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平成27年[6月定例会]文教厚生委員会[健康福祉部、病院局] 本文




2015年07月03日:平成27年[6月定例会]文教厚生委員会[健康福祉部、病院局] 本文

大山委員長  これより質疑、質問を開始いたします。


山下委員  私からは、3点ほどお伺いします。
 まず1点目ですが、医療行為を必要とする重度心身障害児・者の在宅支援の充実について、お聞きします。
 一昨日に、香川県肢体不自由児者と父母の会連合会から、議長に対して、医療行為を必要とする障害児や障害者の短期入所の受け入れ先の確保を求める要望がありました。こうしたことも含めて、今、障害者が住みなれた地域で暮らすための居宅介護サービスや短期入所サービスなど、在宅で介護される障害者、障害児に対する支援が望まれています。
 しかし、在宅で長期間にわたり介護することは、家族にとっても負担となりますし、介護をする方の体調が悪くなった場合や、家族の方が入院しなければならなくなったときなど、介護を要する人たちを支える負担が、年々ふえてきております。
 これは障害のある方だけでなく、高齢者の問題もありますが、できる限り家族が介護したいという思いは変わりませんので、何か不調があり自宅での介護が無理な場合に短期間の入所を受け入れる施設が、これから重要になると思います。そうしたことから、医療行為が必要な重度の障害児や障害者の短期入所の受け入れ先を、今後、充実させていくことが必要だと思いますが、県内において医療行為が必要な、重度の障害児や障害者の短期入所の受け入れ先の状況はどうなっているのか、お聞きします。


野本健康福祉部長  短期入所先の受け入れ状況についての質問にお答えいたします。
 医療行為が必要な重度の障害児や障害者の短期入所の受け入れ先につきましては、医療機関が指定を受けた短期入所事業所、いわゆる医療型短期入所事業所となりますが、現在高松圏域で2カ所、小豆圏域で2カ所、中讃圏域で1カ所、三豊圏域で1カ所の計6カ所を指定しております。これらはいずれも空床を利用するタイプであり、利用されていない空き病床において短期入所の受け入れを行っておりますことから、空床の状況によっては受け入れ枠が少なくなることもございます。これらの医療型短期入所事業所6カ所のうち、これまでに受け入れ実績があるのは、かがわ総合リハビリテーションこども支援施設、かがわ総合リハビリテーション療養介護施設、四国こどもおとなの医療センターの3カ所となっております。
 なお、かがわ総合リハビリテーションセンターの回復期リハ病床の増床とあわせ、療養介護施設の療養介護病床を、現在の20床から45床に増床することとして、今年度、実施設計に取りかかっているところでございます。


山下委員  やはり空き病床を利用するということが、家族の不安につながっていると思います。重度の障害があっても、在宅で暮らしたい障害者の方もいらっしゃいますし、在宅で介護したいという家族の思いもあります。
 そういった中で、不測の事態に備えなければならないと思っておりますが、先ほど部長の答弁では、かがわ総合リハビリテーション療養介護施設の療養介護病床を20床から45床に増床するということですが、現在の20床での受け入れ状況はどうなのか、増床することによって短期入所の受け入れ増につながるのかについてお聞きします。また、医療型の短期入所サービスをより充実させていくために、こういった施設のニーズはふえてくると思いますし、必要なものだと思いますので、今後の取り組み方についてどのようにお考えになっているのか、再度、お聞きします。


野本健康福祉部長  医療行為を必要とする重度心身障害者児者が、住みなれた地域で暮らせることは望ましいことであり、障害児者や献身的に介護に当たっている家族の負担を軽減し、在宅での生活を支えるために必要な障害福祉サービスの充実を図ることが重要であると認識しております。中でも医療行為を必要とする障害者を受け入れる短期入所につきましては、委員からの御指摘のとおり、一昨日、知事に対しても香川県肢体不自由児者と父母の会の連合会から同様の趣旨の要望があったところであり、短期入所の受け入れ先の確保・充実を図ることは、障害者本人や家族にとって切実な問題であると認識しております。
 御質問の、かがわリハビリテーションの療養介護施設につきましては、現在、療養介護病床が20床ありますが、平成26年度は満床の状態が続き、短期入所の受け入れができなかったと聞いております。今年度につきましては、これまでに12日の受け入れ実績があると聞いておりますが、かがわ総合リハビリテーション療養介護施設の療養介護病床を増床することにより、継続的な満床状態は緩和されるものと思われますので、医療行為を必要とする障害者に対応できる短期入所の充実に資するように整備を進めていきたいと考えております。
 また、医療型短期入所事業所の指定を受けられる事業所には限りがあると考えられますので、現在指定を受けている医療型短期入所事業所への働きかけを行うとともに、国に対しても必要な支援を要望し、受け入れ先のベッドを確保するよう努めてまいります。


山下委員  先ほど、部長がおっしゃいましたが、満床状態が続いたということですので、ニーズがあるわけですが、受け入れ側の体制整備の問題だと思います。しかし、障害者が住みなれた地域で暮らしていける環境は重要だと思いますので、そういったニーズも踏まえながら、施設をつくっていくのも我々の責任だと思っておりますので、御家族の方やいろいろな方面からの声を聞いて、障害者施設の一層の充実に努めていただければと思います。これは要望で終わります。
 続いて、動物愛護の推進についてお聞きします。
 先ほど、部長から香川県・高松市動物愛護センター(仮称)の基本構想について説明がありました。その中の基本コンセプトとして、人と動物との調和のとれた共生社会づくりを目指した施設ということでしたが、この取り組みにはいろいろな問題があり、さまざまなところが取り組まれております。民間のボランティア団体や、獣医師会等の取り組みもありますが、なかなかうまくいっておらず、殺処分数が全国ワーストであることも、問題になっております。
 そのためこの施設は、基本方針にもあるとおり、全ての県民に開かれた施設であり、動物愛護管理に関する普及啓発の拠点となる、また犬や猫の譲渡推進の拠点となる施設であるということ。さらに、動物愛護管理の情報発信の場でなくてはならないということであります。
 そうした意味で、この施設は重要であり、できるだけ早期の整備が望まれるところでありますが、まず、本県の犬・猫の引き取りや殺処分数、返還・譲渡数の現状と動物愛護施策の現状についてお聞きします。


野本健康福祉部長  本県では、動物愛護施策への取り組みが重要であると認識しており、人と動物との調和のとれた共生社会づくりを目指して、さまざまな施策を展開しております。
 委員の御質問の本県の状況でございますが、全国集計のある平成25年度については、引き取った犬が2,592頭で、猫が2,128匹、もとの飼い主への返還や新たな飼い主への譲渡数としては犬が225頭で、猫が38匹、殺処分数は犬が2,360頭で、猫が2,090匹となっており、殺処分率は犬が91%、猫が98.2%で、47都道府県中で犬はワースト1位、猫ではワースト6位となっております。
 まだ全国集計はございませんが、昨年度は、引き取り数は犬が2,462頭で、猫が2,111匹、返還や譲渡数は犬が432頭で、猫が180匹、殺処分数は犬が2,047頭で、猫が1,925匹となっており、殺処分率は犬が83.1%、猫が91.2%で、前年度と比べて大きく減少しております。昨年度は、平成25年9月から実施した新たな飼い主に譲り渡す活動をする譲渡ボランティアとの協働による譲渡が増加したことにより、返還・譲渡数が大きく増加して、犬・猫の殺処分が減少しているところでございます。
 続いて、本県の動物愛護施策について御説明いたしますと、動物の飼い主だけでなく、動物を飼っていない人にも動物愛護の考え方や命の大切さを広く周知できるよう、テレビCM放映などの啓発事業を実施するとともに、子供のころから動物愛護に関する関心を持ち、正しい知識を習得してもらえるよう、小学校5年生対象の啓発資材として作成した「みんなで考えよう!動物愛護」を今年度も学校へ配布するなど、さまざまな観点からの普及啓発を実施することとしております。
 また、今年度からの新たな事業として、飼い主のいない猫に不妊去勢手術を施して、地域住民の十分な理解のもと、地域で管理する地域猫活動に取り組む市町に対して、不妊去勢手術の費用の一部を助成する地域猫活動支援モデル事業を実施する予定としております。
 さらに、収容した動物について返還や譲渡を推進するため、ホームページを活用して情報提供を行うとともに、譲渡の可能性のある動物については、ワクチン接種、駆虫薬の投与などの健康管理を行った上で、譲渡ボランティアとも協力して譲渡数を増加させるなど、殺処分減少のための施策を引き続き実施しているところでございます。


山下委員  数字的にはかなり減ったということですが、やはり8割、9割という数字は大きいものであり、それだけに動物愛護センターの整備が急がれると思います。このセンターは香川県と高松市の共同で行うということですが、ほかの自治体との共同での設置・運営にはいろいろな問題があるのではないかと思いますし、こうしたことは全国でも事例があるのか、さらに、共同で行う高松市とどのような協議を行っているのか、再度、お聞きします。


野本健康福祉部長  全国の動物愛護施設の中で、政令市、中核市などの保健所設置市と共同して設置運営している都道府県としては、本年4月に整備を終えて運用を開始した京都府と京都市の事例がございます。また、宮崎県と宮崎市が平成29年度の完成を目指して共同で設置する予定と聞いております。全国的に見ても、共同で設置整備する自治体は少なく、委員の御指摘のとおり複数の自治体が関係しますので、さまざまな課題が想定されることから、先進的な取り組みを行う自治体の施設も含めて、共同での運営方法や施設の機能などについて、視察や情報収集を実施したいと考えております。
 また、高松市との協議につきましては、これまで、外部有識者等で構成する香川県動物愛護推進懇談会の意見を伺いながら、香川県・高松市動物愛護管理行政協議会において、動物愛護センターの共同での整備や動物愛護管理施策の情報共有を図るなどの協議を行ってきたところでございます。今後も県と市の担当者間で緊密に連絡をとり合うとともに、継続的に協議や検討を行い、人と動物の調和のとれた共生づくりを目指した動物愛護センターの整備を着実に進めてまいります。


山下委員  ここでうまく整備できれば、共同での整備では全国でも3例目ということになると思いますので、ぜひとも計画を進めていただければと思います。こういった殺処分などは子供たちの教育にもかかわりますし、動物愛護を進めていくためにも、人と動物との調和のとれた共生社会を実現できるように進めていただきたいと思っております。こちらは要望で終わります。
 最後に、先ほど御説明いただきました県立病院の経営状況についてお聞きします。
 松本病院事業管理者はこの4月に着任されましたので、これからのことをお聞きしたいのですが、先ほどの説明では、県立病院事業の平成26年度の決算見込みで病院事業全体としては20億3,000万円余の赤字であり、昨年度に続き2年連続の赤字決算の見込みということですが、中央病院の新築移転もありましたし、県立病院は、民間病院とはいささかその使命を異にするものであると思いますので、赤字決算に関しては、一定程度は仕方がない部分もあると思います。
 県立病院の経営状況に関しては、ことし2月の我が党の代表質問で有福議員が小出前病院事業管理者から、今後、厳しい状況が続くことが見込まれるため、より一層効果的な病院経営に努め、県立病院の経営健全化に全力で取り組むという答弁をいただきました。しかし、本県の状況を見ますと、人口減少や地域医療構想の策定など難しい面はあるかと思いますが、そういった中で、この4月に就任された松本病院事業管理者が、現在の県立病院の状況と今後のあり方について、どのような認識と抱負をお持ちなのか、お聞きします。


松本病院事業管理者  県立病院の経営状況等についての質問にお答えします。
 委員会の冒頭でも御報告したとおり、平成26年度の病院事業会計決算見込みでは20億3,000万円余の赤字であり、25年度より13億4,000万円余り収支改善はしたものの、2年連続の赤字決算となっております。今後も、新中央病院整備に係る建物や医療機器等の減価償却が毎年度20億円程度生ずることや、約200億円の企業債の償還が本格化することなども考えますと、病院事業会計は非常に厳しい状況が続くものと認識しております。
 また、委員の御指摘のとおり、人口減少や、現在、国で進められている医療制度改革の動向は、今後の県立病院の運営や経営に大きな影響を与えるものではないかと懸念しております。私としては、このような重要な時期に病院事業管理者の重責を担うに際し、県立病院に対して県民の皆様から寄せられている信頼や期待に応え、これまで以上に県立病院が県民医療の充実を図るために適切な役割を果たしていけるよう、高度で良質な医療サービスの提供と、安定した経営との両立を図ることが重要であると考えております。
 このため、各県立病院が他の医療機関との適切な役割分担のもとで、中央病院は三次救急医療や高度特殊医療に、丸亀病院は精神科救急・急性期医療に、また白鳥病院では地域の二次救急医療や僻地医療に重点的に取り組むなど、それぞれの特性を生かしつつ必要な機能の見直しと強化を図るとともに、より効率的な病院経営に努めて、県立病院の経営理念である「最適・最善・最新の医療の提供」と「県民とともに歩む県立病院づくり」に、職員ともども誠心誠意、取り組んでまいりたいと考えております。


山下委員  中央病院の新築や高度医療のための機器等の減価償却費に関しては、必要な設備をする場合はどうしても発生するものであり、あくまでも帳簿上の問題ですから仕方がないと思います。先ほど、松本病院事業管理者が言われたとおり、将来を見据えた形で県民の健康のため、安全のために取り組んでいただきたいと思います。
 ことしの2月議会の代表質問の中でも、県立病院の今後の方向性、経営目標などについて、できるだけ早期に次期中期経営目標を策定すると前の病院事業管理者が言われましたが、県立病院を取り巻く環境が非常に厳しい中でもあることから、次期目標は重要だと思います。そうした中で、この取り組みについてどのようなスケジュールでいくのか、また、どういった内容で進めていかれるのかについて、再度、お聞きします。


