めた取り組みが必要であると認識いたしております。


 県としては、合併新法に基づいて総務大臣が作成する予定の基本指針の内容を踏まえ、合併構想の策定なども視野に入れながら、県土の均衡ある発展や県民すべてがひとしくサービスを享受できる市町の体制を構築する観点から、引き続き市町の自主的な取り組みを支援していく考えであります。


 同じく合併に関連して、合併市町の周辺地域振興補助制度の創設目的とその活用効果への期待はどうかとのお尋ねがございました。


 山本議員御指摘のとおり、合併により市町本庁舎が置かれないいわゆる周辺となる旧市町村地域では、中心部となる地域との間に格差が生じたり地域の個性が失われるのではないかとの懸念が生じており、合併を契機として市町がより発展していくためには、合併市町がみずから積極的に取り組まれておるわけでございまして、これら周辺となる地域の振興が重要であると認識しているところでもございます。


 このため、県単独で合併市町の周辺地域振興を支援する補助制度を創設いたしまして、市町が行う地域活性化のための新たな拠点の整備、地域の歴史的遺産の継承、地域ゆかりの文化等を生かしたイベント開催、豊かな自然環境の保全といったようなさまざまな地域活性化の取り組みを支援したいと考えております。


 県としては、この制度の活用により、合併市町が取り組む周辺地域振興が一層促進され、中心部、周辺部といった隔たりなく、それぞれの地域が合併前からの活力を保持し続けるとともに、さらに地域としての新たな魅力を身につけていくことを期待しているところでございます。


 次に、今後のふさわしい県のあり方についてどのように考え、どう取り組みを進めていくのかとのお尋ねがございました。


 経済圏や生活圏の拡大、合併による市町村数の大幅な減少等の社会経済の変化に適切に対応し、真の分権型社会にふさわしい自立性の高い圏域を形成してまいりますためには、都道府県の区域を拡大するとともに、国の役割を重点化し、地方に必要な機能を地方が担うことが適当でありまして、現在の都道府県とは異なる新たな広域自治体を設置する道州制の導入が必要と考えております。


 道州制の導入に当たりましては、国と地方を通じた行政のスリム化の視点から考えることが重要でありまして、地方が効率化を図りながら質を高めていくと同時に、国の地方支分部局の体制や国の権限、財源、人員等についても調整をしなければ実効性のあるものにはならないと考えておりまして、今後、国と地方を通じた議論が必要であると認識いたしております。


 このため、お話にありましたとおり、国の第28次地方制度調査会において、道州制のあり方についての調査、審議が進められておりますほか、全国知事会の道州制研究会や県の若手職員による研究会等、地方の立場からも道州制を視野に入れた調査研究を進めているところでありまして、今後は、これらの成果や検討状況を踏まえながら、県の将来像についての考え方をさらに検討、整理し、県民の方々に示すなど、県内の意識の醸成に努めてまいる所存であります。


 また、道州制への円滑な移行を実現するためには、まずは県同士の連携強化を進めることが不可欠でありますため、これまでも多様な分野において四国4県の連携を進めてきたところでございますが、今後はこれをさらに発展させ、グリーンツーリズムの共同PRや海外での見本市への共同参加等を通じ、4県が一体となって、四国を大都市や海外に売り込みますとともに、各県施設の機能分担のあり方や人事交流のさらなる拡大を検討するなど、将来の四国州を視野に入れた四国4県の連携や基盤づくりをさらに推進してまいりたいと考えております。


 県内経済・雇用情勢に対する認識とその対策はどうかとのお尋ねでございました。


 本県経済は、全国的な景気の回復に伴い、全体としては緩やかに回復を続けてきたところでございますが、本格的な回復には至っておらず、企業間及び東・中・南予の地域間において格差が存在いたしております。地域間の格差は、地域の雇用情勢にも顕著にあらわれておりまして、本年1月の有効求人倍率は、東予で1.21倍、中予で0.71倍、南予で0.66倍となっております。


 その要因としては、今回の景気回復が、アメリカの好景気や中国の躍進に支えられた輸出産業あるいはデジタル家電、自動車産業などの大企業、製造業中心の回復であり、第1次産業や第3次産業が主体の地域には今回の景気回復が及んでいないということであろうかと思います。また、国の公共事業に連動した景気、雇用対策が困難になってきましたこともございますし、さらには、製造業において、世界最適地生産の考え方から、生産、調達拠点を賃金や原価の安い海外に求めるという企業の動きがとまっていないということなどもございます。このため、本県経済は、まだ本格的な回復には至らず、特に南予地域は、とりわけ厳しい状況にあると認識いたしております。


 そうした中で、県では、県内全域を対象として、企業の創業支援や産学官連携による新技術、新製品の開発などにより、新事業の創出と既存産業の高付加価値化、高度化の促進に努めますとともに、商業や観光産業の振興、コールセンターの誘致、若年者就職支援センターいわゆる愛workによる就職支援など、各種の経済、雇用対策を展開しているところでございます。


 さらに、平成17年度におきましては、えひめプロダクト販売促進支援事業を創設し、県内企業の新製品の販売促進に努めますほか、創業支援や研究開発などの施策を拡充強化して、県内産業の活性化を図ることといたしております。


 また、南予地域に対しては、新たに地元の資源を活用した起業を支援する南予地域密着型ビジネス創出緊急支援事業を実施いたしますほか、町並博の成果継承事業により一層の誘客促進を図りますとともに、基幹産業である農林水産業の振興のため、みかん研究所の整備を初め、農林水産物及びその加工品の大都市圏高級品市場の開拓やブランド化に取り組み、南予地域の産業の再生に努めてまいりたいと考えております。


 南海地震などの大規模災害に備え、今後どのような防災対策を講じていくのかとのお尋ねがございました。


 南海地震等の大規模災害に備え、県では、地域防災計画に基づき、これまで防災行政無線など情報伝達体制の整備、広域的な応援体制を確立するための他県や民間団体との協定締結のほか、総合防災訓練の実施や自主防災組織の育成支援等の諸施策を進めてまいったところでもございます。


 しかし、昨年の一連の自然災害では、多数の犠牲者が出るなど人的被害が多発いたしましたため、その教訓を踏まえ、平成17年度には、新たに、市町が実施する地域の危険箇所や避難所等を明示した住民向けの総合防災マップの作成や災害時に孤立することが予想される地区を対象とした衛星携帯電話や臨時ヘリポートの整備に対し支援することといたしております。


 さらに、市町、消防、警察、自衛隊など関係機関の課長クラスで構成する防災対策協議会を設置し、広域的な防災体制も含めた具体的な対策を定期的に協議いたしますほか、住民相互の助け合い活動の一層の推進や県民の意識を高めるための防災講座の開催などを通して、大規模災害に備えた防災対策を強化してまいりたいと考えております。


 森林環境税を活用し、今後どのような方向で施策を展開していくのかとのお尋ねでございました。


 県では、これまで、整備の行き届かない森林の増加により、その公益的機能の低下が懸念されることから、平成13年を森林そ生元年と位置づけ、水源の森林づくり推進モデル事業や放置森林対策など森林の環境資源としての役割を重視した施策を積極的に実施してまいったところでございます。


