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平成27年[2月定例会]文教厚生委員会[教育委員会] 本文




2015年03月04日:平成27年[2月定例会]文教厚生委員会[教育委員会] 本文

石川委員長  理事者の説明は一昨日の委員会で聴取しておりますので、直ちに質疑、質問を開始いたします。


氏家委員  私からは2問質問いたします。
 まず、特別支援教育へのICTの活用についてお聞きします。
 国では、教育のICT化を積極的に推進しており、これを受けて県でも今年度の新規事業で、特別支援学校において支援機器などのICT化を活用した指導方法について積極的な研究を行っていると聞いています。文章を読んだり書いたりすることが困難な学習障害を持つ子が、苦手な書き取りのかわりにタブレット端末で文字を入力することで、苦手な部分を補うことができ、授業への意欲が高まったという新聞報道もありました。このように、子供の障害の状態によってICTの活用もさまざまな方法が考えられます。
 そこで、まず本県の特別支援学校において、現在、どのような支援機器を使って研究を行っているのか、あわせてこれまでにどのような成果が出ているのかお聞きします。


西原教育長  特別支援教育へのICTの活用についての質問にお答えします。
 ICTの活用は、個々の能力や特性に応じた学びを実現できるので、意義があるということで、研究が進められております。県は今年度において、肢体不自由児の特別支援学校である高松養護学校と、知的障害児の特別支援学校である西部養護学校の2校でタブレット端末等の支援機器等を使い、専門家である香川大学の教授2人に御指導もいただきながら、今年度と来年度の2カ年にかけて、実践的な研究を行うこととしております。
 使用している機器類としては、「タブレット端末機」や「ポータブルメディアプレーヤー(携帯型映像機器)」、知的障害児に対しては、自分で絵を見てボタンを押せば表現ができる「携帯用会話補助装置(VOCA)」があり、こうしたものを使って、今年度、研究をしている状況です。
 具体的には、肢体不自由児の特別支援学校では、外出活動など社会生活場面での活用を研究テーマとして、外出時に1台のタブレット端末やポータブルメディアプレーヤーを持たせて、場面に応じて活用する体験をさせるといった指導方法の開発を研究しております。
 また、知的障害児の特別支援学校では、児童生徒がわかりやすく伝わりやすい教材として、先ほど申しましたVOCAを使い、実践的に相手に伝わりやすい教材づくりの研究を進めております。
 成果については、今年度と来年度の2カ年ということもありますが、今年度中にいろいろな場面で教科指導や生活指導として活用できる教材を、約150登録することを目指しており、今のところ約100教材が登録できております。


氏家委員  今年度は2校のモデル校での研究ということですが、開発された教材などの成果については、今後、モデル校以外の特別支援学校や、小・中学校の特別支援学級などにも広げていく必要があると考えております。来年度も「教材活用推進事業」として予算が計上をされていますが、来年度はどのようなことを行うのか、また成果をどのように生かしていくのかお聞きします。


西原教育長  来年度も、先ほどのモデル校2校では150の教材作成を進めたいと考えております。また、聴覚障害児の特別支援学校である聾学校をモデル校に追加し、障害の状態や特性に応じた指導方法の研究や教材の開発を行いたいと考えております。
 それらを踏まえて、モデル校で取り組んだ内容の公開授業の実施や、研究成果を協議する特別支援学校連絡協議会の中で、モデル校における実践や研究成果を、それぞれの特別支援学校でも共有していくとともに、ICTによる授業を先導していくリーダーとなる教員を指名し、指導方法を他の学校に示していきたいと考えております。
 また、登録した教材は、データベースに集約し、他の小・中学校でも閲覧できるように、県の教育センターや県立の特別支援学校等のホームページにWebを公開するとともに、教育相談や地域の小・中学校等への巡回相談等の機会に、データベースのPRを行いたいと考えております。
 さらに、小・中学校からのICT教材活用の相談に応じるほか、特別支援学校で使用しているタブレット端末の一部を、小・中学校に貸し出せる体制をつくり、地域の特別支援教育の推進にも役立てたいと考えております。


氏家委員  ICTの活用は、障害のある子供の学びを支援するツールとして有効ですので、事業の成果を特別支援学校や小・中学校などでの指導の充実につなげるために、今後とも頑張っていただきたいと要望します。
 次に、子供の体力の向上についてお聞きします。
 子供の時期に、健康でたくましく生きるための基礎となる体力を育むことは、重要です。
 私たちが子供のころは、学校で休み時間に走り回ったり、放課後や土曜日の昼からはみんなで集まって草野球をしたりと、日が暮れるまで外で遊ぶことで、自然に体力がついてきたのではないかと考えます。しかし、少子化などによる生活環境の変化や、遊び場の減少による運動環境の変化など、さまざまな要因から、外で遊ぶ子供たちを見る機会がめっきり減っています。
 これを証明するかのように、昨年11月に公表された小学校5年生と中学校2年生を対象とした平成26年度全国体力・運動能力、運動習慣調査の結果では、体力得点の全国順位が、小学校で男女ともに過去最低の34位、中学校の男子の全国順位が35位と聞き、改めて子供の体力の低下を危惧するとともに、心配もしております。
 このような中、県教育委員会では、全国調査とは別に、ほかの学年も含めた調査を実施していると聞いておりますが、その結果から現状をどのように認識しているのかお聞きします。
 あわせて、先日の我が党の代表質問において、教育長から、有識者などの意見も聞き、体力向上の方策を取りまとめているとの答弁がありました。私としては、体力向上は、学校だけに限らず、家庭との連携が重要であると考えておりますが、こうした点も含めて具体的な内容をお聞きします。


西原教育長  子供の体力向上についての質問にお答えします。
 先ほどの委員からの指摘のとおり、全国の体力・運動能力について、代表質問がありました。県では、昭和40年から独自に、小・中・高等学校全ての学年で体力・運動能力の抽出調査を実施しております。平成26年度の結果では、体力合計得点において小・中学校で全国平均を下回っておりますが、高等学校では上回っている状況になっております。
 種目別で見ますと、握力や上体起こしなどの筋力や、20メートルシャトルランなどの全身持久力に課題があると思います。また、体力合計点では、ここ数年横ばいか向上傾向にありましたが、今年度は多くの学年で低下しており、全国調査と同様に子供の体力低下が心配される状況になっております。
 このような状況にあることから、ことしに入って有識者、学校現場、保護者の代表者等で構成する「体力向上支援委員会」を臨時に開催し、それぞれの立場から意見をいただき、学校だけでなく家庭や地域と連携して、体力向上に向けて取り組むことが重要であるとの意見等も出されたことから、現在、それらの意見を踏まえて、27年度に向けて、学校や家庭・地域でどのように取り組んでいくのかを、まとめている状況です。
 具体には、現在整備している段階ですが、学校に対しては、全ての学校において、今年度の体力テストからわかる児童生徒の課題を明らかにした上で、取り組みをまとめた計画を作成し、その実施について市町教育委員会や教育事務所による学校訪問等で指導する方法を考えております。また、児童生徒が体力テストに意欲を持って取り組み、十分にその能力を発揮できるよう、「体力テスト実施の手引き」を作成して各学校で活用することを考えております。また、子供たちにやる気を持ってもらうため、体力テストの結果がすぐれていたり、著しく向上した児童生徒の表彰制度を検討して、子供たちに体力向上への関心を高めてもらいたいと考えております。さらには、現在、実施している体育実技伝達講習会において、子供たちが楽しんで体力向上が図れるような具体的な運動遊びやトレーニングの方法などを紹介し、研修内容をより一層充実させたいと考えております。
 その一方で保護者や地域に対しても、いろいろと呼びかける必要があります。保護者に対しては子供の体力テストの結果や体力の状況を情報提供して、関心を持ってもらうとともに、小学生向けには家族そろって行う運動や外遊びを紹介し、中学生向けにはスポーツや体力づくりの話題を提供して家庭での取り組みを促すことも考えております。さらに、市町教育委員会にも働きかけて、市町の広報誌やリーフレットにおいて、児童生徒の体力の実態を伝えて体力向上につながる行事を推進してもらいたいと考えております。


氏家委員  子供の体力低下は以前から問題になっております。今、学校や家庭、市町での取り組みについて答弁がありましたが、子供の体力向上は、学校や家庭だけなく地域の活動も必要だと思います。地域の活動で、子供の体力を向上させるために一番効果的なのは、やはり地域のスポーツ少年団活動であると考えています。
 以前に、地域のスポーツ少年団活動について資料をいただきましたが、県内のスポーツ少年団の数が、最近大幅に減ってきております。ここ十二、三年であれば、平成15年がピークであり、610団体ありました。それが平成26年には508団体であり、102団体、約2割が減っております。
 少子化が影響しているのではないかと考えられますが、児童数については、平成22年までの数字しかありませんが、平成15年と比べて横ばいかややふえており、少子化は余り影響していないのではないかと考えております。
 そこで、なぜ、スポーツ少年団の数が平成15年がピークであったかというと、皆さんも御存じのように、平成14年に学校の週5日制が完全実施されました。このときに子供を地域に戻し、地域で豊かな経験をさせることが、ゆとり教育の目玉になり、地域の受け皿として、スポーツ少年団をつくりました。しかし、学校週5日制で土曜日が完全に休みになると、地域に戻るよりも家庭個別の活動がふえてきて、各家庭も地域とのかかわりが逆に薄れてきました。地域で子供を育てる、世話をするといった雰囲気もなくなってきたことで、減ってきたのではないかと考えております。
 私も地域で、野球のスポーツ少年団の世話をしておりますが、スポーツ少年団は、子供が入りたいといっても親が了承しなければ入れません。さらに、親が協力してくれないと成り立たない活動になっております。
 「スポーツ少年団はあくまで市町が主体となって行うものである。」という答弁が以前から行われています。しかし、市町や地域に委ねた結果、2割減になっているのですから、県が、何らかのコーディネートあるいは支援、助成といったことを考えていかなければ、子供たちの体力だけではなく、地域の教育力や地域とのかかわりがどんどん薄れてくるのではないかと考えます。
 私も以前から議論しておりますが、学校週5日制に関しては難しいものがあり、今後ともいろいろな場面や立場で訴えていきたいと考えております。
 スポーツ少年団活動の減少を食いとめるためにどのようにしていく考えなのか、ぜひとも前向きな答弁をお願いします。