松本病院事業管理者  次期中期経営目標についての御質問にお答えします。
 現在の県立病院中期経営目標は、平成24年度を初年度として、平成28年度までの5年間を計画期間としておりますが、先ほどお答えしたとおり、県立病院事業は、今後、非常に厳しい経営状況が続くことが見込まれますことから、できるだけ早期に次期中期経営目標を策定する必要があると考え、策定時期を1年前倒しして、今年度中に策定する方向で、現在、準備を進めております。
 次期中期経営目標における県立病院の経営理念としては、県民の健康を守り、地域医療の発展に貢献していくとの県立病院の使命を踏まえて、普遍性を有する理念として、先ほど申し上げました現在の目標の理念を引き継ぐ方向で考えております。その上で、基本目標と経営方針については、時代に合わせて変えるべきところは変えていくとの考えのもとで、新病院建設後の中央病院の経営状況、丸亀病院の病棟閉鎖の影響、白鳥病院の医師確保の取り組みなど、県立病院が置かれた現状や課題を踏まえ、それぞれ新たな目標、方針を設定したいと考えております。
 具体的には、基本目標としては、「より質の高い医療の提供と患者サービスの向上」と「計画期間内における単年度資金収支の黒字化」を掲げ、経営方針としては、「良質な医療サービスの提供」、「医療人材の確保・育成」、「災害時への対応力の強化」、「安定的な病院経営の確立」の4つの柱を設定する方向で検討を行っております。
 今後、外部の有識者で構成をする県立病院経営評価委員会の御意見も伺いながら、具体的な内容を含めて鋭意検討を進め、秋ごろまでに骨子案を取りまとめた上で、県議会を初め県民の御意見を広く伺いながら、実効性のある中期経営目標を策定したいと考えております。


山下委員  松本病院事業管理者は、中央病院長を務められるなど、長く県の医療に関して貢献されておりますし、全国自治体病院協議会の常務理事も務められるなど、医療業界での知名度も高い方ですので、非常に期待の大きいところでございます。先ほど言われたように、県民の医療ニーズは高まってくると思いますし、環境が厳しい中での取り組みは、難しいところがあるのかもしれません。これは聞いた話なのですが、地方創生における移住・定住施策の中で、小豆島は全国でも移住者の多いところですし、私の地元の三豊も多いのですが、担当者の話では、移住したい人が聞く要件の1番は医療関係であり、続いて教育関係だそうです。
 県民の健康に関しての負託に応える上で、また、今後、地域の活性化のために移住や定住を進める上でも大きな役割を果たす部分があると思いますので、皆さんの負託に応えるように取り組んでいただければと思います。これは要望で終わります。


岡野委員  質問に先立ちまして、私は児童相談所に直接かかわりたいとの思いで県議会を目指しましたので、前のめりな質問もあるかもしれませんが、児童相談所の一番の応援団の一人だということで、お聞きいただければと思います。それでは、質問をいたします。
 平成25年度実績が記載された平成26年度版の業務概要を、今、手元に持っておりますが、先日の新聞報道によりますと、平成26年度の虐待件数が公表されておりました。そこで、平成26年度の児童相談所の業務概要等をわかる範囲で御説明をいただきたいと思います。


吉田子育て支援課長  平成26年度の児童虐待等の状況についての岡野委員の質問にお答えします。
 平成26年度の児童虐待の件数は727件であり、平成25年度の551件と比べて約32%の大幅な増加となっております。この要因としては、児童虐待の定義が変わったことにより、兄弟の面前で虐待が行われた場合は、兄弟も虐待を受けたものとしてカウントされることになったことから、大幅に増加したものと考えております。


岡野委員  本当に深刻な状況だと思います。あわせてお聞きしますが、平成25年度の女性からの相談の受け付け件数が3,725件とありますが、平成26年度の件数はもう出ておりますか。


吉田子育て支援課長  委員がお手持ちの業務概況の新しいものは作成中でありますが、取りまとめた数値は、先日、発表しており、相談件数が4,837件で、そのうちDVについての相談件数は522件となっております。


岡野委員  子供の虐待、DVについての相談件数は、いずれも増加傾向にあることは明らかだと思います。それに関して職員の配置状況なのですが、平成26年4月1日現在の資料では、児童福祉司が10名となっており、国が目安としている人口5万人から8万人に1人という基準については、西部子ども相談センターを加えてもカバーできていると思います。しかし、私は心理相談員も必要だと考えています。加害者であるお母さんやお父さん、DVの場合の加害者の配偶者や恋人などの大人の心のケアをする資格者が必要だと思います。そこで、主に相談を受け付けている、女性相談員の資格の有無をお聞きします。


吉田子育て支援課長  女性相談員の資格の質問についてお答えします。
 相談員として社会福祉士の資格を持っている者と、臨床心理士の資格を持っている者を配置しております。


岡野委員  もともと児童相談所からスタートしていますので、子供たちに対応するための資格が中心であり、それは大事なことだと思います。しかし、今、虐待の背景に家庭の経済的な貧困、親の失業、そして養育している親御さんやそれに変わる人たちの精神的な疾患、発達に障害のあるコミュニケーション障害等があり、大人が抱える課題がさまざまな問題の要因になっていると言われております。そのためには、大人が抱える課題に着目した人員配置が必要なのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。


吉田子育て支援課長  県では、高松市西宝町の子ども女性相談センターと丸亀市の西部子ども相談センターの2カ所の児童相談所で、児童虐待を初めとする18歳未満の子供のさまざまな相談に対応しております。また、子ども女性相談センターでは、DV等の大人の女性の相談にも対応しております。
 委員の御指摘のとおり、子供本人や家族からの相談だけでなく、一般県民や市町、学校、警察など関係機関からの通告などもあることから、児童虐待初期対応班を設置し、平日のみでなく夜間、休日においても24時間体制で相談を受けております。また、状況によっては職権で児童を保護するなど、児童の安全を最優先にした活動を行っております。
 受け付けた相談については、まず児童福祉司や児童心理司などの専門職員が家庭環境などに関する調査、子供の心理に関する診断などを行い、子供や家族に対する援助方針を定め、その方針に従って継続しての相談や一時保護、さらには施設入所などの支援を行う体制をとっております。
 このような相談の件数は年々増加する傾向にあり、さまざまな問題もあることから、相談に対応する職員は徐々に増員しており、正規職員で約10年前と比較すると、18年度の33名から27年度は41名となっております。
 また、各種の専門職員についても配置を進めており、困難な事案への的確、迅速な対応のため、これまで子ども女性相談センターに配置されていた警察官OB1名に加え、今年度から西部子ども相談センターにも、警察官OB1名を配置しました。また、児童虐待やDVに関する法的に高度な判断を要する事案が増加しているため、新たに嘱託員として子ども女性相談センターに、弁護士を週1日配置しました。さらに、子供の安全を確保するなどの理由により一時保護が必要になった場合の学習の支援や、児童虐待や非行などに関する学校との連携強化を図るため、新たに教員OB1名を配置したところです。
 また、児童相談所では常に子供の最善の利益を考慮した援助活動に努めておりますが、児童虐待相談への対応に当たっては、虐待を受けた子供だけでなく、保護者に対しても働きかけを行い、家族機能の回復や虐待の再発防止を図ることが必要であります。そのため、児童福祉司などの専門職員が援助方針を保護者に説明するなど、保護者に対する相談や支援も行っております。また、一時保護を行っている場合には、子供の状況について、保護者にできる限り説明もするようにしております。
 さらに、虐待をした方やDVの方からの相談に応じる中で、やめなければいけないと思いながら虐待してしまうなど、どう接していいかわからないといった悩みに関して、専門家による心のケアを受けることが適当な場合は、随時、児童相談所が委嘱した精神科医や臨床心理士による継続的なカウンセリングを行う体制をとっております。


岡野委員  私が先ほどから申し上げているのは、親御さんやDVをする方のケアが必要だということであり、それに対応する専門職が少ないということなのです。
 私の家では25年ほど前から、虐待を受けたお子さんをお預かりする専門里親をやらせていただいており、児童相談所の体制や、児童相談所の方たちが一生懸命活動されていることは存じ上げています。しかし、児童虐待では大体の場合において親御さんに何らかの課題があり、その課題を解決するための人員が不足しているのではないかと以前から思っていたのですが、今、さらに問題が複雑化している中で、十分に対応できていないのではないかと思っています。
 具体的なことを申し上げますと、昨年、ある女性がDVを受けていて、子供と一緒に逃げたいという相談を受けました。そのときに、私の母が直接、児童相談所に送っていったのですが、そのときの児童相談所の方の対応に問題があったと思っています。タクシーで来いと行ったのに来なかった、直接送って要らなかったのに、と言われたのですが、1歳の赤ちゃんを抱えた、それも暴力を振るわれる男性から逃げていくという中で、お金がないという相談を受けたら、児童相談所から迎えに行くのが普通ではないかとさえ思います。しかし、送っていった者に対して、タクシーで来いと指導をしたのに、送ってくるということは何だと言われたのです。それにはいろいろな事情があると思いますが、子供と日々接することはなれているのかもしれないのですが、大人ときちんと話ができるだけでなく、心のケアまで至れるといった環境を構築するのに、少し課題のある職員もいるのではないかと思っています。
 最近も、そういった相談を受けて児童相談所の方とお話しするときに、行き違いが幾つかありました。そうしたことは日々の業務の中で発生することはあるとは思うのですが、虐待にかかわったり、DV相談を受けた最初の段階から、そうした行為を受けている人と、その行為をしている人の両方への心のケアが必要だと思っておりますし、里親の方たちやいろいろな形で児童相談所とかかわる社会資源になっている人たちとのかかわり方についても、これまで以上に研修等を行い、有資格者の配置を進めていかなければいけないと思っています。
 先ほど、10年前の数字と現在の数字をお答えいただきましたが、相談件数や対応件数の増加と比較して、十分な比例はしていないのではないかと思っております。今回、児童虐待件数が32%も増加したということでありますので、来年度の人事においては、有資格者の増員、加配は必ず必要だと思っております。これは要望です。
 また、子供を虐待してしまう大人や、何らかの心理的な圧迫や暴力を直接的に行ってしまう人に対する支援プログラムの作成などを、ほかの自治体では行っておりますので、そうしたものの作成状況についてお聞きします。


吉田子育て支援課長  児童相談所の職員体制につきましては、これまでも人員増や研修等の充実に努めてきたところでございますが、引き続き適正な配置となるよう努めてまいりたいと考えております。


岡野委員  加害者への支援プログラムの作成についてはいかがですか。


吉田子育て支援課長  現場である児童相談所と相談して、よく考えてまいりたいと思います。


岡野委員  家族の再統合においては、心理士を活用しているケースも多々あると聞いておりますが、相談の最初から心理士によるカウンセリング等への指導やアドバイスをすることは少ないと聞いておりますので、最初からそういう方と連携ができるような体制をつくっていただきたいと要望します。
 また、一時保護の延べ人数もふえていると聞いております。平成21年から平成25年を比べたグラフを手元に持っておりますが、平成21年の一時保護した延べ人数が、日数が822日であったのが、平成25年には1,384日に延びております。ということは、一時保護所が手狭になってきているのではないかと考えますが、その広さ等について不足はないと考えておられますか。


吉田子育て支援課長  現在のところは一杯になっているとは聞いておりませんが、場合によっては一時保護所以外の施設やお世話になっている里親さんにお願いする、また、DVであればホテルを活用するなどの対応ができていると考えております。


岡野委員  私が高松市議会にいたときに、十分な場所が確保できなくて他県にお願いしたケースもあると聞いたことがありました。時として足りないこともあると聞いておりますので、そのあたりを十分に検討されて、今後どうするべきかという方針を出していただきたいと思います。
 虐待を受けるなど社会的養護の必要なお子さんと過ごしておりますと、そういうお子さんが社会に出た後、誰も頼ることができないという状況の中で、一生懸命成長して大人になっても、自分が家族をつくるときに大きな苦労を抱えるなどのケースが多くあります。小さいころに、親でなくても親に近い存在の誰かがその子供たちの成長に責任を感じて、子供たちと一緒に過ごすなど十分に対応ができていれば、その子の将来は大きく変わってくると思いますし、その子供たちを養護できないお父さんやお母さんにも、子供のころから何らかの課題があったのだと思っています。
 子供たちは地域の、そして日本の財産でありますので、その子供たちがひとりで心細く生きていくことがないように、家族を丸ごと支えられるような児童相談所体制をつくっていただきたいと強く要望をいたします。
 次に高松以東の精神科患者の救急搬送についてお聞きします。
 平成23年であったと思いますが、精神疾患の患者が320万人を超え、がんや脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病に加えて、精神疾患も医療計画に含める5大疾病となりました。そこで、香川県では、坂出回生病院を精神科の拠点病院としているということで間違いないか、お聞きします。


野本健康福祉部長  岡野委員の質問にお答えします。
 坂出市の回生病院が平成22年度に身体合併症の拠点病院として指定されております。


岡野委員  高松市では、今、市民病院が精神科病棟を持っていますが、約8年前から、今度新しく建て直して仏生山に移転する市民病院では、精神科病棟は設置しないことが決定をしておりました。時を同じくして、県立中央病院も移転建てかえの時期になり、高松市医療圏の中で、公立の総合病院の中の精神科病棟がどうなっていくのかということが、市民の皆さんの大きな不安であったのですが、その対応について、これまでどのように検討をされてきたのかお聞きします。


