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平成 9年12月定例会 12月08日−02号




平成 9年12月定例会 − 12月08日−02号









平成 9年12月定例会



   平成九年十二月山口県議会定例会会議録 第二号

      平成九年十二月八日(月曜日)
                      
        議事日程 第二号
      平成九年十二月八日(月曜日)午前十時開議
  第一 会議録署名議員の指名
  第二 代表質問
  第三 議案第一号から第十四号まで(質疑)
                      
        本日の会議に付した事件
  日程第三 議案第一号から第十四号まで

                会議に出席した議員(五十三人)
                          柳   居   俊   学 君
                          藤   田   典   久 君
                          山   手   卓   男 君
                          亀   永   恒   二 君
                          吉   井   利   行 君
                          末   貞   伴 治 郎 君
                          伊   藤   博   彦 君
                          桝   田   市 太 郎 君
                          吉   田   和   幸 君
                          湊       政   則 君
                          伊   藤       博 君
                          三   木   康   博 君
                          石   ?   幸   亮 君
                          松   原       守 君
                          西   本   輝   男 君
                          塩   満   久   雄 君
                          水   野   純   次 君
                          加   藤   寿   彦 君
                          友   田       有 君
                          二   木   和   夫 君
                          浅   野   謙   二 君
                          村   木   継   明 君
                          宮   崎   泰   雄 君
                          宮   ?   幹   嗣 君
                          佐 々 木   明   美さん
                          田   村   茂   照 君
                          中   村   泰   昌 君
                          松   永       卓 君
                          合   志   栄   一 君
                          新   谷   和   彦 君
                          田   中   文   夫 君
                          桑   原   孝   行 君
                          山   本   忠   由 君
                          近   間   一   義 君
                          藤   井       真 君
                          島   田       明 君
                          田   中       貢 君
                          斉   藤   良   亮 君
                          松   浦   正   人 君
                          橋   本   憲   二 君
                          守   田   宗   治 君
                          中   島   修   三 君
                          藤   谷   光   信 君
                          稲   本   勇 一 郎 君
                          武   田   孝   之 君
                          竹   本   貞   夫 君
                          平   田   和 三 郎 君
                          河   野   博   行 君
                          秋   野   哲   範 君
                          村   田   哲   雄 君
                          岸   田   松   治 君
                          森   中   克   彦 君
                          友   田   音   一 君

                会議に欠席した議員(一人)
                          横   山   豊   治 君

                議案等の説明のため会議に出席した者
                    知事          二 井 関 成 君
                    副知事         小 河 啓 祐 君
                    出納長         綿 屋 滋 二 君
                    総務部長        古 谷 正 二 君
                    総務部理事       河 野   勉 君
                    企画振興部長      谷   晋   君
                    環境生活部長      村 岡 正 義 君
                    健康福祉部長      藤 井 俊 彦 君
                    商工労働部長      湯 田 克 治 君
                    農林部長        藤 井   寛 君
                    水産部長        宮 本 義 則 君
                    土木建築部長      古 庄   隆 君
                    出納局長        水 上 武 雄 君
                    財政課長        横 田 真 二 君
                    公営企業管理者     冨 永 和 信 君
                    企業局長        伊 東 省 二 君
                    教育委員長       原 田 俊 一 君
                    教育長         上 野 孝 明 君
                    公安委員長       北 村 義 人 君
                    警察本部長       松 川 忠 晴 君
                    代表監査委員      藤 村   實 君
                    監査委員事務局長    白 松 健 一 君
                    地方労働委員会会長   安 井 達 雄 君
                    地方労働委員会事務局長 有 村 久 雄 君
                    人事委員長       白 松 壽 人 君
                    人事委員会事務局長   弥 源 治 毅 君
                    選挙管理委員長     津 田 正 人 君


                会議に出席した事務局職員
                    事務局長        東   章   君
                    事務局次長       村 田   博 君
                    総務課長        來 村 正 志 君
                    調査課長        尾 木 俊 治 君
                    秘書室長        大 島   収 君
                    議事課長        片 山 康 正 君
                    議事課長補佐      清 水 英 司 君
                    主査兼議事係長     中 田   望 君
                    記録係長        ? 田 賢 司 君
                    主任主事        佐 伯 淑 子さん
                    主事          石 橋 教 幸 君
                    主事          安 達 香奈恵さん








    午前十時三分開議



○議長(河野博行君) これより本日の会議を開きます。





△日程第一会議録署名議員の指名



○議長(河野博行君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。

 伊藤博君、中島修三君を指名いたします。



    諸般の報告



○議長(河野博行君) この際、諸般の報告をいたします。

 報告事項は、お手元に配付の文書のとおりであります。





△日程第二代表質問



△日程第三議案第一号から第十四号まで



○議長(河野博行君) 日程第二、代表質問を行い、日程第三、議案第一号から第十四号までを議題とし、質疑に入ります。

 代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。武田孝之君。

    〔武田孝之君登壇〕(拍手)



◆(武田孝之君) おはようございます。昨日は早朝からテレビで、経済対策を初め、金融問題あるいは公的資金導入等、元総理大臣宮沢さんを初め、そのほか国会議員の方々、政治評論家等の方々が対談をなされました。それぞれのチャンネルでやっておりましたけれども、私も、多忙な日曜日の始まりでしたが、しばらく視聴させていただきました。

 さて、平成九年十二月定例会に当たりまして、私は、ただいまから自由民主党県議団を代表し、県政の諸問題について、二井知事及び上野教育長に質問をいたします。

 まず、今回の補正予算において、厳しい経営環境に置かれている中小企業を支援するため、制度融資の大幅な拡充を初め、単独公共事業の債務負担行為の追加措置等、時宜を得た経済対策関連経費を計上されましたことに対し、深く感謝申し上げます。

 そして、これが県経済への活力剤となるよう、実効ある予算執行をお願いいたしておきたいと思います。

 さて、県政運営の基本方針に関するお尋ねの第一は、明年度の予算編成についてであります。

 国においては、危機的な財政状況を踏まえ、「財政構造改革の推進方策」に基づき、平成十年度の一般歳出は前年に対しマイナスとするなど、極めて厳しい方針を打ち出しております。

 一方、本県の財政状況は、各種基金の大幅な減少や、将来の大きな負担となる県債残高の高騰、さらには、その償還に要する公債費の急増が見込まれるなど、極めて厳しいものがあります。

 また、先般、県財政の現状と明年度の収支試算を公表されたところでありますが、明年度の財源不足は約六百億円が見込まれるなど、例年になく厳しい予算編成になることが予想されます。

 しかしながら、明年度の県予算は、こうした財政の健全化が一刻の猶予も許されない反面、長期展望の計画的な推進という新たな県づくりへの取り組みも求められております。

 我々自由民主党といたしましても、幅広い県民の方々から、たくさんの御意見、御要望を拝聴いたしたところでありますが、明年度の県の施策・予算に対する県民の熱い期待は、ますます高まっていることを痛切に感じたところであります。

 こうしたことから、明年度の県の予算編成は、財政の健全化に努めながらも、県民が期待する二十一世紀を見据えた新たな施策事業を展開していかなければならないという、非常に困難で厳しいものになると考えておりますが、知事はどのような基本方針で臨まれるおつもりなのか、お伺いいたします。

 次に、新長期展望についてお尋ねいたします。

 二十一世紀を目前にして、時代は大きく転換しようとしています。

 地球時代、人口減少・高齢化時代、高度情報化時代の本格化とともに、こうした時代の動きに対応できるよう、国においては、我が国の発展を支えてきたすべてのシステムの抜本的な変革が進められています。

 このような荒波にも似た厳しい状況の中で、本県におきましても、県民が夢と希望を持って来るべき二十一世紀が迎えられるよう、この荒波を乗り切る羅針盤となる新たな県づくりのビジョンが、今、切実に求められています。

 二井知事は、就任直後の昨年の九月定例県議会におきまして、新たな県づくりのビジョンである新長期展望の策定を表明され、本年二月には、その骨子案を発表されました。

 さらに、県民や市町村等の意見をもとに、本年十月には、新長期展望の中間案となる素案を発表されたところでありますが、私どもも積極的に意見、提言を申し上げ、ともに新長期展望をつくり上げてまいりたいと考えております。

 さて、知事は、この素案において、「きらめく人」、「やすらぎのあるくらし」、「はつらつとした産業」、「にぎわいのある地域」の四つの二十一世紀における「未来のすがた」を掲げられるとともに、その実現に向けた未来創造夢戦略を初め、県土整備についての現時点での考え方などを示されたところであります。

 今後、この素案をもとに、引き続き、県民の意見を聞きながら、新長期展望の策定に取り組まれるわけでありますが、私は、今後、本県を取り巻く厳しい社会経済情勢の中で、本県が二十一世紀をたくましく生き抜くことができる県づくりを進めるためには、未来創造夢戦略のように、特に戦略的かつ重点的に取り組むべき方向性を県民に明確に示すことは、極めて重要であると考えます。

 さて、そこでお尋ねいたしますが、知事は、県民の夢や希望を具現化する実効性の高い長期展望の策定に向け、今後、どのような観点から未来創造夢戦略を構築されようとしているのか、お伺いいたします。

 次に、二十一世紀未来博覧会とスポーツ交流ゾーン整備構想についてであります。

 二十一世紀未来博覧会については、九月の中間報告をもとに、現在、基本構想の取りまとめの最終段階に入っていると伺っております。

 この基本構想により、博覧会の開催目的、事業の指針・展開方向など、博覧会の骨格が示されることとなり、博覧会開催に向けて新たな一歩が踏み出される感がいたしますが、博覧会の開催に向けた取り組みは、これからが本番であると思うのであります。

 組織体制の整備や会場地の整備を初め、本年七月の県民世論調査における博覧会の周知度が四四%であったことから、県民への一層の周知も図っていかなければならないわけですが、私は、来るべき二十一世紀における県勢活性化のリーディングプロジェクトとなるこの博覧会を、ぜひとも成功に導いていただきたいのであります。

 知事に、開催に向けた諸課題に積極的に対応していただきたいと思っております。

 さて、県政におかれましては、先般、二十一世紀未来博覧会の開催を契機として、その会場地となる阿知須干拓地南工区をスポーツ交流ゾーンとして整備する基本構想を公表されたところであります。

 私は、健康志向、レジャー志向などへと広がりを見せている県民のスポーツニーズへの対応や県土の有効利用、さらには、博覧会のテーマである「いのち」を未来へ継承するという観点から、博覧会の会場地の恒久的利用計画としてふさわしい構想であると、高く評価をするものであります。

 さて今後、その具体化に向けた知事の積極的な取り組みを期待するところでありますが、とりわけ、二○○一年の開催が目前に迫った博覧会の主会場ともなる多目的ドームの建設や会場地の整備は、急がねばなりません。

 そこでお尋ねいたしますが、博覧会の開催時期も踏まえ、今後、スポーツ交流ゾーンの整備に向けて、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。

 県政運営の基本方針の最後に、女性副知事についてお尋ねいたします。

 今日、社会情勢が大きく変化する中で、女性の生き方が多様化し、さまざまな場面で女性の社会進出が進んでおります。

 さらに今後、年齢・性別を問わず、一人一人が個性と能力を十分に発揮し、生涯にわたり生き生きとした生き方を実現できる社会を構築していくためには、これまで以上に女性の役割が重要であり、さらなる活躍が期待されているところであります。

 こうした背景のもと、知事が女性副知事の実現に意欲を持っておられることは、新しい時代にかんがみ、先見性に富んだものとして、理解できるところであります。

 さて、女性副知事については、何分、知事の補佐役として県政をリードしていく大変な要職でありますから、人選については、きょうまで、知事御自身も熟慮を重ねておられるものと拝察いたしますが、今日、行財政環境がますます厳しさを増す中、行政もまた徹底したスリム化・簡素化が求められており、副知事の複数制については、賛否両論、さまざまな論議が起こっているのも、また事実であります。

 そこでお尋ねいたしますが、知事は、女性副知事の実現について、現時点でどのように考えておられるのか。

 さらに、それに関連して、女性副知事にどのような役割を考えておられるのか、お伺いいたします。

 さて次に、環境行政についてお尋ねいたします。

 今日、人類の社会経済活動はますます拡大し、私たちが先祖から引き継いできた恵み豊かな環境に対し、深刻な影響を及ぼしております。

 とりわけ、二酸化炭素の増加等による地球温暖化や、産業廃棄物・ダイオキシンの発生等のごみ問題に象徴されるように、環境に負荷を与える物質を発生させる加害者と被害者の区別が明確でなくなってきていることが、今日の環境問題解決へのシナリオを複雑化させております。

 私は、歴史をひもといて、この問題に取り組まなければならないと思うのであります。

 「万物の根源は水である」と例えられるように、古来、人間は、あるいは人類は、その生存に必要な水を求めて居住し、水は文明をはぐくみ、文化を開花させ、産業の発展にも大きく寄与し、さらには、憩いと安らぎ、自然回帰の場をも、私たちに提供してきました。

 この水の流れが、キーワードであります。水の流れは川となり、複数の地域社会を連ねております。

 そこで生じるさまざまな環境問題に対する考え方や利害は、地域や立場によりさまざまであり、個別の地域の取り組みや画一的な手法等では、到底なし遂げられるものではありません。

 一方、私たちの暮らしは、社会資本の整備に伴い、蛇口をひねれば、きれいな水が出て、汚れた水はどこかに流れていくというように、みずからの生活が水の流れを介在とした環境に支えられ、その環境を保全していくという意識や実感が希薄になってきているのも事実であります。

