議事ロックス -地方議会議事録検索-


香川県 香川県

平成21年[9月定例会]経済委員会[農政水産部] 本文




2009年10月01日:平成21年[9月定例会]経済委員会[農政水産部] 本文

辻村委員長  これより質疑、質問を開始いたします。


西川委員  3点質問させていただきます。
 まず1点目は、農業者戸別所得補償制度についてでございます。
 香川県では、全国平均の約半分という零細な経営規模のもとで、担い手の育成や農産物の生産振興に取り組んでいるところであります。我が自民党といたしましても、これまで水田をフルに活用して自給力の向上や農家の経営安定を図る施策を推進し、農業振興に取り組んできたところでございます。
 一方、民主党を初めとした新政権は、農業の戸別所得補償制度の導入を表明し、これまでの政策を大きく転換しようとしております。ところが、どの作物に幾ら支払うか、1兆円の財源をどう確保するのかといった制度の根幹部分について、生産者が納得できるような明確な説明はいまだありません。
 また、農家は政策転換への不安も大きく、所得補償制度導入の財源を捻出するため、既存の補助金や減反政策の枠組みを大幅に見直す可能性があり、現行制度に基づいた農家の営農計画が成り立たなくなるおそれも考えられます。特に、本県のように規模の零細な農業では、実態に応じた補償額がもらえるかどうか不安なところもあり、補償の内容によっては生産意欲をなくす農家もあらわれるのではないかと危惧されているところでございます。
 そこで、農業者戸別所得補償制度について、県としてどのようにとらえておられるのか、お尋ねいたしたいと思います。
 次に、鳥インフルエンザ防疫対策について伺います。
 新型インフルエンザは、5月に初めて日本で発生してから、6月には県内でも発生がありました。県民の皆さんは、感染を防ぐためにマスク等を買い求めましたが、売り切れという状態となり、感染とその拡大を心配したところであります。幸いにも余り感染は拡大せず、発生も落ちついてまいりましたが、最近になって第2波といいますか、小・中学校などで学級閉鎖になるなど感染が蔓延する傾向にあると思われます。
 県では、9月に香川県新型インフルエンザ対策行動計画を策定し、来庁される県民の方への感染を防ぐために、議会や県庁舎入り口などに手や指を消毒するアルコールを配置して、感染が拡大しないように努めておるわけでございます。
 今回の新型インフルエンザは、人と豚と鳥のインフルエンザウイルスがまざり合い、人へ感染したと言われておりますが、弱毒タイプのインフルエンザであることから大混乱は生じておりません。しかし、万が一にもアジアを中心に発生が見られる強毒タイプの鳥インフルエンザウイルスが、何らかの原因で鳥から人へ、人から人へと感染するようになると大変なことになること、また、香川県は鶏を約750万羽飼育している養鶏県でありまして、一たん発生した場合は、県内の養鶏産業に大打撃を与えて、経済的損失が多大なものになることを、さきの経済委員会でも私は申し上げたところであります。
 このように鳥インフルエンザは怖い病気であります。
 そこで、鳥インフルエンザの国内及び海外での発生状況は、どのようになっているのか。また、県内の養鶏産業を守るため、新たに家畜防疫主幹を配置し、防疫体制の強化に努めていると伺いましたが、今後どのように対応していくのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 最後に、さぬきの夢2000の後継品種の選定についてお伺いします。
 現在、うどんについては、高速道路料金の引き下げで県外からの観光客が大幅にふえて、連休などにはうどん店に長い行列ができるような状況になっています。
 こうした中で、県農業試験場が開発した讃岐うどん用小麦、さぬきの夢2000の後継品種については、うどん業界や農業者はもとより、多くの県民が注目しているところでございます。
 これまで、後継品種として2系統の新しい小麦を開発してまいりましたが、その選定に当たっては、製粉・製めん業者や一般の消費者の御意見を広く聞くことが大切であり、本日は多くの県民の皆さんが2種類のうどんの試食をしてアンケートに答える行事も行われているようであります。
 そこで、さぬきの夢2000後継品種の決定はいつごろになるのか、改めてお伺いをいたしたいと思います。
 また、選定されました後継品種が本格的に普及するまでには時間がかかると思います。しかし、県民や実需者からの要望にこたえるためにも、幾らかでも供給をしていかなければならないと考えておりますけれども、どのような普及拡大を図っていくのか、あわせてお伺いいたします。


西原農政水産部長  まず、1点目の農業者戸別所得補償制度についてでございます。
 民主党のマニフェストによりますと、「農畜産物の販売価格と生産費の差額を基本とする戸別所得補償制度を販売農家に実施する」、とされてございます。さらに、所得補償制度では、「規模、品質、環境保全、主食用米からの転作等に応じた加算を行う」、ということも書かれてございます。
 県として把握している内容は、新聞などで幾つか報道されておりますけれども、具体的にどのような品目から始まるのかということすら、まだわかってございません。生産費や販売価格の算定方法、交付の方法、加算の中身など制度の詳細が明らかになっておりませんので、現段階ではよくわからないというのが実態でございます。
 これまでの情報を整理してみますと、香川県のように規模が小さい県では、全国一律の生産費と販売価格の差額を基本とするということになりますと、やはり補償の面で不十分になるのではないかという面、また交付対象が販売農家とされておりますけれども、だれがどのような方法で交付額を算定、確認して交付事務を行っていくのか、などの課題があると考えてございます。
 現状では、現行制度との関係も含めまして、新しい制度の詳細が不明でありますので、本県の土地利用型農業に、どの程度の影響があるか不明でございますけれども、平成23年度から実施ということで明言されておりますので、生産現場での反応や影響を十分見きわめる必要からも、制度の詳細を早急に明らかにしてもらいたいと考えてございます。
 それと、鳥インフルエンザの関係でございます。
 まず、鳥インフルエンザの海外、国内の状況でございます。
 新型インフルエンザに関しては、弱毒性だったということで、気が緩んだところもあるんですけれども、鳥インフルエンザは強毒性のものがかなりあり、非常に恐ろしい状況でございますので、そういったことを踏まえて、我々気を引き締めていかなければならないと思っております。
 現在、国外においては、まず平成16年にアジア地域を中心に各国で確認されておりましたけれども、17年以降、欧州やアフリカ大陸まで広がりまして、近隣の中国では、ほぼ全土で継続的に発生しているような状況でございます。また、弱毒性のタイプは、ことし4月からアメリカとカナダで発生してございますし、最近ではイギリスのハンプシャー州での発生報告もあるという状況でございます。
 国内の発生状況は、平成16年1月に山口県で発生してから、大分県、京都府などで発生したほか、ことし2月に愛知県で発生するまで、ほぼ毎年発生があるという状況でございます。
 こうした状況を踏まえた県内の防疫対応については、高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアルを作成しており、その要領に基づいて対応を図っております。
 特に、ことし4月から家畜防疫主幹を設け、体制を強化しており、防疫演習を実施していこうと考えてございます。県内の養鶏場で発生したと想定した訓練を、今月23日に県立農業経営高校で実施いたします。訓練は、家畜防疫主幹の指示のもと、消毒班、搬出班、輸送班などで、発生農場で行う防疫作業の手順・方法の検証を行い、その際には、各市町と県の担当者、それと陸上自衛隊第14旅団の防疫班や衛生班なども参加していただき,実施したいと考えてございます。そういった訓練を検証した上で、さらに高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアルの見直しを行い、充実を図っていきたいと思ってございます。
 また、引き続き、飼養衛生管理や早期通報体制徹底の継続指導でありますとか、監視体制の継続といったことも行い、今後とも、県関係部局、国、市町、関係団体と連携を深めて、本県での鳥インフルエンザ発生防止に努めますとともに、万が一の発生時には迅速かつ円滑に蔓延防止対策がとれるよう防疫体制の強化に努めてまいりたいと考えてございます。
 3点目の、さぬきの夢2000の後継品種の御質問でございます。
 ことし7月にさぬきの夢推進プロジェクトチーム検討会におきまして、県内うどん業界等の申し合わせ事項として、香川県が開発しました讃岐うどん用小麦を用いた小麦粉及びうどんのブランド名を、「さぬきの夢」に統一することが決定されてございます。
 県農業試験場で育成しました2系統、香育20号と香育21号は、早期実用化に向け、JA香川やさぬきうどん協同組合、製粉製麺協同組合などの協力を得ながら、農家圃場での栽培適性、製粉工場やうどん屋での製粉・製めん適性について調査してございます。栽培適性や機械作業適応性については、既に終了しており、両系統ともさぬきの夢2000と比較して、それぞれすぐれているというような状況でございます。
 また、製粉・製めん業者が実用レベルでの製粉・製めんを行い、その適性を確認するとともに、本日、高松市内のうどん店で、一般県民を対象とする1,000人試食アンケートを行います。2種類を無料で食べられますので、お時間があれば、ぜひ食べてみてください。
 また、さぬきの夢2000こだわり店など、うどん店における食味評価アンケートによる消費者の評価も進めてございます。
 こういった結果を参考に、10月30日に、うどん業界や農業生産団体、消費者団体などの代表者や学識経験者で構成しております、さぬきの夢推進プロジェクトチーム検討会において、後継品種を選定していただければと考えてございます。
 後継品種の一般栽培用の種子の生産や普及についてでございますけれども、一般栽培用の種子を生産するためには、まず農業試験場において原原種というもとの種をつくって増殖し、さらに次の原種をふやし、それから一般用の種子に広げていくという計画になります。種子の生産は1年ごとの養成が必要でございますので、今のさぬきの夢2000を完全に切りかえていこうとすれば、平成24年まきからということになります。
 それまでの間は、そういった種子生産とは別に、製粉・製めん試験やうどん店での試験販売用の小麦を供給することにしており、段階的にこの面積をふやして、実需者が円滑に新品種に移行できるように努め、平成24年まきからの本格的な切りかえに至る前にも、後継品種の栽培面積をふやしていくよう計画しているところでございます。


西川委員  農業者戸別所得補償制度についてでありますけれども、農林水産大臣は、平成23年度からの実施に向けて、22年度の通常国会で法案を審議すると発言されておりますので、余り時間がないと思います。
 農業を取り巻く情勢が厳しい中でありますので、本当に農家のためになるのか、県におきましては、今後明らかにされる制度の内容に対して、本県農業の維持発展と農家の経営安定につながるよう、現場の農家の意見に十分耳を傾けながら、慎重に対応することを要望いたしておきます。
 それと、さぬきの夢2000の後継品種についてでありますけれども、10月30日の検討会におきまして後継品種が選定されるとのことでありますが、その後の品種更新を着実にしていくことが必要であります。
 後継品種が、新しく統一されたさぬきの夢ブランドのもとで、多くの県民に親しまれ、うどん業界でも一層利用されて、さらに農業生産者の経営安定につながっていくよう、県を挙げて生産・販売にしっかりと取り組むように、これも要望いたしておきます。


村上委員  前議会に引き続いて、家畜排せつ物の管理についてお聞きします。
 先月、前山ダムのふもとにある農事組合法人ゆずり葉が経営する養豚場の視察に行きました。種豚を300頭、子豚を9,000頭くらい生産して出荷しているという話でありました。私は、その生産量よりも、主に地域と畜産業との共存で避けて通れないのが、においの問題であるという視点から施設を視察させていただきました。
 微生物の入った床を入れかえすることによって、臭気を抑えておりました。完全とまではいきませんが、ほぼ受忍の範囲内ではないかと感じました。これでやれば、地域との共存も可能であろうと確信を得たところであります。
 養鶏については、なかなかうまくいっていないのですが、うまくいっていない中でも、滋賀県では、全市を挙げて徹底的に養鶏の臭気の問題を解決していこうということで、本格的に取り組んでいるところもあると聞いています。そういう先進事例があるわけですから、畜産課としては指導していくことなどが必要だろうと思います。
 先日、家畜保健衛生所の竹内所長にお会いしてお聞きしたところ、東植田で問題になっているところの担当者に会いに行ったが、住民側としてはいまだに納得をしていないという現状があります。
 前回の委員会では、部長は、香川県に関してはそういうふうな紛議になっているところはないというような答えであったが、その後、調査などをされて、そういうところがどのぐらいあるのか、また畜産課長には、県議会でこれだけ問題になったことを、その後の約4カ月で、どういうことをされたのか、その2点についてまずお聞きしたいと思います。


西原農政水産部長  村上委員の御質問にお答えいたします。
 前回の委員会では、私のほうに報告がすべて来ていなかったということもございまして、申しわけございませんでした。
 平成20年度の状況を調べたところ、そういう畜産関係の苦情発生件数は35件ございました。解決したものもございますが、悪臭の関係については、継続的に指導するというものが多くなっており、どうしても過半数ぐらいまでしか解決ができないというような状況でございます。においに関しては、人によっていろいろ差がございますので、なかなか難しい状況と思ってございます。
 ただ、畜産は、地域の中で動物を飼い、育てていくということですので、その地域の中で、畜産振興と周りの住環境がうまくマッチするような形で進めることが重要だと思ってございます。きめ細やかな農家指導を行っていく中で、家畜排せつ物の適切な管理について引き続き指導していきたいと考えてございます。
 その後の経過等については、畜産課長から御報告いたします。


松家畜産課長  その後、平成21年7月14日に、県の畜産課、東部家畜保健衛生所、東讃農業改良普及センター、高松市と協力しまして、畜産施設の調査、指導を実施しました。その調査の中で、不適切な施設の管理箇所、ビニールハウスの破損があり、修繕を指導し、あわせて堆肥舎周辺の環境保全についても指導いたしました。7月30日に修繕の完了を確認いたしております。堆肥舎周辺の環境保全につきましても、引き続き努力するよう指導しており、東部家畜保健衛生所を中心として、継続的に粘り強く指導してまいりたいと思っております。


