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平成27年[9月定例会]文教厚生委員会[健康福祉部、病院局] 本文




2015年09月29日:平成27年[9月定例会]文教厚生委員会[健康福祉部、病院局] 本文

大山委員長  これより質疑、質問を開始いたします。


山下委員  私からは3点お聞きします。
 最初に部長にお聞きしますが、保育、特に保育所の役割をどのように認識されていますか。


野本健康福祉部長  保育所の役割でございますが、子育て、子供の育成にとりまして重要な施設であり、子供の養護、教育を行うものと考えております。


山下委員  要するに、保護者の子育てを補完する役割という理解だと思います。その中で一つお聞きしたいのですが、当委員会の県外視察で八王子市の共励保育園を視察させていただき、その際に保護者や中学生、また高校生を対象にした一日保育士体験を実施しているという説明を受けました。
 昨今は、ゼロ歳児から2歳児を保育所へ預ける保護者が多くなっており、そうしたニーズがあるという前提のもとで、この一日保育士体験は、特に重要とされるゼロ歳児から2歳児の保育において、子育てをする親心や保護者の子供に対する愛着、また、子供の親に対する愛着を育むものであるとお聞きしました。先ほども言いましたとおり、保育所の役割として、そうしたところに重点を置く必要がありますし、今後、子供が育っていく中で、愛着を持つという部分は重要であると感じたところです。
 また、講師の方から、学生や高校生の一日保育士体験では、小さな子供に対する気持ちを育てていくことで、子供に対する人間の中のいい面が自然と出てくるものであり、お互いが生きる力を培っていけるといった話もありました。そうした中で、一日保育士体験は意義深いものだと感じており、この一日保育士体験を本県でも広めてはどうかと思うのですが、それについての考えをお聞きします。


野本健康福祉部長  山下委員の一日保育士体験についての御質問にお答えいたします。
 委員から御説明いただきましたように、一日保育士体験とは、何か特別なことをしたり、準備をするものではなく、保護者が保育所において実際の保育士のように保育所の一日のスケジュールに従い、自由遊びや絵本の読み聞かせ、給食準備、給食体験、午睡の準備などを行うものであり、視察いただきましたように先進的な実施例もあるところでございます。
 その効果として、保護者にとっては家とは違う子供の姿や、我が子だけではなくほかの子供を見ることができる機会を持つことによって、子育てに対する意識が高まるものと考えております。保育所にとりましても、保護者とのコミュニケーションを通じて、子供の家庭環境への理解が深まることで、子供たちにより豊かな生育環境を築くことができ、保育の質の向上などの効果も期待できることから、意義深いものと認識しているところでございます。
 また、小・中学生の体験の御指摘もございましたが、小・中学生に対する効果も御指摘のとおりと考えております。
 これらの取り組みについての県内での推進でございますが、保育団体を通じて確認したところ、一日のうち数時間、保護者が保育に参加する取り組みを行うことで、その効果を認識している保育所や、前向きに実施を考えている保育所もあると聞いております。
 先ほど申しましたように、この一日保育士体験は、親が親として成長してよりよい親子関係を築くための支援や保育の質の向上につながることが考えられますことから、今後、市町や保育団体等と連携して、保育所等に先進的な事例を紹介するなど、この取り組みが県内に広がっていくように努めてまいりたいと考えております。


山下委員  ぜひ、そうしていただきたいと思います。
 最初にお聞きした、保育所の役割の認識を踏まえて、再度お聞きします。最近は、保育所が保護者のニーズに応えなければいけないということをよく聞くのですが、そうした中で、保育所の存在や役割が変わってきていると思います。これは実際にあるらしいのですが、教材などを売っている民間企業が保育所を指定管理で運営していくことがあります。これは問題であり、保育所の役割を考えたときに、保護者に対するサービスに重点を置くことになり、サービス業のようになってしまうことになると思います。その点について、指定管理との関連も含めて、どのようにお考えになっているか、またどのように把握されているかお聞きします。


吉田子育て支援課長  山下委員の県内の保育所の指定管理の動きについての御質問にお答えします。
 現在、県子育て支援課ではそのような話は承っておりません。


山下委員  実は、実際に指定管理の応募があり、決まったということを聞いたのですが、間違いだったのでしょうか。それはいいのですが、何が言いたいかというと、サービス業になったのでは先ほどの親心や子供と親の関係が希薄になってくるのではないでしょうか。最初の話に立ち戻りますが、保育所の役割は、子育てを補完するものであると思いますが、親心や愛着を子供と親の間に育てていくため、一日保育士体験などを含めて、どのように働きかけていくかを再度お聞きします。


野本健康福祉部長  山下委員の保護者への働きかけの御質問にお答えいたします。
 委員の御指摘のように、私どもも親子の愛着は大切だと考えており、育児を保育所任せにするのではなく、子供としっかり向き合うようにして、親としての責任を自覚するように促していくことは大切だと考えております。
 その中で、保育所の考え方をよく理解して、その上で子供を預けることによって親が親の役割を果たすとともに、保育所や保育士への要求が過大になったり、一方的になったりすることを防ぐこととなり、保育士の負担軽減や保育士の質の向上につながってくるのではないかと考えております。県としても、他の保育所でも、保護者への親心の育みや愛着の形成などの働きかけに取り組んでもらえるよう、保育団体の意見も聞きながら、市町と連携して検討してまいりたいと考えております。


山下委員  既に県内でもそうした考え方を持って取り組みをされている保育所があり、我々も県内視察で見せていただきました。そうした取り組みが重要だと思っております。
 あと一つ懸念されるのは、高まるニーズに対して応えていかなければならない、また、保護者からのクレームにも対応しなければならない中、こういった福祉や教育は、あの人はよくやってくれるなどといった、個人の資質に頼ってしまう部分があります。保育士の方も一生懸命やってらっしゃるのですが、要求もどんどん多くなってきています。共励保育園でも聞いたのですが、ゼロ歳児や1歳児の保育で、子供たちが初めて歩くシーンを保育士が見てしまうことがあるそうです。それを親にどう伝えるかということも重要になってきます。
 ただ、余りにも過度なニーズや要求、クレームに対応する中で、保育士の離職率が高まり、就職したいと思う希望者が減ってきています。ある意味で、保育士が親心を育てることに、仕事としてどう向き合っていくかということが、難しくなってくると思います。しかし、何度も言うようですが、保育所は子育てを補完するものであるとの観点から考えたときに、保育士の確保や保育士の教育についてどのようにお考えでしょうか。


野本健康福祉部長  保育士の教育という点でございますが、委員の御指摘のとおり、本来は保育所が子育ての補完となるべきはずのものがサービス業的な役割も要求され、保育士が大変になっている状況がございます。その中で、先ほども申し上げましたように、保育所とは子育ての補完であるということ、親としてしっかりと役割を果たしてもらうといったことを親御さんに理解していただくことが大切だと思っております。そうすることで、保育所や保育士がこれだけ御苦労されているのだということを親が理解して、一方的であった過大要求が防がれていくのではないかと思っています。
 あわせて、保育士は大変ではあるのですが、やはり子供の笑顔が保育士にとって一番の力の源になると考えておりますので、保育団体などとも話し合いながら、さまざまなよい取り組みを広めていくことで、保育士の質の向上、ステップアップを図っていきたいと考えております。


山下委員  先ほど、部長も言われたように、保育所における一日保育士体験の位置づけは、子育てを行う中で保育というものを理解してもらい、子供が保育所で何をやっているか、どういうことがあったのかを知ることで、保育士の取り組みへの感謝の気持ちも含めて、保護者と保育士、また保育所が一緒になって親心を育てていくことに、重要な意味を持つと思っております。そういった意味で、一日保育士体験がうまく広がるように、実現に向けて取り組んでいただければと思います。これは要望とさせていただきます。
 続きまして同じ保育の中で、これは微妙な位置づけになるかと思いますが、第3子以降の保育料の減免措置についてお聞きします。
 先日の代表質問の中で、多子世帯の経済的な負担軽減として、今までは第3子以降は3歳未満の保育料を減免していたものを、3歳以上も対象にすることを検討したいという答弁がありましたが、その背景と現在の検討状況についてお聞きします。


野本健康福祉部長  第3子以降の保育料の減免の拡充策についての御質問にお答えいたします。
 県では、これまで、少子化対策として、安心して出産や子育てをしやすい環境を整えるために、さまざまな施策を実施してきたところでございますが、中でも平成9年から第3子以降の3歳未満児の保育料を無料にしており、事業開始後、第3子以降の出生割合が全国平均を上回る状況を維持しております。
 こうした中で、厚生労働省の人口動態統計によれば、本県の合計特殊出生率は平成7年に1.51と全国26位でありましたが、昨年は1.57と全国10位に上昇しておりますものの、現在の人口を維持するために必要とされている水準の2.07に対しては大きく下回っておりますので、少子化対策をより強化することが必要であると考えております。
 さらに、合計特殊出生率の高い上位10県の中で、本県は第1子及び第2子と比べて第3子以降の出生割合が18.5%と最も低くなっており、第1位の沖縄県の30.1%に対して11.6ポイントも低くなっております。
 また、3人以上の子供を持つことは、子育て、教育、保育などさまざまな面での経済的負担が大きくなり、それが第3子以降を持てない最大の理由となっているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、第3子以降の経済的負担の軽減に向けてより一層の取り組みが必要であると考え、今回、第3子以降の3歳以上の保育料の減免について検討することとしたものでございます。この制度につきましては、現在のところ、所得制限の設定や具体的な実施方法など詳細について検討を進めているところであり、今後、必要に応じて市町などとも調整してまいりたいと考えております。


吉田子育て支援課長  先ほどの山下委員の県内での指定管理の例について、例がございます。訂正させていただきます。


山下委員  指定管理の例があるということで了解いたしました。
 部長の説明によりますと、この第3子以降の保育料の減免については、少子化対策であるという理解でよろしいのですね。そこでお聞きしたいのは、第3子以降の保育料が減免になると、見通しとしてどれぐらいの財源が必要なのか、そして、どれぐらいの割合になりそうなのかお聞きします。


野本健康福祉部長  それらにつきましては、所得制限の設定等により変わってくるところでございまして、現在、さまざまなケースを試算しているところでございます。


山下委員  少子化対策として、この取り組みを行うということですが、人をふやしてほしい、子供を産んでいただきたいということはわかります。しかし、そうなってくると、余計に子育ての重要性が出てくると思います。子供が産みやすくなれば、保育所に預けたいということになり、待機児童がふえるのではないかという懸念もあります。さらに、先ほどから言っている保育所の役割を考えると、実際に子供がふえてきたときに、子育てに対する補完としての意味合いや親心を育てるという部分が重要になってくると思います。少子化対策の必要性と、基本として子育ては家庭でするべきものであるとの認識の兼ね合いについてお聞きします。


野本健康福祉部長  今回の拡充策を実施した場合における待機児童についての御懸念は、御指摘のとおりだと思います。ただ、現在検討している制度の拡充案でございますが、3歳以上の子供に、幼稚園にも対象を拡大して実施するものでございまして、現在のところ、3歳以上の子供は、大体が保育所や幼稚園に在所、在園しておりますので、拡充が直ちに入園希望の増加につながって待機児童が増加するとの予想はしていないところでございます。
 また、県では、先ほど御指摘もございました待機児童の発生でございますが、保育士の不足により保育所の受け入れに制約が生じていることが主な理由と考えております。これについては、保育士の配置基準によれば、例えばゼロ歳児の場合は3人につき保育士1人といったように、低年齢児の場合に多くの保育士が必要になりますが、3歳児では20人につき保育士1人ということになります。今回の拡充策の対象となるのは3歳以上ですので、待機児童の増加に与える影響はそれほど大きくないと考えるところでございます。
 ただ一方で、ことしは年度当初の保育所の入所待機児童が9年ぶりに129人発生しております。待機児童の解消は喫緊の課題と考えておりますので、引き続き保育士人材バンクを通じた就職支援や、県内の保育学生が県内で保育士になることを促進するための新たな修学資金の貸し付けも実施して保育士人材の確保等に努め、待機児童の解消に向けて市町と連携して全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 それから、保育所は子育ての補完をするためのものであるといった認識や、親心を育てることが大事になっていくといった点でございますが、御指摘のとおり、その点は私どもも重要であると考えておりますので、先ほど申しましたように、一日保育士体験を広めていくなど保護者に対する働きかけを広めていくような形で、対処していきたいと考えております。


山下委員  やはり、疑問に思ったのは、保育士が足りないという話が出ることなのです。保育士が足りない理由をお聞きしたいのですが、例えば離職率が高いのか、もともとの就職希望が少ないのか、現状でわかっている範囲で教えていただきたいと思います。


吉田子育て支援課長  詳細な数値は改めて御報告いたしますが、保育の専門学校を卒業されている方の中でも半分ぐらいしか保育士を希望されない状況や、就職されても5年以内に相当程度の方が離職されている状況は承知しております。