 しかしながら、一段と厳しい林業情勢の中で、県民や社会からの多様な要請や森林に対する深いかかわりへの期待がますます高まってきたところから、これまで林業者や県が主体となって実施してきた施策に加え、県民参加による森林整備を進めるため、森林環境税を導入したものであります。


 事業は、森林環境の保全を重視し、森林蘇生対策の中では行き届かなかった分野の森林整備などを進めることといたしておりまして、河川の源流域に水源の森のシンボルとなる源流の森や集落周辺の防災機能を高める森林整備あるいは木材の利用促進を一層進める公共的施設における内装の木質化、さらには、森林ボランティアなど県民が森づくりを行う拠点フィールドの設置、そして、県民みずからが企画、立案、実行する活動に対し支援する公募事業などを実施することといたしております。なお、事業の執行に当たりましては、学識経験者、一般県民等から成る基金運営委員会を設け、事業内容の検討や成果の公表を行い、透明性、効率性を確保しながら、森林の機能を高める事業に主眼を置いて新しい森林づくりに努めてまいりたいと思っております。


 最後に、警察捜査報償費について、知事は監査結果をどう評価し、今後対象年度の拡大等新たな監査要求についてどう対応するのかとのお尋ねがございました。


 今回の特別監査は、犯罪捜査に要する費用に対する監査という特殊な性格のものでありまして、県警側による多くの制約の中にありまして、監査委員及び監査事務局においては、半年間、精力的に取り組んでいただいたと受けとめております。


 監査結果につきましては、多くの書類が全面開示されず疑惑の全容解明に至らなかったことは、まことに残念な結果でありますし、また、新たな疑問点や問題点が指摘されたことはまことに遺憾でありまして、県警側におかれましても、これを真摯に受けとめてほしいと願っております。


 今後は、監査で指摘された問題点や現職警察官の実名での証言などについて、まず、県警において徹底的に調査し県民の前に明らかにすることが先決であると考えておりまして、その結果等によりまして、新たな対応が必要かどうか検討してまいりたいと思います。


 その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させることといたします。


○(吉野内直光副知事) 議長


○(森高康行議長) 吉野内副知事


   〔吉野内直光副知事登壇〕


○(吉野内直光副知事) 山本議員の代表質問にお答えいたします。


 私の方からは、松山空港の活性化に関する御質問について答弁さしていただきます。


 まず、国際便2路線の定着化を図るための活動や新たな需要喚起策の今後の取り組みはどうかという点でございますが、今年度、上海線は就航ムードによりまして、また、ソウル線は韓流ブームに乗りまして、両路線とも順調に推移いたしておりますが、上海線では冬場の需要が低迷するなど、年間を通じた利用者の確保が大きな課題となっております。


 このため、官民一体となった松山空港利用促進協議会の活動を中心にしまして、修学旅行を含む民間交流の経費や県外マイカー利用者への駐車料金の補助など、各種支援事業を引き続き実施いたしまして、県内外からの利用促進に取り組んでいくことといたしております。


 幸い上海線につきましては、今春からダイヤ改正によりまして、上海経由の中国各地への移動を初め、修学旅行や週末を利用した旅行プランが容易になりますことから、この利便性を生かした魅力ある旅行商品の提供を旅行会社に働きかけますとともに、ソウル線につきましては、ことし4月に就航10周年を迎えますので、記念式典を初め韓国のパネル展や映画上映など多彩なイベントを実施しまして、新たな需要喚起につなげていきたいと考えております。


 さらに、議員も御指摘ございましたが、愛知万博の期間中は、中国人団体観光客のビザ発給地域の中国全土への拡大や韓国人観光客にビザなし滞在を認める措置があることに加えまして、ことしは日韓友好40周年の記念すべき年でもございますので、両国から旅行会社、マスコミ等を招聘いたしますとともに、無料送迎バスの運行や中国でのセールスコールの実施、また韓国では、国際観光展示会への出展など、一層の観光客誘致を進めていきたいと思っております。


 今後とも、四国で唯一国際空港2路線を持つという優位性を生かしまして、アウトバウンド・インバウンド両面にわたりまして、一体的な利用促進をより一層図り、多くの人に愛される路線として定着、発展するように努めてまいりたいと考えております。


 なお、県議会の議員の皆様方には、日中友好促進議員連盟、さらには日韓友好促進議員連盟を通じまして、上海線、ソウル線の利用促進に一層、いろいろとお力添えをいただきましたが、今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。


 続きまして、空港の運用時間延長が周辺地域に及ぼす影響を踏まえ、今後、周辺対策にどう取り組むのかとの点でございます。


 松山空港の運用時間の延長は、旅客等の利便性の向上ばかりではなく、本県にとりまして、企業誘致の促進や観光客等の誘致拡大、さらには国際交流の促進など、公共投資が制約される中にありまして、県勢振興に大きな効果をもたらすものと考えております。


 しかしながら、お話のとおり、運用時間延長が周辺住民の方々に大きな影響を及ぼすことは深く認識いたしております。空港が存在することによりまして、周辺地域に御迷惑をおかけしてきている騒音や、あるいは地域開発への制限等の問題を少しでも解消いたしますため、従来から実施しております各種の騒音対策や地域活性化対策を松山市と一体となって引き続き積極的に推進していくことといたしております。


 なお、これらの事業推進に当たりましては、周辺4地区ごとに設置されております地元騒音対策協議会と十分な協議を行いながら対応をしていくことといたしておりますが、この周辺地域の一部地域が市街化区域に編入されまして、それらを踏まえまして、特に道路などの生活基盤施設の整備につきましては、来年度から5カ年で計画的な整備を進めてまいりたい、このように考えております。


 以上でございます。


○(石川勝行県民環境部長) 議長


○(森高康行議長) 石川県民環境部長


   〔石川勝行県民環境部長登壇〕


○(石川勝行県民環境部長) 山本議員にお答えいたします。


 愛と心のネットークづくりを県民に対し具体的にどう浸透させていくのかとのお尋ねでございました。


 愛と心のネットワークづくりは、NPOやボランティアなど民間の活動によるさまざまな分野での助け合い・支え合いの仕組みを構築し広めていこうとする県政の重要課題でございます。


 これまで、広報誌さわやか愛媛あるいはテレビ、ラジオの広報番組などでPRやロゴマークの作成、いーよネットの運営、愛と心のネットワークモデル事業の実施、ボランティア相談窓口の全市町への設置及び愛媛ボランティアネットのリニューアルを通じたボランティアマッチングシステムの構築などを行っており、既に多くの県民、団体の利用をいただいております。


 中でも、いーよネットのアンケート調査によりますと、会員の約5割がいーよネットで初めてボランティアを経験し、それを契機に他のボランティア活動にも参加しているという結果が出ており、実際に参加、体験することによって、その充実感、すばらしさが理解され、活動の広がりにつながっていると考えております。


 このため、平成17年度には、学生が夏期休暇に入る時期にサマーボランティア体験キャンペーンを行い、学生はもとより社会人など一人でも多くの県民にボランティアを体験していただきたいと考えております。