村上委員  その後、8月24日に、会社側と住民側との話し合いがありました。
 今、部長が言われたように、臭気は人によって差があるからという程度であれば、これは耐えられないというほどのものではないと思います。ところが、100人いれば100人が頭が痛いと、本当に困るというような、人によって差があるという程度の臭気ではないんです。課長は現場に恐らく行っておられると思うのですが、私も現場に行って、10分間いられなかったです。息をとめて、酸素吸入器を持っていかないと現場を回れないぐらいひどいものです。天候などの条件にもよりますが。
 ここでは、集積したものを1カ月ぐらいかけて5トンぐらいを処理することができるらしいのですが、その処理場では息ができない。これは、人によって差があるという程度のものではありません。周辺の住民が、何とかしてくれということで、保健所にもお願いに行ったりいろいろしているわけです。
 県下の苦情35件の中には、恐らく朝早くから鶏や牛が鳴くなどというものもあると思うが、そのような問題ではないと思う。「ゆずり葉」のように、現に克服している、乗り越えているところが県内にあるわけですから、これを普及させていくことこそが、香川県の畜産振興にとっては非常に大きなプラスになっていくのではないですか。私は畜産を停滞させるために言っているわけではないのです。香川県の畜産をどう振興するのか。振興するためには、地域の人たちの協力が必要である。そういう視点からいうと、そういうノウハウをだれが広めていくのか。業者はもちろんですけれども、やはり家畜保健衛生所や担当部局は、誠意を持って研修などをやるべきではないですか。それこそが畜産課に与えられた大きな使命だろうと思うんです。
 ぜひ、県の家畜保健衛生所も研究してほしいんです。家畜保健衛生所に、業者は今どんな対策を取っていますかと聞いたら、豊田通商からえさか何かを買って、それを入れていますと。ところが、もう何カ月もたつのに一向に臭気は減っていないんです。減っていないということは指導の誤りなんです。現実に減っていないわけですから。ところが、「ゆずり葉」のように臭気が減っているところがある。「ゆずり葉」は同じやり方ではないと思います。だから、そういうことを、家畜保健衛生所の所長も研究していただきたいと思うんです。7月ごろに所長にお会いした際に、これでもだめだったら、ちょっと自信がないんですというような発言をされていましたが、現に臭気がしないところがあるわけですから、さらに研究をして、業者にそういう方式をとるよう説得するなど、やっていただきたいと思うのです。
 これは生活権の侵害という大きな問題だと思いますが、なぜ大きな問題として出てこないかというと、住民側には住民側の配慮があるんです。なぜかというと、この現場は公渕公園の近くであって、地域にとって公渕公園は宝であり、数十億円の価値がある、その宝を我々の地域が持っている。だから、この宝を守りたいということで、話を大きくしたくないと。森林浴に来てくださいとかいろいろ案内するその横で、鶏のにおいがして生活が継続できないというようなことで風評被害が起きると、この財産的な価値がなくなるというところまで配慮する住民に対して、県は単にえさを買って与えたら直りますという程度のものではなくて、研究して指導すべきだと思うんです。
 住民側としては今、会社に要請をしています。生活環境の保全に関する条例第124条に、知事は生活環境のいろいろな問題について勧告をすることができるという規定があります。高松市の場合は、市長がそういうことができるという規定があります。ですから、そういう住民と家畜業者の約束を、市長の勧告として生かしていく。約束を位上げしていく。単なる住民との約束ではなくて、行政が入ったものにしていく方法をとればいいのではないかというような提言もしております。
 いろいろな話をしましたが、今後、県あるいは畜産課の取り組みとして、こういう新しい方法を研究する考えはあるのかないのか、お聞きしたいと思います。


西原農政水産部長  村上委員から、悪臭の関係で実情を踏まえたいろいろな御提案をいただきました。
 こういう苦情の申し立てがあるときには、家畜保健衛生所が中心になりまして、市町、農業改良普及センター、衛生担当部局と協力しながら、調査、指導に適切に対処する方針でございます。
 臭気対策の研究については、畜産試験場においても、いろいろと家畜を飼って研究をしており、臭気や汚水処理に気を配っております。研究をどう進めるかは、今すぐには返答できませんけれども、他の団体で取り組んでいるという話も聞きましたので、そういったことも調べて、どういったことができるか考えてみたいと思います。


村上委員  次に、漁業協同組合の合併についてお聞きしたいと思います。
 合併促進法で定められた期限が、昨年3月で切れました。これはもう再延長しないということであります。
 漁業協同組合が合併できない状態が続いていますが、原因は何であるとお考えになっていますか。


西原農政水産部長  漁協の合併につきましては、昭和43年に合併助成法が制定され、その後、平成10年に合併促進法が制定され、何とか平成20年3月までに合併の推進を図ろうということで進められてきたわけでございます。全国的に3,300ほどあったものが1,100ほどになりました。
 本県の漁協については、組合員数が全国に比べて2分の1以下というような小規模な組合が多いという状況でございます。そういう中で、どうしても赤字の体質があるのではないかと思っております。また、黒字の漁協もあれば赤字の漁協もあるという組合運営に違いがある中で、一つになる、合併することに、いろいろと抵抗感があるのではないかと思ってございます。


村上委員  具体的な理由は、こういう場では言えないのかもわかりませんが、大きな原因は、やはり各組合がそれぞれ抱えている負債の問題だろうと思います。
 ある相談者は、親が養殖関係に手を出して、数千万円の借金を負ったと。家も何もなくなってしまうけれども、子供は漁業をやりたいということで駆け込んでまいりました。それで、一番簡単な底びきから始めて、とれた魚を仕分けして産直に出すことから始めなければならないという、非常に悲惨な事例があります。これは、自分が主体でやっていたのではなく、父親が保証人になっていて、その責任をとらされてすべてを失ったということです。
 組合が抱える問題点は、そういう負債の問題だろうと思います。それについて、もう一度精査をして、負債についてどうしていくのか。高級魚の時代から大衆魚の時代になり、採算が合わなくなってきたというようなところから、返済できなくなったところも多いだろうと思います。香川県の水産業を立て直していくと言っても、専業者が二千数百人しかいない、10年後にはほとんどが70歳以上になるというようなことで、先行きは非常に厳しいんですけれども、そういうようなことをやらないと、沿岸漁業はだめになってくるんじゃないかと思う。それをやっていただきたいと考えています。
 それから、数年前に、北海道へ研修に行ったことがあります。網走あたりへ行きました。そこでは、ホタテガイを、5つの面に割って1年に1カ所ずつとっていき、相当の収益を上げているという話を聞きました。今は値段が下がっているからどうかわかりませんが。これは養殖で計画的に生産していく一つの方法だろうと思います。
 これはあるテレビ番組で見たのですが、ノルウェーの漁業者は、年間のうち1カ月か2カ月くらいの漁で1,500万円くらいの年収を上げて、あとはのんびり暮らしているそうであります。一方、日本の漁法はオリンピック方式であり、わっと行ってとればとるほどいい。ノルウェーでは一定期間とると、あとは絶対にとらない。あとは資源保護に回っている。だから、サバでも何でもなかなか減らない。そういうことで年収が多いんだということでありました。
 そういう計画的な生産を行うことと、とり過ぎないことが、長い目で見ると、漁業者の生活権の保障になる。オリンピック方式を変えるのは、全国的にやらないと難しいと思いますが、政権もかわったことですから、今までのような弱肉強食、力の強いものがとれば勝ちという社会ではなくて、ある意味共生の社会で、少しとって生活ができる年収500万円から700万円になれば、あとは資源保護に入る、あるいは養殖もそういうような形でしていくことによって、漁業組合を安定させていくということを考えられないのかどうか。漁業の将来は漁業者自身が考えるというよりは、政策的に政治家がやらなければならない。行政がむしろそういうものをリードしていくべきではないかという意見を私は持っているんですが、それについての部長の御意見をお伺いしたい。
 もう一点、今は合併合併と言って、単一組織にしようという発想でやっています。ところが、世界では、法人形態がいろいろと変わっております。LLC(合同会社)といって、複数の協同組合が共同で仕入れや事業を遂行しながら、税務申告などは各組合がやる。配分も各組合の自由裁量でできる。もらった分を税務署に申告すればいいというLLCなど、いろいろな形態があります。漁業協同組合も協同組合ですから、協同組合同士が一緒になって、LLCをつくれば、その会社自体は課税されません。アメリカなどでは、開発事業を大会社と1人か2人の会社が一緒になってやり、1人か2人の会社がたくさん利益を得るなど、いろいろな事例があります。
 漁協の合併も、単一の漁業協同組合をつくるという発想ではなくて、メリットを出すというのであれば、いろんな組織形態がありますから、それらを利用すれば、今の経営組織のままで、より有効な栽培漁業や稚魚の放流など、いろいろなことができるようになっているわけです。税制上もそうなっております。だから、そういうことも発想できないか。
 水産課という看板を掲げて、戦後60年全然変わっていないという組織であってはならないと思います。そういう新しい形を、まず香川県から発想していってほしい。
 説得には時間がかかると思います。現場の漁師相手ですから、法的なことも余りわからないと思いますが、そういうような形でやり、成功事例をぜひ出していただきたい。これは1年ぐらいでできるような話ではありませんが、そういう下地をつくっていくことが必要ではないかと思います。
 この2点について、ぜひ部長のお考えをお聞きしたいと思います。


西原農政水産部長  村上委員から、漁協の関連から水産業振興の面でのいろいろな非常に興味深いお話をいただきました。
 本県の水産業は、養殖業と沿岸漁業の両面がございます。養殖業に関しましては、ハマチやノリといった成功事例もございます。一方、沿岸漁業でも、県としては栽培漁業センターにおいて育成したクルマエビを初めいろいろな魚種を放流し、それを捕獲していただくというような形をとっております。
 瀬戸内海では多種多様な魚がとれるだけに、いろいろな形のものがあります。外洋であれば、大きな船に大勢が乗り込んで、単一の魚種を大量にとって、それを安く大量に売ることによって収入も上がるという形をとれるのでしょうけれども、瀬戸内海沿岸では多様な魚種がいるが、大量にいるわけではない。そういう中で沿岸漁業を進めていくとなると、どうしても個人経営的なもので成り立っていくしかないというような状況で、今まで進んできたのではないかと思ってございます。
 それが高齢化も進み、漁業者が単独ではうまくいかないということで、協同組合を組織して、何とかこれまでやってきた。これをさらに大きくすることによって、経営体質をよくして、漁業者のための漁業となるような仕組みを漁協の中で考えていただこうということで、合併ということも進めてきたわけでございます。
 合併や漁業の仕方も含めて、漁業者みずからが、漁業をどうやっていくのか、将来どうするのかということをよく考えた上で、その中で行政にどうしたらいいのかなどの相談をしていただくのがいいと思っております。
 単一漁協を進めるのではなく、合同会社方式などいろいろなやり方があるという話もいただきました。それも含めて、漁業者の方が将来どうするのか、みずから考えていただきたい。ただ、日々の生活や漁に追われて大変だと思いますので、我々行政、水産課の職員が漁協職員や漁業者と会って、今後どう進めていくか、真剣に取り組んでいくことが必要だと思います。
 合併に関しては、県漁連も含めて検討が進んでいる段階でございます。県としては、合併したいところは合併してもらいたいという意向で進めていきたいという考えでございます。


村上委員  よくわかりました。
 私が言った新組織というのは、城をつぶさないで、新しい攻める組織をつくる、城に帰ればそれぞれが城主ということですから、それぞれが満足できる。そういうふうなことも頭に入れておいていただきたいと思います。
 これまで、県は、これからの水産業振興にもう少し力を入れるべきだということで、少し遠い目指す方向性について話しました。
 香川県の林業の売り上げは年間1億円です。水産業はそんなものではないでしょう。それと比べて水産課のスタッフの少なさ。林務の担当課を見てください。緑を守るということはありますけれども、水産業の売り上げに比べて農政水産部における水産課のスタッフの少なさというのは、いかに力を入れていないかということです。
 これは、きのう、にぎわい創出課に質問しようと思っていたんですが、時間の都合でできませんでした。農業の産直施設が今60カ所から70カ所あると思います。漁業の産直施設はそんなにないです。私は、スーパーきむらへ行って、そこで3枚におろしてもらう。3枚におろしてもらうと、大きな皿に刺身は皿鉢料理みたいになります。そして、ゆっくり一杯やりながら食べられる。それが1,500円とか安いんです。パックで買うと1つが300円から四、五百円するでしょう。それで、7切れか8切れです。大きな差があるんです。あるスーパーでは100円で3枚におろしてくれる。タイでも3枚におろしてもらったら、帰ってすぐ刺身にして食べられる。ところが、100円じゃ合わないから、人を雇えないから、だんだんパックの刺身になっていくんです。ぜひ産直施設をふやしていただきたい。
 今までは、いただきさんなどの魚屋がどんどん市中を回っていたんです。ところが今は、スーパーできれいなものを買うしかないのです。成功している事例が、瓦町駅のすぐ裏に1店あります。料理屋もそこで買う。顔を見て値段が違うんです。商売人だったらA、一般だとCという料金体系です。これは顔を見て決める。そういうところがあるんですけれども、価格はやはり安い。それから、スーパーきむらです。あそこもおろしてくれる。置いてあるのは、すごい魚です。あんなのを素人が買って狭い部屋でおろして、ごみを次の収集まで置いていたら臭くてしようがないです。3枚におろしてもらえば大丈夫。だから、そういう産直施設を開設し、ハマチも計画的に販売すればいい。
 もう一つ進めてもらいたいのは、県の名義貸しです。例えば、オリーブハマチやひけた鰤などを、駅前の大きなスーパーや常設の産直施設で売る。農業も一緒に含めて、K.ブランドと一緒に売ったっていいんです。そういうことを計画的にやる。県がやるのではなくて、県が業者を選定してドッキングさせる。香川県産、産直市というのは名義貸しだけです。現に、こういうことをやっているところもあります。計画的に生産できるという成功事例がありますので、ぜひ研究してやっていただきたいと思いますが、どうですか。話を聞いたら、やる気になりませんか。部長と水産課長の決意をお願いします。