 このような状況の中で、私たちがなすべきことは、人類の歴史をもたらしてくれた水の流れを通じて、その流域を取り巻くさまざな主体が連携して、その恵みを再認識し、その環境の保全に共同して取り組んでいくことであります。

 こういった取り組みの一つ一つが、広がりを持つ今日の環境問題解決への道しるべになるものと確信しております。

 そこでお尋ねいたします。水の流れ、すなわち、一つの水系の水環境の保全をテーマに、その源である山々と下流に広がる海域あるいは都市や農漁村、さらには住民と企業の連携といった、地域や立場を超えたパートナーシップによる総合的な環境行政の展開が必要であると考えますが、今後の取り組みについて、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、介護保険制度の導入に向けた高齢者福祉対策について、お尋ねいたします。

 我が国の高齢化は急速に進行しており、とりわけ本県においては、全国平均を上回るテンポで高齢化が進展し、二○二五年ごろには、三人に一人が高齢者という超高齢社会が到来すると言われております。

 高齢化の進展は、高齢者だれもが、長くなった老後生活を健康で生きがいを持って自立して生活することができれば、医学の進歩や生活環境の改善による成果として喜ぶべきものでありますが、現実には、寝たきりや痴呆の高齢者が急速に増加し、介護期間が長期化していくということが避けがたい事実であります。

 一方、高齢者世帯の増加による介護する側の高齢化、女性の社会進出の進展などにより、家庭の介護機能は徐々に低下してきており、介護を社会的な連帯によって支えていく新たな社会支援システムの確立が急務であります。

 こうした中、現在、国においては、介護保険法案の審議が大詰めの段階であり、平成十二年度を初年度として、待望の介護保険制度が導入されようとしているところであります。

 この介護保険制度は、現在、福祉と医療に分かれている高齢者の介護に関するサービスを再編成し、民間事業者を初め、多様な供給主体の参入によって、サービスの質の向上、費用の効率化を図るとともに、給付と負担を連動させることにより、急速な需要増にも対応しようとするものであり、まさに社会保障構造改革の第一歩と位置づけられるものであります。

 また、この制度は、「高齢者の自立」を基本とし、利用者の立場に立った介護支援体制の確立を目指すものでありますが、そのためには、高齢者自身の希望が尊重され、質の高い生活が送れるよう支援できるシステムでなければなりません。

 しかしながら、新しい制度である以上、県民の間でも、「制度創設までに必要な施設、人材は確保できるのか」、「新しい制度にスムーズに移行するための準備は整うのか」といった不安がないわけではありません。

 そこでお尋ねいたしますが、平成十二年四月、わずか二年数カ月後には介護保険制度のスタートが見込まれる中、知事は、十分な介護サービス基盤の確保と、新制度の円滑な導入に向けた取り組みをどのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。

 次は、小売商業の振興についてであります。

 近年、消費者ニーズの多様化やライフスタイルの変化、モータリゼーションの進展、大店法の規制緩和などにより、郊外型の大型ショッピングセンターの出店ラッシュとともに、コンビニエンスストアが急増するなど、本県の小売商業を取り巻く環境は、いまだかつてないほど厳しい状況となっております。

 そのために、特に従業員規模の小さい零細小売店は、商店数、従業員、年間販売額のいずれも大幅に減少しており、中小小売業者が大半を占める商店街では、空き店舗が多数発生するなど、町のにぎわいや活力が失われ、中心市街地の空洞化が顕著となっております。

 各地の商店街は、これまで、潤いのある地域コミュニティーの核として、豊かな県民生活の実現や地域経済の活力の源泉として、重要な役割を担ってきたところであります。

 さて、このような商店街が衰退の度を深めることは、ひいては県民生活の利便性を損なうとともに、地域経済の活力を失わせ、まちづくりにも重大な支障を来しかねません。

 その意味で、商店街の活性化や小売商業の振興を県政の極めて重要な課題の一つとして位置づけ、積極的に取り組む必要があると考えるのであります。

 このような中、県においては、このたびタイミングよく、「山口県小売商業振興ビジョン」を策定されました。

 その内容を見ますと、本県商業の現状、地域ごとの状況をさまざまな面から分析し、また、今後の施策展開についても、各般にわたる方策を掲げ、とりわけ、まちづくりという新たな観点からの施策も提示されているなど、斬新な発想が随所に見受けられます。

 現在、国、地方を通じて、財政は極めて厳しい状況にありますが、本県の小売商業の活性化は、このビジョンに掲げられている諸施策をどこまで実行できるかにかかっております。

 そこでお尋ねいたしますが、知事は、小売商業振興ビジョンの実現に向けて、どのように取り組まれようとしているのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、農業問題について、お尋ねいたします。

 現下の米を取り巻く状況についてでありますが、食糧法が実施されて、はや二年が経過いたしましたが、豊作が連続したこと等により米余りが進み、政府や民間の持ち越し在庫が増加する中、自主流通米の価格が急激に下落しているところであります。

 このような状況に対応するため、政府は、去る十一月二十日に「新たな米政策大綱」を取りまとめたところでありますが、この大綱は、稲作・転作一体となった望ましい水田営農の確立を図るとともに、我が国の稲作経営の将来展望、ひいては我が国農業の未来を切り開くことをねらいとしており、生産調整対策、稲作経営安定対策、計画流通制度の運営改善を基軸とする総合的な対策であります。

 このうち、生産調整については、需給均衡の回復を図るため、二年間にかけて生産調整に取り組むこととし、平成十年度の目標面積を前年度に比べ十七万六千ヘクタール拡大し、九十六万三千ヘクタールとすることを決定いたしました。

 これにより、本県に配分された生産調整目標面積は一万五千六百二十五ヘクタールと、過去最大の規模となったところであります。

 米は、潜在的に需給ギャップがあり、主食である米の需給並びに価格の安定のためには、生産調整は避けて通れない課題であります。

 しかし、本県農業の状況を見ますと、水田率は八○・二%であり、農業粗生産額の四六・六%を米が占めるなど、依然として米への依存度が高く、生産調整面積の拡大が本県農業に与える影響は、非常に大きいと考えるものであります。

 このような状況の中で、本県農業の振興を図り、農家所得を向上させるためには、おいしい米づくりを進める一方で、生産調整する水田を有効に活用し、国内自給率の低い麦、大豆、飼料作物への作付誘導や、県内供給率の低い野菜生産のウエートを高めていくことが重要であると考える次第であります。

 そこでお尋ねいたしますが、国の新たな米政策の決定、中でも大幅な米の生産調整面積の拡大を踏まえ、水田農業の振興に、今後、県はどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。

 最後に、教育問題についてお尋ねいたします。

 先日、秘境・五家荘で知られる熊本県泉村の県立八代農校泉分校で、来春から、従来の林業科をマウンテンバイクやカヌーなどの体験学習を重視した「グリーンライフ科」に改編するとの記事を目にいたしました。

 アウトドア関係の学科を希望する中学生が多かったこともあって、改編に踏み切ったとのことであり、こうしたユニークな学科の設置など、学校の特色づくりが全国的に広がっているのであります。

 私は、本来、教育は、子供たち一人一人の個性、言いかえれば、子供たちの「よいところ」を最大限に伸ばしてやり、子供たちが誇りと自信を持って人生を生きることができるよう支援することが使命であり、最大のねらいであると考えております。

 そして、子供たちの個性を伸ばすためには、これまでの画一・一斉の教育ではいけない、一人一人の個性に応じた多様な選択を可能にするシステムをつくる必要がある、これが今日の教育改革の基本的な考え方であろうと思います。

 熊本県の「グリーンライフ科」のような特色ある学科も、個性に応じた学校選択を可能にするという観点から、今後、ますます多くなっていくものと考えています。

 ところで、本年三月、「魅力ある学校づくり推進協議会」の報告が行われ、この中で、高校の通学区域について、教育事務所管区程度に拡大することが望ましいとの提言がなされました。

 学校を選ぶ余地がない地域をなくし、子供たちの選択幅を広げるという観点から、この提言は大いに評価できるものと考えておりますが、私は、この通学区域の拡大にあわせて、通学区域のブロック内での各学校の特色づくり、いわば学校の「顔づくり」が不可欠であると考えております。

 幾ら選択幅が広がっても、肝心の学校そのものにそれぞれの特色がなければ、子供たちは結局、進学校に集中し、結果として、学校間の格差を増大することになりかねないと思うからであります。

 本県においては、これまでも、特色ある学科やコースの設置など、学校の特色づくりに取り組んでこられましたが、通学区域が広がろうとしている今日、こうした取り組みをより一層推進されるよう強く希望するものであります。

 そこで、教育長にお尋ねをいたします。

 今後、高等学校の特色づくりをどのように進めていかれようとしているのか、御所見をお伺いいたします。

 以上で、私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(河野博行君) 二井知事。

    〔知事 二井関成君登壇〕



◎知事(二井関成君) 武田議員の御質問に順次お答えを申し上げます。

 まず、県政運営の基本方針に関するお尋ねのうち、明年度の予算編成についてでございます。

 御指摘がありましたとおり、本県の財政状況は、県税収入等、一般財源が伸び悩みます中、財政調整基金等が急激に減少をいたします一方、将来の大きな負担となる公債費の急増が見込まれますなど、構造的に一段と厳しさを増しております。

 このため、現在、今後の財政運営の指針となります中期財政見通しを策定中でございますが、初年度となります明年度の予算編成におきましても、厳しい財政状況を踏まえながら、一層の健全化に努めることといたし、歳入歳出全般にわたるゼロからの見直しや、経費の一層の節減合理化に取り組みますとともに、各種施策の必要性や効果の検討を丹念に行い、明確な優先順位のもと、限られた財源の重点的かつ効率的な活用を図ることといたしております。

 一方、このような厳しい状況にはありますが、御質問の中にもありましたように、明年度は、本県にとりまして、現在策定中の新たな長期展望に基づき、新しい県づくりを始める重要な年に当たります。

 私としては、今後、この長期展望に沿って、各種施策を計画的かつ着実に実施していくためには、その円滑なスタートが何よりも肝心であると考えております。

 このため、私といたしましては、パワーアップサミットなどの各種懇談会で寄せられました県民の皆様の声や市町村の意見等を十分に踏まえながら、二十一世紀を見据えたチャレンジ性あふれる新規施策等につきましては予算の重点配分を行いますなど、工夫を凝らしますことにより、新しい長期展望の実施初年度にふさわしい予算にしなければならない、そのように考えております。

 いずれにいたしましても、私は、明年度の予算編成は、財政健全化への取り組みと新たな長期展望のスタートにふさわしい予算という、二つの大きな課題を解決をしなければなりません。その方向を示す極めて重要な予算編成であると認識をいたし、精いっぱいの努力をしてまいりたいと考えております。

 次に、新長期展望についてのお尋ねでございます。

 御質問の中にもありましたように、さきに公表いたしました新長期展望素案におきましては、「二十一世紀に自活できるたくましい山口県の創造」を基本目標とし、県民や市町村とともに目指す未来のすがたを「きらめく人」、「やすらぎのあるくらし」、「にぎわいのある地域」、「はつらつとした産業」として描き、その実現に向けてのプログラムを未来創造夢戦略として位置づけ、戦略的かつ重点的に推進をするということにいたしております。

 この未来創造夢戦略の構築をどのような観点から行うのかということでありますが、その構築に当たりましては、県民や市町村の御意見等をしっかりとお聞きをしながら、

 第一に、本県の特性を生かし、時代の大きな変化や激しい地域間競争にも対応できる戦略性。

 第二に、県民の夢や希望を実現し、本県の魅力を高める創造性。

 第三に、県民や市町村とともに力を出し合い、多方面への効果を発揮する総合性。

 この三つの観点などから検討を行ってきたところでございます。

 引き続き、こうした観点に立って検討を行うことにいたしておりますが、私といたしましては、夢戦略をわかりやすく、かつ実効性あるものとするために、わかりやすい指標による目標の明確化や、素案では十二本としておりますプログラムの絞り込みを行いますとともに、夢戦略を推進するための具体的なプロジェクト等につきましても、今後さらに十分検討を行ってまいりたいと考えております。

 次に、スポーツ交流ゾーンの整備に向けての今後の取り組みについてのお尋ねでございます。

 近年、自由時間の増大やライフスタイルの多様化などに伴い、お示しのように、スポーツに対する県民のニーズも、これまでの競技志向に加え、健康志向、レジャー志向などへと広がりを見せております。

 こうした多様なニーズに対応ができるスポーツ施設の整備充実が強く求められているところでございます。

 こうしたことから、県民のさまざまなスポーツ活動を総合的に支援をいたしますとともに、県内外との活発な交流を図るため、阿知須干拓地南工区において、県民の交流・参加を通じたスポーツの振興を基本理念とする「スポーツ交流ゾーン」を整備することといたし、先般、その基本構想を公表をいたしたところでございます。

 また、この同じ阿知須干拓地南工区におきましては、二○○一年に二十一世紀未来博覧会を開催することといたしておりますので、スポーツ交流ゾーンにつきましては、できる限り博覧会としても利用できますように、施設整備を図っていきたいと考えております。

 このため、未来博の開催までに、会場地の基盤整備や博覧会の主会場となる多目的ドームなどの施設整備を行うことといたしており、今年度じゅうに会場地の基盤整備に係る基本計画の策定や多目的ドームの設計者の選定を行いますなど、未来博の開催時期も踏まえながら、計画的に整備を図っていきたいと考えております。