 今後とも、県民の理解と共感を得ながら、これら施策を総合的に展開することによりまして、県下全域に愛と心のネットワークづくりを浸透させてまいりたいと考えております。


 以上でございます。


○(吉村典子公安委員会委員長) 議長


○(森高康行議長) 吉村公安委員会委員長


   〔吉村典子公安委員会委員長登壇〕


○(吉村典子公安委員会委員長) 山本議員にお答えします。


 公安委員会は、監査結果を受けて、今後警察本部をどう管理していくのかとのお尋ねでございます。


 公安委員会といたしましては、昨年6月以降、県警察から調査状況について逐次報告を受け、必要に応じ、捜査費として執行されたことを示す証拠書類の呈示を求めて確認するとともに、特別監査に対しましては、県警察に対し誠実に対応するよう指示するなど、県民の視点に立ち厳しく管理してきたところでございます。


 今般の特別監査の結果報告に関しまして、県警察からは、大洲警察署の事案については、捜査費として適正に執行されていたものの事実と異なる会計書類を作成していたことは事実であり、今般、監査委員から損害額として認定されたことを踏まえ、これを県に返還するとともに、疑義があると指摘された13事案35件についても調査を行うとの報告を受けております。


 公安委員会は、昨日、臨時公安委員会を開いて、今般の監査結果報告に対する県警察の対応を了承し、早急に返還について手続を進めるとともに、疑義があると指摘された案件の調査についても、できるだけ速やかに行い、県民に対し説明責任を果たすよう指示したところでございます。


 なお、疑義があると指摘された案件についての調査の過程においては、関係書類の確認を行うなど、県警察において適切な調査が行われるよう指導してまいりたいと存じます。


 今後、県警察が実施する監査においては、必要に応じて監査に立ち会うなど適切な措置を講じ、また、捜査員に対し捜査費執行に関する教養の徹底を図るなど、捜査費の適正かつ効率的な執行が図られるよう、県警察を強く管理してまいりたいと存じます。


 以上でございます。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(森高康行議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 山本議員にお答えをいたします。


 初めに、現職警察官の証言内容の事実関係についてどのような調査をしているのか。また、現在までに明らかになったことがあれば説明を求めるとのお尋ねでございます。


 報道によりますと、1月20日に行われました本人の記者会見で、県警の捜査費に関し、1973年から1995年の間に、にせ領収書の作成を依頼されたなどとする発言がありましたことから、現在までに本人からの聞き取りを4回実施したところであります。また、本人の発言から、関連すると思われる当時の関係者に対し、順次聞き取りを実施するとともに、確認可能な関係書類について精査中であります。


 他方、平成13年度において、交通部、新居浜警察署において捜査費に関し不正があったとする報道内容につきましても、関係者に対し順次聞き取り中でございます。


 次に、県警は、監査結果を受けて今後どう対応していくのかとのお尋ねでございます。


 御指摘のあった平成13年度に大洲警察署で作成されたにせ領収書53件分、12万7,729円について、県警察といたしましては、捜査報償費執行者に対する聞き取り、犯罪事件処理簿、その他の事件記録、署日誌、備忘録、捜査メモなどによる確認、聞き取り結果と事件記録などとの突き合わせ及び聞き取り結果相互の突き合わせなどの調査を行った結果、いずれも捜査報償費として適正に執行されていたものと認められたものの、にせ領収書を用いて事実と異なる会計書類が作成されたことは事実であります。


 監査委員に対しましては、捜査協力者の保護を念頭に置きつつ説明をしたところでありますが、今般、監査委員の心証を得られず、監査結果報告におきまして損害額として認定されました。このことを真摯に受けとめ、早急に県に返還すべく、その方法などについて検討してまいりたいと考えております。


 あわせて、御指摘のあった平成14年度、15年度の13件分、2万4,737円につきましても、再度確認した上で、その返還について検討してまいりたいと考えております。また、疑義があるとの御指摘があった35件分、13万7,842円の執行内容につきましては、直ちに調査を行いたいと考えております。


 これまでも県警の調査や特別監査の受監に関しましては、警察を第三者的立場から管理する公安委員会に逐次詳細な御報告を行うとともに、必要に応じて、関係書類をマスキングなしで呈示するなどにより、その御指導をいただきながら厳正公正に進めてまいったところであります。


 県警察といたしましては、県民の代表である公安委員会の管理に服しながら、監査などにおいて、公安委員に関係書類の確認などの御指導をいただくなど、より一層県民の信頼確保に努めてまいりたいと存じます。


 以上でございます。


○(壺内紘光監査委員) 議長


○(森高康行議長) 壺内監査委員


   〔壺内紘光監査委員登壇〕


○(壺内紘光監査委員) 山本議員にお答えをいたします。


 警察捜査報償費の問題に関連いたしまして、まず、県警の特別監査への対応を含め、監査結果について監査委員はどのような所感を持っておるかという御質問でございました。


 今回の監査は、警察本部と全警察署の捜査報償費の支出件数約1万5,500件にかかわる支出証拠書類調査と、これに基づきます捜査報償費を執行した捜査員136人からの聞き取り調査及び全捜査員567人に対する文書調査等により行ったところでございます。


 愛媛県警察からは、捜査上の秘密保持、捜査協力者の保護を理由に、捜査協力者の住所、氏名及び捜査協力者との接触店舗等の開示がないため、当初予定しておりました関係人調査ができなかったということから、金品の最終受領者からの確認がとれず、このため監査の核心部分が検証できない結果になったということはまことに残念に思っております。


 県警察におかれましては、捜査報償費という公金支出の透明性をより認識されまして、いささかもその支出の正当性を疑われることのないよう、また、今回の一連の問題を教訓に、一日も早く本来の責務に全力で取り組まれるよう望むものであります。


 次に、特別監査の手法については適切であったのかという御質問でございました。


 今回の監査の実施に当たりましては、他県の監査手法も参考といたしまして、まず、支出証拠書類の悉皆調査、次に、所属長、次長、副署長及び各捜査員からの聞き取り調査、最後に、捜査協力者、領収書発行者等の関係人調査を行うことを計画しておりました。


 捜査員からの聞き取りにつきましては、当初警察本部から、上席者の立ち会いを希望する旨の申し出がありました。しかし、ことし1月から実施しました警察本部及び全警察署での聞き取り調査に際しましては、事前に各所属の会計課職員以外は同席しないよう文書で要請したところであります。また、聞き取り調査の当日におきましても再度要請いたしましたところ、上席者の同席はなくなったわけでございます。しかしながら、警察本部から、証拠書類の管理責任を有する本部会計課職員が同席する必要があるという旨の説明があり、聞き取りを円滑に実施するためにはやむを得ないと判断した次第でございます。


 文書調査につきましては、警察本部に捜査費を執行した全捜査員の住所開示を求めましたが拒否されましたため、やむを得ず、全捜査員について個別に文書を作成し、封印の上、警察本部及び各警察署を通じて配付し、その後、封印した回答書を警察でまとめたものを回収したわけでございます。


 これらにつきましては、最善の方法ではなかったといたしましても、限られた時間で聞き取りや文書調査を円滑に実施するためには警察本部の申し出や介在を受けざるを得なかったということを御理解いただきたいというふうに思います。


 次に、今後、監査対象年度を拡大した随時監査を実施する考えはあるのかというお尋ねでございます。


 昨年5月末に県警捜査報償費不正支出問題が浮上しまして以来、監査委員といたしましては、この問題に重大な関心を持ちまして、随時監査の必要について検討していたところでございますが、10月に知事から特別監査の要求があったところでございます。