西原農政水産部長  水産業での産直をというお話でございます。
 農水産物がいろいろある中で、農産物に関しては道の駅などでたくさん販売しております。しかし、水産物に関しましては、ハマチについてはハマチ三兄弟ということで売り出しており、需要もありますが、ただ直売所を設けるとなると、売れ残ったときの問題や、輸送コストなどを考えるとなかなか難しいところがあります。現在は、中央卸売市場を通して、スーパーや百貨店など常時買ってくれるところに売り込んでいき、スーパーなどでフェアを開催しPRを行い、水産振興に努めようという形を進めてございます。
 村上委員から、研究してはどうかということですが、研究は常にしないといけないことだと思っており、そういうことを頭に置いておきたいと思います。


濱本水産課長  意気込みということで御回答させていただきます。
 とにかく今は、家庭で魚を食べていただけない。刺身になったものや、すしになったものしか食べない。特にタイ類です。さわれば手に傷がつくなどということで、高級な魚がとんでもない安い値段でしか扱われていない。そういう現状では、漁業者は到底生活はできない。
 そういうことで、魚を各家庭でできるだけ食べていただくように、食育を中心に、魚の消費が拡大するように、それを最大の目標にいたしまして今後取り組んでいく所存でございます。


村上委員  次は11月議会でやりたいと思いますが、政権さえかわる時代ですから、古い考え方にとらわれないで、例えば産直をやるのにLLC、合同会社を使ってみんなでやるなどしてほしい。
 それからもう一つ、課長にお願いしたいのは密漁の取り締まりであります。この前、大けがをする暴力事件があり、海上保安庁に告訴された。岡山県から来るのではなく、普通に漁をやっている方が実は免許を持っていなかったというようなことがありますので、厳しくやらないと海が荒れてしまいます。
 そのあたり今度11月議会でどういう成果が上がったのかをお聞きします。


名和委員  もともとは国もそうですが、農林水産ということで山も一緒に入っていた。第1次産業を一元化してということです。
 現在、農業試験場や水産試験場を含めて、部局の職員が何人おられるのか、私は知らないので部長にお聞きします。


西原農政水産部長  農政水産部は全部で約600名でございます。


名和委員  600名のスタッフがやられておるわけです。漁業も農業もそうですけれども、県のおかげで何とかなっているという思いがないわけです。ゼロではないんですけれど、ないです。農業も漁業も、もっと県に頑張ってもらわないと我々は食べていけないということが言いたいわけです。
 私が一番危惧しているのは、農業の後継ぎがいない、漁業も後継ぎがいないことです。山には全く人も入らないという時代を迎えております。今までの施策は、国へ話に行き了解が得られれば、県もやりますというスタンスでありました。これからは交付金でやる、自主努力でやる時代だろうと思います。それには職員が、自分のノウハウで県のためにこうしようという信念がないとできないわけです。親に相談し、親が了解したらやりますというのでは間に合わないと思います。
 県がいつも苦しんでいたのは、国のお墨つきがないとできなかったからです。補助金や助成金という時代はなくなると思います。交付金が幾ら交付されるかはわからないが、県が自由に独自でやりなさいという時代がくると思います。ですから、今のうちに職員が訓練をして、自分の力で香川県をよくしよう、自分の力で農業や漁業の育成をしようという信念がないといけない。わからないから、東京へ行ってくるというのでは、間に合わないと思います。まずそれを言いたい。
 また農政水産部には600人のスタッフがおり、人件費は大変な額になる。悪く言うと、こうなったら農業も漁業も面倒を見れない、お役目御免で、その経費は百姓や漁師にやると言ったほうが早いような気がする。極端に言えばである。そんなことはできませんから、これからも職員が一生懸命やってもらうということを、まずお願いしておきます。
 それともう一つ、農業も漁業も国の施策でやってきたわけですが、できなかったこともあります。農業は集落営農や会社・法人化などを行っており、県内にも非常に先進的な考え方で経営をうまくやっている一部の農業者もおります。しかし、漁業には、そのような国の施策が全くないんです。漁業も集団でやれ、グループでやれ、そうしたら国が面倒を見てやるという施策です。漁業なんかはグループでやる仕事ではないんです。自分の力で競争して金もうけをしてきたわけです。だから、とり過ぎたという弊害もあるんですけれども、なかなか隣の漁師と一緒にやるということは考えられないわけです。先ほど部長が答弁されたように、瀬戸内海というところは、1人でやるということが底辺にある。それで、県の許可をもらってやってきたわけです。しかし、県も許可を拡大解釈していただいてありがたいのですけれど、そこで弊害があったのは事実です。
 稚魚の放流にしても、一時期サワラは80万尾から40万尾放流しないかと言っていた。今、5万尾か8万尾ぐらいしかしていない。タイなんかは1尾で200万放卵する。それに比べると、しないといけないから、しているみたいなものです。放流するのなら本腰を入れて放流しないと間に合わない。ただし漁業者は資源管理にも徹しないといけない。
 香川県の農業も漁業も大変になっているわけです。
 今、村上委員が言われたように、合併が目の前に来てもなかなかできない。部長はできない理由は言えないというけれども、わかっているんです。未収金の問題があるわけです。組合長がその組合員から油代や資材代の未収金を取ると、倒産するわけです。それだけ物が売れない。時代が変わって、輸入物がどんどん入ってきている。水産業では昔から自由化しているんです。イカなど8品目から9品目が規制され、あとは全部自由です。サーモンは、握りずし屋に行ったらカナダ産ばかりです、安いから。すし屋のネタというものは、エビから始まって日本人がとったものは一つもないです。それで、産地でブランド化していこうと言っても、間に合わない。課長が言ったように、タイは浜値で300円です。今、タイが流通しているのはどこかと言うと、中国経由でロシアに行っている。ブローカーが持っていって、大もうけしている。それくらい物が世界じゅうを走り回っている。世界競争の中にあるわけです。ですから、水産課や農業を指導する人も含めて、世界競争の中で香川産がどう生き延びられるかということをやらないと、少々のことでは間に合わない。
 組合の経営がうまくいかないというのは、物が売れないし、高齢化した結果そうなったのだが、私に言わせたら県にも責任がある。山はほったらかしにしている。ダムが要ると言ってダムをつくった。セメントで河川改修をした。埋め立ても護岸工事もした。瀬戸内海がもつはずがないんです。人為的な弊害が出たわけです。その時代時代に、近代化するためにやってきたわけです。それがいけない。その弊害が今、海にある。
 海岸清掃は大変です。ペットボトルと発泡スチロールと大きな木材で、もうどうにもならない。ようやく国の施策でごみ処理ができるようになった。しかし、まだ海底がある。部長、今度船に乗って、連れていってあげる。ごみの中から魚をよりわけている。それで、そのごみを持ち帰っても、分別しないと市も県も相手にしてくれないから、また放り込んで帰らないといけない。漁師が捨てたものならしようがない、とってきて自分が処分しないといけないが、だれが捨てたかわからないものをとってきて、金にもならず分別する人はいない。それは人間がしたことです。岡山の水の流れのほうが強いので、岡山のペットボトルや葉がいっぱい流れてくる。香川側からは水が少ないから、押していかない。
 香川がすぐれた漁場を持っているのは、金毘羅さんのおかげで、直島も小豆島も香川県です。あそこは常識から言うと岡山県です。瀬戸内海で一番漁業を優先してやれるのは香川県人です。岡山の海区調整委員会でも、岡山が100隻入会させてくれと言うと、香川は10隻行きますと、こうなる。認めてあげないといけない。しかし、香川は海があっても人口がない。広島市は約120万人いるからそこで消費する。香川は海があり、魚をとってきても、高松市の中央卸売市場で売り切れない。売れないものをスーパーきむらが買っていく。助かっている。量販店では、時間が来ると安くする。品物はいいんです。いいけど絶対量が多いから売り切れないだけ。そういうことで、今言っていたように、産直をやる方法も考えてみる。それは漁師や団体で考えてほしいと言っていたのでは間に合わない。
 600人の職員の価値がない。
 課長は、とにかく魚を売ることは非常に熱心にやってくれています。この人は公務員なのか、県職員なのかと思うくらい破れかぶれでやってくれる。その熱意を買っている。いりこや讃岐三畜など、どんどんブランド化している。そういうことは、県はやるのがうまい。この前、香川おさかな大使に任命書を渡しましたが、それをいかに有効に使うかというのは、県の裁量にかかっていると思う。それは漁連がするんだとか、それは農業者がするんだというのでは、600人の職員は要らないようになります。スタッフは優秀なのですから、農業でも漁業でも、濱本課長が来てくれたおかげでよくなっているとか、あるいは今の部長になって何とか助かっているとか。金をやれというのではない。
 ですから、今言っていた未収金の問題も含めて、国策としてあったから、県の信用保証協会は枠を広げたんです。銀行などは、保証協会が保証しなければ金は貸さないのです。農業や漁業は、組合が信用事業を持っているから、対象外になっていたんです。ですから、県が利子補給などの制度を確保しないと、農業も漁業もなくなります。
 今、うちの組合は組合員が180人です。500万円の水揚げをしているのはは六、七人です。ノリ養殖も最盛期は43経営体あったが、今は3経営体。船も廃船にすると60万円くらい要るんです。50万円くらいで売りたいが、買い手がないです。しかし、60万円要ってもしょうがないと言って、5人やめました。組合員が毎年10人ぐらいやめますから、出資金も600万円から700万円を毎年払っていかないといけない。今は、漁師ではない人で海へ行って釣りをしている人を準組合員に迎えて、利用率を高めて何とかしている。国の施策として、組合員は水揚げがどれくらいで、年に何日漁業に従事していないといけないなどの縛りがある。
 漁協の合併ができないのは、海が一緒にならないのが一つの原因です。海が一緒になるのであれば合併しないかという者もいる。しかし、よい漁場を持っている組合は、そんなことは嫌だという。農業は、田んぼは自分のもので、農協も合併できる。あぜ道や境があるから。漁業では、瀬戸内海という恵まれた海であったけれども、最近は自分の浜がよくなくなり、100人がとっていたのが10人になったほうが効率がいいという気持ちがある。そこから脱皮するには、やはり各組合長のリーダーシップが必要だろうと思います。
 私は、この機会に合併できなければ、香川の漁業組合の合併はもうないだろうと思う。組合の中にも金を持っている組合がある。そういうところは解散するのも1つの方法です。組合員の20人か30人は、どこへでも行きます。食べていくために。それも一つの選択肢と考えておかないといけない。
 赤字を持った組合は解散できない。解散したら賦課金でしまいをしないといけないから、どうにもこうにもできない。そういう実態からすると、合併したからいいようになることは絶対にないんです。今、村上委員が言っていたような夢を語り合う友や、あるいは夢や希望を語り合える、ところにいないといけないと思います。政治というのは、特に、夢や希望を語り合う仲間が必要ということになると思うんです。
 百姓も漁師もみんな跡取りがいない。サラリーマン化している。今、サラリーマンになるといっても、いいところへは就職できず、苦しんでいるわけです。我々の年代では、百姓や漁師になったら、同級生の中で一番初めに乗用車が買えて、乗れた。もうけたから、できた。今、どうして跡取りにさせないかというと、こんなにえらい目をしてもうからないのでは息子にはさせられないというので、小さいときから学校へ通わすよう努力をしているわけです。
 香川の漁業には歴史がある。特に、東讃はそうです。もうけて漁師が増えたから、もうだめだということで、外国へ行ったわけです。朝鮮のほうやサケ・マス漁に行ったりした。そのときは、すごく恵まれた環境にありました。県がほうっておいても漁師は食べていけたわけです。中井水産課長の時代に、あの人が初めて北海道のサケ・マス漁をしているところへ行って、びっくりしたという。香川もこれだけすばらしい船を持ち、釧路や花崎港のように船団を組んで行くというのは夢であった。遠い昔に200海里で規制され、生き残っているのが、東讃の漁業組合員です。損をして漁をやめた者は、何とかして借金を返さないといけない。東でやめる者は、みんな勝ちやめをしている。もう年をとったから、ノリの機械に5,000万円も払うのは大層だ、あるいは船の更新に400万円も払うのは無理だとか。それなら今のうちにやめて、子に迷惑をかけないようにしておこうと言ってやめているのがほとんどです。
 長崎県や三重県などは、県が水産業振興にどれだけ金を出していることか。だから、生き残っている。とにかく魚を売ってもらうということに熱意を示していただきたい。
 もう一つは、組織の再編。単一漁協の組合長は、自分のところの組合長がなくなるのが寂しいから、抵抗している。しかし、新たな組織で希望に燃える、新たな知恵と新たな汗を流そうということを県が言わないと、だれもついてこない。
 基金のこともある。農林中央金庫の時、県は基金の金は出せないと抵抗した。ほかに出してくれるところはない。各組合から信連へ増資して、その増資の金を農中金へ持っていかないといけないようになった。そこで、各漁協へ要望したら、2,500万円も集まらない。内部留保していないから、出せないのです。そのため、漁連や基金の各団体が出し合って、出資をして、何とかやりくりしている。今度は、保証協会が基準を拡大しないと漁業者はつぶれていきます。ぜひそこの検討をお願いして、答弁はいいですから、私の質問を終わらせていただきたいと思います。


梶委員  今もお話がありましたように、今回の選挙を通じた政権交代は、政策の非常に大きな転換点になるというのは間違いないことだと思います。特に、今までやってきた開発優先あるいは自由競争優先ということから、共生ということに変わってくる。また、個々の生活に着目したような政策への展開が必要になる。あるいは、地方分権でいうと、県の姿勢が、これまでとは比較にならないような程度で問われてくるだろう。自治体間競争というような、はやりの言葉ではなくて、本当にそれぞれの自治体が主体性を問われる時代が来ていると思います。そういう意味で、これからの委員会でのやりとりも変わってくるだろうと思います。
 政権交代前に出された自公政権による大型補正予算の一部執行停止が、特に農林関係の幾つかの地域で非常に影響が大きいという報告もされております。香川県では、具体的にどの事業にどんな影響があるか教えていただきたいと思います。
 また、この補正予算の特徴として、基金を積み、実際の事業は後からということがあり、国から自治体経由で来たものと、外郭団体などのさまざまな協議会、地域協議会等を通じて行ったものと二通りの流れがあると思います。原則的に自治体経由のものについては余り停止を考えていないと聞いていますけれども、農林関係は自治体経由が少ない。したがって、影響も大きいということが報道されておりますので、そのあたり、どのような影響があるのか、県内の実情を教えていただきたいと思います。


