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平成 26年 9月定例会 09月30日−03号




平成 26年 9月定例会 − 09月30日−03号









平成 26年 9月定例会


   平成二十六年九月山口県議会定例会会議録 第三号

      平成二十六年九月三十日(火曜日)
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        議事日程 第三号
      平成二十六年九月三十日(火曜日)午前十時開議
  第一 一般質問
  第二 議案第一号から第十六号まで(質疑)
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        本日の会議に付した事件
  日程第二 議案第一号から第十六号まで
                会議に出席した議員(四十九人)
                          柳   居   俊   学 君
                          吉   井   利   行 君
                          吉   田   和   幸 君
                          塩   満   久   雄 君
                          林       哲   也 君
                          加   藤   寿   彦 君
                          有   福   精 一 郎 君
                          木 佐 木   大   助 君
                          先   城   憲   尚 君
                          友   田       有 君
                          曽   田       聡 君
                          平   岡       望 君
                          佐 々 木   明   美さん
                          小   泉   利   治 君
                          岡   村   精   二 君
                          二   木   健   治 君
                          藤   本   一   規 君
                          篠   ?   圭   二 君
                          藤   生   通   陽 君
                          松   永       卓 君
                          合   志   栄   一 君
                          西   嶋   裕   作 君
                          末   貞   伴 治 郎 君
                          吉   田   充   宏 君
                          新   谷   和   彦 君
                          田   中   文   夫 君
                          神   田   義   満 君
                          島   田   教   明 君
                          石   丸   典   子さん
                          井   上       剛 君
                          国   井   益   雄 君
                          守   田   宗   治 君
                          山   手   卓   男 君
                          槙   本   利   光 君
                          畑   原   基   成 君
                          井   原   寿 加 子さん
                          橋   本   尚   理 君
                          秋   野   哲   範 君
                          河   野       亨 君
                          笠   本   俊   也 君
                          星   出   拓   也 君
                          森   中   克   彦 君
                          河   村   敏   夫 君
                          藤   井   律   子さん
                          友   広       巌 君
                          戸   倉   多 香 子さん
                          上   岡   康   彦 君
                          新   藤   精   二 君
                          江   本   郁   夫 君

                会議に欠席した議員(なし)

                議案等の説明のため会議に出席した者
                    知事          村 岡 嗣 政 君
                    副知事         藤 部 秀 則 君
                    総務部長        渡 邉 繁 樹 君
                    総務部理事       大 谷 恒 雄 君
                    総合企画部長      上 野   清 君
                    産業戦略部長      宮 地   理 君
                    環境生活部長      半 田 健 二 君
                    健康福祉部長      小 松 一 彦 君
                    商工労働部長      木 村   進 君
                    農林水産部長      野 村 雅 史 君
                    土木建築部長      北 ? 孝 洋 君
                    会計管理局長      寺 田 徹 郎 君
                    財政課長        松 本 典 久 君
                    公営企業管理者     弘 中 勝 久 君
                    企業局長        市 原 充 之 君
                    教育委員長       山 縣 俊 郎 君
                    教育長         浅 原   司 君
                    公安委員長       倉 田 惠 子さん
                    警察本部長       藤 村 博 之 君
                    代表監査委員      河 嶌 繁 太 君
                    監査委員事務局長    高 杉 和 典 君
                    労働委員会事務局長   藤 井   勝 君
                    人事委員会事務局長   村 田 常 雄 君

                会議に出席した事務局職員
                    事務局長        高 松 昇 志 君
                    事務局次長       河 村 邦 彦 君
                    審議監兼議事調査課長  田 中   肇 君
                    総務課長        田 平   ? 君
                    政務企画室長      岡 村 達 也 君
                    秘書室長        繁 吉 健 志 君
                    議事調査課主幹     山 本 秀 樹 君
                    主査          石 橋 教 幸 君
                    議事記録係長      三 好   政 君
                    主任主事        藤 村 紘 子さん
                    主事          竹 井 由利香さん
                    主事          福 田 直 也 君






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    午前十時開議



○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。

   ─────────────



△日程第一一般質問



△日程第二議案第一号から第十六号まで



○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十六号までを議題とし、質疑に入ります。

 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。

 槙本利光君。

    〔槙本利光君登壇〕(拍手)



◆(槙本利光君) 皆様、おはようございます。自由民主党の槙本利光でございます。一般質問のトップということで、よろしくお願いをいたします。

 ことしの夏は、まさに異常気象続きで、特に各地で集中豪雨による被害が続出し、天候不順による農作物などへの影響も多く、晴れ間の少ない夏でした。御嶽山も噴火し、自然界が私たち人間界に警鐘を鳴らしているのではないでしょうか。

 一方、暗いニュースばかりではなく、テニス界では全米オープンで錦織圭選手が準優勝という快挙をなし、また夏の全国軟式野球大会では、再々々延長戦五十イニング目に試合が決まるという記録が生まれ、優勝は岐阜の中京高校、準優勝は広島の崇徳高校でありました。

 すばらしい活躍と結果に、両校をたたえることもさることながら、中京高校は水害被害のあった広島市に早速支援活動、崇徳高校の野球部は被災現場でのボランティア活動をしたことは、多くの人々に感動と勇気を与えてくれました。

 村岡知事におかれましては、就任以来七カ月が過ぎ、積極的に県勢発展のため努力しておられ、地域懇談会を初め県内外、先般は台湾へも出向き、トップセールスをされ、県民の皆様に活動がよくわかるようにアピールをしておられますことに、大変力強く、庶民的な知事に共感を覚えるもので、大いに期待申し上げます。

 また、安倍内閣も一度も大臣が変わることなく、先般、二回目の組閣がえをされました。いずれにしても、これから大きな問題を抱えています村岡県政を支え、さらに県政推進の力になるよう、これからも頑張ってまいります。

 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。

 最初に、災害対策についてお聞きをいたします。

 八月六日早朝、岩国市や和木町を中心に発生した集中豪雨により、二名の方がとうとい命を奪われ、多くの崖崩れや浸水被害が発生をいたしました。その後、八月二十日未明に広島市で発生した災害は、積乱雲の風上に次々と新しい雲が発生するバックビルディング現象が、この地域では五時間続いたと分析をされております。二百ミリを超す雨量により土砂災害等が発生し、死者七十四名という大災害になりました。お亡くなりになられました方、犠牲になられました方々にお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧・復興を願うものであります。

 今回の大災害により岩国市や和木町では、河川、道路等の社会基盤、生活基盤が深刻な被害を受けており、地域住民の方はいまだ不自由な生活を余儀なくされております。

 また、土砂災害が多くの箇所で発生しており、再度災害等の住民の不安もありますことから、速やかな対応が求められています。

 まず、被災地域の早期復旧により、一日も早くこれまでの生活を取り戻していただくことが急務です。今議会に災害復旧対策関連の補正予算が計上されています。被災地の復旧を急ぐべきと考えますが、国の激甚災の指定も踏まえ、今後どのように取り組まれるのかをお伺いいたします。

 また、土砂災害から県民の生命を守るため、土砂災害のおそれのある区域のうち、特定の開発行為の制限や、建築物の構造規制に加え、既存住宅の移転促進等のソフト対策を推進する土砂災害特別警戒区域の指定を一年前倒しし、岩国市を初め残る十四市町について、二十八年度までに指定を完了するとのことです。できる限り早期の指定が望まれると思いますが、今後の具体的なスケジュールについてお伺いをいたします。

 次に、防災への日ごろの備えについてお尋ねをいたします。

 今回の豪雨災害に見られますように、夜間で、しかも時間当たり百ミリを超す雨が降ったら、どこの地域も災害は免れません。こうした豪雨が年々増加する傾向にありますので、我々一人一人も日ごろの準備をしていく必要があります。我が家のことですが、歩いて十五分の高台にある知人宅に避難することにしております。高台で、とても安全な場所であります。

 また、災害時には、早く避難することがとても大切です。市町においてはあらゆる方法で住民に情報を提供していますが、今回のように夜間で激しい雷雨では、なかなか音声では伝わりにくかったことでしょう。早目に情報を伝え、避難に備えることが大切であります。最近では気象庁が直接大雨特別警報を発令し、避難を促しています。垂直避難という言葉も使われるようになりましたが、個人個人も命を守る行動をとることを日ごろから考えておかなければなりません。

 そこでお尋ねをいたします。市町において空振りを恐れない適切な避難勧告の発令、日常的に住民に避難に関する知識の周知や土砂災害の予兆の知識啓発が必要であるということは言うまでもありませんが、県は市町に対し、防災対策の強化についてどのような支援をしているのかお伺いをいたします。

 私の町の自主防災組織に聞いてみたところ、過去の災害について地域のどの箇所で災害があったのか、あの場所へ家を建てたら、以前大きな崖崩れがあった。また、川の土手が決壊して被害があった低い場所なので、家を建てるなら地盤を上げたほうがいい。こういったことを今住んでいる長老たちから聞いて記録し、地域の人々にこのことを話してもらっているということでございました。

 例としてはたくさんあると思いますが、今回の岩国で起きた水害においても、知人の方が、被害に遭った地域に住んでいたおばあさんから聞いた話だが、あの地域は一軒も家がないだろう。あそこに家を建てたら浸水に遭うと言っていたことを思い出して、昔の人は確かなことを言っていた、やっぱりこのようなことが起きたねえと、しみじみと話しておられました。

 県下各地で自主防災組織ができていろいろ活動しておられますが、地域にはいろんな経験や技術を持つ方がたくさんおられます。このような方に参加してもらい、地域のことについて今までにあったことはもちろんのこと、専門家の立場からアドバイスをいただき、危険な箇所は自治体に要望し、未然に防止することができたら被害も少なく、また予算的にも少なくて済むのではないでしょうか。

 現在は地域のまとまりや、人の世話をしたくないという風潮にあり、人と人のつながりも希薄化していますが、いざ災害という事態になりますと、自治会を中心にこのような話が出ています。まだまだ地域での人間関係は大したものだと思っています。昔から災害は忘れたころにやってくると申します。鉄は熱いうちに打てではありませんが、今回の水害を教訓として少しでも災害を少なく、被害を未然に防止できたらと思ってます。

 そこでお尋ねをいたします。県は自主防災組織の組織化について積極的に指導され、全県下で組織化されています。今後、地域の人材を活用し、さらに組織の活動を活発化すべきと考えますが、御所見をお伺いします。

 次に、防災拠点施設における再生可能エネルギーの導入についてお尋ねをいたします。

 今回の岩国・和木地域での大雨災害では、最大で五百七十六名の方が避難生活を送られました。また、隣の広島県の災害では、最大で二千人を超える方が避難所へと難を逃れられ、今なお、多くの方が避難生活を余儀なくされています。

 地球温暖化の影響からか、近年は全国的、世界的に見てもこうした災害を伴う異常気象が頻発しており、災害の発生していない平時においてこそ、その備えを着実に進めていかなければなりません。

 我が国を襲った未曽有の大災害である東日本大震災以降、国では逼迫するエネルギー需給に対応し、さらには環境負荷の小さい地域づくりを進めるため、避難所や防災拠点などへ再生エネルギーの導入を進めています。

 東日本大震災の当時においては、二ないし三週間停電が続き、避難所では夜間、暗闇の生活を余儀なくされたとの報道がありました。

 災害時において、市町の庁舎や総合支所、学校等は、防災対応の司令塔として、または安全や安心が確保された避難所としての機能を十分に発揮できるよう、備えておかなければいけません。

 そのためにもエネルギーの自給自足が可能な、自立分散型のエネルギー供給体制の整備が必要であり、温暖化対策としても有効な再生可能エネルギーの活用は時代の要請にも合致するものであります。

 今議会において、県は防災拠点施設の再生可能エネルギーの導入を進めるための補正予算を計上されました。本事業が着実に実施されることで、防災拠点施設のさらなる機能の充実が図られ、再生可能エネルギー導入促進にも一層の弾みになるものと期待しています。

 そこでお尋ねしますが、本県における防災拠点施設の再生可能エネルギー導入をどのように進められるのか、御所見をお伺いします。

 次に、岩国錦帯橋空港の利用促進とアクセス道路の整備についてお尋ねいたします。

 岩国錦帯橋空港の利用状況は、平成二十四年十二月の開港以来、堅調に推移しており、平成二十五年度においては、国土交通省の年間需要予測を約二千人上回る三十五万二千人が利用されており、本年五月には開港以来の利用者が五十万人、八月には六十万人を達成したところであります。

 これは、県や地元市町、岩国錦帯橋空港利用促進協議会が連携し、開港前からビジネス・観光の両面でしっかりと利用者を確保するために、ビジネス面では、企業への空港利用の働きかけや、観光面では、観光キャンペーンによる空港PRイベントの開催に加え、県内二空港の利点を生かした旅行商品の造成など、戦略的な取り組みを展開されたことによる大きな成果があったと思います。

 こうした中、山口宇部空港では、スターフライヤーが本年十月末から山口宇部−東京線の新規就航を決定され、一日一往復増便となる十往復の運航便数が実現し、さらなる利便性の向上が図られるところであります。

 岩国錦帯橋空港においては、好調な利用状況を背景に本年三月末から運航機材が大型化されたところですが、先般、発表されました平成二十六年度冬期ダイヤでは、機材の大型化が年末年始等の一部の期間にとどまっており、大変残念であります。

 そこでお尋ねをいたします。岩国錦帯橋空港を東部地域の活性化の拠点として発展させるためには、引き続き好調な利用状況を維持できるよう一層の利用促進を図ることにより、恒久的な運航機材の大型化を目指すべきだと思いますが、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。

 道路整備に関しては、ことし三月議会においても詳細にこれまでの取り組みや経緯と地域環境についてお尋ねをいたしました。また御答弁もいただきました。村岡知事を初め関係の皆様方に、大変御努力をいただいておりますことに感謝申し上げます。

 岩国錦帯橋空港へのアクセス道路については、空港の利用状況も好調でありますことから、交通需要の増加に対応したさらなる空港の利便性向上に向けて、また、東部地域における広域的な連携・交流による活性化を図るため、主要な幹線道路である、国道二号岩国大竹道路の事業促進、国道百八十八号岩国南バイパスの南伸の早期事業化を図ることが必要であります。

 また、八月六日の岩国市における豪雨被害による、通行どめが長期化した区間もあり、災害等の緊急時にも機能する災害に強い幹線道路網の整備という面からも、道路整備の必要性は申し上げるもないところであります。

 先ごろ、地元自治体や各期成同盟会の皆様ともども、同盟会の顧問であります柳居議長、畑原副議長とともに、整備促進について中央要望を行ったところであり、建設促進は地元住民や企業にとって、かねてからの悲願であります。

 国道二号岩国大竹道路について、今年度から一部工事に着手するなど整備促進の動きが見えてきておりますが、こうしたことから、県におかれましては、これまで以上に積極的な対応を期待するものであります。

 そこでお尋ねをいたします。国道二号岩国大竹道路の着手の状況、今後の予定、国道百八十八号岩国南バイパスの南伸の整備見込みについてお伺いいたします。

 次に、観光振興についてお尋ねをいたします。

 人口減少、少子高齢化のさらなる進行は、産業・経済を初め、地域社会や県民生活に深刻な影響を及ぼすため、地域活力を維持する産業の基盤づくりの厳しさは増すばかりであります。

 こうした状況の中、観光産業は、一次から三次産業までと裾野の広い成長産業であり、地域における経済への波及効果が極めて大きい産業であることから、各地域においては、情報発信や観光資源の創出や磨き上げに躍起となり、観光交流人口の拡大による地域の活性化に向けた取り組みが進められているところであります。

 本県観光の振興は、まだまだ県外に向けた情報発信力が弱いため、他県と比べて知名度が低く、本県の魅力を十分に伝えることができないことなどから、宿泊数、観光客数にも影響を与えるものと考えております。

 しかしながら、県では、平成三十年に「明治維新百五十年」という節目の年を迎えることから、山口県としてのイメージ性の強い明治維新をテーマとした観光施策の積極的かつ持続的な展開を図り、観光交流人口の拡大に取り組まれるところであります。

 また、本県観光の振興の一翼を担っているJR山口線、山陰本線は、昨年の豪雨災害によって、一部運休していたとこでありますが、先月から全線復旧し、山口の観光シンボルの一つであるSL「やまぐち」号も運転再開となり、秋の観光シーズンに向けて弾みになるものと大いに期待をいたしております。

 こうした中、村岡知事は、「活力みなぎる山口県」の実現を目指すため、このたび示された「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の素案の中で、本県の持つ多彩な魅力を全国に発信し、観光交流人口の拡大による地域活力の向上等を図るため、山口の魅力発信・観光力強化プロジェクトを設定されております。

 その中で、県民一心・魅力一新やまぐち観光維新を重点施策に位置づけ、条例の制定による全県を挙げた観光振興の機運の醸成と推進基盤の構築、多彩で魅力ある観光資源を生かしたプロモーション力の強化や観光地域づくりの推進を掲げられたところであります。

 私は、本県の観光交流人口の拡大による地域活力の維持・発展のために、戦略的な情報発信と魅力ある観光地域づくりを図っていく必要があり、こうした取り組みを進める上で、観光振興の理念を共有し、県、市町、観光関係団体、民間事業者、県民が一体となって推進していくことが求められると考えます。

 そこでお尋ねをいたします。観光交流人口の拡大による地域の活性化等を図るため、多彩で魅力ある観光資源を生かしたプロモーション力の強化や観光地域づくり推進体制の基本となる全県を挙げた観光振興の機運醸成と推進基盤の構築が重要であると思いますが、県では、今後、どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いします。