 特別監査の過程で、捜査協力者の住所、氏名や捜査協力者との接触店舗等の開示がなかったため、当初計画したとおりの有効な監査ができなかったことを考えますと、今後、特に新しい状況が生じない限り、監査対象年度を拡大して随時監査を実施いたしましたとしても、実効ある監査とはなりにくく、従って現時点での実施は考えておりません。


 監査結果報告でも述べておりますように、今後直ちに、警察みずからが、平成13年度に限らず、捜査報償費の執行全般について責任を持って徹底した調査を行い、調査の過程を県民に明らかにしながら説明責任を果たし、その疑いを払拭すべきであるというふうに考えております。


 以上でございます。


○(森高康行議長) 休憩いたします。


 午後1時から再開いたします。


     午前11時48分 休憩


    ――――――――――――


     午後1時 再開


○(森高康行議長) 再開いたします。


 質疑を続けます。


○(藤田光男議員) 議長


○(森高康行議長) 藤田光男議員


   〔藤田光男議員登壇〕


○(藤田光男議員)(拍手)民主党の代表質問の順番が初めて2番になりました。


 質問時間が35分しかありませんので、今、世論が怒りと不信で渦巻き、県民にとって最大の関心事となっている警察問題に絞って質問し、他の項目は一般質問でさしていただきます。


 愛媛県警の捜査費不正問題の解明は行き詰まっております。解明の決め手もなかなか見つかりません。もうこうなったら、水戸黄門様に来てもらうか、保安官のジョン・ウエインを雇ってくるか、あるいは、あの国定忠治が手にした名刀小松五郎吉兼を知事の腰に差してもらうか(笑声)、何でもいいから何とかならぬのかと、県民からの声が雨あられです。


 さて、北海道警察の組織的な裏金づくりについては、北海道新聞の粘り強い追及と元道警幹部による衝撃的な証言によって、道警は昨年11月下旬これを認めました。裏金づくりは道警本部各課や警察署など大半の部署に及び、裏金総額は11億円。国費である捜査費で6億5,000万円、北海道費である捜査報償費で2億5,000万円、合わせて9億円余りを返還しました。そして道警本部長ら計3,000人の処分を公表しました。この不正は、もちろん道警だけの問題でもなければ警察官全般の問題でもない。しかし警察庁は、幹部の私的流用や組織としての責任は認めておりません。問題発覚から1年余り、道警はこれで幕引きにしたいのでしょうが、裏金づくりは業務上横領や公文書偽造などの罪に該当する可能性もあります。しかも捜査機関の警察によるれっきとした組織犯罪です。


 報道によりますと、道警での裏金づくりについては、警察予算は国費と道費からなり、議会に承認されると、その金は警察本部の各部局や警察署に届き裏金としてプールされる。捜査に協力してくれた市民に謝礼として支払われる捜査報償費と捜査費や旅費などが対象で、裏金化された資金は、即座に幹部が思いのままに使える金に化けてしまう。裏金の大半は、幹部の私的な飲食や交際に、あるいは幹部の転勤などの際に渡されるせんべつあるいは道警全体の裏金から警察庁への上納などに使用されていた。そして、外部の会計検査院や北海道監査委員のチェックを逃れるため、正規に予算が支出されたように関連する会計文書を偽造までしていた、こういうことのようです。


 裏金づくりとは、つまるところ幹部らが税金である公金を自由に使うための資金洗浄、一種のマネーロンダリングです。今あちこちの県警で同様な手口が発覚しており、恐らく全国の警察で長く裏金づくりが行われていたのではないかと想定できます。


 市民が警察に期待するのは、市民の生命、身体、財産を脅かす犯罪の取り締まりであって、裏金に削られるから本来の犯罪捜査に必要な金と人をつけられないとするなら、こういった不正腐敗の構造が現場の警察官を苦しめ、市民の安全を脅かしているということではないでしょうか。捜査機関である警察は、法の執行機関であって、どこよりも法の厳格な運用に迫られ公正と正義を強く求められます。裏金問題は、その内部で長年にわたって行われていた組織ぐるみの公金横領であり、一部の警察官による不祥事とは全く意味が違うということです。


 警察は一体どうなってしまったのか、憂いながら質問に入ります。


 最初は、私的流用についてであります。


 北海道警では内部調査の結果を公表しましたが、私的な流用は確認できなかったとしており、愛媛県警とて同じ報告がなされております。私的流用がどのような使い方を指しているのかわからないし、裏金の使途は裏帳簿という裏づけがない限り明らかにはなりません。それがない以上、世間の常識では全額が使途不明金であり、公金の使途不明ということで大問題になると考えるのが普通でしょう。


 そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、県警の内部調査の報告で、私的な流用は確認できなかったとする私的な流用とはどのようなことを指すのかということ。


 2つ目は、県警は、大洲警察署で2001年度の県費分約13万円のにせ領収書を確認しておりますが、捜査費として執行し、私的流用はなかったと判断した理由は何なのかということ。午前中の答弁では、この金を県に返還するとのことですが、捜査費として執行した金をなぜ返すことにしたのか、つじつまが合いません。


 3つ目は、北海道監査委員は、公金として正規な形で支出された以外は私的流用と解釈すると、こういう見解を示しましたが、特別監査の結果として、監査委員の考えはどうなのかということです。


 次は、会計についてであります。


 多くの警察関係者の話を総合すると、会計課はまさに伏魔殿のように言われております。また警察は、警察官の世界ですから、その中にあって警察官ではない一般職員である会計課が現在のように存在価値を発揮することができたのは、彼らが裏金システムを完全に掌握していたからではないのかとも言われております。


 そこで、お伺いいたしますが、捜査報償費については、毎月県警から要請があった金額が、県警本部については出納事務局から会計課長の口座に、また、各警察署については地方局から副署長の口座に振り込まれますが、どの時点で現金化され、その後、捜査員が執行するまで、金の流れはどのようになっているのかということです。


 次は、特別監査についてであります。


 3日前、2001年度の特別監査の結果が報告されましたが、監査委員、そしてまた監査事務局の皆様には、県警の非協力的な対応にもかかわらず、これまで精力的に実施してこられたその御労苦に感謝の意を表します。


 会計検査院の検査では、捜査協力者には接触しないという条件で書類の開示をしており、監査委員の特別監査でも、協力者に接触しないと約束するなら書類を黒塗りしないで開示してもよいということでした。しかし、捜査協力者がいないのではないかと、その実在が問われているわけですから、協力者に接触しなければ解明できるはずがありません。結果として、対象支出の9割が開示されず、適正かどうか判断できない不明確な予算執行と結論づけていることは、ある程度は予想していたことです。しかし、わずかに開示された会計書類だけでも、これまでの県警報告の信憑性を突き崩し、これまでの数々の事実が浮上するほど、不正が蔓延していることを明らかにした監査結果は評価できます。


 一方、北海道警は、内部調査で目的外の不適正な支出であると認めた捜査報償費約2億5,000万円を返還しましたが、その後の監査委員の監査結果で、不適正な支出は2倍の5億円になると知事に報告しました。そのほか交際費や食糧費でも不適正な支出があったと指摘するとともに、旅行命令簿などの会計書類を破棄したり紛失するなど、裏金は捜査費だけではなかったということで、監査委員による成果は大なるものがあります。


