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山口県 山口県

平成 26年11月定例会 12月15日−02号




平成 26年11月定例会 − 12月15日−02号









平成 26年11月定例会


   平成二十六年十一月山口県議会定例会会議録 第二号

      平成二十六年十二月十五日(月曜日)
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        議事日程 第二号
      平成二十六年十二月十五日(月曜日)午前十時開議
  第一 代表質問
  第二 議案第一号から第二十七号まで(質疑)
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        本日の会議に付した事件
  日程第二 議案第一号から第二十七号まで
                会議に出席した議員(四十九人)
                          柳   居   俊   学 君
                          吉   井   利   行 君
                          吉   田   和   幸 君
                          塩   満   久   雄 君
                          林       哲   也 君
                          加   藤   寿   彦 君
                          有   福   精 一 郎 君
                          木 佐 木   大   助 君
                          先   城   憲   尚 君
                          友   田       有 君
                          曽   田       聡 君
                          平   岡       望 君
                          佐 々 木   明   美さん
                          小   泉   利   治 君
                          岡   村   精   二 君
                          二   木   健   治 君
                          藤   本   一   規 君
                          篠   ?   圭   二 君
                          藤   生   通   陽 君
                          松   永       卓 君
                          合   志   栄   一 君
                          西   嶋   裕   作 君
                          末   貞   伴 治 郎 君
                          吉   田   充   宏 君
                          新   谷   和   彦 君
                          田   中   文   夫 君
                          神   田   義   満 君
                          島   田   教   明 君
                          石   丸   典   子さん
                          井   上       剛 君
                          国   井   益   雄 君
                          守   田   宗   治 君
                          山   手   卓   男 君
                          槙   本   利   光 君
                          畑   原   基   成 君
                          井   原   寿 加 子さん
                          橋   本   尚   理 君
                          秋   野   哲   範 君
                          河   野       亨 君
                          笠   本   俊   也 君
                          星   出   拓   也 君
                          森   中   克   彦 君
                          河   村   敏   夫 君
                          藤   井   律   子さん
                          友   広       巌 君
                          戸   倉   多 香 子さん
                          上   岡   康   彦 君
                          新   藤   精   二 君
                          江   本   郁   夫 君

                会議に欠席した議員(なし)
                議案等の説明のため会議に出席した者
                    知事          村 岡 嗣 政 君
                    副知事         藤 部 秀 則 君
                    総務部長        渡 邉 繁 樹 君
                    総務部理事       大 谷 恒 雄 君
                    総合企画部長      上 野   清 君
                    産業戦略部長      宮 地   理 君
                    環境生活部長      半 田 健 二 君
                    健康福祉部長      小 松 一 彦 君
                    商工労働部長      木 村   進 君
                    農林水産部長      野 村 雅 史 君
                    土木建築部長      北 ? 孝 洋 君
                    会計管理局長      寺 田 徹 郎 君
                    財政課長        松 本 典 久 君
                    公営企業管理者     弘 中 勝 久 君
                    企業局長        市 原 充 之 君
                    教育委員長       山 縣 俊 郎 君
                    教育長         浅 原   司 君
                    公安委員長       倉 田 惠 子さん
                    警察本部長       藤 村 博 之 君
                    代表監査委員      河 嶌 繁 太 君
                    監査委員事務局長    高 杉 和 典 君
                    労働委員会事務局長   藤 井   勝 君
                    人事委員会事務局長   村 田 常 雄 君
                会議に出席した事務局職員
                    事務局長        高 松 昇 志 君
                    事務局次長       河 村 邦 彦 君
                    審議監兼議事調査課長  田 中   肇 君
                    総務課長        田 平   ? 君
                    政務企画室長      岡 村 達 也 君
                    秘書室長        繁 吉 健 志 君
                    議事調査課主幹     山 本 秀 樹 君
                    主査          石 橋 教 幸 君
                    議事記録係長      三 好   政 君
                    主任主事        藤 村 紘 子さん
                    主事          竹 井 由利香さん
                    主事          福 田 直 也 君




   ─────────────

    午前十時開議



○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。

   ─────────────

    諸般の報告



○議長(柳居俊学君) この際、諸般の報告を行います。

 報告事項は、お手元に配付のとおりでございます。

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△日程第一代表質問



△日程第二議案第一号から第二十七号まで



○議長(柳居俊学君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十七号までを議題とし、質疑に入ります。

 代表質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。

 塩満久雄君。

    〔塩満久雄君登壇〕(拍手)



◆(塩満久雄君) 自由民主党の塩満久雄でございます。

 平成二十六年十一月定例会に当たり、自由民主党を代表いたしまして、県政の諸課題について、知事及び教育長に質問をいたします。

 質問に先立ちまして、一言申し上げます。

 このたびとり行われました衆議院議員総選挙におきまして、我が自由民主党に対し多くの方々から御支援を賜り、引き続き政権を担わせていただくことになり、心より感謝をいたします。

 デフレ脱却を目指し、進めてきた経済目標への道、アベノミクス、この道しかないと訴え、そのことが間違っていなかったことが証明されたものと確信いたしております。

 ローマの歴史に詳しい作家の塩野七生さんは、「ローマの滅亡は政策の継続性を失ったことが最大の原因である」と言っており、また、「経済の再建も継続する構造しかない」と言っています。

 この上は、引き続き雇用をふやし、賃金を伸ばすなど、経済の好循環をさらに拡大し、デフレ脱却を目指す経済政策に党を挙げて全力で取り組んでまいる覚悟でございます。(発言する者あり)ありがとうございます。

 また、これとともに、我が党は政権公約として「地方創生」を大きな柱として掲げましたが、まず最初に「地方創生」についてお尋ねをいたします。

 我が国は、本格的な人口減少社会に突入しております。そして、長く続いた少子化の影響により、出生数はもとより、社会経済の担い手である現役世代の人口も減少しており、特に地方においては働き手や消費者の減少、さらには地域コミュニティーの担い手の減少が同時に起こっております。

 このことは、地域経済の活力を奪い、中心市街地や中小製造業や商業、農林業の衰退などといった形であらわれております。

 こうした状況を踏まえ、国は、地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服するため、まち・ひと・しごと創生法、いわゆる地方創生法をさきの国会で成立させました。

 また、今後五年間の施策の方向性を示す総合戦略と、五十年後に一億人程度の人口を維持することを目指した将来展望を示す長期ビジョンを年内に取りまとめるとするなど、「地方創生」について、これまでとは次元の異なる大胆な政策をスピード感を持って実行しようとされております。

 そして、地方から寄せられた提案をしっかりと酌み上げて、地方の個性・自主性を尊重しながら、国と地方が二人三脚で進めていく「地方創生」の具体的な取り組みが、明年度の予算編成作業と並行して検討されているところであり、出産や子育てがしやすい環境づくりによる出生率の向上や、地域の特性を生かした創業支援等による雇用機会の創出などが期待されております。

 この「地方創生」とは、地域に住む人々が地域の未来に希望を持てるようにするものでありますが、これは県民誰もがはつらつと暮らせる、「活力みなぎる山口県」の実現を目指す未来開拓チャレンジプランと方向性を同じくするものであります。

 それゆえに、国が地域の活力を維持し、少子化と人口減少の克服を目指して総合的な取り組みを始めた、まさにこのときを絶好の機会と捉え、「地方創生」が実効性のある取り組みとなるよう国に対して積極的に提言や提案を行うとともに、しっかり国と連携・協働していくことが重要であります。

 そこでお尋ねいたします。国の最重要課題として位置づけられた「地方創生」について、知事はどのように取り組もうと考えておられるのか、お伺いいたします。

 次に、平成二十七年度当初予算編成方針についてお尋ねいたします。

 御承知のように、本年度当初予算は骨格予算として編成されましたことから、村岡知事にとっては今回が実質的に初めての通年型の当初予算編成であり、「活力みなぎる山口県」の実現に向け、これからの県政を形づくる上で非常に重要な予算編成となります。

 こうした中、知事は、先般公表されました予算編成方針において、活力みなぎる県づくりへの挑戦を基本方針に掲げ、本県が直面するさまざまな困難を克服するため、実効性を追求して各種施策を構築することにより、プランに沿った県づくりをスタートさせていきたいとの決意を明らかにされました。

 あわせて、この予算編成方針において、予算編成を進めるに当たっての具体的な取り組み事項として、次の二点を挙げておられます。

 一点目は、未来開拓チャレンジプランの実現に向けた重点化であります。

 県は、さきに示されたプランの素案において、重点的に施策を進める十五の「突破プロジェクト」を掲げられたところであり、平成二十七年度からその取り組みが本格的に始動することとなります。

 こうしたことから、明年度予算においても選択と集中の視点に立ち、プランの具現化に向けて、特に優先的・重点的に実施すべき新たな取り組みについて、積極的な事業化を図ることとされております。

 二点目は、県づくりの推進と財政健全化の両立についてであります。

 依然として地方財政は厳しい状況が続いておりますが、こうした中、プランを着実に推進していくためには、将来にわたって持続可能な揺るぎない財政基盤づくりが不可欠であり、歳入確保と歳出削減の両面から、一層の財源確保対策に取り組むという県の姿勢に対しましては評価をいたすものであります。

 しかしながら、少子高齢化や人口減少問題は待ったなしの状況であり、中山間地域を初めとする地域活性化につきましても、県民からの大きな期待が寄せられておりますことから、厳しい財政状況にあっても積極的な取り組みが必要であります。

 現在、自由民主党では、県内の各地域、各界各層から、御意見や御要望をきめ細かく拝聴しているところであり、知事におかれましては、こうした県民の皆様の切実な声を、明年度の施策にもしっかりと反映をさせていただきたいと強く願うものであります。

 そこでお尋ねいたします。活力みなぎる県づくりの本格的始動に当たり、明年度予算編成に具体的にどのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、産業戦略の推進についてお尋ねいたします。

 村岡知事が産業戦略本部の本部長に就任されて、八カ月が経過いたしました。この間、知事におかれては、地域の活力源となる強い産業をつくるため、産業界と一体となって、山口県の強みを生かした産業戦略をスピード感を持って推進してこられました。

 まず、六月には、進化する計画としてのプロジェクトの充実を図るため、農林水産業や観光、人材の三つの分野別会合を矢継ぎ早に開催し、関係分野の方々の意見・提言を踏まえた上で、七月には第一次改定も行われたところです。

 この改定は、本県産業の強みを生かし、さらに伸ばすとともに、県内全ての地域に活力がみなぎるよう、直面する人口減少や中山間地域の振興等の諸課題に、産業面から積極果敢に取り組もうとする意欲的な内容となっております。

 また、計画の具現化についても、これまで国際バルク戦略港湾の着実な整備や工業用水の安定供給に向けた島田川分水の給水開始時期の前倒し、産業クラスターの形成に向けた地域イノベーション戦略推進地域の指定と推進センターの設置など、産業戦略推進計画を着々と前に進めておられることに敬意を表する次第であります。

 今後は、九月に開催した瀬戸内産業と中堅・中小企業の二つの分野別会合の意見等を踏まえながら、来年三月の第二次改定を目指し、新たなプロジェクトの構築等についても精力的に検討を進めていかれると聞いております。

 こうした中、現在、国においては「地方創生」の取り組みがスタートしておりますが、これは地方において、仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込む好循環を確立させて、町に活力を取り戻そうとするものであります。

 こうした「地方創生」の重要な基盤である産業振興について、本県では既にやまぐち産業戦略という形で全国に先駆けて推進しているのであり、我々自由民主党といたしましても、人口減少が進む地方において、雇用を創出し、若者の流出を食いとめる産業面からのモデル的な取り組みとして高く評価し、期待しているところです。

 今後とも、村岡知事のリーダーシップのもと、経済環境の変化や企業ニーズに的確に対応しながら、計画の充実と着実な具現化を図っていくことが極めて重要であると思います。

 そこでお尋ねいたします。「やまぐち産業戦略推進計画」を今後どのような考え方で充実強化され、また、どのように本県の産業戦略を推進していかれるお考えなのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、子育て支援・少子化対策についてお尋ねいたします。

 少子化問題は、危機的状況にあります。日本の年間の出生数は、第二次ベビーブームの昭和四十八年の約二百十万人を境に下降し、昨年は約百三万人と、過去最低の出生数を記録しました。

 また、一人の女性が生涯に産む子供の数の推計を示す合計特殊出生率は、平成二十五年が一・四三であり、平成十七年に一・二六と過去最低を記録してから微増傾向にあるものの、とても楽観できる状況にありません。

 このため、国は、さきの国会において地方創生法を成立させ、結婚、出産または育児についての希望を持つことができる社会の形成という理念のもと、合計特殊出生率を一・八程度に改善することをまず目指すべき水準とし、若い世代の結婚への希望に応え、結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援や多子世帯への支援に積極的に取り組むこととされております。

 本県においても、出生数は、近い将来、一万人を切る勢いで年々減少しております。合計特殊出生率は一・五六と全国平均を上回ってはおりますが、全国よりも少子高齢化が進行している本県においては、生産年齢人口の減少と相まって、将来にわたり活力ある社会を築いていくことに影響を与えかねません。

 子育て支援・少子化対策に関する平成二十五年の県民意識調査によりますと、理想とする子供の数を三人と答えた既婚者は四二・五%を占めていますが、実際の子供の数を三人と答えた既婚者は一八・三%にすぎないのが実情であります。

 また、同じ調査では、理想とする子供の数を持たない理由として、子育てにお金がかかるからと経済的理由を挙げた人が二五・六%に上っております。

 このことから、少子化対策においては、理想とする子供の数が実態と乖離しているという現状に真正面から向かい合い、多くの子供を産みたいと願う若い世代の希望に応えることが必要であり、我が会派といたしましては、多子世帯への本県独自の支援を強化すべきと考えるのであります。

 安心して子供を産み育てられる環境づくりの推進に向け、県は多子世帯への支援の充実にどのように取り組まれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、農林水産業の振興についてお尋ねいたします。

 農林水産業は、食料の安定供給という基本的な役割に加えて、県土や自然環境の保全などの多面的な機能を持つ重要な産業でありますが、地球温暖化による異常気象やTPP交渉における主要農作物の関税引き下げなど、取り巻く環境は厳しさを増しております。

 このため、国は、まち・ひと・しごと創生本部の本部会合において、「地方創生」に向けて、農山漁村の所得向上と雇用の確保を最優先に上げております。

 自由民主党といたしましても、農業・農村所得倍増目標十カ年戦略の中で新規就農者の倍増を掲げ、就農給付金等の充実、集落営農の法人化への支援強化を国に働きかけているところであります。

 本県におきましても、農林水産業は中山間地域の活性化に欠かせない重要な産業でありますが、農業従事者が減少する中、本県の基幹的農業従事者の平均年齢が全国一高齢となっており、農林水産業の振興のためには何よりも担い手の確保が重要となります。

 そのため、県では、このたび示された未来開拓チャレンジプランの素案において、担い手の確保・育成に向けて、担い手支援日本一の実現を目指すとされたところであります。

 県では、これまでも、農業・漁業研修生への給付金支給など、独自の支援策に取り組まれており、その成果を高く評価いたしますが、さらなる担い手確保のためには、実態に的確に対応しながら、新規就業者の確保と定着対策を重点的に実施し、農林水産業だけでなく、地域全体の活性化につなげていかなくてはなりません。

 そこでお尋ねいたしますが、知事は、明年度予算編成に当たり、担い手支援日本一の実現に向けてどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。

 次に、農林水産業の振興のうち、やまぐち森林づくり県民税についてお尋ねいたします。

 県土の七割を占める森林が持つ多面的な機能を持続的に発揮させ、豊かな森林を未来に引き継ぐため、我が党が提唱し、平成十七年度から導入されたやまぐち森林づくり県民税も、今年度末をもって第二期が満了します。

 これまで、荒廃した人工林の再生や竹林の整備などで大きな成果を上げておりますが、異常降雨による災害が頻発する中、防災の面からも森林整備への期待は一段と高くなっております。

 県民アンケートや、先日、我が党が開催した政策聴聞会においても、森林整備の必要性と税制度の継続に多くの県民の皆様が理解を示されたところであり、我が会派といたしましても、来年度以降も県民税を活用した森林づくりを積極的に進めていくべきだと考えております。

 そこでお尋ねいたしますが、来年度以降のやまぐち森林づくり県民税に対する知事の御所見をお伺いいたします。

 最後に、教育行政についてお尋ねいたします。

 県教委では、平成十七年に県立高校将来構想を策定し、これまで特色ある学校づくりの推進や通学区域の改善に取り組まれるとともに、高校の再編整備を計画的に進めてこられました。

 地方創生関連法が成立し、「地方創生」に向けた取り組みが大きく動き出そうとする中において、教育は人づくりを直接的に担うものであり、高校教育もまた、地域社会を担う人材の育成を通じて、活力ある社会の実現に重要な役割を果たす立場にあります。