 次に、特別支援教育の充実についてお尋ねをいたします。

 特別支援教育は、障害のある子供たちが、自立、社会参加するため必要な力を培うため、一人一人の教育的ニーズを把握し、適切な指導及び必要な支援を行うものであり、平成十九年四月に改正学校教育法の施行により、特別な支援を必要とする子供たちが在籍する、全ての学校において実施されることになりました。

 県教委におかれましては、平成十八年に、今後十年間の特別支援教育のあり方を示した山口県特別支援教育ビジョンを策定し、平成二十年度からは、全ての盲・聾・養護学校を、原則五障害を対象とする総合支援学校へ移行するなど、全国的に先駆けとなる取り組みを推進してこられました。

 特別支援教育の歴史は、平成十三年十月に、文部科学省が、その最初の議論の場となる、特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議を設置した時点から考えても、まだ十数年の時間しかたっておりませんが、学校現場では、児童生徒一人一人の教育的ニーズに対するきめ細かな支援が実施されており、特別支援教育に対する社会からの理解は確実に進んでおります。

 そのことは数字の上でもあらわれており、本県の総合支援学校の在籍者数は年々増加し、山口県特別支援教育ビジョンを策定された平成十八年には千二百人でありましたが、平成二十五年には千六百人を超えるなど、そのニーズは年々高まっております。

 しかしながら、その一方で、施設の老朽化や教室不足等、施設の課題を初め、その教育環境の整備は大きな課題となっております。

 特に、その指導・支援体制につきましては、県内に設置されております総合支援学校は十二校一分校でありますことから、長時間の通学を余儀なくされる児童生徒もおられますし、とりわけ、義務教育段階につきましては、住みなれた地域で、地域の子供たちとともに学ぶ中で、専門的な支援が受けられる体制が強く求められております。

 特別支援教育は共生社会の形成を基礎とするものであり、先駆的に取り組んでこられた本県であるからこそ、全県的な視野に立ってニーズを把握し、指導・支援体制の充実に取り組んでいただきたいと願うものであります。

 そこでお尋ねをいたします。県教委では、本年三月、山口県特別支援教育ビジョンの基本目標である「一人ひとりの生きる力を高め、自立・社会参加を支える、心ふれあう教育の実現」の一層の推進のため、その第二期実行計画の見直しを行われましたが、さらなる特別支援教育の充実・発展に向けて、どのように取り組まれるのか、教育長の御所見をお伺いします。

 次に、世界大会のキャンプ地誘致についてお尋ねをいたします。

 昨年の九月八日、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック開催が東京に決定いたしました。

 世界最大のスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックにおける我が国の選手の活躍は、国民に大きな夢と感動を与え、日本に新たな活力を生むものと期待されています。

 六年後に東京オリンピック・パラリンピックに向けて、全国の多くの若いアスリートたちが切磋琢磨しているところです。その大舞台で一人でも多くの山口県にゆかりのある選手の活躍を大いに期待したいものであります。

 また、東京オリンピック・パラリンピックの前年の二〇一九年には、ラグビーワールドカップが開催されます。

 このような世界大会の開催は、我が国のスポーツ振興のみならず、地域の活性化などさまざまな波及効果が期待できるものであり、私は、こうした波及効果を開催都市のみならず、本県のような少子高齢化にある地方都市においても積極的に取り込み、地域の活性化につなげていく必要があると考えます。

 しかしながら、東京オリンピック・パラリンピックは東京都を中心に開催され、来年三月に決定されるラグビーワールドカップの開催地も大都市圏が中心になることが見込まれます。

 このように、本県が世界大会の開催地となることは難しいと考えますが、一方では、山口国体・山口大会を契機に整備された充実したスポーツ施設を有しており、県民のスポーツへの関心は高まっていることから、世界大会参加国のキャンプ地を誘致する条件は整っていると思います。

 こうしたキャンプ地の誘致は、県内のスポーツ振興のみならず、本県を訪れる観光客の増大や、誘致した相手国との交流など地域の活性化に多大な効果をもたらすものであり、二〇〇二年の日韓共催サッカーワールドカップでは、カメルーンのキャンプ地となった大分県の旧中津江村は、選手と住民の交流などで一躍有名になったことは御存じのことと思います。

 私は、今回の世界大会の開催を絶好の機会と捉え、積極的に誘致を働きかけていくべきだと考えています。

 現在、キャンプ地誘致に関する情報は少なく、施設の基準や決定スケジュールについても未定と聞いておりますが、開催地に近い関東周辺では、キャンプ地誘致に向け検討組織を設置し、情報の収集、市町村の意向調査などの取り組みに着手している自治体もあります。

 また、長門市ではラグビーワールドカップのキャンプ地誘致に向けた招致委員会を組織し、市民の機運の醸成や、縁のあるラグビー選手をアドバイザーに選任するなど積極的に活動しております。

 県としても、東京オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップなど世界大会の効果を本県に取り込むため、こうした市町の主体的な動きを支援するとともに、キャンプ地誘致に向けた取り組みを開始する時期にあるのではないかと考えています。

 そこでお尋ねをいたします。県として世界大会のキャンプ地誘致に向け、どのように取り組むのかを御所見をお伺いします。

 特殊詐欺事件の対策についてお尋ねをいたします。

 先日、新聞にこのような記事が載っていました。茨城県日立市で七十歳代の無職女性が証券会社を名乗る男らのグループからうその電話を受け、一億四千五十万円をだまし取られる詐欺事件が発生したのです。全国的にもかなり高額な被害になるのではないかと書いてありました。

 この女性は五月下旬のころ、証券会社社員を名乗る複数の男から「あなた名義で債権を購入した。現金はすぐ戻るので、口座から振り込みをしてほしい」などと電話があり、その後、別の男から「それは名義貸しの犯罪になる。預金が多いと金融庁検査にひっかかるので預貯金を預かる」などと電話があったため、五月二十八日から八月十四日までの間に十四回にわたり、合計一億四千三百五十万円もの現金をゆうパックで東京都内の複数の住所に送ったのです。

 警察によると最近では手口も巧妙化し、業者や弁護士、警察官など複数の人物が登場する劇場型の特殊詐欺や金融機関での振り込みから、ゆうパックや宅配便で現金を送らせる手口がふえているそうです。

 このような卑劣な特殊詐欺事件は、都会だけではなく地方にも広がっている。県内においても八月末現在では、七十三件、三億六千六百二十五万円がだまし取られ、本日現在では既に、統計をとり始めて以降、最多の被害を出した平成二十四年の三億六千七百八十万円を上回る最悪のペースで増加しています。

 政府や県警、地方自治体などがあらゆる機会を通じ、特に高齢者に対して呼びかけをしておられますが、増加傾向にあるのはまことに残念であります。

 ある老人クラブの会合に出席したとき、老人クラブの会長さんが「おしだそう高齢者詐欺」と言われながら被害に遭わないようにと注意をされておりました。「おしだそう」の「お」は、おいしい話には乗らない。「し」は、信じ込まない。「だ」は、大丈夫と思わない。「そう」は、相談しようということです。

 だまされた方のほとんどは、自分は大丈夫と思っていたそうです。やはり、最終的には家族と小まめな連絡が被害を未然に防ぐのではないでしょうか。県民一人一人が被害に遭わないようにする、心がけるとともに、行政や金融機関等が連携して被害を未然に防ぐ対策を講じることが必要と思います。

 そこで本部長にお尋ねをします。後を絶たない特殊詐欺事件にどのように対応されるのか、詳細にお答えください。

 以上で一般質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 槙本議員の御質問のうち、私からは観光振興についてのお尋ねにお答えします。

 人口減少、少子高齢化が進展する中、「活力みなぎる山口県」の実現のためには、観光交流人口の拡大による地域活力の向上や経済の活性化に向けて、観光力の強化に県を挙げて全力で取り組まなければなりません。

 とりわけ、本県では、来年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の放送やミラノ国際博覧会への出展、また、明治日本の産業革命遺産の世界文化遺産登録、さらには平成三十年の「明治維新百五十年」に向けた、JRと連携したデスティネーションキャンペーンの展開など、本県の持つ多彩な魅力を国内外に強く発信する絶好の機会が訪れています。

 私は、このような機会を捉え、今後の持続的な観光需要の拡大に向けた取り組みを進める上では、全県を挙げた一層の機運醸成が不可欠であると考えています。

 このため、観光振興の共通理念を示す条例の制定をすることとし、現在策定中のチャレンジプランに掲げたところです。

 制定に当たっては、県議会を初め、県民の皆様から幅広く、丁寧に御意見をお聞きしながら、平成二十七年度中の制定に向けて検討していくこととしており、共有する理念としてふさわしいものに高めていくとともに、観光振興の機運の高揚に努めたいと考えています。

 この条例により、本県の観光力の強化に向けた取り組み姿勢を県内外に強く示すとともに、県、市町、観光関係団体、民間事業者、県民の心を一つにし、総がかりで観光振興に取り組んでいきたいと考えています。

 さらに、こうした機運の高まりを、質の高いおもてなしや国内外に誇れる観光資源の磨き上げなど、目に見える形につなげていくためには、観光推進基盤の構築が重要です。

 このため、条例の制定を契機に、県や観光関係団体等の推進体制の強化を図るとともに、専門的な知見を持つ外部人材の積極的な活用など、推進基盤強化に向けた取り組みを進めていきます。

 私は、こうした全県を挙げた観光振興の機運醸成や推進基盤の構築をもとに、観光力の強化に全力で取り組んでまいります。

 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。



○議長(柳居俊学君) 北?土木建築部長。

    〔土木建築部長 北?孝洋君登壇〕



◎土木建築部長(北?孝洋君) まず、災害対策についての御質問のうち、被災地の早期復旧等についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、早期復旧への取り組みについてです。

 去る八月六日の猛烈な大雨により、岩国市と和木町において、河川や道路を初めとする公共土木施設などが多く被災しました。

 また、崖崩れなどの土砂災害が多発し、とうとい命が失われたほか、三十二カ所で家屋が損壊するなど、深刻な被害に見舞われました。

 このため、県では、公共土木施設の復旧対策として、被災直後に、河川の埋塞土砂の撤去や道路の仮設防護柵の設置などの応急対策を講じたところであり、今後は、本格復旧に向けて十月中旬までに国による災害査定を完了した後、順次工事に着手し、早期復旧に努めてまいります。

 さらに、林道などの市町が実施する復旧対策については、激甚災害の指定による財政的支援を活用するなど、その取り組みを支援してまいります。

 また、土砂災害対策として、再度災害の防止のため、災害関連事業、自然災害防止事業、小規模治山事業などを速やかに実施することとし、このたびの議会に所要の予算を提案したところです。

 このうち、斜面の崩壊や土石流により甚大な被害が発生した、岩国市新港町、多田、立石町の三カ所及び治山対策が急がれる岩国市下では、既に、国から災害関連事業などの採択を受けており、速やかに工事に着手してまいります。

 次に、土砂災害特別警戒区域の指定スケジュールについてです。

 県では、県東部や広島市で発生した甚大な土砂災害を受け、指定完了時期を一年前倒しするための補正予算をこのたびの議会に提案したところです。

 今後は、早期指定に向け、直ちに基礎調査に着手し、平成二十七年度末までに県内全域の調査を完了させた後、順次、各地域の住民説明会の開催や市町長への意見照会等の手続を行い、平成二十八年度までに指定を完了することとしています。

 次に、岩国錦帯橋空港に関する御質問のうち、アクセス道路の整備についてのお尋ねにお答えします。

 お示しのとおり、岩国錦帯橋空港の利便性の向上や東部地域の活性化のためには、空港へのアクセスを強化するとともに、広域的な交流・連携を促進し、災害時等にも機能する、信頼性の高い道路網を構築することが重要です。

 しかしながら、当該地域の道路網は、慢性的な渋滞や荒天時の通行規制などの弱点を抱えていることから、これらをできるだけ早期に解消していく必要があります。

 このため、県では、岩国大竹道路の事業促進や岩国南バイパス南伸の早期事業化に向けて、事業主体である国への要望活動等、精力的に取り組んでいるところであり、各期成同盟会等においても、近年、早期整備に向けた要望活動や署名活動が活発に行われるなど、地元の機運も一層高まっています。

 こうした中、まず、岩国大竹道路については、国から、「この冬に予定している室の木地区での工事着手に向けて、現在、沿線住民への説明会や工事発注の手続を行っているところであり、引き続き、事業促進に努めていく」と聞いています。

 県としては、一日も早い当該道路の完成に向けて、計画的かつ着実に整備していただくよう、今後とも、国へ強く要望してまいります。

 次に、岩国南バイパス南伸については、国から、「事業化の時期については未定であるが、現在、当該地域の現状や課題について、把握・分析を行っているところであり、周辺道路網の整備状況や交通状況等も踏まえながら、引き続き、計画の策定について検討を進めていく予定である」と聞いております。

 県としては、当該道路の事業化に向けた取り組みを加速していただくよう、今後とも、あらゆる機会を通じて、国に強く訴えるとともに、国の調査と協調しながら、アクセス道路の検討を行うなど、早期整備につなげるための取り組みを積極的に進めてまいります。



○議長(柳居俊学君) 渡邉総務部長。

    〔総務部長 渡邉繁樹君登壇〕



◎総務部長(渡邉繁樹君) 災害対策についてのお尋ねのうち、防災への日ごろの備えについてお答えします。

 まず、市町の防災対策の強化への支援についてです。

 市町は、住民に最も身近な基礎自治体として、防災対策において重要な役割を担っており、県は、市町を包括する広域的自治体として、市町の取り組みが円滑に実施されるよう、支援を行っております。

 具体的には、市町が適時的確に避難勧告等が発令できるよう、発令基準等の参考となる基本指針を示すとともに、必要に応じて災害時等の助言を行うこととしています。

 また、このたびの災害において、応急対応の重要性が改めて認識されたことから、直ちに、市町防災・危機管理担当部長会議を開催し、早目の避難勧告の発令等について認識の共有を図るとともに、気象台の協力を得て、市町の防災担当職員を対象とした防災気象情報等の研修を実施したところです。

 さらに、住民が実際の災害時に自発的に避難行動をとれるよう、シンポジウムの開催やガイドブックの作成・配布など、防災知識の普及啓発を進めるとともに、ホームページ等を通じて、日ごろの備えを含めたさまざまな防災情報の提供等に努めております。

 県としては、引き続き、市町の防災対策が充実するよう、必要な支援に努めてまいります。

 次に、自主防災組織の活性化についてです。

 お示しのように、自主防災組織の活性化には、地域住民の積極的な参加が必要であり、中でも地域のさまざまな経験や技術を有する方に、主要な役割を担っていただくことは重要です。

 このため、県では、今年度、地域コミュニティ防災活動推進事業を創設し、この事業を通して、幅広く、貴重な人材を掘り起こし、多様な主体が参画した地域ぐるみの防災活動を推進しています。

 また、地域のさまざまな人材を活用した自主防災活動が促進されるよう、優良事例を取りまとめるとともに、交流大会の開催等を通じて、普及啓発を進めてまいります。

 県としては、こうした取り組みを通じて、地域を挙げた自主防災組織の活性化に努めてまいります。



○議長(柳居俊学君) 半田環境生活部長。

    〔環境生活部長 半田健二君登壇〕



◎環境生活部長(半田健二君) 防災拠点施設における再生可能エネルギーの導入についてお尋ねにお答えします。

 近年頻発している集中豪雨等の災害時には、お示しのとおり、電源確保が重要であることから、防災拠点や避難所など、いわゆる防災拠点施設に太陽光発電等の自立・分散型エネルギーの導入が強く求められているところです。

 このため、県では、災害に強く、環境への負荷が少ない地域づくりを進める観点から、今般、国交付金を活用した十五億円の再生可能エネルギー等導入推進基金を積み立てるとともに、本年度から三カ年計画により、庁舎や公民館等の防災拠点施設へ再生可能エネルギーの導入を進めることとしています。

 具体的には、本年度、県の大島防災センターや総合庁舎など四カ所と、市町の避難所等六カ所に導入し、三年間では、合計約五十カ所の防災拠点施設に導入することとしています。

 また、導入設備は、太陽光で発電した電気を長期間使えるよう蓄電池を併設することにより、災害時における長期停電の際の情報通信機器等の維持や避難所等での生活に必要な電力を確保するなど、住民の方々の不安や負担を軽減できる施設整備を進めていきます。

 県としては、今後とも、地球温暖化対策はもとより、災害時の安心・安全の確保や、関連産業の振興の観点からも、再生可能エネルギーの導入促進に積極的に努めてまいります。



○議長(柳居俊学君) 木村商工労働部長。

    〔商工労働部長 木村進君登壇〕



◎商工労働部長(木村進君) 岩国錦帯橋空港に関するお尋ねのうち、利用促進についてお答えします。

 岩国錦帯橋空港の利用状況は、お示しのように好調を持続しており、本年三月末から、全日空が一日四往復のうち最大三往復で運航機材を大型化したことにより、岩国発の第一便や夏休みなどの利用者の多い時期の便を中心に、満席で予約がとれないといった状況が緩和され、利便性が大幅に向上したところです。

 一方で、運航機材の大型化以降八月までの利用者数は、前年度を上回ったものの、増加率は約三%にとどまっております。こうした中、十一月からは、年末年始を除き大型化が見送られることになりました。

 県としては、利便性の向上を図り、年間利用者四十万人の目標を達成するためには、お示しのとおり恒常的な運航機材の大型化が必要であると考えており、そのためには、ビジネス、観光両面でのさらなる利用促進に取り組み、年間を通じた一層の利用拡大を図っていくことが重要と考えています。

 まず、ビジネス面においては、広島県からの利用者がふえていることから、潜在的な需要の掘り起こしが期待できる同県西部地域を重点的なターゲットとして、地元岩国錦帯橋空港利用促進協議会や全日空と連携し、企業訪問の強化を図ってまいります。

