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山口県 山口県

平成 27年 2月定例会 03月05日−05号




平成 27年 2月定例会 − 03月05日−05号









平成 27年 2月定例会


   平成二十七年二月山口県議会定例会会議録 第五号

      平成二十七年三月五日(木曜日)
  ────────────────────
        議事日程 第五号
      平成二十七年三月五日(木曜日)午前十時開議
  第一 一般質問
  第二 議案第一号から第七十号まで(質疑)
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        本日の会議に付した事件
  日程第二 議案第一号から第七十号まで
                会議に出席した議員(四十九人)
                          柳   居   俊   学 君
                          吉   井   利   行 君
                          吉   田   和   幸 君
                          塩   満   久   雄 君
                          林       哲   也 君
                          加   藤   寿   彦 君
                          有   福   精 一 郎 君
                          木 佐 木   大   助 君
                          先   城   憲   尚 君
                          友   田       有 君
                          曽   田       聡 君
                          平   岡       望 君
                          佐 々 木   明   美さん
                          小   泉   利   治 君
                          岡   村   精   二 君
                          二   木   健   治 君
                          藤   本   一   規 君
                          篠   ?   圭   二 君
                          藤   生   通   陽 君
                          松   永       卓 君
                          合   志   栄   一 君
                          西   嶋   裕   作 君
                          末   貞   伴 治 郎 君
                          吉   田   充   宏 君
                          新   谷   和   彦 君
                          田   中   文   夫 君
                          神   田   義   満 君
                          島   田   教   明 君
                          石   丸   典   子さん
                          井   上       剛 君
                          国   井   益   雄 君
                          守   田   宗   治 君
                          山   手   卓   男 君
                          槙   本   利   光 君
                          畑   原   基   成 君
                          井   原   寿 加 子さん
                          橋   本   尚   理 君
                          秋   野   哲   範 君
                          河   野       亨 君
                          笠   本   俊   也 君
                          星   出   拓   也 君
                          森   中   克   彦 君
                          河   村   敏   夫 君
                          藤   井   律   子さん
                          友   広       巌 君
                          戸   倉   多 香 子さん
                          上   岡   康   彦 君
                          新   藤   精   二 君
                          江   本   郁   夫 君

                会議に欠席した議員(なし)
                議案等の説明のため会議に出席した者
                    知事          村 岡 嗣 政 君
                    副知事         藤 部 秀 則 君
                    総務部長        渡 邉 繁 樹 君
                    総務部理事       大 谷 恒 雄 君
                    総合企画部長      上 野   清 君
                    産業戦略部長      宮 地   理 君
                    環境生活部長      半 田 健 二 君
                    健康福祉部長      小 松 一 彦 君
                    商工労働部長      木 村   進 君
                    農林水産部長      野 村 雅 史 君
                    土木建築部長      北 ? 孝 洋 君
                    会計管理局長      寺 田 徹 郎 君
                    財政課長        松 本 典 久 君
                    公営企業管理者     弘 中 勝 久 君
                    企業局長        市 原 充 之 君
                    教育委員長       山 縣 俊 郎 君
                    教育長         浅 原   司 君
                    公安委員長       倉 田 惠 子さん
                    警察本部長       藤 村 博 之 君
                    代表監査委員      河 嶌 繁 太 君
                    監査委員事務局長    高 杉 和 典 君
                    労働委員会事務局長   藤 井   勝 君
                    人事委員会事務局長   村 田 常 雄 君

                会議に出席した事務局職員
                    事務局長        高 松 昇 志 君
                    事務局次長       河 村 邦 彦 君
                    審議監兼議事調査課長  田 中   肇 君
                    総務課長        田 平   ? 君
                    政務企画室長      岡 村 達 也 君
                    秘書室長        繁 吉 健 志 君
                    議事調査課主幹     山 本 秀 樹 君
                    主査          石 橋 教 幸 君
                    議事記録係長      三 好   政 君
                    主任主事        藤 村 紘 子さん
                    主事          竹 井 由利香さん
                    主事          福 田 直 也 君






   ─────────────

    午前十時開議



○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。

   ─────────────



△日程第一一般質問



△日程第二議案第一号から第七十号まで



○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七十号までを議題とし、質疑に入ります。

 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。

 合志栄一君。

    〔合志栄一君登壇〕(拍手)



◆(合志栄一君) 新政クラブの合志でございます。通告に従い、地域医療についてということで一般質問を行います。

 医療は、これから統合の時代に向かうと言われています。ここで言う医療の統合は、二つのことを意味しています。一つは、医療機関の統合であります。もう一つは、医療と介護、福祉の統合です。医療機関の統合は、複数の医療機関を一つに統合するケースと、医療機関の機能別統合と二通り考えられます。医療と介護・福祉の統合は、医療の領域が、治病から生活を支える包括ケアとしての医療に拡大することを意味しています。

 こうした医療の統合を促す時代背景としては、今後高齢化が一層進展し、医療・介護需要の増加が予想されることがあります。特に団塊の世代が全て後期高齢者となる二○二五年以降においても、医療費、介護費の増大を抑制しつつ、介護を含む包括ケアとしての良質の地域医療を確保していくためには、医療資源の最適配分を実現していくことが求められ、そのことが将来を見通して医療提供体制を計画する上において主要課題となっております。

 現在、厚労省が進めている病床機能報告制度と地域包括ケアシステムの構築という二つの取り組みは、そうした課題認識に基づくものであり、医療の統合という時代の流れに沿うものであると思われます。そこで、このたびは本県の地域医療についてということで、医療の統合という方向を見据えつつ、数点お伺いいたします。

 最初は、医療連携についてであります。

 山口市には、総合病院と称する病院が三つあります。綜合病院山口赤十字病院、済生会山口総合病院、小郡第一総合病院の三つであります。総合病院とは、許可病床数が百床以上で主要な診療科が最低でも内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の五科ある病院のことをいいますが、医療法上の規定は平成八年の改正で廃止されています。

 したがって、何か病気の症状があったとき、病院にかかるんだったら、総合病院がいいという会話が、私たちの日常生活の中ではよくありますが、現在は医療法に基づく総合病院というものはなく、ただ一般的に多数の診療科を有していて、二次救急以上に対応する救急病院としての機能がある地域医療を担う中心的な病院のことを通称的に総合病院と言っています。そして、こうした意味で一般市民から総合病院と呼ばれている病院のほとんどは、最近、急性期病院と言われています。

 急性期病院という言葉は、地域医療を論ずる際、頻繁に使われているにもかかわらず、医療法上の規定はなく、定義も明確でありませんが、要は慢性期病院との対比で使われている病院の呼称で、緊急の対応を要する生命にかかわる、もしくは悪化のおそれがある病気やけがに対して手術等の高度な医療を行う病院を指しているようで、一般的に患者七人に対して看護師一人という看護体制がとられています。

 今日は、この急性期病院が実際上、地域医療の中核的担い手になっておりますが、この急性期病院に従前の総合病院のような手術等の治療を受けた後、日常生活に復帰可能になるまでの入院を期待することはできません。急性期病院の役割は、生命にかかわる、もしくは病状悪化のおそれがある病気やけがに対して緊急的な手術等の医療措置を行うことであって、その処置により病状が安定するまでが医療上の守備範囲であります。

 したがって、回復期、療養期――慢性期と言ってもいいんですが――の医療は、別の医療施設あるいは在宅でということになり、急性期病院での平均在院日数は二週間ほどで、原則術後、病状が安定したとみなされれば、日常生活に復帰できるまでの回復には達していなくても、急性期病院での治療は終わったということで、退院もしくは転院ということになります。

 私は、最近、さまざまな医療関係者に、「一つの病院で、手術から回復、療養までできませんか」ということを聞きましたが、返ってくる答えは同様で、「今の医療制度のもとではできない」ということでした。

 今日の我が国の医療制度は、さまざまな観点からの批判はあるものの、基本的には高齢化が急激に進展して医療需要の増大が予想される中、医療費の増大を抑制しつつ、良質の医療提供を持続的に実現していくための仕組みと考えられることから、地域医療もこの医療制度にのっとってやっていくしか道はありません。

 その医療制度を制度設計する上でのコンセプトは、医療機能の分化と連携であり、あらゆる医療機能をフルセットした総合病院は、現在の医療制度の中では経営存立が困難であることがわかってまいりました。

 とすれば、そのような医療制度のもと、住民の視点からのよりよい地域医療とは、機能別に分化された病院・診療所間の医療連携が、患者にとってあたかも一つの病院のごとくスムーズに的確、適切に行われるようになることであり、そのことが冒頭申し上げた医療の統合という大きな時代の流れに沿う現実的な対応であると思われます。

 そこでまず、医療連携について、国の動向等も踏まえつつ三つのことについてお伺いいたします。第一は、地域医療連携に向けての県の取り組み姿勢についてであります。

 平成二十五年五月に策定された山口県保健医療計画では、地域医療連携の推進という節で、各地域において医療連携体制構築に向けた協議会を設置して、地域の医療関係者による自主的な医療連携体制の構築を進める旨、記されていまして、実際県下八つの医療圏ごとに協議会が設置されているところでございます。

 ただ、医療連携体制の構築が進むためには、県が各地域の医療関係者の自主的な取り組みを尊重するという姿勢で調整役に終始するだけではなく、地域ごとに目指すべき医療連携の具体案を持って、その実現に向けて強力な指導性を発揮するという姿勢が必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。

 第二は、医療機能の分化と連携についてであります。

 私は先ほど、我が国の医療制度の制度設計上のコンセプトは医療機能の分化と連携であると申し上げましたが、村岡県政推進の指針となるチャレンジプランも医療機能の分化・連携の推進を、重点施策五十三として位置づけています。そして、そこに示されている施策の方向は、国が創設した病床機能報告制度に基づき平成二十七年度以降都道府県が策定に取り組むことになる地域医療構想(ビジョン)の基本図を先取りしたものであると思われます。

 病床機能報告制度は昨年秋に施行されたもので、第一段階として医療機関に対し、その有する病床において担っている医療機能の現状と今後の方向を、病棟単位で、都道府県に報告することを求めています。第二段階では、都道府県が、その病床機能についての医療機関からの報告結果を踏まえて地域医療構想(ビジョン)の策定に取り組みます。

 この地域医療構想においては、団塊の世代が全て後期高齢者となる二○二五年に照準を当て、その時点での医療需要とそれに応える医療提供体制を実現するための施策を、二次医療圏等ごとに策定し、その内容は医療計画に新たに盛り込まれることになります。

 この報告制度で注目すべきは、病床が担う医療機能を、高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期機能の四つに分けて報告を求めていることです。これまでの病床区分は、一般病床と療養病床の二区分でした。それが四区分になるわけで、今後我が国の医療制度は、医療機能の分化と連携を基本に、医療提供体制を構築していこうとしていることがうかがえます。