 こうした中、県教委では、県立高校将来構想が今年度末で計画期間の終期を迎えますことから、現在、第二期の県立高校将来構想の策定を進めておられるところであります。

 将来構想に関する議論では、とかく高校の再編整備ばかりが注目を集めてしまいますが、高校教育の将来を語る上では、再編の枠組みや学校規模、また学校運営の効率化など、数字が主役となる議論ばかりでなく、あくまで子供たちの将来に向けた教育論がその中心になければならないと考えております。

 高校教育は、子供たちの可能性が大きく開花する極めて重要な時期を担うものであります。「未来を拓く たくましい「やまぐちっ子」の育成」を教育目標に掲げる県教委においては、全ての議論がこの教育目標の実現に向かっているべきであり、学校の再編整備自体は決して到達点ではなく、目標の実現に向けた取り組みの一つであるべきと考えております。

 しかしながら、学校としての特色づくりや切磋琢磨できる学習環境の整備など、生徒数が減少する中にあっても、県立高校の教育活動を一層充実させていくためにはさらなる再編整備も必要と考えられ、またその一方で、学校は子供たちの学びの場というだけではなく、地域の拠点的な存在として、地域の活力維持の観点からも大きな存在意義を持つものであります。

 県立高校が地域からのさまざまな協力を得る中で教育活動を展開しているということは、とりもなおさず学校が地域に育てていただいているということにほかならず、地域の中の学校としてその存在意義を再認識することは、高校の将来像を検討する上で必要な観点ではないかと考えております。

 さて、現在の将来構想を策定した十年前とは高校教育を取り巻く環境も大きく変化しておりますが、県教委には、本県教育の未来に向けて、中長期的な視点で、大胆に県立高校の将来像を描いてほしいと願うものです。

 そこでお尋ねいたします。県教委では、第二期県立高校将来構想の策定にどのような方向性を持って取り組んでおられるのか、教育長の御所見をお伺いし、自由民主党会派の代表質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 塩満議員の代表質問にお答えします。

 まず、「地方創生」についてのお尋ねです。

 我が国が本格的な人口減少社会に突入する中、国においては、人口減少に歯どめをかけ、将来にわたって活力ある社会を築いていくために、「地方創生」を最重要課題として位置づけ、まち・ひと・しごと創生本部を中心に、国、地方を挙げた総合的な取り組みが進められています。

 こうした中、地方では、人口減少や少子高齢化が急速に進行し、特に若者を中心とした大都市圏への流出が続いており、私は、「地方創生」を確かなものにしていくためには、東京一極集中を初めとする我が国の構造的課題の解決に向けて、国において、東京から仕事と人を押し出すなど、抜本的な対策を講じていただくことが必要であると考えています。

 同時に、地方みずからも国の対策に呼応し、新たな人の流れを地方に呼び込むとともに、地方での仕事を創出し、町の活力を取り戻し、人を地方にとどめていけるよう、地域の特性を踏まえた自主的な取り組みを進めていくことが重要です。

 こうしたことから、本県では、「地方創生」の重要な基盤となる産業の振興については、民間と行政が一体となった山口県産業戦略本部を設置し、私みずから本部長となり、全国に先んじて、強い産業をつくり、雇用を創出する戦略的な取り組みを進めているところです。

 また、現在、年度末を目途に策定を進めている「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」では、人口減少・少子高齢化を最大の課題に位置づけ、産業、地域、人材の活力を生み出し、三つの活力の好循環をつくり上げることにより、元気な山口県の実現を目指すこととしています。

 私は、新たな県づくりと「地方創生」の取り組みの方向性は軌を一にするものであり、チャレンジプランを強力に推進していくことが、本県発の「地方創生」につながることと考えています。

 このような観点に立ち、私は、先般、国に対し、企業や国の機関、大学の地方分散などを求める提言を行うとともに、本県の強みを生かした産業戦略の取り組みや持続可能な中山間地域づくりなど、チャレンジプランに掲げる本県独自の取り組みをしっかりと後押ししていただくよう具体的な提案を行ったところです。

 今後は、これから明らかとなる「地方創生」の先行的取り組みも含めた国の経済対策等の内容を踏まえ、その対策も積極的に活用しながら、チャレンジプランの早期事業化を図ってまいります。

 また、近く策定・公表される国の総合戦略等を踏まえ、チャレンジプランの内容の充実に努めた上で、県の総合戦略の策定に向け、「地方創生」をなし遂げていくためのさらなる施策の充実や成果目標などについて、検討を進めていきたいと考えています。

 私は、市町はもとより、県民の皆様と連携・協働しながら、総力を結集し、人口流出や少子化の流れを食いとめ、そして人口減少社会にあっても、元気な産業や活力ある地域の中で、県民誰もがはつらつと暮らすことのできる「活力みなぎる山口県」の実現、ひいては「地方創生」の実現に向け、全力で取り組んでまいります。

 次に、平成二十七年度当初予算編成方針についてのお尋ねにお答えします。

 明年度は、私の目指す「活力みなぎる山口県」の実現に向け、国の「地方創生」とも軌を一にした新たな県づくりの取り組みを本格的にスタートさせる年であり、当初予算の編成に当たりましては、これからの県政運営の指針として策定するチャレンジプランの具現化に最大限の努力を行っていく考えです。

 このため、プランに掲げ、重点的に取り組むこととしている産業の活性化や観光力の強化、子育てしやすい環境づくり等の実現に向け、特に優先的に実施すべき新たな取り組みを、チャレンジプラン特別推進施策とし、これらに対して予算を重点配分してまいります。

 具体的な事業の立案に当たっては、その効果を最大化していくためにも、県政推進の基本姿勢の一つに掲げている、市町、関係団体、企業、県民の力を結集するという視点を重視して臨むこととしています。

 そのためにも、県民の皆様の御意見等をしっかりとお聞きして、現場の実情やニーズを十分に把握することにより、実態に即した、早期に効果が発現できる事業の構築に取り組む考えです。

 一方で、将来世代に過大な負担を残すことなく、安定的に行政サービスを提供していくためには、財政の健全化も必要不可欠です。

 こうしたことから、私は、プランの中で持続可能な行財政基盤強化を「突破プロジェクト」の一つに位置づけ、揺るぎない財政構造の確立に向けた財政健全化の取り組みにつきましても着実に進めることとしています。

 とりわけ、最重要課題である県債残高の縮減に向け、公共事業等の財源として、県の判断で発行する一般分の県債については、その発行額を公債費以下とする、いわゆるプライマリーバランスの黒字を堅持し、残高の縮減を確実に達成するとともに、一層の財源確保対策等により、財政運営の弾力性の維持・向上につながる財政調整基金等の残高の確保にも努めてまいります。

 国の予算編成の動きや税制改正の行方など、地方財政を取り巻く状況は不透明かつ厳しい環境にありますが、私は、これらの動向や国の「地方創生」の取り組みに的確に対応しながら、活力みなぎる県づくりへの挑戦の基本方針のもと、プランの具現化に向けた取り組みの推進と財政健全化の両立を図りつつ、新たな県づくりに積極果敢に取り組んでまいります。

 次に、産業戦略の推進についてのお尋ねにお答えします。

 「活力みなぎる山口県」を実現するためには、地域の活力源である強い産業をつくることが極めて重要です。

 こうした考えのもと、私は、四月以降、産業戦略本部長として、産業界と一体となって産業戦略を強力に推進しており、国際バルク戦略港湾の計画的な整備を初め、全国トップレベルの県独自補助金による医療や環境分野の研究開発等への支援、全国初となる六次産業化と農商工連携の総合的な支援体制の整備が進むなど、一定の成果が得られつつあります。

 折しも、国では「地方創生」の取り組みが本格化しつつあり、本県においても、人口減少を食いとめ、地域に活力を創出することは待ったなしの課題であり、産業面からも積極果敢に取り組む必要があります。

 このため、「やまぐち産業戦略推進計画」については、七月の第一次改定後も、中堅・中小企業や瀬戸内関連企業による分野別会合で、企業のニーズや御意見をお聞きしたところであり、これらを踏まえ、来年三月に予定している第二次改定では、特に仕事の創出や人の還流促進等を主眼に、充実強化を図っていく考えです。

 具体的には、瀬戸内コンビナートの競争力強化や次世代産業の育成・集積、県内企業の成長支援等を通じて雇用の創出を図るため、例えばコンビナート企業間の連携促進や産業クラスターの形成加速化、戦略的な企業誘致の推進、さらには県産品等を国内外へ売り込む仕組みづくり等について検討したいと考えています。

 また、産業を支える人材の還流に向けては、県外進学者等に対するUターン就職対策の強化や、研究開発等を担う人材の県内外からの確保対策等を検討してまいります。

 こうした充実強化とあわせ、「やまぐち産業戦略推進計画」は来年度から計画の後半期に入ることから、これまでにも増して目標達成に向け、着実に推進していく必要があります。

 このため、必要な予算確保を図りながら、全庁挙げてプロジェクトの早期具現化に努めることとし、十一月の政府要望においても、産業インフラの整備や水素利活用による産業振興と地域づくりへの支援など、やまぐち産業戦略の推進について要望・提案を行ったところです。

 また、計画の進行管理についても、今後、個別指標を追加するなど、より的確に実施することとしており、その一環として、四半期ごとの進捗状況を今月一日に公表したところです。

 今後とも、産業戦略本部を中心に、産業界や市町との連携のもと、計画のさらなる充実と着実な具現化を図ることにより、本県産業力の再生・強化を確かなものとしてまいります。

 次に、子育て支援・少子化対策についてのお尋ねにお答えします。

 急速な少子化の進行は、地域活力の低下はもとより、社会保障制度の持続等にも大きく影響を及ぼすことから、子育て支援・少子化対策を強化することが極めて重要です。

 このため、私は、現在策定中のチャレンジプランに、家庭や学校、職場、地域など、社会全体で子供や子育て家庭を支える子育てしやすい環境づくりを「突破プロジェクト」の一つに掲げ、子育て支援・少子化対策に積極的に取り組むこととしています。

 本年度においては、子育て県民運動を強力に展開するため、全県的な組織として「やまぐち子育て連盟」を設立し、「結婚・子育て応援デスク」の設置、子育てサークル表彰やイクメン応援企業宣言制度の創設など、連盟を中心に、地域や企業、関係団体等と連携して取り組みを進めてきたところです。

 今後も、多様なニーズに対応する子育て支援を推進するとともに、保健医療サービスを充実するなど、安心して子供を産み育てられる環境づくりに取り組むこととしています。

 とりわけ、歯どめのかからない少子化という危機を突破するためには、お示しのように、県民意識調査において、理想とする子供の数と実際の子供の数が乖離をしており、その理由は経済的負担が最も多かったことから、私としては、多くの子供を産みたいと願う若い世代の希望がかなうよう、これまで実施してきた少子化対策から大きく踏み込んで、多子世帯へのさらなる支援を行う必要があると考えています。

 このため、これまで三歳未満を対象に実施してきた第三子以降の保育料等の軽減措置について、対象年齢の大幅な拡大を図りたいと考えています。

 さらに、こうした取り組みの輪を広げ、社会全体で多子世帯を支援する仕組みづくりに向け、子育て連盟として、三人目以降の子供が生まれた世帯をお祝いする制度を創設するとともに、私は連盟のキャプテンとして、構成団体や企業に対し、みずからの従業員の出産に対する支援や、企業特性に応じた多子世帯を優遇するサービスの充実などを要請していきたいと考えています。

 私は、県議会の人口減少・地域活力維持対策特別委員会の審議内容も踏まえ、市町や企業、関係団体と連携しながら、若い世代が希望をかなえ、安心して結婚し、妊娠、出産、子育てをすることができるよう、私みずからが先頭に立って、みんなで子育て応援山口県の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

 次に、農林水産業の振興についてのお尋ねのうち、まず担い手支援についてお答えします。

 「活力みなぎる山口県」を実現するためには、地域の重要な産業である農林水産業の振興が不可欠ですが、担い手が大きく減少し、全国に比較して大幅に高齢化が進んでいることから、次代を担う新規就業者の確保・育成が急務と考えています。

 県は、これまで、全国に先駆けた給付金支給を初めとした担い手支援策を講じ、昨年度は百六十九名が新たに本県の農林水産業に就業するなど、一定の成果が得られています。

 しかしながら、一方では、技術を習得する前に離職するケースも多いことから、就業後の定着対策が特に重要と考え、チャレンジプランに担い手支援日本一を掲げ、重点施策として取り組むこととしたところです。

 具体的には、技術を習得するまで支援を継続してほしい、住居を確保してほしいなど、県内各地でお聞きした御意見を踏まえ、就業後の定着を促進する給付金制度の充実、法人等の受け入れ体制の充実、さらに実用技術習得のための技術指導体制の強化を三つの柱とする支援策として構築したいと考えています。

 このうち、給付金制度の充実については、先般、「地方創生」に向けた取り組みとして、国にも政策提案したところですが、就業後経営安定までの経済的な助成や受け入れ法人における研修支援など、就業後の定着に視点を当てた本県独自の制度創設を検討してまいります。

 また、受け入れ体制の充実については、住宅確保や受け皿となる法人等の生産施設の整備を支援することとし、さらに技術指導体制の強化については、生産現場での実践研修の充実に加え、特に農業大学校を中心とした技術指導体制を強化するなど、新規就業者が確実に定着できる支援策を検討したいと考えています。

 私は、市町や関係団体と連携しながら、募集から就業・定着まで一貫した日本一の担い手支援により、地域全体の活性化につながる農林水産業の担い手の確保・定着に全力で取り組んでまいります。

 次に、やまぐち森林づくり県民税についてのお尋ねにお答えします。

 森林づくり県民税については、これまで幅広く御意見をお聞きしてきた結果、学識経験者や公募委員などで構成されるやまぐち森林づくり推進協議会からは継続すべきものとの提言があり、また、アンケート調査では九割近い県民の方が継続に理解を示されたことから、制度の継続に対する県民の皆様のコンセンサスは得られているものと受けとめています。

 私としても、森林の持つ多面的機能を持続的に発揮させるため、次年度以降も森林づくり県民税を継続することが必要と考えています。

 継続に当たっては、これまでの成果や県民の皆様の御意見を踏まえ、荒廃森林や繁茂竹林の整備を継続・重点化するとともに、新たに中山間地域の振興に向けた里山の整備や、地域課題にも柔軟に対応できる市町補助事業の創設も検討したいと考えています。

 私は、県民の皆様を初め市町や関係団体と連携しながら、引き続き健全で豊かなやまぐちの森林づくりを進めてまいります。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 教育行政についてのお尋ねにお答えいたします。

 グローバル化や情報化の進展など社会が急速に変化する中、国においては、改正教育基本法の理念を踏まえた教育立国の実現に向け、「教育再生」の動きが本格化しております。

 県教委におきましても、これまで、今年度末までを期間とした県立高校将来構想に基づき、再編整備による特色ある学校づくりを進め、進路希望に応じた選択幅の広い教育の展開や、学校行事、部活動等の教育活動の活性化などに努めてきたところであり、今後とも高校教育のさらなる質的充実を図るため、第二期県立高校将来構想を策定することとし、有識者等を含めた検討協議会を設置して、今後十年間の本県高校改革の推進等について検討を進めているところであります。

 こうした中、引き続き、社会の変化や生徒のニーズの多様化、少子化の進行による学校の小規模化等が進み、学習の選択幅の拡大や学校の活力維持などの課題も生じておりますことから、第二期構想の策定に当たりましては、特色ある学校づくりと学校・学科の再編整備を柱とし、中長期的な視点に立って、高校教育の質の確保・向上を図ることが重要であると考えております。

 このため、まず、「活力みなぎる山口県」の創造を担う、次代を拓くたくましい人材を育成するという考え方に立って、生徒の進路希望や学習動機に応じた多様な学習機会を提供する特色ある学校づくりを推進するとともに、分散型都市構造にある本県の特徴も考慮し、大学等への進学に重点を置く学校や、高度な専門性を持った産業人材の育成に重点を置く学校など、拠点的な役割を持つ学校をバランスよく配置することなどについて検討しているところであります。

 また、社会総がかりによる地域教育力日本一の実現を目指し、地域社会と一体となって地域の活性化を担う人材を育成するという視点に立ち、地域と協働した取り組みの強化など、地域社会の教育力を活用した地域ぐるみの教育活動の充実についても検討を進め、生徒や保護者、地域の期待に応える山口県らしい教育を推進していきたいと考えております。

 さらに、選択幅の広い教育や活力ある教育活動の展開、生徒同士が切磋琢磨する環境づくりの充実を図るという視点に立って、望ましい学校規模を引き続き一学年四から八学級とし、その確保を目指した再編整備を進め、高校教育の質をより高めるための特色づくりに取り組むことなどについて、協議会の意見も踏まえ、検討を進めているところであります。