 特別監査の結果報告では、県警にボールを投げ返し、県警での徹底した再調査を求めておりますが、長年にわたる組織ぐるみの疑惑であり、身内を幾ら調査しても自浄能力など期待できないでしょう。特別監査報告によって愛媛県警に対する県民の不信はますます強まっており、あいまいな結果は許されない状況にあります。


 そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、県警が不適切とした大洲警察署での約13万円の捜査報償費について、県警は、にせ領収書は作成したが捜査費として執行したとしております。にもかかわらず、これを県の損害と判断した理由は何なのかということです。


 2つ目は、今回の特別監査からも、職員の異動が多い警察組織にあって、大洲警察署一つだけで、たまたま不正があったとするのは余りにも不自然です。また、新居浜警察署や南予の警察署あるいは県警本部の交通部でも領収書偽造が報道されており、また、仙波巡査部長による告発内容からも疑惑は深まっています。これら疑惑解明に向け、次のステップとして知事はどのように県民の期待にこたえようと考えているのかということ。


 3つ目は、監査委員としては、今後、食糧費や旅費などについて、随時監査を実施する考えはないのかということです。


 次は、現場警察官への影響についてであります。


 暮れも正月もない警察官の生活は相当に厳しいものがあります。民間企業のサラリーマンが警察の地域課勤務をやったとしたら、果たしてどこまで耐えられるでしょうか。


 不正を不正と言えない組織の中で、必ずしも治安に貢献しない検挙ノルマに追われている現場警察官。警察官の堕落を言う人は多いが、私はあながちそうとは思いません。ともかく警察組織が崩壊せずに機能しているのは、このような機能の中にありながら、できる限り職務に忠実であろうと働いている警察官が少なくないからだと感じております。


 北海道の裏金問題で処分された者の多くは普通の警察官です。しかし、それが普通であっていいのかどうか。警察官が働く環境をまともにするためには、まずは一人一人が不正を不正と指摘する声を上げることだと思うんです。しかし、第一線で捜査協力者の協力を得て事件解明のために動いている警察官の声が聞こえてきません。裏金は構造の問題ですから、良心に従って拒否すれば警察にいられなくなるからでしょうか。


 一連の警察疑惑問題で結果的に現場の警察官は肩身の狭い思いをされていると思います。警察に対してしばらくは県民の厳しい目が注がれるのは確かです。でも、現場の自分たちが実際にどんなことに苦しんでいて、どうしたいのかが一般の人々に伝わって理解されるなら、県民から信頼と協力を得られることになります。警察の待遇は、最近は随分とよくなった面もあります。県民に信頼される県警になるためにも、警察官が心を一つにして奮起してほしい、県民はそう願っております。


 そこで、お伺いいたしますが、県警の捜査費問題で現場警察官への影響はどうなのか。また、現場にはどのような訓示をしているのかということです。


 次は、内部告発についてであります。


 1月20日、愛媛県警の捜査費不正支出問題で、地域課鉄道警察隊の仙波巡査部長が記者会見で、県警におけるにせ領収書作成の事実を明らかにしました。現職警察官としては初めてのその告発は、自分はにせ領収書の作成をこれまで断ってきたが、このままでは良識ある警察官がつぶされると感じ、やむにやまれぬ思いによるものです。仙波さんは、私は決して清廉潔白な男ではないかもしれないが、私でなくてもいつかはだれかが声を上げることになっただろう。確かに組織の傘の下でしか仕事ができない警察官がふえているような気がするが、何のためにだれのために自分は仕事をしているのか、自分の仕事の本当の意味をしっかりと自分自身で確かめ、日常の仕事に取り組んでほしい、このように話しておりました。


 現在は、毎日10階の通信司令室から松山城を眺めることが仕事になっているようで、想像できないほどの圧力を受け、精神的にも孤立しているのではと推察されます。


 仙波巡査部長は、県警の捜査費不正支出問題で、裏金づくりの実態を実名告白し、そのため不当に異動させられ精神的苦痛を受けたとして、県に慰謝料などを求める国家賠償請求訴訟を起こしました。15都道府県の弁護士76人が原告代理人を務めております。告発、けん銃取り上げ、異動内示、そして発令と、わずか数日間のこれらの行為は、内部通報者を保護する公益通報者保護法の趣旨に抵触しており、これらは報復や見せしめの意味があり、裁量権の乱用だとしているものです。


 そして1週間前には、トラック運輸業界のやみカルテルを内部告発したため、長年昇進も昇給もなく隔離された状況にあったトナミ運輸の会社員の訴訟判決で、富山地裁は、内部告発は公益性があり、報復人事だとして損害賠償を命じました。この判決は、公益通報者保護法がその判断基準として用いられたと思うし、司法が救済の場となることを示したものです。


 仙波さんの配置転換は、告発の衝撃と同時に、通常では考えられないようなスピードでの人事異動だけに、県民にも報復人事として印象づけることになりました。


 そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、全国で初めての現職警察官の内部告発会見という行為そのものをどのように受けとめているのかということ。


 2つ目は、発令すればどんな結果になるのか、世論はどう反応するのか、当然予想されていながら、なぜこのようなスピード発令が必要だったのかということ。


 3つ目は、この国家賠償請求訴訟に対して県としてはどのような手順で対応していくことになるのかということです。


 次は、捜査報償費の予算計上と執行についてであります。


 それがいいことなのか悪いことなのかわかりませんが、捜査費、捜査報償費の予算が減ってきている上に、予算執行率もどんどん下がっております。不必要な予算だったらゼロにすればいいし、必要な予算であるなら情報を公開して正々堂々と予算要求すればいい。捜査費を必要とする仕事は確かにあるでしょうが、情報を金で買うといった発想は、警察の中でもごく限られた専門的な仕事を担う部署でしか共有されていないと聞いております。警備、公安あるいは麻薬、覚せい剤、けん銃の捜査、暴力団事件の捜査を担当する部門です。


 しかし、協力者とは一体どのような範囲の人を指すのか、また、情報提供謝礼の金額基準など協力者の管理運用に関する明確な内部規定もない。そのため、警察内部で予算執行のあり方を透明化し捜査に必要な当然の費用を現場がきちんと使える、そのようなシステムを組織としてつくることが急務であるとともに、幹部は、その姿勢を会計検査院や県の監査委員、また、地域にアピールしていくべきです。このままだと、捜査にかかわる費用はすべて現場の責任でということになってしまいます。


 昨年11月に、高知地裁の捜査費関連文書開示訴訟で、捜査費を使った高知県警の現場警察官とOB3人が証人として証言を求められました。


 今後もこのように、自分が使った捜査費に責任を持たなければならないケースが出てくるでしょう。ただ現在のような予算執行では、県警へのバッシングだけが続くことになります。金の使い道が不透明なもんはもう予算化せんよということになれば、現場はどんどんやる気をなくします。


 もちろん追及しなければならないことは追及するにしても、それに変わるものとして、捜査上どうしてもオープンにできないものは、国費の捜査費の一部を首相官房や外務省にあるような検査や監査の必要がない機密費とし、県費については、食糧費や交際費あるいは部下を慰労する役職手当の増額なども含めて、必要な経費はオープンにして認め、警察本来の仕事に力を注げるように適正な形で予算執行しようという流れにならなければ、仙波さんの告発も生かされません。


 そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、必要な経費をもっとオープンにした予算要求、予算執行にして、現場がきちんと使えるようなシステムに改めるべきではないのかということ。


 2つ目は、県警の捜査費不正支出問題がクローズアップされるようになってから捜査報償費の執行額が極端に減るというのは余りにも不自然です。重要事件の多発で内偵調査に時間が割けなかったとか、捜査員が自腹を切っているとかでは、これだけの落ち込みを説明できるものではないと思うのですが、なぜなのかということ。


 3つ目は、今年度の予算額が4,492万円。新年度の予算は7割減の1,372万円。捜査報償費が適正に執行されているとの確証が得られてないし、また、減少した範囲で捜査活動してきたのなら、その実績見込みをベースとして当面の予算として計上するのも確かに一つの考え方だと思いますが、計上額の根拠としては、もう一つ説得力に乏しいのではないのかということ。


 4つ目は、捜査報償費の予算要求に対して、1,372万円の当初予算ですが、治安を預かる県警として捜査活動への影響をどのように考えているのかということです。


 次は、検挙率と巡回連絡についてであります。


 裏金とともに警察をむしばんでいる問題は、検挙率競争だと思います。


 警察の犯罪統計は、いわゆる発生原票、検挙原票、被疑者原票を作成することで計上されますが、発生原票を少なくすれば検挙率は上がるし、また、未解決事件の検挙原票をつくれば検挙率は上がります。ですから、検挙率を見るとき、その中身が裸の数字かどうかということ、あるいは凶悪、特異な事件や捜査本部事件、そして、住民が解決を望んでいる身近な犯罪がどの程度解決されているかが問われているわけです。


 日本の警察は、交番、駐在所の警察官が管内の家々を訪ねて安否を問う巡回連絡を警察活動の柱として重視してきました。それゆえ現在でも、年に1回以上は、担当地域の家庭などを訪ねることとされております。


 しかし、それを柱とする意識は、第一線の警察署レベルでは建前でしかなくなっております。なぜならそれを誠実に行うのは不可能に近いのが実情だからです。ですから、現在最も憂慮されている児童虐待にしても、巡回連絡でキャッチして防いだという話など聞いたことがない。要するに形骸化しているということです。


 そこには110番通報による出動などもありますが、上司から交通違反の検挙実績を上げろとしりをたたかれ、さらには切れ目のない検挙率アップのノルマが課せられているからではないでしょうか。その結果、巡回連絡はおざなりになり、住民とのコミュニケーションも浅くなる。


 警察改革要綱が求めた国民の身近な不安を解消するための警察活動という言葉は、検挙率を競う点数至上主義によって空洞化され続けているように感じます。


 さきの大洲警察署の誤認逮捕についても、関係者の供述を過信した捜査が招いたものでしょうが、検挙率競争にその下地があったのではないでしょうか。


 最近の警察白書では、検挙率を正面から取り上げておりません。これは警察庁自身が、治安動向に関する判断指標として検挙率というデータを使うことを余り重要視していないからだと思います。まずは、各署間の検挙率競争をやめることで市民警察の機能を活性化してほしい。そして、現場で日々努力している警察官が元気になるような方向、それが本当の警察改革だと思うのです。


 そこで、お伺いいたしますが、1つ目は、各署間の検挙率競争をやめたらどうかということ。


 2つ目は、家々を訪ねて住民の安否を問う巡回連絡は、警察活動の柱としてきっちりと実施すべきではないのかということです。


 最後に、マスコミの皆さんにお願いがあります。


 北海道警察の裏金問題は、警察取材を担当するいわゆるサツ回り記者なら薄々気づいていた、いわば公然の秘密だったと聞いております。自分たちは捜査情報に基づく特だね競争に走る余りに、メディア本来に求められる権力チェック機能を見失い、この問題を放置してきた自分たちの責任も重い、こういった記者の発言もあります。


 例えば、殺人など国民を震撼とさせる事件などで、密室での捜査にもかかわらずその捜査状況が刻々とテレビ、新聞で報道されるのを見ても、確かにサツ回り記者が警察から捜査情報をもらうことにあくせくしているのが実態かもしれません。そういった関係の中では、ジャーナリズムの原点でもある権力を監視するという立場をとりづらいことも理解できます。


 北海道では、報道に対する反応はある程度予想していたらしいが、ものすごかったようです。圧力、罵倒、中傷などなど。それらは個人からではなく、組織そのものから取材班の各記者に畳みかけてきたようです。


 警察の裏金問題は、これまで愛知、熊本、長崎などの県警でも表面化しておりますが、警察が不正を認めることはなかった。報道が長続きせず、問題は中途半端な形で終わり、最近では警察の腐敗を取り上げる舞台は雑誌に移っておりました。


 しかし、北海道では、各社ともこの問題を手厚く報道しておりました。ただ報道することと追及することは、必ずしも同じではない。むしろ道警のこの問題を先取りしていく形の報道が主流で、新たな事実を発掘し、それを道警にぶつけ、問題をさらに一歩掘り下げるという追及の姿勢が少し足りなかったように地域では言われておりました。一部の不心得の警察官の不祥事は書けたとしても、警察全体を敵に回す組織的不正には、どうしても筆が鈍るということかもしれません。


 また、マスコミは、裏金問題を含めて、警察の組織的不正が出てくると、必ず徹底解明には第三者による調査の目が必要とか、あるいは、再発防止には第三者の監視の目が必要と訴えます。いかにも他人事のように聞こえますが、その目とはマスコミ自身のはずではないでしょうか。


 警察は、今、一面では、知事の権限も監査委員の監査も県議会のチェックも及ばない、国家警察の様相を感じさせ、巨大な権力を持ちながら、だれも内実をチェックできないしだれも取り締まるものがいない。本来、警察をチェックすべき検察と公安委員会は無力に近い。だからこそジャーナリズムが期待されるのです。サツ回り記者が何人いるのかわかりませんが、そのうち何割かが権力監視の姿勢で取材を始めたら、県民にとってこれほど力強い第三者の監視はないと思うのです。


 今回の告発による裏金報道が、そうした流れになる契機となるよう、マスコミの皆さんに心からお願い申し上げ、終わりといたします。(拍手)


○(森高康行議長) 理事者の答弁を求めます。


○(加戸守行知事) 議長


○(森高康行議長) 加戸知事


   〔加戸守行知事登壇〕


○(加戸守行知事) 民主党を代表し、県警捜査費に絞った質問をされました藤田議員に答弁させていただきます。


 まず、特別監査に関しまして、疑惑解明に向け、次のステップとして知事はどのように県民の期待にこたえようと考えているのかとのお尋ねでございました。


 今回の監査報告で新たに疑義や問題点等が指摘されておりますことから、まずは、県警において徹底的に調査し、県民の前に明らかにすることが先決だと考えております。


 さらに、現職警察官の証言等につきましても、県警はその内容を早急に調査し公表する必要があるのではないかとも思っております。


 いずれにいたしましても、今後、それらの結果によりまして、新たな対応が必要かどうかを検討してまいりたいと思っております。


 次に、捜査報償費の予算計上に関しまして、捜査報償費の新年度予算は、実績見込みをベースとし前年度の7割減を計上しているが、計上額の根拠としては説得力に乏しいのではないかとのお尋ねでございました。