 以上、申し上げましたことを踏まえ、医療機能の分化と連携について二点お伺いいたします。第一点は、本県は地域医療を充実向上させていくために、医療機能の分化と連携に、どのように取り組まれていくのか、基本的なお考えをお伺いいたします。

 第二点は、医療機能の分化と連携には、縦の関係と横の関係と二通りあるとの観点からお伺いいたします。

 医療機能を、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つに分けて医療連携を実現していくのは、縦の関係における分化と連携です。一方、特に急性期の医療機能は、脳外科関係、循環器関係、消化器関係、産婦人科関係、整形外科関係、あるいはがん診療関係等に分けることができます。

 これまで急性期病院は、総合病院ということで、これらの医療機能をおおむねフルセットで担ってきたわけですが、それをこれからは急性期の医療機能の分化と統合を促し、各急性期病院を特徴化して、その連携を図っていくという横の関係における医療機能の分化と連携が考えられます。

 そこでお尋ねいたします。医療機能の分化と連携は、縦の関係と横の関係の双方において実現していくべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 医療連携についてのお尋ねの第三は、地域連携クリティカルパスについてであります。この地域連携クリティカルパスは、地域における医療連携を充実していくための具体的な手法でして、治療経過や治療方針などの患者情報を地域の医療機関が共有し、適切な医療を提供するための診療計画であります。

 私は、ここに、(提示)これでございますが、山口地域脳卒中地域連携診療計画書を持っていますが、これがその地域連携クリティカルパスに相当するものであります。これを見ますと、急性期病院、回復期病院、維持期は入院と在宅に分けて、経過、目標、治療等を記入するようになっています。このような連携クリティカルパスは、疾患ごとに作成されると承知しておりますが、医療機関の現場の声として、書式の統一を図ることが望まれています。現状は、この連携クリティカルパスの書式が、急性期病院ごとにばらばらであることから、複数の急性期の病院から患者さんを受けるリハビリ・回復期の病院等は、急性期病院ごとに異なった連携クリティカルパスに対応しなければならないからであります。

 そこでお尋ねです。連携クリティカルパスの書式の統一は、その導入目的からして当然のことで、こういうことこそ医療行政に携わる者が果たすべき役割だと考えます。ついては、県は地域連携クリティカルパスの書式の統一に取り組むべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、医療圏についてということで、二次保健医療圏という意味においてでありますが、山口・防府医療圏についてお伺いいたします。

 山口・防府医療圏は、以前は山口医療圏と防府医療圏と別々でありました。それが平成十八年に一つの医療圏とされました。その背景には、平成の大合併時、山口市と防府市が、近隣市町とともに、県央三十万中核都市の実現を目指して合併に取り組んだ経緯があると思われます。この合併の取り組みは、合併合意の最終確認時に防府市の反対表明があり、防府市を除く一市四町の合併となり、三十万中核都市の実現には至りませんでした。

 山口と防府の医療圏を一つにしたのは、実現しなかった山口と防府の合併を、医療圏において実現するものですが、現に合併が実現していないにもかかわらず、二つの市の都市規模にそう大きな差がなく、患者の動態においても二つの医療圏に分かれていたものを一つにしたことは、いろいろな面で不都合を生じているように思われます。

 特に、山口医療圏からして一番問題と思われるのは、二つの医療圏を無理やり一つにした上で、一つの医療圏に一つあればいいという高次医療機能は、常に防府医療圏にある県立総合医療センターにという方向で整備が図られようとすることであります。

 さきに紹介いたしましたように、これからは医療機能を高度急性期機能、急性期機能、回復期機能、慢性期機能の四つに分けて、医療提供体制を二次医療圏ごとに整備していく協議が進められていくことになると思われます。

 その際、問題となるのは、高度急性期の医療を、現在ある急性期病院のうち、どこが担うのかということであります。恐らく国は、高度急性期の医療を担う病院は、一医療圏に一つという方針を示し、それを受けて県は、山口・防府医療圏においては、防府市にある県立総合医療センターを、それにしようと図るであろうことが予想されます。

 こうしたことは、二つの点で問題があると思います。一つは、山口市の地域医療の充実向上が妨げられるということであります。もう一つは、県立総合医療センターのあり方の問題です。この県立の医療機関が、患者の大半は防府市民であるというこれまでの経緯からして防府市民病院的な役割を担い、防府地域における高度急性期医療を担うようになることは理解するとしても、県立の医療機関である限りにおいては、基本的に全県的な医療ニーズに応える存在であるべきであります。

 したがって、山口・防府医療圏における高度急性期の医療機能を、県立総合医療センターに集中しようとすることは、この医療機関を、山口・防府医療圏の基幹病院に位置づけることになり、それは県立の医療機関のあり方からしておかしいと批判されてもやむを得ないのではないでしょうか。

 山口・防府医療圏における高度急性期医療の提供は、防府地域においては県立総合医療センターが担うにしても、山口市においては日赤、済生会、小郡第一の三急性期病院が、高度急性期医療を疾患別に分担して、急性期病院としての特徴化と高度化を図り、相互に連携していくというようにしていくことが、望ましい整備の方向であると考えます。

 以上、申し上げましたことから、仮定上の話でございますが、仮定上のこととはいえ、これまでの国の考え方からして十分予想されることでありますので、そのことに備えてあらかじめ議論しておく必要があるということでお尋ねいたします。

 県は、病床機能報告制度に基づく報告を踏まえて、平成二十七年度より地域医療構想(ビジョン)の策定に取り組むことになります。その際、国はその策定に当たってのガイドラインを今年度中に示すことになっています。国が示すガイドラインにおいて高度急性期医療を担う医療機関は、二次医療圏に一つという方針を示してきたら、山口・防府医療圏は、以前のように山口医療圏と防府医療圏に分離すべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、がん診療連携拠点病院についてお伺いいたします。

 山口赤十字病院が、がん診療連携拠点病院ではなくなるのではないかということが懸念されています。山口・防府医療圏では、最初県立総合医療センターが、がん診療連携拠点病院に指定されていましたが、山口地域に加え萩地域をも含めてがん対策を担うということで、次いで山口赤十字病院も、原則一医療圏一つという国の方針の中で特例的に指定が認められたものであります。

 それに応えて山口赤十字病院は、がん治療において二つの柱であります、がんの治療と緩和ケアにおいて立派にその役割を果たし、特に緩和ケアにおいては全国のモデルとなる高いレベルの医療を提供してきているところであります。

 それが、がん診療連携拠点病院を指定する要件の見直しに伴い、人材配置要件の強化の一環ということで、病理診断の医師の常勤が必須化されたため、山口赤十字病院は苦慮しているところであります。

 現在、当病院は四人の非常勤医師による病理診断を行っていますが、病理診断に携わる医師の絶対数が不足している中で、その常勤医師を確保することは極めて困難な見通しのようであります。

 私は、国が新たに指定要件にした病理診断の医師の常勤化により、非常勤の場合より病理診断能力が高まるというのであれば、そうした要件の変更は、合理的なことと評価するにやぶさかでありませんが、関係者の話を聞くと必ずしもそうではないようであります。

 一人の常勤者よりも、非常勤であっても複数いたほうが病理診断能力は高まるという見方もありますし、ICT技術を活用した画像診断医療システムも実用化され、遠隔地にいてもその場にいるのと同様に病理診断ができる時代になってきているのに、なぜ病理診断の医師の常勤化を必須の要件にしなければならないのか疑問であります。病理診断については、常勤化した場合と同等の診断能力が確保されればいいのであって、原則常勤化を求めるも、それを必須の要件にする必要はないと考えます。

 先ほど触れたことですが、病理診断に携わる医師の絶対数が少ないという現況の中で、がん診療連携拠点病院の要件として病理診断の医師の常勤化を厳格適用することは、むしろ地域医療におけるがん対策の後退になるのではないかと憂慮します。

 そこでお尋ねです。がん診療連携拠点病院の新たな指定要件とされている病理診断に携わる医師の常勤必須化は、見直すよう国に求めるべきであると考えますが、御所見をお伺いいたします。

 最後に、医師不足対策についてお伺いいたします。

 平成二十七年度から、山大医学部附属病院での臨床研修を予定している医学生が一桁の九人になったことが、本県の医学関係者の間では衝撃をもって受けとめられています。以前は、六十名から七十名ほどが山口大学で研修を受けていたそうで、現在既に医師不足の対応に苦慮しているのに、将来一層深刻になることが予想されます。

 今日、特に地方で医師不足が顕著になった背景には、二○○四年から導入された新しい臨床研修制度があると言われています。それまで医学生の研修は、基本的にそれぞれの大学医学部系列病院で行われていたのが、新しい制度のもとでは研修先を自由に選べるようになり、すぐれた研修環境にあると思われる大きな都市部の病院に集中するようになったからであります。その傾向は、本県でも同様で、一旦研修医として県外に出るとなかなか県内に帰ってこないため、医師不足に歯どめがかからない状況が続いています。

 県としても、知事指定の医療機関に医師として一定期間勤務すれば返済が免除される、医学生や研修医に対する修学・研修資金の貸付制度を設けるなど、医師不足の解消に向けた施策をさまざま講じていますが、医師不足の深刻さを思えば、もっと踏み込んだ強力な取り組みが必要ではないかと思われます。

 二○○四年に改正された臨床研修制度では、医学生は医師免許取得後、二年間の臨床研修が義務づけされましたが、全国の大学病院や一般病院等の臨床研修指定病院の中から自由に選択して、研修を受けることができるようになりました。したがいまして、県内に医学生が医師免許取得後、研修医として残りたいと思うような、また県外から研修医が来たいと思うような魅力ある医療環境がある県にしていくことが、現行の臨床研修制度のもとにおいては有効な医師不足解消の抜本対策になるのではないでしょうか。

 そこでお尋ねです。若い医療人が魅力を感じる世界水準の最先端の医療技術が学べる医療環境が整った県にしていくことが、医師不足解消に向けた有効な抜本的対策になると考えますが、このことにつき御所見をお伺いいたします。

 以上で質問終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 合志議員の医療機能の分化・連携に関する御質問のうち、私からは、取り組みの基本的な考え方についてのお尋ねにお答えします。

 高齢化が進行し、医療需要の増大が見込まれる中、効率的で質の高い医療提供体制を構築していくためには、限られた医療資源のもとで、医療機関の役割分担と相互連携を進めることが極めて重要です。

 このため、私は、チャレンジプランの重点施策に医療機能の分化・連携の推進を掲げて、病床機能の明確化や、医療機関の連携の推進に取り組むこととし、その実現に向けて地域医療ビジョンを来年度から策定することとしています。

