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平成27年[9月定例会]文教厚生委員会[教育委員会] 本文




2015年09月30日:平成27年[9月定例会]文教厚生委員会[教育委員会] 本文

大山委員長  これより質疑、質問を開始いたします。


山下委員  私からは、先ほど教育長から説明のあった香川県教育基本計画を中心にお聞きします。
 先ほどの説明の中で重点項目については、どれも一つ一つ詳しくお聞きしたいのですが、今回は教員の指導力向上を中心にお聞きしたいと思っております。
 今回、まさにその指導力を問われるような事案が発表されました。善通寺市の中学校の男性教諭が、子供たち3人に対して1年にわたり体罰及び侮蔑的な表現を行い、停職4カ月の処分を受けた事案について、教育長がどのように認識されているのかお聞きします。


西原教育長  この事案は先週発表させていただいたのですが、善通寺市内の中学校において男性教諭が不適正な体罰を行ったというものであり、停職4カ月の懲戒処分を行っております。残念な案件でございまして、私どもとしてはこういったことがないように、常々、市町教育委員会や学校を指導してきたところでございますが、このようなことが起きてしまったということにつきましては申しわけなく思っております。


山下委員  問題なのは1年間も続いていたということと、その事実がわかったのが学校内ではなく保護者からの相談ということなのです。まさに指導力というか、学校の中の状態がどうだったのかということが問われる話だと思います。直接的には市の教育委員会の関係になるのでしょうが、1年間も続いて、しかも学校内の中ではなく保護者からの相談により発覚した点について、任命権者である教育長としてどのようにお考えでしょうか。


西原教育長  この事案につきましては、他の教員も気がついてなかったということに問題があり、教職員相互の連携や管理体制のあり方について問題があるのではないかという問題を提起している事案だと認識しております。


山下委員  それと、感覚的に停職4カ月では軽いのではないかと思うのですが、この点についてどのように判断されたのかお聞きします。


西原教育長  この案件については新聞報道でも出ておりますが、長期にわたって体罰を行った事案であり、その中においても筆箱をごみ箱に入れるなどの不適切な言動もございました。
 そうした問題がある中で、学習指導上の体罰事案に対する処分について、他の処分事案とも見比べながら処分案を決定しましたが、本県で初めて停職4カ月という他の処分事案と比べて厳重な処分を行ったと認識しております。


山下委員  まさに指導力の問題を問われているところであると思いますし、学校運営という点でも問題点を提示した事案だと思います。
 そうしたことからも、今後、学校内の運営方法や教員同士の関係といったものも重要だと思っておりますので、今後、気をつけていただきたいと思いますし、県教委としての指導も必要だと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 そこで指導力について本題に入りたいと思うのですが、先ほどの御説明いただいた次期教育基本計画の重点項目の3番目の、教員の指導力向上は重要ですし、そこにも書かれていますが、教員が子供と向き合う時間をふやすということも重要だと思います。
 しかし、その前段に書かれているように教員の大量退職が予定されているということなので少し調べてみました。そこで驚いたのですが、小・中学校の教員数を年代別で調べてみると、50歳代の教員数が全体の教員数4,992人に対して2,168人と実に43.4%を占めております。県立高校に関しても全体の教員数が2,303人に対して50歳代が852人で37%を占めています。これはことしの5月1日現在の数字ですが、つまり10年後には小・中学校の教員数の半分近くがいなくなり、県立高校でも4割近くがいなくなるという現状なのです。
 もっとすごいのは、小・中学校で教員数を年齢別に見ますと、例えば56歳が最も多くて274人ですが最も少ないのは33歳が61人であり、4分の1しかいないのです。また、県立高校で見ると51歳が108人いるのに、最も少ないのは新卒の22歳で7人しかおらず、これでは将来どうなるのでしょうか。指導力は教員の資質における部分もあると思いますが、昨今の教員の多忙感や仕事量を考えると、このような年代別のアンバランスは不安に思うのですが、なぜこういう状態が起こったのか、まずお聞きします。


西原教育長  山下委員の御質問にお答えします。
 その前に先ほどの体罰の案件につきましては、改めまして校長会等で体罰禁止の周知徹底を図りますなど、学校や市町教育委員会と連携して、全ての教職員に職責の重大さを十分に自覚させていきたいと考えておりますので、御理解いただきたいと思います。
 御質問の年齢構成につきましては、委員の御指摘のように今後10年間は教職員の大量な退職が続くことになります。これまでも教員採用につきましては中・長期的な計画を立てながら採用を進めてはきたわけでございますが、今の状況におきまして50代、40代が多く、若年層が少ないというアンバランスな状況になっております。そういう中で現在取り組んでおりますのは、基本的な採用計画は、年度末の退職者数を勘案して採用数を決定するということでございますが、年齢構成の平準化が図られるようにも努力する必要があると考えておりまして、今、学校の現場で活躍されている講師の方にもっと正規の職員になっていただくようにして、年齢構成をある程度平準化できるような工夫も図ろうとしております。
 具体的に人数のことを申しますと、義務教育課関係では約240名、高校関係では約60名の採用を予定しております。これは平成20年ごろから採用数をふやしておりまして、平成23年度から義務、高校合わせて概ね300名を超える採用をしており、その中で、先ほど言いましたように高い年齢層の方が受験できるような工夫をしながら、できるだけ年齢構成のいびつさを解消する努力をしております。


山下委員  平準化の努力をされているということですが、指導力向上というのは教員一人一人の資質という部分もあると思いますが、物理的に絶対数が足りない状況が続けば、どんなに優秀な教員がいたとしてもオーバーワークになってパンクするのではないでしょうか。
 先ほど教育長がおっしゃいましたように、受験の制限年齢を引き上げるなどの努力をされているということですが、例えば小・中学校の教員年齢別でいくと今現在では、38歳の教員は64人しかいないのです。これを平準化に持っていくとするとどれぐらいの採用をしないといけないのでしょうか。
 例えば、38歳の講師がいて、その方が正規の教員になる方法も一つはありますし、いわゆる社会人採用枠があったとして、38歳の人が今やっている仕事をやめて教員になるという方法もあるのでしょうが、景気がよくなってきて民間の採用も活発になっており、しかも教員の多忙感や仕事のオーバーワークが問題になっている中で、今の仕事をやめて教員になろうと思う人が一体どれだけいるのでしょうか。本当に狙いどおりに、人数をふやして平準化することができるのかお聞きします。


西原教育長  委員の御指摘のように、平準化の努力はしているのですが、きちんと平準化ができるということには多分ならないと見込んでおります。大量にいる年齢層と少ない層の差は大きなものですので、それを埋めるのは困難だと思っております。その大きな差を少しでも平準化できるように努力するということとあわせて、若年の教員だから指導力が弱いということがないように、指導力を高めるための研修等をさらに進めていく必要があると思っておりますので、そうした教員研修にも力を入れていきたいと考えております。


山下委員  本当に難しいと思います。もちろん指導力も重要ですし、それに加えて38歳という年齢では学校運営自体にもかかわってこないといけないでしょうから、その両方をやっていけるのかという心配が出てくると思います。一人一人の能力を高めていくことは重要なのでしょうが、物理的に可能なのかという疑問もありますし、例えば県立高校の教員の年齢別では22歳は7人ですから、7人をどれだけふやしていくのでしょうか。今のこの22歳の7人を5年後に何人ぐらいまでにふやすといった考え方はないのでしょうか。


西原教育長  数値的な目標を立てることは困難だと思っております。受験年齢層を引き上げることによって多様な方に受験していただいて、その中から教員にふさわしい方を採用しておりますので、年齢的には採用したいと思ってもふさわしくない人もいらっしゃいます。あくまで優秀な方を年齢とは関係なく採用させていただきますので、この年齢の方が何人必要だというような計画を立てても余り意味のないものだろうと思っておりますので、ある程度、年齢層の幅を持ちながら考えていくことになるのではないかと思っております。
 若い段階でもいろいろな経験を積むことで管理職としての知識、能力を持つ方もいらっしゃいますし、年齢は高くても私は子供たちとかかわっていくのがいいということで、幾ら管理職に勧めてもならない方もいらっしゃいます。そういう中で基本的には学校運営ができるような人材を生み出しながら、なおかつ子供たちの学力向上や体力向上などのいろいろな面で指導力が発揮できる教員がたくさんいらっしゃるということが好ましいと思っております。そのため、年齢構成を少しでも改善する努力とあわせて、先ほど言いましたように教員研修を行いながら、それぞれを組み合わせて対応していきたいと考えております。
 ちなみに、20代や30代の教員の最近の状況を見ますと、他県で採用された30代の教員が、本県に少しずつUターンしてきていることもあり、30代の教員が昨年に比べてふえているという状況もございます。そうしたことも踏まえてさまざまな改善を加えながら受験者が増加するように工夫して、積極的に30代の方の採用を進めていきたいと思いますし、そうした中で年齢構成の平準化について努力をしていきたいと思っております。


山下委員  当然私も、人数さえそろえばいいとは思っておりませんし、指導力は必要だと思います。ただし、教員一人一人の資質に頼るということになってしまったのでは、結局は熱意のある先生だけに仕事が集中してしまうといったこともあるかと思います。
 教員の年齢構成についていびつな形ができたというのも、一概に教育委員会の採用計画だけの話ではなく、当然、行革の影響もあったと思います。しかし全ては子供たちのためでありますし、指導力もあり、かつ学校全体の運営にも携わっていく能力も備えていただかなければいけないということで、大変だと思いますが、予算課とも話をしながら採用計画を進めていただけたらと思います。これは要望で終わらせていただきます。
 これに関連して、本来は教員の役割であったのかもしれないのですが、子供たちの学校以外での生活面や心の面とかを補完する役割のスクールソーシャルワーカーの配置についてお聞きします。
 この間、中学校の校長先生とお話しする機会があり、スクールソーシャルワーカーの話も出たのですが、助かっているということでありがたがっておられました。これは一つには教員の多忙感があり、手の届かない部分でもスクールソーシャルワーカーが子供たちを見ているというところがあって、いろいろな問題に事前に気付いてもらっているということがあると思います。
 ただ最近、相談件数がふえていると聞きました。また、18歳未満の子供たちの事件が多くなっていますが、それはどちらかというと普段の生活に根本的な原因がある部分も多いのではないかと思っております。
 そこでお聞きするのですが、スクールソーシャルワーカーの配置の現状を、教育委員会としてはどのように捉えているのでしょうか。現場ではもっと配置して欲しいという声も聞きますが、その点はいかがでしょうか。


西原教育長  スクールソーシャルワーカーにつきましては小・中学校と高校とを分けてお答えいたします。
 小・中学校につきましては県内12市町で34名のスクールソーシャルワーカーを雇用しており、平成26年度に要支援者を訪問した回数は3,520回になります。これは前年に比べて975回、38.3%増加しているという状況です。
 また、高校では10名のスクールソーシャルワーカーを拠点校に配置して、全ての学校に派遣しておりますが、平成26年度の相談対応件数は1,132件であり、前年度に比べて16.8%もふえており、小・中・高校ともに相談件数はふえているという状況でございます。
 このような状況でございますので、スクールソーシャルワーカーの働きは大事であると認識しており、各学校において活用できるように、配置には工夫をしていきたいと考えております。


山下委員  相談件数が増えているということでお聞きしたいのですが、どのような内容の相談がふえているのでしょうか。これは先ほどの次期教育基本計画に戻るのですが、重点項目の4番目の、家庭教育の教育力向上に直結した話ではないかと思ったりもするのですが、その点はいかがでしょうか。