野本健康福祉部長  岡野委員の質問にお答えいたします。
 委員の御指摘のように、平成20年にさぬき市民病院が精神病床を廃止し、高松市民病院では、移転整備後の新病院において精神病床を廃止する方針と聞いております。近年、病院勤務医の確保が難しくなってきており、特に公立病院における精神科医師の不足が深刻な状況にあることが、この背景にあると考えております。このように精神病床を有する総合病院が減っており、特に高松・大川圏域において、身体合併症の精神疾患患者の診療体制の確保が喫緊の課題となっていると認識しております。
 これに対して、県では香川大学と連携して、精神科医師確保に向けた取り組みを進めますとともに、高松・大川圏域の総合病院や精神科病院、大学等との関係機関で構成する「香川県地域精神科医療連携体制推進協議会」が昨年11月に策定した、「地域精神科医療連携体制推進に係る対策指針」を踏まえ、総合病院と精神科病院との間の連携を促進するなど、身体合併症の精神疾患患者の診療体制の確保も含め、精神科医療が適切に提供されるように努めております。


岡野委員  さまざまな具体的な方策をされているというのは存じ上げておりますが、この40万人を抱える高松市内において、公立病院の中で精神科の病棟がなくなってしまうということは、ゆゆしき事態ではないかと思っています。
 先ほども述べましたように、糖尿病での死者が日本全国で年間1.4万人という中で、自殺者は3万人を超えており、その中の多くの方が精神的な何か疾患を抱えている場合が多いとのデータがあります。さらに、精神病そのもので亡くなる方が1.1万人という数字もあり、認知症や鬱病の患者さんがふえていることも、新聞報道などで社会現象化している状況です。
 その中において、私は高松市議会において、合併症患者だけでも救急で受け入れてくれるようにと市民病院と話し合いを続けた結果、今の計画では、新設される高松市民病院において、4床だけ合併症患者を受け入れることになっております。しかし、高松市で40万人、東讃地域を入れたら70万人近い人口の中で、それで十分に合併症患者を救急搬送で受け入れられるのか疑問を感じています。
 厚生労働省が出している精神科の医療計画の中で、5つの留意すべきこととして「予防・アクセス」、「治療・回復・社会復帰のプロセスの確保」、「鬱病の対策」、「認知症対策」、「精神科救急・身体合併症の患者の搬送先の確保」となっております。そうした中では、今、厚生労働省が出している医療計画の留意すべき点が、十分に守られている状況にはないのではないかと感じています。医師不足が深刻な状況であることは存じ上げていますが、香川県民の安全や安心においては、今の体制では不十分なのではないかと思っています。
 次期医療計画において、この点についてこれまで以上に努力をされたり、新たに考えている内容についてお聞きします。


野本健康福祉部長  岡野委員の質問にお答えします。
 次期医療計画につきましては、今後策定することになりますので、その際に検討することとなりますが、御指摘のように精神科医師不足が深刻な状況にあることは、私どもも十分認識しておりますので、精神科医療が適切に提供されるように、今後とも進めてまいりたいと思います。


岡野委員  事業概要の中にも、精神科救急拠点病院を県立丸亀病院に置き、処遇が困難な患者や精神科輪番病院で対応ができなかった患者の受け入れを行う、また、身体合併症拠点病院の回生病院において、身体合併症患者の受け入れを行うとなっています。したがって、香川県西部では受け入れ可能な体制は築かれていると思いますが、高松以東では、先ほど協議会が立ち上がっているというお話でございましたが、今後、どのようにしていくのかということを、さらに深めて検証をしていただきたいと思います。
 今さらではありますが、県立中央病院か高松市民病院のどちらかに精神科病棟が必要だったのではないかという思いがしていますが、当時、中央病院の院長でいらした病院事業管理者はどうお考えでしょうか。


松本病院事業管理者  中央病院につきましては、県の基幹病院として高度特殊医療や救急医療センターの機能を担うなど、高度急性期医療の提供を主な役割としており、移転前の病院においても精神科は設置しておりませんでした。新病院におきましても、より一層の機能特化と重点化を図っていくために、現在のところは精神科を設置する予定は考えておりません。
 身体合併症の患者への対応に関しては、中央病院では高度急性期医療を担う病院として一定の患者の受け入れは行っており、受け入れに当たっては身体症状のみならず、患者の精神状況や認知能力に関する情報の把握に努めて、患者の状態に応じた薬剤の使用や看護に留意しながら身体疾患の治療を行い、症状が安定した段階で精神科の医療機関に転院していただくといった対応は、現在も行っております。


岡野委員  精神統合失調症等が重くなると、隔離病床や病棟がなければ身体合併症があっても十分な診察ができないケースもあると聞いており、市民病院が移転後につくる4床は、そうした患者に対応できるものになると聞いております。今は県の西部に精神科の先生方が集まった状況ですが、今後もそれでいいのでしょうか。これ以上、精神科の先生方の確保はできないとなったときに、県の中心部である高松に先生方に来ていただいて、別の形で合併症の患者を診察できる充実した病院をつくる、あるいは既存の病院にその機能をつけていくなど、いろいろ考え方はあると思います。
 先ほどから何度も申しておりますが、精神疾患を抱える患者さん、身体合併症の患者さんが、今後、ますます増えてきたときに、高松以東でも十分に対応ができるような措置について、次の医療計画でその答えを出していただきたいと要望をして、質問を終わります。


谷久委員  私から、3点お聞ききします。
 1点目は、香川県の子供の困窮対策推進計画についてお聞きします。
 厚生労働省の平成25年度国民生活基礎調査によると、我が国の子供の貧困率は16.3%であり、過去最悪の数値を更新したと言われています。子供を育てながら一生懸命に働いても収入がふえないといったことは、メディアなどで多数報道されており、大変な御苦労されている母子家庭の方もいらっしゃいます。
 そうした家庭に支援の手を差し伸べる必要があると考えておりますが、国では去年、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行され、さらに、子供の貧困対策を総合的に推進するための大綱が策定されたところであります。国や地方公共団体等を発起人とする、子供の未来応援国民運動の発起人集会が総理官邸で開催され、その中で応援のためのネットワークを構築するため、民間資金も入れながら、基金の活用をして各種支援事業を展開していくことになると思います。
 県では、本県の子供の困窮対策についての計画を、関係機関や学識経験者の意見を聞きながら策定を進めているとお聞きしておりますが、今後どのようなスケジュールで進んでいかれるのかお聞きします。
 次に、2025年の必要病床数の試算値についてお聞きします。
 先月15日、国は有識者による専門調査会を開催し、2025年時点において必要な病院のベッド数に関する報告書を出し、新聞等でも最大20万病床削減との話が大きく取り上げております。確かに病床数が多くなると、不必要な入院や長期療養者がふえて、医療費がかさみやすいということもあると思うのですが、病床数に地域格差があるのではないかとも考えられます。
 それぞれの地域にそれぞれの事情がある中で、医療費の抑制のためだけに全国一律の考え方で病床数を削減するのはいかがなものかと思っております。そのように何でもカットしていくのは本当に乱暴な話であり、例えば私の地元の小豆島などでは、年配の方がふえる中で病床数を削減したら、削減分は全部、家庭で対応するのかという話になります。そういった地方の実情を考慮しないで、病床数だけ削減していくことは、あってはならないことだと感じております。
 国の発表した報告書を見ると、2025年時点で必要な全国の病床数は115万から119万床程度で、2013年時点の実績134万7,000床より16万から20万床ぐらい少なくなるという推計を出しています。香川県に係る推計数値を見ますと、2025年の必要病床数は9,900から1万100床程度になっており、2013年の病床数の1万3,900床と比べると、約3,700から4,000床ぐらい少なくなっています。
 県では、今後、地域医療構想を策定することになっておりますが、2025年に目指すべき医療提供体制を定めると同時に、今回、国が発表した2025年の必要病床数の試算値をもとに、それぞれ計画を策定していくと思います。その中で、最大4,000床もの大幅な病床削減ありきの内容を策定していくのかということをお聞きします。


野本健康福祉部長  谷久委員の質問にお答えをいたします。
 まず、子供の貧困対策でございますが、委員の御指摘のように、子供の貧困についての状況が深刻化する中、昨年、「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行され、あわせて「子供の貧困対策に関する大綱」が策定されたところでございます。
 これを受けて、本県におきましても、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、子供の貧困対策を関係機関との連携のもと、総合的に実施していくことが重要な課題であると認識しております。このため社会福祉や教育関係団体の代表者、大学教授などで構成する「香川県子どもの貧困対策検討委員会」を設置して、熱心に御議論いただき、計画の素案を取りまとめたところでございます。
 素案の内容ですが、子供の貧困に関する現状や基本目標、指標、施策の具体的な取り組みなどについて盛り込んでおり、計画期間を平成27年度から平成31年度までの5年間としております。
 具体的な中身としては、子供の貧困に関する本県の現状として生活保護世帯や児童養護施設等の子供の数、さらに、ひとり親世帯の収入などについて示すとともに、そうした状況を踏まえて、基本目標を「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることなく、すべての子どもたちが夢と希望を持って成長できるかがわづくり」としております。
 また、「生活保護世帯に属する子供の高等学校等進学率」や、「ひとり親家庭の親の就業率」といった19の指標を盛り込んでいるところです。
 具体的な施策としては、「教育の支援」、「生活の支援」、「保護者に対する就労支援」、「経済的支援」の4つの支援を柱としております。
 「教育の支援」として、奨学金の貸し付けなどによる経済的負担の軽減や、生活困窮世帯等への学習支援などを盛り込んでおり、「生活支援」として、生活保護法や生活困窮者自立支援法に基づく各種支援などを盛り込んでおります。また、「保護者に対する就労の支援」として、ひとり親家庭の親の就業を促進するための就業支援サービスの提供などを盛り込んでおり、「経済的支援」として、児童扶養手当や母子福祉資金貸付金等によるひとり親家庭への支援などを盛り込んでおります。
 こうした施策に関して、関係各部局、関係各課が連携して取り組むことによって、子供の貧困対策を総合的に推進してまいります。
 今後の手続でございますが、この素案につきましては、来週の月曜日から1カ月間、パブリックコメントを実施して、県民の皆様の御意見を受けました上で最終案を取りまとめて、来月に開催を予定している検討会での審議を経た上で、計画の策定を行いたいと考えております。
 続いて、2025年の時点での必要病床数についてお答えいたします。
 国が発表した2025年の必要病床数の試算値ですが、ことし6月15日に内閣官房専門調査会で報告されたもので、ことしの3月31日に厚生労働省で定められた地域医療構想策定ガイドラインの中で示された試算方法を、一定の仮定をおいて機械的に全国の人口推計等を代入して計算しており、参考値としての位置づけであると伺っております。
 今回、県が策定することとされた地域医療構想につきましては、地域の実情に応じて、都道府県、医療関係者等が話し合い、将来の医療需要の変化の状況を共有し、それに適合した医療提供体制を構築するためのものでございます。具体的には、2025年の医療需要に対応した、高度急性期、急性期、回復期、慢性期といった機能ごとの病床の必要量を定めることとされております。
 これに関して、先般、策定のためのデータが国から提供されたことで、今後、このデータについて必要な分析を行った上で、関係者の意見を聞きながら、地域医療構想を策定してまいりたいと考えております。なお、この地域医療構想でございますが、その実現に当たりましては、稼働している病床を強制的に削減させる権限は都道府県知事に与えられてはおりませんので、あくまで当事者間の話し合いによって、将来の医療需要に対応できる医療提供体制を構築するものとされております。


谷久委員  子供の貧困対策に関して、経済的な面や、精神的なケアなどで総合的にバックアップしてくというお話しいただいたと思うのですが、それに基づく具体的な内容やスケジュールは、おおむね部長が話されたとおりだと思っております。しかし、何かを実行するときに、机の上で考えてやりますと言うだけでは、必ずしも実行できない場合もあるわけです。こういったすばらしい計画を立てるのであれば、絵に描いた餅にならないようにしていただきたいと思っております。
 今回、この計画に盛り込まれる子供の貧困対策のための支援制度を、必要とする方に活用してもらうことは、本当に大事なことだと思いますので、きちんと活用してもらうためにどのように動いていかれるのかお聞きします。
 次に、国の発表した2025年の病床数の話では、医療費の総額を削減するために、機械的に病床数をカットしていくといった短絡的な考えではないかと思っています。県が策定する地域医療構想では、国が発表した機械的な試算値とは異なり、地域の実情に応じた、2025年における医療事情に対応した病床数を定めるという部長の答弁でしたが、地域医療構想ではどういった内容のものを、どういった方法で策定をして、実現に向けてどのような形で取り組んでいかれるのか、スケジュールを含めてお伺いします。