 なお、博覧会の会場地以外の南工区につきましては、将来の二巡目国体の開催や、今後の県全体のスポーツ施設整備のあり方などを踏まえながら、引き続き、具体的な整備計画を検討していきたいと考えております。

 今後とも、このスポーツ交流ゾーンにつきましては、未来博との連携を図りながら、県民の多様なスポーツ活動を通じた幅広い交流と参加の場として整備していきたいと考えております。

 次に、女性副知事についてお答えを申し上げます。

 女性副知事につきましては、しなやかできめ細かな行政運営を展開をしていくために、女性の御意見やアイデアをより積極的に県政に生かしていきたいという趣旨から、公約の一つとして掲げ、これまで実現に向けて検討を進めてまいりました。

 この間、この問題につきましては、私自身、県民の皆様からさまざまな御意見をいただいております。

 女性副知事を一日も早く実現をしてほしいという期待があります一方で、現下の大変厳しい行財政環境のもと、お示しがありましたように、この問題について慎重論のあることも理解できるところでございます。

 しかしながら、本県にありましては、折しも新しい長期展望を策定し、それに沿って、二十一世紀に向け新たなプロジェクトをスタートさせようとする時期でもあります。

 私は、こうした極めて重要な時期でありますからこそ、新しい時代の試みとして、女性副知事を実現をしたいというふうに考えておりまして、その役割につきましては、新しい県づくりにふさわしく、効果的なものになりますように、現在、鋭意検討を進めているところでございます。

 次に、環境行政についてのお尋ねにお答え申し上げます。

 今日の環境問題は、身近な地域の問題から地球規模の問題まで、広範にわたっております。

 この問題の解決をしていくためには、お示しがございましたように、県民すべてが環境保全の取り組みに参加をすることにより、環境への負荷の少ない循環型社会へと変えていく必要があります。

 このため、県では、健全で恵み豊かな環境の保全と創造を基本目標とする「山口県環境基本計画」を今年度じゅうに策定をいたし、県民の皆様や企業の方々と連携・協力して、環境保全施策を総合的かつ計画的に推進をいたすことにいたしております。

 さて、本県は、三方に海が開け、また、多くの河川水系を有しており、これらの貴重な水資源は、人々の暮らしや産業活動等にさまざまな恩恵をもたらしております。

 しかしながら、近年の生活様式の変化や開発の進展によりまして、水質の汚濁、水辺や緑、さらに生物の減少など、水を取り巻く環境の悪化が懸念をされております。

 こうした中で、県民の水環境に対する関心も高まってきておりますし、また、そのニーズも、安全でおいしい水の確保や、それをはぐくむ森林等の保護、豊かでうるおいのある水辺の創出等、多様なものになってきております。

 このようなことから、今後の水環境保全施策は、水質面に限らず、水量、水生生物、水辺等を含め、新たな視点から進めていく必要があると考えております。

 環境問題を考える上で、水の流れが一つのキーワードであるという御提言には、私も同感でございます。

 地域特性に応じた水環境の保全と創造を図るためのモデル事業を、そのために来年度から、森、川、海を結んだ取り組みとして新たに展開をしていきたいと、現在、検討をしているところでございます。

 また、関係市町村や関係団体等からなる協議会を設置をし、地域住民、民間団体、事業者等が主体となった活動を支援をいたしますとともに、上流域と下流域のパートナーシップを構築するなど、総合的な水環境保全施策を積極的に推進をしてまいりたいと考えております。

 次に、高齢者福祉対策についてのお尋ねでございます。

 介護保険法案が、あすにも成立をすることが見込まれておりますことから、御指摘のように、介護サービス基盤の確保や新制度の円滑な導入を図り、この制度が平成十二年四月からスムーズにスタートができますように、万全を期していく必要があると考えております。

 このため、まず介護サービス基盤につきましては、今後厳しい財政状況が続くことが予想されますが、必要となる財源の確保につきまして国に要望しながら、高齢者保健福祉計画の平成十一年度目標の達成に向けまして、県下各市町村における特別養護老人ホームや在宅介護支援センター、デイサービスセンターの整備を進めていきますとともに、老人保健施設や訪問看護ステーションにつきましては、地域バランスにも配慮しつつ、その設置を促進し、さらには、ホームヘルパーの養成や増員を計画的かつ着実に進めるなど、一層の基盤整備に取り組んでまいりたいと考えております。

 また、介護保険制度の円滑な導入に向けた取り組みにつきましては、県民の理解を深めるため、この制度の普及啓発を行うことはもちろんでございますが、制度運営上のかなめとなる介護認定やケアプラン作成に向けてのモデル事業の継続実施、専門的な相談やサービス調整を行うケアマネージャーの計画的な養成など、市町村における運営体制の整備を積極的に支援をしてまいります。

 さらに、地域における高齢者の実態やニーズを踏まえ、介護保険制度を推進するための新たな計画を作成するということにいたしております。

 今後とも、県といたしましては、介護を必要とする高齢者が適切なサービスを受けることができますように、保健・医療・福祉関係者と県・市町村が一体となって、介護保険制度の導入に向けた各般にわたる体制づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、小売商業振興ビジョンの実現に向けた取り組みについてのお尋ねにお答えを申し上げます。

 小売商業を取り巻く環境は、お示しのとおりでございまして、今後、大店法廃止への動きもあります中で、ますます厳しさが拡大をしてくるのではないかというふうに思います。

 県といたしましては、この問題に対処するため、かねてより、ハード・ソフト両面からの支援策を講じてまいりましたが、加えてこのたび、小売商業振興ビジョンを策定をいたしました。

 このビジョンは、「まちづくりと一体となった商店街・商業集積の活性化」、「新しい小売商業の創出や新規参入・起業化の促進」、「大型店と中小店との共生の促進」、「小売商業と地場産業との連携」、この四つのポイントを中心に、さまざまな施策の方向を示した小売商業振興の基本指針となるものでございます。

 今後、このビジョンに基づき諸施策を展開をしてまいりますが、小売商業は、とりわけ地域特性が強く、各地域の実情もそれぞれ異なるものでございますことから、その地域の実情に最も適した方策を、このビジョンの中から選択をして実施をしていくということが必要でございます。

 このため、県といたしましては、このビジョンの目指す方向に沿って、地元市町村の積極的なイニシアチブのもと、商業者、商工団体が、その機動性・創造性を発揮し、意欲的な取り組みが展開できますように指導・助言をいたしますとともに、これらにつきましては、国の補助事業、また新たな県の単独施策の導入を通じて、地元市町村や商工団体と連携を図り、積極的に支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、農業問題についてのお尋ねでございます。

 このたび、国におきまして決定をされました新たな米政策は、現下の米をめぐる厳しい状況に対応するため、農業団体など、関係各方面との間で十分検討がなされてきたところでございまして、価格補てん制度や全国とも補償制度の創設など、新たな視点に立った総合的な対策と受けとめております。

 もとより、生産調整規模の拡大等、需給均衡の回復に向けた今後二年間の取り組みは大変厳しいものがありますが、市町村、農業団体と一体となって、農業生産者の理解を得ながら、生産調整の円滑な推進に努めていく必要があると考えております。

 このような状況を踏まえての水田農業の振興につきましては、稲作など、土地利用型作物を中心とした営農の実現に向け、まず基幹となる米につきましては、本県のオリジナル品種である「晴るる」を初めとする良食味品種の生産拡大を図りますとともに、優良種子の生産から乾燥調整、精米に至る一連の近代化施設を計画的に整備するなど、高品質・低コスト化による競争力ある米づくりを一層進めていかなければならないと考えております。

 また、大幅な目標面積の拡大に対応し、麦、大豆、飼料作物等、転作作物の生産振興につきましては、作付の団地化、生産の組織化、機械体系の導入、技術対策等に努めますとともに、地域特性を生かした野菜、花卉、果樹等を戦略作物として位置づけた取り組みなどによりまして、米と転作作物を組み合わせた生産体制の再編整備を加速化させていくことが重要であると考えております。

 このため、県といたしましては、地域の話し合いをもとに、作物の特性に応じた団地形成などの土地利用計画や、農作業の受委託組織の育成等による生産のシステム化を進め、効率的な事業導入を図るなど、ソフト・ハード両面から地域農業の複合化に向けた条件整備を積極的に推進をしてまいる考えでございます。

 今後とも、市町村、関係団体等との連携のもとに、稲作・転作一体となった望ましい水田農業の実現に向けて、鋭意取り組んでまいる考えでございます。

 以上でございます。



○議長(河野博行君) 上野教育長。

    〔教育長 上野孝明君登壇〕



◎教育長(上野孝明君) 今後の高等学校の特色づくりについてのお尋ねでございます。

 御案内のように、今日、生徒の能力、適性、興味、関心、進路希望等は極めて多様化いたしており、高等学校には、一人一人の個性・能力を十分に発揮、伸ばすことのできる教育を推進することが求められております。

 このような要請にこたえるため、県教委といたしましては、個性尊重を基本的な考え方として、特色ある学校づくりを進めており、これまでも、本県の実情に応じた学科・コースを設置してまいったところでございます。

 しかし今後、生徒が「行きたい学校」をより主体的に選択できるようにするためには、お示しのように、地域の実態や生徒のニーズを踏まえ、個性豊かな顔を持った学校・学科等の設置を進めるとともに、自己の特性等に応じて幅広く学校を選択できるような体制の整備が必要であると考えております。

 そのため、本県の高校教育改革を目的として設置をいたしました「魅力ある学校づくり推進協議会」の報告における「個性尊重の教育」を推進するための特色ある学校づくりや、「主体的な高校選択」のための教育事務所管区を広さの目安とする通学区域の改善等の御提言を踏まえ、魅力ある学校づくりについて、現在、鋭意検討を進めているところでございます。

 お尋ねの今後の高等学校の特色づくりを進めるに当たっては、こうした御提言に基づき、各通学区域に、総合学科、全日制単位制高校などの新しいタイプの高校や、国際化、情報化、高齢化、環境保全などに対応した学科・コースをバランスをとりながら計画的に配置をし、生徒の選択幅を広げていくことが極めて重要であると考えております。

 県教委といたしましては、今後とも、通学区域の改善を視野に置きながら、特色ある学校づくりを積極的に推進をし、二十一世紀を担い、社会の変化に柔軟に対応できる個性的で創造性豊かな人材の育成に、一層努めてまいる所存でございます。

 以上でございます。



○議長(河野博行君) 加藤寿彦君。

    〔加藤寿彦君登壇〕(拍手)



◆(加藤寿彦君) 県政クラブを代表いたしまして質問をいたしますが、その前に、今日の政治経済について、一言申し上げたいと思います。

 六つの改革を掲げ、「火だるまになってでも」と、橋本首相みずからが会長を務めた行政改革会議は、省庁半減という数合わせに終始し、国民のための行革のはずが、いつの間にか、霞が関の行革にしてしまったのであります。

 省庁再編では、環境省ができたことは評価いたしますが、農水省は変わらず、逆に、建設省と運輸省を合わせた国土交通省という巨大な官庁が出現したことは、極めて重大であります。

 おまけに、自民党の山崎政調会長は、「自民党の代議士がいる小選挙区は、公共事業の予算は確保される」と語るなど、相変わらずの利権誘導の政治手法であります。

 また、国の仕事を財源とともに地方に移すという、行革の基本である地方分権は、首相の慎重論がもとで、しぼんでしまっております。

 相次ぐ金融・証券界の不祥事についても、その責任は明確にせず、二十兆円を超えると言われる不良債権も明らかにせず、やみに置いたまま、住専の二の舞で財政出動をしようとしており、泉井被告のやみ献金に見られる自民党の政・財・官癒着の構造は全く変わっていないと言わざるを得ません。

 緊急経済対策も、真の緊急対策にはなっていません。

 その一方で、消費税の引き上げ、特別減税の打ち切り、医療費の値上げなど、国民への負担ばかりが目立っています。

 これでは、国民が怒るのは当たり前であり、政治不信の高まりは当然の帰結であります。

 私たちは、今こそ、自民党に取ってかわる非自民の政治勢力の結集を急ぎ、緊急な景気対策として二兆円の所得税減税を実現し、地方分権を基本とする国民のための行財政改革を進めるため、全力で頑張ることを申し上げまして、質問に入らさせていただきたいと思います。

 平成の時代は、明治維新、戦後改革に次ぐ、日本における三大改革の時代と言われています。

 まさに、そのとおりと思いますが、問題は、国民の視点に立って、何をどのように改革するかであります。

 知事は、去る十月、「二十一世紀に自活できるたくましい山口県の創造」を基本目標とし、新しい県づくりを進めるため、二○一○年を目標年とした「山口県新長期展望素案」を発表されたところであります。

 折しも、地方自治法施行五十周年の節目の年であります。

 私は、戦後改革以来と言われる変革の時代において、新たに策定されようとしている新長期展望は、従前の四次展望の延長ではない、新しい視点に立った政策提起がなされる必要があると考えます。

 それはまた、地方自治の本旨が真に生かされ、県民主役が基本にならねばならないと考えます。

 そこでお尋ねいたしますが、来年二月に策定される新長期展望においては、四次展望との違いをどのように示されようとしているのか、お伺いいたします。

 さて、二十一世紀は、間違いなく、新しい地方の時代となるでありましょう。

 地方分権が進み、少子・高齢化社会に向けた財源対策等を含めた行政のあり方を考えますと、市町村の合併は避けて通れない課題であります。

 そして、これまでのような「過疎もなく過密もなく」といった時代は終わりであり、「過疎は過疎らしく、過密は過密らしい」まちづくりを進める時代であると思います。

 そのためには、地方分権が進み、国から地方への権限や財源の移譲がなされ、国の関与が大幅に減り、地方がみずからの力でまちづくりができる「市民が主役」の地方自治の確立が必要であります。