西原教育長  まず、支援内容についてですが、小・中学校と高校では若干変わるのですが、小・中学校の場合はいわゆる発達障害でありますとか不登校、家庭の問題についての悩みが多くを占めております。一方、高校においては友人や人間関係、精神衛生やメンタルヘルスといった精神疾患に関しての相談内容が多いという状況であり、小・中学校と高校では分かれているという状況でございます。
 その中でもスクールソーシャルワーカーについては、いわゆる福祉の関係機関と連携したり、地域の団体や保健医療機関等とつながりを持って対応することが必要でございますので、スクールソーシャルワーカーが間に入ってそういった専門機関や関係機関につないでいく必要性がございます。
 そういう中で、生活保護の世帯やひとり親の家庭などいろいろな家庭の方がいらっしゃいますし、また就学支援を受けている子供たちへの対応といったことも含まれております。そうした意味では社会全般のさまざまな家庭と大きくかかわる話だと認識しております。


山下委員  やはり人数的な問題ということになろうかと思うのですが、先ほどの相談内容を聞いていますと、緊急性を感じるものもあります。先ほどの説明では、高校は10人で小・中学校では34人ということでしたので、現場で聞くと月に数回ぐらいの対応だということです。しかし子供たちの問題も、例えば1カ月で急変する可能性もあるわけですし、緊急性への対応は必要だと思います。
 こうした中で教員との連携やコミュニケーションが重要になりますが、1カ月に1回といった状況で果たしてコミュニケーションや連携がとれるのかという疑問がありますし、それでは大げさではなく子供の命にかかわる問題なのではないかと思います。人数をもう少しふやして子供たちの話を吸い上げたり、コミュニケーションを多くするということも必要なのではないかと思います。これは先ほども言いましたが、教育委員会だけの問題ではなく予算的な問題もありますが、そういった働きかけをしてはどうかと思うのですが、どのようにお考えでしょうか。


西原教育長  これは予算的なこともありますが、もう一方で人の確保の面も考えておく必要がございます。スクールソーシャルワーカーになるには、社会福祉の専門家であるなど、ある程度の知識や経験がないとワーカーとしての働きが十分にこなせないということもございます。
 そこで、スクールソーシャルワーカーの活動をさらに支援するために、スーパーバイザーを設けてその指導力を高めるといったことも行っておりますが、そうしてスクールソーシャルワーカーの方にさらなる経験を積んでもらうとともに、スクールソーシャルワーカーにふさわしい方の人数を確保することなどもあわせて、予算的なことを含めて考えていく必要があると思っております。
 国においても、今、中央教育審議会において「チーム学校」の中で、スクールソーシャルワーカーは一つの重要な役割を果たす人と位置づけておりまして、それらを今後、どうするのかについて議論している状況でございます。そのため、今後、スクールソーシャルワーカーの確保については、国の予算も関係してくることも考えられますし、現在もスクールソーシャルワーカーの配置に関して、国の助成制度を活用しておりますので、そうした補助金の充実に関して、今後も要望活動を続けていきたいと考えております。


山下委員  とにかく危機感を持って対応しないといけないと思いますし、逆にスクールソーシャルワーカーだけに頼り過ぎてもいけないのも当然です。本来教員として、教員が自分の担任の子供や学校の子供たちを見ていく部分も重要であるので、教員がスクールソーシャルワーカーを頼り過ぎるのではなく、しっかりと連携をとらないといけないと思います。
 逆に教員がスクールソーシャルワーカーとコミュニケーションをとったり、対応力をつけるということも必要な工夫であると思いますし、一方で、家庭から見たときに保護者などの周辺の大人たちが、学校にはスクールソーシャルワーカーのように相談に応じてもらえる方がいるのだと知ってもらえるためのPRも必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。


西原教育長  家庭の方から見て相談する方がいらっしゃるということは、心強いことになると思いますが、基本的に児童・生徒と向き合っているのはまずは教師になりますので、教師が十分に対応していく力をつける必要がございます。教師が対応する中で、家庭の方と相談できるスクールソーシャルワーカーが活用できますよといったことを、教師自身がある程度動いてつながりを持って対応できるように、家庭の教育力や指導力を上げていくための支援も考えていきたいと思います。


山下委員  要望で終わらせていただきますが、先ほど言いましたように、教員の指導力向上と家庭の教育力向上を補完するスクールソーシャルワーカーの充実は、待ったなしだと思います。しかも能力と資質を同時に備える必要がありますし、それをできる人だけに頼ってもいけないという部分が難しいところではあると思いますので、繰り返しますけれども、予算課と相談して進めていただければと思います。


岡野委員  3点質問させていただきたいと思っていたのですが、その前に次期教育基本計画の骨子案について少し御意見を聞かせていただきたいと思います。
 いろいろある中で私が問題だと率直に思ったのが、9ページの子供たちの自尊意識や規範意識についての調査の中で、「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか」について、当てはまると回答した児童生徒の割合が香川県では小学生で24.2%、中学生で17.1%であり、「自分には、よいところがあると思いますか」の設問では、小学生が33.9%で、中学生に至っては22.6%しか当てはまらないということで、いずれも全国平均を下回っております。
 いじめや不登校にしてもそうですが、子供たちが抱えている大きな課題を少しでも解消していこうかと思ったら、この部分のポイントが上がってこなければ難しいのではないかと思いますが、それについて御意見を聞かせてください。


西原教育長  岡野委員のおっしゃるように、自分で学ぶ力がないと知識も知恵もついてこないと思います。そういう中で、自分が勉強することによって将来こういうことに役立つ人間になりたいとか、またこういうことで僕は役に立っているのだといった意識を持つということは、大切なことだと思っております。
 それについて、今回の全国学力・学習状況調査の際の質問紙調査でも、香川県の子供たちは、全国平均と比べるとそうした部分の割合が低いという状況でございますので、私どももここ数年来、関心を持っており、どのようにして自尊意識を高めるのかについて取り組んでいる状況でございます。まだ全国平均より低い状況でございますが、そうした子供たちの自尊意識が高まるようにさらに努めていくことは、私どもの大きな課題だと思っております。


岡野委員  教育長がおっしゃることもわかるのですが、私は、子供たちが誰かの役に立ってうれしいとか、夢を持って将来、誰かの役に立ちたいと思う根本のところは、自分は受け入れられているとか、ここに居場所があるといったように、認めてもらえていると感じることが先だと思うのです。
 この2つの設問で自分は当てはまると回答した児童生徒の割合が低いということは、自分は受け入れられているといった感情や、自分自身が安心していられる場所がないということなのではないかと思っております。もちろんそれを学校だけに求めているわけではなく、本来それが家庭であれば一番いいのですが、先ほどの山下委員の話にもあったように、スクールソーシャルワーカーの配置を増員しなければいけないという環境の中では、家庭にそうした居場所が減ってきているのでないでしょうか。
 それももちろん問題なのですが、そうした家庭が多い中では、学校も子供たちの本当の居場所であったり、心が安心できる場所だというところになり得なければ、この数値は上がってこないのではかと思っておりますので、まずは全力で子供を受け入れますよという根本的な環境づくりに取り組まないといけないのではないかと私はこの数値から思うのですが、どのようにお考えでしょうか。


西原教育長  子供たちがどのような意識で成長していくかについては、個々によって変わってくると思うのですが、やはり小さなうちに愛情を持って育てられているかどうかというのが大きなところであると思っております。
 その意味では、学校以前に家庭の力が大事であると思っておりまして、自尊意識を高めるということは学校だけでできることではないと考えられますので、家庭の力をどう支援して、家庭がそうしたお子さんをどうやって愛情を持って育ててもらえるのかというところを応援する必要があるのだろうと思っております。
 基本計画の重点項目に「家庭の教育力向上」を掲げておりますのは、まさに学校だけではなく家庭も一緒になって、子供たちに自分たちが生きていることの意味を感じてもらえるように愛情を持って育てて、それを将来につないでいくんだという気持ちをあらわしたものであり、単に知識を植えつけるだけの学校ではなく、いろいろな意味で人を成長させる学校になるように努力していく必要があるのだと思っております。


岡野委員  これは意見として最後に申し上げますが、もちろん教育長のおっしゃるとおりだと思います。第一に家庭がそういう場所でなければいけないと私も思っておりますし、多分みなさんもそうだと思います。しかし、先ほどから何度も繰り返しますが、残念ながらそうでない家庭がふえてきており、そうした家庭を学校が支援したり、行政が支援するということも大事なのですが、やはり子供を中心としてそれぞれの役割を考えたら、家庭を指導するのではなく、まずは子供を受け入れてあげるということだと思います。
 学校の先生はもちろんですが、地域の方でもいいかもしれないし、今通っている学校とは別の、小学校のときの先生でもいいかもしれません。誰でもいいけれども、学校とは全力で子供を受けとめる場所ですよということを基本として目指していかないといけないのではないかと思います。
 それを思った場合に、骨子案の25ページの本県教育の基本理念である「夢に向かってチャレンジする人づくり」とあるのは、これはこれでいいのかもしれませんが、その下に書かれている「子供たちの夢と笑顔を大切にする香川の教育」のほうが、私としてはふさわしいのではないかと思います。夢と笑顔を前にした子供たちを丸ごと受け入れる香川の教育といったことをしていかないと、その次の夢や笑顔にまで至れないのではないかと思いますので、意見として申し上げさせていただきました。
 それと、私の子供がちょうど建てかえ中の学校に通っておりまして、運動場がございません。そのため少し離れたところまでバスで行って体育の授業をしているので、日常で体を動かすことが少なくなっていて、体力も全国平均より下回っており、私が小学校5年生であった昭和60年のときよりも下がっているということです。
 そういう中で、子供たちの体力向上への環境づくりに対して、いま一度考えていただくことも必要ではないかと思っており、栗林小学校の建てかえの問題では市と県でいろいろな経緯がございましたが、もう少し子供を第一に考えて、どういった教育をすると子供の体力が上がるのか、勉強ができるかといった配慮も必要なのではなかったでしょうか。子供の小学校のときの体力とテストの点数はある程度比例をしますので、そうしたことも含めて長期的に考えていただきたかったということも、一言、意見として申し上げておきます。
 本題に入りますが、最初にいじめと不登校の問題をお聞きします。
 平成26年度の「生徒指導上の諸問題の状況について」によりますと、小・中学校、高校を合わせて不登校生は1,102名となっており、微減ということですが明らかに下がってきているということではないようです。この不登校となったきっかけと考えられる状況の中で、中学校では無気力が273人で一番多く、次に不安など情緒的混乱が221人、いじめを除く友人関係をめぐる問題が196人、学業の不振が134人とあるのですが、いじめが原因で不登校になったのは1人という数字が出ているわけです。この1人というのに私は大きな違和感があるのですが、いかがでしょうか。


西原教育長  このデータにつきましては、全国的な調査として行っているものなのですが、学級担任など当該児童生徒の状況を最も把握できる教職員が状況を把握した上で分類をしていると認識しておりますので、その数値に関しては、そのままの数値としてしか受けとめられないのかと思います。


岡野委員  そうでしょうか。平成25年にいじめ防止対策推進法が施行され、いじめの定義としていじめに当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた生徒の立場に立って行うものとするなど、これまで以上に幅広くいじめを定義して捉えて、その数値を追っていこうということになっていると思うのですが、それでもここでいじめを原因とする不登校が1人としか出ないということは、私は学校現場にとっては課題ではないかと思います。
 別にいじめが出たからその学校が悪いとかいいとかということではなく、その原因がきちんと分析できなければ適切な対応ができないですし、そうしなければ不登校からの学級復帰や、学級復帰が全てではないですが、何らかの社会とつながるところに子供たちを連れていくことが難しいのではないかと思います。つまりは原因を明確にしていかないといけないと思うのですが、いかがでしょうか。