 まず、病床機能の明確化につきましては、病床機能報告制度や、将来の医療需要等についての客観的なデータをもとに、二次医療圏ごとの医療機能別の必要病床数を明らかにし、その達成に向けて、病床機能の転換や集約化、機能の分化を進めてまいります。

 次に、医療機関の連携の推進につきましては、発症初期からリハビリ、退院まで患者の状態に応じた切れ目のない入院医療が提供できるよう、高度急性期から慢性期に至るまでのネットワークを構築するとともに、退院後の生活を支える在宅医療を推進するため、かかりつけ医と後方支援病院の顔の見える関係づくりを進めてまいります。

 こうした取り組みは、医療機関や患者、保険者等の共通認識のもと、進めていく必要がありますことから、県内八医療圏ごとに協議会を設けて、調整や具体的な施策の検討を行うとともに、地域医療介護総合確保基金を積極的に活用して、支援していくこととしています。

 私は、今後とも、医療機能の分化・連携を推進をし、本県の地域医療を充実してまいります。

 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。



○議長(柳居俊学君) 小松健康福祉部長。

    〔健康福祉部長 小松一彦君登壇〕



◎健康福祉部長(小松一彦君) 地域医療についての数点のお尋ねにお答えします。

 まず、地域医療連携についてです。

 限られた医療資源の中で、高齢化の進行に伴う医療需要の増大に対応するためには、地域の医療機関が連携し、地域全体で医療を提供する地域医療連携を進めていくことが重要です。

 このため、県としては、医療関係者等の共通理解のもと、連携体制の構築に向けた取り組みが進められるよう、がん、脳卒中、急性心筋梗塞など疾病ごとに求められる医療機能と、その機能を担う医療機関を、医療計画において示したところです。

 この計画の策定に当たっては、地域の医療機関に対し、連携体制づくりへの参画を促すとともに、必要な機能を担う医療機関の役割分担の調整等を行ったところです。

 また、この計画に基づき、具体的な連携が進められるよう、複数の医療機関が診療計画を共有する地域連携クリティカルパスの導入、参加を呼びかけるとともに、かかりつけ医と中核病院が患者情報を共有する地域医療連携情報システムの構築に向けて、導入検討会議を開催するなど、取り組みの促進を図っているところです。

 次に、医療機能の分化と連携における縦と横の関係についてです。

 地域が必要とする医療連携体制の構築を図るためには、お示しのように、高度急性期から慢性期に至る病床機能の分化・連携といった縦の関係だけでなく、急性期における診療科の分化・連携という横の関係についても重要であると考えています。

 このため、県としては、地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示す地域医療ビジョンを来年度から策定する中で、医療機能の縦・横双方の、分化・連携について検討してまいります。

 次に、地域連携クリティカルパスについてです。

 地域医療連携の推進を図る上で、地域連携クリティカルパスは重要な役割を果たしており、このため、県としても、その導入の促進を図ってきたところです。

 その結果、各地域において、疾病別に導入が進められてきており、同一疾病においては、おおむね書式が統一されているところです。

 しかしながら、お示しのように同一疾病で異なる書式が利用されている例もありますことから、今後、地域医療対策協議会等において、書式の統一化について検討してまいります。

 次に、医療圏における高度急性期医療についてのお尋ねです。

 本年度末に、国が示すこととしている地域医療ビジョン策定のためのガイドラインについては、現在、有識者からなる国の検討会において、医療需要の将来推計の方法等についての検討が行われています。

 この中で、高度急性期、急性期、回復期、慢性期ごとの医療機能の必要量については、医療機関数ではなく、病床数を単位として検討が行われており、医療圏において、一つの医療機能を一つの医療機関のみが担うことは想定されておりません。

 次に、がん診療連携拠点病院についてです。

 県民が、身近な地域で、状態に応じた適切ながん治療を受けることは重要であることから、県では、これまで、国の指定する、がん診療連携拠点病院等を整備するなど、地域において質の高いがん医療が受けられるよう、その体制づくりに努めてきたところです。

 こうした中、がん拠点病院間の診療実績等に格差があったことから、国において、診療実績や人員配置などの指定要件を強化し、質の向上と一定の集約化を図ることとされたところです。

 病理診断医の配置要件についても、手術中の迅速な診断を行うのみならず、患者の治療方針の決定などに当たり、担当医との日常的な協議が不可欠であることから、常勤が必要とされたところです。

 このため、病理診断医の常勤配置の要件を見直すよう国に求めることは考えておりませんが、このたび、新たに医師研修資金等を拡充し、病理診断医の育成・確保を図ったところです。

 次に、医師不足対策についてです。

 若手医師の県内での就業・定着を図っていくためには、県内の臨床研修環境を整備充実していくことが重要です。

 このため、県医師臨床研修推進センターを設置し、指導医の資質の向上等を図るとともに、地域医療再生基金を活用して手術ロボットを山口大学附属病院に導入するなど、最先端の治療・診断機器の整備充実を進めてまいりました。

 こうした取り組みにより、臨床研修制度導入後、落ち込んでいた県内研修医数は、導入当時の水準に回復するなど一定の成果を上げてきましたが、お示しのとおり研修医数が再び減少傾向にあることから、臨床研修推進センターでその要因を分析したところ、指導体制や研修プログラムの改善の必要性が明らかになりました。

 このため、県としては、国内外から著名な指導医を臨床研修病院に招聘するなど、指導医の資質向上を図るとともに、研修医のニーズに対応したオーダーメードの研修プログラムづくりを進め、医学生が魅力を感じるような研修環境のより一層の充実に努めてまいります。

 県としては、こうした取り組みを通じて、県内外から多くの研修医を確保し、若手医師の県内定着に努めてまいります。



○議長(柳居俊学君) 江本郁夫君。

    〔江本郁夫君登壇〕(拍手)



◆(江本郁夫君) おはようございます。会派自民党の江本郁夫でございます。質問に先立ちまして、一言、御挨拶を申し上げます。

 昨年の二月二十三日実施の山口県議会議員補欠選挙におきまして、私は山陽小野田市より選出され、本当に早いもので一年が経過をいたしました。この間、多くの議員各位よりさまざまな面で御指導を賜りましたこと、まずもって心より厚く御礼を申し上げます。

 私は、一昨年十月に、地元での市議会議員選挙も経験をしておりまして、今回の統一地方選を入れますと、実に一年半に三回の選挙に臨むことになります。山口県にチャレンジプランがありますように、これが現在の私のチャレンジプランでございます。

 山口県同様、プラン実現に果敢に挑戦してまいりますので、今後とも議員各位及び議会関係各位からの御指導、御鞭撻を賜りますよう心よりお願いを申し上げまして、通告に従いまして一般質問に入りたいと思います。

 質問の第一は、元気な農林水産業育成プロジェクトについてであります。

 TPP参加の問題や農協改革など、今、日本の農業は大きく変わろうとしています。

 まず、TPPについては、現在、その交渉が急速に進展しつつあり、今後は貿易の自由化がより進み、安価な外国産農産物の輸入増加等が予想されることから、日本の農業の競争力を高め、強い農業の構築が必要となってきます。

 また、今回、六十年ぶりとなる農協改革についても、この改革により全国農業協同組合中央会の一般社団法人化等により、地域農協の経営の自由度が高まることとなり、今後は地域の特性を生かした新たな農業の振興につながるものと期待しています。

 申し上げるまでもなく、農業は土と気温と水と日照の四要素で決まるとされており、日本はこの全ての条件に恵まれています。気温は温暖で、日照時間はヨーロッパの四割増し、土は極めて豊かで、春夏秋冬満遍なく雨が降ります。このような環境は、世界どこにもないと思います。

 また、日本の消費者は、世界で一番厳しい目と舌を持っています。したがって、専業、もしくはそれに近い形で農業を営む生産者は非常に練磨されていて、品質では世界有数のレベルになっています。農業が潜在的な成長要素を秘めていると言われるゆえんであります。

 ところで、安倍政権における農業を成長産業にするという政策は、アベノミクス第三の矢、成長戦略の一端に位置づけられています。

 安倍政権の農政改革は攻めの農政と言われ、六次産業化(一次、二次、三次産業の複合化)や輸出の拡大などで、農業・農村の所得を倍増するというものです。中でも、水田農業の構造改革では、今後十年間で全農地面積の八割を担い手に集積し、生産コストを四割削減、法人経営を五万にするといった野心的な目標を掲げています。

 一方、村岡知事のもとでの「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」における元気な農林水産業育成プロジェクトも、当然、この国の政策との整合が図られており、今プロジェクトについても、特に農業分野に関しては担い手の減少や高齢化、貿易自由化の動きなど多くの課題に直面する中で、元気な農林水産業を育成していくため、国内外への販路拡大、六次産業化・農工商連携の推進、担い手支援日本一の実現、生産体制の強化、生産基盤の整備等、元気な農業を育成していくため、さまざまな施策を推進するとしています。

 平成二十七年度当初予算の本プロジェクト関連事業は、攻めの農業実現のための担い手支援を初めとする集落営農法人等を受け皿にした大規模農業経営の取り組みへのインセンティブを感じさせるものであり、農業を成長産業にするという意気込みを感じる予算となっていると思います。

 そこでお伺いいたしますが、農業の大規模経営を可能にする大きな必要条件の一つが農地の集積であり、これを加速するための支援組織として設けられたのが、昨年より始まった農地中間管理機構(農地集積バンク)であります。

 今後の成長産業としての農業実現のために、農地集積に関する事業を推進する非常に重要な役割を果たすと考えますが、残念ながら地域によってはその実績づくりに苦慮しているとも聞いております。

 この機構による農地集積に関し、県レベルでのこれまでの実績と評価、そして、これまでの実績を踏まえ、今後どのように取り組まれていかれるか、お聞きいたします。

 続きまして、二番目の質問に入ります。県内観光資源を活用した観光力の強化についてであります。

 現在、県は、チャレンジプランにおいて、山口の魅力発信・観光力強化プロジェクトとして、山口県の多彩な魅力を全国に発信し、観光交流人口の拡大による地域活力の向上、経済の活性化を図るため、大都市圏における情報発信を含めた売り込み体制を再構築するとともに、全県的な観光推進基盤の構築や国内外に誇れる観光地域づくりを進めるとし、県民一心・魅力一新やまぐち観光維新を掲げ、あわせて「明治維新百五十年」に向けた観光需要の拡大を図るとしています。

 また、「やまぐち産業戦略推進計画」第二次改訂版においても、進化する計画として、「明治維新百五十年」に向け、全国に誇る食、温泉、歴史・文化など、本県の魅力を生かしたプロモーション等を展開し、年間延べ宿泊者数五百万人以上の実現を図るとしています。