野本健康福祉部長  谷久委員の再度の質問にお答えします。
 委員の御指摘のとおり、計画をつくっても絵に描いた餅にしてはいけませんので、計画策定後に毎年度、施策の実施状況について検証を行いたいと考えております。この結果については、検討委員会に報告するとともにホームページ等で県民への周知を行いたいと考えております。
 また、社会情勢の変化や法改正の状況などを踏まえながら、新たに盛り込むべき施策が生じた場合は、計画の改定を行っていきたいと考えております。活用につきましては、先ほど説明した子供の貧困対策の施策に関する事業等についてまとめた冊子を作成して、配布する予定としております。この冊子が支援を必要としている方のもとに着実に届くように、あるいは記載した事業を有効に利用していただくために、庁内関係部局はもとより、市町、関係機関などと連携して、今後、配布先や配布方法等を十分検討してまいりたいと考えております。
 続いて、地域医療構想の内容と、その実現に向けた取り組み等についてお答えします。
 地域医療構想の内容としては、まず、2025年における疾患別や入院・外来別の患者数などの医療需要を定めることとしております。それから、2025年に目指すべき医療提供体制を定めることとしており、さらに、目指すべき医療提供体制を実現するための施策の内容を定めることとしております。
 この地域医療構想の策定・実現に当たりましては、言うまでもなく、医療関係者や住民等の御理解をいただくことが必要ですので、先ほど申しましたように、国から提供された将来の医療需要を推計するためのデータ等を用いて、客観的で信頼性の高い推計を行うとともに、医療関係者、有識者等で構成する地域医療構想策定検討会を設置して、地域の実情に応じて必要な分析を行った上で、透明性の確保に留意しつつ協議・検討を行って、県議会の御意見を伺いながら、地域医療構想の策定をしたいと考えております。
 また、策定に当たっては、構想区域ごとに地域医療構想調整会議を設けて、地域医療構想の達成を推進するために必要な事項について協議を行うこととされております。地域医療構想調整会議は国のガイドラインによりますと、医師会や歯科医師会、薬剤師会、看護協会、病院団体、医療保険者、市町村など幅広い方たちがメンバーとなることが望ましいとされておりますので、こういったところを参考にしながら、調整会議を開催して、全体の意見をまとめていこうと考えております。
 なお、構想区域につきましては、先ほどの策定検討会で議論する必要もございますが、2次医療圏を基本とすることを、現在、検討しております。
 続いて、地域医療構想の策定時期につきましては、策定検討会や調整会議における議論、国からの情報提供や他県の状況等を踏まえながら、平成28年度の半ばごろまでに地域医療構想の策定を進めたいと考えております。
 また、構想の策定後にどう実現するかが重要となりますが、毎年度の病床機能報告制度による集計数と、構想で定めた必要病床数を比較した上で、構想区域内の医療機関の自主的な取り組み、調整会議を活用した医療機関相互の協議、さらに地域医療介護総合確保基金の活用による取り組みなどによって、構想の実現を目指してまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、本県においては病床機能分担とあわせて、病床の介護施設等への転換、在宅医療の充実、地域包括ケアシステムの構築も推進しており、2025年に各地域において良質かつ適正な医療を効率的に提供することを目指して、医療や介護の関係者等と協議・検討を行うとともに、県議会の御意見も伺いながら、目指すべき医療提供体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。


谷久委員  先ほどの子供の貧困対策については、皆さん一律に、子供は日本の宝であり地域の宝であるとおっしゃっていただいています。その気持ちは皆さん一緒だと思いますし、こういった貧困は、世代で連鎖的に続いていく可能性もなきにしもあらずだと思いますので、子供の将来がその生まれ育った環境に左右されないように、支援づくりや体制づくりをしていきながら、今回、策定している計画に基づいて着実に実施をしていただければと思っております。これは要望とさせていただきます。
 また、先ほどの2025年度の病床の試算値ですが、地域医療構想の策定や、その実現に当たっては在宅医療や地域包括ケアシステムの構築など、取り組まなくてはいけないテーマが多々あると思います。その中でも、これから高齢化社会を迎えるに当たって、医療と介護は切っても切れない話だと思っていますので、そういったところも十分に勘案いただいて、病床数の削減ありき、医療費の削減ありきで考えるのではなく、県民の皆さん方が不安を感じることなく、この私たちの香川県で安心して住めるように、その受け皿となる介護施設や高齢者の住宅を含めた在宅医療の充実に努めていただきたいと思っております。
 質問の3点目に、小豆の公立2病院の医師確保についてお聞きします。
 小豆島の中央病院は、去年7月に着工してからほぼ1年がたち、今、6階建て建物の工事が日に日に進んでいる状況で、いよいよ小豆島の基幹病院ができるのだと、胸を膨らませているところです。
 ただ、実際にこれから病院を統合するに当たって、電子カルテ等の医療情報システムの導入など、いろいろとやらなければならないことがあると思います。その中で、医師の数自体が慢性的に不足しており、予定されている診療科目は多いのですが、その診療科目の分だけお医者さんが本当にいらっしゃるのかという心配をされている島民の方々もいるわけです。ドクターがいないということは、病院自体の収益が下がってくるのも、明白な事実であります。
 こういった現状を踏まえながら、今、土庄中央病院と内海病院の医師不足をどのような形で認識をしていただいているのか、お聞きします。


土草医務国保課長  小豆島の公立2病院の医師確保についての御質問にお答え申し上げます。
 まず土庄中央病院の常勤医師の状況についてですが、平成26年4月と比較すると、10名から8名へと2名減少しております。このため、当直体制など大変厳しい状況であると認識しております。土庄中央病院の各医師の尽力や、県立中央病院等からの研修医の派遣により、新病院の開院まで残る最後の1年の診療継続に努めていただいていると聞いております。一方、内海病院の常勤医師の状況についてですが、ことし3月に小豆島町及び小豆島中央病院企業団と香川大学医学部との間で寄附講座として地域医療再生医学講座が設置された結果、平成26年4月と比較して、13名のままで医師数の変化はございませんでした。
 この地域医療再生医学講座ですが、小豆医療圏域において、全国的に地域間、診療科間での医師偏在により地域医療崩壊の危機に直面していることから、地域医療を担う効率的な医師の養成等に関する実践的な調査研究を行い、地域医療の再生に向け、小豆医療圏域の患者さんが良質かつ適切な医療が受けられる環境の整備に寄与することを目的に設置されたものでございます。
 具体的には、平成27年度から31年度までの5年間において、香川大学医学部から専任教員として3名の医師の方が、この4月から1年間は内海病院へ、来年度からは新病院に派遣されて、研修と診療に当たることになっております。土庄中央病院及び内海病院については、外科医がいないという厳しい面はありますが、この寄附講座の設置により、医師不足が少しでも解消できるものと期待しております。


谷久委員  先ほども申し上げましたように、お医者さんの確保ができないと、収益にもかかわってくる話なのです。実際にこのままでは、今の医療体制が保たれているのは、もちろん香川県の皆さん方や香川大の協力もありますが、やはり現場の先生方の気持ちでもっていると思うのです。
 例えば救急車での救急患者の場合、小豆島には内海病院と土庄中央病院の2つの病院があり、ドクターが減っているにもかかわらず、救急搬送した割合は変わっていないのです。普通はドクターがいらっしゃるところに、その分だけ救急搬送で行くはずなのですが、土庄中央病院と内海病院では、基本的には救急搬送のパーセンテージが変わっていないのです。ということは、土庄中央病院のドクターは、それだけ自分たちの体を削ってやっているわけです。
 前にも申し上げたように、内海病院に3人派遣されるのであれば、土庄中央病院では救急体制もままならないという状況もあるので、1人ぐらい回してくれれば、こちらの病院のドクターがもう少し楽な勤務体制になるのではないかと考えることが多々あります。最終的には、この1年をいかに先生方に頑張っていただくかが、大きなテーマとなってくると思います。
 こうした中で、先ほどの寄附講座等も含めて、公立の2つの病院の医師確保について、今年度に何らかの形で支援していただかないと、小豆島の医療は崩壊しかねないと思いますので、どのような支援体制を考えているのかお聞きします。


土草医務国保課長  小豆島の公立病院への県としての支援についての御質問にお答えいたします。
 県では、昨年度に引き続き今年度も、島嶼部医師UJIターン事業を実施しております。これは島嶼部の医療機関に見学に来られる県外の医師に、その旅費等の補助を実施するものでございます。
 また、両病院で開業医の先生方が夜間や休日に診療に従事された場合に、両病院が当該医師に支払う経費の一部を補助する、開業医による応援診療体制整備事業を、昨年度に引き続き実施しております。
 また、自治医科大学の卒業医師についても、土庄中央病院に2名、内海病院に2名配置しております。
 さらに今月の10日から12日まで、福岡県で日本周産期・新生児医学会が開催されており、こうした全国規模の学会及び移住フェアへの出展、医師向けの雑誌への求人広告の掲載などを通じて、小豆島の医師確保について広くPRしてまいりたいと考えております。


谷久委員  去年に引き続いてUJIターンなどで、医師の確保に努めていきたいと御答弁いただいたのですが、実際にお伺いしてみると、問い合わせや1回行ってみようかという話はあると聞いております。
 ただ、最終的には先生自体が住んでもらってという話になると思いますので、そのための環境整備があって初めて、ここで働こうかという気になられると思うので、小豆島はいいところだということを存分にPRしていただくとともに、ほかにもお医者さんが足らないところもあるのではないかと思いますので、香川でそういったお医者さんが活躍できる場所が多々あるということを全面的に打ち出して、医師確保に努めてもらいたいと思います。
 あわせて、今、新病院も建設が進んでおります。県立中央病院も減価償却がありながらこれから5年、10年ぐらいが最も大変な時期なのではないかと思いますが、小豆島の新病院も、最初の5年から10年が大変厳しい経営状況になるのではないかと思っております。
 医師確保等も含めて、これから2つの町がその病院を運営していくという形にはなるのですが、やはり香川県も積極的にかかわっていただかないと、この病院は運営するのが大変だと思いますので、そうした償却の部分等も含めて支援を検討していただければと思っております。今後、新しい病院の支援体制について、私もこれからも質問させていただきますし、いかにして、その地域の医療を守っていくかということについて、議論を深めていきたいと感じています。
 新しい病院への財政的な支援と、あわせてドクターの確保を再度お願いして、質問を終わります。


大山委員長  暫時休憩いたします。
 午後は1時から再開いたします。
 (午前11時49分 休憩)
 (午後 1時06分 再開)


大山委員長  それでは、おそろいになりましたので再開をいたします。
 質疑、質問を続行いたします。


白川委員  2点質問をさせていただきたいと思うのですが、その前に1つ、突然で申しわけないのですが、待機児童についてお聞きします。
 きのう、わが党の樫議員が、保育所になかなか入れないという方の付き添いで高松市役所へ行ったのですが、今現在で、もう100人以上を超えて待機児童がいるということで、もう認可保育園には入れないから、無認可の保育園に行ってくださいと言われたということなのです。樫議員も長い議員人生の中で、無認可へ行けと言われたようなことはかつてないと怒っていましたが、5月14日の新聞報道でも、4月1日の時点で県内に保育所に入れない待機児童が129人いると発表されています。
 この間も待機児童について、保育士の求人や求職者のマッチングをしていく保育士人材バンクの活用などで対応されてきたと思いますが、年度初めから100人を超えて待機児童がいるということなので、そのバンクの事業についても、なかなか効果があらわれていないのではないでしょうか。待機児童のカウント方法が変わることで、対象者数が変わったというところもあるとは思うのですが、今後、どのように対応されていくのか、そこを御答弁いただきたいと思います。


野本健康福祉部長  白川委員の待機児童対策についての御質問にお答えいたします。
 委員が御指摘されましたように、ことし9年ぶりに待機児童が129人発生しております。これについては委員の先ほどお話しにもありましたように、厚生労働省が定めた待機児童の定義に、新たに保護者が求職活動中であることが含まれたことが主因であると考えておりますが、保育士不足により保育所での受け入れに制約が生じていることも事実であろうと考えております。
 このため、こちらも委員のお話にありましたが、平成25年8月2日に、県の社会福祉協議会の中に保育士人材バンクを新たに開設して、ことし4月末日現在で、保育士資格を持ちながら保育所等で就労していない、いわゆる潜在保育士を中心に231人が登録中であり、これまでに74人の方が就職しております。また、登録者を対象とした復職支援研修会を年4回開催することとしております。
 一方、ハローワーク、市町、保育関係団体とも連携して、保育所への就職を希望する求職者や保育事業者を対象として、就職相談会を今年度も引き続き実施することとしております。この相談会につきましては平成23年度から実施しておりますが、これまで266人の参加をいただいて、うち31人が再就職に至っているところでございます。
 また、待機児童の発生が予想される市町が、年度途中に生じる低年齢の待機児童を受け入れるために、指定した特別対策保育所にあらかじめ保育士を配置した場合に、人件費の一部を補助する待機児童対策補助金について、今年度から補助対象に准看護師を新たに加えるよう制度を拡充したところでございます。
 県としましては、今後とも市町、保育関係団体と緊密に連携して、保育所における児童の受け入れ体制を拡充することで、年度途中の待機児童の解消も含めて努めてまいりたいと考えております。


白川委員  その対策をしても、それがなかなか機能せずに、年度初めから100人を超える待機児童が生まれているということについて、今からどういった対策をするのかということをお聞きしたのです。
 急な質問なので難しいと思いますが、待機児童の定義が変わることはわかっていたことなので、急にカウントの仕方が変わって、それで生じているということではないわけです。それについてこれからどう対策をされるのか、待機児童が生まれていることについてどう思われているのか、その辺だけでもお答えいただけますか。


野本健康福祉部長  白川委員の再度の御質問にお答えいたします。
 先ほどは、これまでの取り組み等を御説明しましたが、今年度から新たに保育士養成施設に対する就職促進支援事業、保育士人材養成Uターン促進事業などを実施することにしておりますので、保育士のこういった事業を活用しながら、保育士の確保を一層図ってまいりたいと考えております。