西原教育長  確かにそのとおりで、原因がきちんと分析できないと対処ができないと思いますので、そのためにはどういった状況で、例えば不登校になっているのかということは突きとめておく必要があると思ってございます。


岡野委員  学校現場の先生方が頑張っていらっしゃることは十分に存じておりますし、その前提で話しているのですが、先ほど山下委員からもありましたように不適切な言動をされる先生もいたということですし、それを教職員やほかの方が把握できなかったのは横のつながりにおいて十分に連携がとれていなかったからということでした。
 ということは、学級担任だけにいじめか否かの判断を任せている現状もいかがなものかと思いますし、いじめがあったかなかったかということ以上に、それが原因だとすれば不登校への取り組み方も違ってくると思います。学級復帰がなかなか進んでおらず、学級復帰だけでなくても保健室登校や適応指導教室でもいいのですが、不登校の中からそこに至るお子さんが少ないということはこれまでのアプローチを何か変えていかなければいけないのではないでしょうか。それには原因の突きとめ方も変えていかなければいけないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


西原教育長  原因を突きとめて対応をしていくというのが大事でございますので、今も基本的には、小学校の場合であれば担任の教諭が対応いたしますが、いじめ防止対策推進法もできました関係で情報共有をするということにしておりますので、先生方が、問題のあるお子さんも含めていろいろなお子さんについての情報を持ちながら対応をしていくようにしております。そのあたりをもっと現場に力を入れていただくように市町の教育委員会を通して、また学校現場で直接に校長を通じていろいろと指導や助言をしていきたいと思っております。


岡野委員  いじめの状況についての調査で、調査の方法について国から見直しの話も出ており新たな方法になると聞いておりますが、そうなった場合にはこの不登校の中のいじめの定義も変わってくるかもしれませんし、来年以降は不登校の数値や不登校の原因の出方も変わってくるかもしれないという認識でよろしいですか。


矢木澤義務教育課長  先般、文部科学省において、平成26年度の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査のうち、いじめの部分に関する一部見直しということで、調査依頼がまいっているところでございます。ただ、その際にいじめの定義自体については文部科学省も変えておらず、これまでは都道府県の間でばらつきがあったことを文部科学省自身が把握したことにより、幾つか例示を示して参考にしていただきたいという形で来ているものでございます。
 先ほど来、委員から御指摘いただいております、いじめをきっかけとした不登校との関係でありますけども、これ自体は文部科学省の調査でありますので、質問の構成上、いじめがきっかけであるという判断は難しいものとなっています。いじめが起こってすぐに不登校になればわかりやすいのですが、調査の仕組みの関係でなかなか計上されにくい部分があると思います。それとは別に御指摘いただいたようないじめ自体については、いじめ防止基本法の定義に基づきまして、学校現場において、これとは別にきちんと対応させていただいているところでありますので、今回の見直しを経て次の調査で大きく変わるかどうかはわからないところでありますが、引き続きいじめについてはきちんと定義を踏まえて対応してまいります。
 そして、今、御指摘いただいたように、学校現場において不登校なら不登校、いじめならいじめとして、それぞれの背景を十分に確認して対応させていただきたいと思っております。
 今年度も、例えば8月の全ての学校の担当を集める会議におきまして、基本的には校長を対象に、居場所をつくり、きずなをつくるということを含めて指導させていただいているところでありますので、こうしたことに引き続き取り組んでまいりたいと思っております。


岡野委員  見守って、原因を明確にしていくということは何においても大事なことですので、よろしくお願いいたします。
 新聞記事で読んだ話なのですが、不登校の子供に対してアプローチの仕方の一つとして宿泊学習によるプログラムを取り入れている自治体があるということでした。調べてみたところ、情緒障害や無気力が不登校の原因にも多いのですが、そういった子供に対して宿泊学習によるプログラムが効果的だという論文が幾つかあり読んでみました。認知療法などを取り入れたり、特別なプログラムでまだ研究過程にもあると書いておりましたが、実際に取り入れたところ効果が出て保健室復帰したり、適応指導教室に行けたり、学級復帰が進んでいる子もいるということですので、香川県の教育委員会でも調査して取り組んでいただければと思いますが、いかがでしょうか。


西原教育長  不登校の児童・生徒に関しては、先ほどからスクールソーシャルワーカーの話が出ておりますが、スクールソーシャルカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用して不登校の児童や生徒の悩みを聞いて、子供のよきパートナーとなって一緒に問題解決を図ろうという取り組みをしておりますけれども、そういった子供の気持ちが和らぐようなことをしていく中で、いろいろな取り組みがあるのかもしれません。
 こういった取り組みなど、不登校のお子さんに具体的にどのように対応するのかは、県というよりも学校の現場がそれぞれ判断して対応されていると思いますので、県の教育委員会が主体というよりは市町でもう少し調べていただけるように、何かの機会に市町に申し上げたいと思います。


岡野委員  次にフリースクールについてお聞きします。
 昨年7月の教育再生実行会議の第五次提言において、フリースクールなどの位置づけや公費負担のあり方を検討することが盛り込まれました。それを受けて、昨年11月に全国のフリースクールを集めたフォーラムがあり、下村文部科学大臣が明確な位置づけをした法律の制定を進めていきたいという発言をされ、昨年9月には安倍総理大臣もフリースクールに直接視察に行き、その現場でこうした学校も必要であるといったお話をされたと報道されております
 このようにフリースクールなどの学校以外の教育現場の位置づけを公的のものと認め、公費負担をしていこうという法案が国会でも超党派議員の中で審議されつつあると聞いております。そこでフリースクールについての認識をお聞きします。


西原教育長  認識ということですが、なかなか定義自体がはっきりしてないのでどのようにお答えしたらいいのか戸惑うところなのですが、いわゆる学校以外の学びの場であり成長の場であるとは思うのですが、現状として不登校傾向にある子供たちがそうしたフリースクールに通っているという認識はしております。


岡野委員  フリースクールに通っている子供を出席扱いするかどうかというところで、各自治体によってばらつきがあり、今、全国に小学生でフリースクールに通っている子が2,000人弱、中学生で2,300人から2,500人と言われていますが、その半数が出席扱いになっていて、半数がなっていないのですが、香川県の現状はいかがですか。


矢木澤義務教育課長  先ほど教育長から答弁させていただいたように、フリースクールの定義がなかなか難しいので、県として全てを把握しているということではございませんが、我々が聞き及んでいる限りに関して申し上げますと、学校外の教育施設に関して出席扱いしているという事例もあるとは聞いてはおります。


岡野委員  私が小学生のときにフリースクールとして有名な東京シューレができまして、できることなら私も行きたいと思った経験がありますが、そこがことし30年を迎えて過去に卒業した子供たちについていろいろと調査をしたのですが、社会でしっかり頑張っている人たちがたくさん出ており、そういう人たちがフリースクールをつくって、学校で教育を十分受けることができない教育弱者のお子さんたちを支えているという話も聞いております。
 本来、学校に行くことができれば一番いいわけですが、それができないお子さんもおり、それにはいろいろな課題があると思います。そういうお子さんたちが避難的にフリースクールに居場所を求めているということであって、そこでしっかり学んで社会に出ていこうという場合もあるのです。
 前にも質疑しましたが、小学校、中学校の間にフリースクールに行った子は、中学校の卒業は校長先生の判断でできていると思いますが、高校、特に香川県の公立高校に行く場合は出席日数が大事なわけであり、ぜひ出席扱いにしていただきたいと思います。法律ができる前であっても先んじて、香川県ではそういう学校に行ったお子さんも出席扱いするという取り扱いにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


西原教育長  フリースクールで通われた子を出席扱いにするかどうかというのは、先ほど委員も言われたように学校長の判断というところもあるのですが、基本的な制度として、保護者と学校との間において十分な連携や協力関係があって、一定の要件を満たす場合に、例えば適応指導教室が一番いいのですが、フリースクールなどでもそうした相談や指導を受けた日数を指導要録上、出席扱いにするということは現在でも可能となっております。
 本県において実際にフリースクールに通われているお子さんが、現状としてそれぞれの学校現場の方とどういう連携を図られているのか、そのあたりは学校長なり学校現場が十分に認識した上で対応されると思います。ですから県の教育委員会よりは学校現場で、まずは学校とフリースクールに通われている児童や生徒の保護者の方、またフリースクールとの十分な連携や協力が図れるように工夫をしていただく中で、出席扱いにするというのも可能になってくるのではないかと思います。


岡野委員  学校現場も大切ですが、今の制度からいって教育委員会があって学校があるわけで、教育委員会がそれは積極的に認めていいですよ、と一声言ってくれれば、学校の先生も判断が容易になると思います。平成27年度のフリースクールの全国調査で香川県は2つであるとの回答を行っておりますので、教育長も視察に行くなりされて、子供たちがどのように学んでいるのか見てその現状を知っていただいて、これから検討していただきたいと思います。要望で終わります。


谷久委員  私から1点質問をさせていただきます。
 先ほどからのお話をお伺いしていると、しっかり手当てをしなければならないところはしっかりしなければいけないのですが、それより過保護にすることは、私は要らないと思います。こんな事件が起きたからこういう部署をつくって対応しないといけないというのは、本来だったら皆さん考える力をつけないといけないのに、部署をつくってそこに責任転嫁するだけの話なので、根本の解決にはならないと思います。
 だから、例えば子供たちの教育の問題にしても、過保護にすればするほど自分たちで考える力がなくなるというのか、そうしたところで子供たちを一度、いろいろな欲望を持つようにしむけていくことが大事なのではないかと思います。
 この基本計画の中で手厚くなっていっているのが実際よくわかります。ただ、子供たちがその動きに対して、本能的にこういうようなことをやりたいというものがだんだん薄れていくような、何かそんな計画なのかなと半分感じています。そんな意見もあることを胸にとめていただきながら、私は行ってもらいたいことを今から言いますので、お願いします。
 新しく平成29年4月の開校予定で、小豆島統合高校の校舎棟の工事や体育館の工事等の議案が出てまいりました。いよいよ建設に着工するわけですが、これは地権者の皆様方とあわせて関係者の多大な御尽力があってここまでできているのだとお礼申し上げます。
 そこで先ほど言いましたように、過保護にすればするほど子供たちの力が衰えていくのではないかという一つの考え方のもとで言うと、例えば新しくできる学校をどのような学校にしていくかということがあります。せんだって小豆島高校の野球部が四国大会に出場するという切符を得たことも含めて、どんな学校像を描いているのか地元でも考えなければならないと思うのですが、実際に生徒たちがいろいろな能力を発揮できる場所をつくっていくというのが前提になると思います。そこで実際にどのような特色を持った学校にしていこうという思いがあるのか、新しい高校に向けての意気込みを教えてください。


西原教育長  今回の統合をすることによって小豆島地域では唯一の高校ということになります。その意味では小豆地域のお子さんが小学校、中学校、高校の段階まで、その地域で勉学に励む子は勉学に、スポーツに励む子はそういった力も発揮できるように、多様なニーズに応えられる学校をつくっていくということを、今回、高校を統合することによって目指していこうと考えております。


谷久委員  やや通り一遍の答弁かと思いますが、例えば勉強も含めて皆さんの意見を取り入れれば入れるほど、総合的にならないといけないのはよくわかっています。
 そこで少し視点を変えて、例えば今回、小豆島高校の野球部が決勝戦まで行ったので、小豆島の高校はこれから野球に特化していくなど、部活動はどのようにお考えでしょうか。