 県教委といたしましては、こうした方向性に沿って第二期県立高校将来構想を策定し、この構想に基づき、より質の高い高校教育が提供できる教育環境や教育条件の整備・充実を図りながら、全県的な視野に立って、高校改革を計画的かつ着実に推進し、本県教育目標である「未来を拓く たくましい「やまぐちっ子」の育成」の実現に全力で取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 岡村精二君。

    〔岡村精二君登壇〕(拍手)



◆(岡村精二君) おはようございます。自由民主党新生会の岡村精二です。会派を代表いたしまして、質問をさせていただきます。

 先日、宇部市の原ふれあいセンターで、「日本の近代化は、宇部市厚南区原地区から始まった」という興味深い演題の講演を聞きました。

 講師は、宇部フロンティア大学の教授で、歴史学者の内田鉄平先生。

 宇部市を流れる厚東川河口部分は遠浅で、江戸時代から数回にわたり干拓が行われ、その干拓地の沖合、先端部分に原地区があります。

 川上に位置する干拓地が、稲作を目的に干拓されたのに対し、川下にある原地区だけは目的が異なり、海底にある石炭を容易に発掘するため行われた、当時では画期的な干拓だそうです。

 ところが、一八六一年に完成したその干拓地から掘り出された石炭は、質が悪く、その評価も低かったことから、当時は塩田や家庭用の燃料程度にしか使われていませんでした。

 しかし、明治維新を境に、質が悪くても長時間かけてゆっくりと燃える原地区の石炭が、蒸気船や蒸気機関車のボイラーをたく燃料として最適だと脚光を浴び、全国に向けて販売されるようになり、日本の近代化に大きく貢献したということです。

 江戸時代から明治時代のふるさと原に思いをはせた聴講者の皆さんの目は、きらきらと輝いていました。

 郷土の歴史を知ることは、郷土に誇りを持つことに通じると改めて感じ、ぜひこの史実を子供たちに伝え、地域に大きな誇りを持ってほしいと思いました。

 昨日、衆議院議員選挙で、自由民主党は大きな勝利をおさめました。

 安倍総理が第一次内閣に掲げられた「美しい国、日本」では、日本人としての誇りと自信を持つことの大切さ、そして郷土を愛することの大切さを強く述べられています。

 未来の日本を担う子供たちに対して、その心を育てるなど、さまざまな政策の実現に大きな期待をいたしまして、通告に従い質問をさせていただきます。

 まず初めに、高齢者が活躍できる地域社会づくりについてお尋ねをいたします。

 先日、田布施町にお住まいの世界最高齢の現役スイマー 長岡三重子さんにお会いしました。

 五十三歳のとき、御主人を亡くされ、卸問屋を継いで九十四歳までのれんを守ってこられたのですが、八十歳のときに膝を痛め、リハビリとしてプールでの歩行訓練を行い、これが水泳を始めるきっかけとなりました。

 背泳ぎが得意で、九十歳のとき、世界マスターズ水泳大会で三つの銀メダルを獲得、九十五歳で世界新記録を二十九個達成され、百歳になったことし六月には、広島の大会で千五百メートルを七十四分で完泳されました。

 先日、宇部市内で開催された講演会では、「何歳になっても、一生懸命が元気はつらつのもと」「生きる喜びを感じるために目標を立てることが大切」、そして座右の銘は「なせば成る」だと話されました。

 七十五歳の息子さんと壇上に上がられ、長岡さんのすばらしい笑顔と会話で、会場は感動的な雰囲気に包まれ、退場されるときには全員が総立ちで拍手を送り、多くの方々から握手を求められていました。

 参加者には高齢者の方々も多く、「私は生きる大きな力をいただいた」「私にも目標ができた」などと意欲的な言葉を述べられていました。

 私は講演をお聞きし、今後、誰もが生涯を通じ意欲的に生きることこそ、高齢社会を支える道であると感じました。

 来年は、ねんりんピックが本県で開催されます。長岡さんのように、多くの高齢者が活躍され、社会参加や生きがいづくりに寄与する大会となるよう期待をしています。

 高齢者が生きがいを持って社会参加することは、健康維持や介護予防に期待が持て、社会保障費の抑制にもつながります。そのためには、人生百年時代を見据え、高齢者が培った能力や経験を生かし、活躍し続けられる社会環境を整えることが必要です。

 とりわけ、六十五歳を迎えた団塊の世代が、労働市場から引退過程に入り、地域に活動の場を移しつつある中、これらの人が活躍できる環境の整備は急がれます。

 また、高齢化に加え、少子化や核家族化が進む中、これからは子育て、高齢者に対する生活支援、介護などを社会全体で支えていく必要性が高まっています。

 そうした中、経験豊富な高齢者が、現役世代の補助的な役割を担い、社会の担い手として活躍してもらうことが求められています。

 退職後、地域への足がかりがなく、地域との結びつきが希薄なため、地域社会への参加をちゅうちょする方もいます。高齢者が社会の中で存在理由を見出し、意識を変えていく社会的機運の醸成が必要と思われます。

 そこで、今後の高齢化社会において、高齢者の方が生き生きと活躍できる地域社会づくりに、どのように取り組まれるのか、お伺いいたします。

 次に、中山間地域の振興についてお尋ねをいたします。

 さきに示された未来開拓チャレンジプランの素案にある地域活力創造戦略では、お互いのきずなを大切にして、支え合う底力のある地域づくりが必要であるとされています。

 しかしながら、本県は、人口の減少や高齢化が全国的に比べて早いスピードで進んでいます。

 とりわけ、県土の七割を占める中山間地域においては、人口の減少や高齢化が著しく進行し、産業活動の低迷や深刻な担い手不足、耕作放棄地の増大、鳥獣被害、さらには地域のコミュニティー機能の低下などが懸念されています。

 そのため、県は昨年度、山口県中山間地域づくりビジョンを七年ぶりに改定され、総合的・体系的な中山間地域づくりを推進されています。

 今年度から知事を隊長に、県職員みずからが中山間地域に赴いて、地域の活性化に向けた取り組みを直接支援する県庁中山間応援隊を創設され、六月補正予算において措置された、地域の課題や特性を踏まえた施策についても、早速取り組みを開始されていると聞いています。

 しかしながら、中山間地域における少子高齢化の進行は、地域を支える担い手の減少などによる集落機能の低下のみならず、学校や医療施設を減少させるとともに、日常生活に不可欠な路線バスの減少や生活店舗の閉鎖等を進行させて、通院や買い物などにも支障を生じさせています。

 今後、中山間地域の活力を維持していくためには、地元の地域や市町が、これまで以上に中山間地域の振興について、自主的・主体的に取り組んでいくことが重要であることはもちろんですが、県においても、これまでの取り組みに加えて、地域の課題やニーズを十分に踏まえながら、集落機能の維持・活性化や生活基盤の整備などについて、さらに積極的に支援することが必要です。

 そこで、地域の活力をこれからも維持できる底力のある中山間地域にしていくために、どのように中山間地域の振興を進めていかれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、南海トラフ地震発生時における、情報伝達機能の強化についてお尋ねをいたします。

 四国の南側に位置する南海トラフは、大陸プレートの下に海洋プレートが沈み込んでいる大規模な地震発生帯で、これまで約百年から百五十年間隔で大地震を引き起こしてきました。

 昭和二十一年の南海地震から約七十年が経過し、次の大地震発生の可能性が高まっています。

 文部科学省の地震調査研究推進本部によれば、マグニチュード八から九クラスの地震が、今後三十年以内に発生する確率は七○%とされています。

 南海トラフ地震が発生した場合、山口県の被害想定では、最大で死者が六百十四人、このうち九五%の五百八十二人は津波による死者で、建物の倒壊等による死者は三十二人程度と予測されています。

 しかしこれは、巨大地震が発生したら六百人以上の人が死ななければならないという意味ではありません。私は、山口県においては、死者をゼロにすることが可能であると考えています。

 まず、南海トラフ地震の震源域から、少なくとも二百キロの距離があります。

 一方、地震波のうち大きな揺れをもたらすS波が地中を伝わる速度は、秒速三から三・五キロとされており、地震発生から本県に到達するまで、約七十秒から八十秒の時間がかかります。

 また、阪神・淡路大震災の後、観測網が強化されたことにより、地震を感知してから気象庁が緊急地震速報を発表するまで、わずか五秒から十秒となっています。

 つまり、速報発表から、実際に大きな揺れが生じるまで、約一分の猶予があり、その間に適切な避難行動をとれば、被害を最小限にとどめることが可能だということです。

 さらに、津波に至っては、山口県に到達するまで約二時間ありますから、死者をゼロにすることが十分可能です。

 そのためには、一人一人が適切な避難行動をとれるよう防災教育の充実等を図るとともに、いかに情報伝達を確実に行うかということが、大きな生命線となります。

 そこで、県は南海トラフ地震等の発生における情報伝達機能の強化にどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。

 次に、土木建築行政について二点、まず、公共工事における受注者の事務手続等の簡素化についてお尋ねをいたします。

 建設産業は、長年にわたる公共事業の減少に伴う受注競争の激化等で、収益性が低下し、倒産・廃業に至るケースが相次いでいます。このままでは、建設産業が担ってきた社会資本の整備・維持、そして災害時の安心・安全確保が困難となるだけでなく、県内の景気・雇用にも深刻な影響を与えることが懸念されます。

 そうした中、本年六月、公共工事の品質確保の促進に関する法律が改正され、その基本理念に、将来にわたる公共工事の品質確保や中長期的な担い手確保、ダンピング防止等が追加されたことで、今後の建設産業界における、企業経営の改善に期待が寄せられています。

 そして、この法改正を実効性あるものにするためには――最大の課題は、地方自治体における発注者責務の徹底と言われています。

 具体的には、公共事業予算の安定的な確保、発注の平準化による受注機会の拡大、入札制度改正等の持続可能な建設産業育成施策の推進が考えられますが、中でも喫緊かつ重要な課題が、入札契約段階や工事施工・完成段階において、受注者が行う事務手続の簡素化です。

 本県では、手抜き工事の発覚などもあって、工事を受注した際の提出書類の種類や数量が年々増加しています。このままでは本来の目的である公共工事の品質や、性能の管理に影響を及ぼしかねない状況に至っており、県内の関係団体からも、改善に向けた強い要望が上がっています。

 契約、工事完了後等の各段階で提出する書類や写真は、必要最小限に簡素化し、事業者負担の軽減を図り、企業経営の改善につなげることはもちろん、あわせて発注者自身による現場での施工管理体制の強化をするなど、発注者・受注者双方が努力し、取り組むことが必要であると考えます。

 そこで、こうした状況を踏まえ、今後、公共工事における受注者の事務的手続等の簡素化について、県としてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、土砂災害特別警戒区域の指定についてお尋ねいたします。

 本年八月、県東部や広島市で発生した大規模な土砂災害を踏まえ、県では、平成二十八年度までに県内全市町での土砂災害特別警戒区域の指定完了を目指し、現在、基礎調査等を鋭意に進めておられます。

 特別警戒区域は、土砂災害のおそれのある警戒区域の中で、建物に損壊が生じ、住民に著しい危害を生じるおそれがある区域を指定するものです。危険度の高さが住民に周知され、適切な対策や対応を講じられることが期待されているため、大規模災害から生命や身体を守るための効果的な対策と言えます。

 しかしながら、一方で、この特別警戒区域は、より危険度が高い区域であるがゆえに、当然ですが、特定の開発行為に対する許可制や建物の構造規制など、建物の――建築する上での制約が生じ、新規住宅等の立地抑制効果が強い地域となっています。

 特別警戒区域に指定されると、既存の建物を建てかえるときには、構造を頑丈にするための追加費用が必要となります。また、当該地域の危険性から土地の評価が下がり、売却が困難になるなど、住宅等の新規立地抑制効果で人がふえにくくなるだけでなく、地域住民の皆さんが生活していく上でも、支障になるおそれがあります。

 こうしたことから、私は、特に人口減少、高齢化が進む中山間地域では、特別警戒区域の指定によって過疎化が助長され、地域そのものの存続さえ危ぶまれるのではないかと強い懸念を持っています。

 県内全市町で既に警戒区域の指定を完了され、さらに特別警戒区域の指定に積極に取り組まれる県の迅速な対応は高く評価いたしますが、指定によって、特に中山間地域において人口流出等が進むことのないよう、適切な対策を講じることも必要と考えます。

 そこで、特別警戒区域の指定が中山間地域に与える影響についての認識と、その対応について御所見をお伺いいたします。

 次に、教育問題について二点、まず、教員の資質と能力の向上についてお尋ねをいたします。

 今後、十年間で教員の約四割以上が退職するという、未曽有の大量退職期を迎えています。

 このことは、学校現場に多くの若手教員を迎えることを意味しますが、現場の若返りは、学校に活気を与える一方、学級運営や教科指導が未熟な教員を多く抱えることとなり、その育成が重要な課題になります。

 これは県内の事例ではありませんが、知人の若手教員の事案を紹介します。

 いつの時代にも、またどの学校にも、問題が多い学生や学級というものが存在します。

 子供たちとの新生活に胸を膨らませていた私の知人は、赴任早々、いきなり難しい学級運営が求められるクラスを任されました。やる気に満ちていればいるほど、また、責任感が強ければ強いほど、挫折したときの心の傷は大きいものですが、その学級運営に求められる指導力は、彼の経験やスキルを超えるものであり、結局のところ、責任の重さに耐えられなくなり、休職することとなりました。

 経験の浅い若手教員に、なぜ、そのようなクラスを任せたのか、学校の組織的なサポートはなかったのか、私は、その学校運営に大きな疑問を感じました。

 いじめの問題を初め、学級崩壊やモンスターペアレントなど、学校現場を襲う問題はさまざまですが、若手に限らず、経験のある教員であっても、難題を一人で解決するには限界があり、基本的な対応を誤れば、子供たちの学校生活に大きな影響を及ぼすことにつながります。

 複雑・多様化する問題への対応は、それが難しい問題であればあるほど、教員一人一人でなく、学校全体の問題として組織的に対応することが必要です。

 さて、毎年の全国学力・学習状況調査において、秋田県が全国のトップレベルにあることは、皆さんも御存じのことと思いますが、その秋田県では、精神疾患で休職する教員の割合が全国の中でも低いということは、余り知られていません。

 学校に協力的な県民性も一つの要因ですが、秋田県では、学校現場で起きるさまざまな問題を、学校全体が組織として受けとめる体制が整っているとのことです。

 このことが、精神疾患による休職率の低さの大きな要因となり、ひいては、学力日本一を目指す教員の指導力にもつながっているのではないかと思います。

 教育は人なりと申します。よい教育のためには、すぐれた教員が不可欠です。

 そこで、ベテラン教員の大量退職期を迎える今、教員の資質と能力の向上に向けては、若手教員の育成を重要な教育課題として認識するべきと考えますが、県教委は、今後どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。

 次に、発達障害への対応についてお尋ねいたします。

 平成十九年四月の学校教育法の一部改正により、障害のある子供一人一人の教育的ニーズに応じて、適切な支援を行う特別支援教育が始まりました。

 特に、発達障害のある子供への指導・支援は、喫緊の課題として捉え、学習障害や注意欠陥多動性障害、いわゆるLDやADHDのある児童生徒を通級による指導の対象とするなど、具体的な教育環境の整備が行われました。

 こうした対応の必要性は、数字の上でもあらわれており、平成二十四年に文部科学省が行った調査では、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある児童生徒の割合が六・五%であり、計算上一クラスに二人程度であることが明らかになり、学習面や行動面で著しい困難を示す児童生徒へのさらなる支援が必要であることが報告されました。

 この六・五%という数字をどう捉えるかはさまざまな議論がありますが、学校現場が、拙速に発達障害という判断をすることは、子供にとっても、また保護者にとっても極めて大きな影響を及ぼすものであり、最終的には医師による診断が行われるにしても、学校での判断は極めて慎重に行わなければならないと考えています。

 さて、私が主催するヨットやキャンプなどを通じた体験スクールには、発達障害のある子供たちも参加していますが、学校生活とは環境が異なるためか、特段の問題も起こすこともなく、他の子供たちとともに活動を楽しんでいます。

 もちろん、発達障害への支援を否定するものではありませんし、学校現場において、発達障害への理解を深める努力はまだまだ必要です。

 しかしながら、子供たちの一時的な行動や言動から、安易に特定の障害に当てはめようとすることは、本人や保護者を不安に陥らせるだけでなく、周囲の誤解を招くことや、子供の将来に大きな影響を与えることにもつながりかねません。子供たちの将来を見据え、何が真に必要な支援なのか、熟慮の上、適切な判断がなされるべきだと考えています。

 そこで、県教委は、学校現場における発達障害への対応にどのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。

 最後に、犯罪抑止対策の推進についてお尋ねをいたします。

 県警察では、犯罪抑止対策の推進を活動重点の第一に挙げて、犯罪や事故のない安全で安心なまちづくりの実現に向けて、この一年間、犯罪の抑止と検挙の両面から活動を行ってこられ、ことしも残すところ約二週間となりました。