白川委員  認可保育園に入れないのであれば無認可へ行ってくださいといったことを、平気で言うような状況が生まれていますので、この間も私たちも要望をし続けてまいりましたけど、認可保育園の充実を今後も課題として、今年度、真剣に考えていくということもぜひ行っていただきたいと思います。
 今、こういう少子化の時代であり、本当に地方では子供がいないという状況のもとでも、こうした待機児童が生まれるということが地域にとってどういうことなのか、そのことをしっかりと考えていただきたいと思います。要望にしておきます。
 通告しておりました質問の1つ目、介護保険についてお聞きをします。
 第1号被保険者である65歳以上の介護保険料は制度開始の2000年の基準額が全国平均で月額2,911円でありました。それ以降上昇し続けて、ことし4月の全国平均が月額5,514円になり、開始時の倍近い負担になって高齢者の生活を脅かしております。
 まず、介護保険料の軽減についてお聞きしますが、第6期計画の介護保険料がどんどんと高くなってきていいます。そういう中で、香川県内でも17の市町の基準月額の平均が5,636円となり、前年比で441円、8.5%増となっています。今回、坂出市を除いた16市町が増額したわけですが、最高額が綾川町の6,300円、引き上げ率も31.3%ということで、高松市でも6,125円、三木町で6,100円となり、3市町で6,000円超えという状況になっております。県の平均が2000年度の制度の導入以降、5期連続の増額で、制度導入時と比べて倍増しているという状況であります。
 6,000円を超えるといっても、これは基準額だから払えるのでないかとお考えの方もいるかもしれませんが、この基準額がどういった人が対象になるのかと申しますと、本人の住民税が非課税で、世帯内に住民税の課税対象者がおり、合計所得金額と課税年金収入の合計が年額80万円以上の方です。わかりやすく言えば、本人の年金収入が月7万円、年額84万円であっても、年収200万円ほどのワーキングプアの子供と一緒に住んでいれば、この基準額となります。ですから、一月分ほどの年金額を介護保険料として支払わなければならないという状況です。
 今後もこの保険料の増額は避けられない見込みだということも言われていますし、容易に想像できます。しかし、これでもう限界だ、これ以上の負担は無理だという声でいっぱいなのです。
 もちろん国の責任で、この介護保険料を引き下げていくのが大前提だと思うのですが、もう限界だと言っているこの県民の声に応えて、介護保険料の引き下げのために独自の努力が、今こそ必要ではないかと思うのです。
 今年度、安倍内閣が介護保険料の低所得者軽減措置のほとんどを見送ったために、自治体が補填をして減額をしようとしたところ、独自補填はできないということでストップがかかったという自治体も全国的に少なくありません。県内でも住民が払えないという現状の前に、独自の引き下げを考えようとしても、同様のことが起こり、いわば県の指導が独自補填阻害の大きな要因になったという声も聞いております。
 介護保険が創設されて以来、こうした県の指導が、県内でも多くの自治体が独自補填をやらない、あるいは、やれないという口実にもされてきたことです。県はこのような、いわゆる指導、介入を本当に行ってきたのでしょうか、お答えいただきたいと思います。


中井長寿社会対策課長  白川委員の介護保険の保険料の低減についての御質問にお答えします。
 介護保険料は、申すまでもなく、国民共同連帯の理念に基づき、社会全体で介護が必要な人を支える社会保険の制度でございます。そうしたことから、その負担については公平に負担すべきものと法律でも定められております。
 また、公費負担につきましても、介護保険法により50%は公費負担でございますが、その負担割合も法律によって、100分の12.5は市町が負担すると法律で定められております。また、市町の介護保険財政が苦しい場合について、財源不足の際の借り入れの措置として、財政安定化基金の制度を設けているところでございます。
 このように介護保険制度では、その法定の負担割合を超えての一般財源の投入は予定されていない制度でありまして、共同でお互いに支え合うという理念のもとで、今、運営されているところでございます。


白川委員  教科書どおりの回答をいただきましたけれども、では、介護保険料に対する自治体の独自減免は法令上、禁止されていますか。介護保険の法令上に、法定分を超える一般財源からの繰り入れを禁ずるといった規定がありますか。あれば、どこか教えてください。


中井長寿社会対策課長  お答え申し上げます。
 法令上で明らかに禁じている規定というのはございません。今、申し上げましたのは、制度の趣旨、それから社会保険という給付とその負担のその明確化のところから申し上げているものでございます。


白川委員  法令上、禁止はされていないのですね。それは国も認めておりますので、そのとおりだと思います。なのに、かねてから厚生労働省は介護保険料に対する自治体の独自減免については、独自補填はできないという見解を自治体に通知もしております。これは法律上どうなのか、県としてどうお考えになりますか。


中井長寿社会対策課長  委員が御指摘のとおり、法律上で禁止している規定ではございませんので、強制力はないと存じております。ただ、社会保険という高齢者をお互いに支え合うという理念のもとに、保険料で負担いただくと決めた割合を超えた市町の負担につきましては、その部分をほかの世代に転嫁することにもなりますし、繰り返しになりますけれども、給付と負担の関係が不明確になるということで、社会保険という制度上、やはり適当ではないと考えております。


白川委員  次の世代に転嫁をするとおっしゃいますけれども、このままでも保険料はどんどん引き上がっていくわけです。そうなりますと、結局のところは転嫁の仕方が違うということだけで、どこで負担をするのかということにもなってくると思うのです。
 自治体が独自に減免を行うということは、法律上も禁止をされていないということは確認しました。国が約束していた保険料の軽減を見送っておいて、自治体に独自の減免をやるなというのは、やはりおかしいと思うのです。これは多くの方からそういう声が出ており、それは当然だと思います。高過ぎる保険料の引き下げを求める住民に声に押されて、市や町も何とかしないといけないと足を踏み出す努力しようとすると、ストップをかけられるということです。
 先ほども言いましたが、やはり国が低所得者の軽減措置を実施すると言っておきながら、その大部分を一方的に延期した。そのために自治体がやむなく軽減を行うことは、住民の暮らしを守る上で当然のことではないのでしょうか。それを厚生労働省ができないなどと言うことは許されませんし、それを県がそのまま国のお先棒を担ぐような態度で、指導なり介入なりをしていくということは、絶対あってはならないと思います。
 介護保険は市町が保険料を決めることになっているのですから、市町が努力をしようとするのであれば、それをとめるような介入はやめるべきではないか、県民生活を守る立場に立つことが大事ではないかと思いますが、それについて部長はどうお考えになりますか。


野本健康福祉部長  白川委員の再度の質問にお答えいたします。
 県としては、将来の介護保険制度をどうやって維持可能なものにするかということで、難しいところはあるかと思います。ただ、現在、法律の中で財源構成や給付負担割合が一定の形で定められておりますので、まずはそこを守る形での財源構成の中で運営していくことが基本ではないかと考えております。


白川委員  それでは質問をかえますけれども、介護保険と同様に、市町が保険者である国民健康保険では、多くの市町が法定外の一般会計からの繰り入れをして、保険料の軽減をしております。国保ではこれができて、介護保険ではできない、そういう国民健康保険と介護保険では、特別会計の根拠となる法令上の規定の差がどこにあるのかをお示しいただきたいと思います。


中井長寿社会対策課長  お答え申し上げます。
 法令上の規定ということではございませんが、介護保険制度を導入するに当たりまして、国保の二の舞のように一般財源が継続して負担することは避けたいということで、介護保険法の中では財源不足が生じた場合に介護保険安定化基金において貸し付け等を行う制度を設けており、その中で対応すべきものだと考えております。


白川委員  規定上ではないということでよろしいですか。


中井長寿社会対策課長  それにつきましては、申しわけございませんが即答はできません。確認させていただきます。


白川委員  それでしたら、医務国保課長はどうお考えになりますか。介護保険と国保の違いはどこにありますか。


土草医務国保課長  済みませんが、私は介護保険の制度を十分に承知しておりません。今すぐにその差についてお答えできる資料を持っておりませんので、失礼いたします。


白川委員  低所得者の法定軽減のための一般会計の繰り入れは、国保では72条の4だと思いますが規定があるので、異なる点はあると思います。しかし、国保も介護保険と同様に、必要額から公費負担などの収入見込み、これを控除して保険料を決めるやり方であって、収入見込みの中にはその他の国保事業に要する費用のための収入の規定があります。国保は法定外繰入分として、法の定める範囲を超えて市町が独自に繰り入れを行っている。国保の会計の赤字が国保料の引き上げにつながらないように、国保で補填を行ったり、独自減免の財源として活用されている。こういうことでよろしいですか。また確認してください。
 それで、介護保険でも同様に、その他の介護保険事業に要する費用のための収入が規定をされておりますので、国保と同様にこれを活用することはできるはずです。ですから、こういう形でやりたいと市や町が思うのであれば、それを県や国がストップをかけるのは、もうやめたらどうですかということなのです。
 なかなか御答弁いただけないと思いますが、県も介入をしていたということは認めるのですね。部長、そうですね。


野本健康福祉部長  今回、第6期の市町村介護保険事業計画の策定に際しては、そういった話は市町からは聞いてないところです。


白川委員  第6期云々ではなく、これまで一般財源を入れて保険料を独自に引き下げようとしたら、県からだめだと言われるということを、以前から市や町が言ってきているわけです。そこのところについては、今まで指導でないのであれば、介入的なところをしてきたのでしょう。そこはお認めになりますか。


中井長寿社会対策課長  もし一般財源の投入を相談されたとすれば、県としては法定割合を守っていただきたいということで、御理解を求めることになると思います。


白川委員  はい、わかりました。
 今回の改悪全体は何も介護保険だけではなく、午前中の質問にもありましたが、医療でもベッド数もどんどん減らすなど、医療も介護も一体的に改悪を進めて、社会保障を根幹からもう崩していくという方向だからこそ、私はここまで言うのです。このままでは県民の命や健康を守ることができません。これ以上の負担は無理だという悲鳴の前に、市や町が動こうとしているときに、それにストップをかけるようなことだけはやめていただきたいと、強く要望しておきたいと思います。
 住民の願いにどう応えていくか、それを一緒に考えていくのが県の本来の大きな役割だということを申し上げておきたいと思います。
 次に、補足給付についてお聞きをしたいと思います。
 保険料の引き上げに加えて、医療・介護総合確保推進法によって、この8月から介護保険の利用者負担が引き上げられることになります。一定所得以上の方は2割負担になると同時に、資産の保有者については補足給付の対象から外されるということです。補足給付は、施設入所の低所得者に対して、食事や居住費の負担軽減を行うもので、申請に基づき実施されております。
 昨年の介護保険法の改悪で、非課税世帯という要件に加えて、1つ目には預金等が単身者であれば1,000万円、配偶者があれば2,000万円以下であること、2つ目には配偶者と世帯が分かれている場合は、配偶者も非課税世帯であるとの要件が新たに加えられて、8月から実施をされることになりました。これに伴い、県下でも既に通帳の写しの提出などを求める通知が届いており、なぜ通帳の写しまで提出しないといけないのかとかという声や、預金は年金の少なさを埋めるためのもので、まさに生活費そのものだという声が出ており、また、ケアマネの方からも、人様の通帳を預かってコピーなんて、とてもでないけれどもできないという声が聞こえております。
 こうしたことは、預金があるのだから払えるだろうという、安易な考えで進められるものではありません。
 例えばAさんは要介護4の認定を受けて特養に入所中の方です。自営業だったAさんは年金が月額6万円しかありません。施設に住民票を移しているので、単身で住民税非課税になっており、介護保険では、非課税世帯で本人の年金収入が80万円以下であれば、第2段階として軽減措置の対象となるので、年間の年金収入が約72万円のAさんは、これに該当します。
 今まであれば、食費と部屋代の負担の限度額が、食費は本来であれば1日当たりで1,380円ですが、軽減をされて390円になり、部屋代はユニット型の個室であれば1日で1,970円が820円になので、食費と部屋代を合わせて1日で1,210円の計算になります。これを一月当たり30日で計算をすれば3万6,300円です。これに1割の介護サービスの利用料がかかりますが、これも高額介護サービス費が給付されるので、上限が1万5,000円です。
 つまり、Aさんの負担は、先ほどの食費と部屋代3万6,300円プラス介護サービスの利用料1万5,000円で、合計5万1,300円となります。施設独自の雑費負担などもありますが、総額で月に約6万円の負担ですから、何とか年金の範囲で入居をしているという状況なので、この計算であれば、預金は在宅で暮らす奥さんの生活費に充てることができるのです。
 しかし、このケースで軽減措置がなくなれば、同様の計算で月に12万円以上になり、一気に倍に膨れ上がります。こうなると、Aさんは自分の年金では特養に居られなくなります。残っている預金は、自宅で暮らす妻の生活費ですから、Aさんがこのまま入所をして、妻が自宅で暮らしていくためには、年金の収入以外に最低でも年間200万円ぐらいは必要になります。そうなれば、2,000万円ぐらいの預金では長くても10年もつかもたないかというところです。
 また、Bさんは特養ホームに入所中の方ですが、夫は既に亡くなっており、精神疾患を患う息子さんを自宅で養っていらっしゃいます。無収入の息子を養うために、夫が残した1,000万円ほどの預金を取り崩して使っていますが、倍以上の費用負担となれば、立てていた計算は大きく狂うことになります。こういう相談が私たちのところに寄せられています。
 補足給付の件について、県は県民からどのような声をお聞きしているのか、また、今回のこの制度改悪どう思われるのか、お聞きしたいと思います。


中井長寿社会対策課長  お答え申し上げます。
 今回の制度改正につきましては、8月1日からの実施でございますので、県ではまだ直接県民からの声というのは聞こえてはきておりません。今回の法改正でございますが、今後とも介護が必要な要介護認定者がふえていく、またそのサービス量の増加が見込まれていくという中にあって、保険料の上昇をできる限り抑えながら、制度の持続可能性を高めるという中にあっては、相対的に負担能力のある方に対しまして、その利用料の負担が見直されたものと理解しております。


白川委員  それ以上聞かないでおきます。
 しかし、中身もさることながら、確認の方法もひどいものです。今回の措置では本人だけでなく、配偶者の資産の把握まで行うことになります。しかし、介護保険法では、以前から銀行などに報告を求める権限は与えられているので、疑問があるのであれば、それを行使して確認すればいいだけなのです。しかし、配偶者まで含めて、残高照会の承認書の提出まで義務づけるのは、生活保護法にもないことなのです。
 これを出さないと補足給付から締め出されるというのが、大前提です。このまま本当に配偶者の同意が困難な場合などの形で、申請できないケースが出てくると思いますが、そういうケースについても、この補足給付から締め出すというお考えですか。