西原教育長  スポーツ少年団に関しての質問にお答えします。
 スポーツ少年団は、小学校区を単位として結成されており、最近の子供たちの運動について、する子としない子がはっきりした二極化や、学校の統廃合の影響から、委員から指摘があったように、団体数や団員数はかなり減少しており、平成26年度の児童の加入率は、約17~18%となっております。
 スポーツ少年団は、地域における子供たちのスポーツ環境を担ってきた組織であり、スポーツを通じて子供の体力向上に取り組んでいる団体で、組織として、日本体育協会、市町の体育協会があって、スポーツ少年団といった形でつながっております。県教育委員会も県の体育協会とは大きくかかわっており、子供たちの体力向上のため、スポーツ少年団は、元気で活発な活動であってもらいたいと考えております。
 ただ、スポーツ少年団は、市町単位で活動する団体であるため、県の教育委員会の直接的な支援は難しいところがあります。市町や市町の体育協会の取り組みが大事になりますので、それらの団体との連携を図りながら、より魅力的な指導が行える指導者の養成等を通して、県教育委員会としてスポーツ少年団の活性化に取り組んでいきたいと考えております。また、幼児期からの運動習慣づくりなどを積極的に進めることが、結果的にスポーツ少年団に加入するきっかけになることも考えられますので、そういった取り組みも進めていきたいと考えております。


氏家委員  今後の取り組みに大いに期待したいと思っております。
 香川県は、昔、野球王国だったということで、野球にも力を入れておりますが、ここ5年のスポーツ少年団の減り方で一番大きいのは野球であり、平成21年に116団体あったのが、平成25年には99団体になり、100団体を切っております。スポーツ少年団は、厳しい練習よりもあくまで幅広く子供にスポーツの楽しさを知ってもらうことで、将来的に生涯スポーツとして続けていくための入口といった位置づけにあり、貴重な活動ですので、こういったところにもしっかりと目を向けて取り組んでいただきたいと思います。
 知育、徳育、体育という言葉をよく耳にしますが、学力を伸ばしていくためには、基礎体力をつける必要があります。しっかりとした子供の体力づくりのため、スポーツ少年団も含めて取り組んでいただきたいと要望して質問を終えます。


山本委員  2点質問いたします。
 まず、県立図書館のあり方についてお聞きします。
 1月中旬に、林町に移転してからの開館20周年の記念事業として、「大きくなったらなにになる?~おしえて、きみの夢~」がありました。それを見に行きましたが、そこではさまざまな職業の本が子供向けに紹介されていました。子供たちも、大きくなった自分が具体的な職業につく夢に思いをはせることが大切だし、意味のあるイベントだと感じたところです。
 あわせて館内の案内していただき、ほかの20周年記念事業についてもお話を聞きました。「かがわ子どもの読書ネットワークフォーラム」は、好評だったと聞いております。いろいろな事業をされておりますが、まずは20周年事業の内容と成果をお聞きします。


増田生涯学習・文化財課長  県立図書館の20周年事業の内容と成果についての質問にお答えします。
 事業としては、今、委員から言われました「かがわ子どもの読書ネットワークフォーラム」の開催などの新たなサービスに取り組んでまいりました。
 フォーラムについては、本年の1月18日に、子供の読書活動を進めるためのネットワーク化をテーマに、作家の阿刀田高さんを講師にお迎えして講演していただきました。また、子供の読書にかかわっている方々によるパネルディスカッションも実施いたしました。
 次に、新たなサービスの取り組みについては、利用者のニーズが高い健康・医療分野の図書を集めた「健やか生活応援コーナー」を新たに設置するとともに、医療機関と連携して生活応援講座を開催したところです。そのほか、古文書や地図などの貴重な郷土資料を、デジタル化してホームページで公開しました。これらの新たなサービスにつきましては、昨年の12月9日から開設、公開したところです。
 また、新たなサービスと同じ時期に、高齢者や障害のある人に配慮した図書の公開や、郵送貸出サービスの対象者の拡充も図ったところです。
 そのほか、今、委員が言われました、子供が自分の将来について考えるきっかけとなる児童書や絵本の展示、視聴覚ホールでの「としょかんコンサート」や、絵本作家を招いての講演会の開催などに取り組んでまいりました。
 成果については、新たな取り組みが昨年の12月以降ということもあり、まだ十分な成果が出ているとは言えませんが、1月のフォーラムでは、約900人の参加者を得たところです。
 また、デジタル化した郷土資料へのアクセス件数が、1月末で7,000回を数えており、「健やか生活応援コーナー」の貸出冊数も、1月末で約2,000冊となりました。


山本委員  まだ始まったばかりであり、数字的な成果が言えないところもあると思いますが、イベントや事業の反応として、「こういう声があった」というのがあれば、教えてください。


増田生涯学習・文化財課長  県立図書館で利用者から新たに始めたサービスについて好評を得ていると聞いています。図書館でのいろいろな催しを通じて、図書館の活動に理解を深めていただけたと考えております。


山本委員  子供のときに図書館に行く習慣がつくよう、積極的にそうした事業を展開してください。最近は退職された方が本を読みに行くなど、図書館使う方が多いとも聞いておりますので、ぜひ利用しやすい図書館にしていただきたいと思っております。
 図書館にいろいろこだわるのは、一昨年5月の慶應義塾大学の調査で、全国の地方自治体の中で最も活動がすぐれている図書館として、鳥取県立図書館が選ばれました。私も現地を訪れて館長や、関係者からお話を聞きました。そのときの調査をもとにして、昨年の6月議会では、県立図書館のあり方について一般質問をいたしました。
 そこで、鳥取県立図書館では何がすごいのか、違う特徴があるのかというと、一言で言うと何でもありだということです。本にこだわるのではなく、例えば地元の中小企業の「こんなことを困っているのでどうしたらいいですか。」といった相談に、「こういう資料がありますよ。」と、図書館がそこまでするのかといったサービスを積極的に行っていたのです。これは「図書館は知のとりで」として、元総務大臣である、当時の片山知事が図書館政策に力を入れてきたことが大きいのではないかと感じました。
 本県でも、私の質問の効果があったのかどうかはわかりませんが、今年度は予算も、配慮したと聞いております。さらに来年度予算についても同等程度の配慮をしているということで、喜ばしいことだと思っております。
 しかし、全ての方が図書館政策に理解があるとも限らないわけで、「なぜ本に金をかけなくてはいけないのか」という意見もあると思います。
 税金の無駄遣いと言われないためにも、香川県立図書館には、いろいろなことに挑戦してほしいのですが、県教育委員会としてどう考えているのかお聞きします。


西原教育長  図書館のあり方の質問にお答えします。
 現在の県立図書館は、平成6年に香川インテリジェントパークにおける文化面での中核的施設として、今の場所に整備いたしました。毎年約50万人が来館して利用しております。
 基本的には県立図書館ですので、市町立図書館との連携支援での中核図書館という位置づけと考えておりますので、図書資料の充実を図る必要があり、今年度に大幅に購入費の増額を図ったところであり、来年度も同様の予算をお願いしております。
 図書資料は、利用者の意見を伺う必要があり、県民から希望の多い、健康、医療、介護などについても充実させる必要がありますが、一方で、市町立図書館を支援するために必要な図書も、重点的に充実に努めてきたところです。
 県立図書館は、市町立図書館や香川大学の図書館ともネットワークを結んでおり、相互に貸借が行える仕組みにしているため、香川大学の専門的な図書も県立図書館で借りられるようになっております。
 また、県外の図書館とも相互貸借を取り組んでおり、必要に応じて県外の図書館の資料も見られるようになっておりますが、まだ、サービスの範囲は限られているため、さらに広げていく必要があると思っております。
 図書館は、生涯学習の拠点施設と考えておりますので、生涯学習の拠点施設プラス中核的図書館としての位置づけとして、今後、必要な図書資料を充実させていくことで、魅力ある図書館づくりに努めていきたいと考えております。