山下委員  詳細な数字についてどうこうという話ではありませんが、現状としては厳しい状況であり、この理由は分析・検証していかなければならないと思いますし、ぜひとも行っていただきたいと思います。
 そうした中で、これは想像の域なのですが、保育所に対する保護者の要求が多過ぎるのではないでしょうか。先ほども言いましたように、保護者からのクレームがふえたり、保育をサービス業だと思っている保護者がいたりすると、そうしたことが起こり得るのではないかと思ったりもします。
 そのため、これは一貫して申し上げていますが、保育所はあくまでも子育ての補完であるという認識で、先ほどの一日保育士体験もそうですし、保育料減免措置の拡充に関しても、それに伴った保護者と保育所との連携や、保護者に保育についての理解を深めてもらうための取り組みが必要であると思っておりますので、今後、ぜひ取り組んでいただきたいと思っております。
 看護師もそうですが、離職率が高いことに関しては、仕事の中に何らかの原因があるわけですから、明確に分析して検証していただけたらと思います。これは要望で終わります。
 最後の質問ですが、動物愛護施設の推進について、6月の委員会で動物愛護センターの基本構想について報告がありました。全ての県民に開かれた施設ということと、動物愛護管理に関する普及啓発の拠点となる施設、また犬や猫の譲渡の推進の拠点となる施設として基本計画を策定する予定であるとのことでした。当委員会でも、今後、犬や猫の殺処分率が全国でも高い状況であることなどの問題に取り組んでいく必要があることから、動物愛護を閉会中の継続調査事件として追加したこところです。そこで、このセンターの現在の進捗状況と今後のスケジュールについてお聞きします。


野本健康福祉部長  山下委員の動物愛護センターの御質問にお答えいたします。
 動物愛護センターの整備でございますが、6月議会で冒頭報告した基本構想をもとに、現在、県と高松市が共同で整備するのにふさわしい設置場所や動物愛護センターの機能、役割が十分果たせるような施設の規模や構造、設備等のほか、どのような組織、運営のあり方が効率的であるかなどにつきまして、高松市と継続的に協議を実施しているところでございます。
 今後、高松市と協議を重ねて、基本計画の素案を作成することとしており、外部有識者で構成する香川県動物愛護推進懇談会の御意見をお聞きするとともに、県と市で共同設置している香川県・高松市動物愛護管理行政協議会において協議した上で、県議会の御意見も伺いながら、今年度中をめどに基本計画を策定したいと考えております。


山下委員  NPOだったと思いますが、民間でも動き出しているという話も聞いておりますので、早急に対応していただけたらと思います。
 それと、よく話題になるのですが、この間の鬼怒川の氾濫や決壊における、まさに鬼気迫る救出活動の中で、犬を抱いてそのままヘリコプターで救出されるという印象的なシーンがありました。
 東北大震災のときもそうでしたが、災害が起きたときは、当然、人命救助が第一であります。しかし、取り残されたペットのことが問題になってきており、ボランティアの皆さんの活動により救出していただいたりしていると思います。そういった災害時における取り残されたペットや家畜の対応について、愛護センターの役割をどのようにお考えなのかお聞かせください。


野本健康福祉部長  山下委員の災害時の動物対策についてお答えいたします。
 災害時のペットの対応ですが、これまでの大規模な災害の経験などから、飼い主とペットが一緒に避難場所に安全に避難するという、同行避難が合理的であると考えられているところでございます。
 このため、県では、御指摘にありましたように、今回整備する動物愛護センターに一定の役割を持たせることとしております。さらに、飼い主向けのハンドブックや避難所設置者向けのガイドラインの策定などをこれまで行ってきているところでございます。この詳細につきましては、生活衛生課長から御説明申し上げます。


池本生活衛生課長  山下委員の御質問にお答えいたします。
 大規模災害が発生した場合には、飼い主とはぐれたペットや避難所でのペットとの共同生活による問題の発生など、ペットの取り扱いに苦慮する例が見られましたことから、県では、平成20年度に策定した香川県動物愛護管理推進計画に災害発生時の対策の整備を掲げ、平成24年3月に、ペットの飼い主向けに「あなたとペットの災害対策ハンドブック」を作成して、災害時の動物対策の啓発に努めてきたところでございます。
 また、平成25年6月には、環境省が災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを作成したことから、県でも、平成26年12月に、市町など避難所設置者向けのペット受け入れのための避難所等運営ガイドラインを作成し、先月開催された市町防災・減災対策連絡協議会等で周知するなど、市町との連絡体制の構築にも努めているところでございます。
 動物愛護センターでは、災害発生時における動物医薬品を初めとした物資の提供や、獣医師、動物看護士、民間のボランティア等の派遣について、国や香川県獣医師会等の関係団体と連絡調整するなど、同行避難した動物に対する物的・人的支援や、日ごろからの災害に対する準備や心構え、避難所での動物との生活における注意事項などを普及する拠点施設として位置づけており、センターの整備に伴い、より一層災害時動物対策推進してまいりたいと考えております。


山下委員  この間の鬼怒川もそうですが、まさか国の管理している堤防が切れると思っていなかったものが決壊したように、想定外が想定外ではなくなっている事例も出ております。だから想定外を想定外にしないような備えが必要になるのですが、先ほどの話を聞いていますと、動物愛護センターは被災しないという前提があるように聞こえてしまうのです。特に香川県は災害が少ないという認識が、県民の中にも多いと思いますので、その分余計に、大きな災害が起きたときにペットまで連れていけるのでしょうか。慌ててパニック状態になったときに、ペットが取り残される可能性も多いと思いますし、逆にセンター自体が被災したり、職員が出勤できないというケースを想定する必要もあると思います。人と動物の調和のとれた共生社会の原点を、そういったところも踏まえて、今後の施策、方針、取り組みに生かしていただければと思います。これは要望で終わります。


岡野委員  4点質問させていただきますが、1点目に薬物依存についてお聞きします。
 先般、高松市内におきまして、全国で薬物依存からの脱出に取り組んでいる香川ダルクの主催する講演会がありました。そこで女性の薬物依存が大きな議論になりましたので、香川県内の女性の薬物依存の近年の経緯、薬物依存に至っている方の人数などがわかりましたら教えてください。


久保障害福祉課長  委員の女性の薬物依存の数についての御質問ですが、手元にその数字はございませんが、覚醒剤中毒等の入院患者は県内で14人という状況でございます。


岡野委員  薬物依存にもいろいろな種類があり、今、おっしゃったような覚醒剤もありますし、軽度の睡眠薬等を使わないと寝られない、そして病院からもらう睡眠薬の量が、いろいろな病院からもらうことでふえていって、それがないと眠れないという方も増加していると聞いています。私も学生時代にそのような友人がおり、最初は飲む量も少なかったのですが、どんどんふえていき、子供を出産した後も続いて、一人の力ではやめられないという話を聞いたことがあります。
 それから脱出しようと思ったら、人間関係や学校や勤め先など今いる場所を変えたり、お金の出入りを管理したり、ストレスなどを整理清算するという必要があることから、薬物依存回復に当たっては24時間のケアができる施設が必要となるため、香川ダルクなどの組織が各地で活動しており、多くの場合は民間が主体となり、行政が支援する形での運営がなされております。香川県内には女性の薬物依存について24時間のケアをする施設はないのですが、そうした施設とともに、薬物依存の方が自立して就労できるようになるところまで、継続してケアをする体制づくりが必要であると思っておりますが、いかがでしょうか。


野本健康福祉部長  委員の御指摘のとおり薬物依存の問題への対応は大切だと思っておりますが、女性専用の施設につきましては、今、香川ダルクが、自助的な活動の中で対応されていると認識しております。
 香川ダルクに関しては、これまでも設立準備段階から精神保健センターなどが設立準備会に参加して支援しており、設立後についても引き続き運営等について支援をしてきているところでございます。そして、平成23年度、25年度、26年度、それから今年度も香川ダルクの自殺予防のための普及啓発事業に補助をしております。
 今般の共同生活の施設の運営につきましては、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのうちのグループホームなどの活用が考えられるところであり、他県のダルクでも、これを活用してグループホームなどで事業を実施している例もございますので、必要に応じてこれらについての情報提供をしてまいりたいと考えております。


岡野委員  情報提供もそうですが、こうした施設は近隣の住民からの反対なども多く、民間での受け入れが難しいところがあり、開設にこぎつけるまでには多くの困難があると思いますので、行政がしっかりバックアップをしていただきたいと思います。これは要望です。よろしくお願いいたします。
 2点目に、斯道学園における児童自立支援のあり方についてお聞きします。
 今回、斯道学園の整備が進められております。私も何年も前から携わらせていただいておりますが、老朽化が進んでいたため、今回の整備はとてもありがたいと思っている一人です。
 もともと私には、斯道学園は児童自立支援施設であり、そこにいる児童・生徒が、その中にある亀阜小学校と紫雲中学校の分教室という位置づけのところで学んでいる状況が、果たしていいのかという問題意識がありました。それはなぜかというと、数年前までは香川県の児童自立支援施設では、他府県の児童自立支援施設に比べて滞在期間が長かったということがあります。児童自立支援施設は、住所を自分の地域に置きながら、非行的な行為や犯罪に近い行為がある、またはそのおそれがあるというお子さんで、家庭の中でもケアが十分ではないので、しっかりした管理体制のもとに置かなければならないお子さんが行く場所であり、その子に成長が見られて非行に走る確率が減り、そして家庭に受け皿があると確認された場合は地元の学校や地域に帰れるという施設なのです。
 ですから、本当は半年や1年で退所することが多いはずなのですが、香川県の場合には、私が最初に携わっていたときには入所期間が長く、長期間にわたって公立の普通学校に行かないまま、隔離された状況の中で中学校を卒業して社会に出たり、地域の高校に帰るといったケースもあり、そういうことでいいのだろうかと思っていました。しかし、調べていただきますと、近年では斯道学園の先生方や学校の先生も頑張ってくださって、その滞在期間が短くなっており、状況が改善されているということでうれしく思っています。
 気になるのは、一度、児童自立支援施設を出たお子さんたちが、また非行に走ってしまったり、行方がわからなくなってしまったりすることもあると思うのですが、施設を出た後どういう状況になっているのか、きちんと学校に通えているのか、通えてないのかなど、どういった調査をされているのかお聞きします。


吉田子育て支援課長  岡野委員の斯道学園退所者の状況についての御質問にお答えします。
 斯道学園でも、最近、退所後の支援に力を入れており、アフターフォローとして、退所後の5年間は状況をできるだけ確認しており、職員が家庭や職場に訪問したり、来園による相談に応じるなど、社会適応と再発防止に重点を置いて支援しております。具体的な状況については、個別の状況は控えさせていただきますが、連絡のとれる方についてはできるだけ連絡をとって、現在の状況を確認した上で、個々の状況に応じた指導を続けております。


岡野委員  もしかしたら私が知っているのが、例外的なお子さんなのかもしれないのですが、残念ながら仕事が定着しなかったり、家庭にいたお子さんが家出に近い状況になって連絡がとれないなどの話を、何例か聞いております。そういうお子さんが少しでも減ることが理想だと思います。もともとは家庭の中で養育が難しいと思われていたお子さんであったり、特に児童自立支援施設には養護施設から来るお子さんも多いと聞いており、中には発達に何らかの障害を持ったお子さんも多いと聞いておりますので、社会の中で一人で自立した生活をしていくには厳しい環境にあると思います。そこで、平成25年だったと思いますが、児童自立支援施設が外部評価を受けており、そのときにもアフターケアについて一定のマニュアル化をしたり、相談窓口を設置してフォローする体制が必要ではないかと言われておりますが、その外部評価を受けて変わった点があれば教えてください。


吉田子育て支援課長  先ほども申しましたとおり、アフターケア事業として、所属していた寮の職員が中心となって相談に応じたり、生活状況を把握して励ますなど、児童や保護者の意思を尊重してできる限りの支援に努めておりますが、残念ながら約5割の方が、現在、問題なく過ごされている状況を確認できるにとどまっており、連絡のつかない方等も多いという状況は承知しております。


岡野委員  どんな事業においても限界はあると思うのですが、周りに頼る方がいないお子さんが多いということ、未成年であるということ、そして病気を持っている可能性も高いということもありますので、しっかりしたアフターフォローをお願いしたいと思います。
 次に、現在の職員配置ですが、五色台にある情緒障害児短期治療施設においては、人員配置は国の規定で3対1となっておりますが、児童自立支援施設については4.5対1で間違いないでしょうか。


吉田子育て支援課長  5対1だったと思います。


岡野委員  私は、4.5対1に改善されたが、それをさらに情緒障害児短期治療施設のレベルである3対1までふやすように、要望をするべきではないかという意見を、全国施設会が出していると聞いております。そして、各都道府県においては、大体の児童自立支援施設は公立で運営されておりますが、5対1ないし4.5対1では難しいことから、独自の加配をしている施設も多いと聞いておりますが、香川県の場合はどうでしょうか。


吉田子育て支援課長  委員の御指摘のとおり、社会的養護のあり方の中で、国からあるべき姿が出ております。香川県の場合は、計算上は4人でいいところを、専門職員を11人配置しております。


岡野委員  専門職11人というところの評価が平成25年の評価でも高かったと私も記憶しています。ただ、職員数の計算において、心理職の場合は常勤の心理職でなければ4.5または5対1の中には含められないと思いますので、それらについてもしっかり人員配置もした上で、子供さん一人一人に合わせた自立支援ができるように、これまで以上に努めていただきたいと思います。


吉田子育て支援課長  5対1は平成26年度までで、今年度から4.5対1になっております。心理職につきましては、現在、10名以上の施設で1名の配置だったと思いますが、10名に1名の配置が望ましいと言われていることは承知しております。