 捜査報償費につきましては、当初、平成16年度執行見込額に増加見込額を加えた2,150万円の要求がございましたが、使途や支払い先など要求根拠を説明するように求めてまいりましたけれども、具体的な説明が得られませんでした。


 このため、増加見込額については、その必要性を判断することができず、平成16年度執行見込額以上の要求は認められないとの姿勢で折衝しました結果、一部要求を取り下げて、平成16年度執行見込額1,372万円に減額して要求してきたのを認めたところでございます。


 要求内容の検討におきましては、県民の安全安心を確保するため、警察の捜査活動に支障を来さないよう配慮する必要がまずございますし、要求額は平成16年度当初予算額から大幅に減少しておりますこと、そして、既に捜査報償費を返還している他の道県におきましても、平成16年度執行見込額を当初予算額としているという事実もございますことなどから、当初予算におきましては、当面、平成16年度執行見込額の要求を認めることとしたものでございまして、御理解を願いたいと思っております。


○(粟野友介警察本部長) 議長


○(森高康行議長) 粟野警察本部長


   〔粟野友介警察本部長登壇〕


○(粟野友介警察本部長) 藤田議員にお答えをいたします。


 初めに、県警の内部調査報告で、私的な流用は確認できなかったとする私的な流用とは、どのようなことを指すのかとのお尋ねでございます。


 御指摘の私的な流用とは、捜査報償費を捜査目的に使用せず、個人的な利得を図るために流用したことを意味するものと考えているところであります。


 次に、県警が私的流用はなかったと判断した理由は何かとのお尋ねでございます。


 昨年9月に御報告いたしましたとおり、大洲警察署において、事実と異なる会計書類が作成されていたものの、捜査費執行者などに対する聴取、犯罪事件処理簿、その他の事件記録、署日誌、個人的に作成した備忘録や捜査メモなどとの整合性の確認、相互の説明のつき合わせなどの調査を進めた結果、いずれも捜査協力者との飲食代など捜査費として適正に執行されており、個人的利得を疑う事実は認められないと判断したものであります。


 次に、捜査報償費はどの時点で現金化され、あと捜査員が執行するまでの金の流れはどのようになっているのかとのお尋ねでございます。


 捜査報償費は、捜査協力謝礼、接触費用、追跡のための交通費など、その性質上、緊急を要し、または秘匿を要するため、通常の支出手続を経ていては警察活動上支障を来す場合に使用できる経費で、現金経理が認められているものであります。


 御指摘の県費による捜査報償費の執行の流れは、まず、取扱責任者である本部長が、捜査報償費を必要とする所属長からの要求に基づきまして所属ごとに毎月の所要額を決定をいたします。その後、警察本部の場合は、現金を取り扱う資金前途担任者の会計課長に所要の会計手続を経て現金化させ、月初めに間に合うように所属長に交付をしております。警察署の場合は、資金前途担任者である副所長に、所要の会計手続を経て、月初めに間に合うように現金化しているところであります。


 捜査報償費を取り扱う所属長は、捜査員に必要額を交付し、それを受理した捜査員は、捜査活動に必要な経費を支払った後、支払精算書に領収書などの支払いを証明する書類を添えて所属長まで報告し、残金があれば所属長に返納いたします。各所属長は、不用額を資金前途担任者の本部会計課長または警察署副署長に返納し、それを受けた資金前途担任者は、所要の会計手続を経た上で県に返納するという仕組みになっております。


 次に、捜査費問題で、現場警察官への影響はどうか。また、現場にはどのような訓示をしているのかとのお尋ねでございます。


 一連の捜査費問題に関する報道などの影響により、捜査員からは、捜査協力者が自分の名前が公になるのではないかと危惧している。捜査協力者が接触を拒否するようになり事件に直結する情報が得られなくなった。捜査協力者が謝礼の受け取りを拒否するようになったなどのケースが多く報告されております。


 また、捜査員自身につきましても、本来捜査報償費を執行すべき場合に捜査報償費を執行せず、自己負担するケースが見受けられるなど、一連の問題が現場の捜査報償費の執行に影響を及ぼしている点は否めないところであります。


 しかしながら、県警察といたしましては、現在の厳しい治安情勢にあることを常に念頭に置きまして、捜査報償費の適正かつ効果的な執行を行うことを初め、県民の安全安心を守るために全力で取り組んでいくよう、各級幹部が機会をとらえて職員を指導しているところであります。


 次に、全国で初めての現職警察官の内部告発会見という行為そのものをどのように受けとめているのかとのお尋ねでございます。


 県警察といたしましては、本人の発言内容の事実確認が何よりも重要であると考えているところであり、本人から聞き取りを行うほか、関係者からの聞き取りや確認できる関係書類の精査などを行い、できるだけ早く事実関係について確認してまいりたいと存じております。


 次に、なぜこのようなスピード発令が必要だったのかとのお尋ねでございます。


 今回の配置がえは、記者会見前後の本人の状況や本人を取り巻く騒然とした環境の中で、冷静な職務執行に困難が伴うことが予想されたため、万が一の事故やトラブルを避ける必要があったこと。加えまして、本年4月に施行いたします警察署の統合に伴います無線機の再配分準備など課内の業務量の増加、本人の地域警察の経験、聞き取りに関する本人及び組織の利便など総合的に判断して、1月27日、地域課長の職務上の命令による通信指令室への配置がえを行ったものであります。


 次に、国家賠償請求訴訟に対し、県としてはどのような手順で対応していくことになるのかとのお尋ねでございます。


 現職警察官が、本年2月10日に愛媛県を相手取り損害賠償請求訴訟を提起しておりましたが、先月の2月24日に訴状が送達され、第1回口頭弁論期日が4月12日と指定されたところであります。


 訴状において主張されている主な争点は、上司による記者会見妨害工作の違法性、けん銃保管の違法性、配転命令の違法性の3点であります。県警察といたしましては、訴えの内容をよく検討した上で、主張すべき点は裁判の場で主張してまいりたいと考えております。


 次に、必要な経費を現場が使えるようなシステムに改めるべきではないかとのお尋ねでございます。


 捜査報償費の使途は、犯罪の捜査などに従事する職員の活動ための諸経費や捜査などに関する情報提供者、捜査協力者などに対する諸経費でありまして、捜査協力者や情報提供者に対しましては、現金や物品により謝礼を支払っております。このほか、捜査協力者などとの接触に際しての飲食店などでの飲食費や追跡中におけるタクシーなどの交通費などについても捜査報償費で支弁しているところであります。


 必要な経費をもっとオープンにして、現場が使いやすいシステムに改めるべきではないかとの御指摘でありますが、既に少額多頻度にわたる経費につきましては、柔軟かつ機動的な執行ができるよう、捜査員にあらかじめ一定の額の現金を交付しておき、後日精算する制度として、捜査諸雑費制度を導入しているところであります。


 いずれにいたしましても、県警察といたしましては、今後とも捜査報償費執行の一層の適正化を推進してまいりたいと考えているところであります。


 次に、捜査報償費の執行額が極端に減るというのはなぜなのかとのお尋ねでございます。


 平成16年度の捜査報償費執行額が減少した理由といたしましては、まず、殺人、強盗、放火、略取誘拐などの凶悪事件が多発いたしましたため、多くの捜査員がこれらの捜査に長期間専従し、暴力団犯罪捜査などの組織を対象とした内偵捜査や捜査協力者と接触する機会が減少していることが挙げられます。