 ことしを振り返ってみると、岩国市や山口市で殺人事件が発生いたしましたが、いずれも早期に解決され、また、犯罪抑止の面では、被害に遭いやすい子供、女性、高齢者に対する見守り活動や、防犯講習会などを推進され、県民の期待と信頼に応えてこられました。

 さらに、県民の防犯意識の向上を図る広報活動や住民のきずなを強化し、自主防犯活動を活性化するための防犯ボランティア団体への支援など、積極に推進されています。その結果、刑法犯の認知件数は、平成十五年以降十二年連続減少し、戦後最少の記録を更新中で、本年も十一月末現在、八千十六件で、前年同期に比べて千五百十二件減少しているとのことです。

 もちろん、この数字だけで現在の治安情勢を語れるとは思いませんが、犯罪のない安全なまちに一歩ずつ近づいていると思います。犯罪のないまちは全ての県民の願いです。

 県民としてみれば、発生した犯罪を次々に検挙していただくことは大変心強く、安心感を醸成するものです。

 今後、村岡知事が目指される未来開拓チャレンジプランにも、子供、女性、高齢者を犯罪から守る対策が重点施策として盛り込まれています。

 県警としても、この要望をしっかりと応えていただきたいと思います。

 近年、刑法犯の認知件数は減少傾向にあるものの、子供や女性、高齢者を対象とする犯罪が、依然として発生している状況を踏まえると、真の治安改善はいまだ道半ばであると思います。

 特に、かつて良好な治安を支えてきた高い規範意識や強いきずなが希薄化する中、今後、再び治安の悪化を招くのではないかと危惧をしております。

 そこで、子供や女性、高齢者などの弱い立場にある方々を狙った犯罪は絶対に許してはなりません。全ての県民が安心して暮らせる社会の実現に向け、どのように取り組まれるのかお伺いをいたしまして、代表質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 岡村議員の代表質問にお答えします。

 まず、高齢者が活躍できる地域社会づくりについてのお尋ねです。

 全国に比べ約十年早く高齢化が進む本県にとって、高齢者が、その豊富な知識や経験、技能等を生かし、生涯を通じて積極的に社会参加を進めていくことが重要です。

 このため、私は、現在策定中のチャレンジプランに、高齢者が活躍できる地域社会の実現を重点施策に掲げ、スポーツ・文化活動などの社会参加の促進と社会貢献活動を支援するための仕組みづくりなどに取り組むこととしています。

 まず、社会参加の促進については、来年開催する「ねんりんピックおいでませ!山口二○一五」が、高齢者にとって生きがいを持って社会参加する大切さを再認識する機会となるよう、成功に向けて全力で取り組んでまいります。

 また、この大会を通じて、スポーツ・文化活動への参加者の裾野の拡大、なじみの薄いスポーツや伝統文化の認知度の向上も図られることから、県内高齢者のスポーツ・文化の祭典である県健康福祉祭において、参加人数や種目の拡大、伝統文化発表の場の新設など、その充実を図ってまいります。

 さらに、こうした輪を広げるためには、共通の目的を持つ仲間づくりが必要なことから、その拠点となる住民が主体となった、ふれあい・いきいきサロンを拡充してまいります。

 次に、社会貢献活動については、シルバー人材センターにおける育児支援や、高齢者が児童に対し昔遊びや伝統行事を教える世代間交流の取り組みを充実するとともに、お示しのように、今後、介護が必要な高齢者の生活支援サービスのニーズが増大することから、元気な高齢者が担い手となって、それを支える取り組みを進めていくこととしています。

 こうした福祉・教育分野の取り組みに加え、退職された高齢者等が、幅広い分野の社会貢献活動に積極的に参加できるよう、NPO等のボランティア募集情報を、活動を希望する高齢者に提供し、円滑に参加できる新たな仕組みづくりを検討してまいります。

 私は、こうした取り組みを通じ、市町や関係団体と一体となって、高齢者が活躍できる地域社会の実現に向けて、積極的に取り組んでまいります。

 次に、中山間地域の振興についてのお尋ねにお答えします。

 県土の七割を占める中山間地域は、人口減少や高齢化が急速に進む中、集落機能の維持や通院、買い物等に支障を来す地域もあるなど、大変厳しい状況に直面しており、地域が抱えるさまざまな課題を克服し、活力ある地域づくりを進めることは、極めて重要です。

 このため、県では、中山間地域づくりビジョンに基づき、市町と一体となって、既存の集落の枠を超えた広域的な地域コミュニティー組織づくりを進め、地域住民による主体的な取り組みを支援するとともに、日常生活に不可欠な医療・福祉サービスや生活交通の確保などを図り、安心して生活できる環境づくりに取り組んでいるところです。

 今後、中山間地域を取り巻く環境は、さらなる人口減少や高齢化により、一層厳しさを増すことが懸念されます。そうした現実に立ち向かい、活力ある中山間地域をつくっていくため、私は、現在策定中のチャレンジプランにおいて、複数集落で構成する、やまぐち元気生活圏の形成を重点施策に掲げ、日常生活を支え合う仕組みと地域活性化に向けた基盤づくりを推進していくこととしています。

 この元気生活圏においては、医療や子育て、買い物など、暮らしを支えるさまざまなサービス機能の拠点化を図っていくとともに、デマンド型交通の充実等により、拠点と集落間を結ぶネットワークを強化し、圏域内の全集落が生活に必要なサービスを共有できる体制を築いていきたいと考えています。

 そのもとで、住民主体の地域づくりをさらに推進することにより、集落機能や必要な生活環境を将来にわたって維持・確保するとともに、各地域において、新たな活力をつくり出していきたいと考えており、県としては、その具体化を進めるため、地域の課題やニーズをしっかりと踏まえながら、市町や地域の意欲的な取り組みに対して一層の支援に努めてまいります。

 このような考え方のもと、私は、「活力みなぎる山口県」の実現に向け、国の「地方創生」の取り組みも積極的に活用して、地域の実情に即した施策の充実に努めながら、底力のある中山間地域づくりに全力で取り組んでまいります。

 次に、南海トラフ地震発生時における情報伝達機能の強化についてのお尋ねにお答えします。

 南海トラフ地震については、強い揺れと津波により、本県においても、大きな被害が想定されており、建築物等の耐震化や地域防災活動の促進など、ハード・ソフトの両面から、総合的な防災・減災対策を着実に推進していく必要があります。

 とりわけ、災害から命を守ることを基本として、住民一人一人が主体的に避難行動をとれるよう、防災情報を迅速かつ確実に住民に伝達することが重要です。

 このため、県において、市町や関係機関との間の防災行政無線の多重化や耐震化を行うとともに、各市町においても、緊急速報メール等の地域の実情に応じた個々の住民への伝達手段を確保するなど、県と市町が一体となった情報伝達体制を整備し、その充実に努めているところです。

 お示しの緊急地震速報等緊急性の高い情報については、全国瞬時警報システム、いわゆるJアラートを、既に県及び全市町で導入をしており、防災行政無線等を通じて、瞬時に住民へ伝達する体制を確保しています。

 今後は、住民へ、さらに迅速かつ確実に情報を伝達するため、放送事業者等と連携し、テレビ、ラジオ等多様なメディアを活用した一斉配信システムの導入に向けた検討を進めてまいります。

 加えて、伝達された防災情報をもとに、住民が具体的な避難行動をとれるよう、去る十一月五日の津波防災の日には、Jアラートを活用した、住民参加型の地震・津波防災訓練を、周防大島町において初めて実施したところであり、引き続き、市町と連携し、避難訓練の充実に努めてまいります。

 私は、県民の暮らしの安心・安全は、あらゆることの基本であると考えており、市町と緊密に連携しながら、情報伝達機能の強化を進めるなど、災害に強い県づくりに向け、着実に取り組んでまいります。

 次に、土木建築行政のうち、公共工事における受注者の事務手続等の簡素化についてのお尋ねにお答えします。

 建設産業は、近年の受注競争の激化などにより極めて厳しい環境下にあり、このままでは社会資本の整備やその維持管理に支障を来すことなどが懸念されることから、私は、「やまぐち産業戦略推進計画」や現在策定中のチャレンジプランに、将来的にも地域を支え得る足腰の強い建設産業の構築を掲げ、建設産業の再生・強化に取り組んでいるところです。

 こうした中、本年六月に将来にわたる公共工事の品質確保とその担い手の中長期的な確保等を基本理念として、公共工事の品質確保の促進に関する法律等が改正されたところであり、その基本理念を実現するための発注者責務が明確化されました。

 この基本理念は、現在県が取り組んでいる方向とまさに一致しているところであり、県としては、公共工事を担う建設業者が経営状況を改善し、健全に存続していけるよう、入札契約手続や現場における施工管理などの発注関係事務をより適切に実施してまいります。

 お尋ねの公共工事における受注者の事務手続等の簡素化については、近年の入札契約制度の多様化等に伴い、受注者の提出書類が複雑かつ増加する傾向があることから、今後、関係団体等の意見をお伺いしながら、発注者としての施工管理体制も含め、検討いたします。

 私は、こうした取り組みを通じ、建設産業を取り巻く状況の変化に的確に対応しながら、引き続き、県民生活や経済活動の基盤となる社会資本を整備する公共事業の適切な執行に取り組んでまいります。

 次に、土砂災害特別警戒区域の指定についてのお尋ねにお答えします。

 本県では、土砂災害への警戒避難体制の整備を図るため、土砂災害防止法に基づく警戒区域の指定を平成二十四年度に完了し、引き続き、平成二十八年度の特別警戒区域の指定完了に向け、残り全ての地域において、基礎調査を実施しているところです。

 この警戒区域・特別警戒区域の指定は、何よりも住民の生命・身体を守ることを優先するという観点から、その土地が持つ地形等の自然の危険性を明らかにし、住民の皆様に周知するために行うものです。

 お示しの人口流出等の懸念については、特別警戒区域に指定された場合においても、住宅の敷地や居室の使い方を工夫するなど、個々の事情に応じてさまざまな対応が可能であることから、区域の指定が必ずしも過疎化を助長するとは考えていませんが、私は、中山間地域の皆様の安心・安全を確保し、地域のコミュニティー維持を図るため、今後もハード・ソフト両面から土砂災害対策に取り組んでまいります。

 具体的には、ハード対策として、中山間地域においても、土砂災害が発生する危険性の高い箇所や避難施設が立地する箇所などについて、今後とも、計画的に砂防ダムや擁壁などの対策工事を進めてまいります。

 また、ソフト対策として、既に特別警戒区域外への住宅移転に対する支援を行っているところですが、同区域内での防災機能を高める住宅改築等に対する支援についても、先般、中国地方知事会として、国に要望したところです。

 私は、中山間地域において、県民の皆様が安心して暮らしていただけるよう、引き続き、それぞれの地域の実情に応じた土砂災害対策に適切に取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 教育に関する二点のお尋ねのうち、まず、教員の資質能力の向上についてお答えいたします。

 複雑化・多様化する教育課題や教員の大量退職に伴う新規採用者数の増加に対応するためには、学校の組織としての教育力や課題解決力を高めるとともに、若手教員の専門性や社会性、実践的な指導力など、教員として求められる資質能力の向上を図ることが重要であります。

 このため、県教委では、養成段階にある大学生に対して、今年度から、実践的指導力の育成を目指した教師力向上プログラム、いわゆる教師塾を実施し、授業づくりや学級経営に関する講義や学校現場での実習を行うなど、大学等と連携した新たな取り組みを始めたところであります。

 採用後は、初任者研修、二年目と三年目のフォローアップ研修、六年次研修等、やまぐち総合教育支援センターで行う切れ目のない体系的な研修により、若手教員の指導力の向上を図っており、研修の内容や方法につきましては、今後とも、新たな教育課題や学校現場のニーズを踏まえ、充実・改善を進めてまいります。

 所属校においては、学校全体で若手教員をサポートする体制を構築する必要があることから、採用後三年間で計画的・組織的に育てる、若手人材育成の強化・加速千日プランを立ち上げ、若手教員の悩みや課題に寄り添いながら、経験豊かな教員が学習指導や学級経営等の各分野できめ細かく指導するなど、学校の実態に応じた取り組みを行っております。

 また、教育課題にチームとして対応する学校の組織力の向上につきましては、管理職のリーダーシップのもと、全ての教員が学校の課題を共有し、目標の達成に向けて協働して取り組む学校評価や教職員評価の取り組みの充実を図るとともに、ベテランの教員が培ってきた知識や技能が若手の教員にしっかりと継承されるよう、日常の業務を通した教員同士の相互啓発を一層促進してまいります。

 県教委といたしましては、市町教育委員会と連携し、組織的な学校運営による学校の総合力の向上を図るとともに、今後も、養成・採用・研修の各段階の取り組みを一体的に進め、若手教員の資質能力のさらなる向上に取り組んでまいります。

 次に、発達障害への対応についてのお尋ねにお答えいたします。

 発達障害を含め障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けましては、主体的な活動を支援するという視点に立ち、一人一人の教育的ニーズを的確に把握し、適切な指導及び必要な支援を行うことが重要であると考えております。

 このため、県教委では、山口県特別支援教育ビジョン及びその実行計画に基づき、総合支援学校に設置した特別支援教育センターにおける、幼児期から学校卒業までの一貫した相談支援や、各学校での個別の教育支援計画等の作成、活用によるきめ細かな支援の充実を図っているところであります。

 こうした中、お示しの発達障害のある児童生徒には、読むこと、書くこと、集中することなどの特定の学習や行動に支援が必要であり、障害の特性に応じて対応できる教員の専門性と、相談支援を効果的に進めるための組織的な対応力の一層の向上が重要であると考えております。

 特に、通常の学級の担任には、発達障害についての正しい理解と、一人一人の行動特性に応じた適切な対応が求められておりますことから、県教委が作成した指導資料「通常の学級における特別支援教育の充実のために」を活用した校内研修の充実を図り、専門性の一層の向上に努めてまいります。

 また、全校体制による相談支援を効果的に進めるためには、各学校の特別支援教育推進のかなめとなる校内コーディネーターの役割が重要であることから、校内コーディネーター用のガイドブックを新たに作成し、その資質向上に取り組んでまいります。

 さらに、組織的な対応力の一層の向上のためには、管理職のリーダーシップが、特に重要になりますことから、校内の支援体制づくりや、特別支援教育の視点を取り入れた学校経営の推進に関する管理職研修会を、より一層充実してまいります。

 県教委といたしましては、発達障害のある児童生徒の将来を見据え、市町教委や福祉、医療等の関係機関と緊密に連携を図りながら、一人一人の教育的ニーズに応える指導・支援の一層の充実に取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 藤村警察本部長。

    〔警察本部長 藤村博之君登壇〕



◎警察本部長(藤村博之君) 県民が安心して暮らせる社会の実現に向けた取り組みについてお答えします。

 県内の治安情勢につきましては、議員お示しのとおり、数値から見た治安水準は改善傾向にありますが、ストーカー・DV事案や特殊詐欺が多発しているほか、児童等の行方不明や虐待事案も発生しており、こうした子供や女性、高齢者が被害に遭う事案を抑止することが、県民の安心感向上のためにも重要であると認識しています。

 このため、県警察では、自治体や地域住民、ボランティア等と連携しながら、県民の防犯意識を高めるための取り組みや、それぞれの地域の犯罪実態に応じたきめ細かな対策の推進など、犯罪の起きにくい社会づくりを進める中で、特に、子供・女性・高齢者を犯罪から守る対策の推進を、来年の県警察活動重点の第一に掲げ、最重点課題として取り組むこととしています。

 主な取り組みとしては、子供・女性に対する対策として、本年四月、警察本部に設置した、ストーカー・配偶者暴力対策本部の体制強化を図り、被害者の安全確保を最優先に、事案の危険性・切迫性を的確に判断し、積極的な検挙措置を講じるほか、児童等の行方不明事案では、初期段階から大量の捜査員を投入した捜索を行うなど、事態対処の基本を徹底してまいります。

 また、声かけ等のいわゆる前兆事案の段階において行為者を特定し、検挙または警告措置を講じる、先制・予防的活動を推進するとともに、地域住民へのタイムリーな情報提供や防犯ボランティアとの協働による見守り活動などにも、一層取り組んでまいります。

 一方、高齢者に対する対策としては、被害が急増している特殊詐欺の抑止に向け、これまで進めてきた、犯行に対する抵抗力の強化、水際対策の強化、犯行機会の遮断の三つの対策について、金融機関や宅配業者だけでなく、さまざまな業種・業界への協力を求め、県民総ぐるみで対策を進めていきたいと考えています。

 このほか、犯罪被害に遭われた方に対しては、その心情に配意した支援施策の充実に努めるなど、全ての県民が安心して暮らせる社会の実現に向け、各種対策に全力で取り組んでまいります。

 以上でございます。

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○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。