岡野委員  私も施設に行くたびに地域の方に開かれた施設になっていると感じておりますし、施設自体が明るくなっていて、子供たちの顔つきも変わってきているように感じております。職員の皆さんや先生方の御努力によるものだと思っておりますが、施設の中にいるときだけでなく、その子がずっと笑顔で暮らしていけるように、自立後や退所後の支援についてしっかりと取り組んでいただきたいと要望してこの質問を終わらせていただきます。
 次に摂食障害治療支援センターについてお聞きします。
 これについては、私は6月議会で一般質問をさせていただきました。その概要としては、国が国立精神・神経医療研究センターを摂食障害治療の基幹センターに指定し、地域の拠点病院となる支援センターを全国5カ所に設置したいということで、都道府県を通じて昨年度に募集を行いました。しかし、昨年度は手を挙げる都道府県がなく、今年度になってようやく3県が手を挙げたということでした。
 一般質問で、香川県も手を挙げるようにしてほしいと質問したところ、知事の答弁は、国の規定として、精神科又は心療内科の外来があり、救急医療も受け付けている総合病院を対象とすることから、難しいとのことでした。その後、9月8日の日本経済新聞によれば、宮城県と静岡県、福岡県の3県が手を挙げて、本当は5県で実施する予定だったのですが、この3県だけでこの事業がスタートしたという報道がありました。
 それを見て、どの都道府県も人員や施設の確保に苦しいので、実施したいけれどもできないのが本音なのだろうと思ったところですが、精神科や心療内科の外来があり、救急医療も受け付ける公立総合病院が香川県にないという現状が不自然であるということを理解し、この動向をしっかり見きわめた上で、香川県にも精神科、心療内科の外来があり、救急医療も受け付ける公立総合病院を一日も早く設置できるように努力していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


久保障害福祉課長  委員のお話にありましたように、摂食障害治療支援センターにつきましては、業務内容から申しましても、急性期における摂食障害患者への適切な治療及び回復支援や専門的な相談支援、あるいは関係機関の医師等に対する摂食障害について助言、指導なども行う役割も持っておりますので、専門医の配置が必要であると言われております。そのため、委員の御指摘のように、県内で心療内科及び精神科の外来を有し、救急医療体制がとれる総合病院に該当する可能性のある医療機関は県内で数カ所と思っておりますが、それらに確認したところ専門医の確保が難しいということで、現状では環境整備等が整っていないと認識しております。


岡野委員  私も現状では難しいというのは、十分に認識しているところなのですが、人員確保も含めて、あるべき姿を目指していただきたいと思います。私は県内の公立病院の中で、摂食障害支援センターを必ずつくるということではないとしても、救急医療に対応でき、精神科や心療内科がある総合病院が必要だと思っておりますので、県立病院の次期中期経営目標も立てられるとのことですから、ぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、病院事業管理者はどのようにお考えでしょうか。


松本病院事業管理者  岡野委員の御質問にお答えします。6月の委員会でもお答えしたとおり、現時点では県立中央病院に精神科を設置する予定はございませんので、本日の御意見を承るということにさせていただきたいと思います。


岡野委員  私もじっくりと取り組んでいきたいと思います。
 最後に終末期医療について質問させていただきます。
 健康延伸として、いつまでも健康で長く暮らせるようにという取り組みが数年前から始まり、最近、盛んに言われておりますが、それと同時に考えなければいけないのが終末期に、どのように最後を迎えるかということだと思います。
 厚生労働省の終末期医療に関する意識調査等検討会の意識調査の報告書が平成26年3月にとりまとめられました。これは昭和63年から継続的に行われている調査であり、5,000人の一般国民と、医師、看護師、介護職員などの医療従事者等を調査対象としております。
 今回の最新の調査結果の概要では、自分で判断できなくなった場合に備えてどのような治療を受けたいか、あるいは受けたくないかをあらかじめ文書で残しておくことに賛成か反対かについて、一般国民の約7割、医療従事者等の約8割が賛成としており、これは5年前の調査よりも約7%ふえています。そして、自分で判断できなくなった場合に備えて、あらかじめ自分にかわって判断してもらう人を決めておくことについて、一般国民の約63%、医療従事者等の7割以上が賛成、さらに一歩踏み込んで、人生の最終段階における5つの病態ケースごとに望む治療の質問では、一般国民では鼻からの栄養を受けたいという方が約1割、胃ろうによる治療を受けたいという方が約7%、人工呼吸器をつけたいという方が約1割ですが、医療従事者等の方はこれより低い結果となっています。
 このような状況のもとで、終末期医療への対応が国会の中でも議論されるなど大きな課題となっておりますが、それについて健康福祉部長はどのようにお考えでしょうか。


野本健康福祉部長  委員の御指摘のとおり、終末期医療とは人生の最終段階において自分がどのような治療を受けるのかを選択することであり、ある意味で人間の尊厳にかかわる大切なことだと認識しております。


岡野委員  ありがとうございます。さらにがん対策基本法が成立して、終末期の在宅医療が推進をされております。つまり、在宅でみとりまでをしなければいけないということですが、そうなると地域医療のネットワークをきちんと確立して、介護と医療が連携し、みとりまでつなげられるものを育てていかなければいけないと思います。それについての本県の取り組みについてお聞きします。


岡田健康福祉総務課長  岡野委員のがんの関係の御質問にお答えします。
 まず、がんに伴う体と心の痛みを和らげて、がん患者や家族の療養生活の質をよりよいものにする緩和ケアという考え方がございまして、がん診療連携拠点病院を含む県内11カ所の医療機関に緩和ケアチームを配置して、がん患者と家族のサポートを行っているところでございます。
 また、お尋ねの終末期の医療に関しては、人間の尊厳にかかわる重要な問題だと認識しておりますが、この終末期の医療も含めて在宅療養を希望するがん患者さんに対する緩和ケアを行うために、本県では5カ所のがん診療連携拠点病院を中心に構成しているがん診療連携協議会に緩和医療部会を設置して、県医師会、薬剤師会、看護協会などのさまざまな立場の関係者をメンバーとして、県内の在宅療養支援体制について検討を行っております。この緩和医療部会では、終末期医療における患者本人の考えを家族や医療従事者に表明する一つの試みとして、患者の意思表示や療養記録として使用する「わたしのカルテ」を作成して、今後、活用を進めていこうとしております。


岡野委員  私も、「わたしのカルテ」を拝見したことがあり、いい取り組みだと思いました。もう一つ、ACPという方法があり、それは自分が判断が困難になったときに備えて、症状が安定しているときに先々の治療を話し合うもので、手術や胃ろう、抗がん剤の有無、処置内容や効果、また費用や痛みの程度などについて、医師や医療従事者がわかりやすく説明し、家族とともにその話し合いに参加して、自分のかわりに判断にかかわる人にも、ともに考えてもらうものです。
 このACPを国立長寿医療研究センターが本格導入し、国もその効果を認めて2014年度に全国10カ所の病院でモデル事業を始めております。広島県におきましては、広島県と医師会などでつくる、広島県地域保健対策協議会が普及を図っていると聞いております。また、宮崎市では「わたしのカルテ」と同様の事前指示書などを準備しておき、かかりつけ医と地域の連携病院、訪問介護ステーションなどが連携して、みとりまでしていく体制をつくっていると聞いております。
 そこで、私は、県立中央病院にACPの導入を進めて、中央病院を退院して地元の病院に戻ったり、在宅医療に移られる方に活用していただくことが効果的ではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。


松本病院事業管理者  在宅医療でのみとりに関しての御質問にお答えします。
 例えば中央病院では、急性期病院として疾患の治療が主となりますので、みとりに関しては地域の診療所の先生方との連携をとることになろうかと思います。県立病院では、患者さんからACPを提供いただきますと、医師や看護師を含め、医療チーム全体が電子カルテの中でその情報を共有して、御本人あるいは家族の方の意向に沿った治療をしていく体制になっておりますし、その中には先ほど委員のお話しにもあった「わたしのカルテ」も入ると考えております。
 実際、ACPと全く同じもので行っているわけではありませんが、御本人あるいは御家族の方の意向を、複数回にわたって十分に聞き取りをしながら医療を進めていくことは、県立病院に限らずどの医療施設でもするべきことであると理解をしております。


岡野委員  私の言葉が足らなかったのかもしれませんが、がん対策基本法ができ、その法律の中で終末期の在宅医療が推進されたということもあって、がんだけではなくどのような疾患の患者さんにおいても、人生の最期がどうあるべきかという議論が一歩進められたという前提で話をさせていただいております。
 その中で、なぜ県立中央病院でACPの導入を進めていただきたいと思ったかといえば、地域の病院から中央病院に移ってきて急性期を過ごす間に、患者や家族、そして医療従事者、地域連携室の方たちが一緒になって話し合ういい機会ではないかと思ったわけなのです。そして、その方が在宅医療やかかりつけの病院に戻るときに、中央病院でつくったものを送り届けていくといったシステムづくりがいいのではないかと思いました。中央病院の緩和ケア病棟が全15床のうち2床しか稼働していないということもあり、そうしたニーズもあるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。


松本病院事業管理者  緩和ケアも含めての御質問でございますが、少し御説明をさせていただきますと、2005年に地域がん診療拠点病院の指定を受け、中央病院では2006年から緩和ケア推進室を設けて、緩和ケアチームが活動をしております。チームのメンバーは医師、看護師、薬剤師、臨床心理士、栄養士、ソーシャルワーカー、作業療法士などがおり、病院の中ではチームが毎週1回病棟巡回して、がんの患者に限らず終末期の医療が必要な方にも、苦痛をとるという形でかかわっております。親しみやすくといいますか、苦痛を持っておられる方に優しい医療をできるように、漢字ではなく平仮名で、かんわ支援チームとしております。
 また、中央病院の地域医療連携課にがん相談支援センターがあり、そこでは臨床心理士を初め、がん性疼痛の看護の認定看護師、緩和ケアの認定看護師、保健師、ソーシャルワーカーなどが、入院時からその後の治療も含め、療養、経済的な問題、さらには退院後の就業などについて総合的に相談に応じておりますが、そこでは先ほどのACPに類似した様式の形で、地域の診療所の先生方や転院された後の医療機関に情報などを伝えていけるように取り組んでいるところでございます。


岡野委員  私も、ホームページを拝見して、「かんわ」がどうして平仮名なのかと思っておりましたし、温かいホームページでいいと思っておりました。緩和病床が2床しか動いていないのは残念だと思いますが、中央病院は県内の多くの総合病院のモデルとして、皆が目指すところであると思いますので、中央病院から率先して新しい取り組みを始めていただきたいと思います。
 終末期のあり方、人生の最後をどう送るかというあり方については、行政が主導していくものではないかもしれませんが、終活という言葉も最近よく聞くようになりましたし、どのように人生の最後を送るかということを喚起していき、県として、もう少し元気なときから話し合っておくといった機運をつくっていくのは大事なことだと思っております。それについての部長の考えをお聞きします。


野本健康福祉部長  終活の取り組みについて岡野委員からの御質問にお答えします。
 先ほど病院事業管理者からもございましたように、本来、各医療機関において取り組むべきことであって、重要なことだと思っております。ただ、この取り組みでございますが、委員からの御指摘にもございましたように、医師を初め関係団体の御努力や県民の理解が必要になってくるところでございます。実際にこれを推進していくとなりますと、さまざまな課題が生じてくるかと思いますので、関係団体などとも意見交換をしながら、どういった取り組みができていくのか研究してまいりたいと考えております。


岡野委員  取り組んでいく過程で不都合があったり、別の方法がいいのではないかということがあれば、形を変えていけばいいのではないかと思っております。ACPでも言われておりますとおり、大事なことは話し合いの過程であり、そして何度でも変更してもいいということです。病気が進行していくに従い、違う考えが出るかもしれませんし、家族が別の方法がいいと思うかもしれません。
 それをその都度、みんなで相談して変更していく過程を大切にしようということであり、一人一人が最後まで自分らしくあれるような、それをみんなで全力でサポートできるような、そういう香川県であってほしいと思いますので、ぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。要望で終わります。


谷久委員  私からは、3点質問させていただきます。
 まず1点目に、地域医療構想の検討状況についてお聞きします。
 6月の委員会で、国の発表した2025年の必要病床数の試算値と県が策定する地域医療構想との関係について質問させていただきました。その際の部長の答弁では、国の発表した試算値は、ガイドラインの計算方法によって、人口推計などを勘案しながら機械的に算出したもので、あくまでも参考値であり、県が策定する地域医療構想では、地域の実情に応じて医療関係者の方々が話し合って将来の医療需要の変化を共有し、それに適合した医療提供体制を構築するという説明だったと思っております。
 聞くところによりますと、医療関係者や有識者の方々で構成する地域医療構想策定委員会を設置して、今月9日に第1回の検討会を行ったようですが、検討会でどういったことを検討されたのか、また、将来的な話になってきますのでいろいろな意見が出たと思うのですが、その中で一番印象に残ったところでも構いませんので、検討会の委員の方からどういった意見が出たのか、さらにこの検討会を含めて、今後、どのように進めていくのかお尋ねいたします。