 そして、公正で公平な行政サービスが提供できる広域行政の確立が重要であります。

 始めに合併ありきでは、小郡町と山口市の二の舞であり、県民の理解は得られません。急がば回れであります。始めに地方分権の推進、そして広域行政の確立、そして合併が後からついてくるという考え方に立つべきであります。

 合併問題について、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。

 次に、今最もホットな問題であります地球温暖化対策について、数点お尋ねをいたします。

 今月一日から十日にかけて、「気候変動枠組み条約第三回締約国会議」、いわゆる「地球温暖化防止京都会議」が開催されております。

 御承知のように、二酸化炭素(CO2)排出による地球温暖化が大きな焦点になっており、CO2削減は、二十一世紀の緊急課題となっております。

 目標とされた二○○○年におけるCO2排出量を一九九○年レベルで安定させるとした温暖化防止条約は、日本では、昨年、その水準を九・四%超え、世界の先進国も、二○○○年には一一%ふえ、その達成が困難との指摘もあります。

 さらに、このままの水準でCO2排出量がふえ続けますと、百年後には、CO2濃度が二倍となり、平均気温が一度から三・五度上昇し、海面が最大で一メートル上昇するとされております。

 その結果、海抜数メートルという南太平洋を中心とした小さな島に生活する人々は、海面の上昇で、四十二カ国、約三千万人の環境難民が発生するとも言われており、日本も例外ではなく、最悪の場合、一メートルの海面上昇で砂浜の九○%が消滅するとされ、これらの防災対策に二十兆円を超える税金が必要とされているところであります。

 三方を海に囲まれた山口県においては、その影響は他県よりも大きく、被害ははかり知れません。

 二十一世紀に責任を持たなければならない私たちにとって、CO2排出量の削減は極めて急務であり、EUの一五%削減は、経済成長が下がることもやむを得ないとしているのに対して、経済活動を優先とした実現可能な数値に抑えるなどとする政府・自民党やアメリカの考え方は、基本的に間違っていると言わざるを得ません。

 CO2削減対策で今最も重要なことは、現状を明らかにし、その上で何をするのか、より具体的な対策が求められていると思います。

 そこで、一点目のお尋ねですが、本県の地球温暖化対策は、平成五年三月に策定をされました「山口県地球温暖化対策地域推進モデル計画」をもとに推進されるとされています。モデル計画策定から今日までの四年間、何をどのように取り組まれたのか、まずお伺いをいたします。

 次に、この問題を解決していくためには、この私も含めて全国民が、そして県民一人一人が、省エネやリサイクル等、CO2削減を真剣に取り組むことが重要であります。

 電気は小まめに消す。待機電力を削減するため、ビデオやテレビはメーンスイッチを切る。近くの買い物は、車を使わずに歩く。そして、リサイクルの徹底など、あらゆる方策が考えられるのであります。

 一つ一つは小さな力でありますけれども、全体では大きな力となり、地球温暖化を食いとめることになりましょう。

 そこで、二点目のお尋ねですが、CO2削減のための数値目標を定め、具体的なマニュアルを示したビデオやパンフレットを作成をし、全県民に配布して、意識の啓発を行うとともに、あらゆる機会を通じて、実行できる体制づくりを急ぐべきであります。今後の取り組みについて、お伺いをいたします。

 さて、地球温暖化やオゾン層の破壊などは、私たちが環境を無視し、効率や利便性を求め続けてきた結果であり、いわば人災であります。

 規制緩和のもとに始まった民間の電力業界への参入は、化石燃料を燃やす火力発電所が中心であり、安い電力料金と引きかえに温暖化を助長するという、何とも皮肉な結末であります。

 我が国においても、水源税や炭素税など、いわゆる環境税の導入について議論がされておりますが、自治体における新たな取り組みも一方では始まっています。

 例えば、愛知県豊田市では、水道料金に一立方メートル当たり一円を上乗せをして、三年間で一億三千万円の基金をつくり、神奈川県では、県営水道料金収入の一%で、三年間で十五億円を確保し、水道水源保全のためではありますけれども、CO2対策にも効果的な森林事業に使っていると聞いているところであります。いずれも、標準世帯で年間三百円程度の負担と言われています。

 「環境を守ることは、お金がかかることであり、痛みを伴う」ということを考えなければならない時代がやってきたと言わねばなりません。

 さらに、京都府、兵庫県、神奈川県などは、車の「アイドリング禁止条例」を制定するなど、具体的な取り組みを始めています。

 そこで、三点目のお尋ねですが、本県においても、CO2削減対策の拡充に向けて、県独自の新たな取り組みを検討されるべきであります。知事の御所見をお伺いいたします。

 地球温暖化対策の最後に、新エネルギーの導入促進についてお尋ねをいたします。

 ヨーロッパでは、炭素税を導入している国もありますし、ドイツのアーヘンという市では、電気料金に一%上乗せし、その財源で太陽光発電の普及を行っていると聞いています。

 日本の一戸建て住宅二千四百万戸に太陽光発電を設置すれば、電力需要の一○%が賄えると言われており、特に、夏場のピーク電力を抑制する効果は極めて大きいと思います。

 そのためには膨大な資金が必要となりますが、ドイツのように、電気料金に一%上乗せした場合、日本では、標準世帯当たりが年間約千円弱の負担でありますが、総額では一千億円を大きく上回るものと思われます。

 その財源を太陽光発電の普及に使用すれば、CO2削減に多大な効果があるだけでなく、大きな経済効果も期待できるものと考えるのであります。

 また、電力会社におかれては、経営努力を重ねられ、来年二月から電気料金の値下げを計画されており、中国電力では、標準世帯において月額三百六十六円、総額では、年間換算で五百四十四億円の値下げを予定されております。

 中国電力の経営努力に、感謝を申し上げたいと思うのであります。

 まさに、ちりも積もれば山となる。五百四十四億円は大山でありますけれども、世帯当たり三百六十六円は、ちりとは申しませんが、わずかであります。コーヒー一杯分でありましょう。

 例えば、この財源を太陽光発電への補助金として使うことが可能であれば、三分の一の補助で百五十万円とすれば、三万六千二百六十六世帯に太陽光発電システムの設置への支援が可能となります。十年で三十六万世帯、七十五年すれば、中国五県二百七十万世帯すべてに、太陽光発電設置の助成が可能となる計算になるところであります。

 非現実的な話かもわかりませんが、地球温暖化を初め、地球規模の環境破壊に真っ正面から取り組もうとするなら、これくらいの発想が必要であり、また、財源負担も避けて通れないと考えるものであります。

 したがって、電気料金の値下げ相当分を財源とした新エネルギーの導入を提案するなど、国に任せるのではなく、地方から新たな発想で情報発信することが、地方分権社会においては極めて重要なことだと考えています。

 そこでお尋ねをいたしますが、以上述べましたような私の提案も含め、環境に優しい新エネルギーの導入促進に積極的に取り組むべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いをいたします。

 次に、中小企業対策についてお尋ねをいたします。

 長引く不況の原因は、バブル崩壊から七年が経過しておりながら、不良債権の処理が一向に進まず、それが金融不安につながり、株安 金融不安 不況感の増幅 そして株安という悪循環を引き起こしているところにあります。

 いま一つは、消費税率の引き上げ、特別減税の廃止、さらには、社会保険料や医療費の負担増加などによる将来の先行き不安や老後に備えるために、消費者は貯蓄をせざるを得ず、国内経済の六○%と言われる消費が落ち込んでいることが最大の原因であります。

 政府が先月発表した「緊急経済対策」は、労働界はもちろん、マスコミや経済界からも評価は低く、その代表的な声は、「中・長期的な構造改革を進めるには結構な内容かもしれないが、緊急対策としての即効性に欠ける」というものであります。

 民間信用調査機関の発表によれば、我が国全体の十月の企業倒産件数は、十一年ぶりに千六百件を数え、販売不振や不良債権の累積など、不況型倒産も千件を超えたとされています。

 山口県においても、先月末には、本県を代表する木材卸売会社が、二百五十七億円という負債額を抱え事実上倒産したことは、マスコミ等で御案内のことと思います。

 その結果、今年の十一月期までを前年同期と比べると、負債金額で七六%、二百五十九億円増加しており、また、件数では二六%、二十九件も上回っており、そのうちの七七%、百十件が業績不振とされているのであります。

 私は、去る二月定例会で、国の規制緩和という美名のもと、その政策による影響をまともに受けた酒屋さんや小売店など、零細な小売業の厳しい現状を申し上げましたが、中でも米穀店の現状はさらに悪化しており、生産者が消費者へ直接販売する大量の計画外流通米による新たな流通の変化により、極めて厳しい現状に置かれております。

 しかし、これらはほんの一例にしかすぎません。製造業、建設業、販売業すべてを通じ、いずれも昨年より倒産件数が増加しているのであります。

 このような現状の中で、本県では、国の「緊急経済対策」に呼応して、中小企業制度融資の利率の引き下げや要件の緩和措置を十二月一日から実施されるとともに、経営支援特別資金については、融資枠を拡大されるための予算を本会議に上程されておりますことは、時宜を得たものであり、高く評価をいたしたいと思います。

 しかし今、株価の下落や不良債権の処理、相次ぐ金融・証券界の不祥事や経営破綻等により、マスコミなどからは、銀行などの貸し渋りが指摘をされております。とりわけ、中小企業にとっては大変厳しい年の瀬となっているのであります。

 そこでお尋ねをいたしますが、中小企業の経営支援のための相談体制の強化や金融機関における貸し渋り防止対策などを含め、中小企業対策についてどのように取り組まれようとされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、値下がりを続ける米に関連して、お尋ねをいたします。

 私は、去る九月議会でも、米の価格が下がることへの影響とその対策について質問をいたしたところでありますが、現実に、それも大幅な値下げが明らかになったことから、再度質問をいたすものであります。

 九七年産山口米の自主流通米市場での今年十月の昨年対比では、コシヒカリは、六十キログラム玄米で二万一千百三十九円が一万七千六百三十九円となりまして、三千五百円も値下がりをしたのを初め、ヤマホウシは二千百六十二円、日本晴では二千二百五十六円の値下げとなっております。

 さらに、政府米よりもヤマホウシが六百七円、日本晴は九百十円も安くなっており、自主流通米の高値感は完全に崩れ去ったと言えると思います。そして、この傾向は、十一月ででもさらに下がり続けております。

 山口県のコシヒカリの価格は、大阪市場で加重平均を下回り、ヤマホウシや日本晴は、最下位価格の北海道産の次に安い米となっているところであります。

 問題なのは、この傾向は以前から続いており、卸・小売店などに話を聞くと、「おいしくないから売れない、売れないから安い」ということでありました。さらに、同地域の同じ銘柄でも、水田によって、いわゆる生産者によって味が違うという話もありまして、「このままでは山口米は売りにくい」と言われておりました。

 これらが事実なら、市場価格が低いのも理解ができるところでありますけれども、山口米を食べている我々県民の心境は極めて複雑であると言わざるを得ません。

 そこで、本県の米づくりはどのようにされてきたのか、平成二年に作成をされました農業の基本構想を見てみました。

 そこには、「米の需給が依然として過剰基調にあること」、「食糧管理に市場競争原理が導入され、自主流通米比率が拡大すること」、そして、「今後、産地間競争がさらに激化することが予測をされており、山口米の市場競争力の強化を図るため、生産に当たっては、特に食味のすぐれた米など、需要に対応した米をできるだけ安いコストで安定して生産するために、関係者が一体となって取り組む必要がある」とされていたのであります。

 まさに、平成二年の基本構想では、今日の情勢分析がなされ、具体的な取り組みが示されていたのであります。

 そこでお尋ねをいたしますが、構想以来七年余りが経過しておりますのに、山口米の市場価格が上がらないのはなぜか。方針が正しいとすれば、それが実行されていないということになります。何がネックなのか、県の農業指導か、農協か、生産者か、この際、問題点をはっきりさせるべきであると思います。その上で、本県農業の基幹作目である米のあり方についてどう取り組むのか、明確にする必要があると思います。

 今後は、政府でさえ「売れない米は買わない」と言っている現状の中で、市場での評価の高い売れる米づくりについて、知事はどのように取り組むお考えですか、まずお尋ねをいたします。

 次に、新長期展望素案によれば、未来創造夢戦略として、中山間地問題が触れてありますが、今後の米対策の取り組みを夢戦略として推進をしていただき、農家はもちろん、山口米を売る小売店、そして山口米を食べている我々県民にも夢を与えていただきたいのであります。知事のお考えを、お伺いします。

 次に、二十一世紀を担う子供たちの教育の現状とあり方について、教育長にお尋ねをいたします。

 最近の子供は、「暗記や計算は得意だが、思考力や表現力が不足しており、基礎的、主体的学力が身についていない」とされています。

 また、一カ月に一冊も本を読まない高校生は七○%、中学生は五五%、小学生は一五%と、本を読まない子供が急増しています。

 さらに、「保健室登校」が全国で約一万百人いると推計され、六年前に比べ、ほぼ倍増しており、特に、いじめや不登校などが集中している中学校で急増しています。

 本県でも、中学校百四十四人と一番多く、不登校については、年間三十日以上欠席が小学校で二百十五人、中学校では九百二十六人と、いずれも増加をしているところであります。