    午前十一時四十七分休憩

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    午後一時開議



○副議長(畑原基成君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

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△日程第一代表質問



△日程第二議案第一号から第二十七号まで



○副議長(畑原基成君) 日程第一、代表質問を行い、日程第二、議案第一号から第二十七号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。

 井上剛君。

    〔井上剛君登壇〕(拍手)



◆(井上剛君) 皆さん、こんにちは。お疲れさまです。民主連合の会の井上剛です。ことし最後の議会となりましたが、早速会派を代表しての質問をさせていただきます。

 まず初めに、来年度の予算編成についてお伺いいたします。

 九月三日、財務省から発表された平成二十七年度の一般会計概算要求額を見てみますと、今年度を二兆四千三百億円上回る百一兆六千八百億円であり、初めて百兆円を超えました。財務省の発表した国・地方を合わせた長期債務残高は、平成二十六年度末見込みで一千十兆円、対GDP比二○二%にも達し、初めて一千兆円を超える見込みであります。

 ことし六月に閣議決定された、経済財政運営と改革の基本方針二○一四などにより、平成二十七年度予算は、平成二十五年八月八日閣議決定された中期財政計画に沿って、平成二十六年度予算に続き、民需主導の経済成長と財政健全化目標の双方の達成を目指し、めり張りのついた予算とするとされました。そのため、施策の優先順位を洗い直し、無駄を徹底して排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化するとしています。その重点は、「デフレ脱却」と「経済再生」への道筋を確かなものとすることと、日本の未来像にかかわる制度・システムの改革、つまり人口急減・超高齢化の克服であります。

 人口急減・超高齢化の流れを変えることは容易ではなく、流れが変わっても効果があらわれるまで長期間を要します。そして、人口急減・超高齢化の流れを変えられない場合には、経済規模が収縮し、縮小スパイラルに陥るおそれがあり、そこに至っては、もはや回復は困難になるとし、二○二○年をめどにトレンドを変えるために抜本的な改革・変革を推進するとしています。そのために国では、九月三日に、まち・ひと・しごと創生本部を設置し、人口減少を食いとめるため、地方での仕事づくりを優先課題とし、一、自立性、二、将来性、三、地域性、四、直接性、五、結果重視の五原則に即した支援策を整備するとしました。

 こうした中、山口県でも新年度予算編成方針が発表され、現在その作業にかかられているところであります。編成方針として、さらなる選択と集中を徹底しながら、「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の具現化に向けた取り組みの推進及び費用対効果の視点に基づくコスト意識を徹底し、県づくりの推進と財政健全化の両立を掲げられました。そして、施策的経費を一般財源ベースで六月補正後の本年度予算と比べ、二○%削減を基準としました。

 そうした中の本県の財政事情は、平成二十六年度末で予測される一般会計の県債残高は一兆三千二十億円にも上り、財源調整用基金残高は百八億円しかありません。今後、義務的経費である社会保障関係費や公債費の増大が見込まれることから、例年にも増して相当の財源不足が生じることも想定せざるを得ないものです。そこで、二点お伺いいたします。

 一点目は、財政健全化の道筋についてです。

 県が発行を決定する一般分の県債では、プライマリーバランスに着目した財源改革により、残高を着実に減少させてきていますが、多くの負担を将来に残しています。我が会派では、以前から財政健全化の道筋を立てることの重要性を訴えてきましたが、九月議会において知事は、明年度の予算編成時に財政収支の見通しをお示しすると答弁されました。国よりも早いスピードで少子高齢化が進行している本県では、十年、二十年先を見たときに、財政健全化の道筋を立てておかないと大変なことになってきます。私は、財政健全化の目標を立てた中で、来年度の予算規模があるものだと考えます。子育て世代である村岡知事だからこそ、中長期財政健全化計画をつくり、将来の道筋を早期に県民に公表するおつもりはないかお伺いいたします。

 二点目は、特に課題と考えられる少子化危機への対応です。

 政府の有識者会議「選択する未来」でも、人口減少が招く深刻な問題を直視し、国民で共有し早期な対応が必要としています。私は、二○一二年十一月の代表質問や二○一三年六月の一般質問で、出生率の回復に成功したスウェーデンやフランスの事例や、静岡県にある長泉町の子育て支援策に上手に税金を使った事例を紹介し、結婚、妊娠、出産、育児の切れ目のない支援を訴えてきました。そして、こうした施策への財源確保として、やまぐち子育て応援県民税の創設を提案しました。山口県として、子育てを全県挙げて応援する風土づくりや、県のPRに寄与すると考えたからです。

 AIU現代子育て経済考によりますと、子供一人二十二歳までにかかる養育費・教育費は、全て公立校でも二千九百八十五万円、私立ですと三千七百三万円と算出されています。つまりそれだけの経済効果を生んでくれているのです。国でも、平成二十七年四月から子ども・子育て支援新制度の本格施行が予定されています。

 県においても来年度の政府要望において、「地方創生」の実行に向けた政策提言・提案を行い、知事は「東京から地方へ人を押し出す政策を求めたい」と言われました。今や、国の政策で全ての地域が元気になる時代は終わり、今後、「地方創生」も、地域でまさに競争だと認識しています。押し出されて来ていただくのではなく、進んで山口県に住みたくなる政策を打ち出さなければなりません。

 少子化の進む県として、子供が生まれることでの直接的な経済効果や、市町の活気回復といった間接的効果も踏まえ、やまぐち子育て応援県民税などの創設で独自の財源を確保した上で、県独自の子育て支援策を打つべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 次に、外国人観光客の誘致についてお伺いいたします。

 我が国では、観光立国の実現に向けて、平成二十四年三月に策定した観光立国推進基本計画の中で、平成二十八年までに訪日外国人旅行者数を年間千八百万人に、そして二○二○年の東京オリンピック・パラリンピック開催年には二千万人にする目標を掲げ、その実現に向けた政策を推進しており、今年度も既に一千百万人を超え、昨年に続き過去最高を更新中であります。

 一方、本県では、外国人延べ宿泊数を平成二十四年に約四万人であったものを、平成二十八年に八万人という目標を掲げ、効果的なプロモーションの展開や受け入れ体制の充実、テーマツーリズムの推進や国際観光資源の充実、クルーズ船の誘致推進などに取り組んでいるところであります。

 そこで、外国人観光客の誘致について二点お伺いいたします。

 一点目は、近隣県と連携した誘致についてです。

 平成二十五年の都道府県別外国人延べ宿泊者数を見ると、上位十都道府県のうち、ゴールデンルートが七都府県、残りが北海道と沖縄、そして福岡県であり、この上位十都道府県が占める割合は八○・七%にも上っています。

 ここで注目すべきは、東アジアや東南アジアからの旅行客を中心に近年大きな伸びを見せている隣県の福岡県であります。

 観光庁の調査によると、日本への入国者数のうち、福岡空港と博多港からの入国者数は、成田、関西に続いて全国第三位のゲートウエーであるとのことであります。さらに、平成二十五年に山口県を訪れた外国人観光客の五三%が福岡空港を利用して入国されています。また、訪問回数で見ましても、日本への訪問が二回目以上という方が六六%もいました。

 このことから、実際に海外現地を訪問し働きかけることも重要ですが、隣県の福岡県において外国人向けの情報発信に取り組んだり、大都市訪問の傾向が強い外国人観光客の嗜好も踏まえながら、山口県までの移動時間が短い福岡プラス山口県のルートをつくることが有効だと考えます。

 ついては、県では、福岡県などの隣県における外国人向けの情報発信や隣県も取り込んだルートづくりにどう取り組まれるのかお伺いいたします。

 二点目は、おもてなしについてです。

 アイゼンハワー大統領が設立した団体から、毎年二万人を超えるアメリカの学生を、ピープル・トゥ・ピープル学生大使として、世界各地に派遣する活動がありますが、この学生大使によるアンケート調査において、長崎県を訪れるプログラムが、全世界四十六プログラムの中で二年連続世界一の評価を獲得いたしました。

 主催者によりますと、学生を受け入れるホストファミリーだけでなく、行政、一般市民による、地域ぐるみのバックアップと銘打った取り組みが、学生大使に伝わったことが大きな成功の要因だとしています。このように旅行者の記憶に最も残るのは、現地の人の温かなおもてなしではないでしょうか。

 こうした中、県では、二○一九年ラグビーワールドカップや二○二○年東京オリンピック・パラリンピック参加国のキャンプ地誘致の検討チームを立ち上げられました。

 私は、昨年十一月の代表質問において、このことを提案してきただけにうれしく感じております。

 また、来年は世界スカウトジャンボリーもあり、世界百六十二の国と地域から約三万人がこの山口に来県されます。

 こうしたチャンスを的確に捉え、キャンプ地誘致や世界へ情報発信を着実に実現していくためには、来県されたお客様を県民総参加でおもてなしすることが大事であると考えます。

 県では、訪日旅行者の受け入れ体制の充実に取り組んでおられますが、外国人観光客に対するおもてなしの機運づくりに対しどう取り組んでいかれるのかお伺いいたします。

 次に、キャリア教育についてお伺いいたします。

 内閣府が発表いたしました平成二十六年度版子ども・若者白書によりますと、昨年の十五歳から三十四歳の若年無業者は約六十万人と、一昨年より約三万人減少しましたが、少子化の進んでいるために、当該人口に占める割合は長期的に見ると緩やかな上昇傾向にあり、平成二十五年は二・二%となりました。また、同年代における勤めがパートやアルバイト、もしくは希望する仕事の形態がそういったものである、いわゆるフリーターも百八十二万人にも及び、割合は六・八%にもなり、平成二十年を境に上昇傾向にあります。つまり一○%近くの若者が、正規雇用でない、または正規雇用を希望しない状況であり、生産年齢人口が減っていく中においては大きな問題です。

 そして、若年無業者のうち、就業を希望しているにもかかわらず、求職活動をしていない人、あるいは就業を希望しない人のそれぞれ約四○%の方が、「病気やけがのため」や「学校以外で進学や資格取得などの勉強をしている」といった明確な理由を持たない人であります。

 現在県教委においては、夢や目標を持ち、一人の社会人として自立できるよう、自分にふさわしい生き方を実現しようとする意欲や態度、能力を育成する狙いのもとでキャリア教育を推進しています。そしてそれは、小・中・高を通じた系統的・計画的なキャリア教育及び各学校において、家庭、地域、産業界などと連携を図りながら、組織的なキャリア教育を柱として推進されています。

 具体的には、児童生徒の夢や目標の実現に向けて、三つの視点、自分がしたいこと、自分ができること、社会が求めていることのバランスを図りながら、発達段階に応じて継続的な指導を行うとし、小学校では社会見学や地域に密着した体験活動、中学校では職場体験学習、高等学校ではインターンシップを普通科の生徒にまで広げてきています。

 そして、若者の離職者、フリーターなどの就職支援として、若者就職支援センターにおいて、キャリアカウンセリングを中心とした相談から情報提供・能力開発・職業紹介までのサービスをワンストップで実施しています。そこで、これらの活動に対し三点お尋ねいたします。

 一点目は、義務教育におけるキャリア教育についてです。

 キャリア教育については、教育基本法に「自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと」とうたわれています。私自身は、小学校の段階で一番有効なのは、工場などに社会見学に行くことよりも、親や日ごろお世話になっている地域の方々など、子供にとって一番身近な人の働いている職場に行くことだと考えています。自分たちの生活を支えてくれている人たちの働いている姿、職場を見ることは子供たちにとってはとても新鮮なものです。ふだん見ている姿と違った働く姿が、子供たちに一番、職業と生活との結びつきを教えてくれるのではないでしょうか。

 私は県として家族見学の日というのを決めて、全県でそういったことを支援する仕組みになればと考えています。県庁においては山口県庁こども参観デーを設け、子供の職場参観を実施されていますが、こういった活動を推進することが、身近な人の働く姿を間近で見る貴重な機会になると思います。何も大きな会社や地元を代表する企業に見学に行くことばかりがキャリア教育ではなく、特に義務教育段階においては、子供たちにとって身近な人々の働く姿を知ることが、最も効果的なキャリア教育になると考えますが、県教委の御所見をお伺いいたします。

 二点目は、高等学校などの生徒に対するキャリア教育についてです。

 高校生に対してはインターンシップにあわせ、講話やディスカッションを行うため、現役産業人の学校への派遣などを行っています。この産業人の派遣では、ものづくり人材育成として、マイスターの方もよく活用されています。

 私は、高校生にとっては、自分たちの年代に近い方である技能五輪に出られた方に体験談や、職業に対する意識、自分の成長を語ってもらい、その姿を見ていただくことが一番の刺激になると考えます。今は技能五輪選手などの若手技術・技能者の登録派遣制度はありませんが、高校生にとって身近な存在である若き技術者の活用も検討すべきと考えますが、県教委の御所見をお伺いいたします。

 三点目は、社会人に求められる能力の育成についてです。

 「無業社会 働くことができない若者たちの未来」を書かれた工藤啓氏は、本の中で、若者無業者の七五・五%が何らかの就業経験があり、職場環境になじめなかったことやコミュニケーションが苦手なことが原因である例が多いと書かれています。

 また、ソフトバンクヒューマンキャピタル株式会社が行った二○一一年度新社会人の意識調査によると、自分の弱みについては、一位が独創性、二位がコミュニケーション能力、三位が行動力という結果でした。

 独立行政法人労働政策研究・研修機構が行った、入職初期のキャリア形成と世代間コミュニケーションに関する調査によりますと、新入社員の問題として「指示されたことだけでなく、みずから考え、行動することができない」を挙げる企業が最多でした。そして、今後育成・確保することを重視する人材としては「みずから考え、行動することができる人材」を選んだ企業が七八%で一番多く、若手人材の採用においては「コミュニケーション能力が高いこと」を重視するという企業が最も多いという結果でした。

 このような現状を受けて、企業が必要としている人材を育てるための教育の取り組みとして、二○○六年から経済産業省が提唱しているのが社会人基礎力の育成です。社会人基礎力とは、社会人として活躍するために必要な能力を、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力という三つの能力と、それをつくる十二の能力要素だと定義しています。

 学校では、とかく産業界のニーズに応じた人材育成として、即戦力となり得る技能・技術の習得に力を入れがちです。社会の激しい変化に流されることなく、それぞれが直面するであろうさまざまな課題に対し、柔軟かつたくましく対応し、社会人として自立していくことができるようにする教育が求められています。県教委として、社会人に求められている能力を育成する、小・中・高を通じたキャリア教育をどのように実施しているのかお伺いいたします。

 次に、健康寿命延伸についてお伺いいたします。

 誰もが、幾つになっても健康で自立した生活を送りたいと願っています。現在、日本における平均寿命は延び続け、七月に厚生労働省の発表した二○一三年のデータでは、男性が初めて八十歳を超える八十・二一歳、女性が八十六・六一歳と過去最高を記録しました。そして、国立社会保障・人口問題研究所の予測では、今後十年間で、男性は一・○六年、女性は一・○七年さらに延びることが予測されています。

 一方で、平均寿命のうち、健康で自立した生活を送ることができる期間である健康寿命は、二○一三年で男性七十一・一九歳、女性七十四・二一歳と厚生労働省は推計しています。つまり、それは要介護や寝たきり状態など、自立した生活を送ることができない不健康期間が十年から十三年あるということです。さらにその延び方は、平均寿命の延び方と比較すると、約七○%にとどまっており、今後、平均寿命の延伸とともに、不健康な期間も延びることが予測されています。

 これは、個人の生活の質の低下と社会保障負担の増大を意味します。そこで国では、五月に成立した健康医療戦略推進法に基づき、日常的な介護なしで暮らせる健康寿命を二○二○年までに一歳以上延ばすなどの目標を掲げました。県でも十月二十三日に公表したやまぐち健康マップで、県内全十九市町の数値をまとめ発表し、よい市町の取り組みを参考にしてほしいとしています。

 健康寿命、介護予防を阻害する三大因子が、皆さんよく御存じのメタボリック症候群、通称メタボ、運動器の障害により要介護になるリスクの高い状態になるロコモティブシンドローム、通称ロコモ、そして認知症です。そこで、健康寿命延伸に対し三点お伺いいたします。

 一つ目は、特定健診・特定保健指導などを通じた生活習慣病予防、メタボ予防の推進についてです。

 四十歳から七十四歳までの公的医療保険加入者全員を対象とした特定健診・特定保健指導ですが、厚生労働省の発表した平成二十四年度のデータを見ますと、検診受診率が全国平均四六・二%に対し、我が山口県は三八・三%と全国でワースト四位であります。受診した方の中で、生活習慣病の発症リスクの高い方に対して特定保健指導を行いますが、その実施率では、全国平均一六・四%に対し二一・○%と十五位であります。

 国では、この受診率を二○二○年までに八○%にするという目標を立てられました。山口県の保険者別に特定健診の受診率を見てみますと、市町村国保者が約二三%から健康保険組合・共済などの約七○%と大きくばらついています。九月議会で公明党の小泉議員の質問に対し、県では、受診率向上に向け、広報などを通じた県民への普及活動や個別受診勧奨、がん検診との同時実施などを働きかけてきたが、依然として低い状況から、医療保険者に対する受診率向上のための研修や指導強化などさらなる方策を検討すると答弁されました。