西原農政水産部長  大型補正予算の凍結で、影響がどうかということでございます。
 農政水産部関係で言いますと、県を経由する事業と、県を経由しない事業の両方がありますが、県を経由する事業のほうが少ない。
 6月補正で、高病原性鳥インフルエンザ対応のための家畜保健衛生所の機械整備や、離島におけます漁港や漁業関連施設の整備、大規模中間育成施設と水産試験場の施設整備事業など、事業費で約4億4,000万円を計上させていただいております。これらの事業のうち、まだ交付決定されていないのは大規模中間育成施設と水産試験場の施設整備事業であり、現在、申請中で、いつ交付決定されるのかが、まだわからない状況でございます。
 また、県を経由しない事業は、農水部関係では、県や地域で構成する地域推進協議会、例えば県担い手育成総合支援協議会などを通じて実施するものが多い。そのうち、本県でも非常に人気が高く要望の強い、レタスやブロッコリーの苗の定植機やコンバインなどの機械リース支援事業で、執行停止や執行保留の状況が長引けば、関係者の間で混乱が生じるのではないかと懸念してございます。
 また、新聞などでよく出てまいります農地集積加速化事業がございます。国の予算で約3,000億円あり、全国担い手育成総合支援協議会において既に基金造成がされておりますが、9月上旬、協議会に対し執行を一時見合わすようにという要請がされております。このため、詳細な事務処理規程がいまだに提示されておらず、事務手続が全く進んでいないという状況でございます。
 全体として、どういった影響が出てくるか、今のところはっきりしていない状況でございます。


梶委員  交付決定がされていない2つの事業や機械リース支援事業で影響が大きいだろうということである。問題は、この2つについて、今後県がどうするかということです。これらは絶対に必要なものであるから、きちんと執行してもらうんだ、あるいは交付してもらうんだということであるのかどうか。
 それから、農地集積加速化事業については、香川県内ではほとんど影響がないと受け取っていいのかどうか。農業新聞では十和田市や豊田市で、合意を既に取りつけているのに執行できないという報道を見ますけれども、香川県ではこういうことはないと考えていいのかどうか。
 県の今後の対応についてお尋ねしたいと思います。


西原農政水産部長  緊急機械リース支援事業はとめられると困ると思ってございます。本県で89件の申請があり、65件は既に事業採択が行われており、リース事業者を通じて農業者に通知済みであります。事務処理として進んでおりますので、それがとまるということになると、非常に混乱を招くと思いますし、期待の大きいものをやめるのはいかがなものかと思ってございます。
 また、県の施設整備事業もとめられますと非常に影響は大きいと思ってございます。中間育苗施設については、大規模な修繕を要する事業ですので、やめますと、栽培漁業の関係に大きな影響が出ると考えてございます。
 また、農地集積加速化事業は、9月上旬に執行を一時見合わすよう要請が出ており、作業がとまっている状況でございます。既に、農業者へ周知してございますので、一部の担い手に期待されていたのではないかと思ってございます。ただ、具体的な手続ができておりませんので、その影響が把握できない状況でございます。


梶委員  農地集積加速化事業については、まだ具体の作業に入っていないので、影響は少ないとお聞きしました。また機械リース支援事業と水産関係の施設整備事業はとめられると困るので、ぜひやるんだということでございました。
 必要であれば、やらなければいけないと思うが、問題はお金、財源である。財源は無限にあるわけではない。この補正予算のようにすべてを借金で賄えるということは考えられないし、またやるべきではないと思います。そうすると従来の農業予算の中で組み替えをするなど、今後、農業関係あるいは水産関係もそうですけれども、従来のお金の使われ方とは違ったものにシフトする、変えていくことが必要になってくると思います。
 そうすると、香川県の特色ある農業・水産業の実態に合った政策、県の役割分担をもう少し考えていかないといけない。これはやってもらわないと困るからやるんだということになれば、たちまちどこかから財源を持ってこないといけないわけです。
 丸亀で見てみますと、土地改良事業などで非常にたくさんいい農地がつくられたが、今はもうすべてが大型店舗の駐車場に変わってきています。農業者の皆さんと交流したときに、農業補助金と言われるけれど、農業者には一つも入ってこず、建設業者に行っている方が多いのに農業補助金と言われる、と憤慨されておられました。そういう今までのようなやり方で、今後もやれるとは思わないです。やはり、個々の農業経営者にとって必要な部分に限って行われるべきだと思います。事業の中身を変える、大きな枠組みの変化が必要だと思います。
 県として、どういったところを減らして、どういったところを伸ばしていこうとしているのか、部長の考えをお聞かせいただきたいと思います。


西原農政水産部長  政権がかわったということで、今補正予算の見直しなどが行われております。当初予算についても今月15日が締め切りという形で進められている国の予算状況の中で、県もいろいろと考えていかないといけないのではないかという御指摘だろうと思います。
 農林水産省予算が2兆5,600億円という中で、例えば戸別所得補償は1兆4,000億円を要する。そういうことを考えると、どういう組み替えをするのか不透明でございます。国の農業政策に、県の農業政策も影響されてまいります。国の方向性がまだ不透明な中で、県の政策がどうあるべきかというのは、今の段階ではなかなか申し上げるような状況ではございません。


梶委員  わかりました。今後議論を進めていく必要があると思いますが、1つだけ要望も含めて申し上げます。
 先ほど来議論がありますように、個々の農業経営者あるいは水産業もそうでしょうけれども、その方たちあるいは組合が、その力だけでは乗り越えられない問題が非常に大きくなってきております。だから、先ほど来言われるように、県の600名のスタッフの皆さんへの期待が大きいわけです。
 農業で非常に頑張っておられる方との交流の中でお話が出ました。例えば、農商工連携ファンドに採択された。しかし、それをやろうにも、プレゼンテーションをしてとか、あるいは企画書を出してとか言われても、毎日農業をやっている状態で、そんなことは実際できません。たまたま、その方はできたけれども、大多数の方は無理でしょう。だったら、コーディネートをしてもらうなり、全体の流れ、グランドデザインといいますか、香川県が農商工連携ファンドをもっと利用してやってくださいよということを言っていただいて、そしてアドバイザーを派遣していただくのが、行政の最低限の仕事じゃないんですか。県のほかにそれをやれる人はいないです。漁協や農協にやってくれと言われるが、理想論としては言えても、実態はそうなっていないということを言われていました。農協の営農指導員に、農家の人が教えるというのが実情だと思います。また、普及員もだんだん減らされている。
 新政権の政策が出て、それから県の具体の政策については考えるのでしょうけれども、県が基本としてやるべきことは何なのかということをもう少し煮詰めて考えていただいて、先ほど言われましたグランドデザインの中のコーディネーターというような役割を明確にして、県庁全体、組織全体がそういう方向で動くというふうになっていかないと、単にばらばらの縦割りの事業を消化する、要綱に沿ってきちんとやればいいんだというのでは、今からの時代はやっていけないと思います、いかがですか。


西原農政水産部長  梶委員のおっしゃるとおりだと思います。
 農業、水産業は、我々の生活、エネルギーのもとになります食料を提供する重要な産業でございます。生産振興とあわせて、それがひいては基盤整備や地域環境の整備などといった県土保全にもかかわり、住民の生活環境の整備も兼ねており、単に生産面だけでなくて、住環境も含めていろんな面で我々は努力していかなければならないと思っており、我々としては一生懸命行ってきているつもりでございます。
 水産面では、水産課の職員は、今年度ハマチ、イリコ、ノリという面でも一生懸命やってございます。本来の業務とは違うものをグループ分けしながら、県漁連や地元の方と一緒になって魚を売り込む努力をしてございます。農業面でも、学校給食での地産地消の促進など、あらゆる農産物をできるだけ売れるように、それがひいては農業の振興につながるように努力をしていこうと頑張っているつもりでございます。
 ただ、土地利用型の米麦政策に関しては国の方針と大きく連動してございますので、国と連動する部分と地方独自でやるものと、それぞれをいろいろと考えながら、本県の農業、水産業が振興できるように頑張っていきたいと思ってございます。


辻村委員長  暫時休憩いたします。
 午後は13時から再開いたします。
 (午前11時56分 休憩)
 (午後 1時08分 再開)


辻村委員長  再開をいたします。
 質疑、質問を続行いたします。


筒井委員  午前中に各委員のお話を聞いていると、農業なり水産業なり、第1次産業の側ばかりからの御意見でございました。それを聞いていて少し違和感を感じたわけであります。やはりそれ以外の産業の人あるいは消費者の意見を聞いた中で政策を選ばないと、どこか偏って間違ったことになるのかなと、そんな気がしましたから、あえて発言するわけであります。
 農業者戸別所得補償制度は、歴代にない悪法だと思います。まだ法律は誕生していないわけですが、マニフェストどおりとするなら、これにまさる悪法はないのかなという気がいたします。
 百姓という名前がついたのはなぜか御存じですか。差別用語ではないんですよ。1人で百の作業をこなすから百姓と言ったらしいです。しかし、残念なことに、その中に営業と集金が入っていなかったんです。ですから、仕事として一人前であれば、百二姓と言わないといけないのかなと思います。その二つが欠けていても今までやってこられたのは、国の補助があり、護送船団方式のおかげだと思います。私たちが商売をしていて、補助金という制度はないです。業界全体にはいただけるかもわかりませんが、企業ごとに補助金はいただけないです。全部、貸付制度です。もちろん政策でいろんな有利な制度を組んでいただいておりますが、それは借りたものですから返さないといけません。しかし、補助金はもらえるものなんです。ここに今の水産業、農業・農家の体力をなくした大きな原因があると思います。百姓の人は、つくっても、後の売る心配はしないでいい、集金する心配がないわけですから、これは商業活動ととらえたら、何か一つ欠けているものがあると思います。
 戸別所得補償制度は、それをさらにしようとしているわけですから、こんなことがあっていいのかという気がします。
 例えば、農家が野菜などをつくって、たとえ品質が悪くて買い手がなくても、つくって出せばコストの差額はくれる。こんな制度は、社会主義にもないのではないですか。一般の商売をしている人からいうと、これは天下の悪法だと思います。不渡りをくって損をしたら、だれか、その不渡り分をみてくれますか。みてくれっこないです。自助努力をして取り返す、売れる商品をつくる、売ろうと努力する、いろんなことを商業活動の中でする。その中で体力ができるわけです。もちろん国際競争も含めてです。ですから、それを全くしなくていいというのでは、ひ弱になるのはわかります。
 だから、そういう観点から、いろんな施策をとらないといけないのではないか。政権がかわってお金をくれるんだと言って、喜んでおるようでは、なお衰退していく。国際的な競争力はなお落ちていくと思います。
 政府も当然無策でいるわけにはいきませんけれども、生産者への戸別所得補償というのは天下の悪法だと思います。食というものは、自給率の問題があったり、生命を持続していく一番大事な基幹のものですから、守っていくというのはわかります。しかし、国際社会の中で日本の農業や水産業をどう守るか、そこへ焦点を合わせて政策を決めないと、戸別に補償していくというこんなことはあっていいはずがありません。この制度に対して、農政水産部長としてどういう所感を持っているか、答弁いただきたいと思います。


西原農政水産部長  民主党が政策としてマニフェストにも載せており、農林水産省でも来年度に制度設計を行い、平成23年度からは本格的に施行しようというようなことでございます。制度自体がどういった内容となるかという情報が入っておりませんので、現時点ではなかなか評価しづらいと思ってございます。
 ただ、所感ということなので、一般的なことを言いますと、余りに補償という形で進みますと、経営規模を拡大して効率を上げ、農業生産性を上げていこうという意欲をどうやって醸し出すのかという点で疑問を持っています。
 施策に関していい、悪いというのは現時点でわかりませんので、いろいろ疑問点があるということだけを申し上げたいと思います。


筒井委員  今の段階でそういう答弁しか、なかなか難しいと思うんですけれど、単純に考えてみてください。どんな基準か、どういう手順で申請するのか、どういう形で還付するかなど、細かいことはまだ法律ができ上がっておりませんからわからないわけですけれども、骨の部分ははっきりしており、コストの差額を補償するというのは間違いないと思います。
 そういう補助金の出し方が、生産者、特に農家の方にどういう影響を及ぼすかということは今の段階でもおわかりになろうと思うんです。そこだけ一言答弁してください。


西原農政水産部長  なかなか突っ込んだ答弁はしづらいんですけれども、米麦政策だけで言えば、今も生産調整などの経営安定対策を講じてきております。農業政策が他産業に比べてどうかという問題はあるが、農業者のためになるような、また生産物は消費者である県民や国民に回ってくるわけですから、ひいては県民全体にメリットがあるような制度設計ができればいいのではないかと思います。
 情報もまだわかりませんので、何とも言いようがない。申しわけございませんが、そういう答弁にさせていただきます。


筒井委員  法律が通ったときに、県としてどういう工夫ができるのか。民主党の言うとおりの施策を講じていくのか、それとも今部長がおっしゃったように、ある程度懸念を持っているわけですから、そういうことを加味した中で、県の施策として取り込んでいくのか。そこのあたりを一言だけお願いします。


西原農政水産部長  制度が決まるまでの過程で、情報が入ってくると思いますので、我々としてはそういった情報をきちんと把握して、それを県民に情報提供し、意見が反映されるように、国に要望していきたいと思います。