山本委員  わかりました。これも一般質問させていただいたのですが、県立図書館が、県内で一番大きな公立図書館という位置づけだけではなく、教育長が言われたように、ネットワーク化の充実などに配慮をいただきたいと思います。
 例えば、鳥取県立図書館では児童向けの絵本を全部買っていて、市町村立図書館で全部買えないところは、県立図書館が買った絵本を見て購入を決めており、連携ができていて良いと思いました。
 市町立図書館だけでなく、香川大学や県外の図書館とのネットワークもあるとのことですので、そういったところで、県立図書館も充実してほしいと思います。一方で、県立図書館に来られない方もたくさんいらっしゃるので、各市町の図書館にも充実した図書館政策をお願いしたいと思います。要望として終わりたいと思います。
 2つ目に、中央教育審議会の報告についてお聞きします。
 昨年末に中央教育審議会の答申が出ました。多くのマスコミ報道がされましたが、まず大学入試改革の部分がクローズアップされており、共通一次試験以来の大改革といった表現もありました。ほかにもさまざまな部分の提言、提案がなされていて、読みどころがたくさんありました。
 まず178号答申「子供の発達や学習者の意欲・能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの構築について」の答申についてお聞きします。
 答申では、ほとんどが小中一貫教育について記述されており、「中1ギャップ」や「少子化」の対策として、小中一貫教育が有効なのではないかと提言されております。これに対しての教育委員会の認識をお聞きします。


西原教育長  今回、答申は、矢継ぎ早にいろいろな答申が出て、これから研究していく段階です。
 小中一貫教育に関しての認識ですが、既に中高一貫教育制度があり、これはもともと高校入学者選抜の影響を受けずに、ゆとりある安定的な学校生活が送れるとして、平成9年の答申をベースに、中高の6年間で教育指導を展開するというものでした。
 今回の小中一貫に関しては、教育再生実行会議の提言にも関連があり、第5次の提言の中に、学校段階間の移行を円滑にする観点から、6・3・3・4制の学制のあり方についても議論がされております。その中で、既に小中一貫教育の取り組みが各地域で進んでいる背景もあり、中央教育審議会で小中一貫教育の取り組みに関しての答申が、内容を濃くして出てきたものと認識しております。


山本委員  いろいろな考えがあり、小・中あるいは中・高の一貫教育にもそれぞれメリット、デメリットがあると思います。これも考えが出たばかりで、答えづらい部分があると思いますが、情報収集も含めてしっかりと対応していただきたいと思います。
 次に、この答申の目玉である、177号答申ですが、新テスト導入を含む大学入試改革についてお聞きします。
 正確な答申のタイトルは、「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について~すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために~」というすごいものです。その内容は、「教育改革における最大の課題でありながら実現が困難であった『高大接続』改革を、初めて実現するための方策として、高等学校教育、大学教育及びそれらを接続する大学入学者選抜の抜本的な改革を提言するもの」とされています。ここで私がよくわからなかったのは、まず教育改革の最大の課題は、高大接続なのでしょうか。私はぴんとこなかったのです。教育委員会としてはどのような認識でしょうか。


西原教育長  高大接続は、一つの課題であると認識しております。基本的には、グローバル化していく社会の中に対応する社会人、職業人として子供たちを成長させていくという、大きな教育再生に取り組んでおります。今まで、高校と大学との接続や高校と大学とのあり方についての問題が議論されていましたが、提言がされておりませんでした。改革の一つのテーマとして、高大接続の課題が提言されたと考えております。


山本委員  教育改革は、いろいろな部分で大事なところがありますので、高大接続に力を入れているあらわれと思いますが、私はぴんとこなかったのでお聞きしました。
 具体的なところに入りますが、答申内容では、学習指導要領や大学教育の中身も取り上げられており、私が7月の委員会で取り上げた「キー・コンピテンシー」という言葉も見受けられます。それも含めて細かいところ一つ一つ議論したいところですが、やはり大学入試改革のところを聞かざるを得ません。
 この答申内容にあるように、従来の教育は、知識の暗記・再生に偏り、真の学力が十分に評価されていないため、受験生の能力を多面的に評価する手法に抜本改革を行うこととしています。そのために、今のセンター試験にかわってマークシート方式ではなく記述を中心にした、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を一発勝負ではなく複数回実施するということです。
 2次試験から各大学が行うわけですが、ここでは「アドミッションポリシー」、これは、大学がどのような生徒に入学してほしいかということですが、それに基づいて、人が人を選ぶ方式への転換を促すということです。テストの点数が高かった人から合格させるのではなく、その生徒がその大学にふさわしいかどうかをじっくりと見きわめて、入学を許可するという内容だと思っております。
 それから、高校生では学習到達度を認識するために、2年生と3年生に、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を実施するとされています。ただ、このときのテスト結果は、大学側に提供しても合否の判断材料にはしないことが望ましいとされており、どのようになるかわからないと思います。
 簡単に言うと、従来の日本型と言われる知識偏重入試から欧米型の総合評価方式に大転換するイメージなのですが、教育委員会としてどう認識しているのか、補足も含めてお聞きします。


西原教育長  教育委員会で、十分に分析できていないため、教育委員会というよりは私の意見をまじえながらの答弁になりますが、そこはお許しいただきたいと思います。この中央教育審議会の答申の前段として、教育再生実行会議の第4次提言が平成25年にありました。その中で、これからの日本を担う人材として必要とされる力は、高校や大学の段階で伸ばしていくものであり、あわせて大学入学者の選抜が、高校や大学の教育に大きな影響を与えていることが触れられております。それらを踏まえて、中央教育審議会の高大接続特別部会や高等学校教育部会において、大学入試改革についての審議が重ねられてきたということでございます。
 その中で、昨年の12月に中央教育審議会で出された内容ですが、まず、大学入試をこれまでの1点刻みの試験による知識偏重型から、入学希望者の学力、意欲、課題解決能力などを総合的、多面的に評価するため、現行のセンター試験を廃止して思考力、判断力、表現力を中心に評価するテストとして、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入すること。それと、大学入学者がふえた中で、学力を審査しない、いわゆるAO入試等を実施する大学がふえており、大学の状況によっては入学者の学力低下が課題になっていることから、やはり高校での学習状況をきちんとはかっておくために、「高等学校基礎学力テスト(仮称)」を導入するという2本立てで答申が出されております。
 具体的な制度設計は、今年度中に会議の検討結果を取りまとめて、文部科学省が専門家会議を2月に発足させており、今年度中には専門家会議の検討の取りまとめを行い、平成28年度中を目途に作問イメージを公表する予定と聞いております。
 今回の「高等学校基礎学力テスト」の目的は、高校生がみずからの学習到達度を把握して、学力を客観的に提示できるようにすることで、学習意欲の喚起、改善を図ることや指導改善にも生かすものであり、高校2、3年生で複数回の受験を可能とし、国語や数学Iは必修科目として想定されていると聞いております。テストの参加は希望とし、成績は段階別で評価し、進学時や就職時の基礎学力の証明や把握の一つとして活用します。
 「大学入学希望者学力評価テスト」は、教科の枠を超えたいわゆる「合科目型」、「総合型」の問題を出題して、「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」を総合的に評価すると聞いております。特に英語は「聞く」、「話す」、「書く」、「読む」、の4技能を評価することで、民間の英語検定試験を積極的に活用することも考えているようです。
 今回の「高等学校基礎学力テスト」や「大学入学希望者学力評価テスト」は、従来のセンター試験のあり方を大きく変えるという意味では、委員のおっしゃるように大転換するイメージがありますので、同じような認識に立って内容を分析したいと思っております。


山本委員  「高校教育・大学教育・大学入学者選抜の改革スケジュール」を見ると、来月入学した高校1年生が3年生になるときには、先に述べた「高等学校基礎学力テスト」と「大学入学希望者学力評価テスト」のプレテストの準備と実施が組み込まれております。これも繰り返しになりますが、これからどのようにしてそうした情報を集めて対応していくつもりなのでしょうか。
 受験生はもちろん保護者もどうなるのか不安だと思っております。一方で学校現場の先生方も、大変だと思います。私は大きな方向としては、この今回の答申を評価しておりますが、具体的に細かい部分まで評価できるのか、手間をかける必要があると思うのですが、その辺が私もよくわからないし、大変だろうという想像しかできないのです。そのあたりも含めて最後に教育長に認識をお聞きします。


西原教育長  答申で出ているスケジュールを申し上げますと、「高等学校基礎学力テスト」は平成31年度に、現在の中学1年生を対象に実施を目指しており、委員の言われたように、平成29年度中をめどにプレテストを実施する方向で、多肢選択の解答方式を原則としつつ、記述式の導入も目指しております。また、「大学入学希望者学力評価テスト」は、現在の小学6年生を対象に、平成32年度からの実施を目指して、平成30年度中をめどにプレテストの実施することとしており、やはり記述式の導入を予定しております。高校は、年間複数のテストをすることになりますので、環境をどう整えるのかを考えていく必要もあります。
 一方で、今の受験勉強や受験指導に関して、保護者の方も含めて心配な面もあります。私どももまだ情報が十分でなく、文部科学省でもこれから専門家会議で検討を図るという状況ですので、よく国の動向を見守って、情報が入れば迅速に情報提供したいと考えております。
 ただ、私の個人的な意見で申しますと、今の高校で行っている中間、期末などのテストは、記述式が多いので、ふだんの授業や指導が大きく変わるというイメージではなく、今のやり方の中で、記述方式をある程度重点化して進めていけば対応できるという認識を持っております。