西原教育長  少し簡略にお答えしてしまいましたが、今回つくろうとしている学校は全日制と定時制ということを考えておりまして、全日制に関しては、いわゆる難関大学へ進学できる特進コースを設けて上級学校への進学にも対応できるコースをつくろうと考えております。
 一方、地域社会が求める人材の育成にも努める必要がございますので、商業系や福祉系の科目も選択できる、選択幅の広い教育課程もつくろうと考えております。
 そういう中で、定時制も3年で卒業できる3修制をつくるという形で、地域のあらゆる学習ニーズにきめ細かく対応できるコースをつくっていこうと考えております。
 一方、スポーツの面ですが、小豆島の場合は野球や陸上競技については島民の方々も関心が高く、また相撲も郷土力士が活躍していて、頑張っているところだと思っております。
 そうした運動部活動だけでなく、文化部活動においてもボランティア活動や、例えば土庄高校であれば太鼓クラブなどいろいろなクラブがあり、まさに子供たちがそれぞれに伝統を引き継ぎ育んでいくという形で部活動をしています。実はどの部活動を優先にというのはなかなか難しく、基本的には、今、高校で行っている部活動は全て継続していきたいと考えています。


谷久委員  教育長の思いも含めてこの小豆郡圏域に住む方が、新しい高校に対してどのような特色を出していくかというのは重要なことであり、オールマイティーにやっていくという皆さんの希望を踏まえて取り組んでいかなければならないということになるのではないかと思います。
 ここから本題に入らせていただきます。
 生徒たちは、これから新しい高校に公共交通機関や自転車を使ったり、徒歩で来られたりといろいろな手段で登校されると思うのですが、公共交通機関を使って通学する生徒たちは、自宅からバス停、フェリー乗り場からバス停といったところの安全が担保できれば心配ないと思っています。
 心配なのは徒歩や自転車で通学される方であり、特に小豆島というところは、国道であっても片側1車線で歩道が狭いところもあります。今回、高校ができるに当たってそうした道の拡張工事も順次進めていきたいという答弁をいただいておりましたし、知事からもそういった方向で進めたいというお話をいただいておりましたので期待しているところなのですが、どうしても土地の買収などを含めて相手があることなので、うまく進んでいないとお伺いするときがあります。
 そこで、通学における安全性をどのように担保していくか、いろいろなところから自転車で通学するわけですから、例えば太陽が出ているときに帰れる生徒たちはいいのですが、部活動などで夜に帰らないといけない生徒たちを、いかに安全に家まで帰らせてあげられるかということが大事です。そういったところは道路課などと相談しなければならないと思うのですが、どのようにお考えなのかお聞きします。


西原教育長  統合高校につきましては、そこに通う通学環境への配慮は必要であろうと思っております。自転車で通学する生徒が多いと思っているのですが、そうなりますと歩道や街灯の整備が必要になると思っておりまして、教育委員会としても早い段階で小豆総合事務所と相談しながら、必要な整備を早く進めてほしいと働きけております。
 必要な箇所についても、保護者の方をはじめいろいろな地元の方の御意見があればその都度お伝えもしているのですが、今後さらに心配な箇所等があればその旨をお聞かせいただければ、さらに小豆総合事務所等に話を伝えて整備を働きかけていきたいと思っております。
 できるだけ平成29年4月の開校までにそうした整備が進むように頑張っていくというのが、今のスタンスでございます。平成29年4月以降に心配な点が出てくることもあるかと思いますが、今の時点では4月までに整備を終えるように小豆総合事務所にも力を入れてもらえるよう働きかけるとともに、私どもも尽力してまいりたいと考えております。


谷久委員  開校までに全ての整備が完了したほうがいいのではないかと思うのですが、少しずれ込んだ場合にどうするのか心配になってきます。これから統合高校に入学するであろう生徒さんや中学・高校のPTAの意見を上手に集約していただいて、自分たちは何が心配なのかというところを十分に拾ってあげていただきたいのです。そうして拾ったことをしっかりと議論して、大事なものを残して環境整備として進めていただきたいと思っております。
 実際に部活動などを一生懸命やればやるほど帰る時間も遅くなってきますし、私も公共交通機関であるオリーブバスを利用して通学していただければ本当はいいのですが、自転車で一生懸命通ってくる生徒さんたちのためにも安全管理に向けての環境整備は進めていかなければならないと思いますので、例えば道路課に任せてしまうのではなく、教育委員会と土木部がお互いに一緒になって積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 要望として質問を終わります。


白川委員  2点質問を通告しておりますが、その前に次期教育基本計画に関連して少し御意見をいただきたいと思います。
 最近のテレビでニュースなどを見ていますと、毎日のように未成年の子供たちが死体で発見されたり、中には白骨化していたりなど、世の中がどうなっていくのだろうかというような、本当に痛ましい事件があります。中でも大阪で起こりました中1の子供の遺体遺棄事件がNHKの「クローズアップ現代」でも取り上げられておりましたが、その中で出演したゲストの方が、今の子供たちの世界の背景の一番大きな変化として、被害者が普通の子だというところがポイントだと思うと答えていました。この方は、私も子供の親なので、人ごとではなくてとても身につまされるしせつない感じがするけれども、やはり普通の子というところが一般の方々にとっても衝撃的なところだったのではないかということをおっしゃっていたのです。
 私自身もこうしたニュースを見るたびになぜという気持ちがあったのですが、特にこの大阪の事件については、なぜ子供たちがああいう形で事件に遭ってしまったのかという思いと、それと同時になぜ夜中に子供がああいう形で出歩いており、それを社会が見過ごしているのかという気持ちがあり、この2つのなぜという自体も私にとってはショックがありました。しかし、この問題でいろいろ私も疑問があり、県内でそういう仕事をされている方に話をしますと、何人もの方から、県内でもそうした子供が夜中に出歩いている事例は少なくないという答えが返ってきて、逆にそのことのほうがショックでした。
 この前ある新聞でも、もし私だったら危険性を考えて、夜中に出歩くのをやめると思うのですが、普通の子供たちも、こうした事件がこれだけ頻繁に起こっているにもかかわらず、夜中の出歩きをやめる気はないという報道もされておりました。心理的な面でいろいろな問題を抱えているとは思うのですが、警察庁によると、昨年約43万人の未成年が、深夜徘回で補導されるという報道もされておりますので、県内のそうした状況を、教育長はどのように把握されて認識されていますか。


西原教育長  子供たちが夜中にどれだけ出歩いているといった状況までは教育委員会では調べられませんので、具体的な人数は把握しておりませんが、お話を聞く限りでは夜11時以降に家の外に出ているお子さんがいるということはあると思います。
 実は夜11時と申し上げたのは、県で、子供は夜11時以降はできるだけ出歩かずに、家庭の中で過ごしましょうといった条例をつくっているのですが、これは、学校現場だけではなく家庭や地域社会を含めて全体で、子供たちの健全育成を図ろうという趣旨でつくってございますので、学校現場での教員の指導はもちろん大事ですが、家庭での指導や地域でお子さんを見かけたら声かけをするといったことも大事だろうと思いますので、家庭、地域、学校が協力して対応する必要がある課題であると思います。


白川委員  家庭の事情や心理的な状況などいろいろなことが背景にあると思いますので、条例で縛るだけではなかなか解決しないとは思います。それと同時に、こうした事件は夜中だけではないですし、いつ、どこで、どのように事件に巻き込まれるかはわからないくらい頻繁に起こるようになってきて、自分たちの子供をどうやって守っていったらいいのかという思いを皆さんお持ちだと思います。
 先ほど申し上げました新聞報道の中でも、体験型安全教育支援機構というNPO法人が取り上げられており、地域安全や子供の危機的状況の調査やいろいろな犯罪の研究などを行いながら、危機回避の行動の方法を講演や体験学習で普及を進めているということです。
 次期教育基本計画の中でも、各施策体系の基本的な考え方の4番目の「元気で安心できる学校づくり」の中の「学校安全の充実」において、子供がみずから危険を予測して回避できる資質や能力の育成について記述があり、これは災害を想定してのものなのかと思いますが、こうした学校の中だけでの危険の回避の資質や能力だけでは、子供の命を守ることはできないのでないかという素朴な疑問があるのです。
 先ほどのNPO法人のホームページを見ておりますと、以前に宇多津で体験型安全教室を開いたそうであり、これは、PTAの連合会の方がお金を出し合って呼んだもので、町長も出席して参加者の方々と実技も含めて2時間ぐらい講義をされたそうです。このNPOの方が香川まで何度も出向くことはできないので、自治体別にいろいろとカリキュラムをつくって、幼稚園の年長から中学校まで安全教育を地域の方々で行ったらどうですかといった提案もホームページの中でもされておりました。
 このNPOの方が言うには、「犯罪とは犯罪者が今だと思ってしまったところで起きるので、いつでも起きるものである。相手を確認して、見とがめられていないか回りを見て、やりやすいと思ったら大体20メートルのところでやる気まんまんになり、そこから先の6メートルのところで今だと思ったら、何があっても引き下がらずにそこから襲いかかる。」という習性があるようです。ですから、この6メートルのところでぎりぎり自分がどうするのかということを、ふだんから身につけておくということが必要なのでないかと、このNPOの方たちは啓蒙しているようです。
 こうした教室が宇多津でも行われたということなので、研究していただいて、学校の中や登下校時の安全だけではなく、命を守るという面での何らかの対応を教育委員会としても検討していただきたいと思いますので、要望にしておきます。
 通告しておりました1つ目の教員の実態についてお聞きをします。
 次期教育基本計画の骨子案の教員の指導力向上の中で、教員が子供と向き合う時間の確保に努めるとされており、いろいろと基本的な考え方が書かれておりますが、実際どのように具体的に取り組んでいく方向なのかをお答えいただきたいと思います。


矢木澤義務教育課長  次期教育基本計画につきましては、これからの検討ということになります。現在のところは、教員業務改善検討委員会を開催して、今の教員業務改善アクションプランについての分析や検討、これから先の方向性などについて議論しております。
 具体的な形については我々自身も検討している途中でありますが、方向性としては、今まで行ってまいりましたアクションプランをもとに、次はどのようなものを打ち出すかという今の議論を踏まえて、検討していきたいと考えております。


白川委員  これからの検討ということでありますけれども、私は、子供と向き合う時間を確保するには、全学年で35人以下学級などの少人数学級に踏み出して、一人一人の子供たちと向き合えるという環境をつくることが必要だと思います。それに伴って、教員数をふやして指導力向上にも余裕が持てる環境づくりが必要だと思います。
 その上で、先生方の置かれている現状を把握することが必要だと思います。平成22年度に小中学校教職員の勤務実態調査を行っておりますが、その後の業務改善の内容や、これを踏まえた上での効果についてお聞きします。


矢木澤義務教育課長  平成22年度の調査の後、平成24年に教員業務改善アクションプランを策定し、そのプランに基づいて、調査等の削減や研修会等の削減による負担の軽減、学校支援体制の推進、ICTの活用などの効率化について取り組んできたところであります。
 アクションプラン自体はまだ途中段階であるのですが、ことしの1月に県の教育センターでアンケートを実施したところ、小・中学校でこの3年間で業務が改善されたと実感するものとして、調査等の削減や簡素化については約36%の方が、研修会等の削減による負担軽減等については約35%の方が、学校支援体制の推進については約60%の方が、ICTの活用による業務の効率化については約41%の方が実感していると回答があり、一定の効果はあったと認識しております。
 ただ、引き続きどういった取り組みができるのかということについては、取り組んでいきたいとは思っているわけでありますが、この三、四年の間に削減できるところはかなり削減しておりますので、この間の業務改善検討委員会では、本来業務において教員としてやりがいを持って行うことがむしろ重要であって、業務を減らすということとはまた違う観点を打ち出すということも検討としてあり得るのではないか、という議論も出ておりますので、これまでとは違う方向性も考えながら今後について検討していきたいと思っております。