 一方、民間レベルにおいては、例えば山口経済同友会は、その創立二十周年記念提言(平成二十七年一月発行)において、本県の観光資源としての潜在力について、山口県は史跡名勝天然記念物が奈良、京都、福岡に次ぐ全国四位の八十八件存在するなど、歴史や自然に恵まれており、観光地としての潜在力は高いとしながらも、日本人旅行者の嗜好が団体旅行から個人旅行に変化する中で、観光産業は苦戦を強いられてきたと分析し、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」を嚆矢として、二○一八年の「明治維新百五十年」に向けて、大きな観光ブームを起こすチャンスが到来しており、多様な歴史や文化に関心を持つ欧米諸国からの旅行者や地理的に近いアジア諸国からの観光客を引きつける潜在力も有しており、今後、企業、団体、行政の力を結集して、県内の豊富な観光資源を活用した経済活性化を図ることはもとより、外国人観光客の誘致を促進することを通じて、県民の意識をより海外に向けるグローバル化の契機にしていく必要があるとの提言を紹介しています。

 これに呼応するかのように、去る二月二十六日、私も参加いたしましたけれども、山口県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部が中心となって、おいでませ山口アクションプランセミナー二○一五が、「維新百五十年に向けての胎動をここ山口から」というテーマのもと、山口市内で開催されました。

 参加者のリストを見ますと、村岡知事を初め、およそ県内百三十もの組織からの出席者からなり、企業、団体、行政、それぞれの維新百五十年に向けての観光需要の拡大を期待する熱い思いを感じたところです。

 チャレンジプランにおける施策の体系整理においては、観光振興の推進として、一、観光プロモーション力の強化、二、国内外に誇れる観光地域づくり、三、「明治維新百五十年」に向けた観光需要の拡大、四、外国人観光客倍増に向けた国際観光の推進として整理されており、このうち観光資源の活用にかかわる個別の施策として、一、本県観光資源の創出と磨き上げ、観光施設等の整備促進等によるワンランク上の観光地づくり、二、地域資源の評価や再発見活動で見出された地域の誇りとなる資源の観光での活用や継承等の促進、三、歴史や食等の観光資源の組み合わせによる観光素材の発掘や観光ルートの開発、関係施設の整備促進などが掲げられています。

 私の地元の山陽小野田市に眠る、潜在的な将来大きな観光資源となり得る候補を抽出してみますと、例えば復活した住吉まつり、小野田セメント徳利窯、小野田セメント山手倶楽部、また硫酸瓶を焼いた旦の登り窯、来嶋又兵衛生誕地、青木周蔵生誕地、前原一誠旧宅跡などが存在します。

 上記施策とのかかわりで見れば、最近、産業観光バスツアーとして一部観光化されてはいるものの、観光資源の活用としてはまだまだ十分とは言えません。このように見ると、全県下、まだまだ多くの潜在的な観光資源が眠っていると考えられます。

 そこでお伺いいたします。今後、県は、これらの施策を着実に実施し、チャレンジプランにふさわしい成果を上げるべく努力されると考えますが、観光資源を活用した観光力の強化に向け、具体的にどのように取り組まれていかれるかについてお聞きいたします。

 質問の三番目、コミュニティ・スクールを核とした、やまぐち型地域連携教育についてに入ります。

 コミュニティ・スクールは、昨年九月で発足から十年の節目を迎えました。

 コミュニティ・スクールとは、学校運営協議会が設置された学校のことを指し、校長は学校運営協議会に対し、教育目標及び運営方針、教育課程の編成に関する基本方針等について承認を得るとともに、その他教育活動について意見を聞くことができ、この方針に基づいて学校運営を行うものとされています。

 このように、学校運営協議会とは、地域の住民や保護者等が一定の権限を持って学校運営に参画する合議制の機関で、現在、山口県は都道府県別で学校運営協議会を置く学校の数が最多となっています。

 このようなこともあってか、昨年の八月には、全国でこの制度を導入している自治体の教育長が中心になって構成している全国コミュニティ・スクール連絡協議会や文科省等が共催し、当地山口県にて研究大会が開催され、そこでは「地域行事やボランティア活動に自主的に参加する生徒がふえた」「地域・保護者が学校を支え、連携による教育活動が進んだ」などの成果の声が上がったと聞いています。

 このほか、文科省によると、「生徒の補導件数が減少した」とか、「不登校状態の生徒の割合が低下傾向を続けている」との声も上がっているとも聞いています。

 このような状況の中で、村岡知事は、平成二十七年二月議会の議案説明において、コミュニティ・スクールが核となって中学校区ごとに地域のネットワークを形成し、社会総がかりで子供たちの学びや育ちを見守り支援する、やまぐち型地域連携教育を推進するとし、平成二十九年度までに、山口県の市町立小中学校のコミュニティ・スクール設置率を一○○%とするとのことであります。

 私の在住する山陽小野田市では、その導入への取り組みを平成二十七年度より開始するとのことで、先日、関係している中学校の学校評議員会の中で、校長より説明を受けたところです。

 説明では、その設置時期については、関係者の十分な理解を得た上で進めたいということで、必ずしも本年四月からの設置ありきということではないとの説明でした。

 当日、参加の評議員の間でも、それまでに開催された研修会参加者と、そうでない者との理解度に、相当のギャップがあるとの印象を受けました。

 そこで、村岡知事の掲げるコミュニティ・スクールを核とした社会総がかりでの教育の推進について、その必要性や意義について、これから導入への取り組みを行うこととなる地域の方々にもわかりやすい説明が必要と考え、既に導入済みの地域の方には既知のこととは承知の上で、あえて今回の質問事項といたしました。

 そこでお伺いいたします。一、全国一の設置率に至った経緯と、その成果と課題について、二、コミュニティ・スクールの推進と地域協育ネットの関係について、三、やまぐち型地域連携教育の目指す姿とはについてお聞きいたします。

 続いて、四番目、公教育における伝統文化の継承・育成についてに入ります。

 国際化の進展に伴い、公教育のあり方が問われている昨今でありますが、学習指導要領でも伝統や文化に関する教育の充実が求められているように、国際化の時代だからこそ重要なのが、日本の伝統文化をしっかりと体得した若者の育成ではないでしょうか。

 日本人として、しっかりとしたアイデンティティーを身につけた上で、諸外国の人々のアイデンティティーを尊重する中で、お互いを理解し合い、交流を深めていく、これこそが真の国際交流ではないかと考えます。

 例えば、百人一首競技かるたです。御存じの方も多いかと思いますが、本県旧小野田市出身の久保久美子さん、旧姓は堀澤久美子さんは、小野田市立赤崎小学校から竜王中学校(かるた部)を経て県立小野田高等学校に入学し、高校二年生のときに当時最年少クイーンとして日本一の座について以来、連続八期在位し、永世クイーンの称号を授与されました。

 久保さんは、大阪教育大学に進学され、同大学を卒業後、教員として山口県と大阪市で教鞭をとられていましたが、平成二十一年度末に退職され、現在は世界各地で競技かるたの普及に尽力されています。

 競技かるたを通して、三十一文字の仮名文字と札に描かれている絵であらわされる日本文化のすばらしさを伝えておられる久保さんは、まさにグローバルな人材と言えるでしょう。

 また、海外での普及活動だけでなく、自身も在籍されている山口県かるた協会とともに、地元の小中学校や高校での講演会、一般の方を対象としたかるた教室等、地域と密着した活動をされています。

 このような状況の中、久保さんの母校である小野田高校において、平成二十三年四月に、有志六人により小野田高校かるた会が発足しました。

 このかるた会の活動を紹介しますと、久保さんを初めかるた協会の指導のもと、少人数ながら学校での練習を重ね、各種大会へ参加するようになり、昨年七月には、かるたの甲子園と呼ばれる第三十六回全国高等学校小倉百人一首かるた選手権大会の個人戦において、C級準優勝、D級準優勝という輝かしい成績をおさめるまでに成長しています。

 また、高等学校の文化の祭典である全国高等学校総合文化祭には、小野田高校、下関南高校、下関西高校、宇部商業高校、山口南総合支援学校、下関商業高校の生徒さんたちによる山口県チームで参加するなど、学校の枠を超えた生徒さん同士の横の広がりに至っており、小野田高校に芽生えた小さな芽がつぼみから花となり、その花の周りにぽつりぽつりと新たな花が咲こうとしているようで、本当にすばらしいことではないかと思います。

 このような活動が評価され、このかるた会は、平成二十六年度に同好会として正式に承認されたと聞いております。

 今、紹介した百人一首競技かるたはほんの一例にすぎませんが、ほかにも和太鼓や琴、書道、茶道、華道、香道などの日本の伝統文化活動に取り組んでいる学校があると聞いております。

 ここで、香道とは日本の伝統的な芸道で、一定の作法のもとに香木をたき、立ち上る香りを鑑賞するもので、香木の香りを聞き鑑賞する聞香と、香りを聞き分ける組香の二つが主な要素の芸道であります。

 県として、これらの小さな活動とはいえ、国際化が求められている今だからこそ、今後、本当に大切に育てていかなければならない諸活動をどう評価し、サポートしていかれるおつもりか、さらには公教育における伝統文化の継承・育成に今後どう取り組まれるかというもっと大きな問題についてもお聞きしたいと思います。

 最後の質問に入ります。チャレンジプランのもとでの障害者施策についてであります。

 平成二十五年四月、障害者に対する支援は、日常生活、社会生活の支援が、共生社会を実現するため、社会参加の機会の確保及び地域社会における共生、社会的障壁の除去に資するよう、総合的かつ計画的に行われることを基本理念とし、障害者総合支援法として施行されました。

 法が施行されて以来、障害者を支えるさまざまな取り組みが進んでいます。

 例えば、障害者が安心して暮らせるための居住など生活環境に対する支援、能力と適性を踏まえ、雇用の場につくことができ、地域で自立した生活を送ることができるための就労支援、障害者の権利を守るための支援、障害者が生きがいを持つことができるための障害者スポーツの充実などが挙げられると思います。

 特に、就労支援については、現在、日本は「地方創生」という大きな流れの中にあり、まち・ひと・しごと創生総合戦略においても、基本的な考え方として、若い世代が安心して働ける相応の賃金、安定した雇用形態、やりがいのある仕事という雇用の質を重視した取り組みが重要であるとしており、私は障害者の雇用においてもこの基本的な考え方が踏襲されなければならないと考えています。

 「私は、全ての人が障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に向け、障害のある方の自立と社会参加の支援に取り組んでいくことが重要であると考える。このため、「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」骨子案においての重点施策として、障害者が活躍できる地域社会の実現を掲げ、障害者の就労に向けた支援、障害者の社会参加の促進に積極的に取り組む」、これは、私が昨年六月議会一般質問における障害者の就労支援、障害者の社会参加の促進にどう取り組まれるかとの問いに対する村岡知事みずからの御答弁であります。知事の障害者への支援に対する強い思いを実感したところであります。