山本委員  わかりました。ぜひ積極的な情報の収集と情報提供をお願いして私の質問を終わります。


谷久委員  1点目に、県立丸亀競技場へのネーミングライツの導入についてお聞きします。
 先ほど、最近野球人口や少年団が減ったという話がありましたが、野球やサッカーの試合においてその会場となるスポーツ施設に、企業の名前を入れたネーミングライツの導入が全国的に盛んになってきており、我が県でも皆さん方周知のとおりと思いますが、「レクザムスタジアム」などのネーミングライツを使っております
 こういった中で、今月の1日、丸亀市が県立丸亀競技場の北側に整備した丸亀市民球場を、「四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀」の愛称でオープンしたところです。県立丸亀競技場については、毎年丸亀国際ハーフマラソンが開催され、全国から1万1000人余りのランナーが参加するとともに、昨年、J2に昇格したカマタマーレ讃岐のホームスタジアムとして年間21試合開催されるなど、多くのファンを集めており、スポーツ振興や地域のにぎわいづくりの場として、今後メディアへの露出効果が期待されていることから、新たな財源を確保するという意味も兼ねて、スポーツ振興を図るためにもネーミングライツの導入を検討すべきだと考えております。
 そこで、ネーミングライツの導入について、既に実施している施設の収入や、何に使われているのかも含めてお聞きします。


西原教育長  ネーミングライツについての質問にお答えします。
 施設の名前を企業に貸して収益を上げるという方法が平成19年度頃から行われており、先ほど委員が言われましたとおり、本県でも既に県営野球場を「レクザムスタジアム」としており、3年間で年額1000万円の契約料を、また、県民ホールを「アルファあなぶきホール」としており、5年間で年額2000万円の契約料となっております。
 財政状況が厳しい中で、施設名を貸すことで新たな財源を確保するために始め、あわせて広告収入も上げようということで、行財政改革の中で進んできたものです。
 ネーミングライツに関しましては、公の施設で集客施設として人が集まる場所の名前を貸すことで、ネーミングをした企業のイメージアップにもつながる一方で、その収益をもとに施設の改修や運営面の充実を図ることができ、県財政にとっても有効であることから、できるものは進めていきたいと思っております。
 丸亀競技場については、県営野球場と同じ平成19年頃にネーミングライツの公募を実施するため、事前に応募をする可能性のある企業について検討しておりますが、当時はまだ景気が悪い状況もあり、公募を見送った経緯があります。
 最近の状況としては、景気の問題もありますが、昨年J2に昇格したカマタマーレ讃岐のホームスタジアムとして年間21試合開催されたり、国際大会として外国の方や全国からも注目され、1万人を超える参加者が集まる丸亀国際ハーフマラソンも、丸亀競技場をスタートとゴールとするなど、いろいろな試合で使用された実績が出てきております。5月にはカナダで女子サッカーワールドカップがありますが、それに向けて「なでしこジャパン」の国際試合も丸亀競技場でも開催することになっており、県内外から注目されてきている競技場となっています。
 他県の状況を見ましても、徳島県や愛媛県、岡山県も全てネーミングライツを導入している施設がありますので、導入に向けて前向きに考えており、まずは、応募の可能性のある企業への打診や、募集内容などの検討をはじめたいと考えております。


谷久委員  県下全域でネーミングライツの導入を進めていくというお話ですが、実際に導入すれば、名前の使用料収入が入ってきます。ただ、例えばJ2などの大きな大会で集客が必要な場合、県から補助金が出て、ほとんど無料になっている場合も多くなっています。しかし、本当はしっかり入場料や使用料を徴収して運営する形にしていかなければならないと思います。費用を投入するのであれば頑張って収益を上げていく必要があります。県としてもスポーツ振興をしていく中で、公費を使って人を集めるのではなく、「なでしこ」の試合なども含めてお客さんを集める努力をしないと、結局ネーミングライツを導入しても商売の関係からいうと企業にとってメリットがないということにもなると思います。
 ネーミングライツを導入するのであれば、ぜひ、費用対効果を考えて導入を促進していただきたいと思います。これは要望にしておきます。
 2点目に、高校生による漆芸PR推進事業についてお聞きします。
 今回の文教厚生委員会の資料に記載されている、来年度の新規事業の「高校生による香川漆芸PR推進事業」ですが、新聞報道によりますと、高松工芸高校のデザイン科の生徒たちが、香川の誇る漆器を多くの方々に知ってもらうため、「麗漆社」と名づけた架空のデザイン会社を設立してグッズを企画するなど、「香川の漆PRプロジェクト」に取り組み、その研究成果について知事へのプレゼンテーションを行ったと聞きました。また、生徒が考案した漆の5つの技法をもとにしたゆるキャラが、香川県漆器工業協同組合の公認キャラクターになったことを知事に報告したとのことでした。
 また、この活動は、日本政策金融公庫が開催した高校生ビジネスプラングランプリに応募をし、全国207校、総数1,717件のエントリーの中から見事「審査員特別賞」を受賞したと聞いております。
 そこで、この新規事業は、具体的にどのような内容なのか、あわせてこの事業を学校全体で取り組むことによって工芸高校や県内の高校に、また、漆産業など地域の伝統文化に取り組んでいる方々にどういった効果、影響があるのかお聞きします。


出射高校教育課長  高校生による香川漆芸PR推進事業についてお答えします。
 香川漆芸は、多くの漆工芸作家を輩出するとともに、国の伝統的工芸品の指定を受けており、香川を代表する伝統産業の一つであると考えております。
 この事業は、昨年度、高松工芸高校デザイン科において、香川漆器の知名度の向上や技術・文化の継承、本県の漆産業の発展を願って「香川漆PRプロジェクト」をテーマに課題研究に取り組んだ成果を発展的に引き継ぐとともに、高松工芸高校の教育活動をPRしようとするものです。
 具体的には、高松工芸高校の各学科、例えばデザイン科であれば新しいデザインを考案したり、工芸科では人間国宝等の社会人講師による特別授業を実施したり、美術科ではワークショップを取り入れた講演会を開催したり、機械科・建築科では収納棚や金属製品などに漆の塗料を使用したり、工業化学科では漆の塗料に化学物を合成したときの化学反応を研究したり、電気科では各学科の取り組みをホームページ等で情報提供するなど、工芸高校全体を挙げて取り組んでいくことを考えております。
 また、お接待をコンセプトとして生徒が製作した漆器を、人気うどん店などで使用したり、東京にある「せとうち旬彩館」などでのPR活動も計画しております。
 また、各事業の取り組みによってどのような効果があるかの質問ですが、高松工芸高校には、かつては漆芸研究所が隣接しており、研究所の職員から指導を受けたり、高校生が研究所を見学するなど、香川漆芸や漆の研究に高校生が関心を持てるような環境があります。
 こうした伝統を引き継ぐ中で、香川の漆や漆器の継承とあわせて、工芸高校としての特色ある教育活動をアピールするとともに、若者ならではの新鮮な発想を学校現場に取り入れ、これからの各学科の教育活動に生かせるよう取り組んでいきたいと考えております。


谷久委員  こうした取り組みを高校生が行うことは、香川県漆産業のこれからを支える、大きな担い手になるのではないかと思っております。そういった観点からも、国宝級の方々や芸術家の方々に講師になっていただければ、学校全体の士気も上がってくると考えます。
 要望がかなうのであれば、高松工芸高校の生徒と、香川県産の漆と小豆島の森林認証を受けた間伐材が、コラボレーションして作品ができればいいと思っております。
 これからしっかりと学校現場で取り組んでいってもらいたいと思います。これも要望にして終わります。
 最後に1点、これは通告をしていなかったのですが、先ほど氏家委員から特別支援教育のICTの活用の話がありました。障害を持つ方にとってICTが活用されることは、自分たちの知り得る範囲や行動の範囲が広がると思われるので、大変いいことだと私は思います。
 以前の委員会で、小豆島にある高松養護学校の分室を分校にできないのかと質問いたしました。その際に、今後、周辺のニーズなどの調査を行い、それを踏まえて検討していきたいとの答弁がありましたが、その返事がまだ返ってきておりません。年度当初の予算を決める段階の大事な定例会でもあるので、情報があるようでしたら教えていただきたいと思います。


西原教育長  今、小豆島で特別支援学校の分校について、要望もある中でどのように取り組むかということについて、教育委員会の中でも課題になっております。現状としては、実際に高松に来られている方もおりますが、小豆島の中で今後どういった希望があるのかについて、よく意見を聞いた上で判断したいと考えております。
 一方で、小豆島の統合高校の跡地の活用の話も並行して進めておりますので、実際に特別支援教育の教室を本当につくるとなったときに、どこにつくるのかということも関連します。少し時間がかかっておりますが、十分に意識をしながら検討しておりますので、時期が来ましたら報告したいと思います。


谷久委員  十分に意識をしながら検討をしている、という言葉をいただきました。ありがたいと思います。実際のニーズとしては、やはり自分の手元で子供を育てたい、ということもありますし、また、私たちが周りから見ていると大変なときもあって、少し親御さんの元から離してあげたほうがいいのではないかとのジレンマの中でやらなければいけないこともあります。24時間365日一緒にいるということは、親子の関係としてはいいことなのですが、そこで溝が起きるかもしれないと考えたときに、当事者や医療従事者、専門家の方々からいろいろな意見を聞いて、最終的には小豆島の統合高校の跡地利用の中にどのようにしていくかも含めて、十二分に検討していただきたいと思っております。要望にして終わります。