白川委員  効果があったと実感しているパーセントは低いと率直に思うのですが、ある程度の効果があったという評価になるのでしょうか。私が具体的に先生方とお話しさせていただきますと、相変わらず時間がないという言葉が出てくるのです。それでも今すぐには現状は変えられないので、ふだんは大変でも何とかしのいでいるけれども、ひどいときには産休のかわりの先生が来ない、特に理科の先生は本当にいないのだという声をお聞きします。
 早くから産休が予定されているような場合はまだしも、急な病休の場合には特にかわりの先生が来ないということです。病休の場合は1カ月でかわりの先生が入るようになっているのですが、逆を言うと1カ月は現場対応になるという実態です。特に、臨時の先生が病休になる場合は、その先生がやめないとかわりは来ないので、現実に産休、病休、臨時の先生の急な病気で3人が重なった学校がありましたが、かわりの先生が来なかったので教頭先生が授業に入って乗り切ったそうです。しかも2クラスまたいで同じ時間割りだったそうなのですが、最初にこちらのクラスで半分の時間の授業をして、残りの時間はプリントをやらせて、最初はプリントをやらせておいた次のクラスへ教頭先生が駆けつけて授業をするなどのかけ持ちをして乗り切ったという学校もあるようです。
 現場ではとにかく講師の先生が来ないのだという声が多く、4月の出発点で既に講師が学校現場にぎりぎりで入っていて、代替の先生についての余裕がないのではないかという声も聞かれております。ふだんがきつい上に同僚の病休もふえていて、綱渡りの職場のバランスが少しでも崩れると崩壊するような学校現場の状況がありますが、こうしたところを把握されていますでしょうか。


矢木澤義務教育課長  御指摘いただいた点に関しましては、我々としても産休、育休に関してはある程度前もってお知らせいただいておりますので、基本的には対応できていると認識しているのですが、急な病休などに関しては突然のことでありますので、我々もすぐに代替の先生探しに動いているのですが、なかなか直ぐには確保できないこともあり申しわけなく思っております。
 きょうの山下委員の御質問にもありましたように、教員の大量採用の時代に入っており、さらに景気も上向いているところから、講師の採用について厳しい状況にありますが、それでも少しでも早く埋まるように精いっぱい努力させていただいているところでありますし、これからもそうさせていただきたいと思っております。


白川委員  山下委員の質問にもありましたが、教員採用は本当に難しくなっており、これから先は今以上に難しくなるのではないかと思っております。既に高知県では、年度当初から教員の未配置でいわゆる先生のいない教室が生じており、代替えの教員の未配置が1カ月以上となる件数が42件にもなって、昨年の同時期と比べて34件増加をしているそうです。ですから、教員を希望する人が実際にいないのです。
 香川県の場合は、今は採用試験でもそれなりの倍率があるかもしれませんが、私立大学などは、教職課程を履修すると必ず教員採用試験を受けないといけないという前提であるそうです。そういったことも含めて考えると、こういうことは言いたくはないのですが、余り教員になる気はないけれども、受けないといけないので受けるという学生も実際にいるようなのです。
 これから先も、優秀な教員を香川で確保して指導力を向上していく上でも、今の現場の状況を変えて、教員本来の一番の仕事である子供と向き合う仕事に力を注げるような、魅力ある職業にしていくことが必要だと思います。
 それには、実態を把握して改善のために有効な手だてを行っていかないといけないと思うのですが、前回の勤務実態調査から5年を経過しており、それ以降について残業で学校に拘束されたり、持ち帰って仕事をするといった時間がどれだけ減っているのかがつかめていないという状況もあると思いますので、改めて調査を実施することが必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。


矢木澤義務教育課長  御指摘いただいたように、平成22年度に県としての勤務実態調査をしておりますが、その後、文部科学省が平成26年11月に「教職員の業務実態調査」をいたしまして、この7月に公表されております。その結果を見ても平成22年度の県の調査からも基本的には変わっていないというところでございます。さらに調査を行うとそれ自体も業務になりますし、今回の国の調査で大体の傾向はわかっておりますので、今のところは我々としては、調査の考えはありません。
 委員に御指摘いただいたような現状においてどういったところに負担感があるのかについては、全ての項目ではないのですけれども、幾つか研修等の機会を通じて負担にならない形で、別途、アンケートをとらせていただいております。その中で、先ほどの6割ぐらいの方に支援体制の推進において実感があったと言っていただいておりますが、今なお負担が残るところはどこなのかといった把握に努めております。


白川委員  余り現場の負担にならないように実態の調査をしていただきたいと思います。高松市ではクラウドを活用していろいろな事務的な作業を軽減させる取り組みを行っているようですが、使いづらいという声を聞くこともあります。中学校では教科によって先生が違いますから、理科を担当している先生があるクラスにアクセスしている間は、ほかの先生はそのクラスにはアクセスできなくなるので、現場でいろいろ支障も生じているようであり、いらいらするという声も聞いております。実効的な対応になっていないのかとも思いますが、まずは実態をつかんでその改善に向けての対応をしていただきたいと思います。要望で終わります。
 2つ目に、今の質問にも関連するのですが、少人数学級の推進についてお聞きします。
 今年度から、国の予算が進まない中でも35人以下学級の実施対象学年を、小学校1年生から4年生に加えて中学校1年生に広げたということで、本当に敬意を表したいと思います。中学校1年生にも拡大をして半年経過をしたわけですが、学校現場の変化や関係者からの意見などをどのようにつかんでいるのか、お聞きしたいと思います。


西原教育長  ことしから中学校1年生でも35人以下学級を実施して、学校現場で取り組んでいるのですが、基本的には生徒指導面や学習面において一定の効果があるという報告や意見はいただいております。状況としてはまだ半年ですので、年度が終わった段階で、改めてどういう状況だったかというのを一度いろいろと聞いてみたいと考えております。


白川委員  教育長や皆さんの熱意と英断だったと思うのですが、こういった方向に反して国、特に財務省などでは35人学級は明確な効果があったとは考えにくいなどという所見もあるようです。しかし、昨今は貧困と格差の広がりなどのさまざまな要因で手厚い対応が必要な子供がふえており、現行の1クラス40人では学級運営が大変なことは、校長先生や教職員、PTAなどの関係者も一致して認めております。
 教育長自身もある雑誌で、議会からの要望も強い中で、中学校1年生の35人以下学級の実施につながっており、この課題は、党派を超えて県民的な要求として動いてきたと述べられておりますが、安倍首相も、35人学級の実現に向けて鋭意努力していきたいと国会でも答弁しております。これは注目すべき大きな変化だったと思うのですが、その後、財政制度等審議会がことし6月に出した「財政健全化計画等に関する建議」では、教職員の定数を大幅に削減することを求めており、これでは国の責任による少人数学級の実現が遠のくだけでなく、自治体が今、独自に実施をしている少人数学級の維持も困難になるのではないかと思います。このようにいろいろな党派や立場の違いを超えて関係者が一致する切実な要求になっているのですが、こうした声に反し、関係者の声を無視して、少人数学級の推進を盛り込まなかったということは、私は許されないことだと思います。
 「学校現場の声を聞きながら子供たちにとってよい環境の整備を」と教育長もおっしゃられているように、さらなる充実を求める現場の声を実現させることが必要だと考えますが、来年度に向けて、香川県の小・中学校全ての学年で35人学級へ前進させるお考えをお持ちでないのかお聞きします。


西原教育長  他の学年への拡大は、いろいろと難しい問題を含んでいると思っております。ことしの文部科学省の概算要求の状況や、財務省の昨年来からの考え方などいろいろな状況の中で、国においてどの程度まで35人以下学級を浸透させるのかというところはまだ不明確でございます
 あくまで私どもとしては、国における学級編制の標準的な考え方に基づいて教職員配置をしていくというところが基本にございますので、そうした基本的な学級編制の標準の見直しが進まない限り、教職員の数をふやすことは困難になります。そうした中でどこまで工夫できるかということもあり、まずは中学校1年生で取り組んだのですが、これ以上の取り組みに関しては、国の学級編成の標準の見直しや教職員定数の改善の動向などが必要になってくるのではないかと思っておりますので、そうした国の動向を注視しながら、本県としてより効果的な指導体制となるような工夫を引き続き行っていきたいと考えております。


白川委員  香川県内でも小学校1年生から4年生までは35人以下学級ですが、35人以下学級ということは35人とは限らないわけです。35人以下ということですからクラス割によっては30人以下になる場合もあり、例えば80人いれば26人とか27人になるのですが、そういう中で1年生から4年生までを過ごして、5年生になると80人なら40人学級になるわけです。そして中学校ではいろいろな小学校から集まってくるということもありますから、ここでは1学年が何人になるかわかりませんが、1年生ではまた1クラスが35人以下になり、2年生からはまたふえていくわけなので、私が、もしそのクラスの生徒だったとしても、大きな環境の変化だと感じると思います。
 しかも、全国的には10県が、小・中学校全ての学年で35人以下学級や30人以下学級を実施しておりますので、9年間を通して35人以下のクラスで過ごせる生徒さんもいれば、県下でも市町によって柔軟に対応しているところもありますので、住んでいるところや通っている学校によって不平等が生じることはあってはならないと思います。もちろん国が実現に向けて足を踏み出すことが必要なのですが、県内のこうした格差の是正のためにも、県が強い意志を持って取り組むことが必要だと思いますので、来年度に向けての前進を、ぜひ御検討いただきたいということを強く要望して終わります。


大山委員長  暫時休憩いたします。
 午後は1時から再開いたします。
 (午前11時59分 休憩)
 (午後 1時05分 再開)


大山委員長  それでは、おそろいになりましたので再開をいたします。
 質疑、質問を続行いたします。


西川委員  県立体育館について、お聞きします。
 今、新しい体育館についての検討委員会がつくられており、詳細についてはまだ告知されてないわけですが、具体的に新県立体育館の建設ありきの検討委員会であるのか、それとも必要であるか否かも含めての議論にまで及んでいるのか、そして、その流れの中で旧県立体育館について、この検討委員会ではどのように検討されているのかお聞きします。


西原教育長  体育館の整備についての御質問ですが、県立体育館が昨年の9月末に閉館して、県立の体育館がないという状態が続いているわけなのですが、ことし9月に新県立体育館整備検討委員会を発足させました。基本的には中核的な機能を果たす県立体育館の整備に向けた検討を進めるための検討委員会であり、検討委員会において、施設に求められる機能や規模などの基本的な考え方を取りまとめてもらい、御意見をいただこうということで立ち上げておりますので、基本的には新しい体育館の整備を目的とした委員会でございます。
 また、旧県立体育館の状況ですが、昨年の9月末に屋根が落ちる可能性もあるということで閉館しておりますので、内部に入ることはできないのですが、外部の敷地に関しては、県立武道館の臨時駐車場として、ことしの4月以降で約20回活用しております。旧体育館の取り扱いに関しては、いろいろな観点から検討する必要があるのですが、先ほど申し上げた新県立体育館整備検討委員会の中で検討するということにはしておりません。


西川委員  県立中央病院の例では、旧県立中央病院は売却して新しい中央病院の建設費用に充てるようになっていたと思いますし、民間の人でも車を買いかえる、あるいは家を建てかえるとなれば、古い車や家は売却するなり下取りに出すといったことを考えるわけですが、なぜその検討委員会では、中央病院方式のように旧県立体育館の売却なりを検討しないのかお聞かせください。