 こうした中、チャレンジプランの策定、予算の編成作業に取り組まれたところですが、今回、知事は平成二十七年度定例会冒頭の本年度の予算説明において、「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」最終案に基づき、その具現化に向けた予算であると説明されました。

 このプランは、いわば今後の村岡県政運営のバイブルとも言うべきものであり、未来開拓チャレンジプランのもとでの初めての予算であります。

 来年度の障害者施策にかかわる事業を拝見すると、新規事業も立ち上げられ、これまでも進められてきたやまぐち障害者いきいきプランに基づく視点に加え、さらにみんなが生き生きと活躍できる地域社会をつくっていく、そういう社会実現に向け果敢にチャレンジしていくという宣言が、今回のチャレンジプランであると私は理解いたします。

 本県におきましては、障害者自立支援法施行以来、これまで三期にわたり障害福祉サービス実施計画を策定されてきたとのことですが、このたび三期計画の期間が終了し、来年度からは新たに第四期の障害福祉サービス実施計画がスタートすることもお聞きしております。

 そこでお伺いいたします。障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に向け、今後、障害のある方の自立と社会参加を支援するためには何が重要であるかとの視点に立ち、今回の最終版チャレンジプランのもとでどのような障害者施策に取り組まれるおつもりか、お聞かせください。

 以上で、私の一般質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 江本議員の御質問のうち、私からは、チャレンジプランのもとでの障害者施策についてのお尋ねにお答えします。

 障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会の実現に向け、私はチャレンジプランの重点施策に障害者が活躍できる地域社会の実現を掲げ、障害者の地域生活や就労への支援を行うとともに、障害者スポーツへの参加や文化芸術活動を促進し、障害のある方の自立と社会参加の支援を図ることとしています。

 具体的には、まず、障害のある方が希望する地域で自分らしく暮らせるよう、地域生活への支援については、障害福祉サービス実施計画に基づいて、ホームヘルプやグループホームなどの障害福祉サービスの充実を図るとともに、障害者のニーズに応じたサービス利用調整を行う相談支援専門員の養成など、支援体制の整備を行います。

 こうした取り組みに加え、新たに障害や障害のある方への理解を深め、誰もが日常生活の中でちょっとした手助けや配慮を実施するあいサポート運動を推進するとともに、療育手帳所持者の利便性向上のため、全国に先駆けて手帳のカード化に取り組むこととしています。

 また、地域社会で障害のある方が自立して生活できるよう、就労に向けた支援については、引き続きハローワークと連携した就職面接会の開催などにより企業への就職を促進するとともに、新たに工賃向上や就労訓練等に向け、地域の農業関係者等とも連携をして、障害者就労施設の農作業共同受託体制づくりに取り組んでまいります。

 さらに、スポーツ・文化芸術活動を通じた社会参加の促進に向けて、新たに障害者スポーツへの理解を深めるため、障害者と健常者が交流できるスポーツ教室を開催するとともに、文化芸術活動の裾野の拡大に向けて先進的に取り組む施設に専門職員を配置をして、本人や障害者施設等からの相談に応じるなど、支援体制を充実をしてまいります。

 私は、こうした取り組みを通じて、障害のある方が地域で生き生きと暮らせるよう、今後とも市町や関係団体等と連携して、障害者福祉の充実に積極的に取り組んでまいります。

 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。



○議長(柳居俊学君) 野村農林水産部長。

    〔農林水産部長 野村雅史君登壇〕



◎農林水産部長(野村雅史君) 元気な農林水産業育成プロジェクトに関し、農地集積についてのお尋ねにお答えをいたします。

 お示しの農地中間管理機構は、本県農業が持続的に発展できるよう、平成三十五年度までに全農地の七割を集落営農法人等の効率的かつ安定的な経営体に集積することを目標として、昨年三月に設立したところです。

 設立以来、五月には全国のトップを切って経営体に農地を貸し付けるなど積極的に取り組んできた結果、本年度末には十一市町の百を超える経営体に対し、中国四国で最多となる約七百ヘクタールの農地が集積されるなど、集落営農法人の新規設立や規模拡大、新規就農者の農地確保に寄与しております。

 このように、初年度の実績としては一定の成果を上げておりますが、本県が目指す生産構造の実現に向けては、市町、地域で進捗に差があることや、また、借り受け希望に対し貸し出し農地が不足しているなどの問題があることから、さらにきめ細かな活動を展開していく必要があると考えております。

 このため、今後は、機構を中心に市町、関係団体が連携した取り組みが県下全域で本格化するよう、地域の農地集積推進員を増員をすることとし、貸し出し農地の掘り起こしや受け手とのマッチング活動を強化するとともに、集落営農法人の設立や圃場整備事業の実施とあわせて、効率的な農地集積を進めてまいります。

 県としましては、地域農業の核となる集落営農法人等への農地集積を一層加速化し、元気な農林水産業の育成に努めてまいります。



○議長(柳居俊学君) 木村商工労働部長。

    〔商工労働部長 木村進君登壇〕



◎商工労働部長(木村進君) 県内観光資源を活用した観光力の強化についてのお尋ねにお答えします。

 観光資源を活用した観光力の強化を図るためには、近年の観光ニーズを踏まえつつ、本県の特性や強みとなる観光資源を生かし、国内外に誇れる魅力ある観光地域づくりを進めていく必要があります。

 このため、県では、チャレンジプランに「県民一心・魅力一新やまぐち観光維新」や「明治維新百五十年」に向けた観光需要の拡大を重点施策に掲げ、観光資源の創出・再発見や磨き上げ、また、これらの情報発信や新たな観光ルートの開発等に積極的に取り組んでいくこととしています。

 まず、観光資源の創出・再発見や磨き上げについては、本県の豊かな自然や歴史・文化などの多彩な観光資源の一層の魅力向上に向けた各地域での主体的な取り組みを促進するとともに、県におきましても、山口県の誇る訴求力のある観光資源としてイメージアップを図る新たな取り組みを進めることとしています。

 具体的には、来年度以降、観光地等の魅力的な写真が撮影できるビュースポットを、市町と連携し、全県下で選定することとしています。

 この取り組みの中では、これまで知られていない隠れた魅力あるスポットについても積極的に掘り起こし、新たな観光資源として定着を図っていくこととしています。

 また、選定したスポットにおいては、周遊観光も視野に、デザインや英語表記を統一した、山口県の魅力あるスポットであることを示す観光案内板を市町への支援により整備してまいります。

 これにより、近時、観光客に人気のあるSNSを使ったリアルタイムな情報発信の活発化など、本県の観光地の認知度の向上につなげてまいりたいと考えています。

 次に、観光資源の情報発信や新たな観光ルートの開発については、新たな発想や手法に基づく食、温泉等を組み合わせたストーリー性のあるルート開発を進めてまいります。

 先ほどのビュースポットについても、幕末維新や自然景観などの共通テーマで整理し、新たな観光ルートを創出することとしており、ウエブページや観光アプリでの積極的なPRを通じて、観光客の活発な県内周遊につなげていきます。

 県では、こうした取り組みを地元市町と一体となって、積極的、継続的に進めることにより、本県の魅力ある観光資源を活用した観光力の強化を図ってまいります。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 教育に関する二点のお尋ねにお答えします。

 まず、コミュニティ・スクールを核とした、やまぐち型地域連携教育についてです。

 最初に、コミュニティ・スクールの設置率が全国一に至った経緯と、その成果、課題についてであります。

 本県の有する伝統的に地域全体で子供たちを育てるという教育熱心な風土のもと、県教委がコミュニティ・スクールの導入を推進し、市町教委が地域に開かれた学校づくりや地域に貢献できる学校づくりを積極的に進める中で、コミュニティ・スクールの意義や必要性について、各学校や地域の理解が深まり、設置率が全国一の八一・六%となっているところであります。

 各コミュニティ・スクールにおいては、地域の方々による組織的な学校支援の取り組みや、子供たちとともに学ぶ公開講座の開催など、これまでになかったつながりが生まれるといった成果が上がっている一方、コミュニティ・スクールについての教職員の理解や地域の方々への周知、学校間の取り組みの差などに課題が見られるところです。

 次に、コミュニティ・スクールの推進と地域協育ネットの関係についてであります。

 コミュニティ・スクールの充実には、より多くの地域人材の確保や学校支援の強化が求められます。

 おおむね中学校区を一つのまとまりとし、地域ぐるみで子供たちの学びや育ちを支援する幅広い教育支援のネットワークである地域協育ネットの仕組みを生かし、一体的に推進することで、コミュニティ・スクールの取り組みの一層の充実を図ることができると考えております。

 次に、やまぐち型地域連携教育の目指す姿についてであります。

 本県においては、学校支援ボランティアの積極的な活用にとどまらず、保護者や地域の方々の学校運営への参画、地域貢献を柱とする、やまぐち型地域連携教育を推進することとしており、学校課題の解決、学校教育の質の向上はもとより、学校が大人の学びの場や地域づくりの核になるなど、地域の教育力の向上や地域の活性化の実現を目指してまいります。

 次に、伝統文化の継承・育成についてのお尋ねにお答えします。

 経済、文化、科学技術など、さまざまな分野においてグローバル化が急速に進展する中、子供たちが我が国や郷土の伝統文化を理解し、それを継承・発展させるための教育を充実することは重要であり、お示しのありました小野田高校の百人一首競技かるたの取り組みを初め、琴や書道などの諸活動につきましては、子供たちが日本の伝統文化のよさを理解し継承していく上で、大きな意義があると評価しております。

 県教委では、このような生徒の主体的な活動が一層拡大するよう、山口県高等学校総合文化祭の開催費や全国高等学校総合文化祭等への生徒派遣費を補助することなどにより、各学校の特色ある取り組みをサポートしており、今後も継続してまいりたいと考えております。

 また、日常の授業や特別活動等における教育内容を充実させる必要があることから、各学校では、伝統・文化教材集を活用した学習、雅楽、邦楽、能楽などの鑑賞、地域の伝統産業等の学習などを年間指導計画の中に位置づけて展開しているところです。

 今後は、こうした取り組みに加え、多様な経験・技能を有する人材の協力を得ながら、地域と連携して伝統文化に関する教育内容をさらに充実させるとともに、本年の夏に開催される世界スカウトジャンボリーの地域プログラムを初め、さまざまな国際交流の場を通じて、音楽や舞踊、伝統芸能等の日ごろの成果を発表する機会を拡充するなど、伝統や文化に関する教育の一層の推進に努めてまいります。

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○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。