三野委員  3点ほど質問させていただきます。
 その前に、来年度の予算で中1ギャップ解消のために少人数学級を導入したこと、香川県として率先して対応したことを評価したいと思っております。まずそのことは申し上げます。
 新規事業のことについて2点、お聞きしたいと思います。
 まず教育センターの教育相談についてですが、教育センターが西宝町から郷東町にことし5月に移転すると聞いております。それに関連して来年度の予算に教育相談体制の充実も図られると書いています。
 昨年10月の文教厚生委員会で、教育長から、移転を契機に教職員の研修や調査研究について、より学校の現場に役立つよう充実を図るように、また教育相談についてもより県民に利用しやすい体制をとるという説明がありました。
 私は、いじめや不登校など、子供たちや保護者のさまざまな深刻な悩みに応える教育相談の充実は重要だと思いますし、これまでも私も相談を受けて、教育センターを何回か利用させていただきました。
 そこでまず、教育センターの教育相談について、寄せられる相談の内容や件数、現在の利用状況についてお聞きします。


星加総務課長  教育センターの教育相談についての質問にお答えします。
 教育センターでは、いろいろな形で教育相談を受け付けております。まず、子供や保護者などからの学校教育に関する相談に、電話あるいは来所等の方法で対応する「学校生活の悩み相談」があります。このほか、「24時間のいじめ電話相談」、保護者の子育てについての悩みや子供からの家族、友人関係についての悩みに応える「家庭教育電話相談」、「ネット上のトラブル相談」等を実施しております。
 相談には教育センターの職員のほか、元教員や臨床心理士など、教育や子供の心理などについて豊富な経験、専門知識を有する相談員が対応しております。
 相談件数ですが、平成25年度は延べ3,491件、平成26年度は1月末現在で、延べ3,254件となっております。対前年度の1月末現在で比べますと、12.3%の増となっております。3,254件を相談者別に分類しますと、子供からの相談が842件で約26%、保護者からの相談が1,718件で約53%、その他友人とか教員などが694件で約21%となっております。また、手段別で見てみますと、電話相談が2,085件で約64%、来所による相談が915件で約28%、メール相談が254件で約8%となっております。
 相談内容ですが、子供からの相談では、友達とうまくつき合えないといったことや、友達に無視されるといった「交友関係」、先生の指導に納得がいかないことや、部活動の先生が厳しいといった「学校・教師関係の相談」、あるいは進級や職業選択の悩み、転校といった「進路・適性」に関する相談など、学校生活に関する相談が約6割を占めております。一方、保護者からの相談では、先生とのかかわり方や先生の指導方法への不満といった「学校・教師関係」、不登校で進級できないといった不登校に関する相談などの学校生活に関する相談が約5割、子供のしつけや育て方など家庭教育に関する相談が約4割を占めております。


三野委員  大変件数も多いし、それぞれの今の社会情勢が出ていると思います。私も相談を受けたのは不登校の問題でした。私が相談を受けてもよくわからないし、保護者の人も親子の関係の中では対応できないような悩みであったと思っています。
 そういう中で、相談員は、いろいろなケースを経験されておりますし、その中でうまくいった例もあるだろうと思いますので、よいアドバイスをしていただいただろうと思います。人間は、自分の中で閉じこもっていたら悪いほうへ悪いほうへと考えるのですが、自分の悩みを誰かに相談できるとまた新しい発想にもなると思っております。
 実際に対応されている職員は大変だと思います。いじめ、自殺の問題や他人に危害を与えること、また、親子の関係がうまくいかないなどの課題が社会情勢の中にある中で、教育相談は大事なことだと思っており、今後、充実をさせていくということですが、土曜日の相談をふやすことのほかに、具体的にはどのようにされるのかお聞きします。


西原教育長  教育センターの教育相談に関しての質問にお答えします。
 先ほど教育相談の件数や内容を申し上げましたが、教育センターが新しく変わるということもあり、電話による相談や面談による相談など複数の所属に分かれた相談窓口の一元化を図り、その中で、効果的な運営を行うこととしております。具体的には電話相談に関しては、24時間のいじめ電話相談として24時間体制を引き続き実施いたします。
 学校教育と家庭教育に分かれていた相談窓口を、子供向けの窓口と保護者向けの窓口に再編をし、相談時間も電話相談は、土日、祝日も含めて年間を通して朝9時から夜9時まで対応いたします。面談相談も従来は平日のみでしたが、新たに月2回土曜日に実施をして、より利用しやすい体制にしようと考えております。
 それぞれ個々の相談の対応に関しても、自殺のほのめかしや虐待等に係る相談などは、緊急な対応を要する場合もありますので、その時点で速やかに対応できるように、ほかの機関との連携がスムーズにできるようなわかりやすい連携運用マニュアルを作成して、市町教育委員会や学校、関係機関との連携体制をさらに緊密にしようと考えております。
 子供や保護者が気軽に相談できるような相談窓口となるよう、相談窓口の周知や相談員の資質向上に取り組むことで、教育センターがその相談窓口の中核施設として機能を果たせるよう強化に努めます。


三野委員  最近ではいろいろな事件がある中で、相談することで悲惨な事件にならなかった例もあると思います。相談で全てが解決するとは思いませんが、事前に察知して、気をつけていけば、悲惨な事件を防げたり、さらには前向きに頑張っていこうという子供たちがふえるのではないかと思いますので、ぜひ新しい取り組みを強力に進めていただきたいと思います。
 続いて、新規事業の特別支援学校生徒の就労支援事業についてお聞きします。
 障害者が自立して社会に参加していく上で、能力や個性を存分に発揮して働くことができるということは重要なことだと思います。
 今でも特別支援学校で、働くことに必要なさまざまなスキルを身につけさせるために職業教育に取り組んでいると思いますが、中には障害が重くて困難な問題もありますし、障害の程度によって内容も違うと思います。企業に就職をしたり、障害者の施設等で働くことが困難な人もいるのも事実であろうと思います。
 また、学校の中ではうまくいったけれども、社会へ出て企業の中でなじめなくて離職していくこともあると思います。そういう状況の中で、今後教育委員会として、特別支援学校の生徒の就労支援にどのように取り組んでいくのかお聞きします。


平畑特別支援教育課長  特別支援学校の生徒の就労支援事業についてお答えします。
 まず、現状として、中学部段階から職業に関する教科学習や作業学習、就労体験を行っており、高等部においては、印刷や清掃など各学校で特色のある作業学習を展開しております。特に、通常の高等学校でも行っているインターンシップは、3年間でおおむね12週間に及ぶ長い期間をとっているところです。
 そのほか、現在、教育委員会で行っている就労支援としては、啓発のリーフレットを作成して各企業に配布をしたり、ジョブサポートティーチャーという専門の職員を2名雇用し、各企業を訪問して新しい職場や実習先の開拓、就職後の定着を図るための相談なども行っております。
 また、香川労働局を初めとする国の機関との連携や協力体制の整備も図っており、その一環として、来年度から新規事業としていわゆるチャレンジ雇用ですが、一般企業への就職を支援する事業を行いたいと思っております。


三野委員  実は私も知っているうどん屋で障害者のある方が、店の前でうどんを打っているところがあります。「頑張れよ。」と一言声かけたこともあります。多分、事業主は障害者の雇用助成金を受けており、お互いにメリットがある中で、先ほど言われたように、障害のある方ができる仕事が何なのかを学校で見つけていくことは、大事だと思っております。
 来年度の新規事業で、特別支援学校の卒業生を県教育委員会で雇用し、一般企業の就職を支援するということですが、具体的にどのような人を対象とするのかお聞きします。あわせて、雇用期間が最長で2年ということですが、限られた期間の中で雇用期間終了後に一般企業への就労につなげていくために、具体的にどのように取り組んでいくのかお聞きします。


西原教育長  まず、今の特別支援学校の高等部の生徒の就職や進路の状況を申し上げます。平成26年3月時点の卒業生168名のうち、一般企業への就職が45人で、率にして約27%、各種学校等への進学が6人で、約4%、多いのがやはり福祉施設等への通所で、109人で約65%となっております。就職を希望する生徒にはできるだけ就職を勧めているのですが、実際には少し様子を見る方もいらっしゃいます。そこで、今回の事業の対象としては、特別支援学校を卒業する人で就職するにはもう少し訓練してスキルアップが必要と思われる方、それと卒業した後、就職したものの職場や仕事になじめずに自信をなくして離職した方も含めて対象にしたいと考えております。そういった方を、県立の特別支援学校に配置して、業務経験を積み重ねてスキルアップを図ってもらいたいと思っております。
 特別支援学校へ配置する意味なのですが、障害に応じた作業環境の工夫や業務の選定も行い、雇用された方が能力を十分に発揮できる環境を整えることができますし、在籍する生徒にとっても、先輩の働く姿を見ることで、就労の具体的イメージが持ちやすくなるといったメリットもあると考えております。
 2年間でスキルアップを図るのですが、雇用された方には障害者の就職に向けた準備支援等を行っている障害者就業・生活支援センターに登録をしていただいて、必要に応じて就労支援ワーカー等の指導や助言、職業評価も受けてもらうとともに、雇用期間中に就職面接会に参加したり、一定期間、民間企業等で実習を受けることもできるようにして、一般企業への就労につなげてもらいたいと考えております。