 私は、受診率向上に対して一番大事なのは、未受診者に対して、なぜ受けないのかをしっかり聞くことだと考えます。他県においても、未受診理由をアンケート調査などで分析し、早朝や休日も実施するなどの利便性向上や、被扶養者に多い女性向けの検診項目を追加するなどのお得感向上対策を実施し効果を上げているところもあります。県として、受診率向上に向け、具体的にどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。

 二つ目は、適度な運動によるロコモ対策の推進についてです。

 本県の要支援・要介護認定者は、二○一四年六月で八万四千七百七人と、一年間で二千五百人増加いたしました。要支援・要介護者の要因の第一位は、関節疾患や骨折・転倒などの運動器障害です。つまり、ロコモは放っておくと要支援・要介護につながる全身病と言えます。県では、ロコモの認知度向上と県民みずからのセルフチェックや運動を促す予防対策の推進に取り組むとしています。みずから意識し、実践していただくことは大変すばらしいのですが、みずからの意思に頼ることは、禁煙やメタボ対策と同様でなかなか難しいというのも実態です。

 こうしたことを防ぐ目的に介護予防事業があります。四十歳を過ぎてからの運動習慣も大事ですが、体の機能が弱くなっている高齢者の方々を早く見つけ、弱ってる機能を回復させることが特に重要だと考えます。よく、高齢者の方の介護予防には教育と教養が大事だと言われています。教育とは「きょう、行くところがある」であり、教養とは「きょう、用事がある」です。お年寄りのひきこもりが社会問題化する中、高齢者の方をいかにして街に連れ出すかといった取り組みが注目を集めています。

 この取り組みで有名なのが、埼玉県和光市のアミューズメント・カジノや喫茶サロンです。まず施設に足を運んでもらおうと、本物のカジノの機材を使い、スタッフもカジノディーラーの格好をしてルーレットやトランプを楽しみます。本物のパチンコの機材も置いています。そうして足を運んでいただいた施設で、ボールを使ったトレーニングをしたり、体操をしたり、小物をつくったり、地元の野菜を使った料理教室を楽しんだりと、いろいろと体を動かすことをしているのです。さらに施設には、看護師や管理栄養士も待機しており、健康や栄養のバランスチェックの場としても機能しているのです。

 高齢化の進んでいる県として、ロコモティブシンドローム対策の効果的な対策にどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。

 三つ目は、認知症予防についてお尋ねします。

 厚生労働省の発表では、六十五歳以上の高齢者のうち、認知症の人は推計一五%で、二○一二年時点で約四百六十二万人にも上ると言われています。認知症になる可能性がある軽度認知障害の高齢者も約四百万人いると推計しており、六十五歳以上の四人に一人が認知症とその予備軍と言われています。

 認知症の多くは、脳の病気であるアルツハイマー型認知症と脳血管性認知症によるもので、約九○%をこの二大疾患で占めています。そして、最も多いとされているのがアルツハイマー型認知症で、約六○%を占めます。近年になって、アルツハイマー型認知症にかかわる環境的因子が次第に明らかになり、認知症になりにくい生活習慣として、食習慣・運動習慣・対人接触・知的行動習慣が提唱されています。

 先ほど紹介した和光市の事例は、ゲームに集中しながら、勝ったり負けたり笑ったりと感情を豊かに表現できますし、ゲームの点数の計算をするなどで軽度認知症改善のプログラムにもなっています。

 本県においても、周防大島町や宇部市において、地域型認知症予防プログラムのモデルとなったものがあります。県として、こうしたモデル事業の成果をどう捉え、どのように認知症予防を全県的に行っていかれるのかお尋ねいたします。

 以上で私の質問を終わりますが、最後に一言申し上げます。

 さて、ことしも八月の豪雨災害や御嶽山の噴火など、自然災害の多き一年でありました。そして、急な解散での衆議院議員総選挙もきのう終わりましたが、何となく慌ただしい年の瀬になったと思います。

 来年は、皆さん御存じのように、ひつじ年です。「ひつじ」に当てられています「未来」の「未」という漢字は、葉が鬱蒼と生い茂ったさまをあらわし、それから群れをなす動物の羊が当てられたと言われています。

 羊は、家族の安泰を示し、いつまでも平和で暮らすことを意味しています。来る二○一五年が世界にとっても、皆様方にとっても穏やかなる一年になりますことを心より念じ、私の会派を代表しての質問を終わらさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 井上議員の代表質問にお答えします。

 まず、来年度の予算編成についてのお尋ねのうち、財政健全化についてです。

 新たな県づくりを進める上では、本県の元気を創出する諸施策を積極的に展開することに加えて、将来世代に過大な負担を残すことのない、持続可能な財政構造を確立していくことが不可欠です。

 このため、私は、現在策定中のチャレンジプランに行財政基盤の強化を掲げ、財政健全化の取り組みを重点的に進めることとし、明年度の当初予算編成に当たっても、プランの具現化に向けた取り組みの推進と財政健全化の両立を図ることとしています。

 具体的には、まず、将来の公債費負担を軽減し、財政運営の自由度を高めるため、公共事業等の財源となる一般分の県債について、プランに沿った取り組みを着実に進めながら、新規発行の抑制に努めるなど、その残高の縮減に取り組んでまいります。

 また、未利用財産の売却や、既存事業の見直しによる経費節減など、歳入歳出両面にわたる財源確保対策に努め、年度間の財源調整や突発的な財政需要に対応可能な基金残高の確保等にも取り組む考えです。

 お尋ねの中長期の財政健全化計画の作成につきましては、今後検討していく必要があるものと考えますが、まずは、これからの県政運営の指針となるチャレンジプランを策定するとともに、これを適切に進行管理していく上で前提となる財政収支の見通しを、当初予算編成に合わせてお示しすることとしています。

 今後の経済情勢や国の各種政策、税制改正等が県財政に影響を及ぼすことも懸念される厳しい環境にありますが、こうした中にあっても、私は「活力みなぎる山口県」の実現を目指し、これを支える財政基盤の構築に向けて、財政健全化の取り組みを着実に進めてまいります。

 次に、少子化危機への対応についてのお尋ねにお答えします。

 急速な少子化の進行は、地域活力の低下や社会保障制度の持続等にも大きく影響を及ぼすことから、県では、これまで子育て文化創造条例に基づき、社会全体で子供や子育て家庭を支援する取り組みを推進してきたところですが、依然として少子化に歯どめがかからない厳しい状況となっています。

 このため、私は、現在策定中のチャレンジプランの「突破プロジェクト」に、子育てしやすい環境づくりを掲げ、子育て支援・少子化対策に積極的に取り組むこととしています。

 本年度においては、子育て県民運動を強化するため、新たに全県的組織として設立した「やまぐち子育て連盟」を中心に、「結婚・子育て応援デスク」の設置、子育てサークル表彰やイクメン応援企業宣言制度の創設など、地域や企業、関係団体等と連携し、本県独自の取り組みを進めてきたところです。

 今後も、保育施設や放課後児童クラブ、地域子育て支援拠点等の計画的な整備・充実など多様なニーズに対応する子育て支援を推進するとともに、周産期・小児医療体制の強化に向けた産科医・小児科医の確保等、保健医療サービスの充実に取り組むなど、結婚から子育てまで切れ目のない支援を充実してまいります。

 こうした取り組みを進めるための財源については、本年四月からの消費税率引き上げによる増収分を、少子化対策など社会保障施策に要する経費に充てることとなっており、それらを十分活用することから、お示しの、やまぐち子育て応援県民税の創設については考えていないところですが、国に対しては、引き続き、必要な財源の確保について要請してまいります。

 私は、県議会の人口減少・地域活力維持対策特別委員会の審議内容も踏まえ、財源確保に努めながら、男女の出会いの場の創出など結婚支援の強化や、多子世帯への経済的負担の軽減など、本県独自の取り組みを推進し、若い世代が希望をかなえ、安心して結婚し、妊娠、出産、子育てができるよう、みんなで子育て応援山口県の実現に向けて取り組んでまいります。

 次に、外国人観光客の誘致に関する二点のお尋ねのうち、まず、近隣県と連携した誘致についてお答えします。

 国は、観光立国実現に向けたアクション・プログラムにおいて、訪日外国人旅行者数二千万人実現に向け、国内全域での受け入れ拡大が進むよう、地域連携による情報発信力強化と新たな広域周遊ルートの形成等に取り組むこととしています。

 本県におきましても、やまぐち観光推進計画において、外国人観光客の倍増に向け、戦略的な情報発信やテーマツーリズムの推進等によるルートづくりに、広域的に取り組むこととしています。

 まず、戦略的な情報発信については、東アジア等海外での認知度向上が第一と考え、私みずからも台湾等でのPRに努めるとともに、現地の旅行会社と連携したPR番組やフェイスブックの開設など、効果的なプロモーションに取り組んでいます。

 一方、お示しの隣県を訪れた外国人観光客への情報発信も、将来的な来訪が期待できる、誘致拡大に向けた効果的な取り組みです。

 このため、県においては、隣県での観光PRとともに、福岡県を含む日韓海峡沿岸地域など関係自治体と連携をし、福岡空港等のゲートウエーでの共同プロモーションに取り組んでおり、引き続き、実施箇所の拡大や効果的な手法による情報発信の強化に努めてまいります。

 次に、お示しの隣県も取り込んだルートづくりに向けては、訪日旅行者のニーズも踏まえ、本県ならではの歴史文化、自然等の観光資源の磨き上げや、新たな観光資源の創出を進め、本県の魅力が存分に生かされる訴求力の高い広域周遊ルートの形成を進めてまいります。

 また、テーマ性のある広域ルートも海外の旅行会社等への訴求力が高いことから、世界遺産登録により国際的な観光資源となる九州・山口近代産業遺産群や、明治維新ゆかりの薩長土肥をつなぐ取り組みなど、テーマツーリズムによる広域ルートづくりを積極的に進めることとしており、先般、国に対してもルート形成への支援を要望したところです。

 私は、今後とも、近隣県との連携を強化し、戦略的な情報発信や魅力ある広域周遊ルートづくりに積極的に取り組んでまいります。

 次に、外国人観光客に対する、おもてなしの機運づくりについてです。

 本県では、近年、国際連続チャーター便の運航や外国船クルーズの寄港が増加するなど、外国人観光客は増加傾向にあり、快適かつ満足感を持って滞在・観光されるよう、心のこもったおもてなしの重要性が高まっています。

 このため、県では、チャーター便やクルーズ船の観光客への地元と一体となった歓迎行事の実施、また、おもてなしの心で対応できる人材育成に向けた通訳ボランティアの資質向上等に取り組んでおります。

 今後はさらに、歓迎行事の取り組みの強化や、県内留学生等を活用した通訳体制の充実、また、宿泊施設における訪日旅行者の積極的な受け入れや接遇の向上等に努めていきます。

 また、世界スカウトジャンボリーに向けても、語学ボランティアの育成や全市町での創意を生かした歓迎・交流行事など、県を挙げてのおもてなしの準備を進めています。

 加えて、おもてなしの機運が県全域において高まるよう、観光振興のための条例を今後制定する中で、おもてなしの向上について、県民の皆様からしっかりと意見を伺うこととしております。

 私は、こうした取り組みにより、国内外に誇れるおもてなし意識の醸成と、県民総参加でのホスピタリティーの向上を図ってまいります。

 次に、健康寿命の延伸についての三点のお尋ねにお答えします。

 全ての県民が健康で生き生きと生活できる活力ある社会を実現するためには、健康寿命の延伸を図ることが極めて重要であることから、私は、現在策定中のチャレンジプランの重点施策に、健康づくりの推進及び地域包括ケアシステムの構築を掲げ、生活習慣病の予防対策、ロコモティブシンドローム対策、認知症対策などに取り組むこととしています。

 まず、生活習慣病予防に向けた特定健診の受診率の向上のためには、お示しのように未受診者の状況把握が必要であることから、本年六月に調査を実施したところ、未受診の理由として、いつでも医療機関を受診できる、面倒、時間がとれなかったという意見が多く見受けられたところです。

 このため、医療保険者に対して、個々の未受診者への健診の必要性の一層の周知や受診勧奨、また、利便性向上のための休日健診やがん検診との同時実施などについて、引き続き働きかけるとともに、未受診者へのさらなる動機づけにつながるような全県的な仕組みづくりを検討してまいります。

 次に、ロコモティブシンドローム対策についてです。

 お示しのように、高齢者の興味を喚起し、自発的な参加を促すことが重要でありますことから、市町や関係団体と連携しながら、一人一人の体力に合わせた運動プログラムやストレッチなどの運動と骨粗鬆症予防につながる料理教室を組み合わせた事業などを推進をしているところでありますが、今後一層それらの取り組みの充実を図るとともに、運動機能の維持に有効なレクリエーション活動や生きがいづくりの場である、ふれあい・いきいきサロンの拡充に取り組んでまいります。

 次に、認知症予防についてです。

 お示しの周防大島町や宇部市のモデル事業によって、認知症予防に関する知識の普及と、適切な運動や知的活動の実践による生活習慣の改善が重要であることが明らかになったところです。

 このため、九月の認知症予防月間を中心に、県民を対象とした認知症に関する講演会や相談会を実施するとともに、全県的な街頭キャンペーンなどの普及啓発を行っているところです。

 また、生活習慣の改善については、ウオーキングとあわせた記憶ゲームを取り入れたプログラムなどの介護予防の取り組みが県内全市町に広がっており、今後は、身近な地域において、住民がより自主的に生活習慣の改善に取り組めるよう、住民主体で運営する通いの場を立ち上げる取り組みを進めてまいります。

 さらに、軽度認知障害の段階で発見することが認知症予防に効果的と考えられておりますことから、専門医による巡回相談の実施、かかりつけ医等医療従事者に対する研修の拡充、かかりつけ医の助言指導役となる認知症サポート医の増員などによりまして、認知症の予防対策の強化を図ってまいります。

 私は、こうした取り組みを通じて、健康寿命の延伸を図り、今後とも市町や関係団体と一体となって、「活力みなぎる山口県」の実現に向けて、健康づくりの推進に取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) キャリア教育についての三点のお尋ねにお答えいたします。

 「未来を拓く たくましい「やまぐちっ子」の育成」に向けて、子供たち一人一人に力強く生き抜く力を育んでいくためには、キャリア教育を一層充実させていくことが重要であると考えております。

 このため、県教委では、キャリア教育を教育活動展開に当たっての基軸の一つとして位置づけ、小・中・高等学校等の発達段階に応じた系統的・計画的なキャリア教育の推進を図るとともに、学校と家庭、地域、産業界等との連携強化に取り組んできたところであります。

 まず、義務教育段階におけるキャリア教育についてのお尋ねです。

 お示しのように、職業や生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うためには、こども参観デーなどの、子供たちにとって身近な人々の働く姿を知ることができる取り組みは効果的であると考えており、県教委では、教員、保護者、産業界関係者を対象としたキャリア教育実践セミナーの開催や実践事例集の活用等を通して、こうした身近な職場見学・職場体験などの取り組みの好事例を県内へ普及させるとともに、子供たちの教育活動を支援するやまぐち教育応援団を活用し、地域の教育資源を生かしたさまざまな体験活動を積極的に推進しているところであります。

 また、小中学校においては、身近な人の仕事調べや、校区内の商店街での職場見学・職場体験など、子供たち自身の生活に関係の深い地域の人々との触れ合いや交流を通して、職業に関する興味や関心を高めるとともに、子供たちの勤労観や職業観を育むさまざまな取り組みが行われております。

 今後は、こうした取り組みをさらに充実していくために、社会人・職業人としての豊富な知識や経験を持った多くの地域の方々による支援を得るなど、現在、取り組みを進めているコミュニティ・スクールの仕組みを十分に生かしながら、市町教委と一体となって、これまで以上に、家庭や地域と密接に連携した取り組みを推進してまいります。

 次に、高等学校等の生徒に対するキャリア教育についてです。

 お示しのように、高校生が、技能五輪選手を初めとする若手技術者の体験談を聞き、その働く姿を見ることは、勤労観、職業観の確立など、生徒のキャリア発達を促す上で有効な取り組みの一つであると考えております。

 現在、各学校では、若手技術者を含めた現役の産業人を招聘し、職業に関する講話や高校時代に身につけておきたいことなどをテーマとしたグループ討議等に積極的に取り組んでいるところです。

 また、生徒が事業所に出向いて、作業現場を見学し、さまざまな年代の職員と社会人としての心得や職業意識などについて意見交換等を行っております。

 今後とも、関係部局や関係機関と連携して、若手技術者に関する情報提供や効果的な実践例の紹介を行うなどの取り組みを通して、技能五輪選手等、高校生に年代の近い技術者と高校生が接する場や機会のさらなる充実に努めてまいります。