 また、観光面においては、大河ドラマ「花燃ゆ」の放送を契機とした全県的な観光キャンペーン、やまぐち幕末ISHIN祭を展開するとともに、一日十便化により利便性が向上する山口宇部空港や萩・石見空港など近隣の空港とも連携した広域観光ルートの開発、広域周遊旅行商品の造成支援を強化することにより、岩国錦帯橋空港の利用拡大を図ってまいります。

 県としては、開港の余韻が一段落した今が、当空港の将来の発展に向けた大事な時期であると考えており、恒常的に運航機材の大型化が図られるよう、引き続き地元利用促進協議会等と連携し、一層の利用促進に取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 上野総合企画部長。

    〔総合企画部長 上野清君登壇〕



◎総合企画部長(上野清君) 世界大会のキャンプ地誘致についてのお尋ねにお答えいたします。

 東京オリンピック・パラリンピックを初めとする世界大会において、参加国のキャンプを誘致することは、本県のような地方都市においても、世界トップレベルの選手との交流を通じた競技力の向上はもちろんのこと、観光客の増加や国際交流の促進など大きな効果が期待できるものと考えています。

 このため、県といたしましては、おいでませ!山口国体・山口大会により培われた県民のスポーツへの関心の高まりや県民ボランティアを初めとする幅広い人材、充実した競技施設などを強みとして、キャンプ地誘致を積極的に進めていくこととし、来月にも、知事を本部長とする、山口県スポーツ交流・元気県づくり推進本部の中に、庁内関係課からなる誘致に向けた検討チームを立ち上げることとしています。

 検討チームでは、キャンプの受け入れについての市町の意向を確認した上で、誘致を目指す競技種目やキャンプ地となり得る施設の絞り込み、受け入れ体制の整備や機運の醸成、参加国へのアプローチなど、具体的な課題や取り組み方策等について、全庁体制のもとで検討を始めていきたいと考えています。

 また、お示しのラグビーワールドカップについては、キャンプ地誘致に向けて、既に長門市が招致委員会を立ち上げ、トップリーグ公式戦の誘致やラグビー教室の開催など、県の「我がまちスポーツ」推進事業を活用したさまざまな取り組みが展開されており、県としては、この招致委員会と緊密に連携しながら、キャンプ地誘致を進めてまいります。

 県といたしましては、県内競技団体とも連携しながら市町の主体的な取り組みを積極的に支援し、スポーツを通じた地域の活性化につなげていけるよう、世界大会のキャンプ地の誘致に取り組んでまいります。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 特別支援教育の充実についてのお尋ねにお答えいたします。

 障害のある児童生徒が、自立し、社会参加するためには、一人一人の教育的ニーズに応じて、適切な指導やきめ細かな支援を行う特別支援教育の推進が重要であり、県教委では、山口県特別支援教育ビジョンの第二期実行計画に基づき、多様な進路希望への対応や地域の相談支援体制の整備などの取り組みを進めてまいりました。

 こうした中、特別支援教育の拠点としての今後の総合支援学校のあり方、総合支援学校高等部生徒の自立と社会参加を目指す職業教育の充実、特別支援教育についての理解の促進などの新たな課題に対応する必要があり、本年三月、第二期実行計画を見直したところであります。

 今後の総合支援学校のあり方につきましては、特に、お示しのとおり、義務教育段階の障害のある児童生徒が長時間の通学を余儀なくされており、生活の基盤となる地域で、専門的な教育を受けるとともに、地域の同年代の児童生徒、地域の方々との日常的なかかわりや相互理解を図ることのできる環境づくりを進めることが求められております。

 このため、県教委では、近辺に総合支援学校が設置されておらず、一定の学習集団が継続的に見込まれる美祢地域と長門地域において、美祢市の旧桃木小学校に宇部総合支援学校小中学部の分教室を、また、長門市立深川小学校に萩総合支援学校小中学部の分教室をそれぞれ設置することとし、平成二十七年四月の開設を目指して、準備を進めております。

 また、高等部生徒の自立と社会参加を目指す職業教育の充実につきましては、第三次産業への就職の割合が高くなっていることや、障害者の法定雇用率の引き上げ等による雇用促進への対応、高等部生徒の就職希望者の就職率の一層の向上などが課題となっております。

 このため、総合支援学校の高等部における職業教育の見直しを進め、より専門的で実践的な職業教育を行うことができるよう、高等部産業科の新たな職業学科への改編や、普通科への職業コースの設置、コミュニケーション能力の向上等につながる実習や地域との交流の充実など、教育環境の整備について検討を進めてまいります。

 県教委といたしましては、一人一人の心がつながる共生社会の形成に向けた特別支援教育の充実・発展に向けて、見直した第二期実行計画に基づき、今後とも、さまざまな課題に対応した取り組みを着実に推進してまいります。



○議長(柳居俊学君) 藤村警察本部長。

    〔警察本部長 藤村博之君登壇〕



◎警察本部長(藤村博之君) 特殊詐欺対策についてお答えします。

 議員お示しのとおり、県内の特殊詐欺は、本年八月末現在で、昨年同期と比べ、認知件数は二倍、被害額は三倍の四億円に迫るなど、極めて憂慮すべき事態となっています。

 これら特殊詐欺の被害防止対策としては、さまざまな機会を通じて効果的な広報啓発活動を行い、県民、特に被害に遭いやすい高齢者の犯罪に対する抵抗力を強化するほか、金融機関への働きかけによる水際対策の徹底や、犯行機会自体を遮断することが重要であると考えています。

 まず、県民の抵抗力を強化するための対策ですが、卓球日本女子代表の石川佳純選手を起用した被害防止ポスター等の作成や、四こま漫画による被害防止広報、警察官で結成した劇団による特殊詐欺の手口をわかりやすく取り入れた寸劇を行うなど、県民に親しみやすく、心に残る広報啓発活動に努めています。

 また、前兆である不審電話を認知した際には、県下各警察署に一斉手配を行うとともに、被害防止コールセンターにより、高齢者に対し重点的な注意喚起を行うほか、県下の金融機関に対して一斉に情報提供を行うなど、集中的な未然防止措置を図っています。

 次に、金融機関における水際対策としては、窓口で高額の現金引き出しをされる方に対し、チェックシートを活用した積極的な声かけや預金小切手の発行などの対策をとっていただいており、八月末までに三十件の被害を未然に防止しています。

 さらに、犯行機会を遮断する取り組みとして、高齢者に対し電話帳からの掲載削除や、電話機の留守番電話機能の設定活用を呼びかけるなど、被害に遭わないための環境づくりも推進しています。

 一方、検挙対策としては、だまされたふり作戦を実施して現場検挙を徹底するとともに、他県との合同・共同捜査により捜査体制を構築し、犯行組織の壊滅に向けた突き上げ捜査を行うほか、他人名義の携帯電話や銀行口座等の犯行ツールの供給源となっている道具屋の壊滅にも力を入れています。

 県警察としましては、検挙対策はもとより、今後も県民の心に響く複線的な施策を粘り強く推進していくとともに、自治体や関係団体などとの連携強化を図り、県民総ぐるみによる特殊詐欺被害防止対策に努めてまいります。

 以上でございます。



○議長(柳居俊学君) 橋本尚理君。

    〔橋本尚理君登壇〕(拍手)



◆(橋本尚理君) おはようございます。私は、自由民主党新生会の橋本尚理でございます。

 まずもって、一連の自然災害におきまして被災された皆様に、心からお見舞いを申し上げます。

 さて、この春、私たちが皇居において勤労奉仕をいたしておりました折、宮内庁の方から、典子女王殿下と出雲大社禰宜千家国麿さんの御婚約をお聞きし、奉仕団全員で万歳をしたことを今も忘れることはありません。いよいよ十月五日、出雲大社において、結婚の儀がとり行われる運びとなっております。お二方のとわのお幸せと、天皇陛下を初め御皇室の弥栄を心よりお祈り申し上げまして、私の質問に入らせていただきます。

 先月六日、くしくも広島に原爆が投下された日の未明、岩国市や和木町を局地的集中豪雨が襲い、土砂崩れにより人家被害が三十二カ所で発生しただけではなく、県民のとうとい命が奪われるなど、甚大な被害が出てしまいました。

 村岡知事は、すぐさま現地を視察され、今議会に、災害復旧対策補正予算を上程されるなど迅速な対応をとられ、まずもって感謝を申し上げます。

 また、代表質問におきましても、各会派ともにこの災害を取り上げていただきましたが、地元で発生した災害でありますので、私からも、視点を変えて土砂災害対策について質問をさせていただきます。

 災害発生後、直ちに私も被災地を見て回りましたが、その多くは、想定外の雨量により山肌が崩壊し、土石流を発生させ、麓に続く沢が氾濫し、被害を引き起こしたものでありました。

 県内には、土砂災害警戒区域が二万四千六百七十九カ所あり、そのうち岩国市には、県内で二番目に多い三千六百三十一カ所が指定されています。

 私は、今回のような土砂災害から県民の命を守るには、ソフト対策はもちろん重要ですが、こうした危険箇所の土砂崩れを未然に防ぐ根本的なハード対策を進めていくことが非常に重要であると考えております。

 中でも、土砂災害警戒区域の約六割を占める急傾斜地の崩壊対策工事は、主要なハード対策であり、具体的には、県が実施する急傾斜地崩壊対策事業と市町が県の補助を受けて実施する小規模急傾斜地崩壊対策事業が主な事業となります。しかしながら、いずれも実態として整備が進んでいないのが現状であります。

 そこで、今後は、箇所数はもちろんですが、加えて、過去の災害実績や土壌の特殊性等を特に勘案し、危険度の高い地域から優先的かつ積極的に実施、あるいは市町へ補助をすべきであると考えます。県は、これらの事業に今後どのように取り組んでいかれるのか、御見解をお伺いいたします。

 あわせて、岩国市新港町で、不幸にも死者が出た住宅崩壊現場は、以前より住民から急傾斜地崩壊対策の要望が出されていた箇所であり、一部地権者の同意が得られず、実施が見送られ現在に至っておりました。

 当該二事業の実施に当たっては、地権者及び地元関係者の同意が前提となります。しかしながら、これらは地権者にも負担があり、崩壊によって発生した被害に対し、責任を負うことはないとされていることからも、関係者全ての同意がとれず放置されている箇所が、多々あるのが実情であります。

 これらの事業は、県民の安心・安全の確保を図る上で根幹となる事業ですし、事、人の命に直結することからも、土砂災害危険度が極めて高い箇所は、県の判断において、強制的に実施していくことも必要であると考えますが、県の御見解をお伺いいたします。

 二名のとうとい命を奪った災害ではありましたが、私の住む愛宕地域におきましては、大きな被害はありませんでした。これはひとえに、愛宕山の開発により森林が整備され、開発地に幾つもの調整池がつくられ、大きな径の排水管を設置していただいたおかげさまで、麓に流れ出る雨水が激減されたものと推察できます。ありがたいことでございました。

 次に、二週間後の二十日に、広島市北部で七十四名の死者を出すという大災害が起こってしまいました。

 この地域は、岩盤の上に真砂土が堆積し森林を形成しており、集中豪雨を受ければ、崩壊の可能性の極めて高い急傾斜地であります。言うなれば、今回のような局地的短時間集中豪雨に対しては、ほぼ無防備な土壌地であったのではないかと推察されます。この現場は、高速道路からよく見える場所にあり、私もあんな山の中腹まで団地をつくって大丈夫かな、よくあんなところに開発許可が出たもんだなと感じていた場所でありました。

 そこで、県内にも同じような土壌地の団地が多数ありますが、県は、今後どのような対策を講じられようとされるのか、また、そのような土壌地において、新たに開発許可申請が出された場合、どのように対応されるのか、お伺いいたします。

 ここで、災害の中ではありますが、温かい話題に接することができましたので紹介をさせていただきます。

 多くのボランティアが復旧作業に駆けつけてこられ、その中には米海兵隊岩国基地の軍人もおられました。

 被災されたひとり暮らしのおばあさんが私に、「橋本さん、米軍さんは頼りになるし、ありがたいね。きのう、我が家に数名の屈強な兵隊さんが来てくれて、瞬く間に瓦れきを片づけ、畳を剥がし、床下にたまった土砂を取り除いてくれたんよ。うちが済んで次の家へ行かれるときに、「ありがとう、ありがとう」と何度もお礼を言ったら、たった一言、笑顔で「友達」と言って行っちゃったんよ。米軍基地が岩国にあって本当に助かったいね」と話してくださったことであります。

 私たち日本人にとりましては、かけがえのない最高の友達であることを証明するエピソードに出合えたことは、私にとりましても不幸中の幸いでありました。どうか日米同盟の強化に反対をされている方々、米兵の犯罪や不祥事は多くを語られますが、ぜひ、こうした温かい話にも、多くの時を費やしていただきますよう、お願いをさせていただきます。

 土木行政に関しまして、もう一点お伺いします。

 ことしに入り、欽明路道路にあるトンネル内の照明がLEDに変更されました。LED照明は、長寿命で、かつエネルギーコスト削減効果が大きいだけでなく、衝撃性に強く、虫が集まりにくいなどの特性を有していることに加え、より明るく感じるため、私も実感しましたが、トンネルという閉鎖された空間で運転しているドライバーに安心感を与えてくれます。

 また、近年のLED照明の価格低下に伴い、設置コストと維持管理コストの合計コストから考えたときに、LED照明のほうが従来の照明に比べ経済的に有利になってきていることからも、今後、積極的に導入していくべきであると考えます。

 そこで、県が管理する道路のトンネル内照明は言うまでもなく、街路灯などの道路照明についても、LED化を進めていくことは交通安全上も、財政上も必要であると考えますが、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

 次に、米軍岩国基地についてお伺いいたします。

 七月十五日、十六日と、私たち県議会環境福祉委員会は、沖縄県を視察いたしました。くしくも、視察初日の十五日は、空中給油機が岩国基地への移駐を始めた日であり、夕方の沖縄地方局のニュースでも、仲井眞知事が全国知事会にて、「山口県、岩国市並びに岩国市議会へ感謝の言葉を述べられた」と報じておりました。

 しかしながら、当日の宮古島市、翌日の沖縄県議会、沖縄県庁、ましてや議会棟でお出会いした自民党県連幹部からも、山口県や岩国市へのお礼の言葉は一言も聞くことがありませんでした。

 私は、沖縄の人は、負担軽減を喜んでいないのかな、本当は国からの支援が減ってしまうと残念がっているのかなとも勘ぐってしまい、私たち基地周辺住民が、沖縄の負担軽減のためにと断腸の思いで受け入れたにもかかわらず、沖縄県民のシャイな性格を差し引いても、何か寂しい思いをいたしました。

 と同時に、私たちは、むちを受けるから、それ相応のあめが欲しいとは絶対に言わないぞと再決意をさせられた視察となりました。

 さて先日、菅官房長官が岩国に来られ、都道府県を対象にした新たな交付金制度を「二○一五年度予算編成の中で検討していく」と述べられたとの報道がありました。

 この交付金は、年に二十億円ずつ五年間、山口県に交付されると聞いておりますが、そこで航空機の音を毎日聞いている住民としてのお願いがございます。これまで、私たちと同様に航空機の音を聞きながら生活されている和木町や周防大島町には、財政的な支援が岩国市に比べ少なかった現状を鑑みて、両町に対し、格段の御配慮を賜りたいとのお願いでありますが、県の御見解をお伺いいたします。

 この制度は、大変ありがたい制度であり、これまでのひもつき補助金制度から、私が以前より訴えておりました安全保障協力法に一歩近づいた制度となるからであります。今後も、協力法の制定に向けた要望・陳情を関係省庁及び国会議員に続けていく勇気を与えていただきました。

 次に、八月二十六日に完了いたしました空中給油機部隊の移駐に伴い、家族を含め八百七十名のアメリカ人が普天間から岩国に来られました。さらに、空母艦載機部隊の移駐に伴い、約三千八百名の方が厚木から岩国に移住されることとなります。平成二十五年三月末現在、五千三百七十九名の方が岩国におられるとのことでしたので、三年後には、岩国に住むアメリカ人は一万人を超え、市民の十五人に一人はアメリカ人という計算になり、岩国市の中に一つの、アメリカ町が誕生することになります。

 また、米軍医療関係者によりますと、平成三十年には、岩国でのアメリカ人の分娩数が年間百二十を超えるとされています。現在、岩国医療圏の年間分娩数は千人を少し超える程度であることから、岩国で生まれる赤ちゃんの九人に一人はアメリカ人の赤ちゃんとなります。これらのことからも、岩国市は、名実ともに日米友好友達都市となるわけでございます。

 さらには、愛宕山に市民も利用できる運動施設が整備されるなど、両国親善の環境が整ってまいります。このような環境を使わない手はありません。県としても、より親密な国際交流ができる事業をぜひ実施すべきだと考えますが、いかがですか、お伺いいたします。

 また最近、市内の小売店経営者から、「空中給油機部隊の移駐でアメリカ人が九百人ふえたと聞いたが、実際にアメリカ人のお客さんがふえましたよ。これなら艦載機部隊の移駐が待ち遠しいですね」とよく聞くようになりました。

 私も一昨日、事務所の隣のカレー屋さんに行きますと、私以外は全てアメリカ人のお客さんで、レジではドル紙幣が使われており、まるでハワイにでも来たのかなと錯覚をしたところであります。

 過去何度か、この議場で艦載機部隊移駐に伴う経済効果についてお尋ねいたしましたが、昨年の六月議会での答弁では、平成二十年度から二十三年度の四年間の年平均で約百六十九億円とされ、一方で、基地があることにより、工業地や商業地としての土地利用が制限されるなどのマイナス面もあるので、経済効果全体は把握できないとのことでした。