西原教育長  この検討委員会は、あくまで中核的な体育館を県立で整備する場合にどういった機能や規模が必要かというところをまとめるのが目的であり、財源のところまで踏み込んだ検討は目的としておりませんので、旧県立体育館について、そこまで含めて検討するということはしておりません。
 中央病院は、独立採算の企業会計であり、場所を移転するという形でしたので、跡地をどうするのかということも含めての検討ができたのだと思いますが、県立体育館の場合、今の段階では建設地のことも含めてこれから検討するということでございますので、旧県立体育館は切り離した検討という形になっております。


西川委員  今の答弁を聞いておりますと、新体育館の建設候補地は、旧体育館の跡地も想定の中にあるということなのでしょうか。


西原教育長  建設場所として適当ということであれば、当然含まれてまいります。


西川委員  これはうわさの域かもわかりませんが、旧県立体育館を美術上の見地からすばらしい建物だから、残してほしいという意見もあるようです。旧県立体育館の売却が決定していないことについて、そうしたことは一切影響はしていないということでしょうか。


西原教育長  旧県立体育館に関しましては、昨年の段階で、他の用途での使用の可能性なども含めてさまざまな観点から検討したいと表明させていただいております。その中で、今、さまざまな意見が出ている状況ですので、そうした御意見を伺いながら、今の状態で施設の管理をしていきたいと思っております。


西川委員  まさに県庁舎の東館と同じような状況で、香川県は芸術県というイメージもありますから、あくまでも少数派の建築家マニアみたいな人が言っているのだと思うのですが、そういう人の意見を気にして、今の宙ぶらりんに浮いているような状況にしているのだろうと思います。私も、例えば善通寺の五重塔のように文化財の要素があれば、未来永劫に残していかなければいけないのですが、こうした建物は未来永劫に残すというわけにもいかないですし、恐らくは県庁東館もどこかで取り壊して新しくしないといけない要素があるので、芸術とは内容が違うと思います。
 行政として、損得の考えは抜きにして県民の声を聞かないといけないことはわかりますが、「何でも売ります買います」という看板を出しているリサイクルショップでも常識的な範囲があり、何でも売ったり買ったりしてくれるわけではないので、幾ら現実に保存が可能であるといっても常識的な線があると思います。その線を越えるような要望に県が一々耳をかしていたら、全てのことにおいて前へ進まないようになると思います。現実的に一番スマートで一番しっくりいくような形で県民の総意を素早く決断して、旧県立体育館については早急に売却するなり、跡地をどう使うかを先に決定していかないことには、検討委員会でも検討しようがないと思うのですが、教育長はどのようにお考えでしょうか。


西原教育長  例えば、旧県立体育館の跡地に新たな体育館を整備するという話であれば、そういった前提で考える必要があるのですが、今は、どういった施設や規模が必要であり、また建設場所の条件としてはどういったものなのかということの検討でございます。一方でそうした検討を進める中で、旧県立体育館に関しましては、仮に取り壊すとしても多額な解体費が必要だと思いますので、解体して跡地を売却するのか、それとも活用するのかも含めて検討が出ないことには、解体をするのかどうかも含めて結論は出ない形になっております。これは淡い期待ですけれども、今の施設を、例えば違う形のものに活用したいという方が購入を希望されるかもしれませんし、そうしたいろいろな可能性がございますので、しばらくは検討をしていきたいと考えております。


西川委員  今の話であれば、検討委員会で建設の候補地や規模的なことも検討はしているわけですから、旧県立体育館の跡地も候補地の一つには上がるのですね。


西原教育長  検討委員会で候補地を決めるということまでは考えておりません。あくまで候補地の条件的なものとして、どういうことが必要なのかということを検討しておりますので、候補地をどこにするというところまでは、この検討委員会の中では結果としては出てこないと考えております。


西川委員  少しわかりにくいのですが、検討委員会では、要は新体育館をつくるか、つくらないかということを主に検討しているのでしょうか。それならこれは必要なものですから、つくらないといけないことはわかり切っているので検討する必要はないと思います。
 つくるとわかっているのであれば、予定地であったり、国際基準に合うようなどういった規模のものをつくるのか、また財源をどうするかなどをある程度絞り込んでいくような話でなかったら、検討委員会の意味がないと思います。
 確かに多額の解体費が必要ということはありますが、活用しないのであれば解体しないという理由はないと思います。建築の芸術が好きな人に解体せずに現状のまま売却できるのであればそれが一番いいですし、そういうこともなきにしもあらずでしょうけれども、やはり、旧県立体育館をどのようにするかということを先に決定しないと、検討委員会も検討しにくいのではないかと思うのですが、どうなのですか。


西原教育長  旧体育館の結論が出ないと新しい体育館の整備の方向が決まらないというものではないと思っておりますので、あくまで新しい体育館の整備に関してどういった機能が必要であり、どういった条件のところにつくるのがいいのか。そうしたことをまずは決めていこうというのがこの検討委員会でございますので、その中で新しい県立体育館の整備に向けた検討を進めさせていただければと思っております。


西川委員  建築物における芸術性などについて、小さい声が大きく聞こえるような要望などがあり、教育長も言いにくいのかもしれません。
 それに対して、執行部も苦慮されているのではないかと思うのですが、これは経済の問題もありますので、そこのところは議会にも諮って、しっかり決断しなくてはいけません。ホテルオークラ東京の本館も解体しますが、これは世界の名立たる著名人が宿泊したもので、残してほしいという声は全国のみならず世界からもありました。しかし、実体経済を考えたらこれは解体して建てかえないといけないのが現実です。
 民間と行政はもちろん違いますが、そうであってもある程度の限度はあります。私は、旧県立体育館を置いていても、県が活用するということは多分ないでしょうし、もう売却するしかないと思いますので、ぜひとも売却の方向で決断していただきたいと思います。要望にかえさせていただきます。


高田委員  私は少し趣を変えて、LGBTという余り聞いたことのない単語について、学校現場での理解等についてお聞きしたいと思いますが、時間に余裕もあるようですので少しうんちくも述べたいと思います。
 数年前からカミングアウトという言葉を使うようになりました。イメージとしては、芸能人が不倫していたのをカミングアウトをしたり、みのもんたのケンミンショーで各県の秘密がカミングアウトされるとか、こういった意味で使っているのですが、実はこのカミングアウトという単語は、辞書を引いたらわかるのですが、もともとは同性愛者などの少数派の立場であることを公表するということなのです。
 もともとアメリカで、ゲイの活動家の方が議員に立候補したときのスローガンが「カム・アウト・フロム・ザ・クローゼット」つまり「押し入れから出よ」ということであり、今までは社会の状況から考えてカミングアウトをすることが難しい状況があったけれども、そのような中で押し入れから出ようということをスローガンにして、それがカミングアウトになったと書かれておりました。
 LGBTとは、Lがレズビアン、Gがゲイ、Bがバイセクシュアル、Tがトランスジェンダーで性同一性障害と言われている方々であり、日本の人口の約5%、20人に1人はそうした人がいると言われています。割合から言えばこの委員会室の中でも2人や3人はいるのかもしれませんが、いたとしてもなかなかカミングアウトはできないと思いますし、現実に、特に学校生活の中でそれが言い出せないので悩んでいる方々や、さらには自殺される方もいると聞いております。
 文部科学省が、ことしの4月30日に、性同一性障害の子供についてきめの細かな配慮を求める内容の通知を出したと聞いております。私もその文書を読んだのですが、具体的な支援の事例について書かれているところを見ると、かなり突っ込んだことまで書いてあるので、ある意味でびっくりしました。
 医療機関との連携は当然なのでしょうが、学校生活の各場面での支援を例示しており、具体例として、服装や髪形、更衣室やトイレの使用、授業や水泳においても配慮するべきことについて、こうした事例がありますということが書かれていました。これらの具体例の対応について、まずは学校現場や教職員、生徒に知っていただかなければならないと思っています。性の多様性というのは先ほど申し上げたとおり、なかなか隠れて表に出てこないで、一人で悩むということが多いわけですから、そうした多様性があるということをまずは周知してみんなが知らなければならないのですが、私自身も深い認識はありませんから、まだ不十分な状況なのだと思っています。そのため、教職員への研修やパンフレットの配付など、この通知をもとに各学校あるいは教育委員会としてどのような取り組みがなされているのかと思っています。
 私が感じたのは、私の子供の生徒手帳などには、男子と女子の制服が図入りで載っていたり、それを解説して男子の髪形はこうですよ、女子の服装や髪形はこうですよと学校ごとに規定していたりするのですが、こうしたものも性同一性障害の方からいえば、苦痛なものではないかと思っています。これまでの私の感覚もそうですが、多数派でいれば普通であってある意味では常識であり、少数派の方は普通ではない、あるいは非常識だといった状況があります。今でも変態というような言葉を使ったり、男性で言えば「おとこおんな」などの傷つきやすい言葉を使われる方が、まだいる状況があるのではないでしょうか。
 こうした中で、最終的には社会環境において性同一性障害などの多様性が認められる社会を目指さなくてはなりませんが、今回こうした文書が出ておりますので、学校現場できめ細かに対応する環境をどうつくっていくのか、それに対する対応についてお聞きします。


西原教育長  御質問にありましたように、ことしの4月に「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」の通知が、文部科学省初等中等教育局児童生徒課長名で出されたわけですが、もともとこの背景には、平成15年に性同一性障害に対してさまざまな問題を抱えている人たちの社会的な不利益を解消するために、議員立法で性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律ができました。その後、平成22年に文部科学省からも「児童生徒が抱える問題に対しての教育相談の徹底について」という文書が出ており、その中でまずは心情等に十分に配慮した対応をするようにという要請が出ております。
 こうした対応については、教職員一人一人が性的マイノリティーについて正しく理解することが重要でありますので、これまでの取り組みとして、まず教職員に対して理解を深めるためのリーフレットを作成して、平成24年4月に全教職員に配付しております。その中で、性同一性障害の正しい理解について各教職員にいろいろと知らせるとともに、平成22年度からは、研修会を実施することで職員への啓発を深めているという状況にございます。
 そうした取り組みを行う中で、この4月に対応の実施等についての通知が来ましたので、各学校現場にはこの通知に基づいて対応するようにということで、改めて周知も図っている状況でございます。


高田委員  恐らく生徒の中には、カミングアウトをしている方はほとんどいないだろうと思いますから、全ては水面下の話だと思っています。そのような中でも、この生徒はそうではないかと先生も気づくことがあるのではないかと思いますが、違っているかもしれないけど可能性としてこの子はそうではないかと思ったら、もっと男の子らしくしなさいとか、女の子らしくしなさいという言葉をかけるわけにはいかないと思います。もともとそうした言葉をかけることがどうかというのもありますが、そうした配慮が各先生方にあるのかどうかが気になるところです。
 実は、平成25年に6つの自治体で6,000人の教員に対してのアンケートと教員研修が実施されました。その回答では、例えば同性を好きになるということに対して自分自身が理解できないという先生も少なくないのですが、それでも約7割の先生は授業では教えなければならないと感じているという、今はまだそういった状況なのです。欧米では、こうしたことが確立されて理解が進んでいる状況ですが、日本では、先ほど言ったようにまだ多数派が常識という状況ですから、まだ少数のマイノリティーの方々の状況が理解できていないということがあるのだろうと思っております。
 ことし4月の文部科学省からの通知が来ているのを見ると、びっくりしたというのはそこなのですが、これは当然カミングアウトされている方に対してだと思うのですが、各学校での具体的な支援の事例として、例えば戸籍上男性の方に対しても上半身の隠れる水着の着用を認めようという学校があったり、修学旅行では入浴時間をずらすといった学校もあるのです。このようにカミングアウトされている方に対してはそれなりの対応ができるのだと思うのですが、されていない方々に対しての対応については難しいものになるでしょうから、そこをしっかりと研修して、気づいてあげられる先生になっていただきたいと思っています。
 先ほど岡野委員からも、今回の教育基本計画の基本理念に関して、子供たちの居場所ということが言われましたが、そういう意味では、今、申し上げている少数のマイノリティーの子供たちの居場所というのは、本当に難しいと思います。基本理念として書かれている「夢に向かってチャレンジする人づくり」というのはすばらしいことだと思うのですが、全員が全員そうなるかといえば、やはりそうはならない子供たちもいるのではないでしょうか。
 そうした性的マイノリティーの方も含めて、いじめられている子供たちや、あるいは落ちこぼれという言葉がいいのかどうかわかりませんが、学力についていけない子供たちの居場所が学校の中になくなっていくという状況の中で、こうした立派な目標を掲げるのもいいのですが、居場所をなくした子供たちにも手を差し伸べてあげられる基本計画が必要だと思います。
 例えば個性や能力を伸ばして社会に通用する経験を積んでいくといったことも大事なことだと思うのですが、少数の人たちかもしれませんがついてこられない方々も引き上げて、しっかりとみんなが生きていける、そうした教育も必要だと思います。次期教育基本計画はもう骨子案まで出てきておりますが、まだそういう考えで議論できるかどうか御答弁いただけたらと思います。