中井長寿社会対策課長  お答え申し上げます。
 介護保険制度は、当然必要な方がその介護サービスを利用できるというのが大前提でございますが、今回の改正によりまして、このように制度が改正になっておりますので、制度の適正な執行を図ってまいりたいと考えております。


白川委員  県の言う適正な執行というのは、この法律どおり申請してもらわなければ、対象にはなりませんという意味ですか。平たく言ってください。


中井長寿社会対策課長  委員がおっしゃるとおりでございます。


白川委員  本当に冷たいというか、厳しいですよね。少ない年金の中で暮らされていて、先ほども言ったような年間200万円ぐらいの所得のワーキングプアのお子さんと住んでいたら、そういった対象になっていくということでも、それは別な話なのですね。
 そういう暮らしの中で預金があったとしても、それは実際のところ、今から、長くても10年以内の間で自分たちの計画を立てて、あと命がどれぐらいなのかを計算しながら蓄えているお金なのです。その預金があるから、今まで受けられていた補足給付はもう受けられません、その申請はもうできませんという状況をつくり出していくことは、本当に私は涙が出るような思いがします。
 先ほども御答弁いただきましたように、今回の措置では、これから申請書に通帳の写しや残高証明などの添付をしなければ、申請要件すら欠くことになるということですから、生活保護にもない、本当に厳しい制度です。本人と配偶者との関係は、必ずしも良好とは限りません。DVの場合では提出の除外を認めるとしていますが、その判断も自治体任せでありその保証もありません。また、御夫婦ともに認知症の場合には、残高照会の承諾書を誰が提出するのか、後見人の方がいらっしゃらない場合はどうするのかということについても、課題は山積していると思います。
 多分これどうするのかお聞きしても、先ほどと同じ御答弁だと思いますので、もうあえて聞きませんけれども、これらの書類が提出できなければ補足給付は支給ができないということは、結局は補足給付を実質的に制限する、生活保護でもやっている水際作戦と同じことになりかねないという危険や懸念などが噴出しています。
 8月からの実施だから、まだ県にはそういう声が聞こえてきてないという御答弁でありましたが、こういうことが起こるのは目に見えて明らかなこの補足給付の制限、抑制をするために、こういうことをするのはやめてくれということを、国に対してもしっかりと物を言っていく姿勢が、大事だと思うのです。
 これまで世帯分離をして何とか要件に当てはまるように対策をとっていた人でも、配偶者の所得にまでに要件を加えたことになりますので、補足給付を受けられない人が出ないように、今から8月までの間にしっかりと県としても対策を考えていただきたいとお願いしたいと思います。
 部長、お答えいただけますか。


野本健康福祉部長  ことしの8月から制度が改正されるという形でございますので、現場においていろいろな課題等が今も出ているかもしれませんし、今後、生じることもあるかと思いますので、その場合については市町とよく相談の上、国ともよく情報交換をしながら、適切な給付になるように心がけていきたいと考えております。


白川委員  介護保険では最後にしますけれども、次に介護報酬の引き下げの影響についてお聞きをしたいと思います。
 介護分野は事業所に支払われる報酬が全体で2.27%引き下げられて、多くの事業所が、かつてない深刻な経営難に陥っております。私たちは、4月の報酬が引き下げられる前に、介護施設やいろいろな介護事業者の皆さん等からお話をお聞きしました。そうした中で、4月以降は経営が成り立たなくなる、閉鎖も視野に入れて考えていかなければという声も数多くお聞きをしました。
 県内の事業所の介護報酬の引き下げの影響はどうなのか、事業所数の減少などの推移や経営実態など、把握していることがあれば教えていただきたいと思います。
 それから同時に、介護職員の処遇改善の効果があらわれているかどうかを、お聞きをしたいと思います。


中井長寿社会対策課長  お答え申し上げます。
 介護報酬の改定に伴う県下の影響でございますが、平成27年4月以降における廃止事業所数や指定事業所数の推移を見ますと、例年同期と比較して目立った動きというのはないというのが現状でございます。
 もう一点の介護職員の処遇改善の状況につきましては、平成24年度から新たに加算して算定されており、8割の事業所が加算の届け出があり、平成25年度の実績としては、月額平均で1万7,000円ほどの処遇改善が実態としてなされている状況でございます。
 また、この4月からは、新たに処遇改善の新たな加算ができておりまして、その加算に届けている事業所は、全体の7割というところでございます。


白川委員  現時点では、数の上ではまだ影響は出ていないということでありますが、やはり現場では、介護報酬が引き下げられている中で、経営全体が落ち込んでいくということが心配だと言われております。今後、影響が出てくる心配があるわけですが、報酬の引き下げで経営が行き詰まってしまえば、結局のところは利用者の皆さんが一番の負担を強いられるということでありますので、前の議会のときにも私も一般質問でもお聞きしましたが、経営実態や介護職員の実態調査を、今年度、県として何としてもやっていただきたいと思います。要望しておきます。
 それから、1点だけ聞きたいのですが、先ほども介護職員の報酬が上がっていると言われておりますが、経営全体としては介護報酬が下がっている中で、毎月の給料は加算の分で引き上げられても、例えば経営状態を反映するボーナスはどうなるのですか。毎月の給料が一定上がっても、ボーナスが下がるということはないのですか。そういった対策は打たれていますか。


中井長寿社会対策課長  今回の処遇改善加算での加算の仕方は、各事業所に任せられており、基本給で上げるかボーナスで上げるかの判断も事業所の裁量に任せられておりますが、結果として、今回の処遇改善で加算された分を上げるという趣旨でありますから、どこで上がっているかは事業所ごとに違うというところでございます。


白川委員  実際はそういう可能性もあるということですよね。ですから、そういうことが起きないように、対応もお願いしたいと思います。
 しかし、介護報酬が下がっている中で、介護事業所にそれをやりなさいと言っても、それだけではできない問題ですから、そこのところも対応を含めてお願したいと思います。
 介護も医療も受けられないような方向性を進めれば、結局は施設も事業所もそこで働く人も行き詰まりになってしまいます。このような介護保険の現状は、大もとから変えていくことが必要だということを訴えておきたいと思います。
 最後に、無らい県運動の検証についてお聞きしたいと思います。
 私も、この問題を何度か取り上げてまいりました。ハンセン病の問題として、香川県に関して言えば、国は離島に大島青松園をつくり、そこにハンセン病患者を強制収容して隔離政策を進めてきました。大島青松園は、ハンセン病療養所では全国でも唯一の離島であり、船がなければ行き来もできない施設にしてしまったわけです。隔離政策を実施するために、患者を摘発して療養所に強制収容するという無らい県運動を、国が推奨して官民一体となって行われたということであり、こうした国の間違った政策の象徴が大島青松園なのです。
 この無らい県運動の県としての責任を検証する必要性を感じているのかどうかを、まずお聞きをしたいと思います。


野本健康福祉部長  白川委員のハンセン病問題についての御質問にお答えいたします。
 無らい県運動に関して、この間の経緯でございますが、平成13年5月にハンセン病国家賠償訴訟の判決が確定して、国のハンセン病の隔離政策を継続したために、患者・回復者の皆様に耐えがたい苦難と苦痛を与え続けてきたことを謝罪したところでございます。これを受けまして本県は、当時既に、里帰り事業や知事訪問を行っていたところでございますが、平成13年6月に当時の知事が大島青松園を訪問した際に、行政の一員として国の施策に関与したことは、決してその責任を免れるものではないとの観点から、ハンセン病施策の一端にかかわってきた事実を厳粛に受けとめて、入所者の皆様に心からおわびを申し上げたということがございます。
 翌平成14年10月に、国がハンセン病対策の歴史と実態について、科学的、歴史的に多方面から検証を行い、再発防止のための提言を行うハンセン病問題に関する検証会議を設置し、平成17年3月に最終報告をまとめました。
 一方、平成13年8月に全国ハンセン病療養所入所者協議会ほか2団体から、都道府県知事に対して、過去のハンセン病に関する各都道府県の施策の検証と謝罪などの要請があったところでございます。これを受けまして、県では過去のハンセン病政策を歴史的視点から検証するための方策を検討して、行政主導の調査を行ったのですが、戦前の資料が空襲で焼失しており、また過去の資料もほとんどないことがわかりました。そのため、行政資料を残すという形ではないのですが、本県では平成14年度にハンセン病問題検証調査事業として、県史、庵治町史、過去の新聞記事などの収集を行い、過去の政策の検証を行うとともに、体験者である入所者の生の声を収集して、史実を記録にとどめたということがございます。
 具体的には、委員も御存じかと思いますが、大島青松園の入所者の方々からの聞き書きを「島に生きて~ハンセン病療養所入所者が語る」と題する回顧録にまとめたところでございます。本県ではこういう形で対応してきたところです。


白川委員  無らい県運動は、国と一体化になって行った県の責任についての反省が大事なところだとは思います。
 でも、この間に私たちも、私もハンセン病市民学会などの学会に参加しましたが、その学会の中でも、国や県のやってきたことだけを取り立て、そこだけの反省を求めても、この無らい県運動は、住民一体となってやられてきた問題でもあります。無らい県運動がその目的を達したことにおける特徴は、地域住民が動員され、あの人はらい病患者みたいだという報告をどんどん上げて、摘発してきたことなのです。そこのところにも反省を、私自身もしなければなりませんし、そこを克服していかなければ、無らい県運動を可能にした社会の構造や住民意識の病理を変えていくことはできないという思いに立っているわけなのです。
 熊本県はかなりの資料もありましたから、莫大な報告書になっておりますが、ああいう形までいかなくても、県として焼失を免れた資料については残しているということですから、今の時点でもっと踏み込んだ検証を行って、群馬県など多くの県でも進められているように、そういったものを資料としてきちんと県民に残していくといった運動をしていただきたいと思います。
 それから、入所者の皆さんがおっしゃっているのは、もうあと何年生きられるかわからないという状況の中で、今の時点でしっかりと私たちの声や今まで経験してきたことを残していきたいということです。ですから、ここは県がしっかりと音頭をとって、一緒に無らい県運動の検証を進めて後世に残すということを、進めていただきたいと思うのです。
 それと同時に、私が大島青松園へ行くといつも思うのは、ほかの県のハンセン病の元療養所の施設ではどこへ行っても、いろいろな建物など残っていて、そこに誰が訪れてもわかるように、ここはどういう施設であった、ここにはこういうものがあったというのも含めて、いろいろな注釈や説明書きがあります。でも、大島青松園の場合はそういった説明書きなどは一切なく、解剖台なども瀬戸内国際芸術祭で何か飾られて置いたりしていますが、それが何なのかというのは、説明されなければわからないと思います。
 国の施設でもありますから、そうした問題を国にも要望として上げていただいて、国と一緒になって将来構想も含めて検討もしていただきたいと思います。要望にして終わります。


香川委員  がん対策の推進事業についてお伺いします。
 主要事業概要説明書の62ページに、がん対策の今後の検診目標が書かれております。プラン策定時の平成22年度から27年度見込みとして、平成22年度は、胃がん10.3%、大腸がん27.4%などとなっていますが、平成27年には全て50%にするとされており、平成27年度の進捗率が100%になっております。これはそのまま見ると、全て50%以上になるのかと思いますが、そういう解釈でよろしいのかお伺いいたします。


岡田健康福祉総務課長  香川委員の御質問にお答えいたします。
 ただいま御指摘の目標数値でございますが、平成27年度の目標値が50%以上となっておりますのは、今の総合計画の目標値でありまして、今の総合計画の最終年度が平成27年度になることから、平成27年度の目標値が50%以上として記載しているところでございます。
 昨年度までの実績を考慮いたしますと、さまざまな取り組みを行ってきておりますが、目標の達成は厳しい状況にあるという認識でございます。


香川委員  これは平成27年度が計画の最後の年だから、ここまでやっていかないといけないという目標を書いているということですね、わかりました。
 次に、ここに書かかれているがん検診率とは、どういう数字を出しているのかお聞きします。


岡田健康福祉総務課長  がん検診率をどのように出しているかという御質問にお答えします。
 がん検診率の出し方として、国による統計調査が2つ、県独自の統計調査が1つの3つの統計がございます。国の調査ですが、1つは「地域保健・健康増進事業報告」であり、健康増進法に基づき市町が実施主体になって、厚生労働省の指針に定められた方法によって行う、胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がんの5つのがんの検診の受診者の実数をもとに出すものでございます。ただ、この調査につきましては、職場の人間ドック等の受診状況や、例えば内視鏡検査のような厚生労働省の指針に定められていない検診の受診状況が反映されておりませんので、常識的なところで見る受診の実態を、必ずしもあらわしているとは言いがたい面がございます。
 2つ目は「国民生活基礎調査」であり、これは厚生労働省が3年に一回、各都道府県で抽出した地域で、自記式のアンケート調査をする方式のものであり、調査を受けた方の中で、がん検診を受けたと認識した回答した方の数をもとに算出するものでございます。これは検診方法を問わずに受診率がわかるという長所はあるのですが、専門家でない回答者の主観によるため、診療による検査が含まれてしまう可能性が否定できず、抽出された地域における地域性の影響を受けることも否めないところでございます。
 こうしたことも考慮して、本県では平成25年度から県独自の悉皆調査を行っており、がん検診を実施している全ての医療機関や検診機関を対象に調査して、受診者の実数を把握するようにしております。これは検診方法を問わずに、また先ほどの5つのがんに加えて前立腺がんの受診者も調査対象に加えておりますので、先ほど申し上げた国の調査に比べますと、実態をより正確に反映できるものと考えております。