野本健康福祉部長  谷久委員の地域医療構想の御質問についてお答えいたします。
 地域医療構想の策定でございますが、委員からの御指摘にもございましたように、9月9日に第1回の地域医療構想策定の検討会を開催いたしました。今回の議題は構想区域の設定でしたが、第1回ということでございますので、地域医療構想の概要や県内5カ所の2次保健医療圏におけるレセプトデータなどによります2025年の医療需要や必要病床数、医療圏同士の医療需要の流出入の推計などについて御説明したところでございます。
 検討会の委員からは、構想区域の設定に関してさまざまな御議論、御意見いただきましたが、保健医療圏ごとの医療需要の流出入に関して、大川から高松、それから三豊から中讃への医療需要の流出が多く見込まれるというデータが出ていたこともございまして、現在の大川、小豆、高松、中讃、三豊の5つの2次保健医療圏のうち、高松と大川をあわせて1つ、中讃と三豊をあわせて1つ、小豆は従来どおり1つという形で、3つの構想区域とする提案が出され、これに関して委員から賛成する御意見が多く出されました。そうしたことから、検討会としては地元の意見を聞いた上で、3つの構想区域とする方向性が示されております。
 今月18日に、地域医療構想に関して全市町に対して説明会を開催し、検討会で構想区域を3つとする方向性が示されたことについて説明するとともに、意見照会を行っているところでございます。この意見照会の結果をまとめて、11月ごろに検討会を開催して、御議論いただいた上で構想区域の設定を行い、それぞれの構想区域ごとに医師会や歯科医師会、薬剤師会などのさまざまな地元の方々で構成される地域医療構想調整会議を設けて、意見をまとめていきたいと考えております。
 その後に、この地域医療構想調整会議やそれを踏まえた検討会での議論、さらに国からの情報提供などを踏まえるとともに、県議会の御意見を頂戴しながら、来年度の半ばごろまでに地域医療構想を策定したいと考えているところでございます。


谷久委員  いろいろな会議や関係者の御意見を聞きながら、来年度の半ばぐらいに策定するということですが、小豆圏域の話になるのですが、刻々と状況は変わっておりますし、実際にせっぱ詰まった状態なので、2025年の話をするよりも、それに先んじて対応してもらわなければならないような状況にもなっています。ですから、構想ができてから取り組むのではなく、先に取りかかれるところは取りかかっていただき、そういったことも含めてすばらしい計画ができるようにしていただきたいと思います。
 今後、小豆保健医療圏でも高齢化はますます進展していく中で、県立中央病院などの高度医療のできる病院は入院する期間が短くなってきております。その中で、退院後に受けてもらえる病院が小豆保健医療圏の場合は少なくなっていく現状があります。病院からは早く退院してほしいと言われても、どこに行ったらいいのだろうということで、実際に右往左往している方々のことも聞きますし、御相談も受けています。
 その中で、社会復帰して働いてもらったり、地域に貢献してもらうことは大事だと思いますので、リハビリテーションを担う回復期病床の重要性が一層高まってくるのではないかと思います。そこで、小豆保健医療圏の回復期病床の現状をどのように把握していらっしゃるのか、また今後、どのように回復機能にかかわる医療提供体制を確保していくのか、お聞きします。


野本健康福祉部長  小豆保健医療圏の回復期病床についての御質問にお答えします。
 現状としては、昨年の法改正による病床機能報告の制度に伴い、各医療機関から病棟単位でどういった病床を有しているかを報告することになっております。それによりますと、小豆保健医療圏は昨年の時点で、回復期病床を有すると報告のあった医療機関はなかったところです。
 一方、先ほど地域医療構想の策定に関する御質問の中で、将来需要について御説明申し上げたところでございますが、その中で、小豆保健医療圏の医療需要に関して、回復期病床の必要数が2025年の時点で約109床になるとの推計が出ております。先ほど委員から御指摘もございましたように、高齢化に伴いリハビリテーションを必要とされる方が多くなってくることも見込まれる中、回復期病床を初めとして回復機能に係る医療提供体制をどのように確保していくかは、重要な事柄であると考えております。
 基本的な医療提供体制につきましては、先ほど御答弁申しましたように、地域医療構想策定の中で将来の医療提供の姿を御議論いただくことになっており、現在、構想区域の設定について御議論いただいておりますので、現在示されている方向のとおり小豆保健医療圏が一つの構想区域となりましたら、医療関係者や市町などで構成する調整会議を設定して、将来目指すべき医療提供体制について御議論いただくという形になるかと思います。
 県としましても、こういった医療提供体制を推進するために、今議会におきましても地域医療介護総合確保基金を活用して、回復期機能への病床転換に係る補助事業を提案しておりますので、こうした事業を活用して、不足が見込まれます回復期病床の整備を推進してまいりたいと考えております。


谷久委員  現状に即応した対応と、将来見込みに応じた対応は十分やっていただきたいと思っています。けがしたり病気になったりして入院したときに、自分が退院後にどこに行くのだろうという形が見えないと心細くなります。例えば小豆島の方がその地域で元気になって社会復帰をしていくといったことが必要ですし、最終的に小豆島で、先ほど岡野委員がおっしゃっておられた終末医療を迎えたりといった提供体制も必要ですので、積極的に取り組んでいただきたいと思います。多分、小豆島は日本の推計よりもこれからテンポが速くなり、37年に回復期病床が109床という推計が出ておりますけれども、もっと早くなる可能性があると思いますので、先んじて対応していただくようにお願いいたします。
 続きまして、第3次かがわ食育アクションプランについてお聞きします。
 私も8月に人間ドックに行きまして、ウエストをはかると1センチだけ超えていたため、厳しい判断でメタボリックシンドロームの仲間入りをしてしまいました。その中で、生きることは食べることということをよく言われておりますが、食は私たちが生きるための基本であり、生涯を送る上では重要なものであります。そのために、食に関する知識や食を選択する力を習得して、健全な食生活を実践することができる食育を推進することが求められてきております。
 本県では、かがわ食育アクションプランを策定して、さまざまな取り組みを進めてきたと思っておりますが、先ほど冒頭で御説明がありましたように、第3次食育アクションプランの骨子案2ページの取り組みの指標の達成状況を見ると、例えば指標2の「健康や食生活をよりよくすることをふだんから意識している人の割合」は男女とも改善しておりますが、指標11の「主食、主菜、副菜を揃えて食べるようにする人の割合」、指標13の「朝食をほとんど食べない人の割合」の20歳代男性は、策定時よりも結果が悪く出ている状況です。食育に関するテーマや質問がたくさんあったと思いますが、それを踏まえてこれまで県ではどのように食育を推進してきたのかということと、これらが示す指標の背景についてどのように分析しているのかお聞きします。


野本健康福祉部長  谷久委員の食育に関する御質問についてお答えいたします。
 これまでの食育についての取り組みでございますが、県では望ましい食習慣を普及させるために、ホームページや広報誌、新聞等によりまして広報啓発を行っております。また、毎月19日をかがわ食育の日と定めまして、県内の各地域において食育ボランティアなどによるキャンペーンや料理教室の実施、食に関する意識啓発や情報提供を行うかがわ食育・地産地消フェスタの開催、さらに、県が育成・認定したさぬきの食文化博士による学校や地域の郷土料理などの指導を行ったりしております。
 また、お聞きになられたこともあるかと思いますが、健康に配慮した食事メニューを提供している健康づくり協力店や三つ星ヘルシーランチ店の登録推進と情報発信による食の環境づくりなどを進めており、市町や関係団体と連携、協力しながらさまざまな取り組みを進めてきたところでございます。
 先ほど委員の御指摘にありましたように、お配りしている報告書の2ページにある指標では、さまざまな結果が出ております。まず、指標2の「健康や食生活をよりよくすることを普段から意識している人の割合」が改善している要因としましては、学校や各市町における取り組みを初めとして、食育のボランティアや栄養士会、農林水産関係の関係団体などがさまざまな取り組みを実施して、幅広い取り組みが浸透したことで徐々に意識が高まっているのではないかと考えております。
 一方で、悪くなっている指標もあります。まず指標1の「朝食を毎日食べている児童・生徒の割合」ですが、教育委員会によりますと、これまで朝食摂取の重要性につきましては保護者などに啓発を継続的に行ってきたところですが、家庭教育状況調査の結果を見ますと、毎日朝食を食べていない要因として、親の事情や遅寝遅起きの傾向といった家庭での基本的な生活習慣の乱れが関係あると聞いております。指標3の「1日に1回以上、家族といっしょに食事をする人の割合」、指標11の「主食、主菜、副菜を揃えて食べるようにする人の割合」、指標12の「うどんを食べるときに副食を添える人の割合」、指標13の「朝食をほとんど食べない人の割合」が悪化している要因につきましては、本年7月の県政世論調査の結果を参照しますと、年代別では20歳代、男女別では男性、職業別では会社などに勤めている人の数値が悪い状況でありました。ひとり暮らしであると回答している人は、各指標の数値が押しなべて全体の平均と比べて悪いのですが、年代別では20歳代のひとり暮らしの割合が最も多いということがあり、この影響も大きいのではないかと考えております。
 これらの指標につきまして、現行プラン策定時の平成22年度末の数字と比べてみますと、指標11と指標12におきまして50歳代の男性が最も減少しており、指標15の「メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の合計の割合」において男性が増加傾向にあることから、他の指標で示された男性の食習慣との兼ね合いとも考えられるところでございます。
 全体として食育に対する意識は高まりつつあるのではないかと思っておりますが、なかなか実践には結びついていないという状況があると考えているところでございます。


谷久委員  食育を推進するに当たって、県民一人一人が食を大切にしていくことが重要だと思います。次期食育アクションプランの策定に当たっては、今、部長が言われたようにいろいろな課題がありますが、そうしたことが改善できるように、みんなが一丸となって対応できるものを組み込んでつくっていただきたいと思います。そこで今後、どのような取り組みを進めていかれるのか、再度、お聞きします。


野本健康福祉部長  食育アクションプランの今後の進め方についての御質問についてお答えいたします。
 委員の御指摘のように、皆さんそれぞれが改善していかなければならないところです。先ほど申し上げました指標の状況の分析から、全体として20歳代及び50歳代の男性、会社勤め、ひとり暮らしといった人たちに、不適切な食生活の傾向が見られることを踏まえて、次期プランの骨子案では、「孤食への対応」や「若年世代の生活習慣への対応」、「働き盛りの男性肥満への対応」などを課題として掲げているところでございます。
 県としては、こうしたところにある程度絞りながら、さらに働きかけをしたいと考えております。具体的には、学校と連携して子供とその家族への啓発や、大学生や新入社員へ効果的な情報提供を行うとともに、医療保険者と連携協力した事業所の健康づくりの取り組みを支援するなど、従来の取り組みに加えて啓発の対象者の絞りこみを進めて、きめ細かく働きかけを行ってまいりたいと考えております。


谷久委員  丁寧なプランをつくっていただいても、結局は自己管理が大事であると思いますので、これからはみずからを律し、プランも参考にしながら、私も標準体型に向けて頑張っていきたいと思います。
 最後の質問ですが、今回の補正予算に計上されている中央病院の感染症病棟整備事業についてお伺いいたします。
 昨年になりますが、西アフリカを中心にエボラ出血熱が拡大して、新聞などのメディアやこの委員会でも取り上げてこられました。去年の11月の議会でも、第一種感染症指定医療機関について、知事から、できる限り早期の整備・指定に向けて取り組みたいという答弁をいただいておりますが、ようやく整備ができるめどがついたということだと思います。そこで、今回の整備事業の概要についてお聞きします。


松本病院事業管理者  谷久委員の感染症病棟整備事業についての御質問にお答えいたします。
 中央病院における感染症病棟は、既設の本館西側に、地上2階、地下1階、延べ床面積650平米、鉄筋コンクリートづくりでの整備を計画しております。1階部分には一類感染症患者を受け入れることができる病床2床に加えて、診察室、検査室、スタッフステーション等を整備して、2階部分には医師の控室、カンファレンス室、研修室等を設けて、本県の感染症対策連携拠点施設として整備することで、本県の感染症対策の推進を図りたいと考えております。
 整備期間は今年度と来年度の2カ年を計画しておりますが、少しでも工期の短縮を図るため、工場でユニットとして製作される病床部分の工事と本体工事を分割して発注することにしており、来年11月ころの完成を予定しております。


谷久委員  施設の整備はこれから進んでいくということですが、ここに求められている一番大事なことは、感染拡大を最小限にしていかなければならないということだと思います。先ほど建物の1階、2階の構造や、どういったものに使うかの御説明や、2階部分を連携拠点施設として位置づけるという話をいただきましたが、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、再度、お聞きします。


松木特別支援教育課長  委員の御指摘のとおり、エボラ出血熱やMERSなどの感染症が発生した場合に備えて、国や県内の医療機関や保健所などの関係機関との連携体制を構築していくことが重要だと思っております。こうした有事が起こった場合にも医療機関や関係機関相互の連携体制が有効に機能するよう、県立中央病院を核として、平素から全県的な感染症対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 具体的な取り組みとしましては、医療従事者等を対象とした研修会の開催、県内医療機関への感染症の治療に関する指導や助言をするとともに、第二種感染症指定医療機関や新型インフルエンザ等協力医療機関などと協力して、防護服の着脱などの訓練や患者の受け入れの訓練などを考えております。また、治療法が確立していない新興の感染症などに対する新しい治療法や新薬の情報収集や、感染症に関する研究などもこの拠点施設を利用して図っていきたいと考えております。


谷久委員  せっかく三次救急医療ができる病院が、県立中央病院のほかに香川大学医学部附属病院もあるわけですから、そうしたところとの連携も大事なのではないかと思っております。香川県も香川大学医学部にいろいろな寄附講座も行っておりますし、そうした期待もかけながら投資をしていくことも必要ではないかと感じます。また、四国4県とも連携をとっていただきながら、こうした感染症病棟も含めて、私たちが安心してこの香川の地に、また四国に住めるように取り組んでいただければと思っております。


大山委員長  暫時休憩いたします。
 午後は1時から再開いたします。
 (午後0時01分 休憩)
 (午後1時04分 再開)