西原教育長  この性同一性障害などの性的マイノリティーに関しての対応は、教職員がきちんとした理解を持つことが大事だと思います。実は、本県においても過去にカミングアウトした生徒がおり、その生徒に対しては希望に沿った対応ができたわけなのですが、高田委員のおっしゃるように、カミングアウトのできない子供もたくさんいらっしゃると思いますし、そういう子供をどうやって気づいてあげられるかということだと思います。
 ふだんの子供たちがどういった言動をしているかなど、まさに先生が、子供たちとかかわりながら子供たち一人一人を見詰めるということが、大事なのだろうと思っております。そうした意味では性同一性障害者だけではなく、先ほどの岡野委員の御指摘のように、不登校の生徒やいじめを受けている生徒などいろいろな子供たちがいる中で、そうした子供たちに対して教師がきちんと目を広げて対応できるような心構えを身につけられるように、それぞれの学校の中で、また県教育委員会としても、市町教育委員会を通していろいろと啓発や研修も行って、資質の向上に努めていきたいと考えております。
 次期教育基本計画はまだ骨子案を出させていただいたばかりであり、これから素案の中に具体的にどういった取り組みをするのかをまとめていく必要がございます。そうした中でどういった取り組みができるのか。これは一つの取り組みだけではないと思いますし、今後、いろいろな取り組みが考えられる中で、あくまで必要な施策や事業はしていくのだという形で、計画として書き込めるものは書き込みたいという気持ちでございます。今はまだいろいろと意見を伺っている段階でございますので、多様な意見を頂戴できればと考えております。


高田委員  最後にこの性同一性障害というこの言葉について、私自身も大きな勘違いをしており、多くの方も同様かもしれませんので、それについて申し上げたいと思います。
 実は、性同一性障害の方ともお話をしたのですが、性同一性障害とは、2人以上の医者がそうであると認めたとき性同一性障害と判定されるらしいのですが、私は、障害という名前がついているものですから病気の一部だと思っていました。だからその障害を取り除くために、例えば性転換手術をするといったように個人の問題として考えており、恥ずかしい思いをしたのですが、性同一性障害の方々は、自分たちが生きていく上で、社会の中に障害があるのだという、そうした意味での障害なのだという捉え方をしていました。
 まだまだ少数の方でありますから、珍しいとか変わった人という目で見てしまいがちですけれども、まさに人それぞれの多様性であり、昨今はダイバーシティーという言葉が出ておりますが、こうした多様性を認め合う上でも、この障害という意味を間違って捉えないでくださいということを言われましたので、そのことを申し上げて私の質問を終わりたいと思います。


尾崎委員  それでは、何点か質問をしたいと思います。
 次期教育基本計画骨子案の31ページに、各施策体系の基本的な考え方が列記されております。今回は3回目の基本計画を策定するということなのですが、1回目や2回目に策定した基本計画の総括がありません。先ほども質問があったときにも教育委員会の答弁は、おおむね適正に、あるいはまたおおむね順調に推移しているという表現を使われるのですが、1回目の5年間と2回目の5年間がそれぞれどのような形で進行していき、これから行っていこうとするところとどういうところで相違点があるのか、その点についてお聞きします。


西原教育長  教育基本計画はこれまで2回策定しておりまして、今回は3回目ということでございますが、2回目の今の計画の終期が平成27年度末でありながら、その評価がわからないという状況でございまして、その意味では資料的には不十分だったかと思います。申しわけございません。
 平成26年度までの状況につきましては、決算の段階で改めまして点検して報告書を出させていただきますが、既に毎年、教育委員会の事務の管理及び執行の状況の点検及び評価に関する報告は出させていただいております。平成27年度末の状況は、年度途中でございますのでまとめ切れておりませんが、そうしたものを踏まえながら平成28年度からの計画に継続させて策定しているところです。


尾崎委員  ただ、これを見た限りでは1回目も2回目も3回目も大きく変わっているということではないと推察いたします。それで、ここに書かれている各施策体系の基本的な考え方が全てできたら、全ての問題が解決するのではないかと思います。確かな学力ができ、キャリアも積んでいき、外国語もできるようになる。しかも豊かな人間性ができて健やかな体ができるということで、完璧な人間ばかりができるのではないでしょうか。逆に完璧過ぎて怖くなるようなところもないでもないという気になります。
 そうした中で一番気になるのは、1ページの計画策定の趣旨の中で、教育現場では、いろいろな問題を抱えており、依然として本県教育の大きな課題になっているということですが、この中で、家庭や地域社会の教育力の低下などの課題は深刻なものになりつつあると書かれています。しかし、家庭と地域社会の問題だけなのか、教育界そのものに問題はないのだろうかということです。
 かつて田中教育長は、2%の不適格な教員がいるとおっしゃった経緯もあります。そうした中で、確かな学力を上げていくための教育力を育成していくためには、まずは教員の資質を担保しないとなかなか効果は上がらないのだろうという気がするのですが、どう考えておられますか。


西原教育長  ここに書いておりますのは、基本的には、学校現場も含めた教育全体に課題があるという中で、それとともに家庭や地域にも課題がありますという意味で書かせていただいております。まさに今、家庭や地域にも課題がある中で、学校教育においていろいろと子供たちに手を差し伸べていく範囲が広がっているという認識のもとに、教師が対峙しなければならない時代なのだと思っております。そうした意味で、教師の指導力や、いわゆる人間力も含めて幅広い知識や資質が必要になっていると思っておりますので、そうした教員の資質の向上については大きな課題であると考えております。


尾崎委員  そうではなく、ここにはいろいろと書かれておりますけれども、本県教育の大きな課題として、家庭や地域社会の教育力の低下などの課題は、より深刻なものになりつつありますとありますが、教育界については何も書かれていないのです。ということは、教育界には何の問題もないと認識されているのですかということを聞いているのです。家庭の教育力や地域社会の教育力にもそれぞれ課題ありますが、教育界も含めて全体的にそれぞれが劣化してきていると感じているのか、それとも教育界は別だと思っておられるのか答弁を願います。


西原教育長  教育界という意味では広い範囲で考える必要があるのですが、そうした家庭や地域も含めた教育全般という意味で考えれば、当然、教育界についても教育力が低下しているという認識でございます。


尾崎委員  教育界といったら語弊があるのであれば、教員の先生方の世界では教育力は劣化してないのでしょうか。我々の時代は、1クラス55人で学校教育を受けました。小学校、中学校も高校も同じだったと思います。教育長も同じだったと思うのですが、その中でそれなりの成果を上げる人は上げてきましたし、上げられない人はなかなか上げられなかったということです。
 それぞれ能力の差がありますから、一概に全ての人が夢を追っていくことは困難であり、そうはならない人もいるのです。運動会をすれば1番になる人もいるし、そうではない人もいます。それを全て平等に扱わなくてはいけないという今の教育が、本当にいい教育なのだろうかという気がするのですが、教育長のお答えをお聞かせいただきたい。


西原教育長  教員の力が、子供たちの成長に大きくかかわりますので、昔も今もそうした教員の資質や能力は重要なものでございます。そうした中で、いつの時代にも求められる資質は、基本的にはやはり教育者としての使命感であります。また、人間の成長や発達についての深い理解を持っているということも大事であると思ってございます。さらに、教科指導において専門的な知識を持っていないと、教員としてすぐれているとは言われないのかもしれません。基本的にはいつの時代でもそうしたものを持って対応することが、教員には求められているのだと思っております。
 もう一つとして、今の時代は、これからさらに国際社会になっていくということで、いろいろな変化が生じてまいりますので、その変化に対応する基本的な能力を子供たちにどう教えていくのかということを身につけるということも必要になってまいります。今、教師に求められている資質というのは、幅広くなっております。昔と今の教員の比較は、その点では難しいと思っておりますが、私どもとしては、できるだけ今の教員の指導力が高まるように、いろいろな研修活動を行って、人間性を高める取り組みをしていきたいと思っております。


尾崎委員  少し違うのではないでしょうか。教員として求められるものがそんなに変わってきているわけではないと思います。教育委員会が所掌する教育レベルというのは、幼稚園、小学校、中学校、それから高等学校であり、その中で教員にとって一番必要なのは人間力なのです。それと同時に、子供が近寄ってくるのが嫌で、膝の上に乗られたらぞっとするような人が教員になっても教育はできなので、子供が好きだということも重要です。
 成績については、トップからそれぞれの学校規模に応じて順番がつくのですが、その中でも、卒業したときにあの先生はよかったと、当時の悪餓鬼が言うわけです。それはなぜかというと、やはり教えるテクニックではなくて人間力だろうと思います。そうしたものを持った教員を育てていくことが、本当の教育行政ではないかと私は思います。
 それではそのために何をしないといけないかということがここに書かれているのですが、本当に成果が上がってきているのかという気がします。
 今は各小学校で、少なくとも1人や2人の不適格の先生がいると言われています。県の教育委員会では、今、管理主事の人たちが人事を見ているのだと思いますが、そうした先生が1カ所に固まってしまうとその学校自体が崩壊してしまうので、1カ所に固まらないように各学校に均等に浅く薄く配置されており、そこでは先生に指導担当の先生がつかないと困るという状態も起こっていると聞いております。
 そういう先生たちには、今、教育委員会では教育センターを中心に再教育もしていると聞いておりますが、人数的にはそのレベルではないと思います。再教育することでもう一回教壇に立てる先生、あるいは再教育したけれども教壇には立てないが事務的な仕事だったらできる先生もいるでしょうが、そのどちらも困難な先生もいると思います。
 今、県全体では行政改革が進められてきて、人員的にも相当な圧縮をされておりますが、教育委員会の予算の中で一番多いのは、先生方の人件費だろうと思いますし、それこそが教育委員会の財産なのです。そういったことをしっかりと評価しながら、どうやってその財産の価値を高めていくかということが皆さん方の一番の課題だろうと思うのですが、どうお考えですか。


西原教育長  行政の中で教育委員会は8割以上が人件費でございますので、まさに教員の力が教育委員会の力なのだと認識しております。そのため教育力を高め、また人間力を高めるためにも、教員の人間性が高まらないといけないのではないかと思っておりますので、そういった観点からも教員の指導力を高めるよう努力していきたいと思います。


尾崎委員  十分に努力していただきたいと思います。
 次の質問に移りますが、今、外国語教育が国でも言われており、県でも取り組みがなされています。中学校には英語の先生がおりますが、小学校で英語を専攻した先生は何人ぐらいおられるのでしょうか。