 しかしながら、米軍基地があることにより、一昨年、地域振興策として岩国錦帯橋空港が開港され、その効果もあり、企業・工場の県内からの撤退が続く中、岩国には企業進出が相次いでおります。基地があることによるプラス効果は大であると判断すべきではないでしょうか。

 この議場においては、米軍の移駐により、地域の負担が増大するとの話しか聞かれませんが、私たち周辺住民は、負担がふえるばかりではないことをよく知っております。

 そこで、いま一度お尋ねですが、建設業界のみならず商工業界にも好景気をもたらし、さらには、艦載機部隊の移駐により、新たに千人規模の米軍からの雇用が生まれると予測される中、経済効果をどのように捉えられているのか、お伺いいたします。

 次に、愛宕山問題についてお伺いいたします。

 知事は、二十二日に、県知事として実に十一年ぶりとなる岩国基地を視察され、その足で愛宕山を、その後国病跡地も視察されました。

 そこで、知事は、これらの視察でどのような感想を持たれたのか、まずお尋ねいたします。

 私も当日、岩国医療センターの屋上ヘリポートから愛宕山を見渡してみましたが、どうも西工区の整備が東工区より進んでいるように見えました。防衛省は、西工区の先行整備はしないとしておりますが、県の御認識をお伺いいたします。

 次に、東工区には、高校野球の公式戦ができる野球場や陸上競技場等を整備するとされておりますが、せんだっての防衛省の説明によりますと、陸上競技場は投てき競技ができず、日本陸連による四種以上の公認がとれない、県体育大会などが開けない仕様となっておりました。これでは、ただの陸上競技練習場になってしまいます。せっかく市民も利用できる施設になるわけですから、せめて四種公認がとれ、写真判定装置の設置可能な競技場として整備をしていただきたいと願うものでありますが、県の御見解をお伺いいたします。

 もう一点、視察当日、東工区ゲート前で十数名の反対派住民が、「村岡知事、地元の怒りの声を聞け」などとシュプレヒコールを上げておりましたが、ぜひ容認派の地元住民の声を聞く機会を設けていただきたいと思いますが、いかがですか、お伺いいたします。

 次に、教員の資質能力の向上についてお尋ねいたします。

 現在、本県の学校現場では、一万人を超える教員が活躍しておられます。

 皆さんの御多忙ぶりは、OECDが行った国際教員指導環境調査の結果にもありましたように、加盟国など三十四の国と地域の中で、勤務時間が最長であったとのニュースは、記憶に新しいところであります。

 こうした中でも、本県教育の推進のために、日々、奮闘しておられる皆様に対し、まずもって敬意を表させていただきます。

 さて、県教委におかれましては、平成二十四年に、本県教育を担う人材育成に向けて、教職員人材育成基本方針を策定されました。

 その中で、人事制度に関する取り組みにおいては、人事異動方針に基づく積極的な人事異動に取り組むとされ、同一校の勤務は小中学校は七年、県立学校は十年との方針を示しておられます。

 積極的な人事異動による多様な経験の蓄積を促進することが狙いとされ、県教委が目指す組織的な学校運営に向けて、一人一人の教員の力を組織の力につなげようとするものであることが、よく理解できる取り組みだと評価をいたします。

 ただ、一方で、その学校では、余人をもってかえがたい存在なのでしょうか、一部に長期間、同じ学校に在籍されている教員も見受けられるところであります。専門学校などで特別な教科を教えておられる教員などが、そうしたケースの多くであると思われますが、小中学校で七年、高校で十年という県教委の基本方針を超えて、同一校に在籍しておられる教員は、県下でどのぐらいおられるのか、またその主な理由はどのようなものなのか、お伺いいたします。

 あわせて、今後、十年間で四割以上の教員が入れかわると言われる未曽有の大量退職の時代を迎えるに当たり、スキルを持ったベテラン教員には、なおさら、より多くの中堅・若手の教員の指導に当たってほしいと思いますし、教員全体の資質能力の向上のためにも、教職員人材育成基本方針に示す、積極的な人事異動に取り組むべきと考えますが、教育長の御所見をお伺いいたします。

 次に、スポーツの推進についてですが、まず、インターハイについてお尋ねいたします。

 今年度のインターハイは、南関東一都三県で開催され、本県からは、五百二十五人の選手が出場いたしました。総合開会式に参加した選手たちのガッツポーズで写った写真が、新聞紙面に大きく報道されておりましたが、一緒に写っていた浅原教育長の笑顔が、大変印象的であったことをよく覚えております。

 ことしの成績は、男子のヨット競技において、光高校が優勝を飾ったほか、岩国工業のフェンシング、野田学園の卓球など、全国大会の常連校が上位入賞し、また、空手道やホッケーなどの躍進も、今後の活躍を大いに期待させてくれるものでしたし、ハンドボール男子においては、三十一年ぶりに出場した岩国高校がベストエイト進出を果たし、ライバル校を大いに奮い立たせる古豪の復活劇もあったのであります。

 このたびのインターハイに出場した選手たちは、二○二○年の東京オリンピックへのゴールデンエイジと呼ばれる世代であり、郷土の選手がオリンピックで躍動する姿を想像するだけでも、心躍らせるものがあります。

 また、彼らは、地元の誇りであるとともに、県外に住むOBたちがふるさとや母校を思い起こす貴重な機会を提供してくれるものであります。

 そこで、県教委は、今年度のインターハイの結果をどのように総括されているのか、お伺いいたします。

 先日、平成二十八年度インターハイでの県内開催競技の開催地が決定をいたしました。県は、二年後も見据えて、強化育成拠点校を指定し、今年度から、優秀選手指定制度も設け、将来の活躍が期待できる選手やチームを重点的に強化されていると聞きますが、その成果は、ことしの結果にもあらわれたのでしょうか、あわせてお伺いいたします。

 また、県は、ことしの、長崎がんばらんば国体での目標順位を総合成績十位台と掲げられました。

 目標達成には企業クラブが少ない本県では、成年部門より少年部門にかかる期待が大きなものとなります。そこで、県当局は、インターハイの結果を受け、会期前競技も終了し、いよいよ十二日から始まる国体に向け、目標達成への展望をどうお持ちになったのか、お伺いいたします。

 次に、文部科学省は、二○二○年東京五輪に向け、全国の小中学校や高校など約千校をスポーツ交流の拠点校に指定し、五輪メダリストらを招いて、子供たちに東京五輪への関心を高める関連予算として約二十億円を概算要求するとの新聞報道がありました。単純計算で、山口県にも二十校近くが指定されるのかと喜んでおりますが、県は、この事業をどのように認識されているのか、お尋ねをいたします。

 次に、拉致問題についてお伺いをいたします。

 八月十五日に、山口県特定失踪者家族会が結成されました。下関市の河田君江さんのお母さん、山口市の西村京子さんのお母さん、宇部市の国広富子さんの妹さん、美祢市の安村文夫さんのお母さん、山口市の西村三男のお兄さん、そして先日、光市の宮脇留義さんの弟さんが参加を決められ、県内の特定失踪者七名のうち、六名の家族が参加された会となりました。

 十一月三十日に宇部市におきまして、山口県特定失踪者家族会と救う会山口が共催をして、初めての集会を開催することとしております。

 県民一人一人の関心、思いが拉致問題の解決につながるとの思いで、集会に先立ち、九月十九日に私も同席させていただきましたが、知事に「拉致された疑いの強い失踪者が、山口県にもおられることを県並びに県民には決して忘れてほしくない。そのためにも知事が先頭に立って、県民への広報・啓発に御尽力していただきたい」との要望をされたところであります。

 そこで、河田代表を初め特定失踪者家族にお会いになられた副知事、娘や姉が神隠しにあったかのがごとく、ある日突然に姿を消してしまった御家族のお顔を拝見し、悲痛の訴えを耳にして、何を感じられ、今後、県として何をなさなければならないと決意をされたのか、お伺いいたします。

 次に、北朝鮮の拉致再調査の報告がおくれはしましたが、家族会を初め、私たちは、県内の特定失踪者も間違いなく帰国されるものと確信をしておりますし、そのときには、県も国、市町と一体となって、総合的な支援をしていただけるものと信じております。

 そこで、県として、どのような支援策をお考えなのか、また、その準備にはすぐにでも取りかからなければならないと考えますが、御見解をお伺いいたします。

 さて、九月十三日に、拉致家族会、救う会、拉致議連、拉致被害者を救出する知事の会が主催して、国民大集会が開催されました。

 そこでまず、村岡知事は、この知事の会に入っておられるのか、さらに、当日は鳥取県など四府県の知事が出席されましたが、山口県はどう対応されたのか、お尋ねいたします。

 また、中国地区からは、広島、鳥取、島根の県議会拉致議連合わせて九名が参加されましたが、残念ながら山口、岡山両県議会拉致議連は欠席でありました。

 そこで、今後も、県主催の拉致問題を考える国民の集いの開催に向け、了承がとれていない団体に対し、粘り強く働きかけられますよう、強く要望をさせていただきます。

 終わりに、九月十一日、吉田証言、いわゆる従軍慰安婦の強制連行は、誤報であったと認め、社長が謝罪会見をされました朝日新聞社に対し、私は強い憤りを感じております。

 誤った記事により、多くの国益を失ったという事実を、本当に認識されているのか、今でも疑っております。安倍総理も、「多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられた」と批判されました。先週金曜日の夜、新聞を読んでいますと、島根県知事も県議会本会議で、「政府の考えと同感」との答弁をされたとの記事を目にしました。

 そこで、その他の項として、朝日新聞の一連の報道に対する村岡知事の御見解をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)



○議長(柳居俊学君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 橋本議員の御質問にお答えします。

 まず、愛宕山問題に関する数点のお尋ねのうち、視察の感想についてです。

 去る八月二十六日、KC130空中給油機十五機がSACO合意以来十八年目にして移駐を完了しました。私は、こうした節目の時期を捉え、今月二十二日に岩国基地を訪問し、KC130の関係施設や実際の機体、さらに隊員や家族が居住する住宅の整備状況など、移駐完了後の状況確認を行うほか、基地の全般にわたって視察を行いました。

 あわせて、基地の副司令官に面会し、基地を抱える広域自治体の長として、騒音軽減のための日米合意の遵守や航空機の安全運用の徹底を初め、地域住民の生活環境への配慮について要請を行ったところです。

 このたびの視察では、基地が市街地の中心部で大変大きな面積を占め、産業の発展を阻んできたという実態や、戦闘機が発するエンジン音をより具体的に把握することができ、地域住民や地元自治体にとって、基地の存在そのものが負担であることを改めて認識いたしました。

 また、私はこのたび、基地視察の機会にあわせて、米軍再編関連施設用地と岩国市のまちづくりエリアからなる愛宕山地区を視察しましたが、市のまちづくりエリアでは、市民待望の医療・防災交流拠点の整備が進んでいると感じたところです。

 一方、米軍再編関連の家族住宅エリアでは、米軍家族住宅の整備に向けて、敷地造成工事が開始されたばかりの状況でした。こうした住宅整備について岩国市は、あくまでも空母艦載機移駐のための準備行為として認めざるを得ないとしているところですが、国においては、これまでの経緯を踏まえ、今後とも、空母艦載機の移駐に係る県、地元の一致した基本スタンスを尊重し、誠意ある対応をしていただく必要があると改めて認識したところです。

 また、運動施設エリアについては、野球場や陸上競技場などスポーツができる施設のほか、文化面での日米交流などさまざまな面で有益なコミュニティーセンターが整備されることから、市が望んでいるとおり、住民の方々に喜ばれる利用しやすい施設になることを期待しています。

 あわせて、愛宕山地区で進められている市のまちづくりに関連して、市からの要望もあり、岩国医療センター跡地を視察しました。市において公共施設等の事業用地としての取得も視野に入れて検討していると聞きましたので、引き続き市の意向を確認してまいりたいと考えております。

 次に、吉田証言に関する朝日新聞社の報道についてのお尋ねにお答えします。

 朝日新聞社の従軍慰安婦に係る記事の一部が誤報であったことに関しては、私としても国際社会における日本の名誉が傷つけられるような重要な問題であると思っています。

 今後、報道機関としての社会的責任の大きさに鑑み、我が国の名誉の回復に最善を尽くし、また、公正で正確な報道をしていただきたいと考えています。

 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。



○議長(柳居俊学君) 藤部副知事。

    〔副知事 藤部秀則君登壇〕



◎副知事(藤部秀則君) 拉致問題についてのお尋ねのうち、山口県特定失踪者家族会の要望についてお答えします。

 北朝鮮による日本人の拉致は、基本的人権を侵害する極めて重大な問題であります。県としても、政府が認定している拉致被害者に限らず、いわゆる特定失踪者など、拉致の疑いを否定できない方々を含め、拉致問題の早期解決に向け、これまで啓発活動に努めてきたところです。

 こうした中、去る九月十九日、新たに結成された家族会の方々と直接お会いし、県民への広報・啓発に関する要望書をお受けいたしました。

 ある日突然、御家族の方が消息不明となられ、いまだその安否すらわからない、そうした長年にわたる御心痛は察するに余りあります。どうか一日も早く真相が解明され、そして再会を果たしていただきたい、これが御家族の方にお会いしての私の率直な気持ちです。

 県といたしましては、今回の御家族からの御要望の趣旨を踏まえ、広く県民の関心を喚起し、拉致問題の早期解決が図られるよう、引き続き、さまざまな機会を捉え、啓発活動に取り組むとともに、新たな動きがあれば国や地元市町等と連携し、必要な支援を行ってまいりたいと考えています。



○議長(柳居俊学君) 北?土木建築部長。

    〔土木建築部長 北?孝洋君登壇〕



◎土木建築部長(北?孝洋君) 土砂災害対策に関する御質問のうち、急傾斜地の崩壊対策工事についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、急傾斜地崩壊対策事業の今後の取り組みについてです。

 県では、崖崩れの危険性が高い箇所について、関係市町と連携しながら、過去に土砂災害が発生した箇所、特別養護老人ホーム等の災害時要援護者関連施設や避難施設が立地する箇所など、危険度や緊急性の高い箇所から重点的・計画的に事業を実施しています。

 今後の事業の実施に当たっては、危険度の評価において、このたびの県東部や広島市での発生した甚大な土砂災害を踏まえ、地質や土壌の特殊性に、より留意し、優先する箇所を決定してまいります。

 さらに、県が補助する市町事業についても、県事業と同様に、地質や土壌の特殊性に留意するよう市町を指導してまいります。

 次に、事業の強制的な実施についてです。

 本事業は、直接的な受益者が施設で保全される人家に限られることから、実施に当たっては事業用地の寄附や地元負担金を求めています。また、事業用地の所有者と保全家屋の所有者が異なる場合に、用地の確保や工事の実施に支障が生じることも懸念されます。このため、事業の実施に当たっては、地元の理解と協力が不可欠であり、これまで事前に地元関係者全員の要望書の提出を受けて着手しているところです。

 したがいまして、お示しのような一部地権者の同意が得られない場合の強制的な事業実施は、困難と考えておりますが、落石や崩土などの斜面崩壊が既に発生し、放置すると甚大な土砂災害につながるおそれがあるなど、極めて危険度が高い箇所については、県としては、市町と連携を図りながら、同意が得られるよう、より一層粘り強く説得に努めてまいります。

 次に、宅地開発の対応についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、既に造成された団地への対応についてです。

 県では、開発許可に当たっては、開発許可ハンドブックに基づき、宅地開発事業者に対し、崖を守るための擁壁や雨量・土壌に応じた排水施設の設置などを指導してきたところであり、宅地の安全性は確保されているものと考えています。

 しかしながら、団地等の周辺に危険な渓流や崖などが存在する場合もあることから、今後も、その地形・地質や土壌の特殊性などにより危険度を評価し、危険度が高い箇所については、砂防ダム等の設置を検討してまいります。

 次に、新たな開発許可申請への対応についてです。

 都市計画法では、急傾斜地崩壊危険区域や土砂災害特別警戒区域においては、原則として開発許可はできないこととされていますが、開発区域及びその周辺の地域の状況に応じた必要な危険防止措置がとられている場合には、許可できることとされています。

 このような法の趣旨に沿って、県としては、お示しのような土壌地において新たに開発許可申請が行われた場合には、土砂災害や地盤の沈下、崖崩れ等による災害を防止するため、開発区域内の土壌の性質等に、これまで以上に留意し、災害防止上必要な措置が行われているかどうかについて、慎重に審査の上、許可の可否について判断してまいります。

 次に、トンネル内照明等のLED化についてのお尋ねにお答えします。

 お示しのとおり、LED照明は、これまでのナトリウム灯や水銀灯などに比べ、長寿命で、かつエネルギーコスト削減効果が大きく、さらに、光の色が自然光に近いため、ドライバーがより明るく感じるという特殊性を有しています。

 一方で、これまでLED照明を道路照明として使用する場合の標準的な規格が定められておらず、また、機器も高価であったことから、利用が進んでおりませんでした。

 こうした中、平成二十三年度に国からLED照明の導入に関するガイドラインが示され、さらに、近年の技術開発や普及により機器の価格が下がり、ライフサイクルコストで優位となったため、県では平成二十四年度から道路照明のLED化に取り組み始めたところです。

 県としては、LED化を推進するため、現在、整備要領を策定しているところであり、今後、トンネル内道路照明や街路灯など、道路照明の新設や老朽化に伴う修繕・更新にあわせ、LED化を図り、維持管理費を削減するとともに、安全で快適な道路交通環境の提供に努めてまいります。