大山委員長  それでは、再開をいたします。
 質疑、質問を続行いたします。


白川委員  3点お聞きしようと思いますが、一つめは一般質問で聞く予定にしておりますので、一言だけお聞きします。
 午前中にも回復期病床についての議論がありましたが、私は、回復期病床をどれだけ整備しても、今の医療や介護の問題は解決しないと思います。もちろん回復期病床も必要なのですが、今、議論されている資料を見させていただくと、この中身は病床を強制的に削減していくという趣旨のものではありませんと提言されながら、県全体で2,000床以上を削減していくものになっています。回復期病床だけはふやしていくという方向性が、資料の中でも討議として出てきておりますが、回復期も日数制限があり、どれだけ回復期病床を整備しても、結局は慢性期病床を削減して、そこを回復期病床に充てるということです。回復期病床は入院するのも日数の制限があるので、それを超えれば病院は診療報酬を削減されることになりますから、病院も大変な経営をしていかなければならないところもあると思います。
 それで、午前中の質問でも、急性期病院の退院後にどこへ行けばいいのか不安なのに対して、回復期病床を整備していくということがありましたが、その不安に対しては回復期病床だけでは応えられないし、回復期病床を出たら、次は本当に在宅に帰れるのか、在宅介護が充実しているのかということは、今からの大きな課題になってくると思います。その辺について部長はどうお考えなのか、御答弁いただけたらと思います。


野本健康福祉部長  委員の御指摘の回復期病床の話ですが、午前中も御答弁申し上げたように、現在の地域医療構想の策定においては、レセプトデータを活用してどれぐらいの医療需要があるのかということを推計して、その上で必要とされる病床数を推計しており、客観的なデータによって病床数を推計していると考えております。
 委員の御指摘にありますさまざまな不安、それから医療と介護の連携につきましても、今回、地域医療構想を策定する中で、各構想区域において調整会議を設けて、関係者等に集まって議論していただくわけですけれども、策定した後にも、病床関係の議論につきましてはそれぞれの地域で医療関係者の理解を得ながらあるべき姿に持っていかなければならないですし、当然その中で地域住民にもさまざまな御理解をいただかなければならないと考えております。
 あわせまして、医療と介護の連携という形で、介護もそれに対応する形で十分な整備をしていかなければならないと考えております。


白川委員  十分な整備ができればいいのですが、医療も介護も縮小していくという方向は間違いない、社会福祉の自然増さえも許さないというスタンスのもとで進められていますから、私は無理だと思います。
 香川県は、香川県なりの医療や介護における特徴はあると思いますから、そこのところをしっかりと分析して、それに対応できるような中身をつくっていかなければ、国が示す方向ばかりを後追いするような方向では県民の命は守れないということだけ申し述べておきたいと思います。あとは一般質問で質問させていただきたいと思います。
 本題の前にもう一つだけお聞きをしたいのですが、インフルエンザワクチンが4価ワクチンに変わり、移行に伴う製造コストがふえたことで、医療機関の購入価格が引き上がっているという問題です。
 これからインフルエンザの本格的なシーズンにも入りますが、ワクチンを打つのは自費ですから、値上がりによってインフルエンザのワクチンの接種が減っていくのではないかとの不安があり、医療機関の方にお聞きしますと、500円ぐらい購入価格が上がっているということです。3,000円から5,000円くらいのインフルエンザワクチンの接種に、500円といえども上乗せをされるようになれば、かなり受ける人が少なくなってしまうのではないかという医療機関からの危惧もあります。ぜひ、この新しいワクチンの卸売の価格を調査していただいて、県内でも、適正な価格を維持するように国に対しても要望していただきたいのと、価格の上昇分を県民負担にしないことが必要だと思うのですが、それについてお尋ねをしておきたいと思います。
 それで、本題なのですが、介護保険について前回もお聞きしました。前回は利用者の影響についてお尋ねしましたが、4月の介護報酬の引き下げが、事業所経営にも大きな打撃を与えております。賃金や労働条件の悪化、介護サービスの低下につながる負の連鎖となってしまっていて、特に小規模の通所介護など零細事業所を中心に撤退や廃業を呼び起こしかねないという事態になっています。政府は地域包括ケアシステムの構築の推進を声高に叫んでいますが、介護報酬切り捨てが地域を疲弊させて介護崩壊を招きかねないという事態に陥っています。8月から新たな利用負担も始まって、一定所得以上の方が2割負担に引き上げられたり、補足給付の対象の要件が厳しくされたりで、必要なサービスをやめたり減らしたりする人も生まれております。利用者の問題については前回お尋ねしましたので、今回は事業者の問題についてお尋ねします。
 介護事業者やケアマネージャーからは、これだけ猫の目のように介護報酬が変わると、事業の継続の見通しが立たないという声や、収入減でますます職員の確保が困難になっていますという声をお聞きしております。
 そこで、今回の介護報酬の引き下げが事業経営やサービス提供にどのような悪影響を与えているかについて、県はどのように認識しているのかお聞きします。


中井長寿社会対策課長  白川委員の介護報酬の影響の御質問にお答えします。
 介護報酬につきましては、委員も御承知のとおり、国が審議会の答申を経て決めておりまして、この4月から新しい報酬が適用されております。県としては、事業所の廃止の状況の報告を受けるようになっており、4月から8月までの県内での廃止事業所数は、訪問介護事業所につきましては6件と伺っております。ただ、前年の同期でも4件であり、また、通所介護事業所につきましても、今年は6件で前年同期は5件でございますので、この4月以降、例年と比べて特段大きな影響は把握しておりません。


白川委員  今回の報酬削減が介護現場にもたらしている影響を調べるために、県にもお願いして、6月から8月にかけて全国的に介護事業者の廃止数等の緊急調査を行いました。報酬削減が実行されたことしの4月から5月における在宅介護事業所の廃止、休止の件数は、先ほど県内のものはお答えいただきましたが、全国的な合計を見ますと3,612件ということで、昨年の同時期よりも15.8%も増加をしておりました。香川県の調査結果は、お答えいただいたようにここまで顕著ではないのですが、特に大都市部で顕著な結果になっているようです。
 この理由はさまざまですが、人手不足を理由にした廃業が目立ちますし、経営難による撤退の事例も各地から報告されています。新規や再開も昨年の同時期よりも2割減という結果となっておりました。撤退を決めた小規模なデイサービスの事業者が、無償譲渡するので事業を引き継いでほしいと付近の同業者にファクスを一斉送信したり、撤退を決めた業者が後を引き受けてくれる事業者を見つけるのに本当に苦労しているというような状況です。県内でも要支援者に比重を置いて活動してきた事業所では毎月何百万円の減収で、デイサービスを続けられるかどうか苦悩しているという声もお聞きしております。介護報酬の引き下げが介護崩壊に拍車をかけていますが、報酬改定後における事業者や介護労働者、利用者の実情や影響などを、廃止件数の比較などからだけではなく、実態調査を早期に行って、来年度に向けての対策を考えたほうがいいと思うのですが、いかがお考えでしょうか。


中井長寿社会対策課長  県内の状況につきまして、県でも指導監査などで直接事業者と接する機会がございますので、そういった機会を捉えて状況をお聞きしたいと考えており、実態調査等については現時点では考えておりません。


白川委員  考えていないのであれば、ぜひとも実施をしていただきたいと強く要望しておきたいと思います。廃止件数の調査をお願いしたときにはまだ4月、5月、6月というときでしたので、地方では数的にはそれほどの影響が出ていなかったかもしれませんが、ここから先に大きな影響が生じると思いますので、ぜひとも実施をお願いしたいと思います。もう一度お願いしますので、お答えをいただきたいと思います。
 それから、一つ具体的な問題をお聞きしたいと思います。居宅介護支援費の特定事業集中減算の対象を拡大している問題なのですが、これは囲い込みをなくすということで、ケアマネジメントによる特定事業者への集中が90%を超える場合はマイナス200単位の減算をするという仕組みでした。これをことしの報酬改定で80%に引き下げるとともに、対象となるサービスも拡大されました。御承知と思いますが訪問看護というのは、主治医の指示が出発点であり、主治医が連携している訪問看護ステーションを指定したり、主治医と利用者との話し合いで訪問看護ステーションが決まるというのは当たり前にあると思います。ケアマネージャーはそれをもとにケアプランをつくるという例が圧倒的ですが、それでも80%を超えれば減算の適用になるため、大きな悲鳴が上がっています。なぜこんなことになるのかお聞きします。


中井長寿社会対策課長  委員の御指摘のとおり、集中減算につきましては、今まで減算の対象が90%を超える場合であったものが80%と、かなり強化されているところでございますが、これにつきましては、介護が必要な方に対するサービスが特定のところに集中することなく適正に提供するためのものであり、介護保険について適正に行うために必要なものだと認識しております。


白川委員  必要なものと認識をされていますが、例えば末期のがんの患者が退院したら、入院していた病院の主治医のもとで訪問看護を受けたいと思われるのは普通だと思いますが、それをやれば囲い込みということで、80%を超えれば減算されるということですから、これは余りにもひどい仕組みだと思す。香川県内でも、これで事業を続けていけるかどうかわからないという実態まで起こっているわけですから、しっかりとその内容を把握していただいて、県として何らかの対応をすべきと思うのですが、いかがでしょうか。


中井長寿社会対策課長  この80%というのは、単純に80%を超えれば減算されるということではございませんで、特別な理由がある場合にはその事情を勘案して、80%を超えていても減算にならない場合もございますので、その一つ一つの事例をお聞きした上で対応するということになっております。


白川委員  お答えいただいた特別な理由とは、何か明確な規定があるのでしょうか。


中井長寿社会対策課長  今回の特定事業所集中減算の取り扱いに関しては、県から事業所宛てに通知を出しており、その中で80%を超えても認める正当な理由を定めております。


白川委員  正当な理由というのが曖昧だという意見もあります。全国的にも80%を超えても、それを正当な理由と認めるという方向も出されているようですし、香川県でもそうした対応をしていくということであります。しかし、私はこの減算の仕組み自体が、厚生労働省が言っている地域包括ケアや医療と介護の連携に反すると思うのです。厚生労働省が昨年の診療報酬の改定で、機能強化型訪問看護ステーションを制度化しました。これは、訪問看護ステーションが同一敷地内に居宅介護支援事業所を設置した場合には、報酬で評価をするというものでありましたが、一方では連携を推奨しておいて、一方では、ケアプランが特定の訪問看護ステーションに偏っているといって、ケアマネージャーに減算を押しつけるのは、ひどいと思います。先ほどの長寿社会対策課長からのお答えは、減算しない正当な理由もいろいろ勘案するということでありますが、これはことしの9月から来年の2月まで集中の度合いを報告させて、それが80%を超えて集中していれば、その次から介護報酬で減算するという仕組みになりますから、まだ始まっていないわけなので、こんな矛盾した減額はやめるように国に申し入れを行うべきでないのかと思います。同時にこの仕組みは県知事の判断で対応もできるということですから、ただでさえ事務的手続も大変な現場ですから、事業所がこういうことであおりを受けないように、手続を複雑にしないように対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。


中井長寿社会対策課長  特定の事業所に不当に偏ることがないようにというのがこの制度の趣旨でございますので、そうした点も踏まえ、事業所の実態等も勘案しながら、今後、適切な対応をしていきたいと考えております。


白川委員  ぜひお願いをしたいと思います。


土居薬務感染症対策課長  白川委員のインフルエンザワクチンについての御質問にお答えいたします。
 委員の御指摘のとおり、インフルエンザワクチンは今シーズンから、いわゆる3価から4価に変わっております。
 インフルエンザにはA型、B型がありますが、今まではA型から2種類、B型から1種類を、その年の流行を予測してワクチンをつくっておりました。今シーズンからはA型2種類、B型も2種類ということで、流行に対しての当たり外れにおいて、より予防の効果が高いワクチンが製造されております。メーカーからは製造のコストアップ等がございますので若干高くなる傾向にあるとは聞いておりますけれども、実際の価格というのは承知しておりません。
 季節性インフルエンザにつきましては、御承知のとおり65歳以上の方につきましてはB型疾病ということで市町村の定期接種となっております。それ以外の方につきましては任意の予防接種ということであり、これまでも助成措置等はしておりませんので、今のところは助成等については考えておりません。