    午前十一時二十一分休憩

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    午後一時開議



○副議長(畑原基成君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

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△日程第一一般質問



△日程第二議案第一号から第七十号まで



○副議長(畑原基成君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第七十号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。

 木佐木大助君。

    〔木佐木大助君登壇〕(拍手)



◆(木佐木大助君) 日本共産党の木佐木大助です。

 安倍首相は、切れ目のない改革改革と言いますが、安倍内閣がやっていることは、切れ目のない政治と金の不祥事ばかりであります。この半年で三人目、西川農水大臣が辞職をしたと思ったら、後釜の林農水大臣も疑惑が出てまいりました。安倍首相も同様であります。

 国民の税金、補助金を食い物にする、まさに言語道断ではないでしょうか。国民的批判が広がっている、この政治と金の問題を根本から解決する道は企業団体献金の禁止と政党助成金の廃止しかありません。日本共産党は、その先頭に立って頑張りたいと思います。

 さて、安倍首相は、十二日の施政方針演説で、戦後以来の大改革と称して、雇用と社会保障、農業など国民の暮らしを守るルールを根こそぎ壊す、さらに解釈改憲と明文改憲の両面で憲法九条を壊す大暴走宣言を行いました。

 さらに原発再稼働、沖縄辺野古への新基地建設など、民意を無視する極めて強権的な姿勢をあらわにしています。

 日本共産党は、こうした安倍政権の暴走、強権政治と真正面から対決するとともに、国民の立場に立った対案を示しながら、国民、山口県民の皆さんとの協働を広げていく決意をまず表明をして、質問に入ります。

 質問の第一は、知事の政治姿勢についてです。

 その第一に、知事の歴史認識をお尋ねいたします。

 ことしは第二次世界大戦が終結して七十年の歴史的節目の年であります。この年が、日本とアジア諸国との和解と友好に向かう新たな大きな一歩となることを、アジアを初め、世界の多くの人々と大多数の日本国民が願っています。

 ところが、安倍首相は、戦後七十周年の新談話の議論の中で、村山談話や小泉談話、日本軍慰安婦問題での河野談話について、全体として引き継ぐと言いつつも、植民地支配と侵略など、両談話の核心的部分を盛り込むかについては、否定的な態度に終始しています。

 私は、村山談話の核心的内容である、一、国策の誤りによる、二、植民地支配と侵略、三、痛切な反省と謝罪という、この三つのキーワードを堅持することは、政治家として最低限の資質であると思っています。知事の歴史認識をお示しください。

 知事も御承知のとおり、一月に死去されたドイツのワイツゼッカー元大統領は、あの終戦四十周年の演説で、「過去に目を閉ざす者は、結局、現在にも盲目となる」と語りました。

 私たち戦後の世代が、あの戦争の過ちをどう反省し、そこから何を学び生かしていくのか、これが今問われています。

 過去の侵略戦争と植民地支配、これを肯定・美化することは、歴史を偽造することであり、日本とアジアの国々を初め、国際社会との和解と友好にも逆行して孤立する未来なき道だと考えますが、知事の見解を伺います。

 第二は、安全保障関連法案について、知事の見解を伺います。

 これは、安倍政権が昨年七月に強行した集団的自衛権行使容認を柱とした閣議決定を具体化するためのものですが、その内容たるや、アメリカの地球的規模での介入・干渉戦争や先制攻撃の戦争に日本がいち早く参戦し、自衛隊が米軍に全面的な軍事支援を行うことを可能にする極めて重大で危険なものであり、憲法九条を根底から覆す海外で戦争する国、そのための戦争立法にほかなりません。

 私は、戦後七十年間、日本が戦争によって一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出さなかったのは、日本国憲法、とりわけ戦争放棄をした、あの九条があったからだと思います。

 安保法制をめぐるこの間の安倍政権の暴走は、憲法九条が保ち、国際的な信頼を勝ち得てきた日本のあり方そのものまで突き崩していく極めて乱暴で危険な暴挙であります。

 過激組織ISによる日本人殺害事件をきっかけに、自衛隊が人質を救出できるようにすべきとの乱暴な議論に対して、あの自衛隊の準広報紙「朝雲」のコラムでさえ、現実味に欠けていると苦言を呈し、国民に誤解を与える無責任と断じています。

 知事の憲法九条に対する認識と、この間の安保法制に関する見解を求めます。

 質問の第二は、福祉問題についてであります。

 私は、昨年六月議会、医療・介護総合法が、国会最終盤に強行成立されたとき、この問題を取り上げました。社会保障の基本を自立・自助にすりかえ、本来、国が責任を持つべき公助をできる限り削減していく。その道はすなわち憲法二十五条の国の責任を投げ捨てて、介護難民や入院難民、老人漂流社会を一層ひどくする悪政の典型だということであります。

 政府は、社会保障費の自然増を抑制するとしています。特に、重大なのは、介護報酬の二・二七%引き下げという過去最大規模の削減であります。

 今、介護の現場は、深刻な人手不足にあえぎ、それが介護難民増大の一因ともなっています。

 警察庁発表によれば、過去五年間で、介護・看病疲れによる殺人、自殺、これは千七百四十一件、年平均三百四十八件に上り、毎日のように、痛ましい事件がこの日本のどこかで起きるという異常な事態が生まれています。

 介護報酬の引き下げは、こうした事態に一層拍車をかけると危惧するものですが、見解を伺います。

 今やるべきことは、介護を必要とする全ての人が安心して介護を受けられるような体制を整備すること。その鍵となる介護職員の待遇を改善することであります。

 国は、介護職員に対して、処遇改善加算をすると言いますが、介護サービス提供事業者への報酬全体を大幅に引き下げて、どうして職員の処遇が改善できるのか。

 特別養護老人ホームやデイサービスなど、これへの報酬を大幅に引き下げることは安心できる介護の充実を求める国民の声に逆行する内容であります。

 介護現場からは、利用者にも従事者にも事業者にも大きな損失をもたらすと厳しい批判の声が上がっています。

 私の地元の菊川町の事業者も、「介護報酬を引き下げておいて、何が処遇改善か」「今でも足らない介護職員をさらに減らさざるを得なくなる」「介護の現場を知っているのか」こういう強い怒りの声を上げておられます。

 消費税増税やアベノミクスによる物価高などで介護事業の経費がふえる中、マイナス改定を実行すること自体、介護のさまざまな分野で深刻な矛盾や困難を一層引き起こすものであります。

 大幅な報酬削減は、介護保険制度の壊滅的危機の引き金になりかねないと考えます。県の認識を伺うとともに、削減見直しを国に求めていく考えはないか、お尋ねいたします。

 日本の社会保障費は、国内総生産(GDP)比で二三%、フランスなど欧州諸国と比べても低い水準であります。世界でも少ない社会保障費によって、世界でトップクラスの高齢化社会を支えている、これが日本の実態であります。

 そんな中、社会保障の自然増の削減・圧縮に容赦なく突き進んでいったら、日本の社会保障制度はまともな機能が果たせなくなるのは必至であります。

 事あるごとに、持続可能な制度にするためとか、財政再建とか言いながら、結局、医療・介護分野にとどまらず、生活保護や障害者福祉、年金支給額の削減にも踏み込んでいく、抑制策の総ざらいという異常な状況ではないでしょうか。

 日本の社会保障制度を憲法二十五条がうたった、あの精神にふさわしいものにしていく、そのためにも自然増削減路線と決別することが必要だと考えますが、この点もお尋ねいたします。

 質問の第三は、農業問題についてであります。

 安倍政権が成長戦略の目玉としている農協改革について伺います。

 私は、この問題は、農協を強権的に壊そうとする最悪の暴挙だと思います。今日、農協の多くが困難や矛盾を抱えているのは確かでありますが、しかし、その根本には、農家の経営が成り立たなくなっていることがあり、歴代自民党政府の農政にこそ最大の責任があります。

 その中でも、協同の力を発揮して、農家の営農や暮らし、地域農業を守るために頑張っている農協は少なくありません。政府がやるべきことは、農協をばらばらにして潰すことではなく、自主的改革を応援することではないでしょうか。

 農協や農業委員会、農地制度は、家族農業を基本にしてきた戦後農政の中心であります。それを一掃して、企業が好き勝手に支配できる農業・農村につくり変える、これこそ安倍首相の言う「戦後レジームからの脱却」の農政版であり、世界で一番企業が活躍できる国づくりの一環であります。

 家族農業や協同組合を根本から否定する、このような改革路線は、世界の流れにも逆行しています。

 世界の主な協同組合が加盟する国際協同組合同盟(ICA)は昨年六月、政府の改革案を「家族農業の価値を認めず、企業による農業を促進しようとしている」と厳しく批判しました。

 日本協同組合連絡協議会も自主・自立、民主的運営を基本にする協同組合のあり方が考慮されていないと批判をしています。

 改革案は、利潤追求ではなく、共生・協同が求められている今日の日本の社会的課題への攻撃であり、さらにJA全中が、これまでも大きな役割を果たしてきたTPP反対の国民的な運動を力ずくで抑え込むためでもあります。

 これまでの山口県農政の取り組みの中で、JA全中が監査権限を持っているために、問題が生じたことがあったとお考えですか、この点お尋ねいたします。

 組織のあり方の検討は、JA全中の自主改革に委ねるべきだと考えますが、見解を伺います。

 次に、大詰め迫ってきたTPP問題について伺います。

 TPP交渉をめぐって、農産品など日本政府が聖域と位置づけてきた分野を含め、日本がアメリカに次々譲歩しているという報道が連日のようにされています。

 しかも、甘利TPP担当相は、交渉の中身については明らかにしないまま、一方では、「譲歩の幅をできるだけ小さい範囲で決着させるのが全てだ」と述べ、譲歩の報道を否定をしていません。

 安倍内閣は、日米などの交渉では譲歩を実際続け、その内容を一部マスメディアに流しながらも、TPP交渉が秘密を義務づけていることを盾に、国民への情報提供を拒んでいます。

 その一方で、農産物の重要五品目などでの譲歩を禁じた国会決議を守る努力をしているかのような態度をとり続けています。まさに国民に対する背信そのものではないでしょうか。

 一方でアメリカ自身は、TPPが妥結した場合、二○二五年までに参加十二カ国の農産物貿易は八十五億ドルふえるが、輸入増の七○%は日本であり、米国産米の輸出は二倍以上ふえると発表しています。

 まさに、日本のひとり負けであり、自給率が三九%にすぎない国民の食料を一層外国任せにして、主食までアメリカに頼ることになります。これこそまさに売国的な内容ではないでしょうか。

 政府が秘密裏に進めているTPPをめぐる交渉が、農産物の重要五品目を、この開放を初め、国民の医療や労働環境、農業・農村の維持と食料の安全・安心、国の主権などに悪影響を及ぼすことは明らかであります。