 さて、教育課程審議会は、二○○三年度からの学校週五日制の完全実施に向けた中間まとめでは、「自ら学び、自ら考える力を育成する」、「ゆとりある教育で個性を生かす教育」、「各学校が創意工夫を生かし特色ある教育を展開する」というものであります。

 過去二回、二十年前からの改訂内容とほとんど変わっておりません。

 そして、その冒頭では、「学校は子供たちにとって伸び伸びと過ごせる楽しい場でなければならない」と述べているのであります。

 では、なぜ学校が楽しくなくなったのか。なぜ二十年間も、同じことが言われ続けてきたのか。不登校やいじめ、保健室登校などが、なぜふえ続けるのか。その一方で、本を読まない子が、なぜふえているのか。

 その原因は、受験地獄と言われた入試制度のあり方であり、学校や教師をしばる画一的で管理的な教育行政であります。これらの解決がなければ、楽しい学校は実現しないと思うのであります。

 二十一世紀を担う子供の教育のあり方について、教育長の御所見をお伺いをいたします。

 次に、「心の教育」にとって効果があると思われる本の読み聞かせを通じて、本に親しむ教育についてお尋ねをいたします。

 静岡市立南中学校では、午前八時十五分から三十分まで、本の読み聞かせを行っており、その十五分間は学校じゅうが静まり、終わると、授業にすうっと入れるそうであります。読み聞かせは、身近な人が毎日続けてやるところに意義があるとの考えから、今では三十人のお母さん方も参加をされ、その影響もあってか、学校は非常に落ち着き、けんかもなく、読書量もふえたとのことであります。

 子供たちに不足していると言われる思考力や表現力を高めるには、本と親しむ教育が極めて重要であり、本の読み聞かせは大きな効果があると思います。

 また、学校図書館は、テレビ番組の「ドラえもん」の「どこでもドア」みたいなもんだと言われる方があります。学校図書館に一歩足を踏み入れると、そこには古代から未来まで旅することができる。地球だけでなく、広い宇宙を駆け回ることもできるというのであります。

 そこには夢や希望があり、基礎的な知力や創造力を自然に身につけることになると思います。

 一方、中央教育審議会の会長である有馬朗人さんは、「『心の教育』について率直に言って悩んでいる。『心の教育』とは教育なのか。道徳や倫理で型通り教えても、それは知識であり、教えたことによって『心の教育』ができたとは思わない」と言っておられるのであります。

 新長期展望の素案では、「心の教育」を総合的に推進するため、家庭・学校・地域社会の連携を図るとされ、学校では「道徳教育」という記述がされておりますが、私は、例えば、読み聞かせを通じて本に親しむ教育から「心の教育」を進めることが必要だと思います。教育長の御所見を、お伺いいたします。

 次に、学校図書館の運営にとって最も重要な司書教諭について質問をいたします。

 司書教諭については、学校図書館法第五条で、「学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない」とありますが、特例を設け、「当分の間、置かないことができる」としたために、今日まで司書教諭が発令されず、学校図書館の利用が低い原因とも言われているものであります。

 今回、四十四年ぶりに法律が改正をされ、平成十五年四月から十二学級以上の学校に司書教諭の配置が義務づけられたのであります。

 私は、基本的には、司書教諭は専任であるべきと考えますが、今回の改正は、それに向けての第一歩だと考えています。

 そこでお尋ねをいたしますが、現在、司書教諭の資格を持っておられる先生は、来年度からでも発令すべきであると考えます。また、十一学級以下の学校への配置も大切であると思いますので、今後の配置計画とあわせてお答えをいただきたいと思います。

 最後に、学校図書館法では、「支障のない限度において、一般公衆に利用させることができる」とされております。

 学校図書館を地域に開放し、親子の読み聞かせや読書会などを通じて、本に親しむ環境をつくることが、今後ますます大切になると思います。教育長の御所見を、お伺いをいたします。

 以上で、私の代表質問を終わらせていただきます。(拍手)



○議長(河野博行君) 二井知事。

    〔知事 二井関成君登壇〕



◎知事(二井関成君) 加藤議員の御質問に順次お答えを申し上げます。

 まず、新長期展望に関してのお尋ねでございます。

 御案内のように、四次展望策定後、我が国の社会経済情勢は、本格的な地球時代が到来をするなど、新たな変革の時代を迎えておりますが、本県におきましても、人口の減少、少子化・高齢化や広域的な交流の活発化、新たな地方の時代の進展など、四次展望の想定を大きく超えた変化が生じてきていると考えております。

 このような大きな時代の流れ、変化の中で、私も、御指摘のとおり、県政は新しい時代に向けて、四次展望とは異なる新たな発想に基づく対応が求められてきていると考えております。

 そのために、目下、四次展望とは異なる視点として、「戦略性の重視」、「県民や市町村の活力の発揮」、「広域的な発想や対応」、「ソフト施策の強化」の四つの視点に立って、実効性の高い長期展望となるように、検討を進めてきておるところでございます。

 また、県民の価値観やライフスタイルが多様化し、県政に対するニーズも複雑、高度化しております。

 このような中で、二十一世紀に向けて、県民一人一人の豊かさの向上や、県内各地域のそれぞれの個性を生かした地方分権の時代にふさわしい魅力あふれる地域づくりを進めていくためには、県民や市町村の御意見をしっかりとお聞きをしながら、互いに力を合わせ、ともに力を出し合い、たくましい県づくりを進めていかなければならないと考えております。

 私は、このように、四次展望策定後の社会経済情勢の大きな変化に対応した新しい考え方に立って、「県民が主役となる県政」、「市町村とともに歩む県政」の基本姿勢のもとで、「二十一世紀に自活できるたくましい山口県の創造」の実現に向けて、県民の夢や希望を具現化できる新しいビジョンを策定をしていきたいと考えております。

 次に、地方分権の推進に関連して、市町村合併に対する県の取り組みについてのお尋ねでございます。

 地方分権推進委員会による四次にわたる勧告も出そろい、政府による地方分権推進計画の策定をまつばかりとなった現在、地方分権は、いよいよ実施の段階を迎えることになります。

 今後、地方は、みずからの判断と責任により、その特性を生かした地域づくりを進め、個性豊かな活力に満ちた地域社会の実現を図ることが、これまで以上に求められてきていると考えております。

 中でも、住民に最も身近な市町村の果たすべき役割は大きく、国、地方を通ずる厳しい財政状況のもとにありまして、少子・高齢化の進展等に伴い、ますます増大する行政需要や住民の日常生活や経済活動の一層の広域化に対応していくためには、自主的な合併や広域行政の推進は極めて重要な課題であると考えております。

 お尋ねの市町村合併の取り組みにつきましては、これまで、県下四地域で合併を視点に置いた中核都市づくりを地域と一体となって推進をしてまいりましたが、県といたしましては、今後増大する市町村の役割に対して、合併は、市町村の行財政能力の充実強化や効率的な行政運営の確保を図る上で、より有効な方策であるというふうに考えております。

 したがいまして、今後、市町村におきましては、さらに合併や広域行政について、県下各地域で積極的に論議をされることを期待をいたしております。

 いずれにいたしましても、合併や広域行政など、地方分権を真に実効あるものとするための行政のあり方については、基本的には、地域の実情を踏まえながら、関係市町村において十分論議をされ、選択をされるべきものでございまして、県といたしましては、論議の状況や地域の要請に応じて、情報提供や指導・助言等の支援を適切に行ってまいりたいと考えております。

 次に、地球温暖化対策についてのお尋ねでございます。

 大量に排出される二酸化炭素等の温室効果ガスがもたらす地球温暖化は、酸性雨、オゾン層の破壊、熱帯雨林や野生生物種の減少等に代表される地球的規模での環境問題のうちで最も深刻で、人類の生存基盤に重大な影響を与える緊急かつ重要な問題であります。

 この解決に向けましては、地球上のすべての国はもちろんのことでございますが、地域社会を構成する県民、事業者などが、地球家族の一員であるとの認識を持って、主体的かつ積極的に取り組むことが必要であると認識をいたしております。

 そこでまず、モデル計画策定から今日までの取り組みについてのお尋ねでございますが、この計画には、基本理念として、「環境と調和した地域づくり」、「省エネルギー・省資源対策の推進」及び「環境にやさしいライフスタイルの確立」を掲げ、この理念をもとに、県民、事業者、行政等が役割を分担しながら、県下各地域でのイベントやセミナー等の開催、民間団体が開催する環境学習講座への環境アドバイザーの派遣等による啓発活動や、リサイクル運動を行う住民団体への支援、緑化の推進などを図るなど、取り組みを進めてまいりました。

 この結果、二酸化炭素削減に向けての県民の皆さんの関心は高まってきているとは思いますが、いまだ実践へ向けての取り組みは十分でないというふうに思います。

 地球温暖化は、空間的・時間的な広がりを持ち、その影響が次世代に強くあらわれ、直接身近な問題としてとらえにくい性質を有しておりますことから、県としては、なお一層の意識啓発を図る必要があると考えております。

 したがいまして、来年度からは、民間団体、事業者、行政などからなる「快適なくらしづくり山口県推進協議会」を推進母体として、新たな形の県民総参加による運動を展開をしていきたいと考えておりまして、現在、鋭意検討をいたしておるところでございます。

 さらに、この取り組みをより効果的なものにするためには、わかりやすい行動方針が必要でありますので、事業所や家庭などにおける電気・石油の使用量などについて、可能な限りの数値目標を掲げた「地球温暖化防止行動プログラム」を策定をいたしますとともに、自己点検表を配布し、これにより、事業活動やライフスタイルのチェックを実施をしていただき、実践行動の定着を図ることにいたしたいと考えております。

 次に、二酸化炭素の削減対策の拡充に向けての県独自の新たな取り組みについてでございますが、県といたしましては、ただいまお答えをいたしました新たな県民総参加による運動を展開をいたします中で、どのような新たな取り組みが地球温暖化防止の視点に立って効果的なのか、とり得る効果的な方策について研究をしてまいりたいと考えております。

 次に、新エネルギーの導入に関してのお尋ねでございます。

 まず、新エネルギーの導入につきまして、具体的な御提言をいただきました。御提言につきましては、エネルギーの高コスト構造の是正という社会的要請が高まっております中で、国民的コンセンサスが得られるかどうかというような、現状ではなかなか難しい問題があるんではないかというふうに、現時点では考えております。

 次に、新エネルギーの導入についての取り組みについてでございます。

 新エネルギーの導入は、エネルギー資源の少ない我が国では、環境への負荷の軽減という観点からも極めて重要となっておりますが、現状では、既存のエネルギーに比べ、実用性や経済性の面で大きな課題を抱えております。

 このため、現在、国におきましては、技術開発や実証試験などを進め、また、助成策を講じながら、国や自治体、さらには民間事業者、あるいは一般家庭への導入促進を図っているところでございます。

 ちなみに、一般家庭用の太陽光発電につきましては、平成六年度から国のモニター事業が開始をされ、昨年度までの実績は、全国で三千四百六十六件、そのうち山口県で五十六件となっております。

 県といたしましては、これまでにも、太陽熱利用システムや太陽光発電システムなどを県庁舎等の公共施設に導入をしておりますが、今後とも、これをさらに推進をいたしますとともに、本年六月に「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」が施行されたことを契機に、本県における新エネルギー導入の方向性、可能性等を検討していきたいと考えております。

 次に、中小企業対策についてでございます。

 本年九月の中小企業景況調査、いわゆるDI調査によりますと、業況判断、売り上げ、経常利益の各指標とも、前期よりマイナス幅が六ポイント前後拡大をしてきております。

 また、十一月上旬に県が独自で行いました「緊急景況実態調査」によりますと、九月調査のDIでは、十月から十二月にかけての来期の見込みは、マイナス幅が減少し、好転するというふうになっておりましたものが、逆に、大きく拡大し、落ち込んでおります。

 また、御指摘のとおり、企業倒産も昨年に比べて大幅に増加をするなど、本県の中小企業を取り巻く経営環境は、一段と厳しい状況にあると認識をいたしております。

 県といたしましては、こうした中にありまして、中小企業を支援をするため、今回の補正予算におきましても、中小企業制度融資の拡充や公共工事の前倒し発注などの措置を行うことにいたしました。

 また、庁内に設置をしております景気雇用対策本部を中心に、全庁挙げて対策に取り組みますとともに、県と商工関係団体や金融関係機関等からなる「中小企業対策連絡会」を近日中に発足をさせ、情報収集と中小企業対策に係る連絡調整を行うことにいたしております。

 さらに、現在、商工労働部に設置をしております中小企業相談室におきまして、引き続き、中小企業者からの経営や金融等の相談に迅速かつきめ細かに対応していきたいと考えております。

 一方、企業倒産が、これから年末にかけて予断を許さない状況にありますので、商工会議所等に設置をしております「倒産防止特別相談室」の経営相談業務体制の強化と、経営安定資金等の緊急資金の円滑な融通を通じて、倒産の未然防止と連鎖倒産防止にも万全を期してまいりたいと考えております。

 次に、金融機関における、いわゆる貸し渋り防止対策についてであります。

 先般、全国一斉調査の中で県が実施をいたしました中小企業の資金調達状況調査によりますと、これまでのところ、約七五%の企業が、民間金融機関の貸出姿勢は「変化はない」、あるいは「条件が緩くなった」としておりますものの、今後につきましては、逆に、約五五%の企業が「厳しくなる」との見方を示しております。

 県といたしましては、これらの状況を踏まえ、今月一日付で、県信用保証協会や県内金融機関に対し、資金供給の円滑化について、また、商工関係団体に対しまして、相談体制の強化を要請をいたしました。