白川委員  インフルエンザのワクチンの件なのですが、善通寺市は市内に住んでいる子供については1,500円だったと思いますが、補助をしております。そういう面ではかなり接種を受けやすいと思いますし、そういった措置を市町に指導するのはなかなか難しいとは思いますが、やはり予防接種に関することですので、値上げの幅なども全県的に調べていただいて、市や町にも対応も促すといったこともお願いをしたいと思います。要望しておきます。
 もう一点質問がありますので、次に行きます。
 子供の医療費の無料化の件をお聞きします。
 子供の医療費の自己負担が小学校就学前までが2割、それ以降は3割になっております。市町村が独自に助成をしていて、2014年4月現在、全ての都道府県が通院、入院ともに医療費助成を実施しております。就学前までの実施は、ほぼ全ての市町村に広がっており、中学校卒業まで助成している市町村や高校までという市町村もあり、珍しくなくなってまいりました。
 ところが、国は、市町村が医療費の窓口負担を無料化した場合に、国民健康保険への国庫負担を減額しており、私たちはこれをペナルティーと呼んでおりますが、2012年度は全国で約380億円のペナルティーを科してきました。本来は国の制度として、子供の医療費の無料化の制度をつくるのが当たり前だと思いますが、それを県や市町が独自に助成しているところに対して逆にペナルティーを科して、国庫負担を減額すること自体が許されるものではありません。こういうことをしてきたがために、一部を自己負担に戻す自治体や所得制限を設ける自治体も出てきております。
 私は、ペナルティーの廃止をずっと求めてまいりました。厚生労働省は、無料化によってニーズが掘り起こされて医療費がふえる波及増を主張してまいりましたが、日本共産党の国会での質問に対しても波及増はないと認めざるを得なくなってきております。今、国において検討会がなされておりますが、その場でも調整措置の妥当性について検証することが必要ではないのかという意見が出されております。
 ことしの7月に行われた全国知事会議でも強烈な批判が飛び交っております。国保新聞に報道されておりましたが、京都府知事である全国知事会の山田会長が地方創生担当相に対して、「われわれはいま地方創生に必死で取り組んでいる。取り組めば取り組むほど国の制度とは矛盾が出てくる。」と指摘をして、「少子化対策を一生懸命やって子どもの医療費を充実させていくと、厚労省から国保の波及増カットのペナルティーがかかる。こういうばかげたことはすぐに止めてもらいたい。」と強く要請し、高知県知事もかなりの強烈な意見を述べられておりました。
 こうした意見を受けて、県として、今後このペナルティーに対してどのように対処していくのか、お聞きします。
 それから、これまでの私の質問に対して、今までは県においてその金額を把握することは困難だと繰り返し述べられておりましたが、しつこい性格ですからしつこく聞いたところ、定められた減額率を用いて平成22年度に減額された額を試算したところ約3億円と見込んでおりますという答弁をいただきました。しかし、厚生労働省が9月に子供の医療費の自己負担や国保の国庫負担、医療供給体制などを検討するため「第1回子どもの医療費制度の在り方等に関する検討会」を開催し、この検討会で平成25年度における地方単独事業による調整対象医療費分の国庫負担影響額についての資料が提出されています。これを読み取れば、はっきりとした金額がわかると思うのですが、いかがでしょうか。
 香川県における子供関係の調整対象医療費分の国庫負担影響額は一体幾らなのでしょうか。はっきりとお答えをいただきたいと思います。


野本健康福祉部長  白川委員の国保の国庫負担調整措置に関する質問にお答えいたします。
 県として、これまでも委員の御指摘のございます国保の国庫負担調整措置の廃止につきまして、国に要望してきているところでございます。また、都道府県が国保制度の財政運営責任を平成30年度から担うことになっておりますので、平成30年度までにはこれが解決されるように、今、国の検討会で議論が進められているところでございますので、その議論を注視しながら、今後も全国知事会と連携して国に対して働きかけてまいりたいと考えております。
 それから、本県におけますこの調整負担の影響額という御質問でございます。これにつきましては、委員の御指摘のグラフでございますけれども、これについて国に確認をしましたところ、全体で4.5億円、そのうち子供関係が0.8億円との回答があったところでございます。
 なお、委員の一般質問された平成24年2月議会の答弁でございますが、この際には、子供や障害者への医療助成も含めたものとして定率国庫負担に係る療養負担金の34%について試算したものでございまして、それで3億円という形でお答えしたところでございます。


白川委員  やっと長年の疑問が解けました。0.8億円ということですので、これを本当に廃止させるためにも思想信条を超えて一致して、ぜひ実現させていきたいですし、その先には、国の制度として子供の医療費の無料化の制度を創設させるというところまで頑張っていきたいと思っています。
 今、ペナルティーの廃止を求めるこうした地方の声に押されて、総務省が7月に厚生労働省への予算要望で、初めて項目を独立させて早急に検討を行って、廃止するなどの見直しを要求しております。子供の医療費の自己負担についても、医療保険制度を含む全国的な制度での対応を検討されたいと求めておりますので、一致して頑張っていきたいと思っております。
 それと、今回の地方創生先行型交付金で子供の医療費助成制度を前進した自治体は香川県にあるでしょうか。あればどこの自治体か教えていただきたいのと、自己負担があるのかどうかも教えていただけますでしょうか。


野本健康福祉部長  昨年度の補正で創設された、少子化対策などに活用できる国の地域住民生活等緊急支援のための交付金の事業かと思いますが、こちらを活用して子供の医療費を助成している市町は、私どもの把握しているところですとさぬき市、東かがわ市、土庄町でございます。
 自己負担の有無については、申しわけございませんが承知しておりません。


白川委員  課長もわかりませんか。


吉田子育て支援課長  さぬき市が自己負担あり、東かがわ市が自己負担なし、土庄町について具体的に承知できておりません。


白川委員  2市1町ということですが、こうした子供の医療費助成の窓口負担の軽減分は減額調整の対象になるのでしょうか。自己負担ありのところはもともと対象にはならないということになると思うのですが、自己負担なしのところは、国庫負担の減額調整措置の対象となる費用について省令で定められており、「国の負担金または補助金の交付を受けないで都道府県または市町村が、年齢その他の理由により被保険者の一部について、その一部負担金に相当する額の全部または一部を当該被保険者にかわり保険医療機関等に支払うこととしている措置」とされております。ですから、ここの文章を読み取ると、国の負担金または補助金の交付を受けた場合は減額措置の対象にはならないということになると思うのですが、この省令どおりに対応すれば、同一の市や町に対しても地方単独事業で行ってきた医療費の助成の窓口負担の軽減分は減額調整の対象になる一方で、今回、交付金を活用して拡充した窓口負担の軽減分は減額調整の対象にしないという、2つの対応が生まれることになると思うのです。ですから、逆に政府が何らかの理由でこの省令を適用しないとしたときには、一方で国費で頑張りなさいと言いながら、もう一方で減額調整という名でそれを取り上げていくということになって、どちらにしても矛盾になると思います。
 そもそも地方単独事業として子供の医療費及び障害者や高齢者の窓口負担の軽減をすれば、それが医療費の増加につながるとしてペナルティーをしてきたことが問題の根源であって、今後、こういう対応についてどうされるのかということもありますが、県として減額調整自体のペナルティー廃止に向けてしっかりと取り組んでいくという方向性が必要だと思います。この新たな交付金を受けて前進をさせた市町に対して、どのように対応していく考えなのかお聞かせいただけますか。


野本健康福祉部長  この新交付金を用いたときにどのような対応になるかという点については、必ずしも全て把握していないところでございますので、きちんと精査したいと考えております。現在のところは、制度がこういう形になっておりますので、さまざまな制度間のそごが生じてしまっているのは仕方がないところがございますので、きちんとその違いを見きわめたところで、必要に応じて国に対して要求していくことが必要かと考えております。


白川委員  最後にしますけれども、やはり国の制度として、例えば小学校就学前までの子供の医療費無料化を確立する方向で、これも国は、今、考えるといって言っているのですから、これの制度を求めつつも、県の制度としては、さらなる前進を検討するというお考えがあるのでしょうか。もし国がそういった制度を創設をすれば、さらに年齢的にも前進をさせて制度を充実していくというお考えをお持ちなのかどうか、それから国の制度がどうであれ、県の制度としてはさらに前進させるというお考えがあるのかどうかをお聞きして、終わりたいと思います。


野本健康福祉部長  今、国がどういう立場をとっているかがわからないので、国の立場について仮定に基づいたお答えはなかなか難しいと思っております。現在のところ、何度か御答弁申し上げたことがありますが、平成23年8月に対象年齢を引き上げており、昨年度は本県の子育て施策と医療関係施策全体の中でさまざまな問題について検討して、そこで小学校就学前を対象とする現行制度を継続した上で、「かがわ健やか子ども基金」を創設して、市町独自の取り組みを支援しており、市町に対してもこの旨説明して理解を求めているところでございますので、現在のところは県の制度の拡充は考えておりません。


高田委員  大きく2点お聞きします。まず1点目に、午前中に岡野委員からもありました斯道学園についてお聞きしたいと思います。
 ここ数年来の傾向だと思いますが、子供たちの家庭環境の問題や学校生活の中も含めて、キレる子供、あるいは不良行為、生活指導が必要な子供たちが増加傾向にあるのではないかと感じています。
 そこで、児童相談所の相談件数あるいは内容や、児童自立支援施設としての斯道学園に入ってくる子供たちの最近の傾向について、教えていただきたいと思います。


野本健康福祉部長  高田委員の、斯道学園に入所してくる児童の最近の傾向についての御質問についてお答えいたします。
 まず、全国の児童自立支援施設で見ますと、傾向としては虐待を受けた経験を持つ児童の入所は大体59%、発達障害、行為障害等の障害を持つ児童の入所が47%となっておりまして、特別なケアが必要なケースというのが増加していると聞いているところでございます。
 斯道学園につきましても、全国的な傾向と同様でございます。むしろ全国的な傾向よりも高い率で被虐待児、あるいは発達障害児などの児童が入所しているところでございまして、他施設で不適応があった児童も含めまして特別なケアを必要とする入所児童が増加している状況にあるところでございます。


高田委員  特別なケアが必要な児童が増加しているという部分に対応するため、現在、斯道学園では解体建設工事を行われていますが、この新施設について教えていただきたいと思います。現在の施設の定員が男子20人、女子10人で、教育センターが移動しましたから、それを取り壊した後にどこに何が来るかよく知らないのですが、男子寮が一つふえるという話も聞いています。新たな施設の定員はどれぐらい増加するのか、それがいつごろ竣工するのか、定員の増はいつからになるのかなどについて教えていただきたいと思います。
 斯道学園で受け入れる子供の数がふえると聞いていますので、そうであるならば、それに相当する職員もふやさなければならないことは当然であります。しかし、この学園の職員は専門職ですから、事務職のように他の部署から回してくるというのは難しいのではないでしょうか。職員数の少ない職種でもありますし、このあたりも含めてどのように対応するお考えなのか、教えていただきたいと思います。


野本健康福祉部長  まず、斯道学園の竣工の予定時期についてお答えしますと、本館、体育館につきましては、平成28年2月ごろとなっており、男子寮、女子寮につきましては平成28年度末の予定となっております。
 次に、定員に関してですが、現在も定員が30名となっているところでございますが、1人当たりの居室面積が狭かったり、また入所児童の男女比に対しまして男子寮の居室が不足している等の要因がございまして、定員まで受け入れることができてない状況になっております。新施設でございますが、施設整備として男子は受け入れ可能人数10人の寮を2つ、女子は受け入れ可能人数10人の寮を1つとする予定であり、定員は変わらないという状況になります。
 それから、人員体制につきましては、斯道学園では現在、園長1人、次長1人、総務担当10人、指導担当21人の計33人の配置になっております。職員の配置につきましては、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を満たすよう配置を行っておりまして、そのうち直接児童の支援に当たる児童自立支援専門員や児童生活支援員につきましては4.5対1の配置基準により4人以上の配置が必要であるところを、現在は11人配置しているところでございます。
 完成後の専門職の人員体制でございますが、定員である30名の児童が入所した場合には、国の基準では児童自立支専門員や児童生活支援員が7名以上の配置が必要となりますが、現在11人配置しているため、既にその基準は満たしているところでございます。また、心理療法担当職員の配置の必要がございますが、既に1名配置しているところでございます。
 国の審議会が取りまとめた「社会的養護の課題と将来像」におきましては、児童自立支援専門員や児童生活支援員については3対1の配置を目標水準としており、その場合には10名の配置が目標になりますけれども、その目標水準も現在、既に達しております。心理療法担当職員につきましては、10対1を目標としているため、3人の配置が目標となりますが、現在は1人の配置となっております。
 御質問の施設整備後の専門職の人員配置に当たりましては、新たな施設になり3寮体制となることから、施設整備後における業務の内容等を検討した上で、適切に人員配置がなされるよう関係部局と協議を進めてまいりたいと考えております。


高田委員  今は30人の定数だけれども、20人しか受け入れられていなくて、新たに男性寮を1つつくって10人ふえるということですか。そのタイミングは寮ができたらということでしょうが、多分、仮設の寮をつくるのでしょうから、仮設の寮は20人でつくるのでしょうか。平成28年度末に正規の寮が竣工したら、介護施設みたいに待っている人がいて、10人が急にふえるということがあるのかと思っていますので、どのタイミングで受け入れ人数が20人から30人になるのかというところを教えていただきたいと思います。
 職員配置ですが、既に受け入れ人数拡大後の定数を満たしているとのお答えですが、寮が1つふえるということはそれに応じて職員もふえないと、今でさえも大変な状況の中ですから、対応が厳しくなるのではないかと思います。既にクリアしているからというのではなく、今の状況から考えて寮が1つふえることによって、職員の配置がどの程度必要になるのかということを考えればどうなのか教えていただきたいと思います。
 それと、追加でお聞きするのですが、岡野委員の質問にもありましたが学校の分教室があるとのことですので、学校の先生の配置があるのだろうと思うのですが、今、どのような形で先生が配置されていて、受け入れ定員拡大後の体制はどのようになるのかなど、教師の配置は教育委員会とはどのような協議がなされているのかお聞きします。


野本健康福祉部長  まず、受け入れの人数の関係でございますが、仮設の寮舎が平成28年度までですので、受け入れ人数が拡大するのは平成29年4月からになります。それから、専門職員の配置ですが、新しい寮が建ちさまざまな仕事が出てくるかと思いますが、やはり施設整備後のことでもあり、今後、その業務内容を十分に検討した上で適切な人員配置を検討しなければならないと考えておりますので、それを踏まえて関係部局と協議を進めてまいりたいと考えております。
 そのほかにつきましては課長から答弁申し上げます。