三野委員  本当にいいことだと思います。企業側としても、特別支援学校で勤務して、2年間でスキルアップすれば、やはり安心感があると思います。そういう積み重ねの中で、企業の経営者に理解を求めていくことは大事だろうと思いますし、同時にいろいろな助成金を絡ませながら、みんながウイン、ウインになるような形をつくっていくことが大事だと思います。今の世の中は大変ですが、ぜひ障害のある方も自立して、社会に出て生き生きと生活して、弱者の人でも頑張れば社会の中で生きていけるといった見本になっていただければ、自殺などの防止にもなるのではないかと思いますので、ぜひ、この新規事業が成功するように頑張っていただくよう要望します。
 最後に学校給食についてお聞きします。12月の文教厚生委員会でも話したとおり、私は給食の無償化とまでは言っていませんが、給食費は基本的に国が負担することだと思います。国が全体でするかどうかの議論があり、それがない場合に県が補完的にどこまでするかという議論であると思っております。
 三木町が新聞でも大きく取り上げられました。さすが筒井町長と思いましたが、18歳未満の子供が複数いる世帯で、第2子以降の学校給食費を半額補助することを打ち出しました。第2子以降が対象ですから、人口減少対策だろうと思います。子育て支援の意味もありますし、複数のこどもを産んだ家庭は経済負担が大きいので少しでも支援するという考え方だと思います。
 人口減少の視点も大事だと思いますが、私はもう一つの視点として、やはり貧困化の問題だと思います。日本では16.7%の子供が貧困化している状況の中で、貧困化対策として給食費の助成が必要なのではないか、というのが私の考え方であります。
 所得制限などを入れながら、子供が複数いる家庭であるとの条件を絡ませるのもいいのですが、やはり子供の貧困化対策は必要です。経済的に恵まれている家庭環境の子は困らないのですが、恵まれていない子は貧困の連鎖となります。勉強ができても給食のことで悩むということが、教育の場ではあってはならないと思っています。私の妻が幼稚園の先生をしていて、給食費の滞納を取りに行く仕事をしました。家も立派なので払えないところではないと思ったのですが、そのように取りに行くと次の日から子供を休ませるのです。休めば給食費は要らないと思っているようです。親がそういう状況なので、子供は本当にかわいそうだなと思いました。親の責任ではありますが、そういう親に問題があるのだから仕方がないということではなく、やはり行政や社会の中でみんながその子たちを支援していくことが必要だと思っております。
 今回の三木町の取り組みについて教育長がどう思われるのか、所得制限なども考慮しながら、貧困対策として、給食費の支援に対してどうお考えなのかお聞きします。


西原教育長  今回の、三木町における子育て世帯に対する第2子以降の方への給食費の支援制度の予算化については、三木町が頑張ったというのが率直な認識です。
 子供たちにとって、学校給食も含めて教育の現場でいろいろなことがスムーズに行われる環境づくりを行うという意味では、この取り組みは、一つの大きな支えになると思っております。
 一方で、これは三木町独自の判断であり、これまでも私どもが申し上げておりますように、基本的には、学校給食は教育的意義はあることから、食材費などに関しては保護者に負担していただいて、それ以外の施設・人件費については、設置者である市町等が負担をしております。できるだけその原則の中で対応すべきなのではないかと思っております。
 ただ一方で、経済的な理由で就学が困難な方に関しては、既に生活保護では教育扶助、要保護の方については就学援助の制度もありますので、保護者に活用していただきたいと考えております。
 そういった基本的なところはありますが、この三木町の取り組みに関しては、町の判断としていいことをされていると思っておりますので、他の市町の動向を、県としてよく見ていく必要があると思っております。また、県全体の少子化のプロジェクトチームに教育委員会も入っており、検討し、議論もしていきたいと考えております。


三野委員  市町がこういった取り組みをすると、人は、住みやすいところかどうかを判断して集まってくると思います。これは過去の例で、合併する前の塩江町で、若い世帯が町営住宅に住めば現金を支給する制度がありました。その人は香川町から来て、他にも大勢の人が住んだのですが、合併しましたので、塩江町の人だけに支給するわけにもいかずに廃止になりました。そうすると、もとに住んでいたところに帰ったそうです。このように、特に若い人、子育てをしいている人は、住みやすい環境があるところへ流れていきます。
 ですから、三木町は、これから周辺の子供がいる世帯の人たちが、住みやすいところだということで移住してくるのではないかと思います。医療費や子育てなどは、市町が力を入れるかどうかで、自治体間で差が出てくると思います。そうしたことは市町の判断だと言われますが、私は、香川県内で露骨に差が出ることはいかがなものかと思います。県が一定程度のところは補完していかないと、余りにも差がでるとバランスが取れないのではないかと思います。
 私はいろいろな方法があると思います。財源の問題もあるので、所得制限の問題や第2子以降のみを対象とすることなどをいろいろとミックスして、少しでも市町が取り組みやすいように、県がどの部分を補完するのかを検討していけば、子育て支援、少子化対策の方向性ができるのではないかと思っております。なかなかすぐにはいかないと思いますが、今後の宿題として、一つの基礎自治体の中で動きが出てきたわけですから、注視していただきながらいろいろ検討していただくことをお願いして質問を終わります。


石川委員長  暫時休憩いたします。
 午後は午後1時から再開いたします。
 (午前11時47分 休憩)
 (午後 1時03分 再開)


石川委員長  再開をいたします。
 質疑、質問を続行いたします。


大山委員  小・中学校の教科書採択についてお聞きします。
 私が初当選した時の2年目に、採択システムの質問をしましたが、そのときは採択地区が香川県で3カ所でした。それで、もう少し採択地区を広げる方向に持っていったほうがいいのではないかと質問し、3カ所から5カ所へ広げることになり、その後、新しい採択地区が次の採択から採用されることになると記憶しています。そこで、次からどのような採択地区になっているかをお聞きします。


西原教育長  結論からいいますと、本県では8エリアでの採択地区となる予定です。昨年、改めて国から通知文書が出て、採択地区の設定において、基本的には各市町村に細分化されることになりました。その通知が出た際に、改めて市町教育委員会に確認した結果、さぬき・東かがわ採択地区、小豆採択地区、高松・木田・香川採択地区、坂出・綾歌採択地区、丸亀採択地区、善通寺採択地区、仲多度採択地区、観音寺・三豊採択地区の8カ所の採択地区を決めております。


大山委員  採択地区を細分化して、採択する各市町の教育委員会が、採択地区の委員会を組織して教科書を採択していくことになります。しかし、当時から問題になっているのが、採択地区の教育委員会が、最終的には責任を持って教科書を採択することになっておりますが、教育委員会の教育委員が、全ての学科の全ての教科書を十分には目を通せていないことです。
 どのようなシステムになっているかというと、学校の先生が調査員になり、調査員から学校の教科書の選定についての意見が上がってきます。そうなると先生の意見が入ってきやすくなり、先生の意見をそのまま追認して教育委員会が採択してしまうという問題点が、その当時指摘されておりました。
 例えば、調査員が偏った思想信条を持っている場合に、その意見に左右されるのではないかといった心配や、政治的中立性が保たれているのかといったこと問題になったと思いますが、今後は、そのようなことに対してどう対応されるのですか。
 幾ら採択地区を細分化しても、各地区の教育委員が、政治的中立性を保ってしっかりと目を通し、最終的に学習指導要領に一番合っており、生徒にとって一番いい教科書を採択することを目的としたシステムをつくることが必要です。それをどのように担保しているのかお聞きします。


西原教育長  基本的には、それぞれの採択地区で、単独の市町の場合はそれぞれの教育委員会が、共同の場合はそれぞれの教育委員会が合同で採択に当たります。その際に、県教育委員会から、教科書の選定に必要な資料として教科書の資料数なども含めた基礎データを渡しております。それを昨年から一月ほど早めて提供いたしまして、従来なら6月の終わりくらいの提供であったものを、6月の初めに提供することに改善いたしました。
 市町教育委員会が決める際には、学校の中だけで決まるのではなく、保護者なども参加して決めていると理解しております。


大山委員  保護者の方たちが専門的に勉強をして、しっかりとした見識を持たれているのなら、自信を持って意見を述べることができると思います。しかし、例えば学校の先生のOBでもある地元の教育長などが、現場をよく知っているという理由で教育委員になっております。また、さきほど言いましたように、学校の先生である調査員が報告を上げますので、教育委員と調査員の両方が「この方向で行きましょう。」ということになってきます。そうなると、保護者は余り専門的な勉強はしておりませんから、「それでいいのではないですか。」といった方向に行く傾向が全国的にみられます。例えば、自民党で教科書議連をつくっておりますが、ここでは歴史教育においていわゆる自虐史観が強い教科書が選ばれる傾向があり、それが継続されて、幾らシステムを変えても大体同じところが選ばれています。
 一つには、例えば学校の教材などは、教師がなれているものを使いたいから、という理由もあるのだろうと思いますが、そのように本来の選ぶための視点ではなく、教師側の都合、思想信条がそこに入りやすいのではないでしょうか。そこに対して教育基本法に書かれている政治的中立性をどのように図っているのか、そこが担保できているのかいないのかといったことが論点になってくると思います。
 ですから幾らシステムを細分化したとしても、そこが変わっていなかったら、意味がありません。教育長や知事、議員などにその視点がなければ、結局は今までの流れと同じなので、変わりようがありません。そこをどのように変えていくかお聞きします。