○議長(柳居俊学君) 大谷総務部理事。

    〔総務部理事 大谷恒雄君登壇〕



◎総務部理事(大谷恒雄君) 米軍岩国基地についての三点のお尋ねにお答えします。

 まず、都道府県を対象とした新たな措置についてです。

 お示しのとおり、九月十八日に菅内閣官房長官が来県され、防衛施設の所在する都道府県に対し国として必要な措置を講じることを明らかにされましたが、措置の具体的な内容については、今後、予算編成過程で検討するとのことでありました。

 したがいまして、お尋ねの和木町及び周防大島町への格段の配慮については、新たな措置の詳細が示されていないことから、現時点でその対応についてお答えすることは困難であることを御理解ください。

 次に、県による国際交流事業の実施についてです。

 米軍岩国基地では、例年五月五日に、基地を開放して日米親善デーを開催するほか、スポーツ行事や文化行事など、さまざまな形で日米交流の取り組みを進めています。また、市民レベルでも、スポーツ、伝統文化、音楽、農業体験などさまざまな交流行事がほぼ毎日開催されていると承知をしています。

 こうした中、愛宕山地区の運動施設エリア内に建設されるコミュニティーセンターは、バスケットボール等を行うことができるアリーナのほか、和室、調理室、多目的室等が整備される予定となっており、日米交流のための新たな拠点施設として大いに期待されています。

 県としては、日米交流活動を充実させるためには、当センターの利用促進のほか、基地内最大の交流団体である岩国日米協会を初めとする交流団体の活動を活発化することも手法として必要と考えており、現在、県国際交流協会を通じ、各交流団体への支援を行っているところです。

 今後は、当センターの完成に向け、日米交流の機運がさらに盛り上がるよう、岩国市と連携して、お示しの環境を活用した交流事業の検討や当センターの周知に努めてまいります。

 次に、空母艦載機部隊の移駐による経済効果についてです。

 まず、基地が存在することによる経済効果については、平成二十五年六月議会で、平成二十年度から二十三年度の四年間の年平均として、県が把握可能な項目に限れば、少なくとも約百六十九億円の効果があると答弁したところです。

 今回、平成二十五年度分を同様に試算したところ、基地内工事費や基地周辺整備費などの工事費が増加したことなどから、経済効果は約三百七十億円と倍増しましたが、基地があるがゆえの土地利用制限などマイナス面を初め、把握することが困難な数値は今回も反映されていません。

 お示しの岩国市への企業誘致件数は、岩国錦帯橋空港が開港した後の平成二十五年には、全県三十五社のうち十社となっており、平成二十四年の全県二十七社のうち一社、平成二十三年の全県二十五社のうち二社と比較して大きく伸びております。

 また、空母艦載機部隊の移駐によって生じる米軍からの新たな雇用については、国からいまだ、日本人従業員の増加数など具体的な数値が示されていないことから、現時点においてもその経済効果をお示しできないところです。

 次に、愛宕山問題についての三点のお尋ねにお答えします。

 まず、愛宕山地区における工事の進捗についてです。

 国からは、東工区と西工区の造成工事では、工事金額や工事内容も異なることから一概に進捗状況を比較することは困難であるが、両工区の造成工事は、来年五月末の完成に向けて実施しているとの説明を受けています。

 したがいまして、県としては、説明のあった工程に沿って工事が進められているものと考えています。

 次に、陸上競技場の整備についてです。

 愛宕山地区の運動施設については、その仕様等に関し、岩国市の要望を満たす内容で施設配置案が示され、現在、国において敷地造成工事や実施設計が進められているところです。

 お尋ねの陸上競技場での投てき競技については、砲丸投げを実施できるよう実施設計の中で対応することとされていますが、基本的には米軍管理の施設であるため、公認の取り扱いについては、今後、国、米軍及び岩国市において調整される必要があるものと承知をしています。

 また、写真判定装置の設置可能な競技場としての整備についても、必要性等を考慮し、国、米軍及び岩国市において調整されているものと承知をしています。

 次に、地元住民の声についてです。

 平成十七年に、空母艦載機部隊の厚木基地からの移駐など岩国基地に係る再編案が示されて以来、基地周辺住民の間には、それぞれの立場や状況に応じて、さまざまな御意見があったことは十分に承知をしています。

 県としては、地域住民のさまざまな御意見を踏まえ、住民の代表である首長と議会が十分協議をして取りまとめられた地元の意向を尊重して対応していく必要があると考えているところです。したがいまして、住民の方々から直接御意見を伺うということは考えておりません。



○議長(柳居俊学君) 上野総合企画部長。

    〔総合企画部長 上野清君登壇〕



◎総合企画部長(上野清君) スポーツの推進について、三点のお尋ねにお答えします。

 まず、二年後のインターハイを見据えた取り組みの成果についてです。

 強化・育成拠点校につきましては、今年度三十九校六十五部を指定し、部活動の県外遠征や優秀な外部指導者の派遣などの重点的な支援を行い、今年度のインターハイでも光高校ヨット部の優勝を初め、岩国工業高校フェンシング部の個人戦準優勝や団体戦三位などの成果を上げることができました。

 また、本県代表選手としての誇りと自覚を促し、一層の活躍につなげることを目的に、今年度創設した優秀選手指定制度につきましては、二十五競技百四十二名を指定し、長崎国体の会期前実施競技であります水泳競技で八名、カヌー競技で四名の優秀選手が入賞を果たしたところであります。

 次に、国体に向けた目標達成への展望についてです。

 ことしの長崎国体は、総合成績十位台の復活をかけた正念場であり、今後の本県競技力向上の試金石となる大切な国体です。

 ことしは、インターハイでも昨年を上回る入賞を果たしており、国体でも最大限のパフォーマンスを発揮できるものと期待をしております。

 また、現在、会期前実施競技が終了した時点の総合成績は二十六位であり、昨年の東京国体の三十五位を考えると、まずは順調なスタートが切れたものと考えています。

 これを弾みとして、本大会に向け、チームやまぐち一丸となり、ぜひとも目標を達成していきたいと考えています。

 次に、東京オリンピック・パラリンピックに向け国が概算要求した事業に対する認識についてです。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催効果を日本全国に波及させるためには、地域や学校での理解を深めるとともに、開催に向けて子供たちの関心を高め、スポーツへの取り組みや競技力の向上につなげていくことが必要です。

 お示しの国の事業については、現時点では詳細な内容が明らかになっておりませんが、こうした機運醸成等を図る上で有効なものと考えており、今後、しっかりと情報収集を行った上で、積極的な活用に努めてまいります。



○議長(柳居俊学君) 小松健康福祉部長。

    〔健康福祉部長 小松一彦君登壇〕



◎健康福祉部長(小松一彦君) 拉致問題についての二点のお尋ねにお答えします。

 まず、県内の特定失踪者の方が帰国された場合の支援についてです。

 北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律により認定された拉致被害者及びその家族に対しては、同法に基づき、国及び地方公共団体が、生活基盤の再建等に向け、必要な施策を講ずることとされています。

 県では、平成十五年の同法施行を受け、直ちに、庁内関係課により、庁内拉致問題連絡会議を設置しているところです。

 帰国に当たっては、今後、この連絡会議において、関係課の連携を密にし、国や地元市町と一体となって、個々の状況に応じた生活相談や住居、雇用の確保等、必要な支援について検討を進めていきたいと考えています。

 次に、九月十三日に開催された国民大集会への対応状況についてです。

 まず、北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会については、村岡知事は、知事就任後速やかに参加しています。

 次に、国民大集会については、東京事務所長が知事代理として出席しています。



○議長(柳居俊学君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) 教育に関する数点のお尋ねにお答えいたします。

 まず、教員の資質能力の向上についてのお尋ねのうち、小中学校で七年、高校で十年を超えて、同一校に在籍している教員の人数とその理由についてです。

 現在、小学校で二人、中学校で二人、高校で二百十一人となっております。

 主な理由としては、小中学校では、生徒指導や特別支援教育における指導の継続性から学校運営上必要であるため、高校では、農業、工業、商業などの専門教科の教員は配置先が限定されることや、学習指導や部活動を初め、学校の特色づくりに中心的な役割を果たしている教員については、その後継者の育成が必要なためであります。

 次に、教員の資質能力の向上に向けた積極的な人事異動についてです。

 県教委では、人事異動方針に基づく積極的な人事異動を推進し、意欲や能力、実績に応じた適切な人材活用に努めているところです。

 経験豊かなベテラン教員につきましても、人事異動方針に従った人事異動を進め、より多くの中堅・若手の教員の指導に当たることができるよう配慮しておりますが、それぞれの学校の特色ある取り組みが計画的に引き継がれる必要もありますことから、学校の実情を踏まえ、後継者の育成を図りながら、適切な人事異動に取り組んでまいります。

 次に、今年度のインターハイの総括についてのお尋ねにお答えいたします。

 お示しのように、今年度は、男子のヨット競技において光高校が優勝を飾るなど、個人・団体を合わせて、昨年度の十競技二十種目を大きく上回る十三競技三十種目の入賞を果たしました。

 県教委では、これまで、各競技の強化・育成の拠点となる学校へ高い指導力を有する教員の配置や、山口県体育協会等と連携し、技術面やスポーツ医・科学のサポートを行う外部指導者の派遣に取り組んでまいりました。

 今回の結果は、こうした取り組みに加え、中学校と連携した指導体制の整備や、地域におけるジュニア期からの選手の育成強化など、山口国体の開催を契機とした取り組みの成果があらわれたものと捉えております。

 県教委といたしましては、今後も、関係団体等や地域との連携のもと、組織的な指導体制の整備や、学校における運動部活動の一層の充実を図りながら、スポーツの普及や競技力の向上につなげてまいります。

   ─────────────



○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩いたします。再開は午後一時の予定でございます。

    午前十一時五十四分休憩

   ─────────────

    午後一時開議



○副議長(畑原基成君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

   ─────────────



△日程第一一般質問



△日程第二議案第一号から第十六号まで



○副議長(畑原基成君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十六号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。

 上岡康彦君。

    〔上岡康彦君登壇〕(拍手)



◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦でございます。

 質問に入ります前に一言申し上げます。八月六日未明に起こった岩国市や和木町の記録的豪雨災害、八月二十日未明に起こりました広島県北部での土砂災害を初め、ことしの夏も災害の多い夏となってしまいました。

 また、先日は、御嶽山の突然の噴火により、山口市出身の方も災害に巻き込まれたようでございます。まず、このたびの災害で犠牲になられた方へ謹んでお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

 それでは、通告に従いまして、質問に入らせていただきます。

 初めに、防災・減災対策について三点質問いたします。

 一点目に、土砂災害特別警戒区域における県民の安全確保についてお尋ねいたします。

 今議会においては、岩国市や広島市での教訓を生かすべく、何人もの方がハード・ソフト両面からの防災・減災対策をそれぞれの視点から提案されておられます。

 私も大雨災害が発生した六日の朝から、岩国の被災現場へ向かい、岩国市多田地区、関戸地区、錦見地区、麻里布地区、川西地区、平田地区へと、また、日を改めて約百世帯が孤立した和木町瀬田地区を地元の市会議員と一緒に巡回し、多くの市民から悲鳴にも似たお声をたくさんいただきました。

 名前すら知らない方にもその場で対応できるものは、すぐさま電話をしながら、行政との橋渡しに追われました。

 床上浸水した家屋の泥水を朝からかき出し続けて疲れ果てていた老夫婦、重機でなければ、とても動かせない大きな岩で庭先が埋め尽くされ途方に暮れる御主人、水浸しになってしまった大量の商品のほとんどを廃棄処分しているスーパーでの光景など、その日は悲しい現実を随分見て回りました。

 さて、岩国市に限らず、高度経済成長期に、人口が増加しつつある時代には宅地開発も急ピッチで進み、必然的に山も削られ、急傾斜地であろうが宅地が求められてきました。

 しかし、現在、その急傾斜地が異常気象の猛威にさらされ、人々の暮らしを脅かしております。まさに、開発当時からすれば想定外の事態なのでありましょうが、だからといって、今県民、市民が犠牲に遭ってもよいということにはなりません。

 土砂災害防止法は、二○○○年に制定されましたが、その前年の広島県で三十人を超える犠牲者を出した豪雨災害がきっかけであります。

 土砂災害のおそれがある警戒区域と建築物に破損が生じ、住民の生命に著しい危害が生じるおそれがある特別警戒区域を指定し、住民への危険周知や避難体制の整備などの防災対策を進めることを趣旨としているものであります。

 この夏、台風や豪雨災害が全国各地に広がったことが契機となり、今後、国においても土砂災害防止法の改正など具体的な動きが見えてくることと思います。

 今ある住宅地に関しては、さらなる防災・減災対策を強化していくしかありませんが、しかしながら、今後については、土砂災害特別警戒区域内の宅地開発の抑制をより強化するなど、人的被害を広げないという、山口県として県民を守るための規制線を張るべきだと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 二点目に、避難勧告等の情報の確実な伝達についてであります。

 早朝、目が覚めたときにはとか、気がついたときには既にとか、今回、岩国市の現場で何度もお聞きした声であります。県内各市では、防災行政無線などさまざま住民のための設備が整えられていますし、役所等の車両で危険を県民に広報することもあるでしょう。しかし、このたびの大雨災害においても、各地で懸念されていたように、警戒情報・避難勧告などが、結局地域の住民に速やかに、かつ正確に届かなかったということが極めて重要な問題点であります。

 今さら、改めて指摘するような事柄ではないはずだと思うのですが、夜中・早朝で防災メールには気がつかなかったとか、屋外からのスピーカー音は豪雨で音がかき消されたりなど、よく聞く話であります。

 県民の危機意識の向上を鑑みれば、今こそ一体どうすれば危険を回避するための情報が確実に伝えられるのかを真剣に考えるべきときに来ていると思えてなりません。

 複雑に考えずに、至ってアナログ的ですが、スイッチが切れていても緊急時には自動で起動して警戒情報が放送される防災ラジオを全世帯に置くのが、結局確実ではないかと私は思うのです。

 第一義的には、市町が対応することとはいうものの、市町と連携して導入に努めれば、費用も半分で済みますし、夜中であっても豪雨のさなかにあっても確実に家の中で警戒情報が伝わるのではないでしょうか。

 机上で議論を百回繰り返すよりも、一家に一台、机の上に防災ラジオがあるほうが、県民の命を救うために効果的なこともあるのではないでしょうか。

 空振りを恐れずという姿勢は非常に大事であります。くれぐれも見逃し三振、バッターアウトというような、こんな事態だけは避けたいと強く思っているのは、決して私だけではないと思います。

 そこでお尋ねいたしますが、防災ラジオの導入も含めて、こうした市町と連携した避難情報等の確実な伝達などの防災・減災対策について、県はどのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。

 三点目に、DPATの充実について伺います。

 DMAT(災害派遣医療チーム)は、最近は随分活躍が目覚ましく、ほとんどの方が御存じだと思いますが、DPATについては、まだまだ御存じない方も多いのではないでしょうか。DPATとは、災害派遣精神医療チームのことで、自然災害や航空機・列車事故、犯罪事件などの大規模災害等が発生した後に、被災地域の都道府県の派遣要請により被災地に入り、被災者及び支援者に対して、精神科医療及び精神保健活動の支援を行うための専門的な精神医療チームのことであります。

 簡単に言えば、被災地での精神医療や被災者の心のケアを専門とし、災害時に派遣される精神医療チームのことで、東日本大震災でその必要性が指摘され、昨年四月に厚生労働省が活動要領を定めました。当然ながら、先月起こった広島市での土砂災害でも活動しています。

 大規模な自然災害が発生した場合や大規模事故などの集団災害が発生した場合、被災地域の精神保健医療機能は一時的に低下し、さらに災害ストレス等により新たに精神的問題が生じるなど精神保健の需要が拡大します。

 しかもDPATの活動期間は、発災当日から被災地域の精神保健医療体制が復興するまでの長期間にわたることもあり、こうした場合には、被災地域の精神保健医療ニーズの把握や他の保健医療体制との連携、各種関係機関等とのマネジメント、さらにあわせて専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援が必要になってまいります。

 そこでお尋ねいたしますが、今後、想像を超える自然災害や大事故が発生した場合に、DPATのような活動ができる医療チームの充実が今後ますます重要になってくると思われますが、山口県の状況についてお尋ねいたします。あわせて今後の取り組みについてどのようにお考えか、お尋ねいたします。

 次に、やまぐち次世代産業クラスター構想の推進についてお尋ねいたします。

 国全体が人口減少に転じ、本県においては全国よりも十年も早く人口減少や少子高齢化が進んでいます。

 また、産業構造も大きく変化し、地域間競争や国際間での競争が激化するなど、本県を取り巻く環境は厳しさを増しています。

 こうした中で、国では、日本再興戦略において、世界や我が国が直面している社会課題のうち、日本が国際的に強みを持ち、グローバル市場の成長が期待できるテーマとして、国民の健康寿命の延伸やクリーンかつ経済的なエネルギー需給の実現などを設定し、これらの社会課題を世界に先駆けて解決することで新たな成長分野を切り開くこととしているところであります。

 本県においても、こうした国の取り組みと呼応しながら、瀬戸内海沿岸地域を中心とする全国トップクラスの基礎素材型産業の集積を生かしながら、医療関連や環境・エネルギー分野におけるイノベーションを継続的に創出しつつ、次世代産業クラスターの形成を図るための指針として、本年四月には、医療関連産業クラスター構想と環境・エネルギー産業クラスター構想を策定されたところであります。

 そして、本年七月には、両分野の構想が国の地域イノベーション戦略推進地域に指定され、国等の競争的資金が優先選択されるとともに、地域イノベーション戦略支援プログラムにも採択されましたので、今後、本県での研究開発や事業化が加速化されることが大いに期待されるところであります。