吉田子育て支援課長  高田委員の斯道学園での教職員の配置についての御質問にお答えします。
 現在、みねやま学級という形で地元の小・中学校から先生を派遣していただいて、必要な義務教育を実施しております。現在は受け入れ人員に合わせて教職員が3名、小学生に対して1人、中学生に対して2人ですが、生徒数に応じた必要な教員配置が必要ですので、整備後の必要な人数については高松市や教育委員会とも調整を続けており、必要な人数が配置できるようにしてまいりたいと考えております。また、専門科の先生についても3名程度来ていただいて、必要な学校教育ができるようにしているところでございます。


高田委員  人員配置については、私が聞いたところによると、生徒も公立学校に行こうということで一生懸命頑張っているということですので、教職員の配置も5教科そろってということもできればお願いをしたいと思っておりますし、そのほかの職員も今の状況より厳しくならないように配置をお願いしておきたいと思います。
 次に病院局に、県立病院の看護師確保対策についてお聞きします。
 既に代表質問で御指摘をさせていただいたとおり、募集人員に新規採用が届かず欠員が生じており、午前中の質疑にもありましたように緩和ケア病床も15床中2床しか開設できず、高度治療室のHCUも開設できない状況です。もっと言えば、看護師が不足しているのでオペができないこともあるといった話も聞いています。これでは高度急性期病院としての役割を満足に果たすことができないのではないかと思いますが、知事の答弁は少し残念なものでした。
 そのために修学資金の改善等の提案をさせていただいたのですが、今後、研究したいという回答にとどまっておりますので、現状の認識がまだまだ甘いのではないかと思わざるを得ないと感じています。
 そこで、まず病院局に、後から知事部局に保健医療大学についてお聞きをしたいと思います。7対1の看護が10年ぐらい前に入って、それが満たさなければ診療報酬が減額されるということもあったり、中央病院はまだできたばかりですが、せっかくの施設が看護師の不足で使えないということになれば、財政的にも病院経営を圧迫することにもつながっていくと思います。ですから、私は、7対1の基準にのっとって病院側が今までどおりの患者数を受け入れていけば高い診療報酬が支払われるわけですが、そのためには看護師が必要になっていくので、各病院は7対1の基準を満たそうと看護師の争奪戦になっていると理解しています。
 現実に、先ほどもありました感染症対策の2床の開設をするとなれば、これも看護師がいなければ難しいことにもなるのでしょうけれども、現実として、この中央病院の施設をフルに開設し、満足にオペができ、高度急性期病院としての役割をしっかり果たすためには、今、看護師は何人が不足しているのでしょうか。なぜ看護師に欠員が生じるようになったのか、数年前まではそんなことはなかったように思うのですが、ここ数年になって欠員が出てきている、この原因をどのように分析して、どうすれば欠員を解消していけると思っておられるのか、教えていただきたいと思います。


松本病院事業管理者  高田委員の県立病院の看護師確保対策についての御質問にお答えいたします。
 不足人数の現状でございますが、中央病院では平成26年3月に新築移転いたしまして、HCUは12床、緩和ケア病棟は15床を新設することになりました。基準では、HCUは患者4人に対して看護師1人が必要となっておりますので、12床全てを開設するということになりますと24人の看護師の配置が必要となります。緩和ケア病棟については現在のところ、暫定2床で運用しておりますけれども、15床全てを稼働させるとなりますと、看護体制としては7対1の看護体制でございますので、17人の看護師の配置が必要になってまいります。
 こうしたことから、平成26年度の採用試験では、第1次で77名募集いたしましたが44名、第2次で15名募集して8名しか採用できないという結果に終わりまして、HCUの開設や緩和病棟の全面稼働ができなかったということになっております。今年度も70名の募集を行いましたが、合格者はで53名にとどまっており、現在、2回目の試験の準備をしているところでございます。
 不足の要因でございますが、県立病院の看護師の採用については、これまでは50名程度の募集であったものが、中央病院の移転に伴う機能強化に必要となる看護師の増員などで、平成24年度以降は毎年70名を超える募集が必要となっております。その一方で、先ほども委員の御指摘がございましたように、診療報酬の改定の影響によって多くの病院が急性期医療への転換をすることになりまして、香川県だけでなく全国的にも看護師の確保が厳しい状況になっており、県立病院でも必要な数の看護師が確保できないという状況が続いております。
 今後の確保の対策でございますが、病院を運営していく面では看護師の確保は最重要課題の一つでございますので、優秀な看護師を少しでも多く確保できるようにさまざまな取り組みを行っており、これまでも県の看護協会が主催する看護職員合同就職説明会への参加や中四国の看護師養成機関への訪問、あるいは春休みや冬休みにおけるインターンシップの開催、募集パンフレットの作成などに取り組んでまいりましたが、昨年度からは県の広報番組の活用や看護師の募集のPR用の動画をネット配信、DVDの配布、琴電の車内広告による情報提供を行っており、今年度からは、市町の広報誌への掲載や夏休みのインターンシップ開催などにも取り組んでおります。
 また、学生の就職に対する意識調査として、昨年度、県内の養成機関の学生に対してアンケート調査を行いましたところ、就職先を選ぶに当たって、職場の働きやすさ、教育体制、将来のキャリアアップ、専門性の向上などが重視されるという傾向がありましたので、今後は就労環境の改善や教育体制の整備、研修の充実・強化などにより職場の魅力の向上にも、これまで以上に意を用いていかなければならないと考えております。
 それと同時に、離職者対策も重要であることから、県立病院では職員のアンケート調査を行い、その結果を参考にして、看護補助者の更なる活用による看護師の負担軽減、あるいは育児休暇とか短時間勤務などの一層の利用促進を初め、昨年からは院内の保育所で夜間保育も実施するようにしております。こうしたことにより、働きやすい職場環境づくりに努めていきたいと思っております。
 医療が多様化、高度化、複雑化する中で、県立病院に求められる役割はますます高まっておりますので、県民に適切な医療サービスを提供できるように、今後とも、看護師の安定的な確保、あるいは質の高い看護師の育成に一層努力していきたいと思っております。


高田委員  今、質の高い看護師の育成という話がありましたが、看護師が県立病院に来ない理由の一つに、例えば、県立病院にインターンや実習に来たら余りにも高度な知識や技術を要求されるということもあって、逆に質の高いことを求めるがために逃げられているということも、現実としてあるのではないかとも思っています。
 かといって医療のレベルを下げればいいという話にもならないところに、この問題の深いところがあるのでしょうが、実習に来てレベルの高いものを求められたり苛酷な労働条件を見たりすると、よそに行こうかなということになったりするので、せめて、今、話があったとおり労働条件に対しては、例えば育児休暇や保育所の問題などで、来てみたいというきっかけになるようなことを行っていかないと、もっといい条件の病院にとられてしまうのではないでしょうか。
 先ほども言ったように各病院が看護師確保の競争をしているわけですから、賃金などでも他の病院に比べて確かに高いのですが、それに見合わないほど厳しいと恐らく思うのでしょうから、普通のやり方ではなかなか来てくれないと思います。例えば、県立病院に採用されると丸亀病院に行ってくださいといったような異動があることがハードルになっているのであれば、そういうことが可能かどうか分かりませんが、最初の条件に異動はしないといったことをつけるとか、何かいろいろ工夫をした形をつくっていかないと、看護師の確保は難しいのではないかなと思いますので、今後、いろいろと知恵を絞っていただけたらと思っています。
 次は知事部局にお聞きしたいと思います。
 代表質問でも指摘したとおり、保健医療大学はかつては看護専門学校ということで中央病院の隣にあり、県立病院に多くの応募があったようですが、残念ながら現在の県立保健医療大学の学生は、県立病院への応募が激減しているという話を聞いています。香川県立の保健医療大学であります。香川県の税金を使った大学であるのに、他県の看護師ばかりを育成していることになるとしたら、何のための県立なのかと言わざるを得ないようにも思います。
 そこで、県立保健医療大学の卒業生が県内でどれぐらい就職しているのか、その中でも香川県立の病院にどれぐらい来ていただいているのか、また県外にどれぐらい就職しているのかについての比率を教えていただきたいと思います。保健医療大学の学生たちを県内、あるいは県立病院に就職を誘導させるための手だてが必要だと思いますし、知事に代表質問で提言したのですが、答弁は、今後研究をするというところで終わっています。もっと具体的に招致をする方法を考えなくてはならないと思いますが、それについてどのようにお考えかお聞きします。


野本健康福祉部長  県立保健医療大学の卒業生の進路についての高田委員の質問にお答えいたします。
 まず、卒業生の進路でございますが、短大時代を含めて平成13年度から26年度までの14年間で557人が就職しております。そのうち県内に333人が就職しており、県内の就職割合は59.8%、約6割となっております。県内の就職者のうち県立病院への就職者数は95人となっており、県内就職者の28.5%を占めており、就職者総数に占める割合では17%となっております。県内の就職先につきましては、香川大学附属病院や赤十字病院のほか、地域の中核的な病院に就職している状況となってございます。
 続いて、委員から県立病院への就職者が看護専門学校時代と比べて激減しているといった御指摘がございましたので、看護専門学校時代の状況も確認したところ、看護専門学校時代の卒業生が1,187人おり、県立病院には258人就職しており、割合では21.7%ということで、数字を見ますと減少しておりますが、それほど大きな減少とは言えないと考えてはおります。閉校直前の10年間に当たる、平成3年から12年においては286人が就職して、そのうちの県内就職者数は201人で、県内就職の割合は70.3%、約7割となっておりまして、当時から比べると今は1割減ぐらいの数字となっている状況です。そのうち県立病院への就職者数は30人となっており、県内就職者数の14.9%、就職者数全体の10.5%となってございますので、この10年間だけ見ますと、現在のほうが県立病院に就職している状況になります。
 県内定着への取り組みでございますが、保健医療大学では、入学生について県内出身者の推薦枠を上限である半数まで設定しております。また、県内高校への説明会や進路指導者への訪問等を行うほか、在学生につきましては、県内の医療機関での実習、卒業生との交流会、求人情報の提供など卒業生が県内に定着するように取り組んできております。また、卒業生が県内に一層定着するためには、県内医療機関が働く場としてより魅力的なものであることが重要であることから、今後はこうした観点から大学と県立病院との連携を進めていくほか、関係団体等に働きかけるなど、卒業生の県内定着が進むように取り組んでまいりたいと考えております。


高田委員  そういったいろいろな手だてがされているのでしょうが、看護専門学校の最後の10年との比較でも、県内の就職者は7割から6割に減ったというのは残念ですし、県立病院に関しては減ってはいないということですが、先ほど言ったように香川県立の大学ですから、県立病院への就職者を確保するための思い切った手立ても必要だと思います。問題があるのかもわかりませんが、県立病院に入ってくれる人は学費を免除するなど、何かをしないと、せっかくの県立病院の施設が100%は使えないという状況では、PRだけでは難しいと思います。
 以前から言っているとおり、学費免除は難しいかもしれませんが、有利な奨学金制度を含めて、県立病院や県内の病院に就職することに対して何か有利な制度をつくるべきだと思います。代表質問の知事の答弁では、今後、研究したいということでしたが、そのあたりのめどを教えていただきたいと思います。


野本健康福祉部長  代表質問で知事から御答弁申しましたとおり、県内の看護職員等々の状況を鑑みまして、修学資金制度につきましては今後、民間病院の例を含めてさまざまな角度から研究してまいりたいと考えておりまして、現在のところは申し上げるところはここまでとなります。


尾崎委員  私から少しお聞きするのですが、今、県立中央病院での看護師の不足の話が出てきましたが、一方で、医師の不足はないのか、どう考えておられるのかを病院事業管理者にお聞きします。


松本病院事業管理者  各診療科の医師についてでございますが、十分と言うわけではありませんが、極端に不足しているために診療科が維持できないということにはなっていないのが現状でございます。


尾崎委員  そこでお聞きするのですが、紹介病院がないと選定療養費が必要になるということで改定されましたが、その結果、例えば3時間、4時間待って2分、3分の診察だということがなくなったのですか。実態は、今、どうなっているのか、病院事業管理者にお聞きします。


松本病院事業管理者  正確なデータは、今、私の手元にないのですが、選定療養費を徴収させていただく患者が、大体1日に10名程度おられまして、外来全体では1日で1,000人近くが再来も含めて受診されておりますが、以前に比べますと紹介状を持ってこられる患者さんがふえていることは確かでございます。選定療養費の徴収を導入しましてから約20人は減っているということで、現在は1日に10名ぐらいの徴収になるということでございます。


尾崎委員  そうすると、実態的にはほとんど変わってないということですか。


松本病院事業管理者  数としては我々の感覚としては、紹介状をお持ちでない方はかなり減ったと思っています。


尾崎委員  その結果、診療時間数が大体どのように変化してきているのでしょうか。


松本病院事業管理者  申しわけございません。待ち時間の正確なデータが今のところございませんので、後ほど御報告をさせていただきたいと思います。


尾崎委員  そこで、県立中央病院の場合、医師はほとんどが岡山大学からの採用ということで、香川大学とは直接的には関係ないのかもわかりませんが、あと何回かしか答弁する機会がない次長にお伺いしたいと思います。過去の歴史も含めてお答えをいただいたらと思っております。
 それで、おおむね充足しているという医師数については、各診療科で休診しなければいけないという状態にはないということですが、余力はないということでないかと思っております。そういう中で、かつて川部部長の時代に医師をスキルアップするために、国内留学、海外留学の制度について財政措置をしたと聞いておるのですが、今、どのようになっているのかお伺いします。