 また、一連の捜査費問題に関する報道を受けて、捜査協力者が自分の存在が公になることを恐れて情報提供を拒んだり、謝礼の受け取りを拒否するケースが発生しておりまして、これらのことが捜査報償費執行額が減少した要因と考えているところであります。


 次に、捜査報償費は1,372万円の当初予算だが、治安を預かる県警として、捜査活動への影響をどのように考えているのかとのお尋ねでございます。


 捜査報償費につきましては、当年度中の執行見込み額を基本として、これに内偵捜査、継続捜査中の事件状況、次年度の事件発生見込みなどを勘案して要求しているところであります。本年度の執行見込み額が、先ほどお答えした理由などにより減少していることから、執行額が減少している以上は要求額も減額とせざるを得ないのが実情であります。


 しかしながら、捜査報償費につきましては、厳しい治安情勢を反映し、本来執行すべきときに適正化かつ効果的に執行するよう捜査員に対して今後とも強く指導していく方針であります。また、事件の取り扱い状況などにより、来年度途中において捜査報償費が不足する場合には、改めて必要額を予算要求させていただくなど、現場の捜査活動に影響が出ないよう配意する方針であります。


 次に、各署間の検挙率競争をやめてはどうかとのお尋ねでございます。


 県民の体感治安のバロメーターの一つは、犯罪の検挙率であります。検挙率の低下は、県民の皆様の治安に対する不安感を増大させます。


 警察におきましては、一昨年を治安回復元年と位置づけ、緊急治安対策プログラムや犯罪に強い社会実現のための行動計画に基づきまして、各種施策を強力に推進しているところであります。治安回復は、我が国における喫緊の課題と認識をしております。


 本県警察では、犯罪抑止対策として、中学、高校など教育関係者や地域住民の皆様と連携したかぎかけ運動による自転車盗難の予防、パチンコ店などの駐輪場における車上ねらい防止などの諸対策を推進いたしました結果、昨年の刑法犯認知件数は、戦後最多を記録した前年比10.0%減少させることができました。


 一方で、検挙対策といたしましては、殺人、強盗などの重要犯罪の発生時の初期集中捜査などの各種捜査活動を強化いたしました結果、その検挙率が85.1%と全国第3位の高水準を維持しております。また、窃盗犯も、侵入盗やひったくりなどの重要窃盗犯の検挙に重点指向いたしました結果、前年を大幅に上回る成果を上げております。重要窃盗犯の検挙では、警察官1人当たりの検挙件数・人員とも全国第1位、手口別の検挙率は、ひったくりが全国第2位、住宅対象の侵入窃盗は全国第7位であります。


 昨年の検挙率は、警察が組織の総合力を発揮した結果でありまして、警察署に検挙率の目標を設定して、各署間において競争をするような検挙率至上主義、犯罪統計の認知件数を意図的に少なくするなどというものではなく、全警察官が一丸となって警察の責務を全うした結果であると考えているところであります。


 最後に、住民の安否を問う巡回連絡は警察活動の柱として確実に実施すべきではないかとのお尋ねでございます。


 巡回連絡は、交番・駐在所などの警察官が、それぞれ担当する受け持ち区の中の家庭や事業所を訪問し、管内の実態把握、犯罪の予防等の住民への指導、連絡などを目的として行っている警察活動であります。


 県警察では、受け持ち世帯の年間一巡を目標として、交番では1日4時間、駐在所では1日3時間の所定時間を定めて実施するよう指導しているところであります。


 しかしながら、年々増加傾向にある事件、事故や各種相談業務への対応などで実施時間の確保が困難な状況にあり、特に、都市部の交番においてはこの傾向が顕著であり、警察官1人当たりの世帯負担率全国第2位の本県におきましては、規定どおりに実施したいが、実施し切れないというのが現状であります。


 巡回連絡は警察活動の基盤でありまして、県警察といたしましても、その重要性は十分認識しているところであります。大変厳しい環境の中ではありますが、今後とも適切に実施するよう鋭意督励してまいりたいと存じます。


 以上でございます。


○(壺内紘光監査委員) 議長


○(森高康行議長) 壺内監査委員


   〔壺内紘光監査委員登壇〕


○(壺内紘光監査委員) 藤田議員にお答え申し上げます。


 まず、県警捜査費の私的流用についての御質問のうち、今回の特別監査の結果、私的流用についての監査委員の考えはどうかということでございますが、お話にありました北海道の監査委員の見解につきましては、北海道監査事務局に照会しましたところ、執行手続及び使途目的等すべてについて、規定されているとおりに支出されたもの以外は私的流用と解釈するということでありました。これは、特別監査に当たる監査委員の姿勢として出た発言ということでありまして、監査結果報告には、私的流用という表現は用いられておりません。


 私どもの今回の監査では、大洲警察署におけるにせ領収書の使用による違法または不当な支出と判断した事案と、また、疑義があるとした13の事案がございましたが、いわゆる私的流用とは、公金を私的行為に使うことというふうに考えておりまして、監査ではその点については検証できませんでした。


 それから、特別監査に関連いたしまして、県警が、にせ領収書は作成したが捜査費として執行したとする大洲警察署での約13万円の捜査報償費を県の損害と判断した理由は何かという御質問でございました。


 県の公金は、地方自治法上、債権者のためでなければ支出することができないというふうに規定されております。また、県の会計規則におきましては、支出の証拠書類は、領収証書つまり事実を証する書類であることとされております。


 大洲警察署におきまして、にせ領収書を使用した捜査員からの聞き取り調査では、捜査費として執行したとするその証拠の提示を強く求めたわけですが、提示された文書は、捜査費として適切に執行されたものであるということを直接指し示すものではございませんでした。したがいまして、本来の債権者を明確に示さない以上、債権者が存在しないものとみなした次第であります。よって、にせ領収書を用いた執行額を県の被った損害額と判断した次第でございます。


 それから、監査委員として、食糧費や旅費などについて随時監査をする考えはないかという御質問でございますが、県警察の食糧費、旅費などにつきましては、警察本部及び各警察署において、毎年1回、抽出ではございますが、支出関係書類や旅行命令簿などを調査し、適正な執行がなされているかどうかについて定期監査を行っております。


 食糧費につきましては、15年度決算額は約6,010万円でございまして、そのうち留置された者等の食費が約5,539万円、これを除くと約471万円ということになりまして、これは、事件発生時の捜査員の弁当代であるとか、会議のときの酒代、お茶代というようなものに使われるということのようでございます。本部は約22万円、執行額の多い署では約68万円という執行状況となっております。


 旅費の15年度の決算額は約1億3,500万円でございますが、過去5年間の定期監査では、不適正な支出は把握できませんでした。また、現在、監査委員には、旅費不正支出に関する具体的な情報等がない状況でございます。


 これらのことから、今後、もし定期監査において疑義が生じた事案があれば、第三者から証言を得るなど、定期監査を綿密に実施することで対応してまいりたいというふうに考えております。


 以上でございます。


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○(森高康行議長) 以上で本日の日程を終了しました。


 明4日は、午前10時30分から本会議を開きます。


 日程は、全議案に対する審議の続行であります。


 本日は、これをもって散会いたします。


     午後1時58分 散会