西原教育長  過去の状況の全部を把握していないので、現状を申し上げます。
 まず、教育の政治的中立性に関しては、教育基本法に規定されております。その中で、学校が特定の政党を支持したり、これに反対するための政治教育や政治活動をしてはならないと書かれております。学校の教育活動自体が一党一派に偏してはならないということは、大きな前提でありますので、学校関係者全てが知っていると認識しております。
 次に、教員の政治的中立性があります。教育公務員は政治的中立性を保つべきであり、地方公務員法だけではなく教育公務員特例法の中でも、教育公務員に対して政治的な中立性を保つということは、ほかの公務員よりも厳しく規定されております。
 そういった中で、子供たちに教える基本になる教科書の選定において、委員の指摘のように先生が偏った見方で選ぶと大きな問題となりますので、そういったことがないように、十分注意してもらわなければならないと思っております。したがいまして、選定に当たって教育委員の方には、教科書が基本であることを認識した上で中立性、公正性が保てるような教材を選ぶように指導しております。


大山委員  政治的中立性の中で、一つの政党や政治活動に対しての中立性といった部分もあると思うのですが、それぞれの政党の信条や政策は違いますから、その背景となる思想信条に対して偏ってはならない、ということも含まれていると思っております。だから、自民党を応援してはいけない、社民党だけに偏ってはいけない、共産党に偏ってはいけない、といったことだけではありません。一方で、憲法19条により、教師であっても思想信条の自由はうたわれておりますが、教師として子供を教える限りは、偏ってはだめだと私は理解しておりますが、それでよろしいでしょうか。


西原教育長  委員のおっしゃるとおりだと思います。教員個人の話だけではなく、教科書の採択も同じだと思っております。教師が自信と確信を持って、子供たちに思考力や判断力、表現力を教えていく中においては、公正で中立でバランスのとれた教科書を使って、教員が偏らない教育をすることは基本だと思っております。


大山委員  わかりました。そこのところをしっかりと担保して、皆さん方への周知をお願いします。
 それから、調査員は今でもいるのですか。


篠原義務教育課長  調査員は、現在もおります。


大山委員  それはどういう方がなっていますか。


篠原義務教育課長  地区の調査員につきましては、市町が推薦して人選し、専門的な知識を持ち、今までの教育実践や教育活動において中心的な役割を果たしてきた者が選ばれております。


大山委員  その調査員に対して思想信条や政治的中立性について、どのように指導していますか。


篠原義務教育課長  調査員をお願いするときに、それらも含めてお願いしております。


大山委員  ということは、偏在性があるような考え方は、そこには入ってくる余地はないと理解してよろしいのですね。


篠原義務教育課長  私どもはそのように理解しております。


大山委員  話しは少しそれるかもしれませんが、新教育基本法の中で日本の神話を教材としてきちんと伝承していくことを、積極的に進めて活用するべきだとの考え方が示されていると思いますが、そこのところはどうお考えですか。


西原教育長  十分に神話のあたりまで、教科書を読み込んでおりませんでした。


大山委員  文部科学省のホームページにある「平成23年度文部科学省白書」第2部第2章第1節に、伝統や文化に関する教育の充実が出てきます。「国際社会で活躍する日本人の育成を図るためには、我が国や郷土の伝統や文化を受けとめ、そのよさを継承、発展させるための教育を充実させることが必要です。このため各教科などで我が国の伝統や文化についての理解を深める学習を充実します。例えば国語では神話、伝承や古文、漢文に関する学習を充実するとともに云々」ということが書かれています。ですから、文部科学省の精神としては、神話は活用する、とここに書かれておりますが、それでよろしいですか。


西原教育長  委員の指摘のとおりであれば、そのとおりだと思います。


大山委員  指摘のとおりでなければどうなのですか。


西原教育長  指摘のとおりだと思っております。


大山委員  先週か先々週の中日新聞の記事ですが、「愛知県一宮市内の中学校長が勤務する学校のホームページ内のブログに、古代から日本は天皇陛下と民が心を一つにして暮らしてきたなどとする原稿を掲載し、市教委から口頭で注意を受けていることがわかった。市教委などによると、校長は建国記念の日を前にした9日の朝礼で、日本の起源というテーマで挨拶し、そのもととなった原稿をブログに掲載した。ブログでは、16代の仁徳天皇が民家から煮炊きする煙が少ないことから、困窮する人々を思い、徴税をやめてみずからもつつましく暮らしたとする民のかまどの話を紹介。こうした神話こそが国柄を示しているとも言えるなどと強調し、長い歴史とすばらしい伝統を持つこの国に誇りを持ってほしいと呼びかけていた。校長は12日に市教委からこのことについて注意を受け、ブログ原稿を削除した。取材に対し校長は、子供たちに和の心を大切にしてほしいという思いを伝えたかったと説明。市学校教育課の担当者は、断定的な書き方で、個人の考え方を押しつけかねないと判断した。慎重さを持つように指導したと話している。同校には保護者からの苦情は寄せられていないが、ブログについて偏向教育だとの匿名の手紙が1通届いたという。」と出ております。
 市教組も、18日に教育長宛の抗議文を提出する予定となっております。全国からこの記事が出てから「これはおかしいのではないか。」「この校長先生の何がいけないのか。」「ちゃんとしたことを教えて、むしろ褒めるべきではないのか。」といった抗議があったそうですが、この記事を聞いて教育長はどう思われますか。


西原教育長  校長先生が子供たちにお話しした内容は、私も子供のころに聞いた話の一部ではあり、当時は小さかったので天皇についての十分な認識はなかったにしろ、平和な暮らしということに関しては、いい話ではあったと記憶しております。それをベースに話したことに関しては、恐らく校長には悪意はなかったと思います。背景がわかりませんので、詳しくは申し上げられませんが、何も悪意性が感じられない以上、今回、教育委員会から校長先生に対して処分的な話もでておりますが、それについては理解ができないと思います。


大山委員  今の教育長の答弁がそのとおりであれば、香川県ではこういうことはないと思います。私がこれで何を言いたかったかというと、えてしてそういうことに対して嫌悪感を示す偏向した考え方、先ほど言った政治的中立性ではなくて、少し偏重した考え方の先生方や組合の方がいるのも確かなのです。
 これが全国的に、なぜ問題になっているかというと、そういう勢力からの圧力だけではありません。新聞は政治信条の自由で書いておりますから、思想信条はどこに向いていようが自由です。特に新聞は自由でありますから、偏向していても全然問題がないのです。ただし、テレビ放送は放送法第4条に規定があり、放送事業者は、A、B双方の政治的な発言があった場合には、両論併記をして平等に報道しなければならないとされています。しかし、新聞はそうではないのです。
 ただ、新聞にこのような神話や昔の天皇制などを否定する勢力があるのは間違いないのです。だから、意見やバッシングを恐れて、教育委員会が萎縮してしまって、自主的にバッシングを受けないような行動をとってしまう場合があり得るのです。そうなったのでは、いつまでたっても思想信条の強い新聞社の報道に流されてしまうことになってしまいます。そのようなことは香川県の場合はありませんか。


西原教育長  私としては、少なくとも教師が、子供たちにいろいろと知識や表現力、思考力を高めるために教えていく過程の中で、一つの偏った考え方で教えることはいかがなものかと思っております。そういう見方でこの1年を見ても、特にそういった問題が起こっているとは思っておりませんので、基本的にはそれぞれ公正中立の立場で教育活動をしていると認識しております。


大山委員  教育長が見るとそうかもしれませんが、我々が見るとそうでないように感じるときが多々あります。政治的な圧力に対して遠慮をしているというのでしょうか。ほとんどの先生方は、公正中立の立場で教育活動をしている先生方だと私は理解しておりますが、しかし一方で先ほどのような記事が出るわけです。そういった報道の圧力に対して遠慮をしてしまうというのか、気を使ってしまうというところが、多々私は見られると思っております。
 そこで、調べていただいたと思いますが、香川県内の高校の教師の方々がとっている新聞です。偏在性がないのであれば、全ての新聞をとっていると思いますが、どのような新聞が読まれているか調査をしていただいたはずなので、それを発表してください。


出射高校教育課長  県立高校31校を調べましたが、現在学校で購入している新聞の状況は、四国新聞と朝日新聞は31校全部がとっております。読売新聞が21校、毎日新聞が23校、日経新聞が11校、産経新聞が2校です。


大山委員  このことなのです。新聞は報道の自由によって書かれており、そのことは、憲法第19条思想信条の自由により保障されております。ですが、書かれている内容はそれぞれの思想信条によって書かれており、そういった中で朝日新聞が31校で毎日新聞が23校です。この新聞と対立するのは世間一般的にどこだと思いますか。


出射高校教育課長  産経新聞だと思っております。


大山委員  産経新聞は2校なのです。学校の先生方にこれを読みなさいといった指導はしていないと思います。自主的にとっている新聞がそうなっていると思います。ですから、私はこれ自体について強制的にこうしなさい、とは言っておりませんが、先ほどの新聞社にしても、そのような自分たちの思想信条を背景にして、圧力をかけるような記事を書いたりする場合もありますので、それに対して教師の皆さんが反応をすることが多々あると思います。
 ただし、同じ記事に対しても、今言ったように産経新聞と朝日新聞では、思想信条が違う場合があるわけです。教育論に対しても両方が違う主張をしております。私は産経新聞に近い人間であり、三野先生はまた違うところだと思いますが、教育における政治の中立性には、それぞれの思想があり、それは自由なのです。しかし、今の新聞の購読数を見ている限りでは、どちらかというと一方に偏り過ぎているのではないのかと思います。
 それは仕方がないというのではおかしいと思います。そういうところも教師の皆さんに、両方の新聞に目を通しなさい、ということを指導まではいかなくてもある程度は話してもいいのではないのかと思っておりますが、いかがでしょうか。