東原健康福祉部次長  当時のことは詳しくは存じ上げないのですが、スキルアップのために国内や国外に留学する制度は、たしか県立中央病院にあったと記憶しており、県立病院の医師は、その研修制度を活用して国外に行けるようになっていると思います。それとは別に健康福祉部の制度として医師育成キャリア支援プログラムがあり、これは、後期研修に入る医師が6つの診療科ごとに基幹病院あるいはその周辺の協力病院の指導する医師のもとで研修を行う制度であり、本人に年間60万円の奨励金が出ておりますので、その奨励金を活用して、国外は難しいかもわかりませんが、国内への研修には対応できると承知しております。


尾崎委員  年間60万円では月にすればいくらになるのでしょうか。病院事業管理者にお聞きしたいのですが、医師の技術はいわゆる学問の世界ではなく、ノーベル賞をもらうための勉強ではないので、いくら頭がよくてもだめであり、技術を持つために研修するのが臨床医だと理解しております。そうすると、経験の数が重要であり、どういった経験をしてきたかが問われてくるのだろうと思うのですが、そういった面で今の制度で満足しておられますか。


松本病院事業管理者  御指摘のとおり、今の医療は、技術が伴わなければ幾ら知識があっても臨床の役には立たないことは当然でございます。そういった新しい技術の習得などのスキルアップのためには、先ほどの東原次長の答弁にもありましたように、県立中央病院では、通常の学会の出張などとは別に、以前に創設をしていただいた制度を活用して、例えば2週間や3週間で、国内の高度医療をしている施設に行って、今、話題になっております腹腔鏡の手術やカテーテルの治療などを勉強するといったことに予算を振り分けるようになっていると思います。私は少しブランクがありますのでその間のことはよく分からないのですが、以前はそのようにさせていただいておりました。


尾崎委員  しないよりはしたほうがましな程度のレベルでないかと思います。やはり1年間や2年間、お互いに提携した例えば大学病院、それも都会の患者数の多いところで研修していくことが技術を上げることになるのだろうと思います。失敗もあるだろうし、いろいろなことを経験しながら技術力を上げていくのが医師の世界だと、私は理解しています。ノーベル賞をもらうための勉強は必要ないのですから、技術力を上げていくことが大事であり、そういう患者数の多いところでいろいろな経験をすることが、スキルアップにつながるのだろうと思っているのですが、どうお考えですか。


松本病院事業管理者  現在、日本で新しい専門医制度が始まろうとしております。これは平成29年度からになるのですが、現在は各学会がそれぞれの専門分野の認定医の制度を持っており、いわゆる国家試験ではないのですが、日本専門医機構で統一した専門医制度をつくるということで、今まさに制度づくりが進んでおります。
 そうした中で、これまでの制度にはない、より正確な認定制度ができるようになりますので、どのように個々の医師が技術を磨いて専門医になるかということがございますが、先ほど御指摘がありましたように1年間どこかに留学をして勉強してくるということは、その専門医制度に対応したものになるのではないかと思います。そうした余裕が中央病院をはじめ県立病院にもできるように我々も頑張っていかなければならないと思っております。


尾崎委員  前の病院事業管理者とも話をする機会があり、いろいろと議論をさせていただいたのですが、現場である中央病院に余力となるキャパシティがなければ、例えば1人留学したら、その診療科は成り立たなかったり、残った医師に負担がかかってくるということでは、県外や海外に留学できる状態ではないと思います。そうした中で、岡山大学はどのように香川県の中央病院を見ているのでしょうか。そうしたキャパシティを持つだけの医師の派遣はできませんということなのか、それとも中央病院が受けるのであれば幾らでも派遣しますよということなのか、どういった状況にあるのでしょうか。


松本病院事業管理者  岡山大学は中国、四国地方に関連病院が数多くございますが、その中でも香川県立中央病院は5本の指に入る、いわゆる拠点病院という位置づけになりますので、重要な施設といった認識はあると思います。ですが各県の医師の状況を見ていますと、例えば中小の病院などでは存立が危ないというぐらい医師が不足しているのが現状でございます。
 香川県立中央病院に関して、現在の派遣の医師の数でいいますと、正直なところこれ以上は無理が言えるかといいますと難しいところがあるかもしれません。今、言いましたように重要な拠点病院でございますから、例えば麻酔科医が足りないから手術ができないなどといったことが起こらないように、医師の派遣の数からしますとかなり優遇されている面はあると思います。ですが、さらに先ほどのように留学ができるほどの余裕がある人員配置ができればとは思っておりますが、これは今後の検討課題だと考えております。


尾崎委員  これ以上の拡充は厳しいという状況にあるようですが、そういった中でも、やはり難しいと言っているだけではなく、要求はどんどんしていくべきだと思います。要求ないところに査定なしと言いますので、積極的に要求していくべきだと思います。かつての医局とは状況が違うので、なかなか一概には言えない部分もあるのでしょうが、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 あわせて次長にお聞きするのですが、医療とは医師だけで存在するわけではなく、スタッフ機能がないと完結しないのではないでしょうか。県立丸亀病院を定年になって民間病院に行った医師が、何に一番困ったかというと、医療機器もあるのですが、スタッフの能力に困ったと聞いております。
 きょうも、看護師不足の話が高田委員からもありましたが、病院としてのスキルアップをするためには、医師だけではなく看護師も同じようにスキルを上げていかないと現場が持たなくなってきます。その意味では、看護師の県外や海外の留学制度について、どのように考えていこうとしているのか、県のお考えをお聞かせください。


東原健康福祉部次長  医師のみならず、特に看護師を初めとする医療スタッフのスキルアップのための国内、国外の研修についての御質問にお答えします。
 国外については今まで想定はしてないところではありますが、県としては、医療スタッフ全体のスキルアップが、病院や診療所も含めた医療機関全体の質の向上にもつながり、ひいては患者のケアの向上にもつながると考えておりますので、スタッフの資質の向上のための研修を支援することが必要だと思っております。現在も、職能団体としての看護協会などの関係団体がございますので、そうしたところを通じてそれぞれの能力をアップするための研修を側面から支援するなどにより、県下全体の医療従事者の資質の向上やスキルアップのために、今後とも努力してまいりたいと考えております。


尾崎委員  幾ら勉強しても技術は向上しないでしょうし、やはり体験して体で覚えるのが技術だと思います。こういう言い方をすると失礼に当たるかもわかりませんが、ある意味では職人の世界と同じではないでしょうか。そうすると経験にまさるものはないと思うのですが、医師について年間60万円ということは、看護師については予算はないに等しいのではないでしょうか。


東原健康福祉部次長  先ほどの60万円の奨励金は、県の医師育成キャリア支援プログラムに基づく後期研修に当たる6つの専門領域のプログラムに参加する医師に対してのものであり、県内の医師全体で60万円というわけではございません。他の医療スタッフについては、看護師の例で言いますとスキルアップのための研修は看護協会に委託をしており、それについて県から必要な支援をしている形になります。


尾崎委員  とりあえずは香川県立の病院の医師やスタッフの充実のための施策として考えていく必要があるのだろうと思います。東原次長は県内全体の医療を考えていくという立場にあるわけですが、まずは県立中央病院をどう考えるかということが一番大事なのではないでしょうか。県立中央病院がスキルアップして全てのレベルが上がれば、県内のほかの病院は県立中央病院で研修することによってスキルアップができると思いますので、県立中央病院にはそういった医療機関になってほしいという思いを持っています。
 前の病院事業管理者は、どこの国とは言いませんけども、例えば東南アジアへ行けば数多くの手術の経験ができる国もあり、そうした経験を通じて技術を身につけていくのだが、今はそうした国へ行くことを希望する医師が余りにも少ないというお話もされていました。そうした意味では、先進県や先進国だけが全てではないので、どうすれば医師や医療スタッフのスキルアップができるかということを具体的な形で制度設計していく必要があるのだろうと思っております。
 そこで一つお聞きしたいのですが、先ほど看護師の県内での就職状況の数字は出てきましたが、香川大学の医学部の卒業生で、何%の人が県内の医療機関に就職されているのでしょうか。


土草医務国保課長  昭和61年から平成25年までの数字では、卒業者数が2,651名のうち香川大学病院やそれ以外の病院の勤務医、開業されている方も含めてになりますが、県内に残留されている方が789名で、割合としては29.8%と聞いております。


尾崎委員  これも惨たんたる数字ではないでしょうか。先ほども言ったように、医局が医師や卒業生に対して具体的な指示ができず、それぞれが勤務先を選択できるような難しい時代になってきましたので、私らの学生時代と同じようにはいかないのでしょうが、今、香川県は香川大学医学部へ寄附講座として全体で幾ら出しているのでしょうか。


土草医務国保課長  平成26年度ですが、香川大学に5種類の寄附講座及びそれに類したものを設けております。具体的に言いますと、公衆衛生の医師の確保対策、地域連携の精神医学、感染症、神経難病、地域医療教育支援であり、年度単位の合計金額は1億5000万円でございます。


尾崎委員  香川大学のレベルを上げていくために必要な経費かもわかりませんが、卒業生の3割しか県内で就職されないということは、寄附講座を行ったことに対して7割は無駄になっていると考えざるを得ないのではないでしょうか。そう考えたときに、せめて5割の卒業生が県内に就職するという状況をつくっていくことが大事と思います。
 そうすると、先ほど看護師の授業料免除の話がありましたけれども、寄附講座に使っている予算を例えば医学生に対して県内の病院に就職すれば返済を免除するなど、個々の医学生に対応するといったことも考えたほうがより効果があるのではないかと思うのですが、どう考えますか。


東原健康福祉部次長  まず、寄附講座でございますけども、今の5つの講座については、それぞれ神経難病や感染症、公衆衛生といった特定の目的に関する医師が県内に少ないということを背景として寄附講座を設けて、不足している分野の医師の養成を特にお願いするという形で行っているものでございます。
 委員の御指摘の個々の学生への対応という部分で申しますと、今、香川県では香川大学の医学生への修学資金貸付制度がございまして、これは一月に12万円の奨学金を貸し付けており、6年間借りますと全体で800万円前後になりますが、その奨学金を借りた医学生が卒業して医師になったときに、県内の指定する医療機関に就職して貸付期間の1.5倍に当たる期間を勤務すれば、返済を免除する制度がございます。この貸付制度に、年間最大で14名と、今、かなりの人数の方が貸し付けを受けておられて、数年前から卒業して県内の医療機関に就職してきております。ピークのときにその修学資金の貸付制度を受けた医師が90名近くが、県内の指定する医療機関で活躍するという時代が早晩やってまいりますので、医師不足を解消する一助になればということでございます。


尾崎委員  それはそれとして、やはり1億5000万円のお金を有効に使うことが大事なのだと思います。県立中央病院は、医師の多くを岡山大学に依存していることを考えたときに、岡山大学には寄附講座を持っていないわけですから、果たしてそれだけでいいのだろうかということも考える必要があると思います。
 また、先ほど病院事業管理者から認定医の話がありましたが、国家試験である医師免許はオールラウンドであり、免許取得後にどの診療科を選ぶかは医師の任意になっております。今は医療の進歩が著しく、医療分野も細分化されてきておりますが、そういう中で認定医制度をとったときに、医師免許状は従来どおり全ての分野で使えるということですか。


松本病院事業管理者  医師の国家試験につきましては、今後もオールラウンドでございます。これから始まる専門医制度につきましては、例えば基本領域では内科や外科など全部で19の専門医制度をつくろうとしております。例えば内科系でいきますと、いわゆる一般の内科診療がオールラウンドでできるようにカリキュラムを組むようになっており、その上に、循環器の専門医や消化器の専門医といった2階建てになる制度がつくられつつあります。その中でも、少し細かく言いますと総合診療医を目指す方は本当にオールラウンドになるのですが、それ以外の例えば循環器に進まれる方は、少し範囲の狭まったコースになってくるとは思います。いずれにしても現在は制度づくりの途中でありますので、平成29年度に始まるときにきちんとした形ができるだろうと思っております。


尾崎委員  平成29年度に制度がスタートするということは、既に国家試験に受かっている方も対象になるということでしょうか。そういう中で、県立病院はどのように対応されるのですか。


松本病院事業管理者  この制度が適用されるのは平成27年に卒業した方は、現在、2年間の初期の臨床研修を行っており、それを修了して後期研修に進むときに新制度での専門医制度に乗って進んでいくことになります。新制度は大学病院などが基幹病院になり、そのほかの病院が連携病院となって、いろいろな病院を回って研修をして症例を積んで専門医になるわけですが、中央病院では新制度での専門医の取得のための基幹病院を目指して、今、プログラムをつくっております。今のところでは県立中央病院は3つぐらいの診療科について基幹病院となることが計画されていると聞いておりますが、まだ制度をつくっている段階ということでございます。


尾崎委員  最後にお聞きするのですが、専門医制度の開始後に研修を受ける医師はそれでいいと思うのですが、現在、病院に勤務されている医師の方は新制度による研修を受ける必要があるのでしょうか。それとも実績で評価されるのでしょうか。


松本病院事業管理者  これも専門医の領域によって違ってくるとは思うのですが、これからの専門医制度は更新制度といって、一定の期間が過ぎたら研修や試験を受けることになって、専門医である以上は生涯、勉強しないといけないということになると思います。現在、臨床に携わっている医師の方は、簡易な試験若しくは登録といったことで対応する専門領域も出てくるかもしれませんが、若い方を指導する指導医という制度ができまして、指導医になるためには試験を受けないといけないことになるのでないかと考えております。


大山委員長  以上で、健康福祉部及び病院局関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)


大山委員長  御異議なしと認め、健康福祉部及び病院局関係の質疑、質問を終局いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。