 交渉中の今なら、国民の暮らしに取り返しのつかない打撃を与えないうちの撤退は可能であります。将来に禍根を残さないためにも、背信的な交渉はもうやめる。そして、撤退を決断すべきだと考えますが、知事の見解を伺います。

 次に、米価暴落に対する県の施策について伺います。

 先日、県内でも最大規模の農業法人の方のお話を聞く機会がありました。今年度産の水稲の売り上げ高は、前期比で四千百万円減少して、加えて米の直接支払交付金の半減、これでこの先の見通しは全く立たないと悲鳴を上げておられました。

 国策に従って大規模化した農業者ほど大きな打撃を受けています。

 ところが山口県は、JAや国への要望はするものの、具体的な支援は一切やろうとしていません。果たしてこれでいいのでしょうか。

 今、全国の自治体では、米農家の苦難に寄り添おうと独自の支援策が広がっています。

 山形県では、米価下落の農家支援として、種もみ代助成を打ち出しました。助成補助対象は十四年度産米の経営所得安定対策に加入している個人、法人、集落営農などで、補助額は定額十アール当たり五百六十円であります。

 山口県は、何らかの支援に踏み切る考えはないのか、お尋ねいたします。

 また、新たな収入減少影響緩和対策へ移行するための円滑化対策も今年度限りであります。

 同対策については、希望する全農家を対象にするよう国に要件緩和を求めるとともに、農家負担の積立金への補填も検討すべきだと考えますが、この点もお伺いします。

 日本農業の最大の利点は、農業生産者の近くに一億二千万人、安全・安心でおいしい国産食料を求める日本国民がいるということです。この需要に応えるためにも、価格保障と所得補償で農業経営を支えていく、これなしには日本の農業に未来はないと思いますが、この点もお伺いいたします。

 今年度の二月補正予算において、農林水産部は十八億円の減額補正をしています。このほんの一部を活用すれば、相当のことができるのではないでしょうか、お尋ねいたします。

 第四の質問は、洋上風力問題についてです。

 下関市の安岡沖に計画されている、着床式洋上風力発電所の建設問題についてであります。

 昨年三月議会でも、この問題取り上げましたが、この一年の間に建設反対の署名は、当時の倍以上、今七万筆を大きく超えて広がっています。

 その大きな理由の一つは、知事意見でも強調し、事業者に要請した二つの事柄、一、住居や病院、漁業などに配慮した最新の科学的知見に基づく調査・予測・評価を実施すること、二、地元住民への調査内容の積極的な情報提供など、地域の意向を踏まえた適切な対応を行うこと、この二つであります。

 この指摘に対して、事業者たる準ゼネコンの前田建設工業の極めて不誠実な対応に終始していることがあると思います。

 その根底には、営利優先の民間事業者の姿勢、すなわち二○一五年度着工・一六年度稼働、これがありきで突き進もうとする姿勢があると思いますが、県の認識を伺います。

 下関市議会は、全会一致で建設反対の請願を採択し、また、健康リスクなどについて、地元住民の不安や課題を解消するよう求める決議も可決しました。

 これらを受けて下関市長も同じ思いだと表明しましたが、知事の思いはどうなのか、お尋ねいたします。

 環境アセスについて伺います。

 前田建設工業が提出した方法書には、季節ごとに行う調査内容が明記されています。

 ところが住民の反対運動によって季節ごとの調査ができていないと言いながら、その一方で、環境影響評価準備書をそのまま出そうとしています。不備を承知の環境アセス、こんなばかな話があるでしょうか、県の見解を伺います。

 経産省によるクロスチェックについて伺います。

 これは、各地の発電所計画の中から、特に環境に与える影響が大きいと考える事業を経産省みずからが選び、事業者による環境アセスが妥当なものかどうかを確かめるものです。

 対象は、安岡沖の水質や魚類などの生物、海藻や植物性プランクトン、海の鳥――海鳥の四分野ですが、これが一部中止になりました。この間の経過についてお示しいただきたいと思います。

 いずれにしても、事業者が方法書で約束した環境アセスは不備だらけ、経産省が危惧してやろうとしたクロスチェックも中途半端。これでどうやって住民の不安を解消しろというのでしょうか。しかもいまだに低周波音や騒音、電磁波などの環境基準・ガイドラインすら確立されていません。

 私は、再生可能エネルギーの普及は、脱原発や地球温暖化対策、エネルギーの国産化など、今後ますます重要だと思っています。しかし事業化の際は、地元の合意やリスクなどさまざまな課題に直面しているのが現状であります。それだけに次へのステップのためにも、きちんとした新たなルールづくりが急務だと思います。

 それまでは、県民の安全・安心に責任を持つ知事として、きっぱり中止を求めることが必要だと思いますが、知事の見解を伺います。

 以上で第一質問を終わります。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 木佐木議員の御質問にお答えします。

 まず、戦後七十年談話に関連して、私の歴史認識と見解についてであります。

 歴史認識につきましては、私としては、政府において表明されている見解を尊重すべき立場にあると考えています。

 また、いわゆる戦後七十年談話に関しては、総理は、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぎ、それを前提として作成するとされており、政府において、これから本格的に議論が行われるものと受けとめています。

 次に、憲法九条に対する私の認識と安全法制に関する見解についてであります。

 私は、日本国憲法のもと、多くの国民が平和と繁栄を望んできたこと等により、我が国の平和と安全が保たれてきたものと認識しています。

 その上で、お示しの憲法第九条に関しては、我が国の安全保障に関連した問題でもあり、また、安全保障関連法制につきましては、国の専管事項である外交・防衛政策に関する事柄でありますことから、国政の場で議論を尽くすべきものと考えています。

 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。



○副議長(畑原基成君) 小松健康福祉部長。

    〔健康福祉部長 小松一彦君登壇〕



◎健康福祉部長(小松一彦君) 福祉問題についての三点のお尋ねにお答えします。

 まず、介護報酬の引き下げが、介護・看護疲れによる痛ましい事件の発生に拍車をかけるのではないか。また、大幅な報酬削減は、介護保険制度の壊滅的危機の引き金になりかねないのではないかとのお尋ねにあわせてお答えします。

 今回の介護報酬改定は、国において、介護職員確保のための処遇改善や、中重度の要介護者等の在宅生活を支援するためのサービスの充実等を行うとともに、介護事業者の経営状況等を踏まえ、適正化を図るもので、介護サービスの提供者や利用者、学識経験者等からなる社会保障審議会での審議を経て決定されたものであり、お尋ねのような事態になるとは思いませんし、国に見直しを求めることも考えておりません。

 次に、日本の社会保障制度は、自然増削減路線と決別することが必要だと考えるが、どうかとのお尋ねです。

 このたびの国の社会保障と税の一体改革は、消費税により財源を確保し、サービスの重点化・効率化を図りながら、社会保障の充実・安定化を目指すものであり、自然増削減という御指摘は当たらないものと考えています。



○副議長(畑原基成君) 野村農林水産部長。

    〔農林水産部長 野村雅史君登壇〕



◎農林水産部長(野村雅史君) 農業問題に関する数点のお尋ねにお答えいたします。

 まず、農協改革について二点のお尋ねです。

 最初に、山口県農政の取り組みの中でJA全中が監査権限を持っているために問題が生じたことがあったかとのお尋ねです。

 県施策の実施に当たりましては、農協等関係団体と協働しながら取り組んでいるところでありますが、お尋ねの問題の有無については承知していないところであります。

 次に、組織のあり方の検討はJA全中の自己改革に委ねるべきとのお尋ねです。

 今回の農協改革は、政府・与党とJAグループが協議を重ねた上で、取りまとめられたものであり、その際、JA全中は「農業所得の向上、地域活性化に結びつくよう、組織の総力を挙げて自己改革に取り組む」との会長談話を発表していることから、県としては、今後の自己改革の取り組みを見守ってまいります。

 次に、TPP問題について、交渉はやめ撤退を決断すべきとのお尋ねです。

 TPP交渉については、全国知事会を通じて、地域の活力を決して低下させないよう国益を守ることなど、要望してきたところであり、県としては、国の責任において、国益に沿った対応を進めていただきたいと考えております。

 次に、米価下落に関する四点のお尋ねです。

 まず、平成二十六年産の米価下落に対する農家への支援についてです。

 既に、国やJAグループ山口による無利子融資を初め、国の補正予算において稲作農業の体質強化緊急対策等が講じられていることから、県として新たな支援は考えておりません。

 次に、収入減少影響緩和対策についてです。

 国に対象農家の要件緩和を求めるとともに、農家積立金の補填を検討すべきとのお尋ねでありますが、県としては既に、収入減少影響緩和対策の充実強化について、国に要望していることから、要件緩和や補填の検討は考えておりません。

 次に、価格保障・所得補償についてです。

 県としては、意欲ある農業者が将来にわたり安心して営農に取り組めるよう、国において経営所得安定対策が講じられるべきと考えており、経営全体のセーフティーネットの充実を要望してきているところであります。

 次に、補正予算についてです。

 今年度の補正額の一部を農家の支援に活用すべきとのお尋ねでありますが、県としては、米価下落について、必要な対策が講じられていると考えており、補正額を活用することは考えておりません。



○副議長(畑原基成君) 半田環境生活部長。

    〔環境生活部長 半田健二君登壇〕



◎環境生活部長(半田健二君) 洋上風力発電所についての数点のお尋ねにお答えします。

 まず、事業者の営利優先、着工・稼働ありきの姿勢への認識についてのお尋ねです。

 事業者は、環境影響評価法の規定に基づき、環境影響評価の重要性を深く認識し、環境への配慮が適切になされるよう努める責務を有しております。

 こうしたことから、手続に当たっては、地元住民等への積極的な情報提供を行うなど、知事意見を踏まえ適切な対応がなされるものと認識しています。

 次に、下関市議会の請願の採択や決議を受けての思いはどうかとのお尋ねです。

 県は、方法書の知事意見において、環境配慮の実施に当たっては、地元住民等への積極的な情報提供を行うなど、地域の意向を踏まえた適切な対応を行うことと述べており、事業者において、この意見に沿った適切な対応がなされるべきと考えています。

 次に、季節ごとの調査ができていない不備を承知のアセスだとのお尋ねです。

 県としては、事業者において、方法書に記された手法に従い、知事意見を踏まえた調査・予測・評価が行われ、環境影響評価準備書が作成されるものと考えています。

 次に、経済産業省のクロスチェックの経過についてのお尋ねです。

 このたびの調査は、事業者が知事意見を踏まえて実施する環境調査の中から、経済産業省において、お示しの四分野を選定し、事業者の調査結果の妥当性を確認するため、昨年四月から行われたものです。