 こうした中、村岡知事は、「活力みなぎる山口県」の実現を目指すため、このたび示された「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の素案においても、産業活力創造戦略の「突破プロジェクト」として、次世代の産業育成プロジェクトを掲げられました。

 この中で、全国をリードする医療関連産業の育成・集積と、水素などの地域資源を活用した次代を担う環境・エネルギー産業の育成・集積を重点施策に位置づけられ、本県の有するすぐれた立地環境や地域資源を生かした次世代産業の育成・集積のさらなる推進に取り組まれようとされています。

 私も知事同様に、本県の強みである基礎素材型産業の集積や企業の持つ高い技術力を活用し、医療や環境・エネルギー関連産業など、今後の成長が期待される分野における産業の育成・集積をさらに強力に促進することは、本県の活力源となる強い産業、付加価値の高い産業づくりのためには極めて重要であると考えております。

 そこでお尋ねいたします。やまぐち次世代産業クラスター構想の実現に向けて、今後、どのように展開されていくおつもりなのか、御所見をお伺いいたします。

 次に、水産業の新規就業者対策についてお伺いいたします。

 農林水産省が去る八月二十九日に発表した二○一三年漁業センサスを新聞で見て、私は強い衝撃を受けました。全国の漁業経営体数が五年前の二○○八年に比べ、約一八%減少し約九万五千経営体に、就業者数も同じく一八%減少し、約十八万人に減少したということであります。

 本県においても、海面漁業経営体数は三千六百十八経営体と、五年前に比べて二○・五%も減少し、漁業就業者数は二四・一%減の五千百六人と全国に比べ高い減少率となっております。

 しかも、漁業就業者のうち六十五歳以上の占める割合は、全国で二番目に高い五二・六%であり、高齢化が全国よりも十年早く進みつつある山口県の悩める人口構造そのものが、こうした就業人口にも如実にあらわれております。

 また、近年の海水温の上昇による魚種の変化や漁場の変化などが話題に上りますが、あわせて瀬戸内海では赤潮が多発するなどの悩みも抱えていらっしゃいます。しかも、燃油価格の高どまりと魚価の低迷による経営環境の悪化も追い打ちをかけており、水産業を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。

 そこで、県に、県内漁業者の実態を伺ったところ、明るい話題もありました。本県の平成二十五年度の新規漁業就業者が四十六人と、少しずつではあるものの、増加傾向にあるとのことでした。その四十六人のうち四十歳未満は三十六人とのことで、若者の人数も増加しているようです。

 さらに、こうした若い漁業者グループによるヒジキ養殖の広がりや小型定置網の新たな着業など、漁業の多角経営化や共同経営に向けた取り組みも進んでいると伺いました。

 今後、水産業を取り巻く厳しい環境を打破し、漁業の振興を図っていくためには、水産資源の管理・回復や漁業経営の多角化、共同経営化などの対策も必要となってまいりますが、何よりも地域の漁業を支える就業者の確保が喫緊の課題と考えます。

 県や国ではこれまでも、さまざまな対策を講じているとお聞きしておりますが、今後、さらに新規漁業就業者を増加させていくためには、漁業者や就業希望者の要望を十分に把握した上で、現場のニーズに応じた対策を展開していく必要があると考えます。

 そこでお伺いいたしますが、本県水産業の振興のため重要となる新規漁業就業者の確保に、今後どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。

 続いて、コミュニティ・スクールについてお尋ねいたします。

 コミュニティ・スクールは、学校ごとに学校運営協議会と呼ばれる組織を設置し、学校と保護者、地域の方々がともに知恵を出し合い、地域とともにある学校づくりを進める仕組みであります。

 我が公明党としては、コミュニティ・スクールが平成十六年に制度化される以前から、地域の創意工夫を生かした学校運営制度の創設を求めてきたこともあり、その取り組みには大変期待を寄せているところであります。

 先日、我が党の文部科学部会が、コミュニティ・スクールの先駆的な取り組みをしておられる光市の浅江中学校を視察する機会がございましたので、私も同行してまいりました。

 浅江中学校では、学校運営協議会の中に、学力向上、心の教育、体力づくりの三つの部会を設け、全ての教職員がいずれかの部会に所属し、地域の方々との熟議の上、活動計画を決定しておられるとのことでありました。

 また、地域の課題解決に向けて取り組む総合学習の時間の様子や、世界スカウトジャンボリーに向けた取り組みの一つとして、地域の方々がALTの先生から英会話を学んでおられるところなど、地域と学校のかかわりを直接拝見することができ、大変有意義な視察となりました。

 現在、全国のコミュニティ・スクールの設置率は約六%でありますが、本県におきましては、八○%を超えており、全国の先駆け的な存在ともなっております。

 国におきましても、二○一六年度末までに全国の公立小中学校で三千校の設置を目指すとのことであり、また、文部科学省の来年度予算の概算要求におきましても、学校を核とした地域力強化プランをポイントの一つとして掲げられるなど、今後、さらに全国的な取り組みとして強化されていくものと考えております。

 また、山口県としては、「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の中に、社会総がかりによる地域教育力日本一の取り組みの推進を掲げられ、そのポイントとしてコミュニティ・スクールの充実を挙げておられます。

 そこでお尋ねいたしますが、私もコミュニティ・スクールの取り組みに賛同し、本県の取り組みの成果に大きな期待を寄せるものでありますが、この取り組みは、単に学校運営協議会の設置だけに終わることなく、真に学校と地域の有機的な連携につながるよう取り組んでいくことが重要と考えますが、今後、県教委はコミュニティ・スクールの推進にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

 質問の最後に、新しい刑事司法制度を踏まえた捜査員の育成について伺います。

 今月十八日、法務大臣の諮問機関である法務省法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会は、警察と検察による取り調べの録音・録画、つまり可視化の義務づけや司法取引の導入、通信傍受の対象拡大を柱とした法改正要綱を全会一致で採択し、松島みどり法務大臣に答申いたしました。

 私は、裁判員裁判がスタートする前年の平成二十年九月議会で、取り調べの可視化については、裁判員制度導入の目標の一つでもある裁判の短期化のみならず、冤罪の原因となる密室での違法・不当な取り調べによる自白の強要が防止できるとともに、供述調書に書かれた自白の任意性や信用性が争われた場合には、取り調べの録音・録画状況が証拠になるなど、その取り組みについて取り上げ、山口県警察での警察捜査における取り調べの信頼性や透明性の確保について質問いたしました。

 その後、ちょうど六年が経過いたしましたが、このたびの答申を受け、来年の通常国会には刑事訴訟法や刑法などの改正案が提出されると思いますので、今議会で改めて可視化を取り上げて質問したいと思います。

 答申では、警察と検察が逮捕した容疑者の取り調べを最初から最後まで可視化するよう義務づけ、その対象は、殺人や強盗致死などの裁判員裁判対象事件と、検察の特捜部や特別刑事部が扱う独自捜査事件に限られており、これで言えば可視化は容疑者が逮捕された全事件の二から三%にとどまります。また、県内の裁判員裁判対象事件で言えば年間十数件です。

 さらに、司法取引の導入についても、可視化は自白が引き出せなくなるとして、従来からの可視化慎重派も、捜査の新たな武器として期待する一方で、自分の罪を逃れるために虚偽の供述をし、無実の他人を巻き込むおそれがあるとして、司法取引で得られる証言の信用性を疑問視する批判の声があるのも事実であります。

 そこで、重要なのは、ベテランの持つ技量の継承であります。腕のよい刑事さんも大量退職の時期を迎えております。次の時代を担う捜査員の方々が経験できる可視化対象事件も決して多くはありません。豊富な経験に裏づけられたベテランの見識をいかに伝え残していくのか。次世代の山口県を守る警察職員のスキルアップのためにも非常に大事なことだと考えます。

 そこでお尋ねいたしますが、次代への捜査員の育成について、どのように取り組まれるのか、お伺いをいたしまして、私の質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 上岡議員の御質問のうち、私からは、やまぐち次世代産業クラスター構想の推進についてのお尋ねにお答えします。

 活力みなぎる県づくりを進めるためには、活力源となる強い産業づくりが不可欠であり、お示しのように、付加価値が高く成長が期待される次世代産業の育成・集積を図ることが極めて重要です。

 このため、私は、本年四月に策定し、国のイノベーション地域指定を受けたやまぐち次世代産業クラスター構想に基づく、医療関連、環境・エネルギー産業の育成・集積に向けた取り組みを、現在策定中のチャレンジプランの次世代の産業育成プロジェクトの重点施策に掲げ、産学公金連携のもと、積極的に取り組むこととしています。

 具体的には、クラスター構想の実現に向け、医療関連分野での、疾病の未然防止や死亡率の高い疾病の高度治療など、環境関連分野での水素等の資源を活用したエネルギーの創造や利活用など、本県の特性を踏まえ、地域資源を生かした研究開発・事業化を積極的に進めることとしています。

 研究開発・事業化に向けては、本年四月に県産業技術センターに設置したイノベーション推進センターを中心に、医療関連成長戦略推進協議会等と連携をし、企業や大学等が有するニーズとシーズのマッチングを促進してまいります。

 また、こうしたマッチングを着実かつ効果的に進めるため、医療関連分野では、ものづくり企業の医療現場への理解を深めるための県立病院での見学会や、山口大学医学部でのニーズ発表会などを、環境関連分野では、企業等の参画の拡大を図るためのセミナーや、大手企業の機能性素材の中小企業への活用手法調査などを実施することとしています。

 さらに、マッチングによる研究開発・事業化を加速化するため、本県独自の産業戦略研究開発補助金や、国のイノベーション地域指定に伴い優先採択される競争的資金を最大限活用することとしています。

 加えて、産業人材の育成も重要でありますことから、研究開発や高度なプラント管理を担う人材を持続的に育成・輩出するため、山口大学と企業等が一体となって取り組む人材育成プログラムの開発を促進してまいります。

 また、こうした取り組みを全国に発信して企業誘致活動を進め、医療・環境分野における新規立地・拡大投資を促進してまいります。

 私は、これからの日本をリードする次世代産業クラスター構想の実現に向け、企業、大学、関係機関の総力を結集し、全力で取り組んでまいります。

 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。



○副議長(畑原基成君) 北?土木建築部長。

    〔土木建築部長 北?孝洋君登壇〕



◎土木建築部長(北?孝洋君) 防災・減災対策についての御質問のうち、土砂災害特別警戒区域における県民の安全確保についてのお尋ねにお答えします。

 本県では、平成十七年度から土砂災害警戒区域の調査に本格的に着手し、平成二十四年度にはこの区域の指定を県内全域で完了したところであり、また、お示しの特別警戒区域については、現在、周南市など五市において指定を完了しているところです。

 この特別警戒区域では、住宅宅地分譲や社会福祉施設、医療施設などを建築するための開発行為の許可制や、居室を有する建築物の構造の規制が行われるなど、新規立地抑制や建築物の安全の確保のための措置が講じられます。

 こうした中、県内の特別警戒区域では、これまで特定の開発行為の申請や建築確認申請が行われた事例はなく、宅地開発等に対する一定の抑止効果が図られているものと考えています。

 また、土砂災害防止法については、立法時の国会で「土砂災害特別警戒区域における規制は、住民みずからの生命、身体を守るために必要最小限度のものである」と答弁されており、規制が過度の土地の制限にならないように配慮することが示されています。

 こうした点を勘案して、県としては、まずは、特別警戒区域の県内全域の指定完了に努めてまいります。また、特別警戒区域内の宅地開発の抑制については、本県独自の規制の強化は現時点困難な状況ですが、今後は、国における土砂災害防止法の改正の動きや宅地開発申請の動向を注視しながら、規制のあり方について研究してまいります。



○副議長(畑原基成君) 渡邉総務部長。

    〔総務部長 渡邉繁樹君登壇〕



◎総務部長(渡邉繁樹君) 防災・減災対策についてのお尋ねのうち、避難勧告等の情報の確実な伝達についてお答えします。

 大雨等による災害のおそれがある際に、避難勧告等の防災情報を、迅速かつ確実に住民に伝えることは、被害を未然に防止する上で重要です。

 このため、各市町においては、防災行政無線による一斉放送、登録制の防災情報メールや携帯電話の緊急速報メールなど、さまざまな伝達手段を活用し、住民への必要な防災情報の提供に努めています。

 また、県におきましても、早期避難につながるよう、雨量などの気象情報や洪水予報、土砂災害の危険度等の防災情報をホームページ等で提供しており、このたび、情報を入手しやすくなるよう、ホームページの改修を行いました。

 県としましては、住民への迅速・確実な情報伝達体制を確保するためには、地域の実情に応じた伝達手段の多様化が重要であると考えており、市町への先進事例や支援制度の情報提供等に努めているところです。

 お示しの防災ラジオについては、有効な伝達手段の一つではありますが、個々の住民への情報伝達については、地域防災に主要な役割を担う市町において、地域に適した手段を組み合わせて確保されるべきものと考えており、引き続き情報提供等により市町における伝達体制の充実強化に努めてまいります。

 また、一方で、県民一人一人が災害から命を守るためには、みずからが気象等の防災情報に注意し、身の危険を感じれば、自発的に避難行動をとることが、何より重要であり、県としても、防災知識の普及啓発を進めるなど、防災・意識の醸成に積極的に取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) 小松健康福祉部長。

    〔健康福祉部長 小松一彦君登壇〕



◎健康福祉部長(小松一彦君) 防災・減災対策についてのお尋ねのうち、災害派遣精神医療チーム(DPAT)の充実についてお答えします。

 本県では、これまで災害時においては、保健師等の公衆衛生チームにより、心のケア等を行ってきたところですが、近年、お示しのように、東日本大震災等、大規模な自然災害時においては、被災者の身体的なケアと同時に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)等に対する、より専門的な精神医療が必要となります。

 このため県としては、平成二十四年度から国が実施するDPAT研修に、県内の医療機関等から精神科医、看護師、事務職員等を派遣し、人材養成に取り組んでいるところです。

 また、DPATのうち、発災直後に初動チームとして支援活動を行うDPAT先遣隊の制度が、本年一月に、国において創設されたことから、本県では、いち早く、三月に、県立こころの医療センターにDPAT先遣隊を設置し、さらに、国の大規模災害訓練に参加し、実践的な対応能力の向上を図っているところです。

 県としては、被災地における専門的な心のケアがきめ細かく進められるよう、引き続き、国が実施する研修・訓練を通じた人材養成に取り組むとともに、大学病院や関係団体と協議しながら、今後、初動体制の拡充と継続的な支援が可能となるよう、DPATの体制整備の充実に努めてまいります。



○副議長(畑原基成君) 野村農林水産部長。

    〔農林水産部長 野村雅史君登壇〕



◎農林水産部長(野村雅史君) 水産業の新規就業者対策についてのお尋ねにお答えいたします。

 お示しのとおり、本県では全国を上回るペースで漁業就業者数が減少しており、漁業生産力や漁村集落の活力を維持するため、これまでも新規就業者の確保・育成を最重要課題として取り組んできたところであります。

 具体的には、市町、漁協との連携のもと、平成十年に全国に先駆けて募集から研修、就業まで一貫した支援を開始し、以降、研修対象者の拡充や漁船リース事業への支援など制度の充実・改善を図るとともに、平成二十年からは、国の施策も効果的に活用しながら、対策を強化してきたところであります。

 この結果、平成十年以降、百人を上回る方々が研修を修了し、新規に就業されたほか、現在も三十八人が県内各地で研修をされております。

 また、新規就業者を含む若い漁業者が中心となって、生産や加工・販売など新たな所得確保対策に取り組み、漁村の活性化につながった事例が全国表彰を受けるなど、一定の成果があらわれております。

 こうした中、さまざまな機会を通じて、漁業関係団体や、就業に向け研修中の方々に本県の支援制度についてお聞きしたところ、他県と比較して就業時の支援が充実しているとの意見がある一方で、住宅確保対策や漁業者の子弟に対する支援の拡充などの要望があったところであります。

 県としては、新規就業者は、本県水産業の元気と活力の源であるとの認識のもと、今後とも現場の御意見をしっかりとお聞きし、国に施策の充実を要望するとともに、市町や関係団体と緊密に連携しながら、新規就業者対策の一層の充実に取り組んでまいります。



○副議長(畑原基成君) 浅原教育長。

    〔教育長 浅原司君登壇〕



◎教育長(浅原司君) コミュニティ・スクールについてのお尋ねにお答えします。

 コミュニティ・スクールは、保護者や地域住民のニーズを迅速に学校運営に反映させ、学校、家庭、地域が一体となってよりよい教育を実現していく有効な制度であると考えており、県教委では、これまでコミュニティ・スクールの導入を推進し、市町教委が積極的に取り組んだ結果、現在の設置率は八一・六%となっております。

 各学校におきましては、コミュニティ・スクールの導入により、地域の方々が授業や学校行事などに参加して、学校を支援する取り組みが組織的に行われるとともに、学校の課題を家庭、地域と共有し、解決に向けた方策について協議を重ねるなど、地域とともに学校を運営していくという考え方が広がってまいりました。

 さらに、地域の方々を対象とした、教職員による合唱指導や絵画鑑賞、道徳授業などの教養講座や、地域の方を講師とするふるさと学習、余裕教室を活用した趣味や特技で集える憩いの場の提供など、これまでになかった学校と地域とのつながりも生まれてきております。

 一方で、コミュニティ・スクールを導入している学校へのアンケート結果によりますと、「学校課題の解決に向けた取り組みや協議が充実していない」「教職員の参画意識が十分醸成されていない」などの意見があるとともに、学校間の取り組みに差も見られるところであります。