高田委員  政権交代が起きて、戸別所得補償の話もありました。私の考えも、せっかくの機会ですから、お話しさせていただきたいと思います。
 筒井委員が言われたような懸念もあるかもしれませんけれども、自民党のマニフェストも見せていただいたときに、戸別所得補償については同じようなことを書いていたと思います。販売農家に対して補償するのが民主党で、自民党はたしか意欲ある農家と書いてありました。意欲ある農家というのは、担い手のことなんだと思います。現時点で、担い手の皆さん方のところへも、収入が減ったときに、ならしという部分があって補てんされる。そういう意味では直接支払いしています。その範囲の考え方だと思います。ですから、大きく農政が変わるという考え方もできますけれども、今の制度をもう一歩進めるという考え方もできるのではないかと思います。
 例えば麦であれば、Aの政策で面的な補償、Bの政策で収量、品質の補償ということをやっていたと思います。自由貿易体制、WTOの流れがあり、価格を補償することはできない。そこで生活あるいは所得を補償するという、これは世界的な流れだと思います。関税自主権があるからといって、昔のガット以前のときのように、農作物に関税をかけて貿易を疎外するようなことはできないだろう。そのため、農作物に関税をかける保護政策よりも、収量、品質を補償する政策に世界的に変わっていっているんではないか。そういう中で、今回の戸別所得補償というのは多分あるんだろうと、個人的に思っているところでございます。
 民主党の戸別所得補償が1兆円という話ですけれども、麻生政権の今年度の補正予算で、農業再生ということで同じように1兆円です。この1兆円のうち農地集積加速化事業を凍結することが報道された。あと私が調べた限り、馬産地再活性化緊急対策事業も凍結と書いていました。それと、地域資源利用型産業創出緊急対策事業、これはバイオマスや太陽光発電の促進ですが、これも凍結と書かれています。私が調べた限りでは、凍結されたというのはこれぐらいでした。これらはたしか、麻生政権のときに、民主党の言う戸別所得補償制度に対抗する、政府・与党の農業政策として編成されたと思いますから、すんなりと執行されるということにはならないんだろうなと思います。
 そういうことで、先ほどの答弁がよくわからなかったです。この1兆円のうち一体どれが凍結されて、どれが動いているのかをもう少しわかりやすくお聞かせいただきたいと思います。
 関心のある事業もあります。「香川の土地改良」6月10日号に、土地改良負担金償還特別緊急支援対策事業が2ページにわたって説明されています。
 どういう事業かというと、土地改良事業を行えば農家負担金が必要になる。農業所得がどんどん減っていく中で、計画的に農家負担金が償還できなくなっている、困難になっているという状況が全国的に多くあります。そこで、農家負担金の利子の助成を行うことで、担い手への農地集積を促進しようではないかということだと思います。これが6月に出ました。続いて9月10日号に、より詳しく見開きで説明されています。「香川の土地改良」は、土地改良事業団体連合会が発行しております。ここが国庫補助を受け、審査して助成金を交付する組織そのものでありますから、大変力が入っているなと思っています。
 こういう農家の負担軽減対策は、昔からあったと思います。担い手育成支援事業、あるいは平準化事業というような対策がとられてきましたが、なかなか条件が厳しい。この土地改良負担金償還特別緊急支援事業が3年間で200億円ということであります。単純に100分の1としても、本県だけで約2億円の農家負担の軽減ということで、かなりの対象者と思います。県を通らないお金でありますが、教えていただきたいと思います。
 2点目が、直轄事業負担金についてであります。
 6月議会でも聞かせていただきましたけれども、国交省は8月に説明すると言っていたのが、できず、請求書も来ず、9月末までに説明したいと言っていたのも、多分していないと思います。農水省の場合は今どんな状況になっているのか。負担金は来年から廃止ですから、もう勝負があったではないかという話もありますが、これまでや、ことしの部分もあると思いますので、教えていただきたいと思います。
 また、我が党の代表質問で、市町負担金について知事はこのように答えました。「建設事業での市町負担金は、国直轄事業負担金制度が廃止されれば同様の取り扱いを検討することになると考えています」と。和歌山県あるいは新潟県は、既に来年度からの市町負担金の廃止を決めているようであります。この和歌山や新潟の状況、あるいは香川で知事が答えた中に土地改良事業も含まれているのかどうかを教えていただきたいと思います。
 6月議会でも申し上げましたが、受益者負担がある土地改良事業を土木と同じように考えるのは、無理があるのではないかと思います。まず、国営事業において直轄事業負担金が廃止されるのであれば、今まで県が負担していた部分を国が負担して、国費と農家負担金だけで賄われるということになると思います。土地改良事業は、国営事業といえども受益者である農家から県を通してボトムアップされた事業であります。県抜きでは事業の推進はあり得ませんので、県はお金は出さないけれども、事業に協力するというスタンスになるんだろうと思います。何とかイメージできます。
 県営事業の場合はどうか。県営事業で市町負担金を廃止するということになれば、これはイメージがわきにくいです。県営事業のほとんどは補助事業です。ですから、国、県、市町、農家、この四者でほとんどの場合は負担してきたわけです。そのうちの市町負担を廃止するということであれば、その分を県が負担し、国、県、農家の三者で負担すればいいではないかとなりますが、そう簡単にはいかないように思います。というのも、市町の負担というのは、農家負担軽減のために行っているというイメージを私は持っています。県営事業の市町負担率を決めるには、土地改良法だったと思いますけれども、当該市町の同意が必要です。それからすると、農家負担分を何%にするかというのは市町の意思が働いて決まってきたのではないかと思います。市町負担金がなくなったとすると、農家の負担分は県が決めることになる。非常に画一的になってしまうのではないか。今までも国のガイドラインどおりにやってきたんだからということも言えないことはないが、それはおかしいのではないか。
 市町は、地元、受益者に非常に近い位置にいますから、市町の負担は受益者の肩がわりだというイメージが非常にあります。農道事業では、市町が受益者負担をすべて肩がわりしていますから、農家負担がないです。農家の人がお金を出すということはない。土地改良事業でも、今まで市町が負担していた分を県が負担するとなると、これは受益者負担がない土地改良事業ということになってしまうのではないか。そうなると、土地改良法上もおかしいような気がする。
 土地改良事業の市町負担分をなくしていくということには、いろんな問題点があると思うが、どのようにお考えでしょうか。


黒川土地改良課長  まず、1点目の土地改良負担金償還特別緊急支援対策事業の現在の状況あるいはその仕組み等についてお答え申し上げます。
 この事業につきましては、本年度の第1次補正予算で、経済危機対策の一つとして追加された事業でございます。これと、本年度当初予算のうちの経営安定対策基盤整備緊急支援事業、この2つが土地改良負担金の軽減対策として、ことし新たに制度化されております。
 このうち土地改良負担金償還特別緊急支援対策事業については、当初予算で制度化された事業に比べ、農家負担要件を約2分の1に緩和し、平成21年度から23年度の3カ年に限り、無利子になるように、全国土地改良事業団体連合会に土地改良負担金特別緊急対策基金を造成して支援しようとするものでございます。
 平成21年6月12日付で、国において、事業実施主体である全国土地改良事業団体連合会に対して補助金の交付決定がなされており、7月31日に同連合会に200億円の基金が造成されてございます。
 この事業の取り扱いについては、さきの補正予算に係る事業のうち、地方公共団体以外のものが造成する基金事業等については原則として交付先に対して一次留保の要請を行うことが閣議決定され、この事業が該当することから、平成21年9月18日に全国土地改良事業団体連合会に対し、国から執行の一次留保の要請があったと伺ってございます。
 現在の状況は、事業主体であります全国土地改良事業団体連合会から委託を受けた香川県土地改良事業団体連合会が、今委員がお持ちになっているパンフレット等で、既に普及啓発、PRを図ったところでございます。9月末の申請期限がございましたけれども、申請は今のところないという状況でございます。
 次に、直轄事業負担金のその後の状況でございます。
 本県の直轄土地改良事業負担金については、5月29日に平成21年度負担金の説明、続いて6月18日に平成20年度負担金の説明及び平成21年度負担金の補足説明がありました。この内容につきましては、既に報告したとおりでございますが、他県にある土地改良調査管理事務所職員の人件費が計上されていたり、補助事業に比べ、工事費に対する事務費の割合の上限が非常にあいまいで、大方倍近くになっているということでありました。
 こういったことに対して、さらに詳細な説明を求めましたが、現行制度の枠組みの中で適正に執行されたものという説明であり、現在のところ、それ以上の説明は国のほうからはございません。各県に対する説明は終了し、説明会での各県の意見等が集約され、現在全国知事会等と協議中でございまして、今のところ、その具体的な内容については明らかになっていないのが現状でございます。
 一方、全国知事会直轄事業負担金問題プロジェクトチームは、「農林水産省分については、土地改良事業等の特殊性を踏まえた議論が必要」との考え方を示しております。この結果を踏まえて、7月14日に全国知事会議において、「直轄事業負担金の支払い基準及び今後の廃止方針について」が取りまとめられており、今後、こういった全国知事会等の議論の内容を踏まえて対応していく必要があると思います。
 3点目の県施行土地改良事業に対する市町負担金についてであります。
 これにつきましては、既に7月14日開催の全国知事会議において、国直轄負担金制度改革の趣旨を踏まえて、同様に見直すという申し合わせになっております。
 このような状況の中、和歌山県は公共事業に係る市町村の負担金を原則として廃止するということが報道されております。この内容について調査した結果、土地改良事業については、受益者が限定的で、本来は受益者が負担すべき事業であるが、受益者負担軽減のために市町が負担しているということを踏まえて、従来どおり市町負担金を求めることになってございます。
 本県でも、国直轄事業負担金制度改革に沿って、今後市町負担金を見直してまいりますが、農家の負担増につながることがないよう、国直轄事業負担金制度改革の状況や他県の状況を見きわめながら、なおかつ市町の意見を踏まえて適切に対応してまいりたいと思います。
 土地改良事業は、基本的に農家の負担を前提に、農家の申請によって実施している事業でございます。市町あるいは土地改良区等が行う団体事業における市町負担金あるいは補助金についても、農家の負担軽減を図るために市町が独自の判断で負担しているということも考えられることから、事業の特性や地域の実情を踏まえて、各市町で適切に判断されていくべきものと考えております。


西原農政水産部長  1兆円の事業でどれが凍結されるかという具体的な説明をということでありました。
 現在、あす10月2日をめどに補正予算の見直し作業が行われており、現段階では、具体的にどの事業が凍結かというのは不明というのが現状でございます。


高田委員  今、黒川課長から非常にびっくりする答弁がありました。
 知事に、建設事業に対する市町負担金は、国直轄事業負担金制度が廃止されれば同様の取り扱いを検討することになるだろうと言われたら、当然土地改良事業も入るのだろうと思います。私は、簡単に入れるなよという意味ではなく、いろんな問題点があるということを言ったんです。県営事業についての市町負担金は廃止にならないという和歌山県の状況があるのであれば、恐らく香川県についてもそういう状況になるのだろうと思う。
 県の負担金を廃止するのなら、県営事業における市町負担金も廃止しなければならないというのが当たり前だと思うのですが、香川県では土地改良事業についてはそうはならないという判断でいいのでしょうか。それとも、今から議論するのでしょうか。県として、どう考えているのか教えていただきたいと思います。
 それと議案第16号の別表に、土地改良事業の市町負担率が出ています。この表を見ても全然わからない。負担率が何種類あるかというと、11種類あるんです。100分の7から100分の45まである。これは恐らく市町の同意がなければ決められませんが、これを決めるときに議論があったのかどうか。あるいは、国のガイドラインのままでいくということであったのかどうか。多分、そういうことはないと思うのですが、各自治体によって負担率が違うということもあり得るのかどうか教えていただきたいと思います。もし、市町によって負担率が違うのであれば、それを県が画一的に負担することはできなくなるだろうと思います。
 もう一つは、土地改良負担金償還特別緊急支援対策事業です。
 土地改良事業団体連合会に200億円が既に来ていて、そして「香川の土地改良」でも6月からずっと宣伝している中で、9月末が申請期限のところ、申請はゼロだということです。なぜゼロなのか。対象となる事業には、県営かんがい排水事業や国営かんがい排水事業という非常にメジャーな事業まで入っています。対象となる事業が、香川県にないわけではない。既にこれは凍結されているということで、推進をしなかったのかどうか教えていただきたい。
 また、直轄事業負担金については、土地改良事業の特殊性で議論が必要ということなのでしょうけれども、直轄事業負担金の廃止は来年から始まります。早く決めないと、もう来年度の予算要求も始まります。全国知事会ものんびりしているわけにいかないと思う。早急にやるという方向があるのかどうか、教えていただきたい。


西原農政水産部長  まず、市町負担金の関係でございます。
 黒川課長からは和歌山県の事例を申し上げただけであって、香川県でどういう方向で進めるかは、まだ議論している段階ではございません。単に事業を進める上で負担金を取っているというのではなく、公益性などいろいろな観点から負担率が決まっておりますから、早急に結論を出せるものではないと思っております。他県の状況を十分踏まえるとともに、土木などの負担金とも整合性を図りながら、県の中で議論を進めていきたいと考えてございます。
 また、市町負担に関しましては、基本的にはガイドラインをベースに負担率が決まってございます。土地改良事業は、詳細に事業が分かれて種類が多く、それぞれの区分により負担率が変わりますので、見づらい表になっているのかなと思います。どこかで工夫をしないといけないと思いますので、検討させていただきたいと思います。
 土地改良負担金償還特別緊急支援対策事業については、執行を一時留保している状況であり、要望があるのかないのかを確認していないという状況でございます。ただ、執行が留保されていない経営安定対策基盤整備緊急支援事業については現在、県土地改良事業団体連合会において候補地区を絞り、事業要件を満たすかどうかについて事前にチェックを行っている段階とお聞きしてございます。
 直轄事業負担金のあり方については、国と地方の役割分担を通して、どう整理していくのかが大きな課題であろうと思います。全国知事会も、役割分担を見直す中で直轄事業負担金の廃止をせよという言い方であったと思いますので、そういう役割分担を議論する中で、直轄事業負担金のあり方が議論され、決まっていくだろうと思ってございます。そのため、土地改良事業を含め、さまざまな事業の負担のあり方については、国と地方の役割、地方の中でも県と市町の役割などを踏まえて議論していく必要があろうと思ってございます。


高田委員  1点だけ。議案第16号の別表は、大変わかりにくいです。
 これは各自治体別になっています。ガイドラインどおりであれば、例えば県営かんがい排水事業は100分の幾つ、農道整備事業は100分の幾つと、事業ごとに書けば、もっと簡単にできると思うのですが、あえて自治体別に書いているということは、自治体ごとに率を変えるということもあり得るのかどうかをお聞きしたかったんです。


黒川土地改良課長  委員の御指摘のとおり、ガイドラインをもとに、市町が実態に合わせて補助率を決めております。ですから、行政区域ごとに、しかも事業ごとに負担率が変わるということで、こうならざるを得ない部分があります。御理解をいただきたいと思います。


山田委員  簡潔に2点だけお伺いしたいと思います。
 1点目は、香川県農協の業務改善への取り組みについてお伺いしたいと思います。
 我が国の農業を取り巻く環境は一段と厳しさを増しており、我が県においても農業従事者の減少や高齢化が進むなど、さまざまな課題が山積しておるわけであります。県では、香川県農業・農村基本計画を策定して、激しく変わる時代の流れに対応しようとしています。しかしながら、地域での農業振興、地域づくりに果たす役割が大きいのは、やはり何と言っても農協ではないかと思います。
 香川県農協は、平成12年4月に県内40以上の農協が合併して発足いたしました。数年後に高松市農協も加わり、現在の姿になっております。一部、佐伯委員の地元の農協のように元気いっぱい単独で頑張っていらっしゃるところもあります。それは例外として、JA香川県は、聞くところによると、組合員数や貯金残高では全国でもトップレベルに入るという大きな組織になっているそうです。
 今年度は、中期経営計画ということで、組合員や利用者から日本一ありがとうと言ってもらえるような、そんなJAを目指そうと意識改革を盛んにやっておるようでありますが、御存じのように、過去には不祥事がたびたび起こり、そのため平成19年10月に、県から業務改善命令を受けたわけであります。その後、法令遵守の体制がきちんと整備されているか、あるいは内部監査がしっかりやれているかなどといったポイントに絞り、役員一丸となって、これまで信頼回復に努力しておられると思います。
 ちょうど2年が経過しましたので、これまでのJA香川県の取り組みについて、部長から御報告いただきたいと思います。


西原農政水産部長  香川県農協につきましては、平成16年の加工食品(さぬきの夢2000)の不適正表示事件など、多くの不祥事が発生したことから、県は平成19年10月に、農協法に基づく業務改善命令を出しました。
 その後、JA香川県から業務改善計画が出され、今年6月末をめどに完了するというような計画でありました。県としては、これまで3カ月ごとに改善計画の進捗状況を報告させ、その内容をチェックするという確認検査をしてきたところでございます。
 7月末時点での進捗状況についての報告では、改善計画の約60項目のうち、53項目は完了したが、7項目はまだ完了していないということでありました。
 例えば、信用事業や共済事業など会計別にマニュアルをつくるという項目については、多岐にわたるため、一部ができておらず完了していないというようなことでございました。
 完了していない7項目については、先月9月24日に行った会長、理事長に対するトップヒアリングの際に、今年度内に完了するよう指示を出しました。JA香川県側も、年度内に完了するべくやっているとのことであり、改善計画が今年度内に完了できるのではなかろうかという状況でございます。


山田委員  業務改善計画は実行に移されており、未完了の項目については、今年度末までに完了するということであります。
 農協を取り巻く環境は、今後ますます厳しくなってくると思われ、県としては、今後も適切な指導をしていかなければいけない。農政水産部として、農協を今後どういう方向へ持っていこうとされているのか、方向性をどのようにお考えなのか。


西原農政水産部長  農協を取り巻く環境は非常に厳しい状況になってございます。経営環境や農業情勢面、いろいろな面で大変だろうと思います。一方、地域の中で元気にやっているところもあり、農業振興の面で活躍できる場がもっと出てくればいいなと思っております。
 農協が活力ある農業振興を図っていくためには、農協自身が経営基盤の強化をもっと図っていくべきではないかと思っていますので、経営基盤の強化に向けて努力してもらい、日本一の農協になっていただきたいと思ってございます。
 先ほど述べた会長、理事長へのトップヒアリングの際に、県農協に対してさらに努力してほしいと申し上げた項目として、店舗数が地元金融機関に比べて多く、小規模な店舗も多いということがあります。店舗数はどれだけが妥当かというのを判断するのは難しいが、金融面でさらなる統合を進めてもいいのではないかと思ってございます。また、人事異動ももう少し広域的な異動を行ってはどうかということも申し上げました。地域に密着する営農活動などは顔を見ながらの営業になりますので、なかなかしづらいという面もあろうかと思いますが、信用面、共済面でのチェックという意味合いでは、異動は重要と思っています。また、内部監査の体制も、もう少し充実してはどうかというようなことも指導させていただきました。


山田委員  香川県の農業振興に、農協は切っても切り離せられないと思いますので、今おっしゃっておりましたように、日本一の農協になるよう適切な指導を今後もよろしくお願いしたいと思います。
 2点目は、去る6月定例会でも、地産地消の推進という観点から、香川の食材見本市の概要などについてお尋ねしましたが、今回も地産地消のより一層の推進について1点だけお伺いしたいと思います。
 当委員会の今年度の閉会中継続調査のテーマは「地産地消の推進について」であります。5月の現地視察で多度津小学校に参り、小さな子供たちと一緒に学校給食をいただきました。教室で我が子以外の小さなお子さんに囲まれて、汚れのないひとみで見詰められながら給食をともにすると、本当に気恥ずかしくて緊張いたしました。そのとき端的に思ったのは、いつの間に学校給食ってこんなにおいしくなっていたんだろうということです。三十数年ぶりにいただきましたけれども、明らかに私ども子供のころより、学校給食はその後研究に研究を重ねておるせいでしょうか、非常にいい味が出ているなと、そんな率直な感想を持たせていただきました。
 給食をともにした後、学校関係者の皆さんからいろいろとお話を伺うこともでき、熱心な取り組みに感心いたしました。
 一方、学校給食に地場産品を扱うことの課題も何点か指摘があったように思います。学校給食に地元の農産物を使用するということは、次の時代を背負う子供たちが、自分たちが生まれ育った地域の自然や文化あるいは農業や水産業に親しみを持つ、愛着を深めるという意味で、本当に重要なことだと思っております。また、我が県の農業や水産業を今後もずっと持続可能たらしめるためにも大変効果的なことではないかと思っております。
 学校給食に地場の農産品を使うことの課題と、その解決方策をお伺いしたいと思います。


西原農政水産部長  地産地消関係の御質問でございます。
 まず、委員長、副委員長を初め讃太くんのバッジを着用していただきましてありがとうございます。これは地産地消推進のため、県職員が一生懸命考えてつくったものです。それをできるだけ意識しながら地産地消を推進したいという気持ちでございますので、ぜひ愛用していただければと思います。
 さて、学校給食の面での御質問でございます。
 昨年3月に策定した、学校給食における地場産物活用の推進方策に基づき、昨年12月末までに全市町に地場産物活用推進委員会を設置し、学校給食関係者や生産者団体、農業改良普及センターにより、調理場で使用する食材の種類や使用量、地場産物の生産状況などの情報交換、新たな地場産食材の導入、そのための献立の見直し等について協議を実施しております。
 調理場の規模は、各市町によって分かれており、例えば高松市では大規模な調理場であり、全体の3万5,000食を4分割し、8,000食ずつぐらいつくるという状況であり、JA香川県や中央卸売市場などと緊密な連携を図って、卸売市場を通じた安定供給システムを推進しております。また、視察を行いました多度津町は中規模な調理場であり、1,000から3,000食ぐらいをつくっており、そういったところは地域の生産者グループや産直施設が直接、調理場に納入する方式を導入する方式になります。さらに規模の小さなところ、小豆地区や旧大野原町などでは、普及センターのコーディネートにより、地域の生産者と調理場が連携して、生産・供給するシステムを整備するという方式を整備してございます。
 これまでの取り組みの中で、大きな調理場において地場産物を導入する場合には、品質や規格が均一な食材の大量確保、前処理やカット済みの食材の導入による調理時間の短縮などが課題になってございます。全体を通じた課題としては、地場産物が使用可能な時期の詳細な情報の不足や、9月から11月の地場産物の端境期にも安定的に供給できる食材の確保、新しい学校給食用メニューに関する情報の不足が明らかになりました。
 そういった課題に向けた取り組みとして検討しておりますのは、大規模な調理場や地場産物の端境期において安定的に供給を行うという面では、県内の冷凍食品会社と連携し、県産農水産物を活用した冷凍食品の開発を進めてございます。既に、何品かの試食会も開催し、6品ほど好評を得たものがございます。それらについては、条件の整った市町から順次導入しようということで、早ければことしの12月ぐらいから供給が開始できるのではないかと思ってございます。
 そのほかの取り組みとしましては、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用して、ことし8月からJA香川県に、地場産物の流通をコーディネートする専門職員を1名配置しました。そこで、栄養教諭や学校栄養職員への県産農水産物に関するきめ細かな情報提供、給食現場におけるニーズの生産現場へのフィードバックと流通ルートの確保、県産農水産物を活用した新たなメニューの開発などを行いまして、給食現場と生産現場の連携が図られるよう取り組んでおります。
 こうした取り組みを通じまして、調理場の規模に応じて、地場産物の流通システムを整備しまして、しゅんの食材を活用したメニューづくりも図りながら、食材ベースでの地場産物使用率の目標30%の早期達成を目指して頑張りたいと思っております。


山田委員  今言われて気がついたのですけれども、イメージキャラクター讃太くんのバッジを委員の方は余りつけていないようです。これはかなりの数をつくったんでしょう。


西原農政水産部長  最初は1,000個ぐらいです。


山田委員  啓発活動を励行してください。
 地産地消の推進について、もう一点、最近感じていることがございます。
 新鮮な地元産の野菜を安価に購入できるということで、県内のあちらこちらに産直市がございます。聞くところによると、この狭い県内に今90を超える産直市が存在するそうです。私自身は余り産直市へ行って買ったことはないのでありますが、私の知人や友人の中には、野菜や果物はなるべく産直市のものを食べるというようなことをおっしゃる方々も大勢いらっしゃいます。
 お話を聞いておりますと、遠くの産直市に行ったら、もう影も形もなかったとか、あるいは反対に、用事があって車で走っていたら、突然道端に新しい産直市ができていたりするようなことがあり、情報を身近に得られたらいいなとおっしゃっていました。
 そこで、県で、全県を網羅した産直市のガイドマップや冊子などを用意してはいかがかと思います。地産地消のより一層の推進に、産直市は一定の効果を上げていると思いますが、部長はどのような御意見をお持ちでしょうか。


西原農政水産部長  産直施設は、昭和41年に豊中のブドウの直売所から始まったというふうに聞きました。それが20年度末で94施設までふえてございます。生産者の顔が見える新鮮な農産物を求める消費者ニーズにマッチしており、売り上げも伸びてきていると聞いており、農産物を県民に提供していくルートとしては、非常にいい方法ではないかと思ってございます。
 地産地消推進の拠点として位置づけ、これまでもホームページによる情報発信などを行ってきましたが、どのような施設がどこにあるかという情報の整理ができていないのも確かでございます。
 そういうこともあり、産直マップのようなものをつくりたいと考えておりまして、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用して、民間企業に委託し、旬鮮情報レポーターを2名雇用して、産直施設の取材を行い、しゅんの農産物やイベントに関する情報を掲載したマップを整備するべく取り組んでおります。完成いたしましたら活用していただき、うどんと食べあわせをしながら県内各地の産直めぐりをしていただきたいと思ってございます。


山田委員  立派なガイドマップを期待しております。多分、年配の人が持って歩くと思いますので、なるべく活字を大きくしていただくよう、よろしくお願いします。


白川委員  大きく3点をお尋ねしたいと思います。
 その前にまず、讃太くんバッジをありがとうございました。大変活用させていただいております。讃太くんの名前を知っている方にはぜひバッジを差し上げるなど、いろいろな取り組みをしていただいて、讃太くんに地産地消の一翼を担っていただきたいと思います。
 まず第1点目は、先ほど来、議論になっておりました戸別所得補償の問題です。
 この問題を考えるときに、戸別所得補償が民主党のマニフェストに書かれ、進められようとしているその背景が大変大事だと思います。アメリカとのFTA(自由貿易協定)の締結が大前提であり、この戸別所得補償が民主党の中で出てきているということをしっかりと見きわめておかなければならないと思います。選挙戦の中で民主党の言い分も大分変わってきておりまして、締結ではなくて交渉なんだということでありますとか、また農産物はその中には入らないんだというようなことも言っております。しかし、小沢さんなどの発言を聞きますと、どのような状況になっても生産者が再生産できる戸別所得補償制度をつくると言っているんだから何の心配もないと改めて強調しているというような状況であります。要するに、農産物は自由化しても、農家には戸別所得補償をするから安心だということで、FTAを大前提として戸別所得補償が打ち出されているのだと思います。
 このアメリカとのFTA締結がもし進められたら、国全体、特に食料自給率などについてどのような状況になると部長は考えておられるのか。また、県の食料自給率はどのぐらいになると見きわめていらっしゃるのかお答えいただきたいと思います。


西原農政水産部長  民主党のマニフェストに、FTA交渉を促進するという記述がなされており、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農業・農村の振興などを損なうことは行わないと書かれており、私個人としては、なかなか難しいものを併記しているなという感想を持ってございます。
 現時点では、どういう状況になるのかわかりかねますし、また県内の自給率も試算できませんとしか申し上げられません。


白川委員  農水省の試算によりますと、FTAが締結された場合、国内の農業産出額が約42%減少し、農業や関連産業で375万人が就業機会を喪失、そして食料自給率は現在の40%から12%へ激減するという、まさに衝撃的な数字になっております。国の自給率が12%に激減するということは、より低い香川県としては、かなりの影響があるのではないかと思います。これをやられたら、幾ら県が香川の農業を頑張ってやると言っても、取り返しがつかない状況になってしまうと思います。FTAの締結については、断固阻止という立場を県も貫いていただきたいと思います。
 同時に、日本農業の再生のためには、日本の主食であります米を抜きにしては語れないと思います。もうかる農業を考えるというようなことも大事だとは思いますけれども、農業をされている方の多くが、お米を中心とした経営をされておられますので、ここでしっかりと食べていける、生活が成り立つ農業を考えることが非常に大事だと思います。そのための所得補償や価格保障については、私たちも大いに賛成していきたいと思っております。
 同時に香川県として取り組めることとしては、地産地消が非常に大事になってくると思います。その意味でも讃太くんに頑張っていただきたいのですが、特にその中で、学校給食の取り組みは、私も一貫して取り組んでおりますように、大変重要な問題だと思っております。
 補正予算事業の中でひょっとしたら凍結になっているのでしょうか。学校給食で家庭用炊飯器で炊飯する場合、炊飯器の購入費用を補助するという事業ですが、1台につき2万円、延長コードや配ぜん台などの機器も1校当たり10万円を上限に助成しますという取り組みがされるようになりました。私は南国市の取り組みも直接見てまいりまして、前の経済委員会でも、こういうことに本当に取り組んでいってはどうかということを述べさせていただきました。国のパンフレットに、「米飯学校給食の回数増加により、地元産米等の需要がふえます(米飯学校給食を全国で週1回ふやせば、約3万3千トンの米の消費が増加します)」と書かれております。地産地消で自給率を引き上げるということでも大変意味があるものだと思いますし、自分たちのおじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さんがつくったようなお米を炊きたてで、米本来の味で食べられるという大変有効なものだと思っております。
 今の取り組み状況、またこれからどう進めていくのか、お聞かせいただきたいと思います。


西原農政水産部長  まず、学校給食における電気炊飯器の導入でございます。
 公募は終了しており、要望なしということであったようでございます。予算の執行停止の影響はなかったのかもしれません。


白川委員  大変がっくりしました。要望はあるけれどもなかなか難しいのだろうと思います。南国市では、棚田米の活用や、子供たちが棚田で米をつくり、学校で炊きたての御飯を毎日食べるというような取り組みでありましたが、他の現場にはなかなかなじまないんでしょうか。なぜ要望がゼロであったのか、理由をご存じであれば、お答えいただきたいです。
 それから、先日の視察の際に、地産地消弁当に取り組んでいらっしゃる企業の方にいろいろとお話をお伺いしました。弁当への地場産物の利用率を上げるためには何が必要ですかとお聞きいたしますと、地場産品を使用した冷凍の総菜などを開発してほしいという声がありました。そういう企業などが、一般的に活用していくために、どういった取り組みをされていくのかをお聞きしたいと思います。
 また、一番活用しにくい、仕入れにくい地場産品は何ですかとお聞きしたら、私は意外だったのですけれども、価格の面で魚だとお答えになりました。こういう声は、学校給食の場でも多分多いのだろうと思います。この面で、取り組んでいこうとしていることがあれば、教えていただきたいと思います。


西原農政水産部長  先ほど学校給食の関連で、冷凍食品や食材の開発状況を御報告いたしました。
 これは、あくまで学校給食用ということではありますが、汎用性がございますので、人気があれば普及できるものと思ってございます。豆腐ハンバーグや肉だんごをできれば今年12月以降に、また冷凍のホウレンソウやコマツナを来年3月以降に学校給食に導入できるのではないかということで進めております。そういった冷凍食品や食材を、学校給食に限らず、弁当業者でも活用いただけるよう努力していきたいと思っております。
 魚については、大量にというところが恐らくネックなのかもしれませんけれども、例えばちりめんなど、ある程度加工したものは使えますので、既に提案の一つとして進めております。地元の水産物が全くないということではないのですけれども、さらなる努力が必要なのかもしれません。


白川委員  冷凍物については、地産地消の本来の意味からすれば、その活用が広がるのがいいのかどうかという議論があると思いますが、しかし要望としてあるものですから、そういう開発もぜひ進めていただきたいと思います。
 次に、ずっと質問を続けております担い手、特に新規就農についての取り組みについてお伺いしたいと思います。
 農業大学校は、かなり入学希望者がふえているというようなことも報道されております。今の雇用状況からしても、こういうところが本当に求められているという気もしております。入学希望者がふえるのは一時的なものかどうかという判断は必要ですが、これまで定員を減らしてきたこともあり、減らした定員を、様子を見てもとに戻すつもりはないのかどうか、お聞きしたいと思います。
 また、新規就農者に対する援助についても、一貫してお聞きしており、支援金、支度金の問題や、他県の例を挙げて提案もしてまいりました。きょうは新たな方向で、里親制度の提案をさせていただきたいと思います。
 これは長野県の例ですが、新規就農に当たって、技術と資金と農地、住宅、機械などの習得や確保が大変だと言われております。私みたいに農村地帯に住んでいた者からしても、新しい人が入ってくるというのはなかなか受け入れにくいところがあります。そういった面で、新規就農者は、地域での信用がなかったり、農地や住宅の確保が大変だというような現実もあると思います。
 長野県の里親制度は、そういった点を里親の信用でスムーズに行えるようにするため、新規就農者が農業を営んでいらっしゃる方のところへ里子に出るというものです。そこで、いろいろな技術を習得したり、近所の人とのつき合い方など、いろいろと面倒を見てもらいながら、農家として育ててもらう。2003年にスタートして、2006年の時点で、それまでに91人の里子を受け入れて、24人の新規就農者を育ててきたそうです。里親に登録する農家が年々ふえているという状況で、里親には年間60万円の謝礼が交付されます。里親の中には、里子に賃金を渡す方も一部おいでるようです。また、4人の県職員がコーディネーターとして就農相談から里親の紹介まで、就農希望者の面倒を見ており、あわせて研修助成費や就農支援金などでも対応しており、新規就農者がふえているようです。
 香川県では、平成22年度までに新規就農者を300名という大きな目標を掲げており、これを達成するのは大変だと思います。先の選挙戦の中で私もいろいろと実態をお聞きしました。10年、20年先に農業は大変なことになると思っていたら、そうではないんだ、もう2年、3年先のことだと農家の方から多く聞かされました。担い手というところで危機的な状況を迎えていると思います。
 県として、みずから掲げた目標も達成し、香川の農業を担っていく人を育てるために、何らかの手だてを進めていくことが必要だと思います。アスパラガス栽培を用いた新規就農定着促進緊急対策事業で一歩前進したので、次なる一歩を踏み出すということで、こういった支度金制度や里親制度などを他県から学んで取り組んでいくおつもりがないか、再度お聞きしたいと思います。


西原農政水産部長  農業大学校の定員については、農業経営課長からお答え申し上げます。
 他県で里親制度や支度金制度を実施している中、そういう新規就農者への支援をやってもらいたいという御趣旨だと思います。確かに、現在、農業への関心は非常に高まってございます。新規就農相談センターにおける就農相談件数も、例年100件程度であったものが、平成20年度は345件と大幅に増加しており、また農業大学校の技術研修の応募者も大体倍増しているという状況でございます。
 そういう中で、国に「農の雇用事業」という事業がございます。これは農業法人等のもとで研修する場合に、一月9万円余りが助成されるというものであり、本県でもこの事業を活用して61名の方が就農研修を進めている状況でございます。
 そういった取り組みの中で、農業生産法人等がしっかり研修を行い、のれん分けの形で農地を確保させて、就農させていくというような例はあります。初めから何でも知った上で、自営で農業が始められるわけではないですから、そういうふうに一たん教えてもらい、それから本格的に始めるという段階を踏むやり方のほうが着実で、非常にいい方法と思ってございます。
 具体的に、どういった支援を行うかは、今後研究していかなければいけないと思っておりますが、6月議会で議決いただいた、アスパラガス栽培方法を導入した新規就農定着促進緊急対策事業については、5名から手が挙がり、今、審査をしている状況でございます。いろいろと考えながら、新規就農者をふやしていきたいと考えてございます。


木村農業経営課長  農業大学校には、担い手養成科と技術研修科の2つコースがございます。
 担い手養成科につきましては、高校卒業程度の方が入るわけですが、平成16年に定員を60名から45名に見直したところでございます。ただ、21年度の状況を見ますと、平成19年度に比べて入学者は若干ふえ、40名近くになってきております。ただし、これが一過性のものかどうかを見きわめまして、定員を検討したいと考えております。
 技術研修科につきましては、最近の雇用情勢の中で非常に希望者がふえてきておりますので、回数も定員も拡充する方向で検討しているところでございます。


白川委員  ぜひ、そういう検討もよろしくお願いしたいと思います。
 それと、今回の補正予算議案の中で、就農支援資金の貸付費が2,739万円もの繰り越しになっております。予算が4,000万円で、半分以上が繰り越しになるという状況ですが、借りにくい状態になっていないか、なぜこれほどの繰り越しになるのか、お尋ねしたいと思います。
 最後に、鳥獣害対策についてお伺いしたいと思います。
 塩江町では、ツキノワグマが出たらしく、これまで阿讃山脈にはクマはいないと言われてきました。シカやクマなど、今まで香川県では見たことがないような動物が出てきているという状態で、やはり生態系が崩れてきているというか、大きく変わってきていると思うわけです。
 四国の中で力を合わせればそれなりの効果は得られるというようなことで、県に対して四国でのネットワークの構築をお願いしてまいりましたが、自民党の代表質問に対し、四国4県による広域的なネットワークを構築し、広域的な被害の防止対策や連携捕獲の実施について検討しているという御答弁がありました。
 この四国のネットワークで、どういうことが話し合われているのかについてお伺いしたいと思います。


木村農業経営課長  まず、就農支援資金の貸付状況でございます。
 これは当初4,000万円で予定したところ、実際の借り入れが1,300万円ということでありました。決して借りにくいとは思っておらず、平成20年度は、新規就農者が投資を控えて、余り金をかけない品目に就農したということと、補助事業等を十分に活用していただいたという2点から、資金需要が減ったのではないかと思っております。
 繰り越しを加えた1億円余りの資金につきましては、平成21年度以降に有効に活用できるようにしたいと考えております。
 次に、鳥獣害対策についてでございます。
 四国地域野生鳥獣対策ネットワークにつきましては、5月末に徳島市で総会が開催され、それまでは四国各県個々にいろいろな対策を実施していたものを、四国4県が連携してやろうということでございます。各県の情報の共有化、あるいは国の研究機関から講師を呼び研修会を開催したり、この10月26日、27日には、徳島県三好市で現地検討会を開催予定であります。
 アライグマについては、環境森林部で外来生物法に基づく防除実施計画を立て、えさになるようなものをほうっておかない、見かけてもえさをやり安易に人里に近づくようなことをしないといった対策を講じ、環境森林部と一緒に対策に取り組んでいきたいと考えております。


佐伯委員  百姓のこせがれとして、農業関連の質問を3点させていただきたいと思います。
 まず最初に、ため池整備の現状と今後の取り組みについてであります。
 本県特有の気候や地理的特性から、県内には大小さまざまなかんがい用ため池が各地に点在し、その数は1万4,600余りにも及び、兵庫県、広島県に次いで全国3位となっており、県土面積に対するため池密度は全国1位と伺っております。これらのため池のいずれもが、渇水に苦しみ、水を求めて苦労した先人の皆様方の偉大な遺産であり、本県の豊かな田園風景に欠くことのできない、かけがえのない県民の資産でもあります。また、重要な農業用水資源であるばかりでなく、地下水の涵養や自然環境の保全など、さまざまな役割を果たしておりますことから、適切に保全し、将来に継承していくことが大変重要ではないかと思っております。
 県では、これまで老朽ため池の改修を計画的に進め、平成20年度までの整備済み箇所数は3,232カ所となっており、大変厳しい財政の中で、積極的に取り組んでいただいていることを評価させていただきたいと思います。
 しかしながら、西讃地域のため池の整備状況を見てみますと、平野部にある比較的大きなため池については整備がほぼ終わっていますが、中山間地域などに点在する比較的小規模なものについては未整備な老朽ため池が数多く見受けられ、地元住民の皆さんからは、決壊等による被害を心配する声がいろいろと聞こえてまいります。
 このようなことから、今後とも災害の未然防止や農業用水確保のため、老朽ため池の整備を鋭意推進する必要があると考えていますが、ため池整備の現状と今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 また、とりわけ極めて小規模なため池の中には、管理が行き届かず、厳しい農業情勢の中、農家の負担も伴わず放置され、防災上大変危険なため池もたくさんあります。このような状況の中、県は平成20年度に、新たに小規模ため池緊急防災対策モデル事業を創設し、貯水量1,000トン未満で防災上危険な小規模ため池7地区を対象に、保全対策を実施しておりますが、このうち5地区においては、埋め立てによる防災措置を講じられたと聞いております。本県の厳しい水事情を考えますと、小規模なため池とはいえ貴重な水資源としてため池を守っていくことが、私たちの世代の使命と考えます。
 そこで、今年度の小規模ため池緊急防災対策モデル事業の取り組みについてもお伺いしたいと思います。
 2点目は、耕作放棄地対策等における市町支援についてであります。
 全国的に見ても農作物の作付面積は昭和36年をピークに減少を続けており、耕作放棄地は年々増加傾向にあります。昨年、国が実施した全国調査によりますと、全国で耕作放棄地が約28万ヘクタールあり、このうち農用地区内の復元可能な農地が約8万ヘクタールとなっています。香川県において、この8万ヘクタールに相当する面積は1,200ヘクタールあると聞いております。こうした農地が中山間の畑地帯だけでなく、平野部の整備された水田地帯の中にも多く存在するのを見ますと、先人たちが開墾し、水を引き、何代にもわたって守ってきた努力に思いが至り、寂しさを禁じ得ません。
 耕作放棄地の発生は、病害虫の発生などにより周辺の営農に支障を来すだけでなく、洪水防止や水源涵養などの多様な公益的機能も損なわれます。こうしたことから、一日も早く耕作放棄地の再生とその活用を図っていくことが重要な課題ではないかと思います。
 しかし、耕作放棄地に至った経緯は、各農地ごとにさまざまな背景があり、一度荒れた耕作放棄地を農地として再生利用するためには多大な労力と経費を要すると思われます。そのためにも単に所有者の意識だけで守れるものではなく、地域の農地は地域で守るという合意形成と、市町や農業委員会、農業関係団体などが主体となった取り組みが重要であると思います。
 そこで、県は耕作放棄地の解消に向けて、市町段階での取り組みを充実・活性化させるために、どのように指導、支援されるのかをお伺いしたいと思います。
 3つ目は、農業試験場の再編整備についてであります。
 県農業試験場は、本県の気象や土壌などの農業特性等を踏まえた作物栽培などに関する新技術の開発や実用化試験を実施し、病害虫の効果的な防除や品種改良などについて数多くの成果を上げるなど農業者の期待と要請にこたえ、地域に根差した試験研究機関として重要な役割を果たしていると思っております。
 特に、近年では、独創性豊かで多彩な香川型農業を実施するため、讃岐うどんに適した小麦、さぬきの夢2000は、多少問題もあり改善されているようでございますが、その育成やイチゴのらくちんシステムによる栽培技術のほか、アスパラガスの高収益栽培技術、レタスの省力栽培技術など地域に密着した本県独自の優位性を持った技術開発を行ってきたところであります。
 一方、近年の農業をめぐる状況を見てみますと、長期的な農産物価格の低迷に加えまして、燃料費や飼料等の生産資材の高騰、温暖化に伴う米や果実の品質低下など、農家の経営安定のためには早期に対応を迫られる新たな課題が次々とあらわれていると思います。
 こうした情勢の中にあって、香川の自然条件や地域特性を踏まえた技術開発を担う農業試験場は、今後の農業を振興していく上での拠点施設として、その役割はますます重要となり、農家の方々からも大きな期待が寄せられていると思います。限られた人員でこのような農家の期待にこたえるための成果を着実に上げるためには、期待に応じた試験研究の重点化と効率化を図ることが必要であると思います。
 農業試験場本場の綾川町への移転整備が、1年程度前倒しして、今年度から着工し、平成23年度秋ごろの完成を目指すことになったと伺っておりますが、今後どのようにして農家の期待にこたえるための試験研究を進めようとするのか、お伺いいたします。


西原農政水産部長  まず、ため池整備の現状と今後の取り組みについてであります。
 老朽ため池の整備につきましては、現在、平成20年度を初年度とする第9次5カ年計画で、整備の促進に努めているところでございます。20年度末までに3,232カ所の老朽ため池が全面改修され、貯水量で87.4%の整備が進んでいる状況でございます。当然この中には、国営総合農地防災事業で整備が促進された箇所も含まれてございます。
 中小規模のため池は、未整備な老朽ため池が多いことから、この第9次5カ年計画において、老朽度が高く、危険度が高いと診断された150カ所の全面改修と、老朽度が中程度と診断されたため池のうち170カ所の部分改修、合計320カ所のため池について再編統合整備も視野に入れ、計画的に整備を行う予定でございます。
 現時点での具体的な整備手法については、国が本年度新たに制度化しました貯水量1,000トン未満の極めて小規模なため池も含め、管理の合理化と効率的な水利用に向け、一体的な整備が図られる地域ため池総合整備事業を活用しまして、効率的な整備を促進したいと考えてございます。できるだけ地元負担の軽減が図られる国の補助事業を積極的に活用しながら、中小規模のため池の整備促進に努めたいと思ってございます。
 このため、水資源の確保に最大限配慮する必要があると認識しており、管理の行き届かない小規模ため池を、環境資源や地域資源として活用することを念頭に、地域の安全・安心を確保するという基本的な考え方に沿って事業を実施しております。現在、高松市ほか6市町の計10地区で、事業実施を予定してございます。すべての地区でビオトープや親水空間として整備するほか、整備に伴う減水確保のため、近傍のため池のしゅんせつを行い、貯水総量を維持し、水資源対策を実施しながら、整備を図ろうとしてございます。
 2番目の耕作放棄地の解消に向けた対策でございます。
 耕作放棄地につきましては、地元の市町、農業委員会、土地改良区、普及センター等で構成します地域協議会において、再生利用に係る協議・調整を行い、国の助成措置も踏まえて、対策を講じることとしてございます。
 幾つかの再生活動の取り組みが見られ、例えば東かがわ市では、農業生産法人が耕作放棄地を借り受けて有機野菜を栽培するといったことも行ってございます。県としても、こういった再生の取り組みを一層加速化させる必要があると考えており、県の協議会で、今月上旬にPRパンフレットを全農家や市町、農業委員会等関係機関に配布し、耕作放棄地の解消意識の醸成を図りたいと考えてございます。
 また、耕作放棄地の発生要因はいろいろであり、土地条件が悪いなど地域や農地ごとに異なっており、その解消にも実態把握を踏まえた上で、実情に応じた対策が必要であると考えてございます。対策を円滑に進める上で、特に農地を貸したい、借りたいと思っても、相手が見つからなかったり、話し合いがまとまらなかったりして、いわゆるミスマッチにより農地の流動化が進まず、放棄地の解消につながらないケースも相当あると見受けられる中で、市町段階で個々の農地や地域の実情に応じた出し手と受け手のマッチング活動の充実を図る必要があると思ってございます。
 そういう中で、市町段階でのマッチング活動を支援しようということで、留意事項、課題、解決手法や優良な解消事例等を業務マニュアルとして取りまとめ、市町に普及させていこうと考えてございます。10月1日付で農業改良普及センターの職員3名を農業経営課の兼務としまして、マニュアル作成に着手いたしました。そういったマニュアルを用いて、市町職員等への研修等も実施し、市町段階でのマッチング活動がより一層充実、活性化されるよう指導・支援していきたいと思ってございます。
 担い手への農地集積と、その有効利用を図ることによって、耕作放棄地の解消を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、農業試験場の再編整備についてでございます。
 現在、綾川町への移転整備を進めておりますけれども、それにあわせて、分場も含めた試験研究体制の再編が必要と考えてございます。
 本場においては、今まで分野ごとの研究体制をしいておりましたが、平成20年4月から、病害虫や土壌肥料などは詳細な分析も要しますので、作物に共通した基礎的な研究は集約しつつ、本県独自の品種育成や先進的な技術開発などを加速化するため、4部門に統合し再編を行ったところでございます。
 加えて、特定品目の研究拠点である分場においても、本場の研究内容や体制の見直しに効率的に連携して研究できるよう見直しが必要であり、来年4月をめどに再編を考えてございます。
 具体的には、地域特産作物でありますオリーブや茶については、本場での最新機器を利用した分析に基づく研究や、これまでの研究成果の普及を行いつつ、現場のニーズを直接くみ上げた研究を行うために、試験場の研究員による農家への技術指導と試験研究を一体的に実施することを考えてございます。
 特に、小豆分場は、オリーブの品質向上と作業の軽労化等によります農家の収益向上に係る試験研究を、農業者等への技術指導と一体的に行うなど、現場の期待により迅速にこたえられる体制としたいと考えてございます。
 なお、菊など花卉の研究も小豆分場で行っており、新しい課題を解決するためには、本場の花卉の研究体制の中で対応を図り、農家の期待にこたえていきたいと考えてございます。


佐伯委員  ため池の整備につきましては、小規模ため池においても水資源を守る方向で実施されているというのは非常にありがたいと思います。香川用水ができたから、ため池なんか要らないではないかという人も中にはいらっしゃいますが、農家にとりましては、貴重な水がめであります。
 私の地域もほとんどが農家でございます。ため池の周りには草が生えますので、年に1回か2回、地元総出で草刈り作業をしております。観音寺では、そんなことを本当にまじめにやっておりまして、2年前に私の友達のお父さんが責任者として、一番危ないところで刈っておって、池に誤って落ち、お亡くなりになりました。大げさな言い方かもわかりませんが、農家の方々は命をかけてため池を守っておりますので、そういうことも胸に刻んで施策に取り組んでいただきたいと思っております。
 県下には、まだまだ対策が必要な小規模ため池が多数あります。
 このような状況の中、小規模ため池の保全対策は県下の重要な課題だと思いますので、小規模ため池緊急防災対策モデル事業の成果を分析して、これからも引き続き取り組んでいただきたいと思っております。これは要望にさせていただきたいと思います。
 耕作放棄地につきましては、業務マニュアルの策定をした上で実際のマッチング活動を進めていくとの答弁があり、この取り組みについては、所有者はもとより市町や関係団体と十分な連携を図る必要があると考えます。また、耕作放棄地の解消に向けた地域ぐるみでの取り組みが活発化するよう、ぜひ積極的な対応をお願いしたいと思います。
 耕作放棄地対策につきましては、国の交付金に加え、県独自の再生支援などさまざまな措置が講じられているようでありますが、重要なのは復元された農地で営農活動が継続的に続き、再び耕作放棄地にならないことだと思います。再生利用後のフォローアップについて、県はどのように取り組んでいくのかをお伺いしたいと思います。
 また、農業試験場につきましては、分場も含めた再編についてお答えいただきました。本県の特徴的な作目であり近年需要が伸び、面積も拡大しているオリーブは、小豆分場で試験研究を行っておられますが、このような研究成果をどのように活用してオリーブ生産を振興していこうとするのかをお伺いしたいと思います。


西原農政水産部長  耕作放棄地の再生利用後のフォローアップでございます。
 せっかく解消したのに、また荒れてしまうというのは困ります。一過性にならないように、再生利用後のフォローアップが必要であると認識してございます。
 そこで、マニュアルの作成に当たりましては、再生方法を示すだけではなく、市場ニーズを踏まえた作物選定や経営安定に結びつく栽培品目の組み合わせの提示など、継続的な営農活動を前提としたマッチング活動が行われるよう、実効性のある内容のものにしたいと考えてございます。
 また、現場におけるマッチング活動においては、必要に応じて再生の計画段階から地域の実情に即した技術・経営両面からの具体的な指導や各種助成制度の有効活用を働きかけまして、地元の市町や農業委員会、JAなどが行う地域に密着した取り組みに対して積極的な支援を行っていきたいと考えてございます。
 なお、営農開始後は、当然普及センターが中心となり、細かなフォローアップを行い、県が確立した省力化や効率化の技術の普及も図り、経営の安定化を推進するなど、農地の受け手に応じた支援を通じて、円滑な営農の定着を図ってまいりたいと考えてございます。
 次は、オリーブの関係でございます。
 現在、オリーブは、オイル用の果実の需要増があります。また、新漬け用の新規需要も見られまして、生産を拡大していく必要があろうと思ってございます。
 栽培されております主な品種は、新漬け用がマンザニロ、またオイルと併用のミッションでございます。今後、オリーブの生産振興のためには、オイル用では、油の含有量が多い専用品種の導入や作業効率を高める収穫方法の改善が、また、新漬け用は収穫適期が短く集中するため、収穫期間を延長して生産量をふやす新たな品種の導入が望まれている状況でございます。
 オリーブは1,600品種ほどあるようですけれども、その中から小豆分場で60品種を選びまして、オイル用では生育が早く、良質でオイル含量の多い品種ルッカを、また新漬け用では、大玉の品種アザパを選定しまして、また収穫には背負い式の電動式振動収穫機の適応性の検証等を行い、収穫面での効率性を見きわめてございます。現場でのこうした技術指導の中で、現場の課題や要望を的確に取り上げまして、試験圃場での検証や研究開発を進めることにより、解決策の速やかな提示にも努めてまいりたいと考えてございます。
 このような省力化や作期の拡大、安定生産のための技術支援などを通じまして、農家の経営規模の拡大や経営の安定を図りますほか、農外から新規に参入してくる法人にも取り組みやすい環境を整えるなど、関係者と一体となったオリーブ生産振興を図ってまいりたいと考えてございます。


佐伯委員  耕作放棄地を幾ら再生しても、そこで農作物をつくる方がいらっしゃらなくては、同じことになります。そのためには、担い手、後継者の育成だと思います。
 私の地元、観音寺市大野原町は、昔から農業の盛んなところですけれども、お年寄りの方しかされておりません。たまに若い人がしているなと思ったら、東南アジアや中国の方で、日本人の農家の跡取りや、新しく農業をしようという若い世代は見当たりません。何年も前から担い手という話がいろいろと出ておりますが、もう待ったなしだと思います。私も農家ながら、農業をしていないので申しわけなく思いますが、いかに担い手を見つけていくかというのが大事ですので、私も一緒にいろいろ勉強しながらお願いしていきたいと思っております。
 オリーブは言うまでもなく県木でございます。そこからとれるオリーブオイルは体にいいということで、またクリームを肌に塗るとすべすべになるということで、非常に需要が伸びているところでございます。これが讃岐ブランドとなるぐらいに、オリーブのことについていろいろと研究して、また振興していっていただきたいと思います。
 また、農家の方は高齢化が進んでおりますので、省力栽培方法をもっと研究して、お年寄りにもできるような農作物をいろいろ考えていただきたいと思います。軽作業になると、担い手の方々がふえるということにもつながっていくと思いますので、そういう面も含めてお願いしたいと思います。


辻村委員長  以上で、農政水産部関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)


辻村委員長  御異議なしと認め、農政水産部関係の質疑、質問を終局いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。