西原教育長  いわゆる4大新聞社においては、それぞれの立場やいろいろな考え方もあって記事の構成も違いますし、同じ取り組み内容についても違った見方をするというところもございます。その意味では、一つの新聞だけではなく、いろいろな新聞を読むというのは大切であり、私は立場上、4紙とも全部読むようにはしておりますので、違いは何となくわかります。ただ、先生は忙しいことあり、全て読むというのは大変かもしれませんが、基本的には主義主張が違うということを、改めて認識するように、何らかの機会に私から申し上げたいと思います。


石川委員長  確認しますが、新聞代は公費で支払っているのですか。


出射高校教育課長  公費で購入している新聞の調査でございます。


大山委員  公費で買う限りは、やはり満遍なく読むということが必要になってくると思っております。
 例えば県立図書館や市立図書館でも、どちらかというと一方に偏った系統の書物は置いてありますが、例えば週刊誌や月刊誌で我々が主張するものを置いてなかったりするわけです。教育委員会としてはそのようなことは思っていないでしょうが、一つの流れとして教育長は把握しておく必要があると思いますので、十分な配慮をお願いします。
 確認しておきますが、朝日新聞に天声人語というのがあり、いいことも書いてあります。我々も読むときがあり、これを否定しているのではありません。思想信条を私は否定するつもりはありません。
 しかし、これを学校の教材として書き写してきなさいとか、感想文を書きなさいとなると、その新聞をとるしかないわけです。学校の先生がこの新聞の勧誘をしているのと同じことです。自宅で購入している新聞の何かの感想文書いてきなさいというように、満遍なくやるのならわかるのですが、特定した新聞を教材として使うといった傾向が全国ではあると聞いております。香川県ではどうでしょうか。


西原教育長  基本的には、特定の新聞社の天声人語のようなコラムを使ってということはないと認識しております。新聞の報道の内容や社説といった主張については、文章表現としても役立つ話であり、どの新聞社でもいいのですが、構成のあり方や書きぶりなどを小論文などの形で少なからず活用できます。必ずしもその1社のどれがいいということではなく、どの新聞社でも結構だと思っており、その中で先生が指導していただけるものと思っております。


大山委員  今の教育長の答弁を聞いて安心しました。しかし、教育長がそう言っても、学校内で単独で勝手にそういうことをやったりする人たちも、他県ではいると聞いております。そういった一部の流れに押されたことにより、歴史教科書や戦史的な問題に影響が出ることのないように、教科書選定をしていただきたいと強く要望して質問を終わります。


十河委員  2月27日の新聞で、いじめ事件が265件あったという数字が出ております。このいじめの問題は20年くらい前からあったと思いますが、昔は裏で少し突き飛ばす程度で、精神的ないじめは少なく、そんなに陰湿なものはではなかったのか、表へ出てこないものも結構あったのでないかと思います。現在、急にいじめ事件が減ったということも書かれていますが、香川県の実情はどのようになっているのかお聞きします。


西原教育長  少しデータが古く、平成25年度の数字になりますが、いじめの認知件数としては、小学校、中学校、高校合わせて242件になっております。5年前の平成21年度には554件でしたので、半分に近い件数になっている状況です。


十河委員  これは多分調査対象が変わって、一時は大きくふえたけれども、また下がってきたと思います。大きないじめは減ってきたと思いますが、問題はいつもあり、今回の川崎市の事件につながってきたのでないかと心配しております。香川県にはそのような大きないじめはないということですが、現実に242件あるとしたら、いつこういった事件が起きるかもしれません。これをとめるにはどうしたらいいのか、教育委員会での検討状況をお聞きします。


西原教育長  いじめの問題は、認知件数だけではなく、内容が重要だと思っております。基本的には学校現場で、いじめの兆候等を事前に察知することが大事であると思っております。
 そういう中で、現在取り組んでおりますのは、各学校で例えば3日連続して欠席した児童生徒が出た場合には、必ず家庭訪問するなどの対応を図っております。なおかつ子供の心の変化を見逃さないように、連絡帳や生活ノートを使いまして、毎日子供たちと先生とのやりとりをする形で取り組んでおります。
 仮にいじめが生じた場合は、「いじめ防止基本方針」を定めており、そういう情報が入ったときには、緊急会議を開いて関係者による迅速な情報の共有、問題ある児童生徒への事実関係の聴取、指導や支援をどうするかといった方針の決定、保護者との連携などを組織的に行うといった方針を定めているところです。


十河委員  昔だったら生徒指導の先生が直接、いじめの問題を解決していたと思うのです。生徒指導の先生を生徒は怖がっていました。今では生徒に少しでも手を出すと大変なことになりますが、やはりそのような先生が必要なのではないでしょうか。今、先生はみんな一歩下がって遠巻きで生徒を見ているようなところがあると思うのですが、もっと真剣に生徒と対峙する姿勢がなければいけないと思います。後で大ごとになってはいけないからというので遠慮ぎみとなるのは、一つには先生と生徒のコミュニケーションが余り図られていないことが原因ではないかと感じています。何かあったら全体で会議をして、方針を決める方法だと、大ごとになって、親身になって話ができないのではないかと感じます。
 川崎市の問題でも、本人がいろいろなSOSを発信しているにもかかわらず、全然気がつかなかったというのは、少しでもかかわっていくと我が身に降りかかることを避けるため、一歩下がって横から見ていたらおさまるだろうという感じで見ていたのではないかという感じもします。昔と今の教師を比べると、時間さえ済めばいいといった、サラリーマン的な教師がふえていると感じます。
 それは一つは、事務処理が多いことがあります。事務処理を何とかして減らして時間をつくって、1時間でも生徒と一緒に遊べたらかなり変わってくると思うのですが、そういう時間や余裕がない状態です。毎日1人ずつの状況をパソコンに打ち込むというようなことをやっているようで、そういったことをやるように決められたといった話も聞いております。もっと香川県は金八先生みたいな先生をふやしたらどうかと思うのですが、なかなか難しいと思われているのか、教育長にお聞きします。


西原教育長  いわゆる金八先生、熱血漢のような先生方が、学校現場で子供たちを指導していくことはいいことだと思いますが、委員のおっしゃるように、日々の中でどうしても事務作業に追われている方も確かにいると思います。ただ、私が話しをする中では、結構夜遅くまで学校に残られていて、なぜかというと、子供たちと接する機会を設けて、子供たちと接した後で事務作業をするからだとのことです。結局、先生方が、どこまで子供たちに情熱や愛情を持って教育をしているかというところにかかわるのだと思っております。
 先生方にそういった意識を持ってもらうように、我々も努力する必要があると思っております。どうすれば気持ちを高めることができるのかなどを、これからも考えていきたいと思いますし、今、業務改善という形で取り組んでおりますが、検討をする中で具体的にこれがいいという話は見つかってないのが実情です。気持ちを持って子供に接するのが基本だと思いますので、そのような環境づくりができるように努力したいと考えております。


十河委員  もっともな話だと思うのですが、保護者も昔とは変わっておりますし、先生方も昔と違うのでないでしょうか。いろいろと聞いてみると、もっと教育熱心な先生でなければいけないと思うのですが、中には、こんな校長がいていいのか、という人もいます。勉強会はしているのだろうと思うのですが、先ほど大山委員も言ったように、道徳教育を先生方や保護者にもある程度はしていただく必要があると思います。今、保護者がきつくなっており、すぐにバッジ組や教育委員に言いに行ったりするので、学校も大変になっているのではないかと思います。これには長い時間が必要で、すぐに解決できる問題ではありませんが、教育というのは50年ワンスパンと言われておりますので、できるだけ早目にそういった教育も進めていく必要があるのではないでしょうか。
 生徒の指導において道徳の話も最近出ておりますが、「人間」を育てていく必要があります。川崎市の問題も、ひどく殴打して、最後は首を切っています。普通では考えられないことを平気でできることは、人間として失格だと思いますが、もっと教育によって、人間形成にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。それについてお聞きします。


西原教育長  今回、川崎市で痛ましい事件が起こったわけですが、いろいろな課題が見えてくる話だと思います。被害者の少年の周りや加害者の精神状態などの課題がこれから浮上して、どのようにするのかという話が大きくなっていくと思います。
 子供たちが健やかに心豊かな人間性を持った大人になっていくことが大事でございますので、まずは基本的な集団生活の中で守るべきルールや善悪を、学校だけではなく家庭の中でも十分に認識することを、保護者の方にもお願いしなくてはならないと思っております。いろいろと課題はありますが、学校からそれぞれの保護者の方への情報発信なども含めて取り組んでいきたいと考えております。また、先ほど道徳の話も出ましたが、道徳の教科化も進められていきますので、学校現場の中で対応してまいります。


十河委員  難しい問題だろうとは十分承知しておりますが、気長にそういったものを教育するようにお願いして質問を終わります。


石川委員長  以上で、教育委員会関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
 (「異議なし」と呼ぶ者あり)


石川委員長  異議なしと認め、教育委員会関係の質疑、質問を終局いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。