 今後とも、中小企業対策につきましては、県内の景気動向や金融情勢などを十分見きわめながら、機動的・弾力的に対応していきたいと考えております。

 次に、米対策に関する二点のお尋ねでございます。

 まず、山口米の問題点と今後の米づくりのあり方についてでございます。

 四年連続の豊作による米の大幅な過剰基調の中で、本年産の自主流通米の価格につきましては、全国的に低下をいたしているところでございまして、本県産米の販売環境も非常に厳しい状況にあると受けとめております。

 また、食糧法の施行による市場原理の導入や規制の緩和など、米を取り巻く厳しい情勢に対応していく上で、山口米の課題といたしましては、

 一つは、消費者ニーズに対応した良食味品種の割合が低いということ、

 二つは、適期作業等の栽培管理が十分であるとは言えないということ、

 三つは、消費者に山口米の情報が十分に伝わっていないということ、

このようなものがあるというふうに認識をいたしております。

 このため、まず、作付品種につきましては、需要・用途別の生産目標に沿って、コシヒカリなど、良食味品種の生産拡大を図りますとともに、来年度からは、山口県オリジナル品種として県民の期待も高い新品種「晴るる」を、良質米地帯である中山間地域を中心に、本格的に栽培を開始をしていきたいと考えております。

 また、担い手不足が深刻化する中で、品質の向上と均一化を図るため、農作業受委託組織の育成等による生産のシステム化を進めますとともに、共同乾燥調製施設の整備、食味分析計の活用や、迅速な生育診断情報の提供による技術指導の徹底に努めていかなければならないと考えております。

 さらには、このような生産対策に加えて、山口米に対する消費者の皆さんの理解や評価の向上を高めていく必要があると考えております。

 そのために、流通販売対策につきましては、産地情報の公開等、さらに創意工夫をしながら、効果的な実施に努めていく考えでございます。

 今後とも、生産・流通・消費相互の連携のもとに、高品質化、ブランド化を進め、市場評価の高い、おいしい山口米づくりに積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 次に、新長期展望における今後の米対策の取り扱いについてでございます。

 今日、農業をめぐる環境が一段と厳しさを増す中で、本県の農業にとりまして、米は今後とも基軸となる作目であり、米対策の充実は極めて重要な課題であるというふうに認識をいたしております。

 こうしたことから、今後の未来創造夢戦略の構築に当たりましても、御提言の趣旨をも踏まえ、十分検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。



○議長(河野博行君) 上野教育長。

    〔教育長 上野孝明君登壇〕



◎教育長(上野孝明君) 教育問題に対する数点のお尋ねでございます。

 まず、これからの教育のあり方についてでございますけれども、御指摘のように、教育に関するさまざまな問題が生じている現状から、現在、国を挙げての教育改革が進められ、多くの提言がなされているところでもございます。

 県教委といたしましても、従来の一斉・画一的な教育から、子供一人一人の主体性や個性・適性等を重視をし、夢や希望を抱かせ、その実現のために、豊かで実践的な知恵をはぐくんでいく教育への転換、すなわち、「夢と知恵を育む教育」の推進を基本目標として、本県教育の一層の充実に取り組んでいるところでございます。

 特に、学校づくりにつきましては、地域に根差し、地域の特性を生かした創意あふれる教育活動が十分展開できるよう指導もし、また、進路指導につきましても、子供一人一人が自分のあり方・生き方をしっかりと見定めることができる能力の育成を図っているところでございます。

 さらに、高校入学者の選抜等につきましても、鋭意、その改善に努めているところでございます。

 今後とも、これらにより一層の努力をしてまいる所存でございます。

 次に、本に親しむ教育から「心の教育」を進めることについてのお尋ねでございますが、読み聞かせの読書指導が、児童生徒の豊かな創造力をはぐくみ、心の土壌を耕すということにつきましては、私も同様の思いを抱いております。

 本県では、特に、萩市の全小学校で「朝の読書の時間」を設けておりまして、中には、保護者のボランティアによる読み聞かせを行っている学校もありますし、また、このほかにも、読み聞かせ指導に積極的に取り組み、成果を上げている学校もございます。

 このような読書指導の取り組みは一人一人の豊かな情操をはぐくみ、お互いを認め合う広い気持ちや温かい心を培うとともに、多様な体験の積み重ねによって、児童生徒の内面を豊かに成長させ、「心の教育」に結びつくものと考えておりますので、今後、こうした取り組みをより一層広げてまいる考えでございます。

 次に、司書教諭の配置についてでございますが、お示しのとおり、本年六月に学校図書館法の一部が改正されまして、平成十五年四月からは、十二学級以上の規模の学校に司書教諭を置くこととなりました。

 県教委といたしましては、学校図書館が十分機能するよう、司書教諭の資格を有する者を年次計画的に養成をし、法改正の趣旨を踏まえ、平成十五年度には対象校に配置してまいりたいと考えております。

 御指摘の早期発令につきましては、学校における業務分担の見直しなど、さまざまな課題がありますことから、今後、研究してまいりたいと考えております。

 いずれにしましても、学校規模にかかわらず、有資格者の養成・確保に努めまして、学校図書館の一層の充実と利用促進を図ってまいりたいと考えております。

 最後に、学校図書館の地域への開放についてでございますけれども、本県でも、地域開放型の学校図書館となっている学校や、学校図書館に地域のボランティアを活用している学校もあります。学校図書館への地域への開放が進みつつございます。

 県教委といたしましては、学校開放時の施設管理の方法等の課題もあり、今後、保護者や地域社会の意向も踏まえるとともに、市町村との連携も図りながら、学校図書館の地域への開放について検討してまいりたいと考えております。

 以上でございます。





○議長(河野博行君) この際、暫時休憩いたします。

 再開は、午後一時の予定であります。

    午前十一時四十九分休憩



    午後一時開議



○副議長(桑原孝行君) 休憩前に引き続き会議を開きます。





△日程第二代表質問



△日程第三議案第一号から第十四号まで



○副議長(桑原孝行君) 日程第二、代表質問を行い、日程第三、議案第一号から第十四号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。中村泰昌君。

    〔中村泰昌君登壇〕(拍手)



◆(中村泰昌君) おつき合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

 まず最初は、行政改革に関する三点のお尋ねであります。

 過般、私はテレビで大変考えさせられる番組を拝見しました。

 その番組は、我が国の中央官庁に、アメリカ、欧州、東南アジア等々の諸外国から研修に派遣されている人たちの活動を描いたものであります。

 若い男女の諸外国の行政マンが、大蔵、通産、自治、環境等々に研修生として配属されているようで、その人たち十数名が月に何回か集まってミーティングを開催。近況報告から始まって、日本の行政についての意見交換、情報交換、相互の激励などをしておられる映像が映し出されました。

 そうした一端を取材した番組でありましたが、そこで展開される会話の中で、私は、環境庁に派遣されているアメリカの女性の行政マンの話に大きく引かれるものがありました。

 彼女は、日本の行政のあり方に対し、いろいろの感想や意見を率直に述べておられましたが、私は要約して次の三点が、今後の日本の行政が取り組むべき課題を示しているように感じたのであります。

 まず第一点は、彼女いわく、「日本の行政の仕組みは、公務員は悪いことをしないという前提に立ってできている。アメリカはそうではなくて、公務員も当然悪いことをするという考えのもとに行政システムをつくっている」という発言であります。

 端的に申せば、日本の行政のありようは、性善説に立っているのに対し、アメリカのそれは、性悪説に立脚しているというのであります。言われてみれば、まさにそのとおりであります。

 例えば、平成六年に施行を見た「行政手続法」、この法律は、行政庁の処分、行政指導及び届け出に関する手続に関し、共通する事項を定めることによって行政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、国民の権利や利益の保護に資することを目的とするものでありますが、このような法律は、アメリカ合衆国においては早くも一九四六年に、ドイツにおいても一九七六年に制定されておるのであります。

 また、今日、我が国において大きな問題となっている情報公開法についても、米国は一九六九年に情報自由法を制定し、現在十二カ国で制定されております。

 民主国家での国政は、国民の信託のもとに行われるのであり、政府は信託にこたえるために、その活動、政策決定などをきちんと国民に説明しなければならないし、一方、主権者及び信託者である国民は、国政を監視し、国政に参加することが重要であります。

 これらの目的を達成するためには、行政運営の公開性が確保されなければならず、情報公開法は、民主主義国家に備わっているべき当たり前のことでありながら、我が国は米国におくれること三十年にして、ようやく法制化への運びとなっております。

 また、このほど、地方自治体の監査制度が改革され、第三者が地方自治体の行財政をチェックする外部監査制度が導入され、その一部は来年度からスタートする運びとなりましたが、彼女に言わしむれば、従前の監査システムは、余りにも日本的、性善説的なものであったということになるのでありましょう。

 さて、行政手続の適正化、情報公開につきましては、本県においては、条例により一歩前進の改革が図られましたので、今後取り組むべき課題である監査制度の改革について、若干、まずお尋ねをしたいと思うわけであります。

 このほど、現行の監査委員制度では、地方公共団体の監査機能の独立性、厳正性、専門性の確保という観点からはおのずから限界があること、また、予算執行をめぐる住民の関心が高まっており、公費の執行に関するチェック機能について、住民の信頼に、より適切にこたえられるものとしていく必要があるということで、外部監査制度の導入が図られたところであります。

 この制度の導入につきましては、「地方の弁護士などは、地元の有力者が多く、自治体との関係も深いケースが多く、こうした人が監査をしても、公正さが保てるか疑問である」、また、「一人の外部監査人が、個別外部監査をする場合、膨大な事務量をどうこなしていくかの困難性」、また、「工事監査等、特殊の知識を必要とする場合の困難性」、また、「監査委員として、公認会計士等が既に就任している場合、この専門家と外部監査人との関係はどうなるのか」等々、実効性についての幾つかの疑問が上がっているのであります。

 そこでお伺いするのでありますが、

 まず、外部監査人の人選、外部監査人の補助者等についてはどうお考えなのか。

 また、包括外部監査人の監査は、監査委員の監査と並んで行うものであり、監査委員の守備範囲との役割分担が極めて重要でありますが、この点どう考えておられるのか。

 また、工事監査等、特殊の専門知識を必要とする場合、現在もこのような知識を有する者に委託するなどの方法が活用されておりますが、このような対応についてはどうお考えなのか。

 また、現行の監査委員制度、事務局の充実が重要でありますが、この点どうお考えなのかを、お伺いしたいのであります。

 次は、彼女の発言のポイント二であります。

 彼女いわく、

  日本は、一つの政策を決定していくその過程が極めてあいまいである。関係する職員が集まって意見をそれぞれ述べ合い、議論しているが、だれが発案し、だれが修正し、だれが決定しているのかよくわからない。アメリカの行政システムは、発案、修正、決定の過程がそれぞれ明確であり、その責任と評価が明らかになるようになっている。

というのであります。

 さて、ことし三月、「朝日懇話会・やまぐち」が開催され、「行政改革と情報公開」をテーマに論議がなされ、私も新聞紙上でそれを拝見したのでありますが、「政策決定過程の透明化」が極めて重要であることが各委員から述べられております。

 また、このほど、政府の行革小委員会の最終報告案を紙上で拝見したのでありますが、行政が国民への説明責任を果たしておらず、透明性が失われている問題を指摘。公共事業などについて、企画から決定、実施に至る過程をできるだけ公開すること、一連の手続に関して統一したルールをつくることなどを求めております。

 いずれにせよ、この問題は本県においても極めて重要でありますが、今後、この問題にどう対応していかれるのかを、お伺いしたいのであります。

 次は、彼女の発言のポイント三であります。

 彼女いわく、

  日本の公務員は少しかわいそうだ。能力が正当に評価されていないような気がする。人事権は課長に握られており、課長に対して気を使わないと、いいポストにつけないような気がする。アメリカは、上司の心情で左右される要素は少なく、能力の評価が確立されている。

というのであります。

 さて、二十一世紀に向けた、新たな時代に対応した公務員の人事管理の問題は極めて重要であり、本県の行革大綱においても、「能力・実績に基づいた人事管理の在り方について研究、検討する」こととされております。

 この人事管理の問題は、ことし七月の人事院研究会の中間報告、九月の総務庁の行革会議の中間報告、十一月の公務員制度調査会の意見等々に大いに議論されており、十二月にはそれぞれ最終報告がなされるようであります。

 本県の行革は、一応、平成八年から十年の期間で終了することとされておりますが、極めて重要なこの問題について、国の動向を踏まえ、今後どう取り組まれるのかを、お伺いいたします。

 次は、このほど示されました「山口県新長期展望素案」についてのお尋ねであります。

 県におかれては、昭和三十七年以来、昭和六十二年策定の第四次県勢振興の長期展望に至るまで、四次にわたる長期展望を策定し、総合的、長期的な視点に立って、計画的に県政を推進されてきました。

 しかしながら、二十一世紀を目前に、新しい時代に向け、新しい考え方に基づく新しい県づくりを進めていこうということで、今般、新長期展望素案をお示しになったところであります。その時宜を得た御努力に対し、敬意を表する次第であります。

 さて、この素案の中で、中核都市等の形成についての方向性を示され、

  県内の四域  いわゆる周南地域、山口・防府地域、宇部・小野田地域、下関地域  では、中核都市の形成を進める一方、県中央部では、中核都市の連たん化を進め、県境部――いわゆる岩国地域、下関地域――では、隣接する中枢都市(広島、福岡・北九州)と連携した都市の整備を進めます。