 次に、社会人に求められる能力の育成についてです。

 子供たちが、社会で直面するさまざまな課題に対応し、社会人として自立していくための力を育んでいくことは重要であると考えております。

 お示しのありました社会人基礎力を初めとして、社会人に求められる能力は、各界からさまざまな形で提案されているところでありますが、学校教育において、こうした力は子供たちの社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力として整理されており、教育活動全体を通じたキャリア教育を進める中で、その育成が強く求められております。

 このため、学校におきましては、日々の学習と社会とを関連づけた教育活動である、職場見学、職場体験、インターンシップ等の体験活動を通して、みずから考え、学び、行動する力や、自己管理能力、責任感など、学校から社会への円滑な移行のために必要な基礎的資質や能力の育成に努めております。また、子供たちが、みずから課題を設定し、探求する課題解決学習や、グループでの話し合い、テーマに基づく発表などを通して、自己表現力やコミュニケーション能力を高めるための活動にも積極的に取り組んでいるところであります。

 県教委では、小・中・高等学校等において系統的・計画的に積み上げられている、こうした取り組みを、市町教委と協力しながら支援するとともに、キャリア教育に関する教員の指導力向上のための研修の実施や、学校と家庭、地域、産業界等との連携強化、普及啓発などを目的とした推進会議や実践セミナーの開催など、キャリア教育に取り組む環境づくりを進め、県民総がかりで、社会人に求められる能力を育成することができるよう努めているところです。

 県教委といたしましては、今後とも、子供たち一人一人が夢や目標を志に高め、主体的に未来を切り開いていけるよう、キャリア教育の一層の充実に取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) 曽田聡君。

    〔曽田聡君登壇〕(拍手)



◆(曽田聡君) 皆様、こんにちは。公明党の曽田聡でございます。公明党を代表して質問させていただく前に一言申し上げます。

 今般の衆議院議員総選挙におきまして、前回に引き続き自公連立政権に信任をいただき、その運営を任せていただくこととなりました。選挙前、選挙期間中を通して、自公連立政権が掲げる「経済再生」、景気回復の政策、いわゆるアベノミクスについてさまざまな御意見をいただきました。

 二年前の総選挙において勝利し、それまでの十五年間に及ぶデフレ経済からの脱却を目指して、さまざまな経済政策に手を打ってきたこの二年間、我が国が立ち向かうさまざまな問題、諸課題を一つ一つ解決すべく真摯に取り組んでまいりました。

 しかし、その山を登る途中、社会保障と税の一体改革で決まっておった本年四月の消費税八%への引き上げで、四月から九月期には回復すると言われていた国内総生産も個人消費の回復のおくれで二・四半期連続のマイナス成長となりましたが、この側面だけを見て、アベノミクスをとめてしまえば、再び日本経済はデフレに逆戻りし、せっかく回復基調にある流れを根本的にとめてしまうものであると考えます。

 この二年間で日本経済は、回復への基盤を整え、いよいよこれからが地方へ我が国の津々浦々までアベノミクスをしみ渡らせるときが来ております。

 本県におきましても、村岡知事のもと、国の施策に呼応し、また、国へ要望し、「活力みなぎる山口県」の実現に向け、県民に資する政策、施策の推進をしていただくことを申し上げ、通告に従い質問をいたします。

 初めに、「地方創生」についてお尋ねいたします。

 十一月二十一日、臨時国会において、「地方創生」に向けた基本理念を定めた、まち・ひと・しごと創生法と活性化に取り組む自治体を国が一体的に支援する改正地域再生法が成立いたしました。

 少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯どめをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施することを目的とし、国が本格的に動き出そうとしています。

 公明党は、八月二十八日、以前から設置していた人口減少問題対策本部を活気ある温かな地域づくり推進本部に名称変更し、地域創生の議論を加速させてまいりました。

 十月には、全国知事会の地方創生対策本部長、古田肇岐阜県知事と全国知事会が発表した、「地方創生のための提言」をめぐって意見交換をし、古田知事は「地方創生」について、「国全体のあり方に関する骨格の議論と、各地方の工夫による人口減少などへの対策が車の両輪でなければならない」と指摘し、国と地方との協働が重要だとの考えを示されました。

 国は、人口減少対策や経済活性化に取り組む都道府県と市町村に対し、地域経済に関して蓄積されたビッグデータを提供し、そのデータを活用した地方版総合戦略策定を支援するとしております。

 膨大な量のビッグデータは、国が開発中の地域経済分析システムで、全国の企業の取引情報や人口動態、地方税収の推移などを地図上に落とし込み、ビジュアル化することで、地域の経済実態や産業構造が一目でわかるようになることが期待されております。

 また、民間企業とのタイアップで、行政が二次利用の容易な形式で公開する公共データ、いわゆるオープンデータを生かそうとする動きも加速化しております。

 例えば、国や自治体が所有する大量のボーリングデータ、いわゆる地盤情報をほかの分野のデータなどと組み合わせることで、防災・減災に資する、より精緻なハザードマップの提供など、新たなサービスや情報の価値を創出することが期待されております。

 ほかにも日本有数の観光地、京都市が日本アイ・ビー・エム株式会社と連携し、モビリティー情報、観光情報、防災情報を関連づけ、市民や観光客に資する情報の提供を目指し、実証実験をしております。

 国が提供するビッグデータを縦糸に例えるならば、地方がこれまで蓄積してきたデータは横糸であり、両方の糸を村岡知事ならではの織り方で県民に資する政策を策定していただくことを期待しております。

 まち・ひと・しごと創生法では、自治体に地方版総合戦略などの作成の努力義務が課せられておりますが、国が提供する予定であるビッグデータの活用により、これまでの経験や勘に基づくものではなく、客観的で正確なデータに基づいて作成することが可能となり、県にとっても非常に有益であると考えます。

 そこでお尋ねをいたします。ビッグデータを活用して、知事は、どのように「地方創生」を推進していくお考えか、御所見をお伺いいたします。

 続きまして、地方中枢拠点都市圏についてお尋ねいたします。

 現在、我が国は過去に類を見ない勢いで、急激に人口が減少しており、高齢化率は上昇の一途をたどっております。

 今後、日本全体で人口減少が加速するとともに、社会移動により東京を初め大都市圏に人口が集中し、都市における急激な高齢化が進行するならば、都市におけるコミュニティー機能の低下や大規模災害時における生活機能や経済機能の維持が困難になるなどの問題が深刻化することが懸念されております。

 一方、地方では、人々が快適で安心して暮らしていくための基盤が失われるとともに、医療・介護を含む十分な行政サービスが提供できなくなることが懸念されております。

 そのような人口減少・少子高齢社会にあっても、地域を活性化し経済を持続可能なものとし、住民が安心して快適な暮らしを営んでいけるようにするために、相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携して、人口減少に対する、いわば地方が踏みとどまるための拠点を形成することが重要と考えられます。

 そのために、第三十次地方制度調査会の答申を踏まえ、本年八月、総務省が市町村の新たな広域連携に関する取り組みの柱の一つとして、地方中枢拠点都市圏を形成することを打ち出しました。

 この構想は、核となる地方中枢拠点都市を初めとした自治体間による柔軟な連携を進め、地域の実情に応じた行政サービスを提供するためのものであり、かつ都道府県境を超えて民間事業者を巻き込む形で都市圏が相互に連携する、より広域的な複層的な連携をも視野に入れたものであります。

 本県でも国の採択を受けた下関市と福岡県北九州市の広域連携モデル構築事業、広島市を核とする広島県関係自治体に、岩国市、柳井市を加えた十一市六町での事業が始まっております。

 下関市と北九州市では、関門地域連携による訪日観光客誘致に向けて、関門海峡観光推進協議会による、関門両市の新たな観光資源の発掘やICTを活用した訪日観光客誘致環境の整備を推進しております。

 また、黄海沿岸の日中韓の十都市で組織する東アジア経済交流推進機構の中心的役割を担う両市が、そのネットワークをもとにした経済・文化の交流を促進するほか、関門地域全体の公共サービスなどの相互利用とその研究、ICTを活用した市民サービスの推進などに取り組まれております。

 また、岩国市・柳井市と広島市・都市圏域においても、病児・病後児保育事業の広域利用など、圏域全体の生活関連機能サービスの向上について検討を始めております。

 地方中枢拠点都市圏については、一義的には、市町において自主的・主体的に取り組むべきものではありますが、人口減少・少子高齢社会にあっても、引き続き県民が安心して快適に暮らしていけるようにするためには、本県においてもある程度の規模と中核性を備えた圏域を中心都市が近隣市町と連携して、地域の活力を維持していくための拠点づくりを進めていくことが重要であると考えます。

 そこでお尋ねをいたします。地方中枢拠点都市圏について、県はどのような認識を持たれているのか。また、こうした市町の連携について、どのように支援されようとお考えなのか、お伺いをいたします。

 続きまして、地域包括ケアシステムについてお尋ねをいたします。

 我が国では、最も人口が多い一九四七年から四九年前後生まれのいわゆる団塊の世代の方々が二○二五年には七十五歳以上となり、医療と介護の需要の急増が見込まれております。

 厚生労働省では、二○二五年の七十五歳以上の高齢者人口は二千百七十九万人で、全人口の一八・一%に上ると推計されております。

 こうした超高齢社会に対応するために、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどを高齢者が地域の中で一体的に受けられる地域包括ケアシステムを全国的に構築することが求められ、公明党では、地域包括ケアシステム推進本部を立ち上げ議論を加速させてきたところでございます。

 本年六月には、在宅で医療と介護のサービスを受けられる環境を整えることなどを柱とする医療介護総合確保推進法が成立し、今年度、都道府県に約九百四億円の基金を創設。この基金を使って都道府県は、同システムの構築に向けた、さまざまな環境整備が求められており、本県でも本議会に地域医療介護総合確保基金を設置し、この基金を活用し、在宅医療・介護サービスの充実や医療従事者などの確保・養成を図ることとして、約十億四千百万円の補正予算を計上されたところであります。

 公明党山口県議団では、市町が抱える課題、県の役割などを自治体の方、事業者の方、そして学識経験者の方を交え、地域の医療・介護などの公助、共助の体制整備とともに、自助、互助の体制強化を含めたシステムの構築に向け、議論しているところであります。

 本県では、全国を上回るスピードで高齢化が進んでおり、二○一三年には、高齢化率が三割を超え、二○一五年には約三人に一人が六十五歳以上の高齢者になると予測されています。

 また、近年は、認知症高齢者の増加も社会的な問題となっており、対策が急がれるところであり、団塊の世代の方々が七十五歳以上となる二○二五年以降の社会を考えると、高齢者のひとり暮らしや認知症の高齢者の増加に伴い、高齢者ケアに対するニーズが増していくものと思われます。

 全国に先駆けて高齢社会を迎える本県においても、二○二五年に向け、住みなれた地域で自分らしい暮らしを送ることができるよう、地域包括ケアシステムの構築に積極的に取り組む必要があると考えます。

 また、地域包括ケアシステムの実施に当たっては、市町が主体となって取り組まれることとなりますが、効率的・効果的できめ細やかなサービスが提供がされるよう、現場となる市町や関係の皆さんを支援する体制を整えていただきたいと考えます。

 そこでお尋ねをいたします。地域包括ケアシステムの推進に向け、医療と介護の連携にどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。

 続きまして、水素エネルギーの利活用についてお尋ねいたします。

 国では、本年四月、エネルギー基本計画に基づき、水素社会の実現に向けた取り組みを加速することとされ、六月には、今後水素エネルギーの利活用のあり方を示した水素・燃料電池戦略ロードマップがまとめられたところであります。

 水素の利活用について、次の四つの視点からまとめられ、一つ目は、燃料電池の活用によって高いエネルギー効率を実現することで、大幅な省エネルギーにつなげること。

 二つ目は、水素の持つ特性を生かしたエネルギーセキュリティーの向上。

 三つ目は、利用段階でCO2を排出しないことから、環境負荷低減、さらにCO2フリーにつなげる。

 四つ目は、日本の燃料電池分野の特許出願件数は世界一位で、諸外国を大きく引き離し、高い競争力を持つ分野であり、また、再生可能エネルギーで生み出された電気を水素に置きかえ、地域資源として活用可能であるとし、技術的課題の克服や経済性の確保に要する期間の長短に着目した取り組みを進められているところであります。

 こうした中、県では、本県の瀬戸内沿岸部に立地するコンビナートにおいて、大量の水素を生成するという産業特性の強みを生かすため、昨年七月策定した「やまぐち産業戦略推進計画」に次代を担う水素等環境関連産業育成・集積戦略を掲げるとともに、未来開拓チャレンジプランの素案において、産業活力創造戦略の「突破プロジェクト」として次世代の産業育成プロジェクトの中に、水素先進県を目指した水素利活用による産業振興と地域づくりを位置づけられ、さらなる促進を図られようとされております。

 また昨年、周南市において、全国で三カ所目となる液化水素製造工場が操業開始され、さらに、周南市は、周南コンビナートで生み出される水素エネルギーをまちづくりに生かすことを検討するため、周南市水素利活用協議会を設置し、本年四月、水素を利活用したまちづくりを推進していくための周南市水素利活用構想を策定し、県とともに水素利活用による地域づくりに取り組まれているところであります。

 加えて、水素供給事業者である岩谷産業株式会社が、周南市に液化水素ステーションを設置し、来年の春をめどに、中・四国初となる水素ステーションの運用が開始される予定であります。

 一方、隣県の福岡県北九州市では、低炭素で安定・安価なエネルギー拠点の形成を目指して、製鉄所の副生水素を配管で住宅や公共施設に送り、燃料電池で発電する実証実験に産学公金挙げて取り組まれ、また、トヨタ自動車がある愛知県では、本日発売された未来燃料電池自動車のインフラ整備の加速化が図られているところであります。

 私は、本県が水素先進県を目指していくためには、水素の利活用に向けた全県的な水素推進体制の整備や水素の利活用による産業振興の取り組み等を進めていくことが極めて重要と考えます。

 そこでお尋ねをいたします。県では、水素先進県の実現に向けて、今後どのように展開されるのか、御所見をお伺いします。

 次に、野生鳥獣肉の衛生管理対策についてお尋ねいたします。

 環境省は、イノシシ及びニホンジカについて、全国的生息数が著しく増加するとともに、生息地の範囲が拡大しており、それに伴い、生活環境、農林水産業または生態系に深刻な被害を及ぼしていることを鑑み、今後、集中的かつ広域的に管理を図る必要がある指定管理鳥獣に指定することとしております。

 平成二十三年度、全国のニホンジカの生息数は二百六十一万頭、捕獲数は二十七万頭であり、現状の捕獲率を維持するとすれば、平成三十七年度には五百万頭に倍増すると予測されております。

 同じく、イノシシの推定生息数は八十八万頭、捕獲数は三十九万頭で、将来も捕獲数を上回るスピードでふえ続けることが予測されています。

 本年五月に改正された、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律では、ふえ過ぎた鳥獣を適正規模にまで固体数を減少させることと、生息地を適正な範囲まで縮小させることが定められ、また、参議院環境委員会附帯決議において、捕獲された鳥獣を可能な限り食肉等として活用するため、国において最新の知見に基づくガイドラインを作成するとともに、各都道府県におけるマニュアル等の作成を支援するなどの衛生管理の徹底等による安全性の確保に努めることとされました。

 本県でも捕獲されたイノシシや鹿などを食肉用とする動きが見られるものの、消費者が安心して食されるには衛生管理に関する一定のルールづくりが必要と考えます。

 このような状況を踏まえ、厚生労働省は、イノシシや鹿など野生動物の肉を安全に食べるための衛生管理指針を取りまとめました。

 指針では、野生鳥獣肉の衛生管理の徹底に向け、狩猟時の取り扱い、運搬時の取り扱い、食肉処理における取り扱い、加工・調理及び販売時における取り扱い、消費時における取り扱いの五項目にわたり、狩猟から加工・流通、消費に至る関係者が遵守すべき事項を規定しております。指針の内容から守られているかどうかは都道府県等が監視指導を行うとしています。

 厚生労働省では、指針の内容を踏まえた上で、ジビエの活用が盛んな自治体では、狩猟者や食肉処理施設の認定・登録制度の導入や、ジビエを提供する飲食店のリスト化などを実施し、一層の安全対策に努めるのが望ましいとしています。

 国が統一的な衛生管理の方法を示したことで、農作物や生態系を荒らす有害鳥獣を地域の有効資源としてジビエに活用する自治体の取り組みが進むと期待されています。

 日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦代表は、「国が指針を策定したのは大きな一歩だ。これを参考にして、各自治体が地域の状況に合わせた独自の指針をつくれば、ジビエの普及が進むのではないか」と話されております。

 そこでお尋ねをいたします。今後、農作物に甚大な被害を及ぼしているイノシシと鹿の捕獲数増による食肉利用の増加が見込まれますが、県では野生鳥獣肉の衛生管理対策についてどのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。