 経済産業省からは、昨年秋に実施する予定の一部の調査について、地元の協力が得られず中止したと聞いています。

 次に、この風力発電事業に対して、きっぱり中止を求めることが必要とのお尋ねです。

 本事業については、環境影響評価法に基づく手続が行われており、県は事業者に対し、事業の実施による環境負荷を可能な限り回避、低減する等の環境配慮が適切になされるよう審査、指導する立場にあることから、事業の中止を求めることはありません。



○副議長(畑原基成君) 木佐木大助君。

    〔木佐木大助君登壇〕(拍手)



◆(木佐木大助君) 再質問を行います。

 まず、知事の歴史認識についてでありますが、改めて伺いたいと思います。

 安倍政権の足下の県、こういうふうに言い放った山本前知事でさえ、私の歴史認識は、村山談話で示された、あの誓いの言葉を含めて、すなわち三つのキーワードを尊重するというふうに答弁されました。

 村岡知事も改めて、この三つのキーワード、これについてどういう認識を持っておられるか、明確に答えるべきだと思います。答弁を求めたいというふうに思います。

 ワイツゼッカー元大統領の有名な言葉がもう一つあります。「過去に目を閉ざす者は、もう一度過去の誤りを繰り返す」、こういうものであります。

 戦後七十周年を迎えて、改めて一人一人の政治家の歴史認識が問われているときでありますから、知事の明快な答弁を求めたいというふうに思います。

 介護報酬改定問題ですが、介護報酬の改定については、昨年十一月議会で県議会が全会一致で採択、意見書を参考資料としてお配りしています。

 これは、この議場におられる四十九人の議員、自民党から共産党まで右も左も党派を超えて全員が一致したものであり、オール山口の意思でもあります。

 意見書では、良質な介護サービスの提供に必要な財源の確保、介護職員処遇の改善加算拡充のための財源確保を求めています。

 このたびの介護報酬改定に当たって、この要望はかなえられているとお考えですか、改めて県当局の見解を求めます。

 農業問題についても同様で、TPP交渉についても県議会は、意見書を採択をしています。これについても県当局は、国は誠実に対応している、こういうふうにお考えなのか、この点も伺いたいと思います。

 さらに、山形県が踏み切った米価暴落への支援は、その総額三億四千万円であります。別に農林水産部にほかの部局から予算を回せと言っているのではありません。今年度使い残した十八億円のほんの一部、これをこんなときにこそ使うべきではないでしょうか。そして、頑張る米農家を直接寄り添っていく、この姿勢が求められているというふうに思いますが、改めて答弁を求めたいというふうに思います。

 洋上風力問題では、もう一つお聞きしたいのは、前田建設があの方法書で約束をした春夏秋冬、季節ごとに行うはずの調査、これがどこまでやられて、どこまで調査をしてないか。やるべき調査内容も含めて改めて示してもらいたいというふうに思います。

 前田建設工業は、下関市民に対して、「反対運動とか妨害運動があるからできていない」、住民に責任を押しつけるような言いわけをしていますが、果たしてこんなことでいいのかどうか、改めて県当局の認識を伺いたいというふうに思います。

 以上で再質問を終わります。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 歴史認識につきましてのお尋ねでございますけれども、歴史認識につきましては、私としては政府において表明されている見解を尊重するべき立場にあると考えています。

 その上で、総理はお示しのあった、いわゆる村山談話も含めて歴史認識に関する立場を全体として引き継ぐとされておりまして、これからそういう方向のもとで検討が進められるものと認識しています。



○副議長(畑原基成君) 小松健康福祉部長。

    〔健康福祉部長 小松一彦君登壇〕



◎健康福祉部長(小松一彦君) 介護報酬に関連する再質問にお答えいたします。

 十一月議会の意見書採択は全会一致であり、オール山口の意思であるけれども、その要望はかなえられていると考えるかどうかという再質問でございます。

 意見書の内容は、先ほど御紹介もございましたように、良好な介護サービスの提供と介護人材の確保のための財源を確保すると、こういう内容でございます。

 今回の報酬改定は、介護職員の処遇改善や中重度の要介護者等に対するサービスの充実、これを行うとともに、介護事業者の経営状況等を踏まえて行われたものでございますので、一定の配慮がなされているものというふうに考えております。



○副議長(畑原基成君) 野村農林水産部長。

    〔農林水産部長 野村雅史君登壇〕



◎農林水産部長(野村雅史君) 農業問題に関する二点の再質問にお答えをいたします。

 まず、TPPについて、平成二十二年十一月定例会における意見書について、国は誠意を持って対応しているかどうかというお尋ねであります。

 国におきましては、さまざまなグランドデザインである農林水産業の地域の活力創造プラン等、さまざまな対策はとっておられるとは思いますけれども、TPP交渉につきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、全国知事会等を通じて要望してきたところでありまして、国の責任において国益に沿った対応を進めていただきたいと考えております。

 もう一点は、米価暴落について、山形県のような制度を補正予算でもって活用する気はないかという再度のお尋ねでございますが、先ほど答弁いたしましたとおり、既に国やJAグループ山口による無利子融資を初め、国の各般の対策が講じられていることから、県として新たな支援は考えておりません。



○副議長(畑原基成君) 半田環境生活部長。

    〔環境生活部長 半田健二君登壇〕



◎環境生活部長(半田健二君) 洋上風力発電所について、二点の再質問にお答えします。

 まず一点目は、前田建設工業の調査ができていない部分はどこか。調査内容を含めて説明されたいとのことでございます。

 事業者から聞き取った内容によりますと、調査項目は、大気・騒音・振動から始まりまして、景観、人と自然の触れ合い、活動の場と九つの項目がございまして、春夏秋冬、四季やるように知事意見を述べたところでございます。

 その中で、冬期、冬の部分は全てされておりますが、春の部分と夏の部分が一部、秋の部分は大部分が調査できておりません。

 それから、二点目でございます。調査ができないことを地元の責任に押しつけようとしている前田建設の態度はいかがかということでございます。

 事業者において、知事意見を踏まえた対応がなされるものと考えており、地元住民にいろいろな御意見があることから、これらの御意見に沿って、知事意見に述べているように、積極的な情報提供を行っていただきたいと考えております。



○副議長(畑原基成君) 木佐木大助君。

    〔木佐木大助君登壇〕(拍手)



◆(木佐木大助君) 再々質問を行います。

 知事の歴史認識の問題でありますが、村山談話含めて、全体として踏襲はすると言いながら、安倍首相はこの三つの文言については使わない可能性を表明もしています。ですから、改めてこの三つのキーワードについて村岡知事の認識を伺いたいわけです。

 その点では、村山談話に対する、その全体として村岡知事が尊重しているのかどうか。三つのキーワード、これ一言ずつ言わなくても結構ですが、この三つのキーワードも含めて、知事はそれを尊重するという立場かどうか、せめてこの程度のことについてはお答えすべきではないか。これは知事の見識の問題である、いうふうに指摘をしておきたいというふうに思います。

 介護報酬改定問題ですが、一定の配慮をしているという健康福祉部長の答弁ありましたが、それでは、改めてお示ししたいのは、全国老人福祉施設協議会が、二月の十三日に発表した見解、介護報酬のマイナス改定による懸念とこれからの対応というものがあります。

 ここでは、全国平均、一施設当たり千五百万円の減収、特養では五割近くの施設が赤字になる。その上で千五百万円の減収は介護職員四名分の人件費に相当する。

 こうした中で、結論として、解けることのない負のスパイラル、介護制度の崩壊につながる、こういうふうに全国団体が指摘をして見解発表しているわけですから、現状は、現状に対して改めて健康福祉部長の答弁、現場からのこうした叫びに対して、どう認識しているのか、伺いたいというふうに思います。

 洋上風力問題について、改めて確認したいと思います。

 前田建設工業が方法書で約束をした春夏秋冬、季節ごとに行うはずの調査は、結局、先ほど部長が答弁されましたように、冬はできているけれども、春、夏、秋、これほとんどできていない。こういう点では、現在の環境アセス、ほとんどできていない、こういうふうな認識だというふうに捉えていいのかどうか、改めてこの点を伺いたいというふうに思います。

 そして、この住民に対するとか、下関市議会での現状、そして、下関市長のあの思いに対して、改めて知事御本人、あの意見書出したのは、村岡知事御本人ですから、現状に対して知事の思いはどうなのか、この点も改めてお伺いをして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) まず、歴史認識につきましてでございますけれども、今いわゆる村山談話を含めて、総理は歴史認識に関する立場を全体として引き継ぐとされていて、そういう中で検討が進められているものと承知をしております。

 私としては、歴史認識につきましては、政府において表明されている見解を尊重すべき立場にあるというふうに考えております。

 そして、環境影響評価の関係でございますが、これは知事意見の中でも述べております環境配慮の実施に当たっては、地元住民等への積極的な情報提供を行う等、地域の意向を踏まえた適切な対応を行うことというふうに述べております。

 事業者におきまして、この意見に沿った適切な対応がなされるべきと考えております。



○副議長(畑原基成君) 小松健康福祉部長。

    〔健康福祉部長 小松一彦君登壇〕



◎健康福祉部長(小松一彦君) 介護報酬に関する再々質の御質問にお答えをいたします。

 二月十三日に全国老人福祉施設協議会が声明を出して、一千五百万円の減収になって、五割が赤字になるというような、そういう全国団体の指摘に対してどういう認識かという御質問でございました。

 今回の報酬改定につきましては、法人の経営状況等を踏まえて、全体として事業者に必要な収支差を残しながら、介護職員の処遇改善でありますとか、中重度の要介護者に対するサービスの充実が図られたというふうに考えておりまして、良質な介護サービスの提供と介護保険制度の持続可能性の確保、これを両方を実現するためのものというふうに考えております。



○副議長(畑原基成君) 半田環境生活部長。

    〔環境生活部長 半田健二君登壇〕



◎環境生活部長(半田健二君) 洋上風力発電所につきまして、現在、事業者がやっているアセスはほとんどできていないんじゃないかという再質問でございます。

 この四季の調査と申しますのは、本来業者は夏と冬の調査を予定しておりました。それを山口県知事が春夏秋冬やるべきだという意見をしっかりつけました。経産省に申し上げましたところ、業者はやるということを申しております。

 当時、山本知事でございましたが、その思いは村岡知事に引き継がれております。ですから、そういったものがしっかりそろわない限り、県としては受けられないと――受けられないというのはちょっと言葉があれでございますが、しっかりやっていただきたいということを指導しております。

 以上でございます。



○副議長(畑原基成君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。

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○副議長(畑原基成君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後一時五十分散会

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     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。

             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学

                   副  議  長   畑   原   基   成

                   会議録署名議員   吉   田   充   宏

                   会議録署名議員   井   上       剛