香川委員  最初の言われた「地域保健・健康増進事業報告」によれば、胃がんの検診の受診率は約10%なのですが、本当に10人に一人しか受診していないのか、実態は違うのではないかと思っていたのですが、これには胃カメラで検査した方、あるいは企業の健康診断で検査を受けた方や公務員は一切入ってないということなのですね。それであれば、かなり実態から外れたものだと思います。
 もう一つの「国民生活基礎調査」についても3年に一回ということでは、はっきりした実態をあらわしてないのではないでしょうか。
 そういう意味からいいますと、香川県独自のがん検診の調査が最も実態をあらわしているのではないかと思いますが、なぜいつまでも、実態をあらわしていないかもしれない国の調査の数字を使うのでしょうか。県独自の調査の数字を、これから発表するわけにはいかないのですか。どの新聞を見ても、約10%という国の調査の数字しか出してないのです。その理由をお聞きします。


岡田健康福祉総務課長  御指摘の数字の使い方でございますが、まず国の2つの調査については特徴があり、また把握の面で課題があるという認識もあることから、予算をいただいて県独自の調査を行っている関係もございますので、県独自の調査の結果につきましては、毎年10月か11月ごろに取りまとめて、報道機関へ資料提供を行うとともに、医療関係者等でがん対策を協議する場であるがん対策推進協議会などにほかの数値とあわせて報告をしたり、あるいは市町や病院にも情報提供をしているところでございます。
 現総合計画の数値目標は、厚生労働省の指針に沿った「地域保健・健康増進事業報告」を使っておりましたが、今後は、現在検討中の新総合計画などで県独自の調査の数値について、指標の一つとして活用することも検討したいと考えております。


香川委員  ぜひそうしていただきたいと思います。正しい統計をとらないと正しい対策は出てこないと思いますので、そのようにお願いしたいと思います。
 次に、市町村が対策型検診として無料で行っている検診がございますが、このがん検診項目はどのように決められているのでしょうか。


岡田健康福祉総務課長  市町村のがん検診項目は、先ほど冒頭にも御説明しました厚生労働省の指針に基づいて実施されており、胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がんの5つのがんについて、一定の検診方法が指針で推奨されております。こうした検診の方法につきましては、国における検討会で医学的、科学的根拠のある有効性が確立した方法とされており、これの検診を対策型として集団で検診をすることによって、一定程度、受診率が上がれば、がんによるその集団の死亡率が一定程度下がるといった考え方により、この方法が推奨されております。そうした方法に基づいて市町村では、検診項目を決めて実施しているところでございます。


香川委員  なぜそうしたことを聞くかといいますと、私も年をとりましていろいろながんの心配をしなくてはいけなくなり、健康診断にも結構行っております。その際に厚生労働省の前立腺がん検診ガイドラインの推奨グレードをもらい、少し唖然としたわけです。
 前立腺がんは対策型検診には入っておりませんが、私は心配で受けたのです。ところが、前立腺がんの検診ガイドラインを読んでみますと、PSA検査による死亡率減少効果を示した研究は、これまで公表されていません。現在、米国とヨーロッパでは、大規模な無作為化比較対照試験が行われており、その成果の公表が待たれますと書いておられます。
 それと同時に、PSA検査は血液による検査ですが、PSAは前立腺でつくられるたんぱく質で、健康な人では血液の中には出てきません。がんや炎症などがある場合に血液中に出てきますが、必ずしもがんというわけではありません。通常は4ng以上の場合、正常でないと判断され、再度PSA検査を行って、値に変化がないか確認したり、精密検査を行ったりします。PSAの値が高いほど前立腺がんの可能性は高くなりますが、PSA値が4ngより高いと判断を受けた75%の人には、前立腺がんはありません、となっておりました。
 この中で、最終結果として、これらの結果をまとめると、PSA検診については多くの研究はあるものの、死亡率減少効果についての結果が一致しなかったため、死亡率減少効果に関する証拠は不十分と判断しましたと書かれていました。
 もう一つ、直腸診についても死亡率減少に関する証拠は不十分と判断しましたとされており、このPSA検査と直腸診の2つについては、前立腺がんには有効ではないと書いてあるのですが、これについてどのように考えておられますか。


岡田健康福祉総務課長  ただいまの御指摘は、がんの検診ガイドラインについてであると思います。この厚生労働省の指針では、PSA検査あるいは直腸診は、集団での対策型検診として一定検診率が上がれば、死亡率が下がるという意味での効果が認められていないと理解をしており、対策型検診では実施されていないと認識しております。ただ、市や町でも、独自に任意型の検診としてPSA検査を行っているところもございます。


香川委員  私がお聞きしたかったのは、厚生労働省のガイドラインに、死亡率減少効果の有無を判断する証拠は現時点では不十分であるため、個人を対象とした任意型検診、人間ドック等として行う場合は、受診者に対して効果が不明であることと、過剰検診などの不利益について適切に説明する必要があります、と書かれていることなのです。
 今まで私は、任意で、お金を払ってこの検診をしていたのですが、ガイドラインには効果がないと書かれており、これを見て唖然としたわけです。それまではどこを見ても、効果が少ないと書いているのを見たことがないのですが、実態はどうなのですか。


岡田健康福祉総務課長  御指摘のように、ガイドラインによりますと、例えば偽陽性の方が75%以上あるという報告があります。これはがんではなく、別の炎症であってもPSAの数値が上がることもあるということで、そうなっていると理解しておりますが、御指摘のように受診をする方が、再度その検診を受けなければいけないということを理解して、検診をされるということが大事であると思います。
 実情として、例えば任意で実施をしている16市町でどのような説明がなされているのかについて、県としても十分に把握ができていない面もございますが、今後、そういったことも把握に努めて、がん検診を受ける方が、任意型検診であっても、そういった偽陽性が一定程度出るかもしれないということを理解して受診することができるように、がん検診の実施主体である市町に対して情報提供や助言をしていきたいと思います。


香川委員  これについては、私も少しショックだったので、質問したのですが、PSA検査はいろいろなところが補助しており、まんのう町は全額補助しているのです。そうした中で、こういうことを聞くと、何となく県民の不信感を招くのではないでしょうか。効果に対する証拠が不十分と書いてあるのに、何のためにしているのかという気がしてきますので、そのあたりの説明をぜひともお願いしたいと思います。私としては、この検査を推奨する立場であり、できればこれも対策型の検診に入れて、全員が検査していただきたいと思っております。
 この指針が出されたのが平成19年とかなり古いのですが、指針の中に、今、研究が進んでいます、何年か後に見直しをしますと書いておりますが、これについてはどのようになっているか、わかれば教えていただきたいと思います。


岡田健康福祉総務課長  まず、効果についてでございますが、厳密にいえば検証がなされたエビデンスがないという意味での効果がないという御質問だと思いますが、先ほどの委員の御指摘がございましたガイドラインの中にも、一般的にはPSAの値が高いほど前立腺がんの可能性が高くなるという結果はございまして、そういった点も含めての効果と認識しております。
 次に、ガイドラインの見直しについては、現時点では近々に見直しがなされるという話は聞いておりませんが、ガイドラインの中の記載にもありますように、今後、国において、検討が進んで変更がなされる可能性はあると考えておりますので、国の動向を注視してまいりたいと考えております。


香川委員  ぜひお願いしたいと思います。6月29日の朝日新聞に、国立がん研究センターの2005年度版の胃がん検診ガイドラインでは、エックス線は有効であるとして推奨されているが、内視鏡については余り効果がないとなっていたのですが、2014年度版では、効果が認められて推奨になりました。このように時代とともに、どんどん変わってくるのだろうと思います。
 香川県内では、この内視鏡検査を推奨しているところはありますでしょうか。


岡田健康福祉総務課長  御質問の胃の内視鏡検査につきましては、先ほどの厚生労働省の指針上では対策型検診として実施する検診方法ではございませんが、私どもが今年の6月時点で把握しているところでは、2市3町で任意型検診として実施されていると認識しております。


香川委員  いずれにしても、がんは国民の死因の第1位ですから、これを何とか防ぐようにしなくてはいけません。私としては、内視鏡検査や前立腺の検査を含めて、単に国の言うことを聞くだけではなく、県独自にいろいろと考え方を出していただいて、対策をとっていただければありがたいと思いますので、それを要望して終わりたいと思います。


高田委員  大きく3点です。いつもどおり一括で質問します。
 冒頭の山下委員の質問にもありました犬・猫殺処分についてお聞きします。
 6月29日の報道で東京の世田谷区で国道の高架下で身動きできなくなっている子猫を救出する感動的なニュース映像が流されました。報道では、消防士や国土交通省の職員、造園会社の方がクレーンのようなのを使い、約20人がかりで1時間半から2時間をかけて救出して、動物愛護センターで健康状態を確認した後、飼い主があらわれるのを待つということでした。
 その前日の28日にも、奈良市で、木からおりられなくなった子猫を消防隊員が救出し、この子猫は飼い主ではなく、保健所の職員に引き渡されたという報道でありました。
 実はその前日の27日にも、愛媛県西条市の図書館の玄関の金属製の柱の中の空洞にいた子猫と通路の屋根にいた子猫2匹の合わせて3匹を救出し、図書館で飼い主を募集したところ、1匹は引き取り手があらわれたが、あとの2匹は里親を募集中であると報道されました。
 このように3日連続で子猫救出のニュースが続き、全て飼い主があらわれるのを待っているという状態ですが、もし、飼い主があらわれないとどうなるのでしょうか。せっかく感動的な状況の中で助けたのに殺処分になるのでは、余りの結末ではないかと思っています。
 先ほど、今年度よりの新規事業で、地域猫という概念を持って、野良猫であっても去勢手術をして、地域の野良猫として地域に返すという事業の報告にありましたが、地域の中でいつも野良猫に餌をあげるおばあちゃんがいたりして、地域になじんでいる猫に対して、一定の条件が合えば、地域猫として予算をつけて去勢手術をしようということだと思います。
 ただ、地域の中の皆さんの理解が得られるかどうかを含めて、いろいろな問題がある難しい事業ではないかと思いますので、4月からの新規事業ですから始まったばかりですが、既に実績があったのかについて教えていただきたいと思います。
 さらに、先ほどの山下委員の質問の答弁で、犬・猫についての殺処分率について、平成25年度は1位であり、昨年は少し改善をされたが、まだまだ高い状況とのことでした。犬・猫殺処分のワースト上位を返上するための具体的な施策として、目標を立てなければならないと思いますし、法律上は、犬・猫の殺処分をゼロにしていくということですから、最終的にはゼロを目指すということだと思うのですが、具体的な目標年次と目標数値を教えていただきたいと思います。
 そのための施策が、今後の動物愛護センターの整備ということにもなるのと思いますが、この整備について、先ほどの説明でパブリックコメントを4月に行ったところ、77件ものパブリックコメントがあったとのことであり、県の施策の中でも大変多いコメントがついたのではないかと思います。いろいろな県でメインとなる施策のパブリックコメントを募集しても、ここまでの数にならないこともあるのではないかと思いますし、必ずしも主要施策とは言えない動物愛護センターの整備について、77件もの意見があったということは、県民の関心度が非常に高いのではないかと思っています。
 この高い関心の中で出された意見について、先ほど名称について考えるべきだという案があり、それを反映するとの説明がありましたが、そのほかにも77件となればいろいろな意見があったと思っておりますので、それを今後の犬・猫殺処分の減少や愛護センターの整備にどのように生かしていくのか、教えていただけたらと思います。
 2点目に、食の安心・安全についてであります。
 本年度よりの新規事業として書かれている、HACCPについてお聞きします。
 これは食品の安全性と品質を確保するための非常にすぐれた管理手法だということであります。これから特に夏にかけての食中毒にも気をつけなければならない季節ですが、県下の食品を扱う企業での、このHACCPの導入状況と県として導入の目標、また導入に向けてどのような取り組みを行うのかを教えていただきたいと思います。
 3点目は韓国で流行しているMERSコロナウイルス対策に関してお聞きします。
 数日前の情報になり、現段階では変わっているかもわかりませんが、韓国では死者33人を含み感染者数は182人ということです。ここ数日はふえてないとも聞いていますが、ピークのときには、疑いのある隔離者が6,000人を超えたという報道もあったと思っています。その後、連合のニュースを見ると隔離者は2,450人ということで、鎮静化の傾向と出ていましたが、韓国政府自身は収束の方向とはまだ認めていないだろうと思っています。
 この中で心配なのが、航空機のソウル便であります。報道では多くの地方都市のソウル便は、ほとんど運休しているのです。なぜ運休するかというと、これは空港のある県がやめてくれと言ったのではなく、利用者が減少し、空気を乗せて飛ばすだけだから運休になったのだろうと思っております。その中で、なぜかアシアナ航空の高松便は飛び続けているということです。
 テレビでも出ていましたが、ソウル便から乗客がおりてきたら、熱で顔が赤くなっているかどうかをチェックしているということであります。確かに成田や羽田、関空などの大きな空港の場合は、便数を減らす措置をとっており、全て運休するわけにはいかないのでしょうが、高松便はなぜ飛んでいるのでしょうか。利用する人がいるからだと思うのですが、まだ飛んでいるわけですので、非常に危険だと言ったら言い過ぎかもしれませんが、注視していかなければと思います。
 ただ、収束の状況もあるでしょうし、感染源としては院内感染がほとんどということですから、余り可能性としては高くはないと思うのですが、潜伏期間が2週間あるということですから、韓国から帰ってきて高松空港でおりたときには何でもなかったけれども、2週間たって発熱やせきが出るなどの病状が発生をしたことがわかったときに、県としてどのような対応をするのかをお聞きします。また、今、行っている国の対応もあわせて教えていただきたいと思います。
 以上です。