としておられます。

 そこでお尋ねいたしますが、県中央部のいわゆるへそづくり、広島、福岡に接する県境対策はどのような視点、手法で進められようとするのか、お伺いいたします。

 人類はすべてへそがあるように、カエルちゃんであってはならないと思うのであります。

 次は、先述の中核都市の形成や広域生活圏の整備に関する広域連合制度についてであります。

 この問題については、素案の中で、広域連合などの広域行政体制への取り組みに対する支援を述べられておられます。

 私はこれまで、平成六年九月議会、九年六月議会等々において、中核都市の形成や地方分権の受け皿づくり、介護保険や国保等の広域的な福祉・医療行政に広域連合制度を活用すべき旨を主張してまいりました。

 さて、本年十月一日付の朝日新聞の「論壇」において、大分県の平松知事が、"地域連合で分権を進めよう"と題し、広域連合制度の活用を論じておられます。

 同知事いわく、

  現行の市町村では、分権の受け皿としては規模が小さ過ぎる。特に最近の廃棄物処理、水利権調整など、県境を越えて生じる広域問題には対応できなくなっている。

 また、二○○○年度に実施予定の介護保険は、認定業務、介護サービス等、大都市ならともかく、中小町村で独自に行うことは困難である。むしろ中小町村が合併して事務を行う方が効果的だし、人材も集まりやすい。

 しかし、歴史的経緯や地理的条件などから、大分県においても、合併は遅々として進んでいない。

 そこで、「広域連合制度」が合併にかわる現実的な手法であると考え、導入を進めている。

 一部事務組合制度もあるが、広域連合では、連合長である市町村長が勧告権を持ち、あたかも、合併と同じ機能を果たし得ることが特徴である。

 合併をめぐるトラブルを避け、将来は合併と同じ機能を果たすことが期待される。

と、お述べになっておられるのであります。

 さて、そこでお尋ねします。

 新長期展望素案においても、広域連合への取り組みに対する支援を掲げておられますが、この広域連合は、合併にかわるものとして、また、合併へのステップとして、また、地方分権、介護保険導入等々の受け皿としても極めて重要であり、急がれる課題であります。

 この取り組みの手法は地域によっていろいろあるわけでありますが、その取り組み方についてどうお考えなのか、そしてまた、広域連合制度の活用については、大分県のごとく、県がリード役を果たすべきと思いますが、どうお考えなのか、お伺いをするわけであります。

 次は、財政問題に関連した福祉予算についてのお尋ねであります。

 我が国の財政赤字は、国の長期債務残高だけで三百四十四兆円、地方の借金を合わせると四百七十六兆円にも及び、こうした状況を打開すべく、このほど、財政構造改革案が示されたところであります。

 この案によりますと、二○○三年度までの財政健全化目標として、国・地方の単年度財政赤字をGDP比三%以下に抑える。赤字国債の発行をゼロにする。公債依存度を引き下げる等々を掲げ、その上で、社会保障、公共投資、文教、政府開発援助などの分野別に、歳出削減の目標を示したところであります。

 こうした国、地方を通ずる危機的状況下にあって、本県も、伸び悩みの県税、地方交付税の合計額と歳出総額のギャップは、平成三年度は約二千八百億円であったものが、八年度は四千二百億円で一・五倍に拡大。財政調整基金も取り崩しで、本年度の残高は約三百億円と、四年度の四分の一に減少。

 県債を見ると、三年度の約四千億円は、本年度末には七千億円を超える二倍近くに急増し、これに伴い、公債費も三年度比で一・五倍以上の約六百七十五億円前後になるなど、財政の硬直が一段と進み、財政課の試算によれば、明年度の財源不足は約六百億円となる見込みとのことであります。

 こうした状況を受け、知事は、平成十年度の当初予算の見積書については、平成九年度予算編成において導入した「ゼロからの発想」、「チャレンジ」、「ランクアップ」の三つの視点に、新たに「プライオリティー」、いわゆる優先順位五原則を加え、施策の明確な優先順位に努めるとされたところであります。

 そして、新たな長期展望の推進に際しての三点の留意事項、また、財政の健全化への六点の取り組み姿勢を示しておられます。

 これらの御努力については評価するものでありますが、我が党が大変危惧するのは、こうした取り組みのしわ寄せとして、福祉予算の削減、なかんずく、弱者予算の切り捨てがあってはならないという点であります。

 ちなみに、来年度の厚生省予算において、社会保障費における自然増の中で、国庫負担分の八千億円増を三千億円に抑える。医療費は千八百億円に抑え、四千二百億円削減と概算要求が示されております。

 そうした中での来年度の県予算編成において、福祉予算のうち、特に医療費助成制度や身体障害者対策、精神障害者対策、高齢者対策等の県単独の福祉予算の削減があってはならないと考えるわけでありますが、この予算確保についてどうお考えなのか、お伺いをいたします。

 次に、福祉行政についてお尋ねをいたします。

 昨年十一月に提出された介護保険法案が、今月三日、参議院を通過し、あす、衆議院で可決される予定であります。

 我が党は、待ったなしに訪れる少子・高齢化社会にいかに対応すべきか、政府が行おうとしている財政構造改革、公的介護保険導入が、福祉や医療現場でどのような影響を及ぼすのか、転換期における医療・保健・福祉の課題とあるべき姿を探ろうと、「県民福祉アクションプラン」と題して、特別養護老人ホーム、障害者施設、医療現場並びに高齢者、障害者から聞き取りによる実態調査を行うとともに、福祉・医療関係団体からの政策要望、「県民福祉を考える公開ヒアリング」等を行ったところであります。

 今回の調査を通じて、それぞれの分野で、県民福祉を守る方々の並々ならぬ御労苦を肌身に感じた次第であります。

 「福祉の党」を標榜する我が党といたしましても、福祉現場の皆さんの貴重な御意見を参考に、安心して暮らせる福祉社会の実現に取り組んでまいる決意であります。

 そこで、今回の調査を踏まえ、若干のお尋ねをいたします。

 平成十二年度からの介護保険制度の施行を控え、平成十年度予算から始まるデイサービス、ホームヘルパーの効率化、いわゆる従来の定額補助方式から出来高払いの事業費補助方式が導入されることに対して、施設現場においては、相当の混乱が起こると予測されるのであります。

 確かに効率化は結構でありますが、我々の調査では、効率化だけでは高齢者の福祉は整理できない問題が多々あるわけであります。

 そこで、地域的サービスを提供する施設の事業運営が困難なところが出た場合は、県当局としてはどのように対応されるのか、また、市町村への指導、支援はどのようにお考えなのかを、御所見をお伺いしたいのであります。

 次に、特別養護老人ホーム等、高齢者に対する施設サービスについてであります。

 我が山口県は、自他ともに認める福祉先進県として、全国の先陣を切ってまいりました。

 その一翼を担ってきたのが、県が委託している山口県社会福祉事業団の存在でありました。

 しかし、時代の変化、福祉現場の多様化に伴い、その役割も新たな展開を求められているのも事実であります。

 今回、我々も各施設を訪問して特に感じましたことは、福祉現場においては、痴呆性老人対策や障害者施設入所者の高齢化対策に大変苦慮されている点であります。

 痴呆性老人については、徘徊などさまざまな症状や行動が見られることから、現在の施設対策は、無味乾燥とした専用居室であります。

 私は、その処遇に当たっては、ハード・ソフト両面にわたり、より人間的な取り組み、山口県らしい取り組みが必要と考えるのであります。

 また、最近の障害者施設においては、六十歳以上の人も多く、その処遇に苦慮しているのであります。

 そこで私は、痴呆専用特養や障害者専用特養といった体系がない今日、県立施設が先駆的な役割を果たすべきと考えます。

 ついては、これらニーズに対応するため、県におかれましては、今後の新たな展開として、痴呆性老人、高齢障害者に対する施設サービスに取り組むべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次は、上関原子力発電所立地問題についてお尋ねしたいと思います。

 我が党は、この問題に関し、さきの九月定例会において、原子力発電所立地に関しては、安全性の確保は当然のこと、地元住民の十分な合意形成が絶対に欠かせぬ要素であり、それはでき得る限り広範な範囲が望ましく、少なくとも周辺の市町村の同意は必要であること、そして、量的に多いだけでなく、この問題についての十分な説明に基づく、十分な認識と理解の上に立ったもの、すなわち、質的にも高いものであるべき旨を主張してまいりました。

 その後、知事におかれては、地元の意見を聞く範囲を、今年七月にお示しになった柳井市、光市、平生町及び田布施町の二市二町から、この十一月に大島町、大畠町、大和町の三町を加えられ、二市五町に拡大されたところであります。

 そして、その追加の理由として、社会的、経済的な面でつながりの深い柳井の広域圏の中にある市町村で、日ごろからつながりも深いし、距離的に見ても、隣接市町村と比較しても近いところについては意見を聞くべきと判断し、大畠町と大島町、そして大和町は柳井の広域圏ではないものの柳井との関係も深いし、距離的にも、他の町と比較しても同じような距離にあることから加えたとしておられます。

 思いますに、この範囲の拡大は、我が党の主張である「でき得る限り広範な範囲が望ましい」という点に合致するものであり、また、その理由も首肯し得るところであり、評価するものであります。

 このような経緯を踏まえて、我が党の合意形成の基準としている量的な面、質的な面から、若干のお尋ねをしたいと思うのであります。

 まず、二市五町という範囲は、これが最終判断で、これ以上拡大していくお考えはないのかどうか。

 次に、二市五町の各首長が市民、町民の意見を集約するに当たって、その方法については、これもでき得る限り多くの人から質の高い意見を求め、集約していくことが望ましいと考えますが、この点については県として一定のお考えをお示しになるのか、それとも地元の首長に一任されるお考えなのか、知事の御所見をお伺いする次第であります。

 次は、県工事における入札問題についてであります。

 低迷する景気、我が国財政の危機的状況の中で、公共工事のあり方が、今日大きく問われております。

 つまり、景気対策としての役割、効果への疑問、高コスト体質、事業費配分の硬直化や重点化・効率性の欠落等々であります。

 そして、政府は、財政構造改革の推進方策として、来年度、公共事業予算の七%カット、そしてまた、公共工事の建設コスト縮減については、九九年度末までに可能な施策を実施し、一○%以上減らす数値目標を盛り込んだ行動指針を示しております。

 こうした背景を受け、当然競争は激化し、この業界に生きていかれる方々の心労も察して余りあるわけでありますが、こうした状況であるがゆえに、パイの配分についての公正、妥当な入札方法の改善や、そしてまた、中小業者の保護・育成のための措置が重要であります。

 最近の新聞報道によれば、「政府は、これまで開示を認めていなかった予定価格について、入札後に限って公表する方針を固め、来年度には国の直轄事業で実施し、地方自治体にも公表に追随するよう働きかける」ようであり、また、高知県は、入札改善の方策として、設計金額の事前公表を県単独工事の入札で、今年度二件を試行的に実施されたようであります。

 そしてまた、中小業者の保護・育成対策については、政府も、入札資格の要件を緩和したりして、中小業者の受注機会をふやす構えとのことであります。

 しかし、こうした措置は、公共事業のコストを押し上げ、公共事業費の削減や見直しの流れに逆行するのも事実であります。

 したがって、当初より中小業者が継続的な協業関係を確保して、その経営力や施工力を強化する目的で結成する、いわゆる経常共同企業体による入札方式の工夫が重要と思うのであります。

 そこでお尋ねでありますが、こうした動向や、さらに、中小企業の保護・育成の視点を踏まえ、県工事における入札制度の改善にどう取り組まれるのか、お伺いするわけであります。

 最後は、教育問題についてお尋ねをいたします。

 先般、中教審の第二次答申が出されましたが、この中では、ゆとりの中で生きる力をはぐくみ、一人一人の個性に応じた教育を推進するために、学校間の接続の改善を図ることが重要であるとし、そのための具体的な方策の一つとして、公立学校への「中高一貫教育」の導入が提言されたところであります。

 この「中高一貫教育」につきましては、我が党は、十三年前、教育改革の提言として政府に要望して以来今日まで、本県におきましても、教育改革や学科の改編等とともに、本会議・委員会等で具体的な提言をいたしてまいりました。

 報道によれば、国においては、既にこうした中高一貫教育導入を可能にするための法改正に着手したとのことであり、また、全国的にも、その導入に積極的に取り組もうとする県がふえつつあるのであります。

 そこでお尋ねいたしますが、本県への中高一貫校の導入に関してどのように考えておられるのか、教育長の御所見をお伺いし、私の代表質問を終わりたいと存じます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(桑原孝行君) 二井知事。

    〔知事 二井関成君登壇〕



◎知事(二井関成君) 中村議員さんの御質問にお答えを申し上げます。

 最初に、行政改革に関連して数点のお尋ねでございます。

 第一点は、監査制度についてでありますが、まず、外部監査につきましては、地方自治法の改正により導入されることとなった新しい制度でございまして、「包括外部監査制度」の義務づけは、平成十一年四月からとされております。

 したがいまして、お示しの諸点を初め、この制度の運用の細目につきましては、今後、政省令の改正などにより示される予定となっておりますので、本県といたしましても、このような政省令の改正の状況等を踏まえながら、所要の検討と準備を行ってまいりたいと考えております。

 なお、現行の監査体制につきましては、本年度、事務局の内部組織の再編や専門職制の活用などを図ったところでございますが、御指摘の点も踏まえまして、引き続き、機能の強化に努めてまいりたいと考えております。