 最後に、農地の有効利用についてお尋ねします。

 我が国の農家の担い手不足と高齢化は深刻であり、農地面積は年々減少し、耕作放棄地は今や滋賀県の面積に匹敵するほど拡大しております。

 一方で、世界の人口は増加傾向にあり、世界の食糧事情は今後需要が供給を上回ることが予想され、国民の食生活を守っていくためには、食料自給力を強化する必要があり、農業生産の基盤である農地の確保及びその有効利用を図っていくことが重要と考えます。

 しかしながら、我が国の農業の中心となる稲作は、近年の食生活の多様化等により、米の消費量は年々減少し、在庫は増加傾向にあることから、ことしの主食用米の価格は大幅に下落し、農家の所得に大きな打撃を与えております。

 そして、十一月二十八日に示された国の来年度の主食用米の生産数量目標は、前年比十四万トン減の七百五十一万トンとなり、山口県も平成二十六年度の十一万八百二十トンに対し、十万八千七百六十トンと一・九%の減少となりました。

 本県では、稲作が農業の大半を占めることから、二千六十トンの主食用米の作付を減らす影響は大変大きく、他の作物をつくらない限り、その土地は遊休地となり、耕作放棄地の拡大に拍車をかけてしまうおそれもあります。

 耕作放棄地は、イノシシや鹿などの鳥獣の新たなすみかにもなり、農業被害を拡大させる要因にもなり、上流地域で発生した耕作放棄地は、周辺の営農・生活環境を悪化させるだけでなく、下流地域の国土保全機能の低下をも招くことになります。

 このような状況の中、本年五月、農林水産省は、農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律を施行し、農林地並びに漁港及びその周辺の水域の確保のため、これらの農林漁業上の利用と再生可能エネルギー電気の発電のための利用との調整を適正に行うことを求めております。

 平成二十四年七月から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まり、農林地や耕作放棄地に太陽光発電システムの設置が急速に進み、多方面に多大な影響を及ぼしております。

 耕作放棄地対策として、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用も有効ではありますが、まずは農地を農地として利用することが第一であり、そのため、主食用米から需要の見込める他の作物への転作が重要となってくると考えます。

 国においては、外国からの輸入に頼っている飼料について、国内で賄えるように飼料用米などへの転作を推進しており、本県においては、近年需要が急速に拡大している日本酒の製造拡大に対応した酒米への転作などが有望です。

 ただし、転作は簡単ではありません。主食用米と混在しないように作付場所を分ける必要がありますし、同じ米でも酒米は栽培方法が違うため、品質や収量を確保するための技術指導も重要となります。

 今後は、主食用米は需給バランスを見ながら生産調整を行い、将来的に需要拡大が見込める飼料用米や酒米などへの転作を拡大し、農家の所得を増大させながら、農地を農地として守っていくことが、地域を守ることにもつながっていくと考えます。

 そこでお尋ねをいたします。農地の有効活用のため、需要の見込める農作物への転作等の推進に今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いし、代表質問とさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 曽田議員の代表質問にお答えします。

 まず、ビッグデータを活用した「地方創生」の推進についてのお尋ねです。

 少子高齢化が急速に進行し、今後もさらなる人口の減少が見込まれる中、国の未来を左右する人口減少問題に対し、国と地方が協働し、総力を挙げて取り組んでいくことが重要です。

 こうした中、私は、国が策定を進めている「地方創生」の指針となる総合戦略を踏まえ、来年度中には、本県の実情に即した地方版総合戦略を策定していきたいと考えています。

 現在、国においては、地方の総合戦略の策定や実行が円滑に進むよう、地方経済など各般にわたるデータ、いわゆるビッグデータを活用し、産業、人口、社会インフラといった地域ごとの特性や資産、将来の動向などを見える化する地域経済分析システムの開発が進められています。

 このシステムでは、地域の産業や企業の実態、観光客の移動ルート、男女別・年齢階層別の人口流出の状況、各分野での自治体比較など、客観的で詳細なデータ分析が可能となるとされており、本県での成長産業のさらなる支援、新たな観光需要の創出を初め、きめ細かな定住対策、医療福祉、教育などの分野における、より効果的な政策形成に向けて、有効に活用していくことができるものと期待をしています。

 こうしたことから、私としては、国が本年度中に提供することとされている本システムの具体的な仕組みや内容を見きわめ、本県にとって効果的な方法等について十分検討した上で、県政の幅広い分野や、県内各地域の特性や課題を明らかにし、データ的にしっかりと裏づけのある総合戦略の策定や、戦略に基づく成果のデータ検証などに生かすことにより、実効ある「地方創生」の取り組みにつなげていきたいと考えています。

 また、ビッグデータは、今後、その活用の可能性も広がっていくと考えられることから、国においては、「地方創生」に向け、農業、医療、防災、交通などの分野で新たなイノベーションやビジネスを創出するため、ビックデータを活用した施策の検討が進められており、こうした動向も注視し、国の政策とも協働しながら、本県の新たな活力の創出に努めていく考えです。

 私は、こうした考えのもと、新たな県づくりに向け、ビックデータによる客観的で正確なデータ分析もしっかりと活用し、本県の「地方創生」の取り組みを着実に進めてまいりたいと考えています。

 次に、地方中枢拠点都市圏に関して、県の認識と市町連携への県の支援についてのお尋ねにお答えします。

 国が打ち出した地方中枢拠点都市圏構想につきましては、本格的に人口減少社会を迎える中、地域の活力を維持し、地域経済を活性化していくために、三大都市圏以外の政令指定都市や人口二十万以上の中核市が、近隣の市町村と連携して圏域を形成していくものであり、私としては、お示しのような地方が踏みとどまるための拠点を形成する観点からも、圏域を構成する市町村間の連携を強めていくことが必要であると考えています。

 現在、この構想に基づく実証的なモデル事業が、全国九カ所で実施されており、県内では唯一の中核市である下関市が北九州市と連携して、それぞれの地域資源を生かした観光振興等に取り組まれ、また、岩国市と柳井市が、広島市を核とする都市圏域での取り組みに参加しており、今後、実効ある取り組みとなるよう県内の各市に対し必要な助言などを行っていきたいと考えています。

 こうした中、本県のような分散型都市構造を有する地方において、若い世代を中心に、人口のさらなる流出に歯どめをかけていくためには、本構想の中心都市の要件を満たさない地域においても、地域の特性や課題を踏まえ、観光や医療、福祉などの分野で市町が広域的に連携することにより、活力と魅力ある地域社会をつくっていくことが重要です。

 このため、中心都市については、一律に人口規模で線引きを行うのではなく、地方の実情に応じた取り組みを自主的、主体的に進めることができるよう、その対象範囲の拡大や市町間の連携を促進する支援策の充実などが必要と考え、中国地方知事会を通じて、こうした趣旨の要望を国に対して行ってきたところです。

 現在、国において最重要課題として位置づけられている「地方創生」の取り組みが進められている中、総務省所管の本構想と、国土交通省による人口十万人以上の市を中心に交通一時間圏内の高次地方都市連合について、まち・ひと・しごと創生本部が中心となり、圏域の概念を統一する方向で検討が進められており、今後、地方の実情に即した柔軟な圏域を設定していただきたいと考えています。

 私は、市町による主体的な連携のもと、それぞれの地域が活力ある地域づくりに効果的に取り組むことができるよう、引き続き国への要望を行うとともに、県内市町に対し必要な情報提供や適切な助言を行うなどの支援に努めてまいります。

 次に、地域包括ケアシステムについてのお尋ねにお答えします。

 高齢化が進行し、医療や介護の需要の増大が見込まれる中、全ての高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を進めることが重要です。

 このため、私は、現在、策定中のチャレンジプランの重点施策に地域包括ケアシステムの構築を掲げ、医療と介護の連携強化や在宅医療提供体制の整備、認知症対策の推進等に積極的に取り組むこととしています。

 とりわけ、お尋ねの医療と介護の連携強化については、高齢者が在宅での療養生活を安心して継続できるよう、在宅医療・介護に関する理解促進や、在宅医療・介護提供体制の充実、関係者が連携した総合的な在宅医療・介護サービスの提供が重要であると考えています。

 このため、まず、適切な医療・介護サービスの組み合わせで、在宅療養が可能となることへの県民の理解を深めるため、地域住民を対象としたフォーラムを開催するとともに、地域や在宅で受けられる医療・介護サービスに関する情報を提供するなど、在宅医療・介護に関する理解促進に努めてまいります。

 次に、在宅医療・介護提供体制については、訪問診療・往診等を行う在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院などを初め、看護師が療養上の世話や診療の補助を行う訪問看護ステーション、重度の要介護者等に対して介護と看護の両方を提供する訪問介護看護事業所等の整備を進め、医療・介護サービスを二十四時間三百六十五日、一体的に提供する体制の充実を図ってまいります。

 また、関係者が連携した総合的な在宅医療・介護サービスにつきましては、まずは、地域包括ケアシステムの中核的機関である地域包括支援センターの調整機能の強化を図るため、専門家の派遣や保健師等の研修を実施することとしています。

 さらに、このセンターを中心とした関係機関や多職種による連携を進めるため、医療・介護関係機関やセンター間の調整等を行うコーディネーターの養成や、顔が見える関係づくりに向けた医師や介護支援専門員等による合同研修会の開催などを進めてまいります。

 私は、今後とも、こうした取り組みを通じ、実施主体である市町を支援することにより、一層の医療と介護の連携を進め、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、地域包括ケアシステムの構築に積極的に取り組んでまいります。

 次に、水素エネルギーの利活用についてのお尋ねにお答えします。

 私が目標とする「活力みなぎる山口県」の実現のためには、本県のすぐれた産業特性を積極的に生かしていくことが必要であると考えており、本県には、全国トップクラスの大量かつ高純度の水素を生成するという強みがあります。

 私は、この強みを地域資源として最大限に生かし、水素利活用による産業振興と地域づくりを積極的に進めることにより、水素先進県を実現したいと考えています。

 こうした中、お示しのように、これまで誘致を行ってきた水素ステーションは、平成二十七年春を目途に、中国・四国地方では初めて、周南市内で運用が開始されることとなり、県が策定を支援してきた周南市の水素利活用によるまちづくり構想も本年四月に策定されたところです。

 今後は、水素先進県の実現に向け、水素利活用について、周南地域での取り組みモデルをもとに、全県への普及を図るとともに、産業振興に向けた取り組みを展開していく必要があると考えています。

 このため、こうした取り組みを「やまぐち産業戦略推進計画」や、現在策定中のチャレンジプランの次世代の産業育成プロジェクトの重点施策に掲げ、積極的に進めることとしています。

 具体的には、水素利活用の全県普及に向けては、本年十一月に、全国に先駆け、全県的な推進組織として、県内企業や自動車メーカー、水素供給事業者、国や全十九市町などで構成する、やまぐち水素成長戦略推進協議会を創設したところであり、この協議会をもとに、県内各地域の水素利活用可能性に関する検討や、水素の初期需要創出に向けた燃料電池自動車等の導入促進、機運醸成に向けたシンポジウムの開催等を行うこととしています。

 また、産業振興に向けては、やまぐち産業戦略研究開発等補助金を活用し、高い効率性と耐久性を備えた純水素型燃料電池の開発を進めるとともに、水素エネルギー等の活用を図るために設置した県内中小企業等で構成します新エネルギー研究会において、水素ロータリーエンジンを活用した電気と熱の供給設備の試作開発など、水素エネルギーを利用する製品の事業化に向けた取り組みを支援してまいります。

 あわせて、こうして得られた成果をもとに、県内中小企業が新たなビジネス展開を図ることができるよう、公共施設や集合住宅等への水素関連製品の導入など、需要の促進に努めてまいります。

 私は、水素先進県の実現を目指し、今後とも、県、市町、企業、関係機関が一体となった取り組みを積極的に進めてまいります。

 次に、野生鳥獣肉の衛生管理対策についてのお尋ねにお答えします。

 近年、生肉による食中毒や賞味期限切れ輸入鶏肉の流通など、全国規模の事件・事故の発生により、県民の食に対する関心は一層高まっており、私は、食品の安全性、信頼性の確保は極めて重要な課題と認識しています。

 このため、本県では、食品衛生法や食の安心・安全推進条例に基づき、生産から消費に至る各段階での監視指導、食品検査、食品表示の適正化などの対策を総合的に講じているところです。

 お尋ねの野生鳥獣肉については、これまでも営業許可を取得している食肉処理施設や道の駅などの販売店に対し、管轄の保健所が定期的に監視指導を行うとともに、営業者の自主的な衛生管理の促進により、食中毒など衛生上の危害の発生防止を図ってきたところです。

 こうした中、お示しのとおり、厚生労働省は、食用に供される野生鳥獣肉の安全性の確保を図るため、衛生管理に関する指針を策定し、本年十一月、都道府県等に対し、地域の実態に応じたガイドラインの策定について検討するよう通知を行いました。

 また、本県においては、改正された鳥獣保護管理法の趣旨を踏まえ、今年度末を目途に、鹿、イノシシ等による管理計画の策定を進めており、特に、鹿については、捕獲対策を抜本的に強化することとしており、捕獲頭数の増加が見込まれています。

 今後、捕獲した野生鳥獣肉の衛生管理の強化による食用としての利活用の促進は、捕獲頭数の増加による農林業被害の減少はもとより、中山間地域の活性化や関連産業の振興にもつながるものと期待されます。

 このような状況を踏まえて、県では、国の指針に沿って、食の安心・安全や野生鳥獣肉の活用、鳥獣被害対策などさまざまな視点に立ち、猟友会や市町等の理解を得ながら、野生鳥獣肉の衛生管理ガイドラインを策定したいと考えています。

 このガイドラインにおいては、狩猟関係者による捕獲時の衛生水準の確保や狩猟方法等の記録、食肉処理や販売時の衛生管理の徹底、消費時の適切な調理方法など、具体的な取り組みを提示することとしており、来年十一月の狩猟期からの運用に向け、講習会の開催等により関係者への普及・定着を図るなど積極的に取り組んでまいります。

 私は、引き続き、食肉を初め、全ての食品に関し、生産から消費までの食の安心・安全確保対策に万全を期し、県民の皆様の食に対する信頼に応えてまいりたいと考えています。

 次に、農地の有効活用についてのお尋ねにお答えします。

 お示しのとおり、主食用米の消費量が年々減少し、作付面積の減少を余儀なくされる中、農地の八割が水田で、稲作が主体の本県では、将来的に需要拡大が見込める農作物への転作を進め、農地を有効に活用していく必要があると考えています。

 このため、農業団体と一体となり、事前に販売先が決まっている契約栽培などにより、主食用米の計画的な生産を進めるとともに、近年、需要が急速に増加している酒米や、畜産農家から強い要望がある飼料用米など、品目ごとに生産拡大目標を設定し、県内各地域での取り組みを強化しているところです。

 特に、酒米については、県産日本酒の人気の高まりから、県酒造組合の需要量が生産量を大きく上回り、増産を急ぐ必要があることから、本年度の補正予算により、種子の増産や新規栽培者の確保など、来年産の大幅な作付拡大に向けた緊急対策を実施しているところです。

 今後は、確実な増産に向けて、既存の栽培者に加え、新規栽培者でも良質な酒米が生産できるよう、栽培技術情報の電子データ化や、栽培に向けた支援システムを構築するなど、技術指導の強化にも取り組みたいと考えています。

 また、飼料用米については、輸入飼料が高騰する中、安定的に県産飼料を確保することは、畜産農家の経営安定を図る上で極めて重要であることから、県としましては、畜産振興の観点からも重点的な取り組みが必要であると考えています。

 このため、一定の地域でまとまって低コストで計画的な生産ができるよう、集落営農法人での作付推進や、JA単位を基本に、拠点となる乾燥調製施設などの生産体制の整備を支援してまいります。

 さらに、米以外の畑作物の導入も重要であることから、学校給食や加工業者からの需要の多い麦やタマネギなどの安定した生産を拡大できるよう、排水対策や農業機械の導入を支援するとともに、収益性が高く、新規就業者の雇用にもつながるイチゴなど施設園芸の取り組みを促進してまいります。

 また、条件不利地の多い中山間地域においては、耕作放棄地を発生させないよう、今後、需要の拡大が見込まれる薬用作物の検討や、本県独自の取り組みである山口型放牧の活用など、地域の実情に応じた取り組みを推進してまいります。

 私は、今後とも、需要に応える農作物の生産を拡大することにより、農地を最大限有効に活用し、農家所得を増大できるよう、本県の特性を生かした農業の振興に努めてまいります。



○副議長(畑原基成君) これをもって代表質問を終わります。

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○副議長(畑原基成君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後二時四十六分散会



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     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。


             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学

                   副  議  長   畑   原   基   成

                   会議録署名議員   新   藤   精   二

                   会議録署名議員   戸   倉   多 香 子