野本健康福祉部長  最初に、高田委員の犬・猫殺処分についての御質問にお答えいたします。
 御指摘の地域猫活動でございますが、これは飼い主のいない猫に不妊去勢手術を施して、地域住民の十分な理解のもとで、地域において管理するものでございます。この取り組みにつきましては、都市部を中心に始まっており、今、全国に広がっていっているところでございます。平成25年度時点では、11都府県がガイドラインやマニュアルを作成するなどの取り組みの支援を行っており、環境省もこの活動の推進をしているところでございます。
 この活動につきましては、面倒を見てくれるという認識が広がると、安易に猫が捨てられるのではないか、あるいは猫のふん尿による悪臭問題が続くのではないかといった課題もありますが、一代限りの命を全うし、動物愛護管理や環境美化にも配慮した野良猫対策の一手段として、一定の評価を得ていると聞いております。本県におきましても、こういった他県の成功事例を参考にして、今年度からこのモデル事業を実施するところでございます。
 具体的には、現在、地域住民向けに「地域猫活動の手引き」を作成しているところでございます。今後、この地域猫活動に取り組む市町に対して、猫の不妊去勢手術費用の一部を補助することとしております。
 続きまして、犬・猫殺処分のワースト上位を返上するための目標年次と目標数値についてお答えいたします。
 本県で作成している香川県動物愛護管理推進計画におきまして、数値目標としては、平成35年度の犬・猫の引き取り数を平成16年度比で75%減らす、平成35年度、犬・猫の返還・譲渡数を平成25年度比で倍増とする、さらに、平成30年度の犬・猫の所有者明示の実施率を平成25年度比で倍増とするといったことを掲げております。この目標が達成できるように、動物愛護関係の施策について、努力してまいりたいと考えております。
 また、動物愛護センターの基本構想のパブリックコメントの意見についてでございますが、いただいた御意見につきましては、冒頭で報告したとおり、子供たちへの動物愛護に関する学習が重要であることから、教育機関と連携すべきといった御意見などを含めて、委員の御指摘のとおり77件あり、その大半が動物愛護センターの施設、設備、役割、実施すべき施策や業務についての御提案でございました。
 貴重な意見を数多くいただきまして、これらを全て実現するのは非常に難しいところでございますが、今後、基本計画を策定する中で参考とさせていただき、県民の皆様の期待に応えられるような施設を整備してまいりたいと考えております。
 次に、HACCPにつきましては、食品原材料の受け入れから最終製品までの各工程で危害要因を分析・予測した上で、危害の発生防止につながる特に重要な管理点を継続的に監視・記録する工程管理のシステムでございまして、現在、国際標準として広く普及が進んでいるところでございます。欧米を初め多くの国でこのHACCPの導入が進んでおり、輸出要件として義務づけるなど、貿易では必須になっているところがございます。
 今回、HACCP支援法の改正により、今後、段階的導入アプローチによる普及を進めやすくなりましたので、本県でも普及啓発を進めていきたいと考えております。詳細につきましては、後ほど担当課長から御答弁申し上げます。
 最後に、MERS対策でございますが、MERSとは、中東呼吸器症候群と申しまして、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症でございます。委員の御指摘のとおり、潜伏期間が2日から14日と言われており、主な症状が発熱、せき、息切れなどでございまして、下痢などの消化器症状を伴う場合もございます。特に高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患あるいは免疫不全などの基礎疾患がある方にとっては、重症化する傾向があるところでございます。
 韓国における感染者数などの状況は、委員が御質問されたものと変わってございませんが、今回の韓国の事例では、診断がおくれたことや、医療機関における院内感染の対策の不徹底があり、医療従事者や同じ病棟の患者、さらにその家族に二次、三次の感染が発生しているところでございます。
 本県の対応でございますが、県のホームページで注意喚起を行うとともに、県内の医療機関に対して院内感染対策の徹底や、診察の際の患者要件に該当するかどうかの確認することなどを通知しております。また、6月22日に県内の医療従事者を対象に、MERSに関する研修会を開催したところでございます。
 また、高松空港におきましては、検疫所が従来から入国者に対してサーモグラフィーで発熱の有無を確認しておりましたが、今回の事態を受けて、韓国に滞在後入国する者に対して、必要に応じて質問や診察を行うとともに、入国者全員に14日以内に発熱、せきなどの症状があらわれた場合には、速やかに電話で最寄りの保健所に連絡するなどの注意を促すリーフレットを手渡しているところでございます。
 委員から御質問がございました帰国時に症状がなく、潜伏期間に空港の検疫所を通過して、その後に発症した場合の対応でございますが、帰国後14日以内に発熱、せきなどの症状が見られる場合につきましては、本人あるいは相談を受けた医療機関から保健所に連絡が入ることになります。これがMERS疑似症患者と認められる場合につきましては、保健所が第二種感染症医療機関に当該疑似症患者を搬送することとなり、この第二種感染症医療機関は本県内では4医療機関がございまして、さぬき市民病院、内海病院、高松市民病院、三豊総合病院となっております。
 MERSは二類感染症に指定されておりますので、疑似症患者については第二種感染症指定医療機関での入院措置が行われることになり、同時に環境保健研究センターでの迅速なPCR検査を行うとともに、国立感染症研究所におきましても確認検査を行うこととなります。
 それから、県内で疑似症患者が発生した場合について、同居家族などの濃厚接触者につきましては、外出の自粛を要請するとともに、14日間の健康観察を保健所が行うこととされております。このように、万一、県内でMERSの患者が発生した場合にも、感染が拡大することのないよう、十全の措置を講じているところでございます。


池本生活衛生課長  高田委員の食品の安全・安心のためのHACCPについての御質問にお答えいたします。
 本県におきましては、食品衛生法施行条例を改正して、従来型の管理運営基準に加え、新たにHACCPを用いて衛生管理を行う場合の基準を規定して、4月から施行しているところでございます。この条例に規定するHACCPの導入につきましては、事業者からの届け出制としておりますが、現時点ではまだ届け出はない状況でございます。
 県としましては、事業者に対して、6月から食品衛生法施行条例の改正内容並びにHACCPの仕組みについて、各保健所単位で順次説明会を開催しているところでございます。
 また、食品等営業者がHACCPを積極的に取り入れるためには、食品を選択する消費者にも、HACCPがどのようなものであるかを知ってもらうことが重要であると考えていることから、6月3日に「かがわ食の安全セミナー」と題して、初めてHACCPに関する消費者向けのセミナーを開催したところでございます。
 今年度はHACCPの導入に前向きな意欲のある事業所をモデル事業所と選定して、HACCPプランの作成など導入に向けての助言等を行い、導入につなげていくことを目標としております。
 HACCPの導入には、危害分析や手順書の作成など時間と知識が必要とされますので、導入までに長時間かかる場合もございますが、普及啓発に努めてまいりたいと考えております。


高田委員  まず、犬・猫殺処分の目標ですが、平成35年度までに平成16年度比で75%減少させるということですが、そういう言い方もあるのでしょうけれども、例えば平成25年度では犬は91%で猫が98.2%であった殺処分率をどこまで下げるかといったほうがわかりやすいと思います。目標としては、最終的には殺処分ゼロを目指すという法律なのですが、現実としてゼロということにはならないので75%減だということでしょうが、平成35年度には具体的には殺処分率がこうなるというのをわかりやすく説明してほしいと思います。
 それと、地域猫ですが、少しわかりにくいのでお聞きするのですが、地域猫といえども野良猫ですから、野良猫に対して去勢手術代の一部を補助するのはいいのですが、誰が補助金以外の大もとを出すのでしょうか。野良猫に対して地域で相談してお金を出す人を決めるのか、あるいはみんなでお金出し合うのか、そのあたりがどういうことなのかと思っています。私としては、全額を県もしくは市町が出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 それと、猫はわかったのですが、野良犬については地域犬という概念はないのでしょうか。狂犬病の問題があるのでしょうが、そちらも大きな問題にもなっておりますし、去勢をしてその一生を全うしてもらおうというイメージであれば、同じではないかと思ったりもするのですが、いかがでしょうか。
 それと、HACCPについてですが、管理手法ということであれば、そういった知識を持つ人材を事業所で養成して、食品管理のマネジメントを行うという意味であれば、設備投資などの部分であまりお金はかからないのでしょうか。その辺が少しわかりにくいのでお聞きしたいのと、まだ導入はゼロのようですが、例えば他県を見ると、自治体独自でHACCPの認定制度をつくって、多くのところで食の安全のための管理を行っている事例もあるようなのですが、香川県ではそういった考えはあるのでしょうか。また、ISO22000がHACCPに近い考え方のようなのですが、これとの連携はどうなのでしょうか。
 MERSに関しては、私がお聞きしたかったのは、もし疑似症患者が見つかった場合に、対策が必要なのは家族の方だけじゃないと思うのです。韓国から帰ってきて疑わしい症状があれば、家族は確かにそうなのでしょうが、それ以外の接触についてどういう調査をされるのでしょうか。その人が何便に乗っていたかということなどが公表されれば、私も同じ便に乗っていたというのもわかるのでしょうが、そこまでやる必要はないのでしょうか。それについてお聞きします。
 以上です。


野本健康福祉部長  まず、犬・猫の殺処分と地域猫について御答弁申し上げます。
 まず、目標の数字でございますが委員の御意見は承知いたしました。具体的な数字で申し上げますと、平成16年度の犬・猫の引き取り数が7,426頭でございますので、平成35年度の目標は1,850頭という数字になるところでございます。犬・猫の返還・譲渡数につきましては、平成25年度が262頭でございますので、平成35年度は550頭という数字になります。犬・猫の所有者明示の実施率は、平成25年度が11.9%ですので、平成30年度は25%になります。以上が香川県動物愛護管理推進計画の中で推進目標として位置づけているところでございます。
 それから、地域猫活動の具体的な進め方でございますけれども、その手引について、現在、作成しているところでございまして、市町などと連携して内容について調整をしているところでございます。
 ちなみに地域猫活動の主体は地域住民の方々であり、役割分担を行いながらそれを実施するという形になっております。
 また、不妊去勢手術の費用を、一部ではなく全額を補助するべきではないかとの御意見をいただいたところでございますが、財政的な問題もありますし、地域の中でその猫を慈しんで飼っていくという意味では、住民の方々に一定程度、負担していただくことが理にかなっているのではないかと考えております。
 その他の御質問につきましては、担当課長から御答弁申し上げます。


池本生活衛生課長  委員の御質問の地域犬でございますが、犬・猫対策に関する法律には、狂犬病予防法と動物の愛護及び管理に関する法律がございまして、犬につきましては狂犬病予防法もかかわってまいります。登録鑑札や注射済み標をつけていない犬は抑留しなければならない規則になっておりますので、地域犬という概念は考えられないことになります。猫につきましては、狂犬病予防法は関係ありませんので、地域猫という考え方が、今、主流になっているようでございます。しかしながら、犬・猫については、飼い主がきちんと飼うということが重要ではないかと思っております。
 次にHACCPの認定施設についてでございますが、他県では国のHACCPの承認施設とは別に、自治体が独自で認定しているところもございますが、香川県といたしましては、今のところは独自の認定は考えておらず、今回のこの条例改正による管理運営基準におけるHACCPの導入について、普及啓発していきたいと考えております。
 それから、ISO22000との関係ですが、県としましてはHACCPの方式を推進していきたいと思っておりますので、ISOについては企業独自でやっていただく形になっていくと思います。
 設備投資についてですが、この条例に関しては、公衆衛生上必要な事項として、衛生面での害虫対策などがありますので、多少の設備投資は必要であり、また先ほど言われました手順書や危害分析を作成するためにプランナーが必要になると思いますので、そういった費用も必要になってくると思います。国のHACCP承認施設になるには、ハード面も含めて全て必要になってきますのでかなりの費用がかかりますが、管理運営基準におけるHACCPの導入は、公衆衛生上必要な事項であり、ソフト面でございますので、そこまでの費用はかからないと思っております


土居薬務感染症対策課長  MERSにおける、いわゆる接触者への対応についてお答えいたします。
 接触者への対応につきましては、MERS患者に発病日以降に接触した者ということで、基本的に世帯内接触者としての家族など、医療関係者、汚染物質への接触者、その他として会話をすることが可能な距離としておおむね2メートル以内に接触したことがあった者につきましては、先ほど言いましたように保健所で健康観察をさせていただきます。その他の接触者として、空間を共有する接触があった者で濃厚接触者ではない者が、2週間の健康観察になります。
 また、疑似症患者がMERSと確定し、その患者が発病前に公共交通機関や不特定多数の者が利用する施設の利用していた場合などにつきましては、その症状や状況等を検討した上で、メディア等を使った接触者探知を行う必要があるかどうかを検討することとされておりますので、厚生労働省とも協議してそのように対応してまいりたいと考えております。


高田委員  先ほど言った平成35年度に75%減というところからほとんど導き出せるのでしょうが、全国ワースト1位とか2位とかと言っているのは、殺処分率を言っているので、計算したら出るのかもしれませんが、殺処分率をいつまでに何%にすると言ったほうがわかりやすいと思います。分母が変動するのでそうなるのかもしれませんが、わかりやすい目標にしてほしいと思います。
 地域猫については、今の話を聞くと、やはり難しいのではないかという気がします。この地域で、このタマちゃんをみんなで守ろうという盛り上がりがあるところでないと、難しいのではないでしょうか。狂犬病の問題などがないのであれば、でき得る限りその一生を全うしていただくためにも、去勢手術はみんなからお金を集めてやるのではなく、できる限り行政が負担するものではないかと思っています。
 地域猫はモデル事業となっていますので、全県下が対象になるのかわかりませんし、予算額も50万円しかとっていなかったと思いますが、今、言ったような地域で育てる猫が本当にいるのであれば、みんなに広めていく必要があるだろうと思っております。モデル事業というのが、ここの地域だけということであればよくないと思いますので、全県下でこの制度が使えるようにお願いして、要望にいたします。


大山委員長  以上で健康福祉部及び病院局関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)


大山委員長  御異議なしと認め、健康福祉部及び病院局関係の質疑、質問を終局いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。