 こうしたことから、今後、学校運営協議会の充実に向けた研修会の実施や先進校での取り組みの発表、各学校における特色ある取り組みの事例集の作成、学校運営協議会での協議の活性化に向けた講座の開催などを通して、本県におけるコミュニティ・スクール推進の三つの柱である学校支援ボランティアの積極的な活用、保護者や地域の方々の学校運営への参画、地域貢献の取り組みが、県内全ての小中学校において、一層充実したものとなるよう支援してまいります。

 県教委といたしましては、子供も大人も生き生きとする地域に優しい学校づくりを進めるため、現在、策定中の未来開拓チャレンジプランに社会総がかりによる地域教育力日本一を掲げ、市町教委と連携してコミュニティ・スクールのより一層の充実に向けた取り組みを推進してまいります。



○副議長(畑原基成君) 藤村警察本部長。

    〔警察本部長 藤村博之君登壇〕



◎警察本部長(藤村博之君) 新しい刑事司法制度に向けた、次代への捜査員の育成のための取り組みについてお答えします。

 県警察では、取り調べの録音・録画について、警察庁から示された試行指針を踏まえ、裁判員裁判対象事件等において、捜査上の必要性を検討した上、取り調べの多様な場面での実施や、その実施時間・回数をふやすなど、積極的に取り組んでいます。

 こうした中、取り調べの録音・録画は、公判における供述の任意性、信用性等の立証に有用である一方、県内では対象事件の発生数が少ないことから、捜査員が経験する機会も限られ、また、ベテラン捜査員の大量退職に伴う世代交代が急速に進む中、取り調べ等のすぐれた捜査技能を持つ若手捜査員を育成していくことが喫緊の課題となっております。

 このためには、議員お示しのとおり、経験豊富なベテラン捜査員の知見を若手捜査員に伝承することが重要であることから、取り調べに関し卓越した知識・技能を持つ捜査員を取り調べ指導官に指定し、実際の事件の場や取り調べに関する研修会等で若手捜査員に対し、録音・録画の際の取り調べを初め、さまざまな局面での取り調べについて、指導に当たらせています。

 また、録音・録画を想定した取り調べなど、実戦に即したロールプレイング方式の訓練や、心理学の知見に基づく取り調べ手法を導入した教養を進めるなど、さまざまな方法で、若手を初め捜査官全体の取り調べ技術の高度化に取り組んでいます。

 さらに、新たに、警部補以上の捜査幹部を対象とした研修会を開催するほか、警察庁主催の実践的研修会に警察署の刑事課長を派遣するなど、若手捜査員の指導・教養に当たる捜査幹部の指揮能力の向上にも努めています。

 県警察におきましては、引き続き、新たな刑事司法制度をめぐる動向も踏まえ、次代を担う優秀な若手捜査員の育成に向け各種取り組みを進めるなど、警察捜査の充実強化を図ってまいります。

 以上でございます。



○副議長(畑原基成君) 井上剛君。

    〔井上剛君登壇〕(拍手)



◆(井上剛君) 皆さん、こんにちは。お疲れさまです。民主・連合の会の井上剛です。本日、最後となりますので、早速、通告に従い質問させていただきます。よろしくお願いします。

 まず初めに、県政運営指針についてお伺いいたします。

 平成二十四年十一月県議会定例会の代表質問で、私は、二井元知事が十六年にわたって進めてこられた未来デザイン21の後を受け、県民力を集結し、夢を実現していくには、施策の方向性を示すことと、施策の進捗を判断するために、誰もがわかる定量化した指標がとても重要で、次なる県政運営の指針づくりを提案しました。

 ことし二月に知事に就任された村岡知事は、三月議会の所信表明で、「今後の山口県の目指すべき姿を示し、県政を推進するための中期的なビジョンを策定した上で、これに基づく諸施策を速やかに実行してまいります」と言われ、若き知事がどういった夢のある山口県の姿を示すかと期待しました。

 そして、知事を本部長とする未来開拓チャレンジプラン策定本部会議、県民の皆様の声を聞く「元気創出!どこでもトーク」、市町長との意見交換会、そして民間有識者で構成された未来開拓チャレンジプラン懇談会を重ね、九月議会で「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の素案を示され、未来を拓く五つの「未来開拓戦略」と十五の「突破プロジェクト」を掲げられました。

 六月議会で、我が民主・連合の会の秋野県議からも、実質三年となるこの計画の策定について質問がありましたが、「社会経済情勢の急激な変化が予測される中、長期的な施策を構築していくことは大変難しく、実行計画的な性格を持つものとして、四年間という期間設定を行った」と答弁されました。

 そこで、私から二点、知事のお考えをお伺いいたします。

 まず一点目は、プラン作成に当たっての現状把握についてです。

 このプランの中で、山口県の今を見るとして現状認識がされています。私は、この現状認識に当たっては、今まで取り組んできた未来デザイン21の総括が重要であると考えています。

 県では、総合的・計画的な県づくりを着実できめ細かく進めるため、数多くの施策別計画を挙げて取り組んできました。「敵を知らず己を知らずして戦えば百戦危うし」と言われるように、現状を十分にチェックすることが大切です。

 これまでの施策を進めてきた結果として、今の本県の状況、そしてその間の周りの状況を客観的に評価し、施策別計画の結果はどうであったのか、県として進めてきた内容、やり方はどうであったのかと、全ての部門が振り返ってからこそ、効果的な次の戦略やプロジェクトが生まれると考えます。

 今回のプランの作成に当たり、これまでの取り組みをどのように分析し、何をもとに五つの「未来開拓戦略」と十五の「突破プロジェクト」を決められたのか、お伺いいたします。

 二点目は、長期ビジョンの作成についてです。

 かつて、ホンダ技研工業で量産型エアバッグを開発し、現在では中央大学で戦略経営学を御指導されています小林三郎先生は、「企業の今日の収益は、十年から十五年前の経営陣の成果だ。部長以上は三割、役員以上は四割、常務・専務は五割、社長は七割、将来のことを考えなければならない」とおっしゃっています。

 言いかえれば、トップ陣が何もしなくても、今までの流れで現在は何とかなる。しかし、トップ陣が十年、二十年後をしっかり見据えて計画し、行動しなければ、将来にはつながらないということです。

 また、山口県の偉大な先人である吉田松陰先生も、「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。ゆえに、夢なき者に成功なし」ともおっしゃっております。

 このプランでは、県づくりの基本目標のもと、「活力みなぎる山口県」の姿として、五つの姿が掲げられています。これに示されているのは、山口県のところを日本のどこの県に当てはめても通用するものであり、山口県がどういったレベルまでの活力みなぎる県になるかなどの山口県らしさや、山口県だからこそといったものを感じさせません。

 知事は、「社会経済情勢の変化が早く、長期ビジョンを立てるのは難しい」と六月議会で答弁されましたが、目まぐるしく変化する時代だからこそ、私は長期的な将来を見据えたビジョンが必要だと考えます。

 それに向かう中で、その時々の情勢によって、実施すべき施策の優先順位決めや選択と集中をすべきで、そういったものが中期計画に反映されるものだと考えています。

 しっかりとした山口県だからこそのビジョンを示すことが、県職員にとっても県の進むべき全ての分野の方向性がはっきりし、施策や事業実施に際しての判断基準となりますし、何よりも県民力を一つにできると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。

 次に、自然災害対応についてお伺いいたします。

 八月二日からの大雨により、岩国市、和木町で二名の方がお亡くなりになり、住宅では全壊九棟、半壊百八十二棟の被害が出ました。そして、八月二十日には、広島市において局地的集中豪雨による土砂災害により、七十四名の方がお亡くなりになるという大変な被害が出ています。被災された方々に、心よりお見舞いと哀悼の意をささげます。

 気象庁の資料では、我が国における一時間当たり五十ミリを超える短時間強雨は、一九七六年から二○一三年までを見てみますと、千地点当たりの年間観測回数が十年当たりで二十一・五回ずつ増加してきており、直近十年では年平均二百四十・七回にもなり、明瞭な変化傾向があるとされています。

 これに伴い、土砂災害発生件数も同様の期間で見てみますと、十年当たりの平均が年七百八十三回が千百八十回と、この三十五年で一・五倍強にもなっています。そして、今年度も、既に八月三十一日までに、全国で八百八十九件もの土砂災害が発生しています。

 本県を振り返ってみましても、平成二十一年に防府市、平成二十二年には山陽小野田市、美祢市、長門市、萩市、周南市、下関市、昨年は山口市、萩市、そしてことしが岩国市、和木町で、豪雨による大きな災害が発生しています。

 山口県は、地質的にも真砂土や花崗岩が風化した脆弱な地質のところが多く、全国でも広島県、島根県に次いで三番目に土砂災害の発生しやすい県だとされています。まさに、どこで土砂災害が起こってもおかしくない状況です。

 また、国土交通省の調べでは、阪神・淡路大震災及び東日本大震災を除いた昭和四十二年から平成二十三年の間に全国で発生した自然災害による死者・行方不明者の数のうち、土砂災害によるものの占める割合は約四一%と非常に高く、一番身近で怖い自然災害であると言えます。

 そこで、自然災害への対応について、三点お伺いいたします。

 一点目は、住民による自発的な防災活動である地域防災の取り組みについてです。

 平成二十六年版防災白書では、平成二十六年四月に地区防災計画制度が施行されたことを受け、過去の災害からも、自助・共助・公助の中でも共助による地域防災力の強化を言われています。

 その中で、地域防災活動の活性化のためには、地域コミュニティーによる防災に関する人・組織がしっかりしていることが必要で、その体制づくりを支援するとともに、積極的に関連情報の提供を行うなど、地域コミュニティーと行政が連携して対応していくことの重要性を訴えています。

 そうした中、地域防災力の中核を担うのが自主防災組織です。山口県における自主防災組織率は全国平均を上回っているものの、平成二十五年で八八・四%と、前年から約三%しか上昇していません。

 各自治体がこれを整備しなければ、いろいろなガイドラインを出されても進まないと考えます。そのためには、まずはこれを早急に一○○%にすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。

 そして、災害は、いつ、どこで発生するのかわかりません。自治会だけで組織化しても、昼と夜とでは全くメンバーが違ってしまいます。地域防災力を上げるには、自治会だけでなく、地域における学校や企業などの連携した取り組みが必要と考えます。

 県として、地域で一体となった防災活動にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

 二点目は、緊急時の情報伝達についてです。

 こうした自然災害から住民の生命と財産を保全する観点から、防災情報を迅速・確実に伝えることは重要です。その一つとして、防災行政無線があります。

 県では、総合防災情報ネットワークシステムを構築し、YSNと衛星系・地上系の三つのネットワークで、県出先、防災機関、市町へ情報を発信しています。

 県民にとって一番身近な市町の防災行政無線は、災害情報を屋外スピーカーなどで地域住民に通報・周知する同報通信系と、市町村役場などと災害現場の車両などとの間で災害情報の収集や連絡などの通信を行う移動通信系があります。県内十九市町の整備状況を見ますと、同報系が十五市町、移動系が十六市町、MCA無線が二市町で整備され、整備率は一○○%であります。

 今回の広島市の豪雨災害では、雷の音や雨の打ちつける音で、全く無線放送が聞こえなかったと言われています。防府市においても、同報系の無線放送で各地区に情報が流されますが、四方向のスピーカーでも、風向きなどで通常の放送でも家の中では聞こえないと言われますし、土砂災害の発生しやすい台風時は雨戸も閉めるために、何の役にも立たないとの声もあります。

 一部では、地元FM局とタイアップし、その防災ラジオを障害者に無償配付し、希望者には有償で配付しているところもあります。

 NHKの調査では、台風被害時に避難行動のきっかけとなったのは、「エリアメール」二七%、「広報車」二一%、「友人・知人からの電話」一八%であり、エリアメールの有効性も言われていますが、メール操作のなれていない方、身寄りのない方もいます。情報伝達を確実にするには、少しでも多くの手段で伝える手段を準備しておくことが重要です。

 一番身近な土砂災害の特別警戒区域に住んでおられる方々には、こういった戸別受信装置に対し個人負担を軽減して、設置を進めるなどをすべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。

 三点目は、被災時の支援体制についてです。

 災害時の支援には、人的支援、物的支援、精神的支援があると、私は考えています。

 人的支援については、主として各地区の社会福祉協議会が主体となりボランティアセンターを開設され、県内外から駆けつけるボランティアを受け入れ、被災者のニーズに合わせたマッチングなどを行っております。

 精神的支援については、先ほど御紹介がありましたけども、厚生労働省において、大規模災害における精神保健支援のあり方を踏まえ、災害精神保健医療マニュアルが整備され、また、災害派遣精神医療チーム(DPAT)も活動要領において、地域防災計画を策定する際にはDPATの運用についても記述することが望ましいと示されています。

 しかし、物的支援については、その役割が明確になっていないように感じています。災害発生から、人的支援の申し込みと同時に、各地から支援物資の提供の申し込みが行われます。しかし、支援物資の受け入れ・供給体制が明確になっていないと言えます。被災した方々は何を提供してほしいと考えているのか、誰が受け入れるのか、どうやって被災者に必要物資を滞ることなく供給するかなど、情報を一元化できていない場合が多いのです。

 昨年の山口市、萩市を襲いました豪雨災害においても、支援物資の提供について、県、各市に問い合わせしましたが、どちらも「こちらでは受け入れていません」との回答でした。社会福祉協議会に相談し、ボランティアセンターに持ち込みましたが、「こちらではボランティアに提供する物資のみを受け付けている」とのことで、最終的にはここで避難所を確認し、避難所にお届けしました。そして、避難所で、乳幼児・子供服などが不足していることをお聞きし、次の日に集めて提供しました。

 その後、ボランティアとして、被災はしたが、避難まではしていない家庭の泥出しを手伝い、そういった方々には衣類などの支援物資が行き渡っていないことをお聞きしました。

 ボランティアをした方はよくわかると思うのですが、泥出しなどを行うと、汗と細かい泥で衣類はすぐに汚れ、作業終了後にとても洗濯する気力も残っていません。使い捨てできるだけの衣類関係が欲しいのです。

 県及び各市町では、発災時に備え、住民の生活を保持するため、食料や飲料水、毛布、衣類などの必要物資を備蓄しており、避難所にいる方にはそういったものがすぐに届けられていますが、自宅に残って復旧作業をされている方にはなかなか届かないというのが実態です。

 ことしの広島市の災害でも同様でした。災害ボランティアセンターはすぐに立ち上げられましたが、全国からの支援物資を受け入れるところが明確でないために、災害ボランティアセンターも問い合わせで混乱したと聞いています。

 また、ニーズに合わない物資も送ってこられ、活用できずに在庫になってしまっているとも聞いています。

 支援物資について、何が必要かが見える化された災害支援物資管理システムや、それを受け入れ、供給する体制の整備が必要だと考えますが、県の取り組みをお聞きします。

 次に、港湾利用促進についてお伺いいたします。

 日本には九百九十四の港があり、国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾の港格だけで百二十五港もの港湾が存在しています。我が山口県には、国際拠点港湾として二港、重要港湾として四港があり、このうち徳山下松港と宇部港が国際バルク戦略港湾として選定されています。

 私は、昨年六月議会で、山口県発着のコンテナ貨物の利用港の割合が、平成十五年では約六二%が地元山口県を利用していましたが、平成二十年にはそれが五○%以下に減少し、そのほとんどが北部九州の港から輸出入され、陸送されていることを紹介しました。

 そして、港湾利用促進に向け、各港や官と民が連携し、ソフト面、ハード面の整備を行って、山口県の港湾が国際物流ルートとしてより選択されるための取り組みの必要性を訴えました。

 それに対し当時の土木建築部長は、「海外取引のある県内企業を対象に、貨物の輸送経路や港の選択理由などを調査し、企業のニーズを詳細に把握することとしており、今後、この調査結果を踏まえ、ソフト・ハードの両面から、利用促進に向けた取り組みを強化していきたいと考えている」と御答弁されました。

 そして、具体的な取り組みとして、ポートセールスの積極的な実施、新たな荷主企業を開拓、コンテナターミナルの再編強化・整備を行い、新規航路の誘致を進めると答弁されました。

 さて、昨今のグローバル経済の影響により、国際物流の動向にも変化が出てきています。国土交通省の発表した世界の港湾別コンテナ取扱個数ランキングを見てみますと、一九八○年では、上位三十港の中に四位に神戸港、十三位に横浜港、十八位に東京港が入っており、日本の主力港湾がアジア物流ハブの役割を果たしていました。

 しかし、東アジア経済の飛躍的な発展とともに、中国、シンガポール、韓国などによるアジア物流ハブの座を取り巻く熾烈な競争が激しく、二○一二年のトップテンはその三国で九港を占めており、日本は二十九位に東京港が入っただけでした。

 近年の日本企業の海外生産拡大や、荷主と船社の経済性追求の結果に起因した日本港湾離れの傾向がますます強くなっています。

 特に、最近は日本港湾の韓国フィーダー航路化が急速に進んでおり、日本の外貿コンテナ貨物が日本の主力港湾でなく、安価で便宜性のよい韓国の釜山港を外貿の拠点として利用しているのです。

 現在、県内五港で韓国と週二十四便、中国と週十便の運航がされていますが、対韓国や対中国と西日本地域及び四国との物流拠点となるように、釜山港に近い下関港や、既に釜山港との航路のある三田尻中関港などを整備するとともに、積極的なポートセールスをすることが重要ではないでしょうか。

 北九州港では、二、三十年先の将来のあるべき姿を示した長期構想を平成二十三年五月に策定し、既にそうした動きをしつつあります。このままですと、さらに北九州の港に山口県の荷をとられてしまうことも考えられます。