 次に、政策決定過程の透明化についてのお尋ねでございます。

 私の目指します県民が主役となるわかりやすい県政を実現をしていくためには、しっかり聞くこととあわせて、行政の考えを県民の皆様にしっかり説明することも重要であると考えております。

 このため、私は、知事就任以来、県民の皆様との直接の対話に努めます一方、県政モニター制度や審議会委員への公募方式の導入、さらには情報公開条例の制定等に取り組んでまいりました。

 これらを通じて、県民の皆様の政策形成への参画の機会が広がり、県政に対する理解の促進につながっているものと考えております。

 私といたしましては、今後とも、こうした取り組みを一層充実をいたしますとともに、例えば、審議会の公開などにもさらに努め、政策の企画立案、実施の過程をできるだけ透明性の高いものにしていきたいと考えております。

 また、透明性の向上と関連して、行政みずからの説明責任も果たし、公正で効率性の高い行政を実現するためにも、広報の充実はもちろんでございますが、施策・事業自体を不断にチェックをし、評価していくシステムについて検討する必要があり、今後、職員の意識改革などともあわせて取り組んでいきたいと考えております。

 次に、人事管理の問題についてでございます。

 本県におきましては、今次の行政改革大綱にこの問題を掲げ、政策形成能力の向上に重点を置いた職員研修の充実や、職員の能力・実績に基づいた適材適所の人事配置などに努めております。

 こうした中、今般、国におきましては、人材育成などについて指針も示されたところでございますので、この指針や、お示しのありました調査報告なども参考にしながら、新たに本県の実情に即した「人材育成の基本方針」を策定をいたしますとともに、今後、能力・実績に基づく人事管理の推進や分権の時代を担う人材の育成など、中長期的な視点に立った人事管理のシステムづくりに努めていきたいと考えております。

 次に、新長期展望素案における中核都市等の形成についてのお尋ねでございます。

 地方分権の推進や激しい地域間競争が一層進みます中で、二十一世紀に自活できるたくましい山口県を創造していくためには、地域発展の原動力となり、若者定住の受け皿となる中核都市の形成が不可欠であります。

 一方、御案内のように、近年、地方中枢・中核都市圏を中心に、高次都市機能の集積が進展をし、県境や既存の圏域を越えた広域的な交流・連携が活発化してきております。

 現在、策定が進められております「新しい全国総合開発計画」におきましても、こうした地方中枢・中核都市圏を中心とする広域的な圏域整備の方向が示されております。

 このような潮流を踏まえ、本県におきましても、新長期展望素案におきまして、既存の広域生活圏域、さらには圏域をも越えた三つの「広域活力創造圏」の整備を、新たな県土整備の方向として位置づけたところでございまして、中核都市は、これら広域活力創造圏の牽引役としても、その役割は重要となってくるものと考えております。

 そこで、お尋ねの県中央部のいわゆるへそづくりについてでありますが、私は、県中央部の広域活力創造圏に位置する周南、山口・防府、宇部・小野田地域における中核都市の形成を引き続き加速化するとともに、これらの都市の連たん化を進め、将来的には、高次都市機能や中枢管理機能、産業機能等の集積した地域として、その形成を図っていきたいと考えております。

 次に、県境対策についてのお尋ねでありますが、私は、県境地域は、いずれも隣接する広島や福岡との交流・連携を通じて、高いレベルの都市機能の集積を目指すべき地域であると考えております。

 こうした視点のもとに、まず、下関地域におきましては、既に北九州市との間で関門都市圏を形成しつつありますことから、引き続き、北九州市との連携強化を図り、アジアへのゲートウエーとしてのポテンシャルを生かしながら、国際交流、海洋開発拠点として一体的なまちづくりを進め、県西部の広域活力創造圏の牽引役として、中核都市の形成を促進をしていく必要があると考えております。

 また、岩国地域におきましては、経済活動や生活行動の各分野におきまして広島圏域との連携や交流が活発化しており、今後、広島中枢拠点都市圏との広域的なネットワークの中で、高次都市機能の充実と共有化を図り、県東部の広域活力創造圏の牽引役として、広島都市圏と連携した都市整備を進めていく必要があると考えております。

 いずれにいたしましても、私は、中枢拠点都市圏のはざまにある本県の立地条件を、デメッリトとしてではなくて大きなメリットとしてとらえていく必要がある、重要であると考えておりますので、今後とも地元市町村と連携を図りながら、新しい県づくりに取り組んでいく考えでございます。

 次に、広域連合についてのお尋ねでございます。

 県としては、これまでも、一部事務組合の設置等の広域的な取り組みに対して、積極的な支援を行ってきたところでございまして、お示しのように、新長期展望の素案におきましても、広域連合などの行政の広域的な取り組みを支援をすることといたしているところでございます。

 今後、市町村に対して、この広域連合制度の周知徹底を図りますとともに、その導入について、適切な指導をしていきたいと考えております。

 次に、広域連合制度が合併にとっても有効な手段であり、県がリード役を果たすべきとのお尋ねでございますが、お示しのように、広域連合制度が合併にかわるものとして、また、合併の一つとして十分機能し得るかどうかにつきましては、いまだこの制度が発足をしたばかりでもございまして、もう少し調査・検証し、今後検討していく必要があるというふうに考えております。

 いずれにいたしましても、合併につきましては、その是非はもとより、合併へのステップにつきましても、どこまでも関係自治体において、住民の意向を十分に踏まえ、また、合併へのコンセンサスや取り組みの熟度を勘案しながら、自主的・主体的に判断されるべきものであると考えております。

 私としては、今後とも地方分権を推進する立場から、このような広域行政体制の整備を着実に進めますとともに、合併に当たりましては、市町村の自主的・主体的な取り組みを促すために、情報の提供や指導・助言など、必要な支援策を積極的に行っていきたいと考えております。

 次に、県単独福祉予算についてのお尋ねでございます。

 現在、国におきましては、財政構造改革の一環として社会保障関係費の削減や抑制が打ち出され、本県におきましても、お示しのように、来年度約六百億円の財源不足が見込まれるところでございますが、私としては、今後、少子・高齢化が進展をいたします中、県民の保健福祉の向上は極めて重要な課題であると認識をいたしております。

 このため、来年度の福祉関係予算の編成に当たりましては、政府要望等を通じて国の予算の確保に全力で取り組みますとともに、県単独福祉施策につきましては、施策の重点化や効率化等をより一層進め、厳しい財政状況の中にありましても、限られた財源をより効果的に活用することにより、県民のニーズや地域の実情に即した施策展開を図られるように、必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。

 次に、福祉行政に関連する二点のお尋ねのうち、まず、在宅サービスの事業費補助方式の導入への対応についてのお尋ねでございます。

 この方式につきましては、高齢者のニーズに合ったサービスを効率的に提供する体制の整備と、サービス提供量に応じた介護報酬が支払われる介護保険制度への円滑な移行をねらいとして、国におきまして、段階的にその導入が図られるものでございますが、これまでの方式との相違点も多いことから、サービスを提供する事業者が新たな制度に適切に対応できるよう、所要の対策を講じることが重要であります。

 このため、県といたしましては、事業者みずからが地域の実情を踏まえ、多様なニーズに対応したホームヘルプサービスやデイサービスの実施、利用促進に向けたサービスの質の向上、ホームヘルパーの派遣ルートや勤務形態等に関する効率的なシステムの整備などに積極的に取り組めますように、先行事例についての情報提供や「在宅福祉サービス評価事業」の推進など、市町村や関係事業者に対し、きめ細かく指導、支援をしてまいりたいと考えております。

 また、この補助方式の運用に当たりましては、地域の実情に即した事業運営が可能となりますように、国に対し所要の措置について要望をしていくなど、それぞれの地域における事業運営に支障が生じないように努めてまいりたいと思います。

 次に、痴呆性老人や高齢の障害者に対する施設サービスについてのお尋ねでございます。

 お示しのように、施設に入所されている痴呆性老人や高齢の障害者の処遇の向上を図ることは重要な課題であります。

 このため、県といたしましては、今後とも特別養護老人ホームにつきましては、痴呆性老人の生活環境の改善や職員の処遇技術の向上を図ることなどにより、適切なサービスの提供に努めてまいりたいと思います。

 また、障害者福祉施設に入所している高齢の障害者につきましては、心身の状況、本人や家族の希望等を総合的に検討し、必要に応じ特別養護老人ホームへの入所などの対応を行っておりまして、こうした入所が行われやすい環境づくりを進めるため、近年、民間の障害者福祉施設への特別養護老人ホームの併設を促進をいたしているところでございます。

 今後、介護保険制度の創設を契機に、利用者の選択による入所も可能となる中にありまして、痴呆性老人や高齢の障害者の多様なニーズを踏まえ、これらの方々一人一人の状況に応じた適切な施設サービスが提供できますように、生活環境の一層の改善や職員の資質の向上など、ハード・ソフト両面にわたるサービスの充実に積極的に取り組んでまいります。

 また、痴呆性老人や高齢の障害者に対する施設サービスの一層の充実に向けて、県立施設を含めた特別養護老人ホームや各種障害者福祉施設の役割分担のあり方などについても検討してまいりたいと思います。

 次に、上関原子力発電所立地問題についてでございます。

 まず、意見を聞く範囲についてでありますが、さきに明らかにいたしました二市五町は、お示しのとおり、さまざまな角度から検討し、決定したものでございます。

 これ以上拡大はせず、電調審に知事意見を提出するに当たりましては、判断材料の一つとして、この二市五町を対象に意見を聞きたいと考えております。

 次に、二市五町が行う意見集約の方法についてでございます。

 既に、それぞれの市町の判断でシンポジウムや広報誌を通じて住民へのPA活動が行われておりますが、県といたしましては、このような自主的な取り組みを尊重したいと考えております。

 その一方で、原子力に関するPA活動は、県の重要な役割の一つでもありますので、この二市五町を含め広く県民を対象に、引き続き、各種のPA活動を進めていきたいと考えております。

 また、今後とも国に対して、国民の十分な理解と協力のもとに原子力政策が進められますように、積極的なPA活動の展開を要望いたしますとともに、中国電力と上関町に対しましては、引き続き、一層の合意形成の努力を要請してまいりたいと考えております。

 次に、公共工事の入札・契約制度の改善についてのお尋ねでございます。

 本県では、平成五年九月に「公共工事入札制度検討委員会」を設置をし、今日まで、一般競争入札、公募型指名競争入札を導入をいたしましたほか、現場説明や工事完成保証人制度を廃止をし、新たな履行保証制度を導入するなど、県民から信頼される入札・契約制度となるように種々の改善策を実施をしてまいりました。

 また、限られた財源を有効に活用していく必要がありますことから、諸施策の思い切ったモデル化、重点化を行い、事業効果の早期具現化に努めますとともに、本年八月、庁内に「公共工事改革推進委員会」を設置をし、公共工事コスト縮減の行動計画を策定中であります。

 この中で発注規模の拡大を図りながら、県内の中小企業への受注機会の確保を可能にする方法として、お示しがありましたとおり、経常建設共同企業体による入札方式を活用することも必要と考えておりますので、現在、平成十年度からの施行に向けて検討を進めているところでございます。

 なお、お示しの予定価格等の公表につきましては、競争入札制度の根幹に触れる重要な問題でございますので、慎重に対処していく必要があると考えております。

 今後とも中小企業の育成を視野に入れながら、引き続き、公共工事の発注に係る公平性、透明性、競争性の確保を図るため、入札・契約制度の改善に、より一層努めてまいりたいと考えております。



○副議長(桑原孝行君) 上野教育長。

    〔教育長 上野孝明君登壇〕



◎教育長(上野孝明君) 「中高一貫教育」に関するお尋ねでございます。

 今日、教育を取り巻く状況が大きく変化する中、国を挙げて教育改革が進められておりますけれども、その中心的な課題は、子供たち一人一人の個性を重視した教育を推進することでありまして、また、そうした教育を実現するため、個性に応じた多様な選択を可能にするシステムをつくり上げることであると考えております。

 お示しの先般の中教審の第二次答申におきましても、現行の学校制度の利点と意義を十分に認識しながら、学校制度の複線化構造を進め、生徒や保護者の主体的な学校選択を可能にするという観点から、中高一貫教育の選択的導入が提言されたところでございます。

 国におきましては、こうした提言を受けまして、教育改革プログラムを改訂して、中高一貫教育導入に向けたスケジュールを明らかにするとともに、次期通常国会に制度改正のための関連法案を提出することといたしております。

 また、新年度の概算要求の中にも、新たに「中高一貫教育の推進に係る実践研究事業」を盛り込むなど、その円滑な導入を図るための条件整備を進めているところでございます。

 こうした中、県教委といたしましても、中高一貫教育について、これまで先進地視察なども実施しながら内部的な研究を行ってまいったところでございますが、この中高一貫教育は、ねらいとする教育内容や教育目標によっては、その達成のために極めて有効な制度であると認識をいたしておるところであります。

 しかし、中高一貫校の設置形態や入学者選抜の方法、教育内容、具体的な特色、さらには財政的な措置など、研究すべき課題もありますことから、今後、国の実践研究事業も取り入れながら、本県の実情に即した中高一貫校の導入に向けまして前向きに検討してまいりたいと、このように考えております。



○副議長(桑原孝行君) これをもって代表質問を終わります。





○副議長(桑原孝行君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後一時五十三分散会





     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。



               山口県議会議長    河   野   博   行



               副  議  長    桑   原   孝   行



               会議録署名議員    伊   藤       博



               会議録署名議員    中   島   修   三