矢木澤義務教育課長  専攻した先生ということでは人数を把握していないのですが、記憶の限りで申し上げますと、小学校において中学校レベルの英語の免許を持っている先生は数%だったと記憶しております。


尾崎委員  英語の免許を持っている先生は、全て英語は話せるのでしょうか。


矢木澤義務教育課長  英語の免許を持っている先生は、英語の授業を行う一定の資質はあるという前提で申し上げざるを得ないところがありますけれども、今、我々自身も小学校や中学校を含めて、英語の授業は4技能と言われている、読む、書く、聞く、話すといったことを含めてしっかり対応できるような授業をしていかないといけないと思っておりますので、そのためにも先生方を含めて資質の向上を図らなければいけないと考えております。


尾崎委員  かつての田中教育長の時代にもいろいろと英語教育の議論をした経緯もあります。その中でALTの先生を導入して今日に至っているのですが、今では人数が減っているのではないでしょうか。教育委員会と国際交流の両方にそれぞれあると思うのですが。
 今は恐らく3校から4校を1人の先生が巡回して見ているというのが実情だろうと思うのですが、本当に英語力を高めるためには、各学校に最低1人はいないといけないのでないでしょうか。多分、教育長は英語も優秀な成績で高松高校を卒業しただろうと思いますし、だからこそ神戸大学へ入れたのでしょうが、教育長が英語を堪能に話せるとは聞いたことがありません。先ほど話した、かつての田中教育長も高松高校を出て東大を卒業しておりますが、彼には海外留学の経験がないから英語は話せなかったと記憶しています。
 そういったことを考えると、資格を持っているからと言っても、これからの時代に求められる英語教育を本当に小学校でできるのだろうかという危惧を持つのです。八百屋さんに魚を売ってくれと言っても魚はありません。先生といえどもオールマイティーではありません。とりわけ外国語は、専門的な能力を持った先生を採用していくしかないのだろうと思うし、そうなると全体の枠があるので、急激に採用人数ふやすこともできません。どういった時期にどれくらいの人員を採用していくかということも、今から視野に入れて考えていかないと時代に間に合わないのではないかと思うのですが、教育長はどうお考えですか。


西原教育長  英語の教育に関しましては、今、学習指導要領の改訂の中で検討が進められております。現在は小学校5、6年生において英語教育に親しむといったものになっておりますが、それを3、4年生まで早めていこうという話が進んでおりまして、なおかつ5、6年生は英語を教科化して勉強しようという流れになってきております。
 それに向けた対応として一定の取り組みが必要になりますが、英語に堪能な教員ばかりそろえるということはなかなか難しいものですから、基本的には英語力が身につくように、小学校の先生方に英語を指導していこうと考えております。その英語の指導をする先生をまずは研修によって養成していくという手順を考えておりますが、今は、そうした英語の指導ができる先生方をふやしているという状況でございます。
 ただ、英語ばかりに力を入れても、全体の教科といいますか、全体の子供たちの成長の上では、国語の面や、道徳の面などいろいろな形で成長させていく必要がありますので、先生方の採用に関してはいろいろと考慮していきたいと考えております。


尾崎委員  別に英語教育だけをやれと言っているわけではないのです。国も県も英語教育に力を入れようとしているときに、対応できる教員がいないのでは教育にならないのではないですかということなのです。国語の先生が英語の研修を受けて教えられるようになればいいのですが、そうはいっても新採の若い先生はいざ知らず、そうではない先生方にとっては苦痛以外の何物でもないでしょう。先ほどからの話にもあったように、教員の時間拘束も長くなっておりますし、その一方で、教育現場だけではなく地域にも目を配らないといけません。父兄への対応も難しくなっておりますし、教育以外の業務が余りにも多いのではないかと思っているのですが、そういった中で、まずは先生方が教育に専念できる環境をつくることが大事なのだろうと思います。
 そうすると、例えば国語は日本語であり母国語ですから、全ての先生は日本語が話せますし、日本語が話せない先生は香川県にはいないと思います。そうすると、英語の資格を取った先生方が日本語を教えるほうが道は早いのでないかと思うのですが、どう考えますか。


西原教育長  まさにいろいろな考え方ございますし、そのとおりかと思います。


尾崎委員  いろいろな考え方あると言われたら身もふたもないのですが、私は時々、いろいろな場所に行って地元の校長先生と話をする機会があるのですが、例えば学校には全校放送のための放送設備があります。今はチャイムで子供たちを集めており、チャイムの条件反射で教室へ入っておりますが、これは動物のすることなのです。
 人間が動物と違うのは、火をコントロールする、道具を使う、言葉を使うといったことであり、これが人間の条件なのです。そうすると、ALTの先生がいて各学校に巡回で来ているのですから、例えば朝1時間目のときには英語で言葉を入力してもらってそれを全校放送で流すことにすれば、放送設備はあるのですから録音テープを買えばできるのではないでしょうか。
 例えば今月の歌でも何でもいいので、昼休みの休憩時間に英語の歌を流せば、子供たちは、1週間もしないうちにその歌を原語で覚えたりします。ただ、覚えても意味はわかりませんから、先生にこれはどういう意味ですかと聞きに来ると思いますし、それが子供なのです。
 そういう中で我々が海外に行ったときに一番に困るのは、自分は片言で話せたとしても耳が英語耳になってないので、相手が言っている言葉がわからないことなのです。そういったことを可能にしていくような教育をしていかないと英語力は上がらないと思います。
 かつては英語教育の機器が各高校に配置された経緯もあったと記憶しているのですが、例えば、人でできないことは機械にしてもらうといったことを含めてどういったことが考えられるのかを具体的に検討をしていく必要があると思うのですが、どうお考えですか。


西原教育長  昨今は先生方の力だけではなく、IT機器を使った研修方法もございますので、いろいろな方法を研究していく必要があろうと思っております。そういう中で、効果的なものを採用していきたいと考えております。


尾崎委員  次は運動に関してお聞きしますが、トップアスリートを目指して競技力を高めることができるような環境をつくっていきたいと考えているのですが、現状はトップアスリートを目指すという以前に、学校の部活動が存続の危機を迎えているという状況です。その原因の1つは少子化ですが、もう1つは教育委員会の考え方ではないかと感じています。例えば、今、部活動は日没で終了しなければならないと聞いているのですが、どういう状況になっているのでしょうか。


渡辺保健体育課長  それは高校の部活動に関してでしょうか。高校では特に部活動は日没までということは聞いておりません。中学校の部活動に関しては把握できていない部分もございます。


尾崎委員  私自身は地元の中学校でお聞きしたと記憶しておりますが、部活動も運動部だけではなく文化部もありますし、もちろん男だけがやるものではなく女の子も部活動をしますから、多分、安全上の配慮だろうとは思うのですが、日没になると帰りなさいということだったと思います。そうすると、冬場などでは日没までということでは、実態的には練習する時間はないのです。そうした状況で、本当に競技力が上がるのだろうかという気がして仕方がないわけなのです。
 高校では、とりわけ野球部などはナイター設備を使って遅くまで活動しておりますが、中学校では日没までになっていると聞いております。そうした実態の中でどう考えていくかを整理しないで、ただトップアスリートを育成すると言っても、なかなかそうもいかないのではないでしょうか。
 トップアスリートを目指している人は、今、学校の部活動ではないのです。例えば私の地元の坂出市では、水泳だったらいわゆるスイミングスクールであり、新体操でも新体操教室で活動していて、そういうところにいる人たちが成績を伸ばしている状況です。もちろん団体競技ではなく個人競技ですから、そういった形でも可能なのでしょうが、そうした人たちにどういう形で支援をしていくかということも大事な課題だと思います。そうした方たちの自己負担額を聞きましたところ、海外遠征の場合は、8割を県が負担をしているということで、2割は自己負担になります。上限額もあるようですし、個人にとってはかなり大きな負担になってきます。
 とりわけ、例えば球技や陸上、水泳といった結果が数字にあらわれてくる競技では、まだ一発勝負でも勝つ可能性はないわけではないのでしょうが、例えば新体操などの体操競技、あるいは香川県ではフィギュアスケートがあるのかどうかわかりませんが、そういった世界は大部分が主観による点数であり、数字になって答えが出るわけではないので、そういう競技についてはどんどん海外遠征をして、あるいは海外合宿もしながらみずからの知名度を上げていかないと、トップには立てないということになってくるのです。
 そうした現状でどういった支援をしていけば効果的なのでしょうか。もちろん財源的にはなかなか思うようにいかない部分もあると思いますが、それぞれの家庭で負担するということになってくると、そうした有望な子が1人であればまだしも、例えば先ほど話をした坂出の子は妹も有望だと聞いているので、一家で2人も海外遠征などということになってくると、家庭の負担ではもたなくなるのではないでしょうか。そうすると、県だけでは対応できないとしたら市にも協力してもらったり、いろいろなことを考えながら一定の応援ができる体制をつくっていくことが大事なのだろうと思っております。いろいろと言いましたけれども、それは要望にとどめておきます。
 いずれにしても、次期教育基本計画に書かれていることが全部できたら、完璧な人間ができ過ぎるのではないかと思います。完璧な人が本当に必要なのだろうかという気もしないでもないのですが、かといって、運動競技と同じで学力面でもトップを走る人もいれば、3番の人も10番の人もいて、それぞれの能力に応じた順番がつきますので、そうすると全ての人が次の時代を担う人材として活躍できるような全体的な競技体制をつくる必要があると思います。
 先ほど中学校では1年生は35人学級という話も聞きました。小学校での35人学級は4年生までなので、中学校よりも小学校6年生までを先に35人学級とするほうが選択肢としては正しいのではないでしょうか。教育委員会では中1ギャップという言葉が使われておりますけど、実態的には問題になるのは中2なのです。中2になると悪い生徒はますます悪くなるし、我々の経験でも中1は小学校の延長なのです。
 それと同時に、小学校6年間の教育をみっちりとして、できる子はできる子なりに、苦手な子は苦手な子なりにステージアップをしていくことが自信につながるので、大事なのは小学校6年間の教育です。恐らく小学校6年間の教育は一生ついて回ります。マラソンと同じで早い子は早いので、一遍に180度変わってビリの子がトップへ行くようなことはあり得ないのです。
 そうしたことを考えたとき、やはり大事なのはスタート時点になってきますから、ヨーロッパで実施されている就学前教育に対してどういう取り組みをしていこうとするのかが重要になります。もちろん幼稚園や保育所の問題がないわけではないので、そうしたところを調整しながら就学前の教育をどう考えていくかということが問われているではないかと私は思うのですが、教育長の所見をお聞きして終わります。


西原教育長  子供たちのそれぞれの成長段階に応じて、教員が情熱を持って教えていくという体制をつくっていく必要があると思っております。そういう中で、就学前の教育についてでございますが、これに関しては幼稚園から、また保育所から小学校に上がる段階で小1プロブレムといった問題も生じている中で、就学前の教育をきちんとしたものにしていくということは必要だと思っております。
 ただ現時点では、どういった方法が適切かということをいろいろと模索をしているのですが、幼稚園と小学校との連携を図る、また保育所と小学校の連携を図る、さらにこども園もできておりますので、そういったところともうまく連携を図りながら、就学前から小学校、中学校につながるように、そして子供たちが人間として成長できるように教育力を高めていくといった努力をしていきたいと思っております。


尾崎委員  最後と言いましたが、聞きっ放しでも終われませんので、一言申し上げます。
 それを取り入れるのは大事だと思いますが、そうすることによって現役の教育現場の先生方にさらに負担がかかるようなことはないように、あえて申し上げて質問を終わりたいと思います。


大山委員長  以上で、教育委員会関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)


大山委員長  御異議なしと認め、教育委員会関係の質疑、質問を終局いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。