 山口県の港湾に対する構想を見てみますと、国際バルク戦略港湾に選定された徳山下松港についても、こうした長期構想を昨年の十二月に策定され、背後企業の国際競争力を支えるコンテナ物流拠点の形成とありますが、積極的なポートセールスの戦略が見えてきません。

 港湾をめぐるこうした世界の動きに的確に対応し、戦略性と機動性を持って、各港湾が持つ物流機能を高めていくと同時に、東アジアに近いという本県港湾の地理的な優位性を踏まえ、韓国や中国などとのダイレクト輸送の拠点として選択されるポートセールスの実施とともに、国が進めています欧米との基幹航路の維持拡大に向けて、国際戦略港湾である京浜港、阪神港へのコンテナ貨物の集荷対策のため、内航船に対する対応も求められています。

 県として、今後、港湾の利用促進に対しどう取り組んでいかれるのか、御所見をお伺いいたします。

 最後に、観光客の誘致についてお伺いいたします。

 ことし三月に観光庁の発表した旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究によりますと、我が国の国内旅行消費は、二○○六年の三十・一兆円をピークに下降はしているものの、二○一二年は二十二・五兆円であり、観光消費がもたらす生産波及効果は四十六・七兆円、三百九十九万人の雇用効果があったと言われており、消費額で見ますと、アメリカの六十一・七兆円、ドイツの二十八・五兆円に次いで三番目に大きいものです。

 国では、平成二十四年三月に観光立国推進基本計画を策定し、平成二十八年までに国内における旅行消費額を年間三十兆円、訪日外国人旅行者数を年間千八百万人にすることなどを目標に掲げて、その実現に向けた政策を総合的・計画的に推進しています。

 一方、本県では、本年七月に公表された平成二十五年山口県の宿泊者・観光客の動向によると、岩国錦帯橋空港開港!やまぐち往還観光キャンペーンの実施などにより、観光客数は前年比○・四%増の二千八百四十七万四千人と過去最高を記録し、宿泊客数も前年比二・○%増加の四百三十七万九千人とのことであります。関係する方々の御尽力に対し、敬意を表したいと思います。

 また、このたび示された「元気創出やまぐち!未来開拓チャレンジプラン」の素案の中で、産業活力創造戦略として、山口の魅力発信・観光力強化プロジェクトを掲げられ、本県が持つ多彩な魅力を国内外に向けた発信や、山口ならではの観光資源・おもてなしの充実による観光振興を戦略的に推進するとしています。

 具体的には、来年、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」放送、ねんりんピック、世界スカウトジャンボリー、そして平成三十年に迎える「明治維新百五十年」までをやまぐち幕末ISHIN祭として継続したキャンペーンの実施、そして平成三十二年の東京オリンピック開催を踏まえ、外国人観光客の取り込みも視野に入れた情報発信の強化や受け入れ体制の充実を図るとしています。

 しかし、観光立国の取り組みもあり、今や国内は総観光地化と言ってもよい状況にあります。つまり、それだけ競争は激化しているのです。

 そうした中で勝ち抜くには、ブームで来ていただくだけでなく、リピーター客をいかに増加させ、口コミで情報を広げてもらうかが重要であり、SNSの発達した現代では、旅行者自身が強力な情報発信源にもなってくれると考えます。

 米国の研究では、新規顧客を誘致するに係るコストと既存客を再来訪させるコストでは、五倍から十倍の差が開くとされています。

 また、じゃらんリピーター追跡調査二○一二においても、リピートするタイミングは二年以内で七割を超え、名所・旧跡、自然の景色といった典型的な観光コンテンツは、初めて訪れる人にとっては感動的でも、訪れるのが二回目以降となるリピーターにとっては、もはや関心を引くものとは言えないとも言われています。

 さらに、じゃらん宿泊旅行調査二○一二によると、本県に宿泊した方のリピーター率は五八%であり、全国平均の六九%より一○%以上低いことから、来ていただいたときに追体験意欲や成長意欲を刺激することや、来られたときにもう一度来たくなるような新たな情報を提供することが大事であると考えます。

 このため、リピーター獲得に対しては、初回訪問者とリピーターのニーズの違いを把握し、戦略を持たなければなりません。

 県では、平成二十五年十月に策定されたやまぐち観光推進計画において、リピーター率を平成二十八年に七○%にするとした目標が立てられています。

 そこで、国内リピーター率の向上に向けた取り組みとして、二点お尋ねいたします。

 まず一点目は、各市町との協働による魅力づくりについてです。

 各観光地の特性を生かして、地域と県が連携して取り組むことが必要と考えます。幕末、明治維新は確かに我が県の強いブランドですが、国内では既に知られたものであり、これだけでは魅力発信に乏しいと感じています。

 近年、単に有名観光地をめぐるだけでなく、個々の価値観やニーズに応じたテーマ性の強い参加・体験型の旅行に人気が高まっており、特に農山漁村で生活・就業体験を楽しむグリーンツーリズムやエコツーリズム、サイクリングやマラソン、ハイキングなどのスポーツツーリズムなど、地域の観光資源そのものを活用したテーマツーリズムに注目が集まっています。

 例えば、観光庁ランナーズインフォメーション研究所では、歩いて楽しい、走って気持ちがいい、自転車で心地よいコースの紹介をしており、現在二十九のコースが紹介され、中国地方では広島県が三カ所、島根県、鳥取県が各一カ所の五カ所が登録されていますが、本県の登録は残念ながらありません。

 本県にも、角島周辺の日本海岸道や、日本夕陽百選にも選定されている山陽小野田、また、周防大島の瀬戸内街道、秋吉台など、スポーツツーリズムにとってすばらしい魅力を持ったところがたくさんあります。

 県では、こうした地域ごとの観光資源を活用した魅力づくりに向け、各市町と協働し、どう取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。

 二点目は、近隣地域への情報発信についてです。

 観光情報の量は観光地からの距離に反比例して少なくなり、遠方からの観光客を誘致するには大きな魅力と多大なコストを必要とします。特に、首都圏では、国内外の観光地からの勧誘に日々接しており、旅行先の選択肢が大変に多く、本県に振り向いていただくには多大な労力、コストを要します。

 このため、近隣地域に対して山口県の魅力を発信し、近隣地域から観光客をまずは根幹に据え、その上で近い地方都市からの誘客、そして首都圏などへの大規模マーケットへの展開とすることが必要と考えます。

 そこで、近隣県の誘客に向けて、山口県の魅力に関する情報発信にどのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。

 以上で私の一般質問は終わりですけども、最後に、四月に山口市内で買い物をしていますと、お二人のお子様の手を引きながら、御家族でお買い物をされている村岡知事にお会いしました。知事という大変お忙しい中でも子育てを実践している姿に、県民の一人としてうれしく思いました。

 「活力みなぎる山口県」の実現に向け、若き村岡知事にエールを送るとともに、私自身も協働し、力を尽くしていくことを誓い、私の一般質問を終わらせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)



○副議長(畑原基成君) 村岡知事。

    〔知事 村岡嗣政君登壇〕



◎知事(村岡嗣政君) 井上議員の御質問のうち、私からは県政運営指針についてのお尋ねにお答えします。

 まず、チャレンジプラン策定に当たっての現状把握についてであります。

 私は、プランの策定に当たりましては、未来デザイン21などに基づき、歴代知事の皆様が進めてこられた県政を受け継ぎ、これからの進むべき方向や、その道筋をしっかりとつけていかなければならないと考えています。

 このため、プランでは、これまでの県づくりの取り組みや県政が置かれている現状等を把握・検証し、人口減少や少子高齢化の進行、産業構造の変化や中山間地域の活力低下、頻発する自然災害への対応など、新たな県づくりに向けた課題を明らかにしたところです。

 その上で、県政が直面する課題を克服し、将来にわたって山口県の元気を創出していくため、産業、地域、人材の活力の創造、その基盤を支える県民の安心・安全の確保、こうした取り組みを着実に進めるための行財政基盤の強化の五つの「未来開拓戦略」を政策の柱とし、選択と集中の視点に立ち、重点的に政策を進めていく十五の「突破プロジェクト」を設定したところです。

 また、各プロジェクトを進める具体的な施策については、百を超える施策別計画を所管する各部局において、お示しのように、これまで取り組んできた施策の成果や問題等をしっかりと評価・検証した上で、より効果的な施策を立案し、全庁的な視点に立ち、検討を重ねながら施策の重点化を図ったものです。

 次に、長期ビジョンの作成についてです。

 私は、さらなる人口減少や少子高齢化が見込まれる中、山口県の活性化を図るためには、経済活動や県民生活のあらゆる分野において、新たな活力を生み出していくことが重要であると考え、また、県民の皆様と協働して県づくりを進めていくための基本方向は県民の皆様にわかりやすいものにする必要があることから、「活力みなぎる山口県」の実現を基本目標に掲げ、その将来像をお示ししたものです。

 この県づくりの基本目標は、今後の人口推計など、山口県の将来を長期的に見通した上で設定をし、その達成に向けては、急激に変化する時代だからこそ、今、何が必要かを見きわめ、なすべきことを明確にし、中期的な観点から実効ある施策を進めていくことが必要と考え、プランは総合計画と実行計画の性格をあわせ持つものとして、計画期間を四年間としたものです。

 プランでは、山口県のすぐれた面を強みとしてしっかりと生かしながら、本県の実情に即した課題を解決していくために、計画期間に取り組む施策の方向を明らかにするとともに、具体的な実施工程である年次スケジュールや、達成すべき県民共有の数値目標である活力指標をお示しすることとしています。

 このことにより、県職員一丸となって施策や事業を実施することができ、また、県民の力を結集した、より実践的な取り組みにつなげていけるものと考えています。

 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。



○副議長(畑原基成君) 渡邉総務部長。

    〔総務部長 渡邉繁樹君登壇〕



◎総務部長(渡邉繁樹君) 自然災害対応に関する二点のお尋ねにお答えします。

 まず、地域防災の取り組みについてです。

 地域防災力を強化するためには、そのかなめとなる自主防災組織の育成強化が重要であり、県では活動の中核となるリーダーの養成研修等を通じ、市町による組織化の取り組みを支援してまいりました。

 その結果、組織率は着実に上昇し、一定の成果を上げてきたところであり、引き続き、県下全地域における組織化に向け、組織率のさらなる向上に取り組んでまいります。

 さらに、今後はより実効性のある自主防災活動が行われるよう、専門的な知識・技能を有する自主防災アドバイザーの派遣等を通じて、自主防災組織の活性化に取り組んでまいります。

 また、お示しのように、地域全体で防災力を高めていくことが重要であることから、県では、今年度、地域コミュニティ防災活動推進事業を創設し、自主防災組織に加え、学校や企業など、地域の多様な主体が横断的に参画した防災体制づくりを進めており、こうした取り組みを通じて、引き続き市町と連携し、地域ぐるみによる防災力の充実強化に努めてまいります。

 次に、緊急時の情報伝達についてです。

 災害からの被害軽減に当たっては、防災情報を迅速かつ確実に住民に伝えることが重要です。

 このため、市町においては、防災行政無線や広報車による呼びかけなど、さまざまな伝達手段を活用するとともに、県においても、ホームページ等を通じ、防災情報を提供しているところです。

 近年、災害が頻発する中、より確実に防災情報を伝えるためには伝達手段の多様化が重要でありますが、御提案の戸別受信装置を含め、個々の住民への情報伝達につきましては、地域防災に主要な役割を担う市町が地域の実情を踏まえ、さまざまな手段を組み合わせて確保されるべきものであり、県としては個人負担軽減措置等の財政支援は考えておりません。

 市町における多様な情報伝達体制の確保に当たっては、先進事例や国の支援制度の紹介等に努めることで、その整備充実を支援してまいります。



○副議長(畑原基成君) 小松健康福祉部長。

    〔健康福祉部長 小松一彦君登壇〕



◎健康福祉部長(小松一彦君) 自然災害への対応についてのお尋ねのうち、被災時の支援体制についてお答えします。

 災害時における食料や生活必需品等の物資の受け入れや供給については、県及び市町の地域防災計画において市町が主体的に担い、県は広域的・補完的な観点から市町を支援することとなっています。

 このため、各市町においては、地域の状況を踏まえ、計画的な備蓄などにより物資を確保するとともに、災害発生時には避難所におけるニーズ等を踏まえ、必要な物資の種類や数量を把握し、被災者に提供することとしています。

 また、お示しのありました県民の皆様から提供される支援物資につきましても、市町において被災者のニーズを把握し、不足する物資の品目等について十分な周知を行うことにより、適切な受け入れに努めることとされています。

 県としましては、市町からの要請に応じて、県の備蓄物資等を市町に提供するとともに、他県からの応援を要するような大規模災害の場合には、県が窓口となって、物資の提供要請や、その受け入れのための広域輸送基地の確保等を行うこととしています。

 御指摘のありました支援物資への対応につきましては、市町において、地域防災計画に基づき、受け入れ・供給体制を整備し、実際の災害に当たって適切に機能が発揮されるよう助言してまいります。



○副議長(畑原基成君) 北?土木建築部長。

    〔土木建築部長 北?孝洋君登壇〕



◎土木建築部長(北?孝洋君) 港湾利用促進についてのお尋ねにお答えします。

 県内企業の国際競争力を強化し、地域経済の活性化を図るためには、物流の拠点となる港湾の機能強化が必要不可欠であり、お示しのコンテナ貨物の対応についても、港ごとの企業ニーズや取扱貨物量に応じた施設整備など、港湾の利用促進に取り組んでいるところです。

 具体的には、徳山下松港、三田尻中関港のコンテナターミナルの再編整備を推進するとともに、県内港湾を利用していない荷主への訪問などポートセールス活動を実施しており、こうした中、本年八月、新たな中国航路が徳山下松港に就航したところです。

 しかしながら、お示しの昨年度実施したコンテナ物流に関する県の調査では、県内港湾と外国を直接結ぶ航路の拡大を望む意見が多く、また、国の全国調査では依然として県内港湾が十分に利用されていない状況にあることから、さらなる利用促進を図る必要があります。

 このため、県では、今後のハード対策として、徳山下松港のコンテナ冷凍設備の拡張、三田尻中関港のヤードの統合整理や荷役機械の増設など、各港の実情に応じた施設整備の検討を進めてまいります。

 また、ソフト対策としては、本県の地理的優位性を生かし、東アジア主要港と県内港湾を直接結ぶ航路の維持拡大に向けて、荷主となる県内企業に加え、新たに商社や船会社を訪問するなど、ポートセールスの活動を強化してまいります。

 さらに、欧米との基幹航路の維持拡大に向けた国の取り組みを踏まえ、県内港湾と阪神港を結ぶ内航船の利用促進について検討してまいります。

 県としては、今後とも、国や地元関係者と連携を図りながら、港湾機能の充実強化を進め、本県港湾の利用促進に努めてまいります。



○副議長(畑原基成君) 木村商工労働部長。

    〔商工労働部長 木村進君登壇〕



◎商工労働部長(木村進君) リピーター率の向上に向けた観光客誘致に関する二点のお尋ねにお答えします。

 安定的な来訪が期待されるリピーターの確保は、観光交流人口の拡大とともに、観光地のにぎわい創出や魅力向上にもつながることから、その確保に向けた取り組みを積極的に進める必要があります。

 このため、県では、やまぐち観光推進計画の数値目標にリピーター率の向上を掲げ、お尋ねの各市町との協働による魅力づくりや近隣地域への情報発信に取り組むこととしています。

 まず、各市町との協働による魅力づくりについてです。

 県では、昨年度から、複数市町と協働し、専門家の意見も取り入れながら、訴求力のある観光資源の掘り起こしから観光ルートづくり、旅行商品造成までの一連の取り組みを進め、お示しのツーリズムにもつながる広域観光エリアの形成を進めているところです。

 今後、こうした観光ルート等について、さらに魅力のあるテーマも加えながら、市町と一体となったキャラバン活動を積極的に展開し、各エリアの認知度向上とともに、リピーターを含めた誘客の拡大を図ってまいります。

 また、現在展開中の観光キャンペーン、やまぐち幕末ISHIN祭において制作する全県周遊型パスポートブックや観光アプリについても、市町から魅力あるコンテンツを提案いただくとともに、利用期間を「明治維新百五十年」の平成三十年度までとすることにより、観光客の関心の持続とリピーターの確保を図ってまいります。

 次に、近隣地域への情報発信についてです。

 本県の観光は日帰り・通過型にシフトしていることから、県では、経済波及効果が大きい宿泊者数の増加に向けて、首都圏や関西圏でのプロモーションと誘客対策に積極的に取り組んでいるところです。

 一方、お示しの近隣地域については、再び来訪しやすいという地理的特性を踏まえた取り組みを進めていくこととしています。具体的には、日帰りや短期の宿泊に適した観光素材、旬な新着イベント情報などの積極的な情報提供や、自家用車による来県を想定した県内サービスエリアでの折々の観光情報の発信等を行ってまいります。

 また、福岡や広島など、近隣県の百貨店等での物産フェアとのタイアップを強化するなど、効果的なプロモーションを展開してまいります。

 県としては、今後とも、各市町との連携を密にした魅力づくりの強化や、近隣地域への的確な情報発信に努めるとともに、観光資源の一層の磨き上げやおもてなしの充実にも力を入れることにより、リピーター率の向上を図ってまいります。



○副議長(畑原基成君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。

   ─────────────



○副議長(畑原基成君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。

 本日は、これをもって散会いたします。

    午後二時三十一分散会

   ─────────────

     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。


             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学

                   副  議  長   畑   原   基   成

                   会議録署名議員   江   本   郁   夫

                   会議録署名議員   石   丸   典   子