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平成28年[2月定例会]文教厚生委員会[健康福祉部、病院局] 本文




2016年03月07日:平成28年[2月定例会]文教厚生委員会[健康福祉部、病院局] 本文

大山委員長  理事者の説明は先日の委員会で聴取しておりますので、直ちに質疑、質問を開始いたします。


山下委員  私からは2点ほどお伺いしたいと思います。
 まず、動物愛護センターの整備についてお聞きします。
 冒頭で部長から、香川県・高松市動物愛護センター基本計画案について御説明をいただきましたが、動物愛護センターは、全ての県民に開かれた動物愛護管理に関する普及啓発や、犬・猫の譲渡推進に特化した拠点施設ということでありました。いろいろな設備等についてもお聞きしたのですが、その設備等でどういった人たちが運営管理に当たる予定なのかということも含めて、改めてお伺いします。


野本健康福祉部長  山下委員の御質問にお答えします。
 まず、冒頭報告させていただいた動物愛護センターの目的でございますが、県民の動物愛護と適正な管理についての関心と理解を深め、人と動物との調和のとれた共生社会づくりを目指して設置、運営するものでございます。その背景として、本県の犬・猫の殺処分率が全国ワースト上位であること、また、平成25年9月に一部改正され施行された動物の愛護及び管理に関する法律では、ペットの終生飼養など飼養者の責務が明記されたことや、収容した犬・猫の譲渡に努めることとされたことなどから、本県も収容数の減少や収容した犬・猫の譲渡に積極的に取り組む必要がございます。
 そのため動物愛護管理の普及啓発を通じて、動物の適正飼養、終生飼養の徹底、不妊・去勢措置や所有者明示の推進、安易な餌やりの防止等を図るとともに、ボランティアなどとも連携して、収容した犬・猫の譲渡を推進することにより、殺処分数を減少させるために、今回、動物愛護センターを整備することとしたものでございます。
 整備する施設の内容でございますが、動物愛護センター本棟のうち事務所・啓発部門では、動物愛護管理に関する普及啓発の拠点施設として、香川県獣医師会などの関係団体やボランティアの方々と協働して、動物愛護に関する情報の発信や動物の適正な飼い方、しつけなどを気軽に相談できるコーナーを設けたり、また子供たちが遠足や校外学習などの一環として、動物について楽しく学べるような体験学習や動物愛護教室などを開催できる多目的ホールなどを備えることとしております。
 また、犬・猫の譲渡推進の拠点施設として、保健所に収容した犬・猫が一頭でも多く新たな飼い主のもとで暮らせるように、譲渡適性のある犬・猫については、犬では成犬で20頭、子犬で40頭の計60頭を収容できる犬舎、猫では成猫が10匹、子猫が20匹の計30匹を収容可能な猫舎を設けるほか、譲渡する犬・猫の充分な健康管理のために、保健所でワクチン接種や駆虫薬などを投与した上で、さらに動物愛護センターへの搬入時には一旦隔離して、感染症の蔓延防止を徹底するための検疫室を設けることとしております。
 そのほか、犬・猫の衛生管理のためのシャンプー等を行うトリミングルームや一般的な家庭での室内飼育環境をモデルルームとして設置して、譲渡する犬や猫と新しい飼い主が出会えるスペースとしてのふれあいルームを設けることとしております。
 また、屋外施設としまして、犬や猫との触れ合い体験や各種イベントが行えるようなふれあい広場やドッグランを整備することとしており、この動物愛護センターが動物愛護施策を効率的、効果的に実践できる拠点施設としたいと考えております。
 また、施設の運営につきましては、今後、高松市と協議していきたいと考えておりますが、先ほども御答弁申しましたとおり、香川県獣医師会などの関係団体やボランティアの方々と連携してまいりたいと考えております。


山下委員  まず、設備の面でお聞きしたいのですが、11月定例会の委員会で私や委員長が指摘したとおり、河川敷等に捕獲できていない犬・猫がかなりの頭数いると思います。保健所との連携を考えたときに、それを収容するのは保健所になりますから、譲渡数をふやすという部分を考えたときに、現時点の収容数に加えて捕獲できていない犬・猫の収容も必要になるわけですから、保健所の設備の改善も必要になってくるのではないでしょうか。それをどうやって実施していくのかをお聞きします。
 次に、譲渡に関して踏み込んでお聞きします。
 譲渡の対象になる犬には成犬と子犬があると思うのですが、一般的に考えて成犬を引き取る人は少ないのではないでしょうか。先ほどの基本計画案では、譲渡率の目標として平成26年度の10.6%から、平成32年度には24.4%にするとされています。そこで現在の譲渡における実数と、譲渡される犬・猫はどういう状況にあるのか、子犬なのか成犬なのかといった特性もあわせてお聞きします。


池本生活衛生課長  山下委員の譲渡の犬・猫の成犬、子犬の比率の御質問にお答えします。
 平成26年度の譲渡数は成犬が111頭、子犬が202頭の合計313頭で、率としては成犬が35%になっております。猫につきましては、成猫が29頭、子猫が141頭で全体では170頭となっており、成猫の率は17%になっております。


野本健康福祉部長  山下委員の保健所の改善についての御質問にお答えいたします。
 委員の御指摘のとおり、現在、多数の野良犬が定着している地域は実際にございますので、現在の収容数に加えて、今後、さらに捕獲していかなければならないと考えております。
 そのための保健所の施設の改善でございますが、現状では保健所で譲渡される犬・猫がございますが、その譲渡する犬・猫が、今回、動物愛護センターが整備されることによりまして、動物愛護センターに移管されることになりますので、保健所の収容状態は、一定程度、緩和されると考えてございます。実際のところ、平成16年度には7,000頭以上の動物を収容した実績もございますので、収容能力はあるのではないかと考えております。
 一方で、私どもとしましても、収容した犬・猫の健康状態等の管理は改善しなければならないと考えておりますので、犬・猫の健康管理の向上を図るために、収容室に暖房機器を導入したり、収容した犬・猫のストレス低減のために新しい収容ケージを導入するなど、環境の改善を図っているところでございます。
 ただ、これですぐに全ての課題の解決が図れるとは思っておりませんので、今後もその効果を見ながら、他県の例も参考にしつつ、さらに改善に取り組んでまいりたいと考えております。


山下委員  一気に改善するのは無理かもしれませんが、譲渡数をふやしていくという大きな目標がありますから、収容した犬・猫の健康管理は重要だと思いますし、その意味からも、先ほど部長が言われた冷暖房施設も重要かと思いますので、早急に改善していただきたいと思います。
 それと、先ほどからハード面の話が続いておりますが、最初にお聞きした、どういった方が運営していくのかについては、獣医師会の方やボランティアの方と協働されるとしても、保健所と動物愛護センターと考えたときに、かなりの人員が必要になると思います。そうした中で、動物愛護にかかわるわけですから、ただ捕獲して送ればいいというわけではなく、保健所で収容された段階から、健康管理だけでなく犬・猫に対する人間と動物の信頼関係も必要になるでしょうし、そうした信頼関係を持った犬たちが譲渡されていくことが理想だと思います。人間との信頼関係がない犬たちが引き取られた場合、引き取った方が一から人間との信頼関係をつないでいくことになってしまいますし、犬が65%で猫が83%と、子犬や子猫を引き取る方が多いのも、そうした不安を感じてのことだと思います。それを考えたときに、健康管理も大事ですが、譲渡まで管理していく人たちの犬・猫にかける愛情が必要になってくると思います。
 第一線である保健所の職員が、ただ引き取ればいい、管理して動物愛護センターに送ればいいというのでは、動物愛護という面では課題が残ると思いますので、動物に対する愛情を持った人材を育てることが重要だと思います。動物愛護センターは平成30年の開所を目指すということですから、あと2年ほどある中で、保健所と動物愛護センターの連携をソフト面で支える人材育成について、どうお考えなのかお聞きします。


野本健康福祉部長  譲渡の目標が、実数としてどのくらいになるかの御質問の答弁が漏れておりましたが、平成32年度に24.4%の譲渡率を目指すということになりますと、平成26年度の2.3倍となりますが、先ほど課長から御答弁申し上げた現在の譲渡数を2.3倍いたしますと約1,100頭になります。
 次に、人材育成についての御質問でございますが、委員の御指摘のとおり、動物に愛情を持って接していく職員を育てていくことは、大切でございます。しかしながら、本県の置かれている状況でございますが、御承知のとおり野良犬が非常に多くなっておりますことから、現場の職員は苦情への対応や捕獲業務に時間を割かれている状態でございまして、他県と比べて動物愛護に関する業務に占める割合が多いとは言えない状況でございます。やはり業務によって、動物とのかかわり方が違ってまいりますので、こうしたことが動物に対する気持ちなどに影響を与えている側面がないとは言えないのではないかと思います。正直申しまして、こうした状況の中で、各所からさまざまな御意見や御指摘をいただいていることも事実でございます。
 一方でこうした状況の中ではございますが、動物愛護に配慮した取り組みもなされておりまして、例えば収容された動物の健康状態を向上させたり、収容される動物の習性に合うように、みずから自作で収容ケージを改善したりしておりますほか、譲渡する犬・猫につきましては、ホームページで飼い主を募集しているわけでございますが、やはり、欲しい人はそれを見て連絡をしてきますので、その写真が重要になってまいりますので、その写真撮影に時間を割いて、なるべく対象動物の自然な姿が出てきて、犬のよさを感じてもらえる写真になるよう工夫する取り組みもなされております。
 こうした取り組みを特定の保健所や特定の職員にとどめるのではなく、全ての保健所に広げていくことが重要だと考えております。まずは、それらの事例を保健所間で共有して、全ての保健所にいい取り組みを浸透させていくように取り組んでまいりたいと考えております。
 さらに、一層の職員の資質向上を図っていかなくてはなりませんので、動物愛護に先進的に取り組んでいる自治体の職員を招いたり、あるいは環境省がこうしたことに有能な外部講師を紹介するということも聞いておりますので、環境省などから紹介を受けるなどして研修会や講習会など開催いたしまして、職員の取り組み水準を高めてまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、委員の御指摘のように、動物愛護センターの開所まで余り時間もございませんので、それまでに保健所も含めた動物愛護管理行政に携わる全ての職員が、動物に愛情を持って接することができますように、また県民への適切な対応ができますように、資質の向上に向けた人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。


山下委員  写真の撮り方で具体的に愛情があるかないかというのを推しはかるのは難しいのではないかと思いますし、実際に動物愛護という人の心の部分で資質向上を推しはかるのは難しい部分があると思います。当然、犬嫌いの人や猫嫌いの人もいるでしょうし、そうした職員が保健所の勤務になったらどうするのだという話もありますが、そういう話はさておいて、いろいろな知識を持っている方々と交流を深めて、動物愛護に関する愛情面や、動物との信頼をどうやって構築していくかが重要だと思いますし、まずはボランティア活動をされている方々の思いを知ることも重要だと思っております。動物とはいえ命にかかわる部分ですから、ハード面を整えたからいいというのではなく、自然と動物との調和のとれた共生社会づくりを目指すのであれば、ハードとソフトの両面で進めていただきたいと思っております。これは要望で終わらせていただきます。


山下委員  続いて、認知症予防に向けた取り組みについてお聞きします。
 9月定例会の我が党の代表質問で、本県における認知症施策の推進について質問いたしました。その中で、認知症の人や家族を支える「認知症サポーター」の養成、市や町の早期診断や早期対応に向けた整備の支援、新たに定めた9月の「かがわ認知症予防月間」、認知症予防を普及するための取り組みなどについて、答弁をいただきました。その中で知事を初め、職員の皆さんが率先して「認知症サポーター」になられたりするなど、それらの取り組みを進めていくと承知しております。
 認知症の予防にはいろいろな議論があり、本当に効果があるのか、医学的にも証明されているのかなど、いろいろと意見が分かれるところではありますが、予防ができるのであれば進めていくべきだと思います。そこで、来年度予算に出ております「運動・栄養・社会交流」の三位一体による認知症予防なのですが、代表質問の答弁で知事もこの取り組みを展開していくと説明されましたので、具体的にはどういった取り組みなのか、お聞きします。


野本健康福祉部長  山下委員の認知症予防の三位一体の推進事業の質問にお答えいたします。
 委員の御指摘にもございましたように、認知症予防につきましては、病態解明が十分ではございませんので、根本的な治療薬や予防法は十分に確立されていないところでございます。ただ、体操や散歩などの運動、栄養や食生活の改善、社会交流や社会参加など日常生活における取り組みが、認知機能低下の予防に効果があるとされております。
 そこで、来年度の新規事業の「認知症三位一体推進事業」でございますが、運動と栄養、社会交流による認知症予防に向けた取り組みを、全県展開していこうという取り組みでございます。
 具体的には、県内の高齢者の社会交流や社会参加を促進するために、市町における高齢者の通いの場や、居場所づくりを引き続き支援するとともに、こうした高齢者の集まる場所に講師を派遣して、認知症予防運動の講習を行って、併せて栄養面についても意識向上を図ってまいりたいと考えております。
 そのため、リハビリテーション専門職団体とも連携して、認知症予防に効果的とされる運動講師を養成する講習会を開催するとともに、認知症予防に効果的な料理のレシピを女子栄養大学と連携して作成し、普及を図ることとしております。
 こうした運動・栄養・社会交流による認知症予防に関するプロモーションビデオを作成し活用するとともに、わかりやすいリーフレットを作成いたしまして、県内全戸に配布したいと考えております。また、昨年、好評でございました「かがわ認知症シンポジウム」につきまして、今年も9月の「かがわ認知症予防月間」に開催したいと考えております。
 こうした活動を通じまして、認知症予防にかかる普及啓発、促進を図ってまいりたいと考えております。


山下委員  予防という面で、幾ばくかの効果があればそれにこしたことはないと思いますが、認知症の主たる原因にはアルツハイマー型やレビー小体型、脳の血管障害などいろいろなものがあり、どうしても避けられない部分があるのではないかと思います。基本的に認知症の最大のリスクファクターが加齢であり、要するに年をとっていけば誰でも認知症になる可能性があるのだという前提で考えますと、予防の施策に加えて、認知症になった人の介護の問題が出てきて、その介護の問題が、年々大きくなっております。
 先日の最高裁判所で、愛知県の男性が徘徊中に電車にはねられた責任は誰にあるのかということで、JRから介護されていた奥さんと息子さんに対する賠償請求の判決がありましたが、奥さんにも息子さんにも責任はないといったものでした。
 しかし、この判決の内容を読んでみますと、息子さんは20年以上一緒に住んでいなかったということが、判決理由の一つになっております。これでは素朴な疑問として、一緒に住んでいたら責任があったのかと考えてしまいます。認知症の方の介護は悲惨であり、認知症の最大の問題は家族の疲弊だというくらいでありますので、老老介護も含めて、私個人の考えでは、在宅介護というのは本当にできるのだろうかと思うことがあります。皆さん方もそうですし、皆さんの親御さんが認知症になった時に、24時間、ずっと介護していないといけないのかと思えてしまうような、そうした反面のある判決であったと思います。
 そうしたことからも、在宅介護に対する支援は、個人のレベルを超えており、社会全体として考える必要があるのではないでしょうか。社会全体で考えるとは何かということになれば、国や自治体などの行政が、ある程度は担っていかないといけない問題だと思います。何か事故が起こった時の介護者の責任問題もありますし、被害者の問題も出てくるわけですから、仮に介護者に責任がないとなった時は、被害を受けた方をどのように救済していくのかという、複雑な課題も生じてしまいます。そこで在宅介護という点で絞って考えた時に、その支援をどう考えていくのか、お聞かせください。


野本健康福祉部長  山下委員の御質問にお答えします。
 在宅介護に対する支援は、委員の御指摘のとおり、大きく、難しい問題であると考えております。その中で一つありますのは、多くの高齢者は介護が必要となった場合も、長年暮らした自宅で暮らすことを望んでいるところがございまして、認知症の方ができる限り住み慣れた自宅や地域で安心して生活ができるように、小規模多機能型居宅介護や随時対応型サービスなどの、必要な在宅サービスの充実を図っていこうと考えております。
 また、自宅で生活が困難になった認知症の方につきましては、住み慣れた地域の中で施設に入所できるように、認知症グループホームや介護保険施設などの必要な施設サービスを整備するなど、在宅サービスと施設サービスの役割分担やバランスを図りながら、計画的な基盤の整備を進めているところでございます。
 また、先ほど委員から、最高裁判所の判決の御紹介がありましたが、そうした方たちが在宅で安心して暮らすための一つの方策として、地域におけるさりげない見守り体制づくりといったものがございまして、行方不明者の早期発見や保護を含めて、地域の見守り体制を整備する必要がございます。
 行方不明者の早期発見や保護のためには、認知症の方やその家族の身近な市町におきまして、地域の実情に応じて警察を初めとする行政機関や地域住民、民間事業者がネットワークをつくって、徘徊が生じた場合には行方不明者の情報をメール等で一斉配信して、早期発見や早期保護につなげる「徘徊・見守りSOSネットワーク」を構築して、運用することが大切になってまいります。
 これらはまだ一部の市町の取り組みになってございますので、実施されていない市町にも広げていくとともに、市町をまたぐ広域的な情報共有を進めていく必要もございますので、昨年7月に県におきましても、市町と警察、県の担当者により「認知症高齢者行方不明等対策連絡会議」を設置しまして、全ての市町にこのネットワークを早急に構築するよう、働きかけているところでございます。
 また、そのネットワークを構築された市町におきましても、それを効果的に機能させる必要がございますし、未設置の市町におきましても、その設置を促進するために、SOSネットワークへの参加が見込まれる民間事業者と一緒に「かがわ高齢者見守りネットワーク」をことし2月から発足しております。そこで行方不明者の捜索活動に関する研修や連携体制について意見交換を行っているところでございまして、こうした取り組みを来年度も継続的に実施して、全県的な見守り体制の強化を図ってまいりたいと考えてります。
 また、周りの方々の理解も不可欠でございますので、認知症に正しい理解と知識を持って、地域などにおいて認知症の人や家族に対してできる範囲で手助けをする認知症サポーターの養成をより一層進めてまいりたいと考えております。
 さらに、市町におきまして事業所や小・中・高等学校の児童生徒を対象とした、認知症サポーターの養成講座を開講しておりまして、そうした取り組みを進めていきますとともに、県におきましては、今年度は知事などを対象とした講座を開きましたが、新たに国の出先機関や経済界のトップなどを対象とした認知症サポーター養成講座を開催したいと考えております。
 こういった取り組みを通じまして、認知症の人が、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けられるような地域づくりをしていきたいと考えております。


山下委員  理屈としては分かりますし、住み慣れたところで安心して暮らしていただきたいということは、心情的にはそのとおりだと思います。しかし、実際に在宅介護をされている人の話を聞くと、認知症の方は昼間はデイサービスなどに行かれており、御家族の方は仕事に行かれています。徘徊などもそうなのですが、問題なのは、夜なのです。昼間に働きに出られた方が、体を休めないといけない時に、在宅で介護を受けている認知症の方が徘徊する場合が少なくないのです。最高裁判所の判決の事例でも、ちょっとうたた寝をしている間に認知症の男性は徘徊して、電車にはねられたのです。
 そうなると、先ほどの認知症サポーターや徘徊ネットワークなどが、夜もきちんと対応できるのでしょうか。夜になって家族の知らない間に出て行って、1時間後に気が付いたとなった場合に、夜も対応できるのかという素朴な疑問がありますし、これが何度も起こった時に、地域で支えるサポーターがそこまで忍耐強く対応してくれるのかということが、現実問題としてあると思います。
 そういった問題をクリアしていかなければいけないと思いますが、これはなかなか答えがみつかりませんし、どういった方法があるのかと考えてしまいます。
 そうして、地域で生活することが難しくなった場合に、いろいろな施設が受け皿として用意されているのだと思います。今回の予算にもありましたが、政府の方針で介護離職ゼロを目指すということで、特別養護老人ホーム等の増床計画に対して2分の1の補助ができるということなのですが、これを翻って考えると、基礎自治体が特別養護老人ホームの増床をしましょうとなった時に問題となるのが、介護保険料なのです。
 認知症の方に施設に入ってもらうということになると、その方の介護保険料はそこの地域に住む人たちの負担になるわけなのです。これからの時代は5人に1人が認知症になるわけですから、その中で日常生活も困難な方が出てきた時に、入っていただく特別養護老人ホームやグループホームなどがふえてくると、介護保険料はどうなっていくのかという話になります。
 これを認知症になっていない我々が支えていかないといけないわけですが、医療費の国民健康保険も一般財源から負担しておりますし、介護保険料は違うみたいですが、それでは介護保険料はどのようになっていくのだろうと、今度は、我々支える側が不安になってきます。それを考えた時に、介護保険料の今の状況はどうなっているのかということと、特別養護老人ホームを増床する場合に、実際に介護保険料がどれだけ増加するのかという見通しについて、お聞きします。


野本健康福祉部長  山下委員の御質問にお答えします。
 まず、介護保険料の現状でございます。
 現在、第6期介護保険事業計画の期間中でございますが、各市町の介護保険の基準額は、月額で最高は綾川町の6,300円、最低は善通寺市の4,625円となっており、県全体の加重平均は5,636円となってございます。
 今後、施設が増床された場合の介護保険料の見通しでございますが、委員の御指摘のとおり、特別養護老人ホームなどを整備することにより施設の利用者がふえますと、施設にかかる給付費は増加いたします。その一方で、在宅での利用者が減りますので、在宅サービスの給付費は減るものと思われます。さらに、市町によって高齢者数も異なることから、施設を増床した結果、どの程度介護保険料に影響するかについては、算定が困難というのが正直なところでございます。
 介護保険料は、3年ごとに作成する市町の介護保険事業計画におけるサービスの見込み量等に基づいて、保険料を算定しております。今後、各市町におきまして、次期計画である第7期の計画策定に向けてサービスの見込み量の推計作業を行うことになりますが、認知症高齢者の増加等を踏まえて、各地域の実情に応じた施設や在宅サービスの充実の方向性を十分に検討して、適切に助言してまいりたいと考えております。
 また、高齢化の進展により、要介護認定者やサービスの量も増加することが見込まれますので、それに伴って介護費用も増加していくのではないかと考えております。これは本県だけでなく全国的な課題でございますので、国に対して持続可能な介護保険制度を構築するように、要望してまいりたいと考えております。


山下委員  これは私の個人的な考えですが、持続可能な介護保険制度というのは、かなり無理がきているのではないかと感じています。認知症の方の介護の現状は厳しくなっておりますので、予防しなければならないのは、当然の流れだと思います。これで認知症の方が減ってくれればいいことなのですが、最初の話にもあったように病態解明が十分ではないという現実がありますから、やってみないと分からないという部分もあると思います。そうした意味で、決定打がないのがつらいところではありますが、できることはどんどんやっていかないと、介護される側とする側の双方が苦しくなって、結局、破綻に至るということだけは避けなければいけないと思います。
 そのためにも、受け皿となる施設をふやすことも重要ですし、可能な限り在宅で介護するのも理想なのかもわかりませんが、現実の問題として、介護する人の疲弊により共倒れになってしまうといったこと、特に老老介護の場合は介護している方が先に倒れてしまうということが多くなってきています。
 そうした現状も踏まえて、できることは何でもやっていただくことが、行政としての今後の大きな課題になってくると思いますので、よろしくお願いしたいと思っております。


岡野委員  最初に、中央病院の緩和ケア病棟についてお聞きします。
 皆さんも御存じのように、今、中央病院の緩和ケア病棟が15床のうち2床しか稼働していないという現状なのですが、先日出された第3次県立病院中期経営目標案の中でも、中央病院は第3次救急の役割を果たし、かつ急性期病院の役割を果たし、高度な医療の提供をする場であるという前提がある中で、緩和ケア病棟を設置しようということに至ったのはなぜでしょうか。


松本病院事業管理者  岡野委員の緩和ケア病棟についての御質問にお答えいたします。
 緩和ケアにつきましては、御存じのように我が国ではがんが死亡原因の第1位でありますが、近年治療が進んでまいりまして、先日の統計でもありましたように、5年生存率が50%を超えるようになりました。そうなりますと患者さんの生活を支援したり治療をする上で、緩和ケアが大事になってまいります。
 その中で、中央病院の緩和ケアの病棟でございますが、先ほどもありましたように、中央病院は急性期病院でありますし、がん診療拠点病院として早期から末期までのがん患者さんの対応をしており、手術や抗がん剤、放射線などさまざまな治療を行っております。こうした治療とともに、患者さんの痛みや吐き気を和らげることも必要ですし、がんそのものによる身体的な症状の軽減だけでなく、精神的なストレスや孤独感に対する心のケアといったものも、早期から必要でございます。
 そうしたことが重要になりまして、中央病院での緩和ケア病棟は、院内の緩和ケアを専門的に実施する病棟ではございますが、急性期病院でのケア病棟の役割は、基本的には一般病棟と在宅医療をつなぐためのものであり、入院して治療をしたり苦痛の緩和をしていく中で、緩和ケアチームが全体的にかかわりまして、今後の過ごし方に関して御本人や御家族の希望を尊重しながら、状況に応じて在宅での療養を検討したり、あるいは身近な地域での療養につなげていくための療養の場所を調整するなど、退院後の療養にスムーズに移行していただくための支援をすることが役割であると理解しております。


岡野委員  では、県立中央病院の緩和ケア病棟は、必ずしもそこでのみとりを目指したものではなく、地域との連携を進める場所という理解でよろしいのでしょうか。私は、緩和ケアとは、できるだけ積極的な治療を行わないという選択をする方たちの痛みを緩和するものであり、積極的な治療をする病棟とは思っていないのですが、いかがでしょうか。


松本病院事業管理者  先ほど御説明をいたしましたように、中央病院での緩和ケアは、治療が始まった当初からいろいろなことに対応していくものであり、原則的に最終的なみとりまでをするといった体制にはなっておらず、患者さん自身が、最後まで尊厳を保って社会生活や家庭生活が送れるように支援することを目的として運営させていただいております。最終的なみとりについては、統計上でもほとんどの方が自宅での最期を迎えたいという御希望がございますので、そうした御希望に沿えるように支援をすることが必要だと思っております。


岡野委員  私は、中央病院が緩和ケアをするのであれば、在宅までの支援をきちんと確立をしていかなければいけないと思っています。本当ならば、香川県全体の医療や高松医療圏の医療を考えた場合に、今、中央病院に緩和ケア病棟があることが適切なのかという議論に戻ると意味がないので、戻りませんが、中央病院がそれを引き受けたということであれば、在宅での療養をしっかり支援して、最後は自宅で迎えたいと思われる方の尊厳を保って、その方が亡くなるまで中央病院がケアをできるということが、中央病院に緩和ケア病棟を置いた意味だと思うのですが、そこに至るまでの支援は、現在、どのようにされているのかお聞かせください。


松本病院事業管理者  先ほども御説明いたしましたように、緩和ケア病棟からの退院先につきましては、御本人や御家族の方の希望を尊重して、在宅療養が難しいような場合には、病院の一般病棟やほかの病院の緩和ケア病棟、あるいは介護施設にお願いをする形になってまいります。自宅での療養の場合は、いわゆる在宅ホスピスといったことも必要になってくると思いますので、在宅医療支援診療所の先生方に、介護サービス等の連携をとりながら在宅療養を進めていただくともに、最終的にはみとりまで行っていっていただくことを、いろいろな連携を通じて取り組んでおります。
 そうした中で、例えば在宅に帰られて痛みが強くなったり、食事をとることが難しくなるといったことが起こりましたら、再び緩和ケア病棟に入院していただいて、いろいろな治療によりそうした状態を緩和して、また在宅に戻っていただくといった連携を行っているところでございます。


岡野委員  先ほど病院事業管理者がおっしゃったように、これからがん患者さんはさらにふえる傾向にありますし、がんが死因の第1位であるということを考えれば、緩和ケアの求められる割合は、さらに高くなることが予想されます。そうした中で、第六次香川県保健医療計画における数値目標では、平成29年度までに緩和ケア病棟を有する病院を5病院とするとなっておりますが、現時点では4病院しかありません。県民のニーズがあるから5病院の計画を立てているのだと思うのですが、まだ4病院しかできておらず、その中の一つである中央病院では緩和ケア病棟は2床しか稼働していないということは、ある意味では県民の治療の選択肢を狭めていることにはならないのでしょうか。中央病院の看護師不足の影響はあるのでしょうが、できると思って計画したはずですので、緩和ケアの病床が十分に動いてないということは、県民の選択肢に応えられていない責任が中央病院にもあるということだと思います。
 また、中央病院の地域連携室の方たちは、介護施設や在宅との連携を、医療と介護の連携とよく言いますが、病院との連携はできているかもしれませんが、介護施設や在宅へ戻す場合の連携が十分できていないという声もございますし、先ほど、病院事業管理者は、痛みが強くなるなど、在宅での療養が難しくなった場合には、緩和ケア病棟に戻っていただいてと言われましたが、2床しか動いてなかったらなかなか戻れないわけなのです。そうしたことも含めて、地域連携室の方に、これまで以上に医療だけでなく介護施設や在宅との連携について、研修などで深めていただきたいと思いますし、県民の皆さんが安心して治療の方法を選択できるように、早期に緩和ケア病棟が2床以上稼働するよう要望いたします。
 そして、他府県で急性期病院が緩和ケア病棟を持っていらっしゃる場合は、病院の中の緩和ケアチームではなく、送り出した病院や介護施設、在宅ケアを支援している人たちと、療養をしている個人の、AさんならAさんに対する緩和ケアチームをつくって、地域の方たちの拠点となるようなカンファレンスを、毎月、実施しております。そのカンファレンスの中心となるのが高度急性期病院の緩和ケア病棟の役割だという形で行っているところがたくさんございますので、中央病院もそうしたことに取り組んでいただければ、急性期病院が緩和ケア病棟を持つ意味が大きくなると思うのですが、いかがでしょうか。


松本病院事業管理者  現在、中央病院の緩和ケア病棟が2床しか稼働していないことは問題であり、早期に15床全てを稼働させることが、最優先の課題だと思っております。
 地域連携に関しましては、緩和ケア病棟だけではなく、先ほどの認知症についての話もございましたが、急性期病院としてのさまざまな分野に関して地域連携は重要なことでございまして、その推進のために、これまで院長や地域医療連携室の職員などが県内の施設を訪問し、積極的に意見交換などを行っております。現在、紹介や逆紹介といった話が出ることも多いのですが、年々、そういった連携をする施設もふえており、今年度は昨年度より50カ所多い380カ所程度の医療施設や介護施設との連携を行っております。
 将来的に、緩和ケア病棟などがフル稼働することになれば、さらに連携も強めていかないといけないということになりますし、先ほど、今2床しか稼働してないということの御指摘がありましたけれども、緩和ケアだけで入院をしていただく患者さんだけではありませんので、疾患を治療するために入院されて、それに伴って緩和ケアも必要になるということもございます。緩和ケア病棟に入院された患者さんだけに緩和ケアをするということではなく、先ほど申し上げましたように、緩和ケアチームがございまして、毎週、全病棟を回りまして、緩和ケアが必要な患者さんに対応しております。
 それから、地域の診療所や病院との関係で言いますと、がんに対する治療あるいは緩和ケアの研修を行う医療セミナーを、病院の主催で開催をさせていただいており、その中で、医師だけでなく、看護師、栄養士、薬剤師、その他のコメディカルの方々にも参加いただいて、がんの治療や緩和ケアも含めて、地域の医療のレベルアップに貢献できるようにしております。今後も地域連携を強化していくということは重要でございますので、なお一層、取り組んでまいりたいと考えております。


岡野委員  ぜひ期待をしております。
 次に、児童相談所についてお聞きします。
 架空の御家族を想定したケースについて、どのような状態になれば、虐待事案における一時保護を解除すればいいと思うか、部長のお考えをお聞きかせいただきたと思います。
 御両親がいらっしゃるけれども、生活保護を受けており、お父様、お母様どちらかが日本語をお話しできない外国人である。そして子供は発達障害があり、IQが80いくかいかないかボーダーラインである。そして学校が子供の傷を見つけ、児童相談所に連絡をしてきたので、児童相談所はその傷について、一時保護の必要性を認めて一時保護をしたケースでは、どういったことが認められれば一時保護を解除すべきだと思われますか。


野本健康福祉部長  率直に申しまして、児童相談所の一時保護の解除については、児童福祉法により児童相談所に権限がございまして、いろいろな要素を総合的に判断して、児童相談所で判断すべきことだと思います。私も統括する立場ではあるのですが、専門的な知見もないところもございますので、どういう場合に一時保護を解除すべきかは、明確にお答えできないところでございます。


岡野委員  少し条件をつけ加えるのを忘れました。その子供さんのお父様、お母様いずれかに、なぜ子供にあざがあるのかと聞きましたところ、お父様、お母様いずれかの虐待をしたと思われる方は「子供のIQが低いから、叱らないと御飯を食べられないのだ。小さいときから子供に御飯を食べさせるためには叱らないといけなかった。子供はIQが低いから、小学校の勉強についていかせようと思ったら、力を入れて宿題を教えなければいけなかった、そのときに愛情があるからこそ、子供が勉強についていってほしいからこそ、子供をたたくこともあった。だけどそれは子供のためだ。」とおっしゃったとします。しかしながら、子供にあざがあって学校でも問題だと思っていることから、一時保護を決定したとします。そのような場合は、どういった状況がそろえば、その子供の一時保護を解除することができますか。


吉田子育て支援課長  岡野委員の児童相談所の一時保護解除についての御質問にお答えします。
 一時保護の解除につきましては、法律に基づいた手続で一定の方法が決まっておりまして、そのルールによって児童相談所が行っております。そこで、児童相談所を所掌する子育て支援課で承知している内容について、御答弁させていただきます。
 一時保護の解除に当たりましては、子供と保護者の意向、子供の心身の状況、保護者への一時保護中の指導の効果、教育環境や家族関係などのもろもろを判断し、加えて地域の関係者の受け入れ体制などを勘案して、一定のルールのもとに対応しております。また、解除した後も、市町、児童相談所、学校などが連携して、御家族を見守っていけるかどうか、地域での受け入れ体制が整っているということを確認した上で実施しております。
 委員が想定した事例は、対応が困難な事例とは存じますか、そういった場合には一時保護を解除するときに、今後、してはいけないことの御注意を十分に申し上げて、加えて訓戒誓約書を書いていただく場合もあります。そして、解除したら終わりということではなく、児童相談所の指導支援は一定期間続けており、これも法律上に基づいたものですが、そういった場合には多くは児童福祉司指導措置をつけまして、御自宅に帰られた後も地域で見守ってくださいとお願いできるまでの間は、児童相談所が引き続き面接をしたり注意したりして対応していると承知しております。


岡野委員  理想としてはそうあるべきでございますけれども、現実問題として児童相談所は忙しくて人員が足りない状況ですので、そのフォローアップができているかは、心配されるところだと思います。今の想定のケースでは、意地悪な質問をいたしましたけれども、一事が万事そうだと思うのです。
 これは一つの例でありますが、その子供さんをたたいたお父様やお母様は、子供さんをたたいたことが、決して悪かったとは思っていないのです。なぜなら、子供はIQが低いから、子供を一人前に成長させるには、たたいてでも勉強がついていけるようにしないといけないと思っているのです。そして、現在もその気持ちに変化はないという状況で、一時保護を解除しているわけであり、それが現実なのです。
 子供の命が失われたときに、児童相談所が謝罪の記者会見をするのはよく見ますけれども、命だけが問題ではないのです。このお子さんのケースでは、お父さんやお母さんの愛情から、この子が一生懸命きちんと育つために愛情を持ってたたいているのですが、IQ80のお子さんでは、いつかは頭打ちになってしまうと思います。小学生低学年まではついていけるかもしれませんが、いつかは、たたいてもどうやってもついていけないときが来てしまいます。児童相談所が一時保護を行ったのであれば、そうなったときにこのお子さんはどうなるのか、お父さんやお母さんはどうするのかといったことまでをきちんと考えて、その子の人生計画を立てた上で、一時保護を解除すべきだと思います。お父さんやお母さんの考え方を、ほかに選択肢もあるのではないかと少し柔軟にしてもらうなど、お父さんやお母さんが納得できるぐらいまで寄り添うことが必要なのではないでしょうか。
 現在、私の知っているケースで、児童相談所の寄り添いができているとは思いませんし、そのほかにも、事件にはなっていないのですが、児童相談所が里親から引き離して自宅に帰したけれども、その後、お子さんが行方不明になったというケースも聞いております。そうした幾つかの心配なケースが、既に私たちが知らないところで出てきているわけであり、それがいつか大きな問題につながらないとは限らないわけなのです。先ほど申し上げたケースもそうですが、大体のケースにおいて子供たちが何か課題を抱えている場合は、1つだけの課題ではありません。発達障害を持っていたり、虐待の問題があったり、お父さんやお母さんの失業により経済的な課題があったりして、その課題を一手に背負うのが一番小さい子供なのです。
 先日、丸亀の児童自立援助ホームに行ってお話を伺いました。そこは児童養護施設を出たお子さんや五色台の情緒障害児短期治療施設を出たお子さん、斯道学園を出たお子さん、もしくは家庭では生活はできないけれども自立するには厳しいといったお子さんたちが集まる施設であり、香川県には2カ所ございます。そこに来たお子さんたちは複合的な課題を抱えてきており、月々3万円の食費と家賃を払えずに何カ月も滞納した結果、退所せざるを得ないというケースが後を絶たないという話をお聞きしました。そして、16歳や17歳になってその施設に来たとしても、そのときには既に発達障害を抱えていたり、経済的貧困を抱えていたりして、結局は刑務所に行かなければいけなかったり、鑑別所に行かなければいけなかったりするケースが、半数以上あると言っていました。
 施設長なども、その人たちを退所させたいわけではないのですが、施設の運営を考えたり、ほかに待機している方のことを考えたときに、そういう方には退所してもらわざるを得ないのです。そういう行き場のない、みんなが十分な社会的養護をしないまま大人になりかけている若者世代の方たちが、この香川県にも多くいるとお聞きしました。
 施設から巣立ったり、里親から巣立ったりするときに、何の社会的養護も受けないままで貧困家庭で育って20歳を迎えてしまって、お金だけでなく、家族のきずなや安心できる仲間など、何も持っていない若者を存在させないために、児童養護や社会的養護が必要なのです。そのためにも、児童相談所は既にその一人一人の人生にかかわったのですから、どの段階で家庭に戻すかの見きわめや、家庭に戻した後のフォローなど、家族やお子さんを支援することが香川県民の皆さんのためになると思いますので、そうした覚悟を持って仕事に臨んでいただきたいと思います。
 11月の定例会での文教厚生委員会でも申し上げましたが、昨年、日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティングが出した調査によりますと、子供たちの貧困を放置すれば、15歳の1学年だけで社会がこうむる経済的損失は生涯所得の合計で2.9兆円、税・社会保障の純負担で1.1兆円となり、さらに、ことしの3月に出された都道府県別推計では、生涯所得における経済的損失の対GDP比において、香川県は47都道府県中で27位という結果でございました。
 繰り返しになりますが、こういった現状があるということを部長に改めて認識していただいて、児童相談所のこれからの運営方法について、改めてお聞きします。


野本健康福祉部長  委員からさまざまな児童相談所についての御意見や子供の貧困についての現状等についてお聞かせいただきました。児童相談所の運営に関しましては、児童福祉の専門機関でございまして、センターの所長のもとにきちんと運営されていると考えてございますが、さまざまな御意見をお伺いするとともに、私も所長などから何度も話を聞いて、運営方法についていろいろと意見を交換しているところでございます。そういった中で、児童相談所の適切な運営を図ってまいりたいと考えております。


岡野委員  最後に、希望を持てる話を1つ申し上げます。丸亀にある自立援助ホームの施設長の方は、養護施設の出身の方でございまして、養護施設にある一定の年齢で御兄弟で入られたのですが、その後、自力で勉強して、アルバイトをしながら大学に行って、自分たちが助けてもらったから、そういった誰かを支える仕事をしたいということで、その施設で働いていらっしゃいます。その方に「すごいですね。」と言ったら、その方は、「出会った人がよかったのです。住み込みで働いた新聞販売店のお父さん、お母さんが、自分のお父さんとお母さんと同じように自分をかわいがってくれたので、そういう人に背いてはいけないと思って頑張れました。」と、その方はおっしゃっていました。
 私たち大人ができることは、子供たちが将来、こういう大人になりたいとか、こういう人たちに出会えたから頑張りたいと思えるような機会を、一人でも多くの子供たちにつくってあげることだと思うのです。香川県では里親委託率が少しずつ上がってきており、そのことは御努力の結果だとは思いますが、外国に比べればまだまだの水準なのが実状です。ことしの2月に委員会で坂出市の乳児院の現地視察を行いましたが、そのときに施設の方も里親委託率を上げたいとおっしゃっておられました。香川県ではたくさんの里親の登録数がありますが、まだ委託率は低い状態ですから、一人でも多くのお子さんにこういう大人になりたい、こういう人に出会えたから自分は頑張りたいと思えるような機会をつくれるように努力をしていただきたいと思います。
 その施設長の方のように、社会に何かを還元したい、社会の役に立ちたいと思えることが、人間の好循環なのだと思いますし、社会のあり方がそうあれば、社会はきっとよくなると思っています。経済的損失の側面からも大切でございますし、社会のいい循環をつくっていくのも私たちの仕事であり、児童相談所の皆さんのお仕事であると思っておりますので、そういう思いで野本部長以下の皆さん頑張っていただきたいと思います。


谷久委員  1点目に、地域医療構想についてお聞きします。
 先日の委員会の冒頭で、地域医療構想の骨子案について御説いただきました。その中で、地域医療構想においては、平成37年における高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの病床の機能区分ごとに、医療需要及び必要病床数を構想区域単位で推計するということでありました。
 その構想区域については、9月の委員会でも地域医療構想の検討状況について質問した際に、部長の答弁で、第1回地域医療構想策定検討会において、現在の5つの二次保険医療圏のうち、大川区域と高松区域とを合わせて1つ、中讃区域と三豊区域を合わせて1つとして、小豆区域は1つのままで、3つの構想区域とするという意見が出されました。これに賛成する意見が多くて、検討会としては地元の意見を聞いた上で3つの構想区域とする方向になったということであったと思います。
 骨子案でも、仮称ではありますが、東部、小豆、西部という3つの構想区域を策定するとされておりますが、地元の意見はどのようなものだったのか。また、構想区域ごとに地域医療構想会議を設けて、区域ごとにさまざまな立場の方から意見を聞くということでありましたが、9月の委員会での答弁以降、これまで地域医療構想の検討をどのように進めてきたのか、お聞きします。また、今後、どのようなスケジュールで検討を進めていくのか、あわせてお聞きします。
 次に、県立病院の看護師確保対策についてお聞きします。
 県立病院の看護師確保対策については、これまで当委員会でも繰り返し議論が行われており、その都度、現状や取り組みの状況について御説明をいただいたと思っております。そうした中、先般の代表質問で、県立病院事業の今後の見通しについて病院事業管理者から、「医師、看護師の人材不足などから、今後、より一層厳しい状況になるものと認識しております。」との答弁がなされたと記憶しています。
 中央病院では、特に看護師の不足によって、依然としてHCUなどの未稼働状態の病床もあるようですが、まず平成28年4月1日時点の看護師の見込み数はどのようになっているのか、お尋ねいたします。
 3点目は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の施行に向けた取り組みについてお聞きします。
 平成18年に国際連合において、障害者の人権や基本的自由の享有の確保などを目指した「障害者の権利に関する条約」が採択されるなど、障害者の権利擁護については、近年、大きく前進しており、我が国においても平成25年6月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が制定され、ことし4月から施行されます。この法律は障害を理由とした差別を解消して、お互いに尊重し合える共生社会を築こうとするもので、重要な法律だと思っているのですが、県民の皆さん方には、まだ十分に知られていないのではないかと感じています。
 そこで、まず障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律とはどのような法律なのか、法の概要についてお伺いします。


野本健康福祉部長  谷久委員の御質問にお答えいたします。
 まず、谷久委員の地域医療構想の御質問にお答えします。
 地域医療構想でございますが、委員から御指摘がございましたように、検討会では構想区域を3つとする方向が示されたことにつきまして、市町に対して説明を行うとともに、意見照会を行ったところでございます。意見照会の結果、構想区域を3つとすることにつきましては、特段、反対意見は見られなかったところでございました。
 その他の意見に関しまして、構想区域を統合した場合のメリット・デメリットについて、市町から質問がございましたが、メリットとしては広域で医療機能の分化・連携を図ることにより、患者の受けられる医療の選択肢が多様化する。患者の状態に応じた、より適切な医療の提供につながるとともに、限られた医療資源の有効活用が図られて、医療提供体制の持続可能性が高まるものと考えられることが挙げられます。
 また、デメリットとしましては、これまで築いてまいりました医療圏ごとの体制の再構築が必要となることが考えられるところでございますが、救急医療体制などにつきましては、必要に応じて従来の枠組みで協議、検討を行うことで対応可能と考えるところでございまして、この旨を昨年11月に開催した第2回検討会で説明しますとともに、市町に対しましても、文書で説明したところでございます。
 その他、市町からは、構想区域を3つとするとしても、急性期病床が偏在しないように検討する必要があることや、これまで5つの二次保険医療圏ごとに整備してきた救急医療体制に支障が生じないように検討してほしいこと、さらに、構想区域の設定に伴いまして、最終的には二次保険医療圏が構想区域と同一の区域に見直されることが想定されますが、今後、医療圏の見直しに当たりましては、各圏域の住民が受けられる医療サービスの確保に支障が生じることのないよう、市町の意見を踏まえた上で、慎重な検討をお願いしたいといった意見が出されたところでございます。
 第2回の検討会ではこのような意見も踏まえまして、構想区域を3つとすることが適当であるとの結論が得られたところでございます。
 その後、構想区域につきまして、高松区域と大川区域を合わせて東部構想区域(仮称)、中讃区域と三豊区域を合わせて西部構想区域(仮称)、小豆区域は小豆構想区域(仮称)と設定して、それぞれの構想区域ごとに地域医療構想調整会議を設置して、区域ごとの意見を聞くことされたところでございます。
 昨年12月から今年1月にかけて、各構想区域ごとに、医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会、病院団体、医療保険者、市町のほか、2次以上の救急医療機関の代表者で構成される地域医療構想調整会議を開催して、構想の策定後を見据えて、構想区域全体の将来の医療需要の推計値と、そこから算出される将来の必要病床数を確認しますとともに、地域医療構想や病床機能報告制度についての議論や、地域の医療提供体制に関する課題について、意見交換が行われたところでございます。
 例えば小豆構想区域でございますと、医師の確保が小豆区域の抱える課題であるという御意見があった一方で、新しく整備される小豆島中央病院に関しましては、町民会議等により住民に周知することで、みんなで盛り上げようとしておりまして、期待しているといった御意見をいただいたところでございます。
 先月16日に第3回の検討会を開催して、各区域の調整会議の開催状況を報告した上で、構想の骨子案について御議論をいただき、今般、報告した骨子案をとりまとめたところでございます。
 今後のスケジュールでございますが、冒頭で報告した施策の方向について、地域医療構想策定検討会で関係者の御意見を伺いながら、具体的な取り組みを検討して、6月議会で構想の素案を報告させていただきたいと考えております。
 その後、パブリック・コメントを通じて、県民の方々の御意見を伺った上で、医療審議会への諮問等を経て、最終的には9月議会において構想案を御審議いただききたいと考えております。
 続いて、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律についての御質問にお答えします。
 委員の御指摘のとおり、障害者の権利擁護につきましては、近年大きく前進しているところでございまして、我が国では平成19年に国際連合の障害者の権利に関する条約に署名して以来、条約の締結に先立ち国内法を整備して、平成26年1月に条約を締結したところでございます。
 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律は、その一環として整備された法律でございまして、障害者基本法第4条に規定されている障害者差別の禁止の基本原則を具体化するものとして、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害者差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月に制定され、来月から施行されるものでございます。
 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律では、国の行政機関や地方公共団体など、さらには民間事業者による障害を理由とする差別が禁止されております。この障害を理由とする差別でございますが、1つは障害を理由として、障害者でない者と不当な差別的取り扱いをすること、2つ目として、障害者から何らかの配慮を求める意思の表明があった場合に、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要かつ合理的な配慮を行うことが求められておりまして、この合理的配慮を行わないことにより障害者の権利利益を侵害することが差別に当たると定められております。
 行政機関につきましては、不当な差別的取り扱いが禁じられていることに加えて、合理的な配慮を提供することが求められており、この2つについて、いずれも法的な義務を負うとされております。
 このほか、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律では、相談及び紛争の防止等のための体制の整備や啓発活動など、国や地方公共団体の講じるべき障害者差別を解消するための支援措置などについて定められているところでございます。


松本病院事業管理者  谷久委員の県立病院における看護師確保対策についての御質問にお答えをいたします。
 御承知のように、全国的に医療・福祉現場で看護師不足の状態が継続しておりますが、県立病院の看護師につきましても、近年、定年退職者の補充や中央病院の移転に伴う機能強化のために募集人員が増加している一方で、十分に確保できていない現状であります。昨年度に実施した採用試験では、採用予定者77名程度に対して最終的な採用者は48名にとどまっており、委員の御指摘のとおり中央病院のHCU、いわゆるハイケアユニットの稼働や緩和ケア病棟の全面稼働に支障を来している状況でございます。今年度に実施した採用試験では70名程度を募集いたしましたが、1回目の採用試験で募集定員を満たすことができずに、2回目の採用試験を実施したものの、最終的には採用見込み数は57名にとどまっております。
 この結果、平成28年4月1日時点の正規職員の看護師の在籍数が749名となっており、昨年同期と比べると19名は増加できる見込みでございますが、一方で育児休業取得者などが増加していることや、採用した新人の看護師の育成には一定の期間が必要でございますので、実際に業務に従事できる看護師の数は、年度の当初から現在の未稼働病床を全面的に稼働するためには十分とは言えない状況であり、HCUについては新人看護師の育成状況などを見ながら、できるだけ早い時期に稼働させたいと考えているところでございます。


谷久委員  それでは、ここから一つずつ、詳しくお聞きしてまいります。
 先ほどのスケジュールの中で、6月議会に素案を出して、パブリック・コメントを実施して、9月で議会に諮っていくといった予定をお伺いしたのですが、その中で、地元の意見を聞いて、それを形にしていくことが大事だと思います。もう一つは、先ほど野本部長もおっしゃられましたが、地元の方々が地元の病院をいかに大事にしていくかが重要だと思います。これが基本になければ、地域医療構想も成り立たないと考えています。地域医療をそれぞれ医療圏に分けた場合、小豆医療圏は、完結しなければならない医療圏だと思っておりますので、そうした地元の想いがなければ、2次医療の維持自体も難しくなってくるのではないでしょうか。
 先ほど、将来推計に関わる話もしていただいたのですが、小豆島における医療体制を考えるに当たって、先ほどの医療人材の確保やそうした方々に定着してもらう方法などが重要になってくると考えています。
 平成27年度の予算において、土庄中央病院の跡地を活用して、小豆医療圏における研修医などの医療人材の教育や訓練の環境の整備を行う事業が計上されており、多分、看板も掛かっていたのではないかとの記憶があるのですが、土庄中央病院の、現職の院長であった三宅先生がお亡くなりになられまして、こうした状況が宙に浮いているのではないかと危惧しております。
 今後、県として小豆地域の医師の確保や定着を促進していくに当たって、どのように支援をされていくのか。また、小豆地域の看護師の確保をどのようにしていくのか、お聞きします。


野本健康福祉部長  谷久委員の御質問にお答えします。
 今、委員から御指摘のございました小豆医療圏における研修医の医療人材の教育・訓練環境の整備にかかる事業でございますが、昨年9月の補正予算で必要な経費を計上させていただきました。その後、土庄町において準備を進めていたところでございますが、先ほど、委員から御指摘がございましたように、本事業の実施に当たって医療人材育成の中核となるべき、三宅院長が急に亡くなられてしまったことから、事業の実施が不可能になっている旨の報告が、先般、土庄町からあったところでございます。
 次に、小豆医療圏の医師確保でございますが、平成25年度から島嶼部医師UJIターン促進事業を実施しておりますほか、自治医科大学卒業医師の配置をしております。島嶼部医師UJIターン促進事業につきましては、今年度、3名の医師が小豆島の医療機関の見学・視察を行いまして、このうち1名の外科医が、ことし1月から内海病院で勤務を開始しておりますことから、来年度以降も引き続き事業を実施することとしております。
 また、自治医科大学の卒業医師につきましては、これまでも土庄中央病院、内海病院に各2名、計4名を配置しておりましたが、来年度も同数の4名を、小豆島中央病院に配置することとしております。
 このほか、医学生修学資金の貸し付けを受けた医師1名が、来年度初めて、1名配置される予定となっております。
 こうした施策のほか、企業団が香川大学と締結した寄附講座によりまして、医師3名が派遣されることなどから、小豆島中央病院の医師数は、これまでの、土庄中央病院、内海病院と企業団を合わせた数の21名から、25名へ増加した体制となる見込みとなっております。これは香川大学の御尽力のたまものと、病院の再編・統合の効果であると考えております。
 今回、土庄町において、中止となった医療人材の教育・訓練環境整備につきましては、若手医師の確保・養成を主たる目的とした事業でございますが、先ほど御説明した取り組みによりまして、同病院に指導的役割を担う医師が増加することなどから、若手医師に対する指導体制の強化、研修医受け入れ枠の増枠ができると聞いておりますので、事業は中止となりましたが、若手医師の確保・養成は一定程度は達成されると考えております。
 実際のところ、香川大学、岡山大学などから、これまでより多い研修の申し込みが来ているところでございまして、現在調整中と伺っております。
 小豆医療圏の看護職員の確保につきましては、県内の看護職員不足が続いておりますことから、看護学生修学資金制度につきまして、関係者からの強い要望も踏まえて、看護職員養成施設を卒業後、引き続き5年間、県内の医療機関等において看護職員の業務に従事した場合について、貸付金の返還を免除する制度に改正することを、今議会に提案させていただいております。来年度予算案と条例案の議決をいただきましたら、改正後の修学資金貸付制度により、小豆医療圏を初めとして、県内の医療機関における看護職員の確保を、より効果的に促進できるものと期待しているところでございます。
 小豆医療圏の医師、看護職員の確保につきましては、今後とも、両町や小豆島中央病院企業団とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。


谷久委員  先ほど、新しい医療人材の教育や定着に努めていくという話の中で、三宅先生が亡くなられて、中核的な人がいなくなったので事業の実施が不可能になったとの返答を町からいただいたということですが、そのようなことでいいのでしょうか。研修に来られる先生方もふえるし、新しい先生方が新しい病院に来るからいいのではないかという話ではなく、小豆島の病院に来てもらうことによって、もっと地域の方々と密着して触れ合ってほしいと思うのです。
 診察室だけで患者を診ているのではなく、これからは在宅での看護や医療のニーズも出てくると思いますから、そうした方の自宅に行って患者さんと一緒に同じ空気を吸いながら、患者さんの声に耳を傾けて治療していくといったところを勉強してほしいと思います。だからこそ、この事業は小豆島で実施したいと考えておりまして、第2の二十四の瞳ではありませんが、素晴らしい医療に関する先輩方と新しく医療を目指す方々が、小豆島で勉強して巣立っていくという思いがあります。町が不可能と言ってきたから、中止しますといったことでは話にならないとも感じますので、十二分に考えてもらいたいと思います。
 話を変えまして、地域医療構想は平成28年度半ばで策定するということでございますが、平成30年度の国民健康保険の都道府県単位化によって、県は国民健康保険の制度の運営を市町とともに担うこととなっています。
 そこで、平成28年度から健康福祉部に国民健康保険室が設置されるということでございますが、平成30年度に向けて国民健康保険室はどのような役割を担うのか、お聞きします。


野本健康福祉部長  谷久委員の国民健康保険室の御質問にお答えいたします。
 県においては、国民健康保険の都道府県単位化に伴いまして、平成30年度に向けて、国保運営方針の作成、国保事業費納付金の算定、国保運営協議会の設置、国保特別会計の設置など、さまざまな準備を行う必要があることから、来年度、医務国保課に国民健康保険室を設置し、体制整備を行うこととしております。
 同室におきましては、市町や国民健康保険団体連合会が参加する香川県市町国保広域化等連携会議の事務局として、先ほど申しました国保運営方針、国保事業費納付金、標準保険料率、事務処理等の効率化・広域化等について、市町等と緊密に連携しながら検討を進めるとともに、県民への広報等を行うことによりまして、新制度の円滑な施行に向けて万全を期してまいりたいと考えているところでございます。


谷久委員  そうした形で進んでいくことが、ほぼ決定しているわけですから、県においては円滑に施行されるように、国民健康保険室を中心に市町と協議を進めながら、担っていただきたいと思っております。それと合わせて私自身は、小豆島で医師が勉強する場所をつくっていきたいという思いは持ち続けておりますので、今後とも議論を続けていきたいと考えております。
 続いて、県立病院の看護師確保対策についてお尋ねさせていただきます。
 先ほどの御説明で、厳しい状況であることは理解させていただきました。その中で、来年度看護師さんが若干ふえるけれども、未稼働病床を直ちに稼働されるだけの数は足りていないということでしたが、これまでの委員会の質疑の中でも病院事業管理者は、看護師確保に向けては養成学校訪問や合同就職説明会への参加など、さまざまな取り組みをされていると御答弁されたと記憶しています。
 ただ、依然として看護師不足が解消されないのですから、先ほどの看護師の奨学金の免除の話も含めて、さらに踏み込んだ対策が必要なのではないかと思っているのですが、今議会に提案されている第3次県立病院中期計画目標案でも、看護師を含む医療人材の確保・育成が経営方針の柱の一つとして掲げられております。そこで、新たな取り組みを含めてどのように考えておられるのか、再度、お聞きします。


松本病院事業管理者  谷久委員の看護師確保の再度の御質問にお答えいたします。
 委員の御指摘のとおり、病院局でも看護師確保につきましては、これまで養成施設を個別に訪問しての働きかけなどを行っておりますけれども、依然として不足している状況でございます。看護師不足は未稼働病床が生じるなど、病院機能の運用において大きな制約につながっており、これまでの取り組みに加えて、なお一層の取り組みの強化を行っていかなければならないと認識しております。
 看護師の養成施設に関する取り組みとしては、県立病院と県立保健医療大学との一層の連携強化を図るために、これまで行っている健康福祉部や病院局と大学との意見交換会に加えまして、新たに県立病院と大学との意見交換の場を設けるほか、来年度から健康福祉部が保健医療大学に新たに設置する予定の学生の指導員兼就職コーディネーターには、県立病院で看護師経験のある方を充てる方向で協議・検討を進めております。こうした取り組みを通じて、保健医療大学の学生に県立病院の果たす役割や魅力について、十分に理解をしてもらうことで、就職者数の増加につなげていきたいと考えております。
 また、学生が就職先を考える際には、教育体制や将来のキャリアアップ、または生涯にわたって働きやすい職場を重視する傾向がございますので、離職を防止する観点からも、院内の教育体制をより一層充実し、資格の取得や研修の支援制度の検討を進めるとともに、他院の取り組みの事例も参考にしながら、現在の3交代制勤務に加えて、2交代制勤務を含めた多様な勤務形態について検討したり、院内保育所の充実や体制の強化などにも取り組んでいきたいと考えております。
 さらに、先ほど健康福祉部長から答弁がありましたように、今議会で御審議いただいている看護学生の修学資金貸付制度に関する予算案と条例案について、御議決をいただければ、県内施設に就職した場合に貸付金が返還免除となるなど、県立病院に就職する看護師にとっては大きなメリットがあると思われますので、病院局からもこの制度の内容について広く周知していきたいと考えております。
 看護師の確保は、現在、県立病院が抱えている重要課題の一つでございますので、第3次県立病院中期経営目標の実現に向けて、重点的に取り組む柱の一つとして、引き続き対応していきたいと考えております。


谷久委員  そもそも、なぜ県立病院の看護師として来てくれないのかを、考えなくてはいけないと思っています。いろいろな体制づくりや働くことに関してのキャリアアップなどについて、しっかりと整備していただいているのですから、本当なら至れり尽くせりのはずなのです。ここまでの対策をしていけば、民間病院の看護師がいなくなるのではないかというぐらい、至れり尽くせりの状況ではないかと感じるのですが、多分、それ以上に、命の最後のとりでと言われている中で、看護師さんにとっての心理的負担があるのだろうと思いますので、そうしたところや労働条件の部分も上手に見ながらケアしていくのも一つの方法ではないかと感じました。
 医療の中で大切な部分を担っている看護師さんでございますので、早く増員していただいて、適正な運営ができるよう努めていただきたいと思っております。
 3つ目の障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律における取り組みでございますが、先ほどの答弁では、地方公共団体では、差別的取り扱いの禁止や合理的な配慮の不提供の禁止が義務づけられているということでございました。そのために地方公共団体にはどのような取り組みが求められているのか、また県においては法の円滑な施行に向けてどのように準備しているのか、お尋ねいたします。


野本健康福祉部長  谷久委員の障害者差別解消に関する再度の御質問にお答えいたします。
 まず、地方公共団体の取り組みでございますが、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律では、地方公共団体に対して障害者差別を解消するための具体的な対応として、職員が適切に対応するために必要な職員対応要領を策定することとしております。また、障害者差別を解消する支援措置として、相談及び紛争の防止等のための体制の整備、関係機関が行う障害者差別に関する相談や障害者差別を解消するための取り組みを効果的かつ円滑に行うための障害者差別解消支援地域協議会の設置、県民に対する啓発活動などに取り組むこととされております。
 まず、職員対応要領については努力義務でございますが、県職員が事務や事業を執行する上で、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律を踏まえて適切に対応することに資するよう、障害者団体の意見を聞きながら、今月中に策定して、周知を図っていきたいと考えております。
 また、障害者差別に関する相談体制につきましては、香川県障害福祉相談所に障害者差別に関する相談窓口を設置して、市町や関係機関の相談窓口とも連携を図ることとしております。県及び市町の相談窓口につきましては、県の広報誌3月号にも掲載しておりますが、今後とも県民の皆様に周知していきたいと考えております。
 また、障害者差別解消支援地域協議会につきましては、障害者差別の解消を推進する上で関係機関との連携強化が不可欠であることから、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づいて設置している香川県自立支援協議会の構成員を中心として、必要な機関を加えて新たに設置することとしております。
 また、県民に対する啓発活動でございますが、今年度は、昨年12月に開催した「じんけんフェスタ2015」において、「障害者差別解消法に関するシンポジウム」を行いました。また、ことし1月に内閣府と共催で「障害を理由とする差別の解消に向けた地域フォーラム」を開催して、広く県民に周知しておりまして、今後とも障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律及び障害者や障害者に対する県民の一層の理解の促進を図るために、周知啓発に努めたいと考えております。
 県としましては、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の趣旨を広く県民に周知するとともに、市町を初めとする関係機関と連携しながら、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が円滑に施行されて、障害者差別の解消が進んでいくように取り組んでまいりたいと考えております。


谷久委員  差別の解消に向けたいろいろな取り組みをしていく中で大事なのは、1回、現場をのぞいてみて、そうした方々と接してみることではないでしょうか。私は、たまたま周りにはいろいろな方々がいらっしゃって、その中で育ってきましたので、この子はこういった特徴があるのだといった形で人を認めるところから入っていきましたから、特に分け隔てなくすんなりと今の状況が理解できるのではないかと思っておりますが、恐らく、そこに壁をつくってしまうことが、差別を生むのだろうと感じています。
 そういった中で、障害がある子たちを地元の学校に入れたいという親御さんの意向がありながら、地域の方々となかなか触れ合わない、顔を見ない生活が続いていたら、どうしても離れ離れになっていく現状がありますので、子供たちの場合はできるだけ学校教育に近い場所で、成人の場合はそれぞれの地域に近い場所でといったように、顔が見える距離でいろいろなケアをしていくのがいいのではないかと感じました。
 そういった中で、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行されることによって、当事者や専門家の方々のさまざまな意見に耳を傾けなければいけないと思っておりますので、施行に当たっては、当事者などの意見を十分に聞いて進めていただきたいと思っております。


大山委員長  暫時休憩いたします。
 午後は1時から再開いたします。
 (午前11時54分 休憩)
 (午後 1時04分 再開)


大山委員長  それでは、再開をいたします。
 質疑、質問を続行いたします。


白川委員  2点について質問させていただきます。
 まず、介護離職ゼロ対策についてお聞きします。
 午前中の山下委員の質問にもありましたが、先週、JR東海の認知症の方の事故に関する訴訟での最高裁判所の判決は、画期的なものだと思っております。監督義務責任の範囲をどこまで認めるのかという課題はありますが、民法の監督義務者の規定に基づいて家族の責任ばかりを一律に求めることについて、歯どめをかけた判決だと思いますし、この意味は重いものがあると思います。
 しかし、認知症の高齢者は全国で500万人を超えると言われており、今後も急激な増加が見込まれておりますが、認知症の方もその家族の方も、地域の中で孤立することなく安心して暮らせる仕組みを整えていくことが急がれていると思います。
 先月、私にとってもショッキングな報道がありました。埼玉県で無理心中を図ろうとして、77歳の妻を殺害した83歳の夫が逮捕されました。しかし、夫は逮捕後、食事をとることを拒み続け、病院での治療も拒否して、死亡してしまいました。まさに胸が張り裂けそうな報道でした。
 毎日新聞とケアマネジャー向けの情報のサイトに、全国のケアマネジャーにアンケート調査をした結果があります。このサイトによりますと、55%が介護家族と接する中で、殺人や心中がいつ起きてもおかしくないと感じたことがあると答えております。介護者が心身ともに疲労こんぱいして追い詰められていると感じたことがある人は93%にも上っております。
 私たちのところにも、介護で追い詰められた御家族の方や老老介護、障害者の方同士で介護されている方々からの相談が後を絶ちません。一例を挙げると、先日、公営住宅でひとり暮らしをしていた女性の方が亡くなられました。私たちが対応したときには、家はごみ屋敷のようになっており、本人も乳房から血が流れているという状況で、病院へ連れていくと、かなり末期の乳がんになっておられました。夫や子供にも先立たれて、身内の方もいらっしゃらないということでしたので、私たちも家の片づけから全て最後までかかわりました。
 また、障害者同士の家族の相互の介護で、夫が入院をすると妻1人では何もできないという中で、毎晩、安否確認を行ったケースもありました。ほかにも息子さんからの相談で、お父さんが認知症で、夜はどこまでも歩いていってしまい、探し出したときには、道のくぼみの穴の中で幾晩もうずくまっていたということがありました。入所できる施設を探してもあきがなく、ショートステイ、ロングステイ、ロングステイ、ショートステイといった形を繰り返して、ようやく施設に入所できることになったというケースも経験してきました。
 こうした相談が後を絶たないわけです。全国的にも、警察庁が統計をとり始めた2007年から2014年の間に、未遂も含めて介護疲れから殺人に至るという事件が371件起きており、これは年平均で46件、8日に1回の割合で起きていることになります。さらに介護を苦にした自殺や無理心中は、同じ8年間で2,272人にも上り、介護のために家族が仕事をやめる介護離職は年間約10万人にも達しております、
 こうした状況の中、安倍政権では介護離職ゼロを新3本の矢としてうたっており、本県でも対策を行っていくとして、来年度の予算案にも入っておりますが、今、本県での介護離職の状況は一体どのようになっているのでしょうか。根本的なところである対応するべき数が見えてまいりませんので、どのように把握されていらっしゃるのか、お聞きをします。


中井長寿社会対策課長  白川委員の介護離職の状況についてお答え申し上げます。
 委員の指摘された、介護離職が全国で10万人という数値は総務省の就業構造基本調査に基づくもので、その中で香川県での介護、看護のための離職者としては800人という推計が出されております。


白川委員  この800人という数は、今後このまま対応しなければふえ続けることになると思います。先ほど申しましたケアマネジャーの調査でも、こうした介護を支えるのに必要なことを尋ねると、最も多かったのは「夜間や緊急時に対応できるサービスの充実」が68%で、「経済的支援」が62%、「介護者支援のための新たな法律の整備」が55%と続いています。こうしたことを踏まえて介護離職ゼロを目指してどのように進めていこうとしているのか、御答弁をいただきたいと思います。
 また、ケアマネジャーへの調査の中でも、ケアマネジャーの苦悩は大きいもので、制度と行政、それから家族の方や本人との板挟みになって、何もできないことを悩んでいる方が多くいらっしゃいます。ケアマネジャーが介護者を支えたいと思っても、今は何もできないという状況があり、地域包括支援センターとの連携などがうまくいっていないことが問題だと思います。こうした報道の中でも、やはり一泊でもいいからあのときにあの奥さんをお預かりしておけば、命を落とすことはなかったのかもしれないという、自責の念にとらわれている方もいます。
 自分たちは、そうした人たちの役に立ちたいと思って、毎日、仕事をしているのに、実際にはなかなかお役に立てないという思いがある方々ですから、日々の仕事は本当に忙しいと思います。しかし、そうした思いを何らかの形で進めていくことができれば、困難な要請にも応えてくださる方々であると思いますので、地域包括支援センターとの協働やショートステイなどで、1泊でもいいから緊急に措置をして休ませてあげるということは、介護保険の枠組みの中ではできないことなのでしょうか。お答えいただきたいと思います。


中井長寿社会対策課長  まず、介護離職ゼロに向けた取り組みでございますが、委員の御指摘のとおり、介護を必要とする方に必要なサービスが提供されることは、重要なことでございます。そうしたことから介護サービスの充実やそれに見合う介護職員の確保に取り組むこととしておりまして、本県では第6期高齢者保健福祉計画に沿って、さまざまな体制整備を進めているところでございます。
 そうした体制の中でも不足があるという御指摘はもっともでございまして、介護離職ゼロに向けた特別養護老人ホームなどの施設の整備についても、本当に幾らぐらい必要なのかといった調査を来年度に実施する予定にしており、そうした中でどれぐらいのサービスが必要なのかを改めて把握した上で、必要なサービスの提供に向けた取り組みをしていくこととしております。
 それから、ケアマネジャーが大変な職務ということは重々承知しておりますので、地域包括支援センターとの連携は重要であると考えており、対応の困難なケースなどにつきましては、地域ケア会議などの中で地域包括ケアセンターの職員や地域のさまざまな専門職との連携の中で対応していくものと承知しております。


白川委員  地域包括支援センターとの連携がうまくいっていないからお聞きしているわけなのです。実際に、すぐにその人に対応しなければならないというときに、ケア会議を開いて議論をしている時間はないと思います。また、ケア会議を開いても措置の権限はありませんから、対応を決めるのは難しいのです。ですから、もう少し県や市町が踏み込んで、うまく対応できるような方法を考えていただきたいのです。
 そこまでの権限がないというのであれば、何らかの方法で連携して、一人一人を見ていかなくてはならなくなってきます。昔の福祉の時代には、訪問介護や看護などが実際に行っていたように、何回も足を運んで当事者の方と信頼関係をつくりながら、措置の方向へと持っていくこともできていましたが、今の介護保険制度になってから、そうした対応が難しくなっているというのが実態だと思います。だからこそ連携におきましては、強力な体制を検討していただきたいと思います。これは要望にしておきます。
 また、介護離職ゼロと言いながら、一方では介護保険をさらに受けにくくする方向が進められています。今回の介護報酬の引き下げによって、小規模のデイサービスなどの事業所は、赤字を抱えて大変な状況になっています。以前の委員会でも質問しましたが、これでは経営できないということで、事業をやめなければならないという状況がふえ続けています。さらに介護保険では、要支援1・2の対象者の主なサービスが介護保険の給付から外されて地域支援事業に移行され、介護サービスの利用料の負担もふやされます。その上、財務省は要介護1・2の方の訪問介護の生活援助などを、原則として自己負担とすることを主張しているのです。このような切り捨てが今後も進められることになるのでしょうが、私はこのような方向は、介護離職ゼロに対して逆行するものだと思えてなりません。
 公益社団法人全国老人福祉施設協議会も厚生労働大臣への意見書の中で、「家事援助についても単純に調理のみ、買い物のみを行っているのではなく、ケアプランに基づき訪問介護計画で明確な目標を掲げて実施しています。実施にあたっても食べ残しやゴミの状況から体調を観察したり、好みの変化や買い物の内容の変化で認知症の症状の進行を把握したりと専門職による支援をしています。特に認知症の独居の人にとって家事援助を民間サービスに委ねることは、上記の支援が期待できなくなり、在宅生活の維持が難しくなることも考えられます。」と言っています。全国老人福祉施設協議会の言うように介護離職ゼロの方向は、政府が進めていこうとしている方向とは全く逆の方向ではないでしょうか。この方向をどう思われるか、お聞きします。


中井長寿社会対策課長  介護離職ゼロのために、介護保険制度において必要なサービスが提供されることは重要だと認識しております。そういった中で、今、政府でいろいろとサービスの内容について議論されていることも承知しております。そういった中で本当に必要なサービスが提供されるような制度になるように、特に持続可能な制度という観点も必要だと認識しておりますので、そういった点から国に、よりよい介護保険制度になるような要望等も行っているところでございます。


白川委員  先日の社会民主党・県民連合の森議員の代表質問で、知事は、「介護離職ゼロに向けては、介護を必要とする方が適切なサービスを安心して受けられるよう、介護サービスの充実とそれを担う介護職員の確保が必要であると考えております。」と御答弁されています。しかし、この中身は一体何をするのかということが全く見えてこないわけなのです。
 このままでは、介護離職ゼロとはかけ離れたところに進んでいくのではないかと思えてなりません。こうした中で、今、国に対してもいろいろ要望をされているということでありましたが、この状況の中でどうやって介護離職ゼロを進めていこうとしているのか、具体的な手段についてお聞きします。


中井長寿社会対策課長  介護離職ゼロに向けましては、先ほど申したとおり介護サービスの充実が第1点でございまして、特別養護老人を初めとする施設サービスでどれぐらいの必要があるのかを確認の上で、適切な整備量を見込んでいく必要があると考えております。
 また、施設だけでなく、住みなれた自宅や地域で安心して暮らせるような在宅サービスの充実も必要でございますので、それらのサービスの役割分担やバランスを図りながら、計画的に基盤の整備を図っていくことが必要だと考えております。
 また、そうしたサービスの充実だけでなく、それを担う人材も必要でございますので、介護職員の安定的な確保に向けましては、介護職への新規参入や職員の資質向上、それから労働環境や処遇の改善の3本柱をもとにさまざまな取り組みを今も進めているところでございますが、そういった3点の事業を引き続き実施していく予定にしております。


白川委員  施設の充実や在宅の充実、さらに担い手となる職員の確保についてお答えになられましたが、入院も簡単にはできない、それから施設入所もできないという状況の中で、在宅でのサービスを充実していくと言われましても、先ほども言いましたように介護保険がこのような方向性では、小規模のデイサービスの事業所はこれからも潰れるところが出てくると思います。はっきり申し上げまして、こうした状況の中で在宅サービスを充実することは、これから困難になると思います。特に職員の確保については、全く追いつかないのではないでしょうか。外国人技能実習制度の介護分野への拡大といったこともありますが、すぐに効果が出る対応にはならないと思います。
 先ほどの代表質問の答弁でも、「介護職員の確保については、賃金等の処遇の改善を図るため、職員の賃金に直接充てる介護職員処遇改善加算の導入や職場環境の改善に取り組んでいるほか、専門職としての社会的評価の向上を図るため、介護技術を競い合うコンテストや介護職の魅力を伝える写真展を開催し、介護の仕事に対する県民の理解促進に取り組んでおります。」と答えておられますが、この対応で本当に介護職員を確保できるとお考えになっているのですか。


中井長寿社会対策課長  介護職員の確保につきましては、難しい課題であるとは承知しております。その中で行政として取り組める事業につきまして、精いっぱい取り組んでいるところでございます。


白川委員  もう一つ質問しますけれども、それでは介護職員の処遇改善加算によって介護職員の処遇は改善されたとお考えなのかどうか、お答えいただけますか。


中井長寿社会対策課長  介護職員処遇改善加算につきましては、その改善の方法は各事業所ごとにさまざまではございますが、加算としてふやした報酬につきましては、全てその職員の賃金などに回るという制度になっておりますので、加算をとられた事業所については、その分の改善はなされているものと承知しております。


白川委員  どれだけ上がりましたか。


中井長寿社会対策課長  この処遇改善加算につきましては、今、一番高い加算を4月からとっている場合につきましては、実績を来年度の4月に確認するようになっておりますが、制度上の計算では一番高い加算をとれば、加算をとる前と比べて1人当たりに単純計算では2万7000円が加算されることになっております。


白川委員  制度の解説はよろしいので、実際にどれだけ上がったかというところをしっかりつかんでいただきたいと思います。政府は、昨年度比で月額、一、二万円相当の賃金改善効果があると言っておりますけれども、実態はそうではないと思います。介護労働者などを対象にしたアンケートを進めておりますが、このアンケートの中では月収と一時金を合算した賃金がふえたと答えた方は16.1%にとどまっており、8割を超える方が処遇改善を感じないと答えています。それどころか月収が下がったという方が6.1%おり、夏期のボーナスが減った方も22.4%もいるという状況です。
 私は何度も申し上げておりますが、介護離職をゼロにするのであれば、介護職員の離職をなくす対策をとるべきだと思います。介護や福祉の労働者の賃金が全産業の平均より月額約10万円も低いということが大きな問題だから、離職が後を絶たないわけです。ですから、この根本に手をつけなければこの問題は解決しないということは、もはや皆さんの共通認識ではないでしょうか。
 先日、日本共産党を含めて野党5党が、介護・障害福祉の労働者の賃金を引き上げて人材確保を進めるための法案を衆議院に共同提出いたしました。この法案の中身は、賃金改善に取り組む事業者に対して助成金を支給するものであって、介護・障害福祉従事者だけを対象に引き上げる場合は1人当たり月1万円、事務職などその他の従業者も含めて引き上げる場合は1人当たり月額6,000円上昇させることを想定しております。事務なども含めて対応する現場ですから、介護職だけを賃上げするとほかの職種にも影響して、いろいろなトラブルが起こっておりますので、これを解決するためにも、その他の従業者も含めて引き上げる事業所も考慮したものとなっています。これは事業者がどちらかの助成金を選択できるのですが、この法案がもし可決されれば、県としても実際に取り組める額の規模はいろいろあると思いますが、介護離職は根本的な原因がわかっているのですから、そこに直接、手を下していくことが必要だと思います。そうしたところに取り組むお考えはないのか、お聞きします。


野本健康福祉部長  先ほど申しましたような介護職員処遇改善加算などの賃金改善の取り組みがなされておりますので、まずはその状況等を見ていく必要があると思います。


白川委員  根本的な原因はわかっているのですから、そこについて取り組めるような方向をお願いしたいと思います。
 もう一つは、川崎市の有料老人ホームで転落死の事件に関連してお聞きします。実は殺害だったということで衝撃が広がっておりますが、これについては監査や指導体制を含めて検証が必要だということが、各方面から意見が上がっております。そこで、香川県では有料老人ホームやグループホームなどへの指導や監査はどのように行われているのでしょうか。指導の体制や担当者の配置について、お聞きします。


中井長寿社会対策課長  まず、県内の有料老人ホームは3月1日現在で110施設ございまして、そのうち介護保険法に基づく特定施設で、介護サービスを提供している施設は30施設という状況でございます。中核市である高松市の施設では、高松市に指導権限がございますので、110施設のうち高松市の63施設を除いた47施設が、県の指導の対象となるという状況でございます。県ではそうした施設を指導するグループとして、9名の職員が配置されておりますが、特に5名が有料老人ホームの担当者として対応しているところでございます。


白川委員  県内の介護施設は何カ所あるのでしょうか。同じように監査や指導の対象になると思うのですが。


中井長寿社会対策課長  少し時点をさかのぼりますが、平成27年4月1日現在での施設数で申し上げますと、特別養護老人ホームが94施設、老人保健施設が52施設、介護療養型医療施設で31施設、グループホームが103施設でございます。そのほか介護保険法の指定を受けている特定施設入所生活介護を行っている軽費老人ホームや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などが41施設、介護保険サービス以外の住まいとしての養護老人ホームが11、軽費老人ホームが30、有料老人ホームが76、サービス付き高齢者向け住宅が54でございます。


白川委員  それらの全てを、先ほどの9名の職員で対応している状況でしょうか。


中井長寿社会対策課長  9名で先ほどの施設を対応しているところでございます。


白川委員  川崎市でも有料老人ホームやグループホームも含めて2,000以上の介護施設を9人の職員が担当しておりましたが、この体制では年間20施設程度しか対応できないということで、この事件があってから担当者を13人にふやしたようですが、それでも七、八年に一度しか指導に入れるかどうかという状況だとお聞きしております。香川県の場合はそうした指導体制はどのような状況でしょうか。


中井長寿社会対策課長  お答え申し上げます。
 先ほどの9名の中でそれぞれ重複がございますが、それぞれ施設の担当者を決めて対応しているところでございます。ただ、香川県におきましては、新しい施設ができた場合には6カ月以内に1回、それ以後も定期的に2年に1回の定期監査を計画的に実施して、全ての事業所が2年間の間に1度は指導を受けるという体制をとっております。


白川委員  わかりました。それでは、次の質問に入ります。国民健康保険の都道府県単位化についてお聞きをします。
 先ほどの谷久委員の質問にもありましたが、2018年度から都道府県が国民健康保険の保険者になることから、来年度から、医務国保課内に国民健康保険室が設置をされるということでした。都道府県が保険者になっても、保険料の賦課や徴収などは引き続き市町が担うわけであり、各市町で保険料の格差も残りますし、財政の基本的構造も変わりません。だとすれば、国民健康保険の都道府県化で何が変わるのかは県民の間でも疑問だと思いますので、教えていただきたいと思います。


土草医務国保課長  国民健康保険についての白川委員の御質問にお答えいたします。
 国民健康保険は市町が運営しており、国民皆保険の最後のとりでと言えるものでございますが、財政単位が市町村という小さな単位になっておりますので、小規模の保険者が多数存在し、そうした小規模の保険者では財政が不安定になりやすいということ、また被保険者の年齢構成や所得の格差が大きいことなどの構造的な問題を抱えています。このため、平成30年度から都道府県が市町村とともに国民健康保険の運営を担い、国民健康保険の財政運営の責任主体として安定的な財政運営や効率的な事業の確保などにおいて中心的な役割を担うことによりまして、国民健康保険制度の安定化を図ることとされているものでございます。
 こうした改革を行うことにより、その効果として、主に4つが考えられております。具体的には、財政運営が市町単位から県単位になることに伴い、各市町で高額な医療費が発生した場合には県全体でカバーすることになりますので、各市町にとってのリスクが県全体に分散されることから、各市町にとっては急激な保険料の上昇が起きにくい仕組みになります。
 続きまして、県に財政安定化基金が設置され、県全体の医療費が見込みよりふえた場合や、市町が予期せぬ収納不足に陥った場合には、県や市町がその基金から借り入れをすることで、県財政や市町財政への当該年度での影響が軽減されることになります。
 3点目として、県内で統一した運営方針の策定や標準システムの活用により、市町の事務サービスの標準化、効率化、広域化、またコストの削減等が図られることになります。
 4点目として、公費で3400億円が追加投入されますことから、各市町の国保財政が改善されるということになります。


白川委員  4点についてお答えをいただきました。
 新制度での国保財政の流れは、県が各市町に国保事業に必要な費用を納付金として割り当てる、それから市町が住民に保険料を賦課徴収して納付させる、それから県が給付に必要な財源を市町に交付をするといったようになるのだと思います。しかし、この新制度では、市町が納付金の100%完納も同時に義務づけられると思います。今、貧困と格差が広がる中で、滞納がふえて保険料の収納が予定を下回ることも考えられるのですが、これに対して納付の猶予や減額が認められなくなるのではないかという不安の声が広がっています。そこのところはどうお考えになるのか、さらに、その差額はどうやって埋めることになるのか、お聞きします。


土草医務国保課長  保険料の滞納に関する御質問でございますが、県は市町ごとの納付金を算定するとともに、県が設定する標準的な算定方式に基づいて、市町ごとの標準保険料を示すことになります。その県が示す標準保険料率を参考にして、市町ではそれぞれの保険料算定方式や予定収納率に基づいて、それぞれの保険料率を決め、保険料を賦課・徴収し、県に納付金を納めることになります。
 各市町において、納付金に必要な保険料を収納できなかった場合でございますが、市町の一般財源から財政の補填を行う必要がないように考えられておりまして、具体的には先ほど申し上げました県に設置した財政安定化基金から市町に対して貸し付けができる仕組みが設けられております。貸し付けを受けた市町は翌年度以降、原則3年間でその償還をしていくことになり、平準化が図られるわけですが、制度の詳細につきましては、現在、国で検討中でございます。そうした検討の状況を見ながら、市町とも協議を進めていきたいと考えております。


白川委員  財政安定化基金は、本県の来年度予算案の中で見ますと約2億8000万円の積み立てになると思いますが、この基金は介護保険と同じ仕組みになると思います。先ほど課長からお答えいただきましたように、納付金が完納できない市町に貸し付けるものですけれども、介護保険でも基金が一般会計から繰り入れをさせないという仕掛けの一つになっているのです。逆に基金があるから公費の繰り入れは必要ないという口実になってしまう場合があります。
 結局、保険料の財源の不足は、保険料の引き上げで対処しなさいということにつながってくるのでないかと思うのです。実際、中国地方のある県では、介護保険の財政が悪化して基金から貸し付けを受けた自治体が、住民負担増を避けるために一般会計からの繰り入れで返済しようとしたら、基金への返済は住民への保険料の転嫁で行うのが原則だということで、県当局から指導されるという事態も起こっています。このように一般財源から繰り入れをして、高い保険料を引き下げようとしている市町が、規制を受けることになるのではないかということを心配しているのですが、それについては、今の段階でわかりますでしょうか。


土草医務国保課長  市町の一般会計の繰り入れに関する御質問にお答えいたします。
 国保財政を安定的に運営していくためには、国民健康保険が1会計年度単位で行う短期保険であることに鑑みまして、原則として必要な支出を保険料や国庫負担金などにより賄うことによって、国民健康保険特別会計における収支が均衡していることが重要であろうと思います。
 決算の補填等を目的とする一般会計からの繰り入れにつきましては、今般の制度改正により3400億円の財政支援措置が実施されるほか、医療費が見込みを上回る急増が生じた場合に都道府県が、先ほど申し上げた財政安定化基金から貸し付けを受けることにより、保険給付に応じた費用を市町村に全額交付し、翌年度以降の市町からの納付金に含めることによりまして、償還する仕組みが設けられますので、一般会計からの繰り入れについては、その必要性が相当程度、解消するものと考えております。
 ただ、現在、国におきまして、引き続き法定外の一般会計への繰り入れの取り扱いについて議論を進めているところでございますので、県といたしましては検討状況を注視していきたいと考えております。


白川委員  時間もないので先に進みたいのですが、今回の制度の変更に際して、先ほど課長にお答えいただきましたが、3400億円の公費の投入がなされます。主には、低所得者対策として保険料支援を拡大するもののようですが、一体どうやって使うものなのでしょうか。平成27年度分の1700億円の使い方として、県内の市町にはそのうちの幾らが来て、どのように予算計上されているのでしょうか。
 全国で1700億円だったら1人当たり大体5,000円の保険料の引き下げができることになるという額だと思いますが、今回の1700億円が予算計上されて、保険料の引き下げのために使われた市町はあるのかどうか、お答えいただきたいと思います。


土草医務国保課長  国の財政支援で今年度は1700億円の支援がなされました。これに伴う県内市町での増加額の合計は11億3800万円余りになっております。この金額につきましては、各市町における国民健康保険の決算補填等を目的とした一般会計からの法定外繰入額の抑制や保険料額の伸びの抑制が図られており、結果として今年度の保険料の引き下げまで行ったところはございませんでした。
 もう一つの市町の予算計上についての御質問でございますが、予算編成時においてはまだ、追加の財政支援額が正確に把握できておりませんでしたので、各市町の当初予算に反映できていない市町もございますが、そうした市町でも、今年度の補正予算で国民健康保険の特別会計に繰り入れられるよう計上されると聞いております。


白川委員  3400億円の財政支援の件なのですが、これは国が示しているスキームの中にきちんと示されているのです。一般会計からの繰り入れの縮減や解消という名目で、平成27年度から30年度以降もスキームの中では線が引かれております。ですから、一般会計からの繰り入れを段階的に解消していくためのものだということが明らかだと思うのですが、これまでは保険者である市町村が保険料の引き下げのために、一般会計から繰り入れをしておりました。県内でも高松市や丸亀市、綾川町、三豊市、善通寺市などが、現在も独自の繰り入れを行っておりますが、逆に3400億円が入ってくると、独自の繰り入れが行えなくなるのでないかという心配が拭えないのです。
 今までの国会の答弁でも、市町村の独自の公費の繰り入れは新制度スタート後も制限されず、自治体で判断するという答弁が国会では繰り返されております。ここのところは、まだ制度がわからないということもありますけれども、しっかり確保はされるという御認識かどうかを確認しておきたいと思います。


土草医務国保課長  今回の3400億円の財政支援でございますが、その目的といたしましては、低所得者対策強化、また、自治体の責めによらない要因による負担増への対応、医療費適正化への取り組みの支援、財政リスクの分散、軽減等に充てられると聞いております。
 先ほども申し上げましたが、一般会計からの法定外繰り入れにつきましては、現在、決算補填や決算補填以外の目的など、いろいろな目的で繰り入れが行われております。それにつきましては、国でいろいろと検討されているところと認識しておりますので、改めての答弁になりますが、そういった国の検討状況を十分注意しながら検討してまいりたいと考えております。


白川委員  ぜひとも、お願いしたいと思います。
 最後にもう一つだけ質問したいのですが、先ほどおっしゃられた、標準的な算定方式や保険料の収納必要額が、一向に見えてこないという不安があるのです。地域医療構想などはいろいろな検討会が開かれて、県民の目にも少しは見えるような状況になっているのですが、国民健康保険の都道府県化については、全く県民の目には見えていません。これも2年後に始まって、びっくりぽんというような状況になるのかもしれませんが、先ほど申しました標準的な算定方式や保険料の収納必要額は、いつ示されるのでしょうか。


土草医務国保課長  平成30年以降の保険料につきましては、国から保険納付金及び標準保険料率算定に係るガイドラインが案として示されたところでございまして、まだ具体的な標準保険料率を算定する計算式や、計算式に当てはめるべき計数等といったところは、示されておりません。したがいまして、現時点では、この委員会でお示しすることができません。
 最終的には、平成30年度からの標準保険料率の算定につきましては、医療費の見込みを伴うものですから、平成30年の診療報酬の改定が示された後に算定することになりますので、平成30年1月ぐらいになるのではないかと考えております。ただ、それまでに市町でいろいろと準備をする必要がございますので、標準保険料率の計算方法の国における検討状況や、過去の実績をもとにした試算を行ってまいりたいとは考えております。そうしたことで、市町の支障のないよう配慮していきたいと考えております。


白川委員  平成30年度から始まるのですが、平成30年1月にならなければ標準的な計算方式もわからないということでありますので、これは大変な作業になると思います。
 最後に一つだけ申しておきますけれども、先ほどの国の3400億円の支援についてなのですが、後期高齢者にも低所得者の軽減措置がありましたが、今、段階的に縮小、廃止の方向に向かっており、これまで保険料の最大9割を軽減してきた特例措置が廃止されるということになります。これによって高齢者の保険料は2倍から10倍にはね上がるという危険性も示されています。ですから、今回の3400億円の公費投入といっても、この財政支援は永久的に約束をされたものではないと思います。さらに、先ほども申しましたように、国からの支援があるからといって、市町の独自の施策が後退することなどは、絶対にされないように、ぜひお願いをしたいと要望しておきたいと思います。
 最後に、結局、国民健康保険の都道府県化によって何が変わるのかについて、最初に4点について示していただきました。しかし、住民が払っている国民健康保険料は、本当に高くて払い切れません。200万円の年収の方が年間で30万円を超えるような保険料を払っているのですから、これは大変な額なのです。国民健康保険はその構造上、高齢の方や自営業の方、所得の低い方などが入られているのですから、繰り返し言っているように、企業の健康保険とは全く仕組みが違います、
 そういう中で、高くて払い切れないこの国民健康保険料を引き下げていくということが、今、一番の住民にとっての課題だと思うのですが、結局、都道府県化によって何が変わるかといえば、1つは国民健康保険の運営方針による財政管理、2つ目には医療費適正化計画による給付費の制約、3番目には地域医療構想による病床の削減、これらが全部一体化して、この権限を全て県に集中して一体的な施策として推進させるということですから、まさに県が司令塔になって医療費削減の強権的な推進を行っていくということが、国が示した核心だと思います。
 ですから、今、必要なことは、繰り返し言っているように、払い切れない国民健康保険料をどう引き下げていくかということだと思いますので、都道府県単位化になっても、そこのところがさらに引き上がるようなことにはならないように強く要望して終わります。


香川委員  私は来年度予算の細かなところについて、お聞きしたいと思います。
 健康福祉部の委員会説明資料の24ページに「糖尿病ワースト上位脱出事業」がございます。これは小児生活習慣病予防健診などに要する経費ということであり、この事業で小学校4年生の健診を実施しているということなのですが、その結果を利用しての指導はどこが実施するのかお伺いします。


野本健康福祉部長  健診の結果を踏まえた指導につきましては、教育委員会や市町と連携・協力して、保護者や子供に対する家族ぐるみの生活習慣病予防に向けた小学校での出前講座や、全ての保護者に対して、今、委員がごらんになっている啓発冊子の作成や配布、保健指導に携わる学校職員等への研修等に取り組んでいるところでございます。


香川委員  いろいろなことを行っているということは、今、お伺いしました。この結果を受けて、学校でいろいろなことを行っているのでしょうし、健康福祉部でも、当然、行っているのでしょうが、それらによって小学生のこういった環境は改善されたのでしょうか。


野本健康福祉部長  こうした取り組みを行うことによりまして、健診の結果が各市町から保護者に通知されて、状態に合わせて個別指導や再検査、受診勧奨などが行われているところでございまして、再検査では3割から4割の児童について、数値の改善が見られたとの報告もございました。


香川委員  3割から4割の児童で改善が見られたとのことですが、それはどのようにして確認されたのでしょうか。多分、予防検診で結果が悪かった方は、お医者さんに行って再検査をしなさいと指導されているのでしょうが、その再検査でパスした大部分の方は、その後のチェックは行っているのでしょうか。
 と申しますのは、せっかく予算を立てているわけですから、PDCAの考え方からも、その結果について検証することで改善するべき点も見えてくると思いますので、どうやって検証するのかお聞きします。また、今、中学生を対象とした予防検診を実施している市町もあると聞いておりますけれども、その実態についてお伺いします。


岡田健康福祉総務課長  香川委員の御質問にお答えいたします。
 先ほど部長から御答弁申し上げましたが、血液検査の結果、おおむね1割の子供に肥満やコレステロール値が高いなどの脂質異常や肝機能異常、あるいは2型糖尿病になる可能性があることが判明しております。
 それで、先ほど申し上げましたように、再検査については学校で指導していただきまして、通常の医療保険を使って受けていただきますが、子供のことですので親御さんは心配して、数値の悪かったほとんどの方は再検査を受けていると伺っております。大体、3割から4割の子供さんについて、何カ月か後の再検査では数値の改善が見られるということでございます。
 こうした血液検査の結果につきましては、県で取りまとめをいたしまして、香川大学医学部の協力も得て、専門家によって、毎年度、そのデータを整理して検証するという作業を行っており、現場へのフィードバックとしましては、先ほどごらんいただいたような子供向けのチラシや保護者向けのチラシを作成しております。
 御家庭では同じものを食べますので、子供と親御さんの生活習慣は共通する部分がございます。家族ぐるみでも対応していただけるように、親御さんへのチラシもつくっておりますが、それらに加えて、先ほど申し上げたように小学校に出向いての出前講座ですとか、教育委員会と連携して学校の保健指導に対する先生方へ研修も実施するなどの形でフィードバックさせていただいております。
 また、御質問のあった中学生に対する生活習慣病の血液検査でございますが、対象学年や検査項目は市町によって異なっておりますが、現在、高松市など4市4町で独自に実施されているところでございます。


香川委員  その結果は、どのようになっているのでしょうか。市町の事業だから県では掌握していないということなのでしょうか。


岡田健康福祉総務課長  先ほど申し上げましたように、現在、実施市町から個別に実情の聞き取り等は行っているのですが、全ての市町が実施しているわけではございませんし、対象学年や検査項目がそれぞれ異なっていることもございますので、県で統計をとれる状態には至っておりません。


香川委員  私といたしましては、せっかく4市4町で実施しているのですから、あとの市町に関しても小学校4年生で県が統一して実施しているように、中学生でも県が統一して実施することも考えていただきたいと思います。必ずやりなさいとは言いませんけれども、考えていただきたいということで、お願いしたいと思っております。
 次に、37ページに「高齢者住宅改造促進事業」があり、在宅の要介護高齢者の住宅改造に対する補助として98万5000円と、やや少ない金額が計上されておりますが、これはどういった事業なのかお聞きします。


中井長寿社会対策課長  香川委員の御質問にお答えいたします。
 この「高齢者住宅改造促進事業」でございますが、日常生活で介助を要する高齢者がいる所得税非課税世帯に対して、市町が住宅を改造する費用を助成した場合に、その額に対して県が助成するものでございます。
 補助対象につきましては、介護保険にも住宅改修と同じような制度がございますけれども、それと同じ補助内容で、手すりの取りつけや段差の解消などを対象としており、1件当たりの工事費が80万円までの事業に対して県、市町、申請者のそれぞれが3分の1ずつ負担して行う事業でございます。


香川委員  それにしては香川県全部で98万5000円では、少ないのではないかと思うのですが、聞くところによりますと、これは介護保険でもできるということで、ほとんどの方が介護保険で行っていると考えてよろしいのでしょうか。


中井長寿社会対策課長  香川委員の再度の質問にお答え申し上げます。
 この制度自体は介護保険制度ができる前の平成7年から、住宅改造により在宅での高齢者を支援する制度として実施しておりました。委員の御指摘のとおり、平成12年に介護保険制度ができたことにより、それ以後、この補助における実績は、かなり少なくなっているのが実情でございますが、1件当たりの工事費の額など、若干制度面での差がございますので、引き続き行っているものでございます。


香川委員  介護保険では自己負担が生じるということなのでしょうか。また、介護保険とこの事業のどちらかを選ぶこともできるのでしょうか。


中井長寿社会対策課長  この事業と介護保険は単独でも使えますし、併用して使うこともできるようになっております。
 また、介護保険は御承知のとおり1割ないし2割の自己負担ですが、この事業では3分の1の自己負担となります。限度額としては、この事業では80万円、介護保険では20万円が上限となっております。


香川委員  これとよく似た事業で、79ページに身体に重度の障害を有する者に対して住宅改造の必要経費を補助する「在宅障害者支援事業」として41万6000円が計上されています。この事業については介護保険の適用にならない人がいるでしょうから、介護保険とは別の事業が必要でしょうが、高齢者については全員が介護保険の適用になるのではないかと思いますので、介護保険の充実などによる対応を考えていただくことはできないのかと思います。これについては、私の疑問点の指摘だけにしておきたいと思います。
 もう一つ、88ページに精神科身体合併症診療連携調整センターの運営等に関する経費として455万6000円が計上されていますが、これはどういった事業なのでしょうか。


久保障害福祉課長  香川委員の御質問にお答えいたします。
 この事業は、身体合併症の方が適切に病院を受診することができるように、今年度から実施している事業です。身体合併症の方は主に総合病院で治療を受けることになっておりますけれども、最近は総合病院の医師不足もあって、精神科を閉鎖するなど入院が難しい状況がございます。県では坂出市の回生病院を身体合併症の拠点病院として中讃圏域等はカバーしておりますが、東讃圏域や高松圏域では、高松市民病院に身体合併症の方を対象とした病床があるものの、数が限られているため、精神科の症状がある人が身体合併症になったときに治療を受ける環境が厳しくなっております。そこで、香川大学医学部の寄附講座に精神科身体合併症診療連携調整センターを設けて、中央病院や高松赤十字病院などの総合病院に加入してもらって、スムーズな入退院の受け入れをできるように、調整センターで振り分ける事業を行っているところでございます。


香川委員  要するに、精神障害のある方が普通の内科や外科の病院を受診するときに、調整をするということでよろしいのですか。今年度からの事業ですからまだ1年たっていないのですが、今はどのような状態でしょうか。


久保障害福祉課長  今のところ加入している病院からは、調整がうまくいかなかった事例は聞いておりませんので、スムーズに流れていると考えております。


香川委員  それはいいことだと思います。なぜ、私がこういった質問をしたかといいますと、主要事業概要説明資料の98ページの事業の説明を見ると、高松・大川医療圏での患者と特定されていたので、ほかの医療圏に対してはどのようになっているのかお伺いしたのですが、今年度の事業ではうまくいっているのであれば、ほかの医療圏も含める必要があるのでしょうか。もし、必要があったとしても、来年度の予算に入っていないのですから、来年度はできないと思うのですが、いかがでしょうか。


久保障害福祉課長  香川委員の御指摘のとおり、まだ実施して1年ですので、これから検証もしながら、必要があれば県内全域での実施についても検討していきたいと思っております。


香川委員  今度は予算からは外れるのですが、午前中にも動物愛護に関する質問がありました。香川県動物の愛護及び管理に関する条例に基づいて、現在、計画中の動物愛護センターもできるのだろうと思っておりますけれども、その条例で規定されている特定動物についてお伺いします。
 特定動物の飼養または保管の許可に関しては、生活衛生課が所管しているそうですが、例えば虎やワニ、あるいは蛇などを飼育するには届け出が義務づけられていると聞いておりますので、そうしたことについての、香川県の現状をお聞きします。


池本生活衛生課長  香川委員の御質問にお答えいたします。
 動物の愛護及び管理に関する法律により、ワニ、ニシキヘビ、虎、ライオンなど人の生命、身体または財産に害を加えるおそれがある動物を特定動物と規定されており、その動物を飼養あるいは保管しようとする場合には、その動物の種類ごとに、その施設の所在地を管轄する保健所長の許可を受ける必要がございます。現在の各保健所の許可状況でございますが、東讃保健所が4施設、小豆保健所が4施設、中讃保健所が10施設、西讃保健所が4施設の計22施設となっております。


香川委員  個人が飼う場合は許可は要らないのですか。それとも個人が飼う場合も要るのでしょうか。


池本生活衛生課長  個人が保管、飼養する場合も必要でございます。


香川委員  動物の愛護及び管理に関する法律の規定では、最初に許可を受ける時に、飼う予定の場所を届け出ることになっていますが、こうした動物の飼養の届け出があった場合に、近所の方は知ることができるのでしょうか。例えばうちの隣にライオンがいるかどうかもわからないということが、実際にあり得るのでしょうか。


池本生活衛生課長  鳴き声を出す動物に関しては、声でわかるのではないかと思うのですが、ワニなどの余り鳴かないようなものについては、多分、わからないと思います。しかしながら、近隣住民に対する意見聴取や、届出をした人が反社会勢力でないことの確認などは、法令に規定がないことから行っておりません。


香川委員  それでしたら、例えば隣にライオンがいたとしても、その人は何も言えないということですね。先ほど、22施設と言いましたけれども、22匹ということではないのですか。また、個人で飼っている方は結構いらっしゃるのでしょうか。そのあたりについて、わかりましたらお願いします。


池本生活衛生課長  複数飼っている方もいらっしゃいますので、22施設で22頭ということではございません。個人で飼っている方については、確かな数字は把握しておりません。


香川委員  昨年、丸亀市でニシキヘビが逃げ出したことがあり、それは特定動物には該当しない種類のニシキヘビだったようですが、ライオンが逃げ出すこともありえなくはないと思います。もし個人として飼うのであれば、おりさえきちんとしていれば、私があしたから飼うと言っても、原則として許可されるということでしょうか。


池本生活衛生課長  許可に当たっては、特定動物の逸走を防止できる構造及び強度であること、外部との出入り口の戸は二重以上であること、また出入り口の戸には特定動物の体が触れない場所に施錠設備が設けられていることなど、飼養施設の構造、規模及び管理に関して、特定動物を飼養・保管するための極めて厳しい基準がございます。許可申請があれば保健所職員が立ち入りまして、その基準に適合していることを確認した上で許可をしております。


香川委員  当然、しっかりと確認して許可しているのでしょうけれども、危険な動物ですから、勝手にどこかから連れてくるわけではなく、動物商などから買ったりするのでしょうから、最初は許可を得るためのアドバイスを受けてりして、許可になるのだと思います。ただ、規定ではふやすときも届け出が要りますし、廃止するときも届け出が要るとなっていますから、もし飼っている蛇が死んでしまった場合にも、届け出が必要ということだと思います。特定動物は650種類ぐらいあるのですが、そうした廃止届は、実際に出てきているのでしょうか。


池本生活衛生課長  飼養頭数の増減について報告するようになっておりますので、出てきております。


香川委員  今回、外部監査において、ワニを100匹飼うといった許可が出されていると聞きました。個人情報ですから、どこの誰とは聞くつもりはございませんけれども、これは事実なのですか。


池本生活衛生課長  申請書に100匹と書かれておりますが、100匹まではいっていないようです。


香川委員  100匹までいっていないといっても、100匹を飼えるだけの施設はあるのだと思います。施設を見て、1匹しか入らないのに100匹の許可というのは、当然、出ないでしょうから、100匹と書いてあると、100匹飼える施設があるということでよろしいのでしょうか。また、飼う目的は何なのでしょうか。


池本生活衛生課長  当然、それだけの広さが必要だと思いますので、それは確認しております。個人情報の施設でございますので、詳細につきましてはお答えは差し控えさせていただきたいと思います。


香川委員  許可申請書の様式では、飼養または保管の目的として、愛玩、販売、展示、試験研究等、その他となっております。100匹もいるのでは愛玩ではないでしょうし、展示や試験研究でもないと思うのですが、目的までも言えませんか。


池本生活衛生課長  その他の項目になると思います。


香川委員  例えばハンドバッグの革をとるための飼育であっても、認められるのでしょうか。その場合は、動物の愛護及び管理に関する法律に基づくのか、それとも栽培漁業みたいに取り扱われるのでしょうか。


池本生活衛生課長  ワニの場合は皮を使ったり、食用として使われることもあると思いますが、そうした目的であっても認められます。


香川委員  これは動物愛護に関する法律ですから、少し目的が変わってしまっているような気もいたします。先ほど動物愛護センターの話もありましたが、これは目的を見ると、愛護及び適正に飼養するということなのですから、販売などを目的としたものが入ってくるのは、ふさわしくないのではないでしょうか。香川県動物の愛護及び管理に関する条例は、国の動物の愛護及び管理に関する法律に基づいたものですが、条例である程度、制限したりはできないのでしょうか。例えばうちの隣には大きなニシキヘビがいるということがわかると、周りの人は気持ち悪いと思いますし、万が一にも逃げることがありますと、大変なことになると思います。そうしたチェック体制は、県が管理・指導しているとおっしゃいましたが、この22施設に関してはどのぐらいの間隔で指導しているのでしょうか。


池本生活衛生課長  平成27年度は1月現在で、39の施設を検査しております。


香川委員  全県で22施設とお聞きしたのですが、39施設を検査したのですか。


池本生活衛生課長  延べ39施設ということでございます。


香川委員  ということは、1年間に2回、検査したわけですね。


池本生活衛生課長  全ての施設ではありませんが、飼養数の多い施設はそうなっております。


香川委員  これは公になると、みんなびっくりするのではないかと思うようなことでございますし、その管理は県の責任になると思いますので、しっかりとした管理を行っていただけるようにお願いして、質問を終わります。


高田委員  午前中の山下委員の質問にもありましたが、まず、香川県・高松市動物愛護センターの基本計画案についてお聞きします。
 基本計画策定の目的の中に、香川県動物愛護管理推進計画において平成35年の犬や猫の引き取り数を平成16年度比で75%減にすると書かれており、新・せとうち田園都市創造計画では犬・猫の譲渡率を平成26年度の10.6%から平成32年度には24.4%にすると書かれております。午前中の山下委員の質問で具体的な数字が出されており、少し気になったところでありますが、恐らくこの24.4%という目標値は数字にあらわすと1,100頭ぐらいの譲渡数になるという話であったと思います。ただ、一方で引き取り数を平成16年度比で75%減ということですと、平成16年度の引き取り数は分かりませんが、昨年9月定例会の委員会で平成26度の捕獲数が約4,500頭とお聞きしておりますから、それが75%減になると約1,100頭になります。そういう意味では殺処分ゼロを目標にしているということなのでしょうか。
 これは6月定例会の委員会でも言ったのですが、数値目標がわかりにくいのです。動物愛護センターができて、今後、殺処分数や殺処分率を何年後にはいくらにするというのであればわかるのですが、殺処分数や殺処分率ではなく、譲渡率や引き取り数が目標になっていて、非常にわかりにくいので、このあたりを整理していただきたいと思います。それと、先ほど言ったように、殺処分率ゼロを目標にしているとして理解していいのかを教えていただきたいと思います。
 たしか2013年度で犬が殺処分率でワースト1位、猫が6位と言っていましたけれども、2014年度の最新情報はもう出ているのでしょうか。既にわかっているのであれば、現在の全国での順位を教えていただきたいと思います。
 そして、6月定例会の委員会でも聞いたのですが、まだ納得できないので、香川県で殺処分が多い理由についてお聞します。基本計画でも殺処分数が多い理由として、「犬や猫の収容数が多い一方で、返還・譲渡が少ないため」と書かれておりますが、なぜ香川県では収容数が多くて譲渡が少ないのか、その根本的なところがわからないので、そのあたりをどのように捉えているのかお聞きします。
 例えば、札幌市では、ピーク時は年間1万頭を超えて殺処分をしていたが、一昨年の1月から犬の殺処分数がゼロを達成していると報道されました。熊本市も2014年度の殺処分はゼロですし、神奈川県でも横浜市や川崎市など5市を除いた県全域を所管する神奈川県動物愛護センターでの殺処分が、2013年度と2014年度の2年連続でゼロとなっています。そうした中で、香川県の現在の状況からどのようにして、殺処分ゼロを目指していくのかお聞きします。
 そのためにも、この動物愛護センターが機能を発揮していくということだと思うのですが、山下委員の質問にもあったのですが、動物愛護センターができれば、捕獲した犬や猫の流れや取り扱いはどのようになるのでしょうか。私の理解が合っているのかどうかわかりませんが、今までで言えば、保健所で引き取って、インターネットなどを使っていろいろな広報をして、1週間か2週間、法律では3日だそうですが、保健所で預かっておく間に引き取り手を探して、いない場合は春日川の河口に連れていかれて二酸化炭素での殺処分ということになるのでしょうが、新しく動物愛護センターができることで、どのように変わっていくのでしょうか。簡単に流れを説明していただきたいと思います。


野本健康福祉部長  高田委員の御質問にお答えいたします。
 まず、今回の目標がわかりにくいということですが、平成16年度比で引き取り数を75%減にするということは、計算しますと1,850頭になります。それから、午前中もお答えしたとおり、譲渡率を10.6%から24.4%にするということは2.3倍になりますので、1,100頭程度という形になりますから、単純に計算をしますと、750頭程度を殺処分して、殺処分率は40%程度になるのではないかとは思います。ただ、元の飼い主への返還数なども関係してきますので、明確なことは言えませんが、おおむねその程度の数字になると考えております。
 2014年度の最新の情報でございますが、犬がワースト1位、猫がワースト16位となっており、若干猫がよくなっておりますけれども、依然としてよくない状況でございます。
 その理由は何かという御質問につきましては、委員の御指摘のとおり、収容数が多くて譲渡が進んでいないという現状がございます。収容数が多い、すなわち野良犬、野良猫が多い原因としましては、温暖な気候で冬を越すことができることや、適度に開発された地域が多いので、すみかとなる中山間部や沿岸部などでも餌が手に入りやすい人家が多いことなどが考えられております。譲渡が進まない理由としては、保健所で引き取られた犬や猫については、飼い主のいない野良犬や野良猫ですから、新しい飼い主への譲渡が難しいといった課題があるところでございます。
 それから、今後の対応でございますが、収容数の減少対策と譲渡の推進を地道に進めていくことになると思います。今回の動物愛護センターもこの目的を達成するために設置するものでございますが、まず収容数の減少のためには、現在、動物を飼っている人たち、あるいは動物にかかわっている人たちに、動物を飼うということの責任を自覚していただきまして、終生飼養、適正飼養をしていただくことと、安易な餌づけなどをしていただかないようにするなどの普及啓発を進めていく必要があると思っております。
 また、現在、野良犬が多い状態であり、繁殖してふえてしまっているという話も聞いておりますので、捕獲対策を進めていかなければならないと考えております。
 それから、譲渡の推進でございますが、これも午前中にも少しお話ししたところでございますが、譲渡ボランティアの御協力により譲渡を推進しているところがございますので、支援の拡充を進めたいと考えております。
 動物愛護センターができた後の流れにつきましては、保健所で収容することは変わりません。そちらで1週間の収容期間中に譲渡の適性があるかを確認して、譲渡の適性のある犬・猫につきましては、動物愛護センターに移して充分な健康管理等を行って、譲渡に努めてまいります。動物愛護センターを譲渡の推進拠点として、ここに行けば県民の皆様が自分に合った犬や猫に出会えるといった施設にしていきたいと考えております。


高田委員  今の御答弁では、1,850頭から1,100頭を引くと750頭程度は残るので、残念ながらこの取り組みを進めても平成35年までに殺処分をゼロとすることを目標には置いていないということですが、私が先ほど言ったように、殺処分ゼロを達成した自治体が現実にあるのです。今、殺処分率を減らすためのいろいろな取り組みをお話いただきましたが、なぜ本県では殺処分ゼロが目標にならないのでしょうか。既に達成している自治体は一体何ができたことで殺処分ゼロを達成できたのか、他県の取り組みも参考にすべきだと思いますけれども、そのあたりについて教えていただきたいと思います。


野本健康福祉部長  高田委員の御質問にお答えいたします。
 究極的に殺処分ゼロという目標を達成できれば素晴らしいことですし、将来的に状況が変わっていけば目指すことも一つの考え方かと思いますが、殺処分ゼロを目指すためには、まずは不幸な犬や猫たちの収容を大きく減少させることが課題になるのではないかと考えております。これから頑張って取り組んでいかなければならないところでございますが、本県での野良犬や野良猫が多いという現状を直視いたしますと、殺処分ゼロといった目標を安易に掲げることは難しいと考えているところでございます。
 実際に、殺処分ゼロを達成した先進的な自治体でも、犬だけの数字なのか、猫も含んだ数字なのかがあると思うのですが、収容段階から本県とは状況が違っておりますし、また、実際に殺処分ゼロといった目標を掲げて達成しても、その後に殺処分が出てきてしまう状況もございます。もちろん動物の命を尊重するという観点からは、そういった方向に進むことが望ましいのですが、現実問題として、殺処分せずに収容施設で飼育し続けることでいいのかということもございますので、慎重に考えていく必要があるのではないかと思います。


高田委員  そうであれば、殺処分ゼロを達成している自治体は、不幸な犬は収容していないという判断にしかならないのですが、そういうことなのですか。


野本健康福祉部長  そもそも全体の収容数が落ちてきていて、その中で譲渡が進んでいるということもあろうかと思いますし、いろいろな状況があると思っております。


高田委員  そういうことだと思います。恐らく一度、殺処分ゼロを達成した自治体は、これからも殺処分ゼロを続けていくための努力をする中で、当然、不幸な犬は収容しないという方針ではなく、不幸な犬が出てこないという取り組みが必要なのだと思いますので、他県の事例も研究をしていただきたいと思います。
 もう一つ、これも6月定例会の委員会でも聞いたのですが、地域猫のモデル事業についてお聞きします。来年度も引き続き実施するということですが、6月に聞いたときには、まだ具体的に実績はないということでした。既に年度末でありますから、実績を教えていただきたいと思います。
 実は、昨日、高松市丸亀町商店街を歩いておりますと、里親募集のキャンペーンが行われておりました。これは高松市のキャンペーンだったのかもしれませんが、商店街で子猫などを見せながら里親の募集をするとともに、地域猫のPRをしておりましたので、県の計画とどのようなかかわりを持った取り組みなのか教えていただきたいと思います。


池本生活衛生課長  高田委員の御質問にお答えいたします。
 地域猫のモデル事業でございますが、飼い主のいない猫に不妊去勢手術をして地域の中で適正に管理しながら、一代限りの命を全うさせ、将来的に野良猫をなくすための取り組みであり、猫の収容数及び殺処分数を減少させるための有効な対策であると認識しており、今年度からのモデル事業として、活動に取り組む市町に対して不妊去勢手術費用の助成などの支援を行う制度を設けたところでございます。今年度のモデル事業への参加の意向について、各市町にアンケート調査を実施したところ、土庄町が参加を希望しており、2月現在で、活動準備段階として飼い猫のリストアップ等の作業を行っているところでございます。
 委員のお話にありました、高松市丸亀町商店街で行われていた猫の譲渡や地域猫のPR活動につきましては、民間の動物愛護団体が実施しているものでございまして、現時点で県としての関与はございませんが、今後、地域猫活動の普及を図る上で必要に応じて関係機関や団体と連携してまいりたいと考えております。


高田委員  動物愛護については最後にしようと思いますが、香川県動物の愛護及び管理に関する条例は平成13年に制定されて、平成18年と25年の2回の改正を経て現在に至っているという状況です。
 実は、先ほど紹介をした殺処分ゼロを達成した札幌市にも同じような条例があり、全てを読んだわけではありませんが、香川県の条例と比べてみると、札幌市の場合はかなり丁寧で詳しく書かれていると感じています。
 例えば、今回、札幌市議会で改正しようとしている内容を見ると、「動物を譲渡する場合は、原則として、離乳を終え、成体が食べる餌と同様の餌を自力で食べることができるようになってからこれを行うこと。ただし、犬及び猫にあっては、生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するよう努めること。」と書かれています。香川県の条例でこれに対応する条文を見ると、「哺乳類に属する動物を離乳前に譲渡しないこと。」と書かれているだけなのです。そうしたことからも、今回の動物愛護センターの整備に伴って、条例についても他県を参考にしながら見直す必要があると思いますが、どのように考えているのかお聞かせください。


野本健康福祉部長  高田委員の香川県動物愛護管理条例に関する御質問にお答えいたします。
 委員が御指摘されたのは、動物の飼養に関する部分の規定かと思いますが、この規定について、他県の条例でどういった書き方をしているのか、あるいはどういった効果があるかなどについて、研究してまいりたいと思います。それによりどういった効果が出るかはわからないところがありますので、まずは研究させていただきたいと思います。


高田委員  先ほど私が例で出した部分で特筆すべきは、「生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するよう努めること。」というところだと思います。これについて、その意義をどのように感じておられますでしょうか。


池本生活衛生課長  高田委員の御質問にお答えいたします。
 札幌市の条例案では委員の御指摘のようになっておりますけれども、動物の愛護及び管理に関する法律で譲渡についての日齢が規定されておりますので、そこを参考にしているため、本県の条例では数字的なものは入っておりませんが、同じ意味だと考えております。他県の条例等は、今後、研究していきたいと考えております。


高田委員  実は、生後8週間の親子ともに飼養することが望ましいということは、超党派の国会議員でつくる「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」の考えでもあるわけなのです。今回、札幌市でこの内容が生かされる条例になりそうだという報告があった部分ですので、ぜひ研究をお願いしたいと思います。
 2点目に、斯道学園についてお聞きします。
 昨年の9月定例会の委員会で、現在、男子寮と女子寮の2寮体制を、男子寮1つをふやして計3寮とするために整備を進めているとお聞きしました。その際に聞き忘れたのですが、まず、男子寮2寮体制にする理由をお聞きします。


野本健康福祉部長  男子寮を2寮とする理由でございますが、現在の斯道学園の人員体制は、園長1人、次長1人、給食担当を含めた総務担当や指導担当の計31人を配置しており、寮につきましては受け入れ可能人数を20人から30人にふやして、男子寮は16室、女子寮は9室の居室を確保しており、個室を大幅にふやすことで、子供の状態に応じた処遇を行うことが可能となるといったメリットがあるところでございます。男子寮を現在の1寮当たり10名の定員のところを、今回の整備で定員10名の2寮とすることで、家庭的な養育環境を提供して、児童への個別支援の充実を図れるものと考えております。


高田委員  私が9月定例会の委員会でお聞きしたかったのは、それに対しての人員体制をしっかりしてほしいということなのです。その際の答弁では、現在、斯道学園は33人が配置されており、3つの寮に定員いっぱい30人が入所した場合でも、4.5人に1人とする配置基準で言えば7人となるところを、現在、児童自立支援専門員と児童生活支援員を合わせて11人配置しているので、既に施設の運営に関する基準を満たしていているということでした。また、国の審議会が取りまとめた「社会的養護の課題と将来像」の目標水準である3人に1人と考えても必要人数は10人であるので、これも満たしているとの答弁をいただいきました。そういう意味で言えば、3寮体制になっても現行人員で既に基準を満たしているから、3つの寮が整備された後、追加の人員が配置されるのか心配になってくるわけなのです。
 労働基準法では週に1度しか宿直業務はできないとなっているので、1週間は7日間ですから、3つの寮に専門職が最低7人ずつ必要になります。単純に考えると、寮が1つふえるというのであれば、7人の増員が必要となりますが、そういう方向なのか教えていただきたいと思います。また、生活支援の面で入浴などがありますから、女子寮には女性職員、男子寮には男性職員が宿直を行うのが望ましいと思いますが、そうした方向なのかも教えていただきたいと思います。
 あわせて、この30人の定数がいつも満員だというわけではないと思いますので、そういうときにこそ、入所児童だけでなく対象者の家庭訪問や、アウトリーチ、アフターケアなどの支援活動が社会的にも要請されていると思いますから、そうしたことに取り組むためにも、先ほど申し上げた7人掛ける3の21人の配置が必要だと思いますが、人事当局との話はできているのでしょうか。
 また、心理療法の担当職員は、目標とする配置水準は10人に1人となっていますから、3人の配置が望ましいけれども、現在は1人しかいないということでしたので、その増員はどのように考えておられるのでしょうか。さらに、同じ場所で生活するような状況の中では相談業務は合わないという観点から、心理療法担当職員は宿直には余り入るべきではないという意見がありますが、このあたりはどのようにお考えでしょうか。


野本健康福祉部長  高田委員の御質問にお答えいたします。
 まず、人員の話でございますが、児童自立支援施設である斯道学園は、寮において児童自立支援専門員や児童生活支援員の少なくとも1人が児童・生徒と起居をともにして生活指導を行うため、宿直をしているところでございます。また、労働基準関係法令等におきまして、宿直勤務は週1回を限度としていることは承知しているところでございます。
 平成29年度からの寮整備後の人員体制につきましては、関係法令を遵守しまして、入所児童の処遇環境の配慮や他県の同様な施設の状況、施設整備後における業務の内容等を検討した上で、適切に人員配置がされるよう、関係部局と協議を進めてまいりたいと考えております。
 また、男子寮に男性職員、女子寮に女性職員という御質問でございますが、寮の職員につきましては児童・生徒と起居をともにして生活指導を行うために宿直をしていることから、現在でも基本的に男子寮については男性職員、女子寮については女性職員を配置しておりまして、整備後におきましてもこれを基本としていきたいと考えているところでございます。
 心理療法担当職員につきましても、必要な人員が適切に配置できるように、関係部局とも協議を進めたいと考えておりますが、心理療法担当職員は被虐待経験や発達障害を背景として問題行動を起こす児童の面接やカウンセリング等を実施しているもので、このような心理療法担当職員が必ずしも宿直に入るべきではないとは考えていないところでございます。


高田委員  よくわからないのですが、寮が1つふえるので、7人の増員が必要ではないかと思いますが、そうなる方向なのかという質問に対して、適切な人員配置と言われてもわかりにくいので、せめてそういう方向で人事当局には要請しておられるのかをはっきりと言っていただきたいと思います。
 それと、先ほど言うのを忘れたのですが、人員を配置するにしても、正規職員で対応するのが当然だと思っています。臨時職員や嘱託、再任用職員となると、恐らく勤務時間の上限でも縛りがかかってくるでしょうから、専門職を増員することは難しいとは思いますけれども、人事当局にしっかりと言わないと、わかっていただけない可能性があると思います。皆さん方が人事当局に対してしっかりと言っていただいて、それでもだめだったら納得するのですけれども、最初から適切な人員を配置と言うのではなく、この人数でお願いしているということを答弁いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


野本健康福祉部長  そこは繰り返しの答弁になりますけれども、適切な人員配置がなされますように関係部局と協議を進めてまいりたいと考えております。


高田委員  結果はできなくても仕方ないと思いますけれども、どこだって人は足りないのですから、こちらからしっかりと言わないと人員配置はできないと思います。そういう姿勢では人材を確保できないと思いますし、今のようにしか言えないのはなぜかわかりませんが、仕方ありません。
 私もよく知らなかったのですが、現在の状況で言えば、宿直される方はそれなりの資格が必要であり、嘱託や臨時職員の方では3年を経過しないと宿直ができないので、週1回の宿直体制を維持するためには、正規でない方で対応したのではそういった無理が起きるのではないでしょうか。
 それと、宿直ができる要件として、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第82条で、斯道学園のような児童自立支援施設での勤務歴が3年以上か、児童自立支援施設以外の社会福祉施設であれば勤務歴が5年以上のどちらかを満たす職員であれば、児童自立支援専門員となって宿直が可能になるようです。このことを含めて、今の状況で言えば、この条件を満たす職員は平成29年には5人ではないかと推定され、これでは先ほど言った宿直体制をとるのは難しいのではないかと思うのですが、そのあたりをしっかり認識して要望しているのでしょうか。


吉田子育て支援課長  高田委員の斯道学園の宿直体制についての御質問にお答えします。
 委員の御指摘のとおり、宿直のうち1名は、児童自立支援専門員または児童自立生活支援員の有資格者ということになっておりまして、現在は資格を満たす者が2寮の7名掛ける2で、14人は確保できておりますが、3寮になりましたら労働基準法を遵守するためにもさらなる人員が必要となってまいりますので、要求しているところでございます。


高田委員  しっかりと要求していただきたいと思います。
 最後に、病院局にお聞きします。
 病院ボランティアという方々がいて、県立病院の自動受け付け機や自動支払い機の近くに立っておられて、案内や誘導などのお手伝いをしていただけるありがたい存在だと思っています。そこで、中央病院、丸亀病院、白鳥病院のボランティアの募集方法や業務内容、登録人員、現在の状況などを教えてほしいと思っています。
 また、ボランティアですから無償ということでしょうが、制服があるのかどうかわかりませんが、何らかの貸与するものや支給されるもの、あるいはガソリン代などは出されているのかお聞きします。


和田病院局長  高田委員からの県立病院でのボランティア活動についての御質問にお答えします。
 県立病院では、地域に開かれた病院として、病院内で活動していただくボランティアの方を募集して、実際に活動いただいております。
 まず、募集方法につきましては、病院内での掲示やホームページなど広報による募集や、ボランティアのあっせん等をしている市町の社会福祉協議会のボランティアセンターへの登録などの方法により募集しております。募集人員につきましては、特に決まったものはないのですが、現時点で中央病院で14名、白鳥病院で4名の方に活躍していただいております。
 ボランティアの具体的な活動内容につきましては、委員から御紹介ありましたように、来院者へのお声がけや院内の案内、再来受け付け機や自動精算支払い機の操作のお手伝い、図書コーナーの整頓や車椅子の整理など、病院職員では必ずしもきめ細かく対応できていない部分に御貢献いただいている状況で、患者の方からは頼りにされておりますとともに、病院にとっても患者サービスを向上させることができ、大変、感謝申し上げているところでございます。
 また、無償ボランティアという形で運営させていただいておりまして、申しわけないのですが、交通費や食事代などは自己負担でお願いしておりますが、この点につきましては、募集の中であらかじめこういった条件でもよろしいでしょうかと御説明をして、御了解いただいた上で御協力をお願いしております。
 貸与につきましては、制服というほどのものではないのですが、エプロンや名札といったものを用意して着用していただいている状況でございます。


高田委員  ボランティアの方々ですから、旅費を支給したいと言っても辞退される人もいるかもしれませんが、その方々に対しての感謝を何らかの形であらわしていくべきだろうと思います。一つの考え方として、例えば院内の病院だよりやホームページなどに、そういった方の記事を入れて、ボランティアへの思いを載せてはどうでしょうか。単なるルーチンワークではなく、人を相手にすることですから、ボランティアをしていて、ちょっとした出来事があったことなどをみんなに知らせて、そういう方々も含めて地域の医療を支えるために頑張っていただいているということをPRすべきではないでしょうか。本人が辞退すれば仕方ありませんが、感謝の気持ちをあらわすという意味で取り組んでいただきたいと要望して、終わりたいと思います。


尾崎委員  先ほど看護師の募集の状況等について、厳しい状況であるとの報告がありました。県立保健医療大学も充実してきているのですが、卒業生の中で、近年の県外や県内での就職率はどの程度なのかお聞きします。


東原健康福祉部次長  尾崎委員の御質問にお答えします。
 今、正確な数字は覚えておりませんが、例えば県立保健医療大学でありましたら、恐らく6割ぐらいが県内の出身者で、4割ぐらいが県外出身者だと記憶しております。卒業生は多少の入れかわりはありますが、同じような割合で県外に行っているのではないかと思います。


尾崎委員  6割が県内で就職しているのではないかということですが、その6割のうちの何割が中央病院に来られておるのか、近年の傾向をお聞きします。


東原健康福祉部次長  これも、今、正確な数字を覚えておりませんが、年度によって多い年もあったり少ない年もあったりいたしますので、例えば平成28年度の採用につきましては病院局にお答えいただいたほうが正確ではないかと思っております。


和田病院局長  平成28年度に採用予定となっている方は8名でございます。


尾崎委員  採用予定は8名ということですが、保健医療大学の卒業生は何人ぐらいいるのでしょうか。


東原健康福祉部次長  県立保健医療大学の看護学科は、1学年70名と記憶しております。


尾崎委員  そうであれば、8名ということは1割強ということになります。
 先ほどの答弁の中で、奨学資金の償還についての優遇制度を来年度から導入しようということですが、現状で1割程度しか来ていないものが、それによってどれぐらい伸びると病院事業管理者は想定されているのでしょうか。


松本病院事業管理者  先ほど、東原次長からの答弁もありましたように、年によっても違ってまいりますので、難しいところでございます。午前中に谷久委員からの御指摘もあったのですが、実習生が病院に実習に来たときに将来の職場としてどこを考えるかということを、そういうときの経験から考えておりますので、中央病院の仕事内容をしっかり見ております。その中で実習生への対応として、親身になって研修を助けることがこれからも大事になってくると思いますので、就職のコーディネーターの配置も検討していただいておりますが、実習生の研修制度における取り組みを、もう少し丁寧に行えるように今、病院に指示をしております。
 委員の数字についての御質問にお答えするのは難しいのですが、我々としましては多ければ多いほうがいいわけでありますので、そのような努力はこれからも続けていきたいと思っております。


尾崎委員  第3次県立病院中期経営目標案もつくっている中で、中央病院が看護師を確保できるかできないかわからないという考え方では、新しい診療科も開くことができないだろうし、さらに奨学資金の返還を免除する制度をつくってもどうなるかわからないという状況です。中央病院に研修に来た人たちは、なぜ就職先として中央病院を選ばないのでしょうか。中央病院は不人気なのでしょうか。


松本病院事業管理者  我々もいろいろな声を聞きます。保健医療大学ともお話をさせていただくのですが、もちろんいろいろな方がおられまして、高度医療に携わりたいという御希望の方もおりますし、能力的なことを考えれば、もう少し仕事の内容として、負担の少ないところがいいという考えの方もおられます。近年は、いわゆる急性期病院だからそこに就職をしたいという方ばかりではございませんので、そういったことも含めまして、県立病院としては保健医療大学の卒業生の方は大歓迎であるという姿勢で実習や説明会などでの御説明をさせていただきたいと考えております。


尾崎委員  それは努力していただかなくてはいけないのですけれども、目標すら設定できないという状況で、しかも卒業生の1割強しか採用できないという状況を考えると、県立保健医療大学で県がこれまで努力してきたことは何だったのかということになりかねないと思います。国の制度も変わりましたし、そうした中で修学年数も変わってきた中で、県としては一つ一つ対応してきたのですが、それでも卒業生の1割強しか採用できない状況なのです。
 もちろんそれぞれの思いがあって医療職につこうとするのですが、いずれにしても命にかかわる仕事に携わろうとする人たちなのですから、急性期であろうとなかろうと、それぞれが命の問題を抱えて患者は来ているのです。その最後のとりでとして自認している中央病院が定員すら充足できないという実態では、このままではどういう制度をつくろうとも、看護師を目指そうとする人たちが高度医療の拠点としての県立中央病院を選ばないという実態は、大きく変わることはないと思います。そうなってしまったら、欠員状態のままいかざるを得ないことになります。
 それで、これから先を考えると、少子化、高齢化と言われて久しいものがありますけれども、私の地域で言うと団塊の世代は600人の卒業生を出しているのですが、今の小学校6年生は100人に満たず、90人ぐらいです。10年すると団塊の世代は全員が後期高齢者になりますが、10年すると小学校6年生は22歳ですので、大学進学しても社会のタックスペイヤーとしての自立が求められるのです。だけども100人に満たない人数で、600人の後期高齢者を支えなくてはいけない時代が、もう目の前に来ているのです。
 皆さん方はそれぞれ、2年や3年をめどに仕事をしておられるのだろうと思うのですが、危機的な状況までわずか10年しかありませんし、きょう、子供が生まれたとしても、成人になるには20年かかるのです。中国で一人っ子政策をやめて2人まで構わないということになりましたが、30年間一人っ子政策をしてきて、さらに1人ふやしても構わないということになっても、成人するには20年かかりますから、50年間のブランクができてくるのです。
 その意味では、今すぐに取りかからないと大変なことになってきますので、一つの方策として考えられるのは、今、中央病院で勤務されて、20年、30年と実務の経験を積んできた人たちも60歳で定年なのですが、60歳でリタイアせずに、せめて2、3年、できれば5年ぐらいは延長して勤務してもらえないものでしょうか。いわゆる嘱託としての処遇ではなく、正社員としての処遇をしていくことが必要だと思うのですが、病院事業管理者はどう考えておられますか。


松本病院事業管理者  定年以降の再雇用に関しての御質問ですが、病院局は地方公営企業法の全部適用となっており、香川県職員定数条例の中におりますし、定年制に関しても病院局だけで独自に対応するわけにはいかないのが現状でございます。ただし、60歳を過ぎた方でも現役で仕事ができる能力を持っている方はたくさんおいでになりますので、そうした方の再任用は積極的に取り組むことができればありがたいと思いますが、それに対する新たな制度をつくっていくことにつきましては、病院局だけでは難しいところもありますので、私個人としては、全庁的に御検討いただければありがたいと思うところでございます。


尾崎委員  病院局長は、その点に対してどうお考えですか。


和田病院局長  今、病院事業管理者からもお話しがありましたが、看護師の募集には苦労している状況でございますので、委員がおっしゃったように、県立中央病院の最前線で活躍されている方は、公務員ですから定年制度は法律で決まっているものなのでいたし方ない部分がありますが、せっかくお持ちになっている能力を引き続き病院で活用していただけることは、ありがたいと思っております。
 それで、現在の制度の中では嘱託や再任用制度になりますが、私どもも、できるだけそういった制度を活用したいという立場で、定年退職を迎える方に再任用などに応じてもらえるようにお願いをしているのですが、御家庭の事情とか、年齢的にも夜勤は勘弁してほしいといった、個々人のお考えがございます。私どもとしてはできるだけ、長年の県立病院で培っていただいたスキルを生かせることが、御本人にとっても我々にとっても有意義なことだと思いますので、今後とも委員から、今、御提案があった点も含めまして、いろいろと検討してまいりたいと考えております。


尾崎委員  検討してまいりたいと言われましたが、検討している間に患者はそれぞれ亡くなっていくかもしれません。そういった中で、その日その日の最善の状態をつくっていくことが大事なのだと思います。嘱託制度で給料が半分になるのなら、応じていただける人は少ないと思いますから、そういう中で現給をどうやって維持していけるのか、例えば勤務体制にしてもどうやってフレキシブルにやっていけるかということに尽きるのだろうと思います。
 例えば、1日4時間勤務でも、6時間勤務でも構わないといった、いろいろな形で勤務体系を考えていかないと、これまでと同じ方法では看護師は確保できないのですし、これからの見通しも立たないということですから、それこそ命のとりでと言われているあなた方がそれに応える努力をしないと、患者のみならず県民は中央病院に来ることに対して不安を持ってしまいます。そうしたことにならないように、信頼を寄せてもらえる病院にしなければいけないと思いますが、病院事業管理者はどう思われますか。


松本病院事業管理者  おっしゃるとおりでございます。午前中の谷久委員の御質問でもお答えいたしましたように、一つのことでは解決いたしませんので、いろいろな方面からの取り組みを展開したいと考えております。現在は3交代制の勤務が主でございますが、2交代制を試行しているような状況もございまして、それで現実的に夜勤者の確保につながるのであれば、そうしたことを広げていく必要もございます。また、院内に保育所がございますけれども、現在、夜間保育の問題や、病児保育や病後保育のことなども、看護師からは御希望がございますので、それらをさらに充実できるようにして、看護師の確保に努めることにより、今、問題になっている病棟の稼働を一床でもふやせるように組り組んでまいりたいと考えております。


尾崎委員  現実に病院は日々稼働しておりますので、それに対応できる人事管理の体制を早くつくってほしいということを、特にお願いしたいと思っております。
 また、看護師と同時に医師の確保も重要でありますが、前任の小出病院事業管理者は、医師については岡山大学が全ての責任を持つと言っておられたのですけれども、状況はどのようになっておりますか。


松本病院事業管理者  医師の確保につきましては、これも日々我々努力をしておりますが、例えば県立中央病院におきましては、昨年の4月1日現在で正規の医師が113名でございました。今年度もいろいろ出入りはございますけれども、ことしの4月1日現在で123名ぐらいになる予定になっております。したがって、正規職員や嘱託の職員、医師、研修医などもおりますので、かなりの頻度で人数は前後しておりますけれども、正規の医師につきましては、昨年の4月よりは増員できる見込みとなっております。


尾崎委員  努力をされていることは認めます。しかし、努力だけでは不十分ですし、しかも先生方のそれぞれがスキルをアップして技術力を上げていかなくてはいけません。かつて川部健康福祉部長の時代に、国内留学の制度を議論しましたが、財政的には措置をしていると聞いています。それから何年もたっておりますが、実績はどのような状況なのでしょうか。


松本病院事業管理者  私も正確な状況はつかんでいないのが実際のところなのですが、海外への出張につきましては、半年や1年の長期の出張というわけにはまいりませんが、学会での発表など踏まえまして、その年によって違いはありますが、年間2、3名ぐらいの旅費や学会費の援助をいたしまして、海外の学会で発表したり、海外での新しい知見の勉強をしてきて、それを院内に還元したりしております。
 国内での留学につきましては、今年度の実績について、今、正確にわかりませんので、改めて御報告させていただきます。


尾崎委員  海外の学会も大事でしょうし、いろいろな国内の学会も先生にとってはそれぞれ必要なことだと思うのですが、こういったことを言っては失礼かもしれませんが、医師の資格は、そもそもオールラウンドであって、全ての診療科ができるようになっていて、その中でそれぞれ専門分野を選んでいくことになっています。また、資格に定年はありませんから、その資格は命ある限り存続しますし、医師免許に更新はありません。そういった中で、とりわけ臨床の医師にとって大事なことは、技術力だろうと思っております。能力については医師免許を持っていることで確認済みですから、後は技術があれば、命のとりでとしての役割を果たし得るのだろうと思います。
 そのために大事なことは、実際の経験ではないでしょうか。地方ではレアケースの病気にめぐり会う機会もありませんから、半年とか1年くらいの期間は、国内にしろ海外にしろ留学をして、そこでみっちりと経験を重ねてくることが大事だと思うのですが、定数に満たない状況で留学のために医師が抜けたら、その診療科は休診しないといけない状態では、海外どころか国内留学もできずに、何日間かの出張で学会へ行く程度しかできないということになってしまうのです。そのためには人員の充足や、むしろ加配できるぐらいの体制をとっていかないと、常時その技術を磨くための留学は不可能な状態になるということだと思うのですが、病院事業管理者はどう考えておられますか。


松本病院事業管理者  委員の御指摘のとおりでございまして、人員がしっかりいなければ、半年や1年の研修に行くということになりますと、診療に支障を来しますので、難しいことになるというのは当然でございます。
 例えば、現在、中央病院では、最先端の手術ロボットと言われているダヴィンチを導入していただきまして、今、それが稼働しておりますけれども、そのダヴィンチを使って手術をすることに関しては、非常に高度な技術が必要でございまして、その技術の習得には一定の症例を積んでいないと、保険請求ができないような制度になっております。そのために、泌尿器科では岡山大学から医師の派遣をしていただいておりますので、そういった技術を持った方の派遣についても、いろいろ大学と折衝しております。
 しかし、その方が転勤でもすれば、たちどころにその手術ができないことになりますので、その医師の後継者となる医師を養成することも必要ですから、院内での技術的な研修や教育をすると同時に、必要であれば国内のもっと進んだ国内医療機関で高度な技術の習得をしてくることも必要になるかもしれません。ただ、今の人員では、数週間であれば可能であろうとは思っておりますが、半年も行くことは困難ですから、医師の数が充足をしていないのにそういった長期の研修は難しいだろうというお話は当然でございまして、我々も第3次県立病院中期経営目標案では医師の充足率の100%という目標を掲げておりますので、それが実現できるように努力したいと考えております。


尾崎委員  テレビでよく出てくるゴッドハンドとは言いませんけれども、香川県民が中央病院を信頼できるような医療体制をつくっていくことが大事なのだと思っております。以前の小出病院事業管理者は、バングラデシュであればいくらでも手術の経験を積むことができると言われておりましたが、経験の数が必要なのだと思います。そういう中で人員さえそろえば、経験を積んでくるために県として、また病院としてどういう応援ができるかということを制度設計していかなければいけないと思います。
 ただ、私らにはわかりませんけども、医師の人事は全て岡山大学の医局で決められるとすると、せっかく育てた人材を岡山大学に持っていかれたのでは、中央病院としてはどうにもなりません。そういったことも含めて病院事業管理者がしっかりと岡山大学と議論し、交渉しながら、どういった技術交流ができるのかも含めて十分に議論していただきたいと思います。それで香川県内でナンバーワンと言われるような病院にしていただきたいと思っておりますので、ぜひ頑張っていただきたいと要望して、質問を終わります。


大山委員長  以上で、健康福祉部及び病院局関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)


大山委員長  御異議なしと認め、健康福祉部及び病院局関係の質疑